<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ(図示略)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサ(図示略)が各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。加えて、入賞とは異なるものの、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として後述する報知抽選処理を行う。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
図1〜図5の説明に戻り、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップボタン42〜44が設けられている。各ストップボタン42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42〜44には、ストップ検出センサ216a〜218がそれぞれ内蔵されている。すなわち、左ストップボタン42が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ216aにより検知されて左リール32Lの回転が停止し、中ストップボタン43が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ217aにより検知されて中リール32Mの回転が停止し、右ストップボタン44が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ218aにより検知されて右リール32Rの回転が停止する。ストップボタン42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。ストップ検出センサ216a〜218aはストップボタン42〜44の操作を検知するための操作検知手段を構成する。各ストップボタン42〜44には、ストップランプとしての発光体(図9、図40等参照)がそれぞれ内蔵されている。これら発光体は、対応するストップボタン42,43,44の停止操作が有効である場合に点灯表示され、有効な停止操作がなされた場合に消灯表示されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却ボタン55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却ボタン55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン56(所謂、MAXベットボタン)が設けられている。また、第1クレジット投入ボタン56の左方には、第2クレジット投入ボタン57と、第3クレジット投入ボタン58とが設けられている。第2クレジット投入ボタン57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入ボタン58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入ボタン56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入ボタン56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算ボタン59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算ボタン59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための演出制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットボタン72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットボタン72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出球調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットボタン72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基板としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ32l,32m,32r、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ216a〜218a、ストップボタン42〜44が初期位置に配置されていることを検知する初期位置検知センサ216b〜218b、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入ボタン56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算ボタン59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットボタン72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は演出制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
上述したMPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRWM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RWM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RWM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
主制御装置101の出力側には、ストップボタン42〜44に内蔵された発光体205〜207、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ35〜37、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、演出制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
次に、演出制御装置81の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
演出制御装置81には、演算処理手段であるMPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU82には、このMPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、このROM83内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM84などが内蔵されている。
演出制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動制御する。つまり、演出制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基板を設けることにより、メイン基板の負担軽減を図っている。なお、各種表示部60〜62を演出制御装置81が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、演出制御装置81のROM83には、押順報知用動画データ群85aと、特別報知用動画データ群85bとからなるRT状態用動画データ群85が記憶されている。押順報知又は特別報知用動画データ群が補助表示部65に対してセットされることにより、当該補助表示部65においてRT状態中に押順報知又は特別報知が行われる。押順報知及び特別報知については後述する。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるMPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図11は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のMPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU102内の全レジスタの値をRWM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRWM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、MPU102のスタックポインタの値をRWM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRWM106のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRWMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RWM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、MPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ35〜37を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ216a〜218a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを演出制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、演出制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。演出制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RWM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算ボタン59が操作されたか否かを判定し、精算ボタン59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS209の抽選処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、MPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRWM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図14は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3〜20であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図14に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8〜11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12〜19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果対応処理を実行する。かかる処理は、遊技結果によって演出制御装置81に対して所定の演出を実行させるための処理であり、本抽選結果対応処理については後に詳述する。ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、所定の条件のもとステッピングモータ35〜37を駆動制御させる処理を実行し、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる。また、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間(所定時間)が経過したか否かを判定し、各リール32L,32M,32Rの停止制御用の処理を行うことが可能な状態であるか否かを判定する。所定期間を経過した場合には、各リール32L,32M,32Rを停止させることが可能となったことを遊技者に認識可能とすべく、ストップボタン42〜44に内蔵された発光体205〜207を点灯表示させたうえで、ステップS402以降の処理に進む。
ここで当該回転開始処理における上記の所定期間は、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから定速回転に至るまでに要する期間よりも長く設定されている。したがって、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間、すなわち各リール32L,32M,32Rの加速期間中にステップS402に進むことはない。
本実施形態では、上記の所定期間が経過するまでにおいては、ストップボタン42〜44が操作されてもそれに基づく停止制御を行わないだけでなく、ストップボタン42〜44が操作されること自体が規制される。かかる構成については後述するとし、ここではまず各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となり、回転を開始してから所定期間が経過した後の処理について説明する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち対応するストップ検出センサからの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令対応処理を実行する。かかる処理では、所定条件のもと、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合に対応する処理を実行する。本停止指令対応処理については後に詳述する。続くステップS405では、対応する発光体を消灯表示させ、続くステップS406〜412にて、回転中のリールを停止させるべく停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ32l,32m,32rの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RWM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8〜19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図14参照)に、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図16は、IV=8〜19の際にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップボタン42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップボタン42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていれば中ストップボタン43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作する必要がある。
IV=12の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には、図17(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合、図17(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、図17(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図8参照)が停止する。
IV=12の際に当選となった場合に限られず、IV=12〜19の際に当選となった場合であって左ストップボタン42が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=8〜19のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=8〜19の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=8〜19の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=12〜19の際に当選となった場合であって、左ストップボタン42が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン42〜44の操作順序は、図16に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン42〜44のうち、左ストップボタン42が最初に操作されるか、中ストップボタン43が最初に操作されるか、右ストップボタン44が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン43と右ストップボタン44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRWM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS414にて今回のゲームにおける入賞成立役に応じた遊技の進行を実行するべく入賞結果対応処理を実行し、リール制御処理を終了する。入賞結果対応処理については、後に詳述する。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS212のRT状態処理を図18のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグ〜第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図14に示すように、通常遊技状態では、IV=20の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=20の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20〜26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第1RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第2RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第3RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図26は、第4RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図27は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、29個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜29には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=21の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=22の際に当選となる確率は約655分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=24〜29の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜29の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図28は、第5RT状態下でIV=20〜29の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン42〜44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン44の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図6参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図6参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン43の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「50」〜当選フラグ「55」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図29を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=12〜19の際に当選となり、左ストップボタン42を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12〜19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン43及び右ストップボタン44を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21〜26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=24〜29の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=24〜29のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態〜第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
一方で、第5RT状態に移行させる場合(本実施形態においては、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される状況)においては、速やかに移行させることが望ましい。例えば、通常遊技状態から第5RT状態に直接移行する構成とすると、第5RT状態への移行契機となる役(本実施形態では第5再遊技)の当選確率は必然的に低く設定することになり当該移行役に当選するまでのゲームが単調となってしまう。また、その単調さを解消すべく当該移行役の当選確率を高めたうえでストップボタン42〜44の操作順序によって当該移行役が成立する構成とすると、操作順序を報知するか否かによって第5RT状態へ移行する確率が変化することになり上記の単調さは解消する一方で、操作順序を報知する状況となっても移行役に当選するまでの間のゲームが間延びしてしまう。そこで、本スロットマシン10のように、通常遊技状態から第5RT状態に移行する際に第5RT状態と異なる複数のRT状態を経由させ、それぞれの移行役(本実施形態においては、第2再遊技〜第4再遊技)の当選確率を上げることで、操作順序を報知する状況となった場合のゲームの間延びを解消している。
次に、ステップS213のBB状態処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRWM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。またこのとき、RWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、ゲーム数管理処理を実行する。かかる処理については後に詳述するが、各ゲームにおける役の抽選結果とは異なり、各ゲームの進行に関わる処理である。
ステップS607の処理を実行した後、ステップS608〜ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態と第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、BB状態又は第5RT状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
本スロットマシン10では、演出制御装置81がストップボタン42〜44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しにくい状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、主制御装置101が演出制御装置81にストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わせるための処理について説明する。
まず、ステップS607のゲーム数管理処理を図31のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS701では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS702に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、ROM105に設けられたゲーム数抽選カウンタから、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS703では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、主制御装置101のRWM106に設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS701にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS704に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS708〜ステップS711に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS708にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS709にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS710では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS711にてストップボタン42〜44の操作順序を報知するための報知フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、1回のゲームが終了する毎に待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
次に、抽選結果対応処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS801では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS802にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
報知フラグがセットされている場合には、ステップS804及びステップS805にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS806に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態〜第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS807に進み、報知コマンドを演出制御装置81への送信対象としてセットする。報知コマンドは、自身が報知コマンドであること、及びベル又は転落再遊技のいずれに当選しているかを把握できるように複数ビットで構成されている。報知コマンドを受信した演出制御装置81は、今回のゲームにてストップボタン42〜44の操作順序を報知すべく、ROM83のRT状態用動画データ群85のうち押順報知用動画データ群85aを補助表示部65にセットする。このとき、ベルに当選している場合には、ベルを入賞させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知し、転落再遊技に当選している場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知する。一方、ステップS806にて、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、報知コマンドをセットすることなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップボタン42〜44が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップボタン42〜44の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、ストップボタン42〜44の操作順序によらずベルが成立する場合(IV=7の際に当選した場合)は、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わない。
ここで、演出制御装置81によるストップボタン42〜44の操作順序の報知では、ステップS804にてベルに当選していると判定した場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われる一方で、ステップS805にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、全てのストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン42〜44のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており(図16参照)、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されている(図20、図22、図24、図26、図28参照)ことによるものである。したがって、報知コマンドを受信した演出制御装置81は、ベルに当選している場合と転落再遊技に当選している場合とで、押順報知用動画データ群85aから異なるデータを選択する。
ここで、補助表示部65におけるストップボタン42〜44の操作順序の報知(押順報知演出)の内容について、図33及び図34を参照して説明する。図33(a)及び図33(b)は押順報知演出の様子を説明するための説明図であり、図33(a)はベルに当選している場合の押順報知演出の様子を示し、図33(b−1)〜図33(b−3)は転落再遊技に当選している場合の押順報知演出の様子を示している。なお、図33(a)においては、中ストップボタン43を最初に操作した場合にベル入賞が成立する場合を一例として示し、図33(b)においては、中ストップボタン43→右ストップボタン44→左ストップボタン42の順で操作した場合に転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかが成立する場合を一例として示している。また、図34は、補助表示部65において押順報知演出が実行されるタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、図34(a)はスタートレバー41が操作される様子を示し、図34(b)は各リール32L,32M,32Rの回転速度を示し、図34(c)は押順報知演出が実行される様子を示している。
ベルに当選している場合の押順報知演出では、図33(a)に示すとおり、補助表示部65にて、ストップボタン42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく且つベルに対応させて黄色(図では斜線)に表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにてベルに当選していること、及び最初に操作すべきストップボタンが中ストップボタン43であることを認識することができる。
転落再遊技に当選している場合の押順報知演出では、図33(b−1)に示すとおり、補助表示部65にて、再遊技に対応させて水色(図ではドット)の3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では右ストップボタン44に対応する右側のボタン表示)に数字の2が付され、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では左ストップボタン42に対応する左側のボタン表示)に数字の3が付され、これら2番目と3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示は最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示よりも小さく表示される。遊技者が中ストップボタン43を操作して対応する中リール32Mが最終停止すると、図33(b−2)に示すように、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示され、遊技者が右ストップボタン44を操作して対応する右リール32Rが最終停止すると、図33(b−3)に示すように、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて転落再遊技に当選していること及び、各ストップボタン42〜44の操作順序を認識することができる。
押順報知演出の実行タイミングについて説明すると、図34(a)に示すように、t0のタイミングでスタートレバー41が操作されると、図34(b)に示すように各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。各リール32L,32M,32Rは、加速期間を経てt1のタイミングでその回転速度が定速回転に至る。上述の如く、リール制御処理(図15)では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから回転速度が定速回転に至ってから(所定期間が経過してから)、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となる構成としており、これに対して押順報知演出は、図34(c)に示すように、スタートレバー41が操作されたt0のタイミングと同時又は略同時に補助表示部65にて実行される。つまり、ステップS807でセットされた報知コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出制御装置81に送信され、演出制御装置81は当該報知コマンドを受信した場合には、各リール32L,32M,32Rの回転速度等に関わらず、直ちに押順報知演出を実行する構成としている。ここで、押順報知演出を実行する構成として、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至った後に押順報知演出を実行する構成、つまりストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となってから押順報知演出を実行する構成も考えられるが、このような構成とすると、遊技者は押順報知演出が実行されてから操作順序を認識して、ストップボタン42〜44を操作することとなり、円滑に遊技を進行させるという観点からすると好ましくない。これに対して本実施形態のように、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となるよりも前のタイミングで押順報知演出を実行する構成とすることで、ストップボタン42〜44の操作順序を認識したうえで、ストップボタン42〜44の操作が有効となればその後迅速に操作をすることが可能となり、テンポ良く遊技を進行することが可能となっている。
抽選結果対応処理(図32)の説明に戻り、ステップS803にて報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS805にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS808に進み、当選フラグを確認して特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS809にて報知抽選処理を行う。
また既に説明したとおり、当選フラグ「47」〜当選フラグ「49」の場合であって第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選している場合であっても、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立せずに第6再遊技入賞が成立する。この様な場合であっても、ステップS808では、特定役に当選していると判定する。
報知抽選処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が第5RT状態でない場合には、ステップS902に進み、RWM106から取得する乱数に基づいて報知抽選を行う。ステップS903では報知抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、報知抽選に当選した場合には、ステップS904にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS905にて報知フラグをセットし、本処理を終了する。ステップS902の報知抽選では、特定役の種類に応じて報知抽選に当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技の場合に報知抽選に当選となる確率が最も高い100パーセントであり、第1スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が最も低い10パーセントであり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で報知抽選に当選となる確率が低くなるように設定されている。
また、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であると判定した場合には、ステップS906にてRWM106に設けられた蓄積カウンタの値に所定の数値を加算し、本処理を終了する。当該所定の数値は、特定役の種類に応じて異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技である場合には最も大きい「5」であり、第1スイカの場合には最も小さい「1」であり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で蓄積カウンタの値に加算する数値が小さくなるように設定されている。
なお、上記報知抽選に当選する確率や、蓄積カウンタに加算する所定の数値は任意である。
次に、入賞結果対応処理を、図36のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1001では、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1002にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1003にて報知フラグをセットした後にステップS1004に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS1004に進む。ステップS1004では、RWM106から取得する乱数に基づいて、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS1005では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、RWM106に設けられた報知回数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
ステップS1001にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1006に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS1007にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS1008にて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1009にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1010にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。ステップS1011では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS1012にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
報知中処理では、図37のフローチャートに示すように、ステップS1101にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS1102にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS1103にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS1104にて報知回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1105では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1106にて報知フラグをクリアする。続くステップS1107では、蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。一方、蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS1108にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1109にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS1110にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、続くステップS1111にて再び報知フラグをセットして、本処理を終了する。
したがって、蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数カウンタの値が0となった場合であっても、再び所定のゲームではストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる構成としている。蓄積カウンタは、既に説明したとおり、報知抽選処理(図35)にて、報知抽選に当選となる確率や当選となった場合の蓄積カウンタに加算する数値が特定役の種類によって異なるように設定されている。したがって、遊技者は、特定役の種類によって報知抽選処理が行われるか否か、そして、当選となった場合の蓄積カウンタに加算される数値を予測しながら、すなわち、報知フラグがセットされている状態がいつまで継続するかを予測しながら遊技を行うことができる。
次に、停止指令対応処理を、図38のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1201では、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1202〜ステップS1206に示す罰則判定処理を行う。
罰則判定処理では、ステップS1202にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1203にて第1停止指令として左ストップボタン42が操作されたか否かを判定する。左ストップボタン42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1204に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1205にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1206にてRWM106に設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、ゲーム数管理処理(図31参照)では、ステップS704にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS705にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS706にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS707にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果対応処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて肯定判定をしてそのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、当該ゲームの終了後に待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。また、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
次に、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき主制御装置101は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップボタン42〜44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は低く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが非常に困難となっている。
このため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。また、罰則フラグがセットされていない状況で特定役に当選するとともに報知抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップボタン42を最初に操作する必要がある。
待機ゲーム数が0となった場合、報知フラグをセットする。そして、第1RT状態〜第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、演出制御装置81は、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作することにより、図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は高く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが、操作順序が報知されない場合と比較して容易となる。
遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップボタン42〜44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。
第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知フラグを再度セットするとともに、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合の報知抽選に当選すると、特定役の種類によって所定の数値が加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。この結果、待機ゲーム数が0となるまでの間、再びストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、待機ゲーム数が0となる前に移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
本実施の形態においては、第5RT状態となっている状況下にて、チェリー,第1スイカ,第2スイカ等の上記特定役に当選した場合に、報知回数の上乗せが行われる場合がある。この報知回数の上乗せについては、当選した特定役に応じた抽選により決定される通常上乗せと、遊技者の別途操作に応じて上乗せ報知回数が決定される特殊上乗せとに大別される。以下、図39のフローチャートを参照して、特殊上乗せに係る構成、具体的には主制御装置101のMPU102により定期処理(通常処理)の一環として実行される報知回数特殊上乗せ用処理について説明する。
(報知回数特殊上乗せ用処理)
報知回数特殊上乗せ用処理においては先ず、ステップS1301にてRWM106の各種フラグ格納エリアに特殊上乗せモード用フラグが格納されているか否かを判定する。この特殊上乗せモード用フラグは上記特定役の当選に伴う抽選にて特殊上乗せモードへ移行する移行結果となった場合にRWM106の各種フラグ格納エリアに格納されるフラグである。ステップS1301にて否定判定をした場合には、そのまま本上乗せ用処理を終了する。ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわち特殊上乗せモードとなっている場合にはステップS1302に進む。
ステップS1302では、クレジット投入検出センサ56aからの検知情報に基づいて第1クレジット投入ボタン56(以下、MAXベットボタン56という)が操作されたか否かを判定する。特殊上乗せモード用フラグが格納されている状況下では、MAXベットボタン56が上乗せ抽選用の操作手段として機能する。本実施の形態における特殊上乗せモードについては当該遊技回が終了する前に実行される構成となっている。具体的には、一時的に次の遊技回への移行が規制され、最終的に遊技者の停止操作に応じて図柄組み合わせが停止表示(確定表示)される前に実行される構成となっている。このような事情から、特殊上乗せモード中はMAXベットボタン56の操作に基づいた賭け数の設定が回避されることとなる。
ステップS1302にて否定判定をした場合には、そのまま本上乗せ用処理を終了する。ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では、MAXベットボタン56の操作に基づいて取得した抽選用の乱数とROM105の各種テーブル記憶エリアに記憶されている上乗せ用抽選テーブルとを参照して、上乗せする報知回数を決定する。続くステップS1304ではステップS1303にて決定した報知回数に基づいて報知回数上乗せ処理を行う。具体的には、決定した報知回数を上記報知回数カウンタに加算し、演出制御装置81に報知回数の上乗せが発生した旨を示すコマンドを出力する。本実施の形態においては、残り報知回数が補助表示部65に表示可能となっている。演出制御装置81ではこのコマンドに基づいて、残り報知回数が上乗せされた旨を遊技者に報知すべく補助表示部65に表示されている報知回数の更新処理(表示制御処理)を行う。
ステップS1305の処理を実行した後は、ステップS1305に進む。ステップS1305では、特殊上乗せモードの継続抽選処理を実行する。具体的には、MAXベットボタン56の操作に基づいて取得した抽選用の乱数とROM105に記憶されている継続抽選テーブルとを参照して、本特殊上乗せモードを継続するか否かを決定する。ステップS1305の継続抽選処理にて継続結果となった場合には、ステップS1306にて肯定判定し、ステップS1307に進む。ステップS1307にて上乗せモード継続処理を実行した後は、そのまま本上乗せ用処理を終了する。上乗せモード継続処理においては、演出制御装置81に特殊上乗せモードが継続する旨を示すコマンドを出力する。演出制御装置81では、このコマンドを受信することにより、特殊上乗せモードが継続する旨を示す演出を行うとともに、遊技者にMAXベットボタン56の再操作を促すための画像等を表示する。
これに対して、ステップS1305の継続抽選処理にて非継続結果となった場合には、ステップS1306にて否定判定し、ステップS1308に進む。ステップS1308では特殊上乗せモードの終了処理を実行する。具体的には、遊技回の終了規制を解除して次遊技回への移行を許容する。そして、特殊上乗せモードが終了した旨を示すコマンドを演出制御装置81へ出力する。演出制御装置81では特殊上乗せモードが終了した旨を示す表示を行う。
ステップS1308にて上乗せモード終了処理を実行した後は、ステップS1309へ進む。ステップS1309にてRWM106の各種フラグ格納エリアに格納されている特殊上乗せモードフラグを消去した後、本上乗せ用処理を終了する。
以上詳述したように、特殊上乗せモードへ移行した場合には、MAXベットボタン56が操作される毎に、抽選によって上乗せ回数が決定され且つ当該特殊上乗せモードの継続/非継続が決定される。つまり、特殊上乗せモードにおいては、継続抽選に漏れるまで、連続して上乗せが発生することとなる。この際、MAXベットボタン56を繰り返し操作する必要が生じることにより、遊技者の操作に係る負担が大きくなり得る。また、単調な操作の繰り返しは遊技者に煩わしい等の印象を与え、遊技意欲を低下させる要因になるため好ましくない。
本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫が施されていること(操作サポート機能が付与されていること)を特徴の1つとしている。当該工夫においては、スロットマシン10の前面扉12に搭載された可動演出装置220が利用されている。ここで、図40及び図41を参照して可動演出装置220について補足説明し、その後、本可動演出装置220を用いた操作サポート機能について説明する。図40は可動演出装置220及びその周辺を示す図1の部分拡大図、図41(a)は図40の水平断面図、図41(b)は図41(a)のA−A線部分断面図である。
図40に示すように、可動演出装置220は、遊技機前面部を構成する前面扉12の背面部分に搭載されており、遊技機正面視にてリールユニット31と横並びとなる位置、具体的にはスタートレバー41の上方となる位置に配設されている。前面扉12の遊技パネル25にて表示窓26Lの側方となる部分、詳しくは可動演出装置220を構成する可動体221と対峙する部分は透明となるように形成された透過部26Xとなっており、この透過部26Xを通じた可動体221の視認性が確保されている。より具体的には、可動体221は遊技パネル25に対向する平板状をなしており、その前面部分には女の子のキャラクタを模した装飾が施されている。この装飾が透過部26Xを通じて視認可能となっている。
可動体221は当該可動体221の下端部にて回動可能となるように軸支されており、透過部26Xの隣の表示窓26L側へ突出する演出位置と、当該表示窓26Lへの突出が回避された待機位置との間での変位が許容されている。なお、可動体221の動作範囲(回動範囲)、すなわち待機位置及び演出位置についてはストッパによって規定されているがこれら動作範囲を規定する構成については図示を省略している。
可動体221の軸支箇所にはモータ222(「駆動部」に相当)の出力軸が連結されている。モータ222は演出制御装置81に接続されており、演出制御装置81からの駆動信号に基づいて回動する。つまり、演出制御装置81は、可動体221の姿勢制御手段としての機能が付与されている。可動演出装置220を用いた演出が実行される場合には、待機位置に配置された可動体221が演出位置へと変位し、再び待機位置に復帰することとなる。
ここで、図41に示すように、MAXベットボタン56は、押圧操作の対象となる操作面部251a,251bが形成された操作部材251と、操作部材251を押圧方向に変位可能に保持するホルダ252と、操作部材251を操作位置から非操作位置へ向けて付勢するバネとを有してなり、操作部材251の操作部分が上向きとなるようにして前面扉12に配設されている。
操作部材251における操作部分は、遊技パネル25を境に前後に位置するように形成されている。以下の説明においては、遊技パネル25よりも手前側に位置する操作部分を「手前側操作面部251a」、遊技パネル25よりも奥側(遊技機内部)に位置する操作部分を「奥側操作面部251b」として区別する。
手前側操作面部251aについては遊技者が操作可能となる位置に存在しており、この手前側操作面部251aが操作されることで、操作部材251が非操作位置/操作位置に変位する。これに対して、奥側操作面部251bについては上記可動体221と同様に透過部26Xを通じた視認性が確保されている一方で、遊技機前方から直接アクセスできない位置に隔離されている。つまり、奥側操作面部251bの操作の主体については遊技者ではなく、遊技機内部に格納された構成となっている。
具体的には、奥側操作面部251bは、操作部材251が操作位置に配置されている状態では、可動体221(突出部221b)の動作経路上から外れた位置に待機し、操作部材251が非操作位置に配置されている状態では、可動体221(突出部221b)の動作経路上に位置する構成となっている。このため、詳細については後述するが、可動体221が待機位置から演出位置へ移動する場合には、可動体221に押圧された操作部材251が当該可動体221に追従するようにして非操作位置から操作位置へ変位することとなる。
本実施の形態に示す可動演出装置220の可動体221については、演出の進行に伴って動作する場合と、遊技者の所作(所定の動作)に基づいて動作する場合とがある。本実施の形態においては、所定の状況下にて遊技者の動作が監視される構成となっており、遊技者によって所定の動作が行われた場合には、それに基づいて可動体221が演出位置へ移動することとなる。ここで、図42の概略図を参照して当該監視に係る構成について説明する。
前面扉12にて補助表示部65が配設されている部分は遊技パネル25よりも前方に膨出しており、この膨出部分66にモーションセンサ231が埋設されている。モーションセンサ231は演出制御装置81に接続されており、遊技パネル25の前方に設けられた検知領域DEにて何らかの動きがあった場合にはモーションセンサ231からのその旨を示す検知情報(信号)が演出制御装置81に出力される。演出制御装置81では、この検知情報に基づいて検知領域DEにおける動きの有無を監視(把握)する構成となっている。
検知領域DEについては、遊技パネル25の前方に形成された凹部に合せて設定されているものの、MAXベットボタン56の周辺、より詳しくはMAXベットボタン56(手前側操作面部251a)の上方となる領域を含まない構成となっている。つまり、MAXベットボタン56を押圧操作する際の操作領域については検知領域DEから除外された非検知領域となっている。
例えば、検知領域DEへ遊技者が手をかざした場合には、モーションセンサ231によってその動きが把握され、その動作を契機として可動体221が動作することとなる。つまり、可動体221については演出制御装置81が独自に設定した演出内容に応じて動作する場合(遊技演出の流れで動作する場合)と、遊技者の所作を契機として動作する場合とがある。ここで、図43のフローチャートを参照して、演出制御装置81のMPU82により定期所定の一環として実行される可動演出装置用駆動制御処理について説明する。
(可動演出装置用駆動制御処理)
可動演出装置用駆動制御処理においては先ず、ステップS1401にて可動演出装置220対応の演出が実行される遊技回であるか否かを判定する。ステップS1401にて肯定判定をした場合にはステップS1402に進む。ステップS1402では上記演出を開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では可動体221を待機位置から演出位置へ移動させるべくモータ222へ駆動信号を出力する。
なお、この駆動信号に基づく可動体221の動作態様としては、最初に小刻みに動く煽り動作を経て演出位置へ移動する態様と、当該煽り動作を経由せず一気に演出位置へ移動する態様とが設けられている。何れの動きが発生した場合であっても可動演出装置220対応の演出が行われない場合と比較して上記特定役やボーナス等が成立する期待度が高くなるように設定されており、当該期待度については前者と比較して後者の方が更に高くなるように差が設けられている。
ステップS1403にて駆動信号の出力処理を実行した後は、ステップS1404に進む。ステップS1404では、モーションセンサ231からの検知情報に基づいて可動体221を動作させることでMAXベットボタン56を操作する拡張機能、すなわちMAXベットボタン56に直接触れなくても当該MAXベットボタン56の操作を可能とする上記サポート機能を無効する。その後、本駆動制御処理を終了する。拡張機能(サポート機能)が無効化されることにより、以降は再び当該機能が有効化されるまで、モーションセンサ231のからの検知情報に基づいた可動体221の駆動制御が不可となる。
ステップS1402に説明に戻り、当該ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では可動演出装置220に係る演出の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1405にて否定判定をした場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。
ステップS1405にて肯定判定をした場合には、ステップS1406にて待機位置への復帰処理を実行する。具体的には、モータ222に対して可動体221を演出位置から待機位置へ復帰させるための駆動信号を出力する。因みに、本実施の形態に示す可動演出装置220には、可動体221が待機位置に配置されているか否かを検知する位置検知センサ225が設けられており、待機位置への復帰が確認されていない場合には、可動体221を待機位置へ復帰させるべくリトライ処理が実行されることとなる。
ステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1407に進む。ステップS1407ではステップS1404にて無効化した拡張機能(サポート機能)を再び有効化する処理を行う。これにより、以降はモーションセンサ231のからの検知情報に基づいた可動体221の駆動制御が許容される。このように、本実施の形態においては、可動演出装置220を用いた演出が実行される場合には、上記拡張機能(サポート機能)が可動演出装置220本来の演出機能を妨げないように規制され、可動演出装置220による演出が実行されていない状況下であることを前提として拡張機能(サポート機能)が発揮される構成となっている。
なお、可動演出装置220(可動体221)には、上記装飾を後方から照らすバックライトが付属しており、演出実行時にはこのバックライトが点灯させることで装飾が発光しているように見せる一方、上記監視手段による監視結果に基づいて動作する場合には、このバックライトが消灯したままとなるように差別化されている。これにより、可動体221の動作契機が分かりづらくなることを抑制している。
ステップS1401の説明に戻り、当該ステップS1401にて否定判定をした場合、すなわち可動演出装置220に係る演出が実行される遊技回ではないと判定した場合には、ステップS1408に進む。ステップS1408では、特殊上乗せモードに係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS1408にて肯定判定をした場合にはステップS1409に進む。ステップS1409では上記拡張機能(サポート機能)が有効となっているか否かを判定する。ステップS1408及びステップS1409の何れかにて否定判定をした場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。
なお、本実施の形態に示すスロットマシン10においては、遊技が行われることなく所定の期間を経過した場合には待機状態に移行し、この待機状態にて所定の切替操作を行うことにより、遊技者が任意に上記拡張機能(サポート機能)を有効/無効に切り替えることが可能となるように構成されている(切替機能が付与されている)。つまり、ステップS1409の判定処理においては、これら設定条件及び演出進行に係る時期的条件の両方を満たしている場合に肯定判定される。
ステップS1408及びステップS1409の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS1410に進む。ステップS1410ではモーションセンサ231からの検知情報に基づいて、単発動作対応の所作(具体的には、遊技パネル25の前方(検知領域DE)に手等を近づける行為)が行われたか否かを判定する。ステップS1410にて当該所作が行われたと判定した場合にはステップS1411に進む。
ステップS1411では可動体221の駆動処理を実行する。具体的には、モータ222へ駆動信号を出力することにより、可動体221を待機位置→演出位置→待機位置へ移動させる。このようにして可動体221を動作させた後に、本駆動制御処理を終了する。
ステップS1410にて否定判定をした場合には、ステップS1412に進む。ステップS1412ではモーションセンサ231からの検知情報に基づいて、連続動作対応の所作(具体的には、遊技パネル25の前方(検知領域DE)に手等をかざし続ける行為)が行われた可否かを判定する。ステップS1412にて当該所作が行われたと判定した場合にはステップS1413に進む。ステップS1413では可動体221の連続駆動処理を実行する。連続駆動処理においては、可動体221を連続して動作させるべく駆動信号の出力切り替えを行う。これにより、可動体221は演出位置と上記待機位置との中間位置〜演出位置の間を往復することとなる。つまり、連続動作対応の所作が行われた場合には、遊技者が手等をかざしてさえいれば、可動体221による奥側操作面部251b(操作部材251)の操作が繰り返されることとなる。
ここで、図44の概略図を参照して、MAXベットボタン56の操作態様について補足説明する。既に説明したように、MAXベットボタン56(操作部材251)には遊技者による操作対象として機能する手前側操作面部251aと、遊技者が直接アクセスすることができないように遊技機内に格納された奥側操作面部251bが設けられている。
図44(a)に示すように、手前側操作面部251aが押圧操作された場合には、操作部材251が操作位置へと降下し、MAXベットボタン56が非操作状態から操作状態に切り替わる。この際、手前側操作面部251aとともに奥側操作面部251bが下方へ変位することにより当該奥側操作面部251bと可動体221との離れが大きくなり、上記操作状態への切り替えに伴って奥側操作面部251bが可動体221の動作範囲から外れることとなる。これにより、奥側操作面部251bが可動体221の動作の妨げになることが回避される。
一方、MAXベットボタン56が非操作状態となっている状況下にて可動体221が待機位置から演出位置へ変位すると、可動体221によって奥側操作面部251bが下方へ押されることとなる。図44(b)に示すように、可動体221によって下方へ押された操作部材251は可動体221に追従して降下する。これにより、MAXベットボタン56が非操作状態から操作状態に切り替わる。この際、奥側操作面部251bだけでなく手前側操作面部251aについても降下する。このため、遊技者は手前側操作面部251aの位置を目視で確認することにより、MAXベットボタン56が操作状態に切り替わった旨が把握できる。
既に説明したように特殊上乗せモードにおいては、MAXベットボタン56が操作される度に上乗せ抽選等が実行される構成となっている。MAXベットボタン56の繰り返し操作(連打)については、遊技者への負担が大きくなる。この点、上記検知領域DEに手をかざした状態に維持することにより、可動体221が往復動してMAXベットボタン56が繰り返し操作されることとなり、操作に起因した疲労を緩和することが可能となっている。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
MAXベットボタン56が操作されることにより所定の制御処理(かけ数設定や上乗せ抽選)を行う構成においては、遊技者の遊技への参加を促すことができる。しかしながら、遊技制御手段にて所定の制御処理を実行させる場合にMAXベットボタン56の操作が必須となることは、遊技者に煩わしい等の印象を与えて遊技意欲の向上を妨げる要因になり得る。この点、本実施の形態に示した構成によれば、可動演出装置220を構成する可動体221の変位によって奥側操作面部251bが操作され、奥側操作面部251bの操作に基づいて所定の制御処理が実行される。つまり、可動体221が動作することにより手前側操作面部251aを直接操作しなくても所定の制御処理が実行されるようにサポートすることができる。このように構造的側面からサポート機能を強化することにより、上記不都合の発生を抑制できる。また、演出手段として機能する可動体221に操作用の作用部としての機能を付与することにより、利便性の向上に起因して遊技機に係る構成が煩雑になることを好適に抑制できる。
奥側操作面部251b及び可動体221の視認性を担保することにより、可動体221の動きが奥側操作面部251bの操作に関与していることを目視にて把握することができる。手前側操作面部251aの操作を行っていない場合にどのような流れで所定の制御処理が実行されるかを遊技者が把握しやすくすることには、遊技の流れが分かりにくくなることを抑制できるという技術的意義がある。
可動体221によって奥側操作面部251bが操作された場合には、それに追従するようにして手前側操作面部251aが非操作位置から操作位置へ変位する。このように、可動体221が動作した場合に手前側操作面部251aを直接操作(押圧操作)した場合と同様の事象を発生させることにより、可動体221の動作と手前側操作面部251aの操作との関係を遊技者が把握しやすくなる。奥側操作面部251bが遊技機内部に配設されている構成においては、手前側操作面部251aと比べて当該奥側操作面部251bの視認性は低くなる。また、手前側操作面部251aと奥側操作面部251bとが併用されることにより両者の関係性が分かりにくくなる可能性を否定できない。この点、手前側操作面部251aが奥側操作面部251bよりも遊技者に近い位置へ配置されている点に鑑みれば、相対的に視認性が高くなる手前側操作面部251aを変位させて視覚的な変化を発生させることには技術的意義がある。
可動体221によって所定の演出を行う構成においては、手前側操作面部251aが操作されている場合に可動体221の演出位置への変位が妨げられることにより、所定の演出が上手く行われなくなる。これは、演出機能が上手く発揮されなくなる要因になるため好ましくない。そこで、本実施の形態に示すように手前側操作面部251aの操作によって奥側操作面部251bを可動体221から遠ざけることにより、手前側操作面部251aが操作されている状況下であっても可動体221の演出位置への移動を許容することが可能となる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
可動体221が待機位置に復帰する際には、可動体221の前記待機位置への変位に遅れるようにして奥側操作面部251bが操作位置から非操作位置へ復帰するように構成されている。係る構成によれば、可動体221に復帰方向へ向けた力が加わることを抑制して当該可動体221を保護できる。故に、可動体221を操作用の作用部として利用することによって当該可動体221に付与された演出機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
MAXベットボタン56には、遊技の開始操作が行われる前に操作(かけ数設定操作)される開始前操作手段としての機能と、遊技中に操作(上乗せ抽選操作)される遊技中操作手段としての機能とが付与されており、開始前操作が行われて待機位置に復帰している状態にて開始操作が行われることにより、遊技が開始される構成となっている。仮にMAXベットボタン56が操作されたままの状態では、可動体221の変位が空振りに終わる可能性が高くなる。つまり、可動体221による上記サポート機能等が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、MAXベットボタン56から手を離した状態にて開始操作が可能となる構成を併用すれば、手前側操作面部251aの存在が邪魔になって上記不都合が発生することを好適に抑制できる。
遊技者の挙動(様子)を監視し、所定の動き(仕草や所作)を合図として可動体221が動作する。所定の制御処理を実行させる際にわざわざMAXベットボタン56(手前側操作面部251a)に触れて操作しなければならないといった操作に係る制約を緩和し、遊技者の利便性の向上に貢献できる。
上述した所定の動きを監視する範囲(検知領域DE)については、MAXベットボタン56の前方となる領域が外れている。このため、例えば遊技者が上記所定の動きを行うことにより、遊技者の手等によってMAXベットボタン56が隠れることを抑制できる。これにより、可動体221の動作→奥側操作面部251bの操作の流れについて視認性が低下することを抑制できる。
演出用の可動体221を用いて奥側操作面部251bを操作する構成においては、遊技者が手前側操作面部251aを操作しようとした際に当該操作に先んじて可動体221による奥側操作面部251bの操作がなされることが遊技者を困惑させる要因になり得る。また、可動体221を用いた所定の演出される際に、当該演出に割り込むようにして可動体221による奥側操作面部251bの操作がなされることで、あたかもそれが所定の演出の一部であるかのような誤解を生む可能性が生じる。そこで、本実施の形態に示したように、所定の規制条件が成立している場合には可動体221の動きを規制する構成とすることにより、上述したような困惑の発生を抑えることができる。
可動演出装置220によって所定の演出が行われる場合には、演出用の動きと操作用の動きとが混在することで遊技者が困惑すると懸念される。そこで、所定の演出が行われる場合には、遊技者の挙動に基づいた可動体221の操作機能をOFFにすることにより、そのような不都合の発生を抑制することができる。このような場合であっても、手前側操作面部251aの操作については規制されているわけではないので遊技進行が妨げられる等の不都合は生じない。
上述したサポート機能が付与された遊技機であっても、遊技者によっては基本となっている操作(手前側操作面部251aの操作)を好む場合もある。そこで、本実施の形態に示したように監視結果に基づく可動体221の動作の可否を遊技者の切替操作に基づいて切り替える構成とすることにより、遊技者の様々な趣向に対応させることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
<第2の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第2の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図45はパチンコ機310を正面側から見た斜視図、図46及び図47はパチンコ機310の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図46では便宜上パチンコ機310の遊技領域PE内の構成を省略している。
図45に示すように、パチンコ機310は、当該パチンコ機310の外殻を形成する外枠311と、この外枠311に取り付けられた遊技機主部312とを有している。
外枠311は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠311を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機310が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機310において外枠311は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠311が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部312は、外枠311によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠311における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具317が固定されており、さらに外枠311における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具318が設けられている。これら上側支持用金具317及び下側支持用金具318により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠311に対して遊技機主部312がパチンコ機310の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機310の前方へ回動可能とされている(図46及び図47参照)。
図46に示すように、遊技機主部312は、ベース体としての内枠313と、その内枠313の前方に配置される前扉枠314と、内枠313の後方に配置される裏パックユニット315とを備えている。なお、遊技機主部312のうち内枠313が外枠311に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠313が前方へ回動可能とされている。
内枠313には、前扉枠314が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠313には、裏パックユニット315が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図47参照)。
(前扉枠314)
次に、前扉枠314について説明する。図46に示すように、前扉枠314は、外形が外枠311とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体320を主体に構成されており、内枠313における前面のほぼ全域を覆っている。枠体320の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部321が形成されており、その窓部321はガラスユニット322によって同前扉枠314の背面側から塞がれている。
ガラスユニット322は、透明性を有する複数のガラスパネル323と、それらガラスパネル323を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル323の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル323は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル323の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル323同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル323によって遊技領域PEをパチンコ機310の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル323をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル323を枠体320に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図45に示すように、ガラスユニット322(詳しくは窓部321)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部321の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部326が設けられている。環状電飾部326では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部326の中央であってパチンコ機310の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部327が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部328が設けられている。また、左右の賞球ランプ部328に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部329が設けられている。
前扉枠314(枠体320)における窓部321の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部331と下側膨出部332とが上下に並設されている。上側膨出部331内側には上方に開口した上皿333が設けられており、下側膨出部332内側には同じく上方に開口した下皿334が設けられている。上皿333は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿334は、上皿333内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部332の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル341が設けられている。遊技球発射ハンドル341が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
上述した環状電飾部326、上側膨出部331及び遊技球発射ハンドル341には、遊技者による操作対象として各種操作部が設けられている。具体的には、遊技球発射ハンドル341には第1操作部342が設けられ、上側膨出部331の上面部分には第2操作部343が設けられ、環状電飾部326には第3操作部344が設けられている。これら第1操作部342〜第3操作部344については全て押圧タイプとなっており、操作態様が共通化されている。
第1操作部342〜第3操作部344については、遊技球発射ハンドル341からの距離が第3操作部344 <第2操作部343 < 第1操作部342の順に小さくなるように配置されており、第1操作部342は遊技者が遊技球発射ハンドル341に手を添えたままの状態(発射操作を行っている状態)で指が届く位置に配設されているのに対して、第2操作部343及び第3操作部344については遊技球発射ハンドル341を操作している手の指を伸ばしても届かない位置に離して配設されている。
詳細については後述するが、これら第1操作部342〜第3操作部344が操作されることで操作に対応する操作対応演出が実行されることとなる。
前扉枠314の背面には、図46に示すように、通路形成ユニット345が取り付けられている。通路形成ユニット345は、合成樹脂により成形されており、上皿333に通じる前扉側上皿通路と下皿334に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット345において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿333に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿334に導かれることとなる。
前扉枠314の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠313に対する組付機構を構成する。また、前扉枠314の背面における回動先端側には、図46に示すように、後方に延びる鉤金具349が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具349は内枠313に対する施錠機構を構成する。
(内枠313)
次に、図46及び図47に基づき内枠313について詳細に説明する。内枠313は、外形が外枠311と同様に略矩形状をなす樹脂ベース350を主体に構成されている。樹脂ベース350の高さ寸法は、外枠311の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース350は外枠311の上側枠部に寄せて配置され、外枠311の下側枠部と樹脂ベース350との間には若干の隙間が形成されている。外枠311にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース350(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠313が外枠311に対して閉じられた状態では樹脂ベース350が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース350の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具351,352が取り付けられている。支持金具351,352には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠314の突起軸が挿入されることにより、内枠313に対して前扉枠314が回動可能に支持されている。
樹脂ベース350の前面における回動先端側には、前扉枠314の背面に設けられた鉤金具349を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機310では、図47に示すように、内枠313や前扉枠314を施錠状態とするための施錠装置355が内枠313の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具349が挿入孔を介して施錠装置355(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠314が内枠313に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置355は、内枠313の後方へ延びる内枠用鉤部材357を有している。これら内枠用鉤部材357が外枠311の鉤受け部材319に引っ掛かることにより遊技機主部312が外枠311に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース350の右下隅部には、施錠装置355の解錠操作を行うためのシリンダ錠358が設置されている。シリンダ錠358は施錠装置355に一体化されており、シリンダ錠358の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠313に対する前扉枠314の施錠が解除され、シリンダ錠358の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠311に対する内枠313の施錠が解除されるように施錠装置355が構成されている。
樹脂ベース350の中央部には略楕円形状の窓孔354が形成され、樹脂ベース350に装着された遊技盤360によって同窓孔354が後方から塞がれている。遊技盤360は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔354を通じて樹脂ベース350の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤360の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
なお、遊技盤360は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。また、樹脂ベース350に対して遊技盤360を遊技前方から搭載する構成とすることも可能である。
以下、図48に基づき遊技盤360(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図48は遊技盤360の正面図である。
(遊技盤360)
遊技盤360には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口361、作動入球部362,363、可変入球装置364,365、スルーゲート366、可変表示ユニット367等がそれぞれ配設されている。一般入賞口361、作動入球部362,363、可変入球装置364,365への入球が発生すると、それが遊技盤360の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
その他に、遊技盤360の最下部にはアウト口368が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口368を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口368への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口361、作動入球部362,363、可変入球装置364,365、スルーゲート366への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤360には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘369が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘369や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口361等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット367は遊技盤360の中央に配されており、同可変表示ユニット367の周辺に上記作動入球部362,363等が配設されている。作動入球部362,363は、可変表示ユニット367の下方に上下に並べて配置されている。以下便宜上、上側の作動入球部を「上側作動入球部362」と称し、下側の作動入球部を「下側作動入球部363」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)363については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物371が設けられている。電動役物371は、左右一対の可動片371aと同可動片371aを駆動させるソレノイド式の電動役物駆動部371bとを有してなり、当該可動片371aを動作させることにより下側作動入球部363における入口部(下側作動口363a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット367の右側となる領域及び左側となる領域には、上記スルーゲート366がそれぞれ配置されており、遊技球のスルーゲート366の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物371が予め設定された時間に亘って開状態となる。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)364,365については、可変表示ユニット367の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット367の下方(詳しくは作動入球部362,363の下方)に配置された可変入球装置を「下側可変入球装置364」と称し、可変表示ユニット367の右方(詳しくは下側作動入球部363の下方)に配置された可変入球装置を「右側可変入球装置365」と称する。
下側可変入球装置364は、遊技盤360の背面側へと通じる下側大入賞口364aを備えているとともに、当該下側大入賞口364aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、下側大入賞口364a用の開閉部材としての開閉扉364bを有してなる。開閉扉364bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉364bは遊技盤360の背面側に設けられた可変入球駆動部364c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉364bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、右側可変入球装置365についても同様に、遊技盤360の背面側へと通じる右側大入賞口365aを備えているとともに、当該右側大入賞口365aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、右側大入賞口365a用の開閉部材としての開閉扉365bを有してなる。開閉扉365bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉365bは遊技盤360の背面側に設けられた可変入球駆動部365c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉365bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置364,365の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては0.6sec又は30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては9ラウンド)を上限とした開閉扉364b又は開閉扉365bの開放が繰り返されるように設定されている。
また、開閉実行モードにおいては、下側可変入球装置364(下側大入賞口364a)が開放の対象となる場合と、右側可変入球装置365(右側大入賞口365a)が開放の対象となる場合とが設定されている。これら両開放態様については、後述する大当たりの種類に応じて選択される。
ここで、各作動入球部362,363及び各可変入球装置364,365の配置について補足説明する。
上記可変表示ユニット367の左側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット367の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット367の下側となる領域、すなわち上側作動入球部362及び下側作動入球部363が配置されている領域へと誘導されやすくなっている。この際、両作動入球部362,363を素通りした遊技球は下側可変入球装置364へと流下し、当該下側可変入球装置364の下側大入賞口364aへ入球しなかった場合には、アウト口368を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、上記右側可変入球装置365については可変表示ユニット367の左側となる領域を流下した遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、可変表示ユニット367の左側となる領域へ向けて発射された遊技球の右側大入賞口365aへの入球が回避されている。
また、可変表示ユニット367の右側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット367の側方を通過した遊技球は右側可変入球装置365へ向けて流下する。右側可変入球装置365には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット367の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部363)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、右側可変入球装置365の右側大入賞口365aを素通りした遊技球は下側作動入球部363へ向けて流下することとなる。そして当該下側作動入球部363を素通りした遊技球は下側可変入球装置364へ向けて流下する。ここで、上側作動入球部362については、可変表示ユニット367の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、同遊技球は両可変入球装置364,365及び下側作動入球部363への入球が許容されている一方で、上側作動入球部362への入球が回避されている。
なお、本実施の形態においては、上述したように可変表示ユニット367の左右両側にスルーゲート366をそれぞれ配置しているため、遊技球を可変表示ユニット367の左右のどちらに向けて発射したとしても(遊技状況に応じて打ち分けを行ったとしても)下側作動入球部363の電動役物371によるサポート機能が担保される。
次に、可変表示ユニット367について説明する。可変表示ユニット367は、作動入球部362,363への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置375と可動式の演出装置としての可変表示装置376と有している。これら両表示装置375,376は、図柄表示装置375を奥側、可変表示装置376を手前側として前後に並設されており、両表示装置375,376における各種演出を見る際の目線の移動量の低減が図られている。
また、可変表示ユニット367は、図柄表示装置375,可変表示装置376,センターフレーム377を有している。それら各種構成375〜377は、センターフレーム377,可変表示装置376,図柄表示装置375の順に前側から並べて配設されており、このうちセンターフレーム377が遊技盤360の前面側、可変表示装置376及び図柄表示装置375が遊技盤360の背面側に搭載されている。センターフレーム377については遊技盤360の前面から突出しており、同センターフレーム377によって両表示装置375,376を囲むことにより遊技領域PEを流下している遊技球がそれら各表示装置375,376に対して衝突することを回避している(図48参照)。
センターフレーム377の下部には、上側作動入球部362(上側作動口362a)に対応する上作動口用の保留ランプ部378と、下側作動入球部363(下側作動口363a)に対応する下作動口用の保留ランプ部379とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動入球部362,363を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部378,379の点灯によって各作動入球部362,363に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置375は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面375aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置375の表示画面375aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)発生となり、上述した開閉実行モードへ移行することとなる。なお、上述した保留ランプ部378,379の機能を図柄表示装置375に付与し、当該図柄表示装置375にて保留個数の表示を行う構成とすることも可能である。
可変表示装置376は、予め設定された実行条件が成立して特別演出(後述する第3演出)を実行する場合に動作する可変機構600と、当該可変機構を収容するケース体とを備えている。可変表示装置376を図柄表示装置375(詳しくは表示画面375a)の前方に配置したのは、表示画面375aにおける図柄の表示態様と、可変表示装置376による動作態様(演出内容)とに相関関係を与え、それら両表示装置375,376によって一体的な演出を行いやすくするための工夫である。
可変機構600は、表示画面375aに遊技機前方から重なる表示位置と、上記重なりが抑えられた待機位置との両位置に移動可能な表示部材601を有している。表示部材601は表示画面375aを囲むように配設されており、特別演出が実行される場合には、それら表示部材601が表示位置に配置され、当該表示部材601によって表示画面375aにおける図柄の変動表示領域が区画される。また、表示画面375aの区画に応じて当該表示画面375aにおける表示内容が切り替る。
作動入球部362,363は、可変表示ユニット367寄りとなる位置に配置されている。作動入球部362,363への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部362,363に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置375に注目するものと考えられる。作動入球部362,363を可変表示ユニット367寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット367周辺に集中させるための工夫である。
作動入球部362,363の側方(右側可変入球装置365の下方)には、主表示ユニット381が配されている。主表示ユニット381は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤360の前面からパチンコ機310前方に突出している。主表示ユニット381の前面は、遊技領域PEをパチンコ機310前方から視認可能とする上記ガラスユニット322(詳しくは後側のガラスパネル323)と対向しており、さらに後側のガラスパネル323との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット381の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット381においてガラスユニット322と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部362(上側作動口362a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部DUと、下側作動入球部363(下側作動口363a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLとを有してなる。
上側作動入球部用表示部DUでは、上側作動入球部362への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部362への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部362への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上側作動入球部用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部363への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部363への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部363への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、下側作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部362,363への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DU,DLにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部362,363への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット381の主表示部Dには両作動入球部用表示部DU,DL以外に、スルーゲート366への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート366への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート366への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート366への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部363に設けられた上記電動役物371が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート366を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット381の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DU,DL,DS,DHについては、前扉枠314のガラスユニット322を通じてパチンコ機310前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DU,DL,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図46を用いて内枠313の構成について説明すれば、樹脂ベース350において遊技盤360の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル341の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構410が設けられている。遊技球発射機構410は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド411と、同ソレノイド411によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール412と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置413と、それら各種構成411〜413が装着されているベースプレート414とを主要な構成として備えており、同ベースプレート414が樹脂ベース350に固定されることで樹脂ベース350に対して一体化されている。
発射レール412は、遊技盤360側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート414に固定されている。発射レール412の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置413から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド411が配置されている。
ソレノイド411は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド411の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤360側、詳しくは遊技盤360に装着された誘導レール400に向けて打ち出される。
誘導レール400は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール400は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール401及び外レール402からなり、それら両レール401,402によって一条の誘導通路403が区画形成されている。誘導通路403は、発射レール412の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド411の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール412→誘導レール400(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル341の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット367の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット367の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤360において出口部分の先側、詳しくは内レール401の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路403内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材406が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール400(図48参照)及び発射レール412は、同誘導レール400の入口部分と発射レール412の先端部分とが遊技盤360の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール400,412は、同誘導レール400の入口部分と発射レール412の先端部分とが遊技盤360の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール400,412を遊技盤360の下端縁に近づけつつ、誘導レール400の入口部分と発射レール412との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路346が配設されている。ファール球通路346は前扉枠314の通路形成ユニット345に一体成形されている。仮に遊技球発射機構410から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路403内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路346内に入ることとなる。ファール球通路346は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路346に入った遊技球は図45に示した下皿334に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース350において発射レール412の左方(詳しくは前扉枠314を支持している側)には樹脂ベース350を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材421が配設されている。通路形成部材421は、樹脂ベース350に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材421の下方には前扉枠314に取り付けられた通路形成ユニット345の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース350において通路形成部材421の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材424が取り付けられている。開閉部材424はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠314を内枠313に対して開いた状態では開閉部材424が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠314を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠314を閉じた状態では、前扉枠314の通路形成ユニット345に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材424が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図47に基づき内枠313(樹脂ベース350及び遊技盤360)の背面構成について説明する。
樹脂ベース350の背面における回動基端側には、軸受け金具432が上下に並設されている。軸受け金具432には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠313に対して裏パックユニット315が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース350の背面には、係止金具435が複数設けられており、これら係止金具435によって上述したように樹脂ベース350に対して遊技盤360が取り付けられている。ここで、遊技盤360の背面の構成を説明する。
遊技盤360の中央に配置される可変表示ユニット367には、当該可変表示ユニット367を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット442が搭載されている。演出制御装置ユニット442は、演出制御装置910と、取付台444とを具備する構成となっており、取付台444上に演出制御装置910が装着されている。
演出制御装置910は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス445に収容されて構成されている。
遊技盤360の背面には、図47に示すように、可変表示ユニット367の下方に集合板450が設けられている。集合板450には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板450には、一般入賞口361等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤360の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤360の下端付近にて合流しており、一般入賞口361等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤360の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤360の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤360の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口368も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口368を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板450には、一般入賞口361等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口361等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口361等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤360の背面側に設けられた主制御装置ユニット460(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット460及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット460は、集合板450を後側から覆うようにして遊技盤360に搭載されており、合成樹脂製の取付台461と、同取付台461に搭載された主制御装置462とによって構成されている。主制御装置462は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス463に収容されて構成されている。
基板ボックス463は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス463が封印されている。封印部は、基板ボックス463の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス463を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス463のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス463の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス463に残しておけば、基板ボックス463を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス463の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台461に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス463と取付台461との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット315)
次に、図46及び図47に基づき裏パックユニット315について説明する。
図46に示すように、内枠313は裏パックユニット315によって後方から覆われている。裏パックユニット315は、裏パック501を備えており、当該裏パック501に対して、払出機構部502、排出通路盤及び制御装置集合ユニット504が取り付けられている。
裏パック501は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図47に示すように払出機構部502などが取り付けられるベース部511と、パチンコ機310後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部512とを有する。保護カバー部512は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット367を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部511には、その右上部に外部端子板513が設けられている。外部端子板513には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部511にはパチンコ機310後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠313に設けられた軸受け金具432(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット315が内枠313に対して回動可能に支持されている。また、ベース部511における回動先端部には、内枠313に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠313に対して裏パックユニット315が固定されている。
ベース部511には、保護カバー部512を迂回するようにして払出機構部502が配設されている。払出機構部502には、裏パック501の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク521が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク521に逐次補給される。タンク521の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置522が設けられている。払出装置522より払い出された遊技球は、当該払出装置522の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック501のベース部511に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置522より払い出された遊技球を上皿333、下皿334又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿333に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿334に通じるように形成されている。
図47に示すように、ベース部511の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット504が取り付けられている。排出通路盤503には、制御装置集合ユニット504と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット504によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機310外部に排出される。
制御装置集合ユニット504は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置481と電源・発射制御装置491とが搭載されている。これら払出制御装置481と電源・発射制御装置491とは、払出制御装置481がパチンコ機310後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置481においては基板ボックス内に払出装置522を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置522における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置491は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル341の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置491にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機310は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(パチンコ機310の電気的構成)
次に、パチンコ機310の電気的構成を図49のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置462に設けられた主制御基板901には、MPU902が搭載されている。MPU902は、当該MPU902により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM903と、そのROM903内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM904と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。
MPU902には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU902の入力側には、主制御装置462に設けられた停電監視基板905、払出制御装置481及び各種検知センサ451a〜451dなどが接続されている。停電監視基板905には電源・発射制御装置491が接続されており、MPU902には停電監視基板905を介して電力が供給される。また、各種検知センサ451a〜451dの一部として、一般入賞口361、可変入球装置364,365、作動入球部362,363及びスルーゲート366などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置462のMPU902において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU902では、作動入球部362,363への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート366への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU902の出力側には、停電監視基板905、払出制御装置481及び演出制御装置910が接続されている。払出制御装置481には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM903のコマンド情報記憶エリア825が参照される。そして、一般入賞口361への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置364への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動入球部362,363への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置910には、変動開始コマンド(変動用コマンド)、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM903のコマンド情報記憶エリア825が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU902の出力側には、可変入球装置364,365の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部364c,365c、作動入球部363の電動役物371を開閉動作させる電動役物駆動部371b、主表示ユニット381が接続されている。主制御基板901には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU902はそれら各種構成の制御を行う。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入球装置364,365が開閉されるように、MPU902において可変入球駆動部364c,365cの駆動制御が実行される。また、作動入球部363の電動役物371の開放状態当選となった場合には、電動役物371が開閉されるように、MPU902において電動役物駆動部371bの駆動制御が実行される。また、MPU902によって主表示ユニット381の入球部用表示部DL,DU,DS及び保留数表示部HSの表示制御が実行される。
停電監視基板905は、主制御基板901と電源・発射制御装置491とを中継し、また電源・発射制御装置491から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置481は、主制御装置462から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置522により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置491は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板901や払出制御装置481等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置491は、遊技球発射機構410の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構410は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置910に設けられた演出制御基板911には、MPU912が搭載されている。MPU912には、当該MPU912により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM913、そのROM913内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM914、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU912には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU912の入力側には、主制御装置462の他に可変表示装置376(可変機構600)に設けられた位置検知センサ等が接続されている。この位置検知センサからの検知信号(検知情報)に基づいて、各表示部材601が待機位置に存在しているか否かを把握可能となっている。MPU912の出力側には、ランプ部326〜328やスピーカ部329、可変表示装置376(可変機構600)に内蔵された発光基板や駆動部等が接続されている。
MPU912では主制御装置462から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット367を制御する。具体的には、演出制御装置910では、主制御装置462から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置375における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の詳細を決定する。このような遊技回毎に実行される処理にて、リーチ演出が上記特別演出に対応するものとなった場合には、可変表示装置376の発光基板に発光体を発光させるための信号を出力するとともに駆動部に対して各表示部材601を表示位置へと移動させるための駆動信号を出力する。
表示制御装置920はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM、プログラムROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRWM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRWMなどが内蔵されている。
VDPは、図柄表示装置375に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPはICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDPは、MPU、ビデオRWM等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRWMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置375に表示させる。
キャラクタROMは、図柄表示装置375に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROMに記憶されている。
なお、キャラクタROMを複数設け、各キャラクタROMに分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROMに記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROMに記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRWMは、図柄表示装置375に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWMの内容を書き替えることにより図柄表示装置375の表示内容が変更される。
表示制御装置920のMPUでは、演出制御装置910から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置375の表示制御を実行する。具体的には、演出制御装置910にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。この際、上記特別演出(第3特別演出)等に対応するリーチ演出が実行される場合には、可変機構600によって表示画面375aが区画されるのに合わせて、表示画面375aにおける図柄の変動表示領域を変更する。詳しくは、図柄の変動表示領域を表示画面375aの全域から、表示部材601によって囲まれた特定の領域に変更する。そして、当該特別演出が終了して可変機構600が初期状態に復帰する場合に、当該可変機構600の動きに併せて変動表示領域を特別演出実行前の状態に復帰させる。
ここで、図柄表示装置375(表示画面375a)の表示内容について、図50を参照して詳細に説明する。図50は図柄表示装置375の表示画面375aを示す概略図である。
図50(a)に示すように、図柄表示装置375の表示画面375aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面375aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図50(b)に示すように、表示画面375aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面375aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果となったことを示す大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機310では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置375における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置375にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
図柄表示装置375における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機310では、上記のように大当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置375を備え、可変入球装置364,365の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置375における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置375の表示画面375aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置375の表示画面375a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図50に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面375aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
そして、本パチンコ機310では、上記のリーチ表示を行う際に、その後に大当たり結果が発生する期待度、すなわち当該リーチ表示においてリーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示される期待度を示す演出の1つとして上記特別演出が設定されている。
ここで、本実施の形態に示すパチンコ機310にて実行される演出については、上述した第1操作部342〜第3操作部344の操作に対応する操作対応演出と、操作に非対応となる操作非対応演出とに大別される。操作対応演出を設けて遊技者の積極的な参加を促すことにより、遊技の単調化を抑え、遊技への注目度の低下を抑制することが可能となっている。特に、第1操作部342〜第3操作部344を併用し、状況に応じて操作対象を変更する構成として、遊技の多様性を強化することは、上記効果を一層好適に発揮させる上で好ましい。
(操作対応演出)
図51の概略図に示すように操作対応演出としては、第1操作部342の操作に対応する操作対応第1演出(以下、第1演出ともいう)と、第2操作部343の操作に対応する操作対応第2演出(以下、第2演出ともいう)と、第3操作部344の操作に対応する操作対応第3演出(以下、第3演出ともいう)とが設けられている。第1演出〜第3演出については発生頻度及び演出が発生した遊技回にて大当たり結果となる期待度に差が設けられている。
具体的には、第3演出 <第2演出 < 第1演出の順に発生頻度が高くなり、第1演出 < 第2演出 < 第3演出の順に大当たり結果となる期待度が高くなるように差が設けられている。なお、これら3つの操作対応演出のうち第3演出が上述した特別演出に相当し、当該第3演出においては図柄表示装置375及び可変表示装置376の連動演出が実行されることとなる。
ここで、図52を参照して、演出制御装置910のMPU912にて定期処理の一環として実行される操作対応第1演出用の処理について説明する。
(操作対応第1演出用処理)
操作対応第1演出用処理においては先ずステップS1501にて、現在進行中の遊技回が操作対応第1演出に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第1演出用制御処理を終了する。ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では第1操作部342の操作(第1操作)を受け付ける受付期間中であるか否かを判定する。ステップS1502にて否定判定をした場合には、ステップS1503に進む。
ステップS1503では第1操作部342の操作の受付を開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1503にて否定判定をした場合には本操作対応第1演出用制御処理を終了する。ステップS1503にて肯定判定をした場合には、ステップS1504に進む。ステップS1504では第1操作部342の操作(第1操作)の受付開始処理を実行する。これにより、以降は所定の期間に亘って第1操作部342の操作が有効に受け付けられることとなる(有効化される)。つまり、第1操作部342の操作に基づいて所定の操作演出が実行される準備状態へと移行する。
第1操作受付開始処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに第1操作受付フラグを格納し、同じくRWM914の各種カウンタエリアの第1受付期間用カウンタに所定の値をセットする。第1受付期間用カウンタについては演出制御装置910にて定期処理が実行される度に更新され(減算され)、第1操作受付フラグは当該第1受付期間用カウンタが初期値「0」に復帰した場合又は当該受付期間中に第1操作部342が操作された場合に消去される。
また、第1操作受付開始処理では、第1操作対応の操作示唆コマンドを表示制御装置920に出力する。表示制御装置920では第1操作対応の操作示唆コマンドを受信することにより、第1操作部342の操作を促す報知を実行させるための画像を図柄表示装置375の表示画面375aに表示する処理を行う。
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機310においては、演出用の操作部として、第1操作部342〜第3操作部344が併用されている。そこで、上記画像については操作対象が明確となるように第1操作部342を模した画像が表示される(図52(b1)参照)。
ステップS1502の説明に戻り、当該ステップS1502にて肯定判定をした場合、すなわち第1操作の受付期間中であると判定した場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では、第1操作部342からの検知情報(検知信号)に基づいて、第1操作が行われたか否か、具体的には第1操作部342にて押圧操作が行われたか否かを判定する。
ステップS1505にて肯定判定をした場合には、ステップS1506にて第1操作に対応する第1演出の実行処理を実行する。当該処理においては、表示制御装置920に第1操作対応の画像表示コマンドを送信する。表示制御装置920では、この画像表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置375の表示画面375aにて当該遊技回が大当たり結果に対応している期待度を示すメッセージを表示する。このメッセージとしては、大当たり結果となる期待度が相対的に高くなるように設定された「激アツ!」と大当たり結果となる期待度が相対的に低くなるように設定された「CHANCE!」とが設けられており、当該遊技回における当否抽選の結果に応じてこれらメッセージの何れかが表示されることとなる(例えば図52(b2)参照)。
具体的には、該当遊技回が外れ結果に対応している場合には「激アツ!」 < 「CHANCE!」の順に選択される確率が高くなり、該当遊技回が大当たり結果に対応している場合には「CHANCE!」 < 「激アツ!」の順に選択される確率が高くなるように設定されている。
ステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて第1操作の受付終了処理を実行し、本操作対応第1演出用処理を終了する。第1操作受付終了処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに格納されている第1操作受付フラグを消去するとともに第1受付期間用カウンタを「0」クリアする。これにより、以降は第1操作部342の操作に対応した演出等の実行が規制されることとなる(第1操作部342の操作が不可となる)。なお、以下の説明についても同様であるが、操作に基づく演出の進行が規制されるのであれば、その為の具体的な構成については任意である。例えば、検知情報の入力がキャンセルされる構成としてもよいし、操作部材の操作位置への変位を不可とする構成とすることを否定するものではない。
ステップS1505の説明に戻り、当該ステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1508に進む。ステップS1508では上記第1受付期間用カウンタの値を参照して、第1操作の受付期間が終了したか否かを判定する。ステップS1508にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第1演出用処理を終了する。ステップS1508にて肯定判定をした場合には、ステップS1507にて第1操作受付終了処理を実行した後、本操作対応第1演出用処理を終了する。
以上詳述した操作対応第1演出については、比較的その発生頻度が高くなるように設定されてはいるが、第1操作部342の操作については、遊技球発射ハンドル341にて発射操作を行っている手の指で、当該発射操作と並行して操作することが可能となっている。このため、第1操作の示唆が行われる度に遊技球発射ハンドル341から手を離す必要性が低くなっており、遊技者の利便性の向上とパチンコ機310の稼働率の向上とを実現することが可能となっている。
本実施の形態に示す遊技球発射ハンドル341については、当該遊技球発射ハンドル341から手を離すことにより、環状の操作リング(「発射速度調節手段」に相当)が元の位置に復帰することとなる。遊技者が自身に有利となるように遊技球の発射位置(狙い先)を調整することが本実施の形態に示すパチンコ機310の醍醐味ではあるが、操作対応の演出が実行される度に手を離す必要が生じた場合には、その都度上記調整をやり直す必要が生じる。これは遊技者に煩わしい等の印象を与えてしまい、操作対応演出の示唆が無視される要因になると懸念される。この点、第1操作部342については遊技球発射ハンドル341に併設されているため、上記不都合の発生を好適に回避することができる。
これに対して、第2操作部343や第3操作部344については、遊技球発射ハンドル341から離れた位置に配置されている。特に、第3操作部344については、遊技球発射ハンドル341と同じ側(右側)に配設されており、遊技球発射ハンドル341を操作している手と反対の手(左手)で操作することが難しくなっている。第2操作部343の操作に対応する第2演出や第3操作部344の操作に対応する第3演出については、第1操作部342の操作に対応する第1演出よりも発生頻度は低い。しかしながら、これら第2演出/第3演出が実行される度に遊技球発射ハンドル341から手を離す必要が生じては、遊技者の利便性が著しく低下すると懸念される。本実施の形態における操作対応第2演出及び操作対応第3演出では、このような懸念を払拭する工夫が施されていることを特徴の1つとしている。ここで、図53を参照して、演出制御装置910のMPU912にて定期処理の一環として実行される操作対応第2演出用の処理について説明する。なお、第2操作に対応する操作対応第2演出と、第3操作に対応する操作対応第3演出とは、基本的な流れが同様であるため、操作対応第3演出に係る構成については操作対応第2演出との相違点を中心に説明する。
(操作対応第2演出用処理)
操作対応第2演出用処理においては先ずステップS1601にて、現在進行中の遊技回が操作対応第2演出に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第2演出用制御処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では第2操作部343の操作(第2操作)を受け付ける受付期間中であるか否かを判定する。ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603に進む。
ステップS1603では第2操作部343の操作の受付を開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1603にて否定判定をした場合には本操作対応第2演出用制御処理を終了する。ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604では第2操作部343の操作(第2操作)の受付開始処理を実行する。これにより、以降は所定の期間に亘って第2操作部343の操作が有効に受け付けられることとなる。つまり、第2操作部343の操作に基づいて所定の操作演出が実行される準備状態へと移行する。
第2操作受付開始処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに第2操作受付フラグを格納し、同じくRWM914の各種カウンタエリアの第2受付期間用カウンタに所定の値をセットする。第2受付期間用カウンタについては演出制御装置910にて定期処理が実行される度に更新され(減算され)、第2操作受付フラグは当該第2受付期間用カウンタが初期値「0」に復帰した場合又は当該受付期間中に第2操作部343(又は第1操作部342)が操作された場合に消去される。
また、第2操作受付開始処理では、第2操作対応の操作示唆コマンドを表示制御装置920に出力する。表示制御装置920では第2操作対応の操作示唆コマンドを受信することにより、第2操作部343の操作を促す報知を実行させるための画像を図柄表示装置375の表示画面375aに表示する処理を行う。
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機310においては、演出用の操作部として、第1操作部342〜第3操作部344が併用されている。そこで、上記画像については操作対象が明確となるように第2操作部343を模した画像が表示される(図53(b1)参照)。
また、ステップS1604の処理では、第2操作部343だけでなく第1操作部342の操作(第1操作)の受付を開始する為の処理も実行する。すなわち、操作対応第2演出が実行される場合には、第2操作部343だけでなく第1操作部342についても操作が有効化され、第1操作部342と第2操作部343の何れが操作された場合であっても、操作対応第2演出が進行する構成となっている。但し、操作対応第2演出の主体はあくまで第2操作部343であり、第1操作部342については第2操作部343を兼ねた操作手段としての機能が付与されているものの、何れが操作されたかによって僅かながら表示される情報量に差が生じることとなる。以下、この差別化に係る構成について説明する。
上記ステップS1602にて肯定判定をした場合、すなわち第2操作の受付期間中であると判定した場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では第2操作部343からの検知情報(検知信号)に基づいて、第2操作が行われたか否か、具体的には第2操作部343にて押圧操作が行われたか否かを判定する。
ステップS1605にて肯定判定をした場合には、ステップS1606にて第2操作に対応する第2演出の実行処理を実行する。当該処理においては、表示制御装置920に第2操作対応の画像表示コマンドを送信する。表示制御装置920では、この画像表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置375の表示画面375aにて上記可変表示装置376の表示部材601を模した画像を表示し、変動表示領域を変更する。表示される画像の色については、大当たり結果となる期待度が相違するようにして白、青、赤の3色が設けられており、該当遊技回が外れ結果に対応している場合には赤 < 青 < 白の順に選択される確率が高くなり、該当遊技回が大当たり結果に対応している場合には白 < 青 <赤の順に選択される確率が高くなるように設定されている。つまり、大当たり結果となる期待度については、白 < 青 < 赤の順に高くなるように規定されている。
これに併せて、上記画像によって区画された領域に当該遊技回が大当たり結果に対応している期待度を示すメッセージを表示する。このメッセージとしては、大当たり結果となる期待度が相対的に高くなるように設定された「激アツ!」と大当たり結果となる期待度が相対的に低くなるように設定された「CHANCE!」とが設けられており、当該遊技回における抽選結果に応じてこれらメッセージの何れかが表示されることとなる(例えば図53(b2)の参照)。
ステップS1606の処理を実行した後は、ステップS1607にて第2操作及び第1操作の受付終了処理を実行し、本操作対応第2演出用処理を終了する。操作受付終了処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに格納されている第2操作受付フラグを消去するとともに第2受付期間用カウンタを「0」クリアする。これにより、以降は第2操作部343及び第1操作部342の操作に対応した演出等の実行が規制されることとなる(第1操作部342及び第2操作部343の操作が無効化される)。
ステップS1605の説明に戻り、当該ステップS1605にて否定判定をした場合には、ステップS1608に進む。ステップS1608では第1操作部342からの検知情報(検知信号)に基づいて、第1操作が行われたか否か、具体的には第1操作部342にて押圧操作が行われたか否かを判定する。
ステップS1608にて肯定判定をした場合には、ステップS1609にて第1操作に対応する第2演出の実行処理を実行する。当該処理においては、表示制御装置920に第1操作対応の画像表示コマンドを送信する。表示制御装置920では、この画像表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置375の表示画面375aにて上記可変表示装置376の表示部材601を模した画像を表示し、変動表示領域を変更する。つまり、第1操作部342が操作された場合であっても、第2操作部343が操作された場合と同様に表示領域の変更に係る表示制御が実行される。
但し、第2操作部343が操作された場合には、上記画像によって区画された領域に当該遊技回が大当たり結果に対応している期待度を示すメッセージの表示が行われるのに対して、第1操作部342が操作された場合には、当該メッセージの表示が回避される(例えば図53(b2)の参照)。このように、第2操作部343の操作が促されている状況下では第1操作部342を代用することが可能となってはいるものの、第1操作部342が操作された場合には、第2操作部343が操作された場合よりも遊技者に提示される情報の量が少なくなるように差別化されている。
上述したように操作対応第2演出においては、第1操作部342及び第2操作部343の何れについても操作が許容されてはいる。このため、2つの操作部342,343が同タイミングで操作された場合には、第1操作部342よりも第2操作部343の操作を優先させることにより、遊技者の意図等に反して本来表示されるはずの情報が目減りすることを抑制している。
ステップS1609の処理を実行した後は、ステップS1607にて受付終了処理を実行し、操作対応第2演出用処理を終了する。
ステップS1608にて否定判定をした場合、すなわち第1操作部342及び第2操作部343の何れについても操作されていないと判定した場合には、ステップS1610に進む。ステップS1610では上記第2受付期間用カウンタの値を参照して、第1操作及び第2操作の受付期間が終了したか否かを判定する。ステップS1610にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第2演出用処理を終了する。ステップS1610にて肯定判定をした場合には、ステップS1607にて第2操作受付終了処理を実行した後、本操作対応第2演出用処理を終了する。
以上詳述したように操作対応第2演出については、第1操作部342及び第2操作部343に対応している。第1操作部342については、遊技球発射ハンドル341にて発射操作を行っている手の指で、当該発射操作と並行して操作することが可能となっている。例えば、他方の手(左手)が煙草、飲食物、携帯電話等によって塞がっている場合であっても、遊技球発射ハンドル341を操作中の手で操作対応第2演出を進めることができ、遊技者の利便性の向上等が図られている。操作対応第3演出については、主たる操作対象が第3操作部344となるように設定されることとなるが、操作対応第2演出と同様に、第1操作部342による第3操作部344の代替が許容されている。ここで、演出制御装置910のMPU912にて実行される操作対応第3演出用処理について説明する。
(操作対応第3演出用処理)
操作対応第3演出用処理においては先ずステップS1701にて、現在進行中の遊技回が操作対応第3演出に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第3演出用制御処理を終了する。ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702に進む。ステップS1702では第3操作部344の操作(第3操作)を受け付ける受付期間中であるか否かを判定する。ステップS1702にて否定判定をした場合には、ステップS1703に進む。
ステップS1703では第3操作部344の操作の受付を開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合には本操作対応第3演出用制御処理を終了する。ステップS1703にて肯定判定をした場合には、ステップS1704に進む。ステップS1704では第3操作部344の操作(第3操作)の受付開始処理を実行する。これにより、以降は所定の期間に亘って第3操作部344の操作が有効に受け付けられることとなる。つまり、第3操作部344の操作に基づいて所定の操作演出が実行される準備状態へと移行する。
第3操作受付開始処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに第3操作受付フラグを格納し、同じくRWM914の各種カウンタエリアの第3受付期間用カウンタに所定の値をセットする。第3受付期間用カウンタについては演出制御装置910にて定期処理が実行される度に更新され(減算され)、当該第3受付期間用カウンタが初期値「0」に復帰した場合又は当該受付期間中に第3操作部344(又は第1操作部342)が操作された場合に第3操作受付フラグが消去される。
また、第3操作受付開始処理では、第3操作対応の操作示唆コマンドを表示制御装置920に出力する。表示制御装置920では第3操作対応の操作示唆コマンドを受信することにより、第3操作部344の操作を促す報知を実行させるための画像を図柄表示装置375の表示画面375aに表示する処理を行う。
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機310においては、演出用の操作部として、第1操作部342〜第3操作部344が併用されている。そこで、上記画像については操作対象が明確となるように第3操作部344を模した画像が表示される(図54(b1)参照)。
また、ステップS1704の処理では、第3操作部344だけでなく第1操作部342の操作(第1操作)の受付を開始する為の処理も実行する。すなわち、操作対応第3演出が実行される場合には、第3操作部344だけでなく第1操作部342についても操作が有効化され、第1操作部342と第3操作部344の何れが操作された場合であっても、操作対応第3演出が進行する構成となっている。但し、操作対応第3演出の主体はあくまで第3操作部344であり、第1操作部342については第3操作部344を兼ねた操作手段としての機能が付与されているものの、何れが操作されたかによって僅かながら、表示される情報量に差が生じることとなる。以下、このような差別化の実現に係る構成について説明する。
上記ステップS1702にて肯定判定をした場合、すなわち第3操作の受付期間中であると判定した場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では第3操作部344からの検知情報(検知信号)に基づいて、第3操作が行われたか否か、具体的には第3操作部344にて押圧操作が行われたか否かを判定する。
ステップS1705にて肯定判定をした場合には、ステップS1706にて第3操作に対応する第3演出の実行処理を実行する。具体的には可変表示装置376の駆動部に駆動信号を出力し、各表示部材601を待機位置から演出位置へと移動させる。また、表示部材601に内蔵された発光体に発光信号を出力し、表示部材601を発光される。発光色については、大当たり結果となる期待度が相違するようにして白、青、赤の3色が設けられており、該当遊技回が外れ結果に対応している場合には赤 < 青 < 白の順に選択される確率が高くなり、該当遊技回が大当たり結果に対応している場合には白 < 青 <赤の順に選択される確率が高くなるように設定されている。つまり、大当たり結果となる期待度については、白 < 青 < 赤の順に高くなるように規定されている。
また、当該処理においては、表示制御装置920に第3操作対応の画像表示コマンドを送信する。表示制御装置920では、この画像表示コマンドを受信することにより、上記可変表示装置376によって区画された領域に合せて図柄の変動表示領域を変更する。そして、変更された変動表示領域に当該遊技回が大当たり結果に対応している期待度を示すメッセージを表示する。このメッセージとしては、大当たり結果となる期待度が相対的に高くなるように設定された「激アツ!」と大当たり結果となる期待度が相対的に低くなるように設定された「CHANCE!」とが設けられており、当該遊技回における抽選結果に応じてこれらメッセージの何れかが表示されることとなる(例えば図54(b2)の参照)。
ステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて第3操作及び第1操作の受付終了処理を実行し、本操作対応第3演出用処理を終了する。操作受付終了処理においては、RWM914の各種フラグ格納エリアに格納されている第3操作受付フラグを消去するとともに第3受付期間用カウンタを「0」クリアする。これにより、以降は第3操作部344及び第1操作部342の操作に対応した演出等の実行が規制されることとなる(第1操作部342及び第3操作部344の操作が無効化される)。
ステップS1705の説明に戻り、当該ステップS1705にて否定判定をした場合には、ステップS1708に進む。ステップS1708では第1操作部342からの検知情報(検知信号)に基づいて、第1操作が行われたか否か、具体的には第1操作部342にて押圧操作が行われたか否かを判定する。
ステップS1708にて肯定判定をした場合には、ステップS1709にて第1操作に対応する第3演出の実行処理を実行する。具体的には可変表示装置376の駆動部に駆動信号を出力し、各表示部材601を待機位置から演出位置へと移動させる。また、表示部材601に内蔵された発光体に発光信号を出力し、表示部材601を発光される。発光色については、大当たり結果となる期待度が相違するようにして白、青、赤の3色が設けられており、該当遊技回が外れ結果に対応している場合には赤 < 青 < 白の順に選択される確率が高くなり、該当遊技回が大当たり結果に対応している場合には白 < 青 <赤の順に選択される確率が高くなるように設定されている。つまり、大当たり結果となる期待度については、白 < 青 < 赤の順に高くなるように規定されている。
また、当該処理においては、表示制御装置920に第3操作対応の画像表示コマンドを送信する。表示制御装置920では、この画像表示コマンドを受信することにより、上記可変表示装置376によって区画された領域に合せて図柄の変動表示領域を変更する。
但し、第3操作部344が操作された場合には、上記表示部材601によって区画された領域に当該遊技回が大当たり結果に対応している期待度を示すメッセージの表示が行われるのに対して、第1操作部342が操作された場合には、当該メッセージの表示が回避される(例えば図54(b2)の参照)。このように、第3操作部344の操作が促されている状況下では第1操作部342を代用することが可能となってはいるものの、第1操作部342が操作された場合には、第3操作部344が操作された場合よりも遊技者に提示される情報の量が少なくなるように差別化されている。
ステップS1709の処理を実行した後は、ステップS1707にて受付終了処理を実行し、操作対応第2演出用処理を終了する。
ステップS1708にて否定判定をした場合、すなわち第1操作部342及び第3操作部344の何れについても操作されていないと判定した場合には、ステップS1710に進む。ステップS1710では上記第3受付期間用カウンタの値を参照して、第1操作及び第3操作の受付期間が終了したか否かを判定する。ステップS1710にて否定判定をした場合には、そのまま本操作対応第1演出用処理を終了する。ステップS1710にて肯定判定をした場合には、ステップS1707にて操作受付終了処理を実行した後、本操作対応第3演出用処理を終了する。
以上詳述したように操作対応第3演出については、第1操作部342及び第3操作部344に対応している。第1操作部342については、遊技球発射ハンドル341にて発射操作を行っている側の手の指で、当該発射操作と並行して操作することが可能となっている。例えば、他方の手(左手)が煙草、飲食物、携帯電話等によって塞がっている場合であっても、遊技球発射ハンドル341を操作中の手で操作対応第3演出を進めることができ、遊技者の利便性の向上等が図られている。
但し、複数の操作部342〜344を併用したとしても、第2操作部343及び第3操作部344を兼ねる第1操作部342が主として利用されてしまっては、遊技の単調化を抑制する効果が上手く発揮されなくなると懸念される。つまり、遊技者の利便性への配慮が単調化抑制効果を低下させる要因になり得る。既に説明したように、本実施の形態に示す構成においては、上述したように、示唆に応じた操作部が操作された場合とそうではない操作部が操作された場合とで表示される情報量に差を設けている。遊技機においては演出内容から遊技結果を予測することが楽しみの一つとなっている。情報を増やすことで推測の精度を高めることができる点に鑑みれば、遊技者に第2操作部343や第3操作部344の操作を優先させるように促すことができる。そして、本実施の形態においては、このような構成に加えて、操作を受け付ける受付期間についても差別化が図られていることが特徴の一つとなっている。ここで、図55のタイミングチャートを参照して、操作受付期間の違いについて説明する。
操作対応第2演出が実行される場合には、第2操作部343及び第1操作部342の操作が有効化される。但し、操作対応第2演出においては第2操作部343の操作受付期間よりも第1操作部342の操作受付期間の方が短くなるように設定されている。具体的には、第1操作部342の操作受付の開始タイミングが第2操作部343の操作受付の開始タイミングよりも遅れる構成となっている(ta5及びta6のタイミング参照)。つまり、第2操作部343の代わりに第1操作部342を操作しようとした場合には、操作受付の期間に係る制約が強くなる。
操作対応第3演出が実行される場合には、第3操作部344及び第1操作部342の操作が有効化される。但し、操作対応第3演出においては第3操作部344の操作受付期間よりも第1操作部342の操作受付期間の方が短くなるように設定されている。具体的には、第1操作部342の操作受付の開始タイミングが第3操作部344の操作受付の開始タイミングよりも遅れる構成となっている(ta9及びta10のタイミング参照)。つまり、第3操作部344の代わりに第1操作部342を操作しようとした場合には、操作受付の期間に係る制約が強くなる。
そもそも、第1操作部342に付与された代替機能については、あくまで第2操作部343及び第3操作部344をサポートする機能である。このような期間の差を設けることは、遊技者に対して第2操作部343の操作を優先するように促す上で好ましい。
また、操作対応第2演出又は操作対応第3演出が実行される際には、操作示唆画像の表示等の把握が遅れた場合に操作部343,344の操作が間に合わない可能性が高まる。特に、遊技球発射ハンドル341からの距離を比較した場合、第1操作部342よりも第2操作部343や第3操作部344の方が遠くなるため、手を移動させるのに要する期間も長くなる。操作対象が1つに限定されているのであれば、予め当該操作箇所に手を添えておくことで対処することもできなくはないが、それでも上記不都合の発生を払拭できるとは限らない。
この点、第1操作部342については、遊技球発射ハンドル341に併設され、当該遊技球発射ハンドル341を操作している手の指が届く位置に配置されている。故に、操作示唆の把握(気付き)が遅れた場合であっても、即座に第1操作部342を操作することができ、遊技者に操作の意思がある場合にそれを好適に反映することが可能となる。つまり、操作の意思に沿うようにする上では、第2操作部343及び第3操作部344の操作受付期間の後半部分に重なるようにして第1操作部342の操作受付期間を設定することには技術的意義がある。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果が発揮される。
複数の操作部342〜344を併用すれば遊技(操作)が単調になることを好適に抑制することができる。しかしながら、単に操作を多様化することは、多様性を好まない遊技者にとって遊技意欲低下の要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、第1操作部342が他の操作部343,344を兼ねる構成とすることにより、多様なニーズに対応することができ、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の低下を抑制しつつ、それに起因した不都合の発生を好適に抑制することができる。
ここで、単に第1操作部342が第2操作部343及び第3操作部344を兼ねる構成とした場合には、それら他の操作部343,344の存在意義が低下することとなる。そこで、第1操作部342によって他の操作部343,344を兼ねる場合には、その操作許容のタイミングを遅らせることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、レスポンスのよい操作を好む遊技者に対しては第2操作部343や第3操作部344の操作を促すことができ、シンプルな操作を好む遊技者に対してはある程度の待ちを許容することにより、第2操作部343や第3操作部344へ手を伸ばす必要がなくなる。これにより、第2操作部343や第3操作部344の存在意義が低下することを抑制し、上述した各種効果を好適に発揮させることが可能となる。
操作対応演出が実行される場合には、操作対象が示唆される。その示唆に応じて操作を行った場合と、その示唆を無視して第1操作部342を操作した場合とでは、操作対応演出にて表示される情報量については差が生じる。つまり、第2操作部343や第3操作部344の操作が示唆されている状況下にてその示唆通りに第2操作部343や第3操作部344を操作した場合の方が、簡易的に第1操作部342の操作で代用した場合よりも得られる情報量が多くなる。このような差違を設けることにより、遊技者に第1操作部342と第2操作部343及び第3操作部344との使い分けを促すことができ、それら複数の操作手段を好適に共存させることができる。
複数の操作手段を併用する上で第1操作部342が第2操作部343及び第3操作部344を兼ねる構成とした場合には、それら第1操作部342と第2操作部343又は第3操作部344とが同時又はほぼ同時に操作される可能性が生じる。このような場合には、示唆の通りの操作対象の操作を優先するようにして制御処理を実行することにより、例えば上述したような差別化が図られている場合であっても遊技者が本来得られるはずの情報が得られなくなるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
操作手段を有するタイプの遊技機においては、操作を促す報知が行われやすい操作手段に手を添える等して遊技が行われることがある。これにより、遊技者は報知→操作のレスポンスを高めることができる。そこで、報知の発生頻度が相対的に高くなるように設定された第1操作部342が報知の発生頻度が相対的に低くなるように設定された第2操作部343及び第3操作部344を兼ねる構成とすることにより、第1操作部342に付与された第2操作部343及び第3操作部344手段を兼ねる機能を好適に発揮させることができる。
遊技者の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球が発射されるタイプの遊技機においては、遊技を進める上で遊技球発射ハンドル341に手が添えられた状態が続くこととなる。そこで、この遊技球発射ハンドル341に併設された操作手段(第1操作部342)によって他の操作手段(第2操作部343,第3操作部344)を兼ねる構成として遊技者の利便性の向上を図ることにより、演出等に係る別途操作を好まない遊技者についても当該操作を促すことが可能となり、遊技への積極的な参加を促すことができる。
また、操作示唆(報知)に気付くのが遅れた場合であっても遊技球発射ハンドル341に併設された第1操作部342であれば、即座に対応することができるため、操作が間に合わなくなるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記第1の実施の形態では、モーションセンサ231(「監視手段」に相当)による検知領域DEに遊技者が手をかざしたことに基づいて可動演出装置220(「演出装置」に相当)の可動体221が動作し、当該可動体221によってMAXベットボタン56の奥側操作面部251b(「第2操作部」に相当)が操作される構成としたが、可動体221の動作契機については任意である。つまり、遊技者の挙動や所作を監視してその結果(遊技者の意図)を遊技に反映する機能が担保されるのであれば足り、その具体的構成については上記のものに限定されない。例えば、カメラを用いて遊技者の目や口の動きを把握し、その把握結果に基づいて可動体221を動作させる構成としてもよいし、脳波測定器を用いて遊技者の脳波を把握し、その把握結果に基づいて可動体221を動作させる構成としてもよい。また、PDA等の携帯端末と遊技機とを連動させる場合には、携帯端末の操作に基づいて可動体221を動作させる構成とすることも可能である。
(2)可動体221が動作してMAXベットボタン56(奥側操作面部251b)が操作されることにより、実際にMAXベットボタン56を押圧操作した場合と同様の機能が発揮される構成となっているのであれば、可動体221の動作態様や、奥側操作面部251bと可動体221との関係については任意に変更してもよい。例えば、上記実施の形態においては、演出実行時の可動体221の回動方向と、遊技者の挙動に基づいてMAXベットボタン56を操作する際の可動体221の回動方向とを一致させる構成としたが、これら動作方向の関係を逆にすることも可能である。この場合、MAXベットボタン56を操作する際の回動方向においても、可動体221の動作を視認可能となるように透過部26Xを拡張するとよい。
なお、上記第1の実施の形態においては、可動体221を前面扉12に配設する場合について説明したが、同様の技術的思想を第2の実施の形態に示すタイプの遊技機に適用する場合、可動体221に相当する構成については、前扉枠314,遊技盤360,内枠313の何れかに配設されていればよい。
(3)上記第1の実施の形態に示した操作部材251においては、手前側操作面部251a(「第1操作部」に相当)と奥側操作面部251b(「第2操作部」に相当)とを一体成形したが、これに限定されるものではない。2つの操作部分をリンク部材等の機構部品を介して一体化させる構成とすることも可能である。リンク部材を用いる構成とすれば、可動体を用いて奥側操作面部を操作する際に可動体の動作に係る制約等を好適に緩和することができる。以下、その具体的例について説明する。
回動可能に軸支されたリンク部材を用いて手前側操作部と奥側操作部とを連結する。これにより手前側操作部の変位方向と奥側操作部の変位方向とを逆にすることができる。可動体の動作を利用してMAXベットボタンを操作する場合、必要となる操作力が大きくなることにより可動体用の駆動部が大型になる等の不都合が生じる。このような事情に鑑みた場合、リンク部材の回転中心から手前側操作部までの距離よりも回転中心から奥側操作部までの距離が大きくなるように構成するとよい。係る構成によれば、可動体の駆動力を無駄に強化する必要が無く、既存の構成の流用を促進できる。また、可動体が動作する際のストロークを確保する上でも有利であり、ストロークが小さくなって可動体を用いた演出を行う際の見栄えが低下することを好適に抑制できる。
(4)上記第1の実施の形態に示した間接操作に係る技術的思想についてはMAXベットボタン56以外の操作部に適用することも可能である。例えば、スタートレバー41やストップボタン42〜44に適用することも可能である。また、演出専用の操作手段を有する遊技機においては、当該操作手段に対して上記技術的思想を適用してもよい。
(5)上記第1の実施の形態においては、報知回数の上乗せモードとなっている場合及び遊技回をスタートさせる場合の両方にて可動体221を利用したMAXベットボタン56の間接操作を可能としたが、必ずしもこれら各状況にてMAXベットボタン56の間接操作を可能とする必要はない。何れか一方の状況では、間接操作が規制される構成とすることも可能である。
(6)上記第1の実施の形態においては、遊技機前方から奥側操作面部251bを視認可能としたが、これに限定されるものではない。当該奥側操作面部251bについては遊技機前方からの視認が不可となるように構成してもよい。但し、可動体221の動きとMAXベットボタン56(奥側操作面部251b)の動きとの関連性を分かりやすくする上では、上記実施の形態に示したように、可動体221だけでなく奥側操作面部251bの視認性を担保することには技術的意義がある。
(7)上記第1の実施の形態においては、奥側操作面部251bが可動体221によって操作された場合にそれに追従して手前側操作面部251aが操作位置へ変位する構成としたが、両操作面部251a,251bを連動させる必要は必ずしもない。奥側操作面部251bが手前側操作面部251aとは独立して変位する構成とすることも可能である。
ここで、第1の実施の形態においては、可動体221によって操作された奥側操作面部251bの変位方向と、それに追従して移動する手前側操作面部251aの変位方向とを揃える構成とすることにより、可動体221による操作が遊技者によって妨げられることを回避する構成とした。これは、可動体221を保護する為の工夫である。上述したように手前側操作面部251aと奥側操作面部251bとを非連動とする場合には、奥側操作面部251bが可動体221によって押圧される状況下にて手前側操作面部251aが操作された際にその操作力が可動体221に伝わることを回避する回避機構を採用することが好ましい。
(8)上記第1の実施の形態では、リール32にかざした手をそのままスタートレバー41へ降下させることにより、ベット操作→スタート操作が一連の流れで完結する構成とした。これは、繰り返しの操作を行う際の遊技者の負担を緩和する上で有利な構成である。このような機能に特化する場合には、検知領域DEをスタートレバー41の上方となる領域に限定することも可能である。但し、遊技者の趣向等によってはMAXベットボタン56を自身の手で押圧操作することが好まれる場合もあると想定される。このような事情に配慮する上では、検知領域DEを上述したように変更する場合であっても、当該検知領域DEがMAXベットボタン56の上方となる領域を含まないように設定することが好ましい。
(9)上記第1の実施の形態に示したスロットマシン10においては、所定の上乗せ条件が成立した場合に報知回数を上乗せする構成としたが、「上乗せ」の対象については任意である。例えば、遊技者に有利な遊技状態の継続回数や遊技者に付与される遊技媒体の数を上乗せする構成とすることも可能である。特に、この種の遊技機においては、遊技者の連続操作に基づいて抽選等が実行されるものがあるが、このような連続操作を行う機能を可動体221が担う構成とすることにより、操作負荷を好適に軽減できる。
(10)上記第2の実施の形態では、「操作手段」を3つ設けたが、操作手段の数については複数であれば足り、具体的な数については任意に変更してもよい。また、第1操作部342〜第3操作部344の何れについても押圧タイプの操作ボタンとして操作態様を共通化したが、これに限定されるものではない。操作手段毎に操作態様を相違させる構成とすることも可能である。
(11)上記第2の実施の形態においては、第1操作部342が演出用に設けられた第2操作部343及び第3操作部344の機能を兼ねる構成としたが、どのような操作手段の機能を兼ねるかについては任意に変更することも可能である。例えば、球抜きレバー等の操作手段としての機能を兼ねる構成とすることも可能である。具体的には、遊技球が満タンになっている状況下にて第1操作部が操作された場合には、当該操作に基づいて球抜きレバーが閉鎖状態/開放状態に切り替わる構成とするとよい。
(12)上記第2の実施の形態では、遊技球発射ハンドル341(「発射操作手段」に相当)に併設された第1操作部342が、上側膨出部331に配設された第2操作部343及び環状電飾部326に配設された第3操作部344の代わりとして機能する構成としたが、これに限定されるものではない。第2操作部343が第1操作部342及び第3操作部344の代わりとして機能する構成としてもよいし、第3操作部344が第1操作部342及び第2操作部343の代わりとして機能する構成としてもよい。但し、遊技を進行する際に操作される遊技球発射ハンドル341に併設された第1操作部342に代替機能を付与したことには、遊技球の発射操作を行っている側の手(片手)で各種操作を完結できる構成とすることにより、利便性等の向上等に貢献できるという技術的意義がある。
(13)上記第2の実施の形態では、第2操作部343の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合と比べて第1操作部342の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合の方が遊技者に提示される情報が少なくなるように差別化した。何れの操作対象が操作されたかによって優劣の差を設ける場合、それが情報の量に依存する構成とする必要は必ずしもなく、例えば情報の質に依存する構成とすることも可能である。例えば、第2操作部343の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合と、第1操作部342の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合とで情報の量については共通となるものの、演出によって示唆される大当たり結果となる期待度の信頼性に差を設けてもよい。例えば、第1操作部342の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合と比べて第2操作部343の操作に基づいて操作対応第2演出が実行される場合の方が実行された演出自体の信頼度が高くなるように差を設けてもよい。また、第1操作部342の操作を契機とする場合よりも第2操作部343の操作を契機とする場合の方が実行される操作対応第2演出について希少性が高いものが選択されるようにして差を設けてもよい。なお、変形例(13)と同様の技術的思想を操作対応第3演出に適用することも可能である。
(14)上記第2の実施の形態では、操作対応第2演出が実行される場合に、第1操作部342の受付開始タイミングを第2操作部343の受付開始タイミングに対して遅らせる構成としたが、これを変更し、第1操作部342の受付開始タイミングと第2操作部343の受付開始タイミングとを揃える構成とすることも可能である。また、第1操作部342の操作受付期間と第2操作部343の操作受付期間とを一致させる構成とすることも可能である。
(15)上記第2の実施の形態では、第1操作部342の操作に対応する操作対応第1演出を設けたが、これに限定されるものではない。第1操作部342については第2操作部343や第3操作部344の代替機能が付与されているのであれば足り、この第1操作部342専用の操作対応演出を設ける必要は必ずしもない。
(16)上記第2の実施の形態に示した第1操作部342〜第3操作部344を併用する演出、例えば所定の順序で第1操作部342〜第3操作部344を操作する演出について、第1操作部342が第2操作部343及び第3操作部344を兼ねる構成とすることも可能である。
(17)上記第2の実施の形態に示した第1操作部342のマスターボタンとしての機能については、遊技球の発射操作が行われている場合に発揮され、遊技球の発射操作が行われていない場合には無効化される構成としてもよい。
(18)上記第2の実施の形態に示した技術的思想を上記第1の実施の形態に適用する上では、ベットボタン、スタートレバー、ストップスイッチの操作機能を兼ねる1のマスタースイッチを設けてもよい。
(19)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「スロットマシン等の遊技機においては、外周部に複数の図柄が付与されてなるリールを複数有し、表示部を通じてそれら図柄の一部が視認可能となるように構成されているものがある。遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することにより各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。上述した遊技機においてはスタートレバーの操作等を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生したりする等の特典が付与される。」という背景技術について、「しかしながら、この種の遊技機においては遊技を行う際の遊技者の利便性の向上等を図る上で、その構造に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技機前面部(前面扉12)に配設され、遊技者により操作される第1操作部(MAXベットボタン56の手前側操作面部251a)と、
遊技機内部に配設された第2操作部(MAXベットボタン56の奥側操作面部251b)と、
前記第1操作部及び前記第2操作部の何れかが操作されたことに基づいて遊技に関する所定の制御処理(例えば報知回数の上乗せ抽選処理)を実行する遊技制御手段(主制御装置101や演出制御装置81等)と、
遊技機内部に配設された可動体(可動体221)を有し、当該可動体を変位させることにより所定の演出(操作対応演出)を行う演出装置(可動演出装置220)と
を備え、
前記可動体の変位によって前記第2操作部が操作される構成となっていることを特徴とする遊技機。
第1操作部が操作されることにより所定の制御処理を行う構成においては、遊技者の遊技への参加を促すことができる。しかしながら、遊技制御手段にて所定の制御処理を実行させる場合に第1操作部の操作が必須となることは、遊技者に煩わしい等の印象を与えて遊技意欲の向上を妨げる要因になり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、可動体の変位によって第2操作部が操作され、第2操作部の操作に基づいて所定の制御処理が実行される。つまり、可動体の動きを伴う演出等が実行される場合には、第1操作部を操作しなくても所定の制御処理が実行されるようにサポートすることができる。このように構造的側面からサポート機能を強化することにより、上記不都合の発生を抑制できる。また、演出手段として機能する可動体に操作用の作用部としての機能を付与することにより、利便性の向上に起因して遊技機に係る構成が煩雑になることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技機前面部(前扉枠314)に配設され、遊技者により操作される第1操作部(MAXベットボタン56の手前側操作面部251a)と、遊技機内部に配設された第2操作部(MAXベットボタン56の奥側操作面部251b)と、前記第1操作部及び前記第2操作部の何れかが操作されたことに基づいて遊技に関する所定の制御処理(例えば報知回数の上乗せ抽選処理)を実行する遊技制御手段(主制御装置101等)と、遊技機内部に配設された可動体(可動体221)とを備え、前記可動体が動作することにより前記第2操作部が操作される構成となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A2.前記遊技機前面部は、遊技機前方から前記第2操作部及び前記可動体が視認可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように第2操作部及び可動体の視認性を担保することにより、可動体の動きが第2操作部の操作に関与していることを目視にて把握することができる。第1操作部の操作を行っていない場合にどのような流れで所定の制御処理が実行されるかを遊技者が把握しやすくすることには、遊技の流れが分かりにくくなることを抑制できるという技術的意義がある。
特徴A3.前記第1操作部は、非操作位置と操作位置とに変位可能となっており、
前記第2操作部が前記可動体によって操作されることにより、前記第1操作部が前記非操作位置から前記操作位置へ変位するように構成されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示す構成によれば、第2操作部が操作された場合には、それに追従するようにして第1操作部が非操作位置から操作位置へ変位する。このように、可動体が動作した場合に第1操作部を操作した場合と同様の事象を発生させることにより、可動体の動作と第1操作部の操作との関係を遊技者が把握しやすくなる。
第2操作部が遊技機内部に配設されている構成においては、第1操作部と比べて当該第2操作部の視認性は低くなり得る。また、第1操作部と第2操作部とが併用されることにより両者の関係性が分かりにくくなる可能性を否定できない。この点、特徴A2に示した構成との組み合わせによれば、第2操作部が操作されるとそれに応じて第1操作部が操作位置へ変位することにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。このように、第1操作部が第2操作部よりも遊技者に近い位置へ配置されている点に鑑みれば、相対的に視認性が高くなる第1操作部を変位させて視覚的な変化を発生させることには技術的意義がある。
特徴A4.前記可動体は、待機位置と演出位置とに変位可能となっており、前記所定の演出が実行される場合に、前記待機位置から前記演出位置へ変位するように構成されており、
前記第1操作部は、非操作位置と操作位置とに変位可能となっており、遊技者による操作によって前記非操作位置から前記操作位置へ変位するように構成されており、
前記第2操作部は、前記第1操作部の前記非操作位置から前記操作位置への変位に基づいて、前記可動体の前記待機位置から前記演出位置への変位方向と同じ方向に変位するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1に示したように、可動体によって所定の演出を行う構成においては、第1操作部が操作されている場合に可動体の演出位置への変位が妨げられることにより、所定の演出が上手く行われなくなる。これは、演出機能が上手く発揮されなくなる要因になるため好ましくない。そこで、本特徴に示すように第1操作部の操作によって第2操作部を可動体から遠ざけることにより、第1操作部が操作されている状況下であっても可動体の演出位置への移動を許容することが可能となる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A5.前記可動体は、待機位置と演出位置とに変位可能となっており、前記所定の演出が実行される場合に、前記待機位置から前記演出位置へ変位するように構成されており、
前記第2操作部は非操作位置と操作位置とに変位可能となっており、
前記可動体が前記演出位置へ変位する移動する場合には、前記第2操作部が当該可動体に追従して前記非操作位置から前記操作位置へ変位し、
前記可動体が前記待機位置に復帰する際には、前記可動体の前記待機位置への変位に遅れるようにして前記第2操作部が前記操作位置から前記非操作位置へ復帰するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、可動体に復帰方向へ向けた力が加わることを抑制して当該可動体を保護できる。故に、可動体を操作用の作用部として利用することによって当該可動体に付与された演出機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
特徴A6.前記第1操作部には、遊技の開始操作が行われる前に操作される開始前操作手段としての機能と、遊技中に操作される遊技中操作手段としての機能とが付与されており、
前記第1操作部が操作されて待機位置に復帰している状態にて開始操作が行われることにより、遊技が開始される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
第1操作部が操作されたままの状態では、可動体の変位が空振りに終わる可能性が高くなる。つまり、可動体による上記サポート機能等が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、第1操作部から手を離した状態にて開始操作が可能となる構成を併用すれば、第1操作部の存在が邪魔になって上記不都合が発生することを好適に抑制できる。
特徴A7.前記演出装置は、遊技回が開始されてから当該遊技回が終了するまでの間に前記可動体を動作させて前記所定の演出を行うように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
本特徴に示すように、遊技回の開始〜遊技回の終了までの間に所定の演出が実行される構成とすれば、可動体に付与された演出用の手段としての機能及び操作サポート機能の2つの機能を好適に共存させることができる。
なお、「記第1操作部及び前記第2操作部が操作される状況となってから所定の期間を経過した場合に、前記可動体による前記所定の演出を実行する手段を有する」構成とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、演出位置へ変位することが操作のトリガとなれば、操作を前提として演出等が進行する場合に、進行条件を強制的に成立させることができる。
特徴A8.遊技者の挙動(例えば手の動き)を監視する監視手段(モーションセンサ231)と、
前記監視手段により前記第1操作部の操作とは異なる所定の動きが把握された場合に、前記可動体を前記第2操作部を操作するようにして変位させる駆動制御手段(演出制御装置81)と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技者の挙動(様子)を監視して、所定の動き(仕草や所作)を合図として可動体が動作する。所定の制御処理を実行させる際にわざわざ第1操作部に触れて操作しなければならないといった操作に係る制約を緩和し、遊技者の利便性の向上に貢献できる。
なお、監視手段によって監視される遊技者の「所定の動き」については、少なくとも第1操作部の操作と比べて遊技者の負担が少ない動きであればよく、例えば所定の部位に手をかざすといった行為を含む。
特徴A9.前記監視手段は、前記遊技機前面部よりも前方となる領域であって前記第1操作部の操作領域から離れた領域にて、遊技者の挙動を監視するように構成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、例えば遊技者が上記所定の動きを行うことにより、遊技者の手等によって第2操作部が隠れることを抑制できる。これにより、特徴A1等に示した可動体の動作→第2操作部の操作の流れについて視認性の担保に貢献できる。
特徴A10.所定の規制条件が成立している状況下では、前記可動体の動作を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
演出用の可動体を用いて第2操作部を操作する構成においては、遊技者が第1操作部を操作しようとした際に当該操作に先んじて可動体による第2操作部の操作がなされることが遊技者を困惑させる要因になり得る。また、可動体を用いた所定の演出される際に、当該演出に割り込むようにして可動体による第2操作部の操作がなされることで、あたかもそれが所定の演出の一部であるかのような誤解を生む可能性が生じる。そこで、本特徴に示すように、所定の規制条件が成立している場合には規制手段によって可動体の動きを規制する構成とすることにより、上述したような困惑の発生を抑えることができる。
特徴A11.前記規制手段は、前記演出装置により前記所定の演出が行われる場合に、前記規制を行う手段を有していることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
演出装置によって所定の演出が行われる場合には、演出用の動きと操作用の動きとが混在することで遊技者が困惑すると懸念される。そこで、所定の演出が行われる場合には、遊技者の挙動に基づいた可動体の操作機能をOFFにすることにより、そのような不都合の発生を抑制することができる。このような場合であっても、第1操作部の操作については規制されているわけではないので遊技進行が妨げられる等の不都合は生じない。
特徴A12.遊技者の切替操作により、前記監視手段の監視結果に基づいた前記可動体の変位を許容する許容状態と、前記監視手段の監視結果に基づいた前記可動体の変位を規制する規制状態とに切替可能な切替手段を備えていることを特徴とする特徴A8乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したサポート機能が付与された遊技機であっても、遊技者によっては基本となっている操作(第1操作部の操作)を好む場合もある。そこで、本特徴に示すように監視手段の監視結果に基づく可動体の動作の可否を遊技者の切替操作に基づいて切り替える構成とすることにより、遊技者の様々な趣向に対応させることが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者により操作される操作手段を備えているものが知られている。例えば、特許文献1(特開2008−29764号公報)に示すパチンコ遊技機では、遊技機前面部に操作手段を設け、遊技者に有利な特別遊技状態等の発生を遊技者に期待させるために、遊技者の操作に応じて特別演出を画面表示等にて行うように構成されている。このように操作手段を採用した遊技機においては、操作手段を用いて遊技者の遊技への注目度を如何にして高めるかが重要な課題となっている。」という背景技術について、「ここで、操作手段の数を増やして状況に応じた使い分けを行う構成とすれば、遊技の単調化を好適に抑制することができる。しかしながら、操作が複雑になれば操作が煩わしくなる等して操作示唆が無視されたりすることにより、特別演出の発生機会が少なくると想定される。これでは、折角の演出機能が上手く発揮されなくなると懸念される。このように、操作手段を利用して遊技への注目度の向上を図る上では、未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技者により操作される第1操作手段(第1操作部342)と、
前記第1操作手段とは別に設けられ、遊技者により操作される第2操作手段(第2操作部343)と、
前記第1操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第1操作手段が操作された場合に、遊技に係る第1制御処理を実行する第1制御手段(演出制御装置910にて第1操作対応演出を実行する機能)と、
前記第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第2操作手段又は前記第1操作手段が操作された場合に、遊技に係る第2制御処理を実行する第2制御手段(演出制御装置910にて第2操作対応演出を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第1操作手段が操作された場合に第1制御処理が実行される一方、第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第2操作手段又は第1操作手段が操作された場合に第2制御処理が実行される。つまり、第1操作手段が第2操作手段を兼ねる構成となっている。複数の操作手段を併用すれば遊技(操作)が単調になることを好適に抑制することができる。しかしながら、単に操作を多様化することは、多様性を好まない遊技者にとって遊技意欲低下の要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1操作手段が第2操作手段を兼ねる構成とすることにより、多様なニーズに対応することができ、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の低下を抑制しつつ、それに起因した不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴B2.第1操作の示唆が開始されてから所定の期間を経過するまでは前記第1操作部に基づく前記第2制御処理を規制し、前記第1操作の示唆が開始されてから前記所定の期間を経過した後は前記第1操作に基づく前記第2制御処理を許容する手段を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
単に第1操作手段が第2操作手段を兼ねる構成とした場合には、第2操作手段の存在意義が低下することとなる。そこで、第1操作手段によって第2操作手段を兼ねる場合には、その操作許容のタイミングを遅らせることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、レスポンスのよい操作を好む遊技者に対しては第2操作手段の操作を促すことができ、シンプルな操作を好む遊技者に対してはある程度の待ちを許容することにより、第2操作手段へ手を伸ばす必要がなくなる。これにより、第2操作手段の存在意義が低下することを抑制し、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴B3.前記第2制御手段は、前記第2制御処理として、前記第2操作部の操作が示唆されている状況下にて前記第2操作が行われた場合に遊技に関する第1情報を表示する表示処理を実行し、第2操作部の操作が示唆されている状況下にて前記第1操作が行われた場合には前記第1情報よりも情報量が少なくなるように設定された第2情報を表示する表示処理を実行するように構成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、示唆に応じて第1操作手段/第2操作手段を操作した場合にはそれに応じて遊技に関する情報が表示される。但し、表示される情報量については差が設定されている。つまり、第2操作手段の操作が示唆されている状況下にてその示唆通りに第2操作手段を操作した場合の方が、簡易的に第1操作手段の操作で代用した場合よりも得られる情報量が多くなる。このような差違を設けることにより、遊技者に第1操作手段/第2操作手段の使い分けを促すことができ、それら操作手段を好適に共存させることができる。
特徴B4.前記第2制御手段は、前記第1操作手段の操作よりも前記第2操作手段の操作を優先するようにして前記第2制御処理を行うように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の操作手段を併用する上で第1操作手段が第2操作手段を兼ねる構成とした場合には、それら操作手段が同時又はほぼ同時に操作される可能性が生じる。このような場合には、示唆の通りの操作手段を優先して対応する制御処理を実行することにより、例えば特徴B3に示したような差別化が図られている場合であっても遊技者が本来得られるはずの情報が得られなくなるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B5.遊技者に前記第1操作手段の操作を促す第1報知手段と、
遊技者に前記第2操作手段の操作を促す第2報知手段と
を備え、
前記第1報知手段による報知の発生頻度が前記第2報知手段による報知の発生頻度よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
操作手段を有するタイプの遊技機においては、操作を促す報知が行われやすい操作手段に手を添える等して遊技が行われることがある。これにより、遊技者は報知→操作のレスポンスを高めることができる。そこで、報知の発生頻度が相対的に高くなるように設定された第1操作手段が報知の発生頻度が相対的に低くなるように設定された第2操作手段を兼ねる構成とすることにより、第1操作手段に付与された第2操作手段を兼ねる機能を好適に発揮させることができる。
特徴B6.遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル341)と、当該遊技球発射ハンドルが操作されたことに基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構410)とを備え、
前記第1操作手段及び前記第2操作手段のうち前記第1操作手段が前記遊技球発射ハンドルに併設されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球が発射されるタイプの遊技機においては、遊技を進める上で遊技球発射ハンドルに手が添えられた状態が続くこととなる。そこで、この遊技球発射ハンドルに併設された操作手段(第1操作手段)によって他の操作手段(第2操作手段)を兼ねる構成として遊技者の利便性の向上を図ることにより、演出等に係る別途操作を好まない遊技者についても当該操作を促すことが可能となり、遊技への積極的な参加を促すことができる。
また、操作示唆(報知)に気付くのが遅れた場合であっても遊技球発射ハンドルに併設された第1操作手段であれば、即座に対応することができるため、操作が間に合わなくなるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B7.遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル341)と、当該遊技球発射ハンドルが操作されたことに基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構410)とを備え、
前記遊技球発射ハンドルにて遊技球の発射操作が行われていない場合には、前記第2制御手段における前記第1操作手段の操作に基づいた前記第2制御処理の実行を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、利便性の向上効果を享受する上で発射操作を促すことができ、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
特に特徴B6との組み合わせにおいては、遊技球発射手段に第1操作手段が併設されているため、利便性向上の効果が上手く享受できなくなるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B8.遊技者により操作される第1操作手段(第1操作部342)と、
前記第1操作手段とは別に設けられ、遊技者により操作される第2操作手段(第2操作部343)と、
前記第1操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第1操作手段が操作された場合に、遊技に係る第1制御処理を実行する第1制御手段(演出制御装置910にて第1操作対応演出を実行する機能)と、
前記第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第2操作手段が操作された場合に、遊技に係る第2制御処理を実行する第2制御手段(演出制御装置910にて第2操作対応演出を実行する機能)と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて所定の期間が経過した後は前記第1操作手段の操作に基づいて前記第2制御処理を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
単に第1操作手段が第2操作手段を兼ねる構成とした場合には、第2操作手段の存在意義が低下することとなる。そこで、第1操作手段によって第2操作手段を兼ねる場合には、その操作許容のタイミングを遅らせることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、レスポンスのよい操作を好む遊技者に対しては第2操作手段の操作を促すことができ、シンプルな操作を好む遊技者に対してはある程度の待ちを許容することにより、第2操作手段へ手を伸ばす必要がなくなる。これにより、第2操作手段の存在意義が低下することを抑制し、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴B9.遊技者により操作される第1操作手段(第1操作部342)と、
前記第1操作手段とは別に設けられ、遊技者により操作される第2操作手段(第2操作部343)と、
前記第1操作手段及び前記第2操作手段とは別に設けられ、遊技者により操作される第3操作手段(第3操作部344)と、
前記第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第2操作手段が操作された場合に、遊技に係る第2制御処理を実行する第2制御手段(演出制御装置910にて操作対応第2演出用処理を実行する機能)と、
前記第3操作手段の操作が示唆されている状況下にて当該第3操作手段が操作された場合に、遊技に係る第3制御処理を実行する第3制御手段(演出制御装置910にて操作対応第3演出用処理を実行する機能)と、
前記第1操作手段が操作された場合に、当該第1操作手段が操作された状況を把握する操作状況把握手段と、
前記操作状況把握手段により前記第2操作手段の操作が示唆されている状況下にて前記第1操作手段が操作されたことが把握された場合に前記第2制御処理を実行し、前記第3操作手段の操作が示唆されている状況下にて前記第1操作手段が操作されたことが把握された場合に前記第3制御処理を実行する手段(演出制御装置910にて代替操作用の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
複数の操作手段を併用することは遊技(操作)が単調になることを抑制する上で有利である。しかしながら、単に操作を多様化した場合には、多様性を好まない遊技者にとって遊技意欲低下の要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1操作手段が第2操作手段及び第3操作手段を兼ねる構成とすることにより、遊技者の利便性を担保することができる。係る構成によれば、遊技者の多様なニーズに対応することができ、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の低下を抑制しつつ、それに起因した不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、特徴B8又は特徴B9に特徴B1〜特徴B7に示した技術的思想を適用してもよい。
また、以上詳述した特徴B群に上記特徴A1〜特徴A12に示した技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者により操作される操作手段を備えているものが知られている。例えば、特許文献1(特開2008−29764号公報)に示すパチンコ遊技機では、遊技機前面に操作手段を設け、遊技者に有利な特別遊技状態等の発生を遊技者に期待させるために、遊技者の操作に応じて特別演出を画面表示等にて行うように構成されている。このように操作手段を採用した遊技機においては、操作手段を用いて遊技者の遊技への注目度を如何にして高めるかが重要な課題となっている。」という背景技術について、「しかしながら、操作示唆等を遊技者が見逃したり、操作が煩わしくなる等して操作示唆が無視されることにより、特別演出の発生機会が少なくなり折角の演出機能が上手く発揮されなくなると懸念される。このように、操作手段を利用して遊技への注目度の向上を図る上では、未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技機前面部に設けられ、遊技者により操作される第1操作部と、
遊技機内部に設けられた第2操作部と、
前記第1操作部及び前記第2操作部の何れかが操作されたことに基づいて遊技に関する所定の制御処理を実行する遊技制御手段と、
遊技機内部に設けられた可動体を有し、当該可動体を変位させて所定の演出を行う演出装置と
を備え、
前記可動体が動作することにより前記第2操作部が操作される構成となっていることを特徴とする遊技機。
遊技者によって操作可能な位置に第1操作部を設け、この第1操作部が操作されることにより所定の制御処理を行う構成によれば、遊技者の遊技への参加を促すことができる。しかしながら、操作に基づいて所定の制御処理が行われる構成では、操作を行わないことが不利であるかのような印象が強くなり、操作が煩わしいと感じる遊技者の遊技意欲を減退させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定の演出を行う演出装置にて可動体が動作した場合に第2操作部を操作可能となれば、可動体の動作を伴う演出等が実行される場合には、第1操作部を操作しなくても所定の制御処理が実行されるようにサポートされることとなる。このように構造的側面からサポート機能を担保する構成とすれ、当該サポート機能を搭載することが所定の制御処理を行う際の処理負荷を増大させる要因になることを抑制できる。
特徴C2.前記第1操作部の操作を所定の期間に亘って有効とする有効化手段と、
前記有効化手段によって前記第1操作部の操作が有効化されている場合に、当該第1操作部の操作を示唆する示唆手段と、
前記示唆手段による示唆が終了する場合に、前記可動体を変位させるように前記演出装置を駆動制御する駆動制御手段と
を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1操作が行われることなく示唆が終了する際に可動体が変位する場合がある。このようにして可動体が変位した場合には、第2操作部が操作され上記所定の制御処理が実行されることとなる。この際、遊技制御手段側では可動体の動作→第2操作部の操作を受けて所定の制御処理を実行するだけであるため、処理負荷が増大するためサポート機能を発揮する上で処理負荷が増大することを抑制できる。
特徴C3.前記第1操作部と前記第2操作部とを繋ぐリンク機構を備え、
前記リンク機構は、前記第1操作部が変位した場合には当該第1操作部の操作力が当該リンク機構を介して前記可動体に伝わることが回避されるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように所謂ワンウェイリンクを用いて2つの操作部を繋ぐ構成とすれば、第1操作部が操作された際の操作力から可動体を保護することができる。
特徴C4.前記第1操作部は、遊技者の押圧操作によって操作待機位置から操作位置へ変位する操作ボタンであり、
前記第2操作部に生じた操作力が前記リンク機構を介して前記第1操作部に伝わることにより、前記操作位置へ変位するように構成されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
また、可動体の動作→第2操作部が変位した場合には、その操作力が第1操作部に伝わることにより、第1操作部が操作されたことと同様の事象が発生している旨を遊技者に伝えやすくすることができる。
特徴C5.前記リンク機構は、第1操作部と第2操作部とを連結する連結部を有し、
前記連結部が回動可能に軸支されており、
前記連結部の回動中心部から前記第1操作部までの距離よりも当該回動中心部から前記第2操作部までの距離の方が大きいことを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
可動体を用いて演出を行う場合には、その動作範囲を大きくすることによりダイナミックな演出が可能となる。ここで、可動体用の動力によって操作部を動かそうとした場合には、抵抗が大きくなることで可動体の動作の応答性が低下する。この点、回動中心部からの距離を上述の如く調整すれば、見栄えの向上や応答性の向上を実現できる。
特徴C6.前記第1操作部の操作に基づいて前記第2操作部が変位した状態では、当該第2操作部が前記可動体の動作領域から外れた位置に待機するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、第2操作部の存在が可動体を変位させる際の邪魔になることを回避できる。
特徴C7.前記可動体は、演出位置と待機位置とに変位可能となっており、
前記第1操作部の操作を示唆する示唆手段を備え、
前記示唆手段によって前記第1操作部の操作が示唆されている示唆期間中に当該第1操作部の操作が行われなかった場合に、前記可動体を前記待機位置から前記演出位置へ変位させる手段を備えており、
前記第2操作部は、前記可動体の前記待機位置から前記演出位置への変位に基づいて操作される構成となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
操作示唆が行われてから操作が有効となる期間(示唆期間)に制限がある場合には、それに気付くのが遅れた場合に第1操作部の操作が間に合わなくなる可能性がある。このような場合には、示唆期間の終了に基づいて可動体が演出位置へと移動し、第2操作部が操作される構成とすることにより、遊技者をサポートすることができ(すなわち進行条件を強制的に成立させることができ)、例えば操作対応演出等の上記所定の制御処理の実行機会が失われることを抑制できる。
なお、以上詳述した特徴C群に上記特徴A1〜特徴A12や特徴B1〜特徴B8に示した技術的思想を適用することも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル341)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構410)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール400)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘369等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口361等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。