<第1の実施の形態> 左一般入賞口へ入った球を貯留
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部31にて上皿33よりも手前側となる部分には、遊技者によって操作される操作ボタン35が配設されている。この操作ボタン35が操作されることにより操作対応の演出(例えば役物連動の特別演出)等が実施されることとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。また、樹脂ベース50に対して遊技盤60を遊技前方から搭載する構成とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65への入球が発生すると、それが遊技盤60の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
その他に、遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に上下に並べて配置されている。以下便宜上、上側の作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、下側の作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、左右一対の可動片71aと同可動片71aを駆動させるソレノイド式の電動役物駆動部71bとを有してなり、当該可動片71aを動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下側作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域及び左側となる領域には、上記スルーゲート66がそれぞれ配置されており、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)64,65については、可変表示ユニット67の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の下方(詳しくは作動入球部62,63の下方)に配置された可変入賞装置を「下側可変入賞装置64」と称し、可変表示ユニット67の右方(詳しくは下側作動入球部63の下方)に配置された可変入賞装置を「右側可変入賞装置65」と称する。
下側可変入賞装置64は、遊技盤60の背面側へと通じる下側大入賞口64aを備えているとともに、当該下側大入賞口64aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、下側大入賞口64a用の開閉部材としての開閉扉64bを有してなる。開閉扉64bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉64bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部64c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉64bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、右側可変入賞装置65についても同様に、遊技盤60の背面側へと通じる右側大入賞口65aを備えているとともに、当該右側大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、右側大入賞口65a用の開閉部材としての開閉扉65bを有してなる。開閉扉65bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉65bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部65c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置64,65の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては16ラウンド,8ラウンド,4ラウンド)を上限とした開閉扉64b又は開閉扉65bの開放が繰り返されるように設定されている。
また、開閉実行モードにおいては、下側可変入賞装置64(下側大入賞口64a)が開放の対象となる場合と、右側可変入賞装置65(右側大入賞口65a)が開放の対象となる場合とが設定されている。これら両開放態様については、後述する大当たりの種類に応じて選択される。
ここで、各作動入球部62,63及び各可変入賞装置64,65の配置について補足説明する。
遊技盤60の中央には上記可変表示ユニット67が配設されている。この可変表示ユニット67(詳しくは後述するセンターフレーム77)により、遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67を右側から迂回するルート(以下、右ルートと称する)と、左側から迂回するルート(以下、左ルートと称する)に大別されている。
可変表示ユニット67の左側となる領域(左ルート)に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63が配置されている領域へと誘導されやすくなっている。この際、両作動入球部62,63を素通りした遊技球は下側可変入賞装置64へと流下し、当該下側可変入賞装置64の下側大入賞口64aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、右側可変入賞装置65については可変表示ユニット67の左側となる領域を流下した遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、可変表示ユニット67の左側となる領域へ向けて発射された遊技球の右側大入賞口65aへの入球が回避されている。
また、可変表示ユニット67の右側となる領域(右ルート)に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は右側可変入賞装置65へ向けて流下する。右側可変入賞装置65には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部63)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、右側可変入賞装置65の右側大入賞口65aを素通りした遊技球は下側作動入球部63へ向けて流下することとなる。そして当該下側作動入球部63を素通りした遊技球は下側可変入賞装置64へ向けて流下する。ここで、上側作動入球部62については、可変表示ユニット67の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、同遊技球は両可変入賞装置64,65及び下側作動入球部63への入球が許容されている一方で、上側作動入球部62への入球が回避されている。
なお、本実施の形態においては、上述したように可変表示ユニット67の左右両側にスルーゲート66をそれぞれ配置しているため、遊技球を可変表示ユニット67の左右のどちらに向けて発射したとしても(遊技状況に応じて打ち分けを行ったとしても)下側作動入球部63の電動役物71によるサポート機能が担保される。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置75と、図柄表示装置75を囲むようにして配設されたセンターフレーム77とを有している。センターフレーム77は遊技機前方に突出しており、このセンターフレーム77によって図柄表示装置75の前方領域における遊技球の通過が規制されている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)発生となり、上述した開閉実行モードへ移行することとなる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
作動入球部62,63の側方(右側可変入賞装置65の下方)には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上側作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部DUと、下側作動入球部63(下側作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLとを有してなる。
上側作動入球部用表示部DUでは、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上側作動入球部用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、下側作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DL,DUにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止(確定表示)されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止(確定表示)されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには両作動入球部用表示部DL,DU以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DU,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DU,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置610と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置610が装着されている。
報知・演出制御装置610は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成を図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181及び各種検知センサ151〜156などが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサ151〜156の一部として、一般入賞口61、可変入賞装置64,65、作動入球部62,63及びスルーゲート66などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、作動入球部62,63への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置610が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には、6個の遊技球の払出に対応した賞球コマンド(一般入賞口用賞球コマンド)が出力され、可変入賞装置64への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンド(可変入賞装置用賞球コマンド)が出力され、作動入球部62,63への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンド(作動入球部用賞球コマンド)が出力される。
報知・演出制御装置610には、変動開始コマンド(変動用コマンド)、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置64,65の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部64c,65c、作動入球部63の電動役物71を開閉動作させる電動役物駆動部71b、主表示ユニット81が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602はそれら各種構成の制御を行う。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入賞装置64,65が開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部64c,65cの駆動制御が実行される。また、作動入球部63の電動役物71の開放状態当選となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部71bの駆動制御が実行される。また、MPU602によって主表示ユニット81の入球部用表示部DL,DU,DS及び保留数表示部HSの表示制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置610に設けられた報知・演出制御基板611には、MPU612が搭載されている。MPU612には、当該MPU612により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の入力側には上述した操作ボタン35が接続されており、この操作ボタン35からの信号に基づいて操作の有無を把握することが可能となっている。MPU612の出力側には、発光部26〜28やスピーカ部29、表示制御装置620等が接続されている。なお、MPU612には後述する貯留ユニットの入球検知センサ及びシャッタ(駆動部)が接続されているが、貯留ユニットについての詳細は後述する。
MPU612では主制御装置162から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67を制御する。具体的には、報知・演出制御装置610では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間(リーチ演出の発生の有無)を把握し、最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともにリーチ演出の内容の詳細を決定する。
表示制御装置620はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM、プログラムROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
VDPは、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPはICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDPは、MPU、ビデオRAM等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROMは、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROMに記憶されている。
ビデオRAMは、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
表示制御装置620のMPUでは、報知・演出制御装置610から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。具体的には、報知・演出制御装置610にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。
ここで、図柄表示装置75(表示画面75a)の表示内容について、図6を参照して詳細に説明する。図6は図柄表示装置75の表示画面75aを示す概略図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果となったことを示す大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置75にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機10では、上記のように大当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ演出又はリーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、可変入賞装置64,65の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
表示画面75aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。当該保留表示領域NEには、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が上側作動入球部62に入球した場合の最大保留個数は4個であり、下側作動入球部63に入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では上側作動入球部62及び下側作動入球部63への入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動入球部62,63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図6(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
(各種カウンタについて)
次に、主制御装置162のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図7を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、高確率モードからの転落抽選、作動入球部用表示部DL,DUの表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の概要設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、16R確変大当たり結果や4R確変大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ結果対応の変動表示を行う際のリーチ抽選等に使用するリーチ乱数カウンタC3と、高確率モードからの転落抽選に使用する転落乱数カウンタC4と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、作動入球部用表示部DL,DU及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態(サポート状態)とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC5を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C5,CINI,CSは、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられている。
各カウンタC1〜C5,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4に対応した情報)は、作動入球部62,63への入賞が発生した場合に、RAM604に「取得情報記憶手段」として設けられた保留球格納エリア604bに格納される。
保留球格納エリア604bは、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動入球部62,63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が「特別情報」に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動入球部62,63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動入球部62,63への遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動入球部62,63への入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、作動入球部用表示部DL,DUの変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり、「0」〜「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たり確率が1/200となっている。
一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」・・・「407」,「507」の6個である。つまり、「0」〜「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」・・・「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たり確率が低確率モードよりも高くなっている(詳しくは1/100)。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2を用いた遊技結果の振分先(すなわち当否抽選及び振分抽選による抽選結果)が、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図9の概略図を用いて説明する。図9に示すように、振分テーブルとしては、図9(a)に示す上側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)に示す下側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上側作動入球部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜8」が8R確変大当たり結果に対応しており、「9〜14」が8R通常大当たり結果に対応しており、「15〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、上側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たり結果に対応しており、「6〜11」が8R確変大当たり結果に対応しており、「12〜17」が8R通常大当たり結果に対応しており、「18〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
8R通常大当たり結果及び4R通常大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、以降後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
既に説明したように作動入球部用表示部DU,DLについては多数のLEDによって構成されている。確変大当たり結果となった場合と通常大当たり結果となった場合とでは、作動入球部用表示部DU,DLに表示される絵柄が区別されてはいるものの、それらLEDの発光態様から確変大当たり結果/通常大当たり結果を判別することが難しくなっている。更には、確変大当たり結果となった場合に図柄表示装置75に表示される図柄組み合わせ及び通常大当たり結果となった場合に図柄表示装置75に表示される図柄組み合わせについては共通化されている。
また、開閉実行モードや開閉実行モードの終了後の遊技の流れが共通であり、後述する状態報知が実行されるまでは抽選モードが高確率モード/低確率モードの何れであるかを図柄表示装置75等の各種演出装置における表示演出等から識別することは困難となっている。
抽選モードが高確率モードとなっている場合の方が低確率モードとなっている場合よりも大当たり結果となりやすい。このため、抽選モードが高確率モードであることに期待しながら遊技が行われる。ここで、抽選モードを識別可能な情報を敢えて非明示とすることにより、遊技者に対して抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となっている。これにより、遊技への注目度の向上を図っている。
転落乱数カウンタC4は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後に0に戻る構成となっている。転落乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62(上側作動口62a)又は下側作動入球部63(下側作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上側作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上側作動入球部用保留エリアRaに格納され、下側作動入球部63(下側作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
転落結果となる乱数の値は、ROM603における転落情報群記憶手段としての転落テーブル記憶エリアに転落テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、転落テーブルの内容について説明する。なお、転落テーブルについては、高確率モード/低確率モードや高頻度サポートモード/低頻度サポートモード等の遊技状態に関係なく、参照されるテーブルが共通化されているが、これに限定されるものではなく、遊技状態毎に参照テーブルを切り替える構成とすることも可能である。
上記抽選に際しては、転落結果となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「444」の1個である。つまり「0〜599」の転落乱数カウンタC4の値のうち「444」のみが転落結果に対応している(図8(c)の概略図参照)。転落結果となった場合には、遊技状態が高確率モードから低確率モードへの移行(転落)へ移行することとなる。なお、低確率モード中においては転落乱数カウンタC4の値が「444」以外である場合には低確率モードに維持され、高確率モード中においては転落乱数カウンタC4が「444」以外である場合には高確率モードに維持される。つまり、本実施の形態においては、一旦高確率モードへ移行した後は転落抽選にて転落結果となるまで高確率モードに維持されることとなる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、作動入球部62,63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留エリアREに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、作動入球部用表示部DL,DUにおける変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置75や主表示ユニット81(作動入球部用表示部DL,DU)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに格納されている変動表示時間テーブルが参照される。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動入球部用表示部DL,DUにおける停止結果(絵柄)が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶された停止結果テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC5の値によって下側作動入球部63に付属の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば電動役物71を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば電動役物71を開放状態に制御しない。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図10のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサ(一般入賞口61用の検知センサ151、上側作動入球部62用の検知センサ152、下側作動入球部63用の検知センサ153、下側可変入賞装置64用の検知センサ154、右側可変入賞装置65用の検知センサ155、スルーゲート用の検知センサ156)の状態を読み込み、それら入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)をバッファ領域に保存する。なお、詳細については後述するが、本実施の形態においては通常処理においてもスルーゲート66への入賞の有無が参照される構成となっている。そこで、スルーゲート66への入賞の有無を示す情報は、当該タイマ割込み処理に対応するものと通常処理に対応するものとで区別して記憶され、これら記憶された情報は、それら各処理にて消去される構成となっている。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC5の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC5をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理においては先ず、バッファ領域に記憶されている入賞検知情報に基づきスルーゲート66を遊技球が通過したか否かを判定する。スルーゲート66を遊技球が通過したと判定した場合には、電役保留エリア604cに記憶されている役物保留記憶数(電役保留数SN)が上限数(4)未満であるか否かを判定する。役物保留記憶数が4未満である場合には、電役保留数SNを1加算し、電動役物開放カウンタC5の値を電役保留エリアに格納する。また、保留記憶数と対応する主表示ユニット81の保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。スルーゲート66を遊技球が通過していないと判定した場合、又は記憶されている役物保留記憶数が上限数に達している場合には、そのままスルー用の入賞処理を終了する。
スルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。ここで、作動口用の入賞処理について説明する。
(作動口用の入賞処理)
作動口用の入賞処理においては先ず、遊技球が上側作動入球部62に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上側作動入球部62に入球したと判定した場合には、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットし、上側作動入球部62に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上側作動入球部62に入賞していないと判定した場合には、遊技球が下側作動入球部63に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下側作動入球部63に入球したと判定した場合には、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットし、下側作動入球部63に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本入賞処理にてセットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181へ送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS201にて外部信号出力処理を実行する。ステップS201の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置610に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置75による図柄の変動表示態様の概要の設定、主表示ユニット81の表示制御などを行う。
ステップS203の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS204に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS205では、下側作動入球部63に併設された電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC5から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。なお、後述する準備モードにおいては高頻度サポートモードが継続される構成となっているが、これに限定されるものではなく、準備モードにおいてサポートモードが強制的に低頻度サポートモードに切り替えられる構成とすることも可能である。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS209では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図12及び図13のフローチャート等を参照して説明する。
図12に示すように、遊技回制御処理においては先ず、ステップS301にて後述する開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中ではない場合には、ステップS302にて、遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中又は確定表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中及び確定表示中の何れでもない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて保留球格納エリア604bの保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS305にて主表示ユニット81における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
データ設定処理では、先ず保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続いて保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
データをシフトした後は、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置610に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。シフト時コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610を経由し、表示制御装置620に送信される。表示制御装置620では、シフト時コマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
(変動開始処理)
次に、ステップS305の変動開始処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、転落抽選処理を実行する。転落抽選処理では、転落乱数カウンタC4と転落テーブルとを参照して、低確率モードへの移行条件が成立したか否かを判定する。転落結果である場合にはステップS402にて肯定判定をし、ステップS403〜ステップS404の転落用設定処理を実行する。
転落用設定処理においては、ステップS403にて抽選モードが高確率モードとなっているか否かを判定する。ステップS403にて否定判定をした場合には、そのまま本転落用設定処理を終了する。ステップS403にて肯定判定をした場合には、ステップS404に進む。ステップS404ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている高確率モードフラグを消去する。これにより、以降の当否抽選処理においては、低確率モード用の当否抽選テーブルが参照されることとなる。
ステップS402にて否定判定をした場合(転落結果ではない場合)、又は上記転落用設定処理を実行した後は、ステップS405に進む。ステップS405では当否判定処理を実行する。ステップS405の当否判定処理では、抽選モードが高確率モードであるか低確率モードであるかを判別する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603aに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603aに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS405の当否判定処理にて大当たり結果となった場合にはステップS406にて肯定判定をしてステップS407に進む。ステップS407では大当たり種別の判定処理を実行する。この種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア603bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が16R確変大当たり結果に対応した情報、8R確変大当たり結果に対応した情報、8R通常大当たり結果に対応した情報、4R確変大当たり結果に対応した情報、4R通常大当たり結果に対応した情報の何れに含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が上側作動入球部62への入球に対応している場合には上側作動入球部62用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が下側作動入球部63への入球に対応している場合には下側作動入球部63用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS408では、ステップS407における種別判定処理において特定した情報に基づいて大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS406にて大当たり当選ではないと判定した場合(外れ結果である場合)には、ステップS409にて外れ用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS408及びステップS409の各停止結果設定処理では、主表示ユニット81に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2及びROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の判定結果を特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、16R確変大当たり結果である場合には16R確変大当たりフラグを格納し、8R確変大当たり結果である場合には8R確変大当たりフラグを格納し、8R通常大当たり結果である場合には8R通常大当たりフラグを格納し、4R確変大当たり結果である場合には4R確変大当たりフラグを格納し、4R通常大当たり結果である場合には4R通常大当たりフラグを格納する。
ステップS408及びステップS409の何れかの処理を実行した後は、ステップS410にて、変動表示時間の設定処理を実行する。各遊技回の変動表示時間は、記憶されている保留情報の数、リーチ発生の有無、当否判定の結果等の各種情報に基づいて決定される。ステップS410にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS411にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変大当たり結果の情報、8R確変大当たり結果の情報、8R通常大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報、4R通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS411にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における環状電飾部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように環状電飾部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置610は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置75を表示制御する。その後、ステップS412にて主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおいて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
本実施の形態においては遊技回を重ねる度に転落抽選が実行され、転落結果となった場合には抽選モードが低確率モードとなる。このような転落が発生した場合であっても、その事実を図柄の変動表示態様や停止図柄の組み合せ等の情報から識別することは困難となっている。つまり、遊技者により現状が高確率モード及び低確率モードの何れであるかを判別されることを回避している。
遊技回制御処理(図12)の説明に戻り、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUが変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示用カウンタの値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示用カウンタの値は、上述した変動表示時間の設定処理にてセットされる。また、このセットされた変動表示カウンタの値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS409及びステップS409のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示ユニット81にて停止表示されるように当該主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DUを制御する。
続くステップS409では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS409にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aにて確定表示(最終停止表示)させる。
以上詳述したように、本実施の形態においては、大当たり結果となったことを契機として抽選モードが高確率モード/低確率モードに切り替わり、転落結果となったことを契機として抽選モードが低確率モードに切り替わる構成となっている。抽選モードがそれら2つのモードの何れになっているかについては、図柄表示装置75の表示やスピーカ部29からのBGM等の情報から判別することは困難となっている。このように遊技の状態を判別困難とすることにより、低確率モード中も高確率モードへの期待を好適に煽ることができる。
ここで、本実施の形態に示す遊技機においては、低頻度サポートモード中(開閉実行モード中を除く)に所定の報知条件が成立した場合に、抽選モードの示唆(状態示唆)が実行されることが特徴の1つとなっている。具体的には、左一般入賞口61Lへの入賞が規定回数発生することにより、状態示唆が実行され得る構成となっている。以下、図14(a)を参照して、当該状態示唆に係る構成について説明する。図14(a)は左一般入賞口61L及びその周辺構成を示す遊技盤60の部分拡大図である。
既に説明したように、遊技領域PEは可変表示ユニット67を左側から迂回する左ルートと可変表示ユニット67を右側から迂回する右ルートとが形成されている。左ルートの下流部分には複数(本実施の形態においては3つ)の左一般入賞口61Lが設けられており、それら左一般入賞口61Lは左ルートに沿うように配列されている。
具体的には、遊技領域PEの底部には内レール101に沿うように装飾ブロック300が配設されている。装飾ブロック300は遊技盤60の前面から前方に膨出しており、その上面部分に左一般入賞口61Lが形成されている。装飾ブロック300には、左一般入賞口61Lに入賞した遊技球が通過する球通路310が形成されている。装飾ブロック300にて球通路310が形成されている部分は透明となっており当該球通路310を通過する遊技球が視認可能となるように構成されている。
球通路310は、左一般入賞口61Lに流入した遊技球を検知する入賞検知センサ151が各々配設された上流側通路部311と、上流側通路部311を経由して(入賞検知センサ151を通過した)遊技球が流入する下流側通路部312とにより構成されている。入賞検知センサ151は主制御装置162に接続されており、主制御装置162は入賞検知センサ151からの検知情報(検知信号)に基づいて左一般入賞口61Lへの入賞の有無を判別する。左一般入賞口61Lへの入賞が発生した場合には、予め設定された数の賞球が遊技者に付与されることとなる。各入賞検知センサ151を球通路310(上流側通路部311)の入口付近に配設することにより、賞球付与時の応答性の向上が実現されている。
下流側通路部312はその最上流部分にて2股に分岐している。具体的には、斜めに傾斜した上流側通路部311の延長上に入口部分が位置し且つ当該上流側通路部311と同じ方向に延びる第1分岐通路部315と、上流側通路部311に対して交差する方向に延びる第2分岐通路部316とにより構成されている。第1分岐通路部315及び第2分岐通路部316は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されている。第1分岐通路部315及び第2分岐通路部316の何れについても遊技盤60の背面側に形成された回収通路に通じており、一般入賞口61Lに流入した遊技球は、第1分岐通路部315及び第2分岐通路部316の何れかを経由してこの回収通路へ移動する。
第2分岐通路部316の入口部分には、当該第2分岐通路部316に流入した遊技球を検知する球検知センサ320が配設されている。球検知センサ320は報知・演出制御装置610に接続されており、報知・演出制御装置610は球検知センサ320からの検知情報に基づいて第2分岐通路部316への入球が発生したか否かを判別することが可能となっている。
第1分岐通路部315の途中位置には、当該第1分岐通路部315に沿った遊技球の移動を許容する開状態(許容状態)と、遊技球の移動を阻止する閉状態(阻止状態)とに切替可能なシャッタ330が配設されている。シャッタ330(詳しくは駆動部)は報知・演出制御装置610に接続されており、シャッタ330は報知・演出制御装置610からの駆動信号に基づいて開状態/閉状態に切り替わる構成となっている。
シャッタ330が閉状態となっている状況下にて第1分岐通路部315へ遊技球が流入した場合には、当該シャッタ330を先頭に列状をなすようにして遊技球が停留することとなる。つまり、第1分岐通路部315にて、当該第1分岐通路部315の入口からシャッタ330までの部分は、一般入賞口61Lに入賞した遊技球を貯留可能な貯留領域(貯留部318)となっている。
貯留部318の全長は、遊技球の直径寸法の3倍よりも僅かに大きくなっており、貯留部318における遊技球の貯留上限数は3つとなっている。つまり、貯留部318における貯留上限数は貯留部318の全長によって規定されており、それを超える遊技球が下流側通路部312に流入した場合には、当該遊技球は先行する遊技球に衝突することで向きを変えて第2分岐通路部316へ流入することとなる。
ここで、図15のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612により定期処理の一環として実行されるシャッタ330の開閉用処理(シャッタ開閉用処理)について説明する。
(シャッタ開閉用処理)
シャッタ開閉用処理においては先ず、ステップS501にてシャッタ330が開状態となっているか否かを判定する。ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS502に進む。ステップS502では開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS503に進む。ステップS503では、シャッタ330が閉状態に切り替わった後に遊技球発射機構110から発射された遊技球の数が所定数(詳しくは100個)に達しているか否かを判定する。具体的には、RAM614の各種カウンタエリアには報知・演出制御装置610に送信された発射情報に基づいて更新される発射数計測用のカウンタ(発射数カウンタ)が設けられており、この発射数カウンタを参照して上記所定数に達したか否かを判定する。因みに、所定数の遊技球が左ルートへ発射された場合には、3つの一般入賞口61Lを合わせた入賞確率、すなわち球通路310へ流入する遊技球の数は2〜3個となるように設定されている。
なお、上記情報は、遊技球発射機構110の駆動回数を示すものであり、遊技領域PEへ遊技球が到達しなかった場合を含むものとなっている。つまり、遊技球の発射操作が行われたとしても、遊技球が必ずしも遊技領域PEに到達するわけではない。そこで、このような構成に代えて、遊技領域PEの入口部分に通過検知センサを設け、この通過検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて遊技領域PEに到達した遊技球の数を監視する構成とすることも可能である。
ステップS503にて肯定判定をした場合には、ステップS504に進み、シャッタ330の開放処理を行う。これによりシャッタ330が閉状態から開状態に切り替わる。
ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS505に進む。ステップS505では、所定の開放期間を経過したか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定をした場合には、ステップS506にてシャッタ330を閉状態に復帰させる処理を行う。これにより、第1分岐通路部315を通じた遊技球の排出が規制されることとなる。
上記所定の開放期間については、貯留部318に3つの遊技球が貯留されている場合に、それら3つの遊技球がシャッタ330を通過するのに要する期間に合せて設定されている。つまり、シャッタ330が許容状態となることにより、それまで貯留部318に貯留されていた遊技球が球通路310から排出されることとなる。
ステップS506の処理を実行した後、又はステップS505にて否定判定をした場合には、ステップS507に進む。ステップS507では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS507にて否定判定をした場合、ステップS503にて否定判定をした場合、又はステップS504の処理を実行した場合には、ステップS508に進む。ステップS508では球検知センサ320からの検知情報に基づいて第2分岐通路部316(以下、特殊通路部316と称する)への入球が発生したか否かを判定する。本実施の形態においては、貯留部318に貯留されている遊技球の数が上限(3つ)に達している状況下にて、後続の遊技球が下流側通路部312に流入した場合に、当該後続の遊技球が特殊通路部316に流入することとなる。言い換えれば、貯留部318に貯留されている遊技球が上限に達していない場合には、第1分岐通路部315への移動が優先され、特殊通路部316への流入が回避される。
ステップS508にて肯定判定をした場合にはステップS509に進む。ステップS509ではRAM614の各種フラグ格納エリアに特殊入球フラグをセットする。特殊入球フラグは、後述する状態示唆用処理にて状態示唆を行う契機となるフラグである。ステップS509の処理を実行した後、又はステップS508にて否定判定をした場合には、ステップS510に進む。ステップS510では開閉実行モードの開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS510にて否定判定をした場合には、そのまま本シャッタ開閉用処理を終了する。ステップS510にて肯定判定をした場合には、ステップS511にて発射数カウンタの更新制限処理を実行した後、本開閉用処理を終了する。発射数カウンタの更新が制限されることにより、以降は遊技球が発射されたとしても発射数カウンタの更新は回避されることとなる。
ステップS507の説明に戻り、当該ステップS507にて肯定判定をした場合、又はステップS502にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中である場合には、ステップS512に進む。ステップS512では、開閉実行モードが終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS512にて否定判定をした場合には、そのまま本シャッタ開閉用処理を終了する。ステップS512にて肯定判定をした場合には、ステップS513にて更新制限の解除処理を実行した後、本開閉処理を終了する。
以上詳述したように、本実施の形態においては、遊技球を100個発射する間に、貯留部318を満タンにし、更に後続の遊技球を左一般入賞口61Lに入賞させることにより、状態示唆が行われる構成となっている。開閉実行モード中は発射数のカウントが一時的に停止されることから、貯留部318に遊技球を溜めやすくなっており、開閉実行モード終了後には開閉実行モードを特殊通路部316への入球が発生しやすくなるように優遇されている。ここで、図16(a)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612により定期処理の一環として実行される状態示唆用処理について説明する。
(状態示唆用処理)
状態示唆用処理においては先ず、ステップS601にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定をした場合には、そのまま状態示唆用処理を終了する。つまり、開閉実行モード中は特殊通路部316への入球の有無に関係なく状態示唆が回避されることとなる。
ステップS610にて否定判定をした場合には、ステップS602に進む。ステップS602ではRAM614の各種フラグ格納エリアに特殊入球フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS602にて否定判定をした場合には、そのまま本状態示唆用処理を終了する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、ステップS603に進む。ステップS603では状態示唆用の抽選処理を行う。具体的には、RAM614に記憶されている状態示唆抽選用のテーブルと、抽選用カウンタの値とを参照して、状態示唆を行うか否かを決定する。状態示唆用の抽選に当選となった場合にはステップS604にて肯定判定をし、ステップS605にて示唆態様の決定処理を行う。
本実施の形態においては、図柄表示装置75の表示画面75aにて変動表示領域MEを囲むエフェクトによって状態示唆が行われる。ステップS605の示唆態様の決定処理においては、発生させるエフェクトの種類を決定する。図16(b)の概略図に示すように、エフェクトは白色、青色、黄色、緑色、赤色の4種類が設けられている。このうち、白色は現在の抽選モードとは無関係な色である。これに対して、青色、黄色、緑色、赤色については、高確率モードである期待度に差が設けられている。現在の抽選モードが低確率モードである場合には赤色 < 緑色 < 黄色 < 青色の順に選ばれやすくなっており、現在の抽選モードが高確率モードである場合には青色 < 黄色 < 緑色 < 赤色の順に選ばれやすくなっている。これにより、エフェクトが、赤色の場合には高確率モードとなっている可能性が最も高くなり、青色の場合に高確率モードとなっている可能性が最も低くなるように差別化されている。
ステップS605にて示唆態様を決定した後は、ステップS606にて示唆対応表示用処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aにはステップS605にて決定された色のエフェクトが追加表示される。なお、表示されたエフェクトについては、当該エフェクトが発生した遊技回の終了、当該エフェクトが発生した次の遊技回の開始、特殊通路部316への入球発生を契機として非表示になる。
ステップS604の説明に戻り、当該ステップS604にて否定判定をした場合、すなわち状態示唆抽選に非当選となった場合には、ステップS607に進む。ステップS607では示唆非対応表示用処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aには白色のエフェクトが追加表示される。上述したように、白色のエフェクトは抽選モードとは無関係に選択されるものである。白色のエフェクトを発生させることにより、特殊通路部316への入球が発生したものの状態示唆の抽選に非当選となった旨が遊技者に教示される。
ステップS606又はステップS607の表示用処理を実行した後は、ステップS608に進み、RAM614の各種フラグ格納エリアに格納されている特殊入球フラグを消去する。その後、本状態示唆用処理を終了する。
既に説明したように抽選モードが高確率モードとなっている場合の方が低確率モードとなっている場合よりも遊技者に有利となる。但し、何れの抽選モードとなっているかを図柄の表示態様等から特定することは困難となっており、少しでも遊技を有利に進める上では抽選モードが何れのモードとなっているかを推測することが重要となる。ここで、本実施の形態においては、左一般入賞口61Lへ入賞した遊技球が特殊通路部316(第2分岐通路部316)へ案内されたことを契機として、抽選モードの示唆が行われることとなる。具体的には、遊技球の発射数が所定数(100個)となるまでの間に、一般入賞口61Lへの入賞数が4つとなれば、4つ目の遊技球が先行する遊技球(貯留部318に待機している遊技球)によって特殊通路部316へ案内されることとなり、抽選モードの示唆が実行され得る構成となっている。このように、一般入賞口61Lへ入賞した遊技球を用いて抽選モードの示唆の可否を決める構成とすれば、遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。また、作動入球部62,63への入賞によって開閉実行モードへの移行を狙うという遊技と、一般入賞口61Lへの入賞によって抽選モードを推測するという遊技とが並行して行われるため、遊技の単調化を好適に抑制できる。
貯留部318に貯留されている遊技球については遊技機前方から視認可能となっている。4つ目の入賞が発生した場合には、その遊技球の動きを目で追うことができる。これにより、入賞後の遊技球の動きに対する注目度を好適に向上できる。特に、特殊通路部316へ流入する際には、遊技球の流下速度が一時的に遅くなる。これは、遊技球の動きを目で追いやすくする上で好ましい構成である。
各左一般入賞口61Lに入賞した遊技球をまとめる構成としている。これにより、遊技者が注目すべき箇所が過度に多くなることを抑制している。左一般入賞口61Lについては内レール101に沿って配列されており、回収用の球通路310についても同じく内レール101に沿うように形成されている。このような配置とすることにより、球通路310の存在が遊技領域PE等を圧迫する要因になることを抑制している。
上述したタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっている。そこで、4つ目の遊技球を検知対象とする上で貯留部318に貯留される遊技球の数をそれよりも1つ少なくし、4つ目の遊技球の流下先を変化させる構成とすることで、上述した楽しみが損なわれることを抑制している。なお、例えば4つ目の遊技球を検知対象とした上で貯留部318に貯留される遊技球の数を4つとすることも可能である。但し、このような構成では、遊技球が動きへの注目度を向上する上で本実施の形態と同様の効果を期待できるものではない。
ここで、4つ目の入賞が発生する確率、詳しくは4つ目の入賞が発生し且つ当該入賞に基づく状態示唆抽選に当選する確率は、高確率モードにて大当たり結果となる確率よりも低く且つ低確率モードにて大当たり結果となる確率よりも高くなっている。これにより、上記状態示唆の機能が上手く活用されなくなることを抑制している。
上側作動入球部62と下側作動入球部63とを比較した場合には、前者よりも後者の方が大当たり結果となった場合に多くの賞球が得られるように偏りが設けられている。高頻度サポートモード中は下側作動入球部63への入球が優遇され、右ルートに向けて遊技球を発射することが持ち球を増やす上では有利となる。また、高頻度サポートモード中は下側作動入球部63への入球が優遇され、左ルートへ向けて遊技球を発射した場合であっても、ベース(賞球数/発射数)の低下を抑えながら遊技を進めることができる。左ルートへ向けて遊技球を発射すれば、投資を抑えながら特殊通路部316への入球、すなわち抽選モードの示唆の恩恵を享受できる。つまり、遊技者は、出球を多く獲得することを優先して右ルートを狙うか、それとも抽選モードの推測を優先して左ルートを狙うかを選択することができる。これにより、高頻度サポートモードにおける戦略の幅が広がりを与えることができ、遊技の単調化を好適に抑制できる。
開閉実行モード中は、発射数カウンタの更新が制限される。このため、例えば開閉実行モード中に左ルートへ遊技球を発射して貯留部318へ遊技球を溜めておくことにより、開閉実行モード終了後に状態示唆を発動させやすくする(状態示唆の準備をする)ことができる。但し、左ルートと右ルートとを比較した場合には、右ルートの方が可変入賞装置65への入賞確率が高くなる。故に、上記ベースを高くする上では右ルートを選択することが好ましい。以上の理由から、開閉実行モード中においては、遊技者は、出球を多く獲得することを優先して右ルートを狙うか、それとも抽選モードの推測を優先して左ルートを狙うかを選択することができる。これにより、開閉実行モードにおける戦略の幅が広がりを与えることができ、遊技の単調化を好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態においては、左一般入賞口61Lへの入賞数が所定数(4つ)となった場合に抽選モードの示唆を行う構成としたが、上記構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、左一般入賞口61Lへの入賞数が所定数となった場合に当該入賞に対応する演出(例えば背景画像やBGMの変更、所定のキャラクタの表示等)を行う構成としてもよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態においては遊技球発射機構110の動作状況から遊技球の発射数(詳しくは発射動作の回数)をカウントする構成としたが、これを変更し、誘導通路103の出口付近に球検知センサを設け、当該出口を通過した遊技球の数、すなわち遊技領域PEに流入した遊技球の数をカウントする構成としてもよい。
また、貯留部318にて貯留されている遊技球を放出する条件については発射された遊技球の数を前提とする必要はない。例えば、作動入球部62,63に入った遊技球の数(実行された遊技回数)が所定数に達したことを条件として放出される構成としてもよいし、予め設定された期間が経過したことを条件として放出される構成としてもよい。
<変形例3>
上記第1の実施の形態においては、開閉実行モードとなっている場合には発射数のカウントが制限される構成としたが、これに限定されるものではなく、開閉実行モード中も発射数のカウントが進む構成とすることが可能である。また、これに併せて、開閉実行モード中も特殊通路部316への入球に基づいて状態示唆の抽選を行う構成としてもよい。因みに、高頻度サポートモード中は発射数のカウントが制限される構成とすることも可能である。
なお、右ルート及び左ルートの両ルートにスルーゲート66を配置したが、必ずしも両ルートにスルーゲート66を配置する必要はなく、何れか一方のスルーゲート66を省略することも可能である。
<変形例4>
上記第1の実施の形態においては、複数の左一般入賞口61Lへ入った遊技球をまとめて貯留可能な貯留部318を設けたが、それら左一般入賞口61L毎に貯留部を設けることも可能である。但し、このような構成では、遊技者が注目すべく箇所が過度に多くなってしまうだけでなく、占有領域が大きくなることで他の遊技部品との共存が困難になる。以上の理由から、複数の左一般入賞口61Lへ入った遊技球を1の貯留部318にてまとめて貯留可能とすることには技術的意義がある。
<変形例5>
上記第1の実施の形態では、貯留部318に貯留されている遊技球の放出タイミングを報知・演出制御装置610が決める構成としたが、これに限定されるものではない。遊技者の排出操作に基づいて遊技球が放出される構成とすることも可能である。
具体的には、前扉枠14に設けられた操作ボタン35が操作されたことに基づいてシャッタ330が閉状態→開状態に切り替わる構成としてもよい。このような構成においては、上記球検知センサ320を第1分岐通路部315にてシャッタ330よりも下流側に配設し、貯留部318における貯留上限数と同じ数の遊技球がまとめて当該球検知センサ320を通過した場合に、状態示唆の抽選を行う構成とするとよい。本実施の形態においては遊技回毎に高確率モード→低確率モードへの転落抽選が行われており、開閉実行モードを経由することなく低確率モードになる場合がある。そこで、貯留数が上限数に達した後は状態示唆の抽選のタイミングを遊技者が任意に選択し得る構成とすることにより、遊技の戦略性を一層好適に向上させることができる。
<変形例6>
上記第1の実施の形態においては貯留部318を通路状としたが、遊技球を貯留可能な構成であれば足り、具体的な形状については任意である。例えば貯留部318をタンク状としてもよい。
<第2の実施の形態> 開閉実行モード中の右一般入賞口への入球で特殊表示
上記第1の実施の形態においては、左一般入賞口61Lに係る構成が特徴的なものとなっていたが、本実施の形態においては右一般入賞口61Rに係る構成が工夫されていることを特徴の1つとしている。以下、図17を参照してい右一般入賞口61Rに係る構成について補足説明する。図17は第2の実施の形態における右一般入賞口61R及びその周辺構成を示す遊技盤60Xの部分拡大図である。
遊技盤60Xの右ルートにて右側可変入賞装置65の近傍、具体的には右側可変入賞装置65の上流側となる位置には右一般入賞口61Rが配置されている。右ルートを右側可変入賞装置65に向けて流下する遊技球の一部は、右一般入賞口61Rに入賞することとなる。
本実施の形態においては、右ルートを流下する遊技球は凡そ1/20の確率で右一般入賞口61Rに入賞する構成となっており、当該右一般入賞口61Rへの入賞が発生した場合には6個の賞球が払い出される構成となっている。開閉実行モード中ではない場合には、右側可変入賞装置65は閉状態に維持されるため、右一般入賞口61Rへの入賞確率は右側可変入賞装置65への入賞確率を上回ることとなる。これに対して、開閉実行モード中は、右ルートを流下する遊技球のうち右一般入賞口61Rを素通りした遊技球のほぼ全てが右側可変入賞装置65へ入球する構成となっており、入球先は主として右側可変入賞装置65となる。
ここで、図18及び図19のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU602にて実行される開閉実行モード用の処理(遊技状態移行処理:ステップS204)について説明する。
(遊技状態移行処理)
通常処理の一環として実行される遊技状態移行処理においては、先ずステップS701にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS702に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS703に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに、16R確変大当たり結果対応フラグ、8R確変大当たり結果対応フラグ、8R通常大当たり結果対応フラグ、4R確変大当たり結果対応フラグ、4R通常大当たり結果対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS704にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置64,65の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置64,65の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS705ではRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「16」、「8」、「4」の何れかをセットする。具体的には、今回の大当たり結果が16R確変大当たり結果である場合には「16」をセットし、今回の大当たり結果が8R確変大当たり結果又は8R通常大当たり結果である場合には「8」をセットし、今回の大当たり結果が4R確変大当たり結果又は4R通常大当たり結果である場合には「4」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。
なお、本実施の形態においては、16R確変大当たり結果に対応する大当たり結果、8R確変大当たり結果又は8R通常大当たり結果である場合には、開放対象が右側可変入賞装置65となり、4R確変大当たり結果又は4R通常大当たり結果である場合には開放対象が下側可変入賞装置64となる。上述した右一般入賞口61Rについては比較的賞球が多い大当たり結果にて使用される右側可変入賞装置65に併設されている。
ステップS705の処理を実行した後はステップS706に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置610では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置610から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置610から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。ステップS706の処理を実行した後はステップS707にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS708に進む。ステップS708では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS709にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、図19を参照して大入賞口開閉処理について説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS801にて下側可変入賞装置64及び右側可変入賞装置65のうち今回の開閉実行モードにて開放対象となっているものが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置64,65の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、ステップS802にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS802にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS802にて否定判定をした場合にはステップS803に進む。ステップS803では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図10)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS803にて否定判定をした場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS804に進み、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく対象となっている可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS805〜S806の処理を実行する。
ステップS805では、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。続くステップS806では入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS806の処理を実行した後は、ステップS807にて対象となっている可変入賞装置64,65が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610においては、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS801の説明に戻り、当該ステップS801にて大入賞口が開放中であると判定した場合にはステップS808に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS809に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置64,65に対応した検知センサ154,155からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS810にて賞球コマンドの出力処理を実行する。賞球コマンドは払出制御装置181及び報知・演出制御装置610に出力される。払出制御装置181では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。詳細については後述するが、報知・演出制御装置610では、開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
ステップS810にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS811に進む。ステップS811では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS812にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS812にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS808にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS813にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続くステップS814では、開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS815では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS815にて否定判定をした場合にはステップS816に進み、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS816の処理を実行した後は、ステップS817にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS815の説明に戻り、当該ステップS815にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS818に進む。ステップS818では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS819にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図10)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、このエンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了となったことを示すエンディング表示を行う処理を実行する。
遊技状態移行処理(図18)の説明に戻り、ステップS709にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS710にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS711にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS712にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が設定されている。開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、4R確変大当たり結果の何れかであるか否かを判定する。今回の開閉実行モードがこれら確変大当たり結果の何れかに対応している場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。これにより、以降は抽選モードが高確率モードとなる。
また、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ここで、上記第1の実施の形態においては、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、一般入賞口61等への入賞に基づく賞球コマンドが払出制御装置181に送信される構成となっていたが、本実施の形態においては、それら賞球コマンドが払出制御装置181だけでなく報知・演出制御装置610にも送信される構成となっている。報知・演出制御装置610においては、受信した賞球コマンドに基づいて入賞先及び賞球数を判別する。また、払出装置222から実際に払い出された遊技球の数に関する情報についても報知・演出制御装置610に送信され、報知・演出制御装置610では当該情報に基づいて遊技球の払出数を判別可能となっている。
16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、8R通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにおいては、当該開閉実行モード中に遊技者が獲得した総賞球数が図柄表示装置75の表示画面75aに表示される構成となっている。具体的には、表示画面75aにて開放対象となっている右側可変入賞装置65寄りとなる部分(右下隅部)に、総賞球数が表示される構成となっている。
開閉実行モードとなって右側可変入賞装置65の開閉制御が行われている状況下においては、遊技球の主たる入球先が右側可変入賞装置65となる。右側可変入賞装置65については入賞上限数が決まっているため、当該右側可変入賞装置65ではなく一般入賞口61や作動入球部62,63等の他の入球部への入賞が発生することが総賞球数を稼ぐポイントとなる。つまり、遊技者が獲得できる総賞球数については一般入賞口61等の他の入球部への入賞によって左右される。
但し、そもそもの入賞の主体が右側可変入賞装置65であり且つ右側可変入賞装置65に係る賞球と一般入賞口61や作動入球部62,63に係る賞球との差が大きいことから、遊技者の注目は主として右側可変入賞装置65に向きやすい。故に、一般入賞口61等への入賞が発生したとしても、それが見逃される可能性は高い。一般入賞口61等への入賞によって特典(賞球)が付与されたとしても、遊技者がそれに気付かなければ、遊技者の満足度を高める機能が上手く発揮できなくなると懸念される。
本実施の形態においては、開閉実行モード中の右側可変入賞装置65、作動入球部62,63、一般入賞口61への入賞に基づく総賞球数を図柄表示装置75の表示画面75aにて報知(表示)することにより、特典の獲得状況を明示する構成となっているとともに、賞球の契機となる入球部毎に報知の態様を個別に設定することで、上記不都合の発生を抑制していることを特徴の1つとしている。以下、図20のフローチャートを参照して、主制御装置162からの賞球コマンドに基づき報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される取得特典の報知用の処理(取得特典報知用処理)について説明する。
(取得特典報知用処理)
取得特典報知用処理においては先ず、ステップS901にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、そのまま本取得特典報知用処理を終了する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、主制御装置162から大入賞口用の賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。大入賞口用の入賞コマンドを受信している場合には、ステップS903に進み、通常カウントアップ表示用処理を行う。受信している大入賞口用の賞球コマンドについては通常カウントアップ表示用処理を行う際に消去される。
図柄表示装置75の表示画面75aにおいては、本開閉実行モード中に付与された総賞球数が表示されている(図20(b)の概略図参照)。ステップS903の表示用処理を行うことにより、表示されている総賞球数に右側可変入賞装置65に係る賞球数が加算される。例えば、総賞球数が900個となっている状況下にて新たに右側可変入賞装置65への入賞が発生した場合には、その入賞に基づく賞球数(15個)が加算され総賞球数が915個に更新されることとなる。
ステップS902の説明に戻り、当該ステップS902にて否定判定をした場合、すなわち大入賞口用の入賞コマンドを受信している場合には、ステップS904に進む。ステップS904では作動入球部62,63や一般入賞口61への入賞に基づく特別カウントアップ表示が留保されている最中であるか否かを判定する。留保中ではない場合には、ステップS904にて否定判定をしてステップS905に進む。ステップS905では、一般入賞口用の賞球コマンド又は作動入球部用の入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS905にて否定判定をした場合には、そのまま本取得特典報知用処理を終了する。ステップS905にて肯定判定をした場合、又はステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS906に進む。
ステップS906では、特別カウントアップ表示を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS906にて否定判定をした場合にはステップS907にて特別カウントアップ表示用処理を実行し、ステップS907にて肯定判定をした場合にはステップS908にて特別カウントアップ表示の留保処理を実行する。ステップS907及びステップS908の処理を実行した後は、カウントアップ表示の契機となった入賞コマンドを消去して、本取得特典報知用処理を終了する。
特別カウントアップ表示用処理においては、今回の入賞コマンドに係る賞球数を特定する。そして、特定した賞球数を明示するメッセージを表示画面75aにて上記総賞球数が表示されている領域とは異なる領域に表示する(図21(a)の概略図参照)。この賞球数の表示については所定期間(実行期間)に亘って維持され、当該表示が終了する際に総賞球数に加算される。
なお、特別カウントアップ表示中に右側可変入賞装置65への入賞が発生した場合には、当該入賞に基づいて総賞球数が更新され、上記特別カウントアップ中に総賞球数が更新されている場合には、更新さえた総賞球数を対象として上記加算が行われる構成となっている。
特別カウントアップ表示が行われている最中に新たに作動入球部62,63や一般入賞口61への入賞が発生した場合には、ステップS908の特別カウントアップの留保処理が実行されることで、先行する特別カウントアップ表示が終了するまで次の特別カウントアップ表示が留保されることとなる。
図21(b)の概略図に例示しているように、ta1のタイミングにて特別カウントアップ表示が開始され、ta2のタイミングにて特別カウントアップ表示が終了する場合には、上述したような留保が発生することはない。これに対して、ta3のタイミング及びta4のタイミングにて一般入賞口61への入賞が連続して発生した場合には、そのインターバルと特別カウントアップ表示の実行期間との関係によって留保が発生するか否かが分かれることとなる。
図21(b)の例では、ta3のタイミングにて一般入賞口61への入賞が発生した際に特別カウントアップ表示が開始され、ta5のタイミングにて特別カウントアップ表示が終了するとともに総賞球数に一般入賞口61に係る賞球数が加算される。ここで、特別カウントアップ表示が終了する前のta4のタイミングにて一般入賞口61への入賞が発生しているため、当該入賞に基づく特別カウントアップ表示については留保されることとなる。
先の特別カウントアップ表示が終了した後のta6のタイミングでは、上記留保が解除され、ta4のタイミングにて発生した一般入賞口61への入賞に基づいた特別カウントアップ表示が開始されることとなる。
以上詳述したように、開閉実行モード中に発生した入賞に基づく表示については、入賞先である入球部によって異なる構成となっている。遊技球の主たる入球先として機能する右側可変入賞装置65とは異なる表示態様にて一般入賞口61や作動入球部62,63等の他の入球部に係る入賞表示を行うことにより、それら他の入球部への入賞が発生した旨を遊技者に伝えやすくなっている。
一般入賞口61については右側可変入賞装置65と比べて小さく且つ遊技者に付与される特典(賞球)も少なくなっている。このような構成においては、遊技者の注目は主として右側可変入賞装置65に向きやすく、一般入賞口61への入賞が見逃されやすくなると懸念される。開閉実行モード中は右側可変入賞装置65への入賞数に上限が設定されているため右側可変入賞装置65への入賞に基づいて獲得できる特典(賞球)についても似通ったものとなりやすい。これに対して、一般入賞口61への入賞数には上限が設定されているわけではないため、開閉実行モード中にできるだけ多くの遊技球が一般入賞口61Lに入賞することが遊技を有利に進める上で重要となる。そこで、一般入賞口61Lへの入賞報知を右側可変入賞装置65への入賞報知と区別し、一般入賞口61Lへの入賞が発生したことを遊技者に分かりやすく伝えることには、遊技への注目度を向上する上で好ましいという技術的意義がある。
特別カウントアップ表示の見逃しを抑制する上では、当該特別カウントアップ表示をある程度の期間に亘って継続することが好ましい。しかしながら、特別カウントアップ表示の実行期間が長くなれば、当該特別カウントアップ表示中に新たに一般入賞口61への入賞が発生する可能性が高くなる。そこで、このような場合には、次の特別カウントアップ表示を先のカウントアップ表示が終了するまで留保して実行する構成とすることにより、一般入賞口61への入賞が頻発していることを遊技者に好適に伝えることができる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態においては、可変入賞装置64,65への入賞に基づく賞球数と一般入賞口61への入賞に基づく賞球数とを同一の表示部(表示画面75a)にて表示する構成としたが、これら賞球数を別々に表示することも可能である。例えば、可変入賞装置64,65への入賞に基づく賞球数を表示する表示装置と、一般入賞口61への入賞に基づく賞球数を表示する表示装置とを個別に設けてもよい。
<変形例2>
開閉実行モードにて主となる入球部(可変入賞装置64,65)以外の入球部への入賞が発生した場合に特別カウントアップ表示を行う構成となっているのであれば足り、必ずしも作動入球部62,63及び一般入賞口61への入賞が発生した場合の両方にて特別カウントアップ表示を行う構成とする必要はない。但し、入賞を遊技者にアピールして遊技意欲の向上を図る上では、少なくとも上記主たる入球部(可変入賞装置64,65)に隣接している入球部については特別カウントアップの対象とすることが好ましい。
<変形例3>
作動入球部62,63及び一般入賞口61への入賞に基づく特別カウントアップ表示については入賞順に実行される構成としたが、これに限定されるものではなく、作動入球部62,63への入賞に基づくカウントアップ表示及び一般入賞口61への入賞に基づく特別カウントアップ表示の一方が他方よりも優先される構成とすることも可能である。
例えば、設定されている賞球数が多い方(上記第2の実施の形態においては一般入賞口61)を優先させる構成とするとよい。
<変形例4>
上記第2の実施の形態では、一般入賞口61への入賞に基づく特別カウントアップ表示を行っている最中に一般入賞口61への入賞が発生した場合には、後の入賞に基づく特別カウントアップ表示を留保する構成としたが、これに限定されるものではない。実行中の特別カウントアップ表示をキャンセルして後の特別カウントアップ表示を実行する構成としてもよいし、両特別カウントアップ表示を並行して行う構成としてもよい。
<変形例5>
一般入賞口61については可変入賞装置64,65や作動入球部62,63等の他の入球部と比較して恩恵が小さい。このような理由から、一般入賞口61については遊技者の注目が向きにくいと想定される。このため、仮に上述した特別カウントアップ等によって一般入賞口61への入賞を示す報知を行ったとしても、その報知を契機として一般入賞口61への注目度を向上させるには限度がある。
ここで、右一般入賞口61Rに入った遊技球が通過する球通路については通過する遊技球を視認可能とする。そして、球通路にて付属の検知センサ151よりも下流側となる位置に入賞口を模した疑似入賞部(センサなし)を形成する。一般入賞口61Lから疑似入賞部へ遊技球が移動するのに要する所要期間が右一般入賞口61Rへの入賞から特別カウントアップが発生するまでのタイムラグよりも長くなる構成とすることにより、特別カウントアップ(上乗せ表示)のタイミングで一般入賞口61Lに目を移した場合に、遊技球が疑似入賞部に入賞したように見せることができる。
つまり、入賞→報知ではなく報知→入賞であるかのように見せることができる。これにより、一般入賞口61への入賞を目視で確認できたかのように錯覚させることができ、一般入賞口61への入賞を好適にアピールすることが可能となる。
<第3の実施の形態> エンディング表示中に一括上乗せ表示
上記第2の実施の形態においては、開閉実行モード中の主たる入球先である右側可変入賞装置65については入賞発生の度に通常カウントアップ表示を行い、他の入球部である一般入賞口61及び作動入球部62,63に係る特別カウントアップ表示を当該通常カウントアップ表示と並行して行う構成とした。本実施の形態においては、通常カウントアップ表示と特別カウントアップ表示との関係が第2の実施の形態と相違している。以下、図22及び図23を参照して、この相違点(具体的には取得特典の報知用の処理)に係る構成について説明する。図22は報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される取得特典通常報知用処理を示すフローチャート、図23は報知・演出制御装置610のMPU612にて実行される取得特典特別報知用処理を示すフローチャートである。
(取得特典通常報知用処理)
図22に示すように、取得特典通常報知用処理においては先ず、ステップS1001にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS1001にて否定判定をしてそのまま本取得特典通常報知用処理を終了する。一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をして、ステップS1002に進む。
ステップS1002では主制御装置162から大入賞口用の賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて通常カウントアップ表示用処理を実行した後に、本取得特典通常報知用処理を終了する。通常カウントアップ表示の概要については、上記第2の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
ステップS1002にて否定判定をした場合にはステップS1004に進む。ステップS1004では主制御装置162から一般入賞口用の賞球コマンド又は作動口用の賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。一般入賞口用の賞球コマンド及び作動口用の賞球コマンドの何れも受信していない場合には、そのまま本取得特典通常報知用処理を終了する。ステップS1004にて肯定判定をした場合には、ステップS1005にて入賞記憶処理を実行した後、本取得特典通常報知用処理を終了する。入賞記憶処理では、報知・演出制御装置610(RAM614)の入賞状況記憶エリアに、開閉実行モード中に発生した一般入賞口61への入賞及び作動入球部62,63への入賞の数を記憶する。つまり、大入賞口用の入賞コマンドを受信した場合には直ちに通常カウントアップ表示によって右側可変入賞装置65への入賞が発生した旨が報知されるに対して、作動口用の入賞コマンドや一般入賞口用の入賞コマンドを受信した場合にはその旨の報知が留保される構成となっている。
報知・演出制御装置610のMPU612では、入賞状況記憶エリアに記憶されている情報に基づいて、一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数を算出する。そして、この算出結果に基づいて特別カウントアップ表示が実行される。以下、図23を参照して、特別カウントアップ表示に係る取得特典特別報知用処理について説明する。
(取得特典特別報知用処理)
取得特典特別報知用処理においては先ず、ステップS1101にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合には、ステップS1101にて否定判定をし、そのまま本取得特典特別報知用処理を終了する。一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1101にて肯定判定をしてステップS1102に進む。
ステップS1102では、特別報知中であるか否かを判定する。ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103では、開閉実行モードのラウンド遊技が終了しエンディング表示へ移行するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1103にて否定判定をした場合にはそのまま本取得特典特別報知用処理を終了する。ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104に進む。
ステップS1104では操作回数の設定処理を行う。本実施の形態における特別カウントアップ表示については、遊技者の操作に基づいて実行される構成となっている。具体的には、前扉枠14に配設された操作ボタン35が押圧操作によって所定の操作条件が成立したことを契機として特別カウントアップ表示が実行される構成となっている。ステップS1104では、所定の操作条件として操作ボタン35の押圧操作の回数を設定する。なお、開閉実行モード中に作動入球部62,63や一般入賞口61への入賞が多く発生している場合ほど、設定される押圧操作の回数も多くなる。ステップS1104の設定処理を実行した後は、ステップS1105に進む。ステップS1105では操作ボタン35の操作受付期間を設定する。ステップS1105にて設定された操作受付期間内に操作ボタン35が操作された回数が、上記設定された回数に達した場合に特別カウントアップ表示が実行されることとなる。
ステップS1104及びステップS1105にて特別カウントアップ表示用の実行条件を設定した後は、ステップS1106に進む。ステップS1106では特別報知開始用処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては、特別カウントアップ表示が開始される旨を示す画像が表示され、スピーカ部29からは特別カウントアップ表示に対応したBGMが出力される。そして、表示画面75aには、遊技者に操作ボタン35の操作を促すべく「ボタンを連打しろ」のメッセージと、ボタンアイコンが表示されることとなる(図24の概略図参照)。
ステップS1102の説明に戻り、当該ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1107に進む。ステップS1107では操作ボタン35の操作が行われたか否かを判定する。操作ボタン35が操作されたと判定された場合には、RAM614の各種カウンタエリアに設けられた操作回数カウンタを更新し、ステップS1108に進む。ステップS1108では、操作ボタン35の操作回数がステップS1104にて設定された規定回数に達したか否かを判定する。
ステップS1108にて肯定判定をした場合にはステップS1109に進む。ステップS1109では未だ賞球の払い出しが続いているか否かを判定する。開閉実行モードにおいては、可変入賞装置65への入賞確率が高くなり、当該可変入賞装置65への入賞が多発する。遊技球の払い出しの速度については一定であり、多くの入賞が発生することで、エンディング期間に移行したとしても遊技球の払い出しが完了していない可能性が高くなる。本実施の形態においては、この判定処理を行う時点では、払い出しが未完了となり、多くの場合にはステップS1109にて肯定判定されることとなる。ステップS1109にて否定判定をした場合には、特別カウントアップ表示が回避してそのまま本取得特典特別報知用処理を終了する。つまり、払い出しが続いていることが、特別カウントアップ表示の実行条件の1つとなっている。
ステップS1109にて肯定判定をした場合には、ステップS1110に進み、特別カウントアップ表示用処理を実行した後、本取得特典特別報知用処理を終了する。特別カウントアップ表示用処理においては、図柄表示装置75の表示画面75aに一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づいた賞球数の和が表示されることとなる。例えば、図24の概略図に例示しているケースでは、一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づいた賞球数の和が120個となっている。表示画面75aにおいてはボタンアイコン及び操作を促すメッセージに代えて「上乗せ 120」のメッセージが表示される。その後、当該メッセージが非表示となるのに合せて、表示画面75aの右下隅部に表示されている総賞球数に「120」が加算され、総賞球数が「2400」→「2620」に増加する。
ステップS1107にて否定判定をした場合、又はステップS1108にて否定判定をした場合には、ステップS1111に進む。ステップS1111ではステップS1105にて設定された操作受付期間を経過したか否かを判定する。ステップS1111にて否定判定をした場合には、そのまま取得特典特別報知用処理を終了する。ステップS1111にて肯定判定をした場合には、ステップS1112に進み、特別カウントアップ表示の回避処理を行う。これにより、特別報知が中断→終了されることとなる。このように、特別カウントアップ表示の実行条件が未成立となった場合には、一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく賞球数は非明示となる。
以上詳述した第3の実施の形態においては、開閉実行モード中は遊技球の主たる入賞先が可変入賞装置65となる。また、可変入賞装置65への入賞が発生した場合には遊技球の払い出しがなされ、一般入賞口61や作動入球部62,63への入賞が発生した場合にも遊技球の払い出しがなされる構成となっており、特典付与の態様が同様である。なお、作動入球部62,63への入球が発生した場合には、保留情報が取得され、この保留情報に基づく抽選が行われることとなるが、開閉実行モード中は当該抽選が規制されている。このような構成においては、可変入賞装置65への入賞に基づく賞球の報知と、それ以外の入球部(一般入賞口61や作動入球部62,63)への入賞に基づく賞球の報知とを同じ態様となることで、以下の不都合が生じる。すなわち、一般入賞口61や作動入球部62,63への入賞に基づく賞球の報知が、可変入賞装置65への入賞に基づく賞球の報知に紛れてしまい、遊技者は一般入賞口61や作動入球部62,63への入賞が発生したこと識別することが困難になる。これは、一般入賞口61等に対する注目度の向上を図る上で好ましくない。
この点、本実施の形態においては、可変入賞装置65への入賞に基づく報知と、それ以外の入球部(一般入賞口61や作動入球部62,63)への入賞に基づく報知とを分けることにより、一般入賞口61や作動入球部62,63への入球が紛れて分かりづらくなることを抑制できる。
一般入賞口61への入賞に基づく賞球(6個)が、可変入賞装置65への入賞に基づく賞球(15個)よりも少ない場合には、一般入賞口61への入賞が発生した都度、賞球数を報知したとしても、そのインパクトが小さくなる。この点、一般入賞口61への入賞に基づく賞球については賞球を合算して報知することにより、当該報知のインパクトを強くすることができる。
また、特別カウントアップ表示においては、一般入賞口61に係る賞球に作動入球部62,63に係る賞球を加えることにより、報知される数字を大きくすることができ、上記インパクトの更なる強化が期待できる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態においては、決められたエンディング期間内で特別カウントアップ表示を行う構成とした。開閉実行モードのエンディング期間が当該開閉実行モード中の一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞の有無に基づいて決定される構成とすることも可能である。例えば、エンディング期間として、第1エンディング期間と当該第1エンディング期間よりも長い第2エンディング期間とを設け、開閉実行モード中に一般入賞口61や作動入球部62,63への入賞が発生している場合にはエンディング期間として第2エンディング期間を設定し、開閉実行モード中に一般入賞口61や作動入球部62,63への入賞が発生していない場合にはエンディング期間として第1エンディング期間が設定される構成とするとよい。これにより、特別カウントアップ表示をエンディング期間中に行う構成としつつも、それに起因した遊技の間延びを好適に抑制できる。
<変形例2>
上記第3の実施の形態においては、開閉実行モードのエンディング期間中に一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数を表示する構成としたが、少なくとも右側可変入賞装置65への入賞が発生しない期間(通常カウントアップ表示が行われない期間)にて一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数の表示を行うことができるのであれば足りる。
例えば、ラウンド間のインターバル期間にて直前のラウンドにて発生した一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数や、開閉実行モード開始から当該インターバル期間までの間に発生した一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数を表示する構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第3の実施の形態においては、開閉実行モードのエンディング期間中に前扉枠14に設けられた操作ボタン35が操作されたことに基づいて一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数を表示する構成としたが、必ずしも遊技者の操作を必須とするものではない。例えば、エンディング表示が開始されたことを契機として一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数を表示する構成とすることも可能である。
<第4の実施の形態> 開閉実行モード中の右一般入賞口へ入った球を貯留
上記第3の実施の形態においては、開閉実行モードのエンディング表示中に、一般入賞口61への入賞に基づく賞球の和を表示する特別カウントアップ表示を実行する構成とした。本実施の形態においては、この特別カウントアップ表示に遊技球の動きを関連付けることにより、当該カウントアップ表示への注目度の更なる向上を図っていることを特徴の1つとしている。以下、図25(a)を参照して、遊技球の動きを関連付ける為の構成について説明する。図25(a)は第4の実施の形態において右側可変入賞装置65及びその周辺構造を示す遊技盤60Yの部分拡大図である。
本実施の形態においても第3の実施の形態と同様に、右ルートにて右側可変入賞装置65の近傍(上流)となる位置に右一般入賞口61Rが配設されている。右一般入賞口61Rには、当該右一般入賞口61Rに入った遊技球が通過する縦長の球通路360Yが形成されている。球通路360Yについては、遊技機前方から視認可能となるように形成された上流側通路部361Yと、遊技機前方から視認不可となるにより形成された下流側通路部362Yとを有している。なお、右一般入賞口61R用の検知センサ151は右一般入賞口61Rの入口部分に配設されており、遊技機前方から視認不可となっている。
上流側通路部361Yの途中位置には、遊技球の流下を許容する開状態と遊技球の流下を不可とする閉状態とに切り替え可能なシャッタ380Yが配設されている。シャッタ380Yの駆動部は報知・演出制御装置610に接続されており、報知・演出制御装置610の駆動信号に基づいて開状態/閉状態に切り替わる構成となっている。シャッタ380Yは遊技盤60Yの厚さ方向にスライド移動可能な板材となっており、球通路360Yの奥側に退避した状態が上記開状態、球通路360Yに突出した状態が上記閉状態である。
上流側通路部361Yにてシャッタ380Yの上流部分については、通路幅が左右に拡張された拡張部368Yとなっており、遊技球が左右に並んだ状態で通過可能となっている。シャッタ380Yが閉状態となっている状況下にて右一般入賞口61Rに流入した遊技球は、検知センサ151によって検知された後は、上流側通路部361Yに沿って流下し、拡張部368Yに到達することでシャッタ380Yに載った状態となる。これにより、遊技球は下流側通路部362Yへの流下が規制され、一時的に拡張部368Yにて待機した状態となる。このように、拡張部368Yにて遊技球を待機(貯留)させることができる点に鑑みれば、当該拡張部が貯留部368Yであるとも言える。
上流側通路部361Yにて貯留部368Yの上流側となる部分には、分岐通路部366Yが形成されている。貯留部368Yにおける遊技球の貯留数には上限があり、この上限を超える量が右一般入賞口61Rに流入した場合には、それら余剰となった遊技球が分岐通路部366Yを通じて排出される。分岐通路部366Yを通じて排出された遊技球は、遊技盤60Yの背面側に設けられた回収通路を経て、遊技ホールの島設備に返却されることとなる。
下流側通路部362Yの入口部分については、拡張部368Yに合せて左右に拡張されている。これにより、シャッタ380Yが閉状態から開状態に切り替わった場合には、シャッタ380Y上に載っている遊技球がまとめて下流側通路部362Yに流入可能となっている。
ここで、下流側通路部362Yの入口部分の前方には、有色不透明の装飾体390Yが配設されている。右側可変入賞装置65の開閉扉65bには右側可変入賞装置65が「入球部」であることを示す装飾が施されており、当該装飾を遊技機前方から視認可能としている。上記装飾体390Yの装飾については、遊技者によって開閉扉65bの装飾と同一であると認識されるように構成されており、下流側通路部362Y(入口部分)を可変入賞装置に擬態させている。これにより、貯留部368Yに貯留されている遊技球が下流側通路部362Yに流入した際には、あたかも可変入賞装置に流入したかのように見せることができる。因みに、右一般入賞口61Rへ遊技球が入った場合には、当該遊技球が検知センサ151により検知され、その結果として遊技球の払い出し(特典)が遊技者に付与される構成となっている。そして、下流側通路部362Yには特典付与に関する構成が不具備となっており、貯留部368Yに貯留されている遊技球が下流側通路部362Yに流入したことを契機として遊技者に特典が付与されるわけではない。外観上は下流側通路部362Y(入口部分)が別種の「入球部」であるように見せてはいるが、その実体はあくまで遊技球が通過する通過部に過ぎない。
次に、図25(b)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612にて実行されるシャッタ開閉用処理について説明する。シャッタ開閉用処理は、定期処理の一環として実行される処理であり、開閉実行モード中であることを条件として実行される構成となっている。
(シャッタ開閉用処理)
シャッタ開閉用処理においては先ず、ステップS1201にて開閉実行モードの開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202にて貯留開始処理を実行した後、本シャッタ開閉用処理を終了する。本実施の形態においては、主制御装置162から払出制御装置181に上記オープニングコマンドやエンディングコマンド等の各種コマンドが出力される構成となっており、払出制御装置181においてはこれら各種コマンドから遊技状態(遊技状況)を特定可能となっている。
貯留開始処理では、シャッタ380の駆動部に駆動信号を出力して、当該シャッタ380Yを開状態から閉状態に切り替える。これにより、以降は右一般入賞口61Rに入賞した遊技球は貯留部368Yにて貯留されることとなる。
ステップS1201にて否定判定をした場合、すなわち開閉事項モードの開始タイミングではないと判定した場合には、ステップS1203に進む。ステップS1203では貯留解除条件が成立したか否かを判定する。詳細については後述するが、本実施の形態においても上記第3の実施の形態と同様にエンディング期間中に特別カウントアップ表示が実行される構成となっている。ステップS1203ではこの特別カウントアップ表示の実行条件が成立しているか否かを判定する。なお、貯留解除条件については、特別カウントアップ表示が実行されることなくエンディング表示が終了する場合についても成立する。
ステップS1203にて否定判定をした場合には、そのまま本シャッタ開閉用処理を終了する。ステップS1203にて肯定判定をした場合には、ステップS1204にて貯留解除処理を実行した後、本シャッタ開閉用処理を終了する。貯留解除処理においては、シャッタ330Yの駆動部への駆動信号の出力を停止して、シャッタ330Yを閉状態から開状態に復帰させる。これにより、貯留部368Yにて貯留されている遊技球群は、一気に下流側通路部362Yへ落下することとなる。
なお、開閉実行モードの終了に伴ってシャッタ330Yが開状態に切り替わった後は、右一般入賞口61へ入賞した遊技球は、貯留部368Yを素通りして下流側通路部362Yへ流入し、そのまま遊技盤60Yの背面側の回収通路を通じて遊技ホールの島設備に返却される。
本実施の形態においては、基本的な特典報知の流れについては上記第3の実施の形態と同様であるが、特典報知に連動させて貯留部368Yに貯留されている遊技球を放出することにより、あたかもそのタイミングにて入賞が発生したように見せていることを特徴の1つとしている。但し、このように入賞と見せかけた場合に、遊技球の払い出しが行われなければ、それが見せかけの入賞であることが露呈してしまい。当該特典報知への注目度が低下すると懸念される。言い換えれば、貯留部368Yに貯留されている遊技球を放出した結果として遊技球の払い出しが発生するように見せる上では、当該事象を発生させる時点で少なくとも遊技球の払い出しが行われている又は行われることが好ましい。そこで、本実施の形態においては、遊技球の払い出しに係る構成が工夫されている。以下、図26及び図27のフローチャートを参照して、払い出しに関する各種制御処理(賞球コマンド対応処理及び払出制御用処理)について説明する。
既に説明したように、払出制御装置181については主制御装置162からの賞球コマンドに基づいて遊技球の払い出しを行う構成となっている。払出制御装置181のMPUでは、定期処理の一環として主制御装置162からの賞球コマンドに対応する賞球コマンド対応処理が実行されている。
(賞球コマンド対応処理)
図26(a)に示すように、賞球コマンド対応処理においては先ず、ステップS1301にて主制御装置162から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、そのまま本賞球コマンド対応処理を終了する。ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1302に進む。ステップS1302では、今回受信している賞球コマンドが、一般入賞口用賞球コマンド、作動入球部用賞球コマンド、可変入賞装置用賞球コマンドの何れであるかを識別し、受信している入賞コマンドに応じた賞球数を特定する。なお、一般入賞口用賞球コマンドは賞球数「6」、作動入球部用賞球コマンドは賞球数「3」、可変入賞装置用賞球コマンドは賞球数「15」に各々対応している。
続くステップS1303では、賞球数の加算処理を実行する。払出制御装置181のRAMには、払い出しを行う遊技球の総数(総賞球数)を記憶する総賞球数用カウンタが設けられている。この総賞球数カウンタは遊技球の払い出しが行われるごとに減算され、初期値「0」に戻るまで払い出しが行われる構成となっている。賞球数の加算処理においては、今回特定した賞球数を総賞球数用カウンタに加算する。
ステップS1303の処理を実行した後は、ステップS1304に進む。ステップS1304では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1304にて肯定判定をした場合には、ステップS1305に進む。ステップS1305では今回受信したコマンドが、一般入賞口用賞球コマンド及び作動入球部用入賞コマンドの何れかであるか否かを判定する。ステップS1305にて肯定判定をした場合には、ステップS1306に進む。
ステップS1306では開閉実行モード中に発生した一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく賞球の総数(以下、総特別賞球数と称する)の加算処理を実行する。具体的には、払出制御装置181のRAMには、総特別賞球数を記憶する総特別賞球数用カウンタが設けられている。この総特別賞球数用カウンタは、開閉実行モードが終了する場合(詳しくは特別カウントアップ表示が実行された場合)にリセットされる。ステップS1306の処理では、今回特定した賞球数を総特別賞球数用カウンタに加算する。
ステップS1306の処理を実行した後、ステップS1304又はステップS1305にて否定判定をした場合には、ステップS1307にて今回受信した賞球コマンドを消去して、本賞球コマンド対応処理を終了する。払出制御装置181では、賞球コマンド対応処理にて設定された各種情報に基づいて払出装置222の駆動制御を行う。以下、図26(b)及び図27を参照して、払出制御用処理について説明する。
(払出制御用処理)
図26(b)に示すように、払出制御用処理においては先ず、ステップS1401にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1402に進み、通常払出制御処理を実行した後、本払出制御用処理を終了する。通常払出制御処理では、総賞球数カウンタが「0」でないこと、また下皿34が満タンでないこと、払出装置222に遊技球が供給されていること等の各種条件が成立していることに基づいて、払出装置222を駆動させる。これにより、遊技者に遊技球が払い出されることとなる。なお、通常払出制御処理においては、遊技球の払い出しに関するモードが後述する高速払出モードとなる。
ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1403にて特別払出制御用処理を実行する。つまり、本実施の形態においては、開閉実行モード中であるか否かによって払出制御が異なっている。ここで、図27を参照して特別払出制御処置について説明する。
特別払出制御用処理においては先ず、ステップS1501にてラウンド遊技中であるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合、すなわち、未だラウンド遊技中であってエンディングには達していない場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では、払出待ちの遊技球の数(残数)が上記総特別賞球数を上回っているか否かを判定する。ステップS1502にて否定判定をした場合には、ステップS1503に進む。
本実施の形態においては、払出装置222による遊技球の払出モードとして払出速度(球送速度:モータの回転速度)が低速となる低速払出モードと、払出速度が高速となる高速払出モードと、一時的に払出速度を低速払出モードよりも更に遅い速度とする特殊払出モードとが設けられている。ステップS1503においては、この払出モードを低速払出モードに設定する。これにより、遊技球の払い出しが遅くなる。
ステップS1502の説明に戻り、当該ステップS1502にて肯定判定をした場合、すなわち残数が総特別賞球数を上回っている場合には、ステップS1504に進む。ステップS1504では払出モードを高速払出モードに設定する。このように、残数に応じて、遊技球の払い出し速度を調整することにより、エンディング開始前に残数が総特別賞球数を下回ることを抑制している。
ステップS1501の説明に戻り、ステップS1501にて否定判定をした場合、すなわちラウンド遊技中ではないと判定した場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では開閉実行モードのエンディングが開始されるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、ステップS1506に進み、払出モードとして特殊払出モードを設定する。本実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様に、エンディング表示の開始に伴って特別報知が開始され、特別報知中に操作ボタン35が操作されたことに基づいて特別カウントアップ表示が実行される構成となっている。ここで、エンディング(特別報知)の開始に合せて払出モードを特殊払出モードとすることにより、遊技球の払い出しが極端に遅くなる。これにより、遊技者に遊技球の払出しが完了したように見せている。
ステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1507に進む。ステップS1507ではシャッタ380による流下制限の解除条件が成立したか否かを判定する。例えば、予め設定された操作受付期間内に操作ボタン35が規定回数操作された場合には、解除条件成立となる。ステップS1507にて肯定判定をした場合には、ステップS1508に進み、払出モードとして高速払出モードを設定する。
ステップS1503,S1504,S1506,S1508の各処理を実行した後、又はステップS1507にて否定判定をした場合には、ステップS1509にて払出処理を実行した後、本特別払出制御用処理を終了する。ステップS1509の払出処理では、総賞球数カウンタが「0」でないこと、また下皿34が満タンでないこと、払出装置222に遊技球が供給されていること等の各種条件が成立していることに基づいて、払出装置222を駆動させる。これにより、遊技者に遊技球が払い出されることとなる。
ここで、図28を参照して、開閉実行モードにおける遊技の流れについて補足説明する。図28(a)群は図柄表示装置75の表示画面75aを示す概略図、図28(b)群は遊技球の動きを示す概略図である。
開閉実行モードに移行すると、右一般入賞口61Rに付属のシャッタ380Yが開状態から閉状態に切り替わる。これにより、右一般入賞口61Rに入賞した遊技球は直ちには遊技盤60から排出されず、上記貯留部368にて待機することとなる。右ルート(右側可変入賞装置65)に向けて発射された遊技球は、図28(1)に示すように貯留部318に流入した遊技球は左右に横並びとなるようにして溜まる。これにより、シャッタ380Yが閉状態から開状態に切り替わった際に、複数の遊技球が一気に下流側通路部362Yへと落下することとなり、遊技球の移動させる際の応答性の向上が図られている。
右側可変入賞装置65の開閉(ラウンド遊技)が終了して、開閉実行モードのエンディングに移行すると、貯留部368Yに少なくとも1つの遊技球が貯留されていることを条件の1つとして、図柄表示装置75の表示画面75aにて特別報知が開始される。
特別報知においては先ず、図28(2)に示すように操作ボタン35の操作を促すメッセージ及び操作ボタン35を模したアイコンが表示される。遊技者による操作ボタン35の操作回数が規定回数に達すると、図28(3)に示すように、シャッタ380Yが閉状態から開状態に切り替わる。これに合せて表示画面75aでは特別カウントアップ表示が開始される。貯留部368Yに貯留されている複数の遊技球は一気に下流側通路部362Yへと落下する。そして、このタイミングでは遊技球の払出モードが高速払出モードに切り替わる。これにより、あたかも下流側通路部362Yへ遊技球が移ったことを契機として遊技球の払い出しが行われているかのように見せることができる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態においては、貯留部368Yにて貯留されている遊技球が下流側通路部362Yに流入する構成にて、当該下流側通路部362Yの入口部分に右側可変入賞装置65を模した装飾体390Yを配設した。これにより、実際に入球部として機能している部分(遊技球の払い出しの契機となる部分)が下流側通路部362Yであるかのように見せる構成とした。このような擬態機能を発揮させる上では、擬態の対象を近傍の右側可変入賞装置65とすることに技術的意義があるが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、装飾体390Yによる擬態の対象を左一般入賞口61L(図4参照)とすることも可能である。このような構成とする場合には、右一般入賞口61Rの入口部分の装飾については、左一般入賞口61Lと類似しないもの(望ましくは簡素なもの)とするとよい。遊技球の払い出しの契機となる入球部については、遊技者の注目を集める上である程度派手な装飾を施されることがある。そこで、右一般入賞口61Rの入口部分よりも装飾体390Yを派手にすることにより、当該装飾体390Yが配設されている部分こそが「入球部」であるとイメージさせることが容易となる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態においては、賞球コマンドを受信した場合には、総賞球数カウンタを加算して、どの入球部を対象とする賞球であるかについては記憶しない構成としたが、これを変更し、入賞先及び賞球数を記憶する構成としてもよい。この場合、可変入賞装置64,65に係る賞球と、一般入賞口61に係る賞球とを区別することができる。そこで、一般入賞口61に係る賞球と可変入賞装置64,65に係る賞球との両方が控えている場合には、可変入賞装置64,65に係る賞球を一般入賞口61に係る賞球よりも優先的に払い出す構成とするとよい。更には、可変入賞装置64,65に係る賞球が無く、一般入賞口61への係る賞球のみとなっている場合には、遊技球の払出モードを低速払出モードとして、時間を稼ぐ構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第4の実施の形態においては、特別カウントアップ表示を実行する際に遊技球の払い出しが行われるように、ラウンド遊技中には適宜払出速度を低下させて払い出しのペースを遅くする構成としたが、特別カウントアップ表示を実行する際に遊技球の払い出しが行われるようにする上では、例えば一時的に遊技球の払い出しを停止する構成とすることも可能である。
<変形例4>
上記第4の実施の形態においては、下流側通路部362Y及び当該下流側通路部362Yを通過する遊技球を視認不可となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、下流側通路部362Yに検知センサを配設し、検知センサや当該検知センサを通過する遊技球を視認可能とすれば、下流側通路部362Yこそが「入球部」であるように見せることができる。この場合、上記検知センサについてはダミーであってもよいし、検知センサを報知・演出制御装置610に接続し、当該検知センサからの検知情報に基づいて表示演出等を行う構成としてもよい。例えば、この検知センサからの検知情報を契機として上記カウントアップ表示が行われる構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記第4の実施の形態においては、開閉実行モードのエンディング期間中にそれまでに貯留している遊技球を放出し且つ特別カウントアップ表示を行う構成としたが、少なくとも右側可変入賞装置65への入賞が発生しない期間(通常カウントアップ表示が行われない期間)にて一般入賞口61及び作動入球部62,63への入賞に基づく総賞球数の表示を行うことができるのであれば足りる。
例えば、直前のラウンド等のラウンド遊技中に一般入賞口61へ入賞した遊技球を貯留し、貯留されている遊技球をラウンド間のインターバル期間にて放出し且つ特別カウントアップ表示を行う構成とすることも可能である。この場合、貯留されている遊技球が貯留部368Yから排出された後にインターバル期間が終了するように、遊技球の排出に要する期間とインターバル期間との長さを設定することが好ましい。なお、インターバル期間を利用して遊技球の放出及び特別カウントアップ表示を行う場合には、当該事象が発生するインターバルと当該事象が発生しないインターバルとでインターバル期間の長さを変える(好ましくは前者のインターバル期間が後者のインターバル期間よりも長くなる)構成とするとよい。
<変形例6>
上記第4の実施の形態では、右ルートに発射された遊技球がおよそ1/20の確率で右一般入賞口61Rに入賞する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、ラウンド遊技中は、右側可変入賞装置65への入賞数が10個となることがラウンド終了条件として設定されている。そこで、右一般入賞口61Rへの入賞確率を1/10とすれば、各ラウンドにて右一般入賞口61Rへ凡そ1個の入賞が期待できる。これにより、シャッタ380Y上に横並びとなる遊技球の数が、横並び上限数(本実施の形態においては6個)を下回ることを抑制できる。
<変形例7>
右ルートの途中位置に、当該右ルートを流下する遊技球を右一般入賞口61Rと右側可変入賞装置65とに振り分ける振分機構、具体的には遊技球の通過に伴って後続の遊技球の振り分け先が変更される振分機構を配設してもよい。例えば、少なくとも10個(ラウンド終了条件である規定数)の遊技球のうち1個の遊技球が右一般入賞口61Rに入賞し得る構成とすれば、貯留機能を上手く発揮させることができる。
特に、上記変形例5との組み合わせに示したようにインターバル期間を利用して貯留されている遊技球の放出及び特別カウントアップ表示を行う場合には、本変形例に示す振分機構を併用することにより、遊技球が上手く貯留されないといった不都合の発生を抑制できる。
なお、上記振分機構の動作態様については任意であり、遊技球の通過によって振分先が変更されるのではなく、周期的に遊技球の振り分け先が変更される構成とすることも可能である。
<第5の実施の形態> 通常時には貯留部への遊技球の移動を回避
上記第4の実施の形態では通常遊技状態においてはシャッタ380Yが開状態に維持され、貯留部368Yに遊技球が溜まることを回避する構成とした。貯留部368Yによる遊技球の貯留機能を開閉実行モード中に特化して発揮させる構成とすることにより、開閉実行モード中の右一般入賞口61Rへの入球が発生した場合のインパクトを強化している。但し、貯留部368Yについては遊技者から視認可能となっているため、シャッタ380Yを開状態に維持したとしても、当該貯留部368Yを通過する遊技球が目に付く可能性がある。この場合、装飾体390Yによって形成された見かけ上の入球部(疑似入球部:下流側通路部362Y)へ遊技球が入るタイミングと、右一般入賞口61Rへの入賞によって遊技球が払い出されるタイミングとのずれが遊技者に違和感を与える要因になると懸念される。すなわち、右一般入賞口61Rが本来の入球部であり下流側通路部362Yはあくまで疑似的な入球部であることが露呈する可能性がある。これは、上記特別カウントアップ表示を行う際のインパクトを低下させる要因になるため好ましくない。本実施の形態においては、このような事情に鑑みた工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、その工夫について説明する。
球通路360Yの最上流部分、詳しくは検知センサ151の直下流となる部分については遊技機前方から視認不可となっており、この部分には遊技盤60Yの背面側に設けられた回収通路へ向かう排出通路が接続されている。排出通路と上流側通路部361Yとの分岐部分には、当該分岐部分に到達した遊技球を排出通路及び上流側通路部361Yに振り分ける振分機構が配設されている。振分機構は、分岐部分に到達した遊技球を排出通路へ振り分ける第1振分位置及び上流側通路部361Yに振り分ける第2振分位置に変位可能な可動片と、当該可動片を第1振分位置及び第2振分位置へ移動させる駆動部とを有している。駆動部を報知・演出制御装置610に接続されており、報知・演出制御装置610からの駆動信号に基づいて動作する。なお、排出通路、可動片、駆動部については遊技機前方からの視認が不可となるように隠れており、排出通路を通過する遊技球についても遊技機前方からの視認が不可となっている。
開閉実行モードへ移行すると、駆動部に駆動信号が出力され可動片が第1振分位置から第2振分位置へ移動する。つまり、開閉実行モード中は右一般入賞口61Rに入った遊技球は上流側通路部361Yを経由して貯留部368Yへ向かう。この際、シャッタ380Yが閉状態となっていれば、貯留部368Yに到達した遊技球は当該貯留部368Yに溜まることとなる。
開閉実行モードが終了し、通常遊技状態へ移行するタイミングでは、駆動部に駆動信号が出力され可動片が第2振分位置から第1振分位置へ復帰する。つまり、開閉実行モードが終了した後に右一般入賞口61Rに入った遊技球については貯留部368Yに向かうことなく、排出通路を経由して回収通路へ移動することとなる。
上述したように開閉実行モードが終了した後は、高頻度サポートモードへ移行する。高頻度サポートモードにおいては下側作動入球部63に付属の電動役物71が頻繁に開放され、上側作動入球部62への入球を回避しつつ下側作動入球部63への入球を発生させることができる。つまり、高頻度サポートモードにおいては、右ルートへ遊技球を発射することにより遊技を有利に進めることができる。このような構成では、敢えて左ルートに遊技球を発射する必要が無い限りは、高頻度サポートモードが終了するまで右ルートへ向けた遊技球の発射が継続されることとなる。
ここで、右一般入賞口61R及び右側可変入賞装置65は右ルートに配設されている。つまり、遊技を有利に進めるべく右ルートへ向けた遊技球の発射がなされた場合には、当該遊技球が右一般入賞口61Rに入る可能性がある。本実施の形態においては、上述した排出通路と振分機構とを用いて右一般入賞口61Rに遊技球が入ったとしても当該遊技球が貯留部368Yに至る前に球通路310Yから外れる構成とすることで、右一般入賞口61Rへ入った遊技球が貯留部368Yに到達することを回避している。
開閉実行モードにおいては、主として右側可変入賞装置65に係る賞球によって持ち球を増やすことができる。開閉実行モード中は、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては、右側可変入賞装置65に係る賞球だけでなく右一般入賞口61Rに係る賞球を加味して払出数が表示される。このように合算表示を行うことで、右側可変入賞装置65単独で見た場合よりも多くの払い出しが発生していることを遊技者に伝えることができる。このようにして、付与された特典を洩れなく表示することは遊技者の満足度の向上を図る上で好ましい。特に、右一般入賞口61Rに係る賞球数が貯留部368Yからの遊技球の放出に伴って加算表示(特別カウントアップ表示)される構成とすれば、出球が加速したかのような印象や上限を超えた出球を獲得できたかの印象を遊技者に与えることができる。これは、遊技への注目度の向上を実現する上で好ましい構成である。
このような構成では、上記特別カウントアップ表示を開閉実行モード中に発生させることでそのインパクトを強くすることができる。開閉実行モード中は右側可変入賞装置65に係る賞球が多発する。このため、上記特別カウントアップ表示が発生するタイミングとその契機となった入球に係る払い出しタイミングとがずれたとしても、それに起因した違和感を生じにくくすることができる。ここで、遊技球の貯留→特別カウントアップ等の表示を開閉実行モード以外で行った場合には、以下の不都合が生じる。すなわち、開閉実行モード以外では遊技球の払い出しの機会が少なくなるため、貯留されている遊技球が放出されたタイミングと払い出しのタイミングとのずれが顕著となる。これは遊技者に違和感を与える要因になると懸念される。この点、開閉実行モード以外では貯留機能をOFFとすることにより、上記不都合の発生を抑制できる。
特に、貯留機能がOFFとなっている場合には、右一般入賞口61Rに入った遊技球は貯留部368Yに案内されることはなく、排出通路を通じて遊技ホールの島設備に返却される。このような構成とすることにより、貯留されない遊技球が貯留部368Yを通過して下流側通路部362Yに入ることを回避できる。
<変形例1>
上記第4及び第5の実施の形態では、開閉実行モード中以外はシャッタ380Yを開状態に維持する構成とし、開閉実行モード中に限って当該シャッタ380Yを閉状態とする構成としたが、これに限定されるものではない。開閉実行モード中以外であっても、シャッタ380Yを閉状態とすることも可能である。
例えば、貯留部368Yを前方から遮蔽する遮蔽位置と、当該遮蔽が回避される非遮蔽位置とに移動可能なカバーを設け、開閉実行モードではない場合にはカバーを遮蔽位置に配置し、開閉実行モードへ移行した場合にカバーを非遮蔽位置に配置する構成としてもよい。このような構成とすれば、貯留部368Yに溜まっている遊技球が目につく機会を減らすことができる。
また、貯留部368Yにおける遊技球の貯留領域へ光を照射する電飾等の光照射部を設け、遊技球が貯留される状況下においては貯留領域へ光を照射させる構成とすれば、貯留されている遊技球を目立たせることができる。このような構成においては、開閉実行モード以外では光照射部からの光を照射を行わない構成とすることにより、溜まっている遊技球を目立ちにくくすることができる。
<変形例2>
上記第4及び第5の実施の形態に示したシャッタ380Yについては、高頻度サポートモード中に閉状態/開状態に切り替える構成とすることも可能である。但し、溜まった遊技球をまとめて放出した際に疑似入球部としての下流側通路部362Yに遊技球が入ったとしても既に遊技球の払い出し等が終了していては疑似入球部を払い出しが発生する入球部であるかのように擬態させる機能が上手く発揮されなくなる。故に、望ましくは、高頻度サポートモード(主として右ルートが狙われる遊技状態)にて遊技球を貯留させる場合には、その結果として擬態機能の低下に留意されたい。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)貯留部318,368に貯留されている遊技球については、遊技機の電源のON/OFFや、リセット操作に基づいて排出される構成としてもよい。
(2)上記第1及び第4実施の形態では、一般入賞口61に入賞した遊技球の流れをシャッタ330等によって制限することによりそれら遊技球を貯留する構成としたが、遊技球を貯留するための具体的な構成については任意である。つまり、遊技球を貯留させる状態と貯留させない状態とに切替可能となっていれば足り、例えば可動式の磁石や電磁石等を用いて遊技球を捕捉することにより、遊技球を貯留させる構成とすることも可能である。
(3)上記第2〜第4の実施の形態では、一般入賞口61へ遊技球が入賞した旨を示す情報を図柄表示装置75の表示画面75aにて表示する構成としたが、一般入賞口61への入賞が発生した旨を遊技者に伝えることができるのであれば足り、報知に係る具体的な構成については任意である。例えばランプ部28の発光によって一般入賞口61への入賞を報知したり、スピーカ部29から出力される音(音声)によって一般入賞口61への入賞を報知したりすることも可能である。
(4)上記第3及び第4の実施の形態では、作動入球部62,63に係る賞球と、一般入賞口61に係る賞球とを合算して特別カウントアップ表示を行う構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも可変入賞装置64,65に係る賞球と、一般入賞口61に係る賞球とを区別して報知(特別カウントアップ表示)することができるのであれば足り、報知を行う場合に作動入球部62,63に係る賞球を加味するか否かについては任意である。
(5)上記各実施の形態では、可変入賞装置64,65に係る賞球が一般入賞口61に係る賞球よりも多くなるように構成したが、これを逆にすることも可能である。また、一般入賞口61に係る賞球よりも作動入球部62,63に係る賞球の方が少なくなるように構成したが、これを逆にすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、左一般入賞口61Lを3つ、右一般入賞口61Rを1つ設ける構成としたが、どちらのルートにどれだけの数の一般入賞口61を設けるかについては任意である。
(7)上記第2〜第4の実施の形態では、右一般入賞口61Rを右側可変入賞装置65の上流側となる位置に配設したが、これを変更し、右側可変入賞装置65の下流側となる位置に配設してもよい。
(8)電動役物71が付属する作動入球部63の配置については任意である。例えば、上記第2〜第4の実施の形態では、右ルートにて右一般入賞口61R及び右側可変入賞装置65よりも上流となる位置に当該電動役物71が付属する作動入球部63を配置することも可能である。
(9)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制して遊技者の遊技意欲の減退を抑える上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群> 一般入賞口へ入賞した遊技球を貯留
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
前記一般入球部へ入った遊技球を遊技機前方から視認可能となるようにして貯留する貯留部(貯留部318等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すように、主たる遊技が始動入球部及び可変入球部に依存しているタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専らそれら始動入球部及び可変入球部に向くと想定される。このため、始動入球部及び可変入球部と比較して一般入球部への注目が弱くなり、一般入球部の存在感が低下する。一般入球部についても特典(遊技球の払い出し)に関係する構成であり、当該一般入球部への入球が発生することで遊技を有利に進めることができる。ここで、一般入球部へ入球した遊技球については、そのまま排出されるのではなく貯留部に貯留された状態となる。遊技者は、貯留されている遊技球を目視で確認することにより、一般入球部への入球、更には当該一般入球へどの程度の入球が発生しているかを把握することができる。このように入球後の遊技球自体を利用して入球の有無等を事後的に確認可能とすれば、他の注目すべき入球部との共存を好適に実現することができる。この構成は、遊技の単調化を抑制する上でも好ましい構成である。
特徴A2.前記貯留部に貯留されている遊技球の数が予め設定されている数に達した場合には、後続の遊技球を前記貯留部に貯留することなく当該貯留部から排出する排出通路(第2分岐通路部316)が形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
遊技領域には遊技釘(遊技釘69)等が配設されており、遊技球の流下態様の多様化が図られていることが多い。このため、遊技領域に設けられた入球部については入球頻度にはある程度のばらつきが生じ得る。ここで、一般入球部に付属の貯留部には、入球数が所定数を超えた場合に後続の遊技球を逃がす排出通路が形成されている。このため、仮に入球が多発した場合であってもオーバーフローの発生が回避される。このように、無理な貯留を回避する構成とすることにより、偶発的な事情(入球多発)に考慮して貯留領域を無駄に大きくする必要がなくなる。これは、貯留部の小型化を実現し、貯留部に相当する構成の採用を促進する上で好ましい構成である。
特徴A3.前記一般入球部の入口部分に流入した遊技球を案内する案内通路(球通路310)と、
前記案内通路を通過する遊技球を検知する検知手段(検知センサ151)と
を備え、
前記払出手段は、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技球の払い出しを行うものであり、
前記排出通路は、当該排出通路の入口部分が前記案内通路にて前記検知手段よりも下流側に位置するように形成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように、検知手段による検知の結果に基づいて遊技球の払い出しがなされる構成においては、遊技球検知の確からしさを担保する必要がある。ここで、本特徴に示す構成によれば、貯留部に溜まっている遊技球の数が上限に達した場合であっても、上限を超えた遊技球については検知手段よりも下流側にて排出通路へ移るため、検知手段による誤検知等の発生を好適に抑制できる。
特徴A4.前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ330)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記規制手段が前記規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技状況等に応じて遊技球の貯留を行うか否かを切り替えることができる。これにより、遊技者は遊技球が溜まっていく過程や頻度を確認することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A5.遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段によって発射された遊技球の数を記憶する発射数記憶手段と
を備え、
前記切替手段は、前記発射数記憶手段によって記憶されている発射数が所定数となった場合に前記規制手段を前記規制状態から前記許容状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
一般入球部(貯留部)に溜まっている遊技球については、発射数が所定数に達する毎に放出されることとなる。このような構成とすることにより、遊技者は一般入球部への入球がどの程度の頻度で発生しているか把握することができる。
特徴A6.遊技者により操作される操作部(操作ボタン35)を備え、
前記切替手段は、前記操作部の操作に基づいて前記規制手段を前記規制状態から前記許容状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A6に示すように貯留されている遊技球の放出を遊技者の操作に基づいて実行する構成とすれば、遊技者の遊技への参加を好適に促すことができる。
特徴A7.前記貯留部は通路状をなし遊技球が一列に並んだ状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7に示すように、貯留部を通路状に形成すれば、貯留されている遊技球の数を容易に把握することができる。
特徴A8.前記貯留部は、通路状をなし、遊技球を一列に並んだ状態で貯留する構成となっており、
前記切替手段は、前記貯留部に貯留されている遊技球のうち最後尾に位置する遊技球が当該貯留部を通過するのに要する期間が経過したことに基づいて前記規制手段を前記規制状態に復帰させる手段を有していることを特徴とする特徴A4乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、貯留部を通路状に形成すれば、貯留されている遊技球の数を容易に把握することができる。このような構成では、規制手段を許容状態に切り替えて遊技球を放出している最中に新たな遊技球が貯留部に到達する可能性がある。この遊技球が先に貯留されていた遊技球群とともに放出されてしまっては、遊技者は当該後続の遊技球が一般入球部に入球した事実を把握しづらくなると懸念される。そこで、本特徴に示す構成とすれば、貯留されている遊技球群のみを放出対象とし、後続の遊技球が一緒に放出されることを好適に抑制できる。これにより、上記不都合の発生を回避できる。
特徴A9.前記一般入球部は前記遊技領域における流路(例えば左ルート)に沿うようにして複数配設されており、
前記案内通路には、それら一般入球部に入った遊技球を前記貯留部へ案内する通路部(上流側通路部311)が各一般入球部に跨るようにして形成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、貯留領域をまとめることができる。このような構成とすれば、貯留部を各一般入球部に対応するようにして個別に設ける場合と比較して、占有領域が嵩むことを抑制できる。また、遊技者の注目箇所が過度に増えることを回避できるため、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A10.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記始動入球部及び前記可変入球部とは別に設けられ、遊技球が入球可能な所定の一般入球部(一般入賞口61)と
を備え、
前記所定の一般入球部は、
遊技球の入口部分を構成する入球口(一般入賞口61の入口部分)と、
前記入球口に入った遊技球を案内する案内通路(球通路360)と、
前記入球口に入った遊技球を検知する検知手段(検知センサ151)と、
前記検知手段を通過した遊技球を貯留する貯留部(貯留部368)と
を有し、
前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A10に示すように、主たる遊技が始動入球部及び可変入球部に依存しているタイプの遊技機においては、遊技者の注目が専らそれら始動入球部及び可変入球部に向くと想定される。このため、始動入球部及び可変入球部と比較して一般入球部への注目が弱くなり、一般入球部の存在感が低下する。一般入球部についても特典(遊技球の払い出し)に関係する構成であり、当該一般入球部への入球が発生することで遊技を有利に進めることができる。ここで、一般入球部へ入球した遊技球については、そのまま排出されるのではなく貯留部に貯留された状態となる。遊技者は、貯留されている遊技球を目視で確認することにより、一般入球部への入球、更には当該一般入球へどの程度の入球が発生しているかを把握することができる。このように入球後の遊技球自体を利用して入球の有無等を事後的に確認可能とすれば、他の注目すべき入球部との共存を好適に実現することができる。この構成は、遊技の単調化を抑制する上でも好ましい構成である。
特徴A11.前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ330)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)
を備え、
前記規制手段が規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、
前記案内通路にて前記貯留部よりも下流側となる位置に設けられ、遊技機前方から視認可能となるように構成された装飾部(装飾体390Y)を備え、
前記装飾部は、遊技者によって前記可変入球部と外観が同一であると認識されるように当該可変入球部を模したものとなっていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、装飾部は可変入球部と外観が同様となっている。このため、貯留部から放出された遊技球が装飾部へと移動することにより、この時点で入球が発生したかのように擬態させることができる。つまり、遊技者に実際の入球部(払い出しの契機となる部分)を装飾部が形成されている部分であるかのように錯覚させることができる。遊技球の入球の様子を目視で確認できるように見せることは、遊技者の満足度を向上させる上で好ましい構成である。
特徴A12.前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ330)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)
を備え、
前記規制手段が規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、
前記案内通路にて前記貯留部よりも下流側となる位置に設けられ、遊技機前方から視認可能となるように構成された装飾部(装飾体390Y)を備え、
一般入球部を複数有し、それら複数の一般入球部の何れか1つが前記所定の一般入球部となっており、
前記装飾部は、遊技者によって他の一般入球部の入口部分と外観が同一であると認識されるように当該入口部分を模したものとなっていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A12によれば、装飾部は他の一般入球部の入口部分と外観が同様となっている。このため、貯留部から放出された遊技球が装飾部へと移動することにより、この時点で入球が発生したかのように擬態させることができる。つまり、遊技者に実際の入球部(払い出しの契機となる部分)を装飾部が形成されている部分であるかのように錯覚させることができる。遊技球の入球の様子を目視で確認できるように見せることは、遊技者の満足度を向上させる上で好ましい構成である。
特徴A13.前記所定の一般入球部の入口部分及び前記装飾部のうち前記装飾部が前記他の一般入球部の入口部分と類似となるように構成されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定の一般入球部の入口部分ではなく装飾部が入球部として機能しているように見せることが可能となり、上述した擬態機能を好適に発揮させることができる。
特徴A14.前記検知手段は、遊技機前方から視認不可となるように配置されていることを特徴とする特徴A11乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14に示すように検知手段を隠す構成とすれば、上述した擬態機能を好適に発揮させることができる。
特徴A15.前記払出手段による遊技球の払い出しを遅延させる遅延手段を備え、
前記切替手段によって前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替えられる場合に、前記遊技球の払い出しが実行されるように構成されていることを特徴とする特徴A10乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技球の放出に合せて遊技球の払い出しが行われることにより、遊技球の放出への注目度を好適に向上させることができる。
特徴A16.前記切替手段は、遊技球の払い出しが行われている場合又は遊技球の払い出しが行われる場合に、前記規制手段を前記規制状態から前記許容状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴A10乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球の払い出しに関連付けて遊技球を放出する構成とすれば、それがあたかも遊技球の放出を契機としたものであるかのように見せることができる。
特徴A17.一般入球部を複数有し、それら複数の一般入球部の何れか1つが前記所定の一般入球部となっており、
前記遊技領域に形成された第1流路及び第2流路が形成されており、
それら第1流路及び第2流路のうち、前記第2流路へ発射された遊技球が前記可変入球部及び前記所定の一般入球部に流入し得る一方、前記第1流路へ発射された遊技球は前記可変入球部及び前記所定の一般入球部への流入が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A17に示すように、貯留部に遊技球が貯留される状況を可変入球部へ遊技球が発射された状況に絞ることにより、上記各種効果を好適に発揮させることができる。
<特徴B群> 開閉実行モード中に一般入賞口への入賞
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置64、65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記一般入球部及び前記可変入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
前記特別遊技状態となっている状況下にて前記一般入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて所定の処理を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて特別カウントアップ表示を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1に示したように特別遊技状態に移行することで可変入球部への入球が可能となる構成においては、遊技者の注目が可変入球部に向きやすくなる。一般入球部への入球によって遊技球の払い出し(特典)が遊技者に付与されたとしても、それが遊技者によって把握されなければ、一般入球部の存在感が低下する。特に、一般入球部と可変入球部とで付与される特典が同様(賞球)である場合には、特典が付与されたとしても、それが可変入球部への入球によるものかそれとも一般入球部への入球によるものかの識別が困難になる。そこで、特別遊技状態となっている場合には、一般入球部への入球に基づいて所定の処理(詳しくは一般入球部への入球を示す表示等)を行うことにより、一般入球部への入球が見逃される機会を減らすことができる。
特徴B2.前記遊技領域には、前記一般入球部が複数設けられており、
前記所定処理実行手段は、それら一般入球部のうち、少なくとも前記可変入球部へ向けて発射された遊技球が入球可能となる位置に配置された一般入球部への入球に基づいて前記処理の処理を実行するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
可変入球部と同じ流路に位置する一般入球部を対象として、当該一般入球部への入球に基づく報知等を行う構成とすれば、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B3.前記所定の処理は、前記一般入球部への入球が発生したこと示す情報を表示部(図柄表示装置75)に表示する表示用処理であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3に示すように、一般入球部への入球が発生した旨を遊技者に伝える構成とすることにより、特徴B1に示した不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B4.表示部(図柄表示装置75)と、
前記表示部の所定表示領域(例えば右下隅部)にて前記可変入球部への入球が発生したことを示す情報を表示する手段と、
前記所定処理実行手段によって前記所定の処理が実行されたことに基づいて、前記表示部における前記所定表示領域以外の領域(例えば右上隅部)にて前記一般入球部への入球が発生したことを示す情報を表示する手段と
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4に示すように、同じ表示部にて可変入球部に係る入球の報知と一般入球部に係る入球の報知とを行う構成とすれば、一般入球部に係る報知が見逃されることを好適に抑制できる。また、表示領域を別とすれば、一般入球部に係る報知が可変入球部に係る報知と混同されることを抑制できる。
特徴B5.前記特別遊技状態となっていない場合には、前記一般入球部への入球が発生したことを示す情報の表示が回避される構成となっていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
一般入球部への入球を示す表示を行う構成においては、当該表示が行われない状況が続くと当該遊技機にて遊技を行うことが遊技者にとって不利であるような印象を与える可能性がある。これは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になるため好ましくない。この点、主たる入球先が可変入球部となる特別遊技状態においては上記表示を行い、特別遊技状態ではない場合には当該表示が回避される構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B6.前記可変入球部への1の入球に基づいて払い出される遊技球の数が、前記一般入球部への1の入球に基づいて払い出される遊技球の数よりも多くなるように設定されており、
前記所定処理実行手段は、
前記一般入球部への入球が発生した場合に、当該一般入球への入球に基づいて払い出される遊技球の数を記憶する記憶手段と、
所定の表示条件が成立するまで、前記一般入球部への入球が発生したことを示す情報の表示を規制する規制手段と、
前記所定の表示条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている遊技球の数を合算に対応する情報を表示する表示手段と
を有していることを特徴とする特徴B3乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球部と一般入球部とで払い出される遊技球の数に偏りがある構成においては、一般入球部への入球の都度、払い出される遊技球の数を報知したとしても、遊技者の注目を集める効果が弱くなると想定される。この点、本特徴に示すように、一般入球部への入球が発生した場合には、払い出される遊技球の数の合算に対応する情報を表示すれば、必然的にその数字が大きくなるため、表示へのインパクトを好適に強化できる。
特徴B7.前記一般入球部に入った遊技球を貯留する貯留部(貯留部368Y)と、
前記貯留部に貯留されている遊技球の排出を許容する許容状態と、当該貯留部からの遊技球の排出を規制する規制状態とに切り替え可能な規制手段(シャッタ380Y)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にてシャッタの開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記表示手段は、前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わる場合に、前記表示手段にて前記合算に対応する情報を表示するように構成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、貯留されている遊技球が放出することに合わせて合算に対応する情報が表示される。このため、これらを見た遊技者は何を契機としてどの程度の払い出しが行われるかを直感的に把握することができる。これにより、特徴B1等に示した一般入球部に係る報知機能を好適に発揮させることができる。
特徴B8.前記表示手段は、前記規制状態から前記許容状態に切り替わった後に、前記表示手段にて前記合算に対応する情報を表示するように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
貯留されている遊技球を放出する構成とした場合には、その斬新な動きから遊技者の注目は貯留されている遊技球に向きやすい。遊技球の動きに注目している状態で上記表示を行った場合には、それが見逃される可能性が高くなる。そこで、遊技球の動きに合せて表示を行う構成とすれば、見逃しが発生する機会を減らすことができる。
なお、以上詳述した特徴B群に特徴A群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群> 一般入賞口への入賞に基づく表示を後で行う
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記可変入球部又は前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
表示部(図柄表示装置75の表示画面75a)を有し、前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部又は前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数を前記表示部にて報知する報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて報知を行う機能)と、
前記一般入球部への入球が発生した場合には、当該入球に係る前記報知を所定の報知タイミングとなるまで留保する留保手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて特別カウントアップ表示用の処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特別遊技状態となることで可変入球部への入球が許容される構成においては、可変入球部への入球に基づいてある程度まとまった数の遊技球の払い出しが行われることがある。このような構成では、可変入球部への入球に基づいた払い出しが主となるため一般入球部への入球に基づく払い出しが紛れてしまい、一般入球部への入球が発生したとしてもそれが遊技者によって見逃される可能性が高くなる。つまり、遊技球の払い出しによって一般入球部への入球が発生したことを遊技者に伝えるのは困難となる。このように一般入球部への入球を遊技者が把握困難となれば、可変入球部及び一般入球部を併用して特典付与の機会の多様化を図ることは難しくなり、一般入球部の存在意義が薄れてしまうと懸念される。そこで、一般入球部の入球が発生した場合には、少なくとも一般入球部への入球に係る報知を留保して当該報知を事後的に行う構成とすれば、例えば一般入球部への入球に係る報知を可変入球部への入球が多発している状況等から切り離すことが可能となり、当該報知が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。このようにして、一般入球部への入球が発生したことを遊技者に伝えやすくすることで、一般入球部を可変入球部等と併用して遊技の多様化を実現するという本来の目的を好適に達成することができる。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記可変入球部又は前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
表示部(図柄表示装置75の表示画面75a)を有し、前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部又は前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数を前記表示部にて報知する報知手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて報知を行う機能)と、
を備え、
前記報知手段は、前記可変入球部への入球が発生した場合には、当該入球を契機として前記報知を行う一方、前記一般入球部への入球が発生した場合にはその旨を示す情報を所定の報知タイミングとなった場合に報知するように留保する留保手段を有していることを特徴とする遊技機。
特別遊技状態となることで可変入球部への入球が許容される構成においては、可変入球部への入球に基づいてある程度まとまった数の遊技球の払い出しが行われることがある。このような構成では、可変入球部への入球に基づいた払い出しが主となるため一般入球部への入球に基づく払い出しが紛れてしまい、一般入球部への入球が発生したとしてもそれが遊技者によって見逃される可能性が高くなる。つまり、遊技球の払い出しによって一般入球部への入球が発生したことを遊技者に伝えるのは困難となる。このように一般入球部への入球を遊技者が把握困難となれば、可変入球部及び一般入球部を併用して特典付与の機会の多様化を図ることは難しくなり、一般入球部の存在意義が薄れてしまうと懸念される。そこで、一般入球部の入球が発生した場合には、少なくとも一般入球部への入球に係る報知を留保して当該報知を事後的に行う構成とすれば、例えば一般入球部への入球に係る報知を可変入球部への入球が多発している状況等から切り離すことが可能となり、当該報知が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。このようにして、一般入球部への入球が発生したことを遊技者に伝えやすくすることで、一般入球部を可変入球部等と併用して遊技の多様化を実現するという本来の目的を好適に達成することができる。
特徴C3.前記報知手段は、前記特別遊技状態にて前記可変入球部が前記受入状態となっている状況下にて前記一般入球部への入球が発生した場合には当該入球に基づく前記報知を留保し当該留保された報知を前記可変入球部が前記非受入状態となっている場合に行う手段を有していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
受入状態及び非受入状態を比較した場合には、非受入状態よりも受入状態の方が遊技者の注目が可変入球部に向きやすいと想定される。そこで、受入状態では一般入球部への入球に基づく報知を留保し、非受入状態となった場合に当該報知を行う構成とすれば、当該報知が遊技者の目に留まりやすくなる。これにより、一般入球部への入球に係る報知機能を好適に発揮させることができる。
特徴C4.前記報知手段は、前記払出手段によって遊技球の払い出しが行われている場合に前記留保手段によって留保されている報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
一般入球部への入球が発生した場合に遊技球が払い出される構成においては、遊技球の払い出しとは無関係に報知を行うことで、一般入球部への入球が発生したにも関わらず払い出しを受けることができないとの誤解を生む可能性がある。これは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、報知が行われる状況では遊技球の払い出しが行われていることとなる。このため、実際には一般入球部への入球に基づく払い出しではなくても、当該一般入球部への入球に基づく払い出しであるかのように見せることができる。
特徴C5.前記可変入球部への1の入球に基づいて払い出される遊技球の数が、前記一般入球部への1の入球に基づいて払い出される遊技球の数よりも多くなるように設定されており、
前記留保手段による留保が発生している状況下にて、前記特別遊技状態中の前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数を記憶する払出数記憶手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて総特別賞球数を記憶する機能)を備え、
前記報知手段は、前記特別遊技状態における所定のタイミングにて、前記払出数記憶手段によって記憶されている情報に基づいて、前記一般入球部への入球に基づく払い出し総数を報知するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
留保中に発生した一般入球部への入球については、払出数がまとめて表示されることとなる。これにより、留保解除→報知が発生した際のインパクトを強化できる。特に、本特徴に示すように可変入球部への入球に基づく払い出しが一般入球部への入球に基づく払い出しよりも優遇されている構成においては、その効果を顕著に発揮させることができる。
特徴C6.前記報知手段は、前記所定のタイミングの後に払い出されることとなる遊技球の数が前記総数と同数又は前記総数よりも多い場合に、前記報知を行うことを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
払出数が報知されたとしてもそれに実際に払い出された遊技球の数がそれに満たない場合には、報知への信頼性が低下する。そこで、払出待の遊技球の数(残数)が報知される払出数以上の場合に、留保解除→報知が可能となることで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C7.前記特別遊技状態となっている場合の払出速度として、第1払出速度及び当該第1払出速度よりも遅い第2払出速度が設けられており、
前記払い出しを待っている遊技球の数が所定数を下回っている場合には、前記払出速度を前記第2払出速度に設定する手段を有していることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
特徴C5等に示した技術的思想を具現化する上では、留保解除→報知がなされる場合に、ある程度まとまった数の残球が確保されていることが好ましい。そこで、本特徴に示すように、特別遊技状態となっている場合には、残数が所定数を下回った場合に払い出し速度を落とす構成とすることにより、留保解除→報知がなされる場合に遊技球の払い出しが行われる状況を好適に創出できる。
特徴C8.前記留保手段による留保が解除され、前記報知が実行される場合に、前記払出手段による払い出しを一時的に停止させる又は払い出し速度を低下させる減速させる手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
留保解除→報知となる場合に、払い出しのペースを落とすことにより、報知後の払い出しが実際には可変入球部等の他の入球部への入球に基づいている場合であっても、あたかも一般入球部への入球に基づくものであるかのように見せることができる。これにより、
報知が実体のないものであるかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。
特徴C9.前記留保手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、当該特別遊技状態における進行状況に応じて前記留保を行うか否かを決定する手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特別遊技状態中は可変入球部が開状態に切り替わる構成であるため、可変入球部への入球が頻発し得る。但し、可変入球部が閉状態となる期間が存在するため、すくなくとも可変入球部への入球が発生しない期間が発生し得る。そこで、このような進行状況に応じて留保するか否かを決定する構成とすれば、留保→報知の機能を効果的に発揮させることができる。
特徴C10.前記可変入球部への入球に基づく報知態様と、前記一般入球部への入球に基づく報知態様とが相違していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示したように一般入球部への入球に基づく報知を留保した場合であっても、留保解除後の報知が可変入球部への入球に基づく報知と同様であれば、実行された報知が何を示しているかが分かりづらくなり、留保した意義が薄れてしまうと懸念される。この点、本特徴に示すように可変入球うへの入球に基づく報知の態様と一般入球部への入球に基づく報知の態様とを相違させる構成とすれば、両者が遊技者によって混同されることを抑制し、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、以上詳述した特徴C群に特徴A群〜特徴B群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴D群> 通常遊技状態にて右一般入賞口に流入した遊技球の扱い
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
前記一般入球部へ入った遊技球を遊技機前方から視認可能となるようにして貯留する貯留部(貯留部368Y等)と、
前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ380Y等)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記規制手段が前記規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、
前記切替手段は、前記特別遊技状態となっている場合には前記規制手段を前記規制状態とする一方、前記特別遊技状態となっていない場合には前記規制手段を前記許容状態とする手段を有していることを特徴とする遊技機。
特徴D1に示すように特別遊技状態となることで可変入球手段が受入状態に切り替わるタイプの遊技機においては、特別遊技状態における遊技者の注目が可変入球手段に向きやすくなる。このため、一般入球部への入球が発生したとしてもそれが見逃される可能性が高くなり、一般入球部の存在が希薄になってしまう。これでは、一般入球部と可変入球手段とを併用し入球先の多様化を図った効果が上手く発揮できなくなると懸念される。
この点、本特徴においては、特別遊技状態となっている場合には規制手段が規制状態となり一般入球部へ入った遊技球が貯留部に溜まることとなる。これにより、一般入球部への入球が見逃される機会を減らし且つどの程度の入球が発生しているかを遊技者に好適に伝えることができる。これにより、可変入球部と一般入球部とを併用したとしても一般入球部の存在意義が可変入球部に隠れてしまうことを抑制できる。
但し、このような構成においては、特別遊技状態となっていない状況下にて一般入球部へ入った遊技球が貯留されることは、特別遊技状態及びそれ以外の遊技状態の差別化を図って特別遊技状態における一般入球部への入球のインパクトを強化する上で妨げとなり得る。また、特別遊技状態においては遊技球の貯留数がそれほど多くなくても可変入球部への入球が頻発するため、遊技機全体では入球が上手く発生していないとの印象を与えにくい。これに対して、特別遊技状態ではない場合には、一般入球部への入球数(貯留数)が際立ってしまい、この貯留数が遊技者の想定よりも少なくなることが遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。この点、本特徴においては特別遊技状態となっていない場合には規制手段を許容状態として遊技球の貯留を回避することにより、上記不都合の発生を抑制可能となっている。これにより、貯留機能によって遊技の単調化を抑制して、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい構成が実現される。
特徴D2.前記特別遊技状態となっている場合に、前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数と、前記可変入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数との合算に関する情報を遊技者に教示する教示手段と、
前記規制手段が前記許容状態に切り替わって前記貯留部に貯留されている遊技球が放出された場合に、前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数の情報を前記教示手段によって教示されている情報に反映する情報反映手段と
を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特別遊技状態においては、主として可変入球部への入球に基づく遊技球の払い出しによって持ち球を増やすことができる。ここで、遊技者に教示される払出数に関する情報については一般入球部への入球に基づく払い出しを加味することにより、可変入球部単独で見た場合よりも多くの払い出しが発生していることを遊技者に伝えることができる。このようにして、付与された特典を洩れなく教示することは遊技者の満足度の向上を図る上で好ましい。特に、一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数の情報が貯留部からの遊技球の放出に伴って現在教示中の情報に反映される構成とすれば、出球が加速したかのような印象や上限を超えた出球を獲得できたかの印象を遊技者に与えることができる。これは、遊技への注目度の向上を実現する上で好ましい構成である。
このような構成では、上記事象を特別遊技状態中に発生させることでそのインパクトを強くすることができる。特に、特別遊技状態中は可変入球部への入球が多発することで、まとまった数の払い出しが行われているため上記事象が発生するタイミングとその契機となった入球に基づいた払い出しが行われるタイミングとがずれたとしても、それに起因した違和感を軽減できる。これに対して、実質的な遊技の流れに影響はないとしても当該事象が特別遊技状態以外においても発生することで、上記インパクトは低下してしまう。つまり、特別遊技状態以外では特別遊技状態と比較して遊技球の払い出しの機会が少なくなるため、貯留されている遊技球が放出されたタイミングと払い出しのタイミングとのずれが顕著となる。これは遊技者に違和感を与える要因になると懸念される。この点、特徴D1に示した技術的思想を本特徴に示す構成に適用することにより、これらの懸念を好適に解消できる。
特徴D3.前記一般入球部の入口部分に流入した遊技球を案内する案内通路(球通路360Y)と、
前記案内通路を通過する遊技球を検知する検知手段(検知センサ151)と
を備え、
前記払出手段は、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技球の払い出しを行うものであり、
前記案内通路にて前記検知手段と前記貯留部との間となる位置には、前記検知手段を通過した遊技球を前記貯留部へ案内する第1案内状態と、前記検知手段を通過した遊技球を排出用通路へ案内する第2案内状態とに切替可能な案内手段が設けられており、
前記特別遊技状態となっていない場合には、前記案内手段を前記第2案内状態とする手段を有していることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特別遊技状態以外では一般入球部へ入った遊技球は、検知手段を通過した後に排出用通路を通じて排出され、貯留部への流入が回避されることとなる。このように貯留部への流入を回避する構成とすれば、貯留部を遊技球が素通りすることを回避できる。例えば、貯留部から流出した遊技球が疑似入球部(払い出しが発生しない見かけ上の入球部)へ入り見かけ上の入球を発生させる構成とする場合には、貯留が発生していない状況下にて当該疑似入球部への入球が発生することでその実体が露呈してしまう。この点、本特徴に示す構成によれば、このような不都合の発生を抑制し、疑似入球部等の搭載を促進できる。
特徴D4.前記貯留部に位置する遊技球の視認性が相対的に低くなる第1状態と、前記貯留部に位置する遊技球の視認性が相対的に高くなる第2状態とに切替可能とな可変手段を備え、
前記特別遊技状態となって前記規制手段が前記規制状態となる場合には前記可変手段を前記第2状態とし、前記特別遊技状態となっていない場合には前記可変手段を前記第1状態とするように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように一般入球部へ入った遊技球を貯留する構成においては、貯留されている遊技球を目立たせる工夫を施すことが好ましい。しかしながら、貯留部に遊技球が貯留されていない状況下又は貯留部における遊技球の貯留が回避されている状況下にて貯留部が目立つと、遊技者に貯留部への貯留を期待させて実際には貯留が発生しないことが際立ってしまう。仮に貯留部に遊技球が貯留されるか否かが遊技者の実益に影響しない構成であっても、貯留部への貯留が行われないことは貯留機能に対する遊技者の印象を悪化させる要因になり得る。この点、本特徴に示すように、特別遊技状態となっている場合には貯留部の視認性を高くし、特別遊技状態となっていない場合には貯留部の視認性を下げる構成とすることで上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D5.前記可変手段は、
前記貯留部にて遊技球が貯留される領域へ光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段の発光制御を行う発光制御手段と
を有し、
前記発光制御手段は、前記特別遊技状態となって前記規制手段が前記規制状態となる場合には前記貯留される領域への光の照射を行う一方、前記特別遊技状態となっていない場合には前記貯留される領域への光の照射を行わない構成となっていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5に示すように貯留部にて遊技球が貯留される状況下においては貯留される領域へ光を照射し、そうでない状況下においては貯留される領域へ光を照射しない構成とすることにより、不要に貯留部の存在が目立つことを抑制して特徴D3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D6.前記可変手段は、前記第1状態においては前記貯留部にて遊技球が貯留される領域に遊技機前方から重なる位置に配置され、前記第2状態においては前記貯留される領域との重なりが回避される位置に配置されるカバー部を有していることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D6に示すように貯留部にて遊技球が貯留される状況下においてはカバー部が貯留される領域と重なり、そうでない状況下においては貯留される領域との重なりが回避される構成とすることにより、不要に貯留部の存在が目立つことを抑制して特徴D3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D7.前記一般入球部への入球に基づいて当該入球に対応する報知を行う報知手段を備え、
前記報知手段は、前記特別遊技状態にて前記一般入球部への入球が発生した場合には、前記報知を行う一方、前記特別遊技状態ではない状態にて前記一般入球部への入球が発生した場合には前記報知を行わない構成となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
一般入球部への入球に対応する報知を行う構成と一般入球部へ入った遊技球を貯留する構成との組み合わせによれば、一般入球部等への注目度を好適に向上させることができる。一般入球部への入球に対応する報知については貯留部にて遊技球が貯留される状況(特別遊技状態)に限って実行される。このような構成とすれば、報知機能と貯留機能との連携を好適に強化できる。
特徴D8.前記遊技領域には、遊技球が流下する流路として第1流路(左ルート)及び第2流路(右ルート)が形成されており、
前記始動入球部は、前記第1流路を流下した遊技球が入球し得る位置に配置された第1始動入球部と、前記第2流路を流下した遊技球が入球し得る位置に配置された第2始動入球部とを有して、
前記第2始動入球部は、遊技球を受け入れる受入状態及び遊技球を受け入れない非受入状態に切替可能な可変始動入球部であり、
前記第2始動入球部の駆動制御を行う始動入球部用駆動制御手段を備え、
前記始動入球部用駆動制御手段による駆動制御の態様として第1駆動制御態様(低頻度サポートモード)と当該第1駆動制御態様よりも前記可変始動入球部への入球頻度が高くなる第2駆動制御態様(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記一般入球部及び前記可変入球部は前記第2流路に配設されており、
前記切替手段は、前記駆動制御の態様が前記第2駆動制御態様となっている場合には前記規制手段を前記許容状態とする手段を有していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域に複数の流路(例えば左ルートや右ルート)が形成され、状況に応じて遊技球の打ち分けを行うタイプの遊技機によれば、遊技の単調化を抑制することができる。ここで、同じ流路に一般入球部、可変入球部、第2始動入球部(可変始動入球部)が配設されている場合には、第2駆動制御態様となって第2始動入球部を狙って遊技球を発射すると、それら遊技球が一般入球部へ入る可能性がある。そこで、本特徴に示すように第2駆動制御態様となっている場合に、規制手段を許容状態にする構成とすれば、第2始動入球部を狙って発射された遊技球が貯留部に溜まることを好適に回避できる。
特徴D9.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
前記一般入球部へ入った遊技球を遊技機前方から視認可能となるようにして貯留する貯留部(貯留部368Y等)と、
前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ380Y等)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記規制手段が前記規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数と、前記可変入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数との合算に関する情報を遊技者に教示する教示手段と、
前記規制手段が前記許容状態に切り替わって前記貯留部に貯留されている遊技球が放出された場合に、前記一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数の情報を前記教示手段によって教示されている情報に反映する情報反映手段と
を備え、
前記特別遊技状態となっていない場合には、少なくとも前記一般入球部への入球に関する情報の教示が回避される構成となっていることを特徴とする遊技機。
特別遊技状態においては、主として可変入球部への入球に基づく遊技球の払い出しによって持ち球を増やすことができる。ここで、遊技者に教示される払出数に関する情報については一般入球部への入球に基づく払い出しを加味することにより、可変入球部単独で見た場合よりも多くの払い出しが発生していることを遊技者に伝えることができる。このようにして、付与された特典を洩れなく教示することは遊技者の満足度の向上を図る上で好ましい。特に、一般入球部への入球に基づいて払い出される遊技球の数の情報が貯留部からの遊技球の放出に伴って現在教示中の情報に反映される構成とすれば、出球が加速したかのような印象や上限を超えた出球を獲得できたかの印象を遊技者に与えることができる。これは、遊技への注目度の向上を実現する上で好ましい構成である。
このような構成では、上記事象を特別遊技状態中に発生させることでそのインパクトを強くすることができる。特に、特別遊技状態中は可変入球部への入球が多発することで、まとまった数の払い出しが行われているため上記事象が発生するタイミングとその契機となった入球に基づいた払い出しが行われるタイミングとがずれたとしても、それに起因した違和感を軽減できる。これに対して、実質的な遊技の流れに影響はないとしても当該事象が特別遊技状態以外においても発生することで、上記インパクトは低下してしまう。つまり、特別遊技状態以外では特別遊技状態と比較して遊技球の払い出しの機会が少なくなるため、貯留されている遊技球が放出されたタイミングと払い出しのタイミングとのずれが顕著となる。これは遊技者に違和感を与える要因になると懸念される。この点、特別遊技状態となっていない場合には、少なくとも一般入球部への入球に関する情報の教示が回避される構成とすることにより上記懸念を好適に解消できる。
特徴D10.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置65)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、
前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、
前記一般入球部へ入った遊技球を遊技機前方から視認可能となるようにして貯留する貯留部(貯留部368等)と、
前記貯留部からの遊技球の流出を許容する許容状態(開状態)と、遊技球の流出を規制する規制状態(閉状態)とに切替可能な規制手段(シャッタ380Y)と、
前記規制手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置610のMPU612にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記規制手段が前記規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、
前記一般入球部の入口部分に流入した遊技球を案内する案内通路(球通路360Y)と、
前記案内通路を通過する遊技球を検知する検知手段(検知センサ151)と
を備え、
前記払出手段は、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技球の払い出しを行うものであり、
前記案内通路にて前記検知手段と前記貯留部との間となる位置には、前記検知手段を通過した遊技球を前記貯留部へ案内する第1案内状態と、前記検知手段を通過した遊技球を排出用通路へ案内する第2案内状態とに切替可能な案内手段が設けられており、
前記特別遊技状態となっていない場合には、前記案内手段を前記第2案内状態とする手段を有していることを特徴とする遊技機。
特徴D10によれば、特別遊技状態以外では一般入球部へ入った遊技球は、検知手段を通過した後に排出用通路を通じて排出され、貯留部への流入が回避されることとなる。このように貯留部への流入を回避する構成とすれば、貯留部を遊技球が素通りすることを回避できる。例えば、貯留部から流出した遊技球が疑似入球部(払い出しが発生しない見かけ上の入球部)へ入り見かけ上の入球を発生させる構成とする場合には、貯留が発生していない状況下にて当該疑似入球部への入球が発生することでその実体が露呈してしまう。この点、本特徴に示す構成によれば、このような不都合の発生を抑制し、疑似入球部等の搭載を促進できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動入球部62,63)と、前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段によって取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア604b)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードへの移行処理を実行する機能)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置65)と、前記特別遊技状態となった場合に、前記可変入球部を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な一般入球部(一般入賞口61)と、前記一般入球部への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出制御装置181や払出装置222)と、前記一般入球部へ入った遊技球を遊技機前方から視認可能となるようにして貯留する貯留部(貯留部368Y等)とを備え、前記規制手段が前記規制状態となっている場合に、前記貯留部に遊技球が貯留される構成となっており、前記一般入球部の入口部分に流入した遊技球を案内する案内通路(球通路360Y等)と、前記案内通路を通過する遊技球を検知する検知手段(検知センサ151)とを備え、前記払出手段は、前記検知手段によって遊技球が検知されたことに基づいて遊技球の払い出しを行うものであり、前記案内通路にて前記検知手段と前記貯留部との間となる位置には、前記検知手段を通過した遊技球を前記貯留部へ案内する第1案内状態と、前記検知手段を通過した遊技球を排出用通路へ案内する第2案内状態とに切替可能な案内手段が設けられており、前記特別遊技状態となっていない場合には、前記案内手段を前記第2案内状態とする手段を有していることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
なお、以上詳述した特徴D群に特徴A群〜特徴C群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(遊技釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。