<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3および図4はパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の球流れを示した模式図であり、図5はパチンコ機10の遊技盤13に設けられた非電動役物710の動作を示した模式図であり、図6はパチンコ機10の遊技盤13に設けられた第2可変入賞装置650の内部構造を示した模式図であり、図7はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、左第1入球口64a、右第1入球口64bの両方を示す場合には、第1入球口64と称す。)、第2入球口640、スルーゲート67、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)等を有する遊技盤13(図2参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面(遊技領域)を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。一方、下皿ユニット15の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
そして、下皿ユニット15の上部に枠ボタン22が設けられている。枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。このように、遊技者が操作可能な枠ボタン22をパチンコ機10に配設することで、パチンコ機10で実行される演出を任意に選択することが可能となり、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができる。
なお、本実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下操作可能な枠ボタン22を設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、遊技者が接触(或いは接近)したことを検知するセンサ式の操作手段や、遊技者が左右(或いは前後)方向に操作可能なレバー式の操作手段や、遊技者が回転操作可能なハンドル式の操作手段を設けてもよい、さらに、本実施形態では、操作手段の個数を1個としているが、それ以上に設けてもよいし、異なる操作方法の操作手段を複数設けてもよい。このように構成することで、遊技者がより多様な操作を実行することができ、操作手段に対する遊技者の操作に基づいて実行される演出の種類を増加させることができる。
また、操作手段(枠ボタン22)は、遊技者が遊技を実行しながら(右手で操作ハンドル51を操作しながら)でも操作可能な位置(下皿ユニット15の上部左側)に配設されているため、遊技者が遊技を実行している最中であっても、容易に枠ボタン22を操作することができる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した球がアウト口66や入賞口(入球口)を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
本パチンコ機10では、可変表示装置ユニット80の左側(遊技盤13正面視で左側)を左遊技領域、右側を右遊技領域として形成し、左遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、左打ち遊技と称す)では、一般入球口63や左第1入球口64aに球を入球させる遊技が行われ、右遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、右打ち遊技と称す)では、発射された球が可変表示装置ユニット80の上方を通過し、右遊技領域に設けられる右第1入球口64b、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650等を狙う遊技が行われる。このように構成された本パチンコ機10では、遊技者に対して遊技状態に応じた遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)を行わせることで、遊技が単調になることを抑制している。
また、詳細は後述するが、本パチンコ機10では設定される各種遊技状態(通常状態、時短状態、大当たり状態等)に応じて、遊技者に対して有利となる遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)が異なるように構成されている。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態を把握しながら、遊技の内容を変更させることができ、より遊技が単調になることを抑制することができる。
図2に戻り遊技盤13の説明を続ける。2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選によって、大当たり以外(外れ)が判定された場合の一部にて特別遊技状態とは異なる特典が遊技者に付与される小当たりが判定されるように構成されている。特別図柄の抽選が小当たりに当選すると、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが所定期間(例えば、合計で1.8秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される小当たり遊技が実行される。なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、この小当たり遊技中に第2特定入賞口650aに入賞した球の一部が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図6参照))を通過した場合に、小当たり遊技終了後に上述した大当たり遊技が実行されるように構成されている。これにより、遊技者は、特別図柄の抽選で大当たりに当選することを狙う遊技と、特別図柄の抽選で小当たりに当選することで実行される小当たり遊技の遊技結果に基づいて大当たりが実行されることを狙う遊技との両方を実行することができる。よって、遊技者に多様な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10には、特別図柄の大当たり種別として「大当たりA」〜「大当たりG」の7種類が設けられている。なお、「大当たりA,B」の2種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりC,D」の2種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で小当たりとなり、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりE」は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合、または、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で小当たりとなり、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりF,G」は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で小当たりとなり、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に決定され得る大当たり種別である。このように設けられた複数の大当たり種別は、大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される特典として、大当たり遊技中の特典(例えば、ラウンド数、開放時間、開放動作パターン)や、大当たり遊技後に付与される特典(例えば、遊技者が次の大当たりを獲得しやすい遊技状態を付与する特典)が異なるように設定されている。これにより、遊技者に対して様々な契機で実行される大当たり遊技において、より有利な特典が付与される大当たり遊技を獲得しようと遊技意欲を高めさせることができるとともに、多彩な遊技性を提供することができる。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、2秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、スルーゲート(普通入球口)67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または3秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒または4秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート(普通入球口)67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりG」の7種類が設けられている。「大当たりA〜C」になると、いずれもラウンド数が7ラウンドの特別遊技状態(7ラウンド大当たり)となり、「大当たりD」になるとラウンド数が2ラウンドの特別遊技状態(2ラウンド大当たり)となり、「大当たりE」になるとラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15ラウンド大当たり)となり。「大当たりF」になるとラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5ラウンド大当たり)となり、「大当たりG」になるとラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10ラウンド大当たり)となる。
また、「大当たりA」、「大当たりC」、および「大当たりE〜G」になると、その大当たり終了後に、普通図柄の変動時間が短くなり、且つ、普通図柄の当たり当選時に通常状態よりも第2入球口640に球が入球し易くなるように電動役物640aが開放制御される遊技状態である時短状態が、特別図柄の変動が1回終了するまで付与される(時短回数1回)。「大当たりB」、および「大当たりD」になった場合は、その大当たり終了後に上述した時短状態が付与されることなく通常状態となる。
上述したように、本実施形態で用いられるパチンコ機10は、遊技状態を通常状態よりも第2入球口640に球を入球させ易い時短状態へと移行する機能(所謂、時短機能)を有し、特別図柄の大当たり確率や、普通図柄の大当たり確率を変更する機能(所謂、確率変動機能)を有していないが、これに限られることなく、確率変動機能を有するパチンコ機を用いてもよい。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物640aを開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たりの種別によって、大当たり終了後に付与される特典が決定されるが、例えば、大当たり中に球が特定の領域(V入賞スイッチ650e3)を通過したことを条件に大当たり終了後に特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態を付与するようにしてもよい。また、本実施形態では、時短状態が、特別図柄の変動回数が予め定められた特定回数(1回)実行されるまで継続するように構成しているが、時短回数を予め複数回(例えば、10回)に設定し、特別図柄変動回数が時短回数に到達した場合、或いは、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、時短状態が終了するように構成してもよい。また、特別図柄の抽選とは異なる抽選(時短状態の継続有無を判定する抽選)を実行し、その抽選結果が時短状態を継続しない結果となった場合に時短状態を終了されるように構成してもよい。さらに、本実施形態では、特定の大当たり種別(大当たりA、大当たりC、大当たりE〜G)による大当たり遊技終了後には必ず時短状態が付与される構成としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、時短状態が連続して付与される回数を計測する時短付与回数計測手段を設け、その時短付与回数計測手段による計測結果が所定回数(例えば、10)となった場合には、どの大当たり種別による大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与されないようにしてもよい。これにより、遊技者が有利となる遊技期間の上限を設定することができ、遊技者に対して過度な射幸性を提供することを抑制することができる。また、過度な射幸性を抑制する例として、連続して時短状態が付与される回数に上限を設定した例を示したが、それ以外にも、連続して時短状態が付与される期間(時短連荘期間)中に実行される特別図柄の変動回数に上限を設けるようにしてもよい。このように構成した場合であっても、時短連荘期間に上限を設定することができるため、過度な射幸性を抑制することができる。なお、この場合は、時短状態が付与される回数(即ち、時短連荘期間中の大当たり回数)に上限を設定するものではないため、限られた期間(上限が設定された時短連荘期間)中に、数多くの大当たりを獲得しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口毎に最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、複数の入球口への入球数を合算した数が上限数(例えば、8回)となるまで保留されるように設定してもよい。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示等を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜G)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入球することにより所定数(例えば、5個)の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示および第2図柄表示装置83の表示に応じた装飾的な第3図柄(装飾図柄)の表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。また、スルーゲート67を球が通過すると、それをトリガとして、第2図柄表示装置83において普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その普通図柄の変動表示に同期して、その普通図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、第3図柄表示装置81を用いて遊技者に変動表示を分かりやすく報知する図柄(主図柄)の対象を、遊技状態等に応じて変更させるように構成されている。これは、本パチンコ機10では、遊技者に有利となる特典を付与されるか否かが、一の遊技状態(例えば、通常状態)では、特別図柄の抽選結果に基づいて決定され、他の遊技状態(例えば、時短状態)では、普通図柄の抽選結果に基づいて決定されるように構成されているためである。このように、複雑な遊技性を有するパチンコ機10であっても、第3図柄表示装置81に主として表示される図柄(主図柄)の対象を特別図柄、普通図柄と切り替えることで、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される主図柄の変動表示のみ注視すればよく、分かりやすい遊技を提供することができる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示のうち、特別図柄に関する表示が第1図柄表示装置37で行われ、普通図柄に関する表示が第2図柄表示装置83で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示および第2図柄表示装置83の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄表示装置81として複数の液晶ディスプレイを設けても良いし、第3図柄表示装置81が可動するように構成してもよい。ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について、図9を参照して説明する。
図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。図9(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄(遊技状態により異なる)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。
なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄)は、「0」から「9」の数字を付しただ主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が特定の抽選結果(特別図柄の場合は大当たり、または小当たりの一部、普通図柄の場合は当たり)であった場合に、同一の第3図柄(主図柄)が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、第1表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
第1表示領域Dmの右上領域には、第2表示領域Dn(Dn1〜Dn6)が形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄を示す図柄列が表示される。具体的には、第2表示領域Dn1は、第1特別図柄を示す図柄列が表示される領域で、第2表示領域Dn2は、第2特別図柄を示す図柄列が表示される領域で、第2表示領域Dn3は、普通図柄を示す図柄列が表示される領域として形成されており、各図柄の変動表示に対応した変動表示が表示される。
また、第2表示領域Dnには、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄のそれぞれの保留記憶数も表示される。具体的には、第2表示領域Ds4は、第1特別図柄の保留記憶数が表示される領域で、第2表示領域Ds5は、第2特別図柄の保留記憶数が表示される領域で、第2表示領域Ds6は、普通図柄の保留記憶数が表示される領域である。
つまり、本パチンコ機10では、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の変動表示に対応した表示、および、各図柄の保留記憶数に対応した表示が第3図柄表示装置81の第2表示領域Dnにて表示されるように構成されており、そのうち、一の図柄(遊技者に対して、報知すべき図柄)が主図柄として選択され、他の図柄が主図柄よりも目立たない従図柄として第2表示領域Dnに表示される。これにより、遊技者は、主図柄の表示内容を確認するだけで最適な遊技を実行することができる。
なお、本実施形態では、従図柄の表示態様を主図柄よりも小さくすることで、主図柄よりも目立たない表示態様としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、主図柄の表示態様よりも従図柄の表示態様の透過率を高くしたり、従図柄の表示領域を移動させたりすることで従図柄が主図柄よりも識別困難となるように構成してもよい。
また、この第2表示領域Dnにて表示される各図柄の図柄列態様としては、主図柄として表示される図柄列をそのまま表示してもよいし、図9(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄が当たりであったことを遊技者に報知するように構成してもよい。
さらに、主図柄として表示される図柄に対応する従図柄を第3図柄表示装置81に表示させないように構成してもよいし、従図柄の表示を第3図柄表示装置81以外に場所で表示してもよい。
なお、本実施形態では、遊技状態が、通常状態である場合には、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した主図柄(特図1主図柄Dma)が表示され(図9(b)参照)、遊技状態が時短状態である場合には、第1表示領域Dmに普通図柄に対応した主図柄(普図主図柄Dmc)が表示される(図16(a)参照)。さらに、第2特別図柄が変動表示される場合には、遊技状態に関わらず、第1表示領域Dmに第2特別図柄に対応した主図柄(特図2主図柄Dmd)が表示される(図17(b)参照)。
また、詳細な説明は後述するが、各遊技状態において、所定の遊技条件を満たした場合には(例えば、時短状態中に変動が開始された普通図柄が時短状態終了後に変動停止する場合)、上述した主図柄と従図柄の組み合わせとは異なる組み合わせが表示されるように構成している。これにより、異なる遊技状態を跨るように実行される図柄変動に対して、遊技者に違和感を与えることなく第3図柄表示装置81の表示を実行することができる。さらに、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄をすべて従図柄として第2表示領域Dnに表示させ、主図柄として、演出用の擬似図柄が変動表示(図22(a)参照)されるように構成している。これにより、各図柄が変動表示されていない期間(例えば、小当たり期間)において、遊技者に対して図柄変動が実行されているように思わせることができ、演出効果を高めることができる。
本パチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される主図柄(第3図柄)は、「0」から「9」の数字からなる表示態様で構成されているが、他の主図柄と識別可能な表示態様であれば数字以外の表示態様を用いてもよく、例えばキャラクタを模した表示態様や、キャラクタと数字とを組み合わせた表示態様を用いてもよい。また、第1表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3に表示される図柄として、主図柄以外の図柄(即ち、有効ラインL1に同一の図柄が揃って停止したとしても遊技者に特典が付与されない図柄)として副図柄を含めた図柄列を用いてもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄や普通図柄の抽選結果が当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
第1表示領域Dmに表示される主図柄(第3図柄)は、有効ラインL1上に停止表示され、この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄、普通図柄の抽選結果が当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。なお、上述した停止表示状態においては、有効ラインL1上に停止表示された主図柄のみを表示させ、それ以外の主図柄(各図柄列に設定される主図柄であって、有効ラインL1以外の箇所で停止表示されている主図柄)は表示させない(目立たないように表示させる)ようにするとよい。これにより、遊技者に対してより明確に主図柄の停止表示結果を報知することができる。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄あるいは普通図柄の外れに対応する組み合わせの主図柄(第3図柄)が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、新たな主図柄の変動が開始されるまで継続する。そして、主図柄(第3図柄)が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。
なお、本実施形態では、主図柄に対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点でデモ演出が開始されるように構成されているが、主図柄、従図柄に関わらず、全図柄が停止表示されてからの経過時間に基づいて、デモ演出が開始されるように構成してもよいし、主図柄のみ停止表示されている場合のデモ演出と、主図柄、従図柄ともに停止表示されている場合のデモ演出とで演出の表示態様を異ならせるように構成してもよい。この場合、例えば、主図柄のみ停止表示されている場合に実行されるデモ演出では、遊技の進行を促す報知を実行し、主図柄、従図柄ともに停止表示されている場合のデモ演出では、新たな遊技客による遊技を促すための報知を実行するようにするとよい。これにより、円滑に遊技を行わせることができる。
次に、第1表示領域Dmの下方に設けられる副表示領域Dsについて図9(a)を参照して説明する。図9(a)に示すように、第1表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsは、遊技状況や遊技説明といった遊技者の遊技を補助するための補助表示態様が各遊技状態や遊技結果に対応して表示される領域である。具体的には、第1特別図柄に対応した保留図柄の数を表示したり(図9(b)参照)、第1表示領域Dmにて実行されている主図柄の変動演出の内容を補助したり(図22(a)参照)、これから行うべき遊技の内容を案内したり(図22(b)参照)、遊技者に有利となる特定期間(時短期間)の残期間を表示したり(図15(a)参照)する。これにより、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
図2に戻り遊技盤13の説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る左第1入球口64aが配設されている。この左第1入球口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、左第1入球口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この左第1入球口64aは、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の経路へと球を打ち出した場合(所謂、左打ち遊技を行った場合)のほうが、右打ち遊技を行った場合よりも入球し易くなるように構成されている。
左第1入球口64aの下方には、貯留装置750と特定一般入球口630とが配設されている。貯留装置750の詳細な説明については図5を参照して後述するが、貯留装置750は、閉鎖状態と開放状態とに可変動作可能な貯留弁750aと、貯留弁750aが閉鎖状態の場合に、球を1個貯留可能な貯留領域を形成するための側壁とから構成されている。貯留弁750aは、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合に球を貯留可能な閉鎖状態から、開放状態へと可変するように可変制御され、開放状態へと可変動作された場合に、貯留領域に貯留されていた球(或いは、貯留弁750aが開放状態に可変している間に貯留装置750に流入した球)が貯留装置750の下方に流下するように構成されている。なお、貯留装置750は、左打ち遊技を行った場合も、右打ち遊技を行った場合も球を貯留可能な箇所に配設されている。
貯留装置750の下方には、貯留装置750を通過した球が入球可能となるように特定一般入球口630が配設されている。この特定一般入球口630は球が入球すると10個の球が賞球として払い出される入賞口であるとともに、非電動役物710を動作させる契機として用いられる。非電動役物710の詳細な説明については図5を参照して後述するが、特定一般入球口630に入球した球の自重によって非電機構710aが作動し、遊技盤13の右側領域に設けられた非電動役物710が、右第1入球口64bに球が入球可能な位置へと可変するように構成されている。
一方、遊技盤13の右側領域には、右打ち遊技された球が流下する2つの流路と、右打ち遊技によって発射された球を上述した2つの経路に振り分けるための振分部材700と、非電動役物710と、右第1入球口65bと、スルーゲート67と、第2入球口640および電動役物640aと、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが配設されている。次に、図2〜図4を参照して、本パチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。
右打ち遊技によって発射された球は、振分部材700によって、第1流路701と第2流路702とに交互に振り分けられる。第1流路701へと振り分けられた球は、屈曲路701a(図3参照)を通過し、スルーゲート67、第2入球口640を通過して右側領域下方へと流出する。また、第2流路702へと振り分けられた球は、その下流側に設けられた非電動役物710が閉鎖状態(図5(a)参照)の場合には、第3流路703aを流下し、流入口704aに流入して第1流路701の裏面側(図2の視点で奥側)に設けられた第5流路704bを流下し、流出口704cより遊技盤13上の右側領域下方へと流出する。一方、非電動役物710が開放状態(図5(b)参照)の場合には、第4流路703bを流下して、右第1入球口64bに入球する。この右第1入球口64bに球が入球すると3個の球が賞球として払い出される。
なお、非電動役物710の詳細な説明については図5を参照して後述するが、本実施形態では、非電動役物710が開放状態において、右第1入球口64bに入球した球の自重によって非電動役物710が閉鎖状態へと可変されるように構成されている。
そして振分部材700によって2つの流路(第1流路701、第2流路702)に振り分けられた球は右側領域下方で合流し、第2可変入賞装置650、第1可変入賞装置65上を流下し、貯留装置750に流入可能な流路を流下しながらアウト口66へと流入する。
ここで、振分部材700によって振り分けられた球の流れについて、図3および図4を参照して詳細に説明する。図3は、右打ち遊技によって発射された球が第1流路701を流下する場合の球流れを示した模式図であり、図4は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702を流下する場合の球流れを示した模式図である。
図3に示すように、振分部材700は、右打ち遊技によって発射された球を交互に第1流路701と第2流路702に振り分けるため、1分間に100個の球を発射した場合には、第1流路701に1.2秒間隔で50個、第2流路702に1.2秒間隔で50個流下するように振り分けられる。第1流路701は、球1個分の通路幅(約15mm)で形成される球通路で構成されており、その途中に設けられる屈曲路701aにより、球の流下速度を低下させており、第1流路701に流入した球が第1流路701から流出するまでの球通過時間が約2秒となるように構成されている。
第1流路701の下流位置(屈曲路701aよりも下流側)には、スルーゲート67が配設されており、このスルーゲート67の下流側に第2入球口640が配設されている。この第2入球口640は、電動役物640aが閉状態の場合には球が第1流路701を通過可能となり、電動役物640aが開状態の場合には第1流路701を通過した球が第2入球口640に入球するように構成されている。
また、スルーゲート67を通過した球が0.2秒後に第2入球口640に到達するように構成されている。詳細は後述するが、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄の変動時間は最短で3秒であるため、スルーゲート67を通過した球が、その球がスルーゲート67を通過したことを契機に実行される普通図柄の抽選に基づいて実行される電動役物640aの開放動作によって第2入球口640に入球することが無いように構成されている。つまり、普通図柄の抽選に要する期間よりも、スルーゲート67を通過してから第2入球口640(電動役物640a)に到達するまでの期間が短くなるように構成している。これにより、球を1個発射させるだけで、普通図柄の抽選を実行し、且つ、第2入球口640に球を入球させる行為を物理的に不可能にすることができる。よって、適切ではない遊技が実行されることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が振分部材700によって第1流路701(スルーゲート67、第2入球口640が配設される流路)と、第2流路702とに交互に振り分けられるため、普通図柄の抽選を実行させ(スルーゲート67に球を通過させ)、普通図柄の抽選で当たりに当選し、電動役物640aが開放し第2入球口640に球を入球させるために、少なくとも3個の球を発射させる必要があるため、より一層適切ではない遊技(例えば、単発打ち)が実行されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では振分部材700によって振り分けられる2つの流路のうち一方の流路にスルーゲート67と第2入球口640とを配設しているが、一方の流路にスルーゲート67を配設し、他方の流路に第2入球口640を配設するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、悪意のある遊技者が振分部材700を破壊し、何れか一方の流路にのみ球が流下する状態を作り出した場合に、スルーゲート67へ球を通過させ、普通図柄が当たりに当選した場合に第2入球口640へ球が入球させる遊技を規制することができるようになり、不正な遊技が行われることを抑制することができる。
次に、図4を参照して、球が第2流路702を流下する場合の説明をする。第2流路702は、上述した第1流路701と比べて球が流下する期間が短くなるように構成されている。具体的には、第2流路702に流入した球が流出口704cから流出されるまでに要する時間が約1.5秒となるように構成されている。このように構成することで、1分間に100個の球を右側領域に向けて発射した場合に、第1流路701に流入した球と、その球の次に発射され、第2流路702に流入した球とがほぼ同時(約0.1秒差)に遊技盤13の右下領域(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650が配設される領域)を流下することとなる。よって、各可変入賞装置が開放される遊技状態(大当たり状態または小当たり状態)において、一度に複数の球を入賞させ易くすることができる。
また、第2流路702の一部(第5流路704b)を、第1流路701の裏側(図4の視点で奥側)に設け、正面視(図4の視点で正面視)で複数の流路が重複するように構成している。このように、遊技盤13の奥行き方向を利用して複数の球流路を形成することで、球流路を形成するスペース(遊技盤13を球流路が占有する領域)を小さくすることができる。
さらに、第2流路702の球出口(流出口704c)は、第1流路701の流出口(第2入球口640の下流側)よりも下方に位置し、且つ、遊技盤13の右下領域において第1流路701から流出した球よりも下流側に球が流出するように構成されている。これにより、流出口704cから勢いよく流出した球(第1流路701を流下した球よりも高速で流出した球)が、第1流路701から流出した球に直接衝突してしまい不規則な球流れが発生してしまう事態を抑制することができる。
なお、本実施形態では、振分部材700によって右打ち遊技によって発射された球を交互に2つの流路に振り分ける構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、2つの流路に対して交互(1:1)ではなく、異なる割合で球を振り分けるように構成してもよいし、3つ以上の流路に対して球を振り分ける構成にしてもよい。また、本実施形態では、通過した球の自重によって次に通過する球の振り分け先が変化する振分部材700を用いているが、例えば、予め定められた規則に沿って電気的に駆動する振分部材を用いてもよい。
次に、図5を参照して、本実施形態で用いられる貯留装置750と非電動役物710の動作の流れについて説明をする。図5(a)は、貯留装置750と非電動役物710とが何れも閉状態(閉鎖状態)であることを示す模式図であり、図5(b)は、貯留装置750と非電動役物710とが何れも開状態(開放状態)であることを示す模式図である。
図5(a)に示すように、非電動役物710が閉状態(閉鎖状態)の場合は、右第1入球口64bに球を入球させることが不可能(困難)な状態であるため、遊技状態が通常状態の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技を行い、右第1入球口64bに球を入球させられることを抑制することができる。
この非電動役物710は、球が特定箇所を通過した場合に当接する作用部を有しており、その作用部が当接した球の自重によって作動し、その作動に基づいて開放されるように構成されている。具体的には、特定一般入球口630に入球した球が上述した作用部に当接し、その作用に連動して作用連結部710aが動作し、非電動役物710が開放される。これにより、右第1入球口64bに球が入球可能な状態となる。
さらに、右第1入球口64bには、入球した球が当接可能な第2作用部が設けられており、この第2作用部に球が当接することにより、当接した球の自重によって第2作用部が作動して非電動役物710が閉鎖される。このように、非電動役物710は、電気的駆動源を用いること無く、球の自重によって作用する部材の作動に基づいて可変状態が切り替わるように構成されている。なお、非電動役物710の構成は上記した構成以外でもよく、球の自重に基づいて作動する構成として周知の構成を用いてもよい。
非電動役物710を作動させる(開放させる)ための契機となる特定一般入球口630への球の入球は、上述したように特定一般入球口630の上方に設けられた貯留装置750によって規制されており、貯留装置750が解除状態となった場合に球が特定一般入球口630に入球可能となる。そして、この貯留装置750は上述したように所定の解除条件(例えば、大当たり遊技の開始)が成立した場合に、所定の閉鎖条件(例えば、10秒経過)が成立するまでの間、解除状態となるように可変制御される。
つまり、図5(b)に示すように、大当たり遊技が開始され、第1可変入賞装置65が開放した場合に、貯留装置750が解除されるように構成している。そして、貯留装置750が解除状態となり、特定一般入球口630に球が入球したことに基づいて非電動役物710が開放される。なお、本第1実施形態では、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技によって発射された球も、貯留装置750を通過可能な位置に貯留装置750が配設されているため、右打ち遊技が行われる大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に入賞しなかった球(第1可変入賞装置が一時的に閉鎖状態となるラウンド間インターバル中に第1可変入賞装置65上を通過した球)を特定一般入球口630に入球させることができる。
よって、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65への入球に基づく賞球の払い出しと、特定一般入球口630への入球に基づく賞球の払い出しとを両方獲得することを可能とすることができる。さらに、第1可変入賞装置65に入賞できなかった球が特定一般入球口630に入球可能となるように構成しているため、従来では無駄球となっていた大当たり遊技中に第1可変入賞装置65へ入賞しなかった球に遊技者に有利となる付加価値を付与することができる。
本第1実施形態では、大当たり遊技が開始されてから(1回目の第1可変入賞装置65の開放動作が実行されてから)10秒間の間、貯留装置750を解除させるように貯留弁750aを可変動作されるように構成している。よって、大当たり遊技における1ラウンド目の終了条件(例えば、球を10個入賞させる)を10秒以内に成立させることで、1ラウンド目終了から2ラウンド目が開始されるまでのインターバル(ラウンド間インターバル)期間と、貯留装置750が解除されている期間とを合致させることができる。
これにより、ラウンド間インターバル期間中に第1可変入賞装置65上を通過した球を特定一般入球口630に入球させることが可能となるため、大当たり遊技における1ラウンド目を早く(10秒以内に)終了させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、大当たり遊技中に実行される貯留装置750の解除タイミングとして、上述した解除タイミング(大当たり遊技が開始されてから(1回目の第1可変入賞装置65の開放動作が実行されてから)10秒間)以外の解除タイミングを設定してもよく、所定間隔(例えば、10秒間隔)で所定期間(例えば、3秒間)貯留装置750を解除させるように設定してもよい。このように構成することで、大当たり遊技の各ラウンドの終了タイミング(ラウンド間インターバルが設定されるタイミング)と、貯留装置750が解除されるタイミングとが全て一致した場合には大当たり遊技中に多くの球を特定一般入球口630に入球させることができる。
また、上述した構成を用いた場合は、大当たり遊技における各ラウンドの終了条件を成立されるタイミングを調整することにより(例えば、ラウンド終了条件である10個目の球を第1可変入賞装置に入賞させるタイミングを操作ハンドル51の操作によって調整することにより)、大当たり遊技中に特定一般入球口630に入球させる球の数を可変させることが可能となるため、遊技者に対して、大当たり遊技中の各ラウンド終了タイミングを所定タイミング(貯留装置750が解除状態となるタイミング)に合わせるという新たな遊技性を提供することができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、第3図柄表示装置81に貯留装置750の解除タイミングを報知するための表示態様や、ラウンド間インターバルが実行されるタイミングを遊技者が予測可能な表示態様を表示できるように構成するとよい。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される内容を把握しながら大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
上述した第1実施形態では、大当たり遊技が実行されることを契機に、非電動役物710が開状態(開放状態)となるため、大当たり遊技中に右打ち遊技を行うことで、右第1入球口64bに確実に球を入球させることができる。これにより、大当たり遊技終了後に移行する時短状態(通常状態の大当たりから移行する連荘モード開始時の時短(初回時短))において、第1特別図柄の変動を確実に実行させることができる。
さらに、本実施形態では、右第1入球口64bに球が1個入球したことを契機に、非電動役物710が閉状態(閉鎖状態)へと移行するように作動するため、大当たり遊技中に過剰に球が右第1入球口64bに入球することを抑制することができる。
次に、図6を参照して、第2可変入賞装置650における裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、第2可変入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1へと振り分けられる状態を示した模式図であり、図6(b)は、第2可変入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2へと振り分けられる状態を示した模式図である。
図6(b)に示したように、切替部材650hが作動されていると、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は、特別排出流路650e2へと振り分けられる。本実施形態では、特別排出流路650e2に滞留部材650nが設けられる。この滞留部材650nにより、切替部材650hにより遊技球が特別排出流路650e2側に振り分けられる先の領域である振分先領域650h3に、遊技球を1球だけ滞留させることができる。これにより、振分先領域650h3に遊技球が1球滞留している場合は、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は、特別排出流路650e2へと振り分けられずに、通常排出流路650e1へと流下することとなる。
滞留部材650nは遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成されている。この滞留部材650nは、滞留ソレノイド209b(図8参照)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この滞留部材650nは、前方へと進出動作(閉鎖動作)することで、振分先領域650h3に遊技球を1球滞留させることができる。一方、後方へと退避動作(開放動作)することで、振分先領域650h3に滞留する遊技球が特別排出流路650e2へと流下する。
ここで、第2可変入賞装置650は、小当たり遊技中において開閉扉650f1が開放されることで、遊技球が入球可能となるものである。また、滞留部材650nは、小当たり遊技中(第2可変入賞装置650への入球が可能な場合)に閉鎖動作となり、開閉扉650f1が閉鎖してから(第2可変入賞装置650へ新たな入球が不可能となってから)から所定時間経過後に開放動作するものである。即ち、本制御例では、第2可変入賞装置650へ入球した遊技球は、切替部材650hが動作していたとしても、特別排出流路650e2へ流下する遊技球は1球に制限される。これにより、特別排出流路650e2へ流下する遊技球が過剰となることを抑制することができる。
特別排出流路650e2へと流下した遊技球は、V入賞スイッチ650e3を通過することとなる。本第1実施形態ではV入賞スイッチ650e3への遊技球の通過に基づいて、大当たり遊技が付与されるように構成している。
なお、本第1実施形態では、特別排出流路650e2へと流下する遊技球を1球に制限するように構成したが、これに限られず、振分先領域650h3に遊技球が2球以上滞留可能としたり、滞留部材が小当たり遊技中において所定回数(例えば、2回)動作させるようにしたりすることで、制限する遊技球の個数を適宜変更してもよい。
図6(a)を参照して、通常排出流路650e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図6(a)は、流路ソレノイド209c(図8参照)が非作動であり、特別排出流路650e2の入り口の開口面を切替部材650hの誘導片650h2が塞いでいる状態を示す図である。
本第1実施形態では、流路ソレノイド209cが非作動である場合においても、特別排出流路650e2に設けられた滞留部材650nが動作するように構成している。これにより、流路ソレノイド9209cの作動の有無に応じて処理を切り替える必要がないため、設計コストの低減やプログラム容量の削減を図ることができる。
流路ソレノイド650kが非作動である場合は、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は全て通常排出流路650e1へと流下する。一方、特別排出流路650e2へと流下する遊技球はないため、本第1実施形態において新たに設けた滞留部材650nによる影響はない。
次に、図10および図11を参照して、本実施形態における小当たり遊技の流れについて説明をする。図10(a)は、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)への球の入球に基づいて実行される小当たり種別Bの小当たり遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図10(b)は、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)への球の入球に基づいて実行される小当たり種別Aの小当たり遊技の流れを示すタイミングチャートである。図11(a)は、第2入球口640への球の入球に基づいて実行される小当たり遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図11(b)は、第2入球口640への球の入球に基づいて実行される大当たり遊技の流れを示すタイミングチャートである。尚、図10および図11に示した各種装置の動作制御の詳細については後述する。
なお、詳細については後述するが、本実施形態では、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合には、60秒間の小当たり遊技が実行される(図22参照)。この小当たり遊技では、第2可変入賞装置650が開放される遊技が実行され、第2可変入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過した場合に、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるように構成されている。この第1特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合には、小当たり遊技中に特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過可能(通過しやすい)小当たり(小当たり種別A)と、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過不可能(通過しにくい)小当たり(小当たり種別B)の何れかが選択される。
まず、図10(a)を参照して説明をする。第1入球口64への球の入賞に基づき、主制御装置110にて第1特別図柄の変動制御が行われる。その際に表示制御装置114では第1特別図柄が変動中であることを示す第1特別図柄変動演出が、第1特別図柄の変動時間と同一期間(30秒)実行される。尚、表示制御装置114によって実行される第1特別図柄変動演出の時間については後述する。そして、第1特別図柄の変動が停止し、主制御装置110が小当たり制御を開始すると(小当たり遊技が実行されると)、第2可変入賞装置650に設けられた開閉扉650f1を開閉動作させるためのV入口ソレノイド209a,滞留部材650nを可変動作させるための滞留ソレノイド209b、切替部材650hを可変動作させるための流路ソレノイド209cが、予め定められた開放シナリオに従ってオン状態となる。具体的には、V入口ソレノイド209aは、小当たり遊技が実行されてから15秒間オフ状態、0.5秒間オン状態となる開放動作を2回繰り返し、その後、15秒間オフ状態、0.8秒間オン状態、13.2秒間オフ状態となるように合計60秒間の開放シナリオが設定されている。
次いで、滞留ソレノイド209bは、小当たり遊技が実行されてから55秒間オン状態(球を滞留される状態)となり、その後5秒間オフ状態(球の滞留が解除される状態)となるように合計60秒間の開放シナリオが設定されている。上述したV入口ソレノイド209aと、滞留ソレノイド209bの開放シナリオは、小当たり種別A,B共通の開放シナリオである。
一方、流路ソレノイド209cの開放シナリオは、小当たり種別によって異なる開放シナリオが設定されるように構成されており、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過不可能(通過しにくい)小当たり種別である小当たり種別Bでは、小当たり遊技期間中の60秒間継続してオフ状態となる開放シナリオが設定され(図10(a)参照)、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過可能(通過しやすい)小当たり種別である小当たり種別Aでは、小当たり遊技が実行されてから40秒間オフ状態、15秒間オン状態、5秒間オフ状態となる開放シナリオが設定される(図10(b)参照)。
このように、小当たり遊技が実行される最中に駆動される3つのソレノイドのうち、1つのソレノイドの駆動動作のみを異ならせることで、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過しやすい小当たり遊技と球が通過しにくい小当たり遊技とを実行可能に構成することにより、異なる小当たり種別で実行される小当たり遊技に共通の開放シナリオを用いることができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、本実施形態では、V入口ソレノイド209a、滞留ソレノイド209bの開放シナリオを共通化し、流路ソレノイド209cの開放シナリオを小当たり種別に応じて異ならせているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、滞留ソレノイド209b、流路ソレノイド209Cの開放シナリオを共通化し、V入口ソレノイド209aの開放シナリオを異ならせるようにしてもよい。この場合、第2可変入賞装置650に球が入賞したタイミングによって、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過可能な期間と通過不可能な期間が設定されるように、共通の開放シナリオを設定しておき、V入口ソレノイド209aの開放シナリオとして、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過可能な期間に対応させてV入口ソレノイド209aをオン状態にする開放シナリオと、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過不可能な期間に対応させてV入口ソレノイド209aをオン状態にする開放シナリオとを用いるとよい。さらに、何れの開放シナリオもV入口ソレノイド209aをオン状態にする期間を統一するとよい。このように構成することで、第2可変入賞装置650に入賞可能な球数まで一致させることができる。
また、上述した例のように、V入口ソレノイド209aのみ開放シナリオを異ならせるのでは無く、同一の開放シナリオを用いた場合であっても、開放シナリオのスタート位置(実行開始位置)を異ならせることで特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過しやすい小当たり遊技と球が通過しにくい小当たり遊技とを実行可能に構成するようにしてもよい。このように構成した場合には、小当たり種別毎に異なる開放シナリオを用意する必要が無くなるため、記憶容量を削減することができる。
次に、図11(a)を参照して、第2入球口640への球の入球に基づいて実行される小当たり遊技の流れを説明する。なお、本実施形態では、第2入球口640への球の入球に基づいて実行される小当たり遊技(即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選で小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技)は、全て同一の動作制御が実行されるように構成されているため、小当たり種別について限定をすることなく説明を行う。
なお、図11(a)では小当たり制御全体の時間(小当たり遊技時間)を10秒と設定して説明をする。まず小当たり遊技(制御)が開始されてから設定時間t1(6.5秒)が経過すると、上述した複数ソレノイドのうち、V入口ソレノイド209aがオフ状態となり、開閉扉650f1が閉鎖する。開閉扉650f1が閉鎖することにより第2可変入賞装置650内に新たな球が入賞することが無くなる。次いで、設定時間t2(9秒)が経過し、滞留ソレノイド209bがオフ状態となり滞留部材650nが開状態(退避状態)となり、滞留部材650nによって滞留していた球が特別排出経路650e2へと流下していく。設定時間t2は、設定時間t1経過時に第2可変入賞装置650内に存在していた球が通常排出流路650e1を流下するのに十分な時間が設定してあるため、設定時間t2経過時に第2可変入賞装置650内には滞留部材650nによって滞留されていた球のみが特別排出流路650e2を流下することとなる。次いで、設定時間t3(5秒)が経過し、流路ソレノイド209cがオフ状態となり特別排出流路650e2の入り口の開口面を切替部材650hの誘導片650h2が塞ぐ。設定時間t3は設定時間t2経過時に特別排出流路650e2を流下する球を誘導片650h2の可動範囲より下流に流下させるのに十分な時間が設定されている。
このように滞留ソレノイド209bと流路ソレノイド209cとを時間差を設けて駆動させることで、誘導片650h2の可動範囲内に滞留部材650nによって球を滞留させたとしても、誘導片650h2と滞留部材650nによって滞留させた球とが干渉することなく、確実に特別排出流路650e2へと流下させることができるため、装置のコンパクト化を図ることが出来る。
最後に、特別排出流路650e2を流下した球がV入賞スイッチ(特定領域)650e3を通過したことに基づいて、主制御装置110では小当たり遊技制御を終了し、大当たり遊技制御を行い、第1特定入賞口65が開放される。
次に、図11(b)を参照して図11(a)と相違する点を説明する。図11(b)は、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たり(図柄当たり)であるため、第2可変入賞装置650の作動は行われない。つまり、主制御装置110による第2特別図柄の変動制御が終了後、大当たり制御が開始される。その間表示制御装置114では第2特別図柄が変動中であることを示す第2特別図柄変動演出が実行される。
ここで、図11(a)にて表示制御装置114が実行する演出と図11(b)にて表示制御装置114が行う演出の時間の関係について説明する。図11(a)では第2特別図柄の変動時間(2秒)と小当たり演出時間(10秒)の合算が12秒で設定されており、図11(b)では第2特別図柄の変動時間が12秒で設定されている。これは、第2特別図柄の抽選結果に基づく大当たりが上述したV入賞当たり又は図柄当たりの何れかであっても大当たり遊技が開始されるタイミング、つまり、第1可変入賞装置65(第1特定入賞口65a)が開放するタイミングを合わせるためである。このように構成することで、遊技者に対して第2特別図柄の抽選結果を把握させないようにし、表示制御装置が実行する演出を最後まで楽しませることができる。
次に、図12を参照して本実施形態における遊技の流れを説明する。図12は本実施形態における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本実施形態では、大きく分けて遊技状態が通常状態の場合に、左第1入球口64aを狙い第1特別図柄(特1)の抽選を実行する左打ち遊技と、遊技状態が時短状態の場合に、第2入球口640を狙い第2特別図柄(特2)の抽選を実行させる、或いは、遊技状態が当たり(大当たり、小当たり)状態の場合に、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650を狙う右打ち遊技が行われるように構成されており、左打ち遊技中に実行される第1特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選し、その当たり遊技終了後に時短状態が付与される場合に、右打ち遊技(連荘モード)へと移行し、通常状態よりも遊技者に有利となる特定遊技状態へと移行する。この連荘モード(特定遊技状態)は、所定条件が成立した場合(遊技状態が通常状態に移行し、且つ、第2特別図柄の保留球数が0となった場合)に終了し、通常状態である左打ち遊技へと移行する。つまり、本パチンコ機10では、左打ち遊技(通常状態)中は、遊技者に有利となる右打ち遊技(特定遊技状態)へと移行することを目指して遊技を行い、右打ち遊技が行われる連荘モード(特定遊技状態)中は、連荘モード(特定遊技状態)を継続させることを目指して遊技が行われる。このように、異なる遊技性を有する遊技機において、その異なる遊技性を遊技者が球を発射させる位置を異ならせる遊技(右打ち遊技、左打ち遊技)に対応させることで、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
また、本パチンコ機10では、左打ち遊技が行われる通常状態から、右打ち遊技が行われる特定遊技状態(連荘モード)へと移行する契機として、第1特別図柄の抽選が大当たり当選する図柄当たりと、第1特別図柄が小当たりに当選し、その小当たり遊技中に特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過させて大当たりを実行させるV入賞当たりと、の複数(2種類)の契機を有しているため、遊技者に不利となる通常状態である左打ち遊技中に遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
図12に示すように、左打ち遊技が行われる通常遊技状態では、左第1入球口64aを狙った遊技が実行される。左第1入球口64aへの球の入球に基づいて第1特別図柄の抽選を行い、その抽選結果の大当たり種別が大当たりAの場合(大当たり当選時の80%)、その大当たりの終了後に第2入球口640への入賞が容易となる時短遊技状態(時短状態)が付与される。時短遊技状態(時短状態)に移行すると、遊技盤13の右側領域に配設されている第2入球口640を狙うべく球を遊技盤13の右側へ発射する右打ちを行う右打ち遊技が行われる。一方、大当たり種別が大当たりBの場合(大当たり当選時の20%)は、その大当たりの終了後に時短遊技状態(時短状態)が付与されないため、大当たり遊技終了後に左打ち遊技が行われる通常遊技状態(通常状態)へと移行される。又、本実施形態では第1特別図柄の抽選結果が小当たりであって、その小当たり種別が小当たりAの場合(小当たり当選時の10%)に大当たり(V入賞)となるルートもある。この場合は、大当たり終了後に時短遊技状態へと移行する。また、小当たり種別が小当たりAの場合であっても、小当たり遊技中に球を特定領域(V入賞スイッチ650e3)に通過させることができなかった場合や、当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBの場合は、時短遊技状態(時短状態)へと移行することが無く、左打ち遊技を実行する通常状態へと移行する。
次に、本パチンコ機10において、遊技者に有利となる右打ち遊技中の流れについて説明をする。本パチンコ機10では図2〜図5を参照して説明をしたように、遊技盤13の右側領域に右第1入球口64bが配設されており、右打ち遊技が実行される大当たり遊技中に少なくとも1球は右第1入球口64bに球が入球するように構成されている。つまり、通常遊技状態(通常状態)において、大当たり遊技終了後に時短状態が付与される大当たりに当選した場合、その大当たり遊技終了後には、第1特別図柄(特図1)の保留記憶を少なくとも1つ有し、第2特別図柄(特図2)の保留記憶が無い状態で時短状態が開始される。
図12に示すように、本パチンコ機10では、第1特別図柄(特図1)の保留記憶と第2特別図柄(特図2)の保留記憶とが両方存在する場合には第2特別図柄(特図2)の保留記憶に基づく抽選(変動)が優先して実行されるように構成されている(所謂、特2優先変動)が、第2特別図柄(特図2)の保留記憶が無い状態では、第1特別図柄(特図1)の保留記憶に基づいた抽選(変動)が実行される。ここで、時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)は抽選結果に関わらず150秒が設定されるように構成しているため、時短状態が開始されてから150秒の間は、第1特別図柄(特図1)の変動が実行されている状態となる。また、時短状態中に何れかの特別図柄(特図1、特図2)の変動(抽選)が1回実行された場合に、その時短状態の終了条件が成立するように構成されている(時短回数1回)。
この、時短状態に第1特別図柄(特図1)が変動している期間中は、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を獲得するための遊技が実行され、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を最大で4個獲得することができる。ここで、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を獲得することができれば、時短終了後に第1特別図柄の変動が停止し、通常状態に移行した後に、第2特別図柄の保留記憶に基づく抽選が実行される。上述したように、本パチンコ機10では第2特別図柄の抽選が、1/300の確率で大当たりに当選し、299/300の確率で小当たりに当選するように設定されており、さらに、第2特別図柄の抽選によって当選した小当たりは、特定領域(V入賞スイッチ630e3)に球を通過可能(通過させやすい)な小当たり遊技が実行され、V入賞した場合に実行される大当たりは全て、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与される大当たりが設定されている。よって、時短遊技状態において、第2特別図柄の保留記憶を有している限り、連荘モード(特定遊技状態)が継続される。
一方、時短状態に第1特別図柄が変動している期間中(連荘準備期間中)に、第2特別図柄の保留記憶を獲得することができず、第2特別図柄の保留記憶が無い状態で時短状態が終了した場合は、そのまま通常遊技状態へと移行し、連荘モード(特定遊技状態)が終了することになる。
また、連荘準備期間中に、第2特別図柄の保留記憶を複数(例えば、3個)獲得した場合は、再度時短状態に突入した場合に、第2特別図柄の変動が開始されることになる。本実施形態では、時短状態における第2特別図柄の変動時間(特2変動時間)が抽選結果に関わらず2秒に設定されており、時短状態における普通図柄の変動時間(3秒)よりも短くなるように設定されているため、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されている時短状態中に、新たに第2特別図柄の保留記憶を獲得することを抑制している。これにより、遊技者に過度な賞球を提供してしまう事態を抑制することができる。なお、本実施形態では、一度時短状態に突入すると約90%の確率で時短状態がループするように構成されている。
次に、図13〜図23を参照して、本実施形態のパチンコ機10の第3図柄表示装置81にて実行される演出表示内容について説明をする。まず、図13および図14を参照して、本実施形態のパチンコ機10の遊技状態の移行に対応して変化する演出表示内容の流れについて説明をする。図13は本実施形態における遊技状態と演出状態との関係を示すタイミングチャート(前半)であり、図14は本実施形態における遊技状態と演出状態との関係を示すタイミングチャート(後半)である。
ここで、本実施形態に用いられるパチンコ機10の第3図柄表示装置81にて表示される装飾図柄(第3図柄)について簡単に説明をする。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の3種類の図柄に対応する装飾図柄(第3図柄)が第3図柄表示装置81に表示可能に構成されており、そのうち、遊技者に抽選結果を最も報知すべき図柄に対応する装飾図柄(第3図柄)を主図柄として第3図柄表示装置の第1表示領域Dm(図9参照)に表示し、その他の図柄に対応する装飾図柄(第3図柄)を従図柄として第3図柄表示装置の第2表示領域Dn(図9参照)に表示するように構成している。
そして、パチンコ機10の遊技状態の移行に合わせて、主図柄として表示させる図柄を切り替えることで、遊技者に対して、第3図柄表示装置81に表示される主図柄の表示結果を認識させるだけで複雑な遊技性を分かりやすく把握させるように構成している。
上述した主図柄として表示させる図柄を切り替える制御については、詳細な説明は後述するが、パチンコ機10の遊技状態や各図柄の変動状況に基づいて演出状態の値を設定し、その演出状態の値に基づいて、主図柄として表示する図柄と従図柄として表示する図柄とを切り替えて表示するように構成している。
図13に示すように、遊技状態が第1特別図柄の変動(抽選)が実行されている通常(特1)状態の場合は、演出状態として「状態1」が設定される。この「状態1」が設定されている期間は、第1特別図柄が主図柄、普通図柄が従図柄となるように表示され、主保留図柄として第1特別図柄の保留図柄が表示される(図9(b)参照)。このように、第1特別図柄の変動(抽選)が実行されている「通常(特1)」状態では、遊技者に対して第1特別図柄の抽選結果を容易に認識させる表示を行うことで、遊技の内容を分かり易く報知することができる。
次に、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり遊技が実行されている「大当たり」状態では、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm(図9(b)参照)にて大当たり演出画像が表示される。この場合は第3図柄表示装置81に主図柄が表示されないため、演出状態として「−」が設定される。
大当たり遊技が終了した後に、遊技状態が時短状態に移行し第1特別図柄の変動が実行される「時短(特1)」状態では、普通図柄の変動状況に基づいて、演出状態として「状態3」または「状態5」が設定される。ここで、「時短(特1)」状態における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。上述したように本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態が「時短(特1)」において、第2特別図柄の保留記憶を獲得するための遊技が行われる。第2特別図柄の保留記憶を獲得するためには、右打ち遊技を行い、スルーゲート67に球を通過させ(普通図柄の抽選を実行させ)、普通図柄当たり(普図当たり)に当選(当たり確率が1/20)させて電動役物640aを開放させる必要がある。
つまり、遊技状態が「時短(特1)」状態の場合では、遊技者は普通図柄の抽選結果が当たりになることを期待しながら遊技を行うことになる。また、本実施形態では、時短状態中に変動が開始された普通図柄が、時短状態中に変動を停止し、電動役物640aの動作が開始された場合に、電動役物640aの開放動作が遊技者に有利となる開放パターン(ロング開放)となるように設定されているため、遊技状態が時短状態ではない状態(例えば、大当たり状態)中に普図変動が開始され、時短状態中に電動役物640aの動作が開始される場合や、時短状態中に普図変動が開始され、時短状態終了後(例えば、通常状態)に電動役物640aの動作が開始される場合等は、電動役物640aの開放動作が遊技者に有利となる開放パターン(ロング開放)ではなく、通常の開放パターン(ショート開放)が実行されることになる。
このように構成された遊技機において、遊技状態が時短状態へと移行されたことを条件に第3図柄表示装置81に表示される主図柄を普通図柄に対応した第3図柄に切り替えてしまうと、上述したような時短状態にも関わらず電動役物640aがショート開放してしまう普通図柄の変動に対しても主図柄で表示してしまうことになってしまい、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
そこで、本実施形態では、遊技状態として「時短(特1)」状態が設定されている場合において、普通図柄の変動状況を判別し、普通図柄の変動が開始されるタイミングと、普通図柄の変動が停止されるタイミング(当たり当選している場合には、電動役物640aが開放動作されるタイミング)とが、ともに「時短(特1)」状態である場合には、演出状態として「状態5」が設定され、それ以外の場合には「状態3」が設定されるように構成している。
そして、演出状態として「状態5」が設定されている期間は、普通図柄が主図柄、第1特別図柄、第2特別図柄が従図柄となるように表示され、主保留図柄として第2特別図柄の保留図柄が表示される(図16(a)参照)。このように、第1特別図柄の変動(抽選)が長期間(150秒)実行されている「時短(特1)」状態では、主図柄に対応する図柄を第1特別図柄から普通図柄に切り替えることで、遊技者に対して普通図柄の抽選結果を容易に認識させ、遊技の内容を分かり易く報知することができる。
また、演出状態として「状態3」が設定されている期間は、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の何れにも対応しない疑似図柄が主図柄、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄に対応する第3図柄が従図柄となるように表示され、主保留図柄として第2特別図柄の保留図柄が表示される(図16(a)参照)。このように構成することで、遊技の内容を分かり易く報知することができる。
また、第2特別図柄が変動している状態では、遊技状態に問わず(通常状態、時短状態に関わらず)、演出状態として「状態4」が設定される。この演出状態として「状態4」が設定されている期間は、第2特別図柄に対応する第3図柄を主図柄として表示する(図17(b)参照)。そして、図14に示すように、演出状態として「状態5」が設定されている場合において、変動中の第1特別図柄の抽選結果が特定の結果(例えば、大当たり)の場合には、その第1特別図柄の残変動時間が所定期間以下となると演出状態として、「状態6」が設定される。
この演出状態として「状態6」が設定されている期間は、「状態5」にて実行されていた普通図柄に対応する第3図柄を主図柄とした変動表示態様から、第1特別図柄の抽選結果に基づいた疑似用図柄を主図柄として変動表示させる。このようにすることで、大当たりに当選している第1特別図柄の抽選結果を遊技者に示唆するための期間を確保することができる。よって、「状態5」が設定され、普通図柄に対応する第3図柄を主図柄とした変動表示態様が表示されている状態から、急に第1特別図柄の大当たり遊技が開始されてしまい、遊技者が困惑してしまうという不具合を抑制することができる。
なお、本実施形態では、演出状態を「状態5」から「状態6」へ移行するタイミングを普通図柄の変動が実行されるタイミングとしている。これにより、演出状態の移行を違和感無く行うことができる。
また、本実施形態では、遊技状態が通常状態において、第1特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に、小当たり用の特定演出が実行されるように構成している(図22参照)。この遊技状態が通常状態であって、第1特別図柄に基づく小当たり遊技が実行される場合には演出状態として「状態2」が設定される。
この演出状態として「状態2」が設定されている期間は、小当たり用の特定演出では、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の何れにも対応しない疑似図柄が主図柄として変動表示される。この場合に変動表示される疑似図柄は、小当たり遊技中における第2可変入賞装置650の開放タイミングに基づいて変動表示される疑似図柄である。つまり、この疑似図柄が所定の停止表示態様(例えば、ぞろ目)で停止表示されるタイミングを、第2可変入賞装置650が開放するタイミングの所定期間前、即ち、所定の停止表示態様が表示されてから発射された球が第2可変650に入賞可能となるタイミングとし、遊技者にあたかも、疑似図柄が停止表示されたことに基づいて第2可変入賞装置650が開放したと思わせる演出が実行される。
さらに、本実施形態では、第2可変入賞装置650が開放される小当たり遊技において、遊技者に有利となる小当たり遊技(特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球が通過し易い)と、不利となる小当たり遊技とを有しており、小当たり遊技中に変動表示される疑似図柄の停止表示態様の種別が実行されている小当たり遊技の種別によって設定される。例えば、特定領域に球が通過可能なタイミングで第2可変入賞装置650が開放されるタイミングに対応した疑似図柄の停止表示態様として、特定の停止表示態様(例えば、特定数字(7)のぞろ目)が停止表示される。このように構成することで、小当たり遊技中に実行される疑似図柄の変動表示により、小当たり遊技の種別や、第2可変入賞装置650の開放タイミングを把握することができるため、遊技者に小当たり遊技を楽しませることができる。
次に、図15〜図23を参照して、本実施形態のパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される表示画面について説明をする。本実施形態では、図13および図14を参照して上述したように、パチンコ機10の遊技状態および各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)の変動状況や保留状況に応じて、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dmに表示される主図柄に対応させる図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)を異ならせる表示制御が実行される。このように構成することで、遊技状態に応じて注目すべき図柄抽選(第1特別図柄の抽選、第2特別図柄の抽選、普通図柄の抽選)が異なるように設計された遊技機において、遊技者に対して第3図柄表示装置81に表示される主図柄の表示結果を把握させるだけで遊技結果が遊技者に有利な結果となったか否かを容易に報知することができ、遊技者にわかりやすい遊技機を提供することができる。
図15(a)は、遊技状態が時短状態であって、第1特別図柄(特図1)の変動が開始された時点における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した模式図である。本実施形態では、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利となる遊技となるため、第1表示領域Dmの左上側に形成される案内表示領域Dm4にて遊技方法を案内するための案内表示として「右打ち」の文字が表示される。第1表示領域Dmの中央部には普通図柄に対応する第3図柄を主図柄とした普図主図柄Dmcが普通図柄と同期して変動表示されている。また、第1表示領域Dmの左側には、主保留図柄として第2特別図柄の保留記憶数を表示するための主保留図柄表示領域Dm5が形成される。なお、図15(a)に示す状態においては、第2特別図柄の保留記憶数が「0」である。
第1表示領域Dmの右上側に形成される第2表示領域Dn1には、第1特別図柄に対応した第3図柄が、第2表示領域Dn2には、第2特別図柄に対応した第3図柄が、第3表示領域Dn3には、普通図柄に対応した第3図柄が、それぞれ従図柄として表示され、第2表示領域Dn1および第2表示領域Dn3では対応する図柄が変動中であることを示すために第3図柄(従図柄)が変動表示され、第2表示領域Dn2では対応する図柄が変動していないことを示すための第3図柄(従図柄)が停止表示されている。
なお、第2表示領域Dn1〜Dn3に表示される従図柄の表示態様については、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)が変動中であるか否に対応した表示態様であればよい。また、停止している図柄に対応した表示態様としては、変動していないこと(停止していること)を把握できればよく、図15(a)の第2表示領域Dn2に示したように「−」を停止表示させる表示態様でもよいし、前回の変動表示の停止表示態様をそのまま停止表示させる表示態様でもよい。
そして、第2表示領域Dn4では、第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)が3個であることを示すための表示態様として数字の「3」が表示され、第2表示領域Dn5では、第2特別図柄の保留記憶数(保留球数)が0個(保留記憶を獲得していない状態)であることをを示すための表示態様として数字の「0」が表示され、第2表示領域Dn6では、普通図柄の保留記憶数(保留球数)が4個であることを示すための表示態様として数字の「4」が表示されている。
この第2表示領域Dn4〜Dn6に表示される各図柄の保留記憶数(保留球数)を示すための表示態様としては、本実施形態のように、各図柄の保留記憶数を具体的に示す値を数字で示す表示態様を用いてもよいし、各図柄の保留記憶の有無のみを示す表示態様(例えば、保留記憶がある場合は「○」、保留記憶がない場合は「−」)を用いてもよい。この場合は、保留記憶があることを示す「○」の表示態様の色を変更させることで、保留記憶数を示唆するようにしてもよい。また、保留記憶数を抽象的に示唆する表示態様を用いてもよい。
図15(a)に示す状態は、第1特別図柄が変動時間150秒の変動を実行し、第2特別図柄が変動をしていない状態であるため、第2表示領域Dn1には、第1特別図柄に対応した従図柄が変動表示され、第2表示領域Dn2には、第2特別図柄に対応した従図柄が変動表示をしていないことを示す「−」が表示されている。
さらに、第1表示領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、時短状態の残期間を示すための時間表示として「150秒」が第1副表示領域Ds1に表示され、第1副表示領域Ds1の左側の第2副表示領域Ds2にて、時短状態の残期間が減算されていくことを遊技者に報知するための案内表示として「カウントダウン!!」が表示される。なお、本実施形態では第1副表示領域Ds1に表示される残期間として、時短状態中の特図1の変動期間(150秒)の残期間を算出し、その算出した値を表示しているため、時短状態が終了するまでの正確な期間を第3図柄表示装置81にて表示することができ、その期間が経過するまでの間、遊技者に安心して遊技を行わせることが可能となるが、第1副表示領域Ds1に表示する残期間表示として異なる値を表示するようにしてもよく、例えば、時短状態中の特図1の変動期間(150秒)の残期間を上限とした値をランダムに設定し、その値が減算されるように表示してもよい。
この場合、表示された値が0になるまでに、特図1の変動残期間を示す値とランダムに設定された値との差分を加算表示したり、表示される値を「???」の表示に変更させたりするとよい。このように構成することで、時短状態がいつまで続くのかを遊技者に把握させ難くすることができ、常にドキドキしながら遊技を行わせることができる。
図15(b)は、遊技状態が時短状態であって、第1特別図柄(特図1)の変動が開始されてから(図15(a)に示した状態から)40秒が経過した時点における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した模式図である。図15(b)に示したように、普通図柄の抽選にて当たりに当選したことを報知する態様(「555」の表示態様)で普図主図柄Dmcが停止表示され、第1表示領域Dmの右下側に普通図柄の当たり当選によって電動役物640aがロング開放され、第2入球口640に球が入球可能となったことを報知するための案内表示が表示される。
また、副表示領域Dsの第1副表示領域Ds1には時短状態の残期間として「110秒」が表示され、第2副表示領域Ds2には、第2入球口640に球を入球させ易い状態(電動役物640aがロング開放動作される状態)であることを示す「チャージタイム」が表示される。そして、第2表示領域Ds3には、普通図柄が当たりで当選したことを示すための停止表示態様(「○○」)が表示される。
このように、遊技状態が時短状態において、特図1の変動が実行されている間は、普通図柄(普図)の抽選結果が、遊技者が最も注視すべき図柄となるため、普図主図柄Dmcを用いて普図の抽選結果が表示される。よって、遊技者に分かり易い表示をすることができる。
なお、本実施形態では、第1表示領域Dmに表示される各主図柄(特図1主図柄、特図2主図柄、普図主図柄、疑似主図柄)の表示位置、および、表示態様を同一にし、且つ、図柄の抽選結果が遊技者に有利となる特定の抽選結果(例えば、当たり)を示すための停止表示態様も同一の停止表示態様(例えば、ぞろ目)としているため、主図柄の対象となる図柄が遊技状態に対応して変更されたとしても、遊技者に対して違和感の無い演出表示(演出変動表示)を実行させることができるように構成しているが、それ以外の構成として、各主図柄で表示位置や表示態様を異ならせてもよいし、図柄の抽選結果が遊技者に有利となる特定の抽選結果(例えば、当たり)を示すための停止表示態様を異ならせてもよい。
図16(a)は、遊技状態が時短状態であって、第1特別図柄(特図1)の変動中に第2入球口640に球が入球した後の状態を示す図である。図16(a)に示したように、第2入球口640に球が入球すると、第1表示領域Dmの中央上部に第2入球口640に球が入球したことを示す表示として「チャージ完了」の文字が表示される。そして、主保留図柄表示領域Dm5にて、第2特別図柄の保留記憶数が「1」となったことを示す表示態様(図中では黒丸)が表示される。この状態では第2表示領域Dn5では第2特別図柄の保留記憶数が1個であることを示す表示態様として数字の「1」が表示される。
本実施形態では、時短中に普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aがロング開放状態となった場合における電動役物640aの閉鎖条件として、第2入球口640に球が1個入球、或いは、電動役物640aの動作が開始されてから11秒(総開放時間6秒)経過が設定されており、本図は、第2入球口640に球が1個入球し、電動役物640aの開放動作が終了し、次の普通図柄の変動状態が実行されている状態であるので、第1表示領域Dmの中央部では、普図主図柄Dmcが変動表示されている。また、副表示領域Dsの第1副表示領域Ds1には時短状態の残期間として「100秒」が表示されている。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上述したように第2特別図柄の保留記憶を1個獲得した時点で、時短状態終了後(変動中の第1特別図柄の変動停止後)に、第2特別図柄の変動表示が開始され、高確率で図柄当たりまたはV入賞当たりを獲得することができるように設計されている。さらに、第2特別図柄の抽選に基づいて実行される大当たり遊技終了後は必ず時短状態が付与されるため、再度、第2特別図柄の保留記憶を獲得するチャンスが訪れることになる。加えて、1回の時短状態(第1特別図柄の変動中)に、第2特別図柄の保留記憶を複数個獲得した場合には、その獲得した個数分の大当たり遊技が実行されるように構成されている。よって、時短状態中において遊技者が最も期待する「第2特別図柄の保留記憶」を第3図柄表示装置81にて主保留図柄として表示することで、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができる。
本実施形態では、主保留図柄の表示態様として、保留記憶数に対応して最大で4個の「黒丸」を表示可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、連荘モードの継続有無(第2特別図柄の保留記憶の有無)を効果的に報知するために、第2特別図柄の保留記憶1個目に対応する主保留図柄の表示態様を他の主保留図柄の表示態様と異ならせてもよい。この場合の表示態様としては、主保留図柄を大きさや色や形状や模様を異ならせることで第2特別図柄の保留記憶1個目に対応する主保留図柄を他の主保留図柄よりも強調して表示するようにしてもよいし、第2特別図柄の保留記憶1個目に対応する主保留図柄のみ他の主保留図柄とは異なる位置に表示させるようにしてもよい。また、主保留図柄の表示態様を異ならせるのではなく、主保留図柄が表示される表示領域側の態様(背景画像の表示態様)を異ならせるようにしてもよい。また、第2特別図柄の1個目の保留記憶を獲得した場合にのみ音声出力手段や発光手段によってその旨を報知するようにしてもよい。
図16(b)は、遊技状態が時短状態であって、第1特別図柄(特図1)の変動期間が残り1秒の時点における表示画面の一例を示した図である。この状態では、主図柄が第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の表示とは対応していない疑似演出図柄が疑似主図柄Dmbとして第1表示領域Dmの中央に表示される。この疑似主図柄Dmbは、第1特別図柄の変動が停止される期間まで(第1副表示領域Ds1の残期間表示が「0秒」になるまで)、揺動した状態で仮停止表示される。
この疑似演出図柄は、遊技状態が時短状態であり、且つ、変動期間が残時短期間を超えてしまう普通図柄の変動が開始されるタイミング(演出状態として「状態3」が設定されるタイミング)で表示されるものである。このように構成することで、変動期間が残時短期間を超えてしまう普通図柄の変動に対応した第3図柄を、普図主図柄Dmcとして表示した場合に、たとえ、普図主図柄Dmcが当たりを示す表示態様で停止表示したとしても、電動役物640aがショート開放となり、遊技者に演出に対する不信感を与えてしまうという問題を抑制することができる。
また、変動期間が残時短期間よりも長い普通図柄の変動に対応した第3図柄を、普図主図柄Dmcとして表示し、時短状態が終了したタイミングで普図主図柄Dmcの表示を中断する(他の主図柄表示に切り替える)ことも考えられるが、遊技者に表示内容を注視させるために用いている主図柄の表示を途中で変更してしまうと、遊技者に大きな違和感を与えてしまうという問題がある。上述した構成を用いることで、このような問題も解決することができる。
さらに、本実施形態では、疑似演出図柄の表示態様として、第1特別図柄の抽選結果を示す表示態様が表示されるため、第1特別図柄の変動が停止したタイミングに合わせて、疑似演出図柄の揺動状態(仮停止状態)を完全に停止した停止状態とするだけで、第1特別図柄の抽選結果を円滑に表示することができる(図17(a)参照)。加えて、仮停止された主図柄(疑似主図柄Dmb)が当たりを示す表示態様で仮停止した場合には、第1特別図柄の抽選結果が当たりであるため、遊技者に特典を確実に付与することができ、第3図柄表示装置81に表示される主図柄の表示態様(表示結果)に対して遊技者に不信感を与えてしまうという問題を抑制することができる。
なお、本実施形態で説明した疑似演出図柄を主図柄として表示する期間中(演出状態として「状態3」が設定される期間中)に疑似演出図柄を表示させる構成以外の構成を用いてもよく、例えば、その期間中は何れの主図柄も表示させることなく、時短状態が終了することを煽る演出を実行するようにしてもよい。このように構成した場合であっても、残時短期間よりも長い変動期間が設定された普通図柄に対応した普図主図柄Dmcが第3図柄表示装置81に表示されることを防止することができるため、遊技者に不信感を与えてしまう事態を抑制することができる。
図16(b)に示す状態では、疑似主図柄が仮停止表示されている状態にて、普通図柄の変動が停止表示されている状態であるため、第2表示領域Dn3では普通図柄の抽選結果が外れを示す表示態様(「○×」)で停止表示されている。このように、普通図柄の変動停止タイミングが特図1の変動停止タイミング(時短状態の終了タイミング)から所定期間以内(例えば、2秒以内)であって、且つ、その普通図柄の抽選結果が外れの場合にもいても、疑似主図柄Dmbを用いた演出表示が実行される。
図16(b)では、主保留図柄表示領域Dm5に第2特別図柄の保留記憶数が2個であることを示す表示態様が表示されているため、時短状態が終了した後に、第2特別図柄の変動が開始されることになる。その旨を遊技者に案内するために第1表示領域Dmの上方に「まもなくチャージ放出タイム!!」と表示される。この「チャージ放出タイム」とは、保留記憶されている第2特別図柄の数に対応した大当たりが実行される期間を示すものである。
そして、チャージ放出タイムに突入すると、図17(a)に示すように、第1表示領域Dmの情報に「チャージ放出タイム突入」と表示され、特図1主図柄Dmaが停止表示される。このタイミング(時短終了タイミング)で変動表示がされている普通図柄、即ち、時短状態中の変動が開始され、その変動の停止タイミングが時短終了後となる普通図柄は、従図柄として第2表示領域Dn3に表示されるため、遊技者に普図主図柄Dmcの変動表示を見せた場合における上述した不具合を抑制することができる。
次に、チャージ放出タイムが開始されると、図17(b)に示すように、第1表示領域Dmでは、特図2主図柄Dmdが変動表示される。この場合、第2特別図柄の変動が開始されるため、主保留図柄表示領域Dm5に表示される特図2の保留記憶数(保留図柄数)を示す表示態様が更新され、残り1個の保留記憶数を示す表示態様が表示される。また、第2表示領域Dnでは、特図1に対応する従図柄が図17(a)にて主図柄として停止表示された態様のまま第2表示領域Dn1に表示され、第2表示領域Dn2では特図2変動が表示され、第2表示領域Dn3では普図変動が従図柄で表示される。
本実施形態では、特図2の変動が実行されると、大当たりまたは小当たりの何れかに当選しやすい(100%当選する)ように設計されており、特図2が変動している期間は、普図変動を遊技者に注視させる必要がない。よって、特図2が変動されている間は、主図柄として特図2主図柄Dmdを表示することで、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
本実施形態では、特図2の変動時間が通常状態、時短状態ともに2秒に設定されている。この2秒という期間は、普通図柄の変動時間として設定される最短期間よりも短い。これにより、特図2が変動している期間中に、複数の遊技状態を跨ぐこと無く普図変動の実行と停止が行われることを抑制している。これにより、特図2変動中に、余分な演出が発生することを抑制している。加えて、このように構成することで、時短状態中に特図2が変動する場合において、特図2変動期間中(時短中)に、普図の当たり変動が実行および停止されることにより、電動役物640aが開放してしまい、特図2変動期間中(時短中)に特図2保留が増加してしまうことを抑制することができ、過剰な出玉を遊技者に提供してしまうことを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動期間や特図2の変動期間を複数の中から選択できるように構成し、選択された変動期間が所定条件を満たした場合にのみ、特図2変動期間中(時短中)に、電動役物640aが開放可能となるように構成してもよい。これにより、遊技者に意外性を提供することができ、意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
ついで、図17(b)に示した特図2変動が小当たり当選し、停止表示されると、図18(a)に示した表示画面が表示される。つまり、第1表示領域Dmには、特図2主図柄Dmdが小当たりを示す表示態様(「555」)で停止表示され、第1表示領域Dmの右下領域に、小当たり遊技中に開放される第2可変入賞装置650の箇所を遊技者に案内するための案内表示が表示される。そして、副表示領域Dsの第2副表示領域Ds2には「Vを狙え」の表示がされる。
そして、図18(a)に示した小当たり遊技中に、第2可変入賞装置650内の特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過し、大当たり遊技が開始されると、図18(b)に示した大当たり演出画面が表示される。この大当たり演出画面では、主表示領域Dmに、主図柄が表示されることなく、各図柄(特1、特2、普図)に対応する第3図柄が第2表示領域Dmに、従図柄として表示される。これにより、遊技者に対して実行中の各図柄(特1、特2、普図)の変動表示を気にすること無く大当たり演出を楽しませることができる。
さらに、大当たり演出では主表示領域Dmに、連荘モード中に実行された大当たりの回数を示す連荘回数表示として「チャージボーナス1回目」と表示され、その下方に、現在実行されている大当たりのラウンド数を示すラウンド数表示として「ROUND1」が表示される。上述したように、本実施形態では大当たり遊技において複数のラウンド数(2,5,7,10,15ラウンド)が設定されている。また、本実施形態では、時短状態中の特図1変動(150秒変動)中に保留記憶された特図2保留数の分だけ時短状態終了後に大当たりが実行可能に構成されている。
このように構成された本実施形態の遊技機では、連荘状態中に実行される複数の大当たりに関する表示を、連荘状態が開始されてから終了するまでの期間を一の期間として集計する連荘期間累積表示と、1回の特図1変動にて獲得した大当たりの権利(即ち、特図2保留数)に基づく大当たり遊技のみを集計する特定期間累積表示とを表示可能に構成されており、図18(a)に示した例図では、第1表示領域Dmの右下側に形成されたラウンド数表示領域Dm6に上述した特定期間内の大当たり遊技を対象にしたラウンド数に対応しラウンド数表示態様が表示されている。
この、ラウンド数表示領域Dm6には、1回の特図1変動で獲得した特図2の保留記憶に基づいて、累積で何ラウンド分の大当たり遊技が実行されるかを判別し、その判別結果を示唆する表示態様が表示される。具体的には、時短遊技中の特図1変動(150秒変動)が終了したことに基づいて、特図2保留に対応する入賞情報(即ち、後述する特図用入賞情報格納エリア223aに格納されている特図2に関する入賞情報)を抽出して、実行可能な大当たりの数、及び、ラウンド数を判別する。そして、その判別結果が少なくとも含まれる表示態様をラウンド数表示領域Dm6に表示する。
ラウンド数表示領域Dm6に表示されるラウンド数表示態様は、実行されることが確定しているラウンド数を示す実行確定ラウンド数表示態様(図18(b)では、実線の丸印で表示)と、現在実行中のラウンドを示す実行中ラウンド表示態様(図18(b)では、黒丸で表示)と、特定期間内(時短遊技中の特図1変動(150秒変動)にて獲得した大当たり権利にて実行可能な大当たり遊技期間)におけるラウンド数の総数を示唆する特定期間総ラウンド数示唆表示態様(図18(b)では、点線の丸印で表示)とから構成されている。
このように構成された大当たり演出を実行することにより、遊技者は、主保留図柄表示領域Dm5に表示されている特図2保留球数と、ラウンド数表示領域Dm6に表示される特定期間総ラウンド数示唆表示態様とを見ながら、今後実行される大当たり遊技の種別(ラウンド数)を予測しながら大当たり遊技を楽しむことができる。
さらに、上述したようにラウンド数表示領域Dm6には、実行確定ラウンド数表示態様と、実行中ラウンド表示態様とが表示されているため、現在実行されている大当たり遊技のラウンドが、特定期間内に実行される可能性があるラウンド総数(特定期間総ラウンド数示唆表示態様として表示されるラウンド数)、または、実行されることが確定しているラウンド数(実行確定ラウンド数表示態様)のうち、どの辺りなのかを遊技者が容易に把握することができる。よって、特定期間内に実行される残ラウンド数を予測しやすくすることができる。
なお、本実施形態では、図18(b)に示したように、連荘モード中に実行された大当たりの回数を示す連荘回数表示として「チャージボーナス1回目」と表示しているが、この連荘回数表示を、上述した特定期間内(時短遊技中の特図1変動(150秒変動)にて獲得した大当たり権利に基づいて実行される大当たりの回数(特定期間内連荘回数)を表示するようにしてもよいし、連荘回数の表示と特定期間内連荘回数の表示とを両方表示するようにしてもよい。また、連荘モード中において上述した特定期間が開始される回数(時短遊技中に特図1変動(150秒変動)が実行される回数)を算出する手段を設け、連荘モード中における総大当たり回数と、特定期間突入回数と、1回の特定期間内に実行される大当たりの回数とを表示するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技中の表示態様を楽しむだけではなく、パチンコ機10の遊技状況を把握し、今後の遊技の参考にすることができる。さらに、上述した回数を算出したうえで、1回の特定期間内に実行される特定期間内平均大当たり回数を表示するようにしてもよい。
この特定期間内平均大当たり回数を表示することで、特定期間内平均大当たり回数が低い場合は、普通図柄の抽選結果が外れに偏ったのか、或いは、普通図柄の抽選が実行される条件であるスルーゲート67への球通過数が少なかったのかと、想定される原因を解析しながら今後の遊技の参考にすることができる。
また、本実施形態では、ラウンド数表示領域Dm6にて表示される表示態様としてラウンド数に対応させた表示態様(1ラウンド、1表示態様)を表示するように構成しているが、ラウンド数表示領域Dm6に表示される表示態様はそれに限られることなく、遊技者がラウンド数を予測可能な表示態様であればよい。例えば、ラウンド数に対応させて表示態様の大きさや色を予め定められた規則に従って可変されてもよい。
さらに、本実施形態では、現在実行されている大当たりのラウンド数を示すラウンド数表示として「ROUND1」を表示しているが、このラウンド数表示も1回の大当たり遊技に対するラウンド数を表示するのではなく、特定期間内で実行される大当たり遊技に対してラウンド数を加算して表示するようにしてもよい。これにより、連荘モード中の遊技結果を容易に把握、保管することができる。副表示領域Dsの第2副表示領域Ds2には、特定期間内に実行される複数の大当たり遊技において実行される回数を示唆する「5,10,20」が表示される。
図18(b)に示す大当たり遊技が終了した後に実行される時短変動(特図2変動)によって、2回目の大当たり遊技が開始されると、図19(a)に示した2回目の大当たり遊技中の表示画面が表示される。図19(a)に示したように、2回目の大当たり遊技が開始された状態では、主保留図柄表示領域Dm5は、残りの保留記憶数が「0」であることを示す表示態様が表示され、主表示領域Dmには、今回の大当たりが連荘モード中の2回目の大当たりであることを示すための連荘回数表示として「チャージボーナス2回目」と表示される。そして、ラウンド数表示領域Dm6には、合計で20ラウンド分の実行確定ラウンド数表示態様が表示される。つまり、図18(b)では、特定期間総ラウンド数示唆表示態様として表示されていたラウンド数が今回の大当たり遊技(2回目)が実行されることにより、実行確定ラウンド数表示態様へと可変されている。このように、特定期間総ラウンド数示唆表示態様を実行確定ラウンド数表示態様へと可変させることで、遊技者に対して安心して大当たり遊技を実行させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技が開始される際に、今回の大当たり遊技のラウンド数を報知するために、特定期間総ラウンド数示唆表示態様として表示されているラウンド数のうち、今回の大当たり遊技のラウンド数に該当する分を実行確定ラウンド数表示態様へと可変させる構成としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、大当たり遊技が開始されるタイミングでは、実行確定ラウンド数表示態様のままの表示をし、大当たり遊技中に所定条件(例えば、大当たり遊技中に枠ボタン22に対する所定の操作の実行や、大当たり遊技が3ラウンド目に到達)が成立した場合に、特定期間総ラウンド数示唆表示態様を実行確定ラウンド数表示態様へと可変させるようにしてもよい。これにより、大当たり遊技中にも実行確定ラウンド数を把握するために、演出に興味を持たせることができる。
また、本実施形態では、特定期間総ラウンド数示唆表示態様がすべて実行確定ラウンド数表示態様へと可変する例を示したが、それ以外の構成でもよく、例えば、特定期間総ラウンド数示唆表示態様の一部のみが実行確定ラウンド数表示態様へと可変するようにしてもよいし、大当たり遊技中の複数のタイミングで特定期間総ラウンド数示唆表示態様を実行確定ラウンド数表示態様へと可変させるようにしてもよい。これにより、常に期待感を持たせながら大当たり遊技を実行させることができる。
次に、図19(b)〜図20(b)を参照して、時短状態(特図1変動が実行されている時短状態)の残期間(特図1の残変動期間)が所定条件(残り10秒)を満たした場合に実行される演出表示(バトル演出)について説明をする。この演出表示(バトル演出)では、時短状態が終了した時点で特図2の保留記憶が1個も無い場合に連荘モードが終了してしまうことを遊技者に報知するための演出である。上述したように、このバトル演出は、時短状態の残期間が10秒以内であり、且つ、特図2保留が「0」個の場合に実行される。そして、このバトル演出中に第2入球口640に球が入球し、特図2の保留記憶が発生した場合には、連荘モードが継続することを示すためのバトル勝利演出が実行され(図20(a)参照)、このバトル演出中に第2入球口640に球が入球しなかった場合は、連荘モードが継続することを示すためのバトル敗北演出が実行される(図20(b)参照)。なお、本実施形態では、バトル演出が実行される場合において、最終的にバトルに敗北する演出が設定されるように構成している。これは、バトル演出の期間が、普図変動が3或いは4回変動可能な期間(10秒)で設定されており、バトル演出中に第2入球口640に球を入球させる確率が、バトル演出中に第2入球口640に球が入球しない確率よりも低いためである。即ち、低確率の事象が発生した場合のみ演出内容を可変させる制御を実行すればよいため、処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、特図2保留の有無によってバトル演出の演出結果を異ならせるように構成しているが、それ以外の要素を含めてもよく。例えば、時短中に変動している特図1の抽選結果が大当たりの場合は、特図1の抽選結果が停止表示するタイミングでバトル勝利演出を実行してもよい。これにより、主保留図柄表示エリアDm5の内容(貯留の有無)のみに基づいてバトル演出の勝敗を予測している遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができる。
本実施形態では、特図2の保留記憶が発生したタイミングで、主保留図柄表示領域Dm5の表示態様を更新しているが、それ以外の構成として、例えば、バトル演出中は、特図2の保留記憶が発生したとしても、主保留図柄表示領域Dm5の表示態様を更新しないようにしてもよいし、バトル演出が実行された時点で主保留図柄表示領域Dm5を表示しないようにしてもよい。このように構成することで、バトル演出が実行されている間に第2入球口640へ球が入球したことを遊技者に把握させ難くすることができ、バトル演出の演出効果を高めることができる。
また、保留記憶されている普通図柄の入賞情報に基づいて、普通図柄の当否を判別し、その判別結果に基づいてバトル演出の内容(対戦相手や攻撃の順番や攻撃の種類等)を変更可能に構成するとよい。これにより、バトル演出の演出内容を遊技者に注視させることができる。さらに、バトル演出中に特図2保留を複数獲得した場合のみ実行される特典演出を設けてもよい。
次に、図21(a)を参照して、特図1時短変動中に特図2保留を上限まで獲得した場合に実行される演出内容について説明する。図21(a)に示したように、特図2保留を上限まで獲得した場合には、主保留図柄表示領域Dm5に特図2保留が上限(4個)まで記憶されていることを示すための表示態様(図中の黒丸が4個の表示態様)で主保留図柄が表示される。そして、第1表示領域Dmの中央部には、特図2保留が上限まで到達したことを祝福するためのメッセージが表示される。その後、図21(b)に示したように、第1表示領域Dmにて、各図柄の抽選結果とは関係の無い特典演出(キャラクタを用いた賑やかし演出)が実行される。
そして、第1副表示領域Ds1には、時短期間の残期間を隠した「??」の文字が表示される。このように構成することで、上述した特典演出が実行されている期間がどの遊技状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。
ここで、特図1時短変動中は、普通図柄の抽選を繰り返し行い、普通図柄の当たりに当選することで、電動役物640aを開放させ、第2入球口640に球を入球させることで、第2特別図柄の保留記憶を獲得する遊技が実行される。このような遊技が実行されている間は、遊技者は普通図柄の抽選結果に最も注視することになるため、第3図柄表示装置81の主図柄として普図主図柄Dmcが表示されるが(図15(b)参照)、図21(a)に示すような特図2保留が上限(4個)まで記憶された状態になると、これ以上、特図2保留を記憶することができなくなるため、普通図柄が当たりに当選したか否かに対して遊技者が注視することが無くなる。よって、図21(a)に示した状態では、普通図柄に対応する第3図柄を従図柄として第2表示領域Dn3に表示されている。
これにより、遊技者が注視しない図柄に対応する第3図柄を主図柄として表示させることを抑制することができる。また、図21(a)の状態で普図主図柄Dmcを表示してしまい、当たりを示す表示態様で停止表示した場合の不具合を抑制することができる。
次に、図22を参照して、遊技状態が通常状態において実行される第1特別図柄(特図1)が小当たりに当選した場合の演出内容について説明をする。図22(a)は、小当たり遊技が開始された直後の表示画面の一例を示した模式図であって、図22(b)は、小当たり遊技中における特定タイミング(第2可変入賞装置650の開放タイミング)における表示画面の一例を示した模式図である。
ここで、本実施形態では、通常状態において、特図1の抽選結果に基づく小当たり遊技が実行されると、第1表示領域Dmに疑似主図柄Dmbが変動表示される。この疑似主図柄Dmbは、小当たり遊技中における第2可変入賞装置650の開放タイミングを示唆するように変動表示され、副表示領域Dsには、小当たり遊技中の遊技内容を説明するための「図柄(疑似主図柄Dmb)が揃えばチャンス」の文字が表示される(図22(a)参照)。
そして、図22(b)に示すように、疑似主図柄Dmbが所定の停止表示態様(図22(b)では「444」)で停止表示されると、第1表示領域Dmの右下側に遊技者に第2可変入賞装置650を狙う遊技を案内する案内表示態様が表示され、副表示領域Dsには、遊技内容を説明するための「Vを狙え」の文字が表示される。
上述したように、本実施形態では、通常状態において特図1に基づく小当たり遊技が実行された場合に、第2可変入賞装置650の開放タイミングに基づいて変動表示される疑似主図柄Dmbが第1表示領域Dmに表示される。これにより、小当たり遊技中に複数回実行される第2可変入賞装置650の開放動作が、疑似主図柄Dmbの変動表示に基づいて実行されているように思わせることができる。
また、通常状態において特図1に基づく小当たり遊技が実行される状態では、第3図柄表示装置81上に遊技者に強調して保留図柄数を表示するための主保留図柄が表示されないように構成している。これにより、各図柄(特図1、特図2、普図)とは関係の無い疑似主図柄の変動表示に基づいて、上述した各図柄の保留記憶数を示す保留図柄表示が可変されないことを遊技者に気付かれ難くすることができる。なお、これ以外の構成として、疑似主図柄Dmbの変動表示に基づいて可変される疑似的な保留図柄表示(疑似保留主図柄)を第3図柄表示装置81上に表示させるようにしてもよい。
さらに、疑似主図柄Dmbは、小当たり遊技中に、第2可変入賞装置650の開放タイミングとは異ならせて、外れを示す停止表示態様(例えば、ばらけ目)で停止表示する変動表示も実行される。これにより、第2可変入賞装置650の開放タイミングの間隔が広い場合であっても、継続して疑似主図柄Dmbを変動表示させることができる。加えて、第2可変入賞装置650の開放タイミングに基づいて停止表示される疑似主図柄Dmbでは、その停止表示態様を、対応する第2可変入賞装置650の開放タイミングが、遊技者に有利な開放タイミング(特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球が通過可能な開放タイミング)か否かで異ならせるように構成しており、例えば、遊技者に有利な開放タイミングに対応する疑似主図柄Dmbの停止表示態様として、例えば「777」のように、特定の同一数字が停止される表示態様が設定される。これにより、小当たり遊技中に実行される疑似主図柄Dmbの変動表示によって、第2可変入賞装置650の開放タイミングと、その開放タイミングの有利度合いを把握することができるため、遊技者に対して演出表示内容に興味を持たせることができる。
次に、図23(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10において表示されるエラー表示について説明をする。図23(a)は、左打ち遊技が実行される通常状態において、右打ち遊技が行われた場合の表示画面の一例を示した模式図である。図23(a)に示したように、左打ち遊技が実行される通常状態において、右打ち遊技が行われたことを判別した場合には、第1表示領域Dmに表示される主図柄を覆うように通知表示領域Dm7が形成され、「左打ちに戻してください」の文字が表示される。これにより、遊技者に対して遊技内容を補正させることができる。
なお、本実施形態では、図23(a)のエラー表示が、左打ち遊技が実行される通常状態中に右打ち遊技が実行された(スルーゲート67に球が通過した)ことを検知した場合に実行されるように構成しているが、遊技状態として左打ち遊技が実行される通常状態が設定されている状態のうち、時短状態から通常状態に移行した直後はスルーゲート67に球が通過したことを検知したとしてもエラー表示が実行されないようにするとよい。具体的には、時短状態から通常状態へと移行する直前(時短状態の終了寸前)に、開始された普通図柄の変動期間、および、その変動(抽選)結果が当たりの場合に実行される電動役物640aの動作期間中や、時短状態が終了してから所定期間(例えば、10秒)はエラー表示が実行されない猶予期間として設定するとよい。
このように構成することで、時短状態が終了する直前に遊技領域に発射された球が時短状態終了後にスルーゲート67を通過したとしてもエラー表示が実行されることを抑制することができる。よって、時短状態終了直前まで積極的に遊技を行っていた遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、このような構成を用いた場合では、上述した猶予期間中に第2入球口640に球が入球した場合には、通常とは異なる特典演出が実行されるようにするとよく、例えば、遊技者に有利な状態(連荘モード)が復活したことを示す復活演出を実行するとよい。これにより、遊技者に対して最後まで意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図23(b)を参照して、時短状態中における電動役物640aの開放動作中に表示される表示内容について説明をする。図23(b)は、時短状態中における電動役物開放動作中(ロング開放中)に表示される表示画面の一例を示した模式図である。本実施形態では、時短状態中に右打ち遊技を継続して行うことで、電動役物640aがロング開放中であれば、即座に第2入球口640へ球を入球させることができるように遊技盤13が構成されている。また、ロング開放される電動役物640aは、第1開放期間として3秒開放、その後5秒間の閉鎖期間を経て、再度3秒間の開放期間(第2開放期間)が設定される。
図23(b)に示した表示画面は、電動役物640aの開放動作中(ロング開放中)において、第1開放期間中に第2入球口640に球が入球しなかった場合に表示されるものである。つまり、通常に右打ち遊技を行っていれば、第1開放期間中に確実に球を第2入球口640に入球させられる遊技盤13の構成を用いているにも関わらず、第1開放期間中に第2入球口640に球が入球されなかった場合として、正常な右打ち遊技が実行されていないことが考えられるため、右打ちを促すための表示が通知表示領域Dm7に表示される。
本実施形態では、通知表示領域Dm7に表示された内容を見てから右打ち遊技を開始したとしても、第2開放期間中に球を第2入球口640に入球させられるように各期間が設定されている。具体的には、球を右打ち遊技で発射してから、その球が第2入球口640(電動役物640a)に到達するまでの期間が約2秒となるように設計されており、第1開放期間(3秒)と第2開放期間(3秒)との間に設けられる閉鎖期間が5秒となるように設定されている。よって、閉鎖期間が開始されてからの3秒間に、右打ち遊技を行うことで、第2入球口640に球を入球させることが可能となる。
なお、本実施形態では、第1開放期間と第2開放期間とを同一の秒数にし、第1開放期間の経過期間を計測する手段と、第2開放期間の経過期間を計測する手段との共通化を図っているが、例えば、第1開放期間よりも、第2開放期間を長く設定してもよい。これにより、右打ちを促すための表示が通知表示領域Dm7に表示されたことに基づいて、右打ち遊技を行った場合に、より確実に第2入球口640に球を入球させることができる。
また、本実施形態では、閉鎖期間として5秒を設定しているが、それ以上に長い閉鎖時間(例えば30秒)を設定するようにしてもよい。この場合、電動役物640aの開放動作を終了させる条件として、正常に右打ち遊技を実行していれば、第1開放期間中に第2入球口640に入球させることが可能な個数(例えば1個)の入球を終了条件としてもよい。これにより、電動役物640aの開放動作中に実行される閉鎖期間(第1開放期間の経過後に実行される閉鎖期間)を長くしたとしても、正常に右打ち遊技をしている遊技者に対しては、閉鎖期間が実行されるまでに電動役物640aの開放動作を終了させることができる。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図24参照)が設けられている。
ここで、図24を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別の選択に使用する停止種別カウンタC3と、小当たり種別(小当たり図柄)の選択に使用する小当たり種別カウンタC5と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図37参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図53参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、両方を示す場合には第1入球口64と称す))に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納エリア203bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64、第2入球口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203b内に設けられた実行エリアに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の何れも保留個数(保留記憶数)の上限を4個に設定しているが、各図柄に対応する保留個数の上限数はこれに限られることなく、異なる値を設定してもよいし、一方の特別図柄のみ保留可能な構成にしてもよい。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞した場合には、入賞した入球口(始動口)に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した入球口に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した入球口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64と第2入球口640とに対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。
図24を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図37参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図53参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aに規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄の抽選に用いられる特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄の抽選に用いられる特別図柄2乱数テーブル202a2とが設けられており、第1特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜3」であるか判別されて、「1〜3」であれば、小当たりであると判別される。
一方、第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜299」であるか判別されて、「1〜299」であれば、小当たりであると判別される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリア、または特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「0」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。また、第1特別図柄において小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は3個で、第2特別図柄において小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は299個であるため、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「1/100」となり、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「299/300」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202b(図27(a)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図27(a)を参照して後述する。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、通常状態用と、時短状態用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるか、時短状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図53参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図29、および図30参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブル202dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図29、および図30参照)。この変動パターンテーブル202dには、第1特別図柄と、第2特別図柄とにそれぞれ対応した複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれに対して、遊技状態や当否判定結果別に対応した変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図29、および図30を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図37参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普図実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図26(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。例えば、この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、普通図柄の当たりとなる乱数値は12個あり、その範囲は「0〜11」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が12個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「12/240(1/20)」となる。
また、本実施形態では、遊技状態として通常状態と、時短状態とを設定可能に構成されており、遊技状態に応じて、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を異ならせており、通常状態よりも時短状態のほうが、第2入球口640へ球が入球し易くなるように構成されている。これにより、遊技状態が通常状態の場合においては、第1入球口64(左第1入球口64a)を狙わせる遊技(左打ち遊技)を行わせ、遊技状態が時短状態の場合においては、第2入球口640を狙わせる遊技(右打ち遊技)を行わせることができる。
通常状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が4秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜11」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「0.1秒間×2回」だけ開放(ショート開放)される。一方、時短状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行され、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜11」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「3秒間×2回」だけ開放(ロング開放)される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC4の値が取得されるタイミング(普通図柄の抽選が実行されるタイミング)と、第2図柄表示装置83における変動表示が終了したタイミング(電動役物640aの動作が設定されたタイミング)とが、何れも時短状態である場合にのみ電動役物640aがロング開放するように構成しているが、それ以外の構成にしてもよく、例えば、第1当たり乱数カウンタC4の値が取得されるタイミング(普通図柄の抽選が実行されるタイミング)が時短状態であれば、第2図柄表示装置83における変動表示が終了したタイミング(電動役物640aの動作が設定されたタイミング)が通常状態であったとしても、電動役物640aがロング開放されるように構成してもよいし、第1当たり乱数カウンタC4の値が取得されるタイミング(普通図柄の抽選が実行されるタイミング)が通常状態であったとしても、第2図柄表示装置83における変動表示が終了したタイミング(電動役物640aの動作が設定されたタイミング)が時短状態であれば、電動役物640aがロング開放されるように構成してもよい。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図37参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(53参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図24に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図53参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図52参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図51参照)が即座に実行される。
次に、図25〜図30を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201の内容について説明する。図25(a)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターンテーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eとが少なくとも設けられている。
次に、図26(a)〜(c)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明をする。図26(a)に示す通り、第1当たり乱数テーブル202aには、第1特別図柄の抽選に用いられる特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄の抽選に用いられる特別図柄2乱数テーブル202a2とが規定されている。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図26(b)に示す通り、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜3」であるか判別されて、「1〜3」であれば小当たりであると判別される。その他、「4〜299」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図26(c)に示す通り、第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜299」であるか判別されて、「1〜299」であれば小当たりであると判別される。
第2当たり乱数テーブル202c(図26(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図26(d)に示した通り、遊技機の状態に関わらず、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が0〜11の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。
なお、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
ここで、本実施形態における電動役物640aは、図2などで上述した通り、図示しないソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この電動役物640aは、前方へと進出動作(開放動作)することで、球を第2入球口640へ入球するように誘導する働きをする。一方、後方へと退避動作(閉鎖動作)することで、球を第2入球口640へ誘導しない(入球しない)働きをする。
詳細は後述するが、本実施形態における電動役物640aは、時短状態中の場合は3秒間の開放期間(第1開放期間)の経過後、5秒間の閉鎖期間を経て、再度3秒間の開放期間(第2開放期間)が設定される開放動作(ロング開放)が実行され、時短状態中ではない場合(通常状態中)は0.1秒間の開放期間(第1開放期間)の経過後、0.1秒間の閉鎖期間を経て、再度0.1秒間の開放期間(第2開放期間)が設定される開放動作(ショート開放)が実行される。これにより、時短状態中でない(通常状態中である)にも関わらず、第2入球口640へ球を入球させようとする遊技を抑制することができる。
また、本実施形態における電動役物640aは、第2入球口640に球が1個入球した場合に開放動作の終了条件が成立し、開放動作を終了するように設計されている。これにより、1回の電動役物640aの開放動作によって複数個の球が第2入球口640に入球することを抑制することができる。さらに、本実施形態では、図2〜図4を参照して説明をしたように、第2入球口640に入球可能な流路を流下する球を規制する構成を有しているため、複数個の球が一度に第2入球口640に入球する事態を抑制することができるため、1回の電動役物640aの開放動作によって複数個の球が第2入球口640に入球することをより抑制可能することができる。
次に、図27(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図27(a)〜(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり種別選択テーブル202bは、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第1特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図5参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202b1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図5参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202b2と、を有している(図27(a)参照)。
図27(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が、「0〜79」の場合は大当たりA(7R時短有大当たり)が選択され、「580〜99」の場合は大当たりD(16R時短無大当たり)が選択される。また、第1特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAの場合は大当たりC(7R時短有大当たり)が選択され、小当たりBの場合は大当たりD(2R時短無大当たり)が選択される。
一方、図27(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0〜99」の場合において)大当たりE(15R時短有大当たり)が選択される。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりCの場合は大当たりF(5R時短有大当たり)が選択され、小当たりDの場合は大当たりG(10R時短有大当たり)が選択され、小当たりEの場合は大当たりE(15R時短有大当たり)が選択される。
なお、本実施形態では、上述した各大当たり種別において、「時短有大当たり」が選択された場合には、大当たり遊技終了後に「時短回数1回」の時短状態が付与されるように構成しているが、大当たり遊技終了後に付与される時短回数はこれに限られるものではなく、2回以上の回数を設定してもよいし、選択された大当たり種別に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。また、選択された大当たり種別と大当たりに当選した(球が特定領域を通過した)時点において設定されている遊技状態に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよいし、「時短有大当たり」が連続して選択された回数に基づいて大当たり当選時に選択された大当たり種別に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の内容(大当たり遊技のラウンド数等)に加え、大当たり遊技終了後に付与される特典内容(時短状態の回数)を異ならせることができ、大当たり遊技中の遊技者に対して、大当たり遊技終了後にどのような特典(時短状態)が付与されるのかを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、予め設定された時短回数分、特別図柄の変動が実行されることで、時短状態が終了する時短終了条件を設定しているが、本実施形態とは異なる時短終了条件を設定してもよく、例えば、第1特別図柄の変動回数と、第2特別図柄の変動回数とをそれぞれ計測し、各特別図柄の変動に対して異なる終了条件を設定してもよい。具体的には、時短終了条件として、第1特別図柄の変動回数が4回、或いは、第2特別図柄の変動回数が1回となったことを時短終了条件としたり、第1特別図柄と第2特別図柄との合計変動回数が4回、或いは、第2特別図柄の変動回数が1回となったことを時短終了条件として設定したりしてもよい。
それ以外にも、特別図柄の変動が実行される度に、時短状態を終了させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて時短状態を終了させてもよいし、特別図柄が所定の図柄で停止表示された場合に時短状態を終了させてもよい。このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを複雑に設定することが可能となり、時短遊技中の遊技者に対して、時短状態が長く継続するように期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この場合、時短が終了しない期間の少なくとも一部を遊技者に報知可能に構成するとよい。これにより、時短が終了しない期間の一部を遊技者に把握させることができ、その期間中は安心して遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
次に、図28を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図28(a)〜(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202eは、第1特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図28(a)参照)。
図28(b)に示すように、第1特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0〜10」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「11〜99」の場合は小当たりB(V通過不可能)が選択される。
一方、図28(c)に示すように第2特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0〜9」の場合は小当たりC(V通過可能)が選択され、「10〜24」の場合は小当たりD(V通過可能)が選択され、「25〜99」の場合は小当たりE(V通過可能)が選択される。
本実施形態では、小当たり種別に応じて、第2可変入賞装置650のV入口ソレノイド209a、流路ソレノイド209cの動作が設定される。具体的には、小当たりAおよびC〜Eによる小当たり遊技では、第2可変入賞装置650の流路ソレノイド209cが動作しており、特別排出流路650e2へと球が入球可能となっている。一方、小当たりBによる小当たり遊技では、第2可変入賞装置650の流路ソレノイド209cが動作していないため。特別排出流路650e2へと球が入球不可能となっている。即ち、小当たりAおよびC〜Eは、その後、特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球を通過させ、大当たり遊技が付与可能な小当たりであり、小当たりBは大当たりが付与されない小当たりである。
また、小当たりAおよびB(第1特別図柄の小当たり当選により選択される小当たり種別)による小当たり遊技では、開閉扉650fが短い期間開放されるようV入口ソレノイド209aが動作し(図10参照)、小当たりC〜E(第2特別図柄の小当たり当選により選択される小当たり種別)による小当たり遊技では、開閉扉650fが長い期間開放されるようV入口ソレノイド209aが動作する(図11参照)。即ち、小当たりAおよびBは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に球が入球し難い小当たりであり、小当たりC〜Eは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に球が入球し易い小当たりである。
本制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められており、小当たりAの後に付与される大当たりは大当たりC(7R時短有大当たり)となり、小当たりBの後に付与される大当たりは大当たりD(2R時短無大当たり)となり、小当たりCの後に付与される大当たりは大当たりF(5R時短有大当たり)となり、小当たりDの後に付与される大当たりは大当たりG(10R時短有大当たり)となり、小当たりEの後に付与される大当たりは大当たりE(15R時短有大当たり)となるように構成されている。
尚、本制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV入賞スイッチ650e3を球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、V入賞スイッチ650e3を通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過したことに基づいて、所定の抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、大当たり種別を決定するように構成してもよい。これにより、特定領域を球が通過するタイミングによって実行される大当たり遊技の内容を異ならせることができるため、遊技者が小当たり遊技を意欲的に行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図29および図30を参照して変動パターンテーブル202dの内容について説明する。変動パターンテーブル202dは、変動パターンの表示態様(変動時間)を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202dには、特別図柄の種類や抽選結果や遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。
具体的には、図29(a)に示すように、特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1と、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と、特図1小当たり用変動パターンテーブル202d3と、特図1時短用変動パターンテーブル202d4と、特図2用変動パターンテーブル202d5とが少なくとも規定されている。
まず、図29(b)を参照して、特図1大当たり用変動パターンテーブル202dについて説明をする。この特図1大当たり用変動パターンテーブル202d1は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、大当たりに当選した場合における変動パターン(変動時間)を選択するためのテーブルであって、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜50」の範囲にノーマルリーチ(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にスーパーリーチ(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。
次に、図29(c)を参照して、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容について説明する。この特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、特図1の抽選結果が外れとなった場合における変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的には、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲に短外れ(7秒)の変動パターンが対応付けられ、「99〜198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜149」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「150〜197」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「198」にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。
次いで、図29(d)を参照して、特図1小当たり用変動パターンテーブル202d3の内容について説明する、この特図1小当たり用変動パターンテーブル202d3は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、特図1の抽選結果が小当たりとなった場合における変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的には、停止種別として小当たり決定された場合には、小当たりの種別(小当たりA、小当たりB)と、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、スーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられている。
以上、説明をしたように、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果に基づいて、各停止種別に対応して様々な変動パターンが選択されるように構成されており、特に、変動時間が長い(例えば、90秒)変動パターンが第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選ばれやすくなるように設定されている。よって、遊技者は長期間継続して変動表示される場合に、大当たりに当選しているのでは?と期待しながら遊技を行うことになる。よって、設定される変動パターンの期間長によって、遊技結果を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図30(a)を参照して、特図1時短用変動パターンテーブル202d4の内容について説明する。この特図1時短用変動パターンテーブル202d42は、時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的には、決定された停止種別および変動種別カウンタCS1の値に関わらず、150秒間の変動パターンが対応付られている。
図30(b)は、特図2用変動パターンテーブル202d5の内容を示した図である。この特図2用変動パターンテーブル202d5には、通常状態および時短状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。
具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短大当たり(7秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短小当たり(2秒)が対応付けられる。
次に図25(b)を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容について説明する。図25(b)は、主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図25(b)に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、時短中カウンタ203g、大当たり開始フラグ203h、大当たり中フラグ203i、小当たり開始フラグ203j、小当たり中フラグ203k、V通過時大当たり種別格納エリア203m、Vフラグ203n、貯留解除フラグ203p、解除カウンタ203qa、時短中当たりフラグ203q、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3、及びC5の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図43のS704参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図38のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図38のS211参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図43のS710参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図38のS205参照)。この特別図柄2保留球数カウンタ203eの値も、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図47のS1104参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図45のS905参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図47のS1105)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図47のS1103:No)。
時短中カウンタ203gは、普通図柄の時短状態(時短状態)において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203gは、大当たり種別が「大当たりB,D」以外(即ち、「大当たりA,C,E〜G」)である大当たり遊技終了時に、1が設定される(図54のS1815参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に時短状態が付与される場合には、1回の時短状態が付与される。
大当たり開始フラグ203hは、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり開始フラグ203hは、特別図柄変動処理(図38参照)において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定され(図38のS219参照)、大当たり制御処理(図54参照)において大当たりの開始タイミングであるかを判別するために参照され(図54のS1801参照)、その大当たり制御処理において大当たり開始タイミングであると判別された場合にオフに設定されるものである(図54のS1802参照)。これにより、大当たり開始タイミングに応じた処理を実行することができる。上述した各制御例においても、図示は省略したが、同様にして大当たり開始タイミングを判別している。
大当たり中フラグ203iは、大当たり中であるか否か、即ち、大当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり中フラグ203iは、上述した大当たり開始フラグ203hと同様に、特別図柄変動処理(図38参照)において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定される(図38のS219参照)。そして、大当たり制御処理(図54参照)において、大当たり中であるか否かを判別するために参照され(図54のS1805参照)、その大当たり制御処理において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合に、オフに設定される(図54のS1813参照)。
小当たり開始フラグ203jは、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いられるフラグである。この小当たり開始フラグ203jは、特別図柄変動処理(図38参照)において抽選結果が小当たりであると判別された場合に実行される小当たり開始設定処理(図42参照)においてオンに設定される(図42のS610参照)。そして、小当たり制御処理(図55参照)において小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために参照され(図55のS1901参照)、その小当たり制御処理において小当たりの開始タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図55のS1902参照)。
小当たり中フラグ203kは、小当たり中であるか否か、即ち、小当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この小当たり中フラグ203kは、上述した小当たり開始フラグ203jと同様に、小当たり開始設定処理(図42参照)においてオンに設定される(図42のS610参照)。そして、小当たり制御処理(図55参照)において小当たり中であるか否かを判別するために参照され(図55のS1906)、その小当たり制御処理において小当たりの終了タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図55のS1911)。
V通過時大当たり種別格納エリア203mは、小当たりに当選した際に、当選した小当たりの小当たり種別に対応する大当たり種別を格納するためのエリアであり、小当たり遊技状態中に球が特定領域を通過したことに基づいて実行される大当たりの種別が格納されている。このV通過時大当たり種別格納エリア203mは小当たり開始設定処理(図42参照)において、当選した小当たり種別に対応した大当たり種別が設定され(図42のS608参照)、V通過処理(図50参照)において、設定された大当たり種別が読み出され(図50のS1401参照)、対応するVフラグがオンに設定される(図50のS1401参照)。
Vフラグ203nは、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を球が通過したことを記憶するためのフラグであり、小当たり遊技終了時にこのVフラグ203nの値に基づいて大当たり種別を設定するものである。このVフラグ203nは、V通過処理(図50参照)においてV通過時大当たり種別の値に基づいて設定され(図50のS1402)、小当たり終了処理において参照され(図56のS2003,S2004)、その後にオフに設定される(図56のS2006)。
貯留解除フラグ203pは、パチンコ機10に設けられた貯留装置750の貯留弁750aを解除(開放)させる期間を示すために用いられるフラグであって、オンに設定される場合に貯留装置750の貯留状態が解除され、オフに設定される場合に貯留装置750が貯留状態となる。この貯留解除フラグ203pは、大当たり制御処理(図54参照)において大当たりの開始タイミングであると判別された場合に(図54のS1801:YES)、オンに設定され(図54のS1804)、貯留装置制御処理(図58参照)において参照され(図58のS2202参照)、解除カウンタ203Paの値が上限値(25000)に到達した場合に(図58のS2205参照)、オフに設定される(図58のS2208)。つまり、本実施形態では、大当たり遊技が開始されたタイミングで貯留装置750が解除状態となり(貯留弁750aが開放動作し)、所定期間(10秒間)経過した場合に、貯留状態となる(貯留弁750aが閉鎖動作する)ように構成されている。これにより、大当たりに当選した場合に遊技者に付与される特典を増やすことができる。
なお、貯留装置750の状態(貯留状態、解除状態)を可変させる構成として、本実施形態以外の構成を用いてもよく、例えば、貯留装置750を解除状態へと移行させる大当たりと、貯留装置750を解除状態へと移行させない大当たりとを、選択された大当たり種別によって設定可能にしてもよいし、複数の入賞口(例えば、第1特定入賞口65、第2特定入賞口650)を予め定められた順序で開放動作される大当たり遊技が実行される場合には、特定の入賞口が開放されるタイミングで貯留装置750を解除状態へと移行されるようにしてよい。
さらに、貯留装置750を解除状態から貯留状態へと移行される構成(解除状態の終了条件)についても、本実施形態では解除状態に移行してから10秒経過した場合に解除状態を終了する構成とし、貯留装置750に球が貯留されていなくても、貯留装置750を球が通過可能としているが、貯留装置が解除状態となる期間を短くし(例えば0.5秒)、貯留装置750に貯留されている球のみが貯留装置750を通過可能となるようにしてもよい。これにより、貯留装置750の解除条件(大当たり)が成立するまでに、貯留装置750に球を貯留させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
解除カウンタ203paは、貯留装置750の貯留弁750aを解除(開放)させる期間を計測するためのカウンタである。この解除カウンタ203paは、貯留装置用制御処理(図58参照)において、貯留解除フラグ203pがオンに設定されたと判別した場合に(図58のS2202参照)、「1」に設定され(図58のS2204参照)、以降、貯留装置用制御処理が実行される度に、値を1加算する(図58のS2206参照)。そして、カウンタの値が「25000」に到達したかが判別され(図58の2205参照)、その判別結果に基づいて、貯留弁750aの可変動作が制御され、貯留弁750aが閉鎖状態に可変制御されると、解除カウンタ203Paの値が「0」に設定される(図58のS2209参照)。
時短中当たりフラグ203qは、抽選結果が当たりである普通図柄の抽選(普図抽選)がどの遊技状態で実行されたかを示すためのフラグであり、時短状態中に抽選が実行された場合に、オンに設定される。この時短中当たりフラグ203qは、普図抽選の当たりに基づいて実行される電動役物640aの開放パターンを設定する際に参照される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図8に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第1特定入賞口65aを閉鎖または開放するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図7、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図7、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図51参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置227(装飾用ランプ227a、透過用ランプ227b、その他ランプ227c等)における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図31、図32を参照して説明する。図31(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図31(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、演出状態選択テーブル222bとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数の種類のうち1の変動態様が決定される。
演出状態選択テーブル222bは、第3図柄表示装置81に表示される演出画像(第3図柄画像、保留図柄画像、背景画像等)の表示態様を設定するための演出状態を選択するテーブルであって、パチンコ機10の遊技状態、各種フラグの成立状態、特別図柄や普通図柄の抽選結果に基づいて6種類の演出状態のうち、何れかの演出状態が選択される。
ここで、演出状態選択テーブル222bの内容について図32(a)を参照して説明する。図32(a)は、演出状態選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。図32(a)に示す通り、演出状態選択テーブル222bは、連荘中フラグ223i、普図有効フラグ223q、疑似演出フラグ223r、特2変動フラグ223sの成立状態(オンに設定されているか、オフに設定されているか)により、演出状態「1」〜「6」の何れかが選択されるように構成されている。
具体的には、連荘中フラグ223iがオフに設定されている状態において、疑似演出フラグ223rもオフに設定されている場合は、演出状態「1」が選択される。一方、疑似演出フラグ223rがオンに設定されている場合は、演出状態「2」が選択される。また、連荘中フラグ223iがオンに設定され、普図有効フラグ223qがオフに設定されている状態において、特図2変動フラグ223sがオフに設定されている場合は、演出状態「3」が選択される。一方、特図2変動フラグ223sがオンに設定されている場合は、演出状態「4」が選択される。そして、連荘中フラグ223iがオンに設定され、普図有効フラグ223qがオンに設定されている場合は、演出状態「5」が選択される。この演出状態「5」が選択されている状態において、実行されている第1特別図柄(特図1)の変動停止タイミングと、普通図柄(普図)の変動停止タイミングとが所定間隔(特図1の変動停止タイミングよりも普図の変動停止タイミングのほうが早く、且つ、それぞれの変動停止タイミングが2秒以内)の場合には、演出状態「6」が選択される。
ここで、演出状態選択テーブル222bにより選択される演出状態と、第3図柄表示装置81に表示される表示態様との関係について、図32(b)を参照して説明する。図32(b)は、演出状態選択テーブル222bにより選択される各演出状態と、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄および保留図柄との関係を示した模式図である。なお、設定される演出状態によって表示態様が可変される対象は、上述した第3図柄および保留図柄だけではなく、第3図柄表示装置81に表示される各種演出画像も、設定されている演出状態に対応した演出画像へと可変されるが、その詳細な説明は省略する。
図32(b)に示す通り、演出状態選択テーブル222bにより選択された演出状態によって、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dmに表示される第3図柄(主図柄)(図9参照)と、第3図柄表示装置81の第1副表示領域Ds1に表示される主保留図柄(図9参照)とに対応させる図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)とが異なるように規定されている。このように、演出状態によって、主図柄、主保留図柄に対応させる図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)を異ならせることで、複雑な遊技性を有するパチンコ機10において、主図柄と主保留図柄とを遊技者に把握させるだけで主たる遊技の結果を分かり易く報知することができる。
具体的には、演出状態「1」が選択されている場合は、第1特別図柄(特図1)に対応する第3図柄が主図柄となり、特図1の保留記憶数を示すための保留図柄が主保留図柄となり第3図柄表示装置81に表示される(図9参照)。なお、演出状態「1」は、遊技状態が左打ち遊技が実行されている通常状態中に選択される。
次に、演出状態「2」が選択されている場合は、何れの図柄(特図1、特図2、普図)にも対応しない演出用の擬似図柄が主図柄(疑似主図柄Dmb)となり、主保留図柄には何れの保留図柄も表示しないように第3図柄表示装置81に表示される(図22(b)参照)。なお、演出状態「2」は、遊技状態が通常状態であって、特図1の小当たり遊技が実行される場合に選択される。
この演出状態「2」が選択されている場合に主図柄として表示される疑似主図柄Dmbは、その他の主図柄と同様に図柄の変動表示(図22(a)参照)と停止表示(図22(b))とが実行されるものであり、特図1の小当たり遊技において、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが開放されるタイミングに基づいて、疑似主図柄Dmbが所定の表示態様(同一の図柄が停止表示される態様(図22(b)参照)で停止表示されるように表示制御される。これにより、遊技者に対して疑似主図柄Dmbの停止表示によって小当たり遊技中の第2特定入賞口650aの開放タイミングを報知することができるとともに、あたかも疑似主図柄Dmbの変動(抽選)の結果として第2特定入賞口650aが開放する特典が付与されたと思わせることができる。
また、疑似主図柄Dmbが変動表示される回数は、少なくとも、小当たり遊技中に第2特定入賞口650aが開放される回数よりも多く設定され、第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応していない疑似主図柄Dmbの変動表示は、所定の表示態様以外の表示態様(例えば、非同一の図柄が停止表示される態様(所謂、ばらけ目))で停止表示されるように表示制御されている。これにより、小当たり遊技中における第2特定入賞口650aの開放タイミングに関わらず、常に疑似主図柄Dmbを変動表示させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、演出状態「2」が選択されている場合は、主保留図柄が表示されないため、疑似主図柄Dmbの変動と保留図柄の増減関係とを遊技者に把握されにくくすることができる。つまり、疑似主図柄Dmbは、実際に保留記憶されている各図柄(特図1、特図2、普図)に対応した図柄ではないため、疑似主図柄Dmbの変動表示が開始された場合に、何れかの保留図柄(特図1保留図柄、特図2保留図柄、普図保留図柄)の数が増減することはない。よって、疑似主図柄Dmbが変動表示される演出状態「2」において、何れかの保留図柄(特図1保留図柄、特図2保留図柄、普図保留図柄)を主保留図柄として表示してしまうと、主図柄が変動を開始した場合に主保留図柄が減少しない状態となり、遊技者に違和感を与えるという事態が発生してしまう。これに対し、本実施形態では、演出状態「2」が選択されている場合は、主保留図柄を表示しないため、上述した事態が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、演出状態「2」が選択されている場合には、主保留図柄を表示しないように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、疑似主図柄Dmbに対応させた疑似主保留図柄を表示するようにしてもよい。この場合、疑似主図柄Dmbの変動表示に対応させて疑似主保留図柄の数を増減させるとよい。これにより、遊技者に対して、違和感を与えることなく疑似主図柄の変動表示を実行することができる。
さらに、疑似主保留図柄を表示する場合においては、実行される小当たり遊技の種別に基づいて表示される疑似主保留図柄の数や表示態様が設定されるようにするとよい。このように構成することで、演出状態「2」が選択された小当たり遊技が開始されたタイミングで主保留図柄として表示される疑似主保留図柄によって今回の小当たり遊技の内容を遊技者に予測させることが可能となり、楽しみながら小当たり遊技を実行させることができる。
また、第2特定入賞口650aが開放するタイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様を同一の図柄が停止表示される表示態様としているが、加えて、第2特定入賞口650aに入球した球により付与される特典の内容に基づいて停止表示される同一の図柄の種類が異なるように表示制御される。具体的には、第2特定入賞口650aに入球した球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過可能なタイミングで開放される第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様として特定の同一数字が停止表示される表示態様(例えば、「777」)とし、それ以外のタイミングで開放される第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様として特定の同一数字とは異なる表示態様(例えば、「444」)とする。これにより、疑似主図柄Dmbが同一数字で停止表示されることにより、第2特定入賞口650aに開放タイミングを遊技者に報知し、さらに、停止表示される数字の種類によって、付与される特典の内容を報知(示唆)することができる。よって、疑似主図柄Dmbを用いた演出の演出効果を高めることができる。
次に、演出状態「3」が選択されている場合は、何れの図柄(特図1、特図2、普図)にも対応しない演出用の擬似図柄が主図柄(疑似主図柄Dmb)となり、主保留図柄には特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図16(b)参照)。なお、演出状態「3」は、遊技状態が時短状態であって、小当たり遊技が実行される場合に選択される。
次に、演出状態「4」が選択されている場合は、特図2に対応する第3図柄が主図柄(特図2主図柄Dmd)となり、主保留図柄には特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図18(a)参照)。なお、演出状態「4」は、遊技状態が通常状態であって、特図2の変動が実行される場合に選択される。
次に、演出状態「5」が選択されている場合は、普図に対応する第3図柄が主図柄(普図主図柄Dmc)となり、特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図15(b)参照)。なお、演出状態「5」は、遊技状態が時短状態であって、時短状態中に抽選および電動役物640aの開放動作が実行可能な普図変動が実行される場合に選択される。
演出状態「6」が選択されている場合は、特図1に対応する第3図柄が主図柄(特図1主図柄Dma)となり、特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図17(a)参照)。なお、演出状態「6」は、遊技状態が時短状態であって、変動中の特図1の残変動期間が2秒以内の状態で普図変動が開始される場合に選択される。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図31、図32を参照して説明する。図31(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図31(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、演出状態選択テーブル222bとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
演出状態選択テーブル222bは、第3図柄表示装置81に表示される演出画像(第3図柄画像、保留図柄画像、背景画像等)の表示態様を設定するための演出状態を選択するテーブルであって、パチンコ機10の遊技状態、各種フラグの成立状態、特別図柄や普通図柄の抽選結果に基づいて6種類の演出状態のうち、何れかの演出状態が選択される。
ここで、演出状態選択テーブル222bの内容について図32(a)を参照して説明する。図32(a)は、演出状態選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。図32(a)に示す通り、演出状態選択テーブル222bは、連荘中フラグ223i、普図有効フラグ223q、疑似演出フラグ223r、特図2変動フラグ223sの成立状態(オンに設定されているか、オフに設定されているか)により、演出状態「1」〜「6」の何れかが選択されるように構成されている。
具体的には、連荘中フラグ223iがオフに設定されている状態において、疑似演出フラグ223rもオフに設定されている場合は、演出状態「1」が選択される。一方、疑似演出フラグ223rがオンに設定されている場合は、演出状態「2」が選択される。また、連荘中フラグ223iがオンに設定され、普図有効フラグ223qがオフに設定されている状態において、特図2変動フラグ223sがオフに設定されている場合は、演出状態「3」が選択される。一方、特図2変動フラグ223sがオンに設定されている場合は、演出状態「4」が選択される。そして、連荘中フラグ223iがオンに設定され、普図有効フラグ223qがオンに設定されている場合は、演出状態「5」が選択される。この演出状態「5」が選択されている状態において、実行されている第1特別図柄(特図1)の変動停止タイミングと、普通図柄(普図)の変動停止タイミングとが所定間隔(特図1の変動停止タイミングよりも普図の変動停止タイミングのほうが早く、且つ、それぞれの変動停止タイミングが2秒以内)の場合には、演出状態「6」が選択される。
ここで、演出状態選択テーブル222bにより選択される演出状態と、第3図柄表示装置81に表示される表示態様との関係について、図32(b)を参照して説明する。図32(b)は、演出状態選択テーブル222bにより選択される各演出状態と、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄および保留図柄との関係を示した模式図である。なお、設定される演出状態によって表示態様が可変される対象は、上述した第3図柄および保留図柄だけではなく、第3図柄表示装置81に表示される各種演出画像も、設定されている演出状態に対応した演出画像へと可変されるが、その詳細な説明は省略する。
図32(b)に示す通り、演出状態選択テーブル222bにより選択された演出状態によって、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dmに表示される第3図柄(主図柄)(図9参照)と、第3図柄表示装置81に表示される主保留図柄(図9参照)とに対応させる図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)とが異なるように規定されている。このように、演出状態によって、主図柄、主保留図柄に対応させる図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)を異ならせることで、複雑な遊技性を有するパチンコ機10において、主図柄と主保留図柄とを遊技者に把握させるだけで主たる遊技の結果を分かり易く報知することができる。
具体的には、演出状態「1」が選択されている場合は、第1特別図柄(特図1)に対応する第3図柄が主図柄となり、特図1の保留記憶数を示すための保留図柄が主保留図柄となり第3図柄表示装置81に表示される(図9参照)。なお、演出状態「1」は、遊技状態が左打ち遊技が実行されている通常状態中に選択される。
次に、演出状態「2」が選択されている場合は、何れの図柄(特図1、特図2、普図)にも対応しない演出用の擬似図柄が主図柄(疑似主図柄Dmb)となり、主保留図柄には何れの保留図柄も表示しないように第3図柄表示装置81に表示される(図22(b)参照)。なお、演出状態「2」は、遊技状態が通常状態であって、特図1の小当たり遊技が実行される場合に選択される。
この演出状態「2」が選択されている場合に主図柄として表示される疑似主図柄Dmbは、その他の主図柄と同様に図柄の変動表示(図22(a)参照)と停止表示(図22(b))とが実行されるものであり、特図1の小当たり遊技において、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが開放されるタイミングに基づいて、疑似主図柄Dmbが所定の表示態様(同一の図柄が停止表示される態様(図22(b)参照)で停止表示されるように表示制御される。これにより、遊技者に対して疑似主図柄Dmbの停止表示によって小当たり遊技中の第2特定入賞口650aの開放タイミングを報知することができるとともに、あたかも疑似主図柄Dmbの変動(抽選)の結果として第2特定入賞口650aが開放する特典が付与されたと思わせることができる。
また、疑似主図柄Dmbが変動表示される回数は、少なくとも、小当たり遊技中に第2特定入賞口650aが開放される回数よりも多く設定され、第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応していない疑似主図柄Dmbの変動表示は、所定の表示態様以外の表示態様(例えば、非同一の図柄が停止表示される態様(所謂、ばらけ目))で停止表示されるように表示制御されている。これにより、小当たり遊技中における第2特定入賞口650aの開放タイミングに関わらず、常に疑似主図柄Dmbを変動表示させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、演出状態「2」が選択されている場合は、主保留図柄が表示されないため、疑似主図柄Dmbの変動と保留図柄の増減関係とを遊技者に把握されにくくすることができる。つまり、疑似主図柄Dmbは、実際に保留記憶されている各図柄(特図1、特図2、普図)に対応した図柄ではないため、疑似主図柄Dmbの変動表示が開始された場合に、何れかの保留図柄(特図1保留図柄、特図2保留図柄、普図保留図柄)の数が増減することはない。よって、疑似主図柄Dmbが変動表示される演出状態「2」において、何れかの保留図柄(特図1保留図柄、特図2保留図柄、普図保留図柄)を主保留図柄として表示してしまうと、主図柄が変動を開始した場合に主保留図柄が減少しない状態となり、遊技者に違和感を与えるという事態が発生してしまう。これに対し、本実施形態では、演出状態「2」が選択されている場合は、主保留図を表示しないため、上述した事態が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、演出状態「2」が選択されている場合には、主保留図柄を表示しないように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、疑似主図柄Dmbに対応させた疑似主保留図柄を表示するようにしてもよい。この場合、疑似主図柄Dmbの変動表示に対応させて疑似主保留図柄の数を増減させるとよい。これにより、遊技者に対して、違和感を与えることなく疑似主図柄の変動表示を実行することができる。
さらに、疑似主保留図柄を表示する場合においては、実行される小当たり遊技の種別に基づいて表示される疑似主保留図柄の数や表示態様が設定されるようにするとよい。このように構成することで、演出状態「2」が選択された小当たり遊技が開始されたタイミングで主保留図柄として表示される疑似主保留図柄によって今回の小当たり遊技の内容を遊技者に予測させることが可能となり、楽しみながら小当たり遊技を実行させることができる。
また、第2特定入賞口650aが開放するタイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様を同一の図柄が停止表示される表示態様としているが、加えて、第2特定入賞口650aに入球した球により付与される特典の内容に基づいて停止表示される同一の図柄の種類が異なるように表示制御される。具体的には、第2特定入賞口650aに入球した球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過可能なタイミングで開放される第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様として特定の同一数字が停止表示される表示態様(例えば、「777」)とし、それ以外のタイミングで開放される第2特定入賞口650aの開放タイミングに対応した疑似主図柄Dmbの停止表示態様として特定の同一数字とは異なる表示態様(例えば、「444」)とする。これにより、疑似主図柄Dmbが同一数字で停止表示されることにより、第2特定入賞口650aに開放タイミングを遊技者に報知し、さらに、停止表示される数字の種類によって、付与される特典の内容を報知(示唆)することができる。よって、疑似主図柄Dmbを用いた演出の演出効果を高めることができる。
次に、演出状態「3」が選択されている場合は、何れの図柄(特図1、特図2、普図)にも対応しない演出用の擬似図柄が主図柄(疑似主図柄Dmb)となり、主保留図柄には特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図16(b)参照)。なお、演出状態「3」は、遊技状態が時短状態であって、小当たり遊技が実行される場合に選択される。
次に、演出状態「4」が選択されている場合は、特図2に対応する第3図柄が主図柄(特図2主図柄Dmd)となり、主保留図柄には特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図18(a)参照)。なお、演出状態「4」は、遊技状態が通常状態であって、特図2の変動が実行される場合に選択される。
次に、演出状態「5」が選択されている場合は、普図に対応する第3図柄が主図柄(普図主図柄Dmc)となり、特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図15(b)参照)。なお、演出状態「5」は、遊技状態が時短状態であって、時短状態中に抽選および電動役物640aの開放動作が実行可能な普図変動が実行される場合に選択される。
演出状態「6」が選択されている場合は、特図1に対応する第3図柄が主図柄(特図1主図柄Dma)となり、特図2に対応した保留図柄が主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示される(図16(b)参照)。なお、演出状態「6」は、遊技状態が時短状態であって、変動中の特図1の残変動期間が2秒以内の状態で普図変動が開始される場合に選択される。
次に、図31(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図31(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、特図用入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、特図用変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、演出カウンタ223fと、時短中フラグ223gと、時短残期間格納エリア223hと、連荘中フラグ223iと、変動時間カウンタ223jと、状態格納エリア223kと、演出状態格納エリア223mと、特2保留フラグ223nと、特2保留上限フラグ223pと、普図有効フラグ223qと、疑似演出フラグ223rと、特2変動フラグ223sと、普図用入賞情報格納エリア223tと、普図用変動開始フラグ223uと、入替フラグ223vと、特典演出実行フラグ223wと、終了演出実行フラグ223xと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
特図用入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の入賞情報がそれぞれ格納される。この特図用入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等を変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄1保留球数カウンタ223bが、第1特別図柄(特別図柄1)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応し、特別図柄2保留球数カウンタ223cが、第2特別図柄(特別図柄2)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する(図61のS3207参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄についても上述した特別図柄と同様に変動表示(図柄抽選の権利)を保留可能(上限4個)に構成されており、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値が増減した場合に設定されるコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に対応させて値を増減させるカウンタとして普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)を有しているが、音声ランプ制御装置113内で実行される処理、および、表示制御装置114内で実行される処理については、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して対象となるコマンドが異なるだけであるため、その詳細な説明を省略する。この普通図柄保留球数カウンタの値は、例えば、第3図柄表示装置81にて普通図柄の保留球数を表示する場合に用いられる。なお、普通図柄保留球数カウンタの値を第3図柄表示装置81にて表示させる場合の詳細な内容については、上述した特別図柄の保留球数を第3図柄表示装置81に表示させる場合と同様であるため、その説明については省略する。
また、本実施形態では、表示制御装置114において、表示用の各保留球数コマンドを受信した場合に、所定の領域(従保留図柄表示領域Dn4〜Dn6(図9(a)参照))に受信したコマンドに対応する保留球数を示すための表示がなされるとともに、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、主保留図柄表示領域に表示させる保留球数コマンドを選択し、主保留図柄として保留球数を示すための表示がなされる。このように構成することで、主制御装置110にて設定される保留球数の増減に同期させた表示を第3図柄表示装置81に表示できるとともに、現在の演出状態において遊技者に報知すべき図柄の保留球数を遊技者にわかりやすく報知することができる。
なお、本実施形態では、表示制御装置114にて、各図柄(特図1、特図2、普図)の保留球数を全て所定の領域(従保留図柄表示領域Dn4〜Dn6(図9(a)参照))に表示させ、その一部を主保留図柄としても表示可能に構成しているが、保留図柄の表示方法としては、これに限られること無く、例えば、各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する保留球数コマンドを受信した場合に、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、主保留図柄表示領域に表示させる保留図柄(主保留図柄)と、従保留図柄表示領域に表示させる保留図柄(従保留図柄)とを判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する保留図柄を表示させるようにしてもよい。
特図用変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される(特図用)変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図62のS3304参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図66のS3702参照)。特図用変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、特図表示用変動パターンコマンドが設定される(図66のS3706参照)。
ここで設定された特図表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この特図表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この特図表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
なお、本実施形態では、特図表示用変動パターンコマンドとして、第1特別図柄の変動に対応する特図1表示用変動パターンコマンドと、第2特別図柄の変動に対応する特図2表示用変動パターンコマンドとが設定可能に構成されている。表示制御装置114では、受信した特図表示用変動パターンコマンドの種別(特図1表示用変動パターンコマンド、特図2表示用変動パターンコマンド)に対応した変動パターンを第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
また、本実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、所定の領域(第2表示領域Dnの図柄表示領域Dn1〜Dn3(図9(a)参照))に受信した表示用変動パターンコマンドに対応する図柄列(変動パターン)を示すための表示がなされるとともに、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、第1表示領域Dmに表示させる図柄(主図柄)を各図柄(特図1、特図2、普図)から選択し、選択された図柄を主図柄として表示するように構成している。このように構成することで、主制御装置110にて設定される各図柄の変動パターンに同期させた表示を第3図柄表示装置81に表示できるとともに、現在の演出状態において遊技者に報知すべき図柄の変動を遊技者にわかりやすく報知することができる。
なお、本実施形態では、表示制御装置114にて、各図柄(特図1、特図2、普図)の変動表示(図柄列)を全て所定の領域(第2表示領域Dnの従図柄表示領域Dn1〜Dn3(図9(a)参照))に表示させ、その一部を主図柄として第1表示領域に表示可能に構成しているが、各図柄(特図1、特図2、普図)の表示方法としては、これに限られること無く、例えば、各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、受信している表示用演出状態コマンドに基づいて、第1表示領域Dmに表示させる図柄(主図柄)と、従図柄表示領域に表示させる図柄(従図柄)とを判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する変動表示(図柄列)を表示させるようにしてもよい。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図61のS3204参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図66のS3708参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される(図66のS3710参照)。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223fは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図60参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、この演出カウンタ223fは、図示しない複数のカウンタを有しており、1回のループ処理内において複数のカウンタ値を参照して演出のパターンを決定する場合には、夫々異なるカウンタの値が用いられる。これにより、1つの演出パターンを設定する際に、同一のカウンタ値が複数箇所で用いられることが無くなるため、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。なお、同一のカウンタから取得した値に対して異なる処理を施した上で算出された各値を用いて演出パターンを設定するように構成してもよい。具体的には、演出パターンのうち、一の選択では取得した値の一の位を参照し、他の選択では取得した値の十の位を参照し、さらに他の選択では取得した値の一の位を3倍にした値と十の位を5倍にした値とを乗じ、得られた値の一の位を参照するようにしてもよい。このように構成することで、演出パターンを設定する際に用いられるカウンタの数を減らしながらも、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。
時短中フラグ223gは、現在が時短中であることを示すためのフラグである。この時短中フラグ223gがオンであれば、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であることを示し、オフであれば、パチンコ機10の遊技状態が時短状態ではないことを示す。この時短中フラグ223gは、演出状態設定処理(図68のS3114参照)において、大当たり終了後に時短状態に移行すると判別した場合にオンに設定され(図68の3906)、変動表示設定処理(図66のS3113参照)において、特図用変動開始フラグ223dがオンであると判別され(図66のS3701:Yes)、時短中フラグ223gがオンであると判別された場合に(図66のS3704:Yes)、オフに設定される(図66のS3705)。
なお、本実施形態では時短状態の終了条件として、特別図柄の変動(抽選)が1回実行(即ち、時短回数1回)、が設定されているため、上述したように時短中フラグ223gがオンに設定されている状態に特別図柄の変動が開始された場合に、時短中フラグ223gがオフに設定されるように構成しているが、遊技状態が時短状態であることを音声ランプ制御装置113側で判別可能な構成であればよく、例えば、時短回数が100回に設定される場合であれば、残期間回数を判別可能な時短回数カウンタを設け、特別図柄が変動(抽選)される毎にそのカウンタの値を更新し、そのカウンタの値が時短状態が終了することを示す値に更新された場合に時短中フラグ223gをオフに設定するように構成してもよい。これにより、時短回数が複数回(2回以上)に設定されたパチンコ機10であっても、音声ランプ制御装置113側で確実に現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別することができる。
また、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動が所定回数(1回)実行された場合に、時短状態の終了条件が成立するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数tおを別々に計測可能に構成し、時短状態の終了条件を、第1特別図柄が10回変動(抽選)される、或いは、第2特別図柄が1回変動(抽選)されるまでとし、何れか一方の終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成してもよいし、特別図柄の変動回数以外の条件で時短状態を終了させるようにしてもよい。この場合、例えば、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)や普通図柄の抽選結果が所定の抽選結果となった場合に時短状態を終了させる終了条件が成立したり、パチンコ機10に設けられる各種駆動部材(電動役物640a、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)が駆動した場合に時短状態を終了させる終了条件が成立したりする構成を用いてもよいし、上述した各種駆動部材の駆動回数を計測可能に構成し、その駆動回数が所定数(例えば、2回)となった場合に、時短状態を終了させる終了条件が成立するようにしてもよい。このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを多様化することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
時短残期間格納エリア223hは、時短状態中に実行される第1特別図柄の変動時間を格納するためのエリアである。ここで、本実施形態におけるパチンコ機10は、時短状態中に特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が1回変動した場合に、時短状態が終了するように構成されている。つまり、時短状態中に設定される特別図柄の変動時間がそのまま時短状態中の残期間となる。
連荘中フラグ223iは、パチンコ機10の遊技状態が右打ち遊技状態(連荘状態)であることを示すためのフラグであり、この連荘中フラグ223iがオンに設定されることで現在の遊技状態が右打ち遊技状態であることを示し、オフに設定されている場合は、現在の遊技状態が通常状態であることを示す。この連荘中フラグ223iは、演出状態設定処理(図68のS3114参照)において大当たりが開始されたと判別した場合にオンに設定され(図68のS3903参照)、演出状態選択テーブル222bに基づいて演出状態を選択する際に参照され(図68のS3918参照)、大当たり終了後に時短状態に突入しないと判別した場合、または、特図2の保留記憶が無い状態で時短状態の終了条件が成立した場合にオフに設定される(図68のS3907,S3912参照)。
本実施形態のパチンコ機10は、遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)として、大当たり状態、時短状態に加え、特図2の保留記憶を有している状態で時短状態から移行した通常状態が含まれる遊技性となっており(図12参照)、現在が遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)であるか否かを、主制御装置110から出力される保留球数コマンドや各種状態コマンド等に基づいて音声ランプ制御装置113側で判別するように構成している。これにより、主制御装置110側で、現在の遊技状態が有利状態か否かを判別する処理を実行する必要がなくなり、主制御装置110の処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
なお、現在が遊技者に有利な遊技状態であるか否かを判別する処理を主制御装置110側で行ってもよい。この場合は、遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)が設定されていることを示すコマンドを音声ランプ制御装置113に出力するとともに、右打ち遊技状態の期間中であることを外部に報知するための信号(右打ち信号)を出力するように構成するとよい。この場合、大当たり状態や時短状態といった遊技状態そのものが遊技者に有利となる期間に加え、遊技状態としては有利な遊技状態では無いが(通常状態であるが)、所定条件を満たしており、再度、大当たり状態に移行すると判別した場合には継続して右打ち遊技状態の期間中であることを外部に報知するように構成することで、遊技者に対して継続して右打ち遊技を実行させることができ、煩わしい遊技を行わせることを抑制することができる。
変動時間カウンタ223jは、時短状態中の特図1変動時間を計測するためのカウンタであって、計測されたカウンタの値に基づいて、時短状態の残期間が算出される。この変動時間カウンタ223jは、カウンタ更新処理(図70のS3311参照)において、時短中(時短状態中)に、特図1の変動が開始されたと判別した場合に(図70のS4103:Yes)、カウンタの値が「1」にセットされ、以降、カウンタ更新処理(図70のS3311参照)が実行される毎に、カウンタの値が「150000」となるまで「1」加算され(図70のS4108参照)、カウンタの値が「150000」となった場合に(図70のS4107:Yes)、カウンタの値が「0」にセットされる(S4109)。そして、変動時間カウンタ223jの値に基づいて、時短残期間(時短状態の残期間)が算出される(図70のS4105)。
状態格納エリア223kは、主制御装置110から出力される各種状態コマンドを受信した場合にその状態を一時的に格納するための格納エリアであって、コマンド判定処理(図61のS3112参照)において、状態コマンドを受信した場合に(図61のS3215:Yes)、受信した状態コマンドに基づいた状態情報が格納される(図61のS3216)。この状態格納エリア223kに格納された状態情報に基づいて表示用状態コマンドが設定され、第3図柄表示装置81に表示される各種画像(背景画像やデモ画像)が主制御装置110にて設定された各種状態に対応した画像が表示される。
演出状態格納エリア223mは、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される各図柄(特図1、特図2、普図)の表示態様と、各保留図柄(特図1保留図柄、特図2保留図柄、普図保留図柄)の表示態様とを決定する際に参照される表示用演出状態コマンドを、設定するために用いられる演出状態を格納するエリアである。この演出状態は、音声ランプ制御装置113の各種処理で設定される各種フラグ(連荘中フラグ223i、普図有効フラグ223q、疑似演出フラグ223r、特図2変動フラグ223s)の設定状況や、各図柄の変動停止タイミングに基づいて、演出状態設定処理(図68のS3114)にて選択され(図68のS3918参照)、演出状態格納エリア223mにはその選択された演出状態が格納される。なお、演出状態格納エリア223mには、選択された演出状態が過去数回分格納(記憶)されるように構成されている。これにより、移行前の演出状態と移行後の演出状態とを比較判別することが可能となっている。このように構成することで、通常の遊技を行っている場合には移行し得ない移行パターンを判別し、不正遊技の有無を判別することができる。
また、複数回に渡って所定の移行パターンで演出状態が移行した場合(例えば、演出状態1,2を介することなく、演出状態4から演出状態5への移行が5回以上繰り返された場合)にのみ選択される演出状態(例えば、大連荘演出状態)を設けることができ、演出効果を高めることができる。なお、大連荘演出状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81に主図柄を表示させずに、第1表示領域Dmに通常では遊技者が見ることができない特典映像を表示するとよい。
特2保留フラグ223nは、時短状態中において、特図2(特2)の保留記憶があることを示すためのフラグであって、この特2保留フラグ223nがオンに設定されることで、特図2の保留記憶(保留図柄)が存在することを示しており、オフに設定されることで、特図2の保留記憶(保留図柄)が存在しないことを示している。この特2保留フラグ223nは、保留球数関連処理(図63のS3208参照)において、特2保留球数が1に更新された場合にオンに設定される(図63のS3403参照)。この特2保留フラグ223nは、演出状態設定処理(図68のS3114参照)において、時短状態が終了されたと判別した場合に参照され(図68のS3911参照)、特2保留球数が0になった場合にオフに設定される。
特2保留上限フラグ223pは、時短状態中において、特図2(特2)の保留記憶が上限(4個)に到達したことを示すためのフラグであって、この特2保留上限フラグ223pがオンに設定されることで、時短状態中において特図2(特2)の保留記憶数が上限(4個)に到達ことを示し、特2保留上限フラグ223pがオフに設定されることで、特図2(特2)の保留記憶数が上限(4個)では無いことを示す。
この特2保留上限フラグ223pは、保留球数関連処理(図63のS3208参照)において、特2保留球数が上限に更新された場合に(図63のS3406:Yes)、オンに設定され(図63のS3407参照)、特定演出設定処理(図69のS3315参照)において参照され、特2保留球数が上限では無くなった場合にオフに設定される。
普図有効フラグ223qは、当たり当選時に実行される電動役物640aの動作が遊技者に有利な動作パターン(ロング開放)となり得る普図変動(普通図柄変動)を示すためのフラグであって、この普図有効フラグ223qがオンに設定されることで、電動役物640aがロング開放可能なタイミングでの普図変動であることを示し、オフに設定されることで、電動役物640aがショート開放となるタイミングでの普図変動であることを示す。
この普図有効フラグ223qは、普図変動表示設定処理(図67のS3712参照)において、変動開始および変動終了のタイミングがともに時短状態中であると判別された場合にオンに設定され(図67のS3806参照)、変動開始のタイミングが時短状態中ではないと判別された場合、或いは、変動終了のタイミングが時短状態中ではないと判別された場合に、オフに設定される(図67のS3809参照)。この普図有効フラグ223qの設定状況は、演出状態選択テーブル222bに基づいて演出状態を選択する際に参照される(図68のS3918参照)。
疑似演出フラグ223rは、遊技状態が通常状態である場合に特図1小当たりが実行されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、通常状態で特図1小当たりが実行されたことを示すものである。この疑似演出フラグ223rがオンに設定されることで、小当たり遊技中に疑似図柄を主図柄(疑似主図柄)とした演出表示が実行される(図22参照)。この疑似演出フラグ223rは、演出状態設定処理(図68のS3114参照)により、特図1の小当たり当選が通常状態で発生した場合にオンに設定され(図68のS3915参照)、その小当たりが終了した場合にオフに設定される(図68のS3917)。そして、この疑似演出フラグ223rの設定状況は、演出状態選択テーブル222bに基づいて演出状態を選択する際に参照される(図68のS3918参照)。
特2変動フラグ223sは、第2特別図柄(特図2)の変動が開始されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、第2特別図柄(特図2)の変動が開始されたことを示すものである。この特2変動フラグ223sは、変動パターン関連処理(図62のS3202参照)において、受信した変動パターンコマンドは特図2用変動パターンコマンドの場合にオンに設定される(図62のS3302)。そして、特図1用変動パターンコマンドを受信した場合にオフに設定される。この特2変動フラグ223sの設定状況は、演出状態選択テーブル222bに基づいて演出状態を選択する際に参照される(図68のS3918参照)。
ここで、本実施形態では、特2変動フラグ223sがオンに設定されている状態、つまり、第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)が実行されると、その変動結果(抽選結果)として大当たりまたは小当たりが付与されるように構成されており、さらに、第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)に基づいて実行される小当たり遊技は、球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過し易い小当たり遊技となるように構成されている。即ち、第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)は、実行されるだけで遊技者に有利となるように構成されている。このように構成されている本実施形態のパチンコ機10では、特2変動フラグ223sがオンに設定されている間(即ち、第2特別図柄が変動している間)は、第2特別図柄が主図柄(特図2主図柄)として変動表示される。よって、遊技者にとって有利な状態が付与される第2特別図柄の変動表示を見逃してしまうといった事態を防ぐことができる。
普図入賞情報格納エリア223tは、普通図柄の入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が格納されるエリアである。なお詳細な構成については、上述した特図用入賞情報格納エリア223aと同一であるため、その説明を省略する。
普図用変動開始フラグ223uは、普通図柄の変動が実行されたことを示すフラグであって、オンに設定されることで、普通図柄が変動していることを示す。この普図用変動開始フラグ223uは、変動パターン関連処理(図62のS3202参照)において、受信した変動パターンコマンドが特図用変動パターンコマンドではない(普図用変動パターンコマンドである)と判別した場合にオンに設定され(図62のS3306参照)、普図変動表示設定処理(図67のS3712参照)において、オンに設定されていると判別された場合に(図67のS3801:Yes)、オフに設定される(図67のS3802参照)。
入替フラグ223vは、時短状態の終了タイミング(時短状態で変動が開始された特図1変動の終了タイミング)と、普図変動の終了タイミングとが、所定条件を満たしていることを示すフラグであって、オンに設定されることで、普図変動の終了タイミングが、時短状態の終了タイミングの2秒以内であることを示す。この入替フラグ223vがオンに設定されることで、演出状態として演出状態「6」が選択される。
特典演出実行フラグ223wは、特典演出が実行される状態であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、特典演出が実行される状態であることを示す。この特典演出実行フラグ223wがオンに設定されている間は、通常では見ることのできない特典演出(図21参照)が第3図柄表示装置81に表示される。この特典演出実行フラグ223wは、特定演出設定処理(図69のS3315参照)において、特2保留上限フラグ223pがオンに設定されていると判別し(図69のS4002参照)、表示用特典演出コマンドを設定した後に(図69のS4004参照)、オンに設定され(図69のS4005)、演出状態設定処理(図68のS3114参照)において、連荘中フラグ223iがオフに設定された後に(図68のS3907参照)、オフに設定される(図68のS3908参照)。つまり、連荘中フラグ223iがオンに設定された状態(連荘モード中)に、一度でも、特典演出実行フラグ223wがオンに設定された場合には(特図2の保留球数が上限に到達した場合には)、その連荘モードが終了するまでの期間、継続して特典演出が実行される。
このように構成することで、特典演出が実行される状態となったとしても直ぐに特典演出が終了してしまう事態が発生することを防ぐことができる。即ち、特図2の保留球数が上限に到達した後、少なくとも、特図2の保留球数が全て消化され、その後の、時短状態中の特図1変動が終了するまでの間は特典演出が実行されるように構成されているため、特典演出を継続して表示させることができる。
また、このように構成することで、特図2の保留球数が上限に到達したことを長期間に渡って第3図柄表示装置81に表示させることができるため、周りの遊技者に対してアピールすることができ、満足感を得ることができる。さらに、その満足感を得るために、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、一度でも特図2の保留球数が上限に到達したことを条件に特定の特典演出を実行するように構成しているが、これに限らず、例えば、連荘モード中に特図2の保留球数が上限に到達した回数を計測する手段を設け、その手段による計測結果に基づいて、異なる特典演出が実行されるように構成してもよい。これにより、遊技者に対してより意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、特典演出実行フラグ223wがオンに設定された場合に、連荘モードが終了するまでの間、特典演出が実行されるように設定しているが、これに限らず、特図2の保留球数を全て消化するまでの期間を特典演出が実行される期間として設定してもよい。これにより、連荘モード中において、時短状態中に特図1変動が実行される度に演出を切り替えることができ、新たな気持ちで連荘モードを継続させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では、特典演出が実行される条件を満たした場合に、自動的に特典演出が実行されるように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、パチンコ機10に設けられた操作手段(枠ボタン22)を操作することで、通常演出と特典演出とを切り替えて実行可能に構成してもよい。これにより、遊技者に対して所望する演出を提供することができる。
本実施形態では、特図2の保留球数が上限に到達した場合を特典演出が実行される条件として設定しているが、それ以外の条件を特典演出が実行される条件として設定してもよく、例えば、特図2の保留球数が上限に到達した場合に加え、変動中の特図1が当たり(大当たり、小当たり)に当選していることを条件として設定してもよい。このように、特図2の保留球数が上限に到達した状態で、変動中の特図1の抽選結果が大当たりである場合には、実質5回(特図1に基づく大当たり1回、特図2に基づく大当たり4回)の大当たり遊技が提供されることになるため、遊技者にさらに有利な遊技状態となる。このような条件が成立した場合にのみ特典演出が実行されるようにすることで、特典演出の価値観を高めることができ、特典演出を見ようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、この場合、特図2の保留球数が3個(上限数よりも少ない準上限数)となった場合に、特図1の抽選結果に基づいて、特典演出が実行されるか否かを遊技者に報知(示唆)させる表示(特典演出実行示唆表示)を行うとよい。これにより、遊技者に対して、特図1の抽選結果と、特典演出の提供とを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。また、特図2保留球数が上限数(4個)となった場合に、特典演出が実行されるように構成し、その特典演出の内容を、変動中の特図1の抽選結果や、特図2の保留球数が上限に到達した時点(特典演出の実行条件が成立した時点)における、時短状態の残期間(変動中の特図1の残変動時間)に基づいて変更させるようにしてもよい。このように構成した場合にも、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
終了演出実行フラグ223xは、連荘モードが終了することを示唆するための終了演出(図19(b)〜図20(b)参照)が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、終了演出が実行されていることを示す。この終了演出実行フラグ223xは、特定演出設定処理(図69のS3315参照)において、特2保留フラグ223nがオフに設定されている状態で、時短残期間が10秒となった場合に、オンに設定され(図69のS4010参照)、保留球数関連処理(図63のS3208参照)において、特2保留フラグ223nがオンに設定された場合に参照される(図63のS3404参照)。ここで、終了演出実行フラグ223xがオンに設定されている状態で、第2保留フラグ223nがオンに設定された場合には、今回の時短状態が終了(特図1の変動が終了)したとしても、特図2の変動(抽選)が開始され、連荘モードが継続することになる。よって、実行されている終了演出に対して、表示用勝利コマンドを設定し、終了演出からの復活を示唆する演出を実行する。これにより、遊技者に対して、終了演出が実行された後にも、連荘モードの継続に期待させることができ、最後まで意欲的に遊技を行わせることができる。
そして、演出状態設定処理(図68のS3114参照)において、連荘中フラグ223iがオフに設定された後にオフに設定される(図68のS3909参照)。なお、本実施形態で実行される終了演出を、特図2保留フラグ223nがオンに設定されている状態であっても実行するように構成してもよい。この場合は、必ず連荘モードが継続することになる。よって、終了演出における見た目上の連荘モード継続確率を高くすることができる。また、終了演出が実行されている期間に特図2保留を複数獲得した場合には、対応した演出が実行されるように構成してもよい。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域であり、例えば、コマンド記憶領域が設けられる。
このコマンド記憶領域は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図61参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図33を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図33は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図71のS5001参照)の終了後に実行される初期化処理(図71のS5002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図36参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図73(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、および第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図71のS5003,S5004参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)、または第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、電源投入時変動画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図33に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像とは、主図柄(第3図柄)の背面側に表示される画像であり、例えば、街や海、空等が表示される。また、右打ちナビ画像(図15(a)参照)等も背面画像として背面画像エリア235cに格納されている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、演出状態格納エリア233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aが開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態(大当たり状態)の終了を遊技者に報知することを遊技者に報知するための演出である。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図34を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図34は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図30の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図36参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図35を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図35は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図35のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図35のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図35の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図35の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図71参照)の中でオンに設定される(図71のS5005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図82(b)のS6605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図73(b)のS5301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS5309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図74〜図78参照)および表示設定処理(図79〜図81参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図82(a)のS6501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図82(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図83参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図36参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図73(b)のS5303参照)の中で、ポインタ更新処理(図81のS6205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図36を参照して、描画リストの詳細について説明する。図36は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図36に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図73(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図79のS6207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図71のS5002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図83参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図83のS6717参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図83のS6718参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図84のS6802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図73(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図84のS6802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
演出状態格納エリア233kは、音声ランプ制御装置113から出力された表示用演出状態コマンドに含まれる演出状態情報を格納するためのエリアである。この演出状態格納エリア233kに格納された演出状態情報は、第3図柄表示装置81に表示させる表示内容を決定する際に参照される。なお、本実施形態は、各演出状態情報に対応する変動パターンデータを有しており、同一の表示用変動パターンコマンドを受信した場合にも、異なる変動パターンが決定されるように構成している。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図37から図58のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、左第1入球口64a、右第1入球口64bの両方を示す場合には、第1入球口64と称す。)または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理及び始動入賞処理の詳細は、図38〜図44を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図45〜図48を参照して後述する。
スルーゲート通過処理を実行した後は、第2可変入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S108)。その後、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図49及び図59を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図38は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図39を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得する(S208)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S209:No)、この処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S212)。その後、S213の処理が実行される。
S202の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図39〜図41を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定されると共に、特別図柄の大当たりまたは小当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2または小当たり種別カウンタC5の値に応じて大当たりA〜Gのいずれか、または、小当たりA〜Eのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりの開始を設定する(S218)。次いで、大当たり開始フラグ203hと大当たり中フラグ203iとをオンに設定し(S219)、時短中カウンタ203gを0に設定して(S220)、S221の処理へ移行する。S221の処理では、停止コマンドを設定し(S221)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S216:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S222:Yes)、小当たり開始設定処理を実行する(S223)。次いで、S221の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S222:No)、時短中カウンタ203gの値が1以上であるか判別する(S224)。時短中カウンタ203gの値が0であると判別された場合には(S224:No)、S221の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gが1以上であると判別された場合には(S224:Yes)、時短中カウンタ203gの値を1減算し(S224)、S221の処理を実行する。その後、本処理を終了する。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図39は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、時短中であるか否かを判定する(S301)。時短中ではない場合(S301:No)、通常変動開始処理(S302)を実行し、本処理を終了する。一方、時短中である場合(S301:Yes)、時短変動開始処理(S303)を実行し、本処理を終了する。
次いで、上述した特別図柄変動開始処理(S213)の中で実行される、通常変動開始処理(S302)及び時短変動開始処理(S303)について説明する。
まず、図40を参照して通常変動開始処理(S302)について説明する。図40は、特別図柄変動開始処理(図39のS213参照)の中で実行される通常変動開始処理(S302)を示すフローチャートである。
通常変動開始処理では、まず、対応する特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203b)における実行エリアのデータを取得する(S401)。その後、取得した特別図柄の種別に対応した特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、抽選結果を取得する(S402)。具体的には、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、特別図柄1乱数テーブル202a1(図26(b)参照)を参照して大当たりまたは小当たりの判別を行い、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、特別図柄2乱数テーブル202a2(図26(c)参照)を参照して大当たりまたは小当たりの判別を行う。
次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S403)。抽選結果が大当たりである場合(S403:Yes)、S401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特別図柄と大当たり種別とに対応した通常大当たり時の表示態様を設定する(S404)。より具体的には、S401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄1大当たり選択テーブル202b1または特別図柄2大当たり選択テーブル202b2に格納されている乱数値とを比較し、7種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜G)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図27(b)または(c)参照)。
このS404の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜G)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜G)が停止種別として設定される。
その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて通常大当たり変動パターンを決定し(S405)、S406の処理へ移行する。S405の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図1用大当たり用変動パターンテーブル202d1または特図2用大当たり用変動パターンテーブル202d5(通常・時短共通)とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図29(a)または図30(b))。
S406の処理では、S405の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S406)。次いで、S404の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S407)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図53参照)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S407の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、抽選結果が大当たりではない場合(S403:No)、さらに、抽選結果が小当たりか否かを判定する(S408)。抽選結果が小当たりである場合(S408:Yes)、特別図柄と大当たり種別とに対応した通常小当たり時の表示態様を設定する(S409)。その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて通常小当たり変動パターンを決定する(S410)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図1用小当たり用変動パターンテーブル202d3または特図2用大当たり用変動パターンテーブル202d5(通常・時短共通)とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図29(d)または図30(b))。次いで、S406及びS407の処理を実行し、特別図柄変動処理へ戻る。
抽選結果が小当たりではない場合(S408:No)、特別図柄に対応した通常外れ時の表示態様を設定する(S411)。その後、保留球数に基づいて通常外れ時の変動パターンを決定する(S412)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図1用外れ用変動パターンテーブル202d2または特図2用大当たり用変動パターンテーブル202d5(通常・時短共通)とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図29(c)または図30(b))。次いで、S406及びS407の処理を実行し、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図41を参照して、時短変動開始処理(S303)について説明する。図41は、特別図柄変動開始処理(S213、図39参照)の中で実行される時短変動開始処理(S303)を示すフローチャートである。この時短変動開始処理(S303)では、上述した通常変動開始処理(S302)に対し、時短用の表示態様と変動パターンとを設定(決定)する点で相違し、その他の点は同一であるため、その詳細な説明を省略する。S505、S510、S512の処理において、第1特別図柄の時短用の変動パターンを決定する場合は、上述したように、特図1用時短用変動パターンテーブル202d4に基づいて決定する(図30(a)参照)。一方、第2特別図柄の時短用の変動パターンを決定する場合は、通常変動開始処理(S302)と同様に、特図2用変動パターンテーブル202d5(通常・時短共通)に基づいて決定する(図30(b)参照)。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S222)について説明する。図42は、小当たり開始設定処理(S222)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S222)は、タイマ割込処理(図37参照)の特別図柄変動処理(図38参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA〜E)に基づいて、小当たり遊技における、V入口ソレノイド209a、滞留ソレノイド209b及び流路ソレノイド209cの動作を設定するための処理である。
小当たり開始設定処理(S222)では、まず、上述した通常変動開始処理のS409の処理または時短変動開始処理のS509の処理で選択された小当たり種別を読み出し(S601)、その後、小当たり種別A又はBであるか否か判定する(S602)。小当たり種別A又はBである場合は(S602:Yes)、特図1用の開放シナリオを設定する(S603)。なお、特図1用の開放シナリオとは、具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1及び滞留部材650nの開放パターンの設定を示す。つまり、小当たり遊技演出中において、開閉扉650f1及び滞留部材650nが所定期間開放されるようにV入口ソレノイド209a及び滞留ソレノイド209bの動作を設定することを示す(図10参照)。
S603の処理が終了すると、小当たり種別がBであるか否かを判定する(S604)。小当たり種別がBである場合(S604:Yes)、V入賞が不可能となるように流路ソレノイド動作を設定する(S605)。即ち、球が流路650h3に流下不可能となるように流路ソレノイド209cの動作を設定する(図10(a)参照)。その後、S608の処理へ移行する。S604の処理において、小当たり種別がBでない(即ち、小当たり種別がAである)場合は(S604:No)、V入賞が可能となるように流路ソレノイド動作を設定する(S606)。即ち、球が流路650h3に流下可能となるように流路ソレノイド209cの動作を設定する(図10(b)参照)。
一方、S602の処理において、小当たり種別がA及びBでない(即ち、小当たり種別がC,D又はEである)場合は(S602:No)、特図2用の開放シナリオを設定する(S606)。なお、特図2用の開放シナリオとは、具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1及び滞留部材650nの開放パターンの設定を示す。つまり、小当たり遊技演出中において、開閉扉650f1及び滞留部材650nが所定期間開放されるようにV入口ソレノイド209a及び滞留ソレノイド209bの動作を設定することを示す(図11(a)参照)。S607の処理が終了すると、V入賞が可能となるように流路ソレノイド動作を設定する(S606)。即ち、球が流路650h3に流下可能となるように流路ソレノイド209cの動作を設定する(図11(a)参照)。
S605及びS607の処理が終了すると、各小当たり種別に対応したV通過時大当たり種別をV通過時大当たり種別格納エリア203mに設定する(S608)。より具体的には、S601の処理で取得した小当たり種別と特別図柄1大当たり選択テーブル202b1又は特別図柄2大当たり選択テーブル202b2に基づいて、V通過時大当たり種別(大当たりC〜G)を判定する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりC(7ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がBであれば、大当たりD(2ラウンド時短無大当たり)であると判定し、小当たり種別がCであれば、大当たりF(5ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がDであれば、大当たりG(10ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がEであれば、大当たりE(15ラウンド時短有大当たり)であると判定する(図27(b)又は(c)参照)。
次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S609)、小当たり開始フラグ203jと小当たり中フラグ203kをオンに設定する(S610)。その後、本処理を終了する。
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。まず、図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図43は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第1入球口64または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図43,S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S701)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S702)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S703:No)、S707の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S701:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S703:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S704)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S705)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S705の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S706)。尚、S706の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S707〜S712までの処理では、S701〜S706までの処理に対して、同様の処理が第2入球口640の入賞に対しても実行される。第2入球口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S707の処理において球が第2入球口640へ入賞していないと判定された場合(S707:No)と、S712の処理の後、先読み処理を実行する(S713)。その後、この処理を終了する。
次に、図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図43のS105参照)内の1処理である先読み処理(S713)について説明する。図44は、この先読み処理(S713)を示すフローチャートである。
この先読み処理(図44,S713)では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S801)。判定の結果、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞がない場合(S801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があった場合(S801:Yes)、次いで、その入賞が第1特別図柄の入賞であるか否かを判別する(S802)。
S802の処理において、入賞が第1特別図柄の入賞であると判別された場合は(S802:Yes)、特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄1大当たり選択テーブル202b1及び特別図柄1小当たり選択テーブル202e1に基づいて、抽選結果、大当たり種別及び小当たり種別を取得し(S803)、S804の処理へ移行する。S804の処理では、S803(又はS805)で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、及び、小当たり種別を含む入賞情報コマンドを設定し(S804)、本処理を終了する。
一方、S802の処理において、入賞が第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S802:No)、特別図柄2乱数テーブル202a2、特別図柄2大当たり選択テーブル202b2及び特別図柄2小当たり選択テーブル202e2に基づいて、抽選結果、大当たり種別、及び、小当たり種別を取得し(S805)、S804の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図40は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図40,S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S901)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S901:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S901:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S902)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S902:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S903)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S904)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S904:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S905)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S906)。S906の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S907)。
次に、第2当たり乱数テーブル202cに基づいて抽選結果を取得する(S908)。本制御例では、普通図柄の抽選における、高確率状態と低確率状態との区別がなく、普通図柄の当たりとなる確率は常に一定となっている。具体的には、S907の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値とを比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜11」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「12〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図26(d)参照)。
その後、S908の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S909)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S909:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S910)、S912の処理へ移行する。このS910の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
S909の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S909:No)、外れ時の表示態様を設定する(S911)。このS911の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S912の処理へ移行する。
S910又はS911の処理が終了すると、S912の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S912)。パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S912:Yes)、時短中当たりフラグ203qをオンに設定する(S913)。次いで、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S914)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S912:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を4秒間に設定して(S915)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の時短状態では、普通図柄の通常状態と比較して、変動表示の時間が「4秒→3秒」と非常に短くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
一方、S902の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S902:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S916)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S914の処理またはS915の処理によって予め設定された時間である。
S916の処理において、変動時間が経過していなければ(S916:No)、本処理を終了する。一方、S916の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S916:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S917)。S917の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S910の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S911の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S917の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図53参照)の第2図柄表示更新処理(S1708参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S910の処理またはS911の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図45,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S918)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S918:Yes)、電動役物制御処理を設定し(S919)、本処理を終了する。
次に、図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される電動役物制御処理(S919)について説明する。この電動役物制御処理(S919)は、タイマ割込処理(図37参照)の普通図柄変動処理(図45参照)の中で実行される処理であり、図46は、電動役物制御処理(S919)を示したフローチャートである。
電動役物制御処理では、まず、時短中当たりフラグ203qがオンであるか否かを判定する(S1001)。時短中当たりフラグ203qがオンである場合は(S1001:Yes)、時短中当たりフラグ203qをオフに設定し(S1002)、次いで、時短中であるか否かを判定する(S1003)。時短中である場合は(S1003:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作を、開放(3秒間)、閉鎖(5秒間)、開放(3秒間)に設定し(S1004)、本処理を終了する。
一方、S1001において、時短中当たりフラグ203qがオンでない(即ち、オフである)場合(S1001:Yes)、または、S1003において、時短中ではない場合(S1003:No)は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作を、開放(0.1秒間)、閉鎖(0.1秒間)、開放(0.1秒間)に設定し(S1005、本処理を終了する。
このように、普通図柄の時短状態では、普通図柄の通常状態と比較して、第2入球口640の開放動作が「開放(0.1秒間)、閉鎖(0.1秒間)、開放(0.1秒間)→開放(3秒間)、閉鎖(5秒間)、開放(3秒間)」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
また、電動役物制御処理(S919)によって、電動役物640aの開放動作が設定されると、次にメイン処理(図53参照)の電動役物開閉処理(S1706参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始される。
次に、図47のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図47は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図47,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1101)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1101:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1102)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1103)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S1101:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1103:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1104)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S1105)。尚、S1105の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。S1105の処理が終了すると、普図先読み処理を実行する(S1106)。
ここで、図48を参照して、普図先読み処理について説明する(S1106)。図48は、この普図先読み処理(S1106)の内容を示したフローチャートである。普図先読み処理(図48、S1106)では、まず、普通図柄保留球格納エリア203cに新たに格納した第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいた事前判別を実行する(S1201)。具体的には、S1105の処理で新たに格納した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値とを比較する。
次に、事前判別の結果に基づいて、当たり事前判定結果及び変動時間判定結果を取得する(S1202)。その後、普図入賞情報コマンドを設定し(S1203)、本処理を終了し、スルーゲート通過処理へ戻る。
図47に戻って説明を続ける。普図先読み処理(S1106)が終了すると、次いで、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S1107)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S1107:Yes)、そのまま本処理を終了する。特別図柄の大当たり中でなければ(S1107:No)、今現在が、小当たり中であるか否かを判定する(S1108)。判定の結果、小当たり中であれば(S1108:Yes)、そのまま本処理を終了する。
小当たり中でなければ(S1108:No)、第2特別図柄の変動中であるか否かを判定する(S1109)。判定の結果、第2特別図柄の変動中であれば(S1109:Yes)、そのまま本処理を終了する。第2特別図柄の変動中でなければ(S1109:No)、時短中であるか否かを判定する(S1109)。判定の結果、時短中であれば(S1110:Yes)、そのまま本処理を終了する。時短中でなければ(S1110:No)、エラーコマンドを設定し(S1111)、本処理を終了する。
一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S1101:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1103:No)、普図先読み処理(S1106)をスキップし、S1107〜S1111の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図49は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず小当たり中であるか否かを判定する(S1301)。S1301の処理において、小当たり中であると判別された場合(S1301:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1302)、本処理を終了する。小当たり中ではない場合は(S1302:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、第2可変入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S1303)、本処理を終了する。
S1302の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、第2可変入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図12参照)。
次に、図50を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図50は、V通過処理(S109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109)は、タイマ割込処理(図37参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まずV通過時大当たり種別格納エリア203mに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1401)、取得したV通過時大当たり種別を示すVフラグ203nをオンに設定する(S1402)。そして、V通過コマンドを設定する(S1403)。
次いで、小当たり種別が小当たりBに該当するか否かを判別する(S1404)。S1404の処理において、小当たりBに該当すると判別された場合は(S1404:Yes)、エラーコマンドを設定し(S1405)、本処理を終了する。本実施例では、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を球が通過可能となるのは、小当たりA,C,D又はE(即ち、小当たりB以外)となり、小あたり種別値に小当たりA,C,D又はE(即ち、小当たりB以外)が設定されている場合のみである。よって、小あたり種別値が小当たりBである場合に、球がV入賞スイッチ650e3を通過することに基づいて実行されるV通過処理(S1401)が実行される場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S1405の処理においてエラーコマンドを設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
図51は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図52を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図52は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図7参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1612へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1612へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1612へ移行する。なお、図53のS1716の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1612の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1612)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1613,S1614)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。RAMの初期化処理(S1613,S1614)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1613)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1614)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1611)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図53を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1709の各処理が実行され、その残余時間でS1712,S1713のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図53参照)においては、まず、タイマ割込処理(図37参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図37参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図38参照)や始動入賞処理(図43参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図54参照)で設定された大当たり開始コマンド、ラウンド数コマンド、大当たり終了コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1704)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に第1特定入賞口65aを開放し、第1特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は第1特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1特定入賞口65aを閉鎖する。この第1特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1704)をメイン処理(図53参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1705)。小当たり制御処理では、開放シナリオに基づいて開閉扉650f1を開放し、開閉扉650f1の最大開放時間が経過したか、又は開閉扉650f1に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると開閉扉650f1を閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1705)をメイン処理(図53参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図37参照)において実行しても良い。
S1705の処理が終了すると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1706)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図45参照)の中で実行される電動役物制御処理(図46,S1005)によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、電動役物制御処理(図46,S1005)におけるS1004の処理またはS1005の処理で設定された開放動作が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1707)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図39参照)中で実行される通常変動開始処理(図40,S302)または時短変動開始処理(図41,S303)のS405,S410,S412の処理またはS505,S510,S512の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、通常変動開始処理(図40参照)または時短変動開始処理(図41参照)のS405,S410,S412の処理またはS505,S510,S512の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、通常変動開始処理(図40参照)または時短変動開始処理(図41参照)のS404,S409,S411の処理またはS504,S509,S511の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1708)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図45参照)のS914の処理またはS915の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図45参照)のS917の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図45参照)のS910の処理またはS911の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
次に、貯留装置750に付随する貯留弁750aの開放および閉鎖を設定するための貯留装置制御処理を実行する(S1709)。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1710)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1710:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1711)、既に所定時間が経過していれば(S1711:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1711:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1712,S1713)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1712)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1713)。
ここで、S1701〜S1709の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1710の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1710:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図51のNMI割込処理が実行されたということなので、S1714以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1714)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1715)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1716)、RAM203のアクセスを禁止して(S1717)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1710の処理は、S1701〜S1709で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1712とS1713の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704)を説明する。図54は、この大当たり制御処理(S1704)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704)は、メイン割込処理(図53参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1801)。具体的には、特別図柄変動処理(図38参照)のS219の処理により大当たり開始フラグ203hがオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1801:Yes)、大当たり開始フラグ203hをオフに設定し(S1802)、オープニングコマンドを設定する(S1803)。
ここで設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出が表示される。S1803の処理が終了すると、貯留解除フラグ203pをオンに設定して(S1804)、本処理を終了する。
一方、S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1801:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1805)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、大当たり中フラグ203iがオンであるか否かにより判別する。S1805の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1805:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1805の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1805:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1806)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1806:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放し(S1807)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1808)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
詳細は後述するが、本実施例では、音声ランプ制御装置113において、継続した大当たりが実行される場合には、ラウンド数の累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドが送信されることとなる。よって、第3図柄表示装置81において継続した大当たりにおける累積されたラウンド数が表示されることとなる。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1806の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1806:No)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1809)。具体的には、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1809の処理において、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1809:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを閉鎖して、本処理を終了する。一方、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1809:No)、大当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1811)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、大当たり終了のタイミングであると判定する。
S1811の処理において、大当たり終了のタイミングである場合には(S1811:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812)、大当たり中フラグ203iをオフに設定する(S1813)。
次いで、実行されていた特別遊技が大当たりBであったか否かを判別する(S1814)。S1814の処理において、大当たりB(7R時短無大当たり)でないと判別された場合は(S1814:No)、時短中カウンタ203gを1に設定し(S1815)、本処理を終了する。一方、S1814の処理において、大当たりB(7R時短無大当たり)であったと判別された場合は(S1814:Yes)、S1815の処理をスキップして、本処理を終了する。
ここで設定された大当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の特図用入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たり終了の演出の表示態様を選択する。そして、選択した大当たり終了の表示態様に応じた表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。
次いで、図55を参照して、小当たり制御処理(S1705)について説明する。図55は、メイン処理(図53参照)の中で実行される小当たり制御処理(S1705)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1705)は、メイン処理(図53参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S1901)。具体的には、小当たり開始設定処理(図42参照)のS610の処理により小当たり開始フラグ203jがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S1901の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S1901:Yes)、小当たり開始フラグ203jをオフに設定し(S1902)、小当たり開始コマンド設定する(S1903)。
ここで設定された小当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、小当たり開始コマンドを受信すると、表示用小当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用小当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において小当たりを開始する演出が表示される。
S1903の処理を終えると、開放シナリオに基づいてV入口ソレノイド209aと流路ソレノイド209cをオンに設定し(S1904)、滞留部材650nの作動を開始して(S1905)、本処理を終了する。
このS1904の処理において参照する開放シナリオは、上述した小当たり開始設定処理(図42参照)において設定されるものであり、V入口ソレノイド209aの開放シナリオは小当たり種別に関わらず設定され、流路ソレノイド209cの開放シナリオは小当たり種別がA,C,D又はEの場合にのみ設定される。よって、全ての小当たり遊技において第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の開放が行われ、第2可変入賞装置650へ球を入球させることが可能となる。一方、流路ソレノイド209cがオンとなる小当たりA,C,D又はEのみにおいて、第2可変入賞装置650へ入球した球が特別排出流路650e2へ流下可能となる。即ち、小当たりA,C,D又はEは大当たりが付与される小当たり種別であり、小当たりBは大当たりが付与されない小当たり種別である。
また、S1905の処理において滞留部材650nの作動が開始(滞留ソレノイド209bがオン)されることで、振分先領域650h3に球が1球滞留させることが可能となる。
一方、S1901の処理において、特別図柄の小当たりが開始されるタイミングでない場合には(S1901:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判定する(S1906)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、小当たり中フラグ203kがオンであるか否かにより判別する。S1906の処理において、特別図柄の小当たり中でなければ(S1906:No)、そのまま本処理を終了する。
S1906の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別された場合は(S1906:Yes)、次いで、V入口の閉鎖条件が成立したか否かを判別する(S1907)。具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放した後に所定時間(例えば、6.5秒)が経過した場合、または、第2可変入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
尚、第2特定入賞口650aに所定個数(例えば10個)の球が入球したことを閉鎖条件としてもよい。
S1907の処理において、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の閉鎖条件が成立した場合には(S1907:Yes)、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を閉鎖するためにV入口ソレノイド209aをオフに設定し(S1908)、滞留部材650nの作動を終了させるために滞留ソレノイド209bをオフに設定し(S1909)、本処理を終了する。一方、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の閉鎖条件が成立していない場合には(S1907:No)、小当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1910)。具体的には、上述したV入口の閉鎖条件が成立してから所定時間経過後(本制御例では3秒)に、小当たり終了のタイミングであると判別する。これにより、滞留部材650nの作動が終了してから小当たり終了処理(流路ソレノイド209cのオフ)を実行することができるので、振分先領域650h3に滞留されている球をV入賞スイッチ650e3へ確実に入球させることができる。
S1910の処理において、小当たり終了のタイミングである場合には(S1910:Yes)、小当たり中フラグ203kをオフに設定し(S1911)、小当たり終了処理を実行し(S1912)、各ソレノイドの開放シナリオをクリアして(S1913)、本処理を終了する。
一方、S1910の処理において、小当たり終了のタイミングでない場合には(S1910:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図56を参照して、小当たり終了処理(S1912)の詳細について説明する。図56は小当たり終了処理(S1912)を示すフローチャートである。この小当たり終了処理(S1912)は、小当たり制御処理において小当たり終了のタイミングであると判別された場合に実行される処理である。
小当たり終了処理(S1912)では、まず、流路ソレノイド209cをオフに設定し(S2001)、Vフラグ203nがオンであるか否かを判別する(S2002)。S2002の処理において、Vフラグ203nがオンであると判別された場合は(S2002:Yes)、小当たり遊技中に球が第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を通過した場合であるので、V入賞スイッチ650e3の通過に基づく大当たり遊技の実行を開始するための処理を行う。
具体的には、Vフラグ203nに対応する大当たり種別に基づいて第1特定入賞口65aの開放シナリオを設定し(S2003)、Vフラグ203nに対応する大当たり種別に基づいて大当たりの開始を設定する(S2004)。次いで、大当たり開始フラグ203hと大当たり中フラグ203iとをオンに設定し(S2005)、Vフラグ203nをオフに設定する(S2006)。そして、時短中カウンタ230gを0に設定し(S2007)、V通過時大当たり種別格納エリア203mに格納されているV通過時大当たり種別値の値をクリアし(S2008)、本処理を終了する。
一方、S2002の処理において、Vフラグ203nがオンでないと判別された場合は(S2002:No)、小当たり球に球がV入賞スイッチ650e3を通過しなかった場合であるので、大当たりを付与せず終了するために、小当たり終了コマンドを設定する(S2009)。その後、S2008の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで設定された小当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の特図用入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たり終了の演出の表示態様を選択する。そして、選択した大当たり終了の表示態様に応じた表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。
次いで、図57を参照して、電動役物開閉処理(S1706)について説明する。図57は、メイン処理(図53参照)の中で実行される電動役物開閉処理(S1706)を示すフローチャートである。この電動役物開閉処理(S1706)は、メイン処理(図53参照)の中で実行され、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行うための処理である。
電動役物開閉処理では、まず、電動役物640aの開放動作が設定されているか否かを判別する(S2101)。尚、電動役物640aの開放動作は、普通図柄変動処理(図45参照)の中で実行される電動役物制御処理(図46,S1005)によって設定される。S2101の処理において、電動役物640aの開放動作が設定されていない場合は(S2101:No)、本処理を終了する。
一方、S2101の処理において、電動役物640aの開放動作が設定されている場合は(S2101:Yes)、次に、電動役物640aの1回目の開放タイミングであるかを判別する(S2102)。S2102の処理にて電動役物640aの1回目の開放タイミングであると判別された場合は(S2102:Yes)、電動役物640aの開放を設定し(S2103)、本処理を終了する。
一方、S2102の処理にて電動役物640aの1回目の開放タイミングではないと判別された場合は(S2102:No)、次に、電動役物640aの1回目の閉鎖タイミングであるかを判別する(S2104)。電動役物640aの1回目の閉鎖タイミングであると判別された場合は(S2104:Yes)、電動役物640aの閉鎖を設定し(S2105)、次いで、時短動作中であるかを判別する(S2106)。S2106の処理にて時短動作中ではないと判別された場合は(S2106:No)、本処理を終了する。S2106の処理にて時短動作中であると判別された場合は(S2106:Yes)、閉鎖コマンドを設定し(S2107)、本処理を終了する。
一方、S2104の処理にて電動役物640aの1回目の閉鎖タイミングではないと判別された場合は(S2104:No)、次に、電動役物640aの2回目の開放タイミングであるかを判別する(S2108)。電動役物640aの2回目の開放タイミングであると判別された場合は(S2108:Yes)、電動役物640aの開放を設定し(S2109)、本処理を終了する。
一方、S2108の処理にて電動役物640aの2回目の開放タイミングではないと判別された場合は(S2108:No)、次に、電動役物640aの2回目の閉鎖タイミングであるかを判別する(S2110)。電動役物640aの2回目の閉鎖タイミングではないと判別された場合は(S2110:No)、次に、第2入球口640へ球が入球したかを判別する(S2111)。第2入球口640へ球が入球してないと判別された場合は(S2111:No)、本処理を終了する。
一方、S2110にて電動役物640aの2回目の閉鎖タイミングであると判別された場合(S2108:Yes)、及び、S2111にて第2入球口640へ球が入球したと判別された場合(S2111:Yes)、電動役物640aの閉鎖を設定する(S2112)。そして、電動役物640a開放動作の設定をクリアし(S2113)、本処理を終了する。
次いで、図58を参照して、貯留装置制御処理(S1709)について説明する。図58は、メイン処理(図53参照)の中で実行される貯留装置制御処理(S1709)を示すフローチャートである。この貯留装置制御処理(S1709)は、メイン処理(図53参照)の中で実行され、貯留装置750に付随する貯留弁750aの開放および閉鎖を設定するための処理である。
貯留装置制御処理では、まず、解除カウンタ203paの値が1より大きいか否かを判別する(S2201)。解除カウンタ203paの値が1より大きくない(即ち、0又は1である)と判別した場合は(S2201:No)、次に、貯留解除フラグ203pがオンであるか否かを判別し(S2202)、オンであると判別した場合は(S2202:Yes)、貯留解除(即ち、貯留弁750aの開放)を設定する(S2203)。そして、解除カウンタ203paの値を1にセットし、S2205の処理へ移行する。一方、S2201の処理において、解除カウンタ203paの値が1より大きいと判別した場合は(S2201:Yes)、S2201〜S2204の処理をスキップし、S2205の処理へ移行する。
S2205の処理では、解除カウンタ203paの値が25000であるか否かを判別する(S2205)。解除カウンタ203paの値が25000でないと判別した場合は(S2205:No)、解除カウンタ203paの値を1加算し(S2206)、本処理を終了する。一方、S2205の処理において、解除カウンタ203paの値が25000であると判別した場合は(S2205:Yes)、貯留閉鎖(即ち、貯留弁750aの閉鎖)を設定し(S2207)、貯留解除フラグ203pをオフに設定する(S2208)。次いで、解除カウンタ203paの値を0に設定し、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図59から図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図59を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図59は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3119の電源断処理(図60参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3002)。図60を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図60のS3116参照)、S3119の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3119の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S3002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS3119の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3003:Yes)、S3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3003:No)、S3008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3003:Yes)、S3004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3119の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3003:No)、S3008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S3002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S3119の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3005:No)、RAM223の異常を報知して(S3007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3008)。電源断フラグはS3119の電源断処理の実行時にオンされる(図60のS3118参照)。つまり、電源断フラグは、S3119の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3119の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3009)、RAM223の初期値を設定した後(S3010)、割込み許可を設定して(S3011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3009をスキップして、処理をS3010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S3010)。次いで、割込み許可を設定して(S3011)、メイン処理へ移行する。
なお、S3009のクリア処理をスキップするのは、S3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至った場合には、S3004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図60は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS3101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1m秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102〜S3111の処理を行わずにS3112の処理へ移行する。S3101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S3102〜S3111が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3112のコマンド判定処理、S3113の変動表示設定処理、S3114の演出状態設定処理、および、S3115の特定演出設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3113処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。また、S3114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示を現在の遊技状態に対応させた表示内容へと遅滞なく変更させることができる。
S3101の処理で1m秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103〜S3111の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S3110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
カウンタ更新処理(S3111)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S3112)。このコマンド判定処理の詳細については、図61〜図65を参照して後述する。
次に、S3113の処理へ移行する。S3113の処理では、変動表示設定処理が実行される(S3113)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図66,67を参照して後述する。
次に、S3114の処理へ移行する。S3114の処理では、演出状態設定処理が実行される(S3114)。この演出状態設定処理では、第3図柄表示装置81にて表示される各演出態様(第3図柄の表示態様、保留図柄の表示態様)を遊技状態に対応させるための演出状態を設定するための処理が実行され、設定された演出状態に基づいて表示用演出状態コマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この演出状態設定処理の詳細については、図68を参照して後述する。
S3114の処理を終えると、S3115の処理へ移行する。S3115の処理では、特定演出設定処理が実行される(S3115)。この特定演出設定処理では、各図柄(特図1、特図2、普図)の抽選結果を示すための変動演出とは異なる演出を設定するための処理が実行される。尚、この特定演出設定処理の詳細については、図69を参照して後述する。
そして、特定演出設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3116)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3116の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3116:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3118)、電源断処理を実行する(S3119)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3120)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3116の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3116:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3117)、RAM223が破壊されていなければ(S3117:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3117:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3112)について説明する。図61は、このコマンド判定処理(S3112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図60参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理(図61、S3112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域(図示せず)から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、変動パターン関連コマンドを受信したか否かを判別する(S3201)。なお、変動パターン関連コマンドは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドまたは、普通図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドであって、主制御装置110から、選択された変動パターン(変動時間)が第1特別図柄および第2特別図柄、あるいは、普通図柄の夫々に対応して出力される。
S3201の処理において、変動パターン関連コマンドを受信したと判別した場合には(S3201:Yes)、変動パターン関連処理(S3202)を実行する。この変動パターン関連処理は、主制御装置110から出力された(受信した)変動パターン関連コマンドに基づいて変動パターンを抽出し、表示制御装置114に対して演出表示を実行させるために用いられる。ここで、変動パターン関連処理(S3202)について、図62を参照して詳細に説明をする。
図62は変動パターン関連処理(S3202)の内容を示したフローチャートである。この変動パターン関連処理(S3202)では、今回受信した変動パターンコマンドがどの図柄に対応する変動パターンであるかを判別し、判別結果に基づいて、受信した図柄に対応する処理を実行する処理である。この変動パターン関連処理(S3202)では、今回受信した変動パターン関連コマンドが特別図柄(特図)用の変動パターンコマンドであるかを判別する(S3301)。S3301の処理において、特図用変動パターンコマンドであると判別した場合は(S3301:Yes)、次に、S3302に移行する。
S3302の処理において、特図2用変動パターンコマンドであると判別した場合は(S3302:Yes)、図62に示す通り、まず、今回受信した変動パターンが特図用変動パターンコマンドであるかを判別する(S3301)。ここで、今回受信した変動パターンが特図2用の変動パターンコマンドであるかを判別し(S3302)、特図2用の変動パターンコマンドであると判別した場合は(S3302:Yes)、次に、特2変動フラグ223sをオンに設定し(S3303)、特図用変動開始フラグをオンに設定し、受信したコマンドから変動パターンを抽出する(S3305)一方、特図2用変動パターンコマンドが設定される。
その特別図柄の変動表示に設けられた変動開始フラグ223d(特図用変動開始フラグ)をオンに設定し、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S3305)、本処理を終了する。一方、S3301の処理において、今回受信した変動パターン関連コマンドが、特図用変動パターンコマンドでは無いと判別した場合は、普図用変動開始フラグ223uをオンに設定し(S3306)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S3307)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、特別図柄の変動パターン種別であることを特別図柄の種別毎(対応する第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図66参照)において、表示制御装置114に対して特別図柄の変動表示演出の開始と、その特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
図61に戻り、説明を続ける。S3201の処理において、変動パターン関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S3201:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S3203)。停止種別コマンド(特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンド、普図停止種別コマンドのいずれか)を受信したと判別した場合は(S3203:Yes)、受信したコマンドの種別に対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定する(S3204)。具体的には、特図1停止種別コマンドを受信した場合に、第1特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合に、第2特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定し、普図停止種別コマンドを受信した場合に、普通図柄に対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定する。
S3204の処理を終えると、次に、受信した停止種別コマンドから停止種別(完全外れ(外れ)、リーチ外れ、小当たり、大当たり(当たり)のいずれか)を抽出して(S3205)、本処理を終了する。S3205の処理において抽出された停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。そして、後述の変動表示設定処理(図66参照)が実行される場合に参照され、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
S3203の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S3203:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S3206)。保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S3206:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(即ち、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値を更新する(S3207)。より具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出した場合は、RAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに抽出したカウンタ値を格納し、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出した場合は、特別図柄2保留球数カウンタ223cに抽出したカウンタ値を格納する。
なお、S3207の処理では。普通図柄の保留球数を示す普通図柄保留球数コマンドを受信した場合に、図示しない普通図柄保留球数カウンタの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値も更新する。
S3207の処理を終えると、保留球数関連処理を実行する(S3208)。この保留球数関連処理(S3208)は、特図2の保留球数に基づいて各種フラグや表示用コマンドを設定するための処理が実行される。ここで、図63を参照して保留球数関連処理(S3208)について詳細に説明をする。図63は保留球数関連処理(S3208)の内容を示したフローチャートである。
保留球数関連処理(S3208)が実行されると、まず、特2(特図2)保留球数の更新があるかを判別する(S3401)。ここで、特2保留球数の更新がないと判別した場合(S3401:No)、つまり、今回受信した保留球数コマンドが特図2の保留球数では無い場合は、そのまま本処理を終了する。一方、S3401の処理において、特2保留球数の更新があると判別した場合は(S3401:Yes)、次に、特2保留球数が1に更新されたかを判別する(S3402)。ここでは、特2保留球数が1に更新された、つまり、特2保留球数が「0」から「1」、即ち、特2保留球が無い状態から有る状態へと移行したかを判別する。
S3402の処理において、特2保留球数が1に更新されたと判別した場合には(S3402:Yes)、特2保留フラグ223nをオンに設定し、次に、終了演出実行フラグ223xがオンに設定されているかを判別する(S3404)。終了演出実行フラグ223xがオンに設定されていると判別した場合、つまり、第3図柄表示装置81にて終了演出(図19(b)参照)が実行されている場合であると判別した場合は(S3404:Yes)、表示用勝利コマンドを設定し(S3405)、本処理を終了する。
表示用勝利コマンドが設定された場合には、第3図柄表示装置81にて実行される終了演出の演出結果として「勝利」の文字を表示し(図20(a)参照)、遊技者に有利な状態が継続することが報知される。なお、この終了演出が実行されている期間中に特図2に球が入賞した場合は、終了演出の途中であっても、演出を切り替えてもよいし、本実施形態のように、あらかじめ定められた期間実行される終了演出の終了時に特図2に球が入賞していたことを報知するようにしてもよい。
また、本実施形態のように、特図2(第2入球口640)に球が入賞したタイミングと、演出として、特図2(第2入球口640)に球が入賞したことを報知するタイミングとにタイムラグが発生する虞がある場合には、例えば、終了演出実行期間中は特図2の保留球数を表示する保留図柄を削除するようにしてもよい。これにより、終了演出が継続しているにも関わらず、特図2の保留球数の増加によって、遊技者に終了演出の演出結果を報知してしまうことを抑制することができる。
図63に戻り説明を続ける。S3402の処理において、特2保留球数を1に更新されていないと判別した場合は(S3402:No)、次に、特2保留球数を上限(4)に更新したかを判別し(S3406)、更新したと判別した場合は(S3406:Yes)、特2保留上限フラグ223pをオンに設定し(S3407:Yes)、本処理を終了する。一方、S3406の処理で特2保留球数を上限に更新していないと判別した場合は、S3407の処理をスキップして本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、または第2入球口640に入球(始動入賞)あるいはスルーゲート67を球が通過したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2210の処理によって、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cとの値を、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
また、S3206の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3206:No)、主制御装置110より入賞情報関連コマンドを受信したか判別する(S3209)。S3209の処理において、入賞情報関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3209:Yes)、入賞情報関連処理を実行する(S3210)。この入賞情報関連処理(S3210)では、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出を設定するために参照される各種フラグの設定や各種カウンタの設定が行われる。これにより、保留中の特別図柄の抽選結果に基づいて、その保留中の特別図柄の変動が開始されるよりも前(即ち、対象の特別図柄の変動よりも前に実行されている特別図柄の変動表示中)に、入賞情報コマンドを送信した特別図柄の抽選結果を示す演出を実行することが可能となり、1つの特別図柄の抽選結果を複数の特別図柄の変動表示期間を用いて遊技者に示唆報知することができ、演出効果を高めることができる。
ここで、入賞情報関連処理(S3210)について、図64を参照して説明をする。図64は入賞情報関連処理(S3210)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S3210)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報関連コマンドが、特図(特別図柄)に関する入賞情報コマンドであるかを判別する(S3501)。特図に関する入賞情報コマンドであると判別した場合は(S3501:Yes)、受信した入賞情報コマンドを特図用入賞情報格納エリア223aに格納し(S3502)、本処理を終了する。一方、S3501の処理において、今回受信した入賞情報関連コマンドが、特図(特別図柄)に関する入賞情報コマンドではない(普図に関する入賞情報コマンドである)と判別した場合は(S3501:No)、入賞情報を普図用入賞情報格納エリア223tに格納し(S3503)、本処理を終了する。
なお、特別図柄の入賞情報(特図の先読み)と、普通図柄の入賞情報(普図の先読み)とが実行される遊技機において、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力される各入賞情報コマンドの出力タイミングが同一となり、入賞情報関連処理(S3210)により判別する際には、各入賞情報コマンドに対して優先順位を設けておき、優先順位が高い入賞情報コマンドのみを判別するように構成してもよい。これにより、各入賞情報コマンドに対して異なる判別処理を実行する必要が無くなり、処理負荷を軽減させることができるとともに、音声ランプ制御装置113側で判別される入賞情報コマンドの種別や数を不規則に減少させることができるため、遊技者の意図しない演出を容易に実行することができる。
つまり、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報は、主制御装置110にて球が各入球口(第1入球口64や第2入球口640)やスルーゲート67に入球した場合に取得した各カウンタ値を、その入球に基づいた抽選が実行されるよりも前に事前に判別を実行した結果、或いは、そのカウンタ値に基づいた値を示す情報であるため、音声ランプ制御装置113側で入賞情報コマンドを確実に取得しなくても、遊技に支障を来すことが無いため、所定条件が成立した場合(特図用入賞情報コマンドと普図用入賞情報コマンドとを同時に受信した場合に)に意図的に一方の入賞情報コマンドを取得しないように構成することで上述した効果を奏するように構成している。さらに、本実施形態の左第1入球口64aと右第1入球口64bのように、一つの図柄(第1特別図柄)の取得条件(入球)が複数存在する構成においては、入賞情報コマンドに何れの取得条件の成立に基づいた入賞情報コマンドであるかを音声ランプ制御装置113側で識別することが可能な情報を含ませておき、その識別結果によって、入賞情報コマンドに基づく処理を可変させてもよい。具体的には、例えば、左第1入球口64aへの入球に基づく入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合には、受信した入賞情報コマンドに基づく演出(所謂、先読み演出)を、右第1入球口64bへの入球に基づく入賞情報コマンドを受信した場合よりも、頻繁に行わせるように構成してもよい。これにより、同じ第1特別図柄であっても先読み演出が実行される頻度を容易に異ならせることができる。上述した例で示した構成によれば、左第1入球口64aを狙う遊技(左打ち遊技)中は第1特別図柄に基づく先読み演出を実行可能(頻繁に実行可能)とし、右第1入球口64bを狙う遊技(右打ち遊技)中は第1特別図柄に基づく先読み演出を実行困難(低確率で実行可能)としてもよい。これにより、遊技状態に応じた演出態様を設定することができる。
図61に戻り、説明を続ける。S3209の処理において、入賞情報関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209:No)、次に当たり関連のコマンドを受信したかを判別する(S3211)。当たり関連コマンドを受信した場合は(S3211:Yes)、当たり関連処理(S3212)を実行する。
ここで、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S3212)について説明する。図65は、当たり関連処理(S3212)を示すフローチャートである。この当たり関連処理(S3212)は、コマンド判定処理(図61参照)において当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。
当たり関連処理では、まず大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3601)。大当たり開始コマンドを受信したと判別された場合(S3601:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3602)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆(報知)する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S3601:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S3603)。S3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合(S3603:Yes)、ラウンド数累積カウンタに1を加算する(S3604)。その後、ラウンド数累積カウンタに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S3605)、本処理を終了する。
S3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S3603:No)、大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S3606)。S3606の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合(S3606:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S3607)、本処理を終了する。
S3606の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S3606:No)、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3608)。
S3608の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別された場合は(S3608:Yes)、小当たり種別に基づいて表示用小当たり開始コマンドを設定し(S3609)、本処理を終了する。S3608の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S3608:No)、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S3610)。
S3610の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合は(S3610:Yes)、小当たり遊技の終了を示唆する演出を実行するため、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S3611)、本処理を終了する。
一方、S3610の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S3610:No)、V通過コマンドを受信したか否かを判別する(S3612)。
S3612の処理において、V通過コマンドを受信したと判別された場合は(S3612:Yes)、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3への入球に基づく処理を実行し、表示用V通過コマンドを設定し(S3613)、本処理を終了する。なお、本実施形態では、連荘中フラグ223iがオンに設定されている期間中におけるV通過コマンドの受信回数を計測する計測手段を有しており、その計測手段による計測回数に対応した表示用V通過コマンドを設定可能に構成している。具体的には、計測手段による計測回数が所定回数(例えば、10回)を超えた場合にのみ特典演出が実行されるように表示用V通過コマンドが設定される。これにより、遊技者に対してより多くのV通過を狙わせるようになり、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、表示用V通過コマンドの内容を設定する条件として、その他の条件を設定してもよく、例えば、V通過しなかった小当たり遊技の回数と、V通過した小当たり遊技の回数とをそれぞれ計測し、その割合を算出する手段を設け、その手段により算出された割合に基づいて、表示用V通過コマンドの内容を設定してもよい。これにより、V通過しない小当たり遊技が多く実行された遊技者が、V通過させた場合にその旨を祝福する演出を実行させたり、V通過した小当たり遊技が高い割合で実行される遊技者に対して、その旨を祝福する演出を実行させたりすることができる。
S3612の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S3612:No)、本処理を終了する。
図61に戻り、説明を続ける。S3211の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S3211:No)、次に、報知コマンドを受信したかを判別する(S3213)。S3213の処理において報知コマンドを受信したと判別した場合は(S3213:Yes)、報知音声を設定し、報知用の表示用コマンドを設定し(S3214)、本処理を終了する。
一方、S3213の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合は(S3213:No)、状態コマンドを受信したかを判別する(S3215)。状態コマンドを受信したと判別した場合は(S3215:Yes)、受信した状態コマンドに基づいた状態情報を状態格納エリア223kに格納し(S3216)、本処理を終了する。なお、ここで受信される状態コマンドとしては、遊技状態が通常状態であることを示すための通常状態コマンド、遊技状態が大当たり状態であることを示すための大当たり状態コマンド、遊技状態が小当たり状態であることを示すための小当たり状態コマンド、遊技状態が時短状態であることを示すための時短状態コマンド、電動役物640aが動作していること、および、何回目の動作をしているのかを示すための動作状態コマンド等、主制御装置110側で把握可能な遊技状態に関する状態コマンドである。
上述した状態コマンドは、遊技状態が移行される場合に主制御装置110から受信するように構成されている。これにより、受信した状態コマンドの内容を判別する処理が煩雑になることを抑制し、処理負荷の軽減を図ることができる。また、停電等が発生し、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のデータが消去した場合には、停電復帰処理において現在設定されている状態コマンドが出力される。なお、状態コマンドの出力タイミングはこれに限られることなく、定期的に現在設定されている遊技状態を出力するようにしてもよいし、遊技状態は移行していない状態で特定の出力条件を満たした場合(例えば、大当たり遊技中において、所定ラウンドに到達したタイミングや、通常状態において、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したタイミング)に状態コマンドを出力するようにしてもよい。これにより、より確実に音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を把握することができる。
一方、S3215の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3215:No)、次いで、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S3217)。このS3217の処理では、例えば、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別し、停止コマンドを受信したと判別した場合に、受信したコマンドに基づいて表示用停止コマンドを設定したり、遊技盤13に設けられた各入球口に球が入球したことに基づいて設定される入球コマンドを受信した場合に、球が入球した入球口の種別毎に入球数を累積し、表示用入球数コマンドを設定したりする処理を実行する。
次に、図66を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S3113)について説明する。図66は、この変動表示設定処理(S3113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図60参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図66参照)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために実行する処理である。
ここで、本実施形態では、設定されている演出状態に応じて、第3図柄表示装置81において主として演出表示される主図柄に対応する各図柄(特図1、特図2、普図)が可変するように設計されている。なお、変動表示設定処理では、上述した各図柄のそれぞれに対して表示用変動パターンコマンドを設定し、表示制御装置114に通知する。そして、表示制御装置114により、受信した表示用変動パターンコマンドと、受信した表示用演出状態コマンドの内容とに基づいて、主図柄(第1表示領域Dmに表示させる図柄)と従図柄(第2表示領域Dnに表示させる図柄)とに対応した演出表示が表示されるように構成している。これにより、複数の演出状態に対応してことなる演出表示が実行される遊技機において、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
変動表示設定処理(S3113)では、まず、RAM223に設けられた特図用変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別する(S3701)。そして、特図用変動開始フラグ223dがオフであると判別した場合には(S3701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3707の処理へ移行する。一方、特図用変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合には(S3701:Yes)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS3702〜S3706の各処理を実行する。
より具体的には、まず、特図用変動開始フラグ223dをオフに設定し(S3702)、次いで、抽出した変動パターンを取得し(S3703)、時短中フラグ223gがオンであるかを判別する(S3704)。S3704の処理において、時短中フラグ223gがオンであると判別した場合は(S3704:Yes)、次に、時短中フラグをオフに設定し(S3705)、特図表示用変動パターンコマンドを設定し(S3706)、S3707の処理へ移行する。一方、S3704の処理において、時短中フラグ223gがオンではない(オフである)と判別した場合は(S3704:No)、S3705の処理をスキップし、S3706の処理を実行する。
なお、S3706の処理を実行する際には、対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値から1を減算し、減算した値に基づいて、コマンド記憶領域に含まれる特図用入賞情報格納エリア223aのデータをシフトする。
S3707の処理では、RAM223の停止種別選択フラグ223eのうち特図の停止種別を示すフラグがオンに設定されているかを判別する(S3707)。そして、停止種別選択フラグ223eのうち特図の停止種別を示すフラグがオフであると判別した場合には(S3707:No)、S3712の処理へ移行する。一方、S3707の処理において、停止種別選択フラグ223eのうち特図の停止種別を示すフラグがオンであると判別した場合には(S3707:Yes)、(特図用)停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S3708)、次いで、コマンド判定処理(図61参照)のS3205の処理において抽出された停止種別を取得し(S3709)、取得した停止種別をそのまま設定する(S3710)。そして、表示制御装置114に対して停止種別を通知するための表示用停止種別コマンドを設定する(S3711)。その後、普図変動表示設定処理(S3712)を実行し、本処理を終了する。
この普図変動表示設定処理(S3712)は、主制御装置110から普図変動に関する変動パターンコマンドを受信した場合に第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために実行する処理である。ここで、普図変動表示設定処理(S3712)について、図67を参照して説明をする。
図67は、普図変動表示設定処理(S3712)の内容を示したフローチャートである。普図変動表示設定処理(S3712)が実行されると、まず、普図用変動開始フラグ223uがオンに設定されているかを判別する。そして、普図用変動開始フラグ223uがオフであると判別した場合には(S3801:No)、主制御装置110より普図に関する変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3810の処理へ移行する。一方、普図用変動開始フラグ223uがオンであると判別した場合には(S3801:Yes)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS3802〜S3810の各処理を実行する。
なお、図67の普図変動表示設定処理(S3712)において実行される各種処理のうち、図66を参照して説明した変動表示設定処理(S3113)と同様の処理が実行される箇所については、その詳細な説明を省略する。
S3801の処理において、普図用変動開始フラグ223uがオンであると判別した場合には(S3801:Yes)、上述した変動表示設定処理(S3113)にて実行される特図用のS3702,S3703の処理に対して、対象を普図に変更したS3802,S3803の処理を実行し、ついで、受信した変動パターンコマンドに基づく変動が実行されるタイミングが時短状態であるかを判別する(S3804)。ここでは、状態格納エリア223kに格納されている状態情報、および、時短残期間格納エリア223hに格納されている時短残期間情報に基づいて判別する。
S3804の処理において、変動開始タイミングが時短状態中であると判別した場合は(S3804:Yes)、次に、受信した変動パターンコマンドに基づく変動が終了するタイミング(当たりの場合は、電動役物640aの動作内容を設定するタイミング)が時短状態中であるかを判別する(S3805)。ここでは、時短残期間格納エリア223hに格納されている時短残期間情報と、取得した変動パターンに含まれる変動時間との差分を算出することで、変動が終了するタイミングにおける時短状態の有無を判別する。
S3805の処理において、変動終了タイミング(電動役物640a動作開始タイミング)が時短中であると判別した場合は(S3805:Yes)、普図有効フラグ223qをオンに設定し(S3806)、ついで、変動終了タイミングが時短終了の2秒以内であるかを判別する(S3807)。S3807の処理において、変動終了タイミングが時短終了の2秒以内であると判別した場合は(S3807:Yes)、入替フラグ223vをオンに設定して(S3808)、表示用変動パターンコマンド(普図用)を設定し(S3810)、S3811の処理へ移行する。
一方、S3804或いはS3805の処理において、Noと判別された場合は普図有効フラグ223qをオフに設定し(S3809)、上述したS3810の処理へと移行する。また、S3807の処理において、変動終了タイミングが時短終了の2秒以内ではないと判別した場合は(S3807:No)、S3808の処理をスキップしてS3810の処理へと移行する。
次に、図66を参照して上述したS3707〜S3711と同様のS3811〜S3815の処理を実行し、本処理を終了する。なお、S3811〜S3815において、実行される処理は、停止種別コマンドの対象を、S3707〜S3711では、特図用の停止種別コマンドとし、S3811〜S3815では、普図用の停止種別コマンドとした点で相違しているのみで、そのほかの内容は同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図68を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)において実行される演出状態設定処理(S3114)について説明をする。図68は、演出状態設定処理(S3114)の内容を示したフローチャートである。この演出状態設定処理(S3114)は、主制御装置110から出力された状態コマンドおよび現在の遊技状況に応じて、演出状態を設定するための処理であって、本処理で設定された演出状態に基づく情報(表示用演出状態コマンド)を、表示制御装置114へ出力することで、第3図柄表示装置81の表示画面における各図柄(特図1、特図2、普図)の表示態様や、各図柄の保留記憶数(保留図柄数)の表示態様を、演出状態に対応した表示態様で表示させるように構成している。
演出状態設定処理(S3114)が実行されると、まず、状態格納エリア223kに格納されている状態情報(遊技状態)を読み出す(S3901)。この状態情報は、上述したコマンド判別処理(図61のS3112参照)において主制御装置110から受信した状態コマンドに基づいて状態格納エリア223kに格納されるものである。よって、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側で判別するために用いられる。
次に、状態格納エリア223kに格納されている状態情報を参照して、現在(状態格納エリア223kに格納されている状態情報)が大当たりの開始を示すものであるかを判別する(S3902)。ここで、大当たりの開始を示すものであると判別した場合は(S3902:Yes)、連荘中フラグ223iをオンに設定し(S3903)、S3918の処理へ移行する。一方、S3902の処理において、大当たりの開始を示すものでは無いと判別した場合は(S3902:No)、次に大当たりの終了を示すものであるかを判別する(S3904)。
S3904の処理において、大当たりの終了を示すものであると判別した場合は(S3904:Yes)、次に、大当たりの終了後に時短状態へ移行するかを判別する(S3905)。このS3905の判別は、状態格納エリア223kに格納される大当たりの種別情報に基づいて判別される。S3905の処理において、時短状態へ移行すると判別した場合は(S3905:Yes)、時短中フラグ223gをオンに設定し(S3906)、その後、S3918の処理へ移行する。
一方、S3905の処理において時短状態へ移行しないと判別した場合は(S3905:No)、連荘中フラグ223iをオフに設定し(S3907)、特典演出実行フラグ223wをオフに設定し(S3908)、終了演出実行フラグ223xをオフに設定し(S3909)、S3918の処理へ移行する。
S3904の処理で大当たりの終了を示すものではないと判別した場合は(S3904:No)、次に、時短状態が終了するタイミングであるかを判別する(S3910)。時短状態が終了するタイミングであると判別した場合は(S3910:Yes)、次に、第2特別図柄(特図2)の保留記憶の有無は判別するための特2保留フラグ223nがオンに設定されているかを判別する(S3911)。ここで、特2保留フラグ223nがオンでは無い(オフである)と判別した場合は(S3911:No)、連荘中フラグ223iをオフに設定し(S3912)、S3918の処理へ移行する。また、特2保留フラグ223nがオンに設定されていると判別した場合(S3911:Yes)も同様に、S3918の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、大当たりが開始された場合に連荘中フラグ223iをオンに設定し、大当たり終了後に時短状態が付与されない場合、或いは、時短状態が終了した時点で特図2の保留記憶が「0」の場合に、連荘中フラグ223iをオフに設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中と、時短状態と、時短状態から通常状態へと移行した場合に第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)が実行される状態と、が繰り返し実行される間(遊技者に有利となる特定期間中)、継続して連荘中フラグ223iをオンに設定することができる。よって、連荘中フラグ223iがオンにされている期間中の各種値(例えば、大当たりが実行された回数や、獲得出玉数等)を計測することで、容易に連荘モード中の各種値の集計を行うことができ、複数の異なる遊技状態へと移行する連荘モードを有するパチンコ機10において、処理の簡素化を図ることができる。
図68に戻り説明を続ける。S3910の処理において、時短状態が終了するタイミングではない(時短終了タイミングではない)と判別した場合は(S3910:No)、小当たり開始タイミングであるかを判別し(S3913)、小当たり開始タイミングであると判別した場合は(S3913:Yes)、現在が通常状態であるかを判別する(S3914)。S3914の処理において、現在が通常状態であると判別した場合は(S3914:Yes)、疑似演出フラグ223rをオンに設定し(S3915)、S3918の処理へ移行する。一方、S3914の処理において現在が通常状態ではない(時短状態である)と判別した場合は(S3914:No)、上述したS3915の処理をスキップしてS3918の処理へ移行する。
S3913の処理において、現在が小当たり開始タイミングではないと判別した場合は(S3913:No)、次に、現在が小当たり終了タイミングであるかを判別し(S3916)、小当たり終了タイミングである場合は(S3916:Yes)、疑似演出フラグ223rをオフに設定し(S3917)、S3918の処理へ移行する。ここで、小当たり終了タイミングである場合において、疑似演出フラグ223rがオンに設定されていない状態(即ち、時短状態中に実行された小当たりの終了タイミング)であると判別した場合は、S3917の処理を実行することなくS3918の処理へ移行する。
S3916の処理において、現在が小当たり終了タイミングではないと判別した場合は(S3916:No)、S3918の処理へ移行する。S3918の処理では、演出状態選択テーブル222bに基づいて、現在の演出状態が選択される(S3918)。そして、選択された演出状態を示す表示用演出状態コマンドを設定し(S3919)、本処理を終了する。
次に、図69を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)において実行される特定演出設定処理(S3115)について説明をする。図69は、特定演出定処理(S3115)の内容を示したフローチャートである。この特定演出設定処理(S3115)は、特定条件が成立した場合に特定演出を第3図柄表示装置81に表示させるための表示用コマンドを設定するための処理である。
本第1実施形態では、時短状態中において第2特別図柄(特図2)の保留記憶数(保留球数)が上限(4個)に到達した場合に実行される特典演出(図21参照)と、時短状態中において、第2特別図柄(特図2)が保留記憶されていない状態で、時短状態の残期間(特図1の変動残期間)が所定期間(10秒)となった場合に実行される終了演出(図19(b)参照)とを、特定演出として実行するように構成している。
なお、表示制御装置114では特定演出の内容を示す表示用コマンドを受信した場合には、各図柄の変動表示状態(変動中か否か)に関わらず、受信した特定演出内容に対応する表示態様を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
特定演出設定処理(S3115)が実行されると、まず、連荘中フラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S4001)、連荘中フラグ223iがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4001:No)、そのまま本処理を終了する。連荘中フラグ223iがオンに設定されていると判別した場合は(S4001:Yes)、次に、特典演出実行フラグ223wがオンに設定されているかを判別し(S4002)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4002:No)、特2保留上限フラグ223pがオンに設定されているかを判別する(S4003)。
S4003の処理において、特2保留上限フラグ223pがオンに設定されている場合は(S4003:Yes)、表示用特典演出コマンドを設定し(S4004)、特典演出実行フラグ223wをオンに設定し(S4005)、本処理を終了する。一方、特2保留上限フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S4003:No)、或いは、S4002の処理において、既に特典演出実行フラグ223wがオンに設定されていると判別した場合は(S4002:Yes)、S4006の処理に移行する。
S4006の処理では、終了演出実行フラグ223xがオンに設定されているかを判別する(S4006)。ここで、終了演出実行フラグ223xがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4006:No)、次いで、特2保留フラグ223nがオンに設定されているかを判別し(S4007)、特2保留フラグ223nがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4007;No)、時短残期間が10秒であるかを判別する(S4008)。
このS4008の処理では、時短残期間格納エリア223hに格納されている時短残期間を示す情報を読み出して判別が実行される。S4008の処理において、時短残期間が10秒であると判別した場合は(S4008:Yes)、表示用連荘終了演出コマンドを設定し(S4009)、終了演出実行フラグ223xをオンに設定し(S4010)、本処理を終了する。
一方、S4006の処理において、終了演出実行フラグ223xがオンに設定されていると判別した場合(S4006:Yes)、或いは、S4007の処理において特2保留フラグ223nがオンに設定されている場合(S4007:Yes)は、S4008〜S4010の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をしたように、図69を参照して説明した本実施形態の特定演出設定処理(S3315)では、1つ目の特定演出として、連荘中フラグ223iがオンに設定されている状態(時短状態)中に特2保留上限フラグ223pがオンに設定されると(特図2の保留記憶数が上限に到達すると)、特典演出(図22参照)が実行されるように構成している。この特典演出が実行されることで、遊技者に付加価値の高い演出を提供することができるため、遊技者に対して時短状態中の遊技を意欲的に行わせることができる。また、特典演出が実行されると、普図主図柄Dmcが表示されなくなるため、特図2の保留記憶数を増加させることができない状態(既に、特図2の保留記憶数が上限に到達している状態)において、第2入球口640への球の入球を煽る演出を抑制することができ、遊技者に大きな違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した特典演出は、連荘中フラグ223iがオフに設定されるまで(連荘モードが終了するまで)継続して実行されるように構成しているため、遊技者に対して付加価値の高い演出を長期間(少なくとも、特図2の保留記憶数が全て消化されるまでの期間)提供することができるため、付加価値の高い演出が短期間で終了してしまい遊技者の遊技意欲を低下させてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
また、2つ目の特定演出として、連荘中フラグ223iがオンに設定されている状態(時短状態)中に特図2の保留記憶を獲得すること無く(特図2の保留記憶数が「0」の状態のまま)、時短状態の残期間が所定期間(残り10秒)となった場合に、連荘モードが終了してしまうことを示唆する終了演出(図19(b)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して連荘モードが終了する可能性を容易に把握させることができ、遊技者にとって有利な期間(連荘モード)が気付かないうちに終了してしまうといった問題が発生してしまうことを抑制することができる。
次に、図70を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)において実行されるカウンタ更新処理(S3111)について説明をする。図70は、カウンタ更新処理(S3111)の内容を示したフローチャートである。このカウンタ更新処理(S3111)は、変動時間カウンタ223jの値を更新し、実行された変動表示の経過時間(残時間)を算出するための処理である。ここで参照された変動時間の残時間(時短残期間)に関する情報(表示用時短残期間コマンド)は、表示制御装置114へと出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されると共に、音声ランプ制御装置113において演出内容を設定する際に参照される。
カウンタ更新処理(S3111)が実行されると、まず、現在の変動時間カウンタ223jの値が「0」であるかを判別する(S4101)。「0」であると判別した場合(S4101:Yes)、即ち、変動時間カウンタ223jの値を更新していない状態(時短状態中の特図1変動が実行されていない状態)は、次に、現在が時短中(時短状態中)であるかを判別する(S4102)。ここでは、状態格納エリア223kに格納されている状態情報に基づいて判別される。
S4102の処理にて、現在が時短中であると判別した場合は(S4102:Yes)、次に、特図1の変動が開始されるタイミングであるかを判別し(S4103)、特図1の変動が開始されるタイミングであると判別した場合には(S4103:Yes)、変動時間カウンタ223jの値を「1」にセットし(S4104)、変動時間カウンタ223jの値に基づいて変動時間の残期間(時短残期間)を算出し、算出した時短残期間を示す情報を時短残期間格納エリア223hに格納する(S4105)。
その後、表示用時短残期間コマンドを設定し(S4106)、本処理を終了する。一方、S4102の処理において、現在が時短中(時短状態中)ではないと判別した場合(S4102:No)、或いは、S4103の処理において、現在が特図1変動の開始タイミングではないと判別した場合(S4103:No)は、S4104〜S4106の処理をスキップして本処理を終了する。
S4101の処理において、変動時間カウンタ223jの値が「0」ではないと判別した場合(S4101:No)、即ち、既に変動時間カウンタ223jの値が更新されている状態(時短状態中の特図1変動が実行されている状態)では、変動時間カウンタ223jの値が「150000」であるか(150秒が経過したか)を判別する(S4107)。ここで、変動時間カウンタ223jの値が「150000」ではない(「150000未満」である)と判別した場合は(S4107:Yes)、変動時間カウンタ223jの値を「1」加算して(S4108)、上述したS4105の処理へ移行する。一方、S4107の処理において、変動時間カウンタ223jの値が「150000」であると判別した場合は(S4107:Yes)、変動時間カウンタ223jの値を「0」に設定して(S4109)、S4105の処理へ移行する。
なお、本実施形態では時短状態中に実行される特図1の変動パターン(変動時間)が、特図1の抽選結果に関わらず、全て「150秒」に規定されているため、図70に示した通り、変動時間カウンタ223jの値の上限を「150秒」に該当する「150000」としているが、時短状態中に実行される特図1の変動パターン(変動時間)を複数の変動パターン(変動時間)から選択されるように構成されているパチンコ機10であれば、実行される変動パターンの内容(設定される変動時間)に基づいて変動時間カウンタ223jの上限値を再設定できるように構成し、更新中の変動時間カウンタ223jの値が設定された上限値に到達したかを判別する構成とすればよい。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図71から図84を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図71を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図71は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S5001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図72を参照して、ブート処理(S5001)について説明する。図72は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S5001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S5101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S5102)。これにより、MPU231は、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S5102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S5102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S5103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S5104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図71のS5001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図71のS5002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S5105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S5001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図72に示すブート処理では、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S5102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S5103〜S5105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S5101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S5101及びS5102の処理を含めて複数回繰り返した後、S5103〜S5105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S5101及びS5102の処理を行わずに、S5103〜S5105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図71の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S5002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S5003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S5003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S5004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S5004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S5005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図82(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図82(a)のS6502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図73(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS5309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S5005の処理の後、割込許可を設定し(S5006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S5006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図73(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図73(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S5201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図73(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図73(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図36参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図73(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S5301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S5301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S5302)を実行し、次いで、表示設定処理(S5303)を実行する。
コマンド判定処理(S5302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図74〜図78を参照して後述する。
表示設定処理(S5303)では、コマンド判定処理(S5302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図79〜図81を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S5304)。このタスク処理では、表示設定処理(S5303)もしくは簡易表示設定処理(S5309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S5305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図82および図83を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S5306)。この描画処理では、タスク処理(S5304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S5305)により設定された転送指示とから、図59に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図84を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S5307)。そして、V割込処理を終了する。S5307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(例えば、大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S5301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S5301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図示せず)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S5308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S5309)を実行して、S5304の処理へ移行する。
次いで、図74〜図78を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S5302)の詳細について説明する。まず、図74は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図74に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S5401)、未処理の新規コマンドがなければ(S5401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S5401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S5303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S5402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S5403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S5404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S5404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S5405)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図75(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S5405)の詳細について説明する。図75(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、演出状態格納エリア233kに格納されている演出状態を読み出す(S5501)。そして、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルのうち、S5501の処理により読み出した演出状態に対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5502)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S5502で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5503)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S5502の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S5504)。表示設定処理では、S5503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S5502の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5505)、ポインタ233fを0に初期化する(S5506)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5507)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S5506の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S5502の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S5503の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S5505の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
以上説明をしたように、本実施形態における表示パターンコマンド処理では、音声ランプ制御装置113から出力された(受信した)表示用変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示内容(演出内容)を決定する際に、音声ランプ制御装置113から出力(受信した)表示用演出状態コマンドに対応させた表示内容(各図柄の表示態様、各図柄の保留数表示態様)が決定されるように構成している。これにより、図15〜図22に示したように、各演出状態に適した表示を実行することができる。また、表示制御装置114側で表示用演出状態コマンドと、表示用変動パターンコマンドとを判別し、表示内容を決定する処理を実行するため、音声ランプ制御装置113にて、各演出状態に対応した表示用変動パターンコマンドを設定する必要が無くなり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、変動パターンコマンド処理において、演出状態に対応した表示内容を決定し、決定された表示内容を第3図柄表示装置81に表示するように構成しているが、それ以外の構成として、表示用変動パターンコマンドに基づいて、全ての演出状態に対応した表示内容に対して上述した表示処理を実行し、そのうち、現在設定されている演出状態に対応した表示内容のみが遊技者に視認可能に表示させるように構成してもよい。具体的には、各演出状態に対応して表示画層を設けておき、設定されている演出状態に対応する画層以外の画層を透過させる処理を実行したり、設定されている演出状態に対応する画層を最前面に配置したりする。これにより、変動パターンコマンドに基づく表示が実行されている最中に演出状態が可変し、表示内容を変更する場合であっても、即座に対応することができる。また、設定される演出状態に関わらず常時共通の表示内容が表示される領域(例えば、第2表示領域Dn)については、別の画層に表示させるようにし、表示用演出状態コマンドを参照することなく変動パターンコマンドのみで表示内容を決定するようにしてもよい。
ここで、図74の説明に戻る。S5404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S5404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S5406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S5406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S5407)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図75(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S5407)の詳細について説明する。図75(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S5601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図73(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S5602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S5602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S5603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S5602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S5304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S5603によって設定された停止図柄判別フラグからS5602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS5602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図74の説明に戻る。S5406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S5406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S5408)、背面画像変更コマンドがあれば(S5408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S5409)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図76(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S5409)の詳細について説明する。図76(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6503)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S5701)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S5702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S5701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S5702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S5702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図74の説明に戻る。S5408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S5408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S5410)、エラーコマンドがあれば(S5410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S5411)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図76(b)を参照して、エラーコマンド処理(S5411)の詳細について説明する。図76(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S5801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S5802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S5801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S5802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S5802に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図74の説明に戻る。S5410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S5410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用演出状態コマンドがあるか否かを判別し(S5412)、表示用演出状態コマンドがあれば(S5412:Yes)、受信したコマンドに基づく演出状態情報を、演出状態格納エリア233kに格納して(S5413)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図74の説明に戻る。S5412の処理において、表示用演出状態コマンドがないと判別されると(S5412:No)、当たり関連コマンドがあるか否かを判別する(S5440)。S5440の処理において、当たり関連コマンドがあると判別された場合は(S5440:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行し(S5441)、S5401の処理へ戻る。一方、S5440の処理において、当たり関連コマンドが無いと判別された場合は(S5440:No)、その他コマンド処理を実行し(S5414)、S5401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS5401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S5401:Yes)、再びS5402〜S5413,S5419の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S5401〜S5413,S5419の処理が繰り返し実行され、S5401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S5308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図75(a)参照)および停止種別コマンド処理(図75(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図75(a)参照)では、S5501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S5502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次に、図77を参照して、当たり関連コマンド処理(S5441)の詳細について説明する。この当たり関連コマンド処理(S5441)は、コマンド判定処理(図146参照)において、当たり関連コマンドがあると判別された場合に実行される処理である。
当たり関連コマンド処理(S5441)では、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S5901)。S5901の処理において表示用当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S5901:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行し(S5902)、S5903の処理へ移行する。
ここで、図78(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S5902)の詳細について説明する。図78(a)は、大当たり開始コマンド処理(S5902)を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理(S5902)は、当たり関連コマンド処理(図77)において、表示用大当たり開始コマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり開始コマンド処理(S5902)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)大当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6001)。次いで、大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6002)。その後、大当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6003)、ポインタ233fを初期化し(S6004)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S6005)、本処理を終了する。
図77に戻り、説明を続ける。S5901の処理において、表示用大当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S5901:No)、S5903の処理へ移行する。S5901またはS5902の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S5903)。S5903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は、ラウンド数コマンド処理を実行し(S5904)、S5905の処理へ移行する。
ここで図78(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S5904)の詳細について説明する。図78(b)は、ラウンド数コマンド処理(S5904)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S5904)は、当たり関連コマンド処理(図77)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ラウンド数コマンド処理(S5904)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S6102)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6103)。その後、ポインタ233fを初期化し(S6104)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S6105)、本処理を終了する。
図77に戻り、説明を続ける。S5903の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S5903:No)、S5905の処理へ移行する。S5903またはS5904の処理を終えると、表示用大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S5905)。
S5905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S5905:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行し(S5906)、S5907の処理へ移行する。
ここで、大当たり終了コマンド処理の詳細について説明する。この大当たり終了コマンド処理(S5906)は、当たり関連コマンド判定処理(図77)において大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり終了コマンド処理(S5906)では、まず、コマンドに対応した大当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして、大当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する。その後、ポインタ233fを初期化し、デモ表示フラグと確定表示フラグをオフに設定して、本処理を終了する。
図77に戻り、説明を続ける。S5905の処理において、表示用大当たり終了コマンドが無いと判別された場合は、S5906の処理をスキップしてS5907の処理へ移行する。
S5905またはS5906の処理を終えると、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S5907)。S5907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S5907:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S5908)、S5909の処理へ移行する。
ここで、小当たり開始コマンド処理(S5908)の詳細について説明する。この小当たり開始コマンド処理(S5908)は、当たり関連コマンド判定処理(図77参照)において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、小当たり遊技の開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり開始コマンド処理(S5908)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する。次いで、小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルバッファを転送データテーブルバッファ233eに設定する。その後、小当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し、ポインタ233fを初期化し、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して、本処理を終了する。
図77に戻り、説明を続ける。S5907の処理において、表示用小当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S5907:No)、S5908の処理をスキップしてS5909の処理へ移行する。
S5907またはS5908の処理を終えると、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別する(S5909)。S5909の処理において、小当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S5909:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行し(S5910)、本処理を終了する。
ここで、小当たり終了コマンド処理(S5210)の詳細について説明する。この小当たり終了コマンド処理(S5210)は、当たり関連コマンド判定処理(図77参照)において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり終了コマンド処理(S5210)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし、小当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する。その後、ポインタ233fを初期化し、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して、本処理を終了する。
次いで、図79〜図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S5303)の詳細について説明する。図79は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図79に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6202〜S6204の処理をスキップし、S6205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6202)、S6203〜S6204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6204)。
ここで、図80を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図80は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6301)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図79の説明に戻る。警告画像設定処理(S6204)の後、又は、S6203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6203:No)、次いで、S6205の処理へ移行する。
S6205では、ポインタ更新処理を実行する(S6205)。ここで、図81を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図81は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6402)。その結果、End情報であれば(S6402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6403)、デモ用表示データテーブルであれば(S6403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図79に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6209:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、S6215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S5304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6209の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S6209:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6216:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S5309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図82及び図83を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S5305)の詳細について説明する。まず、図82(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図82(b)を参照して後述する。
一方、S6501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図83を参照して後述する。
次いで、図82(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S5305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6502)について説明する。図82(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6601)、転送指示を送信していれば(S6601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6602)。このS6602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6602:Yes)、S6603の処理へ移行する。また、S6601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6601:No)、S6603の処理へ移行する。
S6603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図73(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS5309参照)ではなく、コマンド判定処理(図74〜図78参照)および表示設定処理(図79〜図81参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図83参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図82(a)のS6501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図83を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S5305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6503)について説明する。図83は、この通常画像転送設定処理(S6503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S5303)のポインタ更新処理(S6205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6702)、転送データ情報であれば(S6702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6704)、S6705の処理へ移行する。
また、S6702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6702:No)、S6703及びS6704の処理をスキップして、S6705の処理へ移行する。S6705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6705)、転送指示を設定していれば(S6705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6706)。
このS6706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6706:Yes)、S6707の処理へ移行する。また、S6705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6705:No)、S6707の処理へ移行する。
S6707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6707)、転送開始フラグがオンであれば(S6707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6708)、S6703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6717の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6713)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6713:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S6713:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6714)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6715)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6716)、S6717の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S6715の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S6717の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6717)。このS6717の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6717の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6717:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6717の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6717:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6718)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6718の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S6719)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S5306)の詳細について説明する。図84は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S5304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S5305)により設定された転送指示から、図59に示す描画リストを生成する(S6801)。即ち、S6801の処理では、タスク処理(S5304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S5305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S6803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図73(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、第2状態に変更されやすい状態を始動口に遊技球が入球することで実行される抽選が所定回数実行され、その所定回数目の抽選結果が表示されるまで継続して設定する遊技機では、所定回数の抽選が実行される状態でその抽選が遊技者に有利となる判定が実行される確率は一定であり、遊技が単調となり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
これに対して、上述した第1実施形態のパチンコ機10では、時短状態中に特図1の変動が実行されている期間を、遊技者に有利となる特図2の保留記憶を獲得させることが可能な期間とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
複数の図柄の抽選が実行される遊技機では、その抽選結果を示すための図柄表示を表示手段(第3図柄表示装置81)にて表示することで遊技者に報知するものがあるが、様々なタイミングで複数の図柄が変動表示されてしまい、遊技者が遊技内容を理解し難いという問題があった。
これに対して、本第1実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される複数の図柄に対応する第3図柄のうち、現在の遊技状態において遊技者が最も関心を抱く図柄、即ち、遊技結果に最も影響を与えうる図柄をその他の図柄よりも強調して表示するように構成しているため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、上述した第1実施形態では、設定される各種遊技状態(通常状態、時短状態、大当たり状態等)に応じて、遊技者に対して有利となる遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)が異なるように構成されている。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態を把握しながら、遊技の内容を変更させることができ、より遊技が単調になることを抑制することができる。
第1実施形態では、時短状態に移行した場合に実行される特別図柄変動の種類に応じて異なる遊技性を提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図85〜図92を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態は、時短状態中に特別図柄が1回変動した場合に、その時短状態が終了するように構成し、第1特別図柄が変動している時短状態において、第2特別図柄の保留記憶を獲得させるよう構成していた。
そして、時短状態中の第1特別図柄の変動が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を獲得している場合は、次に第2特別図柄の変動(抽選)が実行され、その変動(抽選)に基づいて大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に再度時短状態へと移行するようにし、一方、時短状態中の第1特別図柄の変動が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を獲得できなかった場合は、そのまま通常状態へと移行するように構成していた。
このように構成された第1実施形態では、時短状態の終了タイミングが第1特別図柄の1回の変動の終了タイミングとなるため、遊技者に時短状態が終了するタイミングを容易に予測されてしまうという問題があって。また、遊技者の予測を困難にさせるためには、第1特別図柄の変動に対して複数の異なる変動時間を設定可能にする必要があり、主制御装置110のMPU201のROM202の記憶容量を増加させてしまうという問題があった。
また、上述した第1実施形態では、時短状態中に実行された第1特別図柄の変動終了時に第2特別図柄の保留記憶が獲得できていれば遊技者に有利な状態が継続し、獲得できていなければ遊技者に有利な状態が終了するという遊技者にわかりやすい遊技性であったが、一方、遊技性が単調となり、遊技者に早期に飽きられてしまうという問題があった。
これに対して、本第2実施形態では、時短状態が終了する条件を複数設け、時短状態の終了タイミングを遊技者に把握させ難く構成した。具体的には、第1特別図柄の変動(抽選)が2回、或いは、第2特別図柄の変動(抽選)が1回、の何れかが実行された場合を時短状態の終了条件として設定した。
このように構成することで、時短状態中の1回転目(時短1回転目)の第1特別図柄の変動が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を確保していない場合は、時短状態中の2回転目の第1特別図柄の変動(抽選)が実行される。一方、時短状態中の1回転目(時短1回転目)の第1特別図柄の変動が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を確保している場合は、保留記憶された第2特別図柄の変動(抽選)が実行される。
よって、時短状態において、時短1回転目の第1特別図柄の変動が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を獲得する遊技性が継続される場合と、第2特別図柄の保留記憶を用いた変動(抽選)を実行される場合とを第2特別図柄の保留記憶状況に応じて提供することができる。
さらに、本第2実施形態では、時短状態中に実行される第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を複数(2つ)から選択可能に構成している。よって、時短状態期間(時短状態中に実行される第1特別図柄の変動期間)を複数の変動パターンの組み合わせによって多様化することができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、複数の変動パターンの組み合わせによって時短状態期間が設定されるため、上述した第1実施形態のように時短回数が1回の遊技機において、第1特別図柄の変動パターンを複数用意する場合に比べて、主制御装置110のMPU201のROM202の記憶容量を削減することができる。
加えて、本第2実施形態では、第2特別図柄の変動(抽選)が1回実行された場合に時短状態が終了するように構成している。これにより、例えば、時短1回転目に第2特別図柄の変動が行われた場合に、当選した小当たりが遊技者に最も有利ではない小当たり(特定領域に球を通過させた場合に実行される大当たり遊技のラウンド数が他の小当たりよりも少ない小当たり)の場合に、敢えて、特定領域に球を通過させないように遊技を行い、次に実行される時短2回転目の第2特別図柄の変動を狙う遊技を実行するといった特殊な遊技が実行されることを防止することができる。
また、時短1回転目の第1特別図柄の変動(抽選)結果が、小当たり当選の場合、時短1回転目の第1特別図柄の変動終了後に小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中は時短状態が維持されるため(時短終了条件を満たしていないため)、小当たり遊技期間中を、第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技性と、第2可変入賞装置650に球を入球させ、特定領域(V入賞スイッチ630)に球を通過させる遊技性といった複数の遊技性を同時に実行可能な期間とすることができる。よって、遊技者に斬新な遊技性を提供することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した第1実施形態に示したように、時短状態中に変動を開始した特別図柄変動が終了した場合を時短状態の終了条件とした場合には、時短1回転目の特別図柄変動が終了した後に実行される小当たり遊技が時短状態では無くなるため、小当たり遊技中に、第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技を提供することができない。
また、本第2実施形態では時短状態中の第1特別図柄の変動パターン(変動時間)として、遊技者が第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技を実行可能な第1変動パターン(時短状態中の普図変動時間よりも長い変動パターン)と、第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技が実行困難な第2変動パターン(時短状態中の普図変動時間よりも短い変動パターン)とを選択可能に構成している。このように構成することで、例えば、2回連続で第2変動パターンが選択された場合は、実質的に時短状態が付与されず(時短状態中に第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技を実行できない時短状態が付与される)、2回連続で第1変動パターンが選択された場合は、高い確率で時短状態中に第2特別図柄の保留記憶を獲得することができる有利な有利時短状態が付与される。また、第1変動パターンと第2変動パターンとがそれぞれ選択された場合は、第2特別図柄の保留記憶を獲得可能な時短状態が付与される。
即ち、時短状態中に実行される第1特別図柄の変動パターンに基づいて、時短状態中の第2特別図柄の獲得期待度を異ならせることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。また、大当たり遊技終了後に時短状態に移行する大当たり種別と、時短状態に移行しない大当たり種別とを用意することなく、全ての大当たり遊技終了後に時短状態が付与されるように構成したとしても、第1特別図柄の変動パターンの選択結果に基づいて、実質的な時短状態突入割合を設定することができるため、大当たり種別を複数用意することによる記憶容量の増加を抑制することができる。
また、時短状態中の第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルを複数用意し、遊技状態や遊技状況に基づいて異なる変動パターン選択テーブルを参照するように構成することで、実質的な時短状態突入割合をより多様にすることができる。
本第2実施形態にて用いた構成(時短終了条件を複数用いる構成)を、本第2実施形態以外の遊技性を有する遊技機に用いてもよく、例えば、第2特別図柄の小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別のうち、一部の小当たり種別が設定された場合には、特定領域(V入賞スイッチ630e3)を球が通過不可能(困難)な小当たり遊技が実行されるような遊技機に用いてもよい。
また、本第2実施形態では第1特別図柄の変動(抽選)に基づく時短状態の終了条件として、変動(抽選)回数2回を設定しているが、それ以上の回数を設定してもよい。さらに、第1特別図柄の変動(抽選)回数と、第2特別図柄の変動(抽選)回数とを合算した回数を時短状態の終了条件として設定してもよいし、特別図柄の変動回数以外に、普通図柄の変動回数や、特別図柄の変動(抽選)結果や、パチンコ機10に設けられている各種役物(電動役物640a、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650等)の動作状況(動作の有無、動作回数)に基づいて時短状態の終了条件を設定してもよい。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の一部構成、RAM203の一部構成、主制御装置110のMPU201によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される処理である。その他の各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図85および図86を参照して、本第2実施形態において第3図柄表示装置81にて実行される表示画面について説明をする。図85(a)は、時短状態中における表示画面の一例を示した模式図である。ここで、図85(a)に示す表示画面について、上述した第1実施形態と異なる点(図15(a)の表示内容と異なる点)について説明をする。なお、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
図85(a)は、時短1回転目が終了した時点において、第2特別図柄の保留記憶を獲得していない状態の表示画面を示す一例である。図85(a)に示したように、時短1回転目が終了した時点で、第2特別図柄の保留記憶を獲得していない(特図2主保留図柄表示領域Dm5に保留図柄数を示す表示がされていない)場合は、次に、時短2回転目の変動として、第1特別図柄の変動(抽選)が開始される。ここでは、時短2回転目の変動パターンとして150秒の変動パターンが設定されており、副表示領域Dsの第1副表示領域Ds1に表示されている「残り時間0秒」の表示に対して、残り時間を追加させるための表示態様として「+150秒」が表示される。この「150秒」の表示は、時短2回転目の変動時間を示すための表示である。
そして、第1主表示領域Dmでは、特図2の保留記憶を獲得するための遊技が継続することを示す継続報知表示態様として「まだまだ」の文字が表示される。このような表示画面を表示することで、遊技者に対して、時短状態(特図2の保留記憶を獲得するための遊技が実行される遊技状態)がいつまで継続するのかを分かり難くすることができ、最後まで期待を持たせて遊技を行わせることができる。
なお、副表示領域Ds1に表示される「残り時間」を、時短1回転目の特図1変動の残り時間が「0」になる前、つまり、時短1回転目の特図1変動中に時短2回転目になり得る特図1変動の変動時間の一部或いは全部を示す値を加算して表示してもよい。この場合、時短1回転目の特図1変動の残期間が所定期間(例えば10秒)となり、且つ、特図2の保留記憶を獲得していない場合にのみ加算表示を実行するように構成するとよい。これにより、残り時間が少なくなってきたとしても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
一方、時短1回転目が終了した時点において、特図2の保留記憶を未獲得の場合であって、時短2回転目の特図1変動として、特図2の保留記憶を獲得させる遊技が実行困難な第2変動パターン(時短状態中の普図変動時間よりも短い変動パターン)が選択されている場合は、図85(a)に示すような残り時間が加算される表示は行われず、上述した第1実施形態の図20(b)に示す表示画面(時短状態終了表示)が表示される。この場合、時短状態終了表示が実行されている期間中に、時短2回転目の特図1変動が実行される。
つまり、上述した第2変動パターンが設定された場合は、実質的に時短状態が終了している状態であるため、第3図柄表示装置81上では、時短状態であるにもかかわらず、時短2回転目の特図1変動が実行されると、時短状態終了表示が表示される。これにより、遊技者に対して、内部的な遊技状態(時短状態)の終了タイミングではなく、特図2の保留記憶を獲得可能となる遊技状態に終了タイミングを報知することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、時短状態終了表示が表示されている期間中に実行される時短2回転目の特図1変動、および、時短2回転目が実行される場合に減少する特図1の保留図柄数(保留記憶数)については、第3図柄表示装置81の第2表示領域Dnに表示されているため、遊技者に気付かれ難くすることができる。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、時短状態の終了を示す表示タイミングを、時短状態中に選択される第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に基づいて異ならせており、内部的に時短状態中であっても、遊技者に有利な遊技状態を付与できない状態であれば、時短状態の終了を示す表示が実行される。これにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、本第2実施形態では、特図2の保留記憶を獲得させる遊技が実行困難な第2変動パターン(時短状態中の普図変動時間よりも短い変動パターン)が設定された場合を、内部的に時短状態であっても、遊技者に有利な遊技状態が付与できない場合としているが、それ以外に、普図変動時間が、時短状態の残期間よりも長い場合(普図変動終了時点で時短状態が終了してしまう場合)も、内部的に時短状態であっても、遊技者に有利な遊技状態が付与できない場合と判別し、時短状態の終了を示す表示が実行されるようにしてもよい。
次に、時短1回転目の特図1変動が小当たり当選している場合における、表示画面について、図85(b)〜図86(b)を参照して説明する。図85(b)は、時短1回転目が終了した時点において、特図1が小当たりに当選し、且つ、特図2の保留記憶が1個ある状態の表示画面を示す一例である。図85(b)に示すように、第1表示領域Dmには、特図1主図柄Dmaが小当たりに当選したことを示す停止表示態様である「341」で停止表示され、主保留図柄表示領域Dm5には、特図2の保留記憶が1個あることを示す表示態様が表示されている。
そして、第1副表示領域Ds1には時短1回転目の特図1変動が終了したことを示す「残り時間0秒」が表示され、さらに、副表示領域Dsの第1副表示領域Ds1に表示されている「残り時間0秒」の表示に対して、残り時間を追加させるための表示態様として「+60秒」が表示される。この「60秒」の表示は、特図1の小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技の遊技時間を示すための表示である。
つまり、詳細は後述するが、本第2実施形態では、特図1の変動(抽選)が2回実行される、或いは、特図2の変動(抽選)が1回実行される場合に、時短状態を終了するように設定されており、図85(b)に示す特図1の変動(抽選)が1回実行された時点では、時短状態の終了条件が成立していない。よって、特図1の小当たり当選により実行される小当たり遊技中は時短状態が継続される。これにより、特図2の保留記憶を獲得している状態であっても、小当たり遊技が実行される期間中は、特図2の保留記憶を更に獲得することができる。
このように、小当たり遊技によって、開放動作される第2可変入賞装置650に球を入球させる遊技と、特図2の保留記憶を獲得するための遊技とを同時に実行できる遊技期間を遊技者に報知するための特殊遊技期間報知態様として、第1表示領域Dmには「チャージコンボ発動」と表示される。
そして、小当たり遊技が実行されると、図86(a)に示すように、第1表示領域Dmには、普図主図柄Dmcが変動表示され、特図2の保留記憶を獲得させる遊技が実行される。さらに、特図1の小当たり当選にて実行される小当たり遊技が、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過可能な小当たりの場合は、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し、図86(b)に示すように、第1表示領域Dmに「V」が表示され、大当たり遊技が開始される。
<第2実施形態における電気的構成について>
本第2実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図87(a)は、第2実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態おける主制御装置110のMPU201のROM202は、第1実施形態に対して、変動パターンテーブル202dに規定される特図1用変動パターンテーブル202d4の内容を一部変更した点で相違し、その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。なお、詳細は後述するが、時短状態の終了条件も異ならせている。
本第2実施形態の特図1時短用変動パターンテーブル202d4a(図88参照)は、上述した第1実施形態の特図1時短用変動パターンテーブル202d4に対して、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて異なる変動パターン(変動時間)が設定される点で相違している。
具体的には、特図1の抽選結果が「外れ」、「小当たり」、「大当たり」の何れの場合であっても、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の場合は、変動時間が120秒の変動パターンが設定され、「100〜198」の場合は、変動時間が0.5秒の変動パターンが設定される。このように構成することで、選択される変動パターンによって時短状態中の遊技内容を大きく異ならせることができる。
図87(b)は、第2実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第2実施形態おける主制御装置110のMPU201のRAM203は、第1実施形態に対して、特2変動フラグ203rが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
特2変動フラグ203rは、時短状態中に特図2変動が実行されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されていれば時短中に特図2の変動が実行されることを示すものである。この特2変動フラグ203rは、特別図柄変動開始処理(図39のS213参照)にて実行される時短変動開始処理2(図91のS303)において、今回の変動が特図2であると判別した場合に(図91のS551:Yes)、オンに設定され(図91のS522参照)、時短終了判別処理(図90のS251参照)において参照され(図90のS2301参照)、時短中カウンタ203gの値を「0」に設定した後に、オフに設定される(図90のS2303参照)。
このように、特図変動開始時において、特図1または特図2の何れの変動が実行されるのかを判別した結果を記憶しておき(対応するフラグをオンに設定しておき)、時短状態を終了させるか否かが決定されるタイミングで、その記憶していた判別結果に基づいて時短状態を終了させるか否か(時短状態終了条件が成立したか否か)を決定することで、現在の遊技状態と、時短状態中に実行された特図変動の種別とを適正に管理することができる。
なお、本第2実施形態では、特図の変動(抽選)が開始されるタイミングで判別した特別図柄(特図)の種別を判別し、その判別結果を記憶しておくことで、特図の変動終了タイミングにおいて時短状態を終了するか否かを判別可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、特図の変動(抽選)が開始される場合に、今回の変動が終了したタイミングで時短状態が終了するか否かを判別し、その判別結果を記憶しておくことで、特図変動終了タイミングにおいて判別結果に基づいて時短状態を終了させる制御を行ってもよいし、特図の変動終了タイミングにおいて今回実行された特図変動の種別(変動に用いられた特図変動の種別)を判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させるための制御を実行するようにしてもよい。
<第2実施形態における制御処理について>
第2実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、図89〜図92を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、特別図柄変動処理を特別図柄変動処理2(図89参照)に変更し、その特別図柄変動処理2(図89参照)において実行される時短終了判別処理(図90参照)を追加し、更に、時短変動開始処理を時短変動開始処理2(図91参照)に変更し、大当たり制御処理を大当たり制御処理2(図92参照)に変更した点で相違している。
まず、図89を参照して、特別図柄変動処理2(S104)について説明をする。この特別図柄変動処理2(図89のS104)は、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理に対して、特別図柄変動の抽選結果が外れであって、時短中カウンタ203gの値が1以上の場合に(S224:Yes)、時短終了判別処理(図89のS251参照)を実行する点で相違し、それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。
次に,図90を参照して説明した特別図柄変動処理2(図89のS104参照)の内容について説明をする。図90は第2実施形態における時短終了判別処理(S251参照)の内容を示すフローチャートである。この時短終了判別処理(S251参照)は、時短状態の終了条件を複数有する本第2実施形態において、時短状態の終了状態を判別する制御を実行するものである。
時短終了判別処理(図90のS251)の実行が開始されると、まず、特2変動フラグ203rがオンに設定されているかを判別する(図90のS2301)。S2301において、特2変動フラグ203rがオンに設定されている場合、つまり、特図2の変動が実行されている場合は(S2301:Yes)、その時点で、特別図柄の時短終了条件を満たしているため、次に、時短中カウンタ203gのカウンタの値を「0」に設定し(S2303)、特2変動フラグ203rをオフに設定し(S2302)、特2変動フラグ203rをオフに設定して本処理を終了する。
一方、S2301の処理において、特2変動フラグ203rがオンに設定されていない場合は(S2301:No)、次いで、時短中カウンタ203gを1減算して(S2304参照)、本処理を終了する。
図91は、本第2実施形態で用いられる時短変動開始処理2(図91のS303参照)の内容を示すフローチャートである。この時短変動開始処理2(図91のS303参照)では、上述した第1実施形態の時短変動開始処理に対して、今回実行される特図変動の種別が特図1なのか特図2なのかを判別するための処理が追加されており、それ以外の内容については同一である。同一の内容については、説明を省略する。
図91に示したように、時短変動開始処理2(図91のS303参照)が実行されると、時短変動開始処理と同一のS501,S502の処理を実行する。S502の処理を終えると、次に、今回の変動が特図2であるかを判別する(S551)。今回の変動が特図2であると判別した場合は(S551:Yes)、特2変動フラグ203rをオンに設定し(S552)、S503の処理へ移行する。一方S551の処理において、今回の変動が特図2ではない(特図1である)と判別した場合は(S551:No)、S552の処理をスキップして、S503の処理へ移行する。そして、時短変動開始処理と同一のS503〜S512の処理を実行し、本処理を終了する。
以上説明をしたように、本第2実施形態では、特図2以外の特図の変動(即ち、特図1の変動)が実行される度に時短中カウンタ203gの値を1減算させ、時短中カウンタ203gの値が0となった場合に時短状態を終了させる場合と、特図2の変動が実行されることで、強制的に時短中カウンタ203gの値を0に設定し、時短状態を終了させる場合の2通りの時短状態終了条件を有している。
これにより、時短状態中において、特図1の変動(抽選)を複数回実行させることを可能にし、且つ、時短状態中に特図2の変動(抽選)を実行する回数を単数(1回)にすることができる。
次に、図92を参照して、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図92のS1704)について説明をする。この大当たり制御処理2(図92のS1704)では、上述した大当たり制御処理に対して、一部の大当たりに対してその大当たり終了後に付与される時短回数を1回から2回に変更した点のみ相違し、それ以外の内容は同一である。
同一の内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図92は、大当たり制御処理2(図92のS704)の内容を示したフローチャートである。この図92に示したように、本処理が実行されると、上述した大当たり制御開始処理と同一のS1801〜S1814の処理を実行する。そして、S1814の処理において大当たり種別が「BまたはD」ではないと判別した場合に(S1814:No)、時短中カウンタ203gの値を「2」に設定し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、時短状態を終了させる時短状態終了条件を複数個用意し、さらに、時短状態中の特図1変動の変動時間を複数の変動パターン(変動時間)から選択するように構成している。これにより、時短状態中の遊技をより多様化することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。具体的には、大当たり終了後に時短状態が付与される大当たり種別を選択する割合を固定した場合において、時短状態中に選択される変動パターン(変動時間)として短い変動パターンが連続して選択された場合には、時短状態が付与されたにも関わらず実質的に特図2の保留記憶を獲得することが困難な時短状態となる。このように、選択された特図1変動の変動パターン(変動時間)の選択結果によって実質的な時短状態突入割合を可変させることができる。
なお、本第2実施形態では、時短状態として、時短回数を2回に設定し、特図1の変動が2回実行される、或いは、特図2の変動が1回実行されるまで時短状態が継続するように構成しているが、設定される時短回数や、時短状態終了条件は上述した第2実施形態に構成に関わらず、同一の技術思想を実行することができるものであればよく、時短回数を3回以上に設定してもよい。
また、時短終了条件として、特図1の保留記憶数(上限4個)よりも多い回数の特図1変動回数(例えば、5回)或いは、特図2の変動回数1回を設定してもよい。これにより、特図1変動中に特図2の保留記憶を獲得できなくても、確実に時短状態中に特図2を変動させることができるため、時短状態に突入した場合に遊技者に大当たり遊技を提供することができる。
さらに、時短終了条件として、特図1の変動回数が2回、或いは、特図2の変動回数が4回(または、特図1と特図2の合算変動回数が4回)を設定し、且つ、特図2の小当たり種別に、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過した場合に実行される大当たり種別として、時短が付与される大当たり種別と、時短が付与されない大当たり種別とを設定可能とした別例を用いてもよい。このように構成することで、時短1回転目に実行される特図1変動中に特図2の保留記憶を1つ獲得した場合において、時短2回転目の特図2変動に基づいて実行される小当たり遊技中に特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過させて、大当たり遊技を実行させるか、時短2回転目の特図2変動に基づいて実行される小当たり遊技中に特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過させずに、時短3回転目(特図1の2回転目)を実行させるかを遊技者に選択させることができる。
つまり、時短1回転目に実行される特図1変動(第1準備期間)において、特図2の保留記憶を獲得する遊技が実行され、特図2の保留記憶を1つ獲得した場合は、時短2回転目に優先変動である特図2の変動が開始される。特図2の変動にて小当たり当選した場合は、時短2回転目の変動終了後に小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中に遊技球を特定領域に通過させることで、小当たり遊技に基づく大当たり遊技(V入賞大当たり)が開始される。本別例では特図2のV入賞大当たりの種別として、大当たり遊技後に時短状態が付与される種別と、時短状態が付与されない種別とが設定可能に構成されているため、時短2回転目の特図2変動に基づく大当たりが時短状態を付与しない大当たりの場合は、この大当たり遊技をもって連荘モードが終了することになる。ここで、遊技者は、特図2の保留記憶を1つしか獲得していない状態で、時短2回転目で大当たり遊技を実行させるか、時短2回転目で大当たり遊技を実行させずに(小当たり遊技中に特定領域(V入賞スイッチ650e3)に遊技球を通過させずに)、時短3回目に実行される特図1変動(第2準備期間)を実行させて、新たな特図2の保留記憶を獲得する遊技を実行するかを選択することができる。
これにより、第1準備期間中に獲得した特図2の保留記憶数に基づいて、特図2の保留記憶1つを破棄してより多くの特図2の保留記憶の獲得を目指すか、獲得した特図2の保留記憶に基づく大当たり遊技を確実に実行するかを選択することができるため、遊技者に適した遊技内容を遊技者が任意に選択することができる。
さらに、本別例では、特図2の保留記憶に基づいて実行される大当たりの種別として、大当たり遊技終了後に時短状態を付与する種別と、付与しない種別とを有しているため、特図2の保留記憶が1つの状態で小当たり遊技に基づく大当たり遊技(V入賞大当たり)を実行した場合に、大当たり遊技終了後に時短状態が終了する虞がある。よって、遊技者が上述した何れの遊技内容を選択するかによって、その後の遊技結果を大きく異ならせることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
なお、上述した時短2回転目に実行される小当たり遊技に基づく大当たり遊技の種別を示唆する報知を報知手段(例えば、第3図柄表示装置81による演出表示)により実行するようにしてもよい。これにより、報知手段による報知内容を参考に遊技者が遊技内容を選択することができる。この場合、報知手段による報知内容として、遊技者に有利となる遊技内容を遊技者が把握可能な報知態様で報知するとよい。例えば、時短2回転目に実行される小当たり遊技に基づいて実行される大当たりが、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与される大当たりの場合は、その旨を示すための報知態様を設定するとよい。これにより、遊技者は安心して時短2回転目の小当たり遊技において、特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球を通過させることができる。
加えて、本別例では、時短終了条件を、特図1の変動回数が2回、或いは、特図2の変動回数が4回(または、特図1と特図2の合算変動回数が4回)としているため、時短回数1回転目に実行される特図1変動中に特図2の保留を獲得した場合にのみ、上述した遊技内容を選択する遊技を実行することができるため、時短状態が付与されてからいち早く特図2の保留記憶を獲得させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、特図2の変動回数に対して、特図1の変動回数が少なくなるように時短終了条件を設定しているため、例えば、時短状態中に実行される特図2の変動回数に対して、特図1の変動回数を少なくすることができる。これにより、1回の特図1変動中に特図2の保留記憶を複数(例えば、2個)記憶した場合であっても、時短状態中に特図1の2回目の変動を実行させることができ、上述した遊技内容を選択する機会を増加させることができる。なお、本別例では時短終了条件として、特図1の変動回数が2回、或いは、特図2の変動回数が4回(または、特図1と特図2の合算変動回数が4回)を設定しているが、特図1の変動回数に基づく時短終了条件よりも、特図2の変動回数に基づく時短終了条件の方が変動回数を多くするように設定すればよい。
<第3実施形態>
次に、図93〜図100を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、時短状態中に実行される普通図柄変動(普図変動)の変動時間として3秒が設定されるように構成し、時短状態中に実行される普通図柄の抽選回数を安定させるように構成していた。また、上述した第2実施形態では、上述した第1実施形態に対して、時短状態中の期間を可変させるために、時短状態が終了する条件を複数設け、さらに、時短状態中に実行される特図1の変動時間を複数設定できるように構成していた。
これに対して、本第3実施形態では、時短状態中に実行される普通図柄の変動時間を複数の中から設定可能に構成し、遊技の内容に応じて、時短状態中に実行可能な普通図柄の抽選回数を異ならせるように構成した。
これにより、遊技者に対して、時短状態中に普通図柄の抽選を多く実行させ、特図2保留を獲得しようと、意欲的に遊技を行わせることができる。また、時短状態中に実行される普通図柄の抽選回数を可変させることができるため、遊技者に有利な時短状態と不利な時短状態とを設定することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の一部構成、RAM203の一部構成、主制御装置110のMPU201によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される処理である。その他の各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、本第3実施形態における遊技の内容について説明をする。本第3実施形態のパチンコ機10は、特図1の抽選に基づいて付与される時短状態と特図2の抽選に基づいて付与される時短状態とを異ならせるように構成している。さらに、時短状態が付与される際の遊技状態に基づいても異なる時短状態が付与されるように構成している。このように異なる時短状態を付与することで時短状態の遊技性を複数用意することが可能となり、遊技者に変化に富んだ遊技を実行させることができる。
具体的には、異なる時短状態が設定されることで、時短状態中に実行される普通図柄の変動時間を異ならせることで、時短状態中の遊技性を異ならせている。つまり、上述した第1実施形態にて説明をしたように、本パチンコ機10は、時短状態における特図1変動中に普通図柄を当たり当選させ、電動役物640aを開放させ、第2入球口640に球を入球させることで特図2保留を獲得する遊技が実行されるものであるため、普通図柄の変動時間を異ならせることで、時短中に実行される普通図柄の抽選回数(変動回数)を異ならせることができる。
また、本第3実施形態では、時短状態中に実行された普通図柄の抽選回数(変動回数)に基づいて、普通図柄の変動時間が異なるように構成している。具体的には、時短状態中に実行された普通図柄の抽選回数(変動回数)が所定回数(例えば、40回)を超えた場合に、変動時間が短い変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に数多くの普通図柄変動を実行させることにより、さらに普通図柄の抽選回数(変動回数)を増加させることができ、遊技者に対して意欲的に時短状態中遊技を実行させることができる。加えて、変動時間が短い変動パターンが設定される状態に移行することで、結果として、単位時間当たりの第2入球口640への球の入球数を増加させることができるため、遊技者に有利な遊技を提供することができる。
このように、普通図柄の変動時間が異なる複数の時短状態を設けることで、遊技者に対して有利な時短状態と不利な時短状態とを設定することができ遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図93を参照して、本第3実施形態において第3図柄表示装置81にて実行される表示画面について説明をする。図93(a)は、時短状態中における表示画面の一例を示した模式図である。ここで、図93(a)に示す表示画面について、上述した第1実施形態と異なる点(図15(a)の表示内容と異なる点)について説明をする。なお、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
図93(a)に示した通り、第1表示領域Dmの右下には「39/40」の表示がされる。これは、時短状態中(時短状態における特図1変動中)における普図変動回数に関する表示を行うための普図変動表示領域に記載される表示態様であり、「39」の値が実行された回数を示すための普図変動回数表示態様で、「40」の値が普通図柄の変動時間が短くなる閾値を示す普図目標変動回数表示態様である。また、副表示領域Dsには、普通図柄の変動時間が短くなるまで期間を案内する案内表示が表示される。
図93(a)に示した状態から遊技が進行し、時短状態中の普図変動回数が40回に到達すると、図93(b)に示した通り、普図変動時間が短くなる遊技状態に移行したことを示すための「スーパーチャージタイム突入」の文字が表示され、副表示領域Dsには、普図変動時間が短くなったことを遊技者に案内するための案内表示が表示される。
<第3実施形態における電気的構成について>
本第3実施形態では、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のROM202とRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図94(a)は、第3実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態おける主制御装置110のMPU201のROM202は、第1実施形態に対して、時短状態選択テーブル202fが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
時短状態選択テーブル202fは、大当たり図柄(特図1と特図2)と遊技状態格納エリア203sに格納されている遊技状態とに基づいて時短状態を選択する際に参照されるテーブルであって、後述する大当たり制御処理3(図99参照)において参照される(図99のS1871参照)。
ここで、本第3実施形態では、設定される遊技状態として、時短Aと、その時短Aよりも遊技者に有利な時短Bとが選択可能に構成されている。具体的には、大当たり図柄が特図1(第1特別図柄)であって、遊技状態格納エリア203sに格納されている遊技状態が通常(つまり、大当たりに当選した、あるいは、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過したタイミング)の場合は時短状態として時短Aが選択され、それ以外の場合は、図95に示したように時短状態として時短Bが選択される。
つまり、遊技状態が通常状態の場合に特図1の抽選に基づいて大当たりとなり、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与される場合のみ時短状態として時短Aが付与され、それ以外の場合は時短状態として時短Bが付与される。
時短状態として時短Aが設定されている場合は、普通図柄の変動時間として3秒が設定され(図98のS2409参照)、時短Bが設定されている場合は、普通図柄の変動時間として、時短Aが設定されている場合よりも短い変動時間(2.5秒または1.5秒)が設定される(図98のS2405,S2406参照)。これにより、連荘モードに初めて突入した場合は、普通図柄の変動時間が通常(4秒)の時短状態中遊技が行われ、連荘モード中に再度時短状態に突入した場合は、普通図柄の変動時間が通常よりも短くすることができる。よって、一度遊技者に有利な連荘モードが継続した場合には、連荘モードから通常の遊技状態へと移行させにくくすることができる。
図94(b)は、第3実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態おける主制御装置110のMPU201のRAM203は、第1実施形態に対して、遊技状態格納エリア203sと、時短状態格納エリア203tと、普図回数カウンタ203uが追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
遊技状態格納エリア203sは、大当たりの開始が設定された場合の遊技状態を格納するためのエリアであって、大当たり終了後に付与される時短状態の種別を選択する際に参照される。この遊技状態格納エリア203sは、特別図柄変動処理3(図96参照)において、大当たりの開始が設定された後に、遊技状態が格納され(図96のS271参照)、大当たり制御処理3(図99参照)において、大当たり終了のタイミングと判別され(図99のS1811:Yes)、大当たり種別がBまたはDでは無い場合に(図99のS1814;No)、時短状態を設定する際に参照される(S1871)。
時短状態格納エリア203tは、選択された時短状態の種別(時短A、時短B)を格納するためのエリアであって、時短状態中の普通図柄の変動時間を設定する際に参照される。この時短状態格納エリア203tは、大当たり制御処理3(図99参照)において時短状態が選択された場合に、選択された時短状態が格納され(図99のS1871参照)、変動時間設定(図98参照)において、普通図柄の変動時間を設定する際に格納されている情報が参照される(図98のS2401参照)。
普図回数カウンタ203uは、時短状態中の普通図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、変動時間設定処理(図98参照)おいて、時短状態中に普通図柄が変動される毎に1加算される(図98のS2403参照)。本実施形態では、この普図回数カウンタ203uの計測する値が所定値(40)となった場合に、普通図柄の変動時間の設定処理を異ならせるように構成されている。
<第3実施形態における制御処理について>
第3実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の内容が変更されている、そのほかの処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
次に、図96〜図99を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、特別図柄変動処理を特別図柄変動処理3(図96参照)に変更し、普通図柄変動処理を普通図柄変動処理3(図97参照)に変更し、大当たり制御処理を大当たり制御処理3(図99)に変更した点で相違する。その他の要素については同一であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理3(図96のS104参照)では、上述した第1実施形態と同じく、S201〜S219の処理を実行し、S219の処理を終えると、現在の遊技状態を遊技状態格納エリア203sに格納する(S271)。そして、上述した第1実施形態と同様に、S220〜S225の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、本第3実施形態では、上述した第1実施形態と異なり、大当たりの開始が設定された時点における遊技状態を一時的に格納することができる。これにより、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を大当たり開始時(大当たり当選時)における遊技状態にて基づいて設定することができる。
なお、本実施形態では特図の変動時間が経過し、大当たりの開始を設定するタイミングの遊技状態を遊技状態格納エリア203sに格納するように構成しているが、例えば、特別図柄の変動を開始するタイミング(例えば、特別図柄変動処理3における特別図柄変動開始処理(図96のS213参照)が実行されるタイミング)の遊技状態を格納するように構成してもよい。
次に、普通図柄変動処理3(図97のS106参照)では、上述した第1実施形態と同じく、S901〜S912の処理を実行し、その後、変動時間設定処理が実行される(S951)。ここで、変動時間設定処理(S951)について、図98を参照して説明をする。図98は変動時間設定処理(S951)の内容を示すフローチャートである。
変動時間設定処理(S951)が実行されると、まず、現在の時短状態が時短A(時短状態A)であるかを判別し(S2401)、時短A(時短状態A)であると判別した場合は(S2401:Yes)、普通図柄の変動時間(普図変動時間)を3秒に設定し(S2409)、本処理を終了する。一方、S2401の処理において、現在の時短状態が時短A(時短状態A)ではないと判別した場合は(S2401:No)、次に、普図回数カウンタ203uの値が「1」よりも大きいかを判別する(S2402)。
S2402の処理において、普図回数カウンタ203uの値が「1」よりも大きくないと判別した場合は(S2402:No)、普図回数カウンタ203uの値に「1」を設定し(S2403)、S2404の処理に移行する。一方、S2402の処理において、普図回数カウンタ203uの値が「1」よりも大きいと判別した場合は(S2402:Yes)へS2404の処理へ移行する。
S2404の処理では、普図回数カウンタ203uの値が「40」以上であるかを判別する(S2404)。S2404の処理において、普図回数カウンタ203uの値が「40」以上では無い(40未満)であると判別した場合は、普通図柄の変動時間(普図変動時間)を2.5秒に設定する(S2405)。この場合、S2409の処理にて設定される普図変動時間よりも短い変動時間が設定される。
一方、S2404の処理において、普図回数カウンタ203uの値が「40」以上であると判別した場合は、普通図柄の変動時間(普図変動時間)を1.5秒に設定する(S2406)。この場合、S2405の処理にて設定される普図変動時間よりも短い変動時間が設定される。そして、S2405或いはS2406の処理を終えると、普図回数カウンタ203uの値に「1」を加算し(S2407)、普図回数コマンドを設定し(S2408)、本処理を終了する。
S2408の処理にて設定された普図回数コマンドは、音声ランプ制御装置113へと出力されるコマンドであって、上述した主制御装置110にて設定される各種コマンドと同一に出力処理がされる。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、設定される時短状態の種別と、時短状態中に実行される普図変動回数とに基づいて、異なる普図変動時間が設定される。このように構成することで、時短状態中に実行される普図変動回数を時短状態の種別や時短状態中に実行される普図変動回数とに基づいて異ならせることができ、時短状態中に普図当たりに当選し、特図2の保留記憶を獲得する遊技に対する興趣を向上することができる。
また、時短状態として「時短A」よりも有利な(普図変動時間として短い変動時間が設定される)「時短B」が設定される場合において、普図変動回数が所定回数以上(40回以上)となった場合には、さらに短い普図変動時間が設定されるように構成しているため、遊技者に対して時短状態中に継続して遊技を実行させることができる。
なお、本第3実施形態では、各時短状態や普図時短回数に基づいて特定の普図変動時間を設定する構成としているが、それ以外の構成にしてもよく、例えば、各時短状態や普図変動回数に対応させて、普図変動時間を設定するために参照する普図変動時間選択テーブルを設け、その普図変動時間選択テーブルから、所定の取得値(例えば、カウンタ取得値)に基づいて、普図変動時間を選択するようにしてもよい。この場合、各時短状態と、普図変動回数に対応させた普図変動時間選択テーブルに、長い普図変動時間が選ばれやすいテーブルと、短い普図変動時間が選ばれやすいテーブルとを設けることで、本第3実施形態のように、各時短状態(時短A、時短B)と普図変動回数とに基づいて選択されやすい普図変動時間を異ならせることができ、特図2の保留記憶を獲得する遊技に対する興趣を向上することができる。
また、本第3実施形態では、時短状態の種別として「時短A」と「時短B」の2種類を設けているが、それ以上の種別を設けてもよい。また、普図変動回数に基づいて選択される普図変動時間を異ならせる契機を1つ(普図変動回数が40回)設けているが、2つ以上設けてもよい。
さらに、本第3実施形態では、所定条件が成立することで通常よりも短い普図変動時間が選択される(されやすくする)ように構成しているが、特定の上限条件(例えば、普図変動回数が50回を超えた場合や、特図2の保留記憶数が上限値に到達した場合)を満たした場合に、選択される普図変動時間として通常よりも長い時間(例えば、10秒)が選択されるようにしてもよい。これにより、過剰に普図変動が実行されることにより遊技者に対して過剰に特典を付与してしまうことを抑制することができる。
次に、図99を参照して、本第3実施形態の大当たり制御処理3(S1704)について説明をする。図99は、大当たり制御処理3(S1704)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理3(S1704)では、上述した第1実施形態の大当たり制御処理に対して、大当たり終了のタイミングであると判別した場合において処理を追加した点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の処理についてはその説明を省略する。
大当たり制御処理3(S1704)が実行されると、第1実施形態の大当たり制御処理と同様に、S1801〜S1814の処理を実行し、S1814の処理において、大当たり種別が「大当たりB」または「大当たりD」ではない(つまり、大当たり終了後に時短状態が付与される大当たりである)と判別した場合に(S1814:No)、時短状態選択テーブル202fに基づいて時短状態を設定し、設定された時短状態を時短状態格納エリア203tに格納する(S1871)。そして、時短中カウンタ203gの値を「1」に設定し(S1815)、本処理を終了する。
次に、図100を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、コマンド判定処理をコマンド判定処理3(図100参照)に変更した点で相違する。その他の要素については同一であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図100は、コマンド判定処理3(S3112)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理3(S3112)が実行されると、第1実施形態のコマンド判定処理と同様にS3201〜S3214の処理を実行する。そして、S3213の処理にて報知コマンドを受信していないと判別すると(S3213:No)、次に普図回数コマンドを受信したかを判別する(S3251)。普図回数コマンドを受信した場合には(S3251:Yes)、表示用普図回数コマンドを設定する(S3252)。ここで設定された表示用普図回数コマンドは、他の表示用コマンドと同様に表示制御装置114へと出力され、第3図柄表示装置81の表示画面に時短状態中に実行される普図変動回数が表示される(図93参照)。
<第1実施形態における遊技盤13の変形例1>
次に、図101を参照して、上述した各実施形態における遊技盤13の変形例1について説明をする。上述した第1実施形態では図2を参照して説明したように、遊技盤13の右側領域に配設された右第1入球口64bへの球の入球を規制するために、貯留装置750と、非電動役物710とを設けていた。これにより、非電動役物710が開放状態とならない限り、右第1入球口64bへ球が入球することを確実に防止していた。これに対して、本変形例1では、貯留装置750と非電動役物710とを用いること無く右第1入球口64bへの入球を規制する構成を用いている。具体的には、右第1入球口64bの上方に常時可動弁1500を設けることで、右第1入球口64bへの球の入球を規制している。
また、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成では、第1流路701にスルーゲート67と、第2入球口640とを配設し、さらに、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される普通図柄(普図)の変動時間(3または4秒)よりも、短い期間(0.2秒)で球が通過するようにスルーゲート67の下方に第2入球口640を配設することで、スルーゲート67を通過した球が直接第2入球口640に入球することを抑制していた。これに対して、本変形例では、第1流路701にスルーゲート67を配設し、第2流路702に第2入球口640を配設する構成にしている。これにより、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に入球することを物理的に防止することができる。
本変形例1における遊技盤13の構成と、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成とで異なる点は、貯留装置750、非電動役物710、および特定一般入球口630を排除した点と、右第1入球口64bの配設位置を変更した点と、第2入球口640の配設位置を、第1流路701から第2流路702に変更した点である。それ以外の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図101は、本変形例1の遊技盤13の構成を示した正面図である。図101に示すように、本変形例1の遊技盤13では、第1流路701の最上流部の球転動面に沿って、常時可動部材1500が設けられており、その常時可動部材1500が開放位置に可動している場合に(開放状態の場合に)、球が右第1入球口64bに入球可能に構成されている。
ここで、常時可動部材1500の動作について詳細に説明をする。この常時可動弁1500は、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変されるように構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図53参照)において4ミリ秒毎に実行される可動部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。この可動シナリオは、常時可動部材1500を0.1秒間開放させ、その後1.2秒間閉鎖させる動作を繰り返し実行するものである。
つまり、本変形例1の遊技盤13では、右打ち遊技にて発射された球が、1.2秒間隔で第1流路701に流入し、常時可動部材1500が配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この球が第1流路701に流入し、常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングと、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の常時可動部材1500を通過して、右第1入球口64bに入球することになる。
常時可動部材1500上を転動(または、常時可動部材上に落下)するタイミングは、1.2秒間隔であり、常時可動弁1500が開放状態となるタイミングとは、1.3秒中の0.1秒であるため、両者が合致するタイミングは約15.6秒に一回となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約4発の球が右第1入球口64bに入球することになる。
つまり、大当たり遊技中や時短遊技中といった、右打ち遊技が継続的に実行される遊技状態においては、定期的に右第1入球口64bに球が入球することになるため、大当たり遊技が終了して時短状態に移行した場合に、特図1の保留が無い状態が発生することを防止することができる。また、常時可動弁1500が1回に開放する期間として、遊技者が狙い打ちすることが困難な期間(0.1秒)が設定されているため、遊技状態が通常状態において、左第1入球口64aを狙う左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に不利とすることができる。
具体的に説明をすると、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、左第1入球口64aに約15発が入球するように設計されており、球が入球した場合は5発の賞球が払い出される。また、一般入球口63に約5発が入球するように設計されており、球が入球した場合5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射させることも考慮すると、約20個の球を左第1入球口64aに入球させることが可能となる。
一方、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64bに約9発が入球するように設計されており、球入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を再度発射されることを考慮したとしても、約10個の球を右第1入球口64bに入球させることしかできない。従って、遊技状態が通常状態の場合において、遊技者が右打ち遊技を行うことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入球口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入球口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
次に、本変形例1における遊技盤13の右側領域に配設された構成のうち、スルーゲート67と第2入球口640について、上述した第1実施形態の遊技盤13の構成との相違点を中心に説明する。
本変形例1では、屈曲路701aを有する第1流路701の下流部にスルーゲート67を配設し、第2流路702の下流部(第5流路704bの下端部)に第2入球口640を配設している。このように構成することで、1.2秒間隔で第2流路702に流入する球の流下速度を低下させることなく第2入球口640に向けて流下させることができる。よって、第2流路702を流下する球の流下間隔を一定にすることができるため、第2流路702内で球が連なってしまい複数の球が同時に第2入球口640に入球されてしまうことを抑制することができる。また、電動役物640aが開放動作されたことに気付かず、第3図柄表示装置81にて電動役物640aが開放していることが報知(図23(b)参照)された場合に、いち早く球を第2入球口640へ入球させることができる。
また、普通図柄の抽選の実行契機となるスルーゲート67と、普通図柄の当たり当選によって動作制御される電動役物640aと、を振分部材700によって振り分けられる異なる流路(第1流路701、第2流路702)に配設したため、振分部材700を何れか一方の流路にのみ球を流下させるように破壊された場合(振り分け機能を無効にした場合)に、第2入球口640に球を入球させ難くすることができる。つまり、振分部材700によって振り分けられる一方の流路にスルーゲート67と、電動役物640aを配設した場合、振分部材700を破壊し、一方の流路にのみ球を流下させる状態を作り出すことで第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことが可能となってしまうが、本変形例の構成を用いることで、不正に第2入球口640に球を入球させやすい状態を作り出すことを抑制することができる。
<第1実施形態における遊技盤13の変形例2>
次に、図102を参照して、上述した各実施形態における遊技盤13の変形例2について説明をする。上述した第1実施形態では図2を参照して説明したように、遊技盤13の右側領域に配設された右第1入球口64bへの球の入球を規制するために、貯留装置750と、非電動役物710とを設けていた。これにより、非電動役物710が開放状態とならない限り、右第1入球口64bへ球が入球することを確実に防止していた。これに対して、本変形例2では、貯留装置750と特定一般入球口630との間に、常時可動板1700を設け、貯留装置750が解除された場合に、貯留装置750を通過した球が特定一般入球口630に入球する場合と、入球しない場合とを設けるようにした。
具体的には、常時可動板1700を1秒毎に球を特定一般入球口630に誘導可能な誘導位置(突出位置)と、誘導不可能(困難)な開放位置(待避位置)とに可変させる可変制御手段を設け、その可変制御手段による可変制御によって、貯留装置750を通過した球の流れを制御可能に構成している。
この常時可動板1700は、主制御装置110のMPU201により動作制御されるものである。具体的には、常時可動板1700を可変動作させる可動板ソレノイド(図示せず)をオン状態(常時可動板1700を突出させる状態)と、オフ状態(常時可動板1700を待避させる状態)とに可変させるための可変制御手段を有しており、その可変制御手段によって、主制御装置110のメイン処理が実行される度に更新される所定のカウンタ値に基づいて、予め定められている可変シナリオに沿った可変制御が実行される。
なお、本変形例で用いられる可動板ソレノイドは、通電している状態で常時可動板1700が待避位置に位置するように構成されている。これは、上述した各実施形態にて説明をしたように、遊技者に有利となる遊技期間(特図2の保留記憶を獲得しやすい時短状態期間)の終了条件として、時短状態中に第1特別図柄(特図1)の変動(抽選)を1回実行するという条件を設定しているためである。つまり、この終了条件が成立しない限り、普通図柄(普図)の変動時間が通常状態よりも短くなり(普図変動時間3秒)、さらに、普通図柄(普図)で当たり当選した場合に実行される電動役物640aの開放動作パターンも遊技者に有利な開放動作パターン(ロング開放)が継続して実行されてしまうためである。上述したように、特図1の保留記憶が無い状態で、特図2の保留記憶を獲得するまでの間、各特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動が開始されることなく(時短待機中状態)、普通図柄(普図)の変動のみが実行されることになる。この場合、普図当たりに当選して第2入球口640に球が入球するまでの間、時短状態が継続されることになる。このような状況を意図的に作り出されてしまうことを抑制するために、可動弁ソレノイドの電源が断された場合には、常時可動板1700が突出位置に位置されるように構成している、これにより、意図的に可動弁ソレノイドへの電源の供給を停止させる行為が実行されたとしても大きな被害が発生することを抑制することができる。
以上説明をした本変形例の構成では、貯留装置750が解除されるタイミング(即ち、大当たり遊技が開始されるタイミング)と、常時可動板1700の可変状態とによって、右第1入球口64bへの球の入球を規制することができる。よって、どのタイミングで大当たり遊技が開始されるのかを遊技者に期待させることができる。
上述した本変形例に、貯留装置750を解除状態にさせるタイミングとして異なるタイミングを設定可能とする構成を追加してもよい。具体的には、特別図柄(特図)の大当たり当選時に選択された大当たり種別に応じて、貯留装置750の貯留弁750aを解除させる大当たり種別と、解除させない大当たり種別とを予め設定しておき、さらに、貯留弁750aを解除させる大当たり種別として、第1のタイミング(例えば、1ラウンド目開始のタイミング)と、第2のタイミング(例えば、3ラウンド目開始のタイミング)とが予め設定されるように構成する。
このように構成することで、貯留装置750が解除され球が貯留装置750を通過するタイミングを多様化することができる。よって、大当たり遊技が開始されたタイミングと常時可動板1700の可変状態とが遊技者に有利なタイミングであるかを遊技者に把握させ難くすることができ、大当たり遊技が開始された後も遊技者に期待感を持たせて遊技を行わせることができる。また、遊技者に有利なタイミングを図って大当たり遊技を開始させる行為を抑制することができる。
なお、上述した貯留装置750の解除の有無、および、複数の解除タイミングを大当たり種別によって設定する構成を上述した各実施形態に用いてもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
<第1実施形態における遊技盤13の変形例3>
次に図103を参照して、上述した第1実施形態における遊技盤13の変形例3について説明をする。本変形例3では、貯留装置750および特定一般入球口630の配設位置を上述した第1実施形態の遊技盤13(図2参照)に対して異ならせている点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図103に示したように、本変形例3では、貯留装置750および特定一般入球口630が遊技盤13の中央下部よりも右側に配設されている。このように構成することで、左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が貯留装置750に球を貯留させやすくしている。具体的には、右打ち遊技により発射された球のうち、第1可変入賞装置65上を流下した球が最も貯留装置750に貯留されやすくなるように構成している。
そして、貯留装置750に球が貯留されている状態では、その貯留された球の上方を次以降の球が流下するように構成されている。具体的には、貯留装置750に貯留されている球の上面位置が、第1可変入賞装置65上を流下する球の流下方向延長線よりも下方となるように(第1可変入賞装置65が設けられるユニットの上面に対して、下り段差を有するように)貯留装置750が配設されている。よって、貯留装置750に球が貯留されていることにより後続の球流れに影響を与えることがない。このように構成された本変形例3では、遊技者に有利となる右打ち遊技が開始された場合に、より確実に特図1の保留を確保することができる。
以上説明した遊技盤13の各変形例を上述した各実施形態にそれぞれ適用してもよい。これにより、より複雑な遊技を遊技者に提供することができ、興趣の向上を図ることができる。
<電動役物640aの変形例>
次に、図104〜図107を参照して、上述した各実施形態において用いられる電動役物640aの変形例について説明をする。上述した各実施形態では、電動役物640aが開放動作している間に第2入球口640に球が2個以上入球させないように、第2入球口640が配設される遊技盤13の右側領域の球流れを規制するように構成した。つまり、電動役物640aに対して、同時に複数の球が連続して流入しないように球流れを規制させる対策を施した。これに対して、本変形例で説明をする電動役物A200は、球が第2入球口640に2個以上入球できない構成としている。
具体的には、図104に示すように、シャッター部A222は、回動軸部223,223と直交する断面が略「く」の字に湾曲し、回動扉A220がサイド始動入賞口A40Aを閉鎖した状態のときに前側に位置して略鉛直に起立する扉主体壁A222Aと、この状態で扉主体壁A222の上端部から後方に向かって延びる入賞補助壁A222Bとからなっている。扉主体壁A222Aは、遊技球の噛み込みを防止するために断面V字形になっている。また、扉主体壁A222Aは、回動軸部223,223から離れて位置し、回動扉A220が開放した状態から閉じた状態へと回動するにつれて、略水平な状態から前方に回動して略鉛直に起立した状態になる。入賞補助壁A222Bは、回動扉A220が開放した状態で、サイド始動入賞口A40Aの奥側へ向かって下るように傾斜している。
また、シャッター部A222の幅はサイド始動入賞口A40Aの横幅よりも若干狭くなっている一方、1対の側部壁の幅はサイド始動入賞口A40Aの横幅よりも広くなっている。そして、回動扉A220が完全に閉じた状態では、側部壁の前面がサイド始動入賞口A40Aの側縁部と当接して、回動扉A220がさらにサイド始動入賞口A40Aを閉鎖する側へ回動するのを防いでいる。
1対の側部壁のうち、回動軸部を挟んでシャッター部とは反対側にはそれぞれ扉回動突部A224,A224が設けられている。また、側部壁には、回動扉A220が完全に開放した開放端位置にあるときに扉回動突部A224の後方に位置すると共に下方に突出した位置決め当接部A225,A225が形成されている。
樹脂ハウジングの上記したスイッチ収容部215Bには、検出センサが収容されている。検出センサは、偏平な直方体状をなし、その後端部には上下方向に遊技球通過孔が貫通形成されている。その遊技球通過孔に対応してスイッチ収容部215Bの上下の両面には、貫通孔が形成されていて、舌片収容部215Aに進入した遊技球が遊技球通過孔281を通過してスイッチ収容部215Bの下方に移動するようになっている。なお、スイッチ収容部215Bの下方には、遊技球を取り込んで遊技場の球循環システムに案内する図示しないダクトが備えられている。
樹脂ハウジングの舌片収容部215Aには、可動舌片A230に収容されている。可動舌片A230は、前後方向に対して横幅方向が短くかつ上下方向に薄くなった扁平構造をなし、舌片収容部215Aの内面に摺接しながら前後にスライドするように支持されている。
可動舌片A230は上方から見ると、左右対称な形状をなし、その前端部には、全体より段付き状に幅狭になった出没突片部が備えられている。そして、出没突片部は、遊技球の直径より若干幅広で、サイド始動入賞口A40Aの下側幅広部分に挿通可能な幅になっている。
出没突片部の上面のうち、横幅方向の両側部には、両側方に向かって下るように傾斜した1対の外下り傾斜面240S,240Sが形成されている。また、出没突片部のうち1対の外下り傾斜面240S、240Sの間には、中央に向かうに従って下るように極緩やかに傾斜すると共に後方に向かって下るように緩やかに傾斜した引き込み傾斜面240Hが形成されている。さらに、出没突片部の上面には、引き込み傾斜面240Hの後端から後方に向かって比較的急峻に下っている誘導傾斜面240Yが形成されている。
可動舌片A230は上方から見た場合の出没突片部より後側部分は、略四角形のベース部の後端部における幅方向の中央からは台形突部231Dを後方に突出した形状になっている。そして、ベース部の幅方向の中央には、前端位置から後端位置に亘って球通過長孔が上下に貫通形成されている。球通過長孔は、遊技球が1つ丁度通過可能でかつ出没突片部の幅より若干小さい幅になっている。また、球通過長孔の前端部は半円形になって一部が出没突片部の基端部まで達し、球通過長孔の後端部は、台形突部231Dの底辺と平行になってベース部の後端寄り位置に達している。
可動舌片A230のうち出没突片部の基端部からベース部の前後方向に中間位置に亘った範囲には、球通過長孔の両側縁部に沿って上下方向に延びた1対の扉駆動突壁が突出形成されている。そして、ベース部のうち扉駆動突壁より後側部分全体が、扉駆動突壁の後端部上面と面一の上面を有するように上下方向に厚くなった動力受部A230Pになっている。
動力受部A230Pのうち球通過長孔を挟んで対向した対向内側面には、1対の連結凹部が陥没形成されている。各連結凹部は、下端側が窄んだ略三角形の干渉回避凹部と、その干渉回避凹部のうち球通過長孔から離れた側の奥面に陥没形成されて上下方向に延びた係合溝部とからなる。係合溝部のうち前側に配置された前側摺接面236Aは、上下方向に真っ直ぐ延びている。係合溝部のうち後側に配置された後側摺接面236Bは、上下方向の中間位置より下側部分が前方に張り出し、本発明に係るシーソー用ストッパ部になっている。シーソー用ストッパ部の上端のストッパ当接面237Sは、前側摺接面236Aに向かって下るように若干傾斜している。
各扉駆動突壁は、前後方向の中間位置に中間陥没部を備え、その中間陥没部より前側が本発明に係る前側押圧突部A241となり、中間陥没部より後側が本発明に係る後側押圧突部A242になっている。後側押圧突部A242は動力受部A230Pと同じ高さをなし、前側押圧突部A241は、動力受部A230Pより低くなっている。また、中間陥没部の底面は、水平で平坦な中間陥没平坦面233Nになっている。そして、前側押圧突部A241の後面は、本発明に係る閉塞押圧部A241Kになっていて、中間陥没平坦面233Nから垂直に立ち上がっている。また、前側押圧突部A241の上面は、本発明に係る扉用ストッパ部A241Jになっていて、水平平坦になっている。一方、後側押圧突部A242の前面は、本発明に係る開放押圧部A242Zになっていて、これも中間陥没平坦面233Nから垂直に立ち上がっている。なお、前側押圧突部A241の前面は、後面である閉塞押圧部A241Kと平行になっていて途中からなだらかに前側に傾斜して、前述した外下り傾斜面240S,240Sの後端まで延びている。
可動舌片A230における連結凹部には、シーソー部材A250の下端部が係合し、可動舌片A230における扉駆動突壁には、回動扉A220の扉回動突部A224,A224がそれぞれ係合している。これにより、可動舌片A230がシーソー部材A250を介してソレノイドから動力を受けて駆動され、その可動舌片A230から回動扉A220が動力を受けて駆動される。
最初に、シーソー部材A250から可動舌片A230への動力の伝達について説明する。可動舌片A230の各連結凹部のうち各干渉回避凹部にシーソー部材A250の各連結アームが受容されると共に、各連結凹部の各係合溝部に、各連結アームの下端連結凸部A255,A255が係合される。
ここで、ソレノイドが、励磁されていない状態では、図104に示すようにプランジャが前方に突出して、このとき下端連結凸部A255,A255は、係合溝部の下端部に位置している。このとき、可動舌片A230は、直動可能範囲の後端位置に配置され、出没突片部はサイド始動入賞口A40Aの奥側に退避している。この場合、即ち、出没突片部がサイド始動入賞口A40Aの奥側に待避している状態では、出没突片部の先端部がサイド始動入賞口A40Aの内部に完全に覆われる位置まで待避するため、待避状態中のサイド始動入賞口A40Aに球が衝突することを確実に防止することができる。
この状態からソレノイドが励磁されてプランジャが後方に吸引されると、シーソー部材A250が回動軸部A253,A253を中心に回動して、連結アームが前方に向かって回動し、これにより、下端連結凸部A255,A255が、前側摺接面236A,236Aに摺接しながらそれら前側摺接面236A,236Aを前方に押圧する。これにより、可動舌片A230が遊技機前方に押し出されて、図104に示すように、出没突片部がサイド始動入賞口A40Aから遊技板の前面側に突出する。そして、例えば、可動舌片A230におけるベース部の端面が、サイド始動入賞口A40Aの開口縁に後面側から当接して、可動舌片A230が本発明に係る「前端作動位置」に位置決めされて停止し、出没突片部240がサイド始動入賞口A40Aから最大限に突出した状態になる(図106参照)。
可動舌片A230が前端作動位置に配置された状態(図106の状態)で、ソレノイドの励磁が停止されると、圧縮コイルバネA276によってプランジャが前方に突出する。すると、シーソー部材A250の下端部が回動軸部A253,A253を中心にして遊技機後方に回動し、シーソー部材A250の下端部が、回動軸部A253,A253より前方位置から後方位置まで移動する。このとき、下端連結凸部A255,A255が係合溝部の後側摺接面236B,236Bと摺接して後方に押す。これにより、可動舌片が、遊技機後方に引き込まれて、出没突片部がサイド始動入賞口A40Aの奥側に退避する(図107参照)。
詳細には、ソレノイドの励磁が停止されて、シーソー部材A250における連結アームの下端部が後方に向かって回動すると、最初に、下端連結凸部A255に備えたストッパ凹部の上側エッジ部E1(第1平面M1の後端縁)が、シーソー用ストッパ部のストッパ当接面237Sに当接する。そして、シーソー部材A250の回動に伴って下端連結凸部A255が後側摺接面236Bに摺接し、下端連結凸部A255がシーソー部材A250の回動軸部A253,A253よりも後方に位置したときに、ストッパ凹部の下側エッジ部E2(第2平面M2の下端縁)が、後側摺接面236Bのうちシーソー用ストッパ部より下側部分に当接して、係合溝部の後側摺接面236B,236Bを後方に押す。これにより、圧縮コイルバネA276の弾発力によって可動舌片を初期位置(後端退避位置)まで戻すことができる。
ところで、サイド始動入賞口A40Aの奥部に退避している可動舌片A230を、例えば、遊技機の隙間から挿入した針金等で遊技板の前面に引っ張り出すという不正行為が行われた場合、以下のようになる。即ち、ソレノイドからシーソー部材A250に動力が伝達されず、可動舌片A230からシーソー部材A250の動力が伝達され、シーソー部材A250の連結アームが係合溝部236における後側摺接面236Bによって前方に押されると、下端連結凸部A255,A255の各ストッパ凹部における第1平面M1と、シーソー用ストッパ部のストッパ当接面237Sとが面当接する。この状態から、さらに可動舌片A230を前方に引っ張ると、その引っ張る力が、段差部のストッパ当接面237Sに直交する上向きの力F1となって、第1平面M1の中心と回動軸部A253の中心とを結ぶ方向とほぼ平行な方向、即ち、ストッパ凹部の回動方向とほぼ直交する方向を向く。これにより、シーソー部材A250の回動が規制され、可動舌片A230を手前に引っ張って出没突片部をサイド始動入賞口A40Aの前方に突出させることが不可能となる。また、仮に、上向きの力F1によってシーソー部材A250が斜め上方に若干持ち上げられても、シーソー部材A250の連絡壁252に形成された三角突条が、プランジャのフランジ部274Fと係合する。これにより、シーソー部材A250の回動が、より確実に禁止される。
次に、可動舌片A230から回動扉A220への動力の伝達について説明する。可動舌片の扉駆動突壁には、回動扉A220の扉回動突部A224,A224がそれぞれ係合して、これにより、回動扉A220が可動舌片A230から動力を受けて回動する。具体的には、可動舌片A230が後端退避位置に配置され、出没突片部全体がサイド始動入賞口A40Aの奥側に退避している状態では、扉回動突部A224は、前側押圧突部241における扉用ストッパ部A241Jの上方に配置されている(図104の状態)。このとき、回動扉A220の回動軸部は、扉回動突部A224より斜め前方に位置している。このとき、扉回動突部A224の下端部と後側押圧突部A242の開放押圧部A242Zとの間に、本発明に係る第1の空間AS1が形成される。
そして、可動舌片A230が後端退避位置から前進すると、図104〜図107への変化に示すように、前側押圧突部A241が前方へ移動して、扉回動突部A224の下端部と前側押圧突部A241の扉用ストッパ部A241Jとが上下方向で対向しなくなると共に、扉回動突部A224の下端部が中間陥没平坦面233Nと上下方向で対向してその中間陥没平坦面233Nとの間には、扉回動突部A224の回動空間が確保される。
そして、可動舌片A230がさらに前方に向かって移動すると、扉回動突部A224の下端部は、前記した第1の空間AS1を移動し、この間、可動舌片A230は前進するが回動扉が停止した状態に維持される。そして、図105に示すように、可動舌片A230の出没突片部がサイド始動入賞口A40Aから所定量だけ突出したときに、扉回動突部A224の下端部が後側押圧突部A242の前面A242Zに当接する。そして、さらに可動舌片が前進することで、回動扉A220の扉主体壁A222Aが持ち上げられ、サイド始動入賞口A40Aが開放されていき(図105、図106参照)、可動舌片A230が前端作動位置に到達したときに回動扉A220が全開状態になって、サイド始動入賞口A40Aに遊技球が入賞可能になる。より詳細には、回動扉A220は、後側押圧突部A242に押されて一定角度回転すると、自重により開放端位置へ向けて回動する。すなわち、回動扉A220は、出没突片部がサイド始動入賞口A40Aから約半分程度突出したときに、回動動作を開始し、出没突片部が約半分程度突出してから完全に突出するまでの比較的短期間の間に、サイド始動入賞口A40Aが全閉状態から全開状態になる。このように本実施形態では、可動舌片A230が前進を開始して途中までは回動扉A220が停止していて、途中から回動扉A220が開き始めるという、2ステップの動作で前面開放入賞口A40Aが開放される。そして、サイド始動入賞口A40Aから突出した出没突片部240の上面に遊技球が落下したとき、その遊技球が出没突片部240に案内されてサイド始動入賞口A40Aへと入賞し、入賞した遊技球は、検出スイッチによって検出される。
また、回動扉A220が完全に開放した状態では、図106に示すように、側部壁の位置決め当接部A225が後側押圧突部A242の上面と当接し、回動扉A220が開放端位置に位置決めされる。これにより、回動扉A220のがたつきが規制される。また、この状態で、扉回動突部A224の下端部と後側押圧突部A242の開放押圧部A242Zとの間には、本発明に係る第2の空間AS2が形成される。
また、可動舌片A230が前端作動位置から後退すると、図106〜図107への変化に示すように、前側押圧突部A241が後方へ移動する。このとき、扉回動突部A224の下端部は、第2の空間AS2内を前側押圧突部A241に向かって相対的に移動する。これにより、可動舌片A230における出没突片部240の一部が前面開放入賞口A40A内に移動する(扉回動突部A224が開放押圧部A242Zに当接した状態から閉塞押圧部A241Kに当接するまで第2の空間AS2内を移動する)間は、回動扉A220は開いた状態に維持される。そして、可動舌片A230が所定量(扉回動突部A224が開放押圧部A242Zに当接した状態から閉塞押圧部A241Kに当接するまで第2の空間AS2内を移動する距離)だけ前面開放入賞口A40A内に移動したときに、前側押圧突部A241の閉塞押圧部A241Kが扉回動突部A224の下端部と当接する。このとき、可動舌片A230の出没突片部240は、サイド始動入賞口A40A内に約半分程度収容されている。そして、さらに可動舌片A230が後退すると、その可動舌片A230の後退に伴って回動扉A220が閉じるように動作して、出没突片部が完全に退避した時点で、回動扉A220がサイド始動入賞口A40Aを完全に閉鎖して停止し、そのサイド始動入賞口A40Aの奥側で可動舌片A230がさらに後退して扉回動突部A224の下端部が扉用ストッパ部A241Jと上下方向で対向した初期状態に戻る。このように、本実施形態では、可動舌片A230が後退を開始して途中までは回動扉220が停止していて、途中から回動扉A220が閉じ始めるという2ステップの動作で前面開放入賞口A40Aが閉じられる。
ところで、サイド始動入賞口A40Aが閉塞された状態(図104の状態)で、例えば、針金等で回動扉A220をこじ開けようとすると、扉回動突部A224が開放する側に回動して、前側押圧突部A241の扉用ストッパ部A241Jと上下方向で当接する。これにより、回動扉A220の不正な開放が禁止される。ここで、扉回動突部A224が前側押圧突部A241の扉用ストッパ部A241Jを押す力の向きは上下方向になっていて、可動舌片A230の可動方向(前後方向)と直交しているので、回動扉A220に不正な外力が加えられたときに、可動舌片A230の扉用ストッパ部A241Jは、可動方向に動かされずに、回動扉A220の不正な開放を確実に防止することができる。
<各実施形態の構成を用いたその他演出例1>
次に、図108を参照して、上述した各実施形態の構成を用いて実行される、その他の演出例について説明をする。上述した第2実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される表示画面として、図15(a)に示したように、第2表示領域Dnに各図柄(特図1、特図2、普図)および各図柄の保留数を表示するように構成していた。これに対し、図108を参照して説明をする演出例では、特図1の図柄表示と保留数とを副表示領域Dsに表示する演出が実行される。この副表示領域Dsでは特図1の図柄が変動している(特図1変動が実行されている)ことに対応させて特定の表示態様(例えば、数字)を可変させる可変表示態様で表示し、特図1の保留数を可変表示態様にて次に表示される表示態様を示唆する示唆表示態様で表示するように構成している。ここで、図108(a)を参照して、本演出例の内容について説明をする。
図108(a)の表示画面は、時短状態中(時短1回目)の特図1変動中において、特図1保留なしの場合の一例を示した表示画面である。図108(a)に示したように、副表示領域Dsの特図1変動表示領域Ds3には、可変表示態様の可変状況に意味を持たせるための補助表示態様としての「残り時間 秒」という表示と、特図1が変動中であることを示す可変表示態様として「10」の表示が可変表示領域Ds4に表示される。この可変表示領域Ds4に表示される表示態様(図108(a)では「10」)を可変させることで、その可変表示中は特図1が変動していることを報知するように構成している。
なお、特図1が変動中に可変表示領域Ds4に表示される表示態様(例えば、「10」)は、遊技者がその表示態様で特図1の変動が停止したと誤認してしまうことを防ぐために、若干揺れた状態で遊技者がその表示態様を認識可能な期間(例えば、0.5秒)仮停止表示された後に、次の表示態様へと可変されるように構成している。そして、特図1の変動が停止した場合に可変表示領域Ds4に表示される表示態様(例えば、「∞」(図108(b)参照))は、遊技者がその表示態様で特図1の変動が停止したことを認識させるために上述した仮停止表示(例えば0.5秒)よりも長い期間(例えば、1秒)停止するように構成している。
このように構成することで、遊技者が可変表示領域Ds4に表示される表示態様の内容を容易に把握することができる。なお、遊技者が可変表示領域Ds4に表示される表示態様の内容を容易に把握できる構成であれば、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、特図1が可変表示されている期間と、特図1が停止表示される期間とで、特図1変動表示領域Ds3の背景画像の色を変えたり、補助表示態様の表示内容を変更したり、可変表示領域Ds4に表示される表示態様の色や文字の太さを変えたりしてもよい。これにより、遊技者により分かり易く可変表示領域Ds4に表示される表示態様を把握させることができる。
また、本演出例で用いた構成によれば、可変表示領域Ds4に表示される表示態様によって、特図1が変動していること、および、特図1の変動残期間を報知可能に構成している。これにより、1つの表示領域(可変表示領域Ds4)において、特図1の変動に関する情報を複数表示することができる。
なお、本演出例では、特図1が変動していることを遊技者に報知するために、特図1変動表示領域Ds3にて時間をカウントダウンさせる演出表示を実行しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、問題を出題されて解答を行う演出やミッションを達成する演出といったストーリー展開型の演出表示を用いてもよい。このように構成した場合でも、特図1変動表示領域Ds3に表示される内容が可変されることで遊技者に特図1が変動中であることを報知することができる。
そして、副表示領域Dsのうち、特図1保留表示領域Ds5には、特図1の保留数を示すための保留数示唆態様が特図1の保留数に基づいて表示される(図108(a)参照)。この保留数示唆態様は、次以降に可変表示領域Ds4に表示される表示態様を示唆する表示態様で表示される。つまり、各保留数示唆態様に対応して表示される表示態様は、可変表示領域Ds4に表示される表示態様が可変される毎にその表示態様が併せて可変される。
図108(a)に示した表示画面によれば、特図1保留表示領域Ds5において、4つの保留数示唆態様が表示されており、それぞれ「V」、「9」、「∞」の何れかの表示態様が表示されている。この保留数示唆態様として表示される表示態様は、上述したように可変表示領域Ds4に表示される表示態様を示唆するものであり、「V」表示態様は、特図1の抽選結果が当たりであることを示唆し、「9」表示態様は、特図1の残変動期間を示唆し、「∞」表示態様は、特図1の保留記憶が無いことを示唆している。
図108(a)に示した遊技状態によれば、特図1の保留記憶が無い状態であるため、保留数示唆態様として「∞」の表示数が多くなるように表示設定されている。このように、特図1保留表示領域Ds5に表示される各保留数示唆態様の表示態様は、変動中の特図1の抽選結果、変動中の特図1の残変動時間、および、特図1の保留球数とに基づいてその表示内容が設定されるため、遊技者は特図1保留表示領域Ds5に表示される表示態様に基づいて、今後の遊技の進展内容を予測しながら遊技を行うことができる。
図108(a)に示した表示画面によれば、保留数示唆態様が4つ表示されているが、この表示数は特図1の保留数に関わらず常に4個の保留数示唆態様が表示されるように構成している。つまり、特図1保留表示領域Ds5では、保留数示唆態様の表示数ではなく、各保留数示唆態様の表示内容によって特図1の保留数を遊技者に報知(示唆)するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して現在の保留数を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本演出例では、特図1保留表示領域Ds5に表示される保留数示唆態様の表示数を常時(特図1の保留数に関わらず)4個表示するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、特図1の保留数や、特図1の残変動時間や、特図1の抽選結果とに基づいて、特図1保留表示領域Ds5に表示される保留数示唆態様の表示数を異ならせてもよい。この場合、例えば、特図1の残変動時間が短くなると(例えば、残り時間が10秒になると)、特図1保留表示領域Ds5に表示される保留数示唆態様の表示数が減少するように構成するとよい。これにより、遊技者に予測される選択肢を減少させることができ、遊技者の予測精度を高めることができる。
さらに、上述した第2実施形態のように、時短状態が終了した時点で特図1の保留数が無い場合に、遊技者に有利な遊技が実行されるように構成された遊技機においては、本演出例のように特図1の保留数の有無を示唆報知(表示)することで、遊技者に最後まで期待させながら時短状態中の遊技を実行させることができる。
そして、図108(a)の演出表示が経過し、特図1の変動が停止すると、図108(b)に示す表示画面が表示される。図108(b)の表示画面は、時短状態中に実行された特図1の変動が停止した状態において、特図1、特図2の何れも保留なしの場合の一例を示した表示画面である。図108(b)に示したように、特図1、特図2保留なしの状態で時短1回目が終了すると、特別図柄の変動が開始されることなく(時短2回転目の特図変動が開始されることなく)、時短待機中となる。この時短待機中では、右打ち遊技を継続して実行することにより、普通図柄を継続して変動(抽選)させ、第2入球口640に球を入球させる遊技が実行される。
図2を参照して上述した遊技盤13の構成では、時短状態中に右打ち遊技を実行しても右第1入球口64bに球が入球することが無いため、図108(b)に示した状態は、第2入球口640に球が入球するまでの間、継続して時短状態が維持される遊技状態となる。表示画面では、第1表示領域Dmにて普通図柄に対応した普図主図柄Dmcが変動表示され、特図1保留表示領域Ds5には、特図1の保留数を示す表示の代わりに、現在が時短待機中であることを示す「スーパー放出モード突入」の文字が表示され、特図1変動表示領域Ds3には、特図1が変動していないことを示す表示として、可変表示領域Ds4に「∞」表示態様が停止表示された「残り時間∞秒」の文字が表示される。
以上、説明をした演出例によれば、時短状態中の特図1の変動状況(抽選結果、残変動時間)と、特図1の保留数とを表示画面に表示させる表示態様を、遊技者にその後の遊技の進展内容を予測させるように演出表示するため、演出効果を高めることができる。
なお、上述した演出例は、特図1、特図2が共に保留なしの状態において発生し得る時短待機中状態に移行する(可変表示領域Ds4に「∞」表示態様が停止表示される)ことを示唆するための演出表示も実行しているが、この演出表示を実行するか否かの判別を特図1、特図2の保留記憶数(保留の有無)に基づいて決定するようにしてもよく、例えば、特図2の保留記憶数が1以上の場合には、上述した演出表示を実行しないようにするとよい。
上述した第1実施形態では、普通図柄の変動(抽選)が実行されるタイミングの遊技状態と、電動役物640aの動作パターンを設定するタイミングの遊技状態とが何れも時短状態である場合に、電動役物640aの動作パターンとして遊技者に有利となる動作パターン(ロング開放)を設定するように構成したが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、普通図柄の変動(抽選)が実行されるタイミング(判定手段による判定が実行されるタイミング)ではなく、スルーゲート67を球が通過したことを検出したタイミング(判定条件が成立したタイミング)を用いてもよい。
また、電動役物640aの動作パターンを設定するタイミング(動作態様設定手段により動作態様が設定されるタイミング)ではなく、電動役物640aの動作が実行されるタイミング(動作手段が動作を実行するタイミング)を用いてもよい。
さらに、電動役物640aの動作パターンが、電動役物640aを複数回動作させる場合には、電動役物640aの各動作が実行されるそれぞれのタイミングで各動作内容を判別するようにしてもよい。具体的には、電動役物640aの動作パターンとして、電動役物640aを3回開放させる動作パターンを有しており、遊技者に有利な動作パターン(ロング開放)が設定された場合は各開放期間が2秒に設定され、遊技者に不利な動作パターン(ショート開放)が設定された場合は各開放期間が0.2秒に設定される場合において、電動役物640aの動作パターンとしてロング開放が設定され、2回目の開放と3回目の開放との間で時短状態が終了した場合には、3回目の開放のみ開放期間が0.2秒に設定されるようにしてもよい。このように構成することで、遊技者に有利となる時短状態中は最後まで遊技者に有利となるように電動役物640aが動作させながらも、遊技状態が通常状態に移行した後に、遊技者に過剰に有利な状態を提供することを抑制し易くすることができる。
この場合、電動役物640aの動作パターンのみを予め設定しておいて、その動作パターンによって電動役物640aが開放動作されるタイミングで開放期間を設定するように構成してもよいし、電動役物640aの動作パターンを設定することなく、電動役物640aの動作が開始されるタイミングと動作内容とを各動作毎に個別で制御するように構成してもよい。
また、本実施形態では、電動役物640aが開放している状態で複数の球が第2入球口640に入球してしまうことを防止するために、第2入球口640に球が1個入球したことを電動役物640aの開放動作終了条件とし、さらに、複数の球が同時に第2入球口640に入球することを防ぐために、第2入球口640に入球可能な流路(第1の流路)と第2入球口640に入球不可能な流路(第2の流路)とに球を交互に振り分ける振分手段を設け、第1の流路を流下する球の間隔が広くなるように構成したが。それ以外の構成を付加して、複数の球が同時に第2入球口640に入球してしまうことをより確実に防止するようにしてもよい。
例えば、第2入球口640に入球可能な流路(第1の流路)のうち、第2入球口640よりも上流側に歯車式のスプロケット機構を設け、たとえ、第1の流路に連続して複数の球が流下してきたとしても、スプロケット機構が球を1個ずつ下流側へ誘導させることで、球の流下間隔を広げるようにしてもよい。これにより、複数の球が同時に第2入球口640へ入球してしまうことを物理的に防止することができる。このように、第2入球口640の上流側に球の流下間隔が一定となるように球を下流方向へと送る球送り部材を設ける場合は、上述する振分部材を用いなくてもよい。また、球送り部材は上述したスプロケット機構以外の構成でもよく、例えば、一定の動作で移動可能な磁性体を設け、その磁性体の移動位置によって球を流下方向に所定のタイミングで送る(流下させる)構成を用いてもよい。
また、本実施形態では振分部材(振り分け装置700)によって、右打ち遊技にて発射された球を2つの流路に振り分ける構成を用いているが、3つ以上の流路に球を振り分ける構成を用いてもよい。この場合、1つの振分部材が3つ以上の流路へと球を振り分ける構成を用いてもよいし、複数の振分部材を組み合わせて用いることで、球を3つ以上の流路へと振り分けるように構成してもよい。これにより、第2入球口640に入球可能な流路を球が流下する間隔をより広げることができる。
さらに、本実施形態では、複数の流路に対して均等に球が振り分けられる振分部材(振り分け装置700)を用いているが、各流路への球の振分率を均等にする必要はなく、例えば、第1流路701を流下する球数と第2流路702を流下する球数とが1対2となるような振分部材を設けてもよいし、球の振分先がランダムに選択されるような構成を設けてもよい。これにより、遊技者に対して球の流下態様に興味を持たせることができる。
上述した第2実施形態では、時短状態が終了する条件を複数設け、その条件のうち何れかが成立した場合に、時短状態を終了させる構成を用いていたが、それ以外の構成でもよく、予め設定されている時短状態の終了条件を全て充足した場合に、時短状態が終了してもよい。この場合、複数の時短状態終了条件のうち、既に条件を満たしているものを遊技者が把握できるように外部に出力する構成を用いるとよい。
さらに、上述した第2実施形態では、時短状態が継続される時短回数として第1特別図柄の変動(抽選)が複数回(2回)実行されることが時短状態の終了条件の一つの条件となるように構成しているが、このような構成を用いて以下に示す遊技性を実行するようにしてもよい。
上述した第3実施形態では、所定条件が成立した場合に普通図柄の変動時間を異ならせ、多彩な遊技性を提供することを目的として、時短状態Bが設定された場合、さらには、時短状態中の普図変動回数が40回を超えた場合に、普通図柄の変動時間を短縮させて、遊技者に対して有利な状態を提供するように構成したが、普通図柄の変動時間を異ならせることで、遊技者に対して不利な状態を提供するように構成してもよく、例えば、当たりに当選した図柄の種別や、当たりに当選した時点の遊技状態に基づいて複数の普図変動時間選択テーブルの中から1の選択テーブルを選択するようにし、選択された普図変動時間選択テーブルから実行される普図変動時間を選択する構成において、時短状態中における第1特別図柄の変動時間よりも長い普図変動時間(普図長変動時間)が選択可能となる構成を用いてもよい。
この場合、普図長変動時間が選択されてしまうと、時短状態中にそれ以上の普通図柄抽選を実行させることができなくなるため、遊技者に有利な遊技状態が実質終了することになる。このように構成することで、実質的な時短状態(遊技状態が時短状態で、且つ、普通図柄変動として普図長変動時間が選択されていない状態)がいつまで継続するかを遊技者が把握することが困難な遊技性を提供することができる。
また、普通図柄(普図)の変動時間を選択する際には、予め普図変動時間が普図変動回数に基づいて予め設定されている変動時間を選択する構成を用いてもよいし、普通図柄(普図)の変動時間を設定する場合に、所定のカウンタ値に基づいて複数の変動時間の中から取得したカウンタ値に対応する変動時間を選択する構成を用いてもよい。さらに、普通図柄(普図)の変動を開始させる際に、所定の抽選を実行し、その抽選結果が所定の抽選結果である場合に、普通図柄(普図)の変動時間として、時短状態中における第1特別図柄の変動時間よりも長い(例えば、150秒)普図変動時間(普図長変動時間)が選択されるようにしてもよい。
このように、所定条件が成立した場合に、普通図柄の変動時間を長くすることで、遊技者に有利となる実質的な時短状態を終了させることを可能とすることで、遊技者に対して常に緊張感を持たせながら集中して遊技を行わせることができる。
さらに、所定条件が成立した場合に、時短状態中における第1特別図柄の変動時間よりも長い普図変動時間(普図長変動時間)が選択される構成において、第3図柄表示装置81に実行される演出として、普図長変動時間が選択された場合には、たとえ時短状態中であったとしても、右打ち遊技の報知を消し、左打ち遊技を案内させるようするとよい。この場合、実際には時短状態の特図1変動が未だ実行されている最中であるため、その時短状態の特図1変動が終了するまでの間は、第3図柄表示装置81に時短状態(連荘モード)が終了したことを報知する演出を実行させるとよい。これにより、遊技者に対して、時短状態中の特図1変動が終了し、時短状態が終了したと思わせることができる。
また、普通図柄の変動時間として、上述した普図長変動時間(150秒)以外に、それよりは短いが、通常の普図変動時間(3秒)よりも長い普図中変動時間(例えば、30秒や50秒)を設定可能に構成してもよい。この場合、普図中変動時間が設定された場合には、上述した普図長変動時間が設定された場合と同様に、時短状態が終了したと思わせる演出表示を第3図柄表示装置81に表示させ、遊技者に時短状態が終了したと思わせながら、普図中変動時間が終了するタイミング、或いは、普図中変動時間が終了する直前(例えば、通常の普図変動時間に対応して3秒前)に、再度時短状態中の演出表示を表示させるようにするとよい。これにより、1回の時短状態を用いて、時短状態に複数回移行したと思わせることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
さらに、上述した2つの普図変動構成を組み合わせることで、設定された普図変動時間が時短状態の残期間を超えてしまう場合に実行される時短状態終了演出と、設定された普図変動時間が時短状態の残期間よりも短い場合に実行される時短状態終了示唆演出との両方を表示可能とする構成にしてもよい。これにより、時短状態終了演出が実行された後にも、直ぐに時短状態へと移行する期待を持たせながら意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した第1実施形態では、通常状態(非時短状態)では球が第2入球口640に入球し得ないように電動役物640aの動作パターンを設定しているが、万が一、通常状態で第2入球口640に球が入球した場合には、遊技を停止させる遊技停止手段を設けるとよい。この場合、遊技停止手段としては、操作ハンドル51を操作しても球が発射されない発射禁止処理を実行する手段や、操作ハンドル51を操作することにより発射された球が遊技領域(遊技盤13の前面)に到達する前に回収されるようにする球回収処理や、操作ハンドルの発射強度を遊技者に不利となる発射強度(遊技領域に到達し得ない発射強度)に規制する発射規制処理や、遊技領域に設けられる各入球口に球が入球したとしても、全ての特典(賞球を払い出す特典、抽選を実行する特典)を無効にする入球無効処理などが考えられる。
また、遊技停止手段を実行させるための処理としては、まず、第2入球口640に球が入球したことを判別した場合に、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し、時短状態では無いと判別した場合には、次に、現在が大当たり遊技中であるかを判別する。そして、大当たり遊技中でも無いと判別した場合には、今回の入球が不正入球であると判別し上述した遊技停止手段による遊技停止処理を実行するように設定するとよい。
さらに、上述した遊技停止手段実行処理において、大当たり遊技中に第2入球口640に球が入球したと判別した場合には、遊技停止手段を実行させるのではなく、専用の特典演出を実行するとよい。つまり、大当たり遊技中は時短状態中では無いが、右打ち遊技を行う遊技状態であるため、第2入球口640に稀に球が入球する場合がある。この場合は、遊技停止手段が実行されることはなく、代わりに、遊技者を祝福するための専用演出が実行される、これにより、遊技者に対して非常に稀な経験をしたことを実感させることができ、演出効果を高めることができる。
また、上述した専用演出を実行可能に構成されたパチンコ機10では、大当たり遊技中に普図変動表示を遊技者が認識可能な態様で第3図柄表示装置81に表示させ、電動役物640aが開放されるタイミング(ショート開放タイミング)を予測させるようにしてもよい。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示されている普図変動表示を注視しながら大当たり遊技を消化することができる。
<第3実施形態の構成を用いたその他演出例2>
次に、図109〜図111を参照して、第3実施形態の構成を用いたその他演出例2について説明をする。本演出例では、上述した第3実施形態に対して、普通図柄の変動時間を設定するための構成を異ならせており、普通図柄の変動時間を遊技状態に応じて設けられた普図変動パターン選択テーブル203aaに基づいて設定するように構成している。ここで、図109を参照して、本演出例2において実行される演出内容について説明する。
図109は、本演出例2において実行される演出の表示画面の一例を示すものであり、図109(a)は、時短状態が開始された場合の表示画面の一例を示す模式図で、図109(b)は、時短状態中において、普通図柄の変動時間として長変動が設定された場合の表示画面の一例を示す模式図である。なお、上述した各実施形態と同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図109(a)に示すように、本演出例2の表示画面には、時短期間の残期間を減らす契機となる終了示唆表示態様Dm10として爆弾を模した絵が表示され、副表示領域Dsの第2副表示領域Ds2には、終了示唆表示態様Dm10の内容を示す「爆弾が爆発するとピンチ」の文字が表示されている。
そして、普通図柄の変動時間として、時短期間の残期間よりも長い変動時間が設定された場合には図109(b)に示すように、終了示唆表示態様Dm10が爆発した表示態様で表示され、副表示領域Dsの第2副表示領域Ds2には「残念終了」の文字が表示され、残り時間が「?秒」で表示される。
このように、実際の時短期間(時短中に変動が開始された特図1の変動時間)は変わらないが、その時短期間中に普通図柄(普図)の変動が終了しないと判別した場合には、時短期間中に電動役物640aが遊技者に有利となる開放動作(ロング開放)をすることが無いため、実質的に遊技者に有利な状態が終了したことになる。
なお、本演出例2では、普通図柄の変動時間として、時短期間の残期間よりも長い変動時間が設定された場合に図109(b)に示す表示画面が表示されるように構成しているが、普通図柄の変動時間として通常の変動時間(3秒)よりも長い変動時間(例えば10秒)を設定可能に構成し、その変動時間が選択された場合にも同様の表示画面を表示するとよい。このように構成することで、遊技者に対して有利な期間が終了したと思わせることができる。
次に、図110を参照して、本演出例2に用いられる普図変動パターン選択テーブル202aaについて説明をする。図110(a)は、普図変動パターン選択テーブル202aaの内容が規定された模式図である。図110(a)に示したように、普図変動パターン選択テーブル202aaには、遊技状態が通常状態の場合に参照される通常普図変動パターン選択テーブル202aa1と、遊技状態が時短Aの場合に参照される時短A用普図変動パターン選択テーブル202aa2と、遊技状態が時短Bの場合に参照される時短B用付図変動パターン選択テーブル202aa3とが規定されており、各遊技状態に応じて、異なる変動パターン選択テーブルが参照される。
通常普図変動パターン選択テーブル202aa1は図110(b)に示したように、常時4秒の変動パターン(変動時間)が選択されるように規定されており、時短A用普図変動パターン選択テーブル202aa2、および時短B用付図変動パターン選択テーブル202aa3はそれぞれ、図110(c)、図110(d)に示したように、変動種別カウンタの値と、時短状態中における普通図柄(普図)変動回数に基づいて、変動パターン(変動時間)が選択されるように構成している。
なお、時短状態中における普通図柄(普図)変動回数の計測手段については、上述した第3実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図111を参照して、本演出例2において実行される普通図柄変動処理4について説明をする。図111は普通図柄変動処理4の内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理4は、上述した普通図柄変動処理(図45参照)に対して、変動時間を設定する処理(S914、S915)を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。普通図柄変動処理4が実行され、S912の処理において時短中ではないと判別した場合(S912:No)、或いは、S913の処理を終えると、普図変動パターン選択テーブル202aaに基づいて変動時間を設定し、本処理を終了する。
以上、説明をした本演出例2によれば、時短期間中において遊技者に有利となる期間(電動役物640aがロング開放する期間)を、設定される普通図柄の変動時間によって異ならせることができるため、遊技者に対して、有利な期間がいつまで続くのかを常に注目させることができる。
なお、主制御装置110から出力される普図入賞情報コマンドに基づいて、保留記憶されている普通図柄の変動時間を事前に判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面を設定するようにしてもよい。この場合、例えば、普図の事前判別情報の中に、時短残期間を超えてしまう変動時間の普図変動が無い場合は終了示唆表示態様Dm10を表示しないようにしてもよい。これにより、遊技者に安心させて遊技を行わせる期間を設けることができる。
また、特図2の保留記憶の有無に応じて演出表示態様を変更してもよい。この場合、特図2の保留記憶が無い状態のみ終了示唆表示態様Dm10を表示させるようにするとよい。これにより、遊技者に危機感を持たせた遊技を実行させることができ、演出効果を高めることができる。
<上述した各実施形態の構成を用いたその他の例>
上述した各実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選において大当たりに当選した場合(図柄当たり)、および、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過した場合(V入賞当たり)に、大当たり遊技が実行されるパチンコ機10(所謂、1種2種混合タイプ)を用いた例を説明したが、上述した各実施形態の構成を、上述した図柄当たりのみを採用した遊技機(所謂、1種タイプ)に用いてもよい。次に、上述した各実施形態の構成を1種タイプに用いた場合の遊技機について説明する。
その他の例に用いられる遊技機は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選において大当たりに当選した場合に大当たり遊技が実行され、その当選した大当たりの種別によって、所定条件が成立するまでの間(特別図柄が5回変動するまでの間)、特別図柄の抽選によって大当たりに当選する確率が通常状態よりも高確率に設定される確変状態を付与可能な遊技機(所謂、1種確変タイプ)であり、第1特別図柄に基づく大当たり当選よりも、第2特別図柄に基づく大当たり当選のほうが遊技者に有利な特典(ラウンド数の多い大当たり遊技や、確変状態が付与されやすい大当たり遊技)が付与されやすくなるように構成されている。
さらに、遊技状態が確変状態に移行した場合には、上述した各実施形態と同様に第1特別図柄の変動パターン(変動時間)として、変動時間が長い(例えば、150秒)変動パターンが選択されやすくする。そして、第1特別図柄の保留記憶と第2特別図柄の保留記憶とを両方有する状態では、第2特別図柄の保留記憶に基づいた変動(抽選)が優先して実行されるように構成されている(所謂、特図2優先変動)。
このように構成することで、第1特別図柄の長時間変動が実行されている状態において、第2特別図柄の保留記憶を獲得させる遊技を行わせることができる。よって、所定期間中(確変状態における第1特別図柄変動中)の遊技を意欲的に行わせることができる。なお、このような構成を用いる場合には、遊技領域の所定箇所を狙う遊技(例えば、右打ち遊技)を行うことで、第1特別図柄の保留記憶を獲得する契機となる第1入球手段(第1入球口64)と、第2特別図柄の保留記憶を獲得する契機となる第2入球手段(第2入球口640)のいずれにも入球可能となるように各入球手段を配設するとよい。また、第1入球手段よりも第2入球手段のほうが球を入球させ難く構成するとよい。
これにより、確変状態において、第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され、確変状態が継続する所定期間(特別図柄の変動回数が5回終了するまでの期間)の間、第2特別図柄の抽選が実行されることなく(第2入球手段に球が入球すること無く)、第1特別図柄の変動が実行される遊技(不利遊技)と、或いは、第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが選択され、確変状態が継続する所定期間(特別図柄の変動回数が5回終了するまでの期間)の間に、第2特別図柄の抽選が実行され(第2入球手段に球が入球し)、第2特別図柄の変動が実行される遊技(有利遊技)とのいずれかの遊技が実行されることになる。
このように、確変状態中に設定される第1特別図柄の変動パターンにより、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態とが実行されるため、確変状態中に実行される特別図柄の変動に遊技者を注視させることができる。また、上述した各実施形態と同じく、第1特別図柄において小当たり当選をした場合も、第2特別図柄の保留記憶を獲得する遊技を継続させることができる。
なお、上述したその他の例では1種確変タイプの遊技機として、確変状態が、特別図柄の変動回数が所定回数に到達した場合に終了する構成を用いていたが、それ以外の構成でもよく、例えば、次回の大当たりに当選するまで確変状態を継続させる構成や、特別図柄の変動(抽選)が実行される毎に、確変状態を終了させるか否かの抽選を行い、その抽選結果に基づいて確変状態を終了させる構成を用いてもよい。
また、上述したその他の例では、特図2の保留記憶に基づいた変動(抽選)が、特図2の保留記憶に基づいた変動(抽選)よりも、優先的に実行される構成を用いているが、これに限ること無く、特図1、特図2に関わらず、保留記憶を獲得した順(入賞順)に特別図柄の変動(抽選)を実行する構成をもちいてもよい。さらに、確変状態が付与される連続回数(上限回数)を予め設定しておき、その上限回数に到達した場合には、大当たり終了後に確変状態が付与されないように構成してもよい。
次に、上述した第1実施形態では、時短状態中に実行される第1特別図柄(特図1)の変動中に、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を獲得することで、その保留記憶に基づく大当たり遊技終了後に再度時短状態が付与される構成を用いたが、時短状態が連続して付与される回数に上限(例えば、5回)を設定するように構成してもよい。
この場合、1回の時短状態中に獲得した大当たりの権利数(特図2の保留記憶数)によって、時短状態の連続付与回数が上限に到達するまでの間に実行される大当たり回数を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、特図2の保留記憶数をより多く獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、上述した第1実施形態では、特図2の保留記憶に基づく大当たり遊技の終了後には必ず時短状態が付与されるように構成しているが、特図2の保留記憶に基づく大当たり遊技の終了後に時短状態が付与されない大当たり種別も選択されるように構成してもよい。これにより、特図2の保留記憶を連続して消化することで、連続して大当たりが実行される場合に、時短状態が付与された回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
つまり、例えば、特図2の保留記憶が4個の状態で、その保留記憶に基づく大当たり遊技が4回連続で時短ありの場合は、特図2の保留記憶4個を消化した時点で、時短状態の連続付与回数が4回となった状態で次の特別図柄の変動が実行されるのに対して、特図2の保留記憶に基づく大当たり遊技のうち、最後に消化される保留記憶に基づく大当たりが時短ありで、それ以外が時短なしの場合は、特図2の保留記憶4個を消化した時点で、時短状態の連続付与回数が1回となる。
よって、遊技者に対して、時短状態の連続付与回数が上限に到達したか否かを把握させ難くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、獲得した特図2の保留記憶の大当たり種別によって、時短状態の連続付与回数が上限に到達した場合における最大大当たり回数を可変させることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
なお、時短状態の連続付与回数の計測方法としては、連続する大当たりに対して時短が設定された回数を計測する方法でもよいし、時短状態中に実行される特図1変動の変動回数を計測する方法でもよい。後者の計測方法を上述した第1実施形態に用いた場合、1回の連荘モードにおいて、時短状態の連続付与回数が上限(5回)に到達した場合において、最大で25回の大当たり(特図2の保留記憶数が毎回上限(4個)で、特図1の変動結果が毎回大当たりの場合)が、最小で5回の大当たり(特図2の保留記憶数が毎回1個で、特図1の変動結果が毎回外れの場合)が提供される。このように、時短状態の連続付与回数に上限を設定した場合には、1回の連荘モード中に実行される大当たり回数を可変させることができるため、遊技者に対して連荘モード中に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、遊技者に有利となる右打ち状態(例えば、時短状態や確変状態)において、特別図柄のうち遊技者に有利となる有利特別図柄(第2特別図柄)と、その有利特別図柄よりも不利となる特別図柄(第1特別図柄)とが変動(抽選)可能に構成され、右打ち状態中は、第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも変動実行条件が成立しやすく構成されている遊技機において、右打ち遊技中に変動される特別図柄の種別を判別する判別手段によって第2特別図柄が変動していると判別された場合は、表示手段(第3図柄表示装置81)に第2特別図柄の抽選結果を示すための識別情報を変動表示させる演出表示を実行し、判別手段によって第1特別図柄が変動していると判別された場合は、第1特別図柄の抽選結果を示すための識別情報の変動表示よりも、その変動期間中に第2特別図柄の保留記憶を獲得させることを促す案内表示(例えば「特図2の保留を貯めろ」)を強調して第3図柄表示装置81に表示させるように構成してもよい。
このように、特定の遊技状態において、実行される特別図柄の種別に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様(特に、特別図柄の変動表示態様)を異ならせることで、現在設定されている遊技状態と、現在の遊技内容とに基づいて、適切な遊技方法を遊技者に報知することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、右打ち遊技中に実行される第1特別図柄の変動時間を判別する判別手段を設け、その判別手段によって、実行されている第1特別図柄の変動時間が所定時間(例えば、30秒)以上であると判別した場合に、上述した案内表示が表示されるように構成するとよい。これにより、遊技者に案内表示の内容を把握させることができ、実行中の遊技の遊技内容を補正させることができる。また、案内表示が表示される期間が短くなってしまい、遊技者を混乱させてしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、時短状態中における電動役物640aの開放パターンとして、第1開放期間3秒、閉鎖期間5秒、第2開放期間3秒の計11秒の開放パターン(ロング開放)を設定し、設定された開放パターンに対応する開放シナリオが終了した場合、或いは、電動役物640aの開放動作中に第2入球口640に球が1個入球した場合に、電動役物640aの開放動作を終了させる条件(終了条件)が成立するように構成しているが、電動役物640aの開放パターンとして異なる開放パターン、および、終了条件を設定し、上述した各実施形態とは異なる遊技性を有する遊技機を構成してもよい。
上述した各実施形態では、時短状態中に電動役物640aが開放された場合(時短状態中に普通図柄抽選で当たりに当選した場合)に、第2入球口640に入球する球数が1個となるように制限することで、遊技者に過度な特典が付与されることを抑制していた。しかし、このような構成を用いることにより、時短状態中に普通図柄抽選で当たりに当選した場合に遊技者に付与される特典(第2入球口640への球が入球しやすくなる特典)が常に一定となり、遊技者の遊技意欲が低下してしまう問題があった。
そこで、上述した問題を解決するために、時短状態中に実行される電動役物640aの開放パターン(ロング開放パターン)として、球が電動役物640aに到達する間隔(振分部材700により球が振り分けられる間隔)である1.2秒間隔で0.2秒の開放を5回繰り返す開放シナリオが用いられる開放パターンを設定し、電動役物640aの開放動作の終了条件として、開放シナリオが終了した場合、或いは、電動役物640aの開放動作中に第2入球口640に球が4個入球した場合を終了条件に設定する構成を用いるとよい。
このように構成することで、電動役物640aがロング開放パターンで開放されるタイミングと、電動役物640aに球が到達するタイミングとが一致した場合には、電動役物640aの一度の開放動作において、最大で4個の球を第2入球口640に入球させることが可能となる。よって、時短状態中に普通図柄抽選で当たりに当選した場合に遊技者に付与される特典(第2入球口640への球が入球しやすくなる特典)を遊技状況(球の発射タイミング、球が電動役物640aに到達するタイミング)によって、異ならせることができ、遊技が単調になってしまうことを抑制することができる。
さらに、電動役物640aの開放間隔を、右打ち遊技を継続して実行している場合(1分間に100発の球を発射する遊技を実行している場合)に、電動役物640aに球が到達するタイミングと同様に1.2秒に設定しているため、右打ち遊技を積極的に実行している遊技者に対して、数多くの球を第2入球口640に入球させやすくすることができる。
また、上述した第1実施形態を用いて説明をしたように、遊技盤13の右側領域には、遊技球を交互に振り分ける振分部材700と、その振分部材700によって振り分けられた球の流下間隔を一定にするための整流手段(屈曲路701aや、球の流下速度を低下させない直下通路)を介して、球が電動役物640に到達するように構成しているため、右打ち遊技を継続して実行している場合に発射された球が電動役物640aに到達する間隔の精度をより高めることができる。
なお、このような構成を用いた場合は、電動役物640aの開放タイミングを遊技者に示唆するための示唆報知を実行するように構成してもよい。この示唆報知を実行することにより、遊技者に対して、第2入球口640に球を入球させやすいタイミングを狙って遊技を行わせることができる。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いてもよく、ある種の有機化合物を用いた層状の構造体に電圧をかけると発光する有機エレクトロルミネセンス(EL)現象を応用した表示装置(有機ELディスプレイ)や、パチンコ機10に設けられる各種立体物(役物等)の面をスクリーンとし、その立体面の位置(突出、埋没関係)を識別した上でプロジェクターを用いて映像を照射する表示装置(プロジェクトマッピング)を用いてもよい。
なお、表示手段として上述したプロジェクトマッピングを用いる場合には、パチンコ機10に設けられる可動役物の立体面のデータと、照射する際の可動役物の位置データとに基づいて、映像データの照射位置と、内容を決定するように構成することで、自在な表示を実行することができ演出効果を高めることができる。また、スクリーンとなり得る可動役物に異常が生じた場合を考慮して、可動役物の可動状況が正常であるかを判別し、その判別結果が正常では無いと判別した場合に、非可動の箇所をスクリーンとして映像データを照射するように異常時制御を実行するとよい。これにより、可動役物の異常により表示手段に表示される表示内容を遊技者が把握できないという問題を抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、図112〜図125を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり状態中に遊技盤13の右側領域を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)を行い、第1可変入賞装置65、或いは、第2可変入賞装置650といった大当たり遊技中に球が入球可能となる入賞装置に球を入球させ、賞球を獲得するよう構成していた。
このように構成された第1実施形態では、大当たり遊技中は単に第1可変入賞装置65、或いは、第2可変入賞装置650に球を入球させるための遊技を行うだけであり、遊技が単調となってしまい、早期に遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第4実施形態では、右打ち遊技を行うことにより入球可能な一般入球口B630を設け、大当たり遊技中に上述した可変入賞装置以外の入球口に球を入球させ、可変入賞装置に球を入球させた場合に払い出される賞球以外にも賞球が獲得できるように構成した。さらに、大当たり遊技中の特定期間内(例えば、可変入賞装置が開放状態となるラウンド遊技中期間内)に一般入球口B630に入球した球に対する賞球を合算して第3図柄表示装置81に表示するように構成した。
このように構成することで、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球として、大当たり遊技中に球が入球可能な可変入賞装置への球の入球に対する賞球と、一般入球口B630への球の入球に対する賞球とを設けることができ、大当たり遊技中も遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。また、特定期間内(例えば、可変入賞装置が開放状態となるラウンド遊技中期間内)に一般入球口B630に入球した球に対する賞球数を合算して表示することで、一度に表示される賞球数を多くすることが可能となり、遊技者に対して強い印象を与えることができる。
さらに、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球した球を、特定期間(大当たりのラウンド(1ラウンド)が終了するまでの期間)の間、遊技者に視認可能な箇所に貯留可能な貯留装置(疑似貯留装置)B710を設け、その疑似貯留装置B710の貯留状態が解除される場合にのみ、貯留されていた球がアウト口B660に入球するようにアウト口B660の開口部を覆う演出用役物B660aを設け、アウト口B660に球が入球したことに基づいて第3図柄表示装置81に賞球数を表示するように構成した。
つまり、実際には一般入球口B630に球が入球する度に賞球が払い出されるが、その賞球数を特定期間分合算して表示する本実施形態において、特定期間内に一般入球口B630に入球した球を疑似的に貯留しておき、特定期間が経過したタイミングで疑似入球口(アウト口)B660に入球させることで、第3図柄表示装置81に賞球数を合算して表示するタイミングと、疑似入球口(アウト口)B660に球が入球するタイミングを連動させることが可能となる。よって、遊技者に対して、あたかも疑似入球口(アウト口)B660に大量の球が一度(短期間)に入球したことに基づいて払い出された多量の賞球が第3図柄表示装置81に表示されていると思わせることができ、大当たり遊技中における遊技に興味を持たせることができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成として、右側領域の構成を変更した点、RAM203の一部構成、主制御装置110のMPU201によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される処理である。その他の各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
ここで、図112から図115を参照して、本第4実施形態における遊技盤13の構成について説明をする。図112は、本第4実施形態における遊技盤13の正面図である。図112に示したように、本第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、可変表示装置ユニット80の右側の領域(以下、右打ち領域と称す)を流下する球を2つの流路に振り分けるための構成を有している。次に、本第4実施形態の遊技盤13の右打ち領域に設けられた各種構成について、図113を参照して詳細に説明する。
図113は、遊技盤13の右打ち領域を拡大した模式図である。右打ち領域に発射され、第1流路B701a(図112参照)を流下した球は、振分装置B700を通過し、第2流路B701bまたは第3流路B701cに振り分けられる。この振分装置B700の詳細な構成については、後述する図114を参照して説明するが、第1流路B701aを流下した球が、第2流路B701bと第3流路B701cとに3:1の割合で振り分けられるように構成されている。
第2流路B701bは、流下した球が第1可変入賞装置65に入球可能となるように形成されており、第2流路B701bから流出した球は、第1可変入賞装置65が開放(開閉扉65bが開状態となり特定入賞口65aが開放)している場合には、開状態の開閉扉65b上を流下して特定入賞口65a内へ流入(入球)する。一方、第1可変入賞装置65が閉鎖(開閉扉65bが閉状態となり特定入賞口65aが閉鎖)している場合(図13参照)には、第1可変入賞装置65の手前側(開閉扉65bとガラスユニット16(図1参照)との間の領域)を流下してアウト口66(図112参照)へ流入するように構成されている。
なお、本第4実施形態では、第1可変入賞装置65が開放している場合に、第2流路B701bから流出した球は必ず第1可変入賞装置65に入賞するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく例えば、第2流路B701bの流出口と、第1可変入賞装置65との間に球の流下方向を振り分ける振分部材(釘や振分装置等)を設け、第1可変入賞装置65が開放している場合に、第2流路B701bから流出した球の一部のみが第1可変入賞装置65に入賞するように構成してもよい。
また、本第4実施形態では、第1可変入賞装置65と第2流路B701bとを別々の構成としているが、例えば、第2流路B701bの球が通過する面が第1可変入賞装置65の開閉扉65bとなるように構成してもよい。このように構成することで、第1可変入賞装置が開放している場合、第2流路B701bを流下する球を確実に第1可変入賞装置65に入球させることができる。
次に、振分装置B700によって第3流路B701cへと振り分けられた球は、第4流路B703の入口部(流入口)B702に流入し、第4流路B703を流下し第4流路B703の出口部(流出口)B704から流出される。この第4流路B703は遊技者から視認し難くなるように図示しないカバー部材によって覆われており、その途中に球が通過すること基づいて所定数(4球)の賞球が払い出される一般入球口B630が配設されている。
この第4流路B703に設けられた一般入球口B630を通過した後の球は、すでに、入賞済みの球であるため、再度、遊技盤13上の遊技領域を流下することが無いように構成されており、専用のアウト口(アウト口B66、B660)に流入するように構成されている。
即ち、後述する第4流路B703から流出した球が通過する流路は全て、入賞済みの球をパチンコ機10の外部へと排出させるための排出口(排出口B66、B660)へと流下させるための流路となる。このように、何れかの入賞口(入球口)に入賞(入球)した球が流下する流路を遊技者が視認可能となるように構成することで、遊技者に対して様々な演出(疑似演出)を提供することができ、演出効果を高めることができる。
図113に戻り説明を続ける。第4流路B703の出口部(流出口)B704から流出した球は、球を貯留可能な貯留装置B710に到達し、貯留装置B710が貯留状態(貯留弁B710aが閉鎖している状態)では、貯留領域B710bに貯留される。本第4実施形態では、この貯留領域B710bに最大で7個の球が貯留可能となるように貯留装置B710が構成されている。
この貯留装置B710の下方(下流側)に位置する流路には、その流路の上流側に排出口B660を配設し、その排出口B660よりも下流側に排出口B66が配設されており、貯留装置B710を流下した球(貯留装置B710に貯留されていた球、貯留装置B710に貯留されることなく通過した球)は排出口B660或いは排出口B66の何れかに流入し、パチンコ機10の外部へと排出される。
また、排出口B660には、排出口B660に球が入球可能な開状態と、排出口B660に球が入球不可能(困難)な閉状態とに可変可能な可変手段として演出用役物B660aが付随するように配設されており、この演出用役物B660aが開状態に設定されている場合に貯留装置B710を流下した球は、その殆ど(全て)が排出口B660に流入するように排出口B660および演出用役物B660aが構成されている。
本第4実施形態では、貯留装置B710を流下した球が流下する流路の幅方向全域に亘って排出口B660が設けられており、その排出口B660の全面を覆うように演出用役物B660aが設けられており、演出用役物B660aが開状態となった場合に貯留装置B710を流下した球の全てが排出口B660に流入し、パチンコ機10の外部へ排出されるように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、演出用役物B660aが開状態の場合に貯留装置B710から流下した球の全てを受け入れ可能に構成し、演出用役物B660aに受け入れられた球の全てを排出口B660に向けて誘導可能に構成されていれば、排出口B660の大きさ(幅方向の長さ)を、貯留装置B710を流下した球が流下する流路の幅方向よりも短くしてもよいし、長くしてもよい。
演出用役物B660aが閉状態の場合に貯留装置B710から流下した球は、排出口B660へ流入することなく下流側へ流下し、排出口B66へ流入してパチンコ機10の外部へと排出される。
以上、説明をしたように、本第4実施形態の遊技盤13の右打ち領域に設けられた流路ユニットB720には、一般入球口B630に入球した球を用いた演出(疑似演出)を実行するための貯留装置(疑似貯留装置)B710および演出用役物B660が設けられており、既に入球した球を用いた演出を実行することができる。また、流路ユニットB720を形成する側壁によって、遊技盤13の遊技領域と、一般入球口B630に入球した球を用いた演出(疑似演出)が実行される領域とを区画しているため、既に入球口に入球した球を用いて遊技盤13上で遊技者が視認可能となるように演出(疑似演出)を実行したとしても、既に入球口に入球した球が、再度、遊技盤13の遊技領域に流入することがない。
次に、流路ユニットB720に設けられ、流入した球を2つの流路に振り分ける振分装置B700の構造について、図114(a)〜(d)を参照して説明する。図114(a)及び(b)は、振分装置B700の構成を模式的に示す模式図であって、図114(c)及び(d)は、第1流路B701aの球流下と振分装置B700との関係を模式的に示した模式図である。
図114(a)に示したように、振分装置B700は、軸心を中心に回動可能に構成された回転体であって、その回転体の4方向(90度間隔で4方向)に球と当接し得る羽根部材(第1羽根部材B700a、第2羽根部材B700b)が設けられている。第1羽根部材B700aは、振分装置B700に流下してきた球が第3流路B701cへ流下するように(振分装置B700の回転体の横側方向へ流下するように)扁平な形状で構成されており、第2羽根部材B700bは、振分装置700に対して流下してきた球が第2流路B701bへ流下するように(振分装置B700の回転体の直下方向へ流下するように)平面板状の形状で構成されている。
本第4実施形態では振分装置B700として、第1羽根部材B700aを1個、第2羽根部材B700bを3個有した回転体を用いているため、第2流路B701bに振り分ける球数と第3流路B701cに振り分ける球数とが3:1の割合になるように構成されている。さらに、振分装置B700の回転体の側面には金属片B700cが埋設されており、図示しない検知センサによって、回転体が回転しているか否かを判別可能に構成されている。これにより、振分装置B700を不正に改造し、流路ユニットB720に流入した球を一方の流路(第2流路B701b或いは第3流路B701c)にのみ流下させる行為が実行されていることを容易に判別することができる。
次に、図114(c)及び(d)を参照して、流路ユニットB720内に設けられた流路(第1流路B701a及び振分装置B700が設けられた流路)と振分装置B700との配置関係について説明する。図114(c)は、第2羽根部材B700bが流路内に位置している状態を示す模式図である。この状態において第1流路B701aを球が流下した場合は、その球が第2羽根部材B700bに当接し、第3流路B701cへと振り分けられる。そして球に当接した第2羽根部材B700bは球の流下方向(図114(c)の下方向)に沿って90度回転(下方向に90度回転)し、第1羽根部材B700aが流路内に位置することになる。
図114(c)に示した状態から、振分装置B700に球が2球通過すると、図114(d)に示した状態(第1羽根部材B700aが流路内に位置する状態)へと移行する。
このように振分装置B700を流下する球と、回転体に設けられた羽根部材とを当接させることで、球の流下方向を変更するとともに、回転体を回転させる構成を用いることで、球が通過する度に回転体が回転させて球と当接し得る羽根部材を変更させることができるため、確実に球を振り分けることができる。
次に、図116から図118を参照して、本第4実施形態において第3図柄表示装置81にて実行される表示画面について説明をする。図116(a)は、時短状態中における表示画面の一例を示した模式図である。ここで、図85(a)に示す表示画面について、上述した第1実施形態と異なる点(図15(a)の表示内容と異なる点)について説明をする。なお、上述した第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
本第4実施形態では、遊技盤13の流路ユニットB720内に設けられた貯留装置(疑似貯留装置)と、演出用役物B660aとを用いた演出(疑似演出)が実行されるように構成されており、第3図柄表示装置81では、その疑似演出に対応した演出表示が表示される。
ここで、本第4実施形態において実行される疑似演出について説明をする。本実施形態では、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球した複数の球を貯留装置B710の貯留領域B710bに貯留し、貯留装置B710の貯留状態が解除された場合(貯留弁B710a)に、貯留装置B710に貯留されていた複数の球が貯留装置B710の下方に設けられた排出口B660に流入するように、演出用役物B660aが開状態となる動作が実行される。そして、第3図柄表示装置81では、大当たり遊技中に一般入球口B630への球の入球に基づいて払い出される賞球数を、排出口B660に複数の球(一般入球口B630に入球した後に、貯留装置B710にて貯留されていた球)が流入するタイミングに合わせて合算して表示される。
さらに、本実施形態では、貯留装置B710が貯留状態である期間(残期間)を示すための(示唆するための)期間(残期間)情報表示や、貯留装置B710に貯留されている球数を示すための(示唆するための)貯留数情報表示を遊技者に報知するための演出表示が実行される。
加えて、本実施形態では、貯留装置B710に貯留されている球数が所定数(例えば、2個)以上である状態で、貯留装置B710に新たに球が貯留された場合に、現在の遊技内容のうち、遊技者に報知されていない遊技内容(例えば、今回の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別や、保留記憶されている遊技情報等)を報知する演出が実行される。
次に、大当たり遊技中に実行される疑似演出によって第3図柄表示装置81に表示される表示画面の一例を図116(a)〜図118(b)を参照して説明する。図116(a)は、疑似演出が開始された直後に表示される表示内容を模式的に示した模式図であり、図116(b)は、貯留装置B710に球が貯留されている状態に対応して実行される疑似演出の表示内容を模式的に示した模式図であり、図117(a)は、貯留装置B710が貯留状態から解除状態へと移行した場合に対応して実行される疑似演出(疑似演出後半)の表示内容を模式的に示した模式図であり、図117(b)は、上述した図117(a)と同じタイミングで表示される表示内容の別例を示した模式図であり、図118(a)は、大当たり遊技が進行した後に実行される疑似演出の表示内容の一例を模式的に示した模式図であり、図118(b)は、大当たり遊技のエンディング画面にて表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図116(a)に示したように、まず大当たり遊技が開始されると、第1可変入賞装置65への入球に伴う賞球数(大当たり賞球数)を示すための値が大当たり賞球数表示領域Dz1に表示され、図116(a)に示す状態では大当たり賞球数を示すための値として「150P」が表示される。また、案内表示領域Dm4には大当たり遊技中の遊技方法を示すための「右打ち」が表示され、第2副表示領域Ds2には、大当たり遊技において、現在実行されているラウンド遊技のラウンド数を示すためのラウンド数表示として「ROUND2」が表示される。
さらに、大当たり遊技中に疑似演出が開始されると、主表示領域Dmにて疑似演出の演出内容を説明するための説明情報として「あみが破れるまでに大量の魚を捕まえろ!」と表示され、貯留装置B710に貯留されている球数を示すための貯留数表示態様が表示される貯留数表示領域Dn10と、貯留装置B710が継続して貯留状態となる期間を示すための期間情報が表示される期間情報表示領域Dn11と、疑似演出中に捕獲し得る魚が表示される示唆表示領域Dn13と、が形成される。
図116(a)に示す表示画面は、疑似演出が実行された直後に表示される表示画面であって、貯留装置B710が貯留状態に設定され、その貯留装置B710に球が1つも貯留されていない状態を示す表示画面である。よって、貯留数表示領域Dn10には貯留装置B710に球が貯留されていることを示す貯留数表示態様である「魚」が1匹もいない状態が表示されている。また、期間情報表示領域には、期間情報を示すための期間表示態様として紙製の「あみ」が表示されている。この期間表示態様Dn12である「あみ」は、図116(b)や図117(a)等で後述するように、期間の経過に伴って、新品の状態(図116(a)参照)から傷付いた状態(図116(b)参照)に移行し、最終的に破れた状態(図117(a)参照)へと移行するように表示される。
なお、図116(a)では、期間表示態様として紙製の「あみ」を表示しているが、「あみ」の材質や形状を複数用意しておき、貯留装置B710を継続して貯留状態にし得る期間の長さに基づいて期間表示態様を変更させるように構成してもよい。このように構成することで、疑似演出が開始され、期間情報表示領域Dn11に表示される期間表示態様Dn12の表示態様を遊技者見ることで、貯留装置B710を継続して貯留状態にし得る期間の長さを把握することができ、これから実行される疑似演出の内容、及び、疑似演出が終了した時点における遊技結果を予測しながら遊技を行わせることができる。
また、貯留装置B710を継続して貯留状態にし得る期間が長い場合に、疑似演出が実行された直後のタイミングで遊技者にその旨を報知することができるため、遊技者に対して安心して疑似演出中の遊技を実行させることができる。
本実施形態では、期間情報表示態様Dn12として「あみ」を用いているが、期間の経過情報(或いは、残期間情報)を遊技者が把握可能な表示態様であればどのような表示態様を用いてもよい。
加えて、期間情報表示態様Dn12が表示された際に、今回設定される期間の長さを遊技者が把握(予測)し得る表示態様であれば、どのような表示態様を用いても良い。
図116(a)に示した状態から大当たり遊技が進行し、貯留装置B710に球が2個貯留されている状態になると、図116(b)に示した表示画面が表示される。この図116(b)では、大当たり賞球数表示領域Dz1に大当たり賞球数を示すための値として「210P」が表示される。さらに、貯留数表示領域Dn10には、貯留装置B710に貯留されている球数(2個)を示すための貯留数表示態様として魚が2匹表示され、期間情報表示領域Dn11には、貯留装置B710が貯留状態を継続して設定される期間が経過している(残期間が減少している)ことを示す「傷付いたあみ」が期間情報表示態様Dn12として表示される。
そして、第1副表示領域Ds1には期間情報表示態様Dn12の表示態様が変化したことを示すコメントとして「あみが破れてきたよ」が表示される。このように表示することで、貯留装置B710に貯留されている球数と、貯留装置B710の貯留状態が設定されている期間(残期間)を遊技者に視覚的に報知することができ、遊技内容を分かり易く遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態では、貯留装置B710に貯留される球数を、第3図柄表示装置81の表示画面で表示するとともに、貯留装置B710の貯留状況を直接遊技者が視認できるように構成しているが、少なくとも何れか一方のみを用いて遊技者に貯留装置B710の貯留状況を報知するように構成してもよい。
図116(b)に示した状態から更に大当たり遊技が進行し、ラウンド2の遊技が終了すると、図117(a)に示した疑似演出(疑似演出後半)が表示される。図117(a)は、ラウンド2の遊技が終了したことに基づいて、貯留装置B710の貯留状態が解除され、貯留装置B710に貯留されていた球がアウト口B660に流入した場合に表示される表示画面である。
図117(a)に示したように、貯留装置B710の貯留状態が解除されると、貯留数表示領域Dn10に表示された5つの貯留数表示態様Dn10a(図117(a)では貯留数が5個)に対応する賞球数を示すための合算賞球数表示態様Dn14として「20P」を示す袋が表示され、一般入球口B630への球の入球に対する賞球数を示すためのおまけ賞球数表示態様Dn15として「20P」が表示される。
また、図117(a)の状態では、貯留装置B710の貯留状態が解除されているため、期間情報表示領域Dn11には、貯留装置B710の貯留状態が設定される残期間が無いことを示す「破れたあみ」が表示される。
貯留装置B710の貯留状態が解除される状態において、貯留数表示領域Dn10に特定表示態様Dn10bが表示されている場合は、図117(b)に示したように、合算賞球数表示態様Dn14の表示態様を変化させ、通常の表示態様(図117(a)に示した表示態様)よりも豪華な表示態様が表示される。さらに、特定表示態様Dn10bを獲得した場合に付与される特典内容として、主表示領域Dmに「プレミアムボーナス獲得」と表示される。
なお、本実施形態では、期間情報表示領域Dn11に表示される期間情報表示態様Dn12の表示態様の変化(新品のあみが破れてしまうまでの変化)によって、遊技者に対して貯留装置B710が貯留状態に設定される期間を把握させるように構成しているが、貯留装置B710が貯留状態である期間を、複数の期間情報表示態様Dn12を用いて報知するように構成してもよい。この場合、例えば図118(a)に示したように、疑似演出が開始された時点で期間情報表示領域Dn11に表示されていた期間情報表示態様Dn12を、貯留装置B710が貯留状態である期間中に、期間が終了したことを示す表示態様である「破れたあみ」で表示した後に、新たな期間情報表示態様Dn12として「新品のあみ」を表示させるようにするとよい。
このように構成することで、遊技者に対して貯留装置B710に球を貯留可能な期間が終了したと一旦思わせることができ、演出効果を高めることができる。また、このような演出(所謂、復活演出)を、内部的には決定しているが遊技者にその旨を報知していない特典情報(例えば、大当たり遊技後に遊技者に有利となる遊技状態(確変状態等)へと移行することを報知する情報)を有する場合に実行されるように構成し、図118(a)に示したように、示唆表示領域Dn13に表示される示唆表示態様Dn13aを特定示唆表示態様Dn13bに変化させる演出を実行するとよい。
大当たり遊技が終了し、大当たりのエンディング表示が開始されると、図118(b)に示したように、今回の大当たり中に獲得した大当たり賞球数「2250P」と、おまけ賞球数「140P」とが合算された合計賞球数情報として「2390P」が表示され、さらに、疑似演出中に特定表示態様Dn10bを獲得したことを示す「プレミアボーナス獲得」が表示される。
<第4実施形態における電気的構成について>
本第4実施形態では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113に疑似役物(貯留弁B710a、及び演出用役物B660a)を駆動させるための駆動源である疑似役物ソレノイドB229として、疑似貯留ソレノイドB229a、疑似開放ソレノイドB229bとを接続させた点、音声ランプ制御装置113のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
疑似貯留ソレノイドB229aは、貯留弁B710aを開放位置(貯留装置B710が解除状態となる位置)或いは、閉鎖位置(貯留装置B710が貯留状態となる位置)に可変させるための駆動源であって、疑似貯留ソレノイドB229aをオンに設定することで、貯留弁B710aが閉鎖位置に位置させ、オフに設定することで、貯留弁B710aが開放位置に位置させるものであり、大当たり遊技中において、所定の開始条件(例えば、偶数ラウンドの開始条件)が成立したことに基づいてオンに設定され、所定の終了条件(例えば、偶数ラウンドの終了条件)が成立したことに基づいてオフに設定される。
疑似開放ソレノイドB229bは、演出用役物B660aを開放位置(アウト口B660aに球が流入可能となる位置)或いは、閉鎖位置(アウト口B660aに球が流入不可能(困難)となる位置)に可変させるための駆動源であって、疑似開放ソレノイドB229bをオンに設定することで、演出用役物B660aを開放位置に位置させ、オフに設定することで、演出用役物B660aを閉鎖位置に位置させるものであり、大当たり遊技中において、所定の開始条件(例えば、偶数ラウンドの終了条件)が成立したことに基づいてオンに設定され、所定の終了条件(例えば、奇数ラウンドの開始条件)が成立したことに基づいてオフに設定される。
本実施形態では、貯留装置B710が解除状態となり、貯留されていた球が貯留装置B710から流下(落下)した場合に、その球がアウト口B660へ流入するように疑似貯留ソレノイドB229a及び疑似開放ソレノイドB229bが駆動するように制御される。つまり、貯留状態である貯留装置B710の貯留弁B710aが開放位置に可変する前に、演出役物B660aが開放するように各ソレノイドが駆動制御される。このように構成することで、貯留装置B710の貯留されていた球を確実にアウト口B660へ流入させることができる。
図119は、第4実施形態における電気的構成を模式的に示した模式図である。図119に示したように、本第4実施形態では、音声ランプ制御装置113に疑似役物ソレノイドB229として疑似貯留ソレノイドB229a、疑似開放ソレノイドB229bとを接続されている。この疑似役物ソレノイドB229は、図113を参照して上述したように球の入球を疑似的に行う疑似演出を実行する際に動作設定されるソレノイドであって、疑似貯留ソレノイドB229aは、疑似貯留装置(貯留弁B710)を球が貯留可能な貯留状態または貯留不可能(困難)な解除状態に可変させるためのソレノイドである。この疑似貯留ソレノイドB229aがオンに設定されることで、疑似貯留装置(貯留弁B710)が貯留状態になり、疑似貯留ソレノイドB229aがオフに設定されることで、疑似貯留装置(貯留弁B710)が解除状態になるように構成されている。
疑似開放ソレノイドB229bは、演出用役物B660aを動作させるためのソレノイドであり、オンに設定されることで、演出用役物B660aが開放動作し、アウト口B660に球が入球可能となり、オフに設定されることで、演出用役物B660aが閉鎖動作し、アウト口B660に球が入球不可能(困難)な閉鎖状態となるように構成されている。
次に、図120を参照して、本第4実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図120は本第4実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、疑似演出フラグ223ya、疑似演出終了フラグ223yb、疑似貯留装置閉鎖フラグ223yc、疑似開放フラグ223yd、疑似演出後半フラグ223ye、終了ラウンド数カウンタ223yf、入球カウンタ223yg、貯留数カウンタ223yh、疑似開放カウンタ223yi、疑似入球カウンタ223yjを設けた点で相違している。
疑似演出フラグ223yaは、疑似演出を実行する条件が成立した場合にオンに設定されるフラグである。この疑似演出フラグ223yaは、当たり関連処理5(図122参照)において、ラウンド数コマンドを受信し(S3603:Yes)、今回のラウンドが偶数であると判別した場合に(S3653:Yes)、オンに設定され、疑似演出処理を実行するかを判別する際に参照され(S3651)、疑似演出後半処理(図124参照)において、疑似入球カウンタの値と、貯留数カウンタの値とが同じであると判別した場合に(S7103)、オフに設定される(S7109)。
疑似演出終了フラグ223ybは、大当たりの偶数ラウンド中に実行される疑似演出(疑似演出前半)の終了条件が成立したことに基づいてオンに設定されるフラグである。この疑似演出終了フラグ223ybは、当たり関連処理5(図122参照)において、大当たりの奇数ラウンド(1ラウンド目を除く)が終了したと判別した場合にオンに設定され(S3658)、疑似演出処理(図123参照)において、疑似役物ソレノイドB229の動作制御を行うために参照し(S7010)、疑似役物ソレノイドB229のうち、疑似開放ソレノイドB229bをオンに設定した場合にオフに設定される(S7014)。
疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycは、疑似貯留装置B710が貯留状態(貯留弁B710aが閉鎖位置)であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、疑似貯留装置B710が貯留状態であることを示し、オフに設定されることで、疑似貯留装置B710が解除状態であることを示す。この疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycは、疑似演出処理(図123参照)が開始される場合にオンに設定され(S7003)、疑似開放カウンタ223yiの値が1000であると判別した場合に(S7015:Yes)、オフに設定される(S7017)。
疑似開放フラグ223ydは、演出用役物B660aの開閉状態を示すためのフラグであって、オンに設定されることで演出用役物B660aが開放位置に設定されていることを示し、オフに設定されることで演出用役物B660aが閉鎖位置に設定されていることを示すものである。この疑似開放フラグ223ydは、疑似演出処理(図123参照)において、疑似開放ソレノイドB229bがオンに設定された場合に(S7011)、オンに設定され(S7012)、疑似演出後半処理(図124参照)において、疑似入球カウンタ223yjの値と貯留数カウンタ223yhの値とが同じであると判別した場合に(S7103:Yes)、オフに設定される(S7104)。
疑似演出後半フラグ223yeは、疑似演出の後半期間(貯留装置B710が解除状態となった後に実行される演出の期間)であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、疑似演出の後半期間であることを示すものである。この疑似演出後半フラグ223yeは、疑似演出処理(図123参照)において、疑似開放カウンタ223yiの値が1000であると判別した場合に(S7015:Yes)、オンに設定され(S7019)、疑似演出後半処理を実行するか否かを判別する際に参照され(S7019)、疑似演出後半処理(図124参照)において、疑似入球カウンタ223yjの値と貯留数カウンタ223yhの値とが同じであると判別した場合に(S7103:Yes)、オフに設定される(S7108)。
終了ラウンド数カウンタ223yfは、大当たり遊技において終了したラウンド数を判別するために用いられるカウンタであって、大当たり遊技中に1のラウンド遊技が終了する度に値が1加算されるカウンタである。この終了ラウンド数カウンタ223yfは、当たり関連処理5(図122参照)において、ラウンド終了コマンドを受信したと判別した場合(S3655:Yes)に、1加算され(S3656)、疑似演出終了フラグ223ybをオンに設定するか否かを判別する際に参照される(S3657)。なお、図示はしないがこの終了ラウンド数カウンタ223yfは、当たり関連処理5(図122参照)において大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合(S3606:Yes)、即ち、大当たり遊技が終了した場合に、その値が0にクリアされる。
なお、本実施形態では、ラウンド終了コマンドを受信する毎に、終了ラウンド数カウンタ223yfの値を1加算することで、終了したラウンドが大当たり遊技における何ラウンド目であったかを判別するようにしているが、終了したラウンド数を判別できる構成であればよく、例えば、今回実行される大当たり遊技に設定されるラウンド数に対応する値を大当たり遊技の開始(オープニング期間の開始から1ラウンド目の開始までの間のいずれかのタイミング)に基づいて残ラウンド数として設定し、ラウンド終了コマンドを受信する毎に、残ラウンド数を示すための値から1ラウンドに対応する値を減算するように構成してもよい。このように構成することで、1回の大当たり遊技において既に終了したラウンド数に加え、残りラウンド数も把握することができる。それ以外にも、大当たり遊技において新たなラウンド遊技が開始される場合に、今回開始されるラウンド遊技が何ラウンド目であるかを判別するラウンド数判別手段と、その判別結果を記憶するラウンド数記憶手段とを設け、ラウンド終了コマンドを受信した場合に、ラウンド数記憶手段に記憶されているラウンド数に基づいて、今回終了したラウンド遊技が何ラウンド目であったのかを判別するように構成してもよい。また、主制御装置110から出力されるラウンド終了コマンドに終了したラウンドのラウンド数を示すための情報(ラウンド数情報)を付して出力するように構成し、主制御装置110から出力されるコマンドの内容に基づいて今回終了したラウンド遊技が何ラウンド目であったのかを判別する構成にしてもよい。
入球カウンタ223ygは、大当たり遊技のラウンド遊技中に第1可変入賞装置65に入球した球をカウントするためのカウンタであって、1つのラウンドが終了してしまうまでの期間を判別する際に参照されるものである。
貯留数カウンタ223yhは、貯留装置B710に貯留されている球の数をカウントするためのカウンタであって、貯留装置B710に新たに球が流入してきた場合に値が1加算される。
疑似開放カウンタ223yiは、演出用役物B660aが開放されている期間をカウントするためのカウンタであって、このカウンタの値が所定値となったことに基づいて貯留弁B710aを開放する制御が実行される。このように、演出用役物B660aが開放されてから所定期間経過後に貯留弁B710aが開放されるように構成することで、貯留装置B750を解除状態にする際には必ず演出用役物B660aが開放されている状態とすることができる。
疑似入球カウンタ223yjは、アウト口B660に入球した球数をカウントするためのカウンタであって、図示しない検知手段によって検知された値をカウントするものである。
<第4実施形態における制御処理について>
第4実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における制御処理の一部が変更されている、そのほかの処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。
上述した第1実施形態では、大当たり遊技中の制御処理として、主制御装置110が第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650を駆動する制御を実行し、音声ランプ制御装置113が第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650の動作に基づく演出を行うための制御を実行するように構成していた。
これに対し、第4実施形態では、大当たり遊技中の制御処理として、音声ランプ制御装置113が疑似演出を行うための制御処理を追加した点で相違する。このように大当たり遊技中に疑似演出を行うように構成することで、大当たり遊技中の演出効果を高めることができる。
次に、図121を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理5(S1704)ついて説明する。図121は、この大当たり制御処理5(S1704)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理5(S1704)は、メイン割込処理(図53参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理5では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1801)。具体的には、特別図柄変動処理(図38参照)のS219の処理により大当たり開始フラグ203hがオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1801:Yes)、大当たり開始フラグ203hをオフに設定し(S1802)、オープニングコマンドを設定する(S1803)。
ここで設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出が表示される。S1803の処理が終了すると、貯留解除フラグ203pをオンに設定して(S1804)、本処理を終了する。
一方、S1801の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1801:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1805)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、大当たり中フラグ203iがオンであるか否かにより判別する。S1805の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1805:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1805の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1805:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1806)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1806:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放し(S1807)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1808)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図53参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
詳細は後述するが、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、継続した大当たりが実行される場合には、ラウンド数の累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドが送信されることとなる。よって、第3図柄表示装置81において継続した大当たりにおける累積されたラウンド数が表示されることとなる。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1806の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1806:No)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1809)。具体的には、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1809の処理において、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1809:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを閉鎖して(S1810)、ラウンド終了コマンドを設定し(S1851)、本処理を終了する。一方、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1809:No)、大当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1811)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、大当たり終了のタイミングであると判定する。
S1811の処理において、大当たり終了のタイミングである場合には(S1811:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812)、大当たり中フラグ203iをオフに設定する(S1813)。
次いで、実行されていた特別遊技が大当たりBであったか否かを判別する(S1814)。S1814の処理において、大当たりB(7R時短無大当たり)でないと判別された場合は(S1814:No)、時短中カウンタ203gを1に設定し(S1815)、本処理を終了する。一方、S1814の処理において、大当たりB(7R時短無大当たり)であったと判別された場合は(S1814:Yes)、S1815の処理をスキップして、本処理を終了する。
ここで設定された大当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図139参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の特図用入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たり終了の演出の表示態様を選択する。そして、選択した大当たり終了の表示態様に応じた表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。
S1811の処理において、現在が大当たり終了のタイミングでは無いと判別した場合は(S1811:No)、次に、特定入賞口へ球が入球されたかを判別する(S1852)。ここで、特定入賞口へ球が入球されたと判別した場合は(S1852:Yes)、対応する入球コマンドを設定し(S1853)、本処理を終了する。一方、S1852の処理において、特定入賞口への入球タイミングではないと判別した場合は(S1852:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本実施形態では、S1853の処理において、特定入賞口へ球が入球したことを示すための入球コマンドを設定するように構成し、音声ランプ制御装置113において、受信した入球コマンドを演算することで、今回の入球コマンドが大当たり遊技中の何個目の入球であるかを判別する構成としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、大当たり制御処理5(S1704参照)において、特定入賞口への入球を判別した場合に、現在実行されているラウンド中に判別した入球数を加算し、その加算結果を示すための情報を大当たり遊技における各ラウンド中の入球数を示す入球コマンドとして設定するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113側で実行する処理を減らすことができる。また、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とでそれぞれ入球数を演算する処理を実行し、その処理結果を音声ランプ制御装置113側で比較するように構成することで、より精度の高い情報を用いた演出を実行することができるとともに、各制御装置が正常であるかを判別することができる。
次に図122を参照して当たり関連処理5について説明をする。図122は、当たり関連処理5(S3212)を示すフローチャートである。この当たり関連処理5(S3212)は、コマンド判定処理(図61参照)において当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。
当たり関連処理5では、まず大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3601)。大当たり開始コマンドを受信したと判別された場合(S3601:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3602)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図60参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆(報知)する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S3601:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S3603)。S3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合(S3603:Yes)、ラウンド数累積カウンタに1を加算する(S3604)。その後、ラウンド数累積カウンタに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定する(S3605)。
S3605の処理を終えると、次に、ラウンド数累積カウンタの値が偶数であるか、即ち、現在のタイミングが偶数ラウンドの開始タイミングであるかを判別し(S3653)、偶数ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S3653:Yes)、疑似演出フラグをオンに設定し、本処理を終了する。一方、現在のタイミングが偶数ラウンドの開始タイミングではない(奇数ラウンドの開始タイミングである)と判別した場合は(S3653:No)、そのまま本処理を終了する。
S3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3603:No)、ラウンド終了コマンドを受信したかを判別する(S3655)。S3655の処理において、ラウンド終了コマンドを受信したと判別した場合は(S3655:Yes)、終了ラウンド数カウンタに1を加算する(S3656)。次いで、終了ラウンド数カウンタ223yfのカウンタの値が1を除く奇数であるかを判別し(S3657)、1を除く奇数であると判別した場合は(S3657:Yes)、疑似演出終了フラグ223ybをオンに設定し(S3658)、本処理を終了する。一方、1を除く奇数ではない(1または、偶数である)と判別した場合は(S3657:No)、S3658の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
S3655の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S3655:No)、大当たり終了コマンドを受信したかを判別する(S3606)。S3606の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合(S3606:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S3607)、本処理を終了する。なお、図示はしていないが、S3606の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合は、大当たり遊技中に設定された各種フラグ、或いは各種カウンタを全て初期値に設定する処理が実行される。
本第4実施形態では、当たり関連処理5(図122)として、大当たり遊技に関する制御処理のみを示し、小当たり遊技に関する制御処理については省略しているが、小当たり遊技が実行される場合は、上述した第1実施形態と同様の処理が実行される。なお、小当たり遊技中に上述した疑似演出を実行するようにする場合は、小当たり遊技中に疑似演出処理を開始させるための開始条件および疑似演出処理を終了させるための終了条件を設定し、各条件が成立した場合に、本第4実施形態と同じ処理を実行するように構成すればよい。このように小当たり遊技中にも疑似演出を実行するように構成すれば、疑似演出を実行する頻度を高めることができ、より演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では大当たり遊技中に疑似演出の開始条件が成立した場合に、疑似演出を実行するように構成しているが、それ以外に右打ち遊技が実行される遊技状態が設定されている間に疑似演出の開始条件が成立するように構成してもよい。例えば、確変状態中に実行される特図2の抽選結果を示すための変動パターンが特定の変動パターンである場合に、疑似演出を実行させてもよい。
また、左打ち遊技が実行される遊技状態が設定されている間に疑似演出の開始条件が成立するように構成してもよい。これにより、長期間継続して左打ち遊技を実行している遊技者に対して遊技操作に変化をもたらすことができる。さらに、遊技状態が通常状態が設定され左打ち遊技が実行される場合において特図当たりに当選した図柄の変動中に疑似演出を実行するように構成し、この疑似演出の結果として特図当たりに当選したことを遊技者に報知するようにしてもよい。
次に図123を参照して、音声ランプ制御装置113において実行される疑似演出処理(S3652)について説明をする。図123は、疑似演出処理(S3652)の内容を示したフローチャートである。この疑似演出処理(S3652)は、大当たり遊技中に実行される疑似演出として、貯留装置B710の貯留弁B710aおよび演出用役物B660aの駆動を制御する処理、及び、第3図柄表示装置81にて表示される表示内容を決定するための処理である。
疑似演出処理(S3652)が実行されると、まず、疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycがオンであるかを判別し(S7001)、オンではない(オフである)と判別した場合は(S7001:No)、疑似貯留ソレノイドB229aをオンに設定し(S7002)、疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycをオンに設定し(S7003)、本処理を終了する。一方、S7001の処理において疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycがオンであると判別した場合は(S7001:Yes)、入球カウンタ223ygの値、及び、貯留数カウンタ223yhの値に基づいて第3図柄表示装置81に表示するための表示用疑似演出コマンドを設定し(S7004)する。
S7004の処理を終えると、次に、特図用入賞情報格納エリア223aに格納されている情報を読み出し(S7005)、その読み出した情報の中に大当たりを示す入賞情報があるかを判別し(S7006)、大当たりを示す入賞情報がないと判別した場合は(S7006:No)、今回の大当たりは確変当たりであるかを判別する(S7007)。S7006の処理において、大当たりを示す入賞情報があると判別した場合(S7006:Yes)、或いは、S7007の処理において今回の大当たりが確変当たりであると判別した場合(S7007;Yes)は、貯留数カウンタ223yhの値が2以上であるかを判別し(S7008)、2以上であると判別した場合は(S7008:Yes)、表示用特定表示態様コマンドを設定し(S7009)、S7010へ移行する。一方、2未満(1以下)であると判別した場合は(S7008:No)、S7009の処理をスキップしてS7010へ移行する。
つまり、疑似演出が実行されている場合において、所定の特典条件(当たりを示す入賞情報がある、或いは、今回の大当たりが確変当たりである)が成立している場合において、その特典条件を示すための特典情報(表示用特定表示態様)が、所定の報知条件(貯留数カウンタ223yhの値が2以上)が成立している場合に報知されるように構成している。
つまり、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球したことに基づいて払い出される賞球数を特定期間分合算して表示するための疑似演出を用いて、遊技者に有利となる特典情報を報知するように構成したため、疑似演出により興味を持たせることができる。また、貯留装置B710に所定数以上(2以上)の球を貯留させることが特典情報を報知するための条件となるように設定しているため、貯留装置B710に多くの球を貯留させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるとともに、貯留装置B710に多くの球を貯留させることで、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球したことに基づいて払い出される賞球数を増やすことができ、賞球数の合算表示のインパクトを高めることができる。
なお、本実施形態では、当たりを示す入賞情報が有ることを示す情報、或いは、今回の大当たりが確変当たりであることを示す情報を、疑似演出として報知可能な特典として設定しているが、それ以外の情報を特典として用いてもよく、例えば、通常では遊技者が見ることのできない特典映像を表示するか否かを判別し、その判別結果に基づいて特典映像を表示可能と判別した場合は、その特典映像を疑似演出として報知可能な特典として設定してもよい。また、複数の特典を設定可能に構成し、複数の特典が重複して報知可能な特典として判別された場合にのみ実行される特別な報知態様を提供するようにしてもよい。これにより、疑似演出において実行される演出内容を遊技者により興味を持たせることができ、演出効果をより高めることができる。
図123に戻り説明を続ける。S7007の処理において今回の大当たりが確変ではないと判別した場合(S7007:No)、S7008の処理において貯留数カウンタ223yhの値が2以上ではないと判別した場合(S7008:No)、或いは、S7009の処理を終えた場合は、次に、疑似演出終了フラグ223ybがオンに設定されているかを判別する(S7010)。S7010の処理において疑似演出終了フラグ223ybがオンに設定されていると判別した場合は(S7010:Yes)、疑似開放ソレノイドB229bをオンに設定し(S7011)、疑似開放フラグ223ydをオンに設定し(S7012)、疑似開放カウンタ223yiの値を1に設定し(S7013)、疑似演出終了フラグ223ybをオフに設定し(S7014)、本処理を終了する。
一方、S7010の処理において、疑似演出終了フラグ223ybがオンではないと判別した場合は(S7010:No)、次いで、疑似開放カウンタ223yiの値が1000であるかを判別する(S7015)。疑似開放カウンタ223yiの値が1000であると判別した場合は(S7015:Yes)、疑似貯留ソレノイドB229aをオフに設定し(S7016)、疑似貯留装置閉鎖フラグ223ycをオフに設定し(S7017)、疑似開放カウンタ223yiの値を0にクリアし(S7018)、疑似演出後半フラグ223yeをオンに設定し(S7019)、本処理を終了する。
S7015の処理において、疑似開放カウンタ223yiの値が1000ではない(1000未満である)と判別した場合は(S7015:No)、疑似演出後半フラグ223yeがオンであるかを判別し(S7020)、オンであると判別した場合は、疑似演出後半処理を実行し(S7021)、本処理を終了し、オフであると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図124を参照して、疑似演出処理(S123参照)において実行される疑似演出後半処理(S7021)について説明をする。図124は疑似演出後半処理(S7021)の内容を示したフローチャートである。この疑似演出後半処理(S7021)は、大当たり遊技中に実行される疑似演出のうち、貯留装置B710の貯留状態が解除された後に実行される演出(疑似演出後半)の内容(図117参照)を決定するための処理である。
疑似演出後半処理(S7021)が実行されると、まず、疑似入賞口(アウト口B660)に球の入球があるかを判別する(S7101)。これは、アウト口B660内に設けられた球検知センサ(図示せず)の検知結果に基づいて判別するものである。なお、本実施形態では図113に示したようにアウト口B660の幅が球3個分となるように構成されており、一度に3個の球がアウト口B660に流入するように構成されている。そして、アウト口B660内には3個の球が整列して流下する3流路(図示せず)が形成されており、その3流路のそれぞれに球検知センサ(図示せず)が間隔を置いて設けられている。このように構成することで、アウト口B660に短期間で複数の球を流入させることができるとともに、各流路にて同時に球を検知することを抑制することができる。よって、疑似演出処理が間延びしてしまうことを抑制し、演出効果を高めることができる。
S7101の処理において、疑似入賞口(アウト口B660)に球の入球が無いと判別した場合は(S7101:No)、そのまま本処理を終了し、疑似入賞口(アウト口B660)に球の入球があると判別した場合は(S7101:Yes)、疑似入球カウンタ223yjの値を1加算し(S7102)、疑似入球カウンタ223yjの値と貯留数カウンタ223yhの値とが同じであるかを判別する(S7103)。
S7103の処理において、同じではないと判別した場合(S7103:No)、即ち、貯留装置B710に貯留されていた球の全てが疑似入賞口(アウト口B660)に入球していない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、S7103の処理において、同じであると判別した場合(S7103:Yes)、即ち、貯留装置B710に貯留されていた球の全てが疑似入賞口(アウト口B660)に入球した場合は、疑似開放ソレノイドB229bをオフに設定し(S7104)、表示用疑似入賞コマンドを設定し(S7105)、疑似入球カウンタ223yjの値を0にクリアし(S7106)、貯留数カウンタ223yhの値を0にクリアし(S7107)、疑似演出後半フラグ223yeをオフに設定し(S7108)、疑似演出フラグ223yaをオフに設定し(S7109)、本処理を終了する。本実施形態では、疑似演出後半の内容を示すコマンド(表示用疑似入賞コマンド)を、疑似入賞口(アウト口B660)に貯留されていた全ての球が入球したと判別した場合に設定するように構成している。これにより、遊技者に対して、疑似入賞口(アウト口B660)に入球した球に基づいて賞球が払い出されていると思わせることができる。なお、疑似演出後半の内容を示すコマンド(表示用疑似入賞コマンド)を設定するタイミングはこれ以外のタイミングでもよく、例えば、貯留弁B710aが解除されたことに基づいて(貯留装置B710が解除状態に設定されたことに基づいて)設定しても良いし、疑似入賞口(アウト口B660)に1個の球が入球したと判別したタイミングに基づいて設定してもよい。
次に図125を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図60参照)において実行されるカウンタ更新処理5(S3111)について説明をする。図125は、カウンタ更新処理5(S3111)の内容を示したフローチャートである。このカウンタ更新処理5(S3111)は、上述した第1実施形態のカウンタ更新処理(S3111)に対して、疑似開放カウンタ223yiの値を更新するための処理が追加された点で相違する。なお、上述した第1実施形態のカウンタ更新処理(S3111)と同一の処理については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
カウンタ更新処理5(S3111)が実行されると、まず、上述した第1実施形態のカウンタ更新処理と同様にS4101〜S4106の処理を実行する。次に、疑似開放カウンタ223yiの値が0であるかを判別し(S4151)、0ではないと判別した場合は(S4151:No)、カウンタの値を1加算し(S4152)、本処理を終了する。一方、S4151の処理においてカウンタの値が0であると判別した場合は(S4151Yes)、そのまま本処理を終了する。
このように、1ミリ秒間隔で実行されるカウンタ更新処理5において、疑似開放カウンタの値を更新する処理を実行することで、疑似開放ソレノイドB229aがオンに設定されてから1秒後(疑似開放カウンタ223yiの値が1000に更新された場合)に、疑似貯留ソレノイドB229aをオンに設定することができる。
以上説明をしたように、本第4実施形態では、右打ち遊技を行うことにより入球可能な一般入球口B630を設け、大当たり遊技中に上述した入賞装置以外に賞球を期待できるように構成した。さらに、大当たり遊技中の特定期間内に一般入球口B630に入球した球に対する賞球をまとめて第3図柄表示装置81に表示するように構成した。
このように構成することで、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球として、大当たり遊技中のみ球が入球可能な入賞装置への球の入球に対する賞球と、一般入球口B630にへの球の入球に対する賞球とを設けることができ、大当たり遊技中も遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。また、特定期間内に一般入球口B630に入球した球に対する賞球数をまとめて表示することで、表示される賞球数を大きくすることが可能となり、遊技者に対して強い印象を与えることができる。
さらに、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球した球を、特定期間(大当たりのラウンド(1ラウンド)が終了するまでの期間、遊技者に視認可能な箇所に貯留可能な貯留装置(疑似貯留装置B710)を設け、その疑似貯留装置B710の貯留状態が解除される場合にのみ、貯留されていた球がアウト口B660に入球するように、アウト口B660の開口部を覆う演出用役物B660aを設け、アウト口B660に球が入球したことに基づいて第3図柄表示装置81に賞球数を表示するように構成した。
つまり、実際には一般入球口B630に球が入球する度に賞球が払い出されるが、その賞球数を特定期間分まとめて表示する本実施形態において、特定期間内に一般入球口B630に入球した球を疑似的に貯留しておき、特定期間が経過したタイミングで疑似入球口(アウト口B660)に入球させることで、第3図柄表示装置81に賞球数をまとめて表示するタイミングと、疑似入球口(アウト口B660)に球が入球するタイミングを連動させることが可能となる。よって、遊技者に対して、あたかも疑似入球口(アウト口B660)に大量の球が一度に入球したことに基づいて、払い出された大量の賞球が第3図柄表示装置81に表示されていると思わせることができ、大当たり遊技中における遊技に興味を持たせることができる。
また、振分装置B700によって、遊技盤13の右側領域に発射された球を、第1可変入賞装置65に球が入球可能な球流路(第2流路B701b)と疑似貯留装置B710に球が貯留可能な球流路(第3球流路B701c)とに3:1の割合で振り分けるように構成しているため、大当たり遊技中(第1可変入賞装置65に球が所定個数(ラウンド数×10球分)入球するまでの期間)に第2流路B701bを流下する球数を制限することができる。これにより、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に球を入球させることなく一般入球口B630に球を入球させ続ける遊技を抑制することができる。
なお、本第4実施形態では、第2流路B701bを流下した球の殆どが開放中の第1可変入賞装置65に入球可能に構成しているが、このような構成に限られることなく、第2流路B701bの流出口と第1可変入賞装置65との間に球の流下方向を振り分け調整可能な調整部材(釘など)を設けても良い。この場合、右打ち遊技によって第2流路B701bを流下した球の第1可変入賞装置65への入賞率が低くなるように調整部材を調整すると、大当たり遊技中に第3流路B701cを流下する球数が増加することになり、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球する球数を増加させることができる。よって、調整部材の調整によって遊技者に過度に不利な遊技機が提供されてしまうことを抑制することができる。
また、本第4実施形態では、遊技盤13の右側領域に発射された球を振分装置B700によって第2流路B701bと第3流路B701cとに3:1の割合で振り分けるように構成しているが、球をそれ以外の割合(例えば、4:1)で振り分けるように構成してもよい。この場合、遊技状態が通常状態の場合に右打ち遊技が実行されたとしても一般入球口B630に球が入球することに基づいて、遊技者が発射した球数よりも遊技機から払い出された賞球数が多くなってしまう(出玉率が100%を超えてしまう)事態が発生することを抑制するように構成すればよく、例えば、本第4実施形態よりも第3流路B701に多くの球を流下させるように振分装置B700を構成した場合(第2流路B701bと第3流路B701cとに2:1の割合で振り分けるように構成した場合)には、第3流路B701cと一般入球口630との間に第2振分装置を設け、第3流路B701cを流下した球の半分が一般入球口B630に入球するように構成したり、一般入球口B630に球が入球した際に払い出される賞球数が2個となるように構成したりすればよい。これにより、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技が行われ、不正に球を獲得する遊技を抑制することができる。
加えて、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技が所定期間継続して実行されていることを判別した場合に、遊技者に対して遊技方法を規制する案内表示を第3図柄表示装置81で表示したり、その他装置を用いて報知したり、遊技を停止させたりする不正監視処理を設けても良い。これにより、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技が行われ、不正に球を獲得する遊技をより抑制することができる。
本第4実施形態では疑似貯留装置B710を貯留状態にする期間を、大当たり遊技における特定ラウンドが実行される期間(偶数ラウンドが開始されて次の奇数ラウンドが終了するまでの期間)として設定しているため、貯留状態が設定される1回の期間中に疑似貯留装置B710に貯留され得る球数の上限を予め定めておくことができる。
よって、疑似貯留装置B710の貯留空間を必要以上に大きく設計する必要が無くなるため、限られた遊技盤13の領域を有効に活用することができる。また、予め定められた球数以上の球が疑似貯留装置B710に貯留される状態を検知した場合、例えば、予め定めた上限数を超えて疑似貯留装置B710に流入した1球のみが特定箇所に貯留可能となるように疑似貯留装置B710の貯留空間を形成し、その特定箇所に球が貯留されたことを検知した場合に、遊技機の異常と判別し、異常の旨を外部に報知するための異常信号を出力したり、遊技を停止させたりする異常処理を実行するように構成してもよい。
このような事態は、例えば、振分装置B700が故障(破損)し、適正に球を振り分けることができなくなった場合や、第2流路B701b内で球詰まりが発生し、第1可変入賞装置65に球が到達しなくなった場合に発生するものであるため、異常処理を実行することで、異常な状態のまま継続して遊技が行われてしまう事態を抑制することができる。
本実施形態では図114を参照して説明をしたように、振分装置B700の直下側に第2流路B700bを配設しているため、例えば、振分装置B700の羽根部材(第1羽根部材B700a、第2羽根部材B700b)が破損し、振分装置B700に到達した球が振分装置B700を回転させることなく通過してしまう状態となった場合には、球が第2流路B700bに流下するように構成している。このように構成することで、球が衝突することによって振分装置B700の羽根部材が破損した場合であっても、遊技者に有利となる特典(第1可変入賞装置65への球の入球による賞球)を提供することができる。なお、このような状態では、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65へ球を入球させる遊技は継続して実行することができるが、一般入球口B630に球を入球させることができなくなるため、例えば、第1流路B701aを流下する球を検知する検知手段と、振分装置B700の回転を検知する検知手段とを設け、第1流路B701aを流下する球に対して、振分装置B700が適正に回転しているかを判別する判別手段を設けたり、第2流路B701bを流下する球を検知する検知手段と、第3流路B701cを流下する球を検知する検知手段と、を設け、それぞれの流路を流下する球数の割合が予め定められた条件を満たしているかを判別する判別手段を設けたり、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入球した球数と、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球した球数との割合が予め定められた条件を満たしているかを判別する判別手段を設けたりすればよい。これにより、大当たり遊技中に適正な遊技が実行されているかを判別することができる。
なお、本第4実施形態では、大当たり遊技において、所定のラウンド(偶数ラウンド)を開始するタイミングを、疑似貯留装置B710を貯留状態に設定する条件(貯留開始条件)として規定しているが、大当たり遊技中に疑似貯留装置B710を特定期間貯留状態に設定できればよく、本第4実施形態とは異なる条件を貯留開始条件として規定してもよい。例えば、1回の大当たりラウンド中に、所定個数(所定個数以上)の球を第1可変入賞装置65に入球させた場合(ラウンド終了条件である球数よりも多くの球を第1可変入賞装置65に入球させた(所謂、オーバーフロー入賞)場合)を貯留開始条件としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して第1可変入賞装置65に多くの球を入球させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、大当たりに当選した特別図柄の種別(特図1、特図2)や大当たり種別や大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、貯留開始条件を変更してもよい。これにより、大当たり遊技中に疑似貯留装置B710に球を貯留しやすい大当たりと、貯留し難い大当たりとを遊技者に提供することができ、大当たり中の演出効果を高めることができる。さらに、大当たり遊技が開始される場合に複数の貯留開始条件のうち一の貯留開始条件がランダムに設定されるように構成してもよい。
また、本第4実施形態では、大当たり遊技において、所定のラウンド(奇数ラウンド)が終了するタイミングを、疑似貯留装置B710を貯留状態から解除状態へと移行するように設定する条件(貯留解除条件)として規定しているが、これに限られることなく、例えば、疑似貯留装置B710が貯留状態に設定されてから特定期間(例えば、20秒)が経過した場合に貯留解除条件が成立するように構成してもよい。この場合、限られた期間内に多くの球を疑似貯留装置B710に貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、疑似貯留装置B710の貯留解除条件を本第4実施形態のように、ラウンドが終了するタイミングとすることで、疑似貯留装置B710に貯留された球を下方に流下させる動作をラウンド間インターバル中に実行することが可能となる。これにより、大当たり遊技中において第1可変入賞装置65が閉鎖している間(ラウンド間インターバル中)も遊技者に興味を持たせることができる。
上述した第4実施形態では、特定期間中(疑似貯留装置B710が貯留状態に設定されている期間中)に一般入球口B630に入球した球に対する賞球数を、特定期間終了後に合算して第3図柄表示装置81に表示するように構成している。これにより、大当たり中に第1可変入賞装置65以外(一般入球口B630)に入球した球に対する賞球をまとめて表示することができるため、遊技者に対してインパクトのある賞球数を表示することができる。
また、本第4実施形態では、特定期間中に一般入球口B630に入球した球のうち、第3図柄表示装置81に賞球数が表示されていない球を疑似貯留装置B710に貯留するように構成し、その貯留状況を遊技者が視認可能に構成しているため、今後第3図柄表示装置81に表示される賞球数を予測することが可能となる。よって、遊技者に対して意欲的に疑似貯留装置B710に球を貯留させようと遊技を行わせることができる。
さらに、本第4実施形態では、疑似貯留装置B710に球が貯留される状況、および、疑似貯留装置B710に貯留された球がアウト口(疑似入球口)B660に入球する状況に合わせて第3図柄表示装置81にて賞球表示を行う疑似演出が実行されるように構成している。これにより、疑似貯留装置B710と疑似入球口B660の動作状況と、第3図柄表示装置81に表示される疑似演出とによって、遊技者に対して、疑似入球口B660に球が入球したことに基づいて賞球が払い出されていると思わせることができ演出効果を高めることができる。
さらに、第3図柄表示装置81に表示される疑似演出として、疑似貯留装置B710に貯留されている球が所定個数(例えば、2個)を超えた場合に(所定条件が成立した場合に)、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技状態や、保留記憶されている特別図柄の抽選結果を示唆する演出が実行されるように構成しているため、遊技者に対して疑似演出をより注視させることができるとともに、疑似演出が進行するように疑似貯留装置B710に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第4実施形態で実行される疑似演出では、疑似貯留装置B710が継続して貯留状態となる期間の経過に対応した期間経過情報も表示しているため、遊技者に対して貯留状態が設定される残期間を把握させることが可能となる。これにより、残り期間内に疑似貯留装置B710に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した第4実施形態は、実際には一般入球口B630に遊技球が入球(通過)したことに基づいて、対応する賞球が払い出されるように構成されている。つまり、実際に賞球が払い出されるタイミングと、第3図柄表示装置81にて賞球数が表示されるタイミングとに時間差が生じる。そこで、本第4実施形態では、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65への球の入球に対する賞球の払出が行われている間に、上述した疑似貯留装置B710を用いた疑似演出が実行されるように、疑似貯留装置B710の貯留開始条件を偶数ラウンド(最短で2ラウンド目)としている。
つまり、大当たり遊技の最初のラウンド(1ラウンド目(奇数ラウンド))が開始されたタイミングを貯留開始条件として設定した場合には、1ラウンド目に第1可変入賞装置65に球を入球させる前に、球が一般入球口B630に入球してしまい、それに対する賞球が払い出されてしまう事態が発生する場合がある。このような事態が発生した場合には、疑似貯留装置B710を用いた演出が疑似的な演出であると遊技者に気付かれやすくなり演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第4実施形態では、既に、第1可変入賞装置65へ球が入球し、その入球に対して賞球の払出が実行されている期間中に疑似貯留装置B710を用いた疑似演出を実行するように構成しているため、一般入球口B630へ球が入球したことに対する賞球の払出を、第1可変入賞装置65へ球が入球したことに対する賞球の払出に紛れ込ませることができ、遊技者に疑似貯留装置B710を用いた演出が疑似的な演出であると遊技者に気付かれ難くし、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した問題を解決するために、例えば、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65へ球が入球したことに対する賞球の払出処理として、1ラウンド目は即座に賞球が払い出されるように処理し、2ラウンド目以降は、継続して賞球の払出動作が実行されるよう払出速度を低下させる(1ラウンド目よりも払出速度を遅くする)ように制御してもよい。これにより、大当たり遊技期間中において、第1可変入賞装置65へ球が入球したことに対する賞球が払い出される期間を長くすることができ、上述した疑似貯留装置B710を用いた演出が実行可能な期間を増加させることができる。
また、本第4実施形態では疑似貯留装置B710を用いた疑似演出の実行開始条件を偶数ラウンド目の開始タイミングとしているが、それに加え、残りのラウンド数や、現在賞球の払出が完了していない球数に基づいて疑似貯留装置B710を用いた疑似演出を実行するか否かを判別するようにしてもよい。
また、大当たり遊技中において、タイミングによっては一般入賞口B630へ入球したにも関わらず疑似貯留装置B710に貯留されること無くアウト口B66に回収される球が発生する場合がある。この場合、大当たり遊技中にアウト口B66に回収された球数および、その球に対する賞球数(アウト口B66に回収される前に一般入球口B630を通過した際に払い出された賞球数)を演算、記憶する手段を設け、その賞球数を直後に実行される疑似演出にて上乗せするようにしてもよい。これにより、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球したことに基づいて払い出される賞球数をより多く合算させて第3図柄表示装置81にて表示することができる。
さらに、本第4実施形態では、一般入球口B630へ球が入球(通過)したことに基づいて即座に賞球を払い出すように構成しているが、一般入球口B630へ球が入球(通過)したことに基づいて払い出す賞球数を確定し、その確定した賞球数を疑似演出に対応させたタイミングで払い出すように構成してもよい。
また、本第4実施形態では、振分装置B700により第1可変入賞装置65が配設された領域へ球を流下させる第2流路B701bと、一般入球口B630および疑似貯留装置B710が配設された領域へ球を流下させる第3流路B701cとに振り分ける構成を用いているが、振分装置B700を設けない構成を用いても良い。この場合、遊技者が遊技盤13の特定領域(例えば右側領域)を狙う遊技(右打ち遊技)を行った場合に発射された球が第1可変入賞装置65、一般入球口B630の何れにも入球可能となるように構成し、一般入球口B630に入球した球が疑似貯留装置B710に貯留可能となるように構成すればよい。
さらに、振分装置B700を用いること無く構成した場合には、疑似貯留装置B710が貯留状態に設定されている期間内に貯留される球数に上限を設けることが困難になる場合があるため、貯留状態が設定されている疑似貯留装置B710に所定数以上の球が到達した場合には、疑似貯留装置B710に貯留されることなく、オーバーフローするように構成するとよい。この場合、オーバーフローした球数と、オーバーフロー球に対する賞球数を演算、記憶する手段を設け、その賞球数を直後に実行される疑似演出にて上乗せするようにしてもよい。これにより、大当たり遊技中に一般入球口B630に入球したことに基づいて払い出される賞球数をより多く合算させて第3図柄表示装置81にて表示することができる。
<第5実施形態>
次に、図126〜図132を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、実際に球が払い出されるタイミング(一般入球口B630へ球が入球したことに基づいて賞球が払い出されるタイミング)とは異なるタイミングで第3図柄表示装置81に賞球数を表示するように構成し、特定期間中に払い出された賞球数を合算して表示することで遊技者にインパクトのある賞球数表示を提供するようにした。加えて、実際に球が払い出されるタイミング(一般入球口B630へ球が入球したことに基づいて賞球が払い出されるタイミング)とは異なるタイミングで賞球数が第3図柄表示装置81に表示されることに対して、遊技者に違和感を与えないようにするために、疑似貯留装置B710、疑似入球口B660の動作制御、および第3図柄表示装置81を用いた疑似演出を実行するように構成した。
これに対して、上述した第5実施形態では、大当たり遊技中において、一般入球口C630に入球する前の球を一時的に貯留装置C710に貯留し、一度(短期間)に複数の球を一般入球口C630へ入球させるように構成した。これにより、実際に球が払い出されるタイミングと、第3図柄表示装置81に合算した賞球数を表示するタイミングとの時間差を無くす(短くする)ことができ、遊技者に違和感を与える演出を抑制することができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の流路ユニットC720内の一部構成を変更した点と、主制御装置110のMPU201によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される処理である。その他の各種処理については、第4実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。尚、本第5実施形態では各要素に付した符号に「C」を記載しているが、これは説明の便宜上記載したものであり、以下に説明をしていない要素については、上述した第4実施形態の各要素に付した符号(頭に「B」が記載されている符号)と同一である。
まず、図126〜図129を参照して、本第5実施形態における流路ユニットC720の構成について、上述した第4実施形態の流路ユニットB720と相違する点を説明する。図126は本第5実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図127は、流路ユニットC720を模式的に示した拡大図であり、図128(a)は、遊技状態が通常状態である場合に右打ち遊技を実行した際の流路ユニットC720内の球流れを説明した図であり、図128(b)は、大当たり遊技中において貯留装置C710が貯留状態である場合に右打ち遊技を実行した際の流路ユニットC720内の球流れを説明した図であり、図129は、大当たり遊技中において貯留装置C710が解除状態である場合に右打ち遊技を実行した際の流路ユニットC720内の球流れを説明した図である。
第5実施形態における流路ユニットC720は、図126に示したように、上述した第4実施形態の流路ユニットB720の第4流路B703に設けられていた一般入球口B630を削除した点と、貯留装置C710の構成、及び、貯留装置C710から落下(流下)した球の流路の構成、を変更した点と、第4実施形態の流路ユニットB720に設けられていたアウト口B660、及び、演出用役物B660aに代えて、一般入球口C630を設けた点で相違する。
ここで、本第5実施形態の流路ユニットC720内の構成について図127を参照して説明をする。図127に示したように、振分装置C700によって第3流路C701cに振り分けられた球は、第4流路C703、貯留装置C710を通過し、一般入球口C63或いはアウト口C66の何れかに流入する。一般入球口C63は、球が入球したことに基づいて15球の賞球が払い出されるように構成されている。
貯留装置C710の貯留弁C710aは、アウト口C660に流入しやすい流路(釘CK1〜CK4で区画された流路のうち、左側の流路)に向けて下り傾斜する平板状に形成されており、貯留装置C710に貯留された球が少ない(例えば、1球)場合には、貯留装置C710が解除状態となった場合に、貯留されていた球が一般入球口63に入球し難いように構成されている。
また、第4流路C703の出口部C704は、釘CK1〜CK4で区画された流路のうち、左側の流路を臨む位置に設けられており、貯留装置C710が解除状態である場合に、第4流路C703を流下した球は、その殆どがアウト口C66に流入するように構成している。
次に、図128及び図129を参照して、本第5実施形態の流路ユニットC720内の球流れについて説明をする。図128(a)に示したように、通常状態において遊技者が右打ち遊技を行った場合は、上述した第4実施形態と同様に、振分装置C700によって4球に1球が第3流路C701cに振り分けられ、第4流路C703を流下する。そして、第4流路から流出した球は、貯留装置C710に貯留されること無く、釘CK1〜CK4で区画された流路のうち、左側の流路を流下してアウト口C66に流入される。
このように、貯留装置C710が貯留状態ではない通常状態において、遊技者が右打ち遊技を実行したとしても、球を一般入球口C63に入球させることが困難となるように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行うことで不正に賞球を獲得する行為を抑制することができる。また、上述した第4実施形態のように振分装置B700によって第3流路B701cに振り分けられた球の全てが入球し得る位置に一般入球口B630(賞球4)を設ける構成ではないため、一般入球口C63の賞球数を多く規定したとしても、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制することができる。
次に、図128(b)を参照して、大当たり遊技中における流路ユニットC720内の球流れについて説明をする。図128(b)に示したように、大当たり遊技中のうち、第1可変入賞装置65が開状態である場合(具体的には、大当たりラウンド数が偶数ラウンドである場合)には、貯留装置C710が貯留状態に設定され、貯留装置C710の貯留領域C710bに球が最大で5球貯留できるように構成されている。
ここで、具体的に説明をすると、本実施形態では、振分装置C700によって第3流路C701cに振り分けられた球が貯留装置C710に到達するまでの期間が約0.6秒となるように各流路が構成され、振分装置C700によって第2流路C701bに振り分けられた球が第1可変入賞装置65に到達するまでの期間が約1.8秒となるように構成されている。本パチンコ機10は1分間に最大で100発の球を発射可能に構成されているため、振分装置C700には最短で0.6秒に1回球が流入するようになる。そして、振分装置C700は4球に1球を第3流路C701cへ、残りの3球を第2流路C701bへと振り分けるように構成されている。
つまり、大当たり遊技の偶数ラウンドが開始されてから最初に振分装置C700に到達した球が第3流路C701cに振り分けられた場合には、貯留装置C710に球が1個貯貯留される度に3個の球が第1可変入賞装置65に入球することになる。よって、振分装置C700によって第3流路C701cに振り分けられた4個目の球の次の球が第1可変入賞装置65へ入球する10個目の球となる。
そして、10個目の球が第2流路C701bを流下する期間(1.8秒)中に後続の球が振分装置C700に流入し、10個目の球が第1可変入賞装置65へ入球するタイミングでは、その10個目の球の3つ後(1.8秒後)に振分装置C700に流入した球が第3流路C700cへと振り分けられるタイミングとなる。このように、すべての球が規則正しく等間隔、等速度で流下する場合には、一回のラウンド遊技期間中に貯留装置C710に貯留し得る球数の上限は4個となるが、ラウンド遊技が開始された時点で既に第3流路C701c内を流下している球や、各球の流下速度の相違などにより0.6秒分の誤差が生じるため、一回のラウンド遊技期間中に貯留装置C710に貯留し得る球数の上限は5個となるように設定している。
図128(b)に示したように、貯留装置C710に5個の球(貯留された順にP1〜P5と記す)が貯留されている状態では、1個目に貯留された球P1は、貯留装置C710の貯留状態が解除された場合に、釘CK1〜CK4で区画された流路のうち、左側の流路(以下、左側流路と称す)を流下する位置に貯留され、2個目に貯留された球P2は、その球の中心点が釘CK1よりも右側(図128(b)の視点で右側)となるように、釘CK1を配設しているため、貯留装置C710の貯留状態が解除された場合に、釘CK1〜CK4で区画された流路のうち、右側の流路(以下、右側流路と称す)を流下する位置に貯留される。
次に、図128(b)に示した状態から、貯留装置C710が解除された場合の貯留球(P1〜P5)の球流れについて、図129を参照して説明をする。図129に示した通り、球P1は左側流路を流下し、球P2,P3は右側流路を流下し、球P4は右側流路よりも左側流路を流下し易いように流下し(図129では左側流路を流下した場合を示す)、球P5は左側流路よりも右側流路を流下し易いように流下する。
このように、本第5実施形態では、大当たり遊技中に実行される右打ち遊技において、第1可変入賞装置65に球を入球させる遊技を行うと共に、貯留装置C710に多くの球を貯留させることで一般入球口C63に球を入球させる遊技を実行することができ、大当たり遊技中も意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、上述したように、本実施形態では、大当たり遊技中の第1可変入賞装置65の開閉制御に基づいて、貯留装置C710を貯留状態、或いは、解除状態とを可変させるように構成しており、第2流路C701bを流下した球の殆どが第1可変入賞装置に入球し得る位置に到達するように構成しているため、貯留装置C710に大量の球が貯留されてしまい過剰に遊技者に賞球を提供することを抑制することができる。加えて、貯留装置C710が継続して貯留状態となる期間が、1回のラウンド遊技の期間と同じになるように規定し、振分装置C700によって、第1可変入賞装置65に向けて流下させる球と貯留装置C700に向けて流下させる球とを規則的に振り分ける構成を用いているため、貯留装置C710が継続して貯留状態となる期間中に貯留装置C710に貯留される球数の上限を規制することができるため、貯留装置C710の貯留領域C710bを必要以上に大きくする必要がなくなり、限られたスペースである遊技盤13を有効活用することができる。また、上限以上の球が貯留装置C710に貯留された場合(上限量まで球が貯留されている状態の貯留装置C710に新たな球が流入した場合)に、それを異常と判別することが可能となり、遊技の異常をいち早く察知することができる。また、貯留装置C710から溢れる球を迂回させる流路を設ける必要も無くなり、装置の省スペース化を図ることができる。
<第5実施形態における電気的構成について>
本第5実施形態では、第1実施形態に対して、図130に示すように主制御装置110に貯留弁C710a(貯留弁C710aを駆動させるためのソレノイド)を接続した点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
<第5実施形態における制御処理について>
第5実施形態における制御処理は、第1実施形態に対して、主制御装置110における制御処理の内容が変更されている、そのほかの処理については、第1実施形態と同一であり、その詳細な説明は省略する。また、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理については、上述した第4実施形態と同様の制御処理が実行され、図116〜図118に示した演出と同様の演出が第3図柄表示装置81に表示される。なお、上述した第4実施形態と、本第5実施形態とでは、演出に用いる情報の種別(例えば、第4実施形態では、一般入球口B630に入賞済みの球をカウントした情報を用いるのに対し、本第5実施形態では、一般入球口C63に入賞する前の球をカウントした情報を用いる)が異なるだけであり、演出として報知する情報、即ち、貯留された球数を示すための貯留数情報や、貯留状態が継続する期間(残期間)を示すための期間情報、及び、演出として各情報を表示するための表示態様、即ち、貯留数情報を示すための貯留数情報表示態様(図116の貯留数表示領域Dn10に表示される魚)や、期間情報を示すための期間情報表示態様(図116の期間情報表示領域Dn11に表示されるアミ)等は同一であるためその説明を省略する。
次に、図131および図132を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第5実施形態では、第1実施形態に対して、大当たり制御処理を大当たり制御処理6(図131参照)に変更した点で相違する。その他の要素については同一であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図131を参照して、大当たり制御処理6について説明をする。図131は、この大当たり制御処理6(S1704)を示すフローチャートである。
大当たり制御処理6(S1704)が実行されると、上述した第1実施形態の大当たり制御処理と同様にS1801〜S1808の処理を実行し、その後、大当たり動作開始処理(S1871)を実行する。この大当たり動作開始処理(S1871)については、図132(a)を参照して後述する。
また、上述した第1実施形態の大当たり制御処理と同様にS1809の処理を実行し、特定入賞口の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1809:Yes)、大当たり動作終了処理(S1872)を実行し、本処理を終了する。この大当たり動作終了処理(S1872)については図132(b)を参照して後述する。そして、S1809の処理において、特定入賞口の閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1809;No)、上述した第1実施形態の大当たり制御処理と同様にS1811〜S1815の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図132(a)を参照して、大当たり動作開始処理(S1781)について説明をする。図132(a)は、大当たり動作開始処理(S1781)の内容を示したフローチャートである。この大当たり動作開始処理(S1781)は、貯留装置C710を貯留状態とするために、貯留弁C710aを閉鎖するための処理を実行するためのものである。
大当たり動作開始処理(S1781)が実行されると、まず、大開放口を開放(第1可変入賞装置65の開閉扉65bを開状態に設定)し(S7201)、次に、今回開始されるラウンドが偶数ラウンドであるかを判別する(S7202)。S7202の処理において、偶数ラウンドであると判別した場合は(S7202:Yes)、貯留弁C710aを閉鎖し(S7203)、貯留弁C710aの閉鎖(貯留装置C710が貯留状態)であることを示す閉鎖コマンド(貯留状態コマンド)を設定し(S7204)、本処理を終了する。
このように、主制御装置110において貯留弁710aを閉鎖されるタイミングに合わせて閉鎖コマンドを設定し、その閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するように構成することで、主制御装置110側で動作制御される貯留装置C710の動作内容を音声ランプ制御装置113側で容易に把握することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第5実施形態では、音声ランプ制御装置113側で貯留装置C710の貯留弁C710aが閉鎖されたことを判別した場合に、上述した第4実施形態の疑似演出フラグ223yaと同等のフラグがオンに設定され、疑似演出が開始される。
次に、図132(b)を参照して、大当たり動作終了処理(S1782)について説明をする。図132(b)は、大当たり動作終了処理(S1782)の内容を示したフローチャートである。この大当たり動作終了処理(S1782)は、貯留装置C710を貯留状態から解除状態へと移行するために、貯留弁C710aを開放するための処理を実行するものである。
大当たり動作終了処理(S1782)が実行されると、まず、大開放口を閉鎖(第1可変入賞装置65の開閉扉65bを閉状態に設定)し(S7301)、貯留弁C710aを開放し(S7302)、貯留弁の開放を示す開放コマンドを設定し(S7303)、本処理を終了する。
以上、説明をした第5実施形態では、第4実施形態の構成に対して、即ち、実際に球が払い出されるタイミング(一般入球口B630へ球が入球したことに基づいて賞球が払い出されるタイミング)とは異なるタイミングで第3図柄表示装置81に賞球数を表示するように構成し、特定期間中に払い出された賞球数を合算して表示することで遊技者にインパクトのある賞球数表示を提供するようにした。加えて、実際に球が払い出されるタイミング(一般入球口B630へ球が入球したことに基づいて賞球が払い出されるタイミング)とは異なるタイミングで賞球数が第3図柄表示装置81に表示されることに対して、遊技者に違和感を与えないようにするために、疑似貯留装置B710、疑似入球口B660の動作制御、および第3図柄表示装置81を用いた疑似演出を実行するような構成に対して、大当たり遊技中において、一般入球口C630に入球する前の球を一時的に貯留装置C710に貯留し、一度(短期間)に複数の球を一般入球口C630へ入球させるように構成した。これにより、実際に球が払い出されるタイミングと、第3図柄表示装置81に合算した賞球数を表示するタイミングとの時間差を無くす(短くする)ことができ、遊技者に違和感を与える演出を抑制することができる。
また、第5実施形態では、遊技状態として通常状態が設定されている間は、貯留装置C710が解除状態となるように構成されており、解除状態である貯留装置C710を通過した球は一般入球口C630へ入球し難い流路を流下するように構成している。これにより、通常状態において右打ち遊技を行い、一般入球口C630に球を入球させる行為を抑制することができる。
さらに、貯留装置C710に複数の球が貯留された状態で貯留装置C710が解除状態へと移行した場合には、貯留された複数の球の一部が一般入球口C630に入球し易い流路を流下することになるため、大当たり遊技中において一般入球口C630へ複数の球を入球させ易くすることができる。また、このように構成することで、一般入球口C630に球が入球したことに基づいて払い出される賞球数を多く設定したとしても、通常状態中の出玉率が100%を超えること事態が発生することを抑制することができ、大当たり遊技中に一般入球口C630へ球を入球させる価値を高めることができる。
さらに、第5実施形態では、貯留装置C710を構成する貯留弁が、一般入球口C630に入球し難い流路に向けて下り傾斜するように構成されている。これにより、貯留装置C710が貯留状態中に多くの球を貯留させたほうが一般入球口C630に球を入球させやすくすることができる。よって、遊技者に対して、貯留装置C710に多くの球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、第5実施形態では、上述した第4実施形態と同様に、振分装置C700により、第1可変入賞装置65が配設されている領域に球を流下させる第2流路C701bと貯留装置C710が配設されている領域に球を流下させる第3流路C701cとに3:1の割合で球を流下させるように構成し、貯留装置C710を貯留状態または解除状態とに設定する制御を上述した第4実施形態と同様に構成している。よって、貯留装置C710に貯留される球数の上限を設定することができ、貯留装置C710の貯留空間を必要以上に大きく設計する必要が無くなるため、限られた遊技盤13の領域を有効に活用することができる。また、予め定められた球数以上の球が貯留装置C710に貯留される状態を検知した場合、例えば、予め定めた上限数を超えて貯留装置C710に流入した1球のみが特定箇所に貯留可能となるように貯留装置C710の貯留空間を形成し、その特定箇所に球が貯留されたことを検知した場合に、遊技機の異常と判別し、異常の旨を外部に報知するための異常信号を出力したり、遊技を停止させたりする異常処理を実行するように構成してもよい。
さらに、振分装置C700を用いない場合には、貯留装置C710に貯留され得る球数を予め設定することが困難になる場合があるため、そのような構成の場合は、貯留装置C710に貯留しきれなかった球が流下する専用流路(オーバーフロー流路)を設け、そのオーバーフロー流路を流下した球が一般入球口C630に入球し易くなるように(具体的には、貯留装置C710に貯留された球のうち一般入球口C630に入球する割合以上の割合で入球するように)構成するとよい。これにより、貯留装置C710が貯留状態に設定されている期間中に遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図133を参照して、上述した第5実施形態の変形例について説明をする。上述した第5実施形態では、貯留弁C710aを一般入球口C63に入球困難な第6流路C711a側に向けて下り傾斜させて配設することで、貯留装置C710に貯留される球が少ない場合には貯留装置C710が解除された際に、球が一般入球口C63に入球し難いように構成した。これに対して、本変形例では、貯留弁D710aの形状、及び、貯留装置D710に貯留された球を第5流路D711b、第6流路D711aに流下させるための構成を変更した点で相違している。それ以外の構成は、上述した第5実施形態と同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。尚、本第5実施形態では各要素に付した符号に「C」を記載しているが、これは説明の便宜上記載したものであり、以下に説明をしていない要素については、上述した第4実施形態の各要素に付した符号(頭に「B」が記載されている符号)と同一である。
図133に示したように、本変形例では、上述した第5実施形態に対して、貯留装置D710の貯留領域D701bを構成する構成を異ならせている。具体的には、貯留弁D710aの形状を段差形状とし、最初に貯留された球P1が左側流路D711aへと流下し易い位置に貯留され、次に貯留された球P2が既に貯留されている球P1の上部に衝突し、右側へと流下することで貯留弁D710aの右側に形成された貯留空間へと流下し、右側流路D711bへと流下し易い位置に貯留される。続けて球P3〜球P5が図に示すように貯留される。そして、図133に示したように球P5が貯留されることで、更に後続の球が貯留装置D710に流入した場合であっても、これ以上の球が貯留されることがないように構成されている。また、貯留弁D710aの上方に、流路規制片D712を配設し、貯留装置D710が解除状態の場合に貯留装置D710に流入した球、或いは、貯留状態の場合に貯留装置D710に流入した1個目の球が左流路(D711a)に流下するように構成している。
このように貯留装置D710を構成した場合であっても、上述した第5実施形態と同様に、貯留装置D710が貯留状態ではない通常状態において、遊技者が右打ち遊技を実行したとしても、球を一般入球口D63に入球させることが困難となるように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行うことで不正に賞球を獲得する行為を抑制することができる。また、上述した第4実施形態のように振分装置B700によって第3流路B701cに振り分けられた球の全てが入球し得る位置に一般入球口B630(賞球4)を設ける構成ではないため、一般入球口D63の賞球数を多く規定したとしても、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制することができる。
加えて、本変形例の構成では、貯留装置D710に貯留された球(1個目に貯留された球を除く)を、右側流路D711bに流入させ易くすることができるため、貯留装置D710に貯留された球を一般入球口D63に入球させ易くすることができる。さらに、本変形例の構成では、上述した第5実施形態と同様に貯留装置D710が継続して貯留状態である場合に5球以上の球が貯留装置内に貯留されないように構成しているが、万が一、それ以上の球が貯留装置D710に流入しようと第3流路D701cを流下した場合には、貯留装置D710内に貯留されている球P5によって貯留装置D710内への流入が規制される。そして、規制された球は貯留装置D710が解除状態となった場合に、左側流路D711aに向けて流下するように構成されている。これにより、意図しない数の球が貯留状態である貯留装置D710に流入してしまう事態が発生したとしても過剰に一般入球口D63に球が入球してしまう事態を抑制することができる。
<第6実施形態>
次に、図134〜図136を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第5実施形態では、大当たり遊技中において第1可変入賞装置65が開放されている期間に対応させて貯留装置C710が貯留状態となるように構成した。これに対し、本第6実施形態では、大当たり遊技において開放し得る入賞装置を複数設け(第1可変入賞装置(第1アタッカ)E65、第2可変入賞装置(第2アタッカ)E650)、開放される可変入賞装置の終了条件を異ならせることで、1回のラウンド遊技が実行され得る期間を異ならせているように構成している。
このように構成することで、当選した大当たりによって、貯留装置C710が貯留状態となる期間を異ならせることができ、遊技者に対して大当たりに当選した場合に、どの大当たり遊技が実行されるかを期待させることができる。
次に、図134及び図135を参照して、本第6実施形態の遊技盤13の構成について説明をする。図134は本第6実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図135は、本第6実施形態の右側領域を模式的に示した拡大図である。
図134に示したように、本第6実施形態は、上述した第5実施形態に対して、流路ユニットE720内の構成を変更した点と、右側領域下方に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置E65、第2可変入賞装置E650)を設けた点で相違する。次に、図135を参照して、本第6実施形態と上述した第5実施形態との相違点について詳細に説明をする。
図135に示したように、本第6実施形態では、貯留装置E710に4個の球が貯留された状態で新たな球が流入してきた場合に、その新たな球を貯留領域E710bから流出させ、一般入球口E63に向けて流下させるための迂回通路E802が設けられている。これにより、所定個数(4個)以上の球が貯留状態である貯留装置E710に流入した場合には、その球を高確率で一般入球口E63へ入球させることができる。
ここで、本第6実施形態において上述した迂回通路E802を設けた理由について説明をする。上述した第5実施形態では、振分装置D700によって第2流路D701bと第3流路D701cとに球を3:1の割合で振り分けるように構成し、さらに、第2流路D701bを流下した球の殆どが第1可変入賞装置65へと入球し得るように構成し、その第1可変入賞装置65が開放される期間に対応して貯留装置D710の貯留状態が設定されるように構成していたため、貯留状態が設定される期間中に貯留装置E710へと流入する球数が予め定められているものであった。
これに対して、本第6実施形態では、開放動作の終了条件が異なる複数の可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)を設け、更に、第2流路E701bを流下した球が開放中の第2可変入賞装置650へと入球する割合を調整手段(釘など)EK1によって調整可能に構成している。このように構成することで、1回のラウンド遊技を終了させるために必要な球の発射数が大きく変異する場合があり、その結果、貯留状態である貯留装置E710に流入する球数も大きく変異することになる。
よって、数多くの球が貯留状態である貯留装置E710に流入する事態(1回のラウンド遊技が終了し難い状態)が発生した場合に、遊技者により有利な特典を付与することができるようにするために、迂回通路E802を設けたものである。これにより、大当たり遊技中に第2可変入賞装置E650に球が入球し難いように調整手段EK1を調整することで、1回のラウンド遊技が終了するまでの期間(ラウンド遊技の終了条件が成立する個数の球が入球するまでの期間)を長くすることができ、1回のラウンド遊技中(貯留状態が継続して設定されている期間中)に貯留装置E710に向けて流下させる球数を増加させることができる。
なお、本第6実施形態では、一般入球口E63に球が入球した場合に払い出される賞球数を「15」に設定し、何れの可変入賞装置(第1可変入賞装置E65、第2可変入賞装置E650)に球が入球した場合に払い出される賞球数を「10」に設定しているため、大当たり遊技中のラウンド遊技が終了すること無く、継続して(ラウンド遊技が30秒継続し、終了条件が成立するまで)ラウンド遊技が継続する状態が遊技者にとって最も有利な状態となる。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図136を参照して、本第6実施形態における電気的構成について説明をする。図136(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。本第6実施形態にて規定される第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した特別図柄の種別(第1特別図柄(特別図柄1)、第2特別図柄(特別図柄2))と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値(0〜99)とに基づいて、大当たり種別(大当たりAA〜大当たりAC)が規定されており、特別図柄の大当たり時(大当たり当選時、大当たり確定時(大当たりを示す図柄の停止時))に、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容に基づいて大当たり種別が選択される。
具体的には、第1特別図柄(特別図柄1)の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が、「0〜49」の場合は大当たりAAが選択され、「50〜89」の場合は大当たりABが選択され、「90〜99」の場合は大当たりACが選択される。また、第2特別図柄(特別図柄2)の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が、「0〜19」の場合は大当たりAAが選択され、「20〜39」の場合は大当たりABが選択され、「40〜99」の場合は大当たりACが選択される。
次に、図136(b)を参照して、第1アタッカ(第1可変入賞装置E65)、第2アタッカ(第2可変入賞装置E650)の仕様について説明をする。図136(b)は、各アタッカ(可変入賞装置)の仕様を説明する説明図である。図136(b)に示したように、本実施形態では、アタッカ(可変入賞装置)の種別に応じて、閉鎖条件(開放時間による閉鎖条件と、入賞数による閉鎖条件)、及び、賞球数がそれぞれ設定されており、大当たり遊技中に開放されるアタッカの種別によって、大当たり遊技中に払い出される賞球数が異ならせるように構成している。
具体的には、第1アタッカ(第1可変入賞装置)E65は、開放状態が25秒継続した場合、或いは、1回の開放中に5個の入球があった場合に、閉鎖条件が成立するように設定され、入賞した球に対する賞球数として「10」が設定されている。一方、第2アタッカ(第2可変入賞装置)E650は、開放状態が30秒継続した場合、或いは、1回の開放中に5個の入球があった場合に、閉鎖条件が成立するように設定され、入賞した球に対する賞球数として「10」が設定されている。
次に、図136(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して選択される大当たり種別によって実行される大当たり遊技内容について説明をする。図136(c)は、各大当たり種別のアタッカ動作を説明した説明図である。
図136(c)に示したように、本実施形態では、選択された大当たり種別(大当たりAA〜AC)に応じて、大当たり遊技中に実行されるラウンド数、及び、大当たり遊技中に開放されるアタッカの種別とラウンド数との関係が異なるように規定されている。具体的には、大当たり種別が「AA」の場合は、大当たり遊技のラウンド数として「10」が設定され、その全てのラウンドにおいて第1アタッカ(第1可変入賞装置E65)が開放される大当たり遊技が実行される。大当たり種別が「AB」の場合は、大当たり遊技のラウンド数として、「15」が設定され、その全てのラウンドにおいて第1アタッカ(第1可変入賞装置E65)が開放される大当たり遊技が実行される。大当たり種別が「AC」の場合は、大当たり遊技のラウンド数として「15」が設定され、そのラウンドのうち、1〜5ラウンドは第1アタッカ(第1可変入賞装置E65)が開放され、6〜15ラウンドは第2アタッカ(第2可変入賞装置E650)が開放される大当たり遊技が実行される。
このように構成された本第6実施形態では、ラウンド遊技が実行されている期間に対応して貯留装置E710を貯留状態に設定した場合に、実行される大当たり遊技の内容に応じて貯留状態が設定される期間を異ならせることが可能となる。
さらに、本実施形態では、大当たり種別が「AB」の場合と、大当たり種別が「AC」の場合では同一のラウンド数「15」が設定され、最初の5ラウンド間は同一のアタッカ(第1アタッカ)が開放されるように設定されている。よって、大当たり遊技が開始されてから5ラウンド目のラウンド遊技が終了するまでの間は、遊技者に対して、今回の大当たり遊技がどの大当たり種別に対応する大当たり遊技であるのかを分かり難くすることができ、大当たり遊技が開始された後にも、遊技者に期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
なお、この場合、疑似演出において特定表示態様Dn10bを表示させる条件として、今回の大当たり遊技が遊技者に有利となる大当たり種別(大当たりAC)であることを条件としてもよい。
本第6実施形態では、大当たり遊技中に開放される入賞口(アタッカ)を複数設け、各アタッカの閉鎖条件(ラウンド終了条件)を異ならせることで、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技期間を異ならせ、貯留装置E710が貯留状態となる期間を可変させる構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、大当たりの種別に基づいて、同一のアタッカのラウンド終了条件を異ならせるように構成してもよい。
上述した第4〜第6実施形態では、アタッカの閉鎖条件(ラウンド終了条件)として、アタッカが開放されている期間が所定期間(例えば、30秒)を経過したことにより成立する経過時間終了条件と、アタッカが開放されている間に入球した球数が所定個数(例えば、10個)に到達したことにより成立する入球数終了条件とを設定しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、ラウンド遊技中に払い出された賞球数の合計が所定数(例えば、200個)に到達したことにより成立する払出数終了条件や、ラウンド遊技を終了させるか否かを抽選する抽選手段を設け、その抽選手段によってラウンド遊技を終了させると判別された場合に成立する抽選型終了条件や、遊技者が操作手段を操作することにより成立する操作型終了条件などを設定してもよい。
また、上述した第4〜第6実施形態では、貯留装置を貯留状態に設定するタイミングをラウンド遊技が開始されるタイミングとしているが、大当たり遊技中に貯留装置を貯留状態に設定可能な構成であればよく、例えば、大当たり遊技が開始されてから所定期間が経過した場合に貯留装置を貯留状態に設定するように構成してもよいし、大当たり遊技中に球が特定領域に入球したことに基づいて貯留装置を貯留状態に設定してもよいし、大当たり遊技中に遊技者が操作手段を操作したことに基づいて貯留装置を貯留状態に設定するようにしてもよい。
また、大当たり遊技においてラウンド遊技が終了したことに(ラウンド間インターバルが実行されたことに)基づいて貯留装置を貯留状態に設定するようにしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技中においてアタッカに球を入球させることが出来ない期間であっても遊技者に興味を持たせて遊技を行わせることができる。この場合、大当たり種別や大当たりに当選した際の遊技状態に基づいて、ラウンド間インターバル期間が可変するように構成するとよい。このように構成することで、大当たり遊技中に貯留装置が貯留状態となる期間を可変させることができる。
上述した第4〜第6実施形態では、大当たり遊技中において、偶数番目のラウンド遊技が開始される毎に貯留装置を貯留状態に設定するように構成しているが、大当たり遊技中に少なくとも1回は貯留装置を貯留状態に設定可能な構成であればよく、特定のラウンド遊技(例えば、6ラウンド目)が開始された場合にのみ貯留装置を貯留状態に設定する構成でもよいし、全てのラウンドにおいて貯留装置を貯留状態に設定する構成でもよい。また、アタッカを複数設けた場合には、複数のアタッカのうち、特定のアタッカが開放されるラウンド遊技が実行されることに基づいて貯留装置を貯留状態に設定する構成を用いても良い。
上述した第4〜第6実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の終了を条件に貯留装置を貯留状態から解除状態へと可変させるように構成しているが、貯留装置を貯留状態から解除状態へと可変させる条件としてそれ以外の条件を設定してもよい。例えば、貯留装置に所定数(例えば、5個)の球が貯留されたことを条件に設定してもよいし、貯留装置が貯留状態に設定されてから所定時間が経過したことに基づいて貯留装置を貯留状態から解除状態へと可変させる制御手段を設けても良い。
上述した第4〜第6実施形態では、貯留装置を貯留状態に設定する条件、及び、貯留状態が設定されている貯留装置を解除状態に移行させる条件の両方を、大当たり遊技が実行されることに基づいて成立する条件(例えば、ラウンド遊技の開始条件、ラウンド遊技の終了条件)に設定しているが、何れか一方の条件を大当たり遊技が実行されることに基づいて成立する条件とし、他方の条件として、それ以外の条件を設定するように構成してもよく、例えば、貯留装置を貯留状態に設定する条件を大当たり遊技中のラウンド遊技の開始条件とし、解除状態に設定する条件として、貯留状態が設定されてから所定期間(例えば、1分)の経過したことを条件にしてもよい。また、特別図柄の判定の結果が外れの一部である小当たりに当選したことを条件にしてもよいし、普通図柄の判定結果が所定の判定結果であることを条件にしてもよい。
このように構成することで、例えば、ラウンド遊技数が少ない(例えば、2ラウンド)大当たりに当選した場合に、大当たり遊技によって遊技者が獲得可能な賞球数(大当たり遊技が実行される場合に開放されるアタッカ(可変入賞口)に球を入球させることで獲得する賞球数)よりも、貯留装置に貯留された球が一般入球口に入球することに基づいて払い出される賞球数を多くすることが可能となり、今までに無い新たな遊技性を遊技者に提供することができる。このような構成を用いる場合は、上述した第6実施形態に用いた迂回路E802(図135参照)を設けるとよい。これにより、貯留装置に貯留された球が一般入球口に入球することに基づいて払い出される賞球数をより多くすることができる。
上述した各実施形態では、球を貯留可能な貯留装置として、貯留空間が形成される貯留領域と、その貯留領域の底部を区画形成し、貯留状態と、解除状態とに可変可能な貯留弁(可変手段)とを有する構成を用いたが、球を一時的に貯留(滞留)させることが可能な機能を有する構成であればよく、例えば、磁石を用いて球を一時的に吸着させる構成や、球が流下可能な流下面に突出可能な突出片を突出状態(貯留状態)と埋没状態(解除状態)とに可変させる構成を用いても良い。また、上述した各実施形態では、貯留手段に貯留された球が入球可能な入球口(一般入球口)を1つだけ設けた構成を用いたが、それ以外の構成でもよく、例えば、賞球数が異なる複数の入球口を設け、貯留手段に貯留された球が何れかの入球口に入球するように構成してもよい。
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、特定期間中(時短状態中)に、第2入球口640に入球した場合に、特図2の保留を獲得したことを示す保留獲得表示を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成し、第2入球口640に球を入球させることが可能な状態になるか否か(時短中に普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aがロング開放状態となるか否か)を普通図柄の変動に対応した第3図柄の変動表示を用いて遊技者に表示するように構成した。
このように構成することで、遊技者に対して遊技の流れを容易に把握させることが出来ると共に、遊技に対する期待感を煽ることができ演出効果を高めることができる。しかしながら、時短中に普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aがロング開放状態となるタイミングが時短状態に突入した直後である場合には、普通図柄の変動に対応した第3図柄の変動表示を実行する期間が短く遊技者に分かり難い変動表示が表示されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、第2入球口640に球を入球させることが可能な状態(電動役物640aがロング開放される状態)になるか否かを示唆する演出を実行する期間が確保できない状態で、電動役物640aがロング開放されると判別した場合には、上述した示唆演出を実行しないように構成し、そのタイミングで第2入球口640へ球が入球したとしても、保留獲得表示を第3図柄表示装置81に表示しないように構成し、時短遊技状態が終了することを示唆する演出(バトル演出(図19(b)参照))中に特図2の保留を獲得したことを表示するように構成するとよい。
このように構成することで、遊技者に分かり難い演出表示が実行されることを抑制できるとともに、時短遊技状態が終了することを示唆する演出において、時短遊技状態が終了しないパターンの演出(図20(a)参照)が実行されやすくなり、遊技者にバトル演出に対して期待感を持たせることができる。
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、大当たり中、時短状態中、小当たり中、或いは、通常状態であって大当たり終了後の1回転目に特図2が変動する場合に右打ち遊技の案内表示を表示画面に表示するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、大当たりまたは小当たりに当選している場合における特図変動中や、当たり当選している普図変動中にも右打ち遊技の案内表示を表示画面に表示するように構成してもよい。このように構成することで、右打ち遊技を実行しなければならない遊技状態が設定される前に予め右打ち遊技を行うことを遊技者に促すことができるため、右打ち遊技をし忘れる事態が発生することを抑制することができる。
上述した構成を用いる場合には、例えば、図22(a),(b)を用いて上述した通常状態における特図1小当たり中演出を、その小当たりに当選した特図1の変動期間中から実行するように構成するとよい。このように構成することで、特図1小当たり中演出の一部を例えば、特図1の変動演出として用いることが可能となる。よって、例えば、特図1大当たり当選時の特図1変動演出にも用いることで、演出が開始された場合に、特図1大当たりと特図1小当たりの何れにも期待することができ、演出効果を高めることができる。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(1種2種の構成において特1変動期間で確変)
第1取得条件の成立に基づいて第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による第1判定結果を示すための第1識別情報を動的表示する第1動的表示手段と、特定の前記第1判定結果であることを示すための前記第1識別情報が停止表示された場合に、第1特典を遊技者に付与する第1特典付与手段と、第2取得条件の成立に基づいて第2情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得された前記第2情報が記憶される記憶手段と、前記第1判定より遊技者に有利な判定がされ易い第2判定を前記記憶手段に記憶された前記第2情報に基づいて実行する第2判定手段と、前記第2取得条件の成立を規制する状態とする第1状態とその第1状態よりも前記第2取得条件が成立され易い状態とする第2状態とをそれぞれ切り替えて設定可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている前記第2情報に対応する前記第2判定を前記第1判定よりも優先して実行させる優先手段、を有し、前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた場合に、前記第2判定が実行されるよりも前に前記第1判定が実行されるように構成されていることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、第2状態に変更されやすい状態を始動口に遊技球が入球することで実行される抽選が所定回数実行され、その所定回数目の抽選結果が表示されるまで継続して設定する遊技機が提案されている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定回数の抽選が実行される状態でその抽選が遊技者に有利となる判定が実行される確率は一定であり、遊技が単調となり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機A1によれば、第2取得条件が成立し易くなる特別状態となった場合にも、第1識別情報の動的表示が実行されて、その動的表示期間の間、第2判定が実行されることが規制されるので、特別状態の開始時点では、遊技者に第2判定よりも不利となる第1判定が実行される期間となり、その後、遊技者に有利となる第2判定が記憶手段に記憶されている第2情報に対して第1判定よりも優先手段により優先されて第2判定が実行されるように構成されているので、遊技者に有利となる第2判定が連続して実行されやすい期間に切り替えることで、遊技者の興趣を向上させて、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、遊技球が入球することで前記第1取得条件の成立の契機となる第1入球手段と、遊技球が入球することで前記第2取得条件の成立の契機となる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な開状態と入球が困難となる閉状態とに可変可能な可変部材と、遊技球が所定の通過領域を通過したかを検出可能な検出手段と、その検出手段に遊技球が検出されたことに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示すための抽選情報が動的表示される抽選情報動的表示手段と、特定の前記抽選結果を示すための前記抽選情報が停止表示された場合に、前記可変部材を所定規則で設定された可変パターンで前記閉状態か前記開状態へと可変させる可変制御手段と、を有し、前記抽選手段は、前記第1識別情報または前記第2識別情報が動的表示されている期間にも前記抽選を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、特別状態が設定され、第1識別情報の動的表示がされている期間にも、遊技球を通過領域へ通過させることで抽選が実行されて、第2入球手段へ遊技球を入球させることで第2取得条件を成立させることが可能となるので、第1識別情報が動的表示されている期間にも、できるだけ通過領域に遊技球を通過させるように遊技者に遊技をさせることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難とに可変される可変入賞手段と、その可変入賞手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2判定手段により特定の第2判定結果であると判定されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記入球困難な状態から前記入球可能な状態へと可変させる可変遊技実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、第2判定が実行されることで、特定領域へ遊技球を通過させるようにする遊技へ移行することができ、遊技者に変化のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機A2またはA3のいずれかにおいて、前記可変制御手段により可変される前記可変パターンは、前記特別状態が設定されている期間に対応して可変して設定されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、特別状態の設定期間に対応して可変パターンが可変されるので、特別状態が設定されている期間に合わせた可変パターンを実行することができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記第1取得手段により取得された前記第1情報が記憶される第1記憶手段と、前記第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の動的表示期間を決定する第1動的表示期間設定手段と、を有し、前記第1動的表示期間設定手段は、前記状態設定手段により前記第2状態が設定されている場合における前記第1識別情報の動的表示期間として、少なくとも、前記抽選情報動的表示手段により前記抽選情報が動的表示される動的表示期間よりも短い第1動的表示期間と、前記抽選情報が動的表示される動的表示期間よりも長い第2動的表示期間とを設定可能とするものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動的表示期間設定手段により設定される動的表示期間の長さによって、第2状態として、第2入球手段に遊技球を入球させやすい有利状態と、第2入球手段に遊技球を入球させにくい不利状態とを設定することができる。よって、第2状態が有利状態となるように遊技者に遊技をさせることができるという効果がある。
遊技機A5において、所定情報を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記状態設定手段により設定された遊技の状態を示すための状態情報を表示させる表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記第1動的表示期間設定手段により、前記第2動的表示期間が設定された場合には、前記第2状態を示すための状態情報を表示しないものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第2状態が設定されているにも関わらず、第1識別情報の動的表示期間として第2入球手段に遊技球を入球させ難い第2動的表示期間が設定されている場合には、第2状態を示すための状態情報を表示しないため、表示手段に表示される情報によって遊技者の期待を損ねてしまうという不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記第1状態が設定されている状態で前記第2取得条件が成立したことに基づいて、遊技者の遊技を規制することが可能な遊技規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、第2取得条件の成立が規制されている第1状態で第2取得条件が成立したことに基づいて遊技者の遊技を規制することが可能となるので、不正に第2取得条件を成立させられることを抑制できるという効果がある。
遊技機A7において、前記遊技規制手段は、遊技球の発射を規制するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、遊技規制手段により遊技球の発射が規制されるので、効果的に不正を抑制できるという効果がある。
遊技機A2からA8のいずれかにおいて、前記第1入球手段は、前記第2入球手段へ遊技球が入球困難な第1流路と、前記第2入球手段へ遊技球が可能な第2流路とにそれぞれ配置されており、前記第2流路に配置された第1入球手段は、前記第2流路に配置された入球口に遊技球が入球することで遊技球が入球可能な状態にされ、前記第2流路に配置された第1入球手段に遊技球が入球することで遊技球が入球困難な状態にされるものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A2からA8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を入球口に入球させることで、第2状態が設定され第2入球手段へ遊技球を入球させるために第2流路に遊技球を流下させた場合にも入球口に遊技球が入球することで、第1入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、第1判定が実行されやすく構成できるという効果がある。
遊技機A9において、前記入球口に遊技球が入球可能な位置で遊技球を保持することが可能な保持手段と、その保持手段による保持を解除条件の成立に基づいて解除する保持解除手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、解除条件により第1入球手段へと遊技球を入球させるタイミングを制御できるという効果がある。
遊技機A10において、前記解除条件は、前記第1特典付与手段により前記第1特典が付与されることに基づいて解除されるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、第1特典が付与されるタイミングで解除条件が成立するので第1特典が付与された後には、第1取得条件が成立し易くすることができるという効果がある。
<特徴B群>(通常時の特1入賞規制)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難な第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に配置された第1入球手段と、前記第2流路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の前記判定結果であることを示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第2流路に遊技球を流下させて遊技を実行することで、前記第1流路に遊技球を流下させて遊技を実行するよりも遊技者に有利な状態となる特別状態を設定することが可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されていない状態で、前記第2流路に遊技球を流下させて遊技が行われた場合に、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し難くする規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口の状態を、遊技球が入球し難い第1状態から、遊技球が入球し易い第2状態に変更するか否かの第1抽選を実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、第2状態に変更されやすい状態を始動口に遊技球が入球することで実行される抽選が所定回数実行され、その所定回数目の抽選結果が表示されるまで継続して設定する遊技機が提案されている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定回数の抽選が実行される状態でその抽選が遊技者に有利となる判定が実行される確率は一定であり、遊技が単調となり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。また、遊技に変化を持たせるために、遊技球の流下ルート変えて遊技を行わせるように構成すると、想定された流下ルートとは異なるルートに遊技球を流下させることで不正に遊技者に利益が付与される不具合があった。
遊技機B1によれば、特別状態が設定された場合に第2流路を流下させて遊技を行わせるようにすることで、遊技に変化をさせることができる一方で、特別状態が設定されていない場合には、第1入球手段よりも第2入球手段に遊技球が入球し難く規制されているので、特別状態が終了した場合には、第1流路を流下させて遊技を行わせるように必然的に遊技者に仕向けることで不正等の不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記第2流路には、遊技球が流下可能な第3流路とその第3流路を流下した遊技球が流下することが困難な第4流路とが少なくとも形成されており、前記第2流路を流下した遊技球を前記第3流路と前記第4流路とにそれぞれ振り分けることが可能な振り分け手段を有し、前記第4流路に前記第2入球手段は配置されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第2流路に流下した遊技球のうち、第3流路に振り分けられた遊技球が第2入球手段へと入球可能となるので、第1入球手段よりも第2入球手段へ入球可能となる遊技球の量を減らすことができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第3流路には、遊技球が入球可能な第3入球手段が配置されており、前記第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記情報が前記取得手段により取得され、前記第3入球手段に遊技球が入球したことにより取得された前記情報に基づいて前記判定より遊技者に有利となる有利判定を実行する有利判定手段と、前記特別状態が設定されることで、前記第3入球手段に遊技球が入球し難い状態から入球し易い状態へと可変させる可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、特別状態となると第3入球手段へと入球させ易い状態となるので、遊技者に第2流路へ遊技球を流下させて遊技を行わせるように促すことができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記振り分け手段は、前記第3流路と前記第4流路へと交互に遊技球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、交互に振り分けることで、第2流路に流下した遊技球を半数ずつ流下させることができ、効果的に第2入球手段へ入球する遊技球を減らすことができるという効果がある。
遊技機B1からB4において、前記第1流路または前記第2流路を流下した遊技球を保持可能な保持手段と、その保持手段により保持された遊技球を下流へと流下させる状態へと切り替える切り替え手段と、その切り替え手段により前記流下させる状態へと切り替えられたことで流下した遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に遊技球が入球することで、前記第2入球手段を遊技球が入球可能な状態にする可変手段と、を有したことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、保持手段と切り替え手段により第2入球手段への遊技球の入球を規制しているため、意図しないタイミングで遊技球が第2入球手段へ入球してしまう不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機B5において、前記切り替え手段は、前記流下させる状態へと切り替えた後に、所定期間が経過することで遊技球を保持可能な状態へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第2入球手段へ遊技球が入球可能な期間を規定することができるため、第2入球手段への遊技球の入球をより規制することができるという効果がある。
遊技機B5またはB6において、前記第2入球手段は、遊技球が入球したことに基づいて、遊技球が入球困難な状態へと前記可変手段により可変されるものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5またはB6の奏する効果に加え、切り替え手段が前記硫化させる状態へと切り替えられている期間中であっても、第2入球手段に遊技球が入球した場合に、第2入球手段を遊技球が入球困難な状態へと可変されるため、第2入球手段に連続して複数の遊技球が入球してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過度な特典を付与することを抑制することができるという効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記保持手段により保持された遊技球が流下可能な領域に設けられ、その流下した遊技球を第1流路に誘導可能な第1位置と、前記第1流路に誘導困難な第2位置とに可変可能な可変誘導手段と、その可変誘導手段を予め定められた所定間隔で、前記第1位置と前記第2位置とに可変制御する誘導部材可変制御手段と、を有し、前記開口部を、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な領域に配設したことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、切り替え手段により保持手段に保持された遊技球が下流へと流下可能となるタイミングと、可変誘導手段が第1位置に可変されるタイミングとが所定条件を満たした場合にのみ、開口部に遊技球を入球させることが可能となるため、遊技者に対して、遊技のタイミングを意識して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1から遊技機B8のいずれかにおいて、前記状態設定手段により特別状態が設定されている場合に、前記識別情報が動的表示されることで前記特別状態の残りの期間が短くなるようにする可変手段を有することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、識別情報が動的表示されることで特別状態の残り期間が短くなるので、遊技者に識別情報の動的表示期間について興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。なお、長い動的表示期間が実行されるほど、遊技者に有利となる特別状態が長くなるので、遊技者に長い動的表示期間を期待させることができる。
<特徴C群>(1ゲーム連させる制御)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に配置された第1入球手段と、前記第2流路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも入球が困難となる第2状態とに可変する可変手段と、その可変手段を前記第2状態から前記第1状態へと可変条件の成立に基づいて可変させる可変実行手段と、特定条件の成立に基づいて、前記第1流路よりも前記第2流路へと遊技球を流下させて遊技を実行することで遊技者に有利となる特典遊技が実行され易くする特別状態を設定する特別状態設定手段と、前記特典遊技が実行された後に、前記識別情報が動的表示され、その動的表示期間が終了したことに基づいて前記特別状態を解除する解除手段と、前記特典遊技が実行される場合に、前記可変条件の成立を判定する可変条件判定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、実際に高確率状態で抽選されているかを遊技者が確認して遊技を行うことは困難であり、興趣が低下し易いという不具合があった。
遊技機C1によれば、特典遊技が実行される場合に、可変手段を第1状態へと可変するかを決める可変条件が成立しているかが判定されるので、特典遊技が実行される場合に第1状態へと可変手段が可変されることで識別情報が動的表示し易くなり、特別状態の解除がされ易くなり、可変手段が可変されなければ、識別情報が動的表示され難くでき、特別状態が継続して設定され易くでき、特典遊技が実行される場合に可変条件が成立するか否かで興趣の向上をすることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記特典遊技が実行される場合に前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段を有し、前記可変条件判定手段は、前記種別決定手段により決定された前記特典遊技の種別に基づいて前記可変条件の成立を判定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、実行される特典遊技の種別に基づいて可変条件の成立が判定されるので、特典遊技の種別が決定される割合により可変条件の成立割合も設定することができ、安定した遊技内容を設定することができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記特典付与手段は、前記特典の一つとして前記特典遊技を実行するものであり、前記種別決定手段は、前記特典付与手段により実行される前記特典遊技の種別を決定するものであり、前記特別状態は、前記特典付与手段により実行された前記特典遊技の種別に基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、特別状態が設定される割合を特典遊技の種別の設定により可変させて設計でき、射倖性を容易に調整して設計することができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第2流路には、遊技球が入球可能な第3入球手段が配置されており、前記取得手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報を取得するものであり、前記判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球したことにより取得された前記情報に基づいて前記判定よりも遊技者に有利となる有利判定を実行するものであり、前記第3入球手段に遊技球が入球することを規制する状態と、入球を許容する状態とに可変可能な規制手段を有し、前記特別状態が設定されることで前記規制手段は、前記入球を許容する状態に可変され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、特別状態になると遊技者に有利となる有利判定が実行される第3入球手段に遊技球が入球され易くできるので、遊技球を第2流路へと流下させて遊技を行わせるように促すことができるという効果がある。
遊技機C4において、遊技球が入球可能な開状態と入球しない閉状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が通過した場合に前記特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記有利判定により特定の結果と判定された場合に、前記可変入球手段が閉状態から開状態へと可変されるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、特定領域に遊技球を通過させることで特典遊技が実行されるため、遊技者に対して球流れに興味を持たせることができ遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報を記憶可能な第1記憶手段と、その第1記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記判定手段により判定が実行される前記情報を判別する判定条件判別手段と、を有し、前記種別決定手段は、少なくとも、前記特典遊技中に前記記憶手段に前記情報を記憶させやすい第1特典遊技に対応する第1種別と、その第1種別よりも前記記憶手段に前記情報を記憶させ難い第2特典遊技に対応する第2種別とを決定するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、種別決定手段により決定される種別によって、特典遊技中に第1記憶手段に情報を記憶させやすい特典遊技と、記憶させ難い特典遊技とを実行することができる。これにより、特典遊技終了後に特別状態が付与された場合に、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づく識別情報が動的表示される状態と、されない状態とを設定することが可能となる。よって、特別状態中に第2入球手段に遊技球が入球したことに基づく識別情報を動的表示させることが可能となり、特別状態中に実行される遊技を多様化させることができる。
遊技機C6において、前記特別状態設定手段は、前記特別状態中に、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づく識別情報が動的表示される第1特別状態と、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づく識別情報が動的表示される第2特別状態とを設定するものであり、前記第2特別状態の方が前記第1特別状態よりも遊技者に有利となる特典遊技が実行されやすいものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、特別状態中に動的表示される識別情報の種類によって、遊技者に提供される有利度合いを異ならせることができる。よって、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴D群>(連チャンモード終了演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球の入球が可能となる第2状態へと可変させる可変手段と、特定条件が成立した場合に前記第2入球手段を前記第2状態へと可変させることが可能となる特別状態を設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されている場合に前記識別情報の動的表示が実行され、その動的表示期間が終了したことに基づいて、前記特別状態を解除する解除手段と、前記特別状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が開始され、その残り動的表示期間に基づいて前記特定条件の成立を判定した情報に基づく演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果に基づく図柄の変動表示が繰り返されることで遊技が単調であり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機D1によれば、特別状態が設定された場合に実行される識別情報の動的表示期間の経過により特別状態の残り期間が可変していくので、演出実行手段により実行される演出により特定条件の成立と特別状態の残り期間とを認識でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D1において、遊技球が通過領域を通過したことを検出する検出手段と、その検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記特定条件の成立を判別する判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記判別手段により前記判別が実行されたことに基づいてその判別結果を示すための演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特別状態において識別情報が表示されている場合にも通過領域に遊技球を通過させることで特定条件の成立の判別が実行されるので、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記演出実行手段は、前記識別情報の残り動的表示期間が所定期間以下となったことに基づいて、特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、特別状態の残り期間が所定期間以下となったことを判別することができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記取得手段により取得された前記情報のうち、前記判定手段により前記第2判定が実行される前の前記情報が所定数まで記憶される記憶手段を有し、前記演出実行手段は、前記識別情報の残り動的表示期間が前記所定期間以下となった場合に前記記憶手段に前記情報が記憶されていることを条件に前記特定演出を実行しないものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、記憶手段に情報が記憶されていることで特別状態が終了したとしても、記憶手段に記憶されている情報に基づいて有利な判定がされ易い状態であるので特定演出が実行されることで遊技者に余計な不安を与えるのを抑制できるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果を示すための結果情報を所定期間動的表示させた後に、停止表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記結果情報が停止表示される時点における前記識別情報の残り動的表示期間を判別する期間判別手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記期間判別手段による判別結果が所定の期間条件を満たしている場合に、前記結果情報の停止表示態様を、前記識別情報の判定結果に基づく停止表示態様に切り替えるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかの奏する効果に加え、識別情報の残り動的表示期間が期間条件を満たしている場合に、停止表示態様を切り替えることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機D5において、前記第2動的表示手段により前記結果情報が停止表示される時点における前記識別情報の残り動的表示期間が所定期間以内である場合に、前記期間条件が成立するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、短い間隔で結果情報と識別情報が停止表示されてしまい遊技者が表示内容を把握し難くなるという不具合を抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴E群>(時短状態で普図変動期間変更)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも遊技球の入球が容易となる第2状態へと可変させる可変手段と、特定条件が成立した場合に、前記可変手段により前記第2状態へと可変させることが可能となる特別状態を設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されている場合に前記識別情報の動的表示が実行され、その動的表示期間が終了したことに基づいて、前記特別状態を解除する解除手段と、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態へと可変させるかを決定するための抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示すための抽選情報が動的表示される抽選情報動的表示手段と、前記抽選情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間が複数設定された動的表示期間群が複数記憶された記憶手段と、前記状態設定手段により設定される前記特別状態の種別を選択する選択手段と、前記状態設定手段により設定されている前記特別状態の種別に基づいて前記動的表示期間決定手段が前記動的表示期間を決定する前記動的表示期間群を設定する動的表示期間群設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果に基づく図柄の変動表示が繰り返されることで遊技が単調であり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機E1によれば、抽選情報の動的表示期間が短いものが決定されれば特別状態の期間で抽選を実行することができ、決定された動的表示期間群により遊技の興趣を向上でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記第1判定または前記第2判定を実行するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、取得手段により取得された情報を記憶手段に記憶させることができるため、判定手段の判定状況に関わらず、遊技者に対して継続して遊技を行わせることができ、遊技の効率化を図ることができる。
遊技機E1またはE2において、前記判定手段は、前記識別情報が動的表示されている期間には、前記記憶手段に前記情報が記憶されている場合にも前記第1判定または前記第2判定の実行を待機するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、識別情報が動的表示されている間は、記憶手段に記憶されている情報に基づく判定の実行が待機されるため、記憶手段に記憶されている情報に基づく判定が同時に複数実行されることがない。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過領域を遊技球が通過したことを検出可能な検出手段を有し、前記抽選手段は、前記検出手段により遊技球の通過が検出されたことに基づいて前記抽選を実行するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、検出手段により遊技球が通過領域を通過したことを検出した場合に、抽選手段による抽選が実行されるため、遊技者に対して意欲的に遊技球を用いた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記動的表示期間群設定手段により設定される前記動的表示期間群は、動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易く設定された短動的表示期間群と、その短動的表示期間群よりも前記短い動的表示期間が決定され難く設定された長動的表示期間群とが少なくとも設定されているものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、動的表示期間群設定手段により設定される動的表示期間群によって、設定される動的表示期間の長さを可変させることができる。よって、遊技者に有利となる特別状態中に抽選手段により実行される抽選回数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2からE5のいずれかにおいて、前記動的表示期間決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第2入球手段に入球したことに基づいて取得された前記情報の数に基づいて前記決定されている動的表示期間群より1の動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E2からE5のいずれかの奏する効果に加え、第2入球手段に入球したことに基づいて取得された情報の数に基づいて、動的表示期間が決定されるため、第2入球手段へ遊技球を入球させる遊技と、抽選手段により実行される抽選回数とを関連付けることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE6において、前記特別状態が設定されていることを報知するための報知手段を有し、前記報知手段は、前記動的表示期間決定手段により決定された前記抽選情報の動的表示期間が、前記状態設定手段により設定された特別状態の残期間よりも短い場合にのみ報知を行うものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、特別状態が設定されている状態で抽選情報の動的表示が終了する場合のみ現在が特別状態であることが報知手段により報知される。よって、特別状態中であっても、可変手段が第1状態から第2状態へと可変されることのない特別状態の残期間中に特別状態であることを報知することで、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴F群>(時短中の特1当たり演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の前記判定結果であることを示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球の入球が可能となる第2状態へと可変させる可変手段と、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示すための抽選情報が動的表示される抽選情報動的表示手段と、特定の前記抽選結果であることを示すための前記抽選情報が停止表示された場合に前記可変手段により前記第2状態へと可変させることが可能となる特別状態を設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が実行され、その動的表示期間が終了することに基づいて前記特別状態を解除する解除手段と、前記特別状態が設定されていない場合には、前記識別情報の動的表示に対応した演出を実行し、前記特別状態が設定されることに基づいて、前記抽選情報の動的表示に対応した演出を実行する演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記特別状態が設定されている場合に前記抽選情報の動的表示に対応した演出を実行した状態から前記識別情報の動的表示に対応した演出へと特定条件が成立したことに基づいて切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果に基づく図柄の変動表示が繰り返されることで遊技が単調であり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機F1によれば、特別状態となった場合に第2入球手段へ遊技球が入球可能な状態となり易くなるので、その第2入球手段へと入球し易くなる特定の抽選結果となるか否かに対応した演出に切り替えられるので遊技者に特別状態と特別状態以外とで異なる情報に対応した演出を遊技者に提供できるので遊技に変化を与えることができ、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機F1において、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記判定手段により判定される情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1入球手段または前記第2入球手段へと多くの遊技球が入球した場合にも、記憶手段へと取得された情報が記憶されるので判定される機会を遊技者に多く与えることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記判定手段は、判定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記第2入球手段に入球したことに基づいて取得された前記情報に基づいて前記第1入球手段に入球したことに基づいて取得された前記情報よりも優先して判定を実行するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第2入球手段に入球したことに基づいて取得された情報が複数ある場合に、その複数の情報を連続して判定することができる。よって、遊技者に有利となる判定を連続して実行することができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記特定条件には、前記特別状態が設定されている場合に、動的表示が開始された前記識別情報の動的表示期間の残り期間が所定期間以下となったことが成立条件の少なくとも一つに設定されているものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、特別状態が解除される前に特別状態が解除された場合に実行される識別情報の動的表示に対応した演出に切り替えることができ、スムーズに解除された場合に演出の切り替えを実行することができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記特定条件には、前記特別状態が設定された場合に動的表示が開始された前記識別情報が前記特定の判定結果を示すための識別情報で停止表示されるように設定されているものであることが条件の少なくとも一つとして設定されているものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の奏する効果に加え、動的表示されている識別情報が特定の判定結果であることを示すための識別情報で停止表示されている場合には、最初は抽選情報の動的表示に対応した演出がされて、第2入球手段へ遊技球が入球し易い状態となるかを遊技者に報知して、その後、特定の判定結果であることを演出によっても報知することができるので遊技者に識別情報の動的表示期間を有効に利用した演出を提供することができるという効果がある。
<特徴G群>(遊技サポート)
遊技球が入球可能な開口部を有した入球手段と、その入球手段の開口部へと遊技球が入球可能となる開放状態と遊技球の入球が規制される閉鎖状態とに可変可能な可変部材と、遊技球の通過に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果である場合に、前記可変部材を前記閉鎖状態から前記開放状態へと特定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、を有し、前記可変パターンは、前記開放状態となる第1開放パターンの後に、所定期間の閉鎖状態となる閉鎖パターンを経て前記開放状態となる第2開放パターンとで少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技球が通過可能な通過領域を設け、その通過領域を遊技球が通過した場合に、所定の第1抽選を実行し、その抽選結果が当たりであると、特定の入球口に球が入球しやすくなるよう可変部材を可変させるものが提案されている。このような遊技機では、特定の入球口に球が入球したことで、所定の抽選とは異なる第2抽選を実行し、その抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、第2抽選結果に基づく図柄の変動表示が液晶表示装置等にて表示されることから、第1抽選の結果を遊技者が見落としてしまうという不具合があった。
遊技機G1によれば、第1開放パターンと第2開放パターンとが構成されているため、第1開放パターンが実行されたことにより、可変部材が可変制御されていることに気付いた遊技者に対して、第2開放パターン中に遊技球を入球手段に入球させることができる。よって、遊技内容を理解していない遊技者に対して遊技をサポートすることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記可変パターンのうち、前記閉鎖パターンが実行されたことを判別する閉鎖判別手段と、その閉鎖判別手段により、前記閉鎖パターンが実行されたことを判別した場合に所定の第1報知を実行する報知実行手段と、を有することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1開放パターンの実行が終了し、閉鎖パターンが実行されたことに基づいて報知実行手段により、第1報知が実行されるため、遊技者に可変部材の可変制御が実行されていることを容易に把握させることができる。よって、遊技内容を理解していない遊技者に対して遊技をサポートすることができるという効果がある。
遊技機G2において、前記可変部材が設けられる遊技領域と、その遊技領域に遊技球を発射させるための操作手段と、を有し、前記可変パターンのうち、前記閉鎖パターンとして設定される期間は、前記操作手段により発射された球が前記可変部材に到達するまでの期間よりも長く設定されているものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、閉鎖パターンとして設定される期間が、操作手段により発射された球が可変部材に到達するまでの期間よりも長く設定されているため、報知実行手段による第1報知によって、可変部材の可変制御が実行されていることを認識した遊技者が操作手段の操作を開始したとしても、第2開放パターンが実行されている間に入球手段に球を入球させることが可能となる。よって、遊技内容を理解していない遊技者に対して遊技をサポートすることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記可変制御手段により前記可変部材を可変させる動作を終了させる終了条件が成立したことを判別する終了条件判別手段を有し、前記終了条件判別手段は、予め定められた前記可変パターンを実行した場合、または、前記入球手段に所定数の球が入球した場合に、前記終了条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、入球手段に所定個数の球が入球した場合に終了条件が成立するため、第1開放パターン中に所定個数の球を入球手段に入球させることで、閉鎖パターンを実行することなく可変制御手段による可変部材の可変制御を終了させることが可能となる。これにより、1回の可変制御期間を短くすることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、閉鎖パターンを長期間設定したとしても、第1可変パターンが実行されている期間中に可変制御の終了条件を成立可能とすることで、通常の遊技を実行している遊技者に対して、長期間の閉鎖パターンが実行されてしまうことによる不満感を抑制することができるという効果がある。
遊技機G4において、前記可変パターンのうち、前記第1開放パターンとして設定される期間は、前記操作手段により発射された前記所定数の球が前記可変部材に到達するまでの期間よりも長く設定されているものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1開放パターンが実行される期間中に入球手段に所定数の球を入球させることができる。よって、通常の遊技をしている遊技者に対して、長期間の閉鎖パターンが実行されてしまうことによる不満感を抑制することができるという効果がある。
遊技機G1からG5において、前記報知実行手段は、前記可変パターンのうち、前記第2開放パターンが実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合には、所定の第2報知を実行するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、第2開放パターンが実行されている間に入球手段に球が入球した場合に、第2報知が実行されるため、遊技者に操作手段の操作方法を補正させることができる。よって、遊技内容を理解していない遊技者に対して遊技をサポートすることができるという効果がある。
遊技機G1からG6において、前記可変パターンのうち、前記第1開放パターンとして設定される期間は、前記第2開放パターンとして設定される期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、可変パターンが実行されている期間中に入球手段に球を入球させやすくすることができる。よって、遊技内容を理解していない遊技者に対して遊技をサポートすることができるという効果がある。
<特徴H群>(時短遊技終了間際の演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の判定結果であることを示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示すための抽選情報が動的表示される抽選情報動的表示手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球の入球が可能となる第2状態へと可変される可変部材と、特定の前記抽選結果であることを示すための前記抽選情報が停止表示された場合に前記可変部材を前記第2状態へと可変させることが可能となる特別状態を設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が所定回数実行され、前記所定回数目の動的表示期間が終了したことに基づいて前記特別状態を解除する解除手段と、前記特別状態中に前記抽選情報の動的表示が開始される場合に、その抽選情報が停止表示されるタイミングが前記特別状態の設定されている期間に対応する情報に基づいて、演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果に基づく図柄の変動表示が繰り返されることで遊技が単調であり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機H1によれば、特別状態中に動的表示を開始される抽選情報の停止表示タイミングに設定されている状態に基づいて演出が実行されるので、演出より抽選情報が停止表示される際のタイミングを認識することが可能となり、遊技者に抽選情報が停止表示される際の状態について興味を持たせることができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機H1において、前記演出実行手段は、前記特別状態が設定されていない状態では、前記識別情報の動的表示期間に対応した演出を実行し、前記特別状態が設定されたことに基づいて前記抽選情報の動的表示期間に対応した演出に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、特別状態と特別状態以外とで対応する動的表示期間を切り替えて演出が実行されるので遊技者に異なる演出を提供して、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記判定手段は、所定の判定条件が成立したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記情報のうち、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報について優先して判定を実行するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、第2入球手段に入球したことに基づいて取得された情報が複数ある場合に、その複数の情報を連続して判定することができる。よって、遊技者に有利となる判定を連続して実行することができ、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機H3において、前記判定条件には、前記識別情報の動的表示が前記特定の判定結果を示すための前記識別情報で停止表示され、前記記憶手段に未判定の前記情報が記憶されていることが少なくとも条件として設定されているものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、識別情報が動的表示されている期間は、判定条件が成立し難いので、識別情報が動的表示されている期間に記憶手段へ情報を記憶させる機会を遊技者に与えることができ、遊技を効率よく行わせることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記特別状態が設定される場合に、前記記憶手段に前記第2入球手段へ入球したことに基づいて取得された前記情報が記憶されていることを規制する規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、特別状態が設定される場合に、第2入球手段へ入球したことに基づいて取得された情報が記憶されることが規制されるので、特別状態が設定されるタイミングでは、第1入球手段へ入球したことにより取得された情報に基づいた判定結果を示すための識別情報が動的表示されやすくでき、遊技者に有利な判定が実行されることを遅延させることができ、遊技者の興趣を増大させることができるという効果がある。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記可変部材は、前記抽選手段により抽選された期間に記特別状態が設定されていれば、前記特定の抽選結果であることを示す前記抽選情報が停止表示された場合に前記第2状態へと可変されるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、抽選された期間における特別状態の設定状況に基づいて第2状態へと可変させることができるため、遊技者に有利な状態を提供しやすくすることができ、遊技者の興趣を増大させることができるという効果がある。
<特徴I群>(ヤマト仕様)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報に基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報に基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の前記判定結果であることを示すための前記識別情報が停止表示された場合に、特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第2入球手段よりも前記第1入球手段へと遊技球が入球し易い通常状態と、前記第1入球手段よりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる特別状態とを少なくとも切り替えて設定することが可能な状態設定手段と、を有し、その状態設定手段により前記特別状態が設定された場合に、その特別状態が解除される解除条件として、前記第1判定に対応する前記識別情報の動的表示回数と前記第2判定に対応する前記識別情報の動的表示回数とをそれぞれ個別に設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果に基づく図柄の変動表示が繰り返されることで遊技が単調であり遊技者が早期に飽きてしまうという不具合があった。
遊技機I1によれば、特別状態が解除される条件として、第1判定に対応する識別情報の動的表示回数と、第2判定に対応する識別情報の動的表示回数とをそれぞれ設定できるので、第2判定が実行されることへの期待感を可変させて設定することができる。すなわち、第1判定に対応する識別情報の動的表示回数が多く設定されれば、第2判定が実行される機会を多く遊技者に与えることができ、逆に第1判定に対応する識別情報の動的表示回数が多く設定されれば、第2判定が実行される機会を少なく設定でき、遊技者の興趣を可変させることができるという効果がある。
遊技機I1において、前記取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段を有し、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された情報のうち、前記第2入球手段に入球したことに基づいて前記情報取得手段により取得された前記情報について優先して判定するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、遊技者に有利となる判定が実行される情報について優先して判定が実行されるので、遊技者に連続して有利な判定が実行され易くでき遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機I1またはI2において、前記特別状態が設定される場合に、前記記憶手段に前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された情報が記憶され難くする規制手段を有するものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1またはI2の奏する効果に加え、特別状態となった場合に、第1判定に基づく識別情報が動的表示されやすくでき、その動的表示期間に第2入球手段へ遊技球を入球させて情報をより多く記憶させて、第1判定の動的表示が終了した後に、有利な判定が連続して実行されやすくできるという効果がある。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記解除条件は、前記第1判定に対応する前記識別情報の動的表示回数を前記第2判定に対応する前記識別情報の動的表示回数よりも多く構成されているものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に不利となる第1判定のみの実行で特別状態が解除されてしまうことを抑制することができ、特別状態中に、遊技者に有利となる第2判定を実行させやすくすることができるという効果がある。
遊技機I4において、前記解除条件は、前記第2判定に対応する前記識別情報の動的表示回数を1回として設定されることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、特別状態中に遊技者に有利な第2判定が実行される回数を1回に制限することができるため、過度な特典を遊技者に付与してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I2からI5のいずれかにおいて、前記記憶手段は、前記情報を上限個数まで記憶可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I2からI5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に有利な第2判定が実行される前記情報を上限個数まで記憶させることができるため、特別状態が終了した後にも第2判定を実行させることが可能となる。よって、特別状態が終了した後も遊技者に期待を持たせることができるという効果がある。
遊技機I6において、前記上限個数は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報に対する第1上限個数と前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された前記情報に対する第2上限個数とが設定されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された情報と、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された情報とで記憶可能な上限数をそれぞれ設定することができるため、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された情報の記憶数に関わらず、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて取得された情報を上限個数まで記憶させることができる。よって、遊技者に対して、特別状態中に第2入球手段に遊技球が入球させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1からI7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な状態と入球困難な状態とに可変される可変入球手段と、その可変入球手段に入球した遊技球が通過可能となる特定領域と、を有し、前記特典付与手段は、前記特定領域に遊技球が通過した場合に特典を付与可能に構成されていることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I1からI7のいずれかの奏する効果に加え、特定領域に遊技球を通過させることで特典が付与されるため、遊技者に対して球流れに興味を持たせることができ遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I8において、前記特典付与手段により前記特典が付与された後に、前記状態設定手段により前記特別状態が設定されるものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、特典が付与された後に、特別状態が設定されるため、特定領域に遊技球を通過させることによる遊技性を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I9において、前記状態設定手段は、前記特別状態を設定するか否かを決定する設定決定手段を有し、前記設定決定手段は、前記第1判定または前記第2判定が前記判定手段により実行されることに基づいて前記特別状態を設定させるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、判定手段による判定が実行されるタイミングで、特典が付与された後に特別状態を設定するか否かが決定しているため、特定領域に遊技球を通過させるタイミングによって、特別状態が設定されるか否かが可変することになる。よって、遊技者に対して、特定領域に遊技球を通過させるタイミングを選択させる楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機I10において、前記設定決定手段により決定された決定情報を前記識別情報が動的表示されている期間に示唆する示唆手段を有するものであることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、示唆手段によって、特典が付与された後に特別状態が設定されるかを認識することができるので、特定領域へ遊技球を通過させるように遊技を行うか、特定領域へ遊技球が通過しないように遊技を行うかを遊技者が示唆の内容を参考にして決定することができるという効果がある。
遊技機I7からI11のいずれかにおいて、前記解除条件は、前記第1上限個数よりも多い第1識別情報に対する動的表示の回数が設定されていることを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I7からI11のいずれかの奏する効果に加え、特別状態へ移行した場合に、既に、第1入球手段への入球に対して取得された情報が第1上限数まで記憶されている場合にも、その情報がすべて第1判定されて識別情報の動的表示が実行されても特別状態が解除されないので、特別状態で第2判定が実行される機会を遊技者により与えることができ、遊技者に対して特別状態の価値を高めることができるという効果がある。
<特徴J群>(連チャン中の大当たり演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定よりも遊技者に有利となる第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球の入球が可能となる第2状態へと可変させる可変手段と、特定条件が成立した場合に前記第2入球手段を前記第2状態へと可変させることが可能となる特別状態を設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記特別状態が設定されている場合に前記識別情報の動的表示が実行され、その動的表示期間が終了したことに基づいて、前記特別状態を解除する解除手段と、その解除手段により前記特別状態が解除された後に、前記識別情報の動的表示が開始されるよりも前に前記特別状態が前記状態設定手段により設定されているかを判別する判別手段と、その判別手段の判別結果に基づいて、演出を可変させて実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。このような遊技機では、抽選結果を遊技者に報知するための図柄を液晶表示装置等に変動表示させた後に、抽選結果を示す図柄で停止表示させることで抽選結果を報知して、抽選結果が当たりであれば、当たり遊技を実行し、その当たり遊技中に演出を実行するものが知られている(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
遊技機J1によれば、特別状態が解除された場合にも、識別情報が動的表示される前に再び特別状態が設定されているかの情報に基づいて演出が可変されるので、遊技者が連続して特別状態が設定されているかを演出より識別することが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機J1において、前記演出実行手段は、前記第2判定に基づく判定結果を示すための前記識別情報の動的表示に対応して演出を実行するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、遊技者に有利な第2判定に基づく判定結果を示すための識別情報の動的表示に対応した演出が実行されるので、遊技者に第2判定の判定結果に対する期待を増大させることができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、前記演出実行手段は、前記判別手段により連続して前記特別状態が設定されたと判別された回数に基づく情報を識別可能な演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、演出により特別状態が連続して設定された回数が識別可能にされるので、遊技者に当たり遊技だけでなく、特別状態が設定された回数にも興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機J1からJ3において、前記第1入球手段に遊技球が入球した場合に前記第1判定を実行するための情報を取得し、前記第2入球手段に遊技球が入球した場合に前記第2判定を実行するための情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される情報記憶手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J1からJ3の奏する効果に加え、第1入球手段、第2入球手段に遊技球が入球したタイミングで情報が取得され、その情報が情報記憶手段に記憶されるので、判定手段により判定される機会を保存しておくことができ、遊技者に多くの利益を与えることができるという効果がある。
遊技機J4において、前記演出実行手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第2判定を実行するための前記情報の個数に基づいて演出を可変させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、遊技者に有利となる第2判定が実行される情報の個数によって演出が可変されるので、容易に遊技者に留保されている情報の個数を報知することができ、演出に対する興味を増大させることができるという効果がある。
<特徴K群>
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判定を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される動的表示手段と、特定の前記判定結果であることを示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立に基づいて前記識別情報が動的表示されている期間の間、遊技者に有利な遊技状態を設定する状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果を示すための図柄を液晶表示装置等に動的表示させて、動的表示期間が終了したタイミングで抽選結果を報知した態様で図柄を停止表示させる。その図柄が示す報知態様が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の抽選確率を高くする高確率状態にして、連続して当たり遊技が実行され易くされるように構成されているものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、抽選結果を示すための動的表示期間が長いと遊技者にとって、抽選される回数が少なくなり不利となり、動的表示期間が長いほど遊技者が退屈してしまい遊技に飽きてしまう不具合があった。遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機K1によれば、識別情報の動的表示が実行されている期間で遊技者に有利な状態となるので、動的表示期間の長い動的表示が実行されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機K1において、前記判定手段は、前記第2判定について前記第1判定よりも遊技者に有利となる判定を実行するものであり、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判定を実行するための情報を取得し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第2判定を実行するための情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記判定手段は、前記識別情報の動的表示が終了したことに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対して判定を実行するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、識別情報が動的表示されている期間に情報が取得されても記憶手段に記憶されるので、判定手段による判定機会をより多くすることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において、前記第2入球手段に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球の入球が可能となる第2状態へと可変させる可変手段と、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示すための抽選情報が動的表示される抽選情報動的表示手段と、を有し、前記状態設定手段は、前記遊技者に有利な遊技状態として、特定の前記抽選結果であることを示すための前記抽選情報が停止表示された場合に前記可変手段により前記第2状態へと可変させることが可能となるようにするものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、特別状態となると、第2入球手段へと遊技球を入球させ易くでき、遊技性を可変させることができ遊技の興趣を増大できるという効果がある。
遊技機K3において、前記状態設定手段により前記遊技者に有利な遊技状態が設定されている場合に前記識別情報の動的表示が実行され、その動的表示期間が終了したことに基づいて、前記遊技者に有利な遊技状態を解除する解除手段を有するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、遊技者に有利な遊技状態が設定されている場合に実行された識別情報の動的表示が終了したことに基づいて遊技者に有利な遊技状態が解除されるので、識別情報の動的表示の終了タイミングについて遊技者に興味を持たせることができ、長い動的表示の期間が設定されても遊技者が退屈する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路を有し、前記第1入球手段は、前記第2流路と、少なくとも前記第1流路を流下した遊技球が入球可能となる位置とにそれぞれ配置され、前記第2入球手段は、前記第2流路に配置されているものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK4のいずれかの奏する効果に加え、第2入球手段へ遊技球を入球させようと遊技を行っても第1入球手段へと遊技球が入球する構成となり、遊技者に有利な判定のみが実行され易くする状態を規制することができるという効果がある。
遊技機K1からK5のいずれかにおいて、前記遊技者に有利な遊技状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示期間に対応して演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K1からK5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に有利な遊技状態が設定されていると動的表示期間に対応した演出が実行されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機K6において、前記演出実行手段により実行される演出は、前記第1入球手段または前記第2入球手段へと遊技球を入球させることを促す演出が含まれるものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、遊技者に有利な遊技状態中に第1入球手段または第2入球手段へ遊技球を入球させて第1判定または第2判定が実行される機会を与えやすくできるので、遊技を効率よく行わせることができるという効果がある。
<特徴L群>(大当たりラウンド毎に貯留装置解除して出玉増)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づく判定条件が成立した場合に、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、遊技球を貯留することが可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留された遊技球を前記第2入球手段へ入球可能となるように貯留を解除させて流下させる解除手段と、を有した遊技機において、前記解除手段は、前記特典遊技の実行中に前記貯留状態を解除するものであることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。また、遊技球を一時的に貯留可能な貯留手段を設け、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行った場合に、貯留手段の貯留状態を解除し、貯留手段に貯留されていた球を一般入賞口に向けて流下させるものがある(例えば、特開2006−180950号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技と貯留手段を用いた遊技とがそれぞれ独立して実行されるため、当たり遊技中は特定入賞口を狙う遊技を行い、貯留手段に球が貯留された場合は貯留手段を用いた遊技を行うだけであった。よって、それぞれの遊技が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
遊技機L1によれば、特典遊技中に貯留状態が解除されることで、特典遊技が実行されることで特典付与手段により特典が付与され易くなり、特典遊技における価値を高めて遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機L1において、遊技球が入球可能となる第1状態とその第1状態より入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件が成立するまで可変させるものであり、前記特典付与手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典を付与するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、可変入球手段に入球したことにより付与される特典に加え、貯留手段から解除された遊技球が第2入球手段に入球することにより付与される特典も付与されるので、特典遊技が開始されることにより興趣の向上をより高めることができるという効果がある。
遊技機L2において、前記特典遊技は、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に前記所定条件が成立するまで可変させる小特典遊技を所定回数実行されるものであり、前記解除手段は、前記小特典遊技が実行される毎に前記解除状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、小特典遊技毎に解除状態に可変されるので、小特典遊技間の期間にも貯留手段に遊技球が貯留されるか否かを楽しむことができるという効果がある。
遊技機L2またはL3のいずれかにおいて、前記貯留手段へと遊技球を誘導することが可能な誘導流路と、その誘導流路を流下する遊技球を前記貯留手段へと誘導可能な第1流路と前記可変入球手段へと誘導可能となる第2流路とに振り分ける振り分け手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L2またはL3のいずれかの奏する効果に加え、誘導流路に遊技球を流下させることで、貯留手段と可変入球手段へと入球可能に遊技球が振り分けられるので、特典遊技中にも貯留手段へと遊技球を誘導させて貯留状態である場合には遊技球を貯留させることができるという効果がある。
遊技機L3またはL4のいずれかにおいて、前記振り分け手段は、前記第2流路より前記第1流路へ振り分ける割合を低く振り分けるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L3またはL4の奏する効果に加え、特典遊技における可変入球手段への入球割合を高くしつつ、貯留手段へも遊技球を誘導することができるので、特典遊技の価値を損なうことを抑制しつつ、特典遊技の価値を高めることができるという効果がある。
遊技機L1からL5のいずれかにおいて、前記貯留手段は、前記特典遊技の実行に基づいて前記解除状態から前記貯留状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L1からL5のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の実行に基づいて貯留状態に可変されることで、特典遊技が実行されていない期間に遊技球を貯留されることで遊技店側の損害が発生する不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴M群>(通常時右打ち規制)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難に構成された遊技球が流下可能な第2流路と、遊技球の発射強度を可変させることで前記第1流路と前記第2流路とに遊技球を打ち分けて発射させることが可能な遊技球発射手段と、前記第1流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第1遊技状態と前記第2流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第2遊技状態とを切り替えて設定可能な設定手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1特典を付与する第1特典付与手段と、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2特典を付与する第2特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球を前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1誘導路と、前記可変入球手段に遊技球が入球可能となる第2誘導路とに所定の割合で振り分けることが可能な振り分け手段と、を有し、前記振り分け手段は、前記所定の割合で前記第1流路に振り分けられる遊技球によって付与される前記第1特典よりも前記第2誘導路に振り分けられる遊技球に対する遊技価値と同一以下となるように遊技球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。また、遊技状態として特別状態が設定されている場合に遊技機の右側領域を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技を行わせることで遊技者に有利な遊技を実行させるものがある(例えば、特開2015−1150303号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特定状態が設定されている間は右打ち遊技を行わせることで遊技者に有利な遊技を実行させることができるが、遊技状態として特定状態が設定されていない場合において、右打ち遊技が行われた場合において、不正に遊技者に有利な特典を付与してしまう虞があった。
また、上述した従来技術以外にも、大当たり遊技中に右打ち遊技を実行させる遊技機や時短状態中に右打ち遊技を実行される遊技機等もあるが、いずれも遊技状態として通常状態が設定されている場合に、即ち、左打ち遊技を実行すべき遊技状態の場合に、右打ち遊技が行われることで、遊技者に有利な特典を過度に付与してしまう虞があった。
遊技機M1によれば、第1遊技状態で第2流路に遊技球を流下させて遊技が行われた場合にも、第1入球手段に遊技球が入球することで有利な遊技が実行されて、遊技店側の利益が損なわれる不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機M1において、前記第1誘導路は、遊技球が通過可能な第1通路と、その第1通路とは異なり、前記第1通路を通過した球が通過困難な第2通路とを有し、前記第1誘導路は前記第2通路よりも前記第1通路を遊技球が通過し易いように構成され、前記第1入球手段は前記第1通路に配設されるものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1誘導路に遊技球を流下させたとしても、第1入球手段に入球することが困難であるため、第1入球手段に遊技球が入球することで有利な遊技が実行されて、遊技店側の利益が損なわれる不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機M2において、前記第1誘導路を流下する遊技球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留された遊技球が前記第2通路を通過可能なように貯留を解除させて流下させる解除手段とを有するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、貯留手段に遊技球が貯留された場合には、第1誘導路を流下する遊技球を第1入球手段に入球させ易くすることができる。これにより、第1入球手段に遊技球を入球させ易い状態と入球させ難い状態とを設けることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機M3において、所定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を第1状態にさせる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されることに基づいて、前記貯留手段に遊技球を貯留可能な貯留状態を設定する貯留制御手段と、を有することを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることに基づいて遊技球が貯留手段に貯留されることになるため、特典遊技が実行されていない場合において貯留手段に遊技球が貯留してしまうことを抑制することができるという効果がある。また、特典遊技が実行されている状態を、第1入球手段に球を入球させ易い状態とすることができるため、遊技者に更なる特典を付与することができるという効果がある。
遊技機M3またはM4において、前記解除手段により、前記貯留手段を遊技球が貯留可能な貯留状態と、遊技球が貯留困難な解除状態とに可変される可変部材を有し、前記可変部材は、前記貯留手段に最初に貯留された遊技球を第1位置に貯留させ、それ以降に貯留された遊技球を第1位置以外の第2位置に貯留させるように構成されており、前記可変部材が前記解除状態となった場合に、前記第1位置に貯留された遊技球よりも前記第2位置に貯留された遊技球のほうが前記第2通路を通過し易いものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M3またはM4の奏する効果に加え、貯留手段に多くの遊技球を貯留させたほうが第1入球手段に球を入球させやすくすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に遊技球を貯留させようと継続して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴N群>(入賞済み球を用いて疑似貯留)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定領域に遊技球が通過したことを検出する検出手段と、その検出手段に遊技球の通過が検出されたことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、前記特定領域を通過した遊技球を貯留することが可能な貯留手段と、その貯留手段に対して遊技球を貯留することが可能な貯留状態と、貯留した遊技球を流下させる解除状態とに可変させる可変制御手段と、前記解除状態に可変されることで流下した遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。また、遊技球を一時的に貯留可能な貯留手段を設け、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行った場合に、貯留手段の貯留状態を解除し、貯留手段に貯留されていた球を一般入賞口に向けて流下させるものがある(例えば、特開2006−180950号公報)。このような遊技機では、各入賞口に入賞した後の球は遊技者が視認不可能な通路を流下して遊技機外部へと排出される。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、各入賞口へ入球する前の遊技球を用いた演出は行われているが、各入賞口に入賞した後の遊技球は演出に用いられることがなく、そのまま遊技機の外部に排出されてしまうため、演出のバリエーションを増加させることが困難であった。
遊技機N1によれば、特典が付与された契機となった遊技球が貯留手段に貯留され、その貯留手段に貯留された遊技球の貯留が解除され、第2入球手段に入球することで演出が実行されるので、特典が付与された後にも、演出により遊技者の興趣を向上することができ、遊技者が早期に飽きるのを抑制できるという効果がある。
遊技機N1において、前記可変制御手段は、前記特典遊技中に前記貯留手段を前記貯留状態から前記解除状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、特典遊技中に解除状態に可変されることで、特典遊技だけでなく、演出も楽しむことができるという効果がある。
遊技機N1またはN2において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記特典付与手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典を付与するものであり、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定条件が成立するまでの間、可変させるものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、特典遊技として可変入球手段が第1状態に可変されることで、可変入球手段へと遊技球を入球させやすくでき、貯留手段から第2入球手段へ遊技球を入球させる遊技と組み合わせた遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機N1からN3のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記特典遊技が実行されることに基づいて、前記解除状態から前記貯留状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N1からN3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行されることに基づいて貯留状態に可変されることで、特典遊技が実行されていない期間に貯留されることを規制でき、遊技球の貯留を限定的にすることができるという効果がある。
<特徴O群>(疑似貯留演出制御)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定領域に遊技球が通過したことを検出する検出手段と、その検出手段に遊技球の通過が検出されたことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、前記特定領域を通過した遊技球を貯留することが可能な貯留手段と、その貯留手段に対して遊技球を貯留することが可能な貯留状態と、貯留した遊技球を流下させる解除状態とに可変させる可変制御手段と、前記解除状態に可変されることで流下した遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記貯留手段に遊技球が貯留されることに基づいて特定演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。また、遊技球を一時的に貯留可能な貯留手段を設け、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行った場合に、貯留手段の貯留状態を解除し、貯留手段に貯留されていた球を一般入賞口に向けて流下させるものがある(例えば、特開2006−180950号公報)。このような遊技機では、各入賞口に入賞した後の球は遊技者が視認不可能な通路を流下して遊技機外部へと排出される。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、各入賞口へ入球する前の遊技球を用いた演出は行われているが、各入賞口に入賞した後の遊技球は演出に用いられることがなく、そのまま遊技機の外部に排出されてしまうため、演出のバリエーションを増加させることが困難であった。
遊技機O1によれば、貯留手段に遊技球が貯留されたことで演出が実行されるので、特定領域を通過して特典が付与された後の遊技球であっても、遊技の興趣を向上させるように利用して、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機O1において、前記演出実行手段は、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、特典遊技演出を実行するものであり、前記可変制御手段は、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている状態で成立可能な貯留条件が成立した場合に、前記貯留手段を貯留状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されている場合に演出実行手段により演出が実行されるため、特典遊技演出と特定演出とを融合して実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機O1またはO2において、前記演出実行手段は、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、特典遊技演出を実行するものであり、前記可変制御手段は、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている状態で成立可能な解除条件が成立した場合に、前記貯留手段を前記解除状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されている間に、第2入球手段に遊技球を入球させることができるため、特典遊技中に実行される演出効果を高めることができる。
遊技機O1からO3の何れかにおいて、所定期間内に前記特典付与手段により付与された特典を合算する特典合算手段を有し、前記演出実行手段は、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記特典合算手段により合算された合算特典を示すための合算特典態様を表示するための演出を実行するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O1からO3のいずれかの奏する効果に加え、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、合算特典態様を表示するための演出を実行するため、遊技者に対してあたかも第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典が付与されたと思わせることができる。また、所定期間内に付与された特典を合算して表示するため、演出効果を高めることができる。
遊技機O4において、遊技球が入球可能となる第1状態とその第1状態より入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2特典を付与する第2特典付与手段と、を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件が成立するまで可変させる小特典遊技を複数回実行するものであり、前記貯留条件は、前記特典遊技が実行されている期間のうち、最初の前記小特典遊技が実行されている期間以外の期間で成立するものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第2特典が付与されている期間中に特典を付与することができるため、特典付与手段により特典が付与されたことを遊技者に気付かれ難くすることができる。よって、遊技者に対してあたかも第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典が付与されたと思わせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴P群>(大当たり中に貯留した球の状態に合わせた演出)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づく判定条件が成立した場合に、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、遊技球を貯留することが可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留された遊技球を前記第2入球手段へ入球可能となるように貯留を解除させて流下させる解除手段と、を有した遊技機において、前記貯留手段は、前記特典遊技が実行されるまで前記遊技球を貯留可能な貯留状態に設定されるものであり、前記特典遊技が実行されることに基づいて前記貯留手段に遊技球が貯留されている場合に特定演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。また、遊技球を一時的に貯留可能な貯留手段を設け、遊技者が操作手段に対して所定の操作を行った場合に、貯留手段の貯留状態を解除し、貯留手段に貯留されていた球を一般入賞口に向けて流下させるものがある(例えば、特開2006−180950号公報)。このような遊技機では、各入賞口に入賞した後の球は遊技者が視認不可能な通路を流下して遊技機外部へと排出される。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、各入賞口へ入球する前の遊技球を用いた演出は行われているが、各入賞口に入賞した後の遊技球は演出に用いられることがなく、そのまま遊技機の外部に排出されてしまうため、演出のバリエーションを増加させることが困難であった。
遊技機P1によれば、貯留手段に遊技球が貯留されている場合には、特典遊技の実行に基づいて特定演出が実行されるので、特典遊技中に貯留手段に貯留されている遊技球が開放されることを容易に認識することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機P1において、前記貯留手段に貯留されている遊技球の数を判別することが可能な判別手段を有し、前記演出実行手段は、前記判別手段により判別された遊技球の数に基づいて、前記特定演出の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、貯留数によって特定演出の種別が決定されるので、貯留数によって異なる特定演出が実行されることが可能となり、遊技者に特典が付与される期待の高さを特定演出の種別によって報知することができるという効果がある。
遊技機P1またはP2において、遊技球が入球可能となる第1状態とその第1状態より入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件が成立するまで可変させる小特典遊技を複数回実行するものであり、前記可変制御手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて成立する解除条件が成立した場合に、前記貯留手段を前記解除状態に可変させるものであり、前記演出実行手段は、前記所定条件が成立するまでの期間を示唆する期間情報を表示するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1またはP2の奏する効果に加え、演出実行手段により期間情報を表示することで、貯留手段が解除状態に可変されるまでの期間を遊技者に予測させることができる。これにより、貯留手段が貯留状態である期間中に多くの遊技球を貯留させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P2またはP3において、前記演出実行手段により実行され得る特定演出の種別を示唆する演出種別示唆手段を有し、前記演出実行手段は、前記演出種別示唆手段により示唆されている前記特定演出の種別から特典演出の種別を決定するものであり、前記演出種別示唆手段は、前記判別手段により判別された遊技球の数に基づいて、示唆される前記特定演出の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P2またはP3の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される特定演出の種別を、その特定演出が実行される前に遊技者に対して示唆することができる。これにより、遊技者は所望の特定演出の種別が示唆された場合に、その特定演出が演出実行手段により実行されることを期待しながら遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機P2からP4のいずれかにおいて、前記判定手段により前記判定が実行される判定情報を、前記判定条件が成立するまで複数記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記判定情報に対して、前記判定手段により判定が実行されるよりも前に事前判別を実行する事前判別手段と、を有し、前記演出実行手段により実行される前記特定演出の種別は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて決定されるものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P2からP4のいずれかの奏する効果に加え、演出実行手段により実行される特典演出の種別によって、今後実行される遊技の内容を予測することが可能となる。これにより、演出実行手段により実行される演出内容の内容に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴Q群>(大当たり中にラウンド時間が長いほど有利となる構成)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難に構成された遊技球が流下可能な第2流路と、遊技球の発射強度を可変させることで前記第1流路と前記第2流路とに遊技球を打ち分けて発射させることが可能な遊技球発射手段と、前記第1流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第1遊技状態と前記第2流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第2遊技状態とを切り替えて設定可能な設定手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な入球手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1特典を付与し、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2特典を付与する特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球を前記可変入球手段に入球可能となるように誘導する第1誘導路と遊技球を前記入球手段に入球可能となるように誘導する第2誘導路とに所定の割合で振り分けることが可能な振り分け手段と、前記第2誘導路に振り分けられた遊技球を前記入球手段へと誘導する前に貯留することが可能な貯留手段と、その貯留手段を貯留可能な貯留状態と前記貯留状態を解除した解除状態とに可変させることが可能な可変制御手段と、を有し、前記遊技機は、前記貯留手段に貯留されていた遊技球が解除された場合よりも前記解除状態で前記貯留手段に貯留されずに流下した場合に前記入球手段への入球が困難となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定入賞口を開放させる当たり遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2006−180950号公報)。このような遊技機では、当たり遊技中に開放される特定入賞口に所定数の球を入球させるまで特定入賞口の開放状態が継続されるため多量の賞球を獲得することができる。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、例えば、特定入賞口に球が入球し難く設定されている場合には、特定入賞口に所定数の球を入球させるまでに用いる球数のみが増加してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。また、当たり遊技中は特定入賞口へ遊技球を入球させる遊技のみを実行するため、遊技が単調になるという問題があった。
遊技機Q1によれば、貯留手段に貯留されていた状態から解除されて流下する遊技球と、解除状態で貯留されずに流下した遊技球とで入球手段への入球難易度を異なるように構成されているので、貯留期間が長くなるほど遊技者に有利となるように構成できるという効果がある。
遊技機Q1において、所定の実行条件が成立した場合に、前記可変入球手段が前記第1状態へと可変される特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に所定条件が成立するまで可変させる小特典遊技を複数回実行するものであり、前記可変制御手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて成立する解除条件が成立した場合に、前記貯留手段を前記解除状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、特典遊技の内容に基づいて貯留手段が解除状態に可変されるため、特典遊技中に貯留手段に貯留された遊技球を入球手段へと入球させることが可能となり、特典遊技中の遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q2において、前記所定条件が異なる複数の特典遊技の種別が記憶される特典遊技種別記憶手段と、その特典遊技種別記憶手段に記憶される前記複数の特典遊技の種別から一の特典遊技の種別を決定する特典遊技種別決定手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技種別決定手段により決定された前記一の特典遊技の種別に基づいた前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別によって、貯留手段が解除状態に可変されるまでの期間を異ならせることができる。よって、実行される特典遊技の種別に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機Q3において、前記所定条件は、前記可変入球手段への遊技球の入球数に基づいて成立するものであり、前記特典遊技種別記憶手段に記憶された複数の特典遊技の種別のうち、少なくとも1つの特典遊技の種別は、他の特典遊技の種別よりも、前記所定条件が成立する前記入球数が多く設定されているものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、可変入球手段への入球数が多く設定される特典遊技が実行された場合に、貯留手段へ多くの遊技球を貯留させることが可能となるため、遊技者に対して多くの第1特典が付与される場合に第2特典も多く付与することができる。よって、遊技者に有利となる遊技状態を提供することができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q3またはQ4において、前記所定条件は、前記可変入球手段が継続して前記第1状態となる期間の経過に基づいて成立するものであり、前記特典遊技種別記憶手段に記憶された複数の特典遊技の種別のうち、少なくとも1つの特典遊技の種別は、他の特典遊技の種別よりも、前記所定条件が成立する前記期間が長く設定されているものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q3またはQ4の奏する効果に加え、可変入球手段が第1状態となる期間が長く設定される場合に、貯留手段へ多くの遊技球を貯留させることが可能となるため、遊技者に対して多くの第1特典が付与され得る場合に第2特典を多く付与することができる。よって、遊技者に有利となる遊技状態を提供することができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q3からQ5のいずれかにおいて、前記可変入球手段は、第1可変入球手段と、その第1可変入球手段とは異なる第2可変入球手段と、から構成されるものであり、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技種別決定手段により決定された前記特典遊技の種別に基づいて、前記小特典遊技において可変させる前記可変入球手段を、前記第1可変入球手段または前記第2可変入球手段から選択して実行するものであることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q3からQ5のいずれかの奏する効果に加え、小特典遊技において可変される可変入球手段によって特典遊技の種別を把握することができるため、遊技者にどの可変入球手段が第1状態に可変されるのかを予測させながら特典遊技を楽しませることができるという効果がある。
遊技機Q6において、前記第1可変入球手段は、前記第2可変入球手段よりも、前記第1状態に可変された場合に遊技球が入球し難いものであることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、第1可変入球手段と第2可変入球手段とで遊技球の入球のし易さを異ならせているため、遊技者にどの可変入球手段が第1状態に可変されるのかを予測させながら特典遊技を楽しませることができるという効果がある。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技球が入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行い、当たりに当選した場合に、特定遊技が実行される遊技機が提案されている。また、遊技機の遊技状態に対応して異なる遊技領域を狙う遊技を遊技者に行わせる遊技機が提案されている(例えば、特許文献1:特開2015−1150303号公報)。
しかしながら、適正な遊技領域以外を狙う不正な遊技によって遊技球が獲得されてしまうという問題があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不正な遊技を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難に構成された遊技球が流下可能な第2流路と、遊技球の発射強度を可変させることで前記第1流路と前記第2流路とに遊技球を打ち分けて発射させることが可能な遊技球発射手段と、前記第1流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第1遊技状態と前記第2流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第2遊技状態とを切り替えて設定可能な設定手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1特典を付与する第1特典付与手段と、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2特典を付与する第2特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球を前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1誘導路と、前記可変入球手段に遊技球が入球可能となる第2誘導路とに所定の割合で振り分けることが可能な振り分け手段と、を有し、前記振り分け手段は、前記所定の割合で前記第1流路に振り分けられる遊技球によって付与される前記第1特典よりも前記第2誘導路に振り分けられる遊技球に対する遊技価値と同一以下となるように遊技球を振り分けるものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第1誘導路は、遊技球が通過可能な第1通路と、その第1通路とは異なり、前記第1通路を通過した球が通過困難な第2通路とを有し、前記第1誘導路は前記第2通路よりも前記第1通路を遊技球が通過し易いように構成され、前記第1入球手段は前記第1通路に配設されるものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第1誘導路を流下する遊技球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留された遊技球が前記第2通路を通過可能となるように貯留を解除させて流下させる解除手段とを有するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、所定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を第1状態にさせる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されることに基づいて、前記貯留手段に遊技球を貯留可能な貯留状態を設定する貯留制御手段と、を有するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想3または4記載の遊技機において、前記解除手段により、前記貯留手段を遊技球が貯留可能な貯留状態と、遊技球が貯留困難な解除状態とに可変される可変部材を有し、前記可変部材は、前記貯留手段に最初に貯留された遊技球を第1位置に貯留させ、それ以降に貯留された遊技球を第1位置以外の第2位置に貯留させるように構成されており、前記可変部材が前記解除状態となった場合に、前記第1位置に貯留された遊技球よりも前記第2位置に貯留された遊技球のほうが前記第2通路を通過し易いものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難に構成された遊技球が流下可能な第2流路と、遊技球の発射強度を可変させることで前記第1流路と前記第2流路とに遊技球を打ち分けて発射させることが可能な遊技球発射手段と、前記第1流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第1遊技状態と前記第2流路に遊技球を発射させて遊技を行うように遊技者に示唆される遊技状態である第2遊技状態とを切り替えて設定可能な設定手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1特典を付与する第1特典付与手段と、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2特典を付与する第2特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球を前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1誘導路と、前記可変入球手段に遊技球が入球可能となる第2誘導路とに所定の割合で振り分けることが可能な振り分け手段と、を有し、前記振り分け手段は、前記所定の割合で前記第1流路に振り分けられる遊技球によって付与される前記第1特典よりも前記第2誘導路に振り分けられる遊技球に対する遊技価値と同一以下となるように遊技球を振り分けるものである。
よって、不正な遊技を抑制することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏するものである。即ち、前記第1誘導路は、遊技球が通過可能な第1通路と、その第1通路とは異なり、前記第1通路を通過した球が通過困難な第2通路とを有し、前記第1誘導路は前記第2通路よりも前記第1通路を遊技球が通過し易いように構成され、前記第1入球手段は前記第1通路に配設されるものである。
よって、不正な遊技を抑制することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1誘導路を流下する遊技球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段に貯留された遊技球が前記第2通路を通過可能となるように貯留を解除させて流下させる解除手段とを有するものである。
よって、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を第1状態にさせる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されることに基づいて、前記貯留手段に遊技球を貯留可能な貯留状態を設定する貯留制御手段と、を有するものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想3または4記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記解除手段により、前記貯留手段を遊技球が貯留可能な貯留状態と、遊技球が貯留困難な解除状態とに可変される可変部材を有し、前記可変部材は、前記貯留手段に最初に貯留された遊技球を第1位置に貯留させ、それ以降に貯留された遊技球を第1位置以外の第2位置に貯留させるように構成されており、前記可変部材が前記解除状態となった場合に、前記第1位置に貯留された遊技球よりも前記第2位置に貯留された遊技球のほうが前記第2通路を通過し易いものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。