JP5799557B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機においては、遊技盤(詳しくは遊技領域)に設けられた入球部へ遊技球が流入することにより、例えば遊技球の払出等の特典が遊技者に付与される(例えば、特許文献1参照)。入球部は、固定式のものと、遊技球の入球を許容する許容状態及び当該許容状態よりも遊技球の入球が困難になる規制状態に切り替え可能に設けられた可変式のもの(以下、可変入球部と称する)とに大別される。
このような可変入球部が採用された遊技機においては、可変入球部を制御して、通常よりも特典を得やすい遊技状態を作り出すことで、遊技の単調化を抑制することが可能である。
特開2003−190511号公報
しかしながら、可変入球部を用いて有利/不利の差を生じさせる場合、例えば可変入球部が遊技者に有利な状態であるかそれとも不利な状態であるかを把握しないまま遊技を行うことで以下の事象が発生し得る。すなわち、本来取得し得たはずの特典を取り損ねたり、特典を得にくい状態にて遊技球を発射し続けることで無駄に投資が嵩んだりする。これは、遊技者の遊技意欲を減退させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の減退を好適に抑制することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
前面に遊技領域が形成されている遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球が流入可能な流入口と、
前記遊技盤の厚さ方向に変位することにより、上方に開放された前記流入口への遊技球の流入を許容する許容状態及び当該許容状態よりも前記流入口への遊技球の流入が困難又は不可となる規制状態に切替可能な開閉体と、
前記開閉体を前記規制状態から前記許容状態に切り替える切替手段と、
技機前方から視認可能となっており、前記遊技盤の前面と平行な方向に移動して前記開閉体から遠ざかることにより、前記流入口及び前記開閉体に対して遊技機前方から重なる第1状態から当該重なりが抑えられた第2状態に切り替わる可動と、
特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うとともに、抽選モードとして、当該特別遊技状態の発生に対応した当選結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを有する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が特別遊技状態当選となったことに基づいて、前記開閉体が前記許容状態から前記規制状態になる切り替えの回数が予め定められた回数となるまで当該切替が実行される開閉実行モードとし、当該開閉実行モードの終了後に前記抽選手段における抽選モードが前記高確率モードとなるようにして遊技状態を移行させる遊技状態移行手段と
を備え、
前記遊技状態移行手段は、前記開閉実行モードとして、前記流入口への入球が発生しない又は発生しづらくなるように設定された第1開閉実行モードと当該第1開閉実行モードよりも前記流入口への入球が発生しやすくなるように設定された第2開閉実行モードとを有してなり、
前記第2開閉実行モードでは前記開閉体が前記許容状態となっている場合又は同許容状態となる場合に当該可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより当該開閉体が前記許容状態となっていることを示唆し、前記第1開閉実行モードでは前記可動体を前記第1状態に維持することにより前記示唆を回避するように構成された示唆手段を備えていることを特徴とする。
遊技意欲の減退を好適に抑制することができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)電動役物が閉鎖状態である場合を示す作動口装置の正面図、(b)電動役物が開放状態である場合を示す作動口装置の正面図である。 表示ユニットを正面側から見た概略図である。 内枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 主制御装置ユニットを取り外した状態を示す遊技盤の背面図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 (a)図4の部分拡大図、(b)図11(a)のA−A線部分断面図である。 可変入賞装置の動作を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 (a)低確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図、(b)高確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図である。 (a)第1結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図、(b)第2結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにより実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 開放時用の設定処理を示すフローチャートである。 (a)表示制御装置のMPUにより実行される開放報知用処理を示すフローチャート、(b)振分結果と開放報知との関係を示す概略図である。 可変入賞装置の変形例を示す概略図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、通路形成ユニットが取り付けられている。通路形成ユニットは、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とが形成されている。通路形成ユニットにおいて、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。図5の模式図に示すように電動役物91は、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部91bとを有してなり、図5(a)に示すように右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、図5(b)に示すように同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
再び図4を参照して説明すれば、この右作動口85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)83は、右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の右方に配置されている。可変入賞装置83は、遊技球が流入する流入口としての大入賞口と、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉シャッタとを有している。
開閉シャッタは、遊技球の入球が可能又は容易となる許容状態(開状態又は補助状態)と、同入球が不可又は困難となる規制状態(閉状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉シャッタは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉シャッタは規制状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に許容状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置83の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉シャッタの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、図6を参照して主表示ユニット87について補足説明する。図6は主表示ユニット87を正面側から見た概略図である。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図8及び図9を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図8は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図9は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図8に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図9に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81や作動口84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図8参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図10は裏パックユニット15の正面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。図10に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図2参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
集合板は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板と遊技盤80とが一体化されている。
集合板の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動口84,85及び可変入賞装置83等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(図2参照)が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路231に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路231に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路231内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路のうち一般入賞口81及び下作動口84に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
<可変入賞装置83>
本実施の形態においては、上述した可変入賞装置83について特徴的な構成を有している。ここで、図11に基づき可変入賞装置83について詳しく説明する。図11(a)は図4における可変入賞装置83及びその周辺部位を示す部分拡大図、図11(b)は図11(a)のA−A線部分断面図である。なお、図11においては遊技球を2点差線によって例示している。
既に説明したように遊技盤80において可変表示ユニット88の右側となる部位には開口部92が形成されている(図11(a)参照)。開口部92は遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして可変入賞装置83が配置された状態では、可変入賞装置83の前面部を構成するとともに遊技盤80に対する取付部としての機能が付与されたベースユニット300によって遊技機前方から開口部92が覆われている。
ベースユニット300は、駆動装置や検知センサ等の各種構成が搭載された本体部301と、本体部301から開口部92よりも前方に突出する突出部302とを有している。突出部302は右作動口85の下方に位置しており、右作動口85の左右を通過した遊技球は突出部302の上面部311へと落下することとなる。
上面部311は、左右に延びる長板状をなしており、遊技領域PEの中央側へ向けて下り傾斜している。上面部311に到達した遊技球は上面部311上を転動することで遊技領域PEの中央側へ案内されることとなる。つまり、上面部311は、遊技球の案内部303を構成している。
上面部311において右作動口85の直下に位置する部分には、上方に開放された上記大入賞口304が形成されている。大入賞口304は横長状をなしており、遊技球の流入を許容する大きさを有している。
ベースユニット300の内部には、大入賞口304から流入した遊技球が流下する球通路305が形成されている。案内通路は、大入賞口304から後方に延びる上流側通路部306と、上流側通路部306の下流側の端部に連なるとともに当該端部から下方に延びる下流側通路部307とを有してなる。
上流側通路部306の底面は遊技機後方へ向けて下り傾斜しており、大入賞口304に流入した遊技球は当該傾斜に沿うようにして後方へ移動する。下流側通路部307の途中位置には、大入賞口304へ入賞した遊技球を検知する検知センサ308が設けられている。この検知センサ308は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、主制御装置162では検知センサ308から入力された検知情報(検知信号)に基づいて入賞の発生の有無や入賞数を把握することが可能となっている。
ベースユニット300の本体部301には、大入賞口304を塞ぐようにして上記開閉シャッタ331が設けられている。開閉シャッタ331は、略平板状をなしており、その上面が上記上面部311(詳しくはその上面)と同一平面上に位置するようにして、且つ当該開閉シャッタ331の上面が上面部311と隙間なく連続するようにして配置されている。これにより、上述した案内部303の一部が開閉シャッタ331によって構成されている。開閉シャッタ331へと落下した遊技球は、開閉シャッタ331によって大入賞口304への流入が妨げられることで、開閉シャッタ331及び上面部311によって遊技領域PEの中央側へ案内されることとなる。
ベースユニット300の本体部301には、開閉シャッタ331用の収容部321が形成されている。収容部321は、前後方向に延びる長孔状をなしており、その一端が遊技機前方(すなわち大入賞口304側)に開放されているとともに他端が遊技機後方へ開放されている。開閉シャッタ331は、その一端部が収容部321の前側開放部分から前方に突出するようにして配置されている。
開閉シャッタ331は、収容部321内を遊技盤80の厚さ方向(前後方向)へ摺動可能な状態で本体部301によって保持されている。開閉シャッタ331において後方に突出する部分には付勢手段としてバネ部材(図示略)が取り付けられており、このバネ部材によって当該開閉シャッタ331が遊技機前方へ常時付勢された状態となっている。また、この突出している部分には、本体部301に内蔵されたリンク機構334に接続されるリンク接続部332が形成されている。
上記駆動手段としての開閉用ソレノイド335が非励磁となっている状態では開閉シャッタ331が突出位置に待機することとなる。一方、主制御装置162から駆動信号が入力されて開閉用ソレノイド335が励磁状態となった場合には、その動力がリンク機構334を介して開閉シャッタ331に伝達され、当該開閉シャッタ331は上記バネ部材の付勢力に抗して後方へスライド移動する。これにより、大入賞口304が開放され、大入賞口304への入球が許容されることとなる。
このように、開閉シャッタ331が可動式であり且つ上記案内部303の一部を構成している場合には、開閉シャッタ331の保持強度を担保することが望ましい。この点、本実施の形態の突出部302(詳しくはその前面部312の上端部)には、開閉シャッタ331の前端部と係合する係合凹部313が形成されている。開閉シャッタ331の前端部が係合凹部313に係合することで、開閉シャッタ331が前面部312によって下側から支えられた状態となる。開閉シャッタ331は本体部301及び突出部302によって大入賞口304を挟んだ前後両側にて支えられた状態となることで、開閉シャッタ331への遊技球の繰り返しの衝突により開閉シャッタ331が変形するといった不都合を生じにくくしている。
前面部312においてガラスパネル24と対向している部分には、後方へ凹む凹部314が形成されており、この凹部314に、開閉シャッタ331が開放されていることを報知する開放報知手段としての可動体341が収容されている。より詳しくは、凹部314の底部における上部には、可変入賞装置83が開放されている旨を示唆するメッセージ(詳しくは「OPEN!」)が付与されており、このメッセージが可動体341によって覆われている。
可動体341は、ガラスパネル24に対向するとともに大入賞口304と同じ方向(横方向)に延びる長板状をなしている。凹部314の左右両端部には、互いに向き合う側(凹部314の中央側)に開放されているとともに上下に延びるスリット315が形成されており、これら各スリット315に対して可動体341の左右の端部が挿入された状態となっている。これら各スリット315により、可動体341の移動方向が上下方向となるように規定されている。つまり、可動体341は、上記ガラスパネル24と前面部312との間に配置され、同ガラスパネル24に沿ってスライド移動する構成となっている。
スリット315には可動体341を上方へと付勢する付勢手段としてコイルバネ(図示略)が内蔵されており、これらコイルバネの付勢力によって可動体341が上面部311に対して下側から押し付けられた状態となっている。このように、上面部311に対して当接した位置が可動体341の初期位置である。
可動体341は、初期位置に配置されている状態にて、大入賞口304、上流側通路部306、開閉シャッタ331が存在している領域に対して遊技機前方から重なっている。ここで、上記ベースユニット300を構成する本体部301や突出部302については、光透過性を有する合成樹脂材料によって形成されているのに対して、可動体341は光透過性を有さない合成樹脂材料によって形成されている。このため、可動体341が初期位置に待機している状態では、当該可動体341の後方に存在する大入賞口304、上流側通路部306、開閉シャッタ331の遊技機前方からの視認が同可動体341によって妨げられることとなる。
突出部302において、球通路305(詳しくは上流側通路部306)よりも下側となる部分には、可動体341を駆動させる駆動手段としての報知用ソレノイド342が配設されている。報知用ソレノイド342は、表示制御装置に対して電気的に接続されており、当該表示制御装置から駆動信号が入力されることで非励磁状態から励磁状態に切り替わる構成となっている。報知用ソレノイド342は図示せぬリンク機構を介して可動体341に接続されており、当該ソレノイド342が励磁状態に切り替わることで、可動体341が上記コイルバネの付勢力に抗して初期位置から下方へ移動することとなる。
なお、可動体341の動作領域と開閉シャッタ331の動作領域とは前面部312によって隔てられており、可動体341と開閉シャッタ331とが相互に干渉することが回避されている。
ここで、図12を参照して可変入賞装置83の動作態様について説明する。図12(1)群は可変入賞装置83への遊技球の流入が規制された状態(閉状態)を示し、図12(2)群は可変入賞装置83への遊技球の流入が許容された状態(開状態)を示す。
通常遊技状態においては、図12(1)に示すように、可変入賞装置83が閉状態となっており、開閉シャッタ331によって大入賞口304が塞がれている。このため、かかる状況下にて図柄表示装置96の右側へ向けて発射された遊技球のうち、可変入賞装置83へ到達したものは、開閉シャッタ331上に落下し、大入賞口304へ流入することなく案内部303を通じて遊技領域PEの中央側へと流下する。
このように、大入賞口304への入球が許容されていない状況下においては、報知用ソレノイド342は非励磁状態のまま維持され、可動体341は初期位置にて待機している。かかる状態では、可動体341によって開閉シャッタ331、大入賞口304等の目視による確認が妨げられ、更には前面部312を通じた上流側通路部306の視認も妨げられている。
一方、特別遊技状態となって開閉用ソレノイド335に駆動信号が出力されると、図12(2)に示すように、開閉シャッタ331が退避位置へと移動して、大入賞口304が開放される。これにより、大入賞口304への遊技球の流入が許容されることとなる。
このようにして、開閉シャッタ331が移動を開始するタイミング、すなわち開閉用ソレノイド335に駆動信号が出力されるタイミングと同じタイミングで、報知用ソレノイド342に駆動信号が出力され、表示制御装置からの駆動信号に基づいて報知用ソレノイド342が非励磁状態から励磁状態に切り替わる。これにより、可動体341がコイルバネの付勢力に抗して初期位置から下方へ移動する。可動体341が下限位置(報知位置)に到達すると、上記メッセージが遊技機前方へ露出した状態となり、同メッセージを遊技機前方から視認可能となる。より詳しくは、可動体341が最大開放位置へ到達したタイミング(すなわち大入賞口304への遊技球の流入が許容されるタイミング)となった際に、可動体341が上記報知位置に到達し、上記上流側通路部306及び上記メッセージ全体が視認可能となる。
また、可動体341が報知位置に配置された状態(以下、開放報知状態ともいう)では、図12(a2)の2重線矢印に示すように、前面部312(詳しくは上記メッセージが配されていない部分)を通じて球通路305(詳しくは上流側通路部306)が視認可能となる。これにより、遊技者は、大入賞口304へ流入した遊技球が球通路305を通って移動するさまを視認可能となる。
可変入賞装置83の開放期間が終了した場合には、開閉用ソレノイド335への駆動信号の出力を停止して、可変入賞装置83を閉状態に切り替える。この場合、当該駆動信号の出力停止に併せて報知用ソレノイド342への駆動信号の出力も停止される。これにより、図12(1)に示すように、可動体341が初期位置に復帰することとなる。なお、可動体341が初期位置に復帰するタイミングと、開閉シャッタ331が閉位置に復帰するタイミングとはほぼ同じタイミングとなるように設定されているが、開閉シャッタ331の動作領域は、可動体341の動作領域の上端部分の後方に位置しているため、可動体341が初期位置に復帰するまでは前面部312を通じた開閉シャッタ331の視認性は担保される。これは、実際に開閉シャッタ331の動きを視認できる余地を残すことで、報知機能に対する遊技者の信頼を高めるための工夫である。
このようにして、図12(1)に示した状態に復帰すると、再び可動体341によって大入賞口304、上流側通路部306、開閉シャッタ331が覆われ、それら各種構成の目視による確認が制限される。更には、上記メッセージについても視認不可となる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口81用の検知センサ611a、下作動口84用の検知センサ611b、右作動口85用の検知センサ611c、スルーゲート86用の検知センサ611d、可変入賞装置83用の検知センサ308、が接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、主表示ユニット87の各種表示部、作動口用保留ランプ部98,99、停電監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口304への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU602の出力側には、右作動口85の電動役物91を開閉動作させる駆動部91b、可変入賞装置83の開閉シャッタ331を開閉動作させる開閉用ソレノイド335、主表示ユニット87の各種表示部DL,DR,DS,DH等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は上記駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口304が開閉されるように、MPU602において可変入賞装置83における開閉用ソレノイド335の駆動制御が実行される。また、右作動口85の電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット87(主表示部D)における下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRの表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。この場合、外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子(第1状態信号出力端子)と、大当たり及び特別外れ信号出力端子(第2状態信号出力端子)とが設けられている。
MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
また、本パチンコ機10では、後述するように各作動口84,85への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり当選でなかったとしても、可変入賞装置83が開閉実行モードに移行することとなる特別外れ結果(すなわち、小当たり)を遊技結果の1種として備えている。この場合に、MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合又は遊技結果が特別外れ結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり及び特別外れ信号出力端子を通じて大当たり及び特別外れ信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり及び特別外れ信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果又は特別外れ結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置625を制御するものである。
表示制御装置625はMPU632が搭載された表示制御基板631を有してなり、MPU632には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM633、そのROM633内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM634、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
MPU632では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置96の表示内容について説明する。
図柄表示装置96の表示画面96aには、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、左図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。右図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、左図柄列と右図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面96aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、表示画面96aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面96aには、5つの有効ライン、すなわち下ライン、中ライン、上ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、後述する大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置96における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87の表示の設定、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置96が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DR及び図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右作動口85の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、下作動口用保留エリアRaと、右作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図15を用いて説明する。図15に示すように、当否テーブルとしては、図15(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図15(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図15(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図15(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置83の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の右作動口85の電動役物91におけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置83の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置83への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置83の大入賞口304の開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口304への入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置83の大入賞口304の開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口304への入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口304の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置83への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置83への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置83への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85の右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、右作動口85又は下作動口84に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。
<遊技結果の振り分け>
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図16を用いて説明する。図16に示すように、振分テーブルとしては、図16(a)の下作動口用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図16(b)の右作動口用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
下作動口用の振分テーブルでは、図16(a)に示すように、遊技結果の振分先として、15R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、2R通常大当たり結果(明示高頻度サポートモード対応遊技結果又は突然時短(高頻度サポートモード)状態となる結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、以降後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに開閉実行モードに移行する前のサポートモードを維持する大当たり結果である。また、サポートモードが高頻度サポートモードとなった場合には、少なくとも次に開閉実行モードとなるまでは当該高頻度サポートモードを維持する。非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果であると言える。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
下作動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜4」が15R通常大当たり結果に対応しており、「5〜9」が2R通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、通常大当たり結果として、15R通常大当たり結果及び2R通常大当たり結果が設定されていることにより、通常大当たり結果の態様が多様化する。また、上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、右作動口85の電動役物91のサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、右作動口用の振分テーブルでは、図16(b)に示すように、遊技結果の振分先として、15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、下作動口用の振分テーブル及び右作動口用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に通常大当たり結果又は確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、下作動口用の振分テーブルでは、15R通常大当たり結果及び2R通常大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、10個となっているとともに、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、右作動口用の振分テーブルでは、15R通常大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、10個となっているとともに、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ通常大当たり結果が発生する場合には必ず15R通常大当たり結果となるのに対して、下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ通常大たり結果となる場合には1/2の確率で2R通常大当たり結果又は15R通常大当たり結果となる。つまり、通常大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R通常大当たり結果の発生確率は、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、右作動口85への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が下作動口84への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、右作動口85の電動役物91が開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには右作動口用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、下作動口84と右作動口85とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は下作動口84及び右作動口85のうち、右作動口85への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、右作動口85への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードと同様に遊技球の入賞が発生しにくいものとなっている。
特別外れ結果に対応する開閉実行モードについて説明すれる。可変入賞装置83は、既に説明したように特別外れ当選に対応した開閉実行モードとなった場合には、大入賞口304が開放されるように設定されている。大入賞口304の開放態様としては、所定時間(例えば0.2sec)の経過を1回として複数回(例えば2回)開放される態様や、入賞総数が所定数(10個)することで開閉実行モードを終了する態様がある。但し、上述の如く、開放される期間が極めて短いため、入賞総数が所定数に達することで開閉実行モードが終了することは実質的にない。
なお、特別外れ結果に対応した開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
ここで、上記当否及び振分抽選により各種大当たり結果及び特別外れ結果となった場合に、図柄表示装置96の表示画面96aにて停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
既に説明したように、表示画面96aにおいては、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、各図柄列は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、15R通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字(奇数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせが表示され、その後に、明示用画像が表示されるようになっている。
2R通常大当たり結果となる場合には、異なる数字(偶数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:2、中:4、右:6の図柄の組み合わせが表示され、その後に、明示用画像が表示されるようになっている。
また、非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、開閉実行モード中に下作動口84への入賞が発生した場合と発生していない場合とで異なる図柄の組み合わせが停止表示される構成となっている。具体的には、下作動口84への入賞が発生していない場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせ(完全外れに対応する図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了する。詳しくは、大当たり抽選に外れた場合と同様の図柄の組み合わせが表示される。一方、下作動口84への入賞が発生した場合には、抽選結果が非明示2R確変大当たり結果であることを条件として、異なる数字(奇数)が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、詳しくは左:3、中:5、右:7の図柄の組み合わせが表示されるとともに非明示2R確変大当たりに当選した旨のメッセージ(例えば「潜伏中」)が表示される。また、抽選結果が特別外れ結果であることを条件として、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了し、左:3、中:4、右:7の図柄の組み合わせが表示されるとともに特別外れ結果となった旨のメッセージ(例えば「残念」)が表示される。
再び図14を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置96を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置96における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置96の表示画面96aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置96の表示画面96a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面96aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部D)の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって右作動口85の電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ611a〜611d,308等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ611a〜611d,308等の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口84,85(作動口84,85)への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84用の検知センサ611bの検知状態により判定する。遊技球が下作動口84に入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて上記主表示部Dの下作動口用保留ランプ部98の点灯処理を実行する。具体的には、下作動口用保留ランプ部98において上下に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が下作動口84に入賞していないと判定した場合には、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85用の検知センサ611cの検知状態により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、右作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該右作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、右作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて上記主表示部Dの右作動口用保留ランプ部99の点灯処理を実行する。具体的には、右作動口用保留ランプ部99において上下に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、下作動口84,右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S201にて払出制御装置242に対して送信される。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図18のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部DL,DRなどの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部DSの表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS307にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS311以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS311では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS312にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS313にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図19及び図20のフローチャートを参照して説明する。
図19に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604のその他フラグ格納エリア604eにおける開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604のその他フラグ格納エリア604eにおける変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア604bの総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、下作動口84及び右作動口85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて下作動口用保留エリアRa又は右作動口用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず右作動口用保留エリアRbに保留記憶されている右作動口用保留記憶数が「0」か否かを判定する。右作動口用保留記憶数が「0」である場合には下作動口用のデータ設定処理を実行し、右作動口用保留記憶数が「0」でない場合には右作動口用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、右作動口用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下作動口用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、右作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、下作動口用保留エリアRa及び右作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右作動口85(右作動口85)に対応した右作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
下作動口のデータ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRaの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の下作動口用保留ランプ部98のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、下作動口用保留ランプ部98のLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
RAM604のその他フラグ格納エリア604eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。その後、本データ設定処理を終了する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ず右作動口用保留エリアRbの右作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、右作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、右作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の右作動口用保留ランプ部99のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、右作動口用保留ランプ部99のLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
消灯処理を行った後は、RAM604のその他フラグ格納エリア604eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87における変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、図20のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア603cに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果、2R通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(詳しくは右作動口用表示部DR、下作動口用表示部DL)に最終的に停止表示させる絵柄の態様(発光色)の情報を、ROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部Dに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM604に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM604にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、2R通常大当たり結果であることを特定した場合には2R通常フラグをセットし、非明示2R確変大当たり結果であることを特定した場合には非明示2R確変フラグをセットし、明示2R確変大当たり結果であることを特定した場合には明示2R確変フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM604に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS406にて、ステップS401における当否判定処理の結果が特別外れ結果であるか否かを判定する。特別外れ結果である場合には、ステップS407に進む。
ステップS407では、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603に予め記憶されている特別外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。続くステップS408では、特別外れフラグをRAM604にセットする処理を実行する。
また、ステップS406にて、特別外れ結果ではないと判定した場合には、ステップS409にて、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603に予め記憶されている特別外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び特別外れ結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別更には特別外れや完全外れにて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRのうち、当該遊技回に係る変動表示が行われている主表示部Dを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部Dに設けられた下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRは、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置625が表示制御に際して介在することとなる表示部に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部Dについては、下作動口用表示部DLや右作動口用表示部DR等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置96の表示画面96aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置されているためその視認性も表示画面96aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面96aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部Dと表示画面96aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405、ステップS408及びステップS409のいずれかの処理を実行した後は、ステップS410にて、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM604の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置96にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果又は特別外れ結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果及び特別外れ結果のいずれでもない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM603に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM603に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
特に、今回の遊技回の遊技結果が非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果のいずれかとなる場合には、ROM603に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルのうち共通変動表示時間テーブル(共通変動表示時間情報群)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
ここで、既に説明したように、通常遊技状態下で特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合は、下作動口84の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。特別外れ結果となる場合及び非明示2R確変大当たり結果となる場合はいずれも、図柄表示装置96における図柄の変動表示においてリーチ表示が発生することとなり、さらには、その遊技回の変動表示時間の決定に際して共通変動表示時間テーブルを参照することで、主表示部D及び図柄表示装置96における絵柄の変動表示時間が共通のものとなる。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、特別外れ結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の通常外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS410にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS411にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、2R通常大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報、及び通常外れ結果の情報が含まれる。
ステップS411にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置625に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置625では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置625における処理についての詳細は後述する。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて主表示部Dにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS413にて、外部出力解除処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図19)の説明に戻り、主表示部D(詳しくは作動口用表示部DL,DR)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図17)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部D(詳しくは下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DR)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口部用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部DL,DRを表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図20)のステップS404、ステップS407及びステップS409のいずれかの処理においてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部Dの作動口用表示部DL,DRにて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置625に送信され、表示制御装置625では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置96の表示画面96aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、音声ランプ制御装置143や表示制御装置625にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図21〜図23のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、15R通常フラグ、2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず上記フラグが15R通常フラグ及び15R確変フラグのいずれかであるかを判定する。今回のフラグが15R通常フラグ又は15R確変フラグであるこの場合、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置83の大入賞口304の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報であって可変入賞装置83の開放に対応した待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図17)が実行される度に1ディクリメントされる。
一方、今回のフラグが15R通常フラグ及び15R確変フラグでない場合、すなわち今回のフラグが2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかである場合には、オープニング用に可変入賞装置83の大入賞口304の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報であって可変入賞装置83の開放に対応した待機時間情報をセットする。
続くステップS505では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、15R確変フラグ又は15R通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS506にて、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに、「2」をセットする。開放数カウンタOCは、大入賞口304が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS507にて、開放数カウンタOCに、「15」をセットする。
ステップS506又はステップS507の処理を実行した後は、ステップS508にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143及び表示制御装置625に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置625に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置625では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば15R大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、2R大当たりや特別外れに対応する表示内容としての図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
続くステップS509では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM604に、15R通常フラグ、2R通常フラグ、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、大当たり及び特別外れ信号出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS501にて肯定判定をし、ステップS510に進む。ステップS510では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS511にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
<大入賞口開閉処理>
先ず、ステップS601にて大入賞口304が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置83の開閉用ソレノイド335の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口304が開放中でない場合には、ステップS602にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS603にて開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。
開放数カウンタOCの値が「0」である場合又は開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」でなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、可変入賞装置83における大入賞口304の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口304を開放すべく開閉用ソレノイド335を駆動状態(励磁状態)とする。その後、大当たり対応の開放時用設定処理として、ステップS605〜S608の処理を実行する。
続くステップS605では、今回の開閉実行モードが15R大当たり(15R通常大当たり又は15R確変大当たり)に対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに15R通常フラグ及び15R確変フラグのいずれか一方が格納されているか否かを判定する。
ステップS605にて肯定判定をした場合には、15R大当たり対応の開放時用設定処理として、ステップS606,S607の処理を実行する。すなわち、ステップS606にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、ステップS607にて第1入賞カウンタPC1に「10」をセットする。
一方、ステップS605にて否定判定をした場合には、続くステップS608にて開放時用の設定処理を実行する。ここで、図23のフローチャートを参照して開放時用の設定処理について説明する。
<開放時用の設定処理>
開放時用の設定処理では、先ずステップS701にて開放タイマカウンタTCに「100」(0.2secに相当)をセットする。その後、ステップS702にて今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応するものである場合には、続くステップS703にて第1入賞カウンタPC1に「10」をセットして、本開放時用の設定処理を終了する。
一方、ステップS702にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものである場合には、続くステップS704にて開放数カウンタOCの値が「2」であるか否かを判定する。ステップS704にて肯定判定した場合には、続くステップS705にて第1入賞カウンタPC1に「6」をセットする。
ステップS705の処理を実行した後、又はステップS704にて否定判定した場合には本開放時用の設定処理を終了する。
再び図22に戻って、ステップS607及びステップS608の各処理を実行した後は、続くステップS609にて開放コマンドの設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。当該開放コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して、表示制御装置625に送信される。
また、ステップS601にて大入賞口304の何れかが開放中であると判定した場合にはステップS610に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合、ステップS611にて大入賞口304に遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置83に対応した検知センサ308からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、続くステップS612にて今回の開閉実行モードが非明示2R確変大当たり結果及び特別外れ結果の何れかに対応しているか否かを判定する。ステップS612にて肯定判定した場合には、続くステップS613にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、音声ランプ制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって図柄表示装置96の表示画面96aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS613にてコマンドの出力処理を実行した後、又はステップS612にて否定判定をした場合には、ステップS614に進む。ステップS614では第1入賞カウンタPC1の値を1ディクリメントし、続くステップS616にて第1入賞カウンタPC1の値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS615にて肯定判定をした場合、すなわち第1入賞カウンタPC1の値が「0」である場合には、続くステップS616にて今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものであるか否かを判定する。当該ステップS616にて肯定判定をした場合には、すなわち今回の開閉実行モードが特別外れ結果に対応するものである場合には、ステップS617に進み開放数カウンタOCを「0」にリセットする。
ステップS617にて開放数カウンタOCをリセットした後、ステップS616にて否定判定をした場合、又はステップS610にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」の場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS618にて大入賞口304を閉鎖すべく開閉用ソレノイド335を非駆動状態(非励磁状態)とする。
続くステップS619では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、ステップS620にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合にはステップS621にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。言い換えれば、今回の開閉実行モードが15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果のいずれかに対応するものであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、開放タイマカウンタTCに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、開放タイマカウンタTCに「250」(すなわち0.5sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口304が閉鎖されている時間が高頻度入賞モードにおいて大入賞口304が閉鎖されている時間よりも短く設定されている。
その後、ステップS624にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、この閉鎖コマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置625に送信される。
ステップS620にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS621にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が長くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が5secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が10secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図17)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS626にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図18)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置625に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置625では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば15R大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、2R大当たりや特別外れに対応する表示内容としての図柄の変動表示、が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
遊技状態移行処理(図21)の説明に戻り、ステップS511にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS512にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS513にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS514にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>>
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、RAM604に特別外れフラグが格納されているか否かを判定する。特別外れフラグが格納されている場合には、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持されることとなる。
一方、RAM604に特別外れフラグが格納されていない場合には、RAM604に15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。15R確変フラグ及び明示2R確変フラグのいずれかのフラグが格納されている場合には、遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高確率モードフラグを格納するとともに高頻度サポートフラグを格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
特別外れフラグ、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグのいずれも格納されていないと判定した場合には、非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合にはフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高確率モードフラグを格納するとともに開閉実行モード前の遊技状態におけるサポートモードと同様のサポートモードとなるように高頻度サポートフラグ及び低頻度サポートフラグの一方を格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモード又は高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
但し、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中は右作動口85へ向けて遊技球を発射することで遊技が行われるとともに、同右作動口85への入賞に基づく抽選対象からは非明示2R大当たり結果が外さている。このため通常は、非明示2R大当たりに当選となるのは、主として低頻度サポートモード中であると想定される。このため、非明示2R確変大当たり結果となった場合には、開閉実行モード移行前のサポートモードとなる点を鑑みれば、同サポートモードは実質的に毎度低頻度サポートモードになる。
特別外れフラグ、15R確変フラグ、明示2R確変フラグ及び非明示2R確変フラグのいずれも格納されていないと判定した場合、すなわち2R通常フラグ又は15R通常フラグが格納されている場合には、上記フラグ消去処理と同様の処理を実行する。続いて、高頻度サポートフラグを格納するとともにRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットした後に、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
<表示制御装置625にて実行される表示制御処理について>
本実施の形態においては、開閉実行モードへ移行して可変入賞装置83が開放される場合の一部で可変入賞装置83が開放される旨を報知することを特徴の1つとしている。ここで、主制御装置162から入力される各種コマンドに基づいて表示制御装置625のMPU632にて実行される開放報知用処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。なお、開放報知用処理は表示制御装置625にて定期的(例えば2msec)に実行される。
開放報知用処理では、先ずステップS801にて開放報知を実行している最中であるか否かを判定する。具体的には、後述する報知用フラグがRAM634の各種フラグ格納エリア634aに報知開始フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS802に進み、主制御装置162から開放コマンド(図22参照)を受信しているか否かを判定する。ステップS802にて否定判定をした場合には、そのまま本開放報知用処理を終了する。
一方、ステップS802にて肯定判定をした場合にはステップS803に進む。ステップS803では、受信している開放コマンドに今回の開放が高頻度入賞モードに対応するものである旨を示す情報が含まれているか否かを判定する。すなわち、開放コマンドが15R大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。
ステップS803にて否定判定をした場合には、そのまま本開放報知用処理を終了する。一方、ステップS803にて肯定判定をした場合にはステップS804に進み、開放報知開始処理を実行した後本開放報知用処理を終了する。開放報知開始処理においては、RAM634の各種フラグ格納エリア634aに報知開始フラグを格納するとともに可変入賞装置83の報知用ソレノイド342に対して駆動信号の出力を開始する。この駆動信号が報知用ソレノイド342に入力されることで、報知用ソレノイド342が励磁状態となり、可動体341が初期位置から報知位置へと移動する。これにより、大入賞口304が開放されている旨を示すメッセージが表示されるとともに、それまで隠蔽されていた大入賞口304や球通路305が遊技機前方から視認可能となる。
再びステップS801の説明に戻る。ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわちRAM634の各種フラグ格納エリア634aに報知開始フラグが格納されている場合には、ステップS805に進む。ステップS805では、主制御装置162から閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には、そのまま本開放報知用処理を終了する。
一方、ステップS805にて閉鎖コマンドを受信していると判定した場合にはステップS806に進み、開放報知終了処理を実行した後、本開放報知用処理を終了する。開放報知終了処理では、報知用ソレノイド342に対する駆動信号の出力を停止する。これにより、報知用ソレノイド342が非励磁状態となって可動体341が初期位置に復帰する。つまり、上記メッセージや球通路305の視認が不可となり、大入賞口304への入球が不可となった旨が示唆される。また、ステップS806の処理では、RAM634の各種フラグ格納エリア634aに格納された報知開始フラグを消去する。以降の開放報知用処理では、次に開放コマンドを受信するまで開放報知を行わない。
以上詳述した開放報知用処理を実行することにより、開放報知の開始/終了タイミングと、大入賞口304の開放開始/終了タイミングとが同期することとなり、遊技者は可動体341の状態を確認することで、大入賞口304への入球が許容されているか否かを把握することができる。
ここで、図24(b)の概略図を参照して振分結果と開放報知との関係について補足説明する。既に説明したように、本実施の形態においては、可変入賞装置83の開放パターンとして高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されており、前者(詳しくは15R通常大当たり結果、15R確変大当たり結果のいずれかとなった場合)については可変入賞装置83へ向けて遊技球を発射することで手持ちの遊技球の増加が見込める。一方、後者(2R通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、特別外れ結果のいずれかとなった場合)については可変入賞装置83へ向けて遊技球を発射したとしても実質的に入賞が発生することがないため手持ちの遊技球は減少する。そこで、上述した開放報知を、高頻度入賞モードである場合に実行し、低頻度入賞モードである場合には実行しない構成とすることで、遊技者に対して不利益感を与えることを回避している。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可変入賞装置83の大入賞口304については上方に開放されており、前後にスライド移動可能な開閉シャッタ331によって覆われている。開閉シャッタ331を前後方向にスライドさせる構成においては、開閉シャッタに相当する構成が上下方向や左右方向に移動する構成や開閉シャッタが前方へ回動する構成と比較して、その動きを遊技機前方から視認しづらいと想定される。更には、可変入賞装置83(開閉シャッタ331)が、遊技者の顔と同じ高さ位置となるよう狙って配置された図柄表示装置96の側方に存在しているため、上方から開閉シャッタ331を覗き込むといった特定の姿勢をとることなく同開閉シャッタ331を目視で確認することが困難となっている。
ここで、上記実施の形態においては、大入賞口304の近傍に設けられた可動体341の状態が切り替わることで、開閉シャッタ331が許容状態に切り替わっている旨、すなわち大入賞口304が開放されている旨が示唆されることとなる。可動体341については、ガラスパネル24と対向する位置に配置され、その動きを目視にて確認可能となっている。このため、遊技者はこの可動体341を目視で確認することで開閉シャッタ331が許容状態となっていることを把握することができる。これにより、許容状態になっていることの見落とし等に起因して遊技者が不利益を被ることを抑制することができる。
また、開閉シャッタ331とは別に設けられた可動体341に開放報知機能を付与すれば、開閉シャッタ331や大入賞口304等を視認可能としなくても遊技者が困惑したり不利益を被ったりすることを抑制できる。故に、可変入賞装置83(開閉シャッタ331や大入賞口304)にかかる配置や形状等の制約を抑え、同可変入賞装置83の設計自由度を向上できる。近年では特に、図柄表示装置96等の大型化によって遊技領域PEが圧迫される傾向にあり、上記可変入賞装置83の配置や形状に対する制約が強くなっている。この点を考慮しても、可動体341に開放報知機能を付与することの技術的貢献度は大きい。
可動体341は、その板面がガラスパネル24に対して近接するようにして配置されているとともに、同ガラスパネル24に沿って移動する構成となっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球に対して当該可動体341が干渉することで同遊技球の挙動が変化するといった不都合が生じることを抑制している。特に、可動体341は、大入賞口304(詳しくは前面部312)とガラスパネル24との間、すなわち遊技球の挙動に影響を与えなにくい位置に配置されており、更には同可動体341の動作領域についても前面部312と大入賞口304との間となる領域に設けられている。これにより、開放報知を行ったとしても、それにより遊技球の挙動が変化する等して、遊技者及び遊技ホールのいずれかが不利益を被ることを回避している。また、このように遊技球の挙動に影響を与えない位置へ配置することにより、開放報知を行う期間やタイミング等に制約が生じることを回避し、例えば大入賞口304が開放されている全期間で開放報知を行うことが可能となっている。
可動体341は大入賞口304及び球通路305(詳しくは上流側通路部306)の前方に位置しており、可動体341が開放報知状態となることで、実際に遊技球が大入賞口304を通じて球通路305へ流入する様を目視により確認することができる構成となっている。このように、入球の発生の目視による確認が可能な状態となることで、上記報知機能を好適に発揮させることができる。
なお、上流側通路部306については後方へと延びており、上流側通路部306を通過している遊技球は、暫くの間前面部312を通じて視認可能なままとなる。これにより、開放報知状態となった場合に、実際に入賞が発生している事実を目視にて確認しやすくなっている。
上記実施の形態における大入賞口304については、所定の期間内に開放→閉鎖が繰り返される。かかる構成にて、報知手段を構成する可動体341を大入賞口304の近傍に配置することで、以下の効果が期待できる。大入賞口304(開閉シャッタ331)は所定の期間の経過又は所定個数の入賞の何れかの条件が成立した場合に、許容状態から閉鎖状態に切り替わる。このようなタイプの遊技機においては、少しでも無駄球の発射を抑えて、遊技を有利に進めようとした場合には、大入賞口304の状態とその周辺での遊技球の動きとの両者を把握する必要が生じる。ここで、可動体341が大入賞口304の近傍に存在すれば、上記把握を行う際の視線の移動量を抑えることができる。つまり、遊技者は、報知の有無を確認しつつ大入賞口304周辺での遊技球の動き等を把握しようとした場合であっても、視線の移動量を抑えることができる。故に、遊技者は、大入賞口304への遊技球の入球を確認すべく、大入賞口304等を注視したままで可動部の動きも併せて把握できる。
可動体341については不透明となっており、可動体341を通じた後方領域の視認が不可となっている。このため、可動体341が初期位置に配置されている状態(開放報知が行われていない状態)では、大入賞口304や球通路305(詳しくは上流側通路部306)が視認不可となる。かかる構成によれば、開放報知状態となる前後での外観上の差が大きくなり、上記示唆機能の更なる向上が期待できる。
また、開閉シャッタ331及び可動体341をともに板状に形成、それら両者の移動方向が互いに直交する方向としたことで、可動体341による開閉シャッタ331の遮蔽機能を好適に発揮せることが可能となっている。つまり、開閉シャッタ331については、その端面が遊技機前方を向いているため、可動体341については少なくともその端面よりも大きく形成することで、同開閉シャッタ331を遮蔽する機能が発揮されることとなる。故に、可動体341をむやみに大型化することなく、開閉シャッタ331全体を遮蔽することができる。これは、遊技領域PEという限られた空間内に可動体341を配置する上で、その占有領域が無駄に大きくならないようにするための工夫である。また、かかる構成によれば、可動体341を少し降下させるだけで、開閉シャッタ331及びその動きが視認可能となる。これにより、上記開放報知機能を一層好適に発揮させることが可能となっている。
ガラスパネル24と遊技盤80の前面との距離は、遊技球の流れの円滑化等を目的として、遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられている。可動体341は、遊技盤80の前面と平行にスライド移動する構成とすれば、開放報知機能が採用されたことに起因してガラスパネル24と遊技盤80との隙間が拡張されることを抑制できる。
可変入賞装置83を有する構成においては、既に説明したように開閉シャッタ331の許容状態及び規制状態の切り替えタイミングを正確に把握することにより、無駄な投資を抑える等して遊技を有利に進めることができる。より具体的には、開閉シャッタ331が許容状態に切り替わるタイミングを見計らって遊技球の発射操作を開始し、開閉シャッタ331が規制状態に切り替わるタイミングを見計らって発射操作を終了することにより、遊技を有利に進めることができる。このような手法で遊技を進めようとした場合には、開閉シャッタ331の開閉タイミングをできるだけ正確に把握する必要がある。
このため、可動体341の切り替えが円滑に行われないと、少しでも有利に遊技を進行させたい遊技者の注意は、可動体341ではなく開閉シャッタ331に向きやすくなると想定される。これでは、可動体341に開放報知機能を付与した意義が薄れてしまう。この点、上記実施の形態においては、可動体341の移動方向を大入賞口304の長手方向と直交する方向となるようにして設定することで、可動体341の動きに伴う外観上の変化を担保しつつ、開放報知状態への切替に要する期間の短縮(応答性の向上)を実現している。これにより、可動体341への遊技者の注目を促すことができ、上記報知機能を好適に発揮させることが可能となる。
また、上記実施の形態においては、開閉シャッタ331の切替タイミングと可動体341の切替タイミングとを揃える(同期させる)構成としているため、上述した遊技の進め方を実戦する遊技者に対しても開放報知機能の参照を促すことができ、当該開放報知機能を好適に発揮させることが可能となる。
作動口84,85への入球を契機として開閉実行モードに移行させるか否かの抽選が行われるとともに、同抽選に当選した場合には大入賞口304への入球が容易化される。開閉実行モードとしては入球発生機会に差が生じるように設定された低頻度入賞モード及び高頻度入賞モードが設けられており、かかる構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、低頻度入賞モード及び高頻度入賞モードが設定され且つ開閉シャッタ331の動作の目視による確認が許容された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、低頻度入賞モードにおける大入賞口304への入球の期待度が高頻度入賞モードと比べて低くなることで例えば低頻度入賞モードにおける開閉体の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本実施の形態においては、開閉シャッタ331自体は遊技機前方から視認困難又は視認不可となっており、開閉シャッタ331の状態が切り替わった旨は可動体341によって示唆される。そして、相対的に不利な低頻度入賞モードでは示唆を実行せず、相対的に有利な高頻度入賞モードにて示唆を実行することで、低頻度入賞モードにて開閉シャッタ331の状態切替を行ったとしても、それにより遊技者に損失感を与えることを抑制可能となる。これにより、上述した遊技意欲の低下を好適に抑えることができる。故に、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
また、低頻度入賞モードを経由した遊技状態の変更時に開閉シャッタ331を動作させる構成によれば、例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行う余地を残すことが可能となる。なお、遊技者は椅子に座っているためホール管理者とは目線の高さが異なる点を考慮して、開閉シャッタ331を遊技者からは見えづらく且つホール管理者からはみえやすいように配置された本実施の形態においては、上記効果を好適に発揮させることが可能となっている。
遊技者や遊技ホールの利益にかかる制御を実行する主制御装置162については不正の対象になりやすい。このため、仮に可動体341の切替を主制御装置162によって制御する構成とした場合には、構造・制御の両面で当該可動体341にかかる構成(例えば配線やコネクタ等)が不正の足掛かりとして狙われやすくなると想定される。
この点、本実施の形態に示すように可動体341を主制御装置162とは別に設けられた表示制御装置625によって制御する構成とすれば、報知機能を担保しつつ防犯機能の低下を回避することが可能である。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「可動部」としての可動体341を「案内通路」としての球通路305(詳しくは大入賞口304又は開閉シャッタ331)の前方に配置したが、これに限定されるものではない。少なくとも大入賞口304の近傍に配置されるのであれば、可動体341の配置は任意である。
但し、遊技球が大入賞口304へ流入している様を視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えることにより、大入賞口304が開放されている旨を示唆できる点を考慮すれば、案内通路の入口部分の前方に配置した可動体341によって大入賞口304や球通路305等を覆う構成をすることが好ましい。
(2)上記実施の形態では、可動体341が大入賞口304の長手方向(左右方向)と交差する方向(上下方向)へスライド移動する構成としたが、移動後の可動体341によって大入賞口304への遊技球の流入が妨げられない限りは、同可動体341の移動方向を任意設定してよい。例えば、大入賞口304の長手方向と同じ方向へスライド移動する構成としてもよい。
但し、報知状態への切り替えに要する期間を短縮し、大入賞口304が開放された際の開放報知の応答性を向上する上では、可動体341の移動方向を大入賞口304の長手方向と交差する方向(望ましくは直交する方向)とすることが好ましい。
また、可動体341については、スライド式とするのではなく、回動式とすることも可能である。但し、ガラスパネル24と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の大きさに基づいて設定されている点、更には遊技領域PEを流下する遊技球の動きへの影響を抑える点を考慮すれば、可動体341は遊技盤80の前面と平行に移動する構成とすることが好ましい。
更には、応答性の向上を図る上では、上記実施の形態に示したように、大入賞口304の長手方向と直交する方向へスライド移動させるとよい。前面部312を通じた視認性を迅速に有効化できる。
(3)上記実施の形態では、「開閉体」としての開閉シャッタ331が遊技盤80の厚さ方向(前後方向)にスライド移動する構成が採用され、開閉シャッタ331の動きを目立ちにくくさせていたが、例えば開閉シャッタ331の動きの視認を妨げる構成が採用されているタイプの遊技機に対して上記実施の形態に示した報知手段を適用しても、同報知手段による報知機能により、遊技者が不利益等を被ることを好適に抑制できる。
例えば、図25に示すように開閉シャッタ331Aの前方に開閉シャッタ331A及び大入賞口304Aとそれら両者304A,331Aの境界部位とを覆うカバー351Aを設けた場合には、大入賞口304Aへの遊技球の案内機能や防犯機能を向上する上では有利である。
しかしながら、カバー351Aは開閉シャッタ331A等の視認を妨げるような障害となり得る。このような構成に対して、上記実施の形態に示した報知手段を適用すれば、開閉シャッタ331Aの動作が見づらかったとしても、それに起因した不利益の発生を抑えることができる。
なお、「開閉体」は上記実施の形態に示したようなスライド式に限定されるものではなく、図25に示すように回動式とすることも可能である。
(4)上記実施の形態では、可動体341を不透明な合成樹脂材料によって形成し、後方に位置する大入賞口304や開閉シャッタ331の視認を妨げる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば可動体341を透明な合成樹脂材料によって形成し、可動体341を通じてそれら大入賞口304等が視認可能な構成とすることも可能である。
なお、可動体341は合成樹脂材料製に限定されるものではなく、例えば金属製とすることも可能である。
(5)可動体341によって開閉シャッタ331と球通路305の壁面(例えば前面部312)との境界部位を覆う構成とすることも可能である。これにより、当該境界部位を通じて球通路305(例えば検知センサ308)へとワイヤ等の不正具が挿入されることを妨げることができる。
また、開放報知を行う際に可動体341が、上記境界部位を覆う位置から覆わない位置に移動する構成とすれば、大入賞口304への遊技球の流入や開閉シャッタ331の動きを妨げることなく、すなわち可変入賞装置83が本来有する機能を損なうことなく、防犯機能を強化することができる。
(6)上記実施の形態では、低頻度入賞モード(例えば非明示2R確変大当たり)の場合には、開放報知を行わない構成としたが、報知を行わない対象については少なくとも高頻度入賞モードと比較して遊技球の入球期待度が低く設定されているものであればよく、大入賞口304の開放期間や開放回数については任意である。
但し、遊技球の打ち出しを継続することで実質的な持ち球の増加が期待できる場合には、上記報知を行わないことで遊技者が本来取得できるはずの賞球を獲得できない可能性が生じる。これは、結果として開放報知への注目度を低下させる要因になり得る。故に、上記開放報知が規制される対象は、実質的に遊技球の入賞が発生し得ないケース(すなわち遊技球の打ち出しを行うことで遊技者が不利益を被る場合)とすることが好ましい。
なお、このような報知機能に着目した場合には、上記実施の形態に示した報知機構に代えて、図柄表示装置96の表示画面96aにて報知を行う構成や、スピーカ部29によって報知を行う、更には発光ランプ部等を用いて報知を行う構成を採用することも可能である。
(7)上記実施の形態では、少なくとも球通路305の上流側通路部306が後方に延びる構成としたが、球通路305の取り回しについては任意である。例えば、上流側通路部306も下流側通路部307と同様に上下に延びる構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、前面部312において可動体341により覆われている部分に、大入賞口304の開放を示唆するメッセージを付与したが、可動体341の動きに基づいて大入賞口304が開放されている旨を示唆できるのであれば足り、上記メッセージを省略することも可能である。例えば、上記実施の形態においては、可動体341が報知状態に切り替わることで、大入賞口304への遊技球の流入が視認可能となる。これにより大入賞口304が開放されている旨が示唆されるため、上記メッセージを省略したとしても開放報知機能は担保される。
(9)上記実施の形態では、大入賞口304を開放報知の対象としたが、これに限定されるものではない。例えば、電動役物91が設けられた右作動口85を開放報知の対象とすることも可能である。
このように開放報知の対象を右作動口85とした場合には、高頻度サポートモード中は開放報知を行い、低頻度サポートモード中は開放報知を行わない構成とするとよい。低頻度サポートモード中は、電動役物91の開放期間が極めて短く、その期間を狙って遊技球を右作動口85に流入させるのは困難である。このため、低頻度サポート中の開放報知は、遊技者に無駄な投資を行わせて不利益感を与える要因になると想定される。故に、敢えて低頻度サポートモード中の開放時には報知を行わない構成とすることが好ましい。
(10)上記実施の形態では、可動体341の動きを表示制御装置625によって制御する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば音声ランプ制御装置143や主制御装置162等の他の制御装置によって可動体341の動きを制御する構成とすることも可能である。例えば、報知用ソレノイド342の接続対象を表示制御装置625から音声ランプ制御装置143や主制御装置162等の他の制御装置に変更するとよい。
(11)上記実施の形態では、可変入賞装置83を図柄表示装置96の右方に配置したが、可変入賞装置83の配置については任意である。図柄表示装置96の下方以外の位置(詳しくは想定される遊技者の目線の位置よりも上方)に配置した場合には、開閉シャッタ331等の視認が困難になりやすいが、少なくとも上記開放報知機能を有しているため、開閉シャッタ331等の視認性を確保しなくても、遊技の円滑な進行に支障が生じることはない。
(12)上記実施の形態では、大入賞口304の開放タイミングと開放報知の開始タイミングとを同じタイミングとしたが、これを変更し、大入賞口304が開放される前に報知が開始される構成とすることも可能である。
可変入賞装置83が許容状態となっている期間が限られている構成においては、許容状態となっている期間に合わせて遊技球の発射操作を行うことで遊技を有利に進めることができる。ここで、仮に可変入賞装置83が許容状態となったことを把握してから、遊技球の発射を開始した場合には、発射操作に基づいて発射された遊技球が大入賞口304に到達するには若干の期間を要するため許容状態となった直後の期間が無駄に経過してしまう。この点、本変形例によれば、可変入賞装置83の許容状態への切り替りに先行して、報知を行うことにより、上述した無駄な期間が生じることを抑制することができる。つまり、開放報知が開始され場合に直ちに遊技球の発射操作を開始することで、可変入賞装置83が許容状態となっているにも関わらず遊技球が大入賞口304に到達しないといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、遊技者の注目が可動部ではなく開閉体自体に向くことを抑制し、報知機能を好適に発揮させることが可能となる。また、可動体341を開閉シャッタ331に先行して動作させることで、開閉シャッタ331(詳しくはその動き)の目視による確認が可動体341によって妨げられることを抑制することができる。
なお、報知を先行して行う先行期間については、発射された遊技球が流入口に到達するのに要する期間と同じ期間となるように設定することが好ましい。
また、大入賞口304の閉鎖タイミングと開放報知の終了タイミングとを同じタイミングとしたが、これを変更し、大入賞口304が開放される前に報知が開始される構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態では、可動体341が初期位置に配置されている状態では同可動体341が開閉シャッタ331に対して遊技機前方から重なることで、同開閉シャッタ331の視認が当該可動体341によって妨げられる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、可動体341が初期位置に配置されている状態では同可動体341が開閉シャッタ331に対して遊技機前方から重ならない構成とすることも可能である。但し、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードにおいては、開閉シャッタ331やその動きが遊技者によって視認されないようにするという課題に鑑みれば、少なくとも可動体341には初期位置に配置されている状態で開閉シャッタ331を遮蔽する機能を付与することが好ましい。
(14)上記実施の形態では、開閉シャッタ331用の駆動部(開閉用ソレノイド335)と可動体341用の駆動部(報知用ソレノイド342)を別々に設けたが、これら両駆動部を共通化し、1の駆動部からの駆動力を開閉シャッタ331及び可動体341の両者に伝わる構成とすることも可能である。これにより、電気的構成を簡略化することができ、更にはそれら開閉シャッタ331及び可動体341の動きを同期させることが容易となる。
(15)「特別遊技状態」としての開放実行モードとなっている全期間に亘って、報知が継続される構成としてもよい。つまり、1回ずつの開放動作に併せて開放報知を行うのではなく、開放が行われる期間及び閉鎖期間の両者を含む全期間に渡って報知を行う構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、2R通常大当たり結果、明示2R確変大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、特別外れ結果である場合に、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードへ移行する構成とし、かかる低頻度入賞モードでは上記開放報知を行わない構成とした。
但し、そもそも当否抽選や振分抽選の結果として、2R通常大当たり結果〜特別外れ結果を設定する必要はない。少なくとも、開閉実行モード終了後に高確率モードへ移行する明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が設定されていれば足りる。
(17)上記実施の形態では、可動体341を動作させることで、大入賞口304が開放されている旨を報知する構成としたが、少なくとも大入賞口304を通じた球通路305への遊技球の流入を視認可能とすることで報知を行うことができるのであれば足り、例えば以下の構成に変更することも可能である。
すなわち、可動体341に代えて球通路305の上流側通路部306及び大入賞口304の前方にハーフミラーを配置するとともに、当該ハーフミラーによって大入賞口304を遊技機前方から覆う構成とする。そして、当該ハーフミラーに向けて後方から光を照する発光手段(例えばLED)を採用することも可能である。
大入賞口304が閉じている状態では、発光体を消灯させておくことで、ハーフミラーを通じた大入賞口304や上流側通路部306の視認が不可となる。一方、大入賞口304が開いた状態では、発光体を点灯させることでハーフミラーを通じて光が射出される。発光体のオン/オフによって大入賞口304を通じて上流側通路部306に流入する遊技球を視認可能な状態と、視認不可な状態とに切り替えることにより、大入賞口304が開放されていることや閉じていることを報知することが可能となる。
なお、言うまでもないが、かかる変形例を採用する場合には、ベースユニット300の前面部312については透明性を有する合成樹脂材料によって形成し、当該前面部312を通じた遊技球の視認性を担保する構成とすることが望ましい。
(18)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球が流入可能な流入口(大入賞口304)と、
前記流入口への遊技球の流入を許容する許容状態及び当該許容状態よりも前記流入口への遊技球の流入が困難又は不可となる規制状態とに切替可能な開閉体(開閉シャッタ331)と、
前記開閉体を前記規制状態から前記許容状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記流入口の近傍に配置されているとともに遊技機前方から視認可能となっており、第1状態及び第2状態に切替可能な可動部(可動体341)と、
前記開閉体が前記許容状態となっている場合又は同許容状態となる場合に、当該可動部を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより当該開閉体が前記許容状態となっていることを示唆する示唆手段(表示制御装置625のMPU632)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、流入口の近傍に設けられた可動部の状態が切り替わることで開閉体が許容状態となっている旨が示唆される。可動部は遊技機前方から視認可能となっているため、遊技者はこの可動部を目視で確認することで開閉体が許容状態となっていることを把握することができる。これにより、許容状態になっていることの見落としが生じる等して遊技者が不利益を被ることを抑制することができる。また、仮に開閉体の目視による確認のために体勢の変更(例えば覗き込み)等が必要になれば、遊技者にかかる負担が大きくなる。このような不利益・負担等の発生は遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。この点、本特徴に示す示唆機能を採用すれば、上記事象に起因した遊技意欲の低下を好適に抑制することができる。
可動部は流入口の近傍に配置されている。このため、遊技者は、示唆の有無を確認しつつ、流入口周辺での遊技球の動き等を把握しようとした場合であっても、視線の移動量を抑えることができる。故に、遊技者は、流入口への遊技球の入球を確認すべく、流入口等を注視したままで可動部の動きも併せて把握できる。
また、可動部に示唆機能を付与することで、開閉体や流入口の視認性を担保する必要がなくなり、開閉体や流入口の配置、形状等に対する制約を抑えることができる。
特徴2.遊技機前面体(前扉枠14)に設けられ、前記遊技盤に対して遊技機前方から対向する窓パネル部(ガラスパネル24)を備え、
前記遊技領域は、前記窓パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となっており、
前記窓パネル部と前記開閉体との間に、少なくとも一部が位置するようにして配置された遊技部品(例えばベースユニット300)を備え、
前記遊技部品によって前記窓パネル部を通じた前記開閉体の視認が妨げられており、
前記可動部は、前記窓パネル部と対峙する位置に配置されることにより、当該窓パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となっていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2に示すように開閉体の視認が遊技部品によって妨げられている構成においては、開閉体の状態を目視にて確認することが困難になり得る。これは、遊技者に対して煩わしさや不利益感を与え、遊技意欲を低下させる要因になる。かかる構成に対して特徴1に示した技術的思想を適用すれば、遊技者は開閉体を目視で確認できなくても可動体の動きから開閉体の状態を推測可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴3.前記可動部は、前記遊技盤の前面と平行にスライド移動することにより、前記第1状態と前記第2状態とに切り替わることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
可動部を遊技盤の前面に平行に移動させる場合と、遊技盤の前面に直交する方向に移動させる場合とを比べると、前者のほうが、遊技機の前方にいる遊技者にとって可動部の状態移行の把握が容易になる。
特に、特徴2等(窓パネル部を有する構成)との組み合わせにおいては、以下の効果が期待できる。すなわち、窓パネル部と遊技盤の前面との距離は、遊技球の流れの円滑化等を目的として、遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられていることが一般的である。このため、上述したように遊技領域の前後幅の拡張を回避できることの技術的意義は大きい。
特徴4.前記可動部は、前記遊技盤に対して遊技機前方から対向する窓パネル部(ガラスパネル24)の内側面に沿ってスライド移動することにより、前記第1状態と前記第2状態とに切り替わることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴4によれば、可動部は、窓パネル部に沿って、上下方向や左右方向等にスライド移動するものであるため、その視認性を向上することができる。これにより、示唆機能の向上に貢献できる。
特徴5.前記可動部は、その板面が前記遊技盤に対して遊技機前方から対向する窓パネル部の内側面に対向するようにして当該窓パネル部に近接配置された板状材よりなることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、可動部が窓パネル部に近接配置された板状材により構成されているため、窓パネル部の内側(すなわち遊技領域)に可動部が存在しているとしても、その可動部が、遊技領域内を流下する遊技球の挙動に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、示唆手段によって可動部の状態切替を行うタイミングや、第2状態とする期間等の設定自由度を高めることが可能となる。
なお、本特徴に示す構成を実現する場合には、窓パネル部と可動部との動作隙を遊技球の直径寸法よりも小さくすることが好ましい。これにより、可動部の前方を遊技球が通過するといった不都合を容易に回避し、可動部の視認性を好適に担保できる。
特徴6.前記流入口に連なるようにして形成され、当該流入口から流入した遊技球を案内する案内通路(球通路305)を備え、
前記可動部は、前記案内通路における上流部と前記流入口との前方となる流入口前方領域に配置されており、
前記示唆手段は、前記可動部を前記第2状態に切り替えて、前記流入口から前記案内通路に流入した遊技球を視認可能とすることにより前記示唆を行うものであることを特徴とする特徴4又は手段5に記載の遊技機。
可動部は、流入口の前方となる位置と、当該流入口が繋がる案内通路の上流部(入口部分)の前方となる位置とに跨るようにして配置されている。したがって、可動部が第2状態となっていれば、開閉体が許容状態となっている状況下にて、遊技球が実際に流入口を通じて案内通路に流入したことを容易に視認できるようになる。このように、流入口から案内通路への入球を視認可能な状態に切り替える構成とすれば、それを見た遊技者は開閉体が開放されている旨を把握できる。これにより、特徴1等に示した示唆機能を好適に発揮させることができる。
なお、例えば前記第1状態では、前記流入口の前方に前記可動部が位置し、前記第2状態では前記流入口の前方に前記可動部が位置しない構成とすれば、以下の効果が期待できる。すなわち、第1状態/第2状態の切り替えにより、流入口が見え隠れする構成であるため、開閉体の状態を確認する上で好適な構成を実現できる。
また、例えば可動部を不透明にする等して第1状態における当該可動部を通じた流入口(遊技球)の視認を不可とすることにより、外観上の差違を顕著なものとすることができる。これにより、示唆機能の更なる向上に貢献できる。
特徴7.前記流入口は上向きに開放されており、
前記開閉体は、前記遊技盤の前面と直交する方向に移動することにより前記規制状態から前記許容状態に切り替わるものであり、
前記可動部は、前記遊技盤の前面と平行な方向に移動して前記開閉体から遠ざかることにより前記第1状態から前記第2状態に切り替わるものであることを特徴とする特徴4乃至特徴6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴7によれば、開閉体(シャッタ部材)の移動方向が遊技盤と直交する方向であるため、遊技機前方からは同開閉体の動きがみづらくなると想定される。このような開閉体の視認性の担保が難しい構成に対して、特徴4等に示した技術的思想を適用すれば、開閉体の動きが見づらくなって遊技者に不利益感を与えることを抑制できる。
また、可動部が開閉体から遠ざかる側へ移動する構成(例えば可動部が開閉体の動作領域から外れた領域で動作する構成)となっていることで、可動部と開閉体とが干渉することを回避できる。これにより、第2状態への切り替えにより許容状態への切り替えが妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。故に、可動部の示唆機能と開閉体の開閉機能とを担保しつつ、それら可動部や開閉体の動作タイミング(すなわち開閉タイミングや示唆タイミング)の設定自由度の向上に貢献できる。
特徴8.前記流入口は横長状をなしており、
前記開閉体は、前記流入口の長手方向と同じ方向に延びる長板状をなしており、
前記可動部は、前記開閉体の長手方向と交差する方向にスライド移動することにより前記第1状態と前記第2状態とに切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴8によれば、可動部が動作を開始してから状態切替が完了するまでの移行期間を短くすることができる。このようにして、示唆の応答性を向上させることで、例えば開閉体の動作に対して示唆が遅れるといった不都合を生じにくくすることができる。仮に、このような不都合が生じた場合には、遊技者の注目は可動部ではなく開閉体に向きやすくなると想定されるが、本特徴に示す構成によって示唆の遅れを抑える構成とすれば、遊技者の示唆機能に対する注目度の低下を回避することができる。
特徴9.前記可動部は、前記流入口が開放されている側とは反対側に移動することで前記第1状態から前記第2状態に切り替わることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、第2状態に切り替わった場合には、流入口へ向けて移動する遊技球の目視による確認が可動部によって妨げられることがない。このため、特徴1等に示す示唆機能を採用したとしても(特に流入口の近傍で可動部を動作させる構成としたとしても)、それに起因して流入口へ向けた遊技球の動きが見づらくなることを抑制できる。
特徴10.遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記示唆手段は、前記開閉体の前記規制状態から前記許容状態への切替えに先行して前記示唆が行われるように前記可動部を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることを特徴とする特徴1乃至特徴9のいずれか1つに記載の遊技機。
開閉体が実際に開放されることの示唆を行う場合において、その実際の開放を遊技者が確認してから遊技球を打ち始めるのでは、遊技球発射手段により発射された遊技球が遊技領域内の流入口に到達するまでの期間を勘案すると、流入口の開放当初において、流入口に遊技球が流入しない非流入期間が生じてしまう。この点、本特徴に示すように、開閉体の許容状態への切り替りに先行して示唆を行う構成とすれば、上述した非流入期間が生じることを抑制することができる。これにより、遊技者の注目が可動部ではなく開閉体自体に向くことを抑制し、示唆機能を好適に発揮させることが可能となる。
また、可動部を先行して動作させることで、開閉体(詳しくはその動き)の目視による確認が可動部によって妨げられることを抑制することができる。
例えば、「前記切替手段は、前記開閉体を前記許容状態に切り替えてから少なくとも予め設定された期間が経過した場合に、同開閉体を前記規制状態に切り替えるもの」である場合には、すなわち開閉体が許容状態となっている期間が限られている構成においては、許容状態となっている期間に合わせて遊技球の発射操作を行うことで遊技を有利に進めることができる。このような構成に対して、本特徴に示す技術的思想を適用すれば、実用上好ましい構成を実現できる。
因みに、以上詳述した先行示唆を行う構成においては、可動部は発射許可の示唆を行う発射示唆手段であるともいえる。
なお、示唆を先行して行う先行期間については、発射された遊技球が流入口に到達するのに要する期間と同じ期間となるように設定することが好ましい。
特徴11.遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記示唆手段は、前記可動部を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるタイミングが前記開閉体の前記規制状態から前記許容状態への切替タイミングと同じタイミングとなるようにして、また前記可動部を前記第2状態から前記第1状態に切り替えるタイミングが前記開閉体の前記許容状態から前記規制状態への切替タイミングと同じタイミングとなるようにして前記可動部を動作させることにより、前記示唆を行うものであることを特徴とする特徴1乃至特徴9のいずれか1つに記載の遊技機。
開閉体が許容状態に切り替わるタイミングを見計らって遊技球の発射操作を開始し、開閉体が規制状態に切り替わるタイミングを見計らって発射操作を終了することにより、遊技を有利に進めることができる。このような手法で遊技を進めようとした場合には、開閉体の開閉タイミングをできるだけ正確に把握する必要がある。この点、本特徴に示すように、可動部が第2状態となっている期間と開閉体が許容状態となっている期間とが一致する。これにより、上述した遊技の進め方を実戦する遊技者に対しても示唆手段の活用を促すことができ、同示唆手段の示唆機能を好適に発揮させることが可能となる。
特徴12.特別遊技状態(開閉実行モード)を発生させるか否かの抽選を行うとともに、抽選モードとして、当該特別遊技状態の発生に対応した当選結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを有する抽選手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記抽選手段による抽選結果が特別遊技状態当選となったことに基づいて、前記開閉体が前記許容状態から前記規制状態になる切り替えの回数が予め定められた回数となるまで当該切替が実行される開閉実行モードとし、さらに当該開閉実行モードの終了後に前記抽選手段における抽選モードが前記高確率モードとなるようにして遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602)と
を備え、
前記遊技状態移行手段は、前記開閉実行モードとして、前記流入口への入球が発生しない又は発生しづらくなるように設定された第1開閉実行モード(2R大当たり対応の開閉実行モード等)と当該第1開閉実行モードよりも前記流入口への入球が発生しやすくなるように設定された第2開閉実行モード(15R大当たり対応の開閉実行モード)とを有してなり、
前記開閉体は、遊技機前方からの視認が困難又は不可となるように構成されており、
前記示唆手段は、前記第2開閉実行モードでは前記示唆を行うとともに前記第1開閉実行モードでは同示唆を行わないことを特徴とする特徴1乃至特徴11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴12によれば、特別遊技状態に移行させるか否かの抽選に当選した場合には流入口への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードが設けられており、かかる構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードが設定され且つ開閉体の動作の目視による確認が許容された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第1開閉実行モードにおける流入口への入球の期待度が第2開閉実行モードと比べて低くなることで例えば第1開閉実行モードにおける開閉体の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、開閉体自体は遊技機前方から視認困難又は視認不可となっており、開閉体の状態が切り替わった旨は示唆手段(可動部)によって示唆される。そして、相対的に不利な第1開閉実行モードでは示唆を実行せず、相対的に有利な第2開閉実行モードにて示唆を実行することで、第1開閉実行モードにて開閉体の状態切替を行ったとしても、それにより遊技者に損失感を与えることを抑制することが可能となる。これにより、上述した遊技意欲の低下を好適に抑えることができる。故に、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
また、第1開閉実行モードを経由した遊技状態の変更時に開閉体を動作させる構成によれば、例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行う余地を残すことが可能となる。なお、遊技者は椅子に座っているためホール管理者とは目線の高さが異なる点を考慮して、開閉体を遊技者からは見えづらく且つホール管理者からはみえやすいように配置するとよい。
因みに、第1開閉実行モードにて流入口への入球が発生する機会が第2開閉実行モードにて流入口への入球が発生する機会よりも少なくするには、例えば第1開閉実行モード時に開閉体が許容状態となる期間を、第2開閉実行モード時に開閉体が許容状態となる期間よりも短く設定するとよい。
特徴13.前記可動部は、前記第1状態では遊技機前方からか見て前記開閉体に対して重なるとともに前記第2状態では遊技機前方から見て当該開閉体に対して重ならないように構成されていることを特徴とする特徴12に記載の遊技機。
特徴13によれば、第1状態では開閉体の視認が可動部によって妨げられることとなる。このように、可動部に遮蔽機能を付与すれば、第1開閉実行モード時に開閉体の動きを隠すことができる。これにより、特徴11に示した効果を発揮させやすくなる。
特に、特徴7(開閉体が遊技盤に直交する方向にスライド移動する板状をなしている構成)との組合せにおいては、開閉体の前方に位置する可動部によって開閉体を容易に遮蔽することができる。
特徴14.前記遊技領域の略中央に設けられ、絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置96)を備え、
前記流入口は、前記絵柄表示装置の側方に配置されていることを特徴とする特徴1乃至特徴13のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球が流入口に流入する構成においては、遊技領域における上流側から流入口へ向けた遊技球の流下経路が確保される。このため上から覗き込めば開閉体等を視認できる場合が多い。しかしながら、本特徴に示すように、流入口が遊技領域の略中央に設けられた絵柄表示装置の側方に位置する場合、流入口が絵柄表示装置の下方にある場合と比較して覗き込むことが困難になる。このような構成に対して、特徴1等に示した技術的思想を適用すれば、遊技者は流入口(開閉体)を覗き込むようにして注視し続ける必要がなくなり、流入口の配置に起因して煩わしさが生じることを抑制できる。
特徴15.予め定められた条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行うとともに、その付与判定の結果に基づいて、遊技者に特典が付与されるようにする第1制御装置(主制御装置162)と、
前記第1制御装置とは別に設けられた第2制御装置(表示制御装置625)と
を備え、
前記切替手段は前記第1制御装置に設けられ、前記示唆手段は前記第2制御装置に設けられていることを特徴とする特徴1乃至特徴14のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者や遊技ホールの利益にかかる制御を実行する第1制御装置については不正の対象になりやすい。このため、仮に示唆手段を第1制御装置に設けた場合には、構造・制御の両面で当該示唆手段が不正の足掛かりとして狙われやすくなると想定される。
この点、本特徴に示すように示唆手段を第1制御装置とは別に設けられた第2制御装置に設ける構成とすれば、示唆機能を担保しつつ防犯機能の低下を回避することが可能である。
特徴16.前記流入口は、上方に開放されており、
前記開閉体は、前記遊技盤の前面と直交する方向に移動することにより前記許容状態と前記規制状態とに切り替わるシャッタ部材であることを特徴とする特徴1乃至特徴15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴16によれば、開閉体(シャッタ部材)の移動方向が遊技盤と直交する方向であるため、遊技機前方からは同開閉体の動きがみづらくなると想定される。このような開閉体の視認性の担保が難しい構成に対して、特徴1等に示した技術的思想を適用すれば、開閉体の動きが見づらくなることで遊技者が不利益感を与えることを抑制できる。
特徴17.前記流入口に連通する案内通路(球通路305)を備え、
前記可動部は、前記第1状態では前記開閉体の前端部と前記案内通路を構成する通路壁(前面部312)との境界部位を覆い、前記第2状態となることで境界部位を覆う位置から外れるものであることを特徴とする特徴1乃至特徴16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴17によれば、可動部によって境界部位を覆うことにより、案内通路への当該境界部を通じた不正具等の挿入を妨げることができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。このような防犯機能を付与したとしても、可動部は第2状態となることで境界部位を覆う位置から外れるため、開閉体が許容状態への切り替えや、流入口への遊技球の流入を妨げることはない。
特徴18.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動口84,85)と、
前記遊技領域に前記始動入球部とは別に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球が流入可能な流入口(大入賞口304)と、
前記流入口への遊技球の流入を許容する許容状態及び当該許容状態よりも前記流入口への遊技球の流入が困難又は不可となる規制状態とに切替可能な開閉体(開閉シャッタ331)と
を備えた遊技機であって、
特別遊技状態(開閉実行モード)を発生させるか否かの抽選を行うとともに、抽選モードとして、当該特別遊技状態の発生に対応した当選結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを有する抽選手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記抽選手段による抽選結果が特別遊技状態当選となったことに基づいて、前記開閉体を前記規制状態から前記許容状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記抽選手段による抽選結果が特別遊技状態当選となったことに基づいて、前記開閉体が前記許容状態から前記規制状態になる切り替えの回数が予め定められた回数となるまで当該切替が実行される開閉実行モードとし、さらに当該開閉実行モードの終了後に前記抽選手段における抽選モードが前記高確率モードとなるようにして遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602)と
を備え、
前記遊技状態移行手段は、前記開閉実行モードとして、前記流入口への入球が発生しない又は発生しづらくなるように設定された第1開閉実行モード(2R大当たり対応の開閉実行モード等)と当該第1開閉実行モードよりも前記流入口への入球が発生しやすくなるように設定された第2開閉実行モード(15R大当たり対応の開閉実行モード)とを有してなり、
前記開閉体は、遊技機前方からの視認が困難又は不可となるように構成されており、
前記第2開閉実行モードでは前記開閉体が前記許容状態となっていることを示唆し、前記第1開閉実行モードでは同示唆を行わない示唆手段(表示制御装置625のMPU632)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴17によれば、始動入球部への入球を契機として特別遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われるとともに、同抽選に当選した場合には流入口への入球が容易化される。特別遊技状態としては入球発生機会に差が生じるように設定された第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードが設けられており、かかる構成を採用することで例えば遊技者に付与される賞球等の特典を抑えつつ当該遊技状態の移行を実現することが可能となる。これにより、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる。
しかしながら、第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードが設定され且つ開閉体の動作の目視による確認が許容された遊技機においては、遊技状態の移行契機の多様化を実現することができる反面、第1開閉実行モードにおける流入口への入球の期待度が第2開閉実行モードと比べて低くなることで例えば第1開閉実行モードにおける開閉体の動きが遊技者の目に留まる等した場合に遊技者に対して損失感を与えやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、開閉体自体は遊技機前方から視認困難又は視認不可となっており、開閉体の状態が切り替わった旨は示唆手段(可動部)によって示唆される。そして、相対的に不利な第1開閉実行モードでは示唆を実行せず、相対的に有利な第2開閉実行モードにて示唆を実行することで、第1開閉実行モードにて開閉体の状態切替を行ったとしても、それにより遊技者に損失感を与えることを抑制することが可能となる。これにより、上述した遊技意欲の低下を好適に抑えることができる。故に、遊技状態の移行契機を好適に多様化することができる。
また、第1開閉実行モードを経由した遊技状態の変更時に開閉体を動作させる構成によれば、例えば遊技状態の変化が正規のものであるかの確認をホール管理者が目視にて行う余地を残すことが可能となる。なお、遊技者は椅子に座っているためホール管理者とは目線の高さが異なる点を考慮して、開閉体を遊技者からは見えづらく且つホール管理者からはみえやすいように配置するとよい。
因みに、第1開閉実行モードにて流入口への入球が発生する機会が第2開閉実行モードにて流入口への入球が発生する機会よりも少なくするには、例えば第1開閉実行モード時に開閉体が許容状態となる期間を、第2開閉実行モード時に開閉体が許容状態となる期間よりも短く設定するとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、24…窓パネル部としてのガラスパネル、80…遊技盤、83…可変入賞装置、84,85…始動入球部としての作動口、96…絵柄表示装置としての図柄表示装置、162…第1制御装置としての主制御装置、300…ベースユニット、304…流入口としての大入賞口、305…案内通路としての球通路、306…上流側通路部、308…検知センサ、312…前面部、331…開閉体としての開閉シャッタ、335…開閉用ソレノイド、341…可動部としての可動体、342…報知用ソレノイド、625…表示制御装置、PE…遊技領域。

Claims (1)

  1. 前面に遊技領域が形成されている遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられ、同遊技領域を流下する遊技球が流入可能な流入口と、
    前記遊技盤の厚さ方向に変位することにより、上方に開放された前記流入口への遊技球の流入を許容する許容状態及び当該許容状態よりも前記流入口への遊技球の流入が困難又は不可となる規制状態に切替可能な開閉体と、
    前記開閉体を前記規制状態から前記許容状態に切り替える切替手段と、
    技機前方から視認可能となっており、前記遊技盤の前面と平行な方向に移動して前記開閉体から遠ざかることにより、前記流入口及び前記開閉体に対して遊技機前方から重なる第1状態から当該重なりが抑えられた第2状態に切り替わる可動と、
    特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うとともに、抽選モードとして、当該特別遊技状態の発生に対応した当選結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを有する抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が特別遊技状態当選となったことに基づいて、前記開閉体が前記許容状態から前記規制状態になる切り替えの回数が予め定められた回数となるまで当該切替が実行される開閉実行モードとし、当該開閉実行モードの終了後に前記抽選手段における抽選モードが前記高確率モードとなるようにして遊技状態を移行させる遊技状態移行手段と
    を備え、
    前記遊技状態移行手段は、前記開閉実行モードとして、前記流入口への入球が発生しない又は発生しづらくなるように設定された第1開閉実行モードと当該第1開閉実行モードよりも前記流入口への入球が発生しやすくなるように設定された第2開閉実行モードとを有してなり、
    前記第2開閉実行モードでは前記開閉体が前記許容状態となっている場合又は同許容状態となる場合に当該可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより当該開閉体が前記許容状態となっていることを示唆し、前記第1開閉実行モードでは前記可動体を前記第1状態に維持することにより前記示唆を回避するように構成された示唆手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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