<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。なお、本実施の形態においては、特定の状況下にてスピーカ部29の音出口から香りが放出される構成となっていることを特徴の1つとしているが、この芳香機能についての詳細は後述する。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突する返し部材97が配設されている。返し部材97は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝材(詳しくはゴムクッション)であり、当該返し部材97に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、返し部材97には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、遊技者が状況に応じて発射操作の調節を行うことにより遊技領域PEにおける左ルート及び右ルートへの遊技球の打ち分けが可能なっている。ここで、図2を参照して遊技球の発射に係る構成について補足説明する。
(遊技球発射ハンドル41)
遊技球発射ハンドル41は、前扉枠14から前方に突出して設けられたハンドルベース42と、当該ハンドルベース42によって回動可能に保持され遊技球の発射操作に際して回動操作される回動操作部材43とを有してなり、ハンドルベース42が前扉枠14に固定されることにより当該前扉枠14に一体化されている。
回動操作部材43は、その外殻を構成する外環部と、ハンドルベースに対する取付部を構成する内環部とを有している。外環部には、内環部とは反対側に向けて隆起した指掛け操作部44が複数形成されている。このように、回動操作部材43に指掛けを許容する部位を設けることにより、回動操作部材43の回動操作の容易化が図られている。
パチンコ機10の正面視にて回動操作部材43の時計周り方向における回動操作量が所定量になった場合には、ハンドルベース42によってそれ以上の回動操作が阻止されることとなる。ハンドルベース42には付勢部材(詳しくはバネ)が内蔵されており、この付勢部材によって回動操作部材43がパチンコ機10の正面視にて反時計周り方向に付勢されている。非操作時においては回動操作部材43が当該付勢部材の付勢力によって回動範囲内の所定の位置(以下、初期位置という)に待機した状態となっている。
ハンドルベース42には、回動操作部材43の回動操作量を検知するためのギア部品及び可変抵抗器が設置されており、同可変抵抗器に関しては電源・発射制御装置243に対して電気的に接続されている。回動操作部材43が回動操作された場合には、ギア部品の回転に応じて可変抵抗器の抵抗値が変化することとなる。そして、その抵抗値が電源・発射制御装置243に出力されることで、当該電源・発射制御装置243にて回動操作量が把握される構成となっている。
また、ハンドルベース42には、回動操作部材43を操作した状態において遊技球の発射を停止させる発射止めスイッチと、発射止めスイッチの操作状態を検知するプッシュセンサとが設置されている。プッシュセンサの検知信号が電源・発射制御装置243に出力されることで、当該電源・発射制御装置243にて発射止めスイッチが操作されているか否かが把握される。
さらには、ハンドルベース42には回動操作部材43に手が触れていることを検知する検知センサ(詳しくはタッチセンサ)が内蔵されている。このタッチセンサは電源・発射制御装置243に対して電気的に接続されており、当該タッチセンサからの検知信号が電源・発射制御装置243に出力されることで、当該電源・発射制御装置243にて回動操作部材43に手が触れられているか否か、すなわち操作が行われているか否かが把握される。
次に、遊技を行う際の遊技球発射ハンドル41の操作について簡単に説明する。遊技者は、回動操作部材43を回動操作することで、遊技球の発射速度の調節を行う。具体的には、遊技球発射ハンドル41に内蔵された付勢部材の付勢力に抗して回動操作部材43を(遊技機正面視における時計回り方向に)回動操作することで遊技球の発射速度が大きくなり、付勢方向(遊技機正面視における反時計回り方向)に戻すことで遊技球の発射速度が小さくなる。以下、遊技球の発射速度が大きくなる方向を増加方向、遊技球の発射速度が小さくなる方向を減少方向として区別する。
回動操作部材43の回動操作量に基づき前記可変抵抗器の抵抗値が変化し、その抵抗値が電源・発射制御装置243に出力される。電源・発射制御装置243においては、その抵抗値に基づいて遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)における遊技球の発射速度が設定される。こうして所定の速度にて遊技球発射機構110から打ち出された遊技球は、図6に示した誘導通路103(内外のレール101,102によって区画された領域)を経て、当該誘導通路103の出口部分105を通過することで遊技領域PEに到達する。
遊技領域PEに到達した遊技球は、釘部材93等によって流下経路が適度にばらつきながら、作動口83a,83b等の入球部に向けて案内されやすくなっている。図6に示したように釘部材93等は遊技領域PEに適度に分散されて配置されており、遊技球の勢い等により、入球部に向かって案内される頻度が変化し得る。このような遊技球の流下経路の変化は、専ら遊技球の発射速度(すなわち到達位置)に依存している。例えば、作動口83a,83bへの遊技球の入賞をトリガとして大当たり等の判定がなされるため、より多くの遊技球を作動口83a,83bへ導くべく上述した遊技球の発射速度の調節が行われることとなる。
回動操作部材43の回動操作量を調節し所望とする発射速度を実現できた後には、その回動位置(操作位置)から回動操作部材43がずれないように当該回動操作部材43が保持される。これにより、所望とする発射速度を維持した状態で遊技を継続することができる。仮に、遊技中に遊技球発射ハンドル41から手を離す等した場合、付勢部材の付勢力によって、回動操作部材43は初期位置に復帰する。このため、再遊技に際しては、上述した回動操作部材43の操作(発射速度の調節)が再度行われることとなる。
本実施の形態においては、回動操作部材43の操作量を調節することにより、遊技球を左ルート/右ルートに打ち分けることが可能なっており、遊技状況に応じて狙い先を変更することにより遊技を有利に進めることができる。このように、遊技への積極的な参加を促すことにより、遊技の単調化を抑制している。なお、左ルートについては主として低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の通常遊技状態となっている状況下にて利用され、右ルートについては主として特別遊技状態又は高頻度サポートモード対応の通常遊技状態となっている状況下にて利用される。
図6に示したように、右ルートにおいては、左ルートよりも配設されている釘部材93の数が少なくなっている。これにより、右ルートと比較して遊技球の流下経路のばらつきが抑えられている。これは、右ルートへ発射された遊技球を可変入賞装置82等へ向かいやすくして、特別遊技状態等における遊技進行を円滑にする工夫である。ここで、図12を参照して右ルートに係る構成を補足説明する。図12は、図6に示した遊技盤ユニット80の部分拡大図である。
(遊技球の流下経路)
右ルートにおいて左ルートとの分岐箇所DPと遊技領域区画部材99(返し部材97)との間となる部分は、外レール102及びセンターフレーム95によって区画された通路状をなしている。具体的には、センターフレーム95の外壁部分にて遊技機上方を向いている外壁部95aと外レール102にて遊技領域PE側を向いている内面102aとは、遊技球の直径寸法よりも大きな隙間を隔てて相対向しており、これら内面102a及び外壁部95aによって1条の球通路301が区画形成されている。球通路301の通路幅(外壁部95aと内面102aとの隙間)は遊技球の直径寸法の2倍よりも小さく抑えられており、当該球通路301にて同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように制限されている。
外レール102において誘導通路103の出口部分105よりも先側となる部分(遊技領域PEを区画形成している部分)については、遊技領域PEの外側(詳しくは上方)に凸となる円弧状をなしている。遊技球発射機構110から発射された遊技球にある程度の勢いがある場合には、当該遊技球に働く遠心力によって同遊技球が外レール102に接触した状態を維持しながら移動することとなる。どの時点(位置)で遊技球が外レール102から離れるかについては、遊技球の発射速度に依存している。つまり、遊技球の発射速度が遅ければ遊技球は早期に外レール102から離れることとなり、遊技球の発射速度が速ければ遊技球は外レール102に沿って移動する距離が長くなる。
外レール102に沿って移動している遊技球に働く遠心力よりも当該遊技球に作用する重力が大きくなることにより、遊技球が外レール102から離れる。この離脱位置に応じて遊技球の流下経路が左ルート/右ルートに分かれることとなる。但し、右ルートへ遊技球を到達させる際に操作量の微調整等が必要になってしまうと、左右のルートを用いた遊技の態様化を実現し遊技への積極的参加を促すことができる反面、調節操作が煩わしくなる可能性を否定できない。そこで、少なくとも回動操作量が最大となっている場合には、当該遊技球が外レール102に沿って右ルートへ到達するように構成されている。
但し、回動操作量が最大となっている場合には遊技球の発射速度も最大となる。遊技球が過度な勢いを維持したまま流下することは右ルートに配設された可変入賞装置82等の各種遊技部品の保護を図る上で好ましくない。そこで、外レール102に沿って移動する遊技球は上記返し部材97に到達することで、その勢いが弱められることとなる。
ここで、遊技球の発射速度が調節可能であるため、発射速度によっては右ルート(球通路301)に流入する場合であっても上記返し部材97に当たるまで外レール102に接触した状態が維持されるとは限らない。つまり、返し部材97に到達する前に当該外レール102から離れる可能性がある。遊技球が返し部材97に到達する前に外レール102から離れた場合には、当該遊技球がセンターフレーム95の外壁部95aに載り、例えば当該外壁部95aに沿って移動することとなる。
センターフレーム95の外壁部95aについても外レール102と同様に上側に凸となる円弧状をなしており、返し部材97に近づくに連れて低くなるように下っている。遊技球が当該外壁部95aに遊技球が載った場合には、当該遊技球は自重等によって外壁部95aに沿って上記返し部材97へ移動(転動)するように構成され、当該外壁部95a上にて遊技球が停留することを回避している。
本実施の形態に示す右ルートには、外レール102の内面102aに沿って移動する遊技球については球通路301の通過を許容し、センターフレーム95の外壁部95aに沿って移動する遊技球について球通路301の通過を阻止する「阻止手段」が設けられていることを特徴の1つとしている。ここで、当該阻止手段に係る構成について説明する。
(阻止手段)
センターフレーム95において図柄表示装置253(表示画面253a)の上方となる部分には、右ルートと左ルートとを繋ぐバイパス(遊技球用の通路)としての連絡通路310が形成されている。センターフレーム95の外壁部95aにて上記球通路301を形成している部分であって右ルート(球通路301)の入口部分302寄りとなる部分には、上側に開放された第1開口部311が形成されており、この第1開口部311が連絡通路310の入口部分として機能している。また、センターフレーム95にて左ルートを区画形成している縦壁部95b(両ルートの分岐箇所DPの下方)には、連絡通路310の出口部分として機能する第2開口部312が形成されている。
連絡通路310は、第1開口部311から縦に延びる縦通路部310aと、当該縦通路部310aの下流側の端部に繋がり、球通路301における遊技球の案内方向とは反対側に延びる横通路部310bとを有してなり、全体として第1開口部311から第2開口部312に向けて下っている。これは、右ルートから左ルートへの遊技球の移動を許容しつつ、左ルートから右ルートへの遊技球の移動を規制することにより、連絡通路310を一方通行(遊技球の移動方向が一方向)となるように限定する工夫である。
センターフレーム95には、第1開口部311への遊技球の流入を不可とする閉状態と、第1開口部311への遊技球の流入を許容する開状態とに切替可能な「開閉手段」としてのシャッタ320が設けられている。シャッタ320は、センターフレーム95によって回動可能に軸支された可動体321と、可動体321用の駆動部としてのソレノイド322とを有している。ソレノイド322は、主制御装置162のMPU402に接続されており、当該MPU402からの駆動信号に基づいて励磁状態/非励磁状態の切替がなされる。ソレノイド322が非励磁状態となっている場合には、シャッタ320に設けられた付勢部材の付勢力によって可動体321が閉位置に待機することにより、シャッタ320が閉状態に維持される。ソレノイド322が励磁状態となっている場合には、上記付勢部材の付勢力に抗して可動体321が閉位置から開位置へと移動し、当該開位置に待機する。これにより、シャッタ320が開状態に維持されることとなる。
シャッタ320が閉状態となっている場合には、可動体321によって第1開口部311が塞がれることとなり、当該可動体321の上面(以下、案内面321aという)によって球通路301の壁面(詳しくは第1開口部311が形成された陥欠部分)が補完される。可動体321は、球通路301と同じ方向に延びており当該球通路301での遊技球の案内方向における下流側の端部が回動基端部、上流側の端部が回動先端部となっている。シャッタ320が開状態となった場合には可動体321が遊技機正面視にて反時計回りに回動することで姿勢が変わり、案内面321aが右下がりから左下がりとなる。この場合、第1開口部311を通じて連絡通路310へ流入した遊技球は、案内面321aに当たることで流下方向が変わり(反転し)、連絡通路310を通じて左ルートへ案内されることとなる。
ここで、図13を参照して、シャッタ320の状態と、遊技球の動きとの関係について説明する。図13(a)はシャッタ320が閉状態となっている状況下にて右ルートへ遊技球が発射されている場合の遊技球の動きを示す概略図、図13(b)はシャッタ320が開状態となっている状況下にて左ルートへ遊技球が発射されている場合の遊技球の動きを示す概略図である。
(シャッタ320の状態と遊技球の動きとの関係)
図13(a)に示すように、シャッタ320が閉状態となっている場合には、外レール102の内面102aに沿って移動する遊技球については球通路301の通過(返し部材97への到達)が許容される(1点鎖線参照)。センターフレーム95の外壁部95aに沿って移動する遊技球についても、シャッタ320の可動体321が架け橋となって第1開口部311を跨ぐことにより球通路301の通過(返し部材97への到達)が許容される(2点鎖線参照)。つまり、シャッタ320が閉状態となっている場合に球通路301へ流入した遊技球は、その移動経路に関係なく当該球通路301を通過することとなる。
これに対して、シャッタ320が開状態となっている場合には、図13(b)に示すように遊技球の移動先に差違が生じる。外レール102の内面102aに沿って移動する遊技球については球通路301の通過(返し部材97への到達)が許容される(1点鎖線参照)。一方、センターフレーム95の外壁部95aに沿って移動する遊技球については、第1開口部311を通じて連絡通路310へ流入する。この際、球通路301による案内方向と交差する方向(詳しくは反対側:左側)へと遊技球が移動するため、当該遊技球が球通路301から速やかに排出されることとなる。そして、この排出された遊技球は、第2開口部312を通じて左ルートに移ることとなる。
既に説明したように第2開口部312については左ルートの上流部分(分岐箇所DP付近)に位置している。このため、当該左ルートの下流部分に配設されている一般入賞口81等の入球部(図6参照)への入球の余地が残ることとなる。そもそも、パチンコ機10においては、遊技球が入球部へ入球することにより何らかの特典が得られることを前提として、同入球部へ向けて遊技球が移動するかを目で追うことが楽しみの1つとなっている。故に、特典享受の余地なく遊技球が流下したとしても、当該遊技球が遊技者の注目の対象にはなりにくく、当該遊技球の動きが無駄なパフォーマンスになってしまう。この点、本実施の形態に示す構成によれば、右ルート→左ルートに移った遊技球についても入球部への入球の余地が残るため、上述した遊技性の低下を好適に抑制することができる。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図14のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391b、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391c、上作動口83aへの入賞を検知する検知センサ391d、下作動口83bへの入賞を検知する検知センサ391e、スルーゲート84への入球を検知する検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材88)を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部、シャッタ320のソレノイド322及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPUが搭載された報知・演出制御基板が設けられている。MPUには、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPUに対してROM及びRAMが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28、スピーカ部29等を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図15に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという3つの条件に差異が設けられている。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、15R通常大当たり結果(明示低確率対応特別遊技結果)と、15R確変大当たり結果(明示高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。これに対して、15R確変大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ391a〜391f等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ391a〜391f等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かを上作動口83a用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が上作動口83aに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、上作動口83aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、上作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該上作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、上作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯させる処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入賞(始動入賞)したか否かを下作動口83b用の検知センサ391eの検知状態により判定する。遊技球が下作動口83bに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口83bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯させる処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
本実施の形態においては、各保留ランプ部98a,98bは報知・演出制御装置140に接続されている。主制御装置162では作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドには入賞先に係る情報等が付与されており、報知・演出制御装置140は主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて保留ランプ部98a,98bの発光制御を行う。
両作動口83a,83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信され、保留コマンドは同外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、保留コマンド、後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部などの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。本実施の形態においては、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111が励磁される。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図18及び図19のフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口83a,83bへの入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM404の各種フラグ格納エリア435における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、上作動口用表示部及び下作動口用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア432の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、上作動口83a及び下作動口83bのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて上作動口用保留エリアRa又は下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている下作動口用保留記憶数が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数が「0」である場合には上作動口用のデータ設定処理を実行し、下作動口用保留記憶数が「0」でない場合には下作動口用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、下作動口用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち下作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下作動口用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口83bに対応した下作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
上作動口83a用のデータ設定処理では、先ず上作動口用保留エリアRaの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、上作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、上作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第1保留ランプ部98aのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部98aのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
下作動口83b用のデータ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第2保留ランプ部98bのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部98bのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87の主表示部(作動口用表示部)における変動表示及び図柄表示装置253における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
(変動開始処理)
ここで、図19のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部(詳しくは下作動口用表示部、上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM404に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、既に説明したように各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM404にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM404に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS406に進む。ステップS406では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別にて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち、当該遊技回に係る変動表示が行われているものを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部に設けられた上作動口用表示部及び下作動口用表示部は、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置410が表示制御に際して介在することとなる表示部(図柄表示装置253)に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部については、上作動口用表示部や下作動口用表示部等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置253の表示画面253aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置されているためその視認性も表示画面253aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面253aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部と表示画面253aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405及びステップS406のいずれかの処理を実行した後は、ステップS407にて、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM404の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合にはリーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続期間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS407にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS408にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報及び外れ結果の情報の何れかが含まれる。
ステップS408にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置253を表示制御する。
ステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて主表示部において絵柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS410にて、外部出力解除処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図18)の説明に戻り、主表示部(詳しくは作動口用表示部)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部(詳しくは上作動口用表示部又は下作動口用表示部)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部を表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図19)のステップS404又はステップS406の処理においてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部の作動口用表示部にて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置140を経由して表示制御装置410に送信され、表示制御装置410では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置253の表示画面253aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140や表示制御装置410にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図20及び図21のフローチャートを参照して説明する。
図20に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS501にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)及び15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)の何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS505ではRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。
ステップS505の処理を実行した後はステップS506に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。ステップS506の処理を実行した後はステップS507にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS508に進む。ステップS508では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS509にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS601にて可変入賞装置82の大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、ステップS602にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS602にて否定判定をした場合にはステップS603に進む。ステップS603では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図16)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS603にて否定判定をした場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。続くステップS605では連絡通路開放処理を実行する。具体的には連絡通路310に併設されたシャッタ320(詳しくはソレノイド322)に駆動信号を出力することにより、当該シャッタ320を閉状態から開状態に切り替える。これにより、以降は球通路301を通過する遊技球のうちセンターフレーム95の外壁部95aに沿って移動するものが右ルートから左ルートへ移されることとなる。
その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS606〜S608の処理を実行する。
ステップS606では、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。続くステップS607では入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にて可変入賞装置82(大入賞口)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においては、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて大入賞口が開放中であると判定した場合にはステップS609に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS610に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ391cからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS611にて入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
ステップS611にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS612に進む。ステップS612では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS613にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS613にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS609にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS614にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続くステップS615では、連絡通路閉鎖処理を実行する。これにより、上記シャッタ320が開状態から閉状態に復帰し、第1開口部311を通じた連絡通路310への遊技球の流入が不可となる。本実施の形態においては、可変入賞装置82の開閉動作のタイミングとシャッタ320の開閉動作のタイミングとが関連づけられており、シャッタ320と可変入賞装置82とが連動する構成となっている。
続くステップS616では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS617では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS617にて否定判定をした場合にはステップS618に進み、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS618の処理を実行した後は、ステップS619にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS617の説明に戻り、当該ステップS617にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS620に進む。ステップS620では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS621にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、このエンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了となったことを示すエンディング表示を行う処理を実行する。
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS509にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS510にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS511にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS512にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が設定されている。開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。ここで肯定判定をした場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R確変フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R通常大当たり結果である場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R通常フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ここで、図22(a)を参照して、可変入賞装置82に係る構成について補足説明する。図22(a)は可変入賞装置82の縦断面図である。
(可変入賞装置82)
可変入賞装置82は、遊技盤ユニット80の前面部分から遊技機前方に張り出すようにして取り付けられた本体部82aを有している。本体部82aの張出部分82bには、遊技球を取り込む取込通路82cと、上方に開放され取込通路82cの入口部分を構成する大入賞口82dとが形成されている。取込通路82cの途中位置には当該取込通路82c(詳しくは検知位置)を通過する遊技球を検知する上記検知センサ391cが配設されており、当該検知センサ391cによって大入賞口82dへ流入した遊技球が検知される構成となっている。
本体部82aには、大入賞口82dへの遊技球の流入を不可とする閉位置及び大入賞口82dへの遊技球の流入を許容する開位置に移動可能な開閉体82eと、当該開閉体82eを移動させる可変入賞駆動部82fとが配設されている。
大入賞口82d(開閉体82e)から離れた位置に検知センサ391cを設けることにより、当該検知センサ391cへの不正なアクセスを抑制して防犯機能の向上が図られている。ここで、図22(b)を参照して、開閉実行モードにおけるラウンド遊技の流れについて補足説明する。図22(b)は、開閉実行モードにておける遊技機の流れを示すタイミングチャートである。
ta1のタイミングにて開閉実行モード(特別遊技状態)に移行すると、開閉実行モードが開始されることを示すオープニング表示が開始される。ta2のタイミングにてオープニング表示が終了すると、可変入賞装置82が閉状態から開状態に切り替わり、当該可変入賞装置82への入球が許容されることとなる。可変入賞装置82が開状態に切り替わった直後に発射された遊技球がta3のタイミングにて大入賞口82dに流入する。但し、大入賞口82dと検知センサ391cとが離れているため、主制御装置162にて入球が検知されるのは僅かに遅れたta4のタイミングとなる。
具体的には、ta5のタイミングにて大入賞口82dへ遊技球が流入してもこの時点で可変入賞装置82が閉状態に切り替わるわけではない。上述したように、大入賞口82dへの流入→検知位置への到達にはわずかながらタイムラグが生じる。つまり、ta5のタイミングから遅れたta6のタイミングにて入球が検知される。これに基づいて可変入賞装置82が閉状態に復帰することとなる。
なお、可変入賞装置82の開閉体82eについても動作期間が必要である。このため、実際には可変入賞装置82の閉状態への復帰が更に遅れることとなる。
上記タイムラグの存在により可変入賞装置82においては所定個数(10個)を超えた入賞(所謂オーバー入賞)が発生し得る。この点、本実施の形態に示す可変入賞装置82においては、上記タイムラグが連続して遊技球が発射される際のインターバル期間(0.6sec)よりも十分に短くなっている。これにより、上記オーバー入賞の発生が抑えられている。つまり、稀に発生するオーバー入賞については設計上の想定の範囲内となっている。
しかしながら、意図的にこのようなオーバー入賞を狙った遊技球の発射操作(以下特殊操作ともいう)が行われる場合、オーバー入賞の発生頻度が高くなって遊技ホールが被る不利益が甚大になると懸念される。以下、図23及び図24(a)を参照して、オーバー入賞を意図的に発生させようとした場合の遊技球の動きについて例示する。図23は先行する遊技球と後続の遊技球との間隔の変化を示す概略図、図24(a)はオーバー入賞発生の流れを示す概略図である。
遊技者の発射操作に基づいて遊技球が連続して発射される場合のインターバル期間は一定(0.6sec)となっており、発射操作をどのように工夫したとしてもこの発射周期を短縮させることはできない。オーバー入賞を発生させようとした場合には、先行する遊技球が検知センサ391cにより検知される前に(詳しくは開閉体82eが閉位置に到達する前に)、後続の遊技球を大入賞口82dに流入させる必要がある。つまり、先行する遊技球と後続の遊技球との距離を縮める必要がある。
図23(a)に示すように、センターフレーム95において右ルート(球通路301)の入口部分302を構成している部分に先行する遊技球B1が引っ掛からようにして発射速度を調節する。図23(a)→図23(b)に示すように、入口部分302に引っ掛かった遊技球B1は上方へ跳ね上がって外レール102に衝突する。このようにセンターフレーム95→外レール102→センターフレーム95となるように複数回に亘って衝突が繰り返えされることにより、当該遊技球が減勢される。これにより、球通路301に沿った移動速度が一気に低下することとなる。
図23(b)→図23(c)に示すように、勢いを失った遊技球B1は、センターフレーム95の外壁部95aに載り、当該外壁部95aに沿って移動することとなる。後続の遊技球B2が発射される前に遊技球発射ハンドル41の回動操作量を最大にすることにより、後続の遊技球B2は最大速度で発射されることとなり、先行する遊技球B1との距離が一気に縮まることとなる。
図23(c)→図23(d)に示すように、先行する遊技球B1が球通路301を経て返し部材97に到達する前に、後続の遊技球B2が先行する遊技球B1に追いつき両遊技球B1,B2の距離が極めて小さくなる。このような手法によって、可変入賞装置82が開放されている状況下にて当該可変入賞装置82の閉鎖条件に係る10個目の入球と11個目の入球と距離を縮めることが可能となれば、上述したオーバー入賞の発生確率を飛躍的に高めることができる(図24(a)参照)。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、このような事情に鑑みて、上記オーバー入賞を妨げる工夫がなされており、上述したような遊技球の動きを不可としていることを特徴の1つとしている。以下、図13及び図24(b)を参照してオーバー入賞回避の流れについて説明する。
既に説明したように、開閉実行モードへ移行して可変入賞装置82への入球が許容されると、可変入賞装置82に連動してシャッタ320が開状態に切り替わることとなる。図13(a)→図13(b)に示すように、シャッタ320が開状態に切り替わることにより、連絡通路310への遊技球の流入が許容され、当該連絡通路310に付与されたバイパスとしての機能が有効化される。
ここで、右ルート(球通路301)の入口部分302に引っ掛けるようにして遊技球が発射されると、当該遊技球は失速後にセンターフレーム95の外壁部95aに沿って移動し、第1開口部311に到達する。この際、遊技球はセンターフレーム95や外レール102との衝突によって勢いを失っており、第1開口部311を飛び越えるのに十分な速度を有していない。具体的には、第1開口部311の下流側の端部については外壁部95aにて第1開口部311よりも上流側となる部分と同一面上に位置しており、外壁部95aに沿って移動する遊技球は、第1開口部311を跨ぐようにして移動することが回避されている。以上の理由から、外壁部95aに沿って移動した遊技球は第1開口部311を素通りすることなく当該第1開口部311に流入することとなる。つまり、遊技球がセンターフレーム95等との引っ掛かりを回避するようにして最大速度等で発射された場合には第1開口部311を素通りできるものの、上述したように発射速度を遅くして遊技球を引っ掛けることで強制的に失速させた場合には第1開口部311を回避することができなくなる。故に、球通路301において当該第1開口部311よりも下流側への移動が阻止されることとなる。
例えば、図24(b)に示すように、1個目〜10個目までの遊技球の発射速度を遅く抑え、11個目に発射される遊技球を最大速度で発射しようとすれば、1個目〜10個目の遊技球が第1開口部311に捉まる。敢えて遊技球の引っ掛かりを発生させるように発射された遊技球は右ルートから左ルートへ移るため、可変入賞装置82への入賞が妨げられることとなる。つまり、可変入賞装置82への入球が発生し得る状況であるにも関わらず上述したような手法でオーバー入賞を狙った場合には、本来であれば可変入賞装置82に到達できたはずの遊技球が可変入賞装置82へ到達せず、遊技が遊技者にとって不利な状態で進行することとなる。以上の理由から、意図的にオーバー入賞を狙うといった行為を抑制できる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)に移行すると可変入賞装置82が開放され、当該可変入賞装置82への入賞が発生することにより、所定数の遊技球が遊技者に払い出されることとなる。可変入賞装置82への入賞数が所定個数(10個)に達した場合又は所定期間(30sec)が経過した場合には、可変入賞装置82が閉鎖されそれ以上の入賞が不可となる。個数に係る終了条件に基づいて可変入賞装置82が閉鎖される場合には、10個目の遊技球が大入賞口82dへ流入から開閉体82eの閉位置への復帰までに若干のタイムラグがあり、このタイムラグ中に後続の遊技球が流入した場合には、余分に遊技球が払い出されることとなる。上述したようにこのタイムラグは防犯機能の向上を実現する上で有利な構成であるが、当該タイムラグの存在が上記オーバー入賞の発生要因となっている。但し、必ずしもこのようなオーバー入賞の存在についてはマイナス要因ではない。寧ろ、期間に係る条件との併用によって短期的にはある程度の出球のばらつきを許容しつつ(出球が画一的になることを抑制しつつ)、長期的には当該ばらつきが平滑化される(遊技者と遊技ホールとの利益のバランスを担保できる)点に鑑みれば、遊技の単調化を抑制しつつ利益バランスを維持する上で好ましい構成であるともいえる。つまり、上述したようなオーバー入賞が偶発的要因等によってまれに発生することは、大きな問題にはならない。しかしながら、上述したオーバー入賞が多発してしまうと、遊技者に付与される特典(払出)が過剰となって、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、例えばオーバー入賞を意図的に発生させるといった行為(特殊操作)が抑制されている。オーバー入賞を発生させようとした場合には、先の遊技球(10個目の遊技球)と後の遊技球(11個目の遊技球)との間隔を詰めるように遊技球の発射速度を調節される。具体的には、先の遊技球を右ルート(球通路301)の入口部分302に引っ掛けることによりその勢いを殺し、後続の遊技球の発射速度を上げることにより先行する遊技球との距離を縮めるといった特殊な操作がなされる。
入口部分302にて勢いが殺された遊技球はセンターフレーム95の外壁部95a上を転動して下流側へと移動するが、この経路上に「阻止手段」を構成する第1開口部311が位置する。特別遊技状態へ移行した時点で同じく「阻止手段」を構成するシャッタ320が動作して、第1開口部311への遊技球の流入が許容されている。このため、勢いが殺された遊技球については自重によって第1開口部311に流入し、右ルート(球通路301)から離脱することとなる。
第1開口部311を通じて連絡通路310に流入した遊技球は、左ルートに流入することはない。故に、可変入賞装置82に到達することもない。以上の理由から、意図的に間隔が狭められた複数の遊技球がまとめて可変入賞装置82に入賞することを抑制することができる。これにより、利益バランスが崩れて遊技ホールが被る不利益が甚大になることを好適に抑制することができる。
ここで、右ルートから左ルートに移る遊技球については、左ルートの上流部分へ排出される。つまり、その流下態様は左ルートへ発射された遊技球と同様となる。これにより、遊技球の動きを目で追うという楽しみが損なわれることを抑制している。
特に、連絡通路310の出口部分312については左ルートに配設された一般入賞口81よりも上流に位置している。このように、連絡通路310を通じて左ルートから排出された遊技球については一般入賞口81へ入球する余地を残すことにより、例えば偶発的に上述した引っ掛かりが発生した場合であっても当該遊技球が無駄球になることを抑制し、遊技者に不快感を与えないようにしている。
なお、連絡通路310については、左ルートからの逆流が生じると、上記阻止機能(排出機能)が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、連絡通路310にシャッタ320を併設することにより、当該逆流の発生を抑え、連絡通路310に付与された阻止機能を担保している。
上述した引っ掛かり等によって勢いが低下した遊技球を球通路301から排出することにより、当該遊技球に後続の遊技球が干渉することを抑制できる。このような干渉を回避することにより、移動速度の低下が連鎖することを好適に抑制できる。これは、当該後続の遊技球と同遊技球の後に続く遊技球との接近を抑制する上で効果的である。
第1開口部311に繋がる縦通路部310aは、縦に延びている。これにより、第1開口部311に到達した遊技球を球通路301から迅速に排出できる。これは、排出がもたつく等して後続の遊技球との干渉が発生するといった不都合を生じにくくする上で有利である。
本実施の形態に示した球通路301については同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように構成されている。このため、先の遊技球が排出されている最中に後続の遊技球が衝突する可能性を完全に払拭することは困難である。そこで、先の遊技球に後続の遊技球が当たって当該後続の遊技球が減速した場合には、当該遊技球が第1開口部311を飛び越えないように工夫することが好ましい。この点、本実施の形態においては、第1開口部311を通過する際に遊技球がシャッタ320の案内面321aによって左斜め下方に案内される。このため、後続の遊技球が先行する遊技球に当たった場合には、当該後続の遊技球にシャッタ320から反力が加わることとなり、下流側への移動を好適に抑制することができる。故に、勢いが削がれた後続の遊技球についても、第1開口部311へ導きやすくなり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
先行する遊技球が上記引っ掛かり等によって急激に減速した場合には、時間の経過に伴って後続の遊技球と先行する遊技球との距離が縮まることとなる。特に、先行する遊技球が返し部材97に到達した場合には、遊技球が再び減勢され、後続の遊技球が先行する遊技球に追いつきやすくなる。そこで、返し部材97による減勢が行われる前に、上記引っ掛かりが生じた遊技球を球通路301から逃がす構成とすることにより、後続の遊技球との干渉を好適に抑制することができる。特に、球通路301の入口部分302にて遊技球が引っ掛かった場合には、当該遊技球が入口部分302付近でもたつく可能性が高い。そこで、第1開口部311を入口部分302寄りとなる位置に配設することにより、後続の遊技球との干渉による影響を好適に抑えることができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態においては、シャッタ320の動作態様が上記第1の実施の形態と相違している。具体的には、開閉実行モード中にシャッタ320が開状態に一時的に切り替わる点では共通であるものの、その契機が第1の実施の形態と相違している。本実施の形態においても、遊技状態移行処理の大入賞口開閉処理にてシャッタ320の開閉制御を行っているため、以下図25のフローチャートを参照して、本実施の形態における大入賞口開閉処理について説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS701にて可変入賞装置82の大入賞口82dが開放中であるか否かを判定する。大入賞口82dが開放中でない場合には、ステップS702にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS702にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。ステップS703にて否定判定をした場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS704に進み、大入賞口82dの開放処理を実行する。具体的には、大入賞口82dを開放すべく可変入賞駆動部82fを駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口82d)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS705〜S707の処理を実行する。
ステップS705では、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。続くステップS706では入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS607の処理を実行した後は、ステップS708にて可変入賞装置82(大入賞口82d)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においては、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて大入賞口82dが開放中であると判定した場合にはステップS708に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS709に進み、大入賞口82dに遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ391cからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS710にて入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
ステップS710にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS711に進む。ステップS711では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS712にて入賞カウンタPCの値が「1」であるか否かを判定する。ステップS712にて肯定判定をした場合には、ステップS713に進み連絡通路開閉処理を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。連絡通路開放処理においては連絡通路310に併設されたシャッタ320(詳しくはソレノイド322)に駆動信号を出力することにより、当該シャッタ320を閉状態から開状態に切り替える。これにより、球通路301を通過する遊技球のうち、センターフレーム95の外壁部95aに沿って移動するものが右ルートから左ルートへ移されることとなる。
ステップS712にて否定判定をした場合にはステップS714に進む。ステップS714では入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ステップS714にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS708にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS715にて大入賞口82dを閉鎖すべく可変入賞駆動部82fを非駆動状態とする。
続くステップS716では、連絡通路閉鎖処理を実行する。これにより、上記シャッタ320が開状態から閉状態に復帰し、第1開口部311を通じた連絡通路310への遊技球の流入が不可となる。本実施の形態においては、可変入賞装置82の開閉動作のタイミングとシャッタ320の開閉動作のタイミングとが関連づけられており、シャッタ320と可変入賞装置82とが連動する構成となっている。
続くステップS717では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS718では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS718にて否定判定をした場合にはステップS719に進み、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS719の処理を実行した後は、ステップS720にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS718の説明に戻り、当該ステップS718にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS721に進む。ステップS721では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS722にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、このエンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了となったことを示すエンディング表示を行う処理を実行する。
開閉実行モードに移行して可変入賞装置82が開状態に切り替わった場合には、所定個数の入賞又は所定期間の経過を条件として閉状態に復帰するように構成されている。このため、所定個数の入賞が発生する前に所定期間が経過してしまっては遊技者が本来得られるはずの特典を取りこぼすこととなる(所謂パンクが発生する)。ここで、上述したように遊技球が球通路301の入口部分302に引っ掛かって減速する場合であっても、それが例えば1個目〜9個目の入賞に対応しているのであれば、上記オーバー入賞に直結する訳ではない。言い換えれば、オーバー入賞の成否は10個目以降の入賞に対応する遊技球に依存している。
本実施の形態では、特殊操作によるオーバー入賞を阻止する機能が9個目の遊技球の入賞に基づいて有効化される構成とした。このため、それ以前の遊技球については、上記引っ掛かりの有無に関係なく可変入賞装置82へと案内されることとなる。これにより、上記取りこぼしが発生する可能性を低減している。また、実害のない遊技球については左ルートを経由した可変入賞装置82への移動を許容することにより、遊技の遅延を抑制し、遊技進行の円滑化に貢献することができる。
そもそも、上述した遊技球の引っ掛かりについては、遊技者が意図的に発生させたものであるか、それとも、所謂右打ちへの切替過程や操作ミス等によって偶発的に発生したものかを識別することは困難である。そこで、実害のない範囲では引っ掛かりの対象となった遊技球を球通路301から排出しない構成とすることにより、遊技者の利益を担保している。
遊技球が発射されてから可変入賞装置82に到達するまでに要する期間は、遊技球の発射インターバルよりも長く設定されている。このため、オーバー入賞を発生させようとした場合には、入賞した遊技球の数が所定個数に近づくことで、オーバー入賞の準備のために連続発射から単発発射への切り替えがなされると想定される。つまり、9個の入賞が発生している状況にて特殊操作が行われると想定される。本実施の形態においては、9個の入賞を契機としてシャッタ320を開放させる構成とすることにより、オーバー入賞に好適に対応することができる。
特に、特殊操作の精度や効率を上げようとした場合には、9個目の入賞が確定した後に発射操作が再開される。つまり、9個目の入賞発生と、10個目の遊技球の発射との間には若干の間が発生し得る。本実施の形態では、この間をシャッタ320の動作期間として利用することにより、シャッタ320の動きが間に合わなくなることを抑制している。
<第3の実施の形態>
本実施の形態においては、球通路301に係る構成が上記第1の実施の形態と相違している。そこで以下、図26を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に球通路301A及び当該球通路301Aに関連する構成について説明する。図26は、第3の実施の形態における遊技盤ユニット80Aの部分拡大図である。
球通路301Aの入口部分302Aは、外レール102の頂部TPよりも誘導通路103の出口部分105寄り(左側)に位置している。センターフレーム95Aの外壁部95aAについては、入口部分302A付近にて球通路301Aの通路縦幅が狭くなるようにして曲率が部分的に変更されている。入口部分302Aを狭めることにより、当該入口部分302Aにて引っ掛かった遊技球の球通路301Aへの流入を難しくしている。
また左側に並んだ釘部材93A群(以下、釘列93XAという)よりも、センターフレーム95Aの端部が下に位置しているため、当該端部に遊技球が当たることが抑制されている。なお、釘列93XAと、入口部分302Aとの間には遊技球が下方へ移動可能な隙間が形成されている。このため、センターフレーム95に引っ掛けようとした遊技球が釘列93XA(例えば最上位の釘部材93A)に当たって入口部分302Aに向かおうとしても、この遊技球は上記隙間へ流入し、入口部分302Aへの到達が困難となるように構成されている。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては「阻止手段」として連絡通路310(詳しくは第1開口部311)とシャッタ320とを併用する構成としたが、本実施の形態においてはシャッタ320に相当する構成が省略されている。シャッタ320を省略することで、第1開口部311Aが常に開放された状態となっている。このような事情から、第1開口部311Aの下流側の端部が、上述した遊技球の引っ掛けの対象として狙われやすくなる。
ここで、球通路301Aの通路縦幅については入口部分302Aと比べて第1開口部311A付近の方が広くなるように形成したことにより、通路縦幅の拡大に応じて入口部分302Aの下端部分に対する第1開口部311Aの下流側端部の落差が大きくなっている。このような構成とすることにより、入口部分302Aを通して第1開口部311Aの端部を狙うようにして遊技球を発射させることが難しくなっている。これにより、連絡通路310Aによる右ルートからの遊技球の排出機能を担保しつつ、シャッタ320の省略に起因した阻止機能の低下を抑制している。
外レール102については円弧状に形成されているのに対して、発射された遊技球については外レール102から離れた後は放物線を描くようにして移動することとなる。つまり、外レール102から離れた遊技球の軌道と、球通路301Aに沿って移動する遊技球の軌道とがずれることとなる。このようなずれについては、外レール102から離間してからの遊技球の移動距離に応じて大きくなり且つ遊技球が上昇から降下に移る過程で大きくなる。そこで、球通路301Aの入口部分302Aと第1開口部311Aとの間に外レール102の頂部TPが位置する構成とし、遊技球の通り道が限定された球通路301Aにて第1開口部311Aを外レール102の頂部TPよりも通路方向における先側に配置することにより、第1開口部311Aの縁部に着地するには遊技球が頂部TPに至る前に外レール102から離間する必要が生じ且つ離間位置から第1開口部311Aまでの距離をある程度稼ぐことができる。故に、第1開口部311Aの縁に遊技球が着地する際の遊技球の移動経路をシビアにすることができる。これにより、第1開口部311Aの縁に遊技球が衝突する機会を好適に減らすことができる。
上記第1の実施の形態においては、第1開口部311に流入した遊技球がシャッタ320を構成する可動体321の案内面321aによって球通路301による案内方向とは反対側(左側)に案内する構成となっていた。これに対して、本実施の形態では当該案内機能が連絡通路310A自体に付与されている。具体的には、連絡通路310A全体が左下がりとなるように滑らかに傾いている。これにより、連絡通路310Aによる遊技球の排出が円滑に行われるように工夫されている。
但し、このような構成では、連絡通路310Aの出口部分としての第2開口部312Aへ遊技球が勢いよく流入した場合には、当該遊技球が連絡通路310Aを逆行しやすくなる。また、入口部分としての第1開口部311Aは常時開放されている。このため、仮に第1開口部311Aを通じて遊技球が左ルートから右ルートに移った場合には、上述した態様とは異なる態様にて遊技球の間隔の粗密を変化させて新たな手法でのオーバー入賞狙いが可能となり得る。
本実施の形態においては、このような事情に配慮した工夫がなされている。具体的には、上述した釘列93XAが連絡通路310Aの第2開口部312Aと対峙するようにして配置されている。このような構成とすることにより、左ルートに向けて発射された遊技球が第2開口部へ流入することを抑制している。これにより、上述した新たな不都合の発生を回避している。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、右ルート(球通路301)から遊技球を排出することにより、オーバー入賞を阻止する構成としたが、本実施の形態においては遊技球を排出することなくオーバー入賞を阻止する構成となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図27を参照して、本実施の形態における通路構造について説明する。図27は右ルートを示す概略図である。
右ルートは、球通路301Bの途中位置、詳しくは当該球通路301Bの入口部分302Bと返し部材97との間となる位置にて第1通路351Bと第2通路352Bとに分岐している。これら第1通路351B及び第2通路352Bについては、右ルートに流入した遊技球を可変入賞装置82へ案内する点では共通の機能が付与されているものの、遊技球の案内に係る構成が相違している。第1通路351Bについては、第1の実施の形態における通路と同様の構成であるため説明を援用し、当該第1通路351Bとの相違点を中心に第2通路352B及び当該第2通路に係る構成について説明する。
センターフレーム95Bの外壁部95aBは、上流部分が外側(高位)且つ下流部分が内側(低位)となる段差状をなしている。外壁部95aBには、この段差部分を跨ぐようにして開口部360Bが形成されている。開口部360Bは第2通路352Bの入口部分として機能しており、当該開口部360Bに流入した遊技球は第2通路352Bを通じて可変入賞装置82へと案内される。つまり、開口部360Bが形成されている部分が球通路301Bにおける分岐部分となっている。
ここで、センターフレーム95Bの外壁部95aBにて開口部360Bを挟んで当該開口部360Bよりも下流側となる部分については、開口部360Bよりも上流柄となる部分の延長上よりも遊技領域PEの中央側に位置している。球通路301Bの通路方向における開口部360Bの横幅及び上記段差の大きさについては、外壁部95aB上を転動して当該開口部360Bに到達した遊技球が同開口部360Bを飛び越せない大きさとなるように形成されている。より詳しくは、球通路301Bの入口部分302Bから開口部360Bの間にて外壁部95a上を転動した遊技球については自重によって加速することとなるが、このような加速によって到達し得る速度では、上記開口部360Bを飛び越すことなく、当該開口部360Bへ流入するように構成されている。外レール102に沿って移動する遊技球は、開口部360Bを横切って返し部材97に到達し、第1通路351Bを通じて可変入賞装置82へ向けて案内される。つまり、図28の概略図に示すように遊技球が開口部360Bへ流入するか否かについては、分岐部分に到達した時点での遊技球の速度に依存している。
第1通路351Bには、多数の凹凸が形成されており、遊技球の落下の勢いが弱められるように構成されている。第2通路352Bについても複数の凹凸が形成されている点では第1通路351Bと同様であるが、その数が第1通路351Bよりも少なくなっており、減勢の度合いが小さくなっている。以上の理由から、第2通路352Bを通過するのに要する期間は、第1通路351Bを通過するのに要する期間よりも長くなっている。
ここで、右ルートへ流入した遊技球については、発射されてから上記分岐部分に到達するまでの期間が、球通路301Bの入口部分302Bにおける引っ掛かりの有無によって大きく左右される。引っ掛かりが発生した場合での分岐部分到達までの期間が、引っ掛かりが発生しなかった場合での分岐部分到達までの期間よりも長くなる。
遊技球が第2通路352Bを通過する場合に上記分岐部分に到達するのに要する期間(およそ2sec)と当該第2通路352Bを通過するのに要する期間(およそ1sec)との総和は、遊技球が第2通路352Bを通過する場合に上記分岐部分に到達するのに要する期間(およそ1sec)と当該第2通路352Bを通過するのに要する期間(およそ2sec)との総和と同等となるように設定されている。なお、設計上の期間は同一となっているが、敢えて「同等」と表現したのは、遊技球発射機構110の動作ばらつきや操作に依存した発射速度のばらつきによって、これらの各期間に多少のばらつき発生し得るため、これらの誤差を含む意である。
第1の実施の形態に示した手法によりオーバー入賞を発生させようとした場合には、球通路301Bの入口部分302Bにて遊技球が急激に減速される。この遊技球は、センターフレーム95Bの外壁部95aBを伝って開口部360Bに到達する。そして、開口部360Bへ流入した後、第2通路352Bを経て可変入賞装置82に案内される(2点鎖線参照)。後続の遊技球が例えば速度最大となるようにして発射されると、当該遊技球は外レール102を伝って返し部材97に到達する。これにより、一時的に先行する遊技球と後続の遊技球との間隔が縮まる。但し、後続の遊技球は返し部材97に衝突することで減速し、第1通路351Bを通過する過程でも速度の上昇が抑えられることとなる。この結果、可変入賞装置82に到達する時点での時間差は、発射周期(0.6sec)程度に戻ることとなる。これにより、オーバー入賞の発生が抑制される。
本実施の形態においても上記第3の実施の形態と同様にシャッタ320に相当する構成が省略されている。このため、仮に開口部360Bの下流側端部に遊技球が衝突すると、この分岐部分にて遊技球が失速して後続の遊技球との間隔が想定以上に縮まると懸念される。この点、開口部360Bを外壁部95aBの段差部分を跨ぐようにして形成することにより、外壁部95aBにて当該開口部360Bよりも上流側となる部分(開口部360Bの上流側端部等)が防壁となって、上記下流側端部への遊技球の衝突を抑制している。これにより、開口部360Bの存在がオーバー入賞の足掛かりとなることを回避している。
より具体的には、遊技球の発射速度によっては、球通路301Bの途中で外レール102から離れて、センターフレーム95Bの外壁部95aBに着地する場合が発生し得る。ここで、開口部360Bに付与された段差については、球通路301Bの入口部分302Bから外壁部95aBに沿って転動した遊技球が流入するように設定されている一方、入口部分302Bに引っ掛からなかった遊技球については、開口部360Bを飛び越えるため、開口部360Bの存在がオーバー入賞の足掛かりになることはない。
上記各実施の形態とは異なり、上記引っ掛かりの対象となった遊技球(開口部360B)に流入した遊技球についても、右ルートから排出されることはなく、右ルートを経由して可変入賞装置82に案内されることとなる。これにより、遊技進行の遅延を抑えることが可能となっている。そもそも、上記引っ掛かりが意図的に発生したものであるか偶発的に発生したものであるかを識別することが困難である以上、本実施の形態に示すように引っ掛かりの対象となった遊技球についても救済する構成とすることには技術的意義がある。
<第5の実施の形態>
上記各実施の形態においては、構造的側面からオーバー入賞を妨げる構成としたが、本実施の形態においてはオーバー入賞を妨げるためのプロセスがそれら実施の形態と相違している。具体的には、遊技球の発射制御に係る構成を工夫することによりオーバー入賞を妨げる工夫がなされている。以下、図29及び図30を参照して本実施の形態における発射制御に係る構成について説明する。図29は発射制御に係る電気的構成を示すブロック図、図30は遊技球発射用処理を示すフローチャートである。
電源・発射制御装置243の電源・発射制御基板440には、電源部441と発射制御回路442とが設けられている。電源部441は、主制御装置162等の電気機器に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御回路442は、遊技球発射ハンドル41の操作に応じて遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、所定の条件が整っている場合に遊技球の発射を行う。
発射制御回路442には、演算装置であるMPU451が搭載されている。MPU451には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。発射制御回路442の入力側には、遊技球発射ハンドル41のタッチセンサ41a及び可変抵抗器41bが接続されている。タッチセンサ41aからの情報に基づいて遊技球発射ハンドル41が操作されているか否かを把握し、可変抵抗器41bからの情報に基づいて回動操作部材43の操作量を把握する。
発射制御回路442の出力側には、遊技球発射機構110の球送装置113やソレノイド111が接続されている。発射制御回路442からの駆動信号に基づいてこれら球送装置113やソレノイド111が動作する。
また、MPU451には、当該MPU451により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM452と、そのROM452内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM453と、タイマ回路,データ入出力回路などの各種回路とが内蔵されている。
RAM453には、遊技状態を把握する際に使用される各種フラグ格納エリア453aと、ソレノイド111を駆動する際に使用される各種カウンタエリア453bとが設けられている。主制御装置162のMPU402にて遊技状態の移行処理が行われる場合には、その旨を示す情報(例えば上記オープニングコマンドやエンディングコマンド)が当該主制御装置162から電源・発射制御装置243に送信されることとなる。オープニングコマンドを受信した場合には、各種フラグ格納エリア453aに開閉実行モードフラグが格納され、エンディングコマンドを受信した場合には当該開閉実行モードフラグが消去される。電源・発射制御装置243のMPU451においては開閉実行モードフラグの有無に基づいて開閉実行モード中であるか否かを判定する。
各種カウンタエリア453bには、発射周期(インターバル期間)を把握する際に使用される発射インターバル用カウンタや発射を一時的に遅延させる際に使用される発射遅延カウンタが設けられている。これら各カウンタの値は、MPU451から更新命令が下されることに基づいて更新される。より詳しくは、各カウンタの値は、更新の都度前回値から1減算され、その値が「0」」に達した場合には所定の条件に基づいて最大値(0.6secに相当)に戻るループカウンタとなっており、遊技球発射用の処理(遊技球発射用処理)にて更新される。
ここで、図30を参照して、電源・発射制御基板440のMPU451により実行される遊技球発射用処理について説明する。遊技球発射用処理は2msec周期で実行される定期処理の一環として実行される処理であり、タッチセンサ41aからの検知情報に基づいて発射操作が行われていると判定された場合に実行される処理である。
(遊技球発射用処理)
遊技球発射用処理では、先ずステップS801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS801にて否定判定をした場合にはステップS802に進む。ステップS802では各種カウンタエリア453bに設けられた発射インターバル用カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS802にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技球発射用処理を終了する。ステップS802にて肯定判定をした場合には、ステップS803に進む。ステップS803にて遊技球発射処理を実行した後、本遊技球発射用処理を終了する。遊技球発射処理では、可変抵抗器41bからの情報に基づいて発射強度を決定し、決定された発射強度に応じてソレノイド111に駆動信号を出力する。これにより、ソレノイド111が励磁され、遊技球発射機構110から遊技球が発射されることとなる。なお、ソレノイド111の駆動処理を実行した後は、発射インターバル用カウンタに上記最大値を再設定する。
ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS804にて遊技球の発射が遅延されている最中であるか否かを判定する。ステップS804にて否定判定をした場合にはステップS805に進む。ステップS805では操作量が規定値を跨ぐようにして増加したか否かを判定する。本実施の形態における規定値については、発射された遊技球が球通路301の入口部分302との引っ掛かりを回避して当該球通路301に流入する場合の操作量となるように設定されている。
なお、規定値についてはこれに限定されるものではなく、遊技球の引っ掛かりが発生する速度から当該速度よりも速く且つ引っ掛かりが発生しない速度への変化を見極めることができるように設定されているのであれば足り、例えば球通路301に流入した後であって返し部材97に到達する前のタイミングにて外レール102から離れる場合の操作量となるように設定することも可能である。
ステップS805にて否定判定をした場合、すなわち発射遅延中ではなく且つ操作量が規定値を跨ぐようにして増加した場合には、ステップS802,S803の各処理を実行した後、本遊技球発射用処理を終了する。つまり、ステップS804,S805に示した両条件が非成立となっている場合には、開閉実行モード中ではない場合と同様の態様で遊技球の発射がなされる。
ステップS805にて肯定判定をした場合にはステップS806に進み、発射遅延処理を実行した後、本遊技球発射用処理を終了する。発射遅延処理では、各種カウンタエリア453bに格納されている発射遅延カウンタに所定の値、本実施の形態においては遊技球の発射周期と同様の期間に対応する値を格納する。発射遅延カウンタの値が「0」でない場合には、当該発射遅延カウンタの値が「0」になるまで遊技球の発射が回避されることとなる。
具体的には、ステップS804にて肯定判定をした場合には、すなわち発射が遅延されている最中であると判定した場合にはステップS807に進む。ステップS807では、発射の遅延が終了されるタイミングであるか否かを判定する。具体的には、発射遅延カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。ステップS807にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技球発射用処理を終了する。ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS803の遊技球発射処理を実行した後、本遊技球発射用処理を終了する。
上述した第1の実施の形態に例示した手法によって可変入賞装置82へのオーバー入賞を狙う場合には遊技球の発射速度を変化させる必要がある。特に、先行する遊技球を球通路301の入口部分302に引っ掛ける場合には、その後に発射される遊技球の発射速度が先の遊技球の発射速度よりも速くなるように調節する必要がある。そこで、本実施の形態に示すように、規定値を跨ぐようにして増加した場合には、一時的に遊技球の発射を遅延させることにより、先行する遊技球と後続の遊技球との間隔が過度に縮まることを抑制できる。
また、遊技球の発射を遅延させた場合であっても、上述した発射インターバル期間が担保される。このため、遅延の結果、遅延の対象となった遊技球とその後に発射される遊技球との間隔が過度に縮まることもない。
遊技球の発射を行う場合には、所謂ぶっこみ狙い等、作動口83aへの入球確率を少しでも高くするようにして遊技球の発射速度が調節される。このため、都度の調節にて発射が遅延されることは、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため好ましくない。この点、本実施の形態に示す構成によれば、規定量を跨ぐようにして操作量が増加された場合に限って遅延を発生させることにより、当該遅延が頻発することを抑制している。これにより、遊技の円滑な進行に貢献することができる。
また、開閉実行モードとなっていない状況下においては、そもそも可変入賞装置82への入球自体が発生しない。そこで、開閉実行モード中でない場合には、上記遅延機能を行わない構成とすることにより、無駄に遊技が遅延されることを抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、「排出通路」としての連絡通路310を通じて右ルートを構成する球通路301(「案内通路」に相当)から排出された遊技球を左ルート(「第1流下経路」に相当)に案内する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1開口部311に流入した遊技球については、そのまま遊技領域PEから排出する構成とすることも可能である。
(2)上記実施の形態では、遊技球発射機構110(「遊技球発射手段」に相当)から発射された遊技球が左ルートを通じて右ルートに流入する構成としたが、これに限定されるものではない。遊技球発射機構110から発射された遊技球が左ルートを通過することなく右ルートに流入する構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、「排出通路」としての連絡通路310を経由して左ルートに移る遊技球を当該左ルートの上流部分に案内する構成としたが、どの位置に遊技球を案内するかについては任意である。但し、遊技球の存在価値が損なわれることを抑制する上では、例えば下流領域に配設された一般入賞口81等の「入球部」よりも上流に案内する構成として、案内された遊技球が入球部へ入球する余地を残す構成とすることが好ましい。
(4)上記実施の形態では、図柄表示装置253(「絵柄表示手段」に相当)の表示画面253aよりも上方、詳しくは返し部材97よりも上流側となる部分(球通路301)に「阻止手段」を配設したが、阻止手段の位置は任意であり、右ルートにて返し部材97よりも下流側となる部分に配設することも可能である。但し、発射速度の低下等に起因してセンターフレーム95に沿って移動する遊技球を右ルートから左ルートへ逃がす上では遊技領域PEの中央側へ遊技球を引き込む必要があり、上述した配置には当該引き込みを行うための構成を簡素な構成で実現できるという技術的意義がある。故に、「阻止手段」に相当する構成の配設対象について右ルートよりも遊技領域PEの中央側に位置する(内側の通路壁面を構成する)センターフレームとすることが好ましい。
(5)上記第1及び第2の実施の形態では、開閉実行モードとなったことを契機として「阻止手段」を構成するシャッタ320を閉状態(「許容状態に」に相当)及び開状態(「阻止状態」に相当)に切り替える構成とし、シャッタ320の動作タイミングを可変入賞装置82の動作タイミングに揃える(連動させる)構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。少なくとも、各ラウンド遊技にてオーバー入賞が発生し得る特定の期間に亘ってシャッタ320を開状態に維持される構成となっていれば足り、具体的な動作のタイミングについては任意に変更することも可能である。
例えば、通常遊技状態ではシャッタ320を開状態に維持し、開閉実行モードに移行した場合にシャッタ320を一時的に閉状態に切り替える構成とすることも可能である。具体的には、開閉実行モードの各ラウンド遊技の開始を契機としてシャッタ320を開状態から閉状態に切り替え、ラウンド遊技開始後に所定の切替条件(例えば、所定個数の入賞が発生した場合)にシャッタ320を開状態に復帰させる構成とすることも可能である。これにより、シャッタ320により可変入賞装置82への入賞がサポートされやすくなり、ラウンド遊技終了に係る期間条件及び入賞数条件のうち前者の成立を抑制することができる。これにより、本来享受できるはずの特典の取りこぼしが発生することを好適に抑制できる。
(6)上記実施の形態では、連絡通路310を通過する際の遊技球の移動方向を第1開口部311を横切る際の遊技球の移動方向と逆とし、右ルートからの遊技球の離脱が遅れた場合に後続の遊技球と干渉する機会を減らす構成としたが、連絡通路310を通過する際の遊技球の移動方向とを揃える構成とすることも可能である。
(7)上記第2実施の形態では、可変入賞装置82への入賞上限が10個であるところ、9個の入賞が発生したことを条件としてシャッタ320を閉状態(「許容状態」に相当)から開状態(「阻止状態」に相当)に切り替える構成としたが、切替条件については入賞数=9個に限定されるものではない。入賞上限に至る前の入賞によって切替条件が成立するのであれば足り、例えば入賞数が8個となった場合に開状態に切り替わる構成としてもよいし、7個となった場合に閉状態に切り替わる構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、球通路301の幅(縦幅)を同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できない程度に抑えることにより、当該球通路301における遊技球の追い越しを回避する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、球通路301の通路縦幅を遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくする等して、遊技球の追い越しを許容する構成とすることも可能である。
(9)上記第4の実施の形態では、移動速度が十分でない遊技球、すなわちセンターフレーム95上を転動する遊技球を第1開口部311の段差を利用して、当該第1開口部311に導く構成とした。移動速度の十分でない遊技球を第1開口部311に流入させる構成においては、積極的な動作として遊技球の引き込みを行う引き込み手段を配設することも可能である。例えば、磁石等によって遊技球の引き込みを行ってもよい。移動速度が十分でない遊技球を磁力によって捕捉する構成とすれば、上述したような段差が不要となる。
(10)上記第4の実施の形態では、右ルート(球通路301B)を移動する遊技球が開口部360Bに流入した場合に通過する流下経路(第2通路352B)と、開口部360Bに流入しなかった場合に通過する流下経路(第1通路351B)とを並設し、何れの流下経路を経由した遊技球についても「入球部」としての可変入賞装置82に向けて案内される構成とした。これにより、操作ミス等によって遊技球の流下経路がばらついたとしても、可変入賞装置82への入賞が阻止されることを回避した。これは、所謂パンク等の発生を抑えて、遊技者の利益を担保する点では好ましい構成である。但し、例えばオーバー入賞の回避を重視する上では、第2通路352Bを通過した遊技球が可変入賞装置82へ到達できない構成、例えば左ルートへ移したり遊技領域PEから排出したりする構成とすることも可能である。
(11)上記第5の実施の形態では、閾値を跨ぐようにして回動操作部材43の操作量(発射速度)が増加した場合に、発射を遅延させる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、発射速度が増加する場合に、先の発射と次の発射との速度差が所定量を超えた場合には、発射を遅延させる構成とすることも可能である。
(12)上記第5の実施の形態では、先の発射時の操作量と次の発射時の操作量との差を比較したが、操作量の変化を見極めることができるのであれば判定のタイミングについては任意に変更してもよい。
(13)上記実施の形態では、開閉実行モードにて開放される入球部(可変入賞装置82)への過剰な入賞を抑えるべく、可変入賞装置82の動きに関連づけてシャッタ320を動作させる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。高頻度サポートモードにて開放されやすくなる入球部(下作動口83b)への過剰な入賞を抑えるべく、当該下作動口83bに付随する電動役物91の動作に関連づけてシャッタ320を動作させる構成としてもよい。
(14)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた作動口等に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。特別遊技状態では、例えば可変式の入球部が複数回に亘って閉状態と開状態とに切り替えられる。入球部が開状態となっている場合に当該入球部に到達した遊技球については同入球部への入球が許容され、入球部が閉状態となっている場合に当該入球部に到達した遊技球については同入球部への入球が妨げられることとなる(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述した可変式の入球部を有するタイプの遊技機においては、特別遊技状態での遊技進行に係る構成について未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、
前記可変入球部の切り替え制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と、
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)と
を備え、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、第1流下経路(例えば左ルート)と当該第1流下経路よりも前記可変入球部へ遊技球が到達しやすい第2流下経路(例えば右ルート)とが設けられており、
前記第2流下経路には、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて相対向する第1対向面(外レール102の内面102a)及び第2対向面(センターフレーム95の外壁部95a)により区画形成され、遊技球を案内する案内通路(球通路301)が設けられており、
前記第1対向面に沿って遊技球が移動する場合に前記案内通路の途中位置である所定位置(例えば球通路301にて第1開口部311が形成されている箇所)よりも下流側への遊技球の移動を許容し、前記第2対向面に沿って遊技球が移動する場合に前記所定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止手段(例えば第1開口部311やシャッタ320)を備えていることを特徴とする遊技機。
可変入球部が第2状態となって当該可変入球部への入球が発生することにより、遊技者に特典が付与される。可変入球部への平均入球数については、遊技機の仕様等に応じて設定されている。入球数が平均入球数を上回れば遊技者に有利となり、平均入球数を下回れば遊技ホールにとって有利となる。短期的にはある程度の入球数のばらつきを許容する一方、長期的にはばらつきを抑えることにより、遊技の単調化を抑制しつつ利益バランスを維持することが可能となる。
一般的に遊技球の発射にはインターバル期間が設定されており、先行する遊技球と後続の遊技球との間隔の詰まりが抑制されている。しかしながら、先行する遊技球の移動が遅れる等して、後続の遊技球が先行する遊技球に追いつく等した場合には、複数の遊技球がまとめて上記可変入球部へ到達しやすくなる。このような事象が頻発した場合には、特典が過剰に付与され、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。そして、上述した事象は、案内通路を通過する遊技球の移動態様の違いに起因して発生し得る。
本特徴に示す構成においては、第2流下経路へ発射された遊技球は、案内通路を経由して可変入球部へ案内される。ここで、案内通路に流入した遊技球が第1対向面に沿って移動する場合には所定位置よりも下流側への遊技球の移動が許容され、第2対向面に沿って移動する場合には所定位置よりも下流側への遊技球の移動が阻止されることとなる。つまり、第2流下経路を経て可変入球部へ遊技球を入球させるには、遊技球を第1対向面に沿うようにして移動させる必要がある。このようにして経路(移動態様)を限定することにより、移動態様の差違に起因した遊技球同士の間隔の粗密の変化を抑制することができる。故に、特典の過剰付与を抑え、上記バランスが損なわれることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、前記可変入球部の切り替え制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と、前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)とを備え、前記遊技領域には、流下する遊技球が前記可変入球部へ向けて移動可能となるように構成された流下経路が設けられており、前記流下経路には、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて相対向する第1対向面(外レール102の内面102a)及び第2対向面(センターフレーム95の外壁部95a)により区画形成され、遊技球を案内する案内通路(球通路301)が設けられており、
前記第1対向面に沿って遊技球が移動する場合に前記案内通路の途中位置である所定位置よりも下流側への遊技球の移動を許容し、前記第2対向面に沿って遊技球が移動する場合に前記案内通路の途中位置である所定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止手段(例えば第1開口部311やシャッタ320)を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、
前記可変入球部の切り替え制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)と
を備え、
前記切替制御手段は、
所定の切替条件が成立したことに基づいて前記可変入球部を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから所定期間(例えば30sec)が経過した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから前記可変入球部へ入球した遊技球の数が所定数(例えば10個)に達した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と
を有し、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、前記可変入球部へ向けた遊技球の流下が不可となっている第1流下経路(例えば左ルート)と前記可変入球部へ向けた遊技球の流下が許容されている第2流下経路(例えば右ルート)とが設けられており、
前記第2流下経路には、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて相対向する一対の対向面により区画形成され、遊技球を案内する案内通路(例えば球通路301)が設けられており、
前記一対の対向面のうち上側の第1対向面(外レール102の内面102a)に沿って遊技球が移動する場合に前記案内通路の途中位置である所定位置(例えば球通路301にて第1開口部311が形成されている箇所)よりも下流側への遊技球の移動を許容し、前記一対の対向面のうち下側の第2対向面(センターフレーム95の外壁部95a)に沿って遊技球が移動する場合に前記所定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止手段(例えば第1開口部311やシャッタ320)を備えていることを特徴とする遊技機。
可変入球部が第2状態となって当該可変入球部への入球が発生することにより、遊技者に特典が付与される。可変入球部への入球数に係る切替条件(所定数)については、遊技機の仕様等に応じて設定される。入球数が所定数を上回れば遊技者に有利となり、入球数が所定数を下回れば遊技ホールにとって有利となる。可変入球部においては、短期的にはある程度の入球数のばらつきを許容する一方、長期的にはばらつきを抑えることにより、遊技の単調化を抑制しつつ利益バランスを維持することが可能となる。
一般的に遊技球の発射にはインターバル期間が設定されており、先行する遊技球と後続の遊技球との間隔の詰まりが抑制されている。しかしながら、先行する遊技球の移動が遅れる等して、後続の遊技球が先行する遊技球に追いつく等した場合には、複数の遊技球がまとめて上記可変入球部へ到達しやすくなる。例えば、可変入球部への入球数が上記所定数に達する直前にて複数の遊技球が一緒に可変入球部に入球すれば、所定数の入球を上回る等して特典が過剰に付与される。仮にこのような事象が多発した場合には、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。
ここで、上述した事象は、案内通路を通過する遊技球の移動態様の違いに起因すると想定される。例えば、第2流下経路に向けて発射された遊技球が案内通路の入口部分等に引っ掛かると、遊技球の移動速度が急激に低下する。この場合、移動速度が低下した遊技球は、上下一対の対向面のうち下側の第2対向面に載り、この第2対向面に沿って移動することとなる。このような遊技球については案内通路における流下(所定位置よりも下流側への流下)を阻止することにより、当該遊技球に対して後続の遊技球が追い付いて複数の遊技球が連なるようにして可変入球部に向かうことを抑制できる。このように、遅れが発生した遊技球の流下を阻止することにより、上述したような移動態様の違いに起因した特典の過剰付与を好適に抑制することができ、上記バランスが損なわれることを好適に抑制できる。
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、
前記可変入球部の切り替え制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と、
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)と
を備え、
前記切替制御手段は、
所定の切替条件が成立したことに基づいて前記可変入球部を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから所定期間(例えば30sec)が経過した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから前記可変入球部へ入球した遊技球の数が所定数(例えば10個)に達した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と
を有し、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、前記可変入球部へ向けた遊技球の流下が不可となっている第1流下経路(左ルート)と前記可変入球部へ向けた遊技球の流下が許容されている第2流下経路(右ルート)とが設けられており、
前記第2流下経路には、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて相対向し且つ遊技領域外側に凸となる弧状をなす一対の対向面により区画形成され、遊技球を案内する案内通路(球通路301)が設けられており、
前記一対の対向面のうち外側の第1対向面(外レール102の内面102a)に沿って遊技球が移動する場合に前記案内通路の途中位置である所定位置(例えば球通路301にて第1開口部311が形成されている箇所)よりも下流側への遊技球の移動を許容し、前記一対の対向面のうち内側の第2対向面(センターフレーム95の外壁部95a)に沿って遊技球が移動する場合に前記所定位置よりも下流側への遊技球の移動を阻止する阻止手段(例えば第1開口部311やシャッタ320)を備えていることを特徴とする遊技機。
可変入球部が第2状態となって当該可変入球部への入球が発生することにより、遊技者に特典が付与される。可変入球部への入球数に係る切替条件(所定数)については、遊技機の仕様等に応じて設定される。入球数が所定数を上回われば遊技者に有利となり、入球数が所定数を下回われば遊技ホールにとって有利となる。可変入球部においては、短期的にはある程度の入球数のばらつきを許容する一方、長期的にはばらつきを抑えることにより、遊技の単調化を抑制しつつ利益バランスを維持することが可能となる。
一般的に遊技球の発射にはインターバル期間が設定されており、先行する遊技球と後続の遊技球との間隔の詰まりが抑制されている。しかしながら、先行する遊技球の移動が遅れる等して、後続の遊技球が先行する遊技球に追いつく等した場合には、複数の遊技球がまとめて上記可変入球部へ到達しやすくなる。例えば、可変入球部への入球数が上記所定数に達する直前にて複数の遊技球が一緒に可変入球部に入球すれば、所定数の入球を上回る等して特典が過剰に付与される。仮にこのような事象が多発した場合には、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。
ここで、上述した事象は、案内通路を通過する遊技球の移動態様の違いに起因すると想定される。例えば、第2流下経路に向けて発射された遊技球が案内通路の入口部分等に引っ掛かると、遊技球の移動速度が急激に低下する。この場合、移動速度が低下した遊技球は、上下一対の対向面のうち下側の第2対向面に載り、この第2対向面に沿って移動することとなる。このような遊技球については案内通路における流下(所定位置よりも下流側への流下)を阻止することにより、当該遊技球に対して後続の遊技球が追い付いて複数の遊技球が連なるようにして可変入球部に向かうことを抑制できる。このように、遅れが発生した遊技球の流下を阻止することにより、上述したような移動態様の違いに起因した特典の過剰付与を好適に抑制することができ、上記バランスが損なわれることを好適に抑制できる。
特徴A4.前記遊技球発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域へ導くレール部材(外レール102)を備え、
前記レール部材の内面(内面102a)の一部が前記第1対向面を構成しており、
前記第2対向面は、前記第1対向面から離脱した遊技球が当該第2対向面上を前記案内通路における下流側へ向けて転動可能となるように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
第2対向面については当該第2対向面上を遊技球が転動可能となるように形成されており、遊技球が案内通路内にて停留することを抑制できる。このような構成は、遊技進行の円滑化を図る上では有利ではあるが、このようなサポート機能が特徴A1等に示した不都合の発生要因にもなり得る。このような構成に特徴A1等に示した技術的思想を適用することにより、遊技進行の円滑化を実現しつつ、それに起因した不利バランスの低下を好適に抑制することができる。
また、発射された遊技球がレール部材に沿って移動している場合には、当該遊技球が可変入球部へ案内されることとなる。このため、上述した引っ掛かりを回避するために狙いを絞るといった技術が不要となる。故に、上述した阻止機能の追加が遊技を難しくする要因になることを回避することができる。
特徴A5.前記阻止手段は、前記第2対向面に形成され遊技球が通過可能な開放部(第1開口部311)を有してなり、前記第2対向面に沿って移動する遊技球が前記所定位置に到達した場合に前記開放部を通じて当該遊技球を前記案内通路から排出するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、上述した引っ掛かり等によって勢いが低下した遊技球を案内通路から排出することにより、当該遊技球に後続の遊技球が干渉することを抑制できる。このような干渉を回避することにより、移動速度の低下が連鎖することを好適に抑制できる。これは、当該後続の遊技球と同遊技球の後に続く遊技球との接近を抑制する上で効果的である。また、後続の遊技球の第1対向面に沿った移動を担保することには、遊技進行の円滑化に貢献できるという技術的意義がある。
なお、本特徴に示す構成を「前記阻止手段は、前記第2対向面に沿って移動する遊技球が前記所定位置に到達した場合に当該遊技球を前記第1対向面に沿う遊技球の移動領域から外れた位置へ案内するように構成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A6.前記レール部材に沿って打ち出された遊技球が衝突した場合にその衝突によって発生する衝撃の一部を吸収し、同遊技球を跳ね返す返し部材(返し部材97)を備え、
前記開放部は、前記案内通路にて当該案内通路の入口部分(入口部分302)と前記返し部材との間となる位置に配されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
先行する遊技球が上記引っ掛かり等によって急激に減速した場合には、時間の経過に伴って後続の遊技球と先行する遊技球との距離が縮まることとなる。特に、先行する遊技球が返し部材に到達した場合には、遊技球が再び減勢され、後続の遊技球が先行する遊技球に追いつきやすくなる。そこで、返し部材による減勢が行われる前に、上記引っ掛かりが生じた遊技球を案内通路から逃がす構成とすることにより、後続の遊技球との干渉を好適に抑制することができる。
特徴A7.前記開放部は、前記案内通路の入口部分及び前記返し部材のうち前記入口部分寄りとなるように配設されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
案内通路の入口部分にて遊技球が引っ掛かった場合には、当該遊技球が入口部分付近でもたつく可能性が高い。本特徴に示すように、開放部を入口部分寄りとなる位置に配設することにより、後続の遊技球との干渉による影響を好適に抑えることができる。
特徴A8.前記レール部材は円弧状をなしており、
前記案内通路は、前記レール部材の上側の頂部(頂部TP)と前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が前記遊技領域へ流入する流入箇所(出口部分105)との間に当該案内通路の入口部分が位置するように構成されており、
前記開放部は、当該開放部と前記入口部分との間に前記頂部が位置するように配設されていることを特徴とするA5乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
開放部を有する構成においては、この開放部の縁部(端部)に遊技球が着地することにより、当該遊技球の挙動が乱れる。このような乱れが発生すると、遊技球が勢いを失った状態で開放部よりも下流側(案内通路における下流側)に移動し得る。ここで、遊技球用のレール部材については円弧状に形成されているのに対して、発射された遊技球についてはレール部材から離れた後は放物線を描くようにして移動することとなる。つまり、レール部材から離れた遊技球の軌道と、案内通路に沿って移動する遊技球の軌道とがずれることとなる。このようなずれについては、レール部材から離間してからの遊技球の移動距離に応じて大きくなり且つ遊技球が上昇から降下に移る過程で大きくなる。そこで、入口部分と開放部との間に頂部が位置する構成とし、遊技球の通り道が限定された案内通路にて開放部をレール部材の頂部よりも通路方向における先側に配置することにより、開放部の縁部に着地するには遊技球が頂部に至る前にレール部材から離間する必要が生じ且つ離間位置から開放部までの距離をある程度稼ぐことができる。故に、開放部の縁に遊技球が着地する際の遊技球の移動経路をシビアにすることができる。これにより、開放部の縁に遊技球が衝突する機会を好適に減らすことができる。
なお、例えば前記開放部を前記第2対向面において接線の水平面に対する傾きが45度よりも小さくなる範囲に配設するとよい。
特徴A9.前記阻止手段は、前記開放部に繋がる縦通路部(縦通路部310a)と当該縦通路部と交差する方向に延びる横通路部(横通路部310b)とを有する排出通路(連絡通路310)を備えていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、開放部に到達した遊技球を案内通路から迅速に排出できる。これにより、排出がもたつく等して後続の遊技球との干渉が発生するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A10.前記案内通路は、前記第1対向面及び前記第2対向面の間隔を遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくすることにより当該案内通路にて同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されており、
前記縦通路部は、前記案内通路による遊技球の案内方向とは反対側へ下っていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10に示すように、案内通路にて同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できない構成においては、先の遊技球が排出されている最中に後続の遊技球が衝突する可能性を完全に払拭することは困難である。そこで、先の遊技球に後続の遊技球が当たって当該後続の遊技球が減速した場合には、当該遊技球が開放部を飛び越えないように工夫することが好ましい。この点、本特徴に示す構成では、後続の遊技球が先行する遊技球に当たった場合には、当該後続の遊技球に縦通路部の壁部等から反力が加わることとなり、下流側への移動を好適に抑制することができる。故に、勢いが削がれた後続の遊技球についても、開放部へ導きやすくなり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A11.所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定を行う機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態となることにより、前記切替制御手段によって前記可変入球部が前記第2状態に切り替えられる構成となっており、
前記阻止手段は、
前記開放部への遊技球の流入を許容する開状態及び前記開放部への遊技球の流入を阻止する閉状態に切り替え可能な開閉体と、
前記特別遊技状態となっている状況下にて特別条件が成立した場合に、前記開閉体を前記開状態とする切替手段と
を有していることを特徴とする特徴A5乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、開放部に開閉体を設けることにより、開放部の縁部等に遊技球が着地することを好適に抑制することができる。また、特別遊技状態へ移行することで可変入球部への入球が許容されるタイプの遊技機においては、特別遊技状態となることにより上述した阻止機能が有効化される構成とすることで、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A12.前記所定数は第1所定数(例えば10個)であり、
前記切替手段は、前記可変入球部へ入球した遊技球の数が前記第1所定数よりも少ない第2所定数(例えば9個)となった場合に、前記開閉体を前記開状態とするように構成されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
可変入球部への入球が許容される期間に制限があるタイプの遊技機においては、第1所定数の入球が発生する前に所定期間に達することで、所謂取りこぼし(パンク)が発生する。また、所定期間経過まで遊技の進行が足踏み状態となることで、遊技進行が遅くなってしまう。ここで、本特徴に示すように、第2所定数となるまで開閉体を閉状態に維持する構成とすれば、上記引っ掛かりの対象となった遊技球についても可変入球部への入球の余地を残すことができ、入球効率の向上に貢献できる。このような効率の向上を実現しつつ、第1所定数になる前の段階で阻止機能を有効化することにより特徴A1等に示した効果が損なわれることを好適に担保できる。
特徴A13.前記阻止手段は、前記開放部を通じて前記案内通路から遊技球を排出する排出通路を備え、
前記排出通路の出口部分(第2開口部312)は、前記第1流下経路に通じていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1流下経路から排出された遊技球が第2流下経路に移るため、当該遊技球が完全な無駄球になることを抑制できる。
特徴A14.前記排出通路の前記出口部分を通じた当該排出通路への遊技球の流入を規制する規制部(例えば釘部材93)が設けられていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
仮に第1流下経路から排出通路への逆流が生じると、特徴A1等に示した阻止機能(排出機能)が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように逆流を規制する構成とすれば、特徴A13に示した効果を享受することが上記阻止機能の発揮を妨げる要因になることを好適に回避できる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置253)と
を備え、
前記遊技領域において遊技球が流下する流下経路として、前記絵柄表示装置を挟むようにして設けられた第1流下経路(左ルート)及び第2流下経路(右ルート)を有し、
前記第2流下経路に流入した遊技球を前記第1流下経路に案内する案内通路(連絡通路310)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第2流下経路に流入した遊技球についてはそのまま第2流下経路を流下する場合と、案内通路を通じて第1流下経路に移る場合とが生じる。これにより、遊技球の動きが単調になることを抑制できる。
また、遊技球の発射速度を調節する過程で意図せず第2流下経路に発射された遊技球についても第1流下経路に返却され得ることで、実用上好ましい構成が実現される。
特徴B2.前記遊技領域は、前記遊技球発射手段によって発射された遊技球のうち前記第2流下経路に流入しなかった遊技球が前記第1流下経路を流下するように構成されており、
前記案内通路は、当該案内通路を通じた前記第1流下経路から前記第2流下経路への遊技球の移動を規制するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、案内通路は一方通行となっている。このため、球詰まり等の不都合を回避するための構成が不要となり、簡素な構成によって特徴B1に示し効果を発揮させることができる。
特徴B3.前記案内通路は、前記第1流下経路に流入した遊技球を前記第2流下経路における上流領域に案内するように構成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
流下経路を下る過程にて遊技球が適度に分散される。つまり、上流側と比較して下流側の方が分散の度合いが大きくなる。そこで、案内通路を通じてばらつきの比較的小さな上流領域へ遊技球を供給する構成とすることにより、その後の遊技球の動きが単調になることを抑え、当該遊技球への注目度が低下することを好適に抑制できる。
特徴B4.前記案内通路は、前記表示画面の上方に位置していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B3に示した技術的思想を具現化する上では、例えばリフト等を用いて遊技球を第1流下経路の上流部分に持ち上げることも可能である。これに対して、本特徴に示すように案内通路を表示画面の上方に配設すれば、構成の複雑化を抑えつつ、特徴B3に示した効果を享受できる。
特徴B5.前記第1流下経路を流下する遊技球の流入を許容し、且つ前記第2流下経路を流下する遊技球の流入を不可とする入球部(左ルートの一般入賞口81等)と、
前記入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224)と
を備え、
前記案内通路は、前記第2流下経路へ流入した遊技球を前記第1流下経路において前記入球部よりも上流側となる位置へ案内するように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第2流下経路から第1流下経路に移った遊技球についても、最初から第1流下経路に流入した遊技球と同様に入球部への入球の余地を残すことができる。これにより、第2流下経路から第1流下経路に移った遊技球の価値が低下することを抑制できる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、
前記可変入球部の切替制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と、
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224)と
を備え、
前記切替制御手段は、
所定の切替条件が成立したことに基づいて前記可変入球部を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから所定期間(例えば30sec)が経過した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから前記可変入球部へ入球した遊技球の数が所定数(例えば10個)に達した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と
を有し、
前記遊技球発射手段は、
先の遊技球の発射から所定のインターバル期間が経過していない場合には遊技球の発射を規制する規制手段と、
遊技者の調節操作に基づいて発射速度を調節する調節手段と
を有し、
前記発射速度が所定の速度よりも遅い速度から当該所定の速度よりも速い速度となるようにして調節操作が行なわれた場合に、その後の遊技球の発射を遅延させる遅延手段を備えていることを特徴とする遊技機。
可変入球部が第2状態となった場合に可変入球部へ所定数を超えた数の入球が発生することにより、遊技者には設定されている以上の特典が付与されることとなる。このような事象が偶然に発生するのであれば、所定数よりも少ない数の入球しか発生しない場合もあるため、利益バランスの釣り合いを保つことができる。しかしながら、例えば意図的に上述した事象を発生させることができると、特典の過剰付与が頻発し、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。
ここで、意図的に上述した事象を発生させようとした場合には、を発生させようとすれば、先の遊技球の発射速度を遅くして、後の遊技球の発射速度を速くするといった操作が行われることがある。この点、本実施の形態においては発射速度が速くなるように調節された場合にはその後の遊技球の発射を遅延させる構成となっている。これにより、上記事象の発生を好適に抑制することができる。
また、遊技球の発射を行う場合には、遊技球の発射速度が適宜変更される。このため、都度の調節にて発射が遅延されることは、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため、好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、所定の速度を跨ぐようにして発射速度を速くする調節がなされた場合に限って遅延を発生させることにより、当該遅延が頻発することを抑制している。これにより、遊技の円滑な進行に貢献することができる。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
第1状態及び当該第1状態よりも入球が容易な第2状態に切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、
前記可変入球部の切替制御を行う切替制御手段(主制御装置162のMPU402)と、
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224)と
を備え、
前記切替制御手段は、
所定の切替条件が成立したことに基づいて前記可変入球部を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから所定期間(例えば30sec)が経過した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と、
前記第2状態となってから前記可変入球部へ入球した遊技球の数が所定数(例えば10個)に達した場合に前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と
を有し、
前記遊技球発射手段は、
先の遊技球の発射から所定のインターバル期間が経過していない場合には遊技球の発射を規制する規制手段と、
遊技者の調節操作に基づいて発射速度を調節する調節手段と
を有し、
前記発射速度が所定の速度よりも遅い速度から当該所定の速度よりも速い速度となるようにして調節操作が行なわれた場合に、その変化量が所定量よりも大きくなったことに基づいて遊技球の発射を遅延させる遅延手段を備えていることを特徴とする遊技機。
可変入球部が第2状態となった場合に可変入球部へ所定数を超えた数の入球が発生することにより、遊技者には設定されている以上の特典が付与されることとなる。このような事象が偶然に発生するのであれば、所定数よりも少ない数の入球しか発生しない場合もあるため、利益バランスの釣り合いを保つことができる。しかしながら、例えば意図的に上述した事象を発生させることができると、特典の過剰付与が頻発し、遊技ホール等にとっての損失が甚大になると懸念される。これは、上記バランスを損なう要因となるため好ましくない。
ここで、意図的に上述した事象を発生させようとした場合に、先の遊技球の発射速度を遅くして、後の遊技球の発射速度を速くするといった操作が行われることがある。この点、本実施の形態においては発射速度が速くなるように調節された場合にはその後の遊技球の発射を遅延させる構成となっている。これにより、上記事象の発生を好適に抑制することができる。
また、遊技球の発射を行う場合には、遊技球の発射速度を適宜変更される。このため、都度の調節にて発射が遅延されることは、遊技の円滑な進行を妨げる要因になるため、好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、速度の変化量が所定量を超えた場合に限って遅延を発生させることにより、当該遅延が頻発することを抑制している。これにより、遊技の円滑な進行に貢献することができる。
特徴C3.前記切替制御手段は、通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態となった場合に前記可変入球部の第2状態への切り替えを行うように構成されており、
前記特別遊技状態となっていない場合に、前記遅延手段による遅延を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
そもそも、特別遊技状態となっていない場合には、可変入球部が第1状態に維持される。このような状況では、上述した過剰な入球が発生することはない。そこで、特別遊技状態となっていない場合には、上記遅延を規制することにより、遊技進行が無駄に遅延されることを抑制することができる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者による発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と
を備え、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な可変入球部(例えば可変入賞装置82)と、前記遊技球発射手段によって発射された遊技球を前記入球部へ案内する案内通路とが設けられており、
前記案内通路は、上流側通路と、当該上流側通路の下流側に位置し2条に分岐して設けられた第1下流側通路及び第2下流側通路とを有してなり、
前記案内通路は、前記上流側通路を通過する遊技球の速度が相対的に速い場合には当該遊技球が第1下流側通路に流入し、前記上流側通路を通過する遊技球の速度が相対的に遅い場合には当該遊技球が第2下流側通路に流入するように構成されており、
前記第1下流側通路及び前記第2下流側通路は、前記第2下流側通路を通過するのに要する期間が前記第1下流側通路を通過する期間の方が短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、上流側通路における通過速度が相対的に速い遊技球については第1下流側通路を通じて可変入球部に案内され、上流側通路における通過速度が相対的に遅い遊技球については第2下流側通路を通じて可変入球部へ案内される。このため、発射された遊技球が最終的に可変入球部に到達するまでに要する期間のばらつきを抑えることができる。これにより、可変入球部への入球に係る粗密の変化を抑制できる。
特徴D2.前記案内通路は、前記上流側通路及び前記第1下流側通路を通過するのに要する期間と、前記上流側通路及び前記第2下流側通路を通過するのに要する期間とが同等となるように構成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D1によれば、特徴D1に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。