<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
(内枠13)
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図であり、遊技領域PEにて後述する右ルートに配設された構成の一部については図示を省略している。
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット64、スルーゲート、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット64等の入球部への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球ユニット64(詳しくは後述する可変入球装置)、スルーゲートへの入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の下方に上記作動入球部62,63等が上下に並べて配設されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の直下に配置された作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、上側作動入球部62よりも下側に配置された作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、当該可動片を動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下作動口63a)への入球が可能となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる領域(右ルート)には、可変入球ユニット64が配設されている。具体的には、遊技盤60には上下に延びる縦長の開口部が形成されており、可変入球ユニット64がこの開口部に遊技機前方から取り付けられている。可変入球ユニット64は透明性を有する合成樹脂材料によって形成されたベース体が主体となるようにして構成されており、このベース部に複数(本実施の形態においては2つ)の可変入球装置が搭載(集約)されている。
スルーゲートは右ルートにて可変入球ユニット64よりも下流側となる位置に配置されている。遊技球のスルーゲートの通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
下側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
上記可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)には、大入賞口が形成され、当該大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口用の開閉部材としての開閉体を有してなる。開閉体は、遊技球の入球が許容される許容状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる阻止状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は可変入球駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉体が阻止状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に許容状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置の開放態様としては、例えば所定期間(本実施の形態においては1sec,2sec,30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては16ラウンド)を上限として上記開閉体の開放が繰り返されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと左側から迂回する上記左ルートとに大別されている。
なお、上述した可変入球ユニット64及びスルーゲートについては、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入球装置(大入賞口)及びスルーゲートへの入賞が回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が回避される。このため、下側作動入球部63の電動役物71が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となっている。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤60における右側の端部には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材84が配設されている。上記可変入球ユニット64は遊技領域区画部材84に沿うようにして設けられており、この可変入球ユニット64の下部に主表示ユニット(図7参照)が配設されている。主表示ユニットは、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニットの前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニットの前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。主表示ユニットについては、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示ユニットにおいてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示部は、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部と、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部とを有してなる。
上側作動入球部用表示部では、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、上側作動入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部では、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果(大当たり結果)であった場合には、下側作動入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまで(詳しくは確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回としてもよい。
主表示ユニットの主表示部には第1保留数表示部及び第2保留数表示部が設けられている。第1保留数表示部は、上作動口62aに対応しており遊技球が上作動口62aに入賞した回数は最大4回まで保留され第1保留数表示部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。第2保留数表示部は、下作動口63aに対応しており、遊技球が下作動口63aに入賞した回数は最大4回まで保留され第2保留数表示部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
また、主表示ユニットの主表示部には、スルーゲートへの入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が設けられている。スルーゲート用表示部では、スルーゲートへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲートへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲートへの入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に併設された上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲートを通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニットの主表示部にはその保留個数を表示する保留数表示部が設けられている。
これら表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、同各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
(裏パックユニット15)
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(可変入球ユニット64)
本実施の形態においては、開閉実行モードとなることで入球が許容される上記可変入球ユニット64(詳しくは可変入球装置310,320)及びそれに関連する構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図5〜図7に基づき可変入球ユニット64及びそれに関連する構成について補足説明する。図5は可変入球ユニット64及びその周辺構造(図4にてドットハッチングが付与されている部分)を拡大して示す図4の部分拡大図、図7(a)は下側可変入球装置320及びその周辺構造を示す拡大図、図7(b)は下側可変入球装置320を示す斜視図である。
既に説明したように、遊技盤60における可変表示ユニット67(中央開口)の右側となる部分には、主として高頻度サポートモード又は開閉実行モードとなっている場合に利用される右ルートが形成されており、遊技盤60において当該右ルートが設けられている部分には上記開口部65(図6参照)が形成されている。
開口部65は遊技盤60の厚さ方向に貫通しており、この開口部65に対して遊技機前方から可変入球ユニット64が嵌まっている。このようにして可変入球ユニット64が配置された状態では、当該可変入球ユニット64の主要部分を構成するとともに遊技盤60に対する取付部としての機能が付与された上記ベース体350によって同開口部65が覆われている。
ベース体350は、開口部65の縁部に沿って形成されたハウジングを備えている。ハウジングは遊技盤60の前面と平行となるように形成された平板部と当該平板部から遊技機前方に膨出する膨出部とを有している。平板部が遊技盤60の前面に対して当接した状態で同遊技盤60に固定されることにより、可変入球ユニット64が遊技盤60に対して一体化されている。
ハウジングには、略平板状のカバーが遊技機前方から固定されている。カバーは、その外形がハウジングの外形とほぼ同一となるように形成されており、平板部と隙間を隔てて対向している。これら平板部及びカバーによって挟まれた領域が、右ルートの一部を構成している。なお、カバー及びハウジングには透明性が付与されており、それらカバー及びハウジングを通じてカバー等の背後の構成(例えば上記流下経路)や可変入球ユニット64へ流入した遊技球の視認性が担保されている。
可変入球ユニット64の上方には、右ルートへ発射された遊技球が当たる返し部材97が配設されている。返し部材97は緩衝材(詳しくはゴムクッション)であり、当該返し部材97に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、可変入球ユニット64へ流下することとなる。可変入球ユニット64における上流部分、返し部材97の下流部分には、上側可変入球装置310が配設されている。
(上側可変入球装置310)
図6に示すように、上側可変入球装置310は、遊技機前方に開放された横長状の上側大入賞口311と、この上側大入賞口311に合わせて形成された上側開閉体312とを有している。上側開閉体312は、遊技盤60の前面からの突出が回避され上側大入賞口311を覆う退避位置、及び遊技盤60の前面から突出し上側大入賞口311を開放する突出位置への変位が許容されている。
上側可変入球装置310には上側開閉体312用の駆動手段を構成する可変入球駆動部313が設けられている。可変入球駆動部313は主制御装置162に接続されており、この主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162による駆動制御によって上側開閉体312を開閉させることにより、具体的には突出位置及び退避位置に変位させることにより、上側可変入球装置310が上側大入賞口311への遊技球の流入が許容された状態(上記許容状態)と、流入が不可となる状態(上記阻止状態)とに切り替る構成となっている。
可変入球ユニット64には、上側大入賞口311に流入した遊技球が通過する流入通路が形成されている。この流入通路の最上流部分には、上側大入賞口311に流入した遊技球を検知する上側検知センサ315が配設されている。上側検知センサ315は主制御装置162に接続されており、主制御装置162においては上側検知センサ315からの検知情報に基づいて上側大入賞口311への入球が発生した旨が把握し、入球を把握した場合にはそれに応じた数の遊技球の払い出し等を行う。
再び図5を参照して説明すれば、右ルートにて上側可変入球装置310よりも下流側となる位置、具体的にはベース体350の下部には、下側可変入球装置320が配設されている。ベース体350には、これら上側可変入球装置310及び下側可変入球装置320を繋ぐようにして連絡通路351が形成されている。
(連絡通路351)
上側可変入球装置310は連絡通路351の入口部分に位置しており、当該上側可変入球装置310が阻止状態となっている場合には、当該入口部分を通じた連絡通路351への遊技球の流入が許容される。連絡通路351に流入した遊技球は、当該連絡通路351を経由して下側可変入球装置320へ案内されることとなる。
これに対して、上側可変入球装置310が許容状態となっている場合には、上側可変入球装置310を構成する上側開閉体312によって連絡通路351の入口部分が上方から覆われる。これにより、連絡通路351への遊技球の流入が規制される。本実施の形態においては特に、上側大入賞口311(上側開閉体312)の横幅と、連絡通路351の入口部分の横幅とが同等となっている。このため、上側可変入球装置310が許容状態となっている場合には、上側可変入球装置310に到達した遊技球が当該上側可変入球装置310を迂回するようにして連絡通路351へ流入することが回避されている。
連絡通路351については同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように通路幅等が規定されている。これにより、当該連絡通路351においては先行して流下中の遊技球を後続の遊技球が追い越すといった事象が発生しないように規制されている。また、連絡通路351については、複数の折り返し部が形成されており、全体として左右に折れ曲がるように蛇行している。これにより、連絡通路351を通過する遊技球の通過速度のばらつきが抑えられ、連絡通路351の通過に要する期間(所要期間)が予め定められた期間(およそ3sec:3sec〜3.5sec)となるように規定されている。因みに、右ルートにて可変入球ユニット64(例えば連絡通路351)により構成されている部分については上述した釘69の非配置領域となっており、遊技球の挙動のばらつきが軽減されている。
なお、連絡通路351は左右に蛇行しながら上流側から下流側に向けて遊技盤60の中央から側方へオフセットしている。これは、連絡通路351における遊技球の減勢機能を担保しつつ、当該連絡通路351が可変表示ユニット67の占有領域(視認部分)を圧迫する要因となることを抑制するための工夫である。
連絡通路351を通じて下側可変入球装置320に到達した遊技球については、下側可変入球装置320が許容状態となっている場合には当該下側可変入球装置320へ流入し、下側可変入球装置320が阻止状態となっている場合には当該下側可変入球装置320を素通りして上記スルーゲート66→下側作動入球部63へ向けて流下する。ここで、図7を参照して下側可変入球装置320について補足説明する。
(下側可変入球装置320)
ベース体350において下側可変入球装置320が配設されている部分には、上記右ルートの一部を構成し、連絡通路351の出口部分に繋がる球通路361が形成されている。球通路361は横長状をなしており、遊技盤60の側方から中央側へ下り傾斜している。球通路361の通路幅等についても連絡通路351と同様に同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように規定されている。
球通路361の底部364における中間位置には、上方に開放された上記下側大入賞口321が形成されている。下側大入賞口321は球通路361に沿って左右に延びる横長状をなしており、左右方向が長手方向、前後方向が短手方向となる略矩形状に形成されている。
この下側大入賞口321を覆うようにして長板状の上記下側開閉体322が配設されている。下側開閉体322は、当該下側開閉体322よりも上流側に位置する上流側底面部365及び同下側開閉体322よりも下流側に位置する下流側底面部366とともに球通路361の底部364を構成している。なお、図7(b)においては下側開閉体322が閉じた状態(阻止状態)を示している。
以上の構成により、下側可変入球装置320を素通りした遊技球は球通路361を通じてスルーゲート66や下側作動入球部63に向けて誘導される。なお、本実施の形態においては、左ルートを通じて流下した遊技球のほうが右ルートを通じて流下した遊技球よりも下側作動入球部63へ入球する確率(入賞確率)が高くなるように構成されている。
下側開閉体322は球通路361の通路方向と同じ方向に延びる長板状をなしており、その上面の傾斜角度については、上流側底面部365(上流側通路362)及び下流側底面部366(下流側通路363)の傾斜角度と同等となっている。因みに、下側開閉体322の上流側の端部については上流側底面部365よりも僅かに下側に位置し、下流側の端部については下流側底面部366よりも僅かに上側に位置している。これにより、底部364に沿って遊技球が流下する際の流れが担保されている。
下側可変入球装置320には、上記可変入球駆動部323が取り付けられている。可変入球駆動部323は主制御装置162に電気的に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作することで下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に切り替わる。具体的には、可変入球駆動部323が動作することにより下側開閉体322が後退し、下側大入賞口321への入球が許容された上記許容状態に切り替わる。
ベース体350には下側大入賞口321に入った遊技球が流入する流入通路324が形成されており、この流入通路324の途中位置に下側検知センサ325が配置されている。下側検知センサ325は主制御装置162に電気的に接続されており、下側検知センサ325の検知領域を遊技球が通過した場合に検知情報(検知信号)が主制御装置162に入力される構成となっている。主制御装置162ではこの検知情報に基づいて入賞の有無を判定する。本実施の形態においては、開閉実行モード中にこの流入通路324へ遊技球が流入することにより、開閉実行モード終了後の抽選モードが高確率モードへ移行する構成となっている。以下の説明では、流入通路324を「特別入球部324」と称する。
既に説明したように、本実施の形態においては、遊技者による発射操作が行われている場合には所定の発射周期(0.6sec)にて遊技球の発射が繰り返されることとなる。このような発射周期の存在は、個々の遊技球への注目を促す上では好ましい構成であるが、下側可変入球装置320が開放される直前に当該下側可変入球装置320、詳しくは球通路361において下側大入賞口321への入球が発生し得る領域(下側開閉体322と対峙している特定領域SE)を素通りする要因ともなり得る。詳細については後述するが、僅かな時間差によって下側可変入球装置320への入球が回避されるといった事象が頻発することは本実施の形態に示す遊技機における本来の遊技の流れを損なう要因となり得るため好ましくない。本実施の形態においては、このような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図8を参照して当該工夫について説明する。図8(a)は球通路361を上方から見た概略図、図8(b)は図8(a)の部分断面図である。
球通路361を構成している奥壁部367及び前壁部368にて特定領域SEを形成している部分には、特定領域SE側へ突出するようにして複数の突条部371が形成されている。突条部371は球通路361の通路方向と交差する方向(上下方向)に延びており、その先端部分に対して当該球通路361を流下する遊技球が接触する構成となっている。以下の説明では、奥壁部367に形成された突条部371を奥側突条部371Rと称し、前壁部368に形成された突条部371を手前側突条部371Fと称する。
奥壁部367と手前側突条部371Fとの隙間寸法D1は、遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定され、前壁部368と奥側突条部371Rとの隙間寸法D2についても遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定されている。なお、奥側突条部371Rは球通路361の通路方向にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では4つ)配列されており、それら奥側突条部371Rの中間に位置するようにして手前側突条部371Fが各々配置されている。これにより、特定領域SEにおける遊技球の流下経路が球通路361の通路方向に対して前後に蛇行するように工夫されている。
ここで、奥側突条部371Rの突出量と手前側突条部371Fの突出量と遊技球の直径寸法Dとを足した場合には、球通路361(特定領域SE)の前後方向における通路幅よりも大きくなるように構成されている(D3 < D)。これにより、遊技球が突条部371F,371Rとの衝突を回避するようにして特定領域SEを駆け抜けることが回避されている。
図8(b)に示すように、突条部371の上端部は天井部369に到達している一方で、その下端部と下側開閉体322との間には所定の隙間が形成されている。但し、この隙間については、遊技球の半径寸法よりも小さく設定されており、遊技球が下側開閉体322の上面を転動する場合の遊技球と突条部371との接触(減速機能)が担保されている。
球通路361に流入した遊技球は、特定領域SEにて減速されることにより、上記突条部371が形成されていない場合と比較して通過に要する期間が長くなっている。更に、本実施の形態においては遊技球が蛇行することにより、実質的な通路長が増大しているため、同じ速度で特定領域SEに到達した場合であっても、同じ期間で比較した場合には、上記通路方向における移動距離に違いが生じる。これにより、球通路361(下側大入賞口321)の大型化を回避しつつ、上記期間の確保を実現している。
ここで、本実施の形態における減速の度合い等については以下のように規定されている。すなわち、遊技球が特定領域SEを通過するのに要する期間が、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長くなるように規定されている。これにより、下側大入賞口321への入球が発生し得る条件が整っている状況下であるにも関わらず、発射周期による到達タイミングのずれの影響によってその機会を逃すといった事象が発生することを抑制している。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ151a、上側作動入球部62用の検知センサ151b、下側作動入球部63用の検知センサ151c、スルーゲート66用の検知センサ151d、可変入球ユニット64用の検知センサ315,325が接続されており、これら各種検知センサ151a〜151d,315,325からの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)等が実行される。また、MPU602では、上側作動入球部62(上作動口62a)及び下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板611)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上側大入賞口311又は下側大入賞口321への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口62aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口63aへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側作動入球部63に付随した電動役物71を駆動させる駆動部71b、上側可変入球装置310の上側開閉体312を駆動させる可変入球駆動部313、下側可変入球装置320の下側開閉体322を駆動させる可変入球駆動部323、主表示ユニット81の主表示部Dの保留数表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路等を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては上側大入賞口311及び下側大入賞口321が開閉されるように、MPU602において可変入球装置310,320における可変入球駆動部313,323の駆動制御が実行される。また、下側作動入球部63の電動役物71の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において駆動部71bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける上側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置143、表示制御装置620に送信されることとなる。
報知・演出制御装置143は、MPU612が搭載された報知・演出制御基板611を有してなり、MPU612には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614などが内蔵されている。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置620に転送する。
表示制御装置620はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、当該MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)の表示制御を実行する。
ここで、図10及び図11の概略図を参照し、図柄表示装置75の表示内容について説明する。図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。この場合、上図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
因みに、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
次に、図12の概略図を参照して、上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
(各種カウンタ)
主制御装置162のMPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部Dの表示の設定(発光態様の設定)、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の作動入球部用表示部及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604の保留球格納エリア604bには、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとが設けられている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口62a,63aへの入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ604aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動口62a,63aへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、作動口62a,63aへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個(すなわち計8個)まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア604bには総保留数記憶領域FEが設けられており、当該総保留数記憶領域FEには作動口62a,63aへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、主表示部Dの作動入球部用表示部にて変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62又は下側作動入球部63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図13を用いて説明する。図13に示すように、当否テーブルとしては、図13(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図13(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図13(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」,「207」,「307」,「407」、「507」の6個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「207」・・・「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/100となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、開閉実行モードにおける可変入球装置310,320の開閉制御の態様に差違が設定されている。
(遊技結果の振り分け)
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図14を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、上側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、下側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが共通となっており、振分テーブルの種類による優劣の差が生じない構成となっている。これは、記憶容量の軽減や入賞順による不利益の発生を抑制する上で好ましい構成である。
振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、16R大当たり結果A〜16R大当たり結果Dが設定されている。具体的には、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が16R大当たり結果Aに対応しており、「10〜24」が16R大当たり結果Bに対応しており、「25〜39」が16R大当たり結果Cに対応しており、「40〜49」が16R大当たり結果Dに対応している。
これら各大当たり結果については、可変入球装置310,320が16回に亘って開放される大当たり結果であり、可変入球装置310,320の開放順序が共通となっている。但し、開放対象が下側可変入球装置320に移る際のインターバル期間や下側可変入球装置320の開放期間に差違が設定されている。上述したように、本遊技機においては下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球に基づいて高確率モードへの移行が確定する構成であり、上記インターバル期間や開放期間によって高確率モードへの実質的な移行確率に差が設定されている。詳細については後述するが、16R大当たり結果A < 16R大当たり結果B < 16R大当たり結果C < 16R大当たり結果Dの順に高確率モードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ここで、上記当否抽選及び振分抽選により各種大当たり結果となった場合に、図柄表示装置75の表示画面75aにて停止表示される図柄の組み合わせについて補足説明する。
既に説明したように、表示画面75aにおいては、上・中・下の3つの図柄列が設定されており、上図柄列及び下図柄列は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主図柄の間に配された副図柄とを有してなり、中図柄列は「0」〜「9」の10種類の主図柄とそれら各主図柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、同一の特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図11参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R大当たり結果Dとなった旨が教示される構成となっている。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、同一の非特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図11参照)のうち1のライン上に停止表示されることにより、16R大当たり結果A〜16R大当たり結果Cの何れかとなった旨が教示される構成となっている。つまり、特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、16R大当たり結果Dである旨が明示される一方、非特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には、何れの大当たり結果であるかが非明示となる。
なお、上述した主表示部Dの作動入球部用表示部においては、当否抽選の結果が明示される。当該作動入球部用表示部においては上述した大当たりの種別に関しても区別して表示されるが、各作動入球部用表示部においては同作動入球部用表示部を構成している複数のLEDを個々に点灯/消灯させることにより、また発色パターンを様々に変化させることにより各大当たりに対応する絵柄が多様になっている。これにより、当該作動入球部用表示部を目視で確認したとしても、大当たりの種別を識別することが困難となっている。
再び図12を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)又は下側作動入球部63(下作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納され、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当否抽選に当選となる遊技回)においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物71を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物71を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上側作動入球部用表示部及び下側作動入球部用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
(主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ151a〜151d,315,325)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口62aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納し、下作動口63aへの入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート66を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63(作動口62a,63a)への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
作動入球部用の入賞処理においては先ず、遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリアに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、上側作動入球部62(上作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上側作動入球部62(上作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、上側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアに保留記憶されている上側始動保留記憶数をセットする。続いて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されていない場合、すなわち上側作動入球部62(上作動口62a)ではなく下側作動入球部63への入賞が発生している場合には、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に送信される。
続いて、下側作動入球部63(下作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部63(下作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下側作動入球部用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出して、当該保留エリアに保留記憶されている下側始動保留記憶数をセットした後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上側作動入球部62及び下側作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては先ず、セットした始動保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を1インクリメントするとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を1インクリメントする。
その後、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした上側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
また、下側作動入球部用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下側作動入球部用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下側作動入球部用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続いて、上側作動入球部62又は下側作動入球部63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動入球部用表示部などの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下側作動入球部63に設けられた電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット81(主表示部D)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
ここで、ステップS203の遊技回制御処理を図17及び図18のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図17のフローチャートに示すように、ステップS301にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて上側作動入球部用保留エリア又は下側作動入球部用保留エリアに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず上側作動入球部用保留エリア及び下側作動入球部用保留エリアに記憶された保留情報のうち最も古いものがどちらの保留エリアに格納されているかを判定する。そして、上述した最も古い保留情報が格納されている保留エリアを対象として、以下の処理を実行する。なお、以下の説明においては、先ず上側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明し、その後、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合について説明する。
先ず上側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、当該下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、上側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
一方、下側作動入球部用保留エリアが対象となった場合についても同様に、先ず下側作動入球部用保留エリアの始動保留球数及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、下側作動入球部用保留エリアの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、下側作動入球部用保留エリアの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置620に送信される。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット81(詳しくは主表示部Dの作動入球部用表示部)における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
(変動開始処理)
次に、ステップS305の変動開始処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かによって判定する。高確率モードフラグは、開閉実行モード中に下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球が発生した場合に各種フラグ格納エリア604eに格納され、次回の大当たりが発生した場合又は予め設定された高確率モード中に実行された遊技回が予め設定された回数に達した場合に消去されるフラグである。
高確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握し、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、16R大当たり結果A〜16R大当たり結果Dのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS402にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS406にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS404,S406の各停止結果設定処理では、主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS404では、今回の遊技回の当否判定結果が、16R大当たり結果A〜16R大当たり結果Dの何れであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、ステップS404では、16R大当たり結果Aである場合に16R大当たり結果A対応フラグを格納し、16R大当たり結果Bである場合に16R大当たり結果B対応フラグを格納し、16R大当たり結果Cである場合に16R大当たり結果C対応フラグを格納し、16R大当たり結果Dである場合に16R大当たり結果D対応フラグを格納する。
ステップS404の処理を実行した後はステップS405に進み、インターバル期間設定用処理を実行する。ここで、図19のフローチャートを参照してインターバル期間設定用処理について説明する。
(インターバル期間設定用処理)
インターバル期間設定用処理においては先ずステップS501にてサポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。ステップS501にて否定判定をした場合、すなわちサポートモードが低頻度サポートモードである場合には、ステップS502に進む。ステップS502では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている大当たり結果対応フラグを参照して、今回の大当たり結果が16R大当たり結果Aであるか否かを判定する。
ステップS502にて肯定判定をした場合には、ステップS503にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに第1種インターバル期間用フラグをセットして、本設定用処理を終了する。後述する大入賞口開閉処理においては、この第1種インターバル期間用フラグが格納されている場合には、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320へ移る際のラウンド間のインターバル期間を低頻度サポートモード下における16R大当たり結果Aに対応するものとなるように設定する。これにより、当該インターバル期間が「1sec」となる(図14参照)。
ステップS502にて否定判定をした場合にはステップS504に進む。ステップS504では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている大当たり結果対応フラグを参照して、今回の大当たり結果が16R大当たり結果B,Cであるか否かを判定する。
ステップS504にて肯定判定をした場合には、ステップS505にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに第2種インターバル期間用フラグをセットして、本設定用処理を終了する。後述する大入賞口開閉処理においては、この第2種インターバル期間用フラグが格納されている場合には、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320へ移る際のラウンド間のインターバル期間を低頻度サポートモード下における16R大当たり結果B,Cに対応するものとなるように設定する。これにより、当該インターバル期間が「2sec」となる(図14参照)。
ステップS504にて否定判定をした場合、又はステップS501にて肯定判定をした場合(高頻度サポートモード中の大当たり結果である場合)には、ステップS506に進む。ステップS506にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに第3種インターバル期間用フラグをセットした後、本設定用処理を終了する。後述する大入賞口開閉処理においては、この第3種インターバル期間用フラグが格納されている場合には、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320へ移る際のラウンド間のインターバル期間を低頻度サポートモード下における16R大当たり結果D又は高頻度サポートモード下における16R大当たり結果A〜16R大当たり結果Dの何れかに対応するものとなるように設定する。これにより、当該インターバル期間が「4sec」となる(図14参照)。
図18の変動開始処理の説明に戻り、ステップS405又はステップS406の処理を実行した後は、ステップS407にて、変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、先ず上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに16R大当たり結果A対応フラグ〜16R大当たり結果D対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、今回の遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生とする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
その後、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続いてその変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行され得る構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
リーチ表示を行わないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、始動保留球数Nの数に依存しない構成としてもよく、始動保留球数Nの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図18)の説明に戻り、ステップS407にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS408にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R大当たり結果Aの情報〜16R大当たり結果Dの情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS407にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回におけるランプ部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるようにランプ部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいてその遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま変動表示パターンを特定するための情報を付加して表示制御装置620に送信する。その後、ステップS408にて主表示部Dの作動入球部用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、主表示部Dの作動入球部用表示部が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述した変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部Dの作動入球部用表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS305〜ステップS307のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示部Dの作動入球部用表示部にて停止表示されるように当該作動入球部用表示部を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図20のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS601にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS602に進み、1の遊技回の上側作動入球部用表示部又は下側作動入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS603に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、16R大当たり結果A対応フラグ〜16R大当たり結果D対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS604にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入球装置310,320の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入球装置310,320の開閉動作が許容されることとなる。また、この開始処理によって下側検知センサ325による遊技球の検知が有効化されることとなる。つまり、開閉実行モード中でない場合に何らかの事情によって下側可変入球装置320への入球が発生した場合には、当該入球に基づく高確率モードへの移行は回避される。
ステップS605ではRAM604の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「16」をセットする。ステップS605の処理を実行した後は、ステップS606に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。ステップS510の処理を実行した後はステップS607にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS608に進む。ステップS608では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS609にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS701にて上側大入賞口311及び下側大入賞口321の何れかが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球装置310,320における可変入球駆動部313,323の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。上側大入賞口311及び下側大入賞口321が開放中でない場合には、ステップS702にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS702にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では、開放対象を下側可変入球装置320とする特別ラウンド(本実施の形態においては第7ラウンド)となったか否かを判定する。具体的には、開放数カウンタOCが「10」であるか否かを判定する。なお、以下の説明においては開放対象が上側可変入球装置310となるラウンドを「特別ラウンド」と区別すべく「通常ラウンド」とも称する。
ステップS703にて否定判定をした場合にはステップS704に進む。ステップS704では第1開放タイマカウンタTC1が「0」であるか否かを判定する。第1開放タイマカウンタTC1は、可変入球装置310,320の開放期間又はラウンド間のインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図15)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS704にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS704にて肯定判定をした場合にはステップS705に進み、上側可変入球装置310(上側大入賞口311)の開放処理を実行する。具体的には、上側大入賞口311を開放すべく可変入球駆動部313を駆動状態とする。その後、上側可変入球装置310(上側大入賞口311)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)としてステップS706及びステップS712の処理を実行する。具体的には、ステップS706では、第1開放タイマカウンタTC1に「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS712にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
一方、ステップS703にて肯定判定をした場合(上記特定ラウンドであると判定した場合)には、ステップS707に進む。ステップS707では第1開放タイマカウンタTC1が「0」であるか否かを判定する。ステップS707にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。ステップS707にて肯定判定をした場合には、ステップS708に進む。
ステップS708では下側可変入球装置320(下側大入賞口321)の開放処理を実行する。具体的には、下側大入賞口321を開放すべく可変入球駆動部323を駆動状態とする。その後、下側可変入球装置320(下側大入賞口321)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)としてステップS709〜ステップS712の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS709にて今回の開閉実行モードが16R大当たり結果A,Bに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに16R大当たり結果A対応フラグ又は16R大当たり結果B対応フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS709にて肯定判定をした場合にはステップS710に進み、第1開放タイマカウンタTC1に「500」(1secに相当)をセットし、続くステップS712にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。これに対して、16R大当たり結果A対応フラグ及び16R大当たり結果B対応フラグの何れも格納されていない場合、すなわち16R大当たり結果C対応フラグ又は16R大当たり結果D対応フラグが格納されている場合にはステップS711に進み、第1開放タイマカウンタTC1に「1000」(2secに相当)をセットし、続くステップS712にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
このように、上記特別ラウンド以外の通常ラウンドにおいては何れの大当たり結果であっても開放期間が統一されているのに対して、特別ラウンドにおいては大当たり結果の種別に応じて開放期間が相違する構成となっている。なお、何れの開放期間についても遊技球の発射周期よりも長くなっているため、この発射周期の影響によって入球が回避されることが抑制されている。
ステップS712の処理を実行した後は、ステップS713にて可変入球装置310,320が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。なお、詳細については後述するが、出力される開放コマンドには、開放対象が下側可変入球装置320となる特別ラウンドと、開放対象が上側可変入球装置310となる通常ラウンドとの何れであるかを示す情報を含んでいる。報知・演出制御装置143等では、この開放コマンドに基づいて、今回実行されるラウンドが通常ラウンド及び特別ラウンドの何れに該当するかを把握することが可能となっており、ラウンドの種類に応じた表示演出等が実行されることとなる。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて大入賞口311,321が開放中であると判定した場合にはステップS714に進み、第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合にはステップS715に進み、大入賞口311,321に遊技球が入賞したか否かを可変入球装置310,320に付随する側検知センサ315,325からの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS716にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって例えば図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS716にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS717に進む。ステップS717では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS718にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS718にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS714にて肯定判定をした場合(すなわち第1開放タイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS719にて開放対象となっている大入賞口311,321を閉鎖すべく可変入球駆動部313,323を非駆動状態とする。
続くステップS720では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
ステップS720の更新処理を実行した後はステップS721に進む。ステップS721では、開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS721にて否定判定をした場合には、ステップS722にてインターバル期間設定処理を実行し、その後、ステップS723にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、ステップS721にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS724に進む。ステップS724では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS631にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS609にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS610にて高確率モードへの移行用処理を実行する。
図22(a)のフローチャートに示すように、高確率モードへの移行用処理においては先ず、ステップS801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS801にて肯定判定をした場合には、ステップS802に進む。ステップS802では下側検知センサ325からの検知情報に基づいて特別入球部324への入賞が発生したか否かを判定する。
開閉実行モード中に特別入球部324への入賞が発生した場合には、ステップS803にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確モード移行用フラグをセットする。これにより、開閉実行モード終了後は抽選モードが高確率モードに移行することとなる。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS610の処理を実行した後は、ステップS611に進む。ステップS611では開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS611にて肯定判定をした場合には、ステップS612にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS613にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。ここで、図22(b)のフローチャートを参照して開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS901にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モード移行用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに切り替わることとなる。
ステップS902の処理を実行した後、又はステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS903に進む。ステップS903ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに切り替わることとなる。
ステップS903の処理を実行した後はステップS904に進む。ステップS904では、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。遊技回数カウンタGCは遊技回を消化することに1ずつ減算され、この遊技回数カウンタGCが「0」になることで上記高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグが消去されることとなる。つまり、高確率モード及び高頻度サポートモードの最大継続回数は「100」回となるように規定されている。
本実施の形態においては、大当たり結果の種別及び大当たり結果となった際の遊技状態(具体的にはサポートモード)に応じて上述したインターバル期間が変化する構成となっている。具体的には、特別ラウンド以外のラウンドに対応する基準インターバル期間(2secに相当:本実施の形態おいては上記所要期間よりも短い期間)に対して特別ラウンドではこの基準インターバル期間よりも短くなるように短縮する処理又は基準インターバル期間よりも長くなるように延長する処理が実行される。これにより、特別ラウンドにおける下側可変入球装置320への入球確率を変化させる構成となっている。ここで、図23のフローチャートを参照し、上記大入賞口開閉処理を構成するインターバル期間設定処理(ステップS722)について説明する。
(インターバル期間設定処理)
インターバル期間設定処理においては先ず、次に開始されるラウンドが特別ラウンド(第7ラウンド)であるか否かを判定する。具体的には、ステップS1001にて開放数カウンタOCが「10」であるか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合、すなわち通常ラウンドである場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002では第1開放タイマカウンタTC1に「1000」(基準インターバル期間:2secに相当)をセットする。
ステップS1001にて肯定判定をした場合にはステップS1003に進む。ステップS1003ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに第1種インターバル期間用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Aとなった場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では第1開放タイマカウンタTC1に「500」(基準インターバル期間よりも短い期間:1secに相当)をセットする。
ステップS1003にて否定判定をした場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに第3種インターバル期間用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1005にて肯定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Dとなった場合又は高頻度サポートモード中に16R大当たり結果A〜Dとなった場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006では第1開放タイマカウンタTC1に「2000」(基準インターバル期間よりも長い期間:4secに相当)をセットする。
ステップS1005にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード中に16R大当たり結果B,Cとなった場合には、ステップS1007に進む。ステップS1006では第1開放タイマカウンタTC1に「1000」(基準インターバル期間:2secに相当)をセットする。
上述したように、本実施の形態にて上側可変入球装置310と下側可変入球装置320とを繋ぐ連絡通路351については、遊技球の通過に要する所要期間が凡そ「3sec」となるように規定されている。このため、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320に移る際のインターバル期間を様々に設定することにより、実質的に下側可変入球装置320への入球が発生し得るか否かを調整することが可能となっている。ここで、図24を参照して各大当たり結果毎の開閉実行モードの流れについて説明する。図24は、インターバル期間と入球の可否との関係を示した概略図である。
(開閉実行モードにおける遊技の流れ)
上述したように、上側可変入球装置310が開放されている状況下にて右ルートへ発射された遊技球については上側可変入球装置310に流入し、連絡通路351への流入が回避されることとなる。遊技球の発射周期は0.6sec且つ閉鎖条件となる入球数は10個であるため、右ルートへの遊技球の発射が継続的に行われている場合には、6sec程度で入球上限に達し、時間に係る閉鎖条件(30sec)が成立する前に入球数に係る閉鎖条件が成立することとなる。つまり、上側可変入球装置310に係るラウンド遊技には凡そ6secが必要であり、この期間については連絡通路351の通過に要する所要期間より長くなっている。これにより、先のインターバル期間中に上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351へ流入した遊技球については上側可変入球装置310が閉鎖される前に連絡通路351から流出することとなる。因みに、開閉実行モードにおいては、上記特別ラウンド(第7ラウンド)よりも前の第6ラウンドまでの遊技進行及び第8ラウンド以降の遊技の流れについては共通となっている。
低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Aとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「1sec」となる。このインターバル期間については上記所要期間よりも短く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも前のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
但し、16R大当たり結果Aについては下側可変入球装置320の開放期間が「1sec」となる。このため、連絡通路351へ流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも前に下側可変入球装置320が閉鎖されることとなり、下側可変入球装置320への入球確率は実質的に0%となる。
低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Bとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「1sec」となる。このインターバル期間については上記所要期間よりも短く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも前のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
16R大当たり結果Bでは下側可変入球装置320の開放期間が「1sec」となる。このため、連絡通路351へ流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するタイミングにて下側可変入球装置320が閉鎖されることとなる。この際、実質的には遊技球の到達タイミングよりも下側可変入球装置320の閉鎖タイミングが僅かに前となることにより、下側可変入球装置320への入球が回避されるものの、遊技球の流下態様によっては下側可変入球装置320への入球の可能性が残る。つまり、16R大当たり結果Bについては、下側可変入球装置320への入球確率は16R大当たり結果Aと同様にほぼ0%ではあるものの、僅かながら入球発生の余地がある点で相違している。
低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Cとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「2sec」となる。このインターバル期間については上記所要期間よりも短く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも前のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
設定されるインターバル期間については16R大当たり結果Bの場合と同様である。このため、遊技者が可変入球装置310,320の動き(下側可変入球装置320が開放されたタイミング)から、今回の開閉実行モードが16R大当たり結果B及び16R大当たり結果Cの何れの大当たり結果に対応しているかを判別することは困難となっている。
16R大当たり結果Cでは下側可変入球装置320の開放期間が「2sec」となる。このため、連絡通路351へ流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するタイミングにて下側可変入球装置320が開放されたまま維持されることとなる。連絡通路351の通過に要する所要期間(3sec)と比較して、インターバル期間と開放期間との和の方が長くなる。更には、インターバル期間及び発射周期の和と比較した場合にも、後者の方が長くなる。このような事情により、ほぼ100%の確率で下側可変入球装置320への入球が発生することとなる。因みに、上記所要期間については既に説明したように0.5sec程度のばらつきが生じ得る。発射周期によるずれ(0.6sec)と上記ばらつき(0.5sec)とが合わさった場合には、上側可変入球装置310 → 連絡通路351を経由した遊技球が下側可変入球装置320に到達する直前に下側可変入球装置320が閉じることとなる。このため、16R大当たり結果Cの場合には、下側可変入球装置320への入球確率は凡そ100%ではあるものの、入球が回避される余地が残る。
本実施の形態においては、開閉実行モード中に高確率モードへの移行の有無を示す表示演出が実行される。ここで、図25のタイミングチャートを参照し、低頻度サポートモード下にて16R大当たり結果Bとなった場合及び16R大当たり結果Cとなった場合に図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される表示演出について補足説明する。
t1のタイミングにて第6ラウンドが終了すると、第6ラウンドの終了を契機として表示画面75aに特別ラウンド(第7ラウンド)に対応する動画の表示が開始される。具体的には、女の子を模した画像が表示され、第7ラウンドの開始とともにキャラクタ画像にエフェクトが付与される。つまり、大当たり結果の種別に関係なく、t1のタイミングから下側可変入球装置320が開放されるt2のタイミングまでは同様の動画が表示されることとなる。この表示を実行するための画像データについては共通化が図られている。なお、遊技進行に伴って女の子を模した画像が変身を試み、特別入球部324への入球に基づいて高確率モードへの移行が確定した場合には変身に成功した画像が表示されることでその旨が教示され、特別入球部324への入球が発生せず高確率モードへ移行しない場合には変身に失敗した画像が表示されることでその旨が教示される。
下側可変入球装置320への入球がほぼ回避される16R大当たり結果Bの場合には、t3のタイミングで下側可変入球装置320が閉鎖され(阻止状態となり)、下側可変入球装置320への入球がほぼ発生する16R大当たり結果Cの場合には、t3の後のt4のタイミングにて下側可変入球装置320が閉鎖される(阻止状態となる)。下側大入賞口321と特別入球部324とは直結しており、下側大入賞口321に流入した遊技球は即座に特別入球部324に到達する構成となっている。そこで、t4のタイミングの直後の規定のタイミングまでに下側可変入球装置320への入球が発生すると表示画面75aには変身に成功した女の子の画像が表示され、当該規定のタイミングまでに下側可変入球装置320への入球が発生しなかった場合には変身に失敗した女の子の画像が表示されることとなる。
ここで、既に説明したように、16R大当たり結果Cについてはほとんどの場合には、下側可変入球装置320への入球が発生する。そこで、16R大当たり結果Cの場合には、それに対応する動画として上記変身成功用の動画が表示される。仮に、下側可変入球装置320への入球が発生しなかった場合には、t5のタイミング(第11ラウンドの開始タイミング)にて変身が最終的に失敗したことを示す動画が表示されることとなる。
これに対して、16R大当たり結果Bについてはほとんどの場合には、下側可変入球装置320への入球は発生しない。そこで、16R大当たり結果Bの場合には、それに対応する動画として上記変身失敗用の動画が表示される。仮に、下側可変入球装置320への入球が発生した場合には、t5のタイミング(第11ラウンドの開始タイミング)にて変身が最終的に成功したことを示す動画が表示されることとなる。
つまり、第7ラウンドの終了タイミングから第8ラウンドの開始タイミングまでは、高確率モードへの移行の可否を示唆する示唆演出が実行され、第8ラウンドの開始タイミングにて高確率モードへの移行が確定したか否かを示す確定演出が実行される構成となっている。このような一連の動画によって下側可変入球装置320への入球(高確率モードへの移行)の有無が遊技者に対して明示されることとなる。
上述したように、おおよその結果が決まっている大当たり結果の種別と動画との対応付けを行い、イレギュラーが発生した場合にそれに対応する動画を表示する構成とすることにより、都度の表示制御に係る負荷の軽減を図っている。
再び図24に戻り、低頻度サポートモード中に16R大当たり結果Dとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「4sec」となる。このインターバル期間については上記所要期間よりも長く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも後のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
また、16R大当たり結果Dでは下側可変入球装置320の開放期間が「2sec」となる。このような事情から、上述した発射周期によるずれ(0.6sec)や上記ばらつき(0.5sec)を加味した場合であっても、遊技球の発射操作を続けてさえいれば、下側可変入球装置320への入球確率は100%となる。つまり、16R大当たり結果Dは下側可変入球装置320への入球が担保される大当たり結果である。そして、開放期間全体にて遊技球が到達し得るため、16R大当たり結果Cと比べて多くの出球が期待でき、低頻度サポートモード下における各種大当たり結果の中では遊技者にとって最も有利な大当たり結果となっている。
次に、高頻度サポートモード中に大当たり結果となった場合について説明する。開閉実行モードにおいては、上記特別ラウンド(第7ラウンド)よりも前の第6ラウンドまでの遊技進行及び第8ラウンド以降の遊技の流れについては、大当たり結果となった際の遊技状態に関係なく共通となっているため、説明を援用する。
高頻度サポートモード中に16R大当たり結果A又は16R大当たり結果Bとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「4sec」に延長(遅延)されることとなる。このインターバル期間については上記所要期間よりも長く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも後のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
また、16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bでは下側可変入球装置320の開放期間が「1sec」となるが、上述したように下側可変入球装置320については上述した発射周期のずれを許容する構成となっているため、遊技球の発射操作を続けてさえいれば下側可変入球装置320への入球確率は100%となる。つまり、16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bは下側可変入球装置320への入球が担保される大当たり結果である。
高確率モードへの移行に期待できるだけでなく上述したように低頻度サポートモード下での大当たり結果と比較して、実質的な出球が期待できる点でも遊技者にとって有利となる。
高頻度サポートモード中に16R大当たり結果C又は16R大当たり結果Dとなった場合には、第6ラウンド終了〜第7ラウンド開始までのインターバル期間が「4sec」となる。このインターバル期間については上記所要期間よりも長く設定されているため、上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するよりも後のタイミングにて当該下側可変入球装置320が開放されることとなる。
また、16R大当たり結果C及び16R大当たり結果Dでは下側可変入球装置320の開放期間が「2sec」となり、16R大当たり結果A及び16R大当たり結果Bと比較してより多くの出球が期待できる。つまり、高頻度サポートモード下にて大当たり結果となった場合にはその種別に関係なく高確率モードへの移行が期待できるものの、出球については16R大当たり結果C及び16R大当たり結果Dの方が多くなるように差違が担保されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
作動入球部62,63(「始動入球部」に相当)への入球に基づく当否抽選により大当たり結果となった場合には、大当たり結果の種別及び大当たり結果となった際の遊技状態に応じて開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)におけるラウンド間のインターバル期間の長さが変化する。インターバル期間の長さに応じて下側可変入球装置320への入球確率が変化し、下側可変入球装置320(詳しくは「有利入球部」としての特別入球部324)への入球に基づいて高確率モードへの移行確率/継続確率が変化する構成であるため、構成の複雑化を抑制しつつ遊技進行に差違を生じさせることができる。このようにして遊技の流れを多様化なものとすることにより、遊技の単調化を抑えて遊技者の遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能となる。
特に、開放対象となる複数の可変入球装置310,320を所定の順序で変化させることにより、1の可変入球装置のみを適用する場合と比較して、遊技の単調化を一層好適に抑制することができる。このような構成においては、開放対象の変化と開放タイミングの変化との2つの変化によって上記単調化の抑制効果を一層好適に発揮させることができる。
開放対象が上流側の上側可変入球装置310から下流側の下側可変入球装置320に移る場合には、上側可変入球装置310を素通りした遊技球が下側可変入球装置320へと向かう。このため、上側可変入球装置310が阻止状態となって当該上側可変入球装置310を素通りした遊技球が下側可変入球装置320によって拾われる(救済される)か否かはインターバル期間に依存することとなる。このように、入球の可否に対するインターバル期間の長さの寄与度合いを高めることで、インターバル期間を可変としたことによる上記効果を好適に発揮させることができる。
開放対象を下側可変入球装置320に移す際には、当該下側可変入球装置320への入球の有無がインターバル期間に左右されることとなる。上述したように、大当たり結果の種別及び当該大当たり結果となった際の通常遊技状態の種類に応じてインターバル期間の長さが変化する構成とすることにより、下側可変入球装置320への入球の発生確率(すなわち高確率モードへの移行確率又は継続確率)を様々に変化させることができる。
上側可変入球装置310と下側可変入球装置320とを比較した場合には、前者が持ち球の増加を主たる目的として開放されるものであるのに対して、後者は高確率モードへの移行の可否を決定することを主たる目的として開放されるものである。つまり、前者と比較して後者の方がその後の遊技を有利に進めることができるか否かという観点では遊技者にとって重要度が高い「入球部」である。
ここで、仮に両可変入球装置の位置関係が逆になっている場合には、上側の可変入球装置を素通りした遊技球については救済の余地がなくなり、インターバル期間が長くなったとしてもそれによる効果が上手く発揮されなくなると想定される。この場合に、インターバル期間を短くすることで無駄球の発生を抑えることができるものの、可変入球装置の動きが急になることで、両可変入球装置間を通過している遊技球が救済されるか否かへ遊技者の注目を向けさせることが難しくなる。以上の理由から、上述した可変入球装置の位置関係及び開閉順序にはインターバル期間の多様性を生かす上で技術的意義がある。
また、上側可変入球装置310が許容状態となっている場合には、当該上側可変入球装置310によって下側可変入球装置320へ向けた遊技球の流下が回避される構成となっている。これにより、遊技球が誤って連絡通路351に流入して、設計から外れた態様にて遊技が進行してしまうこと、例えば下側可変入球装置320への入球が回避されるべき状況にて当該下側可変入球装置320への入球が発生することを回避して、遊技ホールが不測の不利益を被ることを抑制している。
開閉対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320に移る際には、上側可変入球装置310が少なくとも連絡通路351を遊技球が通過する期間よりも長い期間に亘って許容状態に維持されることとなる。これにより、一旦連絡通路351を空にしてから下側可変入球装置320を開放させることが可能となる。故に、上述したインターバル期間と連絡通路351の通過に要する所要期間との関係によって高確率モードへの移行確率を規定する機能が損なわれることを抑制し、遊技者に対しては一見するとある程度のランダムさが存在しているかのように見せつつ、遊技機の動作に係る確からしさを好適に担保することが可能となっている。
大当たり結果の種別及びその際の遊技状態に応じて設定されるインターバル期間の長さは、何れも上側可変入球装置310が許容状態に維持される期間よりも短くなるように構成されている。上述したようにインターバル期間の多様化を図ることは遊技の単調化を抑制する上で好ましい構成である。しかしながら、開閉実行モードでは可変入球装置への「入球」を期待して遊技が行われる点に配慮した場合、インターバル期間が支配的となることで遊技者に遊技進行が無駄に遅延されているかのような印象を与える可能性が高まる。これは、遊技意欲の減退を招く要因となるため好ましくない。そこで、インターバル期間の長さを何れも上側可変入球装置310(下側可変入球装置320が開放される前に開放される対象、又は開閉実行モードにて主として開放される対象)が許容状態に維持される期間よりも短くしておくことにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
MPU602にて設定される可変インターバル期間の調整幅は、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320に移る前に上側可変入球装置310が許容状態に維持される期間よりも短くなるように構成されている。上述したようにインターバル期間の多様化を図ることは遊技の単調化を抑制する上で好ましい構成である。しかしながら、開閉実行モードでは可変入球装置への「入球」を期待して遊技が行われる点に配慮した場合、インターバル期間が支配的となることで遊技者に遊技進行が無駄に遅延されているかのような印象を与える可能性が高まる。これは、遊技意欲の減退を招く要因となるため好ましくない。そこで、インターバル期間の調整幅(可変量)をその前に開放対象となる上側可変入球装置310が許容状態となっている期間よりも短くすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
インターバル期間として連絡通路351の通過に要する所要期間よりも短い第1期間(1sec)が選択された場合には、上側可変入球装置310を通過した遊技球が下側可変入球装置320に到達するであろうタイミングよりも前に当該下側可変入球装置320が阻止状態→許容状態→阻止状態となる。これに対して、インターバル期間として所定の期間よりも長い第2期間(4sec)が選択された場合には、上側可変入球装置310を通過した遊技球が下側可変入球装置320へ到達するであろうタイミングよりも後に当該下側可変入球装置320が阻止状態→許容状態→阻止状態となる。このような事情から、第1期間が設定された場合には下側可変入球装置320への入球の可能性は実質的に0%となるのに対して、第2期間が設定された場合には下側可変入球装置320への入球の可能性は実質的に100%となる。このような明確な差違が設定された2つの態様に対して、その間となる態様が設けられている。これにより、高確率モードへの移行確率の多段階化を実現している。更には、この中間となる態様としては、入球の可能性が0%に近いが0%ではないものと、100%に近いが100%ではないものとが存在することにより、上記多段階化を促進している。
低頻度サポートモード下にて例えば16R大当たり結果Bとなった場合には、下側可変入球装置320が早期に阻止状態から許容状態に切り替ることとなる。ここで、下側可変入球装置320が早々に阻止状態に切り替わってしまうことで、下側可変入球装置320への入球発生への期待感が低下すると懸念される。つまり、下側可変入球装置320が早く許容状態になることが高確率モードへの移行を否定する根拠になってしまっては、それが遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。そこで、本実施の形態に示したように、遊技球が下側可変入球装置320に到達する前に当該下側可変入球装置320が許容状態になった場合であっても、遊技球が到達する前に阻止状態に復帰する態様(低頻度サポートモード下での16R大当たり結果B)と、到達した後に阻止状態に復帰する態様(低頻度サポートモード下での16R大当たり結果C)とを設けることにより、上述したような遊技者の期待感の低下を好適に抑制できる。
下側可変入球装置320への入球に基づいて高確率モードへ移行する構成においては、上側可変入球装置310の役割と下側可変入球装置320の役割とに違いが生じる。上側可変入球装置310についてはどれだけ多くの入球が発生するかに遊技者の注目が向く一方、下側可変入球装置320については入球発生の有無に遊技者の注目が向くこととなる。ここで、下側可変入球装置320が許容状態となる受入期間がインターバル期間よりも長くなってしまっては、遊技者の注目が専ら下側可変入球装置320の受入期間に向き、インターバル期間を可変させることにより入球発生の可否を決定することで遊技への注目度を向上させるという効果が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本実施の形態に示すように、下側可変入球装置320を許容状態とする期間が可変設定されるインターバル期間と同じ又はそれよりも短い期間となるように構成すれば、インターバル期間を可変させることの意義が希薄になることを抑制し、上記効果を好適に発揮させることが可能となる。
そもそも、インターバル期間を定常化することには特別遊技状態における遊技進行をリズムよく進めることができるという技術的意義がある。そこで、上述したように開放対象を上側可変入球装置310→下側可変入球装置320へ切り替える際のインターバル期間を可変式とする一方で、開放対象が上側可変入球装置310→上側可変入球装置に固定されている際のインターバル期間を固定式とすることにより、実用上好ましい構成が実現できる。
上側可変入球装置310と下側可変入球装置320との間に設けられた連絡通路351については、遊技球が通過するのに要する所要期間が所定の期間となるように構成されている。このように、通過に要する期間を定常化した上で、上側可変入球装置310と下側可変入球装置320との切替態様に上記所要期間に対応した関連性を付与することにより、開閉実行モード中の遊技の多様化を図り、当該開閉実行モードにおける遊技への注目度向上に貢献することができる。
低頻度サポートモード下にて16R大当たり結果A〜Cとなった場合には、上側可変入球装置310が阻止状態となって上記連絡通路351への遊技球の流入が許容された後に当該上側可変入球装置310を素通りした遊技球が下側可変入球装置320に到達する前に当該下側可変入球装置320が許容状態に切り替わる。このように、遊技球の到達前に下流側可変入球部を受入状態に切り替えておくことにより、下流側可変入球部へ向けて移動する遊技球が当該下流側可変入球部に入球するかのように見せることができる。
上述したように、開閉実行モードにおける下側可変入球装置320の切替態様を有利度の違いに応じて明確に差別化することは、遊技機の仕様等から外れた遊技進行を抑制して、遊技機の動作に係る確からしさを担保する上では有利である。しかしながら、単にこのような構成を適用した場合には、所要期間が経過する前に下側可変入球装置320が許容状態に切り替わることが、当該下側可変入球装置320への入球の可能性を否定する要因となり得る。特に、ある程度の経験を積むことで、早く許容状態となることが否定的にみられる可能性が否めない。これは、遊技者の注目度を早々に低下させる要因となるため好ましくない。
そこで、本実施の形態に示すように、所要期間の経過前に下側可変入球装置320を許容状態に切り替える態様が選択された場合にて、下側可変入球装置320が許容状態に切り替えるタイミングを当該下側可変入球装置320への入球を促す場合と促さない場合との2つの態様で揃える構成とすることにより、早いタイミングで下側可変入球装置320が許容状態に切り替えられたとしても、当該下側可変入球装置320への入球が発生する可能性を残すことができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
低頻度サポートモード下にて16R大当たり結果B,Cとなった場合には、当該結果に対応する開閉実行モードにおいて、上側可変入球装置310が阻止状態に復帰してからの上記所要期間の経過タイミングを跨ぐようにして又は一部が重なるようにして下側可変入球装置320が許容状態となったまま維持される。連絡通路351によって規定された所要期間については都度の遊技球の動きによって若干のばらつきを含む可能性を否定できない。そこで、このようなばらつきを利用することで入球発生の有無が画一的になることを回避して、結果を多様化することができる。
遊技者の発射操作に応じて周期的に遊技球が発射されるタイプの遊技機においては、下側可変入球装置320への到達タイミングがその周期分前後し得る。連絡通路351の通路構造によって通過期間を定常化しようとした場合であっても、このようなばらつきを解消することは困難である。確かに、球送り部材等の可動体によって上記ばらつきを解消することは可能であるが、それでは下側可変入球装置320への入球の有無が予め遊技機によって決定されているとの印象が強くなり、遊技球の動きに対する遊技者の注目度を高める効果が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本実施の形態に示すように、上記周期分のばらつきについては連絡通路351ではなく下側可変入球装置320付近(球通路361)にて吸収する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、以下の説明においては、実質的に下側可変入球装置への入球が回避される大当たり結果(低頻度サポートモード中の16R大当たり結果A及び16R大当たり結果B)に対応した開閉実行モードを高確率モードへの移行に対応の開閉実行モード、実質的に下側可変入球装置への入球が発生する(許容される)大当たり結果(低頻度サポートモード中の16R大当たり結果C及び16R大当たり結果D、高頻度サポートモード中の16R大当たり結果A〜16R大当たり結果D)に対応した開閉実行モードを高確率モードへの移行に非対応の開閉実行モードとして区別する。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態に示した遊技機においては、高確率モードへ移行するか否かが開閉実行モード中の2つの可変入球装置310,320の動作態様に依存している。このような構成においては、連絡通路351を通過する遊技球の挙動が何らかの事情によって乱れてしまった場合に、本来であれば高確率モードへ移行すべき状況にて高確率モードへ移行しなかったり、本来であれば高確率モードへ移行すべきではない状況にて高確率モードへ移行したりする可能性を否定できない。このように高確率モードへの移行確率が本来の設定値から外れるような事象が発生することは、遊技者や遊技ホールが不利益を被る要因となり、ひいては遊技機に対する信頼性を損なう要因になると懸念される。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図26を参照して上記工夫に係る構成について説明する。図26は第2の実施の形態における遊技盤60X(詳しくは右ルートに係る構成)を示す正面図である。
上側可変入球装置310Xと下側可変入球装置320Xとを繋ぐ連絡通路351については、左右に蛇行するように形成された蛇行部分を有してなり、当該連絡通路351を流下する遊技球の勢いが過度に大きくなることを抑制しつつ、流下速度のばらつきが抑制されている。連絡通路351にて蛇行部分(減勢部分)よりも上流側となる部分、より詳しくは連絡通路351の入口部分352寄りとなる部分には、遊技球を検知する上流側検知センサ355Xが配設されている。また、連絡通路351にて蛇行部分よりも下流側となる部分、より詳しくは連絡通路351の出口部分353寄りとなる部分には遊技球を検知する下流側検知センサ356Xが配設されている。
上流側検知センサ355X及び下流側検知センサ356Xは主制御装置162に接続されており、上流側検知センサ355Xによる検知位置(上流側検知位置DE1)を遊技球が通過した場合には上流側検知センサ355Xから遊技球の検知情報(検知信号)が主制御装置162に出力され、下流側検知センサ356Xによる検知位置(下流側検知位置DE2)を遊技球が通過した場合には下流側検知センサ356Xから遊技球の検知情報(検知信号)が主制御装置162に出力される。
主制御装置162においては、これら検知センサ355X,356Xからの検知信号に基づいて連絡通路351への遊技球の流入及び連絡通路351からの遊技球の流出の順序や、遊技球が連絡通路351を通過する際に要した所要期間を実測(把握)する構成となっている。主制御装置162では、これら把握した情報に基づいて連絡通路351を通過する遊技球の動きを監視している。ここで、図27のフローチャートを参照して主制御装置162のMPU602により定期処理(上記通常処理)の一環として実行される監視用制御処理について説明する。
監視用制御処理においては先ず、ステップS1101にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1101にて否定判定をした場合にはそのまま本監視用制御処理を終了する。ステップS1101にて肯定判定をした場合にはステップS1102に進む。ステップS1102では、監視を開始するタイミング、具体的には抽選ラウンドである第7ラウンドの前の第6ラウンド開始から規定期間が経過したタイミングであるか否かを判定する。
この規定期間については、連絡通路351の通過に要する所要期間(本実施の形態においては3sec)に製造誤差等の個体差による遅れを加味した期間(本実施の形態においては3.2sec)となるように設定されている。既に説明したように、遊技球の発射操作が行われている場合には0.6sec周期にて遊技球が発射される構成となっており、上側可変入球装置310Xについては10個の遊技球の入球によって閉状態に切り替わる構成となっている。つまり、上記規定期間が経過したタイミングでは上側可変入球装置310Xの閉鎖条件(30secの経過又は10個の入球)が未だ不成立となっており、当該閉鎖条件の成立前に監視の開始条件が成立することとなる。
ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに初球監視フラグをセットする。初球監視フラグは監視開始前に遊技球が連絡通路351に流入しているか否かを確認する契機となるフラグである。既に説明したように、当該監視については上側可変入球装置310Xが開状態となってから、すなわち連絡通路351への遊技球の流入が不可となってから上記規定期間が経過したことに基づいて開始される。この時点では、事前に連絡通路351に流入していた遊技球については当該連絡通路351から排出されているはずであり、球詰まり等の要因によって遊技球の流れに滞りが発生していない場合には、初球が下流側検知センサ356Xによって検知されることはない。言い換えれば、このような条件にて監視を行うため、初球が下流側検知センサ356Xによって検知された場合には、球詰まり等の要因によって遊技球の流れが滞っている可能性があることを遊技機側で把握することができる。
ステップS1103の処理を実行した後は、ステップS1104に進む。ステップS1104にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに期間監視フラグをセットした後に、本監視用制御処理を終了する。期間監視フラグは連絡通路351における遊技球の通過期間の監視を開始する契機となるフラグである。上述した期間を常時監視する構成とした場合には、それに起因した処理負荷が大きくなる。監視を行う期間を上述の如く限定することには、信頼性の向上に起因した処理負荷の増加の影響を緩和できるという技術的意義がある。
ステップS1102の説明に戻り、当該ステップS1102にて否定判定をした場合にはステップS1105に進む。ステップS1105では抽選ラウンド(第7ラウンド)が終了して第8ラウンドへ移行するタイミングであるか否か、より具体的には、高確率モードへの移行抽選が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1105にて否定判定をした場合には、そのまま本監視用制御処理を終了する。
ステップS1105にて肯定判定をした場合にはステップS1106に進む。ステップS1106ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された監視用の各種フラグを消去し、続くステップS1107では次の監視用の準備処理としてRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている期間計測用カウンタをリセットする処理を行う。詳細については後述するが、期間計測用カウンタは上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間の遊技球の通過期間が計測される際に参照されるカウンタであり、この期間計測用カウンタの値は期間監視フラグが格納された非監視状態(待機状態)から監視状態に移行した場合には通常処理が実行される度に更新される構成となっている。
以上詳述した監視用制御処理によって監視状態に移行した場合には、主制御装置162のMPU602にて実行される定期処理の一環として監視処理が開始される。この監視処理は、最初に通過する遊技球の動きを監視する第1監視処理と、遊技球の通過期間を監視する第2監視処理とに大別される。以下、先ず図28のフローチャートを参照して第1監視処理について説明する。
(第1監視処理)
第1監視処理においては先ず、ステップS1201にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに初球監視フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合には、そのまま本第1監視処理を終了する。ステップS1201にて肯定判定をした場合にはステップS1202に進む。
ステップS1202では上流側検知センサ355Xからの検知情報に基づいて遊技球が上流側検知位置DE1を通過したか否かを判定する。ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている初球監視フラグを消去して、本第1監視処理を終了する。つまり、監視状態に移行した後に下流側検知位置DE2を通過する前に上流側検知位置DE1を遊技球が通過した場合には、遊技球の動きが正常であるものと判断し、以降の第1監視処理が回避されることとなる。
ステップS1202の説明に戻り、当該ステップS1202にて否定判定をした場合、すなわち上流側検知位置DE1を遊技球が通過していないと判定した場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204では、下流側検知センサ356Xからの検知情報に基づいて下流側検知位置DE2を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS1204にて否定判定をした場合、すなわち未だ上流側検知位置DE1及び下流側検知位置DE2の何れについても遊技球が通過していない場合には、そのまま本第1監視処理を終了する。
一方、ステップS1204にて肯定判定をした場合、すなわち上流側検知位置DE1における遊技球の通過を確認する前に下流側検知位置DE2における遊技球の通過を確認した場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では異常報知用処理を実行する。異常報知用処理では、報知・演出制御装置143に異常報知用のコマンドを出力するとともに、遊技ホールのホールコンピュータHCに異常発生を示す信号を出力する。報知・演出制御装置143においては当該異常報知用コマンドに基づいてエラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から異常が発生している旨を示すメッセージを出力する。これにより、遊技者やホール管理者は、遊技機に何らかの異常が発生している旨を把握することができる。
続くステップS1206では、今回の開閉実行モードが高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS1206にて肯定判定をした場合にはそのまま本第1監視処理を終了する。一方、ステップS1206にて否定判定をした場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに無効化フラグを格納する。無効化フラグが格納されている状況下においては下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球が発生した場合であっても、高確率モードへの移行が回避されることとなる。つまり、下側可変入球装置320による高確率モードへの移行抽選が一時的に無効となる。上述した異常報知及び無効フラグについては、所定の解除条件が成立することで(例えば遊技機が再起動されることで)解消される。
監視機能を有効/無効で切り替える構成は、監視機能を常時有効とする構成と比較して処理負荷の軽減等を図る上では有利であるものの、監視機能を有効化する際の状況(遊技球の位置)によっては監視機能が上手く発揮されなくなる可能性を否定できない。そこで、監視機能が有効化された場合には、少なくとも初球の動きを監視する構成とすることにより、上記弱点を好適に克服することができる。
以上詳述したように第1監視処理においては初球を監視対象としているのに対して、第2監視処理においてはそれ以外の遊技球についても監視対象に含める構成となっている。以下、図29のフローチャートを参照して、第2監視処理について説明する。
(第2監視処理)
第2監視処理においては先ずステップS1301にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに期間監視フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、そのまま本第2監視処理を終了する。ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1302に進む。
ステップS1302では上流側検知センサ355Xからの検知情報に基づいて遊技球が上流側検知位置DE1を通過したか否かを判定する。ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて期間計測開始処理を実行した後、本第2監視処理を終了する。期間計測開始処理においてはRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている期間計測カウンタの更新処理を開始する。
連絡通路351の通過期間は遊技球の発射インターバルよりも短くなっているため、複数(例えば6つ)の遊技球が連絡通路351に存在し得る構成となっている。そこで、各種カウンタエリア604dに格納されている上記期間計測用カウンタの数については当該遊技球の数よりも多くなるように設定されている。既に説明したように、連絡通路351(上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2)については同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように通路幅等が規定されており、遊技球の追い越し等の発生が規制されている。期間計測カウンタについては時系列順に使用される構成となっており、測定された期間の確からしさを担保している。これら期間計測カウンタについては、後述する期間の計測が行われた際にリセットされることとなる。
なお、複数の遊技球の通過期間を並行して計測する上ことができるのであれば具体的構成については任意であり、必ずしも複数の期間計測用カウンタを併用する必要はない。例えば1のタイマカウンタから遊技球検知の都度時間情報を取得する構成とし、取得した時間情報に基づいて期間の計測をする構成とすることも可能である。
ステップS1302にて否定判定をした場合にはステップS1304に進む。ステップS1304では下流側検知センサ356Xからの検知情報に基づいて下流側検知位置DE2を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS1304にて否定判定をした場合には、そのまま本第2監視処理を終了する。ステップS1304にて肯定判定をした場合にはステップS1305に進む。
ステップS1305では連絡通路351の通過に要した所要期間の把握処理を実行する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている複数の期間計測用カウンタのうち最も更新が進んでいるものを参照して、遊技球の通過所要期間(通過期間)の実測値を把握する。なお、通過所要期間を把握した場合には、その対象となった期間計測用カウンタをリセットする。ステップS1305の処理を実行した後は、ステップS1306に進む。
ステップS1306ではステップS1305にて把握した通過所要期間の実測値がROM603に記憶された設定期間(基準期間)内となっているか否かを判定する。設定期間(基準期間)については連絡通路351の通過に要する期間(詳しくは3sec)に製造誤差(±0.2sec)等の個体差を考慮した期間(2.8sec〜3.2sec)となるように規定されている。なお、設定期間を具体的にどの程度の事象を配慮して決定するかについては任意であり、例えば遊技機を設置した際の傾き(設置ばらつき)に配慮してもよい。
ステップS1306にて肯定判定をした場合、すなわち通過に要した期間(測定した実測期間)が設定期間内である場合には、そのまま本第2監視処理を終了する。一方、ステップS1306にて否定判定をした場合、すなわち通過所要期間が設定期間を外れている場合には、ステップS1307に進む。
ステップS1307では異常報知用処理を実行する。異常報知用処理では、報知・演出制御装置143に異常報知用のコマンドを出力するとともに、遊技ホールのホールコンピュータHCに異常発生を示す信号を出力する。報知・演出制御装置143においては当該異常報知用コマンドに基づいてエラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から異常が発生している旨を示すメッセージを出力する。これにより、遊技者やホール管理者は、遊技機に何らかの異常が発生している旨を把握することができる。
続くステップS1308では、今回の開閉実行モードが高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS1308にて肯定判定をした場合にはそのまま、本第2監視処理を終了する。一方、ステップS1308にて否定判定をした場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに無効化フラグを格納する。無効化フラグが格納されている状況下においては下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球が発生した場合であっても、高確率モードへの移行が回避されることとなる。つまり、下側可変入球装置320による抽選が無効となる。上述した異常報知及び無効化フラグについては、所定の解除条件が成立することで(例えば遊技機が再起動されることで)解消されることとなる。
以上詳述した2つの監視機能を併用することにより、高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードであるにも関わらずその契機となる下側可変入球装置320への入球が発生しなかったり、高確率モードへの移行に対応していない開閉実行モードであるにも関わらず下側可変入球装置320への入球が発生したりして、遊技機の信頼性が低下することを抑制している。
ここで、図30のタイミングチャートを参照して、監視の流れについて説明する。なお、開閉実行モードにおける遊技の流れの概要については上記第1の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
(監視の流れ)
開閉実行モードにて第6ラウンドが開始したta1のタイミングでは上側可変入球装置310Xが阻止状態から許容状態に切り替わる。これにより、右ルートを流下する遊技球については上側可変入球装置310Xに流入し、連絡通路351への流入が回避されることとなる。ta1のタイミングから上記規定期間(3.2sec)が経過したta2のタイミングでは、上述した第1監視機能(順序監視機能)及び第2監視機能(期間監視機能)が有効化される。既に説明したように連絡通路351を遊技球が通過するのに要する所要期間については規定期間よりも短くなるように設定されている。このため、第5ラウンド〜第6ラウンドのインターバル期間中に上側可変入球装置310Xを素通りして連絡通路351に流入した遊技球については、ta2のタイミングよりも前に連絡通路351から流出することとなる。
上側可変入球装置310Xへ10個の遊技球が入球し当該上側可変入球装置310Xの閉鎖条件が成立したta3のタイミングでは、上側可変入球装置310Xが許容状態から阻止状態に復帰する。これにより連絡通路351の入口部分352への遊技球の流入規制が解除される。連絡通路351に流入した遊技球が上流側検知位置DE1を通過したta4のタイミングでは、最初の遊技球が上流側検知位置DE1を通過したことを契機として第1監視機能が無効化され、これに併せて通過期間の計測が開始されることとなる。
ここで、仮に上流側検知位置DE1における遊技球の通過に先駆けて下流側検知位置DE2における遊技球の通過が確認された場合には、異常報知が開始され、連絡通路351にて球詰まり等の挙動に乱れが生じている旨が示唆される。そして、この開閉実行モードが高確率モードへの移行に対応していない場合には、下側可変入球装置320Xへの入球に基づく高確率モードへの移行が不可となる。
ta5のタイミングにて抽選ラウンドである第7ラウンドが開始すると、それまで阻止状態に維持されていた下側可変入球装置320Xが阻止状態から許容状態に切り替わる。許容状態となっている期間や第7ラウンドの開始タイミングについては、大当たり結果となった状況やその種別によって変化することとなる。
ここで、仮に連絡通路351を通過した遊技球の通過期間(実測値)が上記設定期間を外れた場合には、異常報知が開始され、下側可変入球装置320X(特別入球部324)への入球が発生したとしても、当該入球が無効となる。例えば、不正具等を用いて遊技球の動きが不正に操られる等した場合には、遊技球の通過期間が上記設定期間を外れるものと想定される。このような経緯にて下側可変入球装置320Xへの入球が発生したとしても、当該入球が無効となることにより、遊技ホールが不利益を被ることが回避される。
連絡通路351(詳しくは上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2の間)については同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように通路幅等が制限されている。これにより、連絡通路351にて球詰まり等の発生する可能性は極めて低くなっている。但し、偶発的な要因等によって球詰まりが発生した結果として上記設定期間を外れるような遅れが発生する可能性を完全に否定できるものではない。この点、そもそも下側可変入球装置320Xへの入球が発生するはずの開閉実行モードである場合には上述した無効化フラグが格納されず異常報知のみが実行される。このため、異常報知に気付いた遊技者に対して球詰まりがひどくなる前に当該事象への早急な対応(例えば遊技機を揺する等の対応)を促すことができる。故に、球詰まり等によって下側可変入球装置320Xへの入球の機会が損なわれることを抑制し、遊技者の利益保護に貢献することができる。
因みに、遊技者の利益担保を一層確実なものとする上では、高確率モードへの移行に対応した開閉実行モード中に上記異常が発生した場合には、当該異常が解除されるまで遊技進行を停止させる構成とすることも可能である。
その後、ta8のタイミングにて第8ラウンドが開始されると、監視機能が無効化される。下側可変入球装置320Xが阻止状態に復帰した後も上側可変入球装置310Xが許容状態となるまで監視を継続することにより、連絡通路351における残存球の見落としを回避し、遊技を継続した際に遊技者等が不利益を被ることを抑制している。なお、監視機能を無効化する条件として、連絡通路351に存在する全ての遊技球の排出を加える構成とすることにより、上記不都合の発生を一層好適に抑制できる。
ここで、本実施の形態に示す上側可変入球装置310Xにおいては上側大入賞口311X及び上側開閉体312Xが横長状をなしている。これは上側可変入球装置310Xへの入球の様子を目視で確認しやすくしたり、上側可変入球装置310Xにおける遊技球の零れを抑制したり、更には敢えて複数の遊技球が上側可変入球装置310Xに同時に流入する余地を残すことにより所謂オーバー入賞の発生を許容している。これは、開閉実行モードへの注目度を向上する上では好ましい構成である。しかしながら、この上側可変入球装置310Xに合せて連絡通路351の入口部分352についても横長状に形成することにより、以下の不都合が生じ得る。すなわち、入口部分352に上流側検知センサ355Xを配設することが困難となり、上流側検知位置DE1と入口部分352とが離れることとなる。このため、この離間部分については上流側検知センサ355X及び下流側検知センサ356Xによる監視範囲に含めることが難しくなる。
連絡通路351における遊技球の挙動等を監視するにしても、カバーできない範囲が存在すれば監視機能を付与したことによる遊技機の信頼性向上効果が上手く発揮されなくなると懸念される。特に、上側可変入球装置310Xを通過した複数の遊技球が入口部分352から上流側検知位置DE1に向かう過程で整列する点に鑑みれば、入口部分352での球詰まりの可能性は他の部分と比較して高くなると想定される。
そこで、本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑え工夫がなされている。ここで、図31を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図31(1)は上側可変入球装置310X及びその周辺構造を示す図26の部分拡大図、図31(2)は図31(1)の水平断面図である。
図31(a)に示すように、連絡通路351の入口部分352を挟んで上流側検知位置DE1とは反対側となる部分には、当該入口部分352に対して出没可能な可動体316Xが配設されている。可動体316Xはリンク機構317Xを介して上側開閉体312Xに連結されている。上側開閉体312Xが阻止状態となっている場合には可動体316Xが退避位置に待機し、入口部分352への突出が回避されている。
図31(a)→図31(b)に示すように、上側開閉体312Xが阻止状態から許容状態に切り替わる場合には可動体316Xが退避位置から突出位置へと移動して上流側検知位置DE1に近づく。この際、入口部分352(上側可変入球装置310Xの直下)に位置している遊技球は、可動体316Xによって上流側検知位置DE1へ押されることとなる。つまり、可動体316X及びリンク機構317Xは入口部分352に存在する遊技球を当該入口部分352から強制的に排出する排出手段を構成している。このように、遊技球の排出を促す構成とすることにより、上記離間部分における球詰まりの発生等を好適に抑制することができる。
また、上側可変入球装置310Xが阻止状態から許容状態に切り替わってから規定期間が経過することで第1監視機能が有効化される構成においては、連絡通路351に流入した遊技球が入口部分352から上流側検知位置DE1へと速やかに移動しない場合に異常が発生していると判断され得る。このような不都合は規定期間における余裕代(マージン)を小さくして監視精度を高めようとした場合に顕著になると懸念される。この点、上側可変入球装置310Xが許容状態に切り替わる場合に、入口部分352に存在する遊技球を上流側検知位置DE1へ向けて移動させる構成とすることにより、監視精度の向上を図りつつ、それに起因した不都合の発生を抑制できる。
上述した監視機能を付与した場合には、不正具等を用いて上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間にて遊技球の動きを意図的に遅らせるといった行為が困難となり、この区間についての防犯レベルを向上できる。しかしながら、上側可変入球装置310Xと上流側検知位置DE1とがある程度離れている場合には、上記監視機能をかいくぐるべくその離間部分が狙われやすくなる。つまり、この離間部分にて遊技球の動きを遅らせるといった行為がなされやすくなる。そこで、上側可変入球装置310Xが許容状態に切り替わる場合に上側開閉体312Xに連動するようにして「球送り手段」としての可動体316Xを動作させる構成とし、離間部分からの遊技球の排出を促すことにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、仮に上記離間部分に遊技球が留まっている場合には上側可変入球装置310Xの許容状態への切り替えが規制される構成とすれば、不正を働こうとすることで上側可変入球装置310Xへの入球発生機会が減ることになる。これにより、不正に特典を得ようとする行為を好適に抑制できる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
許容状態(「受入状態」に相当)/阻止状態(「非受入状態」に相当)に切り替わるタイプの下側可変入球装置320Xについては、連絡通路351を通じて当該下側可変入球装置320Xに到達した遊技球の全てが入球するとは限らず、その入球タイミングが制限されることとなる。ここで、仮に連絡通路351を通過する遊技球の挙動が乱れる等して下側可変入球装置320Xへ到達するタイミングがずれてしまった場合、本来であれば遊技者に付与されるはずであった特典が付与されなかったり、付与されるはずではない特典が遊技者に付与されたりする。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になり得るため好ましくない。また、このような事象が偶発的な要因ではなく意図的に発生させられた場合(例えば不正具等を用いて遊技球の動きを意図的に変化させるといった行為がなされた場合)には、遊技ホールが被る損失が甚大なものとなり得る。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、上流側検知位置DE1(「第1検知位置」に相当)〜下流側検知位置DE2(「第2検知位置」に相当)を通過するのに要する期間(所要期間)が所定期間となるように規定されており、この所定期間を元に定められた設定期間に対して実測値が外れていないかが監視されている。このため、例えば連絡通路351にて球詰まり等が発生して遊技球が正常に移動していない場合には、それを把握することができる。仮にこのような不都合が生じた場合には、監視結果に基づいて、異常等が発生している旨を示す報知を行ったり、遊技進行を規制したりすることにより、遊技機の信頼性の低下を抑制し、遊技者や遊技ホールが不利益を被ることを抑制することが可能となる。
上流側検知センサ355Xについては連絡通路351の入口部分352(上側可変入球装置310X)付近に配設され、下流側検知センサ356Xについては連絡通路351の出口部分353(下側可変入球装置320X)付近に配設されている。これにより、上側可変入球装置310X〜下側可変入球装置320Xの間(連絡通路351)にて2つの検知センサ355X,356Xによる監視範囲外となる部分を減縮することができ、上述した信頼性の向上効果を好適に向上できる。
連絡通路351を鉛直方向と交差方向(左右方向)に蛇行させる構成とすれば、連絡通路351へ流入する前の遊技球の勢いの影響を抑え、遊技球が当該連絡通路351を通過するのに要する期間を定常化させる機能を好適に発揮させることができる。また、このような通路構造によれば、連絡通路351における遊技球の流下の勢い等を緩和して下側可変入球装置320X部の保護を図ったり、当該遊技球の動きを目視で追いやすくしたりすることができる。
但し、遊技球の勢い抑える構成とした場合には、不正具等を用いて遊技球を捕捉することが容易になり得る。そこで、通過期間を一定化する連絡通路351と上述した2つの検知センサ355X,356Xとを併用すれば、監視機能に係る構成が不正行為の足掛かりとなることを抑制できる。以上の理由から、連絡通路351を蛇行させる構成と上記監視機能との組み合わせには明確な技術的意義が存在する。
上記設定期間をシビアにすれば監視機能を強化できる反面、本来不利益が発生しない状況下にて監視に引っ掛かる可能性が高くなる。ここで、監視結果に基づいて異常報知処理や抽選等の無効化処理等の所定の処理を行う場合、当該所定の処理が頻発することが、遊技者やホール管理者に煩わしさを与える要因になり得る。更に、実質的な不利益が発生していない場合に所定の処理が頻発すれば、当該所定の処理への信頼性自体が疑われることとなり、監視機能が上手く活用されなくなると懸念される。そこで、実質的な不利益が発生し得る状況下にて把握した期間が設定期間から外れている場合に所定の処理を実行する構成とすれば、監視機能の強化に起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
上記監視機能を付与すれば、遊技機に対する信頼性の向上を図ることができものの、それに起因した処理負荷等が増大すると懸念される。そこで、下側可変入球装置320Xが入球対象になり得る状況下に絞って上記監視を行う構成とすることにより信頼性の向上を図りつつ処理負荷の増加を緩和することができる。
また、下側可変入球装置320Xよりも前に上側可変入球装置310Xを許容状態とする構成との組み合わせによれば、上側可変入球装置310Xが許容状態となっている状況下にて連絡通路351(詳しくは上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2)からの遊技球の排出を促すことができ、上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間に遊技球が存在している状態で監視が開始されることを抑制できる。
例えば遊技機の稼働中に上記監視を常時行う構成とした場合には、上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間に遊技球が存在する状態で監視が開始される可能性は極めて低くなる。故に、期間測定に係る構成を簡素化したとしてもそれに起因して測定機能が上手く発揮されなくなることが抑制される。これに対して、監視機能のON/OFFを遊技中(稼働中)に切り替える構成とした場合には、上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間に遊技球が位置している状況下にて、上記監視が開始される可能性が高くなる。これは、期間測定が上手く行われなくなる要因になり得る。
この点、上述したように上側可変入球装置310X → 下側可変入球装置320Xの順に許容状態に切り替わる場合に監視を開始する構成とすれば、上側可変入球装置310Xによって遊技球の流れを切ることができる。つまり、連続して発射された遊技球群を上側可変入球装置310Xに取り込むことにより、その流れを切って監視開始時に上流側検知位置DE1〜下流側検知位置DE2間に遊技球が存在することを抑制できる。これは、監視に係る処理負荷の軽減を図りつつ、監視機能を担保する上で好ましい構成である。
<第3の実施の形態>
上記第1及び第2の実施の形態に示した遊技機については、停電等の理由によって電力供給が遮断された場合であっても、遊技状況等を記憶するバックアップ機能を有することにより、遊技者の利益担保を図っている。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば開閉実行モード)中に電源が落ちた場合であっても、遊技機が再起動された際に電源が落ちた際の遊技状態へ復帰して遊技が再開されることにより、遊技者が不利益を被ることを抑制している。しかしながら、この種のバックアップ機能を備えた遊技機においては、バクアップ機能の存在が本来得られるはずではない特典が付与されるといった弊害が生じ得る。このような事象は遊技ホールに不利益を与え、遊技機に対する信頼性を低下させる要因となるため好ましくない。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑え、遊技機の信頼性の向上を図る工夫がなされていることを特徴の1つとしている。なお、本実施の形態に示す構成については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の何れ記載の遊技機に対しても適用することができる。
以下、図32及び図33を参照して、上記工夫に係る前提構成(電力供給停止(電断)時に実行される電断処理及び電力供給開始時に実行されるメイン処理)について補足説明する。図32は主制御装置162のMPU602にて電力供給停止時に実行される電断処理を示すフローチャート、図33は主制御装置162のMPU602にて電力供給開始時に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
(電断処理)
電断処理用のプログラムは主制御装置162のROM603に記憶されている。電源・発射制御装置191からの電力供給が停止されている状況下においては、主制御基板601に付属の停電監視基板605に設けられたコンデンサ等の蓄電手段から供給される予備電力により主制御装置162のMPU602による電断処理が実行される構成となっている。なお、蓄電手段に相当する構成を停電監視基板605に代えて主制御基板601や電源・発射制御基板に配設することも可能である。
電断処理においては先ず、ステップS1401にて割込み禁止を設定する。これにより、以降のタイマ割り込み処理が禁止されることとなる。続くステップS1402では使用レジスタをRAM604のバックアップエリアに退避し、続くステップS1403ではスタックポインタの値を同バックアップエリアに記憶する。
次に、ステップS1404では、主制御装置162の立ち上げを行う際の遅延期間を設定する際に参照される情報として同一開閉実行モード中に実行された起動回数(繰り返し回数)をRAM604のバックアップエリアに記憶する。
続くステップS1405ではタイマカウンタTC2の設定処理を行う。具体的には、タイマカウンタTC2に遊技球が連絡通路351を通過する際の所要期間(3sec)に相当する値をセットする。タイマカウンタTC2の値は、電断処理の残余期間(余剰電力)を利用して更新される構成となっており、このタイマカウンタTC2を参照して再起動までに要した期間を監視する構成となっている。
ステップS1406では電源遮断の発生情報をバックアップエリアに設定し、ステップS1407では電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。ステップS1408ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM604の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS1409では、RAM604へのアクセス(後述するタイマカウンタTC2を除く)を禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。このループ期間中に上記タイマカウンタTC2の値が更新(減算)される。なお、タイマカウンタTC2をRAM604に設ける必要は必ずしもなく、上記RAM604とは別のRAMに設けてもよい。
次に、図33を参照して主制御装置162のMPU602への電力供給が開始された際に当該MPU602にて実行される立ち上げ(起動)用のメイン処理について説明する。なお、当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。
(メイン処理)
メイン処理においては、ステップS1501にてRAM604へのアクセスを許可し、ステップS1502にてMPU602の内部機能レジスタの設定を行う。その後、ステップS1503では、電源・発射制御装置191に設けられたRAM消去スイッチが操作されているか否かを判定し、続くステップS1504では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに停電フラグがセットされているか否かを判定する。また、ステップS1505ではRAM判定値(チェックサム)を算出するRAM判定値算出処理を実行し、続くステップS1506ではそのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時等の電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS1507の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS1507の処理に移行する。ステップS1507では、RAM604を初期化(クリア)する。その後、ステップS1508に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに停電フラグがセットされていること及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS1507の処理を実行することなくステップS1508に進む。ステップS1508では、電源投入設定処理を実行する。ステップS1508にて電源投入設定処理を実行した後はステップS1509に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定をし、通常処理へ移行する。
本実施の形態においては、復帰先の遊技状態に応じて主制御装置162の立ち上げ(通常処理及びタイマ割込み処理の開始)までに要する期間が変化する構成となっている。この期間についてはステップS1508の電源投入設定処理により設定される。ここで、図34のフローチャートを参照して電源投入設定処理について説明する。
(電源投入設定処理)
図34(a)に示すように、電源投入設定処理においては先ず、ステップS1601にて復帰先が開閉実行モードとなっているか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、そのまま本電源投入設定処理を終了する。「特別遊技状態」である開閉実行モードへの復帰ではなく通常遊技状態への復帰である場合には、後述する遅延期間の設定が回避され、立ち上げ処理に係る期間が最短となるように設定されている。
ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では監視期間中の電断からの復帰であるか否かを判定する。本実施の形態においても上記第2の実施の形態と同様に、第6ラウンド開始から規定期間が経過したタイミング 〜 第8ラウンドへの移行タイミングが監視期間となっており、電断処理においてはこの監視期間中に電断が発生したか否かに係る情報を記憶する構成となっている。
ステップS1602にて否定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であって監視期間外となる時点へ復帰する場合にはステップS1603に進む。ステップS1603では第1遅延処理を実行する。第1遅延処理においては、遅延期間として遊技球が連絡通路351を通過するのに要する所要期間(3sec)よりも短くなるように規定された第1遅延期間を設定する。これは、開閉実行モード中に電断が発生したことを目立ちやすくするための工夫である。
ステップS1603の処理を実行した後は、ステップS1604に進む。ステップS1604では設定された遅延期間を経過したか否かを判定する。ステップS1604にて否定判定をした場合には、遅延期間を経過するまでステップS1604にて否定判定を繰り返す。なお、この遅延期間についてはRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられたタイマカウンタを利用して把握される構成となっており、このタイマカウンタの値はステップS1604にて否定判定された際に更新される。
ステップS1602にて肯定判定をした場合、すなわち監視期間中に発生した電断からの復帰であると判定した場合には、ステップS1605の第2遅延処理に進む。ここで、図34(b)を参照して、第2遅延処理について説明する。
(第2遅延処理)
第2遅延処理においては、ステップS1701にて、復帰(電力供給が開始される)までの期間を把握する。具体的には、電断処理にて設定されたタイマカウンタTC2の値を参照することにより、電断発生からの期間を把握可能となっている。具体的には、遊技球が連絡通路351を通過するのに要する期間よりも長い期間であるか否か、また短い期間である場合には具体的にどの程度の期間が経過したタイミングであるかを把握する。続くステップS1702では上記ステップS1404にて記憶された情報に基づいて、同一開閉実行モード中への復帰が何度発生しているか否かを把握する。つまり、今回の立ち上げ処理が同一開閉実行モード中にて何度目の復帰に対応しているかを把握する。続くステップS1703ではステップS1505にて算出したRAM判定値を把握する。ステップS1704では、ステップS1701〜ステップS1704にて把握した情報に基づいて第2遅延期間の設定を行う。
ここで、第2遅延期間の設定態様について補足説明する。
(第2遅延期間)
例えば遊技機のメンテナンスや球詰まりの解消等を目的として正規の手順で作業が行われる際に電源がOFFとなる場合には再度電源がONとなるまでにある程度の期間を要するものと想定される。これに対して、本来であれば可変入球装置310,320への入球が回避されるはず遊技球を無理矢理に入球させることを目的として、不正に電源OFF→電源ONとする場合には、その期間は比較的短くなるものと想定される。つまり、遊技球発射機構110から発射された遊技球(例えば未だ上側可変入球装置310に到達していない遊技球や上側可変入球装置310を素通りした遊技球)が下側可変入球装置320が許容状態→阻止状態に復帰した後に当該下側可変入球装置320に到達する場合に、一時的に電断を発生させて下側可変入球装置320の許容状態への切り替わりを遅らせることにより上記遊技球を間に合わせようとする場合には、電断期間が極めて短くなる。
本実施の形態においては、下側可変入球装置320への入球によって遊技者に有利な高確率モードへ移行する構成を前提としており、実施的な高確率モードへの移行の可否を遊技球が連絡通路351を通過するのに要する所要期間と下側可変入球装置320の動作態様とによって制御している。これは、従来周知の遊技機と比較して、遊技性等の多様化を実現して興趣向上等を実現する上では有利であるものの、連絡通路351等を移動する遊技球が下側可変入球装置320の開放に間に合わせるべく、上述した遅延行為がなされる可能性を否定できない。このような事情に配慮した場合には、不正に遊技機を再起動させる場合の期間(以下、電断期間という)については上記所要期間よりも短くなるものと想定される。そこで、電断期間が所要期間を超えている場合には、起動に要する期間を比較的短くする一方、所要期間内での再起動である場合には、起動に要する期間を比較的長くすることにより、防犯機能の向上を図りつつ、利便性の低下を抑制することができる。
なお、開閉実行モード等の特殊な状況下にて電力の供給を停止させるといった行為は不正を目的として行われる可能性が高いと想定される。ここで、遊技球の流下のタイミングを見計らって当該操作を行おうとすれば、必然的にその操作のタイミングにばらつきが生じるものと考えられる。そこで、電断期間が所要期間よりも短い場合には、当該電断期間に応じて遅延度合いを変化させる構成とすることも可能である。電力供給再開までの期間に応じて遅延度合いを変化させる構成として遅延期間の多様性を担保する構成とすれば、上述した不正行為を一層困難なものとすることができる。因みに、初期動作の確認等を行う場合には、このような遅延度合いの差が作業を難しくする要因になるわけではない。故に、上述した遅延度合いの変化によって防犯機能を強化したとしても、それに起因した作業性の低下を好適に抑制できる。例えば、電断期間が短いほど遅延度合いが大きくなり、電断期間が長いほど遅延度合が小さくなるように調整する構成とするとよい。係る構成によれば、起動までの期間が一義的になることを回避することができる。故に、無暗に遅延度合を大きくしなくても、タイミングを見計らって遊技機を再起動させるといった行為を難しくすることができ、防犯機能の向上に好適に貢献できる。
本実施の形態においては、上述したような遅延期間の多様性を担保する上でRAM判定値に応じて遅延の度合いを変化させる構成としている。RAM判定値については都度変化し得る値であるため、このような既存の構成を利用して、遅延期間の多様性を担保することにより、構成の複雑化を抑えつつ防犯機能の向上に寄与できる。
また、同一開閉実行モード中に再起動が複数回繰り返される場合には、単なる動作不良ではなく、以下のような不正行為を目的としたものである可能性が高くなる。すなわち、再起動時に遊技球を発射して、再び電源を落とした後に再起動させることにより、タイミングの調整がなされる可能性がある。そこで、同一開閉実行モード中での再起動回数が増えた場合には、敢えて遅延度合いを大きくして起動のタイミングを更に遅らせることにより、上記不正行為を好適に抑制することができる。
以下、図35のタイミングチャートを参照して遅延機能による入球回避の具体例について説明する。図35では高確率モードへの移行に非対応の開閉実行モードにおける遊技の流れを例示している。
図35(a)に示すように、上側可変入球装置310の閉鎖条件(10個の入球又は30sec経過)が成立したtb1のタイミングでは、上側可変入球装置310が許容状態から阻止状態に復帰する。これにより、連絡通路351の入口部分352への流入規制が解除され、以降は右ルートへ発射された遊技球が連絡通路351へ流入することとなる。
その後のtb2のタイミングでは、下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に切り替わる。但し、この時点では連絡通路351へ流入した遊技球は未だ連絡通路351の途中に位置している。tb3のタイミングにて下側可変入球装置320が許容状態から阻止状態に復帰する。
遊技球が連絡通路351を通過するのに要する期間については、上側可変入球装置310が阻止状態に復帰してから下側可変入球装置320が許容状態→阻止状態となるまでの期間よりも短くなるように設定されている。このため、連絡通路351への流入規制が解除されたことにより当該連絡通路351へ流入した遊技球が下側可変入球装置320に到達するのは、当該下側可変入球装置320が阻止状態に復帰した後のタイミングとなる。
仮に図35(a)の2点鎖線に示すように、下側可変入球装置320が許容状態となるタイミング(阻止状態に復帰するタイミング)を遅らせることができた場合には、本来であれば下側可変入球装置320を素通りするはずであった遊技球が当該下側可変入球装置320へ入球することとなる。電源を不正にON/OFFに切り替える等して遊技進行を司る主制御装置162への電力供給を一時的に遮断すれば、遊技進行を遅延させることができる。故に、上述した事象を意図的に狙うといった行為がなされる可能性を否定できない。
ここで、本実施の形態における遊技の流れでは、仮に上記不正行為がなされた場合であっても、遊技機の起動タイミングを遅らせることにより下側可変入球装置320への入球が回避される。
図35(b)に示すように、tc1のタイミングにて上側可変入球装置310が阻止状態に切り替わった後のtc2のタイミングにて電力供給が停止すると、それに伴って遊技進行が中断される。本実施の形態においては主制御装置162から許可信号を受信していることに基づいて電源・発射制御装置191(遊技球発射機構110)による遊技球の発射が許容される構成となっているため、主制御装置162の停止に伴って遊技球の発射が不可となる。
直後のtc3のタイミングにて電源がONになった場合には、直ちに主制御装置162が立ち上がるのではなく、立ち上がりが遅延されることとなる。これにより、tc2のタイミングにて遊技領域PEの右ルートへ向けて発射済みであった遊技球は、遊技進行が再開されるtc5のタイミングよりも前に、連絡通路351から流出することとなる(tc4のタイミング等参照)。
tc5のタイミングにて主制御装置162の立ち上げが完了し遊技進行が再開されると、その後のtc6のタイミングにて下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に切り替わる。これにより、下側可変入球装置320への入球が許容されることとなる。
ここで、tc5のタイミングでは主制御装置162が立ち上ることにより遊技球の発射が許容される。但し、tc5のタイミングにて発射された遊技球が下側可変入球装置320に到達するまでにはタイムラグがあり、このタイムラグの存在によって当該遊技球が下側可変入球装置320に到達するのは下側可変入球装置320が阻止状態に復帰したtc7のタイミングよりも後になる。これにより、下側可変入球装置320への入球が回避される。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電力の供給が停止(遮断)された場合にその時点での遊技状態を記憶し、次に起動した際に電力供給停止前の遊技状態に復帰させる構成とすることにより、停電等が発生した場合の遊技者の利益を担保することができる。ここで、遊技領域PEに発射された遊技球については、電力の供給が停止された場合であっても自重による流下が継続される。このため、可変入球装置310,320が許容状態/阻止状態に切り替わる開閉実行モード中に電力の供給が停止した場合には、発射された遊技球と可変入球装置310,320との位置関係が電力の供給が停止しなかった場合から変化し得る。つまり、本来であれば入球するはずの無かった遊技球が入球する可能性が生じる。このように、遊技者の利益担保を図るための構成によって本来発生するはずの無い特典の付与が発生した場合には、遊技ホールが不利益を被ることとなる。特に、このような事象を意図的に発生させることが可能となれば、遊技機に対する信頼性が著しく低下すると懸念される。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、上述したような特典の不当な取得を目的として(開閉実行モード中に)不正に電源のON/OFF操作が行われた場合には、起動までの期間が延長されることとなる。開閉実行モード中においては敢えて遊技機の起動を遅らせることにより、電力の供給が何らかの事情によって停止したことを把握しやすくしてホール管理者が当該事象を見逃す機会を減らす上で有利となる。また、立ち上げまでの期間を遅延させる構成によれば、電源のON/OFFを繰り返すことによる細かなタイミングの調整が難しくなる。故に、可変入球装置310,320(特に下側可変入球装置320)が許容状態に維持される期間中に遊技球を可変入球装置310,320に到達させることが困難になる。これにより防犯機能を向上して遊技機に対する信頼性を向上させることができる。そもそも、遊技機を起動する際の待ち時間を短縮することは遊技機の初期動作等の確認作業を行う際の作業効率を向上する上で好ましい。これに対して、上述したように不正が行われやすい状況下において敢えて起動を遅延させる構成とすることには、防犯機能を向上して遊技機の信頼性を担保するという明確な技術的意義がある。
上述した遅延機能によって防犯性を高める構成においては、復帰までに要する期間の延長度合いを変化させることにより、可変入球部の動きを予測することが困難になる。これにより、電源のON/OFF操作等によって遊技機を強制的に再起動させた場合であっても、可変入球装置310,320が許容状態となることを見計らって許容状態中に遊技球が可変入球装置310,320に到達するようにタイミングを合わせるといった行為を一層難しくすることができる。また、起動タイミングを遅延させて遊技機の電源がOFFになったことを目立たせた上で、上記タイミングの調整を困難とすることにより、不正行為に対する抑止力を強化できる。
可変入球装置310,320への入球を不正に発生させようと試みる場合には、遊技球の動きと開閉実行モードにおける遊技の進行状況との関係によって好ましい電力供給の停止/開始のタイミングが変化すると想定される。そこで、開閉実行モードでの遊技の進行状況に応じて遅延の度合いを変化させる構成とすれば、遅延度合いを無暗に大きくなることを抑制しつつ防犯機能を向上させることが可能となり、実用上好ましい構成の実現に寄与できる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態等に示したように下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球の可否を可変入球装置310,320の開閉態様によって規定する構成においては、本来であれば入球が発生するはずが無い開閉実行モード中に電断に起因した入球が発生することを回避することで遊技機の信頼性を向上させることができる(第3の実施の形態参照)。これに対して、本来であれば入球が発生するはずの開閉実行モード中に電断が発生した場合に、その影響によって入球が不可能となってしまっては、本来得られるはずの特典の取りこぼしが発生し、遊技者が被る不利益が甚大なものになると懸念される。本実施の形態においては、上記第3の実施の形態に示した構成に加えて又は代えて、このような不都合の発生を抑えることにより電断発生時の遊技者の利益保護を強化していることを特徴の1つとしている。具体的には、本実施の形態においては、特定の条件下においては主制御装置162の再起動のタイミングと電源・発射制御装置191によって遊技球の発射を開始するタイミングとをずらすことにより上記技術的思想を具現化している。そこで、本特徴の工夫に係る構成の説明の前に、図36及び図37のフローチャートを参照して遊技球の発射に係る構成について補足説明する。
上記第3の実施の形態においては、主制御装置162のMPU602にて実行される通常処理の一環として遊技球発射制御処理が実行される構成となっている。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
これに対して、本実施の形態においては主制御装置162が担っていた発射制御処理が電源・発射制御装置191のMPUに移管されている。具体的には、主制御装置162については発射可否の最終決定を行うものの、具体的な発射タイミング等の設定については電源・発射制御装置191側で行われる構成となっている。ここで、図36のフローチャートを参照して、電源・発射制御装置191のMPUにて定期処理の一環として実行される遊技球発射制御処理について説明する。
(遊技球発射制御処理)
遊技球発射制御処理においては先ず、ステップS1801にて主制御装置162から発射許可信号を受信しているか否かを判定する。ステップS1801にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。
ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802では発射タイマカウンタTC3が「300」以上(すなわち、0.6sec)が経過したか否かを判定する。ステップS1802にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。発射タイマカウンタTC3については、電源・発射制御装置191のMPUにて上記定期処理が実行される度に更新(「1」づつ加算される)構成となっている。
ステップS1802にて肯定判定をした場合には、ステップS1803に進む。ステップS1803では発射タイマカウンタTC3を「0」クリアする。その後、ステップS1804では遊技球発射ハンドル41に設けられたハンドル用タッチセンサがONとなっているか否かを判定し、ステップS1805では同じく遊技球発射ハンドル41に設けられた発射止めスイッチがONになっているか否かを判定する。ハンドル用タッチセンサがOFFとなっている場合又は発射止めスイッチがONとなっている場合には、発射条件が不成立となり、そのまま本遊技球発射制御処理を終了する。これに対して、ハンドル用タッチセンサがONとなっており且つ発射止めスイッチがOFFとなっている場合には発射条件が成立となり、ステップS1806の発射処理を実行した後、本遊技球発射制御処理を終了する。発射処理が実行されることにより、発射レール112に供給された遊技球がソレノイド111によって遊技領域PEへ向けて発射されることとなる。
このように、本実施の形態に示す遊技機においては、主制御装置162から発射許可信号が出力されている状況下にて各種発射条件が成立することにより、所定の発射周期(0.6sec)で遊技球が繰り返し発射される。主制御装置162においては、電力供給が開始された際に実行されるメイン処理(詳しくは電源投入設定処理)の一環として発射許可信号の出力を開始する構成となっている。ここで、図37のフローチャートを参照して、本実施の形態における電源投入設定処理について説明する。なお、この電源投入設定処理の概要については上記第3の実施の形態と同様である。そこで、これら共通部分については説明を一部援用する。
(電源投入設定処理)
電源投入設定処理においては先ず、ステップS1901にて復帰先が開閉実行モードであるか否かを判定する。復帰先が開閉実行モードである場合には、ステップS1902に進む。ステップS1902では、監視期間中の電断からの復帰であるか否かを判定する。ステップS1902にて否定判定をした場合には、ステップS1903に進む。ステップS1903では第1遅延処理を実行する。第1遅延処理については上記第3の実施の形態と同様であるため、説明を援用する。
ステップS1903の処理を実行した後は、ステップS1904に進む。ステップS1904では遅延期間を経過したタイミングであるか否かを判定する。未だ遅延期間を経過していない場合には、遅延期間を経過するまでステップS1904にて否定判定を繰り返すようにしてループする。ステップS1904にて肯定判定をした場合、又はステップS1901にて否定判定をした場合にはステップS1905に進む。
ステップS1905では発射許可信号の出力開始処理を実行する。これにより、主制御装置162から電源・発射制御装置191への発射許可信号の出力が開始され、電源・発射制御装置191による遊技球の発射が許可されることとなる。つまり、監視期間中に発生した電断を経て開閉実行モードへ復帰する場合以外については、主制御装置162の立ち上げが完了するタイミングと遊技球の発射が許可されるタイミングとが一致する構成となっている。
なお、本実施の形態における電源・発射制御装置191については、主制御装置162とは異なり、立ち上げ時の遅延機能が付与されていない。また、バックアップ機能等の主制御装置162が有する一部の機能を不具備となっており、立ち上げ処理についても簡素化されている。そして、外部電源からの電力は当該電源・発射制御装置191を経由して主制御装置162に供給される。これらの条件によって、電源・発射制御装置191の立ち上げが主制御装置162に先んじて完了する構成となっている。
ステップS1902の説明に戻り、当該ステップS1902にて肯定判定をした場合には、ステップS1906に進む。ステップS1906では復帰先が高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907に進み、上記ステップS1905と同様の処理を行う。つまり、復帰先が高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードである場合には、主制御装置162の立ち上げに先行して、電源・発射制御装置191による遊技球の発射が許可されることとなる。主制御装置162と比べて電源・発射制御装置191の立ち上げに要する期間が短くなっているため、電力供給が開始された場合には主制御装置162の立ち上げが完了する前に遊技領域PEへ向けた遊技球の発射が可能となる。
ステップS1907の処理を実行した後、又はステップS1906にて否定判定をした場合には、ステップS1908に進む。ステップS1908においては第2遅延処理が実行されるが、この第2遅延処理についても上記第3の実施の形態と同様であるため、説明を援用する。
ステップS1908の処理を実行した後は、ステップS1904に進む。ステップS1904では遅延期間を経過したタイミングであるか否かを判定する。未だ遅延期間を経過していない場合には、遅延期間を経過するまでステップS1904にて否定判定を繰り返すようにしてループする。ステップS1904にて肯定判定をした場合、又はステップS1901にて否定判定をした場合にはステップS1905に進む。既に発射許可信号の出力を開始している場合には、そのまま本電源投入設定処理を終了する。未だ発射許可信号の出力を開始していない場合には、ステップS1905にて発射許可信号の出力を開始した後、本電源投入設定処理を終了する。
上述したように電力供給が停止されるといった事象については、例えば停電等の偶発的な要因によっても発生し得るため、そのタイミングを予め特定することは困難になる。仮に、高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードにおける抽選ラウンド中に停電が発生した場合には、当該停電の発生前に下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球が発生してさえいれば遊技者の利益が担保される。しかしながら、下側可変入球装置320への入球が発生する直前に電力供給が停止した場合には、本来下側可変入球装置320が許容状態となっているタイミングで当該下側可変入球装置320に到達するはずであった遊技球が下側可変入球装置320の開放に間に合わなくなる。また、発射された遊技球が下側可変入球装置320に到達するにはある程度の期間が必要となり、再び下側可変入球装置320が許容状態となったことを契機として遊技球が発射された場合には当該遊技球が下側可変入球装置320の開放に間に合わない可能性が高くなる。つまり、電断が発生する前の状態に復帰したとしても、遊技の流れが途切れることにより、遊技者が本来享受できるはずであった特典を取りこぼしてしまう可能性を否定できない。この点、本実施の形態に示す構成においては、発射許可のタイミングと遊技の進行が再開されるタイミングとをずらすことにより、そのような不都合の発生を回避することができる。以下、図38のタイミングチャートを参照して、利益担保の流れについて説明する。図38では高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードにおける遊技の流れを例示している。
先ず図38(a)を参照して、電力供給が停止されない場合について補足説明する。抽選ラウンド前の第6ラウンドにおいては上側可変入球装置310が許容状態となっている。このため、右ルートへ発射された遊技球については、連絡通路351ではなく上側可変入球装置310へ流入することとなる。上側可変入球装置310の閉鎖条件(例えば10個の入球又は30secの経過)が成立したtd1のタイミングにて上側可変入球装置310が阻止状態に切り替わると、当該上側可変入球装置310に到達した遊技球は上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351へ流入する。その後、所定のインターバル期間(例えば2sec)を経過したtd2のタイミングでは、抽選ラウンドとしての第7ラウンドが開始され、下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に切り替わる。
連絡通路351については遊技球が通過するのに要する所要期間が上記インターバル期間よりも長くなるように設定されているため、td2のタイミングでは上側可変入球装置310を素通りした遊技球が下側可変入球装置320の上流に位置する。上側可変入球装置310が許容状態に維持されているtd3のタイミングで上記遊技球が下側可変入球装置320に到達すると、当該遊技球が下側可変入球装置320に流入して高確率モードへ移行の移行が確定することとなる。つまり、遊技球の発射操作を続けてさえいれば特段の技術介入等を必要とすることなく、高確率モードへの移行が発生することとなる。
ここで、図38(b)を参照して、抽選ラウンド(第7ラウンド)へ移行する際に電断が発生した場合について説明する。
抽選ラウンド前の第6ラウンドにおいては上側可変入球装置310が許容状態となっている。このため、右ルートへ発射された遊技球については、連絡通路351ではなく上側可変入球装置310へ流入することとなる。上側可変入球装置310の閉鎖条件(例えば10個の入球又は30secの経過)が成立したte1のタイミングにて上側可変入球装置310が阻止状態に切り替わると、当該上側可変入球装置310に到達した遊技球は上側可変入球装置310を素通りして連絡通路351へ流入する。この直後のte2のタイミングにて電力供給が停止すると、電断用の各種処理が実行される。本実施の形態に示す遊技機においては、電力供給が再開された場合に電断前の遊技状態に復帰すべく電断時の遊技状態を記憶する。
te3のタイミングにて電力の供給が再開されると、先ず遊技球の発射が可能となる。この際、主制御装置162については電断前の状態へ直ちに復帰するのではなく、復帰が遅延されることとなる。te3のタイミングで発射された遊技球については、下側可変入球装置320が許容状態となる前に下側可変入球装置320を通り過ぎるように遅延期間が規定されている。te3のタイミングから所定の遅延期間を経過したte4のタイミングでは、下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に切り替わる。そしてte4のタイミングから所定の開放期間を経過したte5のタイミングにて下側可変入球装置320が阻止状態から許容状態に復帰する。
ここで、te4のタイミングで発射された遊技球については、連絡通路351の通過に時間を要するため、下側可変入球装置320が許容状態となっている開放期間中に当該下側可変入球装置320に到達することが回避される。これに対して、te3のタイミングにて発射された遊技球については、当該遊技球が連絡通路351を通過している間に遅延期が経過し、te4のタイミング〜te5のタイミングの間にて下側可変入球装置320に到達することとなる。つまり、高確率モードへの移行に対応する開閉実行モードへ復帰する場合には、敢えて遊技球の発射を主制御装置162の立ち上げよりも先行させることにより、下側可変入球装置320への入球の機会を確保することが可能となっている。
このように、復帰する状態に応じて遊技球の発射許可のタイミングを主制御装置162の立ち上げ(起動)タイミングよりも早めることにより、電断の発生によって下側可変入球装置320への入球の機会が失われることを回避し、遊技者の利益担保に貢献している。例えば、電断が発生した場合には下側可変入球装置320の開放期間を延長等して入球を担保することも可能である。但し、このような構成では、下側可変入球装置320への入球によって賞球が発生することに鑑みれば、遊技者に付与される特典が過剰となって遊技ホールが不利益を被る可能性が生じ、遊技の公平性が低下する。また、遅延の度合いを大きくすることは遊技進行の円滑化を図る上で不利である。故に、発射許可のタイミングを先行させることで、遊技者の利益を担保することには技術的意義がある。
遊技領域PEが形成された遊技機においては、球詰まり等の不都合が発生した場合に可変入球装置310,320への入球が困難になる可能性を否定できない。このような状況下にて、そのまま遊技が進行してしまっては遊技者が被る損失が甚大になり得る。そこで、バックアップ機能を付与し、一度電力の供給を停止させて、上記不都合を解消した後に遊技を再開させることが可能となることにより、遊技者が被る損失を極力小さくすることができる。ここで、本実施の形態に示す構成によれば、高確率モードへの移行に非対応の開閉実行モードにおいては上記第3の実施の形態と同様に電断が発生したとしても下側可変入球装置320への入球が回避される。これに対して、高確率モードへの移行に対応の開閉実行モードにおいては敢えて遊技球の発射開始タイミングを主制御装置162の立ち上げに先行させることにより、下側可変入球装置320への入球の機会が失われることを抑制している。これにより、遊技者の利益担保に貢献している。
ここで、本実施の形態における第2遅延処理においては、高確率モードへの移行に対応の開閉実行モードにて既に高確率モードへの移行が確定している場合には、上記遅延期間の設定が回避される構成となっており、速やかに立ち上げが完了する構成となっている。既に高確率モードへの移行が確定している場合には、遊技球の発射を先行させることを目的として上記遅延を発生させる必要性が低くなる。そこで、このような状況では立ち上げの遅延や遊技球の先行発射に係る機能を無効とすることにより遊技進行の円滑化に貢献できる。
なお、下側可変入球装置320への入球が発生したことを契機として、高確率モードへの移行が確定するだけでなく、遊技球の払い出しが実行される構成となっている点に鑑みれば高確率モードへの移行が確定した後も、下側可変入球装置320への入球が発生することで遊技者は遊技を有利に進めることができる。特典の強弱の差はあるものの、下側可変入球装置320への入球が発生し得る限りはその利益を担保する構成とする上では、高確率モードへの移行が確定している場合であっても、高確率モードへの移行が確定していない場合と同様の立ち上げ遅延及び先行発射に係る機能を有効としてもよい。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、サポートモードが高頻度サポートモード/低頻度サポートモードの何れになっているかによって、開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)におけるラウンド間のインターバル期間を変化させる構成としたが、これに限定されるものではない。「通常遊技状態」が複数設けられている構成においては、大当たり結果となった際の遊技状態に応じてインターバル期間が個別に設定される構成であれば足り、例えば抽選モードが高確率モード/低確率モードの何れになっているかによってインターバル期間を相違させる構成とすることも可能である。
また、複数のモードの組み合わせ(例えば(1)低頻度サポートモード且つ低確率モード、(2)低頻度サポートモード且つ高確率モード、(3)高頻度サポートモード且つ低確率モード、(4)高頻度サポートモード且つ高確率モード)に応じてインターバル期間に差違を設定することも可能である。このような、構成では各状態にて設定されるインターバル期間に有利度の差を設定することも可能である。例えば、(1)低頻度サポートモード且つ低確率モード < (2)低頻度サポートモード且つ高確率モード、(3)高頻度サポートモード且つ低確率モード < (4)高頻度サポートモード且つ高確率モード)の順に遊技者に有利となるようにインターバル期間を設定する構成とすることにより、更なる遊技の多様化(高確率モードへの移行確率/継続確率の態様化等)を実現できる。
(2)上記各実施の形態では、遊技者の発射操作に基づいて発射される遊技球の発射周期(発射間隔)は0.6secとなっており、上側可変入球装置310へ10個の入球が発生したことを契機として当該上側可変入球装置310を許容状態から阻止状態に切り替える構成とすることで、上側可変入球装置310の最短開放期間(6sec)が連絡通路351の通過に要する期間(3sec)よりも長くなる構成とした。故に、上側可変入球装置310の開放前に連絡通路351へ到達した遊技球については、当該上側可変入球装置310が閉じる前(すなわち下側可変入球装置320が開放される前)に上記連絡通路351から全て排出される構成となっていた。但し、上側可変入球装置310の最短開放期間と連絡通路351の通過に要する期間との関係については上記のものに限定されるものではない。少なくとも上側可変入球装置310の開放前に連絡通路351へ流入した遊技球が下側可変入球装置320の開放中に当該下側可変入球装置320に到達することを回避できるのであれば足り、具体的構成については任意に変更してもよい。
なお、上側可変入球装置310の開放前に連絡通路351に流入した遊技球が下側可変入球装置320の開放中に当該下側可変入球装置320に到達することを回避すべく、連絡通路351の通路長を長くすることも可能ではあるが、このような対応では連絡通路351が無駄に長くなって、可変入球ユニット64と他の遊技部品等を遊技領域PEにて共存させることが困難になり得る。以上の理由から、上記実施の形態に示したように、遊技球の発射周期、閉鎖条件に係る入球数、連絡通路351の通過期間の関係については上記共存に係る課題等を解決する上で技術的意義がある。
(3)上記各実施の形態では、開放対象が上側可変入球装置310(「上流側可変入球部」に相当)から下側可変入球装置320(「下流側可変入球部」に相当)へ移る際のインターバル期間よりも下側可変入球装置320を許容状態に維持する開放期間の方が短くなるように構成したが、これを変更し、開放対象が上側可変入球装置310から下側可変入球装置320へ移る際のインターバル期間よりも下側可変入球装置320の開放期間の方が長くなるように構成することも可能である。
(4)上記各実施の形態では、低頻度サポートモード中に大当たり結果となった場合にはおよそ50%の確率で高確率モードへ移行し、高頻度サポートモード中に大当たり結果となった場合にはおよそ100%の確率で高確率モードへ移行する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも高頻度サポートモードにおける優位性(下側可変入球装置320への入球確率が相対的に高いこと)を担保できるのであれば足り、高確率モードへの移行に依存するものではない。例えば、インターバル期間の差違によって特別ラウンド(第7ラウンド)における出球に違いが生じるようにして上記優位性を担保する構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、大当たりの種別(16R大当たり結果A〜D)を複数設定し、これら各大当たり結果についてインターバル期間の変化量が相違する構成とした。例えば16R大当たり結果Aにおいてはインターバル期間が1sec→4secに変更されるのに対して16R大当たり結果Cにおいてはインターバル期間が2sec→4secに変更される構成とした。これを変更し、インターバル期間の変化量を各大当たり結果にて統一することも可能である。
(6)上記各実施の形態では、下側可変入球装置320が開放対象となる特別ラウンドの前ラウンドから当該特別ラウンドまでのインターバル期間を「可変」とし、それ以外のインターバル期間を「一定」としたが、これに限定されるものではない。他のインターバル期間を「可変」とすることも可能である。
(7)上記各実施の形態では、第7ラウンドにて下側可変入球装置320が許容状態に切り替わる構成とした。開閉実行モード中にラウンド遊技が繰り返される構成においては、どのラウンドを「特別ラウンド」とするかについては任意に変更してもよい。
但し、連絡通路351の通過期間とインターバル期間との関係性によって下側可変入球装置320への入球確率を変化させる構成においては、先のラウンドにおける開閉対象が上側可変入球装置310であることで、当該上側可変入球装置310に連絡通路351へ流入する遊技球を制限するシャッタとしての機能を付与することができ、上記入球確率を変化させる機能を好適に担保することができる。以上の理由から、下側可変入球装置320を開放対象とするラウンドを変更する場合であっても、少なくともその前のラウンドにおける開放対象が上側可変入球装置310となっている範囲とすることが好ましい。
(8)上記各実施の形態では、大当たり結果となった際の遊技状態(低頻度サポートモード/高頻度サポートモード)に応じてインターバル期間を変化(変更)させる構成としたが、これに代えて又は加えて大当たり結果となった際の遊技状態に応じて開放期間を変化(変更)させる構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態では、高頻度サポートモード中は、インターバル期間が連絡通路351の通過に要する期間よりも長く、且つ開放期間が連絡通路の通過に要する期間よりも短くなるように構成した。これを変更し、インターバル期間を低頻度サポートモード中の大当たり結果と比較して、長くすることにより、上側可変入球装置310が閉じた後に上記所要期間を跨ぐようにして下側可変入球装置320が開放される構成とすることも可能である。
なお、開放期間についても上記所要期間よりも長くすることも可能である。この場合、インターバル期間の変化量の増大を軽減し、遊技進行が無駄に遅延されているかのような印象が生じることを好適に抑制できる。
(10)上記各実施の形態では、連絡通路351の通路形状を工夫することにより、当該連絡通路351を通過する際の遊技球の通過速度のばらつを抑え、連絡通路351の通過に要する所要期間を定常化する構成とした。このような「期間調整」機能を発揮させるための具体的構成については任意に変更してもよい。例えば、上側可変入球装置310と下側可変入球装置320との間に上側可変入球装置310を素通りした遊技球を下側可変入球装置320に送る球送り機構を設けることも可能である。
具体的には、球送り機構は、回転体と当該回転体を駆動する駆動部としてのモータとを有している。詳しくは、回転体は略円板状をなしており、その中心が駆動モータの出力軸に固定されている。駆動モータは、ステッピングモータにより構成されており、主制御装置162から供給される電力によって、常時一定の速度で回転する。このように駆動モータが駆動することで、回転体は所定方向に一定速度で回転する。回転体の周縁には、複数個所(本変形例においては90°間隔で4箇所)に、凹部が形成されている。これら凹部に入り込んだ遊技球のみが下流側へ案内される。
つまり、遊技球の移動速度が回転体よりも上流側にてどのようにばらついたとしても、同回転体を介して移動することにより、その移動速度が一定となるように調整される。これにより、下側可変入球装置320への移動に要する所要期間のばらつきが抑えられることとなる。
(11)上記各実施の形態では、上側可変入球装置310に付与された主たる機能と下側可変入球装置320に付与された主たる機能とを相違させる構成とした。具体的には、上側可変入球装置310が持ち球の増加を主たる目的として開閉されるのに対して、下側可変入球装置320は持ち球の増加ではなく高確率モードへの移行の可否を主たる目的として開閉される構成となっている点で相違している。但し、このような違いは必須ではなく、下側可変入球装置320への入球に基づいて高確率モードへ移行する機能を省略してもよい。また、当該機能の付与対象を下側可変入球装置320ではなく、上側可変入球装置310とすることも可能である。
(12)上記各実施の形態では、開閉実行モード中に下側可変入球装置320が一度だけ開放される構成としたが、これに限定されるものではない。下側可変入球装置320を開放対象とする回数については、開閉実行モードにおける開放上限回数(本実施の形態においては16回)を超えない範囲で任意に変更することも可能である。
(13)上記各実施の形態では、下側可変入球装置320に流入した遊技球については全て「有利入球部」としての特別入球部324に案内される構成としたが、これに限定されるものではない。下側可変入球装置320内に振分装置を設け、当該下側可変入球装置320内に流入した遊技球の一部が特別入球部324に案内される構成とすることも可能である。
(14)上記各実施の形態では、下側可変入球装置320(下側開閉体322)を通過するのに要する期間を遊技球の発射周期よりも長い期間となるようにして、当該下側可変入球装置320に到達した遊技球を減速させる構成とした。具体的には、下側可変入球装置320の上方を横切る球通路361の前壁部368及び奥壁部367に突条部371を設けて通路を蛇行させることにより、通過に要する期間を稼ぐ構成とした。このような思想を具現化する上での詳細な構成については任意である。例えば、下側開閉体322の上面に突起を設け、遊技球を上下に蛇行させることで通過に要する期間を稼ぐ構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、2つの可変入球装置310,320を併用する構成を示したが、これに限定されるものではなく可変入球装置の数については任意に変更してもよい。但し、上側可変入球装置310については「可変入球部」としての機能だけでなく「規制手段」としての機能が付与されている。そこで、上側可変入球装置310を省略する場合には、この上側可変入球装置310に代えて、以下の構成を設けることが好ましい。すなわち、連絡通路351の入口部分に遊技球を当該連絡通路351へ案内する状態と、連絡通路351へ案内しない状態(例えば別の通路へ案内する状態)とに切り替え可能な振分装置を設けることが好ましい。
(16)上記各実施の形態では、大当たり結果となった際に遊技状態を参照してインターバル期間の設定を行う構成としたが、これに限定されるものではない。遊技状態毎に参照するテーブルを変更して各インターバル期間に対応させて大当たり結果の種別を増やす構成とすることも可能である。具体的には、低頻度サポートモード中に参照される振分テーブルと高頻度サポートモード中に参照される振分テーブルとを個別に設け、前者では上記16R大当たり結果A〜Dの何れかに振り分けられるのに対して、後者では16R大当たり結果E(インターバル期間4sec且つ開放期間1sec)及び16R大当たり結果F(インターバル期間4sec且つ開放期間2sec)の何れかに振り分けられる構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態では、下側可変入球装置320の下側開閉体322が前後方向にスライド移動することにより当該下側可変入球装置320を許容状態(「受入状態」に相当)及び阻止状態(「非受入状態」に相当)に切り替える構成としたが、下側開閉体322の動作態様については任意である。例えば、上側可変入球装置310の上側開閉体312と同様に回動式とすることも可能である。
また、上側可変入球装置310の上側開閉体312が回動することにより当該上側可変入球装置310が「受入状態」及び「非受入状態」に切り替わる構成としたが、上側開閉体312の動作態様についても任意である。例えば、下側可変入球装置320の下側開閉体322と同様にスライド式とすることも可能である。
(18)上記各実施の形態では、右ルートに到達した遊技球については上側可変入球装置310が許容状態となっている場合に、当該上側可変入球装置310の迂回が不可となる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、上側可変入球装置310の上流側に当該上側可変入球装置310へ流下する流下経路と、上側可変入球装置310に並設されたアウト口へ流下する経路とに分岐させる構成としてもよい。なお、本変形例に示す技術的思想を具現化する上では、遊技釘等によって遊技球の流下先の多様化を図り、その箇所に到達した遊技球の一部については上側可変入球装置310への流入が回避されるのであれば足り、上記分岐経路以外の構成を否定するものではない。
(19)上記各実施の形態では、「案内通路部」を構成する連絡通路351の通路形状を工夫することにより連絡通路351を通過する遊技球の通過期間のばらつきを抑えるように調整した。これを変更し、期間調整用の手段を連絡通路351とは別に設けることも可能である。以下、その具体例について説明する。
連絡通路351の途中位置(詳しくは上流側検知センサ355Xと下流側検知センサ356Xとの間となる位置)には上流側検知センサ355Xを通過した遊技球を下流側検知センサ356Xへ送る球送り機構が設けられている。球送り機構は、回転体と当該回転体を駆動する駆動部(駆動モータ)とを有している。駆動モータについては検知センサ355X,356Xと同様に主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。回転体は略円板状をなしており、その中心部分が駆動モータの出力軸に固定されている。駆動モータは、電源・発射制御装置191から主制御装置162を介して供給される電力によって、所定方向に一定の速度で回転する。このように駆動モータが駆動することにより回転体が所定方向に一定速度で回転する(定常回転する)構成となっている。
回転体の周縁には、遊技球が入球可能な複数の凹部が等間隔となるように形成されている。当該凹部に入り込んだ遊技球は回転体の回転によって下流側へ順次案内される。遊技球の移動速度が回転体よりも上流側にてどのようにばらついたとしても、当該回転体を介して下流側検知センサ356X側へ移動することにより、遊技球の移動速度が一定となるように調整される。これにより、連絡通路351を通過する通過期間のばらつきが抑えられることとなる。
このような球送り機構を採用した場合には、以下の構成を併用することにより、更なる信頼性の向上及び防犯性の向上が期待できる。上記変形例においては球送り速度を駆動モータの回転速度によって調整し、検知センサから検知信号(例えばHIレベル信号)が出力される期間を定期的に又は不定期的に変化させることが可能である。このような期間の変化に応じて連絡通路351を通過するのに要する所要期間に応じて設定された設定期間を変更するとよい。例えば、駆動モータへ印加する電圧をHI,LOWで切り替え可能とするとともに、当該電圧がHIレベルである場合には上記設定期間を高速回転に対応するようにして相対的に短い第1設定期間とし、LOWレベルである場合には上記設定期間を低速回転に対応するようにして相対的に長い第2設定期間とする。このように、設定期間の切り替えを行うことにより、設定期間が常時一定となるように規定されているものと比較して上記各種効果の強化に寄与できる。なお、球送り速度の変化については下側可変入球装置320への入球を左右するため、この速度変化によって遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
(20)上記第2の実施の形態では、上側可変入球装置310と下側可変入球装置320とに跨るようにして設けられた連絡通路351の入口付近及び出口付近に検知センサ355X,356Xを配設したが、これら検知センサ355X,356Xの配置については任意に変更してもよい。但し、連絡通路351が遊技球の勢いを弱める蛇行部分を有している構成においては、この蛇行部分よりも上流側となる位置及び下流側となる位置に検知センサ355X,356Xを配設することが好ましい。具体的には、蛇行部分については、遊技球の勢いが弱くなるため不正具を用いた遊技球の捕捉が他の部位よりも容易になり得る。故に、この蛇行部分の上流/下流に検知センサ355X,356Xを配設して蛇行部分を監視下におくことには技術的意義がある。なお、検知センサについては磁気センサに限定されるものではなく、光学センサ等の他の非接触式センサを用いてもよいし、タッチセンサ等の接触式センサを用いてもよい。
上記第2の実施の形態における下側可変入球装置320Xについては下側開閉体322Xが前後に回動する構成として上記第1の実施の形態における下側可変入球装置320の下側開閉体322とは動作態様が異なる構成とした。ここで、第1の実施の形態に示したように下側開閉体322上を遊技球が転動するタイプの下側可変入球装置320に対して第2の実施の形態に示した技術的思想を適用する場合には、下側開閉体322の下流側となる位置に下流側検知センサ356Xを配設するとよい。但し、このような配置とした場合には、監視範囲(監視区間)を拡げることができる反面、下側可変入球装置320に流入した遊技球については当該下流側検知センサを通過しないこととなる。これにより通過に要する所要期間が把握できなくなると懸念される。そこで、下側可変入球装置320に遊技球が流入した場合には、上流側検知センサ355X及び特別入球部324に付属の下側検知センサ325からの検知情報に基づいて通過期間を把握する構成とする。そして、把握した通過期間を両検知センサ325,355X間を通過するのに要する所要期間に応じて設定された特殊設定期間との比較を行う(遊技球の動きが遅延されたか否かを判別する)。このような構成によれば、既存の構成を利用して構造の複雑化を抑えつつ遊技機の信頼性の向上に寄与することができる。
(21)上記第2の実施の形態では、遊技球が連絡通路351を通過する際の所要期間に応じて設定された設定期間に幅を設定し、実際の通過期間が設定期間の範囲内となっている場合には異常が発生していないと判定する構成としたが、これに限定されるものではない。設定期間を上限期間とし、実際の通過期間が当該上限期間よりも長い期間となっている場合には異常が発生していると判定する一方、実際の通過期間が当該上限期間よりも短い期間となっている場合には異常が発生していないと判定する構成としてもよい。上記第2の実施の形態においては遊技球の通過順序を把握しているため、検知順序等によって実際の通過期間よりも測定期間が短くなっていると誤検知する可能性を払拭できる。故に、上記構成としても監視機能を担保できる。但し、想定される配置/製造上のばらつき超えている場合には、実測値が短くなる可能性が残る。このような、不都合を早期に見つける上では上記第2の実施の形態に示したように設定期間に上限及び下限を設ける構成としたことには技術的意義がある。
(22)上記第2の実施の形態では、上側可変入球装置310Xが閉状態から開状態に切り替わる際に上側開閉体312Xに連動するようにして可動体316Xを動作させることにより、連絡通路351の入口部分352に位置する遊技球を上流側検知位置DE1へ強制的に移動させる「排出手段」を構築した。この排出手段においては、遊技球が支える等して可動体316Xの動きが妨げられた場合には、上側開閉体312Xの開状態への切り替えが規制されることとなる。但し、上流側検知センサ355X及び下流側検知センサ356Xにより規定された監視範囲(監視区間)外、詳しくは連絡通路351の入口部分352と上流側検知センサ355Xとの間に遊技球が留まっている場合に上側可変入球装置310の開放を不可とする上では、その具体的構成については上記のものに限定されるものではない。例えば、連絡通路351の入口部分352と上側開閉体312Xの動作領域とが重なる構成とし、当該入口部分352に遊技球が存在している場合には遊技球が上側開閉体312Xに対して当たることにより当該上側開閉体312Xの開状態への切り替えが規制される構成とすることも可能である。
なお、上記第2の実施の形態に示した「排出手段」については、遊技球の流下を促す機能が付与されていれば足り、上述した開状態への切り替えを規制する機能については省略することも可能である。この場合、上側開閉体312Xと可動体316Xとを繋ぐリンク機構317Xについては所謂ワンウェイリンク構造とし、可動体316Xの動きが妨げられた場合であっても上側開閉体312Xの開状態への切り替えが担保される構成とすることも可能である。
(23)上記第2の実施の形態では、開閉実行モードとなっている状況下にて上流側検知センサ355X及び下流側検知センサ356Xを用いた連絡通路351の監視が行われる構成としたが、これに限定されるものではない。どのような状況にて監視を行うかについては任意である。例えば、上記実施の形態に示したタイプの遊技機においては、開閉実行モードだけでなく、サポートモードが高頻度サポートモードとなっている状況下においても右ルートへ向けた遊技球の発射が遊技者にとって有利となるように設定されている。つまり、高頻度サポートモード下においても右ルート(連絡通路351)を遊技球が流下するようにして遊技が行われる。そこで、高頻度サポートモードとなって下側作動入球部63への入球が容易となっている状況下にて上記監視を行う構成とすることにより、高頻度サポートモード中に連絡通路351にて球詰まり等が発生した場合には、これを迅速に把握することが可能となる。
なお、このように監視を行う状況を限定する必要な必ずしもなく、遊技状態とは無関係に上記監視を行う構成としてもよい。例えば、遊技機の電源がONとなったことを契機として監視を開始し、電源がOFFとなったことを契機として監視を終了する構成とすることも可能である。
(24)上記第3の実施の形態では、開閉実行モード中に電力供給が停止され再び電力供給が開始されて当該開閉実行モードへ復帰する場合には、遊技機(主制御装置162)の起動(再起動)に要する最短期間が連絡通路351を遊技球が通過するのに要する所要期間よりも長くなるように遅延させる機能を有する構成としたが、この遅延の度合いについては少なくとも通常遊技状態へ復帰する場合と比較して長くなるように差が生じるのであれば足り、具体的にどの程度の遅延を発生させるかについては任意に変更してもよい。例えば、発射された遊技球が下側可変入球装置320に到達するまでに要する期間よりも長くなるようにして遅延期間を設定することも可能である。遊技球の発射直後に電力供給が停止された場合には、両可変入球装置310,320が閉状態に復帰する。発射された遊技球がこれら2つの可変入球装置310,320を通過するまで起動が遅延される構成とすれば、起動後の可変入球装置310,320に電断前に発射された遊技球が入球することを好適に抑制できる。
(25)上記第3の実施の形態では、開閉実行モード(「特別遊技状態」に相当)にて抽選ラウンドを含む所定の状況下となっている場合に遅延を発生させる構成としたが、このような状況下であっても条件に応じて「遅延手段」による遅延が回避される構成とすることも可能である。例えば、上記所定の状況下にて電断が発生した場合であっても、当該電断から経過した期間が発射された遊技球が下側可変入球装置320に到達するまでに要する期間よりも長くなった場合には遅延を行わない構成としてもよい。
(26)上記第3の実施の形態では、電力供給が停止されてから電力供給が再開されるまでの期間や開閉実行モード中の連続起動回数に応じて遅延度合いを変化させる構成とした。これには、遅延度合いを多様化して、どの程度の遅延が発生するかを正確に予測することを困難にできるという技術的意義がある。このように、遅延の度合いの多様化を実現する上では、遅延度合いを可変させる構成を有していれば足り、例えば遅延期間を設定する際に乱数を用いて当該遅延期間の長短の差を生じさせる構成とすることも可能である。但し、遅延期間の設定を行う際には未だタイマ割込み処理や通常処理が不可となっているため、既存の乱数カウンタ等を使用することが困難になる。そこで、上記実施の形態に示したようにRAM判定値を乱数の代わりに使用することには構成の複雑化を抑えつつ上記効果を発揮できるという技術的意義がある。
(27)上記第3の実施の形態に示したように、特殊な状況下にて電力の供給が停止した場合には、遊技機の再起動を敢えて遅延させることで、防犯機能を向上させることができる。この遅延度合いについては、ある程度余裕の余裕を付与することが防犯機能を担保する上で好ましい。しかしながら、防犯機能の向上によって遊技機を再起動する際の応答性が低下して無駄な待ちが発生すれば、ノイズ等の偶発的な要因によって一時的な電断が発生した場合の復帰動作が緩慢になり得る。これは、遊技者に不快感を与える要因になると懸念される。このような事情に配慮した場合、電力供給が停止した際の開閉実行モードの進行状況(例えば、第6ラウンド〜第7ラウンド(抽選ラウンド)の何れのタイミングであるか)に応じて遅延度合いを調整する構成とし、遅延を極力小さくすることが好ましい。
例えば、上側可変入球装置310が開放されている最中に電力の供給が停止した場合には、その直前に発射された遊技球が遅延→再起動の直前に上側可変入球装置310を通過し得る。この場合、当該遊技球が再起動後の上側可変入球装置310の開放期間及びインターバル期間を利用して連絡通路351を流下することとなる。そこで、このような遊技球が下側可変入球装置320を通過した後に当該下側可変入球装置320が開放されるように、連絡通路351を遊技球が通過するのに要する所要期間以上である第1期間(例えば3sec)となるように遅延期間を設定する。一方、インターバル期間中又は下側可変入球装置320が開放されている最中に電力の供給が停止した場合には、上記所要期間よりも短い期間であって下側可変入球装置320が閉状態に復帰するまでの残余期間よりも長い第2期間となるよう遅延期間を設定する。これにより、防犯機能を強化しつつ遅延機能によって無駄な待ちが発生することを抑制することができる。
本変形例に示す構成については連絡通路351を通過するのに要する所要期間が長い場合に、その効果が顕著になる。つまり、応答性への影響を抑えることができる。これは、連絡通路351の長さや形状等に係る制約を緩和する上でも好ましい構成である。
(28)上記第3の実施の形態に示した遅延期間の設定態様を以下のように変更してもよい。すなわち、下側可変入球装置320が許容状態となる前へ復帰する場合には、電断時に発射された最後の遊技球が下側可変入球装置320に到達した後のタイミング 〜 再起動時に発射された最初の遊技球が下側可変入球装置320に到達する前のタイミングにて、下側可変入球装置320が阻止状態 → 許容状態 → 阻止状態となるように遅延期間を設定し、下側可変入球装置320が許容状態となっている最中に復帰する場合には、電断時に発射された最後の遊技球が下側可変入球装置320に到達した後のタイミング 〜 再起動時に発射された最初の遊技球が下側可変入球装置320に到達する前のタイミングにて、下側可変入球装置320が許容状態 → 阻止状態に復帰するように遅延期間を設定する構成としてもよい。
(29)上記第3及び第4の実施の形態では、電力供給の開始に伴って遊技機を起動する際に遅延を発生させる構成としたが、これに代えて又は追加して電力供給の停止に伴って遊技機をシャットダウンする際に遅延を発生させる構成としてもよい。具体的には、電力の供給が停止されてから即座に遊技進行を停止させるのではなく、例えば遊技球が連絡通路351を通過するのに要する期間又はそれよりも長い期間に亘って動作が維持される構成としてもよい。
(30)第4の実施の形態に示した遅延機能を発揮させる上では、少なくとも可変入球装置310,320の動作タイミングを遅延させることができるのであれば足り、その具体的構成については任意に変更してもよい。例えば、遊技進行を司る主制御装置162の起動を遅らせるのではなく、起動後の可変入球装置310,320の動作開始タイミングを遅らせる構成としてもよい。また、発射報知 → 遊技球の発射 → 開閉実行モードへの復帰となるように時間差を設ける構成とするとよい。発射報知を先行させることにより、可変入球装置310,320を狙った遊技球の発射が遅れる等して、上述した利益担保の機能が上手く発揮されなくなることを抑制できる。上記技術的思想を具現化する上では、報知・演出制御装置143や表示制御装置620等の報知に係る構成の起動を主制御装置162よりも先行させる構成とするとよい。
(31)上記第4の実施の形態では、高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードへ復帰する場合に、主制御装置162の立ち上げに先駆けて遊技球の発射を許可する構成としたが、このような先行発射を許容する条件として高確率モードへの移行に対応した開閉実行モード中に下側可変入球装置320(特別入球部324)への入球が発生していないことを追加してもよい。既に高確率モードへの移行が確定している場合には、次ラウンドの開始を待って遊技球を発射したとしても、実質的な不利益を回避できる。そこで、高確率モードへの移行が確定している場合には、先行発射を行わない構成とすることにより、例えば遊技者の意図に反して遊技球の発射(投資)が行われることを抑制できる。
(32)上記各実施の形態では、「可変入球部」として上側可変入球装置310と下側可変入球装置320とを併用する構成としたがこれに限定されるものではなく、1の可変入球装置を用いる構成とする(上側可変入球装置310を省略する)ことも可能である。この場合、可変入球装置に特別入球部及び外れ対応の入球部を併設し、それら2つの入球部への遊技球の振り分けを行う振分装置によって遊技球の移動先を規定する構成としてもよい。
(33)上記第4の実施の形態では、高確率モードへの移行に対応した開閉実行モードへ復帰する場合に、それ以外のモードへ復帰する場合と比較して、復帰に要する期間が長くなるように遅延させる構成としたが、これを変更し、復帰に要する期間が短くなるように短縮させる構成としてもよい。更に、この短縮度合いを可変式とすることも可能である。
(34)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制して遊技者の遊技意欲の減退を抑える上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と
を備え、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記可変入球部を前記受入状態に複数回切り替える態様が設けられており、
前記移行対応結果となった場合にその移行対応結果の種類及び遊技状態の種類に応じて、前記可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態となり再び前記受入状態となるまでのインターバル期間を設定するインターバル期間設定手段(主制御装置162のMPU602における設定機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、移行対応結果の種類及び移行対応結果となった際の遊技状態に応じてインターバル期間の長さが変化し得る構成とすることにより、特別遊技状態における入球発生の有無(遊技進行)に差違を生じさせることができる。このようにして都度の特別遊技状態にて遊技の流れを多様化なものとすることにより、遊技の単調化を抑えて遊技者の遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能となる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入球装置310,320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と
を備え、
前記可変入球部は、
遊技球が流入可能な第1開口(上側大入賞口311)と、当該第1開口へ遊技球が入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも遊技球の入球が困難な非受入位置に変位可能な第1可動体(上側開閉体312)とを有する第1可変入球部(上側可変入球装置310)と、
遊技球が流入可能な第2開口(下側大入賞口321)と、当該第2開口へ遊技球が入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも遊技球の入球が困難な非受入位置に変位可能な第2可動体(下側開閉体322)とを有する第2可変入球部(下側可変入球装置320)と
を有し、
前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を所定の順序で前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える手段を有し、
前記切替対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部に移る場合に、前記第1可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態となってから前記第2可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態となるまでのインターバル期間を、前記移行対応結果となった場合にその移行対応結果の種類及び当該移行対応結果となった際の遊技状態の種類に応じて設定するインターバル期間設定手段(主制御装置162のMPU602における設定機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、移行対応結果の種類及び移行対応結果となった際の遊技状態に応じてインターバル期間の長さが変化し得る構成とすることにより、特別遊技状態における入球状況(遊技進行)に差違を生じさせることができる。このようにして都度の特別遊技状態にて遊技の流れを多様化なものとすることにより、遊技の単調化を抑えて遊技者の遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能となる。
特に、開放対象となる可変入球部を所定の順序で変化させることにより遊技の単調化を抑制することができる。このような構成においては、開放対象の変化に併せてインターバル期間が変化することで第2可変入球部への入球態様に違いが生じることとなる。このようにして得られる特典に差違を生じさせることにより、開放対象の変化とタイミングとの変化との2つの変化によって特別遊技状態における遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴A3.前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部へ向けた流下経路上(右ルート上)に配置されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
開放対象が上流側の第1可変入球部(上流側可変入球部)から下流側の第2可変入球部(下流側可変入球部)に移る場合には、上流側の第1可変入球部を素通りした遊技球が第2可変入球部へと向かう。このため、第1可変入球部が非受入状態となって当該第1可変入球部を素通りした遊技球が第2可変入球部によって拾われる(救済される)か否かはインターバル期間に依存することとなる。このように、入球の可否に対するインターバル期間の長さの寄与具合を高めることで、インターバル期間を変更することによる上記効果を好適に発揮させることができる。
第1可変入球部と第2可変入球部との位置関係が逆になっている場合には、第1可変入球部を素通りした遊技球については救済の余地がなくなり、インターバル期間が長くなったとしてもそれによる効果が上手く発揮されなくなると想定される。この場合に、インターバル期間を短くすることで無駄球の発生を抑えることができるものの、可変入球部の動きが急になることで、両可変入球部間を通過している遊技球が救済されるか否か(遊技球の動き)へ遊技者の注目を向けさせることが難しくなる。以上の理由から、上述した可変入球部の位置関係及び開閉順序にはインターバル期間の多様性を生かす上で技術的意義がある。
特徴A4.前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部へ向けた流下経路上(右ルート上)に配置されており、
前記第1可変入球部が前記受入状態となっている場合には、前記流下経路に到達した遊技球が前記第1開口に流入することにより、前記第2可変入球部への流下が規制される構成となっていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
開放対象が上流側の第1可変入球部(上流側可変入球部)から下流側の第2可変入球部(下流側可変入球部)に移る場合には、上流側の第1可変入球部を素通りした遊技球が第2可変入球部へと向かう。このため、第1可変入球部が非受入状態となって当該第1可変入球部を素通りした遊技球が第2可変入球部によって拾われる(救済される)か否かはインターバル期間に依存することとなる。このように、入球の可否に対するインターバル期間の長さの寄与具合を高めることで、インターバル期間を変更することによる上記効果を好適に発揮させることができる。
第1可変入球部と第2可変入球部との位置関係が逆になっている場合には、第1可変入球部を素通りした遊技球については救済の余地がなくなり、インターバル期間が長くなったとしてもそれによる効果が上手く発揮されなくなると想定される。この場合に、インターバル期間を短くすることで無駄球の発生を抑えることができるものの、可変入球部の動きが急になることで、両可変入球部間を通過している遊技球が救済されるか否かへ遊技者の注目を向けさせることが難しくなる。以上の理由から、上述した可変入球部の位置関係及び開閉順序にはインターバル期間の多様性を生かす上で技術的意義がある。
特に、上流側の第1可変入球部が開放されている場合には、第2可変入球部へ向けた遊技球の流下が回避される構成とすることにより、上述した各種効果を好適に発揮させることができる。
特徴A5.前記インターバル期間設定手段によって設定される前記インターバル期間の長さは、何れも前記第1可変入球部が前記受入状態に維持される期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A1等に示したようにインターバル期間の多様化を図ることは遊技の単調化を抑制する上で好ましい構成である。しかしながら、特別遊技状態では可変入球部への入球を期待して遊技が行われる点に配慮した場合、インターバル期間が支配的となることで遊技者に遊技進行が無駄に遅延されているかのような印象を与える可能性が高まる。これは、遊技意欲の減退を招く要因となるため好ましくない。そこで、インターバル期間の長さを何れも第1可変入球部が受入状態に維持される期間よりも短くしておくことにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A6.前記インターバル期間設定手段によって設定される前記インターバル期間の調整幅は、前記受入状態となる対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部に移る前に前記第1可変入球部が前記受入状態に維持される期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したようにインターバル期間の多様化を図ることは遊技の単調化を抑制する上で好ましい構成である。しかしながら、特別遊技状態では可変入球部への入球を期待して遊技が行われる点に配慮した場合、インターバル期間が支配的となることで遊技者に遊技進行が無駄に遅延されているかのような印象を与える可能性が高まる。これは、遊技意欲の減退を招く要因となるため好ましくない。そこで、インターバル期間の調整幅(可変量)をその前に受入状態となる第1可変入球部が受入状態となっている期間よりも短くすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成については、「前記インターバル期間設定手段によって設定される前記インターバル期間の調整幅は、前記第1可変入球部が前記受入状態に維持される期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A7.前記判定手段による移行判定のモードとして、前記移行対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設けられており、
前記第2開口に流入した遊技球が所定箇所に到達することにより、前記特別遊技状態の終了後に前記高確率モードに対応する遊技状態に移行させる手段を備えていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように開放対象が第1可変入球部から第2可変入球部に移る際には、当該第2可変入球部(第2開口)への入球の有無がインターバル期間に左右されることとなる。上述したように、移行対応結果の種類及び当該移行対応結果となった際の遊技状態の種類に応じてインターバル期間の長さが変化する構成とすることにより、第2開口への入球の発生確率(すなわち高確率モードへの移行確率又は継続確率)を様々に変化させることができる。これにより、遊技の多様化に貢献できる。
特徴A8.前記第1可変入球部と前記第2可変入球部との間には前記第1可変入球部へ入球しなかった遊技球を前記第2可変入球部へ案内する案内経路(連絡通路351)が設けられており、
前記案内経路は、前記第1可変入球部を通過した遊技球が前記第2可変入球部に到達するのに要する期間を予め定められた所定の期間となるように構成されており、
前記インターバル期間設定手段は、前記インターバル期間を前記所定の期間よりも短くなるように規定された第1期間となるように設定する手段と、前記インターバル期間を前記所定の期間よりも長くなるように規定された第2期間となるように設定する手段とを有していることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、インターバル期間として案内経路との通過に要する所定の期間(所要期間)よりも短い第1期間が選択された場合には、第1可変入球部を通過した遊技球が第2可変入球部に到達する前に当該第2可変入球部が受入状態となる。これに対して、インターバル期間として所定の期間よりも長い第2期間が選択された場合には、第1可変入球部を通過した遊技球が第2可変入球部に到達した後に当該第2可変入球部が受入状態となる。このような事情から、第1期間が設定された場合には第2期間が設定された場合よりも第2開口への入球が発生する可能性が低くなる、すなわち、第2開口への入球の発生確率(高確率モードへの移行確率又は継続確率)が低くなる。このような構成とすることにより、上記特徴A7に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A9.前記インターバル期間設定手段により前記インターバル期間として前記第1期間が設定された場合に、当該第1期間と前記第2可変入球部の開放期間との和が前記所定の期間よりも短くなるように当該第2可変入球部の受入期間を設定する手段と、
前記インターバル期間設定手段により前記インターバル期間として前記第1期間が設定された場合に、当該第1期間と前記第2可変入球部の開放期間との和が前記所定の期間よりも短くなるように当該第2可変入球部の開放期間を設定する手段と
を備えていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A8に示したように、第1可変入球部が早期に受入状態に切り替わった場合には、当該第1可変入球部が早々に非受入状態に復帰してしまうことで、第2開口への入球発生への期待感が低下すると懸念される。これは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。そこで、本特徴に示すように、遊技球が第2可変入球部に到達する前に当該第2可変入球部が受入状態になった場合であっても、遊技球が到達する前に非受入状態に復帰する態様と、到達した後に非受入状態に復帰する態様とを設けることにより、上述したような遊技者の期待感の低下を好適に抑制できる。
特徴A10.前記受入状態の切替対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部へ移る場合に、前記第1可変入球部が前記受入状態となっている受入期間は前記所定期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
受入状態への切替対象が第1可変入球部→第2可変入球部に移る場合には、第1可変入球部が受入状態に切り替わる前に当該第1可変入球部を素通りした遊技球が第2可変入球部を通過することとなる。第2可変入球部が受入状態に切り替わる際に上記素通りした遊技球が第2可変入球部に流入することを回避することにより、上述したインターバル期間の違いによって高確率モードへの移行確率を変化させる機能を好適に担保することができる。
特徴A11.前記第2可変入球部を前記受入状態とする受入期間は、前記インターバル期間設定手段によって設定された前記インターバル期間よりも短い期間となるように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7に示したように、第2可変入球部への入球に基づいて高確率モードへ移行する構成においては、第1可変入球部の主たる役割と第2可変入球部の主たる役割とに違いが生じ得る。第1可変入球部についてはどれだけ多くの入球が発生するかに遊技者の注目が向く一方、第2可変入球部については入球発生の有無に遊技者の注目が向くこととなる。ここで、第2可変入球部の受入期間がインターバル期間よりも長くなってしまっては、遊技者の注目が専ら第2可変入球部の受入期間に向き、インターバル期間を可変させることにより入球発生の可否を決定することで遊技への注目度を向上させるという効果が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本特徴に示す構成とすれば、インターバル期間を可変させることの意義が希薄になることを抑制し、上記各特徴に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A12.前記第1可変入球部が連続して前記受入状態となる場合には、前記第1可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態となって再び前記受入状態となるまでのインターバル期間が前記移行対応結果の種類に応じて決定される構成となっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
そもそも、インターバル期間を固定する(例えば一定にする)ことには特別遊技状態における遊技進行をリズムよく進めることができるという技術的意義がある。そこで、上述したように受入状態への切替対象を第1可変入球部→第2可変入球部へ切り替える際のインターバル期間を可変式とする一方で、切替対象が第1可変入球部に固定されている際のインターバル期間を固定式とすることにより、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴A13.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入球装置310,320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と
を備え、
前記可変入球部は、
遊技球が流入可能な第1開口(上側大入賞口311)と、当該第1開口へ遊技球が入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも遊技球の入球が困難な非受入位置に変位可能な第1可動体(上側開閉体312)とを有する第1可変入球部(上側可変入球装置310)と、
遊技球が流入可能な第2開口(下側大入賞口321)と、当該第2開口へ遊技球が入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも遊技球の入球が困難な非受入位置に変位可能な第2可動体(下側開閉体322)とを有する第2可変入球部(下側可変入球装置320)と
を有し、
前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を所定の順序で前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える手段を有し、
前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態とするまでのインターバル期間を規定するインターバル期間規定手段と、
前記切替対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部に移る場合に、前記第1可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態となってから前記第2可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態となるまでのインターバル期間を、前記移行対応結果となった場合にその移行対応結果の種類及び当該移行対応結果となった際の遊技状態の種類に応じて延長又は短縮する期間変更手段(主制御装置162のMPU602における設定機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
移行対応結果の種類及び移行対応結果となった際の遊技状態に応じてインターバル期間の長さが変化し得る構成とすることにより、特別遊技状態における遊技進行に差違を生じさせることができる。このようにして都度の特別遊技状態にて遊技の流れを多様化なものとすることにより、遊技の単調化を抑えて遊技者の遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能となる。
特に、開放対象となる可変入球部を所定の順序で変化させることにより遊技の単調化を抑制することができる。このような構成においては、開放対象の変化に併せてインターバル期間が変化することで第2可変入球部への入球の有無に違いが生じることとなる。このようにして得られる特典に差違を生じさせることにより、開放対象の変化とタイミングとの変化との2つの変化によって特別遊技状態における遊技の単調化を好適に抑制することができる。
但し、インターバル期間を固定する(例えば一定にする)ことには特別遊技状態における遊技進行をリズムよく進めることができるという技術的意義がある。そこで、上述したように受入状態への切替対象を第1可変入球部→第2可変入球部へ切り替える際のインターバル期間を可変式とする一方で、切替対象が第1可変入球部に固定されている際のインターバル期間を固定式とすることにより、実用上好ましい構成が実現できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制して遊技者の遊技意欲の減退を抑える上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、
前記可変入球部へ続く流下経路にて当該可変入球部よりも上流側に設けられ、前記可変入球部へ向けた遊技球の流下を許容する許容状態及び前記可変入球部へ向けた遊技球の流下を規制する規制状態に切替可能な規制手段(上側可変入球装置310)と
を備え、
前記規制手段と前記可変入球部との間の通過経路(連絡通路351)は、前記規制手段が前記許容状態となっている場合に当該規制手段を通過した遊技球が前記可変入球部に到達するのに要する期間を予め定められた所定の期間となるように構成されており、
前記切替制御手段による切替態様として、
前記可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に当該可変入球部を前記非受入状態に切り替える第1切替態様と、
前記可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替え前記第1切替態様よりも遅いタイミングで当該可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替える第2切替態様と
が設けられており、
前記第2切替態様にて前記受入状態となっている期間の少なくとも一部は、前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わってから前記所定の期間が経過した後の期間を含むように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、規制手段と可変入球部との間に設けられた通過経路については、遊技球が通過するのに要する所要期間が所定の期間となるように構成されている。これにより、規制手段が規制状態から許容状態に切り替わるタイミングと、上記所定の期間と、可変入球部が受入状態となる期間とによって可変入球部への入球の有無が左右されることとなる。具体的には、切替手段による切替態様が第1切替態様となった場合と比較して第2切替態様となった場合には規制手段を通過した遊技球の可変入球部への入球確率が高くなる。このように、通過に要する期間を定常化した上で、規制手段と可変入球部との切替態様に関連性を付与することにより、特別遊技状態中の遊技の多様化を図り、当該特別遊技状態における遊技への注目度向上に貢献することができる。
特徴B2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、
前記可変入球部へ続く流下経路にて当該可変入球部よりも上流側に設けられ、前記可変入球部へ向けた遊技球の流下を許容する許容状態及び前記可変入球部へ向けた遊技球の流下を規制する規制状態に切替可能な規制手段と
を備え、
前記規制手段と前記可変入球部との間の通過経路は、前記規制手段が前記許容状態となっている場合に当該規制手段を通過した遊技球が前記可変入球部に到達するのに要する期間を予め定められた所定の期間となるように構成されており、
前記切替制御手段による切替態様として、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わってから前記所定の期間が経過する前に前記可変入球を前記受入状態に切り替える第1切替態様と、
前記規制手段が前記規制状態から前記許容状態に切り替わってから前記所定の期間が経過した後に前記可変入球を前記受入状態に切り替える第2切替態様と
が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、規制手段と可変入球部との間に設けられた通過経路については、遊技球が通過するのに要する所要期間が所定の期間となるように構成されている。これにより、規制手段が規制状態から許容状態に切り替わるタイミングと、上記所定の期間と、可変入球部が受入状態となるタイミングとによって可変入球部への入球の有無が左右されることとなる。具体的には、切替手段による切替態様が第1切替態様となった場合と比較して第2切替態様となった場合には規制手段を通過した遊技球の可変入球部への入球確率が高くなる。このように、通過に要する期間を定常化した上で、規制手段と可変入球部との切替態様に関連性を付与することにより、特別遊技状態中の遊技の多様化を図り、当該特別遊技状態における遊技への注目度向上に貢献することができる。
特徴B3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入球装置310,320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と
を備え、
前記可変入球部は、
遊技球が流入可能な下流側開口(下側大入賞口321)と当該下流側開口へ入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも前記下流側開口への入球が困難な非受入位置に変位可能な下流側可動体(下側開閉体322)とを有する下流側可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記下流側可変入球部へ続く流下経路にて当該下流側可変入球部よりも上流側に設けられ遊技球が流入可能な上流側開口(上側大入賞口311)と当該上流側開口へ入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも前記上流側開口への入球が困難な非受入位置に変位可能な上流側可動体(上側開閉体312)とを有する上流側可変入球部(上側可変入球装置310)と
を有し、
前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記上流側可変入球部及び前記下流側可変入球部を所定の順序で前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える手段を有し、
前記上流側可変入球部と前記下流側可変入球部との間の通過経路は、前記上流側可変入球部が前記非受入状態となっている場合に当該上流側可変入球部を通過した遊技球が前記下流側可変入球部に到達するのに要する期間を予め定められた所定の期間となるように構成されており、
前記切替制御手段による切替態様として、
前記下流側可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えた後に当該下流側可変入球部を前記非受入状態に切り替える第1切替態様と、
前記下流側可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替え、前記第1切替態様よりも遅いタイミングで当該下流側可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替える第2切替態様と
が設けられており、
前記第1切替態様にて前記受入状態となっている期間の少なくとも一部は、前記上流側可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わってから前記所定の期間が経過した後の期間を含まないように構成されているのに対して、前記第2切替態様にて前記受入状態となっている期間の少なくとも一部は、前記上流側可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わってから前記所定の期間が経過した後の期間を含むように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、上流側可変入球部と下流側可変入球部との間に設けられた通過経路については、遊技球が通過するのに要する所要期間が所定の期間となるように構成されている。これにより、上流側可変入球部が受入状態から非受入状態に切り替わるタイミングと、上記所定の期間と、下流側可変入球部が非受入状態から受入状態となる期間とによって下流側可変入球部への入球の有無が左右されることとなる。具体的には、切替手段による切替態様が第1切替態様となった場合と比較して第2切替態様となった場合には上流側可変入球部を素通りした遊技球の下流側可変入球部への入球確率が高くなる。このように、通過に要する期間を定常化した上で、上流側可変入球部と下流側可変入球部との切替態様に上記所定の期間に対応した関連性を付与することにより、特別遊技状態中の遊技の多様化を図り、当該特別遊技状態における遊技への注目度向上に貢献することができる。
特徴B4.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入球装置310,320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と
を備え、
前記可変入球部は、
遊技球が流入可能な下流側開口(下側大入賞口321)と当該下流側開口へ入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも前記下流側開口への入球が困難な非受入位置に変位可能な下流側可動体(下側開閉体322)とを有する下流側可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記下流側可変入球部へ続く流下経路にて当該下流側可変入球部よりも上流側に設けられ遊技球が流入可能な上流側開口(上側大入賞口311)と当該上流側開口へ入球可能な受入位置及び当該受入位置よりも前記上流側開口への入球が困難な非受入位置に変位可能な上流側可動体(上側開閉体312)とを有する上流側可変入球部(上側可変入球装置310)と
を有し、
前記切替制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記上流側可変入球部及び前記下流側可変入球部を所定の順序で前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える手段を有し、
前記上流側可変入球部と前記下流側可変入球部との間の通過経路は、前記上流側可変入球部が前記非受入状態となっている場合に当該上流側可変入球部を通過した遊技球が前記可変入球部に到達するのに要する期間を予め定められた所定の期間となるように構成されており、
前記切替制御手段による切替態様として、
前記上流側可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わってから前記所定の期間が経過する前に前記下流側可変入球を前記受入状態に切り替える第1切替態様と、
前記上流側可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わってから前記所定の期間が経過した後に前記下流側可変入球を前記受入状態に切り替える第2切替態様と
が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、上流側可変入球部と下流側可変入球部との間に設けられた通過経路については、遊技球が通過するのに要する所要期間が所定の期間となるように構成されている。これにより、上流側可変入球部が受入状態から非受入状態に切り替わるタイミングと、上記所定の期間と、下流側可変入球部が非受入状態から受入状態となる期間とによって下流側可変入球部への入球の有無が左右されることとなる。具体的には、切替手段による切替態様が第1切替態様となった場合と比較して第2切替態様となった場合には上流側可変入球部を素通りした遊技球の下流側可変入球部への入球確率が高くなる。このように、通過に要する期間を定常化した上で、上流側可変入球部と下流側可変入球部との切替態様に上記所定の期間に対応した関連性を付与することにより、特別遊技状態中の遊技の多様化を図り、当該特別遊技状態における遊技への注目度向上に貢献することができる。
特徴B5.前記第1切替態様は、前記上流側可変入球部を前記非受入状態に切り替えてから前記所定の期間が経過する前に前記下流側可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1切替態様に対応する特別遊技状態においては上流側可変入球部が非受入状態となって上記通過経路での遊技球の移動が許容された後に当該上流側可変入球部を素通りした遊技球が下流側可変入球部に到達する前に当該下流側可変入球部が非受入状態に切り替わる(復帰する)。そもそも、下流側可変入球部への入球が期待できない場合であっても、敢えて遊技球の到達前に下流側可変入球部を受入状態に切り替えておくことにより、下流側可変入球部へ向けて移動する遊技球が当該下流側可変入球部に入球するかのように見せることができる。故に、例えば下流側可変入球部が開放されない構成と比較して遊技者の注目度の向上に貢献することができる。
特徴B6.前記第1切替態様にて前記上流側可変入球部が前記非受入状態となってから第1期間が経過したタイミングにて前記下流側可変入球部の前記受入状態への切り替える手段と、
前記第2切替態様にて前記上流側可変入球部が前記非受入状態となってから前記第1期間と同じ又は同等となる第2期間が経過したタイミングにて前記下流側可変入球部の前記受入状態への切り替える手段と
を有していることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B5に示したように、第1切替態様と第2切替態様との有利度の差を明確にすることは、遊技機の仕様等から外れた遊技進行を抑制して、遊技機の動作に係る確からしさを担保する上では有利である。しかしながら、単にこのような構成を適用した場合には、所定の期間が経過する前に下流側可変入球部が受入状態に切り替わることが、当該下流側可変入球部への入球の可能性を否定する要因となり得る。これは、遊技者の注目度を早々に低下させる要因となるため好ましくない。
そこで、本特徴に示すように、第2切替態様が選択された場合(詳しくはその一部)にて、下流側可変入球部が受入状態に切り替えるタイミングを第1切替態様の場合と揃える構成とすることにより、早いタイミングで下流側可変入球部が受入状態に切り替えられたとしても、当該下流側可変入球部への入球が発生する可能性を残すことができる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B7.前記第1切替態様は、前記上流側可変入球部を前記非受入状態に切り替えてから前記所定の期間が経過する前に前記下流側可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に復帰させるように構成されていることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1切替態様に対応する特別遊技状態においては上流側可変入球部が非受入状態となって上記通過経路での遊技球の移動が許容された後に当該上流側可変入球部を素通りした遊技球が下流側可変入球部に到達する前に当該下流側可変入球部が非受入状態に切り替わる(復帰する)。このように、所定の期間内に非受入状態→受入状態→非受入状態となるように構成することで、上流側可変入球部を素通りした遊技球については下流側可変入球部への入球が回避されることとなる。これにより、第1切替態様及び第2切替態様の何れが選択されるかによって有利不利の差違を明確にし、その確からしさを担保することができる。
特徴B8.前記切替制御手段による切替態様として、前記上流側可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わってから前記所定の期間が経過する場合に当該所定の期間を含むようにして前記下流側可変入球部を前記受入状態とする期間が設定された第3切替態様が設けられていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、第3切替態様に対応する特別遊技状態においては、下流側可変入球部が受入状態となったまま上記所定の期間が経過したタイミングを跨ぐこととなる。上述した所定の期間については都度の遊技球の動きによって若干のばらつきを含むことになり得る。そこで、このようなばらつきを利用することで第3切替態様においては入球発生の有無を不確定にすることができ、結果を多様化することができる。上述した第1/第2切替態様に加えて第3切替態様を設定することにより、特別遊技状態における遊技の多様化を実現できる。
特徴B9.遊技者による発射操作に基づいて所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記下流側開口は、上方に開放され、
前記下流側可動体は、前記下流側可変入球部が前記非受入状態となっている場合に前記下流側開口を覆い、当該下流側可動体上を遊技球が転動可能となるように構成されており、
前記下流側可動体上を遊技球が通過するのに要する期間が前記所定の周期よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者の発射操作に応じて周期的に遊技球が発射されるタイプの遊技機においては、下流側可変入球部への到達タイミングがその周期分前後し得る。通路構造によって上記通過経路における通過期間を定常化しようとした場合、このようなばらつきを解消することが困難である。確かに、球送り部材等の可動体によって上記ばらつきを解消することは可能であるが、それでは下流側可変入球部への入球の有無が予め遊技機によって決定されているとの印象が強くなり、遊技球の動きに対する遊技者の注目度を高める効果が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、上記周期分のばらつきについては下流側可変入球部(下流側可動体付近)にて吸収する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、特徴B5乃至特徴B9に示した技術的思想を特徴B1又は特徴B2に適用することも可能である。
特徴B10.前記通常の遊技状態として、第1通常遊技状態(例えば低頻度サポートモード対応の通常遊技状態)と当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(例えば高頻度サポートモード対応の通常遊技状態)とが設定されており、
前記第1通常遊技状態となっている状況下にて前記移行対応結果となった場合に、前記切替制御手段による前記下流側可変入球部の切替態様として前記第1切替態様を設定する手段と、前記第2通常遊技状態となっている状況下にて前記移行対応結果となった場合に、前記切替制御手段による前記下流側可変入球部の切替態様として前記第2切替態様を設定する手段とを有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、遊技状態が有利な場合に移行対応結果となればその後の遊技をより有利に進めることができる。このような種の偏りについては、遊技のメリハリを強化する上で有利である。特徴B1等に示した技術的思想を適用すれば、簡易な構成によって当該効果を発揮させることができる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出しや通常よりも有利な遊技状態への移行等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技機の信頼性の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(例えば開状態)及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば下側可変入球装置320)と、
前記可変入球部に流入した遊技球が当該可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と、
前記遊技領域にて前記可変入球部よりも上流側となる領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球を前記可変入球部へ案内する案内通路部(連絡通路351)と、
前記案内通路部に設けられ、当該案内通路部における第1検知位置(上流側検知位置DE1)を通過する遊技球を検知する第1検知手段(上流側検知センサ355X)と、
前記案内通路部にて前記第1検知手段よりも下流側に設けられ、当該案内通路部における第2検知位置(下流側検知位置DE2)を通過する遊技球を検知する第2検知手段(下流側検知センサ356X)と
を備え、
前記案内通路部は、前記第1検知位置と前記第2検知位置との間を遊技球が通過するのに要する期間が所定期間(3sec)となるように形成されており、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段からの検知情報に基づいて、前記案内通路部に流入した遊技球が前記第1検知位置と前記第2検知位置との間を通過するのに要した期間を把握する期間把握手段(期間計測カウンタ)と、
前記期間把握手段により把握された期間が前記所定期間に基づいて定められた設定期間から外れているか否かを監視する監視手段(主制御装置162のMPU602にて監視処理実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
受入状態/非受入状態に切り替わるタイプの可変入球部については、案内通路部を通じて当該可変入球部に到達した遊技球の全てが入球するとは限らず、その入球タイミングが制限されることとなる。ここで、仮に案内通路部を通過する遊技球の挙動が乱れる等して可変入球部へ到達するタイミングがずれてしまった場合、本来であれば遊技者に付与されるはずであった特典が付与されなかったり、付与されるはずではない特典が遊技者に付与されたりする。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になり得るため好ましくない。また、このような事象が偶発的な要因ではなく意図的に発生させられた場合(例えば不正具等を用いて遊技球の動きを意図的に変化させるといった行為がなされた場合)には、遊技ホールが被る損失が甚大なものとなり得る。
この点、本特徴に示す構成によれば、第1検知位置〜第2検知位置を通過するのに要する期間(所要期間)が所定期間となるように規定されており、この所定期間を元に定められた設定期間に対して実測値が外れていないかが監視されている。このため、例えば案内通路部にて球詰まり等が発生して遊技球が正常に移動していない場合には、それを把握することができる。仮にこのような不都合が生じた場合には、監視結果に基づいて、異常等が発生している旨を示す報知を行ったり、遊技進行を規制したりすることにより、遊技機の信頼性の低下を抑制し、遊技者や遊技ホールが不利益を被ることを抑制することが可能となる。
なお、本特徴に示す「前記所定期間に基づいて定められた設定期間」については、「所定期間」と一致させてもよいし、製造誤差等の個体差によって生じるばらつきに配慮した期間としてもよい。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(例えな開状態)及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉状態)に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、
前記可変入球部に流入した遊技球が当該可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と
を備え、
前記可変入球部として、第1可変入球部(下側可変入球装置320)と当該第1可変入球部よりも上流側に配設された第2可変入球部(上側可変入球装置310)とを有し、
前記特典付与手段は、前記第1可変入球部への入球に基づいて遊技者に付与する第1特典の方が前記第2可変入球部への入球に基づいて遊技者に付与する第2特典よりも遊技者に有利となるように構成されており、
前記第1可変入球部と前記第2可変入球部とに跨るようにして設けられ、前記第2可変入球部が前記非受入状態となっている場合に当該第2可変入球部を通過した遊技球を前記第1可変入球部へ案内する案内通路部(連絡通路351)を備え、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記第2可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替えた後に前記第1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える所定の切替制御態様が設けられており、
前記所定の切替制御態様には、
前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記受入状態となっている前記第1可変入球部が、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達する前に前記非受入状態に復帰するように切替タイミングを規定した態様と、
前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記受入状態となっている前記第1可変入球部が、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達した後に前記非受入状態に復帰するように切替タイミングを規定した態様と
が設けられており、
前記案内通路部にて前記第2可変入球部の下流側となる位置に設けられ、当該案内通路部における第1検知位置(上流側検知位置DE1)を通過する遊技球を検知する第1検知手段(上流側検知センサ355X)と、
前記案内通路部にて前記第1検知手段よりも下流側に設けられ、当該案内通路部における第2検知位置(下流側検知位置DE2)を通過する遊技球を検知する第2検知手段(下流側検知センサ356X)と
を備え、
前記案内通路部は、前記第1検知位置と前記第2検知位置との間を遊技球が通過するのに要する期間が所定期間(3sec)となるように形成されており、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段からの検知情報に基づいて、前記案内通路部に流入した遊技球が前記第1検知位置と前記第2検知位置との間を通過するのに要した期間を把握する期間把握手段(期間計測カウンタ)と、
前記期間把握手段により把握された期間が前記所定期間に基づいて定められた設定期間から外れているか否かを監視する監視手段(主制御装置162のMPU602にて監視処理実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
第1可変入球部及び第2可変入球部の受入状態/非受入状態の切替制御によって第1特典を遊技者に付与するか否かをコントロールするタイプの遊技機においては、遊技の多様化等を実現して遊技への注目度の向上に寄与することができる。但し、この種の遊技機においては、仮に案内通路部を通過する遊技球の挙動が乱れる等して第1可変入球部へ到達するタイミングがずれてしまった場合、本来であれば遊技者に付与されるはずの第1特典が付与されなかったり、付与されるはずではない第1特典が遊技者に付与されたりする。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になり得る。また、このような事象が偶発的な要因ではなく意図的に発生させられた場合(例えば不正具等を用いて遊技球の動きを意図的に変化させるといった行為がなされた場合)には、遊技ホールが被る損失が甚大なものとなり得る。
この点、本特徴においては、第1可変入球部及び第2可変入球部を繋ぐ案内通路部が、当該案内通路部における第1検知位置〜第2検知位置を通過するのに要する期間(所要期間)が所定期間となるように形成されており、この所定期間に基づいて定められた設定期間に対して実測値が外れていないかが監視されている。このため、例えば案内通路部にて球詰まり等が発生して遊技球が正常に移動していない場合には、それを把握することができる。仮にこのような不都合が生じた場合には、監視結果に基づいて異常等が発生している旨を示す報知を行ったり、遊技進行を規制したりすることにより、遊技機の信頼性の低下を抑制し、遊技者や遊技ホールが不利益を被ることを抑制することが可能となる。
なお、本特徴に示す「前記所定期間に基づいて定められた設定期間」については、「所定期間」と一致させてもよいし、製造誤差等によって生じるばらつきを考慮した期間としてもよい。
特徴C3.前記第1検知手段は前記案内通路部の上流部分(例えば入口付近)に配設され、前記第2検知手段は前記案内通路部の下流部分(例えば出口付近)に配設されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1可変入球部〜第2可変入球部の間(案内通路部)にて2つの検知手段による監視範囲外となる部分を減縮することができ、特徴C1に示した信頼性の向上効果を好適に向上できる。
特徴C4.前記案内通路部は鉛直方向と交差する方向に蛇行するように形成された蛇行部分を有し、
前記第1検知手段は前記蛇行部分よりも上流側に配設され、前記第2検知手段は前記蛇行部分よりも下流側に配設されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
案内通路部を左右や前後に蛇行させる構成とすれば、案内通路部へ流入する前の遊技球の勢いの影響を抑え、特徴C1に示した期間を定常化する機能を好適に発揮させることができる。また、このような通路構造によれば、案内通路部における遊技球の流下の勢い等を緩和して可変入球部の保護を図ったり、当該遊技球の動きを目視で追いやすくしたりすることができる。
但し、遊技球の勢い抑える構成とした場合には、不正具等を用いて遊技球を捕捉することが容易になり得る。そこで、通過期間を一定化する案内通路部と特徴C1等に示した期間把握手段とを併用すれば、監視機能に係る構成が不正行為の足掛かりとなることを抑制できる。以上の理由から、案内通路部を蛇行させる構成と特徴C1等に示した監視機能との組み合わせには明確な技術的意義が存在する。
特徴C5.前記可変入球部は第1可変入球部(下側可変入球装置320)であり、
前記第1検知手段よりも上流側となる位置に配設され、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球部(例えば上側可変入球装置310)と、
前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記案内通路部は、前記第2可変入球部が前記非受入状態となっている場合に当該第2可変入球部を通過した入球を前記第1可変入球部へと案内するものであり、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記第2可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替えた後に前記第1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える所定の切替制御態様が設けられており、
前記所定の切替制御態様となっている状況下にて前記監視手段によって前記把握された期間が前記設定期間から外れている場合に、所定の処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
上記設定期間をシビアにすれば特徴C1等に示した監視機能を強化できる反面、本来不利益が発生しない状況下にて監視に引っ掛かる可能性が高くなる。ここで、監視手段による監視結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知処理、遊技進行の制限処理、抽選等の無効化処理等)を行う場合、当該処理が頻発することが、遊技者やホール管理者に煩わしさを与える要因になり得る。更に、実質的な不利益が発生していない場合に所定の処理が頻発すれば、当該処理への信頼性自体が疑われることとなり、監視機能が上手く活用されなくなると懸念される。そこで、所定の切替制御態様となっている状況下(すなわち実質的な不利益が発生し得る状況下)にて把握した期間が設定期間から外れている場合に所定の処理を実行する構成とすれば、監視機能の強化に起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C6.前記監視手段は、少なくとも前記切替制御手段による切替制御の態様が前記所定の切替制御態様となる場合に前記監視を行う構成となっていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C1等に示した監視機能を付与すれば、遊技機に対する信頼性の向上を図ることができものの、それに起因した処理負荷等が増大すると懸念される。そこで、第1可変入球部が入球対象になり得る状況下(受入状態への切り替えが発生する状況下)にて上記監視を行う構成とすることにより信頼性の向上を図りつつ上記処理負荷を軽減することができる。
また、第1可変入球部よりも前に第2可変入球部を受入状態とする構成との組み合わせによれば、第2可変入球部が受入状態となっている状況下にて案内通路部(詳しくは第1検知位置〜第2検知位置)からの遊技球の排出を促すことができ、第1検知位置〜第2検知位置間に遊技球が存在している状態で監視が開始されることを抑制できる。
特徴C7.前記案内通路部は、前記所定の切替制御態様となっている場合に前記第2可変入球部が前記受入状態に維持される期間よりも前記所定期間の方が短くなるように構成され、
前記監視手段は、前記第2可変入球部が前記受入状態となっている状況下にて当該第2可変入球部が前記受入状態となってから前記所定期間よりも長い所定の待機期間を経過した後に、前記監視を開始する構成となっていることを特徴とする特徴C4乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば遊技機の稼働中に上記監視を常時行う構成とした場合には、第1検知位置〜第2検知位置間に遊技球が存在する状態で監視が開始される可能性は極めて低くなる。故に、期間測定に係る構成を簡素化したとしてもそれに起因して測定機能が上手く発揮されなくなることが抑制される。これに対して、監視機能のON/OFFを遊技中(稼働中)に切り替える構成とした場合には、第1検知位置〜第2検知位置間に遊技球が位置している状況下にて、上記監視が開始される可能性が高くなる。これは、期間測定が上手く行われなくなる要因になり得る。
この点、本特徴に示すように第2可変入球部→第1可変入球部の順に受入状態に切り替わる場合に監視を開始する構成とすれば、第2可変入球部によって遊技球の流れを切ることができる。つまり、連続して発射された遊技球群を第2可変入球部に取り込むことにより、その流れを切って監視開始時に第1検知位置〜第2検知位置間に遊技球が存在することを抑制できる。これは、監視に係る処理負荷の軽減を図りつつ、監視機能を担保する上で好ましい構成である。
特徴C8.前記監視手段による監視が開始された後、前記第1検知手段によって遊技球が検知される前に前記第2検知手段によって遊技球が検知された場合に、所定の処理を実行する手段を有していることを特徴とする特徴C4乃至特徴C7いずれか1つに記載の遊技機。
監視機能のON/OFFを遊技中(稼働中)に切り替える構成とした場合には、監視開始時に第1検知位置〜第2検知位置間に遊技球が存在することで監視機能が上手く発揮されなくなると懸念される。例えば、この遊技球については実際の通過期間が不明となる。そこで、監視開始後に先に第2検知手段によって遊技球が検知された場合には、監視結果の有無とは関係なく所定の処理(例えば報知処理、遊技進行の制限処理、抽選等の無効化処理等)を行うことにより、上記不都合の発生を抑制することができる。
特徴C9.前記所定の切替制御態様として、前記第2可変入球部を前記非受入状態としてから前記所定期間が経過するまでに前記第1可変入球部を前記受入状態とし再び前記非受入状態に復帰させる態様と、前記第2可変入球部を前記非受入状態としてから前記所定期間が経過した後に前記第1可変入球部を前記非受入状態に復帰させる態様とが設けられていることを特徴とする特徴C4乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9に示す構成によれば、第1可変入球部への入球が発生する場合(特典付与を行う場合)と、第1可変入球部への入球が回避される場合(特典付与を回避する場合)とを遊技機側でコントロールすることができる。このような構成においては特典が付与されるか否かについては遊技球の動きに依存するため、場合によっては本来の結果とは逆の事象が発生する可能性を否定できない。例えば、実質的に第1可変入球部への入球が発生しない状況下にて第1可変入球部への入球が発生してしまっては、本来付与されるはずではない特典が遊技者に付与されることとなる。
そこで、このような構成に対して特徴C1等に示した技術的思想を適用すれば、案内通路部における遊技球の挙動に異常が生じていることを把握することができる。これにより、遊技者や遊技ホールが不利益を被ることを好適に抑制し、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴C10.前記案内通路部は、前記第1可変入球部と前記第2可変入球部とに亘って設けられた連絡通路部であり、
前記第2可変入球部は同一箇所を複数の遊技球が同時に通過し得るように横長状をなしており、
前記案内通路部の入口部分は、前記第2可変入球部側に開放され、当該第2可変入球部に沿って延びる横長状をなしており、
前記第2可変入球部が前記非受入状態となってから前記第1可変入球部が前記受入状態となり前記非受入状態に復帰するまでの期間を前記所定期間と同じ又は当該所定期間よりも短い期間となるように設定する手段を有していることを特徴とする特徴C4乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10に示すように第2可変入球部を横長状に形成することは、当該第2可変入球における遊技球の零れを抑えて入球確率を高くしたり、入球の様子を見やすくしたりする上で有利である。しかしながら、このような構成では入口部分に第1検知手段を配設することが難しくなり、必然的に第2可変入球部(案内通路部の入口部分)と第1検知手段との離れが大きくなる。上述した監視を開始する場合に、第2可変入球部と第1検知手段との間に遊技球が位置していた場合、本来第1可変入球部への入球が回避されるはずの遊技球が第2可変入球部へ入球する可能性が生じる。そこで、第2可変入球部が前記非受入状態となってから前記第1可変入球部が前記受入状態となり前記非受入状態に復帰するまでの期間を所定期間と同じ又は所定期間よりも短い期間となるように設定すれば、第1可変入球部への入球を好適に回避することができる。
特徴C11.前記第2可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態に切り替わる場合に、当該第2可変入球部と前記第1検知手段との間に位置する遊技球を前記第1検知手段側へ送る球送り手段(可動体316)を備えていることを特徴とする特徴C4乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4等に示した監視機能を付与した場合には、不正具等を用いて第1検知位置〜第2検知位置間にて遊技球の動きを意図的に遅らせるといった行為が困難となり、この区間についての防犯レベルを向上できる。しかしながら、第2可変入球部と第1検知手段とがある程度離れている場合には、上記監視機能をかいくぐるべくその離間部分が狙われやすくなる。つまり、この離間部分にて遊技球の動きを遅らせるといった行為がなされやすくなる。そこで、第2可変入球部が受入状態に切り替わる場合に例えば第2可変入球部に連動するようにして球送り手段を動作させる構成とし、上記離間部分からの遊技球の排出を促すことにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴C12.前記第1検知手段と前記第2可変入球部との間に遊技球が位置している場合には、当該遊技球が前記第1検知手段へ移動するまで前記第2可変入球部の前記非受入状態から前記受入状態への切り替えを規制する規制手段(可動体316やリンク機構317)を備えていることを特徴とする特徴C4乃至特徴C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4等に示した監視機能を付与した場合には、不正具等を用いて第1検知位置〜第2検知位置間にて遊技球の動きを意図的に遅らせるといった行為が困難となり、この区間についての防犯レベルを向上できる。しかしながら、第2可変入球部と第1検知手段とがある程度離れている場合には、上記監視機能をかいくぐるべくその離間部分が狙われやすくなる。つまり、この離間部分にて遊技球の動きを遅らせるといった行為がなされやすくなる。そこで、第2可変入球部が受入状態に切り替わる場合に例えば第2可変入球部に連動するようにして球送り手段を動作させる構成とし、仮に上記離間部分に遊技球が留まっている場合には第2可変入球部の前記受入状態への切り替えが規制される構成とすれば、不正を働こうとすることで第2可変入球部への入球発生機会が減ることになる。これにより、不正に特典を得ようとする行為を好適に抑制できる。
なお、規制手段による規制が解除されるまで、第1検知手段と第2可変入球部との間に位置する遊技球の流下が妨げられる構成とすることにより、更なる防犯機能の向上効果が期待できる。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出しや通常よりも有利な遊技状態への移行等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技機の信頼性の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(例えば開状態)及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉状態)に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、
前記可変入球部に流入した遊技球が当該可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と
を備え、
電源装置(電源・発射制御装置191)から供給される電力によって動作する遊技機において、
前記電源装置からの電力の供給が停止された場合に、遊技状態を記憶する記憶手段(主制御装置162のMPU602における記憶処理を実行する機能)と、
前記電源装置からの電力の供給が開始された場合であって前記記憶手段により遊技状態が記憶されている場合に、当該記憶手段に記憶されている遊技状態へ復帰させる状態復帰手段(主制御装置162のMPU602におけるメイン処理を実行する機能)と、
前記電源装置からの電力の供給に基づいて前記特別遊技状態に復帰させる場合に、当該復帰に要する期間を可変設定する可変設定手段(主制御装置162のMPU602における遅延処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
電力の供給が停止された場合にその時点での遊技状態を記憶し、次に起動した際に電力供給停止前の遊技状態に復帰させる構成とすることにより、停電等が発生した場合の遊技者の利益を担保することができる。ここで、遊技領域に発射された遊技球については、電力の供給が停止された場合であっても自重による流下が継続される。このため、可変入球部が受入状態/非受入状態に切り替わる特別遊技状態にて電力の供給が停止した場合には、発射された遊技球と可変入球部との位置関係が電力の供給が停止しなかった場合から変化し得る。つまり、本来であれば入球するはずの無かった遊技球が入球する可能性が生じる。このように、遊技者の利益担保を図るための構成によって本来発生するはずの無い特典の付与が発生した場合には、遊技ホールが不利益を被ることとなる。特に、このような事象を意図的に発生させることが可能となれば、遊技機に対する信頼性が著しく低下すると懸念される。
この点、本特徴によれば、特別遊技状態に復帰させる場合に当該復帰に要する期間が一定になることを回避できる。これにより、タイミングを見計らって電源のON/OFF操作等が不正に行われることを抑制し、遊技機の信頼性の担保に寄与できる。
なお、本特徴に示す「可変設定手段」を「前記電源装置からの電力の供給に基づいて前記特別遊技状態に復帰させる場合に、当該復帰に要する期間を第1所定期間とする手段と、当該復帰に要する期間を第2所定期間とする手段とを有する」構成とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す構成を、「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(例えば開状態)及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉状態)に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、前記可変入球部に流入した遊技球が当該可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)とを備え、電源装置(電源・発射制御装置191)から供給される電力によって動作する遊技機において、前記電源装置からの電力の供給が停止された場合に、遊技状態を記憶する記憶手段(主制御装置162のMPU602における記憶処理を実行する機能)と、前記電源装置からの電力の供給が開始された場合であって前記記憶手段により遊技状態が記憶されている場合に、当該記憶手段に記憶されている遊技状態へ復帰させる状態復帰手段(主制御装置162のMPU602におけるメイン処理を実行する機能)と、前記電源装置からの電力の供給に基づいて前記特別遊技状態に復帰させる場合には、前記通常遊技状態に復帰させる場合よりも、復帰が速くなるようにする手段(主制御装置162のMPU602における遅延処理を実行する機能)とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤60)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(作動入球部62,63)と、
前記始動入球部への入球に基づいて遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行させるか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特別遊技状態への移行に対応する移行対応結果となった場合に、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における移行機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(例えば開状態)及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態(例えば閉状態)に切替可能な可変入球部(下側可変入球装置320)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における切替機能)と、
前記可変入球部に流入した遊技球が当該可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を通過したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602における特典付与機能)と
を備え、
電源装置(電源・発射制御装置191)から供給される電力によって動作する遊技機において、
前記電源装置からの電力の供給が停止された場合に、遊技状態を記憶する記憶手段(主制御装置162のMPU602における記憶処理を実行する機能)と、
前記電源装置からの電力の供給が開始された場合であって前記記憶手段により遊技状態が記憶されている場合に、当該記憶手段に記憶されている遊技状態へ復帰させる状態復帰手段(主制御装置162のMPU602におけるメイン処理を実行する機能)と、
前記電源装置からの電力の供給に基づいて前記特別遊技状態に復帰させる場合には、前記通常遊技状態に復帰させる場合よりも、復帰が遅くなるように遅延させる遅延手段(主制御装置162のMPU602における遅延処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
電力の供給が停止された場合にその時点での遊技状態を記憶し、次に起動した際に電力供給停止前の遊技状態に復帰させる構成とすることにより、停電等が発生した場合の遊技者の利益を担保することができる。ここで、遊技領域に発射された遊技球については、電力の供給が停止された場合であっても自重による流下が継続される。このため、可変入球部が受入状態/非受入状態に切り替わる特別遊技状態にて電力の供給が停止した場合には、発射された遊技球と可変入球部との位置関係が電力の供給が停止しなかった場合から変化し得る。つまり、本来であれば入球するはずの無かった遊技球が入球する可能性が生じる。このように、遊技者の利益担保を図るための構成によって本来発生するはずの無い特典の付与が発生した場合には、遊技ホールが不利益を被ることとなる。特に、このような事象を意図的に発生させることが可能となれば、遊技機に対する信頼性が著しく低下すると懸念される。
この点、本特徴によれば、上述したような特典の不当な取得を目的として(特別遊技状態中に)不正に電源のON/OFF操作が行われた場合には、起動までの期間が延長されることとなる。特別遊技状態中においては敢えて遊技機の起動を遅らせることにより、電力の供給が何らかの事情によって停止したことを把握しやすくしてホール管理者が当該事象を見逃す機会を減らす上で有利となる。また、立ち上げまでの期間を遅延させる構成によれば、電源のON/OFFを繰り返すことによる細かなタイミングの調整が難しくなる。故に、可変入球部が受入状態に維持される期間中に遊技球を可変入球部に到達させることが困難になる。これにより防犯機能を向上して遊技機に対する信頼性を向上させることができる。そもそも、遊技機を起動する際の待ち時間を短縮することは遊技機の初期動作等の確認作業を行う際の作業効率を向上する上で好ましい。これに対して、上述したように不正が行われやすい状況下において敢えて起動を遅延させる構成とすることには、防犯機能を向上して遊技機の信頼性を担保するという明確な技術的意義がある。
特徴D3.前記遅延手段は、前記復帰に要する期間を可変設定する可変設定手段(主制御装置162のMPU602における遅延期間設定処理等を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D2に示した防犯機能を発揮させる上では、復帰までに要する期間の延長度合いを変化させることにより、可変入球部の動きを予測することが困難になる。これにより、電源のON/OFF操作等によって遊技機を強制的に再起動させた場合であっても、可変入球部が受入状態となることを見計らって受入状態中に遊技球が可変入球部に到達するようにタイミングを合わせるといった行為を一層難しくすることができる。また、起動タイミングを遅延させて遊技機の電源がOFFになったことを目立たせた上で、上記タイミングの調整を困難とすることにより、不正行為に対する抑止力を強化できる。
特徴D4.前記可変設定手段は、前記電源装置からの電力の供給が停止してから再開されるまでの期間に応じて前記遅延の度合いを可変設定する第1可変手段を有していることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
そもそも、特徴D3等に示したような特殊な状況下にて電力の供給を停止させるといった行為は不正を目的として行われる可能性が高いと想定される。ここで、遊技球の流下のタイミングを見計らって当該操作を行おうとすれば、必然的にその操作のタイミングにばらつきが生じるものと想定される。そこで、本特徴に示すように電力供給再開までの期間に応じて遅延度合いを変化させる構成として遅延期間の多様性を担保する構成とすれば、上述した不正行為を一層困難なものとすることができる。
因みに、初期動作の確認等を行う場合には、このような遅延度合いの差が作業を難しくする要因になるわけではない。故に、特徴D4に示した構成によって防犯機能を強化したとしても、それに起因した作業性の低下を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴D1に適用することも可能である。
特徴D5.前記第1可変手段は、前記電源装置からの電力の供給が停止してから再開されるまでの期間が長くなることにより、前記遅延の度合いが小さくなるようにして可変設定を行うように構成されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
営業時間が終了した場合等に正規の操作によって電力供給が停止される場合と比較して、上述したような不正な操作によって電力供給が停止される場合においては、電力供給が再開されるまでの期間が短くなる。そこで、電力供給が停止されている期間が長いほど遅延の度合いが小さくなり、電力供給が停止されている期間が短いほど遅延の度合いが大きくなるように構成すれば、確認作業等を行う際の影響を抑えつつ防犯機能を向上させることが可能となり、実用上好ましい構成の実現に寄与できる。
特徴D6.前記可変設定手段は、前記特別遊技状態での遊技の進行状況に応じて前記遅延の度合いを可変設定する第2可変手段を有していることを特徴とする特徴D3乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球部への入球を不正に発生させようとした場合には、遊技球の動きと特別遊技状態における遊技の進行状況との関係によって好ましい電力供給の停止/開始のタイミングが変化すると想定される。そこで、特別遊技状態での遊技の進行状況に応じて遅延の度合いを変化させる構成とすれば、遅延機能を好適に利用することが可能となる。故に、確認作業等を行う際の影響を抑えつつ防犯機能を向上させることが可能となり、実用上好ましい構成の実現に寄与できる。
特徴D7.前記特別遊技状態においては、前記電源装置から電力の供給が開始されてから前記特別遊技状態へ復帰するまでの期間(例えば5sec)は、発射された遊技球が前記可変入球部に到達するのに要する期間(例えば4sec)よりも長くなるように設定可能となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、電力の供給が停止される前に発射された遊技球は電力の供給が停止した後も移動(流下)を続ける。ここで、この遊技球については再起動によって可変入球部が受入状態に切り替わる前に当該可変入球部を通過することとなり、不正な操作によって意図的に遊技機を再起動させて可変入球部の受入状態への切替タイミングをずらしたとしても、それにより当該可変入球部への入球が発生することを好適に抑制できる。
特徴D8.遊技者の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)は、前記電源装置から電力の供給が開始されて前記特別遊技状態となった場合に遊技球の発射が可能となるように構成されており、
前記遅延手段は、発射された遊技球が第1可変入球部に到達するまでに前記第1可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態に切り替わるようにする手段を有していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8によれば、特別遊技状態となるまで遊技球の発射が不可となるように構成することにより、電力供給が開始されてから特別遊技状態に復帰するまでの間に発射された遊技球が第1可変入球部へ入球することを抑制できる。例えば、本来であれば第1可変入球部への入球が回避されるべき状況下にて当該特徴D8に示した機能を発揮させることにより、第1可変入球部への入球を好適に回避することができる。
特徴D9.前記可変入球部として、第1可変入球部(下側可変入球装置320)と前記遊技領域にて前記第1可変入球部よりも上流側となる位置に配設された第2可変入球部(上側可変入球装置310)とが設けられており、
前記特典付与手段は、第2可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を遊技球が通過した場合に付与される特典よりも第1可変入球部における所定箇所(例えば検知領域)を遊技球が通過した場合に付与される特典の方が遊技者にとって有利度が高くなるように構成されており、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記第2可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替えた後に前記第1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える所定の切替制御態様が設けられており、
前記所定の切替制御態様には、前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達する前に当該第1可変入球部を前記非受入状態に復帰させる第1態様と、前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達した後に当該第1可変入球部を前記非受入状態に復帰させる第2態様とが設けられており、
前記状態復帰手段によって前記第2態様に対応した特別遊技状態へ復帰する場合に前記遅延手段による遅延が発生し、前記第1態様に対応した特別遊技状態へ復帰する場合には前記遅延手段による遅延が回避される構成となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域が形成された遊技機においては、球詰まり等の不都合が発生した場合に可変入球部への入球が困難になる可能性を否定できない。このような状況下においては、そのまま遊技が進行してしまっては遊技者が被る損失が甚大になり得る。そこで、特徴D1に示したバックアップ機能が付与されている場合には、一度電力の供給を停止させて、上記不都合を解消した後に遊技を再開させることにより、遊技者が被る損失を極力小さくすることができる。このように、電力の供給が停止される要因については様々となる。
ここで、本特徴に示す構成によれば、実質的に第1可変入球部の入球が回避される第1態様では特別遊技状態への復帰が遅延される一方、実質的に第1可変入球部への入球が期待できる第2態様となっている場合には上記遅延が回避される。これにより、不測の入球を回避しつつ速やかに遊技を再開することが可能となり、遊技機に対する信頼性の向上によって遊技の円滑な進行が妨げられることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「第1態様」を「前記第2可変入球部が前記非受入状態となってから前記第1可変入球部が前記受入状態となり前記第1可変入球部が再び前記非受入状態となるまでの期間が第1所定期間となる態様」とし、「第2態様」を「前記第2可変入球部が前記非受入状態となってから前記第1可変入球部が前記受入状態となり前記第1可変入球部が再び前記非受入状態となるまでの期間が前記第1所定期間よりも短い期間であって前記通過期間よりも短い第2所定期間となる態様」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す技術的思想を特徴D1等に適用する場合、「前記第2態様に対応した特別遊技状態へ復帰する場合に前記遅延手段による遅延が発生し、前記第1態様に対応した特別遊技状態へ復帰する場合には前記遅延手段による遅延が回避される構成」に代えて「少なくとも前記第2態様に対応する特別遊技状態へ復帰する場合に、前記遅延手段による遅延が発生する構成」とすることも可能である。
特徴D10.前記可変入球部として、第1可変入球部(下側可変入球装置320)と前記遊技領域にて前記第1可変入球部よりも上流側となる位置に配設された第2可変入球部(上側可変入球装置310)とが設けられており、
前記特典付与手段は、第2可変入球部における所定箇所を遊技球が通過した場合に付与される特典よりも第1可変入球部における所定箇所を遊技球が通過した場合に付与される特典の方が遊技者にとって有利度が高くなるように構成されており、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記第2可変入球部を前記受入状態から前記非受入状態に切り替えた後に前記第1可変入球部を前記非受入状態から前記受入状態に切り替える所定の切替制御態様が設けられており、
前記所定の切替制御態様には、前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達する前に当該第1可変入球部を前記非受入状態に復帰させる第1態様と、前記第1可変入球部が前記受入状態への切替対象となる場合に、前記第2可変入球部を通過した遊技球が前記第1可変入球部に到達した後に当該第1可変入球部を前記非受入状態に復帰させる第2態様とが設けられており、
前記遅延手段は、前記第2態様に対応する特別遊技状態にて前記受入状態となる対象が前記第2可変入球部から前記第1可変入球部へと移る状況下にて、前記電源装置からの電力の供給が停止し、再び当該電源装置からの電力の供給が開始された場合には、前記電力の供給が開始され遊技球の発射操作が可能となってから前記第1可変入球部が前記受入状態から前記非受入状態となるまでの期間は、発射された遊技球が前記第1可変入球部に到達するまでに要する期間よりも長くなるように復帰を遅延させる手段を有していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域が形成された遊技機においては、球詰まり等の不都合が発生した場合に可変入球部への入球が困難になる可能性を否定できない。このような状況下においては、そのまま遊技が進行してしまっては遊技者が被る損失が甚大になり得る。そこで、特徴D1に示したバックアップ機能が付与されている場合には、一度電力の供給を停止させて、上記不都合を解消した後に遊技を再開させることにより、遊技者が被る損失を極力小さくすることができる。このように、電力の供給が停止される要因については様々となる。
ここで、本特徴に示す構成によれば、実質的に第1可変入球部の入球が回避される第1態様では特別遊技状態への復帰が遅延される一方、実質的に第1可変入球部への入球が期待できる第2態様となっている場合には再起動→遊技の再開に伴って発射された遊技球が第1可変入球部に入球し得る。これにより、遊技者の利益担保に貢献できる。
特徴D11.前記電源装置からの電力の供給が開始されてから前記第1態様に対応した前記特別遊技状態へ復帰する場合に、当該復帰まで発射操作に基づく遊技球の発射を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、本来であれば第1可変入球部への入球が発生しないはずの特別遊技状態へ復帰する場合には復帰が完了するまで遊技球の発射が規制される。これにより、復帰とともに発射された遊技球が第1可変入球部へ入球することを好適に回避することができる。
特徴D12.前記電源装置からの電力の供給が開始されてから前記特別遊技状態へ復帰することに先行して、発射操作に基づく遊技球の発射が可能となり、
前記遅延手段は、前記第2態様に対応した特別遊技状態へ復帰する場合に、前記発射操作に基づいて発射された遊技球が前記第1可変入球部に到達するのに要する期間よりも前記特別遊技状態が再開されるまでの期間が長くなるようにして前記復帰を遅延させる手段を有していることを特徴とする特徴D10又は特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、本来であれば第2可変入球部への入球が発生するはずの特別遊技状態へ復帰する場合には復帰の完了に先んじて遊技球の発射が可能となる。そして、復帰に先んじて発射された遊技球が第1可変入球部に到達する場合に第1可変入球部が受入状態に切り替わることにより、電断発生に起因した特典の取りこぼしを好適に抑制することができる。故に、遊技者の利益担保を実現する上で実用上好ましい構成を実現できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。