<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)と当該パチンコ機に係る遊技情報を表示する遊技情報表示装置とを有する遊技システムの第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1〜図4を参照してパチンコ機10について説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
(パチンコ機10)
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
上側膨出部31において上皿33の手前側とのなる位置には、遊技者によって手動操作される演出ボタン42が配設されている。演出ボタン42は、後述する図柄表示装置の表示画面等にて所定の演出を行わせること等を目的として遊技の進行の過程で遊技者が所定の指示を行うための操作装置を構成している。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211の上部には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、それら出力端子に遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)とパチンコ機10とを繋ぐ配線WH1が接続されている。パチンコ機10の外部出力端子板213(出力端子)から出力された各種信号は、配線WH1を通じてホールコンピュータHCに伝わり、ホールコンピュータHCではこれら各種信号に基づいてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握する構成となっている。
また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
本実施の形態におけるパチンコ機10は、遊技ホールの島設備等に設置された状態にて遊技機主部12(前扉枠14)の一部がパチンコ機10の正面側に膨出するように構成されており、この膨出部分に可動式の演出装置(以下、可動演出装置300)が配設されていることを特徴の1つとしている。ここで、図2及び図12を参照して可動演出装置300に係る構成について説明する。図12(a)はパチンコ機10を正面から見た部分拡大図、図12(b)は可動演出装置300の縦断面図(図12(a)のA−A線部分断面図)である。
(可動演出装置300)
図2に示すように、前扉枠14の枠体20において窓部21よりも上方に位置している部分には、遊技前方に膨出する膨出部35が形成されている。膨出部35の膨出量は左右両端から中央に向けて徐々に大きくなっており、膨出部35が遊技機前方に凸となるようにして膨らんでいる。図12(1)に示すように、膨出部35の中央部分、詳しくは上記環状電飾部26を構成するエラー表示ランプ部27の後方となる部分には、上記可動演出装置300を収容する収容部36が形成されている。つまり、膨出部35には、エラー表示ランプ部27用の発光基板27aが前側、可動演出装置300が後側となるようにして2つの遊技機器が収容されており、発光基板27aの背後に可動演出装置300が隠れた状態となっている。
収容部36は、上方に開放された凹状をなしており、その開放部分を通じて可動演出装置300の一部が露出している。可動演出装置300は、外周部分に絵柄等の装飾が施された装飾体310を有している。装飾体310は、収容部36の側壁部37に形成された保持部38によって前後に回動可能な状態で保持されており、保持部38による回動中心軸線CL1を中心に回動することにより収容部36からの突出が抑えられた待機位置と収容部36から遊技機外側(上方)に突出する演出位置とに移動可能なっている。
装飾体310の外周部分には、当該装飾体310の回動方向に並ぶようにして3つの面部が形成されている。具体的には、第1平面部311及び第2平面部312と、それら両平面部311,312に挟まれた曲面部313とが形成され、断面が略扇状をなすように形成されている。扇状をなす装飾体310の要にあたる部分が上記保持部38による保持箇所となっており、回動中心軸線CL1と装飾体310の重心Gとがずれている。
図12(b1)に示すように、装飾体310が待機位置に配置された状態では、第2平面部312が収容部36の後壁部39に当接することにより、装飾体310の自重による回動が阻止されている。つまり、後壁部39がストッパとして機能している。この状態では、第1平面部311が枠体20の上面と略同一面上に位置し、収容部36の開放部分が第1平面部311によって塞がれている。そして、曲面部313は収容部36内に留まることとなり、外部からの曲面部313の視認が不可となっている。
可動演出装置300には、装飾体310用の駆動手段を構成するソレノイド320が設けられている。ソレノイド320は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140からの信号に基づいてソレノイド320が動作する構成となっている。可動演出装置300による演出(以下、特殊演出という)を実行する場合には、報知・演出制御装置140にソレノイド320を励磁させるべく駆動信号が出力される。ソレノイド320が励磁されることにより当該ソレノイド320のプランジャによって装飾体310が押され、当該装飾体310が所定方向に回転することとなる。
図12(b)に示すように、装飾体310が演出位置に到達すると、装飾体310の第2平面部312に形成された突起315が収容部36に設けられたストッパ部40に当たる。これにより、所定方向への更なる回動が阻止される。この状態では、曲面部313が収容部36から突出し、当該曲面部313の遊技機前方からの視認が許容されることとなる。なお、装飾体310には発光体が内蔵されており、特殊演出が実行される場合には当該発光体からの光が曲面部313を通じて遊技機正面側へ照射される。このようにして装飾体310を発光させることにより、可動演出装置300の外観の変化を強調している。
特殊演出が終了した場合には、ソレノイド320への駆動信号の出力が停止され、当該ソレノイド320が非励磁状態となる。これにより、装飾体310が自重等によって演出位置から待機位置へ復帰することとなる(図12(b)→図12(a)参照)。因みに、可動演出装置300にバネ等の付勢手段を設け、当該付勢手段の付勢力によって装飾体310の待機位置への移動を促す構成としてもよい。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図13のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391b、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391c、上作動口83aへの入賞を検知する検知センサ391d、下作動口83bへの入賞を検知する検知センサ391e、スルーゲート84への入球を検知する検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材88)を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPUが搭載された報知・演出制御基板が設けられている。MPUには、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPUに対してROM及びRAMが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28、スピーカ部29、可動演出装置300等を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという2つの条件に差異が設けられている。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、15R通常大当たり結果と、15R確変大当たり結果とが設定されている。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。これに対して、15R確変大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ391a〜391f等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ391a〜391f等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かを上作動口83a用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が上作動口83aに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、上作動口83aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、上作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該上作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、上作動口用保留記憶数ともいう)。なお、ここで設定された信号は、後述する通常処理(図16)のステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯させる処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入賞(始動入賞)したか否かを下作動口83b用の検知センサ391eの検知状態により判定する。遊技球が下作動口83bに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口83bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。なお、ここで設定された信号は、後述する通常処理(図16)のステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯させる処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
本実施の形態においては、各保留ランプ部98a,98bは報知・演出制御装置140に接続されている。主制御装置162では作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドには入賞先に係る情報等が付与されており、報知・演出制御装置140は主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて保留ランプ部98a,98bの発光制御を行う。
両作動口83a,83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信され、保留コマンドは同外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、保留コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。具体的には、外部出力端子板213に設けられた各種出力端子からはON/OFF(HI/LOW)の2値信号が出力される構成となっており、個々の出力端子毎に出力態様の設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部などの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図17及び図18のフローチャートを参照して説明する。
図17に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口83a,83bへの入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM404の各種フラグ格納エリア435における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、上作動口用表示部及び下作動口用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア432の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、上作動口83a及び下作動口83bのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて上作動口用保留エリアRa又は下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている下作動口用保留記憶数が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数が「0」である場合には上作動口用のデータ設定処理を実行し、下作動口用保留記憶数が「0」でない場合には下作動口用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、下作動口用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち下作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下作動口用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口83bに対応した下作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
上作動口83a用のデータ設定処理では、先ず上作動口用保留エリアRaの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、上作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、上作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第1保留ランプ部98aのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部98aのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
下作動口83b用のデータ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第2保留ランプ部98bのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部98bのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87の主表示部(作動口用表示部)における変動表示及び図柄表示装置253における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
(変動開始処理)
ここで、図18のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部(詳しくは下作動口用表示部、上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM404に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、既に説明したように各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM404にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM404に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS406に進む。ステップS406では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別にて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち、当該遊技回に係る変動表示が行われているものを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部に設けられた上作動口用表示部及び下作動口用表示部は、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置410が表示制御に際して介在することとなる表示部(図柄表示装置253)に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部については、上作動口用表示部や下作動口用表示部等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置253の表示画面253aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置されているためその視認性も表示画面253aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面253aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部と表示画面253aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405及びステップS406のいずれかの処理を実行した後は、ステップS407にて、表示継続時間(変動表示時間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM404の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合にはリーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続時間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS407にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS408にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報が含まれる。
ステップS408にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置253を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置410における処理についての詳細は後述する。ステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて主表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、主表示部(詳しくは作動口用表示部)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続時間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部(詳しくは上作動口用表示部又は下作動口用表示部)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部を表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図18)のステップS404又はステップS407の処理においてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部の作動口用表示部にて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置140を経由して表示制御装置410に送信され、表示制御装置410では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置253の表示画面253aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140や表示制御装置410にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
その後は、ステップS310にて、遊技ホール側の管理制御装置に対して外部信号の出力を開始すべく外部信号設定処理を行い、本遊技回制御処理を終了する。ステップS310にて設定される外部信号は、今回の遊技回の遊技結果に応じて設定される。具体的には、今回の遊技結果が外れ結果である場合には、作動口用表示部にて絵柄が停止表示されたこと(遊技回が終了したこと)を遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号を設定する。一方、今回の遊技結果が大当たり結果である場合には、作動口用表示部にて絵柄が停止表示されたこと(遊技回が終了したこと)を遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号と、大当たり結果となったことを遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号とを設定する。ステップS310にて設定された信号は、通常処理(図16)におけるステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号のうち遊技回の終了を示すものについては、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される構成となっている。一方、大当たり結果となったことを示す外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは開閉実行モードが終了した場合に出力が停止される構成となっている。
なお、外部信号の出力を停止させる条件については、上述したように予め設定された期間の経過を必須とするものではない。例えば、遊技回が終了したことを示す外部信号については、次の遊技回が開始(絵柄の変動表示が開始)されたことを条件として出力が停止される構成とすることも可能である。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図19のフローチャートを参照して説明する。
図19に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS501にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)又は15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS505ではRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。ステップS505の処理を実行した後はステップS506に進み、オープニングコマンドを設定する。
この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。ステップS506の処理を実行した後は、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS507に進む。ステップS507では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS508にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理においては先ず、可変入賞装置82の大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図15)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)を行う。具体的には、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、入賞カウンタPCに「10」をセットする。この設定処理を実行した後は、可変入賞装置82(大入賞口)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においは、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、冒頭の処理にて大入賞口開閉処理において可変入賞装置82の大入賞口が開放中であると判定した場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ391cからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
コマンドの出力処理を実行した後は、入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後に、入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又は開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合には、大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続いて開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。
開放数カウンタOCの値が「0」でないと判定した場合には、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットし、閉鎖コマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、開放数カウンタの値が「0」であると判定した場合には、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS508にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS509にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS510にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS511にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果である場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R確変フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R通常大当たり結果である場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)が格納されている場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R通常フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
遊技状態の設定処理を行った後は、ステップS512にて大当たりに係る外部信号の出力停止処理を実行し、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップS512の処理を実行することにより、ステップS310の外部信号設定処理にて設定された大当たり結果となったことを示す信号の出力が停止されることとなる。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、大当たり結果となった場合に、その旨を明示する演出として上記可動演出装置300を用いた特殊演出が実行される構成となっている。特殊演出の実行の可否については、大当たり結果となるか否かに依存しており、その決定権が主制御装置162に付与されているものの、当該特殊演出を行う機能は報知・演出制御装置140に委ねられている。そこで以下、図20のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPUにて実行される特出演出用の処理(特殊演出用処理)について説明する。なお、特殊演出用処理は、報知・演出制御装置140のMPUにて定期的に実行される遊技回制御処理の一環として実行される処理である。
(特殊演出用処理)
特殊演出用処理においては先ず、ステップS601にて特殊演出を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS602に進む。ステップS602では、今回の遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS602にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊演出用処理を終了する。ステップS602にて肯定判定をした場合にはステップS603に進む。
ステップS603では特殊演出を開始すべきタイミングであるか否かを判定する。ステップS603にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊演出用処理を終了する。一方、ステップS603にて肯定判定をした場合には、ステップS604にて特殊演出開始処理を実行した後、本特殊演出用処理を終了する。
ステップS604の特殊演出開始処理においては、可動演出装置300に内蔵された発光体を消灯状態から発光状態に切り替えるとともに、可動演出装置300のソレノイド320に駆動信号を出力する。これにより、ソレノイド320が励磁状態に切り替わることとなる。ソレノイド320が励磁状態となってプランジャが移動することにより、装飾体310が待機位置から演出位置へ向けた移動(回動)を開始することとなる。なお、本実施の形態におけるソレノイド320については駆動力がそれほど大きく設定されているわけではなく、装飾体310を待機位置から演出位置への移動を完了させるには、ある程度のタイムラグが発生する構成となっている。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわち特殊演出を実行している最中であると判定した場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、エンディング表示の開始タイミングとなったか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からエンディングコマンドを受信したタイミングであるか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、ステップS606にて特殊演出終了処理を実行した後、本特殊演出用処理を終了する。
特殊演出終了処理においては先ず、可動演出装置300に内蔵された発光体を発光状態から消灯状態に切り替える処理を実行する。その後、可動演出装置300のソレノイド320への駆動信号の出力を終了する。これにより、ソレノイド320が励磁状態から非励磁状態に切り替わり、装飾体310が自重等によって演出位置から待機位置へ向けて移動を開始することとなる。なお、装飾体310の待機位置から演出位置への移動についても、開始時と同様にある程度のタイムラグが発生する構成となっている。
以上詳述したパチンコ機10においては、実行された遊技回数や大当たり回数がパチンコ機10毎に相違する。そこで、本実施の形態における遊技システムにおいては、遊技ホール等の島設備に各パチンコ機10に1対1となるようにして上述した遊技情報表示装置500を配設し、対応付けられたパチンコ機10(以下、該当遊技機ともいう)に係る遊技情報を各遊技情報表示装置500にて個別に表示させるように構成されている。具体的には、図21の概略図に示すように、横並びとなるように配列された各パチンコ機10の上方に遊技情報表示装置500が各々配設されおり、上下に並んだパチンコ機10と遊技情報表示装置500とがペアとなっている。
既に説明したように、パチンコ機10と遊技情報表示装置500との間にはホールコンピュータHCが介在しており、該当遊技機から出力された外部信号はホールコンピュータHCを経由して遊技情報表示装置500に入力される構成となっており、遊技情報表示装置500においてはこれら外部信号に基づいて該当遊技機の状態や遊技の状況等に係る情報を表示する。以下、図22を参照して遊技情報表示装置500について説明する。図22(a)は遊技情報表示装置500を正面側から見た斜視図、図22(b)は遊技情報表示装置500を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
(遊技情報表示装置500)
図22に示すように、遊技情報表示装置500は、遊技情報を表示する「表示部」としての表示ユニット510と、当該表示ユニット510用の「保持部」としてのホルダ530とを有している。ホルダ530は正面側に開放された箱状をなしており、当該ホルダ530の奥板部534が遊技ホールの島設備に固定されることで、遊技情報表示装置500が島設備と一体化されている。
表示ユニット510は、表示画面511aを有する液晶ディスプレイ511と、当該液晶ディスプレイ511の背後に重なるようにして設けられ同液晶ディスプレイ511を制御する制御部と、それら液晶ディスプレイ511及び制御部を収容するケース体515とを備え、それら各種構成が組み合わされてなる。
ケース体515にて表示画面511aと対向している前面部516にはケース体515の内外に貫通する開口516aが形成されており、この開口516aを通じて表示画面511aを視認可能となっている。ケース体515の前面部516において上記開口516aと横並びとなる部分には、遊技者によって操作される操作手段として遊技ホールの係員を呼び出す際に操作される呼出ボタン518と、表示画面511aにおける表示内容や表示態様を切り替える切替ボタン519とが縦に並べて配設されている。呼出ボタン518及び切替ボタン519は、表示ユニット510の制御部に電気的に接続されており、各ボタン518,519からの信号が制御部に入力される構成となっている。特に、呼出ボタン518からの信号については、制御部を通じて上記ホールコンピュータHCにも伝達される。
ケース体515の左右両側部517にはホルダ530の左右の側板部535に形成された貫通孔に連なる挿通孔が形成されており、ホルダ530の外側から貫通孔に挿通された軸ピンが挿通孔に固定されている。これにより、挿通孔の軸線(回動中心軸線CL2)を中心として表示ユニット510が回動可能となっており、ホルダ530と表示ユニット510との相対角度の変更が許容されている。なお、回動中心軸線CL2については表示ユニット510の下端部に位置しており、表示ユニット510の下端部が当該表示ユニット510の回動基端部、表示ユニット510の上端部が当該表示ユニット510の回動先端部となっている。
なお、回動中心軸線CL2は表示ユニット510の表示画面511a寄りとなる位置に偏倚しており、ホルダ530内に表示ユニット510が収容された状態においては表示ユニット510の重心が回動中心軸線CL2よりも後側に位置するように構成されている。
ホルダ530には、表示ユニット510を回動させる駆動力を発生させるための駆動部550が配設されている。駆動部550は表示ユニット510の制御部に電気的に接続されており、この制御部からの信号に基づいて動作する。つまり、制御部からの信号に基づいて表示ユニット510の姿勢、すなわち表示画面511aの向き(傾き)が変更されることとなる。ここで、図23の概略図を参照して、表示ユニット510の姿勢の変化について補足説明する。
遊技情報表示装置500には、ホルダ530からの表示ユニット510の突出が相対的に小さい形態(図23(a)参照)と、ホルダ530からの表示ユニット510の突出量が相対的に大きい形態(図23(b)参照)とが設定されている。遊技情報表示装置500を構成している駆動部550に対して上記制御部から駆動信号が出力されることにより、当該駆動部550が動作して遊技情報表示装置500の形態が変更されることとなる。つまり、本実施の形態に示す遊技情報表示装置500には表示画面511aの向きを変更するチルト機能が付与されている。
図23(a)に示す形態では、表示ユニット510の背面がホルダ530の奥板部534に形成された突条部538に当接しており、それ以上の後傾が回避されている。この状態では、表示ユニット510の重心が回動中心軸線CL2よりも後側に位置しているため、表示ユニット510を奥板部534によって支えることができ、表示ユニット510の姿勢の乱れが抑制されている。
表示ユニット510がホルダ530の奥板部534によって支えられた状態では、上記ボタン518,519を除いた表示ユニット510(詳しくは液晶ディスプレイ511)の全体がホルダ530内に収容されており、当該ホルダ530の開放部531からの表示ユニット510の突出が抑えられている。この状態では、液晶ディスプレイ511の表示画面511aが水平方向を向いている。
図23(b)に示す形態では、表示ユニット510がホルダ530の開放部531から突出するようにして前傾している。この状態では表示ユニット510の重心が回動中心軸線CL2よりも前側に位置しており、表示ユニット510が自重によって前側に付勢されてはいるものの、表示ユニット510の上端部がホルダ530の天板部536に当接することにより、それ以上の前傾が阻たげられている。つまり、ホルダ530の天板部536によって表示ユニット510の最大傾斜角度が規定されている。このように表示ユニット510が前傾した状態では、液晶ディスプレイ511の表示画面511aが斜め下方を向いている。
ここで、表示ユニット510は上述した特殊演出等が実行されていない場合には、斜め下方を向いた状態に維持され、特殊演出等が実行される場合に水平方向を向いた状態に一時的に切り替わる構成となっている。以下の説明では斜め下方を向いている位置を表示ユニット510の「待機位置」(図23(b)参照)、水平方向を向いている位置を表示ユニット510の「退避位置」(図23(a)参照)と称する。
次に、図24(a)のブロック図を参照して、遊技システム(遊技情報表示装置500及びパチンコ機10)に係る電気的構成について補足説明する。
既に説明したように、パチンコ機10の外部出力端子板213には複数(例えば10個)の外部出力端子213a〜213jが設けられており、各外部出力端子213a〜213jに接続された配線WH1が遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCに接続されている。ホールコンピュータHCについては、配線WH2を介して遊技情報表示装置500の制御部570に接続されており、パチンコ機10からの外部信号はホールコンピュータHCを介して制御部570に入力されるように構成されている。
例えば、第1の外部出力端子213a(第1端子213a)では、大当たり結果に対応する絵柄が停止表示されたこと及び当該大当たり結果に対応する開閉実行モードが終了したことを契機として2値信号の切り替えを行う。具体的には、大当たり結果に対応する絵柄の停止表示を契機に第1端子213aの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、当該大当たり結果に対応する開閉実行モードの終了を契機に第1端子213aの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて大当たり結果となっている旨を把握する。
制御部570における入出力ポートの入力側には、上記配線WH2だけでなく、呼出ボタン518及び切替ボタン519が接続されており、呼出ボタン518や切替ボタン519からの信号が入力される構成となっている。制御部570にて呼出ボタン518が操作されたことを検知した場合には、表示画面511aの表示内容が係員の呼出しに対応するものに変更する。また、ホルダ530やケース体515には発光体(図示略)が内蔵されているが、これら発光体の発光態様が係員の呼出しに対応するものに変更されることとなる。
制御部570における入出力ポートの出力側には、液晶ディスプレイ511及び駆動部550が接続されており、液晶ディスプレイ511の表示制御や表示ユニット510の姿勢制御が行われる。
本実施の形態においては、液晶ディスプレイ511(表示画面511a)における表示態様が複数設定されている。表示態様の切り替えについては、切替ボタン519の操作を契機として行われる場合と、パチンコ機10からの外部信号を契機として行われる場合とがある。ここで、図24(b)群を参照して、パチンコ機10からの外部信号(詳しくは上記第1端子213a)に基づく表示態様の切り替えについて説明する。図24(b)群は、表示画面511aを正面から見た遊技情報表示装置500の概略図である。
パチンコ機10の遊技状態としては、大別して通常遊技状態と当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)とが設けられている。ここで、通常遊技状態中は、図24(b1)に示すように主として表示画面511a全体を利用した遊技情報の表示がなされる。具体的には、遊技進行に伴う収支の変化を示すグラフが上側、大当たり回数、初当たり回数、遊技回数(スタート回数)に係る情報が下側となるように表示される。一方、特別遊技状態中は、図24(b2)に示すように主として表示画面511aの上側半分を利用した遊技情報の表示がなされる。具体的には、大当たりの継続回数及び遊技回数(スタート回数)が表示される。つまり、通常遊技状態と比較して、表示される情報量及び種類が制限されることとなる。以下の説明では、表示画面511a全体を利用した遊技情報の表示態様を通常表示態様、表示画面511aの一部を利用した遊技情報の表示態様を特殊表示態様と称する。
本実施の形態においては、液晶ディスプレイ511における表示態様及び液晶ディスプレイ511の姿勢、具体的には液晶ディスプレイ511の姿勢制御及び表示制御にある種の関連性が付与されている。ここで、図25のフローチャートを参照して、遊技情報表示装置500の制御部570にて実行される特殊演出対応処理について説明する。
(特殊演出対応処理)
特殊演出対応処理においては、先ずステップS701にて遊技情報表示装置500が特殊演出に対応する状態となっているか否かを判定する。ステップS701にて否定判定をした場合には、ステップS702に進む。ステップS702では、第1端子213aに係る外部信号がHIレベルとなっているか否かを判定する。ステップS702にて否定判定をした場合には、本特殊演出対応処理を終了する。ステップS702にて肯定判定をした場合にはステップS703に進む。
ステップS703では表示ユニット510の姿勢変更処理を実行する。具体的には、駆動部550に駆動信号を出力して、表示ユニット510を待機位置から退避位置へ移動させる。これにより、表示ユニット510の姿勢が斜め下方を向いた状態から水平方向を向いた状態に切り替わることとなる。ステップS703の処理を実行した後は、ステップS704にて液晶ディスプレイ511における表示態様を通常表示態様から特殊表示態様に切り替える処理を実行する。これにより、遊技情報の表示が全画面表示(通常表示態様)から部分表示(特殊表示態様)に切り替わることとなる。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて肯定判定をした場合、すなわち遊技情報表示装置500が特殊演出に対応する状態となっている場合には、ステップS705に進む。ステップS705では、第1端子213aに係る外部信号がLOWレベルとなっているか否かを判定する。ステップS705にて否定判定をした場合には、本特殊演出対応処理を終了する。ステップS705にて肯定判定をした場合にはステップS706に進む。
ステップS706では表示ユニット510の姿勢復帰処理を実行する。具体的には、駆動部550に駆動信号を出力して、表示ユニット510を退避位置から待機位置へ移動させる。これにより、表示ユニット510は水平方向を向いた状態から斜め下方を向いた状態に切り替わることとなる。ステップS706の処理を実行した後は、ステップS707にて液晶ディスプレイ511における表示態様を特殊表示態様から通常表示態様に切り替える処理を実行する。これにより、遊技情報の表示が部分表示(特殊表示態様)から全画面表示(通常表示態様)に切り替わることとなる。
ここで、図26を参照して、パチンコ機10と遊技情報表示装置500との関係について補足説明する。図26(1)はパチンコ機10及び遊技情報表示装置500を前方から見た概略図、図26(2)はパチンコ機10及び遊技情報表示装置500を側方から見た概略図である。
図26(1)に示すように、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とは上下に並べて配置されている、パチンコ機10に対して遊技情報表示装置500を近づけて配置することにより、目先をパチンコ機10から遊技情報表示装置500へ変える際の視線の移動量を抑えている。これは、遊技情報表示装置500に表示される遊技情報の視認性の向上を図る上で有利である。
但し、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とが近づけて配置されていることにより、パチンコ機10に搭載された可動演出装置300(装飾体310)の動作領域(図26(b1)参照)上に表示ユニット510の一部が重なっている。このため、装飾体310が単独で待機位置から演出位置へ移動すれば、当該装飾体310が遊技情報表示装置500に干渉することとなる。特に、本実施の形態においては、表示ユニット510が前側に傾けて配置することにより、遊技者からの距離を減縮したり、遊技ホールの天井等に設けられた照明の映り込み等を抑えたりしている。但し、このような傾斜配置が上記重なりを顕著にする要因となっている。以上の理由から、可動演出装置300によってパチンコ機10外の領域、具体的にはパチンコ機10の上方領域を利用して演出領域の拡張を図ることと、及び遊技情報表示装置500の視認性の向上とを両立する上で改善の余地がある。
本実施の形態においては、図26(1)→図26(2)に示すように、可動演出装置300による特殊演出が行われる場合には、装飾体310の演出位置への移動に応じて遊技情報表示装置500の表示ユニット510が退避位置へ移動することにより、それら装飾体310と表示ユニット510との干渉を回避している。このような干渉回避機能を発揮させるにあたり、装飾体310の動作タイミングと、表示ユニット510の動作タイミングとが工夫されている。ここで、図27のタイミングチャートを参照して特殊演出が実行される場合の流れについて説明する。
(特殊演出が実行される場合の流れ)
ta1のタイミングにて遊技回が開始されると、図柄表示装置253の表示画面253aにて図柄の変動表示が開始され、主表示ユニット87の作動口用表示部にて絵柄の変動表示が開始される。本遊技回については大当たり結果に対応しており、ta1のタイミングから所定の変動表示期間が経過する前のta2のタイミングにて可動演出装置300の装飾体310が待機位置から演出位置へ向けて移動を開始する。
ta2のタイミングの直後のタイミングであってta1のタイミングから所定の変動表示時間を経過したta3のタイミングでは、図柄表示装置253の表示画面253aにて大当たり結果に対応する図柄組合せが停止表示され、主表示ユニット87の作動口用表示部では大当たり結果に対応する絵柄が停止表示される。これに合せて、外部出力端子板213の第1端子213aの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わることにより大当たりとなった旨を示す外部信号の出力が開始される。
装飾体310については待機位置から演出位置への移動にある程度の期間を有する構成となっており、ta3のタイミングでは装飾体310については未だ移動中となっている。但し、この時点では装飾体310と表示ユニット510と間には隙間が確保されており、表示ユニット510に対する衝突は回避されている。そして、ta3のタイミングにて第1端子213aから出力された外部信号が遊技情報表示装置500(制御部570)に入力され、表示ユニット510の待機位置から退避位置への移動が開始されることとなる。
ta3の直後のta4のタイミングでは、装飾体310の演出位置への移動が完了する。実際には大当たり結果に対応する図柄組み合わせの停止表示に対して装飾体310の演出位置への到達が僅かに遅れることとなるが、見かけ上は遊技者によって両者が同時であると認識される程度の差に抑えられている。なお、図27については、理解の容易化の為に縮尺を部分的に変化させてある。
ta4のタイミングにて装飾体310が演出位置に到達した際には表示ユニット510の移動は続いており、直後のta5のタイミングにて表示ユニット510の退避位置への移動が完了する(図26(1)参照)。これに合せて表示ユニット510における遊技情報の表示態様が通常表示から特殊表示に切り替わる。
その後、開閉実行モードに係るエンディング表示に移行し、開閉実行モード終了の直前のta6のタイミングにて可動演出装置300による特殊演出を終了すべく装飾体310が演出位置から待機位置へ向けた移動を開始する。
開閉実行モードが終了するta7のタイミングでは、第1端子213aの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わることにより、大当たりとなった旨を示す外部信号の出力が停止される。ta7のタイミングにて第1端子213aから出力された外部信号が途絶えることにより、表示ユニット510の退避位置から待機位置への移動が開始されるとともに、表示ユニット510における遊技情報の表示態様が特殊表示から通常表示に切り替わることとなる。
ta7のタイミングの後のta8のタイミングでは先ず装飾体310の待機位置への復帰が完了し、直後のta9のタイミングでは表示ユニット510の待機位置への復帰が完了する(図26(2)参照)。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技ホールにおいては複数のパチンコ機が横並びとなるようにして設置されることが多い。また、パチンコ機の下部については貯留皿等によって視認性が妨げられやすい。つまり、パチンコ機の側方や下方となるパチンコ機外空間を動作領域として利用するのは困難である。これに対して、パチンコ機の上方については遊技情報表示装置は存在するものの、基本的には空き領域となっている。また、当該空き領域は着席した状態では手が届きにくい位置であるため、動作が遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。但し、この空き領域を活用して可動演出装置による演出等を行う場合には、遊技情報表示装置500によって当該可動演出装置の動作領域が制限されるともいえる。つまり、パチンコ機上方の領域を可動演出装置用の動作領域として利用する上では、遊技情報表示装置とを共存を実現する上では更なる工夫が必要となる。
ここで、本実施の形態によれば、遊技の状況に応じて遊技情報表示装置500(表示ユニット510)の姿勢を変更することにより、遊技情報表示装置500と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることが可能となる。これにより、遊技機と遊技情報表示装置500との間の空間を可動演出装置300の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技情報表示装置500とパチンコ機10とを好適に共存させることができる。
更に、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とをできるだけ近づけて配置することには上記遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように表示ユニット510の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
より具体的には、パチンコ機10の第1端子213aから大当たり結果となっていることを示す外部信号が発信された場合には、表示ユニット510が待機位置から演出位置へ移動することにより、鉛直方向に対する表示ユニット510の傾きが小さくなり、可動演出装置300(装飾体310)の動作領域から当該表示ユニット510が離脱することとなる。それまで表示ユニット510が存在していた領域を動作領域として活用することが可能となれば、当該領域に鞄や財布等の荷物が仮置きされることを回避でき、装飾体310の動きが外的要因によって妨げられることを抑制できる。故に、可動演出装置300の動作を担保して、当該可動演出装置300を用いた演出が上手く行われなくなることを抑制できる。
また、表示ユニット510は当該表示ユニット510における下側の端部にて軸支されており、表示ユニット510はこの軸支部分を中心として回動可能となっている。演出位置に配置されている状態では、表示ユニット510の向きが水平となることにより、前後方向にて回動中心軸線CL1に対する表示ユニット510の重心Gのずれが小さくなる。これにより、表示ユニット510の支持負荷を軽減することができ、演出位置に保持するための構成の簡略化に貢献できる。
また、該当遊技機にて遊技機を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者やホール管理者等に遊技情報を提供する機能の2つの提供機能を比較した場合には、遊技者に対する情報提供の機能を強化することが好ましい。ここで、本実施の形態に示す構成によれば、演出位置から待機位置に復帰する際の復帰動作開始に伴う抵抗を軽減することができ、復帰時の応答性の向上に貢献できる。故に、上述した遊技者に対する情報提供の機能を強化に貢献できる。
表示ユニット510を回動式とした場合には、「操作部」としての呼出ボタン518等が遊技者によって押された場合に、その操作力(押圧力)が表示ユニット510を回動させるように作用し得る。特に、表示ユニット510が前傾した状態に維持される構成においては、該当遊技機にて遊技中の遊技者が手を伸ばして下側から呼出ボタン518等を操作する際の操作性の向上に寄与できる。
但し、操作性を向上させることにより、表示ユニット510に加わる操作力が大きくなり得る。このような操作力によって、表示ユニット510にぐらつき等の変形が生じた場合には、操作性が低下するばかりか表示ユニット510の回動機能に支障をきたしかねない。この点、本実施の形態に示すように、遊技者に近い下端部を回動基端部とし且つこの回動基端部寄りとなる位置に呼出ボタン518を配置する構成とすれば、呼出ボタン518等へのアクセスを容易にしつつ、呼出ボタン518が押された場合の操作力に起因したモーメントを軽減して上述したような悪影響を抑えることが可能となる。
遊技機外に突出する装飾体310を有する可動演出装置300を用いて遊技演出等を行う構成においては、装飾体310に先んじて表示ユニット510が動作することにより、装飾体310による演出等が行われることが事前に露呈する可能性が高くなる。これでは、装飾体310の存在意義が低下すると懸念される。そこで、装飾体310の動作に遅れて表示ユニット510の動作を開始させることにより、表示ユニット510の動きが目に付く等して上記不都合が発生することを抑制できる。
なお、装飾体310の待機位置への復帰時には、当該装飾体310が表示ユニット510に先行して動作を開始する構成とすることにより、装飾体310と表示ユニット510との干渉を好適に抑制することができる。
遊技上方に装飾体310が突出する場合に表示ユニット510を回動させることにより当該表示ユニット510と装飾体310との干渉を回避することができる。しかしながら、干渉を回避したとしても装飾体310の背後に表示ユニット510が隠れてしまっては、遊技情報が見づらくなると想定される。特に、前後方向における装飾体310と表示ユニット510との重なりが小さい場合であっても、表示ユニット510を下方から見上げる点に配慮すれば、上述した重なり以上に表示ユニット510が見えづらくなる。
ここで、仮に装飾体310の背後に隠れた遊技情報の確認に当該装飾体310を避けるようにした覗き込みが必要になれば、遊技者の手間が増えて遊技情報表示装置500本来の機能が利用されなると懸念される。そこで、本実施の形態に示したように表示ユニット510における表示領域を当該表示ユニット510の姿勢の変化に合せて変更する構成とし、表示領域を表示ユニット510(表示画面511a)の上部に圧縮する構成とすれば、装飾体310が遊技情報の確認の妨げになることを抑制し、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
また、過度に余裕をもって干渉を回避しようとすれば(例えば装飾体310との重なりを完全に回避しようとすれば)、表示ユニット510の角度変化が大きくなり、かえって表示ユニット510(遊技情報)が見づらくなる可能性も否定できない。この点、本実施の形態に示す構成によれば、角度変化に応じて表示領域が変化することにより角度変化を過度に大きくする必要がなくなる。これにより、角度変化が視認性低下の要因になることを回避できる。
特に、装飾体310及び表示ユニット510の動作方向を揃えることにより、仮に表示ユニット510の動作が遅れる等して、装飾体310が表示ユニット510に衝突したとしても、当該装飾体310によって押された表示ユニット510が押圧方向に逃げることとなる。これにより、衝突負荷を軽減することができ、装飾体310及び表示ユニット510を好適に保護することができる。
本実施の形態においては特に大当たり結果となって遊技者に有利な特別遊技状態に移行する場合には、大当たり結果に対応する図柄組み合わせ及び絵柄が停止表示されたことを契機として外部出力端子板213の第1端子213aから外部信号が出力され、この外部信号の出力が特別遊技状態の終了まで維持される構成となっている。このような、外部信号を利用して遊技情報表示装置500の姿勢を変更させる構成とすれば、上述した各種効果を享受しつつ、それに起因して外部出力等に係る構成が複雑になることを抑制できる。
<第2の実施の形態>
可動演出装置300を構成する「可動体」としての装飾体310においては、演出位置に配置された状態での突出量を大きくすることにより、外観の変化を強調することができる。これは可動演出装置300による特殊演出のインパクトを強化して遊技への注目度の向上を実現する上で有利である。しかしながら、このような変更は、表示ユニット510に設けられた操作手段(例えば呼出ボタン518)の操作性を低下させる要因になり得る。本実施の形態においては、可動演出装置300を用いて遊技への注目度を向上させつつ、それに起因した上記不都合の発生を回避する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図28を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図28は遊技情報表示装置500とパチンコ機10Aとの関係を示す概略図である。なお、パチンコ機10A及び遊技情報表示装置500に係る基本構成は、第1の実施の形態と共通であるため、これら共通の構成については説明を援用する。
図28(a)に示すように、可動演出装置300Aの装飾体310Aが演出位置に配置され、且つ遊技情報表示装置500の表示ユニット510が退避位置に配置されている状態では、表示ユニット510の呼出ボタン518が装飾体310Aの背後に隠れている。このような状態では、呼出ボタン518へのアクセスが装飾体310Aによって妨げられ、呼出ボタン518を直接操作することは困難になる。
第1の実施の形態に示したように、可動演出装置300Aによる特殊演出は開閉実行モードが終了するまで継続されることとなる。ここで、開閉実行モード中は可変入賞装置82が開放され、多量の遊技球を獲得できるチャンスとなる。このような状況では例えば手持ちの貯留箱の入れ替えが必要になり得るため、通常遊技状態となっている場合よりも係員の呼出しが必要になりやすい。また、開閉実行モードについては実行期間に制限がある。このような状況下にて球詰まり等の不都合が発生した場合には本来獲得できる特典の取りこぼしが発生し得るため、即座に係員を呼ぶ必要が生じる。これら各種事情に配慮した場合、特別遊技状態中に呼出ボタン518の操作が妨げられることは好ましくない。
ここで、本実施の形態に示すストッパ部40については弾性変形可能な合成樹脂材料(詳しくは硬質ゴム)によって構成されており、演出位置に配置された装飾体310Aの後方への更なる回動を許容している。そして、表示ユニット510側を向いている第1平面部311にて呼出ボタン518と対峙している部分には、後方に突出する突起325Aが形成されている。
図28(a)→図28(b)に示すように、装飾体310Aに後方に向けた外力が加えられた場合には、ストッパ部40が変形することにより回動中心軸線CL1を中心として当該装飾体310Aが更に後傾することとなる。これにより、突起325Aによって呼出ボタン518が押圧される。つまり、装飾体310Aが演出位置に配置されている状況下にて係員の呼出す必要が生じた場合には、遊技者が装飾体310Aを後方へ押すことにより、呼出ボタン518に直接触れることなく、呼出しを行うことができる。
これにより、装飾体310Aの存在が係員の呼出しを妨げる要因になることを回避できる。寧ろ、装飾体310Aが呼出ボタン518よりも大型である点に鑑みれば、装飾体310Aの大型化によって呼出し操作の容易化や利便性の向上等に寄与できるとともいえる。これにより、可動演出装置300Aと遊技情報表示装置500とを好適に共存させることができる。
また、装飾体310Aにて遊技者による操作の対象となる押圧面(曲面部313)については、回動中心軸線CL1よりも上方に位置しているため、押圧力を呼出ボタン518に対する操作力に好適に変換することができる。
但し、このように変換効率を上げた場合には、操作対象が大きくなっていることも相まって呼出ボタン518に係る負荷が過剰になり得る。この点、本実施の形態においては操作対象としての曲面部313が斜め上方を向いているため、曲面部313が押圧される場合にその力の一部を斜め上方に逸らすことができる。これにより、操作性の低下を抑制しつつ、呼出ボタン518の保護を図ることができる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、可動演出装置300を大当たり告知用の演出手段として活用したが、可動演出装置300の活用については上記のものに限定されるわけではない。本実施の形態においては、可動演出装置300を大当たりの種別(詳しくは特別遊技状態終了後に移行するモード)を示す演出手段として活用していることを特徴の1つとしている。なお、可動演出装置300や遊技情報表示装置500に係る構成については第1の実施の形態と共通となっているため、これら共通の構成については説明を援用する。
既に説明したように、図柄表示装置253の表示画面253aにおける図柄の変動表示態様の概要については主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置140により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置410によって決定される構成となっている。ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について補足説明する。
表示制御装置410には、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが予め記憶されている。図柄表示装置253の表示画面253aには、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されており、各図柄列は主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面253aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
表示画面253aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面253aには、複数の有効ラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、15R確変大当たり結果となった場合には、第1の実施の形態と同様に、特別遊技状態の終了後に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の高確遊技状態に移行するように設定されているものの、15R通常大当たり結果となった場合には、特別遊技状態の終了後に回数制限付きの高頻度サポートモードにはならず、低確率モード且つ低頻度サポート対応の低確遊技状態に移行するように設定されており、大当たり結果後の有利度の差が大きくなっている。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当する。15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせ又は同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、15R通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
つまり、表示画面253aにて同一の特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には15R確変大当たり結果であることが明示される一方、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示された場合には15確変大当たり結果及び15R通常大当たり結果の何れであるが明示されない構成となっている。
以上詳述したように、図柄組み合わせが停止表示されてから特別遊技状態が終了するまでの間は敢えて大当たり結果の種別を非明示とし、特別遊技状態の終了時、具体的には上記エンディング表示の終了時に大当たり結果の種別を明示する場合が存在することにより、開閉実行モード終了後の高確遊技状態への移行に対する期待感が早期に低下してしまうことを回避している。
ここで、本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、開閉実行モードへの移行契機に応じて第1種エンディングコマンド及び第2種エンディングコマンドが設定されている。報知・演出制御装置140は、15R確変大当たり結果に対応する第1種エンディングコマンドを受信した場合にはエンディングとして使用される2種の動画(第1エンディング及び第2エンディング)のうち前者を選択しやすくなっており、15R通常大当たり結果に対応する第2種エンディングコマンドを受信した場合には上記2種の動画のうち後者を選択しやすくなっている。つまり、第1エンディングが表示された場合には第2エンディングが表示された場合よりも高確遊技状態への期待度が高くなるように構成されている。
第1エンディング及び第2エンディングにおいては、途中経過は相違するものの最終的には高確遊技状態への移行の可否が明示される点で共通しており、この可否の明示に合せて可動演出装置300による特殊演出が実行されることとなる。具体的には、高確遊技状態へ移行する場合にはエンディング表示の最後に表示画面253aにて高確遊技状態への移行を明示する画像が表示され、これに合せて可動演出装置300による特殊演出が開始される。一方、低確遊技状態へ移行する場合にはエンディング表示の最後に表示画面253aにて低確遊技状態への移行を明示する画像が表示される。
上記第1の実施の形態においては外部出力端子板213の第1端子213aから出力される外部信号に基づいて可動演出装置300の上記姿勢制御及び表示制御を行う構成としたが、本実施の形態においては、外部出力端子板213における第2の外部出力端子213b(第2端子213b)から出力される外部信号に基づいて可動演出装置300の姿勢制御及び表示制御を行う構成となっている。ここで、第2端子213bについて補足説明する。
第2端子213bでは、高確遊技状態(詳しくは高頻度サポートモード)となったこと及び高確遊技状態が終了したことを契機として2値信号の切り替えを行う。具体的には、高確率状態への移行を契機に第2端子213bの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、当該高確遊技状態の終了を契機に第2端子213bの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて高確遊技状態となっている旨を把握する。
次に、図29のタイミングチャートを参照して特殊演出が実行される場合の流れについて説明する。なお、図29においては、15R確変大当たり結果となった場合について例示している。
(特殊演出が実行される場合の流れ)
tb1のタイミングにて遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に切り替わる。特別遊技状態にて遊技が進行し、エンディング表示に移行した後のtb2のタイミングでは、図柄表示装置253の表示画面253aにて高確遊技状態及び低確遊技状態の何れに移行するかを明示する煽り演出が行われている。このtb2のタイミングにて可動演出装置300の装飾体310が待機位置から演出位置へ向けて移動を開始する。
tb2のタイミングの直後のtb3のタイミングでは、図柄表示装置253の表示画面253aにて高確遊技状態への移行が明示される。これに合せて、外部出力端子板213の第2端子213bの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わることにより高確遊技状態となった旨を示す外部信号の出力が開始される。
装飾体310については待機位置から演出位置への移動にある程度の期間を有する構成となっており、tb3のタイミングでは装飾体310については未だ移動中となっている。但し、この時点では装飾体310と表示ユニット510と間には隙間が確保されており、表示ユニット510に対する衝突は回避されている。そして、tb3のタイミングにて第2端子213bから出力された外部信号が遊技情報表示装置500(制御部570)に入力され、表示ユニット510の待機位置から退避位置への移動が開始されることとなる。
tb3の直後のtb4のタイミングでは、装飾体310の演出位置への移動が完了する。実際には高確遊技状態への移行を明示した画像の表示に対して装飾体310の演出位置への到達が僅かに遅れることとなるが、見かけ上は遊技者によって両者が同時であると認識される程度の差に抑えられている。なお、図29については、理解の容易化の為に縮尺を部分的に変更してある。
tb4のタイミングにて装飾体310が演出位置に到達した際には表示ユニット510の移動は続いており、直後のtb5のタイミングにて表示ユニット510の退避位置への移動が完了する。これに合せて表示ユニット510における遊技情報の表示態様が高確遊技状態に対応した特殊表示に切り替わる。本実施の形態においては、次回大当たり結果となるまで当該高確遊技状態が継続され、高確遊技状態となっている間は特殊演出が継続される。
その後、tb6のタイミングにて大当たり結果となった場合には、第2端子213bの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わることにより高確遊技状態となった旨を示す外部信号の出力が停止される。そして、tb6のタイミングにて第2端子213bから出力された外部信号が途絶えることにより、表示ユニット510が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始するとともに、可動演出装置300による特殊演出を終了すべく装飾体310が演出位置から待機位置へ向けた移動を開始する。
tb6のタイミングの後のtb7のタイミングでは装飾体310の待機位置への復帰が完了し、表示ユニット510の待機位置への復帰が完了する。また、これに合せて表示ユニット510における遊技情報の表示態様が特殊表示から通常表示に切り替わることとなる。
本実施の形態に示すように大当たり結果に応じてその後の遊技進行の有利度合いに差が生じる構成においては、遊技者の注目が大当たりの種別に向きやすい。大当たりの種別が大当たり結果となった際に告知されてしまっては、遊技への注目度が早期に低下すると想定され、特別遊技状態が淡々と消化されることになる。この点、本実施の形態に示したように、大当たり結果→特別遊技状態となり当該特別遊技状態のエンディングにて大当たりの種別を報知する構成とすることにより、遊技者の注目度が早期に低下することを抑制し、特別遊技状態中も遊技への期待感を好適に維持させることが可能となる。
パチンコ機10においては、高確遊技状態(高頻度サポートモード)となって条件装置(例えば電動役物91)への入球が容易となることにより、その旨を示す外部信号が出力される。この外部信号は当該高確遊技状態が終了するまで継続される。そこで、この外部信号の出力期間中においては可動演出装置300の装飾体310を演出位置に配置させることにより、装飾体310によって高確遊技状態となっていること報知されることとなる。このように既存の外部信号を利用すれば、可動演出装置300と遊技情報表示装置500とを連動させる上で構成が過度に複雑になることを抑制できる。
<第4の実施の形態>
上記各実施の形態では遊技情報表示装置500のチルト機能を可動演出装置300に連動させて活用する構成としたが、必ずしもこのチルト機能を可動演出装置300と関連付ける必要はない。本実施の形態においては、遊技の状況に応じて遊技情報表示装置500(表示ユニット510)の姿勢を変化させることを特徴の1つとしている。具体的には、外部出力端子板213の出力端子である第3の外部出力端子213c(第3端子213c)及び第4の外部出力端子213d(第4端子213d)からの外部信号に基づいて遊技情報表示装置500の姿勢が変化することとなる。
第3端子213cでは、主表示ユニット87の作動口用表示部にて変動表示されていた絵柄(図柄表示装置253の表示画面253aにて変動表示されていた図柄)が停止表示されたこと、及び絵柄(図柄)が停止表示されてから所定の期間が経過したことを契機として2値信号の切り替えが行われる。具体的には、遊技結果に対応する絵柄の停止表示を契機に第3端子213cの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、当該停止表示から所定の期間が経過したことを契機に第3端子213cの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて遊技回が進行している旨を把握する。
また、第4端子213dでは、作動口83a,83bへの入賞が発生したこと及び当該入賞から所定の期間が経過したことを契機として2値信号の切り替えが行われる。具体的には、作動口83a,83bへの入賞を契機に第4端子213dの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、当該入賞から所定の期間が経過したことを契機に第4端子213dの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて作動口83a,83bへの入賞の有無を把握する。
以下、図30のタイミングチャートを参照して、本実施の形態に示す可動演出装置300の姿勢の変化について説明する。
図柄表示装置253の表示画面253aにて図柄の変動表示が行われている最中(遊技回中)であるtc1のタイミングにて作動口83a,83bへの入賞が発生すると、外部出力端子板213の第4端子213dの電位が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替わる。これにより、ホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500では、作動口83a,83bへの入賞が発生した旨が把握される。なお、tc1のタイミングでは、保留数が「0」となっているが、作動口83a,83bへの入賞によって保留数が「0」から「1」に変更され、次の遊技回の実行が確定する。
tc2のタイミングにて、表示画面253aにおける図柄の変動表示が終了し遊技結果に対応した図柄組み合わせが停止表示されると、外部出力端子板213の第3端子213cの電位が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替わる。これにより、ホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500では、遊技が進行している旨が把握されることとなる。
続くtc3のタイミングでは、記憶されている保留情報の数が「1」であるため、次の遊技回が開始されることとなる。tc3のタイミングから所定の変動表示期間が経過したtc4のタイミングでは、表示画面253aにおける図柄の変動表示が終了し遊技結果に対応した図柄組み合わせが停止表示されると、外部出力端子板213の第3端子213cの電位が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替わる。これにより、ホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500では、遊技が進行している旨が把握されることとなる。なお、tc2のタイミング及びtc4のタイミングでは外れ結果に対応しているため、外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示される。
図柄が停止表示されてから所定の待機期間を経過したtc5のタイミングではパチンコ機10が通常モードから、当該通常モードよりも消費電力が抑えられた省エネモードへと移行する。本実施の形態におけるパチンコ機10においては環境への配慮がなされており、遊技が行われないままの状態が続いた場合には省エネモードへと移行することにより、図柄表示装置253等が消灯され、電力消費が抑えられる構成となっている。
ここで、遊技情報表示装置500の制御部570には、省エネモードに対応するタイマカウンタが設けられている。このタイマカウンタによって第3端子213cからの外部信号を受信していない期間が計測している。上記tc5のタイミングでは当該タイマカウンタの値が所定の値となり、遊技情報表示装置500の表示ユニット510が上記待機位置(以下、第1待機位置という)から上記退避位置(以下、第2待機位置という)へと移動する。そして、直後のtc6nタイミングにて表示ユニット510の第2待機位置への移動が完了することとなる。
遊技が行われていない場合には、表示ユニット510が斜め下方ではなく水平方向を向くように姿勢が変化することとなる。遊技者が遊技機を選ぶ際には、徒歩で遊技ホールを移動しながら上記遊技情報表示装置500に表示された遊技情報を確認すると想定される。このように立っている場合には、座っている場合と比較して遊技者の目線が高くなる。そもそも、パチンコ機10については視認性の担保の観点から、遊技領域PE(詳しくは図柄表示装置253)が座っている遊技者の顔の正面に位置するように設置されることが一般的である。表示ユニット510が第1位置に配置されている状態では座っている遊技者からは遊技情報が確認しやすくなる反面、立っている遊技者からは遊技情報が確認しづらくなる。
遊技が行われていいない状況下においては、座っている遊技者に配慮する必要性が低下するため、表示ユニット510の向きを立っている遊技者に合せることにより、遊技情報を提供する機能を好適に発揮させることができる。
その後、遊技球の発射操作が行われ、発射された遊技球が作動口83a,83bへ入賞すると、外部出力端子板213の第4端子213dの電位が一時的にLOWレベルからHIレベルに切り替わる。これにより、ホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500では、作動口83a,83bへの入賞が発生した旨が把握される。これを契機として、表示ユニット510が第2待機位置から第1待機位置へ向けて移動を開始し、直後のtc8のタイミングにて第1待機位置への復帰が完了する。これにより、表示ユニット510が斜め下方に傾いた(前傾した)状態となって、該当遊技機にて遊技を行っている遊技者からの遊技情報の視認性が向上することとなる。
遊技情報表示装置500については、対応付けられたパチンコ機10(該当遊技機)にて遊技を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者や遊技ホールの係員に遊技情報を提供する機能とが付与されている。ここで、遊技機正面に設置された椅子等に着席している場合と、立っている場合とでは目線の高さが異なる。本実施の形態によれば、遊技が行われている場合には低めの目線に配慮して表示部を前傾させ、遊技が行われていない場合には高めの目線に配慮して表示部の前傾を緩和される。このように、パチンコ機10の稼働状況に応じて表示ユニット510の姿勢を変更することにより、状況に適した態様で遊技情報を提供することが可能となり、遊技情報表示装置500の存在意義の向上に貢献できる。
<第5の実施の形態>
上述した第2の実施の形態においては、可動演出装置300Aを構成する装飾体310Aを呼出操作用の「補助手段」又は「操作手段」として機能させることにより、可動演出装置300Aと遊技情報表示装置500との共存に係る不都合の発生を解消したが、そもそも演出手段を構成する可動演出装置300Aが補助手段として機能する場合、新たに付加されたサポート機能(操作機能)の存在が認知されなければ当該機能が上手く活用されなくなる。これでは上述した不都合の発生を解消するという試みが頓挫し得る。
本実施の形態においてはこのような事情に鑑みて、可動演出装置300Aの装飾体310Aが呼出操作用の「補助手段」として機能する旨を遊技の状況に応じて遊技者に教示する機能が付与されていることを特徴の1つとしている。以下、図31のフローチャートを参照して、装飾体310Aの操作を教示すべく実行される操作教示用処理について説明する。操作教示用処理は、報知・演出制御装置140のMPUにて定期処理の一環として実行される処理である。
(操作教示用処理)
操作教示用処理においては先ずステップS801にて特殊演出を終了するタイミングとなったか否かを判定する。ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS802に進む。ステップS802では特殊演出を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS802にて否定判定をした場合にはそのまま本操作教示用処理を終了する。ステップS802にて肯定判定をした場合にはステップS803に進む。
ステップS803では、開閉実行モード(特別遊技状態)の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS803にて肯定判定をした場合にはステップS804にて第1教示用画像の表示処理を実行した後、本操作教示用処理を終了する。第1教示用画像の表示処理では、図柄表示装置253の表示画面253aに第1教示用画像を表示させるための表示コマンドを表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では当該表示コマンドを受信したことに基づいて、表示画面253aに操作教示用の画像、詳しくは可動演出装置300Aの装飾体310Aが係員を呼び出す際の操作手段として機能する旨を示すメッセージを表示する処理を行う。
ステップS803の説明に戻り、当該ステップS803にて否定判定をした場合、すなわち開閉実行モードの開始タイミングではないと判定した場合にはステップS805に進む。ステップS805では、主制御装置162のMPU402から満タン検知コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、満タン検知に係る構成について補足説明する。
既に説明したように、パチンコ機10の前扉枠14の背面部分には、払出装置224から払い出された遊技球を上皿33や下皿34へ導く通路形成ユニット45が配設されている。通路形成ユニット45にて下皿34に続く通路には、例えば下皿34に溜まった遊技球を先頭として当該通路の所定位置まで遊技球列が形成されたことを検知する検知センサが設けられている。この検知センサは主制御装置162に接続されており、主制御装置162のMPU402ではこの検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて、上記所定位置まで遊技球が溜まっているか否かを監視している。遊技球が所定位置まで溜まっていること(満タンになっていること)を把握した場合には、その旨を示すコマンド(上記満タン検知コマンド)が主制御装置162から報知・演出制御装置140に出力される。
主制御装置162から満タン検知コマンドを受信していない場合には、ステップS805にて否定判定し、ステップS806に進む。ステップS806では、主制御装置162のMPU402からエラー検知コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、エラー検知に係る構成について補足説明する。
パチンコ機10の払出装置224には払出用の検知センサが設けられている。払出用の検知センサは払出制御装置242に接続されており、払出制御装置242ではこの検知センサからの検知情報に基づいて遊技球の払い出しが正常に行われているか否かを判定する。ここで、例えば遊技球を貯留するタンク221が空になったり、タンクレール222等にて球詰まりが発生したりした場合には、遊技球の払い出しが正常に行われなくなる。払出制御装置242にて、払い出しが正常に行われていないと判定した場合には、払出制御装置242から主制御装置162へ払い出しの異常を示すコマンドが出力される。そして、払い出しが正常に行われていない旨が主制御装置162を介して報知・演出制御装置140にエラー検知コマンドとして伝わることとなる。
主制御装置162から上記満タン検知コマンド及びエラー検知コマンドの何れかを受信している場合にはステップS807に進み、第2教示用画への切替処理を行う。第2教示用画像への切替処理では、図柄表示装置253の表示画面253aに第2教示用画像を表示させる表示コマンドを表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では当該表示コマンドを受信したことに基づいて、表示画面253aに操作教示用の画像、詳しくは可動演出装置300Aの装飾体310Aを操作して係員を呼び出すべき状況となっている旨を示すメッセージを表示する処理を行う。なお、下皿34が満タンになった場合には貯留箱の交換等のために係員を呼ぶ必要が生じ、払い出しが上手く行われていない場合には遊技球の補充や球詰まりの解消のために係員を呼ぶ必要が生じることとなる。つまり、これら上記満タン検知コマンド及びエラー検知コマンドについては、係員を呼び出す契機(呼出条件)となっている。
ステップS805及びステップS806の両方にて否定判定をした場合、すなわち係員の呼出条件が不成立となっている場合には、ステップS808に進む。ステップS808では下皿34が満タンではなく且つ払い出しに係る異常が発生していないことを確認する。本実施の形態では、下皿34が満タンでなくなった場合には主制御装置162から報知・演出制御装置140に満タン解消コマンドが送信され、払出異常が解消された場合には主制御装置162から報知・演出制御装置140にエラー解消コマンドが送信されることとなる。上述した満タン検知コマンドを受信することにより、報知・演出制御装置140のRAM(各種フラグ格納エリア)には満タンフラグが格納され、満タン解消コマンドを受信することにより当該満タンフラグが消去される。また、上述したエラー検知コマンドを受信することにより、報知・演出制御装置140のRAM(各種フラグ格納)にはエラー検知フラグが格納され、エラー解消コマンドを受信することにより当該エラー検知フラグが消去される。ステップS808の処理においては、RAMの各種フラグ格納エリアにこれらのフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS808にて否定判定をした場合には、そのまま本操作教示用処理を終了する。これに対して、ステップS808にて肯定判定をした場合にはステップS809にて第1教示用画像への切替処理を実行した後、本操作教示用処理を終了する。第1教示用画像への切替処理では、図柄表示装置253の表示画面253aに第1教示用画像を表示させるための表示コマンドを表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では当該表示コマンドを受信したことに基づいて上記第1教示用画像を表示する処理を行う。
ステップS801の説明に戻り、当該ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわち特殊演出の終了タイミングであると判定した場合には、ステップS810に進む。そして、ステップS810にて教示用画像の非表示処理を実行した後、本操作教示用処理を終了する。教示用画像の非表示処理では、図柄表示装置253の表示画面253aに表示されている教示用画像を非表示とするための非表示コマンドを表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では当該非表示コマンドを受信したことに基づいて表示中の教示用画像を非表示とする処理を行う。
ここで、図32等を参照して、特殊演出と教示用画像の表示との流れについて説明する。なお、図32(a)は、遊技進行に応じた教示用画像の表示の切り替わり態様を例示したタイミングチャートである。なお、図32(a)においては、スケールを圧縮して簡略化することにより、例えば開閉実行モードへの移行タイミングと可動演出装置300Aの動作タイミングとが一致しているかのようになっているが、厳密には開閉実行モードへの移行に僅かに先行するようにして特殊演出が開始される。これらタイミングの違いについての詳細は図27を参照されたい。
図32(a)にしめすように、遊技進行に伴って開閉実行モード(特別遊技状態)に移行するtd1のタイミングでは、当該開閉実行モードへの移行に応じて可動演出装置300Aの装飾体310Aが待機位置から演出位置へ移動する。これにより、特殊演出が開始されることとなる。装飾体310Aが待機位置から演出位置に移ることにより、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が装飾体310Aの背後に隠れる(図28(a)参照)。つまり、呼出ボタン518へのアクセスが装飾体310Aによって妨げられた状態となる。
td1のタイミングでは、表示画面253aの上部に上記第1教示用画像、具体的には可動演出装置300Aの装飾体310Aが係員を呼び出す際の操作手段として機能している旨を示すメッセージが表示されることとなる(図32(b1)の概略図参照)。
開閉実行モード中のtd2のタイミングにて下皿34が満タンになると、表示画面253aの上部に表示されている教示用画像が上記第1教示用画像から第2教示用画像に切り替えられることとなる。これにより、表示画面253aの上部に、可動演出装置300Aの装飾体310Aを操作して係員を呼び出すべき状況となっている旨を示すメッセージが表示されることとなる(図32(b2)の概略図参照)。その後、td3のタイミングにて上述した満タン状態が解消されると、表示画面253aの上部に再び上記第1教示用画像が表示されることとなる(図32(b1)の概略図参照)。
開閉実行モード中のtd4のタイミングにて払出異常が発生すると、表示画面253aの上部に表示されている教示用画像が上記第1教示用画像から第2教示用画像に切り替えられることとなる。これにより、表示画面253aの上部に、可動演出装置300Aの装飾体310Aを操作して係員を呼び出すべき状況となっている旨を示すメッセージが表示されることとなる(図32(b2)の概略図参照)。その後、td5のタイミングにて上述した払出異常が解消されると、表示画面253aの上部に、上記第1教示用画像が再び表示されることとなる(図32(b1)の概略図参照)。
特殊演出が終了するtd6のタイミングでは、可動演出装置300Aの装飾体310Aが演出位置から待機位置へ復帰する。これにより、装飾体310Aと遊技情報表示装置500の呼出ボタン518との重なりが解除され、当該呼出ボタン518へのアクセスが許容されることとなる。つまり、係員の呼び出す際には呼出ボタン518を直接押圧操作することが可能となる。これに併せて、表示画面253aに表示中の上記教示用画像が非表示となる。
以上詳述したように、可動演出装置300Aの装飾体310Aが「補助手段」又は「操作手段」として機能していることを遊技者に教示することにより、新たに付加されたサポート機能(操作機能)の存在の認知を促すことができる。これにより、当該機能が上手く活用されなくなって、可動演出装置300Aの存在がパチンコ機10A及び遊技情報表示装置500の共存の妨げになる要因になることを好適に抑制できる。
可動演出装置300Aの装飾体310Aについては、特殊演出が行われていない状況下では待機位置に配置されている。このような状況下にて上述した教示を行った場合には、そもそも操作対象である装飾体310Aが隠れているため、教示の意味が上手く伝わらない可能性が高くなる。そこで、特殊演出が開始されて呼出ボタン518へのアクセスが装飾体310Aによって妨げられた状況となった場合に、上述した教示を行うことにより、教示内容の理解の容易化に貢献している。
また、係員の呼出しを行う必要性については状況に応じて差が生じる。例えば、特別遊技状態中は、多量の遊技球を獲得できるチャンスであるため、遊技球用の貯留箱の交換が必要になり得るものの、係員の呼出しを行うか否かは任意である。これに対して、遊技球の払出異常が発生した場合には、遊技球の発射を行うべき状況であるにも関わらず、手持ちの遊技球がなくなる等して遊技球の発射ができなくなる可能性がある。これは、特別遊技状態での恩恵を享受する上で妨げとなる。そこで、このような緊急性の高い状況では、緊急性の低い状況とは教示内容を差別化している(図32(b)参照)。これにより、状況に適した教示を行うことができる。
<第6の実施の形態>
上述した第2の実施の形態においては、可動演出装置300Aを構成する装飾体310Aを呼出操作用の「補助手段」又は「操作手段」として機能させることにより、可動演出装置300Aと遊技情報表示装置500との共存に係る不都合の発生を解消した。ここで、遊技情報表示装置については様々な機種が存在しているだけでなく、遊技ホール(島設備)毎に遊技情報表示装置の配置も様々になり得る。本実施の形態に示す可動演出装置300Bおいては、これらの事情に鑑みて、第2の実施の形態に示した構成の適用対象を拡げる工夫、具体的には「接触部」としての突起325Bの位置を調節する位置調節機構330Bが設けられていることを特徴の1つとしている。以下、図33(a)の概略図を参照して、当該位置調節機構330Bに係る構成について説明する。なお、本実施の形態に示す可動演出装置300Bについては、主たる構成が第2の実施の形態に示した可動演出装置300Aと共通となっている。そこで、これら共通となっている構成については説明を援用する。
装飾体310Bの第1平面部311Bには、位置調節機構330Bを収容する収容凹部314Bが形成されている。収容凹部314Bの底部には、装飾体310Bの回動中心軸線CL1と同じ方向(横方向)に延びる一対の横レール331Bが配設されている。横レール331Bにおいて上記底部とは反対側となる部分には、それら横レール331Bに跨るようにして縦レール332Bが取り付けられている。縦レール332Bは、横レール331Bによって、回動中心軸線CL1と同じ方向にスライド移動可能となるように保持されている。
縦レール332Bにおいて横レール331Bとは反対側となる部分には、突起325Bが形成されたベース体333Bが取り付けられている。ベース体333Bは縦レール332Bによって、当該縦レール332Bの長手方向(上記回動中心軸線CL1と交差する方向)にスライド移動可能となるように保持されている。
ベース体333Bに形成された突起325Bについては、少なくともその先端部分が収容凹部314Bから突出するように配置されている。具体的には、横レール331Bの厚さ寸法、縦レール332Bの厚さ寸法、ベース体333Bの厚さ寸法の総和は、収容凹部314Bの深さ寸法と同一となっている。これにより、横レール331B,縦レール332B及びベース体333Bについては収容凹部314Bからの突出が回避されており、突起325Bについてはその全体が収容凹部314Bから突出している。これは、位置調節機構330Bの保護機能と、突起325Bの「接触部」としての機能とを担保するための工夫である。
以上、詳述した位置調節機構330Bによれば、ベース体333Bを縦レール332Bに沿って移動させることにより、装飾体310Bが演出位置に配置された状態での突起325Bの高さ位置を任意変更することができる。また、縦レール332Bを横レール331Bに沿ってスライド移動させることにより、突起325Bの左右位置を任意に変更することができる。
また、位置調節機構330Bには、縦レール332Bのスライド移動及びベース体333Bのスライド移動を不可とするロック状態と同移動を許容するアンロック状態とに切り替え可能なロック装置が設けられている。つまり、ロック装置をロック状態からアンロック状態に切り替えることによりベース体333B(突起325B)の位置変更が許容され、ロック装置をアンロック状態からロック状態に切り替えることによりベース体333B(突起325B)の位置変更が不可となるように構成されている。
ここで、図33(b)を参照して、突起325Bの位置調節の流れについて説明する。図33(b)は位置調節の流れを例示した概略図である。なお、突起325Bの位置調節については、パチンコ機10Bの導入時,配置変え時,遊技情報表示装置の入れ替え時等にて、パチンコ機10Bの突起325Bと遊技情報表示装置の呼出ボタンとの位置関係が変化することで発生し得る。
図33(b1)→図33(b2)においては、例えばパチンコ機10Bの配置変えによって対応する遊技情報表示装置が遊技情報表示装置500X→遊技情報表示装置500Yに変更となっている。遊技情報表示装置500Xに付随する呼出ボタン518Xと遊技情報表示装置500Yに付随する呼出ボタン518Yと対比すると、左右位置(横方向における位置)は同じであるものの、上下位置(高さ方向における位置)が相違している。具体的には、何れの呼出ボタン518X,518Yについても可動演出装置300Bの装飾体310Bが演出位置に配置されている状況下にて当該装飾体310Bの背後に隠れる位置に配置されてはいるものの、呼出ボタン518Yの方が呼出ボタン518Xよりもパチンコ機10寄りとなっている。
ここで、呼出ボタン518と突起325Bとの位置関係が崩れてしまっては、装飾体310Bに付与された「補助手段」又は「操作手段」としての機能が上手く発揮されなくなる。このように両者の位置関係が崩れた場合には、突起325Bの位置を調節することにより上記機能の担保を図ることができる。当該位置調節を行う場合には、先ず上述したロック装置をロック状態からアンロック状態に切り替える。これにより、突起315Bの位置調節が許容されることとなる。
突起325Bを指で摘まんで呼出ボタン518Yに対応する位置へ移動させた後に、ロック装置をロック状態に切り替えることで位置調節が不可となり、装飾体310Bにおける突起325Bの位置が固定される。この状態にて、装飾体310Bを後傾させることにより、突起325Bが後方へ変位して、呼出ボタン518Yに接触することとなる。これにより、装飾体310B(突起325B)に付与された上記「補助手段」又は「操作手段」としての機能が担保されることとなる。このように、対象となる遊技情報表示装置やパチンコ機10Bの配置等に応じて突起325Bの位置調節を行うことができれば、遊技機外の領域を動作領域として利用するタイプの可動演出装置の利用を促進することができる。
<第7の実施の形態>
上記実施の形態に示したように遊技機外の領域を動作領域として利用するタイプの可動演出装置については、遊技機内の領域を動作領域として利用するタイプの可動演出装置と比べて、可動演出装置を構成する装飾体(「可動体」に相当)へのアクセスが容易となる。このような事情から、前者は後者と比較して、動作が妨げられたり動作不良が発生したりする可能性が高まると想定される。
ここで、例えば装飾体が上記理由等により待機位置から演出位置への移動途中(中間位置)にて停止してしまった場合には、以下の事象が発生する。すなわち、装飾体の背後に呼出ボタン518が隠れることによって呼出ボタン518へのアクセスが妨げられるだけでなく、装飾体の突起と呼出ボタン518との位置関係が崩れることにより、装飾体が「補助手段」又は「操作手段」として機能しなくなる。つまり、例えば装飾体が待機位置に留まるのであれば上記不都合の影響は特殊演出に限られるものの、中間位置に留まることにより上記不都合の影響が特殊演出のみならず呼出操作の可否にも及ぶことになる。
本実施の形態においては可動演出装置300Cに動作異常等が発生した場合への対応がなされていることを特徴の1つとしている。ここで、図34の概略図を参照して、動作異常への対応に係る構成について説明する。なお、本実施の形態に示す可動演出装置300Cについては装飾体310Cの動作態様が上記第2の実施の形態に示した装飾体310Aの動作態様とは異なっている。そこで、先ず装飾体310Cの動作に係る構成について説明する。
図34(a)に示すように、可動演出装置300Cの装飾体310Cは、収容部36Cの側壁部37Cに形成された保持部によって上下にスライド移動(昇降)可能な状態で保持されている。側壁部37Cにおいて収容部36Cの開口縁を形成している部分には、収容部36Cの内側へ突出するようにしてストッパ部40Cが形成されている。装飾体310Cの下端部分に形成された脚部316Cがストッパ部40Cに下方から当接することにより、それ以上の上方への移動が阻止されることとなる。本実施の形態においては、装飾体310Cの底面部312Cが収容部36Cの底部に当接する位置が装飾体310Cの「待機位置」、装飾体310Cの脚部316Cがストッパ部40Cに当接する位置が装飾体310Cの演出位置となっており、収容部36C(詳しくは底部及びストッパ部40C)によって上下方向での装飾体310Cのストローク量が規定されている。
膨出部35Cには装飾体310Cの位置を検知する(詳しくは演出位置に配置された装飾体310Cを検知する)位置検知センサ340Cが設けられている。位置検知センサ340Cは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140では位置検知センサ340Cからの検知情報(検知信号)に基づいて装飾体310Cが演出位置に配置されているか否かを把握する構成となっている。
装飾体310Cの背面部311Cと収容部36Cの後壁部39Cとの間には隙間が形成されており、装飾体310Cの前後動(前後方向におけるスライド移動)が許容されている。つまり、収容部36Cによって前後方向でのストローク量が規定されている。図34(a)→図34(b)に示すように、装飾体310Cが演出位置に配置されている状態にて後方に押されることにより、装飾体310Cの突起325Cと遊技情報表示装置500の呼出ボタン518とが接触して当該呼出ボタン518が押圧されることとなる。
これに対して、図35の概略図に示すように装飾体310Cが演出位置と待機位置との中間位置にて停止した場合には、前後方向における当該装飾体310Cと呼出ボタン518との重なりが小さくなる。この状態では、呼出ボタン518全体が装飾体310Cの背後に隠れているわけではなく、呼出ボタン518へのアクセスが完全に妨げられてはいない。
但し、着席した状態で遊技を行っている状況下にて遊技者が呼出ボタン518を見上げた場合には、装飾体310Cが邪魔になって呼出ボタン518が見づらくなる。このような視認性の低さは、呼出ボタン518を直接操作する上で妨げとなり得る。また、装飾体310Cの突起325Cは、呼出ボタン518よりも下側に位置している。このため、呼出ボタン518を直接操作する代わりに装飾体310Cを後方へ押したとしても、突起325Cが呼出ボタン518に接触することはなく、装飾体310C「補助手段」又は「操作手段」として機能しない。
本実施の形態においては、このような機能不全を抑えるべく、装飾体310Cが上記中間位置に留まることを回避するための工夫がなされている。具体的には、装飾体310Cの動きを監視し、動きが正常に行われていない場合には当該装飾体310Cを強制的に待機位置に復帰させる処理がなされるように工夫されている。ここで、図36のフローチャートを参照して、装飾体310C用の駆動処理が組み込まれた特殊演出用処理について説明する。
(特殊演出用処理)
特殊演出用処理においては先ず、ステップS901にて特殊演出を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS902にて大当たり結果対応の遊技回であるか否かを判定する。ステップS902にて肯定判定をした場合にはステップS903に進む。ステップS903では特殊演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS902及びステップS903の何れかにて否定判定をした場合には、特殊演出の実行条件非成立であるため、そのまま本特殊演出用処理を終了する。一方、ステップS902及びステップS903の両方にて肯定判定をした場合には、特殊演出の実行条件成立であるため、ステップS904に進む。
ステップS904では特殊演出開始処理を実行する。特殊演出開始処理では、可動演出装置300C(装飾体310C)に内蔵された発光体を消灯状態から発光状態に切り替えるとともに、可動演出装置300Cのソレノイド320に駆動信号を出力する。これにより、ソレノイド320が励磁状態に切り替わることとなる。ソレノイド320が励磁状態となってプランジャが移動することにより、装飾体310Cが待機位置から演出位置へ向けた移動(スライド移動)を開始することとなる。
本実施の形態におけるソレノイド320については駆動力がそれほど大きく設定されているわけではなく、装飾体310を待機位置から演出位置への移動を完了させるには、ある程度のタイムラグが発生する構成となっている。ステップS905では動作確認用のタイマカウンタに所定の値をセットする。このセットされた値は、上記タイムラグに相当する期間よりも僅かに長い期間に対応している。
ステップS901の説明に戻り、当該ステップS901にて肯定判定をした場合、すなわち特殊演出を実行している最中であると判定した場合には、ステップS906に進む。ステップS906では上記タイマカウンタを参照して、装飾体310Cの動作確認を行うべきタイミングとなっているか否かを判定する。ステップS906にて肯定判定をした場合には、ステップS907に進む。
ステップS907では、位置検知センサ340Cからの検知情報に基づいて装飾体310Cが演出位置に到達しているか否かを判定する。ステップS907にて肯定判定をした場合、すなわち装飾体310Cが演出位置に到達している場合にはそのまま本特殊演出用処理を終了する。一方、ステップS907にて否定判定をした場合には、ステップS908に進む。
本実施の形態におけるソレノイド320については駆動力が小さく抑えられている。このため、装飾体310の演出位置への移動を妨げるような抵抗が発生した場合には、移動に要する期間が延びるだけでなく、演出位置への到達自体が不可となり得る。以上の理由から、ステップS907にて否定判定をした場合の多くでは、演出位置への移動が完遂されず、装飾体310Cが待機位置又は上記中間位置に留まることとなる。そこで、ステップS908では、装飾体310Cを待機位置に強制的に復帰させる処理を行う。具体的には、ソレノイド320への駆動信号の出力を停止する。これにより、ソレノイド320が励磁状態から非励磁状態に切り替わり、装飾体310Cが自重等によって待機位置へ復帰することとなる。
ステップS906の説明に戻り、当該ステップS906にて否定判定をした場合、すなわち装飾体310Cの動作を確認するタイミングではないと判定した場合には、ステップS909に進む。ステップS909では、エンディング表示の開始タイミングとなったか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からエンディングコマンドを受信したタイミングであるか否かを判定する。ステップS909にて肯定判定をした場合には、ステップS606にて特殊演出終了処理を実行した後、本特殊演出用処理を終了する。
特殊演出終了処理においては先ず、可動演出装置300C(装飾体310C)に内蔵された発光体を発光状態から消灯状態に切り替える処理を実行する。その後、可動演出装置300Cのソレノイド320への駆動信号の出力を終了する。これにより、ソレノイド320が励磁状態から非励磁状態に切り替わり、装飾体310Cが自重等によって演出位置から待機位置へ向けて移動を開始することとなる。
遊技機外部の領域を可動演出装置300C(装飾体310C)の動作領域として利用している構成にて、装飾体310Cによる呼出操作の補助機能については、装飾体310Cが規定の演出位置に到達していることを前提として発揮される。前扉枠14の上部に置かれた財布等の荷物によって装飾体310Cの移動が妨げられた場合には、当該装飾体310Cが演出位置に到達できず、呼出ボタン518へのアクセスが困難となり且つ補助機能が発揮されない状況が発生し得る。本実施の形態においては、装飾体310Cが演出位置に到達できていない場合、すなわち装飾体310Cの動きを妨げる何らかの障害が発生している場合には、当該装飾体310Cを敢えて待機位置に強制復帰させる構成となっている。これにより、呼出ボタン518へのアクセスを担保し、不完全な特殊演出によって装飾体310Cの存在が係員の呼出しを妨げる要因になることを回避している。
<第8の実施の形態>
上記第2の実施の形態では、装飾体310Aを後傾させることにより、装飾体310A全体を「補助手段」又は「操作手段」として機能させる構成とした。これは遊技者の利便性を向上する上では有利であるものの、操作が容易であるため装飾体310Aが後方へ押された場合に遊技情報表示装置500(呼出ボタン518)に係る負荷が過剰に大きくなりやすい。本実施の形態では、遊技者の利便性の向上を図りつつ呼出ボタン518の保護を実現する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図37の概略図を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。
本実施の形態における可動演出装置300Dの装飾体310Dについても上記第7の実施の形態と同様に上下にスライド移動可能に保持され、昇降することで待機位置及び演出位置に移動するように構成されている。但し、上記装飾体310Cとは異なり、本装飾体310Dについては収容部36Dの前後の壁部によって挟まれている。これにより、前後方向への移動については不可となっている。つまり、装飾体310Cの動作方向については上下方向及び前後方向のうち前者のみに限定されている。
装飾体310Dには前面部313D及び背面部311Dに連なる貫通孔317Dが形成されている。貫通孔317Dは装飾体310Dのスライド方向(前後方向)と交差(詳しくは直交)する方向に延びており、その内部に軸体350Dが挿通されている。軸体350Dの全長は貫通孔317Dの全長よりも長くなっており、当該軸体350Dの両端部のうち少なくとも何れかが貫通孔317Dから突出した状態が維持されるように構成されている。
軸体350Dは前後にスライド移動可能な状態で保持されており、その移動範囲は装飾体310Dによって規定されている。具体的には、軸体350Dの前端部分が貫通孔317Dから前方に突出する第1位置と、軸体350Dの後端部分が貫通孔317Dから後方に突出する第2位置とに移動可能となっている。なお、装飾体310Dには、付勢手段としてのバネ355Dが内蔵されており、このバネ355Dによって第1位置に付勢されている。
ここで、図38の概略図を参照して、パチンコ機10Dの可動演出装置300Dにより上記特殊演出が行われている状況下にて係員の呼出しを行う場合の操作の流れについて説明する。
図38(a)に示すように、装飾体310Dが上方にスライド移動して待機位置から演出位置に移ると、軸体350Dが収容部36Dから離脱して呼出ボタン318と前後に並んだ状態となる。この状態では、呼出ボタン318が軸体350Dの動作経路上に位置する。
遊技者によって軸体350Dの前端部分がバネ355Dの付勢力に抗して後方に押されると、図38(a)→図38(d)に示すように、軸体350Dが後退して第2位置へ向かう。この過程で、軸体350Dの後端部が呼出ボタン518に接触し、軸体350Dが更に押し込まれることで呼出ボタン518が押圧される。これにより、遊技情報表示装置500によって係員の呼出しに対応する状態に切り替わる。
軸体350Dを操作して係員の呼出しを行った後は、軸体350Dから手を離すことで当該軸体350がバネ355Dの付勢力によって第1位置に復帰する。これにより、呼出ボタン518の押圧が解除されることとなる。
以上詳述したように、装飾体310Dの一部を操作ブロックとすることにより、呼出し操作に伴って発生する操作力が過剰になることを抑制している。これにより、遊技情報表示装置500(呼出ボタン518)の保護を図っている。このような構成であっても、呼出ボタン518よりも軸体350Dの操作部分が遊技者に近い位置に存在しているため、呼出ボタン518へ手を延ばす場合よりも、比較的容易にアクセスできる。これにより、呼出操作の利便性の向上効果を享受できる。
また、装飾体310Dの動きを簡素化することにより、当該装飾体310Dの保持構造を簡素化することができ、装飾体310D及びそれに付随する構成の耐久性の向上に貢献できる。これは、可動演出装置300Dに付与された演出機能とサポート機能との両者を維持する上で有利である。
軸体350Dのスライド方向を装飾体310Dのスライド方向と交差させる構成とした、これにより、軸体350Dが押圧された際の押圧力によって装飾体310Dの上下位置が変わることを抑制している。これは、軸体350Dと呼出ボタン518との上下位置のずれを回避する上で好ましい構成である。特に、本実施の形態においては、軸体350Dのスライド方向と装飾体310Dのスライド方向とが直交しているため、当該効果を好適に発揮させることができる。
<第9の実施の形態>
本実施の形態に示す可動演出装置300E(装飾体310E)においては、特殊演出が行われている場合に遊技情報表示装置500の呼出ボタン518に作用する作用ブロック361Eと、遊技者によって操作される操作ブロック371Eとを有する補助ユニット360Eを備え、それら各ブロック361E,371Eの相対位置の変化を許容することにより、上記第6の実施の形態に示した技術的思想と第7の実施の形態に示した技術的思想とを融合させていることを特徴の1つとしている。以下、図39を参照して「補助手段」又は「操作手段」に相当する補助ユニット360Eについて説明する。図39(a)は可動演出装置300Eを後方から見た斜視図、図39(b)は補助ユニット360Eの水平断面図である。
可動演出装置300Eを構成している装飾体310Eの背面部311Eには、作用ブロック361E(詳しくは位置調節機構330E)を収容する収容凹部314Eが形成されている。作用ブロック361Eは、収容凹部314Eの底部に配設された、横方向(左右方向)に延びる一対の横レール362Eを備えている。横レール362Eに対して上記底部と反対側となる部分にはそれら横レール362Eに跨るようにして縦レール363Eが取り付けられている。縦レール363Eは横レール362Eによって、横方向(左右方向)にスライド移動可能となるように保持されている。
縦レール363Eにおいて横レール362Eとは反対側となる部分には、押圧装置364Eが取り付けられている。押圧装置364Eは、縦レール363Eによって、当該縦レール363Eの長手方向(上下方向)にスライド移動可能となるように保持されている。これら、横レール362E,縦レール363E,押圧装置364Eによって作用ブロック361Eが構築されている。
押圧装置364Eは、縦レール363Eへの取付け対象としてのベース体365Eと、ベース体365Eによって前後に摺動可能となるように保持されているピストン366Eと、当該ピストン366Eを後方に付勢するバネ367Eとを有している。ピストン366Eには、ベース体365EのチャンバCRに収容されている本体部366aEと、ベース体365Eから突出している突出部366bEとが形成されている。ピストン366Eには「接触部」としての機能が付与されており、バネ367Eの付勢力に抗して後方へ摺動することにより突出部366bEが呼出ボタン518を押圧するように構成されている。
ここで、チャンバCRの内壁面と、本体部366aEの外周面との隙間はほぼ0となっており、チャンバCRと本体部366aEとの間の空気の移動が制限されている。ベース体365Eにおいて上記突出部366bE用の開口とは反対側となる部分には、チャンバCRに連通する通気孔が形成されたボス365aEが形成されている。このボス365aEには管状のチューブ381Eの一端が接続されており、上記チャンバCRとチューブ381Eの内部空間IEとが連通している。
チューブ381Eの他端には操作ブロック371Eが接続されている。操作ブロック371Eは、遊技者によって押圧操作されるボタン部材372Eと、当該ボタン部材372Eを出没可能に保持するホルダ部材373Eとを有してなる。ホルダ部材373Eには、ボタン部材372Eを収容可能なチャンバCFが設けられている。チャンバCFの内壁面とボタン部材372E(詳しくは胴体部分)の外周面との隙間はほぼ0となっており、チャンバCFとボタン部材372Eの胴体部分と間の空気の移動が制限されている。ホルダ部材373Eにおいてボタン部材372E用の開口とは反対側となる部分には、チャンバCFに連通する通気孔が形成されたボス373aEが形成されている。このボス373aEが上記チューブ381Eの接続対象となっている。
操作ブロック371Eにてボタン部材372Eがバネ374Eの付勢力に抗して押圧された場合には、ボタン部材372Eが後退することによりチャンバCF内の空気がチューブ381E側へ向けて押されることとなる。チューブ381E内の空気に圧力が加わると、チューブ381E内の空気が作用ブロック361E側へ押し出され、当該押し出された空気がベース体365EのチャンバCRに流入することとなる。チャンバCRに空気が流入すると、ピストン366Eがチューブ381Eとは反対側に押され、バネ367Eの付勢力に抗して後方へ移動する。これにより、ピストン366E(突出部366bE)の後方への突出量が増大する。この結果、ピストン366Eの突出部366bEによって遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が押圧されることとなる。
係員の呼出しを行った後は、ボタン部材372Eから指を離すことで押圧が解除され、バネ367E,374Eの付勢力により、ボタン部材372E及びピストン366Eが元の位置に復帰することとなる。なお、本実施の形態におけるピストン366Eについては、密閉構造ではなく、僅かながら空気の漏れ等が許容されている。このため、ボタン部材372Eが長押しされた場合でも、期間の経過に伴ってピストン366Eが徐々に押し戻され、ある程度の期間を経過した時点で呼出ボタン518の押圧が解除される構成となっている。
チューブ381Eについては、操作ブロック371Eに加わった操作力(押圧力)を空気を媒体として作用ブロック361Eに伝える「操作力伝達手段」として機能している。ここで、チューブ381Eについては、僅かながら弾性変形(膨張/圧縮)可能に形成されている。空気を媒体として操作ブロック371E→作用ブロック361Eに操作力を伝えるに当たり、その圧力が過度に大きくなった場合にはチューブ381Eが膨張し得る構成となっている。このようにチューブ381E自体の変形によって上記圧力の一部を吸収することにより、ボタン部材372Eが過度に強く操作された場合であってもその操作力の一部を逃がすことができる。これにより、ピストン366Eが過度に強く押し出されることを抑制し、呼出ボタン518の保護を実現している。
以上詳述した補助ユニット360Eによれば、遊技情報表示装置の呼出ボタンの位置やパチンコ機の配置等に応じて、装飾体310Eにおけるピストン366Eの位置を調節することができる。また、ピストン366Eの位置を調節した場合であっても、操作ブロック371Eと作用ブロック361Eとの相対位置の変化をチューブ381Eによって許容し、操作力の伝達機能を担保することができる。
<第10の実施の形態>
上記第9の実施の形態においては操作ブロック371E及び作用ブロック361Eの両方を可動演出装置300Eを構成している装飾体310Eに搭載したが、本実施の形態では、操作ブロック371Eに相当する構成を前扉枠14Fの膨出部35Fに搭載していることを特徴の1つとしている。ここで、図40の概略図を参照して本実施の形態における可動演出装置300F及びそれに付随する構成について説明する。なお、可動演出装置300Fの主要な構成については上記第7の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
装飾体310Fの背面部311Fには、突起325Fと同じく後方へ突出する突出部326Fが形成されている。この突出部326Fは上下方向における装飾体310Fの中間位置から上端位置に延びている。装飾体310Fが待機位置に配置されている状態では、突出部326Fが収容部36Fの後壁部39Fに当接しており、装飾体310Fの後方への変位が規制されている(図40(a)参照)。なお、本実施の形態における突出部326Fは、装飾体310Fの左右両端に設けられており、且つその突出量が突起325Fの突出量よりも大きくなっている。これは、待機位置に配置されている状況にて突起325Fと後壁部39Fとの干渉を回避して、当該突起325Fを保護するための工夫である。
装飾体310Fが演出位置に配置されている状態では、突出部326Fが収容部36Fから離脱する。これにより、当該突出部326Fによる変位規制が解除され、装飾体310Fの後方への変位が許容されることとなる(図40(b)参照)。
前扉枠14の膨出部35Fにおいて上記収容部36Fの前方となる部分には、前後方向にスライド移動可能な状態でボタン部材396Fが配設されている。膨出部35Fの前面部分には開口部35aFが形成されており、この開口部35aFを通じてボタン部材396Fが出没する構成となっている。膨出部35Fには、付勢手段としてのバネが収容され、このバネによってボタン部材396Fが開口部35aFからの最大突出位置に付勢されている。
収容部36Fの前壁部には開口が形成されており、この開口を通じてボタン部材396Fの後端部が収容部36Fに露出している。装飾体310Fの前面部分に受け部316Fが形成されており、この受け部316Fに対してボタン部材396Fの後端部が当接している。つまり、装飾体310が待機位置に配置されている場合には、最大突出位置に配置されているボタン部材396F及び後壁部39Fによって装飾体310Fが挟まれている。
上記各実施の形態に示したタイプの可動演出装置においては、装飾体が待機位置に配置されている状態では操作部分についても収容部内に隠れる構成となっており、当該操作部分に存在がパチンコ機の見栄えを低下させる要因となることが抑制されていた。これに対して、本実施の形態においては、ボタン部材396Fが特殊演出の可否に関係なく遊技者から視認可能となっており、ボタン部材396Fの存在がパチンコ機10Fの見栄えを低下させる要因になることが懸念される。ここで、膨出部35Fの前面部分には絵柄や文字等の装飾が施されており膨出部35Fの見栄えの向上が図られている。上記ボタン部材396Fは装飾の模様に紛れるようにして(擬態するようにして)配置されており、当該装飾の一部を構成している。これにより、ボタン部材396Fが目立つ等して、パチンコ機10Fの見栄えが低下することを抑制している。
可動演出装置300F(装飾体310F)による特殊演出が実行される場合には、図40(b)に示すように、装飾体310Fが待機位置から演出位置に移動する。これにより、装飾体310Fの後退が許容されることとなる。装飾体310Fが演出位置に配置されている場合であっても、ボタン部材396Fと上記受け部316Fとの当接状態が維持される。これにより、操作力の伝達経路が確保されている。
装飾体310Fが演出位置に配置されている状態にて、ボタン部材396Fが押圧されると、その操作力が当該ボタン部材396Fを介して装飾体310Fに伝わる。ここで、当該操作力がボタン部材396F用の付勢手段及び装飾体310F用の付勢手段の付勢力を上回ることにより、ボタン部材396Fが最大押圧位置へと移動し、当該移動に追従して装飾体310Fが後退することとなる。これにより、突起325Fが遊技情報表示装置500の呼出ボタン518に接触し、当該呼出ボタン518が押されることとなる。
ボタン部材396Fの押圧操作を終えて当該ボタン部材396Fから手を離すと、上記付勢手段の付勢力によってボタン部材396F及び装飾体310Fが操作前の位置に復帰することとなる。
本実施の形態においては、特殊演出が行われている状況下にて係員の呼出を行う場合の操作対象(ボタン部材396F)を膨出部35Fの前面部分に配設した。このようにして操作対象と遊技者との距離を縮めることにより、当該操作対象へのアクセスを容易化している。これにより、遊技者の利便性の更なる向上に貢献することができる。また、操作対象を装飾体310Fとは別に設けることにより、装飾体310Fに触れる必要を無くしている。これにより、装飾体310Fの保護機能を向上できる。
操作対象へのアクセスが常に許容されている構成では、当該操作対象が特殊演出が行われていない間に操作されることにより、不測の事態が発生し得る。例えば、特殊演出の開始タイミングでボタン部材396Fが押圧されている場合には、装飾体310Fの演出位置への移動を妨げる抵抗(摩擦抵抗)が大きくなって、特殊演出が上手く実行されなくなる可能性が生じる。そこで、敢えて特出演出前はボタン部材396Fの移動を不可としておくことにより、当該ボタン部材396Fが無暗に操作されることを抑制し、上記不都合等の発生を抑えている。
<第11の実施の形態>
上記第10の実施の形態では、膨出部35Fに操作対象(操作ブロック)を構成するボタン部材396Fを配設したが、本実施の形態においては前扉枠14に設けられた既存の構成を操作対象として利用していることを特徴の1つとしている。そこで、以下、図2及び図41を参照して、本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
既に説明したように、前扉枠14の上側膨出部31には演出ボタン42が配設されている(図2参照)。図41(a)のブロック図に示すように、演出ボタン42は報知・演出制御装置140に接続されており、遊技者の操作に基づいて所定の検知情報(検知信号)を報知・演出制御装置140に出力するように構成されている。報知・演出制御装置140では演出ボタン42からの検知情報に基づいて演出ボタン42の操作の有無を把握するように構成されている。
可動演出装置300Gには装飾体310Gを上下に移動させるための第1ソレノイド320Gと装飾体310Gを前後に移動させるための第2ソレノイド330Gとが設けられている。つまり、装飾体310Gを前後に移動させるための駆動力を発生させるアクチュエータが搭載されている点で、第10の実施の形態に示した可動演出装置300Fと構成が相違している。
本実施の形態に示す演出ボタン42は、特殊演出が行われていない場合には操作対応演出の可否を決定する手段として機能する一方、特殊演出が行われている場合には係員の呼出しを行う手段として機能するように、具体的には上記第2ソレノイド330Gを駆動させる契機として機能するように構成されている。詳しくは、報知・演出制御装置140においては、演出ボタン42からの信号を状況に応じて使い分けることにより、上記操作対応演出用の決定手段としての機能と係員の呼出手段としての機能とを併存させている。ここで、図41(b)のフローチャートを参照して報知・演出制御装置140のMPUにて実行される呼出用処理について説明する。呼出用処理は、報知・演出制御装置140のMPUにて定期処理の一環として実行される処理である。
(呼出用処理)
呼出用処理においては先ず、ステップS1001にて特殊演出を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本呼出用処理が終了する。つまり、特殊演出中以外は、上述した係員の呼出手段としての機能が無効となる。
ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002では演出ボタン42が操作されたか否か、詳しくは係員の呼出しに対応付けられた特殊操作が行われたか否かを判定する。本実施の形態においては操作対応演出を行う場合には第1所定期間に亘って演出ボタン42が押圧操作された場合に操作対応演出の実行条件が成立する構成となっており、上記特殊操作については演出ボタン42が上記第1所定期間よりも長い第2所定期間に亘って押圧操作された場合に(所謂、長押しがなされた場合に)特殊操作が行われたと判定する。
ステップS1002にて否定判定をした場合には、そのまま本呼出用処理を終了する。ステップS1002にて肯定判定をした場合にはステップS1003に進む。ステップS1003では係員の呼出中であるか否かを判定する。具体的には、RAMの各種フラグ格納エリアに後述する呼出中フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1003にて否定判定をした場合には、ステップS1004に進む。
ステップS1004では第2ソレノイド330Gの駆動処理を実行する。当該駆動処理では、第2ソレノイド330Gに駆動信号を出力して当該第2ソレノイド330Gを励磁状態とする。これにより、装飾体310Gが後方へスライド移動して、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が押圧されることとなる。遊技情報表示装置500においては、係員の呼出しを行っていない状況下にて呼出ボタン518が押圧されることにより、係員の呼出しを開始する。なお、第2ソレノイド330Gへの駆動信号は予め設定された期間(例えば1sec)に亘って継続され、当該期間の経過を契機として当該駆動信号の出力が停止される。
ステップS1004の処理を実行した後は、ステップS1005にて呼出開始用の特殊操作受付コマンドをセットする。このコマンドが表示制御装置410に出力され、表示制御装置410では当該コマンドに基づいて特殊操作(呼出開始操作)が有効に受け付けられたことを示すメッセージを図柄表示装置253の表示画面253aに表示する処理を行う。ステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006にてRAMの各種フラグ格納エリアに呼出中フラグをセットして、本呼出用処理を終了する。
ステップS1003の説明に戻り、当該ステップS1003にて肯定判定をした場合、すなわち呼出中フラグに基づいて係員の呼出中であると判定した場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007では第2ソレノイド330Gの駆動処理を実行する。当該駆動処理では、第2ソレノイド330Gに駆動信号を出力して当該第2ソレノイド330Gを励磁状態とする。これにより、装飾体310Gが後方へスライド移動して、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が押圧されることとなる。遊技情報表示装置500においては、係員の呼出しを行っている状況下にて呼出ボタン518が押圧されることにより、係員の呼出しを終了する。なお、第2ソレノイド330Gへの駆動信号は予め設定された期間(例えば1sec)に亘って継続され、当該期間の経過を契機として当該駆動信号の出力が停止される。
ステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008にて呼出終了用の特殊操作受付コマンドをセットする。このコマンドが表示制御装置410に出力され、表示制御装置410では当該コマンドに基づいて特殊操作(呼出終了操作)が有効に受け付けられたことを示すメッセージを図柄表示装置253の表示画面253aに表示する処理を行う。ステップS1008の処理を実行した後は、ステップS1009にてRAMの各種フラグ格納エリアに記憶されている呼出中フラグを消去して、本呼出用処理を終了する。
以上詳述した構成によれば、演出用及び呼出用を操作系統を統一することにより、操作手段の占有領域の拡大を抑えている。特に、既存の構成(演出ボタン42)を呼出用の操作手段として利用することにより、特殊演出時の係員の呼出しをサポートするサポート機能を発揮させる上で、構成が複雑になることを抑制できる。
演出ボタン42については、遊技を行っている最中(遊技球発射ハンドル41に手を添えた状態)にて遊技者が容易にアクセスできる位置に存在している。このような構成を呼出用の操作対象とすることには、遊技者の利便性を好適に向上できるという技術的意義が存在する。
遊技者の操作を契機として装飾体310Gを後退させる点では上記各種実施の形態と同様であるが、操作力を直接装飾体310Gに伝えるのではなく、アクチュエータ(第2ソレノイド330G)を介在させて、当該アクチュエータにて動力を発生させる構成とすることにより、呼出ボタン518に伝わる押圧力に過不足が発生することを抑制している。これにより、呼出操作の応答性の向上や呼出ボタン518の保護等に貢献している。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記第1〜第3の実施の形態では、可動演出装置300を構成する装飾体310(「可動体」に相当)が待機位置から演出位置に移動する場合に、当該演出位置に向けた移動の開始から遅れて遊技情報表示装置500の表示ユニット510(「表示部」に相当)の待機位置から退避位置への移動が開始される構成としたが、動作の開始順序については必ずしも上記の順序に限定されるものではない。例えば、装飾体310の移動開始タイミングと表示ユニット510の移動開始タイミングとを揃える構成としてもよいし、表示ユニット510の移動が装飾体310の移動よりも先行する構成としてもよい。
但し、可動演出装置300は遊技演出の一環を担うものであり、可動演出装置300の動作が表示ユニット510の動きによって事前に露呈することは、可動演出装置300による演出のインパクトの低下を招く要因になると想定される。このような事情に配慮すれば、少なくとも両者の移動開始タイミングを揃える構成、又は上記実施の形態に示したように表示ユニット510の移動開始タイミングを装飾体310の移動開始タイミングよりも遅らせる構成とすることが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、可動演出装置300の装飾体310を回動式としたが、パチンコ機10の外側となる領域を動作領域として活用できるのであれば、その動作態様については任意である。例えば、装飾体がスライド移動することにより演出位置/待機位置に移る構成とすることも可能である。
また、上記実施の形態で示した装飾体310を複数に分割して、それら各ピースを個別に移動させる構成とすることも可能である。複数のピースに分割して、各ピースを演出位置に集合させる構成とすれば、装飾体の大型化を促進した場合であっても特殊演出実行時の応答性が悪化することを抑制できる。
(3)上記各実施の形態では、可動演出装置300を「扉体」としての前扉枠14に配設する構成としたが、可動演出装置300の配設対象については、これに限定されるものではない。パチンコ機10を遊技ホールの島設備に設置した状態にて当該島設備よりも前方に突出する部分であってパチンコ機10の外周を構成している部分であれば足りる。例えば前扉枠14だけでなく内枠13(詳しくは内枠ベース体50)が島設備から前方に突出するように構成されている場合には、内枠13を可動体の配設対象としてもよい。
(4)上記第1及び第2の実施の形態では、大当たり確定演出(報知)用の手段として可動演出装置300を利用する構成としたが、可動演出装置300をどのような状況にて動作させるかは任意である。例えば、高確率モードや高頻度サポートモード等の有利なモードへの移行を示す演出として可動演出装置300を動作させたり、高確率モードや高頻度サポートモード等の有利なモードとなっていることを示す演出として可動演出装置300を動作させたりしてもよい。但し、既存の外部信号では特定できない特殊な状況下にて可動演出装置300を動作させようとした場合には、それを特定するための専用の信号の出力端子等を設ける必要が生じる。これは、パチンコ機10の外部への信号出力に係る構成(外部出力端子板213の出力端子)の増設や遊技システムの複雑化を招く要因となる。このような事情に配慮すれば、遊技状態の変化を示す既存の外部信号を遊技情報表示装置500の姿勢制御等に利用することには技術的意義がある。
(5)上記第1及び第2の実施の形態では、遊技回終了に伴って大当たり結果となることを事前に特定し、大当たり結果となったことを示す外部信号の出力が開始される直前のタイミングにて可動演出装置300の装飾体310の移動を開始させる構成としたが、装飾体310の移動をどの程度先行させるかについては任意である。但し、遊技情報表示装置500の表示ユニット510との干渉を回避する上では、先行期間を装飾体310が単独で動作した場合に表示ユニット510に到達するのに要する期間よりも短くすることが好ましい。
(6)可動演出装置300の装飾体310を演出位置から待機位置に向けて移動させる移動開始タイミングを、遊技情報表示装置500の表示ユニット510を退避位置から待機位置へ向けて移動させる移動開始タイミングよりも先行させる構成としたが、これら装飾体310及び表示ユニット510の移動開始タイミングについては任意に変更することも可能である。
但し、例えば遊技状態が遊技者に不利な状態に移行するか否かを装飾体310が待機位置に復帰するか否かによって報知する構成においては、表示ユニット510が先行することにより、装飾体310のその後の動きが露呈すると想定される。これでは、装飾体310による報知のインパクトが弱くなってしまう。このような構成と併用する場合には、装飾体310の復帰を先行させることは、可動演出装置300への注目度を向上させる上で有利である。
(7)上記第3の実施の形態においては、待機位置から演出位置に移動する場合の装飾体310の回動方向を逆とし、演出位置に配置された状態では待機位置に向けた押し戻し操作を許容する構成としてもよい。この場合、「操作部」としての呼出ボタン518を回動中心よりも下側に配置し、表示ユニット510の回動によって呼出ボタン518が回動中心よりも後側から前側にシフトさせる構成とすることにより、装飾体310に付与された操作手段としての機能を好適に担保することができる。
(8)上記各実施の形態では、遊技情報表示装置500の表示ユニット510(「表示部」に相当)を回動させる構成としたが、これに代えて表示ユニット510を昇降させる構成としてもよいし、前後にスライドさせる構成としてもよい。特に第1〜第3の実施の形態においては、可動演出装置300の装飾体310の動作領域から外れた位置に移動できるのであれば足り、その具体的動作態様については任意である。
(9)上記各実施の形態では、表示ユニット510の下端部を回動基端部としたが、表示ユニット510の上端部を回動基端部とすることも可能である。但し、表示ユニット510の保持強度の担保やボタン518,519の操作性の担保に配慮すれば、表示ユニット510の下端部を回動基端部とすることが好ましい。
(10)上記第1〜第3実施の形態では、表示ユニット510の向きが変更された場合に、それに応じて当該表示ユニット510の表示画面511aにおける遊技情報の表示領域を変更(縮小又は拡大)する構成としたが、少なくとも回転角度に応じて遊技情報の表示態様が変更されるのであれば足り、必ずしも表示領域の変更を必要とするものではない。例えば、表示ユニット510の向きに関係なく表示領域については統一する一方、主要な情報の表示位置の変更や遊技情報毎の占有面積の変更を行う構成とすることも可能である。
(11)上記第1〜第3実施の形態では、「保持部」としてのホルダ530を箱状に形成したが、表示ユニット510を移動可能に保持できるのであれば、その具体的形状については任意に変更してもよい。例えば、ホルダがアーム状をなす構成とすれば、ホルダの存在が可動演出装置300(装飾体310)の動作領域の拡張を妨げる要因となることを抑制し、装飾体310の大型化等を促進できる。
(12)上記各実施の形態では、「遊技機」としてのパチンコ機10からの信号が「遊技システム」を構成するホールコンピュータHCを経由して遊技情報表示装置500に入力される構成としたが、これに限定されるものではなく、信号の伝達経路を以下のように変更することも可能である。すなわち、パチンコ機10からの信号が遊技情報表示装置500に入力され、当該遊技情報表示装置500を経由してホールコンピュータHCに伝達される構成とすることも可能である。また、信号の伝達経路を遊技情報表示装置500用の伝達経路とホールコンピュータHC用の伝達経路とで2系統設けることも可能である。
(13)上記各実施の形態では、配線を用いてパチンコ機10と遊技情報表示装置500とを電気的に接続する構成としたが、パチンコ機10から出力される外部信号が遊技情報表示装置500に入力されるのであれば、信号伝達に係る構成を有線から無線に変更することも可能である。
(14)上記第6の実施の形態及び上記第9の実施の形態では、装飾体310Bの背面部311Bと前後方向にて重なる領域を突起325Bの位置調節用の領域として利用する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、位置調節用の領域が背面部311Bと前後方向にて重ならない領域を含む構成としてもよい。演出位置に配置された装飾体310Bの背後に遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が完全に隠れない場合であっても、呼出ボタン518の一部が隠れることで操作性は低下する。そこで、本変形例に示すように、位置調節用の領域を拡張する構成とすれば、操作性の低下を好適に補完することができる。この変形例を採用する場合の具体的な構成については任意であるが、例えば伸縮可能な可変式のレールを使用し、装飾体310Bが待機位置から演出位置に移ることにより、リールが延びる構成とするとよい。係る構成によれば、装飾体310Bが待機位置に配置されている状況下にて占有領域が無駄に嵩む等して収容部36への収まりが悪化することを好適に抑制できる。
(15)上記第6の実施の形態及び上記第9の実施の形態では、可動演出装置300Bに設けられた位置調節機構330Bによって可動演出装置300Bの突起325Bと遊技情報表示装置500の呼出ボタン518Bとの位置関係を調整する構成としたが、当該位置関係の調整に係る機能を可動演出装置300B(パチンコ機)が全て負う必要は必ずしもない。例えば、可動演出装置300Bと遊技情報表示装置500との両者に位置関係の調整に係る機能を付与してもよい。例えば、高さ方向での位置関係を調整する機能及び、横方向での位置関係を調整する機能のうち一方を可動演出装置300B、他方を遊技情報表示装置500に付与する構成とすることも可能である。
(16)上記第7の実施の形態等では、可動演出装置300Cを構成する装飾体310Cが待機位置及び演出位置の何れに配置されている場合であっても前後方向でのスライド移動を許容する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、前後方向でのスライド移動を許容する許容状態と阻止する阻止状態とに切り替え可能なロック装置等(「規制手段」に相当)を設け、装飾体310Cが待機位置に配置されている場合には、ロック装置を阻止状態とし、装飾体310Cが演出位置に配置されることに基づいて当該ロック装置が阻止状態から許容状態に切り替わる構成とすることも可能である。
(17)上記第7の実施の形態では、「検知手段」としての位置検知センサ340Cによって装飾体310Cが演出位置に配置されているか否かを検知する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば装飾体310Cが待機位置に配置されている否かを検知する検知センサを設けてもよい。この場合、特殊演出が実行される場合に例えば検知センサからの検知情報に基づいて装飾体310Cが待機位置に存在しているか否かを監視し、特殊演出開始から所定の動作期間が経過したタイミングで装飾体310Cが待機位置から移動していない場合に、当該装飾体310Cの待機位置からの移動を規制する構成とすることも可能である。但し、このような変更を行う場合には、待機位置と演出位置との中間位置にて装飾体310Cの動きが止まり得ることに配慮して、検知センサによる検知範囲を中間位置にまで拡げる等の工夫を施すことが好ましい。
(18)上記第7の実施の形態では、可動演出装置300C(装飾体310C)に動作不良が発生した場合には装飾体310Cを移動前の位置(待機位置)に強制的に復帰させる構成としたが、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518に対する装飾体310Cの重なりを回避できるのであれば、必ずしも待機位置に戻す必要はない。例えば、待機位置の手前で装飾体310Cを停止させる構成とすることも可能である。但し、待機位置と演出位置との中間位置に停止位置を設定する上では、装飾体310C用の「駆動手段」をソレノイドからモータ(例えばステッピングモータ)に変更することが好ましい。
(19)上記第8の実施の形態等では、特殊演出を行う場合の装飾体310Dのスライド方向と、係員の呼出しを行う場合の軸体350D(「操作手段」に相当)のスライド方向とを直交させる構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。軸体350Dの押し込み操作によって装飾体310Dの演出位置からの移動(位置ずれ)を抑えることができるのであれば足りる。つまり、装飾体310Dのスライド方向と、軸体350Dのスライド方向とを交差させればよい。この場合、装飾体310Dのスライド方向と軸体350Dのスライド方向との関係については、軸体350Dの押し込み伴って発生する操作力が装飾体310Dを待機位置から離れる方向又は演出位置に留まる方向に作用するように工夫するとよい。演出位置よりも上方への移動についてはストッパ部40Dによって規制され、左右方向への移動は側壁部37Dによって規制されているため、装飾体310Dが降下を防ぐことにより、実用上好ましい構成を実現できる。
また、呼出し用の操作に起因して装飾体310Dが演出位置から逃げることを回避する上では、当該装飾体310Dが演出位置に到達した場合には、特殊演出の終了まで装飾体310Dの待機位置へ向けた移動を阻止するストッパ(阻止手段)を設けてもよい。
(20)上記第9の実施の形態では、操作ブロック371Eに加わった操作力を「駆動力伝達手段」としてチューブ381E(圧力ホース)を利用して作用ブロック361Eに伝える構成とした。但し、操作力をピストン366E用の駆動力として利用する上では、必ずしも上記チューブ381Eに限定されるものではなく、例えばギア等のリンク機構を設けてもよい。
(21)上記各実施の形態では、装飾体310等を操作した結果、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518が押圧されることで、当該遊技情報表示装置500が係員の呼出しを行う状態に切り替わる構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とを配線等によって電気的に接続し、パチンコ機10にて係員の呼出しに係る操作が行われた場合には、その旨を示す信号を遊技情報表示装置500に伝え、当該信号に基づいて遊技情報表示装置500を係員の呼出しを行う状態に切り替える構成とすることも可能である。
(22)上記各実施の形態においては、装飾体310等に設けられた操作部分に加えられた操作力を遊技情報表示装置500の呼出ボタン518を押圧するための動力として利用する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば第11の実施の形態に示すような遊技者の操作を契機として動力を発生するアクチュエータ(第2ソレノイド330G)を備えているのであれば、操作部分を可動式とする必要はなく、タッチセンサ等を採用することも可能である。
(23)上記第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、装飾体310F以外の部分に係員呼出し用の操作部を配設したが、遊技情報表示装置500の呼出ボタン518よりも遊技者の身近となる位置であっても、遊技者がアクセス可能な位置であれば足り、その具体的配置については任意に変更してもよい。
(24)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上各記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「遊技ホールの島設備等においては、パチンコ機等の遊技機に係る遊技情報を表示する遊技情報表示装置が遊技機の上方等に設置されている。遊技情報表示装置によって例えば当たり回数や遊技回数等を報知することにより、ホール管理者や遊技者の利便性の向上等が図られている(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上記遊技情報表示装置においては遊技機との共存を図る上で未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技媒体(例えば遊技球)の使用に基づいて遊技を進行させ且つ遊技進行に伴って発生した入賞に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技機に対応した遊技情報(例えば入賞回数や当たり回数等)を表示可能となるように当該遊技機に対応付けて設けられる遊技情報表示装置であって、
前記遊技情報を表示する表示部(表示ユニット510)と、
前記表示部の姿勢を変更可能な状態で保持する保持部(ホルダ530)と、
前記遊技機における遊技の状況に応じて前記表示部の姿勢を変更する姿勢変更手段(例えば駆動部550や制御部570)と
を備えていることを特徴とする遊技情報表示装置。
遊技情報表示装置については、当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)にて遊技を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者や係員等のホール管理者に遊技情報を提供する機能とが付与されている。本特徴によれば、遊技の状況に応じて表示部の姿勢(向き)を変更させることにより、状況毎に上記各機能を上手く発揮させることが可能となり、遊技情報表示装置の利便性の向上に貢献することができる。例えば、遊技機正面に設置された椅子等に着席している場合と、立っている場合とでは目線の高さが異なる。遊技が行われている場合には低めの目線に配慮して表示部を前傾させ、遊技が行われていない場合には高めの目線に配慮して表示部の前傾を緩和する構成とすればよい。
また、遊技の状況に応じて表示部の姿勢を変更することにより、遊技情報表示装置(表示部)と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることが可能となる。これにより、遊技機と遊技情報表示装置との間の空間を例えば可動式の演出装置の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技情報表示装置を遊技機と好適に共存させることができる。更に、遊技機と遊技情報表示装置(表示部)とをできるだけ近づけて配置することには上記遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動式の演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように表示部の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、遊技機と遊技情報表示装置とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
特徴A2.遊技媒体(例えば遊技球)の使用に基づいて遊技を進行させ且つ遊技進行に伴って発生した入賞に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技機に対応した遊技情報(例えば入賞回数や当たり回数等)を表示可能となるように当該遊技機に対応付けて設けられる遊技情報表示装置であって、
前記遊技情報を表示する表示画面(表示画面511a)が設けられた表示部(表示ユニット510)と、
前記表示画面の角度を変更可能な状態で前記表示部を保持する保持部(ホルダ530)と、
前記遊技機から発信された信号に基づいて前記表示部の角度を変更する角度変更手段(例えば駆動部550や制御部570)と
を備えていることを特徴とする遊技情報表示装置。
遊技情報表示装置については、当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)にて遊技を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者や係員等のホール管理者に遊技情報を提供する機能とが付与されている。本特徴によれば、遊技の状況に応じて表示部の姿勢(向き)を変更させることにより、状況毎に上記各機能を上手く発揮させることが可能となり、遊技情報表示装置の利便性の向上に貢献することができる。例えば、遊技機正面に設置された椅子等に着席している場合と、立っている場合とでは目線の高さが異なる。遊技が行われている場合には低めの目線に配慮して表示部を前傾させ、遊技が行われていない場合には高めの目線に配慮して表示部の前傾を緩和する構成とすればよい。
また、遊技の状況に応じて表示部の姿勢を変更することにより、遊技情報表示装置(表示部)と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることができる。これにより、遊技機と遊技情報表示装置との間の空間を例えば可動式の演出装置の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技情報表示装置を遊技機と好適に共存させることができる。更に、遊技機と遊技情報表示装置(表示部)とをできるだけ近づけて配置することには上記遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動式の演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように表示部の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、遊技機と遊技情報表示装置とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
特徴A3.前記遊技情報表示装置は、対応付けられた遊技機の上方に設置可能となっており、
前記保持部は、前記表示部の下端部が回動基端部となるようにして当該表示部を回動可能に保持するように構成されており、
前記表示部の角度として、手前側への傾斜が相対的に大きい第1角度と、相対的に小さい第2角度とが設定されており、
前記角度変更手段は、前記遊技機から発信された特定の信号に基づいて前記表示部の角度を前記第1角度から前記第2角度に変更する手段を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技情報表示装置。
特徴A3によれば、遊技機から特定の信号が発信された場合には、表示部が第1角度から第2角度へと切り替わることとなる。つまり、特定の信号が発信されたことに基づいて遊技機上方に位置する遊技情報表示装置(表示部)と遊技機との間に存在する空間が拡張されることとなる。これにより、遊技機の周辺(上方)に例えば可動式の演出装置等の動作領域が確保できる。それまで遊技情報表示装置が存在していた領域を動作領域として活用することが可能となれば、当該領域に荷物等が仮置きされることを回避でき、遊技者によって可動式の演出装置等の動きが妨げられることを抑制することが可能となる。故に、演出装置等の動きを担保して、当該演出装置を用いた演出が上手く行われなくなることを抑制できる。
また、保持部は表示部における下側の端部を保持しており、表示部はこの保持部分を中心として回動可能となっている。係る構成とすることにより、第2角度となった場合の表示部の保持負荷を軽減することができ、第2角度に保持するための構成の簡略化に貢献できる。また、該当遊技機にて遊技機を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者やホール管理者等に遊技情報を提供する機能の2つの提供機能を比較した場合には、遊技者に対する情報提供の機能を強化することが好ましい。ここで、本特徴に示す構成によれば、第1角度へ復帰する際に復帰動作開始に伴う抵抗を軽減することができ、復帰時の応答性の向上に貢献できる。故に、上述した遊技者に対する情報提供の機能を強化に貢献できる。
特徴A4.前記遊技情報表示装置は、対応付けられた遊技機の上方に設置可能となっており、
前記保持部は、前記表示部の上端部が回動基端部となるようにして当該表示部を回動可能に保持するように構成されており、
前記表示部の角度として、手前側への傾斜が相対的に小さい第1角度と、相対的に大きい第2角度とが設定されており、
前記角度変更手段は、前記遊技機から発信された特定の信号に基づいて前記表示部の角度を前記第1角度から前記第2角度に変更する手段を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技情報表示装置。
特徴A4によれば、遊技機から特定の信号が発信された場合には、表示部が第1角度から第2角度へと切り替わることとなる。つまり、特定の信号が発信されたことに基づいて遊技機上方に位置する遊技情報表示装置(表示部)と遊技機との間に存在する空間が拡張されることとなる。これにより、遊技機の周辺(上方)に可動式の演出装置等の動作領域が確保できる。それまで遊技情報表示装置が存在していた領域を動作領域として活用することが可能となれば、当該領域に荷物等が仮置きされることを回避でき、遊技者によって可動式の演出装置等の動きが妨げられることを抑制することが可能となる。故に、演出装置等の動きを担保して、当該演出装置を用いた演出が上手く行われなくなることを抑制できる。
また、第1角度へ復帰する際に表示部の自重が当該復帰を妨げるように作用することを抑制できるため、復帰動作の円滑化及び応答性の向上に貢献できる。これは、上述した遊技者に対する情報提供の機能を強化する上で好ましい構成である。
特徴A5.遊技者によって押圧操作される操作部(呼出ボタン518)と、
前記操作部が押圧操作されたことに基づいて前記表示部の表示態様を当該押圧操作に対応する態様に変更する手段(制御部570)と
を備え、
前記操作部は、前記表示部の回動基端部寄りとなる位置に配設されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技情報表示装置。
特徴A3及び特徴A4に示したように、表示部を回動式とした場合には、操作部が遊技者によって押された場合に、その操作力(押圧力)が表示部を回動させるように作用し得る。特に、表示部が第1角度及び第2角度の何れとなっている場合であっても表示部が前傾した状態に維持される構成とすれば、該当遊技機にて遊技中の遊技者が手を伸ばして操作部を操作する際の操作性の向上に寄与できる。但し、操作性の向上により、表示部に加わる操作力が大きくなりやすい。このような操作によって、表示部がぐらつく等した場合には、操作性が低下するばかりか表示部の回動機能に支障をきたしかねない。この点、本特徴に示すように、操作部が表示部の回動基端寄りに配置されている構成とすれば、操作部が押された場合の操作力の影響を抑えることができる。
特徴A6.前記遊技機には、所定の動作条件が成立した場合に第1状態から遊技機よりも上方となる領域への突出量が当該第1状態よりも大きい第2状態に切り替わる可動体(可動演出装置300の装飾体310)が設けられており、
前記表示部の前記第1角度から前記第2角度への変更開始タイミングが前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切替開始タイミングよりも遅れるように構成されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技情報表示装置。
遊技機外に突出する可動体を有する構成を用いて遊技演出等を行う構成においては、可動体に先んじて表示部が動作することにより、可動体による演出等が行われることが事前に露呈する可能性が高くなる。これでは、可動体の存在意義が低下すると懸念される。そこで、可動体の動作に遅れて表示部の動作を開始させることにより、表示部の動きが目に付く等して上記不都合が発生することを抑制できる。
特徴A7.前記表示部の前記第2角度から前記第1角度への変更開始タイミングが前記可動体の前記第2状態から前記第1状態への切替開始タイミングよりも遅れるように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技情報表示装置。
可動体の第1状態への復帰時には、当該可動体が表示部に先行して動作を開始する構成とすることにより、可動体と表示部との干渉を好適に抑制することができる。また、可動体の復帰によって遊技の状況を報知する場合であっても、表示部の動きによって可動体の動きが事前に露呈することを好適に回避できる。
特徴A8.前記表示部の表示態様を当該表示部の角度に応じて切り替える表示態様切替手段を備えていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技情報表示装置。
表示部の角度が変化する構成においては、角度によって表示部(遊技情報)の見え方も変化する。そこで、表示部の角度に応じて表示態様を切り替える構成とすれば、表示部の視認性の更なる向上に貢献できる。
また、特徴A2等に示したように遊技情報を提供する対象が変わることにより、好ましい提供の態様についても変わる可能性がある。本特徴に示す構成によれば、主として該当遊技機にて遊技中の遊技者に遊技情報を提供する場合と、主として他の遊技者等に遊技情報を提供する場合とで表示態様を切り替えることができるため、利便性の向上に貢献することもできる。
特徴A9.遊技情報の表示領域を、第1領域と当該第1領域よりも狭い領域であって且つ前記表示画面の上端側となる第2領域とに切り替える手段と、前記表示領域が前記第1領域となっている場合には当該第1領域に対応した態様にて遊技情報を表示し、前記表示領域が前記第2領域となっている場合には当該第2領域に対応した態様にて遊技情報を表示する手段とを有し、前記第1角度となっている場合には前記第1領域にて遊技情報を表示し且つ前記第2角度となっている場合には前記第2領域にて遊技情報を表示する表示態様切替手段を備えていることを特徴とする特徴A6及び特徴A7に記載の遊技情報表示装置。
特徴A6等に示したように遊技上方に可動体が突出する構成と併用されている場合には、表示部を回動させることにより可動体と表示部との干渉を回避することができる。しかしながら、干渉を回避したとしても可動体の背後に表示部が隠れてしまっては、遊技情報が見づらくなると想定される。可動体の背後に隠れた遊技情報の確認に可動体を避けるようにした覗き込みが必要になれば、遊技者の手間が増えて遊技情報表示装置本来の機能が利用されなると懸念される。そこで、本特徴に示すように表示領域を変更する構成とすれば、可動体が遊技情報の確認の妨げになることを抑制し、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
また、過度に余裕をもって干渉を回避しようとすれば(例えば可動体との重なりを完全に回避しようとすれば)、表示部の角度変化が大きくなって、表示画面が見づらくなる可能性も否定できない。この点、本特徴に示す構成によれば、角度変化に応じて表示領域が変化することにより角度変化を過度に大きくする必要がなくなる。これにより、角度変化が視認性低下の要因になることを回避できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域を遊技機前方から覆う扉体とを備えているものがある。扉体には、発光部やスピーカ部等が設けられ、遊技状況に応じて発光態様や音声の出力態様を変化させることにより、遊技の単調化が抑制されている(例えば特許文献1)。また、近年では扉体に可動式の演出装置を設け、遊技機外の空間を演出用の領域として利用することにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている。」という背景技術について、「上述した可動式の演出装置を有する遊技機においては、その動作領域を確保する上でその構成に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段と、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と、
前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる場合に、前記外部信号出力部から特定の信号を出力することにより、前記遊技システムを構築し且つ対応付けられた遊技機の遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)の姿勢を変更する姿勢変更手段(主制御装置162のMPU402における外部出力処理等を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状況に応じて遊技情報表示部の姿勢を変更させることにより、遊技情報表示部と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることができる。これにより、遊技機と遊技情報表示部との間の空間を可動体(以下、演出装置ともいう)の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技機と遊技情報表示部と好適に共存させることができる。また、遊技機と遊技情報表示部とをできるだけ近づけて配置することには遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動式の演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように遊技情報表示部の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、遊技機と遊技情報表示部とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
特徴B2.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)が設けられた遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段と
を備えた遊技機であって、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)を備え、
前記遊技システムは、
当該遊技機の上方に配設され前記外部信号出力部からの信号に基づいて遊技情報を表示する遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部を当該遊技情報表示部の姿勢を変更可能となるように保持する保持部(遊技情報表示装置500のホルダ530)と
を有してなり、
前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる場合に、前記外部信号出力部から特定の信号を出力することにより、前記遊技情報表示部の姿勢を変更する姿勢変更手段(主制御装置162のMPU402における外部出力処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状況に応じて遊技情報表示部の姿勢を変更させることにより、遊技情報表示部と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることができる。これにより、遊技機と遊技情報表示部との間の空間を可動体(以下、演出装置ともいう)の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技機と遊技情報表示部と好適に共存させることができる。また、遊技機と遊技情報表示部とをできるだけ近づけて配置することには遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動式の演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように遊技情報表示部の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、遊技機と遊技情報表示部とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
特徴B3.前記可動体の動作領域は、当該動作領域上に前記遊技情報表示部が位置するように設定されており、
前記姿勢変更手段は、前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる場合に、前記遊技情報表示部の姿勢を変化させることにより当該遊技情報表示部が前記可動体の動作領域から外れるようにすることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
可動体の動作領域上に遊技情報表示部を配置し、遊技情報表示部の姿勢変更によって可動体と遊技情報表示部との干渉を回避する構成とすれば、特徴B1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
また、遊技機上方に位置する遊技情報表示装置(表示部)と遊技機との間に存在する空間が拡張されることとにより、遊技機の周辺(上方)に可動式の演出装置等の動作領域が確保できる。それまで遊技情報表示装置が存在していた領域を動作領域として活用することが可能となれば、当該領域に荷物等が仮置きされることを回避でき、遊技者によって可動式の演出装置等の動きが妨げられることを抑制することが可能となる。故に、演出装置等の動きを担保して、当該演出装置を用いた演出が上手く行われなくなることを抑制できる。
なお、特徴B2との組み合わせにおいては特に「前記保持部は、前記遊技情報表示部の上端部が回動基端部となるようにして当該遊技情報表示部を回動可能に保持するように構成されており、前記遊技情報表示部の角度として、手前側への傾斜が相対的に小さい第1角度と、相対的に大きい第2角度とが設定されており、前記姿勢変更手段は、前記遊技機から発信された特定の信号に基づいて前記遊技情報表示部の角度を前記第1角度から前記第2角度に変更する手段を有している」構成とすることも可能である。
特徴B4.前記切替手段は、前記姿勢変更手段による前記遊技情報表示部の姿勢の変更に先駆けて前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを開始させるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機外に突出する可動体を有する構成によって演出や報知等を行う構成においては、可動体に先んじて遊技情報表示部が動作することにより、可動体による演出等が行われることが事前に露呈してしまう。これでは、可動体の存在意義が低下すると懸念される。そこで、可動体の動作に遅れて遊技情報表示部の動作を開始させることにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
特徴B5.所定の取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定を行う機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行結果となったことに基づいて、遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段により前記移行判定が行われることに先立って又は前記移行判定手段により前記移行判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示装置における絵柄の可変表示を開始し、前記移行判定手段による移行判定の結果に対応した絵柄を停止表示させることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて遊技回毎に当該絵柄の表示が行われるように前記絵柄表示装置を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記外部信号出力部は、前記移行結果に対応する遊技回にて当該移行結果に対応する絵柄が停止表示されてから前記特別遊技状態が終了するまで特定の信号を出力することにより、前記遊技情報表示部に前記特別遊技状態となっていることを示す情報を表示させる手段を有し、
前記姿勢変更手段は、前記特定の信号により前記遊技情報表示部の姿勢を変更させるものであり、
前記切替手段は、前記特定の信号の出力に先駆けて前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを開始するように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機外に突出する可動体を有する構成によって演出や報知等を行う構成においては、可動体に先んじて遊技情報表示部が動作することにより、可動体による演出等が行われることが事前に露呈してしまう。これでは、可動体の存在意義が低下すると懸念される。そこで、可動体の動作に遅れて遊技情報表示部の動作を開始させることにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
遊技者に有利な特別遊技状態に移行した場合には、特定の信号に基づいて遊技情報表示部に特別遊技状態に対応する遊技情報(特別遊技状態となっていることを示す遊技情報)が表示されることとなる。ここで、本特徴に示すように特別遊技状態への移行を示す信号の出力を利用して、姿勢を変更させる構成とすれば、特徴B1等に示した効果を享受しつつ、それに起因して外部出力に係る構成が複雑になることを抑制できる。
特徴B6.前記切替手段は、第1切替手段であり、
前記姿勢変更手段は、前記特定の信号の出力が停止することにより、前記遊技情報表示部の姿勢を変更前に復帰させるように構成されており、
前記特別遊技状態の終了に先行して前記可動体を前記第2状態から前記第1状態への切り替えを開始する第2切替手段を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技情報表示部の復帰が開始されるよりも先に可動体の第1状態への切り替えが開始される。これにより、可動体と遊技情報表示部とを元の状態に復帰させる場合に両者の干渉が発生することを抑制できる。
特徴B7.前記遊技情報表示部には、遊技者によって押圧操作される操作部(呼出ボタン518)が設けられており、
前記可動体にて、前記操作部と対峙する部分(第1平面部311)には、当該操作部に当接可能な当接部(突起325A)が形成されており、
前記可動体は、前方から押された場合に前記遊技情報表示部側への変位が許容される構成となっており、
前記可動体が前記遊技情報表示部側へ変位することにより、前記当接部によって前記操作部が押圧されることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように遊技情報表示部の姿勢を変化させることにより可動体との干渉を回避しようとする場合には、過度に余裕をもって干渉を回避しようとすることで(例えば可動体との重なりを完全に回避しようとすることで)、表示部の角度変化が大きくなって当該表示部(例えば表示画面)が見づらくなると想定される。ここで、姿勢の変化を極力小さくしようとすれば、可動体と遊技情報表示部とが重なって操作部の操作が妨げられることとなる。特に、見栄え等の向上を図るべく可動体を大型化することにより、このような不都合が生じやすくなる。
この点、本特徴に示すように、可動体(当接部)によって操作部を押圧できる構成とすれば、可動体と遊技情報表示部との重なりによる上記影響を払拭できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。
また、操作部の操作機能を担保する上では例えば可動体にて操作部と対峙する部分に指を挿通可能な貫通孔を設けもよいが、これでは操作がやりづらくなったり、指が引っ掛かって可動体の復帰が妨げられたりする。また、このような貫通孔の存在は可動体の見栄えを低下させる要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、可動体が大きくなればなるほど操作性が高くなり、更には可動体の背面側(視認困難又は不可とる部分)に当接部が位置することで見栄えの低下を抑制できる。
特に、特徴B6との組み合わせにおいては、可動体及び表示部の復帰に伴って当接部が操作部に当たることを回避することができ、誤操作の発生を抑制できる。
特徴B8.前記遊技情報表示部には、遊技場の係員を呼び出す場合に遊技者によって押圧操作される操作部(呼出ボタン518)が設けられており、
前記可動体にて、前記操作部と対峙する部分には、当該操作部に当接可能な当接部(突起325A)が形成されており、
前記可動体は、前方から押された場合に前記遊技情報表示部側への変位が許容される構成となっており、
前記可動体が前記遊技情報表示部側へ変位することにより、前記当接部によって前記操作部が押圧される構成となっており、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、前記特別遊技状態になることにより閉状態から開状態に切り替えられる可変入球手段(可変入賞装置82)と、
前記可変入球手段への入球が発生した場合に遊技球を払い出す払出手段(払出装置224)と
を備え、
前記特別遊技状態が終了する場合に、前記特定の信号の出力が停止するように構成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上述したように遊技情報表示部の姿勢を変化させることにより可動体との干渉を回避しようとする場合には、過度に余裕をもって干渉を回避しようとすることで(例えば可動体との重なりを完全に回避しようとすることで)、表示部の角度変化が大きくなって当該表示部(例えば表示画面)が見づらくなると想定される。ここで、姿勢の変化を極力小さくしようとすれば、可動体と遊技情報表示部とが重なって操作部の操作が妨げられることとなる。特に、見栄え等の向上を図るべく可動体を大型化することにより、このような不都合が生じやすくなる。
この点、本特徴に示すように、可動体(当接部)によって操作部を押圧できる構成とすれば、可動体と遊技情報表示部との重なりによる上記影響を払拭できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。
また、操作部の操作機能を担保する上では例えば可動体にて操作部と対峙する部分に指を挿通可能な貫通孔を設けもよいが、これでは操作がやりづらくなったり、指が引っ掛かって可動体の復帰が妨げられたりする。また、このような貫通孔の存在は可動体の見栄えを低下させる要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、可動体が大きくなればなるほど操作性が高くなり、更には可動体の背面側(視認困難又は不可とる部分)に当接部が位置することで見栄えの低下を抑制できる。
また、特徴B6に示したようにある程度の期間に亘って可動体が第2状態のまま維持される構成(遊技情報表示部との重なりが維持される構成)との組み合わせにおいては、操作部の操作を行うために可動体の第1状態の復帰を待つ必要がなくる。故に、遊技者の利便性の低下を好適に回避することができる。特に、遊技球の払い出しが発生しやすい状況下においては、遊技球用の貯留箱等の入れ替え等を目的として係員(店員)を呼び出す必要のある状況になりやすい。本特徴に示した技術的思想を適用すれば、特別遊技状態中における係員の呼出機能を好適に担保できる。
特徴B9.前記扉体は、透明性を有するパネル部(ガラスパネル23)と、当該パネル部を囲むように形成された枠体(枠体20)とを有してなり、
前記枠体において前記パネル部よりも上側となる部分には、遊技機前方に張り出す張出部(膨出部35)が形成されており、
前記膨出部には、前記可動体と遊技状況に応じて発光する発光部とが当該発光部が前側且つ前記可動体が後側となるようにして収容する収容部(収容部36)が形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技ホールにおいては複数の遊技機が横並びとなるようにして設置されることが多い。また、遊技機の下部については貯留皿等によって視認性が妨げられやすい。つまり、遊技機の左右両側や下側については遊技機外の空間を動作領域として利用するのは困難である。これに対して、遊技機の上方については上記遊技情報表示部は存在するものの、基本的には空き領域となっている。また、当該空き領域は着席した状態では手が届きにくい位置であるため、動作が遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。但し、この空き領域を活用して可動式の演出装置による演出等を行う場合には、遊技情報表示部によって当該演出装置の動作領域が制限されるともいえる。つまり、遊技機上方の領域を可動式の演出装置用の動作領域として利用する上では、遊技情報表示部とを共存を実現する上では更なる工夫が必要となる。このような構成に対して、特徴B1等に示した技術的思想を適用することで、実用上好ましい構成が実現される。
なお、特徴A群に示した各技術的思想と特徴B群に示した各技術的思想とを相互に組み合わせてもよい。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域を遊技機前方から覆う扉体とを備えているものがある。遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置が設けられ、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、入球部への入球に基づく抽選結果が報知される。扉体には発光部やスピーカ部等が設けられ、遊技状況に応じて発光態様や音声の出力態様を変化させることにより遊技への注目度の向上が図られている。また、例えば表示画面の周辺に可動体等を有する演出装置を設け、絵柄の変動表示による演出と演出装置による演出とに所定の対応関係を付与して一体的な演出等を行うことにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「但し、上述した可動式の演出装置については、周辺に配設された遊技部品との関係から動作領域に係る制約が強くなる。そこで、上記扉体に可動式の演出装置を設け、遊技機外の空間を演出用の領域として利用することにより、このような動作領域に係る制約を軽減することができる。しかしながら、この種の演出装置を搭載する上では、演出装置に係る構成に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段と
を備え、
前記可動体には、前記第2状態となっている場合に少なくとも当該可動体にて遊技機外に突出している所定部分が後方に変位可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技ホールにおいては複数の遊技機が横並びとなるようにして設置されることが多い。また、遊技機の下部については貯留皿等によって視認性が妨げられやすい。つまり、遊技機の左右両側や下側については遊技機外の空間を動作領域として利用するのは困難である。これに対して、遊技機の上方については上記遊技情報表示部は存在するものの、基本的には空き領域となっている。また、当該空き領域は着席した状態では手が届きにくい位置であるため、動作が遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。このように、遊技機外(上方)を動作領域とすることにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。
しかしながら、遊技機外に可動体が突出する構成においては、当該可動体に遊技者が触れることが可能となる。このため、例えば遊技機前方や斜め下方から可動体が押される等した場合には、動作不良等等の不都合が発生しやすくなると想定される。折角遊技機上方の領域を動作領域として活用して演出範囲の拡大等を実現したとしても、動作不良等が発生しては、可動体を用いた演出機能が低下し、その存在意義が損なわれると懸念される。この点、本願発明に示すように第2状態となっている状況下においては可動体の後方への変位を許容することにより、可動体及び当該可動体に係る各種構成の塑性変形や破損等の発生を抑制できる。故に、上記動作不良の発生を抑え、可動体の演出機能の担保に貢献できる。
特徴C2.遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)を備え、
前記遊技システムは、
前記遊技機の上方に設けられ、遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部に設けられ遊技者によって接触操作される操作部(呼出ボタン518等)と、
前記遊技情報表示部に表示されている遊技情報を前記外部信号出力部からの信号及び前記操作部の操作に基づいて更新する更新手段(例えば制御部570)と
を有し、
前記可動体の前記所定部分には、前記第2状態となっている状況下にて後方へ変位することにより前記操作部に接触する接触部(突起325A)が設けられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
遊技ホールの島設備等においては、遊技情報表示部設けて当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)に係る遊技情報を表示することにより、遊技の状況等を確認する際の遊技者や係員等のホール管理者の利便性の向上に貢献することができる。例えば、球詰まり等が発生した場合や、遊技媒体を貯留する貯留箱の交換が必要になった場合には、操作ボタンを操作して係員を呼ぶことがある。但し、特徴C1に示したように、可動体が遊技機上方に突出する構成においては、当該可動体が第2状態となることで演出等が実行されている場合には、この可動体によって操作部の操作が妨げられる可能性が生じる。
この点、本特徴に示すように、可動体(接触部)によって操作部を操作できる構成とすれば、可動体と遊技情報表示部との重なりによる上記影響を払拭できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。可動体が第2状態となった場合であっても、操作部の操作が担保される構成とすることにより、可動体の大きさや動作範囲に係る制約を軽減できる。また、操作部の操作が担保されることにより、可動体が第2状態となる期間に係る制約ついても軽減できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。
特徴C3.遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)を備え、
前記遊技システムは、
前記遊技機の上方に設けられ、遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部に設けられ遊技者によって接触操作される操作部(呼出ボタン518等)と、
前記遊技情報表示部に表示されている遊技情報を前記外部信号出力部からの信号及び前記操作部の操作に基づいて更新する更新手段(例えば制御部570)と
を有し、
前記可動体は、前記第2状態となることにより、前記所定部分が前記遊技情報表示部に遊技機前方から重なるように構成されており、
前記可動体の前記所定部分にて、前記操作部(呼出ボタン518等)と対峙している部分には、前記可動体が後方に変位することにより前記操作部に接触する接触部(突起325A)が設けらていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
遊技ホールの島設備等においては、遊技情報表示部設けて当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)に係る遊技情報を表示することにより、遊技の状況等を確認する際の遊技者や係員等のホール管理者の利便性の向上に貢献することができる。例えば、球詰まり等が発生した場合や、遊技媒体を貯留する貯留箱の交換が必要になった場合には、操作ボタンを操作して係員を呼ぶことがある。但し、特徴C1に示したように、可動体が遊技機上方に突出する構成においては、当該可動体が第2状態となることで演出等が実行されている場合には、この可動体によって操作部の操作が妨げられる可能性が生じる。
この点、本特徴に示すように、可動体(接触部)によって操作部を操作できる構成とすれば、可動体と遊技情報表示部との重なりによる上記影響を払拭できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。可動体が第2状態となった場合であっても、操作部の操作が担保される構成とすることにより、可動体の大きさや動作範囲に係る制約を軽減できる。また、操作部の操作が担保されることにより、可動体が第2状態となる期間に係る制約ついても軽減できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。
特徴C4.前記可動体を回動可能に保持する保持部(保持部38)と、
前記可動体を回動させる駆動部(ソレノイド320)と、
前記可動体が所定方向に回動する場合に、当該可動体を全可動範囲の途中位置にて停止させるようにして前記駆動部の駆動力よりも大きい抵抗を発生させるストッパ部(ストッパ部40)と
を備え、
前記途中位置に前記可動体が停止した状態が前記第2状態であり、
前記ストッパ部は、前記所定方向へ向けた力が前記抵抗を上回った場合に前記可動体の前記所定方向への更なる回動を許容するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、特徴C1に示したアブソーバとしての機能を好適に発揮させることができる。
特に、特徴C2等との組み合わせにおいては可動体を第2状態に切り替える際に可動体(接触部)によって操作部が誤って操作されることを抑制できる。
特徴C5.前記ストッパ部は第1ストッパ部であり、
前記所定方向における最大回動位置を規定する第2ストッパ部(側壁部37の上端)を備えていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
操作部と重なる可動体を操作手段として機能させる場合には、可動体が大きくなることにより操作性が向上し得る。これは利便性の向上を実現する上では有利であるものの、操作部に係る負荷が大きくなるため当該操作部の保護を実現する上では不利となり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、第1ストッパ部と第2ストッパ部とを併用して、抵抗が大きくなった後、実質的な後方への移動が不可となる構成とすることにより、操作部に過度に大きな負荷が加わることを抑制できる。このようにして操作部の保護を図ることにより、利便性の向上に起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C6.遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)を備え、
前記遊技システムは、
前記遊技機の上方に設けられ、遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部に設けられ遊技者によって接触操作される操作部(呼出ボタン518等)と、
前記遊技情報表示部に表示されている遊技情報を前記外部信号出力部からの信号に基づいて更新する更新手段と
を有し、
前記可動体の前記所定部分には、前記第2状態となっている状況下にて後方へ変位することにより前記操作部に接触する接触部(突起325A)が設けられており、
前記所定部分の前面部分は、前記可動体が前記第2状態となっている場合に、前記操作部の操作方向とは交差する方向を向くように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
操作部と重なる可動体を操作手段として機能させる場合には、可動体が大きくなることにより操作性が向上し得る。これは利便性の向上を実現する上では有利であるものの、操作部に係る負荷が大きくなるため当該操作部の保護を実現する上では不利となり得る。この点、本特徴によれば、可動体(前面部分)が操作部に向けて押された場合には、その力の一部が例えば当該前面部分に方向に逃げることとなる。これにより、操作性の向上の恩恵を享受しつつ、それに起因した操作部の保護機能の低下を好適に抑制できる。
特徴C7.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段と、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(ホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と
を備え、
前記遊技システムは、
前記遊技機の上方に設けられ、遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部に設けられ遊技者によって接触操作される操作部(呼出ボタン518等)と、
前記遊技情報表示部に表示されている遊技情報を前記外部信号出力部からの信号及び前記操作部の操作に基づいて更新する更新手段(例えば制御部570)と
を有し、
前記可動体が、前記第2状態となっている状況下にて所定方向に変位することにより前記遊技情報表示部の表示が前記操作部の操作に対応するものに更新されることを特徴とする遊技機。
遊技ホールの島設備等においては、遊技情報表示部設けて当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)に係る遊技情報を表示することにより、遊技の状況等を確認する際の遊技者や係員等のホール管理者の利便性の向上に貢献することができる。例えば、球詰まり等が発生した場合や、遊技媒体を貯留する貯留箱の交換が必要になった場合には、操作ボタンを操作して係員を呼ぶことがある。但し、特徴C1に示したように、可動体が遊技機上方に突出する構成においては、当該可動体が第2状態となることで演出等が実行されている場合には、この可動体によって操作部の操作が妨げられる可能性が生じる。
この点、本特徴に示すように、可動体(接触部)が所定方向に変位することにより遊技情報表示部の表示が操作部の操作に対応するものに更新される構成とすれば、可動体と遊技情報表示部との重なりによる上記影響を払拭できる。これにより、可動体と遊技情報表示部とを好適に共存させることができる。可動体が第2状態となった場合であっても、操作に対応する情報の表示等が担保される構成とすることにより、可動体の大きさや動作範囲に係る制約を軽減できる。
なお、特徴C群に示した各技術的思想と特徴A群及び特徴B群に示した各技術的思想とを相互に組み合わせてもよい。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域を遊技機前方から覆う扉体とを備えているものがある。遊技領域に配された入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置が設けられ、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、入球部への入球に基づく抽選結果が報知される。扉体には発光部やスピーカ部等が設けられ、遊技状況に応じて発光態様や音声の出力態様を変化させることにより遊技への注目度の向上が図られている。また、例えば表示画面の周辺に可動体等を有する演出装置を設け、絵柄の変動表示による演出と演出装置による演出とに所定の対応関係を付与して一体的な演出等を行うことにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「但し、上述した可動式の演出装置については、周辺に配設された遊技部品との関係から動作領域に係る制約が強くなる。そこで、上記扉体に可動式の演出装置を設け、遊技機外の空間を演出用の領域として利用することにより、このような動作領域に係る制約を軽減することができる。しかしながら、この種の演出装置を搭載する上では、演出装置に係る構成に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
遊技者によって操作される遊技機側操作部(例えば装飾体310A)と、
前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて遊技機外部に設けられた外部機器の態様を切り替える切替手段(例えば突起325A)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示す構成によれば、遊技機側操作部を操作することにより外部機器の態様を切り替えることができる。外部機器にアクセスする必要がないため、遊技者の利便性の向上等に貢献することができる。
なお、本特徴に示す構成を以下のように変更してもよい。
遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(例えばホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と
を備え、
前記遊技システムは、遊技者によって操作されるシステム側操作部(例えば呼出ボタン518)が設けられ当該システム側操作部が操作されたことに基づいて第1態様から第2態様に切り替わる外部機器(例えば遊技情報表示装置500)を有し、
遊技者によって操作される遊技機側操作部(例えば装飾体310A)と、
前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて前記外部機器を前記第2態様とする切替手段(例えば突起325A)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技者のシステム側操作部の操作に基づいて外部機器の態様(例えば表示態様)が変化する構成においては場合によってシステム側操作部の操作が困難又は不可能となる可能性がある。また、遊技者等の体格によってもシステム側操作部の操作が難しくなる可能性を否定できない。
この点、本構成によれば、遊技機側操作部を操作することによりシステム側操作部を操作した場合と同様の結果が得られることとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に解消し、遊技者の利便性の向上等に貢献することができる。
特徴D2.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態(待機位置に配置された状態)及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態(演出位置に配置された状態)に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える可動体切替手段(報知・演出制御装置140やソレノイド320)と
を備え、
遊技機外部に設けられた外部機器の下方に配置される遊技機であって、
遊技者によって操作される遊技機側操作部(例えば装飾体310A)と、
前記可動体が前記第2状態となっている場合に、前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて前記外部機器の態様を切り替える外部機器切替手段(例えば突起325A)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機と遊技機に対応付けられた外部機器とが上下に並べて並設されている場合には、可動体が動作することにより、当該可動体と外部機器とが重なる可能性がある。遊技機上方の領域(外部領域)を可動体の動作領域(演出用の領域)として利用することにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。また、遊技機の上方領域は遊技機の側方領域等と比較して着席した状態では遊技者の手が届きにくい位置であるため、可動体の動きが遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。
しかしながら、遊技機上方に外部機器が設置されている場合には、可動体が外部機器に対して前方から重なる可能性が生じる。ここで、仮に外部機器に設けられたシステム側操作部等へのアクセスが可動体によって妨げられてしまうと、遊技機自体の構成を好適なものとすることができても、それに起因して遊技者の利便性が低下し得る。
この点、本特徴に示す構成によれば、遊技機側操作部を操作することにより外部機器の態様を切り替えることができる。外部機器にアクセスする必要がないため、遊技者の利便性の向上等に貢献することができる。
なお、本特徴に示す構成を以下のように変更することも可能である。
遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態(待機位置に配置された状態)及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態(演出位置に配置された状態)に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える可動体切替手段(報知・演出制御装置140やソレノイド320)と、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(例えばホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と
を備え、
前記遊技システムは、遊技者によって操作されるシステム側操作部(例えば呼出ボタン518)が設けられ当該システム側操作部が操作されたことに基づいて第1態様から第2態様に切り替わる外部機器(遊技情報表示装置500)を有し、
前記外部機器の下方に配置される遊技機であって、
遊技者によって操作される遊技機側操作部(例えば装飾体310A)と、
前記可動体が前記第2状態となっている場合に、前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて前記外部機器を前記第2態様とする外部機器切替手段(例えば突起325A)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機と遊技機に対応付けられた外部機器とが上下に並べて並設されている場合には、可動体が動作することにより、当該可動体と外部機器とが重なる可能性がある。遊技機上方の領域(外部領域)を可動体の動作領域(演出用の領域)として利用することにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。また、遊技機の上方領域は遊技機の側方領域等と比較して着席した状態では遊技者の手が届きにくい位置であるため、可動体の動きが遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。
しかしながら、遊技機上方に外部機器が設置されている場合には、可動体が外部機器に対して前方から重なる可能性が生じる。ここで、仮に外部機器に設けられたシステム側操作部へのアクセスが可動体によって妨げられてしまうと、遊技機自体の構成を好適なものとすることができても、それに起因して遊技者の利便性が低下し得る。
この点、本特徴に示す構成によれば、遊技機に設けられた遊技機側操作部を操作することによって、システム側操作部を操作した場合と同様の結果が得られることとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に解消できる。故に、可動体と外部機器(システム側操作部)との重なりを許容しやすくなり、可動体の採用や可動体の大型化等を好適に促進することができる。
特徴D3.前記外部機器は、
対応付けられた遊技機に係る遊技情報を表示可能な遊技情報表示部(表示ユニット510)と、
遊技場の係員を呼び出す場合に遊技者によって操作される呼出操作部(呼出ボタン518)と
を有し、
前記遊技情報表示部の表示態様が、遊技者によって前記呼出操作部(例えば呼出ボタン518)が操作されたことに基づいて第1態様から第2態様に切り替わるように構成されており、
前記外部機器切替手段は、前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて前記外部機器の態様を切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
例えば遊技機にてエラー等が発生した場合や、貯留箱等の交換が必要になった場合には、呼出操作部(システム側操作部)を操作することにより係員の呼出しを行うことができる。このような構成では、係員を探しに離席する必要がないため、遊技者の利便性の向上が期待できる。ここで、上述したように可動体が動作して当該可動体によって呼出操作部の操作が妨げられてしまうと、上述した呼出機能が上手く発揮されなくなる。必要に応じた係員の呼出しが妨げられることは、遊技者や遊技ホールに不測の不利益を与える要因になり得る。そこで、仮に可動体が邪魔になる等して呼出操作部の操作が困難な場合には、代わりに遊技機側操作部の操作によって係員の呼出しを可能とすることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D4.前記可動体が前記第2状態となることにより、前記遊技機側操作部の操作が許容される構成となっていることを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
可動体が第2状態となれば特徴D2等に示した不都合が発生しやすくなる。そこで、第2状態となった場合に遊技機側操作部によるサポート機能が有効となる構成とすれば、実用上好ましい構成を実現できる。本特徴に示す構成については、遊技機側操作部が無暗に操作されることを回避して遊技機側操作部として機能する構成の保護に貢献できる。
特徴D5.前記可動体には、当該可動体が前記第2状態となって前記呼出操作部と対峙している状況下にて後方へ変位することにより前記操作部に接触する接触部(突起325A)が設けられていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、可動体(接触部)によって呼出操作部(システム側操作部)を操作できる構成とすれば、可動体と外部機器との重なりによる影響を払拭できる。可動体が第2状態となった場合であっても、呼出操作部の操作が担保される構成とすることにより、可動体の大きさや動作範囲に係る制約を軽減できる。また、操作部の操作が担保されることにより、可動体が第2状態となる期間に係る制約ついても軽減できる。これにより、可動体と外部機器とを好適に共存させることができる。
なお、可動体の本体部と接触部とを相対位置の変化を許容するようにして組み合わせる構成として固定ブロック(本体部)と可動ブロック(接触部)とを設けることにより、接触部以外の部分が外部機器に当たる等して接触部の動きが妨げられることを抑制できる。
特徴D6.前記可動体には、前記接触部の後方への変位方向と交差する方向における位置調整が可能となるようにして当該接触部を保持する保持部(装飾体310において位置調節機構330B等を保持している本体部分)が設けられていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上述した外部機器についてはその大きさや形状等の仕様が画一的ではなく、更には遊技ホールに応じて外部機器の取付位置が相違し得る。この点、本特徴に示すように、接触部の位置調整が可能なっている場合には、遊技機の設置を完了した後に接触部の位置の調節を行うことにより、外部機器の仕様や配置に伴う接触部と呼出操作部(システム側操作部)との位置関係のばらつきを好適に許容することができる。これにより、外部機器と遊技機との組み合わせに係る制約を抑えることができる。
特徴D7.前記保持部は、前記接触部を前記可動体と前後に重なる重複領域及び重なりが回避された非重複領域を含む領域が前記位置調整の範囲となるように構成されていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
遊技者が遊技機前方に配置された椅子等に座った状態にて遊技が行われている場合に、上記絵柄表示装置が遊技者の顔の正面に位置(目線と同じ高さに位置)するように構成されていることが多い。このような事情に鑑みた場合には、可動体と呼出操作部(システム側操作部)とが前後に重なっていない場合であっても、遊技者の顔(目)とシステム側操作部との間に可動体が介在する可能性を否定できない。そこで、本特徴に示すように、可動体との重複領域を超えた非重複領域をフォローする構成とすれば、特徴D6に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D8.前記遊技機側操作部の操作に基づく操作力を前記接触部に伝えることにより、前記接触部を後方へ変位させる駆動力伝達手段を備えていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
本特徴に示すように、操作力を駆動力伝達手段を介してシステム側操作部に伝える構成とすることにより、操作機能に係る構成の簡略化に貢献できる。これは、可動体の重量増を抑制して、可動体が動作する際の応答性の向上を図る上で有利である。また、動力伝達手段を介在させる構成とすることにより、システム側操作部に伝わる力が過度に大きくならないように軽減させることが可能となる。
特徴D9.前記遊技機側操作部が操作されたことに基づいて前記接触部を後方へ変位させる駆動力を発生させる駆動部(例えば第2ソレノイド330G)を備えていることを特徴とする特徴D5乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機側の構成(遊技機側操作部)を用いて外部機器の操作機能を補完する構成においては、遊技機側操作部が呼出操作部(システム側操作部)よりも遊技者に近い位置(手前側)に存在している等の理由から、遊技者のアクセスが容易化される。しかしながらその反面、操作の容易化によって操作力が大きくなり得る。これは、システム側操作部が直接操作される場合と比べて外部機器(システム側操作部)に加わる負荷が過剰に大きくなる要因となり得る。この点、本特徴に示すように駆動部を設けて、操作力が直接伝わることを回避する構成とすれば、システム側操作部の保護機能を強化できる。
特徴D10.前記可動体が前記第2状態となっている場合には前記遊技機側操作部の操作を許容し、前記可動体が前記第1状態となっている場合には前記遊技機側操作部の操作を規制する操作規制手段を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D9のいずれか1つに記載の遊技機。
可動体が第1状態となっている場合には第2状態と比較して呼出操作部(システム側操作部)の操作が妨げられる可能性は低くなる。そこで、第1状態となっている場合には遊技機側規制部の操作を規制することにより、無暗に操作が行われることを抑制することができる。可動体に操作部や駆動部等に係る構成を配設した場合には、それら各種構成の保持強度の担保が難しくなる。そこで、不必要な操作を回避して同構成に係る負荷を軽減することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D11.前記可動体が前記第1状態となっている場合に当該可動体を収容する収容部(収容部36)を備え、
前記遊技機側操作部は、前記可動体に配設されており、前記可動体が前記第1状態となっている場合には前記収容部に収まり且つ前記可動体が前記第2状態となることにより前記収容部から露出するように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
可動体(遊技機側操作部)が収容部に収まる構成とすることにより遊技機側操作部を無暗に操作されないように保護することができる。遊技機側操作部へのアクセスそのものを不可とすることにより、特徴B9等に示した保護機能を好適に強化することができる。
特徴D12.前記遊技機側操作部は、遊技機前面部に設けられた装飾の一部を構成しており、
前記遊技機側操作部を操作可能な状況となった場合に、前記遊技機側操作部が操作可能である旨又は前記遊技機側操作部を操作することにより前記外部機器を前記第2態様とし得る旨を報知する報知手段(報知・演出制御装置140のMPUにて報知用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D11のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機側操作部が遊技機前面部における装飾の一部を構成している場合、遊技機側操作部の存在が遊技機の見栄えを低下させる要因になることを抑制できる反面、当該遊技機側操作部が目立ちにくくなる等して遊技者に上述したサポート機能を上手く活用してもらえなくなると懸念が生じる。これは、特徴D2等に示した効果を発揮させる上で妨げとなり得る。この点、本特徴に示すように、報知手段を用いて遊技機側操作部の操作を促す構成とすれば、見栄えの低下を抑えつつ遊技機側操作部の活用を促進できる。
なお、遊技機側操作部を操作することでどのような事象が発生するかを報知する構成として遊技機の仕様等に乏しい遊技者への配慮を行うことにより、遊技者の満足度の低下を好適に抑制できる。
特徴D13.前記外部機器は、係員を呼び出す際に操作される呼出操作部を有し、
特定の移行条件が成立した場合に遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記可動体切替手段は、前記特別遊技状態へ移行する場合に前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段を有してなり、
前記報知手段は、前記第2状態となっている状況下にて所定の条件が成立した場合に、前記報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
そもそも係員の呼出しが必要な状況については頻発するものではない。そこで、遊技機側で係員の呼出しを行った方がよい状況であるか否かを判断して、その判断結果に応じて上記報知を行うことにより、遊技の流れに即して遊技機側操作部の利用を促すことができる。
特徴D14.前記外部機器は、係員を呼び出す際に操作される呼出操作部を有し、
遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402における抽選機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段と、
前記可変入球部への入球に基づいて貯留皿(下皿34)へ遊技球を払い出す払出手段(払出装置224)と、
前記貯留皿における遊技球の貯留量を監視する監視手段(例えば満タン検知センサ)と、
前記報知手段は、前記可動体が前記第2状態となっている状況下にて前記貯留量が所定量に達した場合に、前記報知を行う手段を有していることを特徴とする特徴D12又は特徴D13に記載の遊技機。
特別遊技状態においては可変入球部への入球が許容され、当該可変入球部への入球に応じて遊技球の払い出しが行われることとなる。このような事情から特別遊技状態中は、遊技者の持ち球が増えて貯留箱を交換する必要が生じる可能性が高くなる。特に、貯留皿が満タンとなった場合には、貯留箱の交換のため係員を呼び出す必要性が高くなる。そこで、このような状況であることを遊技機側で判断して、上記報知を行う構成とすることにより実情上好ましい構成が実現できる。
特徴D15.前記可動体の前記第2状態への切り替えが妨げられた場合に前記第2状態への切り替えを中止させる中止手段と、
前記中止手段によって前記可動体が前記第1状態及び前記第2状態の間の中間状態となった場合に、前記可動体を前記第1状態に復帰させる復帰手段と
を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D14のいずれか1つに記載の遊技機。
仮に可動体が中途半端に突出した場合には、呼出操作部(システム側操作部)の操作が妨げられるだけでなく、上記遊技機側操作部による補完機能が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、このような状況となった場合には、敢えて可動体を第1状態に強制復帰させることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴D16.前記遊技機側操作部は、前記可動体に設けられており、
前記遊技機側操作部の操作方向は、前記可動体が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる場合の当該可動体の動作方向と交差する方向となるように規定されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D15のいずれか1つに記載の遊技機。
可動体が第1状態/第2状態に切替可能な構成においては、遊技機側操作部を操作することにより可動体が第1状態に切り替わろうとする可能性が生じる。このような可動体の位置ずれが生じると、可動体と呼出操作部(システム側操作部)との位置関係が変化することにより、上述したサポート機能が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本特徴に示すように可動体の動作方向と操作方向とを交差させる構成とすれば、遊技者の操作によって可動体の位置ずれが生じることを抑制できる。これにより、サポート機能を好適に発揮させることが可能となる。
特徴D17.前記保持部は、前記第1状態への戻りを許容するようにして前記可動体を前記第2状態に保持する構成となっていることを特徴とする特徴D16に記載の遊技機。
可動体を第1状態へ押し戻すような外力が加わった場合に当該可動体の第1状態へ向けた動きを許容することにより、可動体の保護に貢献することができる。しかしながら、このような保護機能の強化によって、上述した位置ずれが発生しやすくなる。そこで、本特徴に示す構成に特徴D16に示した構成を適用すれば可動体の保護機能と上記サポート機能とを好適に両立させることができる。
特徴D18.前記遊技機側操作部における操作部分の面積が、前記呼出操作部における操作部分の面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D18によれば、呼出操作部(システム側操作部)へのアクセスが困難になったとしても、それよりも手前側に位置し且つ呼出操作部よりも大きな遊技機側操作部に操作対象が移ることにより、操作性の低下が好適に抑制されることとなる。
特徴D19.前記扉体には、遊技機前方へ膨出する膨出部が設けられており、
前記膨出部には、前記可動体を収容する収容部が形成されており、
前記収容部よりも前側となる位置に、前記操作が配設されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D19によれば、呼出操作部(システム側操作部)へのアクセスが困難になったとしても、それよりも手前側に位置する遊技機側操作部に操作対象が移ることにより、操作性の低下が好適に抑制されることとなる。特に、遊技機前方へ膨出する膨出部を遊技機側操作部の配設対象とすることにより当該遊技機側操作部を遊技者に好適に近づけることができる。
また、遊技機側操作部を可動体から分離して設けることにより、可動体が遊技者による操作対象となることを回避できる。これは、可動体の保護だけでなく遊技機側操作部が操作された際の可動体の位置ずれ等を抑える上でも好ましい構成である。
特徴D20.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態(待機位置に配置された状態)及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態(演出位置に配置された状態)に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、
所定の切替条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える可動体切替手段(報知・演出制御装置140やソレノイド320)と、
遊技進行に伴って遊技場の遊技システム(例えばホールコンピュータHCや遊技情報表示装置500)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と
を備え、
前記遊技システムは、遊技者によって操作されるシステム側操作部(例えば呼出ボタン518)が設けられ当該システム側操作部が操作されたことに基づいて第1態様から第2態様に切り替わる外部機器(遊技情報表示装置500)を有し、
前記外部機器の下方に配置される遊技機であって、
前記扉体又は前記遊技機本体に設けられ、遊技者によって操作される遊技機側操作部(例えば装飾体310A)と、
前記可動体において当該可動体が前記第2状態となって前記システム側操作部と対峙している部分に設けられ、前記第2状態となっている状況下にて前記遊技機側操作部が操作された場合に後方へ変位することにより前記操作部に接触する接触部(突起325A)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機と遊技機に対応付けられた外部機器とが上下に並べて並設されている場合には、可動体が動作することにより、当該可動体と外部機器とが重なる可能性がある。遊技機上方の領域(外部領域)を可動体の動作領域(演出用の領域)として利用することにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。また、遊技機の上方領域は遊技機の側方領域等と比較して着席した状態では遊技者の手が届きにくい位置であるため、可動体の動きが遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。
しかしながら、遊技機上方に外部機器が設置されている場合には、可動体が外部機器に対して前方から重なる可能性が生じる。ここで、仮に外部機器に設けられたシステム側操作部へのアクセスが可動体によって妨げられてしまうと、遊技機自体の構成を好適なものとすることができても、それに起因して遊技者の利便性が低下し得る。
この点、本特徴に示す構成によれば、遊技機に設けられた遊技機側操作部を操作することによって、システム側操作部を操作した場合と同様の結果が得られることとなる。これにより、上記不都合の発生を好適に解消できる。故に、可動体と外部機器(システム側操作部)との重なりを許容しやすくなり、可動体の採用や可動体の大型化等を好適に促進することができる。
また、遊技機側操作部を可動体から分離して設けることにより、可動体が遊技者による操作対象となることを回避できる。これは、可動体の保護だけでなく遊技機側操作部が操作された際の可動体の位置ずれ等を抑える上でも好ましい構成である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。