<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)と当該パチンコ機に係る遊技情報を表示する遊技情報表示装置とを有する遊技システムの第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1〜図4を参照してパチンコ機10について説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
(パチンコ機10)
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
また、内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側及び図9の左側)には、内枠13に対する前扉枠14の開放を検知する開放検知センサ61と、外枠11に対する内枠13(遊技機主部12)の開放を検知する開放検知センサ62とが配設されている。これら開放検知センサ61,62は後述する主制御装置に接続されており、主制御装置では開放検知センサ61,62から入力された検知情報に基づいて前扉枠14や内枠13の開放を把握する構成となっている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置253が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211の上部には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、それら出力端子に遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)とパチンコ機10とを繋ぐ配線WH1が接続されている。パチンコ機10の外部出力端子板213(出力端子)から出力された各種信号は、配線WH1を通じてホールコンピュータHCに伝わり、ホールコンピュータHCではこれら各種信号に基づいてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握する構成となっている。
また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
本実施の形態におけるパチンコ機10は、遊技ホールの島設備等に設置された状態にて遊技機主部12(前扉枠14)の一部がパチンコ機10の正面側に膨出するように構成されており、この膨出部分に可動式の演出装置(以下、可動演出装置300と称する)が配設されていることを特徴の1つとしている。ここで、図2及び図12を参照して可動演出装置300に係る構成について説明する。図12(a)はパチンコ機10を正面から見た部分拡大図、図12(b)は可動演出装置300の縦断面図(図12(a)のA−A線部分断面図)である。
(可動演出装置300)
図2に示すように、前扉枠14の枠体20において窓部21よりも上方に位置している部分には、遊技前方に膨出する膨出部35が形成されている。膨出部35の膨出量は左右両端から中央に向けて徐々に大きくなっており、膨出部35が遊技機前方に凸となるようにして膨らんでいる。図12(1)に示すように、膨出部35の中央部分、詳しくは上記環状電飾部26を構成するエラー表示ランプ部27の後方となる部分には、上記可動演出装置300を収容する収容部36が形成されている。つまり、膨出部35には、エラー表示ランプ部27用の発光基板27aが前側、可動演出装置300が後側となるようにして2つの遊技機器が収容されており、発光基板27aの背後に可動演出装置300が隠れた状態となっている。
収容部36は、上方に開放された凹状をなしており、その開放部分を通じて可動演出装置300の一部が露出している。可動演出装置300は、外周部分に絵柄等の装飾が施された装飾体310を有している。装飾体310は、収容部36の側壁部37に形成された保持部38によって前後に回動可能な状態で保持されており、保持部38による回動中心軸線CL1を中心に回動することにより収容部36からの突出が抑えられた待機位置と収容部36から遊技機外側(上方)に突出する演出位置とに移動可能なっている。
装飾体310の外周部分には、当該装飾体310の回動方向に並ぶようにして3つの面部が形成されている。具体的には、第1平面部311及び第2平面部312と、それら両平面部311,312に挟まれた曲面部313とが形成され、断面が略扇状をなすように形成されている。扇状をなす装飾体310の要にあたる部分が上記保持部38による保持箇所となっており、回動中心軸線CL1と装飾体310の重心Gとがずれている。
図12(b1)に示すように、装飾体310が待機位置に配置された状態では、第2平面部312が収容部36の後壁部39に当接することにより、装飾体310の自重による回動が阻止されている。つまり、後壁部39がストッパとして機能している。この状態では、第1平面部311が枠体20の上面と略同一面上に位置し、収容部36の開放部分が第1平面部311によって塞がれている。そして、曲面部313は収容部36内に留まることとなり、外部からの曲面部313の視認が不可となっている。
可動演出装置300には、装飾体310用の駆動手段を構成するソレノイド320が設けられている。ソレノイド320は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140からの信号に基づいてソレノイド320が動作する構成となっている。可動演出装置300による特定の演出(以下、特殊演出という)を実行する場合には、報知・演出制御装置140にソレノイド320を励磁させるべく駆動信号が出力される。ソレノイド320が励磁されることにより当該ソレノイド320のプランジャによって装飾体310が押され、当該装飾体310が所定方向に回転することとなる。
図12(2)に示すように、装飾体310が演出位置に到達すると、装飾体310の第2平面部312に形成された突起315が収容部36に設けられたストッパ部40に当たる。これにより、所定方向への更なる回動が阻止される。この状態では、曲面部313が収容部36から突出し、当該曲面部313の遊技機前方からの視認が許容されることとなる。なお、装飾体310には発光体が内蔵されており、特殊演出が実行される場合には当該発光体からの光が曲面部313を通じて遊技機正面側へ照射される。このようにして装飾体310を発光させることにより、可動演出装置300の外観の変化を強調している。
特殊演出が終了した場合には、ソレノイド320への駆動信号の出力が停止され、当該ソレノイド320が非励磁状態となる。これにより、装飾体310が自重等によって演出位置から待機位置へ復帰することとなる(図12(2)→図12(1)参照)。因みに、可動演出装置300にバネ等の付勢手段を設け、当該付勢手段の付勢力によって装飾体310の待機位置への移動を促す構成としてもよい。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図13のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391b、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391c、上作動口83aへの入賞を検知する検知センサ391d、下作動口83bへの入賞を検知する検知センサ391e、スルーゲート84への入球を検知する検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
また、MPU402の入力ポートには、上述した開放検知センサ61,62が接続されており、主制御装置162のMPU402においてはこれら開放検知センサ61,62からの検知情報に基づいて前扉枠14や内枠13が開放されているか否かを把握する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材88)を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPUが搭載された報知・演出制御基板が設けられている。MPUには、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPUに対してROM及びRAMが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28、スピーカ部29、可動演出装置300等を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという2つの条件に差異が設けられている。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、15R通常大当たり結果と、15R確変大当たり結果とが設定されている。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。これに対して、15R確変大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ391a〜391f等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ391a〜391f等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かを上作動口83a用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が上作動口83aに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、上作動口83aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、上作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該上作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、上作動口用保留記憶数ともいう)。なお、ここで設定された信号は、後述する通常処理(図16)のステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯させる処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入賞(始動入賞)したか否かを下作動口83b用の検知センサ391eの検知状態により判定する。遊技球が下作動口83bに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口83bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。なお、ここで設定された信号は、後述する通常処理(図16)のステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯させる処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
本実施の形態においては、各保留ランプ部98a,98bは報知・演出制御装置140に接続されている。主制御装置162では作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドには入賞先に係る情報等が付与されており、報知・演出制御装置140は主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて保留ランプ部98a,98bの発光制御を行う。
両作動口83a,83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信され、保留コマンドは同外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、保留コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。具体的には、外部出力端子板213に設けられた各種出力端子からはON/OFF(HI/LOW)の2値信号が出力される構成となっており、個々の出力端子毎に出力態様の設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部などの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207では開放監視処理を実行する。開放監視処理は、開放検知センサ61,62からの検知信号に基づいて、前扉枠14や内枠13が開放されているか否かを監視する処理である。前扉枠14や内枠13が開放されている場合には、その旨の報知を行うための処理を行う。具体的には、報知・演出制御装置140のMPUに開放報知用のコマンド(開放報知用コマンド)を出力する処理を行う。報知・演出制御装置140のMPUでは、当該開放報知用コマンドに基づいて図柄表示装置253の表示画面253aにて開放に対応するメッセージを表示し、スピーカ部29から開放に対応した音声を出力する処理を行う。
また、上述した外部出力端子は、前扉枠14の開放に対応する外部出力端子と、内枠13の開放に対応する外部出力端子とを有してなる。詳細については後述するが、ステップS207の処理では、前扉枠14が開放されている場合には当該前扉枠14用の外部出力端子における外部信号の出力態様を開放に対応するものとし、内枠13が開放されている場合には当該内枠13用の外部出力端子における外部信号の出力態様を開放に対応するものとするための設定処理を行う。
開放中の前扉枠14又は内枠13が閉じた場合には、その旨を示すコマンドを報知・演出制御装置140のMPUに出力するとともに、外部信号(開放に対応する外部信号)の出力を停止するための処理を行う。これにより、上述した開放報知等が解除されることとなる。
その後、ステップS208では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS209にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS208にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図17及び図18のフローチャートを参照して説明する。
図17に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口83a,83bへの入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM404の各種フラグ格納エリア435における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、上作動口用表示部及び下作動口用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア432の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、上作動口83a及び下作動口83bのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて上作動口用保留エリアRa又は下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている下作動口用保留記憶数が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数が「0」である場合には上作動口用のデータ設定処理を実行し、下作動口用保留記憶数が「0」でない場合には下作動口用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、下作動口用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち下作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下作動口用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口83bに対応した下作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
上作動口83a用のデータ設定処理では、先ず上作動口用保留エリアRaの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、上作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、上作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第1保留ランプ部98aのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部98aのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
下作動口83b用のデータ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第2保留ランプ部98bのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部98bのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87の主表示部(作動口用表示部)における変動表示及び図柄表示装置253における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
(変動開始処理)
ここで、図18のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部(詳しくは下作動口用表示部、上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM404に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、既に説明したように各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM404にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM404に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS406に進む。ステップS406では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別にて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち、当該遊技回に係る変動表示が行われているものを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部に設けられた上作動口用表示部及び下作動口用表示部は、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置410が表示制御に際して介在することとなる表示部(図柄表示装置253)に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部については、上作動口用表示部や下作動口用表示部等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置253の表示画面253aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置されているためその視認性も表示画面253aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面253aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部と表示画面253aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405及びステップS406のいずれかの処理を実行した後は、ステップS407にて、表示継続時間(変動表示時間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM404の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合にはリーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続時間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS407にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS408にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報が含まれる。
ステップS408にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置253を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置410における処理についての詳細は後述する。ステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて主表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、主表示部(詳しくは作動口用表示部)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続時間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部(詳しくは上作動口用表示部又は下作動口用表示部)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部を表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図18)のステップS404又はステップS407の処理においてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部の作動口用表示部にて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置140を経由して表示制御装置410に送信され、表示制御装置410では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置253の表示画面253aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140や表示制御装置410にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
その後は、ステップS310にて、遊技ホール側の管理制御装置に対して外部信号の出力を開始すべく外部信号設定処理を行い、本遊技回制御処理を終了する。ステップS310にて設定される外部信号は、今回の遊技回の遊技結果に応じて設定される。具体的には、今回の遊技結果が外れ結果である場合には、作動口用表示部にて絵柄が停止表示されたこと(遊技回が終了したこと)を遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号を設定する。一方、今回の遊技結果が大当たり結果である場合には、作動口用表示部にて絵柄が停止表示されたこと(遊技回が終了したこと)を遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号と、大当たり結果となったことを遊技ホール側の管理制御装置に示す外部信号とを設定する。ステップS310にて設定された信号は、通常処理(図16)におけるステップS201にてホールコンピュータHCに出力されることとなる。また、当該処理にて設定された外部信号のうち遊技回の終了を示すものについては、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは出力開始から予め設定された期間の経過した場合に、出力が停止される構成となっている。一方、大当たり結果となったことを示す外部信号については、予め設定された条件が成立した場合に、詳しくは開閉実行モードが終了した場合に出力が停止される構成となっている。
なお、外部信号の出力を停止させる条件については、上述したように予め設定された期間の経過を必須とするものではない。例えば、遊技回が終了したことを示す外部信号については、次の遊技回が開始(絵柄の変動表示が開始)されたことを条件として出力が停止される構成とすることも可能である。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理においては先ず、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合には、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)又は15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。そして、RAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。その後、オープニングコマンドを設定する。
この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。オープニングコマンドの設定処理を実行した後は、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中であると判定した場合には、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理においては先ず、可変入賞装置82の大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図15)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)を行う。具体的には、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、入賞カウンタPCに「10」をセットする。この設定処理を実行した後は、可変入賞装置82(大入賞口)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においは、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、冒頭の処理にて大入賞口開閉処理において可変入賞装置82の大入賞口が開放中であると判定した場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ391cからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
コマンドの出力処理を実行した後は、入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後に、入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又は開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合には、大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続いて開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。
開放数カウンタOCの値が「0」でないと判定した場合には、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットし、閉鎖コマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、開放数カウンタの値が「0」であると判定した場合には、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。
遊技状態移行処理の説明に戻り、大入賞口開閉処理を実行した後は、開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、エンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果である場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R確変フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R通常大当たり結果である場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)が格納されている場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R通常フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
遊技状態の設定処理を行った後は、大当たりに係る外部信号の出力停止処理を実行し、本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。当該処理を実行することにより、大当たり結果となったことを示す信号の出力が停止されることとなる。
以上詳述したパチンコ機10においては、実行された遊技回数や大当たり回数がパチンコ機10毎に相違する。そこで、本実施の形態における遊技システムにおいては、遊技ホール等の島設備に各パチンコ機10に1対1となるようにして上述した遊技情報表示装置500を配設し、対応付けられたパチンコ機10(以下、該当遊技機ともいう)に係る遊技情報を各遊技情報表示装置500にて個別に表示させるように構成されている。具体的には、図19の概略図に示すように、横並びとなるように配列された各パチンコ機10の上方に遊技情報表示装置500が各々配設されおり、上下に並んだパチンコ機10と遊技情報表示装置500とがペアを構成している。
既に説明したように、パチンコ機10と遊技情報表示装置500との間にはホールコンピュータHCが介在しており、該当遊技機から出力された外部信号はホールコンピュータHCを経由して遊技情報表示装置500に入力される構成となっている。遊技情報表示装置500においてはこれら外部信号に基づいて該当遊技機の状態や遊技の状況等に係る情報を表示する。以下、図20を参照して遊技情報表示装置500について説明する。図20(a)は遊技情報表示装置500を正面側から見た斜視図、図20(b)は遊技情報表示装置500を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
(遊技情報表示装置500)
図20に示すように、遊技情報表示装置500は、遊技情報を表示する「表示部」としての表示ユニット510と、当該表示ユニット510用の「保持部」としてのホルダ530とを有している。ホルダ530は正面側に開放された箱状をなしており、当該ホルダ530の奥板部534が遊技ホールの島設備に固定されることで、遊技情報表示装置500が島設備と一体化されている。
表示ユニット510は、表示画面511aを有する液晶ディスプレイ511と、当該液晶ディスプレイ511の背後に重なるようにして設けられ同液晶ディスプレイ511を制御する制御部と、それら液晶ディスプレイ511及び制御部を収容するケース体515とを備え、それら各種構成が組み合わされてなる。
ケース体515にて表示画面511aと対向している前面部516にはケース体515の内外に貫通する開口516aが形成されており、この開口516aを通じて表示画面511aを視認可能となっている。ケース体515の前面部516において上記開口516aと横並びとなる部分には、遊技者によって操作される「操作手段」として遊技ホールの係員を呼び出す際に操作される呼出ボタン518と、表示画面511aにおける表示内容や表示態様を切り替える切替ボタン519とが縦に並べて配設されている。呼出ボタン518及び切替ボタン519は、表示ユニット510の制御部に電気的に接続されており、各ボタン518,519からの信号が制御部に入力される構成となっている。特に、呼出ボタン518からの信号については、制御部を通じて上記ホールコンピュータHC、更にはパチンコ機10にも伝達される。
ケース体515の左右両側部517にはホルダ530の左右の側板部535に形成された貫通孔に連なる挿通孔が形成されており、ホルダ530の外側から貫通孔に挿通された軸ピンが挿通孔に固定されている。これにより、挿通孔の軸線(回動中心軸線CL2)を中心として表示ユニット510が回動可能となっており、ホルダ530と表示ユニット510との相対角度の変更が許容されている。なお、回動中心軸線CL2については表示ユニット510の下端部に位置しており、表示ユニット510の下端部が当該表示ユニット510の回動基端部、表示ユニット510の上端部が当該表示ユニット510の回動先端部となっている。
なお、回動中心軸線CL2は表示ユニット510の表示画面511a寄りとなる位置に偏倚しており、ホルダ530内に表示ユニット510が収容された状態においては表示ユニット510の重心が回動中心軸線CL2よりも後側に位置するように構成されている。
ホルダ530には、表示ユニット510を回動させる駆動力を発生させるための駆動部550(ステッピングモータ)が配設されている。駆動部550は表示ユニット510の制御部に電気的に接続されており、この制御部からの信号に基づいて動作する。つまり、制御部からの信号に基づいて表示ユニット510の姿勢、すなわち表示画面511aの向き(傾き)が変更されることとなる。ここで、図21の概略図を参照して、表示ユニット510の姿勢の変化について補足説明する。
遊技情報表示装置500には、ホルダ530からの表示ユニット510の突出量が異なる複数の形態が設定されている。図21(a)に示すようにホルダ530に表示ユニット510全体が収容されることによりホルダ530からの突出が回避されている位置が、本実施の形態における表示ユニット510の待機位置となっている。これに対して、図21(b)〜図21(d)に示す各形態では、表示ユニット510がホルダ530から突出しており、その突出量が大小相違している。詳しくは、ホルダ530からの表示ユニット510の突出寸法Lが図21(a) < 図21(c) < 図21(d)の順に大きくなっている。以下の説明では、表示ユニット510がホルダ530から突出した位置を突出位置と称する。
図23(a)に示す形態では、表示ユニット510の背面がホルダ530の奥板部534に形成された突条部538に当接しており、それ以上の後傾が回避されている。この状態では、表示ユニット510の重心が回動中心軸線CL2よりも後側に位置しているため、表示ユニット510を奥板部534によって支えることができ、表示ユニット510の姿勢の乱れが抑制されている。
表示ユニット510がホルダ530の奥板部534によって支えられた状態では、上記ボタン518,519を除いた表示ユニット510(詳しくは液晶ディスプレイ511)の全体がホルダ530内に収容されており、当該ホルダ530の開放部531からの表示ユニット510の突出が抑えられている。この状態では、液晶ディスプレイ511の表示画面511aが水平方向を向いている。
図21(b)に示すように、表示ユニット510の突出寸法=突出寸法L1となる突出位置まで表示ユニット510が傾くと、当該表示ユニット510(ケース体515)の側部517が一部露出した状態となり、当該露出した部分を遊技情報表示装置500の側方から視認可能となる。以下、この姿勢を「姿勢LV1」と称する。
表示ユニット510の側部517において表示ユニット510が姿勢LV1となることにより視認可能となる部分には、呼出報知用のランプ部D1が設けられている。このランプ部D1は、有色不透明な合成樹脂からなるカバー体と、当該カバー体を通じて表示ユニット510の側方へ光を発する発光体とを有してなる。姿勢LV1となることで発光体の発光制御がなされ、ランプ部D1が緑色に発光することとなる。
図21(c)に示すように、表示ユニット510の突出寸法=突出寸法L2となる突出位置まで表示ユニット510が傾くと、当該表示ユニット510(ケース体515)の側部517が一部露出した状態となり、当該露出した部分を遊技情報表示装置500の側方から視認可能となる。以下、この姿勢を「姿勢LV2」と称する。
表示ユニット510の側部517において表示ユニット510が姿勢LV2となることにより視認可能となる部分であって姿勢LV1においては視認不可となる部分には、呼出報知用のランプ部D2が設けられている。このランプ部D2は、上記ランプ部D1と同様に、有色不透明な合成樹脂からなるカバー体と、当該カバー体を通じて表示ユニット510の側方へ光を発する発光体とを有してなる。姿勢LV2となることで発光体の発光制御がなされ、ランプ部D2が黄色に発光することとなる。つまり、姿勢LV2においては、ランプ部D1が緑色且つランプ部D2が黄色となるように発光することとなる。このように、敢えて2つの発光色を併用したことは、表示ユニット510の姿勢LV1と姿勢LV2との違いを視覚的に識別しやすくする工夫である。
図21(d)に示すように、表示ユニット510の突出寸法=突出寸法L3となる突出位置まで表示ユニット510が傾くと、当該表示ユニット510(ケース体515)の側部517が一部露出した状態となり、当該露出した部分を遊技情報表示装置500の側方から視認可能となる。以下、この姿勢を「姿勢LV3」と称する。
表示ユニット510の側部517において表示ユニット510が姿勢LV3となることにより視認可能となる部分であって姿勢LV1,LV2において視認不可となる部分には、呼出報知用のランプ部D3が設けられている。このランプ部D3は、上記ランプ部D1,D2と同様に、有色不透明な合成樹脂からなるカバー体と、当該カバー体を通じて表示ユニット510の側方へ光を発する発光体とを有してなる。姿勢LV3となることで発光体の発光制御がなされ、ランプ部D2が赤色に発光することとなる。つまり、姿勢LV3においては、ランプ部D1が緑色、ランプ部D2が黄色且つランプ部D3が赤色となるように発光することとなる。このように、敢えて3つの発光色を併用したことは、表示ユニット510の姿勢LV1と姿勢LV2との違いを視覚的に識別しやすくする工夫である。
なお、ランプ部D1〜D3を構成しているカバー体や発光体については、必ずしも個別に設ける必要はなく、各ランプ部D1〜D3に個別に対応する発光体が実装された発光基板を1のカバー体によって覆う構成とすることも可能である。但し、このような変更を行う場合であっても、ランプ部D1〜D3については識別可能となるように差違を設定することが好ましい。
因みに、図示を省略しているが、遊技情報表示装置500には、表示ユニット510の姿勢が姿勢LV1〜姿勢LV3となっている場合に当該姿勢の変更を阻止する「阻止手段」としてロック機構が設けられている。これにより、例えば上記呼出ボタン518等が操作されることで、表示ユニット510の駆動機構に過度に大きな負荷が加わることを抑制している。
詳細については後述するが、本実施の形態における表示ユニット510については、例えば係員の呼出操作が行われた場合に、呼出操作が行われてから経過した期間に応じて表示ユニット510の姿勢が変化することにより、係員に経過期間を示唆する機能が付与されている。
また、表示ユニット510の姿勢を変更させる変更条件としては、上記呼出操作だけではなく、パチンコ機10からの出力される所定の外部信号が設定されている。具体的には、前扉枠14の開放に対応する外部信号や内枠13の開放に対応する外部信号が出力されたことに基づいて表示ユニット510が待機位置から突出位置に変位する構成となっている。前扉枠14等の開放を条件として表示ユニット510の姿勢を変化させることにより、前扉枠14等が開放されている事実を係員等が把握しやすくなっている。
次に、図22(a)のブロック図を参照して、遊技システム(遊技情報表示装置500及びパチンコ機10)に係る電気的構成について補足説明する。
既に説明したように、パチンコ機10の外部出力端子板213には複数(例えば10個)の外部出力端子213a〜213jが設けられており、各外部出力端子213a〜213jに接続された配線WH1が遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCに接続されている。ホールコンピュータHCについては、配線WH2を介して遊技情報表示装置500の制御部570に接続されており、パチンコ機10からの外部信号はホールコンピュータHCを介して制御部570に入力されるように構成されている。
例えば、第1の外部出力端子213a(第1端子213a)では、内枠13が開放されたこと及び内枠13が閉位置に復帰したことを契機として2値信号の切り替えを行う。具体的には、内枠13が開放されたことを契機に第1端子213aの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、内枠13の閉位置への復帰を契機に第1端子213aの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて内枠13が開放されている旨を把握する。
第2の外部出力端子213b(第2端子213b)では、前扉枠14が開放されたこと及び前扉枠14が閉位置に復帰したことを契機として2値信号の切り替えを行う。具体的には、前扉枠14が開放されたことを契機に第2端子213bの電位がLOWレベルからHIレベルに切り替わり、前扉枠14の閉位置への復帰を契機に第2端子213bの電位がHIレベルからLOWレベルに切り替わる。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて前扉枠14が開放されている旨を把握する。
制御部570における入出力ポートの入力側には、上記配線WH2だけでなく、呼出ボタン518及び切替ボタン519が接続されており、呼出ボタン518や切替ボタン519からの信号が入力される構成となっている。制御部570にて呼出ボタン518が操作されたことを検知した場合には、表示画面511aの表示内容が係員の呼出しに対応するものに変更する。また、ホルダ530やケース体515には発光体(図示略)が内蔵されているが、これら発光体の発光態様が係員の呼出しに対応するものに変更されることとなる。
制御部570における入出力ポートの出力側には、液晶ディスプレイ511及び駆動部550が接続されており、液晶ディスプレイ511の表示制御や表示ユニット510の姿勢制御が行われる。本実施の形態においては、液晶ディスプレイ511(表示画面511a)における表示態様が複数設定されている。表示態様の切り替えについては、切替ボタン519の操作を契機として行われる場合と、パチンコ機10からの外部信号を契機として行われる場合とがある。
通常遊技状態では、図22(b)の概略図に示すように、主として表示画面511a全体を利用した遊技情報の表示がなされる。具体的には、遊技進行に伴う収支の変化を示すグラフが上側、大当たり回数、初当たり回数、遊技回数(スタート回数)に係る情報が下側となるように表示される。一方、特別遊技状態中は表示態様が特別遊技状態に対応するものに変更され、大当たりの継続回数及び遊技回数(スタート回数)が表示される。
これに対して、上述した呼出操作が行われた場合には、図22(b)の概略図に示すように表示画面511aに呼出中であることを示すメッセージ(例えば「呼出中」)が表示される。このメッセージは呼出操作が解除されることで非表示となり、表示画面511aの表示態様が当該メッセージの表示を行う前の態様に復帰することとなる。また、パチンコ機10から内枠13や前扉枠14が開放中であることを示す外部信号が出力されている場合には、表示画面511aに開放中であることを示すメッセージ(例えば「扉が開いています」)が表示される。
本実施の形態に示す遊技情報表示装置500の制御部570においては、状況に応じて表示ユニット510の表示態様が変更されるだけでなく、表示ユニット510の姿勢が変化することを特徴の1つとしている。ここで、図23のフローチャートを参照して、遊技情報表示装置500の制御部570にて実行される表示ユニット姿勢制御処理について説明する。
(表示ユニット姿勢制御処理)
表示ユニット姿勢制御処理においては先ずステップS501にて表示ユニット510の姿勢が姿勢LV0となっているか否か、すなわち上記待機位置に配されているか否かを判定する。ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS502に進む。ステップS502では、パチンコ機10から開放に係る外部信号(以下、開放信号という)を受信しているか否かを判定する。ステップS502にて肯定判定をした場合、すなわち内枠13及び前扉枠14の何れかが開放されている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では制御部570のROMに記憶されている初期姿勢設定用情報(図24(a)のテーブル参照)に基づいて表示ユニット510の初期姿勢を決定し、姿勢を変更する処理を行う。この処理は、開放信号の受信を前提として実行される処理であり、駆動部550に駆動信号を出力することにより表示ユニット510の姿勢を姿勢LV0→姿勢LV3に変更させる。これにより、表示ユニット510の側部517に設けられたランプ部D1が視認可能となる(図21(d)参照)。なお、これに併せてランプ部D1〜D3を構成している全ての発光体が点灯されることとなる。
ステップS503の処理を実行した後は、ステップS504にて復帰操作の無効期間設定処理を実行した後、本姿勢制御処理を終了する。ここで、本実施の形態においては、開放信号の受信を契機として表示ユニット510の姿勢が変更された場合には、その契機となった開閉体(内枠13又は前扉枠14)が閉位置に復帰するまで復帰操作が無効となるように設定される。つまり、遊技者の操作によって表示ユニット510を待機位置に復帰させることが可能な他の姿勢変更条件と複合した場合であっても、開閉体が閉位置に復帰するまでは表示ユニット510の待機位置への復帰操作が無効となる。
ステップS502の説明に戻り、当該ステップS502にて否定判定をした場合、すなわち開放信号を受信していないと判定した場合には、ステップS505に進む。ステップS505では遊技者により呼出操作(呼出ボタン518の操作)が行われたか否かを判定する。ステップS505にて否定判定をした場合には、そのまま本姿勢制御処理を終了する。一方、ステップS505にて肯定判定をした場合には、ステップS506に進む。ステップS506では制御部570のROMに記憶されている初期姿勢設定用情報(図24(a)のテーブル参照)に基づいて表示ユニット510の初期姿勢を決定し、姿勢を変更する処理を行う。この処理は、呼出操作を前提として実行される処理であり、駆動部550に駆動信号を出力することにより表示ユニット510の姿勢を姿勢LV0→姿勢LV1に変更させる。これにより、表示ユニット510の側部517に設けられたランプ部D1が視認可能となる(図21(d)参照)。なお、これに併せてランプ部D1を構成している発光体が点灯されることとなる。
本実施の形態においては、呼出操作が行われた場合には、表示画面511aの表示態様が呼出しに対応したもの(図22(b2)参照)に切り替わり、且つ表示ユニット510の姿勢が変更されることとなるが、これら2つのタイミングにずれが設定されている。具体的には、表示画面511aの表示態様の切り替えに対して、表示ユニット510の姿勢変更の開始タイミングが遅れるように遅延させる構成となっている。これは、遊技者に呼出操作を有効に受け付けたことを明示することで操作の繰り返しを抑制し、それよりも遅れて表示ユニット510を動作させることにより表示ユニット510が遊技者(手)に当たることを抑制する工夫である。
ステップS506の処理を実行した後はステップS504に進み、復帰操作の無効期間設定処理を実行して、本姿勢制御処理を終了する。今回実行される無効期間設定処理においては、操作無効期間が姿勢LV0→姿勢LV1に変更するのに要する期間と同等となるように設定される。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて否定判定をした場合、すなわち表示ユニット510の姿勢が姿勢LV0でない場合には、ステップS507に進む。ステップS507では表示ユニット510の姿勢が姿勢LV3となっているか否かを判定する。ステップS507にて否定判定をした場合には、ステップS508に進む。
ステップS508では姿勢変更(詳しくは呼出操作)から所定の期間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS508にて肯定判定をした場合にはステップS509に進む。ステップS509では、制御部570に記憶されている表示ユニット510の姿勢更新条件(図24(b)参照)を参照して表示ユニット510の姿勢を更新する処理を行う。
具体的には、呼出操作が行われてから第1所定期間(1分)を経過したタイミングである場合には、表示ユニット510の姿勢を姿勢LV1→姿勢LV2に変更する処理を行う。呼出操作が行われてから第2所定期間(3分)を経過したタイミングである場合には、表示ユニット510の姿勢を姿勢LV2→姿勢LV3に変更する処理を行う。これにより、表示ユニット510の側部517に設けられたランプ部Dにて視認可能となる部分が拡張され、表示ユニット510の外観が変化することとなる。
ステップS509の処理を実行した後はステップS510に進む。ステップS510にて復帰操作の無効期間を設定する処理を行った後は、本姿勢制御処理を終了する。今回実行される無効期間設定処理においては、操作無効期間が姿勢LV0→姿勢LV1に変更するのに要する期間と同等となるように設定する。
ステップS507の説明に戻り、当該ステップS507にて肯定判定をした場合(表示ユニット510の姿勢が姿勢LV3である場合)又はステップS508にて否定判定をした場合(姿勢変更から所定の期間が経過したタイミングでない場合)には、ステップS511に進む。ステップS511では、上記ステップS504又はステップS510にて設定された無効期間中であるか否かを判定する。無効期間中であると判定した場合には、そのまま本姿勢制御処理を終了する。
ステップS511にて否定判定をした場合にはステップS512に進む。ステップS512では、復帰操作(呼出ボタン518における再度の押圧操作)が行われたか否かを判定する。ステップS512にて肯定判定をした場合にはステップS513に進み、パチンコ機10から内枠13又は前扉枠14に係る開放信号を受信しているか否かを判定する。ステップS512にて否定判定をした場合、又はステップS513にて肯定判定をした場合には、そのまま本姿勢制御処理を終了する。
ステップS512にて肯定判定をし且つステップS513にて否定判定をした場合には、ステップS514に進む。その後、ステップS514にて表示ユニット510の待機位置への復帰処理を実行した後、本姿勢制御処理を終了する。待機位置への復帰処理によって、表示ユニット510の姿勢が姿勢LV1〜姿勢LV3→姿勢LV0に戻り、これに併せて上記ランプ部Dが消灯する。
このように、姿勢変更の契機となった条件に応じて表示ユニット510の復帰条件が異なっている(図24(c)参照)。つまり、遊技者の呼出操作に基づいて表示ユニット510の姿勢が変更されている場合には、呼出ボタン518が再度押圧操作(復帰操作)されることで待機位置に復帰し、内枠13や前扉枠14の開放(開放信号)に基づいて表示ユニット510の姿勢が変更されている場合には、開放信号の出力が停止されている状況下にて呼出ボタン518が再度押圧操作(復帰操作)されることで待機位置に復帰するように復帰条件に差が設定されている。
なお、表示ユニット510の復帰条件については任意に変更してもよい。例えば、内枠13や前扉枠14の開放に基づいて表示ユニット510の姿勢が変更されている場合には、開放されている対象が閉位置に復帰して開放信号の出力が停止されたことに基づいて表示ユニット510を待機位置に復帰させる構成とすることも可能である。
ここで、本実施の形態においては、呼出ボタン518を操作することにより、席を離れることなく遊技ホールの係員の呼出しを行うことができる。これにより、遊技者の利便性の向上が図られている。但し、例えば表示ユニット510が呼出操作に基づいて前傾した場合には、操作を行った指に表示ユニット510の呼出ボタン518が当たる可能性がある。詳細については後述するが、呼出しの解除条件として呼出ボタン518の押圧操作が設定されているため、押圧操作を行った直後に呼出ボタン518が再度押圧されることは好ましくない。以上の理由から、無効期間を上述の如く設定することには誤操作を抑制するという技術的意義がある。
また、表示ユニット510の前傾の度合いが呼出期間に応じて大きくなるように構成されている。例えば、表示ユニット510の前傾動作によって遊技者の手や荷物等が呼出ボタン518に当たることで呼出しが自動的に解除されてしまっては、そもそもの呼出機能が上手く発揮されなくなる。この点、本実施の形態においては、呼出期間が第1/第2所定期間となって表示ユニット510の姿勢が変更される場合に呼出ボタン518の操作が一時的に無効化される構成となっている。故に、表示ユニット510の前傾動作に起因した上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
(遊技ホールでの視認性)
ここで、図25を参照して、遊技ホールの島設備にパチンコ機10及び遊技情報表示装置500が設置された状態での当該遊技情報表示装置500の視認性について補足説明する。図25は島設備におけるパチンコ機等の設置状況を示す概略図である。
遊技ホールにおいては、通路を挟んだ両側に当該通路に沿うようにして複数のパチンコ機10が並べて配置されている。これらパチンコ機10の上方には、各パチンコ機10に1対1で対応させて遊技情報表示装置500が配設されている。遊技情報表示装置500については、当該遊技情報表示装置500が対応付けられたパチンコ機10(以下、該当遊技機ともいう)にて遊技を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者や係員等のホール管理者に遊技情報を提供する機能とが付与されている。遊技情報表示装置500は、係員や遊技者が立っている状態で目線の高さに位置しやすくなるように配置されており、係員や遊技者が島設備を見渡す場合の利便性及び視認性の向上が図られている。
特に、上述したように通路を挟んだ両側に遊技情報表示装置500を配列することにより、通路の端から通路全体(島設備全体)を見渡すことができる。ここで、係員が通路の幅方向における中央(図25(a)の「い」参照)にて待機している場合には、ほぼ全ての遊技情報表示装置500が視界に入ることとなる。一方、通路幅方向における片側に偏倚した位置(図25(a)の「あ」「う」参照)にて待機している場合には、自身が待機している側とは反対側の遊技情報表示装置500群については視界に入るものの、自身が待機している側の遊技情報表示装置500群の一部については他の遊技情報表示装置500が邪魔になって視界から外れやすくなる。
具体的には、図25(b)に例示しているように、遊技情報表示装置500Aが手前側且つ遊技情報表示装置500Bが奥側となるように通路方向に並んでいる場合には、手前側に位置する遊技情報表示装置500Aによって死角となる領域(以下、死角領域BE)に遊技情報表示装置500Bが位置することとなり、当該遊技情報表示装置500Bの視認が手前側の遊技情報表示装置500Aによって妨げられることとなる。
このような事情から、例え上述したような発光態様の変更を行ったとしても、表示ユニット510(ランプ部D)自体が隣の手前側の遊技情報表示装置500Aに隠れて見えづらくなる可能性がある。このような事情から、呼出しに対応する上で係員の立ち位置に係る制約が強くなることは呼出しに対する応答性の向上や係員の利便性の向上等を実現する上で好ましくない。
本実施の形態においては、係員の呼出がなされる場合に上述の如く表示ユニット510の姿勢を変化させることにより、島設備の壁面SWからの表示ユニット510の突出量を増大させることが可能となっている。これは上記不都合の発生を抑制する工夫である。ここで、図26の概略図を参照して、係員の呼出しがなされる場合の表示ユニット510の視認性の変化について説明する。図26(1)群は複数の遊技情報表示装置500の位置関係を示す平面図、図26(2)群は図25(b)の「あ」矢視図である。
係員の呼出しが行われていない場合には、図26(a)に示すように、表示ユニット510が待機位置に配置されている。このため、奥側の遊技情報表示装置500Bは、手前側の遊技情報表示装置500Aに隠れており、遊技情報表示装置500B(特に表示ユニット510B)を目視で確認することは困難となっている。
遊技情報表示装置500Bにて係員の呼出操作が行われた場合には、図26(a)→図26(b)に示すように、奥側の表示ユニット510Bの姿勢が姿勢LV0→姿勢LV1に変化することとなる。これにより、表示ユニット510Bの一部(詳しくは上記ランプ部D1)が死角領域BEから突出することとなる。このため、上述したように係員の立ち位置が偏っていたとしても、手前側の遊技情報表示装置500Aに邪魔されることを回避して表示ユニット510Bのランプ部D1の視認性を担保できる。
呼出操作が行われてから第1期間が経過すると、図26(b)→図26(c)に示すように、表示ユニット510Bの姿勢が姿勢LV1→姿勢LV2に変化することとなる。これにより、表示ユニット510Bのランプ部D1,D2が上記死角領域BEから突出する。また、呼出操作が行われてから第2期間が経過した場合、又はパチンコ機10Bから開放信号が出力された場合には、表示ユニット510Bの姿勢が姿勢LV3に変化することとなる。これにより、表示ユニット510Bのランプ部D1〜D3が上記死角領域BEから突出する。
このように、係員の呼出しを行う場合には、島設備の壁面SWからの表示ユニット510Bの突出量を増大させることにより、横並びとなっている他の遊技情報表示装置500(例えば隣の遊技情報表示装置500A)によって、表示ユニット510B全体が隠れることを抑制することができる。このため、遊技情報表示装置500の配列方向(詳しくは延長上)からであっても、表示ユニット510Bが視認可能となり、係員の呼出機能を担保しつつ上述した立ち位置等に係る制約を抑えることが可能となる。
遊技情報表示装置500は、パチンコ機10の直上に位置しており、パチンコ機10に近づけて配置されている。このように、遊技情報表示装置500とパチンコ機10との離れを抑えることは、呼出操作の容易化や遊技情報の視認性向上を実現する上で有利である。しかしながら、このような配置を実現することにより、以下の新たな課題が生じる。具体的には、図27に示すように、表示ユニット510が待機位置から突出位置に変位した状態では、当該表示ユニット510の一部が上記可動演出装置300の動作領域に位置する。つまり、表示ユニット510の動作領域と、可動演出装置300の動作領域とが一部重なっている。表示ユニット510及び可動演出装置300が干渉することは、両構成300,510の保護を図る上で好ましくない。特に、表示ユニット510の呼出ボタン518に可動演出装置300(装飾体310)が当たることは、遊技者の意図に反して呼出しが解除される要因となり得る。
この点、本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、表示ユニット510が突出位置に配置されている状況下においては、可動演出装置300の動作が規制される構成となっていることを特徴の1つとしている。可動演出装置300の動作規制に係る条件として、(1)係員の呼出し操作、(2)内枠13又は前扉枠14の開放、が設定されている。そこで以下、図22(a)のブロック図及び図28のフローチャートを参照して、当該動作規制に係る前提構成について補足説明する。
図22(a)に示すように、遊技情報表示装置500における制御部570(入出力ポート)の出力側には、ホールコンピュータHCを介してパチンコ機10の報知・演出制御装置140が接続されている。呼出ボタン518が操作されて係員の呼出しがなされた場合や、解除操作が行われて呼出しが終了した場合には、その旨を示す信号が遊技情報表示装置500からホールコンピュータHCを経て報知・演出制御装置140に入力されることとなる。これにより、報知・演出制御装置140では係員の呼出しの有無を把握できる構成となっている。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU402にて実行される開放監視処理(ステップS207)について詳しく説明する。
開放監視処理においては、先ずステップS601にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に開放検知フラグがセットされているか否かを判定する。開放検知フラグは、前扉枠14が開放されている場合に格納される前扉枠用の開放検知フラグと、内枠13が開放されている場合に格納される内枠用の開放検知フラグとに大別される。ステップS601においては、これら2つの開放検知フラグの何れも存在していない場合に否定判定を行う。ステップS601にて否定判定を行った場合にはステップS602に進む。
ステップS602では前扉枠14用の開放検知センサ61からの検知情報に基づいて前扉枠14が開放されているか否かを判定する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、ステップS603に進む。ステップS603ではRAM404の各種フラグ格納エリア435に前扉枠用の開放検知フラグをセットする。その後、ステップS604にて特殊演出規制コマンドをセットし、ステップS605にて前扉枠開放用の外部信号の設定処理を実行した後、本開放監視処理を終了する。
特殊演出規制コマンドは、次の通常処理における外部出力処理(ステップS201)にて報知・演出制御装置140に出力される。この特殊演出規制コマンドに基づいて、報知・演出制御装置140により特殊演出が規制されることとなる。また、外部出力処理(ステップS201)では、外部出力端子板213の第2端子213bの電位をLOWレベルからHIレベルに切り替える処理を行う。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて前扉枠14が開放されている旨を把握する。
ステップS602の説明に戻り、当該ステップS602にて否定判定をした場合、すなわち前扉枠14が開放されていないと判定した場合には、ステップS606に進む。ステップS606では内枠13用の開放検知センサ62からの検知情報に基づいて内枠13が開放されている否かを判定する。ステップS606にて否定判定をした場合にはそのまま本開放監視処理を終了する。ステップS606にて肯定判定をした場合には、ステップS607に進む。
ステップS607では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に内枠用の開放検知フラグをセットする。その後、ステップS608にて特殊演出規制コマンドをセットし、ステップS609にて内枠開放用の外部信号の設定処理を実行した後、本開放監視処理を終了する。
特殊演出規制コマンドは、次の通常処理における外部出力処理(ステップS201)にて報知・演出制御装置140に出力される。この特殊演出規制コマンドに基づいて、報知・演出制御装置140では特殊演出が規制されることとなる。また、外部出力処理(ステップS201)では、外部出力端子板213の第1端子213aの電位をLOWレベルからHIレベルに切り替える処理を行う。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて内枠13が開放されている旨を把握する。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に上記2つの開放検知フラグのうち少なくとも一方がセットされている場合には、ステップS610に進む。ステップS601では、開放検知センサ61,62からの検知情報に基づいて前扉枠14及び内枠13の両者が閉位置に配置されているか否かを判定する。ステップS610にて否定判定をした場合には、そのまま本開放監視処理を終了する。ステップS610にて肯定判定をした場合には、ステップS611〜S613の閉鎖用処理を実行する。
閉鎖用処理においては、先ずステップS611にてRAM404の各種フラグ格納エリアに設けられている開放検知フラグを消去する。その後、ステップS612にて特殊演出規制解除コマンドをセットし、続くステップS613にて外部信号の設定解除処理を実行した後、本開放監視処理を終了する。
特殊演出規制解除コマンドは、次の通常処理における外部出力処理(ステップS201)にて報知・演出制御装置140に出力される。この特殊演出規制解除コマンドに基づいて、報知・演出制御装置140における特殊演出の規制が解除されることとなる。また、外部出力処理(ステップS201)では、外部出力端子板213の第1端子213a及び第2端子213bの電位をHIレベルからLOWレベルに切り替える処理を行う。ホールコンピュータHC及び遊技情報表示装置500の制御部570においては、この外部信号に基づいて内枠13及び前扉枠14が閉位置に復帰した旨を把握する。なお、第1端子213a及び第2端子213bの一方の電位がLOWレベルとなっている場合には、当該電位はそのまま維持されることとなる。
既に説明したように、遊技回毎の演出態様についての概要は主制御装置162のMPU402にて決定され、その決定された内容に基づいて報知・演出制御装置140のMPUでは演出態様の詳細を決定する構成となっており、遊技結果(大当たり結果となる可能性があること)を示す演出の1つとして、上記可動演出装置300を用いた特殊演出が実行される場合がある。特殊演出は、図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される図柄の変動表示と可動演出装置300とを用いて実行される連動演出(一体的な演出)である。
演出態様の詳細を決定する上では、上記呼出しの有無や開放監視の結果が反映される。ここで、図29(a)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPUにて実行される演出態様決定処理について説明する。演出態様決定処理は、報知・演出制御装置140のMPUにて定期処理の一環として実行される処理である。
(演出態様決定処理)
演出態様決定処理においては先ず、ステップS701にて主制御装置162から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドは、主表示部の作動口用表示部にて絵柄の変動表示が開始される場合に主制御装置162から報知・演出制御装置140に送信されるコマンドである(ステップS408参照)。ステップS701にて否定判定をした場合には、そのまま本演出態様決定処理を終了する。ステップS701にて肯定判定をした場合にはステップS702に進む。
ステップS702では、該当遊技機にて遊技者による係員の呼出しが行われているか否かを判定する。具体的には、遊技情報表示装置500からホールコンピュータHCを経由して係員の呼出しが行われている旨を示す信号が入力されているか否かを判定する。
ステップS702にて否定判定をした場合には、ステップS703に進む。ステップS703では、特殊演出が規制されている最中であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から上記特殊演出規制コマンドを受信した場合には報知・演出制御装置140のRAMに特殊演出規制フラグが格納される構成となっている。ステップS703では当該特殊演出規制フラグが格納されているか否かを判定する。なお、この特殊演出規制フラグについては、上記特殊演出規制解除コマンドを受信した場合に消去される。
ステップS703にて肯定判定をした場合、すなわち呼出中ではなく内枠13及び前扉枠14が開放されているわけでもない場合には、ステップS704に進み演出態様第1設定処理を実行した後、本演出態様決定処理を終了する。演出態様第1設定処理においては、ROMに記憶された演出態様第1設定テーブルが参照されることとなるが、当該テーブルには上記特殊演出が選択対象(候補)の1つとして登録されている。
ステップS702又はステップS703にて肯定判定をした場合にはステップS705に進み、演出態様第2設定処理を実行した後、本演出態様決定処理を終了する。演出態様第2設定処理においては、ROMに記憶された演出態様第2設定テーブルが参照されることとなるが、当該テーブルには上記特殊演出が選択対象(候補)として登録されていない。つまり、呼出中である場合、又は内枠13及び前扉枠14の何れかが開放中である場合には、特殊演出が遊技回用の演出として設定されないように規制されている。これにより、可動演出装置300と遊技情報表示装置500との干渉が抑制される。
但し、呼出操作が行われるタイミングや、内枠13等が開放されるタイミングについては、必ずしも演出態様の決定を行う前とは限らない。つまり、演出態様が決定された後に(詳しくは特殊演出に係る遊技回が実行されている最中に)、呼出操作が行われたり内枠13等が開放されたりする可能性を否定できない。本実施の形態においては、このような事象への配慮がなされている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPUにて実行される遊技回用処理の一環として演出変更処理が設けられている。以下、図29(b)のフローチャートを参照して、当該演出変更処理について説明する。
(演出変更処理)
演出変更処理においては、先ずステップS801にて主制御装置162から特殊演出規制コマンドを受信したタイミングであるか否かを判定する。ステップS801にて否定判定をした場合には、ステップS802に進む。ステップS802では該当遊技機にて遊技者による係員の呼出しが行われているか否かを判定する。具体的には、遊技情報表示装置500からホールコンピュータHCを経由して係員の呼出しが行われている旨を示す信号が入力されているか否かを判定する。ステップS801及びステップS802の両方にて否定判定をした場合には、そのまま本演出変更処理を終了する。一方、ステップS801及びステップS802の何れかにて肯定判定をした場合には、ステップS803に進む。
ステップS803では特殊演出が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS803にて否定判定をした場合、例えば特殊演出が実行される前のタイミングである場合には、ステップS804に進む。ステップS804では可動演出装置300の動作規制処理を実行する。これにより、本来であれば当該遊技回にて可動演出装置300が動作する流れであるところ、可動演出装置300の動作が不可となる。
ステップS803にて肯定判定をした場合、すなわち特殊演出中である場合には、ステップS805に進む。ステップS805では、可動演出装置300を待機状態へ復帰させる処理を実行する。つまり、演出位置へ向けて装飾体310が移動している場合や、装飾体310が既に演出位置に到達している場合には、当該装飾体310を強制的に待機位置に復帰させる処理を実行する。これにより、可動演出装置300と遊技情報表示装置500との干渉が抑制されることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が発揮される。
遊技ホール等の島設備においては複数の遊技機が横並びとなるようにして設置されることが多い。また、遊技機の下部については貯留皿等によって視認性が妨げられやすい。これらの事情等により、遊技機の左右両側や下側については遊技機外の空間を可動式の演出装置の動作領域として利用するのは困難である。これに対して、遊技機の上方については例えば当該遊技に対応付けられた遊技情報表示装置は存在するものの、基本的には空き領域となっている。また、当該空き領域は着席した状態では例えばハンドル装置等の遊技部品と比べて遊技者の手が届きにくい位置である。故に、可動演出装置300(装飾体310)の動きが遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。このように、遊技機外(上方)を動作領域とすることにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。
しかしながら、遊技機外に可動演出装置300(装飾体310)が突出する構成においては、遊技機内部に格納された可動演出装置とは異なり、その動きが妨げられる可能性を完全に否定することはできない。例えば、前扉枠14の上部(膨出部35)が財布等の荷物置き場として利用された場合には、当該荷物と装飾体310とが干渉し得る。また、遊技情報表示装置500を操作すべく手を伸ばした場合には、手と装飾体310とが干渉するとも想定される。このように装飾体310の動作が妨げられた場合には、装飾体310等に加わる負荷が大きくなる。これは装飾体310や当該装飾体310に付随する構成に変形等が発生し、動作不良等の不都合が発生する要因になると想定される。折角パチンコ機10の上方となる領域を装飾体310用の動作領域MEとして活用することにより演出範囲の拡大等を実現したとしても、動作不良等が発生しては、装飾体310を用いた演出機能が低下し、その存在意義が損なわれると懸念される。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、装飾体310の動作領域が確保されているか否かを監視して、動作領域が確保されていない場合には、装飾体310の演出位置への移動(特殊演出)が規制される。このため、装飾体310等に無理な負荷が加わる等して、上述した動作不良等が生じることを回避できる。以上の理由から可動演出装置300に係る演出機能の低下を好適に抑制できる。
パチンコ機10外での装飾体310の動きとパチンコ機10内(図柄表示装置253)での図柄表示とを関連付けることにより既存のパチンコ機10の枠組みを超えた斬新な遊技演出(特殊演出)を行うことができる。但し、このような特殊演出を行う場合には、途中で装飾体310の動きが取り止めになってしまっては演出の見栄えが低下すると懸念される。この点、本実施の形態に示すように、演出態様を決定する時点で装飾体310の動作領域が確保できていない場合にはその選択候補から特殊演出を外す構成とすれば、特殊演出が不完全なまま実行される機会を減らすることができる。故に、特殊演出に係る見栄えの低下を好適に抑制できる。
特殊演出に係る遊技回においては、図柄の変動表示が開始されてから特殊演出の実行タイミングとなるまでの間にある程度の期間が設けられている。このように、特殊演出の開始を変動表示の開始よりも遅らせることにより、遊技者が当該遊技回が特殊演出に対応しているか否かを即座に把握できるようになることを回避して、特殊演出非対応の遊技回であっても特殊演出実行への期待感が早々に低下することを抑制している。しかしながら、この種の構成においては、図柄の変動表示が開始されるまでの間に特殊演出を妨げるような事象が発生する可能性が高くなる。この点、本実施の形態においては、図柄の変動表示が開始された後に再度装飾体310の動作の可否を確認する構成とすることにより、上述した効果を好適に補完することができる。
パチンコ機10の上方に位置する遊技情報表示装置500については、状況に応じて姿勢が変更される構成となっている。具体的には、係員の呼出しが必要な状況にて遊技機前方への突出量が増加する構成となっている。遊技情報表示装置500ではランプ部Dの発光態様(例えば点灯色)や表示画面511aの表示態様を呼出しに対応にしたもの変更することにより、目視での確認が促される。ここで、上述したように、遊技ホールの島設備等においては複数の遊技機が通路に沿って横並びとなるように配列されていることが多い。この場合、係員は通路の端に待機していれば、通路全体を見渡すことができる。しかしながら、例え上述したような発光態様等の変更を行ったとしても、ランプ部Dや表示画面511a自体が隣の遊技情報表示装置に隠れて見えづらくなる可能性がある。このような事情から係員の立ち位置に制約が生じることは呼出しに対する応答性の向上や係員の利便性の向上等を実現する上で好ましくない。この点、本実施の形態に示すように、所定の呼出操作が行われた場合に表示ユニット510の突出量を増大させる構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
但し、この種の遊技情報表示装置500が設けられている場合には、可動演出装置300の装飾体310と遊技情報表示装置500の表示ユニット510との衝突が発生しやすくなる。これは、装飾体310や表示ユニット510等の変形や破損等を招く要因となり得る。この点、上述したように、表示ユニット510が前傾する状況、すなわち装飾体310の動作領域の確保が難しい状況となった場合には、装飾体310による特殊演出を規制することにより、可動演出装置300に係る演出機能や遊技情報表示装置500に係る表示機能を好適に担保することができる。
また、表示ユニット510の前傾は、呼出ボタン518の押圧操作によって解除される場合があるが、当該呼出ボタン518に対して装飾体310が当たることを抑制できる。これにより、表示ユニット510の前傾が誤って解除されることを回避できる。
複数の遊技機にて呼出しが発生している場合には対応順序を間違うことで遊技者に不快感を与えたり対応の遅れから遊技者が不利益を被ったりする可能性が高まる。この点、実施の形態に示すように経過期間に応じて張出量を増加させる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
上記課題を解決しようとした場合には、例えば経過時間等を明示する構成とすることも可能である。しかしながら、このように過度に直接的な情報は、対応が遅れていることを遊技者が把握しやすくなって、対応の遅れに対する不快感を煽る要因になりかねない。特に、他の遊技者との比較が容易となることで、自分よりも後に呼出しを行った遊技者への対応が優先された(先行された)場合等には、当該遊技ホールでの遊技への意欲を低下させる要因ともなり得る。この点、本実施の形態に示すように、遊技中の遊技者からは差を図りにくい「張出量」によって経過期間を示すことにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、表示ユニット510においては、待機位置に配置されている状態では視認不可となり、突出位置に配置されている状態にて視認可能となる部分に呼出報知用のランプ部Dが設けられている。このように、通常では視認が妨げられている部分にランプ部Dを設けることで、呼出しを行っている場合と行っていない場合との見た目を明確に変化させることができる。また、遊技者からは見えにくい表示ユニット510の側部517をランプ部Dの配設対象とすることにより、表示ユニット510の姿勢等から経過期間を把握することを難しくすることができる。特に、張出量の変化に応じて報知態様が変化する構成によれば、張出量が変化していること自体は把握できたとしてもそれによる報知態様の変化については、上記理由から把握困難となる。つまり、張出量の変化によって視認可能となる表示ユニット510の側部517にランプ部Dを設けた構成と張出量の変化によって報知態様が変化する構成との組み合わせには技術的意義が存在する。
呼出操作によって表示ユニット510の張出量が増大する構成においては、突出位置への移動に伴って当該表示ユニット510が呼出操作を行った手(指)に当たると、突出位置への移動が妨げられる可能性が生じる。そこで、敢えて突出位置への移動の開始タイミングを遅らせる構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
呼出操作→表示ユニット510の突出位置への移動開始を遅らせることが応答性の低下につながる。このため遅延の度合いを無暗に大きくすると、呼出操作を上手く行うことができなかったとの誤認が生じると想定される。そこで、呼出操作が行われた場合に先ず表示画面511aにて呼出対応情報を表示することにより、遅延=操作ミス又は故障であるかのような印象を与えることを回避できる。
張出量を変化させる上では、例えば表示ユニット510を前後にスライド移動させることも可能である。しかしながら、このような変化は、遊技情報表示装置500の斜め下方及び遊技情報表示装置500の側方のいずれから見ても認識が容易となる。このため、突出位置に配置された状態での表示ユニット510の張出量の変化がどの程度であるかを着座している遊技者からの容易に識別可能となってしまう。この点、表示ユニット510を回動させることで張出量を変化させる構成においては、遊技者が注視している状況にて待機位置→突出位置に切り替わる場合には、その動きを把握しやすくても、目線が表示ユニット510から外れた状態(突出位置に配置された状態)では遊技者側に向けて回動するため、張出量の変化が把握されやすくなることを抑制できる。
また、上述した通路についてはある程度の奥行きがある場合に、遊技機群を側方ではなく斜め側方から見ることで、両隣の遊技情報表示装置500との張出量の差を識別しづらくなると想定される。この点、傾き自体を変える構成とすれば、両隣の遊技情報表示装置500との姿勢の違いを明確にすることができ、張出量の変化を把握しやすくなる。
本実施の形態に示す遊技システムによれば、パチンコ機10から出力される外部信号に基づいてパチンコ機10の状態や遊技の状況等を把握することができる。ここで、例えば遊技領域PEにて球詰まりが発生した場合や図柄表示装置253等の表示エラー等が発生した場合には、内枠13や前扉枠14(扉体等)を開放して上記不都合を解消する作業が行われる場合がある。そこで、本実施の形態に示すように、特定の信号を出力している場合には、可動体の第2状態への切り替えを規制する構成とすれば、例えばエラー発生時には、可動体を第1状態に留めることにより、可動体の動きが作業の邪魔になるといった不都合の発生を好適に回避することができる。
遊技の状況に応じて遊技情報表示装置500(表示ユニット510)の姿勢を変更することにより、遊技情報表示装置500と遊技機との間に存在する空間を拡張したり縮小したりすることが可能となる。これにより、遊技機と遊技情報表示装置500との間の空間を可動演出装置300の動作領域として利用しやすくなり、この種の演出装置の採用ひいては演出装置の大型化を促進することができる。これにより、遊技情報表示装置500とパチンコ機10とを好適に共存させることができる。
更に、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とをできるだけ近づけて配置することには上記遊技情報の視認性を向上できるという技術的意義があるものの、このような配置が上述した可動演出装置の採用を妨げる要因になり得る。この点、上述したように表示ユニット510の姿勢を変更させることで動作領域を確保することができれば、パチンコ機10と遊技情報表示装置500とをできるだけ近づけて設置することが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
表示ユニット510は当該表示ユニット510における下側の端部にて軸支されており、表示ユニット510はこの軸支部分を中心として回動可能となっている。演出位置に配置されている状態では、表示ユニット510の向きが水平となることにより、前後方向にて回動中心軸線CL1に対する表示ユニット510の重心Gのずれが小さくなる。これにより、表示ユニット510の支持負荷を軽減することができ、演出位置に保持するための構成の簡略化に貢献できる。
また、該当遊技機にて遊技機を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者やホール管理者等に遊技情報を提供する機能の2つの提供機能を比較した場合には、遊技者に対する情報提供の機能を強化することが好ましい。ここで、本実施の形態に示す構成によれば、演出位置から待機位置に復帰する際の復帰動作開始に伴う抵抗を軽減することができ、復帰時の応答性の向上に貢献できる。故に、上述した遊技者に対する情報提供の機能を強化に貢献できる。
表示ユニット510を回動式とした場合には、「操作部」としての呼出ボタン518等が遊技者によって押された場合に、その操作力(押圧力)が表示ユニット510を回動させるように作用し得る。特に、表示ユニット510が前傾した状態に維持される構成においては、該当遊技機にて遊技中の遊技者が手を伸ばして下側から呼出ボタン518等を操作する際の操作性の向上に寄与できる。
但し、操作性を向上させることにより、表示ユニット510に加わる操作力が大きくなり得る。このような操作力によって、表示ユニット510にぐらつき等の変形が生じた場合には、操作性が低下するばかりか表示ユニット510の回動機能に支障をきたしかねない。この点、本実施の形態に示すように、遊技者に近い下端部を回動基端部とし且つこの回動基端部寄りとなる位置に呼出ボタン518を配置する構成とすれば、呼出ボタン518等へのアクセスを容易にしつつ、呼出ボタン518が押された場合の操作力に起因したモーメントを軽減して上述したような悪影響を抑えることが可能となる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、係員の呼出しが行われていることを示す信号を遊技情報表示装置500からパチンコ機10に入力してパチンコ機10と遊技情報表示装置500との連携を図ることにより、可動演出装置300と表示ユニット510との干渉を回避する構成としたが、本実施の形態ではこの干渉回避に係る構成が第1の実施の形態と相違している。具体的には、パチンコ機10X自身にて可動演出装置300Xの動作領域が確保されているか否かを監視し、その監視結果に基づいて可動演出装置300Xによる特殊演出の可否を決める構成を有し、当該監視機能が遊技情報表示装置500に依存していない点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図30を参照して、動作領域が確保されているか否かの把握に係る構成について説明する。図30(a)は第2の実施の形態におけるパチンコ機10Xと遊技情報表示装置500との位置関係を示す正面図、図30(b)はパチンコ機10Xと遊技情報表示装置500との位置関係を示す側面図である。
前扉枠14Xの膨出部35Xにて可動演出装置300を収容している収容部36の周りには、当該収容部36の開放部分の縁(開口縁)に沿うようにして静電容量型の近接センサ350Xが複数配設されている。詳しくは、収容部36の前方及び側方となる部分が近接センサ350Xの配設箇所となっている。
膨出部35Xにて収容部36の開口縁よりも前側となる部分には、上記発光基板27aを収容する基板収容部27bXが形成されている。収容部36の前方に配設された近接センサ350Xについては、この基板収容部27bX内に発光基板27aの上方に位置するようにして収容されている。なお、この基板収容部27bXの天井部分には、遊技機上方に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を通じて近接センサ350Xが露出している。
また、基板収容部27bの左右にはスピーカ収容部が形成されている。収容部36の側方に配設された近接センサ350Xについては、このスピーカ収容部内にスピーカの上方に位置するようにして収容されている。なお、スピーカ収容部の天井部分には遊技機上方に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を通じて近接センサ350Xが露出している。
近接センサ350Xは、予め設定された検知領域DE内に物体が侵入した場合に、静電容量が変化する構成となっており、この静電容量の変化によって物体の侵入を検知するように構成されている。検知領域DEは、装飾体310の動作領域ME(詳しくは遊技機外側での動作領域)を含み且つ当該動作領域MEよりも上方及び前方に拡がっている。これにより、動作領域MEに侵入した物体だけでなく動作領域MEの周辺に到達した物体についても捕捉し得る構成となっている。
図30(b)に示すように、表示ユニット510が待機位置に配置されている状態では、表示ユニット510の検知領域DEへの侵入が回避されている。一方、表示ユニット510が突出位置に配置された場合には当該表示ユニット510が検知領域DEに侵入することとなる。つまり、表示ユニット510が突出位置に変位した場合には、その旨が近接センサ350Xによって検知されることとなる。
近接センサ350Xは、報知・演出制御装置140の報知・演出制御基板に接続されており、報知・演出制御装置140のMPUでは当該近接センサ350Xからの検知情報(検知信号)に基づいて動作領域MEが確保されているか否かを把握する。ここで、図31のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPUにて動作領域MEが確保されているか否かを監視すべく実行される障害物監視処理について説明する。障害物監視処理については、報知・演出制御装置140のMPUにおける定期処理の一環として実行される処理である。
(障害物監視処理)
障害物監視処理においては先ず、ステップS901にて可動演出装置300に係る上記特殊演出が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、そのまま本監視処理を終了する。つまり、特殊演出の開始〜終了までは一時的に障害物の監視が回避されることとなる。これにより、動作領域MEに到達した装飾体310が障害物として誤認されることを抑制している。
ステップS901にて否定判定をした場合にはステップS902に進む。ステップS902では、近接センサ350Xから検知情報を読み込み、この読み込んだ情報に基づいて検知領域DEへの侵入の有無を把握する。ステップS902の処理を実行した後は、ステップS903に進み、動作領域ME(詳しくは検知領域DE)への侵入が発生しているか否かを判定する。
ステップS903にて肯定判定をした場合には、ステップS904にてRAMの各種フラグ格納エリアに特殊演出規制フラグを格納して本監視処理を終了する。これにより、以降は特殊演出規制フラグが消去されるまで、特殊演出の設定及び実行が規制されることとなる。
ステップS903にて否定判定をした場合にはステップS905に進む。ステップS905では特殊演出規制フラグの消去条件が成立したか否かを判定する。本実施の形態においては、動作領域MEが確保された場合に直ちに特殊演出規制フラグが消去されるのではなく、一旦特殊演出規制フラグが格納された後は予め設定された所定期間を経過するまで当該特殊演出規制フラグが維持されるように構成されている。
ステップS905にて否定判定をした場合、すなわち所定期間が経過していないと判定した場合には、そのまま本監視処理を終了する。一方、ステップS905にて肯定判定をした場合には、ステップS906に進む。ステップS906においては、RAMの各種フラグ格納エリアに格納されたている特殊演出規制フラグを消去する。これにより、上述した特殊演出の設定及び実行に係る規制が解除されることとなる。
次に、図32(a)のフローチャートを参照して、本実施の形態における演出態様決定処理について説明する。
(演出態様決処理)
演出態様決定処理においては先ず、ステップS1001にて主制御装置162から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドは、主表示部の作動口用表示部にて絵柄の変動表示が開始される場合に主制御装置162から報知・演出制御装置140に送信されるコマンドである(ステップS408参照)。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本演出態様決定処理を終了する。ステップS1001にて肯定判定をした場合にはステップS1002に進む。
ステップS1002では、RAMの各種フラグ格納エリアに上記特殊演出規制フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003に進み演出態様第1設定処理を実行した後、本演出態様決定処理を終了する。演出態様第1設定処理においては、ROMに記憶された演出態様第1設定テーブルが参照されることとなるが、当該テーブルにおいては上記特殊演出が選択対象(候補)の1つとして登録されている。
ステップS1002にて肯定判定をした場合にはステップS1004に進み、演出態様第2設定処理を実行した後、本演出態様決定処理を終了する。演出態様第2設定処理においては、ROMに記憶された演出態様第2設定テーブルが参照されることとなるが、当該テーブルにおいては上記特殊演出が選択対象(候補)として登録されていない。つまり、特殊演出規制フラグが格納されている場合、すなわち検知領域DEへの侵入が発生している場合には、特殊演出が遊技回用の演出として設定されないように規制される。
但し、検知領域DEへの侵入が発生するタイミングについては、必ずしも演出態様の決定を行う前とは限らない。つまり、演出態様が決定された後に(詳しくは特殊演出に係る遊技回が実行されている最中に)、検知領域DEへの侵入が発生する可能性を否定できない。本実施の形態においては、このような事象への配慮がなされている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPUにて実行される遊技回用処理の一環として特殊演出開始処理に工夫がなされている。以下、図32(b)のフローチャートを参照して、当該特殊演出開始処理について説明する。
(特殊演出開始処理)
特殊演出開始処理においては先ず、ステップS1101にて特殊演出を開始するタイミング、すなわち可動演出装置300の装飾体310の動作を開始させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1101にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊演出開始処理を終了する。ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102に進む。ステップS1102ではRAMの各種フラグ格納エリアに特殊演出規制フラグが格納されているか否かを判定する。
当該遊技回の開始前に特殊演出規制フラグが格納された場合には、演出態様を決定する際にその候補から特殊演出が外れることとなる。一方、当該遊技回の開始後に特殊演出規制フラグが格納された場合には、特殊演出が設定されている状況下にて当該特殊演出が規制されることとなる。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、可動演出装置300のソレノイド320を駆動させる処理を行った後、本特殊演出開始処理を終了する。一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1104に進み代替演出開始処理を実行した後、本特殊演出開始処理を終了する。
つまり、急遽特殊演出を規制すべき状況となった場合には、ソレノイド320を駆動させる代わりに、代替演出を開始する。表示制御装置410のROMには、代替演出用の画像が記憶されており、代替演出の実行時には当該代替演出用の画像が図柄表示装置253の表示画面253aに表示されることとなる。
前扉枠14に遊技機前方に膨出する膨出部35Xが形成されている場合には、当該膨出部35Xが財布等の荷物を置く荷物置き場として利用されることがある。装飾体310が演出位置に配置されていれば当該装飾体310によって上記行為が妨げられることとなるものの、装飾体310が待機位置に配置されている状況はこの限りでない。
ここで、本実施の形態においては非接触式(静電容量型)の近接センサ350Xによって装飾体310の動作領域MEを監視しているため、装飾体310が動作して上記荷物や遊技者の手等に当たることを好適に抑制できる。これにより、可動演出装置300の保護機能の強化に貢献できる。なお、表示ユニット510との関係においては、当該表示ユニット510と装飾体310との干渉を事前に察知することができるため遊技情報表示装置500及び可動演出装置300Xの保護に好適に貢献できる。
但し、装飾体310が動作を開始した場合に近接センサ350Xによって当該装飾体310を検知してしまっては監視手段の意味がない。例えば、材質等を識別可能なセンサを採用すればこのような不都合の発生を回避できるものの、監視の高機能化に起因したコスト増によって上述した干渉回避機能の利用促進が妨げられることになると想定される。この点、本実施の形態に示したように、装飾体310の動作開始〜待機位置への復帰まで上記監視(規制)を行わない構成とすることにより、簡易な構成によって非接触式の検知手段の弱点を補うことができる。
装飾体310の動作中は規制を行わない場合には遊技者が動作開始時等に荷物を置こうとした際にこれを察知しきれずに装飾体310と荷物等とが干渉し得る。故に、単に上記無効期間を設けただけでは、規制機能が及ばない隙(期間)が発生してしまう。ここで、パチンコ機10は島設備等に設置された状態にてその前面部分が前方に露出する構成であり、上記動作領域MEへのアクセス経路は遊技機前方からに限られる。そこで、可動演出装置300が収容されている収容部36よりも前側に近接センサ350Xを配設すれば、上述した行為を動作領域MEに到達する前に捕捉することができる。故に、上記隙の存在が干渉防止機能を低下させる要因になることを抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記第2の実施の形態では、静電容量型の近接センサ350Xによって装飾体310の動作領域MEを監視する構成とし、動作領域ME内への障害物の侵入を検出した場合に可動演出装置300Xによる特殊演出を規制する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、近接センサ350Xに代えて光学式(例えば赤外線式)の近接センサ355Yを設けてもよい。
この場合、図33(a)の概略図に示すように前扉枠14Yにおける膨出部35の左右の端部に上方に起立する起立部を設け、これら起立部によって装飾体310の動作領域を挟む。これら起立部の一方に発光素子355aYを設け、他方に発光素子355aYからの光が照射される受光素子355bYを配設する。そして、発光素子355aYから光が照射されている状況にて発光素子355aYからの光を受光素子355bYが受信できていない場合には、動作領域内への侵入が発生していると判断する構成とするすればよい。
なお、本変形例に示す構成においては対をなす部材によって「検知手段」を構築したが、上記第2の実施の形態に示したように対の構成を必須としない「検知手段」を採用する上では、上記静電容量型の近接センサ350Xに代えて、ミリ波レーダ等のレーダを採用することも可能である。
(2)上記実施の形態においては、装飾体310の演出位置への移動に先行して近接センサ350Xにより動作領域MEが確保されているか否かを把握する構成としたが、動作領域MEが確保されているか否かの確認を装飾体310の動作に基づいて確認する構成とすることも可能である。以下、変形例に示す技術的思想を具現化した場合の具体例について説明する。
(2−1)「可動体」としての装飾体310が演出位置へ移動困難であることを把握する上では、上述した近接センサ350Xを必須とするものではない。例えば、装飾体310の動きが正常であるか否かに基づいて動作領域MEが確保されているか否かを事後的に把握する構成とすることも可能である。
例えば、装飾体310が演出位置に配置されていることを検知する位置検知センサを設け、装飾体310が移動を開始してから予め設定されている移動期間が経過しても当該装飾体310が演出位置に到達しない場合には、ソレノイド320への駆動信号の出力を停止して特殊演出を中断又は強制終了させる構成としてもよい。
また、装飾体310が待機位置に配置されていることを検知する位置検知センサを設け、装飾体310が移動を開始してから予め設定されている移動期間を経過しても当該装飾体310が待機位置に留まっている場合には、ソレノイド320への駆動信号の出力を停止して特殊演出を中断又は強制終了させる構成としてもよい。
(2−2)装飾体310用の「駆動部」としてソレノイド320の代わりにモータを採用する場合には、当該モータに駆動信号を出力した際に発生する負荷に応じて、装飾体310の移動を妨げるような力が加わっているか否かを把握する構成としてもよい。すなわち、モータに加わる負荷を検出する負荷検出部を設け、この負荷検出部からの検知情報が報知・演出制御装置140のMPUに出力される構成としてもよい。ここで、図33(b)を参照し、報知・演出制御装置140のMPUにて実行される特殊演出用処理について説明する。
特殊演出用処理においては先ず、ステップS1201にて装飾体310が演出位置へ向けた移動中であるか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊演出用処理を終了する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進む。
ステップS1202では負荷検出部からの検知情報に基づいて装飾体310(モータ)に加わっている負荷を算出する。続くステップS1203ではステップS1202にて算出した負荷の値と、予め設定されている想定負荷の値(規定値)とを比較する。この規定値については、装飾体310の動きを妨げらえていない場合の負荷に余裕代を付与した設計値であり、装飾体310の動きを妨げるような障害の有無を判別するための閾値として利用されている。
算出した負荷が規定値を超えていない場合には、そのまま本特殊演出用処理を終了する。一方、算出した負荷が規定値を超えている場合には、ステップS1205にて駆動信号の出力停止処理を実行した後、本特殊演出用処理を終了する。負荷が規定値を超えている場合には、モータへの駆動信号の出力を中止して無理に装飾体310を動かさないように規制することにより、装飾体310等に係る負荷が過剰になることを回避できる。
(2−3)実際に障害物に対して装飾体310が当たったことに基づいて障害物の有無を把握する上では、装飾体310に圧力センサを配設することも可能である。但し、装飾体310の見栄えを維持する点に配慮した場合には、圧力センサを装飾体310の表面部分に配設するのではなく、装飾体310に内蔵する等の工夫を施すことが好ましい。
(3)上記第2の実施の形態では、「検知手段」としての近接センサ350Xを収容部36の上側開放部分(開口)の側方及び前方となる位置に当該開口に沿うようにして配列したが、開口を囲むようにして近接センサ350Xを配置することも可能である。但し、可動演出装置300(装飾体310)の動作領域MEへのアクセス経路が限定されており、専ら遊技機前方からアクセスされる点に着目すれば、少なくとも開口の前方となる位置に配置されているのであればよい。
また、上記第2の実施の形態においては、検知領域DEが動作領域MEを含み且つ動作領域MEよりも前方に拡がる構成とした。これにより、監視が解かれる期間(隙)が存在する場合であっても動作領域MEへ向けた物体の移動を事前に把握して、上記隙の影響を抑える構成とした。但し、少なくとも動作領域MEが検知領域DEと一致又は含まれている関係となっているのであれば足り、必ずしも動作領域MEよりも前方の領域を監視対象に含める必要はない。
(4)可動演出装置300用の収容部36の周囲に配設された近接センサ350Xについては可動演出装置300(装飾体310)の動作領域MEから外れている。このように動作領域から外れた位置に配置された近接センサ350Xよって動作領域MEを監視する上では、例えば近接センサ350Xを動作領域ME側に傾けて配置する等の工夫が必要となる。但し、このような配置とした場合には、検知範囲の設定がシビアになって、検知精度を担保することが難しくなり得る。そこで、より効率よく動作領域MEを監視する上では、近接センサの配設対象を枠体20の膨出部35から装飾体310に変更することも可能である。
(5)上記第1の実施の形態では、係員の呼出し操作が行われてから経過した期間に応じて島設備の壁面SWからの表示ユニット510の突出量が大きくなる構成としたが、経過期間に応じて表示ユニット510の突出量が変化するのであれば、その具体的に態様については任意である。例えば、経過期間に応じて突出量が小さくなる構成とすることも可能である。
但し、並設されている他の遊技情報表示装置によって視認が困難になることを抑制する上では、期間の経過に伴って突出量を増加させることには、呼出中であることを強調するという技術的意義がある。
(6)上記第1の実施の形態では、姿勢LV1〜姿勢LV2と姿勢LV2〜姿勢LV3との角度変化量を共通としたが、これに限定されるものではない。前者を後者よりも大きくしたり、後者を前者よりも大きくしたりすることも可能である。
(7)上記第1の実施の形態では、呼出ボタン518の操作に係る呼出信号をホールコンピュータHCを経由してパチンコ機10に伝える構成としたが、これを変更して、遊技情報表示装置500からパチンコ機10に直接(ホールコンピュータHC非経由で)伝える構成とすることも可能である。
(8)上記各実施の形態では、可動演出装置300の装飾体310を回動式としたが、パチンコ機10の外側となる領域を動作領域として活用できるのであれば、その動作態様については任意である。例えば、装飾体がスライド移動することにより演出位置/待機位置に移る構成とすることも可能である。
また、上記実施の形態で示した装飾体310を複数に分割して、それら各ピースを個別に移動させる構成とすることも可能である。複数のピースに分割して、各ピースを演出位置に集合させる構成とすれば、装飾体の大型化を促進した場合であっても特殊演出実行時の応答性が悪化することを抑制できる。
(9)上記各実施の形態では、可動演出装置300を「扉体」としての前扉枠14に配設する構成としたが、可動演出装置300の配設対象については、これに限定されるものではない。パチンコ機10を遊技ホールの島設備に設置した状態にて当該島設備よりも前方に突出する部分であってパチンコ機10の外周を構成している部分であれば足りる。例えば前扉枠14だけでなく内枠13(詳しくは内枠ベース体50)が島設備から前方に突出するように構成されている場合には、内枠13を可動体の配設対象としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、遊技情報表示装置500の表示ユニット510(「表示部」に相当)を回動させる構成としたが、これに代えて表示ユニット510を昇降させる構成としてもよいし、前後にスライドさせる構成としてもよい。特に第1〜第3の実施の形態においては、可動演出装置300の装飾体310の動作領域MEから外れた位置に移動できるのであれば足り、その具体的動作態様については任意である。
(11)上記各実施の形態では、表示ユニット510の下端部を回動基端部としたが、表示ユニット510の上端部を回動基端部とすることも可能である。但し、表示ユニット510の保持強度の担保やボタン518,519の操作性の担保に配慮すれば、表示ユニット510の下端部を回動基端部とすることが好ましい。
(12)上記第1〜第3実施の形態では、「保持部」としてのホルダ530を箱状に形成したが、表示ユニット510を移動可能に保持できるのであれば、その具体的形状については任意に変更してもよい。例えば、ホルダがアーム状をなす構成とすれば、ホルダの存在が可動演出装置300(装飾体310)の動作領域の拡張を妨げる要因となることを抑制し、装飾体310の大型化等を促進できる。
(13)上記各実施の形態では、「遊技機」としてのパチンコ機10からの信号が「遊技システム」を構成するホールコンピュータHCを経由して遊技情報表示装置500に入力される構成としたが、これに限定されるものではなく、信号の伝達経路を以下のように変更することも可能である。すなわち、パチンコ機10からの信号が遊技情報表示装置500に入力され、当該遊技情報表示装置500を経由してホールコンピュータHCに伝達される構成とすることも可能である。また、信号の伝達経路を遊技情報表示装置500用の伝達経路とホールコンピュータHC用の伝達経路とで2系統設けることも可能である。
(14)上記各実施の形態では、配線を用いてパチンコ機10と遊技情報表示装置500とを電気的に接続する構成としたが、パチンコ機10から出力される外部信号が遊技情報表示装置500に入力されるのであれば、信号伝達に係る構成を有線から無線に変更することも可能である。
(15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上各記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域を遊技機前方から覆う扉体とを備えているものがある。遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置が設けられ、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、入球部への入球に基づく抽選結果が報知される。扉体には発光部やスピーカ部等が設けられ、遊技状況に応じて発光態様や音声の出力態様を変化させることにより遊技への注目度の向上が図られている。また、例えば表示画面の周辺に可動体等を有する演出装置を設け、絵柄の変動表示による演出と演出装置による演出とに所定の対応関係を付与して一体的な演出等を行うことにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「但し、上述した可動式の演出装置については、周辺に配設された他の遊技部品等との関係から動作領域に係る制約が強くなる。そこで、上記扉体に可動式の演出装置を設け、遊技機外の空間を演出用の領域として利用することにより、このような動作領域に係る制約を軽減することができる。しかしながら、この種の演出装置を搭載する上では、演出装置に係る構成に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示装置(例えば図柄表示装置253)を有してなる遊技機本体(内枠13)と、
前記絵柄表示装置を覆い、遊技機前方に回動可能な扉体(前扉枠14)と、
第1状態及び当該第1状態と比べて前記扉体よりも上方となる領域への突出量が大きい第2状態に切替可能な可動体(可動演出装置300の装飾体310)と、前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段(ソレノイド320)とを有し、遊技状況に応じて前記可動体の状態を切り替えることにより遊技演出を行う演出装置(可動演出装置300)と、
前記可動体の動作領域(動作領域ME)が確保されているか否かを監視する監視手段(近接センサ350X及び報知・演出制御装置140のMPU)と、
前記監視手段によって前記動作領域が確保されていないと判断された場合に、前記切替手段による前記第1状態から前記第2状態への切り替えを規制する規制手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技ホール等の島設備においては複数の遊技機が横並びとなるようにして設置されることが多い。また、遊技機の下部については貯留皿等によって視認性が妨げられやすい。これらの事情等により、遊技機の左右両側や下側については遊技機外の空間を可動式の演出装置の動作領域として利用するのは困難である。これに対して、遊技機の上方については例えば当該遊技に対応付けられた遊技情報表示装置は存在するものの、基本的には空き領域となっている。また、当該空き領域は着席した状態では例えばハンドル装置等の遊技部品と比べて遊技者の手が届きにくい位置である。故に、可動体の動きが遊技者によって妨げられることを容易に回避できる。このように、遊技機外(上方)を動作領域とすることにより、演出範囲の拡大や演出装置の大型化等に貢献することができる。
しかしながら、遊技機外に可動体が突出する構成においては、遊技機内部に格納されている場合とは異なり、その動きが妨げられる可能性を完全に否定することはできない。例えば、扉体の上部が財布等の荷物置き場として利用された場合には、当該荷物と可動体とが干渉し得る。また、遊技情報表示装置を操作すべく手を伸ばした場合には、手と可動体とが干渉するとも想定される。このように可動体の動作が妨げられた場合には、可動体等に負荷が加わる。これは可動体や可動体に付随する構成に変形等が発生し、動作不良等の不都合が発生する要因になると想定される。折角遊技機上方の領域を動作領域として活用することにより演出範囲の拡大等を実現したとしても、動作不良等が発生しては、可動体を用いた演出機能が低下し、その存在意義が損なわれると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、可動体の動作領域が確保されているか否かを監視して、動作領域が確保されていない場合には、可動体の第2状態への切り替えが規制される。このため、可動体に無理な負荷が加わる等して、上述した動作不良等が生じることを回避できる。以上の理由から可動体の演出機能の低下を好適に抑制できる。
特徴A2.前記絵柄表示装置における絵柄の表示態様を設定する表示態様設定手段(例えば報知・演出制御装置140のMPU)を備え、
前記切替手段は、前記表示態様設定手段により所定の表示態様(例えば特殊演出)が設定されている場合に、当該所定の表示態様での絵柄表示に応じて前記可動体を前記第2状態に切り替える表示対応切替手段を有し、
前記規制手段は、前記表示態様設定手段によって表示態様の設定がなされる場合であって前記動作領域が確保されていない場合に、前記所定の表示態様以外の表示態様が設定されるように対象となる表示態様を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技機外での可動体の動きと遊技機内での絵柄表示とを関連付けることにより既存の遊技機を超えた斬新な遊技演出(以下、特殊演出という)を行うことができる。但し、このような特殊演出を行う場合には、途中で可動体の動きが取り止めになってしまっては演出の見栄えが低下すると懸念される。この点、本特徴に示すように、演出態様を決定する時点で動作領域が確保できていない場合にはその選択候補から特殊演出を外す構成とすれば、特殊演出が不完全なまま実行される機会を減らすることができる。故に、特殊演出に係る見栄えの低下を好適に抑制できる。
特徴A3.前記表示対応切替手段は、前記所定の表示態様にて絵柄表示が行われている状況下にて切替タイミングとなった場合に前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより特定演出(例えば特殊演出)を実行するものであり、
前記規制手段は、前記所定の表示態様にて絵柄表示が行われている状況下にて前記切替タイミング又は当該切替タイミングよりも前の所定のタイミングとなった場合に、前記動作領域が確保されていないと判断されたことを条件として前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを規制する手段を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
所定の表示態様にて絵柄表示が行われる場合に当該絵柄表示が開始されてから上記切替タイミングとなるまでの間にある程度の期間が設けられている構成においては、可動体の保護等を図る上で、特徴A2に示した構成では対応しきれない状況が発生し得る。つまり、当該絵柄表示が開始された後に動作領域への侵入等が発生した場合には、可動体の動きが途中で妨げられることを回避しきれない。
この点、本特徴に示す構成に示すように、絵柄表示が開始された後に再度可動体の動作の可否を確認する構成とすることにより、特徴A2に示した効果を好適に補完することができる。特に、可動体の切替タイミングにて可否の確認を行う構成とすれば補完機能を一層強化することができる。また、可動体の切替タイミングよりも前の所定のタイミングで可否の確認を行う構成とすれば、仮に可動体の動作を回避すべき状況となっている場合には可動体の動作に代わる代替演出等の準備を余裕をもって行うことが可能となる。これにより、特殊演出に係る可動体の動作を急遽回避する場合であっても、代替演出への置換を円滑に行うことができ、演出の見栄えの低下を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示した技術的思想を特徴A1に適用することも可能である。この場合、本特徴に示す構成を「前記絵柄表示装置における絵柄の表示態様を設定する表示態様設定手段(報知・演出制御装置140)を備え、前記切替手段は、前記表示態様設定手段により所定の表示態様(例えば特殊演出)が設定されている場合に、当該所定の表示態様での絵柄の表示に応じて前記可動体を前記第2状態に切り替える表示対応切替手段を有し、前記表示対応切替手段は、前記所定の表示態様にて絵柄表示が行われている状況下にて切替タイミングとなった場合に前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより特定演出を実行するものであり、前記規制手段は、前記所定の表示態様にて絵柄表示が行われている状況下にて前記切替タイミング又は当該切替タイミングよりも前の所定のタイミングとなった際に前記動作領域が確保されていないと判断された場合には、前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。」に変更するとよい。
特徴A4.前記監視手段は、
前記動作領域に存在している対象を検知する非接触式の検知手段(近接センサ350X)と、
前記検知手段による検知情報に基づいて前記動作領域が確保されているか否かを判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU)と
を有し、
前記切替手段によって前記可動体の前記第1状態から前記第2状態への切り替えが開始された後は、当該可動体が前記第1状態に復帰するまで前記規制手段による前記規制を行わないように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示した非接触式(例えば静電容量型)の検知手段によれば上記干渉を事前に察知することができるため可動体の保護に好適に貢献できる。但し、可動体が動作を開始した場合に当該可動体を検知してしまっては監視手段の意味がない。例えば、材質等を識別可能なセンサを採用すればこのような不都合の発生を回避できるものの監視の高機能化に起因したコスト増によって特徴A1等に示した技術的思想の利用促進が妨げられることになると想定される。この点、本特徴に示したように、可動体の動作開始〜第1状態への復帰まで上記規制を行わない構成とすることにより、簡易な構成によって非接触式の検知手段の弱点を補うことができる。
特徴A5.前記扉体は、
前記絵柄表示装置を遊技機前方から視認可能となるように形成された透明パネル(ガラスパネル23)と、
前記透明パネルが取り付けられている枠体(枠体20)と
を有してなり、
前記枠体にて前記透明パネルの上側となる部分には遊技機前方へ膨出する膨出部(膨出部35)が設けられ、当該膨出部には上側に開放され前記可動体を収容する収容部(収容部36)が形成されており、
前記検知手段は、少なくとも前記収容部の開放部分よりも手前側に配設されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
本特徴に示すような膨出部が存在する場合には、当該膨出部が財布等の荷物を置く荷物置き場として利用されることがある。可動体が第2状態となっていれば当該可動体によって上記行為が妨げられることとなるものの、特徴A4に示したように動作中は規制を行わない場合には遊技者が動作開始時等に荷物を置こうとした際にこれを察知しきれずに可動体と荷物等とが干渉し得る。故に、特徴A4に示した構成では規制機能が及ばない隙(期間)が存在する。
ここで、遊技機は島設備等に設置された状態にてその前面部分が前方に露出する構成であり、上記動作領域へのアクセス経路は遊技機前方からに限られる。そこで、開放部分よりも前側に検知手段を配設すれば、上述した行為を動作領域に到達する前に捕捉することができる。故に、上記隙の存在を好適に許容できる。
特徴A6.前記監視手段は、
前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる際の負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷検出手段により検出された負荷及び予め設定された規定値を比較する比較手段(報知・演出制御装置140のMPU)と
を有し、
前記規制手段は、前記負荷が前記規定値を上回った場合に、前記第2状態への切り替えを規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、可動体が第1状態から第2状態に切り替わる際の動作を妨げるような負荷が加わった場合には、可動体の第2状態への切り替えが規制されることとなる。つまり、可動体の上に財布等の荷物が置かれたり可動体が遊技者の手に当たったりした場合には、可動体の動きが規制されることとなる。このように、可動体を無暗な動作を抑制することにより、可動体の保護機能を強化できる。また、実際に可動体が動作を開始した後であっても、規制機能が維持されるため、保護機能が発揮される期間に隙(ブランク)が生じることを好適に回避できる。
特徴A7.前記規制手段は第1規制手段であり、
遊技場の遊技システム(例えばホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)と、
前記外部信号出力部から特定の信号が出力されている場合に、前記切替手段による前記第1状態から前記第2状態への切り替えを規制する第2規制手段と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6いずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7に示す遊技システムによれば、遊技機から出力される信号に基づいて遊技機の状態や遊技の状況等を把握することができる。ここで、例えば遊技機にてエラー等が発生した場合には、遊技機(扉体等)を開放してエラー等を解消する作業が行われる場合がある。そこで、本特徴に示すように、特定の信号を出力している場合には可動体の第2状態への切り替えを規制する構成とすれば、例えばエラー発生時に可動体を第1状態に留めることが可能となる。これにより、可動体の動きが作業の邪魔になるといった不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴A8.前記規制手段は第1規制手段であり、
遊技場の遊技システム(例えばホールコンピュータHC)へ信号を出力する外部信号出力部(外部出力端子板213)を備え、
前記遊技システムは、
当該遊技機の上方に配設され前記外部信号出力部からの信号に基づいて遊技情報を表示する遊技情報表示部(遊技情報表示装置500の表示ユニット510)と、
前記遊技情報表示部を当該遊技情報表示部の姿勢を変更可能となるように保持する保持部(遊技情報表示装置500のホルダ530)と
を有してなり、
前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる場合に、前記外部信号出力部から特定の信号を出力することにより、前記遊技情報表示部の姿勢を当該遊技情報表示部すくなくとも一部が前記動作領域と重なるように変更する姿勢変更手段(主制御装置162のMPU402における外部出力処理等を実行する機能)と、
前記外部信号出力部から前記特定の信号が出力されている場合に、前記切替手段による前記第1状態から前記第2状態への切り替えを規制する第2規制手段と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8に示す遊技システムによれば、遊技機から出力される信号に基づいて遊技機の状態や遊技の状況等を把握することができる。遊技情報表示部の姿勢を外部信号出力部からの信号に基づいて変更する場合に当該遊技情報表示部が動作領域と重なることになる。このような姿勢の変化によって状況等に応じて遊技情報表示部の視認性等を変化させることができるものの、このような状況下にて可動体が動作しては可動体と遊技情報表示部とが干渉することになる。
この点、特定の信号を出力して遊技情報表示部の姿勢を変更する場合には、当該特定の信号の出力に応じて可動体の動きを規制する構成とすることにより、動作規制の応答性を向上して、遊技情報表示部及び可動体の両者を好適に保護することができる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「遊技ホールの島設備等においては、パチンコ機等の遊技機に係る遊技情報を表示する遊技情報表示装置が遊技機の上方等に設置されている。遊技情報表示装置によって例えば当たり回数や遊技回数等を報知することにより、ホール管理者や遊技者の利便性の向上等が図られている(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、遊技情報表示装置には、遊技ホールの係員を呼び出す際に操作される呼出ボタン(操作部)が設けられており、遊技者の利便性に配慮されている。しかしながら、この種の遊技情報表示装置においては係員の呼出機能を好適に発揮させる上でその構成に未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技場の島設備に設置され、遊技媒体(例えば遊技球)の使用に基づいて遊技を進行させ且つ遊技進行に伴って発生した入賞に基づいて遊技者に遊技媒体を付与する遊技機に対応した遊技情報(例えば入賞回数や当たり回数等)を表示可能となるように当該遊技機に対応付けられる遊技情報表示装置であって、
前記遊技情報を表示する表示部(表示ユニット510)と、
前記表示部を前記島設備の壁面から張り出した状態となるようにして保持する保持部(ホルダ530)と、
前記表示部の前記壁面からの張出量を状況に応じて変化させる可変手段(例えば駆動部550や制御部570)と
を備えていることを特徴とする遊技情報表示装置。
特徴B1によれば、遊技情報表示装置を構成している表示部の島設備(壁面)からの張出量が状況に応じて変更される。これにより、遊技情報表示装置(表示部)の視認性を好適に変化させることができる。
特徴B2.遊技者により操作される操作部(呼出ボタン518)を備え、
前記可変手段は、前記操作部にて遊技場の係員を呼び出す呼出操作が行われたことに基づいて、前記表示部を前記第1状態から当該第1状態よりも前記壁面からの張出量が大きい第2状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
遊技場の島設備等においては複数の遊技機が通路に沿って横並びとなるように配列されていることが多い。この場合、係員は通路の端に待機していれば、通路全体を見渡すことができる。遊技情報表示装置ではランプ部の発光態様(例えば点灯色)を呼出しに対応にしたもの変更することにより、目視での確認を促す構成となっている。しかしながら、遊技情報表示装置については、当該遊技情報表示装置が対応付けられている遊技機(以下、該当遊技機ともいう)にて遊技を行っている遊技者に遊技情報を提供する機能と、他の遊技者や係員等のホール管理者に遊技情報を提供する機能とが付与されている。このため、立っている場合には目線の高さに位置しやすい。このような事情から、例え上述したような発光態様の変更を行ったとしても、ランプ部自体が隣の遊技情報表示装置に隠れて見えづらくなる可能性がある。このような事情から係員の立ち位置に制約が生じることは応答性の向上や利便性の向上等を実現する上で好ましくない。この点、本特徴に示すように、所定の呼出操作が行われた場合に表示部の突出量を増大させる構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、例えば上述したランプ部に相当する構成(例えば報知手段)を表示部に配設するとよい。
特徴B3.前記表示部の側部にて前記第1状態から前記第2状態となることで視認可能となる部分には、前記呼出操作に応じた呼出報知を行う呼出報知部(ランプ部D)が設けられていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技情報表示装置。
第1状態では視認が妨げられている部分に呼出報知部を設けることで、呼出しを行っている場合と行っていない場合との見た目を明確に変化させることができる。
特徴B4.前記可変手段は、前記表示部が前記第2状態となっている場合に、当該第2状態のまま経過した期間に応じて前記表示部の張出量を増加させる手段を有していることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技情報表示装置。
複数の遊技機にて呼出しが発生している場合には対応順序を間違うことで遊技者に不快感を与えたり対応の遅れから遊技者が不利益を被ったりする可能性が高まる。この点、本特徴に示すように経過期間に応じて張出量を増加させる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
上記課題を解決しようとした場合には、例えば経過時間等を明示する構成とすることも可能である。しかしながら、このように過度に直接的な情報は、対応が遅れていることを遊技者が把握しやすくなって、対応の遅れに対する不快感を煽る要因になりかねない。特に、他の遊技者との比較が容易となることで、自分よりも後に呼出しを行った遊技者への対応が優先された(先行された)場合等には、当該遊技ホールでの遊技への意欲を低下させる要因ともなり得る。この点、本特徴に示すように、遊技中の遊技者からは差を図りにくい「張出量」によって経過期間を示すことにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特に、特徴B3に示した構成との組み合わせによれば、遊技者からは見えにくい表示部の側部を利用することにより、表示部の姿勢等から経過期間を把握することを難しくすることができる。
特徴B5.前記可変手段は、前記表示部が前記第2状態となっている場合に、当該第2状態のまま経過した期間に応じて前記表示部の張出量を増加させる手段を有し、
前記表示部の側部にて前記第1状態から前記第2状態となることで視認可能となる部分には、前記呼出操作に応じた呼出報知を行う呼出報知部が設けられており、
前記呼出報知部による報知態様が前記張出量の増加に応じて変化するように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技情報表示装置。
複数の遊技機にて呼出し発生している場合には対応順序を間違うことで遊技者に不快感を与えたり対応の遅れから遊技者が不利益を被ったりする可能性が高まる。この点、本特徴に示すように経過期間に応じて張出量を増加させる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
上記課題を解決しようとした場合には、例えば経過時間等を明示する構成とすることも可能である。しかしながら、このように過度に直接的な情報は、対応が遅れていることを遊技者が把握しやすくなって、対応の遅れに対する不快感を煽る要因になりかねない。特に、他の遊技者との比較が容易となることで、自分よりも後に呼出しを行った遊技者への対応が優先された(先行されした)場合等には、当該遊技ホールでの遊技への意欲を低下させる要因ともなり得る。この点、本願発明に示すように、遊技中の遊技者からは差を図りにくい「張出量」によって経過期間を示すことにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
また、遊技者からは見えにくい表示部の側部を利用することにより、表示部の姿勢等から経過期間を把握することを難しくすることができる。特に、張出量の変化に応じて報知態様が変化する構成によれば、張出量が変化していること自体は把握できたとしてもそれによる報知態様の変化については、上記理由から把握困難となる。つまり、張出量の変化によって視認可能となる表示部の側部に呼出報知部を設けた構成と張出量の変化によって報知態様が変化する構成との組み合わせには技術的意義が存在する。
特徴B6.前記第2状態には、第1張出状態と当該第1張出状態よりも張出量が大きい第2張出状態とが設けられており、
前記呼出報知部は、
前記表示部の前記側部にて前記第1張出状態となることで視認可能となる部分に設けられた第1報知部と、
前記表示部の前記側部にて前記第2張出状態となることで視認可能となる部分であって、前記第1報知部が配置されていない部分に設けられた第2報知部と
を有してなることを特徴とする特徴B3又は特徴B5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、張出量の変化と報知態様の変化とを簡易な構成で関連付けることができ、経過期間の示唆等を行う機能を採用したことによる構成の複雑化を好適に抑制することができる。
特徴B7.前記操作部は、前記表示部の前面部分に配されており、
前記操作部にて前記所定の呼出操作が行われた場合に、当該呼出操作のタイミングよりも後となるように前記第2状態への切り替え開始タイミングを遅延させる遅延手段を備えていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技情報表示装置。
呼出操作によって表示部の張出量が増大する構成においては、第2状態への切り替えに伴って当該表示部が呼出操作を行った手(指)に当たると、第2状態への切り替えが妨げられる可能性が生じる。そこで、敢えて第2状態への切り替えを呼出操作のタイミングから遅らせる構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
また、操作部としては例えば押圧式の操作ボタン等が用いられることが多い。この種の操作部については、呼出操作を行った後に再度押圧されることにより、呼出が解除される。このような遊技情報表示装置に本特徴に示した技術的思想を適用することにより、表示部の第2状態への切り替え時に、操作部が遊技者の手に当たる等して呼出しが不意に解除されてしまうこと等を好適に抑制できる。
特徴B8.前記所定の呼出操作が行われたことに基づいて、前記表示部に当該所定の呼出操作に対応する呼出対応情報を表示する表示手段を備え、
前記遅延手段は、前記表示手段によって前記表示部に前記呼出対応情報が表示された後に前記表示部の前記第2状態への切り替えを開始するようにして当該第2状態への切り替え開始タイミングを遅延させるように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技情報表示装置。
特徴B7に示した構成においては、呼出操作→第2状態への切り替えを遅らせることが応答性の低下につながる。このため遅延の度合いを無暗に大きくすると、呼出操作を上手く行うことができなかったとの誤認が生じると想定される。そこで、呼出操作が行われた場合に先ず表示部にて呼出対応情報を表示することにより、遅延=操作ミス又は故障であるかのような印象を与えることを回避できる。
特徴B9.前記可変手段は、前記操作部にて所定の解除操作が行われた場合に前記表示部を前記第2状態から前記第1状態に復帰させる手段を有しており、
前記所定の解除操作が行われてから前記第1状態への復帰が開始されるまでの期間は、前記遅延手段による遅延期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
第2状態から第1状態への復帰の際には、係員から逃げる方向へ表示部が移動することとなる。このため、復帰動作の開始タイミングを早めたとしても係員の手等によって表示部の移動が妨げられるような不都合が生じない。このような応答性の向上は、遊技の再開までに要する期間を短縮する上でも有利である。
特徴B10.前記表示部は前記保持部によって回動可能に保持されており、
前記可変手段は、前記表示部を遊技情報表示装置の前方に傾けるようにして回動させることにより上記張出量を変化させる構成となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技情報表示装置。
張出量を変化させる上では、例えば表示部を前後にスライド移動させることも可能である。しかしながら、このような変化は、遊技情報表示装置の斜め下方及び遊技情報表示装置の側方のいずれから見ても認識が容易となる。このため、特徴B4等に示した第2状態での張出量の変化がどの程度であるかを着座している遊技者からの容易に識別可能となってしまう。この点、表示部を回動させることで張出量を変化させる構成においては、遊技者が注視している状況にて第1状態→第2状態に切り替わる場合にはその動きを把握しやすくても、目線が表示部から外れた状態では遊技者側に向けて回動するため張出量の変化が把握されやすくなることを抑制できる。
また、上述した通路についてはある程度の奥行きがある場合に、遊技機群を側方ではなく斜め側方から見ることで、両隣の遊技情報表示装置との張出量の差を識別しづらくなると想定される。この点、傾き自体を変える構成とすれば、両隣の遊技情報表示装置との姿勢の違いを明確にすることができ、張出量の変化を把握しやすくなる。
なお、特徴A群に示した各技術的思想と特徴B群に示した各技術的思想とを相互に組み合わせてもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。