JP6287326B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、入球部への入球に基づく抽選結果が報知されるものがある。
また、例えば表示画面の周辺に可動体等を有する演出手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−78904号公報
近年では、可動体の数を増やしたり、可動体の動きを複雑にしたりする等の各種工夫により注目度を向上させる機能の強化が図られている。しかしながら、可動式の演出手段を有する遊技機においては、動作不良等の不具合によって演出機能が上手く発揮されない等の不都合が生じる可能性があり、当該演出機能を担保する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、演出機能を好適に担保することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
表示画面を有し、当該表示画面にて絵柄を表示する絵柄表示手段と、
待機位置から前記表示画面の前方となる演出位置に変位可能な複数の可動体と、それら可動体を前記待機位置及び前記演出位置に変位させる駆動部とを有し、前記複数の可動体を連動させて前記演出位置へ各々配置することにより特別演出を行う演出手段と、
前記各可動体が正常に動作しているかを監視する監視手段と、
前記監視手段による監視結果に基づいて、正常に動作していない可動体を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された対象を記憶する対象記憶手段と、
前記特定手段によって特定された可動体の数が所定数よりも少ない場合に、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる第1疑似表示手段と、
前記特定手段によって特定された可動体の数が前記所定数と同数又は当該所定数よりも多い場合に、前記特定手段によって特定された可動体及び当該可動体以外の可動体を模した擬似画像をそれら可動体の代わりに前記表示画面に表示させる第2疑似表示手段と
を備えていることを特徴とする。
遊技機の演出機能を好適に担保することができる。
一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 可変表示ユニットを前方から見た斜視図である。 (a)可変表示ユニットの正面図、(b)可変表示ユニットの背面図である。 可変表示ユニットの分解斜視図である。 表示部材の動きを示す動作説明図である。 表示部材が表示位置に配置された状態を示す説明図である。 表示部材が表示位置に配置された状態を示す説明図である。 表示部材と反射部との位置関係を示す断面図である。 特別演出が実行される場合の表示態様を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図である。 図柄表示装置の表示画面において表示される図柄を説明するための説明図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 演出制御装置のMPUにて実行される変動表示制御処理を示すフローチャートである。 変動開始用処理を示すフローチャートである。 特別演出用処理を示すフローチャートである。 (a)特別演出の流れを示すフローチャート、(b)異常レベルを説明する概略図である。 VDPによる描画態様を示す概略図である。 動作確認用処理を示すフローチャートである。 (a)異常報知用処理を示すフローチャート、(b)異常報知の流れを示す概略図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
<前扉枠14>
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
<内枠13>
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。また、樹脂ベース50に対して遊技盤60を遊技前方から搭載する構成とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
<遊技盤60>
遊技盤60には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65への入球が発生すると、それが遊技盤60の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
その他に、遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置64,65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方に上下に並べて配置されている。以下便宜上、上側の作動入球部を「上側作動入球部62」と称し、下側の作動入球部を「下側作動入球部63」と称する。
下側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、左右一対の可動片71aと同可動片71aを駆動させるソレノイド式の電動役物駆動部71bとを有してなり、当該可動片71aを動作させることにより下側作動入球部63における入口部(下側作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域及び左側となる領域には、上記スルーゲート66がそれぞれ配置されており、遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)64,65については、可変表示ユニット67の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット67の下方(詳しくは作動入球部62,63の下方)に配置された可変入球装置を「下側可変入球装置64」と称し、可変表示ユニット67の右方(詳しくは下側作動入球部63の下方)に配置された可変入球装置を「右側可変入球装置65」と称する。
下側可変入球装置64は、遊技盤60の背面側へと通じる下側大入賞口64aを備えているとともに、当該下側大入賞口64aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、下側大入賞口64a用の開閉部材としての開閉扉64bを有してなる。開閉扉64bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉64bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部64c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉64bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
また、右側可変入球装置65についても同様に、遊技盤60の背面側へと通じる右側大入賞口65aを備えているとともに、当該右側大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構を備えている。当該開閉機構は、右側大入賞口65a用の開閉部材としての開閉扉65bを有してなる。開閉扉65bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉65bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部65c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置64,65の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては0.6sec又は30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては9ラウンド)を上限とした開閉扉64b又は開閉扉65bの開放が繰り返されるように設定されている。
また、開閉実行モードにおいては、下側可変入球装置64(下側大入賞口64a)が開放の対象となる場合と、右側可変入球装置65(右側大入賞口65a)が開放の対象となる場合とが設定されている。これら両開放態様については、後述する大当たりの種類に応じて選択される。
ここで、各作動入球部62,63及び各可変入球装置64,65の配置について補足説明する。
上記可変表示ユニット67の左側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域、すなわち上側作動入球部62及び下側作動入球部63が配置されている領域へと誘導されやすくなっている。この際、両作動入球部62,63を素通りした遊技球は下側可変入球装置64へと流下し、当該下側可変入球装置64の下側大入賞口64aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、上記右側可変入球装置65については可変表示ユニット67の左側となる領域を流下した遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、可変表示ユニット67の左側となる領域へ向けて発射された遊技球の右側大入賞口65aへの入球が回避されている。
また、可変表示ユニット67の右側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は右側可変入球装置65へ向けて流下する。右側可変入球装置65には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部63)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、右側可変入球装置65の右側大入賞口65aを素通りした遊技球は下側作動入球部63へ向けて流下することとなる。そして当該下側作動入球部63を素通りした遊技球は下側可変入球装置64へ向けて流下する。ここで、上側作動入球部62については、可変表示ユニット67の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。このため、同遊技球は両可変入球装置64,65及び下側作動入球部63への入球が許容されている一方で、上側作動入球部62への入球が回避されている。
なお、本実施の形態においては、上述したように可変表示ユニット67の左右両側にスルーゲート66をそれぞれ配置しているため、遊技球を可変表示ユニット67の左右のどちらに向けて発射したとしても(遊技状況に応じて打ち分けを行ったとしても)下側作動入球部63の電動役物71によるサポート機能が担保される。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置75と可動式の演出装置としての可変表示装置76と有している。これら両表示装置75,76は、図柄表示装置75を奥側、可変表示装置76を手前側として前後に並設されており、両表示装置75,76における各種演出を見る際の目線の移動量の低減が図られている。
また、可変表示ユニット67は、両表示装置75,76を囲むようにして配設されたセンターフレーム77を備えている。センターフレーム77の下部には、上側作動入球部62(上側作動口62a)に対応する上作動口用の保留ランプ部78と、下側作動入球部63(下側作動口63a)に対応する下作動口用の保留ランプ部79とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動入球部62,63を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部78,79の点灯によって各作動入球部62,63に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)発生となり、上述した開閉実行モードへ移行することとなる。
なお、上述した保留ランプ部78,79の機能を図柄表示装置75に付与し、当該図柄表示装置75にて保留個数の表示を行う構成とすることも可能である。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
作動入球部62,63の側方(右側可変入球装置65の下方)には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、上側作動入球部62(上側作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上側作動入球部用表示部DUと、下側作動入球部63(下側作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下側作動入球部用表示部DLとを有してなる。
上側作動入球部用表示部DUでは、上側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上側作動入球部用表示部DUにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下側作動入球部用表示部DLでは、下側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、下側作動入球部用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DU,DLにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには両作動入球部用表示部DU,DL以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DU,DL,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DU,DL,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、演出制御装置610と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に演出制御装置610が装着されている。
演出制御装置610は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
<裏パックユニット15>
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<可変表示装置76>
次に、図4〜図7に基づき遊技盤60に設けられた可変表示ユニット67(特に可変表示装置76)及びそれに関連する構成について詳しく説明する。図5は可変表示ユニット67を斜め前方から見た斜視図、図6(a)は可変表示ユニット67の正面図、図6(b)は可変表示ユニット67の背面図、図7は可変表示ユニット67の分解斜視図である。なお、図6及び図7においては便宜上、図柄表示装置75を簡略化してい示している(2点鎖線参照)。
既に説明したように可変表示ユニット67は図柄表示装置75,可変表示装置76,センターフレーム77を有している。図5に示すように、それら各種構成75〜77は、センターフレーム77,可変表示装置76,図柄表示装置75の順に前側から並べて配設されており、このうちセンターフレーム77が遊技盤60の前面側、可変表示装置76及び図柄表示装置75が遊技盤60の背面側に搭載されている。センターフレーム77については遊技盤60の前面から突出しており、同センターフレーム77によって両表示装置75,76を囲むことにより遊技領域PEを流下している遊技球がそれら各表示装置75,76に対して衝突することを回避している(図4参照)。
センターフレーム77において作動入球部62,63の直上に位置している部分(センターフレーム77の下部)には、遊技球の転動を許容するステージ部77aが設けられている。ステージ部77aは表示画面75aの下端縁に沿うようにして左右に延びており、その中央位置には、遊技球を上側作動入球部62へと案内する案内部77bが形成されている。センターフレーム77において表示画面75aの側方に位置する部位には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる領域を流下する遊技球をステージ部77aへと導く入口部77cが形成されており、当該入口部77cを通じてステージ部77aに到達した遊技球は当該ステージ部77a上にて左右への揺動を繰り返すこととなる。このように揺動を繰り返す過程で案内部77bへ入った遊技球は高い確率で上側作動入球部62へと流入し、遊技機前方へ延びる溝部に捕まった遊技球はステージ部77aから転落し上側作動入球部62を素通りする。
可変表示装置76は、予め設定された実行条件が成立して特別演出(後述する第2特別演出)を実行する場合に動作する可変機構300と、当該可変機構300を収容するケース体350とを備えている。可変表示装置76を図柄表示装置75(詳しくは表示画面75a)の前方に配置したのは、表示画面75aにおける図柄の表示態様と、可変表示装置76による動作態様(演出内容)とに相関関係を与え、それら両表示装置75,76によって一体的な演出を行いやすくするための工夫である。
当該特別演出が実行される場合には、可変機構300によって表示画面75aが所定の態様で区画され、これに応じて表示画面75aにおける表示内容が切り替る。詳しくは、可変機構300によって表示画面75aが中央部分とその他の部分とに区画され、表示画面75aにおいては上記他の部分における絵柄が非表示となり、上記中央部分にて図柄の変動表示が実行されることとなる。
ケース体350は、遊技盤60の背面に対向する略板状のベース部351と、同ベース部351の周縁部から遊技盤60側へ起立する壁状をなし同ベース部351を囲む囲み部352とを有している。囲み部352の前端部分には遊技盤60に対する取付部が形成されており、当該取付部が遊技盤60に対して固定されることで可変表示装置76が遊技盤60に搭載された状態となっている。
図6(b)に示すように、ベース部351において遊技盤60とは反対側を向いている部位には図柄表示装置75用の設置部353が形成されており、当該設置部353に図柄表示装置75が設置されることで図柄表示装置75と可変表示装置76とが一体化されている。ベース部351において図柄表示装置75の表示画面75aに対向している部分には、当該表示画面75aに合わせて開口部354が形成されている。この開口部354を通じて表示画面75aが遊技盤60側(遊技機正面側)に露出している。
再び図5を参照して説明すれば、ケース体350においてベース部351及び囲み部352によって囲まれた領域には、上記可変機構300が設置されている。可変機構300は、ケース体350に対する取付部としての本体310を有しており、当該本体310がケース体350に対して固定されることで可変機構300とケース体350とが一体化されている。
図7に示すように、本体310は外形が囲み部352に合わせて形成された略枠状をなしており、当該本体310の中央開口311がケース体350の開口部354と連通している。これにより、遊技機前方からの表示画面75aの視認性が担保されている。
本体310の背面側であって、当該本体310とケース体350のベース部351とによって挟まれた領域には、上記特別演出の実行時に使用される表示部材320が複数配設されている。このように可変表示ユニット67外部への露出が抑えられた領域に表示部材320を配することにより同表示部材320の保護を図っている。
表示部材320は、中央開口311へ突出して表示画面75aに遊技機前方から重なる表示位置(図6(a)の破線部分を参照)と、本体310の背面に形成された収容部313に収容されて上記重なりが抑えられた待機位置(図6(b)の2点鎖線部分を参照)との両位置での切り替えが許容されている。特別演出が実行される場合には、表示部材320が表示位置に配置され、当該表示部材320によって表示画面75aにおける図柄の変動表示領域が区画される。
ここで、図7を参照して表示部材320のスライド移動を実現するための構成について具体的に説明する。表示部材320は、中央開口311に沿うようにして並べて配されている(中央開口311を中心として環状に配されている)。本体310の背面には表示部材320を保持する保持部312が各表示部材320に1対1で対応させて形成されている。これら保持部312によって、中央開口311の中心部分へと近づく側(中央開口311に対する突出量が大きくなって中央開口311を最小とする側)と当該中心部分から遠ざかる側(中央開口311に対する突出量が小さくなって中央開口311を最大とする側)とにスライド移動可能な状態で表示部材320が保持されている。言い換えれば、表示部材320は、それら表示部材320同士の距離が狭まる側と拡がる側とにスライド移動可能な状態で保持されている。
保持部312は、中央開口311に向けて延びる溝状をなしているとともに保持対象となっている1の表示部材320を挟んで対峙するように配置されている。表示部材320には本体310の背面と対向する平板状の基部321が形成されており、同基部321の端部が上記溝状部位に嵌まった状態となっている。そして、基部321の端部が溝状部位内を摺動するようにして表示部材320が移動することにより、上記表示位置及び待機位置間での移動が行われる際のスライド方向が規定されている。このように、保持部312が表示部材320の移動方向を規定する機能を有している点に着目すれば同保持部312を「ガイド部」又は「規定部」と称することも可能である。
表示部材320において保持部312によって保持されている端部については、表示部材320がどの位置に配置された場合であっても同保持部312に収まった状態で維持され、当該保持部312からの露出することはない。更には、保持部312及び同保持部312によって保持されている端部については、センターフレーム77や後述する枠体341等によって覆われており、遊技機前方から視認困難となっている。
本体310において保持部312と隣接する位置には、表示部材320を個別に駆動させる駆動部330が同表示部材320に1対1で対応させて設けられている。なお、駆動部330についても上記保持部312等と同様に、センターフレーム77や遊技盤60の背面側となる位置に配置されており、遊技機前方から視認不可となっている。
図6に示すように、各駆動部330は、演出制御装置610に対して電気的に接続されたモータ330aと、同モータ330aに付随するピニオン330bとを有してなる。一方、表示部材320の基部321において上記保持部312によって保持されている端部には、駆動部330のピニオン330bに係合するラック321aが形成されている。ラック321aは当該端部に沿って延びており、表示部材320の移動範囲全域にてラック321aとピニオン330bとの係合状態が維持される構成となっている。
演出制御装置610から出力される駆動信号に基づいてモータ330aが駆動すると、その駆動力がピニオン330b→ラック321aを経由して表示部材320に伝達され、各表示部材320が別個独立して動作することとなる。
また、上記収容部313には表示部材320の位置を検知する検知センサ335が配されている(図6(b)等参照)。当該検知センサ335は演出制御装置610に対して電気的に接続されており、同演出制御装置610においては検知センサ335からの検知信号(検知情報)に基づいて表示部材320の位置を、具体的には待機位置に存在しているが否かを把握することが可能となっている。
図7等に示すように、基部321における中央開口311側の端部には、遊技機正面側に光を発する発光部322が形成されている。発光部322は中央開口311の中心部側に凸となるようにして折れ曲がっている(略く字状をなしている)。発光部322の両端部は、表示部材320が上記表示位置〜待機位置間のどの位置に存在している場合であっても、前後方向における本体310との重なりが維持されるように構成されている。これにより、発光部322の両端部については遊技機前方からの視認が本体310によって妨げられている。
表示部材320は透明性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、当該表示部材320において発光部322以外の部分については同部分を通じた後方の視認性が担保されている。表示部材320が上述した表示位置に配置されている状況下においては、基部321が表示画面75aの一部を覆うこととなるが、当該重なっている部分を通じた表示画面75aの視認性が担保される。かかる構成を採用することにより基部321と発光部322とが明確に差別化されている。
発光部322は、基部321から遊技機正面側へ突出した突条部325を有している。突条部325は表示画面75a側に開放された中空状をなしており、この中空部分を表示画面75a側から覆うようにして発光基板326が取り付けられている(図6(b)参照)。発光基板326の前面には複数の発光体327(詳しくはLED)が実装されており、突条部325において発光基板326と対向している部分には、発光体327からの光を拡散させる光拡散部が形成されている。
発光体327からの光は、突条部325を通過する際に拡散されて遊技機前方へ照射されることとなる。特に、発光体327については、突条部325に沿うようにして配列されており(図6(b)参照)、発光体327の点灯時又は点滅時には発光部322全体が発光しているかのような印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
本体310とセンターフレーム77との間には、中央開口311を覆う前面カバー340が取り付けられている。前面カバー340は、中央開口311に沿って延びる枠体341を有しており、当該枠体341が本体310に対して固定されることにより、本体310と前面カバー340とが一体化されている。
枠体341には当該枠体341の開放部分を覆うパネル部材342が取り付けられており、同パネル部材342によって中央開口311を通じた表示部材320や表示画面75aへのアクセスが制限されている。パネル部材342は透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、当該パネル部材342を通じた上記表示画面75aや表示部材320の視認性が担保されている。
次に、図6及び図8を参照して特別演出を実行する際の表示部材320の動きについて説明する。図8は表示部材320の動きを示す概略図であり、可変機構300を遊技機後方から見た状態を示している。
既に説明したように、表示部材320は中央開口311の周縁に沿って配列されている。具体的には、図6に示すように、中央開口311を囲むようにして同中央開口311の下側、左側、左上側、右上側、右側にそれぞれ配置されている。これら、各表示部材320においては隣り合う他の表示部材との位置関係が同様となるように構成されている。
そこで以下、中央開口311の下方に配された下側の表示部材320B(以下便宜上、下側表示部材320Bと称する),中央開口311の左方に配された左側の表示部材(以下便宜上、左側表示部材320Lと称する),中央開口311の右方に配された右側の表示部材320(以下便宜上、右側表示部材320Rと称する)の動きについて例示し、他の表示部材の動きについては説明を援用する。
なお、以下の説明においては、下側表示部材320Bに対応する収容部及び発光部を「下側収容部313B」,「下側発光部322B」、左側表示部材320Lに対応する収容部及び発光部を「左側収容部313L」,「左側発光部322L」、右側表示部材320Rに対応する収容部及び発光部を「右側収容部313R」,「右側発光部322R」として適宜区別する。
図8(a)に示すように、各表示部材320B,320L,320Rが待機位置に配置されている場合には、それら各表示部材320B,320L,320Rが収容部313B,313L,313Rに収容されており、同表示部材320B,320L,320Rのほぼ全体が当該本体310,遊技盤60,センターフレーム77等によって遊技機前方から覆われている。このため、待機位置に配置されている表示部材320B,320L,320Rについては、遊技者等から視認困難又は不可となるように隠蔽された状態となっている。
特別演出が開始される場合には、各表示部材320B,320L,320Rを個別に表示位置へと移動させるべく各駆動部330に対してそれぞれ駆動信号が出力される。これらの駆動信号に基づいて駆動部330が動作し、各表示部材320B,320L,320Rが表示位置へと移動する。
なお、本実施の形態においては、左右の表示部材320L,320Rと下側表示部材320Bとでは待機位置から表示位置への移動距離が異なる構成となっているが、最終的に待機位置へと到達するタイミングが全ての表示部材320B,320L,320Rで同一となるように各表示部材320B,320L,320Rに対応する駆動信号の出力開始タイミングがずらして設定されている。
左側表示部材320Lについては表示位置へ向けたスライド方向が右方となっており、当該左側表示部材320Lの隣に配置されている下側表示部材320Bは表示位置へ向けたスライド方向が上方となっている。そして、特別演出が実行される場合にはこれら左側表示部材320L及び下側表示部材320Bが相互の距離が小さくなるようにして移動することとなる。
また、上述の如く下側表示部材320Bは表示位置への移動方向が上方となっており、当該下側表示部材320Bの隣に配置されている右側表示部材320Rは表示位置への移動方向が左方となっている。そして、特別演出が実行される場合にはこれら下側表示部材320B及び右側表示部材320Rが相互の距離が小さくなるようにして移動することとなる。
各駆動部330は、既に説明したようにモータ330a(詳しくはステッピングモータ)と当該モータ330aからの動力を表示部材320B,320L,320Rに伝達する伝達手段としてのピニオン330bとを有してなり、同ステッピングモータに対して出力される駆動信号のパルス数によって表示部材320B,320L,320Rの表示位置が規定されている。つまり、表示位置への移動時には、予め設定されたパルス数の駆動信号がステッピングモータに出力されることにより、表示部材320B,,320L,320Rの位置が確定することとなる。
この場合、隣接する表示部材320B,320L,320R(より詳しくは発光部322B,322L,322R)の間には所定の隙間が確保され、それら表示部材320B,320L,320R同士の干渉が回避される。これにより、スライド方向が交差し、互いの距離が小さくなるようにして移動する構成を採用したとしても1の表示部材によって他の表示部材の移動が妨げられるといった不都合が生じにくくなっている。
なお、本実施の形態においては、表示部材320の保持部312からの脱落を阻止するストッパが採用されているが、当該ストッパに対して表示部材320B,320L,320Rが当たることによりそれ以上の移動が規制され、表示位置への配置が完了する構成とすることも可能である。
再び図6を参照して説明すれば、全ての表示部材320が表示位置に配置された場合には、図6(a)の破線等に示すように、隣り合う他の表示部材320との間隔が狭まるとともに、発光部322の両端部を除いた部分が、表示画面75aの前方に位置することとなる。この状態では、当該発光部322をパネル部材342を通じて遊技機前方から視認可能となる。
このように表示画面75aの前方に表示部材320が集合した状態では、発光部322によって表示画面75aを中央部分とその他の部分とに区画するようにして略星状の仕切りFが形成されることとなる。この仕切りFにおいて隣り合う表示部材同士が近接する端部に関しては、本体310,前面カバー340(詳しくは枠体341),センターフレーム77によって覆われており、上述した仕切りFの頂部があたかも隠蔽されているかのようにして表示されている。つまり、仕切りFにて隣り合う表示部材320の発光部322が完全に連なっているわけではないが、各発光部322の端部を隠蔽することにより、あたかも頂部が存在し仕切りFが環状をなしているかのような印象を遊技者に対して与えることができる構成となっている。
<擬似連結手段>
本実施の形態においては、表示位置に配置された状態にて隣り合う表示部材320の発光部322同士が繋がらない構成(隙間を隔てて対峙する構成)を採用しつつ、これら発光部322同士があたかも繋がっているかのように連結(擬似的に表示)する擬似連結手段が採用されている。以下、図9〜図11を参照して、当該擬似連結手段について説明する。図9は発光部322と擬似連結手段との位置関係を示す可変表示装置76の正面斜視図、図10は発光部322と擬似連結手段との位置関係を示す可変機構300の背面斜視図、図11は図6(a)のA−A線部分断面図である。なお、図9〜図11においては表示部材320が表示位置に配置されている状態を示しており、図9及び図10においては便宜上、表示部材320にドットハッチングを付与している。
図9に示すように、表示部材320が表示位置に配置された状態にて発光部322の端部の前方となる領域及び隣り合う表示部材320(詳しくは発光部322)の間に形成される隙間の前方となる領域には、上記表示手段を構成するミラー部400がそれら各領域に跨るようにして設けられており、当該ミラー部400によって発光部322の端部及び上記隙間が遊技機前方から覆われている(図10参照)。ミラー部400については鏡面加工が施されており、当該ミラー部400を通じた発光部322の端部の視認が遮られている。
ミラー部400は、ガラスパネル23(図1等参照)と対向する前面部411と、当該前面部411から遊技機後方へと起立する反射面421,422とを有している。反射面421,422は、遊技機正面視にて発光部322と交差するように(略直交となるように)構成されている。可変表示ユニット67については、遊技中の遊技者の目が表示画面75aの正面に位置するように配置されており、上記反射面421,422は、遊技者が目線を当該反射面421,422に移した場合に、同反射面421,422に上記発光部322が映るように構成されている。
具体的には、ミラー部400は、隣り合う2つの発光部322のうち一方の発光部322に対応する反射面421(以下、第1反射面421と称する)と、他方の発光部322に対応する反射面422(以下、第2反射面422と称する)とを有してなり、それら第1反射面421及び第2反射面422については映り込みの対象が異なっている。以下、左側表示部材320Lと下側表示部材320Bとに対応するミラー部400における第1反射面421と第2反射面422との差違(図9参照)について例示するが、他のミラー部400についても各反射面421,422の構成については同様である。
第1反射面421及び第2反射面422は、前者が左側表示部材320L側且つ後者が下側表示部材320B側となるようにして並設されているとともに、それら両表示部材320L,320Bの中間に位置する境界部423を介して連なっている。言い換えれば、ミラー部400の反射面については、その中間位置にて折れ曲がっており、異なる方向を向いた反射面421,422がその境界部423を介して連続するように構成されている。より詳しくは、境界部423が表示画面75aの中央側に凸となるようにして折れ曲がっており、それら両反射面421,422のなす角が鈍角となるようにして形成されている。言い換えれば、両反射面421,422のなす角は、それら第1反射面421及び第2反射面422が互いに向き合わないように設定されている。
第1反射面421は左側表示部材320Lの発光部322Lの前方に位置しており、当該発光部322Lの下部(折れ曲がり部よりも下側となる部分)に対して遊技機正面視にて交差する(略直交となる)平面状をなすように形成されている。これにより、表示画面75aの前方から同第1反射面421が視認された場合に、左側表示部材320Lの発光部322Lの映り込みを許容している。特に、第1反射面421は平面状をなしているため、発光部322Lの実像と第1反射面421に映った発光部322Lの虚像との差違を小さくし、それら実像と虚像とが一体的であるとの印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
また、第1反射面421は第2反射面422とは反対側を向いており、その向きが下側表示部材320Bの発光部322Bの映り込みが回避されるように設定されている。言い換えれば、第1反射面421は、表示画面75aの前方から当該第1反射面421が視認されている状況下においては、同第1反射面421に対して発光部322L以外の発光部の映り込みが回避される構成となっている。
一方、第2反射面422は下側表示部材320Bの発光部322Bの前方に位置しており、当該発光部322Bの左部(折れ曲がり部よりも左側となる部分)に対して遊技機正面視にて交差するように(略直交となるように)構成されている。これにより、表示画面75aの前方から同第2反射面422が視認された場合に、下側表示部材320Bの発光部322Bの映り込みを許容している。特に、第2反射面422は平面状をなしているため、発光部322Bの実像と第2反射面422に映った発光部322Bの虚像との差違を小さくし、それら実像と虚像とが一体的であるとの印象を遊技者に対して与えやすくなっている。
また、第2反射面422は第1反射面421とは反対側を向いており、その向きが左側表示部材320Lの発光部322Lの映り込みが回避されるように設定されている。言い換えれば、第2反射面422は、表示画面75aの前方から当該第2反射面422が視認されている状況下においては、同第2反射面422に対して発光部322B以外の発光部の映り込みが回避される構成となっている。
このように、各反射面421,422に対して同時に複数の発光部322が映り込まないように制限することにより、反射面421,422に映る発光部322の像を認識しやすくなっている。
ここで、図11を参照して、ミラー部400の構成について補足説明する。本実施の形態においては、ミラー部400を本体310に形成された本体側ミラー部315と前面カバー340(詳しくは枠体341)に形成されたカバー側ミラー部345とによって構成している。
より詳しくは、第1反射面421を本体側ミラー部315の第1反射面316及び当該第1反射面316と同一平面上に位置するカバー側ミラー部345の第1反射面346によって構成するとともに第2反射面422を本体側ミラー部315の第2反射面317及び当該第2反射面317と同一平面上に位置するカバー側ミラー部345の第2反射面347によって構成し、更に境界部423を本体側ミラー部315における両反射面316,317の境界部318及びカバー側ミラー部345における両反射面346,347の境界部348によって構成している。遊技者の目の位置は、遊技者の体格や姿勢等に依存するため画一的にならない。そこで、上記構成を採用してミラー部400の大型化を図ることにより、遊技者の目線のばらつきに起因した擬似連結機能の低下を抑えている。
本体側ミラー部315及びカバー側ミラー部345については、パネル部材342を隔てて対峙しており、前者が遊技領域PE側への露出が抑えられているのに対して、後者は遊技領域PE側へ露出した状態となっている。
図9に示すように、遊技領域PE側へ露出したカバー側ミラー部345においてセンターフレーム77のステージ部77aの後方に位置しているものについては、反射面346,347が上向きの成分を有する平面状をなしており、同ステージ部77aとともに遊技球の転動領域を形成している。具体的には、反射面346,347の幅寸法(前後幅)が遊技球の直径寸法よりも大きく設定されている。これにより、当該反射面346,347上での遊技球の転動が許容されている。
但し、それら反射面346,347については、その大部分がステージ部77aの上面よりも上側に位置し、前後に段差状をなすように構成されているため、反射面346,347からステージ部77aに落下した遊技球が同反射面346,347上に復帰する機会は少なくなっている。これにより、遊技球の誘導機能を発揮しつつ、ステージ部77aに到達した遊技球が過度に反射面346,347上に乗り上げてミラー部400に付与された擬似表示機能が妨げられるといった不都合を生じにくくしている。
なお、表示画面75aの上方に配されたミラー部400すなわち隣り合う右上側の表示部材320及び左上側の表示部材320に対応するミラー部400については、前面カバー340に設けられた可動式の装飾体によって覆われている(図6参照)。装飾体は待機位置と演出位置とに切替可能となっており、同装飾体が待機位置から演出位置に移動することで上側のミラー部400が遊技機前方から視認可能となる。遊技中は、遊技者の視線が表示画面75aと作動入球部62,63とに向きやすく目線が比較的に下側へ偏る傾向にある。つまり、上側のミラー部400については他のミラー部400と比較して遊技者の注意が向きにくい箇所に配置されている。このため、上側のミラー部400が上述の如く可動役物によって覆われている構成を採用したとしても、それによる演出機能の低下が生じにくくなっている。
次に、図12を参照し、擬似連結の態様について説明する。図12は特別演出が実行された場合の擬似連結態様の変化を示す概略図であり、図12(1)群はミラー部400及び発光部322を遊技機前方から見た図、図12(2)群はミラー部400及び発光部322を遊技機正面から見た図となっている。なお、図12(1)群においては、ミラー部400に表示されている内容をドットハッチングによって示している。
特別演出が実行される場合にはミラー部400における表示態様が図12(a)→図12(b)→図12(c)の順に変化する。本実施の形態においては、散在する各ミラー部400における表示態様は同様となるため、以下の説明においては左側表示部材320L及び下側表示部材320Bの両者に対応する左下側のミラー部400(以下、左下側ミラー部400Xと称する)での表示内容について例示する。なお、左下側ミラー部400Xにおける第1反射面421を「第1反射面421X」、第2反射面422を「第2反射面422X」と称する。
特別演出が実行される場合には、図12(a)→図12(b)に示すように、待機位置に配置された左側表示部材320L及び下側表示部材320Bが表示位置へ向けた移動を開始する。
発光部322L,322Bが収容部313L,313Bから突出し遊技機正面視にて反射面421X,422Xに交差する位置へ到達すると、第1反射面421Xに左側表示部材320Lの発光部322Lが映り込むとともに第2反射面422Xに下側表示部材320Bの発光部322Bが映り込む。
本実施の形態における第1反射面421Xは、左側表示部材320Lの移動経路に沿うように延びており、全移動範囲のうち発光部322Lの下側の端部が収容部313Lから突出している範囲にて、発光部322Lの第1反射面421Xに対する映り込みが許容されることとなる。また、本実施の形態における第2反射面422Xは、下側表示部材320Bの移動経路に沿うようにして延びており、全移動範囲のうち発光部322Bの左側の端部が収容部313Bから突出している範囲にて、発光部322Bの第2反射面422Xに対する映り込みが許容されることとなる。
既に説明したように、発光部322Lの下部と第1反射面421Xとは遊技機正面視にて略直交となるように構成されているため、第1反射面421Xへの映り込みによってあたかも発光部322Lが第1反射面側に延長されたかのように表示されることとなる。特に、左側表示部材320Lの移動方向を保持部312によって規定することで第1反射面421Xと発光部322Lとの動作隙間の拡がりを抑えている。これにより、発光部322Lの実像と第1反射面421Xに映り込んだ虚像との間にブランクが形成されることを抑制している。
また、発光部322Bの下部と第2反射面422Xとは遊技機正面視にて略直交となるように構成されているため、第2反射面422Xへの映り込みによってあたかも発光部322Lが第1反射面側に延長されたかのように表示されることとなる。下側表示部材320Bの移動方向を保持部312によって規定することで第2反射面422Xと発光部322Bとの動作隙間の拡がりを抑えている。これにより、発光部322B実像と第2反射面422Xに映り込んだ虚像との間にブランクが形成されることを抑制している。
図12(b)→図12(c)に示すように、各反射面421X,422Xに映っている虚像が境界部318Xに到達すると、当該虚像が境界部318Xにて寸断されることとなる。つまり、一方の反射面に表示されている虚像は境界部318Xを跨いで他の表示面に移り込むことなく、映り込みが減縮される。この際、第1反射面421Xに映っている虚像の分断されている箇所と、第2反射面422Xに映っている虚像の分断されている箇所とが、境界部348Xにて交わることとなる。これにより、第1反射面421Xに映った発光部322Lにかかる虚像と第2反射面422に映った発光部322Bにかかる虚像とが繋がり、発光部322Lと発光部322Bとがあたかもミラー部400X内で連結したかのような表示態様となる。
このような擬似的な連結は、各表示部材320L,320B(詳しくは各発光部322L,322B)が表示位置へ到達するよりも前に発生するように構成されている。そして、表示位置へ向けた移動に伴って、両表示部材320L,320Bにかかる虚像において連なっている箇所の割合が大きくなり、連結が突如として発生したかの印象を遊技者に対して与えにくくなっている。
また、上述の如く擬似連結が実現された後は、図12(c)に示す表示位置へと両表示部材320L,320Bが移動することにより、上記連結部分が表示画面75aの中央側へと変位することとなる。これにより、星状をなす仕切りFが縮小されたかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
以上詳述した構成によれば、以下の優れた効果を奏する。
図柄表示装置75の表示画面75aの前方領域にて表示部材320を動作させる構成を採用することにより、演出用の領域の拡がりを抑え、遊技領域PEが圧迫されることを抑制している。また、表示部材320を用いた特別演出においては、同表示部材320及び図柄表示装置75によって一体的にな演出を行うことにより、演出に対する遊技者の注目度の向上を図っている。
このような構成においては、表示画面75aを囲むようにしてセンターフレーム77や枠体341等を設けることにより、それら枠体341等によって表示部材320による演出範囲が制限される。このような演出範囲の制限は、表示部材320を用いた演出の迫力向上等の妨げとなり得るため好ましくない。この点、上記実施の形態においては、枠体341や本体310において表示画面75aの中央側を向いている部位にミラー部400を設け、同ミラー部400に表示部材320が映る構成を採用した。これにより、あたかも枠体341等を超えて演出範囲が拡がっているかのような印象を遊技者に与えることができる。これにより上述したように演出範囲が制限された構成において、同演出範囲を擬似的に拡張することができる。
各表示部材320を移動可能とした場合には、同表示部材320を用いた演出のインパクトを強める等して当該演出への注目度を一層好適に向上することができる。また、表示部材320を用いた演出を行わない場合には同表示部材320を表示画面75aとの重なりが抑えられた位置(例えば待機位置)へ移動させることにより表示画面75aの視認性の低下を抑制することができる。
しかしながら、表示部材320を移動可能とした遊技機においては、当該移動を実現する構成(例えば駆動部330)が遊技機前方に露出することにより見栄えが低下する。これは、上述した演出効果の発揮を妨げる要因となり得るため好ましくない。そこで、駆動部330を枠体341等の背面側に配設することにより、当該駆動部330を隠蔽して上記見栄えの低下を抑えることができる。但し、かかる構成においては駆動部330の配置領域の確保により、表示部材320の移動領域に対する制約が強まる等して演出範囲の拡張が困難になることは好ましくない。ここで、上述の如く枠体341や本体310において表示画面75aの中央側を向いている部位にミラー部400を設け、同ミラー部400に表示部材320が映る構成を採用すれば、あたかも枠体341の外側まで演出範囲が拡がっているかのような印象を遊技者に与えることができ、枠体の背面側に駆動部330を配設したことによる演出範囲の拡張制限を払拭することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
表示部材320の実像と虚像とを利用して枠状の仕切りFを生じさせ、その仕切りFの一部が表示画面75aの外縁を超えるように視認される構成とすることにより、枠体341等による空間的な制約を回避した広範囲での演出を実行することができる。
表示画面75aの外縁からはみ出さないようにして表示画面75aの一部を区画しようとすれば、区画された領域が小さくなりやすい。一方、仕切りFの一部が枠体341等によって分断される構成においては、区画機能が上手く発揮されなくなる。この点、仕切りFにおいて表示画面75aの外縁からはみ出している部分を虚像によって補完することにより、区画機能を担保しつつ表示画面75aにおける広域を利用した演出が可能となる。これにより、同演出に対する注目度を好適に高めることができる。
表示画面75aを囲むようにして複数の表示部材320を配置し、特別演出を行う際にはそれら表示部材320が表示画面75aの前方にて擬似的に一体化される構成とした。このように、複数の表示部材320を組み合わせる構成を採用することで、表示部材320の待機領域が局所的に大きくなるといった不都合を好適に回避することができる。しかしながらその反面、もともと1体化された表示部材を使用した演出を行う場合と比較して、表示部材320同士の連結部分の見栄えが低下しやすくなると想定される。この点、上記実施の形態においては、ミラー部400に映った虚像同士が連なる構成とすることにより、上述した見栄えの低下を抑えることができる。
特に、連結状態を擬似的に表示する擬似表示手段としてミラー部400を採用したことで、例えば表示部材320(詳しくは発光部322)を模した映像を表示可能なディスプレイ等を擬似表示手段として採用する場合と比較して、構造の簡略化及び省スペース化を実現できる。また、制御負荷の増大を抑える点においても有利である。
表示部材320(詳しくは発光部322)の実像同士が連なる構成を採用するのではなく、ミラー部400に映った虚像同士が連なる構成を採用した場合には、実像と虚像との間にブランクが生じることで、実像同士が連なっているような印象を遊技者に対して与えにくくなる可能性がある。そこで、ミラー部400を隣り合う発光部322と同発光部同士の隙間の前方に配し、実像と虚像とが一体であるかのように見せる構成とすることにより、遊技者に対して虚像部分での連なりをあたかも両発光部322の構造的な連なりであるかのように印象付けることが可能となり、上記効果を一層好適に発揮させることができる。
ミラー部400が表示部材320の端部(実像と虚像との入れ替わり部分)を覆う構成を採用することにより、同一部分を示した実像と虚像とが混在することを回避している。これにより、実像と虚像とが混同することを回避し、それら両像の一体感を高めている。
ミラー部400が隣り合う2つの表示部材320(発光部322)のうち一方に対応する第1反射面421と、他の表示部材320(発光部322)に対応する第2反射面422とを有し、それら両反射面421,422の境界部423が枠体341の内側に凸となる構成とした。これにより、虚像が境界部423にて寸断され、その寸断されている部分(端部)にてそれら虚像同士が連なることにより、両表示部材320(発光部322)の端部同士が連なっているかのように見せることができ、虚像同士が交差して連なりのイメージが弱くなることを抑制している。
境界部423についても、両反射面421,422と同様に表示部材320(発光部322)の映り込みを許容しているため、上記寸断されている部分の間にブランクが生じることを抑え、虚像同士の連なりを好適に表示することができる。特に、境界部423については、両反射面421,422に対して滑らかに連続する曲面状をなしている。これにより、両虚像を歪ませながら繋げることができ、僅かな模様等のずれをごまかすようにして虚像同士を融合させることができる。
このようにミラー部400が複数の反射面421,422を有してなる構成においては、表示位置に位置する1の表示部材(発光部322)が両反射面421,422に映り込むことでミラー部400によって表示される内容が煩雑になると想定される。これは、ミラー部400にて各像が連なっていることを遊技者に示す上で、同遊技者による理解を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、上記実施の形態においては、第1反射面421を隣り合う2つの表示部材320(発光部322)のうち一方の映り込みを許容しつつ他の表示部材320(発光部322)の映り込みを不可とする構成とし、2反射面422を当該他方の表示部材320(発光部322)の映り込みを許容しつつ上記一方の表示部材320(発光部322)の映り込みを不可とする構成とした。このように表示位置に位置する各表示部材320(発光部322)が両反射面421,422に対して同時に映り込むことを回避することで上記不都合を好適に抑制することができる。
各反射面421,422は自身への映り込みを許容している表示部材320の移動経路に沿うようにして延びており、各表示部材320の表示位置への移動が完了するよりも前に同表示部材320を映すことが可能となっている。故に、例えば各表示部材320(発光部322)の虚像同士が連結される場合に、突如として各表示部材320(発光部322)がミラー部400に移り込んで巨大化したかのように表示されることを回避し、各表示部材320(発光部322)を擬似的に一体化させる際に違和感が生じることを抑制することができる。
複数の表示部材320を用いて一体的な演出を行う構成においては、例えば各表示部材320の連結部位を変えることにより、表示部材320を用いた演出の全体像を変化させることができる。このような構成を機構的に実現しようとした場合には、例えば表示部材320の表示位置への移動に併せて変形(例えば伸縮)させる等の工夫が必要となり、同表示部材320及びそれに付随する構成が複雑になる。
この点、上記実施の形態に示すように、実像ではなくミラー部400に映る虚像同士が連なっている擬似連結部位が表示部材320(発光部322)上をシフトしているかのように見せる構成とすれば、構造の複雑化を抑えつつ、演出用手段の全体像を変化させることが可能となる。つまり、構造の複雑化を抑えつつ、発光部322によって構成されている仕切りFが拡大/縮小したかのような印象を遊技者に対して与えることができる。
以上詳述した擬似表示手段を有する構成においては、当該擬似表示手段を前後に大きくすることにより、演出機能の向上に貢献することができる。しかしながら、単に擬似表示手段を拡大することは、表示画面75aを遊技者から遠ざけることで同表示画面75aの視認性を低下させたり、パネル部材342に相当する構成が遊技機前方に張り出すことで遊技領域PEを圧迫したりする要因になると想定される。
この点、パネル部材342よりも前側と後側とにそれぞれミラー部315,345を設けることにより、後側のミラー部315(本体側ミラー部315)によって虚像表示機能を担保し、前側のミラー部345(カバー側ミラー部345)によって同虚像表示機能を向上しつつ遊技領域PEを流下する遊技球の動きに変化を与えることができる。これにより、上記各種不都合を回避しつつ、擬似表示手段を用いた演出機能の向上に貢献することができる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成を図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181及び各種検知センサ151a〜151dなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサ151a〜151dの一部として、一般入賞口61、可変入球装置64,65、作動入球部62,63及びスルーゲート66などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、作動入球部62,63への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び演出制御装置610が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置64への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動入球部62,63への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置610には、変動開始コマンド(変動用コマンド)、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入球装置64,65の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部64c,65c、作動入球部63の電動役物71を開閉動作させる電動役物駆動部71b、主表示ユニット81が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602はそれら各種構成の制御を行う。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入球装置64,65が開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部64c,65cの駆動制御が実行される。また、作動入球部63の電動役物71の開放状態当選となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部71bの駆動制御が実行される。また、MPU602によって主表示ユニット81の入球部用表示部DL,DU,DS及び保留数表示部HSの表示制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置610に設けられた演出制御基板611には、MPU612が搭載されている。MPU612には、当該MPU612により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の入力側には、主制御装置162の他に可変表示装置76(可変機構300)に設けられた検知センサ335等が接続されている。この検知センサ335からの検知信号(検知情報)に基づいて、各表示部材320が待機位置に存在しているか否かを把握可能となっている。MPU612の出力側には、ランプ部26〜28やスピーカ部29、可変表示装置76(可変機構300)の発光基板326や駆動部330等が接続されている。
MPU612では主制御装置162から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67を制御する。具体的には、演出制御装置610では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の詳細を決定する。このような遊技回毎に実行される処理にて、リーチ演出が上記特別演出に対応するものとなった場合には、発光基板326に発光体327を発光させるための信号を出力するとともに駆動部330に対して各表示部材320を表示位置へと移動させるための駆動信号を出力する。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したプログラムROM623、プログラムROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるワークRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)625、画像データが格納されたキャラクタROM626、キャラクタROM626から読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAM627などが内蔵されている。
VDP625は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP625はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP625は、MPU622、ビデオRAM627等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM627に記憶させる画像データを、キャラクタROM626から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM626は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM626には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。これら画像データやテーブル等はキャラクタROM626に記憶されている。
なお、キャラクタROM626を複数設け、各キャラクタROM626に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM623に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM626に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM627は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM627の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
表示制御装置620のMPU622では、演出制御装置610から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。具体的には、演出制御装置610にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。この際、上記特別演出(第2特別演出)に対応するリーチ演出が実行される場合には、可変機構300によって表示画面75aが区画されるのに合わせて、表示画面75aにおける図柄の変動表示領域を変更する。詳しくは、図柄の変動表示領域を表示画面75aの全域から、表示部材320(詳しくは発光部322)によって囲まれた特定の領域に変更する。そして、当該特別演出が終了して可変機構300が初期状態に復帰する場合に、当該可変機構300の動きに併せて変動表示領域を特別演出実行前の状態に復帰させる。
ここで、図柄表示装置75(表示画面75a)の表示内容について、図14及び図15を参照して詳細に説明する。図14は図柄表示装置75の表示画面75aを示す概略図であり、図15は図柄表示装置75にて変動表示される図柄を個々に示す概略図である。
図14(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている(図15参照)。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図14(b)に示すように、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果、確変大当たり結果となったことを示す大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置75にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機10では、上記のように大当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、可変入球装置64,65の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図14に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
そして、本パチンコ機10では、上記のリーチ表示を行う際に、その後に大当たり結果が発生する期待度、すなわち当該リーチ表示においてリーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示される期待度を示す演出の1つとして特別演出(例えば上記第2特別演出)が設定されている。特別演出についての詳細は後述する。
<各種カウンタについて>
次に、主制御装置162のMPU602にて各種抽選を行うための電気的な構成について図16を用いて説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、作動入球部用表示部DU,DLの表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図167に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、作動入球部用表示部DU,DL及び図柄表示装置75における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態(サポート状態)とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ604aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動入球部62,63への入賞が発生した場合に、RAM604に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア604bに格納される。
保留球格納エリア604bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、上側作動入球部62に対応する第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4と、下側作動入球部63に対応する第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4とを有してなり、各作動入球部62,63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
例えば、上側作動入球部62への入賞が複数回連続して発生した場合には、当該上側作動入球部62に対応する第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。
このように各作動入球部62,63に対応させて4つの保留エリアRE1〜RE4が各々設けられていることにより、上側作動入球部62への遊技球の入賞履歴が最大4個まで且つ下側作動入球部63への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、作動入球部用表示部DU,DLの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bの保留用エリアREに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)及び確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動入球部62,63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、作動入球部62,63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留用エリアREに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、作動入球部用表示部DU,DLにおける変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下側作動入球部63に付属の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば電動役物71を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば電動役物71を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、図柄表示装置75における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603cに記憶された変動表示時間テーブルが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、作動入球部用表示部DU,DLにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603dが用いられる。
<演出制御装置610にて実行される各種処理について>
本実施の形態においては、図柄の変動表示中(詳しくはリーチ表示中)に特別演出(例えば上記第2特別演出)が実行されることを特徴の1つとしている。そこで、図17〜図19のフローチャート及び図20の概略図を参照して遊技進行に伴い演出制御装置610のMPU612にて実行される変動表示用の処理について説明し、その後、特別演出の概要について説明する。
<変動表示制御処理>
先ず、図17のフローチャートを参照して演出制御装置610のMPU612にて定期処理の一環として行われる変動表示制御処理について説明する。
変動表示制御処理においては、先ずステップS101にて、遊技回中であるか否かを判定する。遊技回中ではないと判定した場合にはステップS102に進み、主制御装置162から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。変動開始コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動開始コマンドを受信している場合には、ステップS103にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様(特別演出の有無を含む演出態様)を決定し、図柄の変動表示を開始させるための処理である。
<変動開始用処理>
図18のフローチャートに示すように、変動開始用処理においては、先ずステップS201にてRAM614の各種フラグ格納エリアに後述する第2規制フラグが格納されているか否かを判定する。本実施の形態では、演出制御装置610にて可変機構300が正常に動作しているか否かが監視されており、仮に動作不良等の異常が発生している場合には、その度合い(異常レベル)に応じた対応を行う構成となっている。
図20(b)に示すように、異常レベルは3つのステップに大別されており、動作異常の発生している対象の数が多くなることで異常レベルが高くなるように設定されている。具体的には、対象の数が表示部材320の総数の半分を超えていない場合、すなわち異常の発生していない表示部材320の数が異常の発生している表示部材320の数よりも少ない場合には異常レベル=「1」、対象の数が表示部材320の総数の半分を超えている場合、すなわち異常の発生していない表示部材320の数が異常の発生している表示部材320の数よりも多い場合であって且つ全ての表示部材320が対象となっていない場合には異常レベル=「2」、全ての表示部材320が対象となっている場合には異常レベル=「3」となるように設定されている。異常レベルが「1」の場合にはRAM614の各種フラグ格納エリアに第1規制フラグが格納され、異常レベルが「2」又は「3」の場合にはRAM614の各種フラグ格納エリアに第2規制フラグが格納される。
ステップS201にて否定判定をした場合、すなわち第2規制フラグが格納されていない場合には、ステップS202にて演出態様第1決定処理を実行する。演出態様第1決定処理においては、変動開始コマンドに含まれる変動表示時間に係る情報から図柄の変動表示態様の概要(完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)を把握し、その後、ROM613に格納された演出態様第1決定テーブルを参照して、変動表示態様の詳細(例えばスーパーリーチを実行する場合にはスーパーリーチA〜スーパーリーチCの何れとするか)を決定し、更に特別演出を行うか否かを決定する。
本実施の形態においては、表示画面75aを区画して変動表示領域を変更する特別演出として、図柄表示装置75の表示画面75aにて表示部材320を模した画像を表示する第1特別演出と、可変機構300(表示部材320)及び図柄表示装置75の連携により実行される上記第2特別演出とが設定されている。演出態様第1決定処理においては、これら第1特別演出及び第2特別演出の両者が選択対象となる。
ステップS202にて決定された演出態様に係る情報は、表示制御装置620に送信される変動開始コマンドに付加される。表示制御装置620では、このコマンドに基づいて今回の遊技回にてどの様な演出(表示演出)を行うかを把握する。
ステップS202にて演出態様を決定した後は、ステップS203〜ステップS205の特別演出補完用処理を実行する。特別演出補完用処理においては、先ずステップS203にて今回選択された演出態様が第2特別演出に対応しており且つRAM614の各種フラグ格納エリアに第1規制フラグが格納されているか否かを判定する。第1規制フラグは、上述した異常レベル=「1」である場合にRAM614の各種フラグ格納エリアに格納されるフラグである。
可変機構300を用いた第2特別演出の実行条件が成立してはいるものの、一部の表示部材320に動作異常が発生している場合には、同表示部材320に付属している駆動部330への駆動信号の出力を規制する処理を行う。なお、以下の説明では、動作異常が発生している表示部材を「該当表示部材」、該当表示部材に付属の駆動部を「該当駆動部」と称する。
具体的には、ステップS204の処理にて、RAM614の各種フラグ格納エリアに駆動信号の出力を規制する出力規制フラグを格納する。詳しくは、出力規制フラグは各表示部材320に1対1で対応させて複数(第1種出力規制フラグ〜第5種出力規制フラグ)設定されており、これら各出力規制フラグから該当表示部材320に対応したものが格納される。以降の処理では、格納されている出力規制フラグの種類に基づいて、どの駆動部330への駆動信号の出力を回避するかを識別する。これにより、動作異常の発生している表示部材320については駆動対象から除外される。
続くステップS205では、該当表示部材320を模した擬似画像を表示画面75aに表示させるための設定処理を行う。具体的には、表示制御装置620に送信される変動開始コマンドに、第2特別演出を実行するにあたり擬似画像によって代替表示を行う必要がある旨の情報及びどの表示部材320に対応する擬似画像を使用するかの情報が付加される。なお、擬似画像及び同擬似画像の表示態様についての詳細については後述する。
ステップS205の設定処理を実行した後は、ステップS209に進み変動開始処理を行う。これにより、当該遊技回に併せた効果音及びBGMの出力等が開始されることとなる。その後、ステップS206では上述した処理にて更新された変動開始コマンドを表示制御装置620に出力する処理を行う。表示制御装置620では変動開始コマンドを受信したことを契機として図柄の変動表示を開始する。
ステップS201の説明に戻り、当該ステップS201にて肯定判定をした場合、すなわちRAM614の各種フラグ格納エリアに第2規制フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS206に進む。ステップS206では、演出態様第2決定処理を行う。演出態様第2決定処理においては、変動開始コマンドに含まれる変動表示時間に係る情報から図柄の変動表示態様の概要(完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)を把握し、その後、ROM613に格納された演出態様第1決定テーブルを参照して、変動表示態様(演出態様)の詳細(例えばスーパーリーチを実行する場合にはスーパーリーチA〜スーパーリーチCの何れとするか)を決定し、更に特別演出を行うか否かを決定する。演出態様第2決定処理では、可変機構300による特別演出(第2特別演出)が変動表示態様を決定する際の選択対象から強制的に除外されることとなる。
ステップS206にて決定された演出態様に係る情報は、表示制御装置620に送信される変動開始コマンドに付加される。表示制御装置620では、このコマンドに基づいて今回の遊技回にてどの様な演出(表示演出)を行うかを把握する。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207に進み、異常レベル=「3」となっているか否かを判定する。すなわち、可変機構300を構成する全ての表示部材320に動作異常が発生しているか否かを判定する。ステップS207にて肯定判定をした場合には、ステップS208に進み特殊表示用の設定処理を行う。具体的には、変動開始コマンドに遊技回中に特殊表示を行う旨の情報を付加する。表示制御装置620では、当該特殊表示に対応する変動開始コマンドを受信した場合には、表示画面75aを低識別状態とする処理を行う。この表示態様についての詳細は後述する。
ステップS208にて否定判定をした場合、又はステップS208の処理を実行した後は上記ステップS209及びステップS201の各処理を経て本変動開始処理を終了する。
ステップS101の説明に戻り、当該ステップS101にて肯定判定をした場合には、ステップS104に進む。ステップS104では主制御装置162から変動終了コマンドを受信したタイミングであるか否かを判定する。ステップS104にて否定判定をした場合には、ステップS105に進む。ステップS105では今回の遊技回が特別演出に係る遊技回であるか否かを判定する。
ステップS105にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS105にて肯定判定をした場合には、ステップS106に特別演出の実行タイミングとなったか否かを判定する。ステップS106にて肯定判定をした場合には、特別演出用処理を実行した後、本変動表示制御処理を終了する。また、ステップS104にて肯定判定をした場合、すなわち主制御装置162から変動終了コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS108にて変動終了用処理を実行した後、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄表示装置75の表示画面75aにて予め定められた図柄の組み合わせが停止表示されるように(確定表示されるように)、表示制御装置620に変動終了用コマンドを出力する。
<特別演出用処理>
ここで図19のフローチャートを参照して特別演出用処理について説明する。特別演出用処理においては先ずステップS301にて今回実行される特別演出が第2特別演出であるか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合には、続くステップS302にて第1特別演出用処理を実行して本特別演出用処理を終了する。第1特別演出用処理においては、発光部26の発光態様やスピーカ部29から出力される効果音を第1特別演出に対応させる処理を行う。
ここで、図20(a1)の概略図を参照して第1特別演出の流れについて説明する。第1特別演出が開始されると、各表示部材320を模した画像が表示画面75aの外周から中央に向けて変位し、それら画像が組み合わされることにより星型の枠が形成されることとなる。図示は省略しているが、これに併せて図柄の変動表示領域が表示画面75a全体から当該枠によって囲まれた領域(区画領域)に収まるように減縮されることとなる。第1特別演出が終了する場合には、当該枠を構成する上記各画像(ピース)が外周側へと逆戻りし、それに合わせて図柄の変動表示領域が減縮された状態から元の状態に復帰する。
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて肯定判定をした場合、すなわち今回実行される特別演出が第2特別演出であると判定した場合には、ステップS303に進む。ステップS303では、可変機構300(駆動部330)への駆動信号の出力が規制されているか否かを判定する。具体的には、RAM614の各種フラグ格納エリアに出力規制フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS303にて否定判定をした場合にはステップS304に進み駆動信号第1出力処理を実行する。駆動信号第1出力処理では、全ての駆動部330に対して駆動信号の出力を行う。その後、ステップS307にて第2特別演出用処理を実行した後、本特別演出用処理を終了する。第2特別演出用処理においては、発光部26の発光態様、スピーカ部29から出力される効果音、可変機構300の発光基板326の発光態様を第2特別演出に対応させる処理を行う。
なお、本実施の形態においては特別演出が終了するタイミングとなった場合に、表示位置に配置されている各表示部材320を待機位置に復帰させるべく復帰用の駆動信号の出力が出力され、第2特別演出用の効果音等の出力が終了することとなる。
ここで、図20(a2)の概略図を参照して第2特別演出の流れについて説明する。第2特別演出が開始されると、各表示部材320が待機位置から表示位置へ変位し、それら表示部材320が表示画面75aの前方にて組み合わされることにより星型の枠が形成されることとなる。図示は省略しているが、これに併せて図柄の変動表示領域が表示画面75aの全体から当該枠によって囲まれた領域に減縮されることとなる。第2特別演出が終了する場合には、当該枠を構成する上記各画像(ピース)が外周側へと逆戻りし、それに合わせて図柄の変動表示領域が減縮された状態から元の状態に復帰する。
第2特別演出にて表示部材320が最終的に到達する表示位置と、第1特別演出にて表示部材320を模した画像が最終的に到達する演出位置とは、表示画面75aの正面視にて(遊技機前方から見て)一致している。また、第2特別演出にて表示部材320が変位する軌道と、第1特別演出にて表示部材320を模した画像が変位する軌道とについても、表示画面75aの正面視にて(遊技機前方から見て)一致している。更には、それら表示部材320及び画像の変位速度についても同様となっている。これにより、第1特別演出と第2特別演出とは、演出の主体こそ相違してはいるものの、演出の概要(動き、動作態様)及び概観については同一又は類似であると遊技者に認識されるように共通化されている。
一方、ステップS303にて肯定判定をした場合、すなわちRAM614の各種フラグ格納エリアに出力規制フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS305に進む。ステップS305では駆動信号第2出力処理を行う。上記第2特別演出については、可動式の表示部材320が複数(詳しくは5つ)併用されるが、これら表示部材320が上手く作動しない場合には第2特別演出の見栄えが低下する等の不都合が生じる。そこで、本実施の形態においては、そのような不都合の発生を抑えるための工夫が施されている。
駆動信号第2出力処理では、格納されている出力規制フラグを参照して、どの表示部材320に動作異常が発生しているかを把握する。そして、動作異常が発生している該当表示部材320に付属の駆動部330を駆動信号の出力対象から外して、他の駆動部330に対して駆動信号の出力を行う。つまり、動作異常が発生している表示部材320については動作が規制されることとなる。
このように駆動信号の出力を規制した場合には、表示部材320が一部欠落するため、上記枠が不完全になる。そこで、動作が規制された表示部材320を補うべく、表示画面75aにて当該表示部材320を模した擬似画像を表示するための処理を行う。具体的には、ステップS306にて表示制御装置620へ擬似画像表示用コマンドを出力する処理を行う。
表示制御装置620においては予め擬似画像を表示する旨を変動開始コマンドに基づいて把握しており、擬似画像表示用コマンドを受信したタイミングでは擬似画像を表示するための準備が既に整った状態となっている。擬似画像表示用コマンドについては、擬似画像の表示を開始するトリガとして機能する。このように駆動信号の出力タイミングに合わせて擬似画像表示用コマンドを出力することにより、表示部材320の動作開始タイミングと擬似画像の表示開始タイミングとのずれを抑制することが可能となっている。
その後、ステップS307にて第2特別演出用処理を実行した後、本特別演出用処理を終了する。第2特別演出用処理においては、発光部26の発光態様、スピーカ部29から出力される効果音、可変機構300の発光基板326の発光態様を第2特別演出に対応させる処理を行う。
なお、本実施の形態においては第2特別演出が終了するタイミングとなった場合に、表示位置に配置されている各表示部材320を待機位置に復帰させるべく復帰用の駆動信号の出力が出力され、第2特別演出用の効果音等の出力が終了することとなる。
ここで、図20(a3)の概略図を参照して表示部材320及び擬似画像を併用した第2特別演出の流れについて説明する。なお、図20(a3)では下側の表示部材320に動作異常が発生している場合について例示している。
第2特別演出が開始されると、下側の表示部材320を除く他の表示部材320が待機位置から表示位置へ変位する。この際、表示画面75aには下側の表示部材320に対応する擬似画像が当該下側の表示部材320に代えて表示(擬似表示)されることとなる。そして、それら表示部材320及び擬似画像が表示画面75aの前方にて組み合わされることにより星型の枠が形成されることとなる。図示は省略しているが、これに併せて図柄の変動表示領域が表示画面75aの全体から当該枠によって囲まれた領域(区画領域)に減縮されることとなる。第2特別演出が終了する際には、当該枠を構成する各表示部材320が表示位置から待機位置に復帰するとともに擬似画像が表示画面75aの下端へ消え、減縮されていた図柄の変動表示領域が元の状態に復帰する。
本実施の形態においては、表示部材320の動作異常時に使用される擬似画像として、第1特別演出にて使用される画像を流用している。つまり、第1特別演出にて使用される画像を第2特別演出時に該当表示部材320に置き換えて使用する構成となっている。このような構成とすることにより、第2特別演出を補完するためのデータを別途記憶しておく必要がなくなり、演出補完機能の採用によってデータの記憶容量が圧迫されるといった不都合が生じることを抑制できる。
<擬似画像の描画態様>
図21の概略図を参照して、表示画面75aに表示される画像の描画態様について簡単に説明する。表示制御装置620のキャラクタROM626には、5つの表示部材320に1対1で対応させた画像(擬似画像)が記憶されている。VDP625には、それら擬似画像を配置する演出用レイヤ、図柄を配置する図柄用レイヤ、背景用の画像を配置する背景用レイヤが設けられており、当該VDP625にて描画処理を行う場合には各レイヤを重ね合わせて表示画像を形成する。
上記第1特別演出を行う場合には、図21に例示しているように全ての擬似画像が演出用レイヤに配置されることで描画用の表示画像が形成されることとなる。一方、動作異常が発生している状況下にて第2特別演出が行われる場合には、該当表示部材320に対応する擬似画像が演出用レイヤに配置されることで描画用の表示画像が形成されることとなる。このようにして、描画用の表示画像を形成する構成とすれば、擬似画像を用いて第2特別演出を補完する場合であっても、制御負荷が極端に大きくなることを好適に回避できる。
上述したように、遊技回の開始時に表示部材320に動作異常が発生している旨が把握されている場合には、事前に擬似画像による置換を行う設定とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制し得る。但し、表示部材320の動作異常についてはどのようなタイミングで発生するかは不確定であり、それまで正常に動作していたものが突然上手く動作しなくなる場合もある。そこで、本実施の形態では、突然発生した動作異常についても第2特別演出が不自然にならないようにフォローする工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図17のステップS109〜S117を参照して当該工夫に係る構成について説明する。
ステップS105にて肯定判定をし且つステップS106にて否定判定をした場合には、ステップS109に進む。ステップS109では、当該特別演出が第2特別演出であるか否かを判定する。ステップS109にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。ステップS109にて肯定判定をした場合には、可変機構300が正常に動いているか否かを確認する作動確認タイミングであるか否かを判定する。
具体的には、可変機構300の各駆動部330に駆動信号を出力してから所定の待機期間が経過したか否かを判定する。所定の待機期間は、正常に動作した場合に表示部材320が検知センサ335による検知領域から離脱するのに要する期間、より詳しくは待機位置と表示位置との中間位置に達する期間よりも僅かに長くなるように設定された期間である。すなわち、駆動信号の出力が開始されてから待機位置から離れるのに要する期間 < 所定の待機期間 < 表示部材が待機位置から表示位置に移るのに要する所要期間となっている。
ステップS110にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS110にて肯定判定をした場合にはステップS111に進む。ステップS111では、可変機構300に異常が発生しているか否かの判定を行う。具体的には、可変機構300の検知センサ335からの検知情報(検知信号)及びそれまでの異常発生の履歴に基づいて、各表示部材320が正常に動作しているか否か、すなわち待機位置以外の位置に移動しているか否かを判定する。複数の表示部材320の何れかが正常に動作していないと判定した場合にはステップS111にて肯定判定し、ステップS112に進む。
ステップS112では、ステップS111にて肯定判定をした要因となった表示部材320に付属の駆動部330(該当駆動部330)に対する演出開始用の駆動信号の出力を停止する処理を行う。本実施の形態においては駆動部330としてモータ(詳しくはステッピングモータ)が採用されている。仮に、僅かにでも表示部材320が変位している状態にて駆動信号の出力が停止された場合には、同表示部材320が表示画面75a側に張り出した状態のまま取り残されることになる。これは、見栄えの低下だけでなく後述する代替表示機能を発揮させる上で妨げになると想定される。そこで、図示は省略するが、該当駆動部330に対する演出開始位置用の駆動信号の出力停止された後は、待機位置への復帰用の駆動信号の出力を行う。以上の処理を経て、異常発生の要因となった表示部材320については演出位置への変位が規制されることとなる。
続くステップS113では、表示制御装置620に対して擬似画像表示用コマンドを出力する処理を行う。この擬似画像表示用コマンドには異常が発生している対象を示す情報が含まれており、表示制御装置620では当該擬似画像表示用コマンドに基づいて対象となった表示部材320を模した画像を同表示部材320の代わりに表示画面75aに表示する処理を行う。擬似画像の表示により、本来欠落するはずのピースが埋まり第2特別演出が補完されることとなる。
ステップS113の処理を実行した後は、ステップS114にて異常レベルの設定処理を行う。具体的には、RAM614の各種カウンタエリアに設けられた異常カウンタの値を更新して異常レベルの設定を行う。ステップS111のタイミングにて新たに異常が確認された場合には、当該異常カウンタの値を該当表示部材320の数に合わせて加算する。例えば、それまで異常が発生していない状況下にて1つの表示部材320に動作異常が発生した場合には、異常カウンタの値を「0」→「1」に更新する。また、1の表示部材320にて既に動作異常が発生している状況下にて更に2つの表示部材320に動作異常が発生した場合には、異常カウンタの値を「1」→「3」に加算する。
図20(b)の概略図に示すように、異常カウンタによってカウントされた対象の数が「1」〜「2」である場合には異常レベルを「1」とし、「3」〜「4」である場合には異常レベルを「2」とし、「5」である場合には異常レベルを「3」とする。なお、この異常カウンタの値はパチンコ機10の電源がOFFになった場合(すなわち電力供給が停止した場合)にリセットされる(「0」クリアされる)。
ステップS114の処理を実行した後は、ステップS115に進み異常レベルが「2」よりも低いか否かを判定する。ステップS115にて肯定判定をした場合にはステップS66にてRAM614の各種フラグ格納エリアに第1規制フラグを格納して本制御処理を終了する。一方、ステップS115にて肯定判定をした場合、すなわち異常レベル=「2」又は「3」である場合には、ステップS117にてRAM614の各種フラグ格納エリアに第2規制フラグを格納して本制御処理を終了する。
ここで、図20(b)を参照して異常レベルと動作異常への対処との関係について補足説明する。可変機構300に異常が発生している場合には、動作異常が発生している表示部材320(該当表示部材320)の数に応じてその対応が変化する。具体的には、動作異常が発生している表示部材320の数が動作異常の発生していない表示部材320の数よりも少ない場合には、第2特別演出が許容され、該当表示部材320の代わりに表示画面75aに擬似画像を表示するとで当該第2特別演出が許容されることとなる。
このように、擬似画像によって第2特別演出を補完することにより、当該第2特別演出が不完全になって遊技者を困惑させることを抑制できる。また、このような対処を行うことにより、ホール管理者が第2特別演出を見た場合には、ホール管理者に対してどの表示部材320に動作異常が発生しているかを教示できる。故に、営業時間終了後等に修理等のメンテナンスを行う場合に検査対象の特定が難しくなることを抑制できる。
動作異常が発生している表示部材320の数が、動作異常の発生していない表示部材320の数を超えた場合には、異常レベルが「2」に引き上げられる。この場合、特別演出として第2特別演出が選択されないように規制され、代わりに第1特別演出が実行されることとなる。つまり、第2特別演出に対する可変機構300の寄与度が低下した場合には、敢えて第2特別演出を規制することにより、第2特別演出が陳腐化することを抑制できる。
第1特別演出と第2特別演出とを比較した場合には、大当たり当選時には第2特別演出よりも第1特別演出の方が選択されやすくなっており、外れ時には第1特別演出よりも第2特別演出の方が選択されやすくなっている。これにより、第2特別演出よりも第1特別演出の方が発現した場合にその遊技回にて大当たり当選期待度が高くなるように設定されている。上述した特別演出の置換によって第2特別演出がより期待度の高い第1特別演出へ置き換わることにより、当該置換が遊技者の遊技意欲を減退させる要因になることを抑制できる。
全ての表示部材320について動作異常が発生している場合(異常レベル=「3」の場合)には、既に説明したように図柄表示装置75の表示画面75aにて特殊表示が実行される。具体的には、変動表示が開始してから終了するまでの遊技回中にて、表示画面75aを点滅させることにより、表示画面75aに表示された図柄等の識別が容易な状態(高識別状態)と図柄等の識別が困難な状態(低識別情報)とに繰り返し切り替る構成となっている。全ての表示部材320について異常が発生することはまれであると想定されるが、このレベルの異常が発生していることは可変機構300が全く機能していないことを意味する。つまり、可変機構300を搭載することで、遊技への注目度の向上を図った遊技機にて、当該機能が全く活かされない。そこで、このような状況においては、遊技進行を許容しつつ、表示画面75aを敢えて見づらくすることにより、遊技者に他の遊技機への移動等を促す。これにより、故障した可変機構300がそのままの状態で放置されることを抑制している。
なお、本実施の形態においては、異常レベルが「3」となった場合に、上記特殊表示を行う構成としたが、異常レベルが「2」又は「3」となった場合に上記特殊表示を行う構成とすることも可能である。
本実施の形態においては、可変機構300に異常が発生した場合には、その代替演出を行うことにより、パチンコ機10の興趣が低下することを抑制している。そして、敢えて異常が発生している旨の報知を遊技中に行わないようにすることで、異常報知が遊技者に不快感を与える要因になることを回避している。しかしながら、このような暫定的な対処にて上記各種不都合の発生を抑制したとしても、動作異常が根本的に解消されるわけではなく可変機構300による演出機能が十分に発揮される状態に復帰させる必要がある。また、実際に第2特別演出が実行されるタイミングにて動作異常をチェックして対処するよりも、事前に動作異常が発生していることを把握することができれば即時の対処による処理負荷の増大を好適に抑制できる。これらの事情に配慮して、本実施の形態においては、事前チェックを行うことを特徴の1つとしている。以下、この事前チェックに係る構成について説明する。
演出制御装置610のMPU612では、上記変動表示制御処理等が含まれる定期処理としての通常処理の他に、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理及び電源遮断に伴い起動される終了処理とが実行される。
<動作確認用処理>
以下、図22のフローチャートを参照して、立ち上げ処理の一環として実行される動作確認用処理について説明する。動作確認用処理においては、先ずステップS401にて可変機構300の全ての駆動部330に駆動信号を出力する。なお、この駆動信号の出力態様については上記第2特別演出が実行される場合と同様となっており、当該駆動信号に基づいて表示部材320は待機位置→表示位置→待機位置へと変位する。
ステップS401の処理を実行した後は、ステップS402にて操作確認タイミングとなったか否かを判定する。具体的には、駆動信号の出力を開始してから上記所定の待機期間を経過したか否かを判定する。
ステップS402にて肯定判定をした場合にはステップS403に進み、可変機構300の各検知センサ335からの検知情報(検知信号)に基づいて動作確認処理を実行する。動作確認処理の具体的な内容については、上記変動表示制御処理にて実行した動作確認用の処理と同様であるため説明を援用する。
動作確認処理にて各表示部材320が正常に動作していると判定した場合には、そのまま本動作確認用処理を終了する。一方、何れかの表示部材320が正常に動作していないと判定した場合には、ステップS404にて肯定判定をし、ステップS405に進む。
ステップS405では異常レベルが「2」よりも高いか否かを判定する。つまり、動作異常が発生している該当表示部材320の数が、正常に動作している表示部材320の数よりも多いか否かを判定する。ステップS405にて否定判定をした場合にはRAM614の各種フラグ格納エリアに第1規制フラグをセットし、ステップS405にて肯定判定をした場合にはRAM614の各種フラグ格納エリアに第2規制フラグをセットする。
ステップS406又はステップS407の処理を実行することにより、立ち上げ処理を終了した後は、既に可変機構300に異常が発生していることを前提として上記各種対処が行われることとなる。
ステップS406又はステップS407の処理を実行した後は、ステップS408にて異常報知処理を実行する。具体的には、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともに、スピーカ部29から異常が発生している旨のメッセージ(例えば「係員をお呼び下さい」)が出力される。更には、表示制御装置620に異常報知コマンドが出力される。このコマンドには、異常報知を行う旨の情報と、どの表示部材320について動作異常が発生しているかの情報とが含まれる。この異常報知コマンドに基づき表示制御装置620にて実行される異常報知用処理については後述する。
ステップS408の処理を実行した後はステップS409に進む。ステップS409では、異常報知の解除操作が行われたか否かを判定する。具体的には、前扉枠14に設けられた操作ボタンが操作されたか否かを判定する。ステップS409にて肯定判定をした場合には、可変機構300の駆動部330の再駆動処理を実行した後(ステップS410参照)、異常報知解除処理を実行して、本動作確認用処理を終了する。
再駆動処理では、可変機構300の全ての駆動部330に駆動信号が出力される。これにより、実際にどの表示部材320に動作異常が発生しているかが明示されることとなる。異常報知については、上記解除操作が行われるまで継続される。つまり、解除操作が行われることを条件として演出制御装置610の立ち上げ処理が終了し、遊技進行に伴う図柄の変動表示等が許容されることとなる。異常報知解除処理では、エラー表示ランプ部27及びスピーカ部29による異常報知を終了するとともに、表示制御装置620に対して異常報知解除コマンドを出力する。
ここで、図23(a)のフローチャート及び図23(b)の概略図を参照して、異常報知コマンド及び異常報知解除コマンドに基づいて表示制御装置620のMPU622にて実行される異常報知処理について説明する。
<異常報知用処理>
異常報知処理においては先ずステップS501にて異常報知を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS502に進む。ステップS502では演出制御装置610から異常報知コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS502にて否定判定をした場合にはそのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS502にて肯定判定をした場合にはステップS503及びステップS504の異常報知開始用処理を実行する。異常報知開始用処理では、先ずステップS503にて異常報知コマンドに基づいて動作異常が発生している対象を特定する。その後、ステップS504にて異常報知開始処理を実行する。
異常報知が開始されることで、図柄表示装置75の表示画面75aには、異常が発生した旨の情報(例えば「エラーが発生しました」等のメッセージ)が表示されるとともに、異常が発生している部分を特定するための情報として、エラーコード及びその部位を示す矢印が表示されることとなる。
図23(b)に示すように、異常報知が実行される前に、可変機構300が動作することとなるため、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される異常報知に係る情報が表示部材320によって見えづらくなることが回避され、当該異常報知に係る情報の視認性が担保される。
ステップS501の説明に戻り、ステップS501にて肯定判定をした場合、すなわち異常報知を行っている最中であると判定した場合には、ステップS505に進む。ステップS505では異常報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS505にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。
一方、ステップS505にて肯定判定をした場合には、ステップS506にて異常報知解除処理を行う。異常報知解除処理を行うことで、それまで図柄表示装置75の表示画面75aに表示されていた異常報知に係る情報が非表示となる。当該情報の非表示となるタイミングは、可変機構300の再稼動後となるように設定されている。つまり、一時的にではあるが、表示画面75aにおける異常報知と再稼動された可変機構300(詳しくは表示部材320)との両方が視認可能となる。本実施の形態では、該当表示部材320を教示するための情報としてエラーコードが採用されている。この種のエラーコードは表示される情報量を減縮する上では有利であるが、その反面、作業者による理解を難しくする要因にもなり得る。このような事情に鑑みれば、異常報知中に可変機構300を再稼動させることには、表示量を減縮(詳しくは可変機構300によって囲まれた範囲内に情報が収まるように減縮)しつつ、該当表示部材320と異常報知に係る情報との関係の理解を促す上で効果的である。
特に、異常報知解除用の操作ボタンについては遊技機前面部に設けられているため、目線を表示画面75aに向けたままの状態で操作することができる。このため、解除操作→該当表示部材320の動作の目視による確認が容易となっている。
以上詳述した実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
「可動体」としての表示部材320を複数併用して特別演出を行うことにより、すなわち複数に分化されたピースを組み合わせて特別演出を行うことにより、「演出手段」としての可変機構300の大型化を図りつつ、それに起因した配置等に係る制約を抑えたり、動作スピードの向上を図ったりすることができる。これは、特別演出によって遊技者の注目度を向上させるという効果を発揮させる上で有利である。
しかしながら、このような構成ではそれらピース(表示部材320)の一部が欠けることで、特別演出が不完全となって、当該特別演出が陳腐化すると懸念される。この点、上記実施の形態では、仮に表示部材320に動作不良等の不具合が発生した場合、その表示部材320に代えて表示画面75aにて同表示部材320を模した擬似画像が表示され、当該擬似画像によって特別演出が補完されることとなる。このように、欠けたピースを背後に位置する表示画面75aに表示される画像によって補う構成とすれば、上記不都合の発生を抑え、可変機構300に付与された演出機能の低下を好適に抑制することができる。
また、演出機能が担保されるため、メンテナンス作業によって上記不具合が解消されるまで遊技機の稼動を継続させることができる。故に、可変表示装置76(可変機構300)の複雑化に起因して動作不良等の不具合(詳しくは比較的軽微な不具合)が生じたとしても、それが遊技機の稼動率を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
遊技機が遊技ホールの島設備等に設置された状態にて、このような不都合が発生している場合には、それを目視したホール管理者は擬似画像の表示に基づいてどの部分に不具合が生じているかを容易に特定することができる。これにより、メンテナンス作業等を行う際にどの部分を重点的に見ればよいかを把握しやすくなり、メンテナンス効率の向上に貢献できる。
擬似画像を用いて第2特別演出を補完する場合には、当該擬似画像をいきなり表示位置に対応する演出位置に表示するのではなく、正常に動作している他の可動体と連動するようにして変位した結果として当該演出位置に到達するように表示する。このように、本来の動きを踏襲させることにより擬似表示による違和感の発生を軽減することができる。
また、擬似表示を用いて第2特別演出を補完する構成においては、擬似画像の表示を行っている最中に例えば遅れて該当表示部材320が動作することで、同表示部材320及び擬似画像の両方が視界に入る可能性が生じる。これは、遊技者を困惑させる要因になるため好ましくない。そこで、正常に動作していない該当表示部材320については動作を規制することにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
また、正常に動作していない表示部材320を無理に動かそうとすれば、当該動作によって駆動機構等に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、上記不具合を更に悪化させて修理等のメンテナンス作業による復旧を難しくする要因になる。この点、異常が見つかった場合には、該当表示部材320の動きを規制することにより、復旧が困難になることを好適に抑制できる。特に、表示部材320の動きをストッパ等を用いて規制するのではなく、駆動制御の規制を行う構成としたことにより、駆動機構や駆動部330等に生じる負荷を好適に軽減することができる。
待機位置から表示位置への移動過程にて表示部材320の動きが止まってしまうと、実際の表示部材320と当該表示部材320を模した擬似画像とが重なる等して、両者のギャップが際立つことになる。これは、見栄えを悪化させるだけでなく、擬似画像によって第2特別演出を補完する機能を発揮させる上で障害になる。そこで、上記実施の形態では正常に動作していない表示部材320については、無理に表示位置に動かそうとせず、待機位置に戻す構成とした。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
可動式の「演出手段」を有する構成においては、当該演出手段の主体である表示部材320の動きそのものに対して遊技者の注目が向くと想定される。このため、表示位置に擬似画像を表示するだけでは上述した補完機能が十分に発揮されるとは言いがたい。また、異常の発生していない他の表示部材320が表示位置に配置された後に擬似画像が遅れて演出位置に到達した場合には、擬似画像による代替が上手く機能しなくなると想定される。
そこで、表示部材320が表示位置に到達する前の段階にて異常の有無を判定し、表示部材320が表示位置に配置される前に擬似画像の表示を開始することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。また、異常発生→即時対応が可能となるため、どのタイミングで異常が発生するか分からないという前提であっても上述した補完機能を好適に発揮させることができる。
遊技機の起動時に動作テストを行うことにより、遊技が行われる前に異常の有無を把握することができる。この結果に基づいて異常報知を行うことによりホール管理者等に対して異常が発生している旨を知らせることができる。仮に、上記異常報知が遊技中に行われた場合には、遊技者に煩わしいとの印象を与える要因になるが、起動時のテスト時に報知を行う構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。なお、事前に異常の有無等を把握しておくことにより、特別演出の補完等の対応を余裕を持って行うことが可能となる。
また、異常報知の解除操作を行うことにより、各表示部材320が動作する。この際、異常報知の契機となった表示部材320については上手く動作しないため、解除操作を行った作業者は、どの表示部材320に異常が発生しているかを容易に把握することができる。なお、解除操作が行われる「解除操作部」としての操作ボタンを遊技機前面部に設けることにより、解除操作を行った際の表示部材320の視認性を好適に担保することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、パチンコ機10の電源投入時と第2特別演出の実行時とで「演出手段」としての可変機構300に異常が発生していないかを監視する構成としたが、少なくとも可変機構300の異常を監視する機能を有していればよく、上述した2つの監視態様を併用する必要は必ずしもない。
但し、可変機構300の異常についてはその発生タイミングを特定することは困難である。つまり、遊技を行なっている最中に異常が発生する可能性を否定できるものではない。このような事情に鑑みれば、第2特別演出の実行時に監視→対応を行うことには即時に異常に対応できる点で技術的意義がある。また、異常が発生した場合には、その旨をホール管理者等に知らせて修理等のメンテナンスを促すことが好ましいが、このような報知が遊技中に実行されることは遊技者に煩わしいとの印象を与える要因となるため好ましくない。そこで、電源投入時に監視→報知を行う構成とすれば、報知機能を搭載することによるデメリットの発生を好適に回避できる。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように2つの監視態様を併用するとよい。
(2)上記実施の形態では、可変機構300が5つの表示部材320(「可動体」に相当)を有し、それら表示部材320を図柄表示装置75(「絵柄表示手段」に相当)の前方にて組み合わせることにより(合体させることにより)特別演出を行う構成としたが、複数の表示部材の組み合わせによって特別演出を行うのであれば、その数については5つに限定されるものではない。また、複数の表示部材320を図柄表示装置75の表示画面75aを囲むようにして配置したが、表示部材の配置についても任意である。
例えば、表示画面75aを挟んで設けられた左右一対の開閉体(「可動体」に相当)を有するシャッタ装置(「演出手段」に相当)を備え、右側開閉体及び左側開閉体の両者が開位置から閉位置に移動することにより表示画面75aが遊技機前方から覆われるタイプの遊技機においては、仮に一方の開閉体が動作不良等によって上手く動作しなくなった場合(異常が発生した場合)、当該シャッタ装置を利用した演出を行う場合にその開閉体を模した開閉体画像を表示画面75aに表示させる構成とすることも可能である。
(3)上記実施の形態では、「可動体」としての表示部材320に動作異常が発生した場合に、その対象のみを擬似画像による置き換えの対象としたがこれに限定されるものではない。可変機構300の見栄えを考慮した場合、動作異常が発生した表示部材320のみを擬似画像による置き換えの対象とするのではなく、当該表示部材320と関連する(例えば対をなす又は隣接する)表示部材320であって動作異常の発生していない表示部材320についても擬似画像による置き換えの対象とすることも可能である。
より具体的には、上記実施の形態にて右側表示部材320R及び左側表示部材320Lの何れか一方に動作異常が発生した場合には、他方についても擬似画像による置き換えの対象とすることで左右のバランスが崩れることを抑制して見栄えの低下を軽減することができる。
(4)上記実施の形態では、「絵柄表示手段」の表示画面75aにて実行される演出として可変機構300による第2特別演出と同種(類似)になるように設定された第1特別演出を設け、この第1特別演出にて使用される画像(「擬似画像」に相当)によって異常発生時の擬似表示を行う構成としたが、必ずしも別途表示演出にて使用される画像を擬似表示に転用する必要はない。擬似表示用の画像を別途用意してもよい。
但し、表示演出用のデータの記憶容量が擬似表示用の画像の存在によって圧迫されることは、多様な表示演出を実現する上で好ましくない。そこで、上記実施の形態に示したように個別の演出を行うための既存の画像を転用することは、上記第2特別演出の補完機能を発揮させつつ、それに起因してデータの記憶容量が無駄に多くなることを抑制する上で有利である。
(5)上記実施の形態では、演出制御装置610から可変機構300の駆動部330に駆動信号が出力された場合に、「位置検知手段」としての検知センサ335からの検知情報に基づいて表示部材320が待機位置から移動したか否かを監視することにより異常発生の有無を判定する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、検知センサ335に代えて演出位置に配置された表示部材320を検知する検知センサを設け、同検知センサからの検知情報に基づいて表示部材320が演出位置に到達したか否かを監視することにより異常発生の有無を判定する構成とすることも可能である。
但し、このような構成とした場合には異常が発生した遊技回にて擬似画像の表示による対応を行う場合に、異常の発生していない他の表示部材320が演出位置に到達した後にようやく擬似画像の表示が可能となる。つまり、表示部材320の動きに対する擬似画像の表示の遅れが大きくなり、擬似画像による置き換えへの違和感が強くなると想定される。故に、異常発生→早期の対応を実現する上では、演出位置への到達の有無ではなく、待機位置からの移動の有無に基づいて異常発生の判定を行う構成とすることが好ましい。
なお、擬似画像の表示によって第2特別演出を補完する場合には、当該擬似画像の動きを他の表示部材320の動きに完全同期させる構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。少なくとも置き換えの対象となった表示部材320と同様の動きが実現されるように設定されているのであれば、擬似表示による第2特別演出の補完機能は担保される。つまり、設計時に想定された表示部材320の動作タイミングや動作スピード等の諸情報に基づいて擬似画像の表示態様が決定されていれば足り、結果として他の表示部材320との動作タイミング(連携タイミング)にずれが発生することを否定するものではない。
(6)上記実施の形態では、可変機構300に異常が発生して第2特別演出に表示部材320と擬似画像とを併用する場合には、異常の発生している表示部材320の動作を規制する構成としたが、この規制方法については任意である。上記実施の形態においては異常が発生している表示部材320に付属の駆動部330に対する駆動信号の出力を規制する構成としたが、これに代えて、可変式のストッパ装置を各表示部材320に併設し、該当する表示部材320用のストッパ装置を許容状態から規制状態に切り替えることで表示部材320の動きを規制する構成とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、可変機構300の異常レベルに応じて異常発生への対応を変化させる構成としたが、異常レベルをどのように設定するかについては任意である。例えば、上記実施の形態では、異常が発生していない表示部材320の数を異常が発生している表示部材320の数が上回ることで、異常レベルの引き上げを行い、第2特別演出を第1特別演出によって置換させる構成としたが、異常レベルの引き上げ条件を、複数の表示部材320の故障又は全ての表示部材320の故障とすることも可能である。
なお、異常が発生している表示部材320の数に基づいて対応を変更する上では、異常が発生している表示部材320の数を記憶保持できる構成であれば足り、上述した異常レベルの設定を行うか否かについては任意である。
(8)上記実施の形態では、図柄表示装置75(表示画面75a)にて実行される表示演出としての第1特別演出のほうが、表示部材320を用いて実行される役物演出としての第2特別演出よりも大当たり当選となる期待度が高くなるように構成したが、これら各特別演出に係る期待度が逆となるように設定してもよい。第2特別演出が第1特別演出よりも遊技者にとって有利な構成においては、遊技者は第1特別演出よりも第2特別演出が実行されることを期待して遊技を行うと想定される。この場合、代替演出によって第2特別演出が回避されることで、期待度の高い第2特別演出が実行されなくなることは、第2特別演出が実行されることを期待して遊技を行なっている遊技者に対して酷であり、遊技意欲を減退させる要因になり得る。故に、望ましくは、代替演出を行う場合には代替前の演出よりも期待度の高い演出によって代替を行う構成とよい。
(9)上記実施の形態では、表示制御装置620のキャラクタROM626に各表示部材320に対応する画像を個別に記憶させる構成としたが、記憶された画像によって表示部材320の置き換えを行うことができるのであれば足りる。例えば、キャラクタROM626等に第1特別演出用に係る一連の動画を記憶させ、上記置き換えを行う必要が生じた場合には、当該動画において該当する表示部材320に対応した部分を表示させるとともにその他の部分を非表示とする構成としてもよい。
(10)上記実施の形態では、全ての表示部材320に異常が発生している場合には、代替演出を行う一方で表示画面75aを点滅させることにより、遊技の進行を許容しつつ遊技の終了を促す構成としたが、その具体的手法については、上記のものに限定されない。例えば、表示画面75aの表示にノイズを混入させることで、視認性を低下させることも可能である。但し、完全に視認不可とした場合には、遊技者が本来得られるはずの情報を見逃す可能性が高くなる。これは、遊技者の利益を損なう要因になり得る。故に、上記実施の形態に示すように、遊技進行に伴う目視での情報確認については許容しつつ、遊技の継続について煩わしいとの印象を与えるように工夫することが望ましい。
(11)上記実施の形態では、「遊技機」としてのパチンコ機10が自己の判断にて擬似画像による置き換え(擬似表示)を行うか否かを決定する構成としたが、これを変更し、遊技ホールの管理者等の作業者による操作に基づいて擬似表示を行うか否かが決定される構成とすることも可能である。例えば、擬似表示によって第2特別演出を補完するモードと、当該補完を行うことなく異常が発生した場合には第2特別演出が他の表示演出(例えば第1特別演出)に置き換わるモードとに作業者による操作に基づいて切り替る構成とするとよい。
(12)上記実施の形態では、複数の表示部材320に1対1で対応させて駆動部330を設けたが、リンク機構等によって1の駆動部によって複数の表示部材320をまとめて動作させる構成とすることも可能である。但し、このような構成では1の表示部材320に動作不良が生じた場合には、その影響がリンク機構を通じて他の表示部材320や駆動部に及ぶ可能性が高くなる。これは、異常が発生していない他の表示部材320についても異常が誘発される要因となる。このような事情に配慮して、異常の発生していない表示部材320についても擬似画像による置き換え対象とし、ユニット毎に動作が規制されることになれば、表示部材320による演出機能が上手く活用されなくなる。これらの事情から、上記実施の形態に示した擬似表示による補完機能は、可動体と駆動部とが個々に対応付けられた遊技機に適用することでその効果が顕著に発揮されるといえる。
(13)上記実施の形態では、可変機構300に異常が発生した場合には表示画面75aにて当該異常がどの表示部材320を対象としているを明示する構成としたが、異常が発生している対象をどのように報知するかは任意である。例えば、スピーカ部29から出力される音声によってどの表示部材が対象となっているかを明示する構成とすることも可能である。
また、異常報知を解除する場合の解除操作に基づいて表示部材320を動作させる構成においては、当該動作によってどの表示部材320に異常が発生しているかが明示されることとなる。このような事情に鑑みれば、報知機能を表示部材320に依存させる構成とすることも可能である。
なお、複数の表示部材320に異常が発生している場合には、異常が発生している表示部材320を同時にまとめて教示する必要はなく、該当する表示部材320を1つずつに教示する構成としてもよい。なお、異常発生を時系列順(例えば異常が発生した順)に表示する構成とすることも可能である。
(14)上記実施の形態では、異常報知の解除操作が行われた場合に、可変機構300における全ての駆動部330に対して駆動信号を出力することにより、可変機構300を再稼動させる構成としたが、異常報知の対象となった該当表示部材320に付属の駆動部330を駆動信号の出力対象から除外してもよい。但し、実際に表示部材320に生じている異常がどの様な要因によるものかを作業者が推測する上では、敢えて該当表示部材320に駆動信号を出力することには技術的意義が存在する。
(15)上記実施の形態では、パチンコ機10の電源投入時の立ち上げ処理にて、異常発生を検出した場合には異常報知を行う一方、遊技中に異常発生を検出した場合には異常報知を行わない構成としたが、遊技中に異常発生を検出した場合であっても異常報知を行う構成とすることも可能である。例えば、エラー表示ランプ部27を点灯させたり、表示画面75aの隅部等に異常(動作不良)が発生している旨のメッセージを表示させたりするとよい。
なお、パチンコ機10の電源投入時の立ち上げ処理にて異常の有無を確認する構成に代えて又は加えて、リセット操作が行われた場合に異常の有無を確認する構成とすることも可能である。
(16)上記各実施の形態では、演出制御装置610と表示制御装置620とを別体としたがこれらを一体化してもよい。
(17)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、入球部への入球に基づく抽選結果が報知されるものがある。また、例えば表示画面の周辺に可動体等を有する演出手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、遊技への注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、可動体の数を増やしたり、可動体の動きを複雑にしたりする等の各種工夫により注目度を向上させる機能の強化が図られている。しかしながら、可動式の演出手段を有する遊技機においては、動作不良等の不具合によって演出機能が上手く発揮されない等の不都合が生じる可能性があり、当該演出機能を担保する上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴1.表示画面(表示画面75a)を有し、当該表示画面にて絵柄を表示する絵柄表示手段(図柄表示装置75)と、
待機位置から前記表示画面の前方となる演出位置に変位可能な複数の可動体(表示部材320)と、それら可動体を前記待機位置及び前記演出位置に変位させる駆動部(駆動部330)とを有し、前記複数の可動体を前記演出位置へ各々配置することにより特別演出(例えば第2特別演出)を行う演出手段(可変表示装置76及び演出制御装置610のMPU612にて特別演出を実行する機能)と、
前記各可動体が正常に動作しているかを監視する監視手段(検知センサ335及び演出制御装置610)と、
前記監視手段による監視結果に基づいて、正常に動作していない可動体を特定する特定手段(演出制御装置610のMPU612)と、
前記特別演出を行う場合に、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる擬似表示手段(演出制御装置610及び表示制御装置620)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1に示す構成によれば、複数の可動体を併用して特別演出を行うことにより、すなわち細分化されたピースを組み合わせることで特別演出を行うことにより、演出手段の大型化を図りつつ、それに起因した配置等に係る制約を抑えたり、動作スピードの向上を図ったりすることができる。これは、特別演出によって遊技者の注目度を向上させるという効果を発揮させる上で有利である。
しかしながら、このような構成ではそれらピース(可動体)の一部が欠けることで、特別演出が不完全となって、当該特別演出が陳腐化すると懸念される。この点、本特徴によれば、可動体の動作不良等の不具合が発生した場合、当該可動体に代えて表示画面にて同可動体を模した擬似画像が表示され、当該擬似画像によって特別演出が補完される。このように、欠けたピースを背後に位置する表示画面に表示される画像によって補う構成とすれば、上記不都合の発生を抑え、演出手段に付与された演出機能の低下を好適に抑制することができる。
また、遊技機の演出機能が担保されるため、メンテナンス作業によって上記不具合が解消されるまで当該遊技機の稼動を継続させることができる。これにより、演出手段の複雑化に起因した動作不良等の不具合が生じたとしても、それが遊技機の稼動率を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
遊技機が遊技ホールの島設備等に設置された状態にて、このような不都合が発生している場合には、それを目視したホール管理者等の作業者はどの部分に不具合が生じているかを容易に特定することができる。故に、作業者は、メンテナンス作業等を行う際にどの部分を重点的に見ればよいかを把握しやすくなり、メンテナンス効率の向上に貢献できる。
なお、本特徴に示す構成を「表示画面を有し、当該表示画面にて絵柄を表示する絵柄表示手段と、前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段と、待機位置から前記表示画面の前方となる演出位置に変位可能な複数の可動体と、それら可動体を前記待機位置及び前記演出位置に変位させる駆動部とを有し、前記複数の可動体を前記演出位置へ各々配置することにより特別演出を行う演出手段と、前記各可動体が正常に動作しているかを監視する監視手段と、前記監視手段による監視結果に基づいて、正常に動作していない可動体を特定する特定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記特別演出を行う場合に、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる擬似表示手段を有していることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴2.前記演出手段は、前記複数の可動体を連動させて前記演出位置へ変位させることにより前記特別演出を行う構成となっており、
前記擬似表示手段は、前記特定手段によって特定された可動体以外の可動体の変位に連動するようにして前記擬似画像を前記表示画面における前記演出位置に対応する位置へ変位させることにより擬似表示を行う構成となっていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、擬似画像をいきなり演出位置に表示するのではなく、正常に動作している他の可動体と連動するようにして擬似画像を変位させることとにより、すなわち異常が発生している可動体の本来の動きを踏襲させることにより擬似表示による違和感の発生を軽減することができる。
なお、「演出位置に対応する位置」については、例えば「正常に作動していないと判定された可動体が正常に動作した状況下にて、特別演出により演出位置への配置が完了した場合に表示画面において当該可動体と対峙する位置」とすることも可能である。
特徴3.前記擬似表示手段により前記擬似画像が表示される場合に、前記特定手段により特定された可動体の動作を規制する規制手段(演出制御装置610にて表示部材320の動作を規制する機能)を有していることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴1に示した擬似表示を行う構成では、当該擬似表示を行っている最中に(例えば遅れて)該当する可動体が動作することで、当該可動体と擬似画像との両方が遊技者の視界に入ると懸念される。これは、遊技者を困惑させる要因になるため好ましくない。そこで、正常に動作していない可動体の動作を規制することにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
また、正常に動作していない可動体を無理に動かそうとすれば、当該動作によって駆動機構等に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、上記不具合を更に悪化させて修理等のメンテナンス作業による復旧を難しくする要因になる。この点、異常が見つかった場合には、該当する可動体の動きを規制することにより、復旧が困難になることを好適に抑制できる。
特徴4.前記駆動部は、前記各可動体に対応させて各々設けられており、
前記各駆動部を駆動制御する駆動制御手段(演出制御装置610)と、
前記擬似表示手段により前記擬似画像が表示される場合に、前記特定手段により特定された可動体に対応する前記駆動部の駆動制御を規制する規制手段(演出制御装置610にて表示部材320の動作を規制する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴1に示した擬似表示を行う構成では、当該擬似表示を行っている最中に(例えば遅れて)該当する可動体が動作することで、当該可動体と擬似画像との両方が遊技者の視界に入ると懸念される。これは、遊技者を困惑させる要因になるため好ましくない。そこで、正常に動作していない可動体の動作を規制することにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
また、正常に動作していない可動体を無理に動かそうとすれば、当該動作によって駆動機構等に生じる負荷が大きくなると想定される。これは、上記不具合を更に悪化させて修理等のメンテナンス作業による復旧を難しくする要因になる。この点、異常が見つかった場合には、該当する可動体の動きを規制することにより、復旧が困難になることを好適に抑制できる。特に、可動体の動きをストッパ等を用いて無理矢理規制するわけではないため、駆動機構や駆動部等に生じる負荷を好適に軽減することができる。
特徴5.前記特定手段によって正常に動作していない可動体が特定された場合に、当該可動体を動作前の位置(例えば待機位置)へ復帰させる復帰手段を備えていることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
待機位置から演出位置への移動過程にて可動体の動きが止まってしまうと、実際の可動体と当該可動体を模した擬似画像との両方が遊技者の視界に入る等して、両者のギャップが際立つことになる。これは、見栄えを悪化させるだけでなく、擬似画像によって特別演出を補完する機能を発揮させる上で障害になる。そこで、本特徴に示すように、上手く動作していない可動体については、無理に演出位置に動かそうとせず、待機位置に戻す構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、例えば特徴3又は特徴4との組み合わせにおいては、該当する可動体を待機位置に復帰させた後に、同可動体の一切の動作が不可となるように規制するとよい。
特徴6.前記特定手段は、前記可動体が動作を開始してから前記待機位置に到達する前に前記特定を行うように構成されており、
前記擬似表示手段は、前記特定手段によって特定された可動体以外の可動体が前記演出位置に配置される前に前記擬似画像の表示を開始するように構成されていることを特徴とする特徴1乃至特徴5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示す可動式の演出手段を有する構成においては、可動体の動きそのものに対して遊技者の注目が向くと想定される。このため、演出位置に擬似画像を表示するだけでは上述した補完機能が十分に発揮されるとは言いがたい。また、異常の発生していない他の可動体が演出位置に配置された後に擬似画像が遅れて変位した場合には、擬似画像による代替が上手く機能しなくなると想定される。そこで、可動体が演出位置に到達する前の段階にて異常の有無を判定し、可動体が演出位置に配置される前に擬似画像の表示を開始することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
また、本特徴に示す構成によれば、異常発生→即時対応が可能となる。これにより、どのタイミングで異常が発生するか分からないという前提であっても上述した補完機能を発揮させることができる。
特徴7.前記監視手段は、前記待機位置に待機している前記各可動体を検知する位置検知手段(検知センサ335)を有し、それら可動体が動作すべき状況下にて前記待機位置から変位したか否かを前記位置検知手段からの検知情報に基づいて判断することにより同可動体が正常に動作しているか否かを監視するように構成されており、
前記特定手段は、前記監視手段による監視結果に基づいて前記待機位置から動作していない可動体を特定する構成となっていることを特徴とする特徴1乃至特徴6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1に示す可動式の演出手段を有する構成においては、可動体の動きそのものに対して遊技者の注目が向くと想定される。このため、演出位置に擬似画像を表示するだけでは上述した補完機能が十分に発揮されるとは言いがたい。また、異常の発生していない他の可動体が演出位置に配置された後に擬似画像が遅れて変位した場合には、擬似画像による代替が上手く機能しなくなると想定される。そこで、可動体が演出位置に到達する前の段階にて異常の有無を判定し、可動体が演出位置に配置される前に擬似画像の表示を開始することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
また、仮に異常発生が事前に把握できていれば特別演出を行う場合に予めどのような対応を取るかを定めることが可能であり、当該対応にも余裕が生じる。しかしながら、特徴1等に示した異常については、どのようなタイミングで発生するかを予め予測することは困難である。この点、本特徴によれば、演出位置に到達したか否かではなく、動作すべき状況にて待機位置から変位したか否かに基づいて異常発生の有無を判定することにより、突発的に発生する異常にも好適に対応できる。
なお、特徴6又は特徴7においては、待機位置から変位すべき状況にて変位していないことを条件として擬似表示を行う場合に、該当する可動体が本来移動する全行程の終わりを含む一部の行程について擬似表示を行う構成とすることが好ましい。
特徴8.遊技機が起動された場合に、前記各可動体を動作させるテスト用駆動手段と、
前記テスト用駆動手段による動作テストを行った場合に、前記監視手段による監視結果に基づいて異常報知を行う報知手段と
を備えていることを特徴とする特徴1乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機の起動時に動作テストを行うことにより、実際に遊技が行われる前の段階で異常の有無を把握することができる。この結果に基づいて異常報知を行うことによりホール管理者等に対して異常が発生している旨を知らせることができる。仮に、上記異常報知が遊技中に行われた場合には、遊技者に煩わしいとの印象を与える要因になるが、起動時(動作テスト時)に報知を行う構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、事前に異常の有無等を把握しておくことにより、特別演出の補完等の対応を余裕を持って行うことが可能となる。
特徴9.前記報知手段は、正常に動作していない可動体が前記監視手段による監視結果に基づいて前記特定手段により特定された場合に、当該特定された対象を教示する手段を有していることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、異常が発生している可動体を教示することにより、ホール管理者等が対象を特定した上で修理等のメンテナンス作業を行うことができる。これにより、作業効率の向上等に貢献できる。
特徴10.所定の操作が行われたことに基づいて、前記報知手段による報知を解除する報知解除手段と、
前記所定の操作が行われたことに基づいて、前記可動体のうち前記報知の契機となった可動体以外の可動体を動作させる確認用駆動手段と
を備えていることを特徴とする特徴8又は特徴9に記載の遊技機。
特徴10によれば、異常報知の解除操作を行うことにより、各可動体が動作する。この際、異常報知の契機となった可動体については上手く動作しないと想定され、解除操作を行った作業者は、どの可動体に異常が発生しているかを容易に把握することができる。
なお、解除操作が行われる解除操作部を遊技機前面部に設けることにより、解除操作を行った際の可動体の視認性を好適に担保することができる。
特徴11.前記特定手段により特定された対象を記憶する対象記憶手段を備え、
前記擬似表示手段は、
前記特別演出が実行される状況下にて前記対象記憶手段によって記憶されている対象の数が第1所定数を超えている場合に、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる手段と、
前記特別演出が実行される状況下にて前記対象記憶手段によって記憶されていた対象の数が前記第1所定数を既に超えている場合に前記特定手段によって特定された可動体及び当該可動体以外の可動体を模した擬似画像をそれら可動体の代わりに前記表示画面に表示させる手段と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴11によれば、該当遊技回にて特定された可動体の数が第1所定数を上回った場合には、特定された可動体が擬似画像によって置換される。一方、異常が生じている可動体の数が事前に第1所定数を上回っている場合には、特定された可動体のみならず他の可動体(特定の可動体)についても擬似画像に置換されることとなる。このように、事前に異常となった数が第1所定数よりも多い場合には敢えて他の可動体の擬似画像への置換を許容することにより、擬似画像による補完機能を発揮する上で見栄え低下を好適に抑制できる。
特徴12.前記特定手段により特定された対象を記憶する対象記憶手段を備え、
前記擬似表示手段は、前記特別演出が実行される状況下にて前記対象記憶手段により記憶されている対象の数が複数の数である第2所定数を超えた場合であっても、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる手段を有し、
遊技回が開始される状況下にて前記対象記憶手段により記憶されている対象の数が前記第2所定数を既に超えている場合に、前記特別演出を規制する又は前記表示画面にて実行される他の表示演出に置き換える手段を備えていることを特徴とする特徴1乃至特徴11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴12によれば、該当遊技回にて特定された可動体の数が第2所定数を上回った場合には、特定された可動体が擬似画像によって置換される。一方、異常が生じている可動体の数が事前に第2所定数を上回っている場合には、特別演出が規制される又は他の表示演出に置換されることとなる。異常が発生している可動体の数があまりに多くなった場合には、複数の可動体を用いて一体的な演出を行う意義が薄れることとなる。そこで、上記対策を講じることにより、演出手段が陳腐であるような印象を遊技者に与えることを抑制できる。
例えば、異常が発生している可動体の数が異常の発生していない可動体の数を上回っている場合には、特別演出の主体が可動体ではなく擬似画像であるかのような印象を遊技者に与える可能性がある。そこで、このようなケースでは敢えて擬似画像による演出の補完を行うことなく、特別演出自体を規制又は他の表示演出に置換することにより、可動体の存在意義を担保することができる。
特徴13.前記特定手段により特定された対象を記憶する対象記憶手段を備え、
前記擬似表示手段は、
前記特定手段によって特定された可動体の数が複数の数である第3所定数よりも少ない場合に、前記特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる擬似表示を行う手段と、
前記特定手段によって特定された可動体の数が前記第3所定数と同数又は当該第3所定数よりも多い場合に、全ての可動体を模した擬似画像をそれら可動体の代わりに前記表示画面に表示させる擬似表示を行う手段と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴13によれば、特定された可動体の数に応じて擬似表示の対象が変更されることとなる。実際の遊技機にて、同時期に複数の可動体に異常が発生することはまれであると想定されるが、このような事象が発生しないとも言い切れるものでもない。また、全ての可動体のうち異常が生じている可動体の数が占める割合が多くなると、複数の可動体を組み合わせて特別演出を行う意義が薄れ、可動体の存在意義が陳腐であるかのような印象を遊技者に与える可能性がある。そこで、第3所定数を基準として、当該第3所定数を超えていない場合に上記擬似表示を行う一方、第3所定数と同数又は第3所定数を超えている場合には一切の可動体を擬似画像に置き換える構成とすることにより、可動体の存在意義を担保することができる。
特徴14.前記特別演出は第2特別演出、前記演出手段は第2演出手段であり、
前記各可動体を模した画像を記憶する記憶手段(表示制御装置620のキャラクタROM626)と、
前記記憶手段に記憶された各画像を前記表示画面において前記演出位置に対応する位置に各々変位させて前記第2特別演出を模した第1特別演出を前記表示画面にて行う第1演出手段(表示制御装置620のMPU622にて第1特別演出を実行する機能)と
を備え、
前記擬似表示手段は、前記記憶手段に記憶された前記画像を前記擬似画像として用いるように構成されていることを特徴とする特徴1乃至特徴13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴14によれば、可動体を用いた第2特別演出と、可動体を模した画像(可動体と同一又は同種であると遊技者によって認識される画像)を用いた第1特別演出とを併用することにより、特別演出の多様化が実現される。第2特別演出にて使用される画像を第2特別演出を補完する擬似画像として使用することにより、データの記憶容量が無駄に多くなることを抑えつつ、特徴1等に示した補完機能を発揮させることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、60…遊技盤、75…絵柄表示手段としての図柄表示装置、75a…表示画面、76…演出手段としての可変表示装置、162…主制御装置、300…演出手段を構成する可変機構、320…可動体としての表示部材、330…駆動部、335…位置検知手段としての検知センサ、602…MPU、610…演出手段又は表示制御手段を構成する演出制御装置、612…MPU、620…表示制御手段を構成する表示制御装置、622…MPU、625…VDP、626…キャラクタROM。

Claims (2)

  1. 表示画面を有し、当該表示画面にて絵柄を表示する絵柄表示手段と、
    待機位置から前記表示画面の前方となる演出位置に変位可能な複数の可動体と、それら可動体を前記待機位置及び前記演出位置に変位させる駆動部とを有し、前記複数の可動体を連動させて前記演出位置へ各々配置することにより特別演出を行う演出手段と、
    前記各可動体が正常に動作しているかを監視する監視手段と、
    前記監視手段による監視結果に基づいて、正常に動作していない可動体を特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定された対象を記憶する対象記憶手段と、
    前記特定手段によって特定された可動体の数が所定数よりも少ない場合に、前記特定手段によって特定された可動体を模した擬似画像を当該可動体の代わりに前記表示画面に表示させる第1疑似表示手段と、
    前記特定手段によって特定された可動体の数が前記所定数と同数又は当該所定数よりも多い場合に、前記特定手段によって特定された可動体及び当該可動体以外の可動体を模した擬似画像をそれら可動体の代わりに前記表示画面に表示させる第2疑似表示手段と
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. パチンコ機である請求項1に記載の遊技機。
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