<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている(図1参照)。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等が出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図2参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
図2に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図4に基づき内枠13について説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては図2と同様にパチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている(図2参照)。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図4の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光式の装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料(詳しくはFRP)からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
以下、図5〜図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤ユニット80の正面図、図6は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図6においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図5に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入球装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入球装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入球装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図5においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91(詳しくは駆動部)は後述する主制御装置に接続されており、主制御装置からの信号に基づいて、下作動口83bへの入球を許容する開放状態(サポート状態又はガイド状態)と、当該下作動口83bへの入球を不可とする閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)とに切り替る構成となっている。なお、電動役物91については、第1状態と当該第1状態よりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能となる開状態(補助状態)と、同入球が不可となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入球駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。なお、可変入球装置82については、第1状態とそれよりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開状態/閉状態に切替可能である必要はない。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット252について説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。
主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されており、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図4を参照して内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
同図4に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光式の装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図5参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置150とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置150は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置253が前側且つ表示制御装置150が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置150の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置150の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入球装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入球装置82に入賞した遊技球を検知する可変入球装置用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技領域形成体80aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技領域形成体80aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図11(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技領域形成体80aの背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技領域形成体80aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。
ここで、遊技盤ユニット80が有する上記可動演出装置及びそれに関連する構成について補足説明する。遊技領域形成体80aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、遊技領域形成体80aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
図7に示したように、背面ブロック80bは、可変表示ユニット252等の各種演出装置や報知・演出制御装置140等の各種制御装置が搭載される台座として上記ベース体251を有している。ベース体251は遊技領域形成体80aの背面に対向する平板状の対向部255と、対向部255から後方に膨出する膨出部256とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり(図7等参照)、正面視における外形が遊技領域形成体80aよりも上下幅が若干小さくなるように構成されている。
膨出部256は、前方(遊技領域形成体80a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部255が構成されている。対向部255が遊技領域形成体80aの背面に当接した状態で当該遊技領域形成体80aにねじ止めされることにより、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが1ユニット化されている。
膨出部256の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技領域形成体80aの中央開口85(図13参照)と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット252はこの開放部を塞ぐようにして膨出部256の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置253の表示画面253aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置140及び表示制御装置150が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット252(詳しくは図柄表示装置253)に対して積層配置されており、更にその下方には、膨出部256に対して主制御装置162が取り付けらている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している(図7等参照)。
ベース体251における左枠部、右枠部、上枠部、下枠部にはそれぞれ可動演出装置が設置されており、これら可動演出装置によって表示画面253aが囲まれている。各可動演出装置は、膨出部256により形成された凹み内に収容されており、製造時等に背面ブロック80bが単体で持ち運びされる場合であっても、それら可動演出装置がジグ等の他の構成に干渉することが抑制されている。
また、左右の枠部及び下枠部に跨るようにして一連の装飾部271が配置されている。装飾部271については有色透明な樹脂材料によって形成されており、LED等の発光体が実装された発光基板271aが内蔵されている。発光基板271aは、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140により遊技状況に応じて発光制御が行われることで遊技領域PEの背後にて発光演出が実行されることとなる。
また、装飾部271には、遊技領域形成体80aに形成された一般入賞口81や作動口83a,83b等の入球部へ流入した遊技球を回収する回収通路が形成されており、その入口部分がそれら各入賞部に連通している。つまり、遊技領域形成体80aにおける入球部へ流入した遊技球は、背面ブロック80bの回収通路へ導かれ、その後裏パックユニット15の排出通路を通じて遊技ホールの島設備等へと返却されることとなる。
ここで、上記可動演出装置について補足説明する。下枠部には、昇降可能且つ左右にスライド可能に設けられた装飾体を有する第1可動演出装置273が設けられている。この第1可動演出装置273の装飾体については、表示画面253aと重なる位置に突出しており、遊技機前方から視認可能となっている。一方、当該装飾体を移動させるための駆動機構は、上記装飾部271によって前方から覆われており視認不可となるように構成されている。これは、第1可動演出装置273の見栄えを担保するための工夫である。
次に、上枠部263には、左右一対の扉部材を有してなる横長状の開閉扉281と、同開閉扉281を有する第2可動演出装置274が配置されている。第2可動演出装置274は、遊技領域形成体80aの板材又は中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能な位置に配置されている。第2可動演出装置274は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの駆動信号が入力されることにより、開閉扉281を開状態と閉状態とに切替可能となっている。
第2可動演出装置274(詳しくは開閉扉281)は、当該第2可動演出装置274にかかる演出が実行されない状況下においては、閉状態に維持される。この第2可動演出装置274の背後には、同第2可動演出装置274に重なるようにして第3可動演出装置275が配置されている。第3可動演出装置275は、第2可動演出装置274の背後に隠れる待機位置と、表示画面253aの中央部分の前方となる演出位置とに移動可能となっており、遊技状況に応じて当該第3可動演出装置275単独での演出又は第2可動演出装置274との連動演出が実行される構成となっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成を図12のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601にはMPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口81用の検知センサ151a、上作動口83a用の検知センサ151b、下作動口83b用の検知センサ151c、可変入球装置82用の検知センサ151d、スルーゲート84用の検知センサ151eが接続されており、これら各種検知センサ151a〜151eからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)が実行される。また、MPU602では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140(詳しくは報知・演出制御基板611)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応の入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入球装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下作動口83bに付随した電動役物91を駆動させる駆動部91b、可変入球装置82の開閉扉を駆動させる可変入球駆動部82b、主表示ユニット87の保留数表示部US,LS,DH、各作動口用表示部DU,DL、スルーゲート用表示部DS等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御や各種表示部の表示制御を実行する。
具体的には、開閉実行モードにおいては可変入球装置82が開閉されるように、MPU602において可変入球装置82における可変入球駆動部82bの駆動制御が実行される。また、下作動口83bの電動役物91の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット87の主表示部Dにおける上作動口用表示部DU又は下作動口用表示部DLの表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140は、MPU612が搭載された報知・演出制御基板611を有してなり、MPU612には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614などが内蔵されている。
報知・演出制御装置140は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置150を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置150に転送する。
表示制御装置150はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPU622では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。
ここで、図13及び図14を参照して図柄表示装置253の表示内容について説明する。図13は図柄表示装置253の表示画面253aにおける表示内容を説明するための説明図、図14は図柄表示装置253の表示画面253aにおいて表示される図柄を説明するための説明図である。
図13に示すように、図柄表示装置253の表示画面253aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面253aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。この場合、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている(図14参照)。
また、図13(b)に示すように、表示画面253aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面253aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置253における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
<各種カウンタについて>
次に、図15を参照して上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図15は当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
主制御装置162のMPU602は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部の表示の設定(すなわち各種表示部DU,DL,DSにおける発光態様の設定)、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部DU,DL及び図柄表示装置253における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、上作動口保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「508」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
なお、振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入賞した場合に、詳しくは作動口83a,83bへ流入した遊技球が上記検知センサ151b,151cにより検知されたタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図16(a)に示す概略図を参照して上記リーチ表示となる場合の表示態様について例示する。リーチ表示となる場合には、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され(停止表示され)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された(停止表示された)状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図13参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部DU及び下作動口用表示部DLにおける変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部DU及び下作動口用表示部DLにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置253や主表示ユニット87(詳しくは作動口用表示部)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが参照される。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603に記憶された停止結果テーブル記憶エリア603eに記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
(主制御装置162のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、先ず各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続いて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
その後、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリア604cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、更新された電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア604cに格納する。また、報知・演出制御装置140に対して、保留記憶数と対応する保留ランプ部98を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
スルーゲート用の入賞処理を実行した後は、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理においては先ず、遊技球が作動口83に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口83に入球したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、作動口83に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、作動口83への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2,リーチ乱数カウンタC3,変動種別カウンタCS等の各値を格納する情報取得処理を行う。なお、作動口83への入球がなかった場合には、そのまま本処理を終了する。
(通常処理)
次に、通常処理について説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、遊技の主要な処理が実行される。その概要として、抽選や遊技状態の変更等の各種処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間を利用してカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。
次に、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続いて、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87の表示制御などを行う。
遊技回制御処理を実行した後は、遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
その後、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。
電役サポート用処理を実行した後は、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
本実施の形態においては、主制御装置162からのコマンドに基づき報知・演出制御装置140にて遊技演出の詳細が設定される構成となっている。サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140に詳細を設定する機能を付与することにより、主制御装置162の制御負荷の増大を抑えつつ遊技演出の多様化が実現されている。
ここで、図16に基づき図柄表示装置253(表示画面253a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図16(a)〜(c)は各種変動表示態様の概要を示す概略図である。
(変動表示態様)
表示画面253aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチBの5つに大別される。これら各変動表示態様については、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要が決定される。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチBの変動表示時間については、ノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」となっている。例えば、主制御装置162からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置140にてノーマルリーチB、スーパーリーチA,スーパーリーチBの何れを実行するかが抽選により決定されることとなる。
なお、本実施の形態におけるスーパーリーチBについては所謂確変確定演出となっており、当該スーパーリーチBが実行される場合には、確変大当たり結果となる。つまり、スーパーリーチBについては確変大当たり結果以外の場合に選択されることはない。また、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチA > ノーマルリーチBの順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、ノーマルリーチB > スーパーリーチAの順に選択されやすい構成となっている。つまり、実行される変動表示態様に応じて大当たりの当選期待度が変化するように構成されている。
ここで、図16(a)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図6参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,Bの変動表示態様について説明する。図16(b),(c)に示すように、スーパーリーチA,Bでは、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインが形成される。そして、リーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示されることとなる。
なお、上記スーパーリーチA,Bが実行される場合には、これらの表示演出に併せて、装飾部271による発光演出や、可動演出装置273〜275による連動演出が実行される場合がある。これらの、各種構成271,273〜275による複合演出については、外れ結果に対応する遊技回よりも大当たり結果に対応する遊技回にて実行されやすくなっており、同複合演出が実行された場合には大当たりに当選する期待が高まる。
このように、多様な演出が実行される仕様とすることは遊技への注目度の向上を図る上で有効ではあるが、制御プログラムの複雑化や制御対象の多様化によって誤作動等の不具合が発生する可能性が高くなる。そこで、工場における遊技機の製造工程には、そのような不具合が発生の有無を確認すべく検査工程が組み込まれている。
(パチンコ機10の製造工程の概要)
以下、図17の概略図を参照して上述したパチンコ機10を製造する製造工程の概要について説明する。パチンコ機10の製造工程については、部位毎に分別された複数のサブアセンブリユニット(遊技ユニット)を形成する工程と、それらサブアセンブリ化された遊技ユニット(例えば外枠11や前扉枠14)を組み立てる組み立て工程に大別される。このように細かな部品の組み合わせ等を行うサブアセンブリ工程と、同サブアセンブリ工程を経て組み上げられた遊技ユニットを組み立てるアセンブリ工程とを分けることにより、分業化を促進し生産効率の向上等が図られている。
組み立て工程における第1の組付工程では、遊技球発射機構110や通路形成部材121等の各種構成が内枠ベース体50に搭載されてなる内枠ベース(詳しくは内枠13から遊技盤ユニット80を除外したもの)に対して遊技盤ユニット80の組付けを行う。
具体的には、遊技盤ユニット80の左端部を内枠ベース体50に形成された挿入部69に挿入し、遊技盤ユニット80の切欠き部90を内枠ベース体50の仮置き部66に乗せた状態で回動させることで遊技盤ユニット80を所定の装着位置完了へ配置し、その後ロックレバーを用いて当該遊技盤ユニット80を装着完了位置に固定することにより、内枠ベースと遊技盤ユニット80とが一体化される(図4参照)。この組付工程にて内枠13が完成することとなる。
その後、第2の組付工程では枠体に幕板等が固定されてなる外枠11に対して内枠13の組み付けを行い、続く第3の組付工程では外枠11に組み付けられた内枠13に裏パックユニット15を組み付ける。
具体的には、外枠11に設けられた支持用金具17,18に対して、内枠13に設けられた支持金具71,72を係合させることにより、外枠11に対して内枠13が回動可能な状態で取り付けられることとなる。内枠13を外枠11に取り付ける場合には、当該内枠13をある程度開いた状態としておく必要がある。つまり、外枠11に内枠13を取り付けた状態では図3に示したように内枠13の背面が遊技機正面側に露出している。
そこで、直後の第3の組付工程では、当該露出している状況を利用して内枠13の背面に裏パックユニット15を取り付ける作業を行う。詳しくは、内枠13に設けられた軸受け金具132(図8参照)に裏パックユニット15の掛止ピン214(図10)参照を係合させることにより裏パックユニット15が内枠13によって回動可能な状態で一体化される。内枠13の背面に設けられた固定レバー134により裏パックユニット15を閉じた状態で固定することにより裏パックユニット15の脱落が回避されることとなる。なお、裏パックユニット15及び内枠13は、電気配線がまとめられたケーブルを接続することで電気的に接続された状態となる。
第3の組付工程にて内枠13への裏パックユニット15の組み付けが完了した後は、第4の組付工程にて内枠13に対する前扉枠14の組み付けを行う。詳しくは内枠13に設けられた支持金具71,72に前扉枠14に設けられた上記突起軸を係合させることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能な状態で一体化される。そして、内枠13に対して前扉枠14を閉じることで施錠装置75(図2→図3参照)が動作し、前扉枠14の開放が規制された状態となる。
以上詳述した第1の組付工程〜第4の組付工程を経て、遊技機主部12が外枠11と一体化された後は、遊技機主部12を外枠11に対して閉じることで施錠装置75が動作し、遊技機主部12(内枠13)の開放が規制された状態となる。これにより、パチンコ機10の組み立てが完了する。
パチンコ機10が完成した後は、第5の検査工程にてパチンコ機10の動作(遊技球の発射や払出し)等の最終検査を行う。このようにして動作確認が行われたパチンコ機10は包装(所謂セキュリティラッピング)がなされた後に遊技ホール等へ出荷されることとなる。
上述の如くパチンコ機10を部分毎にサブアセンブリ化したもの(外枠11、内枠13、前扉枠14、裏パックユニット15)を最終組立工程にてアセンブリ化することにより、各遊技ユニット毎に固有の生産ラインを設定することが可能となり、組立作業のオートメーション化や作業者の作業負荷の軽減等が促進されている。
ここで、本実施の形態に示す遊技盤ユニット80には遊技機の仕様に係る構成(遊技領域形成体80aや各種御装置140,162等)のほとんどが集約されている。そして、遊技盤ユニット80を入れ替えることにより、遊技機の機種変更(マイナーチェンジ)を行うことが可能となっている。遊技機メーカでは遊技盤ユニット80単体での出荷を行い、遊技ホールでは既存の構成(例えば外枠11や内枠13等の各種遊技ユニット)を流用して遊技盤ユニット80を入れ替えることで機種変更を行うことが可能となっており、環境面及び経済面の両方に配慮した実用上好ましいビジネスモデルが確立されている。
このような事情から、本実施の形態に示した遊技盤ユニット80の出荷態様については、遊技盤ユニット80単体で出荷される場合と、遊技機本体に組みつけられたアセンブリ状態で出荷される場合とが存在する。ここで、遊技盤ユニット80の製造工程の概要について説明する。
(遊技盤ユニット80の製造工程の概要)
遊技盤ユニット80の製造工程においては、先ず遊技領域形成体80aへの釘部材93の取り付け(植設)を行う。釘部材93の取り付けが完了した後は遊技領域PEを区画形成する誘導レール100(詳しくは内レール101及び外レール102)の取り付けが行われ、誘導レール100の取り付けが完了した後は風車94の取り付けがなされる。
以上3つの工程が1つの生産ラインに組み込まれており、これらの工程を経た遊技領域形成体80aは、他の遊技部品の組み付け及び検査を行うラインへと搬送される。取付工程では、作業者によって遊技領域形成体80aの前面側に配設される可変入球装置82、センターフレーム95、遊技領域区画部材99等の遊技部品が取り付けられ、続いて遊技盤ユニット80の背面部を構成する背面ブロック80bの取り付けが行われる。この際、ハーネスを用いて各種遊技機器が電気的に接続される。但し、この状況下においては主制御装置162と報知・演出制御装置140とを繋ぐハーネスHが非接続となっている。詳しくは主制御装置162に対してはハーネスHが接続されているが、報知・演出制御装置140に対してハーネスHが非接続となっており、当該ハーネスH用のコネクタが空いた状態となっている。
以上の各工程を経て遊技盤ユニット80が完成した後は、検査工程にて遊技盤ユニット80が正しく組み立てられているか、更には、可動演出装置273〜275等の機構部品や図柄表示装置253等の電気機器等が正常に動作するかの検査が行われる。これにより、遊技盤ユニット80単体での出荷を行う場合であっても、同遊技盤ユニット80の品質を担保することが可能となっている。
検査工程にて遊技盤ユニット80に異常が発見されなかった場合には、上記ハーネスHにより主制御装置162と報知・演出制御装置140とが接続された後、遊技盤ユニット80が出荷態様に応じて設定された後工程へと搬送される。具体的には、遊技盤ユニット80単体を出荷する場合には、出荷工程にて出荷の準備が行われる。詳しくは、遊技盤ユニット80に証紙が取り付けられた後に梱包される。一方、遊技盤ユニット80が内枠13に搭載されてパチンコ機10として出荷される場合には、完成した遊技盤ユニット80が上述した遊技機の製造工程に搬送されることとなる。
本実施の形態においては、遊技盤ユニット80の検査工程にて、検査に係る作業を簡略化するための工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図18及び図19(a)を参照して遊技盤ユニット80の検査、詳しくは図柄表示装置235や可動演出装置273〜275等の動作テストに係る構成について説明する。図18は動作テストに係る電気的構成を示すブロック図、図19(a)は報知・演出制御装置140の正面図である。
報知・演出制御装置140(MPU612)のROM613には、遊技が行われる場合に参照される遊技用プログラムが記憶された遊技用プログラム記憶領域613aと、上記検査工程にて動作テストが行われる場合に参照されるテスト用プログラムが記憶されたテスト用プログラム記憶領域613bとが設けられている。以下の説明では、MPU612にて遊技用プログラムに基づく処理が実行されるモードを「遊技モード」、テスト用プログラムに基づく処理が実行されるモードを「テストモード」ともいう。
報知・演出制御装置140においては、MPU612の入出力ポート615(詳しくはテスト用ポート615a)にHIレベル/LOWレベルの2値信号を入力する切替回路616が接続されており、この切替回路616から入力されている信号に基づいて、遊技用プログラム記憶領域613a及びテスト用プログラム記憶領域613bのどちらへのアクセスを許可するかが決定される構成となっている。つまり、制御(演算)を実行するに当たり遊技用プログラム及びテスト用プログラムのどちらを参照するか、すなわち遊技モード/テストモードの何れのモードとするかが決定される構成となっている。
切替回路616は、ON状態/OFF状態に切替可能なテスト用スイッチ617を有してなる。テスト用スイッチ617がOFF状態となっている場合にはテスト用ポート615aがアース(GND)と同位(LOWレベル)となり、ON状態となっている場合には同テスト用ポート615aが電源(VCC)と同位(HIレベル)となる。報知・演出制御装置140のMPU612ではテスト用ポート615aのレベルを確認し、LOWレベルとなっていることに基づいて遊技用プログラムを実行し、HIレベルとなっていることに基づいてテスト用プログラムを実行する。
図19(a)に示すように、報知・演出制御装置140の基板ボックス141において報知・演出制御基板611の素子搭載面と対向する側のボックス構成体142には、貫通孔142cが形成されており、この貫通孔142cを通じてテスト用スイッチ617の操作片146が基板ボックス141から突出している。
操作片146はON位置及びOFF位置の両位置間でスライド移動可能に設けられており、当該操作片146がOFF位置に配置されている場合にはテスト用スイッチ617がOFF状態に維持され、操作片146がOFF位置に配置されている場合にはテスト用スイッチ617がON状態に維持されるように構成されている。
また、図示は省略するが、基板ボックス141には、当該操作片146をOFF位置に向けて付勢する付勢部と、ON位置に配置された場合に操作片146に係合することにより当該操作片146のOFF位置への復帰を妨げる係合部とが設けられている。ON位置に配置された操作片146をON位置に戻す場合には、上記係合部との係合力よりも大きな外力を加えることで係合状態が解除され、上記付勢部の付勢力等によってON位置に復帰させることができる。
上記検査工程にて動作テストを行う場合には、図19(b)群に示すようにOFF位置に待機している操作片146を付勢部の付勢力に抗して移動させて、ON位置へ配置する。これにより、図19(c)群に示すように操作片146によってテスト用スイッチ617が押圧され、当該テスト用スイッチ617がOFF状態からON状態に切り替る。これに基づき、上記テスト用ポート615aがLOWレベルからHIレベルに切り替ることとなる。
なお、本実施の形態に示す報知・演出制御装置140については主制御装置162を通じて供給される電力によって動作するが、動作テストを行う場合には、この電力供給が検査工程に設けられた設備から供給される。テスト用ポート615aにVCCからの電力が供給されるためには、その前提として報知・演出制御装置140への電力が供給されるていることが条件となる。ここで、図20(a)のフローチャートを参照して報知・演出制御装置140のMPU612にて実行されるテスト用処理について説明する。
テスト用処理においては先ず、ステップS1001にてリセット操作又は報知・演出制御装置140が起動したか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、本テスト用処理を終了する。テスト用処理については報知・演出制御装置140のリセット操作が行われたタイミング又は起動したタイミングにて実行される処理であり、詳しくは、リセット又は起動に伴いポートの有効化等の各種準備処理が実行された後、すなわち所定のウェイト期間を経てMPU612が通常の動作モードに移行した場合に実行される。
ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002ではテスト用ポート615aのレベル確認処理を実行する。すなわち、テスト用ポート615aがHIレベルであるがLOWレベルであるかを確認する。続くステップS1003ではテスト用ポート615aがHIレベルであるか否かを判定する。ステップS10003にて否定判定をした場合には、そのまま本テスト用処理を終了する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004に進みテスト実行処理、すなわちテストモードへの移行処理を行う。
なお、当該テスト用処理が実行される状況下においては、報知・演出制御装置140への電力の供給がなされているため、操作片146がON位置に配置されてテスト用スイッチ617がON状態となっている場合には、テスト用ポート615aがHIレベルとなる。
次に、図20(b)のフローチャートを参照して、動作テストにて実行される各種テストの流れについて説明する。動作テストにおいては、図柄表示装置253の表示テスト、発光装飾部271の発光テスト、可動演出装置273〜275の駆動テスト等の各種テストが所定の順序で繰り返し実行される。
報知・演出制御装置140(MPU612)がテストモードとなった場合には、先ず図柄表示装置253の表示画面253aにて外れに対応する図柄の変動表示として、外れ対応の上記スーパーリーチAを実行する。当該表示を実行した後は、当たりに対応した図柄の変動表示として、上記スーパーリーチBを実行する。検査工程では、これら2度の変動表示に基づいて、表示画面253aにおける変動表示領域MEにずれが発生していないか、またキャラクタROMから図柄やキャラクタ等の読み込みが行われているかの確認を行う。
図柄表示装置253の表示テストが終了した後は、発光装飾部271の発光テストを行う。具体的には、発光基板271aに所定のテストパターンで発光するように信号を出力する。検査工程では、この発光パターンを見て発光不具合が発生していないかの確認を行う。
発光装飾部271の発光テストが終了した後は、表示画面253aの下方に配置された第1可動演出装置273に駆動信号を出力して第1可動演出装置273の駆動テストを行う。検査工程では、第1可動演出装置273の動作パターンを見て動作不良等が発生していないかの確認を行う。
第1可動演出装置273の駆動テストが終了した後は、表示画面253aの上方に配置された第2,第3可動演出装置274,275に駆動信号を出力してそれら可動演出装置274,275の駆動テストを行う。検査工程では、可動演出装置274,275の動作パターンを見て動作不良等が発生していないかの確認を行う。以上の各テストが終了した後は、再び最初の図柄表示装置253の表示テストに戻る。
以上詳述した動作テストが実行されている最中は定期的(2msec毎)に実行される処理にて、当該動作テストを継続するか否かの判定が行われる。具体的には、都度のタイミングにてテスト用ポート615aのレベルを確認する。ここで、テスト用ポート615aがHIレベルである場合には動作テストを継続し、LOWレベルとなった場合には動作テストを終了させる。
このため、仮にノイズ等の影響によって上記ステップS1003にて肯定判定をした場合には、テストモードへ移行した後、直ちにテストモードが終了し遊技モードへ復帰することとなる。例えば、テスト対応の図柄の変動表示を行っている最中にテストモードから遊技モードへ復帰する場合には、当該変動表示が強制的に終了されることとなる。
本実施の形態においては特に、図柄の変動表示のテストにて最初に外れ対応の表示テストを行い、その後当たり対応の表示テストを行う構成とした。一時的なノイズ等の影響で誤ってテストモードが起動した場合であっても、当該ノイズが続くとは考えにくい。仮に当たり表示がされたにもかかわらず開閉実行モードへ移行しない場合には、遊技者を困惑させたり不快感を与えたりする要因になるが、先に外れ対応のテスト表示を行うことにより、誤って当たり対応のテスト表示が実行されることを抑制している。これにより、上記不都合の発生を好適に回避できる。
遊技機(例えば遊技機器)の動作テストは、例えば遊技機の仕様等に応じて機種毎に設定されやすい。そこで、本実施の形態に示すように各種電気機器のテスト用プログラムを遊技機に設けられた制御装置(報知・演出制御装置140)に予め記憶させておくことにより、動作テスト用のプログラム等を別途準備する場合と比較して、テスト時(検査工程)の作業の簡略化や作業ミスの軽減等に貢献できる。
このように、遊技用プログラムとテスト用プログラムとが併存している構成では、両者が混在することによりノイズ等の影響で情報の読み出し等が誤って実行される可能性が生じる。例えば、遊技中に動作テストが実行されると遊技演出等の内容が動作テストに対応したものに書き替えられることとなり、このような事象は遊技機の信頼性を損う要因になり得る。
この点、本実施の形態では、目的に異なる2つのプログラムを個別に設けられた記憶領域613a,613bに分けて格納することにより、上記事象の発生を抑制できる。また、テスト用ポート615aに入力されている信号に基づいて遊技モード及びテストモードのどちらとするかが決定される。このように、MPU612の外部からの信号によって参照先が決まる構成とすることにより、例えば演算部(制御主部)に付随するバッファ等の一時記憶領域に記憶された情報(フラグ等)に基づいて参照先を決定する構成と比較して、ノイズ等の影響を受けにくくすることができる。これにより、上述したような誤動作の発生を抑え、報知・演出制御装置140に遊技用プログラム及びテスト用プログラムを記憶させる構成とした場合の信頼性の低下を好適に抑制できる。
但し、上述した各モードの切り替えが操作片146の位置に依存する構成においては、検査工程での作業ミス等によってON位置のままになったり、遊技ホールに設置された状態にて外部からの接触等によってOFF位置からON位置に変位したりすることで、意図せぬ状況にてテストモードが実行される可能性が生じる。つまり、構造的側面から上記プログラムの誤作動を回避しようとした場合であっても、信頼性を担保する上では未だ改善の余地が残る。
本実施の形態では、このような不都合の発生を回避する工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図3及び図21を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図21は裏パックユニット15と報知・演出制御装置140との関係を示す概略図である。
図3に示すように、裏パックユニット15の保護カバー部212において報知・演出制御装置140の基板ボックス141と対向する部分には、当該報知・演出制御装置140側に突出する突起212aが形成されている。突起212aは、基板ボックス141に形成された貫通孔142cに対応する位置に配置されており、裏パックユニット15を内枠13(内枠ベース体50)に対して閉じた状態では、当該突起212aの先端が貫通孔142cに挿通される構成となっている。
図21(a)に示すように、操作片146にはON位置に配置されている状態にて裏パックユニット15が閉位置に配置された場合に当該突起212aに当接する傾斜面146aが形成されている。
仮に作業ミス等により操作片146がON位置に配置された状態にて裏パックユニット15が閉じた場合には、図21(a)→図21(b)に示すように突起212aが傾斜面146aを押すことで、操作片146の係合が解除される。その後、図21(b)→図21(c)に示すように突起212aによる押圧力及び上述した付勢部による付勢力によって操作片146がOFF位置に移動する。つまり、誤って操作片146がON位置のまま遊技盤ユニット80が遊技機本体に搭載された場合であっても、裏パックユニット15が閉位置に配置されることにより強制的にOFF位置へ戻されることになる。
そして、図21(c)に示すように、裏パックユニット15が閉じた状態では、突起212aの先端が貫通孔142c内、詳しくはON位置に向けた操作片146の移動経路上に位置することになり、当該突起212aによって操作片146のON位置への移動が制限されることとなる。
これにより、例えば遊技中に操作片146が誤ってON位置へ移動し、テスト用スイッチ617がON状態となること(テストモードに移行すること)を回避できる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
テスト用ポート615aがHIレベルとなっていることに基づいてテストモードに移行する構成とした、MPU612の一時記憶領域等に記憶されたフラグ等によって実行されるプログラムを判別する構成では、ノイズ等の影響でプログラムが誤って実行される可能性が高くなると想定される。そこで、ソフト面ではなくハード面(機構を含む)によって制御状態を切り替える構成とすることにより、ソフト面(例えばフラグ管理)にて制御状態を切り替える構成と比較して、ノイズ等の影響を好適に抑制できる。
モード管理をフラグではなくポートの入力レベルに依存させることにより、ノイズ等の影響によって入力されている信号が一時的に上手く読み込めなかった場合であっても、信号(LOWレベル信号)が消失するのではなく入力が直ちに復帰されることとなる。このため、先の制御が、入力された信号とはそぐわないモードで行われた場合であっても、このような異常が続くことを好適に抑制できる。なお、ノイズは一時的に発生することが多く、継続的なものではない、故にHIレベルをテストモードに対応させてLOWレベルを遊技モードに対応させることにより、誤ってテストモード(特に当たり対応の表示テストが実行される)ことを回避できる。
上述したようにハード面での切り替えを行う構成においては、仮に遊技を行っている最中に振動等の影響で操作片146が誤ってON位置に移動すると、テスト用プログラムに基づく制御が実行されると懸念される。この点、遊技盤ユニット80を遊技機本体に組み付けた状態では、裏パックユニット15(突起212a)によってON位置への操作片146の移動が制限されることとなり、遊技中に誤ってテスト用プログラムが参照されることを回避できる。
なお、開閉式の裏パックユニット15に突起212aを設け、裏パックユニット15を開放することにより報知・演出制御装置140のリセットが可能となるように構成されている。裏パックユニット15を開放させることでリセット操作及び操作片146の移動に係る規制が解除される構成としたことにより、例えば遊技ホールにて動作不良等の不具合が発生した場合には同遊技ホールにて動作テストを行なうことが可能となっている。これにより、可動演出装置273〜275の調整作業や発光基板271aの発光不良等の確認が容易となり、メンテナンス作業を行う際の利便性の向上が図られている。このような利便性の向上を図りつつも、最終的に遊技機を元の状態に戻した場合(裏パックユニット15を閉じた場合)には、操作片146が強制的にOFF位置に戻されることとなるため、メンテナンス作業後に遊技機がテストモードのままになることが回避される。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、パチンコ機10がアセンブリ状態となった場合に(遊技中に)、「切替部」を構成するテスト用スイッチ617がON状態に切り替ること、詳しくは操作片146がOFF位置からON位置に変位することを報知・演出制御装置140を覆う裏パックユニット15によって制限する構成とした。本実施の形態においては、同じく遊技中にテスト用スイッチ617(操作片146)がON状態に切り替ることを制限する機能が付与されているものの、当該機能を発揮する上での具体的な構成が第1の実施の形態とは異なっている。以下、図22を参照して本実施の形態における切替制限に係る構成について説明する。図22(a)は遊技盤ユニット80Xを構成する報知・演出制御装置140及び主制御装置162の関係を示す概略図、図22(b)は図22(a)のA−A線部分断面図である。
既に説明したように、遊技盤ユニット80の検査工程においては主制御装置162と報知・演出制御装置140とを接続するハーネスHXが取り付けられていない状態にて遊技盤ユニット80の動作テストが実行される。そして、当該動作テストが終了した後にハーネスHXの取り付けが行われる。
パチンコ機10を完成させるには、上記ハーネスHXの取り付けが不可欠であり、このハーネスHXが取り付けられていない場合には、そもそもパチンコ機10が正常に動作しない。故に、上述したテストモードの誤作動等が問題にはならない。すなわち、テストモードの誤作動についてはパチンコ機10が正常に動作する状況下にて発生する問題である。
そこで、本実施の形態においては、パチンコ機10を正常に動作させるために必須となる構成として、ハーネスHXに着目し、当該ハーネスHXに上記突起212aと同様の機能を付与していることを特徴の1つとしている。
図22(a)に示すように、報知・演出制御装置140においてハーネスHXのコネクタ702の接続対象となるコネクタ145aは、操作片146と並設されている。図22(b)に示すように、コネクタ702には、操作片146用の貫通孔142cに挿入されるアーム702aが設けられている。アーム702aの先端が貫通孔142cに挿入された状態では、当該アーム702aによって操作片146のON位置への移動が制限されることとなる。
また、コネクタ702を報知・演出制御装置140に取り付ける際に、仮に操作片146がON位置に配置されている場合には、アーム702aの先端が操作片146の傾斜面146aに当接することとなる。そして、コネクタ702が接続位置に押し込まれることでアーム702aによって傾斜面146aが押され、操作片146のON位置からの移動規制(係合)が解除されることとなる。そして、アーム702aの押圧力及び上記付勢部の付勢力によって操作片146はOFF位置へ移動することとなる。
本実施の形態においては、操作片146に並設されるコネクタ702に操作片146をOFF位置へ移動させる機能やON位置への移動を制限する機能を付与した、これにより、遊技盤ユニット80単体にて当該機能が担保できるため、遊技機の仕様等に応じて裏パックユニット15の形状等を個別に設定できる。また、裏パックユニット15への依存を解消することにより、裏パックユニット15の省略等の影響を受けない構成が実現される。
<第3の実施の形態>
遊技盤ユニット80の検査工程においては、遊技盤ユニット80が治具に搭載された状態で上記動作テストが行われる。つまり、検査時と完成時とでは遊技盤ユニット80の搭載対象が相違する。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、検査工程に設けられた搭載治具を用いて上記テストモードへの切り替えを構造的側面から実現していることを特徴の1つとしている。
以下、図23及び図24を参照して本実施の形態における動作テストに係る構成について説明する。図23(a)は第3の実施の形態における報知・演出制御装置140Yを示す正面図、図23(b)は切替回路616Yを示す概略図、図23(c)報知・演出制御装置140Yにおけるモード切替構造を示す概略図、図24は動作テストの準備の様子を示す概略図である。
図23(a)に示すように、報知・演出制御装置140Yの基板ボックス141Y(詳しくは表側ボックス構成体142Y)には、2つの貫通孔142dY,142eYが形成されている。本実施の形態における切替回路616Yには、テスト用スイッチ618Yと遊技用スイッチ619Yとが各々設けられており(図23(b)参照)、貫通孔142dYはテスト用スイッチ618Y、貫通孔142eYは遊技用スイッチ619Yに対応するようにして形成されている。これら貫通孔142dY,142eYを通じて報知・演出制御装置140Yの外部からのスイッチ618Y,619Yの操作が可能となっている。
テスト用スイッチ618YがON状態になることにより報知・演出制御装置140のMPU612がテストモードとなり、遊技用スイッチ619YがON状態になることにより報知・演出制御装置140のMPU612が遊技モードとなるように構成されている。
テスト用スイッチ618Yに対応した貫通孔142dYの孔径寸法D1は、遊技盤ユニット80Y用の搭載治具800Yに形成された突起801Yの外径寸法よりも僅かに大きくなっており、遊技盤ユニット80Yが搭載治具800Yに搭載された状態では、この突起801Yが貫通孔142dYに挿入される。
突起801Yの長さ寸法は、貫通孔142dYの深さ寸法L1(貫通孔142dYの入口部からテスト用スイッチ618Yまでの距離寸法)よりも大きく設定されており、遊技盤ユニット80Yが搭載完了位置に配置された状態では、突起801Yの先端によってテスト用スイッチ618Yが押圧される。これにより、テスト用スイッチ618YがON状態となり(テスト用ポート615aがHIレベルとなり)、報知・演出制御装置140がテストモードへの移行が許容されることとなる(図24(a)→図24(b)参照)。
動作テストが終了した後は、図24(b)→図24(a)に示すように、遊技盤ユニット80Yを搭載治具800Yから取り外す。これにより、突起801Yが貫通孔142dYから離間し、テスト用スイッチ618YがON状態からOFF状態に切り替る。
遊技盤ユニット80Yを搭載治具800Yから取り外した後は、キャップ810Yによって遊技用スイッチ619Yに対応する貫通孔142eYを塞ぐ。キャップ810Yには、突起811Yが形成されており、この突起811Yの先端によって遊技用スイッチ619Yが押圧される。これにより、遊技用スイッチ619YがON状態となり、報知・演出制御装置140が遊技モードへの移行が許容されることとなる。
ここで、突起811Yの外径寸法は、貫通孔142dYの孔径寸法D1よりも大きく設定されており、当該突起811Yを貫通孔142dYに挿通することが不可となっている。また、突起811Yの長さ寸法L2については、貫通孔142dYの深さ寸法L2よりも小さく設定されているため、仮に突起811Yが貫通孔142dYに押し込まれた場合であっても、当該突起811Yによってテスト用スイッチ618Yが操作されることが回避されている。
本実施の形態では、テスト用スイッチ618Yを報知・演出制御装置140Yの基板ボックス141Yに内蔵することにより、外部からの当該テスト用スイッチ618Yへのアクセスを制限している。これにより、遊技中等にテスト用スイッチ618YがON状態に切り替ることが抑制されている。
なお、本実施の形態においては、テスト用ポート615aに入力されている電圧が予め設定された判定値以上である場合にテストモードとなるように構成されている。そして、仮に2つのスイッチ618Y,619YがともにON状態となった場合であっても、テスト用ポート615aに入力される電圧が判定値を超えないようにアースと併設された抵抗が構成されている。これにより、誤ったテストモードへの移行を一層好適に回避することが可能となっている。
因みに、キャップ810Yを基板ボックス141Yに固定した場合に、当該キャップ810Yによって貫通孔142dYが覆われる構成としてもよい。これにより、更なる信頼性の向上が期待できる。
(その他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。
(1)「制御装置」としての報知・演出制御装置140についても、主制御装置162と同様に、基板ボックス141のボックス構成体が分離されないように(基板ボックス141が開放されないように)規制する規制手段(所謂かしめ)を設け、当該規制手段によってボックス構成体の分離が規制されることにより、テスト用スイッチ617のON状態への切り替りが不可となる構成とすることも可能である。また、上記規制手段については必須の構成ではなく、ボックス構成体同士を組み合わせて基板ボックスを形成することにより、テスト用スイッチ617の切り替えが不可となる構成とすることも可能である。
この場合、例えば操作片146の移動が不可となる構成としてもよいし、「切替部」に相当する構成が基板ボックス141に内封される構成としてもよい。
(2)上記第1及び第2の実施の形態では、テスト用スイッチ617の操作片146をON位置に配置された状態に保持する保持手段として係合部を設けることにより、検査工程での作業性の向上を図ったが当該保持手段を省略することも可能である。
(3)上記第1の実施の形態では、遊技盤ユニット80の遊技機本体への組み付けに伴ってテスト用スイッチ617(操作片146)を強制的にOFF状態に切り替える機能と、ON状態への切り替りを阻止する機能とを付与したが、これら2つの機能を併有する必要はなく、少なくとも一方の機能が付与されていればよい。また、第2の実施の形態においても、報知・演出制御装置140へのハーネスHの取り付けに伴ってテストモード用スイッチを強制的にOFF状態に切り替える機能と、ON状態への切り替りを阻止する機能とを付与したが、これら2つの機能を併有する必要はなく、少なくとも一方の機能が付与されていればよい。
(4)上記第1及び第2の実施の形態では、テスト用スイッチ617の操作片146をOFF位置に向けて付勢する付勢部を設け、ON位置における係合部との引っ掛かりが解除された場合には、当該付勢部の付勢力によって操作片146がOFF位置へ移動する構成としたが、OFF位置への移動を実現するための動力を付勢部の付勢力に依存する必要はない。例えば、裏パック201の突起212aやハーネスHY(コネクタ702)のアーム702aによって押された場合に、その押圧力に依存して操作片146がOFF位置に向けて移動する構成とすることも可能である。
(5)上記第3の実施の形態では、遊技盤ユニット80Yを搭載する搭載治具800Yに設けられた突起801Yが、スイッチを押す操作手段として機能する構成とした。ここで、突起801Yを導体としてこの突起801Y自体が信号の伝達経路の一部として機能する(伝達経路を補完する)構成としてもよい。
(6)上記第3の実施の形態では、テスト用スイッチ618Yを操作するテスト用操作手段としての突起801Yが挿入される貫通孔142dYと、遊技用スイッチ619Yを操作する遊技用操作手段としての突起811Yが挿入される貫通孔142eYとを別々に設けたが、操作手段用の貫通孔を共通化することも可能である。以下、図25(a),(b)の概略図を参照して、具体例について説明する。
図25(a)に示すように、切替回路616Zに設けられたスイッチ617ZをVCC側及びアース側の何れか一方に接続される切替スイッチにより構成する。このスイッチ617Zについては、通常はアース側に接続された状態となるように付勢されており、貫通孔142fを通じて突起801Zが挿入された場合に、図25(b1)に示すようにVCC側に接続するように切り替る。動作テスト終了後には、図25(b2)に示すようにキャップ810Zによって貫通孔142fZを覆うことにより、その後のスイッチ617Zへのアクセスが制限されることとなる。なお、キャップ810Zに形成された突起811Zについては、キャップ810Zの位置ずれを抑制する手段として機能する。
(7)遊技中にノイズ等の影響によるテストモードへ切り替りを回避する上では、「入力部」としての入出力ポート615(詳しくはテスト用ポート615a)への信号に基づいてモードの判定を行う構成とすればよい。ここで、例えば論理回路を用いて「信号」の出力部を構成すれば、入力された信号の信頼性の向上に貢献できる。
例えば、図25(c)の概略図に示すように、論理回路を構成し、その入力側に報知・演出制御装置140の外部から切り替え操作が可能な第1モード切替スイッチと、主制御装置162から入力される内枠13(遊技機主部12)の開放検知信号に基づいてHI/LOWの2値信号を出力する開放検知部と、発射操作等に基づいてHI/LOWの2値信号を出力する遊技検知部とを設ける。第1モード切替スイッチはON状態となることによりHIレベル信号を出力し、開放検知部は内枠13が開放された場合にHIレベル信号を出力し、遊技検知部は、遊技(例えば遊技球の発射操作)が所定の期間(上限数の保留情報を消化するのに要する最大消化時間よりも長く設定された期間)に亘って行われていない場合にHIレベル信号を出力する構成とする。そして、これら3つの条件が成立したことに基づいてテスト用ポート615aがHIレベルとなるように論理回路を構築することで、遊技中のテストモードへの移行を好適に回避できる。但し、上記実施の形態に示したように遊技盤ユニット80単体にて動作テストを行う場合には、上記3つの条件のうち2つについては成立しなくなる。そこで、このような構成においては、検査設備からそれら2つの条件に対応する擬似信号を出力する構成とすればよい。
なお、正規の工程等にて動作確認等を行う場合に上記テストモードを使用する場合には、報知・演出制御装置140を開放することでアクセス可能となる第2モード切替用スイッチ(ショートカット)を設けてもよい。これにより、上記擬似信号が不要となる。第2モード切替用スイッチへのアクセスを基板ボックス141によって妨げることにより、当該第2モード切替用スイッチの存在が、上記信頼性の低下の要因になることを好適に回避できる。
(8)上記各実施の形態では、主制御装置162と報知・演出制御装置140とをハーネスHで接続する前の状態にて動作テストを行う構成とし、主制御装置162との接続手段を構成するコネクタ145aをテスト用ハーネスの接続対象として利用したが、これに限定されるものではない。テスト用ハーネスの接続対象については主制御装置162用の上記コネクタ145aとは別に設けてもよい。この場合、主制御装置162と報知・演出制御装置140とをハーネスHで接続した状態にて動作テストを行う構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態では、テストモードに移行した場合に動作テストを、図柄表示装置253の表示テスト → 発光装飾部271の発光テスト → 可動演出装置273〜275の駆動テストの順に実行する構成としたが、動作テストの順番についてはこれに限定されるものではない。図柄の変動表示が大当たりの有無を示唆する示唆手段と機能する点に着目すれば、大当たりの有無との関連性の低いものから順にテストを行う構成とすることも可能である。例えば、発光装飾部271の発光テスト → 可動演出装置273〜275の駆動テスト → 図柄表示装置253の表示テストの順にテストを行ってもよい。
(10)検査工程にて接続されるコネクタを通じてテスト用の確認信号が入力されるポートを報知・演出制御装置140の入出力ポート615に別途設け、このポートへ確認信号が入力されていることをテストモードへの切替条件に加えることにより、上述した信頼性の更なる向上に貢献できる。なお、主制御装置162と報知・演出制御装置140とが正規のハーネスHYによって接続されている場合には、このポートへの信号の入力は行われない構成(LOWレベルに維持される構成)とするとよい。
(11)上記各実施の形態では、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様、発光装飾部271の発光表示態様、可動演出装置273〜275の動作態様についてテストを行う構成としたが、テスト対象については任意に変更してもよい。但し、遊技盤ユニット80単位で動作テストを行う場合には、遊技盤ユニット80を構成する「遊技機器」として報知・演出制御装置140による制御対象となっているものをテストの対象とすることで、アセンブリ状態での総合的な動作テストを行うことができ、より完成品に近い状態での品質確認を行うことができる。また、報知・演出制御装置140によって各遊技機器の制御が行われているかを把握することができ、接続不良等の連携に係る不具合等を好適に発見することが可能となる。
(12)上記各実施の形態では、遊技盤ユニット80を対象として動作テストを行ったが、表示制御装置150及び図柄表示装置253からなる表示ユニットを対象として動作テストを行ってもよい。この場合、表示ユニットを遊技盤ユニット80に搭載し、表示制御装置150の背後に報知・演出制御装置140を配置することで、当該報知・演出制御装置140に設けられた突起等により表示制御装置150に設けられたテスト用スイッチ(操作片)が強制的にOFF状態に切り替えられる構成とするとよい。
なお、OFF状態となった上記テスト用スイッチのON状態への切り替りが報知・演出制御装置140の上記突起等によって規制される構成とすることも可能である。
(13)上記実施の形態に示した技術的思想を、主制御装置162や払出制御装置242等の他の制御装置に適用することも可能である。つまり、少なくともテスト用プログラムと遊技用プログラムとを併有するタイプの制御装置については、上記実施の形態に示した各種構成を適用することにより制御装置等の信頼性を好適に向上させることができる。
(14)上記実施の形態では、報知・演出制御装置140と表示制御装置150とを別々に設けたが、これら各制御装置140,150の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(15)上記実施の形態では、工場での製造工程や遊技ホールでの動作確認時に、制御装置をテストモードに切り替えることを前提としていたが、テストモードが設定されているのであれば、どのタイミングでテストモードを活用するかについては任意である。例えば、社内等でバグの捜索等を目的としてデバッグ等の検査を行う場合に当該テストモードを活用することも可能である。
(16)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、絵柄を変動表示する絵柄表示装置等の表示装置(遊技機器)及び表示制御等の遊技に係る制御を行う制御装置を備えているものがある。例えば遊技進行に伴って絵柄の変動表示等を行うことにより、遊技への注目度の向上等が図られている(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「この種の遊技機においては、変動表示等が正常に行われないことで遊技機への信頼性が低下し得る。そこで、遊技機を製造する場合等には例えば検査工程にて変動表示等が正常に行われる否かのテストを行うことで上記不都合の発生を抑制している。このようなテストにて使用されるテスト用のプログラムを上記制御装置に記憶させておくことにより、テストを行う際の作業性の向上等の各種効果を享受できる。しかしながら、遊技機の制御装置にテスト用のプログラムを記憶させている構成においては、仮にテスト用のプログラムが遊技中に誤って実行された場合に、遊技内容(表示内容)等が書き替えられる等の不都合が発生し得る。これでは、テスト用のプログラムの存在が遊技機に対する信頼性を低下させる要因になると懸念される。このように、テスト用のプログラム及び遊技用のプログラムが記憶されている遊技機においては、遊技機の信頼性を担保する上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴1.遊技機器(図柄表示装置253等)と、
当該遊技機器を制御する制御装置(例えば報知・演出制御装置140)と
を備え、
前記制御装置は、遊技が実施される場合に参照される遊技用情報(遊技用プログラム)が記憶された遊技用情報記憶領域(遊技用プログラム記憶領域613a)と、当該制御装置及び前記遊技機器の動作テストを行う場合に参照されるテスト用情報(テスト用プログラム)が記憶されたテスト用情報記憶領域(テスト用プログラム記憶領域613b)とを有してなり、所定の切替情報に基づいて、制御を行う場合に参照する対象が前記遊技用情報記憶領域になる第1制御状態又は参照する対象が前記テスト用情報記憶領域になる第2状態になるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機(例えば遊技機器)の動作テストは、例えば遊技機の仕様等に応じて機種毎に設定されやすい。そこで、本特徴に示すように遊技機器及び制御装置の動作テスト用の情報を制御装置に予め記憶させておくことにより、動作テスト用のプログラム等を別途準備する場合と比較して、テスト時(工程)の作業の簡略化や作業ミスの軽減等に貢献できる。
このように、遊技用情報とテスト用情報とが併存している構成では、両者が混在することによりノイズ等の影響で情報の読み出し等が誤って実行される可能性が生じる。例えば、遊技中に動作テストが実行されると遊技演出等の内容が動作テストに対応したものに書き替えられることとなり、このような事象は遊技機の信頼性を損う要因になり得る。
この点、本特徴に示すように、目的に異なる2つの情報を個別に設けられた記憶領域に分けて格納することにより、上記事象の発生を抑制できる。また、所定の切替情報に基づいて遊技用情報記憶領域(遊技用情報)及びテスト用情報記憶領域(テスト用情報)のどちらを参照するかが決まる構成、すなわち情報の参照先を所定の切替情報に依存させる構成とすることにより、誤作動等によって参照されるべきでない情報が参照されることを抑制できる。これにより、制御装置に遊技用情報及びテスト用情報を記憶させる構成とした場合の信頼性の低下を抑制できる。
特徴2.遊技機器(図柄表示装置253等)と、
当該遊技機器を制御する制御装置(例えば報知・演出制御装置140)と
を備え、
前記制御装置は、
遊技が実施される場合に参照される遊技用情報が記憶された遊技用情報記憶領域(遊技用プログラム記憶領域613a)と、当該制御装置及び前記遊技機器の動作テストを行う場合に参照されるテスト用情報が記憶されたテスト用情報記憶領域(テスト用プログラム記憶領域613b)とが設けられた記憶部(ROM613)と、
前記記憶部に記憶された情報に基づいて演算を行う演算部(MPU612の演算機能)と、
前記演算が行われる場合に前記2つの記憶領域のうち参照すべき対象を特定する信号が入力される入力部(入出力ポート615)と
を有し、
前記制御装置は、当該制御装置の状態が、前記遊技用情報記憶領域への前記演算部のアクセスを許容する一方で前記テスト用情報記憶領域への当該演算部のアクセスを阻止する第1制御状態、及び前記遊技用情報記憶領域への前記演算部のアクセスを阻止する一方で前記テスト用情報記憶領域への当該演算部のアクセスを許容する第2制御状態の何れかに前記入力部に入力されている信号に基づいて切り替わるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機(例えば遊技機器)の動作テストは、例えば遊技機の仕様等に応じて機種毎に設定されやすい。そこで、本特徴に示すように遊技機器及び制御装置の動作テスト用の情報を制御装置に予め記憶させておくことにより、動作テスト用のプログラム等を別途準備する場合と比較して、テスト時(工程)の作業の簡略化や作業ミスの軽減等に貢献できる。
このように、遊技用情報とテスト用情報とが併存している構成では、両者が混在することによりノイズ等の影響で情報の読み出し等が誤って実行される可能性が生じる。例えば、遊技中に動作テストが実行されると遊技演出等の内容が動作テストに対応したものに書き替えられることとなり、このような事象は遊技機の信頼性を損う要因になり得る。
この点、本特徴に示すように、目的に異なる2つの情報を個別に設けられた記憶領域に分けて格納することにより、上記事象の発生を抑制できる。また、入力部に入力されている信号に基づいて第1制御状態及び第2制御状態のどちらとするかが決定される。このように、外部からの信号によって参照先が決まる構成とすることにより、例えば演算部(制御主部)に付随するバッファ等の一時記憶領域に記憶された情報(フラグ等)に基づいて参照先を決定する構成と比較して、ノイズ等の影響を受けにくくすることができる。これにより、上述したような誤動作の発生を抑え、制御装置に遊技用情報及びテスト用情報を記憶させる構成とした場合の信頼性の低下を好適に抑制できる。
特徴3.前記制御装置に電力が供給されている期間中は前記入力部への前記信号の入力が継続されるように構成されていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
上記構成によれば、ノイズ等の影響によって入力されている信号が一時的に上手く読み込めなかった場合であっても、信号が消失するのではなく継続的に入力され続けることとなる。このため、先の制御が、入力された信号とはそぐわない態様で行われた場合であっても、このような異常が続くことを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴1に適用することも可能である。この場合「前記制御装置に電力が供給されている期間中は前記所定の切替情報の入力が継続されるように構成する」とよい。
特徴4.前記制御装置には、前記入力部に前記第1制御状態に対応する信号が入力される第1状態と、前記入力部に前記第2制御状態に対応する信号が入力される第2状態との何れかになるように切替操作される切替部(スイッチ617,操作片146等)が設けられていることを特徴とする特徴1乃至特徴3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴4に示すようにソフト面ではなくハード面(機構を含む)によって制御状態を切り替える構成とすることにより、ソフト面(例えばフラグ管理)にて制御状態を切り替える構成と比較して、ノイズ等の影響を好適に抑制できる。
なお、特徴1との組み合わせにおいては、本特徴に示す「各信号」を特徴1に示した「所定の切替情報」とすることも可能である。
特徴5.前記遊技機器及び前記制御装置を有する遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が、遊技機本体(内枠13の内枠ベース体50)に搭載されてなる遊技機であって、
前記遊技機本体は、前記遊技ユニットが前記遊技機本体に搭載される前の状態では前記切替部の前記第2状態への切り替えを許容し、前記遊技ユニットが前記遊技機本体に搭載された状態では前記切替部の前記第2状態への切り替えを規制する手段を備えていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴4に示したようにハード面での切り替えを行う構成においては、仮に遊技を行っている最中に振動等の影響で切替部が誤って第2状態になると、動作テスト用の情報に基づく制御が実行されると懸念される。この点、遊技ユニットを遊技機本体に組み付けた状態では、第2状態への切り替えが規制されることとなり、遊技中に誤って動作テスト用の情報が参照されることを回避できる。
なお、遊技機本体が遊技ユニット(制御装置)を覆う開閉式の背面カバーを有する場合には、この背面カバーに「規制する手段」を配設することにより利便性の向上に貢献できる。すなわち、遊技ホールにて動作不良等の不具合が発生した場合には、背面カバーを開放させることで上記規制が解除される構成とすれば、同遊技ホールにおける動作テストが許容されることとなる。
特徴6.前記遊技機器及び前記制御装置を有する遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が、遊技機本体(内枠13の内枠ベース体50)に搭載されてなる遊技機であって、
前記遊技ユニットが前記遊技機本体に搭載されていない状態にて前記動作テストを実行可能となっており、
前記切替部が前記第2状態となっている状況にて前記遊技ユニットが前記遊技機本体に搭載される場合に、当該搭載に基づいて前記切替部を前記第1状態とする手段を備えていることを特徴とする特徴4又は特徴5に記載の遊技機。
特徴4等に示した切替部を有する構成の場合、作業ミス等によって切替部が動作テスト後も第2状態のままとなる可能性が生じる。この点、遊技ユニットを遊技機本体に搭載することで、切替部が第1状態となるように構成されていれば、切替部が第2状態となったまま同遊技ユニットが出荷前工程等の後工程へ流れたり、遊技ホール等へ納入されたりすることを回避できる。なお、遊技ユニットを遊技ホールにて遊技機本体に搭載する場合であっても、当該搭載により切替部を強制的に第1状態とすることができる。
特徴7.前記遊技機器及び前記制御装置を有する遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が、遊技機本体(内枠13の内枠ベース体50)に搭載されてなる遊技機であって、
前記遊技ユニットが前記遊技機本体に搭載されていない状態にて前記動作テストを実行可能となっており、
前記切替部が前記第2状態となっている場合に、前記遊技ユニットの前記遊技機本体への搭載を阻止する手段を備えていることを特徴とする特徴4又は特徴5に記載の遊技機。
特徴4等に示した切替部を有する構成の場合、作業ミス等によって切替部が動作テスト後も第2状態のままとなる可能性が生じる。この点、切替部が第2状態となっている場合に、遊技機本体への搭載が阻止されることで、切替部が第2状態のまま出荷前工程へ流れたり、遊技ホール等へ納入されたりすることを回避できる。なお、遊技ユニットを遊技ホールにて遊技機本体に搭載する場合であっても、切替部が第2状態の場合に当該搭載が阻止されることにより、遊技中に誤って動作テストが実行されることを回避できる。
特徴8.前記制御装置は第1制御装置であり、
前記第1制御装置とは別に設けられた第2制御装置(主制御装置162)と、
前記第1制御装置及び前記第2制御装置を接続する接続手段(ハーネスH)と
を備え、
前記接続手段には、当該接続手段の前記第1制御装置への取り付けに基づいて前記切替部を前記第1状態とする手段が設けられていることを特徴とする特徴4乃至特徴7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴8によれば、遊技機の組立工程にて接続手段を取り付けることにより、切替部が第1状態となる。遊技機の動作には接続手段の接続が必要不可欠である点に配慮すれば、仮に作業ミス等によって切替部が動作テスト後も第2状態のままとなった場合であっても、このような不都合は後の組立工程にて解消されることとなる。
特徴9.前記接続手段には、当該接続手段が前記第1制御装置に取り付けられている場合に、前記切替部の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを阻止する手段が設けられていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
接続手段が第1制御装置に取り付けられている場合には、切替部の第2状態への切り替えが阻止されることとなる。これにより、遊技中に切替部が誤って第1状態になることを回避することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴4乃至特徴7のいずれかに適用することも可能である。この場合、「前記制御装置は第1制御装置であり、前記第1制御装置とは別に設けられた第2制御装置(主制御装置162)と、前記第1制御装置及び前記第2制御装置を接続する接続手段(ハーネスH)とを備え、前記接続手段には、当該接続手段が前記第1制御装置に取り付けられている場合に、前記切替部の前記第1状態から前記第2状態への切り替えを阻止する手段が設けられている」構成とすればよい。
特徴10.前記第1制御装置は、前記接続手段によって前記第2制御装置と接続される接続箇所(コネクタ145a)を有し、
前記動作テストが行われる場合に、前記接続箇所に動作テスト用のケーブル(テスト用ハーネス)が取り付けられる構成となっていることを特徴とする特徴8又は特徴9に記載の遊技機。
上記構成によれば、動作テスト→両制御装置の接続作業の手順が発生することとなる。これにより、特徴8や特徴9に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、動作テストの対象が上記第1制御装置及び遊技機器であり、第1制御装置を制御する制御装置として第2制御装置が設けられている構成に対して本特徴に示す技術的思想を適用することにより、本特徴群に示す信頼性向上効果の向上を図りつつ、それに起因した作業工程等の複雑化等を抑制できる。
特徴11.前記動作テストを行う場合に、前記遊技機器及び前記制御装置を有する遊技ユニット(遊技盤ユニット80)がユニット用治具(テスト用治具TG)に設置される遊技機であって、
前記切替部は、前記治具に設けられた操作部(突起801Y)によって操作される被操作部(切替回路616Yのスイッチ618Y)を有し、
前記遊技ユニットの設置に伴い前記操作部によって前記被操作部が操作されることにより、前記切替部が前記第2状態となるように構成されていることを特徴とする特徴4乃至特徴10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴11によれば、遊技ユニットをユニット用治具に設置することにより治具(操作部)によって切替部が第2状態になる。このような構成とすることにより、手動で切替部の切替操作を行う必要がなくなり、作業手順の複雑化を抑制できる。
特徴12.前記遊技ユニットが前記ユニット用治具から取り外されることにより、前記切替部を前記第2状態から前記第1状態に復帰させる手段を備えていることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
特徴12によれば、遊技ユニットがユニット用治具に設置されている状況下にて切替部が第2状態になり、ユニット用治具からの取り外しによって切替部が第1状態に復帰することとなる。このようなに動作テストを行う際には第2状態になる一方、切替部が第2状態となったままになることが回避される。
なお、遊技機が遊技ホールに設置される場合には遊技ユニットが遊技機本体等に搭載された状態となり、上記動作テスト用の治具が介在することはない。これにより、遊技ホール等にて遊技が行われる場合に、切替部が第2状態になることを好適に抑制できる。
因みに、例えば「前記切替部を第1状態となるように付勢する付勢手段を備え、前記遊技ユニットが前記ユニット用治具に設置される場合には、前記操作部によって操作されることにより前記切替部が前記付勢手段の付勢力に抗して前記第2状態となり、前記遊技ユニットが前記ユニット用治具から取り外される場合には前記付勢手段の付勢力により前記第1状態に復帰する」構成とすることも可能である。
また、上記特徴群によれば「パチンコ機等の遊技機には、遊技に係る制御を行う制御装置を備えているものがある(例えば特許文献1)。この種の遊技機においては、制御装置が正常に動作しないことで遊技機への信頼性が低下し得る。そこで、遊技機を製造する場合等には例えば検査工程にて制御装置が正常に動作しているか否かのテストを行うことで上記不都合の発生を抑制している。このようなテストにて使用されるテスト用のプログラムを上記制御装置に記憶させておくことにより、テストを行う際の作業性の向上等の各種効果を享受できる。」という背景技術について、「しかしながら、遊技機の制御装置にテスト用のプログラムを記憶させている構成においては、仮にテスト用のプログラムが遊技中に誤って実行された場合に、遊技内容(表示内容)等が書き替えられる等の不都合が発生し得る。これでは、テスト用のプログラムの存在が遊技機に対する信頼性を低下させる要因になると懸念される。このように、テスト用のプログラム及び遊技用のプログラムが記憶されている遊技機においては、遊技機の信頼性を担保する上で未だ改善の余地がある。」という課題を好適に解決することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。