(第1の実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。また、図3や図4等においては、便宜上、各機器を相互に電気的に接続するためのハーネスなどといった電気配線を省略して示す。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるように窓部が設けられている。窓部は、前扉枠14に形成された略円形状の窓枠部21に、透明性を有するガラス22を嵌め込むことで構成されている。なお、窓部は、遊技領域を前方から視認可能とする機能を有しているのであれば、その構成は任意であり、例えば、ガラス22に代えて、透明性を有する合成樹脂により形成された透明樹脂板を設けてもよい。
窓枠部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓枠部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓枠部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により形成されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。
遊技盤81には、遊技領域を区画するように、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成されている。後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
ここで、遊技盤81には、その左右の下部に装飾部材89a,89bが設けられている。これら装飾部材89a,89bは、内レール101に沿うようにして設けられており、遊技盤81の表面よりも前方に張り出している。この張り出す量は、装飾部材89a,89bとガラス22との間の距離が遊技球1個分未満となる程度となっている。上記一般入賞口82は、装飾部材89a,89bに対して設けられている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
可変入賞装置83は、入球口を備えているとともに、当該入球口を開閉する扉体83aを備えている。そして、扉体83aは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。なお、この入賞しやすい所定の開放状態とは、遊技領域を流下する遊技球を扉体83a自身によって入球口に向けてガイドする状態のことを言う。
可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、規定回数のラウンドを上限として可変入賞装置83が繰り返し開放される。この場合、本パチンコ機10では、大当たり時に設定されるラウンドの規定回数の態様が、複数パターン設けられている。具体的には、第1規定回数(例えば、2回)のラウンドが設定される第1大当たりと、第1規定回数よりも多い回数である第2規定回数(例えば、15回)のラウンドが設定される第2大当たりとが設けられている。これにより、大当たり時の態様の多様化が図られている。
その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤81には、特定報知領域93が設けられている。特定報知領域93は、遊技盤81において上記ガラス22を通じて視認可能な領域(又は遊技領域内)であって遊技球が流下しない領域に設けられている。具体的には、特定報知領域93は、右側の装飾部材89bによって区画され、当該装飾部材89bによって遊技球の流入が阻止された領域に設けられている。
特定報知領域93には、第1特定発光部94と、第2特定発光部95と、第3特定発光部96とが設けられており、各特定発光部94,95,96に対してはそれぞれ異なる光源からの光が照射され、各特定発光部94,95,96を透過する光によりそれぞれ個別に遊技状況の報知が行われる。各特定発光部94〜96は、無色透明のガラスや合成樹脂により形成されており、遊技盤81を前後方向に貫通させて設けられている。この場合、特定発光部94〜96と、遊技盤81との間に隙間は存在していない。また、各特定発光部94〜96は前面と後面とが共に平面であり、それら前面及び後面は共に遊技盤81の盤面に対して平行又は略平行となっている。
第1特定発光部94では、各遊技回において大当たりの発生の有無が報知される。つまり、第1特定発光部94では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。
具体的には、赤色→緑色→青色→赤色→緑色→・・・の順序で発光色の切り替えが行われ、大当たりが発生しない場合には青色が停止表示される。また、大当たりが発生する場合には赤色又は緑色が停止表示される。この場合、大当たり終了後に大当たり確率が上昇する確変大当たりが発生する場合には赤色が停止表示され、確変大当たりではない通常大当たりが発生する場合には緑色が停止表示される。また、これら停止表示された状態は、次回の発光色の切り替えが開始されるまで維持される。したがって、大当たり中においても停止表示が継続されるとともに、遊技が行われていない状況においても停止表示が継続される。さらには、パチンコ機10の電源がONとなった際には、前回電源がOFFとなった際に停止表示されていた色の表示が再開される。なお、上記停止表示される色の態様は任意であり、さらにまた大当たりの発生時には赤色又は緑色を停止表示するが大当たりの開始後には青色を停止表示する態様としてもよい。
ここで、上記のとおり、図柄表示装置91において予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合にも、大当たりが発生する。つまり、大当たりが発生する場合には、第1特定発光部94における発光色の切り替えが予め定められた色で停止表示されるとともに、図柄表示装置91において所定の組合せの図柄が停止表示される。
ちなみに、センターフレーム91の下部には、保留発光部98が設けられており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留発光部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留回数の上限は4回に限定されることはなく、4回未満であっても5回以上であってもよい。また、作動口84が複数設けられた構成においては、第1作動口用の保留発光部と第2作動口用の保留発光部とをそれぞれ備えた構成としてもよい。
第2特定発光部95では、大当たりが発生した際に、ラウンドの規定回数がいずれのパターンかが報知される。つまり、図柄表示装置91において大当たりの発生に対応した所定の組合せの図柄が停止表示されたタイミング又は第1特定発光部94において大当たりの発生に対応した予め定められた色が停止表示されたタイミングに対応させて、第1規定回数の大当たりが発生するか第2規定回数の大当たりが発生するかが報知される。
具体的には、第1規定回数の大当たりが発生する場合には青色が表示され、第2規定回数の大当たりが発生する場合には赤色が表示される。これら表示された状態は、次回の大当たりが発生するまで維持される。したがって、大当たり中においても表示が継続されるとともに、遊技が行われていない状況においても表示が継続される。さらには、パチンコ機10の電源がONとなった際には、前回電源がOFFとなった際に表示されていた色の表示が再開される。なお、上記表示される色の態様は任意であり、また第2規定回数の大当たりの発生時に赤色を表示するが大当たりの開始後には青色を表示する態様としてもよい。また、大当たり中でない状況では、第2特定発光部95において大当たり中とは異なる表示を行うようにしてもよい。
第3特定発光部96では、作動口84に付随する電動役物84aを開放状態とするか否かの報知が行われる。つまり、第3特定発光部96では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には電動役物84aが所定時間だけ開放状態となる。なお、電動役物84aが開放状態となることで、遊技領域を流下する遊技球が当該電動役物84a自身によって作動口84に向けてガイドされ、作動口84への入球が発生し易くなる。
具体的には、赤色→緑色→赤色→・・・の順序で発光色の切り替えが行われ、電動役物84aを開放状態としない場合には緑色が停止表示され、電動役物84aを開放状態とする場合には赤色が停止表示される。また、これら停止表示された状態は、次回の発光色の切り替えが開始されるまで維持される。したがって、電動役物84aの開放状態中においても停止表示が継続されるとともに、遊技が行われていない状況においても停止表示が継続される。さらには、パチンコ機10の電源がONとなった際には、前回電源がOFFとなった際に停止表示されていた色の表示が再開される。なお、上記表示される色の態様は任意であり、また電動役物84aの開放開始時には赤色を停止表示するが電動役物84aの開放中には緑色を停止表示する態様としてもよい。
ちなみに、センターフレーム91の上部には、保留発光部99が設けられており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留発光部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留個数の上限は4回に限定されることはなく、4回未満であっても5回以上であってもよい。
遊技盤81の下方には、遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている(図5参照)。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、図6に示すように、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。取付台161は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により略直方体状に形成されている。取付台161における短辺側の一方の周壁には一対の軸部161aが上下に離間されて一体形成されている。これら軸部161aは集合板ユニット150の下側隅角部に一体形成された一対の支軸部158に着脱自在な状態で片持ち支持されており(図9参照)、取付台161が集合板ユニット150に対して回動可能に支持されている。ここで、集合板ユニット150において支軸部158が形成された位置は本体枠13の回動先端側となっている。つまり、取付台161の回動基端側は本体枠13の回動先端側となっており、取付台161の回動基端側は本体枠13の回動基端側となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる(透明性を有する)基板ボックス163に収容されて構成されている。主制御装置162の構成については、後に詳細に説明する。
次に、裏パックユニット15について説明する。図11は裏パックユニット15の正面図、図12は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、当該裏パック201によりパチンコ機10の背面部における上半分以上が覆われている。この覆われた領域には、主制御装置162の上部領域及び主制御装置162よりも回動先端側の領域が少なくとも含まれている。但し、上記のとおり裏パック201は透明性を有する合成樹脂により形成されているため、遊技ホールなどに設置されたパチンコ機10において外枠11に対して本体枠13を開き、パチンコ機10の背面部を手前側に開放させることにより、裏パック201により覆われた領域を視認することができる。
裏パック201は、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。
また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、主制御装置162について説明する。図13(a)は主制御装置162の正面図、図13(b)は主制御装置162の側面図である。
主制御装置162は、上記のとおり、基板ボックス163を備えている。基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(裏ケース体)171とこのボックスベース171の開口部を覆うボックスカバー(表ケース体)172とを備えている。そして、これらボックスベース171とボックスカバー172とを相互に組み付けることにより形成される内部空間内に主制御基板173が収容されている。
主制御基板173は、その部品搭載面173aがボックスカバー172側を向くようにして設置されている(図14参照)。この場合、主制御装置162は、ボックスカバー172がボックスベース171よりもパチンコ機10後方においてこれらボックスベース171とボックスカバー172とが前後に並ぶようにして設置されている。したがって、主制御基板173の部品搭載面173aは、パチンコ機10後方を向いている。
主制御基板173は、各種スイッチ152〜155と電気的に接続されているとともに、払出制御基板と電気的に接続されている。この電気的な接続は、ハーネスなどの電気配線を介して行われている。払出制御基板との電気的な接続について例示すると、図4に示すように、主制御基板173に設けられたコネクタCN1と払出制御基板に設けられたコネクタCN2とがハーネスHによって電気的に接続されている。
ボックスベース171とボックスカバー172とは結合手段としての結合部174によって結合され、その結合を解除する際には結合部174の破壊を要する。結合部174は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
結合部174はボックスベース171とボックスカバー172とを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、結合部174を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベース171とボックスカバー172とが開封不能に結合されるようになっている。結合部174による結合処理は、その結合後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度結合処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの結合部174のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板173の不具合発生の際や主制御基板173の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された結合部174と他の結合部174との連結部分を切断する。これにより、ボックスベース171とボックスカバー172とを相互に分離させることが可能となり、内部の主制御基板173を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他の結合部174の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、ボックスベース171及びボックスカバー172には、板状のシール貼付部175a,175bがそれぞれ一体形成されており、ボックスベース171とボックスカバー172とを組み付けた状態では両シール貼付部175a,175bが相互に重なり合う。この重なり合った両シール貼付部175a,175bに跨るようにして封印シール176が貼付されている。封印シール176は、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シール176が剥がされた場合にはその形跡が残ることから、基板ボックス163が不正に開封されたかどうかが確認できるものとなっている。
以上の構成の主制御装置162において、本パチンコ機10では、主制御装置162の基板ボックス163内に発光体ユニット181a,181b,181cが収容されている。ここで、発光体ユニット181a,181b,181c及びそれに関する構成について以下に詳述する。図14は発光体ユニット181a〜181cを説明するための主制御装置162の側面概略図、図15は発光体ユニット181a〜181cを説明するための主制御装置162の横断面概略図である。
図14に示すように、基板ボックス163内には、複数の発光体ユニット181a,181b,181cが収容されている。各発光体ユニット181a,181b,181cはそれぞれ同一の構成をなしており、各発光体ユニット181a〜181cは、多色発光タイプのLED(発光体)182a,182b,182cが搭載されたLED基板(発光体用基板)183a,183b,183cを有しているとともに、当該LED基板183a,183b,183cを収容するケース体184a,184b,184cを有している。
ケース体184a〜184cは、ポリカーボネートなどといった透明性を有する合成樹脂により形成されており、図15に示すように、略L字状をなし、長手部185a〜185cと短手部186a〜186cとを有している。
長手部185a〜185cにはLED基板183a〜183cが収容されている。この場合、LED基板183a〜183cにはその一端にLED182a〜182cが搭載されており、当該LED182a〜182cが長手部185a〜185cの先端に位置するようにしてLED基板183a〜183cが収容されている。また、LED182a〜182cがLED基板183a〜183cの板面から突出していることに対応させて、長手部185a〜185cの先端にはLED用収容部(発光体用収容部)187a〜187cが一体形成されている(図14参照)。
LED用収容部187a〜187cは、長手部185a〜185cの長さ方向(延びる方向)に対して垂直方向に突出させて設けられている。また、LED用収容部187a〜187cには、LED182a〜182cから照射された光を極力広角度に分散させるための分散手段が付与されている。具体的には、LED用収容部187a〜187cには、微小なラメ素材が極力均一に分散させて付与されている。この分散手段により、LED182a〜182cから照射された光は、各LED182a〜182cの軸線を中心として180°の方向に分散されるようになっている。なお、ケース体184a〜184cを、微小なラメ素材を分散させた合成樹脂により形成することで、LED用収容部187a〜187cに分散手段を付与するようにしてもよい。
短手部186a〜186cにはその先端にコネクタ188a,188b,188cが設けられている。詳細には、コネクタ188a〜188cは、短手部186a〜186cの先端において長手部185a〜185cが延びる方向と同一方向を向くようにして設けられている。このコネクタ188a〜188cは、ケース体184a〜184c内において電気配線189a,189b,189cを介してLED基板183a〜183cに接続されている。
上記構成の各発光体ユニット181a〜181cは、主制御装置162の一端側であって、本体枠13の回動先端側に位置するように設けられている。詳細には、主制御基板173の部品搭載面173aにおける本体枠13の回動先端側に相当する端部には、各発光体ユニット181a〜181cに1対1で対応させてコネクタ191a,191b,191cが設けられている(以下、コネクタ191a〜191cを基板側コネクタ191a〜191cともいう)。これら各基板側コネクタ191a〜191cは上下に並設されている。各発光体ユニット181a〜181cは、長手部185a〜185cが主制御基板173よりも回動先端側に位置するようにして、上記各コネクタ188a〜188cが対応する各基板側コネクタ191a〜191cに接続されている。そして、各発光体ユニット181a〜181cの各LED182a〜182cは、主制御基板173から動作電力が供給されるとともに、主制御基板173により個別に発光制御される。なお、長手部185a〜185cのLED用収容部187a〜187cは下方を向いているが、上方を向く構成としてもよい。
上記のように発光体ユニット181a〜181cが取り付けられた構成においては、発光体ユニット181a〜181cの長手部185a〜185cは、図15に示すように、主制御基板173よりもボックスベース171側に延出することとなる。これに対して、ボックスベース171には、当該長手部185a〜185cを収容するための膨出部が一体形成されている。つまり、ボックスベース171は、主として主制御基板173を収容するための機能を有する基板収容部192と、主として発光体ユニット181a〜181cを収容するための機能を有する発光体収容部193とを有している。さらに言うと、基板ボックス163は、主として主制御基板173を収容するための機能を有する基板収容部192と、主として発光体ユニット181a〜181cを収容するための機能を有する発光体収容部193とを有している。
発光体収容部193の内部空間は、図14に示すように、2つの仕切板194a,194bにより仕切られて上下方向に3つの領域に区画されている。そして、各領域にそれぞれ1つの発光体ユニット181a〜181cが収容されている。なお、仕切板194a,194bは、有色の材料により形成されており、各発光体ユニット181a〜181cのLED182a〜182cからの光が他の発光体ユニット181a〜181cの領域内に入り込まないようになっている。なお、仕切板194a,194bを備えていなくともよい。
発光体収容部193は、基板収容部192よりもパチンコ機10前方に膨出しており、その先端側の端面は遊技盤81の裏面(背面)に近い位置にて対峙している。この場合、上段に位置している発光体ユニット181a(以下、第1発光体ユニット181aともいう)は、第1特定発光部94の後方にあり、中段に位置している発光体ユニット181b(以下、第2発光体ユニット181bともいう)は、第2特定発光部95の後方にあり、下段に位置している発光体ユニット181c(以下、第3発光体ユニット181cともいう)は、第3特定発光部96の後方にある。そして、第1発光体ユニット181aのLED182a(以下、第1LED182aともいう)から照射された光は第1特定発光部94を透過し、第2発光体ユニット181bのLED182b(以下、第2LED182bともいう)から照射された光は第2特定発光部95を透過し、第3発光体ユニット181cのLED182c(以下、第3LED182cともいう)から照射された光は第3特定発光部96を透過する。
ここで、上記のとおり、第1特定発光部94では、各遊技回において大当たりの発生の有無が報知され、第2特定発光部95では、大当たりが発生した際に、ラウンドの規定回数がいずれのパターンかが報知され、第3特定発光部96では、作動口84に付随する電動役物84aを開放状態とするか否かの報知が行われる。つまり、主制御基板173により第1LED182aが発光制御されることにより、各遊技回において大当たりの発生の有無が報知され、主制御基板173により第2LED182bが発光制御されることにより、大当たりが発生した際に、ラウンドの規定回数がいずれのパターンかが報知され、主制御基板173により第3LED182cが発光制御されることにより、作動口84に付随する電動役物84aを開放状態とするか否かが報知される。
各LED182a〜182cは、上記のように各種遊技状況を報知する機能だけでなく、主制御基板173が正常に動作している旨を報知する機能を有している。なお、「正常に動作している」とは、本パチンコ機10では、主制御基板173に動作電力が供給されており、且つ制御対象の各機器が主制御基板173に電気的に接続されていることを言う。但し、主制御基板173に動作電力が供給されていることのみを「正常に動作している」こととしてもよい。つまり、「正常に動作している」とは、主制御基板173に少なくとも動作電力が供給さていることを言う。
上記主制御基板173が正常に動作している旨を報知する機能について詳細には、主制御基板173が正常に動作している場合、遊技状況の報知を行うタイミングか否かに関係なく、各LED182a〜182cには主制御基板173から常に動作電力が供給される。これにより、各LED182a〜182cからは、主制御基板173が正常に動作している場合、常に光が照射される。この各LED182a〜182cから照射された光は、対応する特定発光部94〜96を透過する。そして、各特定発光部94〜96は遊技領域内に設けられているため、遊技ホールの管理者等にとっては、上記各LED182a〜182cから照射された光を、遊技ホールに設置状態にあり、且つ本体枠13や前扉枠14の開放操作が行われていない状態において、パチンコ機10前方から視認することができる。
パチンコ機10においては、主制御装置162と他の機器との電気的な接続を全て外し、代わりにそれら他の機器と不正基板とを電気的に接続させる不正行為が想定され、この場合、不正基板により例えば払出制御装置242が制御され、遊技球の不正な払い出しが実行されてしまう。また、上記不正行為が、他の機器との電気的な接続を解除した主制御装置162をそのまま残した状態とするとともに、不正基板を主制御装置162などによって隠される領域に配置されてしまうと、当該不正行為の発見は容易ではない。そうすると、遊技球の不正な払い出しなどが長期間に亘って行われ、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうおそれがある。また、遊技ホールには多数のパチンコ機10が設置されているため、日常の点検において不正基板への交換が行われていないか否かを1台ずつ入念に点検しないといけないとすると、多大な労力を必要とし、好ましくない。これに対して、上記のとおり、各LED182a〜182cから照射される光により主制御基板173が正常に動作していることが報知され、さらにその光は、本体枠13や前扉枠14の開放操作を要することなくパチンコ機10前方から視認することができる。よって、上記不正行為が行われているか否かの確認作業を容易に行うことができる。
また、LED182a〜182cは、主制御基板173と共に、主制御装置162の基板ボックス163内に収容されている。そして、基板ボックス163には、上記のとおり、結合部174又は封印シール176が設けられており、基板ボックス163の開封を容易に行うことができないようになっているだけでなく、開封に際して痕跡が残ることから基板ボックス163を不正に開封しようとする行為を思い留まらせることができるようになっている。よって、LED182a〜182cに対する不正行為が抑制され、LED182a〜182cによる上記報知の信頼性が高められている。例えば、LED182a〜182cが基板ボックス163の外部に設けられた構成を想定すると、その外部に設けられたLED182a〜182cと主制御基板173との電気的な接続を解除し、当該LED182a〜182cを不正基板に接続することで、LED182a〜182cによる報知内容を不正に操作することができてしまうからである。
上記のようにLED182a〜182cから照射された光は、パチンコ機10前方から視認可能であるが、さらに本体枠13を開放操作した場合にはその開放操作した本体枠13の側方及び後方(すなわち、背面側)からも視認することができるようになっている。
当該構成について詳細には、上記のとおり基板ボックス163は透明性を有する材料により形成されているとともに、発光体ユニット181a〜181cのケース体184a〜184cも透明性を有する材料により形成されている。よって、LED182a〜182cから照射される光を、基板ボックス163の外部から視認することができる。また、発光体ユニット181a〜181cは、基板ボックス163において基板収容部192よりもパチンコ機10前方に膨出した発光体収容部193に収容されているが、図9に示すように、発光体収容部193は基板ボックス163の左右方向の一端に設けられており、さらに取付台161には発光体収容部193を露出させるための切欠部161bが形成されている。また、図4に示すように、発光体収容部193は、裏パックユニット15の裏パック201により覆われているが、裏パック201は透明性を有しているため、その覆われた状態において発光体収容部193を視認することができる。さらに、上記のとおり発光体ユニット181a〜181cにおけるケース体184a〜184cのLED用収容部187a〜187cには分散手段が付与されており、LED182a〜182cからの光は各LED182a〜182cの軸線を中心として180°の方向に分散されるようになっている。以上の構成により、LED182a〜182cから照射された光は、本体枠13を開放操作した場合には、裏パックユニット15の本体枠13に対する開放操作や主制御装置162の取り外し操作を要することなく、開放操作した本体枠13の側方及び後方から視認することができる。よって、本体枠13を開放操作してLED182a〜182cを確認する場合においても、その作業性の向上が図られている。
また、上記のように、各発光体ユニット181a〜181cは、本体枠13の回動先端側に設けられている。したがって、本体枠13を僅かに開放させるだけで上記確認を行うことができ、また本体枠13を前方に開放させると各LED182a〜182cはパチンコ機10前方の位置へと導かれ、上記確認作業を無理なく行うことができる。よって、上記確認作業の容易化が図られている。さらにまた、上記のように各発光体ユニット181a〜181cが本体枠13の回動先端側に設けられていることにより、各LED182a〜182c自体を容易に視認することができる。このように各LED182a〜182c自体を容易に視認可能とすることで、各LED182a〜182cと各特定発光部94〜96との間に偽LED等が設置されていないか否かを確認することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図16のブロック図に基づいて説明する。図16では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板173には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、演算装置(演算手段)であるCPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)とが内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313がそれぞれ個別に1チップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のCPUにおいても同様である。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板173に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
また、主制御基板173の出力側には、各発光体ユニット181a〜181cの第1LED基板183a,第2LED基板183b及び第3LED基板183cが接続されており、主制御基板173はこれら各第1〜第3LED基板183a〜183cに対して個別に動作電力を供給するとともに、個別に発光制御信号を出力する。これにより、各第1〜第3LED基板183a〜183cに設けられた各第1〜第3LED182a〜182cが、CPU311により個別に発光制御される。ここで、各第1〜第3LED基板183a〜183cが主制御基板173から動作電力を受け取る構成においては、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続が解除された場合には、自ずと各第1〜第3LED基板183a〜183cに動作電力が供給されなくなり、各第1〜第3LED182a〜182cからの光の照射は自ずと停止される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に対して停電信号を送信する。主制御回路302では、この停電信号の入力を確認することにより、その確認結果に基づいて後述する停電時処理(電断時処理)を実行する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。この場合、払出制御基板322のCPU331は、正常に動作している状況では、主制御回路302のCPU311に接続確認用信号を常に出力している。主制御回路302のCPU311では、この接続確認用信号を払出制御基板322のCPU331から入力することで、当該払出制御基板322が電気的に接続されていることを認識する。
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、データ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cは、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合には蓄電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
なお、電源及び発射制御基板321には、上記データ記憶保持用コンデンサ321cとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用コンデンサから放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、図柄表示装置91の表示内容について、図17に基づいて説明する。
図柄表示装置91には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置91には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置91には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置91には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置91には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定発光部94(第1LED182a)の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図18に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり時におけるラウンドの規定回数を判定する際に使用するラウンド種別カウンタC3と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC4と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置91の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定発光部94に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。なお、大当たり種別カウンタC2とラウンド種別カウンタC3とを個別に設ける構成に代えて、大当たり種別を判定するための機能とラウンド種別を判定するための機能とを単一のカウンタに具備させてもよい。
このうち、カウンタC1〜C4,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口84への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、ラウンド種別カウンタC3及びリーチ乱数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
ラウンド種別カウンタC3は、0〜111の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり111)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施形態では、ラウンド種別カウンタC3によって、大当たり時におけるラウンドの規定回数を第1規定回数とするか又は第2規定回数とするかを決定することとしている。ラウンド種別カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
リーチ乱数カウンタC4は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC4によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84に入賞したタイミングでRAM313の保留球格納バッファに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置91の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定発光部94に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置91においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置91に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定発光部94に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC4の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、図示は省略するが、第3特定発光部96の抽選には役物用乱数カウンタが用いられる。役物用乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。役物用乱数カウンタは定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御回路302のCPU311により実行される各制御処理を図19〜図28のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図19は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図20のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、ラウンド種別カウンタC3及びリーチ乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、ラウンド種別カウンタC3及びリーチ乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、676,49,111,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS204では、始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図21のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納バッファに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口84に入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定発光部94及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口84への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、ラウンド種別カウンタC3及びリーチ乱数カウンタC4の各値を、RAM313の保留球格納バッファの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、図示による説明は省略するが、タイマ割込み処理では、スルーゲート85の通過に対応したゲート通過処理を実行する。ゲート通過処理では、RAM313のゲートフラグ格納バッファにゲートフラグが格納されているか否かを判定し、ゲートフラグが格納されている場合にはゲート保留球数を上限値の範囲内で1加算する。この際、ゲートフラグをクリアする。また、役物用乱数カウンタの値を取得する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS402では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS403では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS404ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS405ではRAM判定値を算出し、続くステップS406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS409〜S411の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS409〜S411の処理に移行する。
ステップS409では、従側の制御基板となる払出制御基板322等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS410ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS411ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS412にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS407にて停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS408にて従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS412にて割込み許可を設定し、ステップS413に進む。
ステップS413では、第1〜第3LED182a〜182cの点灯処理を実行する。この第1〜第3LED182a〜182cの点灯処理では、基本的に電源遮断前の状態における色の光を照射するように各第1〜第3LED182a〜182cが発光制御される。つまり、RAM313には各第1〜第3LED182a〜182cに対応させて発光色情報記憶部(発光色情報格納エリア)が設けられており、電源遮断時には各第1〜第3LED182a〜182cの発光色情報が記憶されている。ステップS413では、その発光色情報に基づいて、各第1〜第3LED182a〜182cからの光の照射を開始させる。但し、RAM313の初期化が実行された場合には、発光色情報が消去される。この場合、初期設定色の光を照射するように各第1〜第3LED182a〜182cが発光制御される。なお、第1LED182aの初期設定色は青色であり、第2LED182bの初期設定色は青色であり、第3LED182cの初期設定色は緑色である。また、当該ステップS413にて開始された各LED182a〜182cからの光の照射は、パチンコ機10の電源がOFFとなるまで又は主制御基板173が正常に動作しなくなるまで連続的に維持される。ちなみに、この連続的な照射(表示)を断続的な照射(表示)としてもよい。ステップS413の処理を実行した後に、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図23のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S510の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS512,S513のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、接続監視処理を実行する。接続監視処理では、図24のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて、払出制御基板322から接続確認用信号を入力しているか否かを判定する。この接続確認用信号の入力は、タイマ割込み処理(図20)における信号読み込み処理(ステップS201)にて確認される。なお、この確認についてより具体的には、信号読み込み処理において接続確認用信号を入力していなかった場合に、RAM313に設けられた接続エラーフラグ格納バッファに接続エラーフラグを格納するようにすることで、ステップS601において接続確認用信号を入力しているか否かを判定することが可能となる。
接続確認用信号を入力している場合には、そのまま本接続監視処理を終了する。接続確認用信号を入力していない場合には、ステップS602〜ステップS604の接続異常時処理処理を実行する。
接続異常時処理では、先ずステップS602にて、第1〜第3LED182a〜182cの消灯処理を実行する。これにより、第1〜第3LED182a〜182cからの光の照射が停止される。ここで、上記のとおり各第1〜第3LED基板183a〜183cは主制御基板173から動作電力を受け取る構成であるため、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続が解除された場合においても、第1〜第3LED182a〜182cからの光の照射が停止される。つまり、第1〜第3LED182a〜182cからは、基本的に光が照射されており、パチンコ機10の電源がOFFとなった場合を除き、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続が解除された場合と、主制御基板173と払出制御基板322との電気的な接続が解除された場合との2つの事象が発生したときにのみ光の照射が停止される。このような電気的な構成となっていることにより、第1〜第3LED182a〜182cにおいて、主制御基板173が正常に動作していることを報知する機能が果たされる。
続くステップS603では、異常コマンドを音声ランプ制御基板324に出力する。これにより、スピーカ部26からの異常報知音(特別報知音)の出力が開始されるとともに、図柄表示装置91において異常報知表示が行われる。このように異常報知を行うのは、不正基板を用いた不正行為が行われていない場合であってもハーネスなどの電気配線の接続不良により払出制御基板322からの接続確認用信号が主制御基板173にて入力されないことが想定され、このような事象が生じた場合においてその旨を報知するためである。
なお、異常報知の態様は上記のものに限定されることはなく、上記異常報知の態様に代えて又は加えて、例えば遊技ホールに設けられたホールコンピュータに異常信号を出力する構成としてもよい。この場合、ホールコンピュータにて異常の発生が把握される。
続くステップS604では、払出制御基板322から接続確認用信号を入力したか否かを判定する。接続確認用信号を入力していない場合には、再度ステップS604の処理を実行する。つまり、接続確認用信号を入力するまでステップS604にて待機する。これにより、接続確認用信号を入力していないにも関わらず、後述する第1LED制御処理、第2LED制御処理及び第3LED制御処理が実行され、各第1〜第3LED182a〜182cからの光の照射が開始されてしまうことが阻止される。
その後、接続確認用信号を入力した場合には、ステップS604にて肯定判定をし、ステップS605に進む。ステップS605では、異常解除コマンドを音声ランプ制御基板324に出力する。これにより、スピーカ部26からの異常報知音の出力が停止されるとともに、図柄表示装置91における異常報知表示が停止される。その後、本接続監視処理を終了する。
通常処理(図23)の説明に戻り、続くステップS502では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを払出制御基板322等に対して出力する。また、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御基板324に出力する。
次に、ステップS503では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS504では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したバッファ内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS505にてコマンド設定処理を実行する。このコマンド設定処理では、払出制御基板322や音声ランプ制御基板324に出力するコマンドの設定を実行する。かかる処理で設定されるコマンドとしては、払出制御基板322に出力される賞球コマンドがある。
コマンド設定処理の後は、ステップS506にて第1特定発光部94に表示される色の切り替えを行うための第1LED制御処理を実行する。この第1LED制御処理について図25のフローチャートを用いて説明する。
第1LED制御処理では、先ずステップS701において、大当たり中であるか否かを判定する。大当たり中の場合には、そのまま本第1LED制御処理を終了する。この場合、発光色の切り替えは行われず、現状の光の照射状態が維持される。
大当たり中でない場合には、ステップS702にて、第1LED182aが切り替え表示中であるか否かを判定する。第1LED182aが切り替え表示中か否かの判定は、RAM313に設けられた遊技中フラグがセットされているか否かが確認されることにより行われる。この遊技中フラグは、第1LED182aの切り替え表示が開始される際にセットされ、切り替え表示が終了される際にクリアされる。
第1LED182aが切り替え表示中でない場合には、ステップS703に進み、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判定する。作動保留球数が0の場合には、そのまま本第1LED制御処理を終了する。この場合、発光色の切り替えは行われず、現状の光の照射状態が維持される。
作動保留球数が0よりも大きい場合には、ステップS704〜ステップS707の遊技回開始処理を実行する。つまり、ステップS704では、作動保留球数Nを1減算する。続くステップS705では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS706では、切替開始処理を実行し、第1LED182aから照射される光の色の切り替えを開始する。具体的には、第1LED182aにおける発光色を赤色に切り替える。なお、既に発光色が赤色であった場合にはその状態を維持する。また、この切替開始処理においては、RAM313のカウンタ用バッファに格納されている第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて切替表示時間を決定する。なお、第2変動種別カウンタCS2の数値と切替表示時間との関係は、テーブル等により予め設定されている。
その後、ステップS707では、変動開始処理を実行する。この変動開始処理が実行されることにより、音声ランプ制御基板324に出力するための変動開始コマンドがセットされ、音声ランプ制御基板324ではこの変動開始コマンドを入力することで図柄表示装置91における図柄の変動表示を開始させる。なお、この変動開始コマンドには、当該変動開始コマンドに関わる遊技回において大当たりが発生するか否か、大当たりが発生する場合には確変大当たりが否か、大当たりが発生しない場合にはリーチ表示を発生させるか否かなどといった情報が含まれている。また、上記切替表示時間に対応した図柄の変動表示時間の情報も含まれている。その後、本第1LED制御処理を終了する。
一方、ステップS702において、第1LED182aが切り替え表示中であると判定した場合には、ステップS704〜ステップS711の遊技回進行処理を実行する。つまり、ステップS708では、切替表示時間が経過したか否かを判定する。
この切替表示時間が経過したか否かの判定は、例えばRAM313に設けられたタイマカウンタを参照することにより行われる。具体的には、タイマ割込み処理が実行される毎(すなわち、約2msec毎)に1減算されるタイマカウンタが設けられており、上記切替開始処理の実行時に切替表示時間に対応したカウンタ値がタイマカウンタにセットされる。ステップS708では、タイマカウンタの値が0となったか否かを確認することで、切替表示時間が経過したか否かを判定する。なお、この時間の計測の仕方は任意であり、時間の計測に関する各種周知の構成を適用できる。これについては、以下も同様である。
切替表示時間が経過していない場合には、ステップS709にて切替処理を実行する。切替処理では、第1LED182aから照射される光の色が切り替えられる。具体的には、上記タイマカウンタの値を確認することにより、前回の確認時から所定時間(例えば、1sec)経過したかどうかを判定する。所定時間経過している場合には、発光色の切り替えを行う。この切り替えの順序は、赤色→緑色→青色→赤色・・・となっている。なお、現状の発光色の認識とそこから切り替える発光色の認識は、CPU311のレジスタカウンタを用いて行われる。切替処理を実行した後は、本第1LED制御処理を終了する。
ステップS708において、切替表示時間が経過していないと判定した場合には、ステップS710に進む。ステップS710では、切替終了処理を実行する。切替終了処理は、第1LED182aにおける発光色の切替表示を最終的にどの色で停止させるかを判定し、その判定した色にて停止表示させるための処理である。具体的には、RAM313の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を確認し、当該遊技回において確変大当たりが発生する場合には発光色を赤色とし、当該遊技回において通常大当たりが発生する場合には発光色を緑色とし、当該遊技回において大当たりが発生しない場合には発光色を青色とする。これにより、それぞれの遊技結果に応じた色の光が第1LED182aから照射され、それぞれの遊技結果に応じた色の表示が第1特定発光部94においてなされることとなる。ここで設定された発光色は、次回の切替開始処理まで維持される。
切替終了処理を実行した後は、ステップS711にて、音声ランプ制御基板324に出力される終了コマンドをセットする。音声ランプ制御基板324では、当該終了コマンドを入力することで、主制御基板173において第1LED182aの切替表示が終了されたことを認識する。その後、本第1LED制御処理を終了する。
ここで、第1LED182aに表示される色の切り替え態様を、図柄表示装置91における図柄の変動表示と対応させて、図26を用いて以下に説明する。図26(a)は、図柄表示装置91の左・中・右の図柄の表示状況と第1LED182aにおいて発光色の切り替えが行われているか否かの状況とを示し、図26(b)は、第1LED182aの発光色の切り替えの詳細な状況を示す。なお、図26においては、前回の遊技回で大当たりが発生することなく今回の遊技回で確変大当たりが発生するパターンを示すが、他のパターンにおいては最初と最後の発光色が異なるのみで基本的な態様は同様である。
先ずt1のタイミングで、CPU311は、第1LED182aの発光色の切り替え表示を開始するとともに、音声ランプ制御基板324に変動開始コマンドを出力する。音声ランプ制御基板324は、当該変動開始コマンドに基づいて表示画面において左・中・右の図柄の変動表示を即座に開始させるよう図柄表示装置91を表示制御する。これにより、左・中・右の図柄の変動表示と第1LED182aの発光色の切り替え表示とが同時に開始されることとなる。また、このt1のタイミングで、CPU311において第2変動種別カウンタCS2の値に基づき切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図26におけるt1〜t4までの時間に相当する。
その後、音声ランプ制御基板324が図柄表示装置91を表示制御することにより、t2のタイミングで、左図柄の変動表示が停止され、所定間隔を置いて右図柄の変動表示が停止され、さらにt3のタイミングで、中図柄の変動表示が停止される。この間、CPU311は、第1LED182aの発光色の切り替え表示を継続して行っている。
その後、t4のタイミングで、CPU311は、切替表示時間が経過したことを判断し、第1LED182aの発光色を確変大当たりに対応した赤色とし、切り替え表示を終了する。また、CPU311は、音声ランプ制御基板324に終了コマンドを出力する。音声ランプ制御基板324では、終了コマンドを入力することにより、左・中・右の図柄を終了表示させるよう図柄表示装置91を表示制御する。
通常処理(図23)の説明に戻り、第1LED制御処理の後は、ステップS507にて遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理について図27のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS801では、現在の遊技状態が大当たり状態か否かを判定する。大当たり状態でない場合にはステップS802に進み、大当たり図柄の組み合わせが最終停止表示される大当たり変動が終了したか否かを判定する。大当たり変動が終了していない場合にはそのまま本処理を終了し、大当たり変動が終了した場合には、ステップS803〜ステップS806に示す大当たり状態開始処理を行う。
大当たり状態開始処理では、ステップS803において、ラウンドカウンタRCのセット処理を実行する。このラウンドカウンタRCのセット処理では、RAM313の実行エリアに格納されているラウンド種別カウンタC3の値を確認し、今回の大当たりのラウンドが第1規定回数と第2規定回数とのいずれであるかを判定する。そして、各規定回数に対応した値をラウンドカウンタRCにセットする。具体的には、第1規定回数である場合には、ラウンドカウンタRCに2をセットし、第2規定回数である場合には、ラウンドカウンタRCに15をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口が開放された回数をカウントするためのカウンタである。
その後、ステップS804では、大当たり状態開始時の第2LED制御処理を実行する。具体的には、RAM313の実行エリアに格納されているラウンド種別カウンタC3の値を確認し、今回の大当たりのラウンドが第1規定回数と第2規定回数とのいずれであるかを判定する。そして、第1規定回数である場合には、第2LED182bの発光色を青色とし、第2規定回数である場合には、第2LED182bの発光色を赤色とする。なお、第1規定回数である場合において既に第2LED182bの発光色が青色である場合にはその状態を維持し、第2規定回数である場合において既に第2LED182bの発光色が赤色である場合にはその状態を維持する。ここで設定された色の光の照射は、後述するステップS811の大当たり状態終了時の第2LED制御処理まで維持される。
続くステップS805では、大入賞口を開閉させる開閉タイミングを計るためのタイマに5000(すなわち10秒)をセットし、続くステップS806では状態移行コマンドを設定して本遊技状態移行処理を終了する。ここで、状態移行コマンドとは音声ランプ制御基板324に出力されるものである。音声ランプ制御基板324は、当該コマンドを入力することにより、大当たり状態に移行したことを認識すると共に、大当たり状態に移行したことを示すオープニング動画を図柄表示装置91に表示させるべく表示制御を開始する。なお、セットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1ずつ減算される。
一方、ステップS801において遊技状態が大当たり状態である場合には、ステップS807に進み、大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を行う。
大入賞口開閉処理では、図28のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて大入賞口を開放中であるか否かを判定する。具体的には、大入賞口ソレノイドの励磁状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口を開放中でない場合には、ステップS902にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判定すると共に、ステップS903にてタイマの値が0か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が0である場合又はタイマの値が0でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が0でなく且つタイマの値が0である場合には、ステップS904に進み、大入賞口を開放すべく大入賞口ソレノイドを励磁状態とする。続くステップS905では、大入賞口に入賞した遊技球の数を記憶するための入賞カウンタPCに0をセットする。その後、ステップS906ではタイマに14750(すなわち29.5秒)をセットすると共にステップS907にて開放コマンドをセットし、本大入賞口開閉処理を終了する。この結果、大入賞口が最大29.5秒間開放されることとなる。ここで、開放コマンドとは音声ランプ制御基板324に対して出力されるものである。音声ランプ制御基板324は、当該コマンドを入力することにより、大入賞口が開放されたことを認識し、大入賞口が開放されている間に表示すべき動画を図柄表示装置91に表示させるべく表示制御を開始する。
また、ステップS901にて大入賞口が開放中である場合にはステップS908に進み、タイマの値が0か否かを判別する。タイマの値が0でない場合、ステップS909にて大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞している場合には、ステップS910にて入賞カウンタPCの値を1加算した後にステップS911にて入賞カウンタPCの値が10か否かを判定し、10でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS908にてタイマの値が0の場合、又はステップS911にて入賞カウンタPCの値が10の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS912にて大入賞口を閉鎖すべく大入賞口ソレノイドを非励磁状態とする。続くステップS913ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS914にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が0でない場合にはステップS915にてタイマに1000(すなわち2秒)をセットし、ラウンドカウンタRCの値が0である場合にはステップS916にてタイマに5000(すなわち10秒)をセットする。その後、ステップS917にて閉鎖コマンドをセットし、本大入賞口開閉処理を終了する。ここで、閉鎖コマンドとは音声ランプ制御基板324に出力されるものである。音声ランプ制御基板324は、当該コマンドを入力することにより、1回のラウンドが終了したことを認識し、例えば次回のラウンド数等を教示する開放前動画や、大当たり状態が終了したことを示すエンディング動画を図柄表示装置91に表示させるべく表示制御を開始する。
大入賞口開閉処理の後、ステップS808ではラウンドカウンタRCの値が0か否かを判定すると共に、ステップS809にてタイマの値が0か否かを判定する。そして、ラウンドカウンタRC又はタイマの値の少なくとも一方が0でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRC及びタイマの値が0である場合には、ステップS810に進み、大当たり状態を終了させる大当たり状態終了処理を行う。したがって、大当たり状態下では、ラウンドカウンタRCにセットされた回数の大入賞口の連続開放が許容される。
大当たり状態終了処理を行った後、ステップS811〜ステップS814では状態移行処理を行う。すなわち、ステップS811では、大当たり状態終了時の第2LED制御処理を実行する。当該処理では、第2LED182bの発光色を青色とする。この場合、既に第2LED182bの発光色が青色である場合にはその状態を維持する。この色の光の照射状態は、次回の大当たり発生時において大当たり状態開始時の第2LED制御処理(ステップS804)が実行されるまで維持される。なお、この大当たり状態終了時の第2LED制御処理を実行しないようにしてもよい。また、大当たり状態開始時の第2LED制御処理の実行後、最初の大入賞口開閉処理の実行に際して、第2LED182bの発光色を青色とするようにしてもよい。また、第2LED182bの発光色として非大当たり状態用のものを設定しておき、大当たり状態終了時の第2LED制御処理では第2LED182bの発光色を非大当たり状態用のものに切り替えるようにしてもよい。
続くステップS812では、RAM313の実行エリアに格納されている大当たり種別カウンタC2を確認し、今回の大当たりが確変大当たりか否かを判定する。確変大当たりである場合には、ステップS813に進み、それ以降の遊技状態を高確率状態とする高確率状態移行処理を行って本遊技状態移行処理を終了する。また、確変大当たりでない場合には、ステップS814に進み、それ以降の遊技状態を通常状態とする通常状態移行処理を行って本遊技状態移行処理を終了する。
通常処理(図23)の説明に戻り、遊技状態移行処理の後は、ステップS508にて第3LED制御処理を実行する。第3LED制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第3LED182cにおける発光色の切り換え表示を行う。この際、発光色の切り換え時間も設定する。発光色の切り替え表示は、第1LED制御処理における第1LED182aの発光色の切り替え表示と同様の処理により行われ、具体的には、赤色→緑色→赤色→・・・の順序で発光色の切り替えが行われる。また、既に取得されている役物用乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。作動口84に付随する電動役物84aを開放状態とする場合には、停止表示する発光色として赤色が設定され、開放状態としない場合には停止表示する発光色として緑色が設定される。この色の光の照射状態は、次回の第3LED182cにおける発光色の切り替え表示が開始されるまで維持される。なお、電動役物84aの開閉処理は当該第3LED制御処理にて実行される。この電動役物84aの開閉処理は、可変入賞装置83の開閉に関する処理と同様に、開閉タイミング判定用のカウンタ手段などを用いて行われる。
続くステップS509では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS510では、RAM313内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理における最後の処理が終了したこととなるので、ステップS511にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS512では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS513では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するバッファ領域に格納する。
一方、ステップS510にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS514以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS514では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS515にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS516にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS517にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321のデータ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
基板ボックス163内にLED182a〜182cを設け、主制御基板173が正常に動作している場合には、LED182a〜182cから光を照射するようにした。これにより、LED182a〜182cから光が照射されているか否かを確認することで、不正基板を用いた不正行為が行われているか否かを把握することができる。
また、遊技盤81において前扉枠14の窓部を通じて視認可能な領域に特定発光部94〜96を設け、LED182a〜182cから照射された光が特定発光部94〜96を透過するようにした。つまり、LED182a〜182cから照射された光を、遊技ホールに設置状態にあり、且つ本体枠13や前扉枠14の開放操作が行われていない状態において、パチンコ機10前方から視認可能とした。したがって、上記不正基板を用いた不正行為が行われているか否かの確認作業の作業性が向上する。
さらにまた、LED182a〜182cは基板ボックス163内に収容されており、当該基板ボックス163には結合部174や封印シール176が設けられている。基板ボックス163外にLED182a〜182cを設ける構成も想定されるが、この場合、上記不正基板を用いた不正行為を行うとともに、LED182a〜182cに対しても不正を行う行為が想定される。そうすると、上記不正行為の発見作業が正確に行えなくなってしまう。これに対して、LED182a〜182cを基板ボックス163内に収容しておくことで、LED182a〜182cに対して不正を行うためには基板ボックス163を開放する必要が生じ、その作業が手間となることで、かかる行為を思いとどまらせることが可能となる。
LED182a〜182cの動作電力を主制御基板173を介して供給するようにした。不正基板を用いた不正行為においては、主制御基板173に対する電気的な接続を全て不正基板に付け代えられることがあり、この場合、電源及び発射制御基板321と主制御基板173との電気的な接続も解除される。当該不正行為が行われた場合には、上記のとおりLED182a〜182cの動作電力を主制御基板173を介して供給するようにしたことにより、自ずとLED182a〜182cからの光の照射が停止され、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、払出制御基板322から接続確認用信号を入力していない場合には、LED182a〜182cからの光の照射を行わないようにした。不正基板を用いた不正行為においては、当該不正基板に独自の電源手段を持たせるとともに、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続を解除することなくそれ以外の機器を不正基板に接続させる行為が考えられる。当該構成において、LED182a〜182cからの光の照射が、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続が行われている場合には常に行われる構成を想定すると、不正基板を用いた不正行為が行われているにも関わらず、LED182a〜182cからの光の照射が継続されてしまう。そうすると、上記不正行為を発見できないだけでなく、LED182a〜182cにおいては光の照射が継続されるため、遊技ホールの管理者等にとってはそのパチンコ機10を正常であると判断してしまう。これに対して、上記のように払出制御基板322から接続確認用信号を入力していない場合には、LED182a〜182cからの光の照射を行わないようにしたことにより、上記不正行為に対して対処することができる。
第1LED182aを発光制御することにより、各遊技回において大当たりの発生の有無を報知し、第2LED182bを発光制御することにより、大当たりが発生した際にラウンドの規定回数がいずれのパターンかを報知し、第3LED182cを発光制御することにより、作動口84に付随する電動役物84aを開放状態とするか否かの報知を行うようにした。つまり、LED182a〜182cは、主制御基板173が正常に動作しているか否かを報知する機能だけでなく、各種遊技状況を報知する機能をも有することとなる。よって、LED182a〜182cが多機能化され、LED182a〜182cに関する構成の好適化が図られる。
大当たり状態下では、第1LED182aにおいて大当たり状態中である旨の表示を行うようにした。ここで、上記不正基板を用いることで大当たり状態に移行させる不正行為が想定される。また、可変入賞装置83と主制御基板173との電気的な接続を解除し、代わりに可変入賞装置83と不正基板とを電気的に接続し、遊技状態が大当たり状態でないにも関わらず可変入賞装置83を開放状態にして不正に遊技球の払出を受けようとする不正行為が想定される。これに対して、正規の大当たり状態下では第1LED182aにて大当たり状態中である旨の表示を行うようにしたことにより、遊技ホールの管理者等にとっては、パチンコ機10の挙動と第1LED182aにおける表示とを見比べることで、上記のような不正行為が行われているか否かを容易に確認することができる。
特に、不正基板を用いて可変入賞装置83を不正に開放操作する行為が行われたとしても、遊技ホールの管理者等にとっては、可変入賞装置83の挙動と第1LED182aにおける表示とを見比べることで、その不正行為が行われていることを容易に把握することができる。
また、不正基板を用いて、可変入賞装置83を不正に開放操作するとともに図柄表示装置91にて大当たり状態用の表示を行わせ、可変入賞装置83を不正に開放操作していることを外見から判断しづらくする不正行為が想定される。これに対して、上記のように正規の大当たり状態下では第1LED182aにて大当たり状態中である旨の表示を行うようにしたことにより、遊技ホールの管理者等にとっては、図柄表示装置91における表示と第1LED182aにおける表示とを見比べることで、上記のような不正行為が行われているか否かを容易に確認することができる。
また、第1LED182aにおける大当たり状態中である旨の表示を、大当たり状態の開始から終了まで継続させるようにした。これにより、遊技ホールの管理者等にとっては、上記不正基板を用いた不正行為により大当たり状態に移行している場合や通常状態(非大当たり状態)であるにも関わらず大当たり状態のような挙動をしている場合には、第1LED182aが大当たり状態である旨の表示となっていないことを任意のタイミングで確認することで、その不正行為が行われていることを把握することができる。よって、上記不正行為が行われていることを把握する機会が高められる。
また、不正基板を用いて、大当たり状態下で可変入賞装置83を不正に開放操作し、可変入賞装置83を本来の開放回数よりも多くの回数開放させる不正行為が想定される。これに対して、第2LED182bにおいてラウンド数に対応した情報の報知を行うようにした。これにより、遊技ホールの管理者等にとっては、可変入賞装置83の挙動と第2LED182bにおける表示とを見比べることで、上記のような不正行為が行われているか否かを容易に確認することができる。
作動口84の電動役物84aを開放状態とする場合には第3LED182cにおいてその旨の表示を行うようにした。ここで、作動口84と主制御基板173との電気的な接続を解除し、代わりに作動口84と不正基板とを電気的に接続し、電動役物84aを開放状態にして不正に遊技球の払出を受けようとする不正行為が想定される。これに対して、電動役物84aが正規に開放状態となる際には第2LED182bにてその旨の表示を行うようにしたことにより、遊技ホールの管理者等にとっては、電動役物84aの挙動と第2LED182bにおける表示とを見比べることで、上記のような不正行為が行われているか否かを容易に確認することができる。
遊技盤81には当該遊技盤81を前後方向に貫通させて特定発光部94〜96を設け、特定発光部94〜96によりLED182a〜182cから照射された光を遊技盤81の前方へ導くようにした。これにより、遊技盤81の後方に主制御装置162が設置された構成において、LED182a〜182cから照射された光を遊技盤81よりも前方に導くことができる。
また、特定発光部94〜96を、前扉枠14に設けられたガラス22を通じて視認可能な領域に設置した。このガラス22は、遊技領域における遊技球の流下態様を視認可能とするためのものであるため、パチンコ機10前方から視認し易い位置に設けられている。この場合に、特定発光部94〜96を、ガラス22を通じて視認可能な領域に設置することで、LED182a〜182cから照射された光の視認性が高められる。
また、特定発光部94〜96を、パチンコ機10の正面視において遊技領域内に含まれる位置に設けた。遊技領域の視認性は高められているため、当該遊技領域内に含まれる位置に特定発光部94〜96を設けることで、LED182a〜182cから照射された光の視認性が高められる。また、特定発光部94〜96を装飾部材89bにより遊技球の流入が阻止された領域に設置したため、遊技領域を流下する遊技球によってLED182a〜182cから照射された光が遮られることはなく、当該光の視認性が確保されている。
基板ボックス163に主制御基板173を収容する基板収容部192と、LED182a〜182c(発光体ユニット181a〜181c)を収容する発光体収容部193とを形成し、発光体収容部193を基板収容部192よりもパチンコ機10前方に膨出させた。これにより、主制御基板173の位置を極力パチンコ機10後側としつつ、LED182a〜182cの位置を極力パチンコ機10前側とすることができる。主制御基板173への防犯性の観点からは主制御基板173の位置をパチンコ機10後側とすることが好ましく、LED182a〜182cから照射された光の視認性の観点からはLED182a〜182cの位置をパチンコ機10前側とすることが好ましく、本構成によれば、この相反する要望をともに実現することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、遊技盤及び主制御装置に関する構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその相違する構成について説明する。図29は、遊技盤401と当該遊技盤401に並設される図柄表示装置402と遊技盤401に設置される主制御装置403とを示す略図、図30は、遊技盤401の正面図である。なお、図29及び図30において、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともに、基本的にその説明を省略する。
遊技盤401は、ポリカーボネートなどといった無色透明の合成樹脂により形成されている。遊技盤401の前面には、遊技球発射機構110から発射された遊技球を遊技盤401上部へ案内するための内レール部101及び外レール部102が取り付けられている。遊技盤401の前面は内外レール部101,102により区画され、略円形状に区画された内側領域に遊技領域404が形成されている。この遊技領域404は、前扉枠14に設けられた窓部を通じてそのほぼ全域がパチンコ機10前方から視認可能となっている。
遊技盤401には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されており、各開口部には一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84、スルーゲート85及びセンターフレーム405が設けられている。その他に、遊技領域404の下端にはアウト口87が設けられているとともに、遊技球の流下方向を適宜分散、調整等するための釘88が設けられている。
なお、センターフレーム405は、そのベースとなる部材が無色透明な材料により形成されており、ステージ部406と、当該ステージ部406に遊技球を導出する誘導通路部407とを備えている。センターフレーム405が設けられていることにより、遊技領域404における遊技球の流下態様の多様化が図られている。
遊技領域404における上記各部材等の配置位置について詳細には、センターフレーム405が遊技領域404の略中央に配置され、センターフレーム405とアウト口87との間には、作動口84と可変入賞装置83とが上方からこの順で配置されている。また、センターフレーム405の左右両側にはスルーゲート85が配置され、遊技領域404の左右の下部には一般入賞口82が配置されている。この場合、遊技領域404には、上記第1の実施形態と同様に左右の下部に装飾部材89a,89bが設けられており、当該装飾部材89a,89bに対して一般入賞口82が設けられている。なお、装飾部材89a,89bは無色透明な材料により形成されている。
ここで、一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84及びアウト口87に入球した遊技球は、遊技盤401の後方に導出され、そこからパチンコ機10の外部へ排出される。一般入賞口82について具体的に説明すると、図31に示すように、一般入賞口82は、遊技盤401を前後方向に貫通させて設けられており、遊技盤401の背面には一般入賞口82に連通させて排出通路部408が設けられている。一般入賞口82に入球した遊技球は排出通路部408へ導かれ、当該排出通路部408を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84及びアウト口87は、遊技領域404における下側に集約させて配置されている。つまり、図30において境界線Lよりも下方の領域(以下、境界線Lよりも下方の領域を下部領域404aともいい、境界線Lよりも上方の領域を上部領域404bともいう)に、一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84及びアウト口87が配置されている。この場合に、下部領域404aにおける遊技盤401の背面には、遮蔽手段が付与されており、排出通路部408がパチンコ機10前方から視認できないようになっている。この遮蔽手段として具体的には、遊技盤401の背面に有色不透明の遮蔽フィルム413が貼り付けされている(図32参照)。
遊技盤401の後方には図柄表示装置402が設置されている。図柄表示装置402は、遊技領域404の上部領域404bと略同一の面積を有する表示画面402aを備えており、当該表示画面402aは上部領域404bの裏面の略全体と対向している。上記のとおり遊技盤401が無色透明の合成樹脂により形成されており、さらに上部領域404bに遮蔽手段が設けられていないため、表示画面402aにおける表示内容はパチンコ機10前方から視認可能となっている。このように図柄表示装置402を設けることにより、上記第1の実施形態における構成に比べ、表示画面402aの大型化が図られている。
遊技盤401の後方であって図柄表示装置402の下方には、主制御装置403が設置されている。主制御装置403について図32を用いて説明する。図32は、主制御装置403を説明するための略図である。
主制御装置403は、上記第1の実施形態と同様に、ボックスベース171とボックスカバー172とからなる基板ボックス163を備えており、当該基板ボックス163に主制御基板173が収容されて構成されている。ボックスベース171及びボックスカバー172は無色透明の合成樹脂により形成されており、さらに基板ボックス163には、図示は省略するが、上記第1の実施形態と同様に結合部及び封印シールが設けられている。また、主制御基板173は、上記第1の実施形態と同様に、部品搭載面173aをパチンコ機10後方に向けて設置されている。
基板ボックス163には、多色発光タイプのLED411が搭載されたLED基板412が収容されている。具体的には、基板ボックス163は、主制御基板173を収容する基板収容部192と、LED基板412を収容する発光体収容部193とを有している。発光体収容部193は基板収容部192の内周面を前方に膨らませるようにして形成されており、基板収容部192よりも前方に膨出している。発光体収容部193は、基板ボックス163の左右方向の一端に設けられている。この位置は、本体枠13における回動先端側となっている。
ここで、主制御装置403は、上記のとおり遊技盤401の後方であって図柄表示装置402の下方に設置されている。つまり、図32に示すように、排出通路部408の後方に位置している。この場合に、発光体収容部193が基板収容部192よりも前方に膨出させて設けられていることにより、主制御装置403と排出通路部408との干渉を防止しつつ、発光体収容部193の前側の端面が遊技盤401の背面と極力近い位置にて対向している。
LED基板412は、LED411が搭載された部品搭載面412aがパチンコ機10前方を向くようにして設置されており、LED411の先端は発光体収容部193の先端に近い位置にある。LED基板412は電気配線415を介して主制御基板173に接続されており、当該主制御基板173からLED411の動作電力を受けるとともに、当該主制御基板173から発光制御信号を受ける。なお、図示による説明は省略するが、LED基板412にはLED411が複数搭載されており、それぞれ上記第1の実施形態における第1LED182a、第2LED182b及び第3LED182cに相当している。
発光体収容部193は、遊技領域404に設けられた装飾部材89bの後方に位置している。ここで、上記のとおり、無色透明の遊技盤401における下部領域404aの背面には、遮蔽フィルム413が貼り付けられている。但し、この遮蔽フィルム413は、遊技盤401において発光体収容部193と対向する位置には設けられていない。また、装飾部材89bは、無色透明となっている。したがって、LED411から照射された光は、遊技盤401及び装飾部材89bを透過し、パチンコ機10前方から視認可能となっている。なお、図30に示すように、下部領域404aには、遮蔽フィルム413が貼り付けされていない領域によって発光領域414が形成されており、正面視で発光領域414内にLED411が位置している。
LED411からの光の照射態様は、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと同一となっている。つまり、パチンコ機10の電源がONとなっており、且つ主制御基板173が正常に動作している状況においては、LED411から光が照射され、その旨が報知される。また、LED411からの光により、遊技状況の各種報知が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと同様にLED411を設けたことにより、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cを設けたことによる効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、図柄表示装置402の表示画面402aの大型化を図るための構成として無色透明な材料により形成された遊技盤401が用いられており、当該構成においては遊技盤401に貫通孔を形成したり、遊技盤401を貫通させて透明材料を埋設したりすることなく、LED411からの光を遊技盤401よりも前方に導出することができる。つまり、図柄表示装置402の表示画面402aの大型化を図るための構成を利用して、LED411からの光をパチンコ機10前方に導出することができる。
また、遊技盤401における入球部が設けられた下部領域404aの背面には遮蔽フィルム413が貼り付けられていることにより、排出通路部408がパチンコ機10前方から視認しづらくなり、パチンコ機10の美観の好適化が図られている。当該構成において、図柄表示装置402を上部領域404bの後方にのみ位置するように設置し、下部領域404aの後方に主制御装置403を設置した。これにより、上記のようにパチンコ機10の美観の好適化を図るための構成を利用して、図柄表示装置402の表示画面402aとLED411とが前後に重ならないようにすることができる。
(第3の実施形態)
以下、遊技球を遊技媒体として用い遊技を行う遊技球使用回胴遊技機に関する第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。図33は遊技機500の正面図、図34及び図35は遊技機500の内部開放状態を示す斜視図である。
本実施の形態における遊技機500は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。本遊技機には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。
遊技機500は、外枠501と、この外枠501に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部502とを有する。本遊技機500を遊技ホールに設置する際には、外枠501が島設備に取り付け固定される。
遊技機主部502は、扉体ユニットであるドアブロック503と、絵柄表示ユニットである面替えブロック504と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック505とから構成されている。ドアブロック503(遊技機主部502)が外枠501に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機500を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部502は正面から見て右側を回動先端部として開放される。
面替えブロック504はドアブロック503の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック504を背面側から覆うようにして払出ブロック505が取り付けられている。これら面替えブロック504と払出ブロック505はドアブロック503の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠501に対してドアブロック503と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック503に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。
ドアブロック503は、図33や図35に示すように、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とする透明パネル511が取り付けられた窓部512、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部513、遊技に際し遊技者により手動操作される操作部514、遊技球を貯留する皿部515、皿部515に貯留された遊技球を取り込む取込ユニット516などを備えている。
ちなみに、操作部514としては、取込ユニット516による遊技球の取り込みを開始させるべく操作されるベットスイッチ(賭け操作手段)517、後述するリール装置522の各リール(周回体)を回転開始させるためのスタートレバー(始動操作手段)518、停止対象となるリールを個別に停止させるために操作されるストップスイッチ(停止操作手段)519が設けられている。
面替えブロック504は、図35に示すように、合成樹脂製の面替えベース体521と、周回体ユニットとしてのリール装置522と、補助演出装置としての液晶表示装置523と、遊技に関わる主たる各種制御を実行する主制御装置524と、主制御装置524からの指令に基づく従たる表示制御等を実行する表示制御装置525とを備えている。
本実施の形態では、面替えブロック504は、本遊技機500の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック504を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック504は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
リール装置522、液晶表示装置523、主制御装置524及び表示制御装置525は、面替えベース体521に搭載されている。面替えベース体521の表面、リール装置522に設けられたリール527,528,529における図柄の可変表示及び液晶表示装置523の表示画面523aは、図33に示すように、その全体がドアブロック503の窓部512を通じて視認可能となっている。
なお、各リール527〜529は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール527〜529の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、該ステッピングモータの駆動により各リール527〜529が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。
払出ブロック505は、図34に示すように、透明性を有する合成樹脂材料にて一体形成された裏カバー部材531と、遊技球を払い出すための払出機構532と、払出制御を司る払出制御装置533と、外部電源から生成した電力を主制御装置524などに供給する電源装置534とを備えており、これらを一体化することにより構成されている。
裏カバー部材531は、略平坦状をなすベース部536と、後方(遊技機500の後方)に突出し略直方体形状をなす保護カバー部537とを有する。保護カバー部537は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、少なくとも前記面替えブロック504のリール装置522、主制御装置524及び表示制御装置525を収容するのに十分な大きさを有する。但し、裏カバー部材531は透明性を有しているため、遊技機主部502を外枠501から開放させた場合には、払出ブロック505を開放させなくても主制御装置524などが視認可能となっている。
払出機構532として、裏カバー部材531の最上部には上方に開口したタンク541が設けられており、タンク541には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク541の下方にはタンクレール542が連結され、タンクレール542の下流側には、遊技球の払出を行うための払出装置543が設けられている。払出装置543は払出制御装置533からの制御信号により駆動され、遊技球の払出が適宜行われる。
主制御装置524について以下に説明する。図36は主制御装置524の構成を説明するための横断面の略図である。
主制御装置524は、上記第1の実施形態と同様に、ボックスベース551とボックスカバー552とからなる基板ボックス553を備えており、当該基板ボックス553に主制御基板554が収容されて構成されている。基板ボックス553のボックスベース551及びボックスカバー552は無色透明の合成樹脂により形成されており、さらに基板ボックス553には、図示は省略するが、上記第1の実施形態と同様に結合部及び封印シールが設けられている。また、主制御基板554は、CPU558等が搭載された部品搭載面554aをボックスカバー552側に向けて設置されている。
主制御装置524は、面替えベース体521の回動先端側に設置されており、さらに主制御基板554の部品搭載面554aが回動先端側の側方を向くようにして縦向きに設置されている。なお、主制御装置524の設置は、取付台555を介して行われている。主制御装置524は払出ブロック505の裏カバー部材531により覆われているが、裏カバー部材531は無色透明の合成樹脂により形成されているため、遊技ホールに設置された遊技機500において遊技機主部502を開放させるだけで払出ブロック505の開放操作を要することなく主制御装置524が視認可能となる。さらには、基板ボックス553は無色透明の合成樹脂により形成されているとともに上記のように主制御装置524が設置されているため、遊技ホールに設置された遊技機500において遊技機主部502を開放させるだけで払出ブロック505の開放操作を要することなく主制御基板554の部品搭載面554aを視認することができる。
主制御基板554の部品搭載面554aには、多色発光タイプのLED560が搭載されている。LED560は主制御基板554における前側の端部に設けられている。LED560は接続端子561を備えており、当該接続端子561が主制御基板554に接続されている。このように主制御基板554に接続端子561が接続されていることにより、LED560は当該主制御基板554から動作電力を受けるとともに、当該主制御基板554により発光制御される。LED560における接続端子561が設けられた側とは反対側の端部は外方に凸となっており、LED560から照射される光は、その凸となった方向への指向性が強くなっている。
LED560の接続端子561は比較的長くなっており、途中位置で直角に曲げられて凸となった先端部562が遊技機500前方を向いている。つまり、主制御基板554の部品搭載面554aが遊技機500側方を向いているのに対して、LED560の先端部562は遊技機500前方を向いている。
LED560は上記のとおり主制御装置524の前側の端部に位置しており、面替えベース体521に近い位置にある。面替えベース体521におけるLED560の前方には、無色透明のガラスや合成樹脂により形成された光透過部565が設けられている。また、この光透過部565の前方には窓部512が位置している。したがって、LED560から照射された光は、基板ボックス553、光透過部565及び窓部512を透過することで、遊技機500前方から視認可能となっている。
LED560からの光の照射態様は、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと類似している。つまり、遊技機500の電源がONとなっており、且つ主制御基板554が正常に動作している状況においては、LED560から光が照射され、その旨が報知される。また、LED560からの光により、遊技状況の各種報知が実行される。そして、LED560による上記報知を、遊技ホールに設置された遊技機500において遊技機主部502の開放操作を要することなく、窓部512を通じて遊技機500前方から視認することができる。
なお、CPU558において上記第1の実施形態における各LED制御処理と類似した処理が実行されることにより、LED560からの光の照射態様は上記のようになる。また、主制御基板554と他の機器とが接続されていることを確認するための接続確認用信号は、払出制御装置533から出力される。また、遊技状況の報知としては、例えば大当たり(特別遊技状態)の発生の報知や、その他、小役や再遊技などといった役の入賞発生の報知がある。
上記のとおり、遊技ホールに設置された遊技機500において遊技機主部502を開放させるだけで払出ブロック505の開放操作を要することなく主制御基板554の部品搭載面554aを視認することができる。したがって、LED560自体についても、遊技機主部502を開放させるだけで払出ブロック505の開放操作を要することなく視認することができる。よって、遊技機主部502を開放操作した上でLED560の確認を入念に行う場合においても、その確認作業の作業性の向上が図られる。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと同様にLED560を設けたことにより、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cを設けたことによる効果と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
以下、スロットマシンに関する第4の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図37はスロットマシン600の正面図、図38はスロットマシン600の前面扉601を開いた状態の斜視図、図39は筐体602の正面図である。
スロットマシン600の筐体602は、木製の板材を組み合わせることで、前方に開放した箱状に形成されている。筐体602の前面側には、前面扉601が開閉可能に取り付けられている。前面扉601の上寄りには合成樹脂製の遊技パネル603が設けられている。遊技パネル603は上下に区画されており、下側領域には縦長の3つの表示窓604,605,606が横並びとなるように形成されている。各表示窓604,605,606を通じて筐体602の内部に設けられたリールユニット611による図柄の可変表示が視認可能となっている。なお、遊技パネル603の上側領域には遊技者に各種情報を与える補助表示部612が設けられている。
リールユニット611は、円筒状にそれぞれ形成された複数のリール613,614,615を備えている。これら各リール613,614,615は、各表示窓604,605,606に1対1で対応している。各リール613,614,615は、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されており、各リール613,614,615の外周面には複数の図柄が回転方向に付されている。また、各リール613,614,615は、それぞれ図示しないステッピングモータに連結されており、ステッピングモータの駆動により各リール613,614,615が個別に回転する。各リール613,614,615が回転することにより、上述した図柄の可変表示が実行される。
遊技パネル603の下方左側には、各リール613,614,615を一斉に回転開始させるために操作されるスタートレバー621が設けられている。また、スタートレバー621の右側には、回転している各リール613,614,615を個別に停止させるために操作されるストップスイッチ622,623,624が設けられている。また、スタートレバー621とストップスイッチ622,623,624との間には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのマックスベットスイッチ625が設けられている。また、表示窓604,605,606の下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口626が設けられている。
メダル投入口626から投入されたメダルは、前面扉601の背面に設けられたセレクタ627によって貯留用通路628又は排出用通路629のいずれかへ導かれる。貯留用通路628に導かれたメダルは、メダルを遊技者に払い出すためのホッパ装置630へと導かれる。一方、排出用通路629に導かれたメダルは、前面扉601の前面下部に設けられたメダル受け皿631へと導かれ、遊技者に返還される。なお、筐体602内には、電気配線を介して、後述する主制御装置641などに電力を供給する電源装置632が設けられている。
筐体602の内部においてリールユニット611の上方には、主制御装置641が設けられている。この主制御装置641について図40を用いて説明する。図40は、主制御装置641を説明するための略図である。
主制御装置641は、上記第1の実施形態と同様に、ボックスベース642とボックスカバー643とからなる基板ボックス644を備えており、当該基板ボックス644に主制御基板645が収容されて構成されている。ボックスベース642及びボックスカバー643は無色透明の合成樹脂により形成されており、さらに基板ボックス644には、上記第1の実施形態と同様に結合部646及び封印シール647が設けられている。
主制御装置641は、CPU661が搭載された主制御基板645の部品搭載面645aをスロットマシン600前方に向けた状態で筐体602の背板602aに設置されている。なお、この設置は、取付台649を介して行われている。
基板ボックス644には、多色発光タイプのLED651が搭載されたLED基板652が収容されている。具体的には、基板ボックス644は、主制御基板645を収容する基板収容部653と、LED基板652を収容する発光体収容部654とを有している。発光体収容部654は基板収容部653の内周面を前方に膨らませるようにして形成されており、基板収容部653よりも前方に膨出している。発光体収容部654の前側の端面は、前面扉601の背面とその近い位置にて対向している。
LED651は接続端子655を備えており、当該接続端子655がLED基板652に接続されている。LED651における接続端子655が設けられた側とは反対側の端部は外方に凸となっており、LED651から照射される光は、その凸となった方向への指向性が強くなっている。LED基板652は電気配線657を介して主制御基板645に接続されており、当該主制御基板645からLED651の動作電力を受けるとともに、当該主制御基板645から発光制御信号を受ける。
LED基板652は、LED651が搭載された部品搭載面652aがスロットマシン600前方を向くようにして設置されており、LED651の先端は発光体収容部654の先端に近い位置にある。そして、上記のとおり発光体収容部654の先端は前面扉601の背面に近い位置にあるため、LED651の先端は前面扉601の背面に近い位置にあると言える。
前面扉601におけるLED651の前方の位置には、無色透明のガラスや合成樹脂により形成された光透過部656が設けられている。したがって、LED651から照射された光は、基板ボックス644及び光透過部656を透過することで、スロットマシン600前方から視認可能となっている。
LED651からの光の照射態様は、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと類似している。つまり、スロットマシン600の電源がONとなっており、且つ主制御基板645が正常に動作している状況においては、LED651から光が照射され、その旨が報知される。また、LED651からの光により、遊技状況の各種報知が実行される。そして、LED651による上記報知を、遊技ホールに設置されたスロットマシン600において前面扉601の開放操作を要することなく、光透過部656を通じてスロットマシン600前方から視認することができる。
なお、CPU661において上記第1の実施形態における各LED制御処理と類似した処理が実行されることにより、LED651からの光の照射態様は上記のようになる。また、主制御基板645と他の機器とが接続されていることを確認するための接続確認用信号は、補助表示部612を表示制御するための表示制御装置から出力される。また、遊技状況の報知としては、例えば大当たり(特別遊技状態)の発生の報知や、その他、小役や再遊技などといった役の入賞発生の報知がある。
前面扉601を開放させるだけで視認可能となる位置に主制御装置641が設置されている。したがって、前面扉601を開放させるだけでLED651自体及びLED基板652を視認することができる。よって、前面扉601を開放操作した上でLED651の確認を入念に行う場合においても、その確認作業の作業性の向上が図られる。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cと同様にLED651を設けたことにより、上記第1の実施形態における第1〜第3LED182a〜182cを設けたことによる効果と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1の実施形態における主制御装置162の変形例を以下に説明する。
(1―1)図41に示す変形例では、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置162の基板ボックス163内には発光体ユニット181a〜181cが収容されている。そして、発光体ユニット181a〜181cは主制御基板173に接続されており、発光体ユニット181a〜181cのLED182a〜182cは主制御基板173を介して動作電力を受けるとともに当該主制御基板173により発光制御される。
但し、本構成においては、基板ボックス163の基板収容部192は上記第1の実施形態と異なり、遊技盤81の背面に近い位置にある。これに伴って、基板ボックス163における発光体収容部193は基板収容部192からパチンコ機10前方に膨出させて設けられているのではなく、発光体収容部193の前側端面は基板収容部192の前側端面と同一面上にある。そして、この発光体収容部193の構成に対応させて、発光体ユニット181a〜181cには上記第1の実施形態のような長手部185a〜185cは設けられていない。本構成によれば、上記第1の実施形態のように遊技盤81と基板収容部192との間に排出通路などを設ける空間を確保できないものの、基板ボックス163の構造及び発光体ユニット181a〜181cの構造が上記第1の実施形態よりも単純化される。
(1−2)図42に示す変形例では、主制御装置162の基板ボックス163内には、発光体ユニットやLED基板は設けられておらず、代わりに、LED701が主制御基板702に搭載されている。なお、主制御基板702はその部品搭載面702aがパチンコ機10後方を向いている。
LED701は接続端子701aを備えており、当該接続端子701aが主制御基板702に接続されている。このように主制御基板702に接続端子701aが接続されていることにより、LED701は当該主制御基板702から動作電力を受けるとともに、当該主制御基板702により発光制御される。LED701の接続端子701aは比較的長くなっており、途中位置で直角に曲げられてLED701の先端部701bはパチンコ機10側方を向いている。より詳細には、本体枠13の回動先端側を向いている。本構成によれば、LED701からの光をパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、本体枠13を開放操作した場合には本体枠13の側方及び後方からLED701自体を視認することができる。
(1−3)図43及び図44に示す変形例では、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置162の基板ボックス163内には発光体ユニット181a〜181cが収容されている。そして、発光体ユニット181a〜181cは主制御基板173に接続されており、発光体ユニット181a〜181cのLED182a〜182cは主制御基板173を介して動作電力を受けるとともに当該主制御基板173により発光制御される。
但し、本構成においては、図43に示すように、遊技盤81に周縁部から内側に凹ませて凹部711が形成されている。そして、この凹部711に、基板ボックス163における発光体収容部193の先端が入り込むようにして主制御装置162が設置されている。この場合、発光体収容部193の前側の端面は遊技盤81の表面と同一面上にあるが、それよりも前側又は後側に位置する構成としてもよい。ちなみに、発光体収容部193の前側の端面には、主制御装置162の内部におけるLED182a〜182c以外の部分がパチンコ機10前方から視認できないように、LED182a〜182cの前方に位置する部位を除いて遮蔽テープ712などといった遮蔽手段が付与されている。
上記構成によれば、LED182a〜182cから照射され発光体収容部193の先端を透過した光は、そのままガラス22に到達することとなり、上記第1の実施形態のように遊技盤81の特定発光部94〜96を透過する必要がないことから、LED182a〜182cからの光の視認性が高められる。但し、本構成においては、発光体収容部193と遊技盤81の凹部711との間に若干の隙間が生じることとなり、当該隙間を介して遊技盤81の背面側に不正用治具などを挿入する不正行為が想定される。かかる観点から、当該隙間が生じない上記第1の実施形態における構成が好ましい。
なお、本構成において、遊技盤81に凹部711ではなく前後方向に貫通した孔部を形成し、その孔部に発光体収容部193の先端が入り込むようにしてもよい。また、本体枠13に凹部や孔部を形成し、その本体枠13に形成された凹部や孔部に発光体収容部193の先端が入り込むようにしてもよい。さらには、本体枠13と遊技盤81との間に、隙間を設け、当該隙間に発光体収容部193の先端が入り込むようにしてもよい。
また、上記(1−1)〜(1−3)における主制御装置の構成を、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態又は上記第4の実施形態に対して適用してもよい。
(2)上記(1―3)の構成の変形例を以下に説明する。
(2―1)図45に示す変形例では、基板ボックス163内には、発光体ユニット181a〜181cに代えて、多色発光タイプのLED721が搭載されたLED基板722が収容されている。LED基板722はLED721が搭載された部品搭載面722aがパチンコ機10前方を向くようにして発光体収容部193内に設置されている。また、LED基板722は主制御基板173に電気配線723を介して接続されており、LED721の動作電力及び発光制御信号を当該主制御基板173から受ける。
(2−2)図46に示す変形例では、上記(2―1)の構成と同様に、基板ボックス163内には、発光体ユニット181a〜181cに代えて、多色発光タイプのLED731が搭載されたLED基板732が収容されている。但し、本構成においては、LED基板732と主制御基板173との電気的な接続が、各基板732,173にそれぞれ設けられたコネクタ733,734を電気配線を介することなく直接連結することにより行われている。また、本構成においては、複数のLED731が左右方向に並設されている。
なお、上記(2−1)及び(2―2)におけるLED基板722,732を、上記第1の実施形態における構成において発光体ユニット181a〜181cに代えて適用してもよく、上記(1―1)の構成において発光体ユニット181a〜181cに代えて適用してもよい。
(3)基板ボックス163内に収容されたLEDからの光の導出に関して導光体を用いた構成の変形例を説明する。
(3−1)図47に示す変形例では、主制御装置162の基板ボックス163には、多色発光タイプのLED741が搭載されたLED基板742が収容されている。LED基板742は、LED741が搭載された部品搭載面742aをパチンコ機10前方に向けて設置されている。また、LED基板742は、主制御基板173と電気的に接続されている。この場合、その接続は各基板742,173にそれぞれ設けられたコネクタ743,744を電気配線を介することなく直接連結することにより行われている。なお、電気配線を介して両基板742,173を電気的に接続するようにしてもよい。
遊技盤81におけるLED741の前方には、当該遊技盤81を前後方向に貫通させて導光体745が埋設されている。この導光体745は、アクリル樹脂などといった光の透過率が高い材料により形成されたコアとコアよりも屈折率が低いクラッドとからなる二重構造となっており、コアに導入された光を全反射によりコア内に閉じ込めて伝搬させる構造となっている。なお、導光体745を、複数の光ファイバの束として構成してもよい。
LED741から照射され導光体745に導入された光は、導光体745内にて全反射しながらパチンコ機10前方へ進み、遊技盤81の前方へ導出される。そして、この導出された光は窓部のガラス22を透過することとなる。これにより、LED741から照射された光をパチンコ機10前方から視認することができる。特に、導光体745により光を導出するようにしたことにより、遊技盤81の前方へ光を導出する上で、その光の減衰が抑えられ、LED741から照射される光の視認性の向上が図られている。
(3―2)図48に示す変形例では、主制御装置162の基板ボックス163内には、LED基板は設けられておらず、代わりに、LED751が主制御基板173に搭載されている。なお、主制御基板173はその部品搭載面173aがパチンコ機10後方を向いている。
LED751は接続端子751aを備えており、当該接続端子751aが主制御基板173に接続されている。このように主制御基板173に接続端子751aが接続されていることにより、LED751は主制御基板173から動作電力を受けるとともに、当該主制御基板173により発光制御される。LED751の先端部はパチンコ機10後方を向いている。
当該構成において、基板ボックス163内には、第1導光体752が収容されている。第1導光体752はU字状をなしており、その一端部753がLED751を収容した状態で主制御基板173に接続されている。また、第1導光体752の他端部754はボックスベース171の内面と近い位置にて対向しており、パチンコ機10前方を向いている。遊技盤81における第1導光体752の他端部754の前方には、当該遊技盤81を前後方向に貫通させて第2導光体755が埋設されている。なお、第1導光体752及び第2導光体755の具体的な構成は、上記導光体745と同様である。
本構成によれば、LED751から照射され第1導光体752に導入された光は、第1導光体752内にて全反射しながら第2導光体755へ導かれる。この第2導光体755へ導かれた光は、第2導光体755内にて全反射しながらパチンコ機10前方へ進み、遊技盤81の前方へ導出される。そして、この導出された光は窓部のガラス22を透過することとなる。これにより、LED751から照射された光をパチンコ機10前方から視認することができる。特に、第1導光体752及び第2導光体755により光を導出するようにしたことにより、遊技盤81の前方へ光を導出する上で、その光の減衰が抑えられ、LED751から照射された光の視認性の向上が図られている。
さらには、LED751は主制御基板173の部品搭載面173aに搭載されているため、本体枠13を開放操作することで、本体枠13の側方及び後方からLED751自体を視認することができる。よって、LED751自体を確認する際の作業性も向上する。
なお、上記(3−1)や(3−2)の導光体に関する構成を、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態又は上記第4の実施形態に対して適用してもよい。
(4)上記各実施形態においては、基板ボックスに収容させたLEDにより、主制御基板が正常に動作していることを報知するようにしたが、これに代えて、表示画面(表示領域)を有する表示装置を基板ボックスに収容させ、当該表示装置の表示画面にて特定表示を行うことにより主制御基板が正常に動作していることを報知するようにしてもよい。
但し、本構成を、上記第1の実施形態に適用する場合、表示装置の表示画面を視認可能とさせるための窓部を遊技盤81に設ける必要がある。また、本構成を、上記第2の実施形態に適用する場合、表示装置の表示画面が視認できるように、遊技盤401の下部領域404aにおける遮蔽フィルムの貼付位置を設定する必要がある。また、本構成を、上記第3の実施形態に適用する場合、表示装置の表示画面を視認可能とさせるための窓部を面替えベース体521に設ける必要がある。また、本構成を、上記第4の実施形態に適用する場合、表示装置の表示画面を視認可能とさせるための窓部を前面扉601に設ける必要がある。
また、本構成を上記第1の実施形態又は第2の実施形態に適用した構成においては、大当たり状態における可変入賞装置83の開放回数を表示装置の表示画面にて直接表示するようにしてもよい。
(5)上記各実施形態において、主制御基板が正常に動作していることを報知する発光体として、LEDの代わりに、電球やその他の発光体を用いてもよい。但し、発光体の寿命という観点からは、電球よりはLEDを用いる方が好ましい。
(6)上記第1の実施形態において、特定発光部94〜96を遊技盤81に設ける代わりに、遊技盤81に貫通孔を形成し、その貫通孔に向けてLED182a〜182cから光を照射する構成としてもよい。本構成であっても、LED182a〜182cから照射された光を遊技盤81の前方に導出することができる。但し、本構成においては、遊技盤81に形成された貫通孔を介してパチンコ機10前方から遊技盤81の後方に不正用冶具を挿入する不正行為が想定されるため、この点、上記第1の実施形態のように特定発光部94〜96を設ける構成とする方が好ましい。なお、上記の貫通孔を形成する構成を、上記第3の実施形態において、光透過部565を面替えベース体521に設ける構成に代えて適用してもよい。
(7)上記第1の実施形態では、複数のLED182a〜182cにて主制御基板173が正常に動作していることを報知する構成としたが、これに代えて、単一のLEDにより主制御基板173が正常に動作していることを報知する構成としてもよい。また、単一のLEDにより主制御基板173が正常に動作していることを報知する場合、そのLEDにて大当たりが発生するか否かの報知と、大当たりが発生する場合におけるラウンド数の報知とを行うようにしてもよい。また、LEDにより主制御基板173が正常に動作していることを報知する場合、そのLEDにて保留球の有無を報知する構成としてもよい。なお、当該構成を上記第2の実施形態に対して適用してもよい。
(8)上記第3の実施形態のように主制御装置524を面替えベース体521の回動先端側にて起立させて設置する構成を、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態におけるパチンコ機10に対して適用してもよい。また、逆に、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態における主制御装置162の設置に関する構成を、上記第3の実施形態における遊技機500に対して適用してもよい。
(9)上記各実施形態において、主制御基板が正常に動作していることを報知する専用のLEDを設ける構成としてもよい。この場合、当該LEDにおいては、各種遊技状況の報知は実行されないため、当該LEDの発光制御の容易化が図られる。また、当否判定結果やラウンド数を報知するのではなく、大当たり状態(特別遊技状態)か否かを報知するLEDを設けてもよい。また、電動役物84aを開放状態とするか否かを報知するLED(すなわち、第3LED182c)のみを設けてもよい。
(10)上記第1実施形態においては、遊技領域を視認可能とするための窓部を通じてLED182a〜182cからの光を視認可能としたが、これに代えて、LED182a〜182cの専用の窓部を遊技機前面体としての前扉枠14に設ける構成としてもよい。なお、このようにLEDの専用の窓部を遊技機前面体に設ける構成を、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態において適用してもよい。
(11)上記各実施形態では、主制御基板が正常に動作している状況では、LEDにおいて発光色の切り替え表示を行う構成としたが、これに代えて、LEDにおいて同一色の光又は異なる色の光による点滅表示を行う構成としてもよい。但し、点滅表示させる構成においては、主制御基板が正常に動作しているにも関わらずLEDが消灯する期間が生じてしまうため、遊技ホールの管理者等にとっては主制御基板が正常に動作していないと誤解してしまうおそれがある。この点、上記各実施形態のように、主制御基板が正常に動作している状況では、LEDにおいて発光色の切り替え表示を行う構成とすることが好ましい。
(12)上記第1の実施形態では、主制御基板173のCPU311における通常処理(図23)において接続監視処理(ステップS501)を行うようにしたが、当該接続監視処理を行わないようにしてもよい。本構成であっても、LED182a〜182cの動作電力は主制御基板173を介して供給されるため、不正基板を用いた不正行為のうち、主制御基板173と電源及び発射制御基板321との電気的な接続を解除した上で行う不正行為の発見については容易に行うことができる。
(13)上記第1の実施形態では、払出制御基板322から主制御基板173に対して接続確認用信号が出力される構成としたが、音声ランプ制御基板324やその他の基板から出力される構成としてもよい。また、入賞口スイッチ152、カウントスイッチ153又は作動口スイッチ154といった主制御基板173に電気的に接続されるスイッチから出力される構成としてもよい。さらには、単一の機器ではなく、複数の機器から接続確認用信号が出力される構成としてもよい。なお、上記構成を、上記第2の実施形態、上記第3の実施形態又は上記第4の実施形態に対して適用してもよい。
(14)上記各実施形態では、不正基板を用いた不正行為に対する対策として基板ボックス内にLED等の表示手段を収容する構成を、主制御装置に対して適用したが、他の制御装置に対して適用してもよい。例えば、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態においては、払出制御装置242や音声ランプ制御装置143等に対して適用してもよい。また、上記第3の実施形態においては、表示制御装置525や払出制御装置533に対して適用してもよい。また、上記第4の実施形態においては、表示制御装置に対して適用してもよい。さらには、単一の制御装置ではなく、複数の制御装置に対して同時に適用してもよい。
(15)上記第2の実施形態において、遊技盤401に装飾部材89bを設けない構成としてもよい。この場合、各LED411から照射された光の経路上に装飾部材89bが存在しなくなり、当該装飾部材89bを透過する必要がなくなる。また、装飾部材89bにおける各LED411の前方箇所に前後方向に貫通した開口部を形成してもよい。当該構成であっても、各LED411から照射された光の経路上に装飾部材89bが存在しなくなり、当該装飾部材89bを透過する必要がなくなる。つまり、上記各構成によれば、各LED411から照射された光の経路上には、遊技盤401と前扉枠14のガラス22のみが存在することとなる。これにより、各LED411から照射された光の視認性が高められる。
(16)上記第1の実施形態では、第1LED182aにおける特別遊技状態(大当たり状態)である旨の表示は、特別遊技状態の終了後において新たに発光色の切り替えが開始されるまで継続される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、特別遊技状態の終了後に通常遊技状態に移行する場合に、第1LED182aにおける表示を通常遊技状態である旨の表示に切り替えるようにしてもよい。この場合、第1LED182aにおける特別遊技状態である旨の表示は、特別遊技状態においてのみ行われ、通常遊技状態では行われなくなる。よって、不正基板を用いて、不正に特別遊技状態に移行させる不正行為や通常遊技状態において特別遊技状態のような挙動を行わせる不正行為などが行われているか否かの確認を、より確実に行うことができるようになる。なお、本構成を上記第2〜第4の実施形態に対して適用してもよい。
(17)上記各実施形態において、LEDを収容させた制御装置の基板ボックス内に、当該LED専用のCPU(演算装置)を設け、そのCPUによりLEDの発光制御を行う構成としてもよい。この場合、例えば、上記第1の実施形態においては主制御装置162のCPU311の制御処理負荷を増加させることなく、上記第1の実施形態と同様の優れた効果を得ることができる。但し、本構成においては、CPUを別途設ける必要がある点で、上記第1の実施形態よりもコスト高となる。
(18)上記第1,第2実施形態では、一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84などの入球部に遊技球が入った場合には、遊技球を払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、入球部に遊技球が入った場合に遊技球以外の賞品を払い出す構成であってもよい。
(19)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…遊技機主部、13…本体枠、14…遊技機前面体としての前扉枠、22…ガラス、81…遊技盤、82…一般入賞口、83…可変入賞装置、84…作動口、87…アウト口、94〜96…特定発光部、162…主制御装置、163…基板ボックス、173…主制御基板、174…結合部、176…封印シール、182a〜182c…LED、192…基板収容部、193…発光体収容部、311…CPU、321…電源及び発射制御基板、401…遊技盤、402…図柄表示装置、402a…表示画面、403…主制御装置、408…排出通路部、411…LED、412…LED基板、413…遮蔽フィルム、414…発光領域、500…遊技機、501…外枠、503…遊技機前面体としてのドアブロック、511…透明パネル、521…面替えベース体、522…リール装置、524…主制御装置、534…電源装置、553…基板ボックス、554…主制御基板、560…LED、565…光導出手段としての光透過部、600…遊技機としてのスロットマシン、601…遊技機前面体としての前面扉、602…筐体、611…リールユニット、641…主制御装置、644…基板ボックス、645…主制御基板、651…LED、652…LED基板、656…光導出手段としての光透過部、711…凹部、745,752,755…導光体、CN1,CN2…コネクタ、H…ハーネス。