以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印、四角印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。なお、後述するように、可変表示が保留されている(保留表示図柄が表示されている)ということは、始動入賞時に抽出された保留データが第1又は第2特図保留記憶部に格納されているということでもあり、このため、保留表示図柄は、始動入賞時に抽出され第1又は第2特図保留記憶部に格納されている保留データに対応して表示されるものでもある。保留されている可変表示や保留データのことは、保留記憶ともいう。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域5Ha)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域5Hb)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域5Ha及び第2保留表示領域5Hbのうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えばカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、ゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3(遊技機枠)の左右下部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ135が取り付けられている。スティックコントローラ135は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ135の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ135の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット131(図6参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ135の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン130(動作検出手段)が設けられている。プッシュボタン130は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン130の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン130に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ134(図6参照)が設けられていればよい。
遊技機用枠3の左右上部位置には、パチンコ遊技機1の筐体よりも外側に進出動作可能な枠役物装置300L、300Rが設けられている。枠役物装置300L、300Rは、後述する図5(B)、(C)に示すように、演出用可動体(役物)としての枠役物310を、遊技機用枠3の表面より外側に向けて突出させる動作が可能な可動装置である。枠役物装置300L、300Rは、それぞれ同じ構造を有するものである。枠役物装置300L、300Rを枠役物装置300と総称することもある。なお、枠役物装置300L、300Rは、互いに異なる構造を有するものであってもよい。
また、枠役物装置300L、300Rは、枠役物310の進出に関する異常を検知するための検知手段としての役物センサ60L、60Rを備えている。たとえば、役物センサ60L、60Rは、枠役物310の近傍(周囲)に存在する物体(たとえば遊技者の身体の一部、遊技者の所有物、遊技店の設備等の物体)を検出するセンサである。具体的には、役物センサ60L、60Rは、枠役物装置300L、300Rにおける枠役物310の先端部分と枠役物310の周囲箇所とにそれぞれ配置された導電性のパッド部61を備える。パッド部61は、たとえば、枠役物310の先端部分やその周囲箇所の表面に導電性を有するメッキ塗装を施すことにより形成されている。また、パッド部61を導電性部材としてもよい。パッド部61に物体が接触したことによる静電容量の変化を検出することにより、パッド部61への物体の接触が検知可能となっている。これにより、進出させる枠役物310が物体に接触するおそれがあることや、物体接触により枠役物310の進出に障害が生じることなどの異常を検知することができる。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側には、遊技の進行を制御する遊技制御を行なう遊技制御用マイクロコンピュータを搭載した主基板(遊技制御基板)11、画像表示装置5等の各種演出装置による演出の進行を制御する演出制御用マイクロコンピュータを搭載した演出制御基板12、および、パチンコ遊技機の電力供給用の電源基板16等の各種基板が設けられている。
演出制御基板12には、枠役物装置300L、300Rに関する各種初期設定をするための複数のディップスイッチを備えた枠役物動作設定部800が、パチンコ遊技機1が設置された遊技店の遊技店員による操作が可能な態様で設けられている。電源基板16には、後述する図3(B)に示す電源スイッチ904およびクリアスイッチ905の他に、枠役物装置300L、300Rを所定の位置で停止させるための操作をすることが可能なスイッチを含む各種スイッチを備えた初期操作部900が、遊技店員による操作が可能な態様で設けられている。
図3(A)は、枠役物動作設定部800の拡大図である。枠役物動作設定部800は、枠役物310の進出に関する設定が可能な設定手段として、枠役物設定スイッチ804、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803を備えている。各スイッチは、いずれもディップスイッチ(2接点式のスイッチ)により構成されている。
枠役物設定スイッチ804は、枠役物310を予め定められた突出位置に動作可能(枠役物動作可能)とするか動作不可能(枠役物動作不可能)とするかを設定するためのスイッチであり、動作可能と動作不可能とのどちらかの設定に切替え操作可能である。動作可能となる設定がされているときには、電源投入後、通常動作が開始される前に、枠役物310等の各種動作物の動作態様を遊技店員等に確認可能とするために実行されるデモンストレーション動作をする初期動作が実行される。
枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803は、枠役物310の動作度合(突出位置の突出度合)を複数段階(この例では3段階)のいずれの段階(いずれの動作度合)とするかを設定するためのスイッチであり、各ステップがONとOFFとのいずれかの設定に切替操作可能である。枠役物310の動作度合は、高設定、中設定、および、低設定(突出位置の突出高さ関係は、高設定>中設定>低設定)のいずれかに設定可能である。
枠役物設定スイッチ804、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803により、枠役物310の進出に関する設定が可能であるので、枠役物310を好適に動作させることができる。
枠役物動作度合高設定スイッチ801のみをON状態としたときには、動作度合が高設定にセットされる。枠役物動作度合中設定スイッチ802のみをON状態としたときには、動作度合が中設定にセットされる。枠役物動作度合低設定スイッチ803のみをON状態としたときには、動作度合が低設定にセットされる。基本的に、これらスイッチは、1つのみがON状態に操作されるが、誤操作により、複数のスイッチがON状態にされたときには、最も低い動作度合が選択されて設定される。これにより、パチンコ遊技機1の設定状況の都合で枠役物310の動作度合が制限されるときに、これらスイッチの誤った操作により枠役物310が遊技店内設備に衝突してしまうこと等の不都合を未然に防ぐことができる。なお、これに限らず、複数のスイッチがON状態にされたときには、最も高い動作度合が選択されて設定されるようにしてもよい。また、2つのスイッチがON状態にされたときには、中間の動作度合の中設定が選択されて設定されてもよい。
枠役物設定スイッチ804と、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803とが備えられた枠役物動作設定部800が、遊技者が操作できず遊技店員が操作可能な位置に設けられていることにより、枠役物310の突出動作について、遊技者以外の特定の者(遊技店員)が所望する設定をすることができる。
枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803による設定に基づいて、枠役物310の突出動作度合が複数段階で設定可能であるので、たとえば、パチンコ遊技機1の設置位置の周囲に存在する機器および構造等のようなパチンコ遊技機1の設置環境に応じて、突出動作度合を選択設定して枠役物310を突出動作させることが可能となり、枠役物310の突出動作がパチンコ遊技機1の周囲に設けられた機器に与える影響を抑制できる。より具体的には、枠役物310の突出動作経路上に、遊技情報表示装置が存在する場合に、当該遊技情報表示装置に枠役物310が衝突しないように枠役物310の突出度合を設定することが可能となる。
枠役物310の突出動作に関する設定をすることが可能な設定手段として、前述したような突出度合の他に、突出速さ、突出頻度、突出量、または、突出数の設定をすることが可能であってもよい。突出速さは、枠役物310の突出動作の速度であり、たとえば、高速、中速、低速というような複数段階のいずれかに設定可能とすればよい。突出頻度は、枠役物310の突出動作が実行される頻度であり、たとえば、突出動作を実行するか否かを決定するときの突出動作決定割合(実行頻度)が高頻度、中頻度、低頻度というような複数段階に設定可能とすればよい。突出量は、突出度合と同様の概念であり、枠役物装置300L、300Rからの枠役物310の突出量であり、たとえば、高突出量、中突出量、低突出量というような複数段階のいずれかに設定可能とすればよい。突出数は、複数の枠役物310のうち突出動作させる役物310の数であり、たとえば、役物310が3つ設けられた構造を例にとれば、高突出数(3つ突出)、中突出数(2つ突出)、低突出数(1つ突出)というような複数段階のいずれかに設定可能とすればよい。
このように、枠役物310の突出動作に関する設定としては、突出速さおよび突出量のような突出動作に関する物理量の設定、突出頻度のような突出動作に関する実行しやすさの設定、および、突出数のような突出動作に関する役物の使用数の設定等の各種設定のうちのいずれか1つ、または、いずれかの組合せが設定可能となるようにしてもよい。そして、より具体的には、突出動作に関する物理量の設定として、突出速さと突出量とのいずれかまたは両方が設定可能とされてもよい。
また、枠役物設定スイッチ804と、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803とのそれぞれについては、プッシュスイッチ等のようなディップスイッチ以外のスイッチ(たとえば、機械式のスイッチ、タッチパネル式のスイッチ)であってもよい。また、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803については、別々に設けられスイッチではなく、たとえば、ロータリースイッチ等の接点の選択が可能な1つの切替スイッチにより、動作度合高設定、動作度合中設定、および、動作度合低設定の3つの設定の何れかを切替えて選択可能なスイッチを用いてもよい。
また、変形例として、枠役物動作設定部800を、遊技者が操作可能な位置に設けることにより、各スイッチ801〜804が遊技により操作可能としてもよい。これらスイッチを遊技者が操作可能とするときには、電源投入時ではなく遊技中または待機中において、これらスイッチ801〜804が操作されることにより、枠役物310についての突出動作の可否、および、突出動作の動作度合を設定(設定変更含む)することが可能となるようにすればよい。このようにすれば、枠役物310の突出動作について、遊技者が所望する設定をすることができる。
図3(B)は、初期操作部900の拡大図である。初期操作部900においては、電源スイッチ904、クリアスイッチ905、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903が設けられている。
電源スイッチ904は、パチンコ遊技機1の電源投入時にON状態に操作され、パチンコ遊技機1の電源断時にOFF状態に操作される。クリアスイッチ905は、プッシュスイッチであり、パチンコ遊技機1の電源投入時に、押圧操作された状態で電源スイッチ904がON状態に操作されると、前回の電源断時にバックアップRAMにバックアップ記憶された制御状態に応じたデータが読出され、バックアップされた制御状態からパチンコ遊技機1の動作を開始させることが可能となる。
枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のそれぞれは、プッシュスイッチであって、オフ状態で1回押すとオン状態に変化してオン状態が保持され、オン状態で1回押すとオフ状態に変化してオフ状態が保持される、所謂プッシュオン・プッシュオフ型のスイッチである。これら停止スイッチは、パチンコ遊技機1の電源投入時、および、電源投入後の初期設定時において、枠役物310を突出動作の範囲内の停止位置で停止させるときにオン操作可能である。電源投入後の初期設定時とは、電源投入後、通常動作が開始される前に、枠役物310の動作に関する初期設定をするときをいう。
なお、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のそれぞれは、電源投入時に電源スイッチ904と同時にオン操作された場合にのみオン操作が有効化されるようにしてもよく、電源投入後の初期期間内において電源スイッチ904とは別にオン操作された場合にのみオン操作が有効化されるようにしてもよい。
これらの枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903を選択操作することにより、枠役物310の停止位置(突出位置)を複数段階(この例では3段階)のいずれかの段階(いずれかの動作度合)で、枠役物310を停止させることができる。枠役物310の停止位置は、高位置、中位置、および、低位置(停止位置の突出高さ関係は、高位置>中位置>低位置)のいずれかに設定可能である。これらの高位置、中位置、および、低位置の停止位置は、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803で設定される枠役物310の高設定、中設定、および、低設定の突出位置のそれぞれと同じ位置とされる。
枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903が備えられた初期操作部900が、遊技者が操作できず遊技店員が操作可能な位置に設けられていることにより、遊技店員のような特定の者以外の者(たとえば、遊技者)に、枠役物310の停止操作がされないようにすることができる。
なお、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803で設定される枠役物310の高設定、中設定、および、低設定の突出位置と、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のそれぞれにより停止される高位置、中位置、および、低位置の停止位置とは、それぞれが同じ位置とされなくてもよい。
枠役物高停止スイッチ901が押圧操作されたときには、枠役物310が高位置で停止される。枠役物中停止スイッチ902が押圧操作されたときには、枠役物310が中位置で停止される。枠役物低停止スイッチ903が押圧操作されたときには、枠役物310が低位置で停止される。このような電源投入後の初期動作時における枠役物310の停止は、枠役物310の動作調整作業および清掃作業等の保守点検作業等を目的として行なわれる。
このように、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のいずれかをオン状態に操作することにより、枠役物310を、高位置、中位置、および、低位置というような、突出動作の範囲内で停止させることができる。これにより、遊技店員が所望の停止位置まで枠役物310を突出動作させて停止させることができるので、枠役物310の清掃およびメンテナンス等の管理作業を容易化することができる。
なお、枠役物高停止スイッチ901、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903は、たとえば、トグルスイッチ等のようなプッシュスイッチ以外のスイッチ(たとえば、機械式のスイッチ、タッチパネル式のスイッチ)であってもよい。
また、変形例として、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903を、遊技者が操作可能な位置に設けることにより、各スイッチ901〜903が遊技により操作可能としてもよい。これらスイッチを遊技者が操作可能とするときには、電源投入時ではなく遊技中または待機中において、これらスイッチ901〜903が操作されることにより、枠役物310を、高位置、中位置、および、低位置というような、突出動作の範囲内で停止させることができるようにすればよい。このようにすれば、突出動作が可能な枠役物310を遊技者が停止操作することができることにより、遊技者の興味を引くことができる。
また、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903により枠役物310が突出動作後停止される位置は、枠役物設定スイッチ804、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、枠役物動作度合低設定スイッチ803で設定される位置と異なる位置となるように設定してもよい。また、枠役物310が突出動作後停止される位置は、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、枠役物動作度合低設定スイッチ803で設定される位置の段階(3段階)と異なる段階(たとえば、10段階等)に分けて設定できるようにしてもよい。また、10段階のような複数段階に分けて設定できるようにした場合には、枠役物310を少しだけ突出させて停止させるなどの細かい設定が可能である。また、初期位置から最大突出位置までと最大突出位置から初期位置までとを連続して動作可能な設定スイッチを設けてもよい。このようなスイッチによれば、任意の位置で枠役物310を停止することができる。
次に、図4を用いて、枠役物装置300L、300Rの構成について説明する。枠役物装置300L、300Rはそれぞれ同じ構造を有するため、ここでは枠役物装置300Lの構成について説明し、枠役物装置300Rについては説明を省略する。
枠役物装置300Lは、図4(A)に示すように、枠役物310と、枠役物310を進退させる駆動手段としての駆動装置40と、枠役物310が収納可能な収納部340と、枠役物310が初期位置P0(収納位置)にあることを検出する初期位置検出器360と、枠役物310が進出位置Pnにあることを検出する進出位置検出器361と、枠役物310の近傍(周囲)に存在する物体を検出するための役物センサ60Lと、初期位置P0にある枠役物310の進出を規制する規制機構370(規制手段)と、を備える。
枠役物310は、棒状のスティック部312と、スティック部312の先端部に設けられた、スティック部312よりも大径の円柱形状のキャップ部311とを備えた棒状の可動部材である。スティック部312は、図示しないガイド部材により進退可能に支持されており、枠役物310の進退動作が円滑に遂行されるようになっている。なお、ガイド部材を設けない構成であってもよい。
収納部340は、遊技機用枠3に設けられ、枠役物310を収納するための円柱形の凹部が形成されている。この凹部の底面中心部には、スティック部312が挿通される貫通孔が形成されている。たとえば、図4(A)において実線で示す枠役物310は、収納部340内に収納された状態(言い換えれば、キャップ部311が収納部340の凹部に収納された状態)となっている。つまり、枠役物310が初期位置P0(収納位置)にある。図4(A)において二点鎖線で示す枠役物310は、収納部340から遊技機用枠3の外側に突出した状態となっている。つまり、枠役物310が進出位置Pnにある。
図4(C)に示すように、枠役物310の突出動作によりキャップ部311が収納部340から外部に突出すると、収納部340の凹部にはスティック部312のみが存在する。収納部340の凹部の側壁には、収納部340の内部空間内の異物を赤外線により検出する赤外線センサからなる異物検出器320が、複数(この例では2つ)設けられている。異物検出器320では、収納部340の内部空間内に発光部から赤外線を発光し、反射した赤外線を受光部で検出し、その検出信号に基づいて、スティック部312以外の物体を異物として検出する。異物検出器320は演出制御基板12に接続され、異物検出器320からの検出信号が演出制御基板12に出力される。演出制御基板12の演出制御用CPU120は、枠役物310が収納部340から進出した突出状態において、異物検出器320からの検出信号がオン(収納部340の内部に異物があるとき)であれば、枠役物310の収納を中止する。
なお、異物検出器320は、前述したようなセンサに限らず、焦熱式のセンサ(赤外線を発光せず、物体自体から出る赤外線を検出するセンサ)、レーザー光線等のその他の光を用いた光学式センサを用いてもよい。また、異物検出器320は、超音波を用いて異物を検出する超音波式センサ、または、撮像装置を用いて所定範囲を撮像して画像解析により検出範囲内の異物を検出する画像解析式センサ等の各種の異物センサを用いてもよい。
駆動装置40は、ステッピングモータなどの枠モータ48と、枠モータ48の回転軸49の先端側に装着され且つ枠モータ48の回転により回転する駆動ギア351と、駆動ギア351の回転に従って回転する従動ギア352と、駆動ギア351及び従動ギア352にかけられた歯付きベルト353(例えばゴムプーリーベルト)と、を備える。また、歯付きベルト353には、スティック部312の基端側(先端側とは反対側)が取り付けられている。たとえば、スティック部312の基端側には結合部354が形成され、結合部354に形成された図示しない歯と歯付きベルト353の図示しない歯とが噛み合う状態でスティック部312が歯付きベルト353に取り付けられている。駆動装置40は、パチンコ遊技機1の内部に設けられ、演出制御基板12からの制御信号に基づいて、枠モータ48を正転、逆転させる。たとえば、枠モータ48を正転させると、駆動ギア351が正転し、駆動ギア351にかけられた歯付きベルト353が矢印方向YAに進み、歯付きベルト353に取り付けられたスティック部312が矢印方向YAに進み、枠役物310が遊技機用枠3の外側に向けて進出する。また、枠モータ48を逆転させると、駆動ギア351が逆転し、駆動ギア351にかけられた歯付きベルト353が矢印方向YBに戻り、歯付きベルト353に取り付けられたスティック部312が矢印方向YBに戻り、枠役物310が後退する。
なお、収納部340から進出した状態の枠役物310を、後退方向に遊技者が押した場合には、この押した力が、結合部354の歯と歯付きベルト353の歯との噛み合い状態を解除する強さであるときに、結合部354が歯付きベルト353に対して滑ることがある。なお、当該押した力が噛み合い状態を解除する強さであるときに、歯付きベルト353が駆動ギア351及び従動ギア352に対して滑るものであってもよい。また、枠モータ48を、停止しているときに保持力の無いモータであってもよい。この場合は、進出した枠役物310への外力により枠モータ48が回動して枠役物310が後退可能となる。また、枠役物310を進退可能なソレノイドなどを用い、ソレノイドの非通電時に励磁解除された当該ソレノイドの可動鉄芯(プランジャー)により枠役物310が進出状態となる構成であってもよい。このように、枠役物310は、進出状態のときに外力に応じた変位が可能に構成されているので、進出位置の枠役物310が外力により破損する可能性を低減できる。
また、枠役物310の破損などの不具合によって遊技店が損害を受けることを抑制できる。詳述すれば、従来の遊技機において、演出用可動体の進出保持がソレノイドの励磁継続又はロックによりなされる構成を適用した場合には、例えば先の遊技者が進出位置の枠役物310に外力を加えて破損させ、後の遊技者がそれを知らずに遊技した場合には、後の遊技者は、枠役物310が破損により正常に動作しないことから遊技の興趣性が低下し、遊技を止めてしまう。そして、枠役物310の破損により、遊技機の稼働率が落ち、遊技店が多大な損害を受けることが懸念される。これに対して、上記の構成では、枠役物310は、進出状態のときに外力に応じた変位が可能であるので、進出位置の枠役物310が外力により破損する可能性を低減でき、枠役物310の損傷によって稼働率が落ちることを抑制でき、枠役物310の損傷などの不具合によって遊技店が多大な損害を受けることを抑制できる。
ところで、初期位置検出器360および進出位置検出器361は、たとえば透過型又は反射型のフォトインタラプタなどの非接触式の位置検出センサであり、スティック部312の基端側に設けられた検出体313を検出可能である。初期位置検出器360および進出位置検出器361は演出制御基板12に接続され、初期位置検出器360および進出位置検出器361からの検出信号が演出制御基板12に出力される。図4(A)に実線で示すように枠役物310が収納部340内に収納された状態、すなわち、枠役物310が初期位置P0に位置する状態のとき、枠役物310のスティック部312の基端側の検出体313が初期位置検出器360により検出される。つまり、初期位置検出器360により、枠役物310が初期位置P0にあることが検知される。一方、図4(A)に二点鎖線で示すように枠役物310が収納部340から遊技機用枠3の外側に突出した状態、すなわち、枠役物310が進出位置Pnに位置する状態のとき、枠役物310のスティック部312の基端側の検出体313が進出位置検出器361により検出される。つまり、進出位置検出器361により、枠役物310が進出位置Pnにあることが検知される。
枠役物310の進出位置Pnには、枠役物310の高突出位置、中突出位置、低突出位置が含まれる。進出位置検出器361は、枠役物310の高突出位置、中突出位置、低突出位置のいずれもが検出可能であってもよい。また、進出位置検出器361を各突出位置に対応して複数個(ここでは3個)備えることにより、枠役物310の高突出位置、中突出位置、低突出位置をそれぞれの進出位置検出器361にて検出可能であってもよい。さらに、駆動ギア351もしくは従動ギア352の回転に応じた信号を生成可能なロータリーエンコーダ等の信号発生器、又はスティック部312の変位に応じた信号を生成可能な信号発生器と、進出位置検出器361とを組み合わせて用いて、駆動ギア351もしくは従動ギア352の回転量又はスティック部312の変位量を取得してもよい。
初期位置検出器360および進出位置検出器361は、透過型又は反射型のフォトインタラプタ以外の光電センサ、近接センサなどの非接触式の位置検出センサであってもよいし、リミットスイッチなどの機械式スイッチのような接触式の位置検出センサであってもよい。
規制機構370は、収納状態のときの枠役物310の進出動作を規制するための規制手段である。たとえば、規制機構370は、図4(B)に実線で示す後退位置と図4(B)に二点鎖線で示す進出位置とに変位可能な可動ピン371を備え、演出制御基板12からの制御信号に基づいて、可動ピン371を進退可能に構成されている。スティック部312には突起部314が形成され、突起部314における枠役物310の進出側の端部は、初期位置P0にある枠役物310が無理に引き出そうとされたときに可動ピン371と当る部位である。規制機構370は、枠役物310が初期位置P0(収納位置)にあるときは、可動ピン371を進出させて突起部314の端部側に位置させており、初期位置P0にある枠役物310の進出を規制している。たとえば、収納部340に収納された枠役物310を遊技者などが無理に引き出そうとしても、枠役物310の突起部314が可動ピン371に当り、枠役物310の進出が不可となっている。規制機構370は、枠役物310の進出動作中又は後退動作中において、可動ピン371を後退位置としているので、枠役物310の突起部314が可動ピン371に当たることはなく、枠役物310の進退動作に影響を与えない。
このように、収納状態のときの枠役物310の進出動作を規制するための規制手段をさらに備えるので、収納状態のときの枠役物310が無理矢理に動かされることを低減でき、収納位置の枠役物310の破損の可能性を低減できる。
役物センサ60Lには、枠役物装置300Lにおける枠役物310の先端部分と枠役物310の周囲箇所とにそれぞれ配置された導電性のパッド部61が接続されている。なお、パッド部61を、遊技機用枠3における枠役物310の周囲箇所に配置してもよい。役物センサ60Lは、パッド部61に物体が接触したことによる静電容量の変化を検出することにより、パッド部61への物体の接触が検知可能となっている。役物センサ60Lは演出制御基板12に接続され、役物センサ60Lからの検出信号が演出制御基板12に出力される。なお、役物センサ60L、60Rはそれぞれ同じ構造を有するため、役物センサ60Rについては説明を省略する。
次に、図5を用いて、枠役物装置300L、300Rにおける枠役物310の動作例を説明する。図5は、枠役物装置300L、300Rにおける枠役物310の動作例を示すパチンコ遊技機1の部分拡大図である。
図5(A)には動作前の枠役物310の初期状態が示され、図5(B)には動作度合が低設定時の枠役物310の動作中状態が示され、図5(C)には動作度合が高設定時の枠役物310の動作中状態が示されている。
図5(A)のように、枠役物装置300L、300Rでは、動作前の初期状態において、収納部340内に枠役物310が収納されている。
枠役物310は、所定の突出動作条件が成立したとき(たとえば、電源投入直後の図13に示す初期化処理(ステップS71)での初期動作時や、演出制御プロセス処理(ステップS75)内の可変表示中演出処理(ステップS172)におけるスーパーリーチBのリーチ実行期間など)に、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803による動作度合の設定に応じて、図5(B)のような低設定の動作度合による低突出位置、図5(C)のような高設定の動作度合による高突出位置、および、図5(B)と図5(C)との中間の動作度合である中設定の動作度合による中突出位置(図示省略)とのいずれかの突出位置に突出可能である。枠役物310の突出動作時には、特定演出としての突出動作演出が実行される。突出動作演出は、たとえば、画像表示装置5の画面上に、図5(C)に示すように、「枠役物が高突出します!」などの報知文字や枠役物310の箇所を示唆する矢印画像などの突出報知表示と、その表示に対応する音声(報知音)の出力とを含む演出である。図5(B)では図示を省略しているが、図5(B)でも図5(C)のような突出報知表示がなされている。なお、突出動作演出を、突出報知表示又は報知音のいずれか一方のみとしてもよい。
枠役物310は、枠モータ48が正転動作して駆動ギア351が正転することに応じてスティック部312が前方へ送出されることにより、キャップ部311が前方へ向けて突出動作する。枠役物310は、枠モータ48が逆転動作して駆動ギア351が逆転することに応じてスティック部312が後方へ戻されることにより、キャップ部311が収納部340へ向けて収納動作する。
枠役物装置300Lにおいて、枠役物310は、図5(B)、(C)に示すように、キャップ部311が正面から見て斜め左上方向へ突出する態様で設けられている。これにより、枠役物装置300Lにおいては、枠役物310が、正面から見て左隣に設置された他のパチンコ遊技機1の前方へ向けて突出する(正面側から見て左斜め上方向へ突出)ことにより、遊技枠30よりも外側へ突出する動作をする。一方、枠役物装置300Rにおいて、枠役物310は、図5(B)、(C)に示すように、キャップ部311が正面から見て斜め右上方向へ突出する態様で設けられている。これにより、枠役物装置300Rにおいては、枠役物310が、正面から見て右隣に設置された他のパチンコ遊技機1の前方へ向けて突出する(正面側から見て右斜め上方向へ突出)ことにより、遊技枠30よりも外側へ突出する突出動作をする。
また、枠役物装置300L、300Rのそれぞれにおいては、スティック部312およびキャップ部311の内部が中空態様で形成されており、キャップ部311の内部に所定発光色(複数色から選択した色、または単色)で発光可能な枠役物LED26L、26R(図6参照)が設けられ、スティック部312の内部空間に、枠役物LED26L、26R用のリード線が挿通されている。キャップ部311は、透光性を有する樹脂製の部材により構成されている。これにより、枠役物310は、枠役物LED26L、26Rを発光させることにより、収納位置または突出位置等の所定位置で先端部(キャップ部311)を所定色で発光動作させることが可能である。
枠役物装置300L、300Rのそれぞれにおいて枠役物310が突出動作するときには、特定の発光パターン、または、特定の発光色で枠役物LED26L、26Rが発光させられることにより、枠役物310のキャップ部311が発光する演出制御が行なわれる。
なお、枠役物310は、スティック部312も透光性を有する樹脂製の部材により構成し、キャップ部311およびスティック部312による全体を発光可能としてもよい。また、枠役物310は、スティック部312のみ(一部または全部)が発光動作するものであってもよい。また、枠役物310は、発光しない構成としてもよく、所定の模様が付されたもの、または特定の色が付されたものであってもよい。
また、枠役物装置300L、300Rのそれぞれの枠役物310の突出動作は、前述したような、正面側から見て左斜め上方向と右斜め上方向とに向けて遊技枠30よりも外側に突出するものに限らず、遊技枠30よりも外側に突出するものであればどのような突出動作でもよく、遊技枠30の上方向へ向けて突出するものであってもよく、遊技枠30の前方向へ向けて突出するものであってもよく、遊技枠30の横方向(遊技枠30の側方向)に向けて突出するものであってもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図6に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば電源基板16、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、枠役物装置300L、300R、遊技効果ランプ9及び枠役物LED26L、26Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、枠役物装置300L、300Rの突出動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26Rなどの装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26R(装飾用LED)などにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図6に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
また、演出制御基板12には、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、枠役物動作度合低設定スイッチ803、枠役物設定スイッチ804、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、枠役物低停止スイッチ903といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。演出制御基板12には、役物センサ60L、60R、異物検出器320、初期位置検出器360、動作位置検出器361といった、各種検出器からの検出信号を伝送する配線が接続されている。演出制御基板12には、コントローラセンサユニット131、プッシュセンサ134からの指示信号を伝送する配線が接続されている。演出制御基板12には、規制機構370、駆動装置40への制御信号を伝送する配線が接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図6に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26R(装飾用LED)などにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、枠役物装置300L、300Rを突出動作させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図6に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図6に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図6に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、及び、スーパーリーチBが用意されている(図12参照、詳しくは後述する)。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。当該可変表示演出も可変表示中演出に含まれる。この実施の形態では、当該可変表示演出は、可変表示態様をリーチ態様とする演出とは異なるものとする。この実施の形態では、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回としてもよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、可変表示演出として「滑り」が行われてもよい。「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示(仮停止表示であってもよい。)させることで、停止表示(仮停止表示であってもよい。)する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、この実施の形態では、可変表示中演出の演出モードとして、背景、登場キャラクター(例えば、同じリーチ演出に登場するキャラクター)、飾り図柄などのうちのいずれか少なくとも1つが異なる複数の演出モードが用意されている。ここでは、演出モードとして、通常モードと、確変モードとが用意されている。確変モードは、遊技状態が確変状態になっているときの演出モードである。通常モードは、遊技状態が確変状態でないときの演出モードである。通常モードと、確変モードとでは、例えば、背景が異なったり、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのうちの少なくともいずれかにおける登場キャラクターが異なったり(例えば、ノーマルリーチに登場するキャラクターを通常モードではキャラクターAとし確変モードではキャラクターBとするなど)、飾り図柄が異なったり(例えば、一方ではアラビア数字の飾り図柄を使用し、他方では漢数字の飾り図柄を使用するなど)、すればよい。なお、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を異ならせることによって、複数の演出モードとしてもよい。
また、この実施の形態では、可変表示中演出において、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を予告する予告演出が実行される。この実施の形態では、予告する大当り期待度が異なる複数の予告演出が用意されている。予告演出も可変表中演出に含まれる。予告演出では、所定の画像が表示されることで、その画像に応じた大当り期待度を予告する。予告演出は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によって実行してもよい。
また、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様として、通常態様、特殊態様、予告態様が用意されている。通常態様は、通常のときの表示態様である。特殊態様は、通常態様とは異なり、所定のときの表示態様である。予告態様は、大当り期待度を予告する態様である。この実施の形態では、保留表示図柄の表示色によって、互いに異なる表示態様が表現される。たとえば、通常態様では、保留表示図柄の色が青色になる。特殊態様では、保留表示図柄の色が白色又は灰色になる。予告態様では、保留表示図柄の色が、黄色、緑色、赤色、虹色のうちのいずれかになる。なお、保留表示図柄の形状は、演出モードに応じて異なるようになっている。また、保留表示図柄は、通常モードのときに丸印であり、確変モードのときに四角印である(図1参照)。
また、同じ始動入賞時コマンドバッファ内に3つ以上の始動入賞時コマンドが格納されているとき(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が3以上のとき)、保留表示図柄(ターゲット)の表示態様は変化することがある。当該表示態様の変化は、複数回の飾り図柄の可変表示に渡って行われる。
なお、図1などに示すように、第1特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域である第1保留表示領域5Haに表示される。第2特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域である第2保留表示領域5Hbに表示される。
また、この実施の形態では、第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示していた保留表示図柄Hであって、現在実行中の可変表示に対応する保留表示図柄Hを表示エリア5Hにおける中央の今回表示領域5Hcに表示する(図1参照)。
また、後で後述するが、この実施の形態では、表示エリア5H(第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hb、今回表示領域5Hc)に表示されている保留表示図柄の表示態様(ここでは、表示色)を現在の表示態様から他の表示態様に変化させることができる。なお、保留表示図柄の表示態様は、特殊態様よりも通常態様の方が、他の予告態様、特に、予告態様に変化しやすくなっている。
保留表示図柄の表示態様を所定の表示態様にして維持することも演出の一種である。例えば、第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして維持することも演出の一種である。第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hbに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして維持する演出を先読み予告ということがある。例えば、今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして維持することも演出の一種である。今回表示領域5Hcに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして維持する演出を今回保留予告ということがある。
また、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様を変化させるときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出が実行されることがある。この実施の形態では、態様の異なる複数の作用演出が用意されている。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示図柄の表示態様が変化する。なお、作用演出は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んでもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と、変動パターン決定用の乱数値MR4と、が含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動カテゴリ決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンのカテゴリ(変動パターンをその内容ごとにカテゴライズしたもの。後で詳述する)を、予め用意された複数のカテゴリのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターン(乱数値MR3に基づいて決定された変動カテゴリに属する変動パターン)のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な演出制御コマンドについて図7を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図12参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。コマンドC6XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動カテゴリを指定する演出制御コマンド(変動カテゴリ指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、上記乱数値MR1〜3が抽出される(ステップS101)。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1及びMR3に基づいて、当該可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図12)が判定される。始動入賞時の判定は、この判定のことをいい、当該判定は、ステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定無しも含む)には、一意の番号が振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定無し」なら「00」、「ハズレ」なら「01」、「大当り」なら「02」など)。変動カテゴリについての判定結果(判定無しも含む)には、一意の番号が振られ、その番号が変動カテゴリ指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定無し」なら「00」、「PA1」なら「11」、「PA2」なら「12」、「PA3」なら「13」など)。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図9は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図示しない第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図示しない第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示領域5Ha(図1など)の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、表示エリア5Hにおける向かって第1保留表示領域5Haの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。図1は、保留番号「3」まで保留データが格納されているときの状態を示し、図1では、保留番号「1」の保留データに対応する保留表示図柄Hが、第1保留表示領域5Haにおける向かって左から一番目の表示位置(第1の表示位置)に表示され、保留番号「2」の保留データに対応する保留表示図柄Hが、第1保留表示領域5Haにおける向かって左から二番目の表示位置(第2の表示位置)に表示され、保留番号「3」の保留データに対応する保留表示図柄Hが、第1保留表示領域5Haにおける向かって左から三番目の表示位置(第3の表示位置)に表示されている。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hb(図1など)の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5Hbの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。図1は、保留番号「2」まで保留データが格納されているときの状態を示し、図1では、保留番号「1」の保留データに対応する保留表示図柄Hが、第2保留表示領域5Hbにおける向かって左から一番目の表示位置(第1の表示位置)に表示され、保留番号「2」の保留データに対応する保留表示図柄Hが、第2保留表示領域5Hbにおける向かって左から二番目の表示位置(第2の表示位置)に表示されている。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を行う(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1及びMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図12)を判定する処理である。入賞時乱数値判定処理は、後で詳述する。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図8のステップS110)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図8のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動カテゴリや変動パターンの決定などが行われる。入賞時乱数値判定処理では、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、当該タイミングで抽出された乱数値(ステップS209で抽出された乱数値)の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かの判定)や、飾り図柄の可変表示の変動カテゴリがどれになるかの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示図柄の表示態様などを決定することができる。
入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する。ここでは、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに時短中であるか否か(時短フラグがオン状態となっているか否か)を判定する。大当り中又は時短制御中であると判定されたときには、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。
時短制御中ではないと判定されたときや、始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには、大当り決定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された図示しない特図表示結果決定テーブルのうち、特定した現在の遊技状態に対応して、特図表示結果の「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を、大当り決定範囲として設定する。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8000」〜「9899」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8000」〜「8189」が大当り決定範囲として設定される。
その後、ステップS209で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、前記の設定された大当り決定範囲とを比較する。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図9に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
なお、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して前記判定を行えばよい。また、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、CPU103は保持した乱数値に基づいて前記判定を行ってもよい。これは、後述の乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
大当り決定範囲内であると判定されたときには、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り用変動カテゴリ決定テーブルを選択して使用テーブルに設定する。詳しくは後述するが、大当り用変動カテゴリ決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンのカテゴリである変動カテゴリを決定するためのテーブルであり、各変動カテゴリに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
大当り決定範囲内でないと判定されたときには、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された図示しない非時短時用のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを選択して使用テーブルに設定する。具体的には、前記の特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、非時短時用のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを使用テーブルに設定し、前記の特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、図示しない時短時用ののハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを使用テーブルに設定する。詳しくは後述するが、ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンのカテゴリである変動カテゴリを決定するためのテーブルであり、各変動カテゴリに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
その後、CPU103は、ステップS209で抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り用変動カテゴリ決定テーブル又はハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動カテゴリを判定する。一例として、CPU103は、各変動カテゴリに割り当てられた個々の決定値と、乱数値MR3とを、逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する決定値の有無を判定することで変動カテゴリを判定してもよいし、あるいは、各変動カテゴリに割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR3と当該最小値や最大値とを比較することにより変動カテゴリを判定してもよい(他のテーブルを参照するときも同じ)。
変動カテゴリの判定したあと、又は、始動口バッファ値が「2」でないと判定されたときには、CPU103は、大当り範囲内か否かの判定結果及び変動カテゴリの判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い、入賞時乱数値判定処理を終了する。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、図柄指定コマンドと、変動カテゴリ指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、図柄指定コマンドと、変動カテゴリ指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄指定コマンドと、変動カテゴリ指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄指定コマンドは、ステップS407の判定結果が大当り決定範囲内(ステップS407;Yes)であるときには、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS407の判定結果が大当り決定範囲外(ステップS407;No)であるときには、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS404の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS404;No)であるときには、始動入賞時の判定を行っていない「判定無し」であることを指定するコマンド(「判定無し」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動カテゴリ指定コマンドは、ステップS416で変動カテゴリを判定した場合には判定結果となる変動カテゴリを指定するコマンド(判定結果である変動カテゴリに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS404の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS404;No)であるときには始動入賞時の判定を行っていない「判定無し」であることを指定するコマンド(「判定無し」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のようにして、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図12)が判定される。つまり、所謂先読みが行われる。なお、この処理では現在の遊技状態に基づいて判定を行い、可変表示が実際に実行されるときの遊技状態に基づいて判定を行っていないため、当該判定は必ずしも正確なものでないがある程度の精度で可変表示結果や変動カテゴリを予測できる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405などの処理を実行せずにステップS416の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図8に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図8に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図8のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動カテゴリを決定する(ステップS262)。ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動カテゴリを決定する(ステップS263)。ステップS262のあと、又は、ステップS263のあとは、決定した変動カテゴリに基づいて、変動パターンを決定する(ステップS265)。このように、この実施の形態では、まず、変動カテゴリを決定することで、大まかな変動パターンの種類を決定し、その後に詳細な変動パターンを決定する。
図12は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。
変動カテゴリPA1は、短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA1には、変動パターンPA1−1が属している。変動パターンPA1−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常よりも短い時短用の非リーチ変動パターンである。可変表示態様である。変動カテゴリPA1は、ハズレ時かつ時短時に選択される非リーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA2は、非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA2には、変動パターンPA2−1、PA2−2が属している。変動パターンPA2−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常の長さの非リーチ変動パターンである。変動パターンPA2−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及び非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定する非リーチ変動パターンである。変動カテゴリPA2は、ハズレ時かつ非時短時に選択される非リーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA3は、ノーマルリーチ(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA3には、変動パターンPA3−1、PA3−2が属している。変動パターンPA3−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA3は、ハズレ時に選択され、かつ、ノーマルリーチを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA4は、スーパーリーチA(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA4には、変動パターンPA4−1〜PA4−3が属している。変動パターンPA4−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA4−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA4−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA4は、ハズレ時に選択され、かつ、スーパーリーチAを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPA5は、スーパーリーチB(ハズレ)の変動カテゴリである。変動カテゴリPA5には、変動パターンPA5−1〜PA5−3が属している。変動パターンPA5−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA5−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA5−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPA5は、ハズレ時に選択され、かつ、スーパーリーチBを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB3は、ノーマルリーチ(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB3には、変動パターンPB3−1、PB3−2が属している。変動パターンPB3−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB3は、大当り時に選択され、かつ、ノーマルリーチを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB4は、スーパーリーチA(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB4には、変動パターンPB4−1〜PB4−3が属している。変動パターンPB4−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB4−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB4−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB4は、大当り時に選択され、かつ、スーパーリーチAを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
変動カテゴリPB5は、スーパーリーチB(大当り)の変動カテゴリである。変動カテゴリPB5には、変動パターンPB5−1〜PB5−3が属している。変動パターンPB5−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB5−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連1回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB5−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、擬似連2回の実行及びスーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動カテゴリPB5は、大当り時に選択され、かつ、スーパーリーチBを指定するリーチ変動パターンをグループ化したものである。
図11に示すステップS262の処理では、例えば大当り用変動カテゴリ決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を用いて、大当り時の変動カテゴリが決定される。一例として、大当り用変動カテゴリ決定テーブルでは、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動カテゴリの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動カテゴリ決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動カテゴリを今回の変動カテゴリとして決定(選択)すればよい。
図11に示すステップS263の処理では、例えばハズレ用変動カテゴリ決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を用いて、ハズレ時の変動カテゴリが決定される。遊技状態が非時短状態(時短フラグがオフ)であるときには、CPU103は、非時短時用のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照する。遊技状態が時短状態(時短フラグがオン)であるときには、CPU103は、時短時用のハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照する。一例として、各ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルでは、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動カテゴリの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動カテゴリを今回の変動カテゴリとして決定(選択)すればよい。
ハズレ用変動カテゴリ決定テーブルでは、時短状態のときに特図変動時間の短い変動カテゴリPA1が選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動カテゴリPB5の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAの変動カテゴリPB4、ノーマルリーチの変動カテゴリPB3の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、非リーチの変動カテゴリPA1又はPA2を実行する変動カテゴリの決定割合が最も高くなっており、ノーマルリーチの変動カテゴリPA3、スーパーリーチAの変動カテゴリPA4、スーパーリーチBの変動カテゴリPA5の順に決定割合が徐々に低くなっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図11に示すステップS265の処理では、ステップS262又はS263で決定した変動カテゴリに対応する変動パターン決定テーブル(ROM101の所定領域に予め記憶されている)を用いて、変動パターンが決定される。たとえば、変動カテゴリがPA1〜PA5であれば、第1〜第5の変動パターン決定テーブルを参照する。変動カテゴリがPB3〜PB5であれば、第6〜第8の変動パターン決定テーブルを参照する。
一例として、各変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値MR4を示す数値データに基づいて、変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR4に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。
この実施の形態では、大当り時におけるスーパーリーチA又はBの実行時には、擬似連2回の変動パターンの決定割合が高く、擬似連1回の変動パターンの決定割合が次に高く、擬似連0回の変動パターンの決定割合が最も低くなっている。一方で、ハズレ時は、その逆になっている。また、大当り時におけるノーマルリーチの実行時には、擬似連1回の変動パターンの決定割合が高く、擬似連0回の変動パターンの決定割合が最も低くなっている。一方で、ハズレ時は、その逆になっている。また、ハズレ時における非リーチ時(変動カテゴリPA2の場合)には、擬似連1回の変動パターンの決定割合が低くなっている。このようなことから、擬似連が実行される方が大当り期待度は高く、また、擬似連の回数が多い方が大当り期待度は高い。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS265で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS265で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図8に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図8のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンド(ここでは高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板16等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、例えば、図13に例示する所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリア(RAM122はバックアップRAMではないので、クリアが行われる。)や各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
ステップS71の初期化処理内では、演出制御用CPU120は、図14に示すように、枠役物動作設定処理(ステップS81)を行い、その後に枠役物突出停止処理(ステップS82)を行う。枠役物動作設定処理(ステップS81)は、枠役物装置300L、300Rに関する初期設定をする処理である。枠役物突出停止処理(ステップS82)は、枠役物装置300L、300Rにおける枠役物310を操作に応じて突出動作後停止させる処理である。
図15は、枠役物動作設定処理を示すフローチャートである。枠役物動作設定処理において、演出制御用CPU120は、枠役物310の動作可否設定についての変更操作が有効な期間である可否操作有効期間の計時、および、枠役物310の動作度合設定についての変更操作が有効な期間である動作度合操作有効期間の計時等の設定期間を計時するための設定期間タイマの動作を開始させる(ステップS801)。設定期間タイマは、枠役物動作設定処理とは別に計時をするタイマよりなる計時手段であり、枠役物動作設定処理が終了するときまで計時を継続する。可否操作有効期間は、枠役物動作設定処理が開始されてから第1の所定期間(たとえば、5秒間)に設定されており、動作度合操作有効期間は、可否操作有効期間の終了後における第2の所定期間(たとえば、10秒間)に設定されている。
次に、演出制御用CPU120は、枠役物設定スイッチ804、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803の操作状態を確認する(ステップS802)。この確認した枠役物動作の設定内容(動作可能または動作不可能の設定、動作度合の設定)はRAM122に記憶される。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS802で確認した枠役物動作の設定内容に基づいて、枠役物設定スイッチ804による枠役物310の動作可否設定内容(動作可能と動作不可能とのどちらに設定されているかという設定内容)を画像表示装置5の画面に表示するとともに、その表示に対応する音声を出力することにより報知する(ステップS803)。たとえば、枠役物設定スイッチ804が動作可に設定されている場合には、図16(A)に示すように、「枠役物は突出動作可能」との枠役物動作可能設定報知画像が表示され、枠役物設定スイッチ804が動作不可に設定されている場合には、図16(B)に示すように、「枠役物は突出動作不可能」との枠役物動作不可能設定報知画像が表示される。動作可または動作不可の何れの場合も、「初期設定中です。」との初期設定報知画像が表示される。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS802で確認した枠役物動作の設定内容のうち、枠役物設定スイッチ804が動作可能に設定されているか否かを判定する(ステップS804)。動作可能に設定されているときには(ステップS804;Yes)、前述した可否操作有効期間についての設定期間タイマのタイマ値に基づいて、可否操作有効期間中であるか否かを判定し(ステップS805)、可否操作有効期間中であると判定したときには(ステップS805;Yes)、図16(A)に示すように、前述した初期設定報知画像および枠役物動作可能設定報知画像に加えて、「突出動作不可能に設定しますか?」との設定変更操作可能報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する設定変更操作可能報知をする(ステップS806)。
次に、枠役物設定スイッチ804の状態を確認することにより、動作不可能設定への変更操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807で変更操作が検出されなかったときには(ステップS807;No)、ステップS805に戻る。したがって、可否操作有効期間中に、枠役物設定スイッチ804の変更操作がされなかったときには(ステップS807;No)、可否操作有効期間が終了するまで、ステップS805〜S807の処理が繰返し実行される。
前述のステップS804により動作不可能に設定されていると判定したときには(ステップS804;No)、可否操作有効期間についての設定期間タイマのタイマ値に基づいて、可否操作有効期間中であるか否かを判定し(ステップS808)、可否操作有効期間中であると判定されたときには(ステップS808;Yes)、図16(B)に示すように、前述した初期設定報知画像および枠役物動作不可能設定報知画像に加えて、「突出動作可能に設定しますか?」との設定変更操作可能報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する設定変更操作可能報知をする(ステップS809)。
次に、枠役物設定スイッチ804の状態を確認することにより、動作可能設定への変更操作が検出されたか否かを判定する(ステップS810)。ステップS810で変更操作が検出されなかったときには(ステップS810;No)、ステップS808に戻る。したがって、可否操作有効期間中に、枠役物設定スイッチ804の変更操作がされなかったときには(ステップS810;No)、可否操作有効期間が終了するまで、ステップS808〜S810の処理が繰返し実行される。
ステップS805にて可否操作有効期間中ではないと判定されたとき(有効期間終了後)(ステップS805;No)、又は、ステップS810で変更操作が検出されたときには(ステップS810;Yes)、動作可能状態の設定を確定させ(ステップS811)、枠役物動作可能設定報知をする(ステップS812)。図16(D)に示すように、前述した初期設定報知画像に加えて、「枠役物は突出動作可能に決定」との動作可能決定報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する(ステップS812)。
そして、ステップS802で確認した枠役物動作の設定内容における動作度合の設定に基づいて、枠役物装置300L、300Rのそれぞれの枠役物310を試行的に動作させる初期動作を実行する(ステップS813)。ここでは、枠役物動作度合高設定スイッチ801のみがON状態であり、枠役物310の動作度合が高設定に設定されているとする。
この初期動作の際には、初期動作中である旨の初期突出動作中報知と、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、または、枠役物動作度合低設定スイッチ803により設定された動作度合の設定内容を報知する設定動作度合報知と、動作度合の設定変更操作が可能である旨の動作度合変更操作可能報知とを実行する(ステップS814)。たとえば、図16(E)に示すように、「初期設定中です。枠役物が突出動作中!」との初期突出動作中報知画像と、「高位置に突出します!」との設定動作度合報知画像と、「突出動作度合を設定しますか?」との動作度合変更操作可能報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する。ステップS814において、設定動作度合報知がされることにより、電源供給を開始したときにおける枠役物310の予期しない不具合の発生を防ぐことができる。
これにより、枠役物設定スイッチ804により動作可能設定がされたときには、初期動作の実行が許容され、枠役物設定スイッチ804により動作不可能設定がされたときには、初期動作の実行が制限(禁止)される。初期動作では、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、または、枠役物動作度合低設定スイッチ803により設定された動作度合での枠役物310の動作が試行されるので、枠役物設定スイッチ804による動作設定と、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803による動作度合設定とが適切であるか否かを分かりやすく確認することができる。
また、パチンコ遊技機1の電源投入時において初期動作が制限される場合があることにより、たとえば、枠役物310が突出動作経路上に存在する物体に衝突してしまう等、突出位置への枠役物310の初期動作による予期しない不具合の発生を防ぐことができる。具体的に、枠役物設定スイッチ804により動作可能設定がされたときには初期動作が許容され、枠役物設定スイッチ804により動作不可能設定がされたときには、初期動作の実行が制限されるので、パチンコ遊技機1の電源投入により電源供給を開始したときの初期動作による予期しない不具合の発生を防ぐことができる。
次に、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803の状態を確認することにより、動作度合設定の変更操作が検出されたか否かを判定する(ステップS815)。ステップS815で変更操作が検出されたときには(ステップS815;Yes)、ステップS813に戻る。したがって、動作度合操作有効期間中に、動作度合設定の変更操作がされたときは、ステップS813以降の処理により変更後の動作度合での初期動作が実行されることとなる。
また、ステップS815で変更操作が検出されなかったときには(ステップS815;No)、前述した設定期間タイマの現在のタイマ値に基づいて、動作度合操作有効期間中であるか否かを判定する(ステップS816)。ステップS816により動作度合操作有効期間中であると判定されたときには(ステップS816;Yes)、ステップS815に戻り、前述した処理を繰返す。一方、ステップS816により動作度合操作有効期間中ではないと判定されたとき(有効期間終了後)には(ステップS816;No)、動作度合の設定を確定させ(ステップS817)、枠役物動作度合設定報知をする(ステップS818)。図16(F)に示すように、初期設定終了の旨の画像に加えて、「枠役物の突出は高位置に決定」との動作度合設定報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する(ステップS818)。
次に、役物センサ60L、60Rによる検出を有効化する設定を行い(ステップS819)、本処理を終了する。
また、枠役物動作度合高設定スイッチ801、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合低設定スイッチ803のうち複数のスイッチがON状態にされたときは、ON状態にされた設定のうち最も低い動作度合が選択されて設定されるので、これらスイッチのうち複数のスイッチがON状態にされたときでも、初期動作としては高設定、中設定、および、低設定のいずれか1つの設定に対応する突出度合での動作が行なわれる。しかし、これに限らず、たとえば、これらスイッチのうちの枠役物動作度合低設定スイッチ803、および、枠役物動作度合中設定スイッチ802の両方がON状態とされたときには低設定に対応する突出度合での初期動作がされた後に、中設定に対応する突出度合での初期動作がされる制御をし、また、枠役物動作度合低設定スイッチ803、枠役物動作度合中設定スイッチ802、および、枠役物動作度合高設定スイッチ801のすべてがON状態とされたときには低設定に対応する突出度合での初期動作がされた後に、中設定に対応する突出度合での初期動作がされ、その後、中設定に対応する突出度合での初期動作がされる制御をする等、スイッチがON状態にされている設定のすべてに対応する初期動作を実行する制御をしてもよい。
なお、ステップS807で変更操作が検出されたとき(ステップS807;Yes)、又は、ステップS808で可否操作有効期間中ではないと判定されたとき(有効期間終了後)(ステップS808;No)には、動作不可能状態の設定を確定させ(ステップS820)、枠役物動作不可能設定報知をする(ステップS821)。図16(C)に示すように、前述した初期設定報知画像に加えて、「枠役物は突出動作不可能に決定」との動作可能決定報知画像を表示するとともに、その表示に対応する音声を出力する(ステップS821)。続いて、役物センサ60L、60Rによる検出を無効化する設定を行い(ステップS822)、枠役物突出報知禁止フラグをセットし(ステップS823)、本処理を終了する。枠役物突出報知禁止フラグは、枠役物310の近傍(周囲)に物体が存在することを役物センサ60L、60Rが検出したときに、枠役物突出動作演出(図24(A)〜(C)に示す「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)の実行を禁止するためのフラグである。
このように、枠役物装置300L、300Rのそれぞれの枠役物310を動作不可能とする設定をしたときには、役物センサ60L、60Rによる検出が無効化されるので、役物センサ60L、60Rによる無駄な検出を防ぐことができる。また、枠役物装置300L、300Rのそれぞれの枠役物310を動作不可能とする設定をしたときには、図24(A)〜(C)の突出報知の実行を禁止するための処理が行なわれるので、役物センサ60L、60Rによる物体の検出(たとえば、誤作動による誤検出等)に基づく無駄な報知の実行を防ぐことができる。
なお、図15の枠役物動作設定処理では、次のような変形例の制御をすることにより、枠役物310の初期動作を制限するようにしてもよい。たとえば、枠役物設定スイッチ804がデフォルト設定(無操作時設定)では動作不可能状態に初期設定されるような構成として、デフォルト設定では枠役物310の初期動作を実行しないようにする制御をしてもよい。また、ステップS813のような初期動作をするときであっても、枠役物310を遊技枠30よりも外側に突出しない位置まで初期動作させて初期位置を検出する制御をしてもよい。このような枠役物310を遊技枠30よりも外側に突出しない位置まで初期動作させる制御は、枠役物設定スイッチ804で動作可能状態に設定されている場合に限らず、枠役物設定スイッチ804で動作不可能状態に設定されている場合に実行されてもよい。
図17は、枠役物突出停止処理を示すフローチャートである。枠役物突出停止処理において、演出制御用CPU120は、枠役物高停止スイッチ901の操作検出信号を確認することにより、枠役物高停止スイッチ901がオン操作されたか否かを判定する(ステップS851)。
枠役物高停止スイッチ901がオン操作されたと判定されたときには(ステップS851;Yes)、枠役物310を高位置に突出動作させた後、当該高位置で停止させるための処理を行なう(ステップS852)。そして、枠役物310の高位置での停止中報知である高位置停止中報知を行い(ステップS853)、ステップS860に進む。
一方、ステップS851で枠役物高停止スイッチ901がオン操作されていないと判定されたときには(ステップS851;No)、枠役物中停止スイッチ902の操作検出信号を確認することにより、枠役物中停止スイッチ902が操作されたか否かを判定する(ステップS854)。
ステップS854で枠役物中停止スイッチ902がオン操作されたと判定されたときには(ステップS854;Yes)、枠役物310を中位置に突出動作させた後、当該中位置で停止させるための処理を行なう(ステップS855)。そして、枠役物310の中位置での停止中報知である中位置停止中報知を行い(ステップS856)後、ステップS860に進む。
一方、ステップS854で枠役物中停止スイッチ902がオン操作されていないと判定されたときは、枠役物低停止スイッチ903の操作検出信号を確認することにより、枠役物低停止スイッチ903が操作されたか否かを判定する(ステップS857)。
ステップS857で枠役物中停止スイッチ902がオン操作されたと判定されたときは、枠役物310を低位置に突出動作させた後、当該低位置で停止させるための処理を行なう(ステップS858)。そして、低位置での停止中報知である低位置停止中報知をした(ステップS859)後、ステップS860に進む。
ステップS860に進んだときは、前述した第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを確認することに基づいて、入賞検出があったか否かを判定する(ステップS860)。そして、ステップS860にて入賞検出があったと判定されたときには(ステップS860;Yes)、異常入賞報知を実行する(ステップS861)。このような電源投入直後に入賞検出があることは通常考え難く、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bの故障、又は、不正基板を用いるなどによる不正な始動入賞などである蓋然性が高いため、かかる異常入賞報知を実行する(ステップS861)。これにより、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bが故障したパチンコ遊技機1を遊技者に提供することを防止できる。あるいは、パチンコ遊技機1に対する不正行為を低減できる。
入賞検出がなかったと判定されたとき(ステップS860;No)、又は、ステップS861のあと、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のうち、オン状態にされていたスイッチがオフ状態に操作されたか否かを確認することにより、停止解除操作があったか否かを判定する(ステップS862)。そして、停止解除操作がされなかったと判定されたときには(ステップS862;No)、ステップS860に戻る。一方、停止解除操作がされたと判定されたときには(ステップS862;Yes)、枠役物装置300L、300Rのそれぞれにおける枠役物310を停止位置から初期位置である収納位置に戻る動作をさせた後、停止させるための処理を行なう(ステップS863)。
枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、および、枠役物低停止スイッチ903のそれぞれは、電源投入時および電源投入後の初期化処理S71(枠役物突出停止処理S82)においてのみ、有効な操作が可能であるので、何かの間違いによる操作により枠役物310が突出動作することを抑制できる。
また、図17のステップS853、S856、S859等のように、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、または、枠役物低停止スイッチ903のオン操作に応じて枠役物310が停止しているときに、対応する停止中報知が行なわれるので、枠役物310の停止が、これらスイッチの操作によるものか、演出によるものかを判別し易くすることができる。
また、図17のステップS852,S855,S858等のように、枠役物高停止スイッチ901、枠役物中停止スイッチ902、または、枠役物低停止スイッチ903のオン操作に応じて、枠役物装置300L、300Rの枠役物310が、収納された位置から突出動作した後停止するので、枠役物310が突出していない状態からの清掃およびメンテナンス等の管理作業をさらに容易化することができる。
また、図17のステップS852,S855,S858等のように、複数段階のいずれかの突出位置で枠役物310を停止させることができるので、清掃およびメンテナンスをしやすい停止位置を選択することが可能となり、清掃およびメンテナンス等の管理作業をさらに容易化することができる。
図13に戻って、前述した初期化処理(ステップS71)の後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
例えば、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動口入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数指定コマンドと、第2始動口入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数指定コマンドと、のいずれかを受信した場合には、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、メイン画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす。始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第1保留表示によって特定可能となっている第1特図保留記憶数を1つ増加させる。始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第2保留表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ増加させる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えばメイン画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、枠役物装置300L、300Rの突出動作、遊技効果ランプ9及び枠役物LED26L、26Rなどの装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理(ステップS77)を実行する。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定(ステップS72)が再度実行される。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、枠役物装置300L、300Rの突出動作、遊技効果ランプ9及び枠役物LED26L、26Rなどの装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
コマンド解析処理(ステップS74)では、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド)の受信があったかを判定する。始動入賞時コマンドを受信したときには、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド)を第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド)を第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)に格納する。
図示しない第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを順番に記憶させる。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図示しない第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを順番に記憶させる。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
たとえば、図柄指定コマンドの「C400(H)」及び変動カテゴリ指定コマンド「C600(H)」は、始動入賞時の「判定無し」を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C101(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第1特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C201(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において1つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において2つであることを示す。第2特図保留記憶数指定コマンドの「C203(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において3つであることを示す。図柄指定コマンドの「C401(H)」は、始動入賞時の表示結果についての判定結果が「ハズレ」であることを示す。図柄指定コマンドの「C402(H)」は、始動入賞時の表示結果についての判定結果が「大当り」であることを示す。変動カテゴリ指定コマンドの「C611(H)」、「C625(H)」は、EXTデータに対応する所定の変動カテゴリを示す。たとえば、第2特図ゲームの3つ目の保留記憶に対応する可変表示の表示結果が「大当り」になると判定されている。また、第1特図ゲームの保留記憶については始動入賞時の判定が行われていない。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。保留表示番号は、第1及び第2特図保留記憶部の保留番号とも基本的に対応する。
例えば、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第1保留表示領域5Haの左から1番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第1保留表示領域5Haの左から2番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第1保留表示領域5Haの左から3番目の表示位置に対応し、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第1保留表示領域5Haの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、第2保留表示領域5Hbの左から1番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、第2保留表示領域5Hbの左から2番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」は、第2保留表示領域5Hbの左から3番目の表示位置に対応し、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」は、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に対応する。
例えば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、第2保留表示領域5Hbの左から4番目の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、第2保留表示領域5Hbの左から1番目〜3番目の表示位置にも保留表示図柄が表示される。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。詳しくは後述するが、ターゲットフラグは、保留表示番号とともに当該フラグに対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットとして特殊態様や予告態様で表示されるときにオン状態になる。
たとえば、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「3」に対応する始動入賞時コマンドに対応する保留表示図柄がターゲットになっており、このターゲットの保留表示図柄の表示態様が現在又は将来的に特殊態様又は予告態様になる。
この実施の形態では、主基板11側で、ステップS110(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数−1)、ステップS101(第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数+1、及び、始動入賞時コマンド送信)、ステップS111(変動開始時コマンド送信)の順で処理が行われる可能性があり、このような場合には、演出制御基板12側では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドが5つになってしまう可能性がある(この場合、保留表示番号は保留番号と対応しなくなる。)。このため、この実施の形態では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに、保留表示番号「1」〜「5」に対応する格納領域を設けているが、保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域や保留表示番号「1」〜「6」以上に対応する格納領域を設けてもよい。
前記のように入賞時コマンドを格納したあと、又は、始動入賞時コマンドを受信していないときには、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を行い、コマンド解析処理を終了する。
変動開始時コマンドとして、第1特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、つまり、第1変動開始指定コマンドと一緒に第1特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、第1特図保留記憶数指定コマンドを第1特図保留記憶数指定コマンド格納領域に格納する。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。なお、演出制御用CPU120は、高確フラグをオン状態にしたとき(つまり、演出モードが確変モードに変化したとき)又は高確フラグをオフ状態にしたとき(つまり、演出モードが通常モードに変化したとき)には、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、現在表示中の保留表示図柄を演出モードに対応した形状(四角印又は丸印)に変更する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図19は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1、PA2−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。図20は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、今回使用する変動パターンが、枠役物310の突出動作演出を実行するパターン(たとえば図12に示すスーパーリーチB)であるか否かを判定する(ステップS711)。つまり、スーパーリーチBの変動パターンにおいて、枠役物310の突出動作演出が実行される。枠役物310の突出動作演出を実行するパターン(つまり、スーパーリーチB)であるときには(ステップS711;Yes)、図3に示す枠役物設定スイッチ804が動作可能に設定されているか否かを判定する(ステップS712)。枠役物設定スイッチ804が動作可能設定であれば(ステップS712;Yes)、枠役物310の突出動作有りに決定する(ステップS713)。一方、枠役物設定スイッチ804が動作不可能に設定されていれば(ステップS712;No)、枠役物310の突出動作無しに決定する(ステップS714)。
変動パターンが枠役物310の突出動作演出を実行するパターン(つまり、スーパーリーチB)でないとき(ステップS711;No)、ステップS713のあと、ステップS714のあとには、決定内容に応じた演出制御パターンを設定する(ステップS715)。設定される演出制御パターンは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンで飾り図柄の可変表示を実行する演出制御パターンであり、また、演出モードに応じた内容の可変表示中演出を実行する演出制御パターンでもある。
また、設定される演出制御パターンは、第1保留表示領域5Ha(第1変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第1変動開始指定コマンドを受信している場合)又は第2保留表示領域5Hb(第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第2変動開始指定コマンドを受信している場合)に表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を今回表示領域5Hcに移動表示させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させることを含めてもよい。この移動表示は、飾り図柄の可変表示の開示時に行われる。なお、保留表示図柄の移動表示の際には、その表示態様が維持されるが、予告バッファから読み出した内容が保留表示図柄の表示態様を変化させるものである場合には、その内容に従って、移動表示させる際に保留表示図柄の表示色を、その内容が示す変化後の表示色に変化させるようにする。
図19に戻り、ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。このとき、保留表示図柄の移動表示なども開始される。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、現在が予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が予告演出実行期間であることを表しているなどして、予告演出実行期間であると判定したときには(ステップS552;Yes)、予告演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS553)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、予告演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS553が繰り返し実行されることで、予告演出の実行が実現する。
ステップS553のあと、予告演出実行期間でない場合(ステップS552;No)、演出制御用CPU120は、現在が今回保留予告を実行するための今回保留予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が今回保留予告実行期間であることを表しているなどして、今回保留予告実行期間であると判定したときには(ステップS554;Yes)、今回保留予告を実行する演出動作制御を行う(ステップS555)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、今回保留予告を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS555が繰り返し実行されることで、今回保留予告の実行が実現する。
ステップS554のあと、今回保留予告実行期間でない場合(ステップS554;No)、演出制御用CPU120は、現在が作用演出を実行するための作用演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が作用演出実行期間であることを表しているなどして、作用演出実行期間であると判定したときには(ステップS556;Yes)、作用演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS555)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、作用演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、作用演出の実行が実現する。
ステップS557のあと、作用演出実行期間でない場合(ステップS556;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS559)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26R(装飾用LED)を点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
リーチ演出動作制御(ステップS559)のあと、復帰動作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS560)。復帰動作フラグは、進出状態の枠役物310を初期位置P0(収納位置)に後退動作させるためのフラグである。復帰動作フラグがオフ状態であれば(ステップS560;No)、枠役物310の状態監視処理を行う(ステップS561)。
図22は、枠役物状態監視処理の一例を示すフローチャートである。この枠役物状態監視処理では、演出制御用CPU120は、枠役物突出報知禁止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS601)。枠役物突出報知禁止フラグがオフ状態であれば(ステップS601;No)、今回使用する変動パターンが、枠役物310の突出動作演出を実行するパターン(図12に示すスーパーリーチB)であるか否かを判定する(ステップS602)。つまり、スーパーリーチBの変動パターンにおいて、枠役物310の突出動作演出が実行される。
演出制御用CPU120は、枠役物310の突出動作演出を実行するパターン(つまり、スーパーリーチB)であるときには(ステップS602;Yes)、役物センサ60L、60Rにて検出有りか否かを判定する(ステップS603)。詳しくは、枠役物310の先端部分と枠役物310の周囲箇所とにそれぞれ配置された図5に示すパッド部61への物体の接触の有無が、役物センサ60L、60Rにより検知され、役物センサ60L、60Rからの検出信号が演出制御基板12に出力される。たとえば、パッド部61に物体が接触すると、役物センサ60L、60Rからの検出信号がオンとなり、接触がなければ検出信号がオフのままである。このように、演出制御用CPU120は、役物センサ60L、60Rからの検出信号に基づいて、枠役物310の近傍(周囲)に物体が存在するか否かが判定可能となっている。
役物センサ60L、60Rにて検出無しであれば(ステップS603;No)、枠役物310の突出動作を停止させるためにプッシュボタン130の操作(たとえば押下)の有無を判定する(ステップS604)。たとえば、目立つことを望まない遊技者がプッシュボタン130を押下することにより、枠役物310の突出動作演出の中止の指示が入力可能となっている。
役物センサ60L、60Rにて検出有りのとき、(ステップS603;Yes)または、プッシュボタン130の操作ありのときには(ステップS604;Yes)、演出中止フラグをオン状態にセットする(ステップS605)。この演出中止フラグは、枠役物310の突出動作演出を中止するためのフラグである。
演出制御用CPU120は、演出中止フラグがオン状態にセットされているときに(ステップS605)、遊技者によりプッシュボタン130、スティックコントローラ135などの操作が行われ、プッシュボタン130、スティックコントローラ135などからの操作信号が入力されたとしても、かかる操作信号を無視する。これにより、枠役物310の突出動作が中止されたときには、遊技者によるプッシュボタン130、スティックコントローラ135などの操作に従って枠役物310が動くことを防止することができる。つまり、枠役物310の近傍(周囲)に物体が存在することを検知しているときには枠役物310を動かせない可能性が高いので、枠役物310が故障するリスクを減らすことができる。
また、枠役物310の動作制御の優先順位として、「1」異常検知時の動作制御>操作検知による動作制御>初期位置検知の動作制御>演出動作制御とする優先順位に設定されている。たとえば、「異常検知時の動作制御」つまり、役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)のときの枠役物310の停止動作が最も優先され、次に、「操作検知による動作制御」つまり、プッシュボタン130などによる動作制御が優先され、次に、「初期位置検知の動作制御」つまり、枠役物310を初期位置にセットするための動作制御が優先され、枠役物310の演出動作制御が最も優先順位が低くなっている。なお、枠役物310の動作制御の優先順位として、「2」異常検知時の動作制御>操作検知による動作制御>演出動作制御とする優先順位などに設定してもよい。
ステップS605のあと、枠役物突出報知禁止フラグがオン状態のとき(ステップS601;Yes)、枠役物310の突出動作演出を実行するパターンでないとき(ステップS602;No)、役物センサ60L、60Rにて検出有りのとき、(ステップS603;Yes)または、プッシュボタン130の操作なしのときには(ステップS604;No)、本処理を終了する。
図21に戻って、演出制御用CPU120は、枠役物状態監視処理(ステップS561)のあと、枠役物突出動作演出処理を行う(ステップS562)。
図23は、枠役物突出動作演出処理の一例を示すフローチャートである。この枠役物突出動作演出処理では、演出制御用CPU120は、枠役物突出報知禁止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS611)。枠役物突出報知禁止フラグがオフ状態であれば(ステップS611;No)、演出中止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS612)。
演出中止フラグがオフ状態であれば(ステップS612;No)、枠役物310を突出動作させる枠役物突出動作制御を行い(ステップS613)、枠役物突出報知制御を行う(ステップS614)。たとえば、枠役物突出動作制御(ステップS613)では、図5(A)に示す設定スイッチ801〜803にて設定された突出位置に向けて枠役物310が突出(進出)させる動作制御を行う。この実施の形態では、図5(A)に示すように枠役物動作度合高設定スイッチ801が設定されており、図5(C)に示すように枠役物310を高位置に突出させる。枠役物突出報知制御(ステップS614)では、枠役物310の突出動作とともに、枠役物310の突出動作演出(図24(A)〜(C)に示す「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)を報知する制御を行う。
図24(A)〜(C)に示すように、枠役物310の突出動作中において、役物センサ60L、60Rにて検出無しのとき又はプッシュボタン130の操作がされていないときには、枠役物310の進出を開始してから収納が完了するまでの間、突出動作演出(「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)を継続して実行するので、遊技者に枠役物310の進出の注意を喚起することができ、目立ちたくない遊技者の枠役物310の戻し忘れを抑制できる。
演出中止フラグがオン状態のときには(ステップS612;Yes)、枠役物310の突出動作を停止するとともに、枠役物突出動作演出を終了する(ステップS615)。たとえば、図24(D)では、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示(図24(B)参照)と、その表示に対応する音声の出力とが終了し、リーチ表示中の飾り図柄と保留表示図柄Hが表示されている。
ステップS615のあと、動作停止期間タイマの計時を開始する(ステップS616)。たとえば、動作停止期間タイマがたとえば10秒間にセットされており、枠役物310の停止期間(10秒間)にわたって枠役物310が停止する。そして、ステップS616のあと、復帰動作フラグをオン状態にセットする(ステップS617)。
枠役物突出報知禁止フラグがオン状態のとき(ステップS611;Yes)、ステップS614のあと、ステップS617のあと、本処理を終了する。
図21に戻って、復帰動作フラグがオン状態のとき(ステップS560;Yes)、動作停止期間タイマが終了か否かを判定する(ステップS564)。つまり、枠役物310の突出停止から10秒間が経過したか否かを判定する。枠役物310の突出停止から10秒間が経過したとき(ステップS564;Yes)、枠役物310の復帰動作制御を行う(ステップS565)。たとえば、枠役物310を後退させて収納部340に収納する。つまり、枠役物310を図5(A)に示すように初期状態に復帰させる。ステップS565のあと、復帰動作フラグをオフ状態にリセットする(ステップS566)。
リーチ演出実行期間でないと判定したとき(ステップS558;No)、ステップS562のあと、ステップS566のあと、動作停止期間タイマが終了でないときには(ステップS564;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS563)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26R(装飾用LED)を点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS563が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作、保留表示予告の移動表示などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS563のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS567)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS567;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS567にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS567;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行い(ステップS568)、演出中止フラグをリセットし(ステップS569)、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS570)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS571)、可変表示中演出処理を終了する。
図18に戻って、ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ここで、スーパーリーチBの変動パターンにおいて枠役物310の突出動作演出が実行されるときの、画像表示装置5の画面に表示される演出画面について、図24を参照して説明する。ここでは、図3(A)に示す枠役物設定スイッチ804が動作可能に設定され、パチンコ遊技機1が確変モードで、スーパーリーチBの変動パターンによる飾り図柄の変動表示演出が実行されているとする。
画像表示装置5の画面には、図24(A)に示すように、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が大きく表示されており、突出報知画像を大きく表示するために、リーチ表示中の飾り図柄が、画像表示装置5の画面の中央から右端側に移動され、リーチ表示成立前の表示態様に比べて小さく表示されている。また、画像表示装置5の画面には、図24(A)に示すように、枠役物310の突出動作演出の中止操作を示す中止操作画像5Jが表示されている。なお図24では、第1保留表示領域5Ha、第2保留表示領域5Hb、保留表示領域5Hcには、確変モードのときに四角印の保留表示図柄Hが表示されている。
また、図24(A)に示す画像表示装置5の画面には、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が表示され、その表示に対応する音声(報知音)がスピーカ8L、8Rから出力される。
図24(B)に示すように、突出報知画像の表示開始から所定時間(たとえば2秒間)が経過すると、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が小さく表示される。なお突出報知画像の表示を小さく表示しなくてもよい。
そして、遊技者によりプッシュボタン130の操作及び役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)の何れも無いときには、図24(C)に示すように、枠役物31の突出動作と突出動作演出(突出報知画像の表示と報知音の出力)が継続される。
これに対して、遊技者によりプッシュボタン130の操作有り又は役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)のときには、枠役物31の突出動作が停止し、図24(D)に示すように、枠役物31の突出動作と突出動作演出(突出報知画像の表示と報知音の出力)が終了し、リーチ表示中の飾り図柄と保留表示図柄Hだけが継続して表示される。
なお、図24(A)に示すように「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が画像表示装置5の画面に大きく表示されているときに、遊技者によりプッシュボタン130の操作有り又は役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)があった場合にも、枠役物31の突出動作が停止し、図24(D)に示すように、枠役物31の突出動作と突出動作演出(突出報知画像の表示と報知音の出力)が終了する。このとき、リーチ表示中の飾り図柄が元の大きさ(リーチ表示成立前と同じ表示態様)で表示される。
前述したように画像表示装置5の画面には、図24(A)、(B)に示すように、枠役物310の突出動作演出の中止操作を示す中止操作画像5Jが表示されるので、遊技者は中止操作画像5Jの表示を見て、枠役物310の突出動作演出の中止操作が可能であると認識できる。かかる突出動作演出の中止を選択可能であることにより、遊技者の意向に応じた遊技を実現でき、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
ここで、枠役物310が正常動作(つまり役物センサ60L、60Rの検出及びプッシュボタン130の操作が無し)の場合における、枠役物310、初期位置検出器360、動作位置検出器361、役物センサ60L、60R、プッシュボタン130、及び、枠モータ48の関係について、図25を用いて説明する。
枠役物310が図4(A)に示す初期位置P0にあるとき(つまり、枠役物310が収納部340に収納された状態)は、初期位置検出器360が枠役物310の基端側の検出体313を検出するため、初期位置検出器360からの検出信号がオンとなる。このとき進出位置検出器361は枠役物310の基端側の検出体313が検出されないので、進出位置検出器361からの検出信号がオフとなる。
なお、役物センサ60L、60Rは、検出していない(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触検出がない)ので、オフのままである。プッシュボタン130は、遊技者により操作されないので、オフのままである。
図25に示すように、枠モータ48の正転動作が歯付きベルト353に伝達されることにより、図4(A)に示す初期位置P0にある枠役物310(つまり、収納部340に収納された枠役物310)が進出位置Pnに向けて進出中となる。
そして、枠役物310が進出位置Pnに到達すると、進出位置検出器361が枠役物310の基端側の検出体313を検出し、進出位置検出器361からの検出信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、進出位置検出器361からの検出信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、枠役物310が進出位置Pnで停止する。
演出制御用CPU120は、枠役物310の進出位置Pnでの停止から所定期間(たとえばスーパーリーチBが終了するまでの期間)が経過すると、枠モータ48を逆転させ、枠役物310を後退させることにより、枠役物310が後退中となる。枠役物310が進出位置Pnに位置しなくなると進出位置検出器361からの検出信号がオフになる。
そして、枠役物310が初期位置P0に到達すると、初期位置検出器360が枠役物310の基端側の検出体313を検出し、初期位置検出器360からの検出信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、初期位置検出器360からの検出信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、枠役物310が初期位置P0で停止する。このようにして、枠役物310の突出動作演出が完了する。
ここで、役物センサ60L、60Rにより検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触検出)があった場合における、枠役物310、初期位置検出器360、動作位置検出器361、役物センサ60L、60R、プッシュボタン130、及び、枠モータ48の関係について、図26を用いて説明する。
枠役物310が図4(A)に示す初期位置P0から進出位置Pnに向けて進出中であるときに、図26に示すように、役物センサ60L、60Rにより検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触検出)があると、役物センサ60L、60Rからの検出信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、役物センサ60L、60Rからの検出信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、突出動作演出(図24(A)、(B)に示す突出報知画像の表示と報知音の出力)を終了させる。
演出制御用CPU120は、枠役物310の停止が所定期間(たとえば10秒間)経過すると、枠モータ48を逆転させ、枠役物310を後退させることにより、枠役物310が後退中となる。つまり、枠役物310の復帰動作制御を行う(ステップS565)。
なおここでは、役物センサ60L、60Rにより検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触検出)があったときから、所定期間(たとえば10秒間)の計時を開始しているが、役物センサ60L、60Rによる検出が無くなったとき(つまり、役物センサ60L、60Rの検出信号がオフになったとき)から、所定期間(たとえば10秒間)の計時を開始してもよい。
そして、枠役物310が初期位置P0に到達すると、初期位置検出器360が枠役物310の基端側の検出体313を検出し、初期位置検出器360からの検出信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、初期位置検出器360からの検出信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、枠役物310が初期位置P0で停止する。このようにして、枠役物310の復帰動作が完了する。
ここで、枠役物310の突出動作演出中に遊技者によるプッシュボタン130の操作があった場合における、枠役物310、初期位置検出器360、動作位置検出器361、役物センサ60L、60R、プッシュボタン130、及び、枠モータ48の関係について、図27を用いて説明する。
枠役物310が図4(A)に示す初期位置P0から進出位置Pnに向けて進出中であるときに、図27に示すように、遊技者によるプッシュボタン130の操作があると、プッシュボタン130からの操作信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、プッシュボタン130からの操作信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、突出動作演出(図24(A)、(B)に示す突出報知画像の表示と報知音の出力)を終了させる。
演出制御用CPU120は、枠役物310の停止が所定期間(たとえば10秒間)経過すると、枠モータ48を逆転させ、枠役物310を後退させることにより、枠役物310が後退中となる。つまり、枠役物310の復帰動作制御を行う(ステップS565)。
なおここでは、プッシュボタン130の操作があったときから、所定期間(たとえば10秒間)の計時を開始しているが、プッシュボタン130の操作が無くなったとき(つまり、プッシュボタン130の操作信号がオフになったとき)から、所定期間(たとえば10秒間)の計時を開始してもよい。
そして、枠役物310が初期位置P0に到達すると、初期位置検出器360が枠役物310の基端側の検出体313を検出し、初期位置検出器360からの検出信号がオンとなる。演出制御用CPU120は、初期位置検出器360からの検出信号がオンになると、枠モータ48を停止させ、枠役物310が初期位置P0で停止する。このようにして、枠役物310の復帰動作が完了する。
以上説明したように、上記実施の形態では、役物センサ60L、60Rの検知結果に基づいて、枠役物310の進出動作を停止するとともに、突出動作演出を終了(特定演出を停止)させるので、枠役物310が進出しないときに突出動作演出(特定演出)が実行されることの違和感を低減することができる。かかる違和感が原因で遊技の興趣性が低下することを抑制できる。
また、プッシュボタン130(動作検出手段)が遊技者の所定の動作(押下操作)を検出したことに基づいて、枠役物310の進出動作を停止するとともに、突出動作演出を終了(特定演出を停止)させるので、遊技者の意向により枠役物310を進出させないときに突出動作演出(特定演出)が実行されることの違和感を低減することができる。かかる違和感が原因で遊技の興趣性が低下することを抑制できる。
上記の実施の形態では、枠役物310の進出動作の停止後に、枠役物310を後退させているが、枠役物310の進出動作を停止した状態を維持し後退させない構成であってもよい。また、枠役物310の停止期間(たとえば10秒間)が極めて短く、枠役物310の停止と同時に後退動作するような構成であってもよい。
また、枠役物310は、進出状態のときに外力に応じた変位が可能に構成されているので、進出位置の枠役物310が外力により破損する可能性を低減できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
図28に示すように、枠役物310は、コイルバネ330を備え、進出状態のときに後退方向の外力を受けると後退するが、かかる外力が無くなるとコイルバネの330により進出状態に戻る構成であってもよい。図28(A)には、進出位置Pnにある枠役物310を示し、図28(B)には、進出位置Pnにある枠役物310が遊技者による外力を受けて後退した状態を示している。
図28(A)に示すように、枠役物310のスティック部312は、キャップ部311に連結された第1棒状体312Aと、第1棒状体312Aの基端側(キャップ部311側とは反対側)が挿入される穴部331を有する筒状体312Bと、一端が第1棒状体312Aの基端側に当接し且つ他端が穴部331の底面に当接するようにして筒状体312Bの穴部331に配設されたコイルバネ330と、を備える。第1棒状体312Aの基端側の外周箇所には、係止爪333が形成されている。筒状体312Bの外周箇所には、穴部331の深さ方向に沿って形成され、且つ、係止爪333を係止するためのスリット部332が形成されている。
図4(A)に示す枠モータ48の正転により、図28(A)に示すように、枠役物310が進出位置Pnに進出する。遊技者などによる外力が無いときには、コイルバネ330は自然長となっている。たとえば、図28(B)に示すように、進出位置Pnにあった二点鎖線で示す枠役物310が遊技者による外力を受けると、実線で示すように枠役物310のキャップ部311が後退する。このとき、コイルバネ330が縮んだ状態となる。そして、遊技者による外力が無くなると、コイルバネ330が自然長に伸びることにより、キャップ部311が進出位置Pnに戻る。このように、枠役物310は、進出状態のときに外力に応じた変位が可能に構成されているので、進出位置Pnの枠役物310が外力により破損する可能性を低減できる。また、枠役物310の進出動作中において遊技者による外力を受けた場合でも、外力に応じた変位が可能であるので、進出動作中の枠役物310が外力により破損する可能性を低減できる。
(変形例2)
前述した実施の形態では、所定の変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)のリーチ実行期間において、枠役物310の突出動作演出を実行しているが、大当り中に実行してもよい。ここで、大当り中に枠役物310の突出動作演出を実行する場合について、図29〜図32を用いて説明する。
図29に示すように、大入賞口開放時処理において、演出制御用CPU120は、大当り終了タイミングであるか否かを判定し(ステップS901)、大当り終了タイミングでなければ(ステップS901;No)、演出制御パターンに従った大当り演出動作制御を実行する(ステップS902)。そして、復帰動作フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS903)、復帰動作フラグがオフ状態であれば(ステップS903;No)、図30に示す枠役物状態監視処理を実行し(ステップS904)、図31に示す枠役物突出動作演出処理を行い(ステップS905)、本処理を終了する。
なお、図30に示す枠役物状態監視処理(ステップS904)は、前述の図22に示す枠役物状態監視処理(ステップS561)に対してそのステップS602を有さない点のみが異なるだけであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
図31に示すように、枠役物突出動作演出処理では、演出制御用CPU120は、枠役物突出報知禁止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS951)。枠役物突出報知禁止フラグがオフ状態であれば(ステップS951;No)、演出中止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS952)。
演出中止フラグがオフ状態であれば(ステップS952;No)、枠役物310を突出動作させる枠役物突出動作制御を行い(ステップS953)、枠役物突出報知制御を行う(ステップS954)。たとえば、枠役物突出動作制御(ステップS953)では、図5(A)に示す設定スイッチ801〜803にて設定された突出位置に向けて枠役物310が突出(進出)させる動作制御を行う。枠役物突出報知制御(ステップS954)では、枠役物310の突出動作とともに、枠役物310の突出動作演出(図32(A)〜(C)に示す「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)を報知する制御を行う。画像表示装置5の画面には、図32(A)に示すように、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が大きく表示されており、突出報知画像を大きく表示するために、「Round4」などのラウンド情報が、画像表示装置5の画面の中央から右端側に移動され、通常に比べて小さく表示されている。また、画像表示装置5の画面には、図32(A)に示すように、枠役物310の突出動作演出の中止操作を示す中止操作画像5Jが表示されている。図32(B)に示すように、突出報知画像の表示開始から所定時間(たとえば2秒間)が経過すると、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が小さく表示される。なお突出報知画像の表示を小さく表示しなくてもよい。
図32(A)〜(C)に示すように、枠役物310の突出動作中において、役物センサ60L、60Rが検知していないとき又はプッシュボタン130の操作がされていないときには、枠役物310の進出を開始してから収納が完了するまでの間、突出動作演出(「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)を継続して実行するので、遊技者に枠役物310の進出の注意を喚起することができ、目立ちたくない遊技者の枠役物310の戻し忘れを抑制できる。
演出中止フラグがオン状態のときには(ステップS952;Yes)、枠役物310の突出動作を停止するとともに、枠役物突出動作演出を終了する(ステップS955)。たとえば、図32(D)では、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示(図32(B)参照)と、その表示に対応する音声の出力とが終了し、「Round4」などのラウンド情報が表示されている。
ステップS955のあと、動作停止期間タイマの計時を開始する(ステップS956)。たとえば、動作停止期間タイマがたとえば10秒間にセットされており、枠役物310の停止期間(10秒間)にわたって枠役物310が停止する。そして、ステップS956のあと、復帰動作フラグをオン状態にセットする(ステップS957)。
枠役物突出報知禁止フラグがオン状態のとき(ステップS951;Yes)、ステップS954のあと、ステップS957のあと、本処理を終了する。
図29に戻って、復帰動作フラグがオン状態であれば(ステップS903;Yes)、動作停止期間タイマが終了か否かを判定する(ステップS906)。つまり、枠役物310の突出停止から10秒間が経過したか否かを判定する。枠役物310の突出停止から10秒間が経過したとき(ステップS906;Yes)、枠役物310の復帰動作制御を行う(ステップS907)。たとえば、枠役物310を後退させて収納部340に収納する。ステップS907のあと、復帰動作フラグをオフ状態にリセットし(ステップS908)、本処理を終了する。
大当り終了タイミングであれば(ステップS901;Yes)、大当り終了制御を実行し(ステップS909)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である「5」に更新する。
このように、大当り中において枠役物310の突出動作演出を実行することができるので(図32参照)、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、枠役物310の突出動作演出を、リーチ前変動期間中、予告演出実行中、示唆演出実行期間中、今回保留予告実行期間中などに実行してもよい。
(変形例3)
図33に示すように、変形例3のパチンコ遊技機1は、赤外線方式などの役物センサ60L、60Rが、枠役物装置300L、300Rの本体に配置されており、枠役物装置300L、300Rの動作状態を検出可能としている。また、赤外線方式などの役物センサ60L、60Rを、遊技機用枠3における枠役物装置300L、300Rの周囲箇所などに配置してもよい。赤外線方式などの役物センサ60L、60Rは、例えば赤外線センサあるいは光センサを用いて構成され、所定の発信器(発光部材)から出力される赤外線あるいは可視光などを枠役物装置300L、300Rの所定部位あるいは枠役物装置300L、300Rの周囲に照射し、その反射光を検知することで、枠役物装置300L、300Rの動作位置や物体の有無などを検出できればよい。
(変形例4)
図34に示すように、変形例4のパチンコ遊技機1は、赤外線方式などの複数個(ここでは3個)の役物センサ60L1〜60L3、60R1〜60R3が、遊技機用枠3における枠役物装置300L、300Rの周囲箇所にそれぞれ配置されており、それぞれの役物センサ60L1〜60L3、60R1〜60R3により枠役物装置300L、300Rの各動作状態を検出可能としている。たとえば、役物センサ60L1、60R1は、低突出状態の枠役物310を検知し、役物センサ60L2、60R2は、中突出状態の枠役物310を検知し、役物センサ60L3、60R3は、高突出状態の枠役物310を検知する。
なお、役物センサ60L、60Rは、前述したようなセンサに限らず、焦熱式のセンサ(赤外線を発光せず、物体自体から出る赤外線を検出するセンサ)、レーザー光線等のその他の光を用いた光学式センサを用いてもよい。また、役物センサ60L、60Rは、超音波を用いて異物を検出する超音波式センサ、または、撮像装置を用いて所定範囲を撮像して画像解析により検出範囲内の異物を検出する画像解析式センサ等の各種の異物センサを用いてもよい。
また、図15のステップS818とステップS819との間において、図15のステップS817で確定された動作度合の設定に応じて、役物センサ60L、60Rの検出範囲を設定するようにしてもよい(図示しないステップS818A)。たとえば、枠役物310の動作度合が高設定のときは、検出範囲を、枠役物310の動作度合が高設定時のときのキャップ部311の先端の到達位置まで物体が検出可能な高設定範囲に設定する。また、枠役物310の動作度合が中設定のときは、検出範囲を、枠役物310の動作度合が中設定時のときのキャップ部311の先端の到達位置まで物体が検出可能な中設定範囲に設定する。また、枠役物310の動作度合が低設定のときは、検出範囲を、枠役物310の動作度合が低設定時のときのキャップ部311の先端の到達位置まで物体が検出可能な低設定範囲に設定する。これにより、前記のステップS818Aでは、役物センサ60L、60Rについては、設定された突出度合(突出動作)の範囲外における物体の検出が無効化されることとなる。これにより、枠役物310が正常に突出動作することができない異常状態の検出が無駄になされないようにすることができる。
なお、枠役物310の動作度合が高設定とされたときにおける高設定範囲の検出範囲内において、低設定の検出範囲に該当する範囲内、および、中設定の検出範囲に該当する範囲内(すなわち、中設定の検出範囲を超えない検出範囲)では物体が検出されず、中設定の検出範囲を超える高設定のみの検出範囲のみで物体が検出されたときは、動作度合が高設定についてのみ異常状態であると判定し、高設定の動作度合についてのみ異常がある旨を特定可能な高設定異常報知をするようにしてもよい。また、同様に、枠役物310の動作度合が高設定とされたときにおける高設定範囲の検出範囲内において、低設定の検出範囲に該当する範囲内、および、高設定の検出範囲に該当する範囲内では物体が検出されず、中設定の検出範囲内のみで物体が検出されたときは、中設定の動作度合についてのみ異常状態であると判定し、中設定にのみ異常がある旨を特定可能な中設定異常報知をするようにしてもよい。また、同様に、枠役物310の動作度合が高設定時とされたときにおける高設定範囲の検出範囲内において、中設定の検出範囲に該当する範囲内、および、高設定の検出範囲に該当する範囲内では物体が検出されず、低設定の検出範囲内のみで物体が検出されたときは、低設定の動作度合についてのみ異常状態であると判定し、低設定にのみ異常がある旨を特定可能な低設定異常報知をするようにしてもよい。
なお、枠役物310の近傍(周囲)に存在する物体は、枠役物310と接触している物体と接触していない物体との両方を含む。たとえば、図4に示す役物センサ60L、60Rでは、枠役物310とその周囲箇所のパッド部61に接触している物体が検知可能であり、図33、図34に示す赤外線方式の役物センサ60L、60Rでは、枠役物310などに接触していない物体が検知可能である。
(変形例5)
前述の実施の形態では、スーパーリーチBのリーチ実行期間において実行される枠役物310の突出動作演出を途中で終了させているが、図35、図36に示すように、事前の役物センサ60L、60Rによる検出又はプッシュボタン130の操作、たとえばリーチ実行期間前(リーチ成立前)における役物センサ60L、60Rによる検出又はプッシュボタン130の操作より、突出動作演出自体を実行しない構成であってもよい。
図35に示す変形例5の可変表示中演出処理について、前述した図21に示すの可変表示中演出処理と異なる点を中心に説明する。
図35に示すように、演出制御用CPU120は、リーチ演出実行期間でないと判定したとき(ステップS558;No)、未実行フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS558A)。未実行フラグは、枠役物310の突出動作演出自体を未実行とするためのフラグである。未実行フラグがオフのとき(ステップS558A;No)、枠役物状態監視処理を実行する(ステップS558B)。この枠役物状態監視処理(ステップS558B)は、遊技者によりプッシュボタン130の操作又は役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)があると、前述した図22に枠役物状態監視処理(ステップS561)と同様に演出中止フラグをセットし、図36(C)に示す「枠役物の突出動作を中止しますか?」との確認画像の表示の実行と、その表示に対応する音声がスピーカ8L、8Rから出力するための処理を含む。枠役物状態監視処理(ステップS558B)のあと、演出中止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS558C)。演出中止フラグがオンであれば(ステップS558C;Yes)、枠役物310の突出動作演出を未実行とする処理を行い(ステップS558D)、未実行フラグをオン状態にセットする(ステップS558E)。ステップS558Eのあと、未実行フラグがオンのとき(ステップS558A;Yes)、演出中止フラグがオフのとき(ステップS558C;No)、その他の演出動作制御(ステップS563)を実行して、本処理を終了する。
また、リーチ演出動作制御(ステップS559)のあと、演出中止フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS559A)。演出中止フラグがオフであれば(ステップS559A;No)、復帰動作フラグがオン状態にセットされているか否かを判定し(ステップS560)、このあとは前述した図21と同様にステップS561〜S566を実行して、本処理を終了する。また、演出中止フラグがオンであれば(ステップS559A;Yes)、その他の演出動作制御(ステップS563)を実行して、本処理を終了する。
ここで、スーパーリーチBのリーチ実行期間前(リーチ成立前)における役物センサ60L、60Rによる検出又はプッシュボタン130の操作より、突出動作演出自体を実行しないときの、画像表示装置5の画面に表示される演出画面について、図36を参照して説明する。ここでは、図3(A)に示す枠役物設定スイッチ804が動作可能に設定され、パチンコ遊技機1が確変モードで、図36(A)に示すように、スーパーリーチBの変動パターンによる飾り図柄の変動表示演出が開始されているとする。
飾り図柄のリーチ成立前における、図35の枠役物状態監視処理(ステップS558B)において、役物センサ60L、60Rによる検出(たとえば、図5のパッド部61への物体の接触を検出)があると、画像表示装置5の画面には、図36(B)に示すように、「枠役物の突出動作を中止します」などの中止報知表示が実行され、その表示に対応する音声がスピーカ8L、8Rから出力される。そして、スーパーリーチBのリーチ演出実行期間になると、枠役物突出動作演出未実行処理(ステップS558D)により、図36(D)に示すように、突出動作演出(突出報知画像の表示と報知音の出力)が一切行われない表示となる。つまり、リーチ表示中の飾り図柄と保留表示図柄Hだけが継続して表示される。
また、飾り図柄のリーチ成立前における、図35の枠役物状態監視処理(ステップS558B)において、画像表示装置5の画面には、図36(C)に示すように、「枠役物の突出動作を中止しますか?」との確認画像が表示され、枠役物310の突出動作演出の中止操作を示す中止操作画像5Jも表示されている。ここで、遊技者によりプッシュボタン130が押下されると、演出制御用CPU120は、プッシュボタン130からの操作信号に基づいて演出中止フラグをセットする(図35の枠役物状態監視処理(ステップS558B))。そして、スーパーリーチBのリーチ演出実行期間になると、枠役物突出動作演出未実行処理(ステップS558D)により、図36(D)に示すように、突出動作演出(突出報知画像の表示と報知音の出力)が一切行われない表示となる。つまり、リーチ表示中の飾り図柄と保留表示図柄Hだけが継続して表示される。
なお、画像表示装置5の画面にて、図36(C)に示す「枠役物の突出動作を中止しますか?」との確認画像が表示されているリーチ表示前期間において、遊技者によりプッシュボタン130の押下が無いときには、枠役物310の突出動作演出が実行されることになる。つまり、図36(E)に示すように、画像表示装置5の画面には、「枠役物が高突出します!」との突出報知画像が表示され、その表示に対応する音声(報知音)がスピーカ8L、8Rから出力される。
このように、図36(B)、(C)に示すように、事前の役物センサ60L、60Rによる検出又はプッシュボタン130の操作があると、図36(D)に示すように枠役物310の突出動作演出自体を実行しないようにすることができる。かかる突出動作演出の事前中止を選択可能であることにより、遊技者の意向に応じた遊技を実現でき、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
(その他の変形例など)
前述した実施の形態では、しているが、役物センサ60L、60Rによる検出があると枠役物310の進出を停止し、その停止期間(たとえば10秒間)が経過すると、枠役物310を後退させる復帰動作を実行しているが、役物センサ60L、60Rによる検出が無しになると復帰動作させたり、主基板11からの特定のコマンド受信に基づいて復帰動作させたり、プッシュボタン130又はスティックコントローラ135などの操作手段を操作するまで復帰動作させないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、枠役物310の進出動作中(つまり、枠役物310の初期位置P0から進出位置Pnへの進出中、進出位置Pnに到達して進出完了状態など)において、枠役物突出動作演出(図24(A)〜(C)に示す「枠役物が高突出します!」との突出報知画像の表示と、その表示に対応する音声の出力などによる演出)による報知を実行しているが、進出中や進出完了状態において、突出報知画像の表示又はその表示に対応する音声の出力を小さくしてもよい。これにより、画像表示装置5などでの他の演出の邪魔を抑制できる。
前述した実施の形態では、動作検出手段としてのプッシュボタン130により、遊技者の所定の動作(押下操作)を検出しているが、スティックコントローラ135により、遊技者の操作を検出するものであってもよいし、プッシュボタン130又はスティックコントローラ135のどちらを操作してもよい。また、動作検出手段としては、画像表示装置5をタッチパネルモニターとし、その表示画面上の表示を押すことを検出するものであってもよいし、遊技機用枠3に操作スイッチ(枠役物突出動作演出の中止操作用のスイッチ)を設け、この操作スイッチの操作を検出するものであってもよい。
また、駆動手段としての枠モータ48の駆動状態を監視するための監視手段(たとえばトルクセンサあるいはロータリーエンコーダなど)を備え、枠モータ48の駆動状況が特定の状況となったこと(たとえば、枠モータ48の負荷量または回転量が通常値を超えた特定値となったこと、又は枠モータ48の駆動開始から所定期間経過後に進出位置検出器の出力信号に変化が生じないこと)に基づいて、枠役物310の進出動作の停止又は後退動作を実行するとともに、突出動作演出を終了(特定演出を停止)させるようにしてもよい。
この場合には、枠モータ48の駆動状況が特定の状況となったこと(枠モータ48の負荷量または回転量が特定値となったこと)により枠役物310が進出しないときに、突出動作演出が実行されることの違和感を低減することができる。かかる違和感が原因で遊技の興趣性が低下することを抑制できる。
前述した実施の形態では、役物センサ60L、60Rは、収納状態の枠役物310又はその近傍(周囲)に物体が存在するか否かを検知しているが、これに限定されない。たとえば、図33、図34に示すように、役物センサ60L、60Rは、枠役物310の進出経路上又その近傍(周囲)において、物体が位置していないかを検知するものであってもよい。
さらに他の一例として、枠役物装置300Lは、左右方向における左端付近を中心軸(回転軸)として所定角度まで回動する左側移動部を備え、枠役物装置300Rは、左右方向における右端付近を中心軸(回転軸)として所定角度まで回動する右側移動部を備えるものであってもよい。この場合、左側移動部と右側移動部には、遊技機用枠3に収納されて閉じている状態(後退位置にある収納状態)のときに遊技機用枠3の前面に連続(前面の一部を構成)するように形成されている外面と、収納状態のときには遊技機用枠3の内部に隠れるとともに所定角度まで回動して開いている状態(突出位置にある展開状態)のときには露出して遊技機用枠3の前面に連続するようになる内面とが設けられていればよい。展開状態であるときに、左側移動部と右側移動部の外面は、遊技機用枠3の前面とは密着せずに外部から視認可能な位置で停止して遊技機用枠3の前面に連続するようにしてもよいし、遊技機用枠3の前面と密着して遊技者側から視認不可能となるようにしてもよい。なお、左側移動部と右側移動部は、ともに遊技機用枠3の上部にて左右方向における中央付近を中心軸(回転軸)として所定角度(例えば収納状態に対して90度)まで回動するように変化可能な構造を有していてもよい。この場合、左側移動部と右側移動部の外面は、左側移動部と右側移動部が収納状態であるときに遊技機用枠3の前面に連続(前面の一部を構成)するように形成される一方、展開状態であるときには左側移動部の外面と右側移動部の外面とが密着するとともに、左側移動部の内面と右側移動部の内面とが露出することにより、所定の形状や色彩を有する模型が出現するように構成されてもよい。あるいは、左側移動部と右側移動部は、ともに遊技機用枠3の上部にて上下方向における上端付近、中央付近、下端付近のいずれかを中心軸(回転軸)として所定角度まで回動するように変化可能な構造を有していてもよい。
その他、遊技機用枠3の上部全体に、遊技者側からみて手前側に突出するように固定形成された庇状の突出部材が設けられ、枠役物装置300Lは、突出部材の上面にて左右方向における中央付近を中心軸(回転軸)として所定角度まで回動する左側移動部を備え、枠役物装置300Rは、突出部材の上面にて左右方向における中央付近を中心軸(回転軸)として所定角度まで回動する右側移動部を備えるものであってもよい。この場合、左側移動部と右側移動部には、突出部材に収納されて閉じている状態(後退位置にある収納状態)のときに突出部材の上面に連続(上面の一部または全部を構成)するように形成されている外面と、収納状態のときには突出部材の内部に隠れるとともに所定角度(例えば収納状態に対して90度)まで回動して開いている状態(突出位置にある展開状態)であるときには露出して突出部材の上面または側面に連続するようになる内面とが設けられていればよい。左側移動部と右側移動部が展開状態であるときには、左側移動部の外面と右側移動部の外面とが密着するとともに、左側移動部の内面と右側移動部の内面とが露出することにより、所定の形状や色彩を有する模型が出現するように構成されてもよい。
なお、突出部材の上面にて収納状態(後退位置)と展開状態(突出位置)とに変化するものに限定されず、突出部材の下面(遊技盤2や下皿に向かう方向)にて収納状態(後退位置)と展開状態とに変化するものであってもよい。また、左側移動部と右側移動部は、突出部材の上面または下面にて、左右方向における左端付近と右端付近、あるいは、前後方向における前端付近、中央付近、後端付近のいずれかを中心軸(回転軸)として所定角度まで回動するように変化可能な構造を有していてもよい。あるいは、突出部材の上面または下面における所定位置に枠役物装置300L、300Rが設けられてもよい。遊技機用枠3の上部全体に設けられた庇状の突出部材における下面にて動作する枠役物装置300L、300Rは、収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化するときに、遊技盤2が形成する遊技領域の前面を避けるように、例えば床方向(垂直下方向)に進出するようにしてもよい。あるいは、例えば遊技領域方向(斜め下方向)に進出可能とし、遊技盤2が形成する遊技領域の一部が隠れるように遊技領域の前面へと進出してもよい。
また、突出部材は、遊技機用枠3の上部全体にて庇状に形成されたものに限定されず、例えば遊技機用枠3における遊技領域の左側または右側の少なくともいずれか一方にて、遊技者側からみて手前側に突出するように固定形成されてもよい。突出部材は、特定の形状や色彩を有する模型として形成されてもよい。例えば遊技領域の右側に突出部材が設けられている場合に、その突出部材における左面にて動作する枠役物装置300L、300Rは、収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化するときに、遊技盤2が形成する遊技領域の前面を避けるように進出してもよいし、遊技盤2が形成する遊技領域の一部が隠れるように遊技領域の前面へと進出してもよい。
枠役物装置300L、300Rは、遊技盤2が形成する遊技領域の前面へと進出する場合には、例えば遊技領域において遊技球が通過可能な経路や、特別図柄(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B)および飾り図柄(画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア)の表示、特図保留記憶数(第1保留表示器25A、第2保留表示器25B)や保留表示図柄(画像表示装置5の画面上における表示エリア5H)の表示、画像表示装置5の画面上における遊技球の発射方向指示(右打ち指示、左打ち指示)の表示といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行や演出の進行に関する特定の報知が妨げられないように、可動部材の進出方向や進出量が設定されていればよい。これにより、遊技の進行や演出の進行について遊技者の誤認を防止することができればよい。
このように、枠役物装置300L、300Rは、パチンコ遊技機1の外形の一部を構成し、第1状態(例えば後退位置にある収納状態)と、第1状態とは異なる第2状態(例えば突出位置にある展開状態)とに変化可能なものであればよい。なお、パチンコ遊技機1の外形の一部を構成して第1状態と第2状態とに変化可能な枠役物装置は、枠役物装置300L、300Rのように2つ設けられるものに限定されず、1つの枠役物装置が設けられてもよいし、3つ以上の枠役物装置が設けられてもよい。
枠役物装置300L、300Rは、予め定められた動作開始条件が成立したときに動作を開始して、動作終了条件が成立したときに動作を停止する。例えば、枠役物装置300L、300Rにて枠役物310が収納状態(後退位置)であるときに、複数種類のスーパーリーチのうちで特定種類のスーパーリーチ(例えば大当り期待度が高いもの)が開始される直前などに動作開始条件が成立して、枠役物310が収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化を開始する。そして、枠役物310が展開状態(突出位置)に達することで動作停止条件が成立したときには、枠役物装置300L、300Rの動作が停止する。その後、可変表示結果が「ハズレ」となった場合には動作開始条件が成立して、枠役物310が展開状態(突出位置)から収納状態(後退位置)へと変化を開始する。一方、可変表示結果が「大当り」となった場合には、ファンファーレ画面が表示されている期間や、大当り遊技状態に制御されている期間といった、大当り遊技の実行に関連する期間の一部または全部にて、枠役物310を展開状態(突出位置)で維持する。こうした期間の終了に伴い動作開始条件が成立して、枠役物310が展開状態(突出位置)から収納状態(後退位置)へと変化を開始する。枠役物310が収納状態(後退位置)に達することで動作停止条件が成立したときには、枠役物装置300L、300Rの動作が停止する。
枠役物310が収納状態(後退位置)であるときの動作開始条件は、特定種類のスーパーリーチが開始されることに関連して成立するものに限定されず、例えば可変表示結果が「大当り」となることに関連して成立するものや、パチンコ遊技機1の遊技状態が特別遊技状態(例えば確変状態)となることに関連して成立するもの、客待ちデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中または遊技の実行中に予め定められた動作開始時刻となることに関連して成立するもの、その他、パチンコ遊技機1における遊技の進行や演出の進行に関連して、あるいは、遊技の進行や演出の進行に関連することなく、任意の条件が動作開始条件として予め定められていればよい。
上記の実施の形態では、枠役物310の進出に関する設定としては、枠役物310を進出させるか否かの設定、枠役物310の進出度合い(進出量の大小)の設定が可能であるとしているが、これに限定されない。たとえば、枠役物310の進出について遊技店側が可能な設定、枠役物310の進出について遊技者側が可能な設定、枠役物310の進出頻度(進出回数の多少)の設定などであってもよい。以下に詳述する。
たとえば、枠役物310を動作させるか否かや、枠役物310の動作量を、遊技店側あるいは遊技者側の設定により、切り替えられるようにしてもよい。例えば遊技店内では、遊技機設置島に、複数のパチンコ遊技機1や遊技情報表示装置、カードユニットが配置される。遊技情報表示装置は、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技情報(例えば遊技状態や始動回数、大当り回数等)を遊技者に対して表示する。また、遊技情報表示装置には、遊技店の店員を呼び出すための呼出ボタンや呼出ランプも設けられている。カードユニットは、プリペイドカード等の遊技用記録媒体に記録されている遊技用価値(プリペイド度数)をパチンコ遊技機1などの遊技機における遊技に使用させるための遊技用価値処理(貸出処理)を少なくとも実行することができる。なお、コイン投入または現金投入に応じて金額相応の遊技球が貸し出されるものであってもよい。
こうした遊技店内において、枠役物装置300L、300Rを動作(たとえば枠役物310の進出動作)させた場合に、遊技情報表示装置の表示や呼出ランプの操作、カードユニットの操作などが、妨げられてしまうことがある。そこで、遊技店側の設定により、枠役物装置300L、300Rを動作させないように設定可能としてもよい。あるいは、枠役物装置300L、300Rの動作量を、初期設定の特定動作量よりも少ない限定動作量となるように設定可能としてもよい。これにより、遊技情報表示装置の表示や呼出ランプの操作、カードユニットの操作などが、妨げられてしまうことを防止できる。
また、パチンコ遊技機1の外形の一部を構成する枠役物装置300L、300Rが動作することで、そのパチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者以外の周辺にいる遊技者などが容易に認識可能な演出が行われることになる。このような演出を周辺の遊技者に注目させることで、遊技に対する興味を高めることができる。一方、パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者のなかには、枠役物装置300L、300Rが動作して目立つ演出が行われることを望まない遊技者もいる。そこで、遊技者側の設定により、枠役物装置300L、300Rを動作させないように設定可能としてもよい。あるいは、枠役物装置300L、300Rの動作量を、初期設定の特定動作量よりも少ない限定動作量となるように設定可能としてもよい。これにより、遊技者の好みに応じて適切な演出を実行することができる。
枠役物装置300L、300Rにおける動作の有無や動作量を設定するための構成として、例えば客待ちデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中に、画像表示装置5に動作設定画面を表示させる。動作設定画面は、音量や輝度の設定を行うための音量輝度設定画面とともに表示されてもよいし、音量輝度設定画面の表示中に演出用のスティックコントローラ135やプッシュボタン130を操作して動作設定画面の表示を選択できるようにしてもよい。演出制御用CPU120は、スティックコントローラ135などからの操作信号を入力していれば、操作に従って動作量設定値を入力する。動作量設定値は、例えば枠役物装置300L、300Rを動作させない場合に「0」となり、初期設定の特定動作量が「10」となるように、複数段階(例えば11段階)のうちからいずれかの動作量に設定可能となればよい。演出制御用CPU120は、入力した動作量設定値を、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納する。枠役物装置300L、300Rの動作開始条件が成立したときには、設定値格納領域の記憶内容から動作量設定値が演出制御用CPU120によって読み出され、読み出した動作量設定値に対応して枠モータ48の回転量などが決定されればよい。
なお、遊技者側の設定により枠役物装置300L、300Rにおける動作の有無や動作量を設定する場合には、画像表示装置5で動作設定画面の表示に従って設定可能とする一方、遊技店側の設定により枠役物装置300L、300Rにおける動作の有無や動作量を設定する場合には、パチンコ遊技機1の内部にてパチンコ遊技機1の背面方向を向くよう演出制御基板12に配置された設定切替スイッチを操作することで設定可能としてもよい。このように、遊技者の操作などにより枠役物装置300L、300Rの動作設定を行うための構成と、遊技店員の操作などにより枠役物装置300L、300Rの動作設定を行うための構成とが設けられてもよい。あるいは、遊技者側の設定であるか遊技店側の設定であるかにかかわらず、画像表示装置5で動作設定画面の表示に従って、枠役物装置300L、300Rにおける動作の有無や動作量を設定可能としてもよい。また、動作設定画面として、遊技者用の設定画面と、遊技店用の設定画面とを設け、共通の画像表示装置5にいずれの設定画面を表示することもできるが、どちらの設定画面が表示されているかに応じて、遊技者の操作などによる設定であるか、遊技店員の操作などによる設定であるかを、区別して記憶できるようにしてもよい。
枠役物装置300L、300Rを動作させるか否かという動作の有無や、枠役物装置300L、300Rの動作量の他に、枠役物装置300L、300Rを動作させる頻度を、遊技店側あるいは遊技者側の設定により、切り替えられるようにしてもよい。例えば演出制御用CPU120は、動作設定画面が表示されているときに、スティックコントローラなどから操作信号を入力していれば、操作に従って動作頻度設定値を入力する。動作頻度設定値は、枠役物装置300L、300Rの動作頻度に応じて、例えば最も低頻度の場合に「0」となり、最も高頻度の場合に「10」となるように、複数段階(例えば11段階)のうちからいずれかの動作頻度に設定可能となればよい。演出制御用CPU120は、入力した動作頻度設定値を、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納する。演出制御用CPU120は、設定値格納領域から読み出された動作頻度設定値に応じて異なる割合で、枠役物装置300L、300Rの動作開始条件を成立させるか否かを決定できればよい。一例として、動作頻度が低頻度の設定がなされた場合には、枠役物装置300L、300Rが動作することで、可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知できるように、予告演出として枠役物装置300L、300Rの動作開始条件を成立させるか否かを決定する。これに対し、動作頻度が高頻度の設定がなされた場合には、枠役物装置300L、300Rが動作することで、可変表示結果が「ハズレ」となる場合を含めて特定種類のスーパーリーチが実行される可能性があることを予告できるように、予告演出として枠役物装置300L、300Rの動作開始条件を成立させるか否かを決定すればよい。このように、枠役物装置300L、300Rを動作させる頻度が設定できるだけでなく、枠役物装置300L、300Rが動作する演出の実行によって示唆される、遊技者に有利な遊技価値(大当り遊技状態、確変状態、時短制御の有無など)が付与される可能性(信頼度)を、変化させることができるようにしてもよい。
枠役物装置300L、300Rが動作して展開状態(突出位置)であるときに、例えば目立つことを望まない遊技者の操作により、展開状態を終了させて収納状態に変化させる展開終了制御が行われてもよい。演出制御用CPU120は、枠役物装置300L、300Rが展開状態(突出位置)であるときに、演出用のスティックコントローラ135やプッシュボタン130に対する所定操作が検出されたことに応じて、枠役物装置300L、300Rを展開状態から収納状態に変化させる制御を行えばよい。なお、演出用のスティックコントローラ135やプッシュボタン130を兼用して展開状態を終了させるものに限定されず、枠役物装置300L、300Rの近傍に、展開状態を終了させるための専用ボタンが設けられてもよい。
枠役物装置300L、300Rが収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化する途中で動作を停止した場合や、展開状態(突出位置)を維持しているときには、枠役物装置300L、300Rを収納状態(後退位置)に復帰させるための動作開始条件が成立するまでは、枠役物装置300L、300Rに内蔵されたステッピングモータやソレノイドの駆動(励磁)を行わないようにしてもよい。また、枠役物装置300L、300Rが収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化する途中で動作を停止した場合や、展開状態(突出位置)を維持しているときには、枠役物装置300L、300Rにおける可動部材の位置を固定するためのロック機構が作動しないように設定してもよい。枠役物装置300L、300Rが収納状態(後退位置)から進出したときには、枠役物装置300L、300Rの動作を認識した遊技者などが枠役物310に触れる可能性がある。このような場合に枠役物装置300L、300Rの位置を固定してしまうと、枠役物装置300L、300Rにおける可動部材の故障(破損)や遊技者の負傷などが発生するおそれがある。そこで、この場合にはロック機構が作動しないように設定して、枠役物装置300L、300Rにおける可動部材の故障(破損)の可能性などを抑制することができる。なお、ロック機構が作動しないように設定しても、枠役物装置300L、300Rの動作を停止したときには、枠役物装置300L、300Rにおける可動部材が自重で収納状態(後退位置)に戻ることなく停止するように、枠役物装置300L、300Rの各種ギアなどが構成されてもよい。すなわち、ロック機構が作動しないので、枠役物装置300L、300Rの可動部材を遊技者などが手作業で収納状態(後退位置)に戻すことはできるものの、遊技者などが枠役物装置300L、300Rに触れていない状態では収納状態(後退位置)に戻ることがないように構成されてもよい。これにより、枠役物装置300L、300Rの動作に伴う挟み込みなどを抑制して、可動部材の故障(破損)や障害物の破損などの可能性を抑制できる。
所定条件が成立したタイミングで遊技店に設置される複数台の遊技機において一斉に実行される一斉演出には、枠役物装置300L、300Rが収納状態(後退位置)と展開状態(突出位置)との間で変化する動作が含まれてもよい。例えば毎時00分になって演出開始条件が成立したことに基づいて、枠役物装置300L、300Rの動作が開始されて、第1スライド部材310と第2スライド部材340が収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと進出するなどしてもよい。
一斉演出では、複数台の遊技機が備える枠役物装置300L、300Rにおける可動部材が連動することで、例えば隣接する遊技機の可動部材を組み合わせる演出態様となるようにしてもよい。この場合、複数の遊技店ごとに隣接する遊技機の間隔が異なる場合がある。枠役物装置300L、300Rにおける可動部材は、このように隣接する遊技機の間隔が変化した場合でも、可動部材を組み合わせる演出態様に違和感が生じないように、形状や色彩が施された装飾部材と連結され、あるいは、動作量を設定することができればよい。可動部材を組み合わせる演出態様としては、例えば人間の手を模した形状を有する装飾部材が可動部材に連結され、隣接する遊技機における複数(例えば2つ)の装飾部材が互いに接近して交差することで、握手をしているようにみせることができるものであればよい。あるいは、例えば剣や槍を模した形状を有する装飾部材が可動部材に連結され、隣接する遊技機における複数(例えば2つ)の装飾部材が互いに接近して交差することで、剣や槍が交錯しているようにみせることができるものであればよい。
このような枠役物装置300L、300Rの動作を含めた一斉演出が実行可能な場合であっても、例えば動作設定画面の表示中における設定や設定切替スイッチの操作により枠役物装置300L、300Rの動作が行われないときには、枠役物装置300L、300Rを用いた一斉演出の少なくとも一部が実行されないように制限を設けてもよい。例えば遊技店側の設定により枠役物装置300L、300Rの動作が行われない場合には、遊技店内の場所的な制約があることから、一斉演出における枠役物装置300L、300Rの動作も実行されないように制限してもよい。これに対し、例えば遊技者側の設定により枠役物装置300L、300Rの動作が行われない場合には、このような設定にかかわらず一斉演出では枠役物装置300L、300Rを動作させるようにしてもよい。一斉演出では複数台の遊技機が備える枠役物装置300L、300Rが連動することから、特定の遊技機における演出が目立ってしまうことはない。一方、複数台の遊技機のうちで特定の遊技機だけ一斉演出でも枠役物装置300L、300Rが動作しないようにすると、演出の連動性が低下して一斉演出に違和感が生じる可能性がある。そこで、遊技者側の設定により動作が制限されていても、一斉演出では枠役物装置300L、300Rを動作させることで、可動部材による演出の連動性を高めて演出に対する興味を高めることができる。
枠役物装置300L、300Rが収納状態(後退位置)から展開状態(突出位置)へと変化するより前に、枠役物装置300L、300Rが動作することを遊技者が認識可能に報知してもよい。例えば変動カテゴリが特定種類のスーパーリーチを実行する変動パターンのカテゴリであると判定されたことに対応して、枠役物装置300L、300Rの変化を示唆する演出画像が保留表示図柄として表示されてもよい。あるいは、図10に示すステップS239にて可変表示結果を「大当り」にすると決定されたことに対応して、その可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)が導出表示されるより前に、所定画像を画像表示装置5に表示させること、スピーカ8L、8Rから音声や報知音を出力させること、所定の報知ランプを点灯させること、枠役物装置300L、300Rにおける可動部材とは異なる演出用の可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることにより、枠役物装置300L、300Rが動作することを遊技者が認識可能に報知してもよい。
このように、枠役物装置300L、300Rが動作することを予め報知することにより、枠役物装置300L、300Rの動作に対する遊技者の興味を高めて、枠役物装置300L、300Rの動作を、遊技者により注目させることができる。
枠役物装置300L、300Rにおける枠役物310などの演出用可動体は、キャップ部311とスティック部312を用いて構成される場合や、左側移動部の外面と右側移動部の外面とが密着して内面が露出することにより所定の形状や色彩を有する模型が出現するように構成される場合に限定されない。例えば、演出用可動体にスピーカなどの音声出力部材あるいは送風ファンなどが取り付けられた構成であってもよい。
また、枠役物設定スイッチ804が動作不可能に設定されている場合には、枠役物310の突出動作演出に代えて、予め定められた代替演出を実行するようにしてもよい。たとえば、代替演出としては、演出制御用CPU120が、演出用のスティックコントローラ135やプッシュボタン130といった操作部材に内蔵された振動モータに対する指令(モータ駆動信号)の送信により操作部材を振動させること、図示しない演出用の送風ファンに対する指令(送風駆動信号)の送信により遊技機用枠3の所定位置から遊技者に向けて送風すること、遊技領域の内部または外部に設けられた図示しない演出用の可動部材を動作させるステッピングモータに対する指令(モータ駆動信号)の送信により可動部材を動作させること、表示制御部123を介して特殊な演出画像を画像表示装置5に表示させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることであってもよい。たとえば、図20に示す演出制御パターン設定処理(ステップS530)の枠役物突出動作無しに決定(ステップS714)に替えて又は加えて代替演出を実行することにより、代替演出を実現することが可能である。このように、演出装置300L、300Rが動作するときとは異なる代替演出が実行されることで、遊技の興趣性を向上させることができる。
「枠役物310などの演出用可動体の進出に関する異常」には、枠役物310などの演出用可動体の進出に関する障害、妨害、支障、不具合、故障などの異常が含まれる。例えば、枠役物310などの演出用可動体の進出範囲又はその周辺における異物又は障害物等の有無の検知、又は、枠モータ48などの駆動手段の負荷量、駆動量などが規定範囲内であるか否かの検知などにより、枠役物310などの演出用可動体の進出に関する異常を検知することが可能である。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B)は、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。
また、図柄の可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものも、図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい(例えば、表示機器が7セグメントなどの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはない等)。
また、動作検出手段としてプッシュボタン130を用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式動作検出手段やタッチパネルなどの接触式動作検出手段を設け、遊技者が所定の動作を行うことを検出するようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。