<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等が出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の下部には、施錠装置75と隣接する位置に、開放検知センサ79aが設けられている。開放検知センサ79aは後述する主制御装置に接続されており、主制御装置においては開放検知センサ79aからの検知情報(検知信号)に基づいて前扉枠14が開放されているか否かを把握可能となっている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出装置(演出機構)、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技領域形成体80aは透明性(光透過性)を有する合成樹脂材料であれば足り例えばアクリル製とすることも可能である。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等の入球部がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面263aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ97が形成されている。センターフレーム95は門型の枠状をなしておりその左枠部に形成された流入口96aから流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路96を通じてステージ97上に排出される。ステージ97については、当該ステージ97に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ97上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ97上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
なお、センターフレーム95及びステージ97は、有色且つ不透明な合成樹脂材料からなり、その背後に配置された構成(後述する可動演出装置)が視認不可となるように構成されている。なお、センターフレーム95及びステージ97については、その背後に配置される構成をそれらセンターフレーム95及びステージ97を通じて視認困難な構成とすることも可能である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
内枠ベース体50の下部には、施錠装置75と隣接する位置に、開放検知センサ79bが設けられている。開放検知センサ79bは後述する主制御装置に接続されており、主制御装置においては開放検知センサ79bからの検知情報(検知信号)に基づいて内枠13(遊技機主部12)が開放されているか否かを把握可能となっている。
内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出装置(演出機構)や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する可変入賞装置用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技領域形成体80aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技領域形成体80aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図12(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技領域形成体80aの背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技領域形成体80aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。
(背面ブロック80b)
再び図7,図8及び図12を参照して既出の背面ブロック80bについて補足説明する。なお、遊技領域形成体80aが透明であることを考慮して、図12においては遊技領域形成体80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を2点鎖線によって表示している。
既に説明したように、背面ブロック80bは、可変表示ユニット252等の各種演出装置や報知・演出制御装置140等の各種制御装置が搭載される台座として上記ベース体251を有している。
図8に示すように、ベース体251は遊技領域形成体80aの背面に対向する平板状の対向部255と、対向部255から後方に膨出する膨出部256とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり、正面視における外形が遊技領域形成体80aよりも上下幅が若干小さくなるように構成されている。
膨出部256は、前方(遊技領域形成体80a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部255が構成されている。対向部255が遊技領域形成体80aの背面に当接した状態で当該遊技領域形成体80aにねじ止めされることにより、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが1ユニット化されている。
膨出部256の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技領域形成体80aの中央開口85(図13参照)と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット252はこの開放部を塞ぐようにして膨出部256の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置253の表示画面263aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置140及び表示制御装置が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット252(詳しくは図柄表示装置253)に対して積層配置されており、更にその下方には、膨出部256に対して主制御装置162が取り付けらている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している。
ベース体251における左枠部262及び右枠部261、上枠部263、下枠部264にはそれぞれ可動演出装置が設置されており、これら可動演出装置によって表示画面263aが囲まれている。各可動演出装置は、膨出部256により形成された凹み内に収容されており、製造時等に背面ブロック80bが単体で持ち運びされる場合であっても、それら可動演出装置がジグ等の他の構成に干渉することが抑制されている。
また、図12に2点鎖線等により表示しているように、背面ブロック80bには左右の枠部261,262及び下枠部264(図8参照)に跨るようにして一連の装飾部材271が配置されている。装飾部材271は有色透明な樹脂材料によって形成されており、その内部にLED等の発光体275が実装された発光基板276が発光体275の実装面が遊技機前方を向くようにして収容されている。発光体275からの光が装飾部材271を通じて遊技機前方に照射されることにより、装飾部材271が発光する。
発光基板276は、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140により遊技状況に応じて発光制御が行われることで遊技領域PEの背後にて発光演出が実行されることとなる。
また、装飾部材271には、遊技領域形成体80aに形成された一般入賞口81や作動口83a,83b等の入球部へ流入した遊技球を回収する回収通路272が形成されており、その入口部分がそれら各入賞部に連通している。つまり、遊技領域形成体80aにおける入球部へ流入した遊技球は、背面ブロック80bの回収通路272へ導かれ、その後裏パックユニット15の排出通路を通じて遊技ホールの島設備等へと返却されることとなる。
(可動演出装置)
ここで、図12及び図13を参照して、遊技盤ユニット80が有する上記可動演出装置及びそれに関連する構成について補足説明する。図13は遊技領域形成体80aの正面図である。なお、遊技領域形成体80aが透明であることを考慮して、図13においては遊技領域形成体80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を破線等によって表示している。
遊技領域形成体80aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、図12に示すように遊技領域形成体80aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
可動演出装置は、上枠部263に設けられた第1可動演出装置281と、下枠部264に設けられた第2可動演出装置282と、左枠部262に設けられた第3可動演出装置283と、右枠部261に設けられた第4可動演出装置284とにより構成されている。
上枠部263に設けられた第1可動演出装置281は、左右一対の扉部材からなる開閉扉と同開閉扉を駆動させる駆動部とを有している。第1可動演出装置281は、遊技領域形成体80aの板材又は中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能な位置に配置されている。第1可動演出装置281の駆動部は報知・演出制御装置140に電気的に接続されている。報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて、開閉扉が開状態と閉状態とに切り替えられることとなる。
図13に示すように、下枠部264に設けられた第2可動演出装置282は、回動可能に設けられた左右一対の可動板とそれら可動板を駆動させる駆動部とを有している。第2可動演出装置282の可動板は、ステージ97に後方から重なる待機位置、及び図柄表示装置253の表示画面263aに重なる演出位置に移動可能となっている。第2可動演出装置282の駆動部は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて可動板が待機位置及び演出位置に切り替えられることとなる。
左枠部262に設けられた第3可動演出装置283は、回動可能に設けられた可動板と当該可動板を駆動させる駆動部とを有している。第3可動演出装置283の可動板は、センターフレーム95の左枠部に後方から重なる待機位置、及び図柄表示装置253の表示画面263aに重なる演出位置に移動可能となっている。第3可動演出装置283の駆動部は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて可動板が待機位置及び演出位置に切り替えられることとなる。
右枠部261に設けられた第4可動演出装置284は、スライド移動可能に設けられた可動板と当該可動板を駆動させる駆動部とを有している。第4可動演出装置284の可動板は、センターフレーム95の右枠部に後方から重なる待機位置、及び図柄表示装置253の表示画面263aに重なる演出位置に移動可能となっている。第4可動演出装置284の駆動部は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて可動板が待機位置及び演出位置に切り替えられることとなる。
本実施の形態においては、釘部材93等が配設されてなる遊技領域PEの後方に、当該遊技領域PEと重なる領域にて発光手段として機能する装飾部材271を配置することにより、遊技領域PEと装飾部材271とを好適に共存させることが可能となっている。また、遊技機の電源がONになっている状況下では装飾部材271の発光レベルが周期的に変化する構成とすることにより、遊技盤ユニット80の見栄えの向上が図られている。
但し、このような構成では以下の不都合が生じ得る。例えば遊技機の製造時には、釘部材93が所定の位置に所定の角度で取り付けられているかを検査工程等にて作業者が目視により確認し、仮に釘打ちが上手くなされていない場合には、ハンマ等の工具を用いて角度(向き)等の調整を行う。この際、上述した装飾部材271が発光し続けていると、その光が目に入る等して作業を妨げる要因になり得る。これは、上記調整作業の妨げとなり得るため好ましくない。
このような不都合については、遊技機の電源をOFFにして装飾部材271(詳しくは発光体275)を消灯させることにより回避することができる。しかしながら、調整の都度遊技機の電源をOFFにする必要が生じると作業効率が低下してしまう。また、上述した調整については、遊技球が作動口83等へ所定の確率で入賞するようにして行われる。そして、調整後には実際に遊技球の発射を行って調整が上手くいっているかの確認が行われる。上記調整については1度で完了するとは限らず、場合によっては調整→確認を繰り返す必要が生じ得る。遊技球の発射は遊技機の電源がONになっていることが上限になる点に配慮しても、上述した電源のON/OFFを作業者に強いることになることは好ましくなく。
更には、遊技機ホール等で遊技機の清掃等のメンテナンス作業が行われる場合にも、装飾部材271(詳しくは発光体275)からの光が眩しくなることにより、当該作業がやりづらくなると懸念される。特に、盤面の清掃等を行う際には装飾部材271からの光によって汚れが目立ちにくくなることで汚れの取り残し等が発生し得る。これは、遊技機の見栄えの担保を妨げる要因になり得る。
本実施の形態では、上記事情等に鑑みて、それら各種不都合の発生を抑える工夫が施されていることを特徴の1つとしている。そこで以下、図13を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図13においては説明の便宜上、遊技領域形成体80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を破線等によって表示している。
既に説明したように、遊技盤ユニット80には、遊技領域形成体80aの後方となる位置に第2可動演出装置282〜第4可動演出装置284が配置されている。これら可動演出装置282〜284(詳しくは可動体)については、上記装飾部材271よりも遊技機前方(遊技領域形成体80a)側に位置している。
可動演出装置282〜284に設けられた可動体は、通常は破線で示されている待機位置に配置されることで、センターフレーム95及びステージ97によって遊技機前方から視認困難となるように隠されている。これら可動演出装置282〜284については、遊技進行に伴って特定演出が実行される場合に、図柄表示装置253の表示画面263aにおける表示演出に連動して待機位置から当該表示画面263aに重なる演出位置へ変位する構成となっている。
ここで、各可動演出装置282〜284の可動体については上記待機位置及び演出位置とは異なる位置であって、遊技領域PEに遊技機後方から重なる遮蔽位置への変位が許容されている。詳細については後述するが、前扉枠14が開放された場合には、それら可動体が待機位置から遮蔽位置に移動する構成となっている。
第2可動演出装置282の可動体については、上記遮蔽位置に配置されることにより、上作動口83aとその周辺に配置された釘部材93(所謂、命釘)及び同釘部材93に隣接する発光体275とに重なる構成となっている(1点鎖線参照)。これにより、それら発光体275からの光が可動体によって遮蔽され、当該光が同釘部材93やその周辺に照射されることが規制される。
第3可動演出装置283の可動体については、上記遮蔽位置に配置されることにより、ワープ通路96の流入口96aと、その周辺に配置された釘部材93及び同釘部材93に隣接する発光体275とに重なる構成となっている(1点鎖線参照)。これにより、それら発光体275からの光が可動体によって遮蔽され、当該光が同釘部材93やその周辺に照射されることが規制される。
第4可動演出装置284の可動体について、上記遮蔽位置に配置されることにより、スルーゲート84及び可変入賞装置82と、その周辺に配置された釘部材93及び同釘部材93に隣接する発光体275とに重なる構成となっている(1点鎖線参照)。これにより、それら発光体275からの光が可動体によって遮蔽され、当該光が同釘部材93やその周辺に照射されることが規制される。
このように、可動演出装置282〜284の可動体を遮蔽位置に変位させてそれら可動演出装置282〜284を遮蔽状態とすることにより、各種入球部周辺の釘への光の照射が規制されることとなる(遮られることとなる)。上述した、釘調整やメンテナンス等の作業については、これら入球部(特に可変式の入球部)やその周辺に配置された釘を対象に実施されやすい点に鑑みれば、このようにして光規制を行うことで、作業効率の向上に貢献することができる。
ここで、可動演出装置及びそれに関連する構成について図14及び図15の概略図を参照して具体的に説明する。なお、図14(図13の部分拡大図)及び図15(図13のA−A線部分断面図)では第3可動演出装置283について例示しているが、光規制に係る他の可動演出装置282,284についても動作に係る基本構造は同様となっている。そこで、これら可動演出装置282,284については説明を援用する。
図14に示すように、第3可動演出装置283の可動体291は板状をなし、一方の板面が遊技機前方を向くようにして配置されている。可動体291は遊技領域形成体80aの厚さ方向に延びる軸線を中心に回動可能となるようにして背面ブロック80b(詳しくはベース体251:図8等参照)の左枠部262に取り付けられている。
ベース体251には、可動体291用の駆動部としてステッピングモータ292が配設されている。ステッピングモータ292は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140から駆動信号が入力されることで回動して可動体291の姿勢を変化させるように構成されている。
具体的には、上記特定演出実行時には、報知・演出制御装置140から演出実行用の駆動信号がステッピングモータ292に出力されることで可動体291が時計回りに回動して待機位置から演出位置へと変位する。ベース体251の左枠部262(図15等参照)には第1ストッパ295が形成されており、可動体291がこの第1ストッパ295に当たることで、それ以上の回動が阻止されることとなる。第1ストッパ295に当接する位置が可動体291の演出位置である(2点鎖線参照)。
特定演出終了時には、報知・演出制御装置140から演出終了用の駆動信号がステッピングモータ292に出力されることで可動体291が反時計回りに回動して演出位置から遮蔽位置へと復帰する。ステッピングモータ292の回転角度(可動体291の回転位置)については出力される駆動信号のパルス数によって制御されている。このパルス制御により、復帰時の待機位置からのずれが抑えられている。
一方、上記光規制実行時には、報知・演出制御装置140から演出実行用の駆動信号がステッピングモータ292に出力されることで可動体291が反時計回りに回動して待機位置から遮蔽位置へと変位する。ベース体251の左枠部262(図15等参照)には第2ストッパ296が形成されており、可動体291がこの第2ストッパ296に当たることで、それ以上の回動が阻止されることとなる。第2ストッパ296に当接する位置が可動体291の遮蔽位置である(1点鎖線参照)。
光規制終了時には、報知・演出制御装置140から演出終了用の駆動信号がステッピングモータ292に出力されることで可動体291が時計回りに回動して遮蔽位置から待機位置へと復帰する。ステッピングモータ292の回転角度(可動体291の回転位置)については、出力される駆動信号のパルス数によって制御されている。このパルス制御により、復帰時の待機位置からのずれが抑えられている。
演出位置については可動体291が右側に傾倒した位置であり、遮蔽位置については可動体291が左側に傾倒した位置である。一方、待機位置については可動体291の傾倒が抑えられており、この姿勢になった場合に、演出位置及び遮蔽位置の何れかへの変位を促す外力が発生しないように工夫されている。
但し、上述した演出機能や光規制機能が発揮されるべきタイミングについては、特殊な状況に限られており、このような状況以外で可動体291が動作することは好ましくない。そこで、本実施の形態においては、可動体291が待機位置に復帰した場合に、当該待機位置からの移動を阻止するロック装置293が併用されている(図15(a)参照)。
ロック装置293は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140から所定の駆動信号が出力されている場合にロック状態からアンロック状態に切り替る。ロック状態では可動体291の待機位置からの移動が阻止され、アンロック状態では可動体291の各位置間での変位が許容されることとなる。
既に説明したように、センターフレーム95にはワープ通路96が形成されており、遊技領域PEにおいてワープ通路96の流入口96aの周辺には当該流入口96aへ遊技球を誘導する誘導通路を形成するようにして釘部材93(以下、誘導釘93Xともいう)が配列されている。図15に示すように、これら誘導釘93Xは、その後方に配置された発光体275Xからの光が遊技領域形成体80aの前面に照射される照射範囲SEと重なる位置に配されている。
既に説明したように、ワープ通路96を通じてステージ97に到達した遊技球は、ステージ97を経由しない遊技球と比較して、上作動口83aに入球する可能性が高くなるように設定されている。このため、上作動口83aへの入球確率は、誘導釘93Xの状態(向き等)によって左右されることとなる。ここで、仮に誘導釘93Xの調整を行おうとした場合には誘導釘93Xを正面に当該調整作業が行われやすい。故に、同調整作業を行う際にはそれら誘導釘93Xの後方に位置する発光体275Xからの光が作業者の目に入りやすくなる。
本実施の形態における可動体291は有色不透明な合成樹脂材料からなり、上述した遮蔽状態となることで、それら誘導釘93Xと発光体275Xとの間に割り込むことにより、同発光体275Xからの光を遮蔽する。より詳しくは、可動体291の前面には、女の子のキャラクタが付与された装飾領域DEと、装飾が付与されていない非装飾領域NEとが設けられている。装飾領域DEはキャラクタの形に合わせて凹凸となっており(図15(a)参照)、部位毎に色を変えることで見栄えの向上が実現されている。これに対して、非装飾領域NEについては、平坦且つ光の反射率の低い色(詳しくは黒色)で統一されており、見栄え等には配慮されていない。
ここで、図15〜図17を参照して可動演出装置283の動作に伴う周辺構成との位置関係の変化について補足説明する。図16は演出状態となっている可動演出装置283を示す概略図、図17は遮蔽状態となっている可動演出装置283を示す概略図である。
先ず、特定演出が実行される場合の可動演出装置283の動作について説明する。特定演出が実行される場合には、先ずロック装置293がロック状態からアンロック状態に切り替り、その後、図15→図16に示すように可動体291が待機位置から演出位置へと変位する。これにより、可動体291の装飾領域DEがセンターフレーム95の背後から表示画面263a側へと突出し、女の子のキャラクタが遊技機前方から視認可能となる。
可動体291が第1ストッパ295に当ってそれ以上の回動が不可となる演出位置に到達した状態では、図16に示すように、非装飾領域NEがセンターフレーム95と重なる位置に留まる。このように、非装飾領域NEを隠したままとして当該非装飾領域NEの露出を抑えることにより、特定演出実行時の可動体291の見栄えの低下が抑えられている。
次に、光規制が実行される場合の可動演出装置283の動作について説明する。光規制が実行される場合には、先ずロック装置293がロック状態からアンロック状態に切り替り、その後、図15→図17に示すように可動体291が待機位置から遮蔽位置へと変位する。これにより、可動体291の非装飾領域NEがセンターフレーム95の背後から遊技領域PE側(表示画面263aとは反対側)へと突出し、非装飾領域NEが遊技機前方から視認可能となる。
可動体291が第2ストッパ296に当ってそれ以上の回動が不可となる遮蔽位置に到達した状態では、図17に示すように、非装飾領域NEが発光体275Xと誘導釘93Xとの間に割り込むこととなる。これにより、発光体275Xからの光が上記照射範囲SEに到達することが回避される。また、この状態では装飾領域DEがセンターフレーム95と重なる位置に留まる。このように、装飾領域DEを隠したままとして当該装飾領域DEの露出を抑えることにより、光規制実行時に誘導釘93Xの背後の模様によって誘導釘93Xが見えづらくなることが回避されることとなる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図18のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば入球検知センサや位置検知センサ)などが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。
上記センサ群を構成する入球検知センサの一例として、一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83b及びスルーゲート84などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、これら各種検知センサからの検知情報に基づいて主制御装置162のMPU602では各入球部への入賞判定(入球判定)を行う。MPU602では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
また、上記センサ群を構成する位置検知センサの一例として前扉枠14用の開放検知センサ79aや遊技機主部12(内枠13)用の開放検知センサ79bが接続されており、主制御装置162のMPU602においてはこれら各開放検知センサ79a,79bからの検知信号に基づいて開放判定が行われる。
なお、主制御装置162に接続された上記各種センサについては、遊技機における電源投入時に同主制御装置162により断線の有無が確認され、仮に断線の可能性があると判定された場合にはその旨の報知等が実行される。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140(詳しくは報知・演出制御基板701)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置82の開閉扉を開閉動作させる可変入球駆動部82b、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物用の駆動部91b及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
例えば、大当たり当選を契機として移行する開閉実行モードでは可変入賞装置82の開閉扉93aが開閉されるように、MPU602において可変入球駆動部82bの駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物用の駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置725を制御するものである。
報知・演出制御基板701は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて各種ランプ部26〜28、発光基板276、スピーカ部29及び表示制御装置725を制御するものである。演算装置であるMPU702は、そのMPU702により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。
予め設定された期間に亘って遊技が行われていない場合には、図柄表示装置253にてデモ表示を実行すべく報知・演出制御装置140から表示制御装置725にデモ表示コマンドが出力される。報知・演出制御装置140のMPU702では、これに合わせてスピーカ部29からの音声の出力を停止し、各種ランプ部26〜28及び発光基板276の発光態様をデモ表示(省電力モード)に対応するものに切り替える。これにより、遊技機がデモ表示状態となる。
表示制御装置725では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
(特定演出について)
本実施の形態におけるリーチ演出は、可動演出装置281〜284の動作を伴わない通常演出と、可動演出装置281〜284の動作を伴う特定演出(連動演出)とに大別される。特定演出は、第1可動演出装置281を動作させる第1種特定演出と、第2可動演出装置282を動作させる第2種特定演出と、第3可動演出装置283を動作させる第3種特定演出と、第4可動演出装置284を動作させる第4種特定演出とが設定されており、特定演出が行われる場合には報知・演出制御装置140のMPU702にてどの特定演出を行うかの選択がなされる。
ここで、第3可動演出装置283に係る第3種特定演出が実行される場合に、報知・演出制御装置140のMPU702にて実行される第3種特定演出用制御処理を図19(a)のフローチャートを参照して説明する。第3種特定演出用制御処理は、報知・演出制御装置140のMPU702にて定期的(例えば4msec毎)に起動される通常処理の一環として実行される処理である。
(第3種特定演出用制御処理)
第3種特定演出用制御処理においては、先ずステップS101にて今回の遊技回が第3種特定演出に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS101にて否定判定をした場合には、そのまま本特定演出用制御処理を終了する。一方、ステップS101にて肯定判定をした場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、第3種特定演出の実行タイミング、詳しくは第3可動演出装置283を演出状態に切り替えるタイミングとなったか否かを判定する。ステップS102にて肯定判定をした場合には、ステップS103にてロック装置293をロック状態からアンロック状態に切り替える処理を行う。その後、ステップS104にて第3可動演出装置283を待機状態から演出状態に切り替える処理を実行して本特定演出用処理を終了する。これにより、センターフレーム95の背後に隠れていたキャラクタの装飾が表示画面263aの前方へ突出して、遊技者から視認可能となる。
ステップS102の説明に戻り、当該ステップS102にて否定判定をした場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、第3種特定演出の終了タイミングとなったか否か、詳しくは第3可動演出装置283を待機状態に切り替えるタイミングとなったか否かを判定する。ステップS105にて否定判定をした場合には、そのまま本特定演出用制御処理を終了する。
ステップS105にて肯定判定をした場合には、ステップS106にて第3可動演出装置283を演出状態から待機状態に切り替える処理を実行する。これにより、表示画面263aの前方へ突出していたキャラクタの装飾がセンターフレーム95の背後に隠れて、遊技者から視認不可となる。その後、ステップS107にてロック装置293をアンロック状態からロック状態に切り替える処理を行い、本特定演出用処理を終了する。
既に説明したように、本実施の形態においては、演出に使用される可動装置を利用して光規制を行うことを特徴の1つとしている。ここで、報知・演出制御装置140のMPU702にて実行される光規制用制御処理を図19(b)のフローチャートを参照して説明する。光規制用制御処理は、報知・演出制御装置140のMPU702にて定期的(例えば4msec毎)に起動される通常処理の一環として実行される処理である。
(光規制用制御処理)
光規制用制御処理においては先ず、ステップS201にて光規制を行っている最中か否かを判定する。ステップS201にて否定判定をした場合にはステップS202に進む。ステップS202では、主制御装置162からのコマンド、詳しくは開放検知センサ79aからの検知情報に基づいて出力される開放検知コマンドを受信しているか否かに基づいて、前扉枠14が開放されているか否かを判定する。
ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS203にて前扉枠14の開放角度が予め設定された所定角度(例えば10度)よりも大きくなっているか否かを判定する。本実施の形態における開放検知センサ79aには、開放の有無を検知する機能に加え開放角度を検知する機能(詳しくは開放角度が所定角度を超えたことを検知する機能)が付与されている。主制御装置162のMPU602ではこの検知センサ78aからの検知情報に基づいて前扉枠14の開放角度が予め設定された所定角度よりも大きくなっているか否かを判定し、開放角度が所定角度よりも大きくなった場合には角度検知コマンドを報知・演出制御装置140に出力する。報知・演出制御装置140では、この角度検知コマンドを受信しているか否かに基づいて、ステップS203の判定を行う。
ステップS202又はステップS203にて否定判定をした場合には、光規制の実行条件を満たしていないこととなり、そのまま本光規制用制御処理を終了する。一方、ステップS202,S203にて肯定判定をした場合には、ステップS204に進む。
ステップS204では、ロック装置293をロック状態からアンロック状態に切り替える処理を行う。その後、ステップS205にて第3可動演出装置283を待機状態から遮蔽状態に切り替える処理を実行して、本特定演出用処理を終了する。これにより、センターフレーム95の背後に隠れていた可動体291(詳しくは非装飾領域NE)が誘導釘93Xと発光体275Xとの間に割り込んで発光体275Xからの光が遊技機前方へ照射されることが規制される。
ステップS201の説明に戻り、当該ステップS201にて肯定判定をした場合、すなわち光規制を実行中であると判定した場合にはステップS206に進む。ステップS206では前扉枠14が閉鎖されているか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から閉鎖検知コマンドを受信したか否かに基づいて当該判定を行う。ステップS206にて否定判定をした場合には、未だ光規制を終了する条件が成立していないものとして本光規制用制御処理を終了する。
一方、ステップS206にて肯定判定をした場合には、ステップS207以降の光規制終了処理を実行する。具体的には、先ずステップS206にて第3可動演出装置283を遮蔽状態から待機状態に切り替える処理を実行する。これにより、表示画面263aとは反対側へ突出していた可動体291がセンターフレーム95の背後に隠れて、遊技者から視認不可となる。その後、ステップS207にてロック装置293をアンロック状態からロック状態に切り替える処理を行い、本光規制用処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技機の出荷前の検査工程等にて釘部材93等の遊技部品の最終調整等を行う際には、アセンブリ化された遊技機の前扉枠14を開放して当該作業が行われる。この際、前扉枠14を開放することにより、発光体275からの光が遊技機前方に照射されることが規制される。これにより、発光体275からの光が目に入る等して作業の妨げになることを好適に抑制できる。また、遊技領域形成体80aの清掃等を行う場合には、光が邪魔になって汚れが目立ちにくくなるが、発光体275からの光を規制することにより、そのような不都合の発生も好適に抑制できる。
特に、釘部材93の調整を行う場合には、釘に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。また、釘調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本実施の形態に示した構成によれば、これら各種不都合を払拭し、作業性の向上に貢献できる。
発光体275からの光の照射範囲に釘部材93があれば、釘部材93に注目した際に光が目に入る可能性が高くなり、上述した不都合が顕著に発生することとなる。このような事情に配慮して、照射範囲を外すように釘部材93を配置しようとすれば、釘部材93及び発光体275(発光タイプの装飾部材271)の配置に係る制約が強まり、多様な遊技球の動きを実現して遊技の単調化を抑制したり、遊技機の見栄えを向上したりすることが困難になる。
この点、本実施の形態に示す構成によれば、照射範囲に配置された所定の釘部材93(例えば誘導釘93X)を注視した場合であっても、発光体275からの光が目に入らないように規制される、このため、例えば光が過度に直接的になることを抑制して遊技者の目に係る負担を軽減できる。故に、上述した配置に係る制約を抑えつつ各種作業のやりづらさを解消できる。
流入口96aへ遊技球を誘導する誘導釘93Xについては、遊技進行に与える影響が大きくなりやすい。例えば、製造時にこのような釘の向きがばらついてしまった場合には、遊技者や遊技ホールが不測の不利益を被る可能性が高くなると想定される。このような事情から、上記誘導釘93Xは検査や調整の対象になりやすい。そこで、このような調整の対象になりやすいものについて、上述した光規制を行う構成とすれば、上述した作業性向上効果を好適に発揮できる。
前扉枠14の開閉に応じて可動体が発光体275に対して遊技機前方から重なる状態と重ならない状態に切り替わる構成とすることにより、前扉枠14を閉じた状態では発光体275(装飾部材271)による遊技演出や見栄えの向上を実現しつつ、前扉枠14を閉じた状態では上記光規制機能を好適に発揮させることができる。
演出を行う際にはセンターフレーム95の背後に隠れている可動体が演出位置へと移動する。この種の可動演出装置を規制手段として利用することにより、既存の構成を上手く利用して光規制機能の追加に起因した構成の複雑化を抑制することができる。
光規制を行う部位に何らかの装飾が付与されていると、その装飾が釘部材93等を見えづらくする要因になり得る。この点、本実施の形態では光規制手段として機能する可動体に非装飾領域NEを設け、光規制を行う際にはこの非装飾領域NEを利用する構成とすることにより、上述した不都合の発生を好適に回避し、更なる作業性の向上に貢献している。
本実施の形態においては可動演出装置(可動体)の見栄えを担保すべく、演出実行時においても可動体の一部がセンターフレーム95やステージ97等の遊技部品に重なったままとなるように構成している。このようにして、可動体の端面の露出を抑えることにより、可動体の見栄えの向上に貢献できる。このように、重なりを残す構成によれば、可動体にて演出用の装飾領域DEと光規制用の非装飾領域NEとを好適に共存させることができる。
前扉枠14は遊技中に遊技領域PEにて球詰まり(所謂ぶどう)が発生した場合にも開放される可能性がある。このような場合に、光規制が行われると遊技者を困惑させる可能性が生じる。上述した球詰まりについては球零れを回避すべく前扉枠14を僅かに開放することで解消されることが多い。そこで、本実施の形態に示したように、そのような実情を考慮して、前扉枠14の開放角度が所定角度(本実施の形態では10度)よりも大きくなっている場合に光規制を許容する一方、前扉枠14の開放角度が所定角度よりも小さくなっている場合に光規制を不可とする構成にすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。なお、メンテナンス等の作業を行う場合には、前扉枠14は少なくとも45度よりも大きく開いた状態になり得るため、当該構成によって、光規制機能が上手く活用されなくなることは好適に回避できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、光規制の契機を前扉枠14の開放とすることにより、各種作業の開始前に発光体275からの光の遊技機前方への照射を規制する構成としたが、本実施の形態においては、光規制の実行条件が上記第1の実施の形態とは異なっている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態の光規制に係る構成について説明する。
遊技球が流下する遊技領域PEが形成された遊技機では、遊技球の挙動が遊技者の利益に関与する。このため、遊技機を叩いたり揺すったりすることにより、遊技球の動きを操るといった不正行為が行われる場合がある。このような行為は、遊技機の耐久性を低下させたり、遊技ホールが不測の不利益を被ったりする要因になり得るため好ましくない。
本実施の形態における遊技領域形成体80aには、振動を検知する振動検知センサ801が設けられている(図6の2点鎖線参照)。振動検知センサ801は主制御装置162に接続されており(図18の2点鎖線参照)、主制御装置162ではこの振動検知センサ801からの検知情報(検知信号)に基づいて、遊技機(詳しくは遊技領域形成体80a)に振動が加わっているか否かを把握することが可能となっている。このような振動を検出した場合に、異常報知(振動を検出した旨の報知)を実行することにより、上記各種不都合の発生を抑制することが可能となっている。
ここで、図20のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU602にて実行される振動検出処理について説明する。振動検出処理は、主制御装置162のMPU602により定期的(例えば4msec毎)に起動される通常処理の一環として実行される処理である。
(振動検出処理)
振動検出処理においては、先ずステップS301にて上述した異常報知又は可動演出装置283等による発光体275(装飾部材271)の光規制が実行されているか否かを判定する。ステップS301にて肯定判定をした場合には、本振動検出処理を終了する。
ステップS301にて否定判定をした場合には、ステップS302に進む。ステップS302では、前扉枠14が開放されているか否かを判定する。具体的には、振動検知センサ801から前扉枠14用の開放検知コマンドが入力されているか否かを参照して、当該判定を行う。ステップS302にて否定判定をした場合にはステップS303に進み、第1振動判定処理を実行した後、本振動検出処理を終了する。ここで、図21(a)のフローチャートを参照して、第1振動判定処理について説明する。
(第1振動判定処理)
第1振動判定処理においては先ず、ステップS401にて振動検知センサ801の信号がON(例えばHIレベル信号)になっているか否かを判定する。ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた振動検知カウンタBSの加算処理(更新処理)を実行する。具体的には、振動検知カウンタBSの値を「3」インクリメントする。ステップS402の処理を実行した後は、ステップS403に進む。
ステップS403では、更新された振動検知カウンタBSの値が第1判定値を上回っているか否かを判定する。ステップS403にて否定判定をした場合には、そのまま本判定処理を終了する。
一方、ステップS403にて肯定判定をした場合には、ステップS404に進み異常報知実行処理をした後、本判定処理を終了する。異常報知実行処理では、図柄表示装置253の表示画面263a及びスピーカ部29により振動を検出した旨の報知(例えば警告)を行うべく、報知・演出制御装置140に異常報知コマンドを出力する。
ステップS401にて否定判定をした場合には、ステップS405にて振動検知カウンタBSの減算処理(更新処理)を実行した後、本判定処理を終了する。なお、ステップS405の処理においては、振動検知カウンタBSの値を「2」ディクリメントする。
遊技球を使用するタイプの遊技機においては、遊技球が遊技領域PEへ向けて発射されたり、遊技領域PEを遊技球が流下したりする際に振動が発生する。また、前扉枠14には演出用の操作ボタン(図示略)等の操作手段が存在しているため、当該操作手段が操作されることで振動が発生する。仮にこのような振動をうけて(微小な振動やノイズ等の影響によって)異常報知が実行された場合には、遊技者の遊技意欲を減退させる要因となるため好ましくない。そこで、本実施の形態においては、このような過敏な反応を抑えるための工夫が施されている。当該工夫については後述する。
(異常報知用制御処理)
次に、図21(b)のフローチャートを参照して、上記異常報知コマンドに基づいて報知・演出制御装置140により実行される異常報知用制御処理について説明する。異常報知用制御処理は、報知・演出制御装置140のMPU702にて定期的(例えば4msec毎)に起動される通常処理の一環として実行される処理である。
異常報知用制御処理においては先ず、ステップS501にて異常報知を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS502に進む。
ステップS502では、主制御装置162から異常報知コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS502にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知用制御処理を終了する。ステップS502にて肯定判定をした場合には、ステップS503にて異常報知処理を実行した後、本異常報知用制御処理を終了する。
異常報知処理においては、スピーカ部29から警告音を出力する処理を実行するとともに、図柄表示装置253の表示画面263aにて所定のメッセージ(例えば警告)を表示させるためのコマンドを表示制御装置725に出力する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS504に進む。ステップS504では異常報知開始時に設定された異常報知期間が経過したか否かを判定する。ステップS504にて異常報知期間が経過していないと判定した場合、すなわち異常報知の終了条件が成立していないと判定した場合には、そのまま本異常報知用制御処理を終了する。
一方、ステップS504にて肯定判定をした場合には、ステップS505にて異常報知解除処理を実行した後、本異常報知用制御処理を終了する。異常報知解除処理においては、スピーカ部29からの警告音の出力を停止する処理を実行するとともに、図柄表示装置253における所定のメッセージの表示を終了させるためのコマンドを表示制御装置725に出力する。
このように、前扉枠14が閉じている状況下では振動検知センサ801が異常検知手段として機能することとなる。一方、前扉枠14が開いている状況下では振動検知センサ801が作業検知手段として機能することとなる。ここで、図20及び図22(a)のフローチャートを参照して、当該作業検知に基づく光規制の流れについて説明する。
(第2振動判定処理)
振動検出処理(図20)のステップS302にて肯定判定をした場合、すなわち前扉枠14が開放されていると判定した場合には、ステップS304の第2振動判定処理に進む。図22(a)に示すように、第2振動判定処理においては先ず、ステップS601にて前扉枠14の開放角度が上記所定角度よりも大きくなっているか否かを判定する。
ステップS601にて否定判定をした場合には、そのまま本判定処理を終了する。ステップS601にて肯定判定をした場合にはステップS602に進み、振動検知センサ801の信号がON(例えばHIレベル信号)になっているか否かを判定する。ステップS602にて肯定判定をした場合にはステップS603に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた振動検知カウンタBSの加算処理(更新処理)を実行する。具体的には、振動検知カウンタBSの値を「3」インクリメントする。ステップS603の処理を実行した後は、ステップS604に進む。
ステップS604では、更新された振動検知カウンタBSの値が第2判定値を上回っているか否かを判定する。ステップS604にて否定判定をした場合には、そのまま本判定処理を終了する。ここで、第2判定値(例えば「10」)は、上記第1判定値(例えば「20」)よりも低く設定されている。つまり、異常報知に係る振動の判定基準よりも光規制に係る振動の判定基準の方が緩くなっている。これは、前扉枠14後の作業をいち早く検知するための工夫である。
一方、ステップS604にて肯定判定をした場合にはステップS606に進み、光規制用処理をした後、本判定処理を終了する。光規制用処理では、発光体275(装飾部材271)からの光が遊技機前方に照射されることを規制するべく、報知・演出制御装置140に光規制コマンドを出力する。
ステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS605にて振動検知カウンタBSの減算処理(更新処理)を実行した後、本判定処理を終了する。なお、ステップS405の処理においては、振動検知カウンタBSの値を「2」ディクリメントする。
(光規制用制御処理)
次に、図22(b)のフローチャートを参照して、上記光規制コマンドに基づいて報知・演出制御装置140により実行される光規制用制御処理について説明する。光規制用制御処理は、報知・演出制御装置140のMPU702にて定期的(例えば4msec毎)に起動される通常処理の一環として実行される処理である。
光規制用制御処理においては先ず、ステップS701にて光規制を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS701にて否定判定をした場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では、主制御装置162から光規制コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS702にて否定判定をした場合には、そのまま本光規制用制御処理を終了する。ステップS702にて肯定判定をした場合には、ステップS703にて光規制処理を実行した後、本光規制用制御処理を終了する。
光規制処理においては、可動演出装置282〜284を待機状態から遮蔽状態に切り替える処理を実行する。これにより、発光体275からの光が遊技機前方に照射されることが規制されることとなる。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて肯定判定をした場合には、ステップS704に進む。ステップS704では主制御装置162から前扉枠14の閉鎖を示す閉鎖検知コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS704にて前扉枠14が閉鎖されていないと判定した場合、すなわち光規制の終了条件が成立していないと判定した場合には、そのまま本光規制用制御処理を終了する。
一方、ステップS704にて肯定判定をした場合には、ステップS705にて光規制解除処理を実行した後、本光規制用制御処理を終了する。光規制楷書処理においては、可動演出装置282〜284を遮蔽状態から待機状態に復帰させる処理を実行する。
既に説明したように、本実施の形態においては、遊技機に設けられた振動検知センサ801を異常報知及び光規制の実行トリガとして併用している。ここで、これら各機能を好適に発揮させるには、ノイズ等の影響を払拭して、検知すべき振動を検知できるように検知精度の向上を図ることが好ましい。そこで以下、本実施の形態における検知精度向上に係る工夫を、図23のタイミングチャートを参照して説明する。
先ず振動のパターンについて説明する。そもそも、遊技球を使用するタイプの遊技機においては、遊技領域PEへ向けて発射された遊技球が当該遊技領域PEに到達したり、遊技領域PEを遊技球が流下したりする際に振動が発生する(パターン1)。但し、遊技領域PEを移動する遊技球の勢いは釘部材93の塑性変形が回避されるレベルに抑えられている。このため、これらの振動については振幅が比較的小さくなる。
一方、前扉枠14が叩かれる等した場合に生じる振動は振幅については、遊技領域PEを流下中の遊技球の挙動を変化させることを目的とする場合や、遊技機の破壊を目的とする場合に、比較的大きくなりやすい(パターン2)。そして、釘部材93の調整が行われる際には、この釘部材93を塑性変形させるほどの力が加わるため、これに起因した振動の振幅も比較的大きくなりやすい(パターン3)。
これらの事情に鑑みて、振動検知センサ801の感度については、パターン2及びパターン3を検知する一方でパターン1を検知しないレベルに設定されている。
ここで、振動検知センサ801から主制御装置162に入力される2値信号は図23のようにON/OFF(HI/LOW)を繰り替えすものとなる。ここで、振動検知センサ801からの信号の読み込みは、タイミングt1〜タイミングt25に示すように定期的に実行されるため、1度の検知結果で確実な判断をすることは困難になる。そこで、読み込みタイミングにて振動検知センサ801がONである場合に、振動検知カウンタBSの値を「3」加算し、振動検知センサ801がOFFである場合には振動検知カウンタBSの値を「2」減算する構成としている。振動はパターンAに示すように、じょじょに減衰しながらある程度の期間に亘って継続されるため、上記構成とすることにより、検知精度を好適に向上できる。
例えば、複数の遊技球が1塊となって釘部材93に衝突した場合には、想定以上の衝撃が発生する可能性は否定できない(パターンB参照)。しかしながら、このような衝撃についても、上述の如く釘部材93を塑性変形させる程に大きくはならないため、一時的に振幅が検知レベルの下限を超えたとしても、当該振動によって判定値を超えることはない。
特に、遊技球の衝突については専ら前扉枠14が閉じている場合に発生するものでありこの場合の判定値(第1判定値)は、前扉枠14が開いている場合の判定値(第2判定値)よりも小さい。これにより、仮に振動検知センサ801によって、遊技球の衝突に起因した振動が検知されたとしても、それにより、振動検知カウンタBSの値が判定値に達することは好適に回避される。
なお、球詰まりの解消を目的として前扉枠14が僅かに開放された場合には、判定値が第1判定値→第2判定値に切り替るが、この場合には、振動検知自体が無効化されるため、球詰まり解消直後に発生する大きな振動によって光規制が意図せずして実行されることは回避されることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技機の製造時や出荷前の検査等の各工程にて釘部材93の調整を行う場合には、釘部材93に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。特に、調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本実施の形態に示す構成によれば、前扉枠14が開放された場合に、振動検知の結果に基づいて、発光体275(装飾部材271)からの光が遊技機前方に照射されることが規制される。つまり、釘部材93の調整等を行う場合には、釘部材93を叩くことで発生した振動を契機として、光が規制されることとなる。故に、発光体275からの光が眩しくなることを抑制し、作業性の向上に貢献できる。
本実施の形態に示す遊技機には台叩き等から遊技機を守ったり利益の不正取得を回避したりすること等を目的として振動検知センサ801が設けられている。例えば遊技中にこのような行為に起因した振動を検知した場合には異常報知等が実行される。このような構成を利用することで、遊技機の防御機能の向上効果と作業性の向上効果とを発揮させる上で、遊技機の構成が過度に複雑になることを好適に抑制できる。
前扉枠14を閉じている場合(例えば遊技を行っている最中)は遊技者が意図せずして遊技機にぶつかる等して故意でない振動が発生する場合がある。また、遊技機においては遊技球を発射することにより遊技が行われるため、遊技進行上振動の発生を完全に回避することは困難である。一方、前扉枠14の開放は専ら遊技機の製造時やメンテナンス等の作業を行う場合に行われる。この作業が釘部材93の調整を目的として行われる場合に、上記光規制の応答性が悪くなると、光規制機能が上手く享受されなくなると懸念される。
この点、本実施の形態に示すように、光規制を実行するための振動検知に係る実行条件は、異常報知を実行するための振動検知に係る実行条件よりも成立しやすい設定とすれば、異常報知が過敏になることを抑制し、光規制を行う際の応答性を向上させることが可能となる。
振動検知センサ801によって遊技機の振動を検出する場合には、前扉枠14に振動検知センサ801を設けることも可能である。但し、釘部材93へアクセスする場合には前扉枠14が開放されているため、釘部材93を通じて遊技領域形成体80aに伝わる振動は前扉枠14に伝わる前に減衰しやすい。特に、ハンマ等によって釘を叩いた際の振動については前扉枠14等を手で叩いた場合と比較して振幅が小さく且つ周波数が高いため上記減衰が顕著に発生すると懸念される。この点、振動検知センサ801を遊技領域形成体80aに取り付ければこのような不都合を好適に解消できる。ここで、台叩き等に起因した振動は振幅が大きく且つ周波数が低くなるため前扉枠14から遊技領域形成体80aへ伝播しやすい。故に、振動検知センサ801を遊技領域形成体80aに取り付けたとしても振動検知機能が上手く発揮されなくなることは好適に回避される。以上の理由から、本実施の形態に示す振動検知センサ801の配置には明確な技術的意義が存在する。
調整等の作業が終了した場合には前扉枠14が閉じられることとなる。そこで、前扉枠14が閉じたことを契機として光規制を終了する構成とすれば、上述した作業性の向上効果を好適に発揮させることができる。
振動検知カウンタBSの値と判定値とを比較して光規制の可否の判定を行う構成とした。釘調整を行う際に発生する振動がどの程度の大きさになるかは、作業者の力の入れ具合等によって変化し得る。ここで、本実施の形態では、振動検知カウンタBSの値は振動検知センサがOFFになって即座に初期値「0」に復帰するわけではなくOFFを連続して検出することで減算されて徐々に「0」に近づく構成となっている。このため、1度の釘叩きで振動検知カウンタBSの値が判定値に届かない場合であっても、次の釘叩きが続けざまに行われることで振動検知カウンタBSの値が「0」になる前に再加算されて判定値に到達する可能性が高くなる。
実際に釘調整を行う場合にはハンマ等を用いて釘を力任せに叩くよりも、釘の変形度合いを見計らうようにして釘叩きを繰り返しながら徐々にその力を強くすることが多い。本実施の形態に示す構成によれば、このような実情を光規制に好適に反映させることができる。
また、振動センサがONとなっている場合に、振動検知カウンタBSの値を「3」加算し、振動検知カウンタBSの値を「2」減算する構成として、加算値よりも減算値を少なくしている。このような差を設定することにより、上述の如く1度の釘叩きにより振動検知カウンタBSの値が判定値に到達しない場合であっても、先の検出結果を後の検出に反映させやすい構成が実現される。
なお、光規制が開始されてから予め定められた期間の経過によって光規制を終了する構成とすることも可能である。但し、作業ペース等は作業者や遊技機の状態によって様々になり得る。このような事情に鑑みれば、作業終了の合図(前扉枠14の閉鎖)をもって光規制を行うことにより、作業中に光規制が終了することを好適に回避できる。また、光規制が開始された後は前扉枠14が閉じるまで振動検知(判定)を行う必要がなくなるため、制御負荷の軽減にも貢献できる。
<第3の実施の形態>
上述した第2の実施の形態では光規制の解除契機を前扉枠14の閉位置の復帰としたが、本実施の形態ではこの解除契機がそれら実施の形態とは異なっている。以下、本実施の形態における光規制に係る構成について第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
先ず図24を参照して、主制御装置162のMPU602にて実行される第2振動判定処理について説明する。第2振動判定処理においては先ず、ステップS801にて前扉枠14の開放角度が上記所定角度よりも大きくなっているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合には、そのまま本判定処理を終了する。ステップS801にて肯定判定をした場合にはステップS802に進み、振動検知センサ801の信号がON(例えばHIレベル信号)になっているか否かを判定する。ステップS802にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた振動検知カウンタBSの加算処理(更新処理)を実行する。具体的には、振動検知カウンタBSの値を「3」インクリメントする。なお、振動検知カウンタBSの値が上限値となっている場合には、上限値に維持する。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて振動検知カウンタBSの減算処理(更新処理)を実行する。なお、ステップS805の処理においては、振動検知カウンタBSの値を「2」ディクリメントする。なお、振動検知カウンタBSの値が下限値(「0」)となっている場合には、下限値に維持する。
ステップS803,S804の処理を実行した後は、ステップS805に進む。ステップS805では、更新された振動検知カウンタBSの値が第2判定値以上となっているか否かを判定する。ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS806に進み、光規制用処理をした後、本判定処理を終了する。光規制用処理では、光規制を行っている状況下においてはその状態を維持し、光規制を行っていない場合には発光体275(装飾部材271)からの光が遊技機前方に照射されることを規制するべく報知・演出制御装置140に光規制コマンドを出力する。
一方、ステップS805にて否定判定をした場合には、ステップS807に進み、光規制解除用処理をした後、本判定処理を終了する。光規制解除用処理では、光規制を行っていない状況下においてはその状態を維持し、光規制が行われている場合には光規制を解除するべく、報知・演出制御装置140に光規制解除コマンドを出力する。
報知・演出制御装置140では、光規制を行っていない状況下にて上記光規制コマンドを受信することにより光規制を開始し、光規制を行っている状況下にて上記光規制解除コマンドを受信することにより光規制を終了する。
ここで、本実施の形態における振動検知カウンタBSは光規制が行われているか否かに関係なく更新される構成となっており、その上限値は、上記判定値よりも大きく設定されている。振動検知カウンタBSの値が判定値を超えている場合には、その差分により振動非検出状態にて光規制が継続される継続期間が規定されることとなる。
以下、図25のタイミングチャートを参照して、光規制状態への移行、光規制状態の解除の流れを説明する。なお、図25のタイミングチャートにおける前半部分、すなわち光規制状態へ移行するまでの流れについて、上述した第2の実施の形態とは別のパターンについて例示している。
既に説明したように、振動検知センサ801から主制御装置162に入力される2値信号は図25のようにON/OFF(HI/LOW)を繰り替えすものとなる。振動検知センサ801からの信号の読み込みは、タイミングt1〜タイミングt25に示すように定期的に実行されるため、1度の検知結果で確実な判断をすることは困難になる。そこで、読み込みタイミングにて振動検知センサ801がONである場合に、振動検知カウンタBSの値を「3」加算し、振動検知センサ801がOFFである場合には振動検知カウンタBSの値を「2」減算する構成としている。振動はパターンAに示すように、じょじょに減衰しながらある程度の期間に亘って継続されるため、上記構成とすることにより、検知精度を好適に向上できる。
図23に例示したパターンでは、釘調整を行う際にハンマ等の工具で釘を1度叩いたことにより、光規制を行うのに十分な振動が検知されていた。しかしながら、実際に釘調整を行う場合にはハンマ等を用いて釘を力任せに叩くよりも、釘の変形度合いを見計らうようにして釘叩きを繰り返しながら徐々にその力を強くすることが多い。この場合、1度の釘が繰り返し叩かれることにより、小さな振動が繰り返すこととなる。
図25に示す振動発生パターンでは、1度目の振動が完全に消える前に2度目の振動が発生している。1度目の振動により光規制条件の成立には到らないが、2度目の振動により光規制条件が成立することとなる。2度目の振動発生時には振動検知カウンタBSの値が「0」に戻る前に再び増加に転じる。故に、1度目の振動発生時よりも判定値に到達しやすいくなる。
振動検知カウンタBSの値が判定値を超えると、光規制が開始されることとなる。この光規制は、振動検知カウンタBSの値が減少して判定値を下回るまで継続されることとなる。同図25においては、釘に繰り返しハンマ等の工具が当たることにより、振動が続き、振動検知カウンタBSの値は釘調整が終わるまで増加することになる。つまり、一旦光規制状態となった後は、釘調整が終わるまで光規制が継続されやすくなっている。
釘調整が終了したのちは、振動の発生が抑えられることとなり、振動検知カウンタBSの値は順次減少する。そして、振動検知カウンタBSの値が判定値を下回ったタイミングにて光規制が解除されることとなる。
本実施の形態においては、振動検知カウンタBSの値に基づいて光規制が実行され、釘調整の有無を光規制に好適に対応付けることが可能となっている。光規制期間については、振動検知カウンタBSの値に依存している。つまり、振動検知カウンタBSに、光規制期間用のタイマカウンタとしての機能を付与している。これにより、光規制機能の導入に起因した構成の複雑化を好適に抑制することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、「扉体」としての前扉枠14が開放された場合に、「光規制手段」としての可動演出装置282〜284によって「発光部」としての発光体275からの光を遮蔽する構成としたが、発光体275から遊技機前方へ照射される光を規制できるのであれば、光を遮蔽する必要は必ずしもない。
例えば、可動体291等が光を透過可能な構成においては、同可動体291等を不透明とすることにより遊技機前方へ照射される光量を減らすことで、発光体275から遊技機前方へ照射される光を規制してもよい。また、可動体291等に光拡散部を設け、発光体275からの光が当該可動体291を通過することで拡散される構成とすることにより、光の強度を下げる構成とすることも可能である。これにより、発光体275からの光が過度に直接的になることを抑制し、眩しさを軽減することができる。
(2)作業時の眩しさを抑える上では、必ずしも遊技機前方への光を規制する必要はなく、光の照射範囲を変更する構成とすることも可能である。例えば「発光部」としての発光体275Xと「所定の釘」としての釘部材93Xとについては、上記第2可動演出装置282等によって光規制を行う構成に代えて、発光体275Xと釘部材93Xとの位置関係を変更する構成を採用することも可能である。
具体的には、遊技盤ユニット80を構成する遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとを相対位置の変更が許容される構成とし、それら遊技領域形成体80a及び背面ブロック80bの少なくとも何れかを前扉枠14の開閉動作に基づいて所定の方向(例えば上下方向や左右方向)に変位させる構成とすることも可能である。この際、遊技領域形成体80a及び背面ブロック80bの相対変位量は、発光体275Xの光の照射範囲から釘部材93Xが外れるように設定することが好ましい。
なお、釘部材93Xと発光体275Xとの位置関係を変更できるのであれば、必ずしも背面ブロック80bや遊技領域形成体80aを可動式とする必要はなく、例えば発光体275が実装された発光基板276を可動式とすることも可能である。
因みに、このような相対変位を実現させるための構成として、前扉枠14の開閉に伴って対象を移動させるリンク機構を設けて前扉枠14を開閉させる力を利用してもよいし、開放検知センサ及び対象を移動させる駆動部を設けて前扉枠14の開閉に基づいて駆動部を駆動制御する構成としてもよい。
(3)上記各実施の形態では、開放検知センサ79aによって前扉枠14の開/閉を検知し、その検出結果に基づいて各可動演出装置282〜283の駆動部へ駆動信号を出力することにより「可動役物」としての可動体291等を動作させる構成としたが、これに代えて、前扉枠14の開動作及び閉動作に基づいて可動演出装置282〜283を光規制を行う状態に切り替えるリンク機構(前扉枠14を開閉させる動力を伝達する動力伝達手段)等を設けてもよい。
(4)上記第2の実施の形態では、「振動検知手段」としての振動検知センサ801を遊技領域形成体80aに取り付ける構成としたが、その取付位置を遊技領域PE内や遊技機前方から見て遊技領域PEと重なる部分とすることにより、釘部材93に加わった振動を一層好適に検知することができる。
なお、振動検知センサ801については、釘部材93に加わった振動を検知できる位置に取り付けられていればよく、その取付対象については遊技盤ユニット80を必須とするものではない。例えば、内枠13のベース体50や前扉枠14を振動検知センサ801の取付対象とすることも可能である。
(5)上記第2の実施の形態では、異常報知に使用される振動検知センサ801を利用して光規制を行う構成としたが、異常報知に係る振動検知センサと光規制に係る振動検知センサとを個別に設けてもよい。
(6)上記各実施の形態では、特殊遊技演出に用いられる可動演出装置282〜284に光規制機能を付与する構成としたが、前扉枠14が開放された場合に光規制が行われるのであれば足り、必ずしも演出に係る構成に光規制機能を付与する必要はない。すなわち、光規制にかかる構成を可動演出装置282〜284とは別に設けてもよい。
例えば、遊技盤ユニット80を構成する遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとの間に所定の隙間を設け、この間に「規制手段」として光規制を行う規制状態と光規制を行わない許容状態とに切替可能な可変機構(例えばカーテンやシャッタ)等を配置することも可能である。このような構成においては、遊技領域PEから背面ブロック80bの回収通路272へ到る遊技球の誘導通路が離間し、これが遊技球の球詰まり発生の要因になると懸念される。そこで、当該変形例を採用する場合には、上記隙間を遊技球の半径よりも小さくするとともに、一連の球通路に遊技領域形成体80a側と背面ブロック80b側とで後者が前者よりも低位となるように段差を設け、上述した球詰まりの発生を抑制することが好ましい。
(7)上記各実施の形態では、「可動役物」に相当する可動体291の待機位置を「遊技部品」に相当するセンターフレーム95と重なる位置としたが、光規制機能を重視するのであれば可動体291の待機位置についてセンターフレーム95の背後である必要はない。例えば、待機位置に配置されている状況下においても遊技機前方から視認可能となるように、センターフレーム95との重なりが回避されていてもよい。
(8)上記各実施の形態では、前扉枠14が開放された場合に各種可動演出装置282〜284を動作させて光規制を行う構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、前扉枠14が開放された場合に発光体275を消灯させたり発光レベルを下げたりする構成とすることで、遊技機前方へ照射される光を規制する構成とすることも可能である。
特に、発光体275への電力供給経路の一部を前扉枠14に設けられた扉側構成体と内枠13側に設けられた枠側構成体とによって構成し、前扉枠14が閉じた状態では両構成体が当接することにより電力供給経路が確立され、前扉枠14が開放された状態では両構成体が離間することにより電力供給経路が寸断される構成とすれば、前扉枠14が開放された場合に、発光体275を消灯させることができる。
なお、前扉枠14が所定の角度まで開放されるまで、両構成体の当接状態が維持される構成とすれば、上述した遊技領域PEにおける球詰まりを解消する場合に、発光体275が消灯することを好適に回避することが可能となる。
(9)上記各実施の形態では、「所定の釘」の周辺に配置されている発光体275について光規制を行う構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、作動口83やスルーゲート84等の遊技部品(詳しくは入球部)の周辺に配置された発光体275について光規制を行う構成とすることも可能である。この場合、それら遊技部品の清掃やメンテナンス作業の容易化に貢献できる。
(10)上記各実施の形態では、「扉体」としての前扉枠14が閉じたことを契機として、光規制が終了する構成としたが、光規制の終了契機を以下のように変更することも可能である。すなわち、光規制が開始されたタイミングから所定の期間が経過することにより光規制を終了する構成としてもよい。
但し、このような変更を行う場合には、作業を行っている最中に光規制が解除されると作業性の向上効果が上手く発揮されなくなる。そこで、光規制が行われている最中に作業が継続されていること(例えば振動が発生していること)を条件に光規制の実行期間を延長する構成とすることが好ましい。
(11)上記第2の実施の形態では、「扉体」としての前扉枠14が所定の角度まで開放されるまで発光規制を行わない構成としたが、その具体的に態様については、以下のように変更することも可能である。すなわち、開放時の振動に基づいて光規制を行う状態に移行するものの、実際に光規制が行うタイミングを、前扉枠14の開放角度が上記所定の角度となるまで遅延させる構成とすることも可能である。
(12)光規制の実行条件として上述したデモ表示が行われていることや節電モードに切り替っていることを加味してもよい。これにより、営業中の開放(専ら球詰まり等の解消を目的とするもの)であるか営業時間外の開放(専らメンテナンス等を目的とするもの)であるかを光規制に好適に反映させることができる。
(13)上記第2の実施の形態では、前扉枠14が開放されている状況下にて振動を検知したことに基づいて光規制を行う構成としたが、これを変更し、前扉枠14が開放されている状況下にて前扉枠14に設けられた操作手段(例えば演出用操作ボタン)が操作されたことに基づいて光規制を行う構成としてもよい。
(14)上記第2の実施の形態では、振動検知センサ801から検知情報(検知信号)が主制御装置162に入力される構成としたが、これを変更し、振動検知センサ801からの検知情報が報知・演出制御装置140に入力される構成とすることも可能である。
(15)上記第2及び第3の実施の形態では、異常報知に係る「第1判定値」よりも光規制に係る「第2判定値」を低く設定することにより、振動検知に係る光規制の実行条件を緩和する構成とした。このように、振動検知に係る光規制の実行条件が振動検知に係る異常報知に実行条件よりも緩和されるのであれば足り、その具体的に構成は、上述した判定値の差別化に限定されるものではない。
例えば、振動検知時に振動検知カウンタBSに加算される値が異常報知時よりも光規制時のほうが大きくなるように変更してもよい。また、振動非検知時に振動検知カウンタBSから減算される値が異常報知時よりも光規制時のほうが小さくなるように変更してもよい。更には、これら2つの変形例を組み合わせてもよい。
(16)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された木製の遊技盤を枠体に搭載してなるものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入賞することにより、当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。近年では、遊技盤を木材に代えて透明な合成樹脂材料等を用いて型形成(例えば射出成形)し、遊技盤の背後に発光部や装飾部等の各種構成を設けることで、遊技盤の前面側にそれら各種構成を配置する場合と比較して遊技領域の圧迫を抑えつつ見栄え等の向上が図られた遊技機が提案されている。」という背景技術について、「しかしながら、合成樹脂製の遊技盤を有し、当該遊技盤の背後に発光部を配設した遊技機においては、例えば遊技盤の製造時に遊技盤に設けられた各種遊技部品の位置調整等を行う場合や、遊技盤の清掃や遊技部品のメンテナンス等の各種作業を行う場合に、上記発光部からの光が目に入って、上述した各種作業が行いにくくなると懸念される。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.前面に複数の釘(釘部材93)が配設されてなる遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記遊技盤の後方であって、遊技機前方から見て前記遊技領域と重なる位置に配設された発光部(発光体275)と
を備え、
前記遊技盤は光透過性を有し、前記発光部からの光が前記遊技盤を通じて遊技機前方に照射される遊技機であって、
前記扉体が開放された場合に、前記発光部からの光が遊技機前方に照射されることを規制する規制手段(例えば可動演出装置282〜284)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の製造時や出荷前の検査等にて釘等の遊技部品の最終調整等を行う際には、アセンブリ化された遊技機の扉体を開放して当該作業が行われる。この際、扉体を開放することにより、発光部からの光が遊技機前方に照射されることが規制される。これにより、発光部からの光が目に入る等して作業の妨げになることを好適に抑制できる。また、遊技盤の清掃等を行う場合には、光が邪魔になって汚れが目立ちにくくなるが、光を規制することにより、そのような不都合の発生も好適に抑制できる。
特に、遊技機の製造時や出荷前の検査等の各工程にて釘の調整を行う場合には、釘に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。特に、調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本特徴に示す構成によれば、これら各種不都合を払拭し、作業性の向上に貢献できる。
特徴A2.前記遊技領域において前記発光部からの光が照射される範囲には、所定の釘(釘部材93)が配設されており、前記規制手段は、当該発光部からの光が同範囲に照射されることを規制するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように照射範囲に釘が存在する場合、釘に注目した際に光が目に入る可能性が高くなる。このような事情に配慮して、照射範囲を外すように釘を配置しようとすれば、釘及び発光部の配置に係る制約が強まり、多様な遊技球の動きを実現して遊技の単調化を抑制したり、遊技機の見栄えを向上したりすることが困難になる。
この点、本特徴に示す構成によれば、照射範囲に配置された所定の釘を注視した場合であっても、発光部からの光が作業者の目に届くことを規制できる、このため、例えば光が過度に直接的になることを抑制して遊技者の目に係る負担を軽減できる。故に、上述した配置に係る制約を抑えつつ各種作業のやりづらさを解消できる。
特徴A3.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば作動口83や流入口96a等)を備え、
前記所定の釘には、前記入球部へ遊技球を導く誘導手段として機能が付与されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように、入球部へ遊技球を誘導する誘導釘については、遊技進行に与える影響が大きくなりやすい。例えば、製造時にこのような釘の向きがばらついてしまった場合には、遊技者や遊技ホールが不測の不利益を被る可能性が高くなると想定される。
このような事情から、上記所定の釘は検査や調整の対象になりやすい。そこで、このような調整の対象になりやすいものについて、上述した光規制を行う構成とすれば、特徴A1等に示した作業性の向上効果を好適に享受できる。
特徴A4.前記規制手段は、
前記遊技盤と前記発光部との間に設けられ、前記発光部に遊技機前方から重なる第1状態及び同発光部との重なりが回避される第2状態に切替可能な可変手段(例えば可動体291)と、
前記扉体が開放された場合に、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替える切替手段(例えば報知・演出制御装置140のMPU702)と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
扉体の開閉に応じて可変手段が発光部に対して重なる状態と重ならない状態に切り替る構成とすることにより、扉体を閉じた状態では発光部による遊技演出や見栄えの向上を実現しつつ、扉体を閉じた状態では上記光規制機能を好適に発揮させることができる。
特徴A5.前記遊技盤に設けられた遊技部品(例えばセンターフレーム95)と、
前記遊技部品の後方に設けられ、当該遊技部品の背後に重なる待機位置及び当該待機位置よりも前記遊技部品との重なりが抑えられた演出位置に変位可能な可動役物(例えば可動体291)と、
特定演出を行う場合に、前記可動役物を前記待機位置から前記演出位置に変位させる駆動手段(ステッピングモータ292)と
を備え、
前記可動役物は、前記待機位置及び前記演出位置とは異なる位置であって、前記発光部と対峙する規制位置に変位可能となっており、
前記規制手段は、前記扉体が開放された場合に、前記可動役物を前記規制位置に変位させる切替手段(例えば報知・演出制御装置140のMPU702)を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、演出を行う際には遊技部品の背後に隠れている可動役物が演出位置へと移動する。この種の可動役物を規制手段として利用することにより、既存の構成を上手く利用して光規制機能の追加に起因した構成の複雑化を抑制することができる。
特徴A6.前記規制位置は、前記待機位置及び前記演出位置間での前記可動役物の移動経路の延長上に設けられており、
前記切替手段は、前記駆動手段を駆動制御することにより前記可動役物を前記規制位置に変位させる手段を有していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、可動役物の動作に係る構成を演出用・光規制用で共通化することができ、特徴A5に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A7.前記可動役物には、装飾が形成された装飾領域と装飾が施されていない非装飾領域とが設けられており、前記演出位置に変位した場合には前記装飾領域及び前記非装飾領域のうち前記装飾領域が前記遊技部品と重ならない位置へ突出し、前記規制位置に変位した場合には前記装飾領域及び前記非装飾領域のうち前記非装飾領域が前記遊技部品と重ならない位置へ突出するように構成されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、光規制を行う部位に何らかの装飾が付与されていると、その装飾が釘等を見えづらくする要因になり得る。可動役物に非装飾部位を設け、光規制を行う際にはこの非装飾部位を利用する構成とすれば、上述した不都合の発生を好適に回避でき、更なる作業性の向上に貢献できる。
特徴A8.前記遊技盤には中央開口(中央開口85)が形成されており、この中央開口を通じて遊技機前方から絵柄表示装置(図柄表示装置253)の表示画面(表示画面263a)が視認可能となっており、
前記遊技部品は前記中央開口に沿うように形成された枠体(センターフレーム95)であり、
前記演出位置は、前記可動役物が前記枠体から前記中央開口側に突出した位置であり、
前記規制位置は、前記可動役物が前記枠体から前記中央開口とは反対側に突出した位置であることを特徴とする特徴A5乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
可動役物の見栄えを担保する場合には、その端面の露出を抑えるべく、演出実行時においても可動役物の一部が遊技部品に重なるように構成されることが多い。可動役物を枠体を基準に内外に突出させる構成に特徴A7に示した技術的思想を適用すれば、可動役物にて装飾領域及び非装飾領域を好適に共存させることができる。
特徴A9.前面に複数の釘(釘部材93)が配設されてなる遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記遊技盤の後方であって、遊技機前方から見て前記遊技領域と重なる位置に配設された発光部(発光体275)と
を備え、
前記遊技盤は光透過性を有し、前記発光部からの光が前記遊技盤を通じて遊技機前方に照射される遊技機であって、
前記扉体が開放された場合に、前記発光部から前記複数の釘のうち所定の釘に向かう光を規制する規制手段(可動演出装置282〜284)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の製造時や出荷前の検査等の各工程にて釘の調整を行う場合には、釘に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。特に、調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本特徴に示す構成によれば、これら各種不都合を払拭し、作業性の向上に貢献できる。
<特徴B群>
特徴B1.前面に複数の釘(釘部材93)が配設されてなる遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記遊技盤の後方であって、遊技機前方から見て前記遊技領域と重なる位置に配設された発光部(発光体275)と
を備え、
前記遊技盤は光透過性を有し、前記発光部からの光が前記遊技盤を通じて遊技機前方に照射される遊技機であって、
前記扉体が開放された場合に、前記発光部と前記複数の釘のうち所定の釘との距離が広がるようにそれら発光部と所定の釘との位置関係を変更する変更手段を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の製造時や出荷前の検査等の各工程にて釘の調整を行う場合には、釘に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。特に、調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本特徴に示す構成によれば、扉体が開放された場合に、発光部と前記複数の釘のうち所定の釘との距離が広がるようにそれら発光部と所定の釘との位置関係が変更される。これにより、所定の釘について上記調整等を行う場合に、発光部からの光が眩しくなることを抑制し、作業性の向上に貢献できる。
特徴B2.前記変更手段は、前記発光部と前記複数の釘のうち所定の釘との位置関係を前記遊技盤の面拡がり方向にて変更する手段を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、目線と発光部とのズレを大きくすることが可能となり、特徴B1に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B3.前記所定の釘は、前記遊技領域において前記発光部からの光が照射される範囲に配設されており、前記変更手段は、前記照射範囲から前記所定の釘が外れるようにして前記発光部と前記複数の釘のうち所定の釘との位置関係を変更する手段を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
光の照射範囲に釘があれば、釘に注目した際に光が目に入る可能性が高くなる。このような事情に配慮して、照射範囲を外すように釘を配置しようとすれば、釘及び発光部の配置関係に係る制約が強まり、多様な遊技球の動きを実現して遊技の単調化を抑制したり、遊技機の見栄えを向上したりすることが困難になる。
この点、本特徴に示す構成によれば、照射範囲に配置された所定の釘を注視した場合であっても、扉の開放に伴って照射範囲から所定の釘が外れることとなる。故に、発光部からの光が眩しくなることを抑制し、上述した配置に係る制約を抑えつつ各種作業のやりづらさを解消できる。
<特徴C群>
特徴C1.前面に複数の釘(釘部材93)が配設されてなる遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体80a)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記遊技盤の後方であって、遊技機前方から見て前記遊技領域と重なる位置に配設された発光部(発光体275)と
を備え、
前記遊技盤は光透過性を有し、前記発光部からの光が前記遊技盤を通じて遊技機前方に照射される遊技機であって、
前記遊技盤に生じた振動を検知する振動検知手段(振動検知センサ801)と、
前記扉体が開放されている場合に、振動検知の結果に基づいて、前記発光部からの光が遊技機前方に照射されることを規制する規制手段(例えば可動演出装置282〜284)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の製造時や出荷前の検査等の各工程にて釘の調整を行う場合には、釘に注視した状態でハンマ等により釘の向きを変更させることがある。このような状況下では眩しいからといって目を閉じたまま作業を行うことは困難である。特に、調整を行う際には1度で調整が完了するとは限らず、実際に遊技球を発射して設定通りの挙動(例えば入賞率)となるかを確認しながら作業が進められる場合もある。このような実情に鑑みれば、調整の都度、眩しさを回避すべく遊技機の電源をON/OFFすることは作業効率を低下させる要因になる。この点、本特徴に示す構成によれば、扉体が開放された場合に、振動検知の結果に基づいて、発光部からの光が遊技機前方に照射されることが規制される。つまり、釘の調整等を行う場合には、釘を叩くことで発生した振動を契機として、光が規制されることとなる。故に、発光部からの光が眩しくなることを抑制し、作業性の向上に貢献できる。
特徴C2.前記遊技盤が閉じている状況下にて前記振動検知手段によって振動が検知された場合に、その検知の結果に基づいて異常報知を実行する異常報知手段を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
遊技機には台叩き等から遊技機を守ることや不正な利益の取得を抑制すること等を目的として振動検知手段が設けられ、例えば遊技中にこのような振動を検知した場合に異常報知等が実行されるものがある。このような遊技機に既存の構成と特徴C1に示した技術的思想を組み合わせることにより、上記作業性の向上効果を発揮させるにあたり、構成が過度に複雑になることを抑制できる。すなわち、既存の構成を利用することで、簡易な構成によって特徴C1に示した効果を発揮させることが可能となる。
特徴C3.前記規制手段を実行するための振動検知に係る実行条件は、前記異常報知を実行するための振動検知に係る実行条件よりも、成立しやすい設定となっていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
扉体を閉じている場合(例えば遊技を行っている最中)は遊技者が意図せずして遊技機にぶつかる等して故意でない振動が発生する場合がある。また、遊技機においては遊技球を発射することにより遊技が行われるため、遊技進行上振動の発生を完全に回避することは困難である。一方、扉体の開放は専ら遊技機の製造時やメンテナンス等の作業を行う場合に行われる。この作業が釘の調整を目的として行われる場合に、上記光規制の応答性が悪くなると、光規制機能が上手く享受されなくなると懸念される。
この点、本特徴に示すように、光規制を実行するための振動検知に係る実行条件は、異常報知を実行するための振動検知に係る実行条件よりも成立しやすい設定とすれば、異常報知が過敏になることを抑制し、光規制を行う際の応答性を向上させることが可能となる。
特徴C4.前記振動検知手段からの検知結果に基づいて、振動が発生しているか否かを判定する判定手段(主制御装置162のMPU602)を有し、
前記異常報知手段は、前記判定手段による判定結果に基づく第1特別情報が予め設定された第1特定条件に対応する情報となったことに基づいて前記異常報知を行うものであり、
前記規制手段は、前記判定手段による判定結果に基づく第2特別情報が予め設定された第2特定条件に対応する情報となったことに基づいて前記規制を行うものであり、
前記第1特別情報、前記第2特別情報、前記第1特定条件、前記第2特定条件は、当該第1特定条件よりも前記第2特定条件の方が成立しやすい設定となっていることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4に示す構成とすれば、振動検出手段及び判定手段を共通化して構成の簡素化を図りつつ、特徴C3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C5.前記振動検知手段は、前記遊技盤に取り付けられていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
振動検知手段の取付対象は様々に想定されるところ、本特徴に示すように遊技盤をその取付対象とすれば、釘の振動を好適に検知できる。
特に、特徴C2等との組み合わせにて遊技機の振動を検出する場合には、扉体に振動検知手段を設けることも可能である。但し、釘等へアクセスする場合には扉体が開放されているため、釘等を通じて遊技盤に伝わる振動は扉体に伝わる前に減衰しやすい。特に、ハンマ等によって釘を叩いた際の振動については振幅が小さく且つ周波数が高いため上記減衰が顕著に発生すると懸念される。この点、振動検知手段を遊技盤に取り付ければこのような不都合を好適に解消できる。ここで、台叩き等に起因した振動は振幅が大きく且つ周波数が低くなるため扉体から遊技盤へ伝播しやすい。故に、振動検知手段を遊技盤に取り付けたとしても振動検知機能が上手く発揮されなくなることは好適に回避される。以上の理由から、本特徴に示す振動検知手段の配置には明確な技術的意義が存在する。
特徴C6.前記規制手段は、前記扉体が閉じた場合に、当該規制手段による前記規制を終了するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
調整等の作業が終了した場合には扉体が閉じられることとなる。そこで、扉体が閉じたことを契機として光規制を終了する構成とすれば、特徴C1等に示した作業性の向上効果を好適に発揮させることができる。
なお、光規制が開始されてから予め定められた期間の経過によって光規制を終了する構成とすることも可能である。但し、作業ペース等は作業者や遊技機の状態によって様々になり得る。このような事情に鑑みれば、作業終了の合図(扉体の閉鎖)をもって光規制を行うことにより、作業中に光規制が終了することを好適に回避できる。また、光規制が開始された後は扉体が閉じるまで振動検知(判定)を行う必要がなくなるため、制御負荷の軽減にも貢献できる。
特徴C7.前記扉体の開放角度が所定角度よりも大きくなっている場合に前記規制手段による前記規制を許容する一方、前記扉体の開放角度が前記所定角度よりも小さくなっている場合に前記規制手段による前記規制を不可とする手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
扉体は遊技中に球詰まり(所謂ぶどう)が発生した場合にも開放される可能性がある。このような場合に、光規制が行われると遊技者を困惑させる可能性が生じる。上述した球詰まりについては球零れを回避すべく扉体を僅かに開放することで解消されることが多い。そこで、本特徴に示すように、そのような実情を考慮して、扉体の開放角度が所定角度よりも大きくなっている場合に光規制を許容する一方、扉体の開放角度が所定角度よりも小さくなっている場合に光規制を不可とする構成にすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C8.前記扉体の開放角度が所定角度よりも小さくなっている場合には、前記規制手段による前記規制の開始を、前記扉体の開放角度が所定角度よりも大きくなるまで遅延させる手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
扉体を開放する場合には建付け等の影響で支え等が生じている場合に、それを解消すべく扉体を揺する場合がある。このような振動を検知する場合としては、製造時やメンテナンス時等と遊技中に球詰まり(所謂ぶどう)が発生した場合とが想定される。ここで、後者の場合に光規制が行われると遊技者を困惑させる可能性が生じる。一方、前者の場合に光規制を行う構成とすれば迅速な対応が可能となる。
上述した球詰まりについては球零れを回避すべく扉体を僅かに開放することで解消されることが多い。そして、製造時やメンテナンス時には扉体を大きく開いて作業が行われることが一般的である。このような実情を考慮して、扉体の開放角度が所定角度よりも小さくなっている場合には、規制手段による光規制の開始を扉体の開放角度が所定角度よりも大きくなるまで遅延させる構成とすれば、無駄に光規制が行われることを回避しつつ、必要時には迅速に光規制を行うことができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。