<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤80aを通じて視認可能となっている。
遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技盤80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。また。図6においては左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技盤80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方:右ルート)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技球が通過可能な大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉体が設けられている。開閉体は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は、遊技盤80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技盤80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82やスルーゲートに入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80a側、詳しくは遊技盤80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技盤80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤80aの背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技盤80aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技盤80aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図12(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技盤80aの背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技盤80aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。本実施の形態においては、かかる可動演出装置に関して特徴的な構成を有している。
ここで、図13及び図14を参照して、遊技盤ユニット80の主要な構成について補足説明し、その後、上記特徴的な構成について詳しく説明する。図13は遊技盤80aの正面図、図14は背面ブロック80bの正面図である。なお、遊技盤80aが透明であることを考慮して、図12においては遊技盤80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を2点鎖線によって表示している。
遊技盤80aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、図13に示すように遊技盤80aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技盤80a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
次に、図14を参照して既出の背面ブロック80bについて説明する。既に説明したように、背面ブロック80bは、可変表示ユニット252等の各種演出装置や報知・演出制御装置140等の各種制御装置が搭載される台座として上記ベース体251を有している。
ベース体251は遊技盤80aの背面に対向する平板状の対向部255と、対向部255から後方に膨出する膨出部256とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり、正面視における外形が遊技盤80aとほぼ同じ大きさ(詳しくは上下幅が若干小さい)となるように構成されている。
膨出部256は、前方(遊技盤80a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部255が構成されている。対向部255が遊技盤80aの背面に当接した状態で当該遊技盤80aにねじ止めされることにより、遊技盤80aと背面ブロック80bとが1ユニット化されている。
膨出部256の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技盤80aの中央開口85(図13参照)と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット252はこの開放部を塞ぐようにして膨出部256の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置253の表示画面253aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置140及び表示制御装置が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット252(詳しくは図柄表示装置253)に対して積層配置されており、更にその下方に主制御装置162が取り付けらている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している(図8等参照)。
ベース体251における左枠部261及び右枠部262、上枠部263、下枠部264にはそれぞれ可動演出装置が設置されており、これら可動演出装置によって表示画面253aが囲まれている。各可動演出装置は、膨出部256により形成された凹み内に収容されており、製造時等に背面ブロック80bが単体で持ち運びされる場合であっても、それら可動演出装置がジグ等の他の構成に干渉することが抑制されている。
また、左右の枠部261,262及び下枠部264に跨るようにして一連の装飾部材271が配置されている。装飾部材271については有色不透明な樹脂材料によって形成されており、LED等の発光体が内蔵されている。これら発光体は、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140により遊技状況に応じて発光制御が行われることで遊技領域PEの背後にて発光演出が実行されることとなる。
また、装飾部材271には、遊技盤80aに形成された一般入賞口81や作動口83a,83b等の入球部へ流入した遊技球を回収する回収通路272が形成されており、その入口部分がそれら各入賞部に連通している。つまり、遊技盤80aにおける入球部へ流入した遊技球は、背面ブロック80bの回収通路272へ導かれ、その後裏パックユニット15の排出通路を通じて遊技ホールの島設備等へと返却されることとなる。
ここで、上記可動演出装置について補足説明する。ベース体251の下枠部264には、可動式の装飾体301(以下、可動装飾体301という)及び当該可動装飾体301の前方に位置する可動式の表示部311(以下、可動表示部311という)を有する第1可動演出装置273が配設されている。第1可動演出装置273の可動装飾体301は、表示画面253aと重なる位置に配置されており、遊技機前方から視認可能となっている。一方、当該可動装飾体301を動作させるための駆動機構、可動表示部311及び当該可動表示部311を動作させる駆動機構は、上記装飾部材271によって前方から覆われており視認不可となるように構成されている。これは、第1可動演出装置273の見栄えを担保するための工夫である。
ベース体251の上枠部263には、左右一対の扉部材を有してなる横長状の開閉扉281と、同開閉扉281を駆動させる駆動部282とを有する第2可動演出装置274が配設されている。第2可動演出装置274の開閉扉281は、遊技盤80aの板材又は中央開口85の背後に位置しており、板材又は中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能となっている。駆動部282は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの駆動信号が入力されることにより、開閉扉281を開状態と閉状態とに切替可能となっている。
第2可動演出装置274(詳しくは開閉扉281)は、当該第2可動演出装置274にかかる演出が実行されない状況下においては、閉状態に維持される。この第2可動演出装置274の背後には、同第2可動演出装置274に重なるようにして第3可動演出装置275が配置されている。
第3可動演出装置275は、表示画面253aの上部中央に配置された中央装飾部291と、左右の枠部261,262に取り付けられ当該中央装飾部291を保持するアーム292を備えている。アーム292が動作することで中央装飾部291が上記開閉扉281により遊技機前方から覆われる位置と、開閉扉281と重ならない位置(表示画面253aの中央位置)とに移動する。なお、当該第3可動演出装置275にかかる演出が実行されない状況下であって上記第2可動演出装置274の開閉扉281が閉じている場合には、それら中央装飾部291及びアーム292が第2可動演出装置274(例えば開閉扉281)によって覆われた状態となり、一部を除き遊技機前方から視認不可となるように構成されている。
(可変入賞装置82)
本実施の形態においては、上述した可変入賞装置82について特徴的な構成を有している。そこで以下、図15及び図16に基づき可変入賞装置82について詳しく説明する。図15(a)は図13における可変入賞装置82周辺を拡大して示す部分拡大図、図15(b)は可変入賞装置82の正面側から見た斜視図、図16(a)は可変入賞装置82を主要な部位毎に分解した状態を正面側(遊技機前方)から見た分解斜視図、図16(b)は可変入賞装置82を主要な部位毎に分解した状態を背面側(遊技機後方)から見た分解斜視図である。なお、図15(a)においては上記右ルートを流下する遊技球の流下経路を1点鎖線を用いて例示している。
既に説明したように遊技盤80aにおける中央開口85の右側となる範囲には遊技球が流下する右ルートが確保されており、この右ルートの途中位置(詳しくは作動口83の右方)となる位置には開口部92が形成されている(図15(a)の破線参照)。
開口部92は遊技盤80aの厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から可変入賞装置82が嵌まっている。このようにして可変入賞装置82が配置された状態では、当該可変入賞装置82の主要部分を構成するとともに遊技盤80aに対する取付部としての機能が付与されたベースユニット400によって同開口部92が覆われている。
ベースユニット400は、開口部92の縁部に沿って形成された枠体401を備えている。枠体401は遊技盤80aの前面と対向する略環状の対向板部401aと当該対向板部401aから遊技機前方及び後方に膨出するとともに遊技盤80aの開口部92の内壁面に沿うようにして形成された本体部401bとを有している(図16参照)。対向板部401aが遊技盤80aの前面に対して当接した状態で同遊技盤80aにネジ止めされることにより、可変入賞装置82が遊技盤80aに対して一体化されている。
枠体401(詳しく本体部401b)において遊技機前方に膨出している部分、詳しくは遊技盤80aの前面よりも前方へ突出している部分には、左斜め上方を向くようにして大入賞口402が形成されている。大入賞口402を通じて可変入賞装置82内に流入した遊技球は後述する回収通路441を通じて遊技盤80aの背面側へと誘導される。
可変入賞装置82には、大入賞口402を上方から塞ぐようにして上記開閉体403が開閉可能な状態で取り付けられている。また、可変入賞装置82には開閉体403を駆動させる動力源としての可変入賞駆動装置404(例えば後述するソレノイド等)が搭載されている。可変入賞駆動装置404は主制御装置162に対して電気的に接続されており、上述した開閉実行モードへ移行した場合には主制御装置162からの駆動信号に基づいて開閉体403を開閉させるように構成されている。なお、可変入賞装置82においては、通常は開閉体403が閉位置に配置された状態(以下、閉状態という)に維持される。
大入賞口402は、図16(a)に示すように、僅かに斜めに傾くようにして左右に延びる横長状をなしており、当該方向が長手方向、前後方向が短手方向となる略矩形状に形成されている。具体的には、遊技盤80aの側部から中心部(詳しくは下作動口83b)に向けて下り傾斜となるように形成されている。
当該長手方向における大入賞口402の幅寸法(以下、横幅ともいう)については、複数の遊技球が同長手方向に並んで同時に通過できるように、遊技球の直径寸法の2倍よりも大きく設定されている。一方、短手方向における大入賞口402の幅寸法(以下、前後幅ともいう)については、同短手方向にて複数の遊技球が同時に通過できないように、遊技球の直径寸法よりも大きく同直径寸法の2倍よりも小さくなるように設定されている。
可変入賞装置82には、大入賞口402へ入賞した(流入した)遊技球を検知する検知センサ405(詳しくは磁気センサ)が配設されている(図16(b)参照)。検知センサ405は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該検知センサ405からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。主制御装置162では、この検知信号に基づいて大入賞口402への入賞の有無等を把握することが可能となっている。
ここで、図17及び図18を参照してベースユニット400の構造について補足説明し、その後、ベースユニット400とともに可変入賞装置82を形成する他の構成について説明する。図17は可変入賞装置82を図16(a)よりも更により細かく分解した状態を正面側から見た分解斜視図、図18は可変入賞装置82を図16(b)よりも更により細か分解した状態を背面側から見た分解斜視図である。なお、説明の便宜上、図17及び図18においては遊技盤80aを2点鎖線によって概略的に示している。
図17に示すように、ベースユニット400は、枠体401の対向板部401aよりも前方に配置され、上記前側の本体部401bを構成する通路形成部材407及び前面パネル部材406を有してなる。具体的には、対向板部401aに対して正面側から通路形成部材407を間に挟み込んだ状態で、通路形成部材407の前方から前面パネル部材406が対向板部401aに固定されることで、枠体401における前側の本体部401bが構成されている。
図18に示すように通路形成部材407は、板面が遊技機正面側を向くように形成された板状部と、板状部から対向板部401a側に起立するように形成された起立壁部とにより構成されており、起立壁部によって遊技球が通過可能な領域が確保されている。上述したように、通路形成部材407が枠体401に固定されて当該領域が枠体401の対向板部401aによって後方から覆われることにより、上記回収通路441が形成されている。
なお、回収通路441についてもある程度の横幅を有しているが、その底面が遊技盤80aの中央側へ下り傾斜しており、当該回収通路441の最下流部位に上記検知センサ405が配置されている。
ここで、通路形成部材407の起立壁部において当該通路形成部材407の上面部を構成している部分には、その中央部分に回収通路441の入口としての上記大入賞口402が形成されるようにして開放部が形成されている。通路形成部材407の上面部は、上記大入賞口402の長手方向に傾斜しており、当該大入賞口402よりも傾斜上流側に位置する上流側傾斜面部415と、大入賞口402よりも傾斜下流側に位置する下流側傾斜面部416とを有し、これら傾斜面部415,416において相対峙する側の端部により大入賞口402の左右の端部が規定されている。
一方、通路形成部材407の板上部において上記開閉体403の前端部492の前方となる箇所には、下方に凹状をなすようにして切欠き部が形成されており、開閉体403との接触が回避されている。この切欠き部が前面パネル部材406によって覆われており、開閉体403の前端部492は前面パネル部材406に対峙し、閉状態においては開閉体403の前端部492が前面パネル部材406に当接するように構成されている。つまり、前面パネル部材406は、通路形成部材407及び枠体401の対向板部401aとともに大入賞口402を構成している。
図19の動作説明図に示すように、両傾斜面部415,416及び開閉体403については、可変入賞装置82が閉状態となっている場合に遊技球を傾斜下流側へと誘導する一連の案内通路445を形成する。一方、可変入賞装置82が開状態となった場合には、開閉体403の大部分が枠体401に形成された開閉体403用の挿通孔418内に収容されることで、当該案内通路445が分断される。すなわち、案内通路445による案内機能については可変入賞装置82が閉状態となっている場合に機能し、可変入賞装置82が開状態となることで無効化される構成となっている。
ここで、前面パネル部材406の機能について補足説明する。前面パネル部材406については、その上端部分が上述した案内通路445の底面よりも上方に突出しており(図16(b)参照)、案内通路445に沿って流下する遊技球が遊技機前方へ移動することを規制する規制手段としての機能が付与されている。
本実施の形態におけるベースユニット400については、光透過性を有する合成樹脂材料を用いて形成されており、ベースユニット400の背後に取り付けられる背面ユニット430からの光を当該ベースユニット400を通じて遊技機前方へ射出可能とすることで、可変入賞装置82の見栄えの向上を実現するとともに、回収通路441内での遊技球の視認性を間接的に(光を遮ることにより)担保している。
ここで、図16〜図18を参照して背面ユニット430について説明する。
背面ユニット430は、上記回収通路441における遊技球の検出箇所(検知センサ405)よりも下流側となる部分を構成する通路形成部材431を有している。通路形成部材431については、その外形がベースユニット400の外形とほぼ同等となるように構成されており、その前面には複数の発光体(LED)が実行された発光基板432が装着されている。発光基板432は報知・演出制御装置140に対して電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの信号が出力されることで発光する。このようにして発光基板432から射出された光は、ベースユニット400を通り、遊技機前方に照射されることとなる。
なお、図16(b)に示すように前面パネル部材406の背面において回収通路441の側壁を形成している部分を含む所定の範囲には光を拡散させる光拡散部(詳しくは多数の凹凸)が形成されており、回収通路441に流入した遊技球を目視により直接確認することが困難になっている。ここで、発光基板432による発光演出の一環として、開閉実行モード中の発光があり、発光演出時の光がバックライトとなって回収通路441内の遊技球の影が浮かび上がることとなる。これにより、遊技者は回収通路441内の遊技球を間接的に把握することができる構成が実現されている。
背面ユニット430の後方には上記開閉体403及び可変入賞駆動装置404が搭載されてなる駆動ユニット450が設けられている(図16等参照)。図17及び図18に示すように、背面ユニット430は開閉体403を収容する収容部461が形成された本体451を備えており、この本体451がベースユニット400に対して固定されている。なお、収容部461はベースユニット400側に開放されており、その開放部分がベースユニット400の挿通孔418に連通している。また、開閉体403は開位置に配置された状態であってもその前端部492が収容部461から突出した状態となるように形成されており、この突出部分が挿通孔418に嵌っている。これにより、開閉体403の開閉動作時に、両ユニット400,450の境界部分にて開閉体403が引っ掛かるといった不都合を生じにくくしている。
駆動ユニット450の本体451には、開閉体403用の駆動源及び駆動力の伝達手段を構成するリンク機構452及び駆動部453が取り付けられている。駆動部453はソレノイド453aを有し、その出力軸と開閉体403との間にリンク機構452を介在させることでソレノイド453aに発生した動力が開閉体403へ伝達される構成となっている。
より詳細には、開閉体403はコイルバネ453bによって閉位置へ向けて付勢されている。ソレノイド453aは、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。ソレノイド453aが駆動信号を受信して非励磁状態から励磁状態に切り替ることにより、開閉体403はコイルバネ453bの付勢力に抗して閉位置から開位置へと移動することとなる(図19(a)→図19(b)参照)。
詳細については後述するが本実施の形態における可変入賞装置82については、閉状態となっている場合であっても開閉体403と前面パネル部材406との間に僅かながら隙間が残る構成となっている。このため、当該隙間に例えばワイヤ等の不正具を差し込んで、無理やり開閉体403を開状態とするといった不正行為が行われやすくなることが懸念される。
この点、可変入賞装置82(詳しくはリンク機構452)にはこのような不正行為に対する防御機能が付与されている。以下、図18及び図20を参照して当該特徴的な構造について説明する。図20(a)は図19(a)のA1−A1線部分断面図、図20(b)は図19(b)のA2−A2線部分断面図である。
図18に示すように、リンク機構452はソレノイド453aの出力軸に取り付けられた第1リンク部材481を有している。第1リンク部材481は出力軸の動作方向と同じ方向(前後方向)に延びており、その先端部分(ソレノイド453aとは反対側の端部)が上記蓋体455に形成された挿入穴に挿入されている。挿入穴の内径は第1リンク部材481の先端部の外径と同等となるように形成されており、その深さ寸法は上述した出力軸の可動範囲内では第1リンク部材481の先端部が脱落しないように設定されている。これにより、出力軸からの力が第1リンク部材481の歪み等によって上手く伝達されなくなることを抑制している。
この第1リンク部材481と開閉体403との間には両者を繋ぐようにして、第2リンク部材483が設けられている。第2リンク部材483は略矩形状をなしており、その下端部に形成された左右の突起が本体451によって軸支されることで、横方向に延びる軸線を中心として前後に回動可能となっている。
一方、第2リンク部材483の上端部には、軸線と同じ方向に延びる軸部487が形成され、この軸部487が開閉体403の後端部に形成された軸受け部491に嵌っている。また、第1リンク部材481の側部には、出力軸の動作方向と直交する方向(側方)に起立する突起482が形成され、第2リンク部材483にはこの突起482に下側から係合する係合部484が設けられており、それら突起482及び係合部484と軸部487及び軸受け部491によって動力の伝達経路が構築されている。なお、突起482の移動経路は、上記軸線よりも上方にずれるように設定されている。
ここで、図20(a)を参照して、突起482と係合部484との関係について説明する。係合部484はコイルバネ453bの付勢力によって第1リンク部材481が前方に押された場合に、突起482が後方から当接して前方へ押されることにより第2リンク部材483が上記軸線を中心に前方へ回動する契機となる第1当接部485と、コイルバネ453bの付勢力に抗して出力軸が後退した場合に、突起482が前方から当接して後方に押されることにより第2リンク部材483が上記軸線を中心に後方へ回動する契機となる第2当接部486とを有し、上記軸線と直交する断面が略L字状をなすように形成されている。
以下、図20を参照して可変入賞装置82の状態切替時の動作について説明する。図20(a)に示すように、ソレノイド453aが非励磁状態となっている場合には、コイルバネ453bの付勢力によって第1リンク部材481が最前位置に配置されている。この状態では、第1リンク部材481の突起482によって第2リンク部材483の第1当接部485が後方から押されて上記軸線を中心に第2リンク部材483が前方に傾いた上体となっている。
ここで、主制御装置162からソレノイド453aに駆動信号が出力され、当該ソレノイド453aが励磁状態となると、コイルバネ453bの付勢力に抗して出力軸が後退する。図20(a)→図20(b)に示すように、出力軸の後退に併せて第1リンク部材481が後退すると、突起482によって第2当接部486が前方から押され、第2リンク部材483が上記軸線を中心に後方に回動(傾倒)することとなる。第2リンク部材483と開閉体403との連結部分については、第2リンク部材483の軸部487の回動を許容しているため、第2リンク部材483の回動によって後方に引っ張られることとなる。これにより、可変入賞装置82が開状態となる。
主制御装置162からの駆動信号の出力が停止すると、ソレノイド453aが励磁状態から非励磁状態になる。これにより、コイルバネ453bの付勢力によって出力軸及び第1リンク部材481が前方に押される。図20(b)→図20(a)に示すように、第1リンク部材481が前進すると、突起482によって第1当接部485が後方から押され、第2リンク部材483が上記軸線を中心に前方に回動(傾倒)することとなる。これにより、開閉体403が前方に押され、可変入賞装置82が閉状態に復帰する。
このように可変入賞装置82が閉状態となっている場合には、開閉体403を不正具等によって後方に押そうとしても、第1リンク部材481の突起482が第2リンク部材483の第1当接部485に当接する。上述したように、第1リンク部材481においてはその前後両端部分がスライド移動方向以外の方向への移動が不可となるように規制されているため、突起482が支えとなって第2リンク部材483の後方への回動(傾倒)が妨げられることとなる。そもそも、リンク機構452自体が本体451及び蓋体455によって囲まれた空間に配置され、遊技機正面側からのアクセスが妨げられている。故に、単に開閉体403を後方に押そうとしても、そのような動きが許容されない。これにより、可変入賞装置82を不正に開放させるといった行為を困難なものとし、防犯機能の担保が図られている。
開状態と閉状態とに切替可能な可変入賞装置82については、遊技球が噛み込む等して開閉体403の動きが妨げられることにより不測の不利益が発生する可能性がある。例えば、開状態に切り替わるべきタイミングで開閉体403が上手く開位置へ移動しなければ、遊技者が本来享受できたはずの利益を取りこぼすといった不都合が生じえる。このような事象は遊技者の遊技意欲を減退させる要因となり得るため好ましくない。一方、閉状態に切り替わるべきタイミングで開閉体403が上手く閉位置へ移動しなければ、可変入賞装置82への入球が許容されたままとなり、本来入賞するはずのない遊技球が入球するといった不都合が生じえる。これは、遊技ホールにとっての不利益となるため好ましくない。
本実施の形態に示す可変入賞装置82は、これらの不都合を解消し、遊技者及び遊技ホール双方の利益を担保するための工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図21及び図22を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図21は開閉体403の動きを示す可変入賞装置82の部分破断図である。図22(a)は可変入賞装置82における遊技球の動きを示す概略図、図22(b)は可変入賞装置82と遊技球との関係を示す概略図である。
図21に示すように、前面パネル部材406の背面は可変入賞装置82を開状態/閉状態に切り替える際の開閉体403のスライド移動方向と直交するように形成されている。一方、開閉体403の前端部492については当該開閉体403のスライド方向に対して斜めに傾斜するように構成されている。このため、開閉体403が閉位置に配置された状態では、開閉体403と前面パネル部材406との間に僅かに隙間が生じている。但し、当該隙間は図21(a)に示すように大入賞口402への入賞を許容するほどの大きさではなく、上述した案内通路445が形成されている。
つまり、可変入賞装置82が閉状態となっている場合には、上記隙間は生じえるものの、図22(a)に示すように、ベースユニット400の上流側傾斜面部415→開閉体403→下流側傾斜面部416に下り傾斜する案内通路445が形成され、可変入賞装置82に到達した遊技球は、当該傾斜に沿って下作動口83bへと誘導されることとなる。
図22(b)に示すように、案内通路445の通路幅寸法Wについては遊技球の半径寸法Rの2倍よりも僅かに大きくなるように設定されている。ここで、開閉体403の上記挿通孔418からの突出量については、案内通路445(大入賞口402の傾き方向)における上流側のほうが下流側よりも大きくなるように設定されている。具体的には、開閉体403の前端部492における上流側端部493の突出量D1は、前端部492における下流側端部494の突出量D2よりも大きく設定されている。言い換えれば、開閉体403の上流側端部493と前面パネル部材406との隙間寸法G1は、同開閉体403の下流側端部494と前面パネル部材406との隙間寸法G2よりも小さく設定されている。なお、隙間寸法G2は遊技球の半径寸法Rよりも小さく、上記突出量D2は遊技球の半径寸法Rよりも大きく設定されているため、案内通路445を流下する遊技球は、開閉体403の上面との接触を維持しつつ移動し、上記隙間を通じて大入賞口402内へ流入することが回避されている。
ここで、図23を参照して可変入賞装置82にて球噛みが発生した場合について説明する。図23は可変入賞装置82における球噛みの様子を示す概略図である。なお、図23(1)群は可変入賞装置82の平面外略図、図23(2)群は可変入賞装置82の内部構造を示す正面外略図である。
遊技状態が開閉実行モードへ移行して可変入賞装置82が開状態となった場合には、右ルートを流下する遊技球が大入賞口402へ流入する。この際、案内通路445を構成する上流側傾斜面部415上に落下した遊技球は、その傾斜に沿って下流側へと流下しながら、大入賞口402に入賞する。
ここで、上述した閉鎖条件(所定数の入球発生又は所定期間の経過)が成立した場合には、図23(a)→図23(b)に示すように、開閉体403が閉位置へ向けてスライド移動する。この際、大入賞口402は案内通路445の上流側からじょじょに閉じていくため、開閉体403に接触した遊技球は、下流側へと移動しながら回収通路441へ向けて移動する。ここで、図23(b)に示すように、開閉体403の前端部492と前面パネル部材406との間に遊技球が噛み込んだ(挟まった)場合、大入賞口402においてそれよりも上流側となる箇所では開閉体403の前端部492と前面パネル部材406との隙間が遊技球の直径寸法よりも小さくなる。このため、案内通路445に沿って流下する後続の遊技球が大入賞口402に入賞することが制限される。また、このような後続球が噛み込んでいる遊技球に対して衝突することにより、当該噛み込んでいる遊技球は案内通路445における下流側へと押され、大入賞口402において遊技球が通過可能となる範囲がより小さくなる。また、後続の遊技球の重みによって噛み込み中の遊技球が下方へ押されることで、噛み込みが解消されて、それ以上の遊技球の入球が回避される場合も生じる。
確かに、大入賞口402において噛み込み中の遊技球よりも下流側となる箇所では遊技球の通過が可能となる。しかしながら、本実施の形態においては、遊技球が案内通路445に沿って流下するように、その移動方向がある程度規制されているため、上方から落下した遊技球が上記通過可能となる部分へ直接流入する機会は少なくなる。
また、本実施の形態においては、開閉体403が閉位置へとスライド移動することにより、噛み込み中の遊技球が大入賞口402の下流側端部へ向けて誘導されることとなる。具体的には、開閉体403の前端部492と前面パネル部材406とが平行でない(少なくとも何れかが開閉体403のスライド方向と交差する方向となっている)ため、図23(b)に示すように、遊技球及び前面パネル部材406の当接箇所CPFと遊技球及び開閉体403の当接箇所CPRとが左右にずれている。詳しくは当接箇所CPRが遊技球の中心CPCよりも案内通路445の上流側にずれている。故に、開閉体403が上記スライド方向に移動しようとした場合には、噛み込んでいる遊技球が受ける力は前面パネル部材406側に向かうものと、大入賞口402の下流側端部に向かうものとに分化され、開閉体403により押圧された遊技球は前面パネル部材406に沿うようにして大入賞口402の下流側端部側へずれるようにして移動する。これにより、大入賞口402において遊技球が通過可能となる部分が減縮され、後続の遊技球が大入賞口402へ入賞することを好適に抑制することが可能となる。
また、図23(c)に示すように、遊技球の噛み込みが大入賞口402における下流側端部にて発生した場合、若しくは上述した誘導によって噛み込み中の遊技球が下流側端部に到達した場合には、大入賞口402において遊技球の通過が可能な範囲が存在せず、意図せぬ入賞が発生することを好適に回避することができる。
なお、本実施の形態では右ルートを流下する遊技球が可変入賞装置82に到達する場合にその多くが、上流側傾斜面部415へと導かれるように釘等の配置を工夫したが、案内通路445の上流箇所(上流側傾斜面部415等)に遊技球が導かれるのであれば、その流下経路を釘以外の遊技部品等により形成することも可能である。
以上詳述したように、本実施の形態においては、仮に大入賞口402にて球噛みが発生した場合であっても、同大入賞口402への入賞を抑制することにより、遊技ホールが不利益を被ることを抑制している。本実施の形態に示すように大入賞口402の短手方向に開閉体403がスライド移動する構成とすれば、開閉の切替を迅速に行うことが可能となる。しかしながら、一方では同構成に起因して上述した意図せぬ入賞の発生確率が高くなりやすいといった不都合が生じ得る。この点、上記工夫によって開閉切替の応答性の向上と上記意図せぬ入賞の発生確率の低減とを両立し、短手方向スライド式の開閉体403が抱える弱点を克服している。
更に、本実施の形態では、大入賞口402を斜め上方を向くように形成するとともに開閉体403(案内通路445)を斜めに傾斜させることで、可変入賞装置82の閉動作による自力での球噛み解消が可能とし、更なる利益担保が実現されている。以下、図24の概略図を参照して球噛み解消の様子について説明する。なお、図24(1)群は可変入賞装置82の平面外略図、図24(2)群は可変入賞装置82の内部構造を示す正面外略図である。
図24(a)に示すように、可変入賞装置82を閉状態に復帰させる際に開閉体403と前面パネル部材406との間に遊技球が挟まることで、遊技球と開閉体403及び前面パネル部材406との間に生じる摩擦によって当該遊技球の自重による下方への落下が妨げられることとなる。
図24(a)に示す状態では、遊技球の中心CPC、開閉体403との当接箇所CPR、前面パネル部材406との当接箇所CPFが同一の水平面上に位置する。ここで、コイルバネ453bの付勢力をある程度強く設定し、開閉体403の前端部492と前面パネル部材406とが平行とならないように工夫することで、開閉体403によって押された遊技球が大入賞口402の下流側端部に向けてズレることとなる。
このようなズレが発生すると、遊技球の落下が制限されていることと相まって、遊技球はその位置を下流方向に変えながら上記当接箇所CPR,CPFに高低差が生じる。この高低差は、遊技球が下流側へ変位するほど大きくなり、開閉体403との当接箇所CPRが遊技球の中心CPCよりも下側に変位する。これにより、開閉体403の閉位置へのスライド移動に伴って発生する押圧力は遊技球を上方に押し上げるように作用することなり、遊技球は図24(b)→図24(c)に例示しているように、前面パネル部材406に沿って上方に逃げることとなる。これにより、遊技球が大入賞口402から離間し(排出され)、開閉体403が閉位置へ到達する。
斜めに傾斜する案内通路445の一部を構成すべく開閉体403を傾斜させる構成とし、上述したように遊技球を下流側へ誘導させる構成とすれば、誘導された遊技球を逃がして、球噛みを解消することが可能となる。
そもそも、可変入賞装置82においては閉鎖条件の成立によって閉状態に復帰するため、開閉体403と前面パネル部材406との間に噛み込んでいる遊技球については、入賞すべき遊技球ではない。そこで、本実施の形態に示すように、当該噛み込み中の遊技球を可変入賞装置82外へ逃がす構成とすることにより、遊技ホールが不利益を被ることを抑制することが可能となっている。
また、開閉体403の閉位置へのスライド移動に伴って球噛みが解消される構成とすることで、球噛みの発生を監視する監視装置等が不要となる。つまり、簡易な構成によって球噛みを効果的に解消できるため、不利益発生の回避のために構成が無駄に複雑になることを抑制できる。
また、可変入賞装置82が下作動口83bへ遊技球を導く案内通路として機能する場合、球噛みの発生によって当該案内機能が損なわれると、遊技者が不足の不利益を被る可能性が生じる。この点、上述したように開閉体403の閉動作によって球噛みを解消して閉状態への復帰を実現することにより、可変入賞装置82に付与された案内通路としての機能を好適に担保できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、可変入賞装置82が閉状態となっている場合に、開閉体403と前面パネル部材406との間に僅かながら隙間が生じる構成となっていた。可変入賞装置82については、遊技球が入賞することにより、多量の遊技球の払い出しが行われる部分であり、不正行為の対象として狙われやすい部分である。例えば、糸状体が固着された遊技球(不正球)を可変入賞装置82に入賞させ、不正行為者が当該糸状体を操作して不正球を往復動させることで、あたかも可変入賞装置82への入賞が発生したかのように遊技機に誤認させるといった不正行為が行われやすい。
上記実施の形態においては、開閉体403の前端部を前面パネル部材406に対して傾斜させることで上記隙間が生じやすい構成となっており、上記不正行為に対する防犯性に改善の余地が残るものとなっていたが、本実施の形態においては上記例示した不正行為等を困難とすることにより防犯性の向上に配慮された構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図25を参照して本実施の形態における特徴的な構造について説明する。なお、上記第1の実施の形態に示した可変入賞装置82と共通の構成については説明を援用し、同可変入賞装置82との相違点を中心に説明する。
図25(a)の概略図に示すように、本実施の形態における可変入賞装置82Aにおいては、前面パネル部材406Aにおいて開閉体403の前端部492と対峙している部分に、前端部492を収容する収容部406aAが形成されている。収容部406aAは、前面パネル部材406Aの背面を部分的に窪ませることで構成されており、同前端部492に沿って延びる横長の溝状をなしている。なお、収容部406aAの深さ寸法は、前端部492に形成された面取り部分全体を収容可能となるように設定されている。
可変入賞装置82Aが閉状態となっている場合には、前端部492がその横幅方向における全体にて上記収容部406aAに挿入された状態となり、大入賞口402を上方から見た場合に開閉体403の前端部492と前面パネル部材406Aの収容部406aAとが重なることにより、第1の実施の形態に示したような隙間の発生が抑えられている。
このように、スライド式の開閉体403と収容部406aAとの組み合わせにより、隙間の発生を抑えることにより、可変入賞装置82Aの内部への不正なアクセスを抑制し、防犯機能を好適に向上させることが可能となる。例えば、上述した糸状体付の不正球を用いた不正行為が行われた場合であっても、当該糸状体が開閉体403と収容部406aAとの間に挟まるため、上記往復動をさせることが困難になる。また、上記隙間に不正具を挿入して大入賞口402をこじ開けるといった行為の足がかりを消失させることで、可変入賞装置82Aの保護にも貢献している。
前面パネル部材406Aを有する構成においては、当該前面パネル部材406Aの存在により、可変入賞装置82A(詳しくは開閉体403)がどのような状態であるかを遊技者が目視で確認することが妨げられることとなる。開閉実行モード中であって可変入賞装置82Aが閉状態となっている場合に大入賞口402を狙って遊技球を発射したとしても、それらの遊技球は無駄球となりやすい。このため、遊技に慣れた熟練者等は遊技球の発射タイミングを可変入賞装置82Aの動作タイミングに併せて調整することがある。この場合、上述したような大入賞口402(開閉体403)の視認性の低下は遊技球発射タイミングの調整を難しくする要因になると想定される。
確かに、開閉体403を有色不透明で光透過性の極めて低い合成樹脂材料で形成し、前面パネル部材406Aを無色透明で光透過性の極めて高い合成樹脂材料で形成すれば、前面パネル部材406Aを通じて開閉体403の視認性を担保できる。しかしながら、開閉体403のスライド方向が前後方向となっており、遊技者の目線と同程度の高さ位置に可変入賞装置82Aが配置されていることを考慮すると、開閉体403の位置(大入賞口402の状態)を目視で確認するのは困難である。
ここで、本実施の形態においては、上記収容部406aAを利用して当該視認性の低下を抑制する工夫がなされている。以下、図25(b)の概略図を参照して、当該工夫について説明する。
第1の実施の形態にて説明したように、前面パネル部材406Aの後方には発光基板432(発光体)が配置されており、この発光体からの光が前面パネル部材406Aを通じて遊技機前方に射出される構成となっている。ここで、本実施の形態における前面パネル部材406Aについては収容部406aAを形成すべく、その厚さ寸法が上記第1の実施の形態に比べて厚く設定されている。また、収容部406aAの深さ寸法は、自身の長手方向にて一定となるように形成されている。そして、上記前端部492の傾斜を許容するだけの深さが全体確保されることにより、上記発光体(LED)からの光が収容部406aAに到達した場合に、収容部406aAの内壁にて反射し、当該収容部406aAの底部に到達しやすくなっている。
この底部には、多数の凹凸からなる光拡散部が形成されており、当該底部に光が到達することで前面パネル部材406Aにおいて底部に対応する部分周辺が明るく輝くこととなる。このような現象は、開閉体403が閉位置に配置された状態では発生しない。つまり、収容部406aAが開閉体403によって埋められた状態では、上記光の反射が発せいしにくくなり、発光基板432からの光が上記底部に到達することが抑制される。
つまり、発光基板432からの光の射出態様が同様であっても、開閉体403が閉位置にある場合の前面パネル部材406A(詳しくは収容部406aA)の発光態様と、開閉体403が開位置にある場合の前面パネル部材406A(詳しくは収容部406aA)の発光態様とは大きく異なることとなり、遊技者はこの変化から可変入賞装置82Aが閉状態/開状態の何れの状態であるかを容易に把握することができる。以上の理由から、本実施の形態に示す収容部406aAに係る視認性についての問題が好適に解決されることとなる。
なお、第2の実施の形態に示した防犯機能を発揮させる上では、開閉体403の前端部492と前面パネル部材406との間に生じる隙間(詳しくは大入賞口402の開放方向から見た隙間)の発生を抑えることができるように、開閉体403の前端部492と前面パネル部材406とが上下に重なる構成であればよく、必ずしも収容部406aAを形成する必要はない。
例えば図26(a)の変形例に示すように、前面パネル部材406の背面に開閉体403の前端部492に下方から対向する対向面部406bBを形成してもよい。既に説明したように、開閉体403はその上面が遊技球を案内する案内通路の一部を構成している。案内機能を上手く発揮させようとした場合には、開閉体403が片持ち構造となって同開閉体403の変形量(撓み量)が大きくなることは好ましくない。
この点、本変形例によれば、開閉体403に遊技球の重み等による変形が生じた場合には、開閉体403の前端部492が対向面部406bBによって下方から支えられることとなり、当該対向面部406bBが撓みを制限するストッパとして機能する。これにより、案内通路としての機能が担保される。
また、当該構成においては、開閉体403の上下方向への撓み変形を許容することで、以下の効果が期待できる。図26(b)に示すように、遊技球が前面パネル部材406Bと開閉体403との間に挟まって球噛みが発生した場合には、開閉体403が閉位置に向けて移動しようとすることで、上方に撓む。球噛みは、遊技球の中心CPCと前後の当接箇所CPF,CPRが一直線上に並ぶことで発生するが、上述した開閉体403の撓みにより、後方の当接箇所CPRが遊技球の表面に沿って上方にずれる。これにより、開閉体403による押圧力は遊技球を下方へ押すよう作用し、上記球噛みの解消に貢献することができる。
因みに、本変形例では、開閉体403が対向面部406bBよりも上位となるようにしてそれら両者を対向させたが、これらの位置関係を逆転させることも可能である。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、開閉体403のスライド方向に対してその前端部492を傾斜させる構成としたが、開閉体403と前面パネル部材406との間に形成される隙間に大小の差が生じるのであれば足りる。例えば開閉体の前端部を傾斜させない構成においては開閉体のスライド方向を前後方向に対して傾けることにより、上記差を生じさせることが可能である。
(2)上記各実施の形態では、大入賞口402が斜め上方を向く構成としたが、これに限定されるものではなく、大入賞口の向きについては任意である。
例えば、横向き又は前向きとすることも可能である。この場合、大入賞口が上下に延び、開閉体が水平方向にてスライド移動する構成とし、上記隙間が上側よりも下側にて大きくなる構成とすることにより、仮に遊技球が噛んだ場合であっても遊技球の自重を利用して当該遊技球を上記隙間の大きい側(下側)へ誘導でき、入球阻止機能を好適に発揮させることができる。
(3)上記各実施の形態では、開閉体403の前端部492を、前面パネル部材406との間に生じる隙間に差が生じるように傾斜させたが、当該差を生じさせることができるのであれば、その形状は任意であり、例えば斜めに湾曲させてもよいし、段差状とすることも可能である。
但し、段差状とする場合、遊技球を隙間が大きい側へ誘導する機能を発揮させことが好ましく、各段差の底部に傾斜を付与し、より下位の段差側へと誘導できるように工夫するとよい。
(4)上記各実施の形態では、相対峙する開閉体403の前端部492及び前面パネル部材406の背面のうち前者を後者に対して傾斜させることで両者の間に生じる隙間に大小の差を設けたが、これを逆にしてもよい。すなわち後者を前者に対して傾斜させる構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、ベースユニット400に形成された挿通孔418の両側壁に開閉体403の両側部が当接する構成として開閉体403のスライド移動方向が左右にずれないように規制したがこの規制を緩めて、開閉体403が第2リンク部材483との接続箇所を基端として左右に回動し得る構成とすることも可能である。この変更を行うことにより、遊技球を下流側(隙間が大きく設定されている側)へと誘導する機能を一層好適に発揮させることが可能となる。
具体的には、上記各実施の形態においては挿通孔418によって開閉体403のスライド方向と交差する方向(左右方向)へのズレが許容されない構成としたが、図27(a)の可変入賞装置82Cの概略図に示すように、開閉体403Cと挿通孔418の内壁との間に左右方向(幅方向)において所定の隙間を設けるとともに、開閉体403Cと第2リンク部材との連結部分を球状軸受け構造とする。これにより、開閉体403Cが当該連結部分を中心とした左右への首振り運動が許容されることとなる。
かかる構成によれば、図27(b)に示すように開閉体403Cと前面パネル部材406との間に遊技球が噛み込んだ場合には、その遊技球により上記軸受け部分を中心に開閉体403Cが傾くこととなる(図27(c)参照)。これにより、遊技球の誘導機能がより強力に作用することとなる。なお、当該構成を採用する場合には併せて開閉体403Cを初期位置に付勢するバネ等の付勢手段を採用することが好ましい。また、上記軸受け構造については、案内通路の上流側寄りとなる位置にオフセットして配置することにより、上記誘導機能が発揮させやすくなる。
因みに、本変形例に示す構成においては、開閉体403の前端部を傾斜させなくとも、遊技球に当たった際の抗力によって開閉体403が回動(首振り)することで前面パネル部材406との間に傾きが生じることとなる。このように、上記各実施の形態においては開閉体403の前端部を前面パネル部材406と平行にならないように予め傾斜させておく構成(能動的に誘導機能等を発生させる構成)であったのに対して、本変形例においては開閉体403が遊技球と当たる(開閉体403と前面パネル部材406との間に遊技球が挟まる)ことにより、開閉体403の前端部を前面パネル部材406と平行とならないように傾斜させる構成(受動的に誘導機能等を発生させる構成)となっている。このように、受動的に誘導機能等を発生できる点に鑑みれば本変形例に示す技術的思想を採用するにあたっては開閉体403の前端部を前面パネル部材406と平行にならないように予め傾斜させておく構成は必須ではない。但し、本変形例においても、軸受け部分の直前位置にて上記球噛みが発生した場合には、遊技球が噛み込んでしまう可能性が残る。故に、当該変形例を採用する場合であっても上記前端部の傾斜を併用することが好ましい。
(6)上記各実施の形態では、可変入賞装置82を「入球部」として当該可変入賞装置82における利益担保を図ったが、開閉式のものであって複数の遊技球が同時に入球口を通過できるように構成されたものであれば上記可変入賞装置82に付与した利益担保機能と同様の機能を付与してもよい。
(7)上記各実施の形態では、可変入賞装置82が閉状態となっている場合には、当該可変入賞装置82(例えば開閉体403)によって右ルートへ打ち出された遊技球を「特定箇所」としての下作動口83bへ案内する案内通路445が形成される構成としたが、そのような案内機能については必須のものではない。但し、上記実施の形態に示すように、右ルートに沿ってスルーゲート84→可変入賞装置82→下作動口83b(電動役物91)が配置され、スルーゲート84への入賞を契機として電動役物91が動作する構成においては、スルーゲート84を通過した遊技球を下作動口83bへと案内する機能を可変入賞装置82に付与することで、遊技球が上手く下作動口83bに入賞せずに、遊技者が本来享受できるはずの利益を上手く得ることができなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
(8)上記各実施の形態に示した可変入賞装置82には、開閉体403が閉位置へと移動する際に遊技球の噛み込みが発生した場合に、開閉体403が閉位置に到達できなくとも他の遊技球の入球を阻止する機能と、噛みこんだ遊技球を開閉体403の閉位置へ向けた動きによって可変入賞装置82の内外に逃がす機能との両機能を付与したが、可変入賞装置82はそれら両機能の少なくとも何れかの機能を有していれば足り、他方の機能を省略することも可能である。
(9)上記各実施の形態では、開閉体403が閉位置へと移動することで仮に遊技球が噛みこんでいる場合には、当該遊技球を可変入賞装置82外へと排出する構成としたが、開閉体403が閉位置へと移動することで同遊技球を可変入賞装置82内に入賞させる構成とすることも可能である。
例えば、上記実施の形態における隙間G1,G2の関係を逆にすることで、上記構成が実現されることとなる。
(10)上記各実施の形態では、上流側傾斜面部415と下流側傾斜面部416との間に大入賞口402を配し、その大入賞口402を開閉体403によって閉じることにより、両傾斜面部415,416及び開閉体403によって遊技球を下作動口83bへと案内する案内通路445が形成される構成としたが、少なくとも開閉体403が案内通路445として機能するのであれば、上記各傾斜面部415,416を省略することも可能である。
また、開閉体403上を遊技球が移動することを考慮した場合には、開閉体403に変形や破損等の不具合が生じることで、上記案内機能が上手く発揮されなくなる。このような事情に鑑みれば、各傾斜面部415,416において大入賞口402を形成している部分に開閉体403を下方から支持する支持部を設け、同支持部によって開閉体403に生じる負荷をベースユニット400(例えば通路形成部材407)に分散させる構成とすることが好ましい。
(11)上記各実施の形態では、遊技球を誘導する「誘導手段」として開閉体403の前端部492に形成された傾斜を利用したが、少なくとも遊技球を上記隙間が小さい側(下位側又は下流側)へ誘導できるのであれば、その具体的構成は任意である。例えば、開閉体を矩形状ではなく円形状としその一部によって大入賞口402が覆われる構成においては、当該開閉体を自身の中心部を中心として回転させながら(詳しくは当該開閉体と遊技球との間に生じる摩擦が当該遊技球を上記隙間の小さい側へ押す向きに回転させながら)、前面パネル部材406側へスライドさせる構成とすることにより、上記誘導機能を強化できる。
なお、「誘導手段」として摩擦力や押圧力ではなく磁力を利用することも可能である。
(12)上記各実施の形態では、可変入賞装置82が閉状態となっている場合に、開閉体403の前端部492の一部(詳しくは上流側端部493)が前面パネル部材406に当接する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも前端部492が傾斜又は湾曲することにより、一端側と他端側とで前面パネル部材406との隙間が大小相違すれば足り、必ずしも開閉体403の前端部492の一部を前面パネル部材406に当接させる必要はない。
また、本実施の形態では、開閉体403と対峙する対象を前面パネル部材406としたが、少なくとも大入賞口402を構成している壁面部を対象とするのであればどのような部材であってもよい。例えば、ベースユニット400の通路形成部材407の板状部をその対象としてもよい。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選や特別遊技状態後の遊技状態を遊技者に有利なものとするか否かの抽選を行うものがある。この種の遊技機においては、例えば特別遊技状態への移行によって遊技領域に設けられた可変入球部への入球が許容され、同可変入球部への入球に基づいて予め定められた特典(所定数の遊技球の払い出し等)が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。このような可変式の入球部を有する遊技機においては、上述したような所定の条件の成立に基づいて、開口(入球口)に併設された開閉体が当該開口への入球を許容する開状態と入球を不可とする閉状態とに切り替えられることとなる。ここで、例えば開閉体を閉状態に切り替る際の動作が遊技球(球噛み)によって妨げられてしまうと、本来発生しないはずの入球が発生して遊技ホールが不測の不利益を被ると懸念される。また、例えば開閉体が開状態に切り替る際に当該動作が遊技球によって妨げられてしまうと、遊技者が入球発生の機会を逸して本来享受できるはずの特典を取り逃してしまうと懸念される。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、当該遊技盤に遊技球が入球する入球部(可変入賞装置82)が設けられた遊技機であって、
前記入球部は、
遊技球が通過可能に設けられ、遊技球の通過可能な範囲が特定方向に長くなるように形成された開口(大入賞口402)と、
前記開口の一側壁を構成し、前記特定方向に延びる壁面部(前面パネル部材406の背面)と、
前記壁面部に対して近づく方向及び遠ざかる方向にスライド移動可能に設けられ、前記開口への入球を阻止する閉状態及び同開口への入球を許容する開状態に切り替えられる開閉体(開閉体403)と、
前記開閉体の端部を前記壁面部に近づけるようにしてスライド移動させることにより前記閉状態とし、同開閉体の端部を前記壁面部から遠ざけるようにしてスライド移動させることにより前記開状態とする駆動機構(可変入賞駆動装置404)と
を有し、
前記開閉体により前記開口の少なくとも一部が閉じられている状態にて、前記開閉体の前記端部と前記壁面部との距離が、前記特定方向における前記開口の一端側よりも他端側のほうが大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、開閉体を閉状態から開状態に切り替える場合には、同開閉体が壁面部から遠ざかるようにしてスライド移動する。このため、当該動作の途中で入球部に遊技球が到達しても壁面部と開閉体との間に遊技球が挟まることはなく、開状態への切替動作が担保されることとなる。
一方、開閉体を開状態から閉状態に切り替える場合には、同開閉体が壁面部に近づくようにしてスライド移動する。このため、仮に当該動作の途中で入球部に遊技球が到達すると、開閉体と壁面部との間に遊技球が挟まって(球噛みが発生して)閉状態への切り替えが上手く行われない可能性がある。従来の遊技機では壁面部と開閉体との隙間が均一となるように構成されていた。このため、本特徴に示すように開口(遊技球の通過可能な範囲)が特定方向に長く設定されている場合には、同範囲のうち当該挟まっている遊技球が留まっている箇所を除く全ての箇所で後続球の入球が発生し得た。
この点、本特徴に示すように、開閉体の前記端部と前記壁面部との距離に大小の差を生じさせる構成においては、少なくとも距離が大きい側にて遊技球が挟まった場合には、それよりも距離が小さい部分での入球は回避されることとなる。つまり、閉状態への切り替えを妨げるようにして球噛みが発生した場合であっても、遊技球の流入可能な箇所をできるだけ少なくすることができる。このように、本来入球すべきでない遊技球が開口を通過する機会を減らすことで、遊技ホールが不利益を被る可能性を低減できる。
特徴A2.前記遊技領域には、前記入球部に向けて遊技球が流下する流下経路が設けられており、
前記開口は、当該開口の前記一端が前記流下経路の上流側、同開口の前記他端が前記流下経路の下流側となるように形成されており、
前記開閉体の前記端部と当該壁面部との距離は、前記開口における上流部分よりも下流部分のほうが大きくなっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように、入球部へ向かう流下経路が形成されている場合、流下経路に沿って移動する遊技球は流れの勢いや自重によって下流側に移動しようとする。このため、仮に開閉体と壁面部との間に遊技球が挟まるにしても、その位置をできるだけ下流側(上記距離が大きく設定されている側)にすることができる。これにより、球噛みが発生した状況下であっても、後続の遊技球が入球可能となる部位を極力小さくすることができる。
また、開閉体の閉状態への切り替えを妨げている遊技球によって、開閉体に沿った後続球の流下が妨げられやすくなる。上記隙間は上流側のほうが狭いため、挟まれている遊技球よりも上流側にて同開口に入球することはない。また、挟まれている遊技球よりも下流側では、開口への入球が発生し得るが、上述の如く後続球の流下が当該挟まれている遊技球によって妨げられるため、そのような事象が発生することは好適に抑制される。
特徴A3.前記開閉体及び前記壁面部は、前記閉状態への切り替えを行う際にそれら開閉体及び壁面部の間に遊技球が挟まった場合に、当該開閉体の押圧により当該遊技球が挟まった状態のまま前記一端側から前記他端側へ誘導されるように構成されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
開閉体の端部と壁面部との距離が上記開口の一端側よりも他端側のほうが大きくなるように構成されている前提では、仮に開閉体と壁面部との間で球噛みが発生するにしても、その発生箇所ができるだけ上記他端側に近い位置となることが好ましい。
そこで、本特徴に示すように、仮に球噛みが発生したとしても、その遊技球を開閉体のスライド動作により他端側へ誘導すれば、後続の遊技球が入球し得る範囲を狭くすることができる。これにより、球噛み発生時に他の遊技球が開口へ入球する機会を減らすことが可能となり、球噛み発生に起因した不利益の発生を好適に抑制することができる。
特徴A4.前記開口は前記特定方向における前記一端が前記他端よりも上下方向における上側に位置するように構成され、前記開閉体の前記端部と前記壁面部との距離が前記開口における上端側よりも下端側のほうが大きくなるように構成されており、
前記開閉体及び前記壁面部は、前記閉状態への切り替えを行う際に開閉体と壁面部との間に遊技球が挟まった場合に、当該開閉体の動きによって同遊技球を押圧することにより、同遊技球を前記一端側から前記他端側へ誘導するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、開閉体と壁面部との間に挟まった遊技球は開閉体のスライド移動に伴う誘導及び自重によって下端側への移動をうながすことができる。このようにして上記挟まれた遊技球を下側(隙間の大きい側)に移動させることにより、開閉体を壁面部へ近づけて壁面部と開閉体との隙間を小さくすることができる。故に、開閉体を回避して開口への入球が発生することを抑制できる。
特徴A5.前記開閉体の前記端部及び前記壁面部の一方は、前記開閉体の前記端部と前記壁面部との距離が前記特定方向における前記開口の一端側よりも他端側のほうが大きくなるように、他方に対して傾いている又は湾曲していることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5に示すように、開閉体の端部及び壁面部の一方を他方に対して傾ける又は湾曲させる構成とすれば、特徴A3等に示した球噛み発生時の遊技球の誘導機能を発揮させる上で、入球部の構成が過度に複雑になることを抑制できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴A1又は特徴A2に適用することも可能である。これにより、それら各特徴に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記開口は前記特定方向に対して傾くとともに斜め上方を向くように形成され、前記開閉体は当該開口に沿って斜めに傾斜していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2との組み合わせによれば、開閉体と壁面部との間に挟まった遊技球を広い側へ誘導することにより、遊技球における開閉体による押圧箇所が開口の向きと直交する方向にてずれることとなる。これにより、遊技球を開口から遠ざかるようにして押し出したり、開口側へ押しこんだりすることができ開閉体の阻止位置への配置を促し、開閉体と壁面部との隙間を通じた入球の発生を好適に抑制することができる。
また特徴A3や特徴A4との組み合わせによれば、開閉体と壁面部との間に挟まった遊技球を下流側又は下端側へ誘導することにより、遊技球における開閉体による押圧箇所が遊技球の下部側へずれることとなる。これにより、遊技球を開口から遠ざかるようにして押し上げることができる。当該遊技球については、本来入球すべきでないものであるため、同遊技球の入球を回避することで遊技ホールが損失を被ることを抑制できる。
特徴A7.前記開閉体は、当該開閉体が閉状態となっている場合に当該開閉体に沿った遊技球の移動を許容し、それら遊技球を前記遊技領域における特定箇所(下作動口83b)へ導く球通路(案内通路445)を構成していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
近年、遊技機の遊技領域には様々な役物や装飾体等の遊技部品が配置されたり、それら遊技部品が大型化したりすることにより、遊技球の流下経路の確保に対する制約が強くなっている。ここで、開閉体が閉状態となっている場合に当該開閉体によって球通路を形成すれば、入球部の存在が遊技球の流下経路の確保の妨げとなることを好適に回避できる。
しかしながら、このように開閉体に球通路を形成する機能を付与した場合には、球噛みの発生時に開口へ向けて多量の遊技球が流下する可能性が高くなる。これでは、球噛み発生時に発生すべきでない入球が発生する可能性が高くなると想定される。そこで、このような構成に特徴A1等に示した技術的思想を適用すれば、開閉体により球通路を構成しても、上記不都合を生じにくくすることができる。
特に、球通路を形成する機能は開閉体が閉状態となることで発揮されるが、特徴A6に示したように、開閉体のスライド動作によって噛みこんだ遊技球を逃がす構成を適用することにより、球通路としての機能を好適に担保することができる。
特徴A8.前記入球部は、第1入球部であり、
前記特定箇所は、特定の状況下にて遊技球の流入が可能となる第2入球部(下作動口83b)であり、
前記第1入球部は、前記特定の状況下では前記開閉体が阻止状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、特定の状況下にて第2入球部への入球が可能となり、その際、第1入球部の開閉体の球通路としての機能が発揮される。球噛みが発生した場合であっても、上流側から流下する遊技球が球通路を通過しようとした際に当該挟まっている遊技球に衝突する可能性が高くなる。これにより、同遊技球を後続の遊技球によって入球部内へ押し込んで球噛みを解消し、上記球通路としての機能を上手く発揮させることができる。
特徴A9.前記開閉体の前記端部は、当該端部と前記壁面部との距離が、前記開口の前記特定方向における一端側よりも他端側のほうが大きくなるように前記壁面部に対して傾斜していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示した構成を実現する上では、壁面部の形状を工夫するよりも開閉体の形状を工夫するほうが容易である。また、仮に変形や破損等により開閉機能に支障が生じた場合であっても、当該不具合は開閉体を交換することで解消される。故に、入球部のメンテナンスも容易となる。
特徴B1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)を備え、当該遊技盤に遊技球が入球する入球部(可変入賞装置82)が設けられた遊技機であって、
前記入球部は、
遊技球が通過可能に設けられ、遊技球の通過可能な範囲が特定方向に長くなるように形成された開口(大入賞口402)と、
前記開口の一側壁を構成し、前記特定方向に延びる壁面部(前面パネル部材406の背面)と、
前記壁面部に対して近づく方向及び遠ざかる方向にスライド移動可能に設けられ、前記開口への入球を阻止する閉状態及び入球を許容する開状態に切り替えられる開閉体(開閉体403)と、
前記開閉体の端部を前記壁面部に近づけるようにしてスライド移動させることにより前記閉状態とし、同開閉体の端部を前記壁面部から遠ざけるようにしてスライド移動させることにより前記開状態とする駆動機構(可変入賞駆動装置404)と、
所定の条件が成立した場合に前記開閉体が前記開状態から前記閉状態に切り替るように前記駆動機構を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU)と、
前記開閉体の閉状態への切り替えに伴って当該開閉体の前記端部と前記壁面部との間に遊技球が挟まった場合に、前記閉状態への切替動作に基づいて前記開閉体が同遊技球を前記壁面部側へ押圧することにより、当該遊技球を前記入球部内又は前記入球部外へ誘導する誘導手段(開閉体403及び可変入賞駆動装置404)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1に示すような開閉式の入球部が設けられている場合、開状態から閉状態への切り替え時に遊技球が開閉体と壁面部との間に挟まってしまう(球噛みが発生する)可能性がある。この場合、開閉体の閉状態への切り替えが妨げられ、他の遊技球の入球が許容される可能性が生じる。
この点、本特徴によれば、閉状態への切り替えが行われる場合には、上記球噛みが発生したとしても開閉体が壁面部に向けてスライド移動を続けることにより、当該遊技球が壁面部に押し付けられる。そして、このような開閉体の動きによって、遊技球が入球部内又は入球部外に誘導されることとなる。これにより開閉体の閉状態への切り替えが完了するため、上述したような本来発生するはずのない入球が発生するといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B2.前記誘導手段は、
前記開閉体及び前記壁面部の間に遊技球が挟まっている場合に、前記開閉体の閉状態への切替動作に基づいて前記遊技球を前記特定方向へ移動させる遊技球移動手段(開閉体403の前端部492)と、
前記遊技球移動手段にり前記特定方向へ遊技球が移動することに伴い、当該遊技球における前記開閉体又は前記壁面部との当接箇所を前記開口と直交する方向にて変化させる当接箇所可変手段(案内通路445の傾斜)と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示した遊技球の誘導機能を発揮するには、本特徴に示すように、遊技球を特定方向に移動させながら当該移動に伴って遊技球と開閉体又は壁面部との当接箇所を開口と直交する方向にて変化させる構成とすればよい。
これにより、遊技球の中心部から当接箇所までの距離が変化することとなる。遊技球は球体であるため上記当接箇所の変化が生じることにより、開閉体からの押圧力が遊技球を開口と直交する方向に動かすように作用する。これにより、特徴B1に示した機能を上手く発揮させることができる。
特に、遊技球を特定方向に移動させながら当接箇所を変化させる構成とすることで、当接箇所を円滑に変化させることができる。
特徴B3.前記当接箇所可変手段は、前記開閉体と前記壁面部との間に挟まっている遊技球が前記開口から流出する方向へ同遊技球が移動するようにして、前記当接箇所を変化させるように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
所定の条件の成立をもって閉状態に切り替る構成においては、開閉体が閉じる際に挟まってしまった遊技球は本来開口に入るべきではない遊技球である。ここで、本特徴に示すように、当該遊技球を開口(入球部)外に逃がす構成とすれば、予定外の入球を好適に回避することが可能となる。
特徴B4.前記開口は前記特定方向に対して傾くとともに斜め上方を向くように形成されており、
前記当接箇所可変手段は、前記開口に沿って斜めに傾斜するように構成された前記開閉体を有してなることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技球が挟まっている状態では遊技球と開閉体及び壁面部との間に生じる摩擦力によって当該遊技球の鉛直方向への動きが制限される。そこで、開閉体を開口に沿って斜めに傾斜させることにより、遊技球移動手段によって遊技球が特定方向へ移動した際に当該遊技球の移動に伴って上述した当接箇所のズレを容易に発生させることが可能となる。
特徴B5.前記遊技球移動手段は、前記開閉体の前記端部と前記壁面部との距離が、特定方向における前記開口の一端側よりも他端側のほうが大きくなるように構成されており、前記開閉体によって遊技球が押されることにより、前記一端側から前記他端側へ遊技球を移動させるものであることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B5に示すように、開閉体の端部と壁面部との距離に大小の差を生じさせておくことにより、開閉体により押圧された遊技球を特定方向(すなわち開口の上記一端側から上記他端側)へ移動させることができる。
特徴B6.前記開口は前記特定方向に対して傾くとともには斜め上方を向くように形成されており、
前記当接箇所可変手段は、前記開口に沿って斜めに傾斜するように構成された前記開閉体を有してなり、
前記遊技球移動手段は、前記開閉体の前記端部と前記壁面部との距離が、前記特定方向にて前記開口の上位側の一端よりも下位側の他端のほうが大きくなるように構成されており、当該開閉体によって遊技球が押圧されることにより、当該遊技球を前記一端側から前記他端側へ移動させるものであることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B6に示すように、移動手段によって遊技球を上側から下側へ移動させる構成とすることにより、同遊技球を重力に逆らって移動させる必要がなく、当該移動を円滑に行うことができる。ここで、下側への移動に伴って当接箇所が変化する場合、遊技球は開閉体と壁面部とによって挟まれることで、自重による下方への移動が制限されているため、上記当接箇所は遊技球の中心部よりも下側にずれやすくなる。このように、当接箇所が変化した場合には、開閉体が遊技球の下側に潜り込むようにして動作することとなる。これにより、開閉体と壁面部との間に挟まっていた遊技球は、開口(入球部)から排出されることとなる。所定の条件の成立をもって閉状態に切り替る構成においては、開閉体が閉じる際に挟まってしまった遊技球は本来開口に入るべきではない遊技球である。ここで、本特徴に示すように、当該遊技球を開口(入球部)外に逃がす構成とすれば、予定外の入球を好適に回避することが可能となる。
特徴B7.前記開閉体の前記端部及び前記壁面部の一方は、他方に対して前記一端側から前記他端側へ傾斜している又は湾曲していることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6等に示したように遊技球を特定方向に移動させようとした場合、本特徴に示すように開閉体の端部及び壁面部の一方を傾斜又は湾曲させることにより、当該移動機能を簡易な構成で発揮させることが可能となる。
特徴B8.前記開口は前記特定方向に対して傾くとともに斜め上方を向くように形成され、前記開閉体は当該開口に沿って斜めに傾斜するように形成されており、
前記開閉体は、当該開閉体が閉状態となっている場合に当該開閉体に沿った遊技球の移動を許容し、それら遊技球を前記遊技領域における特定箇所(下作動口83b)へ導く球通路(案内通路445)を構成していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
近年、遊技機の遊技領域には様々な役物や装飾体等の遊技部品が配置されたり、それら遊技部品が大型化したりすることにより、遊技球の流下経路の確保に対する制約が強くなっている。ここで、開閉体が閉状態となっている場合に当該開閉体によって球通路を形成すれば、入球部の存在が遊技球の流下経路の確保の妨げとなることを好適に回避できる。
しかしながら、このように開閉体に球通路を形成する機能を付与した場合には、球噛みの発生時に開口へ向けて多量の遊技球が流下する可能性が高くなる。これでは、球噛み発生時に発生すべきでない入球が発生する可能性が高くなると想定される。そこで、このような構成に特徴B1等に示した技術的思想を適用すれば、開閉体により球通路を構成しても、上記不都合を生じにくくすることができる。
特に、球通路を形成する機能は開閉体が閉状態となることで発揮されるが、特徴A6に示したように、開閉体のスライド動作によって噛みこんだ遊技球を逃がす構成を適用することにより、球通路としての機能を好適に担保することができる。
また、開口及び開閉体を傾けることにより上記案内機能を発揮でき、当該傾きは本特徴B群に示す遊技球逃がし機能を発揮させる上でも有効に作用する。つまり、球通路としての機能と球逃がし機能とを発揮する上で技術的意義がある。
特徴B9.前記入球部は、第1入球部であり、
前記特定箇所は、特定の状況下にて遊技球の流入が可能となる第2入球部(下作動口83b)であり、
前記第1入球部は、前記特定の状況下では前記開閉体が阻止状態となるように構成されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特定の状況下にて第2入球部への入球が可能となり、その際、第1入球部の開閉体の球通路としての機能が発揮される。ここで、仮に特定の状況下になっても第1入球部の閉状態への切り替えが完了せず、球噛みが発生したままになると、上記球通路としての機能が上手く発揮されなくなる。
この点、特徴B1等に示した技術的特徴を適用することにより、仮に球噛みが発生した場合でも当該遊技球を逃がすことが可能となり、球通路としての機能が担保される。故に、遊技者が本来享受できる特典等を取りこぼすといった不都合を生じにくくすることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。