JP2018111033A - 遊技機 - Google Patents

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龍一郎 河村
Ryuichiro Kawamura
龍一郎 河村
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Abstract

【課題】遊技者等の不利益の発生を好適に抑制することのできる遊技機を提供する。【解決手段】遊技領域PEの左ルートにはその途中位置にて分岐するようにして、第1案内通路271及び第2案内通路272が設けられている。第1案内通路271は複数の釘93を配列されてなり、第2案内通路272は、遊技球が通過する通過領域を仕切る通路形成体410と、当該通路形成体410を保持するホルダ420とを有する振分機構400によって構成されている。通路形成体410は、自身の中心軸線を中心として回転可能に保持されている。通路形成体410が回転することにより、当該通路形成体410に流入した遊技球が下作動口83bに到達するか否かの振り分けがなされる。通路形成体410を通じて下作動口83bに到達した遊技球は、通路形成体410の出口部分に連通する連通口を通じて同下作動口83bへと流入するように構成されている。【選択図】 図6

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選等の特典を遊技者に付与するものがある。この種の遊技機においては遊技領域に、遊技釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化が実現されているとともに入球部への入球が適度な確率で発生するように調整されている。また、遊技機においては、ホール管理者による遊技盤(遊技領域)へのアクセスが許容されており、清掃等のメンテナンス作業への配慮がなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−78904号公報
しかしながら、例えば上記メンテナンス作業を行う際に遊技部品が変形等した場合には、入球部への入球確率が変化する可能性がある。そもそも、遊技機メーカーにおいては、入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されており、上述した事情等によって入球確率が大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態となり得る。このような偏りが大きくなることは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技者等の不利益の発生を好適に抑制することのできる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
前面に遊技領域が形成された遊技盤を備え、当該遊技盤に遊技釘と遊技球が入球する入球部とが設けられている遊技機であって、
前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、複数の前記遊技釘が配列されてなる第1案内通路と、遊技球が通過する通過領域を仕切る仕切部材により形成されている第2案内通路とを備え、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は横方に延びており、当該第1案内通路が上側且つ当該第2案内通路が下側となるようにして上下に並設されており、
前記第1案内通路の途中位置にて当該第1案内通路から流出した遊技球が前記第2案内通路の入口部分及び出口部分の中間位置へ流入可能となっていることを特徴とする。
遊技者等の不利益の発生を好適に抑制することができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットの構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットを背面側から見た斜視図である。 内枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面図である。 裏パックユニットを示す正面図である。 図6の部分拡大図である。 図11のA−A線部分断面図である。 入球確率可変機構の動きを示す概略図である。 入球確率可変機構の動きを示す概略図である。 (a)案内通路を示す概略図、(b)トリガへの遊技球の到達の可否を示す概略図である。 遊技球の流下態様を示す概略図である。 遊技球の振り分けの様子を示す概略図である。 (a)第2の実施の形態における遊技盤を示す部分拡大図、(b)入球確率可変機構を示す概略図である。 入球確率可変機構の動きを示す概略図である。 第3の実施の形態における遊技盤を示す正面図である。 振分機構の主要な構成を分解して示す斜視図である。 (a)振分機構の横断面図、(b)振分機構の縦断面図である。 通路形成体を示す正面図である。 遊技球の流下態様を示す概略図である。 第4の実施の形態における振分機構を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤ユニット80と、遊技盤ユニット80の背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤ユニット80を通じて視認可能となっている。
遊技盤ユニット80の前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤ユニット80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤ユニット80(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤ユニット80の遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図6においては左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤ユニット80には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤ユニット80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤ユニット80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘93や風車94等の各種遊技部品が配設されている。これら釘93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤ユニット80の中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技盤ユニット80の背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方:右ルート)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技球が通過可能な大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉体が設けられている。開閉体は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤ユニット80には、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技盤ユニット80(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤ユニット80の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82やスルーゲートに入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部96が形成されている。センターフレーム95の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路97を通じてステージ部96上に排出される。ステージ部96については、当該ステージ部96に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるよう、具体的にはステージ部96を介さない遊技球と比較して上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部96上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部96上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤ユニット80における右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材や主表示ユニット87が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤ユニット80(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技盤ユニット80の左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤ユニット80の背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技盤ユニット80側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤ユニット80の背面に固定されることで、遊技盤ユニット80と背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置253が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤ユニット80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技盤ユニット80の背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技盤ユニット80を通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図12(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技盤ユニット80の背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技盤ユニット80との間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。
遊技盤ユニット80には、主として遊技球が流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。遊技に係る各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、本実施の形態においては遊技盤ユニット80(遊技盤80a)の前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技盤80a(板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PE(詳しくは遊技球の流下に係る構成の配置領域)を確保することが可能となっている。
遊技領域PEには、釘93等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化が実現され、作動口83等の入球部への入球が適度な確率で発生するように構成されている。遊技機メーカーにおいては、作動口83等への入球確率が予め設定された所定範囲(設計値)内に収まるようにしてパチンコ機10(遊技盤ユニット80)が製造→出荷される。この所定範囲については、パチンコ機10が遊技者及び遊技ホールの一方に対して過度に不利にならないように設定されている。
しかしながら、図6等に示しているように、遊技盤ユニット80においては、釘93を並べて配置することにより、「入球部」としての作動口83(詳しくは作動口83a)に向けた遊技球の案内通路を形成している。このように、変形可能な複数の部材を組み合わせて案内通路を形成する構成では、製造ばらつき等の影響を検査(調整)工程等にて完全に払拭することは困難である。
また、清掃等のメンテナンス作業に配慮してホール管理者等の作業者による遊技領域PEへのアクセスが許容されている。これは、作業者の利便性の向上を図る上では有益であるが、作業中に釘93等が変形した場合には、遊技ホールにパチンコ機10が設置されている状況下においても、上述した入球確率が変化し得る。
仮に上記入球確率が上記所定範囲から外れていた場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状況が発生し得る。これは、遊技を促す上で妨げとなる。このような事情に鑑みて、本実施の形態においては、上記入球確率の振れ幅が過剰に大きくならないように抑制する工夫が講じられていること、具体的には入球確率可変機構300が設けられていることを特徴の1つとしている。そこで以下、図6、図11及び図12を参照して入球確率可変機構300及びそれに関連する構成について説明する。図11は入球確率可変機構300及びその周辺構成を示す図6の部分拡大図、図12は図11のA−A線部分断面図である。
(入球確率可変機構300及びそれに関連する構成)
先ず、図6及び図11を参照して、遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路、詳しくは釘93等の遊技部品によって構成された遊技球の案内通路について補足説明する。
図6に示すように、図柄表示装置253(中央開口85)を左側から迂回する左ルートには、作動口83へ遊技球を案内する案内通路が設けられている。案内通路は、図柄表示装置253の表示画面253aの側方に配置された風車94よりも上流側(上側)に設けられた上流側通路268と、当該風車94よりも下流側(下側)に設けられた下流側通路269とを有してなる。
図11に示すように、下流側通路269は、風車94が設けられている部分(分岐部分270)にて2股、具体的には第1案内通路271と当該第1案内通路271の下方に位置する第2案内通路272とに分岐している。第1案内通路271及び第2案内通路272は、作動口83に向けて斜めに傾斜する方向に釘93を配列されてなり、各案内通路271,272を上下に並設することにより、下流側通路269を移動する遊技球が目で追いやすくなっている。つまり、遊技者が両案内通路271,272の一方に注視している場合に他方が視界から外れることを抑制している。
第1案内通路271は当該第1案内通路271に振り分けられた遊技球の上作動口83aへの入球確率が、第2案内通路272に振り分けられた遊技球の上作動口83aへの入球確率よりも高くなるように設定されている。つまり、上流側通路268→分岐部分270を経て下流側通路269に流入する遊技球については、その流入先(第1案内通路271/第2案内通路272)に応じて上作動口83aへの入球確率が相違するように有利度の差が付与されている。以上の理由から、遊技者は分岐部分270に到達した遊技球が第1案内通路271に振り分けられることを期待して遊技を行う想定される。
ここで、第1案内通路271について説明する。第1案内通路271は、風車94から上作動口83aに向けて複数の釘93aが直線状に並べて配置されることにより構成されている。但し、第1案内通路271を構成する釘93a群は一部間引きされており、当該第1案内通路271には釘93aの非配置区間が設けられている。この非配置区間は遊技球の直径寸法よりも大きく設定されており、同非配置区間が遊技球の通過を許容する開放部281〜283として機能している。
第1案内通路271に流入した遊技球については、これら開放部281〜283を避けて流下することにより、上作動口83a(詳しくはその近傍)に到達することとなる。このように、第1案内通路271に流入した遊技球をその流下過程にて当該第1案内通路271から排出される点に着目すれば、第1案内通路271に振り分けられた遊技球の上作動口83a近傍への到達率(到達確率)は少なくとも開放部281〜283に依存しているといえる。
なお、第1案内通路271を通じて上作動口83a近傍に到達した遊技球は、当該上作動口83aの周辺に配置された釘93によって、当該上作動口83aに入球するものと入球しないものとに振り分けられることとなる。
本実施の形態における遊技盤80aにおいて開放部281,282が形成されている部分には、遊技盤80aの厚さ方向に貫通するスリット261が各々形成されている。これらスリット261には、開放部281,282を開閉する開閉手段として案内ユニット310が配設されている。同案内ユニット310によって上記入球確率可変機構300の一部が構成されている。
図12に示すように案内ユニット310は、遊技盤80aの前面から遊技領域PEに突出する突出位置及び遊技領域PEへの突出が回避される待機位置にスライド移動可能な可動片311と、当該可動片311をスライド移動可能な状態で保持するケース体315とを有してなり、当該ケース体315が遊技盤80aに固定されることで同遊技盤80aと一体化されている。なお、ケース体315は、遊技盤80aに固定された状態にて当該ケース体315の前端面が遊技盤80aの前面と同一平面上に位置するように構成されている。
可動片311は前後に延びる長板状をなしており、板面が第1案内通路271と平行となるように配されている。可動片311が突出位置に配置されることにより、当該可動片311によって第1案内通路271(詳しくは底部)の一部が構成される。これにより、開放部281を通じた遊技球の流出が規制され且つ第1案内通路271を流下して案内ユニット310に到達した遊技球は当該可動片311に沿って作動口83aに向けて案内されることとなる。
ケース体315には可動片311を待機位置に付勢する付勢手段としてバネ319が内蔵されており、可動片311が待機位置に配置された状態では当該可動片311に形成された突起312がケース体315のストッパ316に押し付けられた状態となっている。これにより、それ以上の後退が阻止されているとともに、待機位置から突出位置への移動が妨げられている。可動片311は、待機位置に配置された状態では当該可動片311の前端部が遊技盤80aの前面と同一平面上に位置するように構成されている。これにより、可動片311(案内ユニット310)が遊技球の挙動を乱す要因になることを回避している。
ここで、可動片311が突出位置から待機位置に復帰する際には、当該可動片311が一気に待機位置へ移動しないように当該可動片311の動きを鈍化させる機能が作用することとなる。以下、この機能に係る構成について補足説明する。
ケース体315はシリンダ状をなしており、その後部には空気孔が形成されている。また、上述したストッパ316は、その外周がケース体315の内周面に当接するようにして形成されており、このストッパ316にも空気孔が形成されている。可動片311がバネ319の付勢力によって待機位置へ復帰する際には、この空気孔を通じて空気が移動することにより付勢力に抗する抵抗が発生する。つまり、案内ユニット310にはエアダンパとしての機能が付与されており、待機位置への復帰が遅延される構成となっている。
なお、この遅延機能については、空気孔に併設された弁等によって往路及び復路で有効/無効が切り替る構成となっている。具体的には、待機位置から突出位置へ移動する往路では遅延機能が無効化され、突出位置から待機位置に移動する復路では遅延機能が有効化される構成となっている。
可動片311が突出位置に配置された状態が案内ユニット310の案内状態であり、可動片311が待機位置に配置された状態が案内ユニット310の非案内状態である。本実施の形態においては、案内ユニット310を非案内状態から案内状態に切り替える切替手段として、当該案内ユニット310を操作する操作ユニット320が設けられている。操作ユニット320は、案内ユニット310とともに入球確率可変機構300を構成している。
操作ユニット320は、第2案内通路272に配設された回転体321(図11(b)参照)と、当該回転体321を回転可能に保持するホルダ325とを有してなり、ホルダ325が遊技盤80aに形成された貫通孔262に固定されることで遊技盤80aと一体化されている。
回転体321は前後に延びる軸部322を有し、ホルダ325に軸部322と係合する軸受け部として機能している。軸部322の前端部は遊技領域PEに突出しており、この突出している部分には第2案内通路272を流下する遊技球を受ける(当たる)球受け部323が設けられている。球受け部323は、軸部322に対して放射方向に延びる平板状をなしており、回転体321の中心軸線CL0を中心として等間隔となるように複数配設されている(詳しくは120度間隔で3つ形成されている)。
なお、球受け部323についても、その板面が遊技盤80aの前面と直交するように形成されており、当該球受け部323によって第2案内通路272の一部を構成されているともいえる。
各球受け部323には磁性体327が配設されている。遊技盤80aにおいて磁性体327と対応する位置に磁石328が埋設されている。磁性体327が磁石328によって吸着されることにより、回転体321の待機姿勢のばらつきが抑制されている。球受け部323に遊技球が衝突すると、その衝撃及び遊技球の重さによって磁石328による拘束が解除され、回転体321が所定方向(本実施の形態においては時計回り方向)に回転することとなる。
遊技盤80aの背面には回転体321の回転力を案内ユニット310の可動片311を前方へ移動させる動力に変換して同可動片311に伝える動力伝達機構331が設けられている。回転体321が回転した場合には、その力が可動片311に伝わり、可動片311はバネ319の付勢力に抗して突出位置に移動する。
なお、動力伝達機構331の力の伝達方向は回転体321→可動片311に限定されており、可動片311→回転体321への力の伝達が回避される構造(所謂ワンウェイリンク構造)となっている。このため、可動片311が突出位置から待機位置に復帰する場合に、それに追従して回転体321が所定方向とは反対方向に回転することはない。これにより、可動片311の待機位置への復帰が回転体321によって妨げられることを回避している。
なお、軸部322の後端部はホルダ325から突出しており、この突出している部分にはギア324が取り付けられている。ギア324には遊技盤80aの背面に固定された反転防止部材329(例えばラッチ)が接続されており、この反転防止部材329によって所定方向とは反対方向への回転体321の回転が阻止されている。これは、回転体321に到達した遊技球を、第2案内通路272の下流側へ誘導する工夫である。
ここで、図11を参照して、第2案内通路272の通路構造について補足説明する。
(第2案内通路272)
第2案内通路272は、釘93bを第1案内通路271の通路方向と同じ方向に並べて設けられた上通路275と、釘93cを当該方向に並べて設けられた中通路276と、釘93dを同方向に並べて設けられた下通路277とを有してなり、上下に3層となるように構成されている。
上通路275の最上流位置には第1開放部291が形成されており、第2案内通路272に流入した遊技球は当該第1開放部にて第2案内通路272から排出されるか否かの振分が行われることとなる。
上通路275において第1案内通路271の第1開放部281の直下となる位置には、第2開放部292が形成されている。この第2開放部292を通じて上通路275と中通路276とが連通している。第2開放部292の下方には当該第2開放部292と対峙するようにして第1操作ユニット320Aが配置されている。第1操作ユニット320Aは、その回転中心CL0が第2開放部292よりも左側に位置するようにして配置されており(オフセットされており)、第2開放部292を通じて第1操作ユニット320Aに到達した遊技球については、そのまま第2案内通路272から排出されるか、中通路276に移るかの振り分けが行われる。
上通路275において第1案内通路271の第2開放部282の直下となる位置には、第3開放部293が形成されている。また、第3開放部293よりも下流側、詳しくは第1案内通路271の第3開放部283の直下となる位置には第4開放部が形成されている。これら第3開放部293及び第4開放部294を通じて上通路275と中通路276とが連通している。
中通路276において第3開放部293(第2開放部282)の直下となる位置には、第5開放部295が形成されている。この第5開放部295を通じて中通路276と下通路277とが連通している。第5開放部295の下方には当該第5開放部295と対峙するようにして第2操作ユニット320Bが配置されている。第2操作ユニット320Bは、その回転中心CL0が第5開放部295よりも左側に位置するようにして配置されており(オフセットされており)、第5開放部295を通じて第2操作ユニット320Bに到達した遊技球については、そのまま第2案内通路272から排出されるか、下通路277に移るかの振り分けが行われる。
以上詳述した第1操作ユニット320Aは第1案内ユニット310Aと連動しており、第1操作ユニット320Aの動作によって第1案内ユニット310Aが案内状態/非案内状態に切り替る構成となっている。また、第2操作ユニット320Bは第2案内ユニット310Bと連動しており、第2操作ユニット320Bの動作によって第2案内ユニット310Bが案内状態/非案内状態に切り替る構成となっている。つまり、第1操作ユニット320Aには第1案内ユニット310Aの切替トリガとしての機能が付与され、第2操作ユニット320Bには第2案内ユニット310B用の切替トリガとしての機能が付与されている。案内ユニット310及び操作ユニット320の連動の様子については何れの組み合わせについても共通となっている。以下、図13及び図14を参照して、入球確率可変機構300の動作態様について説明する。図13(1)は操作ユニット320及び案内ユニット310の断面図、図13(2)は操作ユニット320及び案内ユニット310の正面図である。
(入球確率可変機構300の動作態様)
図13(a)に示すように下流側通路269に振り分けられた遊技球が操作ユニット320に到達すると、当該遊技球が回転体321の球受け部323に衝突する。これにより、磁石328と磁性体327との吸着が解除され、図13(b)→図13(c)に示すように回転体321が中心軸線CL0を中心として所定方向(時計周り)に回転することとなる。遊技球の衝突によって回転体321が回転すると、その回転力が動力伝達機構331に伝わる。動力伝達機構331は、当該回転力を案内ユニット310用の駆動力に変換して当該案内ユニット310の可動片311に伝達する。
可動片311に駆動力が伝達されると、可動片311はバネ319の付勢力に抗して待機位置から突出位置へと移動する。これにより、案内ユニット310が非案内状態から案内状態に切り替ることとなる。
ここで、可動片311を動かす場合に発生する抵抗は回転体321の回転を妨げるように作用し得るが、第2案内通路272は少なくとも遊技球が衝突した際の速度(運動エネルギ)が回転体321を所定角度(本実施の形態においては120度)回転させることが可能となるように構成されている。これにより、回転体321の回転量が不足して案内ユニット310の案内状態への切り替えが完遂されなくなることを回避している。
なお、本実施の形態においては、回転体321の回転角度が120度となることにより、可動片311の突出量が最大となるように構成されているが、回転体321が120度回転した場合には、磁石328によって磁性体327が吸着されることにより、それ以上の回転が妨げられることとなる。
案内ユニット310が案内状態に切り替った後(可動片311が最大突出位置)に配置された後は、図14(d)→図14(e)→図14(f)に示すように、バネ319の付勢力によって可動片311が待機位置へと押し戻されることとなる。既に説明したように、案内ユニット310には往路と復路とで抵抗が変化するように構成されている。具体的には、往路よりも復路の方が抵抗が大きくなるように構成されている。これにより、突出位置から待機位置への復帰が遅延されることとなる。
可動片311が待機位置へ向けて移動する場合には、動力伝達機構331→操作ユニット320(回転体321)への動力の伝達が回避されており、可動片311の動きに追従して回転体321が回転前の状態に復帰するように動作することがない。つまり、非案内状態から案内状態への切替時には案内ユニット310と操作ユニット320とが連動するのに対して、案内状態から非案内状態への切替時には案内ユニット310と操作ユニット320とが非連動となる。
仮に、案内ユニット310が案内状態から非案内状態に切り替る途中にて、操作ユニット320の回転体321に後続の遊技球が衝突した場合には、可動片311が最大突出位置へと押し戻されて案内状態が継続することとなる。可動片311が待機位置に配置されている状態にて遊技球が操作ユニット320に到達した場合と、可動片311が待機位置に配置されていない状態にて遊技球が操作ユニット320に到達した場合とを比較すると、後者のほうが前者よりも回転初期に生じる抵抗が僅かながら大きくなる。このため、操作ユニット320に到達した遊技球については、第2案内通路272から排出される可能性が低くなる。例えば、第1案内ユニット310Aに到達した遊技球は、その到達タイミングに応じて第2案内ユニット310Bに到達する確率が変化することとなる。
ここで、図15を参照して、下流側通路269における遊技球の振分態様について説明する。図15(a)は下流側通路269における遊技球の振分態様を示す概略図、図15(b)は第2案内通路272への遊技球の流入位置と当該遊技球の到達箇所可能位置を示す概略図である。
(下流側通路269における遊技球の振分態様)
図15(a)に示すように、上流側通路268→分岐部分270を通じて下流側通路269に流入する遊技球については、第2案内通路272への流入箇所として複数の分岐ポイントが設けられている。以下の説明では、風車94が配設されている位置(分岐部分270)を第1分岐ポイントJ1、第1案内通路271において第1開放部281が形成されている位置を第2分岐ポイントJ2、第1案内通路271において第3開放部283が形成されている位置を第3分岐ポイントJ3、第1案内通路271において第3開放部283が形成されている位置を第4分岐ポイントJ4と称する。
第1分岐ポイントJ1にて第2案内通路272に流入した遊技球については、上通路275に沿って流下する。上通路275に形成された第1開放部291から排出されなかった場合には、第2開放部292に到達する。第2開放部292に到達した遊技球は、第2開放部292に流入する経路と第2開放部292に流入しない経路との何れかに沿って流下することとなる。第2開放部292に流入した遊技球は、第1操作ユニット320Aに到達する。第1操作ユニット320Aに到達した遊技球は、そのまま第2案内通路272から排出される経路と中通路276に移る経路との何れかに沿って流下する。
第2開放部292を素通りして第3開放部293に到達した遊技球が当該第3開放部293に流入した遊技球、及び第1操作ユニット320Aを経由して中通路276を流下した遊技球は、第5開放部295に到達する。第5開放部295に到達した遊技球は、第5開放部295に流入する経路と第5開放部295に流入しない経路との何れかに沿って流下することとなる。第5開放部295に流入した遊技球は、第2操作ユニット320Bに到達する。第2操作ユニット320Bに到達した遊技球は、そのまま第2案内通路272から排出される経路と下通路277に移る経路との何れかに沿って流下する。
このように、第1分岐ポイントJ1にて第2案内通路272に振り分けられた遊技球は、第1操作ユニット320A及び第2操作ユニット320Bに到達し得る(図15(b)参照)
第2分岐ポイントJ2にて第1案内通路271経由で第2案内通路272(詳しくは中通路276)に流入した遊技球は、その下方に位置する第2開放部292に流入する経路と第2開放部292に流入しない経路との何れかに沿って流下することとなる。第2開放部292に流入した遊技球は、第1操作ユニット320Aに到達する。第1操作ユニット320Aに到達した遊技球は、そのまま第2案内通路272から排出される経路と中通路276に移る経路との何れかに沿って流下する。
第2開放部292を素通りして第3開放部293に到達し当該第3開放部293に流入した遊技球、及び第1操作ユニット320Aを経由して中通路276を流下した遊技球は、第5開放部295に到達する。第5開放部295に到達した遊技球は、第5開放部295に流入する経路と第5開放部295に流入しない経路との何れかに沿って流下することとなる。第5開放部295に流入した遊技球は、第2操作ユニット320Bに到達する。第2操作ユニット320Bに到達した遊技球は、そのまま第2案内通路272から排出される経路と下通路277に移る経路との何れかに沿って流下する。
このように、第2分岐ポイントJ2にて第2案内通路272に振り分けられた遊技球は、第1操作ユニット320A及び第2操作ユニット320Bに到達し得る(図15(b)参照)。
第3分岐ポイントJ3にて第1案内通路271経由で第2案内通路272(詳しくは中通路276)に流入した遊技球は、上通路275の第3開放部293に到達する。第3開放部293に流入せずにそのまま上通路275を流下した場合には、何れの操作ユニット320A,320Bにも到達することなく、第2案内通路272から排出されることとなる。
一方、第3開放部293に流入した遊技球は、その下方に位置する第5開放部295に流入する経路と第5開放部295に流入しない経路との何れかに沿って流下することとなる。第5開放部295に流入した遊技球は、第2操作ユニット320Bに到達する。第2操作ユニット320Bに到達した遊技球は、そのまま第2案内通路272から排出される経路と下通路277に移る経路との何れかに沿って流下する。
このように、第3分岐ポイントJ3にて第2案内通路272に振り分けられた遊技球は、第1操作ユニット320Aへの到達が回避される一方、第2操作ユニット320Bに到達する可能性が生じる(図15(b)参照)。
第4分岐ポイントJ4にて第1案内通路271経由で第2案内通路272(詳しくは中通路276)に流入した遊技球は、上通路275の第4開放部294に到達する。第4開放部294に流入せずにそのまま上通路275を流下した場合、第4開放部294に流入した場合のいずれであっても、何れの操作ユニット320A,320Bにも到達することなく、第2案内通路272から排出されることとなる。
このように、第4分岐ポイントJ4にて第2案内通路272に振り分けられた遊技球は、第1操作ユニット320A及び第2操作ユニット320Bへの到達が回避される(図15(b)参照)。
作動口83(詳しくは上作動口83a)への到達確率が相対的に低く設定された第2案内通路272へ遊技球が振り分けられることは一見すると遊技者にとって不利であると想定される。しかしながら、その遊技球が操作ユニット320に到達することに基づいて案内ユニット310が案内状態に切り替ることにより、第1案内通路271を経由した作動口83への遊技球の到達確率が上昇することとなる。この結果、作動口83への遊技球の入球確率を向上させることができるため、第2案内通路272への遊技球の振り分けを遊技者にとって有利な状況を作り出す手段、詳しくは遊技機全体での作動口83への入球確率の低下を抑える手段として機能させることができる。これにより、入球確率の極端な低下を抑制することができる。
特に、下流側通路269に到達した遊技球が第2案内通路272に振り分けられるタイミングが早い程、操作ユニット320に到達する可能性が高くなるように構成されている。つまり、第2案内通路272へ転落して、作動口83への入球の可能性が早期に低下した遊技球については、上述した切替の契機となる可能性が高くなるように構成されている。これは、上述した入球確率の低下を抑える機能を発揮する上で好ましい。
ここで、図16を参照して、遊技球の流下態様について例示する。図16は、下流側通路269における遊技球の流下態様の一例を示した概略図である。
(遊技球の流下態様)
図16(a)に示すように分岐部分270を通じて下流側通路269に流下した遊技球B1が第2案内通路272に流入すると、当該遊技球B1は第2案内通路272の上通路275に沿って流下する。図16(b)に示すように、遊技球B1が第2開放部292を通じて第1操作ユニット320Aに到達すると、当該遊技球B1によって回転体321の球受け部323(図11参照)が押し下げられる。これにより、第1案内ユニット310Aが非案内状態から案内状態に切り替り、第1案内通路271の第1開放部281を通じた遊技球の流出が規制されることとなる。
図16(b)においては、後続の遊技球B2が第1案内通路271に振り分けられている。図16(b)→図16(c)に示すように、この遊技球B2については、第1案内ユニット310Aによって第1開放部281よりも下流側へ案内されることとなる。ここで、上記遊技球B1は、第1操作ユニット320Aを経由して中通路276に案内され、中通路276を流下して第5開放部295へ到達している。遊技球B1が第5開放部295を通じて第2操作ユニット320Bに到達すると、当該遊技球B1によって回転体321の球受け部323(図11参照)が押し下げられる。これにより、第2案内ユニット310Bが非案内状態から案内状態に切り替り、第1案内通路271の第2開放部282を通じた遊技球の流出が規制されることとなる。
この際、第1案内ユニット310Aが案内状態となっている状況下にて第2案内ユニット310Bも案内状態に切り替ることにより、遊技球の流出確率が大幅に低下することとなる。例えば、第1案内通路271に流入した遊技球については、勢いよく流下することにより、第3開放部283を素通りして作動口83に向かう可能性が高くなる(図16(d)参照)。
上述したように、本実施の形態においては、釘93や風車94等の遊技部品を複数組み合わせることにより遊技球の流下経路、例えば特定位置(例えば作動口83)へ向けて遊技球を案内する案内通路(流下経路)を規定している。このような構成では、遊技球の流下態様が単調になることを抑制することができる反面、それら遊技部品の変形や相互の位置関係の変化等によって上述した入球確率の振れ幅が大きくなる可能性が高くなる。ここで、図17を参照してその具体例について説明する。図17(a)は風車94及びその周辺構成を示す概略図、図17(b)は第1案内通路271における第1開放部281及びその周辺構成を示す概略図である。
(入球確率の補正機能)
本実施の形態における分岐部分270においては、図17(a1)に示すように、振分手段を構成する風車94の中心を通過する中心線CL1よりも上流側通路268の中心線CL2の方が僅かに右に位置している。これにより、分岐部分270における遊技球の振分が第1案内通路271及び第2案内通路272にてほぼ等分となるように構成されている。
ここで、製造時、輸送時、遊技ホールでのメンテナンス時等にて何らかの事情で図17(a2)に示す状態、具体的には中心線CL1と中心線CL2との位置関係が逆になるように風車94が右側に傾く等した状態となった場合には、分岐部分270における遊技球の振分態様に偏りが生じる。詳しくは、第1案内通路271に振り分けられる遊技球の数よりも第2案内通路272に振り分けられる遊技球の数の方が多くなるような偏りが生じる。既に説明したように、第1案内通路271に係る作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率は、第2案内通路272に係る作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率よりも高く設定されている。故に、第2案内通路272へ振り分けられる確率が高くなることにより、全体での作動口83に係る入球確率が低下し得る。
ここで、本実施の形態においては、第2案内通路272への遊技球の振分確率が高くなることにより、入球確率可変機構300が機能する頻度が高くなる。この結果、第1案内通路271へ振り分けられる遊技球の数自体が減少したとしても、第1案内通路271に振り分けられた遊技球が作動口83(詳しくは上作動口83a)に到達する到達確率、ひいては当該第1案内通路271に係る作動口83への入球確率が上がることとなる。これにより、上述した入球確率の低下が抑制される。
一方、図17(a3)に示すような状態、具体的には中心線CL1と中心線CL2との位置関係は設計通りであるものの、両者の距離(離れ具合い)が大きくなるように風車94が左側に傾く等した状態となった場合には、分岐部分270における遊技球の振分態様に偏りが生じる。詳しくは、第2案内通路272に振り分けられる遊技球の数よりも第1案内通路271に振り分けられる遊技球の数の方が多くなるような偏りが生じる。既に説明したように、第1案内通路271に係る作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率は、第2案内通路272に係る作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率よりも高く設定されている。故に、第2案内通路272へ振り分けられる確率が高くなることにより、全体での作動口83に係る入球確率が上昇し得る。
ここで、本実施の形態においては、第2案内通路272への遊技球の振分確率が低くなることにより、入球確率可変機構300が機能する頻度が低くなる。この結果、第1案内通路271へ振り分けられる遊技球の数自体が増加したとしても、第1案内通路271に振り分けられた遊技球が作動口83(詳しくは上作動口83a)に到達する到達確率、ひいては当該第1案内通路271に係る作動口83への入球確率が下がることとなる。これにより、上述した入球確率の上昇が抑制される。
以上の通り、分岐部分270を構成する風車94が変形する等して、予め設定された振分確率が変化したとしても、入球確率の上昇又は低下を抑えるように入球確率可変機構300が動作する。これにより、風車94の変形等が入球確率を大きく左右する要因になることを抑制することが可能となっている。
本実施の形態における第1案内通路271においては、開放部281〜283からの遊技球の流出を許容することにより、第1案内通路271へ流入した遊技球が全て作動口83に到達するのではなく、それら遊技球の一部が作動口83に到達するように振り分ける機能が付与されている。これら開放部281〜283の間隔については、上記到達確率が所定の範囲内に収まるように設定されているが、開放部281〜283が一対の釘93によって構成されているため、これら釘93が変形することにより、上記間隔が変化し得る。このような間隔の変化が発生した場合には、第1案内通路271に係る作動口83への遊技球の到達確率、ひいては作動口83への入球確率が変化することとなる。
図17(b)の概略図を参照して、第1開放部281に間隔の変化が生じた場合について説明する。第1開放部281においては、図17(b1)に示すように、第1開放部281を形成する一対の釘93の間隔Dが遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように設定されている。これにより、当該第1開放部281に到達した遊技球の凡そ1/4が当該第1開放部281から流出するように構成されている。
ここで、製造時、輸送時、遊技ホールでのメンテナンス時等にて何らかの事情で図17(b2)に示すような状態、具体的には間隔Dが大きくなった場合には、当該第1開放部281を通じて第1案内通路271から流出する遊技球の確率が上昇する(例えば1/3となる)。これにより、第1案内通路271に係る作動口83への遊技球の到達確率、ひいては作動口83への入球確率が図17(b1)に示す状態と比較して低下し得る状態となっている。
但し、第1開放部281から流出した遊技球については、第2案内通路272に流入し、当該第1開放部281の下方に配置された第1操作ユニット320Aに到達する頻度が高くなる。つまり、入球確率可変機構300が機能する頻度が高くなる。この結果、第1案内通路271の途中位置にて当該第1案内通路271から流出する遊技球の数自体が増加したとしても、第1案内ユニット310Aが案内状態となる頻度が高くなり、第1案内通路271に振り分けられた遊技球が作動口83(詳しくは上作動口83a)に到達する到達確率、ひいては当該第1案内通路271に係る作動口83への入球確率が上がることとなる。これにより、上述した入球確率の低下が抑制される。
一方、図17(b3)に示すような状態、具体的には間隔Dが小さくなった場合には、当該第1開放部281を通じて第1案内通路271から流出する遊技球の確率が低下する(例えば1/5となる)。これにより、第1案内通路271に係る作動口83への遊技球の到達確率、ひいては作動口83への入球確率が図17(b1)に示す状態と比較して上昇し得る状態となっている。
但し、第1開放部281から流出した遊技球については、第2案内通路272に流入し、当該第1開放部281の下方に配置された第1操作ユニット320Aに到達する頻度が低くなる。つまり、入球確率可変機構300が機能する頻度が低くなる。この結果、第1案内通路271の途中位置にて当該第1案内通路271から流出する遊技球の数自体が減ったとしても、第1案内ユニット310Aが案内状態となる頻度が低くなり、第1案内通路271に振り分けられた遊技球が作動口83(詳しくは上作動口83a)に到達する到達確率、ひいては当該第1案内通路271に係る作動口83への入球確率が下がることとなる。これにより、上述した入球確率の上昇が抑制される。
以上の通り、開放部281を形成する釘93が変形する等して、予め設定された振分確率が変化したとしても、入球確率の上昇又は低下を抑えるように入球確率可変機構300が動作する。これにより、釘93の変形等が入球確率を大きく左右する要因になることを抑制することが可能となっている。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上述したタイプの遊技機においては、遊技領域PEに遊技部品(例えば釘93や風車94)を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化を実現することができる。これは、例えば遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射機構110等により発射された遊技球の作動口83への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている(例えば遊技機部品の位置や姿勢等が規定されている)。しかしながら、仮にこの入球確率が各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が生じ得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本実施の形態に示す遊技機においては、入球確率が偏るような状態となった場合には、その偏りを是正するように入球確率可変機構300が機能することとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
具体的には、入球確率の相対的に高い第1案内通路271及び入球確率の相対的に低い第2案内通路272のうち後者に想定以上の遊技球が流入した場合、すなわち全体での入球確率が低下するような偏りが発生した場合には、入球確率可変機構300によって第1案内通路271を通路する遊技球の作動口83への入球確率が上昇するように補正されることとなる。一方、相対的に入球確率の低い第2案内通路272へ遊技球が流入しない又は流入数が少なくなれば、上記補正が抑えられ、第1案内通路271に係る入球確率が過度に高くなることが抑制されることとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特に、第2案内通路272へ振り分けられる(流入する)遊技球の数が多くなればなるほど(振分率が高くなればなるほど)、上記補正が強化される。つまり、偏りが大きくなり得る場合には、補正機能も強くなる。故に、上記入球確率の変化を一層好適に抑制することができる。
第1案内通路271を構成する案内ユニット310は、遊技球が作動口83に到達する確率が高低相違する案内状態/非案内状態に切替可能となっている。ここで、第2案内通路272に遊技球が流入した場合には、それに基づいて第1案内通路271が非案内状態から案内状態に切り替ることとなる。これにより、第1案内通路271を流下する遊技球の作動口83への到達率が上がることとなる。このように、第2案内通路272へ遊技球が流入したことに基づいて遊技球を強制的に作動口83へ入球させるのではなく、作動口83への到達率を上昇させた結果として第1案内通路271に係る入球確率を上昇させる構成とすることにより、遊技機本来の遊技球の動きを目で追うことによる楽しさが損なわれることを好適に回避できる。
第1案内通路271を流下する遊技球の一部を開放部281〜283(「排出部」又は「振分部」に相当)を通じて当該第1案内通路271から離脱させることにより、第1案内通路271に流入した全ての遊技球が作動口83へ到達することを回避している。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上を図りつつ、第1案内通路271に係る入球確率について作動口83の周辺構造に対する依存が極端に強くなることを抑制している。
ここで、開放部281,282には「規制手段」としての案内ユニット310が設けられており、この案内ユニット310が非案内状態から案内状態に切り替ることにより開放部281,282を通じた遊技球の離脱が規制されることとなる。案内ユニット310については、第2案内通路272を流下する遊技球が回転体321に当って当該回転体321が動作した場合に発生する動力を利用して非案内状態→案内状態に切り替ることとなる。このように、第2案内通路を流下する遊技球の重みや運動エネルギを案内ユニット310用の動力源とすることにより、入球確率可変機構300の動力源を別途用意する必要がなくなり、入球確率可変機構300の存在が遊技機の電気的構成を複雑にする要因になることを好適に回避できる。
上述したように第2案内通路272を流下する遊技球の重みや運動エネルギを案内ユニット310の動力源とする場合には、動力の大きさが遊技球の重み等に依存するため、当該動力を大きくするには限界がある。第1案内通路271を通過する遊技球の重み等によって「スライド部材」としての可動片311の動き(突出位置/待機位置の切り替え)が妨げられることは好ましくない。この点、可動片311を開放部281,282の向きと交差する方向にスライド移動可能とすることにより、上述した影響を抑えて、案内状態/非案内状態の切替機能を好適に担保することができる。
なお、案内ユニット310が非案内状態から案内状態に切り替った場合には、少なくとも遊技球の発射周期よりも長い期間に亘って案内状態に維持される構成となっている。連続的(周期的)に発射された遊技球群については、遊技領域を流下する過程で一定の間隔が担保されるのわけではなく、遊技球群に粗密の差が生じ得る。このような実情に配慮した場合、案内状態に維持される期間を少なくとも発射周期よりも長く設定しておくことにより、先行する遊技球によって後続の遊技球のサポートを実現する上で、案内ユニット310による案内機能が上手く活かされなくなることを抑制できる。
第2案内通路272に流入して入球確率を上昇させる契機となった遊技球については、作動口83(詳しくは上作動口83a)への到達が回避される構成となっている。これにより、第2案内通路272へ流入する遊技球の数が増えた場合であっても、それが遊技者にとって過度に有利な状態を作り出す要因になることを回避して、遊技ホールの有利度と遊技者の有利度とのバランスが極端に偏ることを抑制できる。
上述したように遊技球の動きへの注目度を高める上では、「第1案内通路271への遊技球の流入」=「作動口83(詳しくは上作動口83a)へ到達確定」となることは好ましくない。しかしながら、第1案内通路271を流下する遊技球が作動口83に到達する前に当該第1案内通路271から流出する構成とした場合には、その流出箇所を構成する遊技部品(釘93)が変形等することにより、遊技球の流出確率が変化する。
特に、流出確率が想定よりも大きくなってしまった場合には、第1案内通路271に係る入球確率が必然的に下ることとなる。そこで、第1案内通路271から途中で流出した(零れた)遊技球が第2案内通路272へ流入可能とすることにより、当該零れ球を利用して第1案内通路271に係る入球確率を上昇させることができる。これにより、遊技機全体での入球確率の低下を好適に抑制することができる。
また、途中で第1案内通路271から流出した遊技球についても、入球確率向上に貢献し得る構成とすることにより、遊技者が当該遊技球が第1案内通路271から離れた時点(零れ球となった時点)で当該遊技球に対する興味を失ってしまうことを抑制し、遊技球の動き等への注目度の低下を軽減することができる。
第2案内通路272にて第1案内通路271に係る入球確率の上昇に貢献した遊技球が入球確率の上昇している第1案内通路271に戻ることが回避されている。これにより、上記補正機能が過剰に作用することを回避することができる。
上述したように第1案内通路271と第2案内通路272とを比較した場合には、第1案内通路271に係る入球確率のほうが高く設定されている。このため、遊技者は遊技球が第1案内通路271に沿って流下することを期待して遊技を行うと想定される。ここで、第2案内通路272に流入する遊技球については、どの位置にて当該第2案内通路272へ流入するかによって上記補正機能に差が生じる。具体的には、早期に(上流側にて)第2案内通路272に流入したほうが(例えば分岐ポイントJ1,J2)、遅くに(下流側にて)第2案内通路272に流入するよりも(例えば第3分岐ポイントJ3)よりも補正機能が強く発揮されやすい。具体的には2つの案内ユニット310A,310Bの両方が案内状態になり得る。
第1案内通路271をある程度の距離に渡って流下した遊技球については、作動口83への入球期待度が高くなり、遊技者の注目が向きやすい。一方、早々に第2案内通路272に流入した遊技球については、遊技者の注目が向きにくくなる。そこで、流入位置に応じて第2案内通路272にて果たす役割(効果)に差を生じさせることによって、第2案内通路272を流下する遊技球に対して注目するように遊技者に対して促すことができる。
第1開放部281、第1案内ユニット310A及び第1操作ユニット320Aによって第1の確率可変ブロックが構成され、第2開放部282、第2案内ユニット310B及び第2操作ユニット320Bによって第2の確率可変ブロックが構成されている。既に説明したように、第2案内通路272への途中位置からの遊技球の流入が許容されている構成においては、当該第2案内通路272における上流部分よりも下流部分の方が到達し得る遊技球の数が多くなる。
第2案内通路272の上流位置に第1操作ユニット320Aが存在するため、早期に第2案内通路272に流入した遊技球が第1案内通路271(第1開放部281)からの早期の遊技球の離脱を回避する手段として機能することとなる。一方、作動口83に近い第2開放部282については入球確率への寄与率が第1開放部281よりも大きくなる。ここで、第2案内通路272に流入した遊技球の多くが到達しやすい下流位置に第2操作ユニット320Bが存在するため、第2案内通路272へ流入する遊技球の数が多くなれば、その流入位置に関わらず第2案内ユニット310Bが動作して、第2開放部282が案内状態となる可能性が高くなる。これにより、入球確率への影響の大きい部分で入球確率を低下させるように不都合が発生した場合には、第2案内ユニット310Bによってその入球確率が好適に補正されることとなる。このように、影響の大きさに応じて補正の度合いを大きくすることにより、上記各種効果を好適に発揮させることができる。
第2案内通路272に流入した遊技球が第1案内ユニット310A→第2案内ユニット310Bへと移動することにより、1の遊技球によって2つの案内ユニット310A,310Bを動作させることができる。つまり、第1案内通路271に第1開放部281及び第2開放部282が併設されている構成であっても、それら2つの開放部281,282を遊技球が素通りできる状態とすることができる。これにより、先行する遊技球が第2案内通路272を通過するタイミングと、後続の遊技球が第1案内通路271を通過するタイミングとの関係性を強化することが可能となる。故に、遊技者の注目をそれら2つの案内通路271,272を通過する遊技球同士の位置関係に向けさせることができ、遊技球の動きに対する注目度の向上に貢献することができる。
第1開放部281の下方に第1操作ユニット320A、第2開放部282の下方に第2操作ユニット320Bが配設されている。このため、第1開放部281から排出された遊技球は第1操作ユニット320Aに向けて落下し、第2開放部282から排出された遊技球は第2操作ユニット320Bに向けて落下する。係る構成によれば、複数の遊技球が第1案内通路271を流下する場合に、先行する遊技球が開放部281,282から落下した場合に、当該遊技球によって後続の遊技球が脱落しないように救われる可能性が生じる。このような構成とすることにより、複数の遊技球が第1案内通路271に流入した場合に、その少なくとも一部が救済される可能性を高めることができる。
本実施の形態に示す遊技機においては、ホール管理者による遊技盤ユニット80(遊技領域PE)へのアクセスが許容されており、清掃等のメンテナンス作業への配慮がなされている。しかしながら、上記メンテナンス作業を行う際に釘93等の遊技部品が変形等した場合には、作動口83への入球確率が変化する可能性がある。このように利便性等の向上を考慮した構成であっても、上記技術的思想を適用することにより、その影響が入球確率を大きく左右する要因になることを抑制できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、下流側通路269を構成する第1案内通路271の状態を、第2案内通路272へ流入した遊技球を用いて切り替えることで作動口83に係る入球確率の振れ幅を小さくする構成としたが、本実施の形態においては、入球確率の振れ幅を減縮するための構成が上記第1の実施の形態とは異なっている。そこで以下、図18を参照して、第2の実施の形態における入球確率可変機構300Xについて説明する。図18(a)は本実施の形態における遊技盤ユニット80の部分拡大図、図18(b)は、ワープ通路の内部構造を示す概略図である。なお、第1の実施の形態と共通の構成については説明を援用し、当該第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図18(a)に示すように、左ルートの途中位置には、ワープ通路97の入口部分へ向けた流下経路と、風車94に向けた流下経路とに分岐する分岐部分270Xが設けられている。既に説明したように、ワープ通路97へ流入した遊技球については、ステージ部96へ案内される。
ステージ部96に到達した遊技球は、当該ステージ部96を左右に揺動した後、当該ステージ部96から離脱するが、このステージ部96に到達した遊技球の作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率は、上記第1案内通路271に係る入球確率よりも高くなるように設定されている。つまり、左ルートを流下する遊技球については、ワープ通路97→ステージ部96からなる第3案内通路273Xを経由することにより、作動口83へ入球が発生する期待が高まるように構成されている。なお、入球確率については、第2案内通路272 <第1案内通路271 < 第3案内通路273Xの順に高くなっている。
ここで、図18(b)に示すように、ワープ通路97の入口部分97aには、分岐部分270Xに到達した遊技球をワープ通路97へ案内する案内状態と、当該案内を行わない非案内状態とに切替可能な案内ユニット310Xが設けられている。案内ユニット310Xによるサポートが行われない場合であってもワープ通路97への遊技球の振り分けが行われないわけではないが(但し、ワープ通路97へ振り分けられる確率はワープ通路97へ振り分けられない確率よりも低い)、案内状態と非案内状態とを比較した場合には、前者の方が後者よりも遊技球がワープ通路97へ案内される機会が増えることとなる。より詳しくは、ワープ通路97へ振り分けられる確率がワープ通路97へ振り分けられない確率を上回ることとなる。
案内ユニット310Xは、入口部分97aから分岐部分270Xに突出する突出位置と、突出が回避される待機位置とにスライド移動可能な可動片311Xを有している。可動片311Xの保持構造や、可動片311Xの動作態様に係る具体的構造については、上記第1の実施の形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、案内ユニット310X(可動片311X)を動作させるための駆動力については、動力伝達機構331Xを通じて、操作ユニット320から供給される構成となっている。上記第1の実施の形態では複数の操作ユニット320に1対1で対応させて案内ユニット310を設けたが、本実施の形態においては操作ユニット320を複数有している点では共通しているものの、それら各操作ユニット320からの駆動力が1の案内ユニット310Xに供給される構成となっている。つまり、1の案内ユニット310Xを駆動させるための動力の供給源が2つ存在している。このように、2つの操作ユニット320A,320Bから動力の供給を受けることにより、操作ユニット320が案内状態となる頻度を高めることが可能となっている。
但し、これら操作ユニット320については、互いの動きに影響が及ばないように動力伝達機構331Xへの回転力の伝達経路については別系統となるように区別されている。このため、操作ユニット320A,320Bの一方が回転したとしても、他方がそれに追従して回転することはない。
ここで、図19の概略図を参照して、本実施の形態に示す入球確率可変機構300の動作態様について説明する。図19(1)は案内ユニット310X及びその周辺構造を示す概略図、図19(2)は操作ユニット320を示す概略図である。
図19(a2)に示すように、操作ユニット320に遊技球が到達し、当該遊技球に押圧されて回転体321が回転すると、その回転力が動力伝達機構331X(図18参照)に伝わる。動力伝達機構331Xでは、この回転力を案内ユニット310Xの可動片311Xを駆動させる駆動力に変換するとともに当該駆動力を可動片311Xに伝える。これにより、可動片311Xが突出位置へ向けて移動する。
図19(a)→図19(b)→図19(c)に示すように、可動片311Xが突出位置に配置されることにより、分岐部分270Xに到達した遊技球がワープ通路97の入口部分97aに向けて案内されることとなる。
ここで、仮に遊技球が第1操作ユニット320A→第2操作ユニット320Bへと移動すると、可動片311Xが待機位置に復帰する前に第2操作ユニット320Bからの駆動力によって当該可動片311Xが再び突出位置へと移動することとなる。これにより、ワープ通路97へ遊技球が案内される頻度が高くなる。
他の案内通路271,273Xと比較して相対的に不利となるように設定された第2案内通路272に流入する遊技球の数が多くなることにより、第1案内通路271及び第2案内通路272への分岐部分270よりも上流側にて遊技球を第3案内通路273Xへ流入させることができる。一方、第2案内通路272へ流入する遊技球の数が少なくなれば、必然的に第1案内通路271を流下する遊技球の数が多くなり、結果として案内ユニット310Xが案内状態となる頻度が低下する。
そもそも、第2案内通路272に流入した遊技球については、作動口83(詳しくは上作動口83a)への入球確率がほぼ0となるように設定されている。このため、第2案内通路272への遊技球の振り分けに過度な偏りが生じて遊技者にとって過度に不利な状態となる場合には、遊技部品の位置や姿勢等の影響を受けにくい第3案内通路273Xへ遊技球が案内される構成とすることにより、入球確率の振れ幅を好適に減縮することができる。
また、第3案内通路273Xに流入した遊技球が第1案内通路271→第2案内通路272を経由して操作ユニット320に到達しにくい構成となっている。つまり、案内ユニット310Xによって第3案内通路273Xに案内された遊技球が案内ユニット310Xを再び案内状態に切り替える契機になることが回避されている。これにより、上記入球確率の補正機能が過剰に作用することを回避して、入球確率の振れ幅が逆側に大きくなること、すなわち遊技者にとって過剰に有利になることを好適に抑制している。
案内ユニット310Xが案内状態となっている場合には、可動片311Xを迂回して下流側通路269へ遊技球が流入することが抑制される。つまり、案内状態となった後は、下流側通路269に流入する遊技球の数が一時的に減少することとなる。このように、注視すべき対象を減らすことにより、下流側通路269(特に第2案内通路272)へ流入した1つ1つの遊技球の動きを目で追いやすくなり、第2案内通路272に流入した遊技球の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
また、1の操作ユニット320に連続して複数の遊技球が到達することにより案内状態が継続する機会と比べて、1の遊技球が第1操作ユニット320A→第2操作ユニット320Bの順に流下することより案内状態が継続する機会又は案内状態に切り替る機会を増やすことができる。これにより、1の案内ユニット310X用の駆動源を複数設定したことによる技術的意義を好適に発揮させることができる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では「遊技部品」としての複数の釘93を並べて配置することにより第2案内通路272を構成した。このように釘93群を用いて通路を形成した場合には、それら釘同士の位置関係や向き(姿勢)のばらつきによって遊技球の挙動が大きく変化し得る。そのばらつきが、微小な差であり且つ遊技機毎の個体差として許容できる程度に留まるのであれば、遊技球の動きを不規則にして遊技球の動きに対する遊技者の注目度を向上する上で好ましい。しかしながら、このばらつきによって遊技球の入球確率が設計値と現実の値とで大きく相違すれば、既に説明したように遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状況が発生し得る。これは、遊技や遊技機の設置を促す上で妨げとなる。
本実施の形態においては、このような事情に配慮して、遊技球の入球確率の振れ幅が適正な範囲を逸脱しない範囲に収まるように規制する(減縮する)工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、第2案内通路272に振分機構400を設けていることを特徴の1つとしている。以下、図20を参照して振分機構400及びそれに関連する構成について説明する。図20は第3の実施の形態における遊技盤ユニット80の正面図である。
振分機構400は、球通路を形成する通路形成体410と当該通路形成体410を保持するホルダ420とを有してなり、このホルダ420が遊技盤80aに固定されることで当該遊技盤80aと振分機構400とが一体化されている。
通路形成体410は略円筒状をなしており、右下がりとなるように斜めに傾けた状態で配置されている。通路形成体410の内周面によって球通路(第2案内通路272)が区画形成されており、通路形成体410の外周面によって第2案内通路272と並列となる第4案内通路が形成されている。このように、通路形成体410を円筒状とすることにより、構造の複雑化を抑えつつ2つの案内通路を並設することが可能となっている。
通路形成体410の上側の端部は、当該通路形成体410により区画形成された球通路の入口部分411となっており、遊技盤80aには第2案内通路272に流入した遊技球を当該球通路へ導く導入部材440が固定されている。なお、本実施の形態においては、第2案内通路272(球通路)への流入経路が、導入部材440を経由する経路以外にも存在しているが、係る構成についての詳細は後述する。
通路形成体410の下側の端部は球通路の出口部分412となっており、下作動口83bには当該球通路を経由して下作動口83bに到達した遊技球を取り込む取込手段として連通口90が形成されている。つまり、本実施の形態における下作動口83bについては、電動役物91が開放された場合のみならず、第2案内通路272(球通路)を経由して当該下作動口83bに到達した場合についても遊技球の流入が許容される構成となっている。
ここで、図21及び図22を参照して振分機構400について補足説明する。図21は振分機構400の分解斜視図、図22(a)は振分機構400の横断面図、図22(b)は振分機構400の縦断面図である。
図21に示すように、通路形成体410の途中位置には、相対向するようにして第1開放部415と第2開放部416とが形成されている。言い換えれば、通路形成体410は入口部分411が形成されている上流側環状部413と、出口部分412が形成されている下流側環状部414とが確保されてなり、これら環状部413,414が形成されている部分を除いた中間部分に上記開放部415,416が形成されている。なお、図21においては、第1開放部415が上側、第2開放部416が下側を向くようにして通路形成体410が配置されている状態を示している。
ホルダ420は、上流側環状部413に係合する上流側リング部421と、下流側環状部414に係合する下流側リング部422と、これらリング部421,422を繋ぐ前後1組の連結部423とにより構成されている。連結部423は球通路の通路方向(通路形成体410の中心軸線CL3)と同じ方向に延びる長尺状をなしている。ホルダ420を通路形成体410を覆うケース状とすることなく、上下に開放させることにより、通路形成体410の中間部分を上下に露出させることが可能となっている。開放部415,416は遊技球の通過を許容する大きさとなっており、ホルダ420の開放部分→通路形成体410の開放部415,416を通じた遊技球の流出及び流入経路が確保されている。
通路形成体410を外側から囲むようにして保持することにより、通路形成体410についてはその中心軸線CL3を中心とする回転が許容されている。振分機構400は、中心軸線CL3を中心として所定方向(左側(上流側)から見て反時計周りとなる方向)に通路形成体410を回転させる駆動ユニット430を有している。以下、図22を参照して、通路形成体410の取り付け及び動作に係る構成について説明する。
遊技盤80aには、ホルダ420には、後方に凹む凹部264が形成されている。この凹部264の深さは、ホルダ420の肉厚と同程度となるように形成されており、遊技盤80aの前面からの通路形成体410のオフセット量が大きくなることを抑制している。これは、遊技盤80aの前面に沿って流下(移動)する遊技球が通路形成体410に流入する際の引っ掛かりを抑えるための工夫である。
凹部264の底部には、後側の連結部423に形成されたフランジ部424が挿入される挿入部265と、上記駆動ユニット430を収容する収容部266とが並設されている。フランジ部424と挿入部265とが係合することにより、振分機構400の位置決めがなされている。
ホルダ420の上流側リング部421において上記収容部266と対向する部分には、スリット425が形成されている。このスリット425を通じて上流側環状部413の一部が収容部266(後方)に露出している。駆動ユニット430は、モータ431と、当該モータ431の出力軸に固定され上流側環状部413の外周面に配列された歯部(ギア)に係合するギア432とを有してなる。
モータ431は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。遊技機の電源がONとなっている状況下では、通路形成体410が一定速度で回転を続けるように構成されている。
次に、図21及び図23を参照して通路形成体410の開放部415,416について補足説明する。図23は通路形成体410を回転させた状態を示す正面図である。
図21に示すように、第2開放部416は丸孔状をなしており、その直径寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように形成されている。回転方向において第2開放部416を挟んだ両側には肉部が確保されており、これら肉部が第2開放部416を迂回する迂回通路を形成している。
図23(a)に示すように、第2開放部416が下側を向いている状態では、第2案内通路272を流下する遊技球の当該第2開放部416を通じた排出が許容される。一方、図23(b)に示すように、第2開放部416が上側を向いている状態では、当該第2開放部416を通じた第2案内通路272への遊技球の流入が許容される。
例えば、第1案内通路271の第1開放部281等から流出した遊技球が通路形成体410に上側から載った状態となった場合には、当該通路形成体410に沿って下流側へ流下する。この際、第2開放部416が上側を向いているタイミングにて当該第2開放部416へ遊技球が到達した場合には、当該遊技球は第2開放部416を通じて球通路(第2案内通路272)に流入することとなる。つまり、第2開放部416は、第2案内通路272への流入口及び第2案内通路272からの流出口としての機能が付与されており、通路形成体410の回転位置に応じてそれら機能が切り替る構成となっている。
次に、図21を参照して第1開放部415について説明する。第1開放部415は、第2開放部よりも上流側に延びる上流側スリット417と、第2開放部よりも下流側に延びる下流側スリット418とそれら両スリット417,418を繋ぐ中央開口419とにより構成されている。
第1開放部415が上側を向いている状態では当該第1開放部415を通じた第2案内通路272への遊技球の流入が許容され、第1開放部415が下側を向いている状態では当該第1開放部415を通じた第2案内通路272からの遊技球の流出が許容されることとなる。つまり、第1開放部415についても第2開放部416と同様に、第2案内通路272への流入口及び第2案内通路272からの流出口としての機能が付与されており、通路形成体410の回転位置に応じてそれら機能が切り替る構成となっている。
ここで、上流側スリット417及び下流側スリット418は、中央開口419を基端とする延出方向が相違しており、それにより開放部分の向きに上記回転方向における位相差が生じている。具体的には、図23(a)に示すように下流側スリット418が遊技機正面側を向いた状態では上流側スリット417が斜め後方を向くように、言い換えれば図23(b)に示すように上流側スリット417が遊技機正面側を向いた状態では下流側スリット418が斜め後方を向くように構成されている。
このように、上流側スリット417及び下流側スリット418に位相差を設けることにより、第2案内通路272への遊技球の流入が許容されるタイミングと、第2案内通路272からの遊技球の流出が許容されるタイミングとを、第2案内通路272における遊技球の到達位置に応じて相違させることができ、遊技球の流下態様の多様化を実現することができる。
ここで、図24の概略図を参照して、振分機構400の動作と遊技球の流下態様との関係について例示する。
図24(a)→図24(b)に示すように、第2開放部416が後方に位置する(後方を向いている)状態にて入口部分411から遊技球が流入すると、第1開放部415の上流側スリット417が斜め上方を向いているため、当該遊技球は第2案内通路272から排出されることなく、当該第2案内通路272に沿って流下する。仮に、上流側スリット417が下側を向いている状況下にて遊技球が当該スリット417に到達した場合には、当該遊技球はスリット417を通じて第2案内通路272から排出されることとなる。
図24(b)に示すように、通路形成体410の回転に伴って第2開放部416が下側を向く状態となっている場合に、当該第2開放部416に遊技球が到達した場合には、当該遊技球が第2開放部416を横切るようにしてそのまま流下を続けるか、それとも当該第2開放部416を通じて第2案内通路272から排出されるかの振り分けが行なわれる。
図24(b)→図24(c)に示すように、遊技球が通路形成体410の中間位置に到達するまでに通路形成体410の回転位置が変わって第2開放部416が正面側又は背面側を向いている状態となった場合には、第2開放部416の両側に確保された上記肉部を伝って遊技球が第2開放部416よりも下流側となる領域へ移動する。これにより、上流領域及び中流領域での排出が回避される。
図24(c)→図24(d)に示すように、下流側スリット418が真下を向く前に遊技球が下流領域に到達した場合には、そのまま連通口90を通じて下作動口83bへ入球する。一方、下流側スリット418が真下を向いている状態にて下流側領域に遊技球が到達した場合には、当該遊技球が下流側スリット418を前側又は後側から迂回して下流側スリット418を回避することによりそのまま流下を続けるか、それとも当該下流側スリット418を通じて第2案内通路272から排出されるかの振り分けが行なされる。
ここで、通路形成体410の内周面は回転中心軸線CL3と直交する断面が円弧状をなすように形成されている。この内周面の直径寸法は遊技球の直径寸法よりも大きく設定されていることにより、第2案内通路272を通過際の遊技球の前後方向への揺動が許容されている。第2案内通路272の入口部分411については特に、敢えて前後方向の位置を規定しない構成となっている。つまり、入口部分411に流入する際の遊技球の流入位置や流入角度のばらつきを敢えて許容している。
このような構成とすることにより、遊技球が第2案内通路272に沿って流下する際に、前後方向での位置変化が生じ、遊技球の動きを多様化している。このような動きをすることにより、例えば上述した下流側スリット418の迂回が許容されている。
ここで、第1案内通路271から第2案内通路272へ遊技球が流入する場合の流れについて例示する。既に説明したように、通路形成体410は第1案内通路271の下方に配置されており、開放部281〜283を通じて当該第1案内通路271から流出した遊技球は、通路形成体410に到達し得る。この際、当該遊技球は、第1開放部415又は第2開放部416を通じて通路形成体410内、すなわち第2案内通路272へと流入する。ここで、第2開放部416は回転中心軸線CL3を挟んで第1開放部415と対峙しており、第1開放部415は第2開放部416よりも大きくなっている。
第1開放部415を通じて第2案内通路272に到達した遊技球については、そのまま第2案内通路272に沿って下作動口83bへ向けて移動しやすい。一方、第2開放部416を通じて第2案内通路272に到達した遊技球は、そのまま第1開放部415を通じて第2案内通路272から排出されやすくなっている。このように、通路形成体410の回転位置によって遊技球が第2案内通路272に留まることができる可能性が高くなったり低くなったりするように変化する構成となっている。
また、仮に、図24(a)に示すように、何れの開放部415,416も上側を向いていない状況下にて、第1案内通路271を経由して通路形成体410に遊技球が到達した場合には、当該遊技球は通路形成体410の外周面に載り、当該が外周面に沿って流下することとなる。このまま流下を続けた場合には、第2案内通路272に到達することなく、遊技領域PEから排出されることとなる。一方、流下の過程で回転位置が変化することに伴って開放部415,416が上側を向いた場合には、当該開放部415,416を通じて第2案内通路272に到達する可能性が生じる。特に第1開放部415を通じて第2案内通路272に流入する場合には、上流側スリット417、下流側スリット418、中央開口419のどの部位を通じて流入するかにより、その後の振り分け態様が変化することとなる。
具体的には、上流側スリット417を通じて流入した場合、当該遊技球が下作動口83bに到達するには少なくとも第1開放部415や中央開口419更には下流側スリット418を回避する必要が生じる。中央開口419を通じて流入した場合、当該遊技球が下作動口83bに到達するには第1開放部415や下流側スリット418を回避する必要が生じる。下流側スリット418を通じて流入した場合、当該遊技球はそのまま下作動口83bに到達することとなる。つまり、第1案内通路271から流出した遊技球が第2案内通路272に流入する場合には、その流入位置が下流側に寄る程、作動口83bへの到達確率が高くなる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射機構110により発射された遊技球の作動口83への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
この点、本実施の形態に示した遊技機は、遊技球を作動口83へ案内する複数の案内通路の1つとして、通路形成体410により形成された第2案内通路272(球通路)を備えている。より具体的には、遊技球を作動口83へ案内する複数の案内通路として、釘93が配列されてなる第1案内通路271と、通路形成体410により形成された第2案内通路272とを備えている。
釘93群によって形成された第1案内通路271については、一部の釘93が変形することにより釘93同士の位置関係等が容易に変化して、案内される遊技球の挙動や案内方向等が想定外のものになり得る。つまり、ちょっとした変形等が上記入球確率に大きく影響する可能性がある。このような事情に鑑みれば、全ての案内通路の画一的に釘93によって形成することは、遊技球の挙動を多様化して遊技球の動きを目で追うという遊技機本来の楽しみを向上させる上で有利であるが、上記入球確率の振れ幅を大きくする要因になり得る。
そこで、分岐させて設けられた案内通路の中に、通路形成体410からなる第2案内通路272を混在させることにより、当該第2案内通路272については、上述した挙動の変化等を抑制することができる。具体的には、遊技球が転動する面(転動面)を1の部材によって形成することにより、複数の釘93を並べて仮想面を形成する構成と比較して、転動面の多様化を抑制できる。このため、遊技球の動きを安定させることができる。分岐させて設けられた複数の案内通路のうち一部の案内通路を変形等の生じない又は生じにくい構成とすることにより、入球確率の振れ幅を減縮することができ、上記不都合の発生を好適に抑えることが可能となる。
左ルートの下流側通路269においては、通路形成体410が配置されている部分が遊技球の流下態様の調整を不可とする調整無効区間を構成している。このような調整無効区間の存在は、上記効果を発揮する上では有利な反面、遊技球の動きを単調化させる要因になり得る。そこで、本実施の形態では、下流側通路269にて、釘93からなる第1案内通路271と、通路形成体410からなる第2案内通路272とを併存させている。これにより、遊技球の動きが過度に単調になることを抑制しつつ、上記減縮機能を発揮させることが可能となっている。
第1案内通路271及び第2案内通路272が併設されている左ルートを狙って遊技球を発射することにより、当該左ルートを流下する遊技球は例えば第1案内通路271及び第2案内通路272に振り分けられることとなる。つまり、当該左ルートに向けて遊技球の発射を継続的に行った場合には、その少なくとも一部が第2案内通路272へ流入することとなる。このような構成とすれば、第2案内通路272へ遊技球が流入する機会を担保し、上述した入球確率の振れ幅を減縮する機能を好適に発揮させることができる。
第2案内通路272を通過した遊技球は、釘93を介することなく作動口83bへと流入する。上述したように第2案内通路272においては入球確率の大幅な変化が規制されてはいるが、仮にその出口部分412と作動口83bとの間に釘93が存在してしまうと、当該釘93が支配的となって上述した入球確率の振れ幅を減縮する効果が薄れると懸念される。そこで、上記実施の形態に示したように遊技球が第2案内通路272から作動口83bへ流入する際に釘93を経由しない(当らない)構成とすることにより、第2案内通路272を設けたことによる技術的意義を好適に発揮させることができる。
第1案内通路271については、開放部281〜283を形成している釘93の間隔がばらついたり変化したりすることにより、第1案内通路271を通じて作動口83(詳しくは上作動口83a)へ到達する到達率、ひいては第1案内通路271に係る入球確率にばらつきが生じる。一方、第2案内通路272については、開放部415,416を形成している開口のばらつき(例えば製造ばらつき)は軽微となり、上述した到達率や入球確率のばらつきが抑制される。
このように、形状の決まっている開口を利用することにより、すなわち構成要素の異なる2種類の開放部を併用することにより、遊技機全体での入球確率の振れ幅を減縮することができる。
第2案内通路272については、その入口部分411から遊技球が上手く流入しなくなることで、上述した各種機能が上手く発揮されなくなる。特に、入口部分411の周辺に釘93を配設して、当該釘93によって遊技球が入口部分411に案内される構成となっている場合には、上記不都合が発生しやすくなると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、第1案内通路271の途中位置から流出した遊技球の第2案内通路272への流入が許容されている。このような受入体制を確保しておくことにより、仮に入口部分411からの流入に不都合が生じても、第2案内通路272の機能が発揮されなくなることを抑制できる。
そもそも、第1案内通路271を形成している釘93の変形等によって、第1案内通路271からの遊技球の流出(零れ)が発生しやすくなっている場合には、遊技機全体での入球確率が低下し得るが、第1案内通路271を通じた入球が期待できないもの第1案内通路271から流出した遊技球の少なくとも一部を第2案内通路272で救済することにより、上述した入球確率の低下を好適に抑制することができる。
釘93によって遊技球用の「排出口」としての開放部を形成し、当該開放部に遊技球が到達するか否かによって遊技球の振り分けを行う構成においては、釘93の状態(例えば向き)によってその振り分け態様が大きく変化し得る。この点、本実施の形態に示す構成によれば、通路形成体410の動作と遊技球の流入タイミング等とによって第2案内通路272を流下する遊技球が作動口83へ到達できるか否かが決まる。故に、釘93を利用する場合と比較して振り分け態様、すなわち入球確率(到達確率)の振れ幅を好適に減縮することができる。
通路形成体410に形成された開放部415,416は上側を向くことで遊技球用の流入口として機能し、下側を向くことで遊技球用の流出口として機能する。このように、同じ開放部415,416が通路形成体410の回転位置によって別の機能を発揮する構成とすることにより、通路形成体410における遊技球の振り分け係る構成を簡素化できる。このように構造の簡素化を実現することは、通路形成体410の個体差等の影響を抑える上で有利である。
なお、通路形成体410を回転させることで、開放部415,416の向きを変化することにより、遊技球の受入状態等を変化させる構成とすれば、通路形成体410によって第2案内通路272を形成したことに起因する遊技球の流下態様の単調さや取付位置や製造ばらつきに起因した個体差(偏り)の発生を抑制できる。
特に、通路形成体410の内周面は、回転中心軸線CL3を中心とする円弧状をなしているため、第2案内通路272を通過する遊技球を当該内周面に沿って前後に揺動させることができる。これにより、遊技球の動きの単調化を一層好適に抑制できる。特に、通路形成体410を回動式としているため、通路形成体410の回転動作を遊技球を揺動させる契機とすることができ、通路形成体410の内周面を円弧状としたことによる上記効果が上手く発揮されなくなることを容易に回避できる。
第1案内通路271から第2案内通路272への遊技球の流入が許容されている構成では、第1案内通路271から途中で離脱した遊技球(零れ球)を、調整無効区間が設けられた第2案内通路272によって救済できる。これにより、遊技者にとって極端に不利な偏りが発生することを好適に抑制できる。また、零れ球の到達位置が調整無効区間であることにより、零れ球が更に第2案内通路272から零れやすくなるように遊技者にとって不利な偏りが生じることを回避できる。以上の理由から、第1案内通路271及び第2案内通路272を併用することにより、入球確率の振れ幅を減縮しつつ、それに起因した遊技球の流下態様の単調化を抑制することができる。
<第4の実施の形態>
上記第3の実施の形態においては、第2案内通路272を構成する通路形成体410を可動式(詳しくは回転可能)としたが、本実施の形態における振分機構400Xについては通路形成体410Xを非可動式としている点で第3の実施の形態と構成が相違している。以下、図25を参照して振分機構400Xに係る構成を第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、第3の実施の形態と共通の構成については説明を援用する。なお、図25においては説明の便宜上、通路形成体410Xの肉部にドットハッチングを付与している。
通路形成体410Xは、第2案内通路272における遊技球の転動面としての底板部413Xと、底板部413Xと遊技球が通過可能な隙間を隔てて対向する天板部414Xとを有してなり、これら各板部413X,414Xが遊技盤80aに固定されることで、当該遊技盤80aと一体化されている。なお、通路形成体410Xについては、上流側の端部、下流側の端部、及び中間部分が遊技盤80aに対する固定箇所となっており、事後的な姿勢の変化が規制されている。
底板部413Xには、その途中位置に遊技球が通過可能な通過部として開放部416Xが複数形成されている。これら開放部416Xには、第2案内通路272に流入した遊技球の一部を当該第2案内通路272から排出させる「排出部」としての機能が付与されている。
開放部416Xについては、第1案内通路271の開放部281〜283とは異なり、複数の釘93(姿勢の変化が許容されている部材)によって形成されているわけではないため、例えば遊技ホール等にてその大きさが変化することが回避されている。
第2案内通路272を流下する遊技球の流下速度によって開放部416Xを素通りできる可能性、すなわち下作動口83bへ到達できる確率が変化し得る。この点、通路形成体410Xは、複数の固定具を用いて遊技盤80aに固定されており、その姿勢の変化が抑制されている。このため、例えばメンテナンス作業中に通路形成体410Xに大きな負荷が加わった場合であっても、当該通路形成体410Xの傾斜角度が変化するといった不都合が生じにくくなっている。
天板部414Xは、その横幅が底板部413Xよりも短く設定されており、底板部413Xの下流部分のみを覆う構成となっている。より詳しくは、第2案内通路272において開放部416Xが存在しない最下流部分のみを覆う構成となっている。これにより、第2案内通路272は、その最下流部分を除いて上方に開放されている(開放部415X参照)。このような構成とすることにより、開放部281〜283を通じて第1案内通路271から流出した遊技球の第2案内通路272への流入が許容されている。
天板部414Xは下作動口83bの連通口90Xに繋がっており、当該天板部414X自体には遊技球が通過可能な開口等は形成されていない。これにより、天板部414Xの上面は第2案内通路272への遊技球の流入を規制し、当該上面に達した遊技球を連通口90Xから遠ざける機能が付与されている。故に、上作動口83aに到達したものの、当該上作動口83aに入球しなかった零れ球については、天板部414Xによって第2案内通路272へ流入することなく、遊技領域PEから排出されるように案内されることとなる。
底板部413Xに形成された上流側の開放部416Xについては、第1案内通路271の第1開放部281の下方となる位置よりも下流側(右側)にオフセットするようにして配設されている。このため、第1開放部281を通じて第2案内通路272に流入した遊技球については、上流側及び下流側の各開放部416Xにおける振分対象となり得るものの、第2案内通路272に流入した後、開放部416Xに到達するまでに、第2案内通路272に沿う方向での流下速度が増すように加速されることとなる。これにより、各開放部416Xを素通りできる可能性が高まる。
上流側の開放部416Xは、第1案内通路271の第2開放部282よりも僅かに上流側(左側)に位置している。このため、第2開放部282を通じて第2案内通路272に流入した遊技球については、上流側の開放部416Xによる振分対象になる可能性が第1開放部281を通じて第2案内通路272に流入した遊技球よりも低くなる。但し、第1開放部281を通じて流入した場合とはことなり、十分な加速区間を確保することが困難になる。故に、開放部416Xに到達した場合には当該開放部416Xを通じて第2案内通路272から排出される可能性が高くなる。
下流側の開放部416Xについては、第3開放部283Xの直下に位置している。このため、第3開放部283から第2案内通路272に流入した遊技球については、第3開放部283Xを通じて当該第2案内通路272から排出されやすくなっている。
以上の構成により、下作動口83bへの到達確率は、第1開放部281を通じて第2案内通路272へ流入した遊技球 > 第2開放部282を通じて第2案内通路272へ流入した遊技球 > 第3開放部283を通じて第2案内通路272へ流入した遊技球の順に高くなり、第2案内通路272へ流入する場合には、早期に流入したほうが遊技者にとって有利となるように構成されている。
以上詳述したように非可動式の通路形成体410Xによって振分機構400Xを構成することにより、すなわち通路形成体410Xの構造を簡素化することにより、動作不良等の影響によって入球確率が設計値から大きく外れること(入球確率の振れ幅が大きくなること)を抑制できる。
特に通路形成体410Xの姿勢の変化や開放部416Xの大きさの変化が回避されている。このように、通路形成体410Xに触れる等することが、入球確率を変化させる要因になることを抑えることにより、例えば遊技ホール等でメンテナンス作業等を行う場合の作業性の向上に貢献することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、「入球部」としての作動口83に向けて遊技球が案内される案内通路に入球確率可変機構300や振分機構400を適用したが、これに限定されるものではない。少なくとも「入球部」に向けて遊技球が案内される案内通路であれば足り、例えば、可変入賞装置82に向けて遊技球が案内される案内通路や、一般入賞口81に向けて遊技球が案内される案内通路に入球確率可変機構300や振分機構400に相当する構成を適用することも可能である。
(2)上記各実施の形態では、分岐して設けられた第1案内通路271及び第2案内通路272を上下に並設したが、これに限定されるものではない、両者の位置関係については任意に変更してよい。例えば、第1案内通路271及び第2案内通路272の一方を右ルート、他方を左ルートに配してもよい。
なお、第1案内通路271及び第2案内通路272の関係を並列としたが、これを直列とすることも可能である。
(3)上記第1及び第2の実施の形態では、「切替手段」としての操作ユニット320に到達した遊技球の重さや衝突の勢いを駆動力伝達ユニット330によって案内ユニット310の状態を切り替える動力に変換する構成とした。これを変更し、第2案内通路272に当該第2案内通路272に流入した遊技球を検知する検知センサと、案内ユニット310を動作させるモータ等の駆動部を設け、検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて駆動部を動作させることにより、案内ユニット310を非案内状態から案内状態に切り替える構成とすることも可能である。
(4)上記第1及び第2の実施の形態では、第2案内通路272へ遊技球が流入したことに基づいて第1案内通路271を流下する遊技球の作動口83aへの到達確率を上げることにより、詳しくは途中で第1案内通路271から流出する零れ球の数を減らすことにより、結果として作動口83aへの入球確率を上げる構成としたが、結果として入球確率を上昇させることができるのであれば必ずしもこのような間接的な手段を用いる必要はない。例えば、作動口83aにも電動役物91に相当する可動式の役物を配置し、作動口83a周辺に到達した遊技球を当該作動口83aに案内すること(拾うこと)により、入球確率を上げる構成とすることも可能である。
(5)上記第1及び第2の実施の形態では、遊技球が操作ユニット320の回転体321に到達し、当該回転体321が動作(回転)することにより、案内ユニット310が非案内状態から案内状態に切り替る構成としたが、案内ユニット310の切替回数については任意であり、上述した実施の形態に示すように1度に限定されるものではなく、回転体321に1の遊技球が到達したことを契機として、案内状態への切り替えが複数回に亘って繰り返される構成とすることも可能である。
(6)上記第1及び第2の実施の形態では、案内ユニット310の可動片311が突出位置から初期位置に復帰する条件を期間によって定める構成としたが、可動片311の復帰条件については「期間」である必要はない。例えば、作動口83aへの入球が発生したことによって初期位置に復帰する構成とすることも可能である。この場合、作動口83aに設けられた球通路における所定の位置を遊技球が通過した場合に、当該遊技球との衝突又は重みによって動作する可動部材を設け、この可動部材に加わった押圧力を可動片311を初期位置に復帰させる動力として利用する構成としてもよい。
(7)上記第1及び第2の実施の形態では、第2案内通路272に遊技球が流入する機会が多くなることで、結果として案内ユニット310が非案内状態から案内状態に切り替る機会を多くするように構成した。これを変更し、第2案内通路272に予め設定された期間内に流入した遊技球の数が多くなることにより、上述した案内ユニット310が案内状態に維持される期間が遅延される構成とすることも可能である。つまり、第2案内通路272への流入数が増加することに連動して第1案内通路271に係る入球確率が段階的に又は連続的に上昇する構成とすることも可能である。
(8)上記第2の実施の形態では、複数の操作ユニット320の各々が案内ユニット310を動作させる駆動力の発生源として機能する構成としたが、これに限定されるものではない。操作ユニット320と案内ユニット310とを1対1の関係とすることも可能である。例えば、第1操作ユニット320A及び第2操作ユニット320Bの何れかを省略するとよい。
(9)上記第2の実施の形態では、案内ユニット310の案内状態を、スライダの突出量が第1突出量となる第1案内状態と、スライダの突出量が第1突出量よりも大きい第2突出量となる第2案内状態と分けて構成し、1の操作ユニット320に遊技球が到達した場合には第1案内状態となり、両方の操作ユニット320に遊技球が到達した場合、詳しくは第1案内状態となっている状況下にてその契機となった操作ユニット320ではない他方の操作ユニット320に遊技球が到達した場合に、案内ユニット310が第2案内状態に切り替る構成とすることも可能である。
(10)上記第3の実施の形態では、第2案内通路272を通過する遊技球は、遊技機の設計時に設定されている確率で作動口83bに入球する構成としたが、入球確率を構造的に規定し、その変化を抑制することができるのであれば、具体的構成については任意である。
例えば、第2案内通路272の一部を周期的に回転する回転体の周面によって構成し、当該回転体の周面に形成された凹部に遊技球が入った状態では、一時的に当該遊技球によって第2案内通路272の底面が形成される構成とすることも可能である。この場合、第2案内通路272が当該遊技球によって補完され、後続の遊技球は当該凹部に入った遊技球を足がかりとして、回転体を横切る(素通りする)ことで、回転体(凹部)への流入が回避されることとなる。
(11)上記第3の実施の形態では、第2案内通路272に「仕切部材」として1の通路形成体410を配設したが、通路方向に複数の通路形成体410を並べて配置することも可能である。つまり、第2案内通路272における遊技球の入球確率を安定化させる機能を発揮する上で、当該入球確率を適度なものとする点に配慮すれば、遊技球が作動口83bに到達する過程で振り分ける構成(振分手段)を複数併用することも可能である。
例えば、第2案内通路272に複数の分岐を設け、これら分岐箇所にシャッタやシーソー等の可動式の振分手段を配設するとよい。これらシャッタやシーソー等の振分手段については、ソレノイドやモータ等の駆動手段から供給される動力によって動作する構成としてもよいし、第2案内通路272を通過する又は第2案内通路272から排出される遊技球の重み等を利用して動作する構成としてもよい。
(12)上記第3及び第4の実施の形態では、第1案内通路271の途中位置にて当該第1案内通路271から流出した遊技球が第2案内通路272へ流入することを許容する構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。第1案内通路271を経由した第2案内通路272への遊技球の流入を不可とすることも可能である。例えば、第3の実施の形態においては、ホルダ420によって通路形成体410を上側から覆う構成とするとよい。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選等の特典を遊技者に付与するものがある。この種の遊技機においては遊技領域に、遊技釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化が実現されているとともに入球部への入球が適度な確率で発生するように調整されている。また、遊技機においては、ホール管理者による遊技盤(遊技領域)へのアクセスが許容されており、清掃等のメンテナンス作業への配慮がなされている。」という背景技術について、「しかしながら、上記メンテナンス作業を行う際に遊技部品が変形等した場合には、入球部への入球確率が変化する可能性がある。そもそも、遊技機メーカーにおいては、入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されており、上述した事情等によって入球確率が大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態となり得る。このような偏りが大きくなることは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技球の流下方向を変化させる遊技部品(釘93や風車94等)と遊技球が入球する入球部(作動口83(特に作動口83a))とが設けられている遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、第1流下経路(第1案内通路271)と当該第1流下経路よりも前記入球部への入球確率が低くなる第2流下経路(第2案内通路272)とが設けられており、
前記第2流下経路への遊技球の流入に基づいて、前記第1流下経路を通過する遊技球の前記入球部への入球確率が上がるようにする入球確率可変手段(入球確率可変機構300)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すタイプの遊技機においては、遊技領域に遊技部品(例えば遊技釘や風車等)を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化を実現することができる。これは、例えば遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている(例えば遊技機部品の位置や姿勢等が規定されている)。しかしながら、仮にこの入球確率が各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が生じ得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、入球確率の相対的に高い第1流下経路及び入球確率の相対的に低い第2流下経路のうち後者に想定以上の遊技球が流入した場合、すなわち全体での入球確率が低下するような偏りが発生した場合には、入球確率可変手段によって第1流下経路を通路する遊技球の入球部への入球確率が上昇するように補正されることとなる。一方、相対的に入球確率の低い第2流下経路へ遊技球が流入しない又は流入数が少なくなれば、上記補正が抑えられ、第1流下経路に係る入球確率が過度に高くなることが抑制されることとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技球の流下方向を変化させる遊技部品(釘93や風車94)と遊技球が入球する入球部(作動口83(特に作動口83a))とが設けられている遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、第1流下経路(第1案内通路271)と当該第1流下経路よりも前記入球部への入球確率が低くなる第2流下経路(第2案内通路272)とが設けられており、
前記第2流下経路へ振り分けられた遊技球の数が多くなることにより、前記第1流下経路を流下する遊技球の前記入球部への入球確率が上がるようにする入球確率可変手段(入球確率可変機構300)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すタイプの遊技機においては、遊技領域に遊技部品(例えば遊技釘や風車等)を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化を実現することができる。これは、例えば遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている(例えば遊技機部品の位置や姿勢等が規定されている)。しかしながら、仮にこの入球確率が各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態となり得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、入球確率の相対的に高い第1流下経路及び入球確率の相対的に低い第2流下経路のうち後者への流入数が増えた場合(例えば単位期間あたりの入球数が設計時に設定された値を上回るような状況となっている場合)、すなわち全体での入球確率が低下するような偏りが発生した場合には、入球確率可変手段によって第1流下経路を通路する遊技球の入球部への入球確率が上昇するように補正されることとなる。一方、相対的に入球確率の低い第2流下経路へ遊技球が流入しない又は流入数が少なくなれば、上記補正が抑えられ、第1流下経路に係る入球確率が過度に高くなることが抑制されることとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特に、第2流下経路へ振り分けられる(流入する)遊技球の数が多くなればなるほど、上記補正が強化される。つまり、偏りが大きくなり得る場合には、補正機能も強くなる。故に、上記入球確率の変化を一層好適に抑制することができる。
なお、「入球確率可変手段」については、「前記第1流下経路を通過する遊技球の前記入球部への入球確率が、前記第2流下経路における特定領域に遊技球が到達したことに基づいて上がるようにする」構成としてもよい。
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技球の流下方向を変化させる遊技部品(釘93や風車94)と遊技球が入球する入球部(作動口83(特に作動口83a))とが設けられている遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が流下する流下経路として、第1流下経路(第1案内通路271)と当該第1流下経路よりも前記入球部への入球確率が低くなる第2流下経路(第2案内通路272)とが設けられており、
前記第1流下経路は、第1状態と当該第1状態よりも当該第1流下経路に流入した遊技球が前記入球部に到達しやすい第2状態とに切り替え可能となっており、
前記第2流下経路に遊技球が流入することに基づいて、前記第1流下経路を前記第1状態から前記第2状態に切り替える手段(入球確率可変機構300)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すタイプの遊技機においては、遊技領域に遊技部品(例えば遊技釘や風車等)を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化を実現することができる。これは、例えば遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態となり得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、入球確率の相対的に高い第1流下経路及び入球確率の相対的に低い第2流下経路のうち後者に想定以上の遊技球が流入した場合、すなわち全体での入球確率が低下するような偏りが発生した場合には、第1流下経路が第1状態から第2状態に切り替ることにより当該第1流下経路を通路する遊技球の入球部への入球確率が上昇するように補正されることとなる。一方、相対的に入球確率の低い第2流下経路へ遊技球が流入しない又は流入数が少なくなれば、上記補正が抑えられ、第1流下経路に係る入球確率が過度に高くなることが抑制されることとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特に、本特徴によれば、第1流下経路は遊技球が入球部に到達する確率が高低相違する第1状態/第2状態に切替可能となっている。ここで、第2流下経路に遊技球が流入した場合には、それに基づいて第1流下経路が第1状態から第2状態に切り替ることとなる。これにより、第1流下経路を流下する遊技球の入球部への到達率が上がることとなる。このように、第2流下経路へ遊技球が流入したことにより遊技球を強制的に入球部へ入球させるのではなく、入球部への到達率を上昇させた結果として第1流下経路に係る入球確率を上昇させる構成とすることにより、遊技機本来の遊技球の動きを目で追うことによる楽しさが損なわれることを好適に回避できる。
特徴A4.前記第1流下経路は、第1状態と当該第1状態よりも当該第1流下経路に流入した遊技球が前記入球部に到達しやすい第2状態とに切り替え可能となっており、
前記入球確率可変手段は、前記第1流下経路を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることにより、前記第1流下経路を流下する遊技球の前記入球部への入球確率を上げる手段を有していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1流下経路は遊技球が入球部に到達する確率が高低相違する第1状態/第2状態に切替可能となっている。ここで、第2流下経路に遊技球が流入した場合には、それに基づいて第1流下経路が第1状態から第2状態に切り替ることとなる。これにより、第1流下経路を流下する遊技球の入球部への到達率が上昇することとなる。このように、第2流下経路へ遊技球が流入したことにより第1流下経路を流下する遊技球を強制的に入球部へ入球させるのではなく、入球部への到達率を上昇させた結果として第1流下経路に係る入球確率を上昇させる構成とすることにより、遊技機本来の遊技球の動きを目で追うことによる楽しさが損なわれることを好適に回避できる。
特徴A5.前記第1流下経路の途中位置には当該第1流下経路から遊技球が排出される排出部(例えば第1開放部281)が設けられており、前記第1流下経路を通過する遊技球の一部が当該排出部を通じて当該第1流下経路から離脱するように構成されており、
前記入球確率可変手段は、
前記排出部からの遊技球の排出を規制する規制状態及び当該排出部からの遊技球の排出を許容する許容状態に切替可能な規制手段(案内ユニット310)と、
前記遊技領域に設けられ前記第2流下経路を流下する遊技球が当たることにより動作する可動体(回転体321)、及び当該可動体が動作した場合にその動力を前記規制手段へ伝える伝達部(動力伝達機構331)を有し、その動力によって前記規制手段を前記許容状態から前記規制状態に切り替える切替手段(操作ユニット320)と
を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1流下経路を流下する遊技球の一部を排出部を通じて当該第1流下経路から離脱させることにより、第1流下経路に流入した全ての遊技球が入球部へ到達することを回避している。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上を図りつつ、第1流下経路に係る入球確率について入球部の周辺構造に対する依存が極端に強くなることを抑制している。
ここで、排出部には規制手段が設けられており、この規制手段が許容状態から規制状態に切り替ることにより排出部を通じた遊技球の離脱が規制されることとなる。規制手段については、第2流下経路を流下する遊技球が可動体に当って当該可動体が動作した場合に発生する動力を利用して許容状態→阻止状態に切り替ることとなる。このように、第2流下経路を流下する遊技球の重みや運動エネルギを規制手段用の動力源とすることにより、入球確率可変手段用の動力源を別途用意する必要がなくなり、入球確率可変手段の存在が遊技機の電気的構成を複雑にする要因になることを好適に回避できる。
なお、特徴A3及び特徴A4との組み合わせにおいては、「規制手段」が「許容状態」となることで「第1流下経路」が「第1状態」となり、「規制手段」が「規制状態」となることで「第1流下経路」が「第2状態」となる構成とすればよい。
特徴A6.前記規制手段は、前記排出部の向きと交差する方向にスライド移動可能に設けられたスライド部材(可動片311)を有してなり、前記スライド部材が退避位置から前記排出部へ突出する突出位置に移動することによって前記許容状態から前記規制状態に切り替るように構成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A5に示したように、第2流下経路を流下する遊技球の重みや運動エネルギを規制手段用の動力源とする場合には、動力の大きさが遊技球の重み等に依存するため、当該動力を大きくするには限界がある。第1流下経路を通過する遊技球の重み等によってスライド部材の動き(規制状態/許容状態の切り替え)が妨げられることは好ましくない。この点、スライド部材を排出部の向きと交差する方向にスライド移動可能とすることにより、上述した影響を抑えて、規制状態/許容状態の切替機能を好適に担保することができる。
なお、特徴A5又は特徴A6においては、「遊技者による発射操作に基づいて所定周期で遊技球を発射する遊技球発射手段を備え、前記規制手段は、前記許容状態から前記規制状態に切り替った場合には、少なくとも前記所定期間よりも長い期間に亘って前記規制状態に維持される」構成とするとよい。連続的(周期的)に発射された遊技球群については、遊技領域を流下する過程で一定の間隔が担保されるのわけではなく、遊技球群に粗密の差が生じ得る。このような実情に配慮した場合、規制状態に維持される期間を少なくとも所定期間(発射周期)よりも長く設定しておくことにより、先行する遊技球によって後続の遊技球のサポートを実現する上で、規制手段による規制機能が上手く活かされなくなることを抑制できる。
特徴A7.前記第2流下経路は、当該第2流下経路において前記入球確率を上昇させる契機となった遊技球については、前記入球部への到達が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7に示すように、第2流下経路に流入して入球確率を上昇させる契機となった遊技球については、入球部への到達が回避される構成とすることにより、第2流下経路に到達した遊技球には、入球部への到達又は第1流下経路に係る入球確率の変更の役割の振分が行われることとなる。これにより、第2流下経路へ流入する遊技球の数が増えた場合であっても、それが遊技者にとって過度に有利な状態を作り出す要因になることを回避して、遊技ホールの有利度と遊技者の有利度とのバランスが極端に偏ることを抑制できる。
特徴A8.前記第1流下経路及び前記第2流下経路は横方に延びており、当該第1流下経路が上側且つ当該第2流下経路が下側となるようにして上下に並設されており、
前記第1流下経路の途中位置から前記第2流下経路への遊技球の流入が許容されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように遊技球の動きへの注目度を高める上では、「第1流下経路への遊技球の流入」=「入球部へ到達確定」となることは好ましくない。しかしながら、第1流下経路を流下する遊技球が入球部に到達する前に当該第1流下経路から流出する構成とした場合には、その流出箇所を構成する遊技部品が変形等することにより、遊技球の流出確率が変化する。
特に、流出確率が想定よりも大きくなってしまった場合には、第1流下経路に係る入球確率が必然的に下ることとなる。そこで、第1流下経路から途中で流出した(零れた)遊技球が第2流下経路へ流入可能とすることにより、当該零れ球を利用して第1流下経路に係る入球確率を上昇させることができる。これにより、遊技機全体での入球確率の低下を好適に抑制することができる。
また、途中で第1流下経路から流出した遊技球についても、入球確率向上に貢献し得る構成とすることにより、遊技者が当該遊技球が第1流下経路から離れた時点(零れ球となった時点)で当該遊技球に対する興味を失ってしまうことを抑制し、遊技球の動き等への注目度の低下を軽減することができる。
特徴A9.前記第1流下経路及び前記第2流下経路は、前記第2流下経路から前記第1流下経路への遊技球の流入が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、第2流下経路にて第1流下経路に係る入球確率の上昇に貢献した遊技球が入球確率の上昇している第1流下経路に戻ることが回避される。これにより、上記補正機能が過剰に作用することを回避することができる。
なお、特徴A5等(「規制手段」を備えている構成)との組み合わせにおいては、規制手段が規制状態となることにより、第2流下経路→第1流下経路への遊技球の移動を規制するとよい。
特徴A10.前記入球確率可変手段は、第1位置にて遊技球が前記第2流下経路に到達した場合には、当該第1位置よりも下流側となる第2位置にて遊技球が前記第2流下経路に到達した場合よりも前記第1流下経路を通過する遊技球の前記入球確率の上がり度合いが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
第1流下経路と第2流下経路とを比較した場合には、第1流下経路に係る入球確率のほうが高く設定されているため、遊技者は遊技球が第1流下経路に沿って流下することを期待して遊技を行うと想定される。ここで、第2流下経路に流入する遊技球については、どの位置にて当該第2流下経路へ流入するかによって上記補正機能に差が生じる。具体的には、上流側の第1位置のほうが第2位置よりも補正機能が強く発揮されることとなる。
上述の如く、第1流下経路をある程度の距離に渡って流下した遊技球については、入球部への入球期待度が高くなり、遊技者の注目が向きやすい。一方、早々に第2流下経路に流入した遊技球については、遊技者の注目が向きにくくなる。そこで、それら遊技球が第2流下経路にて果たす役割(効果)に差を生じさせることによって、第2流下経路を流下する遊技球に対して注目するように遊技者に対して促すことができる。
特徴A11.前記第2流下経路は、第1位置及び当該第1位置よりも下流側となる第2位置にて遊技球の流入を許容しており、
前記第1流下経路には当該第1流下経路から遊技球が排出される排出部(開放部281〜283)が設けられており、
前記入球確率可変手段は、
前記排出部からの遊技球の排出を規制する規制状態及び当該排出部からの遊技球の排出を許容する許容状態に切替可能な規制手段(案内ユニット310)と、
前記第2流下経路に設けられ、遊技球が特定位置に到達したことに基づいて前記規制手段を前記許容状態から前記規制状態に切り替える切替手段(操作ユニット320)と
を有してなり、
前記切替手段は、第1切替手段(操作ユニット320A)と当該第1切替手段よりも前記第2流下経路における下流側に配された第2切替手段(操作ユニット320B)とを有し、
前記第1位置にて前記第2流下経路に流入した遊技球は前記第1切替手段及び前記第2切替手段の両方に到達可能となっており、前記第2位置にて前記第2流下経路に流入した遊技球は前記第1切替手段への到達が不可となっていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第2流下経路に対する遊技球の流入位置に応じて到達し得る切替手段が相違する構成となっている。これにより、特徴A10に示した技術的思想を好適に具現化できる。
なお、特徴A5〜特徴A11に示す「規制手段」については「第1流下経路に沿って遊技球を当該第1流下経路に沿って案内する案内状態と、当該案内を行わない非案内状態とに切り替え可能な案内手段」とすることも可能である。
特徴A12.前記排出部は、第1排出部及び当該第1排出部よりも前記第1流下経路における下流側に配された第2排出部を有し、
前記規制手段は、前記第1排出部に設けられた第1規制手段及び前記第2排出部に設けられた第2規制手段を有し、
前記第1切替手段は、遊技球が第1特定位置に到達したことに基づいて前記第1規制手段を前記許容状態から前記規制状態に切り替えるように構成されており、
前記第2切替手段は、遊技球が第2特定位置に到達したことに基づいて前記第2規制手段を前記許容状態から前記規制状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1排出部、第1規制手段及び第1切替手段によって第1の入球確率可変機構が構成され、第2排出部、第2規制手段及び第2切替手段によって第2の入球確率可変機構が構成されている。既に説明したように、第2流下経路への途中位置からの遊技球の流入が許容されている構成においては、当該第2流下経路における上流部分よりも下流部分の方が到達し得る遊技球の数が多くなる。
第2流下経路の上流位置(第1特定位置)に第1切替手段が存在するため、早期に第2流下経路に流入した遊技球が第1流下経路(第1排出部)からの早期の遊技球の離脱を回避する手段として機能することとなる。一方、入球部に近い第2排出部については入球確率への寄与率が第1排出部よりも大きくなる。ここで、第2流下経路に流入した遊技球の多くが到達しやすい下流位置(第2特定位置)に第2切替手段が存在するため、第2流下経路へ流入する遊技球の数が多くなれば、その流入位置に関わらず第2切替手段が動作して、第2排出部が規制状態となる可能性が高くなる。これにより、入球確率への影響の大きい部分で入球確率を低下させるように不都合が発生した場合には、第2切替手段によってその入球確率が好適に補正されることとなる。このように、影響の大きさに応じて補正の度合いを大きくすることにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A13.第1切替手段及び第2切替手段は、前記第1規制手段が前記第1切替手段によって前記規制状態に切り替っている間にその契機となった遊技球が前記第1特定位置から前記第2特定位置に到達し得るように配設されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第2流下経路に流入した遊技球が第1特定位置→第2特定位置へと移動することにより、1の遊技球によって2つの切替手段(規制手段)を動作させることができる。つまり、第1流下経路に第1排出部及び第2排出部が併設されている構成であっても、それら2つの排出部を遊技球が素通りできる状態とすることができる。これにより、先行する遊技球が第2流下経路を通過するタイミングと、後続の遊技球が第1流下経路を通過するタイミングとの関係性を強化することが可能となる。故に、遊技者の注目をそれら2つの流下経路を通過する遊技球同士の位置関係に向けさせることができ、遊技球の動きに対する注目度の向上に貢献することができる。
特徴A14.第1排出部の下方に前記第1特定位置、第2排出部の下方に前記第2特定位置があることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1排出部から排出された遊技球は第1特定位置(第1切替手段)に向けて落下し、第2排出部から排出された遊技球は第2特定位置(第2切替手段)に向けて落下する。係る構成によれば、複数の遊技球が第1流下通路を流下する場合に、先行する遊技球が排出部から落下した場合に、当該遊技球によって後続の遊技球が脱落しないように救われる可能性が生じる。このような構成とすることにより、複数の遊技球が第1流下経路に流入した場合に、その少なくとも一部が救済される可能性を高めることができる。
特徴A15.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記扉体を施錠する施錠手段(施錠装置75)と
を備え、
前記施錠手段による施錠を解除して前記扉体を開放することにより、前記遊技領域が遊技機前方へ露出するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すタイプの遊技機においては、ホール管理者による遊技盤(遊技領域)へのアクセスが許容されており、清掃等のメンテナンス作業への配慮がなされている。しかしながら、上記メンテナンス作業を行う際に遊技釘が変形等した場合には、入球部への入球確率が変化する可能性がある。このように利便性等の向上を考慮した構成であっても、特徴A1等に示した技術的思想を適用することにより、その影響が入球確率を大きく左右する要因になることを抑制できる。
特徴A16.前記遊技領域には、前記第1流下経路及び前記第2流下経路のいずれかに遊技球が流入するようにして遊技球が振り分けられる分岐部分(分岐部分270)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1流下経路に振り分けられる遊技球の数が想定(設計値)よりも多くなれば(第2流経路に振り分けられる遊技球の数が想定(設計値)よりも少なくなれば)、入球部に到達する遊技球の数が増加する。一方、第1流下経路に振り分けられる遊技球の数が想定(設計値)よりも少なくなれば(第2流経路に振り分けられる遊技球の数が想定(設計値)よりも多くなれば)、入球部に到達する遊技球の到達確率が上昇することとなる。これにより、振分態様が想定を外れたとしてもそれによって入球確率が大幅に変化することを抑制し、入球確率の振れ幅の減縮に貢献することができる。
特徴A17.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技球の流下方向を変化させる遊技部品(釘93や風車94等)と遊技球が入球する入球部(作動口83(特に作動口83a))とが設けられている遊技機であって、
前記遊技領域には、前記遊技部品の状態が前記入球部への入球確率と予め設定された所定確率との間に差が生じる特定状態となっている場合に、当該差が小さくなるように入球確率を変化させる入球確率可変手段(入球確率可変機構300)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A17に示すタイプの遊技機においては、遊技領域に遊技部品(例えば遊技釘や風車等)を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化を実現することができる。これは、例えば遊技球の動きが単調になることを抑制する上で好ましい。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている(例えば遊技機部品の位置や姿勢等が規定されている)。しかしながら、仮にこの入球確率が各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が生じ得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、入球確率が偏るような状態となった場合には、その偏りを是正するように入球確率可変手段が作用することとなる。これにより、入球確率の極端な変化を抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技釘(釘93)と遊技球が入球する入球部(作動口83)とが設けられている遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、少なくとも遊技球が通過する通過領域を仕切る仕切部材(通路形成体410)により形成された案内通路(第2案内通路272)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、遊技球を入球部へ案内する複数の案内通路の1つとして、仕切部材により形成された案内通路を備えている。遊技釘によって案内通路が形成されている場合には、一部の遊技釘が変形することにより、案内される遊技球の挙動や案内方向等が容易に変化してしまうため、ちょっとした変形等が上記入球確率に大きく影響する可能性がある。つまり、全ての案内通路の画一的に遊技釘によって形成することは、遊技球の挙動を多様化して遊技球の動きを目で追う楽しみに配慮した場合には好ましい構成であるが、上記入球確率の振れ幅も大きくなる。
分岐させて設けられた案内通路の中に、仕切部材により形成された案内通路を混在させることにより、当該案内通路については、上述した挙動の変化等を抑制することができる。このように、分岐させて設けられた複数の案内通路のうち一部の案内通路を変形等の生じない又は生じにくい構成とすることにより、入球確率の振れ幅を減縮することができ、上記不都合の発生を好適に抑えることが可能となる。
なお、本特徴に対して以下の各特徴に示す技術的思想を適用することも可能である。
特徴B2.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技釘(釘93)と遊技球が入球する入球部(作動口83)とが設けられている遊技機であって、
前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、複数の前記遊技釘が配列されてなる第1案内通路(第1案内通路271)と、遊技球が通過する通過領域を仕切る仕切部材(通路形成体410)により形成されている第2案内通路(第2案内通路272)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、遊技球を入球部へ案内する複数の案内通路として、遊技釘が配列されてなる第1案内通路と、仕切部材により形成された第2案内通路とを備えている。遊技釘群によって形成された第1案内通路は、一部の遊技釘が変形することにより遊技釘同士の位置関係が容易に変化して、案内される遊技球の挙動や案内方向等が想定外のものになり得る。つまり、ちょっとした変形等が上記入球確率に大きく影響する可能性がある。この点、第2案内通路については、仕切部材により形成されているため上述した挙動の変化等を抑制することができる。このように、遊技釘からなる第1案内通路と、仕切部材からなる第2案内通路とを併存させることにより、入球確率の振れ幅を減縮することができ、上記不都合の発生を好適に抑えることが可能となる。
特徴B3.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技釘(釘93)と遊技球が入球する入球部(作動口83)とが設けられている遊技機であって、
前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、複数の前記遊技釘が配列されてなる第1案内通路(第1案内通路271)と、所定方向に遊技球が転動する転動面(内周面410a)を有し、遊技球が通過する通過領域を仕切る仕切部材(通路形成体410)により形成されている第2案内通路(第2案内通路272)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
本特徴に示す遊技機においては、遊技球を入球部へ案内する複数の案内通路として、遊技釘が配列されてなる第1案内通路と、仕切部材により形成された第2案内通路とを備えている。遊技釘群によって形成された第1案内通路は、一部の遊技釘が変形することにより遊技釘同士の位置関係が容易に変化して、案内される遊技球の挙動や案内方向等が想定外のものになり得る。つまり、ちょっとした変形等が上記入球確率に大きく影響する可能性がある。この点、第2案内通路については、仕切部材により形成されているため上述した挙動の変化等を抑制することができる。具体的には、遊技球が転動する面(転動面)を1の部材によって形成することにより、複数の遊技釘を並べて仮想面を形成する構成と比較して、転動面のばらつきが回避される。このため、遊技球の動きを安定させることができる。遊技釘からなる第1案内通路と、仕切部材からなる第2案内通路とを併存させることにより、入球確率の振れ幅を減縮することができ、上記不都合の発生を好適に抑えることが可能となる。
特徴B4.表示画面(263a)を有し、当該表示画面にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置253)を備え、
前記遊技盤に形成された中央開口(中央開口85)を通じて、前記表示画面を視認可能となっており、
前記遊技領域は、前記中央開口を左側から迂回するように設けられた第1流下領域と、前記中央開口を右側から迂回するように設けられた第2流下領域とを有してなり、
前記第1案内通路及び前記第2案内通路は、前記第1流下領域又は前記第2流下領域のいずれかの途中位置にて分岐するようにして設けられていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1案内通路及び第2案内通路が併設されている流下領域を狙って遊技球を発射することにより、当該流下領域を流下する遊技球は例えば第1案内通路及び第2案内通路に振り分けられることとなる。つまり、当該流下領域に向けて遊技球の発射を継続的に行った場合には、その少なくとも一部が第2案内通路へ流入することとなる。これにより、特徴B1等に示した安定化機能を好適に発揮させることができる。
特徴B5.前記第2案内通路は、前記仕切部材が当該仕切部材と前記入球部との間に前記遊技釘が介在しないように配置されてなることを特徴とする特徴B2乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第2案内通路を通過した遊技球は、遊技釘を介することなく入球部へと流入する。上述したように第2案内通路においては入球確率の大幅な変化が規制されてはいるが、仮にその出口部分と入球部との間に遊技釘が存在してしまうと、当該遊技釘が支配的となって上述した入球確率の振れ幅を減縮する効果が薄れると懸念される。そこで、第2案内通路を有する構成においては、本特徴に示すように遊技球が第2案内通路から入球部へ流入する際に遊技釘に当らない構成とすることにより、第2案内通路を設けたことによる技術的意義を好適に発揮させることができる。
特徴B6.前記第1案内通路には、当該第1案内通路を形成する前記遊技釘の間隔を遊技球の通過を許容する大きさとすることにより、遊技球が流出する第1流出部(例えば開放部281〜283)が形成されており、
前記第2案内通路には、前記仕切部材に開口を形成することにより、遊技球が流出する第2流出部(例えば開放部415,416)が形成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6に示す第1案内通路については、第1流出部を形成している遊技釘の間隔がばらついたり変化したりすることにより、第1案内通路を通じて入球部へ到達する到達率、ひいては第1案内通路に係る入球確率にばらつきが生じる。一方、第2案内通路については、第2流出部を形成している開口のばらつき(例えば製造ばらつき)は軽微となり、上述した到達率や入球確率のばらつきが抑制される。
このように、形状の決まっている開口を利用することにより、すなわち2種類の流出部を併用することにより、遊技機全体での入球確率の振れ幅を減縮することができる。
なお、本特徴については、「前記第2案内通路には、前記仕切部材に開口を形成することにより、遊技球が流出する流出部(開放部415,416)が形成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B7.前記第1案内通路及び前記第2案内通路は横方に延びており、当該第1案内通路が上側且つ当該第2案内通路が下側となるようにして上下に並設されており、
前記第1案内通路の途中位置にて当該第1案内通路から流出した遊技球が前記第2案内通路の入口部分及び出口部分の中間位置へ流入可能となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
第2案内通路については、その入口部分から遊技球が上手く流入しなくなることで、上述した各種機能が上手く発揮されなくなる。特に、入口部分の周辺に遊技釘を配設して、当該遊技釘によって遊技球が入口部分に流入する構成となっている場合には、上記不都合が発生しやすくなると懸念される。
この点、本特徴に示す構成によれば、第1案内通路の途中位置から流出した遊技球の第2案内通路への流入が許容されている。このような受入体制を確保しておくことにより、仮に入口部分からの流入に不都合が生じても、第2案内通路の機能が発揮されなくなることを抑制できる。
そもそも、第1案内通路を形成している遊技釘の変形等によって、第1案内通路からの遊技球の流出(零れ)が発生しやすくなっている場合には、遊技機全体での入球確率が低下し得るが、第1案内通路を通じた入球が期待できないもの(第1案内通路から流出した遊技球)を第2案内通路で救済することにより、上述した入球確率の低下を好適に抑制することができる。
特徴B8.前記仕切部材が動作することにより、前記第2案内通路を流下する遊技球が前記入球部へ到達し得るか否かの振り分けが行われることを特徴とする特徴B2乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば、遊技釘によって遊技球用の排出口を形成し、当該排出口に遊技球が到達するか否かによって遊技球の振り分けを行う構成においては、遊技釘の状態(例えば向き)によってその振り分け態様が大きく変化し得る。この点、本特徴に示す構成によれば、仕切部材の動作と遊技球の流入タイミング等とによって第2案内通路を流下する遊技球が入球部へ到達できるか否かが決まる。故に、遊技釘を利用する場合と比較して振り分け態様、すなわち入球確率(到達確率)の振れ幅を好適に減縮することができる。
特徴B9.前記第1案内通路及び前記第2案内通路は横方に延びており、当該第1案内通路が上側且つ当該第2案内通路が下側となるようにして上下に並設されており、
前記仕切部材の途中位置には、前記第2案内通路の内外に貫通し遊技球が通過可能な開放部(開放部415,416)が形成されており、
前記仕切部材を、前記開放部が前記第1案内通路側を向く第1状態と、当該第1状態とは反対側を向く第2状態とに切り替える切替手段(駆動ユニット430)を備え、
前記仕切部材は、前記第1状態では前記第1案内通路から流出した遊技球が前記開放部を通じて前記第2案内通路に流入可能となり、前記第2状態では前記開放部を通じて前記第2案内通路から遊技球が流出可能となるように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば、遊技釘によって遊技球用の排出口を形成し、当該排出口に遊技球が到達するか否かによって遊技球の振り分けを行う構成においては、遊技釘の状態(例えば向き)によってその振り分け態様が大きく変化し得る。この点、本特徴に示す構成によれば、仕切部材の動作と遊技球の流入タイミング等とによって第2案内通路を流下する遊技球が入球部へ到達できるか否かが決まる。故に、遊技釘を利用する場合と比較して振り分け態様、すなわち入球確率(到達確率)の振れ幅を好適に減縮することができる。
特に、本特徴においては仕切部材に形成された開放部が第1状態では遊技球用の流入口として機能し、第2状態では遊技球用の流出口として機能する。このように、同じ開放部が状態によって別の機能を発揮する構成とすることにより、仕切部材に係る構成を簡素化できる。このように仕切部材の簡素化を実現することは、仕切部材の個体差等の影響を軽減する上で有利である。
特徴B10.前記仕切部材は、前記第2案内通路と同じ方向に延びる中心軸線を中心として回動可能となっており、
前記切替手段は、前記仕切部材を回動させることにより、前記第1状態と前記第2状態との切り替えを行うものであることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1案内通路及び第2案内通路を並設する場合に、仕切部材の動作領域によって両案内通路が離れてしまうことを好適に抑制できる。
また、仕切部材を回動させて第1状態/第2状態に切り替える構成とすれば、仕切部材によって第2案内通路を形成したことに起因する遊技球の流下態様の単調さや取付位置や製造ばらつきに起因した個体差(偏り)の発生を抑制できる。
特徴B11.前記仕切部材の内周面は、前記中心軸線を中心とする円弧状をなしていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、第2案内通路を通過する遊技球を仕切部材の内周面に沿って揺動させることができ、遊技球の動きの単調化を一層好適に抑制できる。なお、仕切部材を回動式としているため、仕切部材の回動を遊技球を揺動させる契機とすることができ、仕切部材の内周面を円弧状としたことによる上記効果が上手く発揮されなくなることを容易に回避できる。
特徴B12.前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段の取得した特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による判定の結果が、前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と
を備え、
第2案内通路を通じて前記入球部へ遊技球が入球する入球確率は、前記第1案内通路を通じて前記入球部へ遊技球が入球する入球確率よりも低くなるように設定されていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、第1案内通路の方が第2案内通路よりも遊技者にとって有利となるように構成されている。このような有利度の差が設定されている場合、第1案内通路から遊技球が脱落しやすくなることで、第1案内通路の優位性が損なわれるばかりか、遊技機全体での入球確率が低下すると懸念される。この点、第1案内通路から遊技球が脱落しやすくなった場合には、第2案内通路にて当該零れ球をフォローすることができるため、遊技機全体での入球確率の低下を抑えることができる。
特徴B13.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と、
前記扉体を施錠する施錠手段(施錠装置75)と
を備え、
前記施錠手段による施錠を解除して前記扉体を開放することにより、前記遊技領域が遊技機前方へ露出するように構成されている遊技機であって、
前記遊技盤には、当該遊技盤に前記仕切部材が取り付けられている状態にて、当該仕切部材の位置の変化及び姿勢の変化を阻止する阻止手段が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B12のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すタイプの遊技機においては、ホール管理者による遊技盤(遊技領域)へのアクセスが許容されており、清掃等のメンテナンス作業への配慮がなされている。しかしながら、上記メンテナンス作業を行う際に遊技釘が変形等した場合には、入球部への入球確率が変化する可能性がある。このように利便性等の向上を考慮した構成であっても、特徴B1等に示した技術的思想を適用することにより、その影響が入球確率を大きく左右する要因になることを抑制できる。
特徴B14.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技釘(釘93)と遊技球が入球する入球部(作動口83)とが設けられている遊技機であって、
前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、第1案内通路(第1案内通路271)と、当該第1案内通路に並設された第2案内通路(第2案内通路272)とを備え、
前記第2案内通路には、遊技球の流下態様の調整を不可とする調整無効区間が設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
この点、本特徴に示す遊技機においては、遊技球の流下態様の調整を不可とする調整無効区間が設けられているため、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。但し、このような調整無効区間の存在は、上記効果を発揮する上では有利な反面、遊技球の動きを単調化させる要因になり得る。そこで、本特徴では、遊技球を入球部へ案内する複数の案内通路として第1案内通路及び第2案内通路を並設している。このように複数の通路を並設することにより、入球部へ向けた遊技球の流下態様が単調になることを抑制することができる。故に、入球確率の振れ幅を減縮しつつ、それに起因した遊技球の流下態様の単調化を抑制することができる。
特徴B15.前記第1案内通路及び第2案内通路は、それら案内通路の一方の途中位置から他方の途中位置への遊技球の移動が許容されていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B15によれば、一方の案内通路から他方の案内通路への遊技球の移動が許容されていることにより、遊技球の動きの単調化を一層好適に抑制できる。
特に、第1案内通路から第2案内通路への遊技球の流入が許容されている構成とした場合には、第1案内通路から途中で離脱した遊技球(零れ球)を、調整無効区間が設けられた第2案内通路によって救済できる。これにより、遊技者にとって極端に不利な偏りが発生することを好適に抑制できる。
特徴B16.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技盤に遊技釘(釘93)と遊技球が入球する入球部(作動口83)とが設けられている遊技機であって、
前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
前記案内通路として、第1案内通路(第1案内通路271)と、当該第1案内通路に並設された第2案内通路(第2案内通路272)とを備え、
前記第1案内通路の途中位置から前記第2案内通路の途中位置への遊技球の流入が許容されており、
前記第2案内通路において前記第1案内通路から遊技球が流入する部分を含む所定の区間は、遊技球の流下態様の調整を不可とする調整無効区間となっていることを特徴とする遊技機。
遊技機メーカーにおいては、遊技球発射手段(遊技球発射機構110)等により発射された遊技球の入球部への入球確率が予め設定された範囲に収まるように製造されている。しかしながら、仮にこの入球確率が製造不良等の各種事情によって大きく変化した場合には、遊技ホール及び遊技者の一方にとって過度に不利な状態が発生し得る。このような偏りは、遊技機の設置や利用を促進する上で妨げとなるため好ましくない。
この点、本特徴に示す遊技機においては、遊技球の流下態様の調整を不可とする調整無効区間が設けられているため、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。但し、このような調整無効区間の存在は、上記効果を発揮する上では有利な反面、遊技球の動きを単調化させる要因になり得る。そこで、本特徴では、遊技球を入球部へ案内する複数の案内通路として第1案内通路及び第2案内通路を並設し、第1案内通路から第2案内通路への遊技球の移動が許容している。これにより、遊技球の動きの単調化を一層好適に抑制できる。
特に、第1案内通路から第2案内通路への遊技球の流入が許容されている構成では、第1案内通路から途中で離脱した遊技球(零れ球)を、調整無効区間が設けられた第2案内通路によって救済できる。これにより、遊技者にとって極端に不利な偏りが発生することを好適に抑制できる。また、零れ球の到達位置が調整無効区間であることにより、零れ球が更に第2案内通路から零れやすくなるように遊技者にとって不利な偏りが生じることを回避できる。以上の理由から、第1案内通路及び第2案内通路を併用することにより、入球確率の振れ幅を減縮しつつ、それに起因した遊技球の流下態様の単調化を抑制することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、14…扉体としての前扉枠、41…遊技球発射ハンドル、75…施錠手段としての施錠装置、80…遊技盤ユニット、80a…遊技盤、80b…背面ブロック、83…入球部としての作動口、85…中央開口、93…遊技部品又は遊技釘としての釘、94…遊技部品としての風車、95…センターフレーム、96…ステージ部、97…ワープ通路、110…遊技球発射機構、253…絵柄表示手段としての図柄表示装置、253a…表示画面、268…上流側通路、269…流下経路又は案内通路としての下流側通路、270…分岐部分、271…第1案内通路又は第1流下経路としての第1案内通路、272…第1案内通路又は第2流下経路としての第2案内通路、281〜283…排出部又は流出部としての開放部、300…入球確率可変機構、310…規制手段としての案内ユニット、311…スライド部材としてのスライダ、319…付勢手段としてのバネ、320…切替手段を構成する操作ユニット、321…可動体としての回転体、331…伝達部としての駆動力伝達機構、400…振分機構、410…仕切部材としての通路形成体、415,416…開放部、PE…遊技領域。

Claims (1)

  1. 前面に遊技領域が形成された遊技盤を備え、当該遊技盤に遊技釘と遊技球が入球する入球部とが設けられている遊技機であって、
    前記遊技盤の前面部分には、遊技球を前記入球部へ向けて案内する複数の案内通路が分岐して設けられており、
    前記案内通路として、複数の前記遊技釘が配列されてなる第1案内通路と、遊技球が通過する通過領域を仕切る仕切部材により形成されている第2案内通路とを備え、
    前記第1案内通路及び前記第2案内通路は横方に延びており、当該第1案内通路が上側且つ当該第2案内通路が下側となるようにして上下に並設されており、
    前記第1案内通路の途中位置にて当該第1案内通路から流出した遊技球が前記第2案内通路の入口部分及び出口部分の中間位置へ流入可能となっていることを特徴とする遊技機。
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