<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量が大きくなるに従って速くなり、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材63(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材66,67や後述するベース体、連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤80を収容する収容凹部73が形成されている。収容凹部は遊技盤80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤80はこの収容凹部73に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部73の底部には、略矩形状の窓孔74が形成されており、この窓孔74を通じて遊技盤80の背面構成が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔74については、内枠ベース体50に装着された遊技盤80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤80)
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とにより構成された板体80aを有してなり、その前面には遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80(詳しくは板体80a)は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能でり、更には上記シート材に代えて各種模様が形成されるようなコーティング等を採用することも可能である。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット85は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット85の周辺に作動口83a,83b等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット85の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット85の側方)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口82aが形成されているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bが設けられている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば6ラウンド又は16ラウンド)を上限とした開閉扉82b等の開放が繰り返されるように設定されているものがある。
次に、可変表示ユニット85について説明する。可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置94を有している。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置94には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置94につていは必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして配設されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95は、遊技盤80(板体80a)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置94に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、可変表示ユニット85寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして、特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置94に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット85寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット85周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤80における右側の端部(後述する遊技盤80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材88が配設されている。
ストッパ部材88については誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材88に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材88には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部Dの表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部Dは、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部Dについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50(例えば後述する横フレーム部材54)に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
内枠ベース体50の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)73の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔74が形成されており、その窓孔74が収容凹部73に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤80の背面の構成について説明する。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85(図6参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製のベース体96が固定されている。ベース体96は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。ベース体96の一部は内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図6参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体96において遊技盤80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体96には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、ベース体96には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する入賞検知スイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図8及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図8はパチンコ機10の背面図、図9は裏パックユニット15の正面図である。
図8に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図9に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する(図8参照)。
ベース部211には、外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図9に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、上記RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
以上詳述したようにパチンコ機10は、大別して、内枠13,前扉枠14及び裏パックユニット15からなる遊技機主部12と、遊技機主部12を回動可能に支持する外枠11とによって構成されている。図10(外枠11の斜視図)に示すように、外枠11については左右一対の縦枠部11a,11bとそれら縦枠部11a,11bを繋ぐ横枠部11c,11dとを有してなり、それら各枠部11a〜11dが遊技ホールの島設備に設けられた取付部へ固定されることで、当該島設備と一体化されている。遊技機主部12を外枠11に対して閉じた状態では、外枠11等によって遊技機主部12の背面側(例えば主制御装置162等)へのアクセスが規制されることとなる。特に、図10に示すように外枠11の一組の縦枠部11a,11bのうち上記支持用金具17,18が設けられている側とは反対側に位置する縦枠部11b(右側の縦枠部11b)の内面には上記鉤受け部材19が固定されており、遊技機主部12(詳しくは内枠13)が外枠11に閉じた状態では、これら鉤受け部材19と内枠13に設けられた施錠装置75の内枠用鉤部材77(図4等参照)とが引っ掛かることで当該遊技機主部12の開放が規制された施錠状態となる。これにより、解錠用の鍵を所有するホール管理者やホール作業者以外のもの(例えば不正行為者)が遊技機主部12の背面部に不正にアクセスすることが困難となっている。
<内枠ベース体50>
本実施の形態においては、遊技盤80(詳しくは遊技領域PE)の拡張を図るべく内枠13の内枠ベース体50及びそれに付随する構成について特徴的な構成が採用されている。そこで以下、図11及び図12を参照して内枠ベース体50及びそれに付随する構成について説明する。図11は内枠ベース体50を正面側から見た斜視図、図12は内枠ベース体50から施錠装置75を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図11に示すように、内枠ベース体50は、左右一対の縦フレーム部材51,52とそれら縦フレーム部材51,52の上端部同士及び下端部同士を繋ぐようにして設けられた横フレーム部材53,54とによって構成され、全体として矩形枠状をなしている。
横フレーム部材53,54については合成樹脂材料を用いて形成されており、一方で縦フレーム部材51,52について金属材料(本実施の形態においてはアルミ材)を用いて形成されている。これは、強度低下を抑えつつ縦フレーム部材51,52の横幅寸法を横フレーム部材53,54の縦幅寸法よりも小さくする(薄型化)するための工夫であり、実際各フレーム部材51〜54の内外方向における占有領域を比較した場合、縦フレーム部材51,52の占有領域のほうが横フレーム部材53,54の占有領域よりも相対的に小さくなっている。より詳しくは、横フレーム部材53,54についてはその縦幅や肉厚をある程度大きくすることで強度担保を実現しているのに対して縦フレーム部材51,52についてはその材質や断面構造等を工夫することで、強度低下を抑えつつ横幅の減縮が実現されている。
ここで、先ずパチンコ機10の回動基端側に位置する縦フレーム部材51(図11の左側)の構造を踏まえて遊技盤80の取り付けにかかる構造について説明する。
(遊技盤80の取付構造)
本実施の形態においては、遊技盤80の取付構造(具体的には同遊技盤80の位置決め構造及び固定構造)に関して特徴的な構成を備えている。既に説明したように、遊技盤80は、内枠13の収容凹部73に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図5参照)。図11に示すように、収容凹部73は、内枠ベース体50に設けられ遊技盤80の背面に対向する平板状の対向部301と、遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部302とによって構成されており、これら対向部301及び周壁部302によって囲まれた領域が遊技盤80(詳しくは板体80a)の収容領域となっている。
対向部301には、その略中央に上述した窓孔74が形成されており、内枠13の正面視において略矩枠状をなしている。周壁部302は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部311,下側壁部312,左側壁部313,右側壁部314が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部302は窓孔74を囲むようにして形成されているとも言える。
対向部301において前扉枠14の回動基端側となる部位、詳しくは縦フレーム部材51において対向部301を構成している部分には、遊技盤80を対向部301から離れる側(内枠13の正面側)に向けて付勢する付勢部材としての板バネ317が同遊技盤80の縁部に添って上下に並設されている。板バネ317は、遊技盤80の上端寄り及び下端寄りにそれぞれ配置されており(図11においては上側の板バネは見えていない)、遊技盤80に対する付勢力が同遊技盤80の上端側及び下端側にて同等となるように設定されている。これにより、上記付勢力が遊技盤80の上端及び下端のいずれか一方に偏よって作用し、遊技盤80が傾きやすくなること抑制している。
板バネ317は、対向部301に対する取付部としてのベース板部と、遊技盤80の背面を押す押圧部とを有し、それら両者が折曲部を介して連なるように長板状の鋼板を折り返して形成されている。押圧部が折曲部を基端として撓み変形することにより、上述した付勢力が発揮される。
縦フレーム部材51のフランジ部分(対向部301を構成している部分)の前面には、内枠13の背面側に凹む板バネ設置部が設けられている。板バネ317は、上記ベース板部が板バネ設置部に嵌まった状態にて同板バネ設置部にネジ止めされることで内枠ベース体50に対して固定されている。板バネ設置部の深さ寸法は、ベース板部の板厚寸法よりも大きく設定されており、ベース板部と折曲部とが当該板バネ設置部内に埋没している。押圧部は、遊技盤80側に凸となる湾曲状をなし、その頂部(遊技盤80に当接する部位)が板バネ設置部252から遊技盤80側に突出した状態となっている。このように頂部を突出させておくことにより押圧機能が確保されている。
また、板バネ317は、折曲部が左側壁部313と対峙するように、すなわち押圧部の自由端よりも固定端のほうが左側壁部313に対して近くなるように配置されている。このように配置された状態では、ベース板部が、少なくとも左側壁部313の根元部分に近い位置にて板バネ設置部の底面に当接している。遊技盤80の付勢に伴って同遊技盤80から受ける反力が押圧部→折曲部→ベース板部を介して対向部301に伝播した場合に、対向部301に左側壁部313の根元を基端とする撓み変形が生じることを抑制している。つまり、遊技盤80からの反力を周壁部302の根元付近で受けることで対向部301の撓み変形を抑え、板バネ317の付勢機能を発揮させやすくしている。
内枠ベース体50(詳しくは縦フレーム部材51)の左側壁部313には、板バネ317による付勢方向の先側から遊技盤80の前面に対して当接することで同遊技盤80の同付勢方向への変位を抑えるストッパ318が設けられている。ストッパ318は、周壁部302の左側壁部313に固定されており、同左側壁部313の内壁面から収容凹部73内に張り出している。
ストッパ318と対向部301との間隔寸法は、遊技盤80の厚み寸法よりも若干大きく、具体的にはそれら両寸法の差が板バネ設置部からの板バネ317(詳しくはその頂部)の突出量よりも小さくなる程度に設定されている。このため、板バネ317に押されストッパ318によって前後位置が規定された遊技盤80は、対向部301に対して僅かに浮いた状態となる。すなわち、遊技盤80と対向部301との間に隙間が形成される。これは、許容できる遊技盤80の厚さ寸法の範囲を拡張するための工夫である。
なお、ストッパ318の配置に関して補足すれば、これらストッパ318は上記誘導レール100において遊技盤80の回動基端側に凸となっている部分の上方及び下方に配置されている。これにより、遊技盤80の前面に対して当接するストッパ318と、遊技盤80の前面にて遊技領域PEを区画する誘導レール100とを遊技盤80の前面側にて好適に共存させることが可能となっている。
以上詳述した板バネ317(又は縦フレーム部材51の対向部301)と上下に配された一対のストッパ318とによって、遊技盤80の一側部を挿入可能な挿入部319が構築されている。挿入部319は、前扉枠14の回動基端側に配されているとともに、内枠13の回動先端側からの遊技盤80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側に開放されている。
特に、板バネ317は、押圧部272の頂部、すなわち遊技盤80に対して当接する部位がストッパ318よりも前扉枠14が支持されている側から離れるように配されている。つまり、押圧部の頂部とストッパ318との距離寸法は、押圧部の頂部とストッパ318との前後方向での間隔寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤80を挿入部319に対して内枠13の斜め前方から挿入可能としている。また、既に説明したように、ストッパ318と対向部301との隙間寸法は、遊技盤80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、上述の如く斜め前方から挿入された遊技盤80を、同挿入部319を基端として回動可能としている。なお、ストッパ318の先端部において遊技盤80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部319の入口部分が拡張されている。これにより、押圧部の頂部とストッパ318との距離寸法を大きくし、遊技盤挿入時のストッパ318と遊技盤80とのつかえが抑制されている。
挿入部319の下方、詳しくは内枠13において左側壁部313と下側壁部312とが交わる位置には、挿入部319に挿入された遊技盤80を仮置き可能な仮置き部321が設けられている。仮置き部321は、内枠ベース体50の横フレーム部材54において上記下側壁部312を構成している部分の一部が上方に隆起してなる。
仮置き部321の上端面は、下側壁部312における他の部位よりも上側に位置しているとともに、遊技盤80の下端部に対して対向する平面状をなしている。一方、遊技盤80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部321に対応した下側切欠き部90が形成されている(図6参照)。遊技盤80を挿入部319に挿入し回動開始する初期段階では、この仮置き部321に対して遊技盤80の下側切欠き部90が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤80の重量の少なくとも一部が両フレーム部材51,54によって支えられることとなる。これにより、作業負担を減らし、遊技盤80の回動操作の容易化を図っている。
図5に示したように遊技盤80が装着完了位置に配置されている状態では、遊技盤80の下端部が下側壁部312、すなわち下側の横フレーム部材54の上端面に載り、上述した仮置き部321と下側切欠き部90との間には僅かな隙間が生じる。遊技盤80は、下側壁部312上に載ることとで、同下側壁部312によって支えられ、その上下位置が規定されることとなる。このように、載置された遊技盤80を下側から支える点に着目すれば、下側壁部312を「載置部263」又は「支持部263」と称することも可能である。
下側壁部312の前端部分には、遊技盤装着時に同遊技盤80を下側壁部312の上面に案内する案内部が形成されている(図11参照)。案内部は、遊技盤回動時に当該遊技盤80の下端縁が当接し得る位置に配され、内枠13の正面側に向けて下り傾斜している。遊技盤80を仮置き部321に載せた状態から装着完了位置に向けて回動させると、その途中段階にて遊技盤80の下端部が案内部に当たり、同遊技盤80が案内部の傾斜に沿って押し上げられる。これにより下側切欠き部90が仮置き部321から離間するとともに遊技盤80の下端部が下側壁部312上に載った状態となり、遊技盤80の重量負荷が仮置き部321から下側壁部312に移ることとなる。
下側壁部312は、遊技球発射機構110と遊技盤80との間に位置しており、遊技球発射機構110に近い位置にて遊技盤80の上下位置が規定される。既に説明したように、誘導レール100の入口部分104と遊技球発射機構110との両者は下側壁部312に添って配されている。これにより、遊技球発射機構110から発射された遊技球の誘導レール100における着地位置のばらつきを抑えやすくなっている。
既に説明したように下側の横フレーム部材54は合成樹脂によって形成されている。このため、当該横フレーム部材54の一部で遊技盤80の荷重を支えようとした場合には、上記下側壁部312の肉厚を大きくするといった下側壁部312自体を部分的に肉厚にする等の対策が必要となる。下側の横フレーム部材54については、上述したように、遊技球発射機構110、通路形成部材121、各種基板等の装着対象となっており、そのような下側壁部312の大型化はそれら各種構成の配置領域を侵食する要因となる又は遊技盤80の収容領域を侵食する要因となるため好ましくない。
この点、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、下側壁部312を下方から支える金属製の中間フレーム部材55を別途設け下側壁部312と中間フレーム部材55とを併用することにより上記不都合の発生を抑えつつ支持強度の担保が実現されている。具体的には、中間フレーム部材55は左右に延びる長尺状の部材であり、その左右の各端部が両縦フレーム部材51,52に連結されている。これにより、下側壁部312のサポート機能(遊技盤80の支持強度の強化)のみならず内枠ベース体50全体での強度向上が実現されている。
従来の遊技機においては、内枠ベース体50に相当する構成については、軽量化等の観点からその全体が合成樹脂材料によって一体成形されていることが多く、各縦枠部分や横枠部分が十分な強度を確保するべく肉厚となるように更には正面視における占有面積が大きくなるように形成されていた。一方、本実施の形態においては、縦枠部に相当する縦フレーム部材51,52については横フレーム部材53,54よりも強度の高い部材(金属部材)を用いることにより縦枠部の横方向(左右方向)での薄型化を実現している。しかしながら、枠体を複数の部材の組合せによって構成した場合には、内枠ベース体50全体での強度確保が難しくなり得る。この点、本実施の形態においては、上記中間フレーム部材55を用いて各縦フレーム部材51,52の中間部分を連結することにより、強度低下の懸念を払拭している。更に、下側の横フレーム部材54全体を金属材料で構成するのではなく、特に強度の必要な部分(下側壁部312)に沿う位置に高強度の中間フレーム部材55を配設することにより、内枠ベース体50全体での強度向上や下側壁部312のサポート機能を享受しつつ、それに起因した重量の増加を抑えることが可能となっている。そして、このような構成により、内枠ベース体50における遊技盤80の占有領域(左右方向)を拡大し、遊技領域PEの拡大を実現することが可能となっている。
なお、中間フレーム部材55は、板面が遊技機正面を向くように形成された横長状の板状部56と、この板状部56の上端を直角に折り曲げて形成され上記下側壁部312に下側から当接する折曲部57とを有している(図5参照)。板状部56は、既に説明したようにその左右両端部が各縦フレーム部材51,52に連結(詳しくはボルト等の固定具により固定)されているが、同板状部56の中間部分についても横フレーム部材54に固定されている。これにより、各フレーム部材51,52,54,55が一体となり、内枠ベース体50全体の強度向上が図られている。
また、上記遊技球発射機構110のベースプレート114の一部は横フレーム部材54に直接固定されているが、他の部分については、中間フレーム部材55の板状部56に固定されている。これにより、ベースプレート114の取付強度の向上だけでなく、ベースプレート114が内枠ベース体50の強度向上に間接的に寄与できる構成が実現されている。
次に、内枠13の回動先端側に配設された縦フレーム部材52(例えば図11の右側参照)及びそれに付随する構成について説明する。
(右側の縦フレーム部材52と施錠装置75)
図12に示すように、右側の縦フレーム部材52は、遊技盤80の右側の端面に対向する長板部331を有している。この長板部331が縦フレーム部材52の基部を構成しており、その内面が上記右側壁部314を構成している。一方、長板部331の外面332(外枠11の縦枠部11b側を向いている面)は上記施錠装置75の取付面となっている。
ここで、施錠装置75の構成について補足説明する。施錠装置75は、上述した各種鉤部材76,77の取付対象としてのベース体351を有している。ベース体351は、縦フレーム部材52の長板部331の外面332に対向するようにして上下に延びる板状部352を有している。この板状部352において長板部331側を向いている面が上記鉤部材76,77や他の機構部品の取り付け面となっており、これら各種機構部品とベース体351とが一体化されることで施錠ユニットが構成されている(シリンダ錠78を除く)。
ベース体351の板状部352は上記長板部331の上端から下端に渡って延びており、その外周部には長板部331側に起立するように折り返して形成された外周フランジ部353が形成されている。施錠装置75が縦フレーム部材52に遊技機側方から固定された状態では、外周フランジ部353が長板部331の外面332に当接することとなる。このようにして、長板部331と板状部352との間に外周フランジ部353が介在することにより、縦フレーム部材52とベース体351との間に施錠機構を収容する収容領域ISが形成されている(後述する図17参照)。
上記施錠ユニットを縦フレーム部材52に固定した後は、収容領域ISが図11に示すように外周フランジ部353によって覆われた状態となる。このため、各種機構部品への外部からのアクセスが困難なものとなり、施錠装置75を縦フレーム部材52に対して側方から(後述する外枠11及び内枠13の境界部位側から)取り付ける構成を採用しつつも、それに起因した防犯機能の低下を抑えることが可能となっている。
特に、遊技機主部12(内枠13)を外枠11に対して閉じた状態では、外枠11の縦枠部11bがベース体351(詳しくは板状部352)に対して側方から対向し、施錠装置75が内枠13の縦フレーム部材52と外枠11の縦枠部11bとの間に挟まれた状態となる。これにより、パチンコ機10の施錠状態をワイヤ等の不正具を用いて解除するといった行為が困難となる。更には施錠装置75用の固定具(詳しくはネジ355)を工具を用いて取り外す際の作業領域に重なるようにして(より詳しくはネジ355の取り外し経路と重なるようにして)外枠11の縦枠部11bが位置することとなり、固定具を外したり緩めたりして同施錠装置75を無理矢理取り外したりずらしたりするといった行為を困難なものとすることができる。なお、当該機能についての詳細は後述する。
因みに、フランジ部353に相当する構成については、板状部352の外周に沿って形成されている必要は必ずしも無い。少なくとも、長板部331と板状部352との間に収容領域ISを形成するためのスペーサとして機能すれば足り、必ずしも上記収容領域ISを囲むように形成されている必要はない。
ここで、図12〜図14を参照して施錠装置75の構成についてより詳しく説明する。図13(a)は施錠装置75の斜視図、図13(b)は施錠装置75の内部構造を示す背面図、図14は施錠装置75を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
先ず、施錠装置75を構成するベース体351について補足説明する。ベース体351において内枠ベース体50の縦フレーム部材52(詳しくは長板部331の外面332)と対向している部分には板状部352が形成されている。板状部352の四辺には上記外周フランジ部353が形成されている。外周フランジ部353のうち板状部352の後端部から起立している部分には、長板部331の外面332に面接触するよう形成された取付板部354が形成されており、この取付板部354に形成された丸孔にネジ355が挿入された状態で当該ネジ355が長板部331に螺着される構成となっている。
ベース体351については全体として水平断面略コ字状をなしている。これにより、ベース体351(施錠装置75)自体の剛性を確保するだけでなく、縦フレーム部材52と一体化された状態で同縦フレーム部材52を補強する補強部材としての機能を高めることが可能となっている。また、施錠装置75の各種駆動部品については取付対象であるベース体351の強度不足により、その動作に支障をきたす恐れがあるが、ベース体351についても縦フレーム部材52(長板部331)によって補強されるため、施錠装置75の薄型化に起因した強度不足により上記動作不良等が生じるといった不都合を生じにくくすることが可能となっている。
板状部352の下端部寄りとなる部分、より詳しくは上記中間フレーム部材55の側方に位置する部分には、解除操作部たるシリンダ錠78が施錠ユニットに隣接して配置されている。上記施錠ユニットとシリンダ錠78とを別体として、縦フレーム部材52を挟んで配置することにより、施錠ユニットの薄型化が促進されている。
図12等に示すように、シリンダ錠78は横フレーム部材54(詳しくは中間フレーム部材55の板状部56)に取り付けられている台座371と、その台座371からパチンコ機10の前方に向けて延びる円筒状のシリンダ本体372と、そのシリンダ本体372の内部に収容された錠軸部とを有しており、台座371に形成された貫通孔に対して内枠13の正面側から挿入された複数のネジ373が中間フレーム部材55に取り付けられることで横フレーム部材54(詳しくは中間フレーム部材55)に一体化されている。
シリンダ本体372の一端及び錠軸部の一端は、前扉枠14(詳しくは枠体20)に形成された挿通孔を介してパチンコ機10の正面側に露出している(図1参照)。錠軸部においてパチンコ機10の正面側に露出している側の端部にはキー孔374が形成されている。このキー孔374に対して解錠操作用の操作キーを挿入し、同操作キーを錠軸部の中心軸線を中心として回動させることで、パチンコ機10外部からの解錠操作が行われる。
錠軸部の他端は、横フレーム部材54及び中間フレーム部材55に形成された錠軸部用の開口58を介して内枠13の後方に露出しており、その露出している部分にはカム部材375が装着されている。カム部材375は、図13に示すように、内枠13の背面側から螺着されたネジによって錠軸部523に着脱可能な状態で固定されており、上述したキー操作に伴って錠軸部が回動した場合に同錠軸部と共に回動する。本実施の形態におけるシリンダ錠78においては特に、操作キーによる解錠操作が行われない限り錠軸部を回動させることができない内部構造を有しており、カム部材375を指等で直接回動させることが不可となっている。なお、シリンダ錠78として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としてもよい。
カム部材375は、基枠固定部511と平行な円板状部分を有しており、その円板状部分の周縁において施錠ユニット側(右側壁部314側)となる部分には、略放射方向に突出する上下一対の爪部376,377が形成されている。
施錠装置75は、カム部材375の動作(詳しくは爪部376,377の変位)に追従して移動する連動杆361を備えている。連動杆361は、ベース体351に沿って延びる長板状をなすとともに同ベース体351よりも若干短く形成されており、当該ベース体351の板状部352の内面に当該ベース体351の長手方向にスライド移動可能な状態で取り付けられている。
ベース体351にはカム部材375と連動杆361とを組み合せるための連通孔356が形成されており、連動杆361にはカム部材375の爪部376,377と係合する係合片362が形成されている。各爪部376,377が係合片362に係合した状態で回動することで、それら爪部376,377によって連動杆361がベース体351の長手方向(すなわち上方及び下方)に押される。つまり、キー操作によって発生する外力が錠軸部→カム部材375→連動杆361の順に伝達され、連動杆361が上下にスライド移動することとなる。
本実施の形態におけるシリンダ錠78においては、既に説明したようにキー操作によってのみ錠軸部及びカム部材375の回動が許容される。連動杆361をスライドさせようとしてもカム部材375の爪部376,377と連動杆361の係合片362とが係合することにより、当該連動杆361の移動が阻止される。つまり、施錠装置75においては、カム部材375や連動杆361を動作させる場合にはキー操作が不可欠な構成となっている。
なお、施錠装置75(特にシリンダ錠78)が故障した際には、パチンコ機10の背面側から上記開口58を通じてカム部材375固定用のネジにアクセス可能となっているため、それらネジを例えば島設備の内側から取り外すことにより、施錠状態を強制的に解除させることが可能である。つまり、上記開口58については、サービスホールとしての機能が付与されている(図12参照)。
図14に示すように、ベース体351においてシリンダ錠78の上方となる部位、詳しくは遊技盤80の側方となる部位には、前扉枠14の鉤受け部材63に引っ掛かる施錠位置と、同鉤受け部材63に引っ掛からない施錠解除位置との両位置に切替可能な前扉用鉤部材76が複数(詳しくは2つ)設けられている。前扉用鉤部材76は板状部352の内面に平行な略平板状をなす本体部381と、本体部381の前端部に形成された鉤部382とを有している。ベース体351には、鉤部382の前扉枠14側への突出を許容するスリット357が形成されている。鉤部382は下方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が前扉枠14の鉤受け部材63に対して上側から引っ掛かることにより前扉枠14が施錠された状態となっている。
本体部381には、ベース体351の長手方向(つまり連動杆361のスライド方向)に延びる長孔383が形成されており、ベース体351にはその長孔383に嵌まる軸ピン366が取り付けられている。この軸ピン366によって前扉用鉤部材76がスライド移動可能な状態で保持されている。より詳しくは、長孔383は、軸ピン366から上下方向に延びており、前扉用鉤部材76の上方への移動、すなわち鉤受け部材63から離れる側への移動が許容されている。
本体部381の端部には、縦フレーム部材52側へ起立する突起が形成されている。当該突起の先端部分が連動杆361に形成された開放部543から突出している。突起554の先端部分には、付勢部材としてのコイルバネ367が取り付けられており、同コイルバネ367によって前扉用鉤部材76が施錠位置に向けて(上方に)付勢された状態となっている。つまり、コイルバネ367の付勢力により前扉用鉤部材76が施錠位置にて保持されている。なお、前扉用鉤部材76における付勢部材の取付部としては、上記突起554に代えて孔部等を用いてもよい。
連動杆361が上方へスライド移動すると、連動杆361によって前扉用鉤部材76が上方へ押され、前扉用鉤部材76がコイルバネ367の付勢力に抗して施錠位置から施錠解除位置に移動することとなる。
これら前扉用鉤部材76は、遊技盤80の上端部及び下端部寄りとなる位置にそれぞれ配置されており、遊技盤80付近での前扉枠14の浮き上がりを好適に抑えることが可能となっている。
また、前扉用鉤部材76は、シリンダ錠78の下方(詳しくは施錠装置75の下端位置)にも配置されており、すなわち前扉枠14の下端寄りとなる位置にも配置されており、前扉枠14を施錠している状態での同前扉枠14の下端部の浮き上がりを抑制しやすくしている。この下端部に配置された前扉用鉤部材76に関連する構成についてもそのほとんどがシリンダ錠78の上方に配置された各前扉用鉤部材76と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、前扉用鉤部材76の個数は3つに限定されるものではなく、例えば1つ、2つとしてもよいし、4つ以上とすることも可能である。但し、前扉用鉤部材76を1つとした場合、一方の手で不正具を操ることで施錠状態が不正に解除され、他方の手で前扉枠14が開放(回動)され得る。この点、前扉用鉤部材76を2つ以上とすることで、不正解錠に両の手を必要とし、例えば不正行為者が単独である場合には、前扉枠14の開放を難しくすることができる。これにより、不正行為(いわゆる引っ掛けゴト)を好適に抑制することができる。
次に、遊技機主部12(内枠13)を外枠11に対して閉じた状態で施錠する構成について説明する。
ベース体351の板状部352には、内枠13を外枠11に対して閉じた状態で施錠する施錠状態と施錠解除状態とに切替可能な上記内枠用鉤部材77が取り付けられている。内枠用鉤部材77は、上側の前扉用鉤部材76の下方及び下側の前扉用鉤部材76(シリンダ錠78よりも下側の前扉用鉤部材76)よりも下方、すなわちベース体351の両端にそれぞれ配置されている。
図14に示すように、内枠用鉤部材77には、板状部352の内面に対向する板状をなし部材取付部515及び前記連動杆361によって挟まれた本体部391と、本体部391から後方に延出する鉤部392とを有してなる。ベース体351には遊技機後方に貫通するスリット358が形成されており、鉤部392が同スリット358を介して内枠13の背面側、詳しくは外枠11側に突出している(図4参照)。
鉤部392において内枠13の背面側に突出している部分(すなわち鉤部382の先端)は、上方に凸となる爪状をなしている。この爪状部分が外枠11に設けられた鉤受け部材19に対して下方から引っ掛かることにより内枠13が外枠11に対して施錠された状態となる。
本体部391には、ベース体351の長手方向(つまり連動杆361のスライド方向)に延びる長孔393が形成されており、ベース体351にはその長孔393に嵌まる軸ピン368が取り付けられている。この軸ピン368によって内枠用鉤部材77がスライド移動可能な状態で保持されている。より詳しくは、長孔383は、軸ピン368から上下方向に延びており、内枠用鉤部材77の上方への移動、すなわち外枠11の鉤受け部材19から離れる側への移動が許容されている。
なお、本実施の形態においては、連動杆361と下側の内枠用鉤部材77とを連動させるための連動部材398を併用している。連動部材398は内枠用鉤部材77の本体部391と同様に平板状をなしており、連動杆361と内枠用鉤部材77との間に挟まるように、同内枠用鉤部材77と重ねて配置されている。
上側の内枠用鉤部材77の端部及び下側の内枠用鉤部材77に付随する連動部材398の端部には、縦フレーム部材52の長板部331側に起立する突起が形成されている。これら各突起には、内枠用鉤部材77を施錠位置に向けて付勢する付勢部材として上記コイルバネ367が取り付けられている。
本実施の形態においては、施錠装置75の上部に配置された鉤部材76,77を繋ぐようにして上記コイルバネ367が配置されており、施錠装置75の下部に配置された鉤部材76,77を繋ぐようにして上記コイルバネ367が配置されている。一方、施錠装置75の中央に配置された前扉用鉤部材76に付随するコイルバネ367はその一端がベース体351に取り付けられている。
このように、互い違いに動く複数種の鉤部材76,77が隣接配置されている部分では、コイルバネ367によって両者を付勢することで構成の簡略化を図り、ひいては施錠装置75の薄型化に貢献している。
また、各鉤部材76,77を縦フレーム部材52の長板部331と平行な板状に形成し、横幅が比較的大きくなりやすい鉤受け部材19及び鉤受け部材63を前扉枠14及び外枠11にそれぞれ配することで、施錠装置75の更なる薄型化が実現されている。
本実施の形態における施錠装置75においては、当該施錠装置75の薄型化を実現するための工夫として、以下の構成が採用されている。既に説明したように両鉤部材76,77にてコイルバネ367の共通化を図ることで、付勢手段の占有領域の省スペース化を実現している。しかしながら、このような構成であっても、コイルバネ367が施錠装置75の厚さ方向に各鉤部材76,77と並んでしまうと、コイルバネ367の厚さを考慮して施錠装置75の厚さを大きくする必要が生じる。
この点、本実施の形態においては、図13及び図15に示すように、コイルバネ367を各鉤部材76,77とは前後方向にずらして配置し、連動杆361の長辺部に切欠き部363を形成して、同切欠き部363内にそれらコイルバネ367を収容している。これにより、コイルバネ367の存在によって施錠装置75(くわしくは駆動機構)の厚みが嵩むことを抑制している。
ここで、操作キーKの回動操作に伴う施錠装置75の動作について図15及び図16に基づき説明する。図15は操作キーKを時計回りに回動させて解錠を行う場合の施錠装置75の動作を示し、図16は操作キーKを反時計回りに回動させて解錠を行う場合の施錠装置75の動作を示している。なお、図15及び図16においては、施錠対象となる鉤受け部材19及び鉤受け部材63を2点鎖線によって示している。
図15では操作キーKをシリンダ錠78に差し込んで、時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材375の下側爪部376により連動杆361の係合片362が押し上げられ、連動杆361が上昇する。この連動杆361の上昇に伴って同連動杆361により前扉用鉤部材76が上方に押される。これにより、各前扉用鉤部材76がコイルバネ367の付勢力に抗してスライド移動(上昇)し、同前扉用鉤部材76と鉤受け部材63との引っ掛かり、すなわち施錠状態が解除される(図15(b)参照)。このように施錠状態が解除されることにより、内枠13に対しての前扉枠14の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ367の付勢力により、連動杆361及び前扉用鉤部材76が初期位置に復帰する。
なお、コイルバネ367については、内枠用鉤部材77に取り付けられているとともに、内枠用鉤部材77の上方への移動はベース体351の軸ピン366によって抑えられる。故に、上記解錠操作を行った場合には、連動杆361及び前扉用鉤部材76を初期位置に復帰させる付勢力が蓄えられるとともに、内枠用鉤部材77の施錠が維持される。
図16では操作キーKをシリンダ錠78に差し込んで、反時計回りに回動操作している。すると、操作キーKの回動操作に連動してカム部材375の上側爪部377により連動杆361の係合片362が押し下げられ、連動杆361が下降する。この連動杆361の下降に伴って同連動杆361により内枠用鉤部材77が下方に押される(図16(b)参照)。これにより、各内枠用鉤部材77がコイルバネ367の付勢力に抗して回動し、同内枠用鉤部材77と鉤受け部材19との引っ掛かり解除される。以上の如く、各内枠用鉤部材77の引っ掛かりが解除されることで、遊技機主部12(内枠13)の施錠状態が解除される。このように施錠状態が解除されることにより、外枠11に対しての遊技機主部12(内枠13)の開放が許容される。その後、操作キーKの回動操作を止めると、コイルバネ367の付勢力により、連動杆361及び各内枠用鉤部材77が初期位置に復帰する。
なお、コイルバネ367については、前扉用鉤部材76等に取り付けられているとともに前扉用鉤部材76の下方への移動はベース体351の軸ピン368によって抑えられる。故に、上記解錠操作を行った場合には、連動杆361及び内枠用鉤部材77を初期位置に復帰させる付勢力が蓄えられるとともに、前扉用鉤部材76の施錠が維持される。
(施錠装置75の固定にかかる構成)
次に、図17を参照して、施錠装置75(詳しくは施錠ユニット)を縦フレーム部材52に固定するための構成について補足説明する。図17は施錠装置75と縦フレーム部材52との関係を示す断面図である。
既に説明したように、施錠装置75についてはベース体351の外周フランジ部353に形成された取付板部354に挿通されたネジ355が縦フレーム部材52の長板部331に螺着されることで施錠装置75と縦フレーム部材52とが一体化される。しかしながら、このようなネジ止めによる固定を行う場合には、強度向上を目的とすれば固定箇所を多く設定する必要が生じ、施錠装置75の固定作業が煩雑なものになり、製造効率の悪化を招く要因となる。
この点本実施の形態においては、そのような不都合を解消するための工夫が施されている。具体的には施錠装置75の前部と後部とで異なる固定方法が採用されている。当該後部での固定態様は上記ネジ止めによるものであるため説明を援用し、施錠装置75の前部における固定態様について説明する。
図17に示すように、縦フレーム部材52の長板部331において遊技盤80の前面よりも前方に延出している部分には、外側に折り曲げられ遊技機正面を向くように形成された前面部335が形成されている。この前面部335に前扉用鉤部材76に対応した上記スリットが形成されている。前面部335において長板部331とは反対側の端部には遊技機後方へ延びる返し部336が形成されており、縦フレーム部材52の前端部における水平断面は長板部331、前面部335、返し部336によって略コ字状をなしている。これにより、施錠装置75のベース体351を挿入する挿入部340が形成されている。
一方、施錠装置75のベース体351については、板状部352の前端部に形成された上記外周フランジ部353(以下、前フランジ部353aという)の起立寸法が、上記長板部331と返し部336の隙間寸法と同等となるように(詳しくは僅かに大きくなるように)設定されている。
施錠装置75を縦フレーム部材52に装着する際には、先ず施錠装置75(施錠ユニット)のベース体351を上記挿入部340に挿入させる。これにより、図17に示すように、ベース体351の前部と縦フレーム部材52の前部とが嵌合し、縦フレーム部材52からの施錠装置75の脱落が回避されることとなる。このような嵌合状態とした後に、上記ネジ止めを行うことで、施錠装置75の固定作業が完了することとなる。
上記挿入部340(嵌合部340)については、縦フレーム部材52の上端から下端に亘って形成されており、その高さ寸法については、フレーム部材52の高さ寸法と同等となっている。このため、施錠装置75が上下方向にずれることもなく、その着脱方向が前後方向となるように規制されている。
このように施錠装置75の着脱方向を規制することにより、パチンコ機10の正面側から施錠装置75を不正に取り外すといった行為を困難なものとしている。
また、縦フレーム部材52の前面部335については遊技機側方に延出しており、その延出している部分には、遊技機前方に起立して設けられた一対の対向板部345が形成されている。これら対向板部345の間には隙間が存在しており、全体として遊技機前方に開放され上下に延びる溝状部346が構築されている。
ここで、前扉枠14の枠体20は、その前面部24の外周縁から後方に延びるように形成された周壁部25を有しており、この周壁部25の先端部分が上記溝状部346に挿入されることで、前扉枠14と内枠13との境界部位からワイヤ等の不正具を挿入するといった不正行為を困難なものとしている。
特に、溝状部346が形成されている。縦フレーム部材52の前部においては施錠装置75のベース体351との嵌合により、上下方向における全域で強度向上が実現されているため、遊技機を強く押したり引いたりしても縦フレーム部材52の前部が歪むことを抑制することができ、前扉枠14と内枠13との重なりを好適に維持することが可能となる。
本実施の形態においては、前面部24の延出部分の後方に外枠11の右枠部11bが位置している。より詳しくは、右枠部11bは板面が左右を向くように形成されたベース部401を有しており、このベース部401の先端部には外側に凸となるフランジ部402が形成されている。上記延出部分の背面に外枠11のフランジ部402が当接しており、これにより、内枠13と外枠11との隙間からワイヤ等の不正具が挿入されることを抑制している。また、上記溝状部346については、ベース体351の端部に位置し、更には、上記嵌合部340よりも外側にオフセットして配置されているため、嵌合部340周辺と比較して強度の低下が生じ得る。この点、外枠11のフランジ部402をオフセット部分に対して後方から当接させておくことで、当該オフセット部分に負荷が加わったとしても、当該負荷を外枠11に分散させることができる。これにより、上述した防犯機能低下の懸念を回避することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、遊技盤80に設けられた誘導レール100及び遊技領域区画部材99によって遊技領域PEを区画形成する構成としたが、本実施の形態においては、遊技領域区画部材99を省略することで、遊技領域PEの更なる拡張を実現している。以下、図18及び図19を参照して遊技領域PEの更なる拡張を実現するための構成について説明する。図18は第2の実施の形態における内枠13Bを示す正面図、図19は図18のA−A線部分断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については説明を援用し、当該第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図18に示すように、遊技盤80Bは上記遊技領域区画部材99が廃止されており、右側の縦フレーム部材52の長板部331によって遊技領域の右側限界位置が規定されている。
具体的には、図19に示すように長板部331において遊技盤80Bの前面よりも前方に延出している部分(以下、延出部331aという)が遊技領域PE側を向いている。この延出部331a(詳しくは右側壁部314)についても遊技盤80の前面と直交しており、当該右側壁部314に当たった遊技球は遊技領域PEの中央側(可変表示ユニット85側)へ跳ね返されることとなる。
本実施の形態においては、図18に示すように、外レール102Bが右側壁部314に近接する位置まで延長されており、その延長されている部分は、緩やかな円弧状をなしている。延長部分の曲率は、第1の実施の形態における外レール102Bの右端部(詳しくは頂部よりも右側となる部分)よりも大きく設定されており、遊技球に働く遠心力が弱くなることで、早期の外レール102Bからの離脱を可能とするための工夫である。これにより、遊技者は、遊技球発射ハンドル41の操作量を加減することで、上記右ルートにおいても遊技球を可変表示ユニット85寄りとなる位置〜右側壁部314寄りとなる位置の間の任意の位置で落下させることが可能となり、遊技領域PEの拡張による遊技球の流下経路の多様化を実現しやすくなっている。
しかしながら、このように右側壁部314自体に遊技領域PEを区画形成する機能を付与しようとした場合、右側壁部314と遊技盤80の端面との間に隙間が生じえる。仮に、このような隙間が生じた場合には、美的外観を損ねるだけでなく、隙間が遊技球の挙動に変化を与える要因(引っ掛かり等の要因)となり得る。
特に、上述の如く作業性向上等の観点から遊技盤80Bを回動させて遊技機前方から装着する構成においては、遊技盤80の回動先端部と右側壁部314との間にある程度の動作隙が必要となり、上記不都合の発生を抑えることが困難となる。
そこで、本実施の形態においては、遊技盤80Bの右端面(右側面)に以下の形状変更を加えることで、回動装着時の引っ掛かりを回避しつつ、上記隙間の発生を抑えることを可能としている。
具体的には、図19に示すように、遊技盤80Bの右端面における前部は、右側壁部314と対向する平面状(平面部80b)をなし、当該右端面の後部については、遊技盤80Bの回動基端部を中心とする円弧状(曲面部80c)をなすように形成した。これにより、遊技盤80Bを回動させて装着する構成において、その装着軌道上から右側壁部314が外れるとともに、遊技盤80Bが装着完了位置に配置された状態では平面部80bが右側壁部314と当接する。
これにより、右側壁部314に衝突した際の遊技球の挙動の安定化を実現しつつ、それに起因した遊技盤80Bの装着作業性の低下を抑えることができる。
特に、縦フレーム部材52については、施錠装置75と一体化することで、薄型化と強度向上との両立が実現されている。ここで、縦フレーム部材52と施錠装置75との固定箇所については、上記延出部331aの先端部と遊技盤80Bの背面よりとなる部分となっており、遊技球の衝突位置がこれら両固定箇所の中間位置になるように工夫されている。これにより、遊技球が衝突した際の衝撃をある程度緩和させることができ、遊技球及び縦フレーム部材52の双方の保護を図っている。
また、施錠に掛かる各種機構については、縦フレーム部材52の長板部331ではなく施錠装置75のベース体351に取り付けられている。故に、上述した遊技球の衝突が繰り返されて、仮に長板部331に歪み等が生じた場合であっても、施錠機能が上手く発揮されなくなることはない。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態においては、縦フレーム部材52に遊技領域PEを区画形成する機能を付与することで、遊技領域PEの更なる拡張を実現した。確かに、第1の実施の形態に示したように、縦フレーム部材52については施錠装置75と一体化されることで、その強度が担保されており、遊技球の繰り返しの衝突による変形のリスクは低いと想定される。しかしながら、縦フレーム部材52に対して繰り返し衝突した遊技球が変形する可能性は否定できない。そこで、本実施の形態においては、このような不都合等を解消するための工夫が施されている。
以下、図20を参照して本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図20(a)は内枠13Cを正面側から見た部分拡大図、図20(b)は図20(a)のB−B線部分断面図である。
右側の縦フレーム部材52Cの長板部331(詳しくは延出部331a)には、上記収容領域IS側に凸となるようにして溝部359が形成されている。溝部359は遊技領域PE側に開放されており、その開放されている部分には緩衝部材360(例えばゴムやシリコンパッド)が収容されている。
第1の実施の形態にて説明したように、収容領域ISには鉤部材76,77や連動杆361等が内蔵されており、それら両者が左右に重なる位置では収容領域ISが部分的に狭くなっている。この点、本実施の形態においては、それら極小化されている部分の間、すなわち上側の内枠用鉤部材77(上側の前扉用鉤部材76)と中間位置の前扉用鉤部材76との間に上記溝部359が形成され、収容領域IS内での各種部材と溝部359の出っ張りとを共存させることが可能となっている。
これに併せて外レール102Cの曲率や釘等の配置が工夫されており、上記溝部359が配置された範囲は、外レール102Cから離間した遊技球が直接衝突し得る範囲となるように設定されている。これにより、緩衝部材360による減勢機能(保護機能)を享受しつつ、それに起因した各種不都合の発生を抑えることが可能となっている。
また、緩衝部材360の遊技領域PE側への出っ張りを回避することが可能であるため、第2の実施の形態に示した装着作業性の向上等の各種効果を担保することもできる。
更に、負荷の加わりやすい部分に溝部359を形成しておくことで、縦フレーム部材52Cの強度を向上させて、このような負荷へ対応できる強度を好適に確保することが可能である。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、前扉枠14の周壁部25が挿入される溝状部346を施錠装置75とベース体351の嵌合部分よりも外側にオフセットさせる構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、図21の概略図に示すように、縦フレーム部材52Dの前面部335Dを挟んで収容領域ISとは反対側となる位置に対向板部345D(溝状部346)を形成してもよい。このように、嵌合部分(強度が高くなりやすい部分)の近くに溝状部346Dを配すれば、前扉枠14Dの周壁部25Dとのラップ構造を一層強固なものとすることができ、歪等への耐力を容易に向上させることができる。
(2)図21に示すように遊技盤80Dと縦フレーム部材52Dとの境界部位に後方から対向する対向部364を縦フレーム部材52Dに設けることで、外観向上や防犯機能の向上等の各種効果を享受できる。また、このような構成を採用することで、縦フレーム部材52Dの構造自体は複雑になるが、遊技領域PEの拡張の妨げとなることはなく、更には縦フレーム部材52Dの強度向上を実現できる。なお、境界部位を後方から塞ぐ機能に着目すれば、上記対向部364を遮蔽部364と称することも可能である。
(3)上記各実施の形態では、縦フレーム部材52と施錠装置75のベース体351とを、前部では嵌合構造、後部ではネジ止め構造を利用して一体化したが、これら縦フレーム部材52とベース体351との固定構造については任意である。
但し、ベース体351には各種鉤部材76,77等の機構部品が装着され、その重量が嵩みやすい。故に、単にネジ等の固定具によって一体化させようとした場合には、作業負荷が多大なものになると想定される。また、第2の実施の形態等に示したように、縦フレーム部材52自体が遊技領域を区画形成する構成においては、縦フレーム部材52の後部と比べて前部(延出部331a)での強度確保が重要になると想定される。故に、望ましくは、上記各実施の形態に示したように、縦フレーム部材52とベース体351とを固定する場合には、前側を嵌合させて、後側をネジ止めする構成を採用することが好ましい。
(4)上記第2及び第3の実施の形態では、内枠ベース体50の複数のフレーム部材51〜54を組み合せて形成したが、これに限定されるものではなく、合成樹脂等等を用いて一体成形することも可能である。内枠ベース体の右側の枠部に遊技領域PEを区画形成する機能が付与されるのであれば足り、このような構成の実現にあたっては右側の枠部を金属製として薄型化することは必須でない。
(5)上記各実施の形態では、鉤部材76,77等の施錠に掛かる各種機構部品をベース体351の内面に取り付ける構成としたが、これを変更し、ベース体351の外面に取り付ける構成とすることも可能である。但し、施錠装置75は不正の対象として狙われやすいものであることを考慮すれば、上記各実施の形態に示したように収容領域IS内に隠す構成とすることが好ましい。
(6)上記各実施の形態では、遊技盤80を内枠ベース体50に対して回動させて装着する構成としたが、これに限定されるものではなく、遊技盤80を後方へスライドさせることで装着する構成としてもよい。但し、遊技ホール等でのメンテナンス作業等を考慮した場合、遊技盤80については内枠ベース体50の後方からではなく前方から装着可能とすることが望ましい。
(7)上記第3の実施の形態では、縦フレーム部材52Dの長板部331Dを凹ませて緩衝部材360用の収容空間を形成し、緩衝部材360の遊技領域PE側への突出を回避したがこれを以下のように変更してもよい。すなわち、右側壁部314の表面に緩衝部材360に相当する構成を取り付けて、遊技領域PEへ緩衝部材が突出する構成とすることも可能である。但し、このような構成とした場合には、内枠ベース体50に遊技盤80を装着する際に遊技盤80と緩衝部材との引っ掛かりを回避する必要が生じ、作業性の低下を招く可能性がある。故に、緩衝部材については遊技領域PE側への突出を回避するように配置することが好ましい。
(8)上記3の実施の形態では、上下に離間して配置された鉤部材76,77の間となる空間を利用して、緩衝部材360を収容する空間を確保したが、緩衝部材360の配置範囲については任意に設定してよい。例えば、内枠用鉤部材77と比較して前扉用鉤部材76については、遊技機前方への突出しているため、緩衝部材との干渉を回避する必要性が高い。そこで、緩衝部材360を上側の前扉用鉤部材76と中間位置の前扉用鉤部材76との間に配置してもよい。なお、上記中間位置の前扉用鉤部材76を有しない構成においては、緩衝部材360の配置範囲の下限位置を遊技盤80Dの下端位置に設定することも可能である。
(9)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群及び特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなるものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特開2003−190511号公報参照)。この種の遊技機においては、入球部への入賞を契機として図柄の変動表示を行う図柄表示装置や図柄の変動表示に合わせて動作することにより当否抽選結果の示唆等を行う可動役物等の遊技演出にかかる各種遊技機器が遊技領域に配置されることにより遊技機への注目度の向上が図られているものがある。このような構成とすることで、入球部へ向けた遊技球の動き、入賞に基づく特典の享受、特典の享受に到るプロセス(演出)が一体となり、遊技機の興趣向上が実現されている。また、遊技機の見栄え向上を目的とする装飾部材等の遊技部品を遊技領域に配置することで上記注目度の向上を図ったものもある。特に、近年では遊技領域に配置された遊技機器等の大型化によってよりインパクトの強い演出等を可能とし、遊技者の注目度の向上が図られているものがある。しかしながら、上述したタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追える構成としたこと自体が遊技機本来の興趣向上手段となっている。このため、上記遊技機器や遊技部品の大型化等を行う場合には、遊技球の流下領域の担保が前提となり得る。遊技領域にてこれら流下領域及び遊技機器等を共存させようとした場合には、例えば遊技領域自体を拡張することが有効な解決手段となり得るが、遊技ホールの島設備との関係から遊技機の横幅に一定の制限が設けられている等の理由からそのような対応が困難なのが実状である。言い換えれば、遊技領域の拡張等を実現して流下領域及び遊技機器等の共存等を図る上では、遊技機の構造に未だ改良の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠ベース体50)と
を備え、
外枠に対して前記支持枠が回動可能に取り付けられた遊技機であって、
前記支持枠における回動先端部に設けられ、前記支持枠を前記外枠に対して閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置75)を備え、
前記支持枠は、上下に延びる一組の縦枠フレーム部材(縦フレーム部材51,52)と、それら各縦枠フレーム部材の上下異なる二箇所をそれぞれ繋ぐようにして設けられた横枠フレーム部材(横フレーム部材53,54)とが組み合わされてなり、それら各フレーム部材によって囲まれた空間が前記遊技盤を収容する収容領域(収容凹部73)となるように構成されており、
前記両縦枠フレーム部材のうち前記支持枠の回動先端側に配置された一方は、上下に延びる長板部(長板部331)を有し、前記長板部はその内面(右側壁部314)が前記遊技盤の端面と対向しその外面(外面332)が前記施錠装置の取付面となっており、
前記施錠装置は、前記外枠に設けられた鉤受け部材(鉤受け部材19)に係合する鉤部材(内枠用鉤部材77)と、所定の解錠操作に基づいて動作することで前記鉤部材を係合状態から非係合状態に切り替え可能な連動部材(連動杆361)と、それら鉤部材及び連動部材が搭載される取付板部(板状部352)が形成されたベース体(ベース体351)とを有してなり、前記取付板部が前記長板部の前記外面と対向するようにして配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すように、外枠に対して回動可能に取り付けられた支持枠により遊技盤を支持する構成においては、遊技盤の位置精度の向上や支持枠を開閉する際の同支持枠の歪みの抑制等を考慮して、支持枠にある程度の強度を付与する必要がある。しかしながら、単に強度向上を図ろうとした場合、支持枠を構成するフレーム部材の横断面を大きくすることが考えられるが、このような対応は結果として遊技盤(詳しくは遊技領域)の拡張を困難にする要因となる。
この点、本特徴においては、縦枠フレーム部材の長板部と施錠装置(詳しくはベース体)の取付板部とが対向した状態で固定されることで、個々の部材の強度を無理に強化しなくても、両部材が一体となることで、縦枠部分全体での強度を向上することができる。特に、上述の如く長板部の外面と取付板部とを相対向させて配置すれば、二つの部材の組合せによる横幅の増大を好適に抑制することができ、強度担保と省スペース化とを両立することができる。このようにして、縦枠部分の薄型化を実現することにより、遊技盤(遊技領域)の拡張に貢献することができる。
また、施錠装置は、遊技機においては必須の構成であり、施錠機能の担保を考慮した場合、ベース体についてもある程度の強度が必要となる。このような強度がある程度担保されている既存の構成を利用して、縦枠部分の強化を図ることにより、強度向上のための構成を別途設けることなく同縦枠部分の薄型化を促進することができ、結果として遊技盤(遊技領域)の拡張が好適に実現される。
特徴A2.前記施錠装置が前記縦枠フレーム部材に取り付けられた状態では前記取付板部と前記長板部とが隙間を隔てて相対向し、それら取付板部及び長板部によって挟まれた空間が前記鉤部材及び前記連動部材を収容する収容領域(収容領域IS)として機能していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A1に示したように施錠装置を支持枠の側部に配置している場合には、施錠装置の鉤部材や連動部材に直接アクセスされて不正に解錠操作が行われることが懸念される。この点、本特徴に示すように施錠装置の機構部分(鉤部材や連動部材等)を収容領域に配して露出を抑えることで、同機構部分への不正なアクセスを抑制することができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。
また、取付板部と長板部とを隙間を隔てて相対向させるようにして固定すれば、断面係数を大きくして上記縦枠部分の強度の更なる向上を実現することができる。
特徴A3.前記取付板部には、その長手方向に延びるフランジ部(外周フランジ部353)が前記長板部側に起立するようにして形成されており、
前記施錠装置が前記長板部に固定された状態にて前記フランジ部が前記長板部に当接することにより、前記収容領域が前記長板部、前記取付板部及び前記フランジ部によって囲まれた領域となるように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、収容領域を閉じ構造とすることで、防犯性及び強度の更なる向上が期待できる。そして、このような構造であれば、縦枠部分での断面を無闇に大きくすることなく強度向上が期待できるため、遊技領域の拡張を好適に実現できる。
また、施錠装置における鉤部材や連動部材等の機構部分については、施錠装置を単体で輸送等する場合に、フランジ部によって保護されることとなり、施錠装置が何かに緩衝して、施錠機能が損なわれることを抑制できる。
なお、ベース体及び縦枠フレーム部材については、収容領域が閉空間となるように構成することが好ましい。
特徴A4.前記長板部の前端部には、前記遊技盤とは反対側に起立し遊技機正面側を向くように形成された前面部(前面部335)と、その前面部から遊技機後方へ折り返して形成された折返部(返し部336)とが形成され、それら取付板部、前面部及び折返部によって前記ベース体の前端部が挿入される挿入部(挿入部340)が形成されており、
前記挿入部及び前記ベース体は、前記挿入部に前記ベース体が遊技機後方から挿入されることにより前記縦枠フレーム部材と前記ベース体とが嵌合するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように施錠装置を縦枠フレーム部材とは別体で設け、両者を一体化させることで占有領域の増大を抑えつつ強度担保を実現しようとした場合、両者の固定箇所はできるだけ多いほうが好ましい。しかしながら、このように固定箇所を増やすことは遊技機製造時や施錠装置のメンテナンスを行う際の作業性の低下を招く要因となり得る。
この点、本特徴によれば、ベース体を挿入部に挿入することで、両者が嵌合した状態となるため、上記不都合の発生を抑制できる。また、ネジ止め等の本固定作業時に施錠装置を持つ必要が無いので取り付けが容易になる。
特徴A5.前記遊技盤における一端側に設けられ、遊技球発射装置(遊技球発射機構110)から発射された遊技球を前記遊技領域へと誘導する誘導レール(誘導レール100)を備え、
前記一組の縦枠フレーム部材のうち前記誘導レールが設けられている側とは反対側に位置する前記縦枠フレーム部材の前記長板部は、遊技盤の端面に対して側方から対向しており、
前記長板部の前端部は前記遊技盤よりも前方に延出する延出部(延出部331a)となっており、当該延出部が前記誘導レールとともに前記遊技領域を区画形成しており、
前記延出部において前記遊技領域とは反対側を向いている部分に前記挿入部が設けられていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5に示すように、縦枠フレーム部材自体が遊技領域を区画する機能を有している場合には、発射された遊技球が縦枠フレーム部材(詳しくは長板部)に当たることとなる。このように、遊技球が当たる箇所に固定具を用いた固定箇所を設けることは困難になり得る。そこで、上記特徴A4に示す構成との組合せにより、遊技球が衝突する延出部において遊技領域とは反対側を向いている部分に挿入部(嵌合部分)を設けることにより、上記不都合の発生を回避することができる。
特徴A6.前記支持枠を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体の外周部には、前記支持枠側に突出する突条部(周壁部25)が形成されており、
前記縦枠フレーム部材において前記挿入部とは反対側となる部分には、前記突条部の先端部分が収容される収容凹部(溝状部346)が形成されていることを特徴とする特徴A4又は特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、前扉の突条部が収容凹部に入り込むことで、扉体と支持枠との境界部位からワイヤ等の不正具が挿入されることを抑制することができる。特徴A4等に示したように縦枠部の前部において縦枠フレーム部材とベース体とが嵌合することで強度担保が実現されているため、収容凹部を引っ張る等して扉体と支持枠との境界部位を拡げようとする行為が困難になる。これにより、防犯機能の向上が実現できる。
特徴A7.前記施錠装置は、鍵による解錠操作の対象としての解錠操作部(シリンダ錠78)を有し、
前記解錠操作部は、前記縦枠フレーム部材を挟んで前記ベース体とは反対側に配置されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、解錠操作部をベース体や施錠機構部分とは別体とすることで、上記収容領域を解錠操作部に合わせて大型化する必要がなくなり、縦枠部分全体での薄型化に貢献できる。
特徴A8.前記解錠操作部は、前記支持枠における前記縦枠フレーム部材以外の部分に遊技機前方から取り付けられていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、施錠装置の主要な構成(鉤部材や連動部材等)と解錠操作部とを別体としても、支持枠に対する施錠装置の取付作業が困難になることを抑制できる。
特徴A9.前記支持枠には、前記遊技盤が載置される載置部(下側壁部312)が設けられており、
前記解錠操作部は前記載置部よりも下側に配置されていることを特徴とする特徴A7又は特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、解錠操作部を載置部(遊技盤又は遊技領域)よりも下方に配置することで解錠操作部の存在が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制できる。
なお、本特徴に示すオフセット配置によれば、遊技盤を支持枠の正面側から取り付けるタイプの遊技機においては、解錠操作部の存在が邪魔になることもなく、遊技盤の着脱作業を妨げない。
特徴A10.前記両縦枠フレーム部材に跨るようにして中間フレーム部材(中間フレーム部材55)が設けられており、
前記中間フレームの上部が前記載置部又は前記載置部を支える支持部として機能しており、
前記中間フレームの下部に前記解錠操作部が固定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10に示す中間フレーム部材を採用すれば、支持枠自体の強度向上が実現できる。そして、中間フレーム部材の下部に解錠操作部を固定する構成とすれば、特徴A8や特徴A9に示した構成を好適に実現でき、更には解錠操作部の取付強度の向上も期待できる。
なお、本特徴を「前記両縦枠フレーム部材に跨るようにして中間フレーム部材(中間フレーム部材55)が設けられており、前記中間フレームに前記解錠操作部が固定されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
また、特徴A1等に示した横枠フレーム部材のうち下側の一方と本特徴に示す中間フレーム部材とを同一のものとすることも可能である。
特徴A11.前記中間フレーム部材は、
所定の縦幅を有し遊技機前方を向く横長板状の本体部(板状部56)と、
前記本体部の上端部から折れ曲るようにして設けられ、前記載置部又は前記支持部として機能する折曲部(折曲部57)と
を有し、
前記本体部に前記シリンダ錠が固定されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A10に示したように中間フレーム部材を用いて支持枠の補強及び遊技盤の支持強度の担保を図る構成においては、中間フレーム部材に本体部と折曲部とを設けることが好ましい。ここで、上記解錠操作部については、遊技機前方を向いている本体部に固定する構成とすれば、解錠操作部の取付作業が困難になることを抑制できる。
特徴B1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤を支持する支持枠(内枠ベース体50)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から取り付けられている遊技機において、
前記支持枠は、上下に延びる一組の縦枠部(縦フレーム部材51,52)と、それら各縦枠部の上下異なる二箇所を繋ぐようにして設けられた横枠部(横フレーム部材53,54)とを有し、それら枠部によって囲まれた空間が前記遊技盤を収容する収容領域となるように構成されており、
前記遊技盤における左右両端のうち一端側に設けられ、遊技球発射装置(遊技球発射機構110)から発射された遊技球を前記遊技領域へと誘導する誘導レール(誘導レール100)を備え、
前記一組の縦枠部のうち前記誘導レールが設けられている側とは反対側に位置する縦枠部には、遊技盤の端面に対して側方から対向する対向部(右側壁部314)が形成されており、
前記対向部の前端部は、前記遊技盤よりも前方に延出する延出部(延出部331a)となっており、当該延出部が前記誘導レールとともに前記遊技領域を区画形成していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技領域を区画する縦枠部の対向部(詳しくは延出部)が遊技盤の前方に設けているのではなく、遊技盤の側方に設けている。このように、遊技領域を区画する構成を遊技盤と横並びに配置することで遊技領域の拡張に貢献できる。また、遊技機が本来有する縦枠部を遊技領域区画用の手段として活用することで、遊技盤側に遊技領域を区画するための部材等を配設する必要がなくなり構成の簡略化にも貢献できる。
特徴B2.前記縦枠部の前記対向部は、前記遊技盤の端面と当接又は近接するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
遊技盤の端面と縦枠部とが当接又は近接する構成として対向部(延出部)と遊技盤との境界部位に生じる隙間を小さくすることにより、当該境界部位の存在が延出部に当たった遊技球の挙動に引っ掛かり等の乱れが生じることを抑制することができる。これにより、特徴B1に示した遊技領域の拡張に起因した不都合の発生を回避することができる。
なお、本特徴に示す「近接」とは遊技盤の端面と縦枠部の対向部との隙間寸法が、遊技球の半径寸法よりも小さいことを示すものである。
特徴B3.前記遊技盤は、左右両端部のうち前記対向部が設けられた縦枠部とは反対側の端部を基端として回動することで、前記支持枠に対して着脱可能となっており、
前記対向部において前記遊技盤の端面と対向している部分は、当該遊技盤の幅方向を向く平面状をなしており、
前記遊技盤において前記対向部と対向している端面の後部は、遊技機後方に向けて同遊技盤の横幅が小さくなるように傾斜又は湾曲しており、
前記遊技盤において前記対向部と対向している端面の前部は、前記対向部と平行な平面状をなすように形成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3に示すように遊技盤を回動させて支持枠へ装着するタイプの遊技機においては、遊技盤の着脱作業を行う際の作業効率を向上させることができる反面、遊技盤と縦枠部(対向部)との間に動作隙等の逃がし構造を設ける必要がある。しかしながら、このような動作隙が大きくなることは上記理由から好ましくない。このような不具合を解消すべく、対向部を遊技機前方に傾ける対策を講じることも可能であるが、これでは対向部から跳ね返った遊技球が遊技機前方へ逸れることを回避できなくなるため好ましくない。
この点、本特徴に示す構成によれば、遊技盤の端面の後部を傾斜又は湾曲させて遊技盤を装着完了位置に配置する際の対向部(縦枠部)との引っ掛かりを回避しつつ(動作隙を確保しつつ)、一旦装着完了位置に配置されれば遊技盤の端面(前側の平面部分)と対向部とが当接又は近接した状態とすることができる。このようにして、遊技盤と縦枠部(対向部)との間に生じる境界に隙間が発生しない又はできるだけ小さくなるように工夫することで、遊技盤着脱時の利便性を向上しつつ特徴A1や特徴A2に示した効果を好適に発揮させることができる。
また、遊技盤の端部に釘や装飾部材等の各種遊技部品を配置する場合であっても、上記平面部を有することで、遊技盤の厚みが過度に薄くなることがなく、それら遊技部品の取り付け強度の低下を抑えることができる。
なお、前記遊技盤を、前記支持枠に対して前記遊技盤の装着が完了した状態では、当該遊技盤の端面と前記対向部とが当接した状態となるように構成することにより、実用上好ましい構成が実現される。
特徴B4.前記対向部の前記延出部において遊技領域側を向いている部分には、遊技球が衝突した際の衝撃を緩和する緩衝部材(緩衝部材360)が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示したように、縦枠部自体が強度部品である場合には、対向部を撓ませて遊技球の勢いを弱める構成とすることは縦枠部本来の機能(強度担保)を低下させる要因となり得るため好ましくない。また、繰り返しの遊技球の衝突によって対向部が変形したり疲労破壊したりする等の不具合が生じ得るなるため好ましくない。
この点、本特徴に示すように、縦枠部とは別に緩衝部材を設けることで、このような不都合を解消できる。
特徴B5.前記両縦枠部のうち前記支持枠の回動先端側に配置された一方は上下に延びる長板部(長板部331)を有し、当該長板部における内面が前記対向部を構成しており、
前記延出部には前記遊技領域側とは反対側に凸となる突条部が形成されており、この突条部によって生じた凹み部分(溝部359)に前記緩衝部材が収容されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B4によれば、縦枠部の断面を稼いで強度向上を実現できるだけでなく、遊技領域への緩衝部材の張り出しを抑えることで、特徴B4に示した効果を享受しつつ、それに起因した遊技領域の圧迫を抑えることができる。
特徴B6.外枠(外枠11)に対して前記支持枠が回動可能に取り付けられた遊技機であって、
前記支持枠における回動先端部に設けられ、前記支持枠を閉じた状態で施錠する施錠装置(施錠装置75)を備え、
前記長板部において前記遊技盤とは反対側を向いている外面は、前記施錠装置の取付部となっており、
前記施錠装置には、前記誘導レールによって誘導された遊技球が前記対向部に当たる位置よりも上側と同誘導レールによって誘導された遊技球が前記対向部に当たる位置よりも下側とに離間して配置され、前記外枠に配設された鉤受け部材(鉤受け部材19)に係合する複数の鉤部材(内枠用鉤部材77)が設けられており、
前記凹み部分は、それら鉤部材の配設箇所の間に位置するようにして形成されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6に示すように施錠装置を用いて支持枠の開放を阻止する構成においては、鉤部材を遊技機の上下にある程度離して配置することが好ましい。そこで、このような離間スペースを緩衝部材の配置に利用すれば、対向部における施錠装置の取付部において凹み部分(緩衝部材)と鉤部材と上手く共存させることができる。
特徴B7.前記施錠装置は、前記鉤部材と、所定の解錠操作に基づいて動作することで前記鉤部材を係合状態から非係合状態に切り替え可能な連動部材(連動杆361)と、それら鉤部材及び前記連動部材が搭載される取付板部(板状部352)が形成されたベース体(ベース体351)とを有してなり、前記取付板部が前記長板部の外面と対向するようにして配置されており、
前記施錠装置が前記縦枠部に取り付けられた状態では前記取付板部と前記長板部とが隙間を隔てて相対向し、それら取付板部及び長板部によって挟まれた空間が前記鉤部材及び前記連動部材を収容する収容領域(収容領域IS)として機能していることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
施錠装置を支持枠の側部に配置している場合には、施錠装置の鉤部材や連動部材に直接アクセスされて不正に解錠操作が行われることが懸念される。この点、本特徴に示すように施錠装置の機構部分(鉤部材や連動部材等)を収容領域に配して露出を抑えることで、同機構部分への不正なアクセスを抑制することができる。これにより、防犯機能の向上が期待できる。
また、取付板部と長板部とを隙間を隔てて相対向させるようにして固定すれば、断面係数を大きくして上記縦枠部分の強度の更なる向上を実現することができる。
しかしながら、このような構成においては、上記各種効果が期待できる一方で、緩衝部材の配置と鉤部材との配置が横並びとなることで、縦枠部の幅が増大し得る。これは遊技領域の圧迫を招く要因となるため好ましくない。
この点、特徴B6との組合せにおいては、収容領域内にて鉤部材と凹み部分(緩衝部材)とを好適に共存させることが可能となり、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴B8.前記長板部の前端部は前記遊技盤よりも前方に延出する延出部となっており、
前記延出部の前端部には、前記遊技盤とは反対側に起立し遊技機正面側を向くように形成された前面部(前面部335)と、その前面部から遊技機後方へ折り返して形成された折返部(返し部336)とが形成され、それら延出部、前面部及び折返部によって前記ベース体の前端部が挿入される挿入部(挿入部340)が形成されており、
前記挿入部及び前記ベース体は、前記挿入部に前記ベース体が遊技機後方から挿入されることにより前記縦枠部と前記ベース体とが嵌合するように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
施錠装置を縦枠部とは別体で設け、両者を一体化させることで占有領域の増大を抑えつつ強度担保を実現しようとした場合、両者の固定箇所はできるだけ多いほうが好ましい。しかしながら、このように固定箇所を増やすことは遊技機製造時や施錠装置のメンテナンスを行う際の作業性の低下を招く要因となり得る。
この点、本特徴によれば、ベース体を挿入部に挿入することで、両者が嵌合した状態となるため、上記不都合の発生を抑制できる。また、ネジ止め等の本固定作業時に施錠装置を持つ必要が無いので取り付けが容易になる。
更には、嵌合部については、その上下方向における範囲を長く設定することができ、延出部の強度確保に施錠装置(ベース体)を利用することができる。これにより、遊技球の繰り返しの衝突による対向部の変形等の不都合を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成については、特徴B6に適用することも可能である。この場合、「前記施錠装置は、前記鉤部材と、所定の解錠操作に基づいて動作することで前記鉤部材を係合状態から非係合状態に切り替え可能な連動部材(連動杆361)と、それら鉤部材及び前記連動部材が搭載される取付板部(板状部352)が形成されたベース体(ベース体351)とを有してなり、前記取付板部が前記長板部の前記外面と対向するようにして配置されており、前記延出部の前端部には、前記遊技盤とは反対側に起立し遊技機正面側を向くように形成された前面部(前面部335)と、その前面部から遊技機後方へ折り返して形成された折返部(返し部336)とが形成され、それら延出部、前面部及び折返部によって前記ベース体の前端部が挿入される挿入部(挿入部340)が形成されており、前記挿入部及び前記ベース体は、前記挿入部に前記ベース体が遊技機後方から挿入されることにより前記縦枠部と前記ベース体とが嵌合するように構成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機」とすればよい。
特徴B9.前記縦枠部には、前記対向部から起立し遊技盤と当該対向部との境界部位を遊技機後方から覆う覆い部(対向部364)が形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9によれば、境界部位を通じて遊技機の奥側(後方)が見えてしまうことを抑制し、対向部による遊技領域の区画を行う構成において見栄えの向上が期待できる。また、覆い部は対向部から起立して設けられていることで、縦枠部の強度向上にも貢献することができる。
なお、この覆い部によって遊技盤の装着完了位置を規定する構成とすることも可能である。
特徴B10.前記誘導レールの先端部分は、前記対向部と垂直又は略垂直に延びていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1に示すように縦枠部(対向部)を遊技領域を区画する手段として利用する場合には、当該縦枠部が遊技機の上端から下端まで延びているため、誘導レールによって遊技球を導く位置に何らの制約も生じない。そこで、本特徴に示すように誘導レールの先端部分を対向部と垂直又は略垂直に延びる構成とすることで、遊技領域における対向部側となる部分を上方に拡張にすることが可能となる。これにより、更なる遊技領域の拡張に貢献することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。