<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された前面ブロック80aと、前面ブロック80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。
前面ブロック80aは、透明樹脂により形成された遊技領域形成体310と、遊技領域形成体310に対して演出用の光を後方から照射する光照射パネル320と、遊技領域形成体310と光照射パネル320との間に配置され装飾用の図柄(絵柄)等が施された装飾パネル330と、を備えている。また、光照射パネル320の後方には、これら装飾パネル330及び光照射パネル320を遊技領域形成体310に対して取り付けるホルダ340が設けられており、遊技領域形成体310にホルダ340が固定されることで、装飾パネル330と光照射パネル320とが遊技領域形成体310に対して一体化されている。
遊技領域形成体310の前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体310の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技領域形成体310は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体310の遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技領域形成体310には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口ユニット83(作動口83a,83b)、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体310の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体310には、遊技球の流下経路を適宜分散等するために多数の遊技釘93や風車94等の各種遊技部品が配設されている。これら遊技釘93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生する。
前面ブロック80a(遊技領域形成体310)の中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技盤ユニット80の背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口ユニット83やスルーゲート84等が配設されている。作動口ユニット83には、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとが設けられている。これら2つの作動口83a,83bのうち下作動口83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が併設されている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方:右ルート)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技球が通過可能な大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉体が設けられている。開閉体は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体310には、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体310に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体310の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82やスルーゲートに入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部96が形成されている。センターフレーム95の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路97を通じてステージ部96上に排出される。ステージ部96については、当該ステージ部96に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように、具体的にはステージ部96を介さない遊技球と比較して上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部96上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部96上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体310における右側の端部には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材や主表示ユニット87が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤ユニット80(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体310の左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤ユニット80の背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、前面ブロック80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤ユニット80の背面に固定されることで、前面ブロック80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置253が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤ユニット80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、遊技盤ユニット80の遊技領域PEについては、遊技釘93等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路の多様化が実現されている。遊技領域PEについては、清掃等の作業に配慮してホール管理者等の作業者によるアクセスが許容されている。これは、作業者の利便性の向上を図る上では有益である。但し、このような構成においては、仮に作業中に遊技釘93等に引っ掛かる等して当該遊技釘93の状態に変化が生じた場合には、それが遊技領域PEにて球詰まり等の不都合が発生する要因になると懸念される。
本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、遊技釘93が正規の状態となっているか否かを好適に確認できるように工夫が施されている。以下、図11〜図13を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図11は遊技盤ユニット80を構成する前面ブロック80aの正面斜視図、図12及び図13は前面ブロック80aを主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。なお、図11〜図13においては、説明の便宜上、遊技領域PEに配設された遊技釘93やセンターフレーム95等の各種遊技部品の図示を省略している。因みに、遊技釘93については遊技領域形成体310の前面に対して垂直となるようにして固定されている。上記「正規の状態」とは、遊技釘93の角度が設計値に許容された製造誤差(公差)を加味した角度内である状態を示している。
(前面ブロック80a)
既に説明したように、前面ブロック80aは、前面に遊技領域PEが形成された透明な遊技領域形成体310と、その背後に設けられた装飾パネル330及び光照射パネル320と、それら装飾パネル330及び光照射パネル320を保持するホルダ340とが組み合わされてなり、遊技領域形成体310を通じて装飾パネル330を視認可能となっている(図11参照)。装飾パネル330には各種絵柄が設けられており、遊技領域形成体310を通じてそれら絵柄を視認可能となっている。つまり、装飾パネル330に設けられた絵柄が遊技領域PEの背景を構成している。
装飾パネル330の背面に対向するようにして上記光照射パネル320が配設されている。光照射パネル320は、多数の発光体321が実装された発光基板322と、発光基板322からの光を拡散させる拡散板323とが積層されてなる。発光体321からの光は拡散板323を通じて拡散された状態で装飾パネル330に照射される。装飾パネル330は光が通過可能となっており、装飾パネル330を通過した光は遊技領域形成体310 → ガラスパネル23を通じて遊技機前方に射出される。
ホルダ340は、光照射パネル320に後方(遊技領域形成体310とは反対側)から対向する対向部341と、対向部341の外周縁に沿って形成された周壁部342とを有してなる。周壁部342は遊技領域形成体310側に起立しており、ホルダ340は遊技領域形成体310側に開放された略箱状をなしている。ホルダ340によって囲まれた領域に光照射パネル320が収容されている。
光照射パネル320(拡散板323)には、装飾パネル330側に突出するボス324が複数形成されている。これらボス324は装飾パネル330を固定する台座として機能しており、ボス324を介在させることで光照射パネル320の前面と装飾パネル330の背面との間にある程度の隙間が確保されている。この隙間を光照射パネル320からの光の拡散領域とすることにより装飾パネル330に対する光の照射範囲の偏りが抑制されている。
遊技領域形成体310には、遊技釘93等の各種遊技部品が搭載される略平板状のベース部311と、ベース部311の外周縁に沿って形成された周壁部312とが形成されている。周壁部312は後方(ホルダ340側)に起立しており、その先端部分が装飾パネル330に当接している。つまり、装飾パネル330は遊技領域形成体310の周壁部312及びホルダ340の周壁部342によって挟まれた状態となっている。遊技領域形成体310の周壁部312をスペーサとして機能させることにより、遊技領域形成体310(ベース部311)の背面と、装飾パネル330の前面との間に隙間が確保されている。
この隙間には、装飾パネル330の前面に光を照射する光照射ユニット313が配設されている。光照射ユニット313は、複数の発光体(LED)が実装された発光基板と当該発光基板を覆うカバーとを有してなり、発光体の光軸がベース部311の背面(装飾パネル330の前面)と平行となるようにして周壁部312の内面に固定されている。装飾パネル330を遊技領域形成体310の背後に配置する場合には、装飾パネル330へ遊技ホールの天井等に設けられた照明からの光(環境光)が届きにくくなる。そこで、光照射ユニット313によって装飾パネル330へ光を供給することにより、装飾パネル330(絵柄)の視認性が低下することを抑制している。
光照射ユニット313(発光基板)は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって発光/消灯の切り替えがなされる。同様に、上記光照射パネル320(発光基板322)についても報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって発光/消灯の切り替えがなされる。
本実施の形態においては、装飾パネル330に遊技領域PEの背景を表示する機能が付与されており、遊技状況に応じて光照射ユニット313及び光照射パネル320の発光制御を行うことで、遊技領域PEの背景が切り替わる構成となっている。ここで、図14〜図16を参照して背景切替に係る構成について補足説明する。図14〜図16は、前面ブロック80aの部分断面図である。なお、図14〜図16においては説明の便宜上、装飾パネル330をその厚さが実際よりも大きくなるように拡大した状態で図示している。
(背景の切替)
装飾パネル330は、平板状をなす基材331と、基材331の表面(遊技領域形成体310と対峙している面)に張り付けられた表側シート材332と、基材331の裏面(光照射パネル320と対峙している面)に張り付けられた裏側シート材333とによって構成されている。
表側シート材332及び裏側シート材333は、透明なシートに遊技機の仕様等に係るキャラクタ等の絵柄(装飾)が印刷されており、光の通過を許容している点では共通しているものの、光の通過を可能とする構成については相違している。具体的には、裏側シート材333に設けられた絵柄については透明性が付与されており、当該絵柄を光が透過するように構成されている。これに対して、表側シート材332には絵柄が設けられた領域を含む全域にて厚さ方向に貫通する細孔332aが多数形成されており、これら細孔332aにおける光の通過が許容されている。言い換えれば、裏側シート材333と同様に光の通過を許容してはいるものの、表側シート材332においては光が当該表側シート材332を透過するのではなく細孔332aを通過する構成となっている点で相違している。なお、細孔332aについては目視による確認が実質的に困難となるように微細なものとなっている。
図15に示すように、装飾パネル330よりも前側に配置された光照射ユニット313が点灯した状態では、当該光照射ユニット313からの光が表側シート材332に照射される。光照射ユニット313については光軸が表側シート材332と略平行となるように構成されているため、当該光照射ユニット313からの光の表側シート材332に対する入射角度は小さくなる。このため、表側シート材332に照射された光は、表側シート材332の表面にて拡散及び反射され、表側シート材332に設けられた絵柄が照らされることとなる。つまり、光照射ユニット313については表側シート材332用の照明として機能している。
なお、光の向きが上記細孔332aの向きと異なっているため、光照射ユニット313からの光が細孔332aを通じて裏側シート材333に到達することが抑制されている。
図16に示すように、装飾パネル330の後方に配置された光照射パネル320が点灯した状態では、当該光照射パネル320からの光が裏側シート材333→基材331→表側シート材332の細孔332aを通じて遊技機前方に射出される。つまり、光照射ユニット313が点灯して表側シート材332に設けられた絵柄を視認する際には、その光は表側シート材332にて反射した間接光(反射光)となる。これに対して、光照射パネル320が点灯して裏側シート材333に設けられた絵柄を視認する際には、その光は裏側シート材333を通過した直接光(透過光)となる。
光照射ユニット313及び光照射パネル320については、上記間接光よりも上記直接光の方が強くなるように発光レベルに差が設けられている。このため、光照射パネル320が点灯している状態では、裏側シート材333に設けられた絵柄が視認可能となり且つ表側シート材332における絵柄が目立ちにくくなる(視認困難となる)。なお、光照射ユニット313が消灯している状態では、表側シート材332に届く光は環境光に依存することとなる。この場合であっても、光照射パネル320からの光が支配的となり、実質的に視認可能となる対象は表側シート材332の絵柄及び裏側シート材333の絵柄のうち後者となる。
本実施の形態においては、所定の期間に亘って遊技が行われていない場合(詳しくは、図柄の変動表示がおこなわれていない場合)には、遊技モードから待機モード(節電モード)へ移行する構成となっている。遊技モードとなっている場合には光照射パネル320が消灯し且つ光照射ユニット313が点灯するように発光制御が行われる。これにより、装飾パネル330においては表側シート材332に設けられた絵柄が表示されることとなる。これに対して、待機モードとなっている場合には光照射パネル320が点灯し且つ光照射ユニット313が消灯するように発光制御が行われる。これにより、装飾パネル330においては裏側シート材333に設けられた絵柄が表示されることとなる。
表側シート材332においては、そのほぼ全域に絵柄が設けられている。図17(1)の概略図に示すように、光照射ユニット313が点灯し且つ光照射パネル320が消灯している状態では、表側シート材332に設けられた動物や星を模した絵柄等の装飾が背景として表示される。図17(b1)においては遊技領域PEの下流領域についてのみ図示しているが、実際には遊技領域PE全域の後方に上記装飾と同様の装飾が表示されることとなる。
これに対して、裏側シート材333においては、絵柄の配設領域が限定されている。具体的には、遊技領域PEの上流領域に対応する範囲には絵柄が設けられているものの、下流領域に対応する範囲には絵柄が設けられていない。下流領域においては、一般入賞口81や作動口ユニット83等の各種入球部が設けられており、これら入球部の入口付近に配設された遊技釘93については上述した状態の変化等が発生した場合に、その影響が大きくなる。そこで、下流領域に対応する部分においては、装飾用の絵柄の代わりに遊技釘93の状態の変化を確認する際の指標となるマーカMPが設けられている。これらマーカMPによって、遊技釘93が上記正規の状態となっている場合の当該遊技釘93の頭部93aの位置(以下、基準位置という)が明示される。
具体的には、図17(2)に示すように、光照射パネル320が点灯している状態では、裏側シート材333に付与されたマーカMPが視認可能となる。マーカMPは、一般入賞口81の入口付近に設けられ一般入賞口81への入球を左右する遊技釘93と、作動口ユニット83(上作動口83a)の入口付近に設けられ上作動口83aへの入球を左右する遊技釘93とに個別に対応するようにして設けられている。マーカMPは円形をなしており、遊技釘93が遊技領域形成体310に対して直角となっている状態にて当該遊技釘93の中心軸線上に当該マーカMPの中心が位置するように構成されている。
マーカMPは、遊技釘93の頭部93aの外径よりも僅かに大きくなるように構成されており、遊技釘93を遊技機正面側から見た場合には、周方向における全域にてマーカMPと頭部93aとの重なりが回避される非重なり部分が生じる構成となっている。マーカMPの大きさは、上述した公差に合せて形成されている。つまり、遊技釘93の頭部93aがマーカMPの外縁からはみ出さない範囲では、製造上発生し得る誤差が公差の範囲を外れていないことを示している。
例えば、遊技釘93が正規の状態となっている場合には、図18(a)の概略図に示すように、遊技釘93の頭部93aがマーカMPによって規定された範囲に収まることとなる。この場合、マーカMPの見た目はリング状になる。これに対して、遊技釘93に上述した公差を超える状態の変化が発生している場合には、図18(b)の概略図に示すように、遊技釘93の頭部93aの少なくとも一部がマーカMPによって規定された範囲を逸脱し、マーカMPの見た目が半月状となる。つまり、遊技釘93が正規の状態でないことをマーカMPの見た目から把握することができる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技釘93によって遊技球の流下経路を規定する構成においては、遊技釘93に状態の変化が生じることで、その影響が遊技球の動きに及ぶ。仮に、遊技釘93の状態の変化が大きくなれば、遊技領域PEにて球詰まり等の不都合が発生しやすくなる。これは、遊技機の信頼性を損なう要因となるため好ましくない。ここで、目視にて遊技釘93の状態の変化の確認を行う場合には、その変化量が小さくなる等することで、見落としが発生したり、確認が困難になったりする。そこで、本実施の形態に示すようにマーカMPを用いて遊技釘93の正規の状態(基準角度又は基準姿勢)を明示する構成とすれば、迅速且つ容易に状態の変化の有無やその程度を把握することが可能となり、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。なお、マーカMPについては遊技流域PEの後方に表示されるため、このマーカMPの存在が遊技領域PEを流下する遊技球の動きを目で追う際の障害になることが無い。
マーカMPは遊技釘93の根本部分を囲む環状をなしている。このため、遊技釘の状態がある方向に変化してしまった場合には、その方向にて遊技釘とマーカとの関係が変化するだけでなく、それとは反対の方向においても遊技釘とマーカとの関係が変化する。このように、遊技釘の状態の変化の影響を倍化させることにより、目視による確認の容易化に貢献できる。
マーカMPについては背景の変更に応じて表示/非表示に切り替えることができる。このような構成とすることで、マーカMPを常時表示する構成と比較して、マーカMPの存在が遊技機の見栄えを低下させる要因になることを抑制できる。
背景表示用の表側シート材332と裏側シート材333のうち表側シート材332を装飾専用、裏側シート材333を装飾及びマーカMPの兼用とした。手前側のシート材を装飾専用とすることにより、表示される装飾の鮮明さを担保することできる。
遊技が行われている場合(遊技モード)においては主として表側シート材332による背景表示がなされ、遊技が行われていない場合(待機モード)においては主として裏側シート材333による背景表示がなされる。裏側シート材333についてはマーカMPの識別力を向上させる点に鑑みて下側半部には装飾が施されておらず、見栄えの点では表側シート材332に劣る。しかしながら、上述の如く遊技が行われている場合には表側シート材332による背景表示がなされるため、遊技中の見栄えの低下を緩和できる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態においては、装飾パネル330を構成する表側シート材332及び裏側シート材333のうち後者にマーカMPを設けたが、これを変更し、表側シート材332にマーカMPを設けてもよい。この場合、遊技中は光照射パネル320を点灯状態として裏側シート材333を用いた背景表示を行い、非遊技中は光照射ユニット313を点灯状態として表側シート材332を用いた背景表示を行う構成にするとよい。遊技釘93に近い側のシート材を用いてマーカMPを表示させることにより、確認作業の容易化に貢献できる。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、装飾パネル330を表側シート材332、基材331、裏側シート材333の3層構造とし、基材331によって裏側シート材333を補強する構成とした。裏側シート材333については遊技釘93の頭部93aの基準位置を示す機能が付与されているため、基材331によって裏側シート材333の歪みを抑えることには技術的義がある。但し、マーカMPが付与された裏側シート材333の強度を担保できるのであれば足り、その補強機能については必ずしも基材331に依存する必要はない。つまり、基材331を省略することも可能である。
例えば、表側シート材332及び裏側シート材333を張り合わせることで装飾シートを構成し、当該装飾シートを遊技領域形成体310(ベース部311)の背面に取り付ける構成としてもよい。
<変形例3>
上記第1の実施の形態に示した裏側シート材333については、背景の表示機能及びマーカMPの表示機能の両機能を有する構成としたが、少なくともマーカMPを表示する機能が付与されていれば足り、背景の表示機能を省略することも可能である。
また、裏側シート材333については、上半分を装飾の配設領域且つ下半分をマーカMPの配設領域とすることで装飾とマーカMPとの配設領域を分けたが、作業者による装飾とマーカMPとの混同を避けることができるのであれば足り、下半分にマーカMPと装飾とを併存させる構成としてもよい。
<変形例4>
上記第1の実施の形態では、透過光と反射光との光の強さの違いを利用して、遊技領域形成体310の背景を切り替える構成としたがこれに限定されるものではない。マーカMPを有する背景とマーカMPを有さない背景との切り替えを行うことができるのであれば、その具体的な構成については任意である。例えば、遊技領域形成体310のベース部311に裏側から対向するように配置された大型の画像表示装置(ディスプレイ)によってマーカMPを有する背景画像とマーカMPを有さない背景画像との表示を切り替える構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記第1の実施の形態では、遊技釘93の状態を確認する際に遊技盤ユニット80を所定の角度で見る(例えば真っ直ぐに見る)ことを前提としてマーカMPを設けた。しかしながら、このような構成においては確認の際に視線が上下左右に傾くことにより正確な判断が難しくなる。そこで、視線が所定の角度となっているかを自身で確認する為の指標(照準となる構成)を確認対象となる遊技釘93に隣接する位置等に配設するとよい。
この指標については、例えば、センターフレーム等の遊技部品と当該遊技部品における特定部位の背後に表示される照準用マーカとによって構成してもよい。特定部位と照準用マーカとが合致する(例えば前後に重なる)ように見える状態では視線が上記所定の角度となることにより、作業者は遊技盤ユニット80を所定の角度で見ることができているかを自身で判断することができる。これにより、確認結果の確からしさを向上させることができる。
なお、表側シート材332に設けられた表側照準用マーカ及び裏側シート材333にて表側照準用マーカの背後に位置するように設けられた裏側照準用マーカによって上記指標を構成し、表側照準用マーカと裏側照準用マーカとが重なるように見える状態では視線が上記所定の角度となるように構成することも可能である。このような構成とする場合には、裏側シート材333によって裏側照準用マーカを表示する場合に表側照準用マーカが見えづらくならないように表側照準用マーカが表示される部分については細孔が非配置にする等の工夫する必要がある。
<変形例6>
上記第1の実施の形態においては、2つのシート材332,333を用いて背景の切り替えを行う構成としたが、少なくとも遊技釘93の状態の変化を確認する為のマーカMPが視認可能となる構成であれば足り、マーカMPの表示/非表示を切替可能とする必要は必ずしもない。例えば、1のシート材に絵柄とマーカとを設け、マーカが常時視認可能となる構成とすることも可能である。遊技領域形成体(遊技盤)が木製である場合には、その前面にセルシートが配設される。この種の遊技機においては、セルシートにて遊技釘93が取り付けられる部分にマーカを設けることも可能である。
<変形例7>
マーカの形については任意である。例えば、交点が遊技釘の根元に位置するように構成された十字の線とすることも可能である。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技釘93が正規の状態となっているか否かを目視によって確認する際に利用可能な「示唆手段」としてマーカを表示する構成としたが、本実施の形態においては、この示唆に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図19を参照して本実施の形態における「示唆手段」について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図19は、遊技盤ユニット80Aの部分断面図である。
図19(a1)に示すように、遊技領域形成体310Aの後方には装飾パネル330Aが設けられている。本実施の形態に示す装飾パネル330Aについては、遊技領域形成体310Aを通じて遊技機前方から視認可能となっており、遊技領域PEの背景を構成している点で第1の実施の形態に示した装飾パネル330Aと共通となっている。但し、その固定対象はホルダ340ではなく遊技領域形成体310Aとなっており且つ背景の切り替えは行われない構成となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。
装飾パネル330Aの前面には発光体337Aが搭載されており、報知・演出制御装置140によって発光体337Aの点灯/消灯の制御がなされる。具体的には、遊技中である場合に発光体337Aが消灯した状態となり、遊技中でない場合に発光体337Aが点灯した状態となるように発光制御が行われる構成となっている。
発光体337AはLEDからなり、当該発光体337Aから射出される光については指向性が強くなっている。発光体337Aは、その光軸が遊技領域形成体310A側を向き、且つ当該光軸上に遊技釘93が位置するように配設されている。発光体337Aからの光の照射範囲LEは、遊技釘93の頭部93a付近にて当該照射範囲LEの外縁が当該頭部93aの外縁と一致するように構成されている。このため、発光体337Aが点灯している状態にて、遊技釘93を真っ直ぐに見た場合には、発光体337Aからの光が遊技釘93の頭部93aによって遮られることとなり、図19(a2)に示すように頭部93aの周りが回析した光によってぼんやり明るく光って見える。なお、図19(a2)においては、回析した光による照射範囲を含めた実質的な照射範囲を照射範囲LEとして示している。
ここで、図19(b1)に示すように、遊技釘93の状態が変化してしまって頭部93aの位置が上記軸線からずれた場合には、ずれた方向では照射範囲LEと頭部93aとの重なりが大きくなることで遊技機前方へ抜ける光の量が減り、ずれた方向とは反対の方向では照射範囲LEと頭部93aとの重なりが小さくなることで遊技機前方へ抜ける光の量が増す。このため、図19(b2)に示すように、光の見え方に偏り(濃淡差)が生じる。確認作業を行う際にはこのような光の偏りの有無を調べることにより、遊技釘93の状態が変化していないか否か(すなわち遊技釘93が正規の状態となっているか否か)を把握することができる。
遊技釘93の状態に変化が生じているか否かを遊技釘93自体を見て把握しようとした場合には、その見極めが難しくなると想定される。この点、本実施の形態に示す構成においては遊技釘93の状態の変化を発光態様の変化に置き換える構成とすることにより、小さな変化を大きな違いとして示すことができる。
遊技釘93の状態の変化をシビアに見極めようとした場合には、遊技領域形成体310Aの前面に沿う方向にて遊技領域形成体310Aと装飾パネル330Aとの位置がずれることにより、示唆機能が上手く発揮されなくなる。これは、示唆機能に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。この点、本実施の形態に示す装飾パネル330Aはホルダ340を介することなく遊技領域形成体310Aに直接固定されている。これにより、組み付け誤差等の影響に起因した示唆機能の信頼性の低下を好適に抑制できる。
光を利用して遊技釘93の状態の変化を把握する上で光が遊技釘93によって完全に遮らてしまう構成とした場合、光が見えないことが必ずしも遊技釘93の状態の変化が生じていないことを示す根拠にはなり得ない。つまり、発光体337A等の寿命や作業者の勘違い等の他の要因によって光が見えていない可能性を否定できない。この点、本実施の形態においては、遊技釘93に状態の変化が生じていない場合、すなわち頭部93aが上記基準位置に配置されている場合であっても光の回析によって頭部93aの周辺がぼんやりと光るように構成されている。これにより、作業者の誤認を好適に抑制することができる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態においては、遊技釘93に状態の変化が発生しておらず頭部93aが基準位置に配置されている場合であっても発光体337Aによる光の一部が回析して遊技機前方から視認可能となるように構成したが、光を視認可能とする上ではこのような回析に依存する構成とする必要はない。
また、頭部93aが基準位置に配置されている場合には正面視における発光体337Aからの光の照射範囲LEが頭部93aよりも小さくなるようにしてもよい。つまり、頭部93aが基準位置に配置されている場合に発光体337Aからの光を視認可能とする構成に代えて、頭部93aが基準位置に配置されている場合に発光体337Aからの光を視認不可とする構成としてもよい。
<変形例2>
上記第2の実施の形態においては、遊技が行われていない場合等の特定の状況下においてのみ発光体337Aを点灯させる構成としたが、これに限定されるものではなく、発光体337Aを常時点灯させる構成とすることも可能である。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技釘93が正規の状態となっているか否かを目視によって確認する際に利用可能な「示唆手段」としてマーカを表示する構成としたが、本実施の形態においては、この示唆に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図20及び図21(a)を参照して本実施の形態における「示唆手段」について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図20は遊技盤ユニット80Bの部分拡大図、図21(a),(b)は遊技盤ユニット80Bの部分断面図、図21(c)は図21(b)の部分拡大図である。
図20に示すように、内枠ベース体50B(収容凹部51B)にて遊技盤ユニット80Bの側面、詳しくは遊技領域形成体310Bの端面に対向している部分には、遊技領域形成体310Bの端面へ光を供給する光供給ユニット270Bが設けられている。光供給ユニット270Bは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって点灯/消灯の切り替えがなされる。
図21(a)に示すように、遊技領域形成体310Bのベース部311Bについては肉厚が略一定となるように形成されている。遊技領域形成体310B(ベース部311B)の一方の端面を通じて遊技領域形成体310Bに入射した光は、ベース部311Bの前面及び背面にて全反射を繰り返すことにより、他方の端面へ案内される構成となっている。つまり、本実施の形態においてはベース部311Bが導光板として機能している。
光供給ユニット270Bは遊技領域形成体310Bの左右両端に沿って上下に延びる長尺状をなしており、その長手方向に発光体と反射材とが交互となるようにして配列されている。遊技領域形成体310Bの一方の端面から他方の端面へと通過した光は、反射材に反射して再び遊技領域形成体310Bに戻ることとなる。これにより、光量の損失を緩和している。
なお、光供給ユニット270B(発光体及び反射材)については内枠ベース体50Bに埋設されており、当該光供給ユニット270Bの露出が抑えられている。これにより、発光体や反射材からの光が遊技機前方へ直接照射されることを抑制している。
既に説明したように、遊技領域形成体310Bには遊技釘93が植設されている。遊技釘93は金属材からなり、その表面が鏡面状をなしている。このため、遊技領域形成体310B内を通過する光が遊技釘93の本体部93b(軸部又は棒状部)にて遊技領域形成体310Bに埋まっている部分に到達した場合に、当該本体部93bにて反射してその向きを変える。但し、遊技釘93については既に説明したように遊技領域形成体310Bに対して垂直に取り付けられており、本体部93bの周面についても遊技領域形成体310Bの厚さ方向に延びている。このため、遊技領域形成体310Bの前面又は背面にて全反射した光が本体部93bにて反射した場合に、その反射角度を入射角度に合せることができる。故に、本体部93bにて反射した光について遊技領域形成体310Bの前面又は背面に対する入射角が大きくなって全反射することなく遊技領域形成体310Bから射出されることが抑制されている。
図20に示したように、複数の遊技釘93のうち一部については左右に並ぶように配置されている。そこで、遊技釘93については打ち込み量(深さ)が遊技領域形成体310B(詳しくはベース部311B)の厚さ寸法よりも小さくなっており、遊技領域形成体310Bの貫通を回避している。つまり、遊技釘93の配設位置に到達した光が全て遊技釘93にて反射されるわけではなく、光の一部は、遊技釘93と遊技領域形成体310Bの背面との間を通過するようにして上記反射が回避される構成となっている。このため、光の光供給領域AEにて並設された遊技釘93のうち光源に近いものを迂回することにより、光源から遠いものについても光が到達し得る構成となっている。これにより、遊技釘93の配置に係る制約を緩和している。
なお、本実施の形態においては向きの確認対象となる遊技釘93が遊技領域PEの下部に集中している。そこで、光供給ユニット270Bからの光が供給される光供給領域AEについては、これに併せて遊技領域形成体310の下部に限定している。なお、光供給領域AEについては図20におけるドットハッチングが付与されている領域を参照されたい。
図21(a)に示しているように、遊技釘93については遊技領域形成体310B(ベース部311B)に形成された挿入部311aBに挿入されている。この状態では遊技釘93の本体部93bとベース部311Bの肉部とが強嵌合(強干渉)している。このため、遊技釘93の本体部93bとベース部311Bとの間には実質的な隙間が存在していない。
ここで、図21(a)→図21(b)に示すように、清掃等の作業時に遊技釘93の状態を変化させてしまうような大きな外力を加えてしまった場合には、遊技釘93の根元部分に応力が集中し、遊技釘93の根元部分の状態が変化する。この応力は、遊技釘93を介してベース部311Bに伝わることとなる。遊技領域形成体310B(ベース部311B)については遊技釘93よりも高強度となるように形成されてはいるものの、上述した強嵌合を許容すべくある程度大きな力が加わった場合には状態が変化し得る。このため、上述したような力が加わった場合には、遊技釘93が脱落する程ではないにしろ、遊技釘93の本体部93b(根元部分)と挿入部311aBの入口部分との間には僅かながら隙間OEが生じる(図21(c)の拡大図参照)。
光供給領域AEに位置する遊技釘93及び挿入部311aBに上記状態の変化が生じると、遊技釘93の本体部93bにて反射した光の少なくとも一部は挿入部311aBの内面に反射して再び遊技釘93へ向かう。このような反射を繰り返すことにより、光の一部が上記隙間OEを通じて遊技機前方に射出される。これにより、遊技釘93の根元部分が発光することとなる。
このように、上記のような状態の変化が発生した場合には遊技釘93の根元部分を発光させることにより、発光態様の変化によって目視での確認が容易となる。
なお、この光は遊技演出等に用いられる発光手段からの光と比べて弱くなりやすい。つまり、遊技機にて発光演出等が行われている状況下においては光が紛れて視認性が低下する可能性がある。そこで、本実施の形態においては、上記待機モード(節電モード)となった場合に、光供給ユニット270B以外の各種発光部(少なくとも遊技盤ユニット80Bに付属の発光部)が消灯状態又は光量が抑えられた減光状態となるように発光制御を行い、これに合せて光供給ユニット270Bが点灯状態となる発光制御を行う構成となっている。これにより、上述した光量に係る不都合の発生を抑制することができる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態においては、遊技領域形成体310Bの前面及び背面にて反射(全反射)した光を遊技釘93(本体部93b)に到達させることにより、当該遊技釘93に対して斜めに光を入射させる構成とした。隙間OEにて光の乱反射を発生させる上では遊技釘93に対して斜めに光を入射させることが好ましい。
ここで、遊技釘93に対して光を斜めに入射させることができるのでれば足り、遊技領域形成体310Bを導光板として利用するのではなく、光源からの光を遊技釘93へ直接到達させる構成とすることも可能である。但し、このような構成とする場合には、確認対象となる遊技釘93の数が多くなればなるほど光源の数が嵩むこととなり、遊技領域形成体310Bの背面側に位置する周辺構成との共存が困難になる。故に、遊技釘93の状態の変化を確認する為の構成について占有領域の拡がりを抑えて周辺構成との共存を好適に実現する上では上記第3の実施の形態に示した構成には技術的意義がある。
<変形例2>
上記第3の実施の形態に示した遊技領域形成体310Bについては、遊技釘93の後方に位置する部分に遮光性を有する暗色のマスキングを行ってもよい。根元部分からの光が他の光に紛れることを一層好適に抑制することができ、確認作業の更なる容易化に貢献できる。
<変形例3>
上記第3の実施の形態においては、遊技釘93が遊技領域形成体310Bを貫通しないように打ち込み量を制限する構成としたが、これに限定されるものではない。遊技釘93を遊技領域形成体310Bを貫通するようにして配設することも可能である。
また、遊技釘93用の挿入部311aBについては、有底となる穴状としたが、遊技領域形成体310Bを貫通する孔状に形成することも可能である。
<変形例4>
上記第3の実施の形態においては光供給ユニット270Bが遊技機前方から視認可能とならないように隠す構成とした。但し、遊技釘93の状態の変化を確認すべき状況下にて光供給ユニット270Bが点灯状態となっているかの確認が難しくなれば、確認結果の確からしさが低下すると懸念される。このような事情に配慮する上では、光供給ユニット270Bからの光を遊技釘93の状態の変化とは関係なく遊技機前方へ放出させる放出部を設けることが好ましい。放出部にて発光の有無を確認することにより光供給ユニット270Bが点灯しているか否かを把握することが可能となり、示唆機能に対する信頼性の向上に貢献できる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技釘93が正規の状態となっているか否かを目視によって確認する際に利用可能な「示唆手段」としてマーカを表示する構成としたが、本実施の形態においては、この示唆に係る構成が第1の実施の形態と相違している。具体的には、遊技釘93の状態の変化を発光態様の変化に置き換える点で上記第3の実施の形態と技術的思想が類似しているものの、その置換に係る具体的構成が第3の実施の形態と相違している。以下、図22及び図23を参照して本実施の形態における「示唆手段」について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図22(a)は遊技盤ユニット80Cの部分拡大図、図22(b)は遊技盤ユニット80Cの部分断面図、図23(a)は発光態様の変化を示す概略図である。なお、本実施の形態においては、遊技領域PEに配設された作動口ユニット83Cの上方に設けられた遊技釘93及びそれに付随する構成について例示しているが、これに限定されるものではない。
図22に示すように、作動口ユニット83Cは上作動口83aCが形成されているハウジング291Cを有しており、このハウジング291Cが遊技領域形成体310Cの前面から突出するようにして遊技領域形成体310Cに固定されている。ハウジング291Cの前面部292C(詳しくは上作動口83aC用の案内通路を構成している部分)には光透過性を有する装飾が施されており、作動口ユニット83Cの見栄えの向上が図られている。
ハウジング291Cには、上作動口83aCに入球した遊技球を遊技領域形成体310Cの背面側に案内する案内通路が形成されれている。この案内通路の後方には複数の発光体293C(LED)が実装された発光基板294Cが配されており、これら発光体293Cからの光が前面部292Cに供給される。前面部292Cには光拡散部としての機能が付与されており、当該前面部292Cに到達した指向性の強い光は拡散された状態で遊技機前方へ射出される。これにより、前面部292C全体が発光しているように見せることが可能となっている。
発光基板294Cは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって点灯/消灯の切り替えがなされる。本実施の形態においては、遊技が行われている状況下にて発光体293Cが点灯するように発光制御が行われるだけでなく、遊技が行われていない状況下においても所定の条件が成立した場合(例えば所定の周期毎に)発光体293Cが点灯するように発光制御が行われる構成となっている。
遊技が行われている状況下においては遊技進行に応じて発光体293Cの発光態様が変化するように制御される。つまり、作動口ユニット83Cは発光演出手段としての機能を有している。
例えば、遊技が行われている状況下にて記憶されている保留情報の数が上限数達していない場合には、発光体293C(前面部292C)が発光状態に維持される。この場合、上作動口83aCへの入球が発生すると、当該入球した遊技球によって光が遮られることで、前面部292Cが点滅する構成となっている。これにより、上作動口83aCへの入球が遊技者に示唆される。これに対して、記憶されている保留情報の数が上限数に達している場合には、発光体293C(前面部292C)が消灯状態に維持される。保留情報の数が上限に達している場合には、それ以上の入球が発生したとしても保留情報が追加されるわけではなく当該入球は大当たり等の抽選契機とならない。このような入球については、敢えて入球の示唆を控える構成とすることにより遊技者に対して好ましくないタイミングでの入球が発生したとの印象を与えにくくすることができる。これは、遊技者の遊技意欲の減退を抑制する上で好ましい。
遊技が行われていない場合には、発光体293Cが点灯状態に維持される。ここで、作動口ユニット83Cには、発光体293Cから前面部292Cに向かう光の一部を上方へ反射する反射材295Cが設けられている。反射材295Cにて反射した光は上方へ向き、作動口ユニット83Cの上方に位置するセンターフレーム95Cに照射されることとなる。つまり、上方に向かう光路TL上にセンターフレーム95Cが位置している。
センターフレーム95Cは、遊技機前方に膨出する本体部281Cと当該本体部281から外側に延出する延出部282Cとを有している。延出部282Cは遊技領域形成体310Cへの取付部として機能しており、ネジ等の固定具を用いて延出部282Cが遊技領域形成体310Cに取り付けられることで、センターフレーム95Cが遊技領域形成体310Cに一体化されている。
延出部282Cは、取付部としての機能と前後位置を規定する台座としての機能とを有しているため、遊技機正面視における大きさが嵩みやすい。仮に、延出部282Cによって遊技領域PEが圧迫されることになれば、遊技球の動き(流下経路)の多様化を実現することが困難になる。この点、延出部282Cは、薄板状をなしており、その板面とガラスパネル23の背面との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように構成されている、これにより、当該隙間を遊技球が通過可能となっており、上記不都合の発生が回避されている。
延出部282Cの厚さ寸法は、遊技球の直径寸法(半径寸法)よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域形成体310Cの前面から延出部282Cに遊技球が移る場合の引っ掛かりが抑制されている。特に、延出部282Cの先端部分は面取りされている。この面取り部283Cについては遊技機における斜め前方を向いており、上述した遊技球の動きの円滑化が図られている。
この面取り部283Cが上記反射材295Cによって反射された光(光路TLを通過する光)が照射される対象となっている。面取り部283Cには、光反射部としての機能が付与されており、当該面取り部283Cに反射した光は遊技機前方へ向かう。これにより、面取り部283Cにおける光の照射箇所(特定部位LP)が発光しているように見せることができる。
ここで、特定部位LPに向かう光の光路TLについては、上作動口83aCの直上に配置された遊技釘93をかすめるように構成されている。図23(a)に示すように、遊技釘93に状態の変化が発生していない状況下(正規の状態)においては、発光体293Cからの光が面取り部283C(特定部位LP)に照射されることで当該面取り部283Cが発光しているように見える。これに対して、図23(b)に示すように遊技釘93に状態の変化が発生している状況下においては、遊技釘93が光路TLに割り込むこととなる。これにより、面取り部283Cへの光の照射が遮られ、特定部位LPの発光が回避される。なお、遊技釘93Cの状態の変化が比較的小さい場合には、遊技釘93C(本体部93bC)に反射した光が上記特定部位LPから外れた位置に照射されることとなる。このような発光態様の変化を生じさせることにより、遊技釘93の状態の変化を発光態様に反映することができる。
本実施の形態に示す構成によれば、作業者は、特定部位LPの発光の有無を確認することにより、遊技釘93の状態の変化の有無を把握することができる。遊技釘93そのものを見て状態の変化の有無を把握する必要が無いため、確認作業の容易化に貢献することができる。
また、上記構成においては、発光体293Cの寿命や動作不良等の影響によって特定部位LPに光が供給されない可能性が生じる。この点、作動口ユニット83Cの前面部292Cに光が供給される構成となっているため、前面部292Cの発光態様を確認することで、それが遊技釘93の状態の変化に起因するものであるか否かを容易に見極めることができる。
遊技釘93の確認をサポートする為の光として発光演出用の光源からの光の一部を利用している。これにより、確認サポート専用となる光源を搭載する場合と比較して、周辺構成との共存を好適に実現することができる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態には、遊技釘93の片側に光路TLを設けたが、遊技釘93を挟んだ両側(例えば左右)に光路TLを設けてもよい。
また、遊技釘93の側方に光路TLを設ける構成に代えて又は加えて遊技釘93の上方や下方に光路TLを設ける構成とすることも可能である。これにより、上下方向における遊技釘93の状態の変化を好適に把握することができる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、遊技釘93の状態が変化してしまった場合にセンターフレーム95Cの特定部位LPの発光が回避される構成としたが、これに代えて、遊技釘93の状態が変化してしまった場合にセンターフレーム95Cの特定部が発光する構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第4の実施の形態においては、1の遊技釘93に対して1の光路TLを設定したが、これに限定されるものではない。複数の遊技釘93に対応させて(例えば一列に並べて配置された遊技釘93に沿って)光路TLを設定することも可能である。つまり、光路TLに沿う位置に複数の遊技釘93が配列されている構成としてもよい。このような構成においては、それら複数の遊技釘93の少なくとも何れかに状態の変化が生じている場合に、特定部位LPが消灯することとなる。このように複数の遊技釘93に1の光路TLを対応させることにより実用上好ましい構成を実現することができる。
<変形例4>
上記第4の実施の形態においては、作動口ユニット83Cに付属の発光演出用(装飾用)の発光体293Cからの光の一部を利用して確認をサポートする構成としたが、どの発光部を光源として利用するかについては任意である。例えば、センターフレーム95Cや遊技領域区画部材99等の他の遊技部品に付属の発光部を光源として利用することも可能である。
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技釘93が正規の状態となっているか否かを目視によって確認する際に利用可能な「示唆手段」としてマーカを表示する構成としたが、本実施の形態においては、この示唆に係る構成が第1の実施の形態と相違している。具体的には、本実施の形態に示す遊技機においては、遊技領域形成体310の背後に設けられた装飾パネル330ではなく、遊技領域形成体310の前方に設けられた前扉枠14(ガラスユニット22)がマーカMPの表示手段として機能している点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図24を参照して本実施の形態における「示唆手段」について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図24(1)は遊技盤ユニット80Cの部分断面図、図24(2)はマーカMPと遊技釘93との関係を示す概略図である。
既に説明したように、遊技盤ユニット80Dを遊技機前方から覆う前扉枠14Dには複数(2枚)のガラスパネル23Dを有するガラスユニット22Dが配設されており、これらガラスパネル23Dを通じて遊技領域PEが遊技機前方から視認可能となっている。図24(a1)に示すように、前扉枠14Dの枠体20Dには後側のガラスパネル23D(後側ガラスパネル23D)に光を供給する光照射ユニット261Dが搭載されている。光照射ユニット261Dは後側ガラスパネル23Dの端面に光を照射する構成となっており、後側ガラスパネル23Dに供給された光は後側ガラスパネル23Dの前面及び背面にて全反射を繰り返し、当該後側ガラスパネル23Dに形成された光放出部23aDを通じて遊技機前方に放出される構成となっている。つまり、後側ガラスパネル23Dが導光板として機能している。
光放出部23aDについては、遊技領域PEに配設された多数の遊技釘93のうち状態の変化の確認対象となる所定の遊技釘93の前方に設けられている。より詳しくは、所定の遊技釘93の取付箇所を通過する軸線CL上に位置している。光放出部23aDは軸線CLを中心とする円状(詳しくはドット)をなしており、その外径は遊技釘93の頭部93aの外径よりも小さくなるように構成されている。光照射ユニット261Dが点灯して、光放出部23aDが発光した状態となることで、円形のマーカMPが表示されることとなる(図24(a2)参照)。
ガラスパネル23Dについては、遊技領域形成体310Dとは異なり遊技釘93等の遊技部品が取り付けられているわけではない。つまり、内部を通過する光の障害物が存在しない。故に、光が意図せぬ位置にて拡散→放出されることを好適に抑制できる。これは、マーカMPにおける光量を担保したり、マーカMPの数の自由度を高めたりする上で好ましい構成である。
光照射ユニット261Dは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって点灯/消灯の発光制御がなされる。具体的には、遊技が行われている場合には光照射ユニット261Dが消灯状態に維持され上記マーカMPが非表示となる。これに対して、遊技が行われていない場合には光照射ユニット261Dが点灯状態に維持され上記マーカMPが表示される。なお、このようにマーカMPが表示される際には、遊技機に配設された演出用/装飾用の各種発光部は消灯される。これによりマーカMPが他の発光部からの光に紛れることを抑制している。
図24(a)→図24(b)に示すように、清掃等の作業時に遊技釘93に外力が加わってしまい状態の変化が生じてしまったような場合には、マーカMPと遊技釘93の頭部93aとの位置関係が変化することとなる。つまり、マーカMPの中心と頭部93aの中心とがずれることとなる。例えば図24(b2)に示すように、遊技釘93の頭部93aが左側にずれた場合には、マーカMPの左端と頭部93aの左端との距離が上記ずれ量分だけ大きくなり、マーカMPの右端と頭部93aの右端との距離が上記ずれ量分だけ小さくなる。つまり、実際のずれ量の2倍の変化が生じる。これにより、遊技釘93の状態の変化の目視による確認が容易となる。
上記状態の変化の確認を行う際には、軸線CLを真っ直ぐに見た状態でマーカMPと頭部93aとの位置関係を見極める必要がある。このような構成においては、目線が軸線CLに対して傾いていることで、正確な判断が困難になる。このような影響については、軸線CL方向における遊技釘93(特に頭部93a)とマーカMPとの離れが大きくなることで顕著になる。
この点、本実施の形態においては、遊技釘93の頭部93aに近い後側ガラスパネル23DにマーカMPを表示する構成とし、マーカMPの表示位置を頭部93aに近づける工夫がなされている。これにより、上記不都合の発生を抑え、確認結果の確からしさを高めることが可能となっている。なお、遊技釘93については遊技領域形成体310Dの前面から頭部93aまでの距離が遊技球の直径寸法よりも大きくなっている。これに対して、遊技釘93の頭部93aから光放出部23aD(マーカMP)までの距離は球詰まり抑制等の観点からそれよりも小さくなっている(遊技球の直径寸法よりも小さくなっている)。このような遊技釘93の起立量の本質に鑑みた場合には遊技領域形成体310Dやその背後に位置する構成ではなく、遊技領域形成体310Dの前方に位置する構成をマーカMPの配設対象とすることには明確な技術的意義がある。
上述したように遊技領域PEを遊技球が移動するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追うこと自体が楽しみの一つとなっている。このため、遊技領域PEの前方にてマーカMPを表示する場合、当該マーカMPの存在が遊技者に煩わしいとの印象を与えやすくなる。この点、本実施の形態に示すマーカMPについては遊技が行われていない場合に表示され、遊技が行われている場合には非表示となる。これにより、上記不都合の発生を好適に回避することができる。
本実施の形態に示したように遊技領域形成体310Dの前方にてマーカ表示を行う構成とする場合、遊技領域形成体310Dが光透過性を有する構成とする必要は必ずしもない。つまり、木製の遊技領域形成体が搭載された遊技機についても適用することができ、その汎用性が高い。
<変形例1>
上記第5の実施の形態においては、2層のガラスパネル23Dのうち後側のガラスパネル23DにてマーカMPを表示する構成としたが、これに代えて、前側のガラスパネル23DにてマーカMPを表示する構成としてもよい。但し、既に説明したように各マーカMPと遊技釘93の頭部93aとの距離については確認精度向上等の観点からなるべく小さくすることが好ましい。このような事情に鑑みれば、最も遊技領域PE(遊技釘93)に近いガラスパネルをマーカの表示対象とすることには技術的意義がある。
<変形例2>
上記第5の実施の形態に示したように、軸線CLに対する目線のずれによって見え方が変化する場合には、作業者が自身の目線がずれていないかを事前に確認する必要が生じ、作業が煩雑になると懸念される。そこで、図25(a)の概略図に示すように、両方がガラスパネル23DにマーカMPを表示する構成とすればよい。前側ガラスパネル23DのマーカMPと、後側ガラスパネル23DのマーカMPとが一致するように目線を合わせた状態とすれば、自身の目線がずれていないかを個別に確認する必要がなくなり、作業の容易化や確からしさの向上に寄与できる。
前側のマーカMPと後側のマーカMPとを併用する場合には、必ずしも両者を同一とする必要はない。両者の色や形状を差別化する構成とすることも可能である。例えば、前側のマーカMPを後側のマーカMPよりも一回り小さくなるように設定してもよい。
なお、本変形例においては前後2つのマーカMPを視線合わせの際の指標(照準)として機能させる構成としたが、この種の機能をマーカMP以外の構成に付与することを否定するものではない。例えば、ガラスパネル23Dとセンターフレームや作動口ユニット等にて確認対象となる所定の遊技釘93の周辺に位置する構成とに照準用のマーカを設けてもよい。
<変形例3>
上記第5の実施の形態においては、後側ガラスパネル23Dに光を供給することでマーカMPのみが表示される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、後側ガラスパネル23Dに光が供給されることにより、マーカMPとエフェクト等の絵柄とが表示される構成とし、遊技中においても表示機能を利用する構成としてもよい。但し、この場合マーカMPが目立ってしまっては絵柄の見栄えが低下する可能性がある。そこで、演出実行時の表示期間については確認作業時の表示期間よりも短くしたり、マーカMPの光量を他の絵柄部分よりも少なくなるように抑えたりするといった工夫を施されたい。
また、本変形例3に示す技術的思想を上記変形例2に適用することも可能である。この場合、例えば図25(b)の概略図に示すように、2層のガラスパネル23Dの一方をマーカMP表示専用とし、他方のガラスパネル23Dをマーカ表示及び絵柄表示の両者の対応させる構成とすればよい。確認作業時には、両方のガラスパネル23Dに光を供給することにより、上記照準機能を発揮させることができる。
<第6の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては遊技釘93が正規の状態となっているか否かを目視によって確認する際に利用可能な「示唆手段」としてマーカを表示する構成としたが、本実施の形態においては、この示唆に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図26を参照して本実施の形態における「示唆手段」について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図26(a)は遊技盤ユニット80Eの部分断面図、図26(b)は遊技盤ユニット80Eの部分拡大図である。
本実施の形態に示す遊技盤ユニット80Eは、遊技領域形成体310の背後に配設された可動演出装置400Eを備えている。可動演出装置400Eは、前面にキャラクタ等の装飾が施された可動装飾体401Eと、可動装飾体401Eを昇降させることにより当該可動装飾体401Eを演出位置/待機位置に配置する駆動機構とを有している。駆動機構は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて動作するように構成されている。
可動装飾体401Eが待機位置に配置された状態では、遊技盤ユニット80Eの中央開口85に対する突出が回避され、当該可動装飾体401Eの前面が遊技領域形成体310のベース部311の背面に対峙している。なお、本実施の形態に示す遊技領域形成体310についても無色透明となっており、可動装飾体401Eの一部が遊技領域形成体310を通じて遊技機前方から視認可能となっている。
可動装飾体401Eが演出位置に配置された状態では、中央開口85から突出して当該可動装飾体401Eが図柄表示装置253の表示画面253aの前方に位置することとなる。可動装飾体401Eについては有色不透明となっている。このため、可動装飾体401Eが演出位置に配置された状態では、表示画面253aにて可動装飾体401Eにより覆われている部分については遊技機前方からの視認が困難となるように制限される。
可動装飾体401Eの待機位置は、中央開口85からの距離が相違する第1待機位置及び第2待機位置に大別される。第1待機位置は遊技が行われている場合に可動装飾体401Eが配置される位置であり、第2待機位置は遊技が行われていない場合に可動装飾体401Eが配置される位置である。なお、本実施の形態に示す遊技機についても所定期間にわたって図柄の変動表示が行われていない場合には、節電モードへ移行することとなる。上述した遊技が行われている場合とは節電モードとなっていない状態に相当し、遊技が行われていない場合とは節電モードになっている状態に相当する。
可動装飾体401Eの前面部分には、所定の遊技釘93(本実施の形態においては上作動口83aの上方に横並びとなるように配置された4つの遊技釘93)の基準方向(頭部93aの基準位置)を示すマーカMPが形成されている。マーカMPは、可動装飾体401Eが第1待機位置に配置されている場合には、遊技機正面視にて遊技釘93の背後に位置する。これに対して、可動装飾体401Eが第2待機位置に配置されている場合には、マーカMPが作動口ユニット83の後方に位置する。本実施の形態に示す作動口ユニット83については有色不透明となるように構成されており、作動口ユニット83の背後に隠れたマーカMPについては当該作動口ユニット83によって視認が妨げられる。
可動装飾体401EにマーカMPを配設している場合には、マーカMPの存在が可動装飾体401Eの見栄えを低下させる要因になり得る。この点、遊技が行われている状況下にておいては、可動装飾体401Eを第1待機位置に配置して、マーカMPを視認不可となるように隠す構成とすれば、上記マーカMPを目立ちにくくすることができる。なお、演出位置に配置されている場合にはマーカMPが視認可能となるが、可動装飾体401Eに内蔵された発光体が発光/点滅するように発光状態を変化させることにより、マーカMPが光に紛れて目立ちにくくなる。これにより、見栄えの低下の懸念を払拭することができる。
遊技機が節電モードとなって可動装飾体401Eが第2待機位置に配置されている状態では、マーカMPを利用して所定の遊技釘93に状態の変化が生じていないかを確認することができる。マーカMPによる確認サポート機能については、遊技が行われていない場合に有効化される。遊技が行われていない場合には、遊技が行われている場合と比較して遊技者が遊技盤ユニット80Eに注視する機会が少なくなると想定される。故に、可動装飾体401Eに設けられたマーカMPが視認可能となって可動装飾体401Eの見栄えが低下したとしても、その影響を緩和できる。
<変形例1>
上記第6の実施の形態においては、可動装飾体401Eが第1待機位置及び第2待機位置に移動する構成としたが、演出位置を含む3位置での移動を必須とするものではない。例えば、第1待機位置が第2待機位置を兼ねる構成とし、可動装飾体401Eが演出位置及び第1待機位置の2位置に移動する構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第6の実施の形態においては、可動装飾体401Eが演出位置に配置されている状態では内蔵された発光体を点灯/点滅させることにより、マーカMPが目立ちにくくなるように視認性を変化させる構成とした。マーカMPの視認性を状況に応じて変化させるという技術的思想を具現化する上では、その具体的構成については任意に変更してもよい。
例えば所定の発光態様となっている場合にマーカの視認性が高くなる構成とし、可動装飾体401Eが第1待機位置に配置されている状況下にて上記所定の発光態様となるように発光制御を行う構成としてもよい。具体的には、発光態様が上記所定の発光態様となっている場合にはマーカMPに光を供給する発光体を点灯且つ他の発光体を消灯させる一方、所定の発光態様以外の発光態様となっている場合にはマーカMPに光を供給する発光体及び他の発光体を点灯させる構成とするとよい。
<変形例3>
演出位置と待機位置とに移動可能な可動装飾体を用いて上記確認サポート機能を発揮させる上では、可動装飾体の具体的な動作態様については任意である。例えば、可動装飾体を回動式としてもよいし、可動装飾体を回転式としてもよい。
<変形例4>
上記第6の実施の形態においては、可動装飾体401Eが待機位置に配置されることにより、マーカMPが確認位置に配置される構成とした。これを変更し、可動装飾体401Eが待機位置から演出位置に移動することにより、マーカMPが確認位置に配置される構成とすることも可能である。この場合、節電モードとなっている状態では可動装飾体401Eが演出位置に配置される構成とすればよい。なお、このような構成においては、節電モード中は可動装飾体401Eが常時演出位置に配置される構成とする必要は必ずしもない。つまり、節電モードへの移行を契機として可動装飾体401Eが演出位置に配置される構成としてもよいし、節電モードとなっている状況下によって所定の操作部が操作された場合に当該操作を契機として可動装飾体401Eが演出位置に配置される構成としてもよい。
<変形例5>
上記第6の実施の形態では、報知・演出制御装置140が遊技の状況を把握して可動装飾体401Eを第1待機位置/第2待機位置のどちらに配置するかを決定する構成としたが、これに限定されるものではない。上記変形例4に示したように所定の操作が行われたことを契機として可動装飾体401Eが第2待機位置から第1待機位置へ移動する構成とすることも可能である。
<第7の実施の形態>
遊技領域形成体310に装着されている作動口ユニット83やセンターフレーム95等の各種遊技部品については、本体部(ハウジング)から延出し且つ遊技領域形成体310の前面に当接する延出部が形成されている。この延出部がネジ等の固定具を用いて遊技領域形成体310に固定されることにより、上記遊技部品が遊技領域形成体310に一体化されている。延出部については薄板状をなしており、当該延出部が遊技領域PEを圧迫する要因になること、すなわち遊技球の流下領域を減縮する要因になることを回避している。
本実施の形態においては、延出部を発光させることにより(延出部にて発光表示を行うことにより)、遊技盤ユニット80Fの見栄えの向上を図っていることを特徴の1つとしている。以下、図27を参照して、延出部を用いた発光表示に係る構成について説明する。図27(a)は遊技盤ユニット80Fの部分拡大図、図27(b)は遊技盤ユニット80Fの部分断面図である。なお、図27(a)においては、各遊技部品の延出部にて発光部として機能している部分にドットハッチングを付与している。なお、上述した各種遊技部品については何れの発光部についても上記発光表示を行うための具体的構造については共通となっている。そこで、以下の説明ではその具体例としてセンターフレーム95及びそれに付随する構成について説明し、他の遊技部品については説明を援用する。
センターフレーム95Fは、上記ステージ部96やワープ通路97(図6参照)等を構成する上記本体部281Fと、遊技領域形成体310に対する取付部を構成する延出部282Fとを有している。延出部282Fについては、取付部としての機能と前後位置を規定する台座としての機能とを有している。このような事情から、遊技機正面視における大きさ(面積)が嵩みやすい。仮に、延出部282Fによって遊技領域PEが圧迫されることになれば、遊技球の動き(流下経路)の多様化を実現することが困難になる。この点、延出部282は、その前面とガラスパネル23の背面との隙間が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように構成されており、当該隙間を遊技球が通過可能となっている。これにより、上記不都合の発生が回避されている。
延出部282Fの厚さ寸法は、遊技球の直径寸法(詳しくは半径寸法)よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域形成体310の前面から延出部282Fに遊技球が移る場合の引っ掛かりが抑制されている。特に、延出部282Fの先端部分は面取りがなされており、先端部分に向けて徐々に薄くなるように傾斜している。この面取り部283については遊技機における斜め前方を向いており、上述した遊技球の動きの円滑化が図られている。
ここで、センターフレーム95Fよりも後側となる位置には、「光源」としての光照射ユニット411Fが配設されている。光照射ユニット411Fは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって発光制御が実行される。
光照射ユニット411Fについては、遊技機前方から視認不可となるようにセンターフレーム95Fの背後に隠れており、センターフレーム95Fにおいて光照射ユニット411Fから光が供給される部分、詳しくは上記本体部281Fには、当該光照射ユニット411からの光を上記延出部282Fへ導く導光体412Fが配設されている。
導光体412Fは遊技領域形成体310(ベース部311)の厚さ方向に延びており、その後端部分から入射された光は当該導光体412Fを通じて遊技機前方へ進む。この際、導光体412F内にて光を全反射させることにより、延出部282Fへの誘導過程にて光量が減少することを抑制している。
導光体412Fの前端部分には鏡面加工が施されており、当該前端部分(反射部413F)に到達した光は延出部282Fに向けて反射される。反射部413Fは本体部281Fの壁面部を挟んで延出部282Fと対峙している。反射部413Fにて反射した光は、上記壁面部を通じて延出部282Fへ移る。
ここで、延出部282Fについては遊技領域形成体310(ベース部311)よりも屈折率が大きくなるように構成されている。これにより、延出部282Fに到達した光の当該延出部282Fの板面を通じた遊技機前方又は後方への放出が抑制されている。つまり、延出部282F内を通過する光については通過過程での光量が減少が生じにくくなっている。
延出部282F内を通過する光が上記面取り部283Fに到達すると、当該面取り部283Fを通じて遊技機前方へと照射される。つまり、面取り部283Fが延出部282Fにおける光の出口として機能している。面取り部283Fの表面には微細な凹凸が形成されている。このため、当該面取り部283Fに到達した光は面取り部283Fから射出される際に拡散されることとなる。これにより、光照射ユニット411Fが発光状態となっている場合には面取り部283が発光しているように見える。
光を屈折/反射させて延出部282Fへ誘導する構成とすれば、光源をセンターフレーム95Fに内蔵する必要がなくなる。これにより、遊技領域形成体310に対して遊技機前方に突出するように配置される遊技部品が上記発光機能の追加に起因して大型化することを抑制できる。これは、遊技機の見栄えを向上しつつそれに起因した遊技領域PEの圧迫を抑える上で好ましい構成である。
導光体412F及び延出部282Fにて光を全反射させる構成とすることにより、光源と発光部分との距離が離れている場合であっても光量の損失を緩和することができる。これにより、センターフレーム95Fにおける非発光部分から光漏れが生じる等して見栄えが低下することを抑制することができる。また、光量損失の緩和によって光源の発光レベルを低くすることができる。
本実施の形態においては図27(a)に示すように、センターフレーム95Fの延出部282F(面取り部283F)に沿って多数の遊技釘93が配列され遊技球用の案内通路が形成されている。ここで、遊技釘93に状態の変化が生じてしまったような場合には遊技球の挙動が大きく乱れる等して案内機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本実施の形態においては、面取り部283Fが発光することにより、当該面取り部283Fを他の実施の形態に示したマーカ(具体的に基準線)として機能させることが可能となる。つまり、発光によって視認性が向上された面取り部283Fと遊技釘93との位置関係を比較することにより、一部の遊技釘93に状態の変化が発生している場合に、それを容易に把握することができる。
特に、遊技釘93が上方に状態の変化がおこってしまった場合には、遊技球の挙動への影響が強くなると懸念される。この点、遊技釘93の頭部93aが面取り部283Fに対して前方から重なることにより、部分的に光の筋が寸断される。これにより、どの遊技釘93に状態の変化が生じているかを一層容易に把握することができる。
なお、本実施の形態においては、遊技釘93の列の僅かに上方となる位置にて光の筋が表示されることとなるが、この発光箇所と遊技釘93との離間距離は、遊技釘93の向きの許容誤差(公差等)に基づいて定められている。つまり、上述したような重なりによって光の筋が寸断される等した場合には、遊技釘93の状態の変化が許容誤差を超えていることを意味する。
<変形例1>
上記第7の実施の形態においては、「光源」としての光照射ユニット411Fを「遊技部品」としてのセンターフレーム95Fの外に配設する構成とした。これを変更し、光照射ユニット411Fをセンターフレーム95Fに内蔵する構成とすることも可能である。
<変形例2>
「光源」としての光照射ユニット411Fを遊技領域形成体310の前面側に配設する構成とすることも可能である。例えば、遊技領域形成体310の前面に沿う方向にて光照射ユニット411Fから離間した位置に光照射ユニット411Fを設け、この光照射ユニット411Fから面取り部283Fに光が照射される構成とすることも可能である。遊技領域形成体310の前面に沿って進んだ光が面取り部283Fに反射することで向きを変え遊技機前方に向かう構成とすることにより、面取り部283Fを発光させることができる。
この場合、光照射ユニット411Fと面取り部283Fとを遊技球が通過する通過領域(球通路)を隔てて対峙させる構成とすれば、遊技球が通過した際に光が一時的に遮られることとなる、これにより、発光態様を変化させることが可能となる。
<変形例3>
上記第7の実施の形態においては、「導光部」としての導光体412Fによって光を反射させることで延出部282Fへ導く構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、光を屈折させることで延出部282Fへ導く構成としてもよいし、光照射ユニット411Fからの光を延出部282Fに直接照射する構成としてもよい。
<変形例4>
上記第7の実施の形態においては、延出部282Fを導光板として機能させる構成としたが、少なくとも面取り部283Fへ向かう光を妨げない構成であれば足り、導光板として機能させる必要は必ずしもない。
<第8の実施の形態>
遊技釘93に状態の変化が生じてしまった場合には、遊技領域PEを流下する遊技球の挙動が変化し得る。これは、遊技領域PEにて球詰まり等の不都合が発生する要因になり得る。本実施の形態においては、仮に遊技釘93Pに当該遊技釘93Pの状態を変化させるような外力によって遊技釘93Pの状態が変化したとしても、その影響が遊技球の挙動に及ぶことを回避する工夫がなされている。以下、図28(a)を参照して当該工夫について説明する。図28(a)は遊技釘93Pの構造を示す概略図である。
遊技釘93Pの本体部93bP(胴体)にて、遊技領域形成体310Pから突出している根元部分と頭部93aPとの中間となる部分には切り込み93cPが形成されている。切り込み93cPが形成されている部分では、本体部93bPの外径寸法が小さくなっており、当該切り込み93cPが形成されていない部分と比較して強度が低くなるように構成されている。
ガラスユニット22(ガラスパネル23)の後面から切り込み93cPが形成されている位置までの距離寸法は、遊技球の半径寸法よりも小さくなっている。また、遊技領域形成体310Pの前面から切り込み93cPまでの距離については遊技球の半径寸法よりも大きくなっている。つまり、遊技釘93P(本体部93bP)にて遊技領域PEを流下する遊技球が当たる当接箇所よりも上記切り込み93cPが前方に位置している。
このため、遊技釘93Pの頭部93aPに遊技領域形成体310Pの前面に沿った方向から力が加わった場合であっても、それによって発生する応力は切り込み93cPに集中することとなる。この結果、切り込み93cPを起点とした状態の変化によって応力が吸収され、本体部93bPにて切り込み93cPよりも根元側となる部分に状態の変化が発生することを抑制できる。
このように、応力集中の発生しやすい脆弱部分を形成してそれ以外の部分での状態の変化を抑制すれば、遊技球の挙動の変化を抑えることができる。特に、本体部93bCにて遊技球の接触が回避される非接触部分に切り込み93cPを形成している。このため、仮に切り込み93cPを起点とした状態の変化が生じたとしても、それに起因して遊技球の挙動に影響が及ぶことを抑制できる。
<変形例1>
上記第8の実施の形態に示した技術的思想を具現化する上では、遊技釘93Pの本体部93bPに他の部分よりも強度の低い脆弱部が形成されていれば足りる。脆弱部については、上記実施の形態に示したように形状に依存する構成とする必要は必ずしもなく、部分的に材質を変えることで強度を低下させる構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第8の実施の形態においては、切り込み93cPを本体部93bCの全周に形成したが、状態の変化の方向が実質的に限定されている構成、例えば所定の方向においては状態が変化し得る一方、所定の方向と交差する方向においては他の部品によって状態の変化が妨げられている構成においては、切り込み93cPをその方向に合せて部分的に形成する構成としてもよい。
<第9の実施の形態>
遊技釘93に状態の変化が生じてしまった場合には、遊技領域PEを流下する遊技球の挙動が変化し得る。これは、遊技領域PEにて球詰まり等の不都合が発生する要因になり得る。上記第8の実施の形態においては、遊技釘93Pの本体部93bP(切り込み93cP)の状態を変化させることで、他の部分への影響を抑える構成とした。本実施の形態に示す遊技釘93Qにおいては、上記技術的思想を具現化する為の具体的構成が上記第8の実施の形態と相違している。ここで、図28(b)の概略図を参照して、本実施の形態における遊技釘93Qの構造について説明する。
本実施の形態に示す遊技釘93Qにおいては、頭部93aQが本体部93bQよりも脆弱となるように薄型化されている。頭部93aQに対して本体部93bQの軸線方向と交差する方向(例えば遊技領域形成体310Qの前面に沿った方向)から力が加わった場合であっても、それによって本体部93bQの状態が変化する前に頭部93aQが潰れるように構成されている。頭部93aQの状態が変化して外力を吸収することにより、遊技釘93Qの状態が変化することを抑制することができる。
また、遊技釘93Qの先端部分に位置する頭部93aQの状態が変化する構成とすれば、遊技釘93Qに状態の変化が生じた痕跡を残存させることができる。これにより、遊技釘93Qの向きを目視にて確認する際の作業性を向上させることができる。
仮に、頭部93aQにて吸収しきれない程の外力が加わった場合には、頭部93aQだけでなく本体部93bQについても状態が変化することとなる。この場合であっても、少なくとも本体部93bQが状態変化するよりも前に頭部93aQが状態変化するため、状態の変化が生じた痕跡を好適に残存させることができる。
このように、痕跡を残存させる部分(痕跡部)が遊技釘93Qの先端(前端)に位置する構成とすることにより、遊技機正面側から目視にて状態の変化の有無を確認する際の作業性を好適に向上させることができる。
<第10の実施の形態>
上記各実施の形態に示したようにマーカMPによって遊技釘93の正規の状態(頭部93aSの基準位置)を明示する上ではマーカMPを絵柄によって構成する必要は必ずしもない。本実施の形態においては、図28(c)の概略図に示すように、遊技領域形成体310Rにて確認対象となる所定の遊技釘93の根元部分に凹部311bRを形成し、当該凹部311bRにマーカとしての機能を付与している。
凹部311bRについては、遊技釘93と同軸となる円形をなしており、その直径寸法が遊技釘93の頭部93aの直径寸法と同等となるように形成されている。このため、遊技釘93が正規の状態となっている場合には、遊技釘93を正面から見ることにより当該遊技釘93(頭部93a)が凹部311bRと重なっている(一致している)ように見える。
仮に遊技釘93の状態が変化して頭部93aの位置が基準位置からずれた場合には、上述した凹部311bRの見え方が変化する。具体的には、遊技釘93の状態が変化している側では凹部311bRにて視認可能な部分が減縮され、それとは反対側では凹部311bRにて視認可能な部分が増大する。つまり、例えば右側に1mmのずれが発生した場合には、凹部311bRの右部分では1mmに相当する部分が減縮され、凹部311bRの左部分では1mmに相当する部分が新たに視認可能となる。これにより、頭部93aの実際のずれの倍の視覚的な変化を発生させることができる。以上の理由から、頭部93aが基準位置に位置している場合に当該頭部93aを挟んだ両側にてマーカを同程度視認可能とすることには、状態の変化を目視による確認を容易とすることができるという技術的意義がある。
また、遊技釘93を遊技領域形成体310Rによって片持ちとしている構成においては、遊技釘93の状態を変化させるような外力が加わってしまうと、当該遊技釘93の根元部分に応力が集中する。このため、遊技釘93は根元部分を起点として状態が変化することとなる。ここで、本実施の形態においては、所定の遊技釘93については凹部311bRによって他の遊技釘93よりも上記起点が奥側(後方)にずれている。遊技釘93の状態の変化量が所定量に達すると、遊技釘93が凹部311bRの縁部に当たり、応力が当該当接箇所と根元部分とに分散される。このようにして応力の分散を図ることにより、遊技釘93の状態の変化を抑制することが可能となっている。
<変形例1>
上記第10の実施の形態においては、図28(c)に例示しているように、凹部311bRの深さ寸法が、凹部311bRと遊技釘93との隙間寸法よりも大きくなるように形成した。少なくとも上述したように遊技釘93に生じる応力を複数箇所にて分散させることができるのであれば、凹部311bRの具体的に大きさについては任意に変更してもよい。但し、凹部311bRの直径寸法については、凹部311bRの縁部と遊技釘93との隙間(ギャップ)にて遊技領域形成体310Rの前面に沿って移動する遊技球との引っ掛かりを回避可能となる程度に抑えることが好ましい。
<変形例2>
上記第10の実施の形態においては、所定の遊技釘93とそれ以外の遊技釘93とで遊技領域形成体310Rの前面からの突出量を揃える構成とし、遊技領域形成体310Rとの掛り代を相違させる構成とすることで、遊技釘93を共通としたが、これに限定されるものではない。例えば、掛り代を揃える構成とし、突出量を相違させることにより遊技釘93を共通とすることも可能である。また、部品の共通化を必須とするものではなく、所定の遊技釘93とそれ以外の遊技釘93とを個別に設定してもよい。
<第11の実施の形態>
本実施の形態においては遊技釘93Sの頭部93aSの形状が上記各実施の形態に示した遊技釘93と相違している。具体的には、図28(d)の概略図に示すように、遊技釘93Sの頭部93aSについては、遊技機前方に凸となる曲面状ではなく、遊技機正面側を向く平面状(詳しくは遊技領域形成体310Sの前面と平行な平面状)をなすように統一されている。
遊技釘93Sの頭部93aSには光を反射する鏡面加工が施されている。遊技ホールの照明等からの光(例えば環境光)は頭部93aSに入射することで、遊技機正面側へ反射されることとなる。
遊技釘93Sに状態の変化が生じてしまった場合には、遊技釘93Sの頭部93aSの状態が変化する。これにより、周辺に配設された他の遊技釘93Sと比較した場合には、頭部93aSにおける光の反射態様(見栄え)に差が生じる。遊技釘93Sの状態の変化が小さく頭部93aSの向きのずれが微小であったとしても、光の反射方向に変化が及ぶことにより実際の頭部93aSの状態の変化のずれ以上の見栄えの違いを生じさせることができる。これにより、遊技釘93Sの状態の変化が基準となる状態からずれている場合に、その把握が容易となる。
<変形例1>
上記第11の実施の形態では、頭部93aSを遊技領域形成体310Sの前面と平行な平面状となるように形成したが、少なくとも各遊技釘93Sにて頭部93aSの状態の変化に統一が図られているのであれば足り、その具体的なものは遊技機正面側を向く範囲にて任意に変更してもよい。
<変形例2>
上記第11の実施の形態では、頭部93aSの位置がずれた場合よりも頭部93aSの状態が変化した場合の方が見栄えの差を強調することができる。そこで、上記第8の実施の形態に示したように遊技釘93Sの状態の変化が生じる起点となる位置を頭部93aSに近くなるように工夫するとよい。これにより、上述した強調効果を一層顕著に発揮させることができる。
<第12の実施の形態>
上記各実施の形態においては、遊技釘93に状態の変化が生じてしまった場合(正規の状態でない場合)にはその旨を示唆する構成又は遊技釘93に状態の変化が生じてしまった場合(正規の状態でない場合)であっても遊技球の挙動への影響を抑える構成としたが、本実施の形態においては遊技釘93の状態の変化そのものを回避するための工夫(保護機構)が搭載されていることを特徴の1つとしている。以下、図29の概略図を参照して遊技釘93を保護する保護機構450Tについて説明する。
保護機構450Tは、遊技領域形成体310Tの前面からの突出が回避され当該前面の一部を構成する退避位置と、遊技領域形成体310Tの前面から突出する突出位置とに移動可能な可動体451Tを備えている。可動体451Tはリンク機構を介して前扉枠14に連結されており、当該前扉枠14が閉位置に配置されている状態では上記退避位置に維持される。可動体451Tが退避位置に配置されている状態では、遊技領域PEへの可動体451Tの突出が回避されることとなり、遊技球の流れを妨げない構成となっている。
前扉枠14が開位置へ配置されることにより、当該前扉枠14に連動して可動体451Tが退避位置から突出位置へと移動する。可動体451Tは所定の遊技釘93の周辺(隣接する位置)に配置されており、可動体451Tが突出位置に配置されることで当該可動体451Tによって遊技釘93が囲われた状態となる。つまり、可動体451Tが突出位置へ配置されることにより、当該可動体451Tに囲まれた領域に上記遊技釘93が収容されることとなる。
この状態では、所定の遊技釘93に対するアクセスが可動体451Tによって妨げられることとなり、所定の遊技釘93が保護されることとなる。このため、例えば清掃作業を行うべく前扉枠14を開放した状態では、所定の遊技釘93の状態を変化させるような外力が当該所定の遊技釘93に加わることを回避できる。
<変形例1>
上記第12の実施の形態では、可動体451Tによって所定の遊技釘93を囲む構成として当該所定の遊技釘93を保護する構成としたが、保護対象となる遊技釘93の数については任意である。例えば、複数の遊技釘93が可動体451Tによって囲まれた領域に収容される構成とすることも可能である。
また、可動体451Tによって遊技釘93の保護を図る上では、可動体451Tによって遊技釘93を囲む必要はない。例えば可動体を非環状として(例えば遊技領域形成体310の正面視にてL字状やコ字状として)、上方、下方、側方等の所定の方向から遊技釘93に対峙させる構成としてもよい。
<変形例2>
上記第12の実施の形態では、可動体451Tをリンク機構を介して前扉枠14に連結させることにより当該前扉枠14に連動して退避位置/突出位置に移動する構成とした。前扉枠14の開閉動作に併せて可動体451Tが退避位置/突出位置に移動することができるのであれば、その具体的構成については任意である。例えば、上記リンク機構に代えて、前扉枠14の開閉を検知する検知センサと、当該検知センサからの検知情報に基づいて可動体451Tを移動させるモータ等のアクチュエータとを有する構成としてもよい。
<変形例3>
可動体451Tが突出位置に配置されている状況下にて当該可動体451Tが退避位置へ押された場合であっても前扉枠14が閉位置へ移動しないようにリンク機構をワンウェイ式とすることも可能である。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、遊技盤ユニット80の遊技領域形成体310に配設された遊技釘93の本体部93bを棒状に形成し、その周面を滑らかな曲面としたが、これに限定されるものではなく、本体部の周面にらせん状の溝(例えばネジ溝)を形成してもよい。
(2)上記各実施の形態では、確認対象を遊技釘としたが、遊技釘が介在するようにして取り付けられる風車等の遊技部品(遊技球の挙動に影響を与え得る遊技部品)を確認対象とすることを否定するものではない。
(3)上記各実施の形態では、遊技盤の厚さ方向にて1のマーカが遊技釘に並ぶ構成としたが、複数のマーカが並ぶ構成としてもよい。例えば、2つのマーカが遊技釘の前方に位置する構成としてもよいし、2つのマーカが遊技釘の後方に位置する構成としてもよいし、遊技釘を挟んで前後にマーカが位置する構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では遊技釘93が遊技領域形成体310に対して垂直となっている状態を正規の状態としたが、遊技釘93の遊技領域形成体310に対する取付角度については任意である。また、複数の遊技釘93について全ての遊技釘93について正規の状態を統一する必要はなく、遊技釘93毎に正規の状態が個別に設定されていてもよい。
(5)上記各実施の形態では、作動口ユニット83や一般入賞口81の周辺に配設された遊技釘93を対象として、位置確認を行うための構成を設けたが、どの遊技釘を対象とするかについては任意である。例えば、スルーゲート84の周辺に配設された遊技釘93や可変入賞装置82の周辺に配設された遊技釘を対象とすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、遊技盤が木製である場合と、遊技盤が合成樹脂製である場合とについて例示したが、遊技盤の材質については任意に変更してもよい。また、遊技盤が光透過性を有する構成とするか否かについても任意である。
(7)遊技釘を遊技領域形成体310の背面側に貫通させる構成とし、その貫通部分に監視部材を配設する。監視部材は、遊技釘の振動が所定値よりも大きくなった場合に外観等の当該監視部材の状態が変化するように構成する。これにより、遊技釘の状態の変化の有無を監視することが可能となる。
(8)遊技釘の状態の変化を振動センサによって監視する構成としてもよい。例えば、遊技中でない状況(待機中)においては振動センサの感度を上げる等して、振動の監視レベルを引き上げる構成としてもよい。
(9)遊技釘の共振周波数(固有振動数)については、遊技釘の材質及びその形状(断面二次モーメント)に依存している。このため、遊技釘の状態に変化が生じた場合には共振周波数が変化することとなる。そこで、振動センサを用いて遊技釘の共振周波数を監視する構成とし、共振周波数が予め設定された範囲を外れた場合に、遊技釘の状態に変化が生じている可能性があることを報知する構成とすることも可能である。
(10)ガラスパネルに遊技領域形成体310に植設された遊技釘93の頭部93aが入る凹部を形成し、頭部93aの位置が正規の位置からずれた場合には頭部93aとガラスパネル23とが干渉する構成としてもよい。これにより、遊技釘93の頭部93aとガラスパネル23との干渉によって前扉枠14の閉位置への移動が妨げられる構成とすることも可能である。なお、このような構成では、ガラスパネル23を合成樹脂等によって形成し、干渉が発生した際にパネル材の損傷等が発生することを抑制することが好ましい。
(11)遊技釘93の取付対象を遊技領域形成体310ではなく、ガラスパネル23とする。遊技領域形成体310には、遊技釘93の先端(自由端)部分が挿入される挿入部を形成し、前扉枠14を内枠13に対して閉じた状態では、遊技釘93の先端部分が挿入部に挿入される構成とすることも可能である。挿入部によって遊技釘93の状態の変化を規制することができる。また、上記変形例(10)に示したように、遊技釘93に状態の変化が生じた状態では、遊技釘と遊技盤とが干渉して、前扉枠の閉位置への移動が妨げられる構成とするとよい。
(12)遊技釘93の位置確認用のゲージを設けてもよい。具体的には、前扉枠にゲージを固定する固定部を設け、この固定部にゲージを固定することによりゲージの位置決めがなされる構成とすることも可能である。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群> 遊技釘の状態を確認する際の示唆手段(釘の状態変化で発光態様変化)
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として遊技球の払い出し等の特典を遊技者に付与するものがあり、遊技領域に遊技釘を配設することで遊技球の流下経路の多様化が実現されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技領域の清掃等の作業時に遊技釘の状態が変わってしまう恐れがあり、仮に遊技釘の状態が変わってしまうと、球詰まり等の不都合が発生し得る。ここで、遊技釘の状態に変化が生じていないか、すなわち正規の状態となっているかの確認を行う上では、当該確認に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、前記遊技領域に遊技球の流下方向を変化させる遊技釘(遊技釘93)が設けられている遊技機であって、
前記遊技釘が正規の状態となっているか否かを示唆する示唆手段(例えばマーカMP)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技釘によって遊技球の流下経路を規定する構成においては、遊技釘の状態に変化が生じて正規の状態ではなくなってしまうことで、その影響が遊技球の挙動に及ぶ。これは、遊技領域にて球詰まり等の不都合が発生する要因になるため好ましくない。目視にて遊技釘の状態を確認する場合には、その変化量が小さくなる等することで、見落としが発生したり、確認が困難になったりする。そこで、本特徴に示すように正規の状態となっているか否かを示唆して確認をサポートする構成とすれば、迅速且つ容易に正規の状態となっているか否かを把握することが可能となる。これは、上記各種不都合の発生を抑制する上で好ましい構成である。
なお、「正規の状態」は、遊技釘を所定の角度となるようにして遊技盤に取り付けた場合に、当該遊技釘の角度が上記所定の角度となっている状態及び製造ばらつき(誤差)等が生じているもののそれが公差の範囲内である状態を示す。
特徴A2.前記遊技釘は前記遊技盤に固定されており、
前記遊技盤の前面には、装飾が施されたシート材(セルシート)が取り付けられており、
前記示唆手段は、前記シート材にて前記示唆の対象となる所定の遊技釘の根本付近となる部分に設けられ、前記所定の遊技釘が前記正規の状態である場合の当該所定の遊技釘の頭部の位置を示すマーカ(マーカMP)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定の遊技釘の根元部分に設けられたマーカと遊技釘の頭部とを対比することにより遊技釘が正規の状態となっているか否かを確認できる。なお、マーカについては遊技盤の前面に取り付けられたシート材に設けられている。故に、マーカの存在が遊技領域を流下する遊技球の動きを目で追う際に邪魔になることはない。
特徴A3.前記マーカは、前記所定の遊技釘の根本部分を囲む環状をなしていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
遊技釘がある方向に状態が変化した場合には、その方向にて遊技釘とマーカとの関係が変化するだけでなく、それとは反対の方向においても遊技釘とマーカとの関係が変化する。このように、遊技釘の状態の変化の影響を倍化させることにより、目視による確認の容易化に貢献できる。
特徴A4.前記マーカは円形をなしており、前記遊技釘の取付方向にて当該遊技釘の頭部を当該マーカの外縁部分が囲むように形成されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
遊技釘がある方向に状態が変化した場合には、その方向にて遊技釘とマーカとの関係が変化するだけでなく、それとは反対の方向においても遊技釘とマーカとの関係が変化する。このように、遊技釘の状態の変化の影響を倍化させることにより、目視による確認の容易化に貢献できる。特に、マーカを頭部よりも一回り大きく形成しておくことで、上記倍化の機能を好適に発揮させることができる。
特徴A5.前記示唆手段は、発光部(光照射パネル320等)と前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置140)とを有し、前記発光制御手段による発光制御の態様を所定の態様となるように切り替えることにより、前記示唆の対象となる所定の遊技釘が前記正規の状態である場合の当該所定の遊技釘の頭部の位置を示すマーカ(マーカMP)を前記所定の遊技釘の前方及び後方の少なくとも何れかに表示する構成となっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、発光制御によってマーカの表示/非表示を切り替えることができる。これにより、マーカを常時表示する構成と比較して、マーカの存在が遊技機の見栄えを低下させる要因になることを抑制できる。
特徴A6.前記遊技領域を遊技機前方から覆うパネル部(ガラスパネル23D)を備え、
前記パネル部は光透過性を有し、当該パネル部を通じて前記遊技領域が視認可能となっており、
前記発光部は、前記パネル部の端面を通じて当該パネル部に光を供給する構成となっており、
前記パネル部には、前記発光部からの光を遊技機正面側に放出する光放出部(光放出部23aD)が設けられており、
前記光放出部は、前記所定の遊技釘の前方に位置し、前記所定の遊技釘が前記正規の状態である場合の当該所定の遊技釘の頭部の位置を示す前記マーカとして機能していることを特徴とするA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技領域を覆うパネル部を導光板として利用することで遊技釘の前方にマーカが表示される。確認の対象となる遊技釘に個々に対応して発光部を設ける構成と比較して示唆手段に係る構成を簡素化できる。また、既存の構成(パネル部)を利用することにより、示唆手段の占有領域の拡がりを抑えることが可能となる。
遊技釘については遊技盤から起立している構成(片持ち保持となっている構成)においては、遊技釘が傾くことでその頭部の位置が変化する。つまり、遊技釘の傾きを確認する場合には、根元部分よりも頭部を見た方が変化を見抜きやすくなる。そこで、注目が向きやすい頭部にできるだけ近い位置(パネル部)にマーカを設けることにより、上記対比の容易化を実現することができる。
特徴A7.前記パネル部として、前記遊技盤の厚さ方向に並設された第1パネル部及び第2パネル部を有し、
前記第1パネル部に設けられた光放出部と前記第2パネル部に設けられた光放出部とが前記所定の遊技釘の取付方向に並んでいることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
遊技釘(詳しくは頭部)とマーカとが前後に離れている構成においては、両者の離れが大きくなることで目視での確認を行う際の精度が低下すると懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、2層式のパネル部にそれぞれマーカを表示した状態にてそれらマーカが一致するようにして目線を合わせることにより、目線のずれを抑えることができる。故に、確認精度の向上に寄与できる。
特徴A8.前記遊技盤の背面に対向するようにして配設され、前記遊技領域の背景を表示する背景表示部(装飾パネル330)を備え、
前記遊技盤は光透過性を有し、当該遊技盤を通じて前記背景表示部を視認可能となっており、
前記背景表示部は、前記遊技盤の厚さ方向に並設され、前記マーカの表示に対応する第1背景表示部(例えば表側シート材332及び裏側シート材333の一方)及び前記マーカの表示に対応しない第2背景表示部(例えば表側シート材332及び裏側シート材333の他方)を有し、
前記示唆手段は、前記第1背景表示部によって背景を表示する第1表示状態と、前記第2背景表示部によって背景を表示する第2表示状態とに切り替える手段(報知・演出制御装置140)を有していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A8に示すように背景表示を切替可能とし、状況に応じてマーカの表示/非表示を使い分ける構成とすることにより、特徴A1に示した示唆機能が遊技機の見栄えを低下させる要因になることを抑制できる。
特徴A9.前記第2背景表示部は、前記第1背景表示部よりも前側に位置していることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
マーカの表示に非対応(主として絵柄等の装飾の表示に対応)の第2背景表示部を前側に配置することにより、表示される装飾の鮮明さを担保することできる。
特徴A10.前記第1背景表示部は、前記第2背景表示部よりも前に配置されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
マーカの表示を遊技釘に近い位置にて行う構成とすれば、目線のずれ等に起因して確認結果の正確性が低下することを好適に抑制できる。
特徴A11.前記遊技盤は光透過性を有し、
前記遊技釘は前記遊技盤に圧入されており、
前記示唆手段は、前記示唆の対象となる所定の遊技釘にて前記遊技盤に圧入されている部分に斜め後方から光を照射可能な光照射手段(例えば光照射ユニット270B)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
遊技盤に遊技釘が固定されている構成においては、遊技釘に状態の変化が生じるような外力が加わってしまった場合、遊技釘と遊技盤の肉部との間(圧入箇所)に僅かながら隙間が生じる。遊技釘に向けて斜め後方から照射された光は、上記隙間に到達することで乱反射する。これにより、遊技釘の根元部分が発光することとなる。このように、遊技釘の状態の変化を根元部分の発光に置き換える構成とすることにより、遊技釘の変化量が僅かであっても視覚的な差が大きくなるように増幅させることができる。
特徴A12.前記遊技盤は光透過性を有し、
前記遊技釘は前記遊技盤に圧入されており、
前記示唆手段は、前記遊技盤の端面に光を照射する光照射手段(例えば光照射ユニット270B)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
遊技盤に遊技釘が固定されている構成においては、遊技釘に状態の変化が生じるような外力が加わってしまった場合、遊技釘と遊技盤の肉部との間(圧入箇所)に僅かながら隙間が生じる。遊技盤の端面を通じて当該遊技盤に供給された光は、遊技盤内にて全反射を繰り返し、上記隙間に到達することで乱反射する。これにより、遊技釘の根元部分が発光することとなる。このように、遊技釘の状態の変化を根元部分の発光に置き換える構成とすることにより、遊技釘の変化量が僅かであっても視覚的な差が大きくなるように増幅させることができる。
また、遊技盤を導光板として利用すれば、多数の遊技釘を確認対象とする場合であっても、各遊技釘に個々で対応するようにして光源を確保する必要がなくなる。これにより、示唆機能を担保しつつそれに起因した構成の複雑化を抑制できる。また、遊技盤が光透過性を有している構成においては、光源が目に入ることで、煩わしさが強くなる。この点、遊技盤の端面に光を照射する構成とすることには、光源を隠すことができるという技術的意義がある。
特徴A13.前記遊技釘の周囲又は背後に設けられた発光装置と、
前記光照射手段による光の照射を行う場合に、前記発光装置を消灯させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A11に示したように根元部分を発光させる構成においては、周囲からの光に紛れることで根元部分からの光が見えづらくなる。この点、本特徴に示すように、光照射手段による光の照射を開始する場合には発光装置を消灯させて周囲からの光を消す構成とすることにより、確認作業の容易化や見落としの回避に貢献できる。
特徴A14.前記遊技盤は光透過性を有し、
前記示唆手段は、前記遊技盤の後方であって前記示唆の対象となる所定の遊技釘の背後となる位置に設けられた発光体(発光体337A)を有し、
前記所定の遊技釘が前記正規の状態となっている場合には、前記発光体の光軸上に前記遊技釘の頭部(頭部93a)が位置するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技釘を正面側から見た場合には、当該遊技釘の傾きによって頭部の位置が変化することとなる。遊技釘の頭部の位置によって発光体からの光の見え方が変化する。このように、遊技釘の傾きを光の見え方の変化に置き換えることにより、小さな傾きの差であっても視覚的な差を大きくなるように増幅させることができる。
なお、発光体を用いて確認作業をサポートする構成においては、状況に応じて発光体を点灯/消灯させることにより、利便性の向上が遊技者に光を煩わしいとの印象を与える要因になることを抑制できる。
特徴A15.前記遊技釘は光を透過しない構成となっており、
前記示唆手段は、前記遊技盤の前面から突出する突出部と、前記突出部の所定部分に光を供給する光源とを有し、
前記光源と前記所定部分とを繋ぐ光路は、前記示唆の対象となる所定の遊技釘の近傍を通過するように構成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A15に示す構成によれば、遊技釘が傾く等して光路が寸断されることにより、所定部分への光の照射が回避されることとなる。これにより、遊技釘の傾きを確認する際には所定部分の発光の有無を確認すれば足り、作業の容易化に貢献することができる。
特徴A16.前記示唆手段は、前記光源からの光を、前記突出部とは別に設けられた装飾部へ向かう光と、前記所定部分へ向かう光とに分ける手段を有していることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
発光の有無の確認を行う場合には、光源が寿命等によって発光していない場合に、本来発光すべき箇所が発光しなくなる可能性がある。つまり、発光箇所を見て発光していなかったとしてもそれが遊技釘の状態の変化の影響に起因していると断定することができない。また、発光していなかったとしても遊技釘に状態の変化が発生していないと断定することもできない。この点、光源が点灯している場合に、その光によって装飾部が発光することにより、光源がどのような状態であるかを装飾部の発光態様から把握することができる。これにより、示唆手段を利用した確認作業の信頼性を好適に向上させることができる。また、装飾部用の光を確認示唆用に流用することにより、示唆機能に係る構成を簡素化できる。
<特徴B群> 発光演出装置又は可動演出装置を用いてマーカを表示
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として遊技球の払い出し等の特典を遊技者に付与するものがあり、遊技領域に遊技釘を配設することで遊技球の流下経路の多様化が実現されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技領域の清掃等の作業時に遊技釘の状態が変わってしまう恐れがあり、仮に遊技釘の状態が変わってしまうと、球詰まり等の不都合が発生し得る。ここで、遊技釘の状態に変化が生じていないか、すなわち正規の状態となっているかの確認を行う上では、当該確認に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、前記遊技領域に遊技球の流下方向を変化させる遊技釘(遊技釘93)が設けられている遊技機であって、
遊技の進行に応じて遊技演出を実行する演出装置と、
前記演出装置を、前記遊技演出を行う演出実行状態、及び前記遊技釘が正規の状態となっているか否かを示唆する示唆状態に切り替える切替手段と
備えていることを特徴とする遊技機。
遊技釘によって遊技球の流下経路を規定する構成においては、遊技釘の状態に変化が生じて正規の状態ではなくなることで、その影響が遊技球の挙動に及ぶ。これは、遊技領域にて球詰まり等の不都合が発生する要因になるため好ましくない。目視にて遊技釘の状態の変化を確認する場合には、その変化量が小さくなる等することで、見落としが発生したり、確認が困難になったりする。そこで、本特徴に示すように正規の状態となっているか否かを示唆して確認をサポートする構成とすれば、迅速且つ容易に正規の状態となっているか否かを把握することが可能となる。これは、上記各種不都合の発生を抑制する上で好ましい構成である。
特に、演出装置を演出実行状態と示唆状態とに切り替える構成、すなわち演出に係る構成を確認サポートに流用する構成となっている。故に、示唆機能を有する構成とすることが演出装置等の各種遊技部品の配置に係る制約を強める要因になることを抑制できる。
なお、「正規の状態」は、遊技釘を所定の角度となるようにして遊技盤に取り付けた場合に、当該遊技釘の角度が上記所定の角度となっている状態及び製造ばらつき(誤差)等が生じているもののそれが公差の範囲内である状態を示す。
特徴B2.前記演出装置は発光表示部を有し、前記発光表示部の発光態様を所定の態様とすることにより、前記正規の状態である場合の前記遊技釘の頭部の位置を示すマーカが表示される構成となっていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
演出装置に発光表示部を設け、この発光表示部によってマーカ(基準)を表示することにより、特徴B1に示した示唆機能を好適に発揮させることができる。また、発光態様の切り替えによってマーカの視認性を変化させることにより、マーカを目立ちやすくしたり目立ちにくくしたりすることができる。これにより、示唆機能を効果的に発揮させつつ、マーカの存在に起因した演出装置の見栄えの低下を抑制できる。
特徴B3.前記遊技領域を遊技機前方から覆うパネル部(ガラスパネル23D)を備え、前記パネル部を通じて前記遊技領域を視認可能となっており、
前記パネル部に、当該パネル部の端面から光を照射する光照射部(光照射ユニット261D)を備え、
前パネル部には、前記光照射部からの光を遊技機正面側に放出する光放出部(光放出部23aD)が設けられており、
前記光放出部は、前記遊技釘の前方に位置し、前記マーカとして機能するように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
遊技釘の頭部(先端部分)の位置を確認することにより、遊技釘が正規の状態となっているか否かを把握することができる。この際、遊技釘の頭部に近い位置に配置されているパネル部にマーカを表示させることにより、マーカと遊技釘(頭部)との対比を容易とすることができる。
特徴B4.前記パネル部として前記遊技盤の厚さ方向に並設された第1パネル部及び第2パネル部を有し、
前記光照射部は、前記第1パネル部及び前記第2パネル部のうち、少なくとも前記遊技盤に近い側の一方に配設されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
複層式のパネル部を有しているタイプの遊技機においては、少なくとも遊技盤(遊技釘)に近い側のパネル部に光放射部(マーカ)を配設することで特徴B3に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B5.前記パネル部として前記遊技盤の厚さ方向に並設された第1パネル部及び第2パネル部を有し、
前記第1パネル部におけるマーカと、前記第2パネル部におけるマーカとが前記厚さ方向に並んでいることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
遊技釘(詳しくは頭部)とマーカとが前後に離れている構成においては、両者の離れが大きくなることで目視での確認を行う際の精度が低下すると懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、2層式のパネル部にそれぞれマーカを表示した状態にてそれらマーカが一致するようにして目線を合わせることにより、目線のずれを抑えることができる。故に、確認精度の向上に寄与できる。
特徴B6.前記遊技盤は光透過性を有し、
前記演出装置は、前記遊技盤の背面側に配置され、前記遊技盤を通じて遊技機前方から視認可能となっており、
前記演出装置には、前面部分に装飾が付与され、演出位置と待機位置とに変位可能な可動体(可動体401E)が設けられており、
前記可動体には前記正規の状態である場合の遊技釘の頭部の位置を示すマーカ(マーカMP)が設けられ、前記可動体が前記待機位置に配置された状態では前記マーカが前記遊技釘の後方に位置するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
可動体が待機位置に配置されている状態では示唆用のマーカが遊技釘の後方に位置し、当該マーカが、遊技釘が正規の状態となっているかを確認する際の基準として機能する。上述した確認作業が主として遊技が行われていない状況下にて実行される点に鑑みれば、待機位置に配置された可動体(演出装置)を利用することにより実用上好ましい構成が実現される。
特徴B7.前記待機位置として、遊技が行われていない状況下にて前記可動体が配置される第1待機位置と、遊技が行われている状況下にて前記可動体が配置される第2待機位置とが設けられており、
前記可動体が前記第2待機位置に配置されている場合には、前記遊技盤に設けられた遊技部品(作動口ユニット83)の背後に前記マーカが位置するように構成されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技中はマーカを遊技者の視界から隠すことができる。これにより、マーカの存在が可動体(詳しくは装飾)の見栄えを低下させる要因になることを好適に抑制できる。
特徴B8.前記切替手段は、遊技が行われていない状況下にて前記演出装置を前記示唆状態に切り替える手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
上述した確認作業が主として遊技が行われていない状況下にて実行される点に鑑みれば、演出装置による報知を遊技が行われていない状況下にて実行することにより実用上好ましい構成が実現される。
特徴B9.前記演出装置には、前記正規の状態である場合の遊技釘の頭部の位置を示すマーカ(マーカMP)が設けられており、
前記マーカと前記遊技釘との位置関係を対比する場合の目線の向きを教示する教示手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1等に示したように遊技盤の前又は遊技盤の後に位置する演出装置を利用しようとした場合、マーカと遊技釘との前後方向における離れが大きくなる。これは、作業の効率化や確からしさの向上を図る上で妨げになる。この点、目線の向きを教示することにより、それら各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴B10.前記教示手段は、前記遊技釘の近傍に位置するように構成されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
教示手段を利用して目線を合わせたとしても、教示手段から遊技釘に目を移す際に目線がずれる可能性が残る。そこで、教示手段を遊技釘の近傍に配して目線の移動量を少なくすることにより、そのような不都合の発生を抑え、作業効率の向上や確からしさの向上に好適に寄与できる。
特徴B11.前記マーカは、前記遊技盤の厚さ方向に離間して設けられた前側マーカ及び後側マーカを有してなることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば2つのマーカが合致するようにして狙い(照準)を定めることにより、目線を合わせることができる。
<特徴C群> 遊技部品の面取り部分を発光
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を枠体に搭載してなるものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入賞することにより、当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される。この種の遊技機には、遊技盤に遊技球用の通路形成部材、発光装置、装飾部材等の各種遊技部品が配設されているものがある(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述したタイプの遊技機においては、遊技盤に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴C1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体310)と、
前記遊技盤に当該遊技盤の前面から突出した状態で取り付けられた遊技部品(センターフレーム95F)と
を備え、
前記遊技部品には、当該遊技部品の本体部(本体部281F)から突出し、前記遊技盤の前面に当接する台座部(延出部282F)が設けられており、
前記台座部の先端部分には斜め前方を向く傾斜面(面取り部283F)が形成されており、
前記傾斜面に光を供給する光供給部(光照射ユニット411F及び導光体412F等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、光供給部から傾斜面に供給された光を遊技機正面側に向くように反射させることができる。これにより、光供給部から離れた傾斜面が発光しているように見せることができる。このようにして、遊技部品の取り付けに係る構成を発光させることにより、遊技領域にて発光に係る構成の占有領域が嵩むことを好適に抑制できる。
特徴C2.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技領域形成体310)と、
前記遊技盤に当該遊技盤の前面から突出した状態で取り付けられた遊技部品(センターフレーム95F)と
を備え、
前記遊技部品には、当該遊技部品の本体部(本体部281F)から突出し、前記遊技盤の前面に当接する台座部(延出部282F)が設けられており、
前記台座部の先端部分には斜め前方を向く傾斜面(面取り部283F)が形成されており、
前記傾斜面に前記台座部の根元側から光を供給する光供給部(光照射ユニット411F及び導光体412F等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、光供給部から傾斜面に供給された光を遊技機正面側に向くように屈折させることができる。これにより、光供給部から離れた傾斜面が発光しているように見せることができる。このようにして、遊技部品の取り付けに係る構成を発光させることにより、遊技領域にて発光に係る構成の占有領域が嵩むことを抑制しつつ遊技盤の見栄えを向上させることができる。
特徴C3.前記遊技盤を遊技前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル23)を通じて前記遊技領域が視認可能となっている遊技機であって、
前記台座部は、当該台座部と前記パネル部との間を遊技球が通過可能となるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように台座部とパネル部との間を遊技球の通過領域(遊技領域の一部)とすることにより、台座部の存在が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制できる。ここで、遊技球が上記通過領域に移る際にその挙動が乱れてしまうことは遊技球の動きの円滑さを損なう要因になり得る。この点、台座部の先端部分に傾斜面を形成することにより、遊技球の引っ掛かりを抑制し、上記挙動の乱れを抑制することができる。このような傾斜面を発光部として利用することにより、発光箇所の確保によって遊技領域が圧迫されることを好適に抑制できる。
特徴C4.前記台座部は、光透過性を有し、
前記光供給部からの光は、前記台座部を通じて前記傾斜面に案内される構成となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技部品の姿勢を安定させる上では台座部の幅をある程度大きくする必要がある。この場合、本体部と上記傾斜面との離れが大きくなって光路を確保することが困難になり得る。この点、台座部を光の通り道として利用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C5.前記台座部は前記光供給部からの光を前記傾斜面に案内する導光板であり、
前記傾斜面は前記台座部に供給された光の出口を構成していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
光供給部と発光箇所である傾斜面との距離が離れている場合には、両者の間で光の漏れが生じることで発光レベル(光量)が低下する。この点、本特徴に示すように台座部を導光板とすれば、光量の減少を抑え、光漏れを好適に抑制することができる。これにより、光を効率よく傾斜面へ案内することができ、上述した発光レベルの低下を好適に抑制できる。
特徴C6.前記台座部の前面部にて当該台座部の根元部分と前記傾斜面との間となる領域は、当該台座部に供給された光を放出する放出部の非配置領域となっていることを特徴とする特徴C4又は特徴C5に記載の遊技機。
台座部の先端部分に設けられた傾斜面のみを発光させる構成とすることにより、光の供給経路を分かりにくくすること(隠すこと)ができる。これにより、先端部分を発光させた場合のインパクトの強化に貢献できる。
特徴C7.前記傾斜面は、前記遊技盤の前面に沿う方向を向く成分よりも前記遊技盤の正面側を向く成分の方が大きくなるようにして傾斜していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7に示す構成によれば、台座部とパネル部との間の通過領域に遊技球を円滑に案内する機能と、台座部に供給された光を遊技盤の正面側へ屈折させる機能とを好適に強化することができる。
特徴C8.前記光供給部は、
遊技機正面側へ向けて光を照射する照射部(光照射ユニット411F)と、
前記照射部からの光を屈折又は反射させることにより、前記台座部の根元部分へ案内する光案内部(導光体412F)と
を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
照射部からの光を屈折又は反射させて台座部の根元部分へ案内する構成として、光路を確保することにより、光供給部の配置に係る制約を緩和できる。そして、光を正面側に向けることにより、照射部の取り付けに係る構成を簡素化することができる。また、このような配置とすれば、照射部の配置領域に係る制約を緩和することが可能となる。
特徴C9.前記台座部は平板状をなしており、その厚さ寸法が遊技球の半径寸法よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
台座部の前方を遊技球が通過し得る構成においては、台座部が配置されている箇所を通過する遊技球の流下経路と、配置されていない箇所での遊技球の流下経路との前後差が大きくなる。このため、台座部の先端部分付近にて球詰まりが発生しやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、台座部の厚さ寸法を遊技球の半径寸法よりも小さくすれば、台座部の存在によって遊技球の流れが滞ることを好適に抑制できる。また、台座部の厚さが大きくなってしまっては、傾斜面における光量の分散が顕著になり、発光レベルが低下する。この点、上述の如く厚さを小さくすることには光量の分散を抑えて発光レベルを担保する上で有利となる。
特徴C10.前記台座部は前記光供給部からの光を前記傾斜面に案内する導光板であり、
前記台座部の前記本体部からの突出量は、当該台座部の厚さ寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10によれば、台座部内での光の拡散を促進することにより、傾斜面における光量の差(濃淡の差)を減縮することができる。これは、傾斜面を発光させた際の見栄えの向上を図る上で有利である。
特徴C11.前記光供給部は、前記遊技領域にて遊技球が流下する流路を挟んで前記傾斜面と対峙していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、傾斜面に光が照射されている状況下にて傾斜面と光供給部との間を遊技球が通過すると、この遊技球によって光が一時的に遮断されることにより傾斜面の発光態様を変化させることができる。これにより、表示の単調化を抑制することができる。また、傾斜面の発光態様の変化によって遊技球の通過を報知することが可能となり、傾斜面を遊技球の通過を報知する報知手段として機能させることができる。
特徴C12.前記傾斜面は、光を拡散する光拡散部となっており、斜め側方又は斜め下方を向いていることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C12に示すように傾斜面に光拡散機能を付与する上では、当該傾斜面にシボ加工や印刷加工によって微細な凹凸を形成するといった工夫がなされる。しかしながら、このような構成は拡散部分に対して遊技球が当たることにより、拡散機能が低下する可能性を否定できない。そこで、傾斜面を斜め側方又は斜め下方を向く構成とすることにより、遊技球が衝突する機会を減らしたり、衝突した際の衝撃を緩和したりすることができ、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として遊技球の払い出し等の特典を遊技者に付与するものがあり、遊技領域に遊技釘を配設することで遊技球の流下経路の多様化が実現されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技領域の清掃等の作業時に遊技釘の状態が変わってしまう恐れがあり、仮に遊技釘の状態が変わってしまうと、球詰まり等の不都合が発生し得る。ここで、遊技釘の状態に変化が生じていないか、すなわち正規の状態となっているかの確認を行う上では、当該確認に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴D1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技領域形成体310)を備え、前記遊技領域には前記遊技球の流下方向を変化させる遊技釘(遊技釘93)が配設されており、
前記遊技釘は、棒状をなし前記遊技盤に固定される本体部(本体部93b)と、当該本体部の先端部分に設けられた頭部(頭部93a)とを有してなり、
前記本体部にて前記遊技盤への固定部分と前記頭部との間となる部分には、当該本体部における他の部分よりも強度が低くなるように形成された脆弱部(切り込み93cP)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技釘(本体部)に外力が加わってしまった場合には、応力が遊技釘の根元部分に集中することを抑制することができる。具体的には、脆弱部に応力が集中することにより脆弱部にて状態の変化が生じる。これにより、脆弱部よりも根元側となる部分の状態の変化を抑制できる。
特徴D2.前記遊技盤の前面から前記脆弱部までの距離寸法は、遊技球の半径寸法よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技盤の前面に沿って流下する遊技球については、本体部にて脆弱部よりも後側(根元側)となる部分に当たる。これにより、上記保護機能を発揮する上で遊技釘の先端部分に状態の変化が生じた場合であって、それが遊技球の流下態様を変化させる要因になることを抑制できる。
特徴D3.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体に設けられたパネル部(ガラスパネル23)を通じて前記遊技領域が視認可能となっており、
前記パネル部から前記脆弱部までの距離寸法は、遊技球の半径寸法よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、パネル部に沿って流下する遊技球が遊技釘に当たる際には、その衝突箇所が脆弱部よりも後側(根元側)となる。これにより、脆弱部の強度を下げて保護機能を強化したとしても、遊技球が衝突した際の衝撃によって脆弱部の状態が変化することを抑制できる。また、脆弱部を起点として本体部の状態が変化している場合であっても、パネル部に沿って流下する遊技球はその部分よりも後側(根元側)に当たることとなる。故に、それが遊技球の流下態様を変化させる要因になることを抑制できる。
特徴D4.前記本体部は円柱状をなしており、
前記脆弱部は、前記本体部における他の部分よりも外径が小さくなるように形成された縮径部であることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D4に示すように部分的に外径を小さくして縮径部を設けることにより、特徴D1等に示した技術的思想を好適に具現化できる。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として遊技球の払い出し等の特典を遊技者に付与するものがあり、遊技領域に遊技釘を配設することで遊技球の流下経路の多様化が実現されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技領域の清掃等の作業時に遊技釘の状態が変わってしまう恐れがあり、仮に遊技釘の状態が変わってしまうと、球詰まり等の不都合が発生し得る。ここで、遊技釘の状態に変化が生じていないか、すなわち正規の状態となっているかの確認を行う上では、当該確認に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴E1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技領域形成体310)を備え、前記遊技領域には前記遊技球の流下方向を変化させる遊技釘(遊技釘93)が配設されており、
前記遊技釘の周辺には、前記遊技盤の前面から突出して前記遊技釘に対峙する突出位置と、前記遊技盤の前面からの突出が回避される退避位置とに移動可能に設けられ、前記突出位置に配置されることにより前記遊技釘を保護する保護部材(可動体451T)が設けられていることを特徴とする遊技機。
本特徴に示すように、保護部材によって遊技釘を保護する構成とすれば、外力等の作用によって遊技釘の状態に変化が生じることを抑制することができる。また、保護部材を可動式としているため、遊技が行われる状況下においては保護部材を退避位置へ逃がしておくことにより、保護部材が遊技の邪魔になることを回避できる。
特徴E2.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体が閉位置に配置されている場合には前記保護部材が前記退避位置に配置され、前記扉体が開位置に配置されている場合には前記保護部材が前記突出位置に配置されるように、前記扉体と前記保護部材とが連動する構成となっていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
遊技球以外のものが遊技釘に触れる機会については、例えば清掃等の作業が行われる場合が想定される。このような作業については扉体が開放された状態で行われるため、扉体の開放によって保護部材を退避位置から突出位置に移動させる構成とすることで保護機能を好適に発揮させることができる。
また、突出位置に配置された保護部材が押される等した場合に、容易に退避位置へ戻ってしまっては保護機能の恩恵を十分に享受できなくなると懸念される。この点、扉体が閉位置に移動することで保護部材が退避位置に移動するように両者を連結すれば、保護部材が単独で退避位置に戻ることを抑制し、上記不都合の発生を好適に回避できる。
特徴E3.前記保護部材は前記遊技盤の厚さ方向に延びる筒状をなし、当該保護部材が前記突出位置に配置された状態では当該保護部材の内部に前記遊技釘が収容される構成となっていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、突出位置に配置された保護部材によって遊技釘を囲むことにより、保護機能を強化することができる。
特徴E4.前記保護部材は、前記突出位置に配置された状態における前記遊技盤の前面からの突出量が、前記遊技釘の前記遊技盤の前面からの突出量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技釘については遊技盤によって片持ちとなっているため、その先端部分(頭部)に外力が加わることで状態に変化が発生しやすくなると想定される。そこで、本特徴に示すように、遊技釘の前端よりも保護部材の前端の方が前に位置する構成とすることにより、遊技釘(特にその頭部)へのアクセスを制限できる。故に、遊技釘の状態の変化の発生を好適に抑制できる。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた始動口等の入球部への入球を契機として遊技球の払い出し等の特典を遊技者に付与するものがあり、遊技領域に遊技釘を配設することで遊技球の流下経路の多様化が実現されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技領域の清掃等の作業時に遊技釘の状態が変わってしまう恐れがあり、仮に遊技釘の状態が変わってしまうと、球詰まり等の不都合が発生し得る。ここで、遊技釘の状態に変化が生じていないか、すなわち正規の状態となっているかの確認を行う上では、当該確認に係る構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴F1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技領域形成体310)を備え、前記遊技領域には前記遊技球の流下方向を変化させる遊技釘(遊技釘93)が配設されており、
前記遊技釘にて前記遊技領域を流下する遊技球が当たる部分よりも前側となる部分には、当該遊技釘に塑性変形が生じるような外力が加わった場合に、その痕跡を残存させる痕跡部(例えば切り込み93cPや頭部93aQ等)が形成されていることを特徴とする遊技機。
遊技釘に状態の変化が生じてしまった場合には、遊技球の流下態様に影響が及び入球部(例えば作動口ユニット83等)への入球確率が変化すると懸念される。ここで、本特徴に示す構成においては、遊技釘に外力が加わった場合には、遊技釘にその旨を示す痕跡が残存することとなる。これにより、遊技釘の状態に変化が生じている可能性があることを示唆することができ、その発見の足掛かりとすることが可能となる。
特に、痕跡部については遊技釘にて遊技球の挙動に影響を与えない又は与えにくい部位に形成されているため、遊技球の衝突によって痕跡が残存してしまったり、残存する痕跡が遊技球の挙動に影響を与える要因になったりすることを抑制できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。