以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤80aを通じて視認可能となっている。
遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技盤80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。また。図6においては左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技盤80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方:右ルート)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技盤80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技盤80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82やスルーゲートに入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技急は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80a側、詳しくは遊技盤80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技盤80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤80aの背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する可変入賞装置用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技盤80aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技盤80aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図12(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技盤80aの背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技盤80aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。本実施の形態においては、かかる可動演出装置に関して特徴的な構成を有している。
ここで、図13及び図14を参照して、遊技盤ユニット80の主要な構成について補足説明し、その後、上記特徴的な構成について詳しく説明する。図13は遊技盤80aの正面図、図14は背面ブロック80bの正面図である。なお、遊技盤80aが透明であることを考慮して、図12においては遊技盤80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を2点鎖線によって表示している。
遊技盤80aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、図13に示すように遊技盤80aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技盤80a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
次に、図14を参照して既出の背面ブロック80bについて説明する。既に説明したように、背面ブロック80bは、可変表示ユニット252等の各種演出装置や報知・演出制御装置140等の各種制御装置が搭載される台座として上記ベース体251を有している。
ベース体251は遊技盤80aの背面に対向する平板状の対向部255と、対向部255から後方に膨出する膨出部256とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり、正面視における外形が遊技盤80aとほぼ同じ大きさ(詳しくは上下幅が若干小さい)となるように構成されている。
膨出部256は、前方(遊技盤80a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部255が構成されている。対向部255が遊技盤80aの背面に当接した状態で当該遊技盤80aにねじ止めされることにより、遊技盤80aと背面ブロック80bとが1ユニット化されている。
膨出部256の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技盤80aの中央開口85(図13参照)と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット252はこの開放部を塞ぐようにして膨出部256の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置253の表示画面253aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置140及び表示制御装置が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット252(詳しくは図柄表示装置253)に対して積層配置されており、更にその下方に主制御装置162が取り付けらている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している(図8等参照)。
ベース体251における左枠部261及び右枠部262、上枠部263、下枠部264にはそれぞれ可動演出装置が設置されており、これら可動演出装置によって表示画面253aが囲まれている。各可動演出装置は、膨出部256により形成された凹み内に収容されており、製造時等に背面ブロック80bが単体で持ち運びされる場合であっても、それら可動演出装置がジグ等の他の構成に干渉することが抑制されている。
また、左右の枠部261,262及び下枠部264に跨るようにして一連の装飾部材271が配置されている。装飾部材271については有色不透明な樹脂材料によって形成されており、LED等の発光体が内蔵されている。これら発光体は、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140により遊技状況に応じて発光制御が行われることで遊技領域PEの背後にて発光演出が実行されることとなる。
また、装飾部材271には、遊技盤80aに形成された一般入賞口81や作動口83a,83b等の入球部へ流入した遊技球を回収する回収通路272が形成されており、その入口部分がそれら各入賞部に連通している。つまり、遊技盤80aにおける入球部へ流入した遊技球は、背面ブロック80bの回収通路272へ導かれ、その後裏パックユニット15の排出通路を通じて遊技ホールの島設備等へと返却されることとなる。
ここで、上記可動演出装置について補足説明する。ベース体251の下枠部264には、可動式の装飾体301(以下、可動装飾体301という)及び当該可動装飾体301の前方に位置する可動式の表示部311(以下、可動表示部311という)を有する第1可動演出装置273が配設されている。第1可動演出装置273の可動装飾体301は、表示画面253aと重なる位置に配置されており、遊技機前方から視認可能となっている。一方、当該可動装飾体301を動作させるための駆動機構、可動表示部311及び当該可動表示部311を動作させる駆動機構は、上記装飾部材271によって前方から覆われており視認不可となるように構成されている。これは、第1可動演出装置273の見栄えを担保するための工夫である。なお、第1可動演出装置273及びそれに関連する構成についての詳細は後述する。
ベース体251の上枠部263には、左右一対の扉部材を有してなる横長状の開閉扉281と、同開閉扉281を駆動させる駆動部282とを有する第2可動演出装置274が配設されている。第2可動演出装置274の開閉扉281は、遊技盤80aの板材又は中央開口85の背後に位置しており、板材又は中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能となっている。駆動部282は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの駆動信号が入力されることにより、開閉扉281を開状態と閉状態とに切替可能となっている。
第2可動演出装置274(詳しくは開閉扉281)は、当該第2可動演出装置274にかかる演出が実行されない状況下においては、閉状態に維持される。この第2可動演出装置274の背後には、同第2可動演出装置274に重なるようにして第3可動演出装置275が配置されている。
第3可動演出装置275は、表示画面253aの上部中央に配置された中央装飾部291と、左右の枠部261,262に取り付けられ当該中央装飾部291を保持するアーム292を備えている。アーム292が動作することで中央装飾部291が上記開閉扉281により遊技機前方から覆われる位置と、開閉扉281と重ならない位置(表示画面253aの中央位置)とに移動する。なお、当該第3可動演出装置275にかかる演出が実行されない状況下であって上記第2可動演出装置274の開閉扉281が閉じている場合には、それら中央装飾部291及びアーム292が第2可動演出装置274(例えば開閉扉281)によって覆われた状態となり、一部を除き遊技機前方から視認不可となるように構成されている。
本実施の形態においては、上述した第1可動演出装置273にかかる構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図7及び図14を参照して第1可動演出装置273について補足説明する。
第1可動演出装置273は、既に説明したように図柄表示装置253の表示画面253aよりも前側に配置された可動装飾体301を有している。本パチンコ機10は「釣り」をコンセプトとして構成されており、可動装飾体301は図7に示すように「浮き」を模して形成されている。可動装飾体301の外観は、全体として遊技機前方へ膨らむ略半球状をなしている。このように半球状とすることで、可動装飾体301の見栄えの向上や遊技機前方以外の方向から当該可動装飾体301を見た際の視認性の向上が図られているとともに、可動装飾体301を本物の「浮き」と同様に球状とする場合と比較して、前後方向での厚みが嵩むことを抑制している。これは、図柄表示装置253の表示画面253aと可動表示部311とのギャップ(隙間)が大きくなることを抑えるための工夫である。
可動装飾体301は、装飾体用駆動機構303によって上下方向及び左右方向にスライド可能な状態で保持されている。具体的には、装飾体用駆動機構303は、可動装飾体301用の保持機能が付与されたスライダと当該スライダを上下方向に移動可能に保持する縦レールと、可動装飾体301を縦レール毎左右方向に移動可能となるように保持する横レールとにより構成され、その駆動源として駆動部302が取り付けられている。
駆動部302は、可動装飾体301(詳しくはスライダ)を縦レールに沿って移動させる昇降用のステッピングモータと、可動装飾体301(詳しくは縦レール)を横レールに沿って移動させる揺動用のステッピングモータとを有してなる。それら各ステッピングモータは報知・演出制御装置140にそれぞれ接続されている。遊技進行に応じて可動装飾体301の動きを伴う演出が実行される場合には、報知・演出制御装置140から上記ステッピングモータへ駆動信号が出力され、当該駆動信号を受けて各ステッピングモータが動作することにより可動装飾体301が上下又は左右に移動することとなる。
可動装飾体301は、第1可動演出装置273にかかる演出が実行されない遊技回においては、左右方向における表示画面253aの中央位置であって上記装飾部材271に対して上部が重ならない位置(以下、基準位置という)に待機しており、遊技機前方から見て可動装飾体301の上部の一部が水面上に突出しているように、すなわち水面に浮いているように表示される。
本実施の形態における第1可動演出装置273を用いた演出は、上記可動装飾体301単独(図柄表示装置253との連動演出を含む)にて行われる第1種特定演出と、上記可動表示部311との連動による第2種特定演出とに大別される。
ここで、図15の概略図を参照して第1種特定演出のうち図柄表示装置253と連動して行われる連動演出の概要について説明する。
第1種特定演出が実行される場合には、図柄表示装置253の表示画面253aに釣竿を模した画像と当該釣竿及び可動装飾体301を繋ぐ釣り糸を模した画像とが表示される。第1種特定演出が実行される場合の可動装飾体301の動作パターンについては、主制御装置162から変動コマンドを受信した場合に報知・演出制御装置140にて抽選により決定され、その決定された内容が表示制御装置150に送信される。
例えば、可動装飾体301を昇降させる演出が実行される場合には、図15(a)に示すように、可動装飾体301の昇降に合わせて、表示画面253aに表示されている釣竿画像の撓みが変化する。これにより、遊技者に対して魚が食いつきかけているかのような印象を与えることができる。
また例えば、可動装飾体301を左右にスライドさせる演出が実行される場合には、図15(b)に示すように、可動装飾体301の水平移動(揺動)に合わせて、表示画面253aに表示されている釣竿画像が引っ張られることとなる。これにより、遊技者に対して魚が食いついた可能性があることを示唆することができる。
第2種特定演出についても、その前半部分は第1種特定演出と類似となっており、魚の食い付きが確定した場合に第1種特定演出には存在しない演出(後半部分)へ移行する。
第2種特定演出を実行する上では、可動装飾体301と可動表示部311との連携が要となる。そこで以下、可動表示部311及びそれに付随する構成について説明する。なお、図7では可動表示部311にハッチングを付与しており、図14においては同可動表示部311を破線及び2点鎖線を用いて表示している。
図7に示したように、可動表示部311は可動装飾体301よりも前側に位置し、図柄表示装置253の表示画面253aとの間に可動装飾体301及び装飾体用駆動機構303を挟むようにして配置されている。上述したように、可動装飾体301の表側部分を立体的とし裏側部分を排除することで、可動装飾体301の厚さが無駄に嵩むことを抑制している。これにより、図柄表示装置253の表示画面253aと可動表示部311の表示画面311aとの前後方向におけるズレ(ギャップ)が大きくなることを抑制している。
可動表示部311は、左右一対の液晶表示装置からなる表示体312,313によって構成されている。図4の破線に示すように、これら表示体312,313は、横長の平板状をなしており、その表面(後述する表示面)が遊技機前方を向くように配置されている。各表示体312,313は、中央側の端部が支持部317,318によって軸支されることでそれら支持部317,318を中心として個々に回動可能となっている(図14参照)。
上述した第2種特定演出が実行されない状況下においては、両表示体312,313が図柄表示装置253の下方に隠れており、上記装飾部材271等によって当該表示体312,313の目視による確認が難しくなっている。この位置が可動表示部311(表示体312,313)の待機位置である。なお、以下の説明では図14に加え図16を適宜参照する。図16は、可動表示部の動作態様を示す概略図であり、説明の便宜上可動装飾体301を2点鎖線により表示している。また、図16には境界線BLが記載されているが、この境界線よりも上方が遊技者から視認可能となる領域であり、下方が遊技者から視認不可となる領域である。
図17に示すように、可動表示部311には支持部317に併設させて駆動部316が取り付けられている。この駆動部316が表示体312,313の位置を変更するための駆動源となっている。駆動部316は、報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて動作する。
第2種特定演出が実行される場合には、図16(a)→図16(b)に示すように左側表示体312が時計回りに回動し、右側表示体313が反時計回りに回動する。そして、基準位置に配置された可動装飾体301の中央を通過する垂直線を境界として、それら2つの表示体312,313が一体となり、遊技機前方から視認可能な箇所に可動表示部311の表示画面311aが形成されることとなる。このようにして表示画面311aが形成された状態では、図16(b)に示すように可動表示部311のほぼ全域が上記境界線BLよりも上方、すなわち図柄表示装置253の表示画面253aと重なる位置に存在し、可動装飾体301が可動表示部311によって覆われた状態となる。可動表示部311は光透過性を有していないため、その背後に隠れた可動装飾体301の視認が不可となる。つまり、可動表示部311によって可動装飾体301が遮蔽された状態となる。
本実施の形態においては、可動表示部311が表示位置に配置されて第2種特定演出の後半に移る場合には、可動表示部311の動作に先行して可動装飾体301が基準位置へと復帰する構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置140では第2種特定演出実行時には、可動表示部311の動作開始よりも前の所定のタイミングにて可動装飾体301を基準位置に復帰させるべく駆動部302の駆動制御を行う。
なお、本実施の形態においては左右方向における可動装飾体301の移動範囲が上記可動表示部311による遮蔽範囲よりも広く設定されている(図15(b)参照)。そこで、上記基準位置への復帰に要する期間は比較的長くなりやすいが、可動表示部311の動作タイミング、また最大変位位置から基準位置に復帰するのに要する期間は予め決まっているため、上記所定のタイミングはこれらの要素を加味して設定されているため、可動装飾体301の復帰が遅れるといった不都合は回避されている。
ここで、可動表示部311を複数(詳しくは2つ)に分割し、それら表示体312,313が表示位置へ向けて移動する構成とすることにより、可動表示部311を1の表示体によって構成した場合と比較して、動作期間の短縮を図っている。また、可動表示部311を基準位置に配置された可動装飾体301を中心として左右対称に配置することにより、可動装飾体301の遮蔽時には両表示体312,313によって同じ割合で同可動装飾体301が覆われることとなり、当該可動装飾体301を効率よく遮蔽することができる。なお、当該効果については可動装飾体301が左右対称となっている(図14等参照)ことで更なる向上が期待できる。
因みに、より詳しくは、基準位置に復帰した可動装飾体301は左右位置を維持したまま僅かに上下動することとなるが、その動作軌道上にて両表示体312,313が組み合わせられるため、上述した遮蔽機能が上手く機能しなくなることが好適に回避される。
例えば、ベース体251の左右の枠部261,262(図14参照)に各表示体312,313を収容し、それら表示体312、313が中央へ向けてスライドすることで表示画面311aが形成される構成とすることも可能であるが、可動装飾体301を目立ちやすくするため中央に配置した場合には、スライドストローク(動作スペース)が無駄に大きくなるだけでなく、それを実現するための駆動機構も大型化すると想定される。この点、本実施の形態に示すように、各表示体312,313を中央側の隅部を基端部として回動させる構成とすれば、それら各種不都合の発生を回避して、実用上好ましい構成を実現できる。
ここで、可動表示部311は上記表示制御装置150に電気的に接続されており、その表示内容が同表示制御装置150によって制御される構成となっている。つまり、本実施の形態における表示制御装置150には、図柄表示装置253の表示制御を行う機能と、可動表示部311の表示制御を行う機能とが付与されている。
上述した表示位置に両表示体312,313が配置されて表示画面311aが形成された後は、同表示画面311aに可動装飾体301を模した画像、具体的には、大きさ、色、形が同一の「浮き」が擬似表示されることとなる。すなわち、遊技者により、それまで見えていた可動装飾体301と同一であると認識される画像が擬似表示される。
以下、図17を参照して、第2特定演出の流れと、各表示画面253a,311aにおける表示内容の変化について説明する。図17は、可動装飾体、可動表示部、図柄表示装置による連動演出(第2特定演出)の流れを示す概略図である。第2種特定演出実行時には、図17(a)→図17(b)→図17(c)→図17(d)→図17(e)→図17(f)→図17(g)→図17(h)の順に演出が進行する。
遊技回が開始して図柄表示装置253の表示画面253aにて図柄の変動表示が開始された後は、左図柄の停止タイミングに合わせて表示画面253aに釣竿と釣糸が表示され、可動装飾体301との連動が開始する。可動装飾体301が昇降→揺動して魚の食い付きを示唆した場合には、可動装飾体301が基準位置から外れることとなるが、その後、所定のタイミングにて図17(a)に示すように基準位置に復帰する。
図17(b)に示すように、可動装飾体301が基準位置に復帰した後は、可動表示部311が待機位置から表示位置に移動して、表示画面311aが形成される。これに合わせて、表示画面311a上には魚が食いついた旨を明示する「HIT!!」の文字が表示され、それに続いて右図柄列の変動表示が停止してリーチ表示へと移行する。この際、それまで、画面中央に位置していた図柄は、表示画面253aの隅部に縮小表示され、第1可動演出装置273(詳しくは可動表示部311)による演出が強調されることとなる。
表示画面311aに「HIT!!」の文字が表示された後は、当該文字に代えて可動装飾体301を模した画像(「浮き」の画像)が同表示画面311aにて擬似表示される。これに合わせて、表示画面253aに表示されていた釣糸の接続対象も擬似表示された画像に変更される。
この状態では可動装飾体301が可動表示部311によって遮蔽されており、この遮蔽状態にて、可動装飾体301が退避位置へと降下する。なお、退避位置とは、図16に示した境界線BLよりも下方であっても遊技機前方からの視認が不可となる位置である。
その後、図17(c)や図17(d)に示すように、表示画面311aにおいては浮きを模した擬似画像が傾いたり奥行き方向で移動したりする。このような動きを可動装飾体301及び装飾体用駆動機構303を用いて実現しようとした場合、構造が複雑になるだけでなく、その動作用のスペースの確保により他の遊技部品の占有領域が圧迫されやすくなる。一方で、シンプルな動きについては実際のもの(可動装飾体301)を動かすほうが遊技者の注意を引き付けやすくなる。
本実施の形態においては、シンプルな動きについては可動装飾体301を実際に動かすことで実現し、複雑且つ多様な動きについては画像を動かすことで実現することにより、上記不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現している。
再び図17の説明に戻り、中図柄列の停止するタイミングとなった場合には、図17(e)→図17(f)に示すように、可動表示部311が待機位置へと復帰し、表示画面311aに擬似表示されている「浮き」の擬似画像が非表示となる。これに合わせて、表示画面253aでは魚釣りに成功した画像が表示され、同表示画面253aの隅部に縮小表示されていた図柄群が有効ライン上に大当たりに対応する図柄組み合わせが停止表示された状態となる。
その後、図17(g)に示すように、縮小表示されていた図柄組み合わせが表示画面253aの中央に拡大表示され、大当たりに当選した旨が明示されることとなる。
大当たりに当選した旨の明示が終了すると、上記開閉実行モードへ行こうするが、これに合わせて、それまで退避位置に留まっていた可動装飾体301が基準位置へと復帰する。このタイミングでは可動表示部311にて擬似表示がおこなわれているわけでなく、更に釣竿や釣糸等の表示もないため、当該可動装飾体301の復帰に対して遊技者が違和感を与えることを抑制することができる。
特に、本実施の形態においては2つの「浮き」が同時に視認可能とならないように配慮されており、擬似表示を用いて多様な動きを実現することに起因した違和感の発生を抑制することが可能である。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)「表示部」としての可動表示部311に表示される「擬似表示」用の画像については、色、形、大きさが全て「装飾体」としての可動装飾体301と一致するものであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。少なくとも遊技者が可動表示部311の表示画面311aに表示される画像を見た場合に、当該表示されている画像が可動装飾体301と同一のものであると認識可能であれば足り、例えば画像の周辺にエフェクトを追加したり、画像の発光レベルを可動装飾体301(実物)よりも輝いて見えるように補正したりすることも可能である。
(2)上記実施の形態では、可動表示部311を構成する2つの表示体312,313を回動可能としたが、これら各表示体をスライド移動可能に設け、それら両表示体が可動装飾体301の前方にて一体となる構成としてもよい。可動表示部311を複数に分割して、各表示体を個別に動作させる構成とすることにより、演出の切替を迅速に行うことができる。なお、このような切替に要する期間の短縮を配慮した場合、各表示体のスライドストローク量を同等とすることが好ましい。
因みに、2つの表示体312,313によって可動表示部311を構成したが、可動表示部311を複数に分割された表示体によって構成する必要は必ずしもない。可動表示部を1の表示体によって構成することも可能である。但し、このような構成では上述した切替に要する期間の短縮が難しくなるため、望ましくは上記実施の形態や変形例に示したように可動表示部311を個別に動作する複数の表示体によって構成するとよい、
(3)上記実施の形態では、第1可動演出装置273を用いた擬似表示演出(連動演出)を実行する場合に、可動表示部311が表示位置へと移動する前のタイミングにて、可動装飾体301を基準位置に強制的に復帰させるように(先行復帰させるように)報知・演出制御装置140から駆動部302に復帰用の駆動信号が出力される構成とした。すなわち、可動装飾体301用の駆動手段を利用して、当該可動装飾体301を基準位置に戻す構成とした。これを変更し、可動表示部311の動作、具体的には待機位置から表示位置への移動に機構的に連動して可動装飾体301が基準位置(詳しくは表示位置に配置された可動表示部311の背後)に移動させる構成とすることも可能である。つまり、可動表示部311用の駆動部316からの駆動力によって可動装飾体301が上記位置に強制的に復帰される構成としてもよい。
(4)上記実施の形態では、可動表示部311を構成する両表示体312,313が合体して上記表示位置に表示画面311aが形成されたタイミングにて可動装飾体301の擬似表示を開始する構成としたが、擬似表示の開始タイミングについては以下のように変更してもよい。すなわち、可動装飾体301との重なり始めたタイミングにて擬似表示を部分的に開始し、それら重なっている部分を表示画面311aに擬似表示する構成としてもよい。
(5)上記実施の形態では、「絵柄表示装置」としての図柄表示装置253(詳しくは表示画面253a)の前方に、可動装飾体301を配置したが、同可動装飾体301の配置については任意であり、図柄表示装置253と前後に重ならない位置(例えば表示画面253aと横並びとなる位置)に配置することも可能である。但し、上記実施の形態に示した第1可動演出装置273については図柄表示装置253の表示内容と一体となって連動演出を実行する構成となっており、当該構成とすることで遊技者の注目度の向上や当該演出が見逃される可能性の低減を実現していた。故に、可動装飾体301の配置を変更する場合であっても、図柄表示装置253(詳しくは表示画面253a)と隣接する位置とし、上記連動演出を担保することが好ましい。
(6)上記実施の形態では、「表示制御手段」としての表示制御装置150に、図柄表示装置253の表示制御を行う機能と、可動表示部311の表示制御を行う機能とを付与したが、図柄表示装置253用の表示制御装置と可動表示部311用の表示制御装置とを個別に設けてもよい。
(7)上記実施の形態では、可動装飾体301が「浮き」を模したものであるため、その動作方向を左右方向及び上下方向の両方向としたが、可動装飾体301の動作方向については任意である。
(8)上記実施の形態では、可動表示部311の表示領域(表示画面311a)を可動装飾体301の擬似表示領域とし、図柄表示装置253の表示画面253aについては擬似表示画像と一連になる画像を表示する表示領域として区別したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、擬似画像の表示領域を表示画面311aの外縁を超えて図柄表示装置253の表示画面253a側まで拡張してもよい。これにより、擬似画像の動作範囲を拡張し、より迫力のある演出を実現することができる。かかる構成においては、例えば擬似画像が両表示画面253a,311aの両方に跨って表示される場合が生じ得る。この際、両表示画面253a,311aの隙間が大きくなると、擬似画像が見づらくなると想定される。そこで、このような構成とする場合には、両表示画面253a,311aの隙間が小さくなるように、可動装飾体301の薄型化を図ることが好ましい。
(9)上記実施の形態では、可動表示部311を構成する両表示体312,313を平面状(平板状)としたが、表示体312,313の形状を曲面状とすることも可能である。可動装飾体301については、前方に膨らむ立体形状をなしており、表示体312,313を可動装飾体301の外形に合わせて前方に膨らむように湾曲させてもよい。遊技者の目線については常に遊技機正面から第1可動演出装置273に向けられるとは限らず、斜め前方等左右にずれた位置から視認されることもある。そこで、当該構成とすれば、例えば上記変形例(8)に示した可動表示部311の外周部分と図柄表示装置253の表示画面253aとの隙間を小さくすることが可能となり、表示画面253a,311aの隙間を目立ちにくくすることができる。
(10)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。また、例えば表示画面の周辺に装飾体等を有する演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の遊技機においては、装飾体を動作させることにより遊技者の注意を引き付けやすくしているものがある。このような可動式の装飾体の動きを多様化することで遊技演出への更なる注目度の向上が期待できる。但し、可動式の装飾体を上記絵柄表示装置等の他の構成との共存を実現する場合には、可動式の装飾体を配置するための領域に対する制約やその駆動機構の配置領域に係る制約が強くなり得る。このような制約を回避しつつ無闇に動作態様の多様化(駆動機構の複雑化)を行うことは可動式の装飾体に動作不良等が生じる要因となり、上述した注目度の向上効果が上手く発揮されなくなると懸念される。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴1.遊技機前方から視認可能な表示位置に設けられた装飾体(可動装飾体301)、及び当該装飾体を少なくとも前記表示位置を含む所定の範囲内にて移動可能とする装飾体用駆動機構(装飾体用駆動機構303)を有する可動演出装置(第1可動演出装置273において可動装飾体301に関連する構成)と、
前記装飾体よりも前側に配置されており画像を表示する表示部(可動表示部311)、及び当該表示部を前記表示位置に配置された前記装飾体を遊技機前方から覆うことが可能な第1状態と同表示位置に配置された前記装飾体を覆わない第2状態とに切り替える表示部用駆動機構(駆動部316及び支持部317)を有する可動表示装置(第1可動演出装置273において可動表示部311に関連する構成)と、
前記表示部の表示制御を行う第1表示制御手段(表示制御装置150)と
を備え、
前記第1表示制御手段は、前記表示部が前記第1状態となっている場合に、当該表示部に前記装飾体を擬似表示するように同表示部を制御する擬似表示手段(表示制御装置150において擬似表示演出を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
近年では液晶表示装置(例えば図柄表示装置253)や表示制御装置(例えば表示制御装置150)の機能向上により、多くの遊技演出が液晶表示装置の表示画面(例えば表示画面253a)にて実行されている。表示画面にて実行される演出については自由度が高く多様な演出を容易に実現できるというメリットがあり、一方では本特徴に示すような装飾体を用いて行う演出においては実物が動くことによるインパクトが強く遊技者の注目を引きやすいというメリットがある。そこで、実際には両者が併用されることが多い。
ここで、装飾体の動きを多様なものとすれば、装飾体を用いた演出に対する注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能である。しかしながら、そのような多様な動きを実現しようとすれば、装飾体用駆動機構の構造が複雑になり動作不良等が生じやすくなる。特に、遊技機にて遊技者から視認可能となる領域のうち専ら遊技者の目が向きやすい部分は限られており、そのような限られた領域には上記液晶表示装置等の他の遊技機機器等が存在する。このため、それら他の構成との共存を図ろうとした場合、可動式の装飾体の動作領域や駆動機能の配置領域を確保する上で空間的な制約が強くなり得る。このような制約を回避しつつ無闇に動作態様の多様化(駆動機構の複雑化)を図ることは装飾体用駆動機構の耐久性の低下等を招きやすく、上記動作不良が発生しやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、装飾体を覆う位置に表示部が配置された状態にて、表示部に装飾体と同一であると認識される画像が擬似的に表示されることとなる。つまり、簡易な演出については装飾体を実際に動作させることで実現可能であり、複雑な演出については表示部にて擬似表示された装飾体(詳しくは擬似表示用の画像)を同表示部にて動かすことで実現可能となる。表示部にて擬似表示された装飾体の画像をどのように動かしたとしても、それにより駆動機構等が複雑になるわけではないため、上記不都合の発生を好適に回避できる。このように、遊技者の注目の向きやすい実物(装飾体)とその実物の擬似表示を併用することにより、注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
特に、表示部についても可動式となっており、この表示部によって装飾体が覆われることで装飾体が視認不可又は困難となる。装飾体の擬似表示を行う場合に、表示部によって装飾体を覆うことにより、実物から擬似表示への視認対象の切替を円滑に行うことができる。
なお、表示部が第2状態となっている場合には、表示部自体が遊技機前方から視認可能であってもよいし、遊技機前方から視認不可であってもよい。
特徴2.前記装飾体用駆動機構は、前記第1状態となっている状況下における前記表示部により覆われない位置を含む範囲で前記装飾体が移動可能となるように構成されており、
前記表示部が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる場合に、前記装飾体を前記第1状態となった前記表示部によって覆われる位置に復帰させる復帰手段(報知・演出制御装置140及び駆動部302)を備えていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2に示すように装飾体の動作範囲をある程度広く設定することにより、動作自体はシンプルであっても装飾体の動作による演出が陳腐化することを抑制することができる。但し、この場合、動作範囲が表示部による表示領域を超えてしまう可能性が生じる。
ここで、表示領域を超えて装飾体が動作する構成においては、上記擬似表示を行う場合に装飾体と装飾体を模した画像とが同時に視認可能となれば、特徴1に示した実物と画像との結びつきが弱くなってしまい擬似表示機能が上手く作用しなくなる。このため、上記注目度向上効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、表示部を第1状態として擬似表示を実行する場合には、装飾体を表示部によって覆われる位置に復帰させる構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴3.前記復帰手段は、前記表示部の前記第2状態から前記第1状態への切り替り動作に連動して、前記装飾体を前記覆われる位置に復帰させる機構部であることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
特徴2に示したように装飾体を復帰させる構成においては、表示部の第1状態への切替動作に機構的に連動して当該復帰を促すことにより、装飾体の動きと表示部の動きとにギャップが生じることを容易に回避することができる。
特徴4.前記擬似表示手段は、前記第1状態から前記第2状態への切替前に前記表示部にて擬似表示されている前記画像の表示を終了するように設定されており、
前記表示部が前記第1状態となっている状況下にて、前記装飾体を遊技機前方から視認不可又は困難であり且つ前記表示部とは重ならない退避位置に移動させる第1移動手段(報知・演出制御装置140及び駆動部302)と、
前記表示部が前記第2状態となった状況下にて、前記装飾体を前記退避位置から前記表示位置に移動させる第2移動手段(報知・演出制御装置140及び駆動部302)と
を備えていることを特徴とする特徴1乃至特徴3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴1等に示したように、装飾体と表示部とを併用する構成においては、表示部が第2状態に復帰したタイミングで装飾体が元の表示位置に残っていると装飾体と表示部に擬似表示されていた擬似画像との結びつき(関連性)が弱くなると想定される。
そこで、本特徴に示すように表示部による擬似表示が終了する場合には、それに先行して装飾体を退避位置へ移動させ、擬似表示が終了して表示部が第2状態に切り替った後に、装飾体を表示位置へ復帰させる構成とすれば、装飾体と擬似表示との結びつきを好適に担保することが可能となる。
表示部によって装飾体が覆われている状態にて装飾体が退避位置へ移動したとしても、その動きが遊技者から見えてしまうことを抑制できる。
特徴5.前記装飾体よりも後側に設けられた表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて絵柄を可変表示する絵柄表示装置(図柄表示装置253)と、
前記絵柄表示装置の表示制御を行う第2表示制御手段(表示制御装置150における図柄表示装置253用の表示制御部)と
を備え、
前記装飾体は、前記表示位置に配置されている状態にて当該装飾体の少なくとも一部が前記表示画面と重なるように構成されており、
前記第2表示制御手段は、
前記表示画面に、前記装飾体と繋がり一連になっていると遊技者によって認識される演出用画像を表示する演出用画像表示手段(表示制御装置150において第1可動演出装置273連動演出を実行する機能)と、
前記演出用画像表示手段により前記演出用画像が表示されている状況下にて前記可動表示装置が前記第2状態となった場合に、前記演出用画像の繋がりを前記装飾体から前記表示部に表示されている擬似画像に変更する変更手段(表示制御装置150において第1可動演出装置273連動演出を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴1乃至特徴4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴5によれば、装飾体と表示画面に表示される演出用画像とに関連性を付与することにより、両者を一体とした演出を行うことができ、当該演出への注目度を好適に向上することができる。ここで、特徴1等に示したように装飾体と擬似画像とを併用する構成においては、擬似画像によってあたかも装飾体が動いているように見せる構成においては、当該演出時の擬似画像の動きが装飾体の動きと異なることになる。そこで、本特徴に示すように、装飾体に対応する演出用画像と擬似画像に対応する演出用画像とを使い分けることにより、装飾体→擬似画像への変更に併せて表示画面における演出用画像が変更され、当該演出実行時に遊技者に違和感を与えにくくすることができる。
特徴6.前記装飾体用駆動機構は、前記装飾体を前記表示位置にて上下方向に移動させる昇降手段を有しており、
前記表示部は、前記表示位置にて前記昇降手段により移動する前記装飾体の動作軌道を境界として左右両側に配置された左側表示体及び右側表示体からなり、
前記表示部用駆動機構は、前記左側表示体及び前記右側表示体をそれら各表示体の端部同士が前記動作軌道の前方で合致する位置にそれら表示体を配置することにより前記第2状態から前記第1状態への切り替えを行うものであり、
前記合致する位置に配置された両表示体により前記表示部の表示面が形成されることを特徴とする特徴1乃至特徴5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴6によれば、装飾体の動作軌道を両側から挟むようにして2つの表示体が動作することで表示面を形成する構成とすることにより、第2状態から第1状態への切替期間を短縮することができる。
また、装飾体が昇降する構成においては、昇降運動中に表示体が動作したとしても、運動方向と表示体の動作方向とが交差するため、装飾体が一方の表示体側に偏るようにして隠れることを抑制でき、装飾体隠蔽時の見栄えの低下を好適に抑制できる。
特徴7.前記各表示体は、前記動作軌道に近い側の端部を中心部として回動可能となるように配設されており、
前記表示部用駆動機構は、それら各表示体を互いに逆方向となるように回動させることにより前記第2状態から前記第1状態への切り替えを行うことを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、表示体の動作速度が回動基端側と回動先端側とで相違することとなる。少なくとも回動基端側では表示体の動きが相対的に緩やかとなる。これにより、表示体を素早く動かして第1状態から第2状態への切り替えを行った場合であっても遊技者が表示体の動きを見逃す機会を減らすことができる。つまり、可動式の装飾体及び表示体を併用する構成であっても、表示体の存在が認識されにくくなることを抑制し、表示体の存在意義を担保することができる。
また、例えば表示体の動作方向を1の方向とした場合には、表示体の動作によって徐々に装飾体における視認可能な領域が動作方向にて減少する。一方、左右の表示体を回動させる構成によれば、最終的に装飾体全体が一気に視認不可となるため、遮蔽時のインパクトを強くすることができる。
特に、表示体を回動式とすることにより、左右から装飾体に向けて両表示体がスライドする構成と比較して、表示体の動作領域を小さくすることが可能となり、実用上好ましい構成が実現される。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。