<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を斜め前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図2に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が固定されている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図3に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図4参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13における回動基端側の端部には、前扉枠14が回動可能に取り付けられており、同前扉枠14は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13における回動基端側の端部には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、同裏パックユニット15が正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。
図3に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を遊技機前方から視認することができるようにした窓部21(図1参照)が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
ガラスユニット30は、透明性を有する複数(詳しくは2つ)のガラスパネル31と、それらガラスパネル31を保持するガラスホルダとにより構成されている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31が収容されている。
各ガラスパネル31は、枠部に形成された仕切り部を挟んで相対向した状態で、同仕切り部に対して接着されている。これにより、ガラスパネル31の間に所定の隙間が確保され、ガラスパネル31同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル31によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われた状態となっている。
図1に示したように、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。より詳しくは、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯する機能が付与されたトップランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する機能が付与されたサイドランプ部26が設けられている。また、トップランプ部25の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
再び図2を参照して説明すれば、前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28において上皿28a(遊技球の貯留領域)よりも前側となる部位には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチ40が設けられている。操作スイッチ40は、後述する図柄表示装置の表示画面等にて所定の演出を行わせたり、遊技モード(詳細については後述する)を選択したりする場合に遊技者によって操作される操作手段を構成している。
下側膨出部29と横並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル45の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
前扉枠14の背面には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28a(図2等参照)に通じる前扉側上皿通路と、下皿29a(図2等参照)に通じる前扉側下皿通路とが形成されてなる。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路と前扉側下皿通路の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図3と同様にパチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図2の左側)には、それら支持金具71,72に対応させて軸受け金具57,58(図2参照)が設けられている。支持金具71,72には軸部が形成されており、それら軸部が前扉枠14の軸受け金具57,58の軸受け孔に挿入されることで内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び軸受け金具57,58(図2参照)は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている(図3参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図4に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
再び図5を参照して説明すれば、樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤収容部61は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部と、同対向板部から遊技機前方へ起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部とによって構成されている。対向板部は、その略中央に中央開口64が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部,下側壁部,左側壁部,右側壁部が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部は中央開口64を囲むようにして形成されているとも言える。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うセルシートとを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット30(詳しくはガラスパネル31)によって覆われている。後側のガラスパネル31は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。なお、図6においては後述する左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤80には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84、可変表示ユニット85、主表示ユニット90等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。なお、以下の説明では遊技球の流下経路を「流路」ともいう。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。下側の作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、当該閉鎖状態よりも遊技球の入球が容易となる開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替え可能となっている。
可変表示ユニット85の側方(詳しくは左右両側)には上記スルーゲート84が配置されている。遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとしたサポート抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉鎖状態から開放状態に切り替えられることとなる。電動役物の開閉態様としては、上側の作動口83a(以下、「上作動口83a」と称する)よりも下側の作動口83b(以下、「下作動口83b」と称する)への入賞頻度が低くなるように設定された低頻度サポートモードと、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞頻度が高くなるように設定された高頻度サポートモードとが設定されており、各作動口83a,83bへの入球に基づく抽選によって所定の当たり結果となった場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行される構成となっている。
可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
主表示ユニット90は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材、詳しくは後述する誘導レールとともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材に設けられている。装飾部材は、遊技盤80の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられたガラスパネル31と対向しており、さらにガラスパネル31との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材の前面の前方を遊技球が落下していくことが防止されている。
主表示ユニット90は装飾部材の前面から露出するようにして設けられている。これにより、主表示ユニット90を前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、当該主表示ユニット90の前方を遊技球が落下していくことが抑制されている。
図示による詳細な説明は省略するが、主表示ユニット90は複数の発光体を有してなり、それら発光体群によって作動口用結果表示部、役物用結果表示部、上作動口83a用の保留数表示部、下作動口83b用の保留数表示部、スルーゲート84用の保留数表示部が構成されている。
作動口用結果表示部は、各作動口83a,83bに1対1で対応させて上作動口用の表示領域と下作動口用の表示領域と有しており、これら表示領域において、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。この場合、同表示領域では、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして、各発光体における点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(可変表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、同入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。つまり、上作動口83aへの入賞に基づく抽選結果は上作動口用の表示領域にて明示され、下作動口83bへの入賞に基づく抽選結果は下作動口用の表示領域にて明示される。
役物用結果表示部は、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用結果表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして、発光体群の点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用結果表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた電動役物91が所定の態様で開放状態となる。
また、遊技球が作動口83a,83bを通過した回数は最大4回まで保留され、各作動口用の保留数表示部によってその保留個数が表示されるようになっている。同様に、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され、スルーゲート用の保留数表示部によってその保留個数が表示されるようになっている。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、遊技状態が通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(後述する開閉実行モード)へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上枠部、左枠部及び右枠部については遊技盤80の前面から起立しており、上記ガラスユニット30(ガラスパネル31)との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置94に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
センターフレーム95において上作動口83aの上方に位置している部分(センターフレーム95の下部)には、遊技球の左右への転動を許容するステージ95aが設けられている。ステージ95aは表示画面94aの下端縁に沿うようにして左右に延びており、その中央位置には、遊技球を上作動口83aへと案内する案内部95bが形成されている。センターフレーム95において表示画面94aの側方に位置する左枠部には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット85の側方となる領域(詳しくは左ルート)を流下する遊技球をステージ95aへ導く流入口95cが形成されており、この流入口95cを通じてステージ95aに到達した遊技球は当該ステージ95a上にて左右への揺動を繰り返すこととなる。
案内部95bの左右両側には、遊技機前方へ傾斜する溝部95dが形成されている。ステージ95aにて揺動を繰り返す過程で案内部95bへ入った遊技球は高い確率で上作動口83aへと流入するのに対して、溝部95dに捕まった遊技球はステージ95aから転落し上作動口83aの側方を素通りする。このように、ステージ95aに到達した遊技球については、上作動口83aに流入するものと上作動口83aに流入しないものとに振り分けられることとなる。但し、ステージ95aを経由する遊技球についてはステージ95aを経由せずに遊技領域PEを流下する遊技球と比べて上作動口83aへの入球の可能性が高くなるように構成されている。
なお、本実施の形態に示す遊技盤80においては、上記右ルート及び左ルートの何れのルートを通過した場合であっても、一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83b,スルーゲート84へ入賞し得る。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル45の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が後述する補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、上記遊技領域区画部材(装飾部材)とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル45が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル45の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。
外レール102は、その特定部位における接線の向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位における接線の方向とを揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、外レール102は、当該外レール102を遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピンを備えている。固定ピンは外レール102に沿って配設されており、それら固定ピンの間に上記特定部位が設定されている。これにより、特定部位での外レール102の若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位に遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図3参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1等に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース60には、遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置が複数設けられている。ロック装置はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前扉枠14側への変位が抑えられることとなる。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を覆うようにして通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53(図3参照)が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置される。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背面側に露出した状態となっている。ここで、図8に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図8は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85(図6参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図6参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置94が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口用の検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する入賞装置用の検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用の検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知手段が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲート用の検知センサが設けられている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示したように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、図9に示すように、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)へ各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿29aに通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
本パチンコ機10(詳しくは主制御装置162)は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。上記主制御装置162には、RAM消去スイッチ166が設けられている。当該RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、主制御装置162に記憶されているRAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、本実施の形態に示す遊技盤80においては、上作動口83aへの入球に係る構成、すなわち遊技領域PEにて上作動口83aに続く流路を形成している構成が特徴的なものとなっている。ここで、図10を参照して、当該特徴的な構成について補足説明する。図10(a)はステージ95a及びその周辺部分を示す図6の部分拡大図、図10(b)は図10(a)のA−A線部分断面図である。
既に説明したように、ステージ95aは下方に凸となるように湾曲した弧状をなしている。ステージ95aの中央部分(詳しくは上記溝部95dの間となる位置)には、溝部95dとは反対側(遊技機後方)へ傾斜する傾斜部95eが形成されている。傾斜部95eの傾斜先には上記案内部95bの入口部分を構成する開口が形成されている。この開口に流入した遊技球については、当該案内部95bに沿って移動することによりその向きを変え、上作動口83aの直上に位置する出口部分から流出する。出口部分から流出した遊技球は上作動口83aに向けて落下する。このため、落下中に他の遊技球との衝突等が発生しない限り、案内部95bを経由した遊技球のほぼ全てが上作動口83aに入球することとなる。
上述したように、センターフレーム95に形成された流入口95cへ流入した遊技球については、当該流入口95cへ流入しなかった遊技球と比べて、上作動口83aへの入球確率が高くなるように構成されている。本実施の形態においては左ルートに流入口95cが配設されているのに対して、右ルートには流入口95cが配設されていない。つまり、流入口95cの有無について左ルートと右ルートとが非対称となっている。
流入口95cを経由する入球経路が形成されていることにより、右ルートよりも左ルートの方が上作動口83aへの入球確率が僅かながら高くなるように差違が設定されている。なお、左ルートへ発射された遊技球が流入口95cへ流入する確率については10%程度となっている。
流入口95cへ流入した遊技球については、ステージ95aへ案内される第1流路と、案内部95bへ直接案内される第2流路とに振り分けられる構成となっており、第2流路へ振り分けられた遊技球については、第2流路へ振分られた遊技球と比べて上作動口83aへの入球への期待が高くなる。つまり、左ルートの流入口95cと上作動口83aの上方領域とを繋ぐ連絡通路については、その途中位置にて2股に分岐しており、遊技球の振り分け先(第1流路/第2流路)に応じて上作動口83aへの入球確率が変化する構成となっている。
以下、図11〜図13を参照して、上記連絡通路を形成する通路形成ユニット300について説明する。図11は通路形成ユニット300を正面側から見た斜視図、図12及び図13は通路形成ユニット300を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
(通路形成ユニット300)
図11に示すように、通路形成ユニット300は、後述する可動ブロックを収容するケース部331と主として連絡通路310を形成する通路形成部332とが組み合わされてなるハウジング301を備え、ケース部331が遊技盤80に固定されなる。
図12及び図13に示すように、連絡通路310は、センターフレーム95に設けられた流入口95cに連通する上流側通路311と、上記第1流路を構成する第1通路部321及び上記第2流路を構成する第2通路部322に分岐してなる下流側通路313と、それら上流側通路311及び下流側通路313を繋ぐ中間通路312とに大別される。
ハウジング301にて中間通路312が形成されている部分(ケース部331)には、複数の可動部材が組み合わされてなる可動ブロック302が配設されている。図14(可動ブロック302の拡大図)に示すように、可動ブロック302は、上流側通路311から中間通路312に到達した遊技球を下流側通路313、詳しくは第1通路部321及び第2通路部322の分岐部分320へ案内する球送り機構350と、分岐部分320へ案内された遊技球の流路を切り替える流路切替部材390と、流路切替部材390の姿勢を制御する姿勢制御手段としてのリンク機構370とを有している。
ここで、図12、図14及び図15を参照して、球送り機構350について説明する。図15(a)球送り機構350の正面図、図15(b)は球送り機構350の平面図である。なお、図15においては球送り機構350に関連する構成の一部を2点鎖線を用いて表示している。
(球送り機構350)
図12に示すように、球送り機構350は、上記中間通路312に沿って遊技球を運ぶ球送り部材354(「回転体」に相当)を備えている。球送り部材354は、ケース部331に形成された軸部336により軸支されている。軸部336は遊技盤80の厚さ方向(前後方向)に延びており、球送り部材354はこの軸部336(中心軸線CL1)を中心に回転可能となっている。球送り部材354の保持構造についての詳細は後述する。
図15に示すように、球送り部材354は中心軸線CL1を中心とする略円板状のベース部361を有している。このベース部361の外周部分には遊技球の入球を許容する入球部365が形成されている。入球部365は、中心軸線CL1の放射方向に開放されており、この開放部分366を通じた遊技球の出入りが許容されている。入球部365の深さ寸法については遊技球の直径寸法よりも大きくなっており、遊技球が入球部365の底部367に到達している状態ではベース部361の外周部分からの遊技球の突出が回避される構成となっている。
入球部365は、球送り部材354が回転することにより、上流側通路311の出口部分に連通する位置と、連通しない位置とに変位することとなる。上流側通路311を流下した遊技球は、入球部365(開放部分366)が連通している場合には開放部分366を通じて入球部365に流入し、入球部が連通していない場合にはベース部361の外周部分に載った状態で入球部365の到達まで待機することとなる。
本実施の形態においては、上流側通路311の出口部分が下向きとなっており、入球部365が頂点に到達した際に、当該入球部365への入球が許容される構成となっている。ここで、入球部365の底部367は中心軸線CL1側に凸となるようにして湾曲している。このため、当該底部367に載っている遊技球については奥位置に留まりやすくなっており、上流側通路311から入球部365へ遊技球が移って中間通路312に沿った移動を開始する際に当該遊技球が中間通路312の壁面等に引っ掛かることを抑制している。
ハウジング301には、球送り部材354を回転させる「駆動手段」としてのモータ351が搭載されている。モータ351は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。本実施の形態においては、パチンコ機10の電源がONになったことを契機としてモータ351への駆動信号の出力が開始され、パチンコ機10の電源がOFFになったことを契機としてモータ351への駆動信号の出力が停止される。この駆動信号が入力されている間は、モータ351の出力軸が一定速度で一定方向に回転する(定常回転する)構成となっている。
モータ351の出力軸には駆動ギア352が固定されており、ハウジング301には駆動ギア352に連結される従動ギア353が取り付けられている(図14参照)。この従動ギア353は球送り部材354に連結されており、駆動ギア352にて発生した動力は従動ギア353を介して球送り部材354に伝達される。これにより、球送り部材354についても一定速度で一定方向に定常回転する構成となっている。具体的には、球送り部材354は、遊技機正面視にて球送り部材354が所定方向(時計回り方向)に回転し、所定周期(12sec)で一周するように構成されている。入球部365が180度間隔で2つ設けられている点に鑑みれば、1の遊技球が中間通路312を通過するのに要する通過期間は6secである。なお、球送り部材354の回転周期については12secに限定されるものではなく任意に変更してもよい。
モータ351の回転に伴って球送り部材354が時計回りに回転すると、入球部365に存在する遊技球は、開放部分366と底部367とを繋ぐ壁部368によって回転方向における手前側から押されることとなる。これにより、当該遊技球は球送り部材354に追従して変位する。入球部365が下流側通路313の入口部分と連通するまでの範囲では、入球部365の開放部分366と対峙するようにして通路形成部332の壁面部分が形成されている。この壁面部分によって入球部365からの遊技球の流出が規制されることとなる。そして、入球部365が下流側通路313の入口部分と連通した状態では、上記壁面部分による流出規制が回避される。この状態では、開放部分366が下方を向くこととなる。これにより、入球部365に入っている遊技球は下流側通路313の入口部分へと落下し、中間通路312から下流側通路313へ移る。
本実施の形態に示す球送り機構350においては、図15(b)に示すように中心軸線CL1方向に並設された2つの上記球送り部材354が併用されている。各球送り部材354のベース部361は遊技球の直径寸法よりも小さな隙間を隔てて対向しており、入球部365については2つの球送り部材354に跨るようにして形成されている。
このように、敢えて球送り部材354を離間させることにより、少なくとも上流側通路311から中間通路312に移る過程では、遊技球の一部が両球送り部材354により形成された溝に嵌る構成となっている。これにより、入球部365への入球の際には中心軸線CL1方向での遊技球の位置ばらつきが遊技球の自重によって抑えられることとなる。詳細については後述するが、この隙間にリンク機構370の一部を配設することにより、動作安定性の向上等の各種効果が発揮される。
各球送り部材354のベース部361には、相対向する側とは反対側の板面から膨出するようにしてギア部362が形成されている。つまり、球送り部材354は、大径部(ベース部361)と小径部とを有する段付き円板状をなしており、この小径部にギア部362が形成されている。このギア部362が上記従動ギア353に係合し、従動ギア353に追従して回転することにより、モータ351からの動力が球送り部材354に伝達される構成となっている。モータ351からの動力を2つの球送り部材354に各々伝達することにより、球送り時に生じる抵抗等によってそれら各球送り部材354に位相ずれ等が発生することを好適に抑制することができる。
なお、入球部365については、ベース部361の厚さ方向に貫通している。このため、上述した配置によって中心軸線CL1方向における遊技球の位置ばらつきを抑える構成であっても、貫通部分を通じて入球部365から遊技球が零れる可能性を否定できない。そこで、本実施の形態においては、ギア部362の一部が入球部365と対峙する位置へ張り出すように形成されている。このため、入球部365に入った遊技球の中心軸線CL1方向への変位がギア部362によって規制され、貫通部分を通じた遊技球の零れが簡易な構成によって回避されている。
球送り部材354によって下流側通路313に案内された遊技球は、下流側通路313の分岐部分320へ到達する。この分岐部分320には、遊技球を第1通路部321へ案内する第1案内状態と、遊技球を第2通路部322へ案内する第2案内状態とに切替可能な上記流路切替部材390が配設されている。分岐部分320に到達した遊技球の移動先は流路切替部材390の状態に応じて切り替わることとなる。
ここで、本実施の形態に示す流路切替部材390については第1案内状態/第2案内状態の切り替えが中間通路312における遊技球の通過を契機として実行される。具体的には、遊技球の通過に伴って動作するリンク機構370が設けられており、このリンク機構370によって流路切替部材390が切り替わる構成となっている。以下、図14〜図16を参照して、リンク機構370について説明する。図16(a)は球送り機構350とリンク機構370との関係を示す概略図、図16(b)は球送り機構350とリンク機構370との動作態様を示す概略図である。
図14に示すように、リンク機構370は、入球部365に遊技球が入っている場合に球送り部材354に連動するカム371(「連動体」に相当)と、カム371の動きに基づいて流路切替部材390の状態を切り替える伝達ギア372とを備えている。
図15(b)に示すように、カム371は、2つの球送り部材354の隙間(空隙ME)に配設されている。カム371には、軸部336が挿通される円筒状の軸受け部381が形成されており、当該軸部336によって回転可能に保持されている。このようにして、カム371を球送り部材354と同軸とすることにより、カム371の動作領域の確保に起因した通路形成ユニット300の大型化を抑制する上で好ましい構成である。
図16(a)に示すように、カム371には、軸受け部381から中心軸線CL1の放射方向に突出する複数の球受け部382を有している。これら2つの球受け部382については、中心軸線CL1方向に見て、球送り部材354の回転時に入球部365が通過する軌道と重なる位置へ延出している。入球部365に入っている遊技球が回転方向における手前側から球受け部382に当たることにより、当該遊技球によって球受け部382が回転方向へ押されることとなる。
図16(b)に示すように、入球部365へ遊技球が入っていない状態にて球送り部材354が回転している場合には、カム371が待機位置にて停止した状態のまま維持されることとなる。つまり、球送り部材354とカム371とが非連動となる。
これに対して、入球部365へ遊技球が入っている状態にて球送り部材354が回転している場合には、図16(c)に示すように、入球部365の壁部368によって押された遊技球が球受け部382に当たり、遊技球が球送り部材354の壁部368とカム371の球受け部382によって挟まれた状態となる。これにより、遊技球を介して球送り部材354の回転力がカム371に伝わり、3者が一体となって回転する。つまり、球送り部材354とカム371とが遊技球を媒体として連動する。
本実施の形態においては、球送り部材354によって遊技球が運ばれる際の回転角度が180度となるように設定されている。これに合せて、2つの球受け部382については、位相差が180度となるように(中心軸線CL1を中心として対象となるように)配置されている。遊技球が入球部365から離脱することにより、カム371の回転が終了することとなるが、この回転終了時には、遊技球による押圧対象となっていなかった球受け部382が入球部365への入球箇所に対して回転方向における先側に外れた位置に待機することとなる(図15(a)参照)。
カム371が回転した場合には、その回転力が上記伝達ギア372に伝わることとなる。図14に示すように、伝達ギア372は、カム371に連結された連結ギア375と、流路切替部材390に併設され当該流路切替部材390の状態を切り替える切替ギア377と、それら連結ギア375及び切替ギア377を繋ぐ複数の中間ギア376とによって構成されている。
連結ギア375は、球送り部材354を挟んでカム371とは反対側(後側)であって、カム371及び球送り部材354と同軸となる位置に配設されている。カム371と連結ギア375との間に球送り部材354が介在する構成ではあるが、軸受け構造を工夫することで動力の伝達経路を確保されている。ここで、図15(b)及び図16(a)を参照して、この軸受け構造について説明する。この軸受け構造の説明では、手前側に位置する球送り部材354を「第1球送り部材354X」、奥側に位置する球送り部材354を「第2球送り部材354Y」として区別する。
図15(b)に示すように、連結ギア375には、ハウジング301の軸部336Yが挿通される円筒状の軸受け部385が形成されている。この軸受け部385には、カム371側に突出するギア側係合突起386が形成されている。ギア側係合突起386は半円筒状をなしており、第2球送り部材354Yの軸受け部363Yに挿通されている。これに対して、カム371の軸受け部381には球送り部材354Y側へ突出するようにして半円筒状のカム側係合突起383が形成されており(図16(a)参照)、このカム側係合突起383についても同じく第2球送り部材354Yの軸受け部363Yに挿通されている。これらカム側係合突起383及びギア側係合突起386は軸受け部363Y内で係合することにより、軸部336Yを囲む円筒状の軸部が形成されている。
この軸部については、外径が軸受け部363Yの内径と一致しており、内径が軸部336Yの外径と一致している。軸受け部363Yに挿通された状態では、当該軸受け部363Yと軸部336Yとによって挟まれることにより、中心軸線CL1の放射方向への相対変位が規制され、係合状態に維持される構成となっている。第2球送り部材354Yはカム側係合突起383及びギア側係合突起386からなる軸部を介在した状態で軸部336Yによって保持されている。なお、軸部336Yは、球送り部材354Yの軸受け部363Yから演出しており、その先端部分がカム371の軸受け部381に挿入されている。
なお、カム371の軸受け部381の内径及び第1球送り部材354Xの軸受け部363Yの内径については軸部336Xの外径と一致しており、上述したような2重軸受け構造とはなっていない。但し、連結ギア375に相当する構成が第1球送り部材354X側に配設されている場合には、後側の軸受け構造を適用することも可能である。
上述したように、カム側係合突起383とギア側係合突起386とが係合しているため、カム371が回転した場合にはこれに追従して連結ギア375がカム371と同じ方向に回転することとなる。
図17の概略図に示すように、連結ギア375に係合している中間ギア376には、歯数が相対的に多くなるように形成された大径部387と歯数が相対的に少なくなるように形成された小径部388とが形成されている。これら大径部387と小径部388とを交互となるようにして組み合わせることにより、伝達ギア372の大型化を抑制しつつ、カム371と切替ギア377との回転比を変化させることが可能となっている。本実施の形態においては、カム371が8回転した場合に切替ギア377が1回転する構成としている。但し、この回転比については上記のものに限定されるわけではなく、任意に変更してもよい。
ここで、図17及び図18を参照して、切替ギア377を用いた流路切替部材390の状態切替に係る構成について説明する。
図17に示すように、流路切替部材390は、ハウジング301によって軸支された軸部391を有しており、この軸部391の中心軸線CL3を中心とした回動が許容されている。軸部391には、流路切替部材390が回動することにより第1通路部321の入口部分を開閉する第1シャッタ部392と、中心軸線CL2を中心に流路切替部材390が回動することにより第2通路部322の入口部分を開閉する第2シャッタ部393とが形成されている。
第1通路部321の入口部分と第2通路部322の入口部分とは、向き及び位置が相違している。具体的には、第1通路部321の入口部分が前向きとなるように形成されているのに対して、第2通路部322の入口部分は第1通路部321の入口部分よりも後側であって且つ横向きとなるように形成されている。これに合せて第1シャッタ部392及び第2シャッタ部393についても、前後位置及び向きが相違している。
分岐部分320を構成する通路底面については、第1通路部321の入口部分及び第2通路部322の入口部分の両方に向けて下り傾斜となるように構成されており、当該分岐部分320に到達した遊技球については両入口部分に向けて移動する構成となっている。但し、第1シャッタ部392が閉位置に配置されている場合には、当該第1シャッタ部392によって第1通路部321への移動が規制され、第2シャッタ部393が閉位置に配置されている場合には、当該第2シャッタ部393によって第2通路部322への移動が規制されることとなる。
より具体的には、第1シャッタ部392及び第2シャッタ部393の一方が開位置に配置されている場合には他方が閉位置に配置され、一方が閉位置に配置されている場合には他方が開位置に配置されるように構成されている。つまり、第1シャッタ部392が開位置に配置されている場合、すなわち第1通路部321の入口部分が開放されている場合には、第2シャッタ部393が閉位置に配置され、遊技球の移動先が第1通路部321に限定されることとなる(第1案内状態)。これに対して、第1シャッタ部392が閉位置に配置されている場合、すなわち第1通路部321の入口部分が閉鎖されている場合には、第2シャッタ部393が開位置に配置されることで、遊技球の移動先が第2通路部322に限定されることとなる(第2案内状態)。
軸部391には、中心軸線CL3からオフセットするようにして重り部395が形成されている。中心軸線CL3方向に見た場合に流路切替部材390の重心位置は重り部395と重なる位置に存在しており、この重り部395が軸部391の直下に位置する姿勢が流路切替部材390の待機姿勢となっている。この待機姿勢においては、重り部395の重さによって流路切替部材390が第1案内状態に維持される。
また、軸部391には切替ギア377の板面に対して対峙する位置へ延出するアーム部396が形成されており、切替ギア377の板面には当該切替ギア377の回転方向に延びる突条部389が形成されている。アーム部396は、切替ギア377が回転する際に突条部389が通過する軌道上に位置している。図18(a1)→図18(a2)に示すように、突条部389によってアーム部396が押し下げられると、流路切替部材390が重り部395の重さに抗して回動する。これにより、流路切替部材390が第1案内状態から第2案内状態に切り替わる。
なお、第1シャッタ部392については、上記回動に伴って第2通路部322の下流側へ向けて変位する。この際、分岐部分320に位置する遊技球については、第1シャッタ部392によって第2通路部322へ押されることとなる。つまり、第1シャッタ部392については、第1通路部321の開閉機能に加え分岐部分320に位置している遊技球を第2通路部322へ誘導する誘導機能が付与されている。
上述したように、カム371と切替ギア377との回転比には差が設けられており、カム371が2回転する間に切替ギア377は1/4回転する構成となっている。突条部389については、中心軸線CL2を中心として45°の範囲となるように形成されている。このため、第2案内状態に切り替わってから4つの遊技球が分岐部分320に到達するまでの間は、アーム部396が突条部389によって押し下げられたままとなり、流路切替部材390は第2案内状態に維持される(図18(b)参照)。
その後、球送り部材354によって新たに遊技球が案内される場合には、図18(a2)→図18(a1)に示すように、突条部389によるアーム部396との押圧が解除され、流路切替部材390が自重によって第1案内状態に切り替わり、この切り替わりの契機となった遊技球については、第1通路部321(第1流路)へ案内されることとなる。
切替ギア377については、中心軸線CL2を中心として315°の範囲が突条部389の非配置領域となっているため、第1案内状態の切り替え後は、12個の遊技球が分岐部分320に到達するまで第1案内状態のまま維持される。
ここで、本実施の形態に示す通路形成ユニット300の組み立てについて補足説明する。通路形成ユニット300の外郭を構成するハウジング301と機構部品としての可動ブロック302とのアセンブリ作業を行う際には、球送り部材354、カム371、カム連結ギア375をユニット化した状態(図16(a)参照)で、ハウジング301への取り付けを行う。当該ユニットの取付作業は、流路切替部材390、中間ギア376、切替ギア377等の他の構成のハウジング301への取付完了後に実行される。この際、ユニット側のカム連結ギア375とハウジング301側の中間ギア376との噛み合いが上手くいかないにも関わらず無理矢理に取り付けを行おうとすれば、球送り部材354とカム371との位置関係(回転位置)にずれが生じ得る。これは、球送り機構350の正常な動作を妨げる要因になるため好ましくない。そこで、上記ユニットを取り付ける際には、中間ギア376を指で回動させることにより、噛み合いの調整がなされる。図14等に示したように、中間ギア376の配設領域は上記ユニットの配設領域よりも広くなっているため、このような調整作業が当該ユニットによって妨げられることを回避されている。
因みに、噛み合い調整を行う際の球送り部材354とカム371との回転位置のずれを抑える上では、例えばカム連結ギア375と中間ギア376との大小関係(ギア比)を本実施の形態とは逆にすることも効果的である。また、軸受け部363に固定治具(例えば軸ピン)を挿入し、この固定治具によって球送り部材354とカム371との回転位置のずれを規制した状態でハウジング301への取り付けを行い、取付完了時に当該固定治具を取り外す構成とすることも効果的である。
なお、本実施の形態に示す通路形成ユニット300の可動ブロック302については、球送り部材354やカム371等の各種構成部品が組み合わされてなる。球送り部材354やカム371の初期位置を規定する位置決め手段が設けられており、この位置決め手段によって規定された位置を基準に各種構成を組み合わせることにより、上述した位置関係のばらつき(製造ばらつき)を回避することが可能となっている。因みに、この位置決め手段に係る機能を流路切替部材390に付与することも可能である。流路切替部材390については、その一部(重り部395)が通路形成ユニット300の開口338(図17参照)を通じて当該通路形成ユニット300から突出する構成となっている。そこで、この突出部分を作業者による位置決め用の操作部と利用することにより、上記位置決め作業の容易化を実現することができる。
本実施の形態においては、第1案内状態/第2案内状態の切り替えを行う際に切替動作の開始〜完了に必要な切替ギア377の回転角度を、1の遊技球が中間通路312を通過した際のカム371の回転角度となるように構成することで、切替動作の応答性の向上を図っているが、これに限定されるものではない。切替動作の開始〜完了に必要な切替ギア377の回転角度を、複数の遊技球が中間通路312を通過した際のカム371の回転角度となるように構成してもよい。
以上詳述した流路の切り替えについては、遊技球の連絡通路310の通過に依存してはいるものの、その動力源については、遊技球の重みや移動の勢い等に依存しているわけではない。動力源はあくまでモータ351であり、遊技球の通過については切替条件の一部を構成しているに過ぎない。以下、図19を参照して、可動ブロック302の動きについて補足説明する。図19は、可動ブロック302を構築する各種構成の関係を示したブロック図である。
図19(a)に示すように、遊技球が球送り部材354の入球部365に入球していない場合には、球送り部材354とカム371とが非連動となる。この場合であっても球送り部材354は時計回り方向に一定速度で回転を継続しているが、動力の伝達経路が寸断されている。ここで、球送り部材354とカム371との接触部分に発生する摩擦抵抗については、カム371の回転(リンク機構370の動作)に要する駆動力よりも大きいため、カム371は上述した待機位置に留まることとなる。つまり、遊技球不在のまま球送り部材354がいくら回転したとしても、切替ギア377の回転位置が更新されない。故に、流路切替部材390の状態切替の契機になることはなく、切替条件成立までの遊技球の残り振分数が更新されることもない。
図19(b)に示すように、遊技球が入球部365に入球している場合には、遊技球を介して球送り部材354とカム371とが繋がって、モータ351の動力の伝達経路が形成される。
具体的には、入球部365に位置する遊技球は、球送り部材354が回転することにより、入球部365(壁部368)によって回転方向における手前側から押される。押された遊技球がカム371(球受け部382)に当たると、遊技球が壁部368及びカム371によって挟まれた状態となり、壁部368からの押圧力が遊技球を介してカム371に伝わる。この結果、カム371が球送り部材354と同じ方向に押されることで、カム371についても中心軸線CL1を中心として球送り部材354と同期回転する。これにより、モータ351の駆動力は、球送り部材354→遊技球→カム371を通じて流路切替部材390に伝わる。これにより、切替条件成立までの遊技球の残り振分数が更新されることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
入球部365への入球が発生した場合、その遊技球は球送り部材354の回転に合せて当該球送り部材354の回転方向へ移動する。遊技球が入球部365に配置されている場合には球送り部材354に追従するようにしてカム371が動作する(連動する)。カム371の動作に基づいて流路切替部材390が第1案内状態/第2案内状態に切り替わることとなる。つまり、球送り機構350によって遊技球が案内された場合には、それに応じて下流側通路313での遊技球の流路(第1通路部321/第2通路部322)が切り替わることとなる。このように、流入口95cを通じて連絡通路310に至った遊技球の動きに応じて流路切替部材390を動作させることにより、遊技球の動きと流路切替部材390の動きとの関連性を付与することができる。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で有利である。
第1流路を構成する第1通路部321に振り分けられた遊技球については上作動口83aの上方に位置するステージ95aへ案内され、当該ステージ95a上を左右に揺動することとなる。この際、溝部95dに捕捉された遊技球については上作動口83aの側方となる位置へと落下する。これに対して、案内部95bに流入した遊技球は、当該案内部95bを経て上作動口83aに向けて落下する。第1流路に振り分けられた遊技球については必ずしも上作動口83aに案内されるわけではないが、少なくとも連絡通路310を経由しなかった遊技球と比べた場合には、上作動口83aへの入球確率が高くなる。
これに対して、第2流路を構成する第2通路部322に振り分けられた遊技球については案内部95bへ直接案内されることとなる。つまり、第1流路と比べて流路切替部材390による振分率は低いものの、第2流路とに振り分けられた遊技球のほとんどが上作動口83aに流入することとなる。
ここで、第1流路→第2流路への切り替えには複数の遊技球の通過を要し、第2流路→第1流路への切り替えにも複数の遊技球の通過を要する構成となっている。これにより、上作動口83aへの入球頻度にある種の偏りを発生させることができ、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
なお、本実施の形態においては、第2流路に案内される遊技球の数を上作動口83aの入球に基づく保留数の上限に揃えてあるが、これは第2案内状態となって上作動口83aへの入球が連発した際にその恩恵が上手く享受できなくなることを回避する工夫である。
因みに、第1流路/第2流路への振り分け態様については任意である。例えば第1流路に振り分けられた遊技球の数が上作動口83aに係る保留数の上限数(例えば4個)となることで流路が第1流路→第2流路に切り替わり、第2流路に振り分けられた遊技球の数が下作動口83bに係る保留数の上限数(例えば4個)となることで流路が第2流路→第1流路に切り替わる構成とすることも可能である。
連絡通路310を通過する遊技球のうち第1通路部321に案内されるものについては上作動口83aの側方を通過して可変入賞装置82へ向かうこととなる。つまり、可変入賞装置82への入球を目的とした場合には、流路切替部材390が第2案内状態となっている場合よりも第1案内状態となっている方が遊技者にとって有利である。これに対して、上作動口83aへの入球を目的とした場合には、流路切替部材390が第1案内状態となっている場合よりも第2案内状態となっている方が遊技者にとって有利となる。このため、遊技の状態に応じて第1流路と第2流路との有利/不利の関係が逆転し得る構成となっている。このような構成とすることにより、通路形成ユニット300を用いて遊技の単調化を抑制するという効果を一層好適に発揮させることができる。
本実施の形態においては、上記カム371が球送り部材354に追従するようにして動作する場合には、入球部365に配置された遊技球によって動力の伝達経路が補完されることとなる。これにより、球送り部材354を回転させるモータ351がカム371を回転させる駆動源として機能することとなる。カム371が回転することにより、流路切替部材390の切り替え用の動力が確保されるため、カム371及び流路切替部材390を動作させるための動力の遊技球への依存を回避できる。つまり、遊技球の重さや移動速度へ依存することを抑制できる。このようにして遊技球への依存を抑制することにより、カム371や流路切替部材390の動作の安定化に寄与できる。また、モータ351がカム371や流路切替部材390用の動力源として機能することにより、必要となる駆動力が遊技球の運動エネルギや位置エネルギによって制限されることを抑制することができる。これは、流路切替部材390の配置や動き等に係る制約を緩和する上で好ましい構成である。
なお、入球部365に遊技球が配置されていない場合には、上述した動力の伝達経路が寸断されるため、モータ351とカム371及び流路切替部材390とが切り離されることとなる。このように、遊技球の有無に応じて回転力が伝達/非伝達で切り替えることにより、簡易な構成によってカム371や流路切替部材390の動きに入球の有無による差違を生じさせることができる。
カム371(「連動体」又は「中間部材」に相当)については球送り部材354(「回転体」に相当)と同軸となるようにして回転可能に保持されている。これにより、両者を連動させる範囲(同期範囲)の自由度を好適に担保することができる。また、球送り部材354とカム371とを同軸となるように配置することは、モータ351→球送り部材354→カム371への動力伝達のロスを緩和し、動力の伝達効率を好適に向上させる上でも好ましい構成である。
球送り部材354に形成された入球部365については中心軸線CL1を中心に回転方向に離間するようにして複数設けられており、カム371に形成された球受け部382についても中心軸線CL1を中心に回転方向に離間するようにして複数設けられている。球送り部材354の回転によって入球部365から遊技球が流出した場合には、それまで遊技球による押圧対象となっていた球受け部382以外の球受け部382が入球部365への遊技球の受入箇所よりも回転方向における先側に外れた位置にて待機するように構成されている。これにより、次の遊技球の入球部365へ向けた移動が球受け部382によって妨げられることを回避できる。これにより、繰り返しの動作に好適に対応することができる。
球送り部材354へ到達した遊技球は直ちに入球部365へ入球するとは限らず、タイミングによっては入球部365への入球待ちの期間が発生する。つまり、球送り部材354の姿勢(回転位置)によって入球部365への入球タイミングが変化する。このため、球送り部材354に到達した遊技球の案内が終了するまでの期間が変化し、球送り部材354への到達タイミングと流路切替部材390の動作タイミングとを多様化することができる。
本実施の形態に示す球送り部材354及びカム371と流路切替部材390とは、遊技機正面視にて離間して設けられており、伝達ギア372等を介して繋がっている。このように、伝達ギア372等を介在させることにより球送り部材354及びカム371と流路切替部材390との位置関係に係る制約を緩和することができる。つまり、動力の伝達経路を確保しつつ、流路切替部材390の動作契機となる構成(球送り部材354やカム371)の配設箇所と、流路切替部材390の配設箇所との離れを許容することができる。これは、球送り部材354及びカム371や流路切替部材390の配置自由度を向上する上で有利である。例えば、球送り部材354及びカム371と流路切替部材390との前後の重なりを抑えることにより、一方が他方の視認を妨げる要因になることを抑制しつつ、上述した連動機能を担保することが可能となる。
このように複数の伝達ギア372を用いて動力の伝達経路を確保する上では、少なからず伝達ロスが発生し得る。そこで、このような伝達ロスを利用して球送り部材354とカム371との間に生じる摩擦抵抗よりも大きな抵抗を発揮させる構成とすれば、入球部365に遊技球が入っていない状態にて球送り部材354が回転(空転)したとしても、それに追従してカム371が回転することを抑制することができる。仮にカム371の動力が遊技球の重さや移動速度に依存する場合には、このような摩擦抵抗の存在がカム371の動力の確保を困難にしたり動作安定性を低下させたりする要因になり得る。この点、上述したように遊技球をモータ351からの動力をカム371へ伝える媒体として機能させる構成とすれば、上記摩擦抵抗に起因する各種不都合の発生を好適に回避することができる。
球送り部材354とカム371とを近づけて配置することは可動ブロック302の占有領域の無駄な拡がりを抑える上で好ましい構成である。しかしながら、このような構成では、上述したように球送り部材354とカム371とが接触することにより摩擦抵抗が発生し得る。この摩擦抵抗が要因となって、本来連動体が動作すべき状況ではないにも関わらず当該連動体が動作する可能性を否定できない。故に、上述したように伝達ギア372を用いてカム371の回転を抑える構成とすることには占有領域の減縮に起因した不都合の発生を抑制できるという技術的意義がある。
伝達ギア372の回転比については、複数の遊技球の通過に基づいて流路切替部材390が第1案内状態/第2案内状態に切り替わるように規定されている。このように、流路切替部材390の切り替えに複数の遊技球の通過を前提とすれば、切替用の駆動力を無理なく捻出することができる。これは入球部365での遊技球の有無によって変化する負荷が極端に大きくなることを抑制し、モータ351に係る負荷を軽減する上で好ましい構成である。
特に、複数の球受け部382(入球部365)を併用して応答性の低下を抑制する構成となっているため、上述した切替条件を採用した場合であっても球送り部材354の回転速度を抑えつつ円滑な遊技進行を実現することができる。
上述したように本実施の形態における球送り部材354については中心軸線CL1方向に離間して設けられている。上流側通路311から中間通路312(入球部365)に流入する際には、遊技球がこれら2つの球送り部材354に跨るようにして待機することとなり、自重によって両球送り部材354の中間位置に落ち着くこととなる。これにより、当該遊技球と両球送り部材354の中間に位置するカム371(球受け部382)との当接箇所のばらつきが抑えられる。遊技球がカム371の球受け部382及び入球部365の壁部368によって挟まれる構成においては、遊技球の位置が変化することにより、力が伝わる向きが変化し得る。これは、カム371等に歪等の変形が生じる要因となり得るため好ましくない。そこで、上述したように当接箇所のばらつきを抑える構成とすれば、変形等の発生を抑制し、カム371の動作を安定化に貢献できる。
なお、前側の球送り部材354(ベース部361)からカム371までの距離と、後側の球送り部材354(ベース部361)までの距離とが同一となっていることにより、遊技球を介してカム371へ動力を伝える際の伝達効率の向上に寄与することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、通路形成ユニット300を用いて上作動口83aへの入賞が発生しやすい状況と発生しにくい状況とを創出することにより、遊技の単調化の抑制を図る構成とした。このような構成では、遊技球の動きにある種の偏りが生じさせることにより、遊技球の動き等への遊技者の注目が向くように促すことができる。これに対して、本実施の形態では上述した通路形成ユニット300を経由した遊技球の動きと遊技状況とに応じて遊技者に遊技球の打ち分けを促すことにより、遊技への注目度の更なる向上を実現する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図20のブロック図を参照して、遊技に関する制御を行うための電気的構成について説明する。
(パチンコ機10の電気的構成)
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口81用の検知センサ651a、上作動口83a用の検知センサ651b、下作動口83b用の検知センサ651c、可変入賞装置82用の検知センサ651d、スルーゲート84用の検知センサ651eが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。また、遊技盤80の背面側に設けられた回収通路の最下流部分に設けられた検知センサ151fが接続されており、この検知センサ151fからの情報に基づいて遊技球から排出された遊技球の数を把握可能となっている。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記各種入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82(大入賞口)への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU602の出力側には、下作動口83bに付随した電動役物91を駆動させる駆動部91b、可変入賞装置82の開閉扉を駆動させる可変入賞駆動部82c、主表示ユニット90の保留数用表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82(大入賞口)が開閉されるように、MPU602において可変入賞装置82における可変入賞駆動部82cの駆動制御が実行される。また、下作動口83bの電動役物91の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット90の主表示部における上作動口用表示部又は下作動口用表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力それら各種構成に供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置143は、MPUが搭載された報知・演出制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMが設けられている。報知・演出制御装置143は、主制御装置162から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置94における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の概要を決める。そして、前扉枠14に設けられたランプ部24〜26やスピーカ部27を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御する。
表示制御装置620はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力されたコマンドに基づいて、可変表示ユニット85(詳しくは図柄表示装置94)の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置94の表示内容について説明する。
表示制御装置のキャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが記憶されている。
図柄表示装置94の表示画面94aには、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面94aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、表示画面94aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面94aには、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することも可能である。
因みに、図柄表示装置94における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
表示画面94aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域の下方となる部分には、保留表示領域が設定されている。当該保留表示領域には、遊技球が作動口83a,83bに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域が設けられている。
具体的には、遊技球が上作動口83aに入球した場合の最大保留個数は4個であり、下作動口83bに入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では上作動口83a及び下作動口83bへの入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域には、上作動口83a用の第1単位保留表示領域〜第4単位保留表示領域と、下作動口83b用の第1単位保留表示領域〜第4単位保留表示領域が設定されている。
また、保留表示領域には、保留数表示領域と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像が表示される実行対象表示領域が設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域(第1単位保留表示領域)に表示されている保留表示用画像が実行対象表示領域に移り、保留数表示領域に表示されている保留表示用画像を下位側にシフトすることとなる。
(各種カウンタについて)
次に、図21を参照して上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図8は当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部の表示の設定(発光態様の設定)、図柄表示装置94の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置94にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット90の作動口用表示部及び図柄表示装置94における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける開閉態様(ラウンド数)、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口83bの電動役物91におけるサポートモード、という3つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して3つの大当たりが設定されている。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、具体的には0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。上作動口83a又は下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRbに格納される。
(遊技結果の振り分け)
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、図22を参照して振分テーブルの内容について説明する。振分テーブルとしては、上作動口用の振分テーブル(第1振分情報群)と、下作動口用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上作動口用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として15R通常大当たり結果、2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果が設定されている。
15R通常大当たり結果となった場合には、開閉実行モード中に可変入賞装置82が15回開放される。そして、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードに移行する。この高頻度サポートモードについては当該高頻度サポートモード下にて実行された遊技回数が所定数(本実施の形態においては100回)となることにより終了する。
2R確変大当たり結果となった場合には、開閉実行モード中に可変入賞装置82が2回開放される。そして、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードに移行する。これら高確率モード及び高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。
15R確変大当たり結果となった場合には、開閉実行モード中に可変入賞装置82が15回開放される。そして、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードに移行する。これら高確率モード及び高頻度サポートモードについては次回大当たり結果となるまで継続される。
上作動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜19」が2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
これに対して、下作動口用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果が設定されている。
下作動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
ここで、電動役物91によるサポートパターンについて補足説明する。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選(サポート抽選)における電役開放状態当選(サポート当選)となる確率が異なっている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては低頻度サポートモードよりもサポート抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中にスルーゲート84への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は100%となっており、低頻度サポートモード中にスルーゲート84への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は20%となっている。
また、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードにおいては、サポート抽選に当選した場合に電動役物91が開放状態となる回数が同じ(詳しくは3回)となるように設定されている一方、1回当たりの開放時間に差が設定されている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が3secとなるように設定されているのに対して低頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が0.2secとなるように設定されている。
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル45が遊技者により操作されている状況では、所定の周期(0.6sec)に1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度サポートモードでは、上記のとおり1回の電動役物91の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度サポートモードでは、遊技球の発射周期よりも1回の下作動口83bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度サポートモード対応の遊技状態では実質的に下作動口83bへの入賞が発生しにくくなっている。
更には、高頻度サポートモードでは1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が低頻度サポートモードよりも短くなるように差が設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bの下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選に当選した場合の開放回数に差を設定してもよい。さらには、開放回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
再び図21を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当否抽選に当選となる遊技回)においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置94を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置94における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置94の表示画面94aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置94の表示画面94a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面94aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面94aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット90(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置94における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置94による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリアが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
(主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ651a〜651f)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口83aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに上作動口用の入賞検知フラグを格納し、下作動口83bへの入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア604eに下作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート84を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリア604cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア604cに格納する。そして、各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
作動口用の入賞処理においては先ず、遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリア604eに上作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が上作動口83aへの入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、上作動口83aに遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上作動口83aへの入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、上作動口用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアに保留記憶されている上側始動保留記憶数をセットする。続いて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに上作動口用の入賞検知フラグが格納されていない場合、すなわち上作動口83aではなく下作動口83bへの入賞が発生している場合には、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置242に送信される。
続いて、下作動口83bに遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下作動口83bへの入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、下作動口用の保留エリアの保留数記憶領域に格納された値を読み出して、当該保留エリアに保留記憶されている下側始動保留記憶数をセットした後、情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、上作動口83a及び下作動口83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
情報取得処理においては先ず、セットした始動保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数を1インクリメントするとともに、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数と言う)を1インクリメントする。
その後、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上作動口用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数がセットされている場合には、更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下作動口用の保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続いて、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図24のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置94による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット90(主表示部)における作動口用表示部等の表示制御を行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット90(主表示部)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル45に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS207では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図25及び図26のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS301にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS302に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示及び確定表示が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された確定表示期間が経過している場合には、ステップS303に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、15R通常大当たり結果対応フラグ、2R確変大当たり結果対応フラグ及び15R確変大当たり結果対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS304にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、後述するロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。続くステップS305では、今回の開閉実行モードが15R大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS305にて肯定判定をした場合には、ステップS306にてRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットする。ステップS305にて否定判定をした場合にはステップS307にてRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットする。
ステップS306又はステップS307の処理を実行した後は、ステップS308にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS308の処理を実行した後はステップS309にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS307の外部信号設定処理では、RAM604に、各種大当たり対応フラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たりが発生した旨を示す信号が出力するための準備がなされ、当該信号については通常処理(図24)のステップS201にて管理制御装置へ送信されることとなる。管理制御装置においては、この信号に基づいて、パチンコ機10にて開閉実行モードへ移行したことを把握することができる。
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS310に進む。ステップS310では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS311にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS401にて大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82における可変入賞装置用駆動部82cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、ステップS402にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS403にて開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図23)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。
開放数カウンタOCの値が「0」である場合又は開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」でなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS404に進み、可変入賞装置82における大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞装置用駆動部82cを駆動状態とする。その後、可変入賞装置82対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、先ずステップS405にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS406にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
その後、ステップS407にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS401の説明に戻り、当該ステップS401にて大入賞口が開放中であると判定した場合にはステップS408に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS409に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ651dからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS410にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって図柄表示装置94の表示画面94aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS410にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS411に進む。ステップS411では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS412にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS412にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS408にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、流入口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS413にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞装置用駆動部82cを非駆動状態とする。
続くステップS414では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、ステップS415にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には、ステップS416にて開放タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
その後、ステップS417にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS415にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS418にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS419にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、上記オープニングコマンドと同様に、開閉実行モードへの移行時の状況等に応じて複数設定されており、開閉実行モード後に移行する背景画像等がこれら各種コマンドに応じて確定表示される構成となっている。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップS311にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS312にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS313にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS314にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、15R確変大当たり結果又は2R確変大当たり結果となっている場合には、開閉実行モード終了後は高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態に移行し、15R通常大当たり結果となっている場合には、開閉実行モード終了後は低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態に移行する。
次に、図27のフローチャートを参照して、ステップS205の電役サポート用処理について説明する。
(電役サポート用処理)
電役サポート用処理では先ず、ステップS501にてサポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口83bの電動役物91を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS502に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物91を開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS503に進み、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS504にて、主表示部におけるスルー用表示部での絵柄の変動表示を終了するタイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS505にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS506にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS507にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1008にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS509にて開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア604cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「375」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアT2は通常処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS510では、ステップS509の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS511の処理を実行することなくステップS512に進み、サポート当選である場合には、ステップS511にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS512に進む。
ステップS512では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS512にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS512にて肯定判定をした場合には、ステップS513にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS514にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した表示変更処理を実行する。これにより、背景画像が高頻度サポートモード対応のものから低頻度サポートモード対応のものに変更されることとなる。
ステップS507及びステップS508の説明に戻り、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS516にて開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア604cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「7375」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS517では、ステップS516の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS518にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップS502において、サポート当選フラグが格納されていると判定した場合にはステップS519に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、主表示部のスルー用表示部における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS520にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルー用表示部における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS521では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
また、ステップS501において、サポート中フラグが格納されていると判定した場合にはステップS522に進み、電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。ここで、電役開閉制御処理について説明する。
電役開閉制御処理では、先ず電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物用の駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放されている場合には、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「125」(すなわち0.5sec)をセットする。その後、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物91が開放中でない場合には、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、開閉実行モード中か否かを判定するとともに、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、第2タイマエリアT2に「750」(すなわち3sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、第2タイマエリアT2に「50」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
ここで、本実施の形態においては、通路形成ユニット300によって規定されている遊技球の振り分け先と遊技状態とに応じて遊技者に有利な遊技球の発射先(左ルート及び右ルート)が都度変化する構成となっている。これは、遊技の単調化を抑える上では好ましい構成ではあるが、遊技が複雑になることで遊技者を困惑させたり、遊技者間の公平性を低下させたりする要因になり得る。そこで、本実施の形態においては、それら各種不都合の発生を抑える工夫が施されていることを特徴の1つとしている。具体的には、遊技球の振り分け先と遊技状態とに応じて遊技者に狙うべき流路を報知することを特徴の1つとしている。以下、この特徴に係る構成について説明する。
通路形成ユニット300には、流路切替部材390(切替ギア377)の位置を検知する位置検知センサ379が設けられている。この位置検知センサ379は報知・演出制御装置143に接続されており(図20参照)、報知・演出制御装置143のMPUは位置検知センサ379からの検知情報に基づいて流路切替部材390が上記第1案内状態及び第2案内状態の何れとなっているかを把握可能となっている。報知・演出制御装置143のMPUでは、この把握結果に基づいてルート報知処理が実行される。以下、図28のフローチャートを参照してこのルート報知処理について説明する。ルート報知処理は、報知・演出制御装置143のMPUにて定期処理の一環として実行される処理である。
(ルート報知処理)
ルート報知処理においては先ず、ステップS601にてルート報知を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS602に進む。ステップS602では開閉実行モード中であるか否かを判定する。
ステップS602にて肯定判定をした場合には、位置検知センサ379からの検知情報に基づいて流路切替部材390が第1案内状態となっているか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であって且つ第1案内状態である場合にはステップS604に進む。ステップS604では左ルート報知処理を実行する。具体的には、図柄表示装置94の表示画面94aに左ルートを狙った遊技球の発射を促すメッセージ(例えば「左ルートを狙え」)を表示させるべく表示制御装置620に左ルート報知用コマンドを出力する。
開閉実行モード中は可変入賞装置82への入球が許容される。故に、開閉実行モード中はこの可変入賞装置82への入球を発生させることで多量の遊技球を獲得するチャンスとなる。上述したように作動口83a,83b等の他の入球部(スルーゲート84を除く)へ流入した遊技球については、そのまま遊技領域PEから排出されることとなり、可変入賞装置82への入球が回避される。また、可変入賞装置82の開放期間には制限がある点に配慮すると、開閉実行モード中は可変入賞装置82への速やかな入球を優先させることが好ましい。
ここで、流路切替部材390が第1案内状態となっている場合には、連絡通路310に流入した遊技球はステージ95aへ案内されることとなる。ステージ95aに案内された遊技球は、溝部95dに沿って落下することにより可変入賞装置82へ向かう。つまり、上作動口83aへ至らなかった遊技球については可変入賞装置82へ到達する可能性が高まる構成となっている。ここで、本実施の形態における遊技領域PEについてはステージ95aを経由した遊技球についてはステージ95aを経由しなかった遊技球と比較して可変入賞装置82への到達確率が高くなるように構成されている。つまり、流路切替部材390が第1案内状態となっている場合には、連絡通路310への遊技球の流入が遊技者にとって有利に作用することとなる。
連絡通路310の入口部としての流入口95cについては上記左ルート及び右ルートのうち前者にのみ配設されている。つまり、連絡通路310を経由することによる上記恩恵を享受するためには左ルートへ向けて遊技球を発射することが前提となる。図柄表示装置94の表示画面94aにて左ルートを狙うべき旨の報知が行われている場合には、この報知に従って左ルートへ遊技球を発射することにより、可変入賞装置82への速やかな入球が期待できる。
ステップS603にて否定判定をした場合、すなわち流路切替部材390が第2案内状態となっている場合、すなわち開閉実行モード中であって且つ第1案内状態である場合にはステップS604に進む。ステップS604では左ルート報知処理を実行する。具体的には、図柄表示装置94の表示画面94aに右ルートを狙った遊技球の発射を促すメッセージ(例えば「右ルートを狙え」)を表示させるべく表示制御装置620に右ルート報知用コマンドを出力する。
流路切替部材390が第2案内状態となっている場合には、連絡通路310へ案内された遊技球のほとんどが上作動口83aへ入球することとなり、当該上作動口83aを通じて遊技領域PEから排出されることとなる。上作動口83aへの入球した遊技球については可変入賞装置82への入球の機会が失われる点に鑑みれば、開閉実行モード中に第2案内状態となっている流路切替部材390を経由させることは必ずしも遊技者に有利であるとは言えない。
遊技領域PEにおいては、左ルート(連絡通路310非経由)を流下した遊技球の可変入賞装置82への到達確率と、右ルートを流下した遊技球の可変入賞装置82への到達確率とが同等となるように構成されている。つまり、右ルートへ遊技球を発射すること自体が遊技者に不利になるような設定とはなっていない。そして、上述したように連絡通路310の入口部としての流入口95cについては上記左ルート及び右ルートのうち前者にのみ配設されている。つまり、敢えて右ルートへ遊技球を発射して連絡通路310(流入口95c)への流入を回避することにより、結果として遊技球を可変入賞装置82へ効率よく到達させることが可能となる。
ステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS606に進む。ステップS606では電動役物91によるサポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。ステップS602にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。これに対して、ステップS602にて肯定判定をした場合には、ステップS603に進む。
ステップS603にて肯定判定をした場合には、すなわち高頻度サポートモード中であって且つ流路切替部材390が第1案内状態である場合には、ステップS604にて左ルート報知処理を実行する。
上記ステージ95aに形成された溝部95dについては、電動役物91の可動片(サポート片)が開位置に配置された場合に、当該可動片の直上となる位置に形成されている。つまり、ステージ95aの溝部95dを経由した遊技球については高い確率で可動片に到達し、当該可動片に沿って下作動口83bに入球することとなる。つまりステージ95aを経由した遊技球については、ステージ95aを経由しなかった遊技球と比べて下作動口83bへの入球確率が高くなり、無駄球の発生が抑えられる。
つまり、高頻度サポートモード中に左ルートを狙うべきメッセージが報知されている場合に、当該メッセージに合せて左ルートへ遊技球を発射すれば、遊技を一層有利に進めることができる。
一方、ステップS603にて否定判定をした場合には、すなわち高頻度サポートモード中であって且つ流路切替部材390が第2案内状態である場合には、ステップS605にて右ルート報知処理を実行する。
上作動口83aへの入球に基づく大当たり種別の抽選と、下作動口83bへの入球に基づく大当たりの種別の抽選とを比較した場合には、比較的出球の少ない2R確変大当たり結果の振り分けがない点で下作動口83bへの入球の方が遊技者にとって有利となっている(図22参照)。このような事情から、高頻度サポートモード中には極力下作動口83bへの入球に基づいて遊技を進行させることが好ましい。
ここで、流路切替部材390が第2案内状態となっている場合には、連絡通路310に流入した遊技球のほとんどがそのまま上作動口83aに入球することとなる。遊技領域PEについては、左ルート(連絡通路310非経由)を流下した遊技球の下作動口83bへの到達確率と、右ルートを流下した遊技球の下作動口83bへの到達確率とは同等となるように構成されている。故に、高頻度サポートモード中に流路切替部材390が第2案内状態となっている場合には、遊技者に右ルートを狙うように報知を行う。この報知に従って右ルートを狙って遊技球を発射することにより、上作動口83aへの入球を極力減らすことができ、遊技を有利に進めることができる。
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて肯定判定をした場合には、ステップS607に進む。ステップS607ではルート報知を解除するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、開閉実行モード又は高頻度サポートモードが終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS607にて否定判定をした場合には、ステップS608に進む。
ステップS608では、位置検知センサ379からの検知情報に基づいて流路切替部材390の案内状態が変化したか否かを判定する。ステップS608にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。ステップS608にて肯定判定をした場合にはステップS609に進む。ステップS609ではルート報知更新処理を実行する。
具体的には、流路切替部材390が第1案内状態から第2案内状態に切り替わった場合には狙い先を右ルートに切り替える処理を実行し、流路切替部材390が第2案内状態から第1案内状態に切り替わった場合には狙い先を左ルートに切り替える処理を実行する。
ステップS607の説明に戻り、当該ステップS607にて肯定判定をした場合にはステップS610に進み、ルート報知解除処理を実行する。具体的には、図柄表示装置94の表示画面94aにおける上記メッセージの表示を終了すべく、表示制御装置620にルート報知解除用コマンドを出力する。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、開閉実行モード中や高頻度サポートモード中に流路切替部材390を用いてある種の入球の偏りを発生させることができ、それら各種モードにおける遊技の単調化を抑制することができる。
第1流路を構成する第1通路部321及び第2流路を構成する第2通路部322の有利/不利の関係が遊技状態によって変化する。これは、流路切替部材390の存在意義を高める上でも好ましい構成である。
上述したように遊技の多様性を強化した場合には、遊技者を困惑させたり、遊技に関する知識の有無等の遊技者間の差によって公平性が低下したりすると懸念される。この点、遊技状態及び流路切替部材390の状態を勘案した上で遊技者に有利なルートを報知する構成とすれば、それら各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、遊技球の発射先の細かな調整が必要となれば、遊技者の技量等によって得られる恩恵に大きな差が生じ得る。この点、左ルートと右ルートとの打ち分けに留める構成となっているため、例えば遊技に慣れていない遊技初心者であっても上述した恩恵を享受することができる。
上記報知に従って遊技を行った場合には、開閉実行モードや高頻度サポートモードを経由して低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の通常遊技状態へ移行した際に流路切替部材390が第2案内状態になりやすい。つまり、遊技者にとって不利な遊技状態へ移行した直後は、流路切替部材390による恩恵が最大限に発揮される準備状態となる。このため、通常遊技状態への移行後は、ある程度の期間に亘って上作動口83aへの入球が高確率で発生する状態(いわば入球高確状態)とすることができる。これにより、通常遊技状態への移行によって遊技意欲が急速に低下することを抑制し、遊技者に遊技の継続を促すことができる。
<第3の実施の形態>
上記第1及び第2の各実施の形態においては、球送り部材354を常時一定速度で回転させる構成としたが、本実施の形態においては球送り部材354の回転速度を変化させる構成となっている点でそれら第1及び第2の実施の形態と構成が相違している。また、このような動作態様の変更を併せて通路形成ユニット300及び開閉実行モード移行時の遊技進行に係る各種構成が変更することにより更なる遊技の態様化が実現されている。以下、図29を参照して本実施の形態における通路形成ユニット300Aについて上記第1及び第2の各実施の形態との相違点を中心に説明する。図29(a)は第3の実施の形態における遊技盤80を示す正面図、図29(b)は遊技球の流路を示す概略図である。
通路形成ユニット300Aに設けられた第2通路部322Aは、遊技盤80の背面側に沿って下方に延びており、その出口部分が下作動口83bと可変入賞装置82との間に位置するように変更されている。第2通路部322Aに振り分けられた遊技球については、当該第2通路部322Aからなる第2流路を経由して、可変入賞装置82の直上となる位置へ案内される。なお、第1通路部321Aについては、第1の実施の形態等に示した第1通路部321と同様の構成であるため説明を援用する。
第2通路部322Aを経由して可変入賞装置82の直上に到達した遊技球が落下する落下経路上に可変入賞装置82が配置されている。このため、第2通路部322Aを経由した遊技球については、可変入賞装置82が開放状態となってさえいれば、そのほとんどが可変入賞装置82(大入賞口)へ入球することとなる。
また、第2通路部322Aについては、遊技釘87等の各種遊技部品が非配置となっており、遊技領域PEを通過する遊技球と比べて、可変入賞装置82へ到達するのに要する所要期間が短縮された近道としての機能が付与されている。但し、第2通路部322Aを経由した遊技球については、上作動口83a等の他の入球部への入球が不可となっており、その入球対象は可変入賞装置82のみとなるように特化されている。このような事情から、開閉実行モード中は第2通路部322Aが遊技者にとって有利な流路を構成し得る一方で、開閉実行モード中以外では第2通路部322Aが遊技者にとって不利な流路となり且つ第1通路部321Aが遊技者にとって有利な流路を構成している。
ここで、本実施の形態に示す開閉実行モードでは、可変入賞装置82の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置82への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。高頻度入賞モードでは、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口への入賞個数が10個となるまで継続される一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放は4sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口への入賞個数が10個となるまで継続される。
遊技者によって遊技球の発射操作が行われている場合には、所定周期(0.6sec)毎に遊技球が連続して発射されることとなる。高頻度入賞モードにおいては開放中に発射可能な遊技球の数が凡そ50個であり、この個数は上述した上限数(10個)を上回っている。このような事情から、高頻度入賞モードでは時間及び入球数に係る2つの閉鎖条件のうち主として後者が成立する。これに対して、低頻度入賞モードにおいては開放中に発射可能な遊技球の数が凡そ6個であり、この個数は上述した上限数(10個)を下回っている。このような事情から、低頻度入賞モードでは時間及び入球数に係る2つの閉鎖条件のうち主として前者が成立する。以上の理由から、開閉実行モードにて遊技者が獲得し得る遊技球の数については、低頻度入賞モードよりも高頻度入賞モードの方が多くなる。
図30の概略図に示すように、ROM603の振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている上作動口用の振分テーブルにおいては、当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の場合は低頻度入賞モード対応の大当たり結果となり、当たり種別カウンタC2の値が「20〜29」の場合は高頻度入賞モード対応の大当たり結果となるように規定されている。これに対して、下作動口用の振分テーブルにおいては、当たり種別カウンタC2の値が「10〜19」の場合は低頻度入賞モード対応の大当たり結果となり、当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」,「20〜29」の場合は高頻度入賞モード対応の大当たり結果となるように規定されている。つまり、下作動口83bへの入球に基づいて大当たり結果となった場合の方が、上作動口83aへの入球に基づいて大当たり結果となった場合と比較して遊技者に有利となるように差違が設定されている。
次に、図31のフローチャートを参照して本実施の形態における遊技状態移行処理について説明する。
(遊技状態移行処理)
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS701にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS702に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示及び確定表示が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了している場合には、すなわち変動表示が終了してから予め設定された確定表示期間が経過している場合には、ステップS703に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに、15R通常大当たり結果対応フラグ、2R確変大当たり結果対応フラグ、15R確変大当たり結果A対応フラグ及び15R確変大当たり結果B対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS704にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、後述するロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。続くステップS705では、今回の開閉実行モードが15R大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS705にて肯定判定をした場合には、ステップS706にてRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットする。ステップS705にて否定判定をした場合にはステップS707にてRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットする。
ステップS706又はステップS707の処理を実行した後は、ステップS708に進む。ステップS708では今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。ステップS708にて肯定判定をした場合には、ステップS709にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞モードフラグをセットする。
ステップS709の処理を実行した後、又はステップS708にて否定判定をした場合にはステップS710に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS710の処理を実行した後はステップS711にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS711の外部信号設定処理では、RAM604に、各種大当たり対応フラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たりが発生した旨を示す信号が出力するための準備がなされ、当該信号については通常処理(図24)のステップS201にて管理制御装置へ送信されることとなる。管理制御装置においては、この信号に基づいて、パチンコ機10にて開閉実行モードへ移行したことを把握することができる。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS712に進む。ステップS712では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS713にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS801にて大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82における可変入賞装置用駆動部82cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、ステップS402にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS403にて開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図23)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。
開放数カウンタOCの値が「0」である場合又は開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」でなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS804に進み、可変入賞装置82における大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞装置用駆動部82cを駆動状態とする。その後、可変入賞装置82対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)を行う。
具体的には、先ずステップS805にて今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。詳しくは、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS806にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。ステップS805にて否定判定をした場合には、ステップS807にて開放タイマカウンタTCに「2000」(4secに相当)をセットする。ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
その後、ステップS809にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS801の説明に戻り、当該ステップS801にて大入賞口が開放中であると判定した場合にはステップS810に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS811に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ651dからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS812にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドによって図柄表示装置94の表示画面94aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS812にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS813に進む。ステップS813では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS814にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS814にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS810にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、流入口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS815にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞装置用駆動部82cを非駆動状態とする。
続くステップS816では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、ステップS817にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には、ステップS818にて開放タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットする。
その後、ステップS819にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS817にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS820にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS821にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図24)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、上記オープニングコマンドと同様に、開閉実行モードへの移行時の状況等に応じて複数設定されており、開閉実行モード後に移行する背景画像等がこれら各種コマンドに応じて確定表示される構成となっている。
遊技状態移行処理(図31)の説明に戻り、ステップS713にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS714にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS715にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS314にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
このように、開閉実行モードが高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードに分かれている構成においては、可変入賞装置82への入球の頻度が球送り部材354による球送り速度(モータ351の回転速度)に左右されることとなる。つまり、球送り部材354の回転が速ければ連絡通路310Aを通じた入球の頻度を担保することができたり、第1案内状態/第2案内状態の切り替えの機会を増やしたりすることができたりする。これに対して、球送り部材354の回転が遅ければ連絡通路310Aがある種の遅延手段となって入球の頻度が低下し、第1案内状態/第2案内状態の切り替えの機会も減ることとなる。
上述したように、本実施の形態においては球送り部材354による遊技球の搬送及び流路切替部材390の切り替えの動力としてモータ351を用いる上で、モータ351の回転速度を周期的に変化させることで、当該モータ351を可変入賞装置82等への入球機会に偏りを発生させたり、第1案内状態/第2案内状態の切り替え頻度に偏りを生じさせたりする可変手段として機能させている。以下、図33のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU602にて定期処理の一環として実行されるモータ駆動制御処理について説明する。
(モータ駆動制御処理)
モータ駆動制御処理においては、先ずステップS901にてモータ351を低速で回転させる低速モード中であるか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902に進み、モータ351を高速で回転させる高速モードへの切替タイミングであるか否かを判定する。ステップS902にて否定判定をした場合には、そのまま本モータ駆動制御処理を終了する。ステップS902にて肯定判定をした場合には、高速モードへの切替処理を実行した後、本モータ駆動制御処理を終了する。
ここで、低速モードとなっている場合には、球送り部材354が一回転するのに要する期間が第1期間(具体的には12sec)となる。球送り部材354には入球部365が2つ形成されており、半周することによって上流側通路311から下流側通路313に移る点に鑑みれば、1個の遊技球の搬送に要する期間は6secとなり、最長待機期間についても6secとなる。
これに対して、高速モードとなっている場合には、球送り部材354が一回転するのに要する期間が第2期間(具体的には2sec)まで短縮される。球送り部材354には入球部365が2つ形成されており、半周することによって上流側通路311から下流側通路313に移る点に鑑みれば、1個の遊技球の搬送に要する期間は1secとなり、最長待機期間についても1secとなる。
ここで、低速モードにおいては、第1案内状態から第2案内状態への切り替えに要する最短期間は72secとなり、第2案内状態から第1案内状態への切り替えに要する最短期間は24secとなる。高速モードにおいては、第1案内状態から第2案内状態への切り替えに要する最短期間は12secとなり、第2案内状態から第1案内状態への切り替えに要する最短期間は4secとなる。これらを比較した場合、高速モードでは低速モードと比較して開閉実行モード中に流路切替部材390が第2案内状態に切り替わる機会が多くなる。
ステップS901の説明に戻り、当該ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS904に進む。ステップS904では低速モードへの切替タイミングであるか否かを判定する。ステップS904にて否定判定をした場合には、そのまま本モータ駆動制御処理を終了し、ステップS904にて肯定判定をした場合には、ステップS905にて低速モードへの切替処理を実行した後、本モータ駆動制御処理を終了する。
上述した第2通路部322Aについては当該第2通路部322Aの通過に要する期間が1sec程度となるように規定されている。このため、高速モードとなっている場合に連絡通路310Aに流入した遊技球のうち第2通路部322Aに振り分けられたものについては、流入口95c〜可変入賞装置82へ移動するのに要する所要期間は、上記第1期間及び第2期間の何れと比較しても短くなる。故に、高速モード中に連絡通路310A(第2通路部322A)を通過した遊技球については、可変入賞装置82が高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードの何れであるかに関係なく、可変入賞装置82への入球の可能性が高くなる。
これに対して、低速モードとなっている場合には、連絡通路310Aに流入した遊技球のうち第2通路部322Aに振り分けられたものについては、流入口95c〜可変入賞装置82へ移動するのに要する所要期間は、上記第1期間よりは短いものの上記第2期間よりは長くなる。故に、低速モード中に連絡通路310A(第2通路部322A)を通過した遊技球については、可変入賞装置82が高頻度入賞モードであれば可変入賞装置82への入球の可能性がある程度担保されるものの、低頻度入賞モードであれば可変入賞装置82への入球の可能性は極めて低くなる。
上述した第1通路部321Aを経由した遊技球についてはステージ95a上をどの程度揺動するかによって通過に要する期間が変化する。また、ステージ95aと可変入賞装置82とが離間している。これらの事情により、少なくとも第2通路部322Aを経由する場合と比較して流入口95c〜可変入賞装置82へ移動するのに要する所要期間が長くなる。このような事情から、第1通路部321Aに振り分けられた遊技球については、第2通路部322Aに振り分けられた遊技球と比較して、流下経路のばらつきのみならず上記所要期間の面でも不利となる。
但し、低頻度入賞モードであっても、先のラウンド中に発射された遊技球が後のラウンドにて可変入賞装置82へ遅れて到達する可能性があるため、必ずしも入球が発生しないものではない。つまり、開閉実行モードにて可変入賞装置82の開放が複数回実行されることが、連絡通路310Aを通過した遊技球の救済に寄与しているともいえる。
このように、開閉実行モードの種類やモータ351の駆動制御のモードに応じて可変入賞装置82への入球態様が変化する構成においては、遊技の流れの単調化を抑制して遊技への注目度を向上させる上では有利である。しかしながら、このような多様化は遊技者を困惑させる要因になるだけでなく、遊技者間の公平性を低下させる要因にもなり得る。つまり、状況によって連絡通路310Aを利用した方が遊技者にとって遊技が有利に進む場合と、敢えて連絡通路310Aを避けた方が遊技者にとって遊技が有利に進む場合とが生じる。つまり、遊技を少しでも有利に進めようとすれば、状況に応じた遊技球の発射先(ルート)を調整が必要となる。但し、そのような判断を全て遊技者に委ねてしまうことは、上記各種不都合を生じる要因となり、結果遊技意欲を低下させてしまうことが懸念される。特に、本実施の形態においては、球送り機構350がセンターフレーム95の背後に位置していることから、当該球送り機構350の視認が困難になっているため、上記事象が顕著になり得る。
そこで、本実施の形態においては、開閉実行モードの種類やモータ351の駆動制御のモードに応じて遊技球を発射すべきルートを報知することを特徴の1つとしている。以下、図34のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置143のMPUにて実行されるルート報知用処理について説明する。
(ルート報知用処理)
ルート報知用処理においては先ず、ステップS1001にてルート報知を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1002にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。一方、ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003に進む。
ステップS1003では今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合にはステップS1004に進む。ステップS1004ではモータ351の駆動制御モードが高速モードとなっているか否かを判定する。
ステップS1004にて肯定判定をした場合、すなわち高頻度入賞モード対応の開閉実行モード中であってモータ351の駆動制御モードが高速モードとなっている場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では左ルート報知処理を実行する。左ルート報知処理では、図柄表示装置94の表示画面94aに遊技球の発射先を左ルートとすべき旨のメッセージ(詳しくは「左ルートを狙え」)を表示させるべく、表示制御装置620に左ルート報知用コマンドを出力する。表示制御装置620のMPUでは、この左ルート報知用コマンドを受信した場合に、図柄表示装置94の表示画面94aに上記メッセージを表示する(図35の概略図参照)。
高頻度入賞モード且つ高速モードとなっている場合には、連絡通路310Aを通過する遊技球の移動が無駄に遅延されることがなく、第2通路部322Aによる恩恵を最大限に享受することができる。第1案内状態においても連絡通路310A非経由の遊技球と比べて可変入賞装置82への入球確率は高くなり、且つ第1案内状態での案内が繰り返されることで再び第2案内状態に切り替わることとなる。このような、事情から連絡通路310Aを擁する左ルートを狙うことにより、遊技者は投資を極力抑えながら遊技を進めることができる。
ステップS1004にて否定判定をした場合には、すなわち高頻度入賞モード対応の開閉実行モード中であってモータ351の駆動制御モードが低速モードとなっている場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。駆動制御モードが低速モードとなっている場合には、流路切替部材390の案内状態及び開閉実行モードの進み具合によって連絡通路310Aを擁する左ルートを狙った方がよい場合と、敢えて連絡通路310Aを避けて右ルートを狙った方がよい場合とが生じる。そこで、このような状況では敢えてルート報知を行わない構成とすることにより、僅かながら遊技者に戦略の余地を残している。
ステップS1003の説明に戻り、当該ステップS1003にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが低頻度入賞モードに対応していると判定した場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006ではモータ351の駆動制御モードが低速モードとなっているか否かを判定する。
ステップS1006にて肯定判定をした場合、すなわち低頻度入賞モード対応の開閉実行モード中であってモータ351の駆動制御モードが低速モードとなっている場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007では右ルート報知処理を実行する。右ルート報知処理では、図柄表示装置94の表示画面94aに遊技球の発射先を右ルートとすべき旨のメッセージ(詳しくは「右ルートを狙え」)を表示させるべく、表示制御装置620に右ルート報知用コマンドを出力する。表示制御装置620のMPUでは、この右ルート報知用コマンドを受信した場合に、図柄表示装置94の表示画面94aに上記メッセージを表示する(図35の概略図参照)。
低頻度入賞モード且つ低速モードとなっている場合には、連絡通路310Aに流入した遊技球については、通過に要する所要期間が長くなる。このため、可変入賞装置82が開放されている間に、遊技球が当該可変入賞装置82へ到達できる可能性が低くなる。上述したように右ルートを流下する遊技球と左ルート(連絡通路310A非経由)を流下する遊技球とを比較した場合には、可変入賞装置82への到達確率は同等である。可変入賞装置82の開放期間が短い点に鑑みれば、できるだけ速やかに遊技球を可変入賞装置82へ届けることが好ましく、右ルートへ遊技球を発射することにより、可変入賞装置82へのある程度の入球を見込むことができる。つまり、上記メッセージに従って右ルートへ遊技球を発射することにより、遊技者は遊技を有利に進めることができる。
ステップS1006にて否定判定をした場合、すなわち低頻度入賞モード対応の開閉実行モード中であってモータ351の駆動制御モードが高速モードとなっている場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。駆動制御モードが高速モードとなっている場合には、流路切替部材390の案内状態及び開閉実行モードの進み具合によって連絡通路310Aを擁する左ルートを狙った方がよい場合と、敢えて連絡通路310Aを避けて右ルートを狙った方がよい場合とが生じる。そこで、このような状況では敢えてルート報知を行わない構成とすることにより、僅かながら遊技者に戦略の余地を残している。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわちルート報知中であると判定した場合には、ステップS1008に進む。ステップS1008ではルート報知を解除するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1008にて否定判定をした場合には、ステップS1009に進む。ステップS1009では今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。
ステップS1009にて肯定判定をした場合には、ステップS1010に進む。ステップS1010ではモータ351の駆動制御モードが低速モードから高速モードに切り替わるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1010にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。
ステップS1010にて肯定判定をした場合には、ステップS1005の処理を実行した後に、本ルート報知用処理を終了する。ステップS1005の処理を実行することで、図柄表示装置94の表示画面94aには遊技球の発射先を左ルートとすべき旨のメッセージ(詳しくは「左ルートを狙え」)が表示されることとなる。
ステップS1009にて否定判定をした場合には、ステップS1011に進む。ステップS1011ではモータ351の駆動制御モードが高速モードから低速モードに切り替わるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1011にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート報知用処理を終了する。
ステップS1011にて肯定判定をした場合には、ステップS1007の処理を実行した後に、本ルート報知用処理を終了する。ステップS1007の処理を実行することで、図柄表示装置94の表示画面94aには遊技球の発射先を右ルートとすべき旨のメッセージ(詳しくは「右ルートを狙え」)が表示されることとなる。
球送り部材354やカム371(流路切替部材390)をモータ351を用いて動作させる構成においては、モータ351の回転速度を変化させることで、連絡通路310Aの通過に要する所要期間を変化させたり、流路の切り替えのタイミングを多様化したりすることができる。これにより、遊技進行におけるメリハリを強化し、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては作動口に係る構成が上記各実施の形態と相違しており、この相違点に合せて連絡通路310に係る構成についても一部が変更されている。以下、図36を参照して、本実施の形態における作動口ユニット83Bに係る構成について説明する。図36は、作動口ユニット83Bの内部構造を示す概略図である。
作動口ユニット83Bには、上作動口83aBに流入した遊技球を遊技盤80の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路83cBが形成されている。案内通路83cはその途中位置にて第1分岐通路83dB及び第2分岐通路33eBに分岐している。
案内通路83cBにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83dB及び第2分岐通路83eBへ交互に振り分ける振分手段83gBが設けられている。振分手段83gBは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83dBへ案内する第1振分状態(図36(a)参照)と第2分岐通路83eBへ案内する第2振分状態(図36(b)参照)とに切替可能なっている。この振分手段83gBは、遊技球を案内したことに基づいて一方の振分状態から他方の振分状態に切り替る構成となっている。故に、上作動口83aBに流入した遊技球は、順次第1分岐通路83dB/第2分岐通路83eBに振り分けられることとなる。
下作動口83bBは連絡通路83fBを介して第2分岐通路83eBに繋がっており、当該下作動口83bBに流入した遊技球は、第2分岐通路83eBへ直接流入する。つまり、上作動口83aBに流入した遊技球については両分岐通路83dB,83eBに流入し得る一方、下作動口83bBに流入した遊技球は第2分岐通路83eBにのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路83dB(以下、第1入球部83dBともいう)には遊技球を検知する検知センサ651bBが配設され、第2分岐通路83eB(以下、第2入球部83eBともいう)において連絡通路83fBの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ651cBが配設されている。これら検知センサ651bB,651cBは主制御装置162に接続されており、主制御装置162では検知センサ651bB,651cBからの検知情報(検知信号)に基づいて分岐通路83dB,83eBへの入球の有無を把握し、当該入球に基づいて上述した当たり乱数カウンタC1等の各種情報を取得する。
本実施の形態においても、上記第2の実施の形態等に示したように、第1入球部83dBへの入球に基づく抽選(振分抽選)と、第2入球部83eBへの入球に基づく抽選(振分抽選)とに優劣の差が設定されている。具体的には、第1入球部83dBへの入球よりも第2入球部83eBへの入球の方が遊技者に有利となるように差違が設定されている。
ここで、図37の概略図に示すように、本実施の形態に示す通路形成ユニット300Bにおいては、第1通路部321Bがステージ95aへ遊技球を案内する構成となっている。ステージ95aから上作動口83aBに入った遊技球については、振分手段83gBによって第1入球部83dB及び第2入球部83eBに振り分けられることとなり、何れの入球部83dB,83eBについても入球し得る構成となっている。
これに対して、第2通路部322Bは下作動口83bBと同様に第2入球部83eB直通となっている。このため、第2通路部322Bに振り分けられた遊技球は全て第2入球部83eBへ入球することとなる。
このため、流路切替部材390が第2案内状態となっている場合には、第2入球部83eBへの入球が発生しやすくなり、一時的にではあるが遊技者にとって有利な状態(入球高確状態)に維持されることとなる。このように、第2入球部83eBへの入球高確状態を設けることにより、遊技進行のメリハリを強化することができる。
第2通路部322Bへの遊技球の連続振分数については、第2入球部83eBに係る保留上限数(4つ)と同数となるように設定されている。故に、連絡通路310B(第2通路部322B)を通じた第2入球部83eBへの入球が頻発した場合であっても、保留上限数を超えた入球によって上記恩恵が上手く享受できなくなる機会を少なくすることができる。
<第5の実施の形態>
上記各実施の形態においては、通路形成ユニット300に設けられた連絡通路310の途中位置に流路切替部材390を配設したがこれに限定されるものではない。本実施の形態においては、通路形成ユニット300とは別に流路切替部材390に相当する構成を配設していることを特徴の1つとしている。主な構成が上記第4の実施の形態と共通となっているため、以下の説明では図38の概略図を参照して第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。
通路形成ユニット300Cにおいては流路切替部材390が省略されており、下流側通路313Cの分岐が回避されている。流入口95cを通じて通路形成ユニット300Cに流入した遊技球は全て、当該通路形成ユニット300Cを通じてステージ95aに案内されることとなる。ステージ95aの下方に配設された作動口ユニット83Cについては、基本構成が上記第4の実施の形態に示した作動口ユニット83Bと同様である。
但し、上記作動口ユニット83Bにおいては振分手段83gBの切り替えは作動口ユニット83Bに流入した遊技球の通過に依存していたのに対して、本実施の形態に示す振分手段83gCについては、その姿勢(第1振分状態/第2振分状態)が通路形成ユニット300Cを通過する遊技球に依存している。
つまり、通路形成ユニット300Cのカムに連結された伝達ギア401Cが当該カムと振分手段83gBとを繋いでおり、カムの回転によって振分手段83gBの姿勢が変化する構成となっている。
通路形成ユニット300における遊技球の通過によって、それよりも下流側に配置された作動口ユニット83Cにおける遊技球の振分態様が変化し得る。これにより、遊技球の動きを多様化できるだけでなく、先行する遊技球の動きと後続の遊技球の動きとの関連性を強化し、遊技球の挙動等へ遊技者の注目が向くように促すことができる。
「連動体」としてのカムと「作用部」としての振分手段83gBとの離れを伝達ギア401Cによって補完しようとした場合には、伝達ギア401Cに生じる伝達ロスが大きくなる。このため、振分手段83gBの姿勢を変化させる際に必要なトルクも大きくなる。この点、カム及び伝達ギア401Cの動力源としてモータを利用しているため、このような必要トルクを容易に確保することができる。これにより、通路形成ユニット300Cから離れた位置での流路の切り替えを好適に実現することができる。
なお、本実施の形態に示す振分手段83gBについては、その姿勢がカムの動きによって制御される構成としたが、これに上記第5の実施の形態に示した動きを追加し、遊技球の通過によってもその姿勢が変化し得る構成(例えばワンウェイリンク)とすることも可能である。
<第6の実施の形態>
上記第5の実施の形態では、通路形成ユニット300Cにおける遊技球の通過を契機として作動口ユニット83C内の流路の切り替えを行う構成とした。本実施の形態においては通路形成ユニット及び当該通路形成ユニットを利用した流路の切替対象が第5の実施の形態と相違している。以下、図39を参照して本実施の形態における流路切替に係る構成について説明する。図39は遊技盤に配設された可変入賞装置82Dを示す概略図である。
本実施の形態においては、開閉実行モードへ移行した場合に開放される可変入賞装置82Dとして、第1可変入賞装置410Dと第2可変入賞装置420Dとが併用されている。そして、第2可変入賞装置420Dは、第1可変入賞装置410Dに続く流路の途中位置に配設されており、第2可変入賞装置420Dを素通りした遊技球については第1可変入賞装置410Dへ向けて流下する構成となっている。
開閉実行モード中は、主として第1可変入賞装置410Dが開放対象となり、特定のラウンドにおいてのみ開放対象が第1可変入賞装置410Dから第2可変入賞装置420Dに移る構成となっている。
第2可変入賞装置420Dには、当該第2可変入賞装置420Dの大入賞口へ流入した遊技球が通過する球通路421Dが形成されている。この球通路421Dはその途中位置にて第1分岐通路423D(以下、第1入球部423Dともいう)及び第2分岐通路424D(以下、第2入球部424Dともいう)に分岐している。第1分岐通路423Dには、には遊技球を検知する検知センサ443Dが配設され、第2分岐通路424Dには遊技球を検知する検知センサ444Dが配設されている。これら検知センサ443D,444Dは主制御装置162に接続されており、主制御装置162では検知センサ443D,444Dからの検知情報(検知信号)に基づいて何れの入球部423D,424Dへの入球が発生したかを把握することが可能となっている。
本実施の形態においては、大当たりの種別毎に決定される特定ラウンドに達した場合には、第2可変入賞装置420Dが開放され、第2可変入賞装置420Dにおける第1入球部423Dへの入球が発生することでラウンド遊技が継続される構成となっている。つまり、第1入球部423Dがラウンド遊技の継続契機となっている。
第1入球部423Dと第2入球部424Dの分岐位置には、遊技球を第1入球部423Dへ振り分ける第1振分状態と、第2入球部424Dへ振り分ける第2振分状態とに切替可能な振分手段425Dが配設されている。第2可変入賞装置420Dへ流入した遊技球の振分先については振分手段425Dに依存している。
第1可変入賞装置410Dの球通路411Dの途中位置には、通路形成ユニット300が配設されている。通路形成ユニット300には、上記第1の実施の形態等と同様に、入球部を有する球送り部材と、入球部に遊技球が配置された状態で球送り部材が回転することにより当該球送り部材に追従して回転するカムとが配設されている。
ここで、上記振分手段425Dとカムとの間には、複数の伝達ギア451Dが配設されており、これら伝達ギア451Dによって振分手段425Dの姿勢が制御される構成となっている。つまり、本実施の形態においては振分手段425Dが上記流路切替部材390に相当する。
開閉実行モードに移行した場合には、持ち球を増やす上でできる限り多くのラウンドを消化することが好ましい。これに対して、可変入賞装置82Dへの入球が発生しなければ、そもそも遊技球の払い出しが発生しない。これらの事情から、本実施の形態に示すパチンコ機においては、第2可変入賞装置420Dが開放される特定ラウンドへ移行するまでにできるだけ多くの遊技球を第1可変入賞装置410Dへ入球させつつ、特定ラウンドへの移行前には振分手段425Dを第1振分状態としておくことが好ましい。
以上詳述した構成によれば、開閉実行モード中にどの程度の入球を発生させるかの駆け引きが生じ、開閉実行モード中の遊技の単調化を好適に抑制することができる。
また、第1可変入賞装置410Dと第2可変入賞装置420Dとを離して設けることにより、通路形成ユニット300Dと振分手段425Dとの距離が離れているが、この距離は伝達ギア451Dによって補完されている。但し、このような構成では、伝達ギア451Dにおける伝達ロス等の影響によって振分手段425Dの状態切替に必要なトルクが大きくなり得る。特に、配置自由度の向上に配慮した場合には、上記距離が拡がることで必要トルクについても大きくなり得る。この点、本実施の形態においては、上記各実施の形態と同様に、球送り部材を回転させるモータを振分手段425Dを動作させるための動力源として機能させることができるため、上記トルクの確保を容易とし、振分手段425D等を安定して動作させることが可能となっている。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、2つの球送り部材354(「回転体」に相当)によって挟まれた領域にカム371(「連動体」に相当)を配置したが、これに限定されるものではない。2つの球送り部材354によって挟まれた領域の外にカムに相当する構成を配置することも可能である。また、2つの球送り部材354を併用するのではなく、1の球送り部材354によって「回転体」を構成することも可能である。なお、球送り部材の数については2つに限定されるものではなく、3つ以上とすることも可能である。
(2)上記各実施の形態では、カム371と球送り部材354とを同軸となるようにして保持する構成としたが、カム371の回転中心と球送り部材354の回転中心とをずらすことも可能である。但し、球送り部材354を回転させた際のカム371の追従性を担保する上では回転中心を揃える構成とすることに技術的意義がある。
(3)上記各実施の形態では、「駆動部」としてのモータ351からの動力を遊技球を介してカム371に伝える構成とすることにより流路切替部材390(「作用部」に相当)の動力を確保する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技球の自重等を利用してカム371及び流路切替部材390を動作させる構成とすることも可能である。但し、カム371や流路切替部材390の動作を安定点等に鑑みれば、動力を確保する上で遊技球の重みや流下速度等への依存を回避することは好ましい構成である。
(4)上記各実施の形態では、球送り部材354の回転中心部分を貫通するようにしてカム371と連結ギア375とを係合させる構成としたが、カム371と連結ギア375の位置関係については任意に変更してもよい。但し、軸受け構造の簡素化や、可動ブロック302の小型化を実現する上では上記実施の形態に示したように球送り部材354の回転中心部分を貫通するようにした連結構造には技術的意義がある。
(5)上記各実施の形態においては、左ルートを流下する遊技球が通路形成ユニット300に形成された連絡通路310に流入する構成としたが、これを変更し、右ルートを流下する遊技球が連絡通路310に流入する構成とすることも可能である。また、左右の両ルートに通路形成ユニット300に相当する構成を各々配設することも可能である。
(6)上記各実施の形態では、球送り部材354とカム371とが接触する構成としたが、これらを非接触とすることも可能である。両者を非接触とする場合には、球送り部材354に引きずられるようにしてカム371が回転することを回避する上では有利であるものの、球送り部材354とカム371との位置関係が崩れることにより、遊技球とカム371との当接箇所がばらつきやすくなると懸念される。故に、上記実施の形態に示したように球送り部材354とカム371とは中心軸線CL1方向にて接触させる構成とすることが好ましい。
(7)上記各実施の形態では、球送り部材354に2つの入球部365を形成したが、入球部365の数については任意である。また、カム371に2つの球受け部382を形成したがこの球受け部382の数についても任意である。
(8)上記各実施の形態では、複数の伝達ギア372を併用して、回転比(減速比)を大きく変化させる構成としたが、1のギアの径を拡大して回転比を大きく変化させることも可能である。但し、配設自由度の向上→利用促進を実現する上では、ギアを複数併用することが好ましい。
なお、「リンク機構」については、伝達ギア372に限定されるものではない、動力を伝達できるのであれば足り、例えばベルトを採用することも可能である。
(9)上記各実施の形態では、複数の遊技球の通過に基づいて流路切替部材390が第1案内状態→第2案内状態に切り替わり、第2案内状態→第1案内状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、少なくとも一方の切り替え条件については、1の遊技球の通過に変更することも可能である。
また、第1案内状態→第2案内状態への切替条件(12個の遊技球の通過)と第2案内状態→第1案内状態への切替条件(4個の遊技球の通過)とを相違させる構成としたが、これら切替条件を統一することも可能である。
(10)上記各実施の形態に示した流路切替機構にリセット機能を付与することも可能である。例えば、所定のリセット操作が行われた場合に流路切替部材390が第1案内状態及び第2案内状態の何れかに切り替わる構成とすることも可能である。具体的には、遊技領域PEから排出されたアウト球のうち一部(リセットに必要となる最低数)を貯留し、これら貯留された遊技球を復帰が完了するまで連絡通路310(球送り部材354)へ順次送る構成とするとよい。
(11)上記各実施の形態では、カム371の動作に基づいて流路切替部材390が第1案内状態/第2案内状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、カム371の動作に基づいて装飾が施されたキャラクタ等の可動装飾体が動作する構成とすることも可能である。
(12)上記各実施の形態においては、モータ351の回転方向を1方向に限定したが、当該モータ351が正逆両方向に回転する構成とすることも可能である。この場合、例えば正方向に回転する場合には、遊技球が入球部365に入球している場合にのみカム371が連動する構成とし、逆方向に回転する場合には遊技球が入球部365に入球しているか否かに関係なくカム371が連動する構成(ワンウェイリンク)とすることも可能である。例えば、周期的にモータ351の回転方向を切り替える構成とすれば、遊技球の振分先を適度に多様化することができる。
(13)上記第6の実施の形態においては、「有利入球部」としての第1入球部423Dへの入球に基づいてラウンド遊技が継続(延長)される構成について例示したが、これに限定されるものではない。例えば、第1入球部423Dへの入球に基づいて抽選モードが高確率モードに移行したり、サポートモードが高頻度サポートモードへ移行したりする構成とすることも可能である。
(14)上記各実施の形態においては、球送り部材354を回転式としたが、球送り部材354の動作態様についてはこれに限定されるものではない。例えばスライド式とすることも可能である。
(15)上記第3の実施の形態に示した構成を以下のように変更してもよい。例えば、左ルート及び右ルートを比較した場合に右ルートへ遊技球を発射した方が持ち球の増減(所謂ベース)について遊技者に有利となるように差を設定し、開閉実行モード中は右ルートへの遊技球の発射を促す報知を行う構成としてもよい。この報知に逆らって左ルートへ遊技球を発射することにより、その時点では僅かながら有利度が低下するものの、開閉実行モード中に投資を抑えながら通路形成ユニット300Aの状態を作動口へ遊技球を案内する案内状態又は当該案内状態に切り替わる直前の状態となるように仕込むことができる。この場合、開閉実行モード終了後に作動口83への入球を頻発させることが可能となる。つまり、遊技者は開閉実行モード中にある程度の不利を許容して、開閉実行モード終了後への投資を行うことにより遊技を有利に進めることができる可能性を得ることができる。このような構成によれば、遊技の戦略性を強化できる。
また、左ルート及び右ルートを比較した場合に左ルートへ遊技球を発射した方が持ち球の増減(所謂ベース)について遊技者に有利となるように差を設定し、開閉実行モード中は左ルートへの遊技球の発射を促す報知を行う構成としてもよい。この報知に逆らって右ルートへ遊技球を発射することにより、その時点では僅かながら有利度が低下するものの、開閉実行モード中に投資を抑えながら通路形成ユニット300Aの状態を作動口へ遊技球を案内する案内状態又は当該案内状態に切り替わる直前の状態となるように仕込むことができる。この場合、開閉実行モード終了後に作動口83への入球を頻発させることが可能となる。つまり、遊技者は開閉実行モード中にある程度の不利を許容して、開閉実行モード終了後への投資を行うことにより遊技を有利に進めることができる可能性を得ることができる。このような構成によれば、遊技の戦略性を強化できる。
このような戦略性は、開閉実行モードの実行期間(残り期間)や通路形成ユニット300Aの状態の切り替えに要すると想定される期間による影響を受ける。つまり、開閉実行モードの進行(時間の経過)に応じて、現状及び後の遊技進行との関係から何れのルートを狙った方がよいかが変化することとなる。これにより、戦略性の更なる強化が期待できる。
なお、上作動口83aへの入球よりも下作動口83bへの入球の方が遊技者に有利となるように差が設定されている場合には、敢えて上作動口83bへの入球を回避することが遊技者にとって有利となる場合も発生し得る。このような事情に配慮した遊技者によれば、通路形成ユニット300Aの状態に応じて報知に逆らった遊技球の発射が総合的に自身に有利となるか(実益を生むか)の判断がなされると想定される。このように、メリット/デメリットを判断する要素が増えることにより、遊技の単調化を抑えることができ、遊技への注目を一層好適に向上させることができる。
(16)球送り機構350による遊技球の振分先として、上作動口83aと下作動口83bとを設定することも可能である。この場合、以下の構成とすることにより、遊技進行の円滑化や上記保留上限を超えた入球の抑制に貢献することができる。具体的には、上作動口83aの入球に基づく変動表示時間(例えば最短4sec)が下作動口83bへの入球に基づく変動表示時間(例えば最短2sec)よりも相対的に長くなるように差違を設ける。モータ351の駆動態様として球送り部材354の回転速度が相対的に遅くなるように設定された第1駆動態様と回転速度が相対的に速くなるように設定された第2駆動態様とが設けられており、振分先が上作動口83aとなっている場合には第1駆動態様となり、振分先が下作動口83bとなっている場合には第2駆動態様となるように駆動態様の切り替えを行う。
そもそも、保留情報の記憶上限を超えた入球については賞球の払出しは行われるものの当該入球に基づいた大当たり等の抽選が行われない。遊技者は大当たりの発生に期待して作動口83a,83bを狙って遊技球を発射するため、抽選の権利が得られないことが遊技意欲を減退させる要因になり得る。
ここで、本変形例においては変動表示時間が比較的長くなるように設定された上作動口83a側へ遊技球が振り分けられている場合には球送り部材354の回転速度が相対的に遅くなり、変動表示時間が比較的短くなるように設定された下作動口83b側へ遊技球が振り分けられている場合には球送り部材354の回転速度が相対的に速くなる。このため、記憶上限を超えた入球の発生によって遊技者の遊技意欲の減退を抑制することができる。また、変動表示時間の間延びを抑制して、遊技進行の迅速化に貢献することができる。
なお、上記構成を具現化する上では、位置検知センサ等から取得した振分先に係る情報に基づいて駆動態様の切り替えを行ってもよいし、実行中の遊技回に係る保留情報の帰属(上作動口83a/下作動口83b)に基づいて駆動態様の切り替えを行ってもよい。
また、記憶されている保留情報の数に応じて回転速度を変化させる構成(例えば記憶されている保留情報の数が多くなるにつれて回転速度を上げる構成)とすることも可能であり、遊技回毎の変動表示態様に応じて回転速度を変化させる構成(例えばスーパーリーチ等に発展する場合には回転速度を下げる構成)とすることも可能である。これは、上述した遊技進行の迅速化等の各種効果を好適に発揮させる上でも好ましい構成である。
(17)図柄表示装置94を左側から迂回する左ルート及び右側から迂回する右ルートのうち一方に発射された遊技球が下側作動口83bへの入球が回避されるのに対して、他方(所定ルート)に発射された遊技球については下作動口83bへの入球が許容される構成とする。ここで、下作動口83bへの入球に基づく抽選では高確遊技状態が維持されるのに対して、上作動口83aへの入球に基づく抽選では高確遊技状態から低確遊技状態へ移行する可能性があり、高確遊技状態(高頻度サポートモード且つ高確率モード)においては所定ルートへ遊技球を発射することにより遊技者が遊技を有利に進めることができるように有利度に差を設ける。所定ルートには上記通路形成ユニット300に相当する構成を配設して、遊技球を上作動口83a及び下作動口83bに振り分ける構成とする。通路形成ユニット300に到達した遊技球のうち一部(1個目〜9個目)は下作動口83bへ振り分けられる構成とし、その他(10個目)が上作動口83aへ振り分けられる構成とすることにより、以下の2つの状態を創出できる。すなわち、下作動口83bへの遊技球の入球→大当たりによって高確遊技状態の継続への期待が高くなる状態と、上作動口83aへの入球→大当たりによって低確遊技状態へ移行するリスクが生じる状態とが発生する。これにより、遊技進行の単調化を好適に抑制することができる。
なお、振分先の偏りによって有利度の異なる2つの状態を発生させる上では、必ずしも振分先が連続する必要はなく、振分先の偏りが付与されていれば足りる。例えば、振分先が、「上作動口83a→上作動口83a→下作動口83b→上作動口83a→上作動口83a」→「下作動口83b→下作動口83b→上作動口83a→下作動口83b→下作動口83b」→「上作動口83a→上作動口83a→下作動口83b→上作動口83a→上作動口83a」→・・・の順に切り替わる構成としてもよい。
(18)球送り機構350による遊技球の案内先は任意であり、上作動口83aや一般入賞口81等の固定タイプの入球部であってもよいし、電動役物91が併設された下作動口83bや可変入賞装置82等の可動タイプの入球部であってもよいし、入球部以外の構成(例えば非電動役物)であってもよい。
(19)上記実施の形態に示した通路形成ユニット300を可変式の入球装置内に設けられたVゾーン等の有利入球部への入球によって大当たりとなるタイプの遊技機(所謂、1種2種混合機)に適用することも可能である。
遊技領域における右ルートの途中位置には通路形成ユニットが配設されている。通路形成ユニットの連絡通路については流路切替部材が配設された分岐部にて第1通路部及び第2通路部に分岐している。第1通路部に流入した遊技球については第1作動口へ案内され、第2通路部に流入した遊技球については第2作動口へ案内されることとなる。第2作動口については上記下作動口83bと同様に開閉可能な電動役物が併設されており、この電動役物の動作契機となるスルーゲートが連絡通路における所定位置(例えば上記分岐部よりも上流となる位置)に配設されている。第2通路部に流入した遊技球は、電動役物が開状態となっている場合には第2作動口に流入し、電動役物が閉状態となっている場合には第2作動口を素通りして当該第2作動口の下方に配設された特別入賞装置に向かう。
なお、第1通路部を通過した遊技球については第1作動口へ到達し得る一方で第2作動口及び特別入賞装置への到達が回避されており、第2通路部を通過した遊技球については第2作動口及び特別入賞装置への到達が許容されている一方で第1作動口への到達が回避されている。
特別入賞装置は、上記可変入賞装置と同様に開状態/閉状態に切替可能となっており、第2作動口への入球に基づく抽選等によって当選結果となった場合に所定の期間に亘って開状態に切り替わる構成となっている。特別入賞装置の内部には有利入球部が設けられており、有利入球部への入球が発生した場合には開閉実行モードへ移行し且つ開閉実行モード終了後の遊技状態が遊技者に有利な高確遊技状態となる。なお、高頻度サポートモードとなっている状況下にてスルーゲートへの入賞が発生した場合には凡そ1/4の確率でサポート当選結果となる。
本実施の形態に示す流路切替部材については12個の遊技球の通過が1サイクルとなるようにして案内先が切り替わる構成となっている。具体的には、通路形成ユニットによる遊技球の案内先については、第1所定個数(例えば9個)の遊技球が分岐部を通過するまで第1通路部となり、その後は第2所定個数(例えば3個)の遊技球が分岐部分を通過するまで第2通路部となるように構成されている。
ここで、高頻度サポートモード中に有利入球部への入球に基づいて開閉実行モード(大当たり)へ移行する場合の流れについて説明する。以下の説明では、遊技球が上記所定の発射周期(0.6sec)で連続して発射されている場合を前提としている。
通路形成ユニット300による遊技球の案内先が第1通路部から第2通路部に切り替わった後に、最初に当該通路形成ユニット300に流入した遊技球がスルーゲートを通過し、スルーゲート通過による抽選にてサポート当選結果となった場合には、当該サポート当選結果の契機となった1つ目の遊技球及びそれ続く2つ目の遊技球が第2作動口へ向かう。電動役物が開状態となるまでの期間についてはサポート当選結果となった遊技球が電動役物に到達するまでに要する期間よりも短くなるように設定されており、且つ電動役物が閉状態に復帰するまでの期間については2つ目の遊技球が第2作動口へ到達するのに要する期間よりも僅かに長くなるように設定されている。つまり、1つ目及び2つ目の遊技球については第2作動口へ入球する可能性がある。第2作動口に係る保留情報の記憶上限数については、入球可能な上限数に合せて2個となるように設定されているが、これに限定されるものではない。記憶上限数については任意であり、1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。
第2作動口への入球に基づく抽選では所定の確率(例えば50%)で当選結果となるように設定されており、この抽選に当選した場合には特別入賞装置が閉状態から開状態に切り替わる。第2通路部に流入した3つ目の遊技球が第2作動口に到達するよりも前のタイミングでは電動役物が閉状態に復帰し、第2作動口への流入が回避された遊技球は特別入賞装置へ向かう。特別入賞装置が開状態となっているため、3つ目の遊技球が当該特別入賞装置へ流入すると、有利入球部へ案内され、開閉実行モードへの移行が確定する。
ここで、本変形例においては第2通路部へ連続して流入する遊技球のうち2つ目又は3つ目の遊技球がサポート当選の契機となった場合には、特別入賞装置への入球の余地がない構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2作動口への入球に基づく変動表示時間、確定表示時間、開状態に切り替える期間等を変更し、2つ目の遊技球がサポート当選の契機となった場合であっても特別入賞装置への入球の余地が残る構成とすることも可能である。なお、第2作動口への入球に基づく抽選では所定の確率(例えば50%)で当選結果となるように設定したが、この抽選は必須ではない。第2作動口への入球が発生した場合には特別入賞装置の開放が確定する構成としてもよい。
本変形例においては第2通路部へ遊技球を振り分ける状態となっている場合に球送り部材354の回転速度を変化させる構成とすることも可能である。回転速度に応じて第2作動口や特別入賞装置への入球確率に差違が生じるため、遊技の多様化に寄与できる。
遊技球の振分先に応じて回転速度を変化させる構成ではなく、電源投入時等から起算して予め設定された期間の経過によって回転変化が変化する構成としてもよい。この場合、例えば回転速度が特別入賞装置への入球に有利な速度(高速)となっており且つ遊技球の振分先が第2通路部となっている場合に、遊技者に有利な状態であることを示す報知を行う(例えば「CHANCE」等のメッセージを表示する)構成とするとよい。
また、第2作動口への入球によって当選結果となった場合には、その当選結果の種類等に応じて特別入賞装置の開閉態様を相違させる構成とすることも可能である。このようにして特別入賞装置への入球確率を変化させることにより、遊技の多様化に寄与できる。
第2作動口に流入しなかった遊技球については特別入賞装置へ向かう構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第2作動口の下流側に一般入賞口等の他の入球部を設けて遊技球の流入先を多様化してもよし、遊技球が特別入賞装置等へ向かうことなくアウト口に向かうように分岐を設けてもよい。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技の単調化等を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成されている回転体(球送り部材354)と、
前記回転体を回転させる駆動手段(モータ351)と、
前記入球部に遊技球が入っている状態にて前記回転体が回転する場合に、当該回転体に連動する連動体(カム371)と、
前記連動体の動作に基づいて変位する作用部(流路切替部材390)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、入球部への入球が発生した場合、その遊技球は回転体の回転に合せて当該回転体の回転方向へ移動する。遊技球が入球部に配置されている場合には回転体に追従するようにして連動体が動作する(連動する)。連動体が動作することにより作用部が変位する。例えば、作用部に可動式の装飾体としての機能を付与すれば遊技球の動きに応じて装飾体を動作させることができる。また、作用部が遊技球の流路に配設されている場合には、当該作用部によって遊技球の流路を変化させることができる。このように、遊技球の有無に応じて作用部を動かすことにより、遊技球の動きと作用部の動きとに関連性を付与することができる。これにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。この際、例えば駆動手段を作用部の動力源として利用すれば、作用部の動作の安定性を向上させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成されている球送り部材(球送り部材354)と、前記球送り部材を駆動させる駆動手段(モータ351)と、前記入球部に遊技球が入っている状態にて前記球送り部材が動作する場合に、当該球送り部材に連動する連動体(カム371)と、前記連動体の動作に基づいて状態が変化する作用部(流路切替部材390)とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。因みに、上記「球送り部材」との記載を「可動体」に変更することも可能である。
特徴A2.遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成されている回転体(球送り部材354)と、
前記回転体を回転させる駆動手段(モータ351)と、
前記入球部に遊技球が入っている状態にて前記回転体が回転する場合に、前記駆動手段の動力によって当該回転体に連動するように構成された連動体(カム371)と、
前記連動体の動作に基づいて変位する作用部(流路切替部材390)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、入球部への入球が発生した場合、その遊技球は回転体の回転に合せて当該回転体の回転方向へ移動する。遊技球が入球部に配置されている場合には回転体に追従するようにして連動体が動作する(連動する)。連動体が動作することにより、作用部が変位する。例えば、作用部に可動式の装飾体としての機能を付与すれば遊技球の動きに応じて装飾体を動作させることができる。また、作用部が遊技球の流路に配設されている場合には、当該作用部によって遊技球の流路を変化させることができる。このように、遊技球の動きに応じた作用部の動きを実現して、遊技球の動きと作用部の動きとに関連性を付与することにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。
連動体が回転体に追従するようにして動作する場合には、駆動手段が連動体を動作させる駆動源として機能する。このようにして作用部用の動力源を確保することにより、連動体(作用部)を動作させるための動力の遊技球への依存を回避できる。つまり、遊技球の重さや移動速度へ依存することを抑制できる。このようにして遊技球への依存を抑制することにより、連動体(作用部)の動作の安定化や、作用部の配置や動き等に係る制約の緩和に貢献することができる。
特徴A3.前記入球部に入っている遊技球が前記回転体と前記連動体との間に介在することにより、当該遊技球が前記回転体の回転力を前記連動体に伝える媒体として機能するように構成されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように、遊技球を動力の伝達用の媒体(伝達媒体)として利用することにより、入球部への入球が発生している状況下にて駆動手段→連動部(作用部)への動力の伝達経路を構築する為の構成を簡略化することができる。
特徴A4.前記入球部に遊技球が入っていない状態にて前記回転体が回転する場合には、前記回転体の回転力が前記連動体に伝わることが回避される構成となっていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技球の有無に応じて回転力が伝達/非伝達で切り替わることとなる。故に、入球部への入球の有無によって作用部の動きに差違を生じさせることが可能となり、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記入球部に入球している遊技球が前記入球部から離脱することにより、前記連動体の連動が解除されるように構成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A5.前記連動体には、前記入球部に遊技球が入っている状態にて前記回転体が回転する場合に、当該遊技球によって前記回転体の回転方向へ押される球受け部(球受け部382)が形成されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、入球部に入っている遊技球によって球受け部が押されることにより、連動体が動作することとなる。球受け部の存在によって特徴A3等に示した伝達経路を好適に具現化することができる。
特徴A6.前記連動体は、前記球受け部が押されることにより、前記回転体に追従して回転するように構成されており、
前記連動体は、当該連動体の回転中心軸線が前記回転体の回転中心軸線と一致するように配置されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、連動体を回動式とする場合には、回転体の回転中心軸線と連動体の回転中心軸線とを一致させる(同軸とする)ことにより両者を連動させる範囲(同期範囲)の自由度を好適に担保することができる。また、回転体と連動体とを回転中心軸線が一致するように配置することは、駆動手段→回転体→連動体への動力伝達のロスを緩和し、動力の伝達効率を好適に向上させる上でも好ましい構成である。
特徴A7.前記入球部は、前記回転体の回転方向に複数配されており、
前記球受け部は、前記連動体の回転方向に複数配されており、
前記回転体は、当該回転体が所定の回転位置に到達した場合に、前記入球部に入球している遊技球が当該入球部から排出される構成となっており、
前記球受け部及び前記入球部は、前記入球部から遊技球が排出される場合に、前記回転体の回転方向にて遊技球の受入箇所から外れた位置に前記球受け部が待機した状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技球が入球部から排出された状態では、球受け部が受入箇所から外れた位置に待機することとなる。このため、次の遊技球の入球部へ向けた移動が球受け部によって妨げられることが回避できる。これにより、繰り返しの動作に好適に対応することができる。
特徴A8.前記入球部への入球の有無とは関係なく前記回転体が回転するように前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段(主制御装置162のMPU602)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、回転体へ到達した遊技球は当該回転体の姿勢によって入球部へ入球するタイミングが変化する。このため、回転体に到達した遊技球の案内が終了するまでの期間が変化し、回転体への到達タイミングと作用部の動作タイミングとを多様化することができる。これにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴A9.前記駆動制御手段は、前記回転体の回転速度を第1回転速度及び当該第1回転速度よりも遅い第2回転速度に切り替える回転速度切替手段を有していることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、回転体の回転速度が第1回転速度/第2回転速度で切り替わることとなる。これにより、回転体への到達タイミングと作用部の動作タイミングとの更なる多様化を実現し、特徴A8に示した単調化の抑制効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A10.前記駆動制御手段は、前記回転体の回転方向を第1所定方向及び当該第1所定方向とは反対の第2所定方向に切り替える回転方向切替手段を有し、
前記連動体は、前記回転体が前記第1所定方向に回転している状況下においては前記入球部に遊技球が入球していることに基づいて前記回転体と連動し且つ前記入球部に遊技球が入球していない場合には前記回転体との連動が回避される構成となっており、
前記回転体が前記第2所定方向に回転している場合に前記入球部における遊技球の有無に関係なく前記連動体を前記回転体に連動させる連動手段を備えていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、回転方向が第2所定方向に切り替わった場合には、遊技球の有無に関係なく回転体と連動体とが連動することとなる。このように、回転方向によって連動/非連動が切り替わる構成とすれば、遊技者はどのタイミングで作用部が動作するのかを完全に予測することが難しくなる。このようにして、連動体の動作に基づく作用部の動きが単調になることを抑制することにより、遊技への注目度の低下を抑制できる。
特徴A11.前記連動体及び前記作用部は遊技機正面視にて離間して設けられており、
前記連動体と前記作用部との間に配設され、前記連動体の動力を前記作用部に伝達する伝達手段(伝達ギア372等)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、伝達手段を介在させることにより連動体と作用部との位置関係に係る制約を緩和することができる。これにより、作用部の動作契機となる構成の配設箇所と、作用部の配設箇所とを離すことができる。これは、回転体や作用部の配置自由度を向上する上で有利である。
また、連動体と作用部との前後の重なりを抑えることにより、一方が他方の視認を妨げる要因になることを抑制しつつ、特徴A1等に示した連動機能を担保することが可能となる。
特徴A12.前記伝達手段は、前記入球部に遊技球が入っていない場合に前記連動体と前記回転体との間に発生する摩擦抵抗よりも大きな抵抗を発生させる抵抗発生部として機能していることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A1に示した構成を具現化する上では回転体と連動体とをできるだけ近づけて配置することにより占有領域の無駄な拡がりを抑えることができる。しかしながら、このような構成では、回転体と連動体とが接触することにより摩擦抵抗が発生しえる。この摩擦抵抗が要因となって、本来連動体が動作すべき状況ではないにも関わらず当該連動体が動作する可能性を否定できない。ここで、特徴A11に示した伝達手段を有する構成においては、少なからず伝達ロスが発生し得る。そこで、このような伝達ロスを利用して上記摩擦抵抗よりも大きな抵抗を発揮させる構成とすれば、連動が回避されるべき状況下にて当該連動が発生することを回避することができる。
仮に連動体の動力が遊技球の重さや移動速度に依存する場合には、このような抵抗の存在が連動体の動力の確保を困難にしたり動作安定性を低下させたりする要因になり得る。この点、遊技球を駆動手段からの動力を連動部へ伝える媒体として機能させる構成とすれば、このような上記各種不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴A13.前記伝達手段は、歯数の異なる複数の歯車(連結ギア375や中間ギア376等)が組み合わされてなることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13に示すように作用部と回転体(連動部)との離れを大きくする上で、そのような離れを歯数の異なる複数の歯車によって補完する構成とすれば、作用部の動きと回転体による遊技球の案内との関係を多様化することができる。また、これら複数の歯車の存在を併用すれば必然的に上記伝達ロスが大きくなりやすいが、これを利用して連動体の動きを制限することができる。そもそも、駆動手段が連動体の駆動源として機能するため、伝達手段の伝達ロスを好適に許容することができる。このように、連動体、駆動手段、伝達部、作用部の組み合せには技術的意義がある。
特徴A14.前記作用部は、第1状態及び第2状態に切替可能となっており、前記第1状態となっている状況下にて前記回転体によって案内された遊技球の数が複数の数である第1所定数に達した場合に変位することにより前記第1状態から前記第2状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1所定数の遊技球が案内されることで、作用部が第1状態→第2状態に切り替わる。第1所定数=複数とした場合には、作用部用の駆動力を無理なく捻出することができる。これは入球部での遊技球の有無によって変化する負荷が極端に大きくなることを抑制し、駆動手段の保護を図る上で好ましい構成である。
特に、特徴A7との組み合わせにおいては、複数の球受け部(入球部)を併用して応答性の低下を抑制することにより、回転体の回転速度を無駄に高く設定しなくても上記切替条件の設定が軽快な遊技進行の妨げになることを抑制できる。
特徴A15.前記作用部は、遊技球の流路を切り替える流路切替手段を有してなることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、回転体によって遊技球が案内される場合に連動体が連動すると、連動体の動きに応じて遊技球の流路が切り替わることとなる。このように、遊技球の流路を変化させる構成とすることにより、遊技球の動きが単調になることを抑制することができる。
特徴A16.前記流路切替手段は、前記回転体の前記入球部から排出された遊技球が到達可能となる位置に配置されていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、回転体に到達した遊技球自身、すなわち流路切替の契機となった遊技球についても新たな流路へ流入する余地が生じることとなる。このように流路切替の結果が素早く反映される構成とすれば、遊技進行に係るメリハリを好適に強化できる。
特徴A17.前記入球部には、当該入球部に入球した遊技球を前記球受け部とは反対側から押圧する押圧部(壁部368)が設けられていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A17によれば、入球部に入った遊技球は球受け部とは反対側から押されることとなる。これにより、駆動手段→回転体(押圧部)→遊技球→連動体(球受け部)→作用部の伝達経路が形成され、駆動手段を作用部の動力源として利用することができる。
特徴A18.前記押圧部は、前記回転体の回転中心軸線方向に離間するようにして設けられた第1押圧部及び第2押圧部を有してなり、
前記連動体は、前記回転体の回動中心軸線方向にて前記第1押圧部及び前記第2押圧部の間に前記球受け部が位置するように構成されていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
遊技球が押圧部及び球受け部によって挟まれる構成においては、遊技球の位置が変化することにより、力が伝わる向きが変化し得る。これは、押圧部や球受け部に歪等の変形が生じる要因となり得るため好ましくない。そこで、回動中心軸線方向にて第1押圧部及び第2押圧部の間に球受け部が位置する構成とすれば、遊技球の位置ばらつきを抑制することができる。これにより、上述したような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、例えば第1押圧部及び第2押圧部の離間距離を遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成するとよい。
特徴A19.前記第1押圧部から前記球受け部までの距離と、前記第2押圧部から前記球受け部との距離が同一となっていることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、連動体へ動力を伝える際の伝達効率の向上に寄与することができる。これは、球受け部の変形等を抑制し、連動体の動きを安定させる上で好ましい構成である。
特徴A20.前記回転体の回転中心軸線は水平方向に延びており、
前記入球部は、前記回転体の回転中心軸線の放射方向に開放されており、
前記入球部の奥部には、遊技球を前記第1押圧部及び前記第2押圧部の中間位置へ案内する案内部が形成されていることを特徴とする特徴A18又は特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、案内された遊技球は素早く定位置に納まるため、球受け部との接触の準備を円滑且つ迅速に行うことができる。故に、特徴A18や特徴A19に示した効果を好適に発揮させることができる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技球の挙動に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.球通路(連絡通路310)と、
遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成され、当該入球部に入球した遊技球を前記球通路における上流側から下流側へ送る球送り機構(球送り機構350)と
を備え、
前記球送り機構は、回転中心軸線が一致するように構成された第1回転体(手前側の球送り部材354X)及び第2回転体(奥側の球送り部材354Y)を有してなり、
前記入球部は、前記第1回転体及び前記第2回転体に跨るようにして形成されており、
前記第1回転体にて前記入球部が形成されている部分と前記第2回転体にて前記入球部が形成されている部分とは、回転中心軸線方向に離間していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、前記第1回転体にて前記入球部が形成されている部分と前記第2回転体にて前記入球部が形成されている部分との間に隙間が設けられている。この隙間については、遊技球の挙動に影響を与える作用部や遊技球の動きに合せて動作するリンク機構等の配設領域として利用できる。両回転体の間に位置する構成については、遊技球との接触を担保することができるため、上手く接触しない等の理由から動作不良等が発生することを好適に抑制し得る。
なお、第1回転体にて入球部が形成されている部分と第2回転体にて入球部が形成されている部分との隙間(離間距離)については遊技球の直径寸法よりも小さくするとよい。
特徴B2.前記第1回転体及び前記第2回転体の回転中心軸線は水平方向に延びていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、例えば遊技球を第1回転体及び第2回転体に載せるようにして運ぶ場合に、回動中心軸線方向における遊技球の位置ばらつきを抑制することができる。これにより、球送り(遊技球の移動)の円滑化等に貢献することができる。
特徴B3.前記第1回転体と前記第2回転体との間に配設され、前記入球部に入っている遊技球が前記第1回転体及び前記第2回転体とともに変位した場合に当該遊技球の変位に追従するようにして変位する中間部材(カム371)と、
前記中間部材の変位に基づいて動作する作用部(流路切替部材390)と
を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遊技球が入球部に入っている状態にて回転体が回転すると、遊技球の変位に追従して中間部材が変位し、中間部材の変位に伴って作用部が動作することとなる。例えば、作用部に可動式の装飾体としての機能を付与すれば遊技球の動きに応じて装飾体を動作させることができる。また、作用部が遊技球の流路に配設されている場合には、当該作用部によって遊技球の流路を変化させることができる。このように、遊技球の動きと作用部の動きとに関連性を付与することにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。
特徴B4.前記中間部材は、前記入球部に位置する遊技球が当たる球受け部(球受け部382)を有し、前記第1回転体から前記球受け部までの距離と前記第2回転体から前記球受け部までの距離とが等しくなるように形成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
仮に遊技球にて球受け部に当接する部分と遊技球の中心部とが回動中心軸線方向にてずれた場合には、球受け部に生じる押圧力や遊技球に生じる反力等の向きが回動中心軸線方向にずれることとなる。このような事象は、遊技球の挙動の乱れや中間部材の変形等の要因となり、結果として球送り機構及びそれに付随する構成の動作安定性や耐久性が低下すると懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、上記各種不都合の発生を抑制することができる。
特徴B5.前記中間部材は、前記第1回転体及び前記第2回転体と回転中心軸線が一致するようにして回転可能に保持されていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、中間部材を回動式とする場合には、回転体の回転中心軸線と中間部材の回転中心軸線とを一致させることにより両者を連動させる範囲(同期範囲)の自由度を好適に担保することができる。また、回転体と中間部材とを上記関係となるように配置することは、駆動手段→回転体→中間部材への動力伝達のロスを緩和し、動力の伝達効率を好適に向上させる上でも好ましい構成である。
特徴B6.前記中間部材と前記第1回転体及び前記第2回転体とは、回転中心部及び外周部のうち前記回転中心部寄りとなる位置で接触するように構成されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6に示すように接触位置を限定すれば、回転体が空転した場合に当該回転体と中間部材との間に生じる摩擦によって中間部材が回転体に追従するようにして変位することを抑制できる。
特徴B7.前記中間部材と前記第1回転体及び前記第2回転体との間に生じる摩擦よりも大きな抵抗を発生する抵抗発生手段(伝達ギア372)を備えていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6に示したように回転体の間に中間部材を配置する場合には、回転体と中間部材との隙間を減縮することにより、球送り機構に係る構成を小型化できる。しかしながら、このような構成では、回転体と中間部材とが接触する可能性を否定できない。そこで、本特徴に示すように中間部材と回転体との間に生じる摩擦よりも大きな抵抗を発生する抵抗発生手段を備える構成とすれば、摩擦によって中間部材が回転することを好適に抑制することができる。これにより、作用部が入球部への入球とは関係なく変位することを抑制することができる。
特徴B8.前記抵抗発生手段は、前記作用部に動力を伝える動力伝達機構であることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8に示すように動力伝達機構を介して回転体と作用部と繋ぐ構成とすれば、それら回転体と作用部との位置関係に係る自由度を好適に向上することができる。このような構成においては、動力伝達機構にて少なからず伝達ロス(抵抗)が発生し得る。そこで、このような伝達ロスを利用することにより特徴B7に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B9.前記動力伝達機構は、複数の歯車を有してなり、それら歯車の組み合わせにより前記作用部側での変位量を小さくするように構成されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、動力伝達機構(抵抗発生手段)に係る構成の大型化を抑制しつつ回転体と作用部との位置関係に係る自由度を好適に向上させることができる。特に、歯車の組み合わせによって作用部側では変位量が小さくなるように回転比を調整すれば、作用部を変位させる為の駆動力の確保を容易なものとすることができる。
特徴B10.前記回転体を回転させる駆動手段(モータ351)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10に示すように回転体を駆動させる駆動手段が設けられている構成に特徴B1等に示した技術的思想を適用すれば、球送り用の回転体の重量を軽減することができ、駆動手段に係る負荷を緩和することができる。
特に特徴B3等との組み合せによれば、中間部材が回転体に追従するようにして動作する場合には、駆動手段が中間部材を動作させる駆動源として機能する。このようにして作用部用の動力源を確保することにより、中間部材(作用部)を動作させるための動力の遊技球への依存を回避できる。つまり、遊技球の重さや移動速度へ依存することを抑制できる。このようにして遊技球への依存を抑制することにより、中間部材(作用部)の動作の安定化や、作用部の配置や動き等に係る制約の緩和に貢献することができる。
特徴B11.前記第1回転体及び前記第2回転体は略円板状をなしており、
前記入球部は、前記第1回転体の外周部及び前記第2回転体の外周部に形成された凹部であり、
前記第1回転体の外板面及び前記第2回転体の外板面には、前記駆動手段からの動力が伝達されるギア部(ギア部362)が形成されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11に示すように球受け部を外周部に形成して遊技球を回動中心から遠ざけることは、遊技球を搬送する際に必要となるトルクを軽減する上で有利である。また、上述の如く遊技球を動力伝達媒体として利用する上で、駆動手段に生じる負荷を軽減する上でも好ましい構成である。また、外板面に形成することで、両回転体の隙間の利用を促すことができる。
なお、第1回転体及び第2回転体の両方に動力を伝える構成とすることにより、2つの回転体の位相ずれを好適に抑制することができる。
特徴B12.前記ギア部は、前記第1回転体の外面及び前記第2回転体の外面から張り出しており、
前記第1回転体に形成された前記ギア部の一部が当該第1回転体に形成された前記入球部と対峙し、前記第2回転体に形成された前記ギア部の一部が当該第2回転体に形成された前記入球部と対峙していることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、ギア部によって回転体の並設方向における遊技球の移動が規制される。このようにして動力伝達用のギア部を利用することにより構造の複雑化を抑えつつ、入球部からの遊技球の零れを抑制することが可能となる。
特徴B13.前記作用部は、遊技球の流路を切り替える流路切替手段を有してなることを特徴とする特徴B3乃至特徴B12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B13によれば、回転体によって遊技球が案内される場合に中間部材が連動すると、中間部材の動きに応じて遊技球の流路が切り替わることとなる。このように、遊技球の流路を変化させる構成とすることにより、遊技球の動きが単調になることを抑制することができる。
特徴B14.前記作用部は、前記球通路よりも上流側又は下流側となる位置に配設されていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、球送り機構へ向けた遊技球の動きと、球送り機構から流出する遊技球の動きとに関連性を付与することができ、遊技球の挙動及び球送り機構の挙動への注目を促すことができる。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技球の挙動に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成されている可動体(球送り部材354)と、
前記可動体とは別に設けられた動作部(流路切替部材390)と、
前記入球部に遊技球が入っている状態で前記可動体が変位した場合に、その動力を前記動作部に伝達する伝達機構(リンク機構370)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば、動作部(作用部)に可動式の装飾体としての機能を付与すれば遊技球の動きに応じて装飾体を動作させることができる。また、動作部が遊技球の流路に配設されている場合には、当該動作部によって遊技球の流路を変化させることができる。このように、遊技球の有無に応じて作用部を動かすことにより、遊技球の動きと動作部の動きとに関連性を付与することができる。これにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。
また、リンク機構を介して可動体の動力を動作部に伝える構成とすることにより、動作契機となる可動体と動作部(作用部)との位置関係に係る制約を緩和することができる。
なお、特徴A群等に示した技術的思想を特徴C群に適用する場合には、本特徴に示す「動作部」を特徴A群等に示した「作用部」と同一のものとすることも可能である。
特徴C2.前記可動体は回転可能に保持されており、
前記可動体と前記動作部とは遊技機正面視にて離間して設けられており、
前記伝達機構は、前記可動体と前駆動作部とを繋ぐように配置された複数の歯車(例えば伝達ギア372)を有してなることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2示すように複数の歯車を用いて可動体と駆動手段とを繋ぐ構成とすれば、可動体及び動作部の位置関係に係る自由度を簡易な構成によって向上させることができる。特に、歯車を複数用いることとすれば、各歯車の歯数を相違させることにより、回転比を変化させることができる。これら複数の歯車の存在により、動力の伝達態様を遊技機の仕様等に応じて変更することができ、可動体の動きを動力源として好適に利用することができる。
特徴C3.前記動作部は、第1状態(例えば第1案内状態)と当該第1状態とは異なる第2状態(例えば第2案内状態)とに切替可能となっており、
前記伝達機構は、前記動作部が前記第1状態となっている状況下にて前記可動体に到達した遊技球の数が複数の数である所定数となった場合に、前記動作部を前記第1状態から前記第2状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C2に示したように、複数の歯車によって伝達機構を構成する場合には、可動体と動作部との配置自由度を好適に向上させることができる。しかしながら、歯車の数が多くなれば伝達機構における動力の伝達ロスも大きくなる。このような事情に鑑みれば、複数の遊技球の入球を契機に動作部を第1状態/第2状態に切り替えることには、動作部の切り替えを行うにあたっての1の入球に係る負担を軽減することができるという技術的意義がある。
特徴C4.前記可動体を駆動させる駆動手段(モータ351)を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C3に示した構成においては、動作部の切替を安定して行う場合に必要となる遊技球の数が距離に応じて多くなる。これは、遊技機の仕様に係る制約を強める要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示す構成によれば、そのような制約を好適に緩和させることができる。
特徴C5.前記動作部は、遊技球の流路を切り替える流路切替手段を有してなり、
前記動作部は、前記可動体よりも遊技領域における上流位置に配設されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示した技術的思想を適用すれば、本特徴に示すように動作部の動作契機となる可動体を動作部よりも下流側となる位置に配設する構成とすることができる。係る構成によれば、先行する遊技球によって動作部が動作して、それよりも上流側における遊技球の切り替えが行われるため、先行する遊技球の動きと後続の遊技球の動きとの関連性を強化することができる。
特徴C6.前記流路切替手段によって切り替わる複数の流路のうち少なくとも1つには前記可動体へ遊技球を案内する案内部が形成されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、流路の切り替えによって遊技球の可動体への到達度合いを変化させることができる。これにより、第1状態となる期間と第2状態となる期間とにある種の偏りを発生させることができ、遊技球の動きの単調化の抑制に貢献することができる。
特徴C7.第1状態と当該第1状態よりも入球が困難な第2状態とに切替可能となっており、相互に離間して設けられた第1可変入球部及び第2可変入球部を備え、
前記可動体は、前記第1可変入球部に入球した遊技球が到達し得る位置に配置されており、
前記第2可変入球部には、第1流入領域及び当該第1流入領域よりも遊技者に有利な第2流入領域が設けられており、
前記動作部は、前記第2可変入球部へ流入した遊技球の流路を前記第1流入領域及び前記第2流入領域の何れかに切り替える流路切替手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1可変入球部への入球に基づいて第2可変入球部における流路が切り替わることとなる。第2可変入球部においては第1流入領域/第2流入領域に有利度の差が設定されている。このため、第1可変入球部への入球を加減等することにより、第2可変入球部が第1状態になった場合に第2流入領域へ到達する可能性を高めることができ、新たな戦略性を付与することができる。これにより、遊技者の遊技への積極的な参加を促すことができる。
特徴C8.通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態となった場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602における開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段は、
所定の切替条件が成立したことに基づいて前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部の一方を前記第2状態から前記第1状態に切り替える手段と、
前記第1状態となってから所定期間が経過した場合に前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部のうち前記第1状態となっているものを当該第1状態から前記第2状態に切り替える手段と、
前記第1状態となってからの入球数が所定数に達した場合に前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部のうち前記第1状態となっているものを当該第1状態から前記第2状態に切り替える手段と
を有していることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8に示すように、第2状態となっている期間が限られているとともに、入球数に上限(所定数)が設定されている構成においては、限られた条件下にて第1可変入球部への入球をどの程度発生させるかを遊技者が選択することにより、その後の遊技の展開に違いが生じる。このように、動作部(流路切替手段)の動作と第1可変入球部の動作状況とを関連づけることにより、特徴C7に示した戦略性を一層好適に強化することができる。
特徴C9.前記第2可変入球部は、前記第1可変入球部よりも遊技領域における上流側に配置されていることを特徴とする特徴C7又は特徴C8に記載の遊技機。
例えば、第1可変入球部及び第2可変入球部の上下関係が逆であるならば、第1可変入球部に流入した遊技球を第2可変入球部まで案内して、第2可変入球部における流路の切り替えを実行することは可能である。但し、本特徴に示すように第2可変入球部が第1可変入球部よりも上流側に位置している場合には、第1可変入球部に流入した遊技球を利用する上でそれら遊技球を第2可変入球部側へ搬送するリフト等の搬送手段等が必要になり、構成が過度に複雑になると想定される。
この点、特徴C1等に示したように伝達機構によって動力を動作部(流路切替手段)に伝達する構成とすれば、上述したような遊技球の搬送が不要となる。故に、第1可変入球部及び第2可変入球部の関係性を強化しつつ、それに起因して構造が過度に複雑になることを抑制することができる。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技の単調化等を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、入球を許容する第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置82)と、
前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球部よりも上流において遊技球を送る球送り手段(球送り部材354)と、
前記球送り手段を駆動させる駆動手段(モータ351)と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて駆動制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技領域は、前記球送り手段を経由しない遊技球と比べて当該球送り手段を経由した遊技球の方が前記可変入球部へ到達する確率が高くなるように構成されており、
前記切替制御手段による切替制御の態様として、前記第1状態となる期間が第1期間となる第1切替制御態様と、前記第1状態となる期間が前記第1期間よりも長い第2期間となる第2切替制御態様とが設けられており、
前記駆動制御手段による駆動制御の態様として、送り速度が第1速度となるように駆動制御を行う第1駆動制御態様と、送り速度が前記第1速度よりも速い第2速度となるように駆動制御を行う第2駆動制御態様とが設けられており、
前記切替制御手段による切替制御の態様及び前記駆動制御手段による駆動制御の態様に基づいて遊技者にこれら切替制御の態様及び駆動制御の態様に関する情報を報知する報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、球送り手段を狙って遊技球を発射することにより、可変入球部への遊技球の到達確率を高くすることができる。但し、球送り手段を経由して可変入球部に到達した遊技球の入球確率については、駆動制御手段による駆動制御の態様と切替制御手段による切替制御の態様とに依存することとなる。これは、遊技の単調化を抑制したり、遊技の流れにある種の偏り(メリハリ)を生じさせたりする上では有利である。
しかしながら、遊技を有利に進める上では単に球送り手段を狙って遊技球を発射すれば足りるものではなく、遊技球を発射する状況下にて駆動制御の態様と切替制御の態様とを見極める必要があるとすれば、上述したように遊技を多様化することが遊技者の困惑を招き、遊技意欲の低下を招く要因となり得る。特に、遊技者が把握すべき項目が複数存在すれば、遊技者の困惑は顕著になると懸念される。
そこで、切替制御手段による切替制御の態様及び駆動制御手段による駆動制御の態様に基づいて遊技者にこれら切替制御の態様及び駆動制御の態様に関する情報を報知する構成とすれば、上記困惑を緩和することができる。つまり、遊技者は報知内容に応じて遊技球の発射先(球送り手段を狙うか否か)を決めることができる。これにより、遊技の多様化を実現して遊技意欲の低下を抑えるという効果を好適に発揮させることができる。
特徴D2.前記第1速度は、前記球送り手段による球送りに要する期間が前記第1期間よりも長くなるように設定されており、
前記第2速度は、前記球送り手段による球送りに要する期間が前記第2期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、第1切替制御態様且つ第1駆動制御態様となっている場合には、球送り手段を介して可変入球部への入球が発生する可能性が低くなる。これに対して、第2切替制御態様且つ第2駆動制御態様となっている場合には球送り手段を介して可変入球部への入球が発生する可能性が高くなる。このように、入球発生の確率に偏りを生じさせる構成においては、遊技の単調化を抑制する上で有利ではあるものの、遊技が複雑になる等して遊技者を困惑させる要因にもなり得る。そこで、切替制御の態様及び駆動制御の態様に関する情報を報知することにより、遊技への積極的な参加を促すことで生じる弊害を好適に解消することができる。
特徴D3.前記報知手段は、
前記第1駆動制御態様且つ前記第1切替制御態様となっている場合に、前記情報として前記送り手段を回避するようにして遊技球を発射すべき状況であることを示す情報を報知する手段と、
前記第2駆動制御態様且つ前記第2切替制御態様となっている場合に、前記情報として前記送り手段に到達するようにして遊技球を発射すべき状況であることを示す情報を報知する手段と
を有していることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D2に示したように、第1切替制御態様且つ第1駆動制御態様となっている場合には、球送り手段を介して可変入球部への入球が発生する可能性が低くなる。これに対して、第2切替制御態様且つ第2駆動制御態様となっている場合には球送り手段を介して可変入球部への入球が発生する可能性が高くなる。そこで、上記情報としてり手段を回避するようにして遊技球を発射すべき状況であることを示す情報及び送り手段に到達するようにして遊技球を発射すべき状況であることを示す情報を報知することにより、報知された情報に対する遊技者の理解を容易とし、特徴D2に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D4.前記球送り手段に到達した遊技球を、第1流路へ振り分ける第1振分状態と当該第1流路よりも前記可変入球部への到達確率が高くなるように構成された第2流路へ遊技球を振り分ける第2振分状態とに切替可能な流路切替手段を備えており、
前記球送り手段によって送られた遊技球の数に応じて前記流路切替手段が前記第1振分状態及び前記第2振分状態に切り替わる構成となっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技者はどの程度の遊技球が球送り手段に到達したかによって流路の切り替えタイミングを予測することが可能となる。振り分けにある種の偏りが生じる構成であるため、可変入球部への到達確率が高い場合には積極的に球送り手段を狙い、可変入球部への到達確率が低い場合には球送り手段を狙わないようにすることで、遊技の展開が変化することとなる。つまり、報知手段によって報知された情報に基づいて遊技を行うことにより遊技を有利に進めることができるようにして遊技者間の公平性を担保した上で、球送り手段によって送られた遊技球の数を把握することにより若干の技術介入を許容することにより遊技への積極的な参加を促すことができる。
特徴D5.前記遊技領域に設けられた作動入球部(上作動口83a)と、
前記作動入球部への入球に基づいて、前記切替制御手段による前記可変入球部の切り替えを行うか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて判定処理を行う機能)と
を備え、
前記流路切替手段が前記第2振分状態となっている場合には、前記第1振分状態と比べて前記作動入球部への入球確率が高くなるように構成されており、
前記第1駆動制御態様且つ前記第2切替制御態様となっている場合、又は前記第2駆動制御態様且つ前記第1切替制御態様となっている場合には、前記報知手段による報知を規制する報知規制手段を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、作動入球部への入球が可変入球部の状態切替の契機となる。このような構成においては、球送り手段が第1振分状態/第2振分状態の何れになっているかによって当該球送り手段による入球確率向上に係る恩恵を早々に享受するか、それとも後で享受するかの選択の余地が生じる。そこで、このような場合には上述した報知を規制して、遊技者に選択を委ねる構成とすることにより、遊技の戦略性を強化できる。これは、遊技の単調化を好適に抑制する上で好ましい構成である。
特徴D6.前記第1速度は、前記球送り手段による球送りに要する期間が前記第2期間よりも短くなるように設定されており、
前記第2速度は、前記球送り手段による球送りに要する期間が前記第1期間よりも短くなるように設定されており、
前記第1駆動制御態様且つ前記第2切替制御態様となっている場合及び前記第2駆動制御態様且つ前記第1切替制御態様となっている場合には前記報知手段による報知を規制する報知規制手段を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、球送り手段が第1振分状態/第2振分状態の何れになっているかによって当該球送り手段による入球確率向上に係る恩恵を早めに享受するか後で享受するかの選択の余地が生じる。そこで、このような場合には上述した報知を規制して、遊技者に選択を委ねる構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴D7.絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置94)を備え、
前記遊技領域には、前記絵柄表示手段を左側から迂回する左側流路(左ルート)と、前記絵柄表示手段を右側から迂回する右側流路(右ルート)とが形成されており、
前記可変入球手段は、前記左側流路を通過した遊技球及び前記右側流路を通過した遊技球の何れについても到達可能となる位置に配設されており、
前記左側流路及び前記右側流路の何れか一方に、前記球送り手段へ遊技球を案内する案内部が設けられており、
前記報知手段は、前記切替制御の態様及び前記駆動制御の態様に応じて前記左側流路を狙うべき状況である旨の報知又は前記右側流路を狙うべき状況である旨の報知を行う報知手段とを有していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球の発射操作にシビアな調整が要求される場合には、上記報知手段によって報知を行ったとしても、遊技者の技量によってその恩恵を享受できる場合と享受できない場合とが発生し得る。これは、遊技者間の公平性を低下させる要因になり得る。そこで、左側流路及び右側流路の一方に案内部を設けて、球送り手段への流路を限定する構成とすれば、簡単な操作によって報知に応じた遊技球の発射先の変更が可能となる。これにより、上記公平性に係る懸念を好適に解消することができる。
特徴D8.前記左側流路を通過する遊技球のうち前記案内部を経由しない遊技球の前記可変入球部への到達率と、前記右側流路を通過する遊技球のうち前記案内部を経由しない遊技球の前記可変入球部への到達率とが同等となるように構成されていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、案内部を経由しない遊技球については可変入球部への到達率が同等となっている。このため、球送り手段を経由した可変入球部への入球確率によって左側流と右側流路との優位性を変化させることができる。故に、球送り手段の存在意義を好適に担保することができる。
特徴D9.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ、入球を許容する第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置82)と、
前記可変入球部よりも上流となる位置にて遊技球を送る球送り手段(球送り部材354)と、
前記球送り手段を駆動させる駆動手段(モータ351)と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置162のMPU602にて駆動制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技領域は、前記球送り手段を経由しない遊技球と比べて当該球送り手段を経由した遊技球の方が前記可変入球部へ到達する確率が高くなるように構成されており、
前記駆動制御手段による駆動制御態様として、送り速度が第1速度となるように駆動制御を行う第1駆動制御態様と、送り速度が前記第1速度よりも速い第2速度となるように駆動制御を行う第2駆動制御態様とが設けられており、
前記可変入球部の状態及び前記駆動制御手段による駆動制御の態様に関する情報を、前記可変入球部の状態及び前記駆動制御手段による駆動制御態様に応じて遊技者に報知する報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D9によれば、駆動制御手段による駆動制御態様が第1駆動制御態様となっている状況下にて球送り手段に到達した遊技球については遊技球の動きが遅延されることとなる。可変入球部が第2状態となっている場合にはそのような遅延は遊技者に有利に作用し得る一方、可変入球部が第1状態となっている場合にはそのような遅延は遊技者に不利に作用し得る。これに対して、駆動制御手段による駆動制御態様が第2駆動制御態様となっている状況下にて球送り手段に到達した遊技球については当該球送り手段によって速やかに搬送される。可変入球部が第2状態となっている場合にはそのような迅速さは遊技者に不利に作用し得る一方、可変入球部が第1状態となっている場合にはそのような迅速さは遊技者に有利に作用し得る。遊技者が両方の情報をまとめて把握できるのであればそのような多様性についても遊技への積極的な参加を促す要因になり得るものの、実際にこのような複数の情報をまとめて把握することは困難になる。そこで、可変入球部の状態及び駆動制御手段による駆動制御態様を報知することにより、例えば遊技者に可変入球部の状態及び前記駆動制御手段による駆動制御態様の理解を促したり、狙うべき流路の把握を促したりすることができる。これにより、遊技の単調化を抑制しつつ、それに起因した遊技意欲の低下を好適に抑制することができる。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技の単調化等を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を第1流路(第1通路部321)に振り分ける第1振分状態及び第2流路(第2通路部322)に振り分ける第2振分状態に切替可能な振分手段(流路切替部材390)と、
前記振分手段を前記第1振分状態及び前記第2振分状態に切り替える切替手段(リンク機構370)と
を備え、
遊技状態が第1遊技状態(例えば特別遊技状態)となっている場合には、前記第1流路への振り分けが前記第2流路への振り分けよりも遊技者に有利となるように構成されており、
遊技状態が第2遊技状態(例えば通常遊技状態)となっている場合には、前記第2流路への振り分けが前記第1流路への振り分けよりも遊技者に有利となるように構成されており、
前記振分手段が前記第1振分状態及び前記第2振分状態の何れとなっているかを把握する把握手段と、
前記把握手段による把握結果及び遊技状態に基づいて遊技球の発射先を報知する報知手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、遊技状態に応じて遊技者に有利な流路が変化する。このため、振分手段へ遊技球が到達するようにして遊技球を発射すべき状況と、それとも振分手段を回避するようにして遊技球を発射すべき状況とが発生する。これにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。但し、遊技者が注目すべき対象が、遊技状態及び振分手段の状態となっては遊技機の仕様等をどの程度把握しているかによって遊技者が享受できる特典に差が生じ、遊技者間での公平性を担保することが困難になる。そこで、本特徴に示すように、振分手段の状態及び遊技状態に基づいて遊技球の発射先を報知する構成とすれば、公平性の低下を抑制しつつ、遊技の多様化を実現することができる。
また、遊技状態に応じて遊技球の振り分け先についての有利/不利の関係が変化する構成によれば、上記単調化の抑制効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴E2.前記報知手段は、
前記把握手段によって前記振分手段が前記第1振分状態であることが把握され且つ遊技状態が前記第1遊技状態となっている場合には前記振分手段へ向けた遊技球の発射を促す手段と、
前記把握手段によって前記振分手段が前記第2振分状態であることが把握され且つ遊技状態が前記第2遊技状態となっている場合には前記振分手段へ向けた遊技球の発射を促す手段と
を有していることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2に示す構成によれば、特徴E1に示した技術的思想を好適に具現化できる。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技球の挙動に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴F1.遊技球が入球可能な入球部(入球部365)が形成されている可動体(球送り部材354)と、
遊技機正面視にて前記可動体から離れた位置に設けられ、所定位置を通過する遊技球を第1流路へ振り分ける第1振分態様及び第2流路へ振り分ける第2振分態様に切り替わる動作部(流路切替部材390)と
を備え、
前記動作部は、前記所定位置を遊技球が通過することで振分態様が切り替わるものではなく、前記入球部に遊技球が入っている状態で前記可動体が変位したことに基づいて動作することにより振分態様が切り替わる構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、入球部に遊技球が入った状態で可動体が変位することにより、動作部が第1振分態様/第2振分態様に切り替わることとなる。遊技球を用いて流路を切り替える構成ではあるものの、流路の影響を受ける遊技球自体が流路の切り替えを実行する構造ではないため、例えば切替可能な流路を所定の状態に維持しておくことができる等、切替元となる入球部及び可動部の状況に応じて多様な切替態様を実現できる。
なお、特徴A群等に示した技術的思想を特徴F群に適用する場合には、本特徴に示す「動作部」を特徴A群等に示した「作用部」と同一のものとすることも可能である。
特徴F2.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域とは異なる箇所に設けられ、前記入球部に遊技球が入っている状態で前記可動体が変位した場合にその動力を前記動作部に伝達する伝達機構(リンク機構370)と
を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2に示すように伝達機構(構造物)によって動力を伝達する構成とすれば、動作部を動作させるための駆動部や駆動部を制御する制御装置等が別途必要になることを抑制し、遊技機の電気的構成を簡素化できる。また、伝達機構を遊技領域外に配設することにより伝達機構の存在が遊技領域を圧迫する要因になることを抑制できる。これは、可動体や動作部等の配置自由度の向上を図り、遊技領域に配設された各種遊技部品との共存を促進する上で好ましい構成である。
特徴F3.前記伝達機構は、前記入球部に遊技球が入っていない状態で前記可動体が変位する場合には前記可動体の変位に追従した変位が回避され、前記入球部に遊技球が入っている状態で前記可動体が変位する場合には前記可動体の変位に追従するようにして変位する伝達部材を有し、前記伝達部材の変位に基づいて前記動作部へ動力を伝達する構成となっていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、入球部に遊技球が入っている状態にて可動体が変位すると、その遊技球に押される等して伝達部材が変位することとなる。このように伝達部材を用いて動力の伝達を行う構成とすることにより、可動体の動きと動作部の動きとがリンクして動作部の動きが画一的になることを回避できる。また、動作部に多数の遊技球が到達したとしても可動体(入球部)への入球が発生しない限りは動作部の状態を維持することができ、特徴F1に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴F4.前記可動体は、駆動手段からの動力によって変位する構成となっていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F4によれば、駆動手段から供給される動力によって可動体が変位するため、可動体の変位が遊技球の自重や流下の勢に依存することを抑制できる。これにより、動作部の動きの安定化に寄与できる。特に、特徴F3に示したように伝達機構を用いて動力を伝える構成においては伝達ロス等の影響が懸念され、可動体と動作部とが離れることによりその影響が大きくなり得る。この点、本特徴との組み合せによれば、このような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴F5.前記第1流路を流下する遊技球が入球可能な第1入球手段と、
前記第2流路を流下する遊技球が入球可能な第2入球手段と
を備え、
前記第2入球手段への入球が発生した場合には、遊技者に前記第1入球手段への入球が発生した場合よりも有利な特典が付与され得る構成となっており、
前記第1振分態様にて前記入球部に入球した状態での前記可動体の変位が第1所定回数行われた場合に前記動作部が前記第2振分態様となり、前記第2振分態様にて前記入球部に入球した状態での前記可動体の変位が前記第1所定回数と同じ回数又は前記第1所定回数とは異なる回数である第2所定回数行われた場合に前記動作部が前記第1振分態様となるように構成されており、
前記第1所定回数及び前記第2所定回数の少なくとも一方は複数となるように構成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F5に示す構成によれば、第1振分態様にて入球部への入球が発生した回数が第1所定回数となることで第2振分態様に切り替わり、第2振分態様にて入球部への入球が発生した回数が第2所定回数となることで第2振分態様に切り替わる。ここで、第1所定回数及び第2所定回数の少なくとも一方は複数となるように設定されており、第1入球手段への入球が発生しやすい状態と第2入球手段への入球が発生しやすい状態とのメリハリを強化することができる。このようにして遊技の流れに偏りを生じさせることにより、遊技の単調化を抑制して遊技意欲の減退を抑えることが可能となる。
特徴F6.前記可動体を変位させる駆動手段(モータ351)と、
前記駆動手段の駆動制御を行う駆動制御手段(例えば主制御装置162)と
を備え、
前記駆動制御手段による前記駆動手段の駆動制御態様として、第1駆動制御態様(例えば低速モード)と当該第1駆動制御態様よりも前記可動体の変位速度が遅くなる第2駆動制御態様(例えば高速モード)とが設けられており、
前記動作部が前記第1振分態様となっている場合に前記駆動制御手段の駆動制御態様を前記第1駆動制御態様とし、前記動作部が前記第2振分態様となっている場合に前記駆動制御手段の駆動制御態様を前記第2駆動制御態様とする手段を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F6によれば、駆動部の駆動制御態様を動作部の振分態様に応じて切り替える構成とすることにより、遊技球の振分先に応じて進行速度を変化させることができる。
例えば、遊技者に有利な状態(例えば遊技球の振分先が相対的に有利となっている状態)となった場合には敢えて進行を遅くすることにより有利な状態がすぐさま終わってしまわないように引き延ばして遊技者の遊技への注目度が早々に低下してしまうことを抑制できる。また、例えば、遊技者に不利な状態(例えば遊技球の振分先が相対的に不利となっている状態)となった場合には敢えて進行を速くすることにより有利な状態への移行が無駄遅延されているかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。以上、遊技の流れにある種の偏りを設けて遊技の単調化を抑える構成とすることにより、遊技意欲の減退を好適に抑制することができる。
なお、特徴A群〜特徴F群に示した各技術的思想の何れかを他の特徴群に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル45)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(遊技釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。