JP6007546B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
また、上記のように入球の発生が内部抽選の契機となり得る入球部として、当該入球部への入球を容易とする状態と、それよりも入球しづらい又は入球不可とする状態との間で切換可能な入球部を備えた構成が知られている。当該切換可能とする構成としては、例えば、入球口を開閉させる開閉部材を備え、当該開閉部材が開状態となることで入球部への入球が可能となり、当該開閉部材が閉状態となることで入球部への入球が不可となる構成が挙げられる。また、上記切換式の入球部が単位時間当たりに開状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度状態及び低頻度状態といった複数の状態が存在する構成も知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−261415号公報
ここで、上記例示などのような遊技機においては、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段と、
当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を利用して、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される状態に遊技状態を移行させる移行手段と、
を備え、
前記遊技領域には、前記始動入球部として、少なくとも第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、
前記第2始動入球部を、開状態と閉状態とのそれぞれに切換制御する切換制御手段を備え、
当該切換制御手段は、前記第2始動入球部の状態を制御する制御モードとして、前記開状態とならない又は前記開状態となる機会が相対的に低い第1モードと、前記開状態となる機会が相対的に高い第2モードとを少なくとも有しており、
前記開閉制御が実行される状態として、当該状態中に期待できる前記可変入球手段への入球個数が相対的に多い多入球モードと、当該入球個数が前記多入球モードよりも少ない少入球モードとを少なくとも有しており、
前記判定手段は、
前記開閉制御が実行される状態への移行が発生し当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記制御モードが当該状態の前に設定されていたモードとは異なるモードとなり得る所定の判定結果であると判定可能な手段と、
前記開閉制御が実行される状態への移行は発生するものの当該開閉制御が実行される状態は前記少入球モードであり、当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記制御モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる特定判定結果であると判定可能な特定判定手段と、
を備え、判定モードとして、前記所定の判定結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記高確率モードにおいて前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高く、
前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合及び前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合のいずれであっても前記特定判定結果となり得る構成であって、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合の方が前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合よりも前記特定判定結果となる確率が高いことにより、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高い、
又は
前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合には前記特定判定結果となり得ないのに対して、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合には前記特定判定結果となり得ることにより、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高いことを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
一実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。 (a)遊技盤の構成を示す正面図であり、(b)開放状態である場合の第2作動口の概略図であり、(c)可変入賞装置を説明するための縦断面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 (a)第1特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(b)第1特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図であり、(c)第2特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(d)第2特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図である。 (a)第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。 主側MPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける普図普電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける入賞検知処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける払出出力処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける賞球コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける賞球用カウンタ調整処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにおける賞球設定処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにおける賞球払出制御処理を示すフローチャートである。 賞球の払出の態様を説明するためのタイミングチャートである。 主側MPUにおける電源投入設定処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図側の保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおけるデータ設定処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図確定中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特電開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特電開放中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特電終了処理を示すフローチャートである。 小当たり結果の内容を説明するための説明図である。 音声発光制御装置のMPUにおける報知制御処理を示すフローチャートである。 打球方向報知部における報知期間と、図柄表示装置における各段階報知の実行期間との関係を説明するためのタイミングチャートである。 変形例における遊技盤の正面図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3(a)に基づいて説明する。図3(a)は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿56aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット38及び普図ユニット39等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PAの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PAに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PA1と、当該上側領域PA1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PA2と、上側領域PA1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PA3と、左側領域PA2及び右側領域PA3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PA4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA1→左側領域PA2→下側領域PA4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PA1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、上側領域PA1→右側領域PA3→下側領域PA4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PA2及び右側領域PA3のうち左側領域PA2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PA3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
第1作動口33は、下側領域PA4に設置されている。第1作動口33は上向きに開放されており、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第1作動口33への入賞確率は一定となっている。また、第1作動口33は可変表示ユニット36に形成されたステージ36aの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路を介してステージ36a上に流入した遊技球であってステージ36aの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は第1作動口33に入賞し易くなっている。第1作動口33には検知センサ33aが設けられており、当該検知センサ33aにより第1作動口33に入賞した遊技球が検知される。
ここで、上記のように第1作動口33が下側領域PA4に設けられていることにより、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合及び右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれにおいても第1作動口33への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口が左側領域PA2に対して設けられており、右側領域PA3に対して設けられていないことにより、左側領域PA2を流下した方が右側領域PA3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易い。また、左側領域PA2及び右側領域PA3における遊技部品や釘24bの配列も、左側領域PA2を流下した方が右側領域PA3を流下する場合に比べて第1作動口33への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PA3を流下した遊技球は第1作動口33への入賞がほとんど発生しないようになっている。
第2作動口34は、右側領域PA3に設置されている。つまり、第2作動口34は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
第2作動口34の構成について図3(b)を参照しながら説明する。図3(b)は第2作動口34の構成を示す概略図である。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。
普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された普電用の駆動部34bに連結されており、当該普電用の駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物34aが遊技領域PA側に突出し、第2作動口34への入賞をガイドする。第2作動口34には検知センサ34cが設けられており、当該検知センサ34cにより第2作動口34に入賞した遊技球が検知される。
なお、第2作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、普電役物34aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
右側領域PA3において第2作動口34の上方にはスルーゲート35が設けられている。つまり、スルーゲート35は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。スルーゲート35には検知センサ35aが設けられており、当該検知センサ35aによりスルーゲート35に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット39の普図表示部39aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部39aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部39aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
また、普図ユニット39において、普図表示部39aに隣接した位置には、普図保留表示部39bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部39bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット38について詳細には、特図ユニット38には、第1特図表示部38aと、第2特図表示部38bとが設けられている。第1特図表示部38aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部38bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
また、特図ユニット38において、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bに隣接した位置には、第1特図保留表示部38c及び第2特図保留表示部38dが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部38cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部38dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
さらにまた、特図ユニット38には、各特図表示部38a,38b及び各特図保留表示部38c,38dに隣接した位置に、打球方向報知部(発射領域報知部)38eが設けられている。打球方向報知部38eは、オンオフ制御される単色タイプのLEDランプであり、後述する開閉実行モードの移行に際してオン制御され、当該開閉実行モードの終了に際してオフ制御される。当該打球方向報知部38eについての発光制御の内容、及びその機能については、後に詳細に説明する。
図柄表示装置42について詳細には、図柄表示装置42は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置42では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部38aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部38bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置42では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。図4は図柄表示装置42にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置42の表示面42aを示す図である。
図4(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置42の表示面42aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面42aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図5(b)に示すように、表示面42aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面42aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて表示面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する最有利大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成される。また、内部抽選の結果が後述する明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果又は小当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置42における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置42にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
図3(a)の説明に戻り、特電入賞装置32は、右側領域PA3において第2作動口34の下方の位置に設けられている。つまり、特電入賞装置32は左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
特電入賞装置32の構成について図3(c)を参照しながら説明する。図3(c)は特電入賞装置32の縦断面図である。
特電入賞装置32は、遊技球が通過可能な大きさの大入賞口32aが形成されているとともに、当該大入賞口32aを遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える特電側の開閉部材32bを備えている。特電側の開閉部材32bは特電用の駆動部32cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。また、特電入賞装置32には、大入賞口32aを介して特電入賞装置32内に入球した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部32dが形成されており、さらに当該入賞用通過部32dの位置に検知領域が存在するようにして大入賞口用の検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口用の検知センサ32eによって、特電入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部51の上方には表示発光部54が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部55が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿56a又は下皿57aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、主制御装置71に設けられた図示しない停電監視基板が接続されているとともに、払出制御装置77が接続されている。停電監視基板には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78の電源・発射制御基板95が接続されており、MPU82には停電監視基板を介して電力が供給される。
また、MPU82の入力側には、各種入賞検知センサ32e,33a,34c,35aといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ32e,33a,34c,35aには、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU82において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU82では第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU82の出力側には、停電監視基板、払出制御装置77及び音声発光制御装置91が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、MPU82の出力側には、特電入賞装置32の特電側の開閉部材32bを開閉動作させる特電用の駆動部32c、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット38及び普図ユニット39が接続されている。ちなみに、特図ユニット38には、第1特図表示部38a、第2特図表示部38b、第1特図保留表示部38c、第2特図保留表示部38d及び打球方向報知部38eが設けられているが、これらの全てがMPU82の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット39には、普図表示部39a及び普図保留表示部39bが設けられているが、これらの全てがMPU82の出力側に接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、MPU82において特電用の駆動部32cの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU82において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU82において特図ユニット38の表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU82において普図ユニット39の表示制御が実行される。
停電監視基板は、主制御基板81と電源・発射制御基板95とを中継し、また電源・発射制御基板95から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。払出制御装置77は払出制御基板101を備えており、当該払出制御基板101にはMPU102が搭載されている。MPU102には、そのMPU102により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM103と、ワークメモリ等として使用されるRAM104とを備えている。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、主制御基板81のMPU82、ROM83及びRAM84を、主側MPU82、主側ROM83及び主側RAM84と言い、払出制御基板101のMPU102、ROM103及びRAM104を、払出側MPU102、払出側ROM103及び払出側RAM104と言う。
払出側MPU102には、入出力ポートが設けられている。払出側MPU102の入力側には、主制御基板81と、電源・発射制御基板95と、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板105とが接続されている。また、払出側MPU102の入力側には、払出装置76の払出球検知センサ76bが電気的に接続されており、下流側に向けて実際に払い出された遊技球の個数を把握可能となっている。一方、払出側MPU102の出力側には、主制御基板81と球貸用接続端子板105とが接続されている。また、払出側MPU102の出力側には、払出装置76の払出モータ76aが電気的に接続されており、当該払出モータ76aを駆動制御することで、払出装置76による下流側に向けた遊技球の払い出しを行わせる。
球貸用接続端子板105は、払出制御基板101と球貸装置Yとの電気的な接続を中継するための基板である。払出側MPU102は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
電源・発射制御基板95は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、電源・発射制御基板95は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成し、その生成した動作電力を供給する。
当該動作電力を供給するための構成について具体的には、電源・発射制御基板95には、電入時用電源部96と電断時用電源部97とが設けられている。電入時用電源部96は、例えば、遊技ホール等における商用電源に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において、動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断時用電源部97は、コンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部96から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部97から放電され主側RAM84に対して記憶保持用電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断時用電源部97から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM84に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
かかる内容についてより詳細には、電入時用電源部96からの電力は、主側MPU82のVCC端子、及び払出側MPU102のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU82,102にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM84,104にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部97からの電力は、主側MPU82のVBB端子に供給され、払出側MPU102のVBB端子には供給されない。VBB端子は、VCC端子への電力供給が遮断されている状況において、RAM84,104に対して選択的に電力供給を行うことを可能とする端子である。この場合に、上記のとおり主側MPU82のVBB端子には電断時用電源部97から電力が供給されるのに対して払出側MPU102のVBB端子には当該電力が供給されないことにより、電断時用電源部97からの電力は、主側RAM84に供給されるが、払出側RAM104には供給されない。
なお、払出側MPU102のVBB端子は、アースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。また、各MPU82,102においてVCC端子に供給されている電力が演算部及びRAM84,104の両方に供給される構成に代えて、VCC端子に供給されている電力は演算部にのみ供給され、VBB端子に供給されている電力のみがRAM84,104に供給される構成としてもよい。この場合において、上記のように主側RAM84には電断時用電力が供給され、払出側RAM104には電断時用電力が供給されないようにするためには、電入時用電源部96からの電力が主側MPU82のVCC端子及びVBB端子に供給されるようにするとともに、当該電力が払出側MPU102のVCC端子及びVBB端子に供給されるようにし、さらに電断時用電源部97からの電力が主側MPU82のVBB端子に供給されるようにする一方、払出側MPU102のVBB端子に供給されないようにする。
電断時用電源部97の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM84に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。この場合に、上記のように電断時用電源部97の電力は主側RAM84に供給される一方、払出側RAM104に供給されないようにすることで、払出側RAM104においてはバックアップを行うことが不可となるものの、電断時用電源部97において必要な容量を低減することが可能となり、パチンコ機10のコストの低減を図ることが可能となる。
なお、電断時用電源部97は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部97への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。また、電源・発射制御基板95には、上記電断時用電源部97とは異なる図示しない停電時処理用電源部が設けられている。電源・発射制御基板95では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御基板81などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声発光制御装置91は、MPU112が搭載された音声発光制御基板111を備えている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU112では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、表示発光部54やスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置92にコマンドを送信する。表示制御装置92は、音声発光制御装置91から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行い、図柄表示装置42の制御を実施する。
<主側MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について図7を用いて説明する。
主側MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、第1特図表示部38aの表示の設定、第2特図表示部38bの表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、普図表示部39aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部38a,38b及び図柄表示装置42における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM84の抽選用カウンタエリア121に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、特図保留エリア122に格納される。特図保留エリア122は、第1特図保留エリア125と、第2特図保留エリア126と、特図用の実行エリア127と、を備えている。
第1特図保留エリア125は第1エリア125a、第2エリア125b、第3エリア125c及び第4エリア125dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア125a〜125dに格納される。
この場合、第1エリア125a〜第4エリア125dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア125a→第2エリア125b→第3エリア125c→第4エリア125dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア125a〜125dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリア125において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2特図保留エリア126は第1エリア126a、第2エリア126b、第3エリア126c及び第4エリア126dを備えており、第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア126a〜126dに格納される。
この場合、第1エリア126a〜第4エリア126dには、第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア126a→第2エリア126b→第3エリア126c→第4エリア126dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア126a〜126dが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第2特図保留エリア126において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
特図用の実行エリア127は、いずれかの特図表示部38a,38bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部38aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納された保留情報が特図用の実行エリア127に移動される。一方、第2特図表示部38bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納された保留情報が特図用の実行エリア127に移動される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア123に格納される。普図保留エリア123は、第1エリア128a、第2エリア128b、第3エリア128c及び第4エリア128dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア128a〜128dに格納される。
この場合、第1エリア128a〜第4エリア128dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア128a→第2エリア128b→第3エリア128c→第4エリア128dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア128a〜128dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア123において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
また、普図保留エリア128には、普図用の実行エリア129が設けられている。普図用の実行エリア129は、普図表示部39aにて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部39aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア123の第1エリア128aに格納された保留情報が普図用の実行エリア129に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM84の普図保留エリア123に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部39aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部39aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物34aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口34に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物34aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物34aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1secであるのに対して、高頻度サポートモードであれば2secとなっている。なお、この高頻度サポートモードにおける普電役物34aの1回の開放継続時間は、後述する第2特図の小当たり結果における特電入賞装置32の1回の開放継続時間よりも長い時間となっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM83に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルの内容について図8(a)〜(d)を用いて説明する。
図8(a)〜(d)に示すように、当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとしては、図8(a)〜(d)に示すように、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで、異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても、当否抽選における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、図8(a)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、小当たり結果となる乱数の値は3個(例えば「55」、「355」、「555」)である。そして、それ以外が、外れ結果となる乱数の値である。
第1特図用の高確当否テーブルは、図8(b)に示すように、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。一方、小当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
第2特図用の低確当否テーブルは、図8(c)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、小当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には40個である(例えば「3」、「8」、「31」、「37」、「55」、「68」、「127」、「133」、「160」、「166」、「189」、「195」、「217」、「223」、「242」、「248」、「273」、「279」、「302」、「308」、「331」、「337」、「355」、「368」、「389」、「395」、「417」、「423」、「467」、「473」、「492」、「498」、「517」、「523」、「555」、「561」、「572」、「578」、「596」「598」)。
第2特図用の高確当否テーブルは、図8(d)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、小当たり結果となる乱数の値は第2特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないことが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。つまり、長時間態様による大入賞口32aの開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。つまり、短時間態様による大入賞口32aの開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
ちなみに、小当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される開閉数規定モードとなっている。開閉数規定モードでは、短時間態様又は長時間態様よりも短い開放継続時間による大入賞口32aの開放が、ラウンド数規定モードにおける大入賞口32aの開閉回数と同一回数である15回又はそれよりも少ない2回行われる。この場合に、開閉数規定モードの終了条件の上限個数は10個に設定されており、開閉数規定モードのトータルの開放継続時間は、遊技球の発射周期と開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間に設定されている。よって、開閉数規定モードは、ラウンド遊技は実行されずに、当該開閉数規定モード中のトータルの入賞個数により上限個数か否かが判断される構成であるが、特電入賞装置32において上限回数分の開閉が実行される確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM83に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルの内容について図9(a),(b)を用いて説明する。
図9(a),(b)に示すように、振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果である。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
非明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる大当たり結果である。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、サポートモードは開閉実行モード移行前のモードが高頻度サポートモードであれば高頻度サポートモードとなる一方、開閉実行モード移行前のモードが低頻度サポートモードであれば低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。このサポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルとしては、図9(a),(b)に示すように、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
各振分テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の振分テーブルは、図9(a)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果との全てが設定されている。当該第1特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示高確大当たり結果に対応しており、「20〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第1特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果といった高確大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は2/3であり、低頻度入賞モードとなる確率は1/3である。
ここで、詳細は後述するが、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モードの態様は、短時間態様による15回の大入賞口32aの開閉が行われる。一方、非明示高確大当たり結果では、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。つまり、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなった場合、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の動作態様が見た目上、同一となる。また、これら遊技結果となった場合の遊技回では、第1特図表示部38aにおいては相互に相違する停止結果が表示されるものの、当該第1特図表示部38aよりも表示領域が大きく設定された図柄表示装置42においては識別不可となる態様で停止結果が表示される。具体的には、上記遊技結果のいずれにおいても、図柄表示装置42ではいずれかの有効ライン上の共通の図柄組合せ(例えば「3・4・1」)が停止表示される。また、低頻度サポートモードにおいて非明示高確大当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モード中には、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モードと区別がつかない態様で演出が実行され、さらに当該開閉実行モードの終了後には図柄表示装置42などにおいて高確率モードであることを明示する演出は実行されずに、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モード後と同様の態様で演出が実行される。
上記構成であることにより、例えば低確率モード及び低頻度サポートモードである状況で、低頻度入賞モードとなる開閉実行モード又は開閉数規定モードとなる開閉実行モードが発生した場合には、遊技者は、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行していることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上が図られる。
一方、第2特図用の振分テーブルは、図9(b)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のみが設定されており、非明示高確大当たり結果及び明示高確大当たり結果が設定されていない。当該第2特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第2特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、最有利大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードは、常に高頻度入賞モードとなる。
つまり、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、大当たり当選となった場合において開閉実行モード後に高確率モードとなる確率が同一である。その一方、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は第2特図用の振分テーブルの方が第1特図用の振分テーブルよりも高い。より詳細には、第1特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得るのに対して、第2特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得ない。したがって、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類としては、第1作動口33への入賞が発生して内部抽選が行われる場合よりも、第2作動口34への入賞が発生して内部抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利である。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置42における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置42を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置42における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置42の表示面42aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面42aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置42の表示面42aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果や、小当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主側MPU82において行うのではなく、音声発光制御装置91のMPU112において行われる。この場合、音声発光制御装置91のMPU112では、いずれかの大当たり結果又は小当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置42にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおける表示継続時間と、図柄表示装置42における図柄の表示継続時間とを主側MPU82において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置42による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主側MPU82にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図10のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM84のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU82の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RAM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM84の初期化として当該主側RAM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。また、払出制御装置77のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。また、これらの処理以外にも、賞球の設定を行うための処理も実行するが、当該処理内容については後に説明する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU82にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板81には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU82との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU82にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU82に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU82では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU82における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU82における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU82の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ32e,33a,34c,35aから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、大入賞口32a、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、主側RAM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ32e,33a,34c,35aの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS215では、普電役物34aのサポート抽選及び普電役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部38aに係る保留情報の増減個数を第1特図保留表示部38cに反映させるための出力情報の設定、第2特図表示部38bに係る保留情報の増減個数を第2特図保留表示部38dに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部39aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部39bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部39aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS218では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS219では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS219の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、タイマ割込み処理のステップS209にて実行される入賞検知処理、ステップS214にて実行される特図特電制御処理、ステップS215にて実行される普図普電制御処理、及びステップS218にて実行される払出出力処理について説明する。
<普図普電制御処理>
まず、ステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について普電開放抽選を行い、さらにその普電開放抽選を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、普電開放抽選の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
具体的には、普図普電制御処理では、図12のフローチャートに示すように、まずステップS301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、主側RAM84のスルーフラグに「1」がセットされていることを条件として、普電乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を普図保留エリア123に格納する処理を実行する。但し、当該普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。ちなみに、スルーフラグはタイマ割込み処理(図11)のステップS209の入賞検知処理にてスルーゲート35への入賞が特定された場合にセットされ、それに対して普図側の保留情報の取得が行われた場合にクリアされる。
続くステップS302では、主側RAM84に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す。続くステップS303では、主側ROM83から普図普電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出を制御するための処理、普電役物34aの開閉を制御するための処理が含まれている。この場合に、普図用の演出を制御するための処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、普電役物34aの開閉を制御するための処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU82にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305において、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS306の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS307の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS308の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS309の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS310の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS306〜ステップS310のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS310の処理について個別に説明する。
<普図変動開始処理>
普図普電制御処理(図12)におけるステップS306の普図変動開始処理では、主側RAM84に設けられた高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度フラグは、主側MPU82にてサポートモードが高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれであるかを特定する場合に参照されるフラグであり、開閉実行モードの終了に際してその後に高頻度サポートモードに移行する場合に「1」がセットされる。高頻度フラグに「1」がセットされている場合には、主側RAM84に設けられた回数制限フラグに「1」がセットされており、さらに当該主側RAM84に設けられた遊技回数カウンタが「0」であるか否かを判定する。回数制限フラグは、回数制限付きの高頻度サポートモードであるか否かを主側MPU82にて特定するためのフラグであり、遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードに設定された状態で終了基準回数(具体的には100回)の遊技回が消化されたか否かを主側MPU82にて特定するためのカウンタである。ちなみに、遊技回数カウンタへの終了基準回数のセットは、低確大当たり結果を契機とした開閉実行モードの終了に際して行われ、当該遊技回数カウンタにセットされた数値情報は遊技回が終了することに基づき1減算されるように更新される。高頻度フラグ及び回数制限フラグの両方に「1」がセットされており且つ遊技回数カウンタの値が「0」である場合には、高頻度フラグをクリアする。これにより、普電役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。ここで、普図変動開始処理は、普図普電カウンタの数値情報が普電開放中処理や普電閉鎖中処理に対応している状況、すなわち普電開放当選となった場合の普電役物34aの普電開放状態中は実行されない。したがって、終了基準回数目の遊技回の終了前に普電開放当選となったことに基づく普電開放状態中に終了基準回数目の遊技回が終了したとしてもサポートモードは高頻度サポートモードに維持され、当該普電開放状態が終了した後に低頻度サポートモードに切り換えられる。
普図変動開始処理では、さらに普図側の保留情報の合計数が1以上であるか否かを判定し、1以上である場合には普図保留エリア123のシフト処理を実行する。当該シフト処理では、普図保留エリア123の第1エリア128aに格納されている保留情報を普図用の実行エリア129にシフトするとともに、そのシフト後に第1エリア128aをクリアする。また、第2エリア128b→第1エリア128a、第3エリア128c→第2エリア128b、第4エリア128d→第3エリア128cといった具合に各エリア内の保留情報をシフトする。その後、サポート用の当否判定処理を実行する。当該当否判定処理では、サポート用の当否判定テーブルを読み出し、普図用の実行エリア129に現状格納されている数値情報が普電開放当選に対応した数値情報であるか否かを判定する。
また、普図変動時間のデータを主側ROM83から読み出す。この場合、開閉実行モード中ではなく且つ高頻度フラグに「1」がセットされている場合には高頻度サポートモード用の普図変動時間を読み出し、開閉実行モード中である場合又は高頻度フラグに「1」がセットされていない場合には低頻度サポートモード用の普図変動時間を読み出す。そして、その読み出した普図変動時間を普図普電タイマカウンタへセットし、普図表示部39aの変動表示を開始させるための処理を実行するとともに、普図普電カウンタの数値情報を1加算した後に、本普図変動開始処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新する。
<普図変動中処理>
普図普電制御処理(図12)におけるステップS307の普図変動中処理では、普図表示部39aにおける表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、普図変動時間の経過を確認したことを条件として、最終停止時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
<普図確定中処理>
普図普電制御処理(図12)におけるステップS308の普図確定中処理では、普図変動中処理にて普図普電タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。最終停止時間が経過している場合には、今回の変動表示の契機となったサポート用の当否判定の結果が普電開放当選であるか否かを判定する。普電開放当選ではない場合には、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。
普電開放当選である場合には、開閉実行モード中ではなく且つ高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の普図表示部39aの変動表示が高頻度サポートモード中におけるものであるか否かを判定する。否定判定をした場合には、主側RAM84に設けられた普電開放カウンタに「1」をセットするとともに、主側RAM84に設けられた普電入賞カウンタに「10」をセットする。普電開放カウンタは今回の普電開放状態における普電役物34aの残り開放回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタであり、普電入賞カウンタは今回の普電開放状態において第2作動口34への入賞が上限個数分発生したか否かを主側MPU82にて特定するためのカウンタである。その後、普図普電タイマカウンタに低頻度用の開放継続時間(具体的には0.1sec)の数値情報をセットする。一方、肯定判定をした場合には、普電開放カウンタに「3」をセットするとともに普電入賞カウンタに「10」をセットする。その後、普図普電タイマカウンタに高頻度用の開放継続時間(具体的には2sec)の数値情報をセットする。上記処理を実行した後は、普図普電カウンタを1加算した後に、本普図変動開始処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新する。
<普電開放中処理>
普図普電制御処理(図12)におけるステップS309の普電開放中処理では、普電役物34aの開放状態を維持するとともに閉鎖タイミングとなった場合に普電役物34aを閉鎖状態とする。この場合に、普電開放カウンタの数値情報を1減算するように更新し、普電開放カウンタの数値情報が「0」である場合には普電開放状態を終了する。具体的には、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアする。一方、普電開放カウンタの数値情報が1以上である場合には、普電役物34aの閉鎖時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
<普電閉鎖中処理>
普図普電制御処理(図12)におけるステップS310の普電閉鎖中処理では、普電役物34aの閉鎖状態を維持するとともに閉鎖時間が経過した場合には普電役物34aを再度開放状態とする。具体的には、高頻度用の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。
以上のように普図普電制御処理が実行されることにより、開閉実行モード中ではない状況であって高頻度フラグに「1」がセットされている状況では、高頻度サポートモードの態様で、普図表示部39aの表示制御、及び第2作動口34の普電役物34aの駆動制御が実行される。一方、高頻度フラグに「1」がセットされていない状況、又は開閉実行モード中においては、低頻度サポートモードの態様で、普図表示部39aの表示制御、及び第2作動口34の普電役物34aの駆動制御が実行される。
<入賞検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS209にて実行される入賞検知処理、及びステップS218の払出出力処理を説明するとともに、これらの処理に対応した払出側MPU102の処理を説明することで、入賞の発生に対する賞球の払出制御について説明する。
まず、タイマ割込み処理(図11)のステップS209にて実行される入賞検知処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
当該入賞検知処理では、ステップS401にて、第1作動口33への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS402に進み、主側RAM84に設けられた第1作動口入賞フラグに「1」をセットする。第1作動口入賞フラグは、第1作動口33への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS403にて、主側RAM84の賞球用カウンタエリア124に設けられた3個賞球用カウンタを1加算する。
ここで、賞球用カウンタエリア124には、3個賞球用カウンタ以外にも、1個賞球用カウンタと、10個賞球用カウンタと、15個賞球用カウンタとが設けられている。本パチンコ機10には既に説明したように、賞球用入球部として、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34が設けられている。そして、一般入賞口31への入賞が発生した場合には10個の賞球が発生し、特電入賞装置32への入賞が発生した場合には15個の賞球が発生し、第1作動口33への入賞が発生した場合には3個の賞球が発生し、第2作動口34への入賞が発生した場合には1個の賞球が発生する。この場合に、15個賞球用カウンタは、特電入賞装置32への入賞に対する15賞球をあと何回行うのかを示すデータを記憶するものである。10個賞球用カウンタは、一般入賞口31への入賞に対する10個賞球をあと何回行うのかを示すデータを記憶するものである。3個賞球用カウンタは、第1作動口33への入賞に対する3個賞球をあと何回行うのかを示すデータを記憶するものである。1個賞球用カウンタは、第2作動口34への入賞に対する1個賞球をあと何回行うのかを示すデータを記憶するものである。
各賞球用カウンタは、それぞれ1バイトで構成されている。したがって、各賞球用カウンタは、256の数値情報をとり得ることができ、賞球の未実施回数をそれぞれ最大で255回まで覚えることが可能となっている。
入賞検知処理の説明に戻り、ステップS401にて否定判定をした場合、又はステップS403の処理を実行した場合には、ステップS404にて、第2作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS405に進み、主側RAM84に設けられた第2作動口入賞フラグに「1」をセットする。第2作動口入賞フラグは、第2作動口34への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS406にて、賞球用カウンタエリア124の1個賞球用カウンタを1加算する。
その後、ステップS407にて、特定期間の計測を開始する。具体的には、主側RAM84に設けられた特定期間タイマカウンタに、特定期間に対応した特定値(例えば5000)を設定し、カウントダウンを開始する。特定期間タイマカウンタは、第2作動口34への入賞タイミングからの期間を計測するためのタイマカウンタであり、タイマ割込み処理(図11)のタイマ更新処理(ステップS210)にて1ずつ減算される。
ステップS404にて否定判定をした場合、又はステップS407の処理を実行した場合には、ステップS408にて、特電入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS409に進み、主側RAM84に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットする。特電入賞フラグは、特電入賞装置32への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS410にて、賞球用カウンタエリア124の15個賞球用カウンタを1加算する。
ステップS408にて否定判定をした場合、又はステップS410の処理を実行した場合には、ステップS411にて、スルーゲート35への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS412に進み、主側RAM84に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。スルーフラグは、スルーゲート35を遊技球が通過したことを特定するためのフラグである。
ステップS411にて否定判定をした場合、又はステップS412の処理を実行した場合には、ステップS413にて、一般入賞口31への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生している場合には、ステップS414に進み、賞球用カウンタエリア124の10個賞球用カウンタを1加算する。
<払出出力処理について>
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS218にて実行される払出出力処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS501では、遊技機本体12又は前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。いずれか一方が開放中である場合にはそのまま本払出出力処理を終了する一方、いずれも閉鎖中である場合にはステップS502にて、払出制御装置77から出力される払出異常信号に基づいて、払出異常状態であるか否かを判定する。
払出異常状態である場合にはそのまま本払出出力処理を終了する一方、払出異常状態で無い場合には、ステップS503にて賞球用カウンタエリア124におけるいずれかの賞球用カウンタが1以上であるか否かを判定する。いずれの賞球用カウンタも0である場合には、そのまま本払出出力処理を終了する一方、いずれかの賞球用カウンタが1以上である場合には、ステップS504にて、払出制御装置77から送信された賞球許可信号が、賞球コマンドの出力を許可する状態を示すHIレベルであるか否かを判定する。
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したように、電源・発射制御基板95の電断時用電源部97からの電力は、主側RAM84に供給されるが、払出側RAM104には供給されない。当該構成とすることにより、既に説明したとおり、電断時用電源部97の小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RAM104に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出側RAM104に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主側RAM84の賞球用カウンタエリア124に記憶し、主側MPU82は払出側MPU102からHIレベルの賞球許可信号を受信している場合に当該払出側MPU102に対して賞球コマンドを出力する。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主側MPU82において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出側MPU102から主側MPU82に出力される情報である。
払出出力処理(図14)の説明に戻り、ステップS504にて、賞球許可信号がHIレベルであると判定した場合には、ステップS505にて賞球コマンドの設定処理を実行し、本払出出力処理を終了する。一方、賞球許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS506にて現状のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでない場合にはそのまま本払出出力処理を終了する一方、高頻度サポートモードである場合には、ステップS507にて賞球用カウンタ調整処理を実行し、本払出出力処理を終了する。
ステップS505の賞球コマンドの設定処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS601では、賞球用カウンタエリア124の1個賞球用カウンタが3以上であるか否かを判定する。1個賞球用カウンタが3以上である場合には、ステップS602に進み、出力対象のコマンドとして、1個賞球コマンドを3つ設定する。これにより、1個賞球コマンドが払出制御装置77に向けて順次送信される。そして、ステップS603にて1個賞球用カウンタを3減算する。
一方、1個賞球用カウンタが3未満である場合には、ステップS604にて、賞球用カウンタエリア124の1個賞球用カウンタが1以上であり、且つ特定期間が経過したか否かを判定する。ステップS604にて肯定判定した場合には、ステップS605に進み、1個賞球用カウンタと同一数の1個賞球コマンドを、出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS606にて、1個賞球用カウンタを「0」クリアする。
かかる構成によれば、1個賞球コマンドは、第2作動口34への入賞が発生する度に出力されるのではなく、第2作動口34への入賞が3回行われたことに基づいて、まとめて出力される。また、第2作動口34への入賞が3回未満であっても、最後に入賞してから特定期間が経過した場合には、それまでに入賞した回数分の賞球コマンドが送信される。
ステップS603の処理を実行した場合、ステップS604にて否定判定をした場合、又はステップS606の処理を実行した場合には、ステップS607にて、賞球用カウンタエリア124の15個賞球用カウンタが0でないか否かを判定する。15個賞球用カウンタが0でない場合には、ステップS608に進み、15個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS609にて、15個賞球用カウンタを1減算する。
ステップS607にて否定判定をした場合、又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610にて、10個賞球用カウンタが0でないか否かを判定する。10個賞球用カウンタが0でない場合には、ステップS611に進み、10個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS612にて、10個賞球用カウンタを1減算する。
ステップS610にて否定判定をした場合、又はステップS612の処理を実行した後は、ステップS613にて、賞球用カウンタエリア124の3個賞球用カウンタが0でないか否かを判定する。3個賞球用カウンタが0でない場合には、ステップS614に進み、3個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS615にて、3個賞球用カウンタを1減算して、本設定処理を終了する。また、3個賞球用カウンタが0である場合には、そのまま本設定処理を終了する。
ここで、賞球コマンドは、設定された順番に順次出力されるよう構成されている。このため、同一処理回にて各賞球コマンドが設定される場合には、1個賞球コマンド→15個賞球コマンド→10個賞球コマンド→3個賞球コマンドの優先順位で、各賞球コマンドが出力されることとなる。
高頻度サポートモードにおいては、第2作動口34への入賞頻度が他の入賞頻度よりも高くなる。このため、1個賞球用カウンタがオーバーフローし易い。これに対して、賞球コマンドにおいて、高頻度サポートモードの状況下において他の入賞よりも頻度が高い入賞に係る1個賞球コマンドを優先的に出力する構成を採用した。これにより、1個賞球用カウンタが減算され易くなるため、1個賞球用カウンタがオーバーフローすることを抑制することができる。
さらに、高頻度サポートモードにおいて入賞頻度が高い1個賞球コマンドの後は、賞球数が多い順に賞球コマンドが出力されるように順番が設定されている。これにより、遊技者に有利なものから順次出力されることとなり、遊技者に好適に利益を付与することができる。ちなみに、本実施形態では、1のタイマ割込み処理中に設定可能なコマンド数については、制限されていない。
次に、ステップS507の賞球用カウンタ調整処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS701にて、賞球用カウンタエリア124の1個賞球用カウンタが200以上であるか否か判定する。1個賞球用カウンタが200未満である場合にはステップS704に進む一方、1個賞球用カウンタが200以上である場合には、ステップS702にて15個賞球用カウンタを1加算する。続くステップS703では、1個賞球用カウンタを15減算して、ステップS704に進む。
ステップS704では、賞球用カウンタエリア124の3個賞球用カウンタが200以上であるか否かを判定する。3個賞球用カウンタが200未満である場合にはそのまま本調整処理を終了する一方、3個賞球用カウンタが200以上である場合には、ステップS705にて15個賞球用カウンタを1加算する。続くステップS706では、3個賞球用カウンタを5減算して、本調整処理を終了する。
かかる処理によれば、1個賞球用カウンタや3個賞球用カウンタが上限値である255に近い200以上である場合には、15個賞球用カウンタを1カウントアップさせて、その賞球(15個)に対応する分だけ1個賞球用カウンタ及び3個賞球用カウンタが減算される。これにより、賞球数を維持しつつ、各賞球用カウンタのオーバーフローを抑制することができる。
すなわち、高頻度サポートモードの状況下では、各作動口33,34(特に第2作動口34)への入賞の頻度が高くなることが想定される一方、特電入賞装置32への入賞は発生しない。このため、発生し易い各作動口33,34への入賞に係る各賞球用カウンタがオーバーフローし易くなる。これに対して、上記処理によれば、発生頻度が高い第2作動口34の入賞等に係る1個賞球用カウンタや3個賞球用カウンタが上限値に近づいた場合には、それら各賞球用カウンタに蓄積されている賞球の一部を、発生頻度が低くオーバーフローが発生しにくい15個賞球用カウンタに移動させ、1個賞球用カウンタや3個賞球用カウンタを減算する構成とした。これにより、賞球数を維持しつつ、発生頻度が高い入賞に係る賞球用カウンタのオーバーフローを抑制することができる。
<払出側MPU102に手実行されるタイマ割込み処理について>
次に、払出側MPU102にて遊技球の払出を行うために実行されるタイマ割込み処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、電源投入に伴い起動されるメイン処理に対して、予め定められた周期(例えば2msec)で割り込んで実行されるものである。
まずステップS801では、本タイマ割込み処理にて設定された各種コマンドや信号等を出力する外部出力処理を実行する。続くステップS802では、主制御装置71からの賞球コマンドを読み込む処理を実行する。ここで、既に説明したとおり、主制御装置71からは、賞球コマンドが複数個まとめて出力される場合がある。これに対して、払出側RAM104には、複数コマンド分の記憶領域を有する賞球コマンド格納エリア132が設けられている。主制御装置71から複数の賞球コマンドが出力された場合には、各賞球コマンドは、その出力された順番(主側MPU82で出力対象として設定された順番)で、賞球コマンド格納エリア132の各記憶領域に順次記憶される。ステップS802では、賞球コマンド格納エリア132に賞球コマンドが記憶されているか否かを判定する。その後、ステップS803にて、払出装置76にて払い出すべき賞球数を決定する賞球設定処理を実行する。これについては、後に説明する。
続くステップS804では、払出の状態を把握する状態検知処理を実行する。具体的には、遊技機本体12の開放の有無、前扉枠14の開放の有無、タンク75の遊技球の有無、及び下皿57aの満杯発生の有無を、各事象に対応した検知センサからの信号出力に基づき判断する。その後、ステップS805では、賞球の払出の制御を行う賞球払出制御処理を実行する。これについては、後に説明する。
続くステップS806では、貸球払出制御処理を実行する。具体的には、球貸用接続端子板105から、貸球の払出要求を示す信号が出力されているか否かを判断し、貸球の払出要求があると判定した場合には、賞球払出が行われていないことを条件として、貸球の払出を行うよう払出装置76を制御する処理を実行する。そして、ステップS807にてその他の処理を実行して、本処理を終了する。
なお、賞球払出制御処理は貸球払出制御処理よりも先に実行される。そして、既に説明した通り、賞球払出が行われている場合には、貸球の払出は実行されない。つまり、賞球の払出は、貸球の払出よりも優先的に行われるようになっている。
タイマ割込み処理(図17)におけるステップS803の賞球設定処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS901では、上記ステップS802のコマンド読み込み処理の結果に基づいて、賞球コマンド格納エリア132に賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドがない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する一方、賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS902にて、格納されている賞球コマンドのうち最初の賞球コマンドを把握する。その後、ステップS903にて、把握された賞球コマンドが1個賞球コマンドであるか否かを判定する。
1個賞球コマンドである場合には、ステップS904に進み、払出側RAM104に設けられた払出カウンタ133を1加算する。払出カウンタ133は、払出装置76にて払い出す遊技球数を示すカウンタである。払出カウンタ133は1バイトで構成されており、最大で255となっている。すなわち、払出側MPU102側にて把握可能な払出対象の遊技球数は最大で255個である。また、ステップS904では、上記払出カウンタ133の更新のほかに、把握された賞球コマンド(賞球設定対象となった賞球コマンド)を消去する処理を実行する。
その後、ステップS905に進み、未設定の賞球コマンドが存在するかを判定する。具体的には、賞球コマンド格納エリア132に未だ賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS916に進む。一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS906に進み、次の賞球コマンドを把握する。そして、ステップS903に戻る。
把握された賞球コマンドが1個賞球コマンドではない場合には、ステップS903にて否定判定し、ステップS907に進む。ステップS907では、把握された賞球コマンドが15個賞球コマンドであるか否かを判定する。把握した賞球コマンドが15個賞球コマンドでない場合、ステップS911に進む。一方、15個賞球コマンドである場合には、ステップS908に進み、払出カウンタ133を15加算し、把握された賞球コマンドを消去する。
その後、ステップS909に進み、未設定の賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS916に進む一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS910に進み、次の賞球コマンドを把握して、ステップS911に進む。
ステップS911では、把握された賞球コマンドが10個賞球コマンドであるか否かを判定する。10個賞球コマンドではない場合にはステップS915に進む。一方、10個賞球コマンドである場合には、ステップS912に進み、払出カウンタ133を10減算し、今回把握した賞球コマンドを消去する。
その後、ステップS913にて、未設定の賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS916に進む。一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS914にて次の賞球コマンドを把握してステップS915に進む。
ここで、ステップS911を否定判定する場合、又はステップS914の実行後は、把握された賞球コマンドが3個賞球コマンドであることを意味する。このため、ステップS915では、払出カウンタ133を3加算する処理を実行し、把握した賞球コマンドを消去してステップS916に進む。
ここで、既に説明したとおり、賞球コマンドは、1個賞球コマンド→15個賞球コマンド→10個賞球コマンド→3個賞球コマンドの順に送信される。そして、1回のタイマ割込み処理において、1個賞球コマンドについては複数設定されている場合がある一方、他の賞球コマンドは1個のみ設定される。このため、把握される賞球コマンドが15個賞球コマンドとなるまでは、ステップS903〜ステップS906の処理を繰り返し実行することにより、複数まとめて送信される1個賞球コマンドに対応することが可能となる。また、出力される賞球コマンドの順番に従って、各賞球コマンドの対応処理を実行するとともに、1個賞球コマンド以外の賞球コマンドについては、その賞球コマンドに係る対応処理を実行した場合には、次の賞球コマンドに係る対応処理を実行するように構成されている。
ステップS916では、払出カウンタ133が4以上であるか否かを判定する。払出カウンタ133が4未満であればそのまま本賞球設定処理を終了する一方、払出カウンタ133が4以上であれば、ステップS917にて、賞球許可信号を、賞球コマンドの出力を許可するHIレベルから、賞球コマンドの出力を禁止するLOWレベルに設定して、本賞球設定処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図17)におけるステップS805の賞球払出制御処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1001では、貸球の払出中であるか否かを判定する。貸球の払出中である場合には、そのまま本制御処理を終了する。一方、貸球の払出中ではない場合には、ステップS1002に進み、賞球の払出中であるか否かを判定する。賞球の払出中ではない場合には、ステップS1003に進み、払出カウンタ133が0ではないか否かを判定することで、払い出す遊技球が存在するか否かを判定する。
払出カウンタ133が0である場合にはそのまま本処理を終了する一方、払出カウンタ133が0ではない場合には、ステップS1004に進み、払出装置76における遊技球の払出を開始させるための払出開始処理を実行する。払出開始処理では、払出カウンタ133に応じて、払出モータ76aの駆動開始時における回転モードを決定する。具体的には、払出カウンタ133が予め定められた特定値(例えば3)以上あるか否かを判定し、3以上であれば、払出モータ76aが高速モードで回転開始するよう、高速モードに対応した駆動信号を出力する。一方、払出カウンタ133が3未満であれば、払出モータ76aが低速モードで回転開始するよう、低速モードに対応した駆動信号を出力する。
ここで、1個賞球コマンドは、通常、3個まとめて出力される。また、他の賞球コマンドはいずれも3個以上の賞球を行うものである。このため、賞球の払出は、高速モードで開始され易くなっている。換言すれば、1個賞球コマンドは、各1個賞球コマンドにより払い出される遊技球数を加算したものが高速モードで動作する契機となる遊技球数となるように、まとめて出力される構成となっている。その後、ステップS1005にてその他の処理を実行して、本処理を終了する。
賞球の払出中である場合には、ステップS1006に進み、遊技機本体12又は前扉枠14が開放中であるか否かを判定するとともに、払出異常状態(タンク75に遊技球がないと判断された状態、下皿57aが満タンであると判断された状態)であるか否かを判定する。遊技機本体12及び前扉枠14が開放中でなく、且つ払出異常状態でない場合には、ステップS1006を否定判定し、ステップS1007に進む。ステップS1007では、払出カウンタ133が「0」であるか否かを判定する。
ステップS1006又はステップS1007を肯定判定した場合には、ステップS1008にて、払出装置76による遊技球の払出を停止させる停止設定処理を実行して、ステップS1005に進む。具体的には、停止信号を出力する。
ステップS1006及びステップS1007を否定判定する場合、正常に払出中であって、且つ払い出す遊技球が残存していることを意味する。この場合、ステップS1009に進み、払出モータ76aの回転モードが高速モードであるか否かを判定する。
高速モードである場合には、ステップS1010に進み、払出カウンタ133が2以下であるか否かを判定する。2以下ではない場合には、ステップS1014に進む一方、払出カウンタ133が2以下である場合には、ステップS1011に進み、払出モータ76aの回転モードを、高速モードから低速モードに切り換える。
一方、現状の回転モードが高速モードではない場合、すなわち低速モードである場合には、ステップS1012に進み、払出カウンタ133が3以上であるか否かを判定する。払出カウンタ133が3未満である場合には、ステップS1014に進む。一方、払出カウンタ133が3以上である場合には、ステップS1013に進み、払出モータ76aの回転モードを低速モードから高速モードに切り換える。かかる構成によれば、払い出すべき遊技球数が2以下である場合には、払出モータ76aの回転モードが低速モードとなり、払い出すべき遊技球数が3以上である場合には、払出モータ76aの回転モードが高速モードとなる。
ステップS1014では、払出球検知センサ76bの検知結果に基づいて、払出装置76により遊技球が払い出されたか否かを判定する。遊技球が払い出されたことを検知していない場合には、そのままステップS1005に進む。一方、遊技球が払い出されたことが検知された場合には、ステップS1015に進み、払出カウンタ133を1減算する。続くステップS1016では、払出カウンタ133が3以下であるか否かを判定する。払出カウンタ133が3以下でない場合(4以上である場合)には、ステップS1005に進む一方、払出カウンタ133が3以下である場合には、ステップS1017に進み、賞球許可信号を、主側MPU82による賞球コマンドの出力を許可するHIレベルに設定する。そして、ステップS1005に進む。
既に説明した通り、賞球許可信号は、払出カウンタ133が4以上である場合に、賞球コマンドの出力を禁止するLOWレベルとなる。すなわち、払出側MPU102は、払い出すべき遊技球数が3以下である場合には、主側MPU82からの賞球コマンドの出力を許可する一方、払い出すべき遊技球数が4以上である場合には、払出側MPU102側からの賞球コマンドを禁止する。
ここで、賞球許可信号がHIレベルとなる払出カウンタ133の値「3」は払出モータ76aが高速モードから低速モードに切り換わる契機となる払出カウンタ133の値「2」よりも大きい。すなわち、回転モードが高速モードから低速モードに切り換わる前段階で、賞球許可信号がLOWレベルからHIレベルに切り換える。これにより、払出モータ76aの高速モードが維持され易い。よって、遊技球の払出を好適に行うことができる。
<賞球の払出の態様について>
賞球の払出の態様について図20のタイミングチャートを用いて説明する。なお、初期状態において払出カウンタ133は「0」であるとする。なお、図面の関係上、一部の時間間隔については、実際の時間間隔とは異なる間隔で示す。
まずt1のタイミングにて、賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは、1個賞球コマンドが3個であるとする。この場合、図20(b)に示すように、払出カウンタ133が3カウントアップされる。そして、図20(e)に示すように、払出モータ76aが高速モードで回転を開始する。この場合、払出カウンタ133は4未満であるため、図20(d)に示すように、賞球許可信号はHIレベルを維持する。
その後、t2のタイミングで遊技球の払出が検知されると、払出カウンタ133が1減算される。すると、払出モータ76aの回転モードが高速モードから低速モードに切り換わる。そして、t3,t4のタイミングで遊技球の払出が検知されることにより、払出カウンタ133が「0」となり、払出モータ76aが停止する。
ここで、t1のタイミングからt2のタイミングまでの期間が、高速払出間隔Txであり、t2のタイミングからt3のタイミングまでの期間等が低速払出間隔Tyである。高速払出間隔Txの方が、低速払出間隔Tyよりも短くなっている。
その後、t5のタイミングにて、再度賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは、1個賞球コマンドが3個であるとする。この場合、t1のタイミングと同様に、払出カウンタ133が3となり、払出モータ76aが高速モードで動作する。
t6のタイミングでは遊技球の払出が検知され、払出カウンタ133が1減算され、払出モータ76aの回転モードが低速モードとなる。その後、t7のタイミングにて遊技球の払出が行われ、t8のタイミングにて、10個賞球コマンドが出力される。この場合、払出カウンタ133が10加算される。そして、賞球許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換わり、賞球コマンドの出力が禁止される。また、払出モータ76aの回転モードが高速モードに切り換わる。
その後、t9のタイミングからt15のタイミングまでの各タイミングにて、遊技球の払出が検知され、その度に払出カウンタ133が1減算される。そして、t16のタイミングにて遊技球の払出が行われることにより、払出カウンタ133が3となる。これにより、賞球許可信号がHIレベルとなり、賞球コマンドの出力が許可される。
そして、t17のタイミングでは、賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは1個賞球コマンドが3個と、10個賞球コマンドが1つであるとする。この場合、払出カウンタ133は13加算されて16となる。これにより、賞球許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換わる。その後、t18,t19のタイミングで遊技球の払出が行われ、払出カウンタ133が1ずつ減算される。
ここで、主側MPU82における賞球用カウンタ124の各種賞球用カウンタのいずれかが「0」でない状況では、賞球許可信号がHIレベルとなったタイミング(t16のタイミング)から賞球コマンドが出力されるタイミング(t17のタイミング)までの期間Tzは、高速払出間隔Txよりも短く設定されている。これにより、払出カウンタ133が2となるタイミングよりも前のタイミングにて、賞球コマンドの受信に基づく払出カウンタ133の加算処理が実行されるため、払出モータ76aは高速状態を維持することとなる。
<電源投入設定処理について>
主側MPU82のメイン処理(図10)におけるステップS109の電源投入設定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1101では、賞球用カウンタエリア124の各賞球用カウンタの値を把握する。ここで、主側MPU82におけるタイマ割込み処理(図11)のステップS201の停電情報記憶処理では、停電と判定した場合に、主側RAM84に格納されている各種情報を保存する処理を実行する。その保存対象となる情報には、賞球用カウンタエリア124の各賞球用カウンタが含まれている。このため、ステップS1101では、メイン処理のステップS108の処理を実行しない場合、すなわち記憶保持されたデータが正常であり、且つ停電フラグに1がセットされている場合には、停電時に保存された賞球用カウンタエリア124の各賞球用カウンタの値を読み出す。一方、主側RAM84のデータが初期化された場合には、各賞球用カウンタの値として0が読み出される。
その後、ステップS1102では、賞球用カウンタエリア124の1個賞球用カウンタが「0」であるか否かを判定する。1個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、ステップS1105に進む。一方、1個賞球用カウンタの値が「0」ではない場合には、ステップS1103に進み、1個賞球用カウンタと同数の1個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1104にて1個賞球用カウンタを「0」クリアして、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、賞球用カウンタエリア124の3個賞球用カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。3個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、ステップS1108に進む。一方、3個賞球用カウンタの値が「0」ではない場合には、ステップS1106に進み、3個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1107にて3個賞球用カウンタの値を1減算して、ステップS1108に進む。
ステップS1108では、賞球用カウンタエリア124の10個賞球用カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。10個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、ステップS1111に進む。一方、10個賞球用カウンタが「0」でない場合には、ステップS1109に進み、10個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1110にて10個賞球用カウンタの値を1減算して、ステップS1111に進む。
ステップS1111では15個賞球用カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。15個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、そのまま本電源投入設定処理を終了する。一方、15個賞球用カウンタの値が「0」ではない場合には、ステップS1112に進み、15個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1113にて15個賞球用カウンタの値を1減算して、本電源投入設定処理を終了する。
かかる処理によれば、停電時に未だ払出対象となっていない入賞契機が発生している場合には、電源復帰時において、その入賞契機に基づく賞球コマンドが出力される。これにより、停電によって遊技者に不利益が生じることを回避することができる。
電源復帰時において、賞球コマンドを出力する場合、賞球コマンドを出力するためのバッファ領域が不定となっていたり、賞球コマンド格納エリア132の記憶領域が不定となっていたりする等の関係で、賞球コマンドの送信エラーが発生し易い。これに対して、上記処理によれば、最初に出力される賞球コマンドが、各賞球コマンドのうち最小の遊技球数が設定された1個賞球コマンドとなるように、賞球コマンドが設定される順番が設定されている。これにより、仮に最初に送信される賞球コマンドについて送信エラーが発生した場合であっても、遊技者に与える不利益は少ない。よって、電断復帰時における最初の賞球コマンドの送信エラーに起因する遊技者の不利益を軽減することができる。
特に、一般的に電源復帰後の賞球コマンドの送信エラーは、賞球コマンドの出力回数が増えるに従って、発生頻度が低下する。この点、上記処理によれば、電源復帰後の初期段階では、1個賞球コマンドが複数連続して出力対象として設定される。これにより、比較的送信エラーが発生し易い状況においては、1個賞球コマンドが設定され易くなるため、送信エラーに基づく遊技者の不利益をより好適に抑制することができる。
<特図特電制御処理>
次に、主側MPU82のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS214にて実行される特図特電制御処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS1201にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。当該特図側の保留情報の取得処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS1301にて、遊技球が第1作動口33に入賞したか否かを判定する。詳細には、第1作動口入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS1302にて、第1作動口入賞フラグを「0」クリアする。続くステップS1303では、第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報の数を読み出し、その読み出した数のデータを第1保留記憶数RaNとしてセットする。
一方、ステップS1301にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS1304にて、遊技球が第2作動口34に入賞したか否かを判定する。詳細には、第2作動口フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS1305にて、第2作動口入賞フラグを「0」クリアする。その後、ステップS1306にて、第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報の数を読み出し、その読み出した数のデータを第2保留記憶数RbNとしてセットする。
ステップS1303又はステップS1306の処理を実行した場合、ステップS1307に進む。ステップS1307では、保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本取得処理を終了し、上限値未満である場合にはステップS1308にて、対応する特図保留エリア125,126の保留記憶数Nの値を1加算するとともに、ステップS1309にて共通保留数CRNの値を1加算する。
続くステップS1310では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する特図保留エリア125,126のうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS1308にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1保留記憶数RaNがセットされている場合には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア125の空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS1308にて1加算した第1保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2保留記憶数RbNがセットされている場合には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2特図保留エリア126の空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS1308にて1加算した第2保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS1311では、保留コマンドを音声発光制御装置91への送信対象のコマンドとして設定した後に、本取得処理を終了する。音声発光制御装置91では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置92に送信することで、図柄表示装置42における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。
特図特電制御処理(図22)の説明に戻り、ステップS1201にて特図側の保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS1202に進む。ステップS1202では、主側RAM84に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す。続くステップS1203では、主側ROM83に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS1204にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS1202〜ステップS1204の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS1206)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS1207)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS1208)と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS1209)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS1210)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS1211)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS1212)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU82にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS1206)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS1207)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS1208)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS1209)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS1210)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS1211)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS1212)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
ステップS1204の処理を実行した後は、ステップS1205にて、ステップS1204にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS1206の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS1207の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS1208の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS1209の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS1210の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS1211の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS1212の特電終了処理にジャンプする。ステップS1206〜ステップS1212のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS1206〜ステップS1212の処理について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS1206の特図変動開始処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
特図変動開始処理では、ステップS1401にて、共通保留数CRNが1以上であるか否かを判定する。共通保留数CRNが1未満である場合には、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に保留情報が記憶されていないことを意味するため、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、共通保留数CRNが1以上である場合には、ステップS1402にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理について図25のフローチャートを用いて説明する。まずステップS1501にて、第2保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS1502〜ステップS1507の第1特図用のデータ設定処理を実行し、第2保留記憶数RbNが「0」ではない場合にはステップS1508〜ステップS1513の第2特図用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部38bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2特図保留エリア126に記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126の両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1特図用のデータ設定処理では、まずステップS1502にて、第1特図保留エリア125の第1保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS1503では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS1504では、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納されたデータを特図用の実行エリア127に移動する。
その後、ステップS1505にて第1特図保留エリア125の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア125a〜125dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア125aのデータをクリアするとともに、第2エリア125b→第1エリア125a、第3エリア125c→第2エリア125b、第4エリア125d→第3エリア125cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS1506では、主側RAM84に設けられた第2特図フラグを「0」クリアする。第2特図フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bのいずれであるかを特定するためのフラグである。
続くステップS1507では、第1特図保留エリア125のデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置91に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力対象として設定する。その後、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置91では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置92に送信することで、図柄表示装置42における第1特図保留エリア125に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
第2特図用のデータ設定処理では、まずステップS1508にて、第2特図保留エリア126の第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS1509では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS1510では、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納されたデータを特図用の実行エリア127に移動する。
その後、ステップS1511にて第2特図保留エリア126の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア126a〜126dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア126aのデータをクリアするとともに、第2エリア126b→第1エリア126a、第3エリア126c→第2エリア126b、第4エリア126d→第3エリア126cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS1512では、主側RAM84に設けられた第2特図フラグに「1」をセットする。その後、ステップS1513にて、第2特図保留エリア126のデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置91に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力対象として設定する。その後、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置91では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置92に送信することで、図柄表示装置42における第2特図保留エリア126に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
特図変動開始処理(図24)の説明に戻り、データ設定処理の実行後は、ステップS1403にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、主側RAM84の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126のいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。また、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、これら判定結果に対応した当否テーブルを、第1特図用の低確当否テーブル(図8(a)参照)、第1特図用の高確当否テーブル(図8(b)参照)、第2特図用の低確当否テーブル(図8(c)参照)、及び第2特図用の高確当否テーブル(図8(d)参照)の中から選択する。当該当否テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリア127に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、上記選択した当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記選択した当否テーブルにおいて小当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
続くステップS1404では、ステップS1403における当否判定処理の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS1405にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、主側RAM84の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126のいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。そして、当該判定結果に対応した振分テーブルを、第1特図用の振分テーブル(図9(a)参照)、及び第2特図用の振分テーブル(図9(b)参照)の中から選択する。当該振分テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリア127に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、上記選択した振分テーブルにおいていずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを把握する。具体的には、第1特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。また、第2特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。
続くステップS1406では、ステップS1405にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグを主側RAM84にセットする処理を実行する。具体的には、低確大当たり結果であることを特定した場合には低確フラグに「1」をセットし、非明示高確大当たり結果であることを特定した場合には非明示フラグに「1」をセットし、明示高確大当たり結果であることを特定した場合には明示フラグに「1」をセットし、最有利大当たり結果であることを特定した場合には最有利フラグに「1」をセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、主側RAM84に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
続くステップS1407では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS1407では、ステップS1405にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報を主側RAM84に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
一方、ステップS1404にて、大当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS1408にて、ステップS1403における当否判定処理の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合には、ステップS1409に進む。
ステップS1409では、主側RAM84に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする。続くステップS1410では、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
また、ステップS1408にて、小当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS1411にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM83に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM84に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS1407、ステップS1410及びステップS1411のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1412にて、表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置42にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに特図用の実行エリア127に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM83に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、今回の遊技回が明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかであるか否かを判定し、いずれかである場合にはその結果に対応した表示継続時間テーブルを主側ROM83から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。この場合に、少なくとも第1特図保留エリア125に保留記憶されている保留情報を契機とした遊技回では、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを識別不可又は識別しづらい態様で図柄表示装置42、表示発光部54及びスピーカ部55にて演出が実行されるように、表示継続時間の選択が行われる。但し、非明示高確大当たり結果の場合と小当たり結果の場合とで参照される表示継続時間テーブルが異なっていることで、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードであることの期待度が高い演出の選択率が両者の場合で相違させることが可能となっており、具体的には当該期待度が高い演出は小当たり結果の場合よりも非明示高確大当たり結果の場合に発生し易くなっている。一方、リーチ表示が非発生であり、さらに明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合には、外れ用表示継続時間テーブルを主側ROM83から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。
なお、外れ用表示継続時間テーブルが参照される場合の表示継続時間情報は、第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されており、第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるように外れ用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留情報の数やサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。
続くステップS1413では、ステップS1412にて把握した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、主側MPU82のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部38a又は第2特図表示部38bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置42における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置42では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS1412にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を最終停止の前時間と換言することもできる。
続くステップS1414では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおり外れ用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置91では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。ステップS1414にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置91に送信される。
ステップS1414の処理を実行した後は、ステップS1415にて第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち今回の遊技回の実行対象側の表示部において、絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS1415では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、ステップS1415の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特図変動中処理>
次に、ステップS1207の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置42にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置91に送信するとともに、第1特図表示部38a及び第2特図表示部38bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5sec)の情報を主側ROM83から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
<特図確定中処理>
次に、ステップS1208の特図確定中処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
特図確定中処理では、ステップS1601にて、今回の遊技回の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果であるか否かを判定する。
ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603にて、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に、本特図確定中処理を終了する。これにより、次回の特図特電制御処理では、特図変動開始処理が実行されることになる。
一方、ステップS1602にて肯定判定をした場合には、ステップS1604に進み、特図ユニット38に設けられた打球方向報知部38eをON制御する。これにより、打球方向報知部38eに設けられたLEDランプが点灯され、開閉実行モード中であることの報知が開始される。
続くステップS1605では、主側ROM83に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、ステップS1606にて、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。
続くステップS1607では、オープニングコマンドを出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置91に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置91は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。
その後、ステップS1608にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特図確定中処理を終了する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、ステップS1608の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「3」となる。
<特電開始処理>
次に、ステップS1209の特電開始処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
特電開始処理では、ステップS1701にて、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702にて、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1703〜ステップS1705の大当たり結果時の設定処理を実行する。
大当たり結果時の設定処理では、ステップS1703にて、主側RAM84に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットするとともに、ステップS1704にて、主側RAM84に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。ラウンドカウンタRCは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU82にて特定するためのカウンタである。続くステップS1705では、大当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、主側RWM84のフラグを確認することで、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が明示高確大当たり結果又は非明示高確大当たり結果であるか否かを判定し、いずれかの大当たり結果である場合には主側ROM83から短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が低確大当たり結果又は最有利大当たり結果である場合には、主側ROM83から長時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。
一方、ステップS1702にて否定判定をした場合には、今回の開閉実行モードが小当たり結果を契機として発生していることを意味する。この場合、ステップS1706にて、当該小当たり結果が第1特図保留エリア125に格納されている保留情報により発生しているか否かを判定する。ステップS1706にて肯定判定をした場合には、ステップS1707〜ステップS1709の第1特図の小当たり結果時の設定処理を実行し、ステップS1706にて否定判定をした場合には、ステップS1710〜ステップS1712の第2特図の小当たり結果時の設定処理を実行する。
第1特図の小当たり結果時の設定処理では、ステップS1707にて、主側RAM84に設けられた開閉カウンタSOCに15をセットするとともに、ステップS1708にて、主側RAM84に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。開閉カウンタSOCは、開閉数規定モードの開閉実行モードにおいて、特電入賞装置32の大入賞口32aを開閉する回数を主側MPU82にて特定するためのカウンタである。続くステップS1709では、第1特図の小当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。当該開放継続時間は、主側ROM83に予め記憶されており、具体的には、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短い、0.05secとなっている。
なお、当該第1特図の小当たり結果に対応した開放継続時間を、短時間態様の開放継続時間よりも長く、遊技球の発射周期よりも短い時間としてもよく、遊技球の発射周期と同一としてもよく、遊技球の発射周期よりも長く、後述する第2特図の小当たり結果に対応した開放継続時間よりも短い時間としてもよい。
第2特図の小当たり結果時の設定処理では、ステップS1710にて、主側RAM84に設けられた開閉カウンタSOCに2をセットするとともに、ステップS1711にて、主側RAM84に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。続くステップS1712では、第2特図の小当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。当該開放継続時間は、主側ROM83に予め記憶されており、具体的には、第1特図の小当たり結果に対応した開放継続時間(0.05sec)よりも長く、さらには遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長い、0.9secとなっている。但し、当該第2特図の小当たり結果に対応した開放継続時間は、長時間態様の開放継続時間(29sec)よりも短い時間となっている。
ステップS1705、ステップS1709又はステップS1712の処理を実行した後は、ステップS1713にて、読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS1714では、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、主側MPU82における大入賞口32aに対応したレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS207のポート出力処理にて、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべく特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力が開始される。また、ステップS1715にて、開放コマンドを出力対象に設定する。開放コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置91に対して大入賞口32aが開放されたタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置91は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。
その後、ステップS1716にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電開始処理を終了する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、ステップS1716の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、ステップS1210の特電開放中処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
特電開放中処理では、ステップS1801にて、特図特電タイマカウンタにセットされている開放継続時間が経過しているか否かを判定する。ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802に進む。ステップS1802では、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。当該閉鎖設定処理では、主側MPU82における大入賞口32aに対応したレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS207のポート出力処理にて、大入賞口32aを閉鎖状態に切り換えるべく特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力が停止される。
続くステップS1803では、今回実行されている開閉実行モードの契機が小当たり結果であったか否かを判定する。ステップS1803にて肯定判定をした場合には、ステップS1804にて、主側RAM84に設けられた開閉カウンタSOCを1減算し、ステップS1805にて、開閉カウンタSOCの値が「0」となっているか否かを判定する。開閉カウンタSOCの値が「0」となっていない場合には、ステップS1806にて、特図特電タイマカウンタへの閉鎖時間のセット処理を実行する。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期よりも長い1secとなっている。その後、ステップS1807にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電開放中処理を終了する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、ステップS1807の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「5」となる。
一方、ステップS1803にて否定判定をした場合には、今回の開閉実行モードがラウンド数規定モードであることを意味する。この場合、ステップS1808にて、主側RAM84に設けられたラウンドカウンタRCを1減算し、ステップS1809にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」となっているか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」となっていない場合には、既に説明したステップS1806及びステップS1807の処理を実行した後に、本特電開放中処理を終了し、ラウンドカウンタRCの値が「0」となっている場合には、既に説明したステップS1807の処理を実行した後に、本特電開放中処理を終了する。
一方、ステップS1801にて否定判定をした場合には、ステップS1810にて、大入賞口32aへの入賞が発生しているか否かを判定する。大入賞口32aへの入賞が発生していない場合には、そのまま本特電開放中処理を終了し、大入賞口32aへの入賞が発生している場合には、ステップS1811に進む。
ステップS1811では、主側RAM84に設けられた入賞カウンタPCを1減算し、ステップS1812にて、入賞カウンタPCが「0」となっているか否かを判定する。入賞カウンタPCが「0」となっていない場合にはそのまま本特電開放中処理を終了し、入賞カウンタPCが「0」となっている場合にはステップS1813に進む。
ステップS1813では、上記ステップS1802と同様に特電用の閉鎖設定処理を実行する。これにより、特電入賞装置32が閉鎖状態となる。続くステップS1814では、今回実行されている開閉実行モードの契機が小当たり結果であったか否かを判定する。ステップS1814にて否定判定をした場合には、ステップS1808に進む。ステップS1808以降の処理内容は既に説明したとおりである。
一方、ステップS1814にて肯定判定をした場合には、ステップS1815にて、開閉カウンタSOCの値を「0」クリアした後に、ステップS1807にて特図特電カウンタを1加算し、本特電開放中処理を終了する。
<特電閉鎖中処理>
次に、ステップS1211の特電閉鎖中処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
特電閉鎖中処理では、ステップS1901にて、ラウンドカウンタRC及び開閉カウンタSOCの両方が「0」であるか否かを判定する。いずれか一方が「0」ではない場合には、ステップS1902にて、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS1903にて、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。
ステップS1903にて肯定判定をした場合には、ステップS1904にて、入賞カウンタPCに10をセットするとともに、ステップS1905にて、大当たり結果に対応した開放継続時間を読み出す。これらの処理内容は、特電開始処理(図27)におけるステップS1704及びステップS1705と同様である。
ステップS1903にて否定判定をした場合には、今回の開閉実行モードが小当たり結果を契機として発生していることを意味する。この場合、ステップS1906にて、当該小当たり結果が第1特図保留エリア125に格納されている保留情報により発生しているか否かを判定する。ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907にて、第1特図の小当たり結果に対応した開放継続時間を読み出す。当該処理内容は、特電開始処理(図27)におけるステップS1709と同様である。
ステップS1906にて否定判定をした場合には、ステップS1908にて、第2特図の小当たり結果に対応した開放継続時間を読み出す。当該処理内容は、特電開始処理(図27)におけるステップS1712と同様である。
ステップS1905、ステップS1907又はステップS1908の処理を実行した後は、ステップS1909にて、読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS1910では、大入賞口32aを再度、開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該処理内容は、特電開始処理(図27)におけるステップS1714と同様である。
その後、ステップS1911にて、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、ステップS1911の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「4」となる。
一方、ステップS1901にて肯定判定をした場合には、ステップS1912に進む。ステップS1912では、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置91に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置91は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。
続くステップS1913では、主側ROM83に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。
その後、ステップS1914にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、ステップS1914の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「6」となる。
<特電終了処理>
次に、ステップS1212の特電終了処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
特電終了処理では、ステップS2001にて、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了し、エンディング時間が経過している場合にはステップS2002に進む。
ステップS2002では、遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類を、主側RWM84のフラグを参照することで確認し、その確認した大当たり結果の種類に対応した当否抽選モード及びサポートモードへの設定を行う。なお、当該処理にて大当たり結果の種類に対応した情報を示すフラグを「0」クリアする。
続くステップS2003では、特図ユニット38に設けられた打球方向報知部38eをOFF制御する。これにより、打球方向報知部38eに設けられたLEDランプが消灯され、開閉実行モード中であることの報知が終了される。その後、ステップS2004にて、特図特電カウンタを「0」クリアした後に、本特電終了処理を終了する。
<小当たり結果の内容>
次に、小当たり結果の内容について、図31の説明図を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、開閉実行モードへの移行契機となるものの、当否抽選モード及びサポートモードについては開閉実行モード移行前のモードが維持されることになる遊技結果として、小当たり結果が設定されている。当該小当たり結果は、第1特図保留エリア125に格納されている保留情報に対して当否判定処理が実行された場合、及び第2特図保留エリア126に格納されている保留情報に対して当否判定処理が実行された場合のいずれにおいても選択され得る。
但し、図31に示すように、第2特図保留エリア126に格納されている保留情報に対して当否判定処理が実行された場合の方が、第1特図保留エリア125に格納されている保留情報に対して当否判定処理が実行された場合よりも、小当たり結果となる確率が高く設定されている。当該確率について詳細には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであっても、第1特図の小当たり結果は当選確率が1/200であるのに対して、第2特図の小当たり結果は当選確率が1/15となっている。
ここで、当否判定処理において大当たり結果となる確率は、低確率モードである場合は1/300であるのに対して、高確率モードである場合には1/30である。そうすると、第1特図の小当たり結果の当選確率は、低確率モードである場合における大当たり結果の当選確率よりも高く、高確率モードである場合における大当たり結果の当選確率よりも低いものとなる。一方、第2特図の小当たり結果の当選確率は、低確率モードである場合における大当たり結果の当選確率よりも高いだけでなく、高確率モードである場合における大当たり結果の当選確率よりも高い。
第1特図の小当たり結果となった場合、及び第2特図の小当たり結果となった場合のいずれにおいても、開閉数規定モードの開閉実行モードに移行することとなるが、当該開閉実行モードの内容も両小当たり結果で異なっている。具体的には、図31に示すように、第1特図の小当たり結果と第2特図の小当たり結果とで、上限入賞個数は10個で同一となっているが、第1特図の小当たり結果となった場合には特電入賞装置32の開閉回数が15回であるとともに各回の開放継続時間が0.05secであるのに対して、第2特図の小当たり結果となった場合には特電入賞装置32の開閉回数が2回であるとともに各回の開放継続時間が0.9secである。したがって、第1特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、特電入賞装置32への入賞がほとんど発生しない又は発生したとしても1個程度である可能性が高いのに対して、第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、特電入賞装置32への入賞が各開放回において1個又は2個発生することが期待される。ちなみに、第1特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、特電入賞装置32が開放状態となっているトータルの時間が0.75secであるのに対して、第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、特電入賞装置32が開放状態となっているトータルの時間が1.8secであり、このトータルの開放継続時間についても第2特図の小当たり結果の方が第1特図の小当たり結果よりも長い。
以上のとおり、第2特図の小当たり結果は、第1特図の小当たり結果よりも、対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりの発生確率が高い。また、第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは第1特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードよりも、1回の開閉実行モード中に期待できる特電入賞装置32への入賞個数も多くなる。これにより、対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりにおける小当たり結果契機の開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞期待度が、第2作動口34の方が第1作動口33よりも高くなる。
<打球方向の報知>
次に、打球方向(発射領域)の報知についての構成を説明する。
既に説明したとおり、遊技盤24の特図ユニット38には打球方向報知部38eが設けられており、他の制御装置が間に介することなく主側MPU82により直接的に当該打球方向報知部38eが制御される。そして、開閉実行モード中においては打球方向報知部38eが点灯した状態となり、開閉実行モード中であることが報知されるとともに、特電入賞装置32への入賞を発生させるべく右側領域PA3に遊技球を発射させることを促すことが可能となる。
但し、打球方向報知部38eでは開閉実行モード中にLEDランプが点灯するだけであるため、打球方向については明確に報知された状態となっていない。これに対して、本パチンコ機10では、図柄表示装置42において打球方向の報知がより明確になされる構成となっている。以下、図柄表示装置42において打球方向の報知を行うための処理構成について説明する。
図32は、音声発光制御装置91のMPU112において定期的に(例えば2msec周期で)実行される報知制御処理を示すフローチャートである。
まずステップS2101では、主側MPU82からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS2102にて、音声発光制御装置91のROM113からオープニング時間の情報を読み出してRAM114に書き込み、その書き込んだオープニング時間の情報を定期的に減算するように更新することで、オープニング時間の計測を開始する。このオープニング時間は、主側MPU82において計測されるオープニング時間と同一である。
続くステップS2103では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている遊技結果の情報を参照しながら、今回のオープニング演出の内容を特定し、その特定した内容に従ったデータテーブルをROM113から読み出す。これにより、その特定した内容に対応した態様で、表示発光部54の発光制御及びスピーカ部55の音出力制御を行うことになる。
続くステップS2104では、打球方向の報知について第1段階報知を行うための設定処理を実行する。当該第1段階報知は、打球方向の報知が本格的に開始されるのに先立って行われる報知であり、示唆する打球方向への遊技球の発射を開始させることを促すのではなく、示唆する方向への打球を開始するための準備をするように促すことを目的に行われる。ステップS2104では、第1段階報知に対応した態様で、表示発光部54の発光制御及びスピーカ部55の音出力制御を行うことが可能なように、ROM113から第1段階報知に対応したデータテーブルを読み出す。例えば、スピーカ部55による第1段階報知用の音出力態様としては、「右方向へ発射するための準備をして下さい。」といった態様が考えられる。
続くステップS2105では、ステップS2103にて特定したオープニング演出の内容、及び第1段階報知を開始すべきことを示す内容を含むコマンドを表示制御装置92に送信する。これにより、表示制御装置92は、ステップS2103にて特定したオープニング演出の内容で図柄表示装置42の表示制御を実行するとともに、図柄表示装置42にて第1段階報知に対応した画像が表示されるように当該図柄表示装置42の表示制御を実行する。ステップS2105の処理を実行した後に、本報知制御処理を終了する。
ステップS2101にて否定判定をした場合には、ステップS2106にて、オープニング演出を開始してから報知切換タイミングに対応した期間が経過しているか否かを判定することで、報知切換タイミングであるか否かを判定する。当該報知切換タイミングは、オープニング期間の開始タイミングよりも後であって、オープニング期間の終了タイミングよりも特定期間分前のタイミングとして設定されている。当該特定期間は、遊技球発射機構27に遊技球が供給されている状況で特電入賞装置32への入賞を狙って発射操作装置28に対して発射操作を開始してから、それにより発射された遊技球が開放状態の特電入賞装置32に入賞するまでに要する最長時間以上であって、当該最長時間の3倍以下の期間として設定されており、好ましくは上記最長時間以上であって当該最長時間の2倍以下の期間であり、本パチンコ機10では具体的には上記最長時間に設定されている。より具体的には、報知切換タイミングは、オープニング時間の終了タイミングよりも2sec前のタイミングとして設定されている。
ステップS2106にて肯定判定をした場合には、ステップS2107にて、打球方向の報知について第2段階報知を行うための設定処理を実行する。当該第2段階報知は、示唆する打球方向への遊技球の発射を開始させることを促すことを目的に行われる。ステップS2107では、第2段階報知に対応した態様で、表示発光部54の発光制御及びスピーカ部55の音出力制御を行うことが可能なように、ROM113から第2段階報知に対応したデータテーブルを読み出す。例えば、スピーカ部55による第2段階報知用の音出力態様としては、「右方向へ発射して下さい。」といった態様が考えられる。
続くステップS2108では、第2段階報知を開始すべきことを示す内容を含むコマンドを表示制御装置92に送信する。これにより、表示制御装置92は、図柄表示装置42にて第2段階報知に対応した画像が表示されるように当該図柄表示装置42の表示制御を実行する。ステップS2108の処理を実行した後に、本報知制御処理を終了する。
ステップS2106にて否定判定をした場合には、ステップS2109にて、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS2110にて、音声発光制御装置91のROM113からエンディング時間の情報を読み出してRAM114に書き込み、その書き込んだエンディング時間の情報を定期的に減算するように更新することで、エンディング時間の計測を開始する。このエンディング時間は、主側MPU82において計測されるエンディング時間と同一である。
続くステップS2111では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている遊技結果の情報を参照しながら、今回のエンディング演出の内容を特定し、その特定した内容に従ったデータテーブルをROM113から読み出す。これにより、その特定した内容に対応した態様で、表示発光部54の発光制御及びスピーカ部55の音出力制御を行うことになる。
続くステップS2112では、打球方向の報知について第3段階報知を行うための設定処理を実行する。当該第3段階報知は、打球方向の報知を完全に終了する前段階で、開閉実行モード後のサポートモードに応じた方向への遊技球の発射を促すことを目的に行われる。つまり、開閉実行モード後に低頻度サポートモードとなるのであれば、左側領域PA2に向けた遊技球の発射を促す報知が行われ、開閉実行モード後に高頻度サポートモードになるのであれば、右側領域PA3に向けた遊技球の発射を促す報知が行われる。
ちなみに、詳細な説明は省略するが、主側MPU82は、当否抽選モードが変更される場合、及びサポートモードが変更される場合に、いずれのモードとなるのかを示すコマンドを音声発光制御装置91のMPU112に送信する構成であるため、音声発光制御装置91のMPU112では、開閉実行モード前の当否抽選モード及びサポートモードを把握することが可能である。さらに、既に説明したとおり、エンディングコマンドには、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれであるかの情報が含まれている。したがって、音声発光制御装置91のMPU112では、これらの情報を利用することで、開閉実行モード後のサポートモードを特定することが可能であり、その特定結果に基づいて、第3段階報知の報知態様を決定する。
ステップS2112では、第3段階報知に対応した態様で、表示発光部54の発光制御及びスピーカ部55の音出力制御を行うことが可能なように、ROM113から第3段階報知に対応したデータテーブルを読み出す。例えば、開閉実行モード後に高頻度サポートモードとなるのであれば、スピーカ部55による第3段階報知用の音出力態様としては、「ボーナス終了後は右方向へ発射して下さい。」といった態様が考えられ、開閉実行モード後に低頻度サポートモードとなるのであれば、スピーカ部55による第3段階報知用の音出力態様としては「ボーナス終了後は左方向へ発射して下さい。」といった態様が考えられる。
続くステップS2113では、ステップS2111にて特定したエンディング演出の内容、及び第3段階報知を開始すべきことを示す内容を含むコマンドを表示制御装置92に送信する。これにより、表示制御装置92は、ステップS2111にて特定したエンディング演出の内容で図柄表示装置42の表示制御を実行するとともに、図柄表示装置42にて第3段階報知に対応した画像が表示されるように当該図柄表示装置42の表示制御を実行する。ステップS2113の処理を実行した後に、本報知制御処理を終了する。
ステップS2109にて否定判定をした場合には、ステップS2114にて、エンディング時間が経過しているか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合には、そのまま本報知制御処理を終了する。エンディング時間が経過している場合には、ステップS2115にて、エンディング演出の終了処理を実行し、表示発光部54及びスピーカ部55におけるエンディング演出を終了させる。また、ステップS2116にて、第3段階報知の解除処理を実行することで、表示発光部54及びスピーカ部55における第3段階報知を終了させる。さらに、ステップS2117にて、エンディング演出及び第3段階報知を終了させる内容を含むコマンドを表示制御装置92に送信した後に、本報知制御処理を終了する。表示制御装置92では、当該コマンドを受信することにより、図柄表示装置42におけるエンディング演出を終了させるとともに、図柄表示装置42における第3段階報知を終了させる。
次に、図33のタイミングチャートを参照しながら、打球方向報知部38eにおける報知期間と、図柄表示装置42における第1段階報知、第2段階報知及び第3段階報知の各期間との関係について説明する。
図33(a)は開閉実行モードの実行状況を示し、図33(b)はオープニング演出の実行状況を示し、図33(c)はエンディング演出の実行状況を示し、図33(d)は打球方向報知部38eの制御状態を示し、図33(e)は第1段階報知の実行状況を示し、図33(f)は第2段階報知の実行状況を示し、図33(g)は第3段階報知の実行状況を示す。
なお、図33に示す開閉実行モードは、最有利大当たり結果を契機とした高頻度入賞モードのラウンド数規定モードである。但し、以下の報知態様は、非明示高確大当たり結果を契機とした低頻度入賞モードのラウンド数規定モードの場合や、小当たり結果を契機とした開閉数規定モードの場合を含めて、全ての開閉実行モードにおいて発生する。
図33(a)に示すように、開閉実行モードがt1のタイミングで開始され、図33(b)に示すように、当該t1のタイミングでオープニング演出が開始される。また、当該t1のタイミングで、図33(d)に示すように、打球方向報知部38eの点灯が開始されるとともに、図33(e)に示すように、図柄表示装置42における第1段階報知が開始される。当該第1段階報知は、図33(A)に示すように、右方向を指す矢印画像が第1段階報知態様で表示されることにより行われる。当該第1段階報知態様は、矢印画像の外縁が実線で示され、内側が透明とされた態様である。
その後、t2のタイミングで報知切換タイミングとなることで、図33(e)に示すように、図柄表示装置42における第1段階報知が終了されるとともに、図33(f)に示すように、図柄表示装置42における第2段階報知が開始される。当該第2段階報知は、図33(B)に示すように、右方向を指す矢印画像が第2段階報知態様で表示されることにより行われる。当該第2段階報知態様は、矢印画像の外縁が実線で示され、内側が金色といった有色不透明とされた態様である。
その後、t3のタイミングでオープニング演出が終了され、特電入賞装置32の開閉が開始される。そして、t4のタイミングで、図33(c)に示すように、エンディング演出が開始されることで、図33(f)に示すように、図柄表示装置42における第2段階報知が終了されるとともに、図33(g)に示すように、図柄表示装置42における第3段階報知が開始される。ここで、当該開閉実行モードは最有利大当たり結果を契機としているため、第3段階報知は、図33(C)に示すように、第2作動口34の入賞を狙うことが可能な方向を報知するように行われる。具体的には、当該第3段階報知は、右方向を指す矢印画像が第3段階報知態様で表示されることにより行われる。当該第3段階報知態様は、矢印画像の外縁が実線で示され、内側が半透明とされた態様である。なお、開閉実行モード後に低頻度サポートモードとなる場合には、左方向を指す矢印画像が第3段階報知態様で表示されることになる。
その後、t5のタイミングで、図33(c)に示すように、エンディング演出が終了されることで、図33(a)に示すように、開閉実行モードが終了され、さらに図33(d)に示すように、打球方向報知部38eが消灯されるとともに、図33(g)に示すように、図柄表示装置42における第3段階報知が終了される。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第2特図の小当たり結果は、第1特図の小当たり結果よりも、対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりの発生確率が高い。また、第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは第1特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードよりも、1回の開閉実行モード中に期待できる特電入賞装置32への入賞個数も多くなる。これにより、対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりにおける小当たり結果契機の開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞期待度が、第2作動口34の方が第1作動口33よりも高くなる。
ここで、本パチンコ機10では、第2作動口34への入賞に対する賞球数が1個に設定されている。例えば、第2作動口34への入賞に対する賞球数が複数個に設定されている構成においては、サポートモードが高頻度サポートモードとなった場合に、当否判定処理にて当選となっていないにも関わらず、遊技者の持ち球数が増加してしまうことが想定される。これに対して、第2作動口34の周辺に配置されている釘24bの態様や、普電役物34aの動作態様を調整して、第2作動口34への入賞頻度を抑えることで、高頻度サポートモードにおいて遊技者の持ち球数の増加を抑制することは可能である。しかしながら、この場合、高頻度サポートモードにおける第2作動口34への入賞頻度が極端に低下してしまうことが懸念される。特に、本パチンコ機10では、第1作動口33への入賞に基づき取得される保留情報よりも、第2作動口34への入賞に基づき取得される保留情報の方が、大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分態様が遊技者に有利なものとなっているため、第2作動口34への入賞頻度が極端に低下してしまうことは好ましくない。
これに対して、本パチンコ機10では、上記のとおり、第2作動口34への入賞に対する賞球数が1個に設定されている。これにより、高頻度サポートモードにおける第2作動口34への入賞頻度を極端に低下させなくても、高頻度サポートモード中において遊技者の持ち球数が増加してしまうことが抑制される。
但し、第2作動口34への入賞に対する賞球数を1個とした場合、確かに高頻度サポートモード中において遊技者の持ち球数が増加してしまうことは抑制されるが、今度はかえって遊技者の持ち球数が極端に減少してしまうことが想定される。これに対して、本パチンコ機10では、上記のとおり対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりにおける小当たり結果契機の開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞期待度が、第1作動口33よりも第2作動口34の方が高くなるように構成されている。これにより、高頻度サポートモード中においては第2作動口34への入賞に対する賞球との関係では遊技者の持ち球数が減少し得るものの、小当たり結果を契機とした開閉実行モード中の特電入賞装置32への入賞に対する賞球との関係で、その持ち球数の減少を補うことが可能となる。
その一方、対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりにおける小当たり結果契機の開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞期待度を、第1作動口33及び第2作動口34の両方について単に向上させるのではなく、第1作動口33についての当該入賞期待度は第2作動口34についての当該入賞期待度よりも低く設定されている。これにより、低頻度サポートモードについては従来通り、遊技者の持ち球数が減少するモードとすることが可能となる。よって、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの有利性の相違を明確なものとしながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
対応する作動口33,34への単位入賞個数当たりにおける小当たり結果契機の開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞期待度を調整する構成であるため、釘24bなどを調整する場合に比べて、高頻度サポートモード中における賞球の払い出し率の調整を制御側の調整のみで行うことが可能となる。よって、当該払い出し率の調整作業の容易化が図られる。
第2特図の小当たり結果の当選確率は、高確率モードにおける大当たり結果の当選確率よりも高い確率に設定されており、さらに第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは1個以上の遊技球が特電入賞装置32に入賞することが期待できる。これにより、高頻度サポートモード中においては第2作動口34への入賞に対する賞球との関係では遊技者の持ち球数が減少し得るものの、小当たり結果を契機とした開閉実行モード中の特電入賞装置32への入賞に対する賞球との関係で、その持ち球数の減少を補うことが可能となる。
特電入賞装置32は、遊技領域PAの右側領域PA3において第2作動口34の下方の位置に設けられている。これにより、例えば高頻度サポートモードにおいて右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われている状況で第2特図の小当たり結果となったとしても、その発射操作態様を継続することで小当たり結果を契機とした開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞を発生させることが可能となる。よって、第2特図の小当たり結果となった場合に特電入賞装置32に遊技球を入賞させ易くなる。
第2作動口34への入球が発生したことに基づき小当たり結果となった場合よりも、第1作動口33への入球が発生したことに基づき小当たり結果となった場合の方が、特電入賞装置32が開放状態となる回数を多く設定しながら、当該特電入賞装置32が開放状態となっている合計期間は、第2作動口34への入球が発生したことに基づき小当たり結果となった場合の方が、第1作動口33への入球が発生したことに基づき小当たり結果となった場合よりも長い。これにより、第1特図の小当たり結果となった場合と第2特図の小当たり結果となった場合とで、特電入賞装置32の動作態様を明確に異ならせながら、後者の場合の方が特電入賞装置32に入球し易くすることが可能となる。また、本構成の場合、特電入賞装置32が開放状態となっている合計期間が短い側である第1特図の小当たり結果の方が開放状態となる回数が多いため、第1特図の小当たり結果における特電入賞装置32の開閉動作を目立たせながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
開閉実行モードのオープニング演出中に図柄表示装置42において、示唆する方向への打球を開始するための準備をするように促すことを目的として第1段階報知が行われ、その後に、特電入賞装置32の開放が開始されるタイミング以前に、示唆する打球方向への遊技球の発射を開始させることを促すことを目的とした第2段階報知が開始される。これにより、遊技者は第1段階報知を確認することで所定の領域(具体的には右側領域PA3)に向けた遊技球の発射を準備し、第2段階報知を確認することで当該所定の領域に向けた遊技球の発射を行うことが可能となる。よって、特電入賞装置32の開放が開始されたタイミングにおいて特電入賞装置32に向けて遊技球が流下するように無理なく発射操作を行うことが可能となり、開閉実行モードが実行されることによる利益を遊技者が得やすくなる。
また、上記第1段階報知及び上記第2段階報知は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードだけではなく、低頻度入賞モードとなる開閉実行モードや、開閉数規定モードとなる開閉実行モード(すなわち小当たり結果を契機とした開閉実行モード)においても発生する。これにより、特電入賞装置32への入賞期待度が比較的低い開閉実行モードにおいても、当該開閉実行モード中の持ち球数が増加し得るようにすることが可能となる。
特に、第2特図の小当たり結果は、高頻度サポートモード中における遊技者の持ち球数をあまり減少させない目的で設定されているが、当該第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードにおいても上記第1段階報知及び上記第2段階報知が行われることにより、当該開閉実行モード中における遊技者の持ち球数を増加させることが可能となる。
オープニング時間の途中タイミングまで第1段階報知が継続され、当該途中タイミングから第2段階報知に切り換えられる。これにより、オープニング時間を利用しながら第1段階報知から第2段階報知への切り換えを行うことが可能となる。
第1段階報知は、開閉実行モードが開始された場合に開始される。これにより、第1段階報知が何に対して行われているのかが遊技者にとって明確となり、第1段階報知の内容を遊技者が認識し易くなる。
第2段階報知は、特電入賞装置32の開放が開始されるタイミングよりも、遊技球の発射操作が開始されてから遊技球が特電入賞装置32に入球可能な位置に到達するのに要する最長時間以上前のタイミングで開始される。これにより、第2段階報知を確認して所定の領域(具体的には右側領域PA3)を流下するように遊技球を発射した場合には、特電入賞装置32が開放されたタイミングで当該特電入賞装置32への入球が発生し得る。よって、特電入賞装置32が開放されたら早期に当該特電入賞装置32への入球を発生させることが可能となり、開閉実行モードが実行されることによる利益を遊技者が得やすくなる。
第1段階報知では発射の方向性を示す画像が表示され、第2段階報知ではその方向性を示す画像が強調表示される。これにより、第1段階報知と第2段階報知とを一連の画像表示として遊技者に認識させ易くなり、報知内容の理解の容易化を図ることが可能となる。
第2段階報知は、エンディング時間が開始される場合に終了される。これにより、第2段階報知の終了タイミングを利用して、エンディング時間中には、所定の領域(具体的には右側領域PA3)に向けた遊技球の発射を継続しないように遊技者に促すことが可能となる。
エンディング時間中には、開閉実行モードの終了後のサポートモードに応じた態様で、発射すべき方向を報知する第3段階報知が行われる。これにより、エンディング時間を利用して、開閉実行モードの終了後に発射すべき方向を遊技者に認識させることが可能となる。
特図ユニット38に打球方向報知部38eが設けられており、当該打球方向報知部38eは開閉実行モードの開始タイミングで点灯状態となり終了タイミングで消灯状態となる。これにより、開閉実行モード中であることの報知を明確に行うことが可能となる。この場合に、打球方向報知部38eが点灯状態となるタイミングで第1段階報知が開始され、その点灯状態中は第1段階報知、第2段階報知及び第3段階報知のいずれかが継続された状態となり、打球方向報知部38eが消灯状態となるタイミングで第3段階報知が終了される。これにより、打球方向報知部38eが点灯状態となっているにも関わらずいずれかの段階報知が行われていない状況や、いずれかの段階報知が行われているにも関わらず打球方向報知部38eが点灯状態となっていない状況を確認することで、異常の有無を把握することが可能となる。
打球方向報知部38eの発光制御は主制御装置71により直接的に行われ、各種段階報知が行われる図柄表示装置42の表示制御は表示制御装置92により行われる。これにより、遊技ホールの管理者は比較的信頼性が高い打球方向報知部38eを確認することで、開閉実行モードに対応した挙動が正規のものであるか否かを容易に確認することが可能であり、遊技者は各段階報知を確認することで、所定の領域(具体的には右側領域PA3)に向けた遊技球の発射操作を好適に行うことが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)第2作動口34の賞球個数は1個に限定されることはなく、例えば2個、3個又は4個以上であってもよい。この場合に、第2作動口34の賞球個数が第1作動口33の賞球個数以上である構成としてもよいが、第2作動口34の賞球個数を第1作動口33の賞球個数よりも少ない数とすることで、低頻度サポートモードにおいて当否判定の契機を発生させるべく第1作動口33への入賞を発生させた場合の賞球個数をある程度確保しながら、高頻度サポートモードにおいて同じく当否判定の契機を発生させるべく第2作動口34への入賞を発生させた場合の賞球個数を抑えることが可能となる。
また、第2作動口34への入賞が発生したとしても賞球が発生しない構成としてもよい。この場合であっても、高頻度サポートモード中における第2作動口34への入賞頻度を高めたとしても、開閉実行モードが発生していない状況で遊技者の持ち球数が増加してしまうことを抑制することが可能となる。
(2)低頻度サポートモードにおいては、第2作動口34が開放状態となる頻度が低下するのではなく、第2作動口34が開放状態とならない構成としてもよい。この場合、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとで、第2作動口34への動作態様自体に大きな差異を設けることが可能となる。
(3)第1特図保留エリア125に格納されている保留情報が当否判定の対象となった場合には、小当たり結果となり得ない構成としてもよい。この場合、第2特図保留エリア126に格納されている保留情報が当否判定の対象となった場合にのみ小当たり結果となり得ることとなり、高頻度サポートモードの有利性を高めることが可能となる。
(4)第1特図の小当たり結果と第2特図の小当たり結果とで、小当たり結果となる確率は同一としながら、第2特図の小当たり結果の方が第1特図の小当たり結果よりも、小当たり結果となった場合に特電入賞装置32に入賞し易い構成としてもよい。
(5)第1特図の小当たり結果と第2特図の小当たり結果とで、小当たり結果となった場合の特電入賞装置32への入賞のし易さ、すなわち特電入賞装置32の開閉回数、1回の開放継続時間及び上限入賞個数は同一としながら、第2特図の小当たり結果の方が第1特図の小当たり結果よりも当選確率が高い構成としてもよい。この場合、共通となる特電入賞装置32の開放態様は、上記実施形態のように少なくとも1個又は2個の入賞が特電入賞装置32に対して発生する態様とすることが好ましい。
(6)当否判定の契機を発生させる始動入球部として、第1作動口33及び第2作動口34の2個のみが設けられている構成に限定されることはなく、作動口が3個以上設けられている構成としてもよい。この場合、追加された作動口は、第1作動口33のように入賞頻度が遊技状態に依存しないものであってもよく、第2作動口34のように入賞頻度が遊技状態に依存するものであってもよい。
(7)第2特図の小当たり結果となった場合の特電入賞装置32の開放態様、及び第1特図の小当たり結果となった場合の特電入賞装置32の開放態様は、上記実施形態におけるものに限定されることはなく任意である。例えば、第1特図の小当たり結果と第2特図の小当たり結果とで特電入賞装置32の開閉回数が同一であるものの、少なくとも一の開放回において第2特図の小当たり結果の方が第1特図の小当たり結果よりも開放継続時間が長い構成としてもよい。
(8)第1特図の小当たり結果であっても特電入賞装置32に1個又は2個以上の遊技球の入賞が期待できる構成としてもよい。この場合であっても、第2特図の小当たり結果の方が第1特図の小当たり結果よりも特電入賞装置32に入賞し易い構成とすることで、高頻度サポートモードの有利性を高めることが可能となる。
(9)遊技球の発射方向の報知として、第1段階報知、第2段階報知及び第3段階報知が存在している構成に代えて、第3段階報知が存在していない構成としてもよい。この場合、エンディング期間が開始されたタイミングで、第2段階報知から第1段階報知に復帰させる構成としてもよい。
(10)第1段階報知が開始されるタイミングは、オープニング演出が開始されるタイミングに限定されることはなく、オープニング演出が開始されるよりも前、すなわち開閉実行モードが開始されるよりも前のタイミングであってもよい。但し、遊技回用の演出において開閉実行モードへの移行を示す内容が表示されるよりも前のタイミングで第1段階報知が開始されると、遊技回用の演出を無意味なものとしてしまうおそれがあるため、遊技回用の演出において開閉実行モードへの移行を示す内容が表示されたタイミング以降であることが好ましい。例えば、最終停止時間の計測が開始されたタイミングで、第1段階報知が開始される構成としてもよい。
(11)第2段階報知が開始されるタイミングは、オープニング時間の途中に限定されることはなく、例えばオープニング時間が上記実施形態よりも短いのであれば、オープニング時間の開始タイミングから第2段階報知が開始される構成としてもよい。
(12)第2段階報知が終了されるタイミングは、エンディング演出が開始されるタイミングに限定されることはなく、エンディング時間の途中タイミングで第2段階報知が終了される構成としてもよく、開閉実行モードの終了タイミングで第2段階報知が終了される構成としてもよく、打球方向報知部38eの点灯状態が解除されるタイミングで第2段階報知が終了される構成としてもよい。
(13)第1段階報知、第2段階報知及び第3段階報知の報知態様は上記実施形態におけるものに限定されることはなく任意であり、同一の矢印画像の表示色を変更させる構成に代えて、矢印画像のサイズ、表示位置又は数を変更させる構成としてもよく、それらの態様の所定の組合せを変更させる構成としてもよく、矢印画像といった抽象的な画像に加えて又は代えて、報知内容を示す文字を表示する構成としてもよい。
(14)一の開閉実行モード中における特電入賞装置32の連続する開放回の間の閉鎖期間において、第2段階報知から第1段階報知又は他の段階報知への切り換えと、第2段階報知への復帰とが行われる構成としてもよい。この場合、第2段階報知への復帰タイミングは、次回の開放回の開始タイミングよりも、遊技球発射機構27に遊技球が供給されている状況で特電入賞装置32への入賞を狙って発射操作装置28に対して発射操作を開始してから、それにより発射された遊技球が開放状態の特電入賞装置32に入賞するまでに要する最長時間分以上前のタイミングとすることが好ましい。これにより、特電入賞装置32の各開放回においてその開放開始タイミングから特電入賞装置32への入賞を発生させることが可能となる。
(15)開閉実行モードの種類に応じてオープニング期間が異なっている構成においては、そのオープニング期間に応じて第2段階報知の開始タイミングが異なっている構成としてもよい。具体的には、いずれの開閉実行モードであっても、第2段階報知の開始タイミングが、特電入賞装置32の開放開始タイミングよりも、遊技球発射機構27に遊技球が供給されている状況で特電入賞装置32への入賞を狙って発射操作装置28に対して発射操作を開始してから、それにより発射された遊技球が開放状態の特電入賞装置32に入賞するまでに要する最長時間分以上前のタイミングとして設定されている構成としてもよい。
(16)第1特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは各段階報知が行われずに、第2特図の小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは各段階報知が行われる構成としてもよい。この場合、高頻度サポートモードの有利性を高めることが可能となる。
(17)打球方向報知部38eはLEDランプに限定されることはなく、表示面を有する表示装置であってもよく、装飾などが付された可動物であってもよい。また、打球方向報知部38eは、オープニング演出の終了タイミングで点灯状態となる構成としてもよく、エンディング演出の開始タイミングで点灯状態が解除される構成としてもよい。
(18)図34は、変形例における遊技盤24の正面図である。図34に示すように、本変形例では、特電入賞装置が2個設けられており、1個は上記実施形態と同様の特電入賞装置32であり(以下、第1特電入賞装置32と言う)、残りの1個は第2特電入賞装置201である。第1特電入賞装置32は上記実施形態と同様に右側領域PA3に設けられているため、右側領域PA3を流下するように発射された遊技球が入賞可能となる。一方、第2特電入賞装置201は下側領域PA4において第1作動口33の下方に設けられている。この場合に、右側領域PA3を流下した遊技球は第2特電入賞装置201への入賞が不可となるように釘24bが設けられている。したがって、第2特電入賞装置201への入賞を狙うためには、左側領域PA2を流下するように遊技球を発射させる必要がある。
この場合に、開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果の種類に応じて、開閉実行モードにおいて開放対象となる特電入賞装置32,201が異なる構成としてもよい。例えば、最有利大当たり結果は左側の特電入賞装置201が開放対象となり、低確大当たり結果は右側の特電入賞装置32が開放対象となる構成としてもよく、明示高確大当たり結果は左側の特電入賞装置201が開放対象となり、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果は右側の特電入賞装置32が開放対象となる構成としてもよく、非明示高確大当たり結果及び第1特図の小当たり結果は左側の特電入賞装置201が開放対象となり、第2特図の小当たり結果は右側の特電入賞装置32が開放対象となる構成としてもよい。
当該構成においては、第1段階報知及び第2段階報知の態様をそれに合わせて変更する構成とすることが好ましい。具体的には、主側MPU82は、開閉実行モードの移行の契機となった遊技結果の種類の情報をオープニングコマンドに含ませることで、音声発光制御装置91のMPU112においていずれの特電入賞装置32,201が開放対象となるのかを特定可能とする。そして、音声発光制御装置91のMPU112では、受信したオープニングコマンドの内容から、特電入賞装置32,201のうち開放対象となる側を特定し、表示発光部54及びスピーカ部55においてそれに対応した方向を示す第1段階報知及び第2段階報知が行われるようにする。また、開放対象の特電入賞装置32,201の内容を含むコマンドを、音声発光制御装置91のMPU112から表示制御装置92に送信するようにして、図柄表示装置42においてそれに対応した方向を示す第1段階報知及び第2段階報知が行われるようにする。このように各段階報知が行われることで、特電入賞装置32,201が複数存在する構成であっても、開放対象となる特電入賞装置32,201を容易に把握することが可能となる。
(19)上記(18)のように複数の特電入賞装置32,201が存在する構成において、一の開閉実行モードにおいて開放対象となる特電入賞装置32,201が変化する構成としてもよい。この場合、開放対象が切り換わるタイミングで、それに合わせて第2段階報知の態様が変更される構成とすることが好ましい。
(20)上記実施形態において、右側領域PA3を流下した遊技球は左側領域PA2を流下した遊技球よりも第1作動口33への入賞が発生しづらい構成に代えて、右側領域PA3を流下した遊技球は第1作動口33への入賞が不可となる構成としてもよい。この場合、第1作動口33への入賞に基づき開閉実行モードに移行した場合には、左側領域PA2を流下するように行っている発射操作の態様を、右側領域PA3を流下するように行う発射操作の態様に変更する必要があるため、第1段階報知及び第2段階報知を行うことの重要性が増す。
(21)各パターンの開閉実行モードにおける大入賞口32aの開閉回数や開放態様の設定パターンは、上記実施形態におけるものに限定されることはなく、上記実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。
また、各ラウンド遊技の上限個数は、上記実施形態におけるものに限定されることはなく、上記実施形態にて個別に説明した作用効果の少なくともいずれかを奏することができるのであれば、任意である。さらにはラウンド数規定モードの種類に応じて当該上限個数が相違している構成としてもよく、同一のラウンド数規定モードのラウンド遊技間で当該上限個数が相違している構成としてもよい。
また、短時間態様による開放態様は、上記実施形態におけるものに限定されることはなく、遊技球の発射周期以上の時間であって、遊技球の発射周期×n(n=1,2,3のいずれか)以下の時間に設定されている構成としてもよい。また、開放継続時間を遊技球の発射周期よりも長くすることで実質的に特電入賞装置32への入賞が発生し得るものの、当該開放継続時間が遊技球の発射周期とラウンド遊技中の上限個数との積よりも短い態様としてもよく、同一である態様としてもよい。この場合であっても、短時間態様で大入賞口32aが開放されている状況で、大入賞口32aに対してラウンド遊技の上限個数の入賞が発生する可能性は低減される。
(22)短時間態様による大入賞口32aの開放のみが行われるラウンド遊技では、当該ラウンド遊技に対して設定されている上限個数の遊技球の入賞が実質的に発生しない構成に代えて、上限個数の遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。例えば、大入賞口32aの開放継続時間を、遊技球の発射周期よりも長い時間(例えば、0.6sec〜64secの範囲)とし、さらに当該開放継続時間と当該開放態様による大入賞口32aの開閉回数との積が、遊技球の発射周期とラウンド遊技の上限個数との積と同一又は略同一である構成とする、又はその積に対して1倍以上2倍未満若しくは1倍以上3倍未満の値である構成とする。この場合、遊技領域の遊技球の流下態様によっては、上限個数の遊技球の入賞が発生しないこともあれば、入賞が発生することもある。
(23)短時間態様として、正確な開放継続時間は相違するが特電入賞装置32の見た目の動作態様は同様となるように複数種類の短時間態様が設定されている構成としてもよい。例えば非明示大当たり結果に対応した開閉実行モードと小当たり結果に対応した開閉実行モードとで、特電入賞装置32の見た目の動作態様は同様であるが、大入賞口32aの各回の開閉において選択される短時間態様の種類が相違している構成としてもよい。
(24)開閉実行モードが実行されている期間中は、当該開閉実行モード移行前における高確率モードフラグの内容に関係なく、当該高確率モードフラグの値が「0」とされる構成としてもよい。この場合、開閉実行モード中は当否抽選モードが低確率モードに設定されることとなる。また、高確率モードフラグを「0」クリアするタイミングは、特図表示部38a,38bにて、開閉実行モードへの移行に対応した態様による停止表示が開始されるタイミングであってもよく、開閉実行モードの開始タイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング時間の途中のタイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング演出の終了タイミングであってもよい。但し、当該構成においては、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する場合に、高確率モードフラグの内容からでは開閉実行モード移行前の当否抽選モードを判断することができない。したがって、開閉実行モードへの移行に際して、当該開閉実行モード移行前の当否抽選モードを特定可能とするデータの記憶処理を実行することが好ましい。
(25)開閉実行モードが実行されている期間中は、当該開閉実行モード移行前における高頻度サポートフラグの内容に関係なく、当該高頻度サポートフラグの値が「0」とされる構成としてもよい。この場合であっても、開閉実行モード中はサポートモードが低頻度サポートモードに設定されることとなる。また、高頻度サポートフラグを「0」クリアするタイミングは、特図表示部38a,38bにて、開閉実行モードへの移行に対応した態様による停止表示が開始されるタイミングであってもよく、開閉実行モードの開始タイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング時間の途中のタイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング演出の終了タイミングであってもよい。但し、当該構成においては、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する場合に、高頻度サポートフラグの内容からでは開閉実行モード移行前のサポートモードを判断することができない。したがって、開閉実行モードへの移行に際して、当該開閉実行モード移行前のサポートモードを特定可能とするデータの記憶処理を実行することが好ましい。
(26)特電入賞装置32の閉鎖中は大入賞口32aが完全に閉鎖される構成としたが、大入賞口32aの一部の領域が閉鎖されていない構成としてもよい。この場合、その一部の領域を通じて、閉鎖中であっても特電入賞装置32に遊技球が入賞し得る構成としてもよく、その一部の領域が遊技球よりも狭い領域であることにより閉鎖中において特電入賞装置32への遊技球の入賞が不可である構成としてもよい。
(27)普電役物34aの閉鎖中は第2作動口34への遊技球の入賞が不可となる構成に代えて、普電役物34aの閉鎖中であっても第2作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。但し、その入賞のし易さは、普電役物34aの開放中よりも低い必要がある。
(28)当否抽選モードとして、高確率モードと低確率モードだけではなく、高確率モードよりも大当たり当選となる確率が低く低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高い中確率モードが存在している構成としてもよい。当該中確率モードとしては、例えば、高確率モードの場合の大当たり当選確率(例えば1/n nは1以上の整数)と、低確率モードの場合の当選確率(例えば1/m mは1以上の整数 m>n)との中間の確率(例えば1/(n+(m−n)/2))としてもよく、当該中間の確率よりも高い確率としてもよく、当該中間の確率よりも低い確率としてもよい。
(29)サポートモードとして、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードだけでなく、高頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞頻度が低く低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞頻度が高い中頻度サポートモードが存在している構成としてもよい。
(30)高確率モードであることを報知することが可能な動作手段は、各遊技回において図柄の変動表示が行われる図柄表示装置42に限定されることはなく、当該報知を行うための専用の表示装置であってもよく、可動式の装飾部材であってもよく、LEDといった発光部であってもよい。
(31)特電入賞装置32の開放態様として、開放継続時間が長時間態様よりも短く短時間態様よりも長い中時間態様が存在している構成としてもよい。
(32)第1作動口33への入賞が発生したことにより取得された保留情報と第2作動口34への入賞が発生したことにより取得された保留情報とが区別して記憶されない構成としてもよい。また、第2作動口34側の保留情報が優先して消化される構成に限定されることはなく、これとは逆に第1作動口33側の保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、第1作動口33であるか第2作動口34であるかに関係なく取得順序で消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が横方向に離間させて設置されている構成に限定されることはなく、第1作動口33が上側、第2作動口34が下側となるように、両作動口33,34が上下に並設されている構成としてもよい。また、両作動口が左右に並設されている構成としてもよい。
(33)第1作動口33への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合と、第2作動口34への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合とで、大当たり結果の振分態様が同一である構成としてもよい。
(34)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置91により表示制御装置92が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置92が音声発光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置91と表示制御装置92とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音声発光制御装置91に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置91から表示制御装置92に出力されるコマンドの構成も任意である。
(35)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置42に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(36)上記実施形態では、特図表示部38a,38bにおいて各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部38a,38bを不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部38a,38bにおいて共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部38a,38bにおいて停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部38a,38bの表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(37)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU82における特図側の保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を利用して、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段(主側MPU82におけるステップS1403〜ステップS1411の処理を実行する機能)と、
当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される状態に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS1604〜ステップS1608、及びステップS2002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技領域には、前記始動入球部として、少なくとも第1始動入球部(第1作動口33)と第2始動入球部(第2作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、開状態と閉状態とのそれぞれに切換制御する切換制御手段(主側MPU82における普図普電制御処理を実行する機能)を備え、
当該切換制御手段は、前記第2始動入球部を前記開状態と前記閉状態とのそれぞれに切り換える切換モードとして、前記開状態とならない又は前記開状態となる機会が相対的に低い低頻度切換モード(低頻度サポートモード)と、前記開状態となる機会が相対的に高い高頻度切換モード(高頻度サポートモード)とを少なくとも有しており、
前記開閉制御が実行される状態として、当該状態中に期待できる前記可変入球手段への入球個数が相対的に多い多入球モード(高頻度入賞モード)と、当該入球個数が前記多入球モードよりも少ない少入球モード(低頻度入賞モードのラウンド数規定モード又は開閉数規定モード)とを少なくとも有しており、
前記判定手段は、前記開閉制御が実行される状態への移行は発生するものの当該開閉制御が実行される状態は前記少入球モードであり、当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記切換モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる特定判定結果(小当たり結果)であると判定可能な特定判定手段(主側MPU82におけるステップS1403の処理を実行する機能、及びステップS1408にて肯定判定をしてステップS1409の処理を実行する機能)を備え、
前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われた場合には前記特定判定結果となり得ないのに対して、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われた場合には前記特定判定結果となり得る、
又は
前記第1始動入球部に単位数の遊技球が入球した場合と前記第2始動入球部に前記単位数の遊技球が入球した場合とで比較した場合に、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高いことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、高頻度切換モードにおいては第2始動入球部に遊技球を入球させるべく発射操作が行われることになるが、第1始動入球部に遊技球が入球する場合よりも第2始動入球部に遊技球が入球した場合の方が、特定判定結果に関する利益が高い。これにより、例えば第2始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数や、高頻度切換モードにおける第2始動入球部への入球のし易さなどを変更しなくても、高頻度切換モードの有利性を高めることが可能となる。
また、第1始動入球部及び第2始動入球部の両方について特定判定結果となった場合の利益を高めるのではなく、第1始動入球部については第2始動入球部よりも当該利益を低くしている。これにより、低頻度切換モードに対する高頻度切換モードの有利性を明確なものとすることが可能となる。
また、特定判定結果となった場合の開閉制御の実行態様は少入球モードである。したがって、高頻度切換モードにおける有利性を極端に高めてしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能であるとともに、特定判定結果となる確率などの調整も容易となる。
以上より、切換式の入球部が高頻度状態となった場合の遊技者の期待感を好適に維持させることが可能となる。
特徴A2.前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合の方が、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合よりも、前記特定判定結果となる確率が高くなるようにする確率設定手段(主側MPU82における当否判定処理を実行する機能、主側ROM83に記憶されている各種当否テーブル)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定判定結果となる確率を調整するだけで、高頻度切換モードの有利性を高めることが可能となる。
特徴A3.前記判定手段は、判定モードとして、遊技状態の移行に対応した所定の判定結果(大当たり結果)となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記確率設定手段は、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記高確率モードにおいて前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高くなるようにするものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2始動入球部に遊技球が入球した場合に特定判定結果となる機会を高めることが可能となり、高頻度切換モードをそれだけ有利なものとすることが可能となる。
特徴A4.前記確率設定手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記低確率モードにおいて前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高く、前記高確率モードにおいて前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも低くなるようにするものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、上記特徴A3の構成を備え、第2始動入球部に遊技球が入球した場合に特定判定結果となる機会を高めながら、第1始動入球部に遊技球が入球した場合に特定判定結果となる機会を適度に抑えることが可能となる。
特徴A5.前記可変入球制御手段は、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合の方が、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合よりも、前記可変入球手段への遊技球の入球が発生し易くなるようにする設定手段(主側MPU82におけるステップS1706〜ステップS1712の処理、及びステップS1906〜ステップS1908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、可変入球手段への遊技球の入球し易さは、可変入球手段の動作態様から遊技者が目視で確認することが可能である。これにより、高頻度切換モードの有利性を単に高めるだけでなく、その有利性を遊技者に認識させることが可能となる。
特徴A6.前記設定手段は、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合には、前記可変入球手段が遊技球の発射周期以上の期間に亘って開状態となるようにするものであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき特定判定結果となった場合において可変入球手段に遊技球が入球する機会を担保することが可能となる。
特徴A7.前記設定手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合には、前記可変入球手段において開状態が継続する期間が遊技球の発射周期未満となるようにするものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、上記特徴A6の構成を備え、第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき特定判定結果となった場合において可変入球手段に遊技球が入球する機会を担保した構成において、第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき特定判定結果となった場合には可変入球手段への入球が生じづらくなるようにすることが可能となる。よって、高頻度切換モードの有利性を明確なものとすることが可能となる。
特徴A8.前記設定手段は、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合よりも、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合の方が、前記可変入球手段が開状態となる回数を多く設定しながら、当該可変入球手段が開状態となっている合計期間は、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合の方が、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合よりも長くなるようにするものであることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき特定判定結果となった場合と、第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき特定判定結果となった場合とで、可変入球手段の動作態様を明確に異ならせながら、後者の場合の方が可変入球手段に入球し易くすることが可能となる。また、本構成の場合、可変入球手段が開状態となっている合計期間が短い側である第1始動入球部側の方が開状態となる回数が多いため、第1作動入球部への入球に基づき特定判定結果となった場合の可変入球手段の開閉動作を目立たせながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A9.前記判定手段の判定モードとして、遊技状態の移行に対応した所定の判定結果(大当たり結果)となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが少なくとも存在しており、
前記特定判定結果は、前記開閉制御が実行される状態の終了後の前記判定モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる判定結果であることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、判定結果の一種として、開閉制御が実行される状態への移行は発生するが切換モード及び判定モードの両方についてモード移行が発生しない特定判定結果が存在していることにより、遊技状態の移行態様が多様化し、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、当該特定判定結果を利用して上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A10.前記判定手段は、前記開閉制御が実行される状態への移行が発生し当該状態の終了後の前記判定モードが当該状態の前に設定されていたモードに関係なく前記高確率モードとなるが当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記切換モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる又はなり得る所定判定結果(非明示高確大当たり結果)であると判定可能な所定判定手段(主側MPU82におけるステップS1403及びステップS1405の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記判定モードが高確率モードであることを遊技者に認識させることが可能な態様で動作し得る動作手段(図柄表示装置42)と、
当該動作手段の動作を制御する動作制御手段(音声発光制御装置91及び表示制御装置92)と、
を備え、
前記動作制御手段は、前記切換モードが前記低頻度切換モードである場合に前記所定判定結果となったとしても、前記動作手段の制御状態を、前記高確率モードであることを遊技者に認識させる状態としない手段を備えており、
前記第1始動入球部への入球に基づき前記判定手段による判定が行われて前記所定判定結果又は前記特定判定結果となった状況では、前記開閉制御の実行態様の見た目及び前記動作手段の見た目からは、前記所定判定結果及び前記特定判定結果のいずれが発生したのかを識別不可となるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、可変入球手段において所定の開閉制御が実行された場合、所定判定結果及び特定判定結果のいずれが発生したのかが識別不可の場合がある。このような事象が低確率モードにおいて発生することで、遊技者は高確率モードとなっていることを期待しながら遊技を継続することとなり、遊技の興趣向上が図られる。この場合に、上記特徴A1の構成を備えていることにより、高確率モードとなっていることを期待させる状況を生じさせるための特定判定結果を利用して、高頻度切換モードの有利性を高めることが可能となる。
特徴A11.前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数が、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数よりも少なくなるようにする払出制御手段(払出側MPU102)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、高頻度切換モードにおいては第2始動入球部への入球が頻繁に発生することになるが、当該第2始動入球部への入球が発生したとしても、その際の遊技球の払出個数は、第1始動入球部に入球が発生した際の払出個数よりも少ない。これにより、高頻度切換モードにおける第2始動入球部への入球頻度を高めたとしても、高頻度切換モードにおいて遊技球の持ち球数が増加することを抑えることが可能となる。但し、当該構成においては、高頻度切換モードにおいて遊技球の持ち球数が極端に減少してしまう事象が起こり得る。これに対して、上記特徴A1の構成を備えていることにより、可変入球手段の開閉制御を通じて、その持ち球数の減少分を補うことが可能となる。
特徴A12.前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数が1個であることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、高頻度切換モードにおいては第2始動入球部への入球が頻繁に発生することになるが、当該第2始動入球部への入球が発生したとしても、その際の遊技球の払出個数は1個である。これにより、高頻度切換モードにおける第2始動入球部への入球頻度を高めたとしても、高頻度切換モードにおいて遊技球の持ち球数が増加することを抑えることが可能となる。但し、当該構成においては、高頻度切換モードにおいて遊技球の持ち球数が極端に減少してしまう事象が起こり得る。これに対して、上記特徴A1の構成を備えていることにより、可変入球手段の開閉制御を通じて、その持ち球数の減少分を補うことが可能となる。
特徴A13.前記判定手段は、判定モードとして、遊技状態の移行に対応した所定の判定結果(大当たり結果)となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記高確率モードにおいて前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高くなるようにする確率設定手段(主側MPU82における当否判定処理を実行する機能、主側ROM83に記憶されている各種当否テーブル)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第2始動入球部に遊技球が入球した場合に特定判定結果となる機会を高めることが可能となり、高頻度切換モードをそれだけ有利なものとすることが可能となる。
特徴A14.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU82における特図側の保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を利用して、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段(主側MPU82におけるステップS1403〜ステップS1411の処理を実行する機能)と、
当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される状態に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS1604〜ステップS1608、及びステップS2002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技領域には、前記始動入球部として、少なくとも第1始動入球部(第1作動口33)と第2始動入球部(第2作動口34)とが設けられており、
前記第2始動入球部を、開状態と閉状態とのそれぞれに切換制御する切換制御手段(主側MPU82における普図普電制御処理を実行する機能)を備え、
当該切換制御手段は、前記第2始動入球部を前記開状態と前記閉状態とのそれぞれに切り換える切換モードとして、前記開状態とならない又は前記開状態となる機会が相対的に低い低頻度切換モード(低頻度サポートモード)と、前記開状態となる機会が相対的に高い高頻度切換モード(高頻度サポートモード)とを少なくとも有しており、
前記開閉制御が実行される状態として、当該状態中に期待できる前記可変入球手段への入球個数が相対的に多い多入球モード(高頻度入賞モード)と、当該入球個数が前記多入球モードよりも少ない少入球モード(低頻度入賞モードのラウンド数規定モード又は開閉数規定モード)とを少なくとも有しており、
前記判定手段は、前記開閉制御が実行される状態への移行は発生するものの当該開閉制御が実行される状態は前記少入球モードであり、当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記切換モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる特定判定結果(小当たり結果)であると判定可能な特定判定手段(主側MPU82におけるステップS1403の処理を実行する機能、及びステップS1408にて肯定判定をしてステップS1409の処理を実行する機能)を備え、
前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われた場合には前記特定判定結果となり得ないのに対して、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われた場合には前記特定判定結果となり得る、
又は
前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合の方が、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合よりも、前記特定判定結果となる確率が高い構成、及び前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合の方が、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となった場合よりも、前記可変入球手段への遊技球の入球が発生し易い構成の少なくとも一方であることにより、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高いことを特徴とする遊技機。
特徴A14によれば、高頻度切換モードにおいては第2始動入球部に遊技球を入球させるべく発射操作が行われることになるが、第1始動入球部に遊技球が入球する場合よりも第2始動入球部に遊技球が入球した場合の方が、特定判定結果に関する利益が高い。これにより、例えば第2始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数や、高頻度切換モードにおける第2始動入球部への入球のし易さなどを変更しなくても、高頻度切換モードの有利性を高めることが可能となる。
また、第1始動入球部及び第2始動入球部の両方について特定判定結果となった場合の利益を高めるのではなく、第1始動入球部については第2始動入球部よりも当該利益を低くしている。これにより、低頻度切換モードに対する高頻度切換モードの有利性を明確なものとすることが可能となる。
また、特定判定結果となった場合の開閉制御の実行態様は少入球モードである。したがって、高頻度切換モードにおける有利性を極端に高めてしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能であるとともに、特定判定結果となる確率などの調整も容易となる。
以上より、切換式の入球部が高頻度状態となった場合の遊技者の期待感を好適に維持させることが可能となる。
特徴A15.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33、第2作動口34)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行する機能)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU82における特図側の保留情報の取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を利用して、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段(主側MPU82におけるステップS1403〜ステップS1411の処理を実行する機能)と、
当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される状態に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS1604〜ステップS1608、及びステップS2002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記始動入球部を、開状態と閉状態とのそれぞれに切換制御する切換制御手段(主側MPU82における普図普電制御処理を実行する機能)を備え、
当該切換制御手段は、前記始動入球部を前記開状態と前記閉状態とのそれぞれに切り換える切換モードとして、前記開状態とならない又は前記開状態となる機会が相対的に低い低頻度切換モード(低頻度サポートモード)と、前記開状態となる機会が相対的に高い高頻度切換モード(高頻度サポートモード)とを少なくとも有しており、
前記判定手段は、判定モードとして、遊技状態の移行に対応した所定の判定結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
前記開閉制御が実行される状態として、当該状態中に期待できる前記可変入球手段への入球個数が相対的に多い多入球モード(高頻度入賞モード)と、当該入球個数が前記多入球モードよりも少ない少入球モード(低頻度入賞モードのラウンド数規定モード又は開閉数規定モード)とを少なくとも有しており、
前記判定手段は、前記開閉制御が実行される状態への移行は発生するものの当該開閉制御が実行される状態は前記少入球モードであり、当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記切換モード及び前記判定モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる特定判定結果(小当たり結果)であると判定可能な特定判定手段(主側MPU82におけるステップS1403の処理を実行する機能、及びステップS1408にて肯定判定をしてステップS1409の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記高確率モードにおいて前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高くなるようにする確率設定手段(主側MPU82における当否判定処理を実行する機能、主側ROM83に記憶されている各種当否テーブル)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A15によれば、高頻度切換モードにおいては始動入球部に遊技球を入球させるべく発射操作が行われることになるが、始動入球部に遊技球が入球した場合に特定判定結果となる確率は、高確率モードにおいて始動入球部に遊技球が入球したことに基づき所定の判定結果となる確率よりも高い。そして、特定判定結果となることで、可変入球手段への入球が発生する機会が発生する。これにより、始動入球部に遊技球が入球した場合の遊技球の払出個数や、高頻度切換モードにおける始動入球部への入球のし易さなどを変更しなくても、高頻度切換モードの有利性を高めることが可能となる。
また、特定判定結果となった場合の開閉制御の実行態様は少入球モードである。したがって、高頻度切換モードにおける有利性を極端に高めてしまうことを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能であるとともに、特定判定結果となる確率などの調整も容易となる。
以上より、切換式の入球部が高頻度状態となった場合の遊技者の期待感を好適に維持させることが可能となる。
なお、上記特徴A群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
また、上記のように入球の発生が内部抽選の契機となり得る入球部として、当該入球部への入球を可能とする状態と、それよりも入球しづらい又は入球不可とする状態との間で切換可能な入球部を備えた構成が知られている。当該切換可能とする構成としては、例えば、入球口を開閉させる開閉部材を備え、当該開閉部材が開状態となることで入球部への入球が可能となり、当該開閉部材が閉状態となることで入球部への入球が不可となる構成が挙げられる。また、上記切換式の入球部が単位時間当たりに開状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度状態及び低頻度状態といった複数の状態が存在する構成も知られている。
ここで、上記高頻度状態となった場合、遊技者は切換式の入球部への入球頻度が高まることを期待する。しかしながら、遊技領域に設けられた釘の調整具合などによっては、遊技者が期待するほどの入球が、切換式の入球部に対して発生しないことも起こり得る。このような場合、高頻度状態となったことで相応の利益の発生を期待した遊技者は、その期待を裏切られたと思い、遊技続行の意欲を減退させてしまいかねない。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(特電入賞装置32)と、
当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段(主側MPU82における特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行する機能)と、
遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段(主側MPU82におけるステップS1403〜ステップS1411の処理を実行する機能)と、
当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される特別遊技状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU82におけるステップS1604〜ステップS1608、及びステップS2002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段は、前記遊技領域において、所定の領域(右側領域PA3)を流下するように発射された遊技球が入球可能となる位置に設けられており、
前記特別遊技状態は、前記開閉制御が実行される前にオープニング期間を有し、
当該遊技機は、
少なくとも前記オープニング期間の一部の期間中に、前記所定の領域に遊技者を注目させることを可能とする第1報知が行われるようにする第1報知制御手段(音声発光制御装置91のMPU112におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記第1報知が開始された後であって、前記開閉制御の開始タイミング又はそれよりも前のタイミングで、前記所定の領域を流下するように遊技球を発射すべきことを遊技者に認識させることを可能とする第2報知が行われるようにする第2報知制御手段(音声発光制御装置91のMPU112におけるステップS2107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技者は、特別遊技状態において所定の領域を流下するように遊技球の発射操作を行う必要があり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
また、遊技者は第1報知を確認することで所定の領域に向けた遊技球の発射の準備をし、第2報知を確認することで所定の領域に向けた遊技球の発射を行うことが可能となる。これにより、可変入球手段の開閉制御が開始されたタイミングにおいて可変入球手段に向けて遊技球が流下するように無理なく発射操作を行うことが可能となり、当該開閉制御が実行されることによる利益を遊技者が得やすくなる。
以上より、遊技の単調化を好適に抑制することが可能となる。
特徴B2.前記第1報知制御手段は、前記オープニング期間の途中タイミングまで前記第1報知が継続されるようにするものであり、
前記第2報知制御手段は、前記途中タイミング以降に前記第2報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、オープニング期間を利用しながら第1報知から第2報知への切換を行うことが可能となる。
特徴B3.前記第1報知制御手段は、前記特別遊技状態が開始された場合に前記第1報知が開始されるようにするものであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1報知が何に対して行われているのかが遊技者にとって明確となり、第1報知の内容を遊技者が認識し易くなる。
特徴B4.前記第2報知制御手段は、前記開閉制御が開始されるタイミングよりも、遊技球の発射操作が開始されてから遊技球が前記可変入球手段に入球可能な位置に到達するのに要する最長時間以上前のタイミングで前記第2報知が開始されるようにするものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第2報知を確認して所定の領域を流下するように遊技球を発射した場合には、可変入球手段が開状態となったタイミングで当該可変入球手段への入球が発生し得る。これにより、開閉制御が開始されたら早期に可変入球手段への入球を発生させることが可能となり、当該開閉制御が実行されることによる利益を遊技者が得やすくなる。
特徴B5.前記第1報知では発射の方向性を示す画像が表示され、前記第2報知ではその方向性を示す画像が強調表示されることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1報知と第2報知とを一連の画像表示として遊技者に認識させ易くなり、報知内容の理解の容易化を図ることが可能となる。
特徴B6.前記特別遊技状態は、前記開閉制御が実行された後にエンディング期間を有し、
前記第2報知制御手段は、前記エンディング期間が開始される場合に前記第2報知を終了させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2報知の終了タイミングを利用して、エンディング期間中には、所定の領域に向けた遊技球の発射を継続しないように遊技者に促すことが可能となる。
特徴B7.前記エンディング期間中に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態に応じた態様で発射すべき方向の報知を行う第3報知制御手段(音声発光制御装置91のMPU112におけるステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、エンディング期間を利用して特別遊技状態の終了後に発射すべき方向を遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B8.前記特別遊技状態が開始される場合に特定状態となり当該特別遊技状態が終了する場合に当該特定状態が解除されるように特定手段(打球方向報知部38e)を制御する特定制御手段(主側MPU82におけるステップS1604及びステップS2003の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、特別遊技状態中であることの報知を明確に行うことが可能となる。
特徴B9.前記第1報知制御手段は、前記特定手段が前記特定状態となるタイミングで前記第1報知を開始するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特定手段が特定状態となっているにも関わらず第1報知が行われていない状況や、第1報知が行われているにも関わらず特定手段が特定状態となっていない状況を確認することで、異常の有無を把握することが可能となる。
特徴B10.遊技の進行を制御する主制御手段(主側MPU82)と、
当該主制御手段が送信する指令情報に応じて演出の実行を制御するサブ制御手段(音声発光制御装置91のMPU112)と、
を備え、
前記主制御手段は、前記特定制御手段を有し、前記サブ制御手段を介することなく前記特定手段を制御するものであり、
前記サブ制御手段が前記第1報知制御手段及び前記第2報知制御手段を有することを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、遊技ホールの管理者は特定手段を確認することで、特別遊技状態の挙動が正規のものであるか否かを容易に確認することが可能であり、遊技者は第1報知及び第2報知を確認することで、所定の領域に向けた遊技球の発射操作を好適に行うことが可能となる。
なお、上記特徴B群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
ここで、特別遊技状態を含めて遊技球の発射操作の態様を調整する必要がない構成とすると、遊技内容の理解は容易なものとなる反面、遊技の単調化を招いてしまうことが懸念される。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、27…遊技球発射機構、32…特電入賞装置、33…第1作動口、34…第2作動口、38e…打球方向報知部、42…図柄表示装置、82…主側MPU、83…主側ROM、84…主側RAM、91…音声発光制御装置、92…表示制御装置、102…払出側MPU、103…払出側ROM、104…払出側RAM、112…MPU。

Claims (2)

  1. 遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
    前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、
    前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段と、
    当該可変入球手段を開閉制御する可変入球制御手段と、
    前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
    当該情報取得手段が取得した特別情報を利用して、遊技状態を移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
    当該判定手段の判定結果に応じて、前記開閉制御が実行される状態に遊技状態を移行させる移行手段と、
    を備え、
    前記遊技領域には、前記始動入球部として、少なくとも第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられており、
    前記第2始動入球部を、開状態と閉状態とのそれぞれに切換制御する切換制御手段を備え、
    当該切換制御手段は、前記第2始動入球部の状態を制御する制御モードとして、前記開状態とならない又は前記開状態となる機会が相対的に低い第1モードと、前記開状態となる機会が相対的に高い第2モードとを少なくとも有しており、
    前記開閉制御が実行される状態として、当該状態中に期待できる前記可変入球手段への入球個数が相対的に多い多入球モードと、当該入球個数が前記多入球モードよりも少ない少入球モードとを少なくとも有しており、
    前記判定手段は、
    前記開閉制御が実行される状態への移行が発生し当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記制御モードが当該状態の前に設定されていたモードとは異なるモードとなり得る所定の判定結果であると判定可能な手段と、
    前記開閉制御が実行される状態への移行は発生するものの当該開閉制御が実行される状態は前記少入球モードであり、当該開閉制御が実行される状態の終了後の前記制御モードが当該状態の前に設定されていたモードと同一のモードとなる特定判定結果であると判定可能な特定判定手段と、
    を備え、判定モードとして、前記所定の判定結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとを少なくとも有しており、
    前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記特定判定結果となる確率が、前記高確率モードにおいて前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記所定の判定結果となる確率よりも高く、
    前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合及び前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合のいずれであっても前記特定判定結果となり得る構成であって、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合の方が前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づき前記判定手段による判定が行われる場合よりも前記特定判定結果となる確率が高いことにより、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高い、
    又は
    前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合には前記特定判定結果となり得ないのに対して、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて取得された特別情報に対して前記判定手段による判定が行われる場合には前記特定判定結果となり得ることにより、前記特定判定結果に関する利益が前記第1始動入球部よりも前記第2始動入球部の方が高いことを特徴とする遊技機。
  2. パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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