JP2022121714A - 遊技機 - Google Patents

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Yoshiyuki Idota
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Naohiro Inaba
啓太 宮内
Keita Miyauchi
圭介 伏屋
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Abstract

【課題】遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段と、取得した第1特別情報および第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段と、付与判定手段による付与判定の結果が当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段と、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となると、特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
特開2004-41547号公報
しかしながら、このような遊技機において、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。
本発明は上記点に鑑み、遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段と、取得した第1特別情報、および第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段と、付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の第1特別情報、または第2特別情報が当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段と、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となると、特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段と、を備えていることを特徴としている。
これによれば、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となると、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードが選択される。このため、遊技者は、複数の特典遊技後モードを体感できる可能性がある。したがって、遊技の幅を広げることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を示す斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 (a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路を示す模式図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。 図柄表示装置の表示画面における図柄を説明するための図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機における全体の電気的構成を示す図である。 主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 主に音声ランプ制御装置および表示制御装置の電気的構成を示す図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 第1保留エリアの構成を示す図である。 (a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示す図であり、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示す図である。 振分テーブル記憶エリアを説明するための図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 図20に続く非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 特図特電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。 普図普電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行されるデモ表示用処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行される主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 図36に続く主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。 図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための画像を示す図である。 (a)および(b)は図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図である。 表示側MPUにて実行される別対応処理を示すフローチャートである。 (a)は図柄表示装置に表示される第1非電役物が開放状態であることを示す図、(b)は図柄表示装置に表示される第2非電役物が開放状態であることを示す図である。 表示側MPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モード中の最初の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モード中の第1抽選遊技が実行された際の画像を示す図である。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モード中の第2抽選遊技が実行された際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モード中の継続演出を示す図である。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モードが終了する際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モードが継続する際の画像を示す図である。 本発明の第2実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第2実施形態における振分テーブルを示す図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブルを示す図であり、(b)は第2結果表示部用の振分テーブルを示し図である。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される画像を示す図であり、(a)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモード中の最初の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモード中の継続演出を示す図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される画像を示す図であり、(a)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモードが終了する際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモードが継続する際の画像を示す図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図であり、(a)は遊技者が低確率モードであると推測した際の遊技球の発射の仕方を示す図であり、(b)は遊技者が高確率モードであると推測した際の遊技球の発射の仕方を示す図である。 本発明の第3実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態における第1保留エリアの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図で 本発明の第4実施形態における振分テーブルを示す図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブルを示す図であり、(b)は第2結果表示部用の振分テーブルを示し図である。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図であり、(a)は遊技者が時短モード回数に重点を置く場合の遊技球の発射の仕方を示す図であり、(b)は遊技者が開閉実行モードに重点を置く場合の遊技球の発射の仕方を示す図である。 本発明の第5実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第5実施形態における振分ユニット近傍の拡大図である。 本発明の第5実施形態における振分ユニットの遊技球の振分動作を示す図である。 本発明の第6実施形態における模式図であり、(a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 本発明の第6実施形態における主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 本発明の第7実施形態における模式図であり、(a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 本発明の第7実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第7実施形態における主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 本発明の第7実施形態の変形例における図柄表示装置に表示される第1非電役物を開放状態にするための遊技球の発射の仕方を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下では、単にパチンコ機という)10に適用した例について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図、図2、図3はパチンコ機10の主要な構成部分を展開した斜視図、図4はパチンコ機10の主要な構成部分を示す斜視図、図5はパチンコ機10における遊技盤43の正面図である。
図1に示されるように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わされた木枠によって外殻が形成された外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。外枠11は、木製の板材を四辺に連結して構成されるものであって矩形枠状をなしている。そして、パチンコ機10は、外枠11を遊技ホールにおける島設備に取り付け固定されることによって遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2および図3に示されるように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。そして、遊技機本体12のうちの内枠13が外枠11に対して回動(開閉)可能に支持されている。
前扉枠14は、図2に示されるように、正面視で左側(回動中心に対して一端側の固定端側)を回動基端側とすると共に右側(回動中心に対して他端側の開放端側)を回動先端側として前方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。裏パックユニット15は、図3に示されるように、正面視で左側を回動基端側とすると共に右側を回動先端側として後方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2および図3に示されるように、その回動先端側に、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とすると共に、前扉枠14を内枠13に対して開放不能な施錠状態とする機能を有する施錠装置16が備えられている。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面に露出させて設けられたシリンダ錠17(図1参照)に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
前扉枠14は、図1および図2に示されるように、装飾用の樹脂部品や電気部品等が組みつけられて構成され、略中央部に略矩形状に開口された窓部21が設けられている。そして、前扉枠14の裏面側には無色透明な2枚の板ガラスを有する窓パネル22が配設され、当該窓パネル22を介して後述する遊技盤43の前面(遊技領域)がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。なお、窓パネル22は、板ガラスではなく、合成樹脂によって無色透明に形成されたものを用いてもよい。
また、前扉枠14には、図1および図4に示されるように、窓部21の下方に、当該前扉枠14の前方に張り出した上側膨出部23と下側膨出部24とが上下に並設されている。そして、図4に示されるように、上側膨出部23の内側には、上方に開口した上皿25が設けられており、当該上皿25に遊技球を貯留できるようになっている。また、この上皿25は、開口部における底面が正面視(図1、図4参照)右側に向かって下降傾斜して形成されており、傾斜によって上皿25に投入された(貯留されている)球を後述する遊技球発射機構(発射手段)44へと導く機能を有している。
さらに、上側膨出部23には、上面(上面のうちの開口されていない部分)の略中央部に第1枠ボタン26(操作手段)が備えられており、当該第1枠ボタン26より正面視右側に第2枠ボタン27(操作手段)が備えられている。第1枠ボタン26は、後述する図柄表示装置80において、表示されるステージ(背景)を変更したり、表示されるリーチ演出のチャンスアップ演出や予告キャラクタの演出を表示させたりする場合に操作される。第2枠ボタン27は、後述する音声ランプ制御装置92で制御される音量や光量等を変更する際に遊技者によって操作される。本パチンコ機10では、第1枠ボタン26は上面視略円状とされ、第2枠ボタン27は上面視略十字状とされているが、第1枠ボタン26および第2枠ボタン27の形状は適宜変更可能である。
なお、ステージとは、図柄表示装置80に表示される演出に統一性を持たせる演出(背景)モードのことであり、本パチンコ機10では、「海中ステージ」、「浜辺ステージ」、「街中ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述するリーチ演出等の各種演出は、各ステージに対応したテーマに合わせた演出となるように設定されている。また、ステージの変更は、後述する図柄表示装置80(メイン表示部76)にて変動表示が行われていない期間および変動表示が行われている所定期間に遊技者によって第1枠ボタン26が操作された場合に行われ、第1枠ボタン26が操作される度に、「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に繰り返し変更される。
また、上側膨出部23には、図4に示されるように、第2枠ボタン27よりも正面視右側に、球貸ボタン28および返却ボタン29が設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸ユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸ボタン28が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン29は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸装置等から上皿25に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸ボタン28および返却ボタン29は不要である。この場合には、球貸ボタン28および返却ボタン29の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしてもよい。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機(CR機)と現金機との共通化を図ることができる。
下側膨出部24の内側には、上皿25と同様に上方に開口し、上皿25に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿30が設けられている。なお、上皿25および下皿30には、裏パックユニット15に設けられている後述する払出装置99から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた排出通路を通じて排出される。
下皿30の正面視右側には、図1および図4に示されるように、遊技球を後述する遊技盤43の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル31が配設されている。この操作ハンドル31の内部には、当該操作ハンドル31が遊技者により触られていることを検知するタッチセンサ31aと、遊技者が操作ハンドル31を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるための押しボタン式の打ち止めスイッチ31bと(図1参照)、操作ハンドル31の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示略)とが内蔵されている。そして、操作ハンドル31が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ31aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル31の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で後述する遊技盤43の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル31が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ31aおよび打ち止めスイッチ31bはオフとなっている。
さらに、下皿30の正面下方部には、図1に示されるように、下皿30に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー32が設けられている。この球抜きレバー32は、通常は右方向に配置されており、左方向へスライドさせることによって下皿30の底面に形成された底面口が開口し、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー32の操作は、通常、下皿30の下方に当該下皿30から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
また、前扉枠14には、窓部21の周囲にLED等の発光手段を内蔵した電飾部33が設けられていると共に、窓部21の上方における左右両端部に一対のスピーカ部34が備えられている。本パチンコ機10においては、当たり時やリーチ演出時等には、各電飾部33が点灯または点滅して、当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されると共に、スピーカ部34からの音声によって当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されることにより、遊技中の演出効果を高める構成となっている。また、電飾部33は、エラー発生時等において点滅するエラーランプとしての機能も発揮するようになっている。さらに、本パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材35が取り付けられている。
内枠13は、図2に示されるように、外形が外枠11とほぼ同一形状とされた樹脂ベース41を主体に構成されており、樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔42が形成されている。そして、樹脂ベース41には、図5に示される遊技盤43が着脱可能に取り付けられていると共に、遊技球を遊技盤43の前面領域に発射する遊技球発射機構44が配設されている。遊技球発射機構44は、樹脂ベース41における窓孔42の下方に取り付けられており、後述する誘導レールに向けて延びる発射レール45と、上皿25に貯留されている遊技球を発射レール45上に供給する球送り装置46と、発射レール45上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド47とを備えている。そして、前扉枠14に設けられた操作ハンドル31が操作されることにより発射ソレノイド47が駆動制御され、遊技球が発射される。
ここで、遊技盤43の構成について図5を参照しつつ具体的に説明する。遊技盤43は、正面視略矩形状に切削加工した樹脂材料で形成されたベース板50の前面に、球案内用の多数の釘51や風車52、内レール53、外レール54、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口(第1始動入球部)57、第2特別始動口(第2始動入球部)58、可変普通入賞装置(普通入賞手段)59、可変大入賞装置(可変大入賞手段)60、普通図柄始動ゲート61、および可変表示装置ユニット62等が組みつけられて構成されている。なお、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、普通図柄始動ゲート61、可変表示装置ユニット62等は、ルータ加工によってベース板50に形成された貫通穴に配設され、遊技盤43の前面側から木ネジ等により固定されている。そして、このような遊技盤43は、前面の中央部分が前扉枠14の窓部21を介して視認することができるように、周辺部が内枠13の裏面側に取り付けられて固定されている。
また、遊技盤43には、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61のそれぞれに対応させて検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a(図11参照、68a、69aは図6(b)も参照)が設けられている。そして、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、普通図柄始動ゲート61への入球が発生すると、対応する検知センサによって入球が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。なお、可変普通入賞装置59に対応する検知センサ68a、69aは、後述するように、可変普通入賞装置59に入球した遊技球が排出される左側排出通路68および右側排出通路69にそれぞれ備えられている。また、検知センサとしては、例えば、電磁誘導型の近接センサが用いられるが、遊技球の入球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
また、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59および可変大入賞装置60への入球の発生が検知されると、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。本実施形態では、一般入賞口55への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、可変大入賞装置60への入球が発生した場合には15個の遊技球の払い出しが実行され、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、または可変普通入賞装置59への入球が発生した場合には3個の遊技球の払い出しが実行されるようになっている。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、第1特別始動口57に入賞した場合と第2特別始動口58に入賞した場合とで賞球個数が異なるようにしてもよい。また、可変大入賞装置60への入球に対する賞球個数が他の賞球個数より多い構成に限定されることはなく、例えば、可変大入賞装置60への入球に対する賞球個数が一般入賞口55への入球に対する賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
内レール53および外レール54は、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して構成されたものであり、当該内レール53および外レール54によって誘導レールが構成されると共に、遊技球発射機構44から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるように、ベース板50に取り付けられている。また、遊技盤43の前面には、正面視において、内レール53の右下側の先端部と外レール54の右上側の先端部との間を繋ぐ樹脂製の繋ぎ部材63が配設されている。なお、遊技領域とは、内レール53、外レール54、および繋ぎ部材63によって囲まれる遊技盤43の前面の領域のことであり、遊技球の挙動によって遊技が行われる領域(発射された遊技球が流下する領域)のことである。
また、内レール53の先端側(図5の左上部)には戻り球防止部材64が取り付けられ、一旦、遊技盤43の上部(遊技領域)へ発射された遊技球が誘導レール(内レール53と外レール54との間の領域)内に戻ってしまうことを抑制することができるようになっている。そして、外レール54の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム65が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム65に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返されるようになっている。
第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58は、遊技球が入球し得るものであり、第1始動口56は、遊技盤43の正面視下方中央に配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技盤43の正面視下方右側(第1始動口56の右側)に配設されている。第1特別始動口57および第2特別始動口58についてさらに詳述すると、本実施形態では、第1特別始動口57および第2特別始動口58は遊技盤43の上下方向に配設され、第2特別始動口58が第1特別始動口57の上方に配設されている。
なお、本実施形態では、第1始動口56は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し得るように配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し得るように配設されている。言い換えると、第1始動口56は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し難くなるように配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し難くなるように配設されている。以下では、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射することを、遊技者が遊技球を左打ちするともいい、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射することを、遊技者が遊技球を右打ちするともいう。
そして、第1始動口56に遊技球が入球すると、対応する検知センサ56a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。同様に、第1特別始動口57に遊技球が入球すると、対応する検知センサ57a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。また、第2特別始動口58に遊技球が入球すると、対応する検知センサ58a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。そして、各検知結果が後述する主制御装置91に対して出力され、当該主制御装置91で特別図柄の当たりか否かの判定(開閉実行モードに移行するか否かの判定)が行われ、抽選結果に応じた表示が後述する図柄表示装置80に示される。
また、本実施形態では、第1特別始動口57には、第1非電役物(非電動役物)66が設けられている。この第1非電役物66は、開閉可能に構成されており、開放状態である際には、遊技球が第1特別始動口57へ入球し易い状態を構成し、閉鎖状態である際には、開放状態である際より遊技球が第1特別始動口57に入球し難い状態を構成する。
なお、第1非電役物66の具体的な構成の説明に関しては省略するが、第1非電役物66は、後述する第1非電役物作動機構70と機械的に接続されており、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触する(入球する)ことにより(遊技球の自重により)、第1非電役物作動機構70の作動に伴って開放状態となる。そして、第1非電役物66は、所定数の遊技球(本実施形態では2個)が第1特別始動口57に入球することによって閉鎖状態となる。また、本実施形態では、第1非電役物66は、開放状態となった後、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触せずに第1特別始動口57に2個の遊技球が入球することによって閉鎖状態となる。つまり、例えば、第1非電役物66が開放状態となった後に1個の遊技球が第1特別始動口57に入球し、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触した場合は、その時点から第1非電役物作動機構70に遊技球が接触せずに第1特別始動口57に2個の遊技球が入球した際に第1非電役物66が閉鎖状態となる。
同様に、第2特別始動口58には、第2非電役物(非電動役物)67が設けられている。この第2非電役物67は、開閉可能に構成されており、開放状態である際には、遊技球が第2特別始動口58へ入球し易い状態を構成し、閉鎖状態である際には、開放状態である際より遊技球が第2特別始動口58に入球し難い状態を構成する。
なお、第2非電役物67の具体的な構成の説明に関しても省略するが、第2非電役物67は、後述する第2非電役物作動機構71と機械的に接続されており、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触する(入球する)ことにより(遊技球の自重により)、第2非電役物作動機構71の作動に伴って開放状態となる。そして、第2非電役物67は、所定数の遊技球(本実施形態では2個)が第2特別始動口58に入球することによって閉鎖状態となる。また、本実施形態では、第2非電役物67は、開放状態となった後、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触せずに第2特別始動口58に2個の遊技球が入球することによって閉鎖状態となる。つまり、例えば、第2非電役物67が開放状態となった後に1個の遊技球が第2特別始動口58に入球し、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触した場合は、その時点から第2非電役物作動機構71に遊技球が接触せずに第2特別始動口58に2個の遊技球が入球した際に第2非電役物67が閉鎖状態となる。
また、第1非電役物66および第2非電役物67は、電気的に駆動制御されない役物であっていわゆる第2種非電動役物に相当するものである。但し、ここでの第2種非電動役物とは、大入賞口以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動するものを意味している。
可変普通入賞装置59は、遊技盤43の正面視中央右側に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる普通入賞口59aと、当該普通入賞口59aを覆う横長矩形状の開閉板(電動役物)59bと、当該開閉板59bの下辺を軸として開閉板59bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変普通入賞装置駆動部59c(図11参照)とを有する構成とされている。
普通入賞口59aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉鎖状態となっている。そして、後述する主制御装置91で普通図柄の当たり抽選に当選した場合、可変普通入賞装置駆動部59cが駆動されて開閉板59bが前面下側に傾倒することで遊技球が普通入賞口59aに入球し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、具体的には後述するが、本実施形態の遊技機には、普通図柄の当たり確率がアップして開閉板59bが開放状態となり易くなる高頻度サポートモード、および高頻度サポートモードよりも開閉板59bが開放状態となり難い低頻度サポートモードが搭載されている。そして、高頻度サポートモードでは、後述するように、遊技者は、遊技球を右打ちした方が有利な遊技態様となる。
また、可変普通入賞装置59は、図6(a)および図6(b)に示されるように、普通入賞口59a内の空間を分割する仕切部材(振分手段、内振分手段)59dを備えていると共に、普通入賞口59a内に入球した遊技球が排出される左側排出通路(第1排出通路)68および右側排出通路(第2排出通路)69と連通されている。
左側排出通路68には、遊技球と接触する(遊技球が入球する)こと(第1条件が成立すること)で第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構(第1作動契機手段)70が配設され、右側排出通路69には、遊技球と接触する(遊技球が入球する)こと(第2条件が成立すること)で第2非電役物67を開放状態にする第2非電役物作動機構(第2作動契機手段)71が配設されている。このため、普通入賞口59aに遊技球が入球すると、当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることにより、第1非電役物66または第2非電役物67のいずれかが開放状態となる。
また、左側排出通路68には、第1非電役物作動機構70よりも下流側に、当該左側排出通路68を通過する遊技球を検知する左側排出通路検知センサ(第1主検知手段)68aが配設されている。言い換えると、左側排出通路68には、普通入賞口59aの左側空間K1に入球して左側排出通路68から排出される遊技球を検知する左側排出通路検知センサ68aが配設されている。つまり、この左側排出通路検知センサ68aは、普通入賞口59aに入球した遊技球を検知する普通入賞口検知センサとしての機能も有している。
右側排出通路69には、第2非電役物作動機構71よりも下流側に、当該右側排出通路69を通過する遊技球を検知する右側排出通路検知センサ(第2主検知手段)69aが配設されている。言い換えると、右側排出通路69には、普通入賞口59aの右側空間K1に入球して右側排出通路69から排出される遊技球を検知する右側排出通路検知センサ69aが配設されている。つまり、この右側排出通路検知センサ69aは、普通入賞口59aに入球した遊技球を検知する普通入賞口検知センサとしての機能も有している。
仕切部材59dは、本実施形態では、正面視において、普通入賞口59a内の空間を正面視左側の左側空間(第1空間)K1と正面視右側の右側空間(第2空間)K2とに分割するように、普通入賞口59a内に固定されて備えられている。そして、左側排出通路68は、普通入賞口59aに入球した遊技球のうちの左側空間K1に入球した遊技球を排出するように当該普通入賞口59aと連通され、右側排出通路69は、普通入賞口59aに入球した遊技球のうちの右側空間K2に入球した遊技球を排出するように当該普通入賞口59aと連通されている。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、開閉板59b(普通入賞口59a)が開放状態である際、普通入賞口59aに遊技球を入球させる空間を選択することにより、普通入賞口59aに入球した遊技球を左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出させるのかを選択できる。つまり、左側排出通路68から遊技球が排出されることで当該遊技球が第1非電役物作動機構70と接触して第1非電役物66が開放状態となり、右側排出通路69から遊技球が排出されることで当該遊技球が第2非電役物作動機構71と接触して第2非電役物67が開放状態となるため、遊技者は、普通入賞口59aに入球させる空間を選択することにより、第1非電役物66を開放状態にするのか、または第2非電役物67を開放状態にするのかを選択できる。
また、図5に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちした際に可変普通入賞装置59に到達するまでの領域(可変普通入賞装置59の上方)には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って区画する区画機構(区画手段)72が配設されている。具体的には、区画機構72は、遊技者が遊技球を右打ちした場合、普通入賞口59aにおける左側空間K1側に遊技球を誘導する内レール53側の内側領域(第1領域)R1と、普通入賞口59aにおける右側空間K2側に遊技球を誘導する外レール54側の外側領域(第2領域)R2とを区画するように配設されている。つまり、遊技者は、開閉板59bが開放状態である際、普通入賞口59aより手前に位置する内側領域R1を狙って遊技球を発射することによって左側空間K1に遊技球を入球させることができ、普通入賞口59aより手前に位置する外側領域R2を狙って遊技球を発射することによって右側空間K2に遊技球を入球させることができる。すなわち、遊技者は、普通入賞口59aより手前に位置する領域を選択的に狙って遊技球を発射することにより、遊技球を左側空間K1または右側空間K2のいずれに入球させるのかを選択できる。なお、本実施形態では、区画機構72は、樹脂材料等で構成されるフレーム部材73と釘51によって構成されているが、フレーム部材73のみで構成されていてもよいし、釘51のみで構成されていてもよいし、またはその他の部材で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、内側領域R1の入口(内側領域R1における普通入賞口59a側と反対側の開口部であり、内側領域R1における最初に遊技球が通過する部分)は、外側領域R2の入口(外側領域R2における普通入賞口59a側と反対側の開口部であり、外側領域R2における最初に遊技球が通過する部分)より開口幅が長くされている(広くされている)。ここで、遊技者が遊技球を右打ちする場合、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を最大にすることにより、外側領域R2を遊技球が通過するようにできる。
また、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を最大の状態から僅かに減少させることにより、内側領域R1を遊技球が通過するようにできる。言い換えると、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を微調整して最大にしないことにより、内側領域R1を遊技球が通過するようにできる。
この場合、遊技者にとって、操作ハンドル31の回動操作量を最大にする方が操作ハンドル31の回動操作量を最大の状態から減少させることより簡単な操作となる。つまり、遊技者が遊技球を右打ちする際、遊技者にとって、外側領域R2に遊技球を通過させることの方が内側領域R1に遊技球を通過させることより容易となる。したがって、本実施形態では、内側領域R1の入口の開口幅が外側領域R2の入口の開口幅より長くされている(広くされている)。すなわち、内側領域R1にも遊技球を通過させ易くしている。このため、遊技者が意図しない領域に遊技球を通過させてしまうことを抑制できる。
普通図柄始動ゲート(スルーゲート)61は、遊技盤43の正面視中央右側であり、可変普通入賞装置59の下方であって、第1特別始動口57および第2特別始動口58の上方に配設されている。本実施形態では、普通図柄始動ゲート61は、2つ備えられ、正面視左右方向に並設されている。具体的には、2つの普通図柄始動ゲート61のうちの一方は、内側領域R1を通過した遊技球が普通入賞口59aに入球しなかった際に当該遊技球が通過するように備えられ、2つの普通図柄始動ゲート61のうちの他方は、外側領域R2を通過した遊技球が普通入賞口59aに入球しなかった際に当該遊技球が通過するように備えられている。
そして、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過すると、対応する検知センサ61a(図11参照)によって遊技球の通過(入球)が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。また、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過すると、普通図柄の当たりか否かの判定(開閉板59bを開放状態にするか否かの判定)が後述する主制御装置91で行われる。そして、判定結果が当たり(開閉板開放状態への移行に対応した当選結果)であった場合には、可変普通入賞装置駆動部59c(図11参照)が駆動されて開閉板59bが開放状態となり、遊技球が普通入賞口59aへ入球し易い状態となる。
また、遊技盤43の正面視右側であって可変普通入賞装置59の下方には、普通入賞口59aが閉鎖状態である場合、内側領域R1を通過した遊技球が第1特別始動口57に誘導されるように釘51が配設されていると共に、外側領域R2を通過した遊技球が第2特別始動口58に誘導されるように釘51が配設されている。釘51の配置についてさらに詳述すると、釘51は、内側領域R1を通過した遊技球が第1特別始動口57に誘導される際、第1非電役物66が開放状態である場合に第1特別始動口57に遊技球が入球し易くなると共に第1非電役物66が閉鎖状態である場合に遊技球が第1特別始動口57に入球し難くなるように配設されている。また、釘51は、外側領域R2を通過した遊技球が第2特別始動口58に誘導される際、第2非電役物67が開放状態である場合に遊技球が第2特別始動口58に入球し易くなると共に第2非電役物67が閉鎖状態である場合に遊技球が第2特別始動口58に入球し難くなるように配設されている。
ここで、遊技者が遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路について図7を参照しつつ説明する。図7は、遊技者が遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路を示す模式図である。
図7に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は内側領域R1または外側領域R2のいずれかを通過する。そして、遊技球が内側領域R1を通過すると、開閉板59bが開放状態となっている場合には、矢印A1のように、遊技球は普通入賞口59aに入球する。この際、遊技球は、普通入賞口59aのうちの左側空間K1に入球するため、左側排出通路68から排出されて第1非電役物作動機構70と接触する。このため、第1非電役物66が開放状態となる。また、開閉板59bが開放状態となっていない場合には、矢印A2のように、遊技球が普通入賞口59aに入球せず、普通図柄始動ゲート61を通過した後に第1特別始動口57に誘導される。この際、第1非電役物66が開放状態となっている場合には遊技球が第1特別始動口57に入球し、第1非電役物66が開放状態となっていない場合には遊技球が第1特別始動口57に入球せず、そのまま流下する。
また、遊技球が外側領域R2を通過すると、開閉板59bが開放状態となっている場合には、矢印B1のように、遊技球は普通入賞口59aに入球する。この際、遊技球は、右側空間K2に入球するため、右側排出通路69から排出されて第2非電役物作動機構71と接触する。このため、第2非電役物67が開放状態となる。また、開閉板59bが開放状態となっていない場合には、矢印B2のように、遊技球が普通入賞口59aに入球せず、普通図柄始動ゲート61を通過した後に第2特別始動口58に誘導される。この際、第2非電役物67が開放状態となっている場合には遊技球が第2特別始動口58に入球し、第2非電役物67が開放状態となっていない場合には遊技球が第2特別始動口58に入球せず、そのまま流下する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、第1非電役物66を開放状態にして第1特別始動口57に遊技球を入球させたい場合、内側領域R1を通過するように遊技球を発射し続ければよい。同様に、遊技者は、第2非電役物67を開放状態にして第2特別始動口58に遊技球を入球させたい場合、外側領域R2を通過するように遊技球を発射し続ければよい。つまり、本実施形態の構成では、遊技者は、内側領域R1または外側領域R2のいずれかを狙って遊技球を発射することにより、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技者自身の選択によって遊技球を入球させることができる。
遊技盤43の構成の説明に戻り、図5に示されるように、可変大入賞装置60は、遊技盤43の正面視下方右側であって、第1特別始動口57の下方に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる大入賞口60aと、当該大入賞口60aを覆う横長矩形状の開閉板60bと、当該開閉板60bの下辺を軸として開閉板60bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変大入賞装置駆動部60d(図11参照)とを有する構成とされている。
大入賞口60aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉状態となっている。そして、後述する主制御装置91で開閉実行モード(特典遊技モード)への移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定された場合、可変大入賞装置駆動部60dが駆動されて開閉板60bが前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口60aに入球し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。例えば、通常時には閉鎖されている大入賞口60aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入球するまで)開放される。この可変大入賞装置60の開閉動作は、決定された当たりの種別によって決定され、例えば、後述する15R当たり結果であれば、15回(15ラウンド)繰り返し行われる。そして、この開閉動作が行われている状態が遊技者にとって有利な特典遊技モードの一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。このため、開閉実行モード中には、遊技者は、遊技球を右打ちして大入賞口60aに入球されるように当該遊技球を発射する。
なお、開閉実行モードとは、後述する主制御装置91での第1始動口56への入球もしくは第1特別始動口57への入球を契機とする抽選遊技(第1抽選遊技)、または第2特別始動口58への入球を契機とする抽選遊技(第2抽選遊技)の開閉実行モードに移行するか否かの抽選に当選した場合に移行するモードのことであり、この開閉実行モードについては後に説明する。また、開閉実行モード中は、普通図柄の当たり抽選に当選し難くされており、開閉板59bが開放状態となり難い。このため、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は、普通入賞口59a、第1特別始動口57、または第2特別始動口58のいずれにも入球し難く、そのまま流下することで大入賞口60aへと誘導される。
一般入賞口55は、遊技盤43の正面視下方に複数設けられている。また、遊技盤43の正面視最下部にはアウト口74が設けられており、各種入賞口に入球しなかった遊技球がアウト口74を通って遊技領域から排出されるようになっている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。なお、本明細書においては、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59(普通入賞口59a)、および可変大入賞装置60(大入賞口60a)への遊技球の入球を入賞とも表現する。
遊技盤43の正面視右下側隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペース75が設けられており、貼着スペース75に貼られた証紙等は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認することができるようになっている。
また、遊技盤43の正面視左下側隅部(外レール54の外側)には、発光手段である複数のLEDで構成されるメイン表示部76が備えられている。このメイン表示部76は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。
メイン表示部76は、第1始動口56および第1特別始動口57への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第1抽選遊技の結果を示す第1結果表示部(第1結果表示手段)76a、第2特別始動口58への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第2抽選遊技の結果を示す第2結果表示部(第2結果表示手段)76b、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選(当たり抽選)に当選することで可変大入賞装置60が開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変大入賞装置60が開放される回数を示すラウンド表示部76cとを有している。
具体的には、第1結果表示部76aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第1抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部76aにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
また、第2結果表示部76bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第2抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部76bにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、第1、第2抽選遊技(第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58のいずれかへの入賞)に基づいて、対応する第1、第2結果表示部76a、76bにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止するまでが遊技回(変動表示回)の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、第1、第2抽選遊技のいずれにおいてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
さらに、メイン表示部76は、第1、第2結果表示部76a、76b、ラウンド表示部76cに加えてその他表示部76dを有している。その他表示部76dでは、例えば、普通図柄始動ゲート61への入賞を契機として変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、普通図柄始動ゲート61への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が示される。そして、普通図柄始動ゲート61への入賞を契機とする内部抽選の結果が開閉板開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、その他表示部76dにて所定の停止結果が点灯表示された後に、開閉板開放状態へ移行する。開閉板開放状態では、開閉板59bが開放状態となり、遊技球が普通入賞口59aに入賞し易い状態となる。つまり、開閉板開放状態では、普通入賞口59aに遊技球が入賞した後に当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることにより、第1非電役物作動機構70または第2非電役物作動機構71のいずれかに遊技球が接触して第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となる。
また、その他表示部76dにおいて普通図柄始動ゲート61への入賞を契機とする変動表示が行われている間に遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過すると、その通過回数は本実施形態では最大4回まで保留され、その保留回数も表示されるようになっている。さらに、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bにおいて変動表示が行われている間に第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞回数は本実施形態では第1始動口56および第1特別始動口57に対して合計で最大4回、第2特別始動口58に対して最大4回まで保留され、その保留回数も表示される。
なお、メイン表示部76を構成する複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成することにより、その発光色の組み合わせによって少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、メイン表示部76は、液晶表示装置等の他の表示装置を用いて構成されていてもよい。
可変表示装置ユニット62は、遊技盤43の中央に配設されている。この可変表示装置ユニット62は、第1結果表示部76aにおける変動表示と同期させながら第1特別図柄を変動表示させて第1抽選遊技の抽選結果を表示すると共に、第2結果表示部76bにおける変動表示と同期させながら第2特別図柄を変動表示させて第2抽選遊技の抽選結果を表示する表示画面80aを有する図柄表示装置(絵柄表示手段)80と、図柄表示装置80を囲むようにして配設されたセンターフレーム81とを有している。
なお、センターフレーム81は、上部がパチンコ機10の前方に延出した状態で設置されている。これにより、図柄表示装置80の表示画面80aの前方を遊技球が落下していくのが防止され、遊技球の落下により表示画面80aの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。また、図柄表示装置80が遊技盤43の中央に配設されていると共にセンターフレーム81が前方に延出した状態で設置されているため、遊技者が発射した遊技球は、図柄表示装置80の正面視左側、または図柄表示装置80の正面視右側を通過して流下する。
図柄表示装置80は、略矩形状とされた17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されている。そして、図8に示されるように、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする第1遊技抽選の判定結果を示す第1特別図柄、および第2特別始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄を表示する上側の上側表示領域Dmと、保留図柄(第1抽選遊技および第2抽選遊技の保留)を表示する下側の下側表示領域Dnとを有している。
なお、この図柄表示装置80は、後述する表示制御装置93によって表示画面80aの表示内容が制御される。また、図柄表示装置80は、液晶ディスプレイであることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよい。
上側表示領域Dmは、本パチンコ機10では、上、中および下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、図柄表示装置80(表示画面80a)における変動表示は、第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58への入賞を契機として開始される。すなわち、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置80において変動表示が行われる。そして、開閉実行モードに移行する遊技回では、図柄表示装置80では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
上側表示領域Dmに表示される第1特別図柄、第2特別図柄は、図9(a)~(i)に示される「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、図9(j)に示される貝形状の絵図柄からなる副図柄により構成されている。より詳しくは、主図柄は、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付された図柄によって構成されている。
また、図柄表示装置80の上側表示領域Dmには、図8に示されるように、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が設定され、各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄とが所定の順序で巡回的に配列されて構成されている。具体的には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順(図柄の変動方向に対して降順)に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に配列されると共に各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、それぞれ18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、上側表示領域Dmは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。なお、本パチンコ機10では、上側表示領域Dmに、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
そして、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞を契機として上側表示領域Dmにおいて遊技回(変動表示回)用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。その後、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄が静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応する遊技回であれば、有効ラインのいずれかに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、開閉実行モードへの移行(当たり結果の発生)として当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記で説明したように、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58へのいずれかの入賞を契機として図柄表示装置80(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置80における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数等は適宜変更可能である。さらに、図柄表示装置80にて変動表示される絵柄は図9に示すものに限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
下側表示領域Dnは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられている。この下側表示領域Dnは、正面視左側に第1保留図柄表示エリアDsを有し、正面視右側に第2保留図柄表示エリアDtを有し、第1保留図柄表示エリアDsと第2保留図柄表示エリアDtとの間に実行保留図柄表示エリアDuを有している。第1保留図柄表示エリアDsは、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする保留数(第1抽選遊技の保留数)を表示するエリアであり、本パチンコ機10では第1始動口56または第1特別始動口57への入賞が合計で最大4回まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1~第4表示エリアDs1~Ds4に等区分されている。第2保留図柄表示エリアDtは、第2特別始動口58への入賞を契機とする保留数(第2抽選遊技の保留数)を表示するエリアであり、本パチンコ機10では、第2特別始動口58への入賞が最大4回まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1~第4表示エリアDt1~Dt4に等区分されている。実行保留図柄表示エリアDuは、図柄表示装置80に変動表示されている遊技回に対応する保留図柄を表示するエリアである。
そして、上側表示領域Dmにおいて、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第1抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第1保留図柄表示エリアDsにおいて、保留図柄が表示されていない第1~第4表示エリアDs1~Ds4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄が表示される。同様に、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に第2特別始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第2抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第2保留図柄表示エリアDtにおいて、保留図柄が表示されていない第1~第4表示エリアDt1~Dt4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第2抽選遊技の保留図柄が表示される。
次に遊技機本体12の背面側の構成について図3および図10を参照しつつ説明する。
図10は、パチンコ機10の背面図である。
図3に示されるように、内枠13(具体的には遊技盤43)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載されている。
これら各制御装置91~93は、各制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、それぞれ略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備え、これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(または、結合手段)としてのボックス結合部によって分離不能に連結されることにより封印されている。そして、基板ボックスは、これらボックス結合部によって分離不能に連結されていることにより、基板ボックスの内部空間の開放に際しては当該基板ボックスの破壊または一部の切除を要する構成となっている。なお、ボックス結合部は、例えば、基板ボックスの長辺部に複数設けられ、そのうちの少なくとも1つが用いられて結合処理が行われる構成となっている。
ボックス結合部は、ボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に、かつ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部のうち、少なくとも1つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した制御基板の不具合発生の際や制御基板の検査の際等に基板ボックスを開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部と他のボックス結合部との連結部分や、ボックス結合部とボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックスのボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の制御基板を取り出すことができる。なお、その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部の長孔に係止爪を挿入すればよい。基板ボックスの開放を行った旨の履歴を当該基板ボックスに残しておけば、基板ボックスを見ることで不正な開放が行われたか否かを容易に発見できる。
また、基板ボックスの一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、各制御装置91~93の取付台に形成された複数の被結合片と1対1で対応するように設けられており、結合片と被結合片とにより基板ボックスと取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックスの不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
そして、図3および図10に示されるように、主制御装置91、表示制御装置93、音声ランプ制御装置92を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する裏パック94を備えており、当該裏パック94に対して払出機構部95および制御装置集合ユニット96が取り付けられている。
払出機構部95は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク97と、タンク97の下方に連結されて下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール98と、タンクレール98の最下流部に設けられ、払出モータ99a(図11参照)の所定の電気的構成により球の払い出しを行う払出装置99とを備えている。そして、払出装置99より払い出された遊技球は、当該払出装置99の下流側に設けられている図示しない払出通路を通じて、上皿25または下皿30に排出される。なお、タンクレール98には当該タンクレール98に振動を付加するための図示しないバイブレータが取り付けられている。また、払出機構部95には、例えば、交流24ボルトの主電源が供給されると共に、電源のON操作およびOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット96は、図3に示されるように、払出装置99を制御する機能を有する払出制御装置100と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されると共に、遊技者による操作ハンドル31の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源および発射制御装置101とを備えている。これら払出制御装置100と電源および発射制御装置101とは、払出制御装置100がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置100には、図10に示されるように、状態復帰スイッチ102が設けられ、電源および発射制御装置101には可変抵抗器の操作つまみ(図示略)およびRAM消去スイッチ103が設けられている。状態復帰スイッチ102は、例えば、払出モータ99a(図11参照)の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみは、発射ソレノイド47の発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ103は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
なお、払出制御装置100、電源および発射制御装置101は、上記各制御装置と同様に、制御基板等が基板ボックスに収容されて構成されており、上記と同様の不正抑止手段が設けられている。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
さらに、裏パック94には、図3に示されるように、裏パックユニット15の回動軸側であって上側の隅角部分に外部出力端子板104が設けられている。外部出力端子板104には、タンク97等で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、および開閉実行モード等の状態移行に際して(または、状態に移行している間)信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対してパチンコ機10の状態に関する信号が出力される。
なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。また、各制御装置(各制御基板)には、具体的には後述するが、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロックパルス発生回路等が必要に応じて搭載されている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11~図13は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図11では主に全体構成を示し、図12では主に主制御装置91の構成を示し、図13では主に音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の構成を示している。なお、図11では、電源および発射制御装置101から主制御装置91と払出制御装置100への動作電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の供給ラインや信号ラインを実線矢印で示している。
図11および図12に示されるように、主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111を備えている。主制御基板111には、MPU112が搭載され、MPU112にはROM113およびRAM114が内蔵されている。なお、以下では、主制御装置91のMPU112、ROM113、RAM114を主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114として説明する。
主側ROM113は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この主側ROM113は、主側MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、図12に示されるように、特別図柄当否テーブル記憶エリア113a、振分テーブル記憶エリア113b、リーチ用テーブル記憶エリア113c、変動表示時間テーブル記憶エリア113d、停止結果テーブル記憶エリア113e、時短モード回数記憶エリア113f、普通図柄当否テーブル記憶エリア113g、特図特電アドレステーブル記憶エリア113h、普図普電アドレステーブル記憶エリア113i、更新用データテーブル記憶エリア113j、コマンド情報記憶エリア113kを有している。
主側RAM114は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この主側RAM114は、主側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。主側RAM114は、例えば、抽選カウンタ用バッファ114a、特別図柄保留球格納エリア114b、普通図柄保留球格納エリア114c、特図特電カウンタエリア114d、特図特電タイマカウンタエリア114e、高確率モードフラグ格納エリア114f、時短モードフラグ格納エリア114g、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、合計時短モード回数カウンタエリア114j、普図普電カウンタエリア114k、普図普電タイマカウンタエリア114m、各種当たり結果フラグ格納エリア114n、その他各種カウンタエリア114p、その他各種フラグ格納エリア114qを有している。
また、主制御基板111、または主側MPU112には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。なお、主側MPU112は、主側ROM113および主側RAM114を内蔵した1チップ化構成とされていることは必須の構成ではなく、主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114がそれぞれ個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置についても同様である。
主側MPU112には、図示しない入力ポートおよび出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入力ポートおよび出力ポートの代わりに入出力ポートを備え、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置のMPUについても同様である。そして、主側MPU112の入力側および出力側には、各種制御装置92、100が接続されていると共に、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a、115、各種駆動部59c、60d、メイン表示部76が接続されている。まず、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a、115、各種駆動部59c、60d、およびメイン表示部76との接続構成について説明する。なお、検知センサ115は、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等である。
主側MPU112の入力側には、遊技領域の一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61に対して設けられた入賞用の検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a(以下、これらをまとめて入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aともいう)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板111と各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。主側MPU112では、主制御基板111に搭載された入賞用IC116を通じて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。また、主側MPU112では、第1始動口56への入賞または第1特別始動口57への入賞を契機とする第1抽選遊技、および第2特別始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技を実行すると共に、普通図柄始動ゲート61への入球(通過)に基づいて開閉板開放抽選(サポート抽選)を実行する。
入賞用IC116は、経路異常の確認手段、または経路異常の確認回路であり、当該入賞用IC116により各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aと主側MPU112との間で正常な信号の伝送が行われているか否かを確認する。
また、主側MPU112の入力側には、上記各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a以外にも磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115が電気配線を介して電気的に接続されている。主側MPU112では、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115からの信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無を判定する。
主側MPU112の出力側には、可変普通入賞装置59の開閉板59bを開閉動作させる可変普通入賞装置駆動部59c、および可変大入賞装置60の開閉板60bを開閉動作させる可変大入賞装置駆動部60dが電気配線を介して電気的に接続されている。また、主側MPU112の出力側には、メイン表示部76が電気配線を介して電気的に接続されている。そして、主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じて主側MPU112は可変普通入賞装置駆動部59cおよび可変大入賞装置駆動部60dの駆動制御を実行すると共にメイン表示部76の表示制御を実行する。
例えば、開閉実行モードにおいては大入賞口60aが開閉されるように、主側MPU112において可変大入賞装置駆動部60dの駆動制御が実行される。また、普通図柄の当たり抽選に当選となった場合(主条件が成立した場合)には、開閉板59bが開閉されるように主側MPU112において可変普通入賞装置駆動部59cの駆動制御が実行される。さらに、各遊技回に際しては、主側MPU112においてメイン表示部76(第1、第2結果表示部76a、76b)の表示制御が実行される。そして、開閉板59bを開放状態とするか否かの抽選結果を示す場合には、主側MPU112においてメイン表示部76(その他表示部76d)の表示制御が実行される。
なお、主側MPU112は、主側RAM114に対して遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、図11では省略しているが、主側MPU112の出力側には外部出力端子板104(図3参照)が接続されており、主側MPU112は主側RAM114に設定した情報に応じて信号出力用の設定を外部出力端子板104に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させる。
次に、主制御装置91と払出制御装置100との接続(通信)における構成について説明する。まず、これらの接続(通信)における構成を説明する前に、払出制御装置100の電気的な構成を説明する。
払出制御装置100は、払出装置99を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板121を備え、払出制御基板121にはMPU122が搭載されており、MPU122にはROM123およびRAM124が内蔵されている。なお、以下では、払出制御装置100に設けられたMPU122、ROM123およびRAM124を払出側MPU122、払出側ROM123および払出側RAM124とする。
払出側ROM123は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この払出側ROM123は、払出側MPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM124は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM123よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この払出側RAM124は、払出側ROM123内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出制御基板121または払出側MPU122には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
払出側MPU122は払出装置99と電気的に接続されている。当該払出装置99には、タンク97から払出装置99に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体等の球止め部材を駆動する払出モータ99aが設けられていると共に、下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ99bが設けられている。そして、払出側MPU122の出力側には払出モータ99aが電気配線を介して電気的に接続されていると共に、払出側MPU122の入力側には払出検知センサ99bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU122では、払出制御基板121に設けられたドライバ回路を介して払出モータ99aに駆動信号を供給することで遊技球の払い出しを実行させると共に、払出検知センサ99bの検知結果に基づいて払いし出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU122は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板131と電気配線を介して電気的に接続されていると共に、当該球貸用接続端子板131が電気配線を介してカードユニットと電気的に接続されている。これにより、遊技者がパチンコ機10に設けられた球貸ボタン28を適宜手動操作することによって遊技球の貸し出しを受けることができる。払出側MPU122は、カードユニットとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
さらに、払出側MPU122には上記払出装置99やカードユニット以外にも、球受け皿としての下皿30において遊技球が満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ(図示略)が電気的に接続されていると共に、タンク97が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサ(図示略)等が電気的に接続されている。
そして、払出側MPU122は、主側MPU112との間での通信に基づいて遊技球の払い出しを制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板111と払出制御装置100との間には複数の信号経路が存在している。
信号経路について詳細には、主側MPU112では入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、68a、69aの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU122に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報および賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。
なお、賞球コマンドは複数種類存在しており、主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113kが参照される。そして、一般入賞口55への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変大入賞装置60への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、または可変普通入賞装置59への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
ここで、本実施形態では、当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1信号経路SL1は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
また、払出側MPU122から主側MPU112に向けて情報を送信するための信号経路として、第2信号経路SL2と、第3信号経路SL3とが設けられている。第2信号経路SL2は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出状況コマンド(払出状況情報)を送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したことおよびその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドとが含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報および払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、例えば下皿30の満杯状態やタンク97の球無し状態が含まれる。
当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2信号経路SL2は第1信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第2信号経路SL2は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第3信号経路SL3は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出許可信号を送信するために利用される。払出許可信号は、主側MPU112において賞球コマンドの出力タイミングを把握させるために、払出側MPU122から主側MPU112に送信される情報である。
払出許可信号は1ビットの情報からなり、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの信号が送信される。但し、当該構成に限定されることはなく、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではHIレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではLOWレベルの信号が出力される構成としてもよい。
なお、第3信号経路SL3は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
このように、主側MPU112と払出側MPU122との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板111と払出制御基板121とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、いわゆるぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線等に隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払い出しを受けようとして行われるものであり、主制御基板111と払出制御基板121との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU112と払出側MPU122との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンド通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れ難くなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
次に、主制御装置91および払出制御装置100と、電源および発射制御装置101との電気的な接続における構成を説明する。
電源および発射制御装置101は電源および発射制御基板141を備えており、当該電源および発射制御基板141には、主制御装置91および払出制御装置100を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路142が設けられている。そして、電源回路142には、電入時用電源部143と、電断時用電源部144とが設けられている。
電入時用電源部143は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置91や払出制御装置100等の各々に必要な動作電圧を生成すると共に、その生成した動作電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部143は、裏パックユニット15に設けられた接続基板を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧等を生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。なお、上記接続基板にはパチンコ機10の電源をON・OFF操作するための電源スイッチが設けられている。
また、主制御装置91には、電入時用電源部143と主側MPU112との電力供給経路の途中位置に停電監視基板117が設けられている。停電監視基板117は、電入時用電源部143から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判定し、主側MPU112に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判定している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。
なお、これらLOWおよびHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部144はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部143から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部144から放電されることによって主側RAM114に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、このような状況であっても、電断時用電源部144から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM114に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
なお、電断時用電源部144の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM114に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
また、電断時用電源部144の構成はコンデンサに限定されるものではなく、バッテリや非充電式電池等であってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部144への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源および発射制御基板141には、上記電断時用電源部144とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源および発射制御基板141では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主側MPU112は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、電源回路142から主側MPU112および払出側MPU122への動作電力の供給に係る構成について説明する。
電入時用電源部143からの電力は、主側MPU112のVCC端子および払出側MPU122のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU112、122にて各種制御処理が実行されると共に、各RAM114、124にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部144からの電力は、主側MPU112のVBB端子に供給されているが、払出側MPU122のVBB端子(図示略)に供給されていない。つまり、電断時用電源部144からの記憶保持用電力は、主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124には供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主側RAM114では情報の記憶保持が行われるが、払出側RAM124では情報の記憶保持が行われない。なお、払出側MPU122のVBB端子はアースされているまたはいずれの電気配線とも接続されていない。
上記のように電断時用電源部144からの記憶保持用電力が主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124に供給されない構成とすることにより、電断時用電源部144の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源および発射制御基板141には、電源回路142以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路145が設けられている。発射制御回路145には、条件成立の送信回路146と、発射許可の受信回路147と、発射用IC148と、が設けられている。
条件成立の送信回路146は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU112に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路145は、操作ハンドル31の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ31aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される打ち止めスイッチ31bと、が電気的に接続されている。また、発射制御回路145は、払出制御基板121と電気的に接続されており、カードユニットが球貸用接続端子板131に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路146は、タッチセンサ31aからハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号を受信すると共に、打ち止めスイッチ31bから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU122からカードユニットが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU112に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。また、このような構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路147は、条件成立の送信回路146から主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU112から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信すると共に、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC148に継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU112は、条件成立の送信回路146からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU112は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始すると共にHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC148は、発射許可の受信回路147からHIレベルの発射許可信号またはそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構44の発射ソレノイド47および球送り装置46のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。
この場合、発射用IC148は、パルス信号として各駆動信号を出力すると共に、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール45に1個の遊技球が供給された後に当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置46の方が発射ソレノイド47よりも早く設定されている。
また、操作ハンドル31には、上記のように操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられており、発射用IC148では、当該可変抵抗器から入力される電圧に基づいて発射ソレノイド47に供給する駆動信号の電圧を調整することによって発射強度を調整する。このため、操作ハンドル31の操作量が多いほど発射ソレノイド47による遊技球の発射強度が強くなる。なお、当該調整機能が発射用IC148に設けられていることは必須ではなく、発射用IC148と発射ソレノイド47との信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
次に、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93との電気的な接続における構成について図13を参照しつつ説明する。
音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え、当該音声ランプ制御基板151にはMPU152が搭載されており、MPU152にはROM153およびRAM154が内蔵されている。なお、以下では、音声ランプ制御装置92に設けられたMPU152、ROM153およびRAM154を音声側MPU152、音声側ROM153および音声側RAM154として説明する。
音声側ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この音声側ROM153は、音声側MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、各種データテーブル記憶エリア153a、コマンド情報記憶エリア153b等を有している。
各種データテーブル記憶エリア153aは、発光データ、および音声データ等が記憶されているエリアである。コマンド情報記憶エリア153bは、音声側MPU152から出力される各種コマンドを生成する際に参照されるコマンド情報が記憶されているエリアである。
音声側RAM154は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に音声側ROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この音声側RAM154は、音声側ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。音声側RAM154は、例えば、コマンド格納エリア154a、保持データエリア154b、遊技モードフラグ格納エリア154c、各種カウンタエリア154d等を有している。
コマンド格納エリア154aは、主側MPU112から受信したコマンドを格納するためのエリアである。保持データエリア154bは、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。遊技モードフラグ格納エリア154cは、滞在しているモードに応じたフラグが格納されるエリアである。各種カウンタエリア154dは、遊技回数カウンタ等が格納されているエリアである。
そして、音声側MPU152では、主制御装置91から受信した各種コマンド(後述する変動用コマンド、種別コマンド、確定停止コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、および保留コマンド等)に基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定する。そして、その決定した内容に対応した動作が行われるように、ランプ制御装置155を制御して電飾部33の発光制御を行うと共に、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行う。
音声側MPU152の入力側には、第1枠ボタン26の操作を検知する第1枠ボタン検知センサ26aおよび第2枠ボタン27の操作を検知する第2枠ボタン検知センサ27aが電気的に接続されている。そして、音声側MPU152では第1、第2枠ボタン26、27の操作有無の監視を行い、当該第1、第2枠ボタン26、27が操作された場合にはその操作に対応した処理を実行する。
さらに、音声側MPU152では、主制御装置91から受信したコマンドに基づき、報知を行う必要があるか否かを特定し、ランプ制御装置155の発光制御および音声出力装置156の音声制御を行うことで報知を行う。
なお、主側MPU112から出力される各種コマンドについては具体的に後述するが、これら各種コマンドは主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113kを参照して出力される。また、各種コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。そして、主側MPU112から音声側MPU152へのコマンドの送信は、基本的にはシリアルで行われるが、パラレルで行われる構成としてもよい。
また、音声側MPU152は、表示制御装置93と電気的に接続されており、主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンドを表示制御装置93に送信する。なお、音声側MPU152から出力される各種コマンドは、音声側ROM153のコマンド情報記憶エリア153bが参照される。また、本実施形態の表示制御装置93は、音声ランプ制御装置92を介することなく主制御装置91からコマンド受信を行う構成とはなっておらず、主制御装置91との関係では音声ランプ制御装置92よりも通信方向の下流側に存在していると言える。
表示制御装置93は、表示制御基板161を備え、当該表示制御基板161にはMPU162が搭載されており、MPU162にはプログラムROM163およびワークRAM164が内蔵されている。また、表示制御基板161には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)165、キャラクタROM166およびビデオRAM167が内蔵されている。なお、以下では、表示制御装置93のMPU162を表示側MPU162として説明する。
プログラムROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、このプログラムROM163は、表示側MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、VDP165へのコマンドを送信する際で参照されるコマンド情報記憶エリア163a、各演出(表示)に対応した画像を表示させるのに必要な処理が定められたデータテーブル記憶エリア163bを有している。
ワークRAM164は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合にプログラムROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、このワークRAM164は、プログラムROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータやフラグ等を一時的に記憶する。ワークRAM164は、例えば、コマンド格納エリア164aを有している。
そして、表示側MPU162は、音声ランプ制御装置92から受信した各種コマンドを解析し、または受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP165の制御(具体的にはVDP165に対する内部コマンドの生成)を実施する。
VDP165は、図柄表示装置80に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP165はICチップ化されているために「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP165は、表示側MPU162、ビデオRAM167等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、画像データをキャラクタROM166から所定のタイミングで読み出してビデオRAM167に記憶させることで当該画像データに応じた画像を図柄表示装置80に表示させる。
キャラクタROM166は、図柄表示装置80に表示される図柄等のキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM166には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。また、キャラクタROM166には、上記データの一部として、図柄表示装置80の第1保留図柄表示エリアDs、第2保留図柄表示エリアDt、および実行保留図柄表示エリアDuに表示されるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア166aが設定されている。
なお、キャラクタROM166を複数設け、各キャラクタROM166に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM163に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM166に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM167は、図柄表示装置80に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM167の内容を書き替えることに基づいて図柄表示装置80の表示内容が変更される。
また、ビデオRAM167は、保留図柄表示用エリア167aを有している。そして、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第1保留図柄表示エリアDsの第1~第4表示エリアDs1~Ds4と1対1で対応するように、第1~第4単位エリアRE1~RE4が設定されている。また、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第2保留図柄表示エリアDtの第1~第4表示エリアDt1~Dt4と1対1で対応するように、第1~第4単位エリアRF1~RF4が設定されている。さらに、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における実行保留図柄表示エリアDuと1対1で対応するように、実行単位エリアRGが設定されている。そして、各保留図柄表示エリアDs1~Ds4、Dt1~Dt4、Duには、保留図柄表示用エリア167aにおける各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGに書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGにデータが設定されていない場合(ブランクを意味するデータが設定されている場合)には、当該単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGと対応する各表示エリアDs1~Ds4、Dt1~Dt4、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
ここで、本パチンコ機10では、音声側MPU152と表示側MPU162との間でコマンドが双方向通信でやり取りされるように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第1信号線群170を用いて電気的に接続されており、当該第1信号線群170を利用して音声側MPU152から表示側MPU162に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われ、第1信号線群170には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線171と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線172と、一のコマンドの送信開始、および送信終了のうちの少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線173とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第2信号線群180を用いて電気的に接続されており、当該第2信号線群180を利用して表示側MPU162から音声側MPU152に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第2信号線群180には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線181と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線182と、一のコマンドの送信開始および送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線182とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
第1信号線群170および第2信号線群180は、一の接続ユニットとして設けられている。当該接続ユニットは、上記第1信号線群170および上記第2信号線群180の一端が集約されるコネクタと、他端が集約されるコネクタとを備えており、一方のコネクタが音声ランプ制御装置92のコネクタに対して着脱自在に装着され、他方のコネクタが表示制御装置93のコネクタに対して着脱自在に装着される。
なお、音声側MPU152と表示側MPU162との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、第1信号線群170と第2信号線群180とが別々の接続ユニットとして設けられている構成としてもよい。
<主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図14を用いて説明する。図14は、当たり抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための図である。
主側MPU112は、遊技に際し、各種カウンタ情報を用いて、開閉実行モード(特典遊技モード)に移行するか否かの抽選(以下では、単に当たり抽選ともいう)、メイン表示部76の表示の設定、図柄表示装置80の図柄表示の設定等を行う。具体的には、図14に示されるように、当たり抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり抽選に当選した際に開閉実行モードの種別(当たり種別)を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置80が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI1と、メイン表示部76および図柄表示装置80における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、開閉板59bを開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物(開閉板)開放乱数カウンタC4と、電動役物開放乱数カウンタC4の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI2とを用いている。各カウンタの一部は、後述するタイマ割込み処理(図19参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、残りのカウンタは後述するメイン処理(図18参照)の中で不定期に更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納され、遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。なお、上記各カウンタC1~C3、CINI1、CS、CINI2、C4は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられている。
ここで、特別図柄保留球格納エリア114bおよび普通図柄保留球格納エリア114cの構成について説明する。
特別図柄保留球格納エリア114bは、第1~第8保留エリアRA1~RA8の8個の保留エリアと、1つの実行エリアRA9とを有している。図15は、第1保留エリアRA1の構成を示す図である。なお、第2~第8保留エリアRA2~RA8および実行エリアRA9の構成についても図15と同様である。
第1~第8保留エリアRA1~RA8および実行エリアRA9は、図15に示されるように、当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203、および入賞始動口格納エリア204を有している。
そして、第1~第8保留エリアRA1~RA8には、第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、第1始動口56および第1特別始動口57、または第2特別始動口58のどちらに対する入賞であるかの情報が入賞始動口格納エリア204に格納される。なお、本実施形態では、入賞始動口格納エリア204に第1始動口への入賞情報が格納される場合、第1始動口56と第1特別始動口57とを区別する情報は格納されない。そして、第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58に対して遊技球の入賞が交互に連続して発生した場合には、第1保留エリアRA1→第2保留エリアRA2→第3保留エリアRA3→第4保留エリアRA4→第5保留エリアRA5→第6保留エリアRA6→第7保留エリアRA7→第8保留エリアRA8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように、8個の保留エリアが設けられていることにより、第1始動口56、第1特別始動口57および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴が全体として最大8個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。
なお、第1始動口56および第1特別始動口57への遊技球の入賞履歴は、合計で最大4個まで記憶される。また、第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴は、最大4個まで記憶される。つまり、入賞履歴がそれぞれ最大4個まで記憶されることにより、全体として最大8個まで記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施形態では、遊技球3個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。本実施形態では、保留記憶可能な数を8個として説明するが、保留記憶可能な数は8個に限定されることはなく任意であり、6個、7個または9個以上といったように他の複数であってもよい。
また、第1始動口56および第1特別始動口57の合計の保留記憶可能な数と、第2特別始動口58の保留記憶可能な数とは異なっていてもよい。
実行エリアRA9は、メイン表示部76(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)の変動表示を開始する際に、第1保留エリアRA1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアR9に記憶されている各種数値情報に基づいて当否判定等が行われる。
また、特別図柄保留球格納エリア114bには、第1抽選遊技の保留数(第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶する第1特別図柄保留数記憶エリアNA、第2抽選遊技の保留数(第2特別始動口58への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶する第2特別図柄保留数記憶エリアNB、保留されている変動表示の総数を記憶する総保留数記憶エリアNXが設けられている。
第1特別図柄保留数記憶エリアNAは、第1始動口56または第1特別始動口57へ遊技球が入賞して保留された個数を記憶するためのエリアであり、第2特別図柄保留数記憶エリアNBは第2特別始動口58へ遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶エリアである。総保留数記憶エリアNXは、第1特別図柄保留数記憶エリアNAと第2特別図柄保留数記憶エリアNBとの和の数(総保留数)を記憶するための記憶エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞(通過)履歴にあわせて、電動役物開放乱数カウンタC4の値(抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている値)を時系列的に格納するための保留エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、図14に示されるように、第1~第4保留エリアRB1~RB4の4つの記憶エリア、実行エリアRB5および保留数記憶エリアNCにより構成されている。そして、第1~第4保留エリアRB1~RB4の4つの記憶エリアにより、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。
具体的には、普通図柄始動ゲート61への入賞が連続して発生した場合、第1保留エリアRB1→第2保留エリアRB2→第3保留エリアRB3→第4保留エリアRB4の順に電動役物開放乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶されるようになっている。
実行エリアRB5は、第1保留エリアRB1に格納された数値を移動させるためのエリアである。そして、開閉板59bの開放抽選を行う際には、実行エリアRB5に記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定等が行われる。
なお、普通図柄保留球格納エリア114cにおいても、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
カウンタの説明に戻り、各種カウンタについて具体的に説明する。
当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり抽選に当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに特別図柄当否テーブル(付与情報における当否情報群)として記憶されている。ここで、特別図柄当否テーブル記憶エリア113aの内容について図16を参照しつつ説明する。図16は、本実施形態における特別図柄当否テーブルを説明するための説明図であり、(a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示し、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示している。
図16に示されるように、特別図柄当否テーブルとしては、図16(a)の低確率モード用の特別図柄当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図16(b)の高確率モード用の特別図柄当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本実施形態では、当たり抽選における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
本実施形態では、当たり抽選に際して低確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(a)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は6個とされている。つまり、低確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、1/100で当たり抽選に当選する確率とされている。一方、当たり抽選に際して高確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(b)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は7個とされている。つまり、高確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、約1/86で当たり抽選に当選する確率とされている。また、本実施形態では、低確率モードである状況において、当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群(7、67、241、307、423、557)は、高確率モードである状況において当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数および値は任意である。
当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに振分テーブル(付与情報における振分情報群)として記憶されている。図17は、振分テーブルを説明するための図である。なお、本実施形態では、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞のいずれに関わらず、図17の振分テーブルが参照される。
本実施形態の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~7」が15通常当たり結果Aとされ、「8~15」が15R通常当たり結果Bとされ、「16~23」が15R通常当たり結果Cとされ、「24~27」が15R通常当たり結果Dとされ、「28、29」が15R確変当たり結果とされている。
本実施形態における確変当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが高確率モードになると共にサポートモードが高頻度サポートモードになる当たり結果のことである。
また、通常当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが低確率モードになる(維持される)と共にサポートモードが高頻度サポートモードとなる当たり結果のことである。但し、通常当たり結果における高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数(抽選遊技が実行される回数)が終了回数に達した場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。なお、本実施形態では、当たり抽選のモードが低確率モードであると共にサポートモードが高頻度サポートモードである状態のことを時短モード(制限付高頻度サポートモード)ともいう。
ここで、「高確率モード」とは、当たり終了後に付加価値としてその後の当たり抽選に当選する確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、開閉実行モード(特典遊技)へ移行し易い遊技の状態のことである。「低確率モード」とは、高確率モードでない場合(確変中でない時)をいい、当たり抽選に当選する確率が通常の状態、即ち、確変の時より当たり抽選に当選する確率が低い状態のことである。
また、「高頻度サポートモード」とは、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が高くなる状態のことである。「低頻度サポートモード」とは、高頻度サポートモードでない場合をいい、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が低い状態のことである。すなわち、本実施形態では、サポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度ガイドモード)と低頻度サポートモード(低頻度ガイドモード)とが設定されている。
本実施形態では、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放乱数カウンタC4を用いた開閉板開放抽選における開閉板開放状態当選となる確率が異なっており、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも開閉板開放状態当選となる確率が高くなっている。また、開閉板開放状態当選となった際には、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、開閉板開放状態当選となった際に開閉板59bが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて開閉板開放状態となり、開閉板59bの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。
このため、高頻度サポートモードでは、開閉板59bが開放状態となることで普通入賞口59aに遊技球が入賞し易くなる。そして、遊技球が左側排出通路68から排出された場合には、第1非電役物66が開放状態となり、遊技球が第1特別始動口57に入賞し易くなる。同様に、遊技球が右側排出通路69から排出された場合には、第2非電役物67が開放状態となり、遊技球が第2特別始動口58に入賞し易くなる。したがって、高頻度サポートモード中では、遊技者は、遊技球を右打ちした方が持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができ、有利となる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに開閉板開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば開閉板開放抽選における開閉板開放状態当選となる確率を等しくし、1回の開放回数や開放時間を適宜設定するようにしてもよく、適宜変更可能である。
振分テーブル(図16)の説明に戻り、本実施形態では、15R通常当たり結果A~Dである場合、高頻度サポートモードが終了する終了条件A~Cがそれぞれ設定されている。本実施形態では、終了条件Aは、第1抽選遊技が実行される回数(第1回数)で規定され、終了条件Bは、第2抽選遊技が実行される回数(第2回数)で規定され、終了条件Cは、第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和(合計回数)で規定されている。
具体的には、当たり種別カウンタC2が「0~7」で15R通常当たり結果Aの場合、終了条件Aとして50回が設定され、終了条件Bとして50回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Aの場合、高頻度サポートモードの回数は、50~100回の間のいずれかとなる。すなわち、時短モード中に当たり抽選に当選する確率(いわゆる連続当たり確率)を継続率とすると、低確率モード中に当たり抽選に当選する確率は1/100とされているため、継続率は、約39.5%~63.4%の間となる。
当たり種別カウンタC2が「8~15」で15R通常当たり結果Bの場合、終了条件Aとして20回が設定され、終了条件Bとして100回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Bの場合、高頻度サポートモードの回数は20~100回の間のいずれかとなり、継続率は約18.2%~63.4%となる。
当たり種別カウンタC2が「16~23」で15R通常当たり結果Cの場合、終了条件Aとして100回が設定され、終了条件Bとして20回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Cの場合、高頻度サポートモードの回数は20~100回の間のいずれかとなり、継続率は約18.2%~63.4%となる。
当たり種別カウンタC2が「24~27」で15R通常当たり結果Dの場合、終了条件Aとして100回が設定され、終了条件Bとして100回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Dの場合、高頻度サポートモードの回数は100回で固定であり、継続率は約63.4%となる。
なお、以下では、開閉実行モードが15R通常当たり結果Aを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードAともいう。同様に、開閉実行モードが15R通常当たり結果Bを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードBともいう。開閉実行モードが15R通常当たり結果Cを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードCともいう。開閉実行モードが15R通常当たり結果Dを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードDともいう。また、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、および15R通常当たり結果Dの終了条件の回数は、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fにそれぞれ記憶されている。
開閉実行モードにおける可変大入賞装置60の制御では、予め定められた回数を上限とするラウンド遊技が実行される。なお、ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、または予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口60aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。例えば、開放継続時間は30secに設定され、上限個数は10個に設定される。
本実施形態では、操作ハンドル31が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構44が駆動制御される。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技における遊技球の入賞上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。したがって、各ラウンド遊技では、大入賞口60aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
ここで、上記図17で説明した各種当たり結果について説明すると、「15R確変当たり結果および15R通常当たり結果」とは、大入賞口60aが15回開放される遊技結果である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。そして、主側ROM113のリーチ用テーブル記憶エリア113cに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定するのに用いられる。但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当たり抽選に当選した遊技回)においては、主側MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、本実施形態では各遊技状態において同一とされているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置80における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置80を備え、可変大入賞装置60の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置80における図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態のことである。
具体的には、リーチ表示とは、図柄表示装置80の表示画面80aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、当たりが発生する(開閉実行モードへ移行する)のに対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性がある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置80の表示画面80a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図8を参照して具体的に説明すると、本パチンコ機10では、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、有効ラインL1~L5のいずれかに同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2(最終停止図柄列)において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うと共に、その背景画面において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させるまたは非表示とした上で、表示画面80aの略全体において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部76(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)における変動表示時間(表示継続時間)と、図柄表示装置80における図柄の変動表示時間(表示継続時間)とを主側MPU112において決定するのに用いられる。変動種別カウンタCSは、定期的に更新され、メイン表示部76における変動表示の開始時および図柄表示装置80による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して値が取得される。そして、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM113における変動表示情報郡記憶手段としての変動表示時間テーブル記憶エリア113dに予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、電動役物開放乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI2の値が当該電動役物開放乱数カウンタC4の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI2は、電動役物開放乱数カウンタC4と同様のループカウンタである(値=0~250)。電動役物開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過したタイミングで主側RAM114の普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。
普通図柄の当たり当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての普通図柄当否テーブル記憶エリア113gに普通図柄当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、普通図柄の当選となる乱数の値の数は、低確率モードでは24とされ、その範囲は「5~28」とされている。また、高確率モードでは、200とされ、その範囲は「5~204」となっている。すなわち、低確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5~28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、メイン表示部76におけるその他表示部76dに所定の点灯状態が示されると共に、開閉板59bが開放される。
<主制御基板111のMPU112にて実行される各種処理について>
次に、図18を参照して主制御装置91に電源が投入された後に主側MPU112により実行されるメイン処理について説明する。図18は、メイン処理を示すフローチャートであり、電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入ウェイト処理を実行する(S101)。当該電源投入ウェイト処理では、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置92、表示制御装置93、払出制御装置100等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つため、ウェイト処理(例えば、1sec)を実行し、次の処理に進行することなく待機する。そして、電源投入ウェイト処理の期間が経過した後、主側RAM114のアクセスを許可すると共に(S102)、主側MPU112の内部機能レジスタの設定を行う(S103)。
その後、電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103が手動操作されているか否かを判定し(S104)、RAM消去スイッチ103が手動操作されていないと判定した場合(S104:NO)、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(S105)。そして、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には(S105:YES)、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが正常であるか否かを判定する(S107)。
そして、チェックサムが正常であると判定した場合には(S107:YES)、電源投入設定処理を実行する(S109)。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM114の所定のエリアを初期値に設定すると共に、現状の遊技状態(電源断が正常なものである場合には電源断の前の状態)を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。また、払出側RAM124の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU122に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
一方、RAM消去スイッチ103がオンされていると判定した場合(S104:YES)、停電フラグに「1」がセットされていないと判定した場合(S105:NO)、またはチェックサムが正常でないと判定した場合(S107:NO)には、主側RAM114の初期化として当該主側RAM114をクリアした後(S108)、上記ステップ109の電源投入設定処理を行う。
すなわち、本パチンコ機10では、例えば、遊技ホールの営業開始時等、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ103を押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ103が押されていれば、上記S108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様に上記ステップ108の処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ103が押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、およびチェックサムが正常であることを条件に、ステップ108の処理を実行することなくステップ109を実行する。つまり、電源の遮断が正常であり、チェックサムが正常であれば、電源断の遊技状態に復帰させるためのコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。
その後、以下の残余処理に進む。つまり、主側MPU112は、後述するタイマ割込み処理(図19)を定期的に実行する構成であるが、あるタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、この不規則な時間を利用して以下の残余処理を繰り返し実行する。つまり、以下の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まず、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(S110)。続いて、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新を行う乱数初期値更新処理を実行すると共に(S111)、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する(S112)。これらの更新処理では、主側RAM114の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う(S113)。そして、ステップ113の処理を実行したら、ステップ110に戻り、タイマ割込み処理が終了した後、ステップ110~ステップ113の処理を実行する。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理および割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理および変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップ110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップ110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、主側MPU112において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際して主側MPU112のレジスタにその時点で格納されているデータの主側RAM114への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際して主側MPU112のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されると共に、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
次に、図19を参照しつつ、主側MPU112が定期的(本実施形態では4msec周期で)に実行するタイマ割込み処理について説明する。図19は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板111には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段として図示しないクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU112との間の信号経路の途中位置に存在するように図示しない分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU112にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU112に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU112では、このパルス信号の立ち上がりまたは立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも1つの条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU112における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
ただし、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU112における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU112の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。以上が主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成である。
主側MPU112は、まず、停電情報記憶処理を実行する(S201)。この停電情報記憶処理では、停電監視基板117から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には所定の停電時処理を実行する。
次に、抽選用乱数更新処理を実行する(S202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際にはそれぞれ「0」にクリアする。
その後、メイン処理(図18)における上記ステップ111と同様に乱数初期値更新処理を実行すると共に(S203)、メイン処理(図18)における上記ステップ112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する(S204)。次に、遊技停止判定処理を実行する(S205)。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
具体的には、遊技機本体12の前面側には、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等の各種センサ(図11中のその他検知センサ115)が設けられている。そして、主側MPU112では、後述する不正検知処理(S212)により、磁石検知センサの検知結果に基づいて遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否かを判定し、電波検知センサの検知結果に基づいて不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否かを判定し、振動検知センサの検知結果に基づいてパチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等を判定する。これらの不正判定のいずれかにて肯定判定をした場合には、パチンコ機10への不正行為に該当する特定事象が発生しているとして、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し(S206)、遊技の進行を停止している状態であると判定した場合には(S206:YES)、報知コマンドの出力用処理を実行する(S207)。報知コマンドの出力用処理では、いずれかの特定事象が発生している場合であってその特定事象の発生に対して未だ報知コマンドを出力していない状況において、報知コマンドを出力対象に設定する。
なお、当該報知コマンドには、その出力の契機となった特定事象の内容が含まれるため、音声ランプ制御装置92が報知コマンドを受信するとその特定事象の内容に対応した報知の実行設定を行う。また、遊技の進行が停止された状態、およびそれに対応した報知は、主側MPU112への動作電力の供給を停止したのみでは電源立ち上げ時に再度開始され、主側MPU112への動作電力の供給を停止した後に電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103を手動操作しながら動作電力の供給を開始することにより、主側RAM114の初期化が実行されることに伴って実行されないようになる。
一方、遊技の進行を停止していない状態であると判定した場合には(S206:NO)、ポート出力処理を実行する(S208)。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力処理を実行する。例えば、大入賞口60aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。また、開閉板59bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変普通入賞装置駆動部59cへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。さらに、後述する非電役物状態把握処理(S218)にて第1非電役物66または第2非電役物67に関するコマンド(非電役物開放コマンド、非電役物閉鎖コマンド)が設定された場合には、当該コマンドを音声ランプ制御装置92に出力する。また、各処理で出力対象に設定されたコマンドを音声ランプ制御装置92や払出制御装置100に出力する。
次に、読み込み処理を実行する(S209)。読み込み処理では、停電信号および入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続いて、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61への入賞を検知する入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aから受信している信号を読み込み、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61への入賞の有無を特定する入賞検知処理を実行する(S210)。
その後、主側RAM114に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報を更新するためのタイマ更新処理を実行する(S211)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新および加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続いて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(S212)。この不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生しているか否かの不正判定を実行して肯定判定をした場合、次回のタイマ割込み処理におけるステップ205にて遊技停止用の設定を行う。これにより、ステップ206にて肯定判定をするようになる。なお、所定の事象とは、ステップ205にて説明したように、遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否か、不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否か、パチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等である。
次に、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(S213)。発射制御処理では、操作ハンドル31に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。そして、ステップ209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aの断線確認や、遊技機本体12、前扉枠14の開放確認等を行う入力状態監視処理を行う(S214)。この場合、当該入力状態監視処理では、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aの断線を確認した場合や、遊技機本体12の開放を確認した場合には上記ステップ207と同様に報知コマンドの出力用処理を実行する。当該報知コマンドの出力用処理では、入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aに断線が発生していることを示す報知コマンドや、遊技機本体12が開放状態であることを示す報知コマンドを送信する。また、入力状態監視処理では、払出制御装置100から受信している信号に基づいて、下皿30が満タン状態となっているか否かといった判定や、払出装置99に異常が発生しているか否かといった判定を行い、これらの判定において肯定判定をした場合にはそれに対応した報知コマンドを出力対象に設定する。
次に、遊技回(変動表示回)の実行制御および開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行すると共に(S215)、開閉板(電動役物)59bの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する(S216)。これらステップ215における特図特電制御処理およびステップ216における普図普電制御処理については、具体的に後述する。
続いて、直前のステップ215およびステップ216の処理結果に基づいて、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞に対する保留情報(第1、第2特別図柄保留数記憶エリアNA、NB)の増減個数、および普通図柄始動ゲート61への入賞に対する保留情報(保留数記憶エリアNC)の増減個数をメイン表示部76(その他表示部76d)に反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う(S217)。また、開閉実行モードへ移行する際には、後述するラウンド用の設定処理に基づいて、ラウンド表示部76cにその開閉実行モードにおける可変大入賞装置60が開放される回数を反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。さらに、開閉実行モードが終了する際には、ラウンド表示部76cの表示を消去(消灯)するための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。
その後、非電役物状態把握処理を実行する(S218)。ここで、非電役物状態把握処理について、図20および図21を参照しつつ説明する。図20および図21は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。
図20に示されるように、非電役物状態把握処理では、まず、左側排出通路68を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S301)。そして、左側排出通路68を遊技球が通過していないと判定すると(S301:NO)、右側排出通路69を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S302)。
なお、ステップ301の判定は左側排出通路検知センサ68aの検知結果に基づいて判定され、ステップ302の判定は右側排出通路検知センサ69aの検知結果に基づいて判定される。また、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球が通過したことが検知されるということは、左側排出通路68には第1非電役物作動機構70が配設されているため、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触(入球)して第1非電役物66が開放状態になり(開放状態に維持され)、第1特別始動口57に2個の遊技球が入賞可能な状態となったことを意味する。同様に、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球が通過したことが検知されるということは、右側排出通路69には第2非電役物作動機構71が配設されているため、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触して(入球)して第2非電役物67が開放状態になり(開放状態に維持され)、第2特別始動口58に2個の遊技球が入賞可能な状態となったことを意味する。
このため、左側排出通路68を遊技球が通過したと判定すると(S301:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1始動入賞カウンタに2をセットし(S303)、第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S304)。また、右側排出通路69を遊技球が通過したと判定すると(S302:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2始動入賞カウンタに2をセットし(S305)、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S306)。
第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットした後、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットした後、または右側排出通路69を遊技球が通過していないと判定した場合は(S302:NO)、図21に示されるように、第1特別始動口57への遊技球の入賞があったか否かを判定する(S401)。そして、第1特別始動口57への遊技球の入賞があったと判定した場合(S401:YES)、第1始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(S402)。第1始動入賞カウンタの値が0でないと判定した場合(S402:NO)、つまり第1始動入賞カウンタの値が1または2であると判定した場合、第1始動入賞カウンタの値を1減算する(S403)。
そして、再び第1始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定し(S404)、第1始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S404:YES)、第1非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する(S405)。つまり、上記のように、本実施形態の第1非電役物66は、開放状態となると、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物66が開放状態になる(開放状態に維持される)と、上記ステップ303にて第1始動入賞カウンタの値が2にセットされる。このため、第1特別始動口57へ遊技球が入賞することで第1始動入賞カウンタの値が0となるということは、第1非電役物66が閉鎖状態となることを意味する。したがって、ステップ405にて第1非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する。
一方、ステップ402にて第1始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S402:YES)、遊技停止用の設定処理を実行し(S406)、第1非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する(S407)。
すなわち、上記のように、第1非電役物66は、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物作動機構70と接触することで開放状態となり、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞する(第1非電役物66が開放状態になる)と、上記ステップ303にて第1始動入賞カウンタの値が2にセットされる。また、本実施形態では、第1特別始動口57は、第1非電役物66が開放状態である際に当該第1特別始動口57に遊技球が入賞し得るように配設されている。このため、第1特別始動口57に遊技球が入賞した際、第1始動入賞カウンタの値が0にも関わらず第1特別始動口57に遊技球が入賞する場合というのは、第1非電役物66および第1非電役物作動機構70の機械的構成に異常が発生した場合や、外部からの不正手段によって第1非電役物66が異常な開放状態となっていることが想定される。したがって、遊技停止用の設定処理を実行し、第1非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する。これにより、ステップ206にて肯定判定がされ、ステップ207にて第1非電役物異常開放コマンドが音声側MPU152に出力される。
第1非電役物閉鎖コマンドをセットした後、またはステップ404にて第1始動入賞カウンタが0でないと判定した場合は(S404:NO)、そのまま本非電役物状態把握処理を終了する。
また、ステップ401にて第1特別始動口57への遊技球の入賞がないと判定した場合は(S401:NO)、第2特別始動口58への遊技球の入賞があったか否かを判定し(S408)、上記ステップ401~407と同様の処理を実行する。
すなわち、第2特別始動口58への遊技球の入賞があったと判定した場合(S408:YES)、第2始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(S409)。第2始動入賞カウンタの値が0でないと判定した場合(S409:NO)、つまり第2始動入賞カウンタの値が1または2であると判定した場合、第2始動入賞カウンタの値を1減算する(S410)。
そして、再び第2始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定し(S411)、第2始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S411:YES)、第2非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する(S412)。つまり、上記のように、本実施形態の第2非電役物67は、開放状態となると、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物67が開放状態になる(開放状態に維持される)と、上記ステップ305にて第2始動入賞カウンタの値が2にセットされる。このため、第2特別始動口58へ遊技球が入賞することで第2始動入賞カウンタの値が0となるということは、第2非電役物67が閉鎖状態となることを意味する。したがって、ステップ412にて第2非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する。
一方、ステップ409にて第2始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S409:YES)、遊技停止用の設定処理を実行し(S413)、第2非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する(S414)。
すなわち、上記のように、第2非電役物67は、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物作動機構71と接触することで開放状態となり、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞する(第2非電役物67が開放状態になる)と、上記ステップ305にて第2始動入賞カウンタの値が2にセットされる。また、本実施形態では、第2特別始動口58は、第2非電役物67が開放状態である際に当該第2特別始動口58に遊技球が入賞し得るように配設されている。このため、第2特別始動口58に遊技球が入賞した際、第2始動入賞カウンタの値が0にも関わらず第2特別始動口58に遊技球が入賞する場合というのは、第2非電役物67または第2非電役物作動機構71の機械的構成に異常が発生した場合や、外部からの不正手段によって第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが想定される。したがって、遊技停止用の設定処理を実行し、第2非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する。これにより、ステップ206にて肯定判定がされ、ステップ207にて第2非電役物異常開放コマンドが音声側MPU152に出力される。
第2非電役物閉鎖コマンドをセットした後、ステップ411にて第2始動入賞カウンタが0でないと判定した場合は(S411:NO)、または第2特別始動口58への遊技球の入賞がないと判定した場合は(S408:NO)、そのまま本非電役物状態把握処理を終了する。
次に、遊技回および開閉実行モードのどちらも実行されていない状況において、図柄表示装置80の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する(S218)。このデモ表示用処理については具体的に後述する。
そして、払出側MPU122から受信したコマンドおよび信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(S219)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(S220)。
次に、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始および終了を制御するように、外部出力端子板104への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する(S221)。
ステップ221の外部処理情報設定処理を終了した後、またはステップ207の報知コマンドの出力用処理を終了した後は、割込み終了宣言の設定を実行する(S222)。主側MPU112では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップ222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。次に、割込み許可の設定を行う(S223)。主側MPU112では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップ223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図19)におけるステップ215の特図特電制御処理について図22を参照しつつ説明する。図22は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行すると共に、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行すると共に、開閉実行モード中および開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まず、保留情報の取得処理を実行する(S501)。ここで、保留情報の取得処理について、図23を参照しつつ説明する。図23は、保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
保留情報取得の処理は、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞したかを判別し、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口56および第1特別始動口57に合計で最大4個、第2特別始動口58に最大4個で全体で最大8個)まで、取得した各カウンタ値を特別図柄保留球格納エリア114bに格納する処理である。
また、入賞に基づいて取得された各カウンタ値が特別図柄保留球格納エリア114bに格納されると、格納された各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理である。
まず、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ56a、57aの検知結果により判定する(S601)。そして、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S601:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAに格納された保留数Naの値を読み出し、取得した保留数Naが4個未満であるか否かを判定する(S602)。つまり、第1始動口56および第1特別始動口57に対する保留数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留数が上限値まで記憶されていないか)を判定する。
そして、取得した保留数Naが4個未満であると判定した場合には(S602:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAの保留数Naを1加算すると共に、総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを読み出し、当該総保留数Nxを1加算する(S603)。一方、取得した保留数Naが4であると判定した場合には(S602:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
ステップ603の処理を終了した後は、タイマ割込み処理(図19)におけるステップ202にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各数値情報(特別情報)、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とするものであることの情報を、第1特別図柄保留球格納エリアRAのうちステップ603にて1加算した保留数Naと対応する保留エリアに格納する(S604)。
その後、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞が発生したことを音声ランプ制御装置92および表示制御装置93に認識させると共に、保留報知を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する(S605)。
一方、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57へ入賞していないと判定した場合には(S601:NO)、遊技球が第2特別始動口58に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ58aの検知結果により判定する(S606)。そして、遊技球が第2特別始動口58に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S606:YES)、ステップ602~ステップ605と同様の処理を行う(S607~S610)。これに対し、遊技球が第2特別始動口58へ入賞していないと判定した場合(S606:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
なお、ステップ607~ステップ610の処理は、ステップ602~ステップ605までの各処理に対して、第2特別始動口58に入賞したことに対する処理が相違するのみであるため詳細な説明は省略するが、ステップ607では、第2特別図柄保留数記憶エリアNBに格納された保留数Nbの値を読み出して判定し、ステップ608では第2特別図柄保留数記憶エリアNBの保留数Nbを1加算すると共に総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを1加算し、ステップ609では各カウンタC1~C3の数値情報(特別情報)、第2特別始動口58への入賞を契機とするものであることの情報を、第2特別図柄保留球格納エリアRBのうちステップ608にて1加算した保留数Nbと対応する保留エリアに格納する。
以上が保留情報の取得処理である。特図特電制御処理(図22)の説明に戻り、ステップ501にて保留情報の取得処理を実行した後は、主側RAM114に設けられた特図特電カウンタエリア114dから特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する(S502)。また、主側ROM113の特図特電アドレステーブル記憶エリア113hから特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行し(S503)、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S504)。
上記のように、特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに関する処理が含まれている。この場合、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(S507)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(S508)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(S509)と、が設定されている。また、開閉実行モードに関する処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(S510)と、大入賞口60aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(S511)と、大入賞口60aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(S512)と、開閉実行モードのエンディングおよび開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(S513)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて図24を参照して説明すると、特図特電カウンタは「0」~「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」~「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず、かつ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、遊技回用の演出に関する処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し、かつ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、開閉実行モードに関する処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うと共に、大入賞口60aが開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、特図特電カウンタおよび特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理(S507)、特図変動中処理(S508)、特図確定中処理(S509)、特電開始処理(S510)、特電開放中処理(S511)、特電閉鎖中処理(S512)および特電終了処理(S513)を実行するための処理構成を説明する。
まず、ステップ504の開始アドレスを取得した後は、ゼロフラグへの設定処理を実行する(S505)。ゼロフラグへの設定処理では、主側RAM114に設けられた特図特電タイマカウンタエリア114eから特図特電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタ)の数値情報を読み出し、読み出した数値情報に基づいてゼロフラグの値を設定する。具体的には、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットし、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「0」をセットする。例えば、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でなく、ゼロフラグが「1」である場合にはゼロフラグを「1」から「0」に変化させる。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図19)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
続いて、上記ステップ504にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S506)。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合には特図変動開始処理(S507)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合には特図変動中処理(S508)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合には特図確定中処理(S509)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合には特電開始処理(S510)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合には特電開放中処理(S511)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合には特電閉鎖中処理(S512)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合には特電終了処理(S513)にジャンプする。そして、ステップ507~ステップ513の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下に、ステップ507~ステップ513の各処理について個別に説明する。
まず、ステップ507の特図変動開始処理について、図25を参照しつつ説明する。図25は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。特図変動開始処理では、保留情報が記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、メイン表示部76および図柄表示装置80において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。
まず、総保留数記憶エリアNXから総保留数Nxの値を読み出し、取得した保留数Nxが1以上であるか否かを判定する(S701)。そして、総保留数Nxが0であると判定した場合には(S701:NO)、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、総保留数Nxが1以上であると判定した場合には(S701:YES)、データ設定処理を実行する(S702)。
データ設定処理では、まず、総保留数Nxを1減算すると共に、第1保留エリアRA1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRA9にシフトさせる処理を実行する。その後、各保留エリアRA2~RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。つまり、このデータ設定処理は、第1~第8保留エリアRA1~RA8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、第1保留エリアRA1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRA2→第1保留エリアRA1、第3保留エリアRA3→第2保留エリアRA2、第4保留エリアRA4→第3保留エリアRA3と、第5保留エリアRA5→第4保留エリアRA4、第6保留エリアRA6→第5保留エリアRA5、第7保留エリアRA7→第6保留エリアRA6、第8保留エリアRA8→第7保留エリアRA7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。すなわち、本実施形態では、保留エリアRA1~RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)の順に後述の当否判定処理(S702)が実行される。また、このデータ設定処理では、保留エリアRA1~RA8のデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置92に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定する。
なお、この処理では、実行エリアRA9にシフトされた保留情報における入賞始動口情報を把握し、第1特別図柄保留球格納エリアNAの保留数Naまたは第2特別図柄保留球格納エリアNBの保留数Nbを1減算する。
ステップ702のデータ設定処理を実行した後は、当たり抽選である当否判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S703)。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、主側RAM114に設けられた高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することにより、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、高確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている高確率モード用の特別図柄当否テーブル(図16(b))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が高確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている低確率モード用の特別図柄当否テーブル(図16(a))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が低確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
なお、高確率モードフラグは、確変当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して格納され(図31、S1303)、その後に通常当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して消去される(図31、S1304)。
次に、当否判定処理の結果が当たり当選結果であるか否かを判定する(S704)。当たり当選結果であると判定した場合には(S704:YES)、振分判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S705)。振分判定処理では、実行エリアRCに格納された情報のうち、振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)を把握する。そして、主側ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている振分テーブルを参照して、上記把握した当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)がいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果のいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
その後、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(S706)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部76に最終的に停止表示させる絵柄(点灯状態)の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部76に停止表示される絵柄の態様の情報が、当たり結果の種別毎に相違させて設定されている。
次に、振分判定結果に対応したフラグ格納処理を実行する(S707)。具体的には、主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114nのうちステップ705で特定した当たり結果と対応する格納エリアにフラグを格納する。本実施形態では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、15R通常当たり結果Aである場合には時短当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Bである場合には時短当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Cである場合には時短当たり結果フラグCを格納し、15R通常当たり結果Dである場合には時短当たり結果フラグDを格納し、15R確変当たり結果である場合には確変当たり結果フラグを格納する。
一方、当たり当選結果ではないと判定した場合には(S704:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(S708)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部76に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている外れ結果用の停止結果テーブから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
上記ステップ707およびステップ708のいずれかの処理を実行した後は、変動表示時間(表示継続期間)の把握処理(表示態様決定処理)を実行する(S709)。この処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、今回の遊技回において図柄表示装置80にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの当たり結果でもないが、実行エリアRCに格納されているリーチ乱数カウンタC3に関する数値情報(リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されている数値情報)がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得すると共に、リーチの種類(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を決定する。
なお、本実施形態におけるノーマルリーチとは、変動表示時間が短いリーチであり、上段の図柄列Z1と下段の図柄列Z3にてリーチラインが形成された後、中段の図柄列Z2がそのまま停止する(いわゆる、ビタ止まり)変動のことである(図柄列については図8参照)。スーパーリーチとは、ノーマルリーチより変動表示時間が長いリーチのことであって遊技者に当該遊技回で当たり結果が発生する期待度が高いことを示唆するリーチであり、例えば、ノーマルリーチの後に続けて表示される。本実施形態では、今回の遊技回が当たり結果である場合には、当たり結果でない場合よりもスーパーリーチを選択する確率が高くされている。
一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得する。
なお、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。また、本実施形態では、リーチ非発生時における変動表示時間は、総保留数Nxが多いほど短くなるように設定されている。さらに、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定されている。
但し、これに限定されることはなく、総保留数Nxやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種当たり結果の場合、外れリーチ時の場合およびリーチ非発生の外れ結果(完全外れ)の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
次に、上記ステップ709にて取得した変動表示時間の情報を、特図特電タイマカウンタエリア114eの特図特電タイマカウンタにセットする(S710)。なお、上記のように、この特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新(減算)は、上記タイマ割込み処理(図19)のタイマ更新処理(S211)にて実行される。また、遊技回用の演出として、メイン表示部76における絵柄の変動表示と図柄表示装置80における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置80では有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップ709にて取得される変動表示時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、変動表示時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と言い換えることもできる。
続いて、変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対象に設定する(S711)。なお、変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれている。ここで、本実施形態では、上記のように、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっており、ノーマルリーチで取得される変動表示時間は、スーパーリーチで取得される変動表示時間とも異なっている。このため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報、およびリーチの種類の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92では、変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報、およびリーチの種類の情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報、およびリーチの種類を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果Aのいずれであるかの情報が含まれる。なお、ステップ711にて出力対象として設定された変動用コマンドおよび種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理(図19)におけるポート出力処理(S208)によって送信される。
次に、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されているか否かを判定し(S712)、時短モードフラグが格納されていると判定した場合には(S712:YES)、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報を取得し、今回の遊技回が第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球が入賞したことを契機とするものであるか否かを判定する(S713)。つまり、今回の遊技回が第1抽選遊技の実行に基づくものであるか否かを判定する。そして、第1抽選遊技の実行に基づくものであると判定した場合には(S713:YES)、第1時短モード回数カウンタエリア114hに格納された第1時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納された合計時短モード回数カウンタの値を1減算する(S714)。一方、今回の遊技回が第1抽選遊技の実行に基づくものでないと判定した場合(S713:NO)、つまり今回の遊技回が第2抽選遊技の実行に基づくものであると判定した場合には、第2時短モード回数カウンタエリア114iに格納された第2時短モード回数カウンタおよび合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納された合計時短モード回数カウンタの値を1減算する(S715)。なお、時短モード回数カウンタは、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれかの当たり結果に起因する開閉実行モードにおけるエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図31、S1306)。
ステップ714またはステップ715で所定の時短モード回数カウンタを1減算した後、または時短モードフラグが格納されていないと判定した場合には(S712:NO)、メイン表示部76における絵柄の変動表示を開始し(S716)、特図特電カウンタを1加算する(S717)。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップ717の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ508の特図変動中処理について、図26を参照しつつ説明する。図26は、特図変動中処理を示すフローチャートである。なお、特図変動中処理は、特図変動開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「1」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したか否かを判定する(S801)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したことを意味する。
変動表示時間が経過していないと判定した場合には(S801:NO)、メイン表示部76は一定の発光パターンが一定の周期で繰り返されるため、メイン表示部76の更新タイミング(発光パターンの更新タイミング)であるか否かを判定する(S802)。そして、更新タイミングではないと判定した場合には(S802:NO)、そのまま本特図変動中処理を終了する。一方、更新タイミングであると判定した場合には(S802:YES)、更新内容の読み出し処理を実行する(S803)。この更新内容は、主側ROM113の更新用データテーブル記憶エリア113jから更新タイミングに対応した更新内容を読み出す。
次に、ステップ803にて読み出した更新内容をメイン表示部76の更新用にセットする更新処理を実行する(S804)。なお、メイン表示部76の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図19)における表示制御処理(S217)にて実行される。その後、本特図変動中処理を終了する。
一方、変動表示時間が経過したと判定した場合には(S801:YES)、確定停止コマンド(最終停止表示コマンド)を出力対象に設定する(S805)。確定停止コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して今回の遊技回用の演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
そして、停止結果の読み出し処理を実行する(S806)。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して特図変動開始処理(図25)のステップ706またはステップ708にて主側RAM114に設定した停止表示させる絵柄の態様の情報を読み出す。その後、その読み出した絵柄の態様の情報をメイン表示部76の更新用にセットする更新処理を実行する(S807)。
続いて、主側ROM113に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S808)。次に、特図特電カウンタを1加算する(S809)。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップ809の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ509の特図確定中処理について、図27を参照しつつ説明する。図27は、特図確定中処理を示すフローチャートである。なお、特図確定中処理は、特図変動中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「2」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する(S901)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したことを意味する。確定時間が経過していないと判定した場合には(S901:NO)、そのまま本特図確定中処理を終了する。
確定時間が経過したと判定した場合には(S901:YES)、主側RAM114における各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されたフラグを判定することにより、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が当たり結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機となる結果)であったか否かを判定する(S902)。なお、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、特図変動開始処理(図25)において、当たり抽選に当選した場合にステップ707のフラグ格納処理にて当たり結果に対応したフラグが格納される。
そして、当たり当選であると判定した場合には(S902:YES)、オープニングコマンドを出力対象に設定する(S903)。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。なお、オープニングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類(15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果)の情報も含まれる。
次に、特図特電カウンタを1加算する(S904)。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップ904の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
一方、当たり当選でないと判定した場合(S902:NO)、すなわち今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機とならない結果)であった場合には、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されているか否かを判定する(S905)。そして、時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S905:YES)、第1時短モード回数カウンタエリア114hに格納されている第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタエリア114iに格納されている第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納されている合計時短モード回数カウンタの値が全て1以上であるか否かを判定し(S906)、少なくとも1つが1以上でないと判定した場合(S906:NO)、つまり少なくとも1つが0であると判定した場合には、各時短モード回数カウンタを0クリアする(S907)。その後、時短モードフラグ格納エリア114gに格納されている時短モードフラグを消去し(S908)、時短モード終了コマンドを出力対象に設定する(S909)。時短モード終了コマンドを出力対象に設定した後、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されていないと判定した場合(S905:NO)、または第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタの値が全て1以上であると判定した場合には(S906:YES)、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする(S910)。その後、本特図確定中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ710の特電開始処理について、図28を参照しつつ説明する。図28は、特電開始処理を示すフローチャートである。なお、特電開始処理は、特図確定中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「3」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する(S1001)。つまり、特図特電制御処理(図24)ではステップ705にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「3」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したことを意味する。オープニング時間が経過していないと判定した場合には(S1001:NO)、そのまま本特電開始処理を終了する。
一方、オープニング時間が経過したと判定した場合には(S1001:YES)、当たり結果に対応したラウンド数を設定するラウンド用の設定処理を行う(S1002)。本実施形態では、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられた入賞カウンタに、ラウンド遊技の1つの終了条件である上限個数として「10」をセットすると共に、ラウンドカウンタに「15」をセットする。なお、入賞カウンタは、大入賞口60aへの遊技球の入賞が発生するたびに「1」減算されるカウンタである。また、ラウンドカウンタは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数を主側MPU112にて特定するためのカウンタであり、ラウンド数規定モードの開閉実行モードにて1ラウンド消化するたびに「1」減算される。
ステップ1002のラウンド用の設定処理を終了した後には、今回の開閉実行モードの契機となった当たり結果に応じた大入賞口60aを開放させる最初の継続時間の情報を読み出す(S1003)。なお、本実施形態では、最初の開放継続時間は、全て長時間態様とされている。そして、その読み出した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする(S1004)。
次に、大入賞口60aを開放状態とするための開放設定処理を実行する(S1005)。この開放設定処理では、主側MPU112における大入賞口60aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図19)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口60aを開放状態に切り換えるべく可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力が開始される。
続いて、開放コマンドを出力対象に設定した後(S1006)、特図特電カウンタを1加算する(S1007)。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップ1007の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ511の特電開放中処理について、図29を参照しつつ説明する。図29は、特電開放中処理を示すフローチャートである。なお、特電開放中処理は、特電開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「4」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する(S1101)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「4」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したことを意味する。
開放継続時間が経過していると判定した場合には(S1101:YES)、ラウンドカウンタを1減算する(S1102)。続いて、主側ROM113に予め記憶されている閉鎖時間(例えば1sec)の情報を読み出し、その閉鎖時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする閉鎖時間のセット処理を行う(S1103)。そして、大入賞口60aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する(S1104)。当該閉鎖設定処理では、主側MPU112における大入賞口60aに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図19)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口60aを閉鎖状態に切り換えるべく可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力が停止される。
その後、閉鎖コマンドを出力対象に設定した後(S1105)、特図特電カウンタを1加算する(S1106)。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップ1106の処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。その後、本特電開放中処理を終了する。
一方、開放継続時間が経過していないと判定した場合には(S1101:NO)、入賞検知センサ60cからの検知結果に基づいて大入賞口60aへの入賞があるか否かを判定する(S1107)。そして、大入賞口60aへの入賞がないと判定した場合には(S1107:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。これに対し、大入賞口60aへの入賞があると判定した場合には(S1107:YES)、入賞カウンタを1減算する(S1108)。その後、入賞カウンタが「0」であるか否かを判定し(S1109)、「0」であると判定した場合には(S1109:YES)、上記ステップ1102~ステップ1106の処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。これに対し、入賞カウンタが「0」でない場合には(S1109:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ512の特電閉鎖中処理について、図30を参照しつつ説明する。図30は、特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。なお、特電閉鎖中処理は、特電開放中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「5」となっている。
まず、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1201)。ラウンドカウンタが「0」ではない場合には(S1201:NO)、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、閉鎖時間が経過したか否かを判定する(S1202)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「5」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、閉鎖時間が経過したことを意味する。閉鎖時間が経過していないと判定した場合には(S1202:NO)、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、閉鎖時間が経過していると判定した場合には(S1202:YES)、入賞カウンタに「10」をセットする(S1203)。続いて、開放継続時間の読み出し処理を実行する(S1204)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されたフラグを判定することで今回の開閉実行モードへの移行契機となった結果を特定すると共に、ラウンドカウンタの値を読み出し、これらに基づいて大入賞口60aを開放させる継続時間の情報を読み出す。本パチンコ機10では、各当たり結果における全てのラウンドで長時間態様に対応した開放継続時間となるように設定されている。そして、その読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1205)。
続いて、開放設定処理を実行する(S1206)。当該開放設定処理の処理内容は、特電開始処理(図28)におけるステップ1005の開放設定処理と同様である。次に、開放コマンドを出力対象に設定した後(S1207)、特図特電カウンタを1減算する(S1208)。この場合、特電閉鎖中処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップ1208の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタが「0」であると判定した場合には(S1201:YES)、エンディングコマンドを出力対象に設定する(S1209)。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。なお、エンディングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類の情報も含まれる。
次に、主側ROM113に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1210)。続いて、特図特電カウンタを1加算する(S1211)。この場合、特図閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、S1211の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「6」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ513の特電終了処理について、図31を参照しつつ説明する。図31は、特電終了処理を示すフローチャートである。なお、特電終了処理は、特電閉鎖中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「6」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、エンディング時間が経過したか否かを判定する(S1301)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「6」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、エンディング時間が経過したことを意味する。エンディング時間が経過していないと判定した場合には(S1301:NO)、そのまま本特電終了処理を終了する。
一方、エンディング時間が経過していると判定した場合には(S1301:YES)、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類を主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグを参照し、確変当たり結果であるか否かを判定する(S1302)。そして、確変当たり結果である(15R確変当たり結果)であると判定した場合には(S1302:YES)、主側RAM114の高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されていなければ高確率モードフラグを格納する(S1303)。一方、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果が確変当たり結果でない(15R通常当たり結果である)と判定した場合には(S1302:NO)、高確率モードフラグが格納されている場合には当該高確率モードフラグを消去した後(S1304)、主側RAM114の時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグを格納する(S1305)。なお、時短モードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
そして、第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1306)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「50」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「50」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果A参照)。また、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「20」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「100」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果B参照)。そして、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグCである場合(15R通常当たり結果Cだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「100」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「20」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果C参照)。さらに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグDである場合(15R通常当たり結果Dだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「100」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「100」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果D参照)。
その後、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグを消去し(S1307)、特図特電カウンタを「0」クリアして本特電終了処理を終了する(S1308)。
以上説明したように、本実施形態では、特図特電カウンタ、特図特電アドレステーブルおよび特図特電タイマカウンタを利用して特図特電制御処理を実行するようにしている。
このため、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ507~ステップ513の各処理では、当該処理に対応した状況が終了する場合に、特図特電カウンタの数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する処理が実行される。これにより、ある状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電カウンタの初期値である「0」は、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技状況における最初の状況に対応している。これにより、主側RAM114の初期化後等において特図特電カウンタの数値情報の設定を特別に行わなくても、上記一連の遊技状況における最初の状況となるようにすることができる。
また、特図特電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。
また、上記一連の遊技状況のいずれの状況であっても発生し得る保留情報を取得するための処理は、ステップ507~ステップ513の各処理とは別に設定されており、特図特電カウンタを参照して実行される各処理に含まれていない。これにより、特図特電カウンタの数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ507~ステップ513の各処理のうち、対応する状況の終了条件を判定するために期間の計測が行われる処理では、特図特電タイマカウンタという共通の期間計測手段を利用して期間の計測が行われる。これにより、主側RAM114の記憶容量の削減が図られる。また、当該特図特電タイマカウンタを利用する各処理に対応した状況は同時に発生することがないため、特図特電タイマカウンタを共通して利用したとしても当該タイマカウンタが複数の状況において同時に参照されることはなく、特図特電タイマカウンタを利用する上での処理構成が複雑化することもない。
また、特図特電タイマカウンタを更新する処理は、ステップ507~ステップ513とは別の処理として設定されたタイマ割込み処理(図19)のステップ211におけるタイマ更新処理にて実行される。これにより、特図特電タイマカウンタを更新する処理がステップ507~ステップ513の各処理に対して個別に設定されている構成に比べ、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かの確認は、特図特電制御処理(図22)におけるステップ505にて集約して行われ、ステップ508、ステップ509、ステップ511~ステップ513の各処理では、主側MPU112のゼロフラグを確認することで各時間の経過を判定する。これにより、ステップ508、ステップ509、ステップ511~ステップ513の各処理にて、主側RAM114の特図特電タイマカウンタから数値情報を読み出してその数値情報が「0」であるか否かの判定を行う場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
ここで、特図特電カウンタは、特図特電制御処理以外の処理においても、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技におけるいずれの状況であるかを確認するために参照される。例えば、タイマ割込み処理(図19)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理においても特図特電カウンタが参照され、当該デモ表示用処理については後述する。
次に、タイマ割込み処理(図19)のステップ216にて実行される普図普電制御処理について図32を参照しつつ説明する。図32は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。
普図普電制御処理では、普通図柄始動ゲート61への入賞が発生している場合に普通図柄の保留情報を取得するための処理を実行すると共に、普通図柄の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開閉板(電動役物)59bの開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普通図柄用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、開閉板59bを開閉させる処理を実行する。
具体的には、まず、普通図柄の保留情報の取得処理を実行する(S1401)。当該取得処理では、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過したことを条件として、電動役物開放乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普通図柄の保留情報)を普通図柄保留球格納エリア114cに格納する処理を実行する。なお、当該普通図柄の保留情報の取得は保留の上限値(本実施形態では、4個)の範囲内で行われる。
次に、主側RAM114の普図普電カウンタエリア114kから普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行し(S1402)、主側ROM113の普図普電アドレステーブル記憶エリア113iから普図普電アドレステーブルの情報を読み出す処理を実行する(S1403)。そして、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S1404)。
ステップ1402~ステップ1404の処理内容について説明すると、上記のように、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、開閉板59bの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、開閉板59bの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電アドレステーブルについて図33を参照して説明すると、普図普電カウンタは「0」~「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」~「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御の場合と同様に、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタおよび普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理および普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップ1404の処理を実行した後は、普通図柄のゼロフラグの設定処理を実行する(S1405)。普通図柄のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタエリア114mから普図普電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC2)の数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。
言い換えると、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「0」をセットする(「1」を消去する)処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図19)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
次に、ステップ1404に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S1406)。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合には普図変動開始処理(S1407)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合には普図変動中処理(S1408)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合には普図確定中処理(S1409)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合には普電開放中処理(S1410)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合には普電閉鎖中処理(S1411)にジャンプする。
普図変動開始処理では(S1407)、普通図柄の保留情報が記憶されていることを条件に、その普通図柄の保留情報を利用して開閉板59bの開放判定を行うと共に、メイン表示部76におけるその他表示部76dにおいて絵柄の変動表示(点滅表示)を開始させる処理を実行する。なお、開閉板59bの開放判定は、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも当選確率が高くなっている。また、高頻度サポートモードであるか否かは、時短モードフラグまたは高確率モードフラグが格納されているか否かに基づいて判定される。また、普図変動開始処理では、その他表示部76dにて絵柄を変動表示させる変動表示時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、その他表示部76dにおける絵柄の変動表示を開始させた場合に普図普電カウンタを「0」から「1」に更新する。
普図変動中処理(S1408)では、その他表示部76dにおける表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、変動表示時間の経過を確認したことを条件として、確定時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
普図確定中処理(S1409)では、今回の開放判定の結果を普通図柄の確定時間に亘ってその他表示部76dに表示させるための処理を実行すると共に、開放判定の結果が当選結果である場合には開閉板59bを開放状態とするための処理、および今回の当選結果を契機として開閉板59bを開放させる場合の開放回数の設定を行うための処理を実行する。この場合に、普通図柄の確定時間の経過を確認したこと、および開放判定の結果が当選結果であることを条件として、開閉板59bにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「2」から「3」に更新する。一方、普通図柄の確定時間の経過を確認したものの開放判定の結果が当選結果ではない場合には、開閉板59bを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
普電開放中処理では(S1410)、開閉板59bの開放状態を維持すると共に閉鎖タイミングとなった場合に開閉板59bを閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、開閉板59bの開放継続時間の経過を確認したことを条件として、開閉板59bにおける閉鎖継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを閉鎖状態とし、さらに普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
普電閉鎖中処理では(S1411)、開閉板59bの閉鎖状態を維持すると共に開閉板59bを再度開放状態とする必要がある場合には当該開閉板59bを開放状態とするための処理を実行する。この場合に、開閉板59bの閉鎖継続時間の経過を確認したこと、および再度開放状態とする必要があることを確認したことを条件として、開閉板59bにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。一方、開閉板59bの閉鎖継続時間の経過を確認したものの、開閉板59bを再度開放させる必要がない場合には、開閉板59bを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップ1407~ステップ1411のいずれかの処理を実行した場合には、本普図普電制御処理を終了する。
以上のとおり、普図普電カウンタ、普図普電アドレステーブルおよび普図普電タイマカウンタを利用して普図普電制御処理を実行するようにしたことで、普図用の演出および開閉板59bの開閉から構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には普図普電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、普図普電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。また、特図特電制御処理の場合におけるゼロフラグと同様に、普通図柄のゼロフラグを利用しているため、処理構成の簡素化が図られる。
次に、タイマ割込み処理(図19)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理について図34を参照しつつ説明する。図34は、デモ用表示処理を示すフローチャートである。
まず、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ここで、従来のように遊技回用の演出が実行されている状況であることをフラグの有無により確認すると共に、開閉実行モード中であることをフラグの有無により確認する構成においては、先ず一方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行うと共に、次に他方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行う必要がある。そうすると、主側RAM114へのアドレス指定を少なくとも2回行い、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理を少なくとも2回行う必要が生じる。これに対して、特図特電カウンタを利用することで、主側RAM114へのアドレス指定は1回で済み、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理も1回で済む。よって、処理の簡素化が図られる。
特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には(S1501:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には(S1501:YES)、デモ表示状態であるか否かを判定する(S1502)。
デモ表示状態とは、図柄表示装置80にてデモ表示(すなわち待機中表示)を既に行っている状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示フラグが格納されている状態のことである。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、または前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ表示待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置80の上側表示領域Dmに開始待ち演出の画像を表示させると共に、電飾部33やスピーカ部34にてそれに即した演出を行うことをいう。
なお、図柄表示装置80におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後にまたはそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
デモ表示状態であると判定した場合には(S1502:YES)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には(S1502:NO)、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する(S1503)。デモ表示待ち状態とは、デモ表示待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示待ちフラグが格納されている状態のことである。
デモ表示待ち状態ではないと判定した場合には(S1503:N0)、主側ROM113に予め記憶されているデモ表示待ち時間の情報を読み出し、そのデモ表示待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする(S1504)。続いて、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示待ちフラグを格納することによってデモ表示待ち状態に設定する(S1505)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、デモ表示待ち状態であると判定した場合には(S1503:YES)、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1506)。特図特電タイマカウンタが「0」でないと判定した場合には(S1506:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了する。
特図特電タイマカウンタが「0」であると判定した場合には(S1506:YES)、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示フラグを格納することによってデモ表示状態に設定する(S1507)。なお、ステップ1507の処理では、デモ表示待ちフラグを消去してデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始されると、デモ表示フラグが消去されることによって解除される。次に、デモ開始コマンドを出力対象に設定する(S1508)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
<演出および報知の実行制御>
次に、音声側MPU152および表示側MPU162にて実行される各種出力装置を利用した演出および報知の実行制御について説明する。
まず、音声側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理について図35を参照しつつ説明する。なお、このタイマ割込み処理は、例えば、4msecで繰り返し実行される。
タイマ割込み処理では、まず、主側コマンド格納処理を実行すると共に(S1601)、表示側コマンド格納処理を実行する(S1602)。ステップ1601の主側コマンド格納処理は、主側MPU112からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理であり、ステップ1602の表示側コマンド格納処理は、表示側MPU162からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理である。このコマンド格納エリア154aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
次に、主側MPU112から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行すると共に(S1603)、表示側MPU162から受信したコマンドに対応した処理を行うための表示側コマンド対応処理を実行する(S1604)。ステップ1604の表示側コマンド対応処理では、具体的な説明は省略するが、表示側MPU162から、遊技回中の所定のタイミングにおいて各種コマンドが送信されるため(図38、S1907)、受信したコマンドに対応した処理を実行する。ステップ1603の主側コマンド対応処理については具体的に後述する。
続いて、枠ボタン対応処理を実行する(S1605)。この枠ボタン対応処理では、例えば、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回または開閉実行モード中でない)ことを条件とし、第2枠ボタン27の所定のキーが遊技者によって操作された場合に、当該操作に対応した音量および光量を更新用にセットする。また、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回および開閉実行モード中でない)こと、または、一単位の遊技回が処理されている場合には当該遊技回の変動表示が停止する所定期間前まで(例えば、リーチ表示がされる所定期間前まで)であって予告演出(例えば、会話演出やキャラクタ演出等の予告演出)が表示されていないことを条件とし、第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合、ステージ変更コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに表示される背景ステージを「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に変更して表示する。さらに、一単位の遊技回が処理されている場合における予告演出が表示されている期間中に第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合には、予告応答演出コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに、予告演出に対応する応答演出を表示したり、新規なキャラクタ図柄や動画等を表示する。なお、第1枠ボタン26が操作されたか否かは、第1枠ボタン26の操作を監視する第1枠ボタン検知センサ26aからの信号によって判定される。同様に、第2枠ボタン27が操作されたか否かは、第2枠ボタン27の操作を監視する第2枠ボタン検知センサ27aからの信号によって判定される。
次に、電飾部33を含む各種発光部の発光制御を行うための発光制御処理を実行すると共に(S1606)、スピーカ部34の音声制御を行うための音声制御処理を実行する(S1607)。なお、発光制御処理および音声制御処理は、ステップ1605の枠ボタン対応処理、後述する主側コマンド対応処理(図37)、または表示側コマンド対応処理で更新用に情報がセットされている場合には当該情報に基づいて実行される。続いて、音声側RAM154に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(S1608)。
次に、音声側MPU152のタイマ割込み処理におけるステップ1603の主側コマンド対応処理について図36および図37を参照しつつ説明する。図36および図37は、主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定し(S1701)、これらコマンドを受信していると判定した場合には(S1701:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(S1702)。具体的には、変動用コマンドから今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された変動表示時間を特定すると共に、変動表示時間からリーチ発生の有無、およびリーチが発生する際にはノーマルリーチまたはスーパーリーチのいずれであるかを特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。また、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された当否抽選および振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であるか否か、当たり結果(当否抽選に当選)である場合にはどの当たり結果であるかの情報を特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。保持データエリア154bは、上記のように、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。
次に、予告抽選処理を実行する(S1703)。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置80にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。この予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置80にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、または一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするもの、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするもの、および図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合およびリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
次に、停止図柄決定処理を実行する(S1704)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であれば、1つの有効ラインL1~L5上に同一図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選等によって決定される。なお、本実施形態では、同一図柄の組み合わせが決定される場合、15R確変当たり結果の場合には、「7」図柄の組み合わせが成立するように決定され、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dの場合には、「7」図柄以外の図柄の組み合わせが成立するように決定される。すなわち、本実施形態では、遊技者は、図柄表示装置80に「7」図柄の組み合わせが表示された場合には、該当する遊技回で15R確変当たり結果に当選したことを認識できる。これに対し、遊技者は、図柄表示装置80に「7」図柄以外の図柄の組み合わせが表示された場合、該当する遊技回で15R通常当たり結果に当選したことを認識できるものの、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれの当たり結果に当選したのかを明確に認識することはできない。但し、本実施形態では、15R確変当たり結果である場合であっても、この停止図柄決定処理では、「7」図柄以外の組み合わせが成立することがあるようにし、後述するオープニング対応処理(S1713)で遊技者に15R確変当たり結果であることを報知することがあるようにしている。これにより、遊技者に、開閉実行モード中でも確変当たり結果であることを期待させながら遊技を継続させることができる。
続いて、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する(S1705)。この処理では、今回受信している変動用コマンドおよび種別コマンドの内容から遊技回の変動表示時間の情報を特定し、当該変動表示時間の情報、上記ステップ1702にて特定した遊技結果の情報、および上記ステップ1703における予告抽選処理の抽選結果の情報の組み合わせ、滞在している遊技モードに対応した演出パターンを選択する。
なお、滞在している遊技モードは、遊技モードフラグ格納エリア154cが参照され、遊技モードフラグ格納エリア154cには、後述する遊技モードフラグ格納処理(S1715)において対応するフラグが格納される。そして、遊技モードフラグ格納エリア154cに、時短モードフラグAが格納されていれば時短モードAに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグBが格納されていれば時短モードBに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグCが格納されていれば時短モードCに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグDが格納されていれば時短モードDに対応する演出(示唆)パターンが選択され、高確率モードフラグが格納されていれば高確率モードに対応する演出パターンが選択される。これにより、遊技者は、時短モード中においては、滞在している時短モードを推測することが可能となる。また、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDである場合、後述するように、時短モード終了コマンドを受信すると(S1720:YES)、時短モードフラグが消去される(S1721)。このため、遊技モードフラグ格納エリア154cにフラグが格納されていない場合は、通常モード(当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであり、低頻度サポートモード)であると判定し、通常モードに対応する演出パターンが選択される。
次に、上記ステップ1704にて決定した停止図柄の種類および上記ステップ1705にて選択した演出パターンの種類を音声側RAM154の保持データエリア154bに書き込む処理を実行する(S1706)。なお、演出パターンには今回の遊技回の変動表示時間の情報が含まれているため、演出パターンの情報を保持データエリア154bに書き込むことにより、演出パターンの情報だけでなく変動表示時間の情報についても音声側MPU152は再度読み出すことが可能となる。また、音声側MPU152は、停止図柄の種類から今回の遊技回が当たり結果であるのか否かを再度把握可能となる。
続いて、上記ステップ1704の処理結果に対応した停止結果コマンドおよび上記ステップ1705の処理結果に対応したパターンコマンドを表示側MPU162に送信する(S1707)。このコマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後に説明する。
次に、遊技回数の更新処理を実行する(S1708)。この更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154dに設けられた遊技回数カウンタにおいて計測している消化遊技回数が1加算されるように当該遊技回数カウンタを更新するための処理を実行する。消化遊技回数は、開閉実行モードの終了後において当該開閉実行モードに再度移行することなく消化された遊技回の回数のことである。音声側MPU152では、当該消化遊技回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば消化遊技回数が所定回数以上であれば予告抽選処理にて所定の予告表示が選択され易くなるような処理を実行する。
変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合(S1701:NO)、または遊技回数の更新処理を実行した後は、確定停止(最終停止表示)コマンドを受信しているか否かを判定する(S1709)。そして、確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S1709:YES)、図柄停止コマンドを表示側MPU162に送信する(S1710)。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1~L5上に待機させてその状態を確定停止時間に亘って維持させることを表示側MPU162に指示するためのコマンドである。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合(S1709:NO)、または図柄停止コマンドを送信する処理を実行した後は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1711)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1711:YES)、当たり回数の更新処理を実行する(S1712)。当該更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154dに設けられた当たり回数カウンタにおいて計測している当たり回数が1加算されるように当該当たり回数カウンタを更新するための処理を実行する。なお、本パチンコ機10における当たり回数とは、高頻度サポートモードへ移行した後に低頻度サポートモードへの移行をしないで発生した当たり結果の回数(いわゆる連続当たり回数)である。音声側MPU152では、当該当たり回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば当たり回数が所定回数以上であれば開閉実行モード中において所定の実写画像といったそれに対応した演出が実行されるようにする。
次に、オープニング対応処理を実行する(S1713)。オープニング対応処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている開閉実行モードの移行契機となった当たり結果の種類を特定し、その当たり結果の種類に対応した開閉実行モード中の演出内容を決定するための処理を実行する。例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった当たり結果が15R確変当たり結果であり、さらにその直前の遊技回において図柄表示装置80にて「7」図柄の組み合わせではなく、その他の組み合わせを最終停止表示させている場合には、15R確変当たり結果であることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を今回の開閉実行モード中の演出として決定する。すなわち、遊技回の演出では、遊技価値が低い当たり結果を確定表示したが、その後の当たり演出において当該当たりが遊技価値が高い当たりであることを示す当たり昇格演出を開閉実行モード中の演出として決定する。
ここで既に説明したとおり、音声側RAM154の保持データエリア154bには遊技回用の演出に関して、遊技結果の情報と、図柄表示装置80における遊技回の停止図柄の種類の情報とが記憶されており、遊技回の実行に続けて開閉実行モードとなる場合には保持データエリア154bに記憶されている上記遊技結果の情報と停止図柄の種類の情報とは開閉実行モードが終了する場合にクリアされる。したがって、オープニングコマンドに直前の遊技回における図柄表示装置80の表示内容の情報が含まれていなかったとしても、上記のように開閉実行モード中において昇格内容を含む演出を実行することが可能となる。
また、ステップ1713のオープニング対応処理では、ステップ1712にて更新した後の当たり回数を特定し、その特定した当たり回数に応じた演出を今回の開閉実行モード中の演出として設定する。
次に、上記ステップ1713の処理結果に対応したオープニングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1714)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
その後、遊技モードフラグ格納エリア154cに対応するフラグを格納する遊技モードフラグ格納処理を実行する(S1715)。すなわち、上記のように、オープニングコマンドには、開閉実行モードへ移行する契機となった当たり結果の種類(15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果)の情報も含まれている。このため、オープニングコマンドに、15R通常当たり結果Aである情報が含まれている場合には、時短モードフラグAを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、時短モードフラグBを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Cである情報が含まれている場合には、時短モードフラグCを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Dである情報が含まれている場合には、時短モードフラグDを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R確変当たり結果である情報が含まれている場合には、高確率モードフラグを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納する。これにより、上記ステップ1705の演出パターンの決定処理では、遊技モードに対応させた演出パターンが決定される。
なお、遊技モードフラグ格納エリア154cに既にフラグが格納されている場合には、格納されているフラグを消去した後、新たなフラグが格納される。例えば、時短モード中に当たり抽選に当選することでオープニングコマンドを受信した場合、既に当該時短モードに対応する時短モードフラグが格納されている。このため、例えば、時短モードA中に当たり抽選に当選し、オープニングコマンドに15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、遊技モードフラグ格納エリア154cから時短モードフラグAを消去した後に時短モードBフラグを格納する。また、例えば、高確率モード中に当たり抽選に当選し、オープニングコマンドに15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、遊技モードフラグ格納エリア154cから高確率モードフラグを消去した後に時短モードBフラグを格納する。
オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S1711:NO)、またはオープニングコマンドを送信する処理を実行した後は、開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S1716)。開放コマンドを受信していると判定した場合には(S1716:YES)、可変大入賞装置60の開放が新たに開始されたこと、すなわち1のラウンド遊技が新たに開始されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に開放コマンドを送信する(S1717)。当該開放コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1716:NO)、または開放コマンドを送信する処理を実行した後は、閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S1718)。閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S1718:YES)、可変大入賞装置60が閉鎖されたこと、すなわち1のラウンド遊技が終了されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に閉鎖コマンドを送信する(S1719)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合(S1718:NO)、または閉鎖コマンドを送信する処理を実行した後は、時短モード終了コマンドを受信しているか否かを判定する(S1720)。そして、時短モード終了コマンドを受信していると判定した場合には(S1720:YES)、遊技モードフラグ格納エリア154cに格納されている時短モードフラグを消去する(S1721)。
時短モード終了コマンドを受信していないと判定した場合(S1720:NO)、または遊技モードフラグを消去する処理を実行した後は、図37に示されるように、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1801)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1801:YES)、エンディング対応処理を実行する(S1802)。エンディング対応処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後における当否抽選モードの内容を特定し、その当否抽選モードの種類に対応したエンディング演出の内容を決定するための処理を実行する。本実施形態では、開閉実行モード後には必ず高確率モードとなるため、当該高確率モードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。
続いて、上記ステップ1802の処理結果に対応したエンディングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1803)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S1801:NO)、またはエンディングコマンドを送信する処理を実行した後は、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1804)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S1804:YES)、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生していることを意味するため、その報知を行うために、各種データテーブル記憶エリア153aから発光データの読み出し処理を実行すると共に(S1805)、音声データの読み出し処理を実行する(S1806)。これにより、タイマ割込み処理(図35)の発光制御処理(S1606)では当該発光データに応じた発光が行われるように電飾部33の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図35)の音声制御処理(S1607)では当該音声データに応じた音の出力が行われるようにスピーカ部34の音声制御を行う。なお、この報知コマンドには、第1非電役物異常開放コマンドおよび第2非電役物異常開放コマンドが含まれる。このため、何らかの原因によって第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていると、電飾部33およびスピーカ部34によって第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが報知される。その後、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示側MPU162に送信する(S1807)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その報知コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置80を表示制御する。
報知コマンドを受信していないと判定した場合(S1804:NO)、または報知コマンドを送信する処理を実行した後は、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S1808)。なお、解除コマンドは、報知コマンドを送信する契機となった事象が解消された場合に主側MPU112から送信される。このため、解除コマンドを受信していると判定した場合には(S1808:YES)、パチンコ機10において発生していた異常等の報知対象の事象が解除されたことを意味するため、既に行っている報知を解除するために、解除設定処理を実行する(S1809)。その後、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示側MPU162に送信する(S1810)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その解除コマンドに対応した報知の実行を終了するように図柄表示装置80を表示制御する。
解除コマンドを受信していないと判定した場合(S1808:NO)、または解除コマンドを送信した後は、非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S1811)。具体的には、ステップ1811では、第1非電役物開放コマンドまたは第2非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、第1非電役物開放コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図20)において、普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球が入賞した場合にセットされるコマンドである(S304)。つまり、第1非電役物開放コマンドは、遊技球が第1非電役物作動機構70と接触して第1非電役物66が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを示すコマンドである。また、第2非電役物開放コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図20)において、普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球が入賞した場合にセットされるコマンドである(S306)。つまり、第2非電役物開放コマンドは、遊技球が第2非電役物作動機構71と接触して第2非電役物67が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを示すコマンドである。
このため、第1非電役物開放コマンドまたは第2非電役物開放コマンドを受信していると判定した場合には(S1811:YES)、対応する非電役物が開放状態であることを報知するため、各種データテーブル記憶エリア153aから対応する発光データの読み出し処理を実行すると共に(S1812)、対応する音声データの読み出し処理を実行する(S1813)。これにより、タイマ割込み処理(図35)では、対応する非電役物が開放状態であることを報知する電飾部33の発光制御処理(S1606)およびスピーカ部34の音声制御処理(S1607)が実行される。その後、今回受信した非電役物開放コマンドの内容に対応した非電役物開放コマンドを表示側MPU162に送信する(S1814)。表示側MPU162が非電役物開放コマンドを受信したことによる制御については後述するが、表示側MPU162は、非電役物開放コマンドを受信すると、受信した非電役物開放コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置80を表示制御する。
非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1811:NO)、または非電役物開放コマンドを送信した後は、非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S1815)。具体的には、ステップ1815では、第1非電役物閉鎖コマンドまたは第2非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、第1非電役物閉鎖コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図21)において、第1非電役物66が開放状態から閉鎖状態になる場合にセットされるコマンドである(S405)。また、第2非電役物閉鎖コマンドは、第2非電役物67が開放状態から閉鎖状態になる場合にセットされるコマンドである(S412)。
このため、第1非電役物閉鎖コマンドまたは第2非電役物閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S1815:YES)、受信したコマンドに対応する非電役物が閉鎖状態となるため、既に行っている非電役物が開放されていることの報知を解除するための解除設定処理を実行する(S1816)。その後、今回受信した非電役物閉鎖コマンドの内容に対応した非電役物閉鎖コマンドを表示側MPU162に送信する(S1817)。表示側MPU162が非電役物閉鎖コマンドを受信したことによる制御については後述するが、表示側MPU162は、非電役物閉鎖コマンドを受信すると、受信した非電役物閉鎖コマンドに対応した報知の実行が終了するように図柄表示装置80を表示制御する。
非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1815:NO)、または非電役物閉鎖コマンドを送信した後は、その他対応処理を実行する(S1818)。その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信している場合には当該保留コマンドを表示側MPU162に送信し、シフト時コマンドを受信している場合には当該シフト時コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80における第1、第2保留図柄表示エリアDt、Dsおよび実行保留図柄表示エリアDuにおいて、主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bにおける保留情報が格納された保留エリアに対応する表示エリアに所定の保留図柄が表示される。また、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80においてデモ表示が開始される。
次に、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理について図38を参照しつつ説明する。図38は、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理を示すフローチャートであり、このV割込み処理は、予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動される。
なお、表示制御装置93のVDP165は、図柄表示装置80に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示画面80aの正面視左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始め、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力すると共に、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力し、表示画面80aの正面視右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合、VDP165は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示側MPU162へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示側MPU162に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。
但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。また、上記のように、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGにデータが設定されていない(ブランクを意味するデータが設定されている)場合、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGに対応した表示画面80aの保留図柄表示エリアDs、Dt、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
V割込み処理では、まず、ワークRAM164のコマンド格納エリア164aに格納されているコマンドの内容を解析する(S1901)。なお、コマンド格納エリア164aには、音声ランプ制御装置92からコマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によってコマンドが順次格納される。このコマンド格納エリア164aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
続いて、ステップ1901の解析結果に基づき、新規コマンドを受信しているか否かを判定し(S1902)、新規コマンドを受信していると判定した場合には(S1902:YES)、コマンド対応処理を実行する(S1903)。
ここで、V割込み処理におけるステップ1903のコマンド対応処理について図39を参照しつつ説明する。図39は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。
コマンド対応処理では、まず、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信しているか否かを判定する(S2001)。停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していると判定した場合には(S2001:YES)、停止結果コマンドおよびパターンコマンドの組み合わせに対応したパターン用データテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込むパターン用のデータテーブル設定処理を実行した後に(S2002)、本コマンド対応処理を終了する。
パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
また、パターン用データテーブルには、対象となる遊技回の変動表示時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は、今回の遊技回に対応した動画表示を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた画像が表示される。
当該タスクの内容の情報には、対応する更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの情報等が設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、表示側MPU162から音声側MPU152へのコマンドの出力の有無、およびそのコマンドの種類を示す情報である。このように、表示側MPU162から動画の内容に応じて所定のタイミングで音声側MPU152にコマンドが出力されるようにすることにより、電飾部33を含む各種発光部にて画像の内容に応じた光の演出が可能になると共に、スピーカ部34にて画像の内容に応じた音声出力の演出の実行が可能になる。
追加データの情報は、パターン用データテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知コマンドを受信した場合や予告応答演出コマンドを受信した場合等に追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。
停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S2001:NO)、確定停止コマンドを受信しているか否かを判定する(S2003)。確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S2003:YES)、確定停止用の設定処理を実行した後に(S2004)、本コマンド対応処理を終了する。確定停止用の設定処理では、今回の遊技回に対応した停止図柄を、確定停止表示中の期間が経過するまで静止表示するためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合には(S2003:NO)、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2005)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S2005:YES)、オープニングコマンドに対応したオープニング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S2006)、本コマンド対応処理を終了する。
オープニング用のデータテーブルとは、今回の開閉実行モード用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
オープニング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
なお、オープニング用のデータテーブルでは、オープニング演出の開始時から、各ラウンド遊技中、およびラウンド遊技間のインターバル期間中の演出の内容が定められている。この場合、ラウンド遊技中のデータは対応するラウンド遊技が終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されており、同様に、インターバル中のデータは対応するインターバルが終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されている。そして、開放コマンドまたは閉鎖コマンドの受信に伴って、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲が切り換えられる構成となっている。
また、本実施形態では、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dであった場合、ラウンド遊技中に時短モードに関する注意事項が表示される。すなわち、15R通常当たり結果であった場合、開閉実行モードが終了すると時短モードに移行するが、時短モードは当たり結果種別によって終了条件が異なっている(図17参照)。このため、オープニング用のデータテーブルには、ラウンド遊技中に、時短モードの遊技方法を表示するための内容も定められている。
本実施形態では、例えば、開閉実行モードにおける最終ラウンド(15ラウンド)に、図40に示されるように、「第1抽選遊技の残り回数」、「第2抽選遊技の残り回数」、および「最大残り回数」が表示されると共に、「いずれかの残り回数が0になると右打ちが終了するかも!?」ということが表示される。
また、図41(a)に示されるように、矢印A(内側領域R1)を狙って遊技球を発射すると第1抽選遊技の残り回数と最大残り回数が減少することが表示されるようにし、図41(b)に示されるように、矢印B(外側領域R2)を狙って遊技球を発射すると第2抽選遊技の残り回数と最大残り回数が減少することが表示されるようにする。これにより、遊技者は、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、または最大残り回数のいずれかが0になると右打ち(時短モード)が終了することを把握できると共に、遊技球の発射の仕方によってどの残り回数が減少するのかを把握できる。
コマンド対応処理(図39)の説明に戻り、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2005:NO)、開放コマンドおよび閉鎖コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する(S2007)。いずれかのコマンドを受信していると判定した場合には(S2007:YES)、開閉時の設定処理を実行した後に(S2008)、本コマンド対応処理を終了する。開閉時の設定処理では、受信したコマンドの内容に応じて、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲を切り換える。
開放コマンドおよび閉鎖コマンドを受信していないと判定をした場合には(S2007:NO)、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2009)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S2009:YES)、エンディングコマンドに対応したエンディング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S1810)、本コマンド対応処理を終了する。
エンディング用のデータテーブルとは、今回のエンディング用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。エンディング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2009:NO)、別対応処理(S1811)を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
次に別対応処理について図42を参照しつつ説明する。図42は、別対応処理を示すフローチャートである。
別対応処理では、まず、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S2101)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S2101:YES)、報知用データの設定処理を実行した後に(S2102)、本別対応処理を終了する。報知用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、今回の報知コマンドに含まれている報知の内容に対応した報知データをワークRAM164に書き込む。
これにより、次回の画像の更新に際して、当該報知データの内容が反映され、例えば報知対象事象の種類に対応した文字画像が遊技回用の演出画像や開閉実行モード用の演出画像に追加される。
報知コマンドを受信していないと判定した場合には(S2101:NO)、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S2103)。解除コマンドを受信していると判定した場合には(S2103:YES)、報知用データのクリア処理を実行した後に(S2104)、本別対応処理を終了する。報知用データのクリア処理では、現状、データテーブルの追加データに設定されている報知用データのうち、今回受信した解除コマンドにおいて報知の解除対象として設定されている報知対象事象の種類に対応した報知用データをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった種類の報知が解除される。
解除コマンドを受信していないと判定した場合には(S2103:NO)、非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S2105)。非電役物開放コマンドを受信していると判定した場合には(S2105:YES)、非電役物の開放用データの設定処理を実行する(S2106)。この非電役物の開放用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、受信した非電役物開放コマンドに対応する開放用データをワークRAM164に書き込む。これにより、次回の画像の更新に際して、当該開放用データの内容が反映される。本実施形態では、非電役物開放コマンドとして第1非電役物開放コマンドを受信すると、図43(a)に示されるように、表示画面80aの正面視右側に、第1非電役物66が開放状態であることを示す図、および「下側が開いているよ!!」という文字が表示される。また、第2非電役物開放コマンドを受信すると、図43(b)に示されるように、表示画面80aの正面視右側に、第2非電役物67が開放状態であることを示す図、および「上側が開いているよ!!」という文字が表示される。これにより、遊技者は、開放状態である非電役物を明確に認識でき、遊技球を入賞させることが可能な特別始動口を明確に把握できる。なお、特に図示しないが、第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態である場合には、図43(a)と図43(b)を合わせた画像が表示される。
別対応処理(図42)の説明に戻り、非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合には(S2105:NO)、非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S2107)。そして、非電役物閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S2107:YES)、非電役物の開放用データのクリア処理を実行する(S2108)。非電役物の開放用データのクリア処理では、今回受信した非電役物閉鎖コマンドに対応する開放用データをクリアするための処理を実行する。すなわち、第1非電役物閉鎖コマンドを受信した場合には、第1非電役物開放コマンドを受信した際に追加したデータをクリアするための処理を実行する。また、第2非電役物閉鎖コマンドを受信した場合には、第2非電役物開放コマンドを受信した際に追加したデータをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった開放用データが削除される。
非電役物閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(S2107:NO)、その他対応処理を実行した後に(S2109)、本別対応処理を終了する。その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信しているか否かを判定し、保留コマンドを受信していると判定した場合には、図柄表示装置80における保留情報の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる情報をワークRAM164に書き込む処理を実行する。なお、保留コマンドには、第1始動口56および第1特別始動口57、または第2特別始動口58のどちらの始動口への入賞に対する保留情報であるかの情報が含まれているため、表示画面80aには入賞した側の保留個数の表示が増加される。また、予告応答演出コマンドを受信していると判定した場合には、予告演出(会話演出やキャラクタ演出)に対応する応答演出データを書き込む。これにより、次回の画像更新タイミング以降において、予告演出に対する応答演出が開始される。
また、シフト時コマンドを受信しているか否かを判定し、シフト時コマンドを受信していると判定した場合には、シフト時の設定処理を行う。シフト時の設定処理では、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4に設定されている保留図柄情報を下位エリア側、または実行単位エリアRGにシフトさせる情報をワークRAM164に書き込む。具体的には、シフト時コマンドには、いずれの保留図柄情報をシフトさせるかの情報が含まれているため、第1保留図柄表示用エリアREの保留図柄情報をシフトさせる場合には、第1単位エリアRE1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRE2→第1単位エリアRE1、第3単位エリアRE3→第2単位エリアRE2、第4単位エリアRE4→第3単位エリアRE3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。同様に、第2保留図柄表示エリアRFをシフトさせる場合には、第1単位エリアRF1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRF2→第1単位エリアRF1、第3単位エリアRF3→第2単位エリアRF2、第4単位エリアRF4→第3単位エリアRF3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。これにより、下側表示領域Dnの保留図柄が1つずつ番号の小さい保留図柄表示エリアにシフトされる。
さらに、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ表示を行うためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。また、ステージ変更コマンドを受信しているか否かを判定し、ステージ変更コマンドを受信している場合には、図柄表示装置80の表示態様に対応したデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。これにより、例えば、遊技回の変動表示がされていない場合には、背景ステージが別の背景ステージに変更されて表示される。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、新規コマンドがないと判定した場合(S1902:NO)、またはステップ1903のコマンド対応処理を実行した場合には、ポインタ更新処理を実行する(S1904)。当該ポインタ更新処理では、データテーブルに設定されているポインタの情報を1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を表示側MPU162において把握することが可能となる。
次に、タスク処理を実行する(S1905)。ここで、タスク処理について図41を参照しつつ説明する。図41は、表示側MPU162にて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。
タスク処理では、まず、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在しているか否かを判定し(S2001)、追加データが存在していないと判定した場合には(S2001:NO)、今回のポインタのタスクデータをデータテーブルから読み出す(S2002)。そして、読み出したタスクデータに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2003)、本タスク処理を終了する。
一方、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在していると判定した場合には(S2001:YES)、その追加データがタスクデータの画像に対する付加データであるか否かを判定する(S2004)。付加データであると判定した場合には(S2004:YES)、今回のポインタのタスクデータおよび追加データをデータテーブルから読み出す(S2005)。そして、読み出したタスクデータおよび追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行った後(S2006)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2005およびステップ2006の処理が実行される場合としては、報知の文字画像を付加する場合等が挙げられる。
追加データが付加データでないと判定した場合には(S2004:NO)、今回のポインタの追加データをデータテーブルから読み出す(S2007)。そして、読み出した追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2008)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2007およびステップ2008の処理が実行される場合としては、予告演出に対する応答演出を表示する場合等が挙げられる。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、ステップ1905のタスク処理を実行した後は、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したコマンド出力の有無のエリアにコマンドデータが存在しているか否かを判定することによってコマンド出力タイミングであるか否かを判定する(S1906)。コマンドデータが存在している場合にはコマンドの出力タイミングであると判定し(S1906:YES)、コマンド設定処理を実行する(S1907)。このコマンド設定処理では、コマンド出力タイミングであると判定したタイミング(ポインタの情報)に基づいてコマンドを送信する。具体的には、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびデモ表示を開始すべきことを示すコマンド等をそれぞれのタイミングに応じて音声側MPU152に送信する。
この場合、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびエンディングの演出を開始すべきことを示すコマンドには、その演出の種類の内容が含まれている。
また、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、および変動を終了すべきことを示すコマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に対象となる演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、各コマンドが対象となる演出の開始タイミングよりも前のタイミングでこれらのコマンドが送信さるとしても、音声側MPU152では、図柄表示装置80における対象となる演出の開始に同期させて、電飾部33を含む発光部およびスピーカ部34に対象となる演出を開始させることが可能となる。
つまり、本パチンコ機10では、主側MPU112を基準とした場合に音声側MPU152は表示側MPU162に対して通信の上流側に存在しているが、音声側MPU152では表示側MPU162から送信されるコマンドに基づいても演出の制御を実行する。このため、音声側MPU152で実行される発光演出および音声演出と、表示側MPU162で実行される表示演出との間にずれが発生し難くなり、各演出手段を利用した演出を好適に実行することができる。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、コマンド出力タイミングでないと判定した場合(S1906:NO)、またはステップ1907のコマンド設定処理を実行した場合には、描画リスト出力処理を実行した後(S1908)、本V割込み処理を終了する。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP165に送信する。
この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成された描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示されることになる。
以上が本実施形態における演出および報知の実行制御である。次に、時短モード中における図柄表示装置80の表示態様について説明する。
時短モードである場合、上記のように、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示される。具体的には、本実施形態では、開閉実行モードが終了して時短モードに移行すると、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数として、最初に想定される各抽選遊技の最小の残り(実行)回数が表示される。すなわち、本実施形態では、図17に示されるように、最初に想定される第1抽選遊技の最小の残り(実行)回数は、時短モードBである場合の20回である。また、最初に想定される第2抽選遊技の最小の残り(実行)回数は、時短モードCである場合の20回である。そして、抽選遊技の最大残り(実行)回数は100回である。このため、図45(a)に示されるように、第1抽選遊技の残り回数として20回が表示され、第2抽選遊技の残り回数として20回が表示され、最大残り回数として100回が表示される。
そして、第1抽選遊技または第2抽選遊技が実行されると、対応する残り回数が1ずつ減算して表示される。例えば、遊技者が内側領域R1を通過するように遊技球を発射し続けた場合、遊技球は第1特別始動口57に入賞して第1抽選遊技が実行される。そして、例えば、第1抽選遊技が連続して19回実行された場合には、図45(b)に示されるように、第1抽選遊技の残り回数が1まで減少して表示される。また、例えば、第1抽選遊技の残り回数が減少して表示された後、遊技者が外側領域R2を通過するように遊技球を発射し続けた場合、遊技球は第2特別始動口58に入賞して第2抽選遊技が実行される。
そして、例えば、第2抽選遊技が連続して19回実行された場合には、図46(a)に示されるように、第2抽選遊技の残り回数が1まで減少して表示される。
その後、例えば、第1抽選遊技の残り回数が0となると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図46(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。
そして、時短モードが終了する場合には、図47(a)に示されるように、「残念!!」という文字が表示される。一方、時短モードが終了しない場合(継続する場合)には、図47(b)に示されるように、「継続!!」という文字が表示されると共に、第1抽選遊技の残り回数が再度表示される。この場合、第1抽選遊技の残り回数には、再び想定される第1抽選遊技の最小の残り(実行)回数が表示される。すなわち、第1抽選遊技が20回実行されて時短モードが継続するというのは、時短モードA、時短モードB、または時短モードDのいずれかであり、想定される第1抽選遊技の最小の残り回数は、時短モードAである50回と最初に表示された20回との差分である30回であるため、第1抽選遊技の残り回数として30回が表示される。これにより、遊技者は、第1抽選遊技をさらに少なくとも30回実行し得るということを認識できる。なお、特に図示しないが、第2抽選遊技が実行されて第2抽選遊技の残り回数が0となった場合も同様の表示がされる。
すなわち、本実施形態では、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDにおいて、時短モードが終了する終了条件を異ならせているが、時短モードが不意に終了することで遊技者が遊技機に不快感を抱くことがない表示態様としている。
以上が本実施形態における遊技機の構成である。次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
まず、通常モードでは、遊技者が遊技球を右打ちし、普通図柄始動ゲート61に遊技球を通過させたとしても、普通図柄の当たり抽選に当選し難く、開閉板59bが開放状態となり難い。つまり、普通入賞口59aに遊技球が入賞し難く、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となり難いため、第1特別始動口57および第2特別始動口58に遊技球が入賞し難い。また、遊技者が遊技球を右打ちした場合、当該遊技球は第1始動口56にも入賞し難い。このため、通常モードでは、遊技者は、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たり抽選に当選して開閉実行モードに移行することを期待しながら遊技を継続する。なお、ここでの通常モードとは、当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードのことである。
そして、第1抽選遊技が当たり抽選に当選すると、図柄表示装置80の有効ラインL1~L5のいずれか1つに同一図柄の組み合わせが表示され、開閉実行モードに移行する。
但し、本実施形態では、15R通常当たり結果である場合、図柄表示装置80に表示される同一図柄の組み合わせにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれであるかを遊技者が認識し難いようにしている。
そして、開閉実行モードが終了した後は、本実施形態では、当たり種別が確変当たり結果、または通常当たり結果のいずれかに関わらず、高頻度サポートモードに移行する。高頻度サポートモードでは、普通図柄の当たり抽選に当選し易いため、遊技者は、普通図柄始動ゲート61を通過するように遊技球を右打ちすることにより、開閉板59bを容易に開放状態にできる。そして、遊技球が普通入賞口59aに入賞した場合には、当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることで第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となり、普通入賞口59aに入賞しなかった遊技球が第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞し易くなる。したがって、高頻度サポートモードにおいては、遊技者は、遊技球を右打ちした方が持ち球をあまり減らさずに第1抽選遊技または第2抽選遊技を実行できるため、有利となる。
また、本実施形態の遊技機は、内側領域R1を狙って遊技球を発射し続けることにより、第1非電役物66を開放状態にして第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができ、外側領域R2を狙って遊技球を発射し続けることにより、第2非電役物67を開放状態にして第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができるように構成されている。
つまり、遊技者は、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されるようにするのかを遊技者自身によって選択できるようになっている。
ここで、本実施形態では、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が15R通常当たり結果である場合、開閉実行モードが終了した後は、上記のように、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDのいずれかに移行する(図17参照)。そして、時短モード中においては、図柄表示装置80に、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示される(図45、図46参照)と共に、滞在している時短モードを示唆する演出が表示される。
このため、遊技者は、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDのいずれに滞在しているかを推測し、推測した滞在モードに応じ、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれかに入賞するように遊技球を発射する。
例えば、遊技者が時短モードBであると推測した場合、時短モードBは第1抽選遊技が20回実行されると終了条件Aを満たして時短モードが終了してしまうため、外側領域R2を狙って遊技球を発射することで第2特別始動口58に遊技球を入賞させ、第2抽選遊技が実行されるようにすればよい。そして、実際の時短モードが時短モードBである場合、遊技者が第2抽選遊技を連続して実行されるようにすることにより、時短モードが早期に終了してしまうことを抑制できる。但し、例えば、実際の時短モードが時短モードCである場合、第2抽選遊技が20回実行されると終了条件Bを満たして時短モードが終了する。
つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技球の発射の仕方(実行される抽選遊技)によって時短モードの終了回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。すなわち、上記図17を参照して説明したように、遊技者の遊技球の発射の仕方により、時短モードAであれば、時短モードの終了回数は50~100回の間で変化し、時短モードBまたは時短モードCであれば、時短モードの終了回数は20~100回の間で変化する。また、時短モードの終了回数が変化するということは、継続率が変化するとも言える。このため、本実施形態では、遊技者に、遊技球の発射の仕方(実行される抽選遊技)によって継続率が変化するという新規な遊技性を付与できるとも言える。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、本実施形態の遊技機では、遊技者は、まず、第1抽選遊技または第2抽選遊技の残り回数が0に近づくまで一方の抽選遊技が実行されるようにし、その後、他方の抽選遊技が実行されるようにすることにより(例えば、図46(a)の状態)、仮に、時短モードBまたは時短モードCであったとしても、少なくとも20回を超えて時短モードを継続させることができる。つまり、遊技者に、遊技球の発射の仕方を変更することにより、時短モードの終了回数が変化するということを体感させ易い構成となっている。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、第1非電役物66が備えられた第1特別始動口57、第2非電役物67が備えられた第2特別始動口58、および可変普通入賞装置59等を備え、可変普通入賞装置59に入賞した遊技球が仕切部材59dによって左側排出通路68または右側排出通路69から排出されるようにしている。そして、左側排出通路68には、遊技球と接触することによって第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構70が備えられ、右側排出通路69には、遊技球と接触することによって第2非電役物67を開放状態とする第2非電役物作動機構71が備えられている。
このため、遊技者に、遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出されるようにするのかを選択させることにより、遊技球が第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれに入賞し易くなるようにするのかを選択させるという遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、普通入賞口59aに入賞した遊技球は、共通の仕切部材59dによって左側排出通路68または右側排出通路69へと振り分けられる。このため、左側排出通路68に遊技球を振り分ける部材、および右側排出通路69に遊技球を振り分ける部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
また、仕切部材59dは、普通入賞口59a内の空間を左側空間K1と右側空間K2とに分割するように備えられている。そして、左側空間K1に入賞した遊技球が左側排出通路68から排出されると共に、右側空間K2に入賞した遊技球が右側排出通路69から排出されるようになっている。
このため、遊技者は、普通入賞口59aの左側空間K1に入賞するように遊技球を発射するのか、または普通入賞口59aの右側空間K2に入賞するように遊技球を発射するのかを選択することにより、左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから遊技球が排出されるようにするのかを選択できる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることを抑制でき、遊技者が望む非電役物と異なる非電役物が開放状態なることを抑制できる。
さらに、遊技球が可変普通入賞装置59に到達するまでの領域には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って区画する区画機構72が配設されている。具体的には、区画機構72は、普通入賞口59aにおける左側空間K1側に遊技球を誘導する内側領域R1と、普通入賞口59aにおける右側空間K2側に遊技球を誘導する外側領域R2とを区画するように配設されている。このため、遊技者は、普通入賞口59aより手前に位置する内側領域R1または外側領域R2のいずれかを狙って遊技球を発射することにより、普通入賞口59aに遊技球が入賞する際、遊技球が左側空間K1または右側空間K2のいずれの空間に入賞するのかを選択できる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることをさらに抑制できる。つまり、遊技者が意図しない非電役物が開放状態となり、遊技者が意図しない始動口に遊技球が入賞し易くなることを抑制できる。
また、内側領域R1の入口は、外側領域R2の入口より開口幅が長くされている。このため、遊技者が狙いにくい内側領域R1にも遊技球を通過させ易くなり、左側空間K1にも遊技球を入賞させ易くなる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることを抑制でき、遊技者が望む非電役物と異なる非電役物が開放状態となることを抑制できる。
さらに、釘51、第1特別始動口57および可変普通入賞装置59は、遊技者が内側領域R1を通過するように遊技球を発射した際(左側空間K1に入賞し得るように遊技球を発射した際)、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1から入賞するか、または第1特別始動口57に誘導されるように、配設されている。このため、遊技者は、左側空間K1から遊技球を入賞させて第1非電役物66を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、第1特別始動口57に遊技球を入賞させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。
同様に、釘51、第2特別始動口58および可変普通入賞装置59は、遊技者が外側領域R2を通過するように遊技球を発射した際(右側空間K2に入賞し得るように遊技球を発射した際)、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2から入賞するか、または第2特別始動口58に誘導されるように、配設されている。このため、遊技者は、右側空間K2から遊技球を入賞させて第2非電役物67を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、第2特別始動口58に遊技球を入賞させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。
したがって、遊技者が第1非電役物66を開放状態にするための遊技球の発射、および第2非電役物67を開放状態にするための遊技球の発射を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDを搭載し、各時短モードで終了条件が異なるようにしている。具体的には、第1抽選遊技が実行される回数、第2抽選遊技が実行される回数、および第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和の少なくともいずれか1つが異なるようにしている。また、図柄表示装置80には、第1抽選遊技または第2抽選遊技が当たり抽選に当選すると、同一図柄の組み合わせが停止表示されるが、開閉実行モード後に時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDに移行する場合、組み合わせの図柄によってどの時短モードに移行するのかを遊技者が正確に把握できないようにしている。つまり、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDに移行する場合、同じ図柄の組み合わせが表示されることがあるようにしている。このため、時短モードに移行した場合、遊技者に、滞在している時短モードを推測させつつ、実行される抽選遊技を選択させるという新規な遊技性、および遊技者自身の選択により、時短モードが終了する回数が変化する(継続率が変化する)という新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、図柄表示装置80には、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDである場合、滞在している時短モードに応じた演出(示唆)パターンが表示されることがあるようにしている。このため、遊技者の演出に関する注目度を向上でき、ひいては遊技への関心を向上できる。
さらに、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示されるようにしている。このため、不意に時短モードが終了することで遊技者が遊技性に嫌悪感を抱いてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特別始動口57は、第1非電役物66が開放状態である際に遊技球が入賞し易く、第1非電役物66が閉鎖状態である際には遊技球が入賞し難くなるように配設されている。そして、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球の通過が検知される(第1非電役物66が開放状態になる、または開放状態に維持される)と第1始動入賞カウンタに所定の値(本実施形態では、2)をセットし、第1特別始動口57に遊技球が入賞した際、第1始動入賞カウンタの値が0であれば遊技停止処理を実行する(図21、S406)。つまり、本実施形態では、何らかの要因により、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球の通過が検知されずに第1非電役物66が開放状態となっていると遊技停止処理を実行する。
同様に、第2特別始動口58は、第2非電役物67が開放状態である際に遊技球が入賞し易く、第2非電役物67が閉鎖状態である際には遊技球が入賞し難くなるように配設されている。そして、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球の通過が検知される(第2非電役物67が開放状態になる、または開放状態に維持される)と第2始動入賞カウンタに所定の値(本実施形態では、2)をセットし、第2特別始動口58に遊技球が入賞した際、第2始動入賞カウンタの値が0であれば遊技停止処理を実行する(図21、S413)。つまり、本実施形態では、何らかの要因により、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球の通過が検知されずに第2非電役物67が開放状態となっていると遊技停止処理を実行する。このため、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態であるまま遊技が継続されることを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第1実施形態において、普通入賞口59a内に仕切部材59dを可動可能に備え、普通入賞口59aに入賞した遊技球が所定期間毎に左側排出通路68または右側排出通路69のいずれか一方から排出されるようにしてもよい。このような構成としても、遊技者は、普通入賞口59aに遊技球を入賞させる期間(タイミング)を調整することにより、普通入賞口59aに入賞した遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出されるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、普通入賞口59aに遊技球を入賞させる期間(タイミング)を調整することにより、第1非電役物66または第2非電役物67のいずれを開放状態にするのかを選択できる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、仕切部材59dを可動可能に備える場合、仕切部材59dがランダムに(遊技者が入賞させる場所を選択できないように)可動するようにしてもよい。このような構成としても、遊技者は、第1非電役物66が開放状態となれば内側領域R1を狙って遊技球を発射することによって第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができ、第2非電役物67が開放状態となれば外側領域R2を狙って遊技球を発射することによって第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。すなわち、このような構成としても、遊技者は、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されるようにするのかを選択できるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第1実施形態において、区画機構72を備えず、遊技者が直接、普通入賞口59aの左側空間K1または右側空間K2を狙って遊技球を発射するようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態において、仕切部材59dが備えられていなくてもよい。このような構成としても、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は内側領域R1または外側領域R2のいずれかを通過する。そして、開閉板59bが開放状態である場合、内側領域R1を通過すると普通入賞口59aの正面視左側から入賞して左側排出通路68から排出され易く、外側領域R2を通過すると普通入賞口59aの正面視右側から入賞して右側排出通路69から排出され易い。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
そして、上記第1実施形態において、普通図柄始動ゲート61を2つ備えず、1つのみとしてもよい。つまり、普通入賞口59aに入賞しなかった遊技球が共通の普通図柄始動ゲート61を通過するようにし、その後、第1特別始動口57または第2特別始動口58に誘導されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、図6(b)に示されるように、左側排出通路検知センサ68aは、第1非電役物作動機構70より下流側に配設されており、右側排出通路検知センサ69aは、第2非電役物作動機構71より下流側に配設されている。しかしながら、左側排出通路検知センサ68aは、第1非電役物作動機構70より上流側に配設されていてもよいし、右側排出通路検知センサ69aは、第2非電役物作動機構71より上流側に配設されていてもよい。この場合、例えば、検知センサ68aは、普通入賞口59aの左側空間K1内に配設されていてもよいし、検知センサ69aは、普通入賞口59aの右側空間K2内に配設されていてもよい。つまり、上記第1実施形態では、検知センサ68aは、普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物作動機構70と接触する遊技球を検知でき、検知センサ69aは、普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物作動機構71と接触する遊技球を検知できるのであれば、配設箇所は特に限定されるものではない。
また、上記第1実施形態において、左側排出通路検知センサ68aおよび右側排出通路検知センサ69aの他に、普通入賞口59aの左側空間K1に左側入賞検知センサ(第1副検知センサ)を備えると共に、普通入賞口59aの右側空間K2に右側入賞検知センサ(第2副検知センサ)を備え、左側空間K1に入賞した遊技球の数と左側排出通路68から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定すると共に、右側空間K2に入賞した遊技球の数と右側排出通路69から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。これによれば、例えば、普通入賞口59aに入賞した遊技球の数と左側排出通路68または右側排出通路69から排出される遊技球の数とが一致していないにも関わらず第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となっている場合には、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが想定される。このため、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かをさらに高精度に判定できる。なお、左側入賞検知センサは、普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球が入賞したことを検知できればよいため、左側排出通路68の第1非電役物作動機構70より上流側に配設されていてもよい。同様に、右側入賞検知センサは、普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球が入賞したことを検知できればよいため、右側排出通路69の第2非電役物作動機構71より上流側に配設されていてもよい。つまり、排出通路において、非電役物作動機構を挟んで上流側と下流側に一対の検知センサが配置されていればよい。また、このように左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサを備える場合には、左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサの検知結果に基づき、非電役物状態把握処理(図20、図21)におけるステップ301およびステップ302の処理を実行したり、普通入賞口59aの賞球処理を実行したりしてもよい。さらに、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態であるか否かを直接的に監視する監視センサ等を備え、監視センサ等の検知結果に基づいて第1非電役物66および第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態において、左側排出通路68と右側排出通路69とは、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71の下流側において、合流して1つの排出通路となるようにしてもよい。この場合、合流している部分に遊技球を検知する1つの排出通路検知センサを備える構成としてもよい。なお、このような構成とする場合は、合流している部分に備えられた排出通路検知センサは、遊技球が左側排出通路68から排出されたのか、または右側排出通路69から排出されたのかを判定できないため、上記のように左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサ等を備えて第1非電役物66および第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かを判定するようにすることが好ましい。
また、上記第1実施形態において、第1非電役物66は、開放状態となった後、遊技球が第1非電役物作動機構70に接触するか否かに関わらず、遊技球が2個入賞すると閉鎖状態となるようにしてもよい。つまり、第1非電役物66および第1非電役物作動機構70は、第1非電役物66が開放状態となった後、普通入賞口59aに遊技球が入賞したか否かに関わらず、規定数の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで必ず閉鎖状態となる構成としてもよい。同様に、第2非電役物67は、開放状態となった後、遊技球が第2非電役物作動機構71に接触するか否かに関わらず、遊技球が2個入賞すると閉鎖状態となるようにしてもよい。つまり、第2非電役物67および第2非電役物作動機構71は、第2非電役物67が開放状態となった後、普通入賞口59aに遊技球が入賞したか否かに関わらず、規定数の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで必ず閉鎖状態となるようにしてもよい。このような構成とする場合、非電役物状態把握処理(図20および図21)では、左側排出通路68を遊技球が通過したと判定した場合(S301:YES)、第1始動入賞カウンタが1または2であればそのままステップ304の処理に移行し、第1始動入賞カウンタが0であればステップ303の処理を実行することにより、上記と同様に、第1非電役物66の異常開放判定を実行することができる。同様に、右側排出通路69を遊技球が通過したと判定した場合(S302:YES)、第2始動入賞カウンタが1または2であればそのままステップ306の処理に移行し、第2始動入賞カウンタが0であればステップ305の処理を実行することにより、上記と同様に、第2非電役物67の異常開放判定を実行することができる。
さらに、上記第1実施形態において、第1非電役物作動機構70に1個の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となるのではなく、第1非電役物作動機構70に2個または3個等の複数の遊技球が接触することで第1非電役物66が開放状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物作動機構71に1個の遊技球が接触すると第2非電役物67が開放状態となるのではなく、第2非電役物作動機構71に2個または3個等の複数の遊技球が接触することで第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。この場合、例えば、左側排出通路通過カウンタおよび右側排出通路通過カウンタ等を備え、非電役物状態把握処理(図20および図21)において、左側排出通路68を遊技球が通過すると左側排出通路通過カウンタの値を加算し、右側排出通路69を遊技球が通過すると右側排出通路通過カウンタの値を加算するようにする。そして、左側排出通路68を第1非電役物66が開放状態となるのに必要な遊技球が通過した際(左側排出通路通過カウンタの値と第1非電役物66が開放状態となるのに必要な遊技球の数とが一致した際)、ステップ303以降の処理を実行するようにする。同様に、右側排出通路69を第2非電役物67が開放状態となるのに必要な遊技球が通過した際(右側排出通路通過カウンタの値と第2非電役物67が開放状態となるのに必要な遊技球の数とが一致した際)、ステップ305以降の処理を実行するようにする。このような構成とすることにより、上記と同様に、第1非電役物66および第2非電役物67の異常開放判定を実行できる。
なお、第1非電役物66が閉鎖状態となる条件も適宜変更可能であり、第1特別始動口57に1個、または3個以上の複数個の遊技球が入賞した際に第1非電役物66が閉鎖状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物67が閉鎖状態となる条件も適宜変更可能であり、第2特別始動口58に1個、または3個以上の複数個の遊技球が入賞した際に第2非電役物67が閉鎖状態となるようにしてもよい。この場合は、ステップ303にて第1始動入賞カウンタにセットする値を適宜変更すると共に、ステップ305にて第2始動入賞カウンタにセットする値を適宜変更すればよい。
そして、上記第1実施形態において、釘51、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、普通図柄始動ゲート61、左側排出通路68、右側排出通路69、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71等の配置関係は、適宜変更可能である。例えば、第1特別始動口57および第2特別始動口58を遊技盤43の正面視左右方向に並設してもよい。また、左側排出通路68に第2非電役物作動機構71を設け、右側排出通路69に第1非電役物作動機構70を設けてもよい。この構成では、遊技者は、第1特別始動口57に遊技球を入賞させる場合、まず、外側領域R2に向けて遊技球を発射することで第1非電役物66を開放状態にし、内側領域R1に向けて遊技球を発射することで第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができる。また、遊技者は、第2特別始動口58に遊技球を入賞させる場合、まず内側領域R1に向けて遊技球を発射することで第2非電役物67を開放状態にし、外側領域R2に向けて遊技球を発射することで第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。このため、非電役物を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、当該非電役物が備えられている特別始動口に遊技球を入賞させる遊技球の発射の仕方が異なるため、遊技者が遊技を単調であると認識し難く、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。さらに、第1特別始動口57、第2特別始動口58、および普通図柄始動ゲート61が可変普通入賞装置59の上方に配設されていてもよい。
また、上記第1実施形態において、振分テーブルを変更し、通常当たり結果(時短モード)を4種類とするではなく、通常当たり結果(時短モード)が2種類、または3種類であってもよいし、5種類以上であってもよい。さらに、振分結果において、15R通常当たり結果のみとし、確変当たり結果を無くすようにしてもよい。つまり、特図変動開始処理(図25、S507)のステップ705の振分判定処理では、開閉実行モードに関する振分を実行せず、高頻度サポートモードの回数(時短モード)の振分のみを実行するようにしてもよい。また、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDにおいて、終了条件A、終了条件B、および終了条件Cの値は適宜変更可能である。そして、各時短モードにおいて、第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和で規定される終了条件Cがそれぞれ異なっていてもよい。さらに、当たり結果であった場合、高頻度サポートモードが付与されない当たり結果が含まれていてもよい。
そして、上記第1実施形態において、第1抽選遊技または第2抽選遊技の残り回数が0となった際、新たに表示される残り回数は適宜変更可能である。例えば、時短モードDである場合、第1抽選遊技が20回実行された後、第1抽選遊技の残り回数を80回と表示することがあるようにしてもよい。これによれば、遊技者は、時短モードDであることを明確に把握でき、その後の遊技は演出に注目しつつ、遊技を継続できる。また、抽選等により、時短モード中に滞在している時短モードが明確に把握できるような演出を表示するようにしてもよい。さらに、抽選等により、時短モードに移行する際、最初から第1抽選遊技の残り回数および第2抽選遊技の残り回数として正確な回数が表示されるようにしてもよい。例えば、時短モードAである場合、第1抽選遊技の残り回数として50回を表示し、第2抽選遊技の残り回数として50回を表示することがあるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、時短モード中に滞在モードに応じた演出を表示するのみでなく、当該時短モードに移行する契機となる開閉実行モードのラウンド中等に、次回の時短モードを示唆する演出が表示されるようにしてもよい。例えば、所定のラウンドにおいて、キャラクタ等を表示するようにし、表示されるキャラクタによって次回の時短モードを示唆するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、時短モード中に再び当たり抽選に当選して開閉実行モードに移行し、その後に再び時短モードに移行する場合(連続当たりした場合)、開閉実行モード中に時短モードの遊技方法を表示するための画像が表示されないようにしてもよい。つまり、最初に時短モードに移行する場合のみ、開閉実行モード中に時短モードの遊技方法が表示されるようにしてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、高頻度サポートモードが終了する終了条件を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図48を参照しつつ説明する。図48は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図48に示されるように、主側RAM114には、時短モードフラグ格納エリア114gの代わりに高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rが備えられ、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、および合計時短モード回数カウンタエリア114jの代わりに、1つの高頻度サポートモード回数カウンタエリア114sが備えられ、さらに高確率モード回数カウンタエリア114tが備えられている。
次に、本実施形態における振分テーブルについて図49を参照しつつ説明する。図49は、振分テーブルを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)である。なお、第1結果表示部用の振分テーブルは、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。また、第2結果表示部用の振分テーブルは、第2特別始動口58への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。
図49に示されるように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が15R通常当たり結果とされ、「15~29」が15R確変当たり結果とされている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が15R通常当たり結果とされ、「15~29」が15R確変当たり結果とされている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルでは、それぞれ15R通常当たり結果となる確率が50%、15R確変当たり結果となる確率が50%とされている。
また、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルには、高頻度サポートモードが終了する終了条件がそれぞれ設定されており、当該終了条件は、振分テーブルが参照される際(当たり抽選に当選した際)の当たり抽選に関するモードに対応させて設定されている。
具体的には、第1結果表示部用の振分テーブルでは、図49(a)に示されるように、参照される際の当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされ、参照される際の当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされている。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図49(b)に示されるように、参照される際の当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされ、参照される際の当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされている。
すなわち、本実施形態では、遊技者にとっては、当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されるようにした方が有利となり、当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されるようにした方が有利となる。つまり、遊技者にとっては、高確率モードである場合には、第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり抽選に当選した方が有利となり、低確率モードである場合には、第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり抽選に当選した方が有利となる。
また、本実施形態では、15R確変当たり結果となる場合、開閉実行モードが終了した後に高確率モードに移行するが、高確率モードは回数制限付とされている。具体的には、15R確変当たり結果となる場合、高確率モードの終了条件が100回とされている。すなわち、本実施形態の高確率モードは、高確率モード中に抽選遊技が100回実行されると低確率モードに移行する、いわゆるSTタイプとされている。例えば、上記のように、当たり種別カウンタが「20」であり、第2結果表示部用の振分テーブルが参照される際の抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件が50回となる。このため、50回の抽選遊技が実行された後の51回目から100回目までは、抽選モードは高確率モードに維持されるが、サポートモードは低頻度サポートモードとなる。
なお、以下では、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R通常当たり結果Bともいう。また、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R確変当たり結果A、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果Bともいう。
同様に、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R通常当たり結果Dともいう。また、第2結果表示部用に振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果C、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果Dともいう。
また、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fには、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果Dのそれぞれの終了条件の回数、および15R確変当たり結果A、15R確変当たり結果B、15R確変当たり結果C、15R確変当たり結果Dのそれぞれの終了条件の回数が記憶されている。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図50を参照しつつ説明する。図50は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、上記図25で説明した特図変動開始処理に対して、高確率モードフラグが格納されている場合に高確率モード回数カウンタの値を1減算する処理、および高頻度サポートモードフラグが格納されている場合に高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する処理(S718~S721)を追加した処理である。
具体的には、図50に示されるように、ステップ711で変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対処に設定した後、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する(S718)。そして、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合(S718:YES)、高確率モード回数カウンタエリア114tに格納されている高確率モード回数カウンタの値を1減算する(S719)。なお、高確率モード回数カウンタには、15R確変当たり結果に起因する開閉実行モードのエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図52、S1309)。また、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報は特に把握せず、高確率モード回数カウンタの値を1減算する。つまり、ステップ703の当否判定処理において、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されたとしても、高確率モードフラグが格納されていれば高確率モード回数カウンタの値を1減算する。
高確率モード回数カウンタの値を1減算した後、または高確率モードフラグが格納されていないと判定した場合には(S718:NO)、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する(S720)。そして、高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合(S720:YES)、高頻度サポートモード回数カウンタエリア114sに格納されている高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する(S721)。なお、高頻度サポートモード回数カウンタには、開閉実行モードにおけるエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図52、S1311)。また、高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合と同様に、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報は特に把握せず、高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する。つまり、ステップ703の当否判定処理において、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されたとしても、高頻度サポートモードフラグが格納されていれば高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタを1減算した後、または高頻度サポートモードフラグが格納されていないと判定した場合には(S720:NO)、上記ステップ716以降の処理を行って本特図変動開始処理を終了する。
なお、ステップ707のフラグ格納処理では、15R通常当たり結果Aの場合には15R通常当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Bの場合には15R通常当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Cの場合には15R通常当たり結果フラグCを格納し、15R通常当たり結果Dの場合には15R通常当たり結果フラグDを格納する。また、15R確変当たり結果Aの場合には15R確変当たり結果フラグAを格納し、15R確変当たり結果Bの場合には15R確変当たり結果フラグBを格納し、15R確変当たり結果Cの場合には15R確変当たり結果フラグCを格納し、15R確変当たり結果Dの場合には15R確変当たり結果フラグDを格納する。
続いて、主側MPU112が実行する特図確定中処理について図51を参照しつつ説明する。図51は、特図確定中処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図27で説明した特図確定中処理と同様の処理であり、上記図27で説明した特図確定中処理に対して、高確率モードフラグが格納されている場合に高確率モード回数カウンタの値に基づいた処理(S911~S914)、および高頻度サポートモードフラグが格納されている場合に高頻度サポートモード回数カウンタの値に基づいた処理(S915~S918)を追加した処理である。
具体的には、図51に示されるように、当たり当選であると判定した場合(S902:YES)、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定し(S911)、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合(S911:YES)、高確率モード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S912)。そして、高確率モード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S912:NO)、つまり高確率モード回数カウンタが0であると判定した場合、高確率モードフラグを消去し(S913)、高確率モード終了コマンドを出力対象に設定する(S914)。これにより、開閉実行モード後に高確率モードに移行したとしても、高確率モードの規定回数が終了すると(高確率モード回数カウンタの値が0になると)、低確率モードに移行する。
高確率モード終了コマンドを出力対象に設定した後、高確率モードフラグが格納されていないと判定した場合(S911:NO)、または高確率モード回数カウンタの値が1以上である判定した場合は(S912:YES)、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する(S915)。高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合(S915:YES)、高頻度サポートモード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S916)。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S916:NO)、つまり高頻度サポートモード回数カウンタが0であると判定した場合、高頻度サポートモードフラグを消去し(S917)、高頻度サポートモード終了コマンドを出力対象に設定する(S918)。
高頻度サポートモード終了コマンドを出力対象に設定した後、高頻度サポートモードフラグが格納されていないと判定した場合(S915:NO)、または高頻度サポートモード回数カウンタが1以上であると判定した場合は(S916:YES)、ステップ910にて特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後、本特図確定中処理を終了する。
次に、主側MPU112が実行する特電終了処理について図52を参照しつつ説明する。図52は、主側MPU112が実行する特電終了処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図31で説明した特電終了処理と同様の処理であり、上記図31で説明した特電終了処理に対して、高確率モードフラグを格納した後に高確率モード回数カウンタに高確率モード回数をセットする処理を追加した処理である(S1309)。
具体的には、図52に示されるように、確変当たり結果であると判定した場合には(S1302:YES)、高確率モードフラグを格納した後(S1303)、高確率モード回数カウンタに高確率モード回数をセットする(S1309)。本実施形態では、高確率モード回数として、100がセットされる。なお、ステップ1303において高確率モードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
高確率モード回数をセットした後、またはステップ1304で高確率モードフラグを消去した後は、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグを格納する(S1310)。なお、高頻度サポートモードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1311)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが15R通常当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットし(図49、15R通常当たり結果A参照)、15R通常当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R通常当たり結果B参照)、15R通常当たり結果フラグCである場合(15R通常当たり結果Cだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R通常当たり結果C参照)、15R通常当たり結果フラグDである場合(15R通常当たり結果Dだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットする(図49、15R通常当たり結果D参照)。また、15R確変当たり結果フラグAである場合(15R確変当たり結果Aだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットし(図49、15R確変当たり結果A参照)、15R確変当たり結果フラグBである場合(15R確変当たり結果Bだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R確変当たり結果B参照)、15R確変当たり結果フラグCである場合(15R確変当たり結果Cだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R確変当たり結果C参照)、15R確変当たり結果フラグDである場合(15R確変当たり結果Dだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットする(図49、15R確変当たり結果D参照)。
高頻度サポートモード回数カウンタに高頻度サポートモード回数をセットした後は、上記ステップ1307以降の処理を実行して本特電終了処理を終了する。
次に、本実施形態の図柄表示装置80の表示態様について説明する。本実施形態では、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、確変当たり結果であるのか、通常当たり結果であるのかが把握され難いようにしている。つまり、例えば、「7」図柄の組み合わせが表示されたとしても、通常当たり結果であることがあるようにしている。
また、高頻度サポートモードである場合、図柄表示装置80には、高頻度サポートモードが終了するまでの残り回数が表示される。なお、高頻度サポートモードが開始される場合には、最初に想定される最小の残り回数が表示される。具体的には、図49に示されるように、高頻度サポートモードが終了する最小の残り回数(抽選遊技が実行される最小の回数)は、15R通常当たり結果A、15R確変当たり結果A、15R通常当たり結果D、15R確変当たり結果Dである場合の50回である。このため、図53(a)に示されるように、残り回数として50回が表示される。
そして、第1抽選遊技または第2抽選遊技が実行されると、残り回数が1ずつ減算して表示される。また、高頻度サポートモードである場合には、当たり抽選に関する抽選モードを示唆する演出が表示されるようにし、遊技者が抽選モードを推測できるようにしている。
そして、残り回数が0となると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図53(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。
そして、図51(a)に示されるように、高頻度サポートモードが終了する際には、「残念!!」という文字が表示される。一方、図51(b)に示されるように、高頻度サポートモードが終了しない場合(継続する場合)には、「継続!!」という文字が表示されると共に、残り回数が再度表示される。この場合、残り回数には、再び想定される最小の残り回数が表示される。すなわち、抽選遊技が50回実行されて開閉実行モードが継続するというのは、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が、15R通常当たり結果B、15R確変当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R確変当たり結果Cのいずれかであり、想定される抽選遊技の最小残り回数は100回と最初に表示された50回との差分である50回であるため、残り回数として50回が表示される。
また、開閉実行モード中には、高頻度サポートモード中の遊技方法も表示される。具体的には、図55に示されるように、「演出から高確率モードか低確率モードかを推測してね!!」という文字が表示される。そして、図56(a)に示されるように、「低確率モードだと推測したら矢印Aを狙うといいかも!?」という文字を表示し、矢印Aのように遊技球を流下させて第1特別始動口57に遊技球を入賞させることで遊技者にとって有利となるかもしれないことを示唆する。また、図56(b)に示されるように、「高確率モードだと推測したら矢印Bを狙うといいかも!?」という文字を表示し、矢印Bのように遊技球を流下させて第2特別始動口58に遊技球を入賞させることで遊技者にとって有利となるかもしれないことを示唆する。これにより、遊技者は、抽選モードに応じて遊技球の発射の仕方を変更することにより、異なる結果が発生し得るという遊技性を把握できる。
次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
まず、通常モードでは、上記第1実施形態と同様に、遊技者は、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たりとなって開閉実行モードに移行することを期待しながら遊技を継続する。
そして、第1抽選遊技が当たりである場合、図柄表示装置80に有効ラインL1~L5のいずれか1つに同一図柄の組み合わせが表示され、開閉実行モードに移行する。但し、本実施形態では、図柄表示装置80に表示される同一図柄の組み合わせにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が通常当たり結果であるのか、確変当たり結果であるのかを遊技者が認識し難いようにしている。
そして、開閉実行モードが終了した後は、高頻度サポートモードに移行するため、遊技者は、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球が入賞するように遊技球を右打ちする。これにより、遊技者は、持ち球をあまり減らさずに遊技を継続できる。
この際、本実施形態では、図49に示されるように、当たり結果となった際、当たり結果に関する抽選モードによって次回の高頻度サポートモードが終了する抽選遊技の回数が異なっている。すなわち、当たり結果に関する抽選モードが高確率モードであれば、第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり結果となった方が第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり結果となった場合よりも次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなるため、遊技者が次回の高頻度サポートモード中に再び当たり結果を得ることができる確率が高くなる。一方、抽選モードが低確率モードであれば、第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり結果となった方が第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり結果となった場合よりも次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなるため、遊技者が次回の高頻度サポートモード中に再び当たり結果を得ることができる確率が高くなる。
このため、遊技者は、図柄表示装置80に表示される演出から当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードであるのか低確率モードであるのかを推測し、推測した結果に基づき、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれかに遊技球を入賞させる。すなわち、遊技者は、滞在モードが高確率モードであると推測した場合には、第2特別始動口58に遊技球を入賞させるように遊技球を発射し、滞在モードが低確率モードであると推測した場合には、第1特別始動口57に遊技球を入賞させるように遊技球を発射すればよい。
そして、残り回数が0になると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図53(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。この際、図54(a)に示されるように、高頻度サポートモードが終了する際には、「残念!!」という文字が表示される。一方、図54(b)に示されるように、高頻度サポートモードが終了しない場合(継続する場合)には、「継続!!」という文字が表示されると共に、残り回数が再度表示される。
本実施形態では、このように図柄表示装置80に表示することにより、遊技者は、前回の当たりが確変当たり結果であるのか、または通常当たり結果であるのかを明確に把握できる。すなわち、前回の当たり結果が第1抽選遊技(第1特別始動口57に遊技球を入賞させたこと)を契機とするものである場合、50回で高頻度サポートモードが終了するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが高確率モードであったことを意味している。また、前回の当たり結果が第1抽選遊技を契機とするものである場合、50回を超えて高頻度サポートモードが継続するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが低確率モードであったことを意味している。
同様に、前回の当たり結果が第2抽選遊技(第2特別始動口58に遊技球を入賞させたこと)を契機とするものである場合、50回で高頻度サポートモードが終了するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが低確率モードであったことを意味している。
また、前回の当たり結果が第2抽選遊技を契機とするものである場合、50回を超えて高頻度サポートモードが継続するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが高確率モードであったことを意味している。
すなわち、遊技者は、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選することを期待しつ遊技を継続するが、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、前回の当たり結果が通常当たり結果であるのか、確変当たり結果であるのかを判定できる。
つまり、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、前回の当たり抽選に当選した際の遊技モードを明確に把握でき、抽選モードに応じてどのような演出(示唆)が表示され易いのかということを理解できる。
すなわち、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、遊技者は、抽選モードに応じた演出を理解することにより、再び高頻度サポートモードに移行した際に抽選モードを推測し易くなる。このため、遊技者に継続して遊技を実行させ易くなり、遊技者の遊技への関心を向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選に当選した際、当選した際の抽選モード、および抽選された抽選遊技によって次回の高頻度サポートモードの終了回数が異なるようにしている。また、開閉実行モードへ移行する際、図柄表示装置80に表示される図柄の組み合わせにより、当たり結果の種別が遊技者に明確に把握できないようにしている。つまり、確変当たり結果である場合と通常当たり結果である場合とにおいて、図柄表示装置80に同じ図柄の組み合わせが表示されることがあるようにしている。このため、高頻度サポートモードである場合、遊技者に、当たり抽選に関するモードを推測させつつ、実行される抽選遊技を選択させるという新規な遊技性、および遊技者自身の選択により、当たり抽選に当選した場合に次回の高頻度サポートモードが終了する回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、高頻度サポートモード中では、図柄表示装置80に抽選モードに対応する演出(示唆)が表示されることがあるようにしている。このため、当たり抽選に当選することなく高頻度サポートモードが終了したとしても、遊技者は、抽選モードに応じた演出を理解することにより、再び高頻度サポートモードに移行した際に抽選モードを推測し易くなる。したがって、遊技者に継続して遊技を実行させ易くなり、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第2実施形態において、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、確変当たり結果であるのか、通常当たり結果であるのかを把握できることがあるようにしてもよい。例えば、確変当たり結果である場合、図柄表示装置80に、所定確率(例えば、5%)で「7」図柄の組み合わせが表示されるようにし、「7」図柄の組み合わせが表示された場合には、次回の当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードであることが確定するようにしてもよい。同様に、通常当たり結果である場合、図柄表示装置80に、所定確率(例えば、5%)で「2」図柄の組み合わせが表示されるようにし、「2」図柄の組み合わせが表示された場合には、次回の当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであることが確定するようにしてもよい。
これによれば、当たり抽選に当選した際の図柄によって次回の抽選モードが高確率モードであるのか、低確率モードであるのかが確定する場合があるため、遊技者の当たり結果が表示される際の注目度を高めることができる。
また、上記第2実施形態において、開閉実行モードが終了してから抽選遊技が100回実行された後は、必ず当たり抽選に関する抽選モードは低確率モードになり、サポートモードは低頻度サポートモードになる。このため、遊技者は、開閉実行モードが終了してから抽選遊技が100回実行された後は、基本的には、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たり抽選に当選することを期待しながら遊技を継続する。この場合、当たり抽選に当選すると、第1結果表示部用の振分テーブルが参照され、低確率モードでの当たり結果となるために高頻度サポートモード回数は100回となる。したがって、開閉実行モードが終了してから100回以降に当たり抽選に当選した場合(初当たりした場合)には、図柄表示装置80に最初から残り回数として100回が表示されるようにしてもよい。
さらに、上記第2実施形態において、振分テーブルを変更してもよい。例えば、振分テーブルが参照される際の抽選モードに応じて、高頻度サポートモードの終了条件が1種類ではなく、2種類、またはさらに複数種類が設定されていてもよい。例えば、第1結果表示部用の振分テーブルが参照される際の抽選モードが高確率モードである場合、高頻度サポートモードの終了条件は50回の1種類ではなく、100回が選択されることがあるようにしてもよい。また、設定される終了条件は、適宜変更可能である。
また、上記第2実施形態において、高頻度サポートモード中に抽選モードに応じた演出を表示するのみでなく、当該高頻度サポートモードに移行する契機となる開閉実行モードのラウンド中等に、次回の当たり抽選に関する抽選モードを示唆する演出を表示するようにしてもよい。例えば、所定のラウンドにおいて、キャラクタ等を表示するようにし、表示されるキャラクタによって次回の高頻度サポートモード中の抽選モードを示唆するようにしてもよい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して、開閉実行モードを介することなく当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行(転落)することがあるようにしたものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、上記第2実施形態における問題点(課題)について説明する。すなわち、上記第2実施形態では、当たり抽選に当選した場合、図柄表示装置80に表示される図柄の組み合わせにより、当たり結果が15R通常当たり結果であるのか、または15R確変当たり結果であるのかを遊技者が把握し難くなるようにしている。
しかながら、第1結果表示部76aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技が当たり結果であった場合には、当たり結果に対応した停止結果が表示される(点灯される)。すなわち、第1結果表示部76aには、第1抽選遊技が15R通常当たり結果であれば、15R通常当たり結果に対応する停止結果が表示され、15R確変当たり結果であれば、15R確変当たり結果に対応する停止結果が表示される。つまり、第1結果表示部76aには、15通常当たり結果である場合と15R通常当たり結果である場合とでは、異なる停止結果が表示される。
同様に、第2結果表示部76bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技が当たり結果であった場合には、当たり結果に対応した停止結果が表示される(点灯される)。すなわち、第2結果表示部76bには、第2抽選遊技が15R通常当たり結果であれば、15R通常当たり結果に対応する停止結果が表示され、15R確変当たり結果であれば、15R確変当たり結果に対応する停止結果が表示される。つまり、第2結果表示部76bには、15通常当たり結果である場合と15R通常当たり結果である場合とでは、異なる停止結果が表示される。
このため、遊技に精通している遊技者は、開閉実行モードに移行した際に第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bの停止結果を確認することにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が15R通常当たり結果であるのか、または15R確変当たり結果であるのかを正確に把握できてしまう。つまり、開閉実行モード後の当たり結果に関する抽選モードを正確に把握できてしまい、遊技者にとって最も有利となる遊技方法を常に選択できてしまう。したがって、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者とでは、開閉実行モードが終了した後に付与される高頻度サポートモードの回数に顕著な差が発生してしまい、遊技者間の不公平感が大きくなってしまう。また、遊技者に、抽選モードを推測させつつ遊技を継続させるという遊技性が損なわれてしまう可能性もある。
本実施形態は、このような課題を解決するものであり、高確率モードである際、開閉実行モードを介することなく低確率モードに移行する(転落)することがあるようしたものである。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図57を参照しつつ説明する。図57は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図57に示されるように、主側ROM113には、各種エリア113a~113kに加えて、転落当否テーブル記憶エリア113mが備えられている。この転落当否テーブル記憶エリア113mには、転落抽選の際に用いられる転落当否テーブルが記憶されている。
次に、主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bの構成について図58を参照しつつ説明する。図58は、当たり抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための図である。
図58に示されるように、主側MPU112は、上記各種カウンタC1、C2、C3、CINI1、CS、C4、CINI2に加えて、転落乱数カウンタC5を用いている。転落乱数カウンタC5は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後に0に戻る構成となっている。なお、転落乱数カウンタC5は、タイマ割込み処理(図19参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納される。なお、転落乱数カウンタC5は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられている。
また、第1保留エリアRA1には、図59に示されるように、各種格納エリア201~204に加えて、転落乱数カウンタ格納エリア205が備えられている。なお、第2~第8保留エリアRA2~RA8および実行エリアRA9の構成については特に図示しないが、図59と同様に、転落乱数カウンタ格納エリア205が備えられている。そして、第1~第8保留エリアRA1~RA8には、第1始動口56、第1特別始動口57および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴に合わせて、各種カウンタC1~C3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が各種格納エリア201~203に格納されると共に、転落乱数カウンタC5の値(抽選カウンタ用バッファ114aの転落乱数カウンタバッファの値)が転落乱数カウンタ格納エリア205に格納される。
本実施形態では、転落抽選に際し、転落抽選に当選となる(転落結果となる)乱数の値(すなわち、当選情報)は、18個とされている。なお、本実施形態では、転落抽選に際し、高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモード等の遊技モードに関係なく、参照されるテーブルが共通されている。しかしながら、これに限定されるものではなく、遊技状態に応じて参照テーブルが切り替えられる構成としてもよい。
そして、転落抽選に当選となった場合には、後述するように、当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードへと移行(転落)する。なお、低確率モード中においては、転落乱数カウンタC5の値に関係なく低確率モードが維持される。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図60を参照しつつ説明する。図60は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、転落判定処理等(S722~S724)を追加した処理である。
具体的には、特図変動開始処理では、ステップ702のデータ設定処理を実行した後、転落判定処理を実行する(S722)。転落判定処理では、主側ROM113の転落当否テーブル記憶エリア113mに記憶された転落当否テーブルを参照し、実行エリアRCに格納された情報のうちの転落判定用の情報、すなわち転落乱数カウンタC5に関する数値情報(転落乱数カウンタ格納エリア205に格納されている数値情報)が転落数値情報と一致しているか否かを判定する。
次に、転落判定処理の結果が転落当選結果であるか否かを判定する(S723)。そして、転落当選結果であると判定した場合(S723:YES)、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されていれば高確率モードフラグを消去する(S724)。これにより、開閉実行モードを介することなく、当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。なお、転落抽選に当選したとしても、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bには、転落抽選に当選したことを示す停止結果は表示されない。その後、高確率モード回数カウンタの数値を0クリアする(S725)。
高確率モード回数カウンタを0クリアした後、または転落当選でないと判定すると(S723:NO)、ステップ703以降の処理を順に実行して本特図変動開始処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり結果が確変結果であり、開閉実行モードが終了した直後は高確率モードであるとしても、特図変動開始処理(図60)が実行されることで開閉実行モードを介することなく高確率モードから低確率モードに移行(転落)することがあるようにしている。このため、遊技者は、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり結果が確変結果であると正確に把握した場合であっても、実際に特図変動開始処理(図60)のステップ703の当否判定処理が実行される際の抽選モードについては正確に把握し難くなる。このため、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で不公平感が発生してしまうことを抑制できる。
言い換えると、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で遊技性が異なってしまうことを抑制できる。
また、開閉実行モードを介することなく高確率モードから低確率モードに転落することがあるようにすることにより、遊技者を図柄表示装置80に表示される演出に注目させ易くできる。このため、遊技者の演出に対する注目度を向上でき、ひいては遊技機への関心を向上できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第3実施形態では、高確率モードから低確率モードへ開閉実行モードを介さずに移行することがあるようにすることにより、遊技者に、抽選遊技が実行される際の滞在モードについて把握し難くなる構成について説明した。しかしながら、当たり結果が通常当たり結果である場合、遊技に精通している遊技者は、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bの停止結果の表示を確認することで正確に把握できる。そして、15R通常当たり結果である場合、開閉実行モード後の抽選モードは低確率モードとなり、低確率モードから高確率モードに開閉実行モードを介さずに移行することはない。このため、15R通常当たり結果である場合には、遊技に精通している遊技者の方が依然有利となってしまう。このため、上記第3実施形態において、15R確変当たり結果の確率を高くするようにし、例えば、15R確変当たり結果となる確率が90%、15R通常当たり結果となる確率が10%となるようにしてもよい。これによれば、開閉実行モードが終了した後、当たり抽選に関するモードが高確率モードから開始されることが多くなり、遊技に精通している遊技者にとっても、実際の当たり抽選に関するモードを正確に把握し難くなる。したがって、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で不公平感が発生してしまうことをさらに抑制できる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上記第1実施形態に対し、第1抽選遊技が当たり抽選に当選した場合と第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合とにおいて、開閉実行モードのラウンド数、および高頻度サポートモードの終了条件を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図61を参照しつつ説明する。図61は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図61に示されるように、主側RAM114には、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、および合計時短モード回数カウンタエリア114jの代わりに、1つの時短モード回数カウンタエリア114uが備えられている。
次に、本実施形態の振分テーブルについて図62を参照しつつ説明する。図62は、振分テーブルを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)である。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図62(a)に示されるように、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が4R通常当たり結果とされ、「15~19」が15R通常当たり結果とされ、「20~29」が15R確変当たり結果とされている。また、当たり種別カウンタC2が「0~19」の場合(通常当たり結果の場合)、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされている。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図62(b)に示されるように、遊技結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~4」が4R通常当たり結果とされ、「5~19」が15通常当たり結果とされ、「20~29」が15R確変当たり結果とされている。また、当たり種別カウンタC2が「0~19」の場合(通常当たり結果の場合)、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされている。
すなわち、本実施形態では、15R通常当たり結果となる確率は、第1結果表示部用の振分テーブルより第2結果表示部用の振分テーブルの方が高くされている。一方、高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数は、第1結果表示部用の振分テーブルより第2結果表示部用の振分テーブルの方が少なくなっている。つまり、第1始動口56および第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が低くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなっている。言い換えると、第1始動口56および第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、1回当たりの開閉実行モードにおいて期待される賞球数は少ないが、次回の高頻度サポートモード中に再び当たり抽選に当選する確率が高くなる。
なお、以下では、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、4R通常当たり結果を4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果を15R通常当たり結果A、15R確変当たり結果を15R確変当たり結果Aともいう。また、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、4R通常当たり結果を4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果を15R通常当たり結果B、15R確変当たり結果を15R確変当たり結果Bともいう。そして、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fには、4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果A、4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果Bのそれぞれの終了条件の回数が記憶されている。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図63を参照しつつ説明する。図63は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、上記図25で説明した特図変動開始処理に対して、時短モードフラグが格納されている場合に時短モード回数カウンタの値を1減算する処理(S726)に変更した処理である。
具体的には、図63に示されるように、ステップ712で時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S712:YES)、時短モード回数カウンタを1減算する(S726)。なお、時短モード回数カウンタには、4R通常当たり結果または15R通常当たり結果に起因する開閉実行モードのエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図65、S1312)。
なお、ステップ707のフラグ格納処理では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、4R通常当たり結果Aである場合には4R通常当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Aである場合には15R通常当たり結果フラグAを格納し、15R確変当たり結果Aである場合には15R確変当たり結果フラグAを格納する。また、4R通常当たり結果Bである場合には4R通常当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Bである場合には15R通常当たり結果フラグBを格納し、15R確変当たり結果Bである場合には15R確変当たり結果フラグBを格納する。
続いて、主側MPU112が実行する特図確定中処理について図64を参照しつつ説明する。図64は、特図確定中処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図27で説明した特図確定中処理と同様の処理であり、上記図27で説明した特図確定中処理に対して、時短モードフラグが格納されている場合に時短モード回数カウンタの値を判定する処理(S920)に変更した処理である。
具体的には、図64に示されるように、時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S905:YES)、時短モード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S920)。そして、時短モード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S920:NO)、つまり時短モード回数カウンタの値が0であると判定した場合には、時短モードフラグを消去する(S908)。一方、時短モード回数カウンタの値が1以上であると判定した場合(S920:YES)、ステップ910の処理を実行して本特図確定中処理を終了する。
次に、主側MPU112が実行する特電終了処理について図65を参照しつつ説明する。図65は、主側MPU112が実行する特電終了処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図31で説明した特電終了処理と同様の処理であり、上記図31で説明した特電終了処理に対して、確変当たり結果でない場合に時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットするようにした処理である(S1312)。
具体的には、図65に示されるように、確変当たり結果でないと判定した場合(S1302:NO)、高確率モードフラグを消去すると共に(S1304)、時短モードフラグを格納する(S1305)。そして、時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットした後(S1312)、ステップ1307以降の処理を実行して本特電終了処理を終了する。
ステップ1312の時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットする処理では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1311)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが4R通常当たり結果フラグAである場合(4R通常当たり結果Aだった場合)、または15通常当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、時短モード回数カウンタに100をセットする(図62、4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果A参照)。また、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが4R通常当たり結果フラグBである場合(4R通常当たり結果Bだった場合)、または15通常当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、時短モード回数カウンタに50をセットする(図62、4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果B参照)。
次に、本実施形態の図柄表示装置80の表示態様について説明する。本実施形態では、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、当たり結果の種別が明確に把握できる表示態様としている。具体的には、15R確変当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに奇数図柄の組み合わせが表示されるようにし、4R通常当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに「2」図柄または「4」図柄の組み合わせが表示されるようにし、15R通常当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに「6」図柄または「8」図柄の組み合わせが表示されるようにしている。
また、開閉実行モード中には、高頻度サポートモード中の遊技方法が表示される。具体的には、図66(a)に示されるように、「矢印Aを狙うと時短モード回数が多くなるかも!?」という文字および対応する画像を表示し、第1特別始動口57に遊技球を入賞させることで時短モード回数が多くなることを示唆する。また、図66(b)に示されるように、「矢印B(外側領域R2)を狙うと15当たりとなる確率が高くなるかも!?」という文字および対応する画像を表示し、第2特別始動口58に遊技球を入賞させることで15R当たり結果となる確率が高くなることを示唆する。これにより、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することにより、異なる結果が発生し得るという遊技性を把握できる。
次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
高頻度サポートモード中では、遊技者は、上記第1実施形態と同様に、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球が入賞するように遊技球を右打ちする。これにより、遊技者は、持ち球をあまり減らさずに遊技を継続できる。
この際、高頻度サポートモード中では、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれにも遊技球を入賞させることができるが、上記のように、第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が低くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなっている。言い換えると、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が高くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が少なくなっている。
このため、遊技者は、1回の開閉実行モードで得られる遊技球数(ラウンド数)に重点を置くか、次回の高頻度サポートモードの終了回数(時短モード回数、連続当たりのし易さ)に重点を置くかにより、遊技者自身によって遊技性を選択できる。このため、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、1回の開閉実行モードで得られる遊技球数(ラウンド数)に重点を置くか、高頻度サポートモードの終了回数(時短モード回数、連続当たりのし易さ)に重点を置くかにより、遊技者自身によって遊技性を選択できる。つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技者の好みによって遊技者自身が遊技性を選択できるという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第4実施形態において、振分テーブルを変更してもよい。例えば、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルにおいて、高頻度サポートモードの終了条件が1種類ではなく、2種類、またはさらに複数種類が設定されていてもよい。また、4R通常当たり結果Aおよび15R通常当たり結果Aにおいて、高頻度サポートの終了条件として50回が選択されることがあるようにし、4R通常当たり結果Bおよび15R通常当たり結果において、高頻度サポートモードの終了条件として100回が選択されることがあるようにしてもよい。
また、例えば、開閉実行モードの移行契機となった当たり結果が15R通常当たり結果である場合、直前の遊技回において「2」図柄または「4」図柄の組み合わせを表示し、開閉実行モード中に、遊技者に15R通常当たり結果であることを認識させるための演出を表示するようにしてもよい。同様に、15R確変当たり結果である場合、直前の遊技回において偶数図柄の組み合わせを表示し、開閉実行モード中に、遊技者に15R確変当たり結果であることを認識させるための演出を表示するようにしてもよい。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、可変普通入賞装置59への遊技球の誘導のされ方を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図67に示されるように、可変普通入賞装置59の上方(遊技球が可変普通入賞装置59に到達するまでの領域)には、振分ユニット(振分手段、外振分手段)220が配置されている。ここで、本実施形態の振分ユニット220の構成について図68を参照しつつ説明する。図68は、振分ユニット220近傍の拡大図である。
図68に示されるように、振分ユニット220は、遊技球が振分ユニット220に達した際、当該遊技球の排出先を内側領域R1または外側領域R2に振り分けるものであり、受動振分部材(振分部材)221および分岐用壁部222を有する受動振分装置223が複数備えられることで構成されている。
受動振分部材221は、本実施形態では、一方向に延設された棒状の第1~第3突出片224~226を有し、これら第1~第3突出片224~226が軸部227を中心として等角度間隔となるように当該軸部227に備えられた正面視略Y字状とされている。そして、軸部227が遊技盤43に取り付けられることにより、軸部227を軸として回動可能とされている。また、受動振分部材221は、第1突出片224と第2突出片225との間の部分に遊技球を受け止め可能な第1収容部(第1受動部)228が構成されると共に、第1突出片224と第3突出片226との間の部分に遊技球を受け止め可能な第2収容部(第2受動部)229が構成されている。そして、受動振分部材221は、第1収容部228または第2収容部229で遊技球を受け止めると、遊技球の重さによって軸部227を軸として回動し、遊技球を内側領域R1または外側領域R2へと振り分ける(誘導する)。なお、受動振分部材221は、後述するように分岐用壁部222によって回動限界位置が規定される。
分岐用壁部222は、軸部227の直下に配置され、正面視上下方向に延設されている。さらに、詳述すると、分岐用壁部222は、第2突出片225と第3突出片226との間に配置され、受動振分部材221が回動した際、第2突出片225または第3突出片226と当接することで受動振分部材221のさらなる回動が抑制されるように配置されている。つまり、この分岐用壁部222は、受動振分部材221の回動限界位置を規定するストッパとしての機能を発揮するものである。本実施形態では、受動振分部材221は、回動した際、第2突出片225が分岐用壁部222に正面視右側(外レール54側)から当接するように配置され、第3突出片226が分岐用壁部222に正面視左側(図柄表示装置80側)から当接するように配置されている。つまり、受動振分部材221は、遊技球を第1収容部228で受け止めると時計回り(第2周方向)に回動して当該遊技球を外側領域R2へと誘導し、遊技球を第2収容部229で受け止めると反時計回り(第1周方向)に回動して当該遊技球を内側領域R1へと誘導するように配置されている。
また、本実施形態では、第1突出片224の軸部227と反対側の先端部に受動振分部材側磁石224aが備えられており、遊技盤43の後方には、第1突出片224の延設方向が正面視上下方向となった際、受動振分部材側磁石224aと対応する位置にベース側磁石230が設けられている。なお、本実施形態では、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって回動規制手段が構成されている。
受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230は、それぞれ棒状とされており、受動振分部材側磁石224aにおけるベース側磁石230側の極性と、ベース側磁石230における受動振分部材側磁石224a側の極性とが互いに反発する極性(S極同士またはN極同士)となるように配置されている。
これにより、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230とが最も近接する(先端部同士が向かい合う)位置は、第1突出片224が軸部227の直上の位置している場合となるが、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230との極性が同じ(S極同士またはN極同士)となるように配置されているため、反発することで第1突出片224が軸部227の直上で停止することを抑制できる。すなわち、第1収容部228または第2収容部229が上方に向けて開口した状態(第1周方向または第2周方向に回動した状態)で維持できる。このため、遊技球が受動振分部材221に到達すると、遊技球は第1収容部228または第2収容部229に交互に受け止められ、内側領域R1または外側領域R2へと交互に排出される。
以上が受動振分装置223の構成である。そして、本実施形態では、図67および図68に示されるように、受動振分装置223は、正面視右下がりとなるように連続して2個備えられている。具体的には、各受動振分装置223は、遊技球の流下方向における上流側(前段)の受動振分装置223にて遊技球が外側領域R2側に振り分けられた際、当該遊技球が下流側(後段)の受動振分装置223における受動振分部材221の第1収容部228または第2収容部229のいずれかに受け止められるように配置されている。
そして、可変普通入賞装置59は、開閉板59bが開放状態である際、内側領域R1に振り分けられた遊技球が左側空間K1に入賞すると共に、外側領域R2に振り分けられた遊技球が右側空間K2に入賞するように配設されている。
次に、本実施形態の振分ユニット220における遊技球の振分動作について、図69を参照しつつ説明する。
上記のように、受動振分部材221は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって第1収容部228または第2収容部229が上方に開口した状態で維持される。図69(a)では、上流側の受動振分部材221および下流側の受動振分部材221は、それぞれ第1収容部228が上方に開口した状態のものを図示している。
そして、図69(b)に示されるように、遊技球が上流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を外側領域R2側へ誘導することで当該遊技球が下流側の受動振分部材221へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
その後、図69(c)に示されるように、遊技球が下流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を外側領域R2側へ誘導する。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの右側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第2特別始動口58側へと誘導される。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
次に、図69(d)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(a)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229で受け止められ、受動振分部材221が回動することで内側領域R1側へ誘導される。つまり、遊技球は、下流側の受動振分部材221に誘導されることなく流下する。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第1収容部228が上方に開口した状態で停止する。
そして、図69(e)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(d)にて受動振分部材221は第1収容部228が上方に開口した状態で停止しているため、図69(a)と同様に、遊技球を外側領域R2側へと誘導する。
なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
続いて、図69(f)に示されるように、下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(c)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229に受け止められ、受動振分部材221が回動することで内側領域R1側へ誘導される。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
そして、図69(g)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(e)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、図69(d)と同様に、遊技球を内側領域R1側へと誘導する。
これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。つまり、図69(g)の振分動作が実行されると、図69(a)の状態に戻る。
以上説明したように、図69に示す2個の受動振分装置223を有する振分ユニット220では、4通り(2の2乗通り)の振分経路が構成される。そして、4個の遊技球のうちの3個の遊技球は、開閉板59bが開放状態であれば普通入賞口59aの左側空間K1に入賞し、開閉板59bが閉鎖状態であれば第1特別始動口57へと誘導される。また、4個の遊技球のうちの1個の遊技球は、開閉板59bが開放状態であれば普通入賞口59aの右側空間K2に入賞し、開閉板59bが閉鎖状態であれば第2特別始動口58へと誘導される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、遊技球を右打ちすると、遊技球が振分ユニット220によって内側領域R1または外側領域R2のいずれかに振り分け割られる。このため、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、内側領域R1および外側領域R2に遊技球を振り分けることができる。つまり、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、普通入賞口59aの左側空間K1および右側空間K2に遊技球を入賞させることができる。
また、本実施形態では、内側領域R1または外側領域R2に共通の受動振分部材221によって遊技球を振り分けることができる。このため、内側領域R1側へ遊技球を誘導する部材または外側領域R2側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
さらに、複数の受動振分部材221(受動振分装置223)を備え、上流側の受動振分部材221から外側領域R2側に遊技球が誘導された際に下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されるようにしている。このため、配設する受動振分部材221の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(受動振分部材221の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、遊技者が遊技球を右打ちした際、内側領域R1と外側領域R2を通過する遊技球の比率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
また、振分ユニット220は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって構成される回動規制手段を有しているため、第1収容部228および第2収容部229は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、内側領域R1または外側領域R2に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
さらに、本実施形態では、振分ユニット220によって遊技球が内側領域R1または外側領域R2に振り分けられる。そして、振分ユニット220(受動振分装置223)では、遊技球を振り分ける際の停止位置によって内側領域R1または外側領域R2のいずれに遊技球を振り分けるかが決定される(図69参照)。つまり、遊技者は、振分ユニット220の停止位置を確認することにより、遊技球が内側領域R1または外側領域R2のいずれに振り分けられるかを把握することができる。このため、遊技者は、例えば、第2特別始動口58に遊技球を入賞させたくない場合、振分ユニット220によって外側領域R2に遊技球が振り分けられる際、普通入賞口59aに遊技球を入賞させずに第2非電役物67を開放状態にしないようにするか、または普通入賞口59aに遊技球を入賞させて遊技球が第2特別始動口58へ誘導されないようにすればよい。つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技球が内側領域R1または外側領域R2のいずれに振り分けられるのかを把握(推測)させつつ、把握した結果に基づいて遊技球の発射の仕方を変化させるという遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態の変形例について説明する。上記第5実施形態において、受動振分装置223を1つのみ備え、遊技球が内側領域R1または外側領域R2に交互に振り分けられるようにしてもよい。また、振分ユニット220は、3個以上の受動振分装置223を有する構成としてもよい。すなわち、振分ユニット220に含まれる受動振分装置223の数は、適用する遊技機に合わせて適宜変更可能である。
また、上記第5実施形態において、振分ユニット220で振り分けられる経路数を内側領域R1と外側領域R2の2つでなく、3つにしてもよい。例えば、上流側の受動振分部材221で内側領域R1に振り分けられた場合(図69(d)、図69(g)参照)には普通入賞口59aよりもさらに正面視左側を通過するようにし、下流側の受動振分部材221で内側領域R1に振り分けられた場合(図69(f)参照)のみ普通入賞口59aの左側空間K1に入賞し得るようにしてもよい。これによれば、遊技球の左側空間K1に入賞し得る確率と右側空間K2に入賞し得る確率が等しくなるため、いずれか一方の非電役物のみが開放状態となり易くなることを抑制できる。
さらに、上記5実施形態において、振分ユニット220が備えられている部分に、主制御装置91からの制御信号によって駆動する駆動部を有する振分ユニットを備え、当該振分ユニットがランダム、または期間毎に遊技球を内側領域R1または外側領域R2に振り分ける構成としてもよい。
また、上記第5実施形態において、振分ユニット220が備えられている部分に、振分手段(外振分手段)として、例えば、2つの孔部が形成された皿状の役物で構成されるクルーンを配設し、一方の孔部から遊技球が排出されると内側領域R1に遊技球が振り分けられ、他方の孔部から遊技球が排出されると外側領域R2に遊技球が振り分けられるようにしてもよい。
そして、上記第5実施形態において、振分テーブル(図17)を変更してもよい。すなわち、上記第5実施形態では、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は外側領域R2よりも内側領域R1に振り分けられ易い。つまり、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は、普通入賞口59aの右側空間K2よりも左側空間K1から入賞し易く、第2特別始動口58よりも第1特別始動口57に誘導され易い。このため、振分テーブルにおいて、例えば、時短モードBとして、終了条件Aとして規定される第1抽選遊技が実行される回数を60回とし、時短モードが早期に終了し過ぎないようにしてもよい。
さらに、上記第5実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、第1非電役物作動機構70は、複数の遊技球が接触すると開放状態となるようにしてもよい。この場合、上記第5実施形態では、振分ユニット220は、2個の受動振分装置223を有しているため、遊技者が遊技球を右打ちすると、4個のうちの3個の遊技球が内側領域R1に振り分けられ、4個のうちの1個の遊技球が外側領域R2に振り分けられる。つまり、上記第5実施形態では、第1非電役物作動機構70の方が第2非電役物作動機構71より遊技球と接触し易い構成とされている。このため、例えば、1非電役物作動機構70に3個の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となるようにすることにより、一方の非電役物のみが開放状態となり易くならないようにできる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、普通入賞口59a内に仕切部材59dを備えず、1つの排出通路および1つの作動契機手段を備えるようにしたものである。その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図70示されるように、普通入賞口59a内に仕切部材59dが備えられていない。そして、普通入賞口59aには、1つの共通排出通路77が連通されており、当該共通排出通路77には、共通非電役物作動機構(共通非電役物作動契機手段)78と、共通非電役物作動機構78の下流側に共通排出通路検知センサ(主検知手段)77aが備えられている。
本実施形態では、第1非電役物66、第2非電役物67および共通非電役物作動機構78は、共通非電役物作動機構78に遊技球が接触(入球)することにより、第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態となるように配設されている。
次に、本実施形態の非電役物状態把握処理について図71を参照しつつ説明する。図71は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理と同様の処理であり、上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理に対して、共通排出通路77から遊技球が排出されるか否かを判定する処理(S2301)に変更した処理である。
具体的には、まず、共通排出通路77を遊技球が通過したか否かを共通排出通路検知センサ77aの検知結果に基づいて判定する(S2301)。なお、共通排出通路検知センサ77aにて遊技球の通過が検知されるということは、共通非電役物作動機構78に遊技球が接触して第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態になり(開放状態に維持され)、第1特別始動口57および第2特別始動口58に2個の遊技球が入賞可能な状態になったことを意味する。
このため、共通排出通路77を遊技球が通過したと判定すると(S2301:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1始動入賞カウンタに2をセットし(S303)、第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S304)。また、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2始動入賞カウンタに2をセットし(S305)、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S306)。その後は、上記ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、第1非電役物66および第2非電役物67を1つの共通非電役物作動機構78にて開放状態となるようにしている。このため、部品点数の削減を図ることができる。なお、本実施形態のように、第1非電役物66および第2非電役物67が1つの共通非電役物作動機構78によって開放状態になるようにしても、遊技者は、内側領域R1または外側領域R2を狙って遊技球を発射することで第1特別始動口57または第2特別始動口58に選択的に遊技球を誘導させることができるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、1つの共通非電役物作動機構78によって第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるため、遊技者は、容易に第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。このため、遊技者が非電役物を開放状態にした後に特別始動口に遊技球を入賞させるという遊技性を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
(第6実施形態の変形例)
上記第6実施形態の変形例について説明する。上記第6実施形態において、共通排出通路77に、共通非電役物作動機構78の代わりに、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71を備えるようにしてもよい。つまり、1つの排出通路に異なる2つの非電役物作動機構を備える構成としてもよい。このような構成としても、上記第6実施形態のように、普通入賞口59aに入賞した遊技球が共通排出通路77から排出されると、当該遊技球が第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71と接触して第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態となるため、遊技者が非電役物を開放状態にした後に特別始動口に遊技球を入賞させるという遊技性を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
また、上記第6実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、共通非電役物作動機構78に複数の遊技球が接触することで第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。
さらに、上記第6実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、共通非電役物作動機構78の上流側にも検知センサ(副検知手段)を配設し、普通入賞口59aに入賞した遊技球と共通排出通路77から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、普通入賞口59a内に複数の仕切部材59dを備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図72に示されるように、普通入賞口59aには、3つの仕切部材59dが備えられている。具体的には、3つの仕切部材59dは、正面視において、普通入賞口59a内の空間が左側から順に、第1左側空間K1a、第2左側空間K1b、第1右側空間K2a、第2右側空間K2bの4つの空間に分割されるように固定されて備えられている。なお、上記第1実施形態と比較すると、普通入賞口59aには、上記第1実施形態における左側空間K1を第1左側空間K1aと第2左側空間K1bとに分割するように仕切部材59dが追加されていると共に、上記第1実施形態における右側空間K2を第1右側空間K2aと第2右側空間K2bとに分割するように仕切部材59dが追加されているともいえる。
また、本実施形態では、普通入賞口59aと連通するように4つの排出通路68-1、68-2、69-1、69-2が配設されている。具体的には、第1左側空間K1aに入賞した遊技球を排出するように第1左側排出通路68-1が配設され、第2左側空間K1bに入賞した遊技球を排出するように第2左側排出通路68-2が配設され、第1右側空間K2aに入賞した遊技球を排出するように第1右側排出通路69-1が配設され、第2右側空間K2bに入賞した遊技球を排出するように第2右側排出通路69-2が配設されている。なお、上記第1実施形態と比較すると、左側排出通路68は、第1左側排出通路68-1と第2左側排出通路68-2とを有し、右側排出通路69は、第1右側排出通路69-1と第2右側排出通路69-2とを有しているともいえる。
そして、第1左側排出通路68-1には、第1-1非電役物作動機構構成部材(第1作動契機手段構成部材)70aが備えられ、第2左側排出通路68-2には、第1-2非電役物作動機構構成部材(第1作動契機手段構成部材)70bが備えられている。第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bは、第1非電役物66と機械的に接続され、当該第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに規定数(本実施形態では、1個)の遊技球が接触する(入球する)と第1非電役物66を開放状態にする(開放状態に維持する)ものである。つまり、本実施形態では、第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構70は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aと第1-2非電役物作動機構構成部材70bとを有する構成とされているといえる。
同様に、第1右側排出通路69-1には、第2-1非電役物作動機構構成部材(第2作動契機手段構成部材)71aが備えられ、第2右側排出通路69-2には、第2-2非電役物作動機構構成部材(第2作動契機手段構成部材)71bが備えられている。第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bは、第2非電役物67と機械的に接続され、当該第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bに規定数(本実施形態では、1個)の遊技球が接触する(入球する)と第2非電役物67を開放状態にする(開放状態に維持する)ものである。つまり、本実施形態では、第2非電役物67を開放状態にする第2非電役物作動機構71は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aと第2-2非電役物作動機構構成部材71bとを有する構成とされているといえる。
また、第1左側排出通路68-1には、第1-1非電役物作動機構構成部材70aの下流側に第1左側排出通路検知センサ68a1が配設され、第2左側排出通路68-2には、第1-2非電役物作動機構構成部材70bの下流側に第2左側排出通路検知センサ68a2が配設されている。第1右側排出通路69-1には、第2-1非電役物作動機構構成部材71aの下流側に第1右側排出通路検知センサ69a1が配設され、第2右側排出通路69-2には、第2-2非電役物作動機構構成部材71bの下流側に第2右側排出通路検知センサ69a2が配設されている。
さらに、本実施形態では、図73に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちした際に可変普通入賞装置59に到達するまでの領域(可変普通入賞装置59の上流側)には、3つの区画機構72が配設されている。具体的には、3つの区画機構72は、遊技者が遊技球を右打ちした際、普通入賞口59aにおける第1左側空間K1a側に遊技球を誘導する第1内側領域R1aと、普通入賞口59aにおける第2左側空間K1b側に遊技球を誘導する第2内側領域R1bと、普通入賞口59aにおける第1右側空間K2a側に遊技球を誘導する第1外側領域R2aと、普通入賞口59aにおける第2右側空間K2b側に遊技球を誘導する第2外側領域R2bとを区画するように配設されている。つまり、遊技者は、開閉板59bが開放状態である際、第1内側領域R1aを狙って遊技球を発射することによって第1左側空間K1aに遊技球を入賞させることができ、第2内側領域R1bを狙って遊技球を発射することによって第2左側空間K1bに遊技球を入賞させることができ、第1外側領域R2aを狙って遊技球を発射することによって第1右側空間K2aに遊技球を入賞させることができ、第2外側領域R2bを狙って遊技球を発射することによって第2右側空間K2bに遊技球を入賞させることができる。なお、上記第1実施形態と比較すると、上記第1実施形態における内側領域R1を2分割するように区画機構72が備えられ、上記第1実施形態における外側領域R2を2分割するように区画機構72が備えられているともいえる。すなわち、本実施形態では、内側領域R1は第1内側領域R1aと第2内側領域R1bとを有し、外側領域R2は第1外側領域R2aと第2外側領域R2bとを有しているともいえる。
また、本実施形態では、遊技者が遊技球を右打ちする場合、第2外側領域R2bに遊技球を通過させることは、他の第1内側領域R1a、第2内側領域R1b、および第1外側領域R1aに遊技球を通過させるより容易である。このため、第1内側領域R1a、第2内側領域R1b、および第1外側領域R2aの入口(各領域における最初に遊技球が通過する部分)は、第2外側領域R2bの入口(第2外側領域R2における最初に遊技球が通過する部分)より開口幅が長くされている(広くされている)。
遊技盤43における可変普通入賞装置59より下流側の構成は、上記第1実施形態と同様とされている。このため、開閉板59bが閉鎖状態である場合、第1内側領域R1aおよび第2内側領域R1bを通過した遊技球は、第1特別始動口57側に誘導され、第1外側領域R2aおよび第2外側領域R2bを通過した遊技球は、第2特別始動口58側に誘導される。
次に、本実施形態の非電役物状態把握処理について図74を参照しつつ説明する。図74は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理と同様の処理であり、上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理に対して、第1左側排出通路68-1および第2左側排出通路68-2から遊技球が排出されると第1始動入賞カウンタに2をセットし、第1右側排出通路69-1および第2右側排出通路69-2から遊技球が排出されると第2始動入賞カウンタに2をセットするようにした処理である(S2401~S2412)。
具体的には、まず、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第1左側空間K1aに遊技球の入賞があったか否か)を判定し(S2401)、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過していないと判定すると(S2401:NO)、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第2左側空間K1bに遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S2402)。そして、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過していないと判定すると(S2402:NO)、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第1右側空間K2aに遊技球の入賞があったか否か)を判定し(S2403)、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過していないと判定すると(S2403:NO)、第2右側排出通路69-2を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第2右側空間K2bに遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S2404)。なお、ステップ2401~2404の各判定は、各排出通路検知センサ68a1、68a2、69a1、69a2の検知結果によって判定される。
そして、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過したと判定した場合は(S2401:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1左側排出通路通過カウンタに1をセットする(2405)。また、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過したと判定した場合は(S2402:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2左側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2406)。なお、ステップ2405およびステップ2406にて、通過カウンタに1が既にセットされている場合は、そのまま維持する。そして、第1左側排出通路通過カウンタに1をセットした後、または第2左側排出通路通過カウンタに1をセットした後は、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定する(S2407)。
すなわち、本実施形態では、上記のように、第1非電役物66は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bの両方に遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。つまり、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるということは、第1非電役物66が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを意味している。
言い換えると、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタの一方が0であるということは、第1非電役物66が閉鎖状態であることを意味している。このため、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定することにより、第1非電役物66が開放状態であるか否かを判定する。
そして、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であると判定した場合には(S2407:YES)、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタを共に0クリアし(S2408)、その後は上記ステップ303以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。また、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1でないと判定した場合は(S2407:NO)、ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
同様に、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過したと判定した場合は(S2403:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1右側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2409)。また、第2右側排出通路69-2を遊技球が通過したと判定した場合は(S2404:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2右側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2410)。なお、ステップ2409およびステップ2410にて、通過カウンタに1が既にセットされている場合は、そのまま維持する。そして、第1右側排出通路通過カウンタに1をセットした後、または第2右側排出通路通過カウンタに1をセットした後は、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定する(S2411)。
すなわち、本実施形態では、上記のように、第2非電役物67は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bの両方に遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。つまり、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるということは、第2非電役物67が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを意味している。
言い換えると、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタの一方が0であるということは、第2非電役物67が閉鎖状態であることを意味している。このため、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定することにより、第2非電役物67が開放状態であるか否かを判定する。
そして、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であると判定した場合には(S2411:YES)、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタを共に0クリアし(S2412)、その後は上記ステップ305以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。また、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1でないと判定した場合(S2411:NO)、または第2右側排出通路69-2を遊技球が通過していないと判定した場合は(S2404:NO)、ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、第1非電役物66は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。このため、遊技者は、第1非電役物66を開放状態にするためには、第1内側領域R1aを狙って第1左側空間K1aに遊技球を入賞させると共に、第2内側領域R1bを狙って第2左側空間K2aに遊技球を入賞させる必要がある。同様に、第2非電役物67は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bに遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。このため、遊技者は、第2非電役物67を開放状態にするためには、第1外側領域R2aを狙って第1右側空間K2aに遊技球を入賞させると共に、第2外側領域R2bを狙って第2右側空間K2bに遊技球を入賞させる必要がある。したがって、遊技者に、1つの非電役物を開放させるためにも遊技球の発射の仕方を変更するという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
(第7実施形態の変形例)
上記第7実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第7実施形態において、第1非電役物66が開放状態になるために必要な第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに接触する遊技球の数は、適用する遊技機に応じて適宜変更可能である。例えば、第1-1非電役物作動機構構成部材70aに2個の遊技球が接触すると共に第1-2非電役物作動機構構成部材70bに1個の遊技球が接触すると、第1非電役物66が開放状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物67が開放状態になるために必要な第2-1非電役物作動機構構成部材71aに接触する遊技球の数、および第2-2非電役物作動機構構成部材71bに接触する遊技球の数は、適宜変更可能である。これによれば、さらに遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
そして、上記第7実施形態において、さらに複数の排出通路と、さらに複数の非電役物作動機構構成部材を備えるようにしてもよい。つまり、例えば、3個の非電役物作動機構構成部材に遊技球が接触することで1つの非電役物が開放状態となるようにしてもよく、1つの非電役物を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数は、適宜変更可能である。また、第1非電役物66を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数と、第2非電役物67を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数とは異なっていてもよく、例えば、第1非電役物66を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数が2個であり、第2非電役物67を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数が3個であってもよい。
さらに、上記第7実施形態において、上記第1実施形態のように、普通入賞口59a内の空間が左側空間K1と右側空間K2との2つの空間に分割され、排出通路を左側排出通路68および右側排出通路69の2つとし、非電役物作動機構を2つの非電役物作動機構70、71としてもよい。この場合、例えば、非電役物作動機構70に2個の遊技球が接触すると共に非電役物作動機構71に1個の遊技球が接触すると非電役物66が開放状態になり、非電役物作動機構70に1個の遊技球が接触すると共に非電役物作動機構71に2個の遊技球が接触すると非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。つまり、2つの非電役物を開放状態にする非電役物作動機構を共通とし、当該非電役物作動機構に接触する遊技球の数によって開放状態となる非電役物が変化するようにしてもよい。
また、上記第7実施形態において、図柄表示装置80に、遊技球が接触していない(入球していない)非電役物作動機構が遊技者に理解できる画像を表示してもよい。例えば、図75に示されるように、図柄表示装置80に、第1-1非電役物作動機構構成部材70aに遊技球が接触したが、第1-2非電役物作動機構構成部材70bに遊技球が接触していないことで第1非電役物66が開放状態となっていない場合、第2内側領域R1bに遊技球を通過させることを示唆する画像、および「矢印を狙うと下の役物が開くかも!!」という文字を表示するようにしてもよい。また、特に図示しないが、第2非電役物67が開放状態となっていない場合も同様の画像を表示するようにしてもよい。これによれば、遊技者は、狙う領域を明確に把握でき、第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態とならないことに対して嫌悪感を抱いてしまうことを抑制できる。なお、表示される画像はこれに限らず、遊技者が狙うべき領域を理解できるのであれば、適宜変更可能である。
(他の実施形態)
上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。そして、以下の別形態の構成を上記各実施形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施形態とは異なる実施形態に対して適用してもよい。
(a)その他適用例について
(1)上記各実施形態において、各遊技結果の内容は上記の構成に限定されず、例えば、大入賞口60aが長時間態様で1回または複数回開放され、その後大入賞口60aが短時間態様で1回または複数回開放されるいわゆるランクアップ(RU)当たりを備える構成としてもよい。また、開閉実行モードが終了した後、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードのままとなる当たり結果を備える構成としてもよい。
(2)上記各実施形態において、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(3)上記各実施形態において、可変大入賞装置60等への遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
(4)上記各実施形態において、第1、第2抽選遊技に関する保留図柄(保留予告)を図柄表示装置80の下側表示領域Dnに表示させる構成ではなく、図柄表示装置80とは別に設けられた表示装置の表示画面に保留図柄が表示されるようにしてもよいし、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよいし、ランプ(所定の発光部)を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよいし、スピーカ部34からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部または一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(5)上記各実施形態において、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置92、93が1つの制御装置として設けられていてもよい。また、音声ランプ制御装置92または表示制御装置93の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の両方の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよい。さらに、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて音声ランプ制御装置92が表示制御装置93を制御する構成ではなく、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて表示制御装置93が音声ランプ制御装置92を制御する構成としてもよい。また、第2枠ボタン検知センサ27aが主制御装置91に接続されていてもよい。
(6)上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記第1実施形態の変形例における第1非電役物作動機構70に複数の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となり、第2非電役物作動機構71に複数の遊技球が接触すると第2非電役物67が開放状態となる構成を上記第2~上記第7実施形態に組み合わせてもよい。この場合、上記第6実施形態においては、共通非電役物作動機構78に複数の遊技球が接触すると第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となる構成としてもよい。また、上記第2、3実施形態を上記第4~第7実施形態に組み合わせ、当たり抽選に当選した際の抽選モードも考慮して高頻度サポートモードの終了条件を設定するようにし、高確率モードが回数制限付とされていてもよい。そして、上記第4実施形態を上記第5~第7実施形態に組み合わせ、第1抽遊技が当たり抽選に当選した場合と第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合とにおいて、開閉実行モードのラウンド数、および高頻度サポートモードの終了条件を変更してもよい。さらに、上記第5実施形態を上記7実施形態に組み合わせ、振分ユニット220を備えるようにしてもよい。この場合、振分ユニット220に含まれる受動振分装置223の数を変更し、排出通路の数に対応させた振分経路数とすることが好ましい。また、上記第7実施形態を上記第6実施形態に組み合わせ、複数の排出通路と、各排出通路に備えられる共通非電役物作動機構構成部材(共通作動契機手段構成部材)とを有する構成とし、各排出通路に備えられる共通非電役物作動機構にそれぞれ遊技球が接触する(入球する)と、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。
(7)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入およびスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部および取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(b)上記各実施形態から抽出される発明群について
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
(1)特徴A群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴A群は、この課題を解決するものである。
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた主条件が成立した場合に普通入賞口(59a)への前記遊技球の入球が可能になると共に、前記予め定められた主条件が成立してない場合に前記普通入賞口への前記遊技球の入球が困難、または不可能になる普通入球手段(可変普通入賞装置59)と、
前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くする共通作動契機手段(共通非電役物作動機構78)、または前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)および前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)を有することを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、普通入球手段に遊技球が入球すると、共通作動契機手段を有する場合には第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなり、第1作動契機手段および第2作動契機手段を有する場合には第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなる。このため、遊技者に、普通入球手段へ遊技球を入球させることで第1取得条件または第2取得条件の少なくともいずれか一方を成立させ易くする行為と、成立し易くなった第1取得条件または第2取得条件を成立させるという異なる遊技性を付与でき、遊技が単調になることを抑制できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、共通作動契機手段を有する場合には、普通入球手段に遊技球が入球して当該共通作動契機手段に遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる。このため、遊技者に、遊技者自身の選択により、成立し易くなった第1取得条件を成立させるのか、または成立し易くなった第2取得条件を成立させるのかを選択させるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴A2.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段と、
前記遊技球が前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段のいずれに入球するかを振り分ける少なくとも1つの振分手段(仕切部材59d、振分ユニット220)と、を有することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技球が振分手段によって振り分けられる。このため、遊技球が第1作動契機手段または第2作動契機手段のいずれに入球するかの過程にも注目させることができ、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
特徴A3.前記振分手段の1つは、前記普通入球手段内に備えられた内振分手段(仕切部材59d)であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3によれば、内振分手段は、普通入球手段に備えられている。このため、遊技領域を広く利用できる。
特徴A4.前記内振分手段は、前記普通入球手段内に固定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、内振分手段は、普通入球手段内に固定されている。このため、遊技者は、第1作動契機手段に入球するように普通入賞口に遊技球を入球させるのか、または第2作動契機手段に入球するように普通入賞口に遊技球を入球させるのかを選択することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A5.前記内振分手段は、前記普通入球手段内において、予め定められた期間毎に、前記普通入賞口に入球した前記遊技球が第1作動契機手段に入球する、または前記第2作動契機手段に入球するように、可動可能に備えられていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技者は、期間を選択して普通入賞口に入球するように遊技球を発射することにより、第1作動契機手段または第2作動契機手段のいずれに遊技球を入球させるのかを選択できる。つまり、遊技者は、期間を選択して普通入賞口に入球するように遊技球を発射することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A6.前記振分手段の1つは、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記普通入球手段に到達するまでの領域に備えられた外振分手段(振分ユニット220)であることを特徴とする特徴A2ないしA5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、外振分手段は、遊技球が普通入球手段に到達するまでの経路に備えられている。このため、外振分手段に振り分けられた遊技球が普通入球手段に到達するまでの過程にも注目させることができる。
特徴A7.前記外振分手段は、前記遊技球が前記普通入球手段に入球した場合に前記遊技球が前記第1作動契機手段に入球し易い第1領域(内側領域R1)、または前記遊技球が前記普通入球手段に入球した場合に前記遊技球が前記第2作動契機手段に入球し易い第2領域(外側領域R2)に前記遊技球を振り分けることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技球は、外振分手段によって第1領域または第2領域に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、第1領域または第2領域に遊技球を振り分けることができる。つまり、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、遊技球が普通入球手段に入球した場合に遊技球を第1作動契機手段または第2作動契機手段に入球させることができる。
特徴A8.前記外振分手段は、回動可能な状態で前記遊技領域に配設され、前記発射手段から発射された前記遊技球を第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向と反対側の第2周方向に所定角度まで回動することによって前記第2領域に当該遊技球を誘導すると共に、前記発射手段から発射された前記遊技球を前記第2周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向に所定角度まで回動することによって前記第1領域に当該遊技球を誘導する振分部材(221)を有することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1領域、または第2領域に共通の振分部材によって遊技球を振り分けることができる。このため、第1領域側へ遊技球を誘導する部材、および第2領域側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
特徴A9.前記外振分手段は、前記遊技球の流下方向に沿って複数の前記振分部材が配設されることで構成され、
複数の前記振分部材は、前記遊技球の流下方向における上流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第2周方向に所定角度まで回動することで前記第2領域に当該遊技球を誘導することにより、下流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に回動した状態、または前記第2周方向に回動した状態で受けることができるように配設されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、上流側の振分部材から第2領域側に遊技球が誘導されることにより、下流側の振分部材に遊技球が誘導される。このため、配設する振分部材の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(振分部材の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、第1領域または第2領域に振り分けられる遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
特徴A10.前記振分部材は、前記第1周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第1受動部(第1収容部228)と、前記第2周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第2受動部(第2収容部229)と、を有し、
前記外振分手段は、前記第1受動部が前記第2周方向に回動して前記第2受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第2受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第2受動部が前記第1周方向へ回動することを妨げる、および前記第2受動部が前記第1周方向に回動して前記第1受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第1受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第1受動部が前記第2周方向へ回動することを妨げる回動規制手段(ベース側磁石230、受動振分部材側磁石224a)を有することを特徴とする特徴A8またはA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、回動規制手段を有しているため、第1受動部および第2受動部は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、第1領域または第2領域に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
特徴A11.前記外振分手段は、予め定められた期間毎に、前記第1領域または前記第2領域に前記遊技球を振り分けることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技者は、期間を選択して外振分手段に到達するように遊技球を発射することにより、第1領域または第2領域のいずれに遊技球が振り分けられるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、遊技球が普通入球手段に入球した場合に第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A12.前記第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を有し、前記複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くし、
前記第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材71b)を有し、前記複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴A2ないしA11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴A13.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くするか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする構成とされていることを特徴とする特徴A2ないしA12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A14.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなり過ぎることを抑制できる。
特徴A15.前記第1取得条件は、前記第1作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴A2ないしA14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技者が第1作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第1作動契機手段に入球して第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
同様に、遊技者が第2作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第2作動契機手段に入球して第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴A15によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
なお、第1取得条件は、第1作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第1作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。
つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第2作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴A16.前記第1作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴A2ないしA15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴A17.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴A18.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A16またはA17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴A19.前記共通作動契機手段を有し、
前記共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材を有し、前記複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる。このため、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするために複数の共通作動契機手段構成部材に遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴A20.前記第1取得条件および前記第2取得条件は、前記共通作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、遊技者が共通作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が共通作動契機手段に入球して第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなるか、あるいは第1取得条件または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件または第2取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴A20によれば、遊技者が第1取得条件および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件および第2取得条件は、共通作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が共通作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させなかった遊技球が共通作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、共通作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴A21.前記共通作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する主検知手段(共通排出通路検知センサ77a)と、
前記主検知手段の検知結果に基づき、前記第1取得条件および前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴A19またはA20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴A22.前記異常判定手段は、前記主検知手段の検知結果から前記第1取得条件および第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴A23.前記主検知手段は、前記共通作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、さらに前記共通作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する副検知手段を備え、
前記異常判定手段は、前記主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A21またはA22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、共通作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴A24.前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1特別始動口57)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第2始動入球部(第2特別始動口58)と
前記第1始動入球部に備えられ、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第1開閉手段(第1非電役物66)と、
前記第2始動入球部に備えられ、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第2開閉手段(第2非電役物67)と、を有し、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第1取得条件が成立し、
前記第2始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第2取得条件が成立し、
前記共通作動契機手段を備える場合には、当該共通作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段および前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件および前記第2取得条件が成立し易くなり、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段を備える場合には、前記第1作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件が成立し易くなると共に前記第2作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第2取得条件が成立し易くなるなることを特徴とする特徴A1ないしA23のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A24によれば、上記特徴A1ないしA23の構成を簡素な構成で実現できる。そして、遊技者は、共通作動契機手段を備える場合には、共通作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段および第2開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部または第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。また、遊技者は、第1作動契機手段および第2作動契機手段を備える場合には、第1作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部に遊技球を入球させ易くでき、第2作動契機手段に遊技球を入球させて第2開閉手段を開放状態にすることで第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。このため、遊技者は、第1始動入球部に遊技球を入球させて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2始動入球部に遊技球を入球させて第2特別情報が付与判定されるようにするのかを遊技者自身で選択できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(2)特徴B群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴B群は、この課題を解決するものである。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた主条件が成立した場合に普通入賞口(59a)への前記遊技球の入球が可能になると共に、前記予め定められた主条件が成立してない場合に前記普通入賞口への前記遊技球の入球が困難、または不可能になる普通入球手段(可変普通入賞装置59)と、
前記普通入球手段と連通され、当該普通入球手段に入球した前記遊技球を排出する第1排出通路(左側排出通路68)および第2排出通路(右側排出通路69)と、
前記第1排出通路から排出される前記遊技球が入球すると、前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)と、
前記第2排出通路から排出される前記遊技球が入球すると、前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)と、
前記普通入球手段に入球した前記遊技球を前記第1排出通路、または前記第2排出通路へと振り分ける振分手段(仕切部材59d)と、を有し、
前記振分手段は、前記普通入賞口内の空間を第1空間(左側空間K1)と第2空間(右側空間K2)とに分割し、かつ前記第1空間に入球した前記遊技球が前記第1排出通路から排出されると共に、前記第2空間に入球した前記遊技球が前記第2排出通路から排出されるように、前記普通入賞口内に備えられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技者は、普通入賞口の第1空間に入球するように遊技球を発射させるのか、または普通入賞口の第2空間に入球するように遊技球を発射させるのかを選択することにより、第1排出通路または第2排出通路のいずれから遊技球が排出されるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、普通入賞口の第1空間に入球するように遊技球を発射させるのか、または普通入賞口の第2空間に入球するように遊技球を発射させるのかを選択することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。このため、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴B2.前記遊技領域には、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記普通入球手段に到達するまでの領域に、当該領域を前記遊技球の進行方向に沿って第1領域(内側領域R1)と第2領域(外側領域R2)とに区画する区画手段(区画機構72)が備えられ、
前記区画手段は、前記第1領域を通過して前記普通入賞口に入球した前記遊技球が前記第1空間に入球すると共に、前記第2領域を通過して前記普通入賞口に入球した前記遊技球が前記第2空間に入球するように備えられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技球が普通入球手段に到達するまでの領域には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って第1領域と第2領域とに区画する区画手段が備えられている。このため、遊技者は、普通入球手段(普通入賞口)に遊技球を入球させることができる場合、普通入球手段より手前に位置する第1領域を狙って遊技球を発射することで第1空間に遊技球を入球させることができ、普通入球手段より手前に位置する第2領域を狙って遊技球を発射することで第2空間に遊技球を入球させることができる。このため、遊技者が望む取得条件と異なる取得条件が成立し易くなることを抑制できる。
特徴B3.前記第1領域は、前記第2領域より遊技者が前記遊技球を通過させ難い領域であり、
前記第1領域における前記発射手段から発射された前記遊技球が最初に通過する部分を前記第1領域の入口とし、前記第2領域における前記発射手段から発射された前記遊技球が最初に通過する部分を前記第2領域の入口とすると、前記第1領域の入口は、前記第2領域の入口より開口幅が長くされていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1領域は第2領域より遊技者が遊技球を通過させ難い領域(第2領域より遊技者が狙い難い領域)であるが、第1領域の入口が第2領域の入口より開口幅が長くされている。つまり、第1領域にも遊技球が通過し易くなるようにしている。このため、遊技者の意図しない領域を通過して遊技球が普通入賞口に入球することを抑制できる。したがって、遊技者が望む取得条件と異なる取得条件が成立し易くなることをさらに抑制できる。
特徴B4.前記第1排出通路は、複数の排出通路(第1左側排出通路68-1、第2左側排出通路68-2)を有し、
前記第1作動契機手段は、前記複数の排出通路にそれぞれ少なくとも1つ備えられた第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を複数有し、前記複数の排出通路から前記遊技球がそれぞれ排出されて前記第1作動契機手段構成部材に当該遊技球がそれぞれ入球すると前記第1取得条件を成立し易くし、
前記第2排出通路は、複数の排出通路(第1右側排出通路69-1、第2右側排出通路69-2)を有し、
前記第2作動契機手段は、前記複数の排出通路にそれぞれ少なくとも1つ備えられた第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材70b)を複数有し、前記複数の排出通路から前記遊技球がそれぞれ排出されて前記第2作動契機手段構成部材に当該遊技球がそれぞれ入球すると前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴B1ないしB3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴B5.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くするか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする構成とされていることを特徴とする特徴B1ないしB4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴B6.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなり過ぎることを抑制できる。
特徴B7.前記第1取得条件は、前記第1空間に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2空間に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴B1ないしB6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技者が第1空間に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が普通入賞口の第1空間に入球した後に第1排出通路から排出されて第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
また、遊技者が第2空間に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が普通入賞口の第2空間に入球した後に第2排出通路から排出されて第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴B7によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件は、第1空間に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1空間へ入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1空間に入球することがあるようにしてもよいし、第1空間に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2空間に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2空間へ入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2空間に入球することがあるようにしてもよいし、第2空間に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴B8.前記第1排出通路から排出される前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2排出通路から排出される前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴B1ないしB7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴B9.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴B10.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴B8またはB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴B11.前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1特別始動口57)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第2始動入球部(第2特別始動口58)と
前記第1始動入球部に備えられ、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第1開閉手段(第1非電役物66)と、
前記第2始動入球部に備えられ、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第2開閉手段(第2非電役物67)と、を有し、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第1取得条件が成立し、
前記第2始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第2取得条件が成立し、
前記第1作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件が成立し易くなると共に、前記第2作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第2取得条件が成立し易くなるなることを特徴とする特徴B1ないしB10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、上記特徴B1ないしB10の構成を簡素な構成で実現できる。そして、遊技者は、第1作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部に遊技球を入球させ易くでき、第2作動契機手段に遊技球を入球させて第2開閉手段を開放状態にすることで第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。このため、遊技者は、第1始動入球部に遊技球を入球させて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2始動入球部に遊技球を入球させて第2特別情報が付与判定されるようにするのかを遊技者自身で選択できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(3)特徴C群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴C群は、この課題を解決するものである。
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた条件が成立した場合に前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くする共通作動契機手段(共通非電役物作動機構78)、または予め定められた第1条件が成立した場合に前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)および予め定められた第2条件が成立した場合に前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)を有し、
前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなった場合、遊技者が発射操作を調整することで前記第1取得条件を成立させるのか、または前記第2取得条件を成立させるのかを選択できることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技者は、発射操作を調整する(遊技球を打ち出す強さを調整する)ことにより、成立し易くなった第1取得条件または第2条件のいずれを成立させるのかを選択できる。このため、遊技者に、発射操作を調整することにより、成立し易くなった第1取得条件を成立させるのか、または成立し易くなった第2取得条件を成立させるのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴C2.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段を有し、
前記第1作動契機手段は、前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立し、
前記第2作動契機手段は、前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立し、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、予め定められた主条件が成立した場合、遊技者が発射操作を調整することで前記第1条件を成立させるのか、または前記第2条件を成立させるのかを選択できるように備えられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技者は、予め定められた主条件が成立した場合、発射操作を調整する(遊技球を打ち出す強さを調整する)ことにより、第1条件または第2条件のいずれを成立させるのかを選択できる。つまり、遊技者に、発射操作を調整することにより、第1取得条件を成立させ易くするのか、または第2取得条件を成立させ易くするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C3.前記第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を有し、前記複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立するものであり、
前記第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材71b)を有し、前記複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立するものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴C4.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立するか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立する構成とされていることを特徴とする特徴C2またはC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1条件または第2条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C5.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなることを抑制できる。
特徴C6.前記第1取得条件は、前記第1作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴C2ないしC5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技者が第1作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第1作動契機手段に入球して第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
同様に、遊技者が第2作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第2作動契機手段に入球して第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴C6によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件は、第1作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第1作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第2作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴C7.前記第1作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴C2ないしC6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制できる。
特徴C8.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴C9.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C7またはC8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴C10.前記共通作動契機手段を有し、
前記共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材を有し、前記複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記予め定められた条件が成立することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするために複数の共通作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴C11.前記第1取得条件および前記第2取得条件は、前記共通作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、遊技者が共通作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が共通作動契機手段に入球して第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなるか、あるいは第1取得条件または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件または第2取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴C11によれば、遊技者が第1取得条件および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件および第2取得条件は、共通作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が共通作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させなかった遊技球が共通作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、共通作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴C12.前記共通作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する主検知手段(共通排出通路検知センサ77a)と、
前記主検知手段の検知結果に基づき、前記第1取得条件および前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴C10またはC11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴C13.前記異常判定手段は、前記主検知手段の検知結果から前記第1取得条件および第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴C14.前記主検知手段は、前記共通作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、さらに前記共通作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する副検知手段を備え、
前記異常判定手段は、前記主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C12またはC13に記載の遊技機。
特徴C14によれば、共通作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴C15.前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、前記特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの前記特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段(主制御装置91のMPU112におけるS705の処理を実行する機能)と、を有していることを特徴とする特徴C1ないしC14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C15によれば、遊技モード選択手段は、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードを選択する。このため、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1取得条件を成立させるのか、または第2取得条件を成立させるのかを選択させるという遊技性を付与できる。つまり、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1特別情報が付与判定されるようにするか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。また、特徴C2等の構成を備える場合には、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1取得条件を成立させ易くするのか、または第2取得条件を成立させ易くするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
特徴C16.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択する前記複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の前記絵柄が停止表示されることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、遊技モード選択手段で選択される複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の絵柄が停止表示される。つまり、遊技者は、絵柄表示手段に停止表示される絵柄から特典遊技後モードを正確に把握できない場合がある。このため、遊技者に、遊技者自身によって特典遊技後モードを推測させ、推測した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
特徴C17.前記絵柄表示手段には、前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する前記絵柄の変動表示がされると共に、前記特典遊技後モードである場合には、当該特典遊技後モードを示唆する示唆演出が表示されることがあることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、遊技者は、絵柄表示手段に表示される示唆演出によって特典遊技後モードを推測できる。このため、遊技者の絵柄表示手段への注目度を向上でき、ひいては遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C18.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択した前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示されることを特徴とする特徴C17に記載の遊技機。
特徴C18によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、選択された特典遊技後モードを示す停止結果が表示される。このため、遊技者は、絵柄表示手段に表示される絵柄により、特典遊技後モードを正確に把握できる。したがって、遊技者に、特典遊技後モードを把握させつつ、把握した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
(4)特徴D群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴D群は、この課題を解決するものである。
特徴D1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、前記特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの前記特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段(主制御装置91のMPU112におけるS705の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となると、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードが選択される。このため、遊技者は、複数の特典遊技後モードを体感できる可能性がある。したがって、遊技の幅を広げることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴D2.前記複数の特典遊技後モードには、予め定められた主条件が成立すると、前記第1取得条件および前記第2取得条件が成立し易くなる複数の高頻度サポートモードが含まれ、
前記複数の高頻度サポートモードには、前記付与判定が規定回数実行されると当該高頻度サポートモードが終了する終了条件が設定された複数の制限付高頻度サポートモードが含まれており、
前記複数の制限付高頻度サポートモードは、互いに異なる前記終了条件を有していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特典遊技後モードには、第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる複数の高頻度サポートモードが含まれており、複数の高頻度サポートモードには、互いに異なる終了条件を有する複数の制限付高頻度サポートモードが含まれている。このため、特典遊技モード後に制限付高頻度サポートモードに移行した場合、遊技者に、移行した制限付高頻度サポートモードに応じて第1取得条件を成立させるのか、または第2取得条件を成立させるのかを選択させるという新規な遊技性を付与できる。つまり、遊技者に、移行した制限付高頻度サポートモードに応じて第1特別情報が付与判定されるようにするか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D3.前記複数の制限付高頻度サポートモードは、前記終了条件として、それぞれ前記第1特別情報が前記付与判定される第1回数、前記第2特別情報が前記付与判定される第2回数、または前記第1回数と前記第2回数との和である合計回数が規定され、前記第1回数、前記第2回数、または前記合計回数の少なくともいずれか1つが互いに異なることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特典遊技後モードとして制限付高頻度サポートモードに移行した場合、第1特別情報が付与判定される回数が第1回数に達する、第2特別情報が付与判定される回数が第2回数に達する、または第1特別情報が付与判定される回数と第2特別情報が付与判定される回数との和が合計回数に達すると、制限付高頻度サポートモードが終了する。このため、遊技者は、第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択することにより、制限付高頻度サポートモードが早期に終了することを抑制できる場合がある。つまり、遊技者に、遊技者自身の選択により、高頻度サポートモードが終了する回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D4.前記複数の特典遊技後モードには、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定される確率が相対的に高低となる抽選モードとしての高確率モードおよび低確率モードが含まれ、
前記遊技モード選択手段は、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、当該付与判定された前記特別情報、および当該付与判定が実行された際の前記抽選モードに基づいた選択を実行することを特徴とする特徴D2またはD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技モード選択手段は、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となる際、付与判定された特別情報、および抽選モードに基づいた選択を実行する。このため、遊技者に、付与判定される際の抽選モードに応じて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという新規な遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D5.前記第1特別情報の前記付与判定に対応する変動表示がされ、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合には、前記付与対応結果に対応する前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示される第1結果表示手段(第1結果表示部76a)と、
前記第2特別情報の前記付与判定に対応する変動表示がされ、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合には、前記付与対応結果に対応する前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示される第2結果表示手段(第2結果表示部76b)と、を有し、
前記抽選モードが前記高確率モードである場合、前記特典遊技モードを介さず、前記高確率モードから前記低確率モードに移行することがあるようにすることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5のように、本発明は、第1特別情報の付与判定に対応する停止結果が表示される第1結果表示手段および第2特別情報の付与判定に対応する停止結果が表示される第2結果表示手段を有する遊技機にも適用できる。このような遊技機では、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となる際、遊技者は、第1結果表示手段または第2結果表示手段の停止結果を確認することにより、どの特典遊技後モードが選択されたのか(例えば、高確率モードであるのかまたは低確率モードであるのか)を正確に把握できる。しかしながら、特徴D5では、特典遊技後モードとして高確率モードに移行した場合、開閉実行モードを介することなく、低確率モードに移行(転落)することがあるようにしている。このため、特典遊技後モードとして高確率モードに移行したとしても、特別情報が実際に付与判定される際には、低確率モードであることがある。したがって、第1結果表示手段および第2結果表示手段を確認しつつ遊技を実行する遊技者と、第1結果表示手段および第2結果表示手段を確認せずに遊技を実行する遊技者との間で遊技性が異なってしまうことを抑制できる。
特徴D6.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択する前記複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の前記絵柄が停止表示されることを特徴とする特徴D1ないしD5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、遊技モード選択手段で選択される複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の絵柄が停止表示される。つまり、遊技者は、絵柄表示手段に停止表示される絵柄から特典遊技後モードを正確に把握できない場合がある。このため、遊技者に、遊技者自身によって特典遊技後モードを推測させ、推測した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
特徴D7.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択した前記特典遊技後モードを示す停止結果が停止表示され、
前記遊技モード選択手段は、
前記特典遊技後モードを選択すると共に、前記特典遊技モードとして、複数の特典遊技モードの中から1つの前記特典遊技モードを選択し、
前記高確率モードである際に前記第1特別情報が前記付与対応結果となると、前記高確率モードである際に前記第2特別情報が前記付与対応結果となる場合より、前記特典遊技として遊技者に有利となる選択をし易く、かつ前記特典遊技後モードとして遊技者に不利となる選択をし易くされており、
前記低確率モードである際に前記第1特別情報が前記付与対応結果となると、前記低確率モードである際に前記第2特別情報が前記付与対応結果となる場合より、前記特典遊技として遊技者に不利となる選択をし易く、かつ前記特典遊技後モードとして遊技者に有利となる選択をし易くされていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D7によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、選択された特典遊技後モードを示す停止結果が停止表示される。このため、遊技者は、絵柄表示手段に表示される絵柄により、特典遊技後モードを正確に把握できる。つまり、特典遊技後モードの抽選モードが高確率モードであるか、低確率モードであるかを正確に把握できる。そして、高確率モードでは、第1特別情報が付与対応結果となると、第2特別情報が付与対応結果となった場合より、特典遊技として遊技者に有利となる選択がされ易く、かつ特典遊技後モードとして遊技者に不利となる選択がされ易くされている。また、低確率モードでは、第1特別情報が付与対応結果となると、第2特別情報が付与対応結果となった場合より、特典遊技として遊技者に不利となる選択がされ易く、かつ特典遊技後モードとして遊技者に有利となる選択がされ易くされている。このため、遊技者は、高確率モードであるか、低確率モードであるかを明確に把握しつつ、特典遊技に重点を置くのか、または特典遊技後モードに重点を置くのかにより、第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択できる。つまり、特徴D7によれば、遊技者に、遊技者自身によって遊技性を変化させることができるという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
さらに、以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して、または所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機(遊技機)、26…第1枠ボタン、44…遊技球発射機構、56…第
1始動口、57…第1特別始動口、58…第2特別始動口、59…可変普通入賞装置、5
9a…普通入賞口、59b…開閉板、59d…仕切部材、66…第1非電役物、67…第
2非電役物、68…左側排出通路、69…右側排出通路、70…第1非電役物作動機構、
71…第2非電役物作動機構、78…共通非電役物作動機構、80…図柄表示装置、91
…主制御装置、92…音声ランプ制御装置、93…表示制御装置、112…MPU(主側
MPU)、113…ROM(主側ROM)、114…RAM(主側RAM)、152…M
PU(音声側MPU)、153…ROM(音声側ROM)、154…RAM(音声側RA
M)、162…MPU(表示側MPU)、163…プログラムROM、164…ワークR
AM、165…VDP。
本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の遊技者に有利な状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が当たりである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たりか否かの抽選を行うものも提案されている
特開2004-41547号公報
しかしながら、このような遊技機において、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。
本発明は上記問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1判別情報を取得し、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件が成立したことに基づいて第2判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記第1判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果と前記第2判別手段の判別結果とのうち少なくとも一方が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別の回数が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別の回数と前記第2判別手段の判別の回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能な発射手段と、を備え、少なくとも前記第1遊技状態では、前記第1方向へと遊技球を発射することで前記第2取得条件よりも前記第1取得条件が成立し易くなり、前記第2方向へと遊技球を発射することで前記第1取得条件よりも前記第2取得条件が成立し易くなる構成である
請求項1記載の遊技機によれば、予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1判別情報を取得し、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件が成立したことに基づいて第2判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記第1判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記第2判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果と前記第2判別手段の判別結果とのうち少なくとも一方が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別の回数が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別の回数と前記第2判別手段の判別の回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段と、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能な発射手段と、を備え、少なくとも前記第1遊技状態では、前記第1方向へと遊技球を発射することで前記第2取得条件よりも前記第1取得条件が成立し易くなり、前記第2方向へと遊技球を発射することで前記第1取得条件よりも前記第2取得条件が成立し易くなる構成である
これにより、遊技者の遊技への関心を向上できるという効果がある
本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成部分を示す斜視図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 (a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路を示す模式図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。 図柄表示装置の表示画面における図柄を説明するための図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機における全体の電気的構成を示す図である。 主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 主に音声ランプ制御装置および表示制御装置の電気的構成を示す図である。 当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 第1保留エリアの構成を示す図である。 (a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示す図であり、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示す図である。 振分テーブル記憶エリアを説明するための図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 図20に続く非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 特図特電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。 普図普電アドレステーブルを説明するための図である。 主側MPUにて実行されるデモ表示用処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音声側MPUにて実行される主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 図36に続く主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 表示側MPUにて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャートである。 図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための画像を示す図である。 (a)および(b)は図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図である。 表示側MPUにて実行される別対応処理を示すフローチャートである。 (a)は図柄表示装置に表示される第1非電役物が開放状態であることを示す図、(b)は図柄表示装置に表示される第2非電役物が開放状態であることを示す図である。 表示側MPUにて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モード中の最初の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モード中の第1抽選遊技が実行された際の画像を示す図である。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モード中の第2抽選遊技が実行された際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モード中の継続演出を示す図である。 (a)は図柄表示装置に表示される時短モードが終了する際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される時短モードが継続する際の画像を示す図である。 本発明の第2実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第2実施形態における振分テーブルを示す図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブルを示す図であり、(b)は第2結果表示部用の振分テーブルを示し図である。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される画像を示す図であり、(a)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモード中の最初の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモード中の継続演出を示す図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される画像を示す図であり、(a)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモードが終了する際の画像を示す図であり、(b)は図柄表示装置に表示される高頻度サポートモードが継続する際の画像を示す図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図であり、(a)は遊技者が低確率モードであると推測した際の遊技球の発射の仕方を示す図であり、(b)は遊技者が高確率モードであると推測した際の遊技球の発射の仕方を示す図である。 本発明の第3実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における当否抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態における第1保留エリアの構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主に主制御装置の電気的構成を示す図で 本発明の第4実施形態における振分テーブルを示す図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブルを示す図であり、(b)は第2結果表示部用の振分テーブルを示し図である。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における図柄表示装置に表示される遊技方法を説明するための図であり、(a)は遊技者が時短モード回数に重点を置く場合の遊技球の発射の仕方を示す図であり、(b)は遊技者が開閉実行モードに重点を置く場合の遊技球の発射の仕方を示す図である。 本発明の第5実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第5実施形態における振分ユニット近傍の拡大図である。 本発明の第5実施形態における振分ユニットの遊技球の振分動作を示す図である。 本発明の第6実施形態における模式図であり、(a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 本発明の第6実施形態における主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 本発明の第7実施形態における模式図であり、(a)は可変普通入賞装置の構成を示す模式図であり、(b)は可変普通入賞装置と左側排出通路および右側排出通路との位置関係を示す模式図である。 本発明の第7実施形態における遊技盤の正面図である。 本発明の第7実施形態における主側MPUにて実行される非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。 本発明の第7実施形態の変形例における図柄表示装置に表示される第1非電役物を開放状態にするための遊技球の発射の仕方を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下では、単にパチンコ機という)10に適用した例について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図、図2、図3はパチンコ機10の主要な構成部分を展開した斜視図、図4はパチンコ機10の主要な構成部分を示す斜視図、図5はパチンコ機10における遊技盤43の正面図である。
図1に示されるように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わされた木枠によって外殻が形成された外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。外枠11は、木製の板材を四辺に連結して構成されるものであって矩形枠状をなしている。そして、パチンコ機10は、外枠11を遊技ホールにおける島設備に取り付け固定されることによって遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2および図3に示されるように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。そして、遊技機本体12のうちの内枠13が外枠11に対して回動(開閉)可能に支持されている。
前扉枠14は、図2に示されるように、正面視で左側(回動中心に対して一端側の固定端側)を回動基端側とすると共に右側(回動中心に対して他端側の開放端側)を回動先端側として前方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。裏パックユニット15は、図3に示されるように、正面視で左側を回動基端側とすると共に右側を回動先端側として後方へ回動可能となるように内枠13に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2および図3に示されるように、その回動先端側に、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とすると共に、前扉枠14を内枠13に対して開放不能な施錠状態とする機能を有する施錠装置16が備えられている。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面に露出させて設けられたシリンダ錠17(図1参照)に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
前扉枠14は、図1および図2に示されるように、装飾用の樹脂部品や電気部品等が組みつけられて構成され、略中央部に略矩形状に開口された窓部21が設けられている。そして、前扉枠14の裏面側には無色透明な2枚の板ガラスを有する窓パネル22が配設され、当該窓パネル22を介して後述する遊技盤43の前面(遊技領域)がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。なお、窓パネル22は、板ガラスではなく、合成樹脂によって無色透明に形成されたものを用いてもよい。
また、前扉枠14には、図1および図4に示されるように、窓部21の下方に、当該前扉枠14の前方に張り出した上側膨出部23と下側膨出部24とが上下に並設されている。そして、図4に示されるように、上側膨出部23の内側には、上方に開口した上皿25が設けられており、当該上皿25に遊技球を貯留できるようになっている。また、この上皿25は、開口部における底面が正面視(図1、図4参照)右側に向かって下降傾斜して形成されており、傾斜によって上皿25に投入された(貯留されている)球を後述する遊技球発射機構(発射手段)44へと導く機能を有している。
さらに、上側膨出部23には、上面(上面のうちの開口されていない部分)の略中央部に第1枠ボタン26(操作手段)が備えられており、当該第1枠ボタン26より正面視右側に第2枠ボタン27(操作手段)が備えられている。第1枠ボタン26は、後述する図柄表示装置80において、表示されるステージ(背景)を変更したり、表示されるリーチ演出のチャンスアップ演出や予告キャラクタの演出を表示させたりする場合に操作される。第2枠ボタン27は、後述する音声ランプ制御装置92で制御される音量や光量等を変更する際に遊技者によって操作される。本パチンコ機10では、第1枠ボタン26は上面視略円状とされ、第2枠ボタン27は上面視略十字状とされているが、第1枠ボタン26および第2枠ボタン27の形状は適宜変更可能である。
なお、ステージとは、図柄表示装置80に表示される演出に統一性を持たせる演出(背景)モードのことであり、本パチンコ機10では、「海中ステージ」、「浜辺ステージ」、「街中ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述するリーチ演出等の各種演出は、各ステージに対応したテーマに合わせた演出となるように設定されている。また、ステージの変更は、後述する図柄表示装置80(メイン表示部76)にて変動表示が行われていない期間および変動表示が行われている所定期間に遊技者によって第1枠ボタン26が操作された場合に行われ、第1枠ボタン26が操作される度に、「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に繰り返し変更される。
また、上側膨出部23には、図4に示されるように、第2枠ボタン27よりも正面視右側に、球貸ボタン28および返却ボタン29が設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸ユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸ボタン28が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン29は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸装置等から上皿25に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸ボタン28および返却ボタン29は不要である。この場合には、球貸ボタン28および返却ボタン29の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしてもよい。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機(CR機)と現金機との共通化を図ることができる。
下側膨出部24の内側には、上皿25と同様に上方に開口し、上皿25に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿30が設けられている。なお、上皿25および下皿30には、裏パックユニット15に設けられている後述する払出装置99から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた排出通路を通じて排出される。
下皿30の正面視右側には、図1および図4に示されるように、遊技球を後述する遊技盤43の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル31が配設されている。この操作ハンドル31の内部には、当該操作ハンドル31が遊技者により触られていることを検知するタッチセンサ31aと、遊技者が操作ハンドル31を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるための押しボタン式の打ち止めスイッチ31bと(図1参照)、操作ハンドル31の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示略)とが内蔵されている。そして、操作ハンドル31が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ31aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル31の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で後述する遊技盤43の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル31が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ31aおよび打ち止めスイッチ31bはオフとなっている。
さらに、下皿30の正面下方部には、図1に示されるように、下皿30に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー32が設けられている。この球抜きレバー32は、通常は右方向に配置されており、左方向へスライドさせることによって下皿30の底面に形成された底面口が開口し、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー32の操作は、通常、下皿30の下方に当該下皿30から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
また、前扉枠14には、窓部21の周囲にLED等の発光手段を内蔵した電飾部33が設けられていると共に、窓部21の上方における左右両端部に一対のスピーカ部34が備えられている。本パチンコ機10においては、当たり時やリーチ演出時等には、各電飾部33が点灯または点滅して、当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されると共に、スピーカ部34からの音声によって当たり中である旨、或いはリーチ中である旨が報知されることにより、遊技中の演出効果を高める構成となっている。また、電飾部33は、エラー発生時等において点滅するエラーランプとしての機能も発揮するようになっている。さらに、本パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材35が取り付けられている。
内枠13は、図2に示されるように、外形が外枠11とほぼ同一形状とされた樹脂ベース41を主体に構成されており、樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔42が形成されている。そして、樹脂ベース41には、図5に示される遊技盤43が着脱可能に取り付けられていると共に、遊技球を遊技盤43の前面領域に発射する遊技球発射機構44が配設されている。遊技球発射機構44は、樹脂ベース41における窓孔42の下方に取り付けられており、後述する誘導レールに向けて延びる発射レール45と、上皿25に貯留されている遊技球を発射レール45上に供給する球送り装置46と、発射レール45上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータである発射ソレノイド47とを備えている。そして、前扉枠14に設けられた操作ハンドル31が操作されることにより発射ソレノイド47が駆動制御され、遊技球が発射される。
ここで、遊技盤43の構成について図5を参照しつつ具体的に説明する。遊技盤43は、正面視略矩形状に切削加工した樹脂材料で形成されたベース板50の前面に、球案内用の多数の釘51や風車52、内レール53、外レール54、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口(第1始動入球部)57、第2特別始動口(第2始動入球部)58、可変普通入賞装置(普通入賞手段)59、可変大入賞装置(可変大入賞手段)60、普通図柄始動ゲート61、および可変表示装置ユニット62等が組みつけられて構成されている。なお、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、普通図柄始動ゲート61、可変表示装置ユニット62等は、ルータ加工によってベース板50に形成された貫通穴に配設され、遊技盤43の前面側から木ネジ等により固定されている。そして、このような遊技盤43は、前面の中央部分が前扉枠14の窓部21を介して視認することができるように、周辺部が内枠13の裏面側に取り付けられて固定されている。
また、遊技盤43には、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61のそれぞれに対応させて検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a(図11参照、68a、69aは図6(b)も参照)が設けられている。そして、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、普通図柄始動ゲート61への入球が発生すると、対応する検知センサによって入球が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。なお、可変普通入賞装置59に対応する検知センサ68a、69aは、後述するように、可変普通入賞装置59に入球した遊技球が排出される左側排出通路68および右側排出通路69にそれぞれ備えられている。また、検知センサとしては、例えば、電磁誘導型の近接センサが用いられるが、遊技球の入球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。
また、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59および可変大入賞装置60への入球の発生が検知されると、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。本実施形態では、一般入賞口55への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、可変大入賞装置60への入球が発生した場合には15個の遊技球の払い出しが実行され、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、または可変普通入賞装置59への入球が発生した場合には3個の遊技球の払い出しが実行されるようになっている。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、第1特別始動口57に入賞した場合と第2特別始動口58に入賞した場合とで賞球個数が異なるようにしてもよい。また、可変大入賞装置60への入球に対する賞球個数が他の賞球個数より多い構成に限定されることはなく、例えば、可変大入賞装置60への入球に対する賞球個数が一般入賞口55への入球に対する賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
内レール53および外レール54は、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して構成されたものであり、当該内レール53および外レール54によって誘導レールが構成されると共に、遊技球発射機構44から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるように、ベース板50に取り付けられている。また、遊技盤43の前面には、正面視において、内レール53の右下側の先端部と外レール54の右上側の先端部との間を繋ぐ樹脂製の繋ぎ部材63が配設されている。なお、遊技領域とは、内レール53、外レール54、および繋ぎ部材63によって囲まれる遊技盤43の前面の領域のことであり、遊技球の挙動によって遊技が行われる領域(発射された遊技球が流下する領域)のことである。
また、内レール53の先端側(図5の左上部)には戻り球防止部材64が取り付けられ、一旦、遊技盤43の上部(遊技領域)へ発射された遊技球が誘導レール(内レール53と外レール54との間の領域)内に戻ってしまうことを抑制することができるようになっている。そして、外レール54の先端部(図5の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム65が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム65に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返されるようになっている。
第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58は、遊技球が入球し得るものであり、第1始動口56は、遊技盤43の正面視下方中央に配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技盤43の正面視下方右側(第1始動口56の右側)に配設されている。第1特別始動口57および第2特別始動口58についてさらに詳述すると、本実施形態では、第1特別始動口57および第2特別始動口58は遊技盤43の上下方向に配設され、第2特別始動口58が第1特別始動口57の上方に配設されている。
なお、本実施形態では、第1始動口56は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し得るように配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し得るように配設されている。言い換えると、第1始動口56は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し難くなるように配設され、第1特別始動口57および第2特別始動口58は、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射した場合に遊技球が入球し難くなるように配設されている。以下では、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視左側を通過するように遊技球を発射することを、遊技者が遊技球を左打ちするともいい、遊技者が後述する図柄表示装置80の正面視右側を通過するように遊技球を発射することを、遊技者が遊技球を右打ちするともいう。
そして、第1始動口56に遊技球が入球すると、対応する検知センサ56a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。同様に、第1特別始動口57に遊技球が入球すると、対応する検知センサ57a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。また、第2特別始動口58に遊技球が入球すると、対応する検知センサ58a(図11参照)によって遊技球の入球が検知される。そして、各検知結果が後述する主制御装置91に対して出力され、当該主制御装置91で特別図柄の当たりか否かの判定(開閉実行モードに移行するか否かの判定)が行われ、抽選結果に応じた表示が後述する図柄表示装置80に示される。
また、本実施形態では、第1特別始動口57には、第1非電役物(非電動役物)66が設けられている。この第1非電役物66は、開閉可能に構成されており、開放状態である際には、遊技球が第1特別始動口57へ入球し易い状態を構成し、閉鎖状態である際には、開放状態である際より遊技球が第1特別始動口57に入球し難い状態を構成する。
なお、第1非電役物66の具体的な構成の説明に関しては省略するが、第1非電役物66は、後述する第1非電役物作動機構70と機械的に接続されており、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触する(入球する)ことにより(遊技球の自重により)、第1非電役物作動機構70の作動に伴って開放状態となる。そして、第1非電役物66は、所定数の遊技球(本実施形態では2個)が第1特別始動口57に入球することによって閉鎖状態となる。また、本実施形態では、第1非電役物66は、開放状態となった後、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触せずに第1特別始動口57に2個の遊技球が入球することによって閉鎖状態となる。つまり、例えば、第1非電役物66が開放状態となった後に1個の遊技球が第1特別始動口57に入球し、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触した場合は、その時点から第1非電役物作動機構70に遊技球が接触せずに第1特別始動口57に2個の遊技球が入球した際に第1非電役物66が閉鎖状態となる。
同様に、第2特別始動口58には、第2非電役物(非電動役物)67が設けられている。この第2非電役物67は、開閉可能に構成されており、開放状態である際には、遊技球が第2特別始動口58へ入球し易い状態を構成し、閉鎖状態である際には、開放状態である際より遊技球が第2特別始動口58に入球し難い状態を構成する。
なお、第2非電役物67の具体的な構成の説明に関しても省略するが、第2非電役物67は、後述する第2非電役物作動機構71と機械的に接続されており、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触する(入球する)ことにより(遊技球の自重により)、第2非電役物作動機構71の作動に伴って開放状態となる。そして、第2非電役物67は、所定数の遊技球(本実施形態では2個)が第2特別始動口58に入球することによって閉鎖状態となる。また、本実施形態では、第2非電役物67は、開放状態となった後、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触せずに第2特別始動口58に2個の遊技球が入球することによって閉鎖状態となる。つまり、例えば、第2非電役物67が開放状態となった後に1個の遊技球が第2特別始動口58に入球し、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触した場合は、その時点から第2非電役物作動機構71に遊技球が接触せずに第2特別始動口58に2個の遊技球が入球した際に第2非電役物67が閉鎖状態となる。
また、第1非電役物66および第2非電役物67は、電気的に駆動制御されない役物であっていわゆる第2種非電動役物に相当するものである。但し、ここでの第2種非電動役物とは、大入賞口以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動するものを意味している。
可変普通入賞装置59は、遊技盤43の正面視中央右側に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる普通入賞口59aと、当該普通入賞口59aを覆う横長矩形状の開閉板(電動役物)59bと、当該開閉板59bの下辺を軸として開閉板59bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変普通入賞装置駆動部59c(図11参照)とを有する構成とされている。
普通入賞口59aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉鎖状態となっている。そして、後述する主制御装置91で普通図柄の当たり抽選に当選した場合、可変普通入賞装置駆動部59cが駆動されて開閉板59bが前面下側に傾倒することで遊技球が普通入賞口59aに入球し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、具体的には後述するが、本実施形態の遊技機には、普通図柄の当たり確率がアップして開閉板59bが開放状態となり易くなる高頻度サポートモード、および高頻度サポートモードよりも開閉板59bが開放状態となり難い低頻度サポートモードが搭載されている。そして、高頻度サポートモードでは、後述するように、遊技者は、遊技球を右打ちした方が有利な遊技態様となる。
また、可変普通入賞装置59は、図6(a)および図6(b)に示されるように、普通入賞口59a内の空間を分割する仕切部材(振分手段、内振分手段)59dを備えていると共に、普通入賞口59a内に入球した遊技球が排出される左側排出通路(第1排出通路)68および右側排出通路(第2排出通路)69と連通されている。
左側排出通路68には、遊技球と接触する(遊技球が入球する)こと(第1条件が成立すること)で第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構(第1作動契機手段)70が配設され、右側排出通路69には、遊技球と接触する(遊技球が入球する)こと(第2条件が成立すること)で第2非電役物67を開放状態にする第2非電役物作動機構(第2作動契機手段)71が配設されている。このため、普通入賞口59aに遊技球が入球すると、当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることにより、第1非電役物66または第2非電役物67のいずれかが開放状態となる。
また、左側排出通路68には、第1非電役物作動機構70よりも下流側に、当該左側排出通路68を通過する遊技球を検知する左側排出通路検知センサ(第1主検知手段)68aが配設されている。言い換えると、左側排出通路68には、普通入賞口59aの左側空間K1に入球して左側排出通路68から排出される遊技球を検知する左側排出通路検知センサ68aが配設されている。つまり、この左側排出通路検知センサ68aは、普通入賞口59aに入球した遊技球を検知する普通入賞口検知センサとしての機能も有している。
右側排出通路69には、第2非電役物作動機構71よりも下流側に、当該右側排出通路69を通過する遊技球を検知する右側排出通路検知センサ(第2主検知手段)69aが配設されている。言い換えると、右側排出通路69には、普通入賞口59aの右側空間K1に入球して右側排出通路69から排出される遊技球を検知する右側排出通路検知センサ69aが配設されている。つまり、この右側排出通路検知センサ69aは、普通入賞口59aに入球した遊技球を検知する普通入賞口検知センサとしての機能も有している。
仕切部材59dは、本実施形態では、正面視において、普通入賞口59a内の空間を正面視左側の左側空間(第1空間)K1と正面視右側の右側空間(第2空間)K2とに分割するように、普通入賞口59a内に固定されて備えられている。そして、左側排出通路68は、普通入賞口59aに入球した遊技球のうちの左側空間K1に入球した遊技球を排出するように当該普通入賞口59aと連通され、右側排出通路69は、普通入賞口59aに入球した遊技球のうちの右側空間K2に入球した遊技球を排出するように当該普通入賞口59aと連通されている。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、開閉板59b(普通入賞口59a)が開放状態である際、普通入賞口59aに遊技球を入球させる空間を選択することにより、普通入賞口59aに入球した遊技球を左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出させるのかを選択できる。つまり、左側排出通路68から遊技球が排出されることで当該遊技球が第1非電役物作動機構70と接触して第1非電役物66が開放状態となり、右側排出通路69から遊技球が排出されることで当該遊技球が第2非電役物作動機構71と接触して第2非電役物67が開放状態となるため、遊技者は、普通入賞口59aに入球させる空間を選択することにより、第1非電役物66を開放状態にするのか、または第2非電役物67を開放状態にするのかを選択できる。
また、図5に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちした際に可変普通入賞装置59に到達するまでの領域(可変普通入賞装置59の上方)には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って区画する区画機構(区画手段)72が配設されている。具体的には、区画機構72は、遊技者が遊技球を右打ちした場合、普通入賞口59aにおける左側空間K1側に遊技球を誘導する内レール53側の内側領域(第1領域)R1と、普通入賞口59aにおける右側空間K2側に遊技球を誘導する外レール54側の外側領域(第2領域)R2とを区画するように配設されている。つまり、遊技者は、開閉板59bが開放状態である際、普通入賞口59aより手前に位置する内側領域R1を狙って遊技球を発射することによって左側空間K1に遊技球を入球させることができ、普通入賞口59aより手前に位置する外側領域R2を狙って遊技球を発射することによって右側空間K2に遊技球を入球させることができる。すなわち、遊技者は、普通入賞口59aより手前に位置する領域を選択的に狙って遊技球を発射することにより、遊技球を左側空間K1または右側空間K2のいずれに入球させるのかを選択できる。なお、本実施形態では、区画機構72は、樹脂材料等で構成されるフレーム部材73と釘51によって構成されているが、フレーム部材73のみで構成されていてもよいし、釘51のみで構成されていてもよいし、またはその他の部材で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、内側領域R1の入口(内側領域R1における普通入賞口59a側と反対側の開口部であり、内側領域R1における最初に遊技球が通過する部分)は、外側領域R2の入口(外側領域R2における普通入賞口59a側と反対側の開口部であり、外側領域R2における最初に遊技球が通過する部分)より開口幅が長くされている(広くされている)。ここで、遊技者が遊技球を右打ちする場合、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を最大にすることにより、外側領域R2を遊技球が通過するようにできる。
また、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を最大の状態から僅かに減少させることにより、内側領域R1を遊技球が通過するようにできる。言い換えると、遊技者は、操作ハンドル31の回動操作量を微調整して最大にしないことにより、内側領域R1を遊技球が通過するようにできる。
この場合、遊技者にとって、操作ハンドル31の回動操作量を最大にする方が操作ハンドル31の回動操作量を最大の状態から減少させることより簡単な操作となる。つまり、遊技者が遊技球を右打ちする際、遊技者にとって、外側領域R2に遊技球を通過させることの方が内側領域R1に遊技球を通過させることより容易となる。したがって、本実施形態では、内側領域R1の入口の開口幅が外側領域R2の入口の開口幅より長くされている(広くされている)。すなわち、内側領域R1にも遊技球を通過させ易くしている。このため、遊技者が意図しない領域に遊技球を通過させてしまうことを抑制できる。
普通図柄始動ゲート(スルーゲート)61は、遊技盤43の正面視中央右側であり、可変普通入賞装置59の下方であって、第1特別始動口57および第2特別始動口58の上方に配設されている。本実施形態では、普通図柄始動ゲート61は、2つ備えられ、正面視左右方向に並設されている。具体的には、2つの普通図柄始動ゲート61のうちの一方は、内側領域R1を通過した遊技球が普通入賞口59aに入球しなかった際に当該遊技球が通過するように備えられ、2つの普通図柄始動ゲート61のうちの他方は、外側領域R2を通過した遊技球が普通入賞口59aに入球しなかった際に当該遊技球が通過するように備えられている。
そして、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過すると、対応する検知センサ61a(図11参照)によって遊技球の通過(入球)が検知され、検知結果が後述する主制御装置91に対して出力される。また、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過すると、普通図柄の当たりか否かの判定(開閉板59bを開放状態にするか否かの判定)が後述する主制御装置91で行われる。そして、判定結果が当たり(開閉板開放状態への移行に対応した当選結果)であった場合には、可変普通入賞装置駆動部59c(図11参照)が駆動されて開閉板59bが開放状態となり、遊技球が普通入賞口59aへ入球し易い状態となる。
また、遊技盤43の正面視右側であって可変普通入賞装置59の下方には、普通入賞口59aが閉鎖状態である場合、内側領域R1を通過した遊技球が第1特別始動口57に誘導されるように釘51が配設されていると共に、外側領域R2を通過した遊技球が第2特別始動口58に誘導されるように釘51が配設されている。釘51の配置についてさらに詳述すると、釘51は、内側領域R1を通過した遊技球が第1特別始動口57に誘導される際、第1非電役物66が開放状態である場合に第1特別始動口57に遊技球が入球し易くなると共に第1非電役物66が閉鎖状態である場合に遊技球が第1特別始動口57に入球し難くなるように配設されている。また、釘51は、外側領域R2を通過した遊技球が第2特別始動口58に誘導される際、第2非電役物67が開放状態である場合に遊技球が第2特別始動口58に入球し易くなると共に第2非電役物67が閉鎖状態である場合に遊技球が第2特別始動口58に入球し難くなるように配設されている。
ここで、遊技者が遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路について図7を参照しつつ説明する。図7は、遊技者が遊技球を右打ちした際の遊技球の流下経路を示す模式図である。
図7に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は内側領域R1または外側領域R2のいずれかを通過する。そして、遊技球が内側領域R1を通過すると、開閉板59bが開放状態となっている場合には、矢印A1のように、遊技球は普通入賞口59aに入球する。この際、遊技球は、普通入賞口59aのうちの左側空間K1に入球するため、左側排出通路68から排出されて第1非電役物作動機構70と接触する。このため、第1非電役物66が開放状態となる。また、開閉板59bが開放状態となっていない場合には、矢印A2のように、遊技球が普通入賞口59aに入球せず、普通図柄始動ゲート61を通過した後に第1特別始動口57に誘導される。この際、第1非電役物66が開放状態となっている場合には遊技球が第1特別始動口57に入球し、第1非電役物66が開放状態となっていない場合には遊技球が第1特別始動口57に入球せず、そのまま流下する。
また、遊技球が外側領域R2を通過すると、開閉板59bが開放状態となっている場合には、矢印B1のように、遊技球は普通入賞口59aに入球する。この際、遊技球は、右側空間K2に入球するため、右側排出通路69から排出されて第2非電役物作動機構71と接触する。このため、第2非電役物67が開放状態となる。また、開閉板59bが開放状態となっていない場合には、矢印B2のように、遊技球が普通入賞口59aに入球せず、普通図柄始動ゲート61を通過した後に第2特別始動口58に誘導される。この際、第2非電役物67が開放状態となっている場合には遊技球が第2特別始動口58に入球し、第2非電役物67が開放状態となっていない場合には遊技球が第2特別始動口58に入球せず、そのまま流下する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、第1非電役物66を開放状態にして第1特別始動口57に遊技球を入球させたい場合、内側領域R1を通過するように遊技球を発射し続ければよい。同様に、遊技者は、第2非電役物67を開放状態にして第2特別始動口58に遊技球を入球させたい場合、外側領域R2を通過するように遊技球を発射し続ければよい。つまり、本実施形態の構成では、遊技者は、内側領域R1または外側領域R2のいずれかを狙って遊技球を発射することにより、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技者自身の選択によって遊技球を入球させることができる。
遊技盤43の構成の説明に戻り、図5に示されるように、可変大入賞装置60は、遊技盤43の正面視下方右側であって、第1特別始動口57の下方に配設され、遊技盤43の背面側へと通じる大入賞口60aと、当該大入賞口60aを覆う横長矩形状の開閉板60bと、当該開閉板60bの下辺を軸として開閉板60bを前方側に開閉駆動するためのソレノイド等の可変大入賞装置駆動部60d(図11参照)とを有する構成とされている。
大入賞口60aは、通常時は、遊技球が入球できないか、または入球し難い閉状態となっている。そして、後述する主制御装置91で開閉実行モード(特典遊技モード)への移行に当選した(当たり抽選に当選した)と判定された場合、可変大入賞装置駆動部60dが駆動されて開閉板60bが前面下側に傾倒し、遊技球が大入賞口60aに入球し易い開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を交互に繰り返すように作動する。例えば、通常時には閉鎖されている大入賞口60aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入球するまで)開放される。この可変大入賞装置60の開閉動作は、決定された当たりの種別によって決定され、例えば、後述する15R当たり結果であれば、15回(15ラウンド)繰り返し行われる。そして、この開閉動作が行われている状態が遊技者にとって有利な特典遊技モードの一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。このため、開閉実行モード中には、遊技者は、遊技球を右打ちして大入賞口60aに入球されるように当該遊技球を発射する。
なお、開閉実行モードとは、後述する主制御装置91での第1始動口56への入球もしくは第1特別始動口57への入球を契機とする抽選遊技(第1抽選遊技)、または第2特別始動口58への入球を契機とする抽選遊技(第2抽選遊技)の開閉実行モードに移行するか否かの抽選に当選した場合に移行するモードのことであり、この開閉実行モードについては後に説明する。また、開閉実行モード中は、普通図柄の当たり抽選に当選し難くされており、開閉板59bが開放状態となり難い。このため、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は、普通入賞口59a、第1特別始動口57、または第2特別始動口58のいずれにも入球し難く、そのまま流下することで大入賞口60aへと誘導される。
一般入賞口55は、遊技盤43の正面視下方に複数設けられている。また、遊技盤43の正面視最下部にはアウト口74が設けられており、各種入賞口に入球しなかった遊技球がアウト口74を通って遊技領域から排出されるようになっている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。なお、本明細書においては、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59(普通入賞口59a)、および可変大入賞装置60(大入賞口60a)への遊技球の入球を入賞とも表現する。
遊技盤43の正面視右下側隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペース75が設けられており、貼着スペース75に貼られた証紙等は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認することができるようになっている。
また、遊技盤43の正面視左下側隅部(外レール54の外側)には、発光手段である複数のLEDで構成されるメイン表示部76が備えられている。このメイン表示部76は、前扉枠14の窓部21を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。
メイン表示部76は、第1始動口56および第1特別始動口57への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第1抽選遊技の結果を示す第1結果表示部(第1結果表示手段)76a、第2特別始動口58への入賞に基づいて主制御装置91で行われた第2抽選遊技の結果を示す第2結果表示部(第2結果表示手段)76b、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選(当たり抽選)に当選することで可変大入賞装置60が開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変大入賞装置60が開放される回数を示すラウンド表示部76cとを有している。
具体的には、第1結果表示部76aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第1抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第1抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部76aにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
また、第2結果表示部76bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(点滅表示)した後、その変動表示の停止結果として、第2抽選遊技の結果を示す点灯状態で停止表示される。そして、第2抽選遊技の抽選結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部76bにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、第1、第2抽選遊技(第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58のいずれかへの入賞)に基づいて、対応する第1、第2結果表示部76a、76bにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止するまでが遊技回(変動表示回)の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、第1、第2抽選遊技のいずれにおいてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
さらに、メイン表示部76は、第1、第2結果表示部76a、76b、ラウンド表示部76cに加えてその他表示部76dを有している。その他表示部76dでは、例えば、普通図柄始動ゲート61への入賞を契機として変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、普通図柄始動ゲート61への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が示される。そして、普通図柄始動ゲート61への入賞を契機とする内部抽選の結果が開閉板開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、その他表示部76dにて所定の停止結果が点灯表示された後に、開閉板開放状態へ移行する。開閉板開放状態では、開閉板59bが開放状態となり、遊技球が普通入賞口59aに入賞し易い状態となる。つまり、開閉板開放状態では、普通入賞口59aに遊技球が入賞した後に当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることにより、第1非電役物作動機構70または第2非電役物作動機構71のいずれかに遊技球が接触して第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となる。
また、その他表示部76dにおいて普通図柄始動ゲート61への入賞を契機とする変動表示が行われている間に遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過すると、その通過回数は本実施形態では最大4回まで保留され、その保留回数も表示されるようになっている。さらに、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bにおいて変動表示が行われている間に第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞回数は本実施形態では第1始動口56および第1特別始動口57に対して合計で最大4回、第2特別始動口58に対して最大4回まで保留され、その保留回数も表示される。
なお、メイン表示部76を構成する複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成することにより、その発光色の組み合わせによって少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、メイン表示部76は、液晶表示装置等の他の表示装置を用いて構成されていてもよい。
可変表示装置ユニット62は、遊技盤43の中央に配設されている。この可変表示装置ユニット62は、第1結果表示部76aにおける変動表示と同期させながら第1特別図柄を変動表示させて第1抽選遊技の抽選結果を表示すると共に、第2結果表示部76bにおける変動表示と同期させながら第2特別図柄を変動表示させて第2抽選遊技の抽選結果を表示する表示画面80aを有する図柄表示装置(絵柄表示手段)80と、図柄表示装置80を囲むようにして配設されたセンターフレーム81とを有している。
なお、センターフレーム81は、上部がパチンコ機10の前方に延出した状態で設置されている。これにより、図柄表示装置80の表示画面80aの前方を遊技球が落下していくのが防止され、遊技球の落下により表示画面80aの視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。また、図柄表示装置80が遊技盤43の中央に配設されていると共にセンターフレーム81が前方に延出した状態で設置されているため、遊技者が発射した遊技球は、図柄表示装置80の正面視左側、または図柄表示装置80の正面視右側を通過して流下する。
図柄表示装置80は、略矩形状とされた17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されている。そして、図8に示されるように、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする第1遊技抽選の判定結果を示す第1特別図柄、および第2特別始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄を表示する上側の上側表示領域Dmと、保留図柄(第1抽選遊技および第2抽選遊技の保留)を表示する下側の下側表示領域Dnとを有している。
なお、この図柄表示装置80は、後述する表示制御装置93によって表示画面80aの表示内容が制御される。また、図柄表示装置80は、液晶ディスプレイであることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよい。
上側表示領域Dmは、本パチンコ機10では、上、中および下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、図柄表示装置80(表示画面80a)における変動表示は、第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58への入賞を契機として開始される。すなわち、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置80において変動表示が行われる。そして、開閉実行モードに移行する遊技回では、図柄表示装置80では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
上側表示領域Dmに表示される第1特別図柄、第2特別図柄は、図9(a)~(i)に示される「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、図9(j)に示される貝形状の絵図柄からなる副図柄により構成されている。より詳しくは、主図柄は、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付された図柄によって構成されている。
また、図柄表示装置80の上側表示領域Dmには、図8に示されるように、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が設定され、各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄とが所定の順序で巡回的に配列されて構成されている。具体的には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順(図柄の変動方向に対して降順)に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に配列されると共に各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、それぞれ18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順(図柄の変動方向に対して昇順)に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、上側表示領域Dmは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。なお、本パチンコ機10では、上側表示領域Dmに、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
そして、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞を契機として上側表示領域Dmにおいて遊技回(変動表示回)用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。その後、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄が静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、開閉実行モードへの移行に対応する遊技回であれば、有効ラインのいずれかに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、開閉実行モードへの移行(当たり結果の発生)として当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記で説明したように、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58へのいずれかの入賞を契機として図柄表示装置80(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示して上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置80における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数等は適宜変更可能である。さらに、図柄表示装置80にて変動表示される絵柄は図9に示すものに限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
下側表示領域Dnは、上側表示領域Dmよりも横長に設けられている。この下側表示領域Dnは、正面視左側に第1保留図柄表示エリアDsを有し、正面視右側に第2保留図柄表示エリアDtを有し、第1保留図柄表示エリアDsと第2保留図柄表示エリアDtとの間に実行保留図柄表示エリアDuを有している。第1保留図柄表示エリアDsは、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする保留数(第1抽選遊技の保留数)を表示するエリアであり、本パチンコ機10では第1始動口56または第1特別始動口57への入賞が合計で最大4回まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1~第4表示エリアDs1~Ds4に等区分されている。第2保留図柄表示エリアDtは、第2特別始動口58への入賞を契機とする保留数(第2抽選遊技の保留数)を表示するエリアであり、本パチンコ機10では、第2特別始動口58への入賞が最大4回まで保留されるように構成されているため、4つの小領域の第1~第4表示エリアDt1~Dt4に等区分されている。実行保留図柄表示エリアDuは、図柄表示装置80に変動表示されている遊技回に対応する保留図柄を表示するエリアである。
そして、上側表示領域Dmにおいて、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第1抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第1保留図柄表示エリアDsにおいて、保留図柄が表示されていない第1~第4表示エリアDs1~Ds4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄が表示される。同様に、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中に第2特別始動口58に遊技球が入賞すると、その入賞を契機とする第2抽選遊技の開始は保留され、下側表示領域Dnの第2保留図柄表示エリアDtにおいて、保留図柄が表示されていない第1~第4表示エリアDt1~Dt4のうちの最も小さい番号の表示エリア(中央側の表示エリア)に、第2抽選遊技の保留図柄が表示される。
次に遊技機本体12の背面側の構成について図3および図10を参照しつつ説明する。
図10は、パチンコ機10の背面図である。
図3に示されるように、内枠13(具体的には遊技盤43)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置91と、音声やランプ表示等の制御を司る音声ランプ制御装置92と、図柄表示装置80の制御を司る表示制御装置93とが搭載されている。
これら各制御装置91~93は、各制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、それぞれ略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備え、これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(または、結合手段)としてのボックス結合部によって分離不能に連結されることにより封印されている。そして、基板ボックスは、これらボックス結合部によって分離不能に連結されていることにより、基板ボックスの内部空間の開放に際しては当該基板ボックスの破壊または一部の切除を要する構成となっている。なお、ボックス結合部は、例えば、基板ボックスの長辺部に複数設けられ、そのうちの少なくとも1つが用いられて結合処理が行われる構成となっている。
ボックス結合部は、ボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に、かつ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部のうち、少なくとも1つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した制御基板の不具合発生の際や制御基板の検査の際等に基板ボックスを開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部と他のボックス結合部との連結部分や、ボックス結合部とボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックスのボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の制御基板を取り出すことができる。なお、その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部の長孔に係止爪を挿入すればよい。基板ボックスの開放を行った旨の履歴を当該基板ボックスに残しておけば、基板ボックスを見ることで不正な開放が行われたか否かを容易に発見できる。
また、基板ボックスの一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、各制御装置91~93の取付台に形成された複数の被結合片と1対1で対応するように設けられており、結合片と被結合片とにより基板ボックスと取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックスの不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
そして、図3および図10に示されるように、主制御装置91、表示制御装置93、音声ランプ制御装置92を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する裏パック94を備えており、当該裏パック94に対して払出機構部95および制御装置集合ユニット96が取り付けられている。
払出機構部95は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク97と、タンク97の下方に連結されて下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール98と、タンクレール98の最下流部に設けられ、払出モータ99a(図11参照)の所定の電気的構成により球の払い出しを行う払出装置99とを備えている。そして、払出装置99より払い出された遊技球は、当該払出装置99の下流側に設けられている図示しない払出通路を通じて、上皿25または下皿30に排出される。なお、タンクレール98には当該タンクレール98に振動を付加するための図示しないバイブレータが取り付けられている。また、払出機構部95には、例えば、交流24ボルトの主電源が供給されると共に、電源のON操作およびOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット96は、図3に示されるように、払出装置99を制御する機能を有する払出制御装置100と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されると共に、遊技者による操作ハンドル31の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源および発射制御装置101とを備えている。これら払出制御装置100と電源および発射制御装置101とは、払出制御装置100がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置100には、図10に示されるように、状態復帰スイッチ102が設けられ、電源および発射制御装置101には可変抵抗器の操作つまみ(図示略)およびRAM消去スイッチ103が設けられている。状態復帰スイッチ102は、例えば、払出モータ99a(図11参照)の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみは、発射ソレノイド47の発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ103は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
なお、払出制御装置100、電源および発射制御装置101は、上記各制御装置と同様に、制御基板等が基板ボックスに収容されて構成されており、上記と同様の不正抑止手段が設けられている。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
さらに、裏パック94には、図3に示されるように、裏パックユニット15の回動軸側であって上側の隅角部分に外部出力端子板104が設けられている。外部出力端子板104には、タンク97等で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、および開閉実行モード等の状態移行に際して(または、状態に移行している間)信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対してパチンコ機10の状態に関する信号が出力される。
なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。また、各制御装置(各制御基板)には、具体的には後述するが、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合等に使用されるクロックパルス発生回路等が必要に応じて搭載されている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11~図13は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図11では主に全体構成を示し、図12では主に主制御装置91の構成を示し、図13では主に音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の構成を示している。なお、図11では、電源および発射制御装置101から主制御装置91と払出制御装置100への動作電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の供給ラインや信号ラインを実線矢印で示している。
図11および図12に示されるように、主制御装置91は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111を備えている。主制御基板111には、MPU112が搭載され、MPU112にはROM113およびRAM114が内蔵されている。なお、以下では、主制御装置91のMPU112、ROM113、RAM114を主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114として説明する。
主側ROM113は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この主側ROM113は、主側MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、図12に示されるように、特別図柄当否テーブル記憶エリア113a、振分テーブル記憶エリア113b、リーチ用テーブル記憶エリア113c、変動表示時間テーブル記憶エリア113d、停止結果テーブル記憶エリア113e、時短モード回数記憶エリア113f、普通図柄当否テーブル記憶エリア113g、特図特電アドレステーブル記憶エリア113h、普図普電アドレステーブル記憶エリア113i、更新用データテーブル記憶エリア113j、コマンド情報記憶エリア113kを有している。
主側RAM114は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この主側RAM114は、主側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。主側RAM114は、例えば、抽選カウンタ用バッファ114a、特別図柄保留球格納エリア114b、普通図柄保留球格納エリア114c、特図特電カウンタエリア114d、特図特電タイマカウンタエリア114e、高確率モードフラグ格納エリア114f、時短モードフラグ格納エリア114g、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、合計時短モード回数カウンタエリア114j、普図普電カウンタエリア114k、普図普電タイマカウンタエリア114m、各種当たり結果フラグ格納エリア114n、その他各種カウンタエリア114p、その他各種フラグ格納エリア114qを有している。
また、主制御基板111、または主側MPU112には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。なお、主側MPU112は、主側ROM113および主側RAM114を内蔵した1チップ化構成とされていることは必須の構成ではなく、主側MPU112、主側ROM113、主側RAM114がそれぞれ個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置についても同様である。
主側MPU112には、図示しない入力ポートおよび出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入力ポートおよび出力ポートの代わりに入出力ポートを備え、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置91以外の後述する各制御装置のMPUについても同様である。そして、主側MPU112の入力側および出力側には、各種制御装置92、100が接続されていると共に、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a、115、各種駆動部59c、60d、メイン表示部76が接続されている。まず、各種検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a、115、各種駆動部59c、60d、およびメイン表示部76との接続構成について説明する。なお、検知センサ115は、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等である。
主側MPU112の入力側には、遊技領域の一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61に対して設けられた入賞用の検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a(以下、これらをまとめて入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aともいう)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板111と各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。主側MPU112では、主制御基板111に搭載された入賞用IC116を通じて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。また、主側MPU112では、第1始動口56への入賞または第1特別始動口57への入賞を契機とする第1抽選遊技、および第2特別始動口58への入賞を契機とする第2抽選遊技を実行すると共に、普通図柄始動ゲート61への入球(通過)に基づいて開閉板開放抽選(サポート抽選)を実行する。
入賞用IC116は、経路異常の確認手段、または経路異常の確認回路であり、当該入賞用IC116により各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aと主側MPU112との間で正常な信号の伝送が行われているか否かを確認する。
また、主側MPU112の入力側には、上記各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69a以外にも磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115が電気配線を介して電気的に接続されている。主側MPU112では、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等のその他検知センサ115からの信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無を判定する。
主側MPU112の出力側には、可変普通入賞装置59の開閉板59bを開閉動作させる可変普通入賞装置駆動部59c、および可変大入賞装置60の開閉板60bを開閉動作させる可変大入賞装置駆動部60dが電気配線を介して電気的に接続されている。また、主側MPU112の出力側には、メイン表示部76が電気配線を介して電気的に接続されている。そして、主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じて主側MPU112は可変普通入賞装置駆動部59cおよび可変大入賞装置駆動部60dの駆動制御を実行すると共にメイン表示部76の表示制御を実行する。
例えば、開閉実行モードにおいては大入賞口60aが開閉されるように、主側MPU112において可変大入賞装置駆動部60dの駆動制御が実行される。また、普通図柄の当たり抽選に当選となった場合(主条件が成立した場合)には、開閉板59bが開閉されるように主側MPU112において可変普通入賞装置駆動部59cの駆動制御が実行される。さらに、各遊技回に際しては、主側MPU112においてメイン表示部76(第1、第2結果表示部76a、76b)の表示制御が実行される。そして、開閉板59bを開放状態とするか否かの抽選結果を示す場合には、主側MPU112においてメイン表示部76(その他表示部76d)の表示制御が実行される。
なお、主側MPU112は、主側RAM114に対して遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、図11では省略しているが、主側MPU112の出力側には外部出力端子板104(図3参照)が接続されており、主側MPU112は主側RAM114に設定した情報に応じて信号出力用の設定を外部出力端子板104に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させる。
次に、主制御装置91と払出制御装置100との接続(通信)における構成について説明する。まず、これらの接続(通信)における構成を説明する前に、払出制御装置100の電気的な構成を説明する。
払出制御装置100は、払出装置99を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板121を備え、払出制御基板121にはMPU122が搭載されており、MPU122にはROM123およびRAM124が内蔵されている。なお、以下では、払出制御装置100に設けられたMPU122、ROM123およびRAM124を払出側MPU122、払出側ROM123および払出側RAM124とする。
払出側ROM123は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この払出側ROM123は、払出側MPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM124は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM123よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この払出側RAM124は、払出側ROM123内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出制御基板121または払出側MPU122には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等が設けられている。
払出側MPU122は払出装置99と電気的に接続されている。当該払出装置99には、タンク97から払出装置99に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体等の球止め部材を駆動する払出モータ99aが設けられていると共に、下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ99bが設けられている。そして、払出側MPU122の出力側には払出モータ99aが電気配線を介して電気的に接続されていると共に、払出側MPU122の入力側には払出検知センサ99bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU122では、払出制御基板121に設けられたドライバ回路を介して払出モータ99aに駆動信号を供給することで遊技球の払い出しを実行させると共に、払出検知センサ99bの検知結果に基づいて払いし出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU122は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板131と電気配線を介して電気的に接続されていると共に、当該球貸用接続端子板131が電気配線を介してカードユニットと電気的に接続されている。これにより、遊技者がパチンコ機10に設けられた球貸ボタン28を適宜手動操作することによって遊技球の貸し出しを受けることができる。払出側MPU122は、カードユニットとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
さらに、払出側MPU122には上記払出装置99やカードユニット以外にも、球受け皿としての下皿30において遊技球が満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ(図示略)が電気的に接続されていると共に、タンク97が球無状態となっているかを検知する球無し検知センサ(図示略)等が電気的に接続されている。
そして、払出側MPU122は、主側MPU112との間での通信に基づいて遊技球の払い出しを制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板111と払出制御装置100との間には複数の信号経路が存在している。
信号経路について詳細には、主側MPU112では入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、68a、69aの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU122に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報および賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。
なお、賞球コマンドは複数種類存在しており、主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113kが参照される。そして、一般入賞口55への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変大入賞装置60への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、または可変普通入賞装置59への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
ここで、本実施形態では、当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1信号経路SL1は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
また、払出側MPU122から主側MPU112に向けて情報を送信するための信号経路として、第2信号経路SL2と、第3信号経路SL3とが設けられている。第2信号経路SL2は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出状況コマンド(払出状況情報)を送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したことおよびその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドとが含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報および払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、例えば下皿30の満杯状態やタンク97の球無し状態が含まれる。
当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2信号経路SL2は第1信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第2信号経路SL2は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第3信号経路SL3は、払出側MPU122から主側MPU112に向けて払出許可信号を送信するために利用される。払出許可信号は、主側MPU112において賞球コマンドの出力タイミングを把握させるために、払出側MPU122から主側MPU112に送信される情報である。
払出許可信号は1ビットの情報からなり、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの信号が送信される。但し、当該構成に限定されることはなく、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではHIレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではLOWレベルの信号が出力される構成としてもよい。
なお、第3信号経路SL3は、主制御基板111および払出制御基板121に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板等を信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
このように、主側MPU112と払出側MPU122との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板111と払出制御基板121とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、いわゆるぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線等に隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払い出しを受けようとして行われるものであり、主制御基板111と払出制御基板121との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU112と払出側MPU122との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンド通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れ難くなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
次に、主制御装置91および払出制御装置100と、電源および発射制御装置101との電気的な接続における構成を説明する。
電源および発射制御装置101は電源および発射制御基板141を備えており、当該電源および発射制御基板141には、主制御装置91および払出制御装置100を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路142が設けられている。そして、電源回路142には、電入時用電源部143と、電断時用電源部144とが設けられている。
電入時用電源部143は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置91や払出制御装置100等の各々に必要な動作電圧を生成すると共に、その生成した動作電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部143は、裏パックユニット15に設けられた接続基板を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧等を生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御装置91や払出制御装置100等に対して供給する。なお、上記接続基板にはパチンコ機10の電源をON・OFF操作するための電源スイッチが設けられている。
また、主制御装置91には、電入時用電源部143と主側MPU112との電力供給経路の途中位置に停電監視基板117が設けられている。停電監視基板117は、電入時用電源部143から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判定し、主側MPU112に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判定している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。
なお、これらLOWおよびHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部144はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部143から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部144から放電されることによって主側RAM114に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、このような状況であっても、電断時用電源部144から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM114に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
なお、電断時用電源部144の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM114に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
また、電断時用電源部144の構成はコンデンサに限定されるものではなく、バッテリや非充電式電池等であってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部144への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源および発射制御基板141には、上記電断時用電源部144とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源および発射制御基板141では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主側MPU112は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、電源回路142から主側MPU112および払出側MPU122への動作電力の供給に係る構成について説明する。
電入時用電源部143からの電力は、主側MPU112のVCC端子および払出側MPU122のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU112、122にて各種制御処理が実行されると共に、各RAM114、124にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部144からの電力は、主側MPU112のVBB端子に供給されているが、払出側MPU122のVBB端子(図示略)に供給されていない。つまり、電断時用電源部144からの記憶保持用電力は、主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124には供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主側RAM114では情報の記憶保持が行われるが、払出側RAM124では情報の記憶保持が行われない。なお、払出側MPU122のVBB端子はアースされているまたはいずれの電気配線とも接続されていない。
上記のように電断時用電源部144からの記憶保持用電力が主側RAM114に供給されるが、払出側RAM124に供給されない構成とすることにより、電断時用電源部144の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源および発射制御基板141には、電源回路142以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路145が設けられている。発射制御回路145には、条件成立の送信回路146と、発射許可の受信回路147と、発射用IC148と、が設けられている。
条件成立の送信回路146は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU112に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路145は、操作ハンドル31の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ31aと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される打ち止めスイッチ31bと、が電気的に接続されている。また、発射制御回路145は、払出制御基板121と電気的に接続されており、カードユニットが球貸用接続端子板131に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路146は、タッチセンサ31aからハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号を受信すると共に、打ち止めスイッチ31bから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU122からカードユニットが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU112に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。また、このような構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路147は、条件成立の送信回路146から主側MPU112に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU112から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信すると共に、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC148に継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU112は、条件成立の送信回路146からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU112は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始すると共にHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC148は、発射許可の受信回路147からHIレベルの発射許可信号またはそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構44の発射ソレノイド47および球送り装置46のそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。
この場合、発射用IC148は、パルス信号として各駆動信号を出力すると共に、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レール45に1個の遊技球が供給された後に当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置46の方が発射ソレノイド47よりも早く設定されている。
また、操作ハンドル31には、上記のように操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられており、発射用IC148では、当該可変抵抗器から入力される電圧に基づいて発射ソレノイド47に供給する駆動信号の電圧を調整することによって発射強度を調整する。このため、操作ハンドル31の操作量が多いほど発射ソレノイド47による遊技球の発射強度が強くなる。なお、当該調整機能が発射用IC148に設けられていることは必須ではなく、発射用IC148と発射ソレノイド47との信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
次に、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93との電気的な接続における構成について図13を参照しつつ説明する。
音声ランプ制御装置92は、音声ランプ制御基板151を備え、当該音声ランプ制御基板151にはMPU152が搭載されており、MPU152にはROM153およびRAM154が内蔵されている。なお、以下では、音声ランプ制御装置92に設けられたMPU152、ROM153およびRAM154を音声側MPU152、音声側ROM153および音声側RAM154として説明する。
音声側ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、この音声側ROM153は、音声側MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、各種データテーブル記憶エリア153a、コマンド情報記憶エリア153b等を有している。
各種データテーブル記憶エリア153aは、発光データ、および音声データ等が記憶されているエリアである。コマンド情報記憶エリア153bは、音声側MPU152から出力される各種コマンドを生成する際に参照されるコマンド情報が記憶されているエリアである。
音声側RAM154は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合に音声側ROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、この音声側RAM154は、音声側ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。音声側RAM154は、例えば、コマンド格納エリア154a、保持データエリア154b、遊技モードフラグ格納エリア154c、各種カウンタエリア154d等を有している。
コマンド格納エリア154aは、主側MPU112から受信したコマンドを格納するためのエリアである。保持データエリア154bは、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。遊技モードフラグ格納エリア154cは、滞在しているモードに応じたフラグが格納されるエリアである。各種カウンタエリア154dは、遊技回数カウンタ等が格納されているエリアである。
そして、音声側MPU152では、主制御装置91から受信した各種コマンド(後述する変動用コマンド、種別コマンド、確定停止コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、および保留コマンド等)に基づき、遊技回や開閉実行モード等において実行する演出の内容を決定する。そして、その決定した内容に対応した動作が行われるように、ランプ制御装置155を制御して電飾部33の発光制御を行うと共に、音声出力装置156を制御してスピーカ部34の音声制御を行う。
音声側MPU152の入力側には、第1枠ボタン26の操作を検知する第1枠ボタン検知センサ26aおよび第2枠ボタン27の操作を検知する第2枠ボタン検知センサ27aが電気的に接続されている。そして、音声側MPU152では第1、第2枠ボタン26、27の操作有無の監視を行い、当該第1、第2枠ボタン26、27が操作された場合にはその操作に対応した処理を実行する。
さらに、音声側MPU152では、主制御装置91から受信したコマンドに基づき、報知を行う必要があるか否かを特定し、ランプ制御装置155の発光制御および音声出力装置156の音声制御を行うことで報知を行う。
なお、主側MPU112から出力される各種コマンドについては具体的に後述するが、これら各種コマンドは主側ROM113のコマンド情報記憶エリア113kを参照して出力される。また、各種コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。そして、主側MPU112から音声側MPU152へのコマンドの送信は、基本的にはシリアルで行われるが、パラレルで行われる構成としてもよい。
また、音声側MPU152は、表示制御装置93と電気的に接続されており、主制御装置91から受信したコマンドに基づいて決定した演出の内容を含む各種コマンドを表示制御装置93に送信する。なお、音声側MPU152から出力される各種コマンドは、音声側ROM153のコマンド情報記憶エリア153bが参照される。また、本実施形態の表示制御装置93は、音声ランプ制御装置92を介することなく主制御装置91からコマンド受信を行う構成とはなっておらず、主制御装置91との関係では音声ランプ制御装置92よりも通信方向の下流側に存在していると言える。
表示制御装置93は、表示制御基板161を備え、当該表示制御基板161にはMPU162が搭載されており、MPU162にはプログラムROM163およびワークRAM164が内蔵されている。また、表示制御基板161には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)165、キャラクタROM166およびビデオRAM167が内蔵されている。なお、以下では、表示制御装置93のMPU162を表示側MPU162として説明する。
プログラムROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリ等の記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。そして、このプログラムROM163は、表示側MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶しており、例えば、VDP165へのコマンドを送信する際で参照されるコマンド情報記憶エリア163a、各演出(表示)に対応した画像を表示させるのに必要な処理が定められたデータテーブル記憶エリア163bを有している。
ワークRAM164は、SRAMやDRAM等の記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であると共に、同一のデータ容量で比較した場合にプログラムROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。そして、このワークRAM164は、プログラムROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータやフラグ等を一時的に記憶する。ワークRAM164は、例えば、コマンド格納エリア164aを有している。
そして、表示側MPU162は、音声ランプ制御装置92から受信した各種コマンドを解析し、または受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP165の制御(具体的にはVDP165に対する内部コマンドの生成)を実施する。
VDP165は、図柄表示装置80に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP165はICチップ化されているために「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP165は、表示側MPU162、ビデオRAM167等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、画像データをキャラクタROM166から所定のタイミングで読み出してビデオRAM167に記憶させることで当該画像データに応じた画像を図柄表示装置80に表示させる。
キャラクタROM166は、図柄表示装置80に表示される図柄等のキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM166には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。また、キャラクタROM166には、上記データの一部として、図柄表示装置80の第1保留図柄表示エリアDs、第2保留図柄表示エリアDt、および実行保留図柄表示エリアDuに表示されるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア166aが設定されている。
なお、キャラクタROM166を複数設け、各キャラクタROM166に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM163に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM166に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM167は、図柄表示装置80に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM167の内容を書き替えることに基づいて図柄表示装置80の表示内容が変更される。
また、ビデオRAM167は、保留図柄表示用エリア167aを有している。そして、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第1保留図柄表示エリアDsの第1~第4表示エリアDs1~Ds4と1対1で対応するように、第1~第4単位エリアRE1~RE4が設定されている。また、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における第2保留図柄表示エリアDtの第1~第4表示エリアDt1~Dt4と1対1で対応するように、第1~第4単位エリアRF1~RF4が設定されている。さらに、保留図柄表示用エリア167aには、図柄表示装置80における実行保留図柄表示エリアDuと1対1で対応するように、実行単位エリアRGが設定されている。そして、各保留図柄表示エリアDs1~Ds4、Dt1~Dt4、Duには、保留図柄表示用エリア167aにおける各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGに書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGにデータが設定されていない場合(ブランクを意味するデータが設定されている場合)には、当該単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGと対応する各表示エリアDs1~Ds4、Dt1~Dt4、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
ここで、本パチンコ機10では、音声側MPU152と表示側MPU162との間でコマンドが双方向通信でやり取りされるように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第1信号線群170を用いて電気的に接続されており、当該第1信号線群170を利用して音声側MPU152から表示側MPU162に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われ、第1信号線群170には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線171と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線172と、一のコマンドの送信開始、および送信終了のうちの少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線173とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とは第2信号線群180を用いて電気的に接続されており、当該第2信号線群180を利用して表示側MPU162から音声側MPU152に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われるため、第2信号線群180には、シリアルでのコマンドデータ送信用の信号線181と、コマンドデータに含まれる各単位データ(例えば1ビット分のデータ)を識別するためのクロック信号用の信号線182と、一のコマンドの送信開始および送信終了のうち少なくとも一方を認識させるためのラッチ信号用の信号線182とが少なくとも含まれている。なお、コマンドの送信開始を認識させるためのイネーブル信号用の信号線が別途設けられている構成としてもよい。
第1信号線群170および第2信号線群180は、一の接続ユニットとして設けられている。当該接続ユニットは、上記第1信号線群170および上記第2信号線群180の一端が集約されるコネクタと、他端が集約されるコネクタとを備えており、一方のコネクタが音声ランプ制御装置92のコネクタに対して着脱自在に装着され、他方のコネクタが表示制御装置93のコネクタに対して着脱自在に装着される。
なお、音声側MPU152と表示側MPU162との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、第1信号線群170と第2信号線群180とが別々の接続ユニットとして設けられている構成としてもよい。
<主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図14を用いて説明する。図14は、当たり抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための図である。
主側MPU112は、遊技に際し、各種カウンタ情報を用いて、開閉実行モード(特典遊技モード)に移行するか否かの抽選(以下では、単に当たり抽選ともいう)、メイン表示部76の表示の設定、図柄表示装置80の図柄表示の設定等を行う。具体的には、図14に示されるように、当たり抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり抽選に当選した際に開閉実行モードの種別(当たり種別)を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置80が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI1と、メイン表示部76および図柄表示装置80における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、開閉板59bを開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物(開閉板)開放乱数カウンタC4と、電動役物開放乱数カウンタC4の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINI2とを用いている。各カウンタの一部は、後述するタイマ割込み処理(図19参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、残りのカウンタは後述するメイン処理(図18参照)の中で不定期に更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納され、遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。なお、上記各カウンタC1~C3、CINI1、CS、CINI2、C4は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられている。
ここで、特別図柄保留球格納エリア114bおよび普通図柄保留球格納エリア114cの構成について説明する。
特別図柄保留球格納エリア114bは、第1~第8保留エリアRA1~RA8の8個の保留エリアと、1つの実行エリアRA9とを有している。図15は、第1保留エリアRA1の構成を示す図である。なお、第2~第8保留エリアRA2~RA8および実行エリアRA9の構成についても図15と同様である。
第1~第8保留エリアRA1~RA8および実行エリアRA9は、図15に示されるように、当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203、および入賞始動口格納エリア204を有している。
そして、第1~第8保留エリアRA1~RA8には、第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が当たり乱数カウンタ格納エリア201、当たり種別カウンタ格納エリア202、リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されると共に、第1始動口56および第1特別始動口57、または第2特別始動口58のどちらに対する入賞であるかの情報が入賞始動口格納エリア204に格納される。なお、本実施形態では、入賞始動口格納エリア204に第1始動口への入賞情報が格納される場合、第1始動口56と第1特別始動口57とを区別する情報は格納されない。そして、第1始動口56、第1特別始動口57、および第2特別始動口58に対して遊技球の入賞が交互に連続して発生した場合には、第1保留エリアRA1→第2保留エリアRA2→第3保留エリアRA3→第4保留エリアRA4→第5保留エリアRA5→第6保留エリアRA6→第7保留エリアRA7→第8保留エリアRA8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように、8個の保留エリアが設けられていることにより、第1始動口56、第1特別始動口57および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴が全体として最大8個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。
なお、第1始動口56および第1特別始動口57への遊技球の入賞履歴は、合計で最大4個まで記憶される。また、第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴は、最大4個まで記憶される。つまり、入賞履歴がそれぞれ最大4個まで記憶されることにより、全体として最大8個まで記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施形態では、遊技球3個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。本実施形態では、保留記憶可能な数を8個として説明するが、保留記憶可能な数は8個に限定されることはなく任意であり、6個、7個または9個以上といったように他の複数であってもよい。
また、第1始動口56および第1特別始動口57の合計の保留記憶可能な数と、第2特別始動口58の保留記憶可能な数とは異なっていてもよい。
実行エリアRA9は、メイン表示部76(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)の変動表示を開始する際に、第1保留エリアRA1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアR9に記憶されている各種数値情報に基づいて当否判定等が行われる。
また、特別図柄保留球格納エリア114bには、第1抽選遊技の保留数(第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶する第1特別図柄保留数記憶エリアNA、第2抽選遊技の保留数(第2特別始動口58への入賞を契機とする変動表示の保留数)を記憶する第2特別図柄保留数記憶エリアNB、保留されている変動表示の総数を記憶する総保留数記憶エリアNXが設けられている。
第1特別図柄保留数記憶エリアNAは、第1始動口56または第1特別始動口57へ遊技球が入賞して保留された個数を記憶するためのエリアであり、第2特別図柄保留数記憶エリアNBは第2特別始動口58へ遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶エリアである。総保留数記憶エリアNXは、第1特別図柄保留数記憶エリアNAと第2特別図柄保留数記憶エリアNBとの和の数(総保留数)を記憶するための記憶エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞(通過)履歴にあわせて、電動役物開放乱数カウンタC4の値(抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている値)を時系列的に格納するための保留エリアである。
普通図柄保留球格納エリア114cは、図14に示されるように、第1~第4保留エリアRB1~RB4の4つの記憶エリア、実行エリアRB5および保留数記憶エリアNCにより構成されている。そして、第1~第4保留エリアRB1~RB4の4つの記憶エリアにより、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶(保留記憶)されるようになっている。
具体的には、普通図柄始動ゲート61への入賞が連続して発生した場合、第1保留エリアRB1→第2保留エリアRB2→第3保留エリアRB3→第4保留エリアRB4の順に電動役物開放乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアが設けられていることにより、普通図柄始動ゲート61への遊技球の入賞履歴が最大4個まで記憶されるようになっている。
実行エリアRB5は、第1保留エリアRB1に格納された数値を移動させるためのエリアである。そして、開閉板59bの開放抽選を行う際には、実行エリアRB5に記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定等が行われる。
なお、普通図柄保留球格納エリア114cにおいても、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
カウンタの説明に戻り、各種カウンタについて具体的に説明する。
当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり抽選に当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに特別図柄当否テーブル(付与情報における当否情報群)として記憶されている。ここで、特別図柄当否テーブル記憶エリア113aの内容について図16を参照しつつ説明する。図16は、本実施形態における特別図柄当否テーブルを説明するための説明図であり、(a)は低確率モード用の特別図柄当否テーブルを示し、(b)は高確率モード用の特別図柄当否テーブルを示している。
図16に示されるように、特別図柄当否テーブルとしては、図16(a)の低確率モード用の特別図柄当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図16(b)の高確率モード用の特別図柄当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本実施形態では、当たり抽選における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
本実施形態では、当たり抽選に際して低確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(a)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は6個とされている。つまり、低確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、1/100で当たり抽選に当選する確率とされている。一方、当たり抽選に際して高確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(b)に示されるように、当たり抽選に当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は7個とされている。つまり、高確率モード用の特別図柄当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、約1/86で当たり抽選に当選する確率とされている。また、本実施形態では、低確率モードである状況において、当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群(7、67、241、307、423、557)は、高確率モードである状況において当たり抽選に当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数および値は任意である。
当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに振分テーブル(付与情報における振分情報群)として記憶されている。図17は、振分テーブルを説明するための図である。なお、本実施形態では、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞のいずれに関わらず、図17の振分テーブルが参照される。
本実施形態の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~7」が15通常当たり結果Aとされ、「8~15」が15R通常当たり結果Bとされ、「16~23」が15R通常当たり結果Cとされ、「24~27」が15R通常当たり結果Dとされ、「28、29」が15R確変当たり結果とされている。
本実施形態における確変当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが高確率モードになると共にサポートモードが高頻度サポートモードになる当たり結果のことである。
また、通常当たり結果とは、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選のモードが低確率モードになる(維持される)と共にサポートモードが高頻度サポートモードとなる当たり結果のことである。但し、通常当たり結果における高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数(抽選遊技が実行される回数)が終了回数に達した場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。なお、本実施形態では、当たり抽選のモードが低確率モードであると共にサポートモードが高頻度サポートモードである状態のことを時短モード(制限付高頻度サポートモード)ともいう。
ここで、「高確率モード」とは、当たり終了後に付加価値としてその後の当たり抽選に当選する確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、開閉実行モード(特典遊技)へ移行し易い遊技の状態のことである。「低確率モード」とは、高確率モードでない場合(確変中でない時)をいい、当たり抽選に当選する確率が通常の状態、即ち、確変の時より当たり抽選に当選する確率が低い状態のことである。
また、「高頻度サポートモード」とは、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が高くなる状態のことである。「低頻度サポートモード」とは、高頻度サポートモードでない場合をいい、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が低い状態のことである。すなわち、本実施形態では、サポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、開閉板59bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度ガイドモード)と低頻度サポートモード(低頻度ガイドモード)とが設定されている。
本実施形態では、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放乱数カウンタC4を用いた開閉板開放抽選における開閉板開放状態当選となる確率が異なっており、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも開閉板開放状態当選となる確率が高くなっている。また、開閉板開放状態当選となった際には、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、開閉板開放状態当選となった際に開閉板59bが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて開閉板開放状態となり、開閉板59bの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。
このため、高頻度サポートモードでは、開閉板59bが開放状態となることで普通入賞口59aに遊技球が入賞し易くなる。そして、遊技球が左側排出通路68から排出された場合には、第1非電役物66が開放状態となり、遊技球が第1特別始動口57に入賞し易くなる。同様に、遊技球が右側排出通路69から排出された場合には、第2非電役物67が開放状態となり、遊技球が第2特別始動口58に入賞し易くなる。したがって、高頻度サポートモード中では、遊技者は、遊技球を右打ちした方が持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができ、有利となる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに開閉板開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば開閉板開放抽選における開閉板開放状態当選となる確率を等しくし、1回の開放回数や開放時間を適宜設定するようにしてもよく、適宜変更可能である。
振分テーブル(図16)の説明に戻り、本実施形態では、15R通常当たり結果A~Dである場合、高頻度サポートモードが終了する終了条件A~Cがそれぞれ設定されている。本実施形態では、終了条件Aは、第1抽選遊技が実行される回数(第1回数)で規定され、終了条件Bは、第2抽選遊技が実行される回数(第2回数)で規定され、終了条件Cは、第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和(合計回数)で規定されている。
具体的には、当たり種別カウンタC2が「0~7」で15R通常当たり結果Aの場合、終了条件Aとして50回が設定され、終了条件Bとして50回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Aの場合、高頻度サポートモードの回数は、50~100回の間のいずれかとなる。すなわち、時短モード中に当たり抽選に当選する確率(いわゆる連続当たり確率)を継続率とすると、低確率モード中に当たり抽選に当選する確率は1/100とされているため、継続率は、約39.5%~63.4%の間となる。
当たり種別カウンタC2が「8~15」で15R通常当たり結果Bの場合、終了条件Aとして20回が設定され、終了条件Bとして100回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Bの場合、高頻度サポートモードの回数は20~100回の間のいずれかとなり、継続率は約18.2%~63.4%となる。
当たり種別カウンタC2が「16~23」で15R通常当たり結果Cの場合、終了条件Aとして100回が設定され、終了条件Bとして20回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Cの場合、高頻度サポートモードの回数は20~100回の間のいずれかとなり、継続率は約18.2%~63.4%となる。
当たり種別カウンタC2が「24~27」で15R通常当たり結果Dの場合、終了条件Aとして100回が設定され、終了条件Bとして100回が設定され、終了条件Cとして100回が設定されている。つまり、15R通常当たり結果Dの場合、高頻度サポートモードの回数は100回で固定であり、継続率は約63.4%となる。
なお、以下では、開閉実行モードが15R通常当たり結果Aを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードAともいう。同様に、開閉実行モードが15R通常当たり結果Bを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードBともいう。開閉実行モードが15R通常当たり結果Cを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードCともいう。開閉実行モードが15R通常当たり結果Dを契機とするものである場合、その後の高頻度サポートモードを時短モードDともいう。また、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、および15R通常当たり結果Dの終了条件の回数は、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fにそれぞれ記憶されている。
開閉実行モードにおける可変大入賞装置60の制御では、予め定められた回数を上限とするラウンド遊技が実行される。なお、ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、または予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口60aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。例えば、開放継続時間は30secに設定され、上限個数は10個に設定される。
本実施形態では、操作ハンドル31が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構44が駆動制御される。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技における遊技球の入賞上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。したがって、各ラウンド遊技では、大入賞口60aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。
ここで、上記図17で説明した各種当たり結果について説明すると、「15R確変当たり結果および15R通常当たり結果」とは、大入賞口60aが15回開放される遊技結果である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に入賞したタイミングで主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bに格納される。そして、主側ROM113のリーチ用テーブル記憶エリア113cに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定するのに用いられる。但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当たり抽選に当選した遊技回)においては、主側MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、本実施形態では各遊技状態において同一とされているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置80における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置80を備え、可変大入賞装置60の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置80における図柄(絵柄)の変動表示(または可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態のことである。
具体的には、リーチ表示とは、図柄表示装置80の表示画面80aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、当たりが発生する(開閉実行モードへ移行する)のに対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性がある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置80の表示画面80a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のある主図柄(リーチ図柄)の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図8を参照して具体的に説明すると、本パチンコ機10では、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、有効ラインL1~L5のいずれかに同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2(最終停止図柄列)において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うと共に、その背景画面において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させるまたは非表示とした上で、表示画面80aの略全体において所定のキャラクタ等を動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部76(第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76b)における変動表示時間(表示継続時間)と、図柄表示装置80における図柄の変動表示時間(表示継続時間)とを主側MPU112において決定するのに用いられる。変動種別カウンタCSは、定期的に更新され、メイン表示部76における変動表示の開始時および図柄表示装置80による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して値が取得される。そして、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM113における変動表示情報郡記憶手段としての変動表示時間テーブル記憶エリア113dに予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。そして、電動役物開放乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の乱数初期値カウンタCINI2の値が当該電動役物開放乱数カウンタC4の初期値として読み込まれ、当該初期値から再びカウントが開始される。なお、乱数初期値カウンタCINI2は、電動役物開放乱数カウンタC4と同様のループカウンタである(値=0~250)。電動役物開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が普通図柄始動ゲート61を通過したタイミングで主側RAM114の普通図柄保留球格納エリア114cに格納される。
普通図柄の当たり当選となる乱数の値は、主側ROM113における当否情報群記憶手段としての普通図柄当否テーブル記憶エリア113gに普通図柄当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、普通図柄の当選となる乱数の値の数は、低確率モードでは24とされ、その範囲は「5~28」とされている。また、高確率モードでは、200とされ、その範囲は「5~204」となっている。すなわち、低確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5~28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率モードでは、取得された電動役物開放乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、メイン表示部76におけるその他表示部76dに所定の点灯状態が示されると共に、開閉板59bが開放される。
<主制御基板111のMPU112にて実行される各種処理について>
次に、図18を参照して主制御装置91に電源が投入された後に主側MPU112により実行されるメイン処理について説明する。図18は、メイン処理を示すフローチャートであり、電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入ウェイト処理を実行する(S101)。当該電源投入ウェイト処理では、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置92、表示制御装置93、払出制御装置100等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つため、ウェイト処理(例えば、1sec)を実行し、次の処理に進行することなく待機する。そして、電源投入ウェイト処理の期間が経過した後、主側RAM114のアクセスを許可すると共に(S102)、主側MPU112の内部機能レジスタの設定を行う(S103)。
その後、電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103が手動操作されているか否かを判定し(S104)、RAM消去スイッチ103が手動操作されていないと判定した場合(S104:NO)、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(S105)。そして、主側RAM114の停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には(S105:YES)、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが正常であるか否かを判定する(S107)。
そして、チェックサムが正常であると判定した場合には(S107:YES)、電源投入設定処理を実行する(S109)。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM114の所定のエリアを初期値に設定すると共に、現状の遊技状態(電源断が正常なものである場合には電源断の前の状態)を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。また、払出側RAM124の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU122に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
一方、RAM消去スイッチ103がオンされていると判定した場合(S104:YES)、停電フラグに「1」がセットされていないと判定した場合(S105:NO)、またはチェックサムが正常でないと判定した場合(S107:NO)には、主側RAM114の初期化として当該主側RAM114をクリアした後(S108)、上記ステップ109の電源投入設定処理を行う。
すなわち、本パチンコ機10では、例えば、遊技ホールの営業開始時等、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ103を押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ103が押されていれば、上記S108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様に上記ステップ108の処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ103が押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、およびチェックサムが正常であることを条件に、ステップ108の処理を実行することなくステップ109を実行する。つまり、電源の遮断が正常であり、チェックサムが正常であれば、電源断の遊技状態に復帰させるためのコマンドを音声ランプ制御装置92に送信する。
その後、以下の残余処理に進む。つまり、主側MPU112は、後述するタイマ割込み処理(図19)を定期的に実行する構成であるが、あるタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、この不規則な時間を利用して以下の残余処理を繰り返し実行する。つまり、以下の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まず、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(S110)。続いて、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新を行う乱数初期値更新処理を実行すると共に(S111)、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する(S112)。これらの更新処理では、主側RAM114の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う(S113)。そして、ステップ113の処理を実行したら、ステップ110に戻り、タイマ割込み処理が終了した後、ステップ110~ステップ113の処理を実行する。
ここで、上記のように残余処理では、割込み禁止の処理および割込み許可の処理に挟まれるようにして乱数初期値更新処理および変動用カウンタ更新処理が設定されているのみであるため、タイマ割込み処理が開始されるタイミングは常にステップ110の直前となる。そうすると、タイマ割込み処理が終了した後は常にステップ110から開始すればよいこととなり、タイマ割込み処理後の戻りアドレスが一義的なものとなる。よって、タイマ割込み処理の開始に際して現状の戻りアドレスを記憶する必要はなく、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減される。
また、主側MPU112において所定のデータの演算を行っている途中でタイマ割込み処理が発生することもないため、タイマ割込み処理の開始に際して主側MPU112のレジスタにその時点で格納されているデータの主側RAM114への退避処理を実行する必要がなく、同様にタイマ割込み処理の終了に際して主側MPU112のレジスタへのデータの復帰処理を実行する必要がない。よって、タイマ割込み処理の開始に際しての処理負荷が軽減されると共に、タイマ割込み処理の終了に際しての処理負荷も軽減される。
また、乱数初期値カウンタCINI1、CINI2の更新途中や変動種別カウンタCSの更新途中でタイマ割込み処理が開始されることがないため、これらの更新途中であるにも関わらず、タイマ割込み処理にてこれらカウンタの数値情報が取得されたり、さらなる更新処理が実行されてしまうことを防止できる。
次に、図19を参照しつつ、主側MPU112が定期的(本実施形態では4msec周期で)に実行するタイマ割込み処理について説明する。図19は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板111には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段として図示しないクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU112との間の信号経路の途中位置に存在するように図示しない分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU112にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU112に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU112では、このパルス信号の立ち上がりまたは立ち下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも1つの条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU112における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
ただし、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU112における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU112の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。以上が主側MPU112にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成である。
主側MPU112は、まず、停電情報記憶処理を実行する(S201)。この停電情報記憶処理では、停電監視基板117から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には所定の停電時処理を実行する。
次に、抽選用乱数更新処理を実行する(S202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際にはそれぞれ「0」にクリアする。
その後、メイン処理(図18)における上記ステップ111と同様に乱数初期値更新処理を実行すると共に(S203)、メイン処理(図18)における上記ステップ112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する(S204)。次に、遊技停止判定処理を実行する(S205)。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
具体的には、遊技機本体12の前面側には、磁石検知センサ、電波検知センサ、振動検知センサ等の各種センサ(図11中のその他検知センサ115)が設けられている。そして、主側MPU112では、後述する不正検知処理(S212)により、磁石検知センサの検知結果に基づいて遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否かを判定し、電波検知センサの検知結果に基づいて不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否かを判定し、振動検知センサの検知結果に基づいてパチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等を判定する。これらの不正判定のいずれかにて肯定判定をした場合には、パチンコ機10への不正行為に該当する特定事象が発生しているとして、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し(S206)、遊技の進行を停止している状態であると判定した場合には(S206:YES)、報知コマンドの出力用処理を実行する(S207)。報知コマンドの出力用処理では、いずれかの特定事象が発生している場合であってその特定事象の発生に対して未だ報知コマンドを出力していない状況において、報知コマンドを出力対象に設定する。
なお、当該報知コマンドには、その出力の契機となった特定事象の内容が含まれるため、音声ランプ制御装置92が報知コマンドを受信するとその特定事象の内容に対応した報知の実行設定を行う。また、遊技の進行が停止された状態、およびそれに対応した報知は、主側MPU112への動作電力の供給を停止したのみでは電源立ち上げ時に再度開始され、主側MPU112への動作電力の供給を停止した後に電源および発射制御装置101に設けられたRAM消去スイッチ103を手動操作しながら動作電力の供給を開始することにより、主側RAM114の初期化が実行されることに伴って実行されないようになる。
一方、遊技の進行を停止していない状態であると判定した場合には(S206:NO)、ポート出力処理を実行する(S208)。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力処理を実行する。例えば、大入賞口60aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。また、開閉板59bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変普通入賞装置駆動部59cへの駆動信号の出力を開始し、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止する。さらに、後述する非電役物状態把握処理(S218)にて第1非電役物66または第2非電役物67に関するコマンド(非電役物開放コマンド、非電役物閉鎖コマンド)が設定された場合には、当該コマンドを音声ランプ制御装置92に出力する。また、各処理で出力対象に設定されたコマンドを音声ランプ制御装置92や払出制御装置100に出力する。
次に、読み込み処理を実行する(S209)。読み込み処理では、停電信号および入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続いて、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61への入賞を検知する入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aから受信している信号を読み込み、一般入賞口55、第1始動口56、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、可変大入賞装置60、および普通図柄始動ゲート61への入賞の有無を特定する入賞検知処理を実行する(S210)。
その後、主側RAM114に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報を更新するためのタイマ更新処理を実行する(S211)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新および加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続いて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(S212)。この不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生しているか否かの不正判定を実行して肯定判定をした場合、次回のタイマ割込み処理におけるステップ205にて遊技停止用の設定を行う。これにより、ステップ206にて肯定判定をするようになる。なお、所定の事象とは、ステップ205にて説明したように、遊技盤43に対して磁石を近づける行為が行われていないか否か、不正な電波がパチンコ機10に向けて出力されていないか否か、パチンコ機10に対して不正な振動が加えられていないか否か等である。
次に、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(S213)。発射制御処理では、操作ハンドル31に対して発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。そして、ステップ209の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aの断線確認や、遊技機本体12、前扉枠14の開放確認等を行う入力状態監視処理を行う(S214)。この場合、当該入力状態監視処理では、各入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aの断線を確認した場合や、遊技機本体12の開放を確認した場合には上記ステップ207と同様に報知コマンドの出力用処理を実行する。当該報知コマンドの出力用処理では、入賞検知センサ55a、56a、57a、58a、60c、61a、68a、69aに断線が発生していることを示す報知コマンドや、遊技機本体12が開放状態であることを示す報知コマンドを送信する。また、入力状態監視処理では、払出制御装置100から受信している信号に基づいて、下皿30が満タン状態となっているか否かといった判定や、払出装置99に異常が発生しているか否かといった判定を行い、これらの判定において肯定判定をした場合にはそれに対応した報知コマンドを出力対象に設定する。
次に、遊技回(変動表示回)の実行制御および開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行すると共に(S215)、開閉板(電動役物)59bの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する(S216)。これらステップ215における特図特電制御処理およびステップ216における普図普電制御処理については、具体的に後述する。
続いて、直前のステップ215およびステップ216の処理結果に基づいて、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞に対する保留情報(第1、第2特別図柄保留数記憶エリアNA、NB)の増減個数、および普通図柄始動ゲート61への入賞に対する保留情報(保留数記憶エリアNC)の増減個数をメイン表示部76(その他表示部76d)に反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う(S217)。また、開閉実行モードへ移行する際には、後述するラウンド用の設定処理に基づいて、ラウンド表示部76cにその開閉実行モードにおける可変大入賞装置60が開放される回数を反映させるための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。さらに、開閉実行モードが終了する際には、ラウンド表示部76cの表示を消去(消灯)するための表示制御処理(出力情報の設定)を行う。
その後、非電役物状態把握処理を実行する(S218)。ここで、非電役物状態把握処理について、図20および図21を参照しつつ説明する。図20および図21は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。
図20に示されるように、非電役物状態把握処理では、まず、左側排出通路68を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S301)。そして、左側排出通路68を遊技球が通過していないと判定すると(S301:NO)、右側排出通路69を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S302)。
なお、ステップ301の判定は左側排出通路検知センサ68aの検知結果に基づいて判定され、ステップ302の判定は右側排出通路検知センサ69aの検知結果に基づいて判定される。また、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球が通過したことが検知されるということは、左側排出通路68には第1非電役物作動機構70が配設されているため、第1非電役物作動機構70に遊技球が接触(入球)して第1非電役物66が開放状態になり(開放状態に維持され)、第1特別始動口57に2個の遊技球が入賞可能な状態となったことを意味する。同様に、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球が通過したことが検知されるということは、右側排出通路69には第2非電役物作動機構71が配設されているため、第2非電役物作動機構71に遊技球が接触して(入球)して第2非電役物67が開放状態になり(開放状態に維持され)、第2特別始動口58に2個の遊技球が入賞可能な状態となったことを意味する。
このため、左側排出通路68を遊技球が通過したと判定すると(S301:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1始動入賞カウンタに2をセットし(S303)、第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S304)。また、右側排出通路69を遊技球が通過したと判定すると(S302:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2始動入賞カウンタに2をセットし(S305)、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S306)。
第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットした後、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットした後、または右側排出通路69を遊技球が通過していないと判定した場合は(S302:NO)、図21に示されるように、第1特別始動口57への遊技球の入賞があったか否かを判定する(S401)。そして、第1特別始動口57への遊技球の入賞があったと判定した場合(S401:YES)、第1始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(S402)。第1始動入賞カウンタの値が0でないと判定した場合(S402:NO)、つまり第1始動入賞カウンタの値が1または2であると判定した場合、第1始動入賞カウンタの値を1減算する(S403)。
そして、再び第1始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定し(S404)、第1始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S404:YES)、第1非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する(S405)。つまり、上記のように、本実施形態の第1非電役物66は、開放状態となると、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物66が開放状態になる(開放状態に維持される)と、上記ステップ303にて第1始動入賞カウンタの値が2にセットされる。このため、第1特別始動口57へ遊技球が入賞することで第1始動入賞カウンタの値が0となるということは、第1非電役物66が閉鎖状態となることを意味する。したがって、ステップ405にて第1非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する。
一方、ステップ402にて第1始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S402:YES)、遊技停止用の設定処理を実行し(S406)、第1非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する(S407)。
すなわち、上記のように、第1非電役物66は、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物作動機構70と接触することで開放状態となり、その後に第1非電役物作動機構70に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1に入賞する(第1非電役物66が開放状態になる)と、上記ステップ303にて第1始動入賞カウンタの値が2にセットされる。また、本実施形態では、第1特別始動口57は、第1非電役物66が開放状態である際に当該第1特別始動口57に遊技球が入賞し得るように配設されている。このため、第1特別始動口57に遊技球が入賞した際、第1始動入賞カウンタの値が0にも関わらず第1特別始動口57に遊技球が入賞する場合というのは、第1非電役物66および第1非電役物作動機構70の機械的構成に異常が発生した場合や、外部からの不正手段によって第1非電役物66が異常な開放状態となっていることが想定される。したがって、遊技停止用の設定処理を実行し、第1非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する。これにより、ステップ206にて肯定判定がされ、ステップ207にて第1非電役物異常開放コマンドが音声側MPU152に出力される。
第1非電役物閉鎖コマンドをセットした後、またはステップ404にて第1始動入賞カウンタが0でないと判定した場合は(S404:NO)、そのまま本非電役物状態把握処理を終了する。
また、ステップ401にて第1特別始動口57への遊技球の入賞がないと判定した場合は(S401:NO)、第2特別始動口58への遊技球の入賞があったか否かを判定し(S408)、上記ステップ401~407と同様の処理を実行する。
すなわち、第2特別始動口58への遊技球の入賞があったと判定した場合(S408:YES)、第2始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定する(S409)。第2始動入賞カウンタの値が0でないと判定した場合(S409:NO)、つまり第2始動入賞カウンタの値が1または2であると判定した場合、第2始動入賞カウンタの値を1減算する(S410)。
そして、再び第2始動入賞カウンタの値が0であるか否かを判定し(S411)、第2始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S411:YES)、第2非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する(S412)。つまり、上記のように、本実施形態の第2非電役物67は、開放状態となると、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物67が開放状態になる(開放状態に維持される)と、上記ステップ305にて第2始動入賞カウンタの値が2にセットされる。このため、第2特別始動口58へ遊技球が入賞することで第2始動入賞カウンタの値が0となるということは、第2非電役物67が閉鎖状態となることを意味する。したがって、ステップ412にて第2非電役物閉鎖コマンドを出力対象に設定する。
一方、ステップ409にて第2始動入賞カウンタが0であると判定した場合(S409:YES)、遊技停止用の設定処理を実行し(S413)、第2非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する(S414)。
すなわち、上記のように、第2非電役物67は、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物作動機構71と接触することで開放状態となり、その後に第2非電役物作動機構71に遊技球が接触することなく、2個の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで閉鎖状態となる構成とされている。そして、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2に入賞する(第2非電役物67が開放状態になる)と、上記ステップ305にて第2始動入賞カウンタの値が2にセットされる。また、本実施形態では、第2特別始動口58は、第2非電役物67が開放状態である際に当該第2特別始動口58に遊技球が入賞し得るように配設されている。このため、第2特別始動口58に遊技球が入賞した際、第2始動入賞カウンタの値が0にも関わらず第2特別始動口58に遊技球が入賞する場合というのは、第2非電役物67または第2非電役物作動機構71の機械的構成に異常が発生した場合や、外部からの不正手段によって第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが想定される。したがって、遊技停止用の設定処理を実行し、第2非電役物異常開放コマンドを出力対象に設定する。これにより、ステップ206にて肯定判定がされ、ステップ207にて第2非電役物異常開放コマンドが音声側MPU152に出力される。
第2非電役物閉鎖コマンドをセットした後、ステップ411にて第2始動入賞カウンタが0でないと判定した場合は(S411:NO)、または第2特別始動口58への遊技球の入賞がないと判定した場合は(S408:NO)、そのまま本非電役物状態把握処理を終了する。
次に、遊技回および開閉実行モードのどちらも実行されていない状況において、図柄表示装置80の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する(S218)。このデモ表示用処理については具体的に後述する。
そして、払出側MPU122から受信したコマンドおよび信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(S219)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(S220)。
次に、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始および終了を制御するように、外部出力端子板104への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する(S221)。
ステップ221の外部処理情報設定処理を終了した後、またはステップ207の報知コマンドの出力用処理を終了した後は、割込み終了宣言の設定を実行する(S222)。主側MPU112では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップ222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。次に、割込み許可の設定を行う(S223)。主側MPU112では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップ223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図19)におけるステップ215の特図特電制御処理について図22を参照しつつ説明する。図22は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行すると共に、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行すると共に、開閉実行モード中および開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まず、保留情報の取得処理を実行する(S501)。ここで、保留情報の取得処理について、図23を参照しつつ説明する。図23は、保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
保留情報取得の処理は、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞したかを判別し、第1始動口56、第1特別始動口57、または第2特別始動口58に遊技球が入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口56および第1特別始動口57に合計で最大4個、第2特別始動口58に最大4個で全体で最大8個)まで、取得した各カウンタ値を特別図柄保留球格納エリア114bに格納する処理である。
また、入賞に基づいて取得された各カウンタ値が特別図柄保留球格納エリア114bに格納されると、格納された各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理である。
まず、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ56a、57aの検知結果により判定する(S601)。そして、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S601:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAに格納された保留数Naの値を読み出し、取得した保留数Naが4個未満であるか否かを判定する(S602)。つまり、第1始動口56および第1特別始動口57に対する保留数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留数が上限値まで記憶されていないか)を判定する。
そして、取得した保留数Naが4個未満であると判定した場合には(S602:YES)、第1特別図柄保留数記憶エリアNAの保留数Naを1加算すると共に、総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを読み出し、当該総保留数Nxを1加算する(S603)。一方、取得した保留数Naが4であると判定した場合には(S602:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
ステップ603の処理を終了した後は、タイマ割込み処理(図19)におけるステップ202にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各数値情報(特別情報)、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞を契機とするものであることの情報を、第1特別図柄保留球格納エリアRAのうちステップ603にて1加算した保留数Naと対応する保留エリアに格納する(S604)。
その後、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞が発生したことを音声ランプ制御装置92および表示制御装置93に認識させると共に、保留報知を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する(S605)。
一方、遊技球が第1始動口56または第1特別始動口57へ入賞していないと判定した場合には(S601:NO)、遊技球が第2特別始動口58に入賞(始動入賞)したか否かを入賞検知センサ58aの検知結果により判定する(S606)。そして、遊技球が第2特別始動口58に入賞した(始動入賞があった)と判定すると(S606:YES)、ステップ602~ステップ605と同様の処理を行う(S607~S610)。これに対し、遊技球が第2特別始動口58へ入賞していないと判定した場合(S606:NO)、そのまま本保留情報の取得処理を終了する。
なお、ステップ607~ステップ610の処理は、ステップ602~ステップ605までの各処理に対して、第2特別始動口58に入賞したことに対する処理が相違するのみであるため詳細な説明は省略するが、ステップ607では、第2特別図柄保留数記憶エリアNBに格納された保留数Nbの値を読み出して判定し、ステップ608では第2特別図柄保留数記憶エリアNBの保留数Nbを1加算すると共に総保留数記憶エリアNXの総保留数Nxを1加算し、ステップ609では各カウンタC1~C3の数値情報(特別情報)、第2特別始動口58への入賞を契機とするものであることの情報を、第2特別図柄保留球格納エリアRBのうちステップ608にて1加算した保留数Nbと対応する保留エリアに格納する。
以上が保留情報の取得処理である。特図特電制御処理(図22)の説明に戻り、ステップ501にて保留情報の取得処理を実行した後は、主側RAM114に設けられた特図特電カウンタエリア114dから特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する(S502)。また、主側ROM113の特図特電アドレステーブル記憶エリア113hから特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行し(S503)、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S504)。
上記のように、特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに関する処理が含まれている。この場合、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(S507)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(S508)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(S509)と、が設定されている。また、開閉実行モードに関する処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(S510)と、大入賞口60aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(S511)と、大入賞口60aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(S512)と、開閉実行モードのエンディングおよび開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(S513)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて図24を参照して説明すると、特図特電カウンタは「0」~「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」~「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず、かつ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、遊技回用の演出に関する処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し、かつ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判定しようとすると、開閉実行モードに関する処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うと共に、大入賞口60aが開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、特図特電カウンタおよび特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理(S507)、特図変動中処理(S508)、特図確定中処理(S509)、特電開始処理(S510)、特電開放中処理(S511)、特電閉鎖中処理(S512)および特電終了処理(S513)を実行するための処理構成を説明する。
まず、ステップ504の開始アドレスを取得した後は、ゼロフラグへの設定処理を実行する(S505)。ゼロフラグへの設定処理では、主側RAM114に設けられた特図特電タイマカウンタエリア114eから特図特電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタ)の数値情報を読み出し、読み出した数値情報に基づいてゼロフラグの値を設定する。具体的には、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットし、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「0」をセットする。例えば、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」でなく、ゼロフラグが「1」である場合にはゼロフラグを「1」から「0」に変化させる。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図19)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
続いて、上記ステップ504にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S506)。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合には特図変動開始処理(S507)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合には特図変動中処理(S508)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合には特図確定中処理(S509)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合には特電開始処理(S510)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合には特電開放中処理(S511)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合には特電閉鎖中処理(S512)にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合には特電終了処理(S513)にジャンプする。そして、ステップ507~ステップ513の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下に、ステップ507~ステップ513の各処理について個別に説明する。
まず、ステップ507の特図変動開始処理について、図25を参照しつつ説明する。図25は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。特図変動開始処理では、保留情報が記憶されていることを条件に、各種判定処理を実行し、メイン表示部76および図柄表示装置80において変動表示が行われる遊技回を開始するための処理を実行する。
まず、総保留数記憶エリアNXから総保留数Nxの値を読み出し、取得した保留数Nxが1以上であるか否かを判定する(S701)。そして、総保留数Nxが0であると判定した場合には(S701:NO)、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、総保留数Nxが1以上であると判定した場合には(S701:YES)、データ設定処理を実行する(S702)。
データ設定処理では、まず、総保留数Nxを1減算すると共に、第1保留エリアRA1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアRA9にシフトさせる処理を実行する。その後、各保留エリアRA2~RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。つまり、このデータ設定処理は、第1~第8保留エリアRA1~RA8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、第1保留エリアRA1のデータをクリアすると共に、第2保留エリアRA2→第1保留エリアRA1、第3保留エリアRA3→第2保留エリアRA2、第4保留エリアRA4→第3保留エリアRA3と、第5保留エリアRA5→第4保留エリアRA4、第6保留エリアRA6→第5保留エリアRA5、第7保留エリアRA7→第6保留エリアRA6、第8保留エリアRA8→第7保留エリアRA7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。すなわち、本実施形態では、保留エリアRA1~RA8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)の順に後述の当否判定処理(S702)が実行される。また、このデータ設定処理では、保留エリアRA1~RA8のデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置92に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定する。
なお、この処理では、実行エリアRA9にシフトされた保留情報における入賞始動口情報を把握し、第1特別図柄保留球格納エリアNAの保留数Naまたは第2特別図柄保留球格納エリアNBの保留数Nbを1減算する。
ステップ702のデータ設定処理を実行した後は、当たり抽選である当否判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S703)。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、主側RAM114に設けられた高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することにより、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、高確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている高確率モード用の特別図柄当否テーブル(図16(b))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が高確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には、主側ROM113の特別図柄当否テーブル記憶エリア113aに記憶されている低確率モード用の特別図柄当否テーブル(図16(a))を参照して、実行エリアRCに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に関する数値情報(当たり乱数カウンタ格納エリア201に格納されている数値情報)が低確率モード用の当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
なお、高確率モードフラグは、確変当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して格納され(図31、S1303)、その後に通常当たり結果に起因する開閉実行モードの終了に際して消去される(図31、S1304)。
次に、当否判定処理の結果が当たり当選結果であるか否かを判定する(S704)。当たり当選結果であると判定した場合には(S704:YES)、振分判定処理(特別情報判定処理)を実行する(S705)。振分判定処理では、実行エリアRCに格納された情報のうち、振分判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)を把握する。そして、主側ROM113の振分テーブル記憶エリア113bに記憶されている振分テーブルを参照して、上記把握した当たり種別カウンタC2に関する数値情報(当たり種別カウンタ格納エリア202に格納されている数値情報)がいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果のいずれの当たり結果に対応しているのかを特定する。
その後、当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(S706)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部76に最終的に停止表示させる絵柄(点灯状態)の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部76に停止表示される絵柄の態様の情報が、当たり結果の種別毎に相違させて設定されている。
次に、振分判定結果に対応したフラグ格納処理を実行する(S707)。具体的には、主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114nのうちステップ705で特定した当たり結果と対応する格納エリアにフラグを格納する。本実施形態では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、15R通常当たり結果Aである場合には時短当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Bである場合には時短当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Cである場合には時短当たり結果フラグCを格納し、15R通常当たり結果Dである場合には時短当たり結果フラグDを格納し、15R確変当たり結果である場合には確変当たり結果フラグを格納する。
一方、当たり当選結果ではないと判定した場合には(S704:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(S708)。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部76に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM113の停止結果テーブル記憶エリア113eに記憶されている外れ結果用の停止結果テーブから特定し、その特定した情報を主側RAM114に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
上記ステップ707およびステップ708のいずれかの処理を実行した後は、変動表示時間(表示継続期間)の把握処理(表示態様決定処理)を実行する(S709)。この処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、今回の遊技回において図柄表示装置80にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの当たり結果でもないが、実行エリアRCに格納されているリーチ乱数カウンタC3に関する数値情報(リーチ乱数カウンタ格納エリア203に格納されている数値情報)がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得すると共に、リーチの種類(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を決定する。
なお、本実施形態におけるノーマルリーチとは、変動表示時間が短いリーチであり、上段の図柄列Z1と下段の図柄列Z3にてリーチラインが形成された後、中段の図柄列Z2がそのまま停止する(いわゆる、ビタ止まり)変動のことである(図柄列については図8参照)。スーパーリーチとは、ノーマルリーチより変動表示時間が長いリーチのことであって遊技者に当該遊技回で当たり結果が発生する期待度が高いことを示唆するリーチであり、例えば、ノーマルリーチの後に続けて表示される。本実施形態では、今回の遊技回が当たり結果である場合には、当たり結果でない場合よりもスーパーリーチを選択する確率が高くされている。
一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間情報を取得する。
なお、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。また、本実施形態では、リーチ非発生時における変動表示時間は、総保留数Nxが多いほど短くなるように設定されている。さらに、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合と比較して、短い変動表示時間が選択されるように変動表示時間が設定されている。
但し、これに限定されることはなく、総保留数Nxやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種当たり結果の場合、外れリーチ時の場合およびリーチ非発生の外れ結果(完全外れ)の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
次に、上記ステップ709にて取得した変動表示時間の情報を、特図特電タイマカウンタエリア114eの特図特電タイマカウンタにセットする(S710)。なお、上記のように、この特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新(減算)は、上記タイマ割込み処理(図19)のタイマ更新処理(S211)にて実行される。また、遊技回用の演出として、メイン表示部76における絵柄の変動表示と図柄表示装置80における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置80では有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップ709にて取得される変動表示時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、変動表示時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と言い換えることもできる。
続いて、変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対象に設定する(S711)。なお、変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれている。ここで、本実施形態では、上記のように、リーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっており、ノーマルリーチで取得される変動表示時間は、スーパーリーチで取得される変動表示時間とも異なっている。このため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報、およびリーチの種類の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92では、変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報、およびリーチの種類の情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報、およびリーチの種類を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果Aのいずれであるかの情報が含まれる。なお、ステップ711にて出力対象として設定された変動用コマンドおよび種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に、タイマ割込み処理(図19)におけるポート出力処理(S208)によって送信される。
次に、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されているか否かを判定し(S712)、時短モードフラグが格納されていると判定した場合には(S712:YES)、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報を取得し、今回の遊技回が第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球が入賞したことを契機とするものであるか否かを判定する(S713)。つまり、今回の遊技回が第1抽選遊技の実行に基づくものであるか否かを判定する。そして、第1抽選遊技の実行に基づくものであると判定した場合には(S713:YES)、第1時短モード回数カウンタエリア114hに格納された第1時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納された合計時短モード回数カウンタの値を1減算する(S714)。一方、今回の遊技回が第1抽選遊技の実行に基づくものでないと判定した場合(S713:NO)、つまり今回の遊技回が第2抽選遊技の実行に基づくものであると判定した場合には、第2時短モード回数カウンタエリア114iに格納された第2時短モード回数カウンタおよび合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納された合計時短モード回数カウンタの値を1減算する(S715)。なお、時短モード回数カウンタは、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれかの当たり結果に起因する開閉実行モードにおけるエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図31、S1306)。
ステップ714またはステップ715で所定の時短モード回数カウンタを1減算した後、または時短モードフラグが格納されていないと判定した場合には(S712:NO)、メイン表示部76における絵柄の変動表示を開始し(S716)、特図特電カウンタを1加算する(S717)。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップ717の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ508の特図変動中処理について、図26を参照しつつ説明する。図26は、特図変動中処理を示すフローチャートである。なお、特図変動中処理は、特図変動開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「1」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したか否かを判定する(S801)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における変動表示時間が経過したことを意味する。
変動表示時間が経過していないと判定した場合には(S801:NO)、メイン表示部76は一定の発光パターンが一定の周期で繰り返されるため、メイン表示部76の更新タイミング(発光パターンの更新タイミング)であるか否かを判定する(S802)。そして、更新タイミングではないと判定した場合には(S802:NO)、そのまま本特図変動中処理を終了する。一方、更新タイミングであると判定した場合には(S802:YES)、更新内容の読み出し処理を実行する(S803)。この更新内容は、主側ROM113の更新用データテーブル記憶エリア113jから更新タイミングに対応した更新内容を読み出す。
次に、ステップ803にて読み出した更新内容をメイン表示部76の更新用にセットする更新処理を実行する(S804)。なお、メイン表示部76の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図19)における表示制御処理(S217)にて実行される。その後、本特図変動中処理を終了する。
一方、変動表示時間が経過したと判定した場合には(S801:YES)、確定停止コマンド(最終停止表示コマンド)を出力対象に設定する(S805)。確定停止コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して今回の遊技回用の演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
そして、停止結果の読み出し処理を実行する(S806)。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して特図変動開始処理(図25)のステップ706またはステップ708にて主側RAM114に設定した停止表示させる絵柄の態様の情報を読み出す。その後、その読み出した絵柄の態様の情報をメイン表示部76の更新用にセットする更新処理を実行する(S807)。
続いて、主側ROM113に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S808)。次に、特図特電カウンタを1加算する(S809)。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップ809の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ509の特図確定中処理について、図27を参照しつつ説明する。図27は、特図確定中処理を示すフローチャートである。なお、特図確定中処理は、特図変動中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「2」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する(S901)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したことを意味する。確定時間が経過していないと判定した場合には(S901:NO)、そのまま本特図確定中処理を終了する。
確定時間が経過したと判定した場合には(S901:YES)、主側RAM114における各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されたフラグを判定することにより、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が当たり結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機となる結果)であったか否かを判定する(S902)。なお、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、特図変動開始処理(図25)において、当たり抽選に当選した場合にステップ707のフラグ格納処理にて当たり結果に対応したフラグが格納される。
そして、当たり当選であると判定した場合には(S902:YES)、オープニングコマンドを出力対象に設定する(S903)。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。なお、オープニングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類(15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果)の情報も含まれる。
次に、特図特電カウンタを1加算する(S904)。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップ904の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
一方、当たり当選でないと判定した場合(S902:NO)、すなわち今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機とならない結果)であった場合には、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されているか否かを判定する(S905)。そして、時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S905:YES)、第1時短モード回数カウンタエリア114hに格納されている第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタエリア114iに格納されている第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタエリア114jに格納されている合計時短モード回数カウンタの値が全て1以上であるか否かを判定し(S906)、少なくとも1つが1以上でないと判定した場合(S906:NO)、つまり少なくとも1つが0であると判定した場合には、各時短モード回数カウンタを0クリアする(S907)。その後、時短モードフラグ格納エリア114gに格納されている時短モードフラグを消去し(S908)、時短モード終了コマンドを出力対象に設定する(S909)。時短モード終了コマンドを出力対象に設定した後、時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグが格納されていないと判定した場合(S905:NO)、または第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタの値が全て1以上であると判定した場合には(S906:YES)、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする(S910)。その後、本特図確定中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ710の特電開始処理について、図28を参照しつつ説明する。図28は、特電開始処理を示すフローチャートである。なお、特電開始処理は、特図確定中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「3」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する(S1001)。つまり、特図特電制御処理(図24)ではステップ705にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「3」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したことを意味する。オープニング時間が経過していないと判定した場合には(S1001:NO)、そのまま本特電開始処理を終了する。
一方、オープニング時間が経過したと判定した場合には(S1001:YES)、当たり結果に対応したラウンド数を設定するラウンド用の設定処理を行う(S1002)。本実施形態では、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられた入賞カウンタに、ラウンド遊技の1つの終了条件である上限個数として「10」をセットすると共に、ラウンドカウンタに「15」をセットする。なお、入賞カウンタは、大入賞口60aへの遊技球の入賞が発生するたびに「1」減算されるカウンタである。また、ラウンドカウンタは、1回の開閉実行モードの範囲内で実行するラウンド遊技の回数を主側MPU112にて特定するためのカウンタであり、ラウンド数規定モードの開閉実行モードにて1ラウンド消化するたびに「1」減算される。
ステップ1002のラウンド用の設定処理を終了した後には、今回の開閉実行モードの契機となった当たり結果に応じた大入賞口60aを開放させる最初の継続時間の情報を読み出す(S1003)。なお、本実施形態では、最初の開放継続時間は、全て長時間態様とされている。そして、その読み出した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする(S1004)。
次に、大入賞口60aを開放状態とするための開放設定処理を実行する(S1005)。この開放設定処理では、主側MPU112における大入賞口60aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図19)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口60aを開放状態に切り換えるべく可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力が開始される。
続いて、開放コマンドを出力対象に設定した後(S1006)、特図特電カウンタを1加算する(S1007)。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップ1007の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ511の特電開放中処理について、図29を参照しつつ説明する。図29は、特電開放中処理を示すフローチャートである。なお、特電開放中処理は、特電開始処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「4」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する(S1101)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「4」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したことを意味する。
開放継続時間が経過していると判定した場合には(S1101:YES)、ラウンドカウンタを1減算する(S1102)。続いて、主側ROM113に予め記憶されている閉鎖時間(例えば1sec)の情報を読み出し、その閉鎖時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする閉鎖時間のセット処理を行う(S1103)。そして、大入賞口60aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する(S1104)。当該閉鎖設定処理では、主側MPU112における大入賞口60aに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図19)におけるステップ208のポート出力処理にて、大入賞口60aを閉鎖状態に切り換えるべく可変大入賞装置駆動部60dへの駆動信号の出力が停止される。
その後、閉鎖コマンドを出力対象に設定した後(S1105)、特図特電カウンタを1加算する(S1106)。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップ1106の処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。その後、本特電開放中処理を終了する。
一方、開放継続時間が経過していないと判定した場合には(S1101:NO)、入賞検知センサ60cからの検知結果に基づいて大入賞口60aへの入賞があるか否かを判定する(S1107)。そして、大入賞口60aへの入賞がないと判定した場合には(S1107:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。これに対し、大入賞口60aへの入賞があると判定した場合には(S1107:YES)、入賞カウンタを1減算する(S1108)。その後、入賞カウンタが「0」であるか否かを判定し(S1109)、「0」であると判定した場合には(S1109:YES)、上記ステップ1102~ステップ1106の処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。これに対し、入賞カウンタが「0」でない場合には(S1109:NO)、そのまま本特電開放中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ512の特電閉鎖中処理について、図30を参照しつつ説明する。図30は、特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。なお、特電閉鎖中処理は、特電開放中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「5」となっている。
まず、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1201)。ラウンドカウンタが「0」ではない場合には(S1201:NO)、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、閉鎖時間が経過したか否かを判定する(S1202)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「5」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、閉鎖時間が経過したことを意味する。閉鎖時間が経過していないと判定した場合には(S1202:NO)、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、閉鎖時間が経過していると判定した場合には(S1202:YES)、入賞カウンタに「10」をセットする(S1203)。続いて、開放継続時間の読み出し処理を実行する(S1204)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されたフラグを判定することで今回の開閉実行モードへの移行契機となった結果を特定すると共に、ラウンドカウンタの値を読み出し、これらに基づいて大入賞口60aを開放させる継続時間の情報を読み出す。本パチンコ機10では、各当たり結果における全てのラウンドで長時間態様に対応した開放継続時間となるように設定されている。そして、その読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1205)。
続いて、開放設定処理を実行する(S1206)。当該開放設定処理の処理内容は、特電開始処理(図28)におけるステップ1005の開放設定処理と同様である。次に、開放コマンドを出力対象に設定した後(S1207)、特図特電カウンタを1減算する(S1208)。この場合、特電閉鎖中処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップ1208の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタが「0」であると判定した場合には(S1201:YES)、エンディングコマンドを出力対象に設定する(S1209)。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置92に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。なお、エンディングコマンドには開閉実行モードの契機となった当たり結果の種類の情報も含まれる。
次に、主側ROM113に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする(S1210)。続いて、特図特電カウンタを1加算する(S1211)。この場合、特図閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、S1211の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「6」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
次に、特図特電制御処理におけるステップ513の特電終了処理について、図31を参照しつつ説明する。図31は、特電終了処理を示すフローチャートである。なお、特電終了処理は、特電閉鎖中処理の後の処理であり、特図特電カウンタの数値情報は「6」となっている。
まず、主側MPU112のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより、エンディング時間が経過したか否かを判定する(S1301)。つまり、特図特電制御処理(図22)ではステップ505にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「6」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、エンディング時間が経過したことを意味する。エンディング時間が経過していないと判定した場合には(S1301:NO)、そのまま本特電終了処理を終了する。
一方、エンディング時間が経過していると判定した場合には(S1301:YES)、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果の種類を主側RAM114の各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグを参照し、確変当たり結果であるか否かを判定する(S1302)。そして、確変当たり結果である(15R確変当たり結果)であると判定した場合には(S1302:YES)、主側RAM114の高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されていなければ高確率モードフラグを格納する(S1303)。一方、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった当たり結果が確変当たり結果でない(15R通常当たり結果である)と判定した場合には(S1302:NO)、高確率モードフラグが格納されている場合には当該高確率モードフラグを消去した後(S1304)、主側RAM114の時短モードフラグ格納エリア114gに時短モードフラグを格納する(S1305)。なお、時短モードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
そして、第1時短モード回数カウンタ、第2時短モード回数カウンタ、および合計時短モード回数カウンタに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1306)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「50」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「50」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果A参照)。また、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「20」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「100」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果B参照)。そして、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグCである場合(15R通常当たり結果Cだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「100」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「20」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果C参照)。さらに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが時短当たり結果フラグDである場合(15R通常当たり結果Dだった場合)、第1時短モード回数カウンタに「100」をセットし、第2時短モード回数カウンタに「100」をセットし、合計時短モード回数カウンタに「100」をセットする(図17、15R通常当たり結果D参照)。
その後、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグを消去し(S1307)、特図特電カウンタを「0」クリアして本特電終了処理を終了する(S1308)。
以上説明したように、本実施形態では、特図特電カウンタ、特図特電アドレステーブルおよび特図特電タイマカウンタを利用して特図特電制御処理を実行するようにしている。
このため、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ507~ステップ513の各処理では、当該処理に対応した状況が終了する場合に、特図特電カウンタの数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する処理が実行される。これにより、ある状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電カウンタの初期値である「0」は、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技状況における最初の状況に対応している。これにより、主側RAM114の初期化後等において特図特電カウンタの数値情報の設定を特別に行わなくても、上記一連の遊技状況における最初の状況となるようにすることができる。
また、特図特電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。
また、上記一連の遊技状況のいずれの状況であっても発生し得る保留情報を取得するための処理は、ステップ507~ステップ513の各処理とは別に設定されており、特図特電カウンタを参照して実行される各処理に含まれていない。これにより、特図特電カウンタの数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップ507~ステップ513の各処理のうち、対応する状況の終了条件を判定するために期間の計測が行われる処理では、特図特電タイマカウンタという共通の期間計測手段を利用して期間の計測が行われる。これにより、主側RAM114の記憶容量の削減が図られる。また、当該特図特電タイマカウンタを利用する各処理に対応した状況は同時に発生することがないため、特図特電タイマカウンタを共通して利用したとしても当該タイマカウンタが複数の状況において同時に参照されることはなく、特図特電タイマカウンタを利用する上での処理構成が複雑化することもない。
また、特図特電タイマカウンタを更新する処理は、ステップ507~ステップ513とは別の処理として設定されたタイマ割込み処理(図19)のステップ211におけるタイマ更新処理にて実行される。これにより、特図特電タイマカウンタを更新する処理がステップ507~ステップ513の各処理に対して個別に設定されている構成に比べ、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かの確認は、特図特電制御処理(図22)におけるステップ505にて集約して行われ、ステップ508、ステップ509、ステップ511~ステップ513の各処理では、主側MPU112のゼロフラグを確認することで各時間の経過を判定する。これにより、ステップ508、ステップ509、ステップ511~ステップ513の各処理にて、主側RAM114の特図特電タイマカウンタから数値情報を読み出してその数値情報が「0」であるか否かの判定を行う場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
ここで、特図特電カウンタは、特図特電制御処理以外の処理においても、遊技回用の演出および開閉実行モードから構成される一連の遊技におけるいずれの状況であるかを確認するために参照される。例えば、タイマ割込み処理(図19)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理においても特図特電カウンタが参照され、当該デモ表示用処理については後述する。
次に、タイマ割込み処理(図19)のステップ216にて実行される普図普電制御処理について図32を参照しつつ説明する。図32は、普図普電制御処理を示すフローチャートである。
普図普電制御処理では、普通図柄始動ゲート61への入賞が発生している場合に普通図柄の保留情報を取得するための処理を実行すると共に、普通図柄の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開閉板(電動役物)59bの開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普通図柄用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、開閉板59bを開閉させる処理を実行する。
具体的には、まず、普通図柄の保留情報の取得処理を実行する(S1401)。当該取得処理では、普通図柄始動ゲート61を遊技球が通過したことを条件として、電動役物開放乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普通図柄の保留情報)を普通図柄保留球格納エリア114cに格納する処理を実行する。なお、当該普通図柄の保留情報の取得は保留の上限値(本実施形態では、4個)の範囲内で行われる。
次に、主側RAM114の普図普電カウンタエリア114kから普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行し(S1402)、主側ROM113の普図普電アドレステーブル記憶エリア113iから普図普電アドレステーブルの情報を読み出す処理を実行する(S1403)。そして、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する(S1404)。
ステップ1402~ステップ1404の処理内容について説明すると、上記のように、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、開閉板59bの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、開閉板59bの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU112にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電アドレステーブルについて図33を参照して説明すると、普図普電カウンタは「0」~「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」~「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算または「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御の場合と同様に、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU112にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタおよび普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理および普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップ1404の処理を実行した後は、普通図柄のゼロフラグの設定処理を実行する(S1405)。普通図柄のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタエリア114mから普図普電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC2)の数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。
言い換えると、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」でない場合には、主側MPU112のレジスタに設けられた普通図柄のゼロフラグに「0」をセットする(「1」を消去する)処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側MPU112にて特定するために利用されるカウンタであり、上記タイマ割込み処理(図19)におけるステップ211のタイマ更新処理にて数値情報の減算が実行される。
次に、ステップ1404に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する(S1406)。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合には普図変動開始処理(S1407)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合には普図変動中処理(S1408)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合には普図確定中処理(S1409)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合には普電開放中処理(S1410)にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合には普電閉鎖中処理(S1411)にジャンプする。
普図変動開始処理では(S1407)、普通図柄の保留情報が記憶されていることを条件に、その普通図柄の保留情報を利用して開閉板59bの開放判定を行うと共に、メイン表示部76におけるその他表示部76dにおいて絵柄の変動表示(点滅表示)を開始させる処理を実行する。なお、開閉板59bの開放判定は、高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも当選確率が高くなっている。また、高頻度サポートモードであるか否かは、時短モードフラグまたは高確率モードフラグが格納されているか否かに基づいて判定される。また、普図変動開始処理では、その他表示部76dにて絵柄を変動表示させる変動表示時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、その他表示部76dにおける絵柄の変動表示を開始させた場合に普図普電カウンタを「0」から「1」に更新する。
普図変動中処理(S1408)では、その他表示部76dにおける表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、変動表示時間の経過を確認したことを条件として、確定時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
普図確定中処理(S1409)では、今回の開放判定の結果を普通図柄の確定時間に亘ってその他表示部76dに表示させるための処理を実行すると共に、開放判定の結果が当選結果である場合には開閉板59bを開放状態とするための処理、および今回の当選結果を契機として開閉板59bを開放させる場合の開放回数の設定を行うための処理を実行する。この場合に、普通図柄の確定時間の経過を確認したこと、および開放判定の結果が当選結果であることを条件として、開閉板59bにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「2」から「3」に更新する。一方、普通図柄の確定時間の経過を確認したものの開放判定の結果が当選結果ではない場合には、開閉板59bを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
普電開放中処理では(S1410)、開閉板59bの開放状態を維持すると共に閉鎖タイミングとなった場合に開閉板59bを閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、開閉板59bの開放継続時間の経過を確認したことを条件として、開閉板59bにおける閉鎖継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを閉鎖状態とし、さらに普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
普電閉鎖中処理では(S1411)、開閉板59bの閉鎖状態を維持すると共に開閉板59bを再度開放状態とする必要がある場合には当該開閉板59bを開放状態とするための処理を実行する。この場合に、開閉板59bの閉鎖継続時間の経過を確認したこと、および再度開放状態とする必要があることを確認したことを条件として、開閉板59bにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットすると共に、開閉板59bを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。一方、開閉板59bの閉鎖継続時間の経過を確認したものの、開閉板59bを再度開放させる必要がない場合には、開閉板59bを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップ1407~ステップ1411のいずれかの処理を実行した場合には、本普図普電制御処理を終了する。
以上のとおり、普図普電カウンタ、普図普電アドレステーブルおよび普図普電タイマカウンタを利用して普図普電制御処理を実行するようにしたことで、普図用の演出および開閉板59bの開閉から構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU112にて特定する場合には普図普電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、普図普電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算および「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。また、特図特電制御処理の場合におけるゼロフラグと同様に、普通図柄のゼロフラグを利用しているため、処理構成の簡素化が図られる。
次に、タイマ割込み処理(図19)のステップ218にて実行されるデモ表示用処理について図34を参照しつつ説明する。図34は、デモ用表示処理を示すフローチャートである。
まず、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ここで、従来のように遊技回用の演出が実行されている状況であることをフラグの有無により確認すると共に、開閉実行モード中であることをフラグの有無により確認する構成においては、先ず一方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行うと共に、次に他方のフラグの情報を主側RAM114から読み出してその情報の確認を行う必要がある。そうすると、主側RAM114へのアドレス指定を少なくとも2回行い、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理を少なくとも2回行う必要が生じる。これに対して、特図特電カウンタを利用することで、主側RAM114へのアドレス指定は1回で済み、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理も1回で済む。よって、処理の簡素化が図られる。
特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には(S1501:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には(S1501:YES)、デモ表示状態であるか否かを判定する(S1502)。
デモ表示状態とは、図柄表示装置80にてデモ表示(すなわち待機中表示)を既に行っている状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示フラグが格納されている状態のことである。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、または前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ表示待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置80の上側表示領域Dmに開始待ち演出の画像を表示させると共に、電飾部33やスピーカ部34にてそれに即した演出を行うことをいう。
なお、図柄表示装置80におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後にまたはそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
デモ表示状態であると判定した場合には(S1502:YES)、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には(S1502:NO)、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する(S1503)。デモ表示待ち状態とは、デモ表示待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示待ちフラグが格納されている状態のことである。
デモ表示待ち状態ではないと判定した場合には(S1503:N0)、主側ROM113に予め記憶されているデモ表示待ち時間の情報を読み出し、そのデモ表示待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする(S1504)。続いて、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示待ちフラグを格納することによってデモ表示待ち状態に設定する(S1505)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、デモ表示待ち状態であると判定した場合には(S1503:YES)、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する(S1506)。特図特電タイマカウンタが「0」でないと判定した場合には(S1506:NO)、そのまま本デモ表示用処理を終了する。
特図特電タイマカウンタが「0」であると判定した場合には(S1506:YES)、主側RAM114のその他各種フラグ格納エリア114qにデモ表示フラグを格納することによってデモ表示状態に設定する(S1507)。なお、ステップ1507の処理では、デモ表示待ちフラグを消去してデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始されると、デモ表示フラグが消去されることによって解除される。次に、デモ開始コマンドを出力対象に設定する(S1508)。その後、本デモ表示用処理を終了する。
<演出および報知の実行制御>
次に、音声側MPU152および表示側MPU162にて実行される各種出力装置を利用した演出および報知の実行制御について説明する。
まず、音声側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理について図35を参照しつつ説明する。なお、このタイマ割込み処理は、例えば、4msecで繰り返し実行される。
タイマ割込み処理では、まず、主側コマンド格納処理を実行すると共に(S1601)、表示側コマンド格納処理を実行する(S1602)。ステップ1601の主側コマンド格納処理は、主側MPU112からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理であり、ステップ1602の表示側コマンド格納処理は、表示側MPU162からコマンドを受信すると当該コマンドを音声側RAM154のコマンド格納エリア154aに格納するための処理である。このコマンド格納エリア154aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
次に、主側MPU112から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行すると共に(S1603)、表示側MPU162から受信したコマンドに対応した処理を行うための表示側コマンド対応処理を実行する(S1604)。ステップ1604の表示側コマンド対応処理では、具体的な説明は省略するが、表示側MPU162から、遊技回中の所定のタイミングにおいて各種コマンドが送信されるため(図38、S1907)、受信したコマンドに対応した処理を実行する。ステップ1603の主側コマンド対応処理については具体的に後述する。
続いて、枠ボタン対応処理を実行する(S1605)。この枠ボタン対応処理では、例えば、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回または開閉実行モード中でない)ことを条件とし、第2枠ボタン27の所定のキーが遊技者によって操作された場合に、当該操作に対応した音量および光量を更新用にセットする。また、主側MPU112からデモ開始コマンドを受信している(遊技回および開閉実行モード中でない)こと、または、一単位の遊技回が処理されている場合には当該遊技回の変動表示が停止する所定期間前まで(例えば、リーチ表示がされる所定期間前まで)であって予告演出(例えば、会話演出やキャラクタ演出等の予告演出)が表示されていないことを条件とし、第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合、ステージ変更コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに表示される背景ステージを「海中ステージ」→「浜辺ステージ」→「街中ステージ」→「海中ステージ」の順に変更して表示する。さらに、一単位の遊技回が処理されている場合における予告演出が表示されている期間中に第1枠ボタン26が遊技者によって操作された場合には、予告応答演出コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、表示側MPU162では、表示画面80aに、予告演出に対応する応答演出を表示したり、新規なキャラクタ図柄や動画等を表示する。なお、第1枠ボタン26が操作されたか否かは、第1枠ボタン26の操作を監視する第1枠ボタン検知センサ26aからの信号によって判定される。同様に、第2枠ボタン27が操作されたか否かは、第2枠ボタン27の操作を監視する第2枠ボタン検知センサ27aからの信号によって判定される。
次に、電飾部33を含む各種発光部の発光制御を行うための発光制御処理を実行すると共に(S1606)、スピーカ部34の音声制御を行うための音声制御処理を実行する(S1607)。なお、発光制御処理および音声制御処理は、ステップ1605の枠ボタン対応処理、後述する主側コマンド対応処理(図37)、または表示側コマンド対応処理で更新用に情報がセットされている場合には当該情報に基づいて実行される。続いて、音声側RAM154に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(S1608)。
次に、音声側MPU152のタイマ割込み処理におけるステップ1603の主側コマンド対応処理について図36および図37を参照しつつ説明する。図36および図37は、主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まず、主側MPU112から変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定し(S1701)、これらコマンドを受信していると判定した場合には(S1701:YES)、遊技結果の記憶処理を実行する(S1702)。具体的には、変動用コマンドから今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された変動表示時間を特定すると共に、変動表示時間からリーチ発生の有無、およびリーチが発生する際にはノーマルリーチまたはスーパーリーチのいずれであるかを特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。また、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU112にて決定された当否抽選および振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であるか否か、当たり結果(当否抽選に当選)である場合にはどの当たり結果であるかの情報を特定し、その特定した情報を音声側RAM154に設けられた保持データエリア154bに書き込む処理を実行する。保持データエリア154bは、上記のように、遊技回中および開閉実行モード中の演出、並びに報知を実行するために一時的に利用されるデータであって、これら演出や報知が開始された後においても音声側MPU152にて独自に利用可能とするためのデータを記憶保持しておくためのエリアである。
次に、予告抽選処理を実行する(S1703)。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置80にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。この予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置80にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、または一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1~Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするもの、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするもの、および図柄列Z1~Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合およびリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
次に、停止図柄決定処理を実行する(S1704)。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が当たり結果であれば、1つの有効ラインL1~L5上に同一図柄の組み合わせが成立する停止結果に対応した情報を今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選等によって決定される。なお、本実施形態では、同一図柄の組み合わせが決定される場合、15R確変当たり結果の場合には、「7」図柄の組み合わせが成立するように決定され、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dの場合には、「7」図柄以外の図柄の組み合わせが成立するように決定される。すなわち、本実施形態では、遊技者は、図柄表示装置80に「7」図柄の組み合わせが表示された場合には、該当する遊技回で15R確変当たり結果に当選したことを認識できる。これに対し、遊技者は、図柄表示装置80に「7」図柄以外の図柄の組み合わせが表示された場合、該当する遊技回で15R通常当たり結果に当選したことを認識できるものの、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれの当たり結果に当選したのかを明確に認識することはできない。但し、本実施形態では、15R確変当たり結果である場合であっても、この停止図柄決定処理では、「7」図柄以外の組み合わせが成立することがあるようにし、後述するオープニング対応処理(S1713)で遊技者に15R確変当たり結果であることを報知することがあるようにしている。これにより、遊技者に、開閉実行モード中でも確変当たり結果であることを期待させながら遊技を継続させることができる。
続いて、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する(S1705)。この処理では、今回受信している変動用コマンドおよび種別コマンドの内容から遊技回の変動表示時間の情報を特定し、当該変動表示時間の情報、上記ステップ1702にて特定した遊技結果の情報、および上記ステップ1703における予告抽選処理の抽選結果の情報の組み合わせ、滞在している遊技モードに対応した演出パターンを選択する。
なお、滞在している遊技モードは、遊技モードフラグ格納エリア154cが参照され、遊技モードフラグ格納エリア154cには、後述する遊技モードフラグ格納処理(S1715)において対応するフラグが格納される。そして、遊技モードフラグ格納エリア154cに、時短モードフラグAが格納されていれば時短モードAに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグBが格納されていれば時短モードBに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグCが格納されていれば時短モードCに対応する演出(示唆)パターンが選択され、時短モードフラグDが格納されていれば時短モードDに対応する演出(示唆)パターンが選択され、高確率モードフラグが格納されていれば高確率モードに対応する演出パターンが選択される。これにより、遊技者は、時短モード中においては、滞在している時短モードを推測することが可能となる。また、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDである場合、後述するように、時短モード終了コマンドを受信すると(S1720:YES)、時短モードフラグが消去される(S1721)。このため、遊技モードフラグ格納エリア154cにフラグが格納されていない場合は、通常モード(当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであり、低頻度サポートモード)であると判定し、通常モードに対応する演出パターンが選択される。
次に、上記ステップ1704にて決定した停止図柄の種類および上記ステップ1705にて選択した演出パターンの種類を音声側RAM154の保持データエリア154bに書き込む処理を実行する(S1706)。なお、演出パターンには今回の遊技回の変動表示時間の情報が含まれているため、演出パターンの情報を保持データエリア154bに書き込むことにより、演出パターンの情報だけでなく変動表示時間の情報についても音声側MPU152は再度読み出すことが可能となる。また、音声側MPU152は、停止図柄の種類から今回の遊技回が当たり結果であるのか否かを再度把握可能となる。
続いて、上記ステップ1704の処理結果に対応した停止結果コマンドおよび上記ステップ1705の処理結果に対応したパターンコマンドを表示側MPU162に送信する(S1707)。このコマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後に説明する。
次に、遊技回数の更新処理を実行する(S1708)。この更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154dに設けられた遊技回数カウンタにおいて計測している消化遊技回数が1加算されるように当該遊技回数カウンタを更新するための処理を実行する。消化遊技回数は、開閉実行モードの終了後において当該開閉実行モードに再度移行することなく消化された遊技回の回数のことである。音声側MPU152では、当該消化遊技回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば消化遊技回数が所定回数以上であれば予告抽選処理にて所定の予告表示が選択され易くなるような処理を実行する。
変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合(S1701:NO)、または遊技回数の更新処理を実行した後は、確定停止(最終停止表示)コマンドを受信しているか否かを判定する(S1709)。そして、確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S1709:YES)、図柄停止コマンドを表示側MPU162に送信する(S1710)。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1~L5上に待機させてその状態を確定停止時間に亘って維持させることを表示側MPU162に指示するためのコマンドである。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合(S1709:NO)、または図柄停止コマンドを送信する処理を実行した後は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1711)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1711:YES)、当たり回数の更新処理を実行する(S1712)。当該更新処理では、音声側RAM154の各種カウンタエリア154dに設けられた当たり回数カウンタにおいて計測している当たり回数が1加算されるように当該当たり回数カウンタを更新するための処理を実行する。なお、本パチンコ機10における当たり回数とは、高頻度サポートモードへ移行した後に低頻度サポートモードへの移行をしないで発生した当たり結果の回数(いわゆる連続当たり回数)である。音声側MPU152では、当該当たり回数の情報を演出の内容の決定に際して利用することが可能であり、例えば当たり回数が所定回数以上であれば開閉実行モード中において所定の実写画像といったそれに対応した演出が実行されるようにする。
次に、オープニング対応処理を実行する(S1713)。オープニング対応処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている開閉実行モードの移行契機となった当たり結果の種類を特定し、その当たり結果の種類に対応した開閉実行モード中の演出内容を決定するための処理を実行する。例えば、今回の開閉実行モードの移行契機となった当たり結果が15R確変当たり結果であり、さらにその直前の遊技回において図柄表示装置80にて「7」図柄の組み合わせではなく、その他の組み合わせを最終停止表示させている場合には、15R確変当たり結果であることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を今回の開閉実行モード中の演出として決定する。すなわち、遊技回の演出では、遊技価値が低い当たり結果を確定表示したが、その後の当たり演出において当該当たりが遊技価値が高い当たりであることを示す当たり昇格演出を開閉実行モード中の演出として決定する。
ここで既に説明したとおり、音声側RAM154の保持データエリア154bには遊技回用の演出に関して、遊技結果の情報と、図柄表示装置80における遊技回の停止図柄の種類の情報とが記憶されており、遊技回の実行に続けて開閉実行モードとなる場合には保持データエリア154bに記憶されている上記遊技結果の情報と停止図柄の種類の情報とは開閉実行モードが終了する場合にクリアされる。したがって、オープニングコマンドに直前の遊技回における図柄表示装置80の表示内容の情報が含まれていなかったとしても、上記のように開閉実行モード中において昇格内容を含む演出を実行することが可能となる。
また、ステップ1713のオープニング対応処理では、ステップ1712にて更新した後の当たり回数を特定し、その特定した当たり回数に応じた演出を今回の開閉実行モード中の演出として設定する。
次に、上記ステップ1713の処理結果に対応したオープニングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1714)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
その後、遊技モードフラグ格納エリア154cに対応するフラグを格納する遊技モードフラグ格納処理を実行する(S1715)。すなわち、上記のように、オープニングコマンドには、開閉実行モードへ移行する契機となった当たり結果の種類(15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果D、または15R確変当たり結果)の情報も含まれている。このため、オープニングコマンドに、15R通常当たり結果Aである情報が含まれている場合には、時短モードフラグAを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、時短モードフラグBを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Cである情報が含まれている場合には、時短モードフラグCを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R通常当たり結果Dである情報が含まれている場合には、時短モードフラグDを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納し、15R確変当たり結果である情報が含まれている場合には、高確率モードフラグを遊技モードフラグ格納エリア154cに格納する。これにより、上記ステップ1705の演出パターンの決定処理では、遊技モードに対応させた演出パターンが決定される。
なお、遊技モードフラグ格納エリア154cに既にフラグが格納されている場合には、格納されているフラグを消去した後、新たなフラグが格納される。例えば、時短モード中に当たり抽選に当選することでオープニングコマンドを受信した場合、既に当該時短モードに対応する時短モードフラグが格納されている。このため、例えば、時短モードA中に当たり抽選に当選し、オープニングコマンドに15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、遊技モードフラグ格納エリア154cから時短モードフラグAを消去した後に時短モードBフラグを格納する。また、例えば、高確率モード中に当たり抽選に当選し、オープニングコマンドに15R通常当たり結果Bである情報が含まれている場合には、遊技モードフラグ格納エリア154cから高確率モードフラグを消去した後に時短モードBフラグを格納する。
オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S1711:NO)、またはオープニングコマンドを送信する処理を実行した後は、開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S1716)。開放コマンドを受信していると判定した場合には(S1716:YES)、可変大入賞装置60の開放が新たに開始されたこと、すなわち1のラウンド遊技が新たに開始されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に開放コマンドを送信する(S1717)。当該開放コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1716:NO)、または開放コマンドを送信する処理を実行した後は、閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S1718)。閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S1718:YES)、可変大入賞装置60が閉鎖されたこと、すなわち1のラウンド遊技が終了されたことを表示側MPU162に認識させるために当該表示側MPU162に閉鎖コマンドを送信する(S1719)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合(S1718:NO)、または閉鎖コマンドを送信する処理を実行した後は、時短モード終了コマンドを受信しているか否かを判定する(S1720)。そして、時短モード終了コマンドを受信していると判定した場合には(S1720:YES)、遊技モードフラグ格納エリア154cに格納されている時短モードフラグを消去する(S1721)。
時短モード終了コマンドを受信していないと判定した場合(S1720:NO)、または遊技モードフラグを消去する処理を実行した後は、図37に示されるように、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S1801)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1801:YES)、エンディング対応処理を実行する(S1802)。エンディング対応処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後における当否抽選モードの内容を特定し、その当否抽選モードの種類に対応したエンディング演出の内容を決定するための処理を実行する。本実施形態では、開閉実行モード後には必ず高確率モードとなるため、当該高確率モードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。
続いて、上記ステップ1802の処理結果に対応したエンディングコマンドを表示側MPU162に送信する(S1803)。当該コマンドを受信したことによる表示側MPU162の処理内容については後述する。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S1801:NO)、またはエンディングコマンドを送信する処理を実行した後は、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S1804)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S1804:YES)、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生していることを意味するため、その報知を行うために、各種データテーブル記憶エリア153aから発光データの読み出し処理を実行すると共に(S1805)、音声データの読み出し処理を実行する(S1806)。これにより、タイマ割込み処理(図35)の発光制御処理(S1606)では当該発光データに応じた発光が行われるように電飾部33の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図35)の音声制御処理(S1607)では当該音声データに応じた音の出力が行われるようにスピーカ部34の音声制御を行う。なお、この報知コマンドには、第1非電役物異常開放コマンドおよび第2非電役物異常開放コマンドが含まれる。このため、何らかの原因によって第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていると、電飾部33およびスピーカ部34によって第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが報知される。その後、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示側MPU162に送信する(S1807)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その報知コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置80を表示制御する。
報知コマンドを受信していないと判定した場合(S1804:NO)、または報知コマンドを送信する処理を実行した後は、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S1808)。なお、解除コマンドは、報知コマンドを送信する契機となった事象が解消された場合に主側MPU112から送信される。このため、解除コマンドを受信していると判定した場合には(S1808:YES)、パチンコ機10において発生していた異常等の報知対象の事象が解除されたことを意味するため、既に行っている報知を解除するために、解除設定処理を実行する(S1809)。その後、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示側MPU162に送信する(S1810)。表示側MPU162は、当該コマンドを受信した場合、その解除コマンドに対応した報知の実行を終了するように図柄表示装置80を表示制御する。
解除コマンドを受信していないと判定した場合(S1808:NO)、または解除コマンドを送信した後は、非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S1811)。具体的には、ステップ1811では、第1非電役物開放コマンドまたは第2非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、第1非電役物開放コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図20)において、普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球が入賞した場合にセットされるコマンドである(S304)。つまり、第1非電役物開放コマンドは、遊技球が第1非電役物作動機構70と接触して第1非電役物66が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを示すコマンドである。また、第2非電役物開放コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図20)において、普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球が入賞した場合にセットされるコマンドである(S306)。つまり、第2非電役物開放コマンドは、遊技球が第2非電役物作動機構71と接触して第2非電役物67が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを示すコマンドである。
このため、第1非電役物開放コマンドまたは第2非電役物開放コマンドを受信していると判定した場合には(S1811:YES)、対応する非電役物が開放状態であることを報知するため、各種データテーブル記憶エリア153aから対応する発光データの読み出し処理を実行すると共に(S1812)、対応する音声データの読み出し処理を実行する(S1813)。これにより、タイマ割込み処理(図35)では、対応する非電役物が開放状態であることを報知する電飾部33の発光制御処理(S1606)およびスピーカ部34の音声制御処理(S1607)が実行される。その後、今回受信した非電役物開放コマンドの内容に対応した非電役物開放コマンドを表示側MPU162に送信する(S1814)。表示側MPU162が非電役物開放コマンドを受信したことによる制御については後述するが、表示側MPU162は、非電役物開放コマンドを受信すると、受信した非電役物開放コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置80を表示制御する。
非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1811:NO)、または非電役物開放コマンドを送信した後は、非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S1815)。具体的には、ステップ1815では、第1非電役物閉鎖コマンドまたは第2非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、第1非電役物閉鎖コマンドは、上記非電役物状態把握処理(図21)において、第1非電役物66が開放状態から閉鎖状態になる場合にセットされるコマンドである(S405)。また、第2非電役物閉鎖コマンドは、第2非電役物67が開放状態から閉鎖状態になる場合にセットされるコマンドである(S412)。
このため、第1非電役物閉鎖コマンドまたは第2非電役物閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S1815:YES)、受信したコマンドに対応する非電役物が閉鎖状態となるため、既に行っている非電役物が開放されていることの報知を解除するための解除設定処理を実行する(S1816)。その後、今回受信した非電役物閉鎖コマンドの内容に対応した非電役物閉鎖コマンドを表示側MPU162に送信する(S1817)。表示側MPU162が非電役物閉鎖コマンドを受信したことによる制御については後述するが、表示側MPU162は、非電役物閉鎖コマンドを受信すると、受信した非電役物閉鎖コマンドに対応した報知の実行が終了するように図柄表示装置80を表示制御する。
非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合(S1815:NO)、または非電役物閉鎖コマンドを送信した後は、その他対応処理を実行する(S1818)。その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信している場合には当該保留コマンドを表示側MPU162に送信し、シフト時コマンドを受信している場合には当該シフト時コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80における第1、第2保留図柄表示エリアDt、Dsおよび実行保留図柄表示エリアDuにおいて、主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bにおける保留情報が格納された保留エリアに対応する表示エリアに所定の保留図柄が表示される。また、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示側MPU162に送信する。これにより、図柄表示装置80においてデモ表示が開始される。
次に、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理について図38を参照しつつ説明する。図38は、表示側MPU162にて実行されるV割込み処理を示すフローチャートであり、このV割込み処理は、予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動される。
なお、表示制御装置93のVDP165は、図柄表示装置80に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示画面80aの正面視左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始め、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力すると共に、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力し、表示画面80aの正面視右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合、VDP165は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示側MPU162へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示側MPU162に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。
但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。また、上記のように、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGにデータが設定されていない(ブランクを意味するデータが設定されている)場合、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4、RGに対応した表示画面80aの保留図柄表示エリアDs、Dt、Duでは、何ら画像が表示されない、または図柄表示装置80の表示画面80aにおける背景画像が表示される。
V割込み処理では、まず、ワークRAM164のコマンド格納エリア164aに格納されているコマンドの内容を解析する(S1901)。なお、コマンド格納エリア164aには、音声ランプ制御装置92からコマンドを受信した際に起動されるコマンド格納処理によってコマンドが順次格納される。このコマンド格納エリア164aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。
続いて、ステップ1901の解析結果に基づき、新規コマンドを受信しているか否かを判定し(S1902)、新規コマンドを受信していると判定した場合には(S1902:YES)、コマンド対応処理を実行する(S1903)。
ここで、V割込み処理におけるステップ1903のコマンド対応処理について図39を参照しつつ説明する。図39は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。
コマンド対応処理では、まず、停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信しているか否かを判定する(S2001)。停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していると判定した場合には(S2001:YES)、停止結果コマンドおよびパターンコマンドの組み合わせに対応したパターン用データテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込むパターン用のデータテーブル設定処理を実行した後に(S2002)、本コマンド対応処理を終了する。
パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
また、パターン用データテーブルには、対象となる遊技回の変動表示時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。
タスクの内容の情報は、今回の遊技回に対応した動画表示を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた画像が表示される。
当該タスクの内容の情報には、対応する更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの情報等が設定されている。
コマンド出力の有無の情報は、表示側MPU162から音声側MPU152へのコマンドの出力の有無、およびそのコマンドの種類を示す情報である。このように、表示側MPU162から動画の内容に応じて所定のタイミングで音声側MPU152にコマンドが出力されるようにすることにより、電飾部33を含む各種発光部にて画像の内容に応じた光の演出が可能になると共に、スピーカ部34にて画像の内容に応じた音声出力の演出の実行が可能になる。
追加データの情報は、パターン用データテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知コマンドを受信した場合や予告応答演出コマンドを受信した場合等に追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。
停止結果コマンドおよびパターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S2001:NO)、確定停止コマンドを受信しているか否かを判定する(S2003)。確定停止コマンドを受信していると判定した場合には(S2003:YES)、確定停止用の設定処理を実行した後に(S2004)、本コマンド対応処理を終了する。確定停止用の設定処理では、今回の遊技回に対応した停止図柄を、確定停止表示中の期間が経過するまで静止表示するためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。
確定停止コマンドを受信していないと判定した場合には(S2003:NO)、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2005)。オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S2005:YES)、オープニングコマンドに対応したオープニング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S2006)、本コマンド対応処理を終了する。
オープニング用のデータテーブルとは、今回の開閉実行モード用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
オープニング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
なお、オープニング用のデータテーブルでは、オープニング演出の開始時から、各ラウンド遊技中、およびラウンド遊技間のインターバル期間中の演出の内容が定められている。この場合、ラウンド遊技中のデータは対応するラウンド遊技が終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されており、同様に、インターバル中のデータは対応するインターバルが終了するまでループまたは最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されている。そして、開放コマンドまたは閉鎖コマンドの受信に伴って、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲が切り換えられる構成となっている。
また、本実施形態では、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dであった場合、ラウンド遊技中に時短モードに関する注意事項が表示される。すなわち、15R通常当たり結果であった場合、開閉実行モードが終了すると時短モードに移行するが、時短モードは当たり結果種別によって終了条件が異なっている(図17参照)。このため、オープニング用のデータテーブルには、ラウンド遊技中に、時短モードの遊技方法を表示するための内容も定められている。
本実施形態では、例えば、開閉実行モードにおける最終ラウンド(15ラウンド)に、図40に示されるように、「第1抽選遊技の残り回数」、「第2抽選遊技の残り回数」、および「最大残り回数」が表示されると共に、「いずれかの残り回数が0になると右打ちが終了するかも!?」ということが表示される。
また、図41(a)に示されるように、矢印A(内側領域R1)を狙って遊技球を発射すると第1抽選遊技の残り回数と最大残り回数が減少することが表示されるようにし、図41(b)に示されるように、矢印B(外側領域R2)を狙って遊技球を発射すると第2抽選遊技の残り回数と最大残り回数が減少することが表示されるようにする。これにより、遊技者は、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、または最大残り回数のいずれかが0になると右打ち(時短モード)が終了することを把握できると共に、遊技球の発射の仕方によってどの残り回数が減少するのかを把握できる。
コマンド対応処理(図39)の説明に戻り、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2005:NO)、開放コマンドおよび閉鎖コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する(S2007)。いずれかのコマンドを受信していると判定した場合には(S2007:YES)、開閉時の設定処理を実行した後に(S2008)、本コマンド対応処理を終了する。開閉時の設定処理では、受信したコマンドの内容に応じて、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべき情報の範囲を切り換える。
開放コマンドおよび閉鎖コマンドを受信していないと判定をした場合には(S2007:NO)、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する(S2009)。エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S2009:YES)、エンディングコマンドに対応したエンディング用のデータテーブルをプログラムROM163から読み出してワークRAM164に書き込む設定処理を実行した後に(S1810)、本コマンド対応処理を終了する。
エンディング用のデータテーブルとは、今回のエンディング用の演出に対応した動画を図柄表示装置80の表示画面80aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。エンディング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S2009:NO)、別対応処理(S1811)を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
次に別対応処理について図42を参照しつつ説明する。図42は、別対応処理を示すフローチャートである。
別対応処理では、まず、報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S2101)。報知コマンドを受信していると判定した場合には(S2101:YES)、報知用データの設定処理を実行した後に(S2102)、本別対応処理を終了する。報知用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、今回の報知コマンドに含まれている報知の内容に対応した報知データをワークRAM164に書き込む。
これにより、次回の画像の更新に際して、当該報知データの内容が反映され、例えば報知対象事象の種類に対応した文字画像が遊技回用の演出画像や開閉実行モード用の演出画像に追加される。
報知コマンドを受信していないと判定した場合には(S2101:NO)、解除コマンドを受信しているか否かを判定する(S2103)。解除コマンドを受信していると判定した場合には(S2103:YES)、報知用データのクリア処理を実行した後に(S2104)、本別対応処理を終了する。報知用データのクリア処理では、現状、データテーブルの追加データに設定されている報知用データのうち、今回受信した解除コマンドにおいて報知の解除対象として設定されている報知対象事象の種類に対応した報知用データをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった種類の報知が解除される。
解除コマンドを受信していないと判定した場合には(S2103:NO)、非電役物開放コマンドを受信しているか否かを判定する(S2105)。非電役物開放コマンドを受信していると判定した場合には(S2105:YES)、非電役物の開放用データの設定処理を実行する(S2106)。この非電役物の開放用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、受信した非電役物開放コマンドに対応する開放用データをワークRAM164に書き込む。これにより、次回の画像の更新に際して、当該開放用データの内容が反映される。本実施形態では、非電役物開放コマンドとして第1非電役物開放コマンドを受信すると、図43(a)に示されるように、表示画面80aの正面視右側に、第1非電役物66が開放状態であることを示す図、および「下側が開いているよ!!」という文字が表示される。また、第2非電役物開放コマンドを受信すると、図43(b)に示されるように、表示画面80aの正面視右側に、第2非電役物67が開放状態であることを示す図、および「上側が開いているよ!!」という文字が表示される。これにより、遊技者は、開放状態である非電役物を明確に認識でき、遊技球を入賞させることが可能な特別始動口を明確に把握できる。なお、特に図示しないが、第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態である場合には、図43(a)と図43(b)を合わせた画像が表示される。
別対応処理(図42)の説明に戻り、非電役物開放コマンドを受信していないと判定した場合には(S2105:NO)、非電役物閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する(S2107)。そして、非電役物閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(S2107:YES)、非電役物の開放用データのクリア処理を実行する(S2108)。非電役物の開放用データのクリア処理では、今回受信した非電役物閉鎖コマンドに対応する開放用データをクリアするための処理を実行する。すなわち、第1非電役物閉鎖コマンドを受信した場合には、第1非電役物開放コマンドを受信した際に追加したデータをクリアするための処理を実行する。また、第2非電役物閉鎖コマンドを受信した場合には、第2非電役物開放コマンドを受信した際に追加したデータをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった開放用データが削除される。
非電役物閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(S2107:NO)、その他対応処理を実行した後に(S2109)、本別対応処理を終了する。その他対応処理では、例えば、保留コマンドを受信しているか否かを判定し、保留コマンドを受信していると判定した場合には、図柄表示装置80における保留情報の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる情報をワークRAM164に書き込む処理を実行する。なお、保留コマンドには、第1始動口56および第1特別始動口57、または第2特別始動口58のどちらの始動口への入賞に対する保留情報であるかの情報が含まれているため、表示画面80aには入賞した側の保留個数の表示が増加される。また、予告応答演出コマンドを受信していると判定した場合には、予告演出(会話演出やキャラクタ演出)に対応する応答演出データを書き込む。これにより、次回の画像更新タイミング以降において、予告演出に対する応答演出が開始される。
また、シフト時コマンドを受信しているか否かを判定し、シフト時コマンドを受信していると判定した場合には、シフト時の設定処理を行う。シフト時の設定処理では、保留図柄表示用エリア167aの各単位エリアRE1~RE4、RF1~RF4に設定されている保留図柄情報を下位エリア側、または実行単位エリアRGにシフトさせる情報をワークRAM164に書き込む。具体的には、シフト時コマンドには、いずれの保留図柄情報をシフトさせるかの情報が含まれているため、第1保留図柄表示用エリアREの保留図柄情報をシフトさせる場合には、第1単位エリアRE1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRE2→第1単位エリアRE1、第3単位エリアRE3→第2単位エリアRE2、第4単位エリアRE4→第3単位エリアRE3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。同様に、第2保留図柄表示エリアRFをシフトさせる場合には、第1単位エリアRF1→実行単位エリアRGに保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込むと共に、第2単位エリアRF2→第1単位エリアRF1、第3単位エリアRF3→第2単位エリアRF2、第4単位エリアRF4→第3単位エリアRF3といった具体に各単位エリア内の保留図柄情報をシフトさせる情報を書き込む。これにより、下側表示領域Dnの保留図柄が1つずつ番号の小さい保留図柄表示エリアにシフトされる。
さらに、デモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ表示を行うためのデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。また、ステージ変更コマンドを受信しているか否かを判定し、ステージ変更コマンドを受信している場合には、図柄表示装置80の表示態様に対応したデータテーブルをプログラムROM163のデータテーブル記憶エリア163bから読み出してワークRAM164に書き込む処理を実行する。これにより、例えば、遊技回の変動表示がされていない場合には、背景ステージが別の背景ステージに変更されて表示される。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、新規コマンドがないと判定した場合(S1902:NO)、またはステップ1903のコマンド対応処理を実行した場合には、ポインタ更新処理を実行する(S1904)。当該ポインタ更新処理では、データテーブルに設定されているポインタの情報を1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を表示側MPU162において把握することが可能となる。
次に、タスク処理を実行する(S1905)。ここで、タスク処理について図41を参照しつつ説明する。図41は、表示側MPU162にて実行されるタスク処理を示すフローチャートである。
タスク処理では、まず、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在しているか否かを判定し(S2001)、追加データが存在していないと判定した場合には(S2001:NO)、今回のポインタのタスクデータをデータテーブルから読み出す(S2002)。そして、読み出したタスクデータに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるためにVDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2003)、本タスク処理を終了する。
一方、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在していると判定した場合には(S2001:YES)、その追加データがタスクデータの画像に対する付加データであるか否かを判定する(S2004)。付加データであると判定した場合には(S2004:YES)、今回のポインタのタスクデータおよび追加データをデータテーブルから読み出す(S2005)。そして、読み出したタスクデータおよび追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行った後(S2006)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2005およびステップ2006の処理が実行される場合としては、報知の文字画像を付加する場合等が挙げられる。
追加データが付加データでないと判定した場合には(S2004:NO)、今回のポインタの追加データをデータテーブルから読み出す(S2007)。そして、読み出した追加データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDP165に描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行うパラメータ導出処理を実行した後(S2008)、本タスク処理を終了する。なお、ステップ2007およびステップ2008の処理が実行される場合としては、予告演出に対する応答演出を表示する場合等が挙げられる。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、ステップ1905のタスク処理を実行した後は、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したコマンド出力の有無のエリアにコマンドデータが存在しているか否かを判定することによってコマンド出力タイミングであるか否かを判定する(S1906)。コマンドデータが存在している場合にはコマンドの出力タイミングであると判定し(S1906:YES)、コマンド設定処理を実行する(S1907)。このコマンド設定処理では、コマンド出力タイミングであると判定したタイミング(ポインタの情報)に基づいてコマンドを送信する。具体的には、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびデモ表示を開始すべきことを示すコマンド等をそれぞれのタイミングに応じて音声側MPU152に送信する。
この場合、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、およびエンディングの演出を開始すべきことを示すコマンドには、その演出の種類の内容が含まれている。
また、予告演出を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、および変動を終了すべきことを示すコマンドには、当該コマンドの出力タイミングから何フレーム後に対象となる演出を開始すべきであるかを示す情報が含まれている。これにより、各コマンドが対象となる演出の開始タイミングよりも前のタイミングでこれらのコマンドが送信さるとしても、音声側MPU152では、図柄表示装置80における対象となる演出の開始に同期させて、電飾部33を含む発光部およびスピーカ部34に対象となる演出を開始させることが可能となる。
つまり、本パチンコ機10では、主側MPU112を基準とした場合に音声側MPU152は表示側MPU162に対して通信の上流側に存在しているが、音声側MPU152では表示側MPU162から送信されるコマンドに基づいても演出の制御を実行する。このため、音声側MPU152で実行される発光演出および音声演出と、表示側MPU162で実行される表示演出との間にずれが発生し難くなり、各演出手段を利用した演出を好適に実行することができる。
V割込み処理(図38)の説明に戻り、コマンド出力タイミングでないと判定した場合(S1906:NO)、またはステップ1907のコマンド設定処理を実行した場合には、描画リスト出力処理を実行した後(S1908)、本V割込み処理を終了する。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP165に送信する。
この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDP165では、この描画リストに従ってビデオRAM167のフレーム領域に描画データを作成し、フレーム領域に作成された描画データに従って図柄表示装置80に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置80において1フレーム分の画像が表示されることになる。
以上が本実施形態における演出および報知の実行制御である。次に、時短モード中における図柄表示装置80の表示態様について説明する。
時短モードである場合、上記のように、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示される。具体的には、本実施形態では、開閉実行モードが終了して時短モードに移行すると、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数として、最初に想定される各抽選遊技の最小の残り(実行)回数が表示される。すなわち、本実施形態では、図17に示されるように、最初に想定される第1抽選遊技の最小の残り(実行)回数は、時短モードBである場合の20回である。また、最初に想定される第2抽選遊技の最小の残り(実行)回数は、時短モードCである場合の20回である。そして、抽選遊技の最大残り(実行)回数は100回である。このため、図45(a)に示されるように、第1抽選遊技の残り回数として20回が表示され、第2抽選遊技の残り回数として20回が表示され、最大残り回数として100回が表示される。
そして、第1抽選遊技または第2抽選遊技が実行されると、対応する残り回数が1ずつ減算して表示される。例えば、遊技者が内側領域R1を通過するように遊技球を発射し続けた場合、遊技球は第1特別始動口57に入賞して第1抽選遊技が実行される。そして、例えば、第1抽選遊技が連続して19回実行された場合には、図45(b)に示されるように、第1抽選遊技の残り回数が1まで減少して表示される。また、例えば、第1抽選遊技の残り回数が減少して表示された後、遊技者が外側領域R2を通過するように遊技球を発射し続けた場合、遊技球は第2特別始動口58に入賞して第2抽選遊技が実行される。
そして、例えば、第2抽選遊技が連続して19回実行された場合には、図46(a)に示されるように、第2抽選遊技の残り回数が1まで減少して表示される。
その後、例えば、第1抽選遊技の残り回数が0となると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図46(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。
そして、時短モードが終了する場合には、図47(a)に示されるように、「残念!!」という文字が表示される。一方、時短モードが終了しない場合(継続する場合)には、図47(b)に示されるように、「継続!!」という文字が表示されると共に、第1抽選遊技の残り回数が再度表示される。この場合、第1抽選遊技の残り回数には、再び想定される第1抽選遊技の最小の残り(実行)回数が表示される。すなわち、第1抽選遊技が20回実行されて時短モードが継続するというのは、時短モードA、時短モードB、または時短モードDのいずれかであり、想定される第1抽選遊技の最小の残り回数は、時短モードAである50回と最初に表示された20回との差分である30回であるため、第1抽選遊技の残り回数として30回が表示される。これにより、遊技者は、第1抽選遊技をさらに少なくとも30回実行し得るということを認識できる。なお、特に図示しないが、第2抽選遊技が実行されて第2抽選遊技の残り回数が0となった場合も同様の表示がされる。
すなわち、本実施形態では、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDにおいて、時短モードが終了する終了条件を異ならせているが、時短モードが不意に終了することで遊技者が遊技機に不快感を抱くことがない表示態様としている。
以上が本実施形態における遊技機の構成である。次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
まず、通常モードでは、遊技者が遊技球を右打ちし、普通図柄始動ゲート61に遊技球を通過させたとしても、普通図柄の当たり抽選に当選し難く、開閉板59bが開放状態となり難い。つまり、普通入賞口59aに遊技球が入賞し難く、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となり難いため、第1特別始動口57および第2特別始動口58に遊技球が入賞し難い。また、遊技者が遊技球を右打ちした場合、当該遊技球は第1始動口56にも入賞し難い。このため、通常モードでは、遊技者は、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たり抽選に当選して開閉実行モードに移行することを期待しながら遊技を継続する。なお、ここでの通常モードとは、当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードのことである。
そして、第1抽選遊技が当たり抽選に当選すると、図柄表示装置80の有効ラインL1~L5のいずれか1つに同一図柄の組み合わせが表示され、開閉実行モードに移行する。
但し、本実施形態では、15R通常当たり結果である場合、図柄表示装置80に表示される同一図柄の組み合わせにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、または15R通常当たり結果Dのいずれであるかを遊技者が認識し難いようにしている。
そして、開閉実行モードが終了した後は、本実施形態では、当たり種別が確変当たり結果、または通常当たり結果のいずれかに関わらず、高頻度サポートモードに移行する。高頻度サポートモードでは、普通図柄の当たり抽選に当選し易いため、遊技者は、普通図柄始動ゲート61を通過するように遊技球を右打ちすることにより、開閉板59bを容易に開放状態にできる。そして、遊技球が普通入賞口59aに入賞した場合には、当該遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69から排出されることで第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となり、普通入賞口59aに入賞しなかった遊技球が第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞し易くなる。したがって、高頻度サポートモードにおいては、遊技者は、遊技球を右打ちした方が持ち球をあまり減らさずに第1抽選遊技または第2抽選遊技を実行できるため、有利となる。
また、本実施形態の遊技機は、内側領域R1を狙って遊技球を発射し続けることにより、第1非電役物66を開放状態にして第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができ、外側領域R2を狙って遊技球を発射し続けることにより、第2非電役物67を開放状態にして第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができるように構成されている。
つまり、遊技者は、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されるようにするのかを遊技者自身によって選択できるようになっている。
ここで、本実施形態では、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が15R通常当たり結果である場合、開閉実行モードが終了した後は、上記のように、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDのいずれかに移行する(図17参照)。そして、時短モード中においては、図柄表示装置80に、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示される(図45、図46参照)と共に、滞在している時短モードを示唆する演出が表示される。
このため、遊技者は、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDのいずれに滞在しているかを推測し、推測した滞在モードに応じ、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれかに入賞するように遊技球を発射する。
例えば、遊技者が時短モードBであると推測した場合、時短モードBは第1抽選遊技が20回実行されると終了条件Aを満たして時短モードが終了してしまうため、外側領域R2を狙って遊技球を発射することで第2特別始動口58に遊技球を入賞させ、第2抽選遊技が実行されるようにすればよい。そして、実際の時短モードが時短モードBである場合、遊技者が第2抽選遊技を連続して実行されるようにすることにより、時短モードが早期に終了してしまうことを抑制できる。但し、例えば、実際の時短モードが時短モードCである場合、第2抽選遊技が20回実行されると終了条件Bを満たして時短モードが終了する。
つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技球の発射の仕方(実行される抽選遊技)によって時短モードの終了回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。すなわち、上記図17を参照して説明したように、遊技者の遊技球の発射の仕方により、時短モードAであれば、時短モードの終了回数は50~100回の間で変化し、時短モードBまたは時短モードCであれば、時短モードの終了回数は20~100回の間で変化する。また、時短モードの終了回数が変化するということは、継続率が変化するとも言える。このため、本実施形態では、遊技者に、遊技球の発射の仕方(実行される抽選遊技)によって継続率が変化するという新規な遊技性を付与できるとも言える。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、本実施形態の遊技機では、遊技者は、まず、第1抽選遊技または第2抽選遊技の残り回数が0に近づくまで一方の抽選遊技が実行されるようにし、その後、他方の抽選遊技が実行されるようにすることにより(例えば、図46(a)の状態)、仮に、時短モードBまたは時短モードCであったとしても、少なくとも20回を超えて時短モードを継続させることができる。つまり、遊技者に、遊技球の発射の仕方を変更することにより、時短モードの終了回数が変化するということを体感させ易い構成となっている。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、第1非電役物66が備えられた第1特別始動口57、第2非電役物67が備えられた第2特別始動口58、および可変普通入賞装置59等を備え、可変普通入賞装置59に入賞した遊技球が仕切部材59dによって左側排出通路68または右側排出通路69から排出されるようにしている。そして、左側排出通路68には、遊技球と接触することによって第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構70が備えられ、右側排出通路69には、遊技球と接触することによって第2非電役物67を開放状態とする第2非電役物作動機構71が備えられている。
このため、遊技者に、遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出されるようにするのかを選択させることにより、遊技球が第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれに入賞し易くなるようにするのかを選択させるという遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、普通入賞口59aに入賞した遊技球は、共通の仕切部材59dによって左側排出通路68または右側排出通路69へと振り分けられる。このため、左側排出通路68に遊技球を振り分ける部材、および右側排出通路69に遊技球を振り分ける部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
また、仕切部材59dは、普通入賞口59a内の空間を左側空間K1と右側空間K2とに分割するように備えられている。そして、左側空間K1に入賞した遊技球が左側排出通路68から排出されると共に、右側空間K2に入賞した遊技球が右側排出通路69から排出されるようになっている。
このため、遊技者は、普通入賞口59aの左側空間K1に入賞するように遊技球を発射するのか、または普通入賞口59aの右側空間K2に入賞するように遊技球を発射するのかを選択することにより、左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから遊技球が排出されるようにするのかを選択できる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることを抑制でき、遊技者が望む非電役物と異なる非電役物が開放状態なることを抑制できる。
さらに、遊技球が可変普通入賞装置59に到達するまでの領域には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って区画する区画機構72が配設されている。具体的には、区画機構72は、普通入賞口59aにおける左側空間K1側に遊技球を誘導する内側領域R1と、普通入賞口59aにおける右側空間K2側に遊技球を誘導する外側領域R2とを区画するように配設されている。このため、遊技者は、普通入賞口59aより手前に位置する内側領域R1または外側領域R2のいずれかを狙って遊技球を発射することにより、普通入賞口59aに遊技球が入賞する際、遊技球が左側空間K1または右側空間K2のいずれの空間に入賞するのかを選択できる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることをさらに抑制できる。つまり、遊技者が意図しない非電役物が開放状態となり、遊技者が意図しない始動口に遊技球が入賞し易くなることを抑制できる。
また、内側領域R1の入口は、外側領域R2の入口より開口幅が長くされている。このため、遊技者が狙いにくい内側領域R1にも遊技球を通過させ易くなり、左側空間K1にも遊技球を入賞させ易くなる。したがって、遊技者が意図しない排出通路から遊技球が排出されることを抑制でき、遊技者が望む非電役物と異なる非電役物が開放状態となることを抑制できる。
さらに、釘51、第1特別始動口57および可変普通入賞装置59は、遊技者が内側領域R1を通過するように遊技球を発射した際(左側空間K1に入賞し得るように遊技球を発射した際)、遊技球が普通入賞口59aの左側空間K1から入賞するか、または第1特別始動口57に誘導されるように、配設されている。このため、遊技者は、左側空間K1から遊技球を入賞させて第1非電役物66を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、第1特別始動口57に遊技球を入賞させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。
同様に、釘51、第2特別始動口58および可変普通入賞装置59は、遊技者が外側領域R2を通過するように遊技球を発射した際(右側空間K2に入賞し得るように遊技球を発射した際)、遊技球が普通入賞口59aの右側空間K2から入賞するか、または第2特別始動口58に誘導されるように、配設されている。このため、遊技者は、右側空間K2から遊技球を入賞させて第2非電役物67を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、第2特別始動口58に遊技球を入賞させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方を変更する必要がない。
したがって、遊技者が第1非電役物66を開放状態にするための遊技球の発射、および第2非電役物67を開放状態にするための遊技球の発射を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDを搭載し、各時短モードで終了条件が異なるようにしている。具体的には、第1抽選遊技が実行される回数、第2抽選遊技が実行される回数、および第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和の少なくともいずれか1つが異なるようにしている。また、図柄表示装置80には、第1抽選遊技または第2抽選遊技が当たり抽選に当選すると、同一図柄の組み合わせが停止表示されるが、開閉実行モード後に時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDに移行する場合、組み合わせの図柄によってどの時短モードに移行するのかを遊技者が正確に把握できないようにしている。つまり、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDに移行する場合、同じ図柄の組み合わせが表示されることがあるようにしている。このため、時短モードに移行した場合、遊技者に、滞在している時短モードを推測させつつ、実行される抽選遊技を選択させるという新規な遊技性、および遊技者自身の選択により、時短モードが終了する回数が変化する(継続率が変化する)という新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、図柄表示装置80には、時短モードA、時短モードB、時短モードC、または時短モードDである場合、滞在している時短モードに応じた演出(示唆)パターンが表示されることがあるようにしている。このため、遊技者の演出に関する注目度を向上でき、ひいては遊技への関心を向上できる。
さらに、図柄表示装置80には、第1抽選遊技の残り回数、第2抽選遊技の残り回数、および最大残り回数が表示されるようにしている。このため、不意に時短モードが終了することで遊技者が遊技性に嫌悪感を抱いてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特別始動口57は、第1非電役物66が開放状態である際に遊技球が入賞し易く、第1非電役物66が閉鎖状態である際には遊技球が入賞し難くなるように配設されている。そして、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球の通過が検知される(第1非電役物66が開放状態になる、または開放状態に維持される)と第1始動入賞カウンタに所定の値(本実施形態では、2)をセットし、第1特別始動口57に遊技球が入賞した際、第1始動入賞カウンタの値が0であれば遊技停止処理を実行する(図21、S406)。つまり、本実施形態では、何らかの要因により、左側排出通路検知センサ68aにて遊技球の通過が検知されずに第1非電役物66が開放状態となっていると遊技停止処理を実行する。
同様に、第2特別始動口58は、第2非電役物67が開放状態である際に遊技球が入賞し易く、第2非電役物67が閉鎖状態である際には遊技球が入賞し難くなるように配設されている。そして、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球の通過が検知される(第2非電役物67が開放状態になる、または開放状態に維持される)と第2始動入賞カウンタに所定の値(本実施形態では、2)をセットし、第2特別始動口58に遊技球が入賞した際、第2始動入賞カウンタの値が0であれば遊技停止処理を実行する(図21、S413)。つまり、本実施形態では、何らかの要因により、右側排出通路検知センサ69aにて遊技球の通過が検知されずに第2非電役物67が開放状態となっていると遊技停止処理を実行する。このため、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態であるまま遊技が継続されることを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第1実施形態において、普通入賞口59a内に仕切部材59dを可動可能に備え、普通入賞口59aに入賞した遊技球が所定期間毎に左側排出通路68または右側排出通路69のいずれか一方から排出されるようにしてもよい。このような構成としても、遊技者は、普通入賞口59aに遊技球を入賞させる期間(タイミング)を調整することにより、普通入賞口59aに入賞した遊技球が左側排出通路68または右側排出通路69のいずれから排出されるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、普通入賞口59aに遊技球を入賞させる期間(タイミング)を調整することにより、第1非電役物66または第2非電役物67のいずれを開放状態にするのかを選択できる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、仕切部材59dを可動可能に備える場合、仕切部材59dがランダムに(遊技者が入賞させる場所を選択できないように)可動するようにしてもよい。このような構成としても、遊技者は、第1非電役物66が開放状態となれば内側領域R1を狙って遊技球を発射することによって第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができ、第2非電役物67が開放状態となれば外側領域R2を狙って遊技球を発射することによって第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。すなわち、このような構成としても、遊技者は、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されるようにするのかを選択できるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記第1実施形態において、区画機構72を備えず、遊技者が直接、普通入賞口59aの左側空間K1または右側空間K2を狙って遊技球を発射するようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態において、仕切部材59dが備えられていなくてもよい。このような構成としても、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は内側領域R1または外側領域R2のいずれかを通過する。そして、開閉板59bが開放状態である場合、内側領域R1を通過すると普通入賞口59aの正面視左側から入賞して左側排出通路68から排出され易く、外側領域R2を通過すると普通入賞口59aの正面視右側から入賞して右側排出通路69から排出され易い。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
そして、上記第1実施形態において、普通図柄始動ゲート61を2つ備えず、1つのみとしてもよい。つまり、普通入賞口59aに入賞しなかった遊技球が共通の普通図柄始動ゲート61を通過するようにし、その後、第1特別始動口57または第2特別始動口58に誘導されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、図6(b)に示されるように、左側排出通路検知センサ68aは、第1非電役物作動機構70より下流側に配設されており、右側排出通路検知センサ69aは、第2非電役物作動機構71より下流側に配設されている。しかしながら、左側排出通路検知センサ68aは、第1非電役物作動機構70より上流側に配設されていてもよいし、右側排出通路検知センサ69aは、第2非電役物作動機構71より上流側に配設されていてもよい。この場合、例えば、検知センサ68aは、普通入賞口59aの左側空間K1内に配設されていてもよいし、検知センサ69aは、普通入賞口59aの右側空間K2内に配設されていてもよい。つまり、上記第1実施形態では、検知センサ68aは、普通入賞口59aの左側空間K1に入賞して第1非電役物作動機構70と接触する遊技球を検知でき、検知センサ69aは、普通入賞口59aの右側空間K2に入賞して第2非電役物作動機構71と接触する遊技球を検知できるのであれば、配設箇所は特に限定されるものではない。
また、上記第1実施形態において、左側排出通路検知センサ68aおよび右側排出通路検知センサ69aの他に、普通入賞口59aの左側空間K1に左側入賞検知センサ(第1副検知センサ)を備えると共に、普通入賞口59aの右側空間K2に右側入賞検知センサ(第2副検知センサ)を備え、左側空間K1に入賞した遊技球の数と左側排出通路68から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定すると共に、右側空間K2に入賞した遊技球の数と右側排出通路69から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。これによれば、例えば、普通入賞口59aに入賞した遊技球の数と左側排出通路68または右側排出通路69から排出される遊技球の数とが一致していないにも関わらず第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態となっている場合には、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっていることが想定される。このため、第1非電役物66または第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かをさらに高精度に判定できる。なお、左側入賞検知センサは、普通入賞口59aの左側空間K1に遊技球が入賞したことを検知できればよいため、左側排出通路68の第1非電役物作動機構70より上流側に配設されていてもよい。同様に、右側入賞検知センサは、普通入賞口59aの右側空間K2に遊技球が入賞したことを検知できればよいため、右側排出通路69の第2非電役物作動機構71より上流側に配設されていてもよい。つまり、排出通路において、非電役物作動機構を挟んで上流側と下流側に一対の検知センサが配置されていればよい。また、このように左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサを備える場合には、左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサの検知結果に基づき、非電役物状態把握処理(図20、図21)におけるステップ301およびステップ302の処理を実行したり、普通入賞口59aの賞球処理を実行したりしてもよい。さらに、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態であるか否かを直接的に監視する監視センサ等を備え、監視センサ等の検知結果に基づいて第1非電役物66および第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かを判定するようにしてもよい。
さらに、上記第1実施形態において、左側排出通路68と右側排出通路69とは、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71の下流側において、合流して1つの排出通路となるようにしてもよい。この場合、合流している部分に遊技球を検知する1つの排出通路検知センサを備える構成としてもよい。なお、このような構成とする場合は、合流している部分に備えられた排出通路検知センサは、遊技球が左側排出通路68から排出されたのか、または右側排出通路69から排出されたのかを判定できないため、上記のように左側入賞検知センサおよび右側入賞検知センサ等を備えて第1非電役物66および第2非電役物67が異常な開放状態となっているか否かを判定するようにすることが好ましい。
また、上記第1実施形態において、第1非電役物66は、開放状態となった後、遊技球が第1非電役物作動機構70に接触するか否かに関わらず、遊技球が2個入賞すると閉鎖状態となるようにしてもよい。つまり、第1非電役物66および第1非電役物作動機構70は、第1非電役物66が開放状態となった後、普通入賞口59aに遊技球が入賞したか否かに関わらず、規定数の遊技球が第1特別始動口57に入賞することで必ず閉鎖状態となる構成としてもよい。同様に、第2非電役物67は、開放状態となった後、遊技球が第2非電役物作動機構71に接触するか否かに関わらず、遊技球が2個入賞すると閉鎖状態となるようにしてもよい。つまり、第2非電役物67および第2非電役物作動機構71は、第2非電役物67が開放状態となった後、普通入賞口59aに遊技球が入賞したか否かに関わらず、規定数の遊技球が第2特別始動口58に入賞することで必ず閉鎖状態となるようにしてもよい。このような構成とする場合、非電役物状態把握処理(図20および図21)では、左側排出通路68を遊技球が通過したと判定した場合(S301:YES)、第1始動入賞カウンタが1または2であればそのままステップ304の処理に移行し、第1始動入賞カウンタが0であればステップ303の処理を実行することにより、上記と同様に、第1非電役物66の異常開放判定を実行することができる。同様に、右側排出通路69を遊技球が通過したと判定した場合(S302:YES)、第2始動入賞カウンタが1または2であればそのままステップ306の処理に移行し、第2始動入賞カウンタが0であればステップ305の処理を実行することにより、上記と同様に、第2非電役物67の異常開放判定を実行することができる。
さらに、上記第1実施形態において、第1非電役物作動機構70に1個の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となるのではなく、第1非電役物作動機構70に2個または3個等の複数の遊技球が接触することで第1非電役物66が開放状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物作動機構71に1個の遊技球が接触すると第2非電役物67が開放状態となるのではなく、第2非電役物作動機構71に2個または3個等の複数の遊技球が接触することで第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。この場合、例えば、左側排出通路通過カウンタおよび右側排出通路通過カウンタ等を備え、非電役物状態把握処理(図20および図21)において、左側排出通路68を遊技球が通過すると左側排出通路通過カウンタの値を加算し、右側排出通路69を遊技球が通過すると右側排出通路通過カウンタの値を加算するようにする。そして、左側排出通路68を第1非電役物66が開放状態となるのに必要な遊技球が通過した際(左側排出通路通過カウンタの値と第1非電役物66が開放状態となるのに必要な遊技球の数とが一致した際)、ステップ303以降の処理を実行するようにする。同様に、右側排出通路69を第2非電役物67が開放状態となるのに必要な遊技球が通過した際(右側排出通路通過カウンタの値と第2非電役物67が開放状態となるのに必要な遊技球の数とが一致した際)、ステップ305以降の処理を実行するようにする。このような構成とすることにより、上記と同様に、第1非電役物66および第2非電役物67の異常開放判定を実行できる。
なお、第1非電役物66が閉鎖状態となる条件も適宜変更可能であり、第1特別始動口57に1個、または3個以上の複数個の遊技球が入賞した際に第1非電役物66が閉鎖状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物67が閉鎖状態となる条件も適宜変更可能であり、第2特別始動口58に1個、または3個以上の複数個の遊技球が入賞した際に第2非電役物67が閉鎖状態となるようにしてもよい。この場合は、ステップ303にて第1始動入賞カウンタにセットする値を適宜変更すると共に、ステップ305にて第2始動入賞カウンタにセットする値を適宜変更すればよい。
そして、上記第1実施形態において、釘51、第1特別始動口57、第2特別始動口58、可変普通入賞装置59、普通図柄始動ゲート61、左側排出通路68、右側排出通路69、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71等の配置関係は、適宜変更可能である。例えば、第1特別始動口57および第2特別始動口58を遊技盤43の正面視左右方向に並設してもよい。また、左側排出通路68に第2非電役物作動機構71を設け、右側排出通路69に第1非電役物作動機構70を設けてもよい。この構成では、遊技者は、第1特別始動口57に遊技球を入賞させる場合、まず、外側領域R2に向けて遊技球を発射することで第1非電役物66を開放状態にし、内側領域R1に向けて遊技球を発射することで第1特別始動口57に遊技球を入賞させることができる。また、遊技者は、第2特別始動口58に遊技球を入賞させる場合、まず内側領域R1に向けて遊技球を発射することで第2非電役物67を開放状態にし、外側領域R2に向けて遊技球を発射することで第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。このため、非電役物を開放状態にする遊技球の発射の仕方と、当該非電役物が備えられている特別始動口に遊技球を入賞させる遊技球の発射の仕方が異なるため、遊技者が遊技を単調であると認識し難く、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。さらに、第1特別始動口57、第2特別始動口58、および普通図柄始動ゲート61が可変普通入賞装置59の上方に配設されていてもよい。
また、上記第1実施形態において、振分テーブルを変更し、通常当たり結果(時短モード)を4種類とするではなく、通常当たり結果(時短モード)が2種類、または3種類であってもよいし、5種類以上であってもよい。さらに、振分結果において、15R通常当たり結果のみとし、確変当たり結果を無くすようにしてもよい。つまり、特図変動開始処理(図25、S507)のステップ705の振分判定処理では、開閉実行モードに関する振分を実行せず、高頻度サポートモードの回数(時短モード)の振分のみを実行するようにしてもよい。また、時短モードA、時短モードB、時短モードC、および時短モードDにおいて、終了条件A、終了条件B、および終了条件Cの値は適宜変更可能である。そして、各時短モードにおいて、第1抽選遊技が実行される回数と第2抽選遊技が実行される回数との和で規定される終了条件Cがそれぞれ異なっていてもよい。さらに、当たり結果であった場合、高頻度サポートモードが付与されない当たり結果が含まれていてもよい。
そして、上記第1実施形態において、第1抽選遊技または第2抽選遊技の残り回数が0となった際、新たに表示される残り回数は適宜変更可能である。例えば、時短モードDである場合、第1抽選遊技が20回実行された後、第1抽選遊技の残り回数を80回と表示することがあるようにしてもよい。これによれば、遊技者は、時短モードDであることを明確に把握でき、その後の遊技は演出に注目しつつ、遊技を継続できる。また、抽選等により、時短モード中に滞在している時短モードが明確に把握できるような演出を表示するようにしてもよい。さらに、抽選等により、時短モードに移行する際、最初から第1抽選遊技の残り回数および第2抽選遊技の残り回数として正確な回数が表示されるようにしてもよい。例えば、時短モードAである場合、第1抽選遊技の残り回数として50回を表示し、第2抽選遊技の残り回数として50回を表示することがあるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、時短モード中に滞在モードに応じた演出を表示するのみでなく、当該時短モードに移行する契機となる開閉実行モードのラウンド中等に、次回の時短モードを示唆する演出が表示されるようにしてもよい。例えば、所定のラウンドにおいて、キャラクタ等を表示するようにし、表示されるキャラクタによって次回の時短モードを示唆するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、時短モード中に再び当たり抽選に当選して開閉実行モードに移行し、その後に再び時短モードに移行する場合(連続当たりした場合)、開閉実行モード中に時短モードの遊技方法を表示するための画像が表示されないようにしてもよい。つまり、最初に時短モードに移行する場合のみ、開閉実行モード中に時短モードの遊技方法が表示されるようにしてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、高頻度サポートモードが終了する終了条件を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図48を参照しつつ説明する。図48は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図48に示されるように、主側RAM114には、時短モードフラグ格納エリア114gの代わりに高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rが備えられ、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、および合計時短モード回数カウンタエリア114jの代わりに、1つの高頻度サポートモード回数カウンタエリア114sが備えられ、さらに高確率モード回数カウンタエリア114tが備えられている。
次に、本実施形態における振分テーブルについて図49を参照しつつ説明する。図49は、振分テーブルを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)である。なお、第1結果表示部用の振分テーブルは、第1始動口56または第1特別始動口57への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。また、第2結果表示部用の振分テーブルは、第2特別始動口58への入賞に基づき取得された保留情報に対して振分抽選が行われる場合に参照されるテーブルである。
図49に示されるように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が15R通常当たり結果とされ、「15~29」が15R確変当たり結果とされている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が15R通常当たり結果とされ、「15~29」が15R確変当たり結果とされている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルでは、それぞれ15R通常当たり結果となる確率が50%、15R確変当たり結果となる確率が50%とされている。
また、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルには、高頻度サポートモードが終了する終了条件がそれぞれ設定されており、当該終了条件は、振分テーブルが参照される際(当たり抽選に当選した際)の当たり抽選に関するモードに対応させて設定されている。
具体的には、第1結果表示部用の振分テーブルでは、図49(a)に示されるように、参照される際の当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされ、参照される際の当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされている。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図49(b)に示されるように、参照される際の当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされ、参照される際の当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされている。
すなわち、本実施形態では、遊技者にとっては、当たり抽選における抽選モードが高確率モードである場合には、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されるようにした方が有利となり、当たり抽選における抽選モードが低確率モードである場合には、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されるようにした方が有利となる。つまり、遊技者にとっては、高確率モードである場合には、第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり抽選に当選した方が有利となり、低確率モードである場合には、第1始動口56または第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり抽選に当選した方が有利となる。
また、本実施形態では、15R確変当たり結果となる場合、開閉実行モードが終了した後に高確率モードに移行するが、高確率モードは回数制限付とされている。具体的には、15R確変当たり結果となる場合、高確率モードの終了条件が100回とされている。すなわち、本実施形態の高確率モードは、高確率モード中に抽選遊技が100回実行されると低確率モードに移行する、いわゆるSTタイプとされている。例えば、上記のように、当たり種別カウンタが「20」であり、第2結果表示部用の振分テーブルが参照される際の抽選モードが低確率モードである場合には、高頻度サポートモードの終了条件が50回となる。このため、50回の抽選遊技が実行された後の51回目から100回目までは、抽選モードは高確率モードに維持されるが、サポートモードは低頻度サポートモードとなる。
なお、以下では、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R通常当たり結果Bともいう。また、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R確変当たり結果A、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果Bともいう。
同様に、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が50回となるものを15R通常当たり結果Dともいう。また、第2結果表示部用に振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果C、15R確変当たり結果であって、高頻度サポートモードの終了条件が100回となるものを15R確変当たり結果Dともいう。
また、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fには、15R通常当たり結果A、15R通常当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R通常当たり結果Dのそれぞれの終了条件の回数、および15R確変当たり結果A、15R確変当たり結果B、15R確変当たり結果C、15R確変当たり結果Dのそれぞれの終了条件の回数が記憶されている。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図50を参照しつつ説明する。図50は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、上記図25で説明した特図変動開始処理に対して、高確率モードフラグが格納されている場合に高確率モード回数カウンタの値を1減算する処理、および高頻度サポートモードフラグが格納されている場合に高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する処理(S718~S721)を追加した処理である。
具体的には、図50に示されるように、ステップ711で変動用コマンドおよび種別コマンドを出力対処に設定した後、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する(S718)。そして、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合(S718:YES)、高確率モード回数カウンタエリア114tに格納されている高確率モード回数カウンタの値を1減算する(S719)。なお、高確率モード回数カウンタには、15R確変当たり結果に起因する開閉実行モードのエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図52、S1309)。また、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報は特に把握せず、高確率モード回数カウンタの値を1減算する。つまり、ステップ703の当否判定処理において、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されたとしても、高確率モードフラグが格納されていれば高確率モード回数カウンタの値を1減算する。
高確率モード回数カウンタの値を1減算した後、または高確率モードフラグが格納されていないと判定した場合には(S718:NO)、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する(S720)。そして、高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合(S720:YES)、高頻度サポートモード回数カウンタエリア114sに格納されている高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する(S721)。なお、高頻度サポートモード回数カウンタには、開閉実行モードにおけるエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図52、S1311)。また、高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合と同様に、入賞始動口格納エリア204に格納されている情報は特に把握せず、高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する。つまり、ステップ703の当否判定処理において、第1抽選遊技または第2抽選遊技のいずれが実行されたとしても、高頻度サポートモードフラグが格納されていれば高頻度サポートモード回数カウンタの値を1減算する。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタを1減算した後、または高頻度サポートモードフラグが格納されていないと判定した場合には(S720:NO)、上記ステップ716以降の処理を行って本特図変動開始処理を終了する。
なお、ステップ707のフラグ格納処理では、15R通常当たり結果Aの場合には15R通常当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Bの場合には15R通常当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Cの場合には15R通常当たり結果フラグCを格納し、15R通常当たり結果Dの場合には15R通常当たり結果フラグDを格納する。また、15R確変当たり結果Aの場合には15R確変当たり結果フラグAを格納し、15R確変当たり結果Bの場合には15R確変当たり結果フラグBを格納し、15R確変当たり結果Cの場合には15R確変当たり結果フラグCを格納し、15R確変当たり結果Dの場合には15R確変当たり結果フラグDを格納する。
続いて、主側MPU112が実行する特図確定中処理について図51を参照しつつ説明する。図51は、特図確定中処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図27で説明した特図確定中処理と同様の処理であり、上記図27で説明した特図確定中処理に対して、高確率モードフラグが格納されている場合に高確率モード回数カウンタの値に基づいた処理(S911~S914)、および高頻度サポートモードフラグが格納されている場合に高頻度サポートモード回数カウンタの値に基づいた処理(S915~S918)を追加した処理である。
具体的には、図51に示されるように、当たり当選であると判定した場合(S902:YES)、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定し(S911)、高確率モードフラグが格納されていると判定した場合(S911:YES)、高確率モード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S912)。そして、高確率モード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S912:NO)、つまり高確率モード回数カウンタが0であると判定した場合、高確率モードフラグを消去し(S913)、高確率モード終了コマンドを出力対象に設定する(S914)。これにより、開閉実行モード後に高確率モードに移行したとしても、高確率モードの規定回数が終了すると(高確率モード回数カウンタの値が0になると)、低確率モードに移行する。
高確率モード終了コマンドを出力対象に設定した後、高確率モードフラグが格納されていないと判定した場合(S911:NO)、または高確率モード回数カウンタの値が1以上である判定した場合は(S912:YES)、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する(S915)。高頻度サポートモードフラグが格納されていると判定した場合(S915:YES)、高頻度サポートモード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S916)。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S916:NO)、つまり高頻度サポートモード回数カウンタが0であると判定した場合、高頻度サポートモードフラグを消去し(S917)、高頻度サポートモード終了コマンドを出力対象に設定する(S918)。
高頻度サポートモード終了コマンドを出力対象に設定した後、高頻度サポートモードフラグが格納されていないと判定した場合(S915:NO)、または高頻度サポートモード回数カウンタが1以上であると判定した場合は(S916:YES)、ステップ910にて特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアした後、本特図確定中処理を終了する。
次に、主側MPU112が実行する特電終了処理について図52を参照しつつ説明する。図52は、主側MPU112が実行する特電終了処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図31で説明した特電終了処理と同様の処理であり、上記図31で説明した特電終了処理に対して、高確率モードフラグを格納した後に高確率モード回数カウンタに高確率モード回数をセットする処理を追加した処理である(S1309)。
具体的には、図52に示されるように、確変当たり結果であると判定した場合には(S1302:YES)、高確率モードフラグを格納した後(S1303)、高確率モード回数カウンタに高確率モード回数をセットする(S1309)。本実施形態では、高確率モード回数として、100がセットされる。なお、ステップ1303において高確率モードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
高確率モード回数をセットした後、またはステップ1304で高確率モードフラグを消去した後は、高頻度サポートモードフラグ格納エリア114rに高頻度サポートモードフラグを格納する(S1310)。なお、高頻度サポートモードフラグが既に格納されている場合にはそのまま維持する。
そして、高頻度サポートモード回数カウンタに、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1311)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが15R通常当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットし(図49、15R通常当たり結果A参照)、15R通常当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R通常当たり結果B参照)、15R通常当たり結果フラグCである場合(15R通常当たり結果Cだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R通常当たり結果C参照)、15R通常当たり結果フラグDである場合(15R通常当たり結果Dだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットする(図49、15R通常当たり結果D参照)。また、15R確変当たり結果フラグAである場合(15R確変当たり結果Aだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットし(図49、15R確変当たり結果A参照)、15R確変当たり結果フラグBである場合(15R確変当たり結果Bだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R確変当たり結果B参照)、15R確変当たり結果フラグCである場合(15R確変当たり結果Cだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「100」をセットし(図49、15R確変当たり結果C参照)、15R確変当たり結果フラグDである場合(15R確変当たり結果Dだった場合)、高頻度サポートモード回数カウンタに「50」をセットする(図49、15R確変当たり結果D参照)。
高頻度サポートモード回数カウンタに高頻度サポートモード回数をセットした後は、上記ステップ1307以降の処理を実行して本特電終了処理を終了する。
次に、本実施形態の図柄表示装置80の表示態様について説明する。本実施形態では、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、確変当たり結果であるのか、通常当たり結果であるのかが把握され難いようにしている。つまり、例えば、「7」図柄の組み合わせが表示されたとしても、通常当たり結果であることがあるようにしている。
また、高頻度サポートモードである場合、図柄表示装置80には、高頻度サポートモードが終了するまでの残り回数が表示される。なお、高頻度サポートモードが開始される場合には、最初に想定される最小の残り回数が表示される。具体的には、図49に示されるように、高頻度サポートモードが終了する最小の残り回数(抽選遊技が実行される最小の回数)は、15R通常当たり結果A、15R確変当たり結果A、15R通常当たり結果D、15R確変当たり結果Dである場合の50回である。このため、図53(a)に示されるように、残り回数として50回が表示される。
そして、第1抽選遊技または第2抽選遊技が実行されると、残り回数が1ずつ減算して表示される。また、高頻度サポートモードである場合には、当たり抽選に関する抽選モードを示唆する演出が表示されるようにし、遊技者が抽選モードを推測できるようにしている。
そして、残り回数が0となると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図53(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。
そして、図51(a)に示されるように、高頻度サポートモードが終了する際には、「残念!!」という文字が表示される。一方、図51(b)に示されるように、高頻度サポートモードが終了しない場合(継続する場合)には、「継続!!」という文字が表示されると共に、残り回数が再度表示される。この場合、残り回数には、再び想定される最小の残り回数が表示される。すなわち、抽選遊技が50回実行されて開閉実行モードが継続するというのは、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が、15R通常当たり結果B、15R確変当たり結果B、15R通常当たり結果C、15R確変当たり結果Cのいずれかであり、想定される抽選遊技の最小残り回数は100回と最初に表示された50回との差分である50回であるため、残り回数として50回が表示される。
また、開閉実行モード中には、高頻度サポートモード中の遊技方法も表示される。具体的には、図55に示されるように、「演出から高確率モードか低確率モードかを推測してね!!」という文字が表示される。そして、図56(a)に示されるように、「低確率モードだと推測したら矢印Aを狙うといいかも!?」という文字を表示し、矢印Aのように遊技球を流下させて第1特別始動口57に遊技球を入賞させることで遊技者にとって有利となるかもしれないことを示唆する。また、図56(b)に示されるように、「高確率モードだと推測したら矢印Bを狙うといいかも!?」という文字を表示し、矢印Bのように遊技球を流下させて第2特別始動口58に遊技球を入賞させることで遊技者にとって有利となるかもしれないことを示唆する。これにより、遊技者は、抽選モードに応じて遊技球の発射の仕方を変更することにより、異なる結果が発生し得るという遊技性を把握できる。
次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
まず、通常モードでは、上記第1実施形態と同様に、遊技者は、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たりとなって開閉実行モードに移行することを期待しながら遊技を継続する。
そして、第1抽選遊技が当たりである場合、図柄表示装置80に有効ラインL1~L5のいずれか1つに同一図柄の組み合わせが表示され、開閉実行モードに移行する。但し、本実施形態では、図柄表示装置80に表示される同一図柄の組み合わせにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が通常当たり結果であるのか、確変当たり結果であるのかを遊技者が認識し難いようにしている。
そして、開閉実行モードが終了した後は、高頻度サポートモードに移行するため、遊技者は、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球が入賞するように遊技球を右打ちする。これにより、遊技者は、持ち球をあまり減らさずに遊技を継続できる。
この際、本実施形態では、図49に示されるように、当たり結果となった際、当たり結果に関する抽選モードによって次回の高頻度サポートモードが終了する抽選遊技の回数が異なっている。すなわち、当たり結果に関する抽選モードが高確率モードであれば、第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり結果となった方が第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり結果となった場合よりも次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなるため、遊技者が次回の高頻度サポートモード中に再び当たり結果を得ることができる確率が高くなる。一方、抽選モードが低確率モードであれば、第1特別始動口57に遊技球を入賞させて当たり結果となった方が第2特別始動口58に遊技球を入賞させて当たり結果となった場合よりも次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなるため、遊技者が次回の高頻度サポートモード中に再び当たり結果を得ることができる確率が高くなる。
このため、遊技者は、図柄表示装置80に表示される演出から当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードであるのか低確率モードであるのかを推測し、推測した結果に基づき、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれかに遊技球を入賞させる。すなわち、遊技者は、滞在モードが高確率モードであると推測した場合には、第2特別始動口58に遊技球を入賞させるように遊技球を発射し、滞在モードが低確率モードであると推測した場合には、第1特別始動口57に遊技球を入賞させるように遊技球を発射すればよい。
そして、残り回数が0になると、時短モードが終了するか否かの継続演出が表示される。本実施形態では、図53(b)に示されるように、図柄表示装置80に第1枠ボタン26を示す表示と、「押せ!!」という文字が表示される。この際、図54(a)に示されるように、高頻度サポートモードが終了する際には、「残念!!」という文字が表示される。一方、図54(b)に示されるように、高頻度サポートモードが終了しない場合(継続する場合)には、「継続!!」という文字が表示されると共に、残り回数が再度表示される。
本実施形態では、このように図柄表示装置80に表示することにより、遊技者は、前回の当たりが確変当たり結果であるのか、または通常当たり結果であるのかを明確に把握できる。すなわち、前回の当たり結果が第1抽選遊技(第1特別始動口57に遊技球を入賞させたこと)を契機とするものである場合、50回で高頻度サポートモードが終了するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが高確率モードであったことを意味している。また、前回の当たり結果が第1抽選遊技を契機とするものである場合、50回を超えて高頻度サポートモードが継続するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが低確率モードであったことを意味している。
同様に、前回の当たり結果が第2抽選遊技(第2特別始動口58に遊技球を入賞させたこと)を契機とするものである場合、50回で高頻度サポートモードが終了するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが低確率モードであったことを意味している。
また、前回の当たり結果が第2抽選遊技を契機とするものである場合、50回を超えて高頻度サポートモードが継続するのは、前回の当たり抽選に当選した際の抽選モードが高確率モードであったことを意味している。
すなわち、遊技者は、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選することを期待しつ遊技を継続するが、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、前回の当たり結果が通常当たり結果であるのか、確変当たり結果であるのかを判定できる。
つまり、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、前回の当たり抽選に当選した際の遊技モードを明確に把握でき、抽選モードに応じてどのような演出(示唆)が表示され易いのかということを理解できる。
すなわち、本実施形態によれば、高頻度サポートモード中に当たり抽選に当選しなかったとしても、遊技者は、抽選モードに応じた演出を理解することにより、再び高頻度サポートモードに移行した際に抽選モードを推測し易くなる。このため、遊技者に継続して遊技を実行させ易くなり、遊技者の遊技への関心を向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、開閉実行モードへ移行するか否かの抽選に当選した際、当選した際の抽選モード、および抽選された抽選遊技によって次回の高頻度サポートモードの終了回数が異なるようにしている。また、開閉実行モードへ移行する際、図柄表示装置80に表示される図柄の組み合わせにより、当たり結果の種別が遊技者に明確に把握できないようにしている。つまり、確変当たり結果である場合と通常当たり結果である場合とにおいて、図柄表示装置80に同じ図柄の組み合わせが表示されることがあるようにしている。このため、高頻度サポートモードである場合、遊技者に、当たり抽選に関するモードを推測させつつ、実行される抽選遊技を選択させるという新規な遊技性、および遊技者自身の選択により、当たり抽選に当選した場合に次回の高頻度サポートモードが終了する回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、高頻度サポートモード中では、図柄表示装置80に抽選モードに対応する演出(示唆)が表示されることがあるようにしている。このため、当たり抽選に当選することなく高頻度サポートモードが終了したとしても、遊技者は、抽選モードに応じた演出を理解することにより、再び高頻度サポートモードに移行した際に抽選モードを推測し易くなる。したがって、遊技者に継続して遊技を実行させ易くなり、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第2実施形態において、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、確変当たり結果であるのか、通常当たり結果であるのかを把握できることがあるようにしてもよい。例えば、確変当たり結果である場合、図柄表示装置80に、所定確率(例えば、5%)で「7」図柄の組み合わせが表示されるようにし、「7」図柄の組み合わせが表示された場合には、次回の当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードであることが確定するようにしてもよい。同様に、通常当たり結果である場合、図柄表示装置80に、所定確率(例えば、5%)で「2」図柄の組み合わせが表示されるようにし、「2」図柄の組み合わせが表示された場合には、次回の当たり抽選に関する抽選モードが低確率モードであることが確定するようにしてもよい。
これによれば、当たり抽選に当選した際の図柄によって次回の抽選モードが高確率モードであるのか、低確率モードであるのかが確定する場合があるため、遊技者の当たり結果が表示される際の注目度を高めることができる。
また、上記第2実施形態において、開閉実行モードが終了してから抽選遊技が100回実行された後は、必ず当たり抽選に関する抽選モードは低確率モードになり、サポートモードは低頻度サポートモードになる。このため、遊技者は、開閉実行モードが終了してから抽選遊技が100回実行された後は、基本的には、遊技球が第1始動口56に入賞するように左打ちをし、第1抽選遊技が当たり抽選に当選することを期待しながら遊技を継続する。この場合、当たり抽選に当選すると、第1結果表示部用の振分テーブルが参照され、低確率モードでの当たり結果となるために高頻度サポートモード回数は100回となる。したがって、開閉実行モードが終了してから100回以降に当たり抽選に当選した場合(初当たりした場合)には、図柄表示装置80に最初から残り回数として100回が表示されるようにしてもよい。
さらに、上記第2実施形態において、振分テーブルを変更してもよい。例えば、振分テーブルが参照される際の抽選モードに応じて、高頻度サポートモードの終了条件が1種類ではなく、2種類、またはさらに複数種類が設定されていてもよい。例えば、第1結果表示部用の振分テーブルが参照される際の抽選モードが高確率モードである場合、高頻度サポートモードの終了条件は50回の1種類ではなく、100回が選択されることがあるようにしてもよい。また、設定される終了条件は、適宜変更可能である。
また、上記第2実施形態において、高頻度サポートモード中に抽選モードに応じた演出を表示するのみでなく、当該高頻度サポートモードに移行する契機となる開閉実行モードのラウンド中等に、次回の当たり抽選に関する抽選モードを示唆する演出を表示するようにしてもよい。例えば、所定のラウンドにおいて、キャラクタ等を表示するようにし、表示されるキャラクタによって次回の高頻度サポートモード中の抽選モードを示唆するようにしてもよい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して、開閉実行モードを介することなく当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行(転落)することがあるようにしたものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、上記第2実施形態における問題点(課題)について説明する。すなわち、上記第2実施形態では、当たり抽選に当選した場合、図柄表示装置80に表示される図柄の組み合わせにより、当たり結果が15R通常当たり結果であるのか、または15R確変当たり結果であるのかを遊技者が把握し難くなるようにしている。
しかながら、第1結果表示部76aでは、第1抽選遊技に関する変動表示が行われ、第1抽選遊技が当たり結果であった場合には、当たり結果に対応した停止結果が表示される(点灯される)。すなわち、第1結果表示部76aには、第1抽選遊技が15R通常当たり結果であれば、15R通常当たり結果に対応する停止結果が表示され、15R確変当たり結果であれば、15R確変当たり結果に対応する停止結果が表示される。つまり、第1結果表示部76aには、15通常当たり結果である場合と15R通常当たり結果である場合とでは、異なる停止結果が表示される。
同様に、第2結果表示部76bでは、第2抽選遊技に関する変動表示が行われ、第2抽選遊技が当たり結果であった場合には、当たり結果に対応した停止結果が表示される(点灯される)。すなわち、第2結果表示部76bには、第2抽選遊技が15R通常当たり結果であれば、15R通常当たり結果に対応する停止結果が表示され、15R確変当たり結果であれば、15R確変当たり結果に対応する停止結果が表示される。つまり、第2結果表示部76bには、15通常当たり結果である場合と15R通常当たり結果である場合とでは、異なる停止結果が表示される。
このため、遊技に精通している遊技者は、開閉実行モードに移行した際に第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bの停止結果を確認することにより、開閉実行モードに移行する契機となった当たり結果が15R通常当たり結果であるのか、または15R確変当たり結果であるのかを正確に把握できてしまう。つまり、開閉実行モード後の当たり結果に関する抽選モードを正確に把握できてしまい、遊技者にとって最も有利となる遊技方法を常に選択できてしまう。したがって、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者とでは、開閉実行モードが終了した後に付与される高頻度サポートモードの回数に顕著な差が発生してしまい、遊技者間の不公平感が大きくなってしまう。また、遊技者に、抽選モードを推測させつつ遊技を継続させるという遊技性が損なわれてしまう可能性もある。
本実施形態は、このような課題を解決するものであり、高確率モードである際、開閉実行モードを介することなく低確率モードに移行する(転落)することがあるようしたものである。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図57を参照しつつ説明する。図57は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図57に示されるように、主側ROM113には、各種エリア113a~113kに加えて、転落当否テーブル記憶エリア113mが備えられている。この転落当否テーブル記憶エリア113mには、転落抽選の際に用いられる転落当否テーブルが記憶されている。
次に、主側RAM114の特別図柄保留球格納エリア114bの構成について図58を参照しつつ説明する。図58は、当たり抽選等に用いられる各種カウンタの内容を説明するための図である。
図58に示されるように、主側MPU112は、上記各種カウンタC1、C2、C3、CINI1、CS、C4、CINI2に加えて、転落乱数カウンタC5を用いている。転落乱数カウンタC5は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後に0に戻る構成となっている。なお、転落乱数カウンタC5は、タイマ割込み処理(図19参照)の実行間隔である4msec間隔で更新され、その更新値が主側RAM114の抽選カウンタ用バッファ114aに逐次格納される。そして、遊技球が第1始動口56、第1特別始動口57または第2特別始動口58に入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている所定の数値が主側RAM114における特別図柄保留球格納エリア114bに逐次格納される。なお、転落乱数カウンタC5は、主側RAM114のその他各種カウンタエリア114pに設けられている。
また、第1保留エリアRA1には、図59に示されるように、各種格納エリア201~204に加えて、転落乱数カウンタ格納エリア205が備えられている。なお、第2~第8保留エリアRA2~RA8および実行エリアRA9の構成については特に図示しないが、図59と同様に、転落乱数カウンタ格納エリア205が備えられている。そして、第1~第8保留エリアRA1~RA8には、第1始動口56、第1特別始動口57および第2特別始動口58への遊技球の入賞履歴に合わせて、各種カウンタC1~C3の各値(抽選カウンタ用バッファ114aの各値)が各種格納エリア201~203に格納されると共に、転落乱数カウンタC5の値(抽選カウンタ用バッファ114aの転落乱数カウンタバッファの値)が転落乱数カウンタ格納エリア205に格納される。
本実施形態では、転落抽選に際し、転落抽選に当選となる(転落結果となる)乱数の値(すなわち、当選情報)は、18個とされている。なお、本実施形態では、転落抽選に際し、高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモード等の遊技モードに関係なく、参照されるテーブルが共通されている。しかしながら、これに限定されるものではなく、遊技状態に応じて参照テーブルが切り替えられる構成としてもよい。
そして、転落抽選に当選となった場合には、後述するように、当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードへと移行(転落)する。なお、低確率モード中においては、転落乱数カウンタC5の値に関係なく低確率モードが維持される。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図60を参照しつつ説明する。図60は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、転落判定処理等(S722~S724)を追加した処理である。
具体的には、特図変動開始処理では、ステップ702のデータ設定処理を実行した後、転落判定処理を実行する(S722)。転落判定処理では、主側ROM113の転落当否テーブル記憶エリア113mに記憶された転落当否テーブルを参照し、実行エリアRCに格納された情報のうちの転落判定用の情報、すなわち転落乱数カウンタC5に関する数値情報(転落乱数カウンタ格納エリア205に格納されている数値情報)が転落数値情報と一致しているか否かを判定する。
次に、転落判定処理の結果が転落当選結果であるか否かを判定する(S723)。そして、転落当選結果であると判定した場合(S723:YES)、高確率モードフラグ格納エリア114fに高確率モードフラグが格納されていれば高確率モードフラグを消去する(S724)。これにより、開閉実行モードを介することなく、当たり抽選に関する抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。なお、転落抽選に当選したとしても、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bには、転落抽選に当選したことを示す停止結果は表示されない。その後、高確率モード回数カウンタの数値を0クリアする(S725)。
高確率モード回数カウンタを0クリアした後、または転落当選でないと判定すると(S723:NO)、ステップ703以降の処理を順に実行して本特図変動開始処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり結果が確変結果であり、開閉実行モードが終了した直後は高確率モードであるとしても、特図変動開始処理(図60)が実行されることで開閉実行モードを介することなく高確率モードから低確率モードに移行(転落)することがあるようにしている。このため、遊技者は、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり結果が確変結果であると正確に把握した場合であっても、実際に特図変動開始処理(図60)のステップ703の当否判定処理が実行される際の抽選モードについては正確に把握し難くなる。このため、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で不公平感が発生してしまうことを抑制できる。
言い換えると、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で遊技性が異なってしまうことを抑制できる。
また、開閉実行モードを介することなく高確率モードから低確率モードに転落することがあるようにすることにより、遊技者を図柄表示装置80に表示される演出に注目させ易くできる。このため、遊技者の演出に対する注目度を向上でき、ひいては遊技機への関心を向上できる。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第3実施形態では、高確率モードから低確率モードへ開閉実行モードを介さずに移行することがあるようにすることにより、遊技者に、抽選遊技が実行される際の滞在モードについて把握し難くなる構成について説明した。しかしながら、当たり結果が通常当たり結果である場合、遊技に精通している遊技者は、第1結果表示部76aまたは第2結果表示部76bの停止結果の表示を確認することで正確に把握できる。そして、15R通常当たり結果である場合、開閉実行モード後の抽選モードは低確率モードとなり、低確率モードから高確率モードに開閉実行モードを介さずに移行することはない。このため、15R通常当たり結果である場合には、遊技に精通している遊技者の方が依然有利となってしまう。このため、上記第3実施形態において、15R確変当たり結果の確率を高くするようにし、例えば、15R確変当たり結果となる確率が90%、15R通常当たり結果となる確率が10%となるようにしてもよい。これによれば、開閉実行モードが終了した後、当たり抽選に関するモードが高確率モードから開始されることが多くなり、遊技に精通している遊技者にとっても、実際の当たり抽選に関するモードを正確に把握し難くなる。したがって、遊技に精通している遊技者と、遊技に精通していない遊技者との間で不公平感が発生してしまうことをさらに抑制できる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上記第1実施形態に対し、第1抽選遊技が当たり抽選に当選した場合と第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合とにおいて、開閉実行モードのラウンド数、および高頻度サポートモードの終了条件を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の主側RAM114の構成について図61を参照しつつ説明する。図61は、主に主制御装置91の電気的構成を示す図である。図61に示されるように、主側RAM114には、第1時短モード回数カウンタエリア114h、第2時短モード回数カウンタエリア114i、および合計時短モード回数カウンタエリア114jの代わりに、1つの時短モード回数カウンタエリア114uが備えられている。
次に、本実施形態の振分テーブルについて図62を参照しつつ説明する。図62は、振分テーブルを説明するための図であり、(a)は第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)、(b)は第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)である。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図62(a)に示されるように、遊技結果の振分結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~14」が4R通常当たり結果とされ、「15~19」が15R通常当たり結果とされ、「20~29」が15R確変当たり結果とされている。また、当たり種別カウンタC2が「0~19」の場合(通常当たり結果の場合)、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が100回とされている。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図62(b)に示されるように、遊技結果として、「0~29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~4」が4R通常当たり結果とされ、「5~19」が15通常当たり結果とされ、「20~29」が15R確変当たり結果とされている。また、当たり種別カウンタC2が「0~19」の場合(通常当たり結果の場合)、高頻度サポートモードの終了条件として抽選遊技が実行される回数が50回とされている。
すなわち、本実施形態では、15R通常当たり結果となる確率は、第1結果表示部用の振分テーブルより第2結果表示部用の振分テーブルの方が高くされている。一方、高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数は、第1結果表示部用の振分テーブルより第2結果表示部用の振分テーブルの方が少なくなっている。つまり、第1始動口56および第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が低くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなっている。言い換えると、第1始動口56および第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、1回当たりの開閉実行モードにおいて期待される賞球数は少ないが、次回の高頻度サポートモード中に再び当たり抽選に当選する確率が高くなる。
なお、以下では、第1結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、4R通常当たり結果を4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果を15R通常当たり結果A、15R確変当たり結果を15R確変当たり結果Aともいう。また、第2結果表示部用の振分テーブルが参照されて振り分けられた当たり結果において、4R通常当たり結果を4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果を15R通常当たり結果B、15R確変当たり結果を15R確変当たり結果Bともいう。そして、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fには、4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果A、4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果Bのそれぞれの終了条件の回数が記憶されている。
次に、主側MPU112が実行する特図変動開始処理について図63を参照しつつ説明する。図63は、特図変動開始処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図25で説明した特図変動開始処理と同様の処理であり、上記図25で説明した特図変動開始処理に対して、時短モードフラグが格納されている場合に時短モード回数カウンタの値を1減算する処理(S726)に変更した処理である。
具体的には、図63に示されるように、ステップ712で時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S712:YES)、時短モード回数カウンタを1減算する(S726)。なお、時短モード回数カウンタには、4R通常当たり結果または15R通常当たり結果に起因する開閉実行モードのエンディング時間が経過した後に規定回数がセットされる(図65、S1312)。
なお、ステップ707のフラグ格納処理では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nには、4R通常当たり結果Aである場合には4R通常当たり結果フラグAを格納し、15R通常当たり結果Aである場合には15R通常当たり結果フラグAを格納し、15R確変当たり結果Aである場合には15R確変当たり結果フラグAを格納する。また、4R通常当たり結果Bである場合には4R通常当たり結果フラグBを格納し、15R通常当たり結果Bである場合には15R通常当たり結果フラグBを格納し、15R確変当たり結果Bである場合には15R確変当たり結果フラグBを格納する。
続いて、主側MPU112が実行する特図確定中処理について図64を参照しつつ説明する。図64は、特図確定中処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図27で説明した特図確定中処理と同様の処理であり、上記図27で説明した特図確定中処理に対して、時短モードフラグが格納されている場合に時短モード回数カウンタの値を判定する処理(S920)に変更した処理である。
具体的には、図64に示されるように、時短モードフラグが格納されていると判定した場合(S905:YES)、時短モード回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S920)。そして、時短モード回数カウンタの値が1以上でないと判定した場合(S920:NO)、つまり時短モード回数カウンタの値が0であると判定した場合には、時短モードフラグを消去する(S908)。一方、時短モード回数カウンタの値が1以上であると判定した場合(S920:YES)、ステップ910の処理を実行して本特図確定中処理を終了する。
次に、主側MPU112が実行する特電終了処理について図65を参照しつつ説明する。図65は、主側MPU112が実行する特電終了処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図31で説明した特電終了処理と同様の処理であり、上記図31で説明した特電終了処理に対して、確変当たり結果でない場合に時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットするようにした処理である(S1312)。
具体的には、図65に示されるように、確変当たり結果でないと判定した場合(S1302:NO)、高確率モードフラグを消去すると共に(S1304)、時短モードフラグを格納する(S1305)。そして、時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットした後(S1312)、ステップ1307以降の処理を実行して本特電終了処理を終了する。
ステップ1312の時短モード回数カウンタに時短モード回数をセットする処理では、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグに基づき、主側ROM113の時短モード回数記憶エリア113fを参照して時短モード回数をセットする(S1311)。具体的には、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが4R通常当たり結果フラグAである場合(4R通常当たり結果Aだった場合)、または15通常当たり結果フラグAである場合(15R通常当たり結果Aだった場合)、時短モード回数カウンタに100をセットする(図62、4R通常当たり結果A、15R通常当たり結果A参照)。また、各種当たり結果フラグ格納エリア114nに格納されているフラグが4R通常当たり結果フラグBである場合(4R通常当たり結果Bだった場合)、または15通常当たり結果フラグBである場合(15R通常当たり結果Bだった場合)、時短モード回数カウンタに50をセットする(図62、4R通常当たり結果B、15R通常当たり結果B参照)。
次に、本実施形態の図柄表示装置80の表示態様について説明する。本実施形態では、図柄表示装置80には、当たり抽選に当選した場合、有効ラインL1~L5のいずれかに同一図柄の組み合わせが表示されるが、表示される組み合わせにより、遊技者に、当たり結果の種別が明確に把握できる表示態様としている。具体的には、15R確変当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに奇数図柄の組み合わせが表示されるようにし、4R通常当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに「2」図柄または「4」図柄の組み合わせが表示されるようにし、15R通常当たり結果であれば、有効ラインL1~L5のいずれか1つに「6」図柄または「8」図柄の組み合わせが表示されるようにしている。
また、開閉実行モード中には、高頻度サポートモード中の遊技方法が表示される。具体的には、図66(a)に示されるように、「矢印Aを狙うと時短モード回数が多くなるかも!?」という文字および対応する画像を表示し、第1特別始動口57に遊技球を入賞させることで時短モード回数が多くなることを示唆する。また、図66(b)に示されるように、「矢印B(外側領域R2)を狙うと15当たりとなる確率が高くなるかも!?」という文字および対応する画像を表示し、第2特別始動口58に遊技球を入賞させることで15R当たり結果となる確率が高くなることを示唆する。これにより、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することにより、異なる結果が発生し得るという遊技性を把握できる。
次に、本実施形態の遊技機における遊技方法について説明する。
高頻度サポートモード中では、遊技者は、上記第1実施形態と同様に、第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球が入賞するように遊技球を右打ちする。これにより、遊技者は、持ち球をあまり減らさずに遊技を継続できる。
この際、高頻度サポートモード中では、第1特別始動口57または第2特別始動口58のいずれにも遊技球を入賞させることができるが、上記のように、第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が低くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が多くなっている。言い換えると、第2特別始動口58に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合は、第1特別始動口57に遊技球が入賞して当たり抽選に当選した場合よりも、15R通常当たり結果となる確率が高くなっているが、次回の高頻度サポートモードが終了するまでに実行される抽選遊技の回数が少なくなっている。
このため、遊技者は、1回の開閉実行モードで得られる遊技球数(ラウンド数)に重点を置くか、次回の高頻度サポートモードの終了回数(時短モード回数、連続当たりのし易さ)に重点を置くかにより、遊技者自身によって遊技性を選択できる。このため、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、1回の開閉実行モードで得られる遊技球数(ラウンド数)に重点を置くか、高頻度サポートモードの終了回数(時短モード回数、連続当たりのし易さ)に重点を置くかにより、遊技者自身によって遊技性を選択できる。つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技者の好みによって遊技者自身が遊技性を選択できるという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第4実施形態において、振分テーブルを変更してもよい。例えば、第1結果表示部用の振分テーブルおよび第2結果表示部用の振分テーブルにおいて、高頻度サポートモードの終了条件が1種類ではなく、2種類、またはさらに複数種類が設定されていてもよい。また、4R通常当たり結果Aおよび15R通常当たり結果Aにおいて、高頻度サポートの終了条件として50回が選択されることがあるようにし、4R通常当たり結果Bおよび15R通常当たり結果において、高頻度サポートモードの終了条件として100回が選択されることがあるようにしてもよい。
また、例えば、開閉実行モードの移行契機となった当たり結果が15R通常当たり結果である場合、直前の遊技回において「2」図柄または「4」図柄の組み合わせを表示し、開閉実行モード中に、遊技者に15R通常当たり結果であることを認識させるための演出を表示するようにしてもよい。同様に、15R確変当たり結果である場合、直前の遊技回において偶数図柄の組み合わせを表示し、開閉実行モード中に、遊技者に15R確変当たり結果であることを認識させるための演出を表示するようにしてもよい。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、可変普通入賞装置59への遊技球の誘導のされ方を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図67に示されるように、可変普通入賞装置59の上方(遊技球が可変普通入賞装置59に到達するまでの領域)には、振分ユニット(振分手段、外振分手段)220が配置されている。ここで、本実施形態の振分ユニット220の構成について図68を参照しつつ説明する。図68は、振分ユニット220近傍の拡大図である。
図68に示されるように、振分ユニット220は、遊技球が振分ユニット220に達した際、当該遊技球の排出先を内側領域R1または外側領域R2に振り分けるものであり、受動振分部材(振分部材)221および分岐用壁部222を有する受動振分装置223が複数備えられることで構成されている。
受動振分部材221は、本実施形態では、一方向に延設された棒状の第1~第3突出片224~226を有し、これら第1~第3突出片224~226が軸部227を中心として等角度間隔となるように当該軸部227に備えられた正面視略Y字状とされている。そして、軸部227が遊技盤43に取り付けられることにより、軸部227を軸として回動可能とされている。また、受動振分部材221は、第1突出片224と第2突出片225との間の部分に遊技球を受け止め可能な第1収容部(第1受動部)228が構成されると共に、第1突出片224と第3突出片226との間の部分に遊技球を受け止め可能な第2収容部(第2受動部)229が構成されている。そして、受動振分部材221は、第1収容部228または第2収容部229で遊技球を受け止めると、遊技球の重さによって軸部227を軸として回動し、遊技球を内側領域R1または外側領域R2へと振り分ける(誘導する)。なお、受動振分部材221は、後述するように分岐用壁部222によって回動限界位置が規定される。
分岐用壁部222は、軸部227の直下に配置され、正面視上下方向に延設されている。さらに、詳述すると、分岐用壁部222は、第2突出片225と第3突出片226との間に配置され、受動振分部材221が回動した際、第2突出片225または第3突出片226と当接することで受動振分部材221のさらなる回動が抑制されるように配置されている。つまり、この分岐用壁部222は、受動振分部材221の回動限界位置を規定するストッパとしての機能を発揮するものである。本実施形態では、受動振分部材221は、回動した際、第2突出片225が分岐用壁部222に正面視右側(外レール54側)から当接するように配置され、第3突出片226が分岐用壁部222に正面視左側(図柄表示装置80側)から当接するように配置されている。つまり、受動振分部材221は、遊技球を第1収容部228で受け止めると時計回り(第2周方向)に回動して当該遊技球を外側領域R2へと誘導し、遊技球を第2収容部229で受け止めると反時計回り(第1周方向)に回動して当該遊技球を内側領域R1へと誘導するように配置されている。
また、本実施形態では、第1突出片224の軸部227と反対側の先端部に受動振分部材側磁石224aが備えられており、遊技盤43の後方には、第1突出片224の延設方向が正面視上下方向となった際、受動振分部材側磁石224aと対応する位置にベース側磁石230が設けられている。なお、本実施形態では、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって回動規制手段が構成されている。
受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230は、それぞれ棒状とされており、受動振分部材側磁石224aにおけるベース側磁石230側の極性と、ベース側磁石230における受動振分部材側磁石224a側の極性とが互いに反発する極性(S極同士またはN極同士)となるように配置されている。
これにより、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230とが最も近接する(先端部同士が向かい合う)位置は、第1突出片224が軸部227の直上の位置している場合となるが、受動振分部材側磁石224aとベース側磁石230との極性が同じ(S極同士またはN極同士)となるように配置されているため、反発することで第1突出片224が軸部227の直上で停止することを抑制できる。すなわち、第1収容部228または第2収容部229が上方に向けて開口した状態(第1周方向または第2周方向に回動した状態)で維持できる。このため、遊技球が受動振分部材221に到達すると、遊技球は第1収容部228または第2収容部229に交互に受け止められ、内側領域R1または外側領域R2へと交互に排出される。
以上が受動振分装置223の構成である。そして、本実施形態では、図67および図68に示されるように、受動振分装置223は、正面視右下がりとなるように連続して2個備えられている。具体的には、各受動振分装置223は、遊技球の流下方向における上流側(前段)の受動振分装置223にて遊技球が外側領域R2側に振り分けられた際、当該遊技球が下流側(後段)の受動振分装置223における受動振分部材221の第1収容部228または第2収容部229のいずれかに受け止められるように配置されている。
そして、可変普通入賞装置59は、開閉板59bが開放状態である際、内側領域R1に振り分けられた遊技球が左側空間K1に入賞すると共に、外側領域R2に振り分けられた遊技球が右側空間K2に入賞するように配設されている。
次に、本実施形態の振分ユニット220における遊技球の振分動作について、図69を参照しつつ説明する。
上記のように、受動振分部材221は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって第1収容部228または第2収容部229が上方に開口した状態で維持される。図69(a)では、上流側の受動振分部材221および下流側の受動振分部材221は、それぞれ第1収容部228が上方に開口した状態のものを図示している。
そして、図69(b)に示されるように、遊技球が上流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を外側領域R2側へ誘導することで当該遊技球が下流側の受動振分部材221へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
その後、図69(c)に示されるように、遊技球が下流側の受動振分部材221の第1収容部228で受け止められると、当該受動振分部材221が軸部227を軸として回動し、遊技球を外側領域R2側へ誘導する。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの右側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第2特別始動口58側へと誘導される。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
次に、図69(d)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(a)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229で受け止められ、受動振分部材221が回動することで内側領域R1側へ誘導される。つまり、遊技球は、下流側の受動振分部材221に誘導されることなく流下する。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第1収容部228が上方に開口した状態で停止する。
そして、図69(e)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(d)にて受動振分部材221は第1収容部228が上方に開口した状態で停止しているため、図69(a)と同様に、遊技球を外側領域R2側へと誘導する。
なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を外側領域R2側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
続いて、図69(f)に示されるように、下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(c)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、遊技球は第2収容部229に受け止められ、受動振分部材221が回動することで内側領域R1側へ誘導される。これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、下流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。
そして、図69(g)に示されるように、上流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されると、図69(e)にて受動振分部材221は第2収容部229が上方に開口した状態で停止しているため、図69(d)と同様に、遊技球を内側領域R1側へと誘導する。
これにより、遊技球は、開閉板59bが開放状態となっていれば普通入賞口59aの左側空間K2から入賞し、開閉板59bが閉鎖状態となっていれば第1特別始動口57側へと誘導される。なお、上流側の受動振分部材221は、遊技球を内側領域R1側へ誘導した後は、第2収容部229が上方に開口した状態で停止する。つまり、図69(g)の振分動作が実行されると、図69(a)の状態に戻る。
以上説明したように、図69に示す2個の受動振分装置223を有する振分ユニット220では、4通り(2の2乗通り)の振分経路が構成される。そして、4個の遊技球のうちの3個の遊技球は、開閉板59bが開放状態であれば普通入賞口59aの左側空間K1に入賞し、開閉板59bが閉鎖状態であれば第1特別始動口57へと誘導される。また、4個の遊技球のうちの1個の遊技球は、開閉板59bが開放状態であれば普通入賞口59aの右側空間K2に入賞し、開閉板59bが閉鎖状態であれば第2特別始動口58へと誘導される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、遊技者は、遊技球を右打ちすると、遊技球が振分ユニット220によって内側領域R1または外側領域R2のいずれかに振り分け割られる。このため、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、内側領域R1および外側領域R2に遊技球を振り分けることができる。つまり、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、普通入賞口59aの左側空間K1および右側空間K2に遊技球を入賞させることができる。
また、本実施形態では、内側領域R1または外側領域R2に共通の受動振分部材221によって遊技球を振り分けることができる。このため、内側領域R1側へ遊技球を誘導する部材または外側領域R2側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
さらに、複数の受動振分部材221(受動振分装置223)を備え、上流側の受動振分部材221から外側領域R2側に遊技球が誘導された際に下流側の受動振分部材221に遊技球が誘導されるようにしている。このため、配設する受動振分部材221の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(受動振分部材221の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、遊技者が遊技球を右打ちした際、内側領域R1と外側領域R2を通過する遊技球の比率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
また、振分ユニット220は、受動振分部材側磁石224aおよびベース側磁石230によって構成される回動規制手段を有しているため、第1収容部228および第2収容部229は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、内側領域R1または外側領域R2に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
さらに、本実施形態では、振分ユニット220によって遊技球が内側領域R1または外側領域R2に振り分けられる。そして、振分ユニット220(受動振分装置223)では、遊技球を振り分ける際の停止位置によって内側領域R1または外側領域R2のいずれに遊技球を振り分けるかが決定される(図69参照)。つまり、遊技者は、振分ユニット220の停止位置を確認することにより、遊技球が内側領域R1または外側領域R2のいずれに振り分けられるかを把握することができる。このため、遊技者は、例えば、第2特別始動口58に遊技球を入賞させたくない場合、振分ユニット220によって外側領域R2に遊技球が振り分けられる際、普通入賞口59aに遊技球を入賞させずに第2非電役物67を開放状態にしないようにするか、または普通入賞口59aに遊技球を入賞させて遊技球が第2特別始動口58へ誘導されないようにすればよい。つまり、本実施形態では、遊技者に、遊技球が内側領域R1または外側領域R2のいずれに振り分けられるのかを把握(推測)させつつ、把握した結果に基づいて遊技球の発射の仕方を変化させるという遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態の変形例について説明する。上記第5実施形態において、受動振分装置223を1つのみ備え、遊技球が内側領域R1または外側領域R2に交互に振り分けられるようにしてもよい。また、振分ユニット220は、3個以上の受動振分装置223を有する構成としてもよい。すなわち、振分ユニット220に含まれる受動振分装置223の数は、適用する遊技機に合わせて適宜変更可能である。
また、上記第5実施形態において、振分ユニット220で振り分けられる経路数を内側領域R1と外側領域R2の2つでなく、3つにしてもよい。例えば、上流側の受動振分部材221で内側領域R1に振り分けられた場合(図69(d)、図69(g)参照)には普通入賞口59aよりもさらに正面視左側を通過するようにし、下流側の受動振分部材221で内側領域R1に振り分けられた場合(図69(f)参照)のみ普通入賞口59aの左側空間K1に入賞し得るようにしてもよい。これによれば、遊技球の左側空間K1に入賞し得る確率と右側空間K2に入賞し得る確率が等しくなるため、いずれか一方の非電役物のみが開放状態となり易くなることを抑制できる。
さらに、上記5実施形態において、振分ユニット220が備えられている部分に、主制御装置91からの制御信号によって駆動する駆動部を有する振分ユニットを備え、当該振分ユニットがランダム、または期間毎に遊技球を内側領域R1または外側領域R2に振り分ける構成としてもよい。
また、上記第5実施形態において、振分ユニット220が備えられている部分に、振分手段(外振分手段)として、例えば、2つの孔部が形成された皿状の役物で構成されるクルーンを配設し、一方の孔部から遊技球が排出されると内側領域R1に遊技球が振り分けられ、他方の孔部から遊技球が排出されると外側領域R2に遊技球が振り分けられるようにしてもよい。
そして、上記第5実施形態において、振分テーブル(図17)を変更してもよい。すなわち、上記第5実施形態では、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は外側領域R2よりも内側領域R1に振り分けられ易い。つまり、遊技者が遊技球を右打ちすると、遊技球は、普通入賞口59aの右側空間K2よりも左側空間K1から入賞し易く、第2特別始動口58よりも第1特別始動口57に誘導され易い。このため、振分テーブルにおいて、例えば、時短モードBとして、終了条件Aとして規定される第1抽選遊技が実行される回数を60回とし、時短モードが早期に終了し過ぎないようにしてもよい。
さらに、上記第5実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、第1非電役物作動機構70は、複数の遊技球が接触すると開放状態となるようにしてもよい。この場合、上記第5実施形態では、振分ユニット220は、2個の受動振分装置223を有しているため、遊技者が遊技球を右打ちすると、4個のうちの3個の遊技球が内側領域R1に振り分けられ、4個のうちの1個の遊技球が外側領域R2に振り分けられる。つまり、上記第5実施形態では、第1非電役物作動機構70の方が第2非電役物作動機構71より遊技球と接触し易い構成とされている。このため、例えば、1非電役物作動機構70に3個の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となるようにすることにより、一方の非電役物のみが開放状態となり易くならないようにできる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、普通入賞口59a内に仕切部材59dを備えず、1つの排出通路および1つの作動契機手段を備えるようにしたものである。その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図70示されるように、普通入賞口59a内に仕切部材59dが備えられていない。そして、普通入賞口59aには、1つの共通排出通路77が連通されており、当該共通排出通路77には、共通非電役物作動機構(共通非電役物作動契機手段)78と、共通非電役物作動機構78の下流側に共通排出通路検知センサ(主検知手段)77aが備えられている。
本実施形態では、第1非電役物66、第2非電役物67および共通非電役物作動機構78は、共通非電役物作動機構78に遊技球が接触(入球)することにより、第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態となるように配設されている。
次に、本実施形態の非電役物状態把握処理について図71を参照しつつ説明する。図71は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理と同様の処理であり、上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理に対して、共通排出通路77から遊技球が排出されるか否かを判定する処理(S2301)に変更した処理である。
具体的には、まず、共通排出通路77を遊技球が通過したか否かを共通排出通路検知センサ77aの検知結果に基づいて判定する(S2301)。なお、共通排出通路検知センサ77aにて遊技球の通過が検知されるということは、共通非電役物作動機構78に遊技球が接触して第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態になり(開放状態に維持され)、第1特別始動口57および第2特別始動口58に2個の遊技球が入賞可能な状態になったことを意味する。
このため、共通排出通路77を遊技球が通過したと判定すると(S2301:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1始動入賞カウンタに2をセットし(S303)、第1非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S304)。また、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2始動入賞カウンタに2をセットし(S305)、第2非電役物開放コマンドを出力対象にセットする(S306)。その後は、上記ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
まず、本実施形態では、第1非電役物66および第2非電役物67を1つの共通非電役物作動機構78にて開放状態となるようにしている。このため、部品点数の削減を図ることができる。なお、本実施形態のように、第1非電役物66および第2非電役物67が1つの共通非電役物作動機構78によって開放状態になるようにしても、遊技者は、内側領域R1または外側領域R2を狙って遊技球を発射することで第1特別始動口57または第2特別始動口58に選択的に遊技球を誘導させることができるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、1つの共通非電役物作動機構78によって第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるため、遊技者は、容易に第1特別始動口57または第2特別始動口58に遊技球を入賞させることができる。このため、遊技者が非電役物を開放状態にした後に特別始動口に遊技球を入賞させるという遊技性を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
(第6実施形態の変形例)
上記第6実施形態の変形例について説明する。上記第6実施形態において、共通排出通路77に、共通非電役物作動機構78の代わりに、第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71を備えるようにしてもよい。つまり、1つの排出通路に異なる2つの非電役物作動機構を備える構成としてもよい。このような構成としても、上記第6実施形態のように、普通入賞口59aに入賞した遊技球が共通排出通路77から排出されると、当該遊技球が第1非電役物作動機構70および第2非電役物作動機構71と接触して第1非電役物66および第2非電役物67が共に開放状態となるため、遊技者が非電役物を開放状態にした後に特別始動口に遊技球を入賞させるという遊技性を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
また、上記第6実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、共通非電役物作動機構78に複数の遊技球が接触することで第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。
さらに、上記第6実施形態において、上記第1実施形態の変形例で説明したように、共通非電役物作動機構78の上流側にも検知センサ(副検知手段)を配設し、普通入賞口59aに入賞した遊技球と共通排出通路77から排出される遊技球の数とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対して、普通入賞口59a内に複数の仕切部材59dを備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図72に示されるように、普通入賞口59aには、3つの仕切部材59dが備えられている。具体的には、3つの仕切部材59dは、正面視において、普通入賞口59a内の空間が左側から順に、第1左側空間K1a、第2左側空間K1b、第1右側空間K2a、第2右側空間K2bの4つの空間に分割されるように固定されて備えられている。なお、上記第1実施形態と比較すると、普通入賞口59aには、上記第1実施形態における左側空間K1を第1左側空間K1aと第2左側空間K1bとに分割するように仕切部材59dが追加されていると共に、上記第1実施形態における右側空間K2を第1右側空間K2aと第2右側空間K2bとに分割するように仕切部材59dが追加されているともいえる。
また、本実施形態では、普通入賞口59aと連通するように4つの排出通路68-1、68-2、69-1、69-2が配設されている。具体的には、第1左側空間K1aに入賞した遊技球を排出するように第1左側排出通路68-1が配設され、第2左側空間K1bに入賞した遊技球を排出するように第2左側排出通路68-2が配設され、第1右側空間K2aに入賞した遊技球を排出するように第1右側排出通路69-1が配設され、第2右側空間K2bに入賞した遊技球を排出するように第2右側排出通路69-2が配設されている。なお、上記第1実施形態と比較すると、左側排出通路68は、第1左側排出通路68-1と第2左側排出通路68-2とを有し、右側排出通路69は、第1右側排出通路69-1と第2右側排出通路69-2とを有しているともいえる。
そして、第1左側排出通路68-1には、第1-1非電役物作動機構構成部材(第1作動契機手段構成部材)70aが備えられ、第2左側排出通路68-2には、第1-2非電役物作動機構構成部材(第1作動契機手段構成部材)70bが備えられている。第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bは、第1非電役物66と機械的に接続され、当該第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに規定数(本実施形態では、1個)の遊技球が接触する(入球する)と第1非電役物66を開放状態にする(開放状態に維持する)ものである。つまり、本実施形態では、第1非電役物66を開放状態にする第1非電役物作動機構70は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aと第1-2非電役物作動機構構成部材70bとを有する構成とされているといえる。
同様に、第1右側排出通路69-1には、第2-1非電役物作動機構構成部材(第2作動契機手段構成部材)71aが備えられ、第2右側排出通路69-2には、第2-2非電役物作動機構構成部材(第2作動契機手段構成部材)71bが備えられている。第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bは、第2非電役物67と機械的に接続され、当該第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bに規定数(本実施形態では、1個)の遊技球が接触する(入球する)と第2非電役物67を開放状態にする(開放状態に維持する)ものである。つまり、本実施形態では、第2非電役物67を開放状態にする第2非電役物作動機構71は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aと第2-2非電役物作動機構構成部材71bとを有する構成とされているといえる。
また、第1左側排出通路68-1には、第1-1非電役物作動機構構成部材70aの下流側に第1左側排出通路検知センサ68a1が配設され、第2左側排出通路68-2には、第1-2非電役物作動機構構成部材70bの下流側に第2左側排出通路検知センサ68a2が配設されている。第1右側排出通路69-1には、第2-1非電役物作動機構構成部材71aの下流側に第1右側排出通路検知センサ69a1が配設され、第2右側排出通路69-2には、第2-2非電役物作動機構構成部材71bの下流側に第2右側排出通路検知センサ69a2が配設されている。
さらに、本実施形態では、図73に示されるように、遊技者が遊技球を右打ちした際に可変普通入賞装置59に到達するまでの領域(可変普通入賞装置59の上流側)には、3つの区画機構72が配設されている。具体的には、3つの区画機構72は、遊技者が遊技球を右打ちした際、普通入賞口59aにおける第1左側空間K1a側に遊技球を誘導する第1内側領域R1aと、普通入賞口59aにおける第2左側空間K1b側に遊技球を誘導する第2内側領域R1bと、普通入賞口59aにおける第1右側空間K2a側に遊技球を誘導する第1外側領域R2aと、普通入賞口59aにおける第2右側空間K2b側に遊技球を誘導する第2外側領域R2bとを区画するように配設されている。つまり、遊技者は、開閉板59bが開放状態である際、第1内側領域R1aを狙って遊技球を発射することによって第1左側空間K1aに遊技球を入賞させることができ、第2内側領域R1bを狙って遊技球を発射することによって第2左側空間K1bに遊技球を入賞させることができ、第1外側領域R2aを狙って遊技球を発射することによって第1右側空間K2aに遊技球を入賞させることができ、第2外側領域R2bを狙って遊技球を発射することによって第2右側空間K2bに遊技球を入賞させることができる。なお、上記第1実施形態と比較すると、上記第1実施形態における内側領域R1を2分割するように区画機構72が備えられ、上記第1実施形態における外側領域R2を2分割するように区画機構72が備えられているともいえる。すなわち、本実施形態では、内側領域R1は第1内側領域R1aと第2内側領域R1bとを有し、外側領域R2は第1外側領域R2aと第2外側領域R2bとを有しているともいえる。
また、本実施形態では、遊技者が遊技球を右打ちする場合、第2外側領域R2bに遊技球を通過させることは、他の第1内側領域R1a、第2内側領域R1b、および第1外側領域R1aに遊技球を通過させるより容易である。このため、第1内側領域R1a、第2内側領域R1b、および第1外側領域R2aの入口(各領域における最初に遊技球が通過する部分)は、第2外側領域R2bの入口(第2外側領域R2における最初に遊技球が通過する部分)より開口幅が長くされている(広くされている)。
遊技盤43における可変普通入賞装置59より下流側の構成は、上記第1実施形態と同様とされている。このため、開閉板59bが閉鎖状態である場合、第1内側領域R1aおよび第2内側領域R1bを通過した遊技球は、第1特別始動口57側に誘導され、第1外側領域R2aおよび第2外側領域R2bを通過した遊技球は、第2特別始動口58側に誘導される。
次に、本実施形態の非電役物状態把握処理について図74を参照しつつ説明する。図74は、非電役物状態把握処理を示すフローチャートである。この処理は、基本的には上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理と同様の処理であり、上記図20および図21で説明した非電役物状態把握処理に対して、第1左側排出通路68-1および第2左側排出通路68-2から遊技球が排出されると第1始動入賞カウンタに2をセットし、第1右側排出通路69-1および第2右側排出通路69-2から遊技球が排出されると第2始動入賞カウンタに2をセットするようにした処理である(S2401~S2412)。
具体的には、まず、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第1左側空間K1aに遊技球の入賞があったか否か)を判定し(S2401)、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過していないと判定すると(S2401:NO)、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第2左側空間K1bに遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S2402)。そして、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過していないと判定すると(S2402:NO)、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第1右側空間K2aに遊技球の入賞があったか否か)を判定し(S2403)、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過していないと判定すると(S2403:NO)、第2右側排出通路69-2を遊技球が通過したか否か(普通入賞口59aの第2右側空間K2bに遊技球の入賞があったか否か)を判定する(S2404)。なお、ステップ2401~2404の各判定は、各排出通路検知センサ68a1、68a2、69a1、69a2の検知結果によって判定される。
そして、第1左側排出通路68-1を遊技球が通過したと判定した場合は(S2401:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1左側排出通路通過カウンタに1をセットする(2405)。また、第2左側排出通路68-2を遊技球が通過したと判定した場合は(S2402:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2左側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2406)。なお、ステップ2405およびステップ2406にて、通過カウンタに1が既にセットされている場合は、そのまま維持する。そして、第1左側排出通路通過カウンタに1をセットした後、または第2左側排出通路通過カウンタに1をセットした後は、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定する(S2407)。
すなわち、本実施形態では、上記のように、第1非電役物66は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bの両方に遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。つまり、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるということは、第1非電役物66が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを意味している。
言い換えると、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタの一方が0であるということは、第1非電役物66が閉鎖状態であることを意味している。このため、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定することにより、第1非電役物66が開放状態であるか否かを判定する。
そして、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1であると判定した場合には(S2407:YES)、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタを共に0クリアし(S2408)、その後は上記ステップ303以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。また、第1左側排出通路通過カウンタおよび第2左側排出通路通過カウンタが共に1でないと判定した場合は(S2407:NO)、ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
同様に、第1右側排出通路69-1を遊技球が通過したと判定した場合は(S2403:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第1右側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2409)。また、第2右側排出通路69-2を遊技球が通過したと判定した場合は(S2404:YES)、その他各種カウンタエリア114pに設けられた第2右側排出通路通過カウンタに1をセットする(S2410)。なお、ステップ2409およびステップ2410にて、通過カウンタに1が既にセットされている場合は、そのまま維持する。そして、第1右側排出通路通過カウンタに1をセットした後、または第2右側排出通路通過カウンタに1をセットした後は、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定する(S2411)。
すなわち、本実施形態では、上記のように、第2非電役物67は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bの両方に遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。つまり、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるということは、第2非電役物67が開放状態となる(開放状態に維持される)ことを意味している。
言い換えると、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタの一方が0であるということは、第2非電役物67が閉鎖状態であることを意味している。このため、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であるか否かを判定することにより、第2非電役物67が開放状態であるか否かを判定する。
そして、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1であると判定した場合には(S2411:YES)、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタを共に0クリアし(S2412)、その後は上記ステップ305以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。また、第1右側排出通路通過カウンタおよび第2右側排出通路通過カウンタが共に1でないと判定した場合(S2411:NO)、または第2右側排出通路69-2を遊技球が通過していないと判定した場合は(S2404:NO)、ステップ401以降の処理を実行して本非電役物状態把握処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、第1非電役物66は、第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。このため、遊技者は、第1非電役物66を開放状態にするためには、第1内側領域R1aを狙って第1左側空間K1aに遊技球を入賞させると共に、第2内側領域R1bを狙って第2左側空間K2aに遊技球を入賞させる必要がある。同様に、第2非電役物67は、第2-1非電役物作動機構構成部材71aおよび第2-2非電役物作動機構構成部材71bに遊技球が接触すると開放状態となる(開放状態に維持される)構成とされている。このため、遊技者は、第2非電役物67を開放状態にするためには、第1外側領域R2aを狙って第1右側空間K2aに遊技球を入賞させると共に、第2外側領域R2bを狙って第2右側空間K2bに遊技球を入賞させる必要がある。したがって、遊技者に、1つの非電役物を開放させるためにも遊技球の発射の仕方を変更するという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
(第7実施形態の変形例)
上記第7実施形態の変形例について説明する。例えば、上記第7実施形態において、第1非電役物66が開放状態になるために必要な第1-1非電役物作動機構構成部材70aおよび第1-2非電役物作動機構構成部材70bに接触する遊技球の数は、適用する遊技機に応じて適宜変更可能である。例えば、第1-1非電役物作動機構構成部材70aに2個の遊技球が接触すると共に第1-2非電役物作動機構構成部材70bに1個の遊技球が接触すると、第1非電役物66が開放状態となるようにしてもよい。同様に、第2非電役物67が開放状態になるために必要な第2-1非電役物作動機構構成部材71aに接触する遊技球の数、および第2-2非電役物作動機構構成部材71bに接触する遊技球の数は、適宜変更可能である。これによれば、さらに遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
そして、上記第7実施形態において、さらに複数の排出通路と、さらに複数の非電役物作動機構構成部材を備えるようにしてもよい。つまり、例えば、3個の非電役物作動機構構成部材に遊技球が接触することで1つの非電役物が開放状態となるようにしてもよく、1つの非電役物を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数は、適宜変更可能である。また、第1非電役物66を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数と、第2非電役物67を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数とは異なっていてもよく、例えば、第1非電役物66を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数が2個であり、第2非電役物67を開放状態にするのに必要な非電役物作動機構構成部材の数が3個であってもよい。
さらに、上記第7実施形態において、上記第1実施形態のように、普通入賞口59a内の空間が左側空間K1と右側空間K2との2つの空間に分割され、排出通路を左側排出通路68および右側排出通路69の2つとし、非電役物作動機構を2つの非電役物作動機構70、71としてもよい。この場合、例えば、非電役物作動機構70に2個の遊技球が接触すると共に非電役物作動機構71に1個の遊技球が接触すると非電役物66が開放状態になり、非電役物作動機構70に1個の遊技球が接触すると共に非電役物作動機構71に2個の遊技球が接触すると非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。つまり、2つの非電役物を開放状態にする非電役物作動機構を共通とし、当該非電役物作動機構に接触する遊技球の数によって開放状態となる非電役物が変化するようにしてもよい。
また、上記第7実施形態において、図柄表示装置80に、遊技球が接触していない(入球していない)非電役物作動機構が遊技者に理解できる画像を表示してもよい。例えば、図75に示されるように、図柄表示装置80に、第1-1非電役物作動機構構成部材70aに遊技球が接触したが、第1-2非電役物作動機構構成部材70bに遊技球が接触していないことで第1非電役物66が開放状態となっていない場合、第2内側領域R1bに遊技球を通過させることを示唆する画像、および「矢印を狙うと下の役物が開くかも!!」という文字を表示するようにしてもよい。また、特に図示しないが、第2非電役物67が開放状態となっていない場合も同様の画像を表示するようにしてもよい。これによれば、遊技者は、狙う領域を明確に把握でき、第1非電役物66または第2非電役物67が開放状態とならないことに対して嫌悪感を抱いてしまうことを抑制できる。なお、表示される画像はこれに限らず、遊技者が狙うべき領域を理解できるのであれば、適宜変更可能である。
(他の実施形態)
上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。そして、以下の別形態の構成を上記各実施形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施形態とは異なる実施形態に対して適用してもよい。
(a)その他適用例について
(1)上記各実施形態において、各遊技結果の内容は上記の構成に限定されず、例えば、大入賞口60aが長時間態様で1回または複数回開放され、その後大入賞口60aが短時間態様で1回または複数回開放されるいわゆるランクアップ(RU)当たりを備える構成としてもよい。また、開閉実行モードが終了した後、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードのままとなる当たり結果を備える構成としてもよい。
(2)上記各実施形態において、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける当たり数値情報が高確率モードにおける当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(3)上記各実施形態において、可変大入賞装置60等への遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
(4)上記各実施形態において、第1、第2抽選遊技に関する保留図柄(保留予告)を図柄表示装置80の下側表示領域Dnに表示させる構成ではなく、図柄表示装置80とは別に設けられた表示装置の表示画面に保留図柄が表示されるようにしてもよいし、可動式に設けられた装飾部材を所定の予告態様とすることで保留予告が行われる構成としてもよいし、ランプ(所定の発光部)を点灯させることで保留予告が行われる構成としてもよいし、スピーカ部34からの音の出力によって保留予告が行われる構成としてもよく、上記各態様の全部または一部の組み合わせによって保留予告が行われる構成としてもよい。
(5)上記各実施形態において、音声ランプ制御装置92と表示制御装置93とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置92、93が1つの制御装置として設けられていてもよい。また、音声ランプ制御装置92または表示制御装置93の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置92および表示制御装置93の両方の機能が主制御装置91に集約された構成としてもよい。さらに、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて音声ランプ制御装置92が表示制御装置93を制御する構成ではなく、主制御装置91から出力されるコマンドに基づいて表示制御装置93が音声ランプ制御装置92を制御する構成としてもよい。また、第2枠ボタン検知センサ27aが主制御装置91に接続されていてもよい。
(6)上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記第1実施形態の変形例における第1非電役物作動機構70に複数の遊技球が接触すると第1非電役物66が開放状態となり、第2非電役物作動機構71に複数の遊技球が接触すると第2非電役物67が開放状態となる構成を上記第2~上記第7実施形態に組み合わせてもよい。この場合、上記第6実施形態においては、共通非電役物作動機構78に複数の遊技球が接触すると第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となる構成としてもよい。また、上記第2、3実施形態を上記第4~第7実施形態に組み合わせ、当たり抽選に当選した際の抽選モードも考慮して高頻度サポートモードの終了条件を設定するようにし、高確率モードが回数制限付とされていてもよい。そして、上記第4実施形態を上記第5~第7実施形態に組み合わせ、第1抽遊技が当たり抽選に当選した場合と第2抽選遊技が当たり抽選に当選した場合とにおいて、開閉実行モードのラウンド数、および高頻度サポートモードの終了条件を変更してもよい。さらに、上記第5実施形態を上記7実施形態に組み合わせ、振分ユニット220を備えるようにしてもよい。この場合、振分ユニット220に含まれる受動振分装置223の数を変更し、排出通路の数に対応させた振分経路数とすることが好ましい。また、上記第7実施形態を上記第6実施形態に組み合わせ、複数の排出通路と、各排出通路に備えられる共通非電役物作動機構構成部材(共通作動契機手段構成部材)とを有する構成とし、各排出通路に備えられる共通非電役物作動機構にそれぞれ遊技球が接触する(入球する)と、第1非電役物66および第2非電役物67が開放状態となるようにしてもよい。
(7)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入およびスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部および取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(b)上記各実施形態から抽出される発明群について
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
(1)特徴A群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴A群は、この課題を解決するものである。
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた主条件が成立した場合に普通入賞口(59a)への前記遊技球の入球が可能になると共に、前記予め定められた主条件が成立してない場合に前記普通入賞口への前記遊技球の入球が困難、または不可能になる普通入球手段(可変普通入賞装置59)と、
前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くする共通作動契機手段(共通非電役物作動機構78)、または前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)および前記普通入球手段に入球した前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)を有することを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、普通入球手段に遊技球が入球すると、共通作動契機手段を有する場合には第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなり、第1作動契機手段および第2作動契機手段を有する場合には第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなる。このため、遊技者に、普通入球手段へ遊技球を入球させることで第1取得条件または第2取得条件の少なくともいずれか一方を成立させ易くする行為と、成立し易くなった第1取得条件または第2取得条件を成立させるという異なる遊技性を付与でき、遊技が単調になることを抑制できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
また、共通作動契機手段を有する場合には、普通入球手段に遊技球が入球して当該共通作動契機手段に遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる。このため、遊技者に、遊技者自身の選択により、成立し易くなった第1取得条件を成立させるのか、または成立し易くなった第2取得条件を成立させるのかを選択させるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴A2.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段と、
前記遊技球が前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段のいずれに入球するかを振り分ける少なくとも1つの振分手段(仕切部材59d、振分ユニット220)と、を有することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技球が振分手段によって振り分けられる。このため、遊技球が第1作動契機手段または第2作動契機手段のいずれに入球するかの過程にも注目させることができ、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
特徴A3.前記振分手段の1つは、前記普通入球手段内に備えられた内振分手段(仕切部材59d)であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3によれば、内振分手段は、普通入球手段に備えられている。このため、遊技領域を広く利用できる。
特徴A4.前記内振分手段は、前記普通入球手段内に固定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、内振分手段は、普通入球手段内に固定されている。このため、遊技者は、第1作動契機手段に入球するように普通入賞口に遊技球を入球させるのか、または第2作動契機手段に入球するように普通入賞口に遊技球を入球させるのかを選択することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A5.前記内振分手段は、前記普通入球手段内において、予め定められた期間毎に、前記普通入賞口に入球した前記遊技球が第1作動契機手段に入球する、または前記第2作動契機手段に入球するように、可動可能に備えられていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技者は、期間を選択して普通入賞口に入球するように遊技球を発射することにより、第1作動契機手段または第2作動契機手段のいずれに遊技球を入球させるのかを選択できる。つまり、遊技者は、期間を選択して普通入賞口に入球するように遊技球を発射することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A6.前記振分手段の1つは、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記普通入球手段に到達するまでの領域に備えられた外振分手段(振分ユニット220)であることを特徴とする特徴A2ないしA5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、外振分手段は、遊技球が普通入球手段に到達するまでの経路に備えられている。このため、外振分手段に振り分けられた遊技球が普通入球手段に到達するまでの過程にも注目させることができる。
特徴A7.前記外振分手段は、前記遊技球が前記普通入球手段に入球した場合に前記遊技球が前記第1作動契機手段に入球し易い第1領域(内側領域R1)、または前記遊技球が前記普通入球手段に入球した場合に前記遊技球が前記第2作動契機手段に入球し易い第2領域(外側領域R2)に前記遊技球を振り分けることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技球は、外振分手段によって第1領域または第2領域に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、第1領域または第2領域に遊技球を振り分けることができる。つまり、遊技者は、遊技球の発射の仕方を変更することなく、遊技球が普通入球手段に入球した場合に遊技球を第1作動契機手段または第2作動契機手段に入球させることができる。
特徴A8.前記外振分手段は、回動可能な状態で前記遊技領域に配設され、前記発射手段から発射された前記遊技球を第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向と反対側の第2周方向に所定角度まで回動することによって前記第2領域に当該遊技球を誘導すると共に、前記発射手段から発射された前記遊技球を前記第2周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第1周方向に所定角度まで回動することによって前記第1領域に当該遊技球を誘導する振分部材(221)を有することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、第1領域、または第2領域に共通の振分部材によって遊技球を振り分けることができる。このため、第1領域側へ遊技球を誘導する部材、および第2領域側へ遊技球を誘導する部材を別々に設ける場合と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
特徴A9.前記外振分手段は、前記遊技球の流下方向に沿って複数の前記振分部材が配設されることで構成され、
複数の前記振分部材は、前記遊技球の流下方向における上流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に所定角度回動した状態で受け、前記第2周方向に所定角度まで回動することで前記第2領域に当該遊技球を誘導することにより、下流側の前記振分部材が前記遊技球を前記第1周方向に回動した状態、または前記第2周方向に回動した状態で受けることができるように配設されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、上流側の振分部材から第2領域側に遊技球が誘導されることにより、下流側の振分部材に遊技球が誘導される。このため、配設する振分部材の個数を適宜変更することにより、容易に遊技球の振分経路数を変更することができ(振分部材の個数をnとすると、振分経路数は2のn乗通り)、第1領域または第2領域に振り分けられる遊技球の確率を遊技機に合わせて容易に変更できる。
特徴A10.前記振分部材は、前記第1周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第1受動部(第1収容部228)と、前記第2周方向に所定角度回動した状態において前記遊技球を受ける第2受動部(第2収容部229)と、を有し、
前記外振分手段は、前記第1受動部が前記第2周方向に回動して前記第2受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第2受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第2受動部が前記第1周方向へ回動することを妨げる、および前記第2受動部が前記第1周方向に回動して前記第1受動部に前記遊技球が受け入れられる状態となった後、当該第1受動部に前記遊技球が受け入れられるまでに前記第1受動部が前記第2周方向へ回動することを妨げる回動規制手段(ベース側磁石230、受動振分部材側磁石224a)を有することを特徴とする特徴A8またはA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、回動規制手段を有しているため、第1受動部および第2受動部は、遊技球を受けて回動した後、次に遊技球を受ける前に回動することが抑制される。つまり、遊技球を受けずに回動することが抑制される。このため、第1領域または第2領域に連続して遊技球が誘導されてしまうという不具合を抑制できる。
特徴A11.前記外振分手段は、予め定められた期間毎に、前記第1領域または前記第2領域に前記遊技球を振り分けることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技者は、期間を選択して外振分手段に到達するように遊技球を発射することにより、第1領域または第2領域のいずれに遊技球が振り分けられるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、遊技球が普通入球手段に入球した場合に第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。したがって、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A12.前記第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を有し、前記複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くし、
前記第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材71b)を有し、前記複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴A2ないしA11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴A13.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くするか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする構成とされていることを特徴とする特徴A2ないしA12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴A14.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなり過ぎることを抑制できる。
特徴A15.前記第1取得条件は、前記第1作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴A2ないしA14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技者が第1作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第1作動契機手段に入球して第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
同様に、遊技者が第2作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第2作動契機手段に入球して第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴A15によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。
なお、第1取得条件は、第1作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第1作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。
つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第2作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴A16.前記第1作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴A2ないしA15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴A17.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴A18.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A16またはA17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴A19.前記共通作動契機手段を有し、
前記共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材を有し、前記複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる。このため、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするために複数の共通作動契機手段構成部材に遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴A20.前記第1取得条件および前記第2取得条件は、前記共通作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、遊技者が共通作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が共通作動契機手段に入球して第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなるか、あるいは第1取得条件または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件または第2取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴A20によれば、遊技者が第1取得条件および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件および第2取得条件は、共通作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が共通作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させなかった遊技球が共通作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、共通作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴A21.前記共通作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する主検知手段(共通排出通路検知センサ77a)と、
前記主検知手段の検知結果に基づき、前記第1取得条件および前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴A19またはA20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴A22.前記異常判定手段は、前記主検知手段の検知結果から前記第1取得条件および第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴A23.前記主検知手段は、前記共通作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、さらに前記共通作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する副検知手段を備え、
前記異常判定手段は、前記主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴A21またはA22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、共通作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴A24.前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1特別始動口57)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第2始動入球部(第2特別始動口58)と
前記第1始動入球部に備えられ、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第1開閉手段(第1非電役物66)と、
前記第2始動入球部に備えられ、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第2開閉手段(第2非電役物67)と、を有し、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第1取得条件が成立し、
前記第2始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第2取得条件が成立し、
前記共通作動契機手段を備える場合には、当該共通作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段および前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件および前記第2取得条件が成立し易くなり、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段を備える場合には、前記第1作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件が成立し易くなると共に前記第2作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第2取得条件が成立し易くなるなることを特徴とする特徴A1ないしA23のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A24によれば、上記特徴A1ないしA23の構成を簡素な構成で実現できる。そして、遊技者は、共通作動契機手段を備える場合には、共通作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段および第2開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部または第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。また、遊技者は、第1作動契機手段および第2作動契機手段を備える場合には、第1作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部に遊技球を入球させ易くでき、第2作動契機手段に遊技球を入球させて第2開閉手段を開放状態にすることで第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。このため、遊技者は、第1始動入球部に遊技球を入球させて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2始動入球部に遊技球を入球させて第2特別情報が付与判定されるようにするのかを遊技者自身で選択できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(2)特徴B群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴B群は、この課題を解決するものである。
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた主条件が成立した場合に普通入賞口(59a)への前記遊技球の入球が可能になると共に、前記予め定められた主条件が成立してない場合に前記普通入賞口への前記遊技球の入球が困難、または不可能になる普通入球手段(可変普通入賞装置59)と、
前記普通入球手段と連通され、当該普通入球手段に入球した前記遊技球を排出する第1排出通路(左側排出通路68)および第2排出通路(右側排出通路69)と、
前記第1排出通路から排出される前記遊技球が入球すると、前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)と、
前記第2排出通路から排出される前記遊技球が入球すると、前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)と、
前記普通入球手段に入球した前記遊技球を前記第1排出通路、または前記第2排出通路へと振り分ける振分手段(仕切部材59d)と、を有し、
前記振分手段は、前記普通入賞口内の空間を第1空間(左側空間K1)と第2空間(右側空間K2)とに分割し、かつ前記第1空間に入球した前記遊技球が前記第1排出通路から排出されると共に、前記第2空間に入球した前記遊技球が前記第2排出通路から排出されるように、前記普通入賞口内に備えられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技者は、普通入賞口の第1空間に入球するように遊技球を発射させるのか、または普通入賞口の第2空間に入球するように遊技球を発射させるのかを選択することにより、第1排出通路または第2排出通路のいずれから遊技球が排出されるようにするのかを選択できる。つまり、遊技者は、普通入賞口の第1空間に入球するように遊技球を発射させるのか、または普通入賞口の第2空間に入球するように遊技球を発射させるのかを選択することにより、第1取得条件または第2取得条件のいずれを成立させ易くするのかを選択できる。このため、遊技者に、遊技者自身の選択によって第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くすることができるという新規な遊技性を付与でき、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴B2.前記遊技領域には、前記発射手段から発射された前記遊技球が前記普通入球手段に到達するまでの領域に、当該領域を前記遊技球の進行方向に沿って第1領域(内側領域R1)と第2領域(外側領域R2)とに区画する区画手段(区画機構72)が備えられ、
前記区画手段は、前記第1領域を通過して前記普通入賞口に入球した前記遊技球が前記第1空間に入球すると共に、前記第2領域を通過して前記普通入賞口に入球した前記遊技球が前記第2空間に入球するように備えられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技球が普通入球手段に到達するまでの領域には、当該領域を遊技球の進行方向(流下方向)に沿って第1領域と第2領域とに区画する区画手段が備えられている。このため、遊技者は、普通入球手段(普通入賞口)に遊技球を入球させることができる場合、普通入球手段より手前に位置する第1領域を狙って遊技球を発射することで第1空間に遊技球を入球させることができ、普通入球手段より手前に位置する第2領域を狙って遊技球を発射することで第2空間に遊技球を入球させることができる。このため、遊技者が望む取得条件と異なる取得条件が成立し易くなることを抑制できる。
特徴B3.前記第1領域は、前記第2領域より遊技者が前記遊技球を通過させ難い領域であり、
前記第1領域における前記発射手段から発射された前記遊技球が最初に通過する部分を前記第1領域の入口とし、前記第2領域における前記発射手段から発射された前記遊技球が最初に通過する部分を前記第2領域の入口とすると、前記第1領域の入口は、前記第2領域の入口より開口幅が長くされていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、第1領域は第2領域より遊技者が遊技球を通過させ難い領域(第2領域より遊技者が狙い難い領域)であるが、第1領域の入口が第2領域の入口より開口幅が長くされている。つまり、第1領域にも遊技球が通過し易くなるようにしている。このため、遊技者の意図しない領域を通過して遊技球が普通入賞口に入球することを抑制できる。したがって、遊技者が望む取得条件と異なる取得条件が成立し易くなることをさらに抑制できる。
特徴B4.前記第1排出通路は、複数の排出通路(第1左側排出通路68-1、第2左側排出通路68-2)を有し、
前記第1作動契機手段は、前記複数の排出通路にそれぞれ少なくとも1つ備えられた第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を複数有し、前記複数の排出通路から前記遊技球がそれぞれ排出されて前記第1作動契機手段構成部材に当該遊技球がそれぞれ入球すると前記第1取得条件を成立し易くし、
前記第2排出通路は、複数の排出通路(第1右側排出通路69-1、第2右側排出通路69-2)を有し、
前記第2作動契機手段は、前記複数の排出通路にそれぞれ少なくとも1つ備えられた第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材70b)を複数有し、前記複数の排出通路から前記遊技球がそれぞれ排出されて前記第2作動契機手段構成部材に当該遊技球がそれぞれ入球すると前記第2取得条件を成立し易くすることを特徴とする特徴B1ないしB3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴B5.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1取得条件を成立し易くするか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2取得条件を成立し易くする構成とされていることを特徴とする特徴B1ないしB4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴B6.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなり過ぎることを抑制できる。
特徴B7.前記第1取得条件は、前記第1空間に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2空間に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴B1ないしB6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技者が第1空間に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が普通入賞口の第1空間に入球した後に第1排出通路から排出されて第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
また、遊技者が第2空間に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が普通入賞口の第2空間に入球した後に第2排出通路から排出されて第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴B7によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件は、第1空間に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1空間へ入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1空間に入球することがあるようにしてもよいし、第1空間に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2空間に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2空間へ入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2空間に入球することがあるようにしてもよいし、第2空間に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴B8.前記第1排出通路から排出される前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2排出通路から排出される前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴B1ないしB7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴B9.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴B10.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴B8またはB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴B11.前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1特別始動口57)と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入球可能な第2始動入球部(第2特別始動口58)と
前記第1始動入球部に備えられ、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第1始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第1開閉手段(第1非電役物66)と、
前記第2始動入球部に備えられ、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を容易にする開放状態と、前記第2始動入球部への前記遊技球の入球を前記開放状態より困難にする閉鎖状態とを切り替え可能な第2開閉手段(第2非電役物67)と、を有し、
前記第1始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第1取得条件が成立し、
前記第2始動入球部に前記遊技球が入球することで前記第2取得条件が成立し、
前記第1作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第1開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第1取得条件が成立し易くなると共に、前記第2作動契機手段に前記遊技球が入球することに基づいて前記第2開閉手段が前記開放状態に切り替えられることで前記第2取得条件が成立し易くなるなることを特徴とする特徴B1ないしB10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、上記特徴B1ないしB10の構成を簡素な構成で実現できる。そして、遊技者は、第1作動契機手段に遊技球を入球させて第1開閉手段を開放状態にすることで第1始動入球部に遊技球を入球させ易くでき、第2作動契機手段に遊技球を入球させて第2開閉手段を開放状態にすることで第2始動入球部に遊技球を入球させ易くできる。このため、遊技者は、第1始動入球部に遊技球を入球させて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2始動入球部に遊技球を入球させて第2特別情報が付与判定されるようにするのかを遊技者自身で選択できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
(3)特徴C群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴C群は、この課題を解決するものである。
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、を備え、
予め定められた条件が成立した場合に前記第1取得条件および前記第2取得条件を成立し易くする共通作動契機手段(共通非電役物作動機構78)、または予め定められた第1条件が成立した場合に前記第1取得条件を成立し易くする第1作動契機手段(第1非電役物作動機構70)および予め定められた第2条件が成立した場合に前記第2取得条件を成立し易くする第2作動契機手段(第2非電役物作動機構71)を有し、
前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなった場合、遊技者が発射操作を調整することで前記第1取得条件を成立させるのか、または前記第2取得条件を成立させるのかを選択できることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技者は、発射操作を調整する(遊技球を打ち出す強さを調整する)ことにより、成立し易くなった第1取得条件または第2条件のいずれを成立させるのかを選択できる。このため、遊技者に、発射操作を調整することにより、成立し易くなった第1取得条件を成立させるのか、または成立し易くなった第2取得条件を成立させるのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴C2.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段を有し、
前記第1作動契機手段は、前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立し、
前記第2作動契機手段は、前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立し、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、予め定められた主条件が成立した場合、遊技者が発射操作を調整することで前記第1条件を成立させるのか、または前記第2条件を成立させるのかを選択できるように備えられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技者は、予め定められた主条件が成立した場合、発射操作を調整する(遊技球を打ち出す強さを調整する)ことにより、第1条件または第2条件のいずれを成立させるのかを選択できる。つまり、遊技者に、発射操作を調整することにより、第1取得条件を成立させ易くするのか、または第2取得条件を成立させ易くするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C3.前記第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材(第1-1非電役物作動機構構成部材70a、第1-2非電役物作動機構構成部材70b)を有し、前記複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立するものであり、
前記第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材(第2-1非電役物作動機構構成部材71a、第2-2非電役物作動機構構成部材71b)を有し、前記複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立するものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1作動契機手段は、複数の第1作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件を成立し易くする。同様に、第2作動契機手段は、複数の第2作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件を成立し易くするために複数の第1作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与できると共に、第2取得条件を成立し易くするために複数の第2作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴C4.前記第1作動契機手段または前記第2作動契機手段の少なくともいずれか一方は、前記第1作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第1条件が成立するか、または前記第2作動契機手段に複数の前記遊技球が入球することで前記第2条件が成立する構成とされていることを特徴とする特徴C2またはC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、第1条件または第2条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させ易くするまでの遊技性の多様化を図ることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C5.前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段は、互いに前記遊技球の入球のし易さが異なっており、
前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し易い一方は、前記第1作動契機手段および前記第2作動契機手段のうちの前記遊技球が入球し難い他方よりも多くの前記遊技球が入球することで作動することを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、遊技球が入球し易い作動契機手段は、遊技球が入球し難い作動契機手段よりも多くの遊技球が入球することで作動する。このため、いずれか一方の作動契機手段のみが作動し易くなることを抑制できる。つまり、第1取得条件または第2取得条件のいずれか一方のみが成立し易くなることを抑制できる。
特徴C6.前記第1取得条件は、前記第1作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、
前記第2取得条件は、前記第2作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴C2ないしC5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技者が第1作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第1作動契機手段に入球して第1取得条件が成立し易くなるか、または第1取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
同様に、遊技者が第2作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が第2作動契機手段に入球して第2取得条件が成立し易くなるか、または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第2取得条件を成立させるための発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴C6によれば、遊技者が第1取得条件を成立させ易くする行為、および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件は、第1作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件が成立することと、発射された遊技球が第1作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件を成立させなかった遊技球が第1作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第1作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件が成立することがあるようにしてもよい。同様に、第2取得条件は、第2作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が第2作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第2取得条件を成立させなかった遊技球が第2作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、第2作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴C7.前記第1作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第1主検知手段(左側排出通路検知センサ68a、第1左側排出通路検知センサ68a1、第2左側排出通路検知センサ68a2)と、
前記第2作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する第2主検知手段(右側排出通路検知センサ69a、第1右側排出通路検知センサ69a1、第2右側排出通路検知センサ69a2)と、
前記第1主検知手段の検知結果に基づいて前記第1取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定すると共に、前記第2主検知手段の検知結果に基づいて前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴C2ないしC6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制できる。
特徴C8.前記異常判定手段は、前記第1主検知手段の検知結果から前記第1取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段の検知結果から前記第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴C9.前記第1主検知手段は、前記第1作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、前記第2主検知手段は、前記第2作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、
さらに、前記第1作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第1副検知手段と、前記第2作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する第2副検知手段と、を有し、
前記異常判定手段は、前記第1主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第1副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記第2副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C7またはC8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、第1作動契機手段および第2作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴C10.前記共通作動契機手段を有し、
前記共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材を有し、前記複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに異なる前記遊技球が入球することで前記予め定められた条件が成立することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、共通作動契機手段は、複数の共通作動契機手段構成部材のそれぞれに遊技球が入球することで第1取得条件および第2取得条件を成立し易くする。このため、遊技者に、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするために複数の共通作動契機手段構成部材にそれぞれ遊技球を入球させるという遊技性を付与でき、遊技性の多様化を図ることができる。
特徴C11.前記第1取得条件および前記第2取得条件は、前記共通作動契機手段に入球し得るように前記遊技球が発射された場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、遊技者が共通作動契機手段に入球し得るように遊技球を発射した場合、遊技球が共通作動契機手段に入球して第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなるか、あるいは第1取得条件または第2取得条件が成立する可能性がある。このため、遊技者は、第1取得条件および第2取得条件を成立し易くするための遊技球の発射の仕方と、第1取得条件または第2取得条件を成立させるための遊技球の発射の仕方とにおいて、遊技球の発射の仕方(発射操作)を変更する必要がない。
すなわち、特徴C11によれば、遊技者が第1取得条件および第2取得条件を成立させ易くする行為を煩わしいと認識してしまうことを抑制できる。なお、第1取得条件および第2取得条件は、共通作動契機手段に入球し得るように遊技球が発射された場合に成立し得るものであり、発射された遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することと、発射された遊技球が共通作動契機手段に入球することとは、いずれが先に成立する可能性があるようにしてもよい。つまり、第1取得条件または第2取得条件を成立させなかった遊技球が共通作動契機手段に入球することがあるようにしてもよいし、共通作動契機手段に入球しなかった遊技球によって第1取得条件または第2取得条件が成立することがあるようにしてもよい。
特徴C12.前記共通作動契機手段に入球する、または入球した前記遊技球を検知する主検知手段(共通排出通路検知センサ77a)と、
前記主検知手段の検知結果に基づき、前記第1取得条件および前記第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを判定する異常判定手段(主制御装置91のMPU112におけるS402、S408の処理を実行する機能)と、
前記異常判定手段にて前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定した場合、遊技の停止処理を実行する遊技停止手段(主制御装置91のMPU112におけるS406、S413の処理を実行する機能)と、を有することを特徴とする特徴C10またはC11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっている場合、遊技を停止する。このため、第1取得条件または第2取得条件が何らかの原因によって異常に成立し易くなったまま遊技が継続されてしまうことを抑制でき、遊技性が損なわれることを抑制できる。
特徴C13.前記異常判定手段は、前記主検知手段の検知結果から前記第1取得条件および第2取得条件が成立し易い状態であるか否かを判定し、前記第1取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第1取得条件が成立すると前記第1取得条件が異常に成立し易くなっていると判定し、前記第2取得条件が成立し難いと判定した場合に前記第2取得条件が成立すると前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
特徴C13によれば、第1取得条件または第2取得条件が成立し難い場合に第1取得条件または第2取得条件が成立すると異常であると判定する。このため、簡素な構成で第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かを高精度に判定できる。
特徴C14.前記主検知手段は、前記共通作動契機手段に入球した後の前記遊技球を検知し、さらに前記共通作動契機手段に入球する前の前記遊技球を検知する副検知手段を備え、
前記異常判定手段は、前記主検知手段で検知された前記遊技球の数と前記副検知手段で検知された前記遊技球の数とが一致していないと判定した際に前記第1取得条件または前記第2取得条件が成立し易くなっていると判定すると、前記第1取得条件または前記第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定することを特徴とする特徴C12またはC13に記載の遊技機。
特徴C14によれば、共通作動契機手段に入球する前の遊技球の数と入球した後の遊技球の数とが一致しているか否かを判定し、通過する遊技球の数が一致していないにも関わらず第1取得条件または第2取得条件が成立し易くなっている場合には、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっていると判定する。このため、第1取得条件または第2取得条件が異常に成立し易くなっているか否かをさらに高精度に判定できる。
特徴C15.前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、前記特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの前記特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段(主制御装置91のMPU112におけるS705の処理を実行する機能)と、を有していることを特徴とする特徴C1ないしC14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C15によれば、遊技モード選択手段は、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードを選択する。このため、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1取得条件を成立させるのか、または第2取得条件を成立させるのかを選択させるという遊技性を付与できる。つまり、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1特別情報が付与判定されるようにするか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。また、特徴C2等の構成を備える場合には、遊技者に、選択される特典遊技後モードに基づいて第1取得条件を成立させ易くするのか、または第2取得条件を成立させ易くするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心をさらに向上できる。
特徴C16.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択する前記複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の前記絵柄が停止表示されることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、遊技モード選択手段で選択される複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の絵柄が停止表示される。つまり、遊技者は、絵柄表示手段に停止表示される絵柄から特典遊技後モードを正確に把握できない場合がある。このため、遊技者に、遊技者自身によって特典遊技後モードを推測させ、推測した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
特徴C17.前記絵柄表示手段には、前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する前記絵柄の変動表示がされると共に、前記特典遊技後モードである場合には、当該特典遊技後モードを示唆する示唆演出が表示されることがあることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、遊技者は、絵柄表示手段に表示される示唆演出によって特典遊技後モードを推測できる。このため、遊技者の絵柄表示手段への注目度を向上でき、ひいては遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴C18.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択した前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示されることを特徴とする特徴C17に記載の遊技機。
特徴C18によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、選択された特典遊技後モードを示す停止結果が表示される。このため、遊技者は、絵柄表示手段に表示される絵柄により、特典遊技後モードを正確に把握できる。したがって、遊技者に、特典遊技後モードを把握させつつ、把握した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
(4)特徴D群
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特開2004-41547号公報参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある。
ところで、このような遊技機では、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。特徴D群は、この課題を解決するものである。
特徴D1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構44)と、
予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置91のMPU112におけるS604、S609の処理を実行する機能)と、
取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置91のMPU112における特別情報判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段(主制御装置91のMPU112における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、前記特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの前記特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段(主制御装置91のMPU112におけるS705の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となると、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードが選択される。このため、遊技者は、複数の特典遊技後モードを体感できる可能性がある。したがって、遊技の幅を広げることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
特徴D2.前記複数の特典遊技後モードには、予め定められた主条件が成立すると、前記第1取得条件および前記第2取得条件が成立し易くなる複数の高頻度サポートモードが含まれ、
前記複数の高頻度サポートモードには、前記付与判定が規定回数実行されると当該高頻度サポートモードが終了する終了条件が設定された複数の制限付高頻度サポートモードが含まれており、
前記複数の制限付高頻度サポートモードは、互いに異なる前記終了条件を有していることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特典遊技後モードには、第1取得条件および第2取得条件が成立し易くなる複数の高頻度サポートモードが含まれており、複数の高頻度サポートモードには、互いに異なる終了条件を有する複数の制限付高頻度サポートモードが含まれている。このため、特典遊技モード後に制限付高頻度サポートモードに移行した場合、遊技者に、移行した制限付高頻度サポートモードに応じて第1取得条件を成立させるのか、または第2取得条件を成立させるのかを選択させるという新規な遊技性を付与できる。つまり、遊技者に、移行した制限付高頻度サポートモードに応じて第1特別情報が付与判定されるようにするか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D3.前記複数の制限付高頻度サポートモードは、前記終了条件として、それぞれ前記第1特別情報が前記付与判定される第1回数、前記第2特別情報が前記付与判定される第2回数、または前記第1回数と前記第2回数との和である合計回数が規定され、前記第1回数、前記第2回数、または前記合計回数の少なくともいずれか1つが互いに異なることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特典遊技後モードとして制限付高頻度サポートモードに移行した場合、第1特別情報が付与判定される回数が第1回数に達する、第2特別情報が付与判定される回数が第2回数に達する、または第1特別情報が付与判定される回数と第2特別情報が付与判定される回数との和が合計回数に達すると、制限付高頻度サポートモードが終了する。このため、遊技者は、第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択することにより、制限付高頻度サポートモードが早期に終了することを抑制できる場合がある。つまり、遊技者に、遊技者自身の選択により、高頻度サポートモードが終了する回数が変化するという新規な遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D4.前記複数の特典遊技後モードには、前記付与判定手段にて前記第1特別情報または前記第2特別情報が前記付与対応結果であると判定される確率が相対的に高低となる抽選モードとしての高確率モードおよび低確率モードが含まれ、
前記遊技モード選択手段は、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、当該付与判定された前記特別情報、および当該付与判定が実行された際の前記抽選モードに基づいた選択を実行することを特徴とする特徴D2またはD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技モード選択手段は、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となる際、付与判定された特別情報、および抽選モードに基づいた選択を実行する。このため、遊技者に、付与判定される際の抽選モードに応じて第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択させるという新規な遊技性を付与できる。したがって、遊技者の遊技への関心を向上できる。
特徴D5.前記第1特別情報の前記付与判定に対応する変動表示がされ、前記第1特別情報が前記付与対応結果である場合には、前記付与対応結果に対応する前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示される第1結果表示手段(第1結果表示部76a)と、
前記第2特別情報の前記付与判定に対応する変動表示がされ、前記第2特別情報が前記付与対応結果である場合には、前記付与対応結果に対応する前記特典遊技後モードを示す停止結果が表示される第2結果表示手段(第2結果表示部76b)と、を有し、
前記抽選モードが前記高確率モードである場合、前記特典遊技モードを介さず、前記高確率モードから前記低確率モードに移行することがあるようにすることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5のように、本発明は、第1特別情報の付与判定に対応する停止結果が表示される第1結果表示手段および第2特別情報の付与判定に対応する停止結果が表示される第2結果表示手段を有する遊技機にも適用できる。このような遊技機では、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となる際、遊技者は、第1結果表示手段または第2結果表示手段の停止結果を確認することにより、どの特典遊技後モードが選択されたのか(例えば、高確率モードであるのかまたは低確率モードであるのか)を正確に把握できる。しかしながら、特徴D5では、特典遊技後モードとして高確率モードに移行した場合、開閉実行モードを介することなく、低確率モードに移行(転落)することがあるようにしている。このため、特典遊技後モードとして高確率モードに移行したとしても、特別情報が実際に付与判定される際には、低確率モードであることがある。したがって、第1結果表示手段および第2結果表示手段を確認しつつ遊技を実行する遊技者と、第1結果表示手段および第2結果表示手段を確認せずに遊技を実行する遊技者との間で遊技性が異なってしまうことを抑制できる。
特徴D6.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択する前記複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の前記絵柄が停止表示されることを特徴とする特徴D1ないしD5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、遊技モード選択手段で選択される複数の特典遊技後モードの少なくとも一部において、共通の絵柄が停止表示される。つまり、遊技者は、絵柄表示手段に停止表示される絵柄から特典遊技後モードを正確に把握できない場合がある。このため、遊技者に、遊技者自身によって特典遊技後モードを推測させ、推測した特典遊技後モードに基づいて第1特別情報または第2特別情報のいずれが付与判定されるようにするのかを選択させるという遊技性を付与できる。
特徴D7.前記第1特別情報または前記第2特別情報の前記付与判定に対応する絵柄の変動表示がされ、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際には前記絵柄が所定の停止結果で停止表示される絵柄表示手段(図柄表示装置80)を有し、
前記絵柄表示手段には、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果である際、前記遊技モード選択手段が選択した前記特典遊技後モードを示す停止結果が停止表示され、
前記遊技モード選択手段は、
前記特典遊技後モードを選択すると共に、前記特典遊技モードとして、複数の特典遊技モードの中から1つの前記特典遊技モードを選択し、
前記高確率モードである際に前記第1特別情報が前記付与対応結果となると、前記高確率モードである際に前記第2特別情報が前記付与対応結果となる場合より、前記特典遊技として遊技者に有利となる選択をし易く、かつ前記特典遊技後モードとして遊技者に不利となる選択をし易くされており、
前記低確率モードである際に前記第1特別情報が前記付与対応結果となると、前記低確率モードである際に前記第2特別情報が前記付与対応結果となる場合より、前記特典遊技として遊技者に不利となる選択をし易く、かつ前記特典遊技後モードとして遊技者に有利となる選択をし易くされていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D7によれば、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となる際、絵柄表示手段には、選択された特典遊技後モードを示す停止結果が停止表示される。このため、遊技者は、絵柄表示手段に表示される絵柄により、特典遊技後モードを正確に把握できる。つまり、特典遊技後モードの抽選モードが高確率モードであるか、低確率モードであるかを正確に把握できる。そして、高確率モードでは、第1特別情報が付与対応結果となると、第2特別情報が付与対応結果となった場合より、特典遊技として遊技者に有利となる選択がされ易く、かつ特典遊技後モードとして遊技者に不利となる選択がされ易くされている。また、低確率モードでは、第1特別情報が付与対応結果となると、第2特別情報が付与対応結果となった場合より、特典遊技として遊技者に不利となる選択がされ易く、かつ特典遊技後モードとして遊技者に有利となる選択がされ易くされている。このため、遊技者は、高確率モードであるか、低確率モードであるかを明確に把握しつつ、特典遊技に重点を置くのか、または特典遊技後モードに重点を置くのかにより、第1特別情報が付与判定されるようにするのか、または第2特別情報が付与判定されるようにするのかを選択できる。つまり、特徴D7によれば、遊技者に、遊技者自身によって遊技性を変化させることができるという新規な遊技性を付与できる。このため、遊技者の遊技への関心を向上できる。
さらに、以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して、または所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
<その他>
従来より、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の特典遊技モードに移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば、遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。そして、抽選結果が特典遊技モードへの移行に当選するものである場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後等において、例えば、遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、このような遊技機においては、遊技領域に第1始動口および第2始動口という異なる始動口を設け、第1始動口または第2始動口に遊技球が入球したことを契機として、特典遊技モードに移行させるか否かの抽選を行うものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、このような遊技機では、例えば、特典遊技モードが終了してから所定の条件が成立するまで、第1始動口または第2始動口のいずれか一方の始動口に遊技球が入球し易くなるモード(高頻度サポートモード)に移行する場合がある(例えば、特許文献1:特開2004-41547号公報)。
しかしながら、このような遊技機において、遊技者の遊技への関心をさらに向上させることが望まれている。
本技術的思想は上記点に鑑み、遊技者の遊技への関心を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
上記目的を達成するための技術的思想1の遊技機は、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に、第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段と、取得した第1特別情報、および第2特別情報が付与情報における当否情報群に対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段と、付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の第1特別情報、または第2特別情報が当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段と、付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となると、特典遊技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段と、を備えていることを特徴としている。
これによれば、第1特別情報または第2特別情報が付与対応結果となると、複数の特典遊技後モードの中から1つの特典遊技後モードが選択される。このため、遊技者は、複数の特典遊技後モードを体感できる可能性がある。したがって、遊技の幅を広げることができ、遊技者の遊技への関心を向上できる。
なお、遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部を備える構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
10…パチンコ機(遊技機)、26…第1枠ボタン、31…操作ハンドル(操作手段)、44…遊技球発射機構、47…発射ソレノイド(発射手段)、56…第1始動口、57…第1特別始動口、58…第2特別始動口、59…可変普通入賞装置、59a…普通入賞口、59b…開閉板、59d…仕切部材、66…第1非電役物、67…第2非電役物、68…左側排出通路(第1入球手段)、69…右側排出通路(第2入球手段)、70…第1非電役物作動機構(第1状態切替手段)、71…第2非電役物作動機構(第2状態切替手段)、78…共通非電役物作動機構、80…図柄表示装置、91…主制御装置、92…音声ランプ制御装置、93…表示制御装置、112…MPU(主側MPU)、113…ROM(主側ROM)、114…RAM(主側RAM)、152…MPU(音声側MPU)、153…ROM(音声側ROM)、154…RAM(音声側RAM)、162…MPU(表示側MPU)、163…プログラムROM、164…ワークRAM、165…VDP、S108…不利遊技状態設定手段、S510…特典遊技実行手段、S513…遊技状態選択手段、S604,S609…判別情報取得手段、S704…第1判別手段、第2判別手段、S908…第2遊技状態設定手段、第3遊技状態設定手段、S1305,S1306…第1遊技状態設定手段

Claims (1)

  1. 遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
    予め定められた第1取得条件が成立したことに基づいて第1特別情報を取得すると共に
    、前記第1取得条件と異なる予め定められた第2取得条件が成立したことに基づいて第2
    特別情報を取得する情報取得手段と、
    取得した前記第1特別情報、および前記第2特別情報が付与情報における当否情報群に
    対応しているか否かの付与判定を実行する付与判定手段と、
    前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、判定対象の前記第1特別情報、または
    前記第2特別情報が前記当否情報群に対応しているとする付与対応結果となったことに基
    づいて遊技者に特典遊技モードを付与する特典付与手段と、
    前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となると、前記特典遊
    技が終了した後の特典遊技後モードとして、複数の特典遊技後モードの中から1つの前記
    特典遊技後モードを選択する遊技モード選択手段と、を備えていることを特徴とする遊技
    機。
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