JP4923426B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素リッチな燃料ガスと、酸素を含む酸化ガスを用いて発電する燃料電池システムに係り、特に、運転圧力および燃料ガスと酸化ガスとの運転差圧の設定により運転者に違和感を生じさせることなく運転の継続を可能とした燃料電池システムに関するものである。
近年の環境問題、特に自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気および高エネルギ効率を可能とする燃料電池技術が注目を浴びている。燃料電池は、水素を含む燃料ガスおよび空気等の酸化剤ガスを電解質・電極触媒複合体に供給し、電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換装置である。なかでも、固体高分子膜を電解質として用いた固体高分子電解質型燃料電池は、低コストでコンパクト化が容易であり、しかも高い出力密度を有することから、自動車等の移動体用電源としての用途が期待されている。
ところで、このような燃料電池を備える燃料電池システムは、いまだ開発途上にあり、故障等が発生する場合が考えられる。燃料電池の異常を検出する技術としては、例えば特開2003−45467号公報の発明がある。この従来例に記載の燃料電池の異常検出方法では、燃料電池が停止された際の燃料電池のセル電圧の低下速度を検出することで、燃料電池の異常を検出している。また、燃料電池の異常を検出した際には、次回以降の発電時における反応ガスの作動圧を異常検出前よりも低く制限し、ガス漏洩量を低減するとしている。
特開2003−45467号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術においては、燃料電池停止後の電圧低下から燃料電池の異常を検出するため、運転中に異常が発生した場合には、異常検出が遅れ、燃料電池の破損を増大させるという問題点や、ガスの漏洩量が増大してしまうという問題点があった。また、異常が検出された際には運転圧力を低下させて運転を行うため、燃料電池の出力が低下し、運転性が損なわれる可能性も考えられた。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、燃料電池の異常を運転中に検出し、かつ運転者に違和感を生じさせることなく運転の継続が可能な燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を解決するため、本発明は、水素リッチな燃料ガスおよび酸素を含む酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池のアノード(燃料極)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池のカソード(酸化剤極)に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池のカソードの下流側排気配管に設置されて水素濃度を検出する水素濃度検出手段、または、所定の物理量に基づき前記燃料電池のカソードの下流側排気ガス中の水素濃度を推定する水素濃度推定手段と、運転時に、前記水素濃度検出手段または前記水素濃度推定手段に基づく水素濃度が所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定する圧力制御手段と、を備え、前記圧力制御手段は、運転負荷が高い場合には、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、前記アノードの燃料ガス圧力を低下させ、運転負荷が低い場合には、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、前記カソードの酸化剤ガス圧力を上昇させることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、水素リッチな燃料ガスと、酸素を含む酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池システムにおいて、圧力制御手段により、運転時に、燃料電池のカソードの下流側排気配管に設置されて水素濃度を検出する水素濃度検出手段、または、所定の物理量に基づき燃料電池のカソードの下流側排気ガス中の水素濃度を推定する水素濃度推定手段に基づく水素濃度が、所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、アノードの燃料ガス圧力とカソードの酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定するので、従来のように異常検出が遅れることなく、また、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、さらに、運転出力の低下によって運転性が損なわれることがなく、違和感なく燃料電池の運転を継続可能とすることができる。
以下、本発明の燃料電池システムの実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、例えば燃料電池車両の駆動動力源として用いられるものであり、図1に示すように、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池スタック1を備える。
また、水素供給系として、水素タンク4、圧力制御弁5、水素供給流路6、エゼクタ7、圧力センサ8、水素循環流路9、水素排気流路10およびパージ弁11を備え、空気供給系として、コンプレッサ12、空気供給流路13、フィルタ14、空気排気流路15、圧力制御弁16、圧力センサ19および水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20を備えており、また、燃料電池スタック1にはセル電圧センサ2および温度センサ3が付設されている。なお、冷却液ポンプおよびラジエータ等を備えて燃料電池スタック1の温度を所定範囲内に保つ冷却機構も有するが、本発明と直接関係しない構成要素であるので、図示およびその機能説明を省略する。
さらに、本実施例の燃料電池システムは、水素供給系および空気供給系の各種センサや他の各種センサからの検知信号に基づき、水素供給系および空気供給系の各構成要素の制御や警告ランプ101の点灯制御を行うコントロールユニット100を備えた構成である。
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される燃料極(アノード)と酸化剤ガスである空気が供給される酸化剤極(カソード)とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されると共に、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。この燃料電池スタック1の各発電セルでは、燃料極(アノード)に供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、酸化剤極(カソード)にそれぞれ移動する。酸化剤極(カソード)では、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオンおよび電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
燃料電池スタック1の各発電セルの電圧は、セル電圧モニタ(電池電圧検出手段)2によってモニタリングされており、その情報が燃料電池システム全体の動作制御を司るコントロールユニット100に送られている。また、燃料電池スタック1には、当該燃料電池スタック1の温度を検出する温度センサ3が設置されており、その出力がコントロールユニット100に送られている。コントロールユニット100は、これらセル電圧モニタ2からの情報や温度センサ3からの出力により、燃料電池スタック1の発電状態や温度状態を監視している。
燃料電池スタック1で発電を行うには、燃料ガスである水素や酸化剤ガスである空気を各発電セルの燃料極(アノード)や酸化剤極(カソード)に供給する必要があり、燃料電池システムでは、そのための機構として水素供給系および空気供給系が設けられている。
水素供給系は、例えば、水素タンク4、圧力制御弁5、水素供給流路6、エゼクタ7を備える。そして、水素供給源である水素タンク4から供給される水素が、圧力制御弁5で減圧され、水素供給流路6およびエゼクタ7を通って燃料電池スタック1の燃料極(アノード)に送り込まれるようになっている。燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノード側の圧力)は圧力センサ8によって検出され、コントロールユニット100が圧力センサ8の検出値をフィードバックして圧力制御弁5の動作を制御することで、燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノード側の圧力)が所望の圧力に保たれる。
燃料電池スタック1では、供給された水素が全て消費されるわけではなく、残った水素(燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素)は、新たに水素タンク4から供給されて水素供給流路6を流れる水素とエゼクタ7にて混合されて、再度燃料電池スタック1の燃料極(アノード)に供給される。このため、燃料電池スタック1の燃料極出口側には水素循環流路9が接続されており、燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素が水素循環流路9を通ってエゼクタ7に環流されるようになっている。エゼクタ7は、水素供給流路6を流れる水素の流体エネルギを利用して、水素循環流路9を流れる水素を循環させる。
また、燃料電池スタック1の燃料極出口側には、水素循環流路9から分岐するようにして、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)からの水素を水素循環系の外部に排出する水素排気流路10が接続されており、この水素排気流路10の水素循環流路9との分岐位置の下流側にパージ弁11が設けられている。このパージ弁11は、燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素の流路を切り替える機能を有するものであり、水素パージを行う際に開放されて、燃料電池スタック1の燃料極から排出される水素は水素排気流路10を介して外部に排出される。
上述したように、水素を循環させて使用する場合、水素の循環に伴って系内に窒素等の不純物質が蓄積される場合があり、不純物質が過度に蓄積されると水素分圧が降下して燃料電池スタック1の効率低下に繋がると供に、循環ガスの平均質量が増加するため、エゼクタ7での水素循環流量が低下するので、このような場合には、パージ弁11を開放して水素をパージすることで、不純物質を水素と共に水素排気流路8から系外に排出する。
一方、空気供給系は、外気を吸入して燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)に空気を圧送するためのコンプレッサ12および空気供給流路13を備え、コンプレッサ12によって空気供給流路13内に空気が送り込まれて、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)へと供給されるようになっている。空気供給流路13には、マイクロダストや硫黄分、コンプレッサ12から排出されるオイル等をトラップするフィルタ14が設けられており、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)には、このフィルタ14で清浄化された空気が供給されることになる。
また、燃料電池スタック1の酸化剤極出口側には、当該燃料電池スタック1から空気を排出するための空気排気流路15が接続されており、燃料電池スタック1で消費されなかった酸素および空気中の他の成分は、空気排気流路15を通して系外に排出されるようになっている。また、空気排気流路15には圧力制御弁16が設けられており、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソード側の圧力)は圧力センサ19によって検出され、コントロールユニット100が圧力センサ19の検出値をフィードバックして圧力制御弁16の動作を制御することで、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソード側の圧力)が所望の圧力に保たれる。さらに空気排気流路15には、水素濃度検出手段として水素濃度センサ20が設けられ、その信号がコントローラ100に送られ水素濃度値をモニタしている。
さらに、空気供給系には、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)に供給する空気を加湿するために加湿手段が設けられている。この加湿手段では、排気配管15経路に設けられた水分凝縮器18によって燃料電池スタック1で生成した水分を回収し、コントロールユニット100によって動作制御されるタンク、バルブ等(図示せず)を介して加湿器17に圧送して、燃料電池スタック1の加湿を行っている。なお、加湿器17としては、例えば膜加湿器が用いられる。
また、本燃料電池システムには図示せぬ冷却機構が組み込まれており、燃料電池スタック1の温度を所定範囲内に保つよう制御されている。
さらに、本燃料電池システムにはコントロールユニット100からの点灯要求に従って運転者にシステムの異常を知らせる警告ランプ(報知手段)101を備えている。
コントロールユニット100は、例えばCPUやROM、RAM、周辺インターフェース等を有するマイクロコンピュータとして構成されており、外気温を検出するための図示しない外気温センサや、燃料電池スタック1に接続されたセル電圧モニタ2、温度センサ3等の各種センサの検出値を読み込んで、その検出値に対する判断、演算結果により、各種制御信号を出力して、燃料電池システムの各部における動作を制御する。
コントロールユニット100は、構成要素として圧力制御手段を備えているが、この圧力制御手段は、CPU上で実行されるプログラムの機能的なまとまりを表したものであり、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)の空気排気流路15に設置されて水素濃度を検出する水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定する。
また、圧力制御手段においては、運転負荷が高い場合には、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力を低下させ、運転負荷が低い場合には酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力を上昇させ、またさらに、燃料電池スタック1の運転負荷が大きいほど、運転差圧を大きく設定する。
さらに、圧力制御手段においては、水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が水素濃度第1しきい値よりも大きい所定の水素濃度第2しきい値を超えるとき、燃料電池スタック1の運転負荷を制限すると共に、警告ランプ(報知手段)101を介して運転者にその旨を報知し、また水素濃度が水素濃度第2しきい値よりも大きい所定の水素濃度第3しきい値を超えるとき、当該燃料電池システムを停止する。
なお、圧力制御手段においては、定常運転状態と判断された場合に運転差圧の設定を行うようにしている。
次に、以上のように構成される本実施形態の燃料電池システムの運転時の動作について、当該燃料電池システムを燃料電池車両の駆動動力源として用いた場合を例にして、図2および図3を参照しながら簡単に説明する。ここで、図2は燃料電池スタック1の運転負荷と運転圧力の関係を説明する説明図であり、図3は燃料電池スタック1運転時の負荷に対する燃料電池スタック1の電圧特性を説明する説明図である。
燃料電池システムの運転時においては、運転者の操作によるアクセル開度に応じた出力(電力)に相応な水素量および空気量に応じて、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)側には圧力制御弁5により圧力調整された水素の供給が行われると共に、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)側にはコンプレッサ12により空気の供給が行われる。また、加湿器17により、コンプレッサ12からの空気が加湿された状態で燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)へと導かれる。このとき、基本の運転圧力については、図2に示すように運転負荷に応じて設定されるようになっており、低負荷運転では低く、高負荷運転では高く設定されている。詳細の動作については後述する。
また、水素供給系において、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)から排出された水素は水素循環流路9およびエゼクタ7により循環されているが、運転に伴って燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜の透過等により窒素等の不純物の濃度が次第に増加したり、水が詰まったりしてセル電圧低下を引き起こすため、セル電圧モニタ2によってセル電圧を監視し、あるセルの電圧が、セル電圧の平均値に対して所定値(例えば0.2V)以上電圧が低下した場合、或いは平均セル電圧が所定幅(例えば0.1V)以上低下した場合に、パージ弁11を開弁させて水素循環流路6内および燃料電池スタック1内の水素と共に不純物を外部に排出することで、セル電圧を回復させる。
ここで、平均セル電圧の低下を検出する方法としては、図3に示すように、運転時の負荷に対する燃料電池スタック1の電圧特性(I-V特性)をテーブルデータとしてコントロールユニット100内に格納しておき、燃料電池スタック1の運転負荷に応じた、ある温度でのあるべき平均セル電圧を求め、燃料電池スタック1の温度によるセル電圧変化を補正して、あるべき平均セル電圧を求め、その値と実際の運転中に検出される平均セル電圧とを比較することで判定が可能である。更に、長期的な燃料電池スタック1の劣化を考慮し、比較的長い周期でのセル電圧低下については、学習により補正することによって、燃料電池スタック1が次第に劣化して平均セル電圧が低下した場合でも以上のような判定が可能となる。
以上のような通常運転時の動作により、運転者のアクセル操作に応じた出力が燃料電池システムから取り出され、図示しない車両駆動用モータにより車両が駆動されることになる。
次に、以上概略説明した本実施例の燃料電池システムにおいて、本発明の特徴である圧力制御動作について、図4のフローチャートに沿って、図5および図6を参照しながら説明する。ここで、図4は、実施例1の燃料電池システムにおいて、通常運転時に実施される圧力制御の処理の流れを示すフローチャートであり、図5は実施例1の運転負荷に対する圧損の説明図であり、図6は実施例1の水素濃度しきい値の説明図である。
まず、コントロールユニット100は、アクセルペダルセンサ等(図示せず)からアクセル開度を読み込み、また水素濃度センサ20から検出結果である水素濃度値を読み込む(ステップS101)。
次に、定常運転状態か否かを判定する(ステップS102)。定常運転の判断の方法は、例えば、アクセル開度の標準偏差等が所定のしきい値を越えているか否かにより求めることができる。ステップS102において、定常運転状態でないと判定された場合には、以下の処理を行わずに終了する。
ステップS102において、定常運転状態であると判定された場合には、次に、読み込んだ水素濃度値が所定の水素濃度第1しきい値以下であるか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、図6に示す水素濃度の最も低いしきい値である水素濃度第1しきい値Hdt1(図中、破線で示す)以下であるか否かを判定している。
ステップS103において、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1以下である場合には、ステップS104に進んで、システムの運転圧力として、基本の運転圧力(図2に示したように運転負荷に応じて設定される)を使用することとし、当該圧力制御のルーチンを終了する。
また、ステップS103において、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1を超えている場合には、ステップS105に進んで、水素濃度値が所定の水素濃度第2しきい値以下であるか否かを判定する。具体的には、図6において、水素濃度第1しきい値Hdt1よりも高く設定されている水素濃度第2しきい値Hdt2(図中、実線で示す)以下であるか否かを判定している。
ステップS105において水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2以下である場合(即ち、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1を超えて水素濃度第2しきい値Hdt2以下の範囲内にある場合)には、運転負荷に応じた場合分けにより圧力制御(運転圧力の変更)を行う。
つまり、運転負荷が低負荷であるか否かの判定を行う(ステップS106)。具体的には運転負荷が所定負荷以下か(例えば、全負荷に対する運転負荷の割合が2割以下か)否かの判定を行い。運転負荷が所定負荷以下(全負荷に対する運転負荷の割合が2割以下)である場合には低負荷とし、運転負荷が所定負荷を超える場合には低負荷でないとしている。
ステップS106において、運転負荷が低負荷であると判定された場合には、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソードの酸化剤ガス圧力)を上昇させる(ステップS107)。この圧力の上昇量は、例えば図5に示すように、運転負荷に応じた量として求められ、コントロールユニット100が圧力センサ19の検出値をフィードバックしつつ圧力制御弁16の動作を制御することで、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソード側の圧力)が該上昇量分だけ上昇した圧力に保たれる。
また、ステップS106において、運転負荷が低負荷でないと判定された場合には、燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノードの燃料ガス圧力)を低下させる(ステップS108)。この圧力の低下量は、ステップS107と同様に、運転負荷に応じた量(図5参照)として求められ、コントロールユニット100が圧力センサ8の検出値をフィードバックしつつ圧力制御弁5の動作を制御することで、燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノード側の圧力)が該低下量分だけ低下した圧力に保たれる。
また一方、ステップS105において、水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2を超えている場合には、異常状態であることを運転者に警告するため、警告ランプ101を点灯(ステップS109)し、また、異常状態であるため、燃料電池スタック1の出力を制限する(ステップS110)。ステップS110において、制限する負荷は、例えば全負荷の70%に制限する。本実施例では固定の出力制限としたが、検出された水素濃度に応じて制限値を求めるようにしても良い。
さらに、水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2を超えている場合には、水素濃度値が所定の水素濃度第3しきい値以下であるか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、図6において、水素濃度第2しきい値Hdt2よりも高く設定されている水素濃度第3しきい値Hdt3(図中、一点鎖線で示す)以下であるか否かを判定している。
ステップS111において、水素濃度が水素濃度第3しきい値Hdt3以下である場合(即ち、水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2を超えて水素濃度第3しきい値Hdt3以下の範囲内にある場合)には、当該圧力制御のルーチンを終了するが、水素濃度が水素濃度第3しきい値Hdt3を超えている場合には、水素濃度が上昇してシステムを継続運転できないと判断し、システムを停止する(ステップS112)。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システムでは、水素リッチな燃料ガスと、酸素を含む酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池システムにおいて、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転時に、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)の下流側の空気排気流路15に設置されて水素濃度を検出する水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定する。
これにより、従来のように異常検出が遅れることなく、また、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、さらに、運転出力の低下によって運転性が損なわれることがなく、水素濃度を低下させながら違和感なく燃料電池システムの運転を継続可能とすることができる。その結果として、燃料電池システムの実用性を大幅に向上できる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転負荷が高い場合には、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力を低下させるので、あらかじめ設定された運転圧力を超えることなく、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転が継続可能となる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転負荷が低い場合には、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力を上昇させるので、あらかじめ設定された運転圧力を下回ることなく、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転が継続可能となる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、燃料電池スタック1の運転負荷が大きいほど、運転差圧を大きく設定するので、運転負荷が変化した場合において、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転が継続可能となる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が水素濃度第1しきい値よりも大きい所定の水素濃度第2しきい値を超えるとき、燃料電池スタック1の運転負荷を制限する。つまり、運転差圧の設定を実施しても水素濃度が水素濃度第2しきい値以下にならない場合には、燃料電池の運転負荷を制限するので、燃料電池システムの異常状態が拡大した場合においても更に運転の継続が可能となり、また異常状態の拡大を抑制することもできる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が水素濃度第1しきい値よりも大きい所定の水素濃度第2しきい値を超えるとき、警告ランプ(報知手段)101を介して運転者にその旨を報知する。つまり、運転差圧の設定を実施しても水素濃度が水素濃度第2しきい値以下にならない場合には、その旨を運転者に認識させることができるので、燃料電池システムの異常状態が拡大した場合に、早期に修理が必要なことが認識可能となる。また、異常状態の拡大を抑制することもできる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が水素濃度第2しきい値よりも大きい所定の水素濃度第3しきい値を超えるとき、当該燃料電池システムを停止する。つまり、運転差圧の設定を実施しても水素濃度が水素濃度第3しきい値以下にならない場合には当該燃料電池システムを停止させるので、ガス漏洩等が起こり易い状態になって、燃料電池スタック1に大きなダメージを与える状況になったことを検出することが可能であり、また、そのときはシステムをただちに停止できる。
さらに、本実施例の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、定常運転状態と判断された場合に運転差圧の設定を行うので、誤判断等を起こすことなく、確実に運転差圧の設定を行うことができる。
次に、本発明の実施例2に係る燃料電池システムについて説明する。実施例2の燃料電池システムの構成は、実施例1の構成(図1)と同等であり、各構成要素の具体的説明を省略する。
ただし、コントロールユニット100の圧力制御手段において、実施例1と同様に、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)の空気排気流路15に設置されて水素濃度を検出する水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20に基づく水素濃度が所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、燃料極(アノード)の燃料ガス圧力と酸化剤極(カソード)の酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定するが、燃料電池スタック1に供給される燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の流量が多いほど、運転差圧を大きく設定する点、燃料電池スタック1に供給される燃料ガスの密度が大きいほど、運転差圧を大きく設定する点、燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガスの温度が低いほど、運転差圧を大きく設定する点、並びに、燃料電池スタック1に供給される燃料ガスの温度が高いほど、運転差圧を大きく設定する点が実施例1とは異なる。
また、コントロールユニット100の圧力制御手段において、運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、燃料電池スタック1の運転負荷を制限すると共に、警告ランプ(報知手段)101を介して運転者にその旨を報知する点、運転差圧が運転差圧第1しきい値よりも大きい所定の運転差圧第2しきい値を超えるとき、当該燃料電池システムを停止する点、並びに、設定された運転差圧を学習して目標運転圧力値を更新する点も実施例1にはない本実施例特有の機能である。
次に、本実施例の燃料電池システムにおいて、本発明の特徴である圧力制御動作について、図7のフローチャートに沿って、図8〜図14を参照しながら説明する。
ここで、図7は、実施例2の燃料電池システムにおいて、通常運転時に実施される圧力制御の処理の流れを示すフローチャートであり、図8は実施例2のアノードガス流量に対する圧損の説明図であり、図9は実施例2のカソードガス流量に対する圧損の説明図であり、図10は実施例2のアノードガス密度に対する圧損補正値の説明図であり、図11は実施例2のカソードガス温度に対する圧損補正値の説明図であり、図12は実施例2のアノードガス温度に対する圧損補正値の説明図であり、図13は実施例2の運転負荷に対する運転差圧しきい値の説明図であり、図14は実施例2の運転負荷に対する運転差圧しきい値の説明図(その2)である。
まず、コントロールユニット100は、アクセルペダルセンサ等(図示せず)からアクセル開度を読み込み、また水素濃度センサ20から検出結果である水素濃度値を読み込む(ステップS201)。
次に、定常運転状態か否かを判定する(ステップS202)。定常運転の判断の方法は実施例1と同様であり、ステップS202において定常運転状態でないと判定された場合には、以下の処理を行わずに終了する。
ステップS202において、定常運転状態であると判定された場合には、実施例1と同様に、読み込んだ水素濃度値が水素濃度第1しきい値Hdt1(図6中、破線)以下であるか否かを判定する(ステップS103)。
ステップS203において、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1以下である場合には、ステップS204に進んで、システムの運転圧力として、基本の運転圧力(図2に示したように運転負荷に応じて設定される)を使用することとし、当該圧力制御のルーチンを終了する。
また、ステップS203において、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1を超えている場合には、ステップS205に進んで、水素濃度値が水素濃度第2しきい値Hdt2(図6中、実線で示す)以下であるか否かを判定する。
ステップS205において、水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2以下である場合(即ち、水素濃度が水素濃度第1しきい値Hdt1を超えて水素濃度第2しきい値Hdt2以下の範囲内にある場合)には、運転負荷に応じた場合分けにより圧力制御(運転圧力の変更)を行う。つまり、実施例1と同様に、運転負荷が低負荷であるか否かの判定を行う(ステップS206)。
ステップS206において、運転負荷が低負荷であると判定された場合には、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソード側の圧力)を上昇させる(ステップS207)。この圧力の上昇量は、予め実験若しくは計算からそれぞれ求めた圧損や圧損補正値に基づき求められ、コントロールユニット100が圧力センサ19の検出値をフィードバックしつつ圧力制御弁16の動作を制御することで、燃料電池スタック1の酸化剤極圧力(カソード側の圧力)が該上昇量分だけ上昇した圧力に保たれる。なお、圧力の上昇量の値を学習値として、図2に示した基準運転圧を更新して行く。
また、ステップS206において、運転負荷が低負荷でないと判定された場合には、燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノード側の圧力)を低下させる(ステップS208)。この圧力の低下量は、ステップS207と同様に、予め実験若しくは計算からそれぞれ求めた圧損や圧損補正値に基づき求められ、コントロールユニット100が圧力センサ8の検出値をフィードバックしつつ圧力制御弁5の動作を制御することで、燃料電池スタック1の燃料極圧力(アノード側の圧力)が該低下量分だけ低下した圧力に保たれる。なお、圧力の低下量の値を学習値として、図2に示した基準運転圧を更新して行く。
ここで、圧力の上昇量または低下量を圧損や圧損補正値に基づき求める考え方について、図8〜図12を参照して説明しておく。
図8および図9では、それぞれアノードガス流量(燃料極の燃料ガス流量)およびカソードガス流量(酸化剤極の酸化剤ガス流量)の増大に応じて圧損が増加していくことを示しており、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)または酸化剤極(カソード)にそれぞれ流入するアノードガスまたはカソードガスの流量が多いほど、運転差圧の設定値が大きくなるように圧力の上昇量または低下量を大きくすれば、アノードガス流量またはカソードガス流量に応じた圧損の変動を吸収することができる。
また、図10では、アノードガス密度(燃料極の燃料ガス密度)の増大に応じて圧損補正値が増加していくことを示しており、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)に供給されるアノードガスの密度が大きいほど、運転差圧の設定値が大きくなるように圧力の上昇量または低下量を大きくすれば、アノードガス密度に応じた圧損補正値の変動を吸収することができる。
また、図11では、カソードガス温度(酸化剤極の酸化剤ガス温度)の上昇に応じて圧損補正値が減少していくことを示しており、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)に供給されるカソードガスの温度が低いほど、運転差圧の設定値が大きくなるように圧力の上昇量または低下量を大きくすれば、カソードガス温度に応じた圧損補正値の変動を吸収することができる。
さらに、図12では、アノードガス温度(燃料極の燃料ガス温度)の上昇に応じて圧損補正値が増加していくことを示しており、燃料電池スタック1の燃料極(アノード)に供給されるアノードガスの温度が高いほど、運転差圧の設定値が大きくなるように圧力の上昇量または低下量を大きくすれば、アノードガス温度に応じた圧損補正値の変動を吸収することができる。
このように、設定する運転差圧を、アノードガスまたはカソードガスの流量に応じて、またアノードガス密度に応じて、或いは、アノードガスまたはカソードガスの温度に応じて、適切に設定することにより、燃料電池システムに異常が生じた際においても運転負荷等によらず安定した運転を継続可能となる。
また一方、ステップS205において、水素濃度が水素濃度第2しきい値Hdt2を超えている場合には、次に、次に、運転負荷に対する現在の運転差圧の設定値が所定の運転差圧第1しきい値以下であるか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、図13に示す運転負荷に応じた運転差圧の関係において、運転差圧の最も低いしきい値である運転差圧第1しきい値Pdt1(図中、実線で示す)以下であるか否かを判定している。
ステップS209において、運転差圧の設定値が運転差圧第1しきい値Pdt1以下である場合には、当該圧力制御のルーチンを終了する。また、運転差圧の設定値が運転差圧第1しきい値Pdt1を超えている場合には、ステップS210に進んで、運転負荷に対する現在の運転差圧の設定値が所定の運転差圧第2しきい値以下であるか否かを判定する。具体的には、図14に示す運転負荷に応じた運転差圧の関係において、運転差圧第1しきい値Pdt1よりも高く設定されている運転差圧第2しきい値Pdt2(図中、一点鎖線で示す)以下であるか否かを判定している。
ステップS210において、運転差圧が運転差圧第2しきい値Pdt2以下である場合(即ち、運転差圧が運転差圧第1しきい値Pdt1を超えて運転差圧第2しきい値Pdt2以下の範囲内にある場合)、この状態では当該燃料電池システムの異常状態は比較的軽微であると考えられ、異常状態であることを運転者に警告するため、警告ランプ101を点灯(ステップS211)し、また、異常状態であるため、当該燃料電池システムの以上状態が急激に拡大しないように燃料電池スタック1の出力を制限する(ステップS212)。なお、ステップS212において、制限する負荷は、例えば全負荷の70%に制限する。
さらに、運転差圧が運転差圧第2しきい値Pdt2を超えている場合には、当該燃料電池システムを継続運転できないと判断し、やむを得ずシステムを停止させる(ステップS112)。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、燃料電池スタック1に供給される燃料ガス(アノードガス)または酸化剤ガス(カソードガス)の少なくとも一方の流量が多いほど、運転差圧を大きく設定するので、運転負荷が変化せずにガス流量を変化させる場合において、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続させることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、燃料電池スタック1に供給される燃料ガス(アノードガス)の密度が大きいほど、運転差圧を大きく設定するので、燃料ガス(アノードガス)の密度が変化し、圧損等が変化した場合において、ガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続させることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガス(カソードガス)の温度が低いほど、運転差圧を大きく設定するので、水蒸気が増加し、カソード圧損が減少した場合にガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続させることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、燃料電池スタック1に供給される燃料ガス(アノードガス)の温度が高いほど、運転差圧を大きく設定するので、運転温度が上昇し、ガス中の水蒸気が増加した場合に、アノード圧損が増加した場合にガスの漏洩等が発生しても、その漏洩量を著しく低減することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続させることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、燃料電池スタック1の運転負荷を制限するので、燃料電池システムの異常状態が拡大した場合においても更に運転の継続が可能となり、また異常状態の拡大を抑制することもできる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、警告ランプ(報知手段)101を介して運転者にその旨を報知するので、燃料電池システムの異常状態が拡大した場合に、早期に修理が必要なことが認識可能となり、また異常状態の拡大を抑制することもできる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、運転差圧が運転差圧第1しきい値よりも大きい所定の運転差圧第2しきい値を超えるとき、当該燃料電池システムを停止するので、ガス漏洩等が起こり易い状態になって、燃料電池スタック1に大きなダメージを与える状況になったことを検出することが可能であり、また、そのときはシステムをただちに停止できる。
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット100の圧力制御手段により、設定された運転差圧を学習して目標運転圧力値を更新するので、比較的遅い速度で進行する燃料電池システムの故障や、ガス漏洩等に常に合わせた状態で運転可能となり、結果として、ガス漏洩が少なく、また燃料電池スタック1へのダメージを拡大することなく運転可能な燃料電池システムを提供できる。また、設定した運転差圧を学習して運転圧力に補正を加えることにより、一度システムを停止し、その後起動した場合や、比較的ゆっくりとした燃料電池の異常状態の進行においても対応可能となる。
以上説明した実施例1および実施例2においては、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)の空気排気流路15に設置されて水素濃度を検出する水素濃度センサ(水素濃度検出手段)20を用いる構成としたが、これに代えて、所定の物理量に基づき燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)の空気排気流路15中の水素濃度を推定する水素濃度推定手段を、コントロールユニット100内に(機能的なまとまり、即ちプログラムとして)備える構成としても良い。これにより、水素濃度センサ20を設置することなく、上述した実施例1および実施例2と同等の効果を得ることができる。
なお、水素濃度推定手法は公知であり、特に限定されないが、例えば、特開2001−229941号公報の「燃料電池システム」では、改質ガス流量検出装置の出力と改質ガス温度検出装置の出力と圧力検出装置の出力と発電電力検出装置の出力とに基づいて、排改質ガスの水素成分濃度を推定する手法が提案されている。
また、実施例1および実施例2においては、運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、或いは、水素濃度が所定の水素濃度第2しきい値を超えるときに、その旨を運転者に報知する報知手段として警告ランプ101を使用し、コントロールユニット100からの点灯要求に従って運転者にシステムの異常を知らせる構成としたが、これに限定されることなく、例えば、表示パネル上に警告メッセージを出力したり、表示パネル上の特定マークや特定語を識別表示したり、或いは、その旨の警告音声メッセージを出力したりする構成としても良い。
さらに、実施例2において、設定された運転差圧を学習して目標運転圧力値を更新する構成としたが、設定された運転差圧を学習して目標運転差圧値を更新する構成としても良い。これによっても実施例2と同等の効果を得ることができる。
本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタック1の運転負荷と運転圧力の関係を説明する説明図である。 燃料電池スタック1運転時の負荷に対する燃料電池スタック1の電圧特性を説明する説明図である。 実施例1の燃料電池システムにおいて、通常運転時に実施される圧力制御の処理の流れを説明するフローチャートである。 実施例1の運転負荷に対する圧損の説明図である。 実施例1の水素濃度しきい値の説明図である。 実施例2の燃料電池システムにおいて、通常運転時に実施される圧力制御の処理の流れを説明するフローチャートである。 実施例2のアノードガス流量に対する圧損の説明図である。 実施例2のカソードガス流量に対する圧損の説明図である。 実施例2のアノードガス密度に対する圧損補正値の説明図である。 実施例2のカソードガス温度に対する圧損補正値の説明図である。 実施例2のアノードガス温度に対する圧損補正値の説明図である。 実施例2の運転負荷に対する運転差圧しきい値の説明図である。 実施例2の運転負荷に対する運転差圧しきい値の説明図(その2)である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 セル電圧センサ
3 温度センサ
4 水素タンク
5,16 圧力制御弁
6 水素供給流路
7 エゼクタ
8,19 圧力センサ
9 水素循環流路
10 水素排気流路
11 パージ弁
12 コンプレッサ
13 空気供給流路
14 フィルタ
15 空気排気流路
17 加湿器
18 水分凝縮装置
20 水素濃度センサ(水素濃度検出手段)
100 コントロールユニット(制御手段)
101 警告ランプ(報知手段)

Claims (14)

  1. 水素リッチな燃料ガスおよび酸素を含む酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池のアノード(燃料極)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池のカソード(酸化剤極)に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池のカソードの下流側排気配管に設置されて水素濃度を検出する水素濃度検出手段、または、所定の物理量に基づき前記燃料電池のカソードの下流側排気ガス中の水素濃度を推定する水素濃度推定手段と、
    運転時に、前記水素濃度検出手段または前記水素濃度推定手段に基づく水素濃度が所定の水素濃度第1しきい値を超えるとき、該水素濃度が小さくなるように、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力との差である運転差圧を設定する圧力制御手段と、
    を有し、
    前記圧力制御手段は、運転負荷が高い場合には、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、前記アノードの燃料ガス圧力を低下させ、運転負荷が低い場合には、前記アノードの燃料ガス圧力と前記カソードの酸化剤ガス圧力の通常の設定値に対して、前記カソードの酸化剤ガス圧力を上昇させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記圧力制御手段は、前記燃料電池の運転負荷が大きいほど、前記運転差圧を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記圧力制御手段は、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスまたは前記酸化剤ガスの少なくとも一方の流量が多いほど、前記運転差圧を大きく設定することを特徴とする請求項1〜請求項2の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  4. 前記圧力制御手段は、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの密度が大きいほど、前記運転差圧を大きく設定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記圧力制御手段は、前記燃料電池に供給される前記酸化剤ガスの温度いほど、前記運転差圧を大きく設定することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記圧力制御手段は、前記燃料電池に供給される前記燃料ガスの温度いほど、前記運転差圧を大きく設定することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記圧力制御手段は、前記運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、前記燃料電池の運転負荷を制限することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記圧力制御手段は、前記運転差圧が運転負荷に応じて設定された所定の運転差圧第1しきい値を超えるとき、所定の報知手段を介して運転者にその旨を報知することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記圧力制御手段は、前記運転差圧が前記運転差圧第1しきい値よりも大きい所定の運転差圧第しきい値を超えるとき、当該燃料電池システム停止することを特徴とする請求項7または請求項8の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記圧力制御手段は、前記水素濃度検出手段または前記水素濃度推定手段に基づく水素濃度が前記水素濃度第1しきい値よりも大きい所定の水素濃度第2しきい値を超えるとき、前記燃料電池の運転負荷を制限することを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記圧力制御手段は、前記水素濃度検出手段または前記水素濃度推定手段に基づく水素濃度が前記水素濃度第1しきい値よりも大きい所定の水素濃度第2しきい値を超えるとき、所定の報知手段を介して運転者にその旨を報知することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  12. 前記圧力制御手段は、前記水素濃度検出手段または前記水素濃度推定手段に基づく水素濃度が前記水素濃度第しきい値よりも大きい所定の水素濃度第しきい値を超えるとき、当該燃料電池システムを停止することを特徴とする請求項10または請求項11の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 前記圧力制御手段は、定常運転状態と判断された場合に前記運転差圧の設定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  14. 前記圧力制御手段は、前記設定された運転差圧を学習して目標運転圧力または目標運転差圧の少なくとも一方の値を更新することを特徴とする請求項1請求項の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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