JP4923357B2 - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、受光部とオンチップレンズとの間に、入射した光を受光部へ導く構造をもつ固体撮像装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、CCD固体撮像素子は、画質の向上が非常に強く要請されている。
その要請に応えるためには、画素数を増やして解像度を高くすることと、感度の向上を行うことが必要であり、そのため、画素の配列密度を高くしつつ、さらに画素を小型化する必要がある。
【0003】
ところが、画素サイズを縮小した場合、単位画素に入射する光量は減少し、各画素の受光部の感度特性が低下するという不具合が生じてしまう。ここで、感度向上目的で受光部の開口を大きくする、すなわち、遮光膜の開口部を大きくすると、電荷転送部への光の混入によるスミアが発生しやすくなるので、受光部の開口を大きくするのには限界がある。
【0004】
この観点から、受光部上方に設けたオンチップカラーフィルタ上にオンチップレンズを設け、受光部への集光効率を高める工夫がなされている。
しかし、例えば4×4μm以下の画素サイズを有するCCD固体撮像素子では、オンチップレンズ単独で集光効率を高めることは、ほぼ限界に近づいている。
【0005】
そこで、上記の集光効率の向上およびスミアの発生の抑制を達成する新たな技術として、オンチップレンズと受光部との間の層内に光透過材料の膜からなる、もう一つのレンズ(層内レンズ)を形成することで集光効率をさらに向上させることが行われている。
【0006】
この層内レンズは、光電変換をなす受光部の直上において、層間膜中に形成されるレンズであり、オンチップレンズと同様にこの層内レンズに入射した光を当該層内レンズの上面側または下面側の界面で屈折させ、受光部に導くものである。
【0007】
従って、このような層内レンズを上述したオンチップレンズと併用することにより、オンチップレンズで集光されて入射した光を再度層内レンズで集光することができ、これにより、固体撮像素子全体としての集光効率をより高めることができるのである。
【0008】
ところが、従来提案されている層内レンズを形成する場合には、遮光膜の上に、BPSG(Borophosphosilicate glass) 膜等のリフロー形状をもつ層間膜を形成し、転送電極間、すなわち、受光部の直上に形成された窪みの中に高屈折率材料を埋め込み、この埋め込んだ高屈折率材料を層内レンズとする、といったプロセスをとるのが一般的である。
【0009】
しかしながら、このプロセスでは、層内レンズの形状が層間膜の形状で決まってしまうことから、所望の形状、すなわち集光に最適な形状を得るのが困難であり、従って層内レンズを設けたとはいえ、未だ十分に高い集光効率を得るのが困難となっている。
【0010】
そこで、層内レンズに代わる技術として、特開平10−326885号公報および特開平11−121725号公報には、受光部の直上位置の平坦化膜に孔部を形成し、その後、高屈折率材料を孔部に埋め込むことにより、光導波路を形成し、光導波路となる高屈折率膜と平坦化膜との界面で光を全反射させて、受光部に取り込む技術が開示されている。
【0011】
光導波路を形成する従来技術の一例として、上記の特開平11−121725号公報に開示の技術を、図面を参照して概略説明する。
【0012】
まず、図12(a)に示すように、既知の方法に従って、シリコン基板内の各種の不純物領域の形成を行う。すなわち、基板11に、受光部5を形成し、電荷転送部13を形成し、図示しないチャネルストッパおよび読み出しゲート部を形成する。
続いて、基板11上に絶縁膜14を介して、転送電極16を形成し、さらに、転送電極16および受光部5上を被覆して絶縁膜14を形成する。
さらに、転送電極16を被覆するように、絶縁膜14上に遮光膜形成のための遮光材料膜17’を形成する。
【0013】
次に、図12(b)に示すように、遮光材料膜17’上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、BPSG膜からなる平坦化膜25を形成する。
【0014】
次に、図13(c)に示すように、平坦化膜25上にレジストパターンRを公知のレジスト技術およびリソグラフィー技術によって形成する。
【0015】
次に、図13(d)に示すように、レジストパターンRをマスクとして、平坦化膜25、遮光材料膜17’をエッチングし、平坦化膜25に孔部25aを形成するとともに、遮光材料膜17’に開口部17aを形成して、遮光膜17を形成する。
【0016】
次に、図14(e)に示すように、平坦化膜25および遮光膜17の内面を被覆して、屈折率が2.0程度のSiNからなる第1の透明膜26を形成し、続いて、屈折率が1.8程度のSiONからなる第2の透明膜27を形成し、屈折率が1.6程度のSiONからなる第3の透明膜28を形成する。
【0017】
次に、図14(f)に示すように、第3の透明膜28、第2の透明膜27、第1の透明膜26の平坦化膜25上に形成された部分をエッチバック法あるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により除去し、これによって、孔部25aおよび開口部17a内にのみ各膜を残す。
【0018】
次に、図15(g)に示すように、パッシベーション膜30を形成し、さらに、カラーフィルタ40を形成し、オンチップレンズ50を形成することにより、固体撮像素子を形成している。
【0019】
このようにして形成された固体撮像素子では、多層かつ段階的に充填した第1の透明膜26、第2の透明膜27、第3の透明膜28により光導波路を形成しており、オンチップレンズ50で集光された光のうち、受光部5の表面に対して斜めに入射した光が、第3の透明膜28と第2の透明膜27との界面、第2の透明膜27と第1の透明膜26との界面で屈折する。
そして、これらの界面で屈折した光のうち、第1の透明膜26と平坦化膜25との界面に到った光は、特に当該界面の法線とのなす入射角が所定角を越えている場合に全反射し、受光部5に入射することとなる。
これにより、受光部5の表面に対して、斜めに入射した光をも効率よく受光部5上に集光して、感度を向上させている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の固体撮像素子のさらなる微細化に伴い、受光部5の面積が小さくなっていき、その結果、受光部5の上に形成する孔部25aのアスペクト比が大きくなることにより、CVD法による高屈折率材料である透明膜の孔部25へのカバレッジが悪化し、ボイド(空隙)が発生するなど孔部25を完全に透明膜で埋めきれなくなってきたという問題がある。
【0021】
このように、透明膜26,27,28中にボイド等が発生すると、ボイド表面における散乱光の発生により、感度特性の低下や感度特性のバラツキ等の原因となってしまう。
【0022】
また、透明膜26,27,28からなる光導波路内において、全反射効果によって、受光部5に光を導くためには、導波路を構成する透明膜26,27,28と、導波路周囲の平坦化膜25との屈折率差がスネルの法則により不可欠である。
そのため、この屈折率差を確保するために、導波路を構成する透明膜26,27,28や、導波路周囲の平坦化膜25の膜種の選択肢に制限を生じていた。
【0023】
現在、導波路を構成する高屈折率材料の透明膜としては、SiN系材料が使用されており、現段階では問題はないが、SiN系材料は、屈折率は高いが短波長側での透過率が低いことから、将来的に、近紫外や紫外領域における光の感度をもたせるためには、必ずしも有利とはいえず、上述した屈折率差を確保するための材料の制約の問題が顕在化してくる恐れがある。
【0024】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光導波路により集光効率を高めて感度を向上させつつ、光導波路を構成する材料の制約が低減され、かつ、素子の微細化に対応することができる固体撮像装置およびその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の固体撮像装置は、基板に形成された受光部と、前記基板上に形成された層間膜内に、入射した光を閉じ込め伝搬させて前記受光部へ導く光導波路を有する固体撮像装置であって、前記光導波路は、前記受光部上に形成され、所定の屈折率をもち導光機能を有する光学的に透明な膜を有し、前記光導波路と前記層間膜の間に、間隙が形成されている。
【0026】
前記層間膜下における前記基板上に形成され、前記受光部への光入射領域を特定する遮光膜をさらに有する。
【0027】
前記光導波路および前記層間膜上に形成された、水素を含む保護膜をさらに有する。
【0028】
前記光導波路の上方に形成され、前記光導波路へ向けて光を集光するオンチップレンズをさらに有する。
【0029】
上記の本発明の固体撮像装置によれば、所定の屈折率をもち光学的に透明な膜を含む光導波路の周囲に間隙が形成されていることから、光導波路を構成する膜と間隙との間の屈折率差を最も大きくとることができ、光導波路の表面に斜めに入射し、当該光導波路と間隙との界面に到る光が、光導波路を構成する膜と間隙との屈折率差によって、当該界面で全反射され、受光部へ入射するようになる。
そのため、光導波路により集光効率を向上させる場合に、光導波路を構成する材料と、その外側の材料との異種材料の組み合わせによって屈折率差を確保する必要性が低減される。
【0030】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の固体撮像装置は、基板に形成された受光部と、前記基板上に形成された層間膜内に、入射した光を閉じ込め伝搬させて前記受光部へ導く光導波路を有する固体撮像装置であって、前記光導波路は、前記受光部上に形成され、導光機能を有する光学的に透明な膜を有し、前記光導波路と前記層間膜の間に、前記光導波路の側部表面を被覆する光反射膜が形成されている。
【0031】
前記層間膜下における前記基板上に形成され、前記受光部への光入射領域を特定する遮光膜をさらに有する。
【0032】
前記光反射膜は、所定の反射率をもつ金属膜により形成されている。
【0033】
前記光導波路の上方に形成され、前記光導波路へ向けて光を集光するオンチップレンズをさらに有する。
【0034】
上記の本発明の固体撮像装置によれば、光学的に透明な膜を含む光導波路の側部表面を被覆して光反射膜が形成され、光導波路と所定の光反射率をもつ光反射膜との界面が鏡面となっていることから、光導波路の表面に対して斜めに入射し、当該光導波路と光反射膜との界面に到る光が、当該界面で反射され、受光部へ入射するようになる。
そのため、光導波路により集光効率を向上させる場合に、光導波路を構成する材料と、その外側の材料との異種材料の組み合わせによって屈折率差を確保する必要性がない。
【0035】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の固体撮像装置の製造方法は、基板に受光部を形成する工程と、前記受光部上に、所定の屈折率をもち光学的に透明な光導波路膜を形成する工程と、前記光導波路膜の側壁を囲むように、所定の厚さを有する間隙形成用膜を形成する工程と、前記間隙形成用膜を被覆するように、前記基板上に層間膜を形成する工程と、前記間隙形成用膜を除去して、前記光導波路膜と前記層間膜の間に間隙を形成する工程とを有する。
【0036】
前記受光部を形成する工程の後、前記光導波路膜を形成する工程の前に、前記基板上に、前記受光部の上方に開口部を有する遮光膜を形成する工程をさらに有し、前記層間膜を形成する工程において、前記間隙形成用膜を被覆するように、前記遮光膜上に層間膜を形成する。
【0037】
前記光導波路膜を形成する工程は、前記基板上に光導波路膜材を堆積させる工程と、前記受光部の上方における前記光導波路膜材上に、マスク層を形成する工程と、前記マスク層をマスクとして、前記光導波路膜材をパターン加工する工程とを有する。
【0038】
前記間隙形成用膜を形成する工程は、前記光導波路膜を被覆するように前記基板上に前記間隙形成用膜材を形成する工程と、前記光導波路膜の側壁に被覆した間隙形成用膜材を残すように、他の領域に形成された前記間隙形成用膜材を除去する工程とを有する。
【0039】
前記間隙を形成する工程の後に、前記光導波路膜の上方に、前記光導波路膜へ向けて光を集光するオンチップレンズを形成する工程をさらに有する。
【0040】
上記の本発明の固体撮像装置の製造方法では、所定の屈折率をもち光学的に透明な光導波路膜を形成し、光導波路膜の側壁を囲むように、所定の厚さを有する間隙形成用膜を形成し、間隙形成用膜を被覆するように、基板上に層間膜を形成し、間隙形成用膜を除去して、光導波路膜と層間膜の間に間隙を形成することにより、上述した作用を有する固体撮像装置が製造される。
従って、光導波路を構成する材料の屈折率の制約が低減され、光透過率や生産性等を考慮した光導波路が製造される。
また、層間膜に孔部を形成し、当該孔部に光導波路膜を埋め込んで形成するのではなく、層間膜を形成する工程の前に、受光部上に光導波路膜を形成することで、孔部のアスペクト比等の問題もない。
また、間隙を形成するのに、レジストパターニングによるのではなく、上述したように、光導波路膜の側壁を囲む間隙形成用膜を形成し、層間膜を形成した後に、選択的に間隙形成用膜を除去することで間隙を形成することから、間隙形成用膜の膜厚を制御するのみで、微細幅の間隙が形成される。
【0041】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の固体撮像装置の製造方法は、基板に受光部を形成する工程と、前記受光部上に、光学的に透明な光導波路膜を形成する工程と、前記光導波路膜の側部表面を被覆して、所定の厚さを有する光反射膜を形成する工程と、前記光反射膜を被覆するように、前記基板上に層間膜を形成する工程とを有する。
【0042】
前記受光部を形成する工程の後、前記光導波路膜を形成する工程の前に、前記基板上に、前記受光部の上方に開口部を有する遮光膜を形成する工程をさらに有し、前記層間膜を形成する工程において、前記光反射膜を被覆するように、前記遮光膜上に層間膜を形成する。
【0043】
前記光導波路膜を形成する工程は、前記基板上に光導波路膜材を堆積させる工程と、前記受光部の上方における前記光導波路膜材上に、マスク層を形成する工程と、前記マスク層をマスクとして、前記光導波路膜材をパターン加工する工程とを有する。
【0044】
前記光反射膜を形成する工程は、前記光導波路膜を被覆するように前記基板上に光反射膜材を形成する工程と、前記光導波路膜の側壁に被覆した前記光反射膜材を残すように、他の領域に形成された前記光反射膜材を除去する工程とを有する。
【0045】
前記層間膜を形成する工程の後に、前記光導波路膜の上方に、前記光導波路膜へ向けて光を集光するオンチップレンズを形成する工程をさらに有する。
【0046】
上記の本発明の固体撮像装置の製造方法では、受光部上に光学的に透明な光導波路膜を形成し、光導波路膜の側部表面を被覆して所定の厚さを有する光反射膜を形成し、光反射膜を被覆するように基板上に層間膜を形成することで、上述した作用を有する固体撮像装置が製造される。
従って、光導波路を構成する材料の屈折率の制約がなく、光透過率や生産性等を考慮した光導波路が製造される。
また、層間膜に孔部を形成し、当該孔部に光導波路膜を埋め込んで光導波路を形成するのではなく、層間膜を形成する工程の前に、受光部上に光導波路膜を形成することで、孔部のアスペクト比等の問題もない。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の固体撮像装置およびその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0048】
第1実施形態
図1は本実施形態に係る固体撮像装置の主要な構成を示す図である。
本実施形態に係る固体撮像装置1は、撮像部2、水平転送部3、出力部4を有する。出力部4は、例えば、フローティングゲートにて構成された電荷−電圧変換部4aを有する。
【0049】
撮像部2は、受光部5、読み出しゲート部6および垂直転送部7からなる画素8を、平面マトリックス状に多数配置させて構成されている。
各画素8間は、不図示のチャネルストッパで電気的に干渉しないように分離されている。
【0050】
垂直転送部7は、受光部5の列ごとに共通化され所定の本数、配置されている。撮像部2に、垂直転送部7を駆動する4相のクロック信号φV1,φV2,φV3,φV4が入力される。水平転送部3に、これを駆動する2相のクロック信号φH1,φH2が入力される。
【0051】
上記の水平転送部3および垂直転送部7は、半導体基板の表面側に不純物が導入されて形成されたマイノリティ・キャリアの電位井戸と、絶縁膜を介在させた基板上に互いに絶縁分離して繰り返し形成された複数の電極(転送電極)とから構成されている。
これらの転送部3,7には、その転送電極に対して上記したクロック信号φV1,φV2,φV3,φV4,φH1,φH2がそれぞれ周期的に位相をずらして印加される。
これら転送部3,7は、転送電極に印加されるクロック信号に制御されて上述した電位井戸のポテンシャル分布が順次変化し、この電位井戸内の電荷をクロック信号の位相ずれ方向に転送する、いわゆるシフトレジスタとして機能する。
【0052】
図2は、図1に示す撮像部2における要部拡大平面図である。
図2に示すように、矩形形状の受光部5が、水平および垂直方向にマトリックス状に複数配置されている。
【0053】
マトリックス状に配置された受光部5間において、第1層目のポリシリコンからなる第1転送電極15が水平方向に延伸して形成されている。
第1転送電極15は、受光部5の両側部において、垂直方向に若干延びた矩形形状を有している。
【0054】
また、第1転送電極15上には、第2層目のポリシリコンからなる第2転送電極16が延伸して形成されている。第2転送電極16は、受光部5の両側部において、垂直方向に隣接した第1転送電極15と重なるように延びた矩形形状を有している。
【0055】
図3に、図2のA−A’線に沿った断面図を示す。
図3に示すように、シリコン基板またはシリコン基板に形成されたp型ウェル(以下、基板という)11等に、例えば、n型不純物領域などからなり基板11との間のpn接合を中心とした領域で光電変換を行って信号電荷を発生させ、信号電荷を一定期間蓄積する受光部5が形成されている。
【0056】
図3に示すように、受光部5の一方の隣接領域に、所定距離をおいて主にn型不純物領域からなる電荷転送部13が形成されており、図示を省略したが、この受光部5と電荷転送部13の間は、可変ポテンシャル領域を形成するp型不純物領域からなる読み出しゲート部が形成されている。
また、受光部5の他方の隣接領域には、所定距離をおいてn型不純物領域からなる電荷転送部13’が形成されており、図示を省略したが、この受光部5と電荷転送部13’の間には、高濃度のp型不純物領域からなるチャネルストッパが基板深部にまで形成されている。
【0057】
基板11上には、酸化シリコンなどの絶縁膜14aが形成され、電荷転送部13,13’上には絶縁膜14aを介して、図示しない領域において、図2に示した第1層目のポリシリコンなどからなる第1転送電極15が形成されている。
また、第1転送電極15と一部が重なり合う状態で、絶縁膜14a上には、第2転送電極16が形成されている。
第2転送電極16の表面を被覆して、酸化シリコンなどの絶縁膜14bが形成されており、図示はしないが、第1の転送電極15の表面にも同様な絶縁膜が形成されている。
また、絶縁膜に被覆された第1および第2の転送電極15,16を被覆して、遮光膜との耐圧性確保および寄生容量低減のために、さらに、酸化シリコンからなる絶縁膜14cが全面に形成されている。
このように、第1および第2転送電極15,16は、絶縁膜14a,14b,14cからなる絶縁膜14に埋め込まれて形成されている。
なお、図3に示す電荷転送部13,13’と転送電極15,16が、図1に示す垂直転送部7に相当する。
【0058】
絶縁膜14上には、転送電極15,16を被覆するように、例えば、タングステン(W)などの高融点金属からなる遮光膜17が形成されており、当該遮光膜17には、受光部5の上方に開口部17aが形成されている。
また、遮光膜17は、受光部5内に若干張り出すように形成されている。
このように、遮光膜17が転送電極15,16を被覆し、かつ、受光部5内に若干張り出すように形成されているのは、遮光膜17の電荷転送部13,13’に対する遮光性を高めてスミアを抑えるためである。
【0059】
遮光膜17の開口部17a上には、所定の光透過率をもつ材料、例えば、酸化シリコンからなる光導波路膜21が柱状(この例では4角柱)に形成されている。
なお、その他にも、使用する光の波長領域に応じて所定の光透過率をもつ材料により光導波路膜21を形成してもよい。なお、酸化シリコンの屈折率は、1.45程度である。
【0060】
光導波路膜21の側方には、例えば、酸化シリコンなどからなる平坦化膜23が形成されており、光導波路膜21と平坦化膜23の間には、例えば、幅が0.1μm程度の間隙Vが形成されている。
【0061】
光導波路膜21および平坦化膜23の表面は平坦化され、かつ、光導波路膜21の上面と平坦化膜23の上面が同一平面に存在するように処理されており、当該平坦化された光導波路膜21および平坦化膜23を被覆して全面に、例えば、窒化シリコンからなるパッシベーション膜30が形成されている。
【0062】
パッシベーション膜30上に、オンチップカラーフィルタ(OCCF)40が形成されている。オンチップカラーフィルタ40は、原色系のカラーコーディング方式では赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに着色され、補色系では、例えば、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、イエロー(Ye)、緑(G)などのいずれかに着色されている。
【0063】
オンチップカラーフィルタ40上に、ネガ型感光樹脂などの光透過材料からなるオンチップレンズ(OCL)50が形成されている。オンチップレンズ50は遮光膜上方の光も有効利用して光導波路膜21内に入射させるため、無効領域となる隙間をできるだけ少なくするように形成されている。また、オンチップレンズ50は、光導波路膜21へ入射光を集光できるような曲率に形成されている。
【0064】
図4を用いて、上記構成の本実施形態に係る固体撮像装置の動作について説明する。
本実施形態に係る固体撮像装置では、入射した光Lはオンチップレンズ50により光導波路膜21に集光され、光導波路膜21を透過して受光部5へ導かれることになる。
【0065】
受光部5に入射光Lが入ると、基板11に対して逆バイアスされたフォトダイオード(受光部5)で光電変換され、入射光量に応じた量の電荷が発生する。この電荷は、受光部5内の高濃度のn型不純物領域内で一定期間蓄積される。
その後、第2転送電極16に読み出し電圧が印加されて、電荷が電荷転送部13へ転送される。
さらに、転送電極15,16に対してそれぞれ周期的に位相をずらして転送電圧が印加され、電荷が垂直方向に転送されて、水平転送部3に送られていく。
そして、水平転送部3に送られた電荷は水平方向に転送され、出力部4から時系列な画像信号として取り出されることになる。
【0066】
以上の動作において、本実施形態に係る固体撮像装置では、図4に示すように光導波路膜21の表面に対して斜めに入射し、光導波路膜21および間隙Vの界面に到る光L1も、当該界面で反射させて受光部5に入射させるようにしている。
【0067】
上記の作用について、光導波路膜21の表面と受光部5の表面とが平行であり、光導波路膜21の表面と側面(間隙Vとの界面)とのなす角が直角である場合を例に説明する。
【0068】
この場合、光導波路膜21の表面に対して角度θ1で入射した光L1は、光導波路膜21と間隙22との界面にも角度θ1(図4(a)中、入射光L1と破線で示した光導波路膜21の側面に対する法線との角)で入射することとなり、当該入射光L1が、当該界面で全反射して、受光部5へ導かれるためには、全反射のための臨界角以上で入射する必要がある。
ここで、光導波路膜21の屈折率をn1とし、光導波路膜の外側(この場合間隙V)の屈折率をn2とすると、以下の式(1)に示されるスネルの法則により、全反射に必要な角度θ1が算出される。
【0069】
【数1】
n1・sinθ1=n2・sinθ2 (1)
【0070】
つまり、図4(b)に示すように、屈折角θ2が90°を越えると光が全反射になるとすれば、上記式(1)のθ2に90°を代入すると、下記式(2)に示すようになり、
【0071】
【数2】
n1×sinθ1=n2×sin90° (2)
【0072】
sin90°=1であることから、全反射に必要な条件を満たすsinθ1の値は下記式(3)に示すものとなる。
【0073】
【数3】
sinθ1=n2/n1 (3)
【0074】
ここで、間隙Vは、空気が存在する状態、あるいは、真空状態に近い状態である場合もあるが、どちらの場合にも、この間隙Vの屈折率n2は、ほぼ1.0である。
従って、導波路膜21の周囲に膜が存在する場合に比して、sinθ1が満たすべき値は最小となり、その結果、全反射に必要な角度θ1も最小となる。
【0075】
従って、従来は、上記の光導波路を構成する材料の屈折率n1をできるだけ大きくして、かつ、光導波路の外側を構成する材料の屈折率n2をできるだけ小さくして、屈折率差を大きくすることにより、上記式(3)のn2/n1を小さくして、臨界角をできるだけ小さくする必要があったが、本実施形態では、上記の光導波路の外側には、屈折率がほぼ1.0の間隙Vが形成されていることから、最も光導波路を構成する材料との屈折率差を設けやすくなる。
【0076】
例えば、従来では、光導波路を構成する材料として屈折率が2.0(n1に相当)程度の窒化シリコン膜を使用し、光導波路の外側を構成する材料として屈折率が1.45程度(n2に相当)の酸化シリコン膜を使用しており、この場合n2/n1が0.725であり、臨界角が46.5°であった。
それに比して、本実施形態では、例えば、光導波路を構成する光導波路膜21に屈折率n1が1.45程度の酸化シリコン膜を採用しても、その外側の間隙Vの屈折率n2がほぼ1であることから、n2/n1が0.690と従来に比して小さくなり、臨界角も43.6°と小さくなる。
【0077】
従って、光導波路を構成する材料が以前に使用していた屈折率が2.0程度の窒化シリコン膜に限らずに、屈折率が1.45程度の酸化シリコン膜によっても、同等以上の全反射作用を奏することができる。
よって、光導波路を構成する光導波路膜21の材料を選択する際に、屈折率のウェートを以前に比して低減させることができる。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る固体撮像装置によれば、光導波路構造を用いて集光効率を向上させる場合に、光導波路を構成する材料(高屈折率材料)と、その外側の材料(低屈折率材料)との異種材料の組み合わせによって屈折率差を確保する必要性が低減されて、光導波路を構成する光導波路膜21の材料として、使用する光の波長領域に応じた透過率、現在の生産設備での生産性、パーティクルが発生しやすい等の材料特有の発塵性、加工性等の特性面を優先した選択が可能となり、製造上の制約を以前に比して低減させることができる。
【0079】
同様にして、従来は、光導波路の外側の平坦化膜には、屈折率ができるだけ低い材料を用いる必要があったが、本実施形態においては、平坦化膜23の役割は平坦化性のみであるため、平坦化性等を優先して材料を選択することができる。
この結果、第1転送電極15および第2転送電極16による段差が解消されて、これらの上に形成されるカラーフィルタ40やオンチップレンズ50などの加工均一性が向上し、スミアの増加や微小感度ムラを抑止することができる。
【0080】
また、通常、固体撮像装置において、ダークや白点特性が問題となり、この場合、活性な水素を受光部5の形成領域における基板に供給して、基板の界面準位を低下させる工程(水素化)が必要不可欠となっている。
このダークや白点特性は、基板11と熱酸化により形成された絶縁膜14aとの界面に存在するダングリングボンドに起因して発生すると考えられており、基板に活性な水素を供給して、ダングリングボンドを打ち消すことで改善される。
この場合にも、本実施形態においては、間隙Vが水素の供給路となり、製造工程の途中等に、間隙Vを介して光導波路膜21を通過させて水素を基板に供給することで、より効果的にダークや白点特性が改善されると考えられる。
また、窒化シリコンからなるパッシベーション膜30には、上記の活性な水素が存在し、以前にも上記の水素の供給源として使用されてきたが、本実施形態においては、間隙Vが水素の供給路となるため、より効果的に基板に水素が供給され、同様に、ダークや白点特性が改善されると考えられる。
【0081】
また、隣の画素から入射するような、光導波路膜21の表面との角度が臨界角よりも小さい斜めからの入射光は、光導波路膜21と間隙Vとの界面で反射されずに、受光部5への入射が制限されることから、隣接したレンズからの不要な入射が抑制され、混色等の発生が起きにくくなる。
【0082】
次に、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法について、図5(a)〜図10(m)を用いて説明する。なお、図5(a)〜図10(m)は、図3に対応した断面図である。
【0083】
まず、図5(a)に示すように、既知の方法に従って、シリコン基板内の各種の不純物領域の形成を行う。
すなわち、p型のシリコン基板またはシリコン基板に形成されたp型ウェル(以下、基板という)11に、p型不純物を高濃度にイオン注入して、図示しないチャネルストッパを形成し、n型不純物を所定条件でイオン注入して受光部5を形成し、n型不純物を所定条件でイオン注入して電荷転送部13,13’を形成し、電荷転送部13,13’と受光部5との間にp型不純物を所定条件でイオン注入して図示しない読み出しゲート部を形成する。
続いて、各種不純物領域を形成した基板11上に、熱酸化法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、酸化シリコン膜などを堆積させ、絶縁膜14aを形成する。
【0084】
次に、図5(b)に示すように、絶縁膜14a上に、CVD法により、不純物が添加されて導電率を高めたポリシリコンを堆積させ、当該ポリシリコンをパターニングして不図示の領域において第1転送電極を形成し、熱酸化法により第1転送電極上に酸化シリコンからなる絶縁膜を形成する。
続いて、当該絶縁膜を介して第1転送電極上に一部が重なるように、同様の手法で第2転送電極16を形成し、熱酸化法により第2転送電極16を被覆する絶縁膜14bを形成する。
続いて、後に形成する遮光膜17との耐圧確保および寄生容量低減のために、例えば、CVD法により、全面に酸化シリコンを堆積させ絶縁膜14cを形成する。
これにより、絶縁膜14a,14b,14cを含む絶縁膜14に転送電極15,16が埋め込まれるようにして形成される。
【0085】
次に、図5(c)に示すように、転送電極15,16を被覆するように、絶縁膜14上にタングステン(W)などの高融点金属をCVD法により堆積させ、当該高融点金属膜を受光部5の上方で開口部17aを有するようにパターニングして遮光膜17を形成する。
【0086】
次に、図6(d)に示すように、遮光膜17およびその開口部17a上に、CVD法により、例えば光導波路として、酸化シリコンを堆積させて、光導波路膜21aを形成する。
光導波路膜21aの膜厚は、遮光膜の開口部17a内に堆積される部分の高さが、第1および第2転送電極15,16を被覆する遮光膜17の高さより大きくなるような膜厚とする。
なお、上述したように、光導波路膜21aとして酸化シリコン以外にも、透過率、生産性、発塵性、加工性等の特性を考慮した、他の材料を採用することができる。
【0087】
次に、図6(e)に示すように、光導波路膜21a上にレジストを塗布し、センサー開口部となる部分にレジストを残すようにしてパターニングして、レジスト膜Rを形成する。
【0088】
次に、図7(f)に示すように、レジスト膜Rをマスクとして、異方性のプラズマドライエッチングを行うことにより、光導波路膜21aをパターニングして、4角柱形状にパターニングされた光導波路膜21を形成し、レジスト膜Rを除去する。
ここで、本実施形態では、光入射領域を遮光膜17の開口部17aにより画定しており、光導波路膜21を開口部17内のみに形成すると、先のレジストパターンの位置ズレ等により、後に形成する全反射を行う界面が遮光膜17の開口部17a内に形成されて、各画素間における感度特性にバラツキが生じる可能性があるため、受光部5のみならず若干遮光膜17上に重なるようにパターニング形成することにより、位置ズレによる各画素間での感度特性のバラツキが抑制される。
この光導波路膜21aのエッチング工程においては、遮光膜17をエッチングストッパ膜として使用していることから、酸化シリコンからなる光導波路膜21aとタングステン等からなる遮光膜17とのエッチング選択比が十分大きくなるようなエッチング条件で行う。
【0089】
次に、図7(g)に示すように、適当な無機材料あるいは有機材料からなる間隙形成用膜22を、所定の膜厚で全面に形成する。この間隙形成用膜22としては、例えば、アモルファスシリコン系材料や、シリコン系材料を用いることができ、膜厚は、例えば、0.1μm程度である。
【0090】
次に、図8(h)に示すように、例えば、RIE(Reactive Ion Etching) 等の異方性エッチングにより、全面をエッチバックして、光導波路膜21の側壁部に堆積した間隙形成用膜22のみを残して、他の領域に堆積した間隙形成用膜22を除去する。
【0091】
次に、図8(i)に示すように、遮光膜17、光導波路膜21および間隙形成用膜22を被覆して全面に、CVD法により、例えば、酸化シリコンを堆積させて、平坦化膜23を形成する。
なお、上述したように、本工程においても、平坦化膜23を構成する材料の選択において屈折率を考慮する必要がなく、平坦化性等があれば種々の材料を選択することができるが、一般には、酸化シリコン系が有力である。
また、平坦化膜23の材料としては、平坦化膜形成の際に、間隙形成用膜22の耐熱性を満足する材料である必要がある。
【0092】
次に、図9(j)に示すように、平坦化膜23の上にレジストを塗布した全面エッチバック法、あるいは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、間隙形成用膜22が露出するまで、光導波路膜21上に形成された平坦化膜23を除去し、さらに、光導波路膜21および平坦化膜23の表面を平坦化する。
【0093】
次に、図9(k)に示すように、選択的に間隙形成用膜22を除去して、光導波路膜21と平坦化膜23との間に、間隙形成用膜22の膜厚分だけの幅を有する間隙Vを形成する。
本工程においては、間隙形成用膜22に、例えば、アモルファスシリコン系材料や、シリコン系材料を用いた場合には、水酸化カリウム(KOH)等による薬液処理、あるいは、等方性エッチャー(Chemical Dry Etcher:CDE) を用いることができる。
また、間隙形成用膜22に、有機系膜を用いた場合には、有機溶剤等によって、選択的に剥離することができる。
【0094】
次に、図10(l)に示すように、光導波路膜21および平坦化膜23を被覆して全面に、プラズマCVD法により窒化シリコンを堆積させて、パッシベーション膜30を形成する。
【0095】
次に、図10(m)に示すように、パッシベーション膜30上に、例えば、染色法によりオンチップカラーフィルタ40を形成する。
染色法では、カゼインなどの高分子に感光剤を添加して塗布し、露光、現像、染色および定着を色ごとに繰り返す。その他、分散法、印刷法または電着法等を用いてオンチップカラーフィルタ40を形成してもよい。
【0096】
そして、最後に、例えば、所定の曲率を有するレンズ形状のレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、ネガ型感光性樹脂などの光透過性樹脂を加工してオンチップレンズ50を形成することで、図3に示す固体撮像装置を製造することができる。
【0097】
上記の本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、上述したように、光導波路を構成する光導波路膜21の材料として、使用する光の波長領域に応じた透過率、現在の生産設備での生産性、パーティクルが発生しやすい等の材料特有の発塵性、加工性等の特性面を優先した選択が可能となり、製造上の制約を以前に比して低減させることができる。
【0098】
また、本実施形態では、光導波路膜21の周囲に間隙形成用膜22を形成して、後に選択的に除去することで、光導波路膜21の周囲に間隙Vを形成していることから、例えば、光導波路膜21の周囲に平坦化膜を形成して、間隙形成部に開口を有するレジストパターンをマスクとして間隙Vを形成するのに比して、微細幅の間隙Vを形成することができる。
このことは、将来的に、受光部5の面積が小さくなっていき、間隙Vの幅の大きさが制限を受ける場合であっても、間隙形成用膜22の膜厚の制御のみで確実に微細幅の間隙Vを形成できることから有効である。
【0099】
また、従来の低屈折率材料よりなる平坦化膜に孔部を形成して、当該孔部に高屈折率材料を埋め込む方法と異なり、本実施形態では、平坦化膜形成前に、光導波路膜21をパターニング形成して、その後、光導波路膜21の周囲を被覆するように、間隙形成用膜22を介して平坦化膜23を形成することから、微細化に伴い孔部のアスペクト比が増大することによるボイドの発生等の弊害がなく、上述した所望の光集光機能を有する構造を安定して製造することができる。
【0100】
また、光導波路膜21の膜厚を厚くすることにより、全反射をなす光導波路膜21および間隙Vの界面の高さを高くすることができ、これにより、集光効率を一層高めることもできる。
この場合に、受光部5の面積がさらに小さくなっていっても本実施形態においては、レジストをマスクとしたパターニングにより光導波路膜21を形成していることから、光導波路膜21の厚さを容易に高くすることができる。
これに比して、孔部を形成した後に、孔部内に高屈折率材料を埋め込む製法では、受光部5の面積が小さくなった場合に、孔部を形成する層間膜の膜厚を厚くすると、孔部のアスペクト比がさらに高くなってしまい上述したカバレッジ不足によるボイドが発生することから、全反射を行う界面高さに制限がある。
【0101】
第2実施形態
第1実施形態では、光導波路膜21の周囲に間隙Vを設けることにより、光導波路を構成する材料と、その外側の材料との屈折率差を確保する必要性を低減させたが、本実施形態では、第1実施形態における間隙形成用膜22の代わりに金属などの光反射膜を形成して、最終的に当該光反射膜を残すものである。
図11に、本実施形態に係る固体撮像装置の断面図を示す。
なお、図11は、図2のA−A’線に沿った断面図に対応している。
【0102】
図11に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置は、光導波路膜21の周囲に、所定の光反射率をもつ金属などからなる光反射膜22aが形成されている。
なお、その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0103】
上記構成の本実施形態に係る固体撮像装置では、入射した光はオンチップレンズ50により光導波路膜21に集光され、この光導波路膜21に入射した光は、光学的に透明な光導波路膜21と光反射率の高い光反射膜22aとの界面が鏡面となっていることから、この鏡面において反射されて、受光部12へ導かれることになる。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る固体撮像装置によれば、光導波路構造を用いて集光効率を向上させる場合に、光導波路膜と光反射膜との界面で、光反射膜の反射率に応じて光を反射させ、光導波路膜21内に光を閉じ込めて受光部5へ導くことにより、第1実施形態と同様に、光導波路を構成する材料と、その外側の材料との屈折率差を確保する必要性がなく、材料選択の幅が広がり、製造上の制約を以前に比して低減させることができる。
【0105】
また、第1実施形態と同様に、平坦化膜23の材料の制約も低減され、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0106】
また、隣接する画素から入射するような斜めからの入射光は、光反射膜22aにより反射されて光導波路膜21および受光部5への入射が制限されることから、隣接する画素からの不要な入射が抑制され、混色等の発生が起きにくくなり、同様にして、入射光の入射角度が制限されるため、スミアの発生が低減され、電荷転送部13,13’の遮光性が強化される。
【0107】
次に、上記の本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。
【0108】
まず、第1実施形態と同様にして、図5(a)〜図7(f)に示す工程を経て、光導波路膜21を形成する。
そして、図7(g)に示す工程において、間隙形成用膜22の代わりに、光導波路膜21上を被覆して全面に、例えば、スパッタリング法により、光反射率の高い材料、例えば、アルミニウムを堆積させ、光反射膜22aを形成する。
なお、この光反射膜22aの膜厚は、光導波路膜21の側壁部分に、光反射機能を有する程度に光反射膜22aを堆積させることができれば、特に限定はない。
【0109】
その後、第1実施形態と同様にして、図8(h)〜図9(j)に示す工程を経ることにより、光導波路膜21の側壁部以外の領域の光反射膜22aを除去し、平坦化膜23を形成する。
そして、本実施形態では光反射膜22aを残すため、図9(k)に示す工程には経ずに、図10(l)の工程以降を経て、パッシベーション膜30、オンチップカラーフィルタ40、オンチップレンズ50を形成することで、図11に示す固体撮像装置を製造することができる。
【0110】
上記の本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、光導波路を構成する光導波路膜21の材料として、上述した使用する光の波長領域に応じた透過率等の特性面を優先した選択が可能となり、製造上の制約を以前に比して低減させることができる。
【0111】
また、第1実施形態と同様に、平坦化膜形成前に、光導波路膜21をパターニング形成することから、微細化に伴い平坦化膜に形成する孔部のアスペクト比が増大することによるボイドの発生等の弊害がなく、上述した所望の光集光機能を有する構造を安定して製造することができる。
【0112】
また、第1実施形態と同様に、受光部5の面積がさらに縮小化しても、レジストをマスクとしたパターニングにより光導波路膜21を形成していることから、光導波路膜21の厚さを容易に高くすることができ、集光効率を一層高めることもできる。
【0113】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、間隙V内に存在する空気は、後に形成するパッシベーション膜30の成膜工程における減圧度に影響されることから、間隙V内に空気が存在するか否かは問わない。
また、本実施形態においては、インターライン転送方式の固体撮像装置について説明したが、これに限られるものでなく、他の転送方式の固体撮像装置にも適用でき、また、リニアセンサ等、光を受光して信号を得る固体撮像装置であれば何にでも適用することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、光導波路により集光効率を高めて感度を向上させつつ、光導波路を構成する材料の制約が低減され、かつ、素子の微細化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1および第2実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図である。
【図2】第1および第2実施形態に係る固体撮像装置の撮像部における要部拡大平面図である。
【図3】第1実施形態に係る固体撮像装置の図2のA−A’線における断面図である。
【図4】第1実施形態に係る固体撮像装置の集光作用を説明するための図である。
【図5】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、遮光膜の形成工程までを示す断面図である。
【図6】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、光導波路膜の成膜工程までを示す断面図である。
【図7】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、間隙形成用膜の成膜工程までを示す断面図である。
【図8】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、平坦化膜の成膜工程までを示す断面図である。
【図9】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、間隙の形成工程までを示す断面図である。
【図10】第1実施形態に係る固体撮像装置の製造において、オンチップカラーフィルタの形成工程までを示す断面図である。
【図11】第2実施形態に係る固体撮像装置の図2のA−A’線における断面図である。
【図12】従来例に係る固体撮像装置の製造において、平坦化膜の堆積工程までを示す断面図である。
【図13】従来例に係る固体撮像装置の製造において、平坦化膜への孔部および遮光膜への開口部の形成工程までを示す断面図である。
【図14】従来例に係る固体撮像装置の製造において、透明膜の形成工程までを示す断面図である。
【図15】従来例に係る固体撮像装置の製造において、オンチップレンズ形成後の断面図である。
【符号の説明】
1…固体撮像装置、2…撮像部、3…水平転送部、4…出力部、4a…電荷−電圧変換部、5…受光部、6…読み出しゲート部、7…垂直転送部、8…画素、11…基板、13,13’…電荷転送部、14,14a,14b,14c…絶縁膜、15…第1転送電極、16…第2転送電極、17…遮光膜、17’…遮光材料膜、17a…開口部、21…光導波路膜、22…間隙形成用膜、22a…光反射膜、23…平坦化膜、25…平坦化膜、26…第1の透明膜、27…第2の透明膜、28…第3の透明膜、30…パッシベーション膜、40…オンチップカラーフィルタ、50…オンチップレンズ、V…間隙、R…レジスト膜。

Claims (5)

  1. 基板に受光部を形成する工程と、
    前記受光部上に、所定の屈折率をもち光学的に透明な光導波路膜を形成する工程と、
    前記光導波路膜の側壁を囲むように、所定の厚さを有する間隙形成用膜を形成する工程と、
    前記間隙形成用膜を被覆するように、前記基板上に層間膜を形成する工程と、
    前記間隙形成用膜を除去して、前記光導波路膜と前記層間膜の間に間隙を形成する工程と
    を有する固体撮像装置の製造方法。
  2. 前記受光部を形成する工程の後、前記光導波路膜を形成する工程の前に、前記基板上に、前記受光部の上方に開口部を有する遮光膜を形成する工程をさらに有し、
    前記層間膜を形成する工程において、前記間隙形成用膜を被覆するように、前記遮光膜上に層間膜を形成する
    請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
  3. 前記光導波路膜を形成する工程は、
    前記基板上に光導波路膜材を堆積させる工程と、
    前記受光部の上方における前記光導波路膜材上に、マスク層を形成する工程と、
    前記マスク層をマスクとして、前記光導波路膜材をパターン加工する工程と
    を有する請求項1または2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  4. 前記間隙形成用膜を形成する工程は、
    前記光導波路膜を被覆するように前記基板上に前記間隙形成用膜材を堆積させる工程と、
    前記光導波路膜の側壁に被覆した前記間隙形成用膜材を残すように、他の領域に形成された前記間隙形成用膜材を除去する工程と
    を有する請求項1〜3のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  5. 前記間隙を形成する工程の後に、前記光導波路膜の上方に、前記光導波路膜へ向けて光を集光するオンチップレンズを形成する工程をさらに有する
    請求項1〜4のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
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