JP2002353428A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置およびその製造方法

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JP2002353428A
JP2002353428A JP2001155797A JP2001155797A JP2002353428A JP 2002353428 A JP2002353428 A JP 2002353428A JP 2001155797 A JP2001155797 A JP 2001155797A JP 2001155797 A JP2001155797 A JP 2001155797A JP 2002353428 A JP2002353428 A JP 2002353428A
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light
light receiving
forming
imaging device
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JP2001155797A
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English (en)
Inventor
Yuichi Okazaki
雄一 岡崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】層内レンズの形状を最適化することができ、入
射光の集光状態が改善された固体撮像装置およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】基板11に形成された複数の受光部12
と、基板11上に形成され、受光部12の上方に開口部
を有する遮光膜16と、遮光膜16上に形成された段差
調整膜18と、少なくとも受光部12上に形成され、段
差調整膜18の形成状態に応じて所定の曲率をもった窪
み19aを上面に有する光学的に透明な層間膜19と、
少なくとも窪み19aの上に形成され、集光機能を有す
る光透過膜20とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受光部とオンチッ
プレンズとの間の層間膜上に形成され、当該層間膜の形
状を反映したレンズ曲面を下面に有する層内レンズが形
成された固体撮像装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、CCD固体撮像素子は、チップサ
イズの小型化および多画素化が非常に強く望まれてい
る。
【0003】しかし、現状の画素サイズのままチップを
小型化したのでは、画素数が減少し、その結果として解
像度が低下する。また、現状の画素サイズのまま多画素
化したのでは、チップサイズが大きくなり、生産コスト
の増大あるいはチップ歩留りの低下を招く。
【0004】従って、チップサイズの小型化または多画
素化を実現するには、画素サイズを現状より縮小するこ
とが必須となる。これができれば、解像度を維持したま
ま小型のCCD固体撮像素子を提供することができ、あ
るいは逆に素子サイズを維持したまま解像度を上げるこ
とができる。
【0005】ところが、画素サイズを縮小した場合、単
位画素に入射する光量は減少し、各画素の受光部の感度
特性が低下するという不具合が生じてしまう。受光部の
光電変換効率を向上させることにより感度特性を維持す
ることも可能であるが、その場合、ノイズ成分も増幅し
てしまうため、CCD固体撮像素子から出力される映像
信号のS/N比が低下する。つまり、画素サイズを縮小
したときの感度特性の維持を光電変換の効率向上のみで
達成するべきではなく、S/N比の低下を防ぐために各
画素への集光効率をできるだけ向上させることが必要と
なってくる。
【0006】この観点から、受光部上方に設けたカラー
フィルタ上にオンチップレンズ(OCL:On Chip Len
s) を設け、受光部への集光効率を高める工夫がなされ
ている。しかし、例えば4×4μm以下の画素サイズを
有するCCD固体撮像素子では、オンチップレンズ単独
で集光効率を高めることは、ほぼ限界に近づいている。
そこで、この限界を打開する新たな技術として、オンチ
ップレンズと受光部との間の層内に光透過材料の膜から
なる、もう一つの層内レンズを形成することで集光効率
をさらに向上させることが行われている。
【0007】この層内レンズを有するCCD固体撮像素
子の製造方法について、図9(a)〜図11(e)を用
いて説明する。まず、図9(a)に示すように、シリコ
ン基板11に、従来と同様な方法によって、受光部1
2、電荷転送部13、受光部12と電荷転送部13との
間に図示を省略した読み出しゲート部、および、受光部
12と電荷転送部13との間に図示を省略したチャネル
ストッパを形成する。また、電荷転送部13上の絶縁膜
14に埋め込んで転送電極15を形成し、絶縁膜14上
に、高融点金属の膜からなり受光部12の上方で開口す
る遮光膜16を形成する。
【0008】次に、図9(b)に示すように、遮光膜1
6およびその開口部上に、PSG(Phosphosilicate gla
ss) あるいはBPSG(Borophosphosilicate glass)膜
を成膜して層間絶縁膜19を形成し、リフロー処理を施
す。ただし、完全に平坦化する必要はなく、層間絶縁膜
19の上面には窪み19aが形成されている。
【0009】次に、図10(c)に示すように、層間絶
縁膜19上に、プラズマCVD法により、窒化シリコン
(SiN)または酸化シリコン(SiO2 )等からなる
光透過膜20aを形成し、当該光透過膜20a上にレジ
ストRを塗布し平坦化する。
【0010】次に、図10(d)に示すように、レジス
トRと光透過膜20aの材料との選択比がほぼ1となる
条件でエッチングを行い、表面が平坦化されその下面に
所定の曲率のレンズ面を有する層内レンズ20を形成す
る。
【0011】次に、図11(e)に示すように、層内レ
ンズ20上に、例えば酸化シリコンからなるパッシベー
ション膜21を形成し、当該パッシベーション膜21上
に、既知の方法を用いてオンチップカラーフィルタ22
とオンチップレンズ23を形成する。以上により、層内
レンズを有するCCD固体撮像素子が形成される。
【0012】また、上記の層内レンズのように下面にレ
ンズ曲面を形成するのに加えて、その上面にも凸レンズ
を形成することで集光効率をさらに向上させる技術が、
特開平11−40787号公報に開示されている。
【0013】この公報に開示された両面にレンズ曲面が
形成された層内レンズを有するCCD固体撮像素子の製
造方法について、図12(a)〜図15(g)を用いて
説明する。まず、図12(a)に示すように、シリコン
基板11に、従来と同様な方法によって、受光部12、
電荷転送部13、受光部12と電荷転送部13との間に
図示を省略した読み出しゲート部、および、受光部12
と電荷転送部13との間に図示を省略したチャネルスト
ッパを形成する。また、電荷転送部13上の絶縁膜14
に埋め込んで転送電極15を形成し、絶縁膜14上に、
高融点金属の膜からなり受光部12の上方で開口する遮
光膜16を形成する。
【0014】次に、図12(b)に示すように、遮光膜
16およびその開口部上に、PSGあるいはBPSG膜
を成膜して層間絶縁膜19を形成し、リフロー処理を施
す。ただし、完全に平坦化する必要はなく、層間絶縁膜
19の上面には窪み19aが形成されている。
【0015】次に、図13(c)に示すように、層間絶
縁膜19上に、プラズマCVD法により、窒化シリコン
(SiN)または酸化シリコン(SiO2 )等からなる
光透過膜31aを形成し、当該光透過膜31a上にレジ
ストRを塗布し平坦化する。
【0016】次に、図13(d)に示すように、レジス
トRと光透過膜31aの材料との選択比がほぼ1となる
条件でエッチングを行い、表面が平坦化された光透過膜
からなる第1レンズ31を形成する。
【0017】次に、図14(e)に示すように、表面が
平坦化された第1レンズ31上に、プラズマCVD法に
より、さらに、窒化シリコン(SiN)または酸化シリ
コン(SiO2 )等からなる光透過膜32aを形成す
る。続いて、光透過膜32a上にレジストを塗布し、レ
ジストを受光部12を中心とした領域が残るようにパタ
ーニングした後、リフロー処理する。これにより、表面
が所定の曲率の曲面となった凸レンズ状のレジストパタ
ーンRPが形成される。
【0018】次に、図14(f)に示すように、レジス
トパターンRPと光透過膜32aの材料との選択比がほ
ぼ1となる条件でエッチングを行う。これにより、レジ
ストパターンRPの形状をよく反映した光透過膜からな
る凸状の第2レンズ32が形成され、その下面が第1レ
ンズ31、その上面が第2レンズ32からなる層内レン
ズ30を形成する。
【0019】次に、図15(g)に示すように、所定の
曲率の表面を有する層内レンズ30を埋め込むように、
平坦化膜33を形成して表面を平坦化した後、当該平坦
化膜33上に、既知の方法を用いてオンチップカラーフ
ィルタ22とオンチップレンズ23を形成する。以上に
より、下面が第1レンズ31、上面が第2レンズ32か
らなる層内レンズ30を有するCCD固体撮像素子が形
成される。
【0020】上記の層内レンズを有する固体撮像素子に
おいては、オンチップレンズ23のレンズ曲面(凸状曲
面)で受けた光が集光され、層内レンズ20,30で更
に光が集光されて受光部12に入射されることとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
て、層内レンズ20および層内レンズ30の下面の形状
は、その下地となる層間絶縁膜19の上面の形状により
決定される。
【0022】層間絶縁膜19の形状は、その成膜条件に
より決定され、主としてボロン(B)あるいはリン
(P)などの不純物濃度、膜厚、リフロー温度の3つの
条件により決定される。すなわち、層間絶縁膜19は、
成膜時には下地の形状を反映するように形成され、その
後、その上面が所定の曲率を有する球形状となるように
リフロー処理を行っているが、このリフロー時におい
て、層間絶縁膜19中の不純物濃度、リフロー温度、膜
厚が大きければ、よりリフロー後の形状をなめらかにす
ることができる。
【0023】しかしながら、上記の3つの条件を制御す
るのみでは、様々な画素サイズを有する多くのCCD固
体撮像素子に対し、集光状態の最適化を行うのは困難と
なっている。
【0024】例えば、画素サイズの大きいものにおい
て、集光状態の最適化から受光部12から層内レンズ2
0,30までの距離を十分確保する必要があるが、この
場合に、BPSGの膜厚を増やすと、リフロー処理後の
層間絶縁膜19の上面の窪み19aがなくなってしま
う。
【0025】その結果、図16に示すように、層間絶縁
膜19上に形成する層内レンズ20がほとんどレンズ曲
面を有さなくなってしまうことから、オンチップレンズ
23を通過した入射光Lの受光部12への集光率が低く
なってしまう。
【0026】また、上記のレンズ形状の最適化のための
3つの成膜条件のうち、リフロー温度は、通常900℃
程度であるが、これ以上、高い温度で成膜すると基板1
1に導入された不純物の拡散度合が変化してしまうこと
から、従来、実質的には、不純物濃度と膜厚の2つの成
膜条件をコントロールすることでしか、層内レンズ20
の形状を最適化することはできなかった。
【0027】以上のように、層内レンズを有するCCD
固体撮像素子において、層内レンズ20の形状を最適化
するためのさらなる方法が求められている。
【0028】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、層内レンズの形状を最適化するこ
とができ、入射光の集光状態が改善された固体撮像装置
およびその製造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の固体撮像装置は、基板に形成された複数の
受光部と、前記基板上に形成され、前記受光部の上方に
開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜上に形成された段
差調整膜と、少なくとも前記受光部上に形成され、前記
段差調整膜の形成状態に応じて所定の曲率をもった窪み
を上面に有する光学的に透明な層間膜と、少なくとも前
記窪みの上に形成され、集光機能を有する光透過膜とを
有する。
【0030】好適には、各受光部に対応する前記光透過
膜の光軸中心が、前記基板面内における当該各受光部の
位置毎に異なるように形成されている。
【0031】好適には、各受光部に対応する前記窪みの
形状が、前記基板面内における当該各受光部の位置毎に
異なるように形成されている。
【0032】前記基板と絶縁して形成された転送電極を
さらに有し、前記遮光膜は、前記転送電極を被覆するよ
うに、前記基板および前記転送電極上に形成されてい
る。
【0033】前記光透過膜の上方に形成されたオンチッ
プレンズをさらに有する。
【0034】上記の本発明の固体撮像装置によれば、遮
光膜上には段差調整膜が形成されていることから、少な
くとも受光部上に形成される層間膜の上面には、段差調
整膜の形成状態に応じて所定の曲率をもった窪みが形成
され、その結果、少なくとも窪み上に形成される光透過
膜は、当該窪みの曲率に応じた集光機能を有することと
なる。上記の段差調整膜の厚み、受光部を挟んで対向す
る段差調整膜間の距離、あるいは遮光膜上に形成する段
差調整膜の位置等の段差調整膜の形成状態を変化させる
ことで、光透過膜が形成される窪みの曲率、窪みの受光
部までの距離、受光部に対する光透過膜の光軸中心の位
置等が最適化され、光透過膜の集光機能が最適化される
こととなる。
【0035】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の固体撮像装置の製造方法は、基板に複数の受光部を
形成する工程と、前記基板上に、前記受光部の上方に開
口部を有する遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜上に
段差調整膜を形成する工程と、少なくとも前記受光部上
に、前記段差調整膜の形成状態に応じて所定の曲率をも
った窪みを上面に有する光学的に透明な層間膜を形成す
る工程と、少なくとも前記窪みの上に集光機能を有する
光透過膜を形成する工程とを有する。
【0036】前記段差調整膜を形成する工程の前に、少
なくとも前記遮光膜上に前記段差調整膜と所定のエッチ
ング選択比を有するエッチングストッパ膜を形成する工
程をさらに有し、前記段差調整膜を形成する工程は、前
記エッチングストッパ膜上に段差調整膜用層を形成する
工程と、前記段差調整膜用層をエッチング加工して前記
段差調整膜を形成する工程とを有する。
【0037】前記層間膜を形成する工程の後に、熱処理
により当該層間膜を軟化して、前記窪みの深さを調節す
る。
【0038】上記の本発明の固体撮像装置の製造方法に
よれば、遮光膜上に段差調整膜を形成し、少なくとも受
光部上に、段差調整膜の形成状態に応じて所定の曲率を
もった窪みを上面に有する光学的に透明な層間膜を形成
し、少なくとも窪みの上に集光機能を有する光透過膜を
形成することから、段差調整膜の形状状態を最適化する
ことで、所望の集光機能を有する光透過膜が形成され
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の固体撮像装置の
実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0040】図1は本実施形態に係る固体撮像装置の主
要な構成を示す図である。本実施形態に係る固体撮像装
置1は、撮像部2、水平転送部3、出力部4を有する。
出力部4は、例えば、フローティングゲートにて構成さ
れた電荷−電圧変換部4aを有する。
【0041】撮像部2は、光電変換を行う受光部12、
読み出しゲート部6および垂直転送部7からなる画素8
を、平面マトリックス状に多数配置させて構成されてい
る。各画素8間は、不図示のチャネルストッパで電気的
に干渉しないように分離されている。
【0042】垂直転送部7は、受光部12の列ごとに共
通化され所定の本数、配置されている。撮像部2に、垂
直転送部7を駆動する4相のクロック信号φV1,φV
2,φV3,φV4が入力される。水平転送部3に、こ
れを駆動する2相のクロック信号φH1,φH2が入力
される。
【0043】上記の水平転送部3および垂直転送部7
は、半導体基板の表面側に不純物が導入されて形成され
たマイノリティ・キャリアの電位井戸と、絶縁膜を介在
させた基板上に互いに絶縁分離して繰り返し形成された
複数の電極(転送電極)とから構成されている。これら
の転送部3,7には、その転送電極に対して上記したク
ロック信号φV1,φV2,φV3,φV4,φH1,
φH2がそれぞれ周期的に位相をずらして印加される。
これら転送部3,7は、転送電極に印加されるクロック
信号に制御されて前記電位井戸のポテンシャル分布が順
次変化し、この電位井戸内の電荷をクロック信号の位相
ずれ方向に転送する、いわゆるシフトレジスタとして機
能する。
【0044】図2は、図1のA−A’線に沿った断面図
である。図2に示すように、シリコン基板またはシリコ
ン基板に形成されたp型ウェル(以下、基板という)1
1等に、例えば、n型不純物領域などからなり基板11
との間のpn接合を中心とした領域で光電変換を行って
信号電荷を発生させ、信号電荷を一定期間蓄積する受光
部12が形成されている。
【0045】受光部12の一方側と他方側に、それぞれ
所定距離をおいて、主にn型不純物領域からなる電荷転
送部13が形成されている。なお、図示を省略したが、
受光部12と一方の電荷転送部13との間に、可変ポテ
ンシャル領域を形成するp型不純物領域からなる読み出
しゲート部が形成され、受光部12と他方の電荷転送部
13との間に、高濃度のp型不純物領域からなるチャネ
ルストッパが基板深部にまで形成されている。
【0046】基板11上には、酸化シリコンなどの絶縁
膜14aが形成され、電荷転送部13上には絶縁膜14
aを介して、ポリシリコンなどからなる転送電極15が
形成されている。なお、図2に示す電荷転送部13と転
送電極15が、図1に示す垂直転送部7に相当する。
【0047】電荷転送部13および受光部12上には、
2層の絶縁膜14bおよび絶縁膜14cが形成されてい
る。絶縁膜14c上には、転送電極15を被覆するよう
に、例えば、タングステン(W)などの高融点金属から
なる遮光膜16が形成されており、当該遮光膜16に
は、受光部12の上方に開口部16aが形成されてい
る。遮光膜16が転送電極15を被覆するように形成さ
れているのは、遮光膜16の電荷転送部13に対する遮
光性を高めスミアを抑えるためである。
【0048】遮光膜16上および開口部16a内の絶縁
膜14c上を被覆して、例えば、酸化シリコンからなる
エッチングストッパ膜17が形成されている。また、遮
光膜16上には、エッチングストッパ膜17を介して、
例えば、タングステン等からなる段差調整膜18が形成
されている。
【0049】段差調整膜18およびエッチングストッパ
膜17を被覆して、例えば、PSG(Phosphosilicate g
lass) またはBPSG(Borophosphosilicate glass) な
どからなる層間絶縁膜19が形成されている。層間絶縁
膜19の表面には、上記の段差調整膜18およびエッチ
ングストッパ膜17により形成された下地の段差の形状
を反映して窪み19aが形成されている。
【0050】層間絶縁膜19上には、受光部12の上方
領域にその窪み19aの形状を反映して所定の曲率のレ
ンズ面を下面に有する層内レンズ20が形成されてお
り、層内レンズ20の上面は平坦化されている。層内レ
ンズ20は、光透過率が十分高い材料、例えば、窒化シ
リコン膜(SiN)または酸化シリコン膜(SiO2
などから形成されている。
【0051】上面が平坦化された層内レンズ20を被覆
して、酸化シリコンなどからなるパッシベーション膜2
1が形成されている。パッシベーション膜21上に、オ
ンチップカラーフィルタ22が形成されている。オンチ
ップカラーフィルタ22は、原色系のカラーコーディン
グ方式では赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに
着色され、補色系では、例えば、シアン(Cy)、マゼ
ンタ(Mg)、イエロー(Ye)、緑(G)などのいず
れかに着色されている。
【0052】オンチップカラーフィルタ22上に、ネガ
型感光樹脂などの光透過材料からなるオンチップレンズ
(OCL)23が形成されている。オンチップレンズ2
3は遮光膜上方の光も有効利用して受光部12に入射さ
せるため、無効領域となる隙間をできるだけ少なくする
ように形成されている。オンチップレンズ23のレンズ
曲面(凸状曲面)で受けた光が集光され、層内レンズ2
0で更に光が集光されて受光部12に入射されることと
なる。
【0053】次に、本実施形態に係る固体撮像装置の製
造方法について、図3(a)〜図5(f)を用いて説明
する。なお、図3(a)〜図5(f)は、図2に対応し
た断面図である。
【0054】図3(a)に至るまでの工程について説明
する。まず、既知の方法に従って、シリコン基板内の各
種の不純物領域の形成を行う。すなわち、p型のシリコ
ン基板またはシリコン基板に形成されたp型ウェル(以
下、基板という)11に、p型不純物を高濃度にイオン
注入して、図示しないチャネルストッパを形成する。ま
た、チャネルストッパの一方側にn型不純物を所定条件
でイオン注入して受光部12を形成し、チャネルストッ
パの他方側にn型不純物を所定条件でイオン注入して電
荷転送部13を形成し、電荷転送部13と受光部12と
の間にn型不純物を所定条件でイオン注入して図示しな
い読み出しゲート部を形成する。続いて、各種不純物領
域を形成した基板11上に、熱酸化法またはCVD(Ch
emical Vapor Deposition)法により、酸化シリコン膜な
どを堆積させ、絶縁膜14aを形成する。続いて、絶縁
膜14a上に、CVD法により、不純物が添加されて導
電率を高めたポリシリコンを堆積させ、当該ポリシリコ
ンをパターニングして転送電極15を形成する。続い
て、転送電極15および受光部12上を被覆して、例え
ば、酸化シリコン、窒化シリコンなどからなる2層の絶
縁膜14b,14cを形成する。さらに、絶縁膜14c
上にタングステン(W)などの高融点金属をCVD法に
より堆積させ、当該高融点金属膜を受光部12の上方で
開口部16aを有するようにパターニングして遮光膜1
6を形成する。以上で図3(a)に示す構造が形成され
る。
【0055】次に、図3(b)に示すように、遮光膜1
6およびその開口部16a内の絶縁膜14c上に、CV
D法により、例えば酸化シリコンを堆積させて、エッチ
ングストッパ膜17を形成する。なお、このエッチング
ストッパ膜17は後に形成する段差調整膜をパターニン
グする際に、下地を保護するためのものであるから、段
差調整膜を構成する材料との高いエッチング選択比を有
する材料であればよい。
【0056】次に、図4(c)に示すように、エッチン
グストッパ膜17上に、CVD法により、例えば、タン
グステンを堆積させ、少なくとも受光部12上方のタン
グステンを除去して、所望のパターンを有する段差調整
膜18を形成する。
【0057】次に、図4(d)に示すように、段差調整
膜18およびエッチングストッパ膜17を被覆して、例
えば、CVD法により、PSGまたはBPSGなどから
なる層間絶縁膜19を形成する。PSG膜またはBPS
G膜は、段差被覆性が高いので、成膜時には段差調整膜
18により形成された下地の段差をなぞるようにして形
成され、必要に応じてリフロー処理を行うことで、受光
部12の上方の層間絶縁膜19の上面に、所定の曲率を
有する窪み19aを形成する。
【0058】次に、図5(e)に示すように、層間絶縁
膜19上に、プラズマCVD法により、窒化シリコン
(SiN)または酸化シリコン(SiO2 )などからな
る光透過膜20aを形成し、当該光透過膜20a上にレ
ジストRを塗布し平坦化する。
【0059】次に、図5(f)に示すように、レジスト
Rと光透過膜20aの材料との選択比がほぼ1となる条
件でエッチングを行い、表面が平坦化され、その下面に
レンズ形状を有する層内レンズ20を形成する。
【0060】以降の工程としては、層内レンズ20上に
例えば酸化シリコンからなるパッシベーション膜21を
形成する。続いて、パッシベーション膜21上に、例え
ば、染色法によりオンチップカラーフィルタ22を形成
する。染色法では、カゼインなどの高分子に感光剤を添
加して塗布し、露光、現像、染色および定着を色ごとに
繰り返す。その他、分散法、印刷法または電着法等を用
いてオンチップカラーフィルタ22を形成してもよい。
最後に、例えば、所定の曲率の曲面となったレンズ形状
のレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、
ネガ型感光性樹脂などの光透過性樹脂を加工してオンチ
ップレンズ23を形成することで、図2に示す固体撮像
装置を製造することができる。
【0061】本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法
では、従来例に比して、遮光膜16上にエッチングスト
ッパ膜17を形成する工程と、エッチングストッパ膜1
7を挟んで遮光膜16上に、所定形状にパターニングさ
れた段差調整膜18を形成する工程のみを追加すること
で足り、追加工程をできるだけ少なくしつつ、以下に説
明するように受光部12への集光状態を改善することと
している。
【0062】すなわち、層内レンズの形状を決定するこ
ととなる、図4(d)に示す層間絶縁膜19を形成する
工程において、当該層間絶縁膜19は、下地の段差形状
を反映して形成されることから、段差調整膜18の膜厚
を制御することにより、リフロー後の層間絶縁膜19の
形状を最適化することができる。具体的には、図6に示
すように、段差調整膜18の膜厚を大きくすることによ
り、層間絶縁膜19に形成される窪み19aと受光部1
2との距離dおよび窪み19aの曲率を大きくすること
ができ、また、その逆も可能である。従って、段差調整
膜18の膜厚を制御することで、層間絶縁膜19の窪み
19aの形状を反映して形成される層内レンズ20の受
光部12との距離dおよびレンズの曲率を最適化するこ
とができ、画素サイズ毎に受光部12への集光状態を最
適化することができる。これにより、固体撮像装置の感
度を向上させることができ、スミアの発生を低減するこ
とができる。
【0063】また、段差調整膜18として、遮光膜16
と同じ材料であるタングステンなどを使用することによ
り、段差調整膜18は、遮光性をも有することから、斜
め光が電荷転送部13へ混入することによるスミアの発
生を低減することができる。
【0064】さらに、同一チップ面内において、段差調
整膜18のパターンを変化させることも有効である。す
なわち、撮像部2の周辺領域における画素8には、光が
斜めに入るので集光効果が落ちて、中央部分の画素8に
比して暗くなってしまうというシェーディング効果が生
じる。これを防止するため、撮像部2の周辺領域におい
ては、図7に示すように、例えば、光が左斜めから主に
入射する場合には、受光部12に対して斜め光Laが入
射する方向に存在する段差調整膜18aと受光部12の
開口との間の距離Aを、その反対方向に存在する段差調
整膜18bと受光部12の開口との間の距離Bに比して
大きくするように段差調整膜をパターニングすることに
より、形成される層内レンズ20の光軸中心を受光部1
2の中心に対して、光の入射方向にずらすことができ、
斜め光Laを有効に受光部12に集光させることができ
る。このようにして、オンチップレンズ23に用いられ
ている瞳補正と同様に、同一チップ内にて、受光部12
に対する段差調整膜18a,18bのパターンをずら
し、このずらし量を最適化することで、シェーディング
を低減することができる。また、斜め光Laが効率的に
受光部12に集光されることにより、斜め光Laが電荷
転送部13へ混入することによるスミアの発生を低減す
ることもできる。
【0065】また、段差調整膜18の膜厚を変化させる
以外にも、同一チップ面内における画素部8の位置ごと
に、各層内レンズ20の形状を最適化することもでき
る。すなわち、図8に示すように、遮光膜16上に形成
された段差調整膜18間の距離Cを変化させることによ
り、層間絶縁膜19を形成する際の下地の段差形状を変
化させることができることから、層内レンズ20の曲率
を変化させることができ、その結果、同一チップ面内に
おける各位置ごとに層内レンズ20の形状を最適化する
ことができる。
【0066】本発明は、上記の実施形態の説明に限定さ
れない。例えば、本実施形態においては、段差調整膜1
8として、遮光性を有する金属であるタングステンを使
用したがその他の金属膜により形成することもできる
し、また、金属以外にも、窒化シリコン膜などの無機膜
を使用することもできる。例えば、段差調整膜18に無
機膜として窒化シリコン膜を使用する場合には、エッチ
ングストッパ膜17として、同様に酸化シリコン膜を使
用することができる。また、本実施形態においては、エ
ッチングストッパ膜17として、酸化シリコン膜を使用
することとしたが、窒化シリコン膜などの他の無機膜で
もよく、段差調整膜18として使用する材料とのエッチ
ング選択比がとれる材料であれば特に限定はない。
【0067】また、同一チップ面内において、段差調整
膜18のパターンを変化させる際に、用途に応じて、図
7に示した受光部12に対して斜め光Laが入射する方
向に存在する段差調整膜18aと受光部12の開口との
間の距離Aを、その反対方向に存在する段差調整膜18
bと受光部12の開口との間の距離Bに比して小さくす
るように段差調整膜をパターニングして、形成される層
内レンズ20の光軸中心を受光部12の中心に対して、
光の入射方向とは反対の方向にずらしてもよい。さら
に、図7に示した同一チップ面内における段差調整膜間
の距離Cは、用途に応じて、チップ中央部の画素に比し
てチップ周辺部の画素における距離Cを大きくすること
も、またその逆も可能であり特に限定はない。その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能で
ある。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、入射光の集光状態を改
善することができ、スミアやシェーディングを低減しつ
つ、感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図で
ある。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】本実施形態に係る固体撮像装置の製造におい
て、エッチングストッパ膜の形成工程までを示す断面図
である。
【図4】本実施形態に係る固体撮像装置の製造におい
て、層間絶縁膜の形成工程までを示す断面図である。
【図5】本実施形態に係る固体撮像装置の製造におい
て、層内レンズの形成工程までを示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る固体撮像装置において、層内
レンズの形状を最適化するための一例を示す断面図であ
る。
【図7】本実施形態に係る固体撮像装置において、層内
レンズの形状を最適化するための他の一例を示す断面図
である。
【図8】本実施形態に係る固体撮像装置において、層内
レンズの形状を最適化するためのさらに他の一例を示す
断面図である。
【図9】従来例1に係る固体撮像装置の製造において、
層間絶縁膜の形成工程までを示す断面図である。
【図10】従来例1に係る固体撮像装置の製造におい
て、層内レンズの形成工程までを示す断面図である。
【図11】従来例1に係る固体撮像装置の製造におい
て、オンチップレンズを形成する最終工程までを示す断
面図である。
【図12】従来例2に係る固体撮像装置の製造におい
て、層間絶縁膜の形成工程までを示す断面図である。
【図13】従来例2に係る固体撮像装置の製造におい
て、第1レンズの形成工程までを示す断面図である。
【図14】従来例2に係る固体撮像装置の製造におい
て、第1レンズと第2レンズを有する層内レンズの形成
工程までを示す断面図である。
【図15】従来例2に係る固体撮像装置の製造におい
て、オンチップレンズを形成する最終工程までを示す断
面図である。
【図16】従来例に係る固体撮像装置の問題点を説明す
るための断面図である。
【符号の説明】 1…固体撮像装置、2…撮像部、3…水平転送部、4…
出力部、4a…電荷−電圧変換部、6…読み出しゲート
部、7…垂直転送部、8…画素、11…基板、12…受
光部、13…電荷転送部、14,14a,14b,14
c…絶縁膜、15…転送電極、16…遮光膜、17…エ
ッチングストッパ膜、18…段差調整膜、19…層間絶
縁膜、20…層内レンズ、21…パッシベーション膜、
22…オンチップカラーフィルタ、23…オンチップレ
ンズ、30…層内レンズ、31…第1レンズ、32…第
2レンズ、33…平坦化膜、R…レジスト、RP…レジ
ストパターン。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に形成された複数の受光部と、 前記基板上に形成され、前記受光部の上方に開口部を有
    する遮光膜と、 前記遮光膜上に形成された段差調整膜と、 少なくとも前記受光部上に形成され、前記段差調整膜の
    形成状態に応じて所定の曲率をもった窪みを上面に有す
    る光学的に透明な層間膜と、 少なくとも前記窪みの上に形成され、集光機能を有する
    光透過膜とを有する固体撮像装置。
  2. 【請求項2】各受光部に対応する前記光透過膜の光軸中
    心が、前記基板面内における当該各受光部の位置毎に異
    なるように形成されている請求項1記載の固体撮像装
    置。
  3. 【請求項3】各受光部に対応する前記窪みの形状が、前
    記基板面内における当該各受光部の位置毎に異なるよう
    に形成されている請求項1記載の固体撮像装置。
  4. 【請求項4】前記基板と絶縁して形成された転送電極を
    さらに有し、 前記遮光膜は、前記転送電極を被覆するように、前記基
    板および前記転送電極上に形成されている請求項1記載
    の固体撮像装置。
  5. 【請求項5】前記光透過膜の上方に形成されたオンチッ
    プレンズをさらに有する請求項1記載の固体撮像装置。
  6. 【請求項6】基板に複数の受光部を形成する工程と、 前記基板上に、前記受光部の上方に開口部を有する遮光
    膜を形成する工程と、 前記遮光膜上に段差調整膜を形成する工程と、 少なくとも前記受光部上に、前記段差調整膜の形成状態
    に応じて所定の曲率をもった窪みを上面に有する光学的
    に透明な層間膜を形成する工程と、 少なくとも前記窪みの上に集光機能を有する光透過膜を
    形成する工程とを有する固体撮像装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記段差調整膜を形成する工程において、
    各受光部に対応する前記光透過膜の光軸中心が、前記基
    板面内における当該各受光部の位置毎に異なるように形
    成されるよう前記段差調整膜を形成する請求項6記載の
    固体撮像装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記段差調整膜を形成する工程において、
    各受光部に対応する前記窪みの形状が、前記基板面内に
    おける当該各受光部の位置毎に異なるように形成される
    よう前記段差調整膜を形成する請求項6記載の固体撮像
    装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記段差調整膜を形成する工程の前に、少
    なくとも前記遮光膜上に前記段差調整膜と所定のエッチ
    ング選択比を有するエッチングストッパ膜を形成する工
    程をさらに有し、 前記段差調整膜を形成する工程は、前記エッチングスト
    ッパ膜上に段差調整膜用層を形成する工程と、前記段差
    調整膜用層をエッチング加工して前記段差調整膜を形成
    する工程とを有する請求項6記載の固体撮像装置の製造
    方法。
  10. 【請求項10】前記層間膜を形成する工程の後に、熱処
    理により当該層間膜を軟化して、前記窪みの深さを調節
    する請求項6記載の固体撮像装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記受光部を形成する工程の後、前記受
    光部で生成した電荷の転送電極を前記基板と絶縁して形
    成し、 前記遮光膜を形成する工程において、前記転送電極と絶
    縁して当該転送電極を被覆するように形成する請求項6
    記載の固体撮像装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記光透過膜を形成する工程の後、当該
    光透過膜の上方にオンチップレンズを形成する工程をさ
    らに有する請求項6記載の固体撮像装置の製造方法。
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