JP4923315B2 - 表面が改質されたプロピレン樹脂成形体 - Google Patents
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高分子学会編「新高分子実験学10 高分子の物性(3)表面・界面と膜・輸送」共立出版 1995年
重合開始剤は光重合開始剤が好ましく、ベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系などの光重合開始剤から自由に選択して用いることができる。
前記のように、エラストマーBはグラフト反応性を向上するために添加するので、表面改質の点からはエラストマーBの含有量は多いほうが好ましいが、エラストマーBが多すぎるとプロピレン樹脂成形体の耐熱性や剛性が低下したり、プロピレン樹脂成形体構成する樹脂の成形性が低下したりして好ましくない。従ってエラストマーBの含有量は、10〜70重量%の範囲にあることが好ましく、15〜60重量%の範囲にあるのがより好ましい。
プロピレン樹脂成形体の表面改質においては、親水性、反応性の向上を求められることが多いので、親水性や反応性に優れる前記官能基を有する単量体を使用することが好ましい。
N−イソブトキシメチルアクリルアミド、マレインアミド、2−アミノエチルビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ヒドロキシエチル化ダイアセトンアクリルアミド、メトキシメチル化アクリルアミド、メトキシメチル化メタクリルアミド、ブトキシメチル化アクリルアミド、ブトキシメチル化メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール、多価アルコールのモノアリルエーテル、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ダイアセトンアクリルアミド、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリスメトキシエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン、アクリルアミドグリコール酸、メタクリルアミドグリコール酸、アリルカルバメートのN−メチロール誘導体、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、などが挙げられる。
エラストマーBにおいては、重合体Aとの相溶性、非晶や低結晶ポリマーによるグラフト反応性向上の点からは重合体Xが多いほうが好ましいが、重合体Xが多すぎると重合体AとエラストマーBの溶融混練が困難になったり、エラストマーBに粘着性が発現したりするので、エラストマーBの重合体Xの割合は40〜95重量%の範囲にあるのが好ましい。
J105Fのペレットについて、結晶融解ピーク温度をパーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC7を用いて測定したところ、その値は167℃であった。またJ105Fを熱プレスにより縦7cm、横5cm、厚さ2.5mmの成形体に成形し、スガ試験機社製の直読ヘーズコンピュータを用いてヘーズを測定したところ、その値は50.5%であった。また同じ成形体を用い、表面の赤外吸収スペクトルを、日本分光株式会社製FT/IR−680を用いてATR法(株式会社エス・ティ・ジャパン製DuraScopeを使用)により測定したところ、図1のポリプロピレンに典型的なスペクトルが得られた。
J−3021GRの結晶融解ピーク温度およびヘーズを前記同様にして測定したところ、そられの値は152℃および39.8%であった。またJ−3021GRについて前記同様にして赤外吸収スペクトルを測定したところ、図1と同様なポリプロピレンに典型的なスペクトルが得られた。
J105FまたはJ−3021GRのペレットとハイブラー7311Sのペレットとを、図2の配合で混合し、16mmセグメント式2軸押出機(河辺製作所製)により、スクリュー回転数250rpm、シリンダー温度200℃の条件で溶融混練して、混合物のペレットを作製した。得られたペレットを熱プレスにより縦7cm、横5cm、厚さ2.5mmの形状に成形し、図2の成形体a〜eとした。成形体eについて前記と同様にして赤外吸収スペクトルを測定したところ、図3のスペクトルが得られた。
成形体のヘーズを前記同様にして測定したところ、図2のように成形体a〜eの全ての値がその成分であるJ105FまたはJ−3021GRの値より小さく、成形体a〜eを構成する樹脂が相溶性に優れることが明らかとなった。
このようにしてグラフト反応させた成形体eの表面の赤外吸収スペクトルを、前記同様にして測定したところ、図5のスペクトルが得られた。このスペクトルをグラフト処理前の成形体e表面のスペクトル(図3参照)と比較したところ、図5では3400cm−1付近に水酸基に特徴的なブロードな吸収ピークが認められること、また1170cm−1付近、1260cm−1付近および1730cm−1付近にメタクリルロイル基に特徴的な吸収が認められることから、2−ヒドロキシエチルメタクリレート重合体が成形体e表面に結合していることを確認した。
このようにしてグラフト反応させた成形体eの表面の赤外吸収スペクトルを実施例1と同様に測定したところ、図8のスペクトルが得られた。このスペクトルをグラフト処理前の成形体e表面のスペクトル(図3参照)と比較したところ、図8では910cm−1付近にエポキシ環に特徴的な吸収ピークが認められること、また1170cm−1付近、1260cm−1付近および1730cm−1付近にメタクリルロイル基に特徴的な吸収が認められることから、グリシジルメタクリレート重合体が成形体e表面に結合していることを確認した。
(比較例1)
Claims (4)
- ポリプロピレン又はプロピレンを主成分とするプロピレン共重合体であって結晶融解ピーク温度が140℃以上である重合体Aと、
炭化水素からなる非晶性または低結晶性のエラストマー、あるいは当該エラストマーブロックを含むブロック共重合体またはグラフト共重合体からなるエラストマーBとの樹脂組成物であって、エラストマーBの含有量が10〜70重量%である樹脂組成物を用いた成形体の表面に、
光重合開始剤を一定時間接触させたのちに、
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、アルデヒド基、メチロール基、イソアシネート基、オキサゾリン基、アルコキシシラン基、スルホ基、ピリジン基、ピロリドン基から選ばれる1つまたは2つ以上の官能基を有するラジカル重合可能な単量体を接触させながら光照射することで前記成形体の表面に官能基を有する重合体をグラフト重合させることを特徴とするプロピレン樹脂成形体の製造方法。 - 前記ラジカル重合可能な単量体は、アクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体であることを特徴とする請求項1記載のプロピレン樹脂成形体の製造方法。
- 前記エラストマーBは、共役ジエンの重合体を水素添加した重合体Xと、当該重合体X及び前記重合体Aに相溶しない重合体Yとからなることを特徴とする請求項1又は2記載のプロピレン樹脂成形体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法にて製造されたことを特徴とするプロピレン樹脂成形体。
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