JP4922771B2 - 自動製パン器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭で使用される自動製パン器、特には天然酵母の生種起こしが可能な自動製パン器、及び自動製パン器等の電熱器具を利用して天然酵母の生種起こしを行うのに用いる生種起こし容器に関するものである。
近年、一般の家庭においても比較的簡単にパンを作ることができる簡易な自動製パン器が出現している。この自動製パン器は、製パン原料が投入される容器であって、投入された製パン原料を混練する攪拌手段を備えるパンケースとしての調理容器と、加熱手段を備える焼成室を有し、該焼成室に収容した前記調理容器を加熱する製パン器本体と、前記製パン器本体において前記加熱手段と前記攪拌手段を制御する制御手段とを有してなり、前記調理容器は、前記攪拌手段とともに前記焼成室の底部上に脱着可能に収容されてセットされる。前記攪拌手段は、駆動側と従動側の一対の係合連結部材を介して駆動源のモータから回転動力が伝達されて回転駆動される。
ところで、近年の健康志向の高まりから、通常のパン製造に用いるイーストの代わりに所謂天然酵母を使ったいわゆる天然酵母パンの需要が増してきている。天然酵母パンを焼くには、天然酵母の元種と水を生種起こし容器にいれて、例えば25〜30℃程度の温調雰囲気下に約24〜30時間程度置いて発酵・増殖を行い、生種を作る、所謂生種起こしを必要とする。なお、前記温度が低くなるほど生種の熟成に時間がかかり、また前記温度が30℃を超えると雑菌が繁殖し易くなるので、前記温度範囲に保つのが好ましいとされている。
従来、自動製パン器を利用した生種起こしの思想がなく、また製パン器には生種起こしの機能を有していなかったため、一般の家庭においては、天然酵母の生種を作るのに必要な前記温度雰囲気の環境作りがきわめて難しいものであり、例えば、前記天然酵母の元種と水をいれた容器をホームこたつの中にいれて、25〜30℃の温度を保つ方法等が試みられていたが、前記温度を保つのは容易でなく、そのため酵母菌の発酵が一定せず、天然酵母パン作りを失敗することが多かった。
そこで、特許文献1に開示のように、天然酵母パンに使用する天然酵母の生種作りを、自動製パン器を利用して行なうことが提案されている。この提案では、パンケースとしての調理容器とは別に、生種起こしのための容器を具備し、該容器に天然酵母の元種と水をいれて調理容器内に収容し、焼成室に備える加熱手段としてのヒータにより、焼成室内を前記25〜30℃の温度雰囲気に保つように制御しながら、酵母菌の発酵、増殖を行うこととしている。
前記提案の場合、焼成室内の温度を温度センサにより検出して該焼成室内を設定した温度に保つように、前記ヒータを制御するものであるが、実際には、前記ヒータの通電のオン、オフにより前記設定温度がプラス・マイナス2〜3℃程度の温度差の範囲で上下変動しながら制御される。この温度の上下変動が前記容器内の酵母菌の部分に伝わると、酵母菌が温度変化の影響を受けて、酵母菌の発酵、増殖にばらつきが生じることになる。
そのため、前記特許文献1では、前記生種起こし用の容器を前記調理容器内に収容セットすることとし、前記ヒータに対して調理容器の壁で遮蔽する形態にしてヒータの輻射熱が前記容器には直接伝わらないようにし、かつ焼成室内の対流による前記温度の上下変動の影響を受け難くしている。
しかしながら、前記焼成室内の温度の上下変動に伴って前記調理容器内でもある程度の温度変化が生じることになり、しかも前記生種の容器自体は熱伝導性を考慮したものではないため、前記容器は前記調理容器内の温度変化の影響を受けることになり、酵母菌を一定の温度下に保持する上では充分に満足できないものである。
その上、前記調理容器内には、底部中央に攪拌手段が設けられているために、前記生種起こし容器を、前記攪拌手段の避けて収容する必要があり、前記調理容器内の底部中央にはセットできないものである。すなわち、前記生種起こし容器は、調理容器の中央から偏った位置にセットされ、その結果、偏った側で調理容器の側壁に近くなり、調理容器外方の前記ヒータに対しても近くなる。
そのため、前記調理容器の側壁に近い側ほど、前記ヒータの輻射熱が調理容器を介して生種起こし容器の側面に伝わり易くなり、その熱が生種起こし容器内の酵母菌にも伝わり、該生種起こし容器の全体を設定温度に安定性よく保温することができないものである。その結果、酵母菌の発酵・増殖にばらつきが生じ、良質の天然酵母の生種を得ることができないことになり、ひいては天然酵母パン作りを失敗することにもなる。
特開2000−262410号公報
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、自動製パン器等の電熱器具を利用して天然酵母の生種を作る場合に使用する生種起こし容器を、加熱手段であるヒータのオン・オフによる温度の上下変動による影響を受け難い容器にして、酵母菌の発酵・増殖にばらつきを生じずに良品質の生種を得ることができるようにし、さらには、自動製パン器での生種起こしの際、調理容器を使わずに製パン器本体の焼成室内の中央部に収容して生種起こしを行えるようにすることを目的とする。
本発明においては、特に、天然酵母の生種起こし容器を低熱伝導性材料により形成した容器にして、外表面で受ける熱が容器内部の酵母菌の部分に伝わり難くすることで、上記課題を解決するものである。
すなわち、本発明の生種起こし機能を備える自動製パン器は、製パン原料が投入される容器であって、投入された製パン原料を混練する攪拌手段を備える調理容器と、加熱手段を備えかつ前記調理容器を脱着可能に収容できる焼成室を有してなる製パン器本体と、前記加熱手段及び前記攪拌手段を制御する制御手段と、を備えてなる自動製パン器において、前記調理容器とは別に、天然酵母の生種起こし容器を備えてなり、該生種起こし容器が低熱伝導性材料により形成された容器であり、該生種起こし容器を前記焼成室内に収容して、酵母菌の発酵・増殖を行えるように構成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、自動製パン器を利用して天然酵母の生種を作る際は、前記生種起こし容器に天然酵母の元種を所定量の水と共にいれて、蓋をした状態で、前記製パン器本体の焼成室内に収容する。このとき、前記調理容器を取り出した前記焼成室内に直接収容することができる。こうして加熱手段による焼成室内の温度を生種作りに適した温度雰囲気、例えば25〜30℃の範囲の一定温度を保つように制御しながら熟成に必要な所定時間、例えば24〜30時間程度そのまま置いて、酵母菌の発酵・増殖を行う。
この生種作りにおいて使用される前記生種起こし容器は、低熱伝導性材料により形成された容器であるため、容器外表面の熱が容器内部に伝わり難く、前記焼成室内に収容した状態において容器外表面が前記加熱手段の輻射熱を受けた場合にも容器内部への熱伝導が抑えられ、また、加熱手段のオン、オフによる焼成室内の温度の上下変動も容器内部には殆ど伝わらず、その影響を回避できる。それゆえ、生種起こし容器内を実質的に一定温度に保持した状態で酵母菌の発酵・増殖を行うことができる。また、前記生種起こし容器を、前記調理容器を使わずに、製パン器本体の前記焼成室内の底部上に置いて生種起こしを行なうことが問題なく可能になり、ひいては、前記生種起こし容器を焼成室内の中央部にセットして生種起こしを行えることにもなる。
なお、前記生種起こし容器を調理容器内に収容した状態で焼成室内にセットして生種作りを行うことも可能であり、この場合にも、前記の低熱伝導性のために、加熱手段の輻射熱の影響や、加熱手段のオン、オフによる焼成室内の温度の上下変動による影響を回避でき、生種起こし容器内を実質的に一定温度に保持した状態で酵母菌の発酵・増殖を行うことができる。
、前記加熱手段が焼成室の周側壁内周に沿って配置されたヒータよりなり、前記生種起こし容器が前記ヒータとは間隔おいて内方における前記焼成室の底部上に載置可能に設けられてなるものが好ましい。これにより、前記生種起こし容器を前記ヒータの輻射熱による影響を受けないように焼成室内の底部上の中央部に載置して酵母菌の発酵・増殖を行うことができる。
特に、前記焼成室の底部中央に前記攪拌手段への動力伝達用の係合連結部を装備するための開口を有し、前記生種起こし容器の底部外径が前記開口の径より大きく、かつ該容器の底部下面に前記開口に対し係合自在な位置決め手段が設けられてなるものが好ましい。
これにより、前記生種起こし容器を前記焼成室に収容する際、該容器の底部下面の前記位置決め手段を前記開口に係合させることにより、前記焼成室の底部中央に位置決めして安定性よく載置でき、また前記焼成室内の周側壁に沿って設けられたヒータに対して所定の間隔を保有して略中央部に保持することができる。そのため、前記ヒータの輻射熱による加熱が容器外周面の全周で略均等になされることになる。
また、前記生種起こし容器を前記焼成室の底部上に載置した状態において、該生種起こし容器の外周面と前記ヒータとの間に、前記生種起こし容器内の生種が前記ヒータの輻射熱による直接加熱の影響を受けない程度の間隔を少なくとも保有するように設定されているものが、実施上特に好ましい。
上記したように本発明の自動製パン器によれば、該自動製パン器を利用して天然酵母の生種を作る際、調理容器とは別の生種起こし容器を、天然酵母の元種と水をいれた状態で前記製パン器本体の焼成室内に収容して、酵母菌の発行・増殖を行うことができ、特には調理容器を取り除いた焼成室内において該焼成室の周側壁に沿って設けられた加熱手段に対して略等距離になる中央部に保持して、酵母菌の発行・増殖を行うことができる。
殊に、前記生種起こし容器が低熱伝導性材料、例えば陶磁器等のセラミックスよりなる容器であるために、外表面で受ける容器外部の熱が容器内部へ伝わり難く、そのため生種起こし容器の内部は加熱手段のオン・オフによる焼成室内の温度の上下変動や加熱手段の輻射熱による加熱の影響を殆ど受けないことになる。それゆえ、前記のように調理容器を使わずに焼成室内の中央部に収容して、かつ該容器内部を設定した所定の温度に保持して、酵母菌の発酵・増殖を行うことが問題なく可能になり、ひいては高品質の天然酵母の生種を得ることができる。したがって、一般家庭においても、天然酵母の生種を使った天然酵母パン作りを容易に可能にする。
次に本発明の最良の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる自動製パン器のパンケースとなる調理容器をセットした状態の縦断面図、図2は同上の自動製パン器の開閉蓋を開いて内部の調理容器を取り外した状態の平面図、図3は同上の自動製パン器の操作表示パネルを示す平面図、図4は同上の自動製パン器の内部に生種起こし容器をセットした状態の断面図、図5は生種起こし容器の容器本体と蓋を分離した断面図、図6は同上の容器本体と蓋を嵌合した一部の拡大断面図、図7は同上の容器本体の平面図である。
自動製パン器1は、図1に示すように、被調理材及び水からなる製パン原料が投入される容器であって、内部に前記製パン原料を混練する攪拌手段21を備えるパンケースとしての調理容器2と、該調理容器2を収容できるとともに、収容した調理容器2を外方から加熱するための加熱手段を備える焼成室4とを有する製パン器本体3とから構成されている。本発明の場合は、前記調理容器2とは別に、後述のように蓋付きの生種起こし容器5も備えている。
製パン器本体3は、容器形状をなすケース30と、該ケース30の内部で前記焼成室4の周側壁41と底部42を形成する槽体40とを有し、前記ケース30の上部開口30aに該開口30aを覆う開閉蓋31が開閉自在に軸支されて取り付けられている。符号32は軸支部を示す。図中の符号6は、上面における前記開口30aに近接した個所に装着された操作表示パネルである。
前記操作表示パネル6には、図3に示すように、パン製造における小麦パン、米粉パン及び天然酵母パン等のパンの種類を選択する各選択キー6a、該選択キー6aによって選択されたパンの種類に応じて調理内容等の各メニューを設定する調理設定キー6b、該調理設定キー6bによって設定された調理内容やタイマーキー6cによるタイマー予約の時刻等を表示する表示部6d、さらにスタートキー6eやとりけしキー6f等が設けられている。特に、本発明の場合、前記選択キー6aあるいは前記調理設定キー6bにより生種起こしメニューを設定できるようになっている。
前記製パン器本体3の焼成室4内には、焼成用の加熱手段としてのヒータ43が前記周側壁41に沿って例えば図のように環状に配置されており、前記調理容器3を該ヒータ43の内方に間隔をおいて収容できるようになっている。焼成室4の周側壁41には、図1及び図4に示すように、焼成室4内の雰囲気温度を検出する温度センサ4aが設けられている。前記ヒータ43は、焼成室4内の雰囲気温度を調節するもので、焼成室4の底部42から所要の高さ、例えば図のように、前記周側壁41による焼成室4の全高の中間高さ位置よりやや下方の底部42側の高さ位置に配置されている。前記ヒータ43は、予備加熱用のヒータ及び天然酵母の生種作りの際の低温加熱用のヒータとしても兼用されるが、別途、余熱用あるいは生種作りの際の低温加熱用のヒータ(図示せず)を設けてもよい。
前記焼成室4の底部42には、中央領域に前記攪拌手段への動力伝達用の係合連結部33を装備するための開口44が設けられている。具体的には、前記開口44の周縁部下面に筒状のカバー部材34が取着され、該カバー部材34の底壁34aの中央部より下方に延びる筒部にスピンドル軸35が回転可能に貫通している。このスピンドル軸35の上端部には回転伝達のための駆動ギヤ36が固定されている。
駆動源としてのモータ7は、前記スピンドル軸35を動力伝達ユニット70を介して回転駆動するもので、前記焼成室4の底部42より下方における側方領域、通常は前記操作表示パネル6の下方の領域に配設されている。動力伝達ユニット70は、前記モータ7の回転駆動力を、該モータ7の出力軸に固定されたプーリ71と、前記スピンドル軸35の下端部に取り付けられたプーリ72と、前記両プーリ71,72に巻き掛けられた無端ベルト73とにより構成されている。
前記調理容器2は、例えば1〜2斤の食パンを焼成できる大きさで角部に丸みをつけた長方体形状をなしている。該調理容器2は前記以外の食パンを焼成できる容量の場合もある。何れの場合も、前記調理容器2の底部中央には、攪拌手段21の回転軸22が上下に貫通する状態で設けられ、この回転軸22の上方に突出した部分に製パン原料を混練する(混合し捏ねる)攪拌ブレード23が着脱自在に設けられている。また、前記回転軸22の下端部には、前記スピンドル軸35の駆動ギヤ36に対して係合する従動ギヤ26が取り付け固定されている。
前記駆動ギヤ36と従動ギヤ26とは、前記調理容器2を焼成室4の底部42上に載置しセットした状態において、前記従動ギヤ26が駆動ギヤ36の対向側面より突出した係止部36aに対し係合することにより回転伝達可能に連結されるものであり、これにより係合連結部33が構成される。もちろん、係合連結部33としては、係脱可能に係合あるいは噛み合って回転伝達可能に連結できるものであれば、どのような形態をなすものであってもよい。
図中の符号8は制御手段であり、前記操作表示パネル6及び前記焼成室4内の温度センサ4a等から種々の情報が入力されて、前記ヒータ43による加熱及び攪拌手段21の駆動を制御しながら各種の製パン及び天然酵母の生種作り等の選択したメニューに応じた制御を行うように設定されている。
そして、天然酵母の生種起こし容器5は、天然酵母の元種と水とを収容して生種を作るための例えば容量200ml程度の容器であり、図5〜図7に示すように、有底円筒状の容器本体51と、該容器本体51の上部開口51aに対し嵌合して被着自在な蓋52とからなり、特に容器本体51及び蓋52のいずれも低熱伝導性材料から形成されており、前記調理容器2を取り外した前記焼成室4内の底部42上に収容できるようになっている。
前記生種起こし容器5を形成する低熱伝導性材料としては、非金属無機材料の中でも特には成形・焼成等の工程を経て得られる陶器や磁器あるいはガラス等のセラミックスが耐熱性があって金属に比して熱伝導性の低い熱伝導性が低く好適に用いられる。中でも陶磁器類が適度に耐熱性や剛性もあり、特に好適に用いられる。
前記のほか、前記同様の低熱伝導性を発揮できる種々の材料を用いることができる。例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属材料でも、二重壁構造にして、容器内外間の熱伝導性を低く抑えるようにしたものであれば利用できる。いずれの場合も、繰り返し使用のために、雑菌が付着し難い表面を有する材料、例えば表面が非吸水性で洗浄が容易な磁器やガラスが好ましい。また陶器等の場合は、ガラス質の釉薬により表面を非吸水性にしたものが好ましい。また材料によっては、表面に耐熱性樹脂の表皮層を設けて使用することもできる。
前記の生種起こし容器5には、容器本体51に蓋52を被着した状態において、酵母菌の発酵・増殖過程で発生する炭酸ガスを逃がすために、前記容器本体51の開口端部51aと該開口端部51aに嵌合する前記蓋52下面の凸縁52aとの嵌合部の少なくとも一部に通気手段が設けられている。この通気手段として、図示する実施例の場合、前記開口端部51aの周方向の所要間隔毎に上端面から内周面にかけてリブ状の凸部54が設けられ、前記蓋52を開口端部51aに嵌合し被着した状態において(図6)、塵埃等の侵入を防止できてかつ前記炭酸ガスを逃がすことができる程度の通気性を有するごく僅かな隙間55を保有するように形成されている。これにより、酵母菌の発酵・増殖の過程において発生する炭酸ガスが容器内に充満するのを防いでいる。もちろん、前記蓋42の一部に塵埃等の侵入を防止でき、かつ前記通気性を確保できる貫通した小孔(図示せず)を形成しておくこともできる。
前記生種起こし容器5は、前記容器本体51の底部外径が前記焼成室4の底部42に有する前記開口44の直径より大きく、しかも該容器本体51の底部下面には、前記開口44に対し係合自在な位置決め手段が設けられている。図示する実施例の場合、前記位置決め手段として、前記開口44に嵌入自在な凸起56、特に陶磁器類の場合の糸じりのような凸起56が設けられている。すなわち、前記のように位置決め手段としての凸起56が設けられていると、該凸起56を前記開口44に嵌入して係合することにより、前記生種起こし容器5を前記焼成室4の底部42上の中央部に位置決めして位置ずれしないように安定性よく載置し保持することができる。また、これにより、前記生種起こし容器5が周側壁41に沿って設けられた前記ヒータ43の内方における中央部に保持されることになる。
実施上は、前記生種起こし容器5を前記焼成室4の底部42上に載置した状態において、該生種起こし容器5の外周面と前記ヒータ43との間に、前記生種起こし容器5内の生種が前記ヒータ43の輻射熱による直接加熱の影響を受けない程度の間隔を少なくとも保有するように設定され、前記生種起こし容器の外径等が設定される。
前記生種起こし容器5の高さは、前記ヒータ43が前記容器高さに対して1/3〜2/3の高さの位置になるように設定される。例えば、前記ヒータ43の前記焼成室4の底部42からの高さが10cmの場合、前記生種起こし容器5の高さ、特に容器本体51の高さが略16〜24cm程度に設定される。
前記生種起こし容器5の厚みは、低熱伝動性材料の種類及び熱伝導性や強度等を考慮して適宜決定できるが、例えば陶磁器類の場合は、2〜6mm、好ましくは4mm前後に設定される。もちろん前記以外の厚みでの実施も可能である。
前記生種起こし容器5は、図のような円形の容器であるものには限らず、前記焼成室4やヒータ43の平面形状と略相似形をなす容器とすることもできる。
上記の生種起こし容器5及び自動製パン器1を用いて、天然酵母の生種を作るための動作及び操作を説明する。
まず、材料となる天然酵母の元種としては、(有)ホシノ天然酵母パン種社製のホシノ天然酵母パン種(粉末)を使用し、該天然酵母パン種50gを、図5の形態の生種起こし容器5の容器本体51に軽量スプーンにより、あるいは生種起こし容器5自体に形成された目盛り(図示省略)等により軽量していれる。この際、生種起こし容器5は、洗浄した汚れのないものを使用する。さらに、前記生種起こし容器5の容器本体51に、前記元種の量に応じた所定量、例えば前記元種が50gの場合100mlの水をいれて、内部の材料をよくかき混ぜる。
その後、前記容器本体51の開口端部51aに蓋52の凸縁52aを嵌合して被着する。この状態で、例えば前記調理容器2を取り外した製パン器本体3の焼成室4内に前記生種起こし容器5を収容し、該焼成室4の底部42上に載置する。この際、前記生種起こし容器5の底部下面に有する位置決め手段としての凸起56を前記焼成室4の底部42の中央部に有する開口44に対し嵌入し係合することにより、前記底部42の中央部に位置決めして安定性よく載置でき、前記焼成室4内の周側壁41に沿って設けられた前記ヒータ43に対しても略中央部に保持することができる。
こうして、操作表示パネル6の調理設定キー6b等により生種起こしのメニューを設定し、さらにタイマーキー6cにより時間を設定して、生種起こしをスタートする。このとき、製パン器本体3の焼成室4に備える前記ヒータ43の通電のオン・オフを、前記制御手段8により制御し、前記焼成室4内の雰囲気温度を、酵母菌の発酵、増殖に適した25〜30℃の範囲の設定した所定温度を保持するように制御しながら、24〜30時間程度置いて前記天然酵母パン種に植え付けられている酵母菌を熟成させ、酵母菌の発酵、増殖を行う。例えば、前記生種起こし容器5にいれた前記天然酵母パン種が50g、水が100mlの場合、前記温度を26℃に保持して、24時間に設定して生種起こしを行う。これにより、天然酵母パン種の酵母菌が発酵、増殖を行い、天然酵母パンに使用される生種が得られる。
前記の生種起こしにおいて、前記生種起こし容器5は、耐熱性があってかつ金属に比して熱伝導性の低いセラミックス、例えば陶器や磁器等の低熱伝導性材料により形成された容器よりなるものであるため、容器外表面の熱が容器内部に伝わり難く、調理容器2を使用せずに前記焼成室4内に収容した状態において、容器外表面が前記ヒータ43の輻射熱を受けてもその熱の容器内部への伝導が抑えられる。そのため、前記ま生種起こし容器5が前記ヒータ43に対して内方に間隔をおいて略中央部に保持されていることもあって、前記ヒータ43の輻射熱の影響を受けず、またヒータ43のオン、オフによる焼成室4内の雰囲気温度の上下変動も容器内部には殆ど伝わらず、容器外部の温度変化の影響を受けることがない。
すなわち、前記焼成室内の雰囲気温度の設定した所定温度に保持するために、前記ヒータ43の通電のオン、オフの繰り返しにより前記焼成室4内の雰囲気温度が設定温度(例えば26℃)に対してプラス・マイナス2〜3℃程度の温度差の範囲で上下変動しながら制御されるが、前記生種起こし容器5が低熱伝導性材料よりなるものであるため、前記焼成室4内の雰囲気温度の上下変動が容器内部には容易には伝わらず、したがって、該生種起こし容器5内の温度を一定に保持した状態で酵母菌の発酵・増殖を良好に行うことができ、以て高品質の天然酵母の生種を容易に得ることができる。このような効果は、前記生種起こし容器5を調理容器内にいれて焼成室4内にセットした場合も得られる。
図8は、前記の酵母菌の発酵、増殖時における焼成室4内の雰囲気温度と、前記生種起こし容器5内の水温の温度チャートを示している。この図8において、運転開始直後には焼成室4内の雰囲気温度が40℃を超える温度まで上昇して、前記生種起こし容器5内の水温が前記設定温度になった後は、一定時間毎に前記設定温度を中心にプラス・マイナス2〜3℃程度の上下変動を繰り返しているが、前記生種起こし容器5内の水温は前記設定温度に対して殆ど変動していない。すなわち、前記生種起こし容器5内は焼成室4の雰囲気温度の上下変動の影響を受けておらず、殆ど一定温度に保持されている。したがって、前記生種起こし容器5を使用することにより、該容器内の温度を設定した一定の温度に保持して酵母菌の発酵・増殖を行うことができることが明らかである。
上記のようにして得られた天然酵母の生種は、天然酵母パンを焼くのに使用されるが、前記の天然酵母パン種50g、水100mlの場合の天然酵母の生種は、1斤の天然酵母食パンであれば3〜4回分を作ることができ、余った生種については、前記生種起こし容器に収納した状態で冷蔵保存することができる。
そして、本発明の自動製パン器1により天然酵母パンを焼く場合、製パン器本体3の焼成室4に収容した調理容器2内に、前記天然酵母の生種と、所定量の小麦粉(強力粉及び薄力粉それぞれ)、塩、バター、水等の製パン原料をいれ、操作表示パネル6の天然酵母パンの選択キー6aや調理設定キー6b及びタイマーキー6c等の各キーを操作して運転を行い、制御手段8により、焼成室4内の加熱手段であるヒータ43の通電及び攪拌手段21の駆動用のモータ7の駆動を制御しながら、通常の製パンと同様に前記製パン原料の混合からパン焼成までの一連の工程(ねかし工程、混練工程、発酵工程、ガス抜き工程、焼成工程等)を自動的に行って、天然酵母パンを焼き上げる。この際、上記のようにして得られた高品質の生種を使用することで、天然酵母パン作りを失敗することがない。
なお、前記天然酵母パンを焼き上げるための一連の工程については、従来と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
また、この自動製パン器1は、各種のパンを焼く機能のほかに、天然酵母の生種起こしに利用できるだけでなく、パン生地やピザ生地の作成、ジャムやスープ等の各種の食品の調理にも使用できる機能を有するものであるが、ここでは本発明の要旨とは関係しないため、説明を省略している。
なお、図5及び図6に示す実施例の生種起こし容器5は、上記した自動製パン器以外の電熱器具、特に加熱手段を備える内室を有するとともに、前記加熱手段を制御する制御手段を備え、前記内室が温度制御可能に構成されてなる、例えば生種起こし器として構成されている電熱器具において、前記内室に収容して酵母菌の発酵・増殖を行なう場合にも利用できる。この場合も、該容器5内の温度を設定した一定の温度に保持して酵母菌の発酵・増殖を行うことができる。
本発明は、一般家庭で使用される自動製パン器において、天然酵母の生種を作る場合に好適に利用できる。
本発明の一実施例にかかる自動製パン器のパンケースとなる調理容器をセットした状態の縦断面図である。 同上の自動製パン器の開閉蓋を開いて内部の調理容器を取り外した状態の平面図である。 同上の自動製パン器の操作表示パネルを示す平面図である。 同上の自動製パン器の内部に生種起こし容器をセットした状態の断面図である。 生種起こし容器の容器本体と蓋を分離した断面図である。 同上の容器本体と蓋を嵌合した一部の拡大断面図である。 は同上の容器本体の平面図である 酵母菌の発酵、増殖時における焼成室内の雰囲気温度と、生種起こし容器内の水温との温度チャートである。
符号の説明
1…自動製パン器
2…調理容器
3…製パン器本体
4…焼成室
4a…温度センサ
5…生種起こし容器
6…操作表示パネル
7…モータ
8…制御手段
21…攪拌手段
22…回転軸
21…攪拌手段
23…攪拌ブレード
30…ケース
31…開閉蓋
33…係合連結部
35…スピンドル軸
40…槽体
41…周側壁
42…底部
43…ヒータ
44…開口
51…容器本体
51a…開口端部
52…蓋
52a…凸縁
54…凸部
55…隙間
56…凸起
70…動力伝達ユニット

Claims (3)

  1. 製パン原料が投入される容器であって、投入された製パン原料を混練する攪拌手段を備える調理容器と、加熱手段を備えかつ前記調理容器を脱着可能に収容できる焼成室を有してなる製パン器本体と、前記加熱手段及び前記攪拌手段を制御する制御手段と、を備えてなる自動製パン器において、前記調理容器とは別に、天然酵母の生種起こし容器を備えてなり、該生種起こし容器が低熱伝導性材料により形成された容器であり、該生種起こし容器を前記焼成室内に収容して、酵母菌の発酵・増殖を行えるように構成され、前記加熱手段が焼成室の周側壁内周に沿って配置されたヒータよりなり、前記生種起こし容器が前記ヒータとは間隔おいて内方における前記焼成室の底部上に載置可能に設けられてなることを特徴とする自動製パン器。
  2. 前記焼成室の底部中央に前記攪拌手段への動力伝達用の係合連結部を装備するための開口を有し、前記生種起こし容器の底部外径が前記開口の径より大きく、かつ該容器の底部下面に前記開口に対し係合自在な位置決め手段が設けられてなる請求項に記載の自動製パン器。
  3. 前記生種起こし容器を前記焼成室の底部上に載置した状態において、該生種起こし容器の外周面と前記ヒータとの間に、前記生種起こし容器内の生種が前記ヒータの輻射熱による直接加熱の影響を受けない程度の間隔を少なくとも保有するように設定されている請求項に記載の自動製パン器。
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