JP4922312B2 - α−ガラクトオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラクトースを含む糖類を原料とするα−ガラクトオリゴ糖の製造方法に関するものであり、より詳しくは、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物由来のα−ガラクトシダーゼを、酵素精製といった煩雑な工程を経ることなく、培養して得られた微生物をそのまま利用して行われるα−ガラクトオリゴ糖の製造方法に関するものである。
近年、食生活・社会生活が多様化する中で、健康に対する意識向上から消費者の食品や食品素材等への関心が高まっている。その中で、メリビオースやラフィノース、プランテオース、スタキオース、ベルバスコースなどの、末端にα−ガラクトシル結合を有するオリゴ糖、すなわち、α−ガラクトオリゴ糖が、腸内細菌叢を改善する等の機能を有することが認められ、飲食品や医薬品、香粧品等あるいは、その原料として注目を集めている。最近では、いくつかのα−ガラクトオリゴ糖について、免疫腑活作用やアトピー性皮膚炎に対しても有用であるだけではなく、制ガン効果やナチュラルキラー細胞活性化作用を有することが報告されており、非常に有用なオリゴ糖として期待されている。
これらα-ガラクトオリゴ糖は豆類、ナタネ、ゴマ、綿実など植物の種子、キュウリやメロンなどウリ科植物の他、さとうきび、蜂蜜、キャベツ、じゃがいも、ぶどう、麦類、とうもろこしなど天然に広く分布しており、現在、市販されている殆どのα−ガラクトオリゴ糖は上記の植物から抽出されている。例えば、ラフィノースは、ビート糖製造の際の副産物として回収されているが、ビート中のラフィノース含有量は0.1%程度に過ぎず、生産量は、主生産物である砂糖の生産量にも関わってくるため、ラフィノース増産には限界がある。
また、ラフィノース以外のα−ガラクトオリゴ糖に関しても、天然界の植物中存在比率は低く、スタキオースはダイズの成熟種子中に約5〜15%程度含まれる炭水化物のうち約4%、プランテオースは黒ゴマ中に存在するが、含有量は約0.23%と非常に低い。メリビオースについても同様に、大豆オリゴ糖中にごく少量存在するのみである。従って、このような有用特性をもつα−ガラクトオリゴ糖を安価に安定的に市場へ供給するためには、天然からの抽出品のみでなく、安価な原料からの合成品が求められている。
これまでに報告されているα−ガラクトオリゴ糖の合成方法としては、例えば、ラフィノースをβ−フラクトシダーゼや酸、イオン交換樹脂等を用いて加水分解しメリビオースを得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1)、ラフィノースにPycnoporus cinnabarinus由来のα−ガラクトシダーゼを作用させることによりスタキオース、ベルバスコース、アジュゴースといったα−ガラクトオリゴ糖を合成する方法(例えば、非特許文献2参照)、Pycnoporus cinnabarinusやCandida guilliermondii、Pseudomonas fluorescens由来のα−ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用して、スクロースをガラクトース受容体とし、メリビオースやラフィノースをガラクトース供与体として用いてラフィノースやスタキオース、ベルバスコースなどのα−ガラクトオリゴ糖を得る方法(例えば、特許文献3、非特許文献3、非特許文献4参照)が挙げられる。
また、α−ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用するその他の方法としては、例えば、ガラクトース供与体としてp−ニトロフェニル−α−D−ガラクトピラノシドを利用する方法(例えば、非特許文献5参照)、ガラクチノールを利用する方法(例えば、特許文献4参照)、UDP−ガラクトースを利用する方法(例えば、特許文献5参照)、ガラクトビオースを利用する方法(例えば、特許文献6参照)などが報告されている。
このようなα−ガラクトオリゴ糖そのものを加水分解する方法や、α−ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用する方法は、反応が進行しやすく、高いα−ガラクトオリゴ糖の生成収率が期待できる。しかし、これらの方法はα−ガラクトオリゴ糖そのものや、高価な誘導体原料を使用する必要があるため、工業生産を考慮した場合、目的物を安価に安定的に製造供給することは困難である。
一方、脱水縮合反応を利用した場合、熱力学的には不利な反応であるものの、糖転移反応に比べ安価な基質が利用できるため工業的に有利であり、例えば、Mortierella vinacea由来のα−ガラクトシダーゼを用いたα−ガラクトオリゴ糖の製造方法(例えば、非特許文献6)が報告されている。しかし、脱水縮合反応を効率的に進行させるためには、高温での反応が好ましく、酵素の耐熱性が要求されるが、Mortierella vinacea由来のα−ガラクトシダーゼは耐熱性がなく、高温反応では酵素の失活を見越して反応系に大量に酵素を添加する必要があり、大量の酵素を得る為に微生物の大量培養が必要となる。また、酵素活性の低下を抑制するために低温で反応させようとすると、脱水縮合反応が進行しにくくなるため、反応時間が反応速度を上げるためには、やはり、酵素を大量に添加する必要性が生じ、微生物の大量培養の為の大掛かりな設備的が必要となる。
耐熱性を有するα−ガラクトシダーゼとしては、例えば、Geobacillus stearothermophilusが耐熱性を有することが知られているが、Geobacillus stearothermophilus属に属する微生物由来のα−ガラクトシダーゼはについては、これまでにいくつか報告されているものの、全て、α−ガラクトオリゴ糖のガラクトシル結合の分解に関するものであり(例えば、特許文献7)、メリビオースやラフィノース、プランテオース等のα−ガラクトオリゴ糖の製造に関する報告はこれまでなかった。
さらに、これまでに報告されているα−ガラクトオリゴ糖の製造方法は、“精製酵素”を利用した例であり、酵素を精製するための工程が必要となり、工程が煩雑になるだけでなく、酵素生成のための設備を設ける必要が生じる。工程の煩雑さという問題を解決するために未精製の酵素を利用すると、微生物内の夾雑酵素の影響により、生成物中に目的とするα−ガラクトオリゴ糖以外の夾雑オリゴ糖が生成してしまい、最終製品からの夾雑オリゴ糖の分離が困難になるだけでなく、夾雑酵素による原料の浪費といった問題が生じる。従って、従来の技術においては、酵素の精製あるいは、回収後の生成物から目的物のみを取り出すといった、複雑なプロセス工程を経なければ、α−ガラクトオリゴ糖のみを選択的に合成することは不可能であった。
特開平6−228180 CS239597 特許第2688854号 特開平10−84973 特開2001−321179 特公平8−24592 特開平5−23175 Oligosaccharidy str.120,Praha 1962 Bull. Fac. Agr., saga Univ., 69, 55−61(1990) Agric.Biol.Chem.,52(9),2305−2311,1988 Biosci.Biotech.Biochem.,59(4),619−623,1995 Phytochemistry,18,35−38,1979 Carbohydr. Res., 185, 139−146, 1989
本発明は、こうした状況のもとに、高価な原料を必要とせず、耐熱性を有するα−ガラクトシダーゼを産生するGeobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として利用し、かつ、微生物そのものを触媒として用いることにより、煩雑な酵素精製を必要としない製造方法でα−ガラクトオリゴ糖を製造する方法を提供するものである。さらには、微生物そのものを触媒として利用するにもかかわらず、選択的にα−ガラクトオリゴ糖を合成することができるα−ガラクトオリゴ糖の製造方法を提供することを目的とするものである。
これらの課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、α−ガラクトオリゴ糖を選択的に合成可能な耐熱性α−ガラクトシダーゼを用いて、酵素の精製工程を経ることなく、微生物そのものを触媒として利用し、目的α−ガラクトオリゴ糖以外の夾雑オリゴ糖の生成を抑制したα−ガラクトオリゴ糖の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)に示すα−ガラクトオリゴ糖の製造方法である。
(1) スクロースとガラクトースを原料とし、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として利用し、50〜90℃で反応させることを特徴とするラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
(2) 触媒として利用する微生物が培養時の培養液pHを6.5以下に低下させることで得られたものであることを特徴とする、(1)に記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
(3) 生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率が35%以上である、(1)又は(2)に記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
(4) 生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率が80%以上である、(1)から(3)の何れかに記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
(5) 微生物触媒がGeobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株、またはAKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株を親株として得られる変異株であって、ラフィノースおよび/またはプランテオースを合成する活性を有する変異株由来のものであることを特徴とする、(1)から(4)の何れかに記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
(6) ガラクトースとグルコースを原料とし、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として利用し、50〜90℃で反応させることを特徴とするメリビオースの製造方法。
(7) 生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率が50%以上である、(6)に記載のメリビオースの製造方法。
(8) 生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率が70%以上である、(6)又は(7)に記載のメリビオースの製造方法。
(9) 微生物触媒がGeobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株、またはAKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株を親株として得られる変異株であって、メリビオースを合成する活性を有する変異株由来のものであることを特徴とする、(6)から(8)の何れかに記載のメリビオースの製造方法。
本発明を用いることにより、安価な基質を原料とし、酵素精製といった煩雑な工程を経ることなく、α−ガラクトオリゴ糖以外の夾雑オリゴ糖を含有しないα−ガラクトオリゴ糖を製造することが可能である。また、本発明で使用する微生物Geobacillus stearothermophilus由来のα−ガラクトシダーゼは、日本において食品添加物としてその安全性が確認され、使用が認められているものであるため、技術・安全の両面からも、実際の工業生産に利用可能である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、ガラクトースを含む糖類に、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として作用させることを含む、α−ガラクトオリゴ糖の製造方法に関するものである。
本発明におけるガラクトースを含む糖類としては、ガラクトースおよびガラクトース以外の糖類からなる混合物が挙げられ、ガラクトース以外の糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース等の単糖やスクロース、マルトース、イソマルトース、メリビオース、ラクトース、トレハロース、セロビオース、ニゲロース等の二糖、ラフィノース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、イソパノース、ケストース、プランテオース、ラクトスクロース、メレジトース、エルロース等の三糖やそれ以上の分子量を有するオリゴ糖から選ばれる物質を少なくとも1つ含有することができるが、単糖としてはグルコース、二糖としてはスクロースを含有することが好ましい。
また、本発明におけるα−ガラクトオリゴ糖とは、α−ガラクトシル基を分子内に有するオリゴ糖であり、例えば、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、アジュゴース、プランテオースなどが挙げられるが、本発明を利用した場合、特にメリビオース、ラフィノース、プランテオースを選択的に製造することができる。
また、原料にガラクトースとスクロースを利用した場合、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を35%以上に向上することができ、より好ましい条件では80%以上に向上することができる。原料にガラクトースとグルコースを利用した場合、生成オリゴ糖中のメリビオース含有率を50%以上に向上することが可能であり、より好ましい条件では70%以上に、さらに好ましい条件では90%以上に向上することが可能である。生成物オリゴ糖中のα−ガラクトオリゴ糖含有率が低い場合、生成物からのα−ガラクトオリゴ糖の精製が著しく困難となるだけでなく、基質であるガラクトース、あるいは、その他の単糖、二糖等の無駄な消費も重大な問題となる。本発明において使用されるガラクトースは、ガラクトースそのものを利用しても良いし、UDP−ガラクトースや、その他ガラクトシル基を有する化合物等から製造されるガラクトースを利用することもできる。
また、本発明における夾雑オリゴ糖とは、分子内にα−ガラクトシル基を有しないオリゴ糖であって、例えば、マルトース、イソマルトース、セロビオース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、メレジトース、パノース、イソパノース、セロトリオース、ゲンチアノース、ケストース、エルロース、ラクトシルスクロースなどが挙げられる。
α−ガラクトオリゴ糖の製造に用いる微生物触媒は、通常行われる培養方法によって得られる微生物そのものを利用することができ、α−ガラクトオリゴ糖の合成酵素を微生物から精製する必要はない。また、場合によっては、微生物培養液、微生物培養上清を利用することもできる。一方、培養法により得られた微生物は必要に応じて、水や緩衝液等で洗浄した後、利用することもできる。例えば、培養した微生物の培養液、または遠心分離、バッファーによる洗浄等により得た微生物懸濁液、微生物または微生物の処理物(例えば微生物の破砕物等)を懸濁または溶解させた水溶液、あるいは微生物または微生物処理物を包括法、架橋法、又は担体結合法によって固定化したものを用いることができる。固定化する際の固定化担体の例としては、ガラスビーズ、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カラギーナン、アルギン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いる微生物としては、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物であればどのようなものを用いてもよく、α−ガラクトオリゴ糖を選択的に合成する活性を有する任意の微生物を用いることができる。好ましくは、Geobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株、およびAKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株を親株として得られる変異株由来があげられる。
Geobacillus stearothermophilus AKC−001株及びAKC−002株はそれぞれ、2006年11月14日に、AKC−010株は2007年3月14日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に寄託されており、その受託番号は以下の通りである。
AKC−001株(FERM P−21089)
AKC−002株(FERM P−21090)
AKC−010株(FERM P−21252)
上記のAKC−001株(FERM P−21089)、AKC−002株(FERM P−21090)、及びAKC−010株(FERM P−21252)は、2007年11月30日に国際寄託に移管された。国際寄託の受託番号は、以下の通りである。
AKC−001株(FERM BP−10937)
AKC−002株(FERM BP−10938)
AKC−010株(FERM BP−10939)
AKC−001株はDSM2358株を、AKC−002株はDSM6790株を、AKC−010株はDSM2313株をそれぞれ、本発明者らが独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに再寄託したものである。
また、上記に記載したDSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株は菌株寄託機関 Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen(DSMZ) (http://www.dsmz.de/microorganisms/bacteria#catalogue.php)より、入手可能である。DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株について、他のコレクション番号を以下に記載する。
DSM 2358株:NCIB 10280
DSM 2027株:ATCC 7954, NCIB 8924
DSM2313株:NCIB 10278
DSM22株:ATCC 12980, CCM 2062, CCUG 26241, IAM 11062, IFO 12550, NBRC 12550, NCIB 8923, NCTC 10339, VKM B−2231
DSM 6790株:ATCC 10149
本発明に用いる微生物の培養方法としては、通常の通気攪拌培養あるいは固体培養が用いられ、一般的に行われている微生物の培養方法が適応できる。培地としては、当該微生物が良好に生育し且つ、微生物中のα−ガラクトオリゴ糖合成酵素を順調に生産するために必要な炭素源、窒素源、無機塩、必要な栄養源等を含有する合成培地または天然培地が挙げられる。例えば、炭素源としては、グルコース、グリセロール、スクロース、ガラクトース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、セロビオース、エルロース、有機酸、大豆粕、澱粉、オリーブ油、大豆油等を用いることができる。窒素源としては、例えば、硫安、硝安、尿素、アミノ酸、アミン類、アンモニア、各種無機酸や有機酸のアンモニウム塩、その他含窒素化合物、ペプトン、トリプトン、ポリペプトン、肉エキス、酵母エキス、綿実粕、コーンスティープリカー、および大豆粕等があげられる。また、無機塩類としては、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸鉄、炭酸カルシウム等が用いられる。培養温度は25〜80℃が好ましく、より好ましくは40〜65℃、さらに好ましくは50〜60℃である。培養温度が25℃未満あるいは80℃より高い場合は生育性が悪く好ましくない。また、培地の初期pHは3〜9が好ましく、より好ましくは4.5〜7.5である。さらに、培養中のpHは広範囲で調整可能であり、pH3〜9で培養可能である。培地のpHが3未満あるいは9より高い場合は生育性が悪く好ましくない。培養中のpHに関わらず、Geobacillus stearothermophilus に属する微生物は、一般的な微生物のα-ガラクトオリゴ糖含有率(約30%以下)と比べて、非常に高いα-ガラクトオリゴ糖含有率(約35〜100%)を示すが、特に三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖を製造する場合には、より高いα-ガラクトオリゴ糖含有率を得るためには、培養中のpHを7未満にすることが好ましく、より好ましくは6.5以下、さらに好ましくは6.0以下、特に好ましくは5.5以下にすることができる。培養中のpHを低下させる手法としては、微生物から培養中に生成される酸性物質の利用や、塩酸、燐酸、硫酸、硝酸、酢酸等の酸性物質の添加が挙げられる。
本発明におけるα−ガラクトオリゴ糖を製造するには、脱水縮合反応の性質上、原料濃度は高い方が好ましいが、ガラクトース濃度が高くなりすぎるとガラクトースの分子内縮合によりガラクトースとガラクトース以外の糖類間の脱水縮合反応が抑制されるため好ましくない。ガラクトース濃度は2%(w/v)〜45%(w/v)にするのが好ましく、より好ましくは、5%(w/v)〜35%(w/v)にするのが好ましい。グルコースを基質として利用する場合、グルコース濃度は30%(w/v)〜90%(w/v)にするのが好ましい。また、スクロースを基質として利用する場合には、スクロース濃度は30%(w/v)〜80%(w/v)にするのが好ましく、より好ましくは45%(w/v)〜70%(w/v)にするのが良い。
反応温度は、20〜90℃、より好ましくは40〜80℃であり、さらに好ましくは50〜70℃である。反応温度が20℃未満である場合、反応速度が極めて小さく、90℃を超える温度領域では酵素活性の失活が早く大量の微生物触媒を要するため好ましくない。反応pHは広範囲で調整可能であり、好ましくはpH3〜10、より好ましくはpH4.5〜8.5、さらに好ましくはpH5.0〜6.0である。反応pHが3未満、あるいは10より大きい場合、触媒の失活が著しく早くなるため好ましくない。反応時間は微生物触媒の使用量によっても異なるが、工業的利用を考慮した際、好ましくは通常20分〜200時間、より好ましくは、6〜80時間である。しかしながら、本発明は以上の反応条件や反応形態に限定されるものではなく、適宜選択することができる。
本発明において得られるα−ガラクトオリゴ糖は以下の方法により測定される。
[生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率の測定方法]
反応終了後、反応液を25倍希釈して、99℃で10分間保持することで反応を停止した。反応停止後、遠心分離により微生物を除去し、得られた反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。HPLC分析(Hypercarbカラム)にはHypercarbカラム(サーモエレクトロン社製)を用い、カラム温度60℃、流量0.5ml/min、RI検出器を用いて実施した。溶離液には蒸留水/アセトニトリル/蟻酸=950/50/5の組成からなる混合液を用いた。
生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率(%)は、HPLC分析チャートに検出された各々のピーク面積比から(三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖のピーク面積)/(生成物オリゴ糖のピーク面積)×100により算出した。
[生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率の測定方法]
グルコースとガラクトースを原料としたα−ガラクトオリゴ糖合成反応終了後、反応液を25倍希釈して、99℃で10分間保持することで反応を停止した。反応停止後、さらに糖合成液を20倍希釈し、イオンクロマト分析により、メリビオース蓄積濃度%(w/v)を算出した。また、反応停止後の糖合成液を2倍希釈して、HPLC分析(Sugarカラム)を行い、全二糖蓄積濃度を算出した。イオンクロマト分析には、Carbpac PA1カラム(ダイオネクス社製)を用い、カラム温度35℃、流量1mL/min.で行った。検出器には、パルスドアンペロメトリ検出器を用いた。溶離液としては、水、100mM水酸化ナトリウム水溶液、500mM酢酸ナトリウム水溶液を利用し、0−20分、20−40分、40−45分の各々の段階で水、100mM水酸化ナトリウム水溶液、500mM酢酸ナトリウム水溶液の比率が49/50/1、30/50/20、0/100/0となるようなグラジエント条件で行った。HPLC分析(Sugarカラム)には、Shodex Sugar SCLGガードカラム(昭和電工社製)、Shodex Sugar SC1011カラム(昭和電工社製)、Shodex Sugar SP0810カラム(昭和電工社製)を連結して使用し、カラム温度80℃、流量0.6mL/min.、RI検出器で行った。溶離液には蒸留水を使用した。生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率(%)はメリビオース蓄積濃度/全二糖蓄積濃度×100により算出した。
[α−ガラクトシダーゼ活性の測定方法]
α−ガラクトシダーゼ活性を測定する方法としては、例えば、2.67mMのp−ニトロフェニル−α−D−ガラクトピラノシドを含むpH5.0の100mM酢酸ナトリウム緩衝液450μLに適宜調整した酵素液150μLを混合し、40℃で10分間程度反応させた後、1Mの炭酸ナトリウム水溶液1mLに添加して酵素を失活させ、反応を停止する。得られた溶液の着色度を波長420nmの吸収を測定し、各濃度のp−ニトロフェノールで作製した検量線を用いて濃度を算出する。また、酵素活性は上記条件下で1分間に1μmolのp−ニトロフェノールを遊離させる酵素量を1Uとして評価する。
また、α−ガラクトシダーゼの熱安定性は各温度条件下に一定時間さらした後に、α―ガラクトシダーゼ活性を測定することにより評価することができる。
本発明の方法により製造されるα−ガラクトオリゴ糖は、必要に応じて一般に用いられている方法により、精製・分離等の処理を行うことができる。すなわち、例えば、遠心分離、MF膜やUF膜等による膜処理、フィルタープレス等により微生物触媒を除き、陽イオン交換クロマトグラフィーや陰イオン交換クロマトグラフィー等のクロマト処理や透析等の脱塩処理により緩衝液や培地等から持ち込まれる塩類等を除去し、さらに、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、活性炭クロマトグラフィー等のクロマト処理や溶解度の差等を利用した結晶化処理、その他の常法に従ってα−ガラクトオリゴ糖を分離、精製することができる。クロマト処理はこれらの方法を単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良く、移動層方式や擬似移動層方式、多成分分離擬似移動層方式、多成分分離循環方式等を適宜利用することができる。これらの分離、精製方法を利用した場合、α−ガラクトオリゴ糖をその他の夾雑オリゴ糖成分から分離することができるだけではなく、様々な結合形態あるいは異なる分子量を有する複数のα−ガラクトオリゴ糖類を分離することもできる。これらのα−ガラクトオリゴ糖の精製、分離処理方法は、バッチ式で行っても良いしカラムを利用するなどして連続的に行っても良い。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
Geobacillus stearothermophilus AKC-001株(受託番号FERM BP−10937:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose Blood AgarBase)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(pH7.2)(表.3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表.2参照) 30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から4.9と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)した結果を、図1に示した。図1におけるPeak−1およびPeak−2に対応する画分を分取し、13C−NMRで解析した結果、Peak−1はプランテオース、Peak−2がラフィノースに対応することを確認した。菌体回収時のpHは4.9、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は100%であった。本結果を表1に示す。
実施例2
Geobacillus stearothermophilus DSM 2027株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B (表.3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表.2参照) 30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から5.0と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始39時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは5.0、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は98%であった。本結果を表1に示す。
実施例3
Geobacillus stearothermophilus DSM22株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B (表.3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表2参照) 30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から5.0と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始39時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは5.0、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は93%であった。本結果を表1に示す。
実施例4
Geobacillus stearothermophilusAKC−002 株(受託番号FERM BP−10938:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(TryptoseBlood Agar Base)プレート(Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表.3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表2参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から4.9と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始39時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは4.9、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は99%であった。本結果を表1に示す。
実施例5
Geobacillus stearothermophilusDSM457株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表2参照) 30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から5.0と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始39時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは5.0、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は94%であった。本結果を表1に示す。
実施例6
Geobacillus stearothermophilus AKC-010株(受託番号FERM BP−10939:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose Blood AgarBase)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(pH7.2)(表.3参照)より緩衝能の低い培地−A(pH7.2)(表.2参照) 30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。本培養を開始して2日後、培養液のpHは初期の7.2から5.0と酸性側にシフトしていた。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは5.0、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は100%であった。本結果を表1に示す。
実施例7
Geobacillus stearothermophilusAKC−001株 (受託番号FERM BP−10937:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose BloodAgar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.7であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.7、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は49%であった。本結果を表1に示す。
実施例8
Geobacillus stearothermophilusDSM 2027株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.7であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.7、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は51%であった。本結果を表1に示す。
実施例9
Geobacillus stearothermophilusDSM22株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.7であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.7、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は42%であった。本結果を表1に示す。
実施例10
Geobacillus stearothermophilusAKC−002株 (受託番号FERM BP−10938:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose BloodAgar Base)プレート(Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.8であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.8、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は53%であった。本結果を表1に示す。
実施例11
Geobacillus stearothermophilus DSM 457株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート(Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.6であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.6、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は50%であった。本結果を表1に示す。
実施例12
Geobacillus stearothermophilusAKC−010株 (受託番号FERM BP−10939:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose BloodAgar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表3参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで1日間培養した。本培養を開始して1日後の培養液pHは6.7であり、ほぼ培養初期のpHと変化がなかった。
本培養1日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出した。菌体回収時のpHは6.7、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は49%であった。本結果を表1に示す。
実施例13
Geobacillus stearothermophilus AKC−010株(受託番号FERM BP−10939:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、24時間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−C(表7参照)100mLを500mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで28時間培養した。
本培養28時間後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10,000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer(pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(pH5.0の100mM酢酸ナトリウム緩衝液にグルコース80.0%、ガラクトース10%を含む)を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始285時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、イオンクロマト分析した結果を図2に、HPLC分析(Sugarカラム)した結果を図3に示した。メリビオース糖蓄積濃度は1.6%(w/v)であり、生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率は84.4%であった。
実施例14
Geobacillus stearothermophilus AKC−010株(受託番号FERM BP−10939:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (DIFCO)で、55℃、24時間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−C(表7参照)100mLを500mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで28時間培養した。
本培養28時間後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10,000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer(pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(pH5.0の100mM酢酸ナトリウム緩衝液にグルコース50.0%、ガラクトース10%を含む)を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始17.5時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、イオンクロマト分析し、生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率を算出した。メリビオース糖蓄積濃度は0.93%(w/v)であり、生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率は88.9%であった。
実施例15
Geobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937:寄託機関;独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、24時間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表.2参照) 100mLを500mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで28時間培養した。
上記で得られた菌体を100mM酢酸Na buffer(pH5)に懸濁して、4℃および50℃で2時間インキュベートを行い、それぞれα−ガラクトシダーゼ活性測定を行った。活性測定は、100mM酢酸Na buffer(pH5)に溶解させた2.67mMのp−ニトロフェニル−α−D−ガラクトピラノシド450μLに、各温度でインキュベートした菌液150μLを混合し、40℃で10分間反応させた。反応後、遊離されたp−ニトロフェノールを定量することで活性を測定し、4℃および50℃でインキュベートした菌液の活性を算出した。4℃でインキュベートした菌体活性を100とすると、50℃でインキュベートした菌体の活性は80という高い値を示した。
比較例1
Geobacillus thermodenitrificans DSM 13147株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を表2に示した培地−A(表2参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始39時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)した結果を、図4に示した。図4におけるPeak−1およびPeak−2をα−ガラクトオリゴ糖、Peak−3、Peak−4およびPeak−5を夾雑オリゴ糖として、各ピーク面積から生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出したところ、Geobacillus thermodenitrificans DSM 13147株の生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率は27(%)であった。
比較例2
Geobacillus thermodenitrificansDSM 13147株(寄託機関; Deutsche Sammlung Von Mikroorganismen Und Zellkulturen)をTBAB(Tryptose Blood Agar Base)プレート (Difco)で、55℃、1日間培養してコロニーを形成させる。その1白金耳を培地−B(表2参照)30mLを150mL容三角フラスコに分注したものに接種して、55℃、150rpmで2日間培養した。
本培養2日後、培養菌体10mL分を15mL容チューブに回収した。培養液を回収した15mL容チューブを10000rpmで遠心後、上清を除去した。次に、100mM酢酸Na buffer (pH5)を1mL添加し、再懸濁した後、懸濁液を2mL容ポリプロピレン製チューブに移した。再度、チューブを遠心し、上清を除去した後、糖液(Sucrose 62.5%, Galactose 12.5% in 100mM酢酸Na buffer (pH5))を300μL添加し、菌体をボルテックスミキサーでよく懸濁させ、糖合成反応をスタートした。本糖合成反応は反応温度60℃、回転数1200rpmで行った。糖合成反応開始47時間後に、反応液40μLを回収し、蒸留水960μLとよく混合し、99℃で10分間酵素の熱失活を行った。本希釈糖液を常温に戻した後、HPLC分析(Hypercarbカラム)し、生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率を算出したところ21(%)であった。
比較例3
Green coffee beans由来α−ガラクトシダーゼ(SIGMA−ALDRICH製)を用いて実施例13に記載した方法で、熱安定性試験を行ったと。実施例15と同様に、4℃でインキュベートしたα−ガラクトシダーゼの活性を100とすると、50℃でインキュベートしたα−ガラクトシダーゼの活性は50であった。
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本発明を用いることにより、煩雑な酵素精製工程を必要とせず、且つ安価な基質を原料として用いて、α−ガラクトオリゴ糖以外の夾雑オリゴ糖を含まないα−ガラクトオリゴ糖の製造方法を提供する。
図1は、Geobacillus stearothermophilus AKC−001株を用いた糖合成反応(実施例1)の反応液をHPLC分析(Hypercarbカラム)したリテンションタイム0〜20分の結果を示す。 図2は、Geobacillus stearothermophilus AKC−010株を用いた糖合成反応(実施例13)の反応液をイオンクロマト分析したリテンションタイム0〜20分の結果を示す。 図3は、Geobacillus stearothermophilus AKC−010株を用いた糖合成反応(実施例13)の反応液をHPLC(Sugarカラム)分析したリテンションタイム0〜45分の結果を示す。 図4は、Geobacillus thermodenitrificans DSM 13147株を用いた糖合成反応(比較例1)の反応液をHPLC分析(Hypercarbカラム)したリテンションタイム0〜20分の結果を示す。

Claims (9)

  1. スクロースとガラクトースを原料とし、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として利用し、50〜90℃で反応させることを特徴とするラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
  2. 触媒として利用する微生物が培養時の培養液pHを6.5以下に低下させることで得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
  3. 生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率が35%以上である、請求項1又は2に記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
  4. 生成物オリゴ糖中の三糖以上のα−ガラクトオリゴ糖含有率が80%以上である、請求項1から3の何れかに記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
  5. 微生物触媒がGeobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株、またはAKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株を親株として得られる変異株であって、ラフィノースおよび/またはプランテオースを合成する活性を有する変異株由来のものであることを特徴とする、請求項1からの何れかに記載のラフィノースおよび/またはプランテオースの製造方法。
  6. ガラクトースとグルコースを原料とし、Geobacillus stearothermophilusに属する微生物を触媒として利用し、50〜90℃で反応させることを特徴とするメリビオースの製造方法。
  7. 生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率が50%以上である、請求項に記載のメリビオースの製造方法。
  8. 生成物オリゴ糖中のメリビオース含有率が70%以上である、請求項6又は7に記載のメリビオースの製造方法。
  9. 微生物触媒がGeobacillus stearothermophilus AKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株、またはAKC−001株(受託番号FERM BP−10937)、AKC−002株(受託番号FERM BP−10938)、AKC−010(受託番号FERM BP−10939)、DSM2358株、DSM2027株、DSM2313株、DSM22株、DSM6790株、DSM457株を親株として得られる変異株であって、メリビオースを合成する活性を有する変異株由来のものであることを特徴とする、請求項6から8の何れかに記載のメリビオースの製造方法。
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