JP4920365B2 - 処理槽 - Google Patents

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JP4920365B2 JP2006280450A JP2006280450A JP4920365B2 JP 4920365 B2 JP4920365 B2 JP 4920365B2 JP 2006280450 A JP2006280450 A JP 2006280450A JP 2006280450 A JP2006280450 A JP 2006280450A JP 4920365 B2 JP4920365 B2 JP 4920365B2
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Description

本発明は薄物シートを処理するための処理槽に関する。
従来、電気メッキ装置におけるクリップ式のワークハンガーとして、メッキ液中に入れ
られてメッキ処理される略平板状のワークを懸垂状態に支持し、電流を陰極バーに横移動
自在に吊り下げ支持されるとともに、該陰極バーに導電的に接触される支持部材と、この
支持部材の下部に導電的に接続されるように面接触状態に固着され、前記ワークの横長辺
の方向に沿って延ばされた横長基板と、この横長基板にそれぞれ取り付けられ、前記ワー
クの上部を挟持し、該ワークを懸垂状態に吊り下げ支持する複数の挟持クリップとから構
成されるものが提供されている(特許文献1参照)。
また従来、薄形基板のめっき装置として、被めっき部材である薄形基板の大きさに合わ
せて中央部に開口部を形成し、開口部に薄形基板を着脱自在に装着し得る構造とした金属
製の枠を有するものが提供されている(特許文献2参照)。
特開2003−328193号公報(第4−6頁、第2図) 特開平08−104998号公報(第2−3頁、第1図)
上記従来のワークハンガーのような薄物シートを処理するための処理槽にあっては、処
理液を噴射するためのノズル管において、その基端側と末端側との間でノズル孔から噴射
される処理液に圧力差が生じ、該処理液の均一な噴射ができず、ワークの表面を均一にメ
ッキ処理することができない場合があるという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その
目的とするところは、処理液を噴射するノズル管の基端側と末端側との間でノズル孔から
噴射される処理液に圧力差が生じることを抑制することができる処理槽を提供することに
ある。
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、処理液が充填される処理槽本体内にノズル管を配設し、該ノズル管に設けられた複数のノズル孔から被処理材である薄物シートに処理液を噴射するように構成した処理槽において、該ノズル管には、処理液を流動させる管本体と、該管本体から処理液を分岐して流動させる複数の分岐孔とが設けられるとともに、該複数の分岐孔と該複数のノズル孔の間に管本体に沿ってチャンバー室が設けられており、該チャンバー室において、分岐孔から処理液が流れ込む部位を入口とし、処理液がノズル孔へ流れ込む部位を出口として、該入口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線と、該出口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線とが一直線上で重ならないように、該入口に対して該出口の位置がずらされている処理槽を提供するものである。
本発明の処理槽によれば、複数の分岐孔と複数のノズル孔の間にチャンバー室が設けら
れているため、管本体から複数の分岐孔へ分岐した処理液は、一旦チャンバー室に集めら
れた後、複数のノズル孔に分かれて送り出されるようになっている。したがって、処理液
は、チャンバー室に集められた際に圧力を略均一とされて各ノズル孔へと送り出される。
こように圧力を略均一とされて各ノズル孔へと送り出された処理液は、各ノズル孔から略
均一な圧力で被処理材に噴射されるため、被処理材である薄物シートを揺動させにくく、
該薄物シートの表面を均一に処理することができるようになる。
なお、一般には処理液が管本体から直接的にノズル孔へと分岐して送られるため、ノズ
ル孔からの処理液の噴射に係る圧力は、管本体内における処理液の流動によって生じる圧
力に影響され、また処理液の流動によって生じる圧力は、処理液がノズル管の基端から末
端へと流動する間に損失する。したがって、各ノズル孔から噴射される処理液は、ノズル
管の末端から噴射されるものほど圧力が低く、またこのような圧力差に起因して被処理材
である薄物シートが揺動してしまい、該薄物シートの表面を均一に処理することが難しく
なってしまう。
上記チャンバー室において、分岐孔から処理液が流れ込む部位を入口とし、処理液がノズル孔へ流れ込む部位を出口として、該入口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線と、該出口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線とが一直線上で重ならないように、該入口に対して該出口の位置がずらされている。従って、チャンバー室内で処理液が入口から出口へと直接的に流れ込むこと管本体における処理液の流動の圧力がノズル孔における処理液の噴射の圧力に影響を与えることを抑制することができる。
また、該ノズル孔には、噴射される処理液の助走区間が設けられていることが望ましい。
上記のように送出路に処理液の助走区間を設けた場合、ノズル孔から被処理材に向かって処理液がまっすぐに噴射されるように、該処理液に方向性を付与することができる。
本発明によれば、処理液を噴射するノズル管の基端側と末端側との間で圧力差が生じる
ことを抑制することによって、該薄物シートの表面を均一に処理することができる。
本発明を図1〜図4に示す一実施例によって説明する。
図1および図2に示すように、例えばスルーホールやビアホールのめっき処理等に使用
される処理槽1は、処理液であるめっき液2が充填されている処理槽本体3と、該処理槽
本体3内に三段に配設されている左右一対のノズル管4と、例えば薄形プリント基板等の
被処理材である薄物シート5を挟持して該左右一対のノズル管4の間に通過させるクリッ
プ6とを有している。
なお本実施例では、該左右一対のノズル管4は薄物シート5の移動方向に対して斜めに
傾いて設けられている(図2参照)。
該処理槽1の処理槽本体3の底部には処理液循環経路7の一端にある処理液吸引口8が
開口しており、該処理液循環経路7の他端は該処理槽本体3の上方に配置される左右一対
のヘッダー9に連絡しており、該左右一対のヘッダー9はそれぞれ左右一対の三段のノズ
ル管4に連絡している。また、該処理液循環経路7には、該処理液吸引口8からめっき液
2を吸引してヘッダー9を介してノズル管4に循環させるための循環ポンプ10が介在さ
れている。
図3および図4(a),(b)に示すように、該ノズル管4は、管本体12と、該管本
体12から差し出された帯板13とを備えている。管本体12の周壁において、帯板13
で覆われた箇所には、複数の分岐孔14が設けられている。
該帯板13には、その内部にチャンバー室15が設けられるとともに、複数のノズル孔
16が並設されている。チャンバー室15は、複数の分岐孔14に連通し、かつ複数のノ
ズル孔16に連通するように、複数の分岐孔14と複数のノズル孔16の間に設けられて
いる。したがって各ノズル孔16は、1つのチャンバー室15を介して各分岐孔14に連
通している。そして、管本体12内を流動する処理液は、複数の分岐孔14でそれぞれ分
岐されるとともに、1つのチャンバー室15に集まり、該チャンバー室15から複数のノ
ズル孔16にそれぞれ分岐して送られるようになっている。
該チャンバー室15において、分岐孔14から処理液が流れ込む部位を入口14aとし
、処理液がノズル孔16へ流れ込む部位を出口16aとする。また、入口14a中心から
分岐孔14内における処理液の流動方向に沿って延びる直線を第1直線L1とし、出口1
6aの中心からノズル孔16内における処理液の流動方向に沿って延びる直線を第2直線
L2とする。該チャンバー室15において、該出口16aは、該第1直線L1と該第2直
線L2とが一直線上で重ならないように、該入口14aに対する位置がずらされている。
すなわち、本実施例では、該ノズル管4を側面視した場合(管本体12の延びる方向から
見た場合、図4(a)参照)、入口14aの開口方向と、出口16aの開口方向とがそれ
ぞれ異なっている。さらに、該ノズル管4を平面視した場合(管本体12の延びる方向及
びノズル孔16の延びる方向の両方向に対して垂直な方向から見た場合、図4(b)参照
)、入口14aに対して出口16aが互い違いとなるように、分岐孔14及びノズル孔1
6が形成されている。
帯板13の内部においてノズル孔16は、管状に延長されている(図4(a),(b)
参照)。すなわち、管状に延長されたノズル孔16の内部は、処理液であるめっき液2の
助走区間Aとなっており、該助走区間Aを通過して噴出するめっき液2の液流が直線的に
配向され、まっすぐに噴射されるように、該めっき液2に方向性を付与している。また、
該ノズル管4は、めっき液2を内側に向けて斜め下方に噴射するように、すなわちノズル
孔16が斜め下方に延びるようにして配置されている。そして、各ノズル孔16は、帯板
13に並設されることにより、めっき液2をそれぞれから平行に噴出するように構成され
ている(図3参照)。
上記の処理槽1を使用して薄物シート5にめっき処理を施す場合には、まず、該処理槽
1の処理槽本体3内にめっき液2を充填し、該左右一対のノズル管4のノズル孔16より
左右等しい圧力および流速でめっき液2を噴射させる。
つぎに、クリップ6で薄物シート5を挟持して、該クリップ6で支持した薄物シート5
を該処理槽本体3の一端よりめっき液2内に挿入する。
そして、該処理槽本体3の内部において該薄物シート5を該左右一対のノズル管4の中
間で他端側に移動させ、その間に該めっき液2によって該薄物シート5をめっき処理し、
最後に、他端において処理槽本体3内のめっき液2から該薄物シート5を引き上げる(図
2参照)。
上記のように、本実施例の処理槽1および薄物シート5の処理方法では、薄物シート5
の両面には左右一対のノズル管4のノズル孔16から噴出するめっき液2が等圧かつ等流
速で及ぼされるので、薄物シート5の左右におけるめっき液2の液圧が拮抗し、薄物シー
ト5はめっき液2中で揺動することを抑制される。該めっき液2は左右一対のノズル管4
のノズル孔16から内側に向けて斜め下向きに噴出されるので、めっき液2の液圧も該薄
物シート5の両面に斜め下向きに及ぼされ、該薄物シート5の下端は浮力で浮き上がるこ
とを阻止される。
さらに、ノズル管4において、管本体12から各分岐孔14に分岐しためっき液2が一
旦はチャンバー室15に集まることにより、ノズル管4の基端と末端の間における圧力差
が解消される。このように圧力差が解消された状態でチャンバー室15から各ノズル孔1
6に分岐するため、各ノズル孔16からは処理液であるめっき液2がそれぞれ均等な圧力
で噴射される。さらにまた、入口14aに対して出口16aの位置がずらされ、入口14
aから出ためっき液2が出口16aへ直接的に辿り着かないようになっており、管本体1
2から流動してきためっき液2が該管本体12内における圧力を保持したまま、入口14
aから出口16aへと直接的に到達することが抑制される。
従って本実施例では、その上端をクリップ6でとめたのみの薄物シート5において、該
薄物シート5がノズル管4のノズル孔16から噴出するめっき液2に圧力差に影響されて
揺れ動くことを抑制することができ、その結果、薄物シート5の上端にクリップ6を取り
付けるだけの簡単な作業によって、該薄物シート5の表面を均一にめっき処理することが
できる。
該処理槽1の底部にはノズル管4に連絡する処理液循環経路7が開口しており、該処理
槽1の底部から該循環経路7にめっき液2を吸引してノズル管4に循環するので、めっき
液2を別途補給する必要がなく、めっき液2の補給に要する手間や労力を削減することが
できる。
また、左右一対のノズル管4のノズル孔16がそれぞれ相対する位置に設けられている
ので、薄物シート5の両面に左右一対のノズル管4のノズル孔16から噴出するめっき液
2がより等圧かつ等流速で及ぼされる。そのため、薄物シート5の左右におけるめっき液
2の液圧がより拮抗し、薄物シート5はめっき液2中で揺動することを更に抑制される。
更に、該ノズル管4のノズル孔16が管状に延長されているので、該ノズル孔16から
噴出するめっき液2の液流が直線的に配向される。そのため、薄物シート5の両面に左右
一対のノズル管4のノズル孔16から噴出するめっき液2が更に等圧かつ等流速で及ぼさ
れ、薄物シート5の左右におけるめっき液2の液圧がより更に拮抗し、薄物シート5はめ
っき液2中で揺動することをより更に抑制される。
また更に、ノズル管4が薄物シート5の移動方向に対して平行に設けられた場合には、
薄物シート5の一部に該ノズル管4によって常にめっき処理が妨害される部分が生じるの
に対して、本実施例では、ノズル管4が薄物シート5の移動方向に対して斜めに傾いて設
けられているので、薄物シート5に該ノズル管4によって常にめっき処理が妨害されるこ
とがなく、薄物シート5の表面を均一にめっき処理することができる。
加えて、管状に延長されたノズル孔16の内部は、処理液であるめっき液2の助走区間
Aとなっており、該助走区間Aを通過して噴出するめっき液2の液流が直線的に配向され
るため、噴出するめっき液2の液流が不安定となってめっき処理が妨害されることを抑制
することができ、薄物シート5の表面を均一にめっき処理することができる。
以上、本発明の実施の形態を実施例により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形すること
が可能である。例えば、分岐孔14は、必ずしも断面円形状の穴に限らず、スリット状に
形成してもよい。また、チャンバー室15において、入口14aと出口16aは、第1直
線L1と該第2直線L2とが一直線上で重ならないように互いの位置がずらされているな
らば、例えば、入口14aの開口方向と出口16aの開口方向を違えるのみ、あるいは入
口14aと出口16aを互い違いにするのみとしてもよい。
本発明は、薄物シートの上端にクリップを取り付けるだけの簡単な作業によって、該薄
物シートの表面を均一に処理することができる処理槽として、産業上利用することが出来
る。
第1実施形態の処理槽の説明正面図である。 第1実施形態の処理槽の説明側面図である。 ノズル管の斜視図である。 (a)はノズル管の側断面図であり、(b)はノズル管の平断面図である。
1 処理槽
2 処理液(めっき液)
3 処理槽本体
4 ノズル管
5 薄物シート
6 クリップ
7 処理液循環経路
11 ノズル孔
12 管本体
13 帯板
14 分岐孔
15 チャンバー室
16 ノズル孔

Claims (2)

  1. 処理液が充填される処理槽本体内にノズル管を配設し、該ノズル管に設けられた複数のノズル孔から被処理材である薄物シートに処理液を噴射するように構成した処理槽において、
    該ノズル管には、処理液を流動させる管本体と、該管本体から処理液を分岐して流動させる複数の分岐孔とが設けられるとともに、該複数の分岐孔と該複数のノズル孔の間に管本体に沿ってチャンバー室が設けられており、
    該チャンバー室において、分岐孔から処理液が流れ込む部位を入口とし、処理液がノズル孔へ流れ込む部位を出口として、
    該入口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線と、該出口の中心から処理液の流動方向に沿って延びる直線とが一直線上で重ならないように、該入口に対して該出口の位置がずらされている
    ことを特徴とする処理槽。
  2. 該ノズル孔には、噴射される処理液の助走区間が設けられている請求項1に記載の処理槽。
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