JP4919700B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置に関する。また、複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置の製造方法にも関する。
半導体装置の特性(典型的にはスイッチング特性)を改善するために、半導体装置を構成している半導体領域に複合欠陥を形成することがある。複合欠陥とは、半導体領域に存在する点欠陥と不純物が複合化したものをいう。ここでいう不純物とは、導電型を決定するために意図的に導入する導電型の不純物のことではなく、半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物のことをいう。非導電型の不純物の元素には、例えば、酸素、炭素、又は窒素等が含まれる。また、点欠陥とは、結晶格子の局所的な乱れをいう。点欠陥には、空孔タイプ(vacancy)と格子間原子タイプ(interstitial atom)が含まれる。点欠陥と非導電型の不純物が複合化した複合欠陥は、半導体領域内に安定的に存在し続けることが知られている。
複合欠陥は、深いエネルギー準位を形成することができる。このため、複合欠陥は、正孔と電子が再結合する場を提供することができる。したがって、半導体領域内に複合欠陥を形成すると、キャリアのライフタイムを制御することが可能になる。この結果、半導体装置の低損失化や、リカバリーサージ電圧の低減化などを実現することができる。この種の半導体装置が、特許文献1に開示されている。
特開平7−106605号公報
図11を参照して、PIN型ダイオード200に複合欠陥を形成する方法を説明する。PIN型ダイオード200は、n型のカソード半導体領域222と、n型(又はi型)の中間半導体領域224と、p型のアノード半導体領域226を備えている。PIN型ダイオード200は、シリコンウェハを用いて形成されている。カソード半導体領域222は、n型のシリコンウェハの裏面にn型不純物を導入することによって形成される。アノード半導体領域226は、n型のシリコンウェハの表面にp型不純物を導入することによって形成される。アノード半導体領域226には、アノード電極232が接続されている。図11に示されている構造は、カソード電極が形成される前の段階である。
複合欠陥を形成する場合、電子線の照射を利用することが多い。図11に示すように、中間半導体領域224に複合欠陥を形成する場合、電子線は、カソード半導体領域222側から中間半導体領域224の所定深さに向けて照射される。電子線が照射された中間半導体領域224には、点欠陥244が形成される。複合欠陥は、形成された点欠陥244が、周囲に存在する非導電型の不純物と複合化することによって形成される。
上記したように、PIN型ダイオード200を製造する場合、シリコンウェハが多用される。シリコンウェハに元来含まれる非導電型の不純物の濃度は、シリコンウェハ毎に異なっていることが多い。一般的に、シリコンウェハは、インゴットをスライスして得られる。インゴットの上部分をスライスして得られるシリコンウェハに含まれる非導電型の不純物の濃度と、インゴットの下部分をスライスして得られるシリコンウェハに含まれる非導電型の不純物の濃度は、大きく異なることが多い。上記したように、複合欠陥は、点欠陥と非導電型の不純物が複合化することによって形成される。したがって、形成される複合欠陥の量は、元来含まれている非導電型の不純物の量と電子線の照射によって形成される点欠陥の量のうち、複合化に関与する量が少ない方の量に基づいて決定される。
図12に、中間半導体領域224の深さ方向における非導電型の不純物の濃度分布を示す。図中の212aと214aは、別個のシリコンウェハから得られた中間半導体領域224の非導電型の不純物の濃度分布を示している。図12に示すように、元来含まれる非導電型の不純物の濃度は、シリコンウェハ毎に異なっている。電子線照射によって形成される点欠陥244の量は、電子線照射の出力を調整することによって調整することができる。形成する点欠陥244の量を薄い不純物濃度(図中212a)よりも薄く調整すれば、薄い不純物濃度(図中212a)を含む中間半導体領域に形成される複合欠陥量と、濃い不純物濃度(図中214a)を含む中間半導体領域に形成される複合欠陥量は、ほぼ同量になる。しかしながら、形成する点欠陥244の量を薄い不純物濃度(図中212a)よりも濃く調整すると、薄い不純物濃度(図中212a)を含む中間半導体領域に形成される複合欠陥量は、濃い不純物濃度(図中214a)を含む中間半導体領域に形成される複合欠陥量よりも薄くなる。
一般的に、複合欠陥を形成する工程では、シリコンウェハに含まれる非導電型の不純物の濃度を測定することは行われない。測定に代えて、点欠陥244は、シリコンウェハに元来含まれる濃い不純物濃度(図中214a)よりも濃くなるように形成される。
この場合、図13に示すように、十分な量の点欠陥244を形成すると、形成される複合欠陥の量212b、214bは、シリコンウェハに元来含まれる非導電型の不純物の濃度212a、214aに応じて決定される。したがって、シリコンウェハに元来含まれる非導電型の不純物の濃度212a、214aが異なっていると、形成される複合欠陥の量212b、214bも異なってしまう。このため、得られる半導体装置の特性は、用いるシリコンウェハ毎に異なってしまう。
本発明は、上記課題を解決するために創作された。なお、上記の例では、PIN型ダイオード200を例に挙げて説明してきたが、同様の問題は、他の種類の半導体装置においても生じ得る。また、半導体装置に複合欠陥を形成することは、スイッチング特性を改善するためだけではなく、オン抵抗、耐圧、耐量などの他の特性を改善するためのこともある。本明細書で開示される技術は、半導体装置に設けられた半導体領域に複合欠陥を形成する様々な局面において有用である。また、上記の例ではシリコンウェハを例に挙げて説明してきたが、他の材料の半導体ウェハでも、ウェハ毎に非導電型の不純物の濃度が異なっているという問題が存在する。本明細書で開示される技術は、シリコンウェハ以外の半導体ウェハを利用する場合にも有用である。
本発明の一つの目的は、半導体領域に形成される複合欠陥の量のバラツキを低下させることである。本発明の他の一つの目的は、得られる半導体装置の特性のバラツキを低下させることである。本発明はまた、このような半導体装置を製造する方法を提供することを目的としている。また、本発明の他の一つの目的は、所望の量に調整された複合欠陥が形成されている半導体領域を備えた半導体装置を提供することである。
本発明は、半導体領域に元来含まれているとともに半導体ウェハ毎に異なっている不純物濃度を、以下に示す手法を用いて実質的に均一化することを特徴としている。一般的に、半導体領域に元来含まれている不純物濃度は、極めて薄い。このため、半導体ウェハ毎の不純物濃度の僅かな差は、薄い濃度の尺度において大きくなる。しかしながら、半導体ウェハ毎の不純物濃度の差は、濃い濃度の尺度において無視できる。本発明は、この点に着眼して創作された。本発明では、元来含まれる不純物と同種の不純物を多量に導入することによって、不純物濃度のバラツキを無視できるようにする。本発明を利用すれば、半導体ウェハ毎の不純物濃度の差に起因する不純物濃度のバラツキは、無視できるようになる。
本発明は、複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置を製造する方法を開示する。本発明の製造方法は、半導体領域に元来含まれる非導電型の不純物と同種の不純物を半導体領域に導入する工程と、半導体領域に点欠陥を形成する工程を備えている。不純物導入工程と点欠陥形成工程を実施する順序に制限はない。必要に応じて、不純物導入工程と点欠陥形成工程は、同時に実施することもできる。非導電型の不純物と点欠陥により複合欠陥が構成される。さらに、半導体領域のうちの点欠陥が形成される領域に、非導電型の不純物が導入される。
本発明の技術の理解を助けるために、正確ではないけれども、本発明の技術の概略を比喩的に説明する。半導体ウェハAの半導体領域に元来含まれている不純物の濃度を「1.0」とし、半導体ウェハBの半導体領域に元来含まれている不純物濃度を「2.0」とする。この場合、両者の半導体領域に元来含まれている不純物濃度のバラツキには、2倍の格差があることになる。両者の半導体領域に対して元来含まれている不純物と同種の不純物を「100.0」導入すると、半導体ウェハAの半導体領域に含まれている不純物濃度は「101.0」となり、半導体ウェハBの半導体領域に含まれている不純物濃度は「102.0」となる。多量の不純物を導入することによって、両者の半導体領域の不純物濃度のバラツキの差は、相対的に小さいものとなる。したがって、形成する点欠陥の量を調整すれば、両者の半導体領域に形成される複合欠陥のバラツキを小さくすることができる。なお、多量の不純物を導入することによって、必要以上の複合欠陥が形成される場合には、複合欠陥を除去する処理を実施してもよい。この工程は、多量の複合欠陥が形成された後に実施してもよい。半導体領域毎に形成された複合欠陥のバラツキを抑えながら、複合欠陥の量を所望の量に調整することができる。
本発明の製造方法では、点欠陥を形成するために、半導体領域が軽元素イオン及び/又は電子線に曝されることが好ましい。
軽元素イオン及び/又は電子線を利用すれば、半導体領域内の局所領域に点欠陥を容易に形成することができる。
本発明の製造方法では、非導電型の不純物が最大に導入される領域の半導体領域中の深さと点欠陥が最大に形成される領域の半導体領域中の深さが、略同一であることが好ましい。
上記の製造方法を利用すれば、半導体領域中の局所領域に複合欠陥を形成することができる。上記の製造方法によると、半導体装置の各種特性を顕著に改善することができる。
本発明の製造方法では、半導体領域に導入される非導電型の不純物の最大不純物濃度が、前記半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物の不純物濃度よりも大きいことが好ましい。
上記の製造方法を利用すると、半導体領域の所定領域に元来含まれていた不純物量が、不純物を導入することによって2倍以上に増加する。不純物が元来含まれていた量から2倍以上に増加すると、不純物濃度の半導体装置毎のバラツキがほぼ無視できるようになる。
本発明の製造方法では、不純物導入工程が、点欠陥形成工程に先立って実施されてもよい。即ち、不純物導入工程と点欠陥形成工程が別の工程であり、不純物導入工程が先に実施されてもよい。
本発明の製造方法では、不純物導入工程と点欠陥形成工程の間に、半導体領域を800℃以上に加熱する工程をさらに備えていることが好ましい。
不純物導入工程を実施した後に800℃以上の熱処理を実施すると、不純物を導入したときに形成された半導体領域の損傷を回復することができる。さらに、不純物導入工程を実施した後に800℃以上の熱処理を実施すると、導入した不純物を半導体領域の格子位置に置換することができる。上記の方法を利用すれば、半導体領域に不純物を多量に導入することができる。
本発明の製造方法では、点欠陥形成工程を実施した後に、半導体領域を200℃〜600℃の範囲で加熱する工程をさらに備えていることが好ましい。
200℃〜600℃の範囲の熱処理工程を実施すると、不純物と点欠陥の複合化を促進することができる。なお、600℃よりも高温の熱処理を実施すると、複合欠陥量が低下する。ただし、前記したように、必要に応じて複合欠陥の量を少なくしたい場合もある。この場合は、200℃〜600℃の範囲の熱処理工程を実施して複合欠陥を形成した後に、600℃よりも高温の熱処理を実施して複合欠陥の量を低下させてもよい。
本発明の製造方法では、半導体領域の材料にシリコン系材料が用いられてもよい。さらに、この場合の製造方法では、炭素、酸素、窒素、フッ素、アルゴン、シリコン、又はゲルマニウムから選択される少なくとも1つ以上の非導電型の不純物が前記半導体領域に導入されることを特徴としている。
本発明の方法では、前記元素を組合わせて利用することもある。また、前記元素を使い分けることによって、必要な種類の複合欠陥を作り分けることができる。
シリコン系の半導体材料の場合、例えば、炭素と酸素は、正孔をトラップする複合欠陥を形成するのに関与する。酸素と窒素は、電子をトラップする複合欠陥を形成するのに関与する。上記の元素を使い分けることによって、必要な種類の複合欠陥を作り分けることができる。
本発明の半導体装置は、複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている。本発明の半導体装置では、半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、半導体領域の深さ方向において、不均一な分布を有している。半導体領域には点欠陥が形成されている。非導電型の不純物と点欠陥により複合欠陥が構成されている。半導体領域のうちの点欠陥が形成されている領域に、非導電型の不純物が導入されている。
半導体領域の深さ方向に不純物が不均一に分布している状態は、半導体領域に意図的に不純物を導入したことを意味する。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
本発明の半導体装置では、非導電型の不純物が、半導体領域の深さ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることが好ましい。
不純物の最小濃度は、半導体領域に元来含まれていた不純物の濃度に略等しい。不純物が上記の状態で分布していると、半導体領域に元来含まれている不純物の濃度以上の不純物が半導体領域に意図的に導入されたことを意味している。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
本発明は、複合欠陥が形成されている半導体領域を備えているダイオードの半導体装置に具現化することができる。本発明の半導体装置の半導体領域は、第1導電型の不純物を含むアノード半導体領域と、第2導電型の不純物を高濃度に含むカソード半導体領域と、アノード半導体領域とカソード半導体領域の間に形成されており、第2導電型の不純物を低濃度に含む又は導電型の不純物を実質的に含まない中間半導体領域を備えている。本発明の半導体装置では、半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、アノード半導体領域とカソード半導体領域を結ぶ方向において、不均一な分布を有している。半導体領域には点欠陥が形成されている。非導電型の不純物と点欠陥により複合欠陥が構成されている。半導体領域のうちの点欠陥が形成されている領域に、非導電型の不純物が導入されている。
非導電型の不純物が不均一に分布している状態は、半導体装置に意図的に非導電型の不純物を導入したことを意味する。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
ダイオードの半導体装置では、アノード半導体領域と中間半導体領域が接していてもよい。この場合の半導体装置では、非導電型の不純物の最大濃度の位置が、アノード半導体領域と中間半導体領域の界面近傍に形成されていることが好ましい。
アノード半導体領域と中間半導体領域の界面近傍に複合欠陥が局所的に形成されていると、半導体装置の逆回復特性が改善される。
ダイオードの半導体装置では、非導電型の不純物が、アノード半導体領域とカソード半導体領域を結ぶ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることが好ましい。
非導電型の不純物が上記の状態で分布していると、半導体領域に元来含まれている不純物の濃度以上の非導電型の不純物が半導体領域に意図的に導入されたことを意味している。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
本発明は、コレクタ電極と、ゲート電極と、複合欠陥が形成されている半導体領域と、を備えているIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の半導体装置に具現化することができる。本発明の半導体装置の半導体領域は、そのコレクタ電極上に形成されており、第1導電型の不純物を含むコレクタ半導体領域を備えている。本発明の半導体装置の半導体領域は、そのコレクタ半導体領域上に形成されており、第2導電型の不純物を含む第2導電型ベース半導体領域を備えている。本発明の半導体装置の半導体領域は、その第2導電型ベース半導体領域によってコレクタ半導体領域から隔てられており、第1導電型の不純物を含む第1導電型ベース半導体領域を備えている。本発明の半導体装置の半導体領域は、その第1導電型ベース半導体領域によって第2導電型ベース半導体領域から隔てられており、第2導電型の不純物を含むエミッタ半導体領域を備えている。本発明の半導体装置のゲート電極は、第2導電型ベース半導体領域とエミッタ半導体領域を隔てている第1導電型ベース半導体領域に絶縁膜を介して対向している。本発明の半導体装置では、半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、コレクタ半導体領域とエミッタ半導体領域を結ぶ方向において、不均一な分布を有している。半導体領域には点欠陥が形成されている。非導電型の不純物と点欠陥により複合欠陥が構成されている。半導体領域のうちの点欠陥が形成されている領域に、非導電型の不純物が導入されている。
非導電型の不純物が不均一に分布している状態は、半導体装置に意図的に非導電型の不純物を導入したことを意味する。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
上記のIGBTの半導体装置は、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域が接しているノンパンチスルー型に構成することができる。また、このノンパンチスルー型の半導体装置は、エピを用いないバルク型IGBTにも適用される。このノンパンチスルー型の半導体装置では、非導電型の不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に形成されていることが好ましい。
コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に複合欠陥が形成されていると、半導体装置の逆回復特性が改善される。
上記のIGBTの半導体装置は、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の間に形成されており、第2導電型の不純物を第2導電型ベース領域よりも高濃度に含むバッファ半導体領域をさらに備えていてもよい。このIGBTの半導体装置は、パンチスルー型に構成されている。
パンチスルー型の半導体装置では、コレクタ半導体領域とバッファ半導体領域が接していてもよい。この場合、非導電型の不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域とバッファ半導体領域の界面近傍に形成されていることが好ましい。
コレクタ半導体領域とバッファ半導体領域の界面近傍に複合欠陥が形成されていると、半導体装置の逆回復特性が改善される。
上記のIGBTの半導体装置は、コレクタ半導体領域が、コレクタ電極と第2導電型ベース半導体領域の間に分散して形成されていてもよい。この場合の半導体装置では、コレクタ電極と第2導電型ベース半導体領域が、コレクタ半導体領域とコレクタ半導体領域の間の間隔を介して電気的に接している。このIGBTの半導体装置は、コレクタショート型に構成されている。
コレクタショート型の半導体装置では、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域が接していてもよい。この場合、非導電型の不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に形成されていることが好ましい。
コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に複合欠陥が形成されていると、半導体装置の逆回復特性が改善される。
上記のIGBTの半導体装置では、非導電型の不純物が、コレクタ半導体領域とエミッタ半導体領域を結ぶ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることが好ましい。
非導電型の不純物が上記の状態で分布していると、半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物に等しい濃度以上の非導電型の不純物が半導体領域に意図的に導入されたことを意味している。上記特徴を有する半導体装置の状態は、本発明の技術思想が利用されていることが明白である。
半導体領域に多量の不純物を導入することによって、元来含まれていた不純物の半導体装置毎のバラツキが無視できるようになる。これにより、形成される複合欠陥のバラツキも無視できるようになり、所定の特性を備えた半導体装置を安定的に得ることができる。
本発明の特徴を列記する。
(第1形態) 半導体領域に用いられる半導体材料には、シリコン系材料、ガリウムヒ素系材料、炭化シリコン系材料、カドミニウム系材料、ゲルマニウム系材料、又は窒化ガリウム系材料等を利用することができる。シリコン系材料の場合には、不純物として炭素、酸素、窒素、フッ素、アルゴン、シリコン、ゲルマニウムが利用される。ガリウムヒ素系材料の場合には、シリコン、酸素、炭素、窒素が利用される。炭化シリコン系材料の場合には、酸素、窒素が利用される。カドミニウム系材料の場合には、炭素、酸素、窒素が利用される。ゲルマニウム系材料の場合には、炭素、酸素、窒素が利用される。窒化ガリウム系材料の場合には、炭素、酸素が利用される。
(第2形態) 不純物導入工程で導入する不純物の最大不純物濃度とその深さは、ドーズ量(Dose1)とその注入エネルギーの半値幅(FWHM1)によって決定され、Dose1/FWHM1で表される。この最大不純物濃度(Dose1/FWHM1)が半導体領域に元来含まれる不純物濃度(ND)よりも大きいことが好ましい。即ち、ND<Dose1/FWHM1の関係が成立するのが好ましい。
(第3形態) 点欠陥を形成する際に照射する軽イオンには、水素、重水素、3−ヘリウム、及び/又は4−ヘリウムを利用することができる。半導体領域に導入される軽イオンの最大導入濃度は、ドーズ量(Dose2)とその注入エネルギーの半値幅(FWHM2)によって決定され、Dose2/FWHM2で表される。この最大導入濃度(Dose2/FWHM2)が半導体領域に元来含まれる不純物濃度(ND)と導入する不純物の最大不純物濃度(Dose1/FWHM1)の和よりも大きいことが好ましい。即ち、ND+Dose1/FWHM1<Dose2/FWHM2が成立することが好ましい。
(第1実施例)
図1〜図7を参照して、PIN型ダイオード10に複合欠陥を形成する方法を説明する。図1〜図4に、PIN型ダイオード10の要部断面図を示す。図1〜図4は、PIN型ダイオード10の製造フローを示している。図5及び図6は、中間半導体領域24に含まれる非導電型の不純物濃度の深さ方向の分布を示している。図7は、中間半導体領域24に形成される複合欠陥の深さ方向の分布を示している。
まず、図1に示すように、n型のカソード半導体領域22とn型(又はi型)の中間半導体領域24とp型のアノード半導体領域26が積層された半導体積層を用意する。半導体積層は、シリコンウェハを用いて形成されている。カソード半導体領域22は、n型のシリコンウェハの裏面にリンをイオン注入した後に熱拡散等で形成される。アノード半導体領域26は、n型のシリコンウェハの表面にボロンをイオン注入した後に熱拡散して形成される。カソード半導体領域22とアノード半導体領域26を形成する際の熱拡散処理は、兼用することもある。
半導体積層には、インゴットの段階から含有している非導電型の不純物が存在している。この非導電型の不純物の一つには、炭素がある。本実施例では、中間半導体領域24に元来含まれている炭素の濃度が、約2×1014cm−3である。炭素の濃度は、例えば赤外吸収測定の吸光度から換算して定量することができる。元来含まれている炭素の濃度は、中間半導体領域24の深さ方向にほぼ一様である。図5に、中間半導体領域24に含まれる炭素の深さ方向の濃度分布を示す。図5中の12aと14aは、別個のシリコンウェハから得られた中間半導体領域24に元来含まれる炭素の濃度分布を示す。元来含まれる炭素濃度は、シリコンウェハ毎に異なっている。
次に、図2に示すように、イオン注入法を利用して、アノード半導体領域26側から中間半導体領域24に向けて炭素イオンを注入する。炭素イオンを注入する深さは、アノード半導体領域26と中間半導体領域24の界面近傍に設定するのが好ましい。より好ましくは、炭素イオンを注入する深さは、その界面よりも中間半導体領域24側に僅かに偏在しているのが好ましい。炭素イオンを注入した後に、800℃〜1300℃の範囲の熱処理を実施するのが好ましい。この熱処理を実施することによって、炭素イオンを注入した際に、アノード半導体領域26及び中間半導体領域24に生じた損傷を回復することができる。また、熱処理を実施すると、導入した炭素イオンが中間半導体領域24の格子位置に置換され、格子位置炭素42を形成する。なお、800℃よりも低い熱処理では、格子位置炭素42を形成する効率が低下する。1300℃よりも高い熱処理では、シリコン溶解が生じるので好ましくない。したがって、熱処理の温度は、800℃〜1300℃の範囲に設定されているのが好ましい。これらの工程を経て、中間半導体領域24の局所領域に導入される格子位置炭素42の最大炭素濃度は、約1×1015cm−3に調整される。
図6に、炭素を導入した後の中間半導体領域24の炭素濃度の深さ方向の分布を示す。図6中の破線42は、中間半導体領域24に導入された格子位置炭素42の濃度分布を示す。図6中の12aは、格子位置炭素42を導入した後の図5中の12aの中間半導体領域24に含まれる炭素の濃度分布を示す。図6中の14aは、格子位置炭素42を導入した後の図5中の14aの中間半導体領域24に含まれる炭素の濃度分布を示す。図6に示すように、導入された格子位置炭素42は、中間半導体領域24に元来含まれていた炭素に比して多量な量である。このため、格子位置炭素42を導入した後では、中間半導体領域24の炭素濃度12a、14aの差が相対的に小さくなっている。即ち、異なるシリコンウェハから得られた中間半導体領域24の炭素濃度12a、14aの差は、実質的に無視できるようになっている。なお、図5及び図6において、横軸に示す濃度は対数目盛で示されている。
炭素の注入深さ及び最大炭素濃度は、注入エネルギーの半値幅(FWHM1)及びドーズ量(Dose1)を調整することによって容易に制御することが可能である。炭素のような軽イオンであれば、半導体積層の表面から数μmまでの範囲において、注入深さ及び最大炭素濃度を制御することが可能である。最大炭素濃度は、注入エネルギーの半値幅(FWHM1)とドーズ量(Dose1)から見積もることができ、Dose1/FWHM1で表すことができる。
次に、図3に示すように、アノード半導体領域26の表面上にアノード電極32を形成する。アノード電極32を形成した後に、カソード半導体領域22側から中間半導体領域24に向けてヘリウムイオンを照射する。ヘリウムイオンが照射された中間半導体領域24には、点欠陥44が形成される。カソード半導体領域22側からヘリウムイオンを照射するのは、アノード側に形成されている酸化膜のチャージアップ破壊を防ぐためである。なお、必要に応じて、アノード側からヘリウムイオンを照射してもよい。このとき、点欠陥44が最大に形成される中間半導体領域24の深さは、格子位置炭素42が最大濃度で導入されている位置とほぼ一致するように調整する。換言すると、格子位置炭素42が最大に導入される領域の中間半導体領域24中の深さと点欠陥44が最大に形成される領域の中間半導体領域24中の深さが、略同一である。点欠陥44が最大に形成される中間半導体領域24の深さは、ヘリウムイオンが最大濃度で導入される深さとほぼ一致する。したがって、ヘリウムイオンの照射エネルギーの半値幅(FWHM2)及びドーズ量(Dose2)を調整することによって、点欠陥44が最大に形成される中間半導体領域24の深さを容易に制御することができる。ヘリウムイオンの最大導入濃度は、照射エネルギーの半値幅(FWHM2)とドーズ量(Dose2)から見積もることができ、Dose2/FWHM2で表すことができる。ヘリウムイオンの最大濃度は約5×1015cm−3である。
次に、図4に示すように、200℃〜600℃の範囲の熱処理を実施する。この熱処理を実施することによって、中間半導体領域24中の炭素(元来含まれている炭素と後発的に導入された格子位置炭素42の両者を含む)と点欠陥44が複合化して複合欠陥46が形成される。なお、200℃よりも低い熱処理では、複合欠陥46を形成する効率が低下する。600℃よりも高い熱処理では、欠陥の拡散、消滅が生じるので好ましくない。したがって、熱処理の温度は、200℃〜600℃の範囲で行うことが好ましい。
図7に示すように、点欠陥44は、中間半導体領域24中の炭素濃度に比して多量に形成される。多量の点欠陥44が形成されると、形成される複合欠陥の量12b、14bは、中間半導体領域24の炭素濃度12a、14aに応じて決定される。中間半導体領域24の炭素濃度12a、14aの差は無視できるので、形成される複合欠陥の量12b、14bの差も実質的に無視できるようになる。この結果、得られる半導体装置の特性にもバラツキが生じない。したがって、上記の製造方法を利用すると、半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
なお、複合欠陥46が形成される過程をより詳細に説明すると、次の現象が生じている。ヘリウムイオンが中間半導体領域24に照射されると、格子位置シリコンが弾き飛ばされることによって、空孔(V:点欠陥の一例)と格子間シリコン(I:点欠陥の一例)が形成される。空孔(V)及び格子間シリコン(I)は、熱的に不安定である。このため、空孔(V)及び格子間シリコン(I)は、周囲に存在する不純物の酸素又は炭素と複合化することによって熱的に安定する。例えば、空孔(V)と酸素は、複合化して伝導帯から下に約0.19eVのエネルギー準位を有する複合欠陥(電子トラップとして機能する)を形成する。また、格子間シリコン(I)は、格子位置炭素42と置き換わり、格子間炭素(Ci)を形成する。その格子間炭素(Ci)と酸素は、複合化して価電子帯から上に約0.35eVのエネルギー準位を有する複合欠陥(正孔トラップとして機能する)を形成する。
即ち、上記の実施例では、炭素を多量に導入することによって、異なるシリコンウェハから得られた中間半導体領域24の間で、炭素(元来的に含まれていた炭素と後発的に導入された格子位置炭素42の両者を含む)の濃度を実質的に均一化させている。これにより、異なるシリコンウェハから得られた中間半導体領域24の間で、正孔トラップとして機能する複合欠陥46が均一に形成されている。中間半導体領域24に複合欠陥46が形成されると、ライフタイムを制御することが可能になり、PIN型ダイオード10の低損失化及びリカバリーサージ電圧の低減化などが実現される。本実施例の製造方法を利用すると、複数のPIN型ダイオード10を製造した場合でも、同等のスイッチング特性を有するPIN型ダイオード10を安定して得ることができる。
なお、必要に応じて酸素を多量に注入すれば、異なるシリコンウェハから得られた中間半導体領域24の間で、電子トラップとして機能する複合欠陥を均一に形成することができる。この場合も同様に、スイッチング特性を改善することができる。
上記の製造方法では、以下の変形例を採用することができる。
(1)点欠陥を形成する方法は、ヘリウムイオンの照射の他に、電子線照射、γ線照射、中性子等を利用してもよい。
(2)非導電型の不純物(上記例では炭素)をイオン注入する工程は、点欠陥を形成した後に実施してもよい。あるいは、点欠陥を形成する工程と同時に実施してもよい。
(3)上記例ではPIN型ダイオードを例に挙げたが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、又はサイリスタ等にも利用することができる。
(第2実施例)
図8(A)に、半導体装置100の要部断面図を模式的に示す。半導体装置100は、ノンパンチスルー型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。図8は、半導体装置100の単位構造を示している。半導体装置100は、シリコンウェハを用いて形成されている。
半導体装置100は、コレクタ電極152を備えている。コレクタ電極152は、アルミニウムとチタンとニッケルの積層体で構成されている。
コレクタ電極152上には、p型の不純物(典型的にはボロン)を含んでいるコレクタ半導体領域154が形成されている。コレクタ半導体領域154の不純物濃度は、約1×1018cm-3に調整されている。
コレクタ半導体領域154上には、n型の不純物(典型的にはリン)を含むn型ベース半導体領域156が形成されている。n型ベース半導体領域156の不純物濃度は、約7×1013cm-3に調整されている。
n型ベース半導体領域156上には、p型の不純物(典型的にはボロン)を含むp型ベース半導体領域162が形成されている。p型ベース半導体領域162は、n型ベース半導体領域156によってコレクタ半導体領域154から隔てられている。p型ベース半導体領域162の不純物濃度は、約1×1017〜5×1017cm-3に調整されている。
p型ベース半導体領域162上には、n型の不純物(典型的にはリン)を含むエミッタ半導体領域166が選択的に形成されている。エミッタ半導体領域166は、p型ベース半導体領域162によってn型ベース半導体領域156から隔てられている。エミッタ半導体領域166の不純物濃度は、約1×1019〜1×1020cm-3に調整されている。
p型ベース半導体領域162上には、p型の不純物(典型的にはボロン)を含むベースコンタクト半導体領域164が選択的に形成されている。ベースコンタクト半導体領域164の不純物濃度は、約1×1019〜1×1020cm-3に調整されている。
エミッタ半導体領域166とn型ベース半導体領域156を隔てているp型ベース半導体領域162にゲート絶縁膜172を介してトレンチゲート電極174が対向している。ゲート絶縁膜172は、酸化シリコンで形成されている。トレンチゲート電極174は、ポリシリコンで形成されている。
エミッタ半導体領域166上及びベースコンタクト半導体領域164上には、アルミニウムのエミッタ電極168が形成されている。エミッタ電極168は、エミッタ半導体領域166とベースコンタクト半導体領域164に接している。エミッタ電極168とトレンチゲート電極174は、電気的に分離されている。
半導体装置100には、コレクタ半導体領域154とn型ベース半導体領域156の界面近傍に炭素(元来含まれている炭素と格子位置炭素142の両者を含む)と点欠陥144が複合化した複合欠陥146が形成されている。図8(B)に、コレクタ半導体領域154とエミッタ半導体領域166を結ぶ方向における炭素の濃度分布と複合欠陥146の濃度分布を示す。破線181はシリコンウェハに元来含まれている炭素の濃度分布であり、実線182は後発的に導入した格子位置炭素142の濃度分布であり、破線183は複合欠陥146の濃度分布である。後発的に導入された格子位置炭素142の最大濃度の深さと複合欠陥146が最も多く形成されている深さはいずれも、コレクタ半導体領域154とn型ベース半導体領域156の界面近傍に局所的に形成されている。複合欠陥146は、電子と正孔が再結合する場を提供しており、半導体装置100の逆回復特性を改善する。
半導体装置100は、次の手順で製造される。
まず、リンの濃度が約7×1013cm-3で含まれているシリコンウェハを用意する。このシリコンウェハには、引き上げ成長法で作成されたCZ基板を利用することができる。次に、イオン注入法を利用して、そのシリコンウェハの表面からボロンを注入し、p型ベース半導体領域162を形成する。次に、イオン注入法を利用して、そのp型ベース半導体領域162の表面からリンを選択的に注入し、エミッタ半導体領域166を形成する。さらに、イオン注入法を利用して、p型ベース半導体領域162の表面からボロンを選択的に注入し、ベースコンタクト半導体領域164を選択的に形成する。次に、エッチング法を利用して、シリコンウェハの表面からp型ベース半導体領域162を貫通するトレンチを形成する。そのトレンチの側壁にゲート絶縁膜172を被膜する。次に、ゲート絶縁膜172で被覆されたトレンチ内にトレンチゲート電極174を充填する。次に、エミッタ半導体領域166とベースコンタクト半導体領域166に接するエミッタ電極168を形成する。
次に、高エネルギーイオン注入法を利用して、シリコンウェハの裏面から炭素イオンを注入し、シリコンウェハの所定深さに格子位置炭素142を形成する。格子位置炭素142が形成される深さは、後に形成されるコレクタ半導体領域154とn型ベース半導体領域156の界面近傍に設定されている。より好ましくは、格子位置炭素142が形成される深さは、その界面よりもn型ベース半導体領域156側に僅かに偏在しているのが好ましい。格子位置炭素142の濃度は、シリコンウェハに元来含まれている炭素の濃度よりも濃く設定されている。
次に、イオン注入法を利用して、シリコンウェハの裏面からボロンを注入する。ボロンが導入された領域は、コレクタ半導体領域154の範囲に対応している。次に、600℃以下の熱処理を実施し、導入されたボロンを活性化し、コレクタ半導体領域154を形成する。この熱処理によって、複合欠陥146も同時に形成される。先の炭素イオンを注入する工程及びボロンを注入する工程を実施したときに、点欠陥144が同時に形成されている。このため、この熱処理によって、格子位置炭素142と点欠陥144が複合化し複合欠陥146が形成される。
次に、シリコンウェハの裏面にコレクタ電極152を蒸着する。これらの工程を経て、半導体装置100が製造される。
第2実施例では、炭素を多量に導入することによって、異なるシリコンウェハの間の炭素濃度のバラツキを無視できるようにしている。これにより、異なるシリコンウェハの間で、正孔トラップとして機能する複合欠陥146が実質的に均一に形成されている。コレクタ半導体領域154とn型ベース半導体領域156の界面近傍に複合欠陥146が形成されると、ライフタイムを制御することが可能になり、半導体装置100の低損失化及びリカバリーサージ電圧の低減化などが実現される。本実施例の製造方法を利用すると、複数の半導体装置100を製造した場合でも、同等のスイッチング特性を有する半導体装置100を安定して得ることができる。
なお、必要に応じて酸素を多量に注入すれば、異なるシリコンウェハの間で、電子トラップとして機能する複合欠陥を実質的に均一に形成することができる。この場合も同様に、スイッチング特性を改善することができる。
(第3実施例)
図9(A)に、半導体装置102の要部断面図を模式的に示す。半導体装置102は、パンチスルー型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。図9(A)は、半導体装置102の単位構造を示している。半導体装置102は、シリコンウェハを用いて形成されている。なお、図8(A)の半導体装置100と実質的に同種の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置102は、コレクタ半導体領域153とn型ベース半導体領域156の間にn型の不純物(リン)を含むバッファ半導体領域155を備えていることを特徴としている。さらに、半導体装置102は、コレクタ半導体領域153の厚みが厚いことを特徴としている。バッファ半導体領域155の不純物濃度は、約1×1017cm-3に調整されている。コレクタ半導体領域153の不純物濃度は、1×1018cm-3に調整されている。
半導体装置102には、コレクタ半導体領域153とバッファ半導体領域155の界面近傍に酸素(元来含まれている酸素と後発的に導入された導入酸素143の両者を含む)と点欠陥144が複合化した複合欠陥146が形成されている。図9(B)に、コレクタ半導体領域153とエミッタ半導体領域166を結ぶ方向における酸素の濃度分布と複合欠陥146の濃度分布を示す。破線184はシリコンウェハに元来含まれている酸素の濃度分布であり、実線185は後発的に導入した導入酸素143の濃度分布であり、破線186は複合欠陥146の濃度分布である。後発的に導入された導入酸素143の最大濃度の深さと複合欠陥146が最も多く形成されている深さはいずれも、コレクタ半導体領域154とバッファ半導体領域155の界面近傍に局所的に形成されている。複合欠陥146は、電子と正孔が再結合する場を提供しており、半導体装置102の逆回復特性を改善する。
半導体装置102は、以下の手順で作成される。
まず、ボロンの濃度が約1×1018cm-3で含まれているシリコンウェハを用意する。このシリコンウェハは、コレクタ半導体領域153になる。シリコンウェハには、引き上げ成長法で作成されたCZ基板を利用することができる。次に、エピタキシャル成長法を利用して、シリコンウェハの表面からバッファ半導体領域155を成長する。次に、イオン注入法を利用して、バッファ半導体領域155の表面から酸素イオンを注入し、バッファ半導体領域155の所定深さに導入酸素143を形成する。導入酸素143が形成される深さは、後に形成されるコレクタ半導体領域153とバッファ半導体領域155の界面近傍に設定されている。より好ましくは、導入酸素143が形成される深さは、その界面よりもバッファ半導体領域155側に僅かに偏在しているのが好ましい。導入酸素143の濃度は、元来含まれている酸素の濃度よりも濃く設定されている。
次に、エピタキシャル成長法を利用して、バッファ半導体領域155の表面からp型ベース半導体領域162を成長する。次に、イオン注入法を利用して、そのp型ベース半導体領域162の表面からリンを選択的に注入し、エミッタ半導体領域166を形成する。さらに、イオン注入法を利用して、p型ベース半導体領域162の表面からボロンを選択的に注入し、ベースコンタクト半導体領域164を選択的に形成する。次に、シリコンウェハの表面からp型ベース半導体領域162を貫通するトレンチを形成する。そのトレンチの側壁にゲート絶縁膜172を被膜する。次に、ゲート絶縁膜172で被覆されたトレンチ内にトレンチゲート電極174を充填する。次に、エミッタ半導体領域166とベースコンタクト半導体領域166に接するエミッタ電極168を形成する。
次に、シリコンウェハの裏面からコレクタ半導体領域153とバッファ領域155の界面近傍に向けてヘリウムイオンを照射する。ヘリウムイオンが照射された領域には、点欠陥144が形成される。点欠陥144が最大に形成される領域の深さは、導入酸素143が最大濃度で導入されている位置とほぼ一致するように調整する。
次に、600℃以下の熱処理を実施し、酸素(元来含まれている酸素と後発的に導入した導入酸素143の両者を含む)と点欠陥144が複合化し複合欠陥146が形成される。
次に、シリコンウェハの裏面にコレクタ電極152を蒸着する。これらの工程を経て、半導体装置100が製造される。
第3実施例では、酸素を多量に導入することによって、異なるシリコンウェハの間の酸素濃度のバラツキを無視できるようにしている。これにより、異なるシリコンウェハの間で、電子トラップとして機能する複合欠陥146が実質的に均一に形成されている。コレクタ半導体領域153とバッファ半導体領域155の界面近傍に複合欠陥146が形成されると、ライフタイムを制御することが可能になり、半導体装置102の低損失化及びリカバリーサージ電圧の低減化などが実現される。本実施例の製造方法を利用すると、複数の半導体装置102を製造した場合でも、同等のスイッチング特性を有する半導体装置102を安定して得ることができる。
なお、必要に応じて炭素を多量に導入すれば、異なるシリコンウェハの間で、正孔トラップとして機能する複合欠陥を実質的に均一に形成することができる。この場合も同様に、スイッチング特性を改善することができる。
(第4実施例)
図10(A)に、半導体装置104の要部断面図を模式的に示す。半導体装置104は、コレクタショート型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。図10(A)は、半導体装置104の単位構造を示している。半導体装置104は、シリコンウェハを用いて形成されている。なお、図8(A)の半導体装置100と実質的に同種の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置104では、コレクタ半導体領域157が、コレクタ電極152とn型ベース半導体領域156の間に分散して形成されている。コレクタ半導体領域157とコレクタ半導体領域157の間には、n型の不純物(典型的にはリン)を含むコレクタショート半導体領域151が形成されている。コレクタ半導体領域157とコレクタショート半導体領域151の厚みは、ほぼ等しく調整されている。コレクタショート半導体領域151の不純物濃度は、約1×1019cm-3以上に調整されている。コレクタ電極152とn型ベース半導体領域156が、コレクタショート半導体領域151を介して電気的に接している。
半導体装置104には、コレクタ半導体領域157とn型ベース半導体領域156の界面近傍に窒素(元来含まれている窒素と後発的に導入された導入窒素145)と点欠陥144が複合化した複合欠陥146が形成されている。さらに、半導体装置104には、コレクタショート半導体領域151とn型ベース半導体領域156の界面近傍に窒素(元来含まれている窒素と後発的に導入された導入窒素145)と点欠陥144が複合化した複合欠陥146が形成されている。図10(B)に、コレクタ半導体領域154とエミッタ半導体領域166を結ぶ方向における窒素の濃度分布と複合欠陥146の濃度分布を示す。破線187はシリコンウェハに元来含まれている窒素の濃度分布であり、実線188は後発的に導入した導入窒素145の濃度分布であり、破線189は複合欠陥146の濃度分布である。後発的に導入された導入窒素144の最大濃度の深さと複合欠陥146が最も多く形成されている深さはいずれも、コレクタ半導体領域157とn型ベース半導体領域156の界面近傍、及びコレクタショート半導体領域151とn型ベース半導体領域156の界面近傍に局所的に形成されている。複合欠陥146は、電子と正孔が再結合する場を提供しており、半導体装置104の逆回復特性を改善する。
半導体装置104は、以下の手順で作成される。
まず、リンの濃度が約7×1013cm-3で含まれているシリコンウェハを用意する。このシリコンウェハには、引き上げ成長法で作成されたCZ基板を利用することができる。次に、イオン注入法を利用して、そのシリコン基板の表面からボロンを注入し、p型ベース半導体領域162を形成する。次に、イオン注入法を利用して、そのp型ベース半導体領域162の表面からリンを選択的に注入し、エミッタ半導体領域166を形成する。さらに、イオン注入法を利用して、p型ベース半導体領域162の表面からボロンを選択的に注入し、ベースコンタクト半導体領域164を選択的に形成する。次に、シリコンウェハの表面からp型ベース半導体領域162を貫通するトレンチを形成する。そのトレンチの側壁にゲート絶縁膜172を被膜する。次に、ゲート絶縁膜172で被覆されたトレンチ内にトレンチゲート電極174を充填する。次に、エミッタ半導体領域166とベースコンタクト半導体領域166に接するエミッタ電極168を形成する。
次に、高エネルギーイオン注入法を利用して、シリコンウェハの裏面から窒素イオンを注入し、シリコンウェハの所定深さに導入窒素145を形成する。導入窒素145が形成される深さは、後に形成されるコレクタ半導体領域157とn型ベース半導体領域156の界面近傍に設定されている。さらに、導入窒素142が形成される深さは、後に形成されるコレクタショート半導体領域151とn型ベース半導体領域156の界面近傍に調整されている。より好ましくは、導入窒素145が形成される深さは、それぞれの界面よりもn型ベース半導体領域156側に偏在して形成されているのが好ましい。導入窒素145の濃度は、元来的に含まれている窒素の濃度よりも濃く設定されている。
次に、イオン注入法を利用して、シリコンウェハの裏面からボロンを選択的に注入する。ボロンが導入された領域は、コレクタ半導体領域157の範囲に対応している。イオン注入法を利用して、シリコンウェハの裏面からリンを選択的に注入する。リンが導入された領域は、コレクタショート半導体領域151の範囲に対応している。次に、レーザーアニール法を利用して、導入されたボロンとリンを活性化し、コレクタ半導体領域157及びコレクタショート半導体領域151を形成する。次に、600℃以下の熱処理を実施し、複合欠陥146を形成する。先の窒素イオンを注入する工程、ボロンを注入する工程、リンをイオン注入する工程及びレーザーアニール工程を実施したときに、点欠陥142が同時に形成されている。このため、この熱処理によって、窒素(元来含まれている窒素と後発的に導入された導入窒素144の両者を含む)と点欠陥144が複合化し複合欠陥146が形成される。
次に、シリコンウェハの裏面にコレクタ電極152を蒸着する。これらの工程を経て、半導体装置100が製造される。
第4実施例では、窒素を多量に導入することによって、異なるシリコンウェハの間の窒素濃度のバラツキを無視できるようにしている。これにより、異なるシリコンウェハの間で、電子トラップとして機能する複合欠陥146が実質的に均一に形成されている。コレクタ半導体領域157とn型ベース半導体領域156の界面近傍、及びコレクタショート半導体領域151とn型ベース半導体領域156の界面近傍に複合欠陥146が形成されると、ライフタイムを制御することが可能になり、半導体装置104の低損失化及びリカバリーサージ電圧の低減化などが実現される。本実施例の製造方法を利用すると、複数の半導体装置104を製造した場合でも、同等のスイッチング特性を有する半導体装置104を安定して得ることができる。
なお、必要に応じて炭素を多量に導入すれば、異なるシリコンウェハの間で、正孔トラップとして機能する複合欠陥を実質的に均一に形成することができる。この場合も同様に、スイッチング特性を改善することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例のPIN型ダイオードに備えられた半導体積層の要部断面図を示す。 中間半導体領域に炭素イオンを注入する工程を示す。 中間半導体領域にヘリウムイオンを照射する工程を示す。 中間半導体領域に複合欠陥を形成する工程を示す。 実施例の中間半導体領域に元来含まれている不純物濃度分布を示す。 炭素イオンを注入した後の中間半導体領域の不純物濃度分布を示す。 実施例の中間半導体領域の複合欠陥量の分布を示す。 (A)第2実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。(B)炭素と複合欠陥の濃度分布を示す。 (A)第3実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。(B)酸素と複合欠陥の濃度分布を示す。 (A)第4実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。(B)窒素と複合欠陥の濃度分布を示す。 従来の複合欠陥形成工程を示す。 従来の中間半導体領域に元来含まれている不純物濃度分布を示す。 従来の中間半導体領域の複合欠陥量の分布を示す。
符号の説明
22:カソード半導体領域
24:中間半導体領域
26:アノード半導体領域
32:アノード電極
34:カソード電極
42、142:格子位置炭素
44、144:点欠陥
46、146:複合欠陥
143:導入酸素
145:導入窒素
151:コレクタショート半導体領域
152:コレクタ電極
153、154:コレクタ半導体領域
155:バッファ半導体領域
156:n型ベース半導体領域
162:p型ベース半導体領域
164:ベースコンタクト半導体領域
166:エミッタ半導体領域
168:エミッタ電極
172:ゲート絶縁悪
174:トレンチゲート電極

Claims (20)

  1. 複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置の製造方法であり、
    前記半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物を前記半導体領域に導入する工程と、
    前記半導体領域に点欠陥を形成する工程と、を備えており、
    非導電型の前記不純物と前記点欠陥により前記複合欠陥が構成され、
    前記半導体領域のうちの前記点欠陥が形成される領域に、非導電型の前記不純物が導入される製造方法。
  2. 前記点欠陥を形成するために、前記半導体領域が軽元素イオン及び/又は電子線に曝されることを特徴とする請求項1の製造方法。
  3. 非導電型の前記不純物が最大に導入される領域の前記半導体領域中の深さと前記点欠陥が最大に形成される領域の前記半導体領域中の深さが、略同一であることを特徴とする請求項1又は2の製造方法。
  4. 前記半導体領域に導入される非導電型の前記不純物の最大不純物濃度が、前記半導体領域に元来含まれている非導電型の前記不純物の不純物濃度よりも濃いことを特徴とする請求項1〜3の製造方法。
  5. 不純物導入工程は、点欠陥形成工程に先立って実施されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 不純物導入工程と点欠陥形成工程の間に、前記半導体領域を800℃以上に加熱する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項5の製造方法。
  7. 点欠陥形成工程を実施した後に、前記半導体領域を200℃〜600℃の範囲で加熱する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項6の製造方法。
  8. 前記半導体領域の材料は、シリコン系材料であり、
    炭素、酸素、窒素、フッ素、アルゴン、シリコン、又はゲルマニウムから選択される少なくとも1つ以上の非導電型の前記不純物が前記半導体領域に導入されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの製造方法。
  9. 複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置であって、
    前記半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、前記半導体領域の深さ方向において、不均一な分布を有しており、
    前記半導体領域には点欠陥が形成されており、
    非導電型の前記不純物と前記点欠陥により前記複合欠陥が構成されており、
    前記点欠陥が形成されている前記半導体領域中の領域に、非導電型の前記不純物が導入されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 非導電型の前記不純物が、前記半導体領域の深さ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることを特徴とする請求項9の半導体装置。
  11. 複合欠陥が形成されている半導体領域を備えている半導体装置であって、
    前記半導体領域は、
    第1導電型の不純物を含むアノード半導体領域と、
    第2導電型の不純物を高濃度に含むカソード半導体領域と、
    アノード半導体領域とカソード半導体領域の間に形成されており、第2導電型の不純物を低濃度に含む又は導電型の不純物を実質的に含まない中間半導体領域と、を備えており、
    前記半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、アノード半導体領域とカソード半導体領域を結ぶ方向において、不均一な分布を有しており、
    前記半導体領域には点欠陥が形成されており、
    非導電型の前記不純物と前記点欠陥により前記複合欠陥が構成されており、
    前記半導体領域のうちの前記点欠陥が形成されている領域に、非導電型の前記不純物が導入されていることを特徴とする半導体装置。
  12. アノード半導体領域と中間半導体領域が接しており、
    非導電型の前記不純物の最大濃度の位置が、アノード半導体領域と中間半導体領域の界面近傍に形成されていることを特徴とする請求項11の半導体装置。
  13. 非導電型の前記不純物が、アノード半導体領域とカソード半導体領域を結ぶ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることを特徴とする請求項11又は12の半導体装置。
  14. コレクタ電極と、ゲート電極と、複合欠陥が形成されている半導体領域と、を備えている半導体装置であって、
    前記半導体領域は、
    前記コレクタ電極上に形成されており、第1導電型の不純物を含むコレクタ半導体領域と、
    そのコレクタ半導体領域上に形成されており、第2導電型の不純物を含む第2導電型ベース半導体領域と、
    その第2導電型ベース半導体領域によってコレクタ半導体領域から隔てられており、第1導電型の不純物を含む第1導電型ベース半導体領域と、
    その第1導電型ベース半導体領域によって第2導電型ベース半導体領域から隔てられており、第2導電型の不純物を含むエミッタ半導体領域と、を有しており、
    前記ゲート電極は、第2導電型ベース半導体領域とエミッタ半導体領域を隔てている第1導電型ベース半導体領域に絶縁膜を介して対向しており、
    前記半導体領域に元来含まれている非導電型の不純物と同種の不純物が、コレクタ半導体領域とエミッタ半導体領域を結ぶ方向において、不均一な分布を有しており、
    前記半導体領域には点欠陥が形成されており、
    非導電型の前記不純物と前記点欠陥により前記複合欠陥が構成されており、
    前記半導体領域のうちの前記点欠陥が形成されている領域に、非導電型の前記不純物が導入されていることを特徴とする半導体装置。
  15. コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域が接しており、
    非導電型の前記不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に形成されていることを特徴とする請求項14の半導体装置。
  16. コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の間に形成されており、第2導電型の不純物を第2導電型ベース領域よりも高濃度に含むバッファ半導体領域をさらに備えていることを特徴とする請求項14の半導体装置。
  17. コレクタ半導体領域とバッファ半導体領域が接しており、
    非導電型の前記不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域とバッファ半導体領域の界面近傍に形成されていることを特徴とする請求項16の半導体装置。
  18. コレクタ半導体領域が、コレクタ電極と第2導電型ベース半導体領域の間に分散して形成されており、
    コレクタ電極と第2導電型ベース半導体領域が、コレクタ半導体領域とコレクタ半導体領域の間の間隔を介して電気的に接していることを特徴とする請求項15の半導体装置。
  19. コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域が接しており、
    非導電型の前記不純物の最大濃度の位置が、コレクタ半導体領域と第2導電型ベース半導体領域の界面近傍に形成されていることを特徴とする請求項18の半導体装置。
  20. 非導電型の前記不純物が、コレクタ半導体領域とエミッタ半導体領域を結ぶ方向において、最小濃度の2倍以上の最大濃度を有していることを特徴とする請求項14〜19のいずれかの半導体装置。
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