JP4918405B2 - 光学顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光学顕微鏡の技術に関し、特に、微分干渉観察の技術に関する。
顕微鏡は、医学や生物学の分野を始めとして、工業分野においても、ICウェハや磁気ヘッドの検査や金属組織等の品質管理、新素材等の研究開発などの用途で使用されている。
ICウェハなどの製造工程では、光の干渉を利用して位相の差(リタデーション)を色彩のコントラストに変換する微分干渉観察法を用いて、透明膜の傷や透明膜の厚みのバラツキなどといった製造上の欠陥の有無の検査が行われている。
微分干渉観察法では、光学顕微鏡が備えている通常の光学系に、ポラライザ、ノマルスキープリズム、アナライザ等の光学素子を追加して、微分干渉観察光学系を形成する。
ポラライザは、照明光の光路に挿入され、照明光を特定方向の直線偏光にする。
ノマルスキープリズムは、このポラライザを透通した直線偏光を、振動方向が互いに直交している2つの直線偏光に分解すると共に、観察試料からの2つの光を再び重ね合わせる微分干渉プリズムである。なお、落射照明の場合には1つのノマルスキープリズムが照明光と観察法用とを兼ねるが、透過照明の場合には1対のノマルスキープリズムが必要となる。
アナライザは、ノマルスキープリズムを通過した光束を同一の振動方向に揃えて干渉させる。アナライザを通過して干渉した光のうち、ある波長のものは干渉によって打ち消される一方、ある波長のものは透過する。このため、アナライザを通過させた光と可視光とを重ね合わせると色彩が表れる。これを干渉色という。
微分干渉観察機能を備えた光学顕微鏡の技術に関し、例えば特許文献1には、ポラライザ、アナライザ、及びノマルスキープリズムを電動で駆動させるためのアクチュエータを備えており、観察者が操作部を操作することでこれらの光学素子を駆動させることができる顕微鏡が開示されている。この顕微鏡では、観察者が操作部を操作して微分干渉観察法を選択すると、制御部がアクチュエータに駆動指示を出してこれらの光学素子を光路に挿入させる。その後、観察者が操作部を操作してリタデーションの調整(ノマルスキープリズムにおいて分解される2つの直線偏光間での位相差の調整)を行う指示を出すと、制御部がアクチュエータに駆動指示を出してノマルスキープリズムを移動させ、リタデーションの調整が行われる。
リタデーションの調整におけるノマルスキープリズムの位置の設定は非常にシビアであるため、ノマルスキープリズムを電動で駆動するアクチュエータの駆動分解能は非常に小さいことが望まれる。また、一般に、観察に適したリタデーション位置は観察試料や検査工程により異なっており、同一試料でも複数のリタデーション位置を観察することもあるため、ノマルスキープリズムを広い範囲で迅速に移動できるようにする必要もある。更に、検出対象である欠陥によっては、特定の干渉色でのみ検出可能なものもあるので、干渉色の設定は非常に重要である。
微分干渉観察機能を備えた光学顕微鏡でのリタデーション調整の技術に関し、例えば特許文献2には、ダイヤル式のリタデーション位置調整指示部を操作部として備えるようにし、このダイヤルを回すスピードを変化させる、若しくは操作部の他の操作子の操作することにより、ノマルスキープリズムを電動で駆動するアクチュエータの駆動分解能を変化させるようにした顕微鏡が開示されている。
特開平9−325281号公報 特開平11−326777号公報
前述の先行文献2に開示されている顕微鏡では、ダイヤルの操作に応じてノマルスキープリズムを移動させると、観察される干渉色が連続的に変化する。この干渉色の変化の判断は観察者による官能的な判断である。従って、リタデーションの調整において最適な干渉色となる位置にノマルスキープリズムを配置するには、回転方向の反転を繰り返しながらダイヤルを操作するという作業が観察者に求められることとなるが、この設定作業には長い時間を要することとなる。
また、経験の浅い検査者や検査工程作成者が観察者である場合には、干渉色の官能判断が適切でないことがあるため、干渉色の最適な設定が行えずに、欠陥を見落としてしまうことがあり得る。
また、先行文献2に開示されている顕微鏡では、ダイヤルを1回転させると、微分干渉観察により観察される干渉色のうちの代表的なものが観察される位置にノマルスキープリズムが移動するように構成されている。しかし、観察者が接眼レンズを覗きながらダイヤルを操作している等の場合では、ダイヤルを正確に360度回転させることは容易な操作ではない。従って、例えば、予め定めておいた複数のリタデーション位置(ノマルスキープリズムの配置位置)で第一の試料の微分干渉観察を行い、その後続けて第一の試料の観察時と同一である複数のリタデーション位置において第二の試料の微分干渉観察を行うことを所望しても、第二の試料の観察の際に第一の試料の観察の際のリタデーション位置を再現させることは困難である。
また、複数のリタデーション位置を観察する場合に各々のリタデーション位置が大きく離れている場合には、ダイヤルを何回転も回す操作が必要となるため、作業が煩雑となり、また観察に時間を要することにもなる。
更に、ノマルスキープリズムを予め設定されている移動範囲の終端の位置まで移動させても観察に適した干渉色が見つからなかった場合や、試料の観察を終えて次の試料の観察を開始する場合には、ノマルスキープリズムを予め設定されている移動範囲の始端まで一旦戻すことになる。しかし、ノマルスキープリズムをこの始端まで戻すためにはダイヤルを何回転も回す操作が必要となるため、作業が煩雑となり、また観察に時間を要することにもなる。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡のリタデーション調整において、最適なリタデーション位置を迅速かつ精度良く設定できるようにすることである。
本発明の態様のひとつである光学顕微鏡は、微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡であって、微分干渉観察光学系を構成するために使用される微分干渉プリズムと、該微分干渉プリズムを移動させる指示を取得する指示取得手段と、該微分干渉プリズムの移動方向の指示を含み、該指示取得手段による該指示の取得に応じ、該光学顕微鏡の光学系の光軸に直交する方向に該微分干渉プリズムを移動させて、微分干渉観察におけるリタデーションの調整を行う調整手段と、該指示取得手段により取得される該指示の継続時間を計時すると共に、該調整手段を制御して該微分干渉プリズムの移動量を該指示の継続時間に応じて変化させる制御手段と、微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と該光学顕微鏡による微分干渉観察において該干渉色が観察されるときの該微分干渉プリズムの該方向における位置との関係を示すテーブルが予め格納されているテーブル記憶部と、を備え、該制御手段は、該指示の継続時間が所定の閾値時間を経過したか否かを判定する判定手段を有しており、該指示の継続時間が該閾値時間を経過したことを該判定結果が示しているときには、該調整手段により、該制御直前における該微分干渉プリズムの位置から、該移動方向の指示に係る方向においての直近の位置であって該テーブルにおいて該干渉色の名称との関係が示されている該直近の位置へ、該微分干渉プリズムを移動させる制御を行い、該指示の継続時間が該閾値時間を経過していないことを該判定結果が示しているときには、該調整手段により、該テーブルに示されている該微分干渉プリズムの位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、該微分干渉プリズムを移動させる制御を行う、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
また、本発明の別の態様のひとつである光学顕微鏡は、微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡であって、微分干渉観察光学系を構成するために使用される微分干渉プリズムと、該微分干渉プリズムを移動させる指示を取得する指示取得手段と、該指示取得手段による該指示の取得に応じ、該光学顕微鏡の光学系の光軸に直交する方向に該微分干渉プリズムを移動させて、微分干渉観察におけるリタデーションの調整を行う調整手段と、該指示取得手段により取得される該指示の継続時間を計時すると共に、該調整手段を制御して該微分干渉プリズムの移動量を該指示の継続時間に応じて変化させる制御手段と、微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と、該光学顕微鏡による微分干渉観察において該干渉色が観察されるときの該微分干渉プリズムの該方向における位置との関係を示すテーブルが予め格納されているテーブル記憶部と、を備え、該制御手段は、該指示の継続時間が所定の閾値時間を経過したか否かを判定する判定手段を有しており、該指示の継続時間が該閾値時間を経過したことを該判定結果が示しているときには、該調整手段により、観察されている該干渉色が代表的な他の干渉色となるように該微分干渉プリズムを大きく移動させる干渉色移動モードでの制御を行い、該指示の継続時間が該閾値時間を経過していないことを該判定結果が示しているときには、該微分干渉プリズムを僅かずつ移動させる微動モードでの制御を行う、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。
前述した本発明に係る光学顕微鏡において、制御手段による該調整手段の制御は、該干渉色移動モードにおいては、該テーブルにおける該干渉色の名称との関係が示されている位置へ該微分干渉プリズムを移動させる制御である、ように構成することができる。
なお、このとき、該指示取得手段により取得される該指示には、該微分干渉プリズムの移動方向の指示が含まれており、該制御手段による該調整手段の制御は、該干渉色移動モードにおいては、該制御直前における該微分干渉プリズムの位置から、該移動方向の指示に係る方向においての直近の位置であって該テーブルにおいて該干渉色の名称との関係が示されている該直近の位置へ、該微分干渉プリズムを移動させる制御である、ように構成することもできる。
また、このとき、該制御手段は、該調整手段の制御を行った後も該指示取得手段により取得される該指示が更に継続しているときには、該調整手段の制御を再度行うように構成することもできる。
また、このとき、該調整手段は、該微動モードにおいては、該指示取得手段による該指示の取得の継続が検出される度に、該テーブル示されている該微分干渉プリズムの位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、該微分干渉プリズムを移動させるように構成することもできる。
また、前述した本発明に係る光学顕微鏡において、該調整手段により調整される該微分干渉プリズムの現在位置を示す数値を表示する表示部を更に備えるように構成することもできる。
なお、このとき、該表示部は、更に、該微分干渉プリズムが配置されている場合に観察される干渉色を、該テーブル記憶部に記憶されている該テーブルに基づいて表示するように構成することができる。
本発明によれば、以上のようにすることにより、微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡のリタデーション調整において、最適なリタデーション位置を迅速かつ精度良く設定できるようなるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず図1について説明する。図1は、本発明を実施する光学顕微鏡の概略構成を示している。この顕微鏡は、微分干渉観察機能を有している。
図1において、顕微鏡フレーム1には、レボルバ104が取り付けられている。レボルバ104は、X−Yステージ103に対向する位置に配置されており、対物レンズ105を最大6つまで設置可能である。レボルバ104は、対物レンズ105を取り付けるマウンタ106と、対物レンズ105を光軸に挿入させるためにマウンタ106を電動で回転させるレボルバモータ107と、レボルバセンサ群108とより構成されている。
レボルバセンサ群108は、レボルバ104が接続されていることを検知する不図示のレボルバ接続センサと、光軸に現在挿入されている対物レンズ105が設置されているマウンタ106の穴番号を検知する不図示の穴番号センサと、対物レンズ105が光軸に挿入されたことを検知する不図示の移動完了センサとより構成されている。
X−Yステージ103には試料102が載置される。X−Yステージ103は、X−Y方向に移動可能であり、光軸方向であるZ方向に移動可能なZステージ109の上に取り付けられている。なお、X方向、Y方向、及びZ方向は互いに直交する方向である。
Zステージ109は、観察者が操作部3を操作して駆動指示をすることで、Zステージモータ110により電動で駆動し、試料102をZ方向に移動させる。
レボルバ104の上方には、DIC(Differential Interference Contrast)キューブ111が設置されている。DICキューブ111は、微分干渉観察光学系を構成するために使用される光学部品であり、ハーフミラー112と、偏光板であるポラライザ113と、アナライザ114とより構成されている。ここで、ポラライザ113とアナライザ114とは直交ニコル(Crossed Nicols)の状態になるように配置されている。
なお、図1に示した顕微鏡には、微分干渉観察用のDICキューブ111の他に、不図示の明視野観察法用のBF(Bright Field)キューブ及び暗視野観察法用のDF(Dark Field)キューブが光学部品として備えられている。観察者が操作部3を操作して観察法を指示すると、キューブモータ115が駆動して観察法に応じたキューブを光軸に挿入する。
レボルバ104には、DICユニット116が取り付けられている。DICユニット116は、微分干渉観察光学系を構成するために使用される微分干渉プリズムであるノマルスキープリズム117と、DICモータ118と、図1では不図示のDICセンサより構成されている。DICモータ118はステッピングモータの軸を直動運動させるアクチュエータであり、その軸にはノマルスキープリズム117が接続されている。従って、DICモータ118を駆動させることにより、その軸の方向であってこの顕微鏡の光学系の光軸に直交する方向にノマルスキープリズム117を移動させることができ、ノマルスキープリズム117を光軸に対し挿脱させる移動動作、及びリタデーション位置を変更する移動動作が可能となる。
顕微鏡フレーム1には、光源119を備えたランプハウス120が取り付けられている。光源119からの光は集光レンズ121及びポラライザ113を通ることで特定方向の直線偏光となり、ハーフミラー112へと導かれる。ハーフミラー112により90度反射された直線偏光は、ノマルスキープリズム117を通ると、互いに振動方向を直行する2つの直線偏光に分解され、対物レンズ105を通った後に、照明光として試料102へ照射される。
試料102で反射された光がノマルスキープリズム117を再び通ると、2つの振動方向の光の重ね合わせが行われる。その後、この光がハーフミラー112を透通してアナライザ114へと導かれると、振動方向が同一に揃えられて干渉が生じる。
この干渉光は、その後、3眼鏡筒122へ導かれると、3眼鏡筒122内部の結像レンズ123により、接眼レンズ124とCCDカメラ125とで試料102の像を結像させる。このとき、接眼レンズ124を覗くことにより、若しくはCCDカメラ125で得られた画像を不図示のモニタで表示させることにより、観察者が試料102の画像を微分干渉観察法により観察することが可能となる。
顕微鏡フレーム1には、この顕微鏡の各種の電動部を制御する制御部2が接続されている。制御部2は、観察者がこの顕微鏡に指示をするために操作される操作部3が接続されている。この制御部2及び操作部3の構成について、図2を用いて説明する。
制御部2は、図2に示すように、CPU(中央演算装置)201と、演算データなどの各種のデータが一時的に格納されるRAM202と、制御プログラムや各種のデータなどが予め格納されているROM203と、この顕微鏡の各種の電動部及び操作部3との間での各種のデータの授受を管理する各種のI/F(インタフェース)部204a、204b、204c、204d、及び204eと、より構成されており、CPU201による管理の下、これらの各構成要素間でバス線205を介して各種のデータ授受を行うことができる。
図1の顕微鏡は、電動部としてレボルバ104、各キューブ、DICユニット116、及びZステージ109を有しているので、制御部2は、これらとの間での各種のデータの授受を管理するレボルバI/F部204a、キューブI/F部204b、DICユニットI/F部204c、及びZステージI/F部204dを有している。これらは、CPU201から駆動指示があるとそれぞれ電動部が備えているモータを、指定の駆動量で駆動させると共に、これらの電動部に備えられているセンサ(レボルバセンサ群108、キューブセンサ206、DICセンサ207、及びZステージセンサ208)による検出信号を受信してCPU201に渡す。CPU201は、この検出信号に基づいて、各電動部の現在の状態の管理を行う。
また、制御部2が有している操作部I/F部204eは、操作部3に設けられている各種スイッチの押下状態を示す情報の管理と、CPU201から指示される操作部3での情報表示における表示内容の管理とを行う。
次に図3について説明する。図3は操作部3の外観構成を示している。図3に示されているように、操作部3は、対物レンズ駆動ボタン群301と、観察法切換えボタン群302と、Zステージ操作ボタン群303と、DIC操作ボタン群304と、表示部305とを備えて構成されている。
対物レンズ駆動ボタン群301は、UPボタン301aとDOWNボタン301bとより構成されている。UPボタン301aは、マウンタ106を穴番号が増える方向に駆動する指示を行うときに観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。DOWNボタン301bは、マウンタ106を穴番号が減る方向に指示を行うときに観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。
観察法切換えボタン群302は、BFボタン302aと、DFボタン302bと、DICボタン302cとより構成されている。これらは、図1の顕微鏡での観察法を、明視野観察法、暗視野観察法、若しくは微分干渉観察法に切り換える指示を行うときにそれぞれ観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。
Zステージ操作ボタン群303は、UPボタン303aとDOWNボタン303bとより構成されている。これらは、試料102を対物レンズ105のピント位置に移動させるときに操作される。UPボタン303aは、Zステージ109を対物レンズ104に近づく方向に駆動させる指示を行うときに観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。DOWNボタン303bは、Zステージ109を対物レンズ105から離れる方向に駆動させる指示を行うときに観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。
DIC操作ボタン群304は、ORGボタン304a、UPボタン304b、及びDOWNボタン304cより構成されている。これらは、ノマルスキープリズム117を移動させる指示を行うときにそれぞれ観察者により押下されることで、当該指示を取得するスイッチである。
表示部305は、操作部3に備えられている各種のスイッチによって取得された観察者の指示の内容を表示する。この表示内容は、現在選択されている観察法と、現在光軸に挿入されている対物レンズ105が設置されているマウンタ106の穴番号とであり、観察法として微分干渉観察法が選択されている場合には、更に、リタデーション位置と、その位置にノマルスキープリズム117が配置されている場合に観察される干渉色が表示部305に表示される。
図3に示した例では、表示部305には、「1 DIC 550 DARKBULE」と表示されている。これは、マウンタ106の穴番号1番、微分干渉観察法による観察、リタデーション位置550、干渉色は濃青、という指示を取得したことを示している。
次に図4Aについて説明する。図4AはRAM202のメモリマップである。
RAM202のcur_pos番地には、DICモータ118の軸の現在位置、すなわちノマルスキープリズム117の現在位置を示す数値が格納される。なお、この数値は、位置の変化がDICセンサ207により検出される度に最新のものに更新される。
また、RAM202のtarget_pos番地には、DIC操作ボタン群304の押下操作に基づいて指示される、ノマルスキープリズム117の移動先位置を示す数値が格納される。また、i番地及びj番地は、DICモータ118の駆動時の演算のために必要となるステップカウンタi及び干渉色カウンタjとして、それぞれ使用される。更に、flg番地は、DIC操作ボタン群304のうちのORGボタン304aに対する押下操作に応じて行われるトグル動作のために使用されるフラグflgの値(「0」または「1」のどちらか)が格納される。
次に図4Bについて説明する。図4BはROM203のメモリマップである。
ROM203のICC[1]番地からICC[10]番地の各記憶領域には、微分干渉観察を行うと観察される代表的な干渉色の名称を表しているテキスト情報が予め格納されている。また、ROM203のIC[1]番地からIC[10]番地の各記憶領域には、その干渉色が図1の顕微鏡により観察されるときのDICモータ118の軸の位置、すなわちノマルスキープリズム117の位置を示す数値情報が予め格納されている。
図4Bのデータ例において、例えば、干渉色「DARKBULE」(濃青)は、ICC[9]番地に格納されている。ここで、IC[9]番地には「550」が格納されている。従って、図1の顕微鏡において、ノマルスキープリズム117を「550」の位置に配置すると、干渉色として濃青色が観察されることが分かる。つまり、ROM203には、微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と、図1の顕微鏡による微分干渉観察において当該干渉色が観察されるときのノマルスキープリズム117の位置との関係を示すテーブルが予め格納されているのである。
なお、本実施例では、ノマルスキープリズム117の位置を示す数値情報は、その数値が小さい順にROM203のIC[1]番地からIC[10]番地の各記憶領域に格納しておくようにする。また、ROM203のICC[1]番地からICC[10]番地の各記憶領域に格納する各干渉色の名称は、IC[1]番地からIC[10]番地の各記憶領域に上記の順序で格納した各数値情報に対応するように格納しておく。
以下、上述したように構成されている図1の顕微鏡の動作について説明する。
まず、観察法切換えボタン群302のDICボタン302cが観察者により押下操作されると、操作部I/F部204eのボタン押下情報が更新される。CPU201はこのボタン押下情報の更新によりDICボタン302cが押下されたことを認識する。すると、CPU201はDIC観察切換えシーケンスを開始する。
CPU201は、まずDICセンサ207により検出されるノマルスキープリズム117の現在位置の情報をDICユニットI/F部204cより取得する。ここで、ノマルスキープリズム117がOUT位置(光軸から外れている位置)に位置していることが判明した場合には、CPU201は、DICモータ118の駆動指示をDICユニットI/F部204cへ出力して、ノマルスキープリズム117をIN位置(光軸上の位置)に駆動させる。
この後、CPU201は、ノマルスキープリズム117の現在位置の情報をDICユニットI/F部204cより再度取得する。ここで、ノマルスキープリズム117がIN位置に位置していることが確認されると、次に、CPU201は、キューブセンサ206により検出される、光軸に現在挿入されているキューブの種別を示す情報をキューブI/F部204bより取得する。ここで、光軸に挿入されているキューブがDICキューブ111でないことが判明した場合には、キューブモータ115の駆動指示をキューブI/F部204bへ出力して、DICキューブ111を光軸に挿入させる。
その後、DICユニットI/F部204c及びキューブI/F部204bから、ノマルスキープリズム117の現在位置の情報及び光軸に現在挿入されているキューブの種別を示す情報をそれぞれ取得する。ここで、ノマルスキープリズム117及びDICキューブ111がそれぞれ光軸に挿入されていることが確認されたときには、操作部l/F部204eに表示指示を与えて、表示部305に「DIC」の文字を表示させる。
これ以降、操作部3のDIC操作ボタン群304に対する押下操作が有効になる。ここで、観察者によりUPボタン304bが押下操作されると、操作部I/F部204eのボタン押下情報が更新される。CPU201はこのボタン押下情報の更新によりUPボタン304bが押下されたことを認識する。すると、CPU201はリタデーション調整シーケンスを開始する。
リタデーション調整シーケンスは、観察者がUPボタン304bを押下操作して行うノマルスキープリズム117の移動指示の取得に応じて、DICモータ118を駆動させてノマルスキープリズム117を移動させることで、リタデーションの調整を行うための処理である。
本実施例においてリタデーション調整シーケンスによりCPU201で行われる処理内容を、図5のフローチャートを用いて説明する。CPU201は、ROM203に格納されている所定のプログラムを読み出して実行することによって、このシーケンスの実行が可能となる。
本実施例に係るリタデーション駆動シーケンスが開始すると、まず、S101において、ノマルスキープリズム117の現在位置の情報をDICユニットI/F部204cより取得して、RAM202内のcur_pos番地に格納する処理が行われる。
続くS102では、UPボタン304bの押下操作の継続時間の計時、すなわち、ノマルスキープリズム117の移動指示の継続時間の計時を行うべく、RAM202のi番地に用意されているステップカウンタiの値を「0」に初期化する処理が行われる。
続くS103では、上述したステップカウンタiの現在の値が「10」よりも小さいか否かを判定する処理が行われる。ここで、ステップカウンタiの現在の値が「10」よりも小さいとき(判定結果がYesのとき)にはS104に処理を進め、ステップカウンタiの現在の値が「10」以上になっているとき(判定結果がNoのとき)にはS110に処理を進める。
このS103の判定処理により、ノマルスキープリズム117の移動指示の継続時間が所定の閾値時間を経過したか否かの判定が行われる。ここで、当該継続時間が所定の閾値時間に達するまでは、ノマルスキープリズム117を僅かずつ移動させる微動モードでのリタデーション調整が行われる。一方、当該継続時間が所定の閾値時間に達した以降は、観察される干渉色が代表的な他の干渉色となるようにノマルスキープリズム117を大きく移動させる干渉色移動モードでのリタデーション調整が行われる。
S104では、RAM202のcur_pos番地に格納されているDICモータ118の軸の現在位置を示す数値に「1」を加算した結果の値を、RAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われる。
S105では、上述したtarget_pos番地に格納されている現在の数値を読み出して、その数値をDICユニットI/F部204cに転送してセットする処理が行われる。
S106では、DICモータ118の駆動指示をDICユニットI/F部204cに与えて、前ステップの処理によってDICユニットI/F部204cにセットされた数値に対応する移動量だけノマルスキープリズム117を移動させる処理と、その数値をリタデーション位置として表示部305に表示させる指示を操作部I/F部204eに与える処
理とが行われる。
S107では、前述したステップカウンタiの現在の値をインクリメントする(ステップカウンタiの現在の値を「1」だけ進める)処理が行われる。
S108では、DICモータ118が駆動してノマルスキープリズム117を移動させた後に、観察されている干渉色が適切かどうか、及び、観察されている干渉色の変化の順序が適切であるかどうかをユーザが判断するための時間を確保するため、CPU201によるリタデーション調整シーケンスの進行を、予め定められた時間(例えば100ミリ秒程度)だけ一時停止(ウェイト)させる処理が行われる。
S109では、操作部I/F部204eのボタン押下情報を取得し、UPボタン304bの押下操作が終了したか否か(ボタンが離されたか否か)を判定する処理が行われる。ここで、UPボタン304bの押下操作が終了したと判定したとき(判定結果がYesのとき)には、このリタデーション調整シーケンスを終了する。一方、UPボタン304bの押下操作が尚も継続していると判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS103へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
観察者は、観察されている干渉色が所望の色彩となった場合、若しくは、干渉色の変化の順序が想定していたものと逆になっている場合には、UPボタン304bの押下操作を終了して当該ボタンから手を離す。一方、観察されている干渉色として所望のものが得られてはいないものの、干渉色の変化の順序が想定した通りである場合には、UPボタン304bの押下操作を継続する。S109の判定処理は、観察者によるUPボタン304bに対する押下操作にこれらの変化が生じたかどうかの検出を行うための処理である。
ここで、UPボタン304bの押下操作が継続していると、以上のS103からS109までの処理が繰り返される。すると、前述した微動モードでのリタデーション調整が行われ、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ増加した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。しかし、その後、S107の処理の作用によってステップカウンタiの値が徐々に増加するので、S103の判定処理の結果がやがてNoになる。すると、CPU201はS110に処理を進める。
S110では、RAM202のj番地に用意されている干渉色カウンタjの値を「1」に初期化する処理が行われる。
S111では、前述した干渉色カウンタjの現在の値(この値を変数jとする)を取得し、更に、ROM203のIC[j]番地に格納されている数値を取得してRAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われる。
S112では、RAM202の前述したcur_pos番地に現在格納されている数値と、上述したtarget_pos番地に現在格されている数値との大小比較を行い、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいか否かを判定する処理が行われる。ここで、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいとき(判定結果がYesのとき)には、S105に処理を進め、S105以降の処理を行う。一方、ここで、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値以上のとき(判定結果がNoのとき)には、S113に処理を進める。
S113では、前述した干渉色カウンタjの現在の値をインクリメントする(干渉色カウンタjの現在の値を「1」だけ進める)処理が行われ、その後はS111へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
S103の判定処理の結果がNoになった後には、上述したS110からS113までの処理及びS105からS109までの処理が繰り返される。すると、前述した干渉色移動モードでのリタデーション調整が行われ、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が増加する方向における直近の位置であって、ROM203において干渉色との関係が示されている当該直近の位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。なお、S111からS113までの処理は、この直近の位置を特定するための処理である。
また、干渉色移動モードでのリタデーション調整では、上述したノマルスキープリズム117の移動が一旦行われた後であっても、S106の処理の実行が繰り返される度、すなわち、UPボタン304bの押下操作が継続しているとS109の処理で判定される度に、同一の移動動作が繰り返し行われる。
以上までのシーケンスが、本実施例に係るリタデーション調整シーケンスである。なお、このシーケンスは、DIC操作ボタン群304におけるUPボタン304bへの押下操作に応じて行われるものである。
一方、操作部3のDIC操作ボタン群304に対する押下操作が有効になったときに、観察者によりDOWNボタン304cが押下操作されると、操作部I/F部204eのボタン押下情報が更新される。CPU201はこのボタン押下情報の更新によりDOWNボタン304cが押下されたことを認識する。すると、CPU201は図5と同様のリタデーション調整シーケンスを開始する。但し、この場合に実行されるシーケンスは以下の点が図5に示したものから変更される。
すなわち、図5のS104において、RAM202のcur_pos番地に格納されている数値に「1」を加算する代わりに「1」を減算するようにし、S110において、干渉色カウンタjの値を「1」に初期化する代わりに「10」に初期化するようにし、S112において、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいか否かを判定する代わりに大きいか否かを判定するようにし、そして、S113において、干渉色カウンタjの値をインクリメントする代わりにデクリメントする(干渉色カウンタjの値を「1」だけ戻す)ようにする。
以上のように変更されたリタデーション調整シーケンスがCPU201で実行されると、S103からS109までの処理の繰り返しでは、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ減少した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する微動モードでのリタデーション調整が行われる。また、S110からS113までの処理及びS105からS109までの処理の繰り返しでは、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が減少する方向における直近の位置であって、ROM203において干渉色との関係が示されている当該直近の位置に、ノマルスキープリズム117が移動する干渉色移動モードでのリタデーション調整が行われる。
従って、変更されたリタデーション調整シーケンスでは、微動モード及び干渉色移動モードのどちらでのリタデーション調整においても、変更前のリタデーション調整シーケンスとは逆の方向にノマルスキープリズム117を移動させる。つまり、DIC操作ボタン群304は、UPボタン304bとDOWNボタン304cとのどちらが押下操作されたかを以って、ノマルスキープリズム117の移動方向の指示を取得するものといえる。また、CPU201は、この指示の取得結果がこのどちらであるかにより、当該指示に係る方向へノマルスキープリズム117を移動させる制御をDICモータ118に対して行うものといえる。
なお、上述したリタデーション調整シーケンスにおける微動モードでは、S103からS109までの処理の繰り返しにより、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ増加(UPボタン304bの押下操作による場合)若しくは減少(DOWNボタン304cの押下操作による場合)した位置に、ノマルスキープリズム117を移動させるようにしていた。ここで、S104の処理において、RAM202のcur_pos番地に格納されている数値に加算(UPボタン304bの押下操作による場合)若しくは減算(DOWNボタン304cの押下操作による場合)する値を「1」とする代わりに、この値を、ROM203のIC[1]番地からIC[10]番地までに各々格納されている数値の間隔のうち最小のものよりも小さい値に変更することもできる。このように変更すると、ROM203に示されている代表的な干渉色が観察されるときのノマルスキープリズム117の位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、ノマルスキープリズム117を移動させることができるようになる。つまり、この変更により、微動モードでのノマルスキープリズム117の移動量を、変更前の場合よりも粗く移動させることができるようになる。
また、操作部3のDIC操作ボタン群304に対する押下操作が有効になったときに、観察者によりORGボタン304aが押下操作されると、操作部I/F部204eのボタン押下情報が更新される。CPU201はこのボタン押下情報の更新によりORGボタン304aが押下されたことを認識する。すると、CPU201は原点移動シーケンスを開始する。
原点移動シーケンスは、観察者がORGボタン304aを押下操作して行うノマルスキープリズム117の移動指示の取得に応じてDICモータ118を駆動させて、ノマルスキープリズム117をその移動方向においてROM203に予め格納されている移動範囲の端の位置に移動させるための処理である。なお、本実施例においては、移動範囲の端の位置を示す情報は、ROM203のIC[1]番地及びIC[10]番地の両記憶領域にそれぞれ格納されている数値情報とする。
原点移動シーケンスによりCPU201で行われる処理内容を、図6のフローチャートを用いて説明する。CPU201は、ROM203に格納されている所定のプログラムを読み出して実行することによって、このシーケンスの実行が可能となる。
まず、S151において、RAM202のflg番地に現在格納されているフラグflgの現在の値が「1」であるか否かを判定する処理が行われる。ここで、フラグflgの現在の値が「1」であると判定したとき(判定結果がYesのとき)にはS152に処理を進め、フラグflgの現在の値が「0」であると判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS154に処理を進める。
S152では、RAM202のj番地に用意されている干渉色カウンタjの値を「1」とする処理が行われ、続くS153において、上述したフラグflgの値を「0」とする処理が行われ、その後はS156に処理を進める。
一方S154では、上述した干渉色カウンタjの値を「10」とする処理が行われ、続くS155において、上述したフラグflgの値を「1」とする処理が行われる。
S156では、干渉色カウンタjの現在の値(この値を変数jとする)を取得し、更に、ROM203のIC[j]番地に格納されている数値を取得してRAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われる。
S157では、上述したtarget_pos番地に格納されている現在の数値を読み出して、その数値をDICユニットI/F部204cに転送してセットする処理が行われる。
S158では、DICモータ118の駆動指示をDICユニットI/F部204cに与えて、前ステップの処理によってDICユニットI/F部204cにセットされた数値に対応する移動量だけノマルスキープリズム117を移動させる処理と、その数値をリタデーション位置として表示部305に表示させる指示を操作部I/F部204eに与える処
理とが行われ、その後はこの原点移動シーケンスを終了する。
以上までのシーケンスが原点移動シーケンスである。このシーケンスを実行することにより、CPU201は、ROM203のIC[1]番地若しくはIC[10]番地のどちらかに格納されている数値で予め示されている移動範囲の端の位置にノマルスキープリズム117を移動させる駆動制御をDICモータ118に対して行う。
なお、ここで、直近に行われた原点移動シーケンスによりIC[1]番地に格納されている数値の位置にノマルスキープリズム117を移動させていた場合には、その次のORGボタン304aの押下操作の取得に応じて行われる原点移動シーケンスでは、IC[10]番地に格納されている数値の位置にノマルスキープリズム117を移動させる処理が行われる。一方、直近に行われた原点移動シーケンスによりIC[10]番地に格納されている数値の位置にノマルスキープリズム117を移動させていた場合には、その次のORGボタン304aの押下操作の取得に応じて行われる原点移動シーケンスでは、IC[1]番地に格納されている数値の位置にノマルスキープリズム117を移動させる処理が行われる。
このように、原点移動シーケンスでは、ノマルスキープリズム117の移動先である所定の移動範囲の端の位置の切換えが、ORGボタン304aへの押下操作が検出される度にいわゆるトグルで行われる。
なお、本実施例において、ORGボタン304aの代わりに、ノマルスキープリズム117の移動範囲の両端にそれぞれ対応付けた1対のボタンスイッチを設けるようにし、当該移動範囲の両端のうち押下操作されたスイッチに対応する方へノマルスキープリズム117の移動させる制御をCPU201が行うように構成することもできる。
以上のように、本実施例によれば、図1に示した顕微鏡で微分干渉観察を行う際のリタデーション調整において、最適なリタデーション位置を迅速かつ精度良く設定することができる。
本実施例に係る光学顕微鏡は、図1に示した概略構成を有するものを使用する。また、制御部2及び操作部3についても、図2に示した構成のものを使用し、操作部3の外観構成も図3に示したものを使用する。更に、RAM202及びROM203のメモリマップも、図4A及び図4Bにそれぞれ示したものと同一のものとする。
上述したように構成されている図1の顕微鏡の動作について説明すると、ノマルスキープリズム117及びDICキューブ111がそれぞれ顕微鏡の光軸に挿入されていることを確認し、表示部305に「DIC」の文字を表示させるまでの動作、及び、操作部3のDIC操作ボタン群304におけるUPボタン304bが押下されたことをCPU201が認識するまでの動作は、前述した実施例1と同様である。但し、このUPボタン304bの押下操作に応じてCPU201が実行を開始するリタデーション調整シーケンスが実施例1におけるものと異なっている。
本実施例においてリタデーション調整シーケンスによりCPU201で行われる処理内容を、図7のフローチャートを用いて説明する。CPU201は、ROM203に格納されている所定のプログラムを読み出して実行することによって、このシーケンスの実行が可能となる。
本実施例に係るリタデーション駆動シーケンスが開始すると、まず、S201において、ノマルスキープリズム117の現在位置の情報をDICユニットI/F部204cより取得して、RAM202内のcur_pos番地に格納する処理が行われる。
続くS202において、UPボタン304bの押下操作の継続時間の計時、すなわち、ノマルスキープリズム117の移動指示の継続時間の計時を行うべく、CPU201によるリタデーション調整シーケンスの進行を、予め定められた時間だけ一時停止(ウェイト)させる処理が行われる。
S203では、操作部I/F部204eのボタン押下情報を取得し、UPボタン304bの押下操作が終了したか否か(ボタンが離されたか否か)を判定する処理が行われる。ここで、UPボタン304bの押下操作が終了したと判定したとき(判定結果がYesのとき)には、S204に処理を進める。一方、UPボタン304bの押下操作が尚も継続していると判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS208に処理を進める。
S204では、RAM202のcur_pos番地に格納されているDICモータ118の軸の現在位置を示す数値を、RAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われる。
S205では、上述したtarget_pos番地に格納されている現在の数値に「1」を加算した結果の値を、当該target_pos番地に改めて格納する処理が行われる。
S206では、上述したtarget_pos番地に格納されている現在の数値を読み出して、その数値をDICユニットI/F部204cに転送してセットする処理が行われる。
S207では、DICモータ118の駆動指示をDICユニットI/F部204cに与えて、前ステップの処理によってDICユニットI/F部204cにセットされた数値に対応する移動量だけノマルスキープリズム117を移動させる処理と、その数値をリタデーション位置として表示部305に表示させる指示を操作部I/F部204eに与える処
理とが行われ、その後は、このリタデーション調整シーケンスを終了する。
以上のS204からS207にかけての処理が行われることにより、前述した微動モードでのリタデーション調整が行われ、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ増加した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。但し、本実施例では、UPボタン304bに対する1回の押下操作の継続時間が変化しても、その継続時間によって微動モードが選択される限りにおいては、その移動量は変化しない。本実施例において、微動モードを選択するためのUPボタン304bに対するこのような押下操作を、「単発押し」と称することとする。
しかし、UPボタン304bに対する押下操作の継続時間が所定時間を越え、S203の判定処理の結果がNoになった場合には、CPU201はS208に処理を進め、干渉色移動モードでのリタデーション調整のための処理が行われる。本実施例において、干渉色移動モードを選択するためのUPボタン304bに対するこのような押下操作を、前述した「単発押し」に呼応するものとして、「長押し」と称することとする。
S208では、RAM202のj番地に用意されている干渉色カウンタjの値を「1」に初期化する処理が行われる。
S209では、前述した干渉色カウンタjの現在の値(この値を変数jとする)を取得し、更に、ROM203のIC[j]番地に格納されている数値を取得してRAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われる。
S210では、RAM202の前述したcur_pos番地に現在格納されている数値と、上述したtarget_pos番地に現在格されている数値との大小比較を行い、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいか否かを判定する処理が行われる。ここで、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいとき(判定結果がYesのとき)には、S212に処理を進め、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値以上のとき(判定結果がNoのとき)には、S211に処理を進める。
S211では、前述した干渉色カウンタjの現在の値をインクリメントする(干渉色カウンタjの現在の値を「1」だけ進める)処理が行われ、その後はS209へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
S212では、上述したtarget_pos番地に格納されている現在の数値を読み出して、その数値をDICユニットI/F部204cに転送してセットする処理が行われる。
S213では、DICモータ118の駆動指示をDICユニットI/F部204cに与えて、前ステップの処理によってDICユニットI/F部204cにセットされた数値に対応する移動量だけノマルスキープリズム117を移動させる処理と、その数値をリタデーション位置として表示部305に表示させる指示を操作部I/F部204eに与える処
理とが行われる。
S214では、DICモータ118が駆動してノマルスキープリズム117を移動させた後に、観察されている干渉色が適切かどうか、及び、観察されている干渉色の変化の順序が適切であるかどうかをユーザが判断するための時間を確保するため、CPU201によるリタデーション調整シーケンスの進行を、予め定められた時間(例えば100ミリ秒程度)だけ一時停止(ウェイト)させる処理が行われる。
S215では、操作部I/F部204eのボタン押下情報を取得し、UPボタン304bの押下操作が終了したか否か(ボタンが離されたか否か)を判定する処理が行われる。ここで、UPボタン304bの押下操作が終了したと判定したとき(判定結果がYesのとき)には、このリタデーション調整シーケンスを終了する。一方、UPボタン304bの押下操作が尚も継続していると判定したとき(判定結果がNoのとき)にはS216へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
S215では、前述した干渉色カウンタjの現在の値をインクリメントする(干渉色カウンタjの現在の値を「1」だけ進める)処理が行われ、その後はS209へと処理を戻して上述した処理が繰り返される。
以上のS208からS216にかけての処理が行われることにより、前述した干渉色移動モードでのリタデーション調整が行われ、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が増加する方向における直近の位置であって、ROM203において干渉色との関係が示されている当該直近の位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。また、この干渉色移動モードでのリタデーション調整では、上述したノマルスキープリズム117の移動が一旦行われた後であっても、S213の処理の実行が繰り返される度、すなわち、UPボタン304bの押下操作が継続しているとS215の処理で判定される度に、同一の移動動作が繰り返し行われる。
以上までのシーケンスが、本実施例に係るリタデーション調整シーケンスである。なお、このシーケンスは、DIC操作ボタン群304におけるUPボタン304bへの押下操作に応じて行われるものである。
一方、操作部3のDIC操作ボタン群304に対する押下操作が有効になったときに、観察者によりDOWNボタン304cが押下操作されると、操作部I/F部204eのボタン押下情報が更新される。CPU201はこのボタン押下情報の更新によりDOWNボタン304cが押下されたことを認識する。すると、CPU201は図7と同様のリタデーション調整シーケンスを開始する。但し、この場合に実行されるシーケンスは以下の点が図7に示したものから変更される。
すなわち、図7のS205において、RAM202のtarget_pos番地に格納されている数値に「1」を加算する代わりに「1」を減算するようにし、S208において、干渉色カウンタjの値を「1」に初期化する代わりに「10」に初期化するようにし、S210において、cur_pos番地の数値がtarget_pos番地の数値よりも小さいか否かを判定する代わりに大きいか否かを判定するようにし、そして、S211及びS216において、干渉色カウンタjの値をインクリメントする代わりにデクリメントする(干渉色カウンタjの値を「1」だけ戻す)ようにする。
以上のように変更されたリタデーション調整シーケンスがCPU201で実行されると、S204からS207までの処理では、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ減少した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する微動モードでのリタデーション調整が行われる。また、S208からS216までの処理では、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が減少する方向における直近の位置であって、ROM203において干渉色との関係が示されている当該直近の位置に、ノマルスキープリズム117が移動する干渉色移動モードでのリタデーション調整が行われる。
従って、変更されたリタデーション調整シーケンスでは、微動モード及び干渉色移動モードのどちらでのリタデーション調整においても、変更前のリタデーション調整シーケンスとは逆の方向にノマルスキープリズム117を移動させる。つまり、DIC操作ボタン群304は、UPボタン304bとDOWNボタン304cとのどちらが押下操作されたかを以って、ノマルスキープリズム117の移動方向の指示を取得するものといえる。また、CPU201は、この指示の取得結果がこのどちらであるかにより、当該指示に係る方向へノマルスキープリズム117を移動させる制御をDICモータ118に対して行うものといえる。
以上のように、本実施例に係る図1の光学顕微鏡では、観察者がUPボタン304b若しくはDOWNボタン304cを長押しすると、ノマルスキープリズム117を代表的な干渉色に移動させることができ、その一方で、UPボタン304b若しくはDOWNボタン304cを単発押しすると、干渉色の徴調整を行うことができる。従って、微分干渉観察により複数の試料102に対し複数のリタデーション位置を観察する際に、観察者がUPボタン304b若しくはDOWNボタン304cに対し長押しと単発押しとを必要に応じて駆使することにより、観察毎のリタデーション位置再現が容易に行うことができる。
なお、上述したリタデーション調整シーケンスにおける微動モードでは、S204からS207までの処理により、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ増加(UPボタン304bの押下操作による場合)若しくは減少(DOWNボタン304cの押下操作による場合)した位置に、ノマルスキープリズム117を移動させるようにしていた。ここで、S205の処理において、RAM202のtarget_pos番地に格納されている数値に加算(UPボタン304bの押下操作による場合)若しくは減算(DOWNボタン304cの押下操作による場合)する値を「1」とする代わりに、この値を、ROM203のIC[1]番地からIC[10]番地までに各々格納されている数値の間隔のうち最小のものよりも小さい値に変更することもできる。このように変更すると、ROM203に示されている代表的な干渉色が観察されるときのノマルスキープリズム117の位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、ノマルスキープリズム117を移動させることができるようになる。つまり、この変更により、微動モードでのノマルスキープリズム117の移動量を、変更前の場合よりも粗く移動させることができるようになる。
なお、本実施例において、操作部3のDIC操作ボタン群304に対する押下操作が有効になったときに、観察者によりORGボタン304aが押下操作されたことを認識するとCPU201が実行する原点移動シーケンスは、図6に示した実施例1におけるものと全く同一である。
以上のように、本実施例によれば、図1に示した顕微鏡で微分干渉観察を行う際のリタデーション調整において、最適なリタデーション位置を迅速かつ精度良く設定することができる。更に、僅か1回のボタン操作で代表的なリタデーション位置へノマルスキープリズム117を移動させることができ、同一の試料102で複数のリタデーション位置へ容易に移動ができるようになり、また複数の試料102に対してのリタデーション位置の再現性を向上させることができる。
なお、本実施例では、UPボタン304bに対する「単発押し」により微動モードでのリタデーション調整が選択され、「長押し」により干渉色移動モードでのリタデーション調整が選択されるように構成した。この代わりに、これとは逆に、UPボタン304bに対する「長押し」により微動モードでのリタデーション調整が選択され、「単発押し」により干渉色移動モードでのリタデーション調整が選択されるように構成することも可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
例えば、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では、操作部3は、図3に概観構成を示した専用のものを使用した。この代わりに、ごく標準的な構成のコンピュータ、すなわち、制御プログラムの実行によってコンピュータ全体の動作制御を司るMPU等の演算処理装置と、この演算処理装置が必要に応じてワークメモリとして使用するメインメモリと、各種のプログラムや制御データなどを記憶して保存しておく例えばハードディスク装置などの記憶装置と、制御部2との間で各種データの授受の制御を行うインタフェース部と、種々の操作に対応付けられて示される操作者からの指示を取得する入力部と、各種の情報を表示する表示部と、を有して構成されているコンピュータ、を利用して構成することもできる。
このようなコンピュータを操作部として使用する場合の制御部2の構成例を図8に示す。図8において、PC801は、上述したような標準的な構成のコンピュータである。また、図8に示す制御部2の構成は、操作部I/F部204eをPCI/F部802に置換した点と、不揮発性メモリ803を備えている点とを除けば、図2に示した制御部2の構成と同一である。
図8の構成において、PC801では所定の制御プログラムを実行する。PC801は、この制御プログラムを実行すると、PC801の有する入力部に対する観察者による操作に従って、前述した各実施例におけるリタデーション調整シーケンス、若しくは原点移動シーケンスをPC801に実行させるいずれかのコマンドをPCI/F部802へ送信する処理と、PCI/F部802から送られてくるCPU201からの表示指示に従い、当該表示指示に係る情報(例えば図3の表示部305で表示される情報)をPC801の有する表示部で表示する処理とを行う。また、CPU201は、これらのコマンドをPCI/F部802が受信すると、受信したコマンドに応じ、図5若しくは図7に示したリタデーション調整シーケンス又は図6に示した原点移動シーケンスを実行する。
不揮発性メモリ803は、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では予めROM203に格納しておいた、微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と、図1の顕微鏡による微分干渉観察において当該干渉色が観察されるときのノマルスキープリズム117の位置との関係を示すテーブルを格納しておく。この構成によれば、観察者により、このテーブルの内容の書き換えることができる。
なお、図8の構成において、このテーブルをROM203に格納するようにして、観察者によるこのテーブルの内容の書き換えを禁止してもよい。また、この不揮発性メモリ803を図2の制御部2に追加することで、観察者によるこのテーブルの内容の書き換えを行えるようにしてもよい。
また、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では、ノマルスキープリズム117の移動指示の取得のために、操作部3にDIC操作ボタン群304としてORGボタン304a、UPボタン304b、DOWNボタン304cを設けていた。ここで、図9に示す画面例、すなわち、図8の構成におけるPC801の表示部に表示させるGUI用の画面例において、UPボタンアイコン904bとDOWNボタンアイコン904cとの間に配置したリタデーション位置指示ボタンアイコン群904aのように、ノマルスキープリズム117の移動先のリタデーション位置の数値による指示を取得するボタンを更に備えるようにし、この指示を取得した場合には、CPU201がDICモータ118の駆動制御を行って、当該指示に係る位置にノマルスキープリズム117を移動させるように構成することもできる。
なお、図9の画面例において、リタデーション位置表示部905では、図3に示した操作部3では表示部305に表示させていたリタデーション位置の表示を行っている。
また、前述した実施例1では、ノマルスキープリズム117の微動モードでの移動量は一定としていた。この代わりに、押下操作の継続時間に基づいて微動モードでの移動量を変化させるように構成することもできる。このようにするためには、図5に示したリタデーション調整シーケンスに代えて、図10に示した実施例1に係るリタデーション調整シーケンスの変形例をCPU201が実行するようにする。
ここで、図10において破線で囲まれているS301からS305の処理について説明する。なお、図10におけるS101からS102及びS105からS113の処理は、図2における処理と同一であるので説明は省略する。
S301では、RAM202のi番地に用意されているステップカウンタiの現在の値が「15」よりも小さいか否かを判定する処理が行われる。ここで、ステップカウンタiの現在の値が「15」よりも小さいとき(判定結果がYesのとき)にはS302に処理を進め、ステップカウンタiの現在の値が「15」以上になっているとき(判定結果がNoのとき)にはS110に処理を進める。
S302では、上述したステップカウンタiの現在の値を判別する処理が行われる。ここで、ステップカウンタiの現在の値が「1」以上「5」未満であればS303に処理を進め、ステップカウンタiの現在の値が「5」以上「10」未満であればS304に処理を進め、ステップカウンタiの現在の値が「10」以上「15」未満であればS305に処理を進める。
S303では、RAM202のcur_pos番地に格納されているDICモータ118の軸の現在位置を示す数値に「1」を加算した結果の値を、RAM202のtarget_pos番地に格納する処理が行われ、その後はS105に処理を進める。
S304では、上述したcur_pos番地に格納されている数値に「5」を加算した結果の値を、上述したtarget_pos番地に格納する処理が行われ、その後はS105に処理を進める。
S305では、上述したcur_pos番地に格納されている数値に「10」を加算した結果の値を、上述したtarget_pos番地に格納する処理が行われ、その後はS105に処理を進める。
S301からS305では以上の処理が行われる。
図10に示したシーケンスにおいて、UPボタン304bの押下操作が継続していると、S301からS305まで及びS105からS10までの処理が繰り返される。すると、前述した微動モードでのリタデーション調整が行われ、ステップカウンタiの値が「1」以上「5」未満である期間は、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「1」だけ増加した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。
その後、S107の処理の作用によってステップカウンタiの値が徐々に増加し、ステップカウンタiの値が「5」以上「10」未満になると、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「5」だけ増加した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。
その後、S107の処理の作用によってステップカウンタiの値が更に増加し、ステップカウンタiの値が「10」以上「15」未満になると、当該処理実行直前における位置から、当該位置を示す前述した数値が「10」だけ増加した位置に、ノマルスキープリズム117が移動する。
以上のように、図10に示したシーケンスでは、ステップカウンタiの現在の値が「1」以上「15」未満である期間においては、UPボタン304bの押下操作が継続していると、微動モードでのノマルスキープリズム117の移動量が段階的に増加するのである。このようにして微動モードでのノマルスキープリズム117の移動量に数段階のステップを設けることで、より迅速なリタデーション位置合わせが可能となる。
なお、その後、S107の処理の作用によってステップカウンタiが更に増加して「15」に達すると、S301の判定処理の結果がNoになる。すると、これ以降、CPU201はS110に処理を進め、干渉色移動モードでのノマルスキープリズム117の移動制御が行われる。
この他に、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では、ROM203のIC[1]番地からIC[10]番地及びICC[1]番地からICC[10]番地の各記憶領域にそれぞれ格納したテーブル、すなわち、微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と、図1の顕微鏡による微分干渉観察において当該干渉色が観察されるときのノマルスキープリズム117の位置との関係を示すテーブルは、図1の顕微鏡において使用される対物レンズ105の種別に関わらず共通のものとしていた。この代わりに、使用される対物レンズ105の種別に応じて別個に備えるようにしてもよい。
また、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では、ノマルスキープリズム117が1つである顕微鏡の場合を例にして説明したが、本発明は、複数のDICプリズムを備えている顕微鏡システム(例えば前掲した特許文献2で開示されている光学顕微鏡)で実施することも可能である。なお、この場合には、対物レンズの種別に応じて異なるノマルスキープリズムを使用するので、上述したテーブルは、対物レンズの種別に応じて用意しておくようにする。
また、前述した実施例1及び実施例2の各実施例では、アナライザ113及びポラライザ114が一体のDICキューブ111として備えられているが、これらの光学素子が各々独立したユニットとして構成することも可能である。なお、この場合には、これらの光学素子毎に専用のアクチュエータを設けるようにする。
また、前述した各実施例では、微分干渉プリズムとして、ノマルスキープリズムを用いたが、この代わりに、例えば、ウォラストンプリズム(Wollaston prism )などといった、他の光学素子を微分干渉プリズムとして用いることも可能である。
本発明を実施する光学顕微鏡の概略構成を示す図である。 図1に示した光学顕微鏡の制御部及び操作部の構成を示す図である。 操作部の外観構成を示す図である。 RAMのメモリマップである。 ROMのメモリマップである。 実施例1に係るリタデーション調整シーケンスの処理内容をフローチャートで示した図である。 原点移動シーケンスの処理内容をフローチャートで示した図である。 実施例2に係るリタデーション調整シーケンスの処理内容をフローチャートで示した図である。 コンピュータを操作部として使用する場合の制御部の構成例を示す図である。 コンピュータの表示部での表示画面例を示す図である。 図5に示したリタデーション調整シーケンスの変形例を示す図である。
符号の説明
1 顕微鏡フレーム
2 制御部
3 操作部
102 試料
103 Yステージ
104 レボルバ
105 対物レンズ
106 マウンタ
107 レボルバモータ
108 レボルバセンサ群
109 Zステージ
110 Zステージモータ
111 DICキューブ
112 ハーフミラー
113 ポラライザ
114 アナライザ
115 キューブモータ
116 DICユニット
117 ノマルスキープリズム
118 DICモータ
119 光源
120 ランプハウス
121 集光レンズ
122 3眼鏡筒
123 結像レンズ
124 接眼レンズ
125 CCDカメラ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204a レボルバI/F部
204b キューブI/F部
204c DICユニットI/F部
204d ZステージI/F部
204e 操作部I/F部
205 バス線
206 キューブセンサ
207 DICセンサ
208 Zステージセンサ
301 対物レンズ駆動ボタン群
301a UPボタン
301b DOWNボタン
302 観察法切換えボタン群
302a BFボタン
302b DFボタン
302c DICボタン
303 Zステージ操作ボタン群
303a UPボタン
303b DOWNボタン
304 DIC操作ボタン群
304a ORGボタン
304b UPボタン
304c DOWNボタン
305 表示部
801 PC
802 PCI/F部
803 不揮発性メモリ
904a リタデーション位置指示ボタンアイコン群
904b UPボタンアイコン
904c DOWNボタンアイコン
905 リタデーション位置表示部

Claims (10)

  1. 微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡であって、
    微分干渉観察光学系を構成するために使用される微分干渉プリズムと、
    前記微分干渉プリズムを移動させる指示を取得する指示取得手段と、
    前記微分干渉プリズムの移動方向の指示を含み、前記指示取得手段による前記指示の取得に応じ、前記光学顕微鏡の光学系の光軸に直交する方向に前記微分干渉プリズムを移動させて、微分干渉観察におけるリタデーションの調整を行う調整手段と、
    前記指示取得手段により取得される前記指示の継続時間を計時すると共に、前記調整手段を制御して前記微分干渉プリズムの移動量を該指示の継続時間に応じて変化させる制御手段と、
    微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と前記光学顕微鏡による微分干渉観察において該干渉色が観察されるときの前記微分干渉プリズムの前記方向における位置との関係を示すテーブルが予め格納されているテーブル記憶部と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記指示の継続時間が所定の閾値時間を経過したか否かを判定する判定手段を有しており、
    前記指示の継続時間が前記閾値時間を経過したことを前記判定結果が示しているときには、前記調整手段により、該制御直前における前記微分干渉プリズムの位置から、前記移動方向の指示に係る方向においての直近の位置であって前記テーブルにおいて前記干渉色の名称との関係が示されている該直近の位置へ、該微分干渉プリズムを移動させる制御を行い、
    前記指示の継続時間が前記閾値時間を経過していないことを前記判定結果が示しているときには、前記調整手段により、前記テーブルに示されている前記微分干渉プリズムの位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、該微分干渉プリズムを移動させる制御を行う、
    ことを特徴とする光学顕微鏡。
  2. 微分干渉観察機能を有する光学顕微鏡であって、
    微分干渉観察光学系を構成するために使用される微分干渉プリズムと、
    前記微分干渉プリズムを移動させる指示を取得する指示取得手段と、
    前記指示取得手段による前記指示の取得に応じ、前記光学顕微鏡の光学系の光軸に直交する方向に前記微分干渉プリズムを移動させて、微分干渉観察におけるリタデーションの調整を行う調整手段と、
    前記指示取得手段により取得される前記指示の継続時間を計時すると共に、前記調整手段を制御して前記微分干渉プリズムの移動量を該指示の継続時間に応じて変化させる制御手段と、
    微分干渉観察を行うと観察される干渉色の名称と、前記光学顕微鏡による微分干渉観察において該干渉色が観察されるときの前記微分干渉プリズムの前記方向における位置との関係を示すテーブルが予め格納されているテーブル記憶部と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記指示の継続時間が所定の閾値時間を経過したか否かを判定する判定手段を有しており、
    前記指示の継続時間が前記閾値時間を経過したことを前記判定結果が示しているときには、前記調整手段により、観察されている前記干渉色が代表的な他の干渉色となるように前記微分干渉プリズムを大きく移動させる干渉色移動モードでの制御を行い、
    前記指示の継続時間が前記閾値時間を経過していないことを前記判定結果が示しているときには、前記微分干渉プリズムを僅かずつ移動させる微動モードでの制御を行う、
    ことを特徴とする光学顕微鏡。
  3. 前記制御手段による前記調整手段の制御は、前記干渉色移動モードにおいては、前記テーブルにおける前記干渉色の名称との関係が示されている位置へ前記微分干渉プリズムを移動させる制御である、
    ことを特徴とする請求項に記載の光学顕微鏡。
  4. 前記指示取得手段により取得される前記指示には、前記微分干渉プリズムの移動方向の指示が含まれており、
    前記制御手段による前記調整手段の制御は、前記干渉色移動モードにおいては、該制御直前における前記微分干渉プリズムの位置から、前記移動方向の指示に係る方向においての直近の位置であって前記テーブルにおいて前記干渉色の名称との関係が示されている該直近の位置へ、該微分干渉プリズムを移動させる制御である、
    ことを特徴とする請求項に記載の光学顕微鏡。
  5. 前記制御手段は、前記調整手段の制御を行った後も前記指示取得手段により取得される前記指示が更に継続しているときには、前記調整手段の制御を再度行うことを特徴とする請求項又はに記載の光学顕微鏡。
  6. 前記調整手段は、前記微動モードにおいては、前記指示取得手段による前記指示の取得の継続が検出される度に、前記テーブル示されている前記微分干渉プリズムの位置の各々の間隔のうち最狭のものよりも短い移動量で、該微分干渉プリズムを移動させることを特徴とする請求項に記載の光学顕微鏡。
  7. 前記微分干渉プリズムの前記方向において予め設定されている移動範囲の端の位置を示す移動範囲情報が格納されている移動範囲情報記憶部を更に有しており、
    前記指示取得手段が、前記微分干渉プリズムを前記移動範囲の端の位置に移動させる指示を取得した場合には、前記調整手段は、前記移動範囲情報で示されている該移動範囲の端の位置に該微分干渉プリズムを移動させる、
    ことを特徴とする請求項1又は4に記載の光学顕微鏡。
  8. 前記移動範囲情報記憶部に格納されている前記移動範囲情報は、前記移動範囲の端の位置を示す情報として第一位置と第二位置とを示しており、
    前記調整手段は、前記第一位置に前記微分干渉プリズムを移動させた後に該微分干渉プリズムを前記移動範囲の端の位置に移動させる指示を前記指示取得手段が改めて取得した場合には、前記第二位置に該微分干渉プリズムを移動させる、
    ことを特徴とする請求項に記載の光学顕微鏡。
  9. 前記調整手段により調整される前記微分干渉プリズムの現在位置を示す数値を表示する表示部を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学顕微鏡。
  10. 前記表示部は、更に、前記微分干渉プリズムが配置されている場合に観察される干渉色を、前記テーブル記憶部に記憶されている前記テーブルに基づいて表示することを特徴とする請求項9に記載の光学顕微鏡。
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