JP2014235408A - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザにとって、手間をかけずにDIC観察での最適な画像を取得することを可能とする顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】微分干渉プリズムを有し、微分干渉観察を行うことのできる顕微鏡装置であって、ユーザからの標本2の画像観察の開始指示を受け付けると、制御部20は、DICプリズム6aの移動可能な第1の範囲について、粗動探索を行い、輝度に関する情報に基づき、0次暗黒位置に最も近い第1の位置を認識する。制御部20は、第1の位置を含み、第1の範囲よりも狭い第2の範囲について、微動探索を行い、輝度に関する情報に基づき、第2の範囲から、0次暗黒位置である第2の位置を認識する。制御部20は、第2の位置に基づき、DICプリズム6aを所定の色に対応する位置に移動させるようステッピングモータ6bを駆動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微分干渉観察を行うことのできる顕微鏡装置に関する。
光は、標本を透過する際に、透過した部位の屈折率と厚さの違いにより、透過光の光路差が生じる。このことを利用した観察方法を、微分干渉観察(DIC観察)という。
DIC観察では、標本の屈折率と厚みにより観察像が変わってしまうため、標本に合わせて光学素子である微分干渉プリズム(DICプリズム)の位置を調整して観察を行う。これにより、標本の表面にある傷や凹凸のコントラストがよいDIC観察画像を取得することができる。以下の説明では、このようなコントラストのよいDIC観察画像を、「最適なDIC観察画像」という。
従来における最適なDIC観察画像を得るための方法の1つに、DICプリズムの位置を一定間隔で変えながら、順次取得した画像をモニタに表示していき、ユーザが、表示された複数の観察画像の中から好みのDIC観察画像を選択することによる方法がある。これによれば、ユーザが選択したDIC観察画像に対応する位置にDICプリズムを移動して、その位置でDIC観察画像を取得する。
従来における最適なDIC観察画像を得るための他の方法としては、以前に最適なDIC観察画像を取得できたDICプリズムの位置を、メモリ等の記憶部に記憶しておく方法もある。これによれば、標本を変えたときに、メモリ等からDICプリズムの位置を読み出して、DICプリズムを読み出した値のDICプリズム位置に移動させる。これにより、先に行ったDIC観察と同一の条件に戻して観察を行う。
この他、DIC観察機能を有する光学顕微鏡のレタデーション調整に関して、DICプリズムの移動指示が継続する時間を計時して、計時した時間に応じてDICプリズムの移動量を変化させる技術について開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−286871号公報
上記の従来のDICプリズムの位置を一定間隔で変えながら順次取得した画像をモニタに表示していく方法によれば、常に同じ位置から処理を開始し、最適なDIC観察画像が得られるまで、処理を繰り返すことになる。最適なDIC観察画像が得られるまで、すなわち、ユーザにより好みの画像が選択されるまで、何回もDICプリズムの位置を変えてそれぞれの位置の画像を取得していく必要があるため、手間を要することとなる。
また、以前に最適なDIC観察画像を取得できたDICプリズムの位置を、メモリ等の記憶部に記憶しておく方法によれば、図15に例示するように、標本によりDICプリズムの鋭敏色の関係がシフトしてしまうため、最適なDIC観察画像が得られるDICプリズム位置を特定することは難しい。すなわち、顕微鏡観察で使用する標本には、半導体表面等の産業用途の標本や、細胞等の生物の標本等、多くの種類がある。このため、上記の最適なDIC観察画像を取得できたDICプリズムの位置をメモリ等に記憶しておき、これを読み出して一律に所定の位置にDICプリズムを移動させて観察を行ったとしても、所望の最適なDIC観察画像が取得できるとは限らない。例えば、ある標本では灰色鋭敏色で見える場合であっても、同一のDICプリズム位置で他の標本を観察すると、青色鋭敏色で見える場合もある。このように、メモリ等から読み出した情報を元に決定したDICプリズムの位置では最適なDIC観察画像を得ることができない場合は、DICプリズムの位置を再調整する必要が生じ、同様に、手間を要することとなってしまう。
本発明は、ユーザにとって、手間をかけずにDIC観察での最適な画像を取得することを可能とする顕微鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、微分干渉プリズムを有し、微分干渉観察を行うことのできる顕微鏡装置であって、ユーザからの前記標本の画像観察の開始指示を受け付ける操作部と、前記操作部を介して所定の色での微分干渉観察の開始指示がなされたことを認識すると、前記微分干渉プリズムを駆動する駆動部を制御して、前記微分干渉プリズムを、前記色に対応する所定の位置に移動させるよう、前記駆動部の制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記微分干渉プリズムの移動可能な第1の範囲について、第1のピッチで前記微分干渉プリズムを移動させて第1の探索処理である粗動探索を行い、前記輝度に関する情報に基づき、粗動探索において前記駆動部を駆動させて前記微分干渉プリズムを移動させていった位置の中で、0次暗黒位置に最も近い第1の位置を認識し、前記第1の位置を含み、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲について、前記第1のピッチよりも小さい第2のピッチで前記微分干渉プリズムを移動させて第2の探索処理である微動探索を行い、前記輝度に関する情報に基づき、微動探索において前記駆動部を駆動させて前記微分干渉プリズムを移動させていった位置の中から、0次暗黒位置である第2の位置を認識し、前記第2の位置に基づき、前記微分干渉プリズムを前記所定の色に対応する位置に移動させるよう前記駆動部を駆動させることを特徴とする。
本発明によれば、顕微鏡装置のユーザにとっては、手間をかけずにDIC観察での最適な画像を取得することが可能となる。
第1の実施形態に係る顕微鏡装置の構成図である。 第1の実施形態に係る顕微鏡装置のブロック図であり、顕微鏡装置の制御部の機能を説明する図である。 第1の実施形態に係る顕微鏡装置による、最適なDIC観察画像を得ることのできるDICプリズムの位置を求める処理を示したフローチャートである。 第1の実施形態による粗動探索処理において、画像処理部のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。 粗動探索処理について説明するための図である。 第1の実施形態による微動探索処理において、画像処理部のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。 微動探索処理について説明するための図である。 ユーザに最適なDIC観察画像を選択させるための処理について説明する図である。 第1の実施形態の第1の変形例に係る顕微鏡装置による、最適なDIC画像を得ることのできるDICPプリズムの位置を求める処理を示したフローチャートである。 第1の実施形態の第1の変形例による粗動探索処理において、画像処理部のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。 第1の実施形態の第1の変形例による微動探索処理において、画像処理部のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。 第2の実施形態に係る顕微鏡装置による、最適なDIC画像を得ることのできるDICプリズムの位置を求める処理を示したフローチャートである。 BF画像とDIC画像を例示する図である。 最適なDIC画像を得ることのできるDICプリズムの位置を判断する方法について説明する図である。 プリズム位置と鋭敏色との関係について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面の記載においては、同一の構成には同一の符号を付すこととする。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る顕微鏡装置の構成図である。図1に示す顕微鏡装置においては、顕微鏡本体1には、標本2を載置するステージ3が取付けられている。標本2の観察光学系の光路上には、対物レンズ4が配置される。レボルバ5は、対物レンズ4を保持している。図1においては不図示であるが、図1の顕微鏡装置は、レボルバ5をZ軸方向に駆動させる機構を備え、これにより、標本2の形状に合わせてピント合わせを行う。
顕微鏡装置の鏡筒8には、接眼レンズ9が取付けられている。観察者は、接眼レンズ9を覗き込むことで、標本2を観察することができる。鏡筒8内には、光源11からの照明光学系の光路上に配置されるダイクロイックミラー12やポラライザ13等が配置されている。また、鏡筒8の上には、標本2の像を取得し、取得した画像を、PC(Personal Computer)等の情報処理装置30(以下、PC30とする)の画像処理部に送信するCCD(Charge Coupled Device)カメラ10が配置されている。PC30の画像処理部で必要な処理を施された画像は、モニタ40に表示される。
図1に示すとおり、観察光学系の光路上には、DIC(Differential Interference Contrast、微分干渉)プリズムを、光軸と直交する平面上にスライドさせることのできるDICユニット6及びアナライザ7が配置されている。アナライザ7は、ポラライザ13と直交ニコルに配置される。アナライザ7とポラライザ13については、図1においては不図示のモータにより、電動で光路外に移動させて、DIC観察以外の観察を行うことも可能に構成されている。
光がポラライザ13、DICユニット6のDICプリズム、及びアナライザ7を経由することにより、CCDカメラ10の撮像素子においては、標本2についてのDIC画像の画像信号が取得される。本実施形態に係る顕微鏡装置によれば、DIC観察を行うに当たり、最適な(コントラストのよい)DIC観察画像を得ることができるよう、制御部20において、DICユニット6を制御してDICプリズムの位置を適切に調整する。図2を参照して、本実施形態に係る顕微鏡装置の制御部20の構成について具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係る顕微鏡装置のブロック図であり、顕微鏡装置の制御部20の機能を説明する図である。図2においては、最適なDIC観察画像を得るためにDICプリズムの位置を調整する処理に関する構成を示し、他の構成については省略している。
制御部20は、CPU21、RAM(Random Access Memory)22及びROM(Read Only Memory)23がバス24を介して相互に接続され、DICプリズムを移動させるためのモータドライバ25と光源11を制御するための照明部26とを有する。
CPU21は、顕微鏡装置と接続している各入力装置や記憶装置より入力されるデータを演算し、各出力装置や記憶装置にデータを出力する。RAM22は、演算データ等の各種データが格納される。ROM23は、顕微鏡装置の制御プログラム等を格納する。CPU21は、ROM23の制御プログラムを読み出して、照明部26やモータドライバ25を動作させて、それぞれ光源11やDICユニット6の制御を行う。
モータドライバ25は、CPU21の指示に応じて、DICユニット6のステッピングモータ6bを駆動する。なお、CPU21は、予めROM17に保存されている座標情報より、DICユニット6のDICプリズム6aの位置を判断することができる。
照明部26は、定電流回路で構成されており、CPU21の指示に応じて、定電流回路に流す電流値の基準電圧を決定し、光源11に適切な駆動電流を流す。なお、光源11の仕様によっては、基準電圧に基づき印加電圧を決定してこれを出力することにより光源11を調光してもよい。
DICユニット6は、DICプリズム6aとステッピングモータ6bとを含む。
DICユニット6においては、モータドライバ19からの駆動パルス信号を受けたステッピングモータ6bにより、DICプリズム6aの光路上の位置を移動させることができる。ステッピングモータ6bの駆動範囲のリミット位置にセンサを配置して、センサからの情報をCPU21が受け取ることで、DICプリズム6aがリミット位置にあることを把握できるように構成してもよい。
モニタ40には、CCDカメラ10の撮像素子からの画像を表示する。モニタ40は、取得したDICプリズム6aの位置ごとのDIC観察画像を複数表示させることもでき、観察者等のユーザは、PC30のアプリケーションソフト31から所望の画像を選択することもできる。
PC30は、画像処理部32とアプリケーションソフト31とを含み、顕微鏡装置と接続され、制御部20のCPU21と双方向での通信が可能である。顕微鏡装置のユーザは、PC30等を介して、顕微鏡装置に対してDIC観察の開始を指示する。
図1の説明においても記載したとおり、顕微鏡装置の光源11から発せられた光は、標本にて反射して、CCDカメラ10の撮像素子に入射する。PC30の画像処理部32は、基板で構成され、PC30の拡張ポートに接続されている。画像処理部32は、CCDカメラ10の撮像素子において取得した画像より生成されるデジタル画像信号に対して必要な画像処理を施し、DIC観察画像を得る。また、画像処理部32は、CCDカメラ10の撮像素子において取得した画像より生成されるデジタル画像信号より、画像の平均輝度値等の輝度に関する情報を算出する。アプリケーションソフト31は、画像処理部32が算出した平均輝度値等の情報を、画像処理部32内の図2においては不図示のRAM等に格納する。
画像処理部32は、制御部20のCPU21からの指示に応じて、CCDカメラ10より受信した画像信号をモニタ40に出力することもできるし、算出した平均輝度値等の情報をCPU21に出力することもできる。
本実施形態においては、制御部20(のCPU21)は、ユーザからPC30等を介して所定の色でのDIC観察の開始指示を受け付けると、最適なDIC観察画像の得られるDICプリズム6aの位置を認識し、これに応じた制御を行う。最適なDIC観察画像の得られるDICプリズム6aの位置は、画像処理部32が、DICプリズム6aの位置ごとに取得したDIC観察画像より輝度に関する情報を求め、アプリケーションソフト31が、これを互いに比較した結果より求まる。制御部20のCPU21においては、PC30の画像処理部32からの通知に応じて、DICプリズム6aを、最適なDIC観察画像を得ることのできる位置に移動させる。以下に、フローチャート等を参照して、本実施形態に係る顕微鏡装置が、最適なDIC観察画像を得ることのできるDICプリズム6aの位置を求める方法について、具体的に説明する。
図3は、本実施形態に係る顕微鏡装置による、最適なDIC観察画像を得ることのできるDICプリズム6aの位置を求める処理を示したフローチャートである。顕微鏡装置の制御部20は、例えば、顕微鏡装置のユーザにより、PC30等を介してDIC観察モードが設定されたことを契機として、図3に示す一連の処理を開始する。
まずは、ステップS1−1〜ステップS1−8の粗動探索処理により、DICプリズム6aの0次暗黒位置の見当を付ける。粗動探索とは、DICプリズム6aの移動可能な全範囲を対象に、後述する微動探索に対してDICプリズム6aを大きいピッチで移動させて探索を行うことをいう。以下においては、DICプリズム6aの0次暗黒位置の見当を付ける処理を、以下においては、第1探索処理ともいう。
具体的には、ステップS1−1で、制御部20は、第1探索開始位置にDICプリズム6aを移動させる。第1探索開始位置とは、DICプリズム6aの移動可能な全範囲について粗動探索を行う場合の探索開始時のDICプリズム6aの位置をいう。実施例では、DICプリズム6aは、例えば「0‐100」の範囲を移動可能であり、第1探索開始位置は、「位置0」とする。また、実施例では、粗動探索においてはDICプリズム6aを例えば、10ピッチずつ移動させていくこととする。ここでは、制御部20は、DICプリズム6aを基準となる位置0に移動させるようモータドライバ25に指示を出す。モータドライバ25は、ステッピングモータ6bを駆動して、DICプリズム6aを位置0にまで移動させる。
また、ステップS1−1では、制御部20は、第1探索開始位置から10ピッチずつDICプリズム6aを順次移動させて探索を行っていった場合に、DICプリズム6aの各位置(第1探索開始位置から何ピッチ移動させたか)をカウントするためのカウンタiを初期化し、1を設定すると、ステップS1−2に進む。
ステップS1−2で、制御部20は、PC30の画像処理部32に輝度値を検出するよう指示を出す。画像処理部32は、第1探索開始位置においてCCDカメラ10の撮像素子で取得した画像信号より、平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値を、PC30のアプリケーションソフト31に送る。アプリケーションソフト31は、画像処理部32のRAM(図2等においては不図示)に平均輝度値を保存する。画像処理部32は、アプリケーションソフト31による平均輝度値の保存処理が完了すると、顕微鏡装置の制御部20にその旨を通知する。
ステップS1−3で、制御部20は、上記カウンタiが10以下であるか否かを判定する。第1探索開始位置においては、i=1(ステップS1−3でYesの場合)であるため、処理をステップS1−4へと移行させる。
ステップS1−4では、制御部20は、DICプリズム6aを10ピッチ移動させるようモータドライバ25に指示する。モータドライバ25は、DICユニット6のステップモータ6bを駆動して、DICプリズム6aの位置を0から10に移動させ、ステップS1−5に進む。
ステップS1−5においては、ステップS1−1と同様に、制御部20は画像処理部32に輝度値を検出するよう指示を出す。画像処理部32がCCDカメラ10の撮像素子で取得した画像信号より平均輝度値を算出すると、ステップS1−6に進む。
ステップS1−6で、アプリケーションソフト31は、ステップS1−5で画像処理部32が算出した平均輝度値とRAMに保存されている値とを比較し、先に求めた平均輝度値が、極小値であるか否かを判定する。先に求めた平均輝度値が極小値でない場合(ステップS1−6でNoの場合)は、ステップS1−7に進む。カウンタ値i=1の場合は、2つの位置(位置0及び位置10)での平均輝度値しか求めておらず、極小値であるか否かを判定することができないため、そのままステップS1−7に進む。
ステップS1−7で、アプリケーションソフト31は、画像処理部32のRAMに保存されている2つの値のうち、先に求めた方の値を、ステップS1−5で算出された平均輝度値に更新する。カウンタi=1の場合は、RAMに保存されている平均輝度値は1つであるため、既に保存されている値は残しつつ、ステップS1−5で算出した平均輝度値の保存を行う。ステップS1−8で、PC30側から通知を受けた顕微鏡装置の制御部20が、カウンタiの値を1加算し、ステップS1−3に戻る。
このように、粗動探索処理においては、DICプリズム6aの位置を10ピッチずつ移動させて、その位置で取得した画像信号より平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値を、先に求めてRAMに保存しておいた値と比較する。算出した平均輝度値をRAMに保存されている値と比較した結果、前回求めた平均輝度値が極小値であると判定される(ステップS1−6でYesの場合)か、あるいは、カウンタiの値が10を超える(ステップS1−3でNoの場合)まで、上記のステップS1−3〜ステップS1−8の処理を繰り返す。極小値の求め方については、図4を参照して詳しく説明する。
なお、ステップS1−3において、カウンタiの値が10より大きいと判定した場合は、粗動探索エラーとして、ステップS1−21において、制御部20は、モニタ40にその旨を表示し、DICプリズム6aを位置0に戻すよう制御して、処理を終了する。
図4は、本実施形態による粗動探索処理において、画像処理部32のRAM等のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。ステップS1−6で比較する3つの平均輝度値のうち、ステップS1−5で新たに算出した値を「輝度値A」、先にRAM等に保存しておいた値を「輝度値B」及び「輝度値C」とする。なお、ステップS1−3では、カウンタiが10以下であるか否かを判定したが、この「10」の値は、DICプリズム6aの移動可能範囲を「0‐100」とし、DICプリズム6aを10ピッチずつ移動させる場合の値の一例であって、移動可能な全範囲を粗動探索できればよく、移動可能範囲や移動ピッチによって適宜変更可能である。
図4に示す例では、新たにカウンタ値i=7で求めた輝度値Aを、先にカウンタ値i=6、5でそれぞれ求めた輝度値B、Cと比較する。比較した結果、カウンタ値i=6において輝度値Bは、平均輝度値「5」であり、その前後で平均輝度値は減少から増加に転じている。このことから、0次暗黒位置は、カウンタi=6に対応する位置周辺にあるとして、上記の粗動探索処理を終了して、ステップS1−6からステップS1−9へと処理を移行させる。粗動探索処理において0次暗黒位置の見当を付ける方法について、図5を参照して説明する。
図5は、粗動探索処理について説明するための図である。縦軸には、輝度に関する情報(輝度値/コントラスト値)を、横軸には、DICプリズム6aの位置(0〜100)を表している。ここでは、図3のフローチャートで用いている(平均)輝度値を例に説明する。
位置0から10ピッチずつDICプリズム6aを順に移動させて輝度値を求めていくと、DICプリズム6aの位置によって、得られるDIC画像の色が変化する。DICプリズム6aの暗黒位置においては、画像の輝度値は最も小さくなる。0次暗黒位置は、第1探索開始位置から10ピッチずつDICプリズム6aを移動させ、順に輝度値の大きさをみていくと、最初に現れる極小値に対応する位置周辺に存在することがわかる。
これを、図4の具体的な数値に当てはめてみる。カウンタ値i=6に対応するプリズム位置での平均輝度値「5」を、その前後の位置での平均輝度値、すなわち、カウンタi=5及び7での平均輝度値「30」及び「40」と比較する。比較の結果、カウンタi=6に対応するプリズム位置60において、平均輝度値は極小値をとることがわかる。このため、位置60の周辺に0次暗黒位置があると判断することができる。このように、今回求めた平均輝度値AとRAMに保存されている先に求めた輝度値B、Cの平均輝度値とを比較していくことにより、0次暗黒位置の見当が付くと、一連の粗動探索処理を終了する。
なお、図5にも示すとおり、輝度値以外にも、画像のコントラスト値を用いても、同様に0次暗黒位置の見当を付けることが可能である。これについては、本実施形態の第4の変形例の説明において述べることとする。
ステップS1−9〜ステップS1−17の微動探索処理では、DICプリズム6aの0次暗黒位置を特定する。微動探索とは、上記の粗動探索において見当を付けた位置の周辺に範囲を絞り込み、絞り込んだ範囲内で、粗動探索より小さいピッチで(例えば、1ピッチずつ)DICプリズム6aを移動させて探索を行うことをいう。なお、微動探索する移動ピッチは、粗動探索より小さければよく、1ピッチ以外でもよい。以下においては、微動探索によりDICプリズム6aの0次暗黒位置を特定する処理を、第2探索処理ともいう。
微動探索では、まず、ステップS1−9で、制御部20は、第2探索開始位置にDICプリズム6aを移動させる。第2探索開始位置とは、微動探索を行う場合の探索開始時のDICプリズム6aの位置をいう。実施例では、粗動探索を行った範囲において平均輝度値が極小となった位置を基準として、基準となる位置から例えば、10ピッチ戻した位置を第2探索開始位置とし、第2探索開始位置から例えば、20ピッチ分の範囲について、微動探索を行う。ここでは、制御部20は、ステップS1−6において平均輝度値が極小と判定されたDICプリズム6aの位置から例えば、10ピッチ分戻すよう制御を行う。なお、戻すピッチ及び、第2探索開始位置からの微動探索範囲については、上記に限らず、適宜変更可能である。DICプリズム6aのDICプリズム6aの移動を制御する方法については、ステップS1−1やステップS1−4の説明において記載した方法と同様である。なお、ここで示した微動探索範囲は一例であり、適宜範囲を変更してもよい。
また、ステップS1−9では、制御部20は、第2探索開始位置から1ピッチずつDICプリズム6aを移動させて探索を行っていった場合に、DICプリズム6aの位置(第2探索位置から何ピッチ移動させたか)をカウントするためのカウンタjを初期化し、1を設定すると、ステップS1−10に進む。
ステップS1−10では、ステップS1−2と同様の処理を行う。すなわち、画像処理部32がCCDカメラ10の撮像素子で取得した信号より平均輝度値を算出し、アプリケーションソフト31が画像処理部32のRAMに平均輝度値を保存すると、ステップS1−11に進む。
ステップS1−11では、制御部20は、上記カウンタjの値が20以下であるか否かを判定する。第2探索開始位置においては、j=1(ステップS1−11においてYesの場合)であるため、処理をステップS1−12へと移行させる。ステップS1−11において、カウンタjの値が20より大きいと判定した場合は、微動探索エラーとして、ステップS1−21に進む。ステップS1−21の処理の詳細については、前述のとおりであり、モニタ40にエラーが生じた旨を表示し、DICプリズム6aを位置0に戻すよう制御して、処理を終了する。
ステップS1−12では、制御部20は、DICプリズム6aを1ピッチ移動させるようモータドライバ25に指示する。モータドライバ25は、DICユニット6のステップモータ6bを駆動して、DICプリズム6aの位置を40から41に移動させ、ステップS1−13に進む。
ステップS1−13〜ステップS1−15においては、それぞれ上記のステップS1−5〜ステップS1−7と同様の処理を実行する。すなわち、画像処理部32において、画像の平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値をRAM等に保存されている先に求めた値と比較する。算出した平均輝度値が先に求めた値以下である場合は、RAMを更新して新たに算出した値を保存し、ステップS1−16で、カウンタjを1加算する。こうして、1ピッチずつDICプリズム6aを移動させていき、新たに算出した平均輝度値の方が大きくなる(ステップS1−14でYesの場合)か、あるいは、jの値が20を超える(ステップS1−11でNoの場合)まで、ステップS1−11〜ステップS1−16の処理を繰り返す。
図6は、本実施形態による微動探索処理において、画像処理部32のRAM等のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。ステップS1−14で比較する2つの平均輝度値のうち、ステップS1−13で新たに算出した方を「輝度値D」、先にRAM等に保存しておいた方を「輝度値E」とする。
図6に示す例では、カウンタjの値が7であるときの輝度値Cは、平均輝度値「6」であり、この値は、カウンタjの値が6であるときの輝度値Dの平均輝度値「4」よりも大きい。この場合は、上記の微動探索処理を終了して、ステップS1−14からステップS1−17へと処理を移行させる。微動探索処理において0次暗黒位置を特定する方法について、図7を参照して説明する。
図7は、微動探索処理について説明するための図である。図5と同様に、縦軸は、輝度に関する情報(輝度値/コントラスト値)を、横軸は、DICプリズム6aの位置を表している。但し、横軸のDICプリズム6aの位置に関しては、微動探索の範囲である位置40〜60を示す。
第2探索開始位置である位置40から1ピッチずつDICプリズム6aを移動させていった場合も、DICプリズム6aの位置により、得られるDIC画像の色が変化する。微動探索においては、DICプリズム6aを移動させる前後の輝度値を比較して、輝度値が最小となる位置を探索することで、0次暗黒位置を特定する。
微動探索においては、DICプリズム6aの移動量を1ピッチ分とし、また探索範囲を限定しているため、上記の方法で最小の輝度値をとる箇所を探索していくことで、0次暗黒の位置を正確に求めることが可能となる。但し、微動探索の範囲を実施例よりも広くとる場合等には、粗動探索と同様に、3つの連続するDICプリズム6aの位置についてそれぞれの輝度値を求め、極小値をとる位置を探索することが望ましい。微動探索において極小値を取るDICプリズム6aの位置を探索することで、微動探索における探索範囲によらずに、正確に0次暗黒の位置が求めることができる。
最小の輝度値をとるプリズム位置から0次暗黒位置を求める処理について、図6の具体的な数値に当てはめてみる。カウンタ値j=7のときに、位置46と47とで平均輝度値を比較すると、先に位置46で求めた平均輝度値「4」よりも、今回位置47において求めた平均輝度値「6」の方が大きくなっている。このため、DICプリズム6aは、位置46において平均輝度値が最小、すなわち位置46が0次暗黒位置であると判断することができる。このように、今回求めた平均輝度値DとRAMに保存されている先に求めた平均輝度値Eとを比較していくことにより、0次暗黒位置を特定する。
微動探索処理においても、粗動探索処理と同様に、画像のコントラスト値を用いることが可能である。詳細は、第4の変形例の説明において述べることとする。
図3の説明に戻ると、ステップS1−17で、制御部20は、0次暗黒位置を決定する。具体的には、上記のステップS1−11〜ステップS1−16の処理により求まる平均輝度値が最小となるDICプリズム6aの位置を、0次暗黒位置とする。
ステップS1−18以降においては、粗動探索及び微動探索で求めた0次暗黒位置より求まるDIC観察に使用する色に対応する位置にまで、DICプリズム6aを移動させる。そして、最終的にユーザがいずれの色でDIC観察を行うかを決定するときにユーザに参照させるための画像を取得・表示する処理を実行する。以下においては、所定の色近傍の範囲から、ユーザがDIC観察に使用する色、すなわちDIC観察におけるDICプリズム6aの位置を求めるための処理を、上記の第1探索処理(粗動探索処理)や第2探索処理(微動探索処理)に対し、第3探索処理ともいう。
まず、ステップS1−18で、制御部20は、DICプリズム6aの第3探索開始位置を決定する。第3探索開始位置とは、第3探索処理を行う場合の探索開始時のDICプリズム6aの位置をいう。実施例では、制御部20は、ステップS1−17で0次暗黒位置と決定した位置から所定のピッチ分だけDICプリズム6aを移動させるよう制御を行う。DICプリズム6aの移動を制御する方法については、上記と同様である。実施例では、0次暗黒位置である位置から、灰色の画像に対応する5ピッチ分だけDICプリズム6aを移動させる。
ステップS1−19で、制御部20は、図1のモニタ40への表示範囲と、DIC画像の表示間隔とを決定し、これにしたがって、CCDカメラ10より画像信号を取得して、各位置でのDIC画像を得る。ここで、「表示範囲」とは、所望の観察に使用する色(DICプリズム6aの位置)をユーザに選択させるために、モニタ40に選択肢として表示する複数の画像に対応するDICプリズム6aの範囲をいう。「表示間隔」とは、「表示範囲」内においてDICプリズム6aの各位置でDIC画像を取得していくときに、DICプリズム6aを移動させるピッチをいう。
DIC画像の表示範囲及び表示間隔は、取得するDIC画像の枚数と、顕微鏡装置の仕様や設定とから決定される。例えば、取得可能な画像枚数が10枚で、DICプリズム6aの移動ピッチが1ピッチと設定されている場合であって、DICプリズム6aの第3探索開始位置が「50」であるとする。この場合に、DIC画像の表示間隔を「1」とすると、DIC画像の表示範囲は「50〜59」と決まる。DIC画像の表示間隔を大きくとると、表示範囲を広げることができる一方で、ユーザが微妙な色の違いを判断して観察に使用する色を選択することは難しくなる。
図8は、ユーザに最適なDIC観察画像を選択させるための処理について説明する図である。縦軸及び横軸は、それぞれ輝度に関する情報(輝度値/コントラスト値)及びDICプリズム6aの位置であり、図5や図7と同様である。
図8に示す例では、ステップS1−17において0次暗黒位置と判断した位置(図3では位置45とする)より、ステップS1−18で所定のピッチ分DICプリズム6aを移動させる。上記の灰色のDIC観察画像を使用する場合においては、5ピッチ分移動させて、DICプリズム6aを位置「50」に移動させる。そして、ステップS1−19で、決定した画像表示範囲「50〜59」について、1ピッチずつDICプリズム6aを移動させて各位置のDIC画像を取得していく。
ステップS1−20で、制御部20は、ステップS1−19で取得したDIC画像をモニタ40に表示させて、処理を終了する。顕微鏡装置のユーザは、ステップS1−20でモニタ40に表示された複数のDIC画像の中から所望の画像を選択することで、その画像に対応する位置にDICプリズム6aを移動させて、その位置でDIC観察を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る顕微鏡装置によれば、最適なDIC観察画像を得るために、まず、DICプリズム6aの移動可能な範囲を対象に粗動探索処理(第1探索処理)を行って、0次暗黒位置の見当を付ける。次に、DICプリズム6aの移動可能な範囲よりも限定した範囲を対象に、微動探索処理(第2探索処理)を行い、0次暗黒位置を決定する。そして、第3探索処理で、DIC観察に使用する色近傍のDIC画像を複数取得する。このように、ユーザは、第3探索処理において得られた複数のDIC画像の中から所望の色を選択可能に構成される。粗動探索処理においては、例えば10ピッチずつDICプリズム6aを移動させてゆき、平均輝度値等の画像の輝度に関する情報を用いて、どの辺りに0次暗黒位置があるかを大まかに把握し、微動探索処理において、正確な0次暗黒位置を求める。これらの処理により、正確に観察に使用する色付近のDIC画像を取得して、ユーザに選択肢として提示することができる。ここで、仮に1ピッチずつDICプリズム6aを移動させ、各位置について平均輝度値を求めて最小値をとる位置を探索していくとすると、0次暗黒位置を判定する処理に時間を要することとなる。しかし、上記のような構成とすることで、処理全体として、DICプリズム6aを移動させて平均輝度値を比較する回数を抑えることができ、これにより、処理に要する時間を抑えることができる。したがって、顕微鏡装置のユーザにとっては、手間をかけずに、高速にDIC観察での最適な画像を取得することが可能となる。
なお、上記の実施例では、粗動探索処理において、DICプリズム6aを基準となる位置0から順に10ピッチずつ移動させていき、新たに算出した平均輝度値とが前回及び前々回に算出した値とを比較する。3つの平均輝度値を比較することにより、平均輝度値の極小を判断し、極小となる位置を0次暗黒位置に近いと判断しているが、これに限定されるものではない。平均輝度値が極小となるDICプリズム6aの位置を検出できればよく、他の方法によることとしてもよい。
<第1の実施形態の第1の変形例>
上記の実施形態では、粗動探索及び微動探索において、DICプリズム6aを所定のピッチずつ移動させていき、今回測定した平均輝度値と、RAM等に保存されている先に測定した平均輝度値との比較を行って、平均輝度値が極小(微動探索においては、最小)となる位置を判断している。これに対し、本変形例によれば、粗動探索及び微動探索において、それぞれ所定の範囲内でDICプリズム6aを所定のピッチで移動させていき、各位置でDIC画像を取得する。そして、取得した画像の平均輝度値をそれぞれ求め、その中から平均輝度値が最小となる位置を判断する。
以下に、上記の実施形態と異なる点を中心に、本変形例について説明する。なお、顕微鏡装置の構成については、上記第1の実施形態のそれと同様であり、図1や図2に示すとおりであるので、ここではその説明は省略する。
図9は、本変形例に係る顕微鏡装置による、最適なDIC画像を得ることのできるDICPプリズム6aの位置を求める処理を示したフローチャートである。図3のフローチャートと同様に、顕微鏡装置の制御部20は、例えば、顕微鏡装置のユーザにより、PC30等を介してDIC観察モードが設定されたことを契機として、図9に示す一連の処理を開始する。
まず、粗動探索処理において、ステップS1´−1で、制御部20は、カウンタiの値が10以下であるか否かを判定する。カウンタiは、上記において定義したとおりであり、図9のフロー開始時には、初期値i=1が設定されている。カウンタiの値が10以下である場合(ステップS1´−1でYesの場合)は、ステップS1´−2に進む。
ステップS1´−2では、制御部20は、DICプリズム6aを10ピッチ分移動させるよう制御を行う。DICプリズム6aを所定のピッチ分移動させるための制御の方法については、図3の説明においても述べたとおりである。
ステップS1´−3では、PC30の画像処理部32は、CCDカメラ10の撮像素子より取得した画像信号より、DIC画像を得て、ステップS1´−4で、制御部20が、カウンタiを1加算すると、ステップS1´−1に戻る。
こうして、10ピッチずつDICプリズム6aを移動させて、各位置での画像を取得していく。カウンタiが10を超えていると判定される(ステップS1´−1においてNoの場合となる)と、制御部20は、粗動探索に必要な画像を全て取得したと判断し、処理をステップS1´−5へと移行させる。
ステップS1´−5で、画像処理部32は、取得した画像のそれぞれについて、平均輝度値を検出する。画像処理部32が、検出した輝度値をアプリケーションソフト31に送り、アプリケーションソフト31が画像処理部32のRAM等に平均輝度値を保存することについては、図3の処理と同様である。
ステップS1´−6で、PC30のアプリケーションソフト31は、ステップS1´−5で保存した平均輝度値の中から、最小値を検出する。
図10は、本変形例による粗動探索処理において、画像処理部32のRAM等のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。上記のとおり、カウンタi=1〜10、すなわちDICプリズム6aの位置0〜100の範囲において、DICプリズム6aを10ピッチずつ移動させていった場合の各位置の平均輝度値が格納されている。
先に図5を参照して説明したように、画像の平均輝度値は、DICプリズム6aの位置により変化し、0次暗黒位置では最小となる。図10に示す例では、カウンタ値i=5で平均輝度値は「10」であり、最小値をとる。これより、i=5のときに、平均輝度値は最小となり、DICプリズム6aの位置50の周辺に、0次暗黒位置があると判断できる。
図9の説明に戻ると、ステップS1´−7では、制御部20は、画像処理部32を介して、アプリケーションソフト31において検出した平均輝度値の最小Minの通知を受けて、DICプリズム6aの位置をこれにしたがって移動させる。具体的には、制御部20は、粗動探索において平均輝度値の最小Minが検出された位置よりも10ピッチだけ戻すよう、制御を行う。
次に、微動探索処理を行い、ステップS1´−8で、制御部20は、カウンタjの値が20以下であるか否かを判定する。カウンタjの定義は、上記と同様であり、初期値はj=1である。カウンタjの値が20以下である場合(ステップS1´−8でYesの場合)は、ステップS1´−9に進む。
ステップS1´−9では、制御部20は、DICプリズム6aを1ピッチ分移動させるよう制御を行う。ステップS1´−10の処理は、ステップS1´−3と同様である。ステップS1´−11で、カウンタjを1加算すると、ステップS1´−8に戻る。
こうして、1ピッチずつDICプリズム6aを移動させて、各位置での画像を取得していく。カウンタjが20を超えていると判定される(ステップS1´−8でNoの場合となる)と、制御部20は、微動探索に必要な画像を全て取得したと判断し、処理をステップS1´−12へと移行させる。
ステップS1´−12及びステップS1´−13の処理については、それぞれステップS1´−5及びステップS1´−6と同様である。すなわち、画像処理部32において、各位置の画像の平均輝度値を求め、RAM等のメモリに保存すると、その中から、最小値をとるMinを検出する。
図11は、本変形例による微動探索処理において、画像処理部32のRAM等のメモリに保存される輝度値情報を例示する図である。カウンタj=1〜20に対応する各位置にDICプリズム6aがあるときの各位置の平均輝度値が格納されている。
図11に示す例では、カウンタ値j=5で、平均輝度値は「8」であり、最小値をとる。これより、j=5に対応するDICプリズム6aの位置において、平均輝度値は最小となる、すなわち、0次暗黒位置であると判断できる。
ステップS1´−14〜ステップS1´−16の処理については、それぞれ図3のステップS1−18〜ステップS1−20の処理と同様である。こうして、ユーザに所望の画像を選択させるため、複数のDIC画像を取得してモニタ40に表示させると、処理を終了する。
このように、本変形例によれば、平均輝度値等の輝度に関する情報にピークが複数現れる場合であっても、正確に0次暗黒位置を求めることができ、上記の実施形態と同様の効果を得る。
<第1の実施形態の第2の変形例>
上記の実施形態においては、微動探索により0次暗黒位置を決定すると、DICプリズム6aを5ピッチ分移動させる構成としている。これに対し、本変形例においては、ユーザがDIC観察に使用したい色に応じてDICプリズム6aの移動量を決定する。
0次暗黒位置と各鋭敏色との位置関係は色ごとに一定であることから、ユーザが観察に利用したい色に応じたピッチ分だけDICプリズム6aを移動させることで、所望の色のDIC画像について、最適なDIC画像を得ることが可能となる。
上記第1の実施形態で例示した灰色画像以外の例としては、例えば、紫色の画像について最適なDIC画像の得られるプリズム位置を探索するために、決定した0次暗黒位置が「45」とすると、DICプリズム6aを+45ピッチ分移動させる。そして、位置90〜100の範囲で上記実施形態と同様にDIC画像を取得して、ユーザにその中から所望の画像を選択させる構成とすることができる。あるいは、橙色の画像について最適なDIC画像の得られるプリズム位置を探索するために、0次暗黒位置「45」に対し、DICプリズム6aを−45ピッチ分移動させる。そして、例えば位置0〜15の範囲で同様にDIC画像を取得して、ユーザに所望の画像を選択させる構成とすることができる。
本変形例によれば、DIC観察画像の色によらずに、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第1の実施形態の第3の変形例>
上記第2の変形例では、微動探索により決定した0次暗黒位置から所望の色に相当する位置までDICプリズム6aを移動させ、移動後の位置より、第3探索処理を開始する。これに対し、本変形例では、決定した0次暗黒位置から第3探索処理を開始する点で異なる。
このような構成をとる場合であっても、図3のステップS1−19で決定するDIC画像の表示範囲や表示間隔等を適切に設定することにより、第2の変形例と同様の効果を得る。
<第1の実施形態の第4の変形例>
上記の実施形態においては、平均輝度値を用いて0次暗黒位置を決定している。これに対し、本変形例においては、コントラスト値を用いて0次暗黒位置を決定する点で異なる。
先に説明した図5等にも示されているように、コントラスト値についても、輝度値と同様に、DICプリズム6aの位置すなわち画像の色により変化する。DICプリズム6aの0次暗黒位置では、コントラスト値は、最大となる。
このことを利用して、第1探索処理(粗動探索処理)においては、例えば図3のステップS1−2やステップS1−5の平均輝度値を算出する処理の代わりに、コントラスト値を算出する。ステップS1−6の判定においては、今回算出したコントラスト値と、RAM等のメモリに保存されているコントラスト値とを比較して、粗動探索においてコントラスト値が極大となるDICプリズム6aの位置を求める。
その後、第2探索処理(微動探索処理)においては、粗動探索においてコントラスト値が極大となる位置を含む所定の範囲(実施例では、20ピッチ分)の各位置の画像を取得して、それぞれコントラスト値を算出する。図7に示すように、輝度値の場合のように、0次暗黒位置においてピークが現れず、コントラスト値によれば、0次暗黒位置は、2つのピークの間に位置する。そこで、第2探索処理では、粗動探索で0次暗黒位置の見当を付けた位置を含む範囲の各位置について画像を取得して、各画像のコントラスト値の中から2つのピークを特定する。特定した2つのピークのDICプリズム6aの位置より、更に0次暗黒位置の探索を行う。例えば、2つのピークがDICプリズム6aの位置40及び位置50に現れる場合は、位置40〜50範囲の中からコントラスト値が最小となる位置を、0次暗黒位置と判断する。
このように、微動探索処理においては、DICプリズム6aの位置を変えて画像を取得していった場合に生じる2つのピークの間の領域を探索することで、コントラスト値を利用する場合であっても、平均輝度値を利用する場合と同様に、0次暗黒位置を決定することができる。これにより、上記実施形態と同様の効果を得る。
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、顕微鏡装置において、第1及び第2の探索処理により、0次暗黒位置を決定する。第3探索処理においては、決定した0次暗黒位置に基づき、DICプリズム6aの一定の範囲からDIC観察画像を取得して、これをユーザに提示し、その中からユーザがDIC観察に使用する画像(DICプリズム6aの位置)を決定する構成である。これに対し、本実施形態では、第3探索処理において、装置が最適なDIC観察画像を判断し、ユーザにこれを提示する点で異なる。
以下に、上記第1の実施形態と異なる点を中心に、本実施形態に係る顕微鏡装置について説明する。顕微鏡装置の構成については、第1の実施形態のそれと同様であり、図1や図2に示すとおりである。
図12は、本実施形態に係る顕微鏡装置による、最適なDIC画像を得ることのできるDICプリズム6aの位置を求める処理を示したフローチャートである。図3や図9のフローチャートと同様に、顕微鏡装置の制御部20は、例えば、顕微鏡装置のユーザにより、PC30等を介してDIC観察モードが設定されたことを契機として、図12に示す一連の処理を開始する。
まず、第1探索処理(粗動探索処理)においては、ステップS2−1で、制御部20は、顕微鏡装置及びPC30の画像処理部32に対し、明視野観察画像(以下、BF(Bright Field)画像とする)と、DIC画像とを取得するよう指示を出す。画像処理部32は、指示にしたがって、CCDカメラ10の撮像素子からの信号を処理して、BF画像及びDIC画像を取得する。DIC画像の取得方法については、先述のとおりである。BF画像については、制御部20の制御により、図1のアナライザ7、ポラライザ13及びDICユニット6を、照明光学系の光路から外すことで取得することができる。
ステップS2−2で、画像処理部32は、BF画像とDIC画像とで共通するテクスチャ成分を検出し、検出結果より、DIC画像のうち、ステップS2−3以降の処理において使用する範囲(領域)を決定する。これについて、図13を参照して説明する。
図13は、BF画像とDIC画像を例示する図である。DIC画像だけでなくBF画像においても現れるテクスチャ成分については、図13においては破線で囲い、強調している。
ここで、画像全体について輝度値やコントラスト値を求めてDICプリズム6aの位置ごとに画像を比較していった場合には、DIC画像及びBF画像に共通して現れるテクスチャ成分のコントラストが影響し、所望のDIC画像を得ることが難しいケースも存在する。そこで、本実施形態においては、図13では破線で強調する、BF画像にも現れるテクスチャ成分については、画像から除去した上で、平均輝度値等の輝度に関する情報を算出する。
図12の説明に戻ると、ステップS2−3において、制御部20は、図3に示す第1の実施形態に係る処理のうち、第1及び第2の探索処理を実行するよう各部を制御し、DICプリズム6aの第3探索処理における探索範囲を決定する。具体的には、図3のステップS1−1〜ステップS1−17の処理を実行する。ステップS1−17までの処理により、0次暗黒位置が決定すると、これに基づき、例えば、灰色鋭敏色の探索範囲を決定する。
ステップS2−4で、制御部20は、ステップS2−3で決定した探索範囲に基づき、DICプリズム6aを第3探索処理の開始位置にまで移動させる。これとともに、制御部20は、灰色鋭敏色の探索範囲内におけるDICプリズム6aの位置をカウントするためのカウンタkを初期化し、1を設定すると、ステップS2−5に進む。
ステップS2−5で、制御部20は、カウンタkの値が10以下であるか否かを判定する。カウンタkの値が10以下である場合(ステップS2−5でYesの場合)は、処理をステップS2−6へと移行させる。
ステップS2−6で、制御部20は、DICプリズム6aを1ピッチ移動させるよう制御を行う。制御方法については、第1の実施形態と同様である。ステップS2−7で、画像処理部32は、CCDカメラ10の撮像素子で取得した信号に対して所定の処理を実行し、DIC画像を得ると、ステップS2−8で、制御部20がカウンタkを1加算し、ステップS2−5に戻る。
こうして、カウンタkの値が10を超えると(ステップS2−5でNoの場合)、ステップS2−9に進み、画像処理部32は、ステップS2−5〜ステップS2−8の処理で取得した、第3探索処理における探索範囲の各位置のDIC画像について、コントラスト値を2乗した値を算出する。コントラスト値の2乗は、以下の式により求める。
上の(1)式において、v及びhは、それぞれ画像の横方向(X方向)及び縦方向(Y方向)を表し、l及びmは、それぞれ横方向及び縦方向の画素サイズである。nは、図1の対物レンズ4の光学分解能より小さい値であって、コントラスト値を求める2つの画素の間隔を表す値である。nは、予め所定の値が設定されている。なお、nの値が小さすぎると得られたコントラスト値が、例えば、テクスチャの凹凸によるものなのか、ノイズ成分によるものなのか判別することが難しくなるため適切な値の設定が必要である。「Piv」は、X方向の位置vの画素の輝度値を表し、「Piv−n」は、位置vに対してn画素分離れた位置の画素の輝度値を表す。
ステップS2−10で、画像処理部32は、DICプリズム6aの各位置について上記(1)式より求めたコントラスト値の2乗の中から、最大値MAXを求め、コントラスト値の2乗が最大となるDICプリズム6aの位置を制御部20に通知する。
図14は、最適なDIC画像を得ることのできるDICプリズム6aの位置を判断する方法について説明する図である。縦軸は、コントラスト値またはその2乗を、横軸は、DICプリズム6aの位置である。
上記の(1)式のようにコントラストの2乗をとることで、図14に例示するように、探索範囲である位置50〜60の中に、DICプリズム6aの位置54においてピークが現れる。図14の例では、画像処理部32は、「位置54」を、最大値MAXをとるDICプリズム6aの位置と判断し、制御部20に通知する。
なお、例えば、テクスチャの凹凸が、対物レンズ4の光学分解能よりも小さい画像であっても、上記nの値を適切に設定して、上記(1)式のコントラスト演算を行うことで、ピークを検出することが可能となる。
ステップS2−11で、制御部20は、コントラスト値の2乗が最大値MAXをとる位置にDICプリズム6aを移動させるよう制御を行う。そして、ステップS2−12で、ステップS2−11で移動させた位置でDIC画像を取得し、モニタ40に表示するよう制御を行って、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る顕微鏡装置によれば、粗動探索及び微動探索により、DICプリズム6aの0次暗黒位置を決定し、0次暗黒位置より所定の位置にまでDICプリズム6aを移動させる。その後、移動させた位置周辺のDIC画像より、コントラスト値の2乗を演算して、コントラスト値の2乗が最大となるDICプリズム6aの位置を、最適なDIC画像を得ることのできる位置として決定する。コントラスト値の演算には、予めBF画像にもテクスチャ成分が現れる領域を除いた画像を用いる。BF画像にも現れるテクスチャ成分の領域も含むこととすると、コントラスト演算結果に影響し、正確に比較することができなくなる可能性がある。本実施形態においては、BF画像とDIC画像の両方に現れるテクスチャ成分を除去した範囲についてコントラスト演算を行って、コントラスト値の2乗が最大となるDICプリズム6aを求めている。これにより、上記第1の実施形態と同様の効果を得つつ、更に、高精度で最適なDIC画像をユーザに提示することが可能となる。
なお、上記においては、DIC画像と比較する画像の一例として、BF画像を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、暗視野観察画像(DF(Dark Field)画像)とDIC画像を比較した場合であっても、同様の効果を得る。
<第2の実施形態の第1の変形例>
上記第2の実施形態においては、顕微鏡装置が、DIC画像及びBF画像の両方に現れるテクスチャ成分を検出し、これを第3探索処理の探索対象から除外している。これに対し、本変形例においては、ユーザがマニュアルで第3探索処理から除外する領域を指定し、顕微鏡装置は、指定された領域を除く画像領域を対象として、探索処理を実行する点で異なる。
具体的には、図12のステップS2−1において、画像処理部32がBF画像とDIC画像とを取得すると、PC30は、取得したこれらの画像を図1のモニタ40に表示する。ユーザがポインティングデバイス等の入力手段を用いて、ドラッグ等の操作を行い、例えば探索から除外する領域を指定すると、画像処理部32においては、これを認識して、画像処理部32に探索対象から除外すべき領域として、図12のステップS2−3以降の処理を実行する。
このような構成としても、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本変形例は、画像全体では良好なコントラストを得られず、第3探索処理で最適なDIC観察画像を得ることができないような場合に特に有効である。すなわち、画像全体では良好なコントラストを得られない場合であっても、ユーザが、例えばテクスチャ成分の少ない領域を探索対象の画像領域に選択することで、その領域に対して上記のコントラスト演算を行って、最適なDIC観察画像を得ることが可能となり得る。
<第2の実施形態の第2の変形例>
上記第2の実施形態においては、画像のX方向及びY方向の2方向について、コントラスト値の2乗を求め、コントラスト値の2乗が最大となるDICプリズム6aの位置を決定している。これに対し、本変形例においては、画像の1方向(X方向あるいはY方向)のみについてコントラスト値の2乗を求め、これを用いてDICプリズム6aの位置を決定する。
本変形例によれば、1次元のみについてコントラスト値の2乗を算出すれば足りるため、コントラスト演算に要する時間を短縮することができ、したがって、上記第2の実施形態と同様の効果を得つつ、更に、最適なDIC画像をユーザに提示するために要する時間を短縮することが可能となる。
<第2の実施形態の第3の変形例>
上記第2の実施形態においては、図3のステップS2−3において、0次暗黒位置より所定のピッチ分移動をさせて、その位置から探索を行っている。これに対し、本変形例においては、0次暗黒位置から探索を行う。
このような構成とした場合であっても、探索範囲を適切に設定することにより、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第2の実施形態の第4の変形例>
上記第2の実施形態においては、第3探索処理の探索範囲を、0次暗黒位置からDICプリズム6aを所定の量だけ移動させ、DICプリズム6aのうち、DIC観察に使用する色の位置を中心とする範囲について、最適なDIC観察画像の探索を行っている。これに対し、本変形例においては、0次暗黒位置を中心に、第3探索処理を行う点で異なる。
図14に示す例では、第2の実施形態においては、0次暗黒位置である位置45に対して、位置50〜60を探索範囲としているのに対し、本変形例では、0次暗黒位置の前後を探索範囲としている。
本変形例では、探索範囲を広く設定することが望ましい。図14に示す例では、DICプリズム6aの位置30〜60を探索範囲としている。探索範囲を広くとることで、コントラスト値の2乗が最大となる位置が探索範囲に含まれる確度を高めつつ、0次暗黒位置の前後から、それぞれコントラスト値の2乗が最大となる位置を検出することが可能となる。
0次暗黒位置の前後では、同じ灰色鮮鋭色画像であっても、一方は凹部が際立つ画像、他方は凸部が際立つ画像である。図14の例では、0次暗黒位置の前側(位置54)は、凸が際立ち、後側(位置31)は、凹が際立つ画像が得られる。0次暗黒位置の前後でそれぞれコントラスト値の2乗が最大となる位置を検出することで、上記の第2の実施形態と同様の効果を得つつ、更に、ユーザが凹/凸それぞれを強調した画像の中から所望の画像を選択して、観察に利用することが可能となる。
なお、本発明に係る顕微鏡装置によれば、上記の構成以外にも、制御部20が、PC30の画像処理部32において求めた平均輝度値等の情報を受け取り、受け取った情報を用いて粗動探索や微動探索、最適なDIC画像に相当するDICプリズム6aの位置の探索等の各種処理を実行する構成としても、同様の効果を得ることができる。
本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
1 顕微鏡本体
2 標本
3 ステージ
4 対物レンズ
5 レボルバ
6 DICユニット
6a DICプリズム(微分干渉プリズム)
6b ステッピングモータ
7 アナライザ
8 鏡筒
9 接眼レンズ
10 CCDカメラ
11 光源
12 ダイクロイックミラー
13 ポラライザ
20 制御部
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 バス
25 モータドライバ
26 照明部
30 PC
31 アプリケーションソフト
32 画像処理部
40 モニタ
これを、図4の具体的な数値に当てはめてみる。カウンタ値i=6に対応するプリズム位置での平均輝度値「5」を、その前後の位置での平均輝度値、すなわち、カウンタi=5及び7での平均輝度値「30」及び「40」と比較する。比較の結果、カウンタi=6に対応するプリズム位置50において、平均輝度値は極小値をとることがわかる。このため、位置50の周辺に0次暗黒位置があると判断することができる。このように、今回求めた平均輝度値AとRAMに保存されている先に求めた輝度値B、Cの平均輝度値とを比較していくことにより、0次暗黒位置の見当が付くと、一連の粗動探索処理を終了する。
最小の輝度値をとるプリズム位置から0次暗黒位置を求める処理について、図6の具体的な数値に当てはめてみる。カウンタ値j=7のときに、位置4546とで平均輝度値を比較すると、先に位置45で求めた平均輝度値「4」よりも、今回位置46において求めた平均輝度値「6」の方が大きくなっている。このため、DICプリズム6aは、位置45において平均輝度値が最小、すなわち位置45が0次暗黒位置であると判断することができる。このように、今回求めた平均輝度値DとRAMに保存されている先に求めた平均輝度値Eとを比較していくことにより、0次暗黒位置を特定する。

Claims (7)

  1. 微分干渉プリズムを有し、微分干渉観察を行うことのできる顕微鏡装置であって、
    ユーザからの前記標本の画像観察の開始指示を受け付ける操作部と、
    前記操作部を介して所定の色での微分干渉観察の開始指示がなされたことを認識すると、前記微分干渉プリズムを駆動する駆動部を制御して、前記微分干渉プリズムを、前記色に対応する所定の位置に移動させるよう、前記駆動部の制御を行う制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記微分干渉プリズムの移動可能な第1の範囲について、第1のピッチで前記微分干渉プリズムを移動させて第1の探索処理である粗動探索を行い、前記輝度に関する情報に基づき、粗動探索において前記駆動部を駆動させて前記微分干渉プリズムを移動させていった位置の中で、0次暗黒位置に最も近い第1の位置を認識し、
    前記第1の位置を含み、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲について、前記第1のピッチよりも小さい第2のピッチで前記微分干渉プリズムを移動させて第2の探索処理である微動探索を行い、前記輝度に関する情報に基づき、微動探索において前記駆動部を駆動させて前記微分干渉プリズムを移動させていった位置の中から、0次暗黒位置である第2の位置を認識し、
    前記第2の位置に基づき、前記微分干渉プリズムを前記所定の色に対応する位置に移動させるよう前記駆動部を駆動させる
    ことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記粗動探索においては、前記駆動部を駆動させて前記第1のピッチ分ずつ前記微分干渉プリズムを移動させて、各位置の輝度に関する情報を取得していき、前記第1の範囲において取得した各位置での輝度に関する情報同士を比較した結果より、前記第1の位置を認識し、
    前記微動探索においては、前記駆動部を駆動させて前記第2のピッチ分ずつ前記微分干渉プリズムを移動させて、各位置の輝度に関する情報を取得していき、前記第2の範囲において取得した各位置での輝度に関する情報同士を比較した結果より、前記第2の位置を認識する
    ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  3. 前記制御部は、前記微動探索により求まる前記第2の位置に基づき、前記微分干渉プリズムを所定の色に対応する位置に移動させてから、該移動後の位置を含む所定の範囲内で所定のピッチで画像を取得し、前記表示部に表示させるよう制御を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記制御部は、
    微分干渉観察による画像と共に、前記標本に照明光を照射する照明光学系の光路上に配置されて光を直線偏光に変換するポラライザ及び前記ポラライザと直交ニコルに配置されるアナライザを前記照明光学系の光路から退避させて、明視野観察または暗視野観察による画像を取得し、
    前記明視野観察画像または暗視野観察画像、及び前記微分干渉観察画像のいずれにも含まれるテクスチャ成分以外の領域を、第3の探索処理の探索対象領域に設定し、
    前記第3の探索処理においては、前記微分干渉プリズムを、上記の粗動探索及び微動探索により求まる前記所定の色に対応する位置を含む所定の範囲内で所定のピッチで移動させて各位置で画像を取得し、それぞれの画像について、前記探索対象領域のコントラスト値の2乗を求め、コントラスト値の2乗が最大となる画像に対応する位置に前記微分干渉プリズムを移動させ、
    前記コントラスト値の2乗が最大となる前記微分干渉プリズムの位置において画像を取得して前記表示部に表示させる
    処理を更に実行することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  5. ユーザの指定にしたがって、前記第3の探索処理の探索対象領域を設定する
    ことを特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
  6. 前記コントラスト値の2乗は、画像のX方向及びY方向のうち、1方向について求めた値を使用する
    ことを特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
  7. 前記第3の探索処理においては、前記微動探索により求まる0次暗黒位置の前後の範囲において前記微分干渉プリズムを順次移動させて画像を取得していき、
    0次暗黒位置の前後それぞれについて、コントラスト値の2乗が最大となる位置を求め、少なくとも一方の位置で取得した画像を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項4記載の顕微鏡装置。
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