JP4493115B2 - 光学素子切り換え装置及びその装置を搭載する光学顕微鏡 - Google Patents

光学素子切り換え装置及びその装置を搭載する光学顕微鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の検鏡法に必要な部位の切り換えを自動的に行う光学素子切り換え装置と、その装置を搭載する光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、光学素子の切り換えを行う場合は、操作者が手動により、明視野、暗視野、微分干渉等の各種検鏡法に必要となる光学素子を挿脱していた。例えば、落射(反射)微分干渉検鏡の場合には、通常使用する明視野検鏡に加えて、ポラライザ、ノマルスキープリズム、アナライザ等を光路中に挿入する必要がある。
【0003】
前記ポラライザは、照明光路中に挿入され、照明光を特定の振動方向の直線偏光にする光学素子である。ノマルスキープリズムは、このポラライザを通過した直線偏光を互いに振動方向に直交する2つの直線偏光に分解すると共に観察試料からの2つの光を再び重ね合せる光学素子である。
【0004】
落射観察の場合には、照明光用と観察光用を兼ねた1つのノマルスキープリズムが必要となり、また透過観察では照明光用と観察光用に一対のノマルスキープリズムが必要となる。アナライザは、ノマルスキープリズムを通過した光束を同一の振動方向に揃えて干渉させる光学素子である。
【0005】
さらに、背景色を変化させてコントラストを調整するために、移動機構若しくは、回転機構が設けられている。前記移動機構は、ノマルスキープリズムを光軸と直交する方向に移動させる。また、前記回転機構は、ポラライザ若しくはアナライザを光軸と直交する面内で、その近傍に配置された1/4波長板に対して相対的に回転させる。通常、これら移動機構や回転機構の操作部を手動操作して、コントラスト調整を行なっていた。
【0006】
但し、前記ノマルスキープリズムは、すべての対物レンズに対して、ただ1つのものを用いれば良いのではない。観察に用いる対物レンズに合わせてシェアリング量(直交する2つの直線偏光の分割量)の異なるタイプを用いた方が、より適切にコントラストをつけることができる。そのため、2つ若しくはそれ以上のノマルスキープリズムを選択された対物レンズに応じて切り換えて使用することもある。
【0007】
また前記ノマルスキープリズムのローカライズ位置(すなわち、互いに直交する2つの直線偏光が交わる位置)は、対物レンズの瞳位置に合わせて使用するため、瞳位置の異なる対物レンズを切り換えて使用する際に、ノマルスキープリズムの光軸方向の位置を移動させる必要がある。通常、このような対物レンズの切り換えに伴うノマルスキープリズムの切り換えは、顕微鏡使用者の手動操作で行っていた。
【0008】
例えば、実用新案登録公報第2556098号には、図23及び図24に示すノマルスキー式干渉コントラスト方式の顕微鏡が開示される。この顕微鏡は、低倍率対物レンズ専用のノマルスキープリズム1及び高倍率対物専用のノマルスキープリズム2を有するターレット3と、ノブ4を回すことにより、ギア5,6を介して、ターレット3を上下移動させる昇降駆動機構と、使用する対物レンズの倍率によってターレット3を回転させてノマルスキープリズムを選択する切り換え機構とを備えている。
【0009】
この顕微鏡によれば、前記ターレット3を回転させることにより、2種類のノマルスキープリズム1,2を使い分けることができる。
【0010】
またノマルスキープリズム1,2の横方向中央線をターレット3の円周方向に一致するよう配置しているため、ターレット3を微小回転させることにより背景色を変化させることができる。また前記昇降駆動機構によりターレット3を上下移動させることにより、各対物レンズのバックフォーカス位置(瞳位置)とノマルスキープリズムのローカライズ位置を一致させることができるようになっている。
【0011】
また、特開昭63−133115号公報には、各種光学部材を光路中に挿脱することによって異なる検鏡法が選択可能な顕微鏡が開示される。
【0012】
この顕微鏡は、記憶部、指令部及び挿脱制御部を有している。ここで、前記記憶部は、各検鏡法に対応した各光学部材の挿脱状態を記憶する。前記指令部は、操作部材の操作により指令された検鏡法に対応した指令信号を出力する。前記挿脱制御部は、指令信号に応答して指令された検鏡法に対応する各光学部材の挿脱状態を記憶部から読み出し、挿脱部に光学部材の挿脱を制御する信号を出力する。
【0013】
この顕微鏡によれば、従来のように各光学部材を手動操作して光路に挿脱する手間が省け、操作部材の操作のみで所望する検鏡法を自動的に選択することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した実用新案登録公報第2556098号に記載される顕微鏡では、ターレット3の微小回転のみにより干渉色を変化させるように構成している。この場合、ノマルスキープリズムは、ターレット3の回転に沿った円弧を描いて移動することとなり、背景色を変化させる際には、ノマルスキープリズムの光学軸がポラライザやアナライザの振動方向に対して、正しい方向から少しずれ、本来の光学性能が引き出せないという問題がある。
【0015】
さらに対物レンズの切り換えに伴って、ターレット3を回転させて、ノマルスキープリズムを低倍率対物レンズ用から高倍率対物レンズ用に切り換える場合、あるいはその逆に切り換える場合、切り換え前に観察していた背景色と同じ背景色に再度調整するのに手間が掛かっていた。
【0016】
また、ノマルスキープリズムの種類によってシェアリング量が異なるため、ターレットの回転に対する背景色の変化の割合は、プリズムの種類毎に異なってしまい、観察者に違和感を与えてしまうという問題もあった。
【0017】
さらに、観察者によって観察を行う背景色、すなわちリターデーションの位置はほぼ決まっているにもかかわらず、観察を必要とする位置と観察を必要としない位置でのプリズム駆動の感度を変化させることができないため、必ずしも操作性が良いとはいえない。
【0018】
また、前述した特開昭63−133115号公報では、マイクロコンピュータが記憶回路に記憶されている微分干渉観察時の各種光学部材の挿脱状態を読み出して挿脱制御指令を行い、その結果、光路中の対物レンズに対応するノマルスキープリズム、偏光板、1/4波長板をはじめとする光学部材が光路中に挿入される。
【0019】
そして微分干渉観察時は、背景色を変化させてコントラスト調整を行うために、前述したノマルスキープリズムを光軸と直交する方向に移動させる移動機構、あるいは前記ポラライザあるいはアナライザを光軸と直交する面内で、その近傍に配置された1/4波長板に対して相対的に回転させる回転機構が必要であるが、本公報には、その技術は開示されておらず、実施可能か判定できない。
【0020】
また背景色を変化させるために、ポラライザあるいはアナライザを回転させる方式は、比較的電動化しやすいが、反面、光学性能上は、ノマルスキープリズム自体を移動させる方式に比べて、以下に述べるような点において劣るという欠点がある。
【0021】
第1に、位相差の変化量が、−λ/2〜+λ/2しか確保できないため、高次の鋭敏色領域の背景色が出せない。
【0022】
第2に、照明光を導入するハーフミラーの影響でポラライザ、1/4波長板を通過した光が完全な円偏光ではなくなるため、コントラストが低下する。
【0023】
第3に、1/4波長板は特定の波長でのみ1/4波長板としての効果を有していて他の波長域では1/4波長からずれてしまうため、色付きが生じる。
【0024】
第4に、素子そのものの有するくさび角によって素子の回転にともなって像が移動する。
【0025】
そこで本発明は、微分干渉観察における光学性能を最大限発揮できるような構成で、且つ検鏡法の切り換えならびに観察時の調整を自動化するとともに、観察者に背景色の調整操作の違和感を与えない光学素子切り換え装置及びその装置を搭載する光学顕微鏡を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
出願の請求項1に係る発明は、固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の光学素子が配置されたターレットと、前記ターレットに駆動力を与える駆動手段と、前記駆動手段が発生する駆動力を前記ターレットに伝達するための伝達手段と、前記ターレットを回転させ、該ターレット上の光学素子を、選択的に光学系の光路上に位置決め保持する位置決め手段と、前記ターレット上で前記光学素子を移動可能に保持する案内手段と、前記固定基板上に設けられ、前記ターレットの外側より前記光路上に停止した前記光学素子を前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、前記駆動手段及び前記光学素子移動手段のうち少なくとも一方の動作を制御する制御部と、を具備することを特徴とする光学素子切り換え装置である。光学素子移動手段は、光学素子切り換え装置の固定部に設けられるとともに、前記ターレットが位置決め手段によって、所定位置に位置決めされている時に光路上に停止した光学素子を案内手段の移動方向に沿って移動させる。
【0027】
また、本出願の請求項2に係る発明は、固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の対物レンズのうち少なくとも1つを選択的に光学系の光路上に配置するための第1の切り換え手段と、前記選択された対物レンズを位置決め保持する第1の位置決め手段と、前記第1の切り換え手段を駆動する第1の駆動手段と、前記固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の検鏡法に対応する複数の光学素子のうち少なくとも1つを選択的に前記光路に配置するための第2の切り換え手段と、前記選択された光学素子を位置決め保持する第2の位置決め手段と、前記第2の切り換え手段を駆動する第2の駆動手段と、前記第2の切り換え手段に設けられ、前記第2の切り換え手段上で前記光学素子のそれぞれを移動可能に保持する案内手段と、前記固定基板上に設けられ、前記第2の切り換え手段の外側より前記光路上に停止した前記光学素子を、前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、前記第1の駆動手段、前記第2の駆動手段及び前記光学素子移動手段のうち少なくとも1つの動作を制御する制御部と、を具備することを特徴とする光学素子切り換え装置である。
【0028】
さらに、本出願の請求項7に係る発明は、複数の検鏡法に対応する光学素子を切り換え可能に備える光学素子切り換え装置を搭載し、倍率の異なる複数の対物レンズを切り換え可能な光学顕微鏡において、固定基板に対して回転可能に設けられ、少なくとも1つの前記対物レンズを装着可能な第1のターレットと、前記第1のターレットを回転させて、観察試料の光像が通過する光路上に前記対物レンズを選択的に配置する第1の駆動手段と、前記固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の光学素子を装着可能で、前記光路上に配置された対物レンズの光軸に直交する面内で回転可能に保持される第2のターレットと、前記第2のターレット上に設置され、前記光学素子を移動可能に保持する案内手段と、前記第2のターレットを回転して、前記光学素子または前記第2のターレットに設けられる空穴を前記光路上に選択的に配置する第2の駆動手段と、前記固定基板上に設けられ、前記第2のターレットの外側より前記光路上に停止した光学素子を前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、前記光路上に配置される前記対物レンズ及び前記光学素子を選択指示するための操作部と、前記操作部によって選択指示された前記対物レンズ及び前記光学素子を、それぞれ前記光路上に配置するように、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を駆動制御し、かつ前記光学素子を移動させるように前記光学素子移動手段を駆動制御する制御部と、を具備することを特徴とする光学顕微鏡である。
【0029】
以上のような構成の光学素子切り換え装置及び光学顕微鏡は、駆動手段がターレットを回転させて、対物レンズが配置される光路に対して、択一的に光学素子を配置し位置決めされる。さらに、その光学素子は、光学素子移動手段によってターレット上で所定の方向に移動され、併せて切り換え動作時にコントラスト等の調整や必要な補正が行われる。これにより、複数の検鏡法に対応した光学素子や対物レンズの切り換えならびに観察時の調整を自動化することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図1(a)は、本発明の光学素子切り換え装置の概念的な構成を示す図であり、図1(b)は、図1(a)に示す線分A−Aのガイド機構を伴う光学素子の断面構成を示す図である。
【0032】
この光学素子切り換え装置は、ガイド機構10によって、それぞれガイドされる方向に沿って直線移動可能に支持される光学素子(プリズム)12a,12b,12c及び空孔13が設けられたターレット11と、ターレット11を回転させるモータ14と、モータ14の回転軸に取付けられ、ターレット11の外周に設けられたギヤ15に噛み合うピニオンギヤ16と、前記ターレット11の停止位置を決めるクリック停止機構17と、クリック停止機構17により光路(後述する対物レンズの光軸)9上に配置された光学素子12をガイド機構10の運動方向に沿って移動させるモータ18とで構成される。
【0033】
前記ターレット11には、光学素子を装着するための複数の孔を有しており、前記空孔13は、光学素子が未装着の孔であり、光学素子を装着する場合に、1つは空孔13として用いるものとする。
【0034】
前記クリック停止機構17は、光学素子12a,12b,12c及び空孔13が光路上に停止するように位置決めするものであり、前記ターレット11外周を4等分した停止位置に基づく箇所に停止用部材が配置されいてる。図1(a)においては、光学素子12aが光路9の上にある場合を示している。
【0035】
このガイド機構10a,10b,10cは、ターレット11に固定され、両サイドにV溝が形成された矩形状の固定部19と、V溝にベアリング等を介在させて、移動可能に取り付けられた移動部20とで構成され、移動部20には、プリズム12がはめ込まれた枠部22が一体的に構成されている。
【0036】
このガイド機構10により、光学素子12がガイド方向に沿って直線的に移動可能となっており、モータ18の軸21が押し出されて、移動部20若しくは枠部22の所定箇所を押して移動させる。軸21が当たる箇所に専用の部材を設けてもよい。前記軸21は、移動部20、枠部22及び光学素子12とは連結されていない。
【0037】
また、押し出された軸21が後退した場合に、移動された光学素子12が元の初期位置に戻るようにスプリングバネ等を取り付けてある。光学素子12はモータ18により移動されない限り、ターレット上での初期位置を維持する。この初期位置に戻す部材として、スプリングバネだけでなく、磁石、ゴムからなる弾性部材若しくはゼンマイバネ等を用いることが考えられる。
【0038】
この光学素子切り換え装置においては、モータ14によりターレット11が回転され、3つの光学素子12a,12b,12c及び空孔13のうち、いずれか1つが選択され、クリック停止機構17によりターレット11の停止位置が決められて停止し、光路上に配置される。そして、光路上に配置された光学素子12をガイド機構10a,10b,10cのガイド方向(矢印)に沿って、モータ18で移動する。
【0039】
この時、例えば顕微鏡等に光学素子切り換え装置を搭載した場合には、良好な観察状態となるように、コントラスト等の調整や補正を行う。
【0040】
図2には、本発明による第1の実施形態に係る光学素子切り換え装置の断面構成を示し説明する。図3には、この光学素子切り換え装置の主要部を示す平面構成を示す。
【0041】
図2においては、複数の対物レンズのうちの1つが光軸上に位置するように選択するための対物レンズ切り換え装置31と一体的に構成された光学素子切り換え装置32を示している。
【0042】
この光学素子切り換え装置32において、顕微鏡に搭載するための取付部材51には固定軸52が固定される。この固定軸52にベアリング53a,53bを介在させて、回転部材55が回転自在に取り付けられる。この回転部材55には、ターレット54が取り付けらている。
【0043】
前記ターレット54上には、3つの直動ガイド56a,56b,56cが各々90度の角度をなして取付けられ、これら直動ガイド56a,56b,56cのそれぞれ可動部にプリズム枠58a,58b,58cが保持される。これらのプリズム枠58a,58b,58cには、種類の異なるノマルスキープリズム57a,57b,57cがそれぞれ固定される。前記ノマルスキープリズム57a,57b,57cは、ターレット54の開口部54a,54b,54c内で、それぞれが直線方向(ガイド方向)に移動可能である。本実施形態では、直動ガイドが各々90度の角度をなして取付けたが、これに限定されるものではない。
【0044】
さらに前記ターレット54上には、ノマルスキー微分干渉観察以外の観察時に、光路上に配置され、中心部とその周辺部に開口を有する筒状部材58dが設けられている。
【0045】
そして前記回転部材55の外周部には、4つのV溝55a,55b,55c,55dが90度毎に設けられ、前記取付部材51の側面には、先端部でV溝にボール59をバネ力で押さえ付けるクリックバネ60が設けられている。
【0046】
これらのV溝55a,55b,55c,55d、ボール59、クリックバネ60は、回転するターレット54の90度毎の停止位置を決めるための位置決め部となる。
【0047】
この構成により、回転するターレット54を筒状部材58及びノマルスキープリズム57a,57b,57cが光路上に45度の角度を持って停止できる。
【0048】
次に、直動ガイド56a,56b,56cのそれぞれ可動部の一端には、ターレット54に固定された引っ張りバネ61a,61b,61cが取付けられ、ターレット54の外方向に向かって常に引っ張られている。後述するリニアステッピングモータ62の軸先端部がプリズム枠に接していない場合には、プリズム枠は、初期位置に保持される。
【0049】
また取付部材51には、その軸が回転進退するリニアステッピングモータ62が45度の方向をなして設置される。前述した位置決め部により、光路上にプリズム枠58a,58b,58cのいずれか1つが配置されると、そこに配置されたプリズム枠を軸先端部で押すことにより、ノマルスキープリズム57a,57b,57cが移動する。
【0050】
このリニアステッピングモータ62は、その軸先端が移動されたノマルスキープリズム57a,57b,57cに対して、退避する方向に駆動させると、軸先端部が途中から接触していたプリズム枠58a,58b,58cから離れて、リミットセンサとして機能する基準位置センサ88により、基準位置で停止する。
【0051】
一方、取付部材51に延設されたベース板63には、モータ台64を介してターレット54を回転させるためのモータ65が配置され、このモータ65の回転軸65aにはターレット54の外周部に設けられたギヤ54gと噛み合うピニオンギヤ66及び切欠き部67aが形成された円板67が取り付けられる。またモータ台64には、円板67の回転状態を検知するフォトインタラプタ等のフォトセンサ68が配置されている。
【0052】
これらの円板67及びフォトセンサ68は、ターレット54がプリズムと係合している状態を検知する係合センサを構成しており、ターレット54が位置決め部により位置決めされている時には、円板67の切欠き部67aが係合センサ68により必ず検知されるようになっている。
【0053】
前記ターレット54上方には、ターレット54の回転位置を認識するための2個の磁石69a,69bが配置される。これらの磁石69a,69bに対向して取付部材51の下側には、2個のホールセンサ70a,70bがそれぞれ取付けられている。これらの磁石69a,69bとホールセンサ70a,70bの対向状態によって、ホールセンサ70a,70bの組合せで、4通りの信号を出力する。図3に示すように黒丸印は、磁石があることを、白丸印は磁石がないことをそれぞれ示している。
【0054】
図4を参照して、前記磁石69a,69bとホールセンサ70a,70bによるターレットの回転位置の認識方法について説明する。
【0055】
まず、ノマルスキープリズム57aが光路中に配置される状態の時、磁石69a,69bはいずれもホールセンサ70a,70bによって検出されない(図4の状態1)。
【0056】
前記ノマルスキープリズム57bが光路中に配置される状態の時(すなわち図3の状態の時)、磁石69aのみがホールセンサ70aによって検出されONの状態となる(図4の状態2)。
【0057】
前記ノマルスキープリズム57cが光路中に配置される状態の時、磁石69a,69bがそれぞれホールセンサ70a,70bによって検出され、ともにON状態となる(図4の状態3)。
【0058】
前記ノマルスキー微分干渉観察以外の時、すなわち筒状部材58dが光路中に配置された時、磁石69bのみがホールセンサ70bによって検出され、ONの状態となる(図4の状態4)。
【0059】
このようにターレット54の回転位置は、ホールセンサ70a,70bの信号の組合せにより、4通りの出力信号により認識することができる。
【0060】
次に、対物レンズ切り換え装置の構成を図2及び図5を参照して説明する。
【0061】
前述した取付部材51に固定された支持部材71にレボルバー72が、ガイドとしても機能する多数のボール73を介して回転自在に支持されている。このレボルバー72は、異なる倍率を有する複数(ここでは、5個)の対物レンズ74a〜74eが装着可能な対物レンズ取付部72a〜72eを有している。レボルバー72の外周部分には5個の対物レンズ取付部72a〜72eに対応した係合溝Va〜Veが円周上の5箇所に形成されている。
【0062】
一方、支持部材71の上面には、先端にクリックボール75が固定された板バネ76が固定されている。板バネ76は、クリックボール75をレボルバー72の外周の係合溝Va〜Veに押し付けるように作用し、クリックボール75が係合溝Va〜Veに係合された時、レボルバー72上に装着された各対物レンズ74a〜74eが光軸に正確に一致するようになっている。これらの板バネ76及びクリックボール75は、レボルバー72と支持部材71との間で所定の係合力を有して接触する係合部を構成している。
【0063】
前記ベース板63には、モータ台77を介してモータ78が取付けられている。レボルバー72の外周には、モータ78の回転を減速しつつレボルバー72に回転を伝達するための歯車79が設けられ、モータ78の回転軸78rに固定された歯車80と噛み合うように構成されている。
【0064】
この歯車80には、切欠き部81aを有する円板81が取付けられている。この円板81に相対するようにフォトインタラプタ等のフォトセンサ82がモータ台77に取付けられている。この円板81とフォトセンサ82は、レボルバー72の停止位置信号を発生する停止センサを構成しており、レボルバー72の外周の係合溝Va〜Veにクリックボール75が係合される時、フォトセンサ82が円板81の切欠き部81aを検出するように配置されている。
【0065】
さらにレボルバー72には、3個の識別子例えば、指標用磁石83が取付けられる。また、これらと相対する支持部材71の円周上には、3個のセンサ例えば磁気を検知するホール素子84が取付けられている。これら指標用磁石83とホール素子84とが対物レンズ取付部72a〜72eを識別する種別センサを構成している。
【0066】
これらの対物レンズ取付部72a〜72eを識別する方法は、2ビットと3ビットの違い以外は、前述した図4と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0067】
次に図6には、本実施形態の光学素子切り換え装置の回路構成を概念的に示し説明する。
【0068】
本実施形態において、CPU91には、コントローラ85、係合センサ86、種別センサ87、基準位置センサ88、ドライバ92,93を介してモータ65,62及び対物レンズ切り換え装置1が接続される。
【0069】
このCPU91は、各センサにより検出された信号に基づく駆動制御信号により、ドライバ92,93,94を介してモータ62,65,78を駆動させる。
【0070】
前記対物レンズ切り換え装置1は、対物レンズを切り換えるためにレボルバーを回転させるモータ78と、モータ78を駆動するドライバ94と、対物レンズ種別を判別する種別センサ90と、レボルバーの回転停止位置を検出する停止センサ89とで構成される。
【0071】
前記コントローラ85には、図7に示すように、ノマルスキー観察指示用スイッチ96C、プリズム駆動量指示用ジョグエンコーダ97、その他検鏡法切り換え指示用スイッチ96Aおよび96B、対物レンズ切り換え指示用スイッチ98、ステージ駆動量指示用ジョグ(JOG)エンコーダ99、顕微鏡各部の状態を表示する表示部100等が備えられている。また、CPU91には、必要に応じて顕微鏡各部の情報を記憶するメモリ95が接続されている。
【0072】
図8のフローチャートを参照して、このように構成された本実施形態の動作について説明する。
【0073】
まず、操作者がコントローラ85のスイッチを操作して、対物レンズ切り換え指示が入力されると(ステップS1)、CPU91がモータ78の回転方向を判断して、ドライバ94にモータ78の回転指示を与える(ステップS2)。
【0074】
このモータ78が始動された後、停止センサ89の信号により、レボルバー72の停止位置に達したか否かが判断される(ステップS3)。ここで、停止位置であると判断された場合には(YES)、CPU91からドライバ94にモータ78の停止指示が与えられ、モータ78が停止する(ステップS4)。
【0075】
次に、モータ78の停止と同時にCPU91が、種別センサ90の出力により切り換え後の対物レンズの種別を確認する(ステップS5)。この確認の後、CPU91が切り換え前と異なるノマルスキープリズムを使用する必要があるか否か判断し(ステップS6)、必要があると判断したならば(YES)、ノマルスキープリズムの位置を決めているリニアステッピングモータ62をリミット位置(基準位置)まで退避させるように、ドライバ93に駆動指示を与える(ステップS7)。
【0076】
そしてCPU91は、基準位置センサ88の出力からリニアステッピングモータ62がリミット位置まで退避したことを確認したならば(ステップS8)、CPU91は、リニアステッピングモータ62の駆動パルス数をメモリ95に記憶する(ステップS9)。その後、CPU91はドライバ92に駆動指示を与え、ターレット54を回転させるモータ65を駆動する(ステップS10)。
【0077】
次に、CPU91は種別センサ87の出力により目的のノマルスキープリズムが光路上に位置したか否かを判断し(ステップS11)、目的のノマルスキープリズムが位置した場合には(YES)、次にターレット54の係合範囲であることを検出して(ステップS12)、検出されたならば(YES)、モータ65を停止させる信号をドライバ92に与えて、モータ65を停止させる(ステップS13)。
【0078】
このモータ65が停止すると同時に、CPU91は再度、種別センサ87によりノマルスキープリズムの種別を確認して(ステップS14)、前にメモリに記憶したリニアステッピングモータ62のパルス数を読み出して、リニアステッピングモータ62を元の位置まで戻すようにドライバ93に指示を与える(ステップS15)。
【0079】
そしてリニアステッピングモータ62が元の位置に戻った後、CPU91は、切り換わった対物レンズ及びノマルスキープリズムの種別をコントローラ85の表示部に表示する(ステップS16)。
【0080】
このような一連の切り換え動作が完了した後、次の切り換え指示が入力されるまで待機する(ステップS17)。
【0081】
ここで、背景色を変化させたい場合には、ジョグ(JOG)エンコーダ99を操作する。この操作について説明する。
【0082】
図9は、背景色調整の第1例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、CPU91は、ジョグエンコーダ99から入力信号があったか否かを判別する(ステップS21)。この判別で、入力された信号があった場合(YES)、ノマルスキープリズムが変更されたか否か検出する(ステップS22)。そして、種別センサ87によって選択されて光路上に配置されたプリズムの種別を検出する(ステップS23)。検知されている光路上にあるノマルスキープリズムの種別に基づき、メモリ95内に記憶されるデータ(移動量テーブル)から選択して、ジョグエンコーダ99の1回転の入力に対するノマルスキープリズムの駆動量を読み出す(ステップS24)。
【0084】
そして、ジョグエンコーダ99からプリズム駆動の指示があった場合には、先に選択されたプリズム駆動量に基づき、プリズムの駆動が行われる(ステップS25)。その後、待機状態となる(ステップS26)。
【0085】
また、対物レンズの切り換えに伴うノマルスキープリズムの切り換えが行われると、その都度CPU91は、前述した様にプリズム駆動量の選択を行う。そして選択されたプリズム駆動量に基づくジョグエンコーダ99の入力操作によりノマルスキープリズムの駆動が行われる。
【0086】
なお、前記格納データにおけるジョグエンコーダ99の入力信号とノマルスキープリズムの駆動量との関係は、いずれのプリズムにおいてもジョグエンコーダー99の1回転の入力に対して同一のリターデーション変化を示すようなプリズム駆動量を関係付けるものである。具体的には、予め設定された図10に示すような各プリズムの移動量に対するリターデーションの変化量に基づき、図11に示すように、ジョグエンコーダー99の1回転の入力に対し、いずれのプリズムにおいても同一のリターデーション変化を示すようなプリズム駆動量を求めて、これらの駆動量を各プリスム毎に設定し、移動量テーブルとしてメモリ95に記憶している。
【0087】
次に、背景色調整の第2例を図12に示したフローチャートとともに説明する。
【0088】
この第2例の場合、ジョグエンコーダ99の1回転の入力に対するノマルスキープリズムの駆動量は、基準位置に対するプリズムの座標位置によって可変となっており、例えば、ノマルスキー観察指示用スイッチ96Cの操作(連続2度押しなど)によって設定できるようにしておく。
【0089】
設定されたプリズム座標位置に対するプリズム駆動量は、プリズム座標駆動テーブルとして、メモリ95内に格納される。
【0090】
プリズム座標駆動テーブルは、例えば、背景色を鋭敏色で観察を行う場合には、図13に示すように、一次鋭敏色、二次鋭敏色と現れてくる鋭敏色位置でのジョグエンコーダの1回転あたりのプリズム駆動量を小さく設定するとよい。
【0091】
もちろん、一次鋭敏色に対する設定が二次鋭敏色、三次鋭敏色と各位置に自動的に反映されるようになっていてもよいし、また、背景色ごとに異なる値を設定できるようにしてもよい。
【0092】
まずジョグエンコーダ99からプリズム駆動の指示があったか否か判別し、指示が入力された場合(YES)、基準位置に対する現在のプリズム座標位置がCPU91によって検出される(ステップS32)。このプリズム座標位置の検出は、基準位置センサ88からのリニアステッピングモータ62のパルス数をCPU91内にあるカウンタによってカウントすることにより常時行われている。
【0093】
次に検出されたプリズム座標位置によって、メモリ95内に格納されているプリズム座標駆動テーブルから、ジョグエンコーダ99の1回転の入力に対するノマルスキープリズムの駆動量が選択される(ステップS33)。
【0094】
その後、選択されたプリズム駆動量に基づいて、ジョグエンコーダ99の入力操作によりノマルスキープリズムの駆動が行われる(ステップS34)。
【0095】
以後、待機状態となり(ステップS35)、ジョグエンコーダ99の入力操作によりプリズム駆動指示が出される度に、CPU91がプリズム座標位置からプリズム駆動量を選択し、選択された値に基づいてプリズムの駆動が行われる。
【0096】
前述したように鋭敏色位置でのプリズム駆動量を小さく設定すると、図14に示すように、鋭敏色位置で、同一のジョグエンコーダの回転量に対し、プリズムの移動量を小さくすることができ、より細かい背景色調整が可能である。 以上のように第2例の場合において、観察を必要とする位置と観察を必要としない位置でのプリズム駆動の感度を可変設定できるため、非常に操作性がよいという利点を有する。
【0097】
なお、前記ジョグエンコーダの操作による背景色調整の方法は、本実施形態のように、ノマルスキープリズムが複数段けられている構成に限らず、1つのプリズムのみを光路に対して挿脱するような光学素子切り換え装置においても適用できることは言うまでもない。
【0098】
以上のように、第1の実施の形態では、ターレット上で3種類のノマルスキープリズムを装填し、これらを水平方向に直動可能に保持し、そのうちの1つが光路上に配置された際に、そのノマルスキープリズムに対してリニアステッピングモータにより一定の方向に駆動するように構成したので、光学性能が最大に発揮され、コントラストの調整を正しく行うことができると同時に、簡単な構成でアクチュエータの数を最小限に抑制してノマルスキープリズムの電動切り換え及びコントラスト調整機構が実現できる。
【0099】
また、リニアステッピングモータを光学素子切り換え装置の固定部分に配置したため、ノマルスキープリズムターレット上でコントラスト調整用のアクチュエータが回転してケーブルが絡まるといったような不具合を生じることもない。
【0100】
尚、第1の実施形態においては、対物レンズ切り換え動作が完了した後に、ノマルスキープリズムの切り換えを行うようにしたが、対物レンズの切り換えがいずれか1個を直接指定する方式の場合には、最初から切り換え先の対物レンズの種類が確定しているため、対物レンズ切り換え動作と並行してノマルスキープリズムの切り換え動作を行ってもよい。この場合、全動作に要する時間を大幅に短縮できる。
【0101】
次に図15には、第1の実施形態の光学素子切り換え装置の変形例を示し説明する。
【0102】
この光学素子切り換え装置は、ターレット101と、ターレット101の位置決めを行うクリックバネ110と、顕微鏡本体の固定部(図示せず)に取付けられたモータ108と、ピニオンギヤ109と、リニアステッピングモータ112と、モータ108の軸に取り付けられる切欠きを有する円板115と、切欠き部を検知するフォトインタラプタ116とで構成される。
【0103】
前記ターレット101は、2個の光学素子、例えば光軸上で回転するように取り付けられたアナライザ102、1/4波長板103及び1個の空孔104が取り付けられ、外周部分には3ヶ所にV字形状の係合溝が形成される。
【0104】
前記アナライザ102は、光学顕微鏡に用いた場合、微分干渉検鏡や偏光検鏡のときに光路に挿入される。また1/4波長板はコンフォーカル検鏡等において、特に途中のレンズ面などで反射した有害なフレア光をカットする目的で用いられることが多い。したがって、本変形例に示した光学素子切り換え装置も、検鏡法の切り換えにともなって使用されるものである。
【0105】
前記クリックバネ110は、その先端部に固着されたクリックボール111を係合溝に填め入れて保持することで、ターレット101のアナライザ102、1/4波長板103、空孔104のいずれかが光路9上に位置決めされる。ピニオンギヤ109は、モータ108の軸に固定され、ターレット101の外周部分に取付けられたギヤ107に噛み合っている。前記リニアステッピングモータ112は、アナライザ102が固定され、ターレット101上に回転可能に支持されている枠部材106の突起部に進退可能に接して押圧する軸先端部を有する。
【0106】
また、ターレット101には、光学素子の種別を検知するための1個の指標用磁石113が取付けられる。これと対応して図示しない顕微鏡本体の固定部には2個のホールセンサ114が設けられている。これら磁石113とホールセンサ114による光学素子の認識方法についてはすでに述べた通りであるので、説明を省略する。
【0107】
さらに前記アナライザ102は、ターレット101に対して回動自在に支持された枠部材106に固定される。つまり、枠部材106は、図示しないバネによって、その突起部がリニアステッピングモータ112の軸先端部に押圧するようになっているため、前記軸先端部の進退によって、アナライザ102が光軸上で回転する。
【0108】
前記モータ108が回転するのに伴い、ピニオンギヤ109が噛み合うギヤ107に回転が伝達され、ターレット101が回転する。この時、ターレット101の外周に形成された係合溝にクリックバネ110の先端のバネ力でクリックボール111を填め入れ、位置決めされる。
【0109】
また同様に、前記モータ108の回転に伴い、切欠きを有する円板115が回転し、フォトインタラプタ116がその切欠き部を検知する。この切り欠き部を検知している時には必ずターレット101の外周のV溝がクリックボール111に係合するように配置されている。
【0110】
この変形例の動作について説明する。
【0111】
まず、図16に示すような顕微鏡各部の操作指示を送るコントローラのスイッチにより、検鏡法切り換え指示が出されると、指定された検鏡法に応じてモータ108によりターレット101が回転する。この時、リニアステッピングモータ112の軸は、リミット位置まで退避する。
【0112】
そして、ホールセンサ114の出力により、指示した光学素子が光路上にきたことが検出された後、フォトインタラプタ116が円板115の切欠き部を検出したらターレット101は停止し、クリックボール111によって位置決めされる。
【0113】
光路上の光学素子がアナライザ102であった場合には、リニアステッピングモータ112の軸が基準位置まで進み出て、枠部材106の突起部に接触し、その後押すことにより、アナライザ102は所定の角度で停止する。微分干渉検鏡や偏光検鏡のときに必要となる図示されないポラライザとのクロスニコルは、コントローラ内のスイッチでリニアステッピングモータ112を駆動して調整するようにすればよい。
【0114】
このように第1の実施形態の変形例においては、光学素子をターレット上で回転自在に支持し、この光学素子が光路中に配置されたときに、顕微鏡固定部に設けられたアクチュエータにより回転駆動するようにしたので、簡単な構成で、回転により観察状態が変化するような光学素子を切り換えおよび調整する光学素子切り換え装置を実現できる。
【0115】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0116】
次に図16には、本発明による第2の実施形態に係る光学素子切り換え装置を搭載する光学顕微鏡の概略的な構成を示し、説明する。本実施形態は、前述した光学素子切り換え装置を顕微鏡に搭載した例である。
【0117】
この顕微鏡本体121において、観察系は、標本を載せるステージ122と、このステージを上下方向に駆動してピントを合わせるための焦準ハンドル123と、対物レンズ124が装着されるとともに、DICプリズム等の光学素子切り換え装置(以後DICターレットと称する)125が内蔵され、前記ステージ122の上方に配置される対物レンズ切り換え装置126と、対物レンズ124の垂直光路上方に配置されるアナライザ等の光学素子切り換え装置(以後、ANターレットと称する)127と、コンフォーカル観察用光路及びコンフォーカル観察用光源を有する鏡筒部128と、鏡筒部128の直筒部に取付けられたTVカメラ129とで構成される。
【0118】
落射照明系としては、顕微鏡本体121の上方背面部に設けられたハロゲン等の落射用光源130と、落射用光源130からの出射光を集光するコレクタレンス131と、落射用光源130の光量を調整するNDフィルタターレット132と、落射照明光の開口数を調整する開口絞り133と、開口絞り133の像を対物レンズ124の瞳に投影する投影レンズ134と、落射照明光を一定の振動方向に偏向するポラライザを光路に挿脱するポラライザ挿脱ユニット135と、対物レンズ124の垂直光路上で落射照明光を明視野照明、暗視野照明に切り換えるミラーユニット(キューブ)136とで構成されている。
【0119】
透過照明系としては、顕微鏡本体121の下方背面部に設けられたハロゲン等の透過用光源137と、透過用光源137からの出射光を集光するコレクタレンズ138と、透過用光源137の光量を調整するNDフィルタターレット139と、透過照明範囲を制限するための視野絞り140と、透過照明光を垂直上方に折り曲げるミラー141と、視野絞り140の像を観察試料上に投影するための投影レンズ142と、ステージ122を支持するステージ受け143内に設けられたコンデンサユニット144とで構成されている。
【0120】
このコンデンサユニット144は、その内部に、落射照明系と同様なポラライザ挿脱ユニット145と、透過照明光の開口数を調整する開口絞り146と、DICプリズム等の光学素子を挿脱する光学素子夕ーレット147と、透過照明光を観察試料に集光するとともに閉口絞り146の像を対物レンズ124の瞳に投影するためのコンデンサレンズ148を有している。
【0121】
さらに、これら顕微鏡本体内の各切り換え部に接続され、その動作を制御する制御部(CPU)149と、このCPU149に接続され各切り換え部の動作指令や状態を表示するコントローラ150とを有している。
【0122】
前記ミラーユニット(キューブ)切り換え機構及びポラライザ挿脱機構、絞り機構、NDフィルタ切り換え機構についても、一般的なモータを用いた切り換え機構であれば適用できる。
【0123】
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
【0124】
図17は、前述した各切り換え部の光学素子の光路への挿脱状態を示している。
【0125】
落射照明による観察を行う場合、例えば、操作者がコントローラ150より落射明視野検鏡への指示を入力すると、CPU149が、これら光学素子のうち光路中に挿入すべき光学素子に該当するミラーユニット136として、明視野用キューブ、落射用NDフィルタ132、ANターレット127の空孔をそれぞれ光路に挿入するように、各切り換え部に指示を行う。
【0126】
また別の検鏡法、例えば落射微分干渉検鏡であれば、DICターレット125内のDICプリズム、ミラーユニット136の明視野用キューブ、落射用ポラライザ132及び、ANターレット127のアナライザ、の各光学素子を選択して光路中に挿入するように制御部が指示を行う。
【0127】
同様に透過照明による観察を行う場合、例えば、操作者がコントローラ150より透過微分干渉検鏡への指示を入力すると、CPU149がDICターレット125内のDICプリズム、ミラーユニット136の明視野用キューブ、ANターレット127のアナライザ、光学素子ターレット147のDICプリズム及び、透過用ポラライザ挿脱ユニット145のポラライザ、の各光学素子を選択して光路中への挿入指示を行う。
【0128】
また別の検鏡法、例えば透過位相差検鏡であれば、同様に、ミラーユニット136の明視野用キューブ、ANターレット127の空孔、光学素子ターレット147の輪帯開口を選択して、光路中への挿入指示を行う。
【0129】
但し、図17で、落射コンフォーカル検鏡の場合には、図中に示した光学素子の挿入に加えて、鏡筒部128内の光路を切換えて、コンフォーカル用周回光路とする必要がある。
【0130】
また透過位相差検鏡の場合には、図中に示した光学素子の挿入に加えて、対物レンズ124の瞳位置に位相板を配した位相差検鏡専用の対物レンスを選択する必要がある。
【0131】
また、光学素子切り換え装置(DICターレット)125及び光学素子切り換え装置(ANターレット)127については、第1の実施形態およびその変形例で説明したように、本実施例においても同様の効果が得られる。
【0132】
この効果は、図16および図17で示したように、落射照明による観察のみならず、透過照明を用いる観察においても同様に発揮されるもので、光学顕微鏡の構成上、光学素子切り換え装置(DICターレット)を含む対物レンズ切り換え装置126が、落射照明と透過照明の場合に共通使用できるという点で、その効果は大きい。
【0133】
次に図18には、本発明による第3の実施形態に係る光学素子切り換え装置を搭載する光学顕微鏡の回路構成例を示す。
【0134】
この第3の実施形態の光学顕微鏡の構成は、前述した第2の実施形態と同様であるが、一部回路構成と作用が異なっており、特にノマルスキープリズムの切り換え動作に特徴を有している。
【0135】
本実施形態の回路構成は、図6で説明したものと同様な構成に加え、CCD等の撮像素子とその制御部を内蔵したTVカメラ129がCPU149に接続されている。またTVカメラ129で撮像した画像データやノマルスキープリズムの駆動量等のデータが保存されるメモリ151がCPU149に接続されている。
【0136】
また、図16に示した顕微鏡各部を駆動するためのドライバ、モータ、センサがそれぞれ接続されている。尚、図中は、1つの駆動部についてのみ示すが、実際には駆動される顕微鏡各部に対応して複数接続されている。
【0137】
図19に示すフローチャートを参照して本実施形態の動作について説明する。
【0138】
まず、ノマルスキープリズム切り換え指示がコントローラより入力されると(ステップS41)、現在の微分干渉観察像の画像がTVカメラ129より取込まれる(ステップS42)。そして、コントローラ内の制御部が、その取込んだ画像を解析処理して色情報を抽出し、その情報が制御部内のメモリに記憶される(ステップS43)。
【0139】
次にノマルスキープリズムを駆動するリニアステッピングモータ62をそのリミット位置まで退避させ(ステップS44)、リミット位置まで達したか否か判断して(ステップS45)、リミット位置まで達したことが検出されると(YES)、リミット位置までの駆動に要したリニアステッピングモータ62のパルス数が制御部内に記憶される(ステップS46)。
【0140】
その後、ステップS46からステップS50では、前述した第1の実施形態の図8のステップS9〜ステップS13と同様にターレット54が回転されて、目的のノマルスキープリズムが光路に配置されるとターレット54が停止する。
【0141】
次に、ノマルスキープリズムの種別が再度確認された後(ステップS51)、一旦リニアステッピングモータ62は制御部内に記憶されたパルス数によりもとの位置までもどされる(ステップS52)。
【0142】
さらに、ノマルスキープリズム切り換え後の画像をTVカメラ129より取込み(ステップS53)、制御部がその画像より色情報を抽出する(ステップS54)。ここで、前回のノマルスキープリズムにおける画像の色情報と今回の色情報との間に相違があるか否か判断し(ステップS55)、相違があった場合には(YES)、その色情報が一致するまでリニアステッピングモータによりノマルスキープリズムを駆動する(ステップS56)。最後に、切り換え動作完了後のノマルスキープリズムの種別をコントローラの表示部に表示し(ステップS57)、次の指令が入力されるまで待機する(ステップS58)。
【0143】
次に第3の実施形態の変形例について説明する。
【0144】
本変形例においては、第3の実施形態と同じ構成であり、作用のみが異なる。図20は、本変形例の作用を示すフローチャートである。
【0145】
図20において、ステップS41からステップS51までは、第3の実施形態(図19)と同様であり、その説明は省略する。
【0146】
但し、ステップS43における色情報としては、例えば、取込んだ画像データに異なる3つのフィルタ処理を施し、3つの単波長400nm、550nm、700nmの強度データに、それぞれ所定の係数を掛けて正規化したものとする。
【0147】
図21は、ミラー状の平坦な試料を観察した場合、このように抽出した色情報の、ノマルスキープリズムを駆動したときの変化を示すものである。
【0148】
図21において、ノマルスキー観察の暗黒位置は、3つの波長の強度がいずれも小さくほぼ一致したPo 点であり、ノマルスキープリズムを暗黒の位置から駆動すると、3つの波長がそれぞれ異なる周期で強弱の変化を繰り返していく。Po 点以外には暗黒位置はなく、例えば3つの波長に基づく色情報がすべて極小値Vo になる位置は必ずPo となる。
【0149】
また3つの波長に基づく色情報の値がVA 、VB 、VC となるようなプリズム位置はP点となる。つまり、このように抽出した3つの波長の強度に基づく色情報は、ノマルスキープリズムの位置に対応した値をもつことになる。
【0150】
次に、リニアステッピングモータ62をメモリ151内に記憶されたパルス数により、元の位置に向かって所定量駆動した(ステップS61)後に、CPU149がTVカメラ129より画像を取込み(ステップS62)、前述した3つの波長による色情報を抽出して(ステップS63)、メモリ151内に記憶されている前回の色情報と比較する(ステップS64)。
【0151】
前回の色情報と相違がある場合には、ステップS61〜ステップS64を繰り返すことで、モータを所定量駆動しながら逐次、色情報を比較していく。
【0152】
そして、ステップS64で抽出している色情報が、前回の色情報と等しくなったことをCPU149が判断すると、CPU149の指令によりノマルスキープリズムが停止する(ステップS65)。
【0153】
最後に第3の実施形態と同様に、切り換え動作完了後のノマルスキープリズムの種別をコントローラ150の表示部に表示し(ステップS66)、次の指令が入力されるまで待機する(ステップS67)。但し、図21に示す色情報のグラフは、観察試料によって、必ずしもこのようにきれいな規則性を示すとは限らないので、ステップS64における色情報の比較時は値の完全な一致ではなく、所定の許容誤差を与えるものとする。
【0154】
本変形例では、ミラー状の平坦な試料、例えば、ハードディスクやウエハ研磨後の表面をノマルスキー観察する場合などに非常に有効であり、色情報として3つの波長における強度データを用いているため、プリズムの種類を切り換えても、TVカメラより取り込まれる色情報を切り換え前のプリズムにおける色情報と比較することによって、同じ色(コントラスト)で観察できるように、プリズム位置を自動的に補正することができる。
【0155】
また、色情報を抽出する画像範囲を、CCD等撮像素子の視野の5%以下程度に絞ることにより、CPU149の処理にかかる時間を短縮できると共に前述した試料以外(例えば、視野内にかなりのパターン変化があるような試料)においても有効である。
【0156】
以上説明したように、第3の実施形態及び、その変形例では、ノマルスキープリズムの毎回の切り換え動作毎に、画像の色情報を抽出してノマルスキープリズムの位置補正を行なうようにしたが、初回の切り換え動作により各ノマルスキープリズムの基準位置を記憶し、これら各ノマルスキープリズムの偏差分を以後のノマルスキープリズム切り換え動作毎に補正駆動するようにしてもよい。この場合には、ノマルスキープリズムの切り換え動作毎に画像を取込む必要がないので、全体の動作時間を著しく短縮できる。
【0157】
前述した実施形態の光学顕微鏡によれば、各光学素子を光路上に配置した時に得られる顕微鏡画像の色情報に基づいて各光学素子の基準位置が決定され、ターレットを回転させて光学素子を切り換えた時にはこの基準位置をもとに光学素子の位置を補正するようにしたので、光学素子の種類によらずに常に同じ観察状態に自動的に調整される。光学素子としてノマルスキープリズムを用いた場合には、対物レンズの切り換えに伴って異なるノマルスキープリズムが光路に配置されても、画像の色情報に基づいて同じリターデーションとなるようにノマルスキープリズムの位置が自動補正される。
【0158】
さらに、本実施形態の光学素子切り換え装置によれば、複数の光学素子はターレット上に水平方向に直動あるいは回動可能に保持されているため、光学素子としてノマルスキープリズムを用いた場合、光路上でノマルスキープリズムを必ず一定方向に直線移動するように構成でき、光学性能が最大に発揮され、コントラストの調整を正しく行うことができる。
【0159】
またターレットを回転させて所定の回転位置に位置決めし、複数の光学素子のいずれか1つを光路上に配置した場合、この光学素子に対して1つの固定された駆動部により移動を行うので、光学素子ごとに複数の駆動部(アクチュエータ)を用意することなく、1つのアクチュエータで代用できる。
【0160】
また、操作指示に基づいて、制御部が前記対物レンズ切り換え装置と前記光学素子切り換え装置とを連動させるため、対物レンズの切り換えに伴う光学素子の切り換え、調整を手動で行うことなく、省力化が可能である。
【0161】
尚、前述した各実施形態では、1枚のターレットに光学素子を平面的に配置して選択的に1つの光学素子が光路上に位置するように選択しているが、これに限定されるものではない。
【0162】
図22に示すように、複数の光学素子が積層された状態で使用する検鏡法があった場合には、2枚以上のターレット、例えば、ターレット161,162の様に、積層配置して、前述した駆動機構により、それぞれ回転や移動等の各動作を行ってもよい。
【0163】
尚、前述した各実施形態では、ターレットによって複数の光学素子を切り換えるようにしているが、1つの光学素子と空穴とを切り換えるように構成してもよい。
【0164】
また、ターレットを切り換え駆動する駆動機構、光学素子をターレット上で駆動する駆動機構の一方若しくは、両方を手動で動かすようにしてもよい。
【0165】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、微分干渉観察における光学性能を最大限発揮できるような構成で、且つ検鏡法の切り換えならびに観察時の調整を自動化するとともに、観察者に背景色の調整操作の違和感を与えない光学素子切り換え装置及びその装置を搭載する光学顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子切り換え装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る光学素子切り換え装置の断面構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態の光学素子切り換え装置の主要部を示す図である。
【図4】第1の実施形態において、ターレットの回転位置の認識方法について説明するための図である。
【図5】第1の実施形態における対物レンズ切り換え装置の構成を示す図である。
【図6】第1の実施形態の光学素子切り換え装置の回路構成を示す図である。
【図7】第1の実施形態の光学素子切り換え装置のコントローラの構成例を示す図である。
【図8】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1の実施形態において、背景色調整の第1例を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1の実施形態における背景色調整の第1例において、プリズムの移動量とリターデーションの変化量の関係を示す図である。
【図11】第1の実施形態における背景色調整の第1例において、ジョグ送り量とリターデーションの変化量の関係を示す図である。
【図12】第1の実施形態において、背景色調整の第2例を説明するためのフローチャートである。
【図13】第1の実施形態における背景色調整の第2例において、プリズム座標とジョグエンコーダの1回転あたりのプリズム駆動量の関係を示す図である。
【図14】第1の実施形態における背景色調整の第2例において、ジョグ回転量とリタデーション量との関係示す図である。
【図15】第1の実施形態の光学素子切り換え装置の変形例を示す図である。
【図16】本発明による第2の実施形態に係る光学素子切り換え装置を搭載する光学顕微鏡の概略的な構成を示す図である。
【図17】第2の実施形態における各切り換え部の光学素子の光路への揮脱状態の例を示す図である。
【図18】本発明による第3の実施形態に係る光学素子切り換え装置を搭載する光学顕微鏡の回路構成例を示す図である。
【図19】第3の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】第3の実施形態の光学素子切り換え装置の変形例を説明するためのフローチャートである。
【図21】ノマルスキープリズムを駆動した時のプリズム位置と各波長における強度データとの関係を示す図である。
【図22】積層配置されたターレットの構成例を示す図である。
【図23】従来の顕微鏡における切り換え機構について説明するための図である。
【図24】図23に示す従来の切り換え機構の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
9…光路
10…ガイド機構
12a,12b,12c…光学素子
13…空孔
11…ターレット
14…モータ
15…ギヤ
16…ピニオンギヤ
17…クリック停止機構
18…モータ
19…固定部
20…移動部
21…軸

Claims (12)

  1. 固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の光学素子が配置されたターレットと、
    前記ターレットに駆動力を与える駆動手段と、
    前記駆動手段が発生する駆動力を前記ターレットに伝達するための伝達手段と、
    前記ターレットを回転させ、該ターレット上の光学素子を、選択的に光学系の光路上に位置決め保持する位置決め手段と、
    前記ターレット上で前記光学素子を移動可能に保持する案内手段と、
    前記固定基板上に設けられ、前記ターレットの外側より前記光路上に停止した前記光学素子を前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、
    前記駆動手段及び前記光学素子移動手段のうち少なくとも一方の動作を制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする光学素子切り換え装置。
  2. 固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の対物レンズのうち少なくとも1つを選択的に光学系の光路上に配置するための第1の切り換え手段と、
    前記選択された対物レンズを位置決め保持する第1の位置決め手段と、
    前記第1の切り換え手段を駆動する第1の駆動手段と、
    前記固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の検鏡法に対応する複数の光学素子のうち少なくとも1つを選択的に前記光路に配置するための第2の切り換え手段と、
    前記選択された光学素子を位置決め保持する第2の位置決め手段と、
    前記第2の切り換え手段を駆動する第2の駆動手段と、
    前記第2の切り換え手段に設けられ、前記第2の切り換え手段上で前記光学素子のそれぞれを移動可能に保持する案内手段と、
    前記固定基板上に設けられ、前記第2の切り換え手段の外側より前記光路上に停止した前記光学素子を、前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、
    前記第1の駆動手段、前記第2の駆動手段及び前記光学素子移動手段のうち少なくとも1つの動作を制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする光学素子切り換え装置。
  3. 前記光学素子切り換え装置は、さらに前記光学素子移動手段による前記光学素子の移動量を設定する入力部を具備し、この入力部への設定レベルに対応して、前記光学素子の移動量が可変することを特徴とする請求項1または2記載の光学素子切り換え装置。
  4. 前記ターレット上に配置された案内手段は、前記光学素子移動手段により移動された前記光学素子が移動前の初期位置に戻る若しくは、初期位置を維持するためのバネ部材を有していることを特徴とする請求項1に記載の光学素子切り換え装置。
  5. 前記第2の切り換え手段上に配置された案内手段は、前記光学素子移動手段により移動された前記光学素子が移動前の初期位置に戻る若しくは、初期位置を維持するためのバネ部材を有していることを特徴とする請求項2に記載の光学素子切り換え装置。
  6. 前記光学素子移動手段は、前記バネ部材による付勢力に抗して前記光学素子を移動させるための押出部材を有することを特徴とする請求項4または5に記載の光学素子切り換え装置。
  7. 複数の検鏡法に対応する光学素子を切り換え可能に備える光学素子切り換え装置を搭載し、倍率の異なる複数の対物レンズを切り換え可能な光学顕微鏡において、
    固定基板に対して回転可能に設けられ、少なくとも1つの前記対物レンズを装着可能な第1のターレットと、
    前記第1のターレットを回転させて、観察試料の光像が通過する光路上に前記対物レンズを選択的に配置する第1の駆動手段と、
    前記固定基板に対して回転可能に設けられ、複数の光学素子を装着可能で、前記光路上に配置された対物レンズの光軸に直交する面内で回転可能に保持される第2のターレットと、
    前記第2のターレット上に設置され、前記光学素子を移動可能に保持する案内手段と、
    前記第2のターレットを回転して、前記光学素子または前記第2のターレットに設けられる空穴を前記光路上に選択的に配置する第2の駆動手段と、
    前記固定基板上に設けられ、前記第2のターレットの外側より前記光路上に停止した光学素子を前記案内手段の移動方向に沿って移動させる1つの光学素子移動手段と、
    前記光路上に配置される前記対物レンズ及び前記光学素子を選択指示するための操作部と、
    前記操作部によって選択指示された前記対物レンズ及び前記光学素子を、それぞれ前記光路上に配置するように、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を駆動制御し、かつ前記光学素子を移動させるように前記光学素子移動手段を駆動制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする光学顕微鏡。
  8. 前記光学素子移動手段による前記光学素子の移動量を設定する入力部を具備し、この入力部への設定レベルに対応して、前記光学素子の移動量が可変することを特徴とする請求項7に記載の光学顕微鏡。
  9. 前記光学素子は、少なくとも2つのノマルスキープリズムであり、
    前記制御部は、前記光軸上に配置された対物レンズの種類に応じて使用すべきノマルスキープリズムを選択して前記光軸上に停止させるように前記第2の駆動手段を制御することを特徴とする請求項7記載の光学顕微鏡。
  10. 前記試料の画像を取得する撮像部と、
    前記撮像部により取得される前記試料画像の色情報を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記光学素子の切り換え前に前記撮像部により取得された試料画像の色情報を記憶して、前記光学素子の切り換え後に前記撮像部により取得された試料画像の色情報と比較し、切り換え前後の前記色情報が等しくなるように前記光学素子移動手段を駆動して当該切り換え後の前記光学素子の位置を調整することを特徴とする請求項9記載の光学顕微鏡。
  11. 前記第2のターレット上に配置された案内手段は、前記光学素子移動手段により移動された前記光学素子が移動前の初期位置に戻る若しくは、初期位置を維持するためのバネ部材を有していることを特徴とする請求項7に記載の光学顕微鏡。
  12. 前記光学素子移動手段は、前記バネ部材による付勢力に抗して前記光学素子を移動させるための押出部材を有することを特徴とする請求項11に記載の光学顕微鏡。
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