JP4918241B2 - 排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置 - Google Patents

排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置 Download PDF

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本発明は、ディーゼルエンジンを有する車両、ガスタービンおよび燃焼炉等から排出される排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)および三酸化硫黄(SO3)を除去する排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置に関し、特に排ガスに含まれるSO3濃度およびNOx濃度を減少させることができ、硫黄分の高い石炭あるいは重質油等を燃料として燃焼させるボイラの排ガス処理に適用して有用な排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置に関する。
ボイラ、ガスタービンおよび燃焼炉等から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する方法として、窒素酸化物除去触媒(以下「脱硝触媒」と略す)の存在下で、アンモニア(NH3)を還元剤としNOxを無害な窒素および水に分解するアンモニア接触還元法が実用化されている。
前記ボイラ等では、硫黄分の高い石炭あるいはC重油などを燃料として利用するものがある。このような燃料を燃焼させて生じる排ガスには高濃度の二酸化硫黄(SO2)および三酸化硫黄(SO3)が存在する。このような排ガスを処理する際には、NOxを還元して除去するNOx還元除去反応と同時に、SO2から三酸化硫黄(SO3)への酸化反応が生じて、排ガス中のSO3が増加する。このSO3と、前記NOx還元除去反応にて還元剤として使用される未反応分のNH3とが、低温領域で容易に結合して、酸性硫酸アンモニウム等の化合物が生成する。この酸性硫酸アンモニウム等の化合物およびSO3により、後流に配置されている熱交換器等の各種装置の内部や配管が腐食して、目詰まりや一部閉塞等が生じ圧力損失を上昇させてしまう。そのため、集塵機の集塵能力を向上させるなどの対策を講じる必要がある。
優れた脱硝性能と、SO2からSO3への酸化反応が生じにくい低SO2酸化能とを有する脱硝触媒として、タングステン酸化物やバナジウム酸化物−タングステン酸化物等をチタニアに担持させた触媒が知られている。
特開平10−249163号公報 特開平11−267459号公報
しかし、このような脱硝触媒を用いても、0.1%オーダでSO2からSO3への酸化反応が生じることが知られている。脱硝反応と同時に起こるSO2からSO3への酸化反応をゼロ、さらには、排ガス中のSO3濃度を低減することが望まれ、これまでにも、例えば、特許文献1に記載の発明、および特許文献2に記載の発明など種々の技術が提案されている。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて提案されたもので、触媒の性能低下および触媒後流に配置される装置の腐食の原因となる酸性硫安等を含むS物質の出発物質である排ガスに共存するSO3およびNOxをさらに効率良く低減し、且つ、触媒そのものの中でのSO3の生成をさらに抑制する排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係る排ガス処理触媒は、排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理触媒であって、チタニア、シリカの少なくとも1種の単独酸化物またはこれらの複合酸化物、及び酸化タングステンからなる担体に金を担持し、前記金を担持した担体を基材の表面に塗布してなることを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係る排ガス処理触媒は、第1の発明に記載された排ガス処理触媒であって、前記基材がチタニア−酸化タングステン系脱硝触媒、コージェライト、またはムライトであることを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係る排ガス処理触媒は、第2の発明に記載された排ガス処理触媒であって、前記基材の酸化タングステンが、前記基材のチタニア100重量部に対して0.1〜25重量部であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明に係る排ガス処理方法は、排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理方法であって、第1乃至第3の発明の何れかに記載された排ガス処理触媒にアンモニアを添加した前記排ガスを接触させて、前記三酸化硫黄を還元させると共に、前記窒素酸化物を還元させたことを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明に係る排ガス処理装置は、排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理装置であって、アンモニアを添加した前記排ガスに接触して配置され、第1乃至第3の発明の何れかに記載された排ガス処理触媒と、前記排ガス処理触媒の下流に配置された脱硝触媒とを有し、前記排ガス処理触媒にて前記三酸化硫黄を還元させると共に前記窒素酸化物を還元させ、前記脱硝触媒にて前記窒素酸化物をさらに還元させたことを特徴とする。
第1の発明に係る排ガス処理触媒によれば、担体に担持される金が基材の表面に適度に塗布されることとなり、前記担体が塗布される前記基材を、硫黄酸化物および窒素酸化物を含みアンモニアが添加される排ガスに接触させることにより、前記金による前記アンモニアの分解反応を抑制して、前記排ガスに含まれる前記硫黄酸化物のうち三酸化硫黄の還元反応および前記排ガスに含まれる前記窒素酸化物の還元反応を促進するので、前記三酸化硫黄の濃度および前記窒素酸化物の濃度を減少させることができる。脱硝性能をさらに向上させることができる。
第2の発明に係る排ガス処理触媒によれば、第1の発明に記載された排ガス処理触媒と同様な作用効果を奏する他、担体が塗布された基材を、硫黄酸化物および窒素酸化物を含みアンモニアが添加される排ガスに接触させることになり、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の還元反応、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の還元反応を促進するので、前記三酸化硫黄の濃度および前記窒素酸化物の濃度をさらに減少させることができる。
第3の発明に係る排ガス処理触媒によれば、第2の発明に記載された排ガス処理触媒と同様な作用効果を奏する他、担体が塗布された基材を、硫黄酸化物および窒素酸化物を含みアンモニアが添加される排ガスに接触させることになり、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の還元反応、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の還元反応を促進するので、前記三酸化硫黄の濃度および前記窒素酸化物の濃度をさらに一層減少させることができる。
第4の発明に係る排ガス処理方法によれば、排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理方法であって、第1乃至第3の発明の何れかに記載された排ガス処理触媒にアンモニアを添加した前記排ガスを接触させて、前記三酸化硫黄を還元させると共に、前記窒素酸化物を還元させたことにより、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の濃度、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を減少させることができる。
第5の発明に係る排ガス処理装置によれば、排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理装置であって、アンモニアを添加した前記排ガスに接触して配置され、第1乃至第3の発明の何れかに記載された排ガス処理触媒と、前記排ガス処理触媒の下流に配置された脱硝触媒とを有し、前記排ガス処理触媒にて前記三酸化硫黄を還元させると共に前記窒素酸化物を還元させ、前記脱硝触媒にて前記窒素酸化物をさらに還元させたことにより、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の濃度、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を低減することができ、排ガス処理装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明に係る排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置の概略図である。
本発明の一実施形態に係る排ガス処理触媒は、還元剤としてアンモニアを用いる(添加する)ことで、ボイラ、ガスタービン、燃焼炉、およびディーゼルエンジンを有する車両等から排出され、硫黄酸化物(SOX)および窒素酸化物(NOx)を含む排ガスからSO3を除去する(下記(1)式を参照)と同時にNOxを除去する(下記(3)および(4)式を参照)ことができる。
さらに、チタニア−酸化タングステン系脱硝触媒からなる基材の上層(表面)に、チタニア、シリカの少なくとも1種の単独酸化物またはこれらの複合酸化物からなり、金を担持した担体を塗布してなる排ガス処理触媒を用いることにより、前記担体に担持される前記金が前記基材の表面に適度に塗布されることとなり、排ガス中においてSO2からSO3への酸化作用(下記(2)式を参照)が抑制されて、SO3からSO2への還元反応および排ガスに含まれる窒素酸化物の還元反応が促進される。よって、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の濃度、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を減少させることができる。
SO3+2NH3+O2→ SO2+N2 + 3H2O ・・・・・ (1)
2SO2 + O2 → 2SO3 ・・・・・・・・・・ (2)
4NO + 4NH3 + O2 → 4N2+ 6H2O ・・・・・ (3)
NO + NO2 + 2NH3 → 2N2+ 3H2O ・・・・・ (4)
金を担持する担体として、チタン、シリカの少なくとも1種の単独酸化物、またはこれらの複合酸化物を使用することができる。また、前記担体に酸化タングステンを含有させることにより、脱硝性能をさらに向上させることができる。
活性金属として担持する金は、担体100重量部に対して0.02重量部以上で活性を有し、好ましくは0.1重量部以上で高い活性を有する。すなわち、前記担体への金の担持量を上記範囲にすることにより、SO3からSO2への還元反応、および排ガスに含まれる窒素酸化物の還元反応が促進される。前記担体への金の担持方法は、前記担体が粉末状であればスプレードライ法で行うことができ、前記担体がハニカム型や粒状等に成型されたものであれば含浸法で行うことができる。
基材として用いるチタニア−酸化タングステン系脱硝触媒はチタニア100重量部に対し、酸化タングステン量が0.1〜25重量部である。前記基材の酸化タングステン量が上述した重量部を有することにより、排ガス処理触媒に、硫黄酸化物および窒素酸化物を含みアンモニアが添加される排ガスを接触させることで、前記排ガスから三酸化硫黄および前記窒素酸化物をより顕著に減少させることができる。
また、自動車等の移動発生源の近傍では、振動による触媒の破損を回避するため、強度に優れたコージェライト(2MgO・2Al23・5SiO2)あるいはムライト(3Al23・2SiO2)等が基材として用いられる。
本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置3は、図1に示すように、上述した排ガス処理触媒1と、この排ガス処理触媒1に直列に配置される脱硝触媒2とを有する。排ガス4にはアンモニア5が添加される。排ガス処理触媒1はアンモニア5が添加された排ガス4に接触して配置され、脱硝触媒2は排ガス処理触媒1の下流側に配置される。脱硝触媒2としては、従来から用いられる触媒が使用される。アンモニア5を添加した排ガス4を排ガス処理装置3に流通させることにより、排ガス4中におけるSO2からSO3への酸化作用が抑制され、排ガス4中においてSO3からSO2への還元処理および脱硝処理が同時に行なわれる。すなわち、排ガス処理触媒1にて排ガス4中のSO3が還元されてSO2を生成すると共に、排ガス4中のNOxが還元されて窒素を生成し、脱硝触媒2にて排ガス4中のNOxがさらに還元されて窒素を生成する。
よって、1台の排ガス処理装置3にて、前記排ガスに含まれる三酸化硫黄の濃度、および前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を十分に低減することができるので、排ガス処理装置3の小型化や低コスト化を図ることができる。
参考例1
参考触媒調整法1]
球状チタニア(直径:2mm〜4mm)に対し、塩化金酸(HAuCl4)溶液に含浸して、例えばAu濃度を40g/Lに調整した塩化金酸(HAuCl4)溶液に1分間含浸して、100重量部のチタニア当り1重量部のAuを該チタニアに含浸担持させた。例えば、球状チタニアの含水量がチタニア1g当り0.25mLのとき、球状チタニア100重量部に対し金1重量部を含浸担持させるには、塩化金酸溶液の濃度は、以下の通り計算される。
Figure 0004918241
したがって、塩化金酸(HAuCl4)溶液中の金濃度を40g/Lに調整した溶液に球状チタニアを1分間含浸させることにより、球状チタニア100重量部に対し金1重量部が含浸することとなる。
続いて、金を含浸担持した球状チタンを乾燥した後、500℃にて5時間焼成した。
このチタニア−金球状触媒に水を加えて、湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.1)とした。
次に、基材として用いるチタニア−酸化タングステンのハニカム型触媒(5.9mmピッチ、壁厚1.0mm)、いわゆるチタニア−酸化タングステン系脱硝触媒を上記スラリー(No.1)に浸漬し、この触媒を乾燥した後500℃にて5時間焼成した。
このように焼成してなる粉末スラリーのコート量を基材の表面積1m2当り100g塗布し、得られたハニカム型触媒を参考排ガス処理触媒(No.1)とした。
参考例2
参考触媒調整法2]
粉末状チタニア(石原産業株式会社製)と塩化金酸(HAuCl4)溶液とを混合してスラリーを調整した後、このスラリーをスプレイドライ(噴霧乾燥)して、100重量部のチタニア粉末当り1重量部の金を該粉末に担持させ、500℃にて5時間焼成した。
このチタニア−金の粉末触媒に水を加え、湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.2)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を参考排ガス処理触媒(No.2)とした。
参考例3
参考触媒調整法3]
粉末シリカ(富士シリシア化学株式会社製)と塩化金酸(HAuCl4)溶液とを混合してスラリーを調整した後、このスラリーをスプレイドライ(噴霧乾燥)して、100重量部のシリカ粉末当り1重量部の金を該粉末に担持させ、500℃にて5時間焼成した。
このシリカ−金の粉末触媒に水を加え、湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.3)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を参考排ガス処理触媒(No.3)とした。
参考例4
参考触媒調整法4]
オルトチタン酸テトライソプロピル(日本曹達株式会社製、Ti(OiC374)1,126gとオルトケイ酸テトラエチル(多摩化学株式会社製、Si(OC254)57.6gを混合し、別の容器にある80℃の熱湯中へ添加し、前記混合物を2時間撹拌して、TiO2、SiO2原料を加水分解させ、TiO2−SiO2の水酸化物を含むスラリーを得た。その後、このスラリーをろ過し、乾燥した後、500℃で5時間焼成して、95重量部のTiO2と5重量部のSiO2からなるTiO2−SiO2の複合酸化物粉末(No.1)を調整した。
複合酸化物粉末(No.1)と塩化金酸(HAuCl4)溶液とを混合してスラリーを調整した後、このスラリーをスプレイドライ(噴霧乾燥)して、100重量部のチタニア−シリカ粉末当り1重量部の金を該粉末に担持させ、500℃にて5時間焼成した。
このチタニア−シリカ−金の粉末触媒に水を加え、湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.4)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を参考排ガス処理触媒(No.4)とした。
[触媒調整法
100重量部のチタニア(TiO2)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)を含有するハニカム型触媒に対し、塩化金酸(HAuCl4)溶液を含浸して、100重量部のチタニア−酸化タングステン触媒当り1重量部の金を該触媒に含浸させた。続いて、金を含浸担持したチタニア−酸化タングステン触媒を乾燥した後、500℃にて5時間焼成した。
このチタニア−酸化タングステン−金のハニカム型触媒をクラッシャーで10mm以下とし、さらに水を加えて湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.5)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を排ガス処理触媒(No.)とした。
[触媒調整法
100重量部のチタニア(TiO2)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)を含有するハニカム型触媒に対し、塩化金酸(HAuCl4)溶液を含浸して、100重量部のチタニア−酸化タングステン触媒当り2重量部の金を該触媒に含浸させた。続いて、金を含浸担持したチタニア−酸化タングステン触媒を乾燥した後、500℃にて5時間焼成した。
このチタニア−酸化タングステン−金のハニカム型触媒をクラッシャーで10mm以下とし、さらに水を加えて湿式ボールミルで粉砕を行い、コート用スラリー(No.6)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を排ガス処理触媒(No.)とした。
[触媒調整法
参考触媒調整法4と同様に操作して得られた複合酸化粉末(No.1)1000gと10%のメチルアミン溶液1Lにパラタングステン酸アンモニウム((NH4101241・5H2O)101.3gを溶解した溶液を混合した後、さらに水3Lを加え混合してスラリーを調整した。このスラリーをスプレイドライ(噴霧乾燥)して、100重量部の複合酸化粉末(No.1)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)を担持させ、500℃にて5時間焼成した。
続いて、TiO2−SiO2−WO3粉末と塩化金酸(HAuCl4)溶液とを混合してスラリーを調整した後、このスラリーをスプレイドライ(噴霧乾燥)して、100重量部のチタニア−シリカ−酸化タングステン粉末当り1重量部の金を該粉末に担持させ、500℃にて5時間焼成した。このチタニア−シリカ−酸化タングステン−金の粉末触媒に水を加え、湿式ボールミルで粉砕を行いコート用スラリー(No.7)とした。
以下、参考触媒調整法1と同様に操作し、得られたハニカム型触媒を排ガス処理触媒(No.)とした。
[触媒調整法
基材として用いるコージェライトのハニカム(4.2mmピッチ、壁厚0.6mm)を触媒調整法で得られたコート用スラリー(No.6)に浸漬し、この触媒を乾燥した後500℃にて5時間焼成した。
このように焼成してなる粉末スラリーのコート量を基材の表面積1m2当り100g塗布して、得られたハニカム型触媒を排ガス処理触媒(No.)とした。
(比較例1)
[比較触媒調整法1]
100重量部のチタニア(TiO2)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)を含有するハニカム型触媒(TiO2−WO3ハニカム型触媒)に対し、塩化金酸(HAuCl4)溶液を含浸して、100重量部のチタニア−酸化タングステン触媒当り1重量部の金を該触媒に含浸させた。続いて、金を含浸担持したチタニア−酸化タングステン触媒を乾燥した後、500℃にて5時間焼成した。
このように焼成してなるハニカム型触媒を比較排ガス処理触媒(No.1)とした。
(比較例2)
[比較触媒調整法2]
100重量部のチタニア(TiO2)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)を含有するハニカム型触媒を比較排ガス処理触媒(No.2)とした。
(比較例3)
[比較触媒調整法3]
100重量部のチタニア(TiO2)当り、9重量部の酸化タングステン(WO3)と0.7重量部の五酸化バナジウム(V25)を含有するハニカム型触媒を比較排ガス処理触媒(No.3)とした。
[SO3還元性能および脱硝性能の測定]
上記参考排ガス処理触媒(No.1〜No.4)、排ガス処理触媒(No.1〜No.3)および比較排ガス処理触媒(No.1〜No.3)をそれぞれ表1に示す形状、すなわち30mm(5穴)×30mm(5穴)×462mm長さの触媒に形成し、排ガス処理触媒No.4)を30mm(7穴)×30mm(7穴)×317mm長さの触媒に形成し、このように形成した触媒を直列に2本連結させる。このような形状の参考排ガス処理触媒(No.1〜No.4)、排ガス処理触媒(No.1〜No.4)および比較排ガス処理触媒(No.1〜No.3)に対して、下記の表1に示す条件で排ガスを流通させて、当該触媒の1本目出口(AV=42.74(m3N/m2・h))、2本目出口(AV=21.37(m3N/m2・h)において、SO3還元率および脱硝性能をそれぞれ測定した。表1において、Ugsは空塔速度(流体の流量/流路断面積)を示し、AVは面積速度(ガス量/触媒での全接触面積)を示す。
Figure 0004918241
上記表1による測定結果を下記表2に示す。
表2において、SO3還元率および脱硝率は、下記式にてそれぞれ表される。
SO3還元率(%) = (1−出口SO3濃度/入口SO3濃度)×100
脱硝率(%) = (1−出口NOx濃度/入口NOx濃度)×100
Figure 0004918241
上記表2に示される結果から、現状の脱硝触媒(比較排ガス処理触媒No.2,No.3)では、SO3還元性能がマイナス側である、すなわちSO2をSO3に酸化するのに対し、本発明に係る排ガス処理触媒は、SO3還元性能および脱硝性能を有することが判った。参考排ガス処理触媒(No.1,No.2,No.3,No.4)の測定結果から、金を担持する担体として、チタニア、シリカの少なくとも1種の単独酸化物、またはこれらの複合酸化物(チタニア−シリカの複合酸化物)が有効に働くことが判った。参考排ガス処理触媒(No.1)、排ガス処理触媒(No.1)の測定結果、および参考排ガス処理触媒(No.4)、排ガス処理触媒(No.3)の測定結果から、チタニア、チタニア−シリカの担体に酸化タングステン(WO3)を含有させることで、SO3還元性能および脱硝性能が向上することが判った。
また、排ガス処理触媒(No.)と比較排ガス処理触媒(No.1)の測定結果から、触媒成分が同じチタン−タングステン−金であっても、比較排ガス処理触媒(No.1)では、触媒1本目出口のSO3還元性能が触媒2本目出口のSO3還元性能より上回ることが判った。
これは、金を担持した触媒において、脱硝反応の速度とSO3還元性能の速度では前者が速く、脱硝反応は触媒表面で反応が完結するため、触媒内部ではNH3濃度が低下することによる、と考えられる。そのため、このようなNH3濃度の低下に伴い、SO3からSO2への還元能は、SO2からSO3への酸化能を下回るようになる。したがって、比較排ガス処理触媒(No.1)では触媒内部まで金が存在しており、見かけ上SO3濃度は上昇することが判った。
排ガス処理触媒(No.)と排ガス処理触媒(No.)の測定結果から、コートした触媒粉が同じであっても、基材の種類により、SO3還元性能の差および脱硝性能の差を生じることが判った。
本発明は、ディーゼルエンジンを有する車両、ガスタービンおよび燃焼炉等から排出される排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)および三酸化硫黄(SO3)を除去する排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置に利用することが可能であり、特に排ガスに含まれるSO3濃度およびNOx濃度を減少させることができ、硫黄分の高い石炭あるいは重質油等を燃料として燃焼させるボイラの排ガス処理に適用して有用な排ガス処理触媒、排ガス処理方法および排ガス処理装置に利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置の概略図である。
1 排ガス処理触媒
2 脱硝触媒
3 排ガス処理装置
4 排ガス
5 アンモニア

Claims (5)

  1. 排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理触媒であって、
    チタニア、シリカの少なくとも1種の単独酸化物またはこれらの複合酸化物、及び酸化タングステンからなる担体に金を担持し、前記金を担持した担体を基材の表面に塗布してなる
    ことを特徴とする排ガス処理触媒。
  2. 前記基材は、チタニア−酸化タングステン系脱硝触媒、コージェライト、またはムライトである
    ことを特徴とする請求項1に記載された排ガス処理触媒。
  3. 前記基材の酸化タングステンは、前記基材のチタニア100重量部に対して0.1〜25重量部である
    ことを特徴とする請求項2に記載された排ガス処理触媒。
  4. 排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理方法であって、
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載された排ガス処理触媒にアンモニアを添加した前記排ガスを接触させて、前記三酸化硫黄を還元させると共に、前記窒素酸化物を還元させた
    ことを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 排ガスに含まれる窒素酸化物および三酸化硫黄を除去する排ガス処理装置であって、
    アンモニアを添加した前記排ガスに接触して配置され、請求項1乃至請求項3の何れかに記載された排ガス処理触媒と、前記排ガス処理触媒の下流に配置された脱硝触媒とを有し、前記排ガス処理触媒にて前記三酸化硫黄を還元させると共に前記窒素酸化物を還元させ、前記脱硝触媒にて前記窒素酸化物をさらに還元させた
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
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