JP4916842B2 - 油圧コラムクランプ - Google Patents

Description

本発明は、コラム脚部とコラム頭部とを有するテーブルコラムとコラム頭部に接続可能である又はこれに接続されたベッドとを備えた手術台に関する。

この種の多くの手術台において、ベッドは、空間要件により又は行われる外科手術の種類に応じて、ベッドを好適な位置に持ってくるよう、テーブルコラムの垂直縦軸を中心として回転可能である。その後、ベッドは、垂直軸を中心とした回転に関して言えば、テーブルコラムのこの好適な位置で留めて置かれなければならない。

テーブルコラムの垂直軸を中心としてベッドを回転できるようにすることは、たとえば、コラム脚部のコラム側の部分をコラム脚部の床側の部分に回転可能に取り付けて、コラム脚部の２つの部分が、ベッドの位置を留めて置くための機械クランプ機構によってクランプされ得るようにすることによって達成され得る。

しかし、機械クランプ機構においては、クランプ力の大きさを正確に決めることが困難であるという問題がある。クランプ力がクランプ要素の機械的な調整に直接関係する機械クランプ装置においては、非常に低い設置公差でこれらのクランプ要素を設置しなければならない。何故なら、設置位置のずれがクランプ力に直接影響を及ぼすからである。クランプ力が低くなり過ぎたり高くなり過ぎたりするのを確実に回避しなければならないので、機械クランプ装置は、高い精度で、したがって高い経費で作られることとなる。

本発明の目的は、導入部で述べた種類の手術台を提供することであり、これにより、簡単な手段を用いて、ベッドがテーブルコラムの縦軸を中心として回転するのを留めて置くことができるようになる。

上記目的は、コラム脚部が床側の基板とコラム側の足板とを備え、足板が基板に回転可能に取り付けられ、かつ基板から垂直上昇しないように受け面により垂直方向の遊びを有して固定され、足板を受け面に対してクランプするための、少なくとも１つの圧力作動クランプシリンダを設けることによって達成される。

本発明による手術台においては、クランプ力は、圧力作動クランプシリンダによって印加される。したがって、このクランプ力は、機械的なストロークの移動（ｍｅｃｈａｎｉｃａｌ ｓｔｒｏｋｅ ｔｒａｖｅｌ）の大きさを決めることなどによってではなく、クランプシリンダの圧力流体の圧力によって設定されるので、クランプ力を簡単かつ正確に設定でき、特に厳しい要件を満たさねばならない設置公差もない。さらに、コラム脚部を構築する際の自由度が増加する。何故なら、圧力流体は、好適なラインを介して任意の所望の経路に沿って伝わり得るので、たとえば機械シャフトとは異なり、この種のラインは、コラム脚部の他の構成部品の邪魔にならない。

クランプシリンダは、足板に配置されており、圧力媒体の作用を受けると基板に支持されることが好ましい。

好ましい実施形態においては、受け面は円形リングによって形成され、その円形リングは基板に接続され、足板をとり囲み、その外縁で足板を覆って少なくとも部分的に係合する。

少なくとも１つのクランプシリンダは、足で作動するポンプを介して圧力流体の作用を受け得ることが好ましい。この種の、足で作動するポンプにより、十分に高いクランプ力が難なく生成され得る。

特に有利な実施形態においては、ポンプとクランプシリンダとの間のラインは、圧力制限弁を介して圧力流体用のタンクに接続される。これにより、ポンプが如何に勢いよく作動されようとも、クランプシリンダ内に導入される圧力流体の圧力が、圧力制限弁によって規定される最大圧力を超えないことが確実となる。この結果、クランプ機構に負荷がかかりすぎず、圧力制限弁の最大圧力に従ってクランプ力が簡単に設定される。

本発明をより明確に理解するために、以下、好ましい例示的実施形態を、図面に示し、特定の用語を用いて記述する。しかし、本発明の保護の範囲はこれによって限定されることがないことを指摘しておきたい。何故なら、示されている装置のこのような変形形態及びさらなる修正形態、及び示されている本発明のさらなる適用形態は、能力のある当業者の、従来の現在及び将来の専門知識に含まれると考えられるからである。本発明の例示的実施形態が図に示されている。

図１は、手術台のテーブルコラム用のコラム脚部１０を示す斜視図であり、図２は、図１のラインＡ−Ａに沿った断面でコラム脚部１０を示す図である。

コラム脚部１０は、床側の基板１２（図２参照)とコラム側の足板１４とを備える。足板１４は、上方に垂直に伸びて、テーブルのコラム部分１６まで続く。テーブルコラムのさらなる構成部品、テーブルコラムのコラム頭部、及びコラム頭部に接続可能である又はこれに接続されたベッドは、図に示されていない。

足板１４は、垂直軸１８を中心として回転可能なように床側の基板１２上に取り付けられる。この場合、図２の横断面図で確認できるボール軌道面２０によって支点が形成される。

円形リング２２が、ボルト２３により床側の基板１２に固締される。円形リング２２は内向きの張り出し部分２４を有し、張り出し部分２４は足板１４を覆ってその外縁部分２６で係合する。円形リング２２の張り出し部分２４は、基板１２の外縁部分２６のための受け面を形成し、前記受け面により、足板１４が基板１２から垂直上昇されるのが防止される。円形リング２２の張り出し部分２４と基板１２の外縁部分２６との間には垂直方向の遊びがあり、したがって、足板１４は、通常、つまり以下により詳細に記述する方法でクランプされていない時には、垂直軸１８を中心として回転可能であり、張り出し部分２４との摩擦接触による大きな制動が起きることはない。

さらに、図３の斜視図に別に示されている足で作動するポンプ２８が、足板１４上に配置される。図１及び図３から分かるように、ポンプ２８はフットレバー３０を備え、この端部にフットペダル３２が配置される。フットペダル３２が押し下げられると、ポンプシャフト３４が、フットレバー３０を介して回転する。図１〜図３から分かるように、長い方の作業カム３６及び短い方のリリースカム３８（これらの機能については以下に記述する）が、ポンプシャフト３４の一方の端部に配置される。

ポンプ２８は、油圧ライン４０を介して、足板１４上に配置された２つの油圧クランプシリンダ４２に接続される（図１及び図２参照)。

ポンプ２８及び油圧クランプシリンダ４２は、（図４に概略的に示されており、コラム脚部１０のクランプ機能と共に以下に記述する）油圧回路を介して接続される。

上述したように、足板１４は、クランプされていない状態において、基板１２に対して垂直軸１８を中心として回転し得る。これにより、テーブルコラム（図示せず）のコラム頭部に固締されたベッド（図示せず）が、好適な位置へと回転し得る。ベッドが好適な位置に回転すると、足板１４は、以下に記述するように、ベッドが垂直軸１８を中心として回転するのを留めて置くよう、基板１２に対してクランプされる。

足板１４をクランプする又はロックするために、フットレバー３０のフットペダル３２が押し下げられる。この結果、ポンプ２８が作業カム３６を介して作動し、作動油が吸込弁４６を介して作動油タンク４４（図４参照)から吸い込まれる。このようにして吸い込まれた作動油は、逆止弁４８及び油圧ライン４０を介して油圧クランプシリンダ４２内へと汲み上げられ、したがって、そのピストン４３（図２参照)が伸長して、基板１２上で支持される。油圧ライン４０内の圧力が増加すると、足板１４が持ち上げられ、この結果、その外縁部分２６で、円形リング２２の張り出し部分２４に張力がかかる。この状態で、足板１４は、円形リング２２に対してクランプされ、垂直軸１８を中心とした回転はもはや不可能となる。

逆止弁４８により、汲み上げが終了した後も、ライン４０内の圧力が確実に維持され、したがって、足板１４は、円形リング２２を介して基板１２に対してクランプされたままとなる。

図４から分かるように、逃がし弁又は圧力制限弁５０が、ポンプ２８と逆止弁４８との間に配置される。この逃がし弁５０は、ポンプ２８と逆止弁４８との間の圧力が所定の最大圧力を超えた時に作動油タンク４４に対して開放されるような逃がし弁である。このため、クランプシリンダ４２に供給されたライン４０内の圧力が、この所定の最大圧力を決して超えないことが保証される。

上述した、逃がし弁５０を用いた設定により、足板１４は、クランプシリンダ４２の設置公差に関係なく、逃がし弁５０の最大圧力に対応する所定の最大クランプ力で、常に基板１２に対してクランプされる。特に確実となることは、余りにも高いクランプ圧力により、クランプ機構に負荷がかかりすぎることがないことである。

基板１２と足板１４との間のクランプ接続を解除するために、フットペダル３２（図１及び図３参照)が足で持ち上げられる。これにより、リリースカム３８は、油圧ライン４０を作動油タンク４４（図４参照)に接続する逃がし弁５４の作動部分５２（図２参照)に突き当たるまで、図２の例においては時計回りに動く。リリースカム３８が逃がし弁５４の作動部分５２に突き当たると、逃がし弁５４が開放され、この結果、作動油が油圧ライン４０から作動油タンク４４内に逃げて、クランプシリンダ４２に作用する圧力が減少する。このため、クランプシリンダ４２のピストン４３が収縮し、足板１４が下がり、足板１４と基板１２との間のクランプ動作が取り消される。

示されているコラム脚部１０の実施形態においては、高いクランプ動作が低い動作力によって生成され得る。本クランプ機構は、製作公差及び設置公差の影響を受けない。何故なら、本システムの目的は、クランプシリンダ４２のピストン４３の所定のストローク移動を達成することではなく、逃がし弁５０の支援により容易に生成され得る最大クランプ圧力を達成することであるからである。最後に、本明細書に記述されている油圧クランプシステムは、従来の純粋な機械的解決方法と比較して、その小さい構築空間が特長である。作動油は、ライン４０により任意の所望の経路に沿って伝わり得るので、たとえば、従来から使用されている機械シャフトとは異なり、ライン４０がさらなる構成部品の邪魔にならない。特に、２つのクランプシリンダ４２の間の構築空間が開放されている。

図面及び上記の記述において、好ましい例示的実施形態について詳細に記述してきたが、これは、単なる例示であり、本発明を制限するものではないと考えられたい。例示され記述されたものは好ましい例示的実施形態のみであり、本発明の保護の範囲内で現在及び将来において発現するすべての変形形態及び修正形態が保護されるべきものであることを指摘しておきたい。

コラム脚部の斜視図を示す。 図１のラインＡ−Ａに沿ったコラム脚部の横断面図を示す。 ２つのクランプシリンダに接続された足で作動するポンプの斜視図を示す。 油圧回路の概略図を示す。

符号の説明

１０ コラム脚部
１２ 床側の基板
１４ コラム側の足板
１６ テーブルのコラム部分
１８ 垂直軸
２０ ボール軌道面
２２ 円形リング
２３ ボルト
２４ 張り出し部分
２６ 外縁部分
２８ 足で作動するポンプ
３０ フットレバー
３２ フットペダル
３４ ポンプシャフト
３６ 作業カム
３８ リリースカム
４０ 油圧ライン
４２ 油圧クランプシリンダ
４３ ピストン
４４ 作動油タンク
４６ 吸込弁
４８ 逆止弁
５０ 圧力制限弁、逃がし弁
５２ 作動部分
５４ 逃がし弁

Claims (3)

1. コラム脚部（１０）とコラム頭部とを有するテーブルコラムと前記コラム頭部に接続可能である又は該コラム頭部に接続されたベッドとを備えた手術台であって、
   前記コラム脚部（１０）が、床側の基板（１２）とコラム側の足板（１４）とを備え、前記足板（１４）が、前記基板（１２）に回転可能に取り付けられ、かつ前記基板（１２）から垂直上昇しないように受け面（２４）により垂直方向の遊びを有して規制され、少なくとも１つの圧力作動クランプシリンダ（４２）が、前記受け面（２４）に対して前記足板（１４）を上方にクランプするために設けられ、
   前記受け面（２４）が円形リング（２２）によって形成され、前記円形リング（２２）は前記基板（１２）に接続され、前記足板（１４）をとり囲み、かつ前記足板（１４）の外縁部分を覆って少なくとも部分的に係合し、
   前記クランプシリンダ（４２）が前記基板（１２）と対向するように前記足板（１４）に配置されており、圧力媒体の作用を受けると伸長して前記基板（１２）に支持され、これにより、前記足板（１４）が持ち上げられて前記円形リング（２２）に対してクランプされることを特徴とする手術台。
2. 前記少なくとも１つのクランプシリンダ（４２）は、足で作動するポンプ（２８）を介して圧力流体により作用され得ることを特徴とする請求項１に記載の手術台。
3. 前記ポンプ（２８）と前記クランプシリンダ（４２）との間のライン（４０）が、圧力制限弁（５４）を介して前記圧力流体用のタンク（４４）に接続されることを特徴とする請求項２に記載の手術台。

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