JP6160865B2 - レール走行型クレーンのレールブレーキ装置 - Google Patents
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Description
港湾8において岸壁9に沿ってレール1が敷設されており、橋形クレーン2はこの走行装置4によってレール1に沿って走行可能となっている。
一般的にコンテナクレーンには、風による逸走を防止するために特許文献1に記載されているようなレールクランプ装置が設置されている。
レールブレーキ装置10は、筐体21と、ばね70と、ばね70を保持するばね台座73と、ばね台座73の底面に取付けられたロッド74とロッド74の下端部に取付けられたブレーキシュー26と、筐体21の下板上に設置された油圧シリンダ22とからなる。筐体21の上面をクレーン本体3の基端部に取付けることによってレールブレーキ装置10がクレーン本体3に固定される。また、油圧シリンダ22のピストンロッド23はばね台座73に当接しており、ピストンロッド23が前進・後退することによってばね台座73を昇降させてばね70を圧縮・復元するようになっている。
図6(B)は油圧シリンダ22のピストンロッド23が前進した状態を示しており、この時はばね70が圧縮されてブレーキシュー26がレール1の上面から離反してブレーキが開放された状態となる。
しかしながら、ばねを用いるとばねの圧縮状態によってブレーキシューの押し付け力が変化し、一定の制動力が得られない。このばねの圧縮状態の変化の要因は、レールの不陸(レール上下方向のうねり)が原因であるが、レールの不陸の修正は困難である。また、ばねを用いると十分な押し付け力が得られない状態でバランスしてしまい十分な制動力が得られない場合がある。また、既設のクレーンに設置する場合には、クレーンの剛性によっては、ブレーキシューの押付反力によりクレーン本体が上方に変形し、ブレーキはばねが更に伸びた状態で使用することになるため、十分な制動力が得られない場合がある。
更にばねの圧縮のために油圧シリンダを用いる場合には、ブレーキ開放の際にばねを圧縮する必要があるため、油圧シリンダは大きな推力が必要となる。
油圧で直接ブレーキシューを押し付ける提案もあるが、停電時のように、動力が遮断された場合に自動的に作動する構造とはなっていない。
(1)レール上を移動するレール走行型クレーンの逸走を防止するレールブレーキ装置であって、
前記レールブレーキ装置は駆動手段として油圧シリンダを備えており、前記油圧シリンダのピストンロッドの先端にはブレーキシューが設けられており、
前記油圧シリンダはピストンロッドが前進及び後退運動を行うための二つの油室を有しており、
前記油圧シリンダの作動油を供給する油圧ポンプと、油圧シリンダのピストンロッドの前進時と後退時とで油路の方向を逆方向に切り換える電磁弁とを備えており、
油圧シリンダの二つの油室のそれぞれに連通されたアキュムレータを有し、
前記油圧ポンプは前記アキュムレータに蓄える作動油の圧力に対応して作動し、
前記ピストンロッドが伸長することによって前記ブレーキシューがレールの上面に押し付けられてブレーキが掛かるようにされていることを特徴とするレールブレーキ装置。
(2)アキュムレータに蓄える作動油の圧力を設定する圧力スイッチを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレールブレーキ装置。
(3)電磁弁を励磁した時に、油圧シリンダのピストンロッドが後退してブレーキシューをレールから離反させるようにし、電磁弁を無励磁にした時に、アキュムレータに蓄圧された油圧により油圧シリンダのピストンロッドが前進してブレーキシューがレールに押し付けられるようにしたことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のレールブレーキ装置。
本発明の一実施形態に係るレールブレーキ装置は、例えば図4に示したような、クレーン本体3とそのクレーン本体3をレール1に沿って走行させるための走行装置4を備えた走行式クレーン2に設置されて、その走行式クレーン2が突風によって逸走するのを防止するためのものである。
図1に示すものにおいては、クレーン本体3の走行台車11aと走行台車11bとの間にレールブレーキ装置10が設けられている。レールブレーキ装置10は油圧シリンダ22を備えており、油圧シリンダ22のピストンロッド端部にはブレーキシュー26が設けられている。
図2は本実施形態のレールブレーキ装置10の構成及び動作を示す図であり、図2(A)はブレーキをかけた状態を示し、図2(B)はブレーキを開放した状態を示す。
レールブレーキ装置10は筐体21を有しており、この筐体21の中に油圧シリンダ22が収容されている。
レールブレーキ装置10は筐体21の上板21aを介してクレーン本体3に取付けられる。
油圧シリンダ22は支持部材24によって筐体21の横板21bによって支持されている。
また、油圧シリンダ22のピストンロッド23は筐体21の下板21cに設けられたガイド部材25によって往復運動が案内される。
ピストンロッド23の下端部にはブレーキシュー26が設けられている。
図2(B)は油圧シリンダ22が作動してピストンロッド23が上昇し、ブレーキシュー26がレール1の上面から離れてブレーキが開放された状態を示す。
なお、上記の実施態様では筐体21を用いて油圧シリンダを支持する例を示したが、油圧シリンダを支持し、動作させることができれば筐体を用いる必要はなく、筐体に代えて枠体等の支持部材を用いても良い。
図3において、油圧回路30は、作動流体である油31が貯留されたリザーバタンク32と、油圧シリンダ本体22の二つのシリンダ室22a、22bへの作動流体の給排路34a、34bとが電磁弁39を介して作動流体ライン35及び前記リザーバタンク32へ作動流体を戻すための循環ライン38に接続されている。また、作動流体ライン35と循環ライン38とはリリーフライン40によってリリーフ弁41を介して接続されている。このリリーフ弁41は作動流体ライン35における作動流体の圧力が設定圧以上となった際に開いて作動流体を循環ライン38を介してリザーバタンク32へ戻す作用をする。
圧力スイッチ43はアキュムレータ42に蓄える作動油の圧力を設定するもので、アキュムレータ42に蓄える作動油の圧力が設定値の上限を上回ると油圧ポンプ37を回転駆動する電動機36を非通電にし、アキュムレータ42に蓄える作動油の圧力が設定値の下限を下回ると電動機36に通電する作用をする。
アキュムレータ42は、停電時にブレーキシューを作動させる動力源となる。
また、アキュムレータ42を設けることによりブレーキが動作するまでの時間を油圧ポンプ37のみを設けた場合に比べて短縮することができる。
このように、電磁弁を無励磁にしたときにブレーキが掛かるようにしておくことにより停電時(無励磁時)にブレーキが作動する設備とすることができ、安全を確保することができる。
2 クレーン
3 クレーン本体
4 走行装置
5 回転カム
6 挟み機構
7 ばね機構
8 港湾
9 岸壁
10 レールブレーキ装置
11a、11b 走行台車
21 筐体
21a 上板
21b 横板
21c 下板
22 油圧シリンダ
22a、22b シリンダ室
23 ピストンロッド
24 支持部材
26 ブレーキシュー
30 油圧回路
31 作動流体(油)
32 リザーバタンク
33 逆止弁
34a、34b 作動流体の給排路
35 作動流体ライン
36 電動機
37 油圧ポンプ
38 循環ライン
39 電磁弁
40 リリーフライン
41 リリーフ弁
42 アキュムレータ
43 圧力スイッチ
51 カム軸
60b、61b挟 み部(ブレーキシュー)
60、61 リンク(接触子)
60a,61a カム受部
70 コイルばね
71 ロッド
72a、72b ばね受け
73 ばね台座
74 ロッド
Claims (3)
- レール上を移動するレール走行型クレーンの逸走を防止するレールブレーキ装置であって、
前記レールブレーキ装置は駆動手段として油圧シリンダを備えており、前記油圧シリンダのピストンロッドの先端にはブレーキシューが設けられており、
前記油圧シリンダはピストンロッドが前進及び後退運動を行うための二つの油室を有しており、
前記油圧シリンダの作動油を供給する油圧ポンプと、油圧シリンダのピストンロッドの前進時と後退時とで油路の方向を逆方向に切り換える電磁弁とを備えており、
油圧シリンダの二つの油室のそれぞれに連通されたアキュムレータを有し、
前記油圧ポンプは前記アキュムレータに蓄える作動油の圧力に対応して作動し、
前記ピストンロッドが伸長することによって前記ブレーキシューがレールの上面に押し付けられてブレーキが掛かるようにされていることを特徴とするレールブレーキ装置。 - アキュムレータに蓄える作動油の圧力を設定する圧力スイッチを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレールブレーキ装置。
- 電磁弁を励磁した時に、油圧シリンダのピストンロッドが後退してブレーキシューをレールから離反させるようにし、電磁弁を無励磁にした時に、アキュムレータに蓄圧された油圧により油圧シリンダのピストンロッドが前進してブレーキシューがレールに押し付けられるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のレールブレーキ装置。
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