JP4915828B2 - イヌの腫瘍治療薬 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛋白質の一次構造がイヌの遺伝情報由来であるイヌインターロイキン18を遺伝子操作技術により量産し、以って動物用医薬品(抗腫瘍・抗アレルギー・抗ウイルス・ワクチンアジュバント)とする事を目的とした、組換えベクター、組換えウイルス、形質転換体、イヌインターロイキン18、イヌインターロイキン1β変換酵素およびインターロイキン18の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫調節作用を示すインターロイキン12(以下IL12と略記する)は、インターフェロンγ誘導活性、ナチュラルキラー細胞および1型ヘルパーT細胞を活性化するなどの生理活性作用を有するサイトカイン(文献1)で、特に細胞性免疫の強力な活性化作用により、抗腫瘍薬や抗アレルギー薬の候補として非常に有望視されている(文献2、3)。 インターロイキン18(以下IL18と略記する)もIL12と同様の活性を示すサイトカインとして最近クローニングされ(文献4)、IL12との共同作用によりそれらの活性がさらに強まることが報告されている(文献5)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
遺伝子操作技術によりマウスのIL18(文献4)に続き、ヒトのIL18のcDNAもクローニングされ(文献6)、その遺伝子組換え手法を用いた量産化が検討されている。しかしながら、IL18は細胞内から分泌されるためのシグナル配列を持たず、そのため細胞内から活性型で分泌するためには、インターロイキン1β変換酵素(以下ICEと略記する)によるIL18前駆体タンパクのプロセシングが必要で、IL18の遺伝子を単独で動物細胞に導入しても活性型IL18として発現せず(文献7)、細胞を用いた組換え型IL18の効率的な大量生産は困難であった。
【0004】
IL18の遺伝子組換え手法を用いた量産により、腫瘍やアレルギー、ウイルス病などの治療薬としての開発が期待される。
【0005】
また、ヒトと同様ペット、特にイヌにも、乳腺腫瘍など多数の腫瘍、アレルギー性の皮膚炎、パルボウイルス感染症、ジステンバー感染症など多数のウイルス病などが知られており、その治療薬の開発が求められている。
【0006】
イヌのIL18がクローニングされたという報告は未だない。そこで、イヌIL18がクローニングされれば、新たなイヌの治療薬となる可能性がある。
【0007】
また、IL18を細胞で遺伝子組換え手法を用いて容易に量産することが可能になれば、ヒトをはじめ、動物の抗腫瘍薬、抗アレルギー薬、抗ウイルス薬など、IL18としての用途が開かれることが期待される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる状況に鑑み、イヌIL18のcDNAのクローニングおよびIL18遺伝子の大量発現を目的とし、創意工夫を成し、イヌのcDNAからイヌIL18をコードする遺伝子をクローニングすることに成功し、またIL18の前駆体タンパクをコードするDNAを含む組換えバキュロウイルスを作製し、これを昆虫細胞または幼虫に感染させることによって驚くべきことにICEの処理無しに活性型IL18が生産されることを見出し、また、活性型イヌIL18をコードする遺伝子の前にシグナル配列をコードする遺伝子を付加した遺伝子を作製することにより、更に活性型IL18の生産量が向上することを見出した。更にはイヌのcDNAからイヌICEをコードする遺伝子をクローニングすることに成功し、イヌIL18の前駆体タンパクをコードするDNAとイヌICEをコードするDNAを同時に含む組換えバキュロウイルスを作製し、昆虫細胞または幼虫に感染させることによってイヌIL18の大量生産にも成功し、以って簡単に大量にIL18を製造する方法を確立し、かくして本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、イヌ白血球に作用して抗ウイルス活性因子およびイヌ腫瘍細胞上のクラスIIMHCの発現を増強する因子を誘導する能力、イヌリンパ球の増殖を促進する能力、イヌリンパ球およびイヌ腫瘍細胞上のFasリガンドの発現を増強させる能力、イヌ腫瘍細胞を障害し死滅させる能力、イヌ生体に発生した腫瘍を縮小させる能力、およびイヌ白血球を活性化してイヌのアレルギーを抑制する能力から選ばれる少なくとも1つの能力を有するイヌインターロイキン18に関する。
【0010】
さらに本発明は、IL18を生産させる組換えベクター、これらの組換えベクターを有する大腸菌の形質転換体、および昆虫細胞または幼虫でIL18を生産させる組換えバキュロウイルス、並びにこれらから得られるIL18、また、IL18の製造方法を提供するものである。さらに本発明はイヌIL18をコードする遺伝子、イヌICEおよびイヌICEをコードする遺伝子も提供する。さらに、IL18を含むイヌの腫瘍治療薬を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のイヌIL18をコードするDNAを組込んだ組換えベクターは例えば次のようにして製造することができる。すなわち、イヌの細胞からポリ(A)RNAを抽出した後、cDNAを合成し、マウスやヒトのIL18をコードする遺伝子配列を元にしたプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(以下PCRと略す)を行い、さらに合成したcDNAよりファージライブラリーを作製し、PCRによって得られた遺伝子断片とプラークハイブリダイゼーションを行うことにより、イヌIL18cDNAの全長をクローニングすることができる。イヌICEcDNAの全長も同様にしてクローニングすることができる。
【0012】
イヌの臟器などよりRNAを得る方法としては、通常の方法、例えば、ポリソームの分離、ショ糖密度勾配遠心や電気泳動を利用した方法などがあげられる。上記イヌ臟器やイヌ細胞よりRNAを抽出する方法としては、グアニジン・チオシアネート処理後CsCl密度勾配遠心を行うグアニジン・チオシアネート−塩化セシウム法(文献8)バナジウム複合体を用いてリボヌクレアーゼインヒビター存在下に界面活性剤で処理したのちフェノール抽出を行う方法(文献9),グアニジン・チオシアネート−ホット・フェノール法、グアニジン・チオシアネート−グアニジン塩酸法、グアニジン・チオシアネート−フェノール・クロロホルム法、グアニジン・チオシアネートで処理したのち塩化リチウムで処理してRNAを沈殿させる方法などの中から適当な方法を選んで行うことができる。
【0013】
イヌ臟器やマイトージェンなどで刺激されたイヌ単核球やリンパ球より通常の方法、例えば、塩化リチウム/尿素法、グアニジン・イソチオシアネート法、オリゴdTセルロースカラム法等によりmRNAを単離し、得られたmRNAから通常の方法、例えば、Gublerらの方法(文献10),H.Okayamaらの方法(文献11)等によりcDNAを合成する。得られたmRNAからcDNAを合成するには、基本的にはトリ骨芽球ウイルス(AMV)などの逆転写酵素などを用いるほか1部プライマーを用いてDNAポリメラーゼなどを用いる方法を組み合わせてよいが、市販の合成あるいはクローニング用キットを用いるのが便利である。
【0014】
このcDNAを鋳型としてマウスやヒトの塩基配列をもとにしたプライマーを用いてPCRを行い、さらに合成したcDNAをλファージベクターに連結した後、インビトロでλファージのコート蛋白質などと混合することによりパッケージングし、その生成されたファージ粒子を宿主となる大腸菌に感染させる。この際、λファージの感染した大腸菌は溶菌し、1個1個のクローンがプラークとして回収される。このプラークをニトロセルロースなどのフィルターに移し、放射標識したPCRで得た遺伝子をプローブとしたハイブリダイゼーションにより、イヌIL18やイヌICEをクローニングすることができる。
【0015】
宿主としては原核生物又は真核生物を用いることができる。原核生物としては細菌、特に大腸菌(Escherichia coli),バチルス属(Bacillus)細菌、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等を用いることができる。真核生物としては酵母、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)属酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエー(Saccharomyces serevisiae)等の真核性微生物、昆虫細胞、例えば、ヨガ細胞(Spodoptera frugiperda),キャベツルーパー細胞(Trichoplusiani),カイコ細胞(Bombyx mori),動物細胞、例えばヒト細胞、サル細胞、マウス細胞等を使用することができる。本発明においてはさらに、生物体それ自体、例えば昆虫、例えばカイコ、キャベツルーパー等を用いることもできる。
【0016】
発現ベクターとしては、プラスミド、ファージ、ファージミド、ウイルス(バキュロ(昆虫)、ワクチニア(動物細胞))等が使用できる。発現ベクター中のプロモーターは宿主細菌に依存して選択され、例えば細菌用プロモーターとしてはlacプロモーター、trpプロモーター等が使用され、酵母用プロモーターとしては、例えばadh1プロモーター、pqkプロモーター等が使用される。また、昆虫用プロモーターとしてはバキュロウイルスポリヘドリンプロモーター、p10プロモーター等、動物細胞としてはSimian Virus40のearlyまたはlateプロモーター等があげられるが、これらに限定されない。 発現ベクターによる宿主の形質転換は、当業界においてよく知られている常法により行うことができ、これらの方法は例えば、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley& Sons社、に記載されている。形質転換体の培養も常法に従って行うことができる。
【0017】
IL18を細胞を用いて生産する場合、その前駆体タンパクにシグナル配列が存在しないため、ICEなどによるIL18前駆体タンパクのプロセシングが必要である。そのため、IL18前駆体タンパクとICEを同時に発現させることによって活性型IL18が生産できる。例えば、配列番号:2に示すイヌICEをコードする遺伝子とイヌIL18をコードする遺伝子を同時に含む発現ベクターを用いることによって活性型イヌIL18を細胞で生産することができる。
【0018】
また、活性型IL18をコードする遺伝子の前にシグナル配列をコードする遺伝子を付加することによって活性型IL18が生産できる。例えば、配列番号:9に示すようにシグナル配列をコードする遺伝子を含む遺伝子を用いることによって活性型イヌIL18を細胞で生産することができる。
【0019】
イヌIL18は、例えば、カイコに感染する組換えカイコ核多角体病ウイルスを作製することによって、カイコ発現系を用いて生産することができる。組換えカイコ核多角体病ウイルスは、イヌIL18の蛋白質をコ−ドするDNAをカイコのクローニングベクターに連結して作製した組み換え体プラスミドとカイコ核多角体病ウイルスDNAとを、カイコ樹立細胞にコトランスフェクションして作製することができる。従って、組み換え体ウイルスは、in vivo的な方法で作製することができる。
【0020】
すなわち、イヌIL18の蛋白質をコードするDNA部分を、例えばpBK283などのカイコのクローニングベクターの発現調節部分の下流に連結するという一般的な遺伝子操作に従って組換え体プラスミドを作製することができる。この組換え体プラスミドとカイコ核多角体病ウイルスDNA(文献12)とを、文献のような方法でカイコ樹立細胞、例えばBM−N株(文献12)にコトランスフェクションした後、培養を続け、培養液中に出現した非組換え体(野性型)と組換え体のウイルスの中から限界希釈法、もしくはプラーク法などの一般的な方法によって組換え体ウイルスをクローニングすることができる。組換え体ウイルスは多角体の形成能がないことから、野性型ウイルスと容易に区別できる。イヌIL18の生産は、前記の組換えカイコ核多角体病ウイルスをカイコ樹立細胞中、またはカイコ生体中で増殖させることにより行なう。
【0021】
カイコ樹立細胞を用いる場合は、前記組換え体ウイルスを含む培養液により、BM−N細胞を感染させ、平面培養または浮遊培養により培養する。BM−N細胞を培養する培地としては、例えば牛血清を添加したTC−10培地(文献12)を使用することができる。培養温度は25〜28℃が適当である。培養後、培溶液を遠心分離しその上清からイヌIL18を回収する。
【0022】
カイコ生体を用いる場合は、前記の組換え体ウイルスを含む培養液をカイコ幼虫に注射して、合成飼料を与えて飼育する。飼育後、体液を採取しその上清からイヌIL18を回収する。
【0023】
産生されたイヌIL18タンパクは,非還元下、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により決定すると、見かけの分子量が約15〜20kDである。
【0024】
イヌIL18は、以下の実施例で示すように、イヌ白血球からのイヌIFNγの誘導能、腫瘍細胞上のFasリガンド分子の発現増強能、イヌ腫瘍細胞に対する抗腫瘍作用などの活性により特性化される。イヌIFNγの活性はCPE法(文献14)を用いた抗ウイルス活性およびイヌ腫瘍細胞上のクラスIIMHC分子の発現増強活性により測定する。腫瘍細胞上のFasリガンド分子の発現増強活性およびクラスIIMHC分子の発現増強活性は、蛍光を標識したそれら分子に対する抗体を細胞に反応させ、フローサイトメーターなどの蛍光強度を測定できる装置によって蛍光の強度を測定し、それが10%以上上昇した場合に活性があると判定できる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】
実施例1
イヌIL18のクローニング
(1)イヌcDNAの調製
イヌ膵臓、腎臓、肝臓および鶏ニューカッスル病ウイルスで7時間処理したイヌ脾臓由来リンパ球よりISOGEN(ニッポンジーン社製)を用いて総RNAを調製した。得られたRNAを1mM EDTAを含む10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)(以下TEと略記する)に溶解し、70℃で5分間処理した後、1M LiClを含むTEを同量加えた。0.5M LiClを含むTEで平衡化したオリゴdTセルロースカラムにRNA溶液をアプライし、同緩衝液にて洗浄した。さらに0.3M LiClを含むTEにて洗浄後、0.01% SDSを含む2mM EDTA(pH7.0)で吸着したポリ(A)RNAを溶出した。こうして得られたポリ(A)RNAを用いて一本鎖cDNAを合成した。すなわち、滅菌した0.5mlのミクロ遠心チューブに5μgのポリ(A)RNAと0.5μgのオリゴdTプライマー(12−18mer)を入れ、ジエチルピロカルボネート処理滅菌水を加えて12μlにし、70℃で10分間インキュベートしたのち氷中に1分間つけた。これに200mM トリス塩酸(pH8.4),500mM KCl溶液を2μl,25mM MgCl2 を2μl,10mM dNTPを1μlおよび0.1M DTTを2μlそれぞれ加え、42℃で5分間インキュベートしたのち、200ユニットのGibcoBRL社製SuperScript II RTを1μl加え、42℃でさらに50分間インキュベートしてcDNA合成反応を行った。さらに70℃で15分間インキュベートして反応を停止し、氷上に5分間置いた。この反応液に1μlのE.coli RNaseH(2units/ml)を加え、37℃で20分間インキュベートした。
【0027】
(2)イヌcDNAファージライブラリーの調製
上記(1)で得られたポリ(A)RNA1μgづつを用い、ファルマシア社のタイムセーバーcDNA合成キットにて添付のマニュアルに従い、オリゴdTプライマーを用いて2本鎖cDNAを合成し、さらにEcoRI/NotIアダプターを連結した。これを用いて、アマシャム社のcDNAラピットクローニングモジュール−λgt10にて添付のマニュアルに従い、組換えλgt10ベクターを作製し、さらにアマシャム社のインビトロパッケージングモジュールにて添付のマニュアルに従い、組換え体ファージを作製した。
【0028】
(3)イヌIL18のcDNAクローニング
マウスIL18の塩基配列(文献4)をもとに、
5´aactttggccgacttcactgtacaaccgcagtaatacgga3´(配列番号5)

5´ccttcatacagtgaagattcaaactccatcttgttgtgtc3´(配列番号6)
の2種類のプライマーをDNAシンセサイザーにて合成した。上記(1)のイヌ肝臓より得られたcDNAを0.5mlのミクロ遠心チューブに2μl取り、各プライマーを20pmol,20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、1.5mM MgCl2 、25mM KCl,100μg/ml ゼラチン、50μM各dNTP、4単位 TaqDNAポリメラーゼとなるように各試薬を加え、全量100μlとする。DNAの変性条件を94℃,1分、プライマーのアニーリング条件を45℃、2分、プライマーの伸長条件を72℃、3分の各条件でMJRESERCH社のProgrammable Thermal Controllerを用い、40サイクル反応させた。これを1%アガロースゲルにて電気泳動し、約360bpのDNA断片を常法(文献13)に従って調製した。
【0029】
このDNA断片をInvitrogen社のT−Vectorに宝酒造(株)のDNA Ligation Kit Ver.2を用いて連結した。これを用いて常法に従い大腸菌を形質転換し、得られた形質転換体よりプラスミドDNAを常法により調製した。次にこのプラスミドにPCR断片が挿入されていることを前述と同じ条件のPCRによって確認し、蛍光DNAシーケンサー(パーキンエルマー社製DNAシーケンサー373S)を用い、その添付プロトコールに従って、パーキンエルマー社のダイターミネーターサイクルシーケンシングキットを用いて、挿入したDNAの塩基配列を決定した。次に、この配列を含む、360bpのDNA断片に宝酒造(株)のRandom Primer DNA Labeling Kitを用いて32Pで標識し、プローブを作製した。上記(2)で得られたイヌ肝臓cDNAから作製した組換え体ファージライブラリーを大腸菌NM514上でプラークとして形成させ、アマシャム社のHybond−N+に常法に従って転写した。Hybond−N+は、5×SSPE(0.9M NaCl,50mM NaH2PO4,5mM EDTA,pH7.4),5×デンハルト溶液(0.1%フィコール、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ウシ血清アルブミン)、0.1%SDS、100μg/mlサケ精子DNA中、65℃で2時間インキュベートし、ついで同じ溶液中で上述のようにして作製した標識プローブ1×106cpm/mlとハイブリダイズした。65℃で1晩インキュベートした後、Hybond−N+を0.2×SSC(30mM NaCl,3mMクエン酸ナトリウム)、0.1%SDS中15分、3回洗浄し、富士写真フィルム(株)の富士イメージングプレートに12時間露出し、富士写真フィルム(株)のバイオイメージングアナライザーにて解析した。陽性のシグナルを有するプラークは常法に従い、再スクリーニングを行った。3回のスクリーニングの結果、陽性シグナルを有する1個の組換え体ファージを得た。この組換え体ファージより常法に従ってファージDNAを抽出し、制限酵素EcoRIで切断した後、1%アガロースゲル電気泳動にて得られた約1.4kbのDNA断片を常法に従い調製し、宝酒造(株)のDNA Ligation Kit Ver.2を用いて、宝酒造(株)のpUC118BAP処理DNA(EcoRI/BAP)と連結した。これを用いてプラスミドDNAを常法により調製し、蛍光DNAシーケンサー(パーキンエルマー社製DNAシーケンサー373S)を用い、その添付プロトコールに従って、パーキンエルマー社のダイターミネーターサイクルシーケンシングキットを用いて、得られた約1.4kbのDNA断片の塩基配列を決定した。このうち、イヌIL18の前駆体をコードする配列を配列番号:1に、全塩基配列を配列番号:3に示す。
【0030】
(4)イヌICEのcDNAクローニング
ヒトICEの塩基配列(文献15)をもとに、
5´atggccgacaaggtcctgaaggagaagagaaagctgttt3´(配列番号7)

5´atgtcctgggaagaggtagaaacatcttgtcaaagtcac3´(配列番号8)
の2種類のプライマーをDNAシンセサイザーにて合成した。上記(1)の鶏ニューカッスル病ウイルスで処理したイヌ脾臓由来リンパ球より得られたcDNAを0.5mlのミクロ遠心チューブに2μl取り、各プライマーを20pmol,20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、1.5mM MgCl2 、25mM KCl,100μg/ml ゼラチン、50μM各dNTP、4単位 TaqDNAポリメラーゼとなるように各試薬を加え、全量100μlとする。DNAの変性条件を94℃,1分、プライマーのアニーリング条件を55℃、2分、プライマーの伸長条件を72℃、3分の各条件でMJ RESERCH社のProgrammable Thermal Controllerを用い、35サイクル反応させた。これを1%アガロースゲルにて電気泳動し、約1.2kbのDNA断片を調製した。上記(3)と同様にしてこのDNA断片の塩基配列を決定した後、この配列を含む1.2kbのDNA断片を用いて標識プローブを作製した。上記(2)で得られた鶏ニューカッスル病ウイルスで処理したイヌ脾臓由来リンパ球より得られたcDNAから作製した組換え体ファージライブラリーを上記(3)と同様にして標識プローブとハイブリダイズし、スクリーニングを行った。その結果得られた陽性シグナルを有する1個の組換え体ファージよりDNAを抽出し、制限酵素NotIで切断した後、1%アガロースゲル電気泳動にて得られた約1.5kbのDNA断片をSTRATAGENE社のpBluescriptIIのNotIサイトに常法に従い連結した。これを用いてプラスミドDNAを調製し、蛍光DNAシーケンサーを用いて、得られた約1.5kbのDNA断片の塩基配列を決定した。このうち、イヌICEをコードする配列を配列番号:2に、全塩基配列を配列番号:4に示す。
【0031】
実施例2
イヌIL18の生産
(1)イヌIL18の大腸菌での生産
実施例1で得られたイヌIL18の前駆体タンパクをコードするDNAを鋳型とし、制限酵素NcoIおよびBamHI切断部位を付加したプライマーを用いてPCR法にてNcoIおよびBamHI切断部位を付加した活性型イヌIL18タンパクをコードするDNA断片を調製した。このDNA断片を制限酵素で切断し、大腸菌発現ベクターであるpET8cのプロモーター下流の制限酵素NcoIおよびBamHI切断部位に連結した。これを用いて常法に従い大腸菌HB101を形質転換した。100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上に生育するコロニーのうち15個を100μg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地中で8時間培養し、集めた菌体からプラスミドを抽出、精製後、制限酵素NcoIおよびBamHIで切断し、約580bpのDNA断片が得られた活性型イヌIL18をコードするDNA断片を含んだプラスミドを得た。この組換えベクターをpETCaIGとし、これを用いて定法に従い、大腸菌BL21を形質転換した。この大腸菌をE.coli(pETCaIG)と名付けた。
【0032】
得られたE.coli(pETCaIG)のシングルコロニーを100μg/mlのアンピシリンを含む5mlのLB培地に植菌した。OD600が約0.7になるまで37℃で培養し、終濃度0.5mMのイソプロピルーβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を加えて、さらに1.5時間培養した。
【0033】
培養液1.5mlを1.5mlのマイクロ遠心チューブに取り、12000rpmで5分間遠心後、上清を捨て、1.5mlの10mMトリス塩酸(pH7.5)に懸濁し、氷上にてハンディーソニックを用いて菌体を破砕した。20000rpmで30分間遠心し、可溶性画分(上清)を得、0.22μmのフィルターでろ過滅菌後、イヌIL18が生産された溶液を得た。
【0034】
また、制限酵素BamHI切断部位を付加したプライマーを用いてPCR法にてBamHI切断部位を付加した活性型イヌIL18タンパクをコードするDNA断片を調製し、制限酵素で切断後、大腸菌発現ベクターであるpGEX−5X(ファルマシア社製)のBamHI切断部位に連結し、上記と同様の操作により大腸菌BL21を形質転換後、可溶性画分を得た。この画分をグルタチオンセファロースカラム(ファルマシア社製)にアプライした。その溶出画分をファルマシア社製のFactor Xaを用いて切断し、さらに同じカラムにアプライした。カラムに結合しない活性型イヌIL18タンパクを含む画分を回収した。こうして精製された活性型イヌIL18タンパクはSDS−PAGE解析によると、純度が90%以上であった。また、ワコー社のリムルステストキットを用いた解析によると、このタンパク1mg中にエンドトキシンは全く検出されなかった。
【0035】
(2)イヌIL18産生組換えバキュロウイルスの作製
バキュロウイルストランスファーベクターpVL1392(ファーミンジェン社製)のプロモーター下流の制限酵素PstIおよびEcoRI切断部位にイヌIL18の前駆体をコードする配列番号:1に記載のDNAを常法に従って連結し、組換えトランスファーベクターを得た。さらにファーミンジェン社製のバキュロウイルストランスフェクションキットを用いてその添付マニュアルに従って、組換えバキュロウイルスrAcCaIGー1を得た。
【0036】
また、同様にして、シグナル配列を含む配列番号:9に記載のDNAをpVL1392に連結し、組換えトランスファーベクターを作製し、組換えバキュロウイルスrAcCaIGー2を得た。
【0037】
さらに、同様にして、バキュロウイルストランスファーベクターpAcAB3(ファーミンジェン社製)のプロモーター下流の制限酵素XbaIとBamHI切断部位にそれぞれイヌIL18の前駆体をコードするDNAとイヌICEの前駆体をコードするDNAを連結し、組換えバキュロウイルスrpAcCaIGICEを得た。
【0038】
(3)昆虫細胞でのイヌIL18の生産
上記(2)で得られたrAcCaIGー1、rAcCaIGー2およびrpAcCaIGICEをファーミンジェン社製のバキュロウイルスProtein−Free Insect Mediumで75cm2のフラスコでコンフルエントまで平面培養したSf21細胞(Spondoptera frugeruda由来、ファーミンジェン社製)にそれぞれ感染させ、4日間培養した後、イヌIL18が生産された培養上清を得た。
【0039】
(4)カイコ生産用イヌIL18産生組換えバキュロウイルスの作製
トランスファーベクターpBK283(フナコシ社製)のプロモーター下流の制限酵素EcoRI切断部位にイヌIL18の前駆体をコードするDNAを常法に従って連結し、組換えトランスファーベクターを得た。文献12の方法で組換えウイルスを作製した。すなわち、50mM HEPESバッファー(pH7.1)、0.28M NaCl、0.7mM Na2HPO4、0.7mM NaH2PO4からなる2.5mlの溶液に、2.5mlのDNA混合液(0.25M CaCl2、カイコ核多角体病ウイルスBmNPV T3株(文献12)のDNA10μg、組換えトランスファーベクター65μgを含む)を滴下し、生じた懸濁液0.5mlを5mlの10%FBSを添加したTC−10培地(文献12)中、25cm2のフラスコで平面培養した約3×105個のBmN細胞の培養基に加え、カイコ細胞にDNAを導入した。20時間後、新鮮な培地と交換し、さらに7日間培養後、培養液を回収した。その培養液を遠心して清澄化した上清を希釈して平面に培養したBM−N細胞の培養基に添加して8日間培養後、顕微鏡観察によりウイルス感染が見られ、かつ多角体が形成していない培養基を選択した(限界希釈法)。
【0040】
限界希釈法を7回繰り返し、組換え体ウイルスrBmCaIGを得た。
【0041】
(5)カイコ生体中でのイヌIL18の生産
5令2日目のカイコ幼虫に、前記(3)で得た組換え体ウイルスのウイルス液を50μl/頭注射し、25℃で4日間、市販の人工飼料(カネボウシルクエレガンス社製)を与えて飼育後、10頭のカイコの腹部を切り、体液を氷冷したエッペンドルフチューブに採取し、遠心分離後の上清を得、0.22μmのフィルターでろ過滅菌後、イヌIL18が生産された体液を得た。
【0042】
実施例3
イヌIL12の調製
(1)イヌIL12cDNAの調製
LPS(50μg/ml)で48時間刺激したイヌ末梢血単核球よりISOGEN(ニッポンジーン社)を用いて総RNAを調製した。得られたRNAを1mM EDTAを含む10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)(以下TEと略する。)に溶解し、70℃で5分間処理した後、1M LiClを含むTEを同量加えた。0.5M LiClを含むTEで平衡化したオリゴdTセルロースカラムにRNA溶液をアプライし、同緩衝液にて洗浄した。さらに0.3M LiClを含むTEにて洗浄後、0.01% SDSを含む2mM EDTA(pH7.0)で吸着したポリ(A)RNAを溶出した。こうして得られたポリ(A)RNAを用いて一本鎖cDNAを合成した。すなわち、滅菌した0.5mlのミクロ遠心チューブに5μgのポリ(A)RNAと0.5μgのオリゴdTプライマー(12−18mer)を入れ、ジエチルピロカルボネート処理滅菌水を加えて12μlにし、70℃で10分間インキュベートしたのち氷中に1分間つけた。これに200mM トリス塩酸(pH8.4),500mM KCl溶液を2μl,25mM MgCl2 を2μl,10mM dNTPを1μlおよび0.1M DTTを2μlそれぞれ加え、42℃で5分間インキュベートしたのち、200ユニットのGibcoBRL社製SuperScript II RTを1μl加え、42℃でさらに50分間インキュベートしてcDNA合成反応を行った。さらに70℃で15分間インキュベートして反応を停止し、氷上に5分間置いた。この反応液に1μlのE.coli RNaseH(2units/ml)を加え、37℃で20分間インキュベートした。得られたcDNAを鋳型として、
イヌIL12の塩基配列(文献16)をもとに、PCR法によってイヌIL12のP40サブユニットおよびP35サブユニットの各遺伝子を取得し、定法に従い、これらを発現ベクターpCDL−SRα296(文献17)にそれぞれ連結し、FOCaIL12P40およびFOCaIL12P35を得た。それぞれ5μgのFOCaIL12P40およびFOCaIL12P35を50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)、400μg/mlのDEAEデキストラン(ファルマシア製)および100μMのクロロキン(シグマ社)を含む4mlのERDF培地(極東製薬(株)社製)に加えた。一方、直径10cmのディッシュを用いて10%ウシ胎児血清(ギブコ社、以下FBSと略記する)で50%コンフルエントになるまで増殖させたCOS−1細胞(ATCC CRL−1650)をPBSで一回洗浄した後、上記で得た4mlのDNA混合液を加え、5%CO2 、37℃の条件で培養した。4時間後、細胞をPBSで洗浄した後、20mlのERDF培地にて5%CO2 ,37℃の条件で4日間培養し、CaIL12が生産された培養上清を得た。
【0043】
実施例4 イヌIL18の活性測定
実施例2で生産されたイヌIL18の活性測定は以下のようにして行った。イヌ脾臓よりリンパ球を分離し、10%の牛胎児血清(FBS)を含むERDF培地(極東製薬(株)製)に106 cells/mlの細胞密度で懸濁し、このうち2.5mlとヒトIL2(Genzyme社製)250Uを6cmディッシュに添加した。これに実施例2(3)で得られたそれぞれの培養上清2.5mlを加え、5%CO2 、37℃の条件で2日間培養し、ウイルスとしてVesicular Stomatitis Virus,感受性細胞としてMDCK(ATCC CCL−34)を用い、文献14のCPE法に従ってこの培養液の抗ウイルス活性を測定した。その結果、組換えウイルスrAcCaIG−1を感染させて得られた培養上清で約104 希釈単位/mlの抗ウイルス活性が検出され、組換えウイルスrAcCaIG−2およびrpAcCaIGICEを感染させて得られた培養上清で106希釈単位/ml以上の抗ウイルス活性が検出された。また、実施例2(1)および(5)で得られた大腸菌およびカイコ体液の抗ウイルス活性を同様にして測定した結果、それぞれ103、105希釈単位/ml以上の抗ウイルス活性が検出された。さらに、実施例2(1)で得られた大腸菌で生産した精製イヌIL18と実施例3で得られたイヌIL12が生産された培養上清を用いて、この抗ウイルス活性誘導能における、イヌIL18とイヌIL12の相乗作用を検討した。上記と同様にしてヒトIL2を含むイヌリンパ球培養液を調製し、これに精製イヌIL18を
1μg添加したもの、イヌIL12が生産された培養上清2.5mlを添加したもの、および精製イヌIL18を1μgとイヌIL12が生産された培養上清2.5mlを添加したものを比較検討した。その結果、イヌIL18単独で約105希釈単位/ml、イヌIL12が生産された培養上清単独で約3x104希釈単位/ml両方添加したもので、106希釈単位/ml以上の抗ウイルス活性が得られた。このことから、イヌIL18とイヌIL12は抗ウイルス活性誘導能において相乗作用を有することが判明した。
【0044】
また、クラスIIMHCを発現したイヌ乳腺腫瘍組織由来細胞株FCBR1を用いて、組換えウイルスを感染させたSf21細胞の培養液およびカイコ体液中のクラスIIMHCの発現増強活性を測定した。6cmディッシュに、105個のFCBR1を接着させ、これに上記培養液およびカイコ体液で刺激したイヌリンパ球培養液を添加し、5%CO2、37℃の各条件で1ューブにて遠心した。これに、10μlのラット抗イヌMHCクラスIIモノクローナル抗体(セロテック社製)を添加し、さらに50μlの10%のFBSを含むERDF培地で懸濁し、氷上で1時間静置した。PBSで洗浄した後、5μlのFITC標識ラビット抗ラットモノクローナル抗体(セロテック社製)および50μlの10%のFBSを含むERDF培地で懸濁し、氷上で1時間静置した。PBSで洗浄後、ベクトンディッキンソン(株)のFACScanにて解析した。その結果、Sf21細胞およびカイコで産生させたイヌIL18は、イヌリンパ球を刺激してFCBR1上のクラスIIMHCの発現量をそれぞれ約15%、35%上昇させた。これらのことから、イヌIL18はイヌリンパ球に作用して、イヌIFNγを誘導する活性を有することが判明した。
【0045】
次にFasリガンドを発現したFCBR1を用いて、Sf21細胞の培養液およびカイコ体液中のFasリガンドの発現増強活性を測定した。ラビット抗ヒトFasリガンドポリクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology社製)とFITC標識マウス抗ラビットモノクローナル抗体(セロテック社製)を用い、同様にしてFACScanにて解析した。その結果、Sf21細胞およびカイコで産生させたイヌIL18は、FCBR1上のFasリガンドの発現量をそれぞれ約40%、55%上昇させた。
【0046】
また、Sf21細胞の培養液およびカイコ体液中の抗腫瘍活性を検討した。Sf21細胞およびカイコで産生させたイヌIL18はFCBR1に作用して、細胞内DNAの断片化を引き起こし、アポトーシスにより細胞を死滅させた。イヌIL18はイヌ腫瘍細胞に対して直接、抗腫瘍活性を示すことが判明した。
【0047】
さらに、イヌIL18のin vivoでの抗腫瘍活性を検討した。FCBR1を4週齢のスキットマウス(日本クレア社由来)の背部皮下に移植したところ、腫瘤を形成した4匹の担ガンマウスが作成できた。腫瘍重量を次の式にて算出した。
【0048】
腫瘍重量=長径 X 短径2/2
移植から2ヶ月後、腫瘍の大きさが平均32mm X 19mm、腫瘍重量で5.8gになったところで、3匹のマウスに大腸菌で生産した実施例2(1)に記載の10μgの精製イヌIL18を2日間隔で2回、尾静脈より投与した。また同時にコントロールとして生理食塩水を1匹のマウスに投与した。コントロールのマウスの腫瘍重量は投与後さらに増加し、投与後10日目には1.3倍になった。一方、イヌIL18を投与したマウスの腫瘍重量は投与後減少し、コントロールを1とした相対腫瘍重量で0.05から0.1になった。イヌIL18のこの腫瘍退縮効果は抗マウスインターフェロンγ抗体と抗アシアロGM1抗体の同時投与によって阻害されなかった。イヌIL18はin vivoにおいてもイヌ腫瘍細胞に対して抗腫瘍活性を示すことが判明した。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、IL18を容易に量産することができる。さらに、イヌの疾病の治療などに有効なイヌIL18を提供できる。
【0050】
参考文献
1.Wolfら:J.Immunol.146,3074−3081(1991).
2.Shoenhautら:J.Immunol.148,3433−3440(1992).
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16.Okanoら:J.Interferon and Cytokine Res.17,713−718(1997).
17 .Okayamaら:Mol.Cell.Biol.,2,161,(1982) & 3,280,(1983).
【0051】
【配列表】
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【0052】
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【0053】
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【0054】
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【0055】
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【0056】
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【0057】
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【0058】
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【0059】
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【0060】
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Claims (3)

  1. イヌ腫瘍細胞上のクラスIIMHCの発現を増強する因子を誘導する能力、イヌリンパ球の増殖を促進する能力、イヌリンパ球およびイヌ腫瘍細胞上のFasリガンドの発現を増強させる能力、イヌ腫瘍細胞を障害し死滅させる能力、及びイヌ生体に発生した腫瘍を縮小させる能力から選ばれる少なくとも1つの能力を有する、配列番号:1で表されるイヌインターロイキン18を含んでなるイヌの腫瘍治療薬。
  2. イヌ腫瘍細胞上のクラスIIMHCの発現を増強する因子を誘導する能力、イヌリンパ球の増殖を促進する能力、イヌリンパ球およびイヌ腫瘍細胞上のFasリガンドの発現を増強させる能力、イヌ腫瘍細胞を障害し死滅させる能力、及びイヌ生体に発生した腫瘍を縮小させる能力から選ばれる少なくとも1つの能力を有する、配列番号:1または配列番号:9で表されるイヌインターロイキン18をコードするDNA配列を含む組換えベクターにより宿主細胞を形質転換してなる形質転換体を培養することを特徴とするイヌインターロイキン18の製造方法、
    により得たイヌインターロイキン18を含んでなるイヌの腫瘍治療薬。
  3. 配列番号:1または配列番号:9に示すDNA配列を含む組換えバキュロウイルスを昆虫樹立細胞中またはカイコ生体中で増殖させることを特徴とするイヌインターロイキン18の製造方法、
    により得たイヌインターロイキン18を含んでなるイヌの腫瘍治療薬。
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