JP4915164B2 - 画像形成装置および帯電装置 - Google Patents
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Description
このような感光体ドラム表面の磨耗を抑えるには、可能な限り交流電圧の印加時間を短縮することが有効である。すなわち、感光体ドラム表面の磨耗を極力抑制する観点からは、接触帯電装置において、画像の高品質化に必要となる画像形成動作時においてのみ、交流電圧を重畳させた直流電圧を印加することが好ましい。このような技術の従来例としては、画像動作時には交流電圧を重畳させた直流電圧を印加し、画像動作時以外の動作時においては、交流電圧の印加を停止して直流電圧のみを印加するようにバイアス電圧を制御するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、電源制御部にて設定する交流電流の周波数と交流電流値との組み合わせを記憶する記憶部をさらに備え、電源制御部は、画像形成動作時にて記憶部に記憶された第1の組み合わせを設定し、非画像形成動作時にて記憶部に記憶された第1の組み合わせよりも低い周波数と低い交流電流値とからなる第2の組み合わせを設定することを特徴とすることができる。特に、記憶部は、画像形成装置に適用される複数のプロセススピード各々に対応して設定された交流電流の周波数と交流電流値との組み合わせを記憶することを特徴とすることができる。
加えて、感光体に形成された静電潜像を回転可能なトナー保持体上に保持されたトナーにより現像する現像部をさらに備え、現像部は、非画像形成動作時にて第2の周波数の交流電流が供給されている状態にて、トナー保持体の回転を始動し、または停止することを特徴とすることができる。
ここで、電源制御部は、電源が供給する交流電流を生成する直流電圧と直流電圧に重畳される交流電圧とを制御するに際して、画像形成動作時にて第1の直流電圧値を設定し、非画像形成動作時にて第1の直流電圧値の絶対値よりも大きな絶対値の第2の直流電圧値を設定することを特徴とすることができる。
また、本発明の請求項1によれば、非潜像形成工程での潜像電位の低下を抑え、感光体ドラムへのトナーやキャリアの転移を抑制することができる。
また、本発明の請求項2によれば、潜像形成工程および非潜像形成工程における周波数と交流電流値との設定を簡易に行うことができる。
また、本発明の請求項4によれば、ユーザが帯電部材からの放電音を耳障りに感じることを抑制することができる。
また、本発明の請求項5によれば、トナーの無駄な消費を抑えるとともに、ドラムクリーニング装置での摩擦音の発生やクリーニング部材のめくれ・破損の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項6によれば、非潜像形成工程での潜像電位の低下を抑え、感光体ドラムへのトナーやキャリアの転移を抑制することができる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の一例としてのデジタルカラープリンタ1の構成を示した図である。図1に示すデジタルカラープリンタ1は、所謂タンデム方式で構成されており、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部20、画像形成プロセス部20を制御する制御部60、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)22を含んで構成されている。
ここで、各画像形成ユニット30は、現像器33Y,33M,33C,33Kに収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、画像形成ユニット30各々では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されると、トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせてレジストロール74から用紙Pが二次転写部T2に供給される。そして、二次転写部T2にて二次転写ロール40とバックアップロール49との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
このようにして、デジタルカラープリンタ1での画像形成が行なわれる。
図2は、本実施の形態の接触帯電装置50の構成を示した図である。図2に示したように、接触帯電装置50は、上記した接触帯電部材(帯電部材)の一例としての帯電ロール32、帯電ロール32に対して直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳した帯電バイアス電圧を供給する一次電源51、帯電ロール32へ供給する帯電バイアス電圧を制御する制御信号を生成して一次電源51に出力する電源制御部62を含んで構成されている。
なお、図2では、画像形成ユニット30Kに配設される接触帯電装置50を例として示しているが、画像形成ユニット30Y,30M,30Cにおいても同様の接触帯電装置50が配設されている。
まず、図3は、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの動作タイミングを示したタイミングチャートの一例である。図3では、一例として2サイクルの画像形成動作が行われる場合、すなわち、1サイクル目(1枚目)の画像形成動作が実行された後に、画像形成動作が行われない非画像形成動作を経て、2サイクル目(2枚目)の画像形成動作が実行され、その後画像形成動作が停止する場合を示している。
本実施の形態のデジタルカラープリンタ1はタンデム方式で構成され、各画像形成ユニット30は共通の駆動源により駆動されている。そのため、デジタルカラープリンタ1の動作が開始(スタート)すると、すべての画像形成ユニット30は、駆動を開始する。そして、中間転写ベルト41上にトナー像を位置ずれなく重畳するために、各画像形成ユニット30での画像形成動作は、所定のタイミングだけずらしながら実行されることとなる。
同様に、例えば画像形成ユニット30Y,30M,30Cには、最終ページの画像形成動作が終了してから最下流側の画像形成ユニット30Kでの最終ページの画像形成動作が終了されるまでの間に、(E)後待機工程が設けられている。(E)後待機工程は、最上流側の画像形成ユニット30Yが最も長く、下流側に設置された画像形成ユニット30ほど短くなり、最下流側の画像形成ユニット30Kにて最も短くなる。
なお、最下流側の画像形成ユニット30Kでは、(E)後待機工程は必要なく、直ちに(F)後処理工程が実行されることとなる。
ここで、本実施の形態の接触帯電装置50では、非画像形成工程(非画像形成時)である(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程においては、帯電バイアス電圧のAC成分の周波数およびAC電流値Iacを、(B)および(D)の画像形成工程(画像形成時)にて印加されるAC成分の周波数よりも低い周波数に設定し、かつ、(B)および(D)の画像形成工程にて供給されるAC電流値Iacよりも低いAC電流値Iacに設定している。また、それに対応させて、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程にて印加される帯電バイアス電圧のDC成分を、(B)および(D)の画像形成工程にて印加されるDC成分よりもマイナス側にシフトするように設定している。
なお、上記したように、各画像形成ユニット30毎に(A)前待機工程および(E)後待機工程の実行時間は異なり、画像形成ユニット30Kでは、(E)後待機工程は実行されない。
以下に、図4に示したタイミングチャートを詳細に説明する。
(A)前待機工程
まず、画像形成ユニット30では、IPS22に例えばPC3や画像読取装置4から画像データが入力されると、感光体ドラム31が回転を開始(スタート)し、感光体ドラム31に対する例えば前露光処理等といった所定の前処理が行われる。そして、所定の前処理が行われた感光体ドラム31表面上の領域が帯電ロール32に到達するタイミングに合わせて、電源制御部62からの制御の下で、一次電源51は、帯電ロール32から感光体ドラム31に対して、定電流制御によるAC電流値Iac=1.0mAの供給を開始する。その際の帯電バイアス電圧は、DC成分が例えば−750V、AC成分の周波数が例えば800Hzに設定される。それにより、感光体ドラム31は、帯電電位VH=−680V程度に帯電される。
このAC電流値Iac=1.0mAおよびAC成分の周波数:800Hzは、(B)および(D)の画像形成工程よりも低く設定される。また、DC成分:−750Vは、(B)および(D)の画像形成工程よりもマイナス側に高く、すなわちDC成分の絶対値が大きく設定される。これにより、後段で説明するように、感光体ドラム31表面の磨耗量を低減している。
また、帯電ロール32への帯電バイアス電圧の印加の開始と略同時に、現像器33には、例えばDC電圧:−580Vの現像バイアス電圧が印加される。
そして、画像データに基づくレーザ露光装置26による走査露光が開始されるのに同期して、電源制御部62は、一次電源51に対して、帯電ロール32から感光体ドラム31に定電流制御によるAC電流値Iac=2.5mAを供給するように設定を変更する。その際の帯電バイアス電圧は、DC成分が例えば−700V、AC成分の周波数が例えば1800Hzに設定される。それにより、感光体ドラム31は、(A)前待機工程と同様の帯電電位VH=−680V程度に帯電される。
なお、電源制御部62は、制御部60からの指示信号に基づいて、AC電流値Iac、AC成分の周波数、DC成分を設定する。
そして、レーザ露光装置26による走査露光が開始されると、例えば画像部電位VL:−50V、背景部電位(=帯電電位VH):−680Vの静電潜像が形成される。
また、現像器33には、(A)前待機工程と同様に、DC電圧:−580Vの現像バイアス電圧が印加される。そのため、感光体ドラム31に形成された静電潜像(画像部電位:−50V、背景部電位:−680V)は、現像バイアス電圧(DC電圧:−580V)との電位差によって、画像部にトナーが現像される。
引き続いて、感光体ドラム31上に形成されたトナー像が一次転写部T1に到達するタイミングに合わせて、一次転写ロール42にはトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアス電圧(例えば、+1500V)が印加される。これにより、感光体ドラム31上に保持されているトナー像は、用紙P上に転写されることとなる。
次いで、1サイクル目(1枚目)の画像形成動作(画像形成工程)が終了した後、2サイクル目(2枚目)の画像形成動作が開始されるまでの間には、用紙Pの搬送インターバルに対応した用紙待機工程が実行される。
この用紙待機工程では、現像バイアス電圧は、(B)の画像形成工程でのDC電圧:−580Vに維持され、転写バイアス電圧も、(B)の画像形成工程での設定値(+1500V)が維持される。
また、本実施の形態の接触帯電装置50においては、この(C)用紙待機工程での帯電バイアス電圧は、(A)前待機工程での設定値と同様に設定される。すなわち、AC電流値Iac=1.0mA、DC成分が−750V、AC成分の周波数が800Hzに設定される。これにより、感光体ドラム31表面の磨耗量を低減している。
(C)の用紙待機工程の経過後には、(B)の画像形成工程と同様の2サイクル目(2枚目)の画像形成工程が実行される。ここでは、各部は、(B)の画像形成工程と同様の設定が行われる。すなわち、現像バイアス電圧は、DC電圧:−580Vに維持され、転写バイアス電圧も、設定値(+1500V)が維持される。
また、接触帯電装置50においては、AC電流値Iac=2.5mA、DC成分が−700V、AC成分の周波数が1800Hzに設定される。
(D)の画像形成工程が終了した後、最下流部に配置された画像形成ユニット30Kでの2サイクル目の画像形成工程が終了するまでの所定時間の間は、(E)後待機工程が実行される。ここでは、感光体ドラム31表面の磨耗量を低減しながら、最下流部の画像形成ユニット30Kでの画像形成工程が終了するまで、感光体ドラム31および現像器33における所定の電位状態を維持することで、現像器33から感光体ドラム31へのトナーの転移を抑制する。
そのため、この(E)後待機工程では、(A)前待機工程および(C)用紙待機工程での設定と同様に設定される。すなわち、AC電流値Iac=1.0mA、DC成分が−750V、AC成分の周波数が800Hzに設定される。
(E)の後待機工程が終了した後、感光体ドラム31の表面全体を一様に除電して、感光体ドラム31に帯電履歴が残存するのを抑制する処理等の後処理工程を行う。そして、この(F)後処理工程では、転写バイアス電圧、帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧が順次OFFされ、その後、デジタルカラープリンタ1の駆動は停止(エンド)される。
本発明者等による実験では、帯電バイアス電圧に含まれるAC成分の周波数と、画像形成サイクルの経過に伴う感光体ドラム31の感光層の磨耗量との間には相関関係があり、周波数を高く設定するほど、感光層の磨耗量が増加する傾向にあることが分かっている。このメカニズムとしては、帯電ロール32に印加される帯電バイアス電圧のAC成分が感光体ドラム31に振動を与え、それがドラムクリーナ34に設置されたクリーニングブレード34a(図2参照)と感光体ドラム31との間の摩擦力を高める結果、感光体ドラム31表面を削るように作用すると推定されている。
加えて、(A)、(C)および(E)の非画像形成工程では、AC成分の周波数を低く設定することに対応して、AC電流値Iacをも低く設定している。それにより、帯電ロール32から感光体ドラム31に与える振動エネルギーを同時に下げることができるので、感光体ドラム31表面の磨耗量の低減効果をさらに高めている。
上記したように、帯電バイアス電圧に含まれるAC成分の周波数を高く設定するほど、感光層の磨耗量が増加する。そのため、感光体ドラム31の磨耗量の低減作用を重視すれば、原理的に、非画像形成時にはAC成分を完全にOFFするのが好ましい。
ところが、非画像形成時にAC成分を完全にOFFすると、画像形成工程と非画像形成工程との間の移行時、例えば(A)前待機工程の開始時や(C)の用紙待機工程から次の(D)の画像形成工程に移行する時点においては、次のような不都合が発生する。
このような(C)の用紙待機工程での感光体ドラム31の電位状態から、(D)の画像形成工程に移行する際に、AC成分が再度ONされると、AC電流値Iacは0mAから2.5mAに急激に立ち上げられることとなるが、その際に、AC電流値Iacが正常波形に安定するには、AC成分がONされてから100〜200msec程度のタイムラグが生じる。それにより、(D)の画像形成工程の初動時には、100〜200msecの時間をかけて、感光体ドラム31の帯電電位VHは、0Vから−680Vに経時的に上昇する。
一方、(D)の画像形成工程では、現像バイアス電圧としてDC電圧:−580Vが印加されているので、帯電電位VHが0Vから−680Vに上昇する過程において、トナーやキャリアが感光体ドラム31に転移する領域が生じる。すなわち、背景部へのトナー付着やキャリア付着に影響を与えるクリーニング電位VCLN(=現像バイアス電圧−帯電電位VH)が−580V−0V=−580V程度となる領域も存在するため、現像器33から感光体ドラム31に転移するトナー量やキャリア量が大きくなる。そのため、トナーの無駄な消費が行われたり、転移したキャリアに起因する画像欠陥の発生を誘発する結果を招く。
その逆に、DC成分に対してAC成分のシフトが早いと、DC成分が(C)の用紙待機工程での設定値:−750Vに近い電圧のまま、AC電流値Iac=2.5mAが供給されることとなる。その場合には、クリーニング電位VCLN(=現像バイアス電圧−帯電電位VH)が−580V−(−750V)=約170V程度となって、プラスに帯電したキャリアが感光体ドラム31に転移し易くなる。その結果、画像欠陥の発生を誘発する場合がある。
上記のような不都合は、(B)の画像形成工程から(C)の用紙待機工程に移行する時点や、(D)の画像形成工程から(E)の後待機工程に移行する時点においても同様に発生する。
このように設定することにより、周波数のシフトにおけるタイムラグは、AC成分のON/OFFに比べて極めて小さくすることができる。そのため、それぞれの工程での帯電電位VHをほぼ維持することができるので、感光体ドラム31に転移するトナー量やキャリア量を低く抑えることができる。
また、AC成分のON/OFFにより生じるタイムラグを予め考慮する必要がないので、キャリアの感光体ドラム31への転移を抑制することもできる。
上記したように、(A)前待機工程においては、感光体ドラム31が回転を開始し、感光体ドラム31に対する所定の前処理が行われた後に、帯電バイアス電圧の印加が開始される。ところが、画像形成装置によっては、例えばクイックスタートを行う場合等において、感光体ドラム31の回転が開始した後、所定の時間が経過した後に、例えばピックアップロール72から定着器80までに至る用紙搬送系等の駆動が開始される場合がある。
その場合には、帯電バイアス電圧の印加開始時には用紙搬送系等の駆動音がないため、帯電ロール32による放電音がユーザの耳に入り易い。しかし、その場合でも、帯電バイアス電圧のAC成分の周波数を低く、かつAC電流値Iacを小さく設定しているので、帯電ロール32からの放電音が、ユーザにとって耳障りとはなり難い。
これは、(A)前待機工程では、帯電バイアス電圧が印加されて感光体ドラム31の帯電電位VHが−680Vに設定され、さらに、現像器33の現像バイアス電圧がDC電圧:−580Vに設定されて、クリーニング電位VCLNが約100V程度に形成された状態となった段階で、現像器33の現像ロール33aが開始されるように設定することにより、感光体ドラム31に転移するトナー量やキャリア量を低く抑えることができるからである。
その際には、ドラムクリーナ34に供給されるトナー量が少ないため、クリーニングブレード34a等のクリーニング部材と感光体ドラム31との摩擦力は高くなる傾向にある。ところが、(A)前待機工程では、上記したように、AC成分の周波数を低く設定し、かつAC電流値Iacを低く設定することで、クリーニング部材と感光体ドラム31との間の摩擦力は低く設定される。それにより、クリーニング部材と感光体ドラム31との間に介在するトナー量が少ない状態であっても、クリーニング部材と感光体ドラム31とによる摩擦音の発生を抑制し、さらには、クリーニングブレードのめくれや破損の発生を抑えることができる。
同様の理由から、(F)後処理工程での現像器33の現像ロール33a(図2参照)の回転停止タイミングは、帯電バイアス電圧がOFFされる前であるのが好ましい。
上記したように、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程では、帯電バイアス電圧は、AC成分の周波数が例えば800Hzに設定され、その際に、定電流制御によるAC電流値Iacは1.0mAに設定される。そのため、DC成分を(B)および(D)の画像形成工程にて印加されるDC成分と同じ設定値のままとすると、AC電流値Iacによる帯電能力が低下しているので、感光体ドラム31の帯電電位VHを−680Vに維持することができない。特に、低温低湿環境下において帯電電位VHの低下は大きくなる傾向にある。
さらには、AC成分の周波数を低く設定すると、感光体ドラム31の帯電電位VHに生じる電位リップルが大きくなる傾向も生じる。例えば、AC成分の周波数が例えば1800Hzでは電位リップルが5V程度であったものが、800Hzとすることで15V程度に大きくなる。
そこで、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程では、帯電バイアス電圧のDC成分をマイナス側にシフトさせた設定値−750Vとしている。それにより、AC電流値Iacによる帯電能力の低下が生じても、感光体ドラム31の帯電電位VHを−680Vに設定することができる。そのため、クリーニング電位VCLNでの100V程度以上が確保でき、トナーが感光体ドラム31に転移するのを抑制することができる。
実施の形態1では、単一のプロセススピードで動作するデジタルカラープリンタ1において、非画像形成工程での帯電バイアス電圧のAC成分の周波数を低く設定し、かつAC電流値Iacを低く設定する構成について説明した。ところが、近年、例えば、使用される用紙Pの紙厚等に応じてトナーの定着性を安定化させるために、用紙Pに対応してプロセススピードの設定を変更する構成が用いられる場合がある。そこで、本実施の形態では、複数のプロセススピードが設定されたデジタルカラープリンタ1において、非画像形成工程での帯電バイアス電圧のAC成分の周波数を低く設定し、かつAC電流値Iacを低く設定する設定する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図5は、本実施の形態の接触帯電装置50の構成を示した図である。図5に示したように、本実施の形態の接触帯電装置50では、電源制御部62は、制御部60から、帯電ロール32へ供給するAC成分の周波数、AC電流値Iac、およびDC成分の設定値を指示する指示信号を受けて、一次電源51に対して制御部60からの指示信号に応じた制御信号を出力するように構成されている。
ここで、本実施の形態の制御部60には、記憶部65が接続されており、記憶部65には、プロセススピードに応じて電源制御部62に設定するAC成分の周波数およびAC電流値Iacの組み合わせをテーブルとして記憶している。そして、制御部60は、記憶部65からプロセススピードに応じたAC成分の周波数およびAC電流値Iacを読み出し、電源制御部62に出力する。
また、その場合に、図7は、感光体ドラム31表面に安定した帯電電位VHを形成するための、AC成分の周波数とAC電流値Iacとの関係の一例を示した図である。同様に、制御部60は、図7に示したAC成分の周波数に応じたAC電流値Iacを設定して、感光体ドラム31表面に安定した帯電電位VHを形成する。
このように、本実施の形態の接触帯電装置50では、制御部60からの指示信号に基づいて、各プロセススピードに応じて、感光体ドラム31表面に安定した帯電電位VHを形成するためのAC成分の周波数およびAC電流値Iacの組み合わせが設定される。
例えば、現在設定されているプロセススピードが図6でのPS1であった場合には、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程(図3および図4参照)にて設定されるAC成分の周波数およびAC電流値Iacの組み合わせは、PS1よりも遅いPS2〜PS4のいずれかに対応して設定されたものを記憶部65から読み出して使用する。PS2、PS3についても、同様である。
ただし、例えば、最も遅いプロセススピードPS4においては、それよりも遅いプロセススピードの設定がないので、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程(図3および図4参照)にて設定されるAC成分の周波数およびAC電流値Iacの組み合わせを、別途記憶部65に記憶しておくことが必要となる。
なお、本実施の形態でも、実施の形態1の場合と同様に、一次電源51にて形成される帯電バイアス電圧のAC成分の波高率は、略1.41(=√2)であることが好ましい。
それにより、各プロセススピード毎に(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程でのAC成分の周波数およびAC電流値Iacを別途用意する必要がなく、(A)前待機工程、(C)用紙待機工程および(E)後待機工程での帯電バイアス電圧を簡易に設定することができる。
Claims (6)
- 静電潜像が形成される感光体と、
前記感光体を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に交流電流を供給する電源と、
前記電源から前記帯電部材に供給する交流電流を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記交流電流を制御するに際して、前記感光体に画像を形成する画像形成動作時にて当該交流電流を第1の周波数および第1の交流電流値に設定し、非画像形成動作時にて当該交流電流を当該第1の周波数よりも低い第2の周波数および当該第1の交流電流値よりも低い第2の交流電流値に設定し、かつ、当該交流電流を生成する直流電圧と当該直流電圧に重畳される交流電圧とのうちの当該直流電圧に関し、当該画像形成動作時にて第1の直流電圧値を設定し、当該非画像形成動作時にて当該第1の直流電圧値の絶対値よりも大きな絶対値の第2の直流電圧値を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記電源制御部にて設定する前記交流電流の周波数と交流電流値との組み合わせを記憶する記憶部をさらに備え、
前記電源制御部は、前記画像形成動作時にて前記記憶部に記憶された第1の前記組み合わせを設定し、前記非画像形成動作時にて前記記憶部に記憶された当該第1の組み合わせよりも低い周波数と低い交流電流値とからなる第2の組み合わせを設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記記憶部は、当該画像形成装置に適用される複数のプロセススピード各々に対応して設定された前記交流電流の周波数と交流電流値との組み合わせを記憶することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記電源制御部は、当該画像形成装置の立ち上げ時から前記画像形成動作が開始される時点までの間にて、前記第2の周波数および前記第2の交流電流値の交流電流を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記感光体に形成された静電潜像を回転可能なトナー保持体上に保持されたトナーにより現像する現像部をさらに備え、前記現像部は、前記非画像形成動作時にて前記第2の周波数および前記第2の交流電流値の前記交流電流が供給されている状態にて、前記トナー保持体の回転を始動し、または停止することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 静電潜像が形成される感光体を帯電する帯電部材と、
前記帯電部材に交流電流を供給する電源と、
前記電源から前記帯電部材に供給する交流電流を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記交流電流を制御するに際して、前記感光体に画像を形成する画像形成動作時にて当該交流電流を第1の周波数および第1の交流電流値に設定し、非画像形成動作時にて当該交流電流を当該第1の周波数よりも低い第2の周波数および当該第1の交流電流値よりも低い第2の交流電流値に設定し、かつ、当該交流電流を生成する直流電圧と当該直流電圧に重畳される交流電圧とのうちの当該直流電圧に関し、当該画像形成動作時にて第1の直流電圧値を設定し、当該非画像形成動作時にて当該第1の直流電圧値の絶対値よりも大きな絶対値の第2の直流電圧値を設定することを特徴とする帯電装置。
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