JP4913542B2 - ミシンの押さえ装置 - Google Patents
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布押さえ装置は、針棒の近傍に設けられた押さえ棒を有し、この押さえ棒の下端には布を上面から押さえつける布押さえが設けられている。押さえ棒はコイルバネの内側に挿通され、押さえレバーを押し下げることによりコイルバネが縮み、そのときの反発力となる弾性力により布を押さえつける力を変えることができる。
これにより、押さえ棒には異なる大きさの付勢力が段階的に作用するので、薄手の布のように弱い押さえ圧を付与したい場合には、押さえ部材を少しだけ押し下げることで第二の弾性部材の付勢力だけを作用させ、厚手の布のように比較的強い押さえ圧を付与したい場合には、押さえ部材を大きく押し下げることで第二の弾性部材及び第一の弾性部材の付勢力を作用させるとよい。よって、ミシンの押さえ装置は、比較的弱い押さえ圧の調整ストロークを長くとって押さえ圧の微調整を可能とするとともに、比較的強い押さえ圧の調整をも可能とする。
<押さえ装置の構成>
図1、図2に示すように、押さえ装置1は、縫い針が設けられた針棒や上軸が設けられるミシンフレーム10の先端に設けられている。押さえ装置1は、ミシンフレーム10の下面を貫通するように設けられた押さえ棒2を備えている。押さえ棒2は、針棒の上下動方向に沿って上下動するように設けられている。押さえ棒2の下端には、被縫製物としての布を上面から押さえつける布押さえ21が設けられている。押さえ棒2は、ミシンフレーム10の下面に設けられ、押さえ棒2のそれ以上の下降を停止させるストッパ3に上下動自在に挿通されている。押さえ棒2の上端には、押さえ棒2の外周にわたって係合部材4が取り付けられている。係合部材4は、押さえ棒2を下降させた際にストッパ3の上面に当接し、押さえ棒2のそれ以上の下降を防止する。
押さえ装置1は、押さえ棒2とガイド軸5の双方に上下動自在に挿通され、上下動により押さえ棒2を連動して上下動させる押さえ部材6を備えている。押さえ部材6は、板状に形成され、一端にガイド軸5が挿通され、他端に押さえ棒2が挿通されている。押さえ部材6は、一端から上方に屈曲形成され、そして、押さえ棒2に向かって水平方向に屈曲形成され、他端に至る途中で再度ガイド軸5が挿通され、他端に至るように形成されている。従って、押さえ部材6の一端より他端の方が上方に位置するように形成されている。また、押さえ部材6の他端は、係合部材4よりも上方において押さえ棒2が挿通されており、押さえ部材6を押し下げた際に押さえ部材6の他端が係合部材4に当接して係合部材4とともに押さえ棒2を下降させることができる。
従って、押さえ部材6を押し下げると、押さえ部材6がコイルバネ8に当接するまでは押さえ棒2にはコイルバネ7による付勢力のみが作用し、その後、コイルバネ7及びコイルバネ8による付勢力が作用する。
調整機構9は、回転によりその回転中心からの外縁までの距離が変化するように形成された偏心カム91と、押さえ部材6に固定され、偏心カム91の外縁に押し付けられた当接部材92と、を備えている。
偏心カム91は、押さえ棒2の軸線方向(ミシンの上下動方向)に対して直交する軸線(水平方向に沿った軸線)回りに回転自在に設けられている。偏心カム91は、その外縁が、回転中心から当該外縁までの直線距離が徐々に変化する螺旋状に形成されている。
当接部材92は、例えば、円柱状に形成されたピンであり、押さえ棒2の軸線方向(ミシンの上下動方向)に対して直交する軸線、すなわち、偏心カム91の回転軸線と平行な軸線方向に沿って延びるように設けられている。当接部材92は、偏心カム91の外縁に常に下方から当接するように配置されている。
ミシンの押さえ装置1によれば、布を布押さえ21により押さえつける際において、押さえ部材6を押し下げると、押さえ部材6はコイルバネ7に先に当接するので、コイルバネ7はコイルバネ8よりも先に弾性変形して押さえ棒2に付勢力を付与する。このとき、コイルバネ7はコイルバネ8よりも弾性定数が小さいので、押さえ部材6がコイルバネ7に当接している間は押さえ棒2にはコイルバネ7の付勢力のみが作用し、コイルバネ8が押さえ部材6に当接してからは、押さえ棒2にはコイルバネ7とコイルバネ8の付勢力が作用する。
さらに、押さえ部材6は、押さえ棒2とガイド軸5の双方に挿通されているので、押さえ部材6を上下動させる際に押さえ部材6が傾いて押さえ棒2に引っ掛かることがなく、押さえ棒2の上下動をスムーズに行うことができる。
また、コイルバネ7とコイルバネ8を平行に配置したので、スペースの制約が特に大きなミシンフレーム10の上下方向にスペースを拡大する必要がなく、押さえ装置1の省スペース化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、コイルバネ7とコイルバネ8の長さを異なる長さとし、押さえ部材6の一端と他端の高さが異なるように形成したが、二つのコイルバネ7,8の長さを等しくし、押さえ部材6の一端と他端の高さが異なるように形成してもよい。要は、押さえ部材6がコイルバネ7に先に当接してコイルバネ7を弾性変形させ、その後にコイルバネ8に当接するように構成されていればよい。すなわち、押さえ部材6を最初に押し下げた際には薄手の布を押さえつけることができる程度の弾性定数の小さいコイルバネ7の付勢力だけが押さえ棒2に作用すればよい。
また、コイルバネ7,8の長さ、弾性定数等の違いは縫製される布に応じて自由に変更可能である。
2 押さえ棒
5 ガイド軸
6 押さえ部材
7 コイルバネ(第二の弾性部材)
8 コイルバネ(第一の弾性部材)
9 調整機構
21 布押さえ
91 偏心カム
92 当接部材
Claims (2)
- 縫い針が設けられた針棒の上下動方向に沿って上下動し、下端に被縫製物を押さえつける布押さえが設けられた押さえ棒と、
前記押さえ棒に対して平行に設けられたガイド軸と、
前記押さえ棒と前記ガイド軸の双方に上下動自在に挿通され、上下動により前記押さえ棒を連動して上下動させる押さえ部材と、
前記押さえ棒が挿通され、前記押さえ部材を押し下げた際に弾性変形して前記押さえ棒に付勢力を付与する第一の弾性部材と、
前記ガイド軸が挿通されるとともに前記第一の弾性部材と平行に配置され、前記押さえ部材を押し下げた際に弾性変形して前記押さえ棒に付勢力を付与する第二の弾性部材と、を備え、
前記第二の弾性部材は前記第一の弾性部材よりも弾性定数が小さく、
前記押さえ部材又は二つの弾性部材は、前記押さえ部材を下方に押し下げた際に、当該押さえ部材が先に前記第二の弾性部材に当接するように構成されていることを特徴とするミシンの押さえ装置。 - 回転によりその回転中心からの外縁までの距離が変化するように形成された偏心カムと、
前記押さえ部材に設けられ、前記偏心カムの外縁に当接する当接部材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシンの押さえ装置。
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JP2006290176A JP4913542B2 (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | ミシンの押さえ装置 |
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