JP4913513B2 - 3軸アンテナ、ローラコンベア装置及び情報読み取り装置 - Google Patents

3軸アンテナ、ローラコンベア装置及び情報読み取り装置 Download PDF

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本発明は、3軸アンテナ、ローラコンベア装置及び情報読み取り装置に関し、特に、ローラコンベア上に載置された物品に付された非接触情報記録媒体の向きや姿勢に関わりなく、非接触情報記録媒体に記録された記録データを電波として受信可能とする3軸アンテナ及びこの3軸アンテナを使用した情報読み取り装置に関するものである。
近年、非接触型ICカードの一種として、構造的には非接触型ICカードと全く同様であり、且つ識別番号及び履歴情報等に関する管理情報を記録したRFタグ(Radio Frequency tag)が広く使用されており、このRFタグの一種として郵便物あるいは荷物等を分類管理するために使用される非接触型RFタグ(以下、単にRFタグと記す)が知られている。
従来例えば荷物に取り付けられたRFタグに記録された管理情報を、ベルトコンベアにより搬送しながらリーダライタにより読み書きする場合、リーダライタのアンテナが決まった位置に固定されているときは、搬送開始前に荷物に取り付けられたRFタグの位置を確認してRFタグがリーダライタのアンテナ側に向くように、人手により予め荷物の向きを設定する必要があった。また、このような煩雑な事前操作を行わずに管理情報を読み書きすることを可能ならしめようとする場合には、RFタグに対する情報の読み書きに最も適すると予想される他の方向にもリーダライタのアンテナを複数設置する必要があった。
特許文献1の従来技術には、移動する応答器(ICカード)に対して複数の質問器が同一信号を無線通信する質問器システムであって、複数の質問器をアンテナの通信可能領域を重複させて設けて通信可能領域を拡大し、各質問器のアンテナによる送受信を同期させることにより、質問器に他の質問器からの送信信号が受信されるといった干渉を防止する質問器システムについて開示されている。
特開2003−283367公報
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術や、ベルトコンベアにより搬送しながらリーダライタにより管理情報を読み書きする従来方法にあっては、複数のアンテナを各方向に設置しなければならず、アンテナの設置個数の増大によるコスト増、広い設置スペースの確保という問題の他に、RFタグを取り付けた物品を全てのアンテナの位置まで必ず搬送しなければならないために搬送距離が長大化するといった問題がある。
また、ベルトコンベアの場合は、ベルトが非磁性部材で構成されているため、アンテナからの磁束により渦電流損を発生したり、インダクタンスの変化による共振点のずれといった問題は少ないが、高重量物の搬送には適していない。このため高重量荷物を搬送する場合は、平行に配列された転動自在な多数の金属製ローラ上に荷物を乗せて運搬するローラコンベアが使用されることが多い。ローラコンベアを採用した場合に、ベルトコンベアの場合と同じ位置にアンテナを配置すると、ローラが金属製であるため、アンテナを貫通する磁束により渦電流を発生したり、インダクタンスが変化することで共振点がずれるといった問題が生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、磁性部材をH型又はコ字状にして、各磁性部材の適所にループコイル巻き回して磁性部材の上端縁から3軸の磁界を発生させ、且つ磁性部材の間隔をローラコンベアを構成する金属製ローラの径よりも大きくして金属製ローラ間を跨ぐように磁界を発生させることにより、金属製のローラコンベアであっても下部にアンテナを配置することができ、磁束による渦電流の防止とインダクタンスの変化を低減した3軸アンテナを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、X軸、Y軸及びZ軸に磁界を発生する3軸アンテナであって、対向配置された2個の縦型磁性部材、及び該2個の縦型磁性部材の対向面間を接続する横型磁性部材によって形成されたH型又はコ字状のコア、並びに前記各縦型磁性部材の上端縁に夫々接続された棒状磁性部材、を有したアンテナコアと、前記各棒状磁性部材の任意の位置に巻き回した第1及び第2のループコイルと、前記各縦型磁性部材の任意の位置に巻き回した第3及び第4のループコイルと、を備えたことを特徴とする。
本発明の3軸アンテナの形状はH型又はコ字状である。その形状を構成するために、2個の縦型磁性部材の対向面間を横型磁性部材によって接続してコアを形成し、各縦型磁性部材の上端縁に夫々棒状磁性部材を接続してアンテナコアとしたものである。そして棒状磁性部材の適所に第1及び第2のループコイルを巻き回し、また、各縦型磁性部材の適所に第3及び第4のループコイルを巻き回して3軸方向の磁界を発生させるものである。これにより、3軸の磁界が棒状磁性部材の上面から放射されるようになる。
請求項2は、前記第1及び第2のループコイルは夫々の位相を同相励磁することにより前記X軸に磁界を発生し、前記第3及び第4のループコイルは夫々の位相を同相励磁することにより前記Y軸に磁界を発生し、夫々の位相を逆相励磁することにより前記Z軸に磁界を発生することを特徴とする。
棒状磁性部材に巻き回されたループコイルは、棒状磁性部材の一方の端部から放射された磁束が他方の端部に入射して両端部間に磁束のループを形成することによりX軸の磁界を発生するように作用する。この作用を効率的に行なうために、位相を同相にする必要がある。また、縦型磁性部材に巻き回されたループコイルの位相を同相とすることにより、Z軸に発生する磁界を相殺してY軸の磁界を効率よく発生することができる。また、縦型磁性部材に巻き回されたループコイルの位相を逆相とすることにより、Y軸に発生する磁界を相殺してZ軸の磁界を効率よく発生することができる。これにより、ループコイルに流す信号電流の向きを制御するだけで、ループコイルから3軸方向に効率よく磁界を発生することができる。
請求項3は、前記各棒状磁性部材の両端部が前記各縦型磁性部材の上端縁の両端部から突出するように構成したことを特徴とする。
X軸方向の磁界を効率よく発生させるためには、磁束が放射される面積が狭い方が磁束が集中する。そこで本発明では、各棒状磁性部材の両端部が各縦型磁性部材の上端縁の両端部から突出するように構成するものである。これにより、X軸方向の磁束が各棒状磁性部材の両端部から集中して放射させることができる。
請求項4は、前記第1及び第2のループコイルは、前記各棒状磁性部材の突出した両端部に分配して巻き回されることを特徴とする。
磁性部材は磁束をほとんど減衰させることなく伝播させることができる。従ってX軸の磁界を発生するためには、この棒状磁性部材にループコイルを巻き回す必要があるが、縦型磁性部材と接続している部分にはループコイルを巻き回すことができないので、各棒状磁性部材の突出した端部に巻き回す必要がある。またこのとき、一方の端部にのみ巻きまわしても磁界は発生するが、縦型磁性部材側に磁束が発生して効率よくX軸方向に発生することができない。そこで本発明では、ループコイルを各棒状磁性部材の突出した両端部に分配して巻き回すものである。これにより、磁束を棒状磁性部材側に効率よく伝播させることができる。
請求項5は、前記磁性部材は、フェライト、純鉄、珪素鋼、鉄・ニッケル合金又はダストコアの何れかの材料から構成されていることを特徴とする。
磁界を強める磁心部材は、比透磁率が大きくヒステリシス現象の小さいものが良い。フェライトは高周波における鉄損が少なく、最大比透磁率や飽和特性が良い。また純鉄は、安価で比透磁率が大きい。また珪素鋼は、純鉄に比べて抵抗率、比透磁率が共に増加する。また鉄・ニッケル合金は、できるだけ大きい透磁率の磁心が必要なときに使用される。またダストコアは、高周波における比透磁率の減少を防ぐ。このように磁性部材を目的により使い分けて最適な材料を選択することができる。
請求項6は、回転自在に支持された複数の金属ローラを備えたローラコンベアと、該金属ローラ間に配置される請求項1乃至5の何れか一項に記載の3軸アンテナと、を備えたローラコンベア装置であって、前記各棒状磁性部材の間隔は、前記金属ローラの直径よりも広く構成されていることを特徴とする。
本発明の3軸アンテナをローラコンベアに設置する場合、金属ローラによる磁界の影響を最小限にするために、磁界が発生する各棒状磁性部材の間隔を金属ローラより広くして、金属ローラを挟むように配置する必要がある。これにより、磁束による渦電流の防止とインダクタンスの変化を低減させることができる。
請求項7は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の3軸アンテナと、該3軸アンテナを構成する各ループコイルの何れか1つを選択するループコイル選択器と、非接触情報記録媒体のアンテナを介して所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダ又はリーダライタと、前記ループコイル選択器及び前記リーダ又はリーダライタを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記ループコイル選択器により前記各ループコイルのうちの一つを一定時間毎に選択的に切り換え使用しながら、前記リーダ又はリーダライタにより前記非接触情報記録媒体のアンテナを介して、所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うことを特徴とする。
本発明は、本発明の3軸アンテナと、ループコイル選択器と、リーダ又はリーダライタと、制御手段と、を備え、制御手段は3軸アンテナを構成する各軸平面のループコイルをループコイル選択器により順次選択する。選択されたループコイルからは非接触情報記録媒体に記録された情報が読み込まれ、制御手段に記憶される。そして全てのループコイルによるデータの授受が終了するまで繰り返す。これにより、物品に付された非接触情報記録媒体の向きがどの方向に向いていても、確実に情報を読み取ることができる。
請求項8は、前記ループコイル選択器は、前記第3及び第4のループコイルが選択されたときに、前記Y軸又はZ軸に磁界を切り替えるための位相切替部を備えたことを特徴とする。
縦型磁性部材に巻き回されたループコイルはY軸とZ軸の磁界を発生するために共通に使用される。そのときY軸の磁界を発生させるためには、各ループコイルを同相励磁する必要があり、Z軸の磁界を発生させるためには、各ループコイルを逆相励磁する必要がある。そこで本発明では、ループコイル選択器内にY軸又はZ軸に磁界を切り替えるための位相切替部を備えるものである。これにより、ループコイルを共通使用することが可能となり、部品コストを低減することができる。
本発明によれば、対向配置された2個の縦型磁性部材、及び2個の縦型磁性部材の対向面間を接続する横型磁性部材によって形成されたH型又はコ字状のコア、並びに各縦型磁性部材の上端縁に夫々接続された棒状磁性部材、を有したアンテナコアと、各棒状磁性部材の適所に巻き回した第1及び第2のループコイルと、各縦型磁性部材の適所に巻き回した第3及び第4のループコイルと、を備えて3軸アンテナを構成することにより、金属製のローラコンベアであっても下部にアンテナを配置することができ、磁束による渦電流の防止とインダクタンスの変化を低減することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、一般的なリーダライタの構成を示すブロック図である。このリーダライタ100は、リーダライタ100との間でデータの授受を行ってシステム全体を制御するPC50によって制御される。リーダライタ100は、外部のPC50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、アンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカード(RFタグ)との電力用搬送波とデータの授受をするアンテナ9とを備えて構成されている。
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、ICカード(RFタグ)(非接触情報記録媒体)の構成を先に説明しておく。図2は、ICカード(RFタグ)の構成を示すブロック図である。このICカード(RFタグ)200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、アンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICカード(RFタグ)200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICカード(RFタグ)200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、アンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICカード(RFタグ)200がリーダライタ100に近接すると、アンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、RFタグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード(RFタグ)200が規格に合致したICカード(RFタグ)であると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード(RFタグ)200の間でポーリングが行われる。
図3は本発明の一実施形態に係る3軸アンテナの構成を示す斜視図である。この3軸アンテナ1は、対向配置された2個の縦型磁性部材10a、10b及び2個の縦型磁性部材10a、10bの対向面間を接続する横型磁性部材9によって形成されたH型のコア、並びに各縦型磁性部材10a、10bの上端縁12に夫々接続された棒状磁性部材8a、8bを有したアンテナコア11と、各棒状磁性部材8a、8bの両端部14に巻き回した第1のループコイル4及び第2のループコイル5と、各縦型磁性部材10a、10bの適所に巻き回した第3のループコイル6及び第4のループコイル7と、を備えて構成されている。尚、コアはH型に限らず横型磁性部材9を底面13と同一面にしたコ字状でも構わない。
本実施形態の3軸アンテナの形状はH型又はコ字状である。その形状を構成するために、2個の縦型磁性部材10a、10bの対向面間を横型磁性部材9によって接続してコアを形成し、各縦型磁性部材10a、10bの上端縁12に夫々棒状磁性部材8a、8bを接続してアンテナコア11としたものである。そして棒状磁性部材8a、8bの両端部14に第1及び第2のループコイル4、5を巻き回し、また、各縦型磁性部材10a、10bの適所に第3及び第4のループコイル6、7を巻き回して3軸方向の磁界を発生させるものである。これにより、3軸の磁界が棒状磁性部材8a、8bの上面15から放射されるようになる。
図4は各軸に発生する磁界の動きを説明する図である。図4(a)はX軸磁界の動きを説明する図、(b)はZ軸磁界の動きを説明する図、(c)はY軸磁界の動きを説明する図である。尚、各図には必要なループコイルのみを記載し、他は省略している。同じ構成要素には図3と同じ参照番号を付して説明する。尚、図4(A)に示すように各軸の方向を定義する。
図4(a)においては、第1のループコイル4と第2のループコイル5が同じ巻き数で且つ巻く方向も同じとする。この条件下で第1のループコイル4と第2のループコイル5の図示しないループコイルの始端から同位相の信号電流を流すと、同じ向きに磁束線20aと20bが発生する(詳細は後述する)。このときRFタグ200を構成するアンテナは磁束線20aと20b(X軸)に対して直交するように交差する。また、図4(b)においては、第3のループコイル6と第4のループコイル7が同じ巻き数で且つ巻く方向も同じとする。この条件下で第3のループコイル6と第4のループコイル7の図示しないループコイルの始端から逆位相の信号電流を流すと、第4のループコイル7から第3のループコイル6の向きに磁束線21が発生する(詳細は後述する)。このときRFタグ200を構成するアンテナは磁束線21(Z軸)に対して直交するように交差する。尚、図4(b−B)に縦型磁性部材10a、10bに伝播する磁束線の向きを示す。
また、図4(c)においては、第3のループコイル6と第4のループコイル7が同じ巻き数で且つ巻く方向も同じとする。この条件下で第3のループコイル6と第4のループコイル7の図示しないループコイルの始端から同位相の信号電流を流すと、同じ向きに磁束線22aと22bが発生する(詳細は後述する)。このときRFタグ200を構成するアンテナは磁束線22の(Y軸)に対して直交するように交差する。尚、図4(c−C)に縦型磁性部材10a、10bに伝播する磁束線の向きを示す。
即ち、棒状磁性部材8a、8bに巻き回されたループコイル4、5は、棒状磁性部材8a、8bの一方の端部から放射された磁束線が他方の端部に入射して両端部間に磁束のループ20a、20bを形成することによりX軸の磁界を発生するように作用する。この作用を効率的に行なうために、位相を同相にする必要がある。また、縦型磁性部材10a、10bに巻き回されたループコイル6、7の位相を同相とすることにより、Z軸に発生する磁界を相殺してY軸の磁界を効率よく発生することができる。また、縦型磁性部材10a、10bに巻き回されたループコイル6、7の位相を逆相とすることにより、Y軸に発生する磁界を相殺してZ軸の磁界を効率よく発生することができる。これにより、ループコイルに流す信号電流の向きを制御するだけで、ループコイルから3軸方向に効率よく磁界を発生することができる。
また、X軸方向の磁界を効率よく発生させるためには、磁束線が放射される面積が狭いほうが磁束線が集中する。そこで本実施形態では、各棒状磁性部材8a、8bの両端部14が各縦型磁性部材10a、10bの上端縁12の両端部から突出するように構成するものである。これにより、X軸方向の磁束線20a、20bが各棒状磁性部材8a、8bの両端部から集中して放射させることができる。また、磁性部材は磁束をほとんど減衰させることなく伝播させることができる。従ってX軸の磁界を発生するためには、この棒状磁性部材8a、8bにループコイルを巻き回す必要があるが、縦型磁性部材10a、10bと接続している部分にはループコイルを巻き回すことができないので、各棒状磁性部材8a、8bの突出した端部14に巻き回す必要がある。またこのとき、一方の端部にのみ巻きまわしても磁界は発生するが、縦型磁性部材10a、10b側に磁束が発生して効率よくX軸方向に発生することができない。そこで本実施形態では、ループコイルを各棒状磁性部材の突出した両端部に分配して巻き回すものである。これにより、磁束線を棒状磁性部材8a、8b側に効率よく伝播させることができる。
図5は各軸に発生する磁界の動きを模式的に説明する図である。図5(a)はX軸磁界の動きを説明する図、(b)はZ軸磁界の動きを説明する図、(c)はY軸磁界の動きを説明する図である。同じ構成要素には図4と同じ参照番号を付して説明する。尚、●はループコイルの巻き始めを表している。図5(a)はX軸磁界発生コイルの図であり、「+」極性の端子と「−」極性の端子間にループコイル4と5が同じ方向で並列に接続されている。ループコイル4は棒状磁性部材8aの両端部にループコイル4a、4bを直列に分配して巻きまわしている。また、ループコイル5は棒状磁性部材8bの両端部にループコイル5a、5bを直列に分配して巻きまわしている。ここでループコイル4a、4bに矢印の方向に信号電流25を流すと、そこには磁束線20aが発生し、ループコイル4a、4b内を磁路とするループが形成される。同じくループコイル5a、5bに矢印の方向に信号電流26を流すと、そこには磁束線20bが発生し、ループコイル5a、5b内を磁路とするループが形成される。
図5(b)はZ軸磁界発生コイルの図であり、「+」極性の端子と「−」極性の端子間にループコイル6は●印が「+」極性に接続され、ループコイル7は●印がスイッチ30aの接点c、接点bを介して「−」極性に接続されている。ここでループコイル6に矢印の方向に信号電流27を流すと、そこには磁束線21aが発生する。また、ループコイル7に矢印の方向に信号電流28を流すと、そこには磁束線21bが発生するが、この磁束線の向きは磁束線21aとは逆のため、結果的にY軸に発生する磁界を相殺して、ループコイル7の方向からループコイル6に流れる磁束線が発生する。
図5(c)はY軸磁界発生コイルの図であり、「+」極性の端子と「−」極性の端子間にループコイル6は●印が「+」極性に接続され、ループコイル7は●印がスイッチ30aの接点c、接点aを介して「+」極性に接続されている。ここでループコイル6に矢印の方向に信号電流27を流すと、そこには磁束線22aが発生する。また、ループコイル7に矢印の方向に信号電流29を流すと、そこには磁束線22bが発生するが、この磁束線の向きは磁束線22aとは同じため、結果的にZ軸に発生する磁界を相殺して、ループコイル6と7にY軸方向の磁界が発生する。
図6は本発明の3軸アンテナをローラコンベアに使用したローラコンベア装置について説明する図である。このローラコンベア装置150は、回転自在に支持された複数の金属ローラ2a、2b、2cを備えたローラコンベア2と、金属ローラ2bを挟むように配置される3軸アンテナ1と、を備え手構成されている。そして各棒状磁性部材8a、8bの間隔は、金属ローラ2bの直径よりも広く構成されている。
即ち、本実施形態の3軸アンテナ1をローラコンベア装置150に設置する場合、金属ローラ2a、2b、2cによる磁界の影響を最小限にするために、磁界が発生する各棒状磁性部材8a、8bの間隔を1本の金属ローラ2bより広くして、金属ローラ2bを挟むように配置する必要がある。これにより、磁束による渦電流の防止とインダクタンスの変化を低減させることができる。
図7は本発明の3軸アンテナを備えた情報読み取り装置のブロック図である。この情報読み取り装置160は、本発明の3軸アンテナ1と、3軸アンテナ1を構成する各ループコイルの何れか1つを選択するループコイル選択器31と、RFタグ200のアンテナを介して所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダライタ(R/W)100と、ループコイル選択器31及びR/W100を制御するPC(制御手段)50と、を備えて構成されている。尚、ループコイル選択器31は、第3及び第4のループコイル6、7が選択されたときに、Y軸又はZ軸に磁界を切り替えるための位相切替部30を備えている。
そしてPC50は、ループコイル選択器31により各ループコイル4〜7のうちの一つを一定時間毎に選択的に切り換え使用しながら、R/W100によりRFタグ200のアンテナを介して、所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行う。
本実施形態では、本発明の3軸アンテナ1と、ループコイル選択器31と、R/W100と、PC50と、を備え、PC50は3軸アンテナ1を構成する各軸平面のループコイル4〜7をループコイル選択器31により順次選択する。選択されたループコイルからはRFタグ200に記録された情報が読み込まれ、PC50に記憶される。そして全てのループコイルによるデータの授受が終了するまで繰り返す。これにより、物品に付されたRFタグ200の向きがどの方向に向いていても、確実に情報を読み取ることができる。
また、縦型磁性部材10a、10bに巻き回されたループコイル6、7はY軸とZ軸の磁界を発生するために共通に使用される。そのときY軸の磁界を発生させるためには、各ループコイルを同相励磁する必要があり、Z軸の磁界を発生させるためには、各ループコイルを逆相励磁する必要がある。そこで本実施形態では、ループコイル選択器31内にY軸又はZ軸に磁界を切り替えるための位相切替部30を備えるものである。これにより、ループコイルを共通使用することが可能となり、部品コストを低減することができる。この位相切替部30はリレーによるメカ的な接点でも良いし、電子的に切り替えても構わない。
一般的なリーダライタの構成を示すブロック図である。 ICカード(RFタグ)の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る3軸アンテナの構成を示す斜視図である。 各軸に発生する磁束線の動きを説明する図である。 各軸に発生する磁束線の動きを模式的に説明する図である。 本発明の3軸アンテナをローラコンベアに使用したローラコンベア装置について説明する図である。 3軸アンテナを備えた情報読み取り装置のブロック図である。
符号の説明
1 3軸アンテナ、2 ローラコンベア、4 第1のループコイル、5 第2のループコイル、6 第3のループコイル、7 第4のループコイル、8a、8b 棒状磁性部材、9 横型磁性部材、10a、10b 縦型磁性部材、11 アンテナコア、12 上端縁、14 端部、150 ローラコンベア装置、160 情報読み取り装置

Claims (8)

  1. X軸、Y軸及びZ軸に磁界を発生する3軸アンテナであって、
    対向配置された2個の縦型磁性部材、及び該2個の縦型磁性部材の対向面間を接続する横型磁性部材によって形成されたH型又はコ字状のコア、並びに前記各縦型磁性部材の上端縁に夫々接続された棒状磁性部材、を有したアンテナコアと、
    前記各棒状磁性部材の任意の位置に巻き回した第1及び第2のループコイルと、
    前記各縦型磁性部材の任意の位置に巻き回した第3及び第4のループコイルと、を備えたことを特徴とする3軸アンテナ。
  2. 前記第1及び第2のループコイルは夫々の位相を同相励磁することにより前記X軸に磁界を発生し、前記第3及び第4のループコイルは夫々の位相を同相励磁することにより前記Y軸に磁界を発生し、夫々の位相を逆相励磁することにより前記Z軸に磁界を発生することを特徴とする請求項1に記載の3軸アンテナ。
  3. 前記各棒状磁性部材の両端部が前記各縦型磁性部材の上端縁の両端部から突出するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の3軸アンテナ。
  4. 前記第1及び第2のループコイルは、前記各棒状磁性部材の突出した両端部に分配して巻き回されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の3軸アンテナ。
  5. 前記磁性部材は、フェライト、純鉄、珪素鋼、鉄・ニッケル合金又はダストコアの何れかの材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の3軸アンテナ。
  6. 回転自在に支持された複数の金属ローラを備えたローラコンベアと、該金属ローラ間に配置される請求項1乃至5の何れか一項に記載の3軸アンテナと、を備えたローラコンベア装置であって、
    前記各棒状磁性部材の間隔は、前記金属ローラの直径よりも広く構成されていることを特徴とするローラコンベア装置。
  7. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の3軸アンテナと、該3軸アンテナを構成する各ループコイルの何れか1つを選択するループコイル選択器と、非接触情報記録媒体のアンテナを介して所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダ又はリーダライタと、前記ループコイル選択器及び前記リーダ又はリーダライタを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ループコイル選択器により前記各ループコイルのうちの一つを一定時間毎に選択的に切り換え使用しながら、前記リーダ又はリーダライタにより前記非接触情報記録媒体のアンテナを介して、所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うことを特徴とする情報読み取り装置。
  8. 前記ループコイル選択器は、前記第3及び第4のループコイルが選択されたときに、前記Y軸又はZ軸に磁界を切り替えるための位相切替部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の情報読み取り装置。
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