JP4289113B2 - 情報読み出し書き込み装置 - Google Patents

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本発明は、非接触IC(Integrated Circuit)タグや、非接触ICカードといった非接触情報媒体を用いたRFID(Radio Frequency IDentification)に関するものであり、詳しくは、非接触情報媒体とデータ通信を行う情報読み出し書き込み装置に関する。
非接触ICカードや、非接触ICタグといった非接触情報媒体を用いた通信システムであるRFIDシステムが考案、実施されている。RFIDシステムは、非接触情報媒体に内蔵されているICチップと、リーダライタとの間で情報通信がなされるものであり、例えば、駅の自動改札や、図書館における書籍の貸し出しなどに利用されており、今後も様々な分野で個人情報のやり取りに用いられることが予想される。
なお、非接触ICカードとは、いわゆるクレジットカードなどのようにカード形状をした非接触情報媒体の総称である。一方、非接触ICタグとは、カード形状以外の非接触情報媒体、例えば、クレジットカードよりも小さなラベルサイズ、切手サイズやそれ以下のサイズのもの、また、形状もカード形状だけではなく、丸型や、星形など様々な形状をした非接触情報媒体の総称である。
電磁結合方式によるRFIDシステムにおいて、非接触情報媒体は、リーダライタから送信された電波を受信し、受信した電波から電磁誘導によって動作電力を得ると共に、この電波を利用してリーダライタとの間でデータ通信を行う。非接触情報媒体と、リーダライタとは、この電波を送受信するためのアンテナコイルをそれぞれ内蔵している。このような、電磁結合方式のリーダライタと、非接触情報記録媒体との適切な通信距離は、概ね数cm〜数十cmとなる。
特開2000−315908号公報
非接触情報媒体が、例えば、非接触ICカードである場合、通常、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)で定められ、クレジットカードと同寸法のサイズ(縦54mm、横85.6mm、厚さ0.76mm)が適用されることになる。
このとき、非接触ICカードに内蔵されるアンテナコイルは、リーダライタからの磁束がより多く通過するよう、非接触ICカードの形状に近似した大きさとなっている。また、非接触情報媒体が、非接触ICタグである場合には、当該非接触ICタグの規格や、非接触タグの形状に応じて、リーダライタからの磁束がより多く通過するようなアンテナコイルの形状や大きさとなる。
このように非接触情報媒体のアンテナコイルの形状や大きさは、規格などによって、ある程度定まることになる。
これに対し、リーダライタのアンテナコイルの形状や大きさは、リーダライタを搭載する被搭載機器の機器構成などに大きな影響を受けることになる。
例えば、被搭載機器を構成する各パーツが、被搭載機器の筐体内を密に占有している場合などは、リーダライタを適切に設置するのに十分なスペースを確保することができなく
なる。特に、リーダライタのアンテナコイルは、非接触情報媒体と電磁結合をする必要があるため、リーダライタの設置位置によって、その形状や、大きさを決めてしまうと良好な無線通信することができなくなってしまう。つまり、リーダライタのアンテナコイルは、非接触情報媒体のアンテナコイルの形状や、大きさを十分考慮しなくてはならない。
このような良好な無線通信を実現するためには、最悪の場合、リーダライタのアンテナコイルを、被搭載機器の金属製の筐体などに設置せざるを得ない場合がある。しかし、金属製部品にリーダライタのアンテナコイルを設置した場合、以下に示す2つの理由により、良好な通信を実現できないといった問題がある。
(1)リーダライタのアンテナコイルを金属製部品上に設置すると、アンテナコイルで発生した磁界が渦電流となり、非接触情報媒体のアンテナコイルを通過する磁束が金属部品で消費されてしまうため、良好な無線通信を実行することができない。
(2)リーダライタのアンテナコイルと、同調コンデンサとで形成する並列共振回路において、インダクタであるアンテナコイルが金属部品上にあると、インダクタンスが非常に小さくなる。それに伴い同調コンデンサのキャパシタンスが大きくなってしまい、共振の質を示すQ値(Quality factor)が下がり共振回路とならず、非常に効率の悪い通信システムとなり、非接触情報媒体への電力供給もできなくなってしまう。
従来の技術では、このような、金属部品上にリーダライタのアンテナコイルを設置した場合の問題に対して、以下に示すような手法で対応していた。
(a)図12に示すように、リーダライタのアンテナコイル100が形成されたアンテナコイル基板101を設置する金属製の筐体200に、アンテナコイル100のアンテナパターン以上のサイズの開口部200aを開け、金属である筐体200による磁気的な損失を防止する手法。
(b)図13に示すように、アンテナコイル基板101と、金属製の筐体200との間に磁性材料で形成された磁性シートや磁性板、例えば、1mm厚程度のフェライト板300を入れ、金属である筐体200による磁気的な損失を防止する手法。
(c)図14に示すように、アンテナコイル基板101を、金属製の筐体200から7mm以上、例えば10mm程度離して設置し、金属である筐体200による磁気的な損失を防止する手法。
しかしながら、(a)に示す手法で磁気的な損失を防止する場合、筐体200に開口部200aを開けるため、筐体200の強度が非常に弱くなるといった問題がある。また、開口部200aには他の部品を設置できないなど、リーダライタを搭載する被搭載機器側にも無意味に制約を与えてしまうといった問題もある。
また、(b)に示す手法で磁気的な損失を防止する場合、磁性シートや磁性板が非常に高価であることから、全体のコストが大幅にアップしてしまうといった問題がある。
さらにまた、(c)に示す手法で磁気的な損失を防止する場合、アンテナコイル基板101を設置するために、アンテナコイル基板101の厚さの何倍も設置スペースが必要となり、装置の大型化を招くといった問題がある。
そこで、本発明は、上述したような問題を解決するために案出されたものであり、情報読み出し書き込み装置のアンテナコイルを金属部品上に設置した場合でも、高価な磁性シートや磁性板を使用せずに、効率よく電波を伝送し、良好な通信を実現する情報読み出し書き込み装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る情報読み出し書き込み装置は、所定の周波数の搬送波を介して、非接触情報媒体と、電磁結合方式の無線通信をする情報読み出し書き込み装置であって、上記非接触情報媒体との無線通信において要求される電流が印加される1次巻線と、上記1次巻線と密結合する2次巻線と、上記2次巻線と直列に接続され、上記非接触情報媒体が有する媒体側アンテナコイルと電磁結合するアンテナコイルと、上記アンテナコイルと直列に接続される同調コンデンサとを備え、直列に接続された上記2次巻線、上記アンテナコイル、上記同調コンデンサは、共振回路を形成し、上記共振回路は、基板上の一方主面に配され、上記1次巻線は、上記基板上の他方主面に、上記基板上の一方主面に配された上記共振回路の上記2次巻線と密結合するように対向して配され、上記共振回路と、上記1次巻線とが配された上記基板は、金属製部材に開口された開口部から上記1次巻線が露出するように、上記金属製部材上に取り付けられ、上記共振回路の共振周波数を上記搬送波の周波数として、上記非接触情報媒体と無線通信することを特徴とする。
本発明は、アンテナコイルと、同調コンデンサと、2次巻線とが直列接続された共振回路を基板上の一方主面に配し、1次巻線を、基板上の他方主面に上記基板上の一方主面に配された共振回路の2次巻線と密結合するように対向して配し、共振回路と、1次巻線とが配された基板を金属製部材に開口された開口部から1次巻線が露出するように金属製部材上に取り付けることで、金属製部材による磁束の損失を大幅に減少させることができる。
したがって、金属製部材上という、無線通信には最悪の設置条件でアンテナコイルが設置されても非接触情報媒体との無線通信を可能とする。
このように、情報読み出し書き込み装置は、金属製部材による影響を良好な通信ができる程度まで抑制できるため、被搭載機器に搭載させる際の設置自由度が高くなり、僅かなスペースでも設置が可能となる。したがって、情報読み出し書き込み装置を搭載させる被搭載機器の小型化を可能とし、設置する際の無駄な加工も必要としない。
また、非常に高価な磁性材料を用いなくとも金属製部材の影響を抑制できるため、大幅にコストを削減することを可能とする。
以下、本発明に係る情報読み出し書き込み装置の発明を実施するための最良の形態を図面を参照にして詳細に説明をする。
まず、図1を用いて、本発明を実施するための最良の形態として示す通信システム1について説明をする。
図1に示すように、通信システム1は、リーダライタ10と、非接触IC(Integrated Circuit)カード20とを備えた、電磁結合方式によるRFID(Radio Frequency IDentification)システムである。
この通信システム1において、非接触情報媒体である非接触ICカード20は、リーダライタ10から送信された電波を受信して、電磁誘導によって動作電力を得ると共に、この電波を利用して、リーダライタ10との間でデータ通信を行う。
リーダライタ10は、データ送受信、電力供給など、リーダライタ10の動作を統括的に制御するリーダライタ用IC11と、リーダライタ用IC11の制御によって非接触ICカード20とデータ送受信をしたり、電力伝送を行ったりするアンテナ部12とを備えている。
アンテナ部12は、リーダライタ用IC11に直接接続された1次巻線である1次コイル13と、並列共振回路14とからなる。
並列共振回路14は、1次コイル13と密結合する2次巻線である2次コイル15と、非接触ICカード20のアンテナコイル21と電磁結合するアンテナコイル16と、同調コンデンサ17とが直列に接続されてなる。
1次コイル13と、2次コイル15との巻数比は、1:N(Nは、自然数)とすることができる。1次コイル13と、2次コイル15との磁気的結合を強くする場合は、巻数比を1:1とする。
また、1次コイル13と、1次コイル15の形状及び大きさは、磁気的に結合可能であればどのような形状及び大きさであってもかまわない。1次コイル13と、2次コイル15との磁気的結合を強くする場合は、両者を略同一形状、略同一サイズとする。
この並列共振回路14は、リーダライタ用IC11の制御によって1次コイル13に印加された電流によって駆動され、周波数fc(例えば、13.56MHz付近)で同調するようになる。
リーダライタ10は、この周波数fcをキャリア周波数とする搬送波を変調した電波を利用して非接触ICカード20と無線通信をする。なお、以下の説明において、キャリア周波数をキャリア周波数fcとするが、キャリア周波数fcは、13.56MHzに限定されるものではない。
図2に、リーダライタ10のアンテナ部12の1次コイル13、2次コイル15、アンテナコイル16、非接触ICカード20のアンテナコイル21のアンテナ形状をより具体的に示した通信システム1を示し、通信システム1の構成の詳細について説明をする。
リーダライタ用IC11は、図示しないインターフェース回路を備えており、例えば、リーダライタ10を搭載する被搭載機器のCPU(Central Processing Unit)に接続され制御される。
また、リーダライタ用IC11は、リーダライタ10から非接触ICカード20へのデータ送信及び非接触ICカード20から送信されるデータを受信する際の動作を制御する。
データ送信時において、リーダライタ用IC11は、キャリア周波数fcの搬送波と、AM(Amplitude Modulation)変調された送信データに対応する電流を1次コイル13に供給する。
1次コイル13は、リーダライタ用IC11によって供給された電流によって磁界を発生させる。1次コイル13で発生する磁界は、供給される電流に基づいて変化することになる。この磁界による磁束が、1次コイル13と密結合している並列共振回路14の2次コイル15を通過すると、並列共振回路14に誘導電流を発生させる。並列共振回路14に発生した誘導電流によって、アンテナコイル16は、磁界を発生させる。
このアンテナコイル16で発生する磁界は、並列共振回路14を流れる誘導電流によって変化することになり、キャリア周波数fcの搬送波に乗ったデータが、磁束の変化としてアンテナコイル16と電磁結合する非接触ICカード20のアンテナコイル21に伝達される。
また、データ受信時において、リーダライタ用IC11は、非接触ICカード20から送信され、1次コイル13で磁束の変化として受信されるデータを復調する。
非接触ICカード20から送信されたキャリア周波数fcの搬送波に乗ったデータは、並列共振回路14のアンテナコイル16で磁束の変化として受信され、並列共振回路14に誘導電流を発生させる。並列共振回路14に発生した誘導電流は、2次コイル15において磁界を発生させる。
2次コイル15で発生した磁界による磁束は、2次コイル15と密結合した1次コイル13を通過し、通過する磁束の変化に応じた誘導電流が、リーダライタ用IC11と、1次コイル13とからなる系に発生することになる。リーダライタ用IC11は、この誘導電流を復調することで、非接触ICカード20から送信されたデータを取得する。
非接触ICカード20は、インダクタであるアンテナコイル21と、同調コンデンサ22とが直列に接続されてなる並列共振回路23を備えている。この並列共振回路23には、カード用IC24が並列に接続されている。
アンテナコイル21は、リーダライタ10から送信される電波を磁束の変化として受信する。並列共振回路23には、アンテナコイル21によって受信された電波の磁束の変化を妨げる向きに誘導起電力が発生することになる。並列共振回路23は、この誘導起電力によって、例えば、周波数fc=13.56MHz付近で同調するようになる。
並列共振回路23に並列に接続されたカード用IC24は、この誘導起電力を動作電力として動作することになる。動作電力が供給されたカード用IC24は、リーダライタ10から送信されたデータの受信及びリーダライタ10へデータを送信する際の動作を制御する。
データ受信時において、カード用IC24は、リーダライタ10から送信され、アンテナコイル21で磁束の変化として受信される電波を復調し、データを取得する。
データ送信時において、カード用IC24は、キャリア周波数fcの搬送波を、送信するデータによって変調して伝送信号を生成する。カード用IC24は、送信するデータに応じて、アンテナコイル21の負荷を変えて搬送波を変調する負荷変調を行う。
変調され、生成された伝送信号は、アンテナコイル21に供給され、磁界を発生させる。アンテナコイル21で発生する磁界は、伝送信号に基づいて変化することになり、キャリア周波数fcの搬送波に乗ったデータが、磁束の変化としてアンテナコイル21と電磁結合するリーダライタ10のアンテナコイル16に伝達される。
続いて、リーダライタ10が備えるアンテナ部12の具体的な構成について説明をする。図3に示すようにアンテナ部12は、1次コイル13、並列共振回路14である2次コイル15、アンテナコイル16、同調コンデンサ17とが基板30上に形成されてなる。
図3においては、煩雑になるため図示していないが、実際は、基板30の一方主面に並列共振回路が形成されると、1次コイル13は、基板30の他方主面に形成されることになる。
図4に、アンテナ部12が形成された基板30をAA線で切断した際の断面図を示す。図4に示すように1次コイル13は、並列共振回路14の2次コイル15が形成されている箇所に対向する他方主面上に配され、2次コイル15と密結合をさせる。なお、以下の説明において、並列共振回路14が形成された一方主面を基板主面30aとし、1次コイル13が形成された基板30の他方主面を基板主面30bとする。
基板30は、プリント基板で、基板の厚さがおよそ1.6mm程度と非常に薄いため、1次コイル13と、2次コイル15との磁気的結合を阻害することはない。
このように基板30上の両面に形成されたアンテナ部12は、金属部材上に取り付けた場合に非常に効果的に働き、リーダライタ10と、非接触IDカード20との無線通信を良好なものとする。例えば、リーダライタ10のアンテナ部12が、何らかの理由によりリーダライタ10を搭載する被搭載機器の金属製の筐体以外に取り付けられない場合を考える。
図5に示すように、金属筐体50にアンテナ部12を取り付ける場合、非接触ICカード20のアンテナコイル21と電磁結合するアンテナコイル16が形成されている基板主面30aを外側にし、1次コイル13が形成されている基板主面30bが金属筐体50と接触するようにする。
このとき、金属筐体50は、1次コイル13が金属筐体50内部に露出するように開口部50Aが形成され、金属筐体50と接触することがないようにする。したがって、開口部50Aの開口面積は、1次コイル13のコイルパターンによる面積以上とする必要がある。
開口部50Aの開口面積は、このように1次コイル13のコイルパターンによる面積から決定することもできるが、一般に筐体は、ある程度の強度が要求されたり、筐体内の電子回路による電磁ノイズの漏洩を防止する必要があるため、筐体側の要求も考慮する必要がある。逆に、開口部50Aの開口面積が決まれば、1次コイル13のコイルパターンの面積も決定されることになる。
開口部50Aが開口された金属筐体50上に、アンテナ部12を取り付ける。金属筐体50にアンテナ部12を取り付ける場合は、例えば、両面テープなどで簡単に貼り付けることも可能である。
このように、金属筐体50に取り付けられたアンテナ部12の1次コイル13にリーダライタ用IC11の制御によって電流が印加されると、1次コイル13に磁界が発生し、図6に示すように発生した磁界による磁束Bが基板30を介して2次コイル15を通過する。
2次コイル15は、磁束Bが通過することで誘導電流を発生し、並列共振回路14、全体にこの誘導電流が流れる。この誘導電流がアンテナコイル16を流れると、アンテナコイル16は磁界を発生する。
データ通信をする際、非接触IDカード20は、図6に示すように、アンテナコイル21と電磁結合しやすいアンテナコイル16で発生された磁界による磁束Cを中心に、2次コイル15を通過する磁束Bを受信することになる。
一般に、金属部材にアンテナコイルを直接貼り付けると、金属部材の影響によりアンテナコイルのインダクタンスは急激に減少してしまい、共振回路として機能しなくなってしまう。
しかし、図3,4に示すようなアンテナ部12を、図5に示すように金属筐体50に取り付けた場合、アンテナコイル16は、金属筐体50と接触して上述したようにインダクタンスが大幅に減少するが、開口部50Aが開口していることにより、1次コイル13と密結合している2次コイル15は金属筐体50の影響をほとんど受けずインダクタンスが残っている。
したがって、並列共振回路14は、この2次コイル15のインダクタンスと、同調コンデンサ17とで共振回路として機能し、1次コイル13からの磁束Bを効率良く受け取ることができる。
このようにして、リーダライタ10のアンテナ部12を金属部材である金属筐体50上に設置した場合でも良好な無線通信を実行することができる。
また、アンテナ部12のアンテナコイル16と、金属筐体50との距離が離れるほど、金属部材による磁束の損失を排除することができるため、アンテナコイル16からの磁束が強くなり、非接触ICカード20との通信距離を伸ばすことができる。
例えば、図7に示すように、図5では直接貼り付けていた、アンテナ部12と、金属筐体50との間に、ABS樹脂などの非磁性材料をスペーサ51として挿入することで、通信距離を容易に伸ばすことができる。
続いて、実施例として、図8に示すように金属部材60に、基板30上に形成したアンテナ部12を貼り付けて、非接触ICカード20との通信可能領域を測定した。
アンテナ部12を貼り付ける金属部材60は、厚さ1mmの珪素鋼板とし、1次コイル13に接触しないように30mm×30mmの面積の開口部60Aを設ける。
アンテナ部12は、厚さ1.6mmのプリント基板である基板30に形成されている。金属部材60と接触する面である基板30の基板主面30bには、直径25mmの円形状のコイルパターンで1次コイル13が形成されている。また、基板主面30bと対向する基板主面30aには、図9に示すように1次コイル13と対向する位置に直径25mmの円形状のコイルパターンで2次コイル15が形成され、基板主面30a上に縦50mm、横80mmのコイルパターンでアンテナコイル16が形成されている。
一方、非接触ICカード20は、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)で定められた縦54mm、横85.6mm、厚さ0.76mmというサイズのものを使用する。非接触ICカード20に内蔵されているアンテナコイル21は、非接触ICカード20のサイズに近似するように巻かれているものとする。
次に測定する通信可能領域について説明をする。測定する通信可能領域は、非接触ICカード20をアンテナ部12に対して、垂直に動かした際の通信可能となる最大距離である最大通信距離と、非接触ICカード20をアンテナ部12に対して水平方向に動かした際に通信可能となる範囲を示す通信範囲XYとがある。
具体的には、最大通信距離は、水平に置かれたアンテナ部12のアンテナコイル16の中心と、非接触ICカード20の主平面の中心とを合わせ、非接触ICカード20を、アンテナコイル16に対して平行に保ちながら、鉛直方向に移動させた際に通信が可能な最大距離である。
通信範囲XYは、アンテナ部12に対して所定の距離で水平に保たれた非接触ICカード20を、図10に示すようなXY座標平面において、X軸方向、Y軸方向に任意に移動させた際に通信が可能となる範囲であり、非接触ICカード20の中心位置の軌跡を測定することで求まる。
この最大通信距離と、通信範囲XYとを測定することで、アンテナ部12を金属部材に貼り付けた際の効果の指標とする。
実験結果を示すと、最大通信距離は、約20mm程度となった。また、通信範囲XYは、アンテナコイル16の中心から鉛直方向に10mm離れた位置において、図11に示すようになった。
図11に示すように、通信範囲XYは、XY座標平面において、−33≦X(mm)≦33、−18≦Y(mm)≦18となる。つまり、図11において、実線で示す長軸66mm、短軸36mmの楕円内が通信範囲XYであることが分かる。
このように、リーダライタ10のアンテナとして、アンテナ部12を用いることで、金属部材への取り付けといった通常では、通信不能となる最悪の条件であっても、リーダライタ10と、非接触ICカード20による無線通信を実用範囲まで可能とすることができる。
特に、本発明は、リーダライタ10を搭載する被搭載機器に組み込む、組み込み機器に非接触情報媒体を取り付け、電磁結合方式の無線通信をする、比較的近距離での通信に非常に有効となる。例えば、消耗品であるプリンタのトナーカートリッジに非接触ICタグを貼り付け、プリンタ筐体内の所定の金属内部シャーシに取り付けられたリーダライタ10のアンテナ部12とデータ通信をし、トナー残量などを管理する場合など、プリンタ筐体内の限られたスペースを、金属部材を気にすることなく有効利用することができる。
また、非常に高価な磁性材料を使用することなく良好な通信を実現できるため、大幅なコスト削減が可能となる。
本発明を実施するための最良の形態として示す通信システムの構成について説明するための図である。 同通信システムの構成をさらに詳細に説明するための図である。 同通信システムのアンテナ部について説明するための図である。 同通信システムのアンテナ部について説明するためのアンテナ部の断面図である。 同通信システムのアンテナ部を金属筐体に取り付けた様子を示した図である。 同通信システムのアンテナ部を金属筐体に取り付けた際の発生する磁束の様子を示した図である。 同通信システムのアンテナ部をスペーサを介して金属筐体に取り付けた様子を示した図である。 同通信システムの効果を検証する実施例について説明するための図である。 実施例で用いるアンテナ部について説明するための図である。 実施例における通信範囲XYについて説明するための図である。 実施例における通信範囲XYの実験結果について示した図である。 従来の技術として示す通信システムにおいて、アンテナコイルの第1の設置例を示した図である。 同通信システムにおいて、アンテナコイルの第2の設置例を示した図である。 同通信システムにおいて、アンテナコイルの第3の設置例を示した図である。
符号の説明
1 通信システム、10 リーダライタ、11 リーダライタ用IC(Integrated Circuit)、12 アンテナ部、13 1次コイル、14 並列共振回路、15 2次コイル、16 アンテナコイル、17 同調コンデンサ、20 非接触IC(Integrated Circuit)カード

Claims (3)

  1. 所定の周波数の搬送波を介して、非接触情報媒体と、電磁結合方式の無線通信をする情報読み出し書き込み装置であって、
    上記非接触情報媒体との無線通信において要求される電流が印加される1次巻線と、
    上記1次巻線と密結合する2次巻線と、
    上記2次巻線と直列に接続され、上記非接触情報媒体が有する媒体側アンテナコイルと電磁結合するアンテナコイルと、
    上記アンテナコイルと直列に接続される同調コンデンサとを備え、
    直列に接続された上記2次巻線、上記アンテナコイル、上記同調コンデンサは、共振回路を形成し、
    上記共振回路は、基板上の一方主面に配され、
    上記1次巻線は、上記基板上の他方主面に、上記基板上の一方主面に配された上記共振回路の上記2次巻線と密結合するように対向して配され、
    上記共振回路と、上記1次巻線とが配された上記基板は、金属製部材に開口された開口部から上記1次巻線が露出するように、上記金属製部材上に取り付けられ、
    上記共振回路の共振周波数を上記搬送波の周波数として、上記非接触情報媒体と無線通信すること
    を特徴とする情報読み出し書き込み装置。
  2. 上記金属製部材は、当該情報読み出し書き込み装置を搭載する被搭載機器の構成部材であること
    を特徴とする請求項記載の情報読み出し書き込み装置。
  3. 上記基板は、非磁性部材を介して、上記金属製部材上に取り付けられること
    を特徴とする請求項記載の情報読み出し書き込み装置。
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