JP4264534B2 - データ通信装置、非接触データ送受信システム、及びアンテナ装置 - Google Patents

データ通信装置、非接触データ送受信システム、及びアンテナ装置 Download PDF

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    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁場を誘導結合する無線タグに対してデータの書き込み及び読み出しを行うデータ通信装置、また、電磁場を誘導結合する無線タグに対してデータの書き込み及び読み出しを行う非接触データ送受信システム、電磁場を誘導結合する無線タグと通信するためのアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄道の自動改札機や、建物への入退出におけるセキュリティシステム、電子マネーシステム等の分野では、非接触式のICカードや無線タグ等を用いた、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)システムが導入され始めている。このRFIDシステムは、図20に模式的に示すように、非接触式ICカード100と、このICカード100に対してデータの書き込みや読み出しを行うリーダライタ101とから構成されている。
【0003】
このRFシステムでは、電磁誘導の原理に基づいて、リーダライタ101側のループアンテナ102とICカード100側のループアンテナ103とが誘導結合によって磁気的に結合し、ICカード100とリーダライタ101との間で通信が行われる。
【0004】
このようなRFIDシステムは、従来の接触型ICカードシステムのようにリーダライタに対してICカードを装填したり金属接点を接触させたりする手間が省けるため、簡易且つ高速にデータの書き込みや読み出しを行うことができる。また、このRFIDシステムは、リーダライタ101に励起される電磁場によってICカード100に誘導電流が生じるため、ICカード内に電池等の電源を持つ必要がない。そのため、メンテナンス性に優れ動作信頼性が高いうえに、低価格である。
【0005】
ところで、上述したRFIDシステムでは、ICカード100とリーダライタ101との十分な通信可能な範囲を確保するために、ある程度の磁界強度を持った電磁場を放射することのできるループアンテナ102をリーダライタ101側に設ける必要がある。
【0006】
一般に、リーダライタ101用のループアンテナ102は、図21に示すような平面状に導線が巻線されたループコイル200からなっており、このループコイル200は、その中心部を挟んで相対向する各巻線間の間隔及び線幅を等しくした対称形状を有している。なお、これらの具体例としては、Reader/Writerモジュール91に接続された本体側アンテナ90(例えば、特許文献1を参照。)や、リードライト装置RW2のAG1,AG2,AG3(例えば、特許文献2を参照。)等があげられる。
【0007】
これらリーダライタアンテナにおいて、アンテナ駆動回路を効率よく駆動させて、通信用搬送波を無線タグ側アンテナまたはICカード側アンテナに効率的に電磁結合させるために、リーダライタICの駆動回路方式や使用電源電圧回路の特徴に応じてLC直列共振型アンテナ回路やLC並列共振型アンテナ回路が使用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−144048号公報
【特許文献2】
特開2001−331829号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、LC直列共振型アンテナ回路は、共振周波数においてインピーダンスが大幅に下がるため、コイルに大電流を供給できれば非常に効率的である。例えば、駅改札口等で既に使用されている大型のリーダライタ装置のように、据置型であってある程度の装置サイズが許されるようなリーダライタ装置に用いるには好適である。しかし、実際にはリーダライタ装置のIC回路は、アンテナ回路に対して無制限に電流を供給することはできないため、特に、電源電力にある程度制約がある小型携帯機器に用いる場合には、容量によって電流値が事実上制限され、IC回路の出力インピーダンスと共振により低下するアンテナ回路インピーダンスとの間に多大なずれが生じる。いわゆるインピーダンスミスマッチングである。このインピーダンスミスマッチングによって引き起こされる反射現象により搬送波波形が歪み、伝送信号SNRが劣化するといった問題点がある。
【0010】
そのため、PC(Personal Computer)等にUSB(Universal Serial Bus)接続して使用するような微弱電波出力型非接触リーダライタ装置に対しては、部品点数を抑えて、できる限りシンプルに微弱電波の法規制内で使用できる回路構成にする必要がある。そこで、低電圧低消費電力のシステムに使用しやすいシンプルな回路構成として、並列共振回路が適用されている。
【0011】
並列共振型アンテナ回路は、共振周波数においてインピーダンスが大幅に上がるため、コイルに励起される磁場及びコイルに流れる電流量が不足する。そのため、リーダライタ装置のIC回路内蔵の駆動回路のみでは駆動できず、外付けのトランジスタによる駆動回路を別途用意する等の対策が必要となる。また、駆動回路とアンテナ回路との間のインピーダンスのミスマッチングも大きく、効率よい電力伝送ができない。
【0012】
アンテナの大きさを変えることによってもインピーダンスマッチングをとることは可能であるが、例えば、クレジットカードサイズのICカード、またこのICカードに対応するリーダライタ装置のサイズ、リーダライタIC回路側の伝送路抵抗等の制約の中でIC回路とアンテナ回路とのインピーダンスマッチングをとることには限界があった。
【0013】
このように、従来知られているLC並列共振型アンテナ回路では、リーダライタIC回路における出力インピーダンスとアンテナ駆動回路のインピーダンスとの間の整合が悪く、波形歪みが少なく且つ大きなアンテナ駆動電流を得ることは困難であった。
【0014】
また、RFIDリーダライタ装置は、送信回路と受信回路とが同時に動作するものである。これらは、不要輻射の低減という観点からみると、アナログ振幅変調に準ずるため、送信波のスプリアス(高調波)強度を抑えるためには、通常のAM送信機と同様に考えることができる。
【0015】
送信回路では、法規上の問題、他者へ妨害波を防止する等の点から、LPF(Low Pass Filter)またはBPF(Band Pass Filter)等を併用して送信波のスプリアス(高調波)強度の低減を図ることが通常である。
【0016】
微弱電波出力型非接触リーダライタ装置のアンテナ回路として並列共振型アンテナ回路を使用した場合、並列共振の特徴から振幅が増大し、振幅がICに設けられた受信端保護回路の設定電圧を超えると、波形がクリップして歪み、スプリアス(高調波)を発生させる。この信号がアンテナに逆流して、アンテナのQが十分高くない場合はフィルタ効果が不十分で空中に高調波が輻射される。
【0017】
また、アンテナ回路へ効率よく送信電力を供給するためには、送信回路の駆動部分の出力インピーダンスとアンテナ回路のインピーダンスとの間の整合をとることは既知である。例えば、特開平11−120303には、非接触ICカードシステムにおいて、マッチング回路により伝送系の負荷のマッチングをとることによって、伝送系上に閾値以上の反射波が生じないようにしてアンテナ周辺の雑音電界の影響を低減しアンテナ効率を改善する技術が示されている。
【0018】
高入力インピーダンスである並列共振型アンテナ回路でも同様であって、並列共振型アンテナ回路へ効率よく送信電力を供給するためには、送信回路の駆動部分の出力インピーダンスとアンテナ回路のインピーダンスとの間の整合をとればよい。送信回路の駆動部分の出力インピーダンスは一般的に非常に低く、これに対して並列共振型アンテナ回路のインピーダンスは高いため、アンテナ効率を向上するためには、インピーダンスマッチングをとるために何らかのインピーダンス変換をすることも必要となる。
【0019】
従来は、アンテナ回路にQ値の大きいものを使用することで必要な不要輻射の低減を図っていたが、アンテナ回路の小型化、金属筐体に近接させての使用等のように何らかの要因でQ値の大きいアンテナ回路を用いることができない場合には、不要輻射の低減を図ることが困難であった。
【0020】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、アンテナ回路と駆動回路との間のインピーダンスマッチングをとるとともに回路構成に由来するスプリアス(高調波)を抑制して不要輻射を低減し、アンテナ効率を向上できる非接触データ送受信システム、データ送受信装置、携帯型情報端末を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係るデータ通信装置は、他のデータ通信装置と電磁誘導結合により非接触データ通信を行うデータ通信装置において、他のデータ通信装置との間で信号が通信されるアンテナ手段と、アンテナ手段にて受信される他のデータ通信装置から送信された送信信号から受信データを復調する復調手段と、他の通信装置に対してアンテナ手段から送信されるデータが変調される変調手段と、復調手段に入力される信号強度が所定値を越える場合に復調手段に入力される信号強度を抑制して復調手段を保護する保護手段と、保護手段によって生じる高調波を吸収するフィルタ手段とを有し、アンテナ手段は巻き線間の間隔が狭い幅狭部と巻き線間の間隔が広い幅広部からなる構造である所定の巻き線数のループコイルと、該ループコイルの両端に接続されるコンデンサからなる並列共振型回路であって、該ループコイルの両端の間に設けられた接続タップと該ループコイルの一端とに上記変調手段が接続されることによりオートトランス式昇圧回路となる
【0022】
ここで、フィルタ手段を、変調手段とアンテナ手段との間に挿入し、データ通信装置は、変調手段とアンテナ手段との間にフィルタ手段をさらに備えるとよい。
【0023】
また、変調手段の出力部と保護手段が接続された復調手段の入力部とを接続し、接続された入力部と出力部とアンテナ手段との間にフィルタ手段を挿入する。フィルタ手段は、アンテナ手段と接続される第1の接続部と、復調手段に接続される第2の接続部とを備え、第1の接続部のインピーダンスは、アンテナ手段のインピーダンスと略等しく、第2の接続部のインピーダンスは、復調手段の入力インピーダンスと略等しい。
【0024】
また、アンテナ手段は、所定の巻き線数の第1のコイル部と、第1のコイル部の一端に一端が接続される所定の巻き数の第2のコイル部と、第1のコイル部の他端と上記第2のコイル部の他端とに各々の端部が接続されるコンデンサとを備え、第1のコイル部と第2のコイル部の接続点と、第1のコイル部の他端とが各々変調手段に接続されることを特徴とする。また、第1のコイル部と第2のコイル部との直列インダクタンスと、コンデンサとの並列共振周波数とが変調手段の変調周波数と略同一である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体例について、図面を参照して詳細に説明する。本発明を適用した非接触データ通信システム1は、図1に示すように、ICカード10と、このICカード10に対して非接触によりデータの書き込み及び読み出しを行うリーダライタ50とから構成される。ICカード10は、本具体例では、ISO7810に準拠した電池等の電源を持たないバッテリレスのICカードであり、いわゆるクレジットカードと同サイズである。
【0028】
ICカード10は、その内部に設けられた基板上に、電磁場と結合してデータを送受するカード側アンテナ回路11と、データの書き込み及び読み出しを行うための各種処理を行う電子回路が集積されたIC(Integrated Circuit)12とを備えている。
【0029】
カード側アンテナ回路11は、平面状に導線が巻線されたループコイル13と、コンデンサ14とが並列に接続された共振型アンテナ回路になっている。このカード側アンテナ回路11は、後述するリーダライタ50側のリーダライタアンテナ回路54から放射された電磁場と結合し、結合された電磁場を電気信号に変換し、IC12に供給する。
【0030】
IC12は、ループコイル13から供給された電気信号を整流平滑する整流回路15と、整流回路15から供給された電気信号を直流電力に変換するレギュレータ16と、整流回路15から供給された電気信号の高域成分を抽出するHPF(High Pass-Filter)17と、HPF17から入力された高周波成分の信号を復調する復調回路18と、この復調回路18から供給されるデータに対応してデータの書き込み及び読み出しを制御するシーケンサ19と、復調回路18から供給されるデータを記憶するメモリ20と、ループコイル13により送信するデータを変調する変調回路21とを有する。
【0031】
整流回路15は、ダイオード22、抵抗23及びコンデンサ24から構成されている。このうち、ダイオード22のアノード端子がループコイル13及びコンデンサ14の一端に接続され、ダイオード22のカソード端子が抵抗23及びコンデンサ24の一端に接続され、抵抗23及びコンデンサ24の他端がループコイル13及びコンデンサ14の他端に接続されている。そして、この整流回路15は、ループコイル13から供給された電気信号を整流平滑した電気信号をレギュレータ16及びHPF17に出力する。
【0032】
レギュレータ16は、上述した整流回路15のダイオード22のカソード端子、抵抗23及びコンデンサ24の一端と接続されている。そして、このレギュレータ16は、整流回路15から供給された電気信号の電圧変動(データ成分)を抑制し、安定化した後、直流電力としてシーケンサ19に供給する。これにより、シーケンサ19等の誤動作の原因となる、例えばICカード10の位置が動くことにより発生する電圧変動、並びにICカード10内の消費電力の変化により発生する電圧変動が抑制される。
【0033】
HPF17は、コンデンサ25及び抵抗26により構成されており、上述した整流回路15から供給された電気信号の高域成分を抽出し、復調回路18に出力する。
【0034】
復調回路18は、上述したHPF17のコンデンサ25の他端及び抵抗26の一端と接続されており、このHPF17から入力された高周波成分の信号を復調し、シーケンサ19に出力する。
【0035】
シーケンサ19は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を内部に有しており、上述した復調回路18と接続されている。そして、このシーケンサ19は、復調回路18から入力された信号(コマンド)をRAMに記憶させ、ROMに内蔵されているプログラムにしたがってこれを解析し、解析された結果に基づいて、必要に応じてメモリ20に格納されているデータを読み出す。或いはメモリ20に復調回路18から供給されるデータを書き込む。また、このシーケンサ19は、コマンドに対応するレスポンスを返すために、レスポンス信号を生成し、変調回路21に供給する。
【0036】
メモリ20は、データの保持に電力を必要としないEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリからなり、上述したシーケンサ19と接続されている。そして、このメモリ20は、シーケンサ19の解析結果に基づいて、復調回路18から供給されるデータを記憶する。
【0037】
変調回路21は、インピーダンス27とFET(Field Effect Transistor)28との直列回路から構成されており、このうち、インピーダンス27の一端が上述した整流回路15のダイオード22のカソード端子に接続され、インピーダンス27の他端がFET28のドレイン端子と接続され、FET28のソース端子が接地点に接続され、FET28のゲート端子がシーケンサ19と接続されている。また、この変調回路21は、上述した共振回路を構成するループコイル13と並列に接続されており、FET28をシーケンサ19からの信号に対応してスイッチング動作させ、ループコイル13に対するインピーダンス27の負荷を変動させる、いわゆる付加変調方式を採用している。
【0038】
一方、リーダライタ50は、データの変調及び復調を行う変調回路52及び復調回路53と、電磁場と結合してデータを送受信するリーダライタアンテナ回路54とを備えており、送受するデータの変復調等は、制御回路51によって統括制御されている。復調回路53には、大信号が入力された場合にこれを低減するための保護回路55が設けられている。
【0039】
送信信号が入力側に逆流してこの保護回路55の設定電圧を超えると、波形がクリップしてスプリアス(高調波)を発生させる。この保護回路で発生したスプリアスをアンテナに逆流することを防止するため、本具体例では、この保護回路55にて発生した受信波のスプリアス(高調波)強度を低減するための受信側フィルタ回路56を設ける。なお、送信側フィルタ回路57は、送信波のスプリアス(高調波)強度の低減を図るフィルタである。
【0040】
このフィルタ回路56,57としては、基本的に所定周波数のみを通すLPF(Low Pass Filter)またはBPF(Band Pass Filter)を用いることができる。特に本具体例では、図2に示すようなフィルタ回路を用いる。図2に示す回路は両フィルタ回路に対して区別なく使用できるため、ここでは、受信側フィルタ回路56に関して説明する。受信側フィルタ回路56は、第1のインダクタ561と第2のインダクタ562とコンデンサ563とからなり、第1のインダクタ561が保護回路55を介して復調回路53に接続され、第2のインダクタ562がリーダライタ側アンテナ回路54に接続されいる。コンデンサ563は、第1のインダクタ561と第2のインダクタ562との間に接続されて接地されている。すなわち、受信側フィルタ回路56は、T型3次ローパスフィルタである。なお、本具体例では各極が複線であるため、受信側フィルタ回路56には第1のインダクタ564と、第2のインダクタ565と、コンデンサ566とからなる同様のT型3次LPFフィルタ構成がもう一つ設けられている。
【0041】
一般的に、受信端は非常にインピーダンスが高く、低インピーダンスの送信出力端と結線しても殆どインピーダンスが変化しないことから、フィルタ回路56,57は、スプリアス(高調波)を吸収するほかインピーダンスマッチング回路としても働いている。
【0042】
送信回路の駆動部分の出力インピーダンスとアンテナ回路のインピーダンスとの間の整合をとることによってアンテナ効率が向上できる点は既知であるが、上述のように、受信側であるリーダライタアンテナ回路54と変調回路52との間にインピーダンス変換とスプリアスを低減することができるフィルタ回路(受信側フィルタ回路56)を挿入することで保護回路55によって生じる受信波のスプリアスが抑制でき、且つ効率のよいアンテナが実現できる。
【0043】
制御回路51は、例えば、外部からの指令や内蔵するプログラムにしたがって、各種制御用のコントロール信号を生成し、変調回路52及び復調回路53を制御するとともに、指令に対応した送信データを生成し、変調回路52に供給する。また、制御回路51は、復調回路53からの応答データに基づいて再生データを生成し、外部に出力している。
【0044】
変調回路52は、制御回路51から入力された送信データを発信器が変調し、この変調した信号をリーダライタアンテナ回路54に供給する。復調回路53は、リーダライタアンテナ回路54からの変調波を復調し、この復調したデータを制御回路51に供給する。
【0045】
リーダライタアンテナ回路54は、平面状に導線が巻線されたループコイルを備えており、変調回路52より供給された変調波に対応した電磁場を放射するとともにICカード10側のループコイル13の負荷変動を検出する。リーダライタアンテナ回路54の具体例は、図6乃至図8を用いて詳説する。
【0046】
以上のように構成される非接触データ通信システム1では、ICカード10に対して所定データの書き込みが指令されると、この指令に基づいてリーダライタ50の制御回路51が書き込みのためのコマンド信号を生成するとともに指令に対応した送信データ(書き込みデータ)を生成し、変調回路52に供給する。変調回路52は、入力信号に基づいて発振信号の振幅を変調し、リーダライタアンテナ回路54に供給する。リーダライタアンテナ回路54は、入力された変調信号に対応する電磁波を放射する。
【0047】
ICカード10のループコイル13及びコンデンサ14からなる並列共振型アンテナ回路の共振周波数は、リーダライタ50からの発振周波数(キャリア周波数)に対応する値(本具体例では、13.56MHzである。)に設定されている。そのため、この並列共振型アンテナ回路は、放射された電磁場を共振動作によって受信し、受信した電磁場を電気信号に変換した後、IC12に供給する。ここで変換された電気信号は、整流回路15に入力されて整流平滑された後、レギュレータ16に供給される。レギュレータ16は、整流回路15から供給された電気信号の電圧変動(データ成分)を抑制、安定化した後、直流電力としてシーケンサ19に供給する。
【0048】
整流回路15により整流平滑された信号は、変調回路21を介してHPF17に供給され、高域成分が抽出された後、復調回路18に供給される。復調回路18は、入力された高周波成分の信号を復調し、シーケンサ19に供給する。シーケンサ19は、復調回路18から入力された信号(コマンド)をRAMに記憶させ、ROMに内蔵されているプログラムにしたがってこれを解析し、解析して得た結果に基づいて、復調回路18から供給された書き込みデータをメモリ20に書き込む。
【0049】
一方、シーケンサ19は、復調回路18から入力された信号(コマンド)が読み出し指令である場合に、その指令に対応する読み出しデータをメモリ20から読み出す。また、シーケンサ19は、読み出しデータに対応して変調回路21のFET28がスイッチング動作される。すなわち、変調回路21では、FET28がオンされるとインピーダンス27とループコイル13とが並列に接続され、FET28がオフされるとインピーダンス27とループコイル13との並列接続が解除される。
【0050】
その結果、このICカード10側のカード側アンテナ回路11と磁気的に結合しているリーダライタ50側のリーダライタアンテナ回路54のインピーダンスが読み出しデータに対応して変化する。したがって、リーダライタアンテナ回路54の端子電圧は、そのインピーダンスの変化に応じて変動することとなり、リーダライタ50は、この変動分を復調回路53が復調することで読み出しデータを受信できる。以上のようにして、ICカード10とリーダライタ50との間のデータの書き込み及び読み出しが非接触で行われる。
【0051】
図1に示す非接触データ通信システム1では、受信側フィルタ回路56をリーダライタアンテナ回路54と復調回路53との間に設け、送信側フィルタ回路57をリーダライタアンテナ回路54と変調回路52との間に設けた例について説明したが、フィルタ回路の設置位置は限定されない。以下の説明では、図1と同様の機能を有する構成に関しては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
フィルタ回路を他の位置に設置する例として、図3に示すように、受信側フィルタ回路56と送信側フィルタ回路57とを1つのフィルタ回路58としてもよい。フィルタ回路を送信側と受信側とで共用すれば、部品点数を削減できる。
【0053】
また、図4に示すように、送信側フィルタ回路57の設置位置は、図1と同一とし、フィルタ回路59をリーダライタアンテナ回路54の直後に設けてもよい。さらに、図5に示すように、リーダライタアンテナ回路54の直後に設けたフィルタ回路59と図1に示した位置に設けた受信側フィルタ回路56との組み合わせでもよい。このように、受信側と送信側とで共用するフィルタ回路の後段であって復調回路53(保護回路55)のリーダライタアンテナ回路54側にフィルタ回路を設けることによっても図1の場合と同様の利点が得られる。
【0054】
続いて、非接触データ通信システム1におけるリーダライタアンテナ回路54について、図6及び図7を用いて具体的に説明する。
【0055】
リーダライタアンテナ回路54は、図6及び図7に示すように、導線が平面状に巻線されたループコイル541とコンデンサ542とを備えている。ループコイル541とコンデンサ542は直列に接続され、さらにループコイル541の一端とコンデンサ541の一端とが結線されて並列共振回路を形成していて、もう一方の端子543がループコイル541の中途部分から導出されている。すなわち、ループコイル541が3端子化されている。
【0056】
端子543の引き出し位置は、図示しないリーダライタの駆動回路の出力インピーダンス、ループコイルの巻数、コイル形状等に応じて、通信に最適なインピーダンスが得られるように設計時点で変更可能である。
【0057】
リーダライタアンテナ回路54の実際の仕様を図7に示す。本具体例では、リーダアンテナ回路54のループコイル541は、平面状に5回巻回されており、巻回部の2ターン目から端子543が導出されている。また、ループコイル541には、この各巻線間の間隔及び線幅が狭くなる幅狭部540aと、その各巻線間の間隔及び線幅が広くなる幅広部540bとがある。すなわち、図7に示すように、ループコイル541は、その巻回開口部を挟んで互いに対向する各巻線間の間隔及び線幅が異った非対称形状になっている。
【0058】
さらに、ループコイル541は、クレジットカードサイズのICカード10のアンテナ形状に合わせて、巻回平面の長辺が約40mm、短辺が30mmとされ、通常の巻回コイルにおけるコア材に相当する軟磁性材シート544がループコイルの開口部を横切って配置されている。軟磁性材シート544としては、アモルファス磁性材料、鉄ニッケル合金、珪素鋼、アモルファス合金、パーマロイ、電磁軟鉄、センダスト合金、Fe−Al合金、軟磁性フェライトがあげられる。
【0059】
コイル形状を非対称形状とすることで、ループコイル541の発生磁界分布が、図8に示すように、矩形アンテナの長辺における中央断面において、従来のループコイル200の磁場分布と異なり、ループコイル541の各巻線間の間隔及び線幅が広くなる幅広部540bが強調された非対称となるため、放射磁界分布をシフトさせるとともに通信可能領域を拡げることができる。また、単純ループアンテナと比較してヌルポイントが出にくい特徴を有する。
【0060】
ループコイル541は、例えば、ポリイミドやマイカ等の可撓性を有する絶縁フィルムまたは基板両面に形成された電解銅等の導体金属箔膜をエッチングするなどして形成されている。ループコイル541の作製する方法は、上述の例に限定されず、例えば銀ペースト等の導体ペーストを用いてループコイル541の巻回パターンを印刷する方法、或いは金属ターゲットを基板上にスパッタして巻回パターンを形成する方法等があげられる。
【0061】
非対称型アンテナであるループコイル541では、ループコイル型アンテナの動作原理に基づいてループコイルに流す電流が大きいほど強い磁界が放射される。一般的に、同一電流であればループコイルの巻回数が多いほど発生磁界も大きくなる。すなわち、電源電圧が一定のとき、アンテナに流すことのできる電流は、ループコイルの巻回数に関連して決定される。これは、ループコイル自身のインダクタンスと直流抵抗成分による影響である。
【0062】
図9及び図10に同一電流を流したときの一般的な3回巻回コイル60と5回巻回コイル61の発生磁界分布の違いを示す。各コイルは、非対称形状を有しており、各巻線間の間隔及び線幅が狭くなる幅狭部aと、その各巻線間の間隔及び線幅が広くなる幅広部bとがある。また、通常の巻回コイルにおけるコア材に相当する軟磁性材シート62がコイルの開口部を横切って配置されている。
【0063】
図9(a)は3回巻回コイル60の上面図であり、図9(b)は3回巻回ループコイルの幅広部60bに発生する磁場分布を示す断面図である。また、図10(a)は5回巻回コイル61であり、図10(b)は5回巻回コイル61の幅広部61bに発生する磁場分布を示す断面図である。図9(b)及び図10(b)において、破線G1は、各コイルから発生する磁界を示しており、破線G2は、合成磁界を示す。
【0064】
図9及び図10に示すように、ループコイルに流す電流量が同一であれば、合成磁界はループコイルの巻回数が多いほど大きくなる。
【0065】
ところで、ループコイルに流すことのできる電流値は、以下の式にて求めることができる。すなわち、電源電圧が制限された環境下では、ループコイルに流すことのできる電流は、電源電圧に依存する。
【0066】
I=E/(2πfL)
ただし、I:コイルに流れる電流[A]
E:電源電圧(有効電圧)
f:周波数[Hz]
L:ループコイルのインダクタンス
【0067】
上式によれば、電源電圧Eが一定であれば、巻回数が多い(インダクタンスの大きい)ほどコイルに流れる電流は減少し、発生する磁界は巻回数が少ないほど大きくなる。この式に基づけば、発生する磁界を大きくするためには、巻回数を少なくすればよいのであるが、図9(b)に示すように、3回巻回コイル60の合成磁界は、アンテナ平面と水平方向に斑ができてしまう。この磁界斑は、ICカードとの距離を一定としたときの水平方向への通信範囲に影響する。そこで実際は、安定した合成磁界を得るために、ループコイルをできる限り密に配置する必要があるのであるが、これでは、上述したように必要な電流量が大きくなってしまう。
【0068】
本具体例では、このような背反する命題を解決するために、図6に示すリーダライタアンテナ回路54を用いた。図6に示すリーダライタアンテナ回路54では、信号源からみた負荷インピーダンスは、図9(b)に示したアンテナ回路と等価になり、3ターン目に接続された端子543に流れる電流は、ループコイル541の端子間R1に励起される電流となる。
【0069】
このリーダライタアンテナ回路54では、3端子のループコイル541は、オートトランス式昇圧回路と同様の構成となっており、給電されていないコイル部分にも巻回数比に応じた電圧が生じている。端子間R2に与えられている電圧をEとすると、リーダライタアンテナ回路54の端子541a,541c間には、5E/3の電圧が生じている。同時に、端子541a,541c間には、コンデンサ542が接続されているため、並列共振回路を形成し、このループコイル全体に万遍なく共振電流が流れ、図11に示す、本具体例のリーダライタアンテナ回路54のようなG1、G2ともに安定した強い磁界が発生する。
【0070】
したがって、このリーダライタアンテナ回路54は、低電圧にもかかわらず低インピーダンス・高電流を生じ、カード側アンテナ回路11と非常に効率よく結合できる。
【0071】
実際には、リーダライタ駆動回路(図1でのIC12)は、市販の回路を用いるため、この回路の特性に応じてアンテナ回路を使い分けることになるのであるが、この場合も、リーダライタアンテナ回路54は、端子543の引き出し位置を設計時点に変更するだけでリーダライタ駆動回路の出力インピーダンス、ループコイルの巻数、コイル形状等に応じて通信に最適なインピーダンスが得られる。
【0072】
上述のように構成されたリーダライタアンテナ回路54は、変調回路52からの変調波に対応した電磁場を放射することができる。また、ICカード10のループコイル13によって励起された電磁場に同調して、ICカード10側のループコイル13に与えられた負荷変動を検出することができる。
【0073】
本発明の課題でもあるように、リーダライタに要求されるアンテナ回路(ループアンテナ)のサイズに係る制約等からサイズを変更することによってアンテナ特性の不利点を解決することが困難であるが、本具体例のように、ループコイルの中途部分から端子をとって3端子コイルとすることによって、アンテナ自体を小型化してもループコイル541に効率よく電流が励起される。
【0074】
以下では、リーダライタアンテナ回路54の特性と、従来のアンテナ回路の特性とを実際の測定結果に基づいて比較した。
【0075】
まず、比較対象として、コンデンサ82とループコイル83とが並列接続された従来の並列共振型アンテナ回路(従来例1、図12)81と、コンデンサ85とループコイル86とが直列接続された直列共振型アンテナ回路(従来例2、図13)84とを用意した。ループコイルは、ともに5回巻回コイルとした。
【0076】
図12及び図13における給電点A,Bには、アンテナ駆動回路、すなわちリーダライタアンテナ回路54以降の回路構成に相当する回路を接続した。また、この試験では、従来例1、従来例2及び本具体例ともに同仕様のICカードを用い、図14(a)に示すように、各アンテナ回路のアンテナ面と3mmの間隔をおいて接近させ、各アンテナ回路における給電点AB間のアンテナインピーダンスと通信可能範囲、通信周波数とインピーダンスとの関係について調べた。ここで通信可能範囲とは、アンテナ面の中心線に対してICカード12をどの程度ずらしても読み取ることができるかを示す範囲であって、図14(b)にて説明するようにズレ分を長さ単位Lで示す。各アンテナ回路における通信周波数とインピーダンスとの関係を図15乃至図17に示す。また、図18には試験結果を纏めた。なお、このとき各アンテナ回路の給電点A,B、及びリーダライタアンテナ回路54に接続したリーダライタ駆動回路の出力インピーダンスは50Ωであった。
【0077】
従来例1の並列共振型アンテナ回路81では、AB間のアンテナインピーダンスが共振周波数13.56MHzにおいて1240Ωであった。また、電圧5Vでの通信可能範囲は18mm、3.3Vでは10mmであった。
【0078】
従来例2の直列共振型アンテナ回路84では、AB間のアンテナインピーダンスが共振周波数13.56MHzにおいて8Ωであった。また、電圧5Vでの通信可能範囲は19mm、3.3Vでは13mmであった。
【0079】
これに対して、本具体例として示すリーダライタアンテナ回路54を用いた場合、共振周波数13.56MHzにおいて、端子541a,543のインピーダンスが223Ωであった。また、電圧5Vでの通信可能範囲は25mm、3.3Vでは20mmであった。
【0080】
直列共振型アンテナ回路84では、回路共振時に系のインピーダンスは最小になる。このときのインピーダンスは実験で8Ωと出ており、この負荷を50Ω出力の駆動回路に接続するには無理があるのは明白である。電力の殆どがロスになり、過負荷状態に陥った駆動回路は波形ひずみを起こす原因ともなりえる。アンテナ駆動回路には低出力インピーダンスである必要があるため、回路規模も大きくなり携帯機器への対応が難しくなる欠点も持っている。結果的に効率よくコイルに電流を流せるとは言えない。
【0081】
並列共振型アンテナ回路81は、回路共振時に系のインピーダンスは最大となるが、本具体例のように3端子化を行ってタップダウンをすれば、インピーダンスを任意に低下させることができる。
【0082】
並列共振型アンテナ回路を3端子化したリーダライタアンテナ回路54は、系全体で巡回電流が流れるため、図6のR1にのみ電流が流れるわけではなく、全体に巡回電流が流れ、コイル全体を励起することが可能である。さらに、適切なインピーダンスを自由に選べる点は、回路設計、電源事情の両面において自由度が広くなる。よって、駆動回路も簡略化が可能である。
【0083】
ところで、図13に示す直列共振型アンテナ回路84は、タップ出しをした3端子コイルで共振回路を形成することはできない。3端子型コイルでの給電点がコイルの両端でなくなるため、コンデンサとコイルが接続された端点が無接続になってしまい、LC共振回路の構成を失うからである。よって、直列共振回路は、3端子化によるインピーダンス整合の自由度を得ることが根本的に不可能であり、並列共振回路と比べて優位性を失う。
【0084】
次に、上述した非接触データ通信システムを適用した通信端末装置70について、図19を用いて説明する。この通信端末装置70には、非接触ICカードのような無線タグとの間で通信するための通信手段として、上述したリーダライタアンテナ回路54が搭載されている。
【0085】
この通信端末装置70は、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれるユーザが持ち運び可能な小型軽量の電子機器である。
【0086】
この通信端末装置70は、本体部71と、パネル部72とを有し、ヒンジ機構73を介してパネル部72が本体部71に対して開閉可能とされている。本体部71には、各種操作を行うための操作ボタン等からなる入力部74が設けられており、この入力部74に隣接した本体内部には、上述したリーダライタ50のリーダライタアンテナ回路54が配置されている。
【0087】
また、この本体部71の内部には、各部を制御するマイクロコンピュータ(CPU)が設けられている。一方、パネル部72には、液晶表示パネルからなる表示部75が設けられており、入力部74による操作状態や、リーダライタ50によるICカード10からの読み出しデータ等をCPUの制御のもとで表示することができる。
【0088】
また、この通信端末装置70は、小型軽量薄型化した場合の剛性を確保するために、例えば高剛性プラスチック材等の非金属筐体からなる。なお、筐体は、このような非金属筐体に限らず、例えばMg合金等の金属筐体でもよい。
【0089】
したがって、通信端末装置70に本発明に係るリーダライタアンテナ回路54を設けることによって、通信可能範囲がより広められ、低電圧下で効率よく駆動する。
【0090】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0091】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るデータ通信装置は、他のデータ通信装置との間で信号が通信されるアンテナ手段と、アンテナ手段にて受信される他のデータ通信装置から送信された送信信号から受信データを復調する復調手段と、他の通信装置に対してアンテナ手段から送信されるデータが変調される変調手段と、復調手段に入力される信号強度が所定値を越える場合に復調手段に入力される信号強度を抑制して復調手段を保護する保護手段と、保護手段によって生じる高調波を吸収するフィルタ手段と備えることにより、受信入力端の波形クリップが回避でき高調波強度が抑制される。また、外付け回路を使用することなくアンテナ回路を駆動できアンテナ回路と内部回路とのインピーダンスの整合がとれるため、アンテナ回路への電力供給率を高めることができる。これにより、非接触データ送受信装置自体の低電圧化、低消費電力化が実現できる。
【0092】
また、本発明に係る非接触データ通信システムは、受信入力端の波形クリップが回避でき、高調波強度が抑制される。また、外付け回路を使用することなくアンテナ回路を駆動できアンテナ回路と内部回路とのインピーダンスの整合がとれるため、アンテナ回路への電力供給率を高めることができる。これにより、非接触通信に係るデータ送受信装置自体の低電圧化、低消費電力化が実現できる。
【0093】
また、本発明に係るアンテナ装置は、受信入力端の波形クリップが回避でき高調波強度が抑制される。また、外付け回路を使用することなくアンテナ回路を駆動できアンテナ回路と内部回路とのインピーダンスの整合がとれるため、アンテナ回路への電力供給率を高めることができる。これにより、非接触通信に係る携帯型情報端末の低電圧化、低消費電力化が実現でき、この携帯型情報端末の更なる小型化要求に対しても対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示す非接触データ通信システムを説明する構成図である。
【図2】上記非接触データ通信システムにおけるリーダライタ50を説明する構成図である。
【図3】上記非接触データ通信システムにおけるリーダライタ50を説明する構成図である。
【図4】上記非接触データ通信システムにおけるリーダライタ50を説明する構成図である。
【図5】上記非接触データ通信システムにおけるリーダライタアンテナ回路を説明する構成図である。
【図6】リーダライタアンテナ回路を説明する回路図である。
【図7】リーダライタアンテナ回路の具体的な仕様を説明する外観図である。
【図8】非対称ループコイルの磁場分布を説明する断面図である。
【図9】(a)は、一般的な非対称3回巻回コイルの外観図であり、(b)は、3回巻回ループコイルの幅広部の磁界分布を説明する断面図である。
【図10】(a)は、一般的な非対称5回巻回コイルの外観図であり、(b)は、5回巻回ループコイルの幅広部の磁界分布を説明する断面図である。
【図11】リーダライタアンテナ回路の幅広部の磁界分布を説明する断面図である。
【図12】従来の並列共振型アンテナ回路を説明する回路図である。
【図13】従来の直列共振型アンテナ回路を説明する回路図である。
【図14】(a)は、アンテナ特性試験を説明する図であり、(b)は、通信可能範囲を説明する図である。
【図15】従来の並列共振型アンテナ回路のインピーダンスと共振周波数との関係を示す図である。
【図16】従来の直列共振型アンテナ回路のインピーダンスと共振周波数との関係を示す図である。
【図17】本発明の具体例として示すリーダライタアンテナ回路のインピーダンスと共振周波数との関係を示す図である。
【図18】リーダライタアンテナ回路と、並列共振型アンテナ回路と、直列共振型アンテナ回路とのアンテナ特性の結果を示す図である。
【図19】上記非接触データ通信システムを適用した通信端末装置を説明する外観図である。
【図20】従来のRFIDシステムを説明する構成図である。
【図21】従来のRFIDシステムにおけるループアンテナを説明する図である。
【符号の説明】
1 非接触データ通信システム、10 ICカード、11 カード側アンテナ回路、12 IC、13 ループコイル、14 コンデンサ、50 リーダライタ、54 リーダライタアンテナ回路、541 ループコイル、542 コンデンサ、543 端子、55 保護回路、56 受信側フィルタ回路、57 送信側フィルタ回路、

Claims (6)

  1. 他のデータ通信装置と電磁誘導結合により非接触データ通信を行うデータ通信装置において、
    上記他のデータ通信装置との間で信号が通信されるアンテナ手段と、
    上記アンテナ手段にて受信される上記他のデータ通信装置から送信された送信信号から受信データを復調する復調手段と、
    上記他の通信装置に対して上記アンテナ手段から送信されるデータが変調される変調手段と、
    上記復調手段に入力される信号強度が所定値を越える場合に上記復調手段に入力される信号強度を抑制して上記復調手段を保護する保護手段と、
    上記保護手段によって生じる高調波を吸収するフィルタ手段とを有し、
    上記アンテナ手段は巻き線間の間隔が狭い幅狭部と巻き線間の間隔が広い幅広部からなる構造である所定の巻き線数のループコイルと、該ループコイルの両端に接続されるコンデンサからなる並列共振型回路であって、該ループコイルの両端の間に設けられた接続タップと該ループコイルの一端とに上記変調手段が接続されることによりオートトランス式昇圧回路となるデータ通信装置。
  2. 上記フィルタ手段は、上記変調手段と上記アンテナ手段との間に挿入されることを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
  3. 上記変調手段と上記アンテナ手段との間にフィルタ手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載のデータ通信装置。
  4. 上記変調手段の出力部と上記保護手段が接続された上記復調手段の入力部が接続され、上記接続された入力部と出力部と上記アンテナ手段との間に上記フィルタ手段が挿入されることを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
  5. 上記フィルタ手段は、上記アンテナ手段と接続される第1の接続部と、上記復調手段に接続される第2の接続部とを備え、
    上記第1の接続部のインピーダンスは、上記アンテナ手段のインピーダンスと略等しいとともに、上記第2の接続部のインピーダンスは、上記復調手段の入力インピーダンスと略等しいことを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
  6. 上記アンテナ手段は、
    所定の巻き線数の第1のコイル部と、
    上記第1のコイル部の一端に一端が接続される所定の巻き数の第2のコイル部と、
    上記第1のコイル部の他端と上記第2のコイル部の他端とに各々の端部が接続されるコンデンサと
    を備え、
    上記第1のコイル部と上記第2のコイル部の接続点と、上記第1のコイル部の他端とが各々上記変調手段に接続されることを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
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