JP4910295B2 - アキュムレーターブラダ用ゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、アキュムレーターブラダ用ゴム組成物に関するものである。さらに詳しくは、耐塩素水性に優れ、水道水用途に好適に用いられるアキュムレーターブラダ用ゴム組成物に関するものである。
近年の環境・水質悪化への対策の結果、水道水中の残留塩素濃度が増加したことにより、ブラダやパッキンが短期間で軟化により劣化し、これらの表面から黒い粉が流出することによる黒水が発生している。この現象は、残留塩素濃度上昇と生活向上に伴う温水使用機会の増加との相乗効果によるものでもある。
アキュムレーターブラダは、アキュムレーターに配管されて用いられ、特に水道水(飲料水)用途に用いられるため、耐塩素水性の悪さや黒水の発生は、各種の不具合を誘発させ、その機能を果たさなくなる。従って、アキュムレーターブラダは、従来の耐塩素水性のレベルでは対応しきれないのが現状である。
特公平8−19304号公報 特開平9−317701号公報
水道水中には、塩素(Cl2)、次亜塩素酸(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)などの塩素系物質が含まれるため、アキュムレーターブラダ材としては、これらに対して安定なゴム組成物が求められる。特に、塩素系殺菌剤を含む上水道に接して用いられる機器には、耐塩素性に優れるゴム組成物が求められる。
さらに、アキュムレーターブラダは、伸長・屈曲稼動によりゴム同士のこすれが発生するため、塩素系物質によって劣化が促進されたゴム加硫物は剥がれ落ち、あるいは分解され、そこに配合されたカーボン分が脱落し、黒水となる。
本発明の目的は、耐塩素水性に優れ、かつ伸長・屈曲稼働によっても黒水を発生せず、従って水道水用途に好適に用いられるアキュムレーターブラダとして有効に用いられるゴム組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、塩素含有量が20〜50重量%の塩素化ポリエチレン100重量部当り、pH7〜13の白色無機充填剤5〜55重量部および粒径150nm以上のカーボンブラック1〜60重量部を配合してなるアキュムレーターブラダ用ゴム組成物によって達成され、好ましくはさらに軟化剤、脂肪酸アミドおよびシリコーン化合物の少くとも一種がそこに配合されて用いられる。
本発明のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物から加硫成形されたアキュムレーターブラダは、耐塩素水性にすぐれていると共に、耐疲労性、耐こすれ摩耗性にも優れているので、残留塩素濃度が高く、また高温状態における使用にあっても黒水を発生しにくいといった特徴を有するので、水道水用途に好適に用いることができる。また、このゴム組成物は、射出成形機等による加硫成形性にもすぐれている。
ブラダ成形用の主成分として用いられる塩素化ポリエチレンは、高密度ポリエチレンの粉末または粒子を水性けん濁液中で塩素化する方法あるいは塩素化反応に不活性な有機溶媒中に溶解させた高密度ポリエチレンを塩素化する方法等によって製造され、一般にはその塩素含有量が約20〜50重量%の塩素化ポリエチレン、好ましくは約35〜45重量%の非晶性塩素化ポリエチレンが用いられる。実際には、このような塩素含有量を有する市販品、例えば東ソー製品CN-5020(Cl含有量:40%)をそのまま用いることができる。
このような塩素化ポリエチレンは、塩素化ブチルゴムと同様にポリマー中の塩素含有率が高いほど塩素に対して耐性を有し、その一方で塩素化ブチルゴムの如くポリマー中に塩素のアタックを受けやすいイソブチレン構造のような不飽和結合を有してはおらず、また耐鉱物油性、耐水性に優れ、熱老化による硬度変化も小さいので、ブラダ成形用の材料として適しているといえる。ただし、50重量%をこえる塩素含有率のものは、塩素をポリマー中に保持することが難しく、塩素が一部でも脱離した場合には連鎖して脱離が進むため、安定性の点で好ましくない。
白色無機充填剤としては、珪酸(塩)化合物の総称であるホワイトカーボン、塩基性炭酸マグネシウム、活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、超微粉珪酸マグネシウム、ハードクレーなどいずれも化学的に安定な構造を有し、塩素系物質の攻撃を受け難い性質を持つものが挙げられ、好ましくはホワイトカーボンが用いられる。微粉シリカとも呼ばれるホワイトカーボンとしては、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムが一般に用いられる。これらの白色無機充填剤は、中性乃至アルカリ性、具体的にはpH7〜13、好ましくはpH 9〜13のものが用いられる。酸性の白色無機充填剤は、塩素化ポリエチレンゴム組成物が加硫阻害を受けやすくなり好ましくない。このような白色無機充填剤としては、市販品、例えば塩野義製薬製品カープレックス#1120(pH 11)をそのまま用いることができる。
これらの白色無機充填剤は、塩素化ポリエチレン100重量部当り5〜55重量部、好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。白色無機充填剤がこれより少ない割合で用いられると、耐塩素性が劣りまた加工性が若干劣るようになり、一方これ以上の割合で用いられると、耐疲労性が大きく低下しまた成形加工性が悪化するようになる。
これらの他、補強剤としてカーボンブラック配合される。その際カーボンブラックの粒径が小さ過ぎたり、pHが酸性側であると加工性が損なわれるため、粒径が150nm以上と比較的大きく、かつアルカリ性を呈するサーマル系に代表されるMTカーボンブラックなどが、塩素化ポリエチレン100重量部当り1〜60重量部、好ましくは5〜40重量部の割合で用いられる。
以上の成分に加えて、加工性を良好に保つために軟化剤が30重量部以下、一般には1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で添加されて用いられる。軟化剤としては、好ましくは一般式 R-SO2-O-Ph(ここで、Phはフェニル基であり、Rは炭素数1〜21のアルキル基である)で表わされるフェノール系アルキルスルフォン酸エステル、具体的にはブチルフェニルスルフォン酸エステル、ノニルフェニルスルフォン酸エステル、ドデシルフェニルスルフォン酸エステル、オクタデシルフェニルスルフォン酸エステルなどが用いられ、実際には、例えば独食品衛生法に合格している市販品であるバイエル社製品mesamollなどをそのまま用いることができる。
軟化剤としては、フェノール系アルキルスルフォン酸エステル以外に、脂肪酸油(例えば、日清製油製品A304LR)、植物油、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルなども用いることができ、これらは単独でも用いられるが、フェノール系アルキルスルフォン酸エステルと併用した場合には、耐屈曲亀裂成長性が向上し、またさらに高い加工性を得ることができるようになる。
脂肪酸アミドとしては、炭素数10以上、一般には炭素数18〜22の飽和または不飽和の高級脂肪酸アミド、例えばオレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等が用いられ、実際には市販品である日本化成製品ダイアミドO-200等をそのまま用いることができる。これらの脂肪酸アミドは、熱的・化学的に安定な固体界面活性剤であり、脂肪酸系のワックス類の中では融点が高いという特徴を有する。脂肪酸アミドは、約10重量部以下、一般には約0.1〜10重量部、好ましくは約1〜5重量部の割合で用いられる。このような割合での脂肪酸アミドの配合は、熱間状態での伸びが大きくなり、加硫成形時の離型性向上に大きく寄与する。
また、有機シリコーン化合物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等によって代表されるメチル基およびシロキサン結合(Si-O-Si)を有する化合物であって、液状または固体状のものが用いられ、実際には市販品であるSchill & Seilacher 社製品ストラクトールWS-280等をそのまま用いることができる。有機シリコーン化合物は、約5重量部以下、一般には約0.1〜5重量部、好ましくは約0.1〜3重量部の割合で用いられる。このような割合でのシリコーン化合物の配合は、射出成形時などにおける型との離型効果を高め、問題なく加硫成形製品の離型を促すことができる。
加硫剤としては、有機過酸化物架橋剤、トリアジン系−アミン塩併用加硫剤などが挙げられるが、好ましくは有機過酸化物架橋剤が用いられる。一般に約0.5〜20重量部の割合で用いられる有機過酸化物架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等が挙げられ、これらは市販品、例えば日本油脂製品パークミルDをそのまま用いることができる。有機過酸化物架橋に際しては、さらにトリアリルイソシアヌレート(例えば、日本化成製品TAIC)等に代表される多官能性不飽和化合物共架橋剤を約0.5〜5重量部程度添加することにより、加工性、耐熱性向上が図られるようになる。また、トリアジン系加硫剤としては、1,3,5-トリメルカプトトリアジン(例えば、大内新興化学工業製品ノクセラーTCA)等が挙げられ、これと併用されるアミン塩としてはジシクロヘキシルアミン・2-メルカプトベンゾチアジルスルフェンアミド(例えば、ダイソー製品M181)等が挙げられる。これらのトリアジン系加硫剤とアミン塩とは、それぞれ約0.5〜5重量部および約0.5〜10重量部の割合で一般には用いられる。
ブラダの加硫成形に用いられる塩素化ポリエチレン組成物中には、以上の各必須成分以外に、さらに各種の受酸剤、充填剤、補強剤、加工助剤、顔料、難燃剤等が必要に応じて適宜配合される。受酸剤としては、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどが挙げられ、好ましくは塩素系物質による劣化の遅延効果の観点からハイドロタルサイトが用いられる。ハイドロタルサイトとしては、例えば市販品である協和化学製品KW2100等をそのまま用いることができる。
組成物の調製は、例えば一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサ、ニーダ、高剪断型ミキサ等の混練機を用いて、加硫剤、加硫助剤以外の成分を混練した後、さらに加硫剤、加硫助剤などを添加し、混練りすることによって行われる。調製された組成物の加硫は、一般に約100〜250℃の温度に約0.5〜120分間程度加熱しながら、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法などによって行われる。また、必要に応じて、約100〜200℃で約0.5〜20時間程度の二次加硫も行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜7、比較例1〜6
表1
実施例 比較例
1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6
塩素化ポリエチレン(CN-5020) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100
ブチルゴム 100
(エッソ化学製品エクソンブチル365)
シリカ(pH 11) 15 15 15 50 15 15 15 15 60 15
(カープレックス#1120)
シリカ(pH 6.3) 15
(デグサジャパン製品ウルトラジル360)
シリカ(pH 4) 15
(日本アエロジル製品アエロジル200)
MTカーボンブラック 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30
(HUBER社製品Thermax N990:粒径450〜556nm)
SRFカーボンブラック 30
(東海カーボン製品シーストG-S:粒径58〜94nm)
フェノール系アルキル 2 5 5 20 5 2 2 5 2 2
スルフォン酸エステル(mesamoll)
脂肪酸油(A304LR) 3 5 5 5 3 3 3 3
ジクミルパーオキサイド 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
(パークミルD)
トリアリルイソシアヌレート 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
(TAIC)
1,3,5-トリメルカプトトリアジン 1.5 1.5
(ノクセラーTCA)
ジシクロヘキシルアミン・ 2.5 2.5
2-メルカプトベンゾチアジル
スルフェンアミド(M181)
ハイドロタルサイト(KW2100) 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5
シラン系カップリング剤 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
(日本ユニカー製品A172)
以上の各配合成分をモリヤマ製ニーダで混練し、未加硫生地サンプルを得た後、圧縮成形機を用いて、180〜220℃、4〜20分間の条件下で架橋を行い、厚さ2mmのテストシートを成形し、加工性および加硫後表面状態の評価を行った。その後、100〜175℃、0.5〜15時間の2次加硫を実施し、得られた加硫物について耐塩素水性評価および屈曲亀裂発生試験を行った。
加工性:圧縮成形後の金型表面の状態を目視により観察し、問題がないものを○、若干の金型粘着または型汚染がみられるものを△、金型粘着または型汚染がみられるものを×として評価
加硫後表面状態:圧縮成形後のテストシート表面の状態を目視により観察し、問題がないものを○、若干エアが入っているものを△、発砲しているものを×として評価
耐塩素水性:JIS K6258準拠
次亜塩素酸水溶液(関東科学試薬;原液濃度60000ppm)を200ppmに希釈した溶液中に、体積変化率測定用ダンベル形状に打ち抜いたテストピースを浸し、70℃、70時間浸せきした後、硬さ変化、体積変化率(%)および表面外観を以下の基準により評価
硬さ変化(IRHD):±5以内のものを◎、±5〜10のものを○、±10〜15のものを△、これら以外のものを×とした
体積変化率:±10(%)以内のものを◎、±10〜15(%)のものを○、±15〜25(%)のものを△、これら以外のものを×とした
表面外観:成形品を目視により観察し、問題がないものを○、若干のべたつきおよび表面の荒れがみられるものを△、べたつきおよび表面の荒れがみられるものを×とした
屈曲亀裂発生試験:ASTM D-1434準拠(25℃、5Hz)
60万回以上の屈曲においても亀裂が発生せず、アキュムレーターブラダ材として問題がないものを○、10〜60万回の屈曲において亀裂が発生するものを△、10万回以下で亀裂が発生してしまいアキュムレーターブラダ材として問題があるものを×、デマッチャテストピース成形不可のものを−として評価
以上の各実施例および比較例で得られた結果は、次の表2に示される。
表2
実施例 比較例
評価項目
加工性 ○ ○ △ △ △ ○ ○ △ △ △ △ × ○
加硫後表面状態 ○ ○ △ △ △ ○ ○ △ × × × × ○
耐NaClO水性
硬さ変化 ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ △ ○ − − − − ×
体積変化率 ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ △ ○ − − − − ×
試験後外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ − − − − ×
屈曲亀裂成長試験 ○ △ ○ △ △ △ △ ○ − − − − △
これらの結果から、次のようなことがいえる。
(1) 各実施例で用いられた組成物、特に実施例1で用いられた組成物は、加工性および耐塩素水性に優れ、また屈曲稼働によっても劣化がみられず、水道用アキュムレーターブラダとしてバランスのよい性能を有している。
(2) ホワイトカーボンを配合しない場合には、成形は可能であるものの、耐塩素水性が劣る(比較例)
(3) ホワイトカーボンを用いた場合であっても、pHが6.3または4のものを用いた場合には、混練時に発泡してしまい、加硫成形ができなかった(比較例2、3)。
(4) カーボンブラックとして粒径の小さいものを用いた場合には、エアの抜けが悪くなり、発泡してしまい、加硫成形ができなかった(比較例4)。
(5) ホワイトカーボンを所定量以上用いた場合には、発泡してしまい、加硫成形ができなかった(比較例5)。
(6) ポリマーとしてブチルゴムを用いた場合には、耐塩素水性が劣る(比較例6)。
実施例8
実施例1において、脂肪酸アミド(O-200)0.1重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例9
実施例1において、脂肪酸アミド(O-200)3重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例10
実施例1において、脂肪酸アミド(O-200)10重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例11
実施例6において、フェノール系アルキルスルフォン酸エステル(mesamoll)量を2重量部に変更し、脂肪酸油(A304LR)3重量部および脂肪酸アミド(O-200)3重量部がさらに配合されて用いられた。
比較例7
実施例1において、脂肪酸アミド(O-200)12重量部がさらに配合されて用いられた。
比較例8
実施例6において、フェノール系アルキルスルフォン酸エステル(mesamoll)量を2重量部に変更し、脂肪酸油(A304LR)3重量部および脂肪酸アミド(O-200)12重量部がさらに配合されて用いられた。
以上の実施例8〜11および比較例7〜8について、前記各種試験に加えて製品離型性の評価を行った。試験結果は、実施例1の結果と共に、後記表3に示される。
製品離型性:射出成形後の金型からの製品離型性に問題がないものを○、若干粘着があるが離型可能であるものを△、金型粘着あるいは金型汚染を×として評価
製品は、大型スケール、肉厚タイプの3Lスケールのアキュムレーターブラダであり、金型から無理抜きしている(なお、テストピースでの離型性は○で、また1Lスケール程度のアキュムレーターブラダでは○〜△の評価であった)
表3
実施例 比較例
評価項目 10 11
加工性 ○ ○ ○ △ ○ × ×
加硫後表面状態 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
耐NaClO水性
硬さ変化 ◎ ◎ ◎ ○ △ △ △
体積変化率 ◎ ◎ ○ △ △ × ×
試験後外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
屈曲亀裂成長試験 ○ ○ ○ ○ △ ○ △
製品離型性 × △ ○ ○ ○ ○ ○
これらの結果から、次のようなことがいえる。
(1) 脂肪酸アミドの配合割合が0.1重量部では製品離型性の改善が十分ではないが(実施例8)、3重量部では体積変化率は若干低下するものの、その他の特性を劣化させることなく製品離型性を改善しており、水道用アキュムレーターブラダとしてバランスの良い性能を示している(実施例9)。10重量部という配合では、金型汚染などの加工性や体積変化率の劣化がみられるが、問題となるレベルではない(実施例10)。ただし、10重量部を超える配合では、金型汚染がみられるばかりではなく、耐塩素水性にも問題がみられる(比較例7)。一方、脂肪酸アミドを配合しないと、製品離型性が十分に確保できない(実施例11)。
(2) 加硫系をトリアジン系-アミン塩併用加硫系に変更しても、製品離型性は改善されるが、耐塩素水性の低下がみられ(実施例11)、10重量部を超える量の脂肪酸アミドの配合は、金型汚染や耐塩素水性に問題がみられる(比較例8)。
(3) 結局、実施例8〜11に示されるような構成のときには、非常にすぐれた性能を有する水道用アキュムレーターブラダを得ることができ、特に実施例9の場合には、最も良いバランスを示している。一方、比較例8〜9に示されたような構成では、何らかの欠点が複数項目にみられる。
実施例12
実施例1において、シリコーン化合物(WS-280)0.1重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例13
実施例1において、シリコーン化合物(WS-280)1.5重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例14
実施例1において、シリコーン化合物(WS-280)5重量部がさらに配合されて用いられた。
実施例15
実施例6において、フェノール系アルキルスルフォン酸エステル(mesamoll)量を2重量部に変更し、脂肪酸油(A304LR)3重量部およびシリコーン化合物(WS-280)1.5重量部がさらに配合されて用いられた。
比較例9
実施例1において、シリコーン化合物(WS-280)7重量部がさらに配合されて用いられた。
比較例10
実施例6において、フェノール系アルキルスルフォン酸エステル(mesamoll)量を2重量部に変更し、脂肪酸油(A304LR)3重量部およびシリコーン化合物(WS-280)7重量部がさらに配合されて用いられた。
以上の実施例12〜15および比較例9〜10について、製品離型性を加えた各種試験が行われた。試験結果は、次の表4に示される。
表4
実施例 比較例
評価項目 12 13 14 15 10
加工性 ○ ○ △ ○ × ×
加硫後表面状態 ○ ○ ○ ○ ○ ○
耐NaClO水性
硬さ変化 ◎ ◎ ○ △ △ △
体積変化率 ◎ ◎ ○ △ △ △
試験後外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○
屈曲亀裂成長試験 ○ ○ ○ △ ○ △
製品離型性 △ ○ ○ ○ ○ ○
これらの結果から、全体的には実施例8〜11および比較例7〜8についてと同様のことがいえるが、体積変化率については脂肪酸アミドを用いた場合よりも、実施例、比較例共良化している。

Claims (10)

  1. 塩素含有量が20〜50重量%の塩素化ポリエチレン100重量部当り、pH7〜13の白色無機充填剤5〜55重量部および粒径150nm以上のカーボンブラック1〜60重量部を配合してなるアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  2. 白色無機充填剤がホワイトカーボンである請求項1記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  3. 30重量部以下の軟化剤をさらに配合した請求項1記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  4. 軟化剤がフェノールアルキルスルフォン酸エステルおよび/または脂肪酸油である請求項3記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  5. 10重量部以下の脂肪酸アミドをさらに配合した請求項1または3記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  6. 5重量部以下の有機シリコーン化合物をさらに配合した請求項1、3または5記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  7. 加硫剤として有機過酸化物が用いられる請求項1、3、5または6記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  8. 加硫剤としてトリアジン系-アミン塩併用加硫剤が用いられる請求項1、3、5または6記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物。
  9. 請求項7または8記載のアキュムレーターブラダ用ゴム組成物から加硫成形されたアキュムレーターブラダ。
  10. 水道水用途に用いられる請求項9記載のアキュムレーターブラダ。
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