JP2002061757A - 塩素化ポリエチレン弾性体よりなる弁座及びその弁座を具備する弁 - Google Patents

塩素化ポリエチレン弾性体よりなる弁座及びその弁座を具備する弁

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JP2002061757A
JP2002061757A JP2000251278A JP2000251278A JP2002061757A JP 2002061757 A JP2002061757 A JP 2002061757A JP 2000251278 A JP2000251278 A JP 2000251278A JP 2000251278 A JP2000251278 A JP 2000251278A JP 2002061757 A JP2002061757 A JP 2002061757A
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valve
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Tsutomu Saito
勉 齋藤
Hiroshi Omiya
浩 大宮
Masaru Sakamoto
勝 坂本
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Osaka Soda Co Ltd
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TVS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全く新しい材質からなる弁座およびこれを具
備する弁を提供する。 【解決手段】 弁座4 は塩素化ポリエチレン弾性体から
なる。合成ゴム製弁座の少なくとも流体接液部が更に塩
素化ポリエチレン弾性体で被覆一体化された二層構造の
弁座も好ましい。塩素化ポリエチレン弾性体は好ましく
は架橋塩素化ポリエチレンである。塩素化ポリエチレン
弾性体は、好ましくは、塩素化ポリエチレン100重量
部、受酸剤0.5〜20重量部、架橋剤0.5〜7重量
部、ホワイトカーボン5〜50重量部、及び多価アルコ
ール又はその誘導体0.5〜10重量部を含む塩素化ポ
リエチレン架橋用組成物を架橋してなるものである。好
適な弁座はバタフライ弁又はダイヤフラム弁の弁座であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水、特に温水
に対して耐劣化性を有する、塩素化ポリエチレン弾性体
よりなる弁座及びその弁座を具備する弁に関する。
【0002】なお、本明細書において、場合によっては
架橋と言う用語が用られ、場合によっては加硫と言う用
語が用いられるが、架橋は加硫を含む概念である。
【0003】
【従来の技術】回動弁の代表例であるバタフライ弁やダ
イヤフラム弁は、シール機能に必要な諸性質を示す弾性
弁座を備えることが要求される。
【0004】一般に、弾性弁座のシール機能に必要な諸
性質は、1)摺動部材間の摩擦係数が小さく、且つ不浸
透性であること、2)摩耗を抑止できる機械強度を有す
ること、3)圧力変動に追随し得る圧縮復元性に優れて
いること、4)化学薬品等に対し耐蝕性に優れ、且つ広
い領域で使用可能であること、などである。
【0005】このような諸性質を弁座に具備させるた
め、従来から弁座の材質及び構造について各種の試みが
なされているが、これらは一長一短があり、画期的な提
案はまだなされていない。
【0006】現在、汎用弁の弁座材質にはゴム弾性に富
む合成ゴムが多く使われており、例えばエチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ニトリ
ルゴム(NBR)、ホワイトニトリルゴム(WNB
R)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(C
R)などが使用可能である。その中でもEPDMとNB
Rが主流を占めている。
【0007】バタフライ弁は、その独自の構造から、軽
量かつ操作上の簡便さ、施工の容易さ、低価格の点で配
管用部材として数多く使用されている。また、合成ゴム
製シートでバタフライ弁の流体接触部を覆うことによ
り、弁箱材質に耐蝕性の高級金属を使うのを避けること
ができる。
【0008】通常、上水配管にはバタフライ弁やダイヤ
フラム弁が最も多く使われる。弁の止水性能は、漏洩防
止や流体の切換えなど弁として最も重要な機能であり、
弁座やガスケットを構成する合成ゴムの劣化は、装置全
体の漏水、安全、封止性能、耐用年数などに直接影響を
及ぼすことが多い。
【0009】しかし、合成ゴム製水道弁の耐用年数は、
金属材質などと同様に接触流体や使用温度などの条件で
大きく左右されるにも拘らず、メーカーは合成ゴム製水
道弁は一般の上水用に使用するということで経時劣化や
安全性などをさほど真剣に検討していない。
【0010】特に、合成ゴム製バラフライ弁やダイヤフ
ラム弁は比較的低圧で水を送る配管に使用されることが
多いが、そこで問題となるのが前述した上水用バタフラ
イ弁やダイヤフラム弁を構成する合成ゴムの劣化であ
る。
【0011】上水用弁の弁座に最も広く使用されている
材質はEPDMである。EPDM加硫ゴムは、機械的強
度等の物性を向上させたるために、通常補強剤として2
0〜50%のカーボンブラックを含む。
【0012】しかし、EPDM加硫ゴムを上水に接触さ
せると、上水中に含まれる次亜塩素酸或いは次亜塩素酸
イオンがゴム中のカーボンブラック粒子に吸着して活性
酸素や塩素イオンに分解され、架橋反応、酸化反応、架
橋部分の塩素化反応を生じさせる。このような反応の結
果、EPDM加硫ゴム表面に脆化層が生じ、弁の作動、
水流、その他外部からのストレスにより亀裂や部分破壊
に発展して剥離し、剥離片が異物として上水中に混入
し、液の漏洩と共に異物混入が問題となっている。
【0013】生活環境の変化から、最近ビルの暖房、給
湯に温水が使われることが多くなってきているが、接液
が温水である場合は、上水用弁のEPDM加硫ゴムの劣
化はますます厳しい。一般に合成ゴムの劣化作用に対す
る温度の影響は、温度が10℃上昇すると反応速度は2
倍程度であるといわれている。これに水質の影響が加味
されると、給湯水や温水に曝されるゴムの劣化速度は一
般の上水に比べ数倍に達する。
【0014】加えて、弁の設置場所が貯湯槽上部である
場合、弁を構成する合成ゴムは、高濃度の塩素を含んだ
水蒸気に常時曝され、塩素で劣化される。
【0015】また、従来、弁座に接触する流体や圧力、
温度などの使用条件により、EPDM(耐熱、耐寒、耐
水、耐オゾン性は良いが耐油性が劣る)、NBR(耐油
性は良いが耐熱、耐オゾン性、耐寒などが劣る)等を弁
座のゴム材質として使い分けていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
した諸問題を解決するために、全く新しい材質からなる
弁座およびこれを具備する弁を提供することである。
【0017】本発明の別の目的は、弁座の材質が上述の
ように選択使用されてきたことに鑑み、塩素化ポリエチ
レンに各種配合剤を添加することにより、得られた弾性
体に様々の特長を持たせ、1種類の弁座材質で各種仕様
の要求条件を満足させることができる弁座およびこれを
具備する弁を提案することである。
【0018】本発明のもう1つの目的は、次亜塩素酸イ
オンを含む水道水、特に温水に対して耐劣化性を有する
弁座およびこれを具備する弁を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による弁座は、塩
素化ポリエチレン弾性体からなる。
【0020】本発明において、「弁座」の代表例は、例
えばバタフライ弁において弁箱の孔縁部には装着された
断面凹型の円環状弁座であるが、ダイヤフラム弁におい
て弁箱の中央部底壁が流路内へ突出してなる内方突部も
弁座に含める。
【0021】バタフライ弁の弁座は、塩素化ポリエチレ
ン組成物を弁座形状に加硫成型することにより得られ、
弁箱に着脱自在に装着することができる。その他、金属
製若しくはEPDMやNBR等の合成ゴム製の弁座もし
くはダイヤフラム弁の弁座相当部の少なくとも流体接触
部を、塩素化ポリエチレン組成物からなるパウダーやフ
ィルム或いはシートで覆い、加硫接着などにより該表面
に被覆一体化(例えばライニング)して得られる、少な
くとも流体接触部が塩素化ポリエチレン弾性体からなる
弁座も、本発明による弁座に含まれる。
【0022】本発明で使用される塩素化ポリエチレン
は、ゴム弾性を有するものであり、非架橋のものも使用
できるが、機械的強度の点からは架橋物が好ましい。非
架橋塩素化ポリエチレンは、いわゆるポリエチレン系熱
可塑性エラストマーの範疇に属し、架橋ゴムに比べて圧
縮永久歪性は劣る。耐圧縮永久歪性を補うために、EP
DMやNBR等の合成ゴム製弁座もしくはダイヤフラム
弁の弁座相当部の少なくとも流体接触部を、非架橋塩素
化ポリエチレン組成物からなるパウダーやフィルム或い
はシートで覆い、該表面に被覆一体化して、二層構造の
弁座とすることが好ましい。このようにして得られた、
合成ゴム製弁座の少なくとも流体接液部が更に塩素化ポ
リエチレン弾性体で被覆一体化された二層構造の弁座
は、腐蝕性流体が合成ゴムの補強剤であるカーボンブラ
ックなどと反応を起こして劣化層を形成させる恐れが全
くなく、従来の合成ゴムの機械的強度を生かした低廉で
耐薬品性に優れた弁座である。
【0023】架橋性塩素化ポリエチレン組成物を架橋す
るには、通常の加硫方法、例えば加熱加圧プレス法、射
出成形法、熱水又は水蒸気加硫缶、被鉛加硫装置、熱風
炉、金型、UHF等を用いる成形法が適用できる。
【0024】上記被覆一体化方法としては、加硫接着の
他、ラミネート法、熱収縮フィルム法、接着剤による張
合わせ、塗装による塗膜形成、粉末溶射、回転成形等が
適用可能である。
【0025】本発明による弁座は、好ましくはバタフラ
イ弁又はダイヤフラム弁に適用される。
【0026】本発明による弁座を構成するのに用いられ
る塩素化ポリエチレンについて、説明をする。
【0027】塩素化ポリエチレンは、従来のプラスチッ
クの特性に加えて耐候性、耐熱性、耐化学薬品性、耐オ
ゾン性に極めて強いという性質を有し、ゴム弾性も有す
る、いわゆるプラスチックとゴムの特性を兼ね備えたポ
リエチレン系熱可塑性エラストマーの1種である。
【0028】塩素化ポリエチレンは、その分子量、塩素
含量などにより、硬質プラスチック状から完全にゴム状
に至るまで任意に調整された物性を有することができ
る。
【0029】塩素化ポリエチレンは、ポリエチレンの粉
末又は粒子を水性懸濁液中もしくは有機溶媒中で塩素化
することにより得られる。原料となるポリエチレンはエ
チレン単独重合体、又はエチレンとこれに共重合性コモ
ノマーとの共重合体である。エチレンと共重合性コモノ
マーは、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−ペンテ
ン−1等のα−オレフィン類;ビニルアセテート、エチ
ルアセテート等のアセテート類;(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等の(メタ)アクリル酸エステルなどであってよい。ポ
リエチレンの重量平均分子量は好ましくは4万〜70
万、より好ましくは5万〜30万である。原料ポリエチ
レンは、高密度ポリエチレンの外、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、あるいはこれらのブレンドで
もよい。またポリエチレンは重合触媒としてマルチサイ
ト触媒の他にシングルサイト触媒(メタロセン触媒)を
用いた重合により得られたものであっても良く、両ポリ
エチレンをブレンドしたものでもよい。
【0030】塩素化ポリエチレンの塩素含量は、好まし
くは20〜50重量%、より好ましくは25〜45重量
%である。塩素含有量が多すぎても少なすぎても、得ら
れるゴム製品の硬度が高すぎることがある。残存結晶度
は制御可能であり、非晶性もしくは低晶性の塩素化ポリ
エチレンが好ましい。
【0031】本発明において塩素化ポリエチレンの他に
ポリマーブレンド材として、天然ゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、ブチルゴム,アクリロニトリル
−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロル
ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム
類;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン樹脂等のエラストマーも
しくは熱可塑性エラストマーを好ましくは40重量%以
下、より好ましくは20重量%以下の範囲でブレンド
し、目的とする物性値を得るようにすることもできる。
ブレンド材の割合が高過ぎると塩素化ポリエチレンの基
本的な特長が低下する嫌いがある。
【0032】通常、塩素化ポリエチレンには受酸剤が併
用される。
【0033】受酸剤は、例えば、Ca、Mg、Pb、Z
nの酸化物又は水酸化物、合成ゼオライト類、合成ハイ
ドロタルサイト類であってよい。受酸剤は単独で用いて
もよいし、2種類以上の組み合わせで用いてもよい。
【0034】受酸剤の割合は塩素化ポリエチレン100
重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜
10重量部である。受酸剤の割合が低過ぎると受酸効果
が乏しく、塩素化ポリエチレンとしての基本的な特長が
期待するようには得られず、高過ぎても耐水性が低下す
る。
【0035】塩素化ポリエチレン弾性体が架橋塩素化ポ
リエチレンである場合、これを得るための組成物には架
橋剤が含まれる。この架橋用組成物に用いられる架橋剤
(加硫剤)は、有機過酸化物、メルカプトトリアジン系
化合物、メルカプトベンゾチアジアゾール系化合物など
であってよい。
【0036】有機過酸化物は、ケトンパーオキサイド、
パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアル
キルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオ
キシエステル、パーオキシジカーボネート類であってよ
く、具体例として1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α' −ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ンなどが挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で用
いてもよいが、2種類以上の組み合わせで用いてもよ
い。
【0037】有機過酸化物には同時に架橋助剤として多
官能性モノマーを併用することもできる。多官能性モノ
マーとしては、例えばジアリルフタレートモノマー、ト
リアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシア
ヌレート(TAIC)、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチルプロパントリメタクリレート、N,
N' −m−フェニレンビスマレイミドなども一種又は二
種以上が用いられる。架橋助剤の添加割合は塩素化ポリ
エチレン100重量部に対して、好ましくは1〜20重
量部である。架橋助剤の割合が低過ぎると、得られたゴ
ム製品のモジュラス、圧縮永久歪み性が良くなく、高過
ぎると、加工性が悪くなり、ゴム弾性が失われ、製品が
固くなりすぎる。
【0038】メルカプトトリアジン系化合物の具体例と
しては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−ト
リアジン、1−メトキシ−3,5−ジメルカプトトリア
ジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリ
アジン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトト
リアジン、1−シクロヘキシルアミノ−3,5−ジメル
カプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメ
ルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジ
メルカプトトリアジン等が挙げられる。
【0039】メルカプトトリアジン系化合物には同時に
加硫促進剤(架橋促進剤)を併用することもできる。加
硫促進剤は、一般的に強力な促進力を有するものが好ま
しく、たとえば塩基性促進剤、スルフェンアミド系促進
剤、チウラム系促進剤である。塩基性促進剤としては、
塩基性アミン化合物、塩基性アミンの有機酸塩もしくは
付加物、ジアリールグアニジン、アニリンとアルデヒド
との縮合成生物等が例示される。
【0040】メルカプトベンゾチアジアゾール系化合物
としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジ
アゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジ
アゾールのモノベンゾエート誘導体及び2,5−ジメル
カプト−1,3,4−チアジアゾールのジベンゾエート
誘導体が例示され、特に好ましい例としては、2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−メル
カプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオベンゾ
アート、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ジチオ
ベンゾアート、5−メルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール−2−チオステアラート、5−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾール−2−チオ−1−ナフトアー
ト、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2
−チオフェニルアセテート、5−メルカプト−1,3,
4−チアジアゾール−2−チオシクロヘキシルカルボキ
シラート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−チオ−p−トルアート、5−メルカプト−1,
3,4−チアジアゾール−2−チオシンナマート、2,
5−ジ(ブトキシメチル)−1,3,4−チアジアゾー
ル、2,2' −ジメルカプト−5,5' −ジチオビス
(1,3,4−チアジアゾール)、2,2' −ジ(ブト
キシメチル)−5,5' −ジチオビス(1,3,4−チ
アジアゾール)などが挙げられる。
【0041】これら架橋剤の割合は、塩素化ポリエチレ
ン100重量部に対して0.5から7重量部であり、好
ましくは1〜5重量部である。架橋剤の割合が低過ぎる
と、架橋が不十分となり、高過ぎると、加工安定性が低
下し、製品のゴム弾性が失われ、製品が固くなり過ぎる
嫌いがある。
【0042】本発明の好ましい形態の1つは、上記塩素
化ポリエチレン100重量部、上記受酸剤0.5〜20
重量部、上記架橋剤0.5〜7重量部に、更にホワイト
カーボン5〜50重量部、及び多価アルコール又はその
誘導体0.5〜10重量部を加えた塩素化ポリエチレン
架橋用組成物を架橋してなる塩素化ポリエチレン弾性体
からなる弁座、およびこれを具備する弁である。この弁
座は、特に耐水性に優れたものである。
【0043】上記架橋用組成物に用いられるホワイトカ
ーボンは、二酸化ケイ素を主体としたゴム用充填材であ
り、乾式法シリカ、湿式法シリカ及び合成ケイ酸塩系シ
リカよりなる群から選ばれてよく、好ましくは湿式法シ
リカ又は合成ケイ酸塩系シリカであり、より好ましくは
湿式法シリカである。ホワイトカーボンの市販品には、
乾式法シリカとしてはアエロジル、レオロシールなど
が、湿式法シリカとしてはカープレックス、トクシー
ル、ニプシール、シルトンなどが、合成ケイ酸塩系シリ
カとしてはシルモスT、ソーレックスCMなどがある。
【0044】ホワイトカーボンの割合は塩素化ポリエチ
レン100重量部に対して5〜50重量部であり、好ま
しくは5〜40重量部、より好ましくは10〜30重量
部である。ホワイトカーボンの割合が低過ぎると、ゴム
製品の耐水性向上効果が小さく、高過ぎると、ムーニー
粘度が増大し、加工性に難がある。
【0045】上記架橋用組成物に用いられる多価アルコ
ールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
グリコール誘導体、グリセリン、ジグリセリン、ポリグ
リセリン等のグリセリン誘導体、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール
誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン等であってよく、好ましくはグリコール誘導体、グリ
セリン誘導体、ペンタエリスリトール誘導体であり、よ
り好ましくはグリコール誘導体である。
【0046】多価アルコールの割合は塩素化ポリエチレ
ン100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部である。多価アルコールの割合が低
過ぎると、ゴム製品の耐水性向上効果が小さく、高過ぎ
ると、得られたゴム製品の圧縮永久歪みなどの物性が低
下し、ブリードが生じる恐れもある。
【0047】更に塩素化ポリエチレンゴム組成物には、
必要に応じて通常ゴムやプラスチックの分野で使用され
ている補強剤(例えばホワイトカーボン、カーボンブラ
ック、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム
など)、可塑剤、加工助剤、安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、有機系又は無機系の顔料、難燃剤、発泡剤、
加硫調整剤等を必要に応じて含むことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を実施例を挙げて
説明するが、その要旨を逸脱しない限り本発明は以下の
実施例に限定されるものではない。
【0049】始めに、本発明による弁座を適用される弁
の構造について、説明をする。
【0050】図1は本発明による弁座をウエハー形バタ
フライ弁に適用した例を示す。弁箱(1) の下端部には円
形貫通孔(15)が開けられ、その左右両側部が流入口およ
び流出口となされている。弁箱(1) の孔縁部には断面凹
型の円環状弁座(4) が装着されている。弁箱(1) の上部
内には上部弁棒(3) が回動自在に配され、その下端部が
弁座(4) の上端部を貫通して下方に突出している。弁箱
(1) の下部内には下部弁棒(5) が回動自在に配され底フ
ランジ(14)で支承され、その上端部が弁座(4)の下端部
を貫通して上方に突出している。円形貫通孔(15)には円
盤状の弁体(2)が配され、弁閉鎖状態では弁座(4) に密
接している。そして弁体(2) は、上部弁棒(3) の下方突
部と下部弁棒(5) の上方突部とによって固定支持されて
いる。
【0051】弁箱(1) の弁座装着部には、弁座(4) を着
脱容易に装着できるよう凹凸の段差(16)が形成され、弁
座(4) の離脱や機械的強度を補助したりコールドフロー
を妨ぐ構造としてある。
【0052】弁座(4) は、配管フランジを取付ける際に
ガスケットの役割を担うよう弁箱(1) のガスケット面を
カバーするフレアー部(17)を有し、フレアー部(17)は弁
箱(1) より側方に若干出張っている。
【0053】弁箱(1) 上部のパッキン室に内装されたス
ペーサー(6) 、グランドパッキング(7) 、パッキン押え
(8) 、パッキン押え輪(9) 、グランドボルト(10)によ
り、上部弁棒(3) の回動部が流体からシールされてい
る。弁箱(1) 上端のヨークフランジ(13)にはギヤー操作
機(11)が固定され、これにハンドル(12)が設けられてい
る。そして、上部弁棒(3) の上端がギヤー操作機(11)を
介してハンドル(12)に連結されている。
【0054】上記構成において、ハンドル(12)の回動操
作により上部弁棒(3) が回動され、弁体(2) が弁座(4)
に対し回動され、弁が開閉される。
【0055】弁座(4) は、図2に示すように、全体的に
塩素化ポリエチレン弾性体から構成されているものの
外、図3に示すように、加硫又は未加硫の合成ゴムの弁
座本体(18)の流体接触部に、塩素化ポリエチレン組成物
からなるパウダーやフィルムまたはシートを加硫し圧着
して被覆層(18A) を形成してなる、二層構造の弁座であ
ってもよい。
【0056】第4図は本発明による弁座をダイヤフラム
弁に適用した例を示す。ダイヤフラム弁の弁箱(21)は左
右両側部に流入口および流出口を有し、中央部底壁が流
路内へ隆起状に突出し、この内方突部がダイヤフラム弁
の弁座本体(35)である。弁箱(21)の流体接触部、すなわ
ち弁箱(21)の内面全体(したがって、弁座本体(35)も含
まれる)は塩素化ポリエチレン弾性体でライニングされ
ており、ライニング層(22)が形成されている。こうし
て、弁座本体(35)に塩素化ポリエチレン弾性体層を被覆
一体化してなる弁座(36)が形成されている。弁箱(21)の
フランジ端面は、バタフライ弁と同じ目的でライニング
層(22)のフレアー部(37)で覆われている。
【0057】弁箱(21)の中央上部には、ダイヤフラム(2
3)とこれを固定した弁蓋(24)が設けられ、弁蓋(24)の内
部にはダイヤフラム押圧用のコンプレッサ(26)を介して
弁棒(30)が貫通され、弁棒(30)を上下動させるハンドル
(33)が設けられている。
【0058】図4中、(25)はボルトナット、(26)はコン
プレッサ、(27)はセットピン、(28)はスリーブ、(29)は
スラストベアリング、(31)はワッシャー、(32)はセット
スクリュー、(34)はインジケーターである。
【0059】上記構成において、ハンドル(12)の回動操
作により弁棒(30)が下降され、これによりコンプレッサ
(26)を介してダイヤフラム(23)の中央部が押し下げら
れ、弁座(36)に強く押し当てられ、流体流通が遮断され
る。逆にダイヤフラム(23)の中央部が押し上げられる
と、流体が流通する。
【0060】弁箱(21)流体接触部、すなわち弁箱(21)の
内面全体が従来の未加硫合成ゴムでライニングされてい
る場合は、このライニング層表面全体に塩素化ポリエチ
レン組成物からなるパウダーやフィルム或いはシートを
加硫接着する。これにより、従来の合成ゴムの強度を生
かして低廉で耐薬品性に優れた二層のライニング層を得
ることができる。未加硫合成ゴムの代わりに加硫合成ゴ
ムを用いても良いが、接着性の点で前者が好ましい。
【0061】実施例1〜3、比較例1〜3実施例1及び
2は耐水用、実施例3は耐油用のものである。
【0062】塩素化ポリエチレンまたは合成ゴム、受酸
剤、ホワイトカーボン、多価アルコール、可塑剤、クレ
ー及びカーボンブラックを表1に示す割合で1リットル
のニーダーに投入し、100℃で7分間混練した。その
後、得られた混練物をニーダーから取出した。この時の
混練物の温度は145℃であった。次いでこの混練物に
7インチロールで75℃で架橋剤、架橋助剤及び架橋促
進剤を表1に示す割合で添加混練し、約2.5mmのシ
ートを得た。こうして、実施例1〜3及び比較例1〜3
のシート状架橋用組成物を得た。
【0063】このシート状組成物を15cm四方、厚さ
2mmの金型に入れ、170℃で15分間、10MPa
で加圧し、プレス架橋し、ゴム架橋物シートを得た。
【0064】性能評価試験 実施例1〜3、比較例1〜3で得られた架橋ゴムシート
を下記の項目について性能評価した。
【0065】・引張り強度:JIS K 6251 ・伸び:JIS K 6251 ・硬度:JIS K 6253 ・引き裂き:JIS K 6252 ・耐熱後引張り強度残率:JIS K6257、135
℃×120時間 ・耐熱後伸び残率:JIS K6257、135℃×1
20時間 ・耐油後引張り強度残率:ASTM 2号油、150℃
×72時間 ・圧縮永久歪:JIS K6262、100℃×72時
間又は23℃×168時間 ・耐オゾン性:JIS K6259「加硫ゴムのオゾン
劣化試験方法」に基づいて、オゾン濃度50pphm、
温度40℃、伸長20%の条件でシートを所定時間オゾ
ンに曝した後、クラック発生の有無を観察した。
【0066】・耐熱水性:JIS K6258「浸漬試
験」に基づいて、シートの2cm四方の試験片を80℃
の熱水に3日又は11日浸漬し、その体積増加率を測定
した。 ・耐塩素水:シートの2cm四方の試験片及び、JIS
3号ダンベルを2リットルの還流器付きセパラブルフラ
スコに吊し、フラスコを有効塩素濃度0.13%の次亜
塩素酸ナトリウム溶液及び0.5重量%塩酸溶液の1:
1混合液で満たした。同時に、各々の液を100cc/
分の割合で滴下した。クロルテスター(オーヤラックス
社製)により測定した塩素濃度は1300ppmであっ
た。液を攪拌しながら温度を80℃に保ち試験片を連続
4日間浸した後、外観を観察し、伸び残率及び重量増加
率を測定した。
【0067】評価試験結果を表1にまとめて示す。
【0068】
【表1】
【0069】・塩素化ポリエチレン(1) :塩素含量35
% 非晶質 ・塩素化ポリエチレン(2) :塩素含量40% 非晶質 ・塩素化ポリエチレン(3) :塩素含量45% 結晶質、
原料ポリエチレンのメルトインデックス=5、残存結晶
度7cal/g ・EPDM:三井化学社製「EPT1045」、ジシク
ロペンタジエン系、ムーニー粘度40 ・NBR:JSR社製「N230S」、アクリロニトリ
ル含量35%、ムーニー粘度56 ・受酸剤ハイドロタルサイト:協和化学社製「DHT−
4A」 ・ホワイトカーボン:シオノギ製薬社製「カープレック
ス#67」、PH=7〜8 ・多価アルコールPEG:日本油脂社製「ポリエチレン
グリコール#300」、平均分子量300 ・可塑剤(1) :大日本インキ社製「モノサイザーW72
0」 ・可塑剤(2) :日本サン石油社製「サーコライトプロ」 ・可塑剤(3) :新日本理化社製「DOP」 ・カーボンブラック「SRF」:東海カーボン社製「シ
ーストS」 ・カーボンブラック「FEF」:東海カーボン社製「シ
ーストSO」 ・架橋剤(1) :α,α' −ビス(t−ブチルパーオキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン ・架橋剤(2) :2,4,6−トリメルカプト−1,3,
5−トリアジン ・架橋助剤(1) :ダイソー社製『ダイソーDAP100
モノマー』 ・架橋助剤(2) :大内新興社製「バルノックDGM」 ・加硫促進剤(1) :ジシクロヘキシルアミン塩 ・加硫促進剤(2) :テトラメチルチウラム・ジスルフィ
ド゛ ・加硫促進剤(3) :2−メルカプトベンゾチアゾール
【0070】実施例4 実施例1の架橋性塩素化ポリエチレン組成物を、呼び径
4インチ(100A)のバタフライ弁の弁座用の金型に
充填し、温度170℃で圧力5MPa下で15分間プレ
ス架橋成型した。こうして、塩素化ポリエチレン弾性体
からなる弁座を得た。
【0071】実施例5 比較例1の架橋性EPDM組成物からなるシートに、実
施例2の架橋性塩素化ポリエチレン組成物からなるシー
トを重ねて、得られた積層体を用いて、実施例4と同様
の操作で架橋成型を行い、EPDM層に塩素化ポリエチ
レン弾性体層を加硫接着により被覆一体化してなる弁座
を得た。
【0072】別途、平板金型で比較例1の架橋性EPD
M組成物からなるシート(厚さ1.5mm)と、実施例
2の架橋性塩素化ポリエチレン組成物からなるシート
(厚さ1.5mm)を重ね、温度170℃で圧力5MP
a下で15分間プレス架橋した。こうして、剥離試験用
試験片を作成した。これを幅2cm×長さ8cmにカッ
トし、カット片を50mm/分の速度で剥離強度を測定
した。剥離強度は20N/cmであり、実用的な接着強
度であった。
【0073】実施例6 比較例3の架橋性NBR組成物からなるシートに、実施
例1の架橋性塩素化ポリエチレン組成物からなるシート
を重ねて、得られた積層体を用いて、実施例4と同様の
操作で架橋成型を行い、NBR層に塩素化ポリエチレン
弾性体層を加硫接着により被覆一体化してなる弁座を得
た。
【0074】別途、平板金型で比較例3の架橋性NBR
組成物からなるシート(厚さ1.5mm)と、実施例1
の架橋性塩素化ポリエチレン組成物からなるシート(厚
さ1.5mm)を重ね、温度170℃で圧力5MPa下
で15分間プレス架橋した。こうして、剥離試験用試験
片を作成した。これを幅2cm×長さ8cmにカット
し、カット片を50mm/分の速度で剥離強度を測定し
た。剥離強度は26N/cmであり、実用的な接着強度
であった。
【0075】実施例7 塩素化ポリエチレン(3) 100重量部をジオクチル錫マ
レート2重量部と共に、8インチロールで温度160℃
で3分間混練りシ−ト化した。次いでこのシートを、温
度160℃で圧力5MPa下で3分間プレス架橋し、厚
さ0.7mmのフィルムを得た。
【0076】比較例3の架橋性NBR組成物からなるシ
ートを、呼び径4インチ(100A)のバタフライ弁の
弁座用の金型に充填し、温度170℃で圧力5MPa下
で7分間プレス架橋した。こうして、架橋NBRからな
る弁座本体を得た。
【0077】この弁座本体に上記フィルムを重ね、全体
を温度170℃で圧力5MPa下で7分間プレスして一
体化した。
【0078】こうして、架橋NBRからなる弁座本体に
塩素化ポリエチレン組成物からなるフィルムを加硫接着
により被覆一体化してなる弁座を得た。
【0079】別途、平板金型で比較例3の架橋性NBR
組成物からなるシート(厚さ1.5mm)と、上記架橋
性塩素化ポリエチレン(3) 組成物からなるシート(厚さ
1.5mm)を重ね、温度170℃で圧力5MPa下で
15分間プレス架橋した。こうして、剥離試験用試験片
を作成した。これを幅2cm×長さ8cmにカットし、
カット片を50mm/分の速度で剥離強度を測定した。
剥離強度は22N/cmであり、実用的な接着強度であ
った。
【0080】実施例8 150メッシュ篩(目開き約100ミクロン)を全通し
た塩素化ポリエチレン(3) からなる粉末100重量部
を、ジオクチル錫マレート2重量部と良くドライブレン
ドした。得られたブレンド粉末を容器内でエアーにより
浮遊流動させておく。
【0081】粗面仕上げしたアルミニウム製弁座本体を
185℃に加熱し、上記浮遊状態粉末中に30秒間浸漬
し、粉末を弁座本体表面に溶融付着させた。その後、弁
座本体を引き上げ、余剰の未溶融粉末の除去後、回転し
ながら室温まで徐々に冷却した。こうして、アルミニウ
ム製弁座本体に厚さ約1mmの塩素化ポリエチレン弾性
体層を被覆一体化してなる弁座を得た。
【0082】比較例4 比較例1の架橋性EPDM組成物を、呼び径4インチ
(100A)のバタフライ弁の弁座用の金型に充填し、
温度170℃で圧力5MPa下で15分間プレス架橋し
た。こうして、架橋EPDMからなる弁座を得た。
【0083】比較例5 比較例3の架橋性NBR組成物を、呼び径4インチ(1
00A)のバタフライ弁の弁座用の金型に充填し、温度
170℃で圧力5MPa下で15分間プレス架橋した。
こうして、架橋EPDMからなる弁座を得た。
【0084】性能評価試験 実施例4〜8、比較例4〜5で得られた弁座を装着した
ダイヤフラム弁を、下記の項目について性能評価した。
【0085】水圧試験:0.6MPa、1.0MPa、
16MPaの各試験圧力で弁座の水漏れ試験を行った。
閉じた弁の流入側に水を導入し、流出側を開放して水を
排除した後、流入側の水に各試験圧力を加圧して15分
間保持し、弁座と弁体との摺動面及び弁座背面、グラン
ドパッキン等からの漏水や滲みの有無を調べた。その結
果、いずれの弁座も漏水や滲みが無く合格であった。
【0086】気密試験:弁の流出側にブラインドフラン
ジを取付け、流入側に0.2MPa、0.6MPa、
1.0MPa、16MPaの各試験圧力で空気圧を加
え、弁を閉じ、弁内部に圧力を封入した。グランドパッ
キン部に石鹸液をかけてグランドパッキン部などからの
漏洩の無いことを確認後、ブラインドフランジを外し、
石鹸水により、弁座と弁体の摺動面及び嵌め込み弁座の
背面からの漏洩の有無を調べた。その結果、いずれの弁
座も漏水や滲みが無く合格であった。
【0087】上記性能評価試験から、本発明による塩素
化ポリエチレン弾性体からなる弁座は、従来の合成ゴム
製弁座と同様に何ら問題無く使用できることが確認され
た。
【0088】
【発明の効果】本発明による上記塩素化ポリエチレン弾
性体からなる弁座は、従来の合成ゴム製のものに匹敵す
る機械的性質を有する上に、1.耐オゾン性に優れてい
る、2.濃硝酸を除く、酸又はアルカリ含有液、アルコ
ール、炭化水素等に対して耐化学薬品性を有する、3.
充填剤の多量配合が容易にできる、4.他のゴム・プラ
スチックとの混和性が良い、5.難燃性にできるなど、
他の合成ゴムに無い特性を具備する。したがって、従来
の合成ゴム製弁座は低圧での工業用水、上水、海水だけ
に限定して使用されていたが、本発明による弁座は化学
装置の腐蝕性流体や油性流体にも使用可能である。
【0089】本発明弁座の材質は塩素化ポリエチレンに
各種配合剤を添加することにより様々の特長を持たせた
弾性体であり、1種類の弁座材質で各種仕様の要求条件
を満足させることができ、用途が大幅に拡大される。
【0090】本発明による上記塩素化ポリエチレン弾性
体からなる弁座は、次亜塩素酸イオンを含む水道水、特
に温水に対して耐劣化性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウエハー形バタフライ弁を示す断面図であ
る。
【図2】 ウエハー形バタフライ弁の弁座を示す部分断
面図である。
【図3】 ウエハー形バタフライ弁の弁座の変形例を示
す部分断面図である。
【図4】 弁箱本体内面が塩素化ポリエチレン弾性体層
でをライニングされたダイヤフラム弁を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1. 弁箱 2. 弁体 3. 上部弁棒 4. 弁座 5. 下部弁棒 21. 弁箱 22. ライニング層 23. ダイヤフラム 24. 弁蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/46 C08K 5/46 5/47 5/47 F16K 7/12 F16K 7/12 A 27/00 27/00 A // C08L 23/28 C08L 23/28 (72)発明者 大宮 浩 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 (72)発明者 坂本 勝 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目10番8号 ダイソー株式会社内 Fターム(参考) 3H051 AA01 AA02 BB06 BB09 BB10 CC11 DD07 FF02 FF03 3H052 AA02 BA22 BA23 BA24 CA17 CA33 CB18 CB33 EA02 EA03 4J002 BB241 DE046 DE076 DE086 DE096 DJ018 EC049 EC059 EK027 EK037 EK047 EK057 EV347 FD018 FD147 FD206 FD209 GL00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化ポリエチレン弾性体よりなる弁
    座。
  2. 【請求項2】 少なくとも流体接触部が塩素化ポリエチ
    レン弾性体よりなる弁座。
  3. 【請求項3】 合成ゴム製弁座の少なくとも流体接液部
    が更に塩素化ポリエチレン弾性体で被覆一体化された二
    層構造の弁座。
  4. 【請求項4】 塩素化ポリエチレン弾性体が架橋塩素化
    ポリエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の弁
    座。
  5. 【請求項5】 塩素化ポリエチレン弾性体が、塩素化ポ
    リエチレン100重量部、受酸剤0.5〜20重量部、
    架橋剤0.5〜7重量部、ホワイトカーボン5〜50重
    量部、及び多価アルコール又はその誘導体0.5〜10
    重量部を含む塩素化ポリエチレン架橋用組成物を架橋し
    てなる請求項1〜4のいずれかに記載の弁座。
  6. 【請求項6】 バタフライ弁又はダイヤフラム弁の弁座
    である請求項1〜5のいずれかに記載の弁座。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の弁座を
    具備するバタフライ弁又はダイヤフラム弁。
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