JP4910251B2 - 車両用動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体圧アクチュエータにより動作される摩擦係合要素を有する車両用動力伝達装置の制御装置、特に流体圧を一時的に蓄える蓄圧器にかかる制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の動力伝達装置において、その制御を流体圧により行う装置が知られている。例えば、いわゆる自動変速機と呼ばれる、摩擦係合要素の係合または解放を流体圧アクチュエータにより制御して、ギアの選択を行い変速動作する多段自動変速機がある。また、この多段自動変速機と組み合わせて用いられることが多いトルクコンバータなどの流体伝動装置のうち、直結クラッチを含むものも、これに含まれる。直結クラッチが前記摩擦係合要素に該当する。さらに、入力、出力プーリのそれぞれに接触する動力伝達子を有し、この伝達子とプーリの接触位置を変更することで変速を行う変速機も知られている。前記接触位置の制御が流体圧により制御される。このような流体圧アクチュエータの制御圧は、通常、当該車両のエンジンに駆動される流体圧ポンプにより発生される。
【0003】
一方、車両運行中において、エンジンの運転が必要がないときには、これを自動停止し、必要が生じた場合に再始動する車両が実用化されている。例えば、信号待ちなどで車両が停止したとき、エンジンの自動停止を行い、信号が変わり発進するときに再始動を行って、走行する車両が知られている。このような車両において、前記動力伝達装置に供給される流体圧は、エンジンの再始動した後、さらに遅れて立ち上がり、よって発進が遅れる場合があるという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、例えば特開2000−313252号公報に記載された装置においては、エンジンが運転しているときに蓄圧器に流体圧を蓄えておき、エンジンを再始動する際に、蓄えていた流体圧を放出して、立ち上がりの遅れを解消している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような蓄圧器は、エンジン再始動の際に有効に機能するが、エンジン運転中すなわち継続的に流体圧が発生しているときには、制御系の流体圧の変化を吸収する容量として作用する。前述のように、この流体圧は摩擦係合要素の制御に用いられるものであり、流体圧アクチュエータに供給される圧力は、ギアの切り換え時など、所定の立ち上がり、立ち下がり特性となるように制御されている。このとき、前記再始動時に用いられる蓄圧器のように容量として機能する要素が流体圧回路中に存在すると、過渡状態における所定の流体圧特性に対し、影響を及ぼし、摩擦係合要素の応答性が、所望の特性とならない可能性があるという問題があった。
【0006】
本発明は、流体圧制御される摩擦係合要素を有する車両用動力伝達装置において、蓄えられた流体圧を流体圧回路に供給する蓄圧器が、不要なときに前記流体圧回路に対し作用しないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明にかかる車両用動力伝達装置は、流体圧を発生する流体圧発生源と摩擦係合要素を係合または解放する流体圧アクチュエータとを結ぶ流路に蓄圧器を設け、前記流路と前記蓄圧器との間に、これらを遮断する遮断弁を有している。
【0008】
前記遮断弁は、流路の流体圧が不足し、前記蓄圧器からの流体圧の供給が必要な場合、および前記蓄圧器に流路の流体圧を蓄える場合に開かれる。その他の場合には、遮断弁を閉じることができる。
【0009】
特に、遮断弁は、前記摩擦係合要素の係合または解放を制御する過渡制御時において閉じるようにすることができる。過渡状態において、前記蓄圧器を流路から分離することにより、これの影響を排除し、制御精度を向上させることができる。この他に遮断弁を閉じるのは、車両が所定の速度以上で走行している場合、当該車両のエンジンのスロットル弁が所定の開度以上である場合などに実行することができる。
【0010】
また、前記摩擦係合要素が実際に係合を開始したときに、遮断弁を閉じるようにすることができる。すなわち、アクチュエータの遊びに相当するストロークを前記蓄圧器により担当させ、実際の係合の進行中については蓄圧器を遮断して、これの影響を排除するように構成する。
【0011】
また、前記蓄圧器に蓄圧する際には、流路から徐々に流体圧を送るように前記遮断弁を制御することができる。例えば、遮断弁を間欠的に開くように制御する。また、遮断弁の開度を抑制し、流路を狭めるように制御することも可能である。これらにより、流路における流体圧が急激に変動することを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態にかかる車両用動力装置10の概略構成が示されている。動力装置10は、エンジン12と回転電機14の二つの原動機を有する。エンジン12は往復型ガソリンエンジンである。また、回転電機14は、不図示の走行用バッテリから、同じく不図示のインバータを介して電力の供給を受け、電動機として機能し、車両を駆動する。また、回転電機14は、減速時、車両の車輪から駆動され発電機として機能し、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換し、これを走行用バッテリに蓄える。また、走行用バッテリの蓄電量が減少した場合は、エンジン12により回転電機14を駆動し、走行用バッテリに対し充電を行う。
【0013】
これらの原動機は、所定の条件に従って運転が制御され、エンジン12、回転電機14のいずれか一方により車両を駆動する場合、双方により車両を駆動する場合がある。エンジン12が停止するのは、運行中において信号待ちなどにより車両が停止した場合、また極低速走行時のエンジンの効率が悪い領域などである。このエンジン12の停止状態から、運転が必要となったときに、エンジンの再始動制御が行われる。
【0014】
これら原動機の出力は、動力伝達装置である自動変速機16に送られる。自動変速機16は、流体伝動機構、変速機構、制御機構を含む。動力伝達装置として、この自動変速機16の他に、原動機の出力が送られる駆動輪を切り換えるため、例えば4輪駆動と2輪駆動を切り換えるためのトランスファ機構もある。本実施形態において、流体伝動機構はトルクコンバータ18であり、変速機構は、複数の遊星歯車機構を含む歯車変速機部20であり、この歯車変速機部20は、また各遊星歯車機構の各要素の動きを拘束するクラッチ、ブレーキを含む。これらのクラッチおよびブレーキは、制御機構としての流体圧制御部22からの作動流体の選択的供給によって制御される。また、この制御流体圧は、エンジン12により駆動される機械式のオイルポンプ23により発生され、前記流体圧制御部22に送られる。歯車変速機部20の出力は、推進軸により駆動輪に向けて伝達される。
【0015】
エンジン12の出力軸には、さらに伝動機構24を介して補機回転電機26が結合されている。伝動機構24は、ベルト、チェーンなどの無端可撓部材を用いた機構または歯車列などとすることができる。補機回転電機26は、エンジン12の運転時は発電機と機能し、エンジン補機や車両の電装品などに電力を供給する補機バッテリ(不図示)に充電を行い、また前記電装品などに直接電力を供給する。また、補機回転電機26は、エンジン12の始動の際には、補機バッテリからの電力を受け電動機として機能する。
【0016】
エンジン12、回転電機14および自動変速機16などの制御は、走行速度など車両の運行状況や、エンジンや自動変速機の状態、運転者の要求などに基づき制御装置28が行う。運転者の要求の中で、変速機の動作状態の選択については、車室内に備えられたシフトレバー30により行われる。シフトレバー30は、変速機の動作状態に対応したいくつかのシフトポジションを有し、ポジションセンサ30aがシフトポジションを検出して、これに対応した信号を制御部28に送出する。運転者はシフトレバー30を移動させることにより、シフトポジションの選択が可能となっている。シフトポジションの例としては、主に駐車時に用いられ、変速機16を機械的にロックして車両が移動しないようにするPポジション、車両を後退走行可能とするRポジション、変速機16を中立状態すなわち原動機の駆動トルクを駆動輪へと伝達しない状態とするNポジション、車両を前進走行可能とするDポジションなどがある。Dポジションにおいては、車両速度、運転者の加速要求などに応じて適切な変速段が制御部28により選定され、流体圧制御部22の動作により変速動作が実行される。前進走行を可能とするポジションには、Dポジションの他、変速される段を限定したものとするポジション、例えばLポジション、2ポジションなどがある。
【0017】
また、エンジン12のクランクシャフトには、回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ32が設けられ、この出力が制御部28に送出される。また、運転者の制動要求は、車室内に備えられたブレーキペダルの操作量を検出し、これに基づき制御装置28で認識される。また、運転者の加速要求は、スロットル弁36の開度を検出するスロットル弁センサ36aの出力に基づき制御装置で認識される。また。スロットル弁開度ではなく、車室内に備えられたアクセルペダル34の操作量をアクセルセンサ34aにより検出し、加速要求を認識することもできる。
【0018】
図2には、自動変速機16の変速機構の概略が示されている。この自動変速機16は、副変速機ODと、単純連結3遊星ギア列からなる前進4速後進1速の主変速機Mとを組み合わせた5速構成となっている。図2にはまたトルクコンバータ18も示されており、図示するように直結クラッチLCを備えている。副変速機ODは、サンギアS0、キャリアC0、リングギアR0に関連して第1のワンウェイクラッチF−0とこれに並列する多板クラッチC−0およびこれと直列する多板ブレーキB−0を備えている。一方、主変速機Mは、サンギアS1〜S3、キャリアC1〜C3、リングギアR1〜R3からなる各変速要素を適宜直結した単純連結の3組のギアユニットP1,P2,P3を備え、各ギアユニットの変速要素に関連して多板クラッチC−1,C−2、バンドブレーキB−1、多板ブレーキB−2〜B−4、ワンウェイクラッチF−1および第2のワンウェイクラッチF−2が配設されている。なお、図示されていないが各クラッチおよびブレーキは、サーボ流体圧の制御でそれらの摩擦材を係合解放操作する流体圧アクチュエータであるピストンを持ったサーボ手段を備えている。
【0019】
また、自動変速機16の入力回転速度を検出するために、入力回転センサD1が副変速機ODのサンギアS0上に設けられている。回転センサは、歯車状の円板と、この円板の周縁に設置され、歯車の歯の有無によってオン信号、オフ信号を出力するピックアップとを含む。第1速から第4速においては、サンギアS0は、トルクコンバータ12のタービンと一体となって回転するので、変速機16の入力回転速度の検出を行うことができる。また、クラッチC−1またはC−2の回転速度を検出するためのクラッチ回転センサD2が、クラッチC−1またはC−2のドラム上に設けられている。さらに、自動変速機14の出力回転速度を検出するために、プロペラシャフトまたはこれと一体となって回転する軸上に出力回転センサD3が設けられている。これらのセンサD2,D3の構造は、入力回転センサ36と同様のものである。
【0020】
図3は、図2に示す変速機において、ある変速段を選択する場合の各係合要素の作動状態を示す図である。図において、「○」は、当該係合要素が係合した状態、ワンウェイクラッチに関してはロックした状態であることを示している。「△」は、当該係合要素の係合が行われるが、動力伝達とは関係のないものであることを示している。なお、シフトレバーの位置に対応して、選択される変速段の範囲は限定される。
【0021】
図3に示されるように、変速状態が中立状態(P,Nポジション)のときには、クラッチC−1,C−2が双方とも解放状態となっている。これに対し、Dポジション、Rポジションなどの駆動力が伝達可能で、走行可能状態となった場合には、クラッチC−1(前進の場合)、クラッチC−2(後退の場合)が係合状態となる。クラッチC−1またはクラッチC−2の係合動作は、シフトレバー30を操作して実行されるが、実際の係合は、シフトレバー30が操作された後、移行期間があってから完了する。これは、クラッチC−1またはC−2に流体圧が供給され、クラッチの摩擦プレートが完全に密着するまでに時間を要するからである。
【0022】
図4は、クラッチC−1,C−2に作動流体を供給する回路を示す図である。作動流体は、エンジンにより駆動させるオイルポンプ23により供給される。オイルポンプ23から吐出される作動流体が流れる流路38は、ライン圧コントロールソレノイド39から1次調圧弁40を介して後述するマニュアル弁42に達する流路41に合流している。1次調圧弁40により、流体圧回路の基準の圧力となるライン圧が調圧されている。
【0023】
調圧されたライン圧は、マニュアル弁42の入力弁に導かれる。マニュアル弁42は、運転者が操作するシフトレバーと機械的に接続されており、シフトレバーの操作により前進側のシフト位置が選択されると、ライン圧がクラッチC−1に向けて供給される。また、シフトレバーにより後退のシフト位置が選択されるとライン圧はクラッチC−2に供給される。
【0024】
また、マニュアル弁42と前進側のクラッチC−1の間の流路には、大オリフィス44と切換弁46が直列に配置される。切換弁46の開閉は、前述の制御装置26に制御されるソレノイド48により行われる。この切換弁46は、大オリフィス44を介して供給されるライン圧を、前進クラッチC−1に対して選択的に供給または遮断するためのものである。
【0025】
また、切換弁46に並列する流路が形成され、この流路には、チェックボール50と小オリフィス52が並列に設けられている。小オリフィス52の流路断面積は、大オリフィス44のそれよりも狭く設定されている。そして、切換弁46が閉じられた場合は、大オリフィス44を通過した作動流体は、小オリフィス52を経由してクラッチC−1に到達する。なお、チェックボール50は、クラッチC−1が係合しているときに、ここに供給する流体の量を減少させる機能を有する。また、クラッチC−1を解放するときには、オイルの流路面積を拡大して、クラッチC−1からの作動流体の排出を促進する機能を備えている。
【0026】
さらに、クラッチC−1と切換弁46の間の流路から分岐して、オリフィス54を介してC1蓄圧器56が配置されている。C1蓄圧器56は、ピストンとスプリングを備え、シフトレバーが、中立位置(N)から前進位置(D)に操作され、クラッチC−1を操作する際に、クラッチC−1のストロークを緩慢に増大させるために設けられている。
【0027】
また、オイルポンプ23からクラッチC−1,C−2のピストンに向けて流体を送る流路38から分岐した分岐流路57が設けられ、ここに、蓄圧制御弁58を介して蓄圧器60が配置されている。蓄圧器60もピストンとスプリングを有している。この蓄圧器60は、エンジンの再始動時など、オイルポンプ23の吐出量がまだ所定値に達していない時点で、蓄えておいた高圧の作動流体を、蓄圧制御弁58の制御により放出する。この放出により、クラッチC−1を早期に係合することができる。
【0028】
なお、クラッチC−1,C−2以外の摩擦係合要素、例えば他のクラッチ、ブレーキ、トルクコンバータの直結クラッチなどへの流体圧は、流路41より分岐した流路により供給される。
【0029】
図5は、エンジン再始動時のクラッチC−1に供給される流体圧の特性を示した図である。エンジン12の再始動指令出力で、エンジン回転速度NEが上昇し、それに伴って、エンジンに連結され、駆動されているオイルポンプ23も回転が上昇し、流体圧が上がる。エンジン回転速度NEは、目標であるアイドル回転速度NETGTに制御される。このとき、クラッチC−1における流体圧の立ち上がりを早める早期供給制御を行う。
【0030】
早期供給制御は、図中の期間TFASTの間、切換弁46を開ける制御である。これにより、小オリフィス52を介さずに、クラッチC−1に作動流体が供給され、より早い時期にクラッチC−1が係合する。さらに、クラッチC−1の係合を早期に行うために、蓄圧制御弁58を開けることにより、蓄圧器60に蓄えられた作動流体を放出することができる。なお、図5中、NTはトルクコンバータのタービン回転速度を示している。
【0031】
このように蓄圧器60は、エンジンの再始動制御の際には、流体圧の早期立ち上がりに寄与する。一方、蓄圧制御弁58が開かれたままであると、エンジンが運転中においては、蓄圧が十分でない状態では、オイルポンプ23が発生する流体圧を一時的に吸収する場合がある。また、クラッチ等の摩擦係合要素の制御により一時的にライン圧が低下したときなど、蓄えられていた流体圧により、このライン圧の低下を打ち消すように作用する場合もある。このように、蓄圧器60は、流路38,41の圧力変動を吸収する容量として作用し、あらかじめ設定された各摩擦係合要素の動作制御に対し、その精度を低下させる場合がある。
【0032】
そこで、本実施形態においては、蓄圧器60が必要でない場合、これと流路38とを遮断して、蓄圧器60がライン圧の変動に影響を与えないように配慮している。このために、蓄圧制御弁58の開閉が制御される。
【0033】
図6には、蓄圧器60の制御の一例にかかる制御フローチャートが示されている。車両が、信号待ちなどによる停止時にエンジンを自動的に一時停止させ、燃料消費を抑制する、いわゆるエコランによるエンジンの自動停止を行っているかを判断する(S100)。この判断は、エコランに係る制御において、エンジンの自動停止が実行されたことを示すフラグに基づきなされる。エンジンが自動停止中であれば、エンジンの再始動に備え、蓄圧器60内に流体圧を蓄える(S102)。エンジン自動停止中ではない場合、次にエンジンが作動中であるかを判断する(S104)。エンジンが作動中でなければ、車両が運行していない状態、言い換えればイグニッションスイッチがオフとなった状態によるエンジン停止であるので、蓄圧制御弁58を開放して、蓄圧器60内の圧力を放出する(S106)。これは、次回のエンジン始動は、イグニッションスイッチによる始動となるので、特に早期に流体圧を立ち上げる必要がないからである。
【0034】
ステップS104でエンジン作動中であると判断された場合、次に変速機等の摩擦係合要素の係合動作または解放動作が行われている過渡状態であるかを判断する(S108)。過渡状態とは、具体的には、変速機20の変速制御、トルクコンバータ18の直結クラッチの係合動作または解放動作などがある。また、トルクコンバータ18の直結クラッチを完全に係合した状態とするのではなく、わずかに滑らせるように制御するスリップ制御においても、微視的に見れば過渡状態である。この場合おいて、直結クラッチのスリップ量を所定値とするために、そのストローク量を精度よく制御する必要があり、制御流体圧に影響を与える蓄圧器60は、制御流路より分離されることが好ましい。また、4輪駆動と2輪駆動を切り換えるクラッチを有する車両においては、この切り換え制御中においても、蓄圧制御弁58を閉じることが好ましい。
【0035】
過渡状態である場合には、蓄圧制御弁58を閉じ、蓄圧器60が制御流体圧に影響を及ぼさないようにする(S110)。一方、制御の過渡状態でなければ、蓄圧制御弁58を開く(S112)。
【0036】
図7は、蓄圧制御弁58の制御状態の一例を示す図である。変速機20の変速制御が実行されていることを示す変速信号、4輪駆動と2輪駆動の切り換え中であることを示すT/F信号、直結クラッチのスリップ制御実行中であることを示すスリップ信号のいずれかの信号がオンとなっているときには蓄圧制御弁58が閉じるように、前記3つの信号がオフのときには、開くように制御されていることが理解される。
【0037】
図8には、蓄圧器60の制御の他の例にかかる制御フローチャートが示されている。シフトポジションが、原動機が発生した動力を駆動輪に伝達可能なポジション、すなわち車両が走行可能なポジションであるかを判断する(S120)。シフトポジションは、ポジションセンサ30aの出力に基づき判断することができる。前記のような駆動シフトポジションには、例えば、前述のDポジションや、Lポジション、2ポジション、またRポジションが含まれる。駆動ポジションでない場合、さらにPポジションであるかを判断する(S122)。Pポジションであれば、車両が駐車された、すなわち一連の運行が終了し、イグニッションスイッチによるエンジン停止が実行されたと判断して、蓄圧制御弁58を開いて蓄圧器60内の圧力を解放する(S124)。一方、Pポジションでない場合(本実施形態ではNポジション)、次のNポジションから駆動ポジションへのシフト操作に備えて蓄圧制御弁58は閉じた状態とし、蓄圧した状態を維持する。
【0038】
ステップS120で駆動ポジションであると判断された場合、次に車両が停車に近い極低車速以下で走行中であるかを判断する(S128)。車両の走行速度は、変速機16の出力回転センサD3の出力から算出することができる。前記極低車速には、停止状態も含む。車速が速い場合には、変速動作などに影響を及ぼさないように蓄圧器制御弁58を閉じる制御を行う(S130)。極低車速で走行している場合は、さらにエンジンがエコランにより自動停止中であるかを判断する(S132)。自動停止していれば、蓄圧制御弁58を閉じ、蓄圧器60内の圧力を保持し、再始動に備える(S134)。エンジンが自動停止していなければ、蓄圧制御弁58を開放して、蓄圧器60に流体圧を導くことが可能となるようにして、これを蓄える(S136)。
【0039】
図9は、図8の制御に対応した、蓄圧制御弁58の制御状態の一例を示す図である。極低速状態の走行を判断するための、車速のしきい値V1,V2が設定されている。車速が増加中において用いられるしきい値がV1であり、減少中に用いられるしきい値がV2である。車速0から加速して、しきい値V1に達すると、蓄圧制御弁58が開から閉に制御され、変速動作などの過渡制御に蓄圧器60の影響が出ないようにする。車速が減速して、しきい値V2より低下すると、蓄圧制御弁58を開放し、蓄圧器60内に流体圧が導かれるようにする。蓄圧器60内が所定の圧力となった時点で、蓄圧制御弁58を閉じて圧力を保持する。その後、車両が停止し、または停止しており、他の条件が満されれば、エンジンを自動停止する。このようにエンジンの自動停止は、蓄圧器60内に所定の圧力が蓄えられた後に実行される。エンジンの再始動条件が成立すると、蓄圧制御弁58が開放され、始動制御が実行される。
【0040】
なお、本実施形態の車両においてエコランによるエンジン自動停止の条件として車両が停止している(車速0)ことが含まれている。これにより、減速中に車速がしきい値V2となった後、0となるまでの間、すなわちエンジンが自動停止する前に、蓄圧制御弁58が開いて蓄圧器60内に蓄圧する機会が保証される。
【0041】
図10には、蓄圧器60の制御のさらに他の例にかかる制御フローチャートが示されている。シフトポジションが、原動機が発生した動力を駆動輪に伝達可能なポジション、すなわち車両が走行可能なポジションであるかを判断する(S140)。このような駆動シフトポジションには、例えば、前述のDポジションや、Lポジション、2ポジション、またRポジションが含まれる。駆動ポジションでない場合、さらにPポジションであるかを判断する(S142)。Pポジションであれば、車両が駐車された、すなわち一連の運行が終了し、イグニッションスイッチによるエンジン停止が実行されたと判断して、蓄圧制御弁58を開いて蓄圧器60内の圧力を解放する(S144)。一方、Pポジションでない場合、次のNポジションから駆動ポジションへのシフト操作に備えて蓄圧制御弁58は閉じた状態とし、蓄圧した状態を維持する(S146)。
【0042】
ステップS140で駆動ポジションであると判断された場合、次に変速機のギアが1速となっているかを判断する(S148)。選択されたギアは、制御装置28が流体圧制御部22の制御を行う指令信号に基づき判断することができる。変速機が多段変速機ではなく、連続的に減速比を変更できるものである場合には、最大減速比であるかを判断する。1速でなければ、変速動作などに影響を及ぼさないように蓄圧器制御弁58を閉じる制御を行う(S150)。1速が選択されていれば、さらにエンジンがエコランにより自動停止中であるかを判断する(S152)。自動停止していれば、蓄圧制御弁58を閉じ、蓄圧器60内の圧力を保持し、再始動に備える(S154)。エンジンが自動停止していなければ、蓄圧制御弁58を開放して、蓄圧器60に流体圧を導くことが可能となるようにして、これを蓄える(S156)。
【0043】
図11は、図10の制御に対応した、蓄圧制御弁58の制御状態の一例を示す図である。選択されたギアが1速であり、かつエンジンが運転状態であれば、蓄圧制御弁58が開放される。2速以上のギアから、1速ギアに入った時点で、蓄圧制御弁58が開放され、蓄圧器60内に圧力が導かれるようにする。この圧力が所定の値に達した時点で、蓄圧制御弁58を徒事て圧力を保持する。その後、車両が停止し、または停止しており、他の条件が満たされれば、エンジンの自動停止の制御を行う。このようにエンジンの自動停止は、蓄圧器60内に所定の圧力が蓄えられた後に実行される。エンジンの再始動条件が成立すると、蓄圧制御弁58が開放され、始動制御が実行される。
【0044】
なお、本実施形態の車両は、少なくとも車速に応じて変速される自動変速機を備え、停止するまでの減速中に1速ギアが選択される機会がある。また、エコランによるエンジン自動停止の条件として車両が停止している(車速0)ことが含まれている。これにより、停止するまでの減速中に変速段が1速となる状況が必ず発生するので、エンジンが自動停止する前に、蓄圧制御弁58が開いて蓄圧器60内に蓄圧する機会が保証される。
【0045】
図12には、蓄圧器60の制御のさらに他の例にかかる制御フローチャートが示されている。シフトポジションが、原動機が発生した動力を駆動輪に伝達可能なポジション、すなわち車両が走行可能なポジションであるかを判断する(S160)。このような駆動シフトポジションには、例えば、前述のDポジションや、Lポジション、2ポジション、またRポジションが含まれる。駆動ポジションでない場合、さらにPポジションであるかを判断する(S162)。Pポジションであれば、車両が駐車された、すなわち一連の運行が終了し、イグニッションスイッチによるエンジン停止が実行されたと判断して、蓄圧制御弁58を開いて蓄圧器60内の圧力を解放する(S164)。一方、Pポジションでない場合、次のNポジションから駆動ポジションへのシフト操作に備えて蓄圧制御弁58は閉じた状態とし、蓄圧した状態を維持する(S166)。
【0046】
ステップS160で駆動ポジションであると判断された場合、次にスロットル弁が全閉となっているかを判断する(S168)。スロットル弁の開度は、スロットル開度センサ36により検出される。また、スロットル弁開度に代えて、アクセルペダルの操作量により判断することも可能である。すなわち、この場合アクセルペダルが全く踏まれていないことを判断する。スロットル弁全閉でなければ、変速動作などに影響を及ぼさないように蓄圧器制御弁58を閉じる制御を行う(S170)。全閉であれば、さらにエンジンがエコランにより自動停止中であるかを判断する(S172)。自動停止していれば、蓄圧制御弁58を閉じ、蓄圧器60内の圧力を保持し、再始動に備える(S174)。エンジンが自動停止していなければ、蓄圧制御弁58を開放して、蓄圧器60に流体圧を導くことが可能となるようにして、これを蓄える(S176)。
【0047】
図13は、図12の制御に対応した、蓄圧制御弁58の制御状態の一例を示す図である。スロットル弁開度を判断するための、しきい値θ1,θ2が設定されている。開度が増加中において用いられるしきい値がθ1であり、減少中に用いられるしきい値がθ2である。開度0すなわち全閉状態から開いて、しきい値θ1に達すると、蓄圧制御弁58が開から閉に制御され、変速動作などの過渡制御に蓄圧器60の影響が出ないようにする。開度が減少して、しきい値θ2より低下すると、蓄圧制御弁58を開放し、蓄圧器60内に流体圧が導かれるようにする。蓄圧器60内が所定の圧力となった時点で、蓄圧制御弁58を閉じて圧力を保持する。その後、車両が停止し、または停止しており、他の条件が満されれば、エンジンを自動停止する。このようにエンジンの自動停止は、蓄圧器60内に所定の圧力が蓄えられた後に実行される。エンジンの再始動条件が成立すると、蓄圧制御弁58が開放され、始動制御が実行される。
【0048】
なお、本実施形態の車両は、エコランによるエンジン自動停止の条件としてスロットル弁が全閉(アクセルオフ)が含まれている。これにより、エンジンが自動停止するまでの間、減速中にスロットル弁開度がしきい値θ2となる状況が必ず発生するので、エンジンが自動停止する前に、蓄圧制御弁58が開いて蓄圧器60内に蓄圧する機会が保証される。
【0049】
図14には、蓄圧器60の制御のさらに他の例にかかる制御フローチャートが示されている。入力信号の処理後、エンジンがエコランによる自動停止しているかを判断する(S180)。自動停止中でなければリターンする。自動停止中であれば自動停止からエンジン運転状態へ復帰する条件が成立したかを判断する(S182)。復帰条件が不成立であれば自動停止状態を維持し(S184)、リターンする。復帰条件が成立すればエンジンの再始動を指令し、これと同時に蓄圧制御弁58を開放する(S186)。
【0050】
次に、C−1クラッチ、またはC−2クラッチの係合が実際に開始したか、すなわちアクチュエータの遊び部分のストロークを終了し、摩擦面同士が接触を開始したかを判断する(S188)。この判断は、トルクコンバータ18の出力側側の速度であるタービン回転速度の落ち込みにより可能である。タービン回転速度は、入力回転速度センサD1により検出することができる。摩擦面同士が接触を始めると、無負荷で回転していたタービンに負荷がかかり回転速度が落ち込むことになる。また、タイマを用いて、クラッチ係合の開始指令からの時間を計り、所定時間経過をもって実際の係合開始と判断してもよい。この経過時間は、C−1クラッチを係合する場合と、C−2クラッチを係合する場合とで、異なるようにすることができる。これは、双方のクラッチで、流路の長さが異なる点、クラッチを構成する摩擦板のクリアランスが相異する点に対応して設定される。C−1またはC−2クラッチが、実際の係合を開始していない場合には、蓄圧制御弁58を解放状態に維持する(S190)。また、係合開始が判断されれば蓄圧制御弁58を閉じ(S192)、C−1またはC−2の係合動作が継続される。係合が開始された時点で蓄圧器60を流路38,41から分離することにより、C−1またはC−2クラッチの係合動作の過渡状態おいて、蓄圧器60の影響をなくすことができる。
【0051】
また、エンジンの再始動時にC−1またはC−2クラッチに流体を十分に供給するために、図15に示すように、電動オイルポンプ123を蓄圧器60と並列に設けることも可能である。電動オイルポンプ123は、エンジンが停止している状態であっても駆動可能であり、これと蓄圧器60からの流体が蓄圧制御弁60を通って流路38,41に供給され、C−1クラッチ等への供給量が確保される。
【0052】
図16には、蓄圧器60の制御、特に蓄圧時の制御にかかるフローチャートが示されている。入力信号の処理後、エンジンがエコランによる自動停止しているかを判断する(S200)。自動停止中であればリターンする。自動停止中でなければ蓄圧器60が十分な蓄圧状態となっているかを判断する(S202)。具体的には、蓄圧器60が流体で満たされているかを蓄圧器内のピストンのストロークで判断する。十分には蓄圧されていない場合、シフトポジションがPまたはNであるかを判断する(S204)。ステップS202で十分に蓄圧されていると判断したか、またはPもしくはNポジションであると判断した場合、蓄圧制御弁58を完全に開放する(S206)。蓄圧器60の設定圧は、1次調圧弁40により設定される流路38,41の圧力(ライン圧)の最低値よりも低く設定されており、この条件で蓄圧器60を流路38,41と連通させても問題がない。つまり、この条件下では、蓄圧器内の流体の量は常に最大値となるので、流路38,41から流体が流れ込んだり、また流路38,41に送り込まれたりすることがない。このため、他の摩擦係合要素の係合動作に蓄圧器60の影響が生じない。
【0053】
ステップS204で、PまたはNポジションではないと判断がなされた場合、さらに車両が停車中であるかが判断される(S208)。停車中でない場合、さらにスロットル弁が全閉となっているかが判断される(S210)。停車中であるか、またはスロットル弁が全閉となっている場合、蓄圧制御を行う。この蓄圧制御は、蓄圧制御弁58を若干開き、流体が徐々に蓄圧器60に流入するようにする(S212)。また、停車中でなく、スロットル弁も全閉となっていなければ、蓄圧制御弁58を閉じた状態とする(S214)。
【0054】
図17には、図16の制御に対応した蓄圧制御弁58の制御状態の一例が示されている。前述の、停車中、スロットル弁全閉などの条件が成立した場合、蓄圧制御弁58が全開に対して、約4分の1程度の開度で開かれる。蓄圧制御弁58の絞りにより、蓄圧器60への流体の流入はゆっくりと行われ、流路38,41の圧力の急激な変化が抑制される。
【0055】
また、ステップS212の蓄圧制御において、前述の蓄圧制御弁58の開度制限を行うことに代えて、間欠的な開閉を行うようにすることもできる。この場合の、蓄圧制御弁58の制御状態が図18に示されており、全開と全閉が間欠的に制御されている。この場合の、流路38,41の圧力の急激な変動を抑える効果がある。
【0056】
以上の蓄圧器60の制御に関する説明において、エンジンの自動停止は、いわゆるエコランモードにおいて、車両が停止したときに実行されるとした。よって、回転電機14を備えない、原動機としてエンジンのみ備えた車両に対しても、前述の蓄圧器の制御を適用することができる。また、変速機として多段の自動変速機のみならず、流体圧を利用して変速動作等を行う変速機に対して、前述のように蓄圧器を設け、これを制御すれば、同様の効果を奏する。このような変速機としては、ベルト式、トロイダル式の連続可変比変速機、同期噛合い式変速機構を有し、このシフトフォークを流体圧アクチュエータにより動作させる半自動変速機などがある。
【0057】
さらに、低速時には回転電機14の駆動力のみで走行し、車速が比較的高速となった場合など、限定的にエンジンの運転を行うような制御を行うハイブリッド車においては、前述のエコランとは異なり、車両停止時以外であってもエンジンが停止する場合がある。このような車両におけるエンジン再始動においても、前述の蓄圧器の制御を適用することができる。
【0058】
以上説明した、判断や指令などの制御は、制御装置28に備えられるコンピュータが所定のプログラムに従って動作することにより実行される。制御装置28は、自動変速機16の流体圧制御部22に備えられる制御弁の動作を指令し、また特に蓄圧器60の制御に関しては蓄圧器制御弁58の動作を指令する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る車両用動力伝達装置を含む動力装置の概略構成図である。
【図2】 変速機16の構成を示す図である。
【図3】 図2に示す変速機のギア選択を示す図である。
【図4】 変速機の流体圧回路の一部の概略構成を示す図である。
【図5】 エンジン再始動時の流体圧の変化を示す特性図である。
【図6】 蓄圧器60の制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】 図6の制御に対応した蓄圧制御弁58の動作を示す図である。
【図8】 蓄圧器60の制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】 図8の制御に対応した蓄圧制御弁58の動作を示す図である。
【図10】 蓄圧器60の制御の一例を示すフローチャートである。
【図11】 図10の制御に対応した蓄圧制御弁58の動作を示す図である。
【図12】 蓄圧器60の制御の一例を示すフローチャートである。
【図13】 図12の制御に対応した蓄圧制御弁58の動作を示す図である。
【図14】 蓄圧器60の制御の一例を示すフローチャートである。
【図15】 変速機の流体圧回路の他の構成例を示す図である。
【図16】 蓄圧器60の制御、特に蓄圧時の制御例を示すフローチャートである。
【図17】 図16の制御に対応した蓄圧制御弁の動作を示す図である。
【図18】 図16の制御に対応した蓄圧制御弁の他の動作例を示す図である。
【符号の説明】
12 エンジン、14 回転電機、16 自動変速機(車両用動力伝達装置)、18 トルクコンバータ、20 歯車変速機部、22 流体圧制御部、23 オイルポンプ、28 制御装置、30a ポジションセンサ、36 スロットル開度センサ、38,41 流路(主流路)、57 分岐流路、58 蓄圧制御弁、60 蓄圧器。
Claims (12)
- 運行中において、所定条件が成立した際にエンジンを一時停止する車両の車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、前記一時停止後のエンジンの再始動時に、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と前記蓄圧器との間に設けられ、当該車両が所定の速度以上で走行しているときに、前記蓄圧器と前記流路を遮断する遮断弁と、
を有し、
当該車両が極低速度で走行しているときに、前記遮断弁を開いて蓄圧器に流体圧を蓄える、
車両用動力伝達装置の制御装置。 - 運行中において、所定条件が成立した際にエンジンを一時停止する車両の車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、前記一時停止後のエンジンの再始動時に、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と前記蓄圧器との間に設けられ、前記車両用動力伝達装置に含まれる変速機が所定の変速比より小さい変速比であるときに、前記蓄圧器と前記流路を遮断する遮断弁と、
を有し、
前記変速機が最も大きな変速比となったときに、前記遮断弁を開いて蓄圧器に流体圧を蓄える、
車両用動力伝達装置の制御装置。 - 運行中において、所定条件が成立した際にエンジンを一時停止する車両の車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、前記一時停止後のエンジンの再始動時に、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と蓄圧器の間に設けられ、当該車両のエンジンのスロットル弁開度が所定開度以上となったときに、前記蓄圧器と前記流路を遮断する遮断弁と、
を有し、
前記スロットル弁が全閉となったときに、前記遮断弁を開いて蓄圧器に流体圧を蓄える、
車両用動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1または3に記載の車両用動力伝達装置の制御装置において、当該車両の変速機がエンジンの動力を伝達可能な状態である駆動ポジションとなっている場合に、上記の遮断弁の開閉制御が実行される、車両用動力伝達装置の制御装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用動力伝達装置の制御装置であって、
当該制御装置は、蓄圧器内の流体圧を検出する手段を有し、当該流体圧が所定値に達していないときには、前記エンジンの一時停止の禁止を指令する手段を有する、
車両用動力伝達装置の制御装置。 - 請求項1に記載の車両用動力伝達装置の制御装置であって、前記所定条件は、当該車両の走行速度が所定値以下となったことを含む、車両用動力伝達装置の制御装置。
- 請求項2に記載の車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記変速機は、車両の走行速度に応じて前記摩擦係合要素の係合または解放により変速の選択が行われる多段自動変速機であり、
前記所定条件は、当該車両の走行速度が所定値以下となったことを含む、車両用動力伝達装置の制御装置。 - 請求項3に記載の車両用動力伝達装置の制御装置であって、前記所定条件は、当該車両のスロットル弁開度が所定値以下となったことを含む、車両用動力伝達装置の制御装置。
- 車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、所定条件の下、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と前記蓄圧器の間に設けられ、前記蓄圧器と前記流路を遮断する遮断弁であって、前記蓄圧器に流路から流体圧を蓄える際に間欠開閉する遮断弁と、
を有する車両用動力伝達装置の制御装置。 - 車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、所定条件の下、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と前記蓄圧器の間に設けられ、前記蓄圧器と前記主流路を遮断する遮断弁であって、前記蓄圧器に流路から流体圧を蓄える際に、その弁開度を制御して流量を制御する遮断弁と、
を有する車両用動力伝達装置の制御装置。 - 請求項9または10に記載の車両用動力伝達装置の制御装置であって、
当該車両は、運行中において所定条件が成立した際に当該車両のエンジンを一時停止し、一時停止後のエンジンの再始動時に、前記蓄圧器から流路への流体圧の供給が実行されるものであり、
当該制御装置は、蓄圧器内の流体圧を検出する手段を有し、当該流体圧が所定値に達していないときには、前記エンジンの一時停止の禁止を指令する手段を有する、
車両用動力伝達装置の制御装置。 - 車両用動力伝達装置の摩擦係合要素の係合または解放を、流体圧により制御する車両用動力伝達装置の制御装置であって、
前記流体圧を発生する流体圧発生源と、
前記流体圧発生源からの流体圧が供給され、前記摩擦係合要素を係合または解放させる流体圧アクチュエータと、
前記流体圧発生源と前記流体圧アクチュエータの間の流路に設けられ、前記流路の流体圧を蓄え、所定条件の下、蓄えていた流体圧を前記流路に対し供給する蓄圧器と、
前記流路と前記蓄圧器との間に設けられ、前記蓄圧器と前記流路を遮断する遮断弁と、を有し、当該車両は、運行中において所定条件が成立した際に当該車両のエンジンを一時停止し、一時停止後のエンジンの再始動時に、前記蓄圧器から流路への流体圧の供給が実行されるものであり、
前記遮断弁は、前記エンジン一時停止の直前に開き動作され、前記蓄圧器への蓄圧が実行される、
車両用動力伝達装置の制御装置。
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