JP4909934B2 - 潜熱回収型熱源機 - Google Patents
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Description
これは図7に示す構成で、ガスバーナ(B)の燃焼排気の顕熱を第1通水管(21)内の通水に吸収させる顕熱熱交換器(2)と、これの上方に連設され且つ顕熱熱交換器(2)から吐出される燃焼排気の潜熱を前記第1通水管(21)と繋がった第2通水管(59)内の通水に吸収させる潜熱熱交換器(5)と、顕熱熱交換器(2)及び潜熱熱交換器(5)を収納する本体ケース(4)を具備している。
本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、排気ダクト(6)内でのドレン生成量を考慮して中和剤の寿命到来を判定できるようにし、これにより、前記寿命到来の判定精度を高めることをその課題とする。
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『燃焼排気を生成するガスバーナと、
前記燃焼排気から顕熱を吸収する第1通水管(21)を備えた顕熱熱交換器(2)と、
前記顕熱が吸収された後の燃焼排気から潜熱を吸収する第2通水管(59)を備えた潜熱熱交換器(5)と、
前記潜熱熱交換器(5)で潜熱が吸収された後の燃焼排気を排出する排気ダクト(6)と、
前記燃焼排気中の水蒸気が前記潜熱熱交換器(5)及び排気ダクト(6)の構成壁で冷却されて凝縮したドレンを中和する中和剤(32)を具備するドレン中和器(31)と、
前記構成壁で冷却されて凝縮したドレン生成量に基づいて前記中和剤(32)の寿命が到来したか否かを判定する寿命判定手段と、を具備する潜熱回収型熱源機において、
前記排気ダクト(6)の設置部に温度センサを設けると共に、潜熱熱交換器(5)から吐出される燃焼排気の温度を検知する本体側温度センサを設け、
前記寿命判定手段は、
前記本体側温度センサの検知する燃焼排気温度での飽和水蒸気圧に基づいて前記潜熱熱交換器(5)の構成壁で凝縮される第1ドレン量を演算する本体側ドレン量演算手段と、
前記温度センサの検知温度が低下するに従って増加するような前記排気ダクト(6)の構成壁で凝縮される第2ドレン量を演算するダクト側ドレン量演算手段と、
前記第1ドレン量と第2ドレン量を加算して前記ドレン生成量とする加算手段とを具備し、
前記ドレン生成量の時間的な積算値が基準値に到達した場合に前記中和剤(32)の寿命が到来したと判定する』ものである。
検知した燃焼排気温度での飽和水蒸気圧に基づいて潜熱熱交換器(5)で生成される第1ドレン量が演算され、温度センサの検知温度に基づいてダクト内で生成された第2ドレン量が外気温の変化に合わせて演算される。
外気温の低下に伴って排気ダクト(6)の設置部の温度が低くなると、該排気ダクト(6)で生成されるドレンの量が増加する。一方、前記温度低下に伴って排気ダクト(6)の設置部に設けられた温度センサの検知温度も低くなることから、該検知温度に基づいて演算されるドレン生成量が増加する。
即ち、外気温低下に伴って排気ダクト(6)の設置部の温度が低くなると、ダクト側ドレン演算手段で演算される第2ドレン量が増加する。
そして、該第2ドレン量と第1ドレン量(本体側ドレン量演算手段で演算される)が加算手段で加算され、この加算結果たるドレン生成量の時間的な積算値が基準値に達したときに中和剤(32)の寿命が到来したと判定される(寿命判定手段)。
従って、外気温に応じて変化する排気ダクト(6)での第2ドレン量を考慮して中和剤(32)の寿命到来を判定できるから、排気ダクト(6)でのドレンの生成量を考慮しない既述従来のものに比べて、寿命到来の判定精度が高くなる。
請求項1に係る発明に於いて、
『前記温度センサは、前記排気ダクト(6)の下流側の先端部に設けられている』ものとすることができる。
排気ダクト(6)内にドレンが生成される温度条件下では、屋外に露出している排気ダクト(6)の先端部は、一般的には、屋内に位置する基端部より低温である。従って、排気ダクト(6)の先端部に設けられた温度センサの検知温度に基づいて演算される排気ダクト(6)でのドレンの生成量は、排気ダクト(6)の基端部(先端部に比べて温度が高い)に温度センサが配設されている場合に比べて多くなるから、中和剤の寿命到来の判定が遅れる不都合がない。
請求項1又は2に係る発明に於いて、
『更に、排気ダクト(6)の長さLを設定するダクト長さ設定手段を具備し、
前記寿命判定手段は、前記ダクト長さ設定手段で設定された前記排気ダクト(6)の長さLが長くなるに従って前記ドレン生成量を増加させる補正を行なう』ものとすることができる。
請求項1〜3に係る発明に於いて、
『前記寿命判定手段は、前記ガスバーナ(B)の燃焼量IPが増加するに従って前記ドレン生成量を増加させる補正を行なう』ものとすることができる。
このものでは、ガスバーナ(B)の燃焼量IPが増加するに従って前記ドレン生成量を増加させる補正を行うから、中和剤の寿命到来の判定精度が更に向上する。
請求項1に係る発明では、前記潜熱熱交換器(5)の構成壁で凝縮される第1ドレン量に、外気温に応じて変化する前記排気ダクト(6)の構成壁で凝縮される第2ドレン量を考慮して中和剤(32)の寿命到来を判定できるから、排気ダクト(6)でのドレン生成量を考慮しない既述従来のものに比べて、前記寿命到来の判定精度が高くなる。
請求項2に係る発明では、既述したように、中和剤の寿命到来の判定が遅れる不都合がない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る潜熱回収型熱源機の縦断面図であり、熱源機本体(A)は、既述した図7の従来例とほぼ同様に構成されており、同一部分には同一の符号を付している。尚、本実施形態に係る熱源機本体(A)は、潜熱熱交換器(5)から吐出される燃焼排気の温度を検知する本体側温度センサ(42)を備えている点で、既述従来のものと相違している。そして、該本体側温度センサ(42)の検知温度から、後述する潜熱熱交換器(5)で生成されるドレン量、即ち、第1ドレン量D0(本実施の形態では、10秒当たりに生成されるドレン量)が演算されるようになっている。
次に、図3のフローチャートに従って、本発明実施の形態に係る潜熱回収型熱源機からの温水で床暖房する場合の動作を説明する。
先ず、運転スッチ(71)が投入されると、図3のフローチャートに従った制御動作が開始する。
次に、ステップ(ST3)で、10秒間の時間待ちを実行した後、該10秒間に発生するドレンの総ドレン量Dを演算する(ステップ(ST4))。
D0=K1×IP×(K2−S)×10 ・・・(I)
が用いられる。
ここで、IP:ガスバーナ(B)の単位時間当たりの燃焼量(Kcal/h)
K1,K2:定数
S:潜熱熱交換器(5)から吐出される燃焼排気の温度(本体側温度センサ(42)の検知温度)での飽和水蒸気圧
である。
即ち、ガスバーナ(B)の一時間当たりの燃焼量IPを39500Kcal/hに、排気ダクト(6)の長さLを7mに、排気ダクト(6)の直径φを100mmに設定し、排気ダクト(6)を0℃から冷却して温度センサ(61)の検知温(外気温T)が0℃、−5℃、−15℃になった場合の夫々での1時間当たりの排気ダクト(6)内のドレン生成量を実測し、該実測値をプロットした点A1、A2、A3に最も近い直線の近似グラフを表す式を、ダクト内ドレン生成量DA(mL/h)とした。
ダクト内ドレン生成量DA(mL/h)=−2.6286T+9.1429 ・・・(II)
となった。
式(II)で示されるダクト内ドレン生成量DAを10秒当たりの量に換算した第2ドレン量D1と、式(I)を加算することにより、
総ドレン量D=(K1×IP×(K2−S)×10)+(−2.6286T+9.1429)÷360) ・・・(III)
を求めた。
D1=(−2.6286T+9.1429)×(7L−1)×(0.0008IP+16.808)÷360÷2371 ・・・(IV)
になる。
具体的には、X=X+Dを演算する。
尚、上記実施の形態では、床暖房運転の場合に対して本願発明を適用したが、風呂の湯張りや、給湯等、ガスバーナ(B)を燃焼させる何れの場合でも本願発明を適用できることは言うまでもない。
第2実施形態の熱源機は、既述第1実施形態で説明した図1、図2と同一構成を有しており、制御用のフローチャートも図3と同様に構成されているが、図3のステップ(ST4)で総ドレン量Dを求めるのに使用される第2ドレン量D1は、排気ダクト(6)の長さLの関数になっている。このため、本実施の形態では、熱源機本体(A)の設置作業時に使用した排気ダクト(6)の長さLを、設置業者がリモコン装置(7)の設定スイッチ(74)でセットし、これにより、前記長さLに応じて変化する排気ダクト(6)内のドレンの生成量、即ち、第2ドレン量D1(本実施の形態では、10秒当たりに生成されるドレン量)に基づいて中和剤(32)(32)の寿命到来時期を判断できるようにしている。
図5に示す1時間当たりのダクト内ドレン生成量DAは、実験に基づく近似式で、次のようにして求められている。
ダクト内ドレン生成量DA(mL/h)=7L−1
・・・(V)
となった。
式(V)で示されるダクト内ドレン生成量DAを10秒当たりの量に換算した第2ドレン量D1と、式(I)を加算することにより、
総ドレン量D=(K1×IP×(K2−S)×10)+(7L−1)÷360) ・・・(VI)
を求めた。
従って、このものでは、排気ダクト(6)の長さLに応じた第2ドレン量D1に基づいて、中和剤(32)の寿命到来を判定することができるから、排気ダクト(6)の長さLを考慮しない場合に比べて、判定精度が高くなる。
第3実施形態の熱源機は、既述第1実施形態で説明した図1、図2と同一構成を有しており、制御用のフローチャートも図3と同様に構成されているが、図3のステップ(ST4)で総ドレン量Dを求めるのに使用される第2ドレン量D1は、ガスバーナ(B)の燃焼量IPの関数になっており、図6から求められる1時間当たりのダクト内ドレン生成量DAを10秒当たりのドレン生成量に換算したものである。
即ち、排気ダクト(6)を冷却して温度センサ(61)の検知温(外気温T)をー15℃に設定すると共に、排気ダクト(6)の直径φを100mmに、排気ダクト(6)の長さLを7mに夫々設定し、この条件下で、ガスバーナ(B)の燃焼量IPが10000Kcal/h、20000Kcal/h、39500Kcal/hの夫々の場合での1時間当たりの排気ダクト(6)内のドレン生成量を実測し、該実測値をプロットした点C1、C2、C3に最も近い直線の近似グラフを示す式を、ダクト内ドレン生成量DAとした。
ダクト内ドレン生成量DA(mL/h)=0.0008IP+16.808
・・・(VII)
となった。
式(VII)で示される1時間当たりのダクト内ドレン生成量DAを10秒当たりの量に換算した第2ドレン量D1と、式(I)を加算することにより、
総ドレン量D=(K1×IP×(K2−S)×10)+(0.0008IP+16.808)÷360) ・・・(VIII)
を求めた。
従って、このものでは、ガスバーナ(B)の燃焼量IPに応じた第2ドレン量D1に基づいて、中和剤(32)の寿命到来を判断することができるから、燃焼量IPを考慮しない場合に比べて、判定精度が高くなる。
第4実施形態の熱源機は、既述第1実施形態で説明した図1、図2と同一構成を有しており、制御用のフローチャートも図3と同様に構成されているが、図3のステップ(ST4)で総ドレン量Dを求めるのに使用される第2ドレン量D1として、外気温T、排気ダクト(6)の長さL、及び燃焼量IPを変数とする3変数関数が採用したものである。
式(IV)は、式(II),(V),(VII)から、次のようにして求められる。
式(II)で、T=−15に、式(V)で、L=7に、夫々固定すると、式(VII)になる。同様に、式(V)で、L=7に、式(VII)で、IP=39500に、夫々固定すると、式(II)になる。同様に、式(VII)で、IP=39500に、式(II)で、T=−15に、夫々固定すると、式(V)になる。
D1(T,L,IP)
=((−2.6286T+9.1429))×((7L−1))×(0.0008IP+16.808)÷360×N ・・・(IX)
になる。但し、式(IX)でNは定数である。
そこで、式(IX)を360倍して、T,L,IPに夫々上記の数値を代入すると、
D1(T=−15,L=7,IP=39500)×360
=48=((−2.6286)×(−15)+9.1429))×((7×7−1))×(0.0008×39500+16.808)×N
となる。
となる。これを、式(IX)に代入して整理すると、
D1(T,L,IP)
=((−2.6286T+9.1429))×((7L−1))×(0.0008IP+16.808)÷360÷2371
となり、既述式(IV)が得られる。
総ドレン量D=(K1×IP×(K2−S)×10)+(−2.6286T+9.1429)×(7L−1)×(0.0008IP+16.808)÷360÷2371 ・・・(X)
そこで、第4実施例のものでは、式(X)に示される総ドレン量Dを、図3のステップ(ST4)で演算し、ステップ(ST5)以下の制御を実行する。
(5)・・・潜熱熱交換器
(6)・・・排気ダクト
(21)・・・第1通水管
(31)・・・中和器
(32)・・・中和剤
(59)・・・第2通水管
(B)・・・ガスバーナ
Claims (4)
- 燃焼排気を生成するガスバーナと、
前記燃焼排気から顕熱を吸収する第1通水管(21)を備えた顕熱熱交換器(2)と、
前記顕熱が吸収された後の燃焼排気から潜熱を吸収する第2通水管(59)を備えた潜熱熱交換器(5)と、
前記潜熱熱交換器(5)で潜熱が吸収された後の燃焼排気を排出する排気ダクト(6)と、
前記燃焼排気中の水蒸気が前記潜熱熱交換器(5)及び排気ダクト(6)の構成壁で冷却されて凝縮したドレンを中和する中和剤(32)を具備するドレン中和器(31)と、
前記構成壁で冷却されて凝縮したドレン生成量に基づいて前記中和剤(32)の寿命が到来したか否かを判定する寿命判定手段と、を具備する潜熱回収型熱源機において、
前記排気ダクト(6)の設置部に温度センサを設けると共に、潜熱熱交換器(5)から吐出される燃焼排気の温度を検知する本体側温度センサを設け、
前記寿命判定手段は、
前記本体側温度センサの検知する燃焼排気温度での飽和水蒸気圧に基づいて前記潜熱熱交換器(5)の構成壁で凝縮される第1ドレン量を演算する本体側ドレン量演算手段と、
前記温度センサの検知温度が低下するに従って増加するような前記排気ダクト(6)の構成壁で凝縮される第2ドレン量を演算するダクト側ドレン量演算手段と、
前記第1ドレン量と第2ドレン量を加算して前記ドレン生成量とする加算手段とを具備し、
前記ドレン生成量の時間的な積算値が基準値に到達した場合に前記中和剤(32)の寿命が到来したと判定する、潜熱回収型熱源機。 - 請求項1に記載の潜熱回収型熱源機に於いて、
前記温度センサは、前記排気ダクト(6)の下流側の先端部に設けられている、潜熱回収型熱源機。 - 請求項1又は請求項2に記載の潜熱回収型熱源機に於いて、
更に、排気ダクト(6)の長さLを設定するダクト長さ設定手段を具備し、
前記寿命判定手段は、前記ダクト長さ設定手段で設定された前記排気ダクト(6)の長さLが長くなるに従って前記ドレン生成量を増加させる補正を行なう、潜熱回収型熱源機。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の潜熱回収型熱源機に於いて、
前記寿命判定手段は、前記ガスバーナ(B)の燃焼量IPが増加するに従って前記ドレン生成量を増加させる補正を行なう、潜熱回収型熱源機。
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