JP4414129B2 - 熱源機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高効率給湯器等の熱源機に関し、特に、熱源機の排気方向の調節、ドレン水の処理に関する。
【0002】
【従来技術】
高効率給湯器等に用いられる熱源機では、燃焼排気から主として顕熱を回収する一次熱交換器、燃焼排気から主として潜熱を回収する二次熱交換器を併設し、一次熱交換器を燃焼排気の上流側、二次熱交換器を燃焼排気の下流側に配設している。そして、熱交換によって発生したドレン水は強酸性であることから、中和器によって中和させた後、廃棄することが行われている。この種の技術には、例えば、特開2001−263789号「風呂給湯設備」がある。
【0003】
このような熱源機について、例えば、図4に示すように、マンション等の家屋の奥まった玄関口のアルコーブ100等に熱源機102が設置される場合には、図5に示すように、熱源機102の前面パネル部104に燃焼排気EGの排気方向を変更するための排気ボックス106を取り付け、熱源機102の前面側排気の吹出しが排気ボックス106で通路108側に変更されている。この結果、熱源機102と対向する玄関110側への燃焼排気EGの侵入が防止されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃焼排気路に設置された排気ボックス106には燃焼排気EGから結露が生じ、発生したドレン水DWがその内部に溜まるとともに、排気ボックス106の貯留量を超えたドレン水DWの溢水や滴下が家屋の床面を濡らす等の不都合がある。燃焼排気EGから生じる結露やドレン水DWの発生を防止することは不可能であり、ドレン水DWは強酸水であることから、排気ボックス106が貯留したドレン水DWで腐食し、排気ボックス106から溢れ出たドレン水DWが家屋の床面を劣化させ、コンクリートを変色させるという不都合が指摘されている。
【0005】
また、排気ボックス106で燃焼排気EGの吹出し方向が変更されても、例えば、図6に示すように、その燃焼排気EGが家屋の壁面112に常に触れる場合には、その壁面112に結露114を生じさせる不都合がある。
【0006】
そこで、本発明は、燃焼排気の排出方向を変更する排気ボックスを備えた熱源機において、ドレン水の滴下や溢水等の不都合を防止した熱源機を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、排気ボックスの排気口における排気方向を調整して家屋の壁面等への結露を防止した熱源機の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の熱源機の構成は次の通りである。
【0008】
本発明の熱源機において、請求項1に係る熱源機は、排気口6を備える筐体4と、前記筐体に設置され、燃料ガスを燃焼させる燃焼室18と、前記燃焼室で発生した燃焼排気EGの上流側に熱交管が設置され、前記燃焼排気から主として顕熱を前記熱交管に回収する一次熱交換器14と、前記燃焼室で発生した前記燃焼排気を通過させる空間部を有し、この空間部が前記筐体の前記排気口側に向けられ且つ前記排気口より下方に屈曲させて配置され、前記排気口に前記燃焼排気を導く排気通路24と、前記一次熱交換器に接続された熱交管28を前記排気通路内に設置し、前記燃焼排気の下流側から主として潜熱を回収する二次熱交換器16と、前記排気口に対向させて前記排気通路に設置され、前記排気口側と前記二次熱交換器の前記熱交管側とを分離する分離壁30と、前記分離壁によって前記排気口側の前記排気通路に形成され、前記分離壁で前記排気通路の下方に導かれた前記燃焼排気を前記排気口に導く排気路32と、前記二次熱交換器側の前記排気通路に設置され、前記一次熱交換器の上部側から前記分離壁の下方側の前記排気通路に向かって傾斜する傾斜面(底面板34)を有し、前記二次熱交換器に生じたドレン水DWを前記排気通路の下方に案内する案内板36と、前記排気通路の前記排気口に結合される排気通路を備えて前記排気口に取り付けられ、前記燃焼排気の排気方向を変更させる排気ボックス8と、前記排気ボックスから前記筐体側に向かって傾斜する底面板を有し、該底面板で前記排気ボックスからドレン水を前記排気口側に導き、前記排気路側に前記ドレン水を回収するドレン回収路10と、前記排気通路の底面側に設置され、前記排気通路に案内され又は回収される前記ドレン水とを受けて中和処理する中和手段38とを備えたものである。即ち、排気通路内を通過する燃焼排気から排気ボックス内に生じるドレン水を熱源機の筐体内にドレン回収路を通して回収することにより、排気ボックスにドレン水を貯留させることがなく、排気ボックス側からのドレン水の漏洩や溢水を防止できる。また、高効率の熱源機で発生する多量のドレン水を回収処理することができる。また、強酸性のドレン水を中和し、廃棄することができる。
【0010】
本発明の熱源機において、請求項2に係る熱源機は、前記ドレン回収路は前記筐体から前記排気ボックスに燃焼排気を導く排気通路と共通化されたものである。即ち、排気通路とドレン回収路とを共通化させることにより、構造の簡略化を図ることができる。
【0011】
本発明の熱源機において、請求項3に係る熱源機は、前記排気ボックスの吹出し口50に排気方向を変更するガイド(排気ガイド52、56)を備えたものである。排気ボックスによって排気方向を変更した場合、その吹き出し口から出た燃焼排気が家屋の壁面等に結露を生じさせるのを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の熱源機の第1の実施の形態を示し、熱源機2の筐体4の排気口6には燃焼排気EGの排気方向を変更させる排気手段として排気ボックス8が取り付けられ、この排気ボックス8内に溜まるドレン水DWを筐体4内側に回収するドレン回収路10が設けられている。この実施の形態では、ドレン回収路10は、熱源機2から燃焼排気EGを排気ボックス8に導びく排気通路12と共通化されている。
【0014】
熱源機2は、その筐体4内に燃焼排気EGから主として顕熱を回収する一次熱交換器14と、燃焼排気EGから主として潜熱を回収する二次熱交換器16とを備えたものである。一次熱交換器14は、燃焼排気EGの上流側に設置され、二次熱交換器16は燃焼排気EGの下流側に設置されている。この場合、燃焼室18には燃料ガス等を燃焼させるバーナ20が設置され、その下面側には燃焼に必要な空気を供給する給気ファン22が設置されている。燃焼室18の上部側には、排気通路12に通ずる排気通路24が設置され、この排気通路24に流れる燃焼排気EGの上流側に一次熱交換器14、その下流側に二次熱交換器16が設置されている。排気通路24は、燃焼室18の上部側から二次熱交換器16を設置するための空間部を形成するために燃焼室18の前面側に屈曲して配置されている。26は一次熱交換器14の熱交管、28は二次熱交換器16の熱交管である。排気通路24には、二次熱交換器16の熱交管28に燃焼排気EGを通過させて排気通路12に導く手段として分離壁30が設置されているとともに、この分離壁30によって排気路32が形成されている。
【0015】
そして、排気通路24の排気口6に排気通路12を介して取り付けられた排気ボックス8の底面板34は、筐体4側に傾斜する傾斜面で構成されてドレン回収路10を構成している。この結果、燃焼排気EGの凝縮によって排気ボックス8に発生したドレン水DWは、排気ボックス8の底面板34からドレン回収路10を経て筐体4内の排気通路24に導びかれる。
【0016】
筐体4内にはドレン水DWを中和する中和剤を収容した中和器38が設置され、この中和器38はドレン水DWを導びく導水管40を介して排気通路24に連結されている。中和器38には、中和されたドレン水DWを排水する排水管42が連結され、筐体4の底面部には排水管42の排水口44が設けられている。また、二次熱交換器16を収容している排気通路24には、熱交管28から発生するドレン水DWを排気通路24の底面側に導びく案内板36が設置され、二次熱交換器16側のドレン水DWも中和器38側に導びかれて中和される。
【0017】
このように構成したので、この熱源機2は、例えば、図2に示すように、二次熱交換器16の熱交管28の端部には給水口46、熱交管28の他端には一次熱交換器14の熱交管26が連結され、この熱交管26の端部に出湯口48が形成されている。給水口46に供給された水Wは、二次熱交換器16で燃焼排気EGから主として潜熱を回収して加熱された後、一次熱交換器14で燃焼排気EG から主として顕熱を回収して加熱され、出湯口48から高温水HWとして出湯される。
【0018】
そして、燃焼排気EGは、一次熱交換器14から二次熱交換器16に流れ、排気通路24の排気路32から排気通路12及び排気ボックス8を経て外気に放出される。排気ボックス8で凝縮したドレン水DWは、ドレン回収路10から筐体4内に回収され、中和器38に流れ込み、また、二次熱交換器16側で凝縮したドレン水DWも中和器38に流れ込み、これらドレン水DWは、中和された後、排水口44から外部に排出される。
【0019】
このような実施の形態によれば、排気ボックス8の底面板34側を排気口6下面と同一面にし、しかも、傾斜面としたので、排気ボックス8内で結露したドレン水DWは、排気口6から筐体4側の中和器38に流れ落ちて中和される。
【0020】
その結果、排気ボックス8側の全てのドレン水DWは、筐体4内に導かれて排気ボックス8内に滞留しないので、排気ボックス8の構成材料を腐食させたり、排気ボックス8外に溢水することがない。排気ボックス8の底面部を筐体4側に傾斜させたので、排気ボックス8内にドレン水DWが滞留することがない。
【0021】
次に、例えば、図3の(A)に示すように(第2の実施の形態)、排気ボックス8の吹出し口50に燃焼排気EGの排気方向を変更する手段として、複数の排気ガイド52を設置すれば、外気に放出される燃焼排気EGを家屋の外壁54から遠ざけることができ、壁面への結露の付着を防止できる。
【0022】
また、図3の(B)に示すように(第3の実施の形態)、排気ボックス8の吹出し口50の筐体4側の縁部に燃焼排気EGの排気方向を変更する手段として、排気ガイド56を設置すれば、同様に、外気に放出される燃焼排気EGを家屋の外壁54から遠ざけることができ、壁面への結露の付着を防止できる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果が得られる。
【0024】
請求項1に係る本発明によれば、排気通路内を通過する燃焼排気から排気ボックス内に生じるドレン水を熱源機の筐体内に回収するので、排気ボックスにドレン水を貯留させることがなく、排気ボックス側からのドレン水の漏洩や溢水を防止できる。
【0025】
本発明によれば、一次熱交換器及び二次熱交換器を併設した高効率給湯器等の熱源機に設置した排気ボックス側に発生する多量のドレン水を筐体内に回収して処理することができる。
【0026】
本発明によれば、排気通路とドレン回収路とを共通化させることにより、構造の簡略化を図ることができる。
【0027】
本発明によれば、排気ボックスによって排気方向を変更した場合にも、その吹出し口から出た燃焼排気が家屋の壁面等に結露を生じさせるのを防止することができる。
【0028】
本発明によれば、排気ボックス側から筐体内に回収されたドレン水を筐体内に発生したドレン水とともに中和手段で中和処理して廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る排気ボックスを備えた熱源機を示す図である。
【図2】熱源機の構成を示す図である。
【図3】熱源機の排気ボックスの吹出し口の構成を示し、(A)は複数の排気ガイドを設置した場合を示す図、(B)は単一の排気ガイドを設置した場合を示す図である。
【図4】熱源機の設置例を示す図である。
【図5】排気ボックスを備えた従来の熱源機の設置例を示す図である。
【図6】排気ボックスを設置した場合の家屋壁面への結露を示す図である。
【符号の説明】
2 熱源機
6 排気口
8 排気ボックス
10 ドレン回収路
12 排気通路
14 一次熱交換器
16 二次熱交換器
38 中和器(中和手段)
50 吹出し口
52、56 排気ガイド
Claims (3)
- 排気口を備える筐体と、
前記筐体に設置され、燃料ガスを燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室で発生した燃焼排気の上流側に熱交管が設置され、前記燃焼排気から主として顕熱を前記熱交管に回収する一次熱交換器と、
前記燃焼室で発生した前記燃焼排気を通過させる空間部を有し、この空間部が前記筐体の前記排気口側に向けられ且つ前記排気口より下方に屈曲させて配置され、前記排気口に前記燃焼排気を導く排気通路と、
前記一次熱交換器に接続された熱交管を前記排気通路内に設置し、前記燃焼排気の下流側から主として潜熱を回収する二次熱交換器と、
前記排気口に対向させて前記排気通路に設置され、前記排気口側と前記二次熱交換器の前記熱交管側とを分離する分離壁と、
前記分離壁によって前記排気口側の前記排気通路に形成され、前記分離壁で前記排気通路の下方に導かれた前記燃焼排気を前記排気口に導く排気路と、
前記二次熱交換器側の前記排気通路に設置され、前記一次熱交換器の上部側から前記分離壁の下方側の前記排気通路に向かって傾斜する傾斜面を有し、前記二次熱交換器に生じたドレン水を前記排気通路の下方に案内する案内板と、
前記排気通路の前記排気口に結合される排気通路を備えて前記排気口に取り付けられ、前記燃焼排気の排気方向を変更させる排気ボックスと、
前記排気ボックスから前記筐体側に向かって傾斜する底面板を有し、該底面板で前記排気ボックスからドレン水を前記排気口側に導き、前記排気路側に前記ドレン水を回収するドレン回収路と、
前記排気通路の底面側に設置され、前記排気通路に案内され又は回収される前記ドレン水とを受けて中和処理する中和手段と、
を備えたことを特徴とする熱源機。 - 前記ドレン回収路は前記筐体から前記排気ボックスに燃焼排気を導く排気通路と共通化されたことを特徴とする請求項1記載の熱源機。
- 前記排気ボックスの吹出し口に排気方向を変更するガイドを備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源機。
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