JP4909222B2 - 自動二輪車両の制動制御装置、及び自動二輪車両の制動制御方法 - Google Patents

自動二輪車両の制動制御装置、及び自動二輪車両の制動制御方法 Download PDF

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本発明は、自動二輪車両の制動時に該車両の車輪に対する制動力を制御することにより車輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を実行させるための自動二輪車両の制動制御装置、及び自動二輪車両の制動制御方法に関する。
一般に、車両の一種である自動二輪車両においても、自動四輪車両と同様に車両制動時における車両の操作性の向上が望まれている。そこで、近年では、自動二輪車両にも車両制動時に車輪がロックすることを抑制するアンチロックブレーキ制御を実行可能な自動二輪車両用の制動装置(以下、単に「制動装置」という。)を搭載することが提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の制動装置には、前輪及び後輪に制動力をそれぞれ付与することが可能な連動制動機構(「連動ブレーキ」ともいう。)が設けられている。この連動制動機構は、マスタシリンダと、前輪用の第1ホイールシリンダと、後輪用の第2ホイールシリンダと、該各ホイールシリンダ内から流出したブレーキ液を一時貯留するリザーバと、該リザーバ内のブレーキ液を吸引してマスタシリンダ側に吐出するポンプとを備えている。また、連動制動機構には、第1ホイールシリンダ内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する常開型の第1流入側開閉弁と、第2ホイールシリンダ内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する常開型の第2流入側開閉弁とが設けられている。さらに、連動制動機構には、第1ホイールシリンダからリザーバ側へのブレーキ液の流出を許可及び規制するために開閉駆動する常閉型の第1流出側開閉弁と、第2ホイールシリンダからリザーバ側へのブレーキ液の流出を許可及び規制するために開閉駆動する常閉型の第2流出側開閉弁とが設けられている。
このような連動制動機構内では、アンチロックブレーキ制御中に各ホイールシリンダ内の余剰なブレーキ液がリザーバ側にそれぞれ流出する。そのため、アンチロックブレーキ制御の実行直後には、リザーバ内に大量のブレーキ液が一時貯留されている可能性がある。そこで、こうした連動制動機構を制御する制動制御装置では、アンチロックブレーキ制御の完了後に各流出側開閉弁を閉じ状態にしてポンプを所定時間の間だけ駆動させることにより、リザーバ内のブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すようにしていた。
特開2006−347410号公報(図8)
ところで、アンチロックブレーキ制御の完了後においてポンプを駆動させる直前のリザーバ内には、毎回異なる量のブレーキ液が一時貯留されている。そのため、上記所定時間でのポンプ駆動に対応したポンプの吸入可能量に比してリザーバ内のブレーキ液の貯留量が少ない場合には、以下に示すような問題があった。すなわち、ポンプの駆動停止後において各流出側開閉弁よりも下流側(即ち、リザーバ側)の下流側ブレーキ液路内が各流出側開閉弁よりも上流側(即ち、マスタシリンダ側)の上流側ブレーキ液路内に対して負圧状態になってしまうおそれがあった。この状態でアンチロックブレーキ制御を実行させるべく自動二輪車両の運転手がブレーキ操作した際には、流出側開閉弁が開き状態になった場合にホイールシリンダ内からリザーバ側に流出するブレーキ液量が増大する。その結果、運転手によるブレーキ操作の操作量が、下流側ブレーキ液路内に上流側ブレーキ液路に対する負圧が発生していない場合に比して多くなってしまう。
そのため、自動四輪車両の制動装置に比して使用されるブレーキ液量の少ない制動装置を搭載する自動二輪車両の場合には、自動四輪車両の場合とは異なり手動でブレーキ操作を行うこともあるため、ブレーキ操作の操作量に対する違和感を運転手に与えてしまうおそれがあった。したがって、連動制動機構を搭載した自動二輪車両では、該連動制動機構内の下流側ブレーキ液路内の上流側ブレーキ液路に対する負圧を解消させる必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、連動制動機構内の下流側ブレーキ液路内に上流側ブレーキ液路内に対する負圧が発生した場合に、該負圧を解消させることができる自動二輪車両の制動制御装置、及び自動二輪車両の制動制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)と、前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)側から前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する流入側開閉弁(36a)とが設けられており、前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行する制御手段(15)を備え、前記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量が徐々に多くなるように前記流入側開閉弁(36a)の開閉駆動を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、制御手段による連通制御中では、第1流出側開閉弁の開き状態が維持されるため、第1流出側開閉弁よりも上流側の上流側ブレーキ液路や第1ホイールシリンダ内のブレーキ液が第1流出側開閉弁よりも下流側の下流側ブレーキ液路内に流入することによって、下流側ブレーキ液路内の上流側ブレーキ液路に対する負圧が解消される。したがって、連動制動機構内の下流側ブレーキ液路内に上流側ブレーキ液路内に対する負圧が発生した場合には、制御手段によって連通制御が実行されることにより、該負圧を解消させることができる。しかも、連通制御中において、制御手段は、第1流出側開閉弁を制御する。そのため、連通制御中に運転手によってブレーキ操作されたとしても、第2の車輪に制動力を確実に付与できる。
上記構成によれば、連通制御の完了時には、制御手段による制御によって閉じ状態であった流入側開閉弁が徐々に開き状態になるため、連動用上流側ブレーキ液路側から第1ホイールシリンダ内へのブレーキ液の流入量は、徐々に多くなる。そのため、連通制御の実行中に連動用ブレーキ操作手段が操作され、その後に連通制御が完了する場合、運転手による連動用ブレーキ操作手段の操作量は、連動用上流側ブレーキ液路側から第1ホイールシリンダ内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量の増加に伴い徐々に多くなる。そのため、連動制御の完了後に連動用上流側ブレーキ液路側から第1ホイールシリンダ内にブレーキ液が一気に流入するように流入側開閉弁が開き動作する場合に比して、連動用ブレーキ操作手段の操作量の変化に起因した運転手が感じる違和感を低減させることが可能である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の自動二輪車両の制動制御装置において、前記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1流出側開閉弁(36b)を閉じ状態にした後に前記流入側開閉弁(36a)を開き状態にすることを要旨とする。
上記構成によれば、連通制御の完了時には、制御手段による制御によって、第1流入側開閉弁が閉じ状態になった後に流入側開閉弁が開き状態になる。そのため、連通制御の実行中に連動用ブレーキ操作手段が操作されたとしても、連動用マスタシリンダ内から各ホイールシリンダ内に向けて流動するブレーキ液のうち各ホイールシリンダ内に流入することなくリザーバ内に流入してしまうブレーキ液の液量が減少する。したがって、制御手段は、連通制御中に連動用ブレーキ操作手段が操作されたとしても、該連動用ブレーキ操作手段に応じた制動力を第2の車輪に付与させることが可能になる。
請求項3に記載の発明は、自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)と、前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)側から前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する流入側開閉弁(36a)とが設けられており、前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行する制御手段(15)を備え、前記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1流出側開閉弁(36b)を閉じ状態にした後に前記流入側開閉弁(36a)を開き状態にすることを要旨とする。
上記構成によれば、制御手段による連通制御中では、第1流出側開閉弁の開き状態が維持されるため、第1流出側開閉弁よりも上流側の上流側ブレーキ液路や第1ホイールシリンダ内のブレーキ液が第1流出側開閉弁よりも下流側の下流側ブレーキ液路内に流入することによって、下流側ブレーキ液路内の上流側ブレーキ液路に対する負圧が解消される。したがって、連動制動機構内の下流側ブレーキ液路内に上流側ブレーキ液路内に対する負圧が発生した場合には、制御手段によって連通制御が実行されることにより、該負圧を解消させることができる。しかも、連通制御中において、制御手段は、第1流出側開閉弁を制御する。そのため、連通制御中に運転手によってブレーキ操作されたとしても、第2の車輪に制動力を確実に付与できる。
また、連通制御の完了時には、制御手段による制御によって、第1流入側開閉弁が閉じ状態になった後に流入側開閉弁が開き状態になる。そのため、連通制御の実行中に連動用ブレーキ操作手段が操作されたとしても、連動用マスタシリンダ内から各ホイールシリンダ内に向けて流動するブレーキ液のうち各ホイールシリンダ内に流入することなくリザーバ内に流入してしまうブレーキ液の液量が減少する。したがって、制御手段は、連通制御中に連動用ブレーキ操作手段が操作されたとしても、該連動用ブレーキ操作手段に応じた制動力を第2の車輪に付与させることが可能になる。
また、自動二輪車両の制動制御装置にかかる請求項4に記載の発明は、自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)及び前記第1の車輪(FW)に制動力を付与可能な独立制動機構(13)をそれぞれ制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられる一方、前記独立制動機構(13)には、運転手による独立用ブレーキ操作手段(22A)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する独立用マスタシリンダ(16f)と、該独立用マスタシリンダ(16f)から独立用上流側ブレーキ液路(25f)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第3ホイールシリンダ(19)と、該第3ホイールシリンダ(19)から流出して独立用下流側ブレーキ液路(26f)内を流動したブレーキ液を貯留するための独立用リザーバ(27f)と、該独立用リザーバ(27f)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)内に吐出する独立用ポンプ(28f)と、前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)側から前記独立用下流側ブレーキ液路(26f)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をすべく開閉駆動する独立用流出側開閉弁(33b,34b)とが設けられており、前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)を開閉駆動させることにより該流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)よりもブレーキ液の流動方向における上流側と前記下流側ブレーキ液路(26f,26r)とを連通する連通制御に関して、開閉駆動する前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)の駆動態様が異なる複数の制御パターン(P1,P2)を記憶する記憶手段(41)と、前記ブレーキ操作手段(22A,22B)が非操作状態であると判定した場合に、前記記憶手段(41)に記憶された各制御パターン(P1,P2)のうち独立用制御パターン(P1)に基づき前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開閉駆動を制御する独立用連通制御を実行すると共に、前記独立用制御パターン(P1)とは異なる連動用制御パターン(P2)に基づき前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)の開閉駆動を制御する連動用連通制御を実行する制御手段(15)とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、連動用連通制御は、第1流出側開閉弁又は第2流出側開閉弁の駆動態様が独立用連通制御によって開閉駆動する独立用流出側開閉弁の駆動態様が異なる。したがって、機構の異なる各制動機構において、制動機構毎に適切な制御パターンに基づく連通制御を制御手段が実行できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の自動二輪車両の制動制御装置において、前記独立用制御パターン(P1)は、前記独立用連通制御の実行時において前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開き状態と閉じ状態とが繰り返されるように該独立用流出側開閉弁(33b,34b)を開閉駆動させるパターンである一方、前記連動用制御パターン(P2)は、前記連動用連通制御の実行時において前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)を開き状態とする総時間が前記独立用連通制御の実行時において開閉駆動する前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)を開き状態とする総時間よりも長くなるように設定されたパターンであることを要旨とする。
上記構成によれば、独立用連通制御では、独立用流出側開閉弁の開閉駆動を連続して実行させることにより、独立用上流側ブレーキ液路側から独立用下流側ブレーキ液路内にブレーキ液が少しずつ流入することになる。そのため、連動用連通制御中において第1流出側開閉弁又は第2流出側開閉弁が開き状態となる総時間は、独立用連通制御中において独立用流出側開閉弁が開き状態となる総時間よりも長くなる。したがって、制御手段は、連動用実行時間が独立用実行時間よりも短くても、連動用連通制御の実行によって連動用下流側ブレーキ液路内の連動用上流側ブレーキ液路に対する負圧を解消させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の自動二輪車両の制動制御装置において、前記連動用制御パターン(P2)は、該連動用制御パターン(P2)に基づく連動用連通制御の連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)の開き状態を維持させるパターンである一方、前記独立用制御パターン(P1)は、該独立用制御パターン(P1)に基づく独立用連通制御の独立用実行時間(KT1)が前記連動用実行時間(KT2)よりも長くなるように設定されたパターンであることを要旨とする。
上記構成によれば、連動用連通制御中には、制御手段による制御によって第1流出側開閉弁又は第2流出側開閉弁の開き状態が維持されるため、該流出側開閉弁よりも上流側から連動用下流側ブレーキ液路内にブレーキ液が一気に流入することになる。したがって、第1流出側開閉弁又は第2流出側開閉弁の開き状態と閉じ状態とが繰り返される場合に比して、より短時間で連動用下流側ブレーキ液路内の連動用上流側ブレーキ液路に対する負圧を解消できる。
一方、自動二輪車両の制動制御方法にかかる請求項7に記載の発明は、自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御方法であって、前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられており、前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行するようにしたことを要旨とする。
上記構成によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
また、自動二輪車両の制動制御方法にかかる請求項8に記載の発明は、自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)及び前記第1の車輪(FW)に制動力を付与可能な独立制動機構(13)をそれぞれ制御する自動二輪車両の制動制御方法であって、前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられる一方、前記独立制動機構(13)には、運転手による独立用ブレーキ操作手段(22A)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する独立用マスタシリンダ(16f)と、該独立用マスタシリンダ(16f)から独立用上流側ブレーキ液路(25f)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第3ホイールシリンダ(19)と、該第3ホイールシリンダ(19)から流出して独立用下流側ブレーキ液路(26f)内を流動したブレーキ液を貯留するための独立用リザーバ(27f)と、該独立用リザーバ(27f)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)内に吐出する独立用ポンプ(28f)と、前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)から前記独立用下流側ブレーキ液路(26f)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をすべく開閉駆動する独立用流出側開閉弁(33b,34b)とが設けられており、前記ブレーキ操作手段(22A,22B)が非操作状態である場合において、前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)を開閉駆動させることにより該流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)よりもブレーキ液の流動方向における上流側と前記下流側ブレーキ液路(26f,26r)とを連通する連通制御中に開閉駆動する前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)の駆動態様が異なる複数の制御パターン(P1,P2)のうち独立用制御パターン(P1)に基づき前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開閉駆動を制御する独立用連通制御を実行する独立用ステップ(S20)と、前記独立用制御パターン(P1)とは異なる連動用制御パターン(P2)に基づき前記第1流出側開閉弁(36b)又は前記第2流出側開閉弁(35b)の開閉駆動を制御する連動用連通制御を実行する連動用ステップ(S19)とを有することを要旨とする。
上記構成によれば、請求項4に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明を、自動二輪車両の制動制御装置及び自動二輪車両の制動制御方法に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車両は、駆動輪である後輪(第2の車輪)RWに駆動力を付与するための図示しない駆動機構と、第1の車輪としての前輪FW及び後輪RWに制動力を付与するための制動装置11とを備えている。駆動機構は、自動二輪車両の駆動源となるエンジン(図示略)を備え、該エンジンは、運転手によるアクセル12の操作量に応じた駆動力を出力するようになっている。
制動装置11は、前輪FWに制動力を付与するための独立制動機構(「独立ブレーキ」ともいう。)13と、前輪FW及び後輪RWに制動力をそれぞれ付与するための連動制動機構(「連動ブレーキ」ともいう。)14とを備えている。また、制動装置11には、各制動機構13,14の駆動を制御するための制動制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)15が設けられている。
独立制動機構13には、独立用マスタシリンダ16f及びブースタ17を有する独立用液圧発生装置18fと、前輪FWに対応する第3ホイールシリンダ19と、独立用マスタシリンダ16fと第3ホイールシリンダ19とを連通するための独立用液圧回路20fとが設けられている。そして、自動二輪車両の右側ハンドル21に対応する位置に配設された独立用ブレーキ操作手段としてのブレーキレバー22Aが右側ハンドル21に接近するように握り操作された場合には、ブレーキレバー22Aの操作量に応じたブレーキ液が独立用マスタシリンダ16f側から独立用液圧回路20fを介して第3ホイールシリンダ19内に供給されるようになっている。なお、本実施形態の自動二輪車両には、ブレーキレバー22Aが握り操作されたことを検出するための第1ブレーキスイッチSW1が設けられ、該第1ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキレバー22Aの操作状況に応じた信号がECU15に出力されるようになっている。
連動制動機構14には、連動用マスタシリンダ16rを有する連動用液圧発生装置18rと、後輪RWに対応する第2ホイールシリンダ23と、前輪FWに対応する第1ホイールシリンダ24と、連動用マスタシリンダ16rと各ホイールシリンダ23,24とを連通するための連動用液圧回路20rとが設けられている。そして、自動二輪車両の右足置きの前方に配設された連動用ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル22Bが踏込み操作された場合には、ブレーキペダル22Bの操作量に応じたブレーキ液が連動用マスタシリンダ16r側から連動用液圧回路20rを介して各ホイールシリンダ23,24内にそれぞれ供給されるようになっている。
なお、本実施形態の連動制動機構14は、ブレーキペダル22Bが踏込み操作された場合、第2ホイールシリンダ23内のブレーキ液圧に応じた後輪RWに対する制動力が第1ホイールシリンダ24内のブレーキ液圧に応じた前輪FWに対する制動力よりも十分に大きくなるように構成されている。また、自動二輪車両には、ブレーキペダル22Bが踏込み操作されたことを検出するための第2ブレーキスイッチSW2が設けられ、該第2ブレーキスイッチSW2からは、ブレーキペダル22Bの操作状況に応じた信号がECU15に出力されるようになっている。
次に、各液圧回路20f,20rについて以下説明する。
各液圧回路20f,20rは、マスタシリンダ16f,16r内のブレーキ液をホイールシリンダ19,23,24に向けて流動させるための上流側ブレーキ液路25f,25rと、各ホイールシリンダ19,23,24から流出したブレーキ液が流動する下流側ブレーキ液路26f,26rとをそれぞれ備えた構成とされている。また、各液圧回路20f,20r上には、ホイールシリンダ19,23,24側から下流側ブレーキ液路26f,26r内を流動してきたブレーキ液を一時貯留するリザーバ27f,27rと、リザーバ27f,27r内に一時貯留されているブレーキ液を内部に吸引して上流側ブレーキ液路25f,25r内に吐出するポンプ28f,28r(例えば、ピストンポンプ)とがそれぞれ設けられている。これら各ポンプ28f,28rは、共通のモータM(本実施形態では直流モータ)の回転に基づきそれぞれ駆動するようになっている。
独立用液圧回路20fにおいて独立用上流側ブレーキ液路25fと独立用下流側ブレーキ液路26fとの間には、第3ホイールシリンダ19内のブレーキ液圧を調圧するための独立用前輪側液路29が形成されている。また、独立用液圧回路20fには、独立用上流側ブレーキ液路25f内のブレーキ液を第3ホイールシリンダ19内に流入させることなく独立用下流側ブレーキ液路26f内に流入させるための連通液路30が形成されている。また、連動用液圧回路20rにおいて連動用上流側ブレーキ液路25rと連動用下流側ブレーキ液路26rとの間には、第2ホイールシリンダ23内のブレーキ液圧を調圧するための連動用前輪側液路31と、第1ホイールシリンダ24内のブレーキ液圧を調圧するための連動用後輪側液路32とが形成されている。
独立用前輪側液路29上において、第3ホイールシリンダ19の上流側(即ち、独立用マスタシリンダ16f側)には常開型の第1独立用流入側開閉弁33a(例えば電磁弁)が配設されると共に、第3ホイールシリンダ19の下流側(即ち、独立用リザーバ27f側)には常閉型の第1独立用流出側開閉弁33b(例えば電磁弁)が配設されている。また、連通液路30上には、常開型の第2独立用流入側開閉弁(独立用流入側開閉弁)34aと、該第2独立用流入側開閉弁34aよりも下流側に配置された常閉型の第2独立用流出側開閉弁(独立用流出側開閉弁)34bとが配設されている。なお、以降の記載において、連通液路30において第2独立用流入側開閉弁34aと第2独立用流出側開閉弁34bとの間のブレーキ液路のことを、「負圧解消用液路30A」というものとする。
また、連動用前輪側液路31上において、第2ホイールシリンダ23よりも上流側(即ち、連動用マスタシリンダ16r側)には常開型の第2連動用流入側開閉弁35aが配設されると共に、第2ホイールシリンダ23よりも下流側(即ち、連動用リザーバ27r側)には、常閉型の第2連動用流出側開閉弁35bが配設されている。また、連動用後輪側液路32上において、第1ホイールシリンダ24よりも上流側には常開型の第1連動用流入側開閉弁36aが配設されると共に、第1ホイールシリンダ24よりも下流側には常閉型の第1連動用流出側開閉弁36bが配設されている。
上述した各流入側開閉弁33a〜36aは、それぞれのソレノイドコイルが通電されることによりそれぞれ閉じ動作する一方、各流出側開閉弁33b〜36bは、それぞれのソレノイドコイルが通電されることによりそれぞれ開き動作するようになっている。そして、上記したブレーキレバー22Aやブレーキペダル22Bがブレーキ操作された状態で各開閉弁33a〜36a,33b〜36bがそれぞれ開閉駆動することにより、各ホイールシリンダ19,23,24内のブレーキ液圧がそれぞれ増圧されたり、保持されたり、減圧されたりするようになっている。
次に、本実施形態のECU15について以下説明する。
ECU15は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU40、ROM41及びRAM42などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路とを主体として構成されている。ECU15の入力側インターフェースには、上記各ブレーキスイッチSW1,SW2、各車輪FW,RWの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE1,SE2、自動二輪車両の車体加速度を検出するための車体加速度センサSE3及び自動二輪車両のイグニッションスイッチIGSWが電気的に接続されている。なお、車体加速度センサSE3は、自動二輪車両の加速時にはECU15が正の値を示すような信号を出力する一方、自動二輪車両の減速時にはECU15が負の値を示すような信号を出力するように構成されている。
一方、ECU15の出力側インターフェースには、各ポンプ28f,28rを駆動させるためのモータM、及び各開閉弁33a〜36a,33b〜36bが電気的に接続されている。そして、ECU15は、各ブレーキスイッチSW1,SW2、各車輪速度センサSE1,SE2、車体加速度センサSE3及びイグニッションスイッチIGSWからの各入力信号に基づき、モータM及び各開閉弁33a〜36a,33b〜36bを個別に制御するようになっている。したがって、本実施形態では、ECU15が、制御手段としても機能するようになっている。
デジタルコンピュータにおいて、ROM41には、モータM及び各開閉弁33a〜36a,33b〜36bを個別に制御するための各種の制御プログラム(後述する連通制御処理等)、各種閾値(後述するスイッチオン経過時間閾値、車体速度閾値、独立用実行時間、連動用実行時間、完了処理実行時間等)、及び各種のテーブル(後述する連通制御用テーブル等)などが記憶されている。また、RAM42には、自動二輪車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報(後述するスイッチオン経過時間、開始経過時間、完了処理経過時間、車体加速度、車輪速度、推定車体速度、連通制御完了フラグ等)などがそれぞれ記憶されるようになっている。
次に、ROM41に記憶される連通制御用テーブルについて図2及び図3に基づき以下説明する。
連通制御用テーブルには、液圧回路20f,20rにおいて第2独立用流出側開閉弁34b及び第1連動用流出側開閉弁36bよりも上流側と下流側ブレーキ液路26f,26rとを連通させる連通制御に関して、連通液路30及び連動用後輪側液路32上の各開閉弁34a,36a,34b,36bの駆動態様を示す複数種類(本実施形態では2種類)の制御パターンP1,P2(図2及び図3参照)が記憶されている。これら各制御パターンP1,P2のうち独立用制御パターンP1は、独立制動機構13の第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bを開閉駆動させるためのパターンである一方、連動用制御パターンP2は、連動制動機構14の第1連動用流入側開閉弁36a及び第1連動用流出側開閉弁36bを開閉駆動させるためのパターンである。したがって、本実施形態では、ROM41により、記憶手段が構成されている。
初めに、独立用制御パターンP1について説明する。
図2に示すように、独立用制御パターンP1に基づく独立用連通制御では、該連通制御が開始された時点から第1弁制御時間Tvm1(本実施形態では20msec. (ミリ秒))が経過するまでの間、第2独立用流入側開閉弁34aの閉じ状態が維持される。また、独立用連通制御が開始された時点から第2弁制御時間Tvm2(本実施形態では5msec. )が経過した場合には、閉じ状態にあった第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態になる。そして、第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態になった時点から第3弁制御時間Tvm3(本実施形態では10msec. )が経過した場合には、第2独立用流出側開閉弁34bが閉じ状態になる。続いて、独立用連通制御が開始された時点から第1弁制御時間Tvm1が経過した場合には、第2独立用流入側開閉弁34aが開き状態になる。さらに、第2独立用流入側開閉弁34aが開き状態になった時点から第4弁制御時間Tvm4(本実施形態では10msec. )が経過した場合には、第2独立用流入側開閉弁34aが再び閉じ状態になる。すなわち、独立用連通制御では、上述した第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bの開閉駆動が、独立用実行時間KT1(本実施形態では890msec. )の間、それぞれ繰り返し実行される。この際、第1独立用流入側開閉弁33aの開き状態及び第1独立用流出側開閉弁33bの閉じ状態は、それぞれ維持される。
なお、本実施形態では、第1弁制御時間Tvm1は、負圧解消用液路30Aから独立用下流側ブレーキ液路26fへのブレーキ液の供給が効果的に実行されるような時間に予め設定されている。また、第4弁制御時間Tvm4は、独立用上流側ブレーキ液路25fから負圧解消用液路30Aへのブレーキ液の供給が効果的に実行されるような時間に予め設定されている。そして、独立用実行時間KT1は、独立用下流側ブレーキ液路26f内にブレーキ液がほとんど無い状態であっても独立用連通制御が実行されることにより独立用下流側ブレーキ液路26f内の独立用上流側ブレーキ液路25fに対する負圧を解消できるような時間に予め設定されている。
次に、独立用連通制御が実行されたときの作用について以下説明する。なお、独立制動機構13の独立用下流側ブレーキ液路26f内には、独立用上流側ブレーキ液路25fに対する負圧が発生しているものとする。
さて、独立用連通制御が実行されると、第2独立用流入側開閉弁34aが閉じ状態になり、その後に第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態になる。すると、独立用下流側ブレーキ液路26fは、負圧解消用液路30Aと連通状態になり、負圧解消用液路30Aから独立用下流側ブレーキ液路26f内にブレーキ液の一部が流入する。その結果、負圧解消用液路30A内は、該負圧解消用液路30Aから独立用下流側ブレーキ液路26f側に流動したブレーキ液の液量分だけ、独立用上流側ブレーキ液路25fに対して負圧になる。そして次に、第2独立用流出側開閉弁34bが閉じ状態になった後に第2独立用流入側開閉弁34aが開き状態になると、負圧解消用液路30A内には独立用上流側ブレーキ液路25fからブレーキ液が流入し、負圧解消用液路30A内の独立用上流側ブレーキ液路25fに対する負圧が解消される。すると、第2独立用流入側開閉弁34aが閉じ状態になった後に第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態になると、負圧解消用液路30A内のブレーキ液の一部が、独立用下流側ブレーキ液路26f内にブレーキ液が流入する。
このように第2独立用流入側開閉弁34aと第2独立用流出側開閉弁34bとの開閉駆動が各別に繰り返されると、独立用上流側ブレーキ液路25f内のブレーキ液が、負圧解消用液路30Aを介して独立用下流側ブレーキ液路26fに少しずつ流入することになる。そして、独立用連通制御が開始されてから独立用実行時間KT1が経過した頃には、独立用下流側ブレーキ液路26f内の独立用上流側ブレーキ液路25fに対する負圧が解消されている。
次に、連動用制御パターンP2について説明する。
図3に示すように、連動用制御パターンP2に基づく連動用連通制御では、該連通制御が開始された時点から連動用実行時間KT2(本実施形態では、500msec. )が経過するまでの間、第1連動用流入側開閉弁36aの閉じ状態が維持される。また、連動用連通制御が開始された時点から連動用実行時間KT2が経過するまでの間、第1連動用流出側開閉弁36bの開き状態が維持される。そして、連動用連通制御が開始された時点から連動用実行時間KT2が経過した場合には、第1連動用流出側開閉弁36bが一気に閉じ状態になる。続いて、閉じ状態にある第1連動用流入側開閉弁36aが、完了処理実行時間KTs(本実施形態では、85msec. )をかけて徐々に開き状態になる。この際、第2連動用流入側開閉弁35aの開き状態及び第2連動用流出側開閉弁35bの閉じ状態は、それぞれ維持される。
なお、連動用実行時間KT2は、連動用下流側ブレーキ液路26r内にブレーキ液がほとんど無い状態であっても第1連動用流出側開閉弁36bを開き状態にして連動用下流側ブレーキ液路26r内に第1ホイールシリンダ24側からブレーキ液を流入させることにより、連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧を解消できるような時間に設定されている。また、完了処理実行時間KTsは、該完了処理実行時間KTsと連動用実行時間KT2との和が上記独立用実行時間KT1よりも短くなるように予め設定されている。
次に、連動用連通制御が実行されたときの作用について図4(a)(b)に基づき以下説明する。なお、連動制動機構14の連動用下流側ブレーキ液路26r内には、連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧が発生しているものとする。
さて、連動用連通制御が実行されると、第1連動用流入側開閉弁36aが閉じ状態になると共に第1連動用流出側開閉弁36bが開き状態になる。すると、連動用下流側ブレーキ液路26r内には、第1ホイールシリンダ24内と連通状態になるため、該第1ホイールシリンダ24側からブレーキ液が流入する。その結果、連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧が解消される。そして、連動用連通制御が開始された時点から連動用実行時間KT2が経過すると、第1連動用流出側開閉弁36bが閉じ状態になる。
また、第1連動用流入側開閉弁36aは、連動用上流側ブレーキ液路25rから第1ホイールシリンダ24内に流入するブレーキ液の単位時間当りの流入量が徐々に増加するように開き動作する。そして、第1連動用流入側開閉弁36aの開き動作が開始された時点から完了処理実行時間KTsが経過すると、第1連動用流入側開閉弁36aが完全に開き状態になる。その結果、連動用下流側ブレーキ液路26r内にブレーキ液の一部が流入することにより発生した第1ホイールシリンダ24内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧は、第1ホイールシリンダ24内に連動用上流側ブレーキ液路25r側からブレーキ液が流入することにより解消される。
ここで、図4(a)にて破線で示すように、もし仮に連動用連通制御の完了と共に閉じ状態にあった第1連動用流入側開閉弁36aを完全に開き状態にする制御構成にしたとすると、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが運転手によって踏込み操作が操作された場合に以下に示す問題が発生するおそれがある。すなわち、連動用連通制御の完了に伴い第1連動用流入側開閉弁36aが一気に開き状態になると、連動用マスタシリンダ16r内のブレーキ液の一部が、第1ホイールシリンダ24内に一気に流入することになる。そのため、図4(b)にて破線で示すように、運転手によるブレーキペダル22Bの操作量Stは、連動用連通制御の完了直前の完了前操作量St1から完了後操作量St2に急激に増加してしまう。その結果、このようにブレーキペダル22Bの操作量Stが急激に変化(増加)することにより、操作量Stの変化に起因した違和感を運転手に与えてしまうおそれがある。また、操作量Stの急激な変化により連動用連通制御の実行が運転手に気付かれてしまうおそれもある。
この点、本実施形態では、図4(a)にて実線で示すように、連動用連通制御が完了すると、閉じ状態にあった第1連動用流入側開閉弁36aは、徐々に開き状態になるように開き動作することになる。そのため、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが運転手によって踏込み操作されたとしても連動用連通制御の完了後では、連動用マスタシリンダ16rから第1ホイールシリンダ24内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量は、徐々に増加することになる。その結果、図4(b)に示すように、運転手によるブレーキペダル22Bの操作量Stは、連動用連通制御の完了直前の完了前操作量St1から完了後操作量St2に向けて徐々に変化(増加)することになる。したがって、本実施形態では、第1ホイールシリンダ24内にブレーキ液が一気に流入するように第1連動用流入側開閉弁36aが開き動作する場合に比して、操作量Stの変化に起因した運転手が感じる違和感を低減させることが可能となる。
次に、本実施形態のECU15が実行する各制御処理のうち連通制御処理ルーチンについて図5及び図6に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、ECU15は、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になってから所定周期毎(例えば0.01sec.(秒)毎)に連通制御処理ルーチンを実行する。そして、連通制御処理ルーチンにおいて、ECU15は、連通制御完了フラグFLG1が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS10)。この連通制御完了フラグFLG1は、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になってから連通制御が実行済みである場合には「1」にセットされる一方、連通制御が未実行である場合には「0(零)」にセットされるフラグである。そして、連通制御完了フラグFLG1は、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になった直後では初期値として「0(零)」が設定されている。
ステップS10の判定結果が否定判定(FLG1=「1」)である場合、ECU15は、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS10の判定結果が肯定判定(FLG1=「0」)である場合、ECU15は、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になってからのスイッチオン経過時間Tigを更新(即ち、連通制御実行判定処理ルーチンが実行される周期である0.01秒を加算)する(ステップS11)。そして、ECU15は、ステップS11にて更新したスイッチオン経過時間Tigが予め設定されたスイッチオン経過時間閾値KTig(例えば、2sec.)以上であるか否かを判定する(ステップS12)。このスイッチオン経過時間閾値KTigは、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になってからエンジンの駆動が安定するまでに必要な時間であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、イグニッションスイッチIGSWが「オン」になってからスイッチオン経過時間閾値KTigが経過するまでの間には、モータM、各開閉弁33a〜36a,33b〜36bが正常動作するか否かをチェックするためのイニシャルチェックが完了している。
ステップS12の判定結果が否定判定(Tig<KTig)である場合、ECU15は、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS12の判定結果が肯定判定(Tig≧KTig)である場合、ECU15は、各ブレーキスイッチSW1,SW2が共に「オフ」であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が否定判定(SW1,SW2のうち少なくとも一方が「オン」)である場合、ECU15は、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS13の判定結果が肯定判定(SW1=「オフ」及びSW2=「オフ」)である場合、ECU15は、車体加速度センサSE3からの入力信号に基づき車両の車体加速度Gを演算する(ステップS14)。そして、ECU15は、ステップS14にて演算した車体加速度Gが正の値であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果が否定判定(G≦「0(零)」)である場合、ECU15は、自動二輪車両が加速中ではないと判断し、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定判定(G>「0(零)」)である場合、ECU15は、自動二輪車両が加速中であると判断し、各車輪速度センサSE1,SE2からの各入力信号に基づき各車輪FW,RWの車輪速度VFW,VRWをそれぞれ演算する(ステップS16)。続いて、ECU15は、ステップS16にて演算した各車輪速度VFW,VRWに基づき車両の推定車体速度VSを演算する(ステップS17)。そして、ECU15は、ステップS17にて演算した推定車体速度VSが予め設定された車体速度閾値KVS以下であるか否かを判定する(ステップS18)。この車体速度閾値KVSは、自動二輪車両が低速で走行しているか否かの判定基準となる速度(例えば、「30km/h」(時速30キロメータ))であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS18の判定結果が否定判定(VS>KVS)である場合、ECU15は、自動二輪車両が高速で走行していると判断し、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS18の判定結果が肯定判定(VS≦KVS)である場合、ECU15は、ブレーキレバー22A及びブレーキペダル22Bが共に非操作状態であることを示す非ブレーキ操作判定条件が成立したと判断し、その処理を次のステップS19に移行する。
なお、ブレーキスイッチSW1,SW2は、運転手によるブレーキ操作手段の操作量が判定閾値を超えた場合にブレーキ操作された旨の信号をECU15にそれぞれ出力するようになっている。しかしながら、自動二輪車両のブレーキスイッチSW1,SW2は、その判定閾値の大きさが運転手自身で変更できるように構成されている。また、自動二輪車両のブレーキスイッチSW1,SW2は、四輪車両のブレーキスイッチとは異なり、雨晒しになる可能性が非常に高いため、リーク状態に陥るおそれがあった。そのため、各ブレーキスイッチSW1,SW2からの入力信号は、信頼性に欠けてしまう。そこで、本実施形態では、ECU15は、ブレーキスイッチSW1,SW2が共に「オフ」であると共に、ステップS15及びステップS18が共に肯定判定になった場合に非ブレーキ操作判定条件が成立したと判断する。その一方で、ECU15は、ステップS13,S15,S18の各判定結果のうち一つでも否定判定になった場合には非ブレーキ操作判定条件が成立していないと判断する。
ステップS19において、ECU15は、ROM41から連動用制御パターンP2を読み出し、該連動用制御パターンP2に基づく連動用連通制御(図3参照)を実行して連動制動機構14の第1連動用流入側開閉弁36a及び第1連動用流出側開閉弁36bの開閉駆動を制御する。したがって、本実施形態では、ステップS19が、連動用ステップに相当する。続いて、ECU15は、ROM41から独立用制御パターンP1を読み出し、該独立用制御パターンP1に基づく独立用連通制御(図2参照)を実行して独立制動機構13の第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bの開閉駆動を制御する(ステップS20)。したがって、本実施形態では、ステップS20が、独立用ステップに相当する。
続いて、ECU15は、各連通制御の実行が開始されてからの開始経過時間T1を更新する(ステップS21)。そして、ECU15は、ステップS21にて更新した開始経過時間T1が上記連動用実行時間KT2以上であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果が否定判定(T1<KT2)である場合、ECU15は、その処理を前述したステップS19に移行する。一方、ステップS22の判定結果が肯定判定(T1≧KT2)である場合、ECU15は、連動用連通制御の実行が完了したと判断し、開始経過時間T1が連動用実行時間KT2以上になってから(即ち、連動用連通制御の実行が完了してから)の完了処理経過時間Tsを更新する(ステップS23)。
そして、ECU15は、ステップS23にて更新した完了処理経過時間Tsが上記完了処理実行時間KTs以上であるか否かを判定する(ステップS24)。この判定結果が否定判定(Ts<KTs)である場合、ECU15は、閉じ状態にある第1連動用流入側開閉弁36aを徐々に開き状態にするための開弁処理を実行し(ステップS25)、その処理を前述したステップS20に移行する。一方、ステップS24の判定結果が肯定判定(Ts≧KTs)である場合、ECU15は、第1連動用流入側開閉弁36aが完全に開き状態になったと判断し、ステップS21にて更新した開始経過時間T1が上記独立用実行時間KT1以上であるか否かを判定する(ステップS26)。
この判定結果が否定判定(T1<KT1)である場合、ECU15は、独立用連通制御が実行中であると判断し、その処理を前述したステップS20に移行する。一方、ステップS26の判定結果が肯定判定(T1≧KT1)である場合、ECU15は、独立用連通制御が完了したと判断し、連通制御完了フラグFLG1を「1」にセットし(ステップS27)、連通制御処理ルーチンを一旦終了する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)連動制動機構14において連動用連通制御の実行中では、第1連動用流出側開閉弁36bの開き状態が維持されるため、第1ホイールシリンダ24内のブレーキ液の一部が連動用下流側ブレーキ液路26r内に一気に流入することによって、連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧が解消される。したがって、連動制動機構14内の連動用下流側ブレーキ液路26r内に連動用上流側ブレーキ液路25r内に対する負圧が発生した場合には、連動用連通制御の実行により該負圧を解消できる。
(2)連動用連通制御中には、第1連動用流出側開閉弁36bの上流側に配置された第1連動用流入側開閉弁36aが閉じ状態になる。そのため、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが運転手によって踏込み操作されたとしても、連動用マスタシリンダ16r側からホイールシリンダ23,24側に向けて流動するブレーキ液がホイールシリンダ23,24内に流入することなく連動用リザーバ27r内に流入してしまうことを抑制できる。したがって、第2ホイールシリンダ23内には、連動用マスタシリンダ16r側からブレーキ液が確実に供給されるため、第2ホイールシリンダ23内のブレーキ液圧に応じた制動力を後輪RWに付与できる。
(3)また、連動用連通制御の完了時には、第1連動用流出側開閉弁36bが閉じ状態になってから第1連動用流入側開閉弁36aが開き状態になる。そのため、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが運転手によって踏込み操作されたとしても、連動用連通制御の完了時において連動用マスタシリンダ16r側からホイールシリンダ23,24側に向けて流動するブレーキ液がホイールシリンダ23,24内に流入することなく連動用リザーバ27r内に流入してしまうことを確実に抑制できる。
(4)さらに、連動用連通制御の完了時には、閉じ状態であった第1連動用流入側開閉弁36aが徐々に開き状態になるため、連動用マスタシリンダ16r側から第1ホイールシリンダ24内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量は、徐々に増加することになる。そのため、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが踏込み操作された場合、運転手によるブレーキペダル22Bの操作量Stは、連動用マスタシリンダ16r側から第1ホイールシリンダ24内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量の増加に応じて徐々に多くなる。そのため、連動用連動制御の完了後に連動用マスタシリンダ16r側から第1ホイールシリンダ24内にブレーキ液が一気に流入する場合に比して、ブレーキペダル22Bの操作量Stの変化に起因した運転手が感じる違和感を低減させることができる。
(5)連動用連通制御は、第1連動用流入側開閉弁36a及び第1連動用流出側開閉弁36bの駆動態様が独立用連通制御によって開閉駆動する第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bの駆動態様がそれぞれ異なると共に、連動用実行時間KT2が独立用実行時間KT1よりも短い。したがって、機構の異なる各制動機構13,14において、制動機構13,14毎に適切な制御パターンP1,P2に基づく連通制御を実行できる。
(6)独立制動機構13では、第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bの開閉駆動をそれぞれ連続して実行させることにより、独立用上流側ブレーキ液路25f側から独立用下流側ブレーキ液路26f内にブレーキ液が少しずつ流入することになる。そのため、独立用連通制御中において第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態である総時間よりも連動用連通制御中において第1連動用流出側開閉弁36bが開き状態である総時間(=KT2)のほうが長くなる。したがって、連動用実行時間KT2が独立用実行時間KT1よりも短くても、連動用連通制御の実行によって連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧を解消できる。
(7)連動用連通制御中には、第1連動用流出側開閉弁36bの開き状態が維持されるため、第1ホイールシリンダ24側から連動用下流側ブレーキ液路26r内にブレーキ液が一気に流入することになる。したがって、第1連動用流出側開閉弁36bの開き状態と閉じ状態とが繰り返される場合に比して、より短時間で連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧を解消できる。
(8)独立制動機構13での独立用連通制御においても、連動用連通制御の場合と同様に、独立用実行時間KT1の間、第2独立用流出側開閉弁34bの開き状態を維持させる方法も考えられる。しかしながら、独立用連通制御の実行直前の負圧解消用液路30A内におけるブレーキ液の液量は、連動用連通制御の実行直前の第1ホイールシリンダ24内におけるブレーキ液の液量よりも少ない。そのため、独立用連通制御中において第2独立用流出側開閉弁34bの開き状態を維持させたとしても、負圧解消用液路30Aから独立用下流側ブレーキ液路26f内に流入するブレーキ液の流入量が少ないために、独立用連通制御を実行しても独立用下流側ブレーキ液路26f内の独立用上流側ブレーキ液路25fに対する負圧を解消できないおそれがある。この点、第1ホイールシリンダ24内におけるブレーキ液の液量は、独立用連通制御の実行直前の負圧解消用液路30A内におけるブレーキ液の液量よりも多い。そのため、第1連動用流出側開閉弁36bの開き状態を維持させるような独立用連通制御が実行されることにより、連動用下流側ブレーキ液路26r内の連動用上流側ブレーキ液路25rに対する負圧を好適に解消できる。
(9)また、本実施形態における連動用連通制御中では、第1ホイールシリンダ24用の各開閉弁36a,36bが開閉駆動する。そのため、連通制御中に各車輪FW,RWに共に制動力を付与したい場合には、ブレーキレバー22A及びブレーキペダル22Bをブレーキ操作することにより、各車輪FW,RWに制動力をそれぞれ付与できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、上記ステップS13,S15,S18の各判定処理のうち少なくとも一つの判定結果が肯定判定である場合に、ブレーキ非操作状態であると判断して各連通制御を実行するようにしてもよい。ただし、各ブレーキスイッチSW1,SW2が「オフ」(ステップS13が肯定判定)であることを契機に各連通制御を実行させるような制御構成にする場合には、各ブレーキスイッチSW1,SW2からECU15への入力信号の信頼性を向上させることが望ましい。
・実施形態において、各連通制御のうち少なくとも一方の実行中にブレーキレバー22A及びブレーキペダル22Bのうち少なくとも一方がブレーキ操作された場合には、実行中の連通制御を強制的に終了させるようにしてもよい。さらに、連動用連通制御を強制的に終了させる場合には、図4(a)にて実線で示すように、閉じ状態から徐々に開き状態となるように第1連動用流入側開閉弁36aを開き動作させることが望ましい。
・実施形態において、連動用連通制御中においては、独立用連通制御中における第2独立用流出側開閉弁34bの開閉駆動と同様に、開き状態と閉じ状態とが繰り返されるように第1連動用流出側開閉弁36bを開閉駆動させるようにしてもよい。この場合、第1連動用流出側開閉弁36bが開き状態にある総時間は、独立用連通制御中における第2独立用流出側開閉弁34bが開き状態にある総時間よりも長くすることが望ましい。また、このような連動用連通制御中では、第1連動用流入側開閉弁36aも開き状態と閉じ状態とが繰り返されるようにしてもよい。ただし、第1連動用流出側開閉弁36bが開き状態である場合には、第1連動用流入側開閉弁36aを閉じ状態にすることが望ましい。
・実施形態において、連動用連通制御では、第1連動用流入側開閉弁36aを開閉駆動させなくてもよい。この場合、連動用連通制御の実行中には、連動用下流側ブレーキ液路26r内には、第1ホイールシリンダ24側からだけではなく連動用上流側ブレーキ液路25r側からもブレーキ液が流入することになる。そのため、上記実施形態の場合に比して、連動用実行時間KT2を短くできる。
・実施形態において、連動用連通制御では、第1連動用流入側開閉弁36a及び第1連動用流出側開閉弁36bではなく、第2連動用流入側開閉弁35a及び第2連動用流出側開閉弁35bを開閉駆動させてもよい。このように構成しても、連動用連通制御中にブレーキペダル22Bが踏込み操作された場合であっても、第1ホイールシリンダ24内に連動用マスタシリンダ16r側からブレーキ液が供給されるため、前輪FWに制動力を付与できる。
・実施形態において、独立用連通制御では、第2独立用流入側開閉弁34a及び第2独立用流出側開閉弁34bではなく、第1独立用流入側開閉弁33a及び第1独立用流出側開閉弁33bを開閉駆動させてもよい。
・実施形態において、連動用連通制御及び独立用連通制御が共に実行されている間では、モータMを回転させることにより独立用ポンプ28f及び連動用ポンプ28rを共に駆動させるようにしてもよい。ただし、連動用連通制御が完了した場合には、各ポンプ28f,28rの駆動を停止させることが望ましい。
・実施形態において、連動用連通制御の完了時には、第1連動用流入側開閉弁36aが閉じ状態から開き状態への駆動が開始されてから第1連動用流出側開閉弁36bを閉じ状態にするようにしてもよい。この場合、第1連動用流入側開閉弁36aが完全に開き状態になる前までに第1連動用流出側開閉弁36bを閉じ状態にすることが望ましい。
・実施形態において、連動用連通制御の完了時には、第1連動用流入側開閉弁36aを、閉じ状態から一気に開き状態にするようにしてもよい。
・実施形態において、前輪FWに制動力を付与するための制動機構(上記実施形態では独立制動機構13が該当する。)も、連動制動機構であってもよい。そして、この連動制動機構からブレーキ液が供給された場合に後輪RWに制動力を付与可能な第4ホイールシリンダを、第2ホイールシリンダ23とは別体として設けることになる。この場合、各連動制動機構に実行される連通制御は、連動用制御パターンP2に基づく連動用連通制御となる。
本実施形態における自動二輪車両の制動装置のブロック図。 独立用制御パターンに基づく独立用連通制御時における各開閉弁の駆動パターンを示すタイミングチャート。 連動用制御パターンに基づく連動用連通制御時における各開閉弁の駆動パターンを示すタイミングチャート。 (a)は連動用連通制御の完了後における第2連動用流入側開閉弁の駆動態様を示すタイミングチャート、(b)は連動用連通制御中にブレーキペダルが踏込み操作されていた場合における操作量の変化を示すタイミングチャート。 連通制御実行処理ルーチンを示すフローチャート(前半部分)。 連通制御実行処理ルーチンを示すフローチャート(後半部分)。
符号の説明
13…独立制動機構、14…連動制動機構、15…制動制御装置、制御手段としてのECU、16f,16r…マスタシリンダ、19,23,24…ホイールシリンダ、22A…独立用ブレーキ操作手段としてのブレーキレバー、22B…連動用ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル、25f,25r…上流側ブレーキ液路、26f,26r…下流側ブレーキ液路、27f,27r…リザーバ、28f,28r…ポンプ、33b,34b…独立用流出側開閉弁、35a…第2連動用流入側開閉弁、35b…第2連動用流出側開閉弁、36a…第1連動用流入側開閉弁、36b…第1連動用流出側開閉弁、41…記憶手段としてのROM、FW…第1の車輪としての前輪、KT1…独立用実行時間、KT2…連動用実行時間、P1,P2…制御パターン、RW…第2の車輪としての後輪。

Claims (8)

  1. 自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、
    前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)と、前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)側から前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する流入側開閉弁(36a)とが設けられており、
    前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行する制御手段(15)を備え
    前記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の単位時間当りの流入量が徐々に多くなるように前記流入側開閉弁(36a)の開閉駆動を制御する自動二輪車両の制動制御装置。
  2. 記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1流出側開閉弁(36b)を閉じ状態にした後に前記流入側開閉弁(36a)を開き状態にする請求項1に記載の自動二輪車両の制動制御装置。
  3. 自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、
    前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)と、前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)側から前記第1ホイールシリンダ(24)内へのブレーキ液の流入を許可及び規制するために開閉駆動する流入側開閉弁(36a)とが設けられており、
    前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行する制御手段(15)を備え、
    前記制御手段(15)は、前記連通制御の実行時には前記流入側開閉弁(36a)を閉じ状態にし、前記連通制御の完了時には前記第1流出側開閉弁(36b)を閉じ状態にした後に前記流入側開閉弁(36a)を開き状態にする自動二輪車両の制動制御装置。
  4. 自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)及び前記第1の車輪(FW)に制動力を付与可能な独立制動機構(13)をそれぞれ制御する自動二輪車両の制動制御装置(15)であって、
    前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられる一方、
    前記独立制動機構(13)には、運転手による独立用ブレーキ操作手段(22A)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する独立用マスタシリンダ(16f)と、該独立用マスタシリンダ(16f)から独立用上流側ブレーキ液路(25f)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第3ホイールシリンダ(19)と、該第3ホイールシリンダ(19)から流出して独立用下流側ブレーキ液路(26f)内を流動したブレーキ液を貯留するための独立用リザーバ(27f)と、該独立用リザーバ(27f)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)内に吐出する独立用ポンプ(28f)と、前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)側から前記独立用下流側ブレーキ液路(26f)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をすべく開閉駆動する独立用流出側開閉弁(33b,34b)とが設けられており、
    前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)を開閉駆動させることにより該流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)よりもブレーキ液の流動方向における上流側と前記下流側ブレーキ液路(26f,26r)とを連通する連通制御に関して、開閉駆動する前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)の駆動態様が異なる複数の制御パターン(P1,P2)を記憶する記憶手段(41)と、
    前記ブレーキ操作手段(22A,22B)が非操作状態であると判定した場合に、前記記憶手段(41)に記憶された各制御パターン(P1,P2)のうち独立用制御パターン(P1)に基づき前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開閉駆動を制御する独立用連通制御を実行すると共に、前記独立用制御パターン(P1)とは異なる連動用制御パターン(P2)に基づき前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)の開閉駆動を制御する連動用連通制御を実行する制御手段(15)と
    を備えた自動二輪車両の制動制御装置。
  5. 前記独立用制御パターン(P1)は、前記独立用連通制御の実行時において前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開き状態と閉じ状態とが繰り返されるように該独立用流出側開閉弁(33b,34b)を開閉駆動させるパターンである一方、
    前記連動用制御パターン(P2)は、前記連動用連通制御の実行時において前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)を開き状態とする総時間が前記独立用連通制御の実行時において開閉駆動する前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)を開き状態とする総時間よりも長くなるように設定されたパターンである請求項4に記載の自動二輪車両の制動制御装置。
  6. 前記連動用制御パターン(P2)は、該連動用制御パターン(P2)に基づく連動用連通制御の連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)又は第2流出側開閉弁(35b)の開き状態を維持させるパターンである一方、
    前記独立用制御パターン(P1)は、該独立用制御パターン(P1)に基づく独立用連通制御の独立用実行時間(KT1)が前記連動用実行時間(KT2)よりも長くなるように設定されたパターンである請求項5に記載の自動二輪車両の制動制御装置。
  7. 自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)を制御する自動二輪車両の制動制御方法であって、
    前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出を許可又は規制するために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられており、
    前記連動用ブレーキ操作手段(22B)が非操作状態であると判定した場合に、予め設定された連動用実行時間(KT2)の間、前記第1流出側開閉弁(36b)の開き状態を維持させる連通制御を実行するようにした自動二輪車両の制動制御方法。
  8. 自動二輪車両の第1の車輪(FW)及び第2の車輪(RW)に制動力を付与可能な連動制動機構(14)及び前記第1の車輪(FW)に制動力を付与可能な独立制動機構(13)をそれぞれ制御する自動二輪車両の制動制御方法であって、
    前記連動制動機構(14)には、運転手による連動用ブレーキ操作手段(22B)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する連動用マスタシリンダ(16r)と、該連動用マスタシリンダ(16r)から連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第1の車輪(FW)に付与するための第1ホイールシリンダ(24)と、前記連動用マスタシリンダ(16r)から前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第2ホイールシリンダ(23)と、前記各ホイールシリンダ(23,24)から流出して連動用下流側ブレーキ液路(26r)内を流動したブレーキ液を貯留するための連動用リザーバ(27r)と、該連動用リザーバ(27r)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記連動用上流側ブレーキ液路(25r)内に吐出する連動用ポンプ(28r)と、前記第1ホイールシリンダ(24)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第1流出側開閉弁(36b)と、前記第2ホイールシリンダ(23)から前記連動用下流側ブレーキ液路(26r)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をするために開閉駆動する第2流出側開閉弁(35b)とが設けられる一方、
    前記独立制動機構(13)には、運転手による独立用ブレーキ操作手段(22A)の操作に基づきブレーキ液圧を発生する独立用マスタシリンダ(16f)と、該独立用マスタシリンダ(16f)から独立用上流側ブレーキ液路(25f)を介して供給されたブレーキ液のブレーキ液圧に応じた制動力を前記第2の車輪(RW)に付与するための第3ホイールシリンダ(19)と、該第3ホイールシリンダ(19)から流出して独立用下流側ブレーキ液路(26f)内を流動したブレーキ液を貯留するための独立用リザーバ(27f)と、該独立用リザーバ(27f)内に貯留されているブレーキ液を吸引して前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)内に吐出する独立用ポンプ(28f)と、前記独立用上流側ブレーキ液路(25f)から前記独立用下流側ブレーキ液路(26f)内へのブレーキ液の流出の許可及び規制をすべく開閉駆動する独立用流出側開閉弁(33b,34b)とが設けられており、
    前記ブレーキ操作手段(22A,22B)が非操作状態である場合において、
    前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)を開閉駆動させることにより該流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)よりもブレーキ液の流動方向における上流側と前記下流側ブレーキ液路(26f,26r)とを連通する連通制御中に開閉駆動する前記流出側開閉弁(33b,34b,35b,36b)の駆動態様が異なる複数の制御パターン(P1,P2)のうち独立用制御パターン(P1)に基づき前記独立用流出側開閉弁(33b,34b)の開閉駆動を制御する独立用連通制御を実行する独立用ステップ(S20)と、
    前記独立用制御パターン(P1)とは異なる連動用制御パターン(P2)に基づき前記第1流出側開閉弁(36b)又は前記第2流出側開閉弁(35b)の開閉駆動を制御する連動用連通制御を実行する連動用ステップ(S19)と
    を有する自動二輪車両の制動制御方法。
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