JP4907796B2 - レンズプラズマコーティングシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ、あるいはその他の光学レンズ、特にシリコン含有ポリマーから作られたレンズをコーティングするためのシステムに関する。今後、この用語、シリコンポリマーは、固体シリコンポリマー、シリコンエラストマー及びシリコンヒドロゲルを含む眼科の用途に適したシリコン含有ポリマーを示すのに使用される。コンタクトレンズ材料としてのシリコンポリマーの利点が認められている。しかしながら、シリコンポリマーには幾つかの不利点がある。例えば、目の涙膜内である種の材料はレンズに付着し易く、レンズの光学的透明性を低下させる。このシリコンレンズ、特に、シリコンエラストマー又はヒドロゲルレンズは粘着性があり、この特性によりレンズが角膜に付くことがあり、その材料の疎水生がレンズの濡れ性を阻害している。
【0002】
【従来の技術】
これらの問題を解消するには、電気的グロー放電重合を使用して非常に薄い親水性コーティングを入手することが知られている。このコーティングプロセスは、シリコンレンズコアをプラズマ雲に配置するか、その中で該レンズコアを移動させて、材料がそのコアに付着するようにするのが一般的である。種々の材料が使用できるが、メタン等の炭化水素を使用することができる。
【0003】
重合コーティングは、レンズの酸素及び二酸化炭素透過性をそれ程又は全く低下させずに非常に濡れ易い表面を作り出す。この重合コーティングは、又、そうでなければレンズに付く涙膜の材料に対して効果的なバリヤーとなり、それによって発生する可能性がある光学的透明性の劣化を防止する。
【0004】
従来のプラズマ重合レンズコーティング技術は、1個以上のシリコンレンズコアを対向する電極間の反応室内に配置されたバッチ装置を使用する。その後、反応室を密封し、真空装置で減圧する。バッチ装置を動作圧まで吸引するにはかなりの時間を要する。反応室が適切な圧力になったら、プロセスガスを室内に導入し、電極が付勢される。得られたプラズマ雲により薄いポリマーコーティングをレンズに付着させることができる。適当な時間が経過した後、電極の作動を止め、反応室内を大気状態に戻してレンズを取り出すことができる。
【0005】
プラズマ雲の中を通してレンズを動かすことが好ましいと認められている。従って、あるシステムでは、シリコンレンズコアを電極間に配置した回転車に載せて、その車でレンズをプラズマ雲中に搬送する。これらのシステムは、他のバッチシステムと区別するため「連続」システムとして説明されることがある。しかしながら、そのようなシステムの全ては、1以上のグループのシリコンレンズコアを該システムに対して出し入れする際に、繰り返し加圧及び減圧しなければならない反応室を各システムが必要とする点で、本開示の目的のためにはバッチシステムと見なされる。
【0006】
バッチシステムの一実施例がPeymanらに付与された米国特許第4,312,7575号で示されている。「シリコンコンタクトレンズの表面に付着されたメタンのプラズマポリマーの極薄コーティング」Journal of Biomedical Material Research, 22巻、919〜937頁(1988年)において、Peng Ho及びYasudaは、対向アルミニウム電極が配置されたベル状真空室を有するバッチシステムを記載している。回転可能なアルミニウム板はその電極間に置かれ、バッチシステム内で誘導モータで駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の構成及び方法の不具合を認識してそれに対処する。従って、本発明の目的は優れたレンズプラズマコーティングシステムを提供することである。
【0008】
この目的及び他の目的は光学レンズの表面を処理するためのシステムによって達成される。このシステムは第1入口ゲートと第1出口ゲートを有する入口室を備えている。前記第1入口ゲートと前記第1出口ゲートは、前記ゲートを閉鎖するとき前記入口室を密閉する。前記入口室は前記第1入口ゲートと前記第1出口ゲートとの間に延びるコンベヤを有する。第1負圧源は前記入口室と選択的に連通している。コーティング室は、第2入口ゲートと第2出口ゲートを有する。前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートは、それらが閉鎖するとき前記コーティング室を密閉する。前記コーティング室は中に配置された少なくとも1対の離間した電極と、前記電極間で前記レンズを搬送するように前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートとの間に延びるコンベヤを有する。プラズマガス源は、プラズマガスを前記コーティング室に導入するために前記コーティング室と連通する。第2負圧源は前記コーティング室と連通する。電源は、前記第2負圧源によって前記コーティング室内の所定圧力の設定時に前記ガスのプラズマ雲が前記電極間で得られるように、各前記電極に所定電位を印加するために前記電極に接続される。出口室は第3入口ゲート及び第3出口ゲートを有する。前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートは、そのゲートを閉鎖するとき前記出口室を密閉し、前記出口室は前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートとの間に延びるコンベヤを有する。第3負圧源は前記出口室と選択的に連通する。前記入口室は、前記第1出口ゲート及び前記第2入口ゲートを介して前記コーティング室と連通し、それにより前記入口室コンベヤ及び前記コーティング室コンベヤは、前記レンズを前記入口室から前記コーティング室へ送るように連通する。前記コーティング室は、前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートを介して前記出口室に連通しており、それにより前記コーティング室コンベヤと前記出口室コンベヤは、前記コーティング室から前記出口室へ送るように連通している。
【0009】
従って、本発明の一形態は光学レンズの表面を処理するためのシステムであって、前記システムは、
第1入口ゲートと第1出口ゲートを有する入口室であって、前記第1入口ゲートと前記第1出口ゲートは、閉鎖するとき前記入口室を密閉し、前記入口室が前記第1入口ゲートと前記第1出口ゲートとの間に延びるコンベヤを含んでいる、入口室と、
前記入口室と選択的に連通する第1負圧源と、
第2入口ゲートと第2出口ゲートを有するコーティング室であって、前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートは、閉鎖するとき前記コーティング室を密閉し、前記コーティング室は中に配置された少なくとも1対の離間した電極と、前記電極間で前記レンズを搬送するように前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートとの間に延びるコンベヤを有する、コーティング室と、
プラズマガスを前記コーティング室に導入するために前記コーティング室と連通するプラズマガス源と、
前記コーティング室と連通する第2負圧源と、
前記第2負圧源によって前記コーティング室内の所定圧力の設定時に前記ガスのプラズマ雲が前記電極間で得られるように、各前記電極の所定電位を印加するために前記電極と連通する電源と、
第3入口ゲート及び第3出口ゲートを有する出口室であって、前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートは、閉鎖するとき前記出口室を密閉し、前記出口室は前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートとの間に延びるコンベヤを有する、出口室と、
前記出口室と選択的に連通する第3負圧源とを具備し、
前記入口室は、前記第1出口ゲート及び前記第2入口ゲートを介して前記コーティング室と連通し、それにより前記入口室コンベヤ及び前記コーティング室コンベヤは、前記レンズを前記入口室から前記コーティング室へ送るように連通しており、
前記コーティング室は、前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートを介して前記出口室に連通し、それにより前記コーティング室コンベヤと前記出口室コンベヤは、前記コーティング室から前記出口室へ送るように連通する該システムに関連する。
【0010】
本発明に係る光学レンズの表面を処理する方法は、第1光学レンズを用意し、中に配置された1対の離間電極を有するコーティング室を設ける工程を有する。プラズマガスを前記コーティング室に保持する。ガスのプラズマ雲を前記電極間に生成するように、第1所定圧力を前記コーティング室で保持し、所定電位を各前記電極で保持する。入口室を前記コーティングから上流側に設け、前記第1レンズを前記入口室内に移動させる。ガスを前記コーティング室に近接した前記入口室の少なくとも一部に導入し、前記入口室の少なくとも一部を前記第1所定圧力にする。前記入口室を前記コーティング室と連通させ、前記第1レンズを前記入口室から前記コーティング室に、そして前記プラズマ雲を通して移動させる。出口室を前記コーティング室から下流側に設ける。ガスを前記コーティング室に近接した前記出口室の少なくとも一部に導入し、前記出口室の少なくとも一部を前記第1所定圧力にする。前記第1レンズを前記コーティング室から前記出口室へ移動させる。
【0011】
従って、本発明の他の形態は、光学レンズの表面を処理する方法であって、前記方法は、
(A)前記光学レンズを用意する工程と、
(B)中に配置された1対の離間電極を有するコーティング室を設ける工程と、
(C)プラズマガスを前記コーティング室に保持する工程と、
(D)前記ガスのプラズマ雲を前記電極間に生成するように、前記コーティング室の第1所定圧力及び各前記電極の所定電位を保持する工程と、
(E)前記コーティングから上流側に入口室を設ける工程と、
(F)前記第1レンズを前記入口室内に移動させる工程と、
(G)前記ガスを前記コーティング室に近接した前記入口室の少なくとも一部に導入し、前記入口室の少なくとも一部を前記第1所定圧力にする工程と、
(H)前記入口室を前記コーティング室と連通させる工程と、
(I)前記第1レンズを前記入口室から前記コーティング室に、そして前記プラズマ雲を通して移動させる工程と、
(J)出口室を前記コーティング室から下流側に設ける工程と、
(K)前記ガスを前記コーティング室に近接した前記出口室の少なくとも一部に導入し、前記出口室の少なくとも一部を前記第1所定圧力にする工程と、
(L)前記第1レンズを前記コーティング室から前記出口室へ移動させる工程とを有する。
【0012】
この明細書に含まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の1つ以上の実施形態を例示し、その説明と共に本発明の原理を説明する。
【0013】
当業者に対する、本発明の最良の形態を含む完全で使用を可能にする本発明の開示が添付図面を参照する明細書に述べられている。
本明細書及び図面の参照符号の繰り返し使用は本発明の同じあるいは類似構成あるいは要素を示すものである。
【0014】
【発明の実施形態】
ここで、1つ以上の実施例が添付図面で例示される本発明の現在好ましい実施形態を詳細に記載する。各実施例は、本発明を限定しない説明によって行なわれる。実際、本発明の範囲又は趣旨から逸脱せずに本発明で変形と改変が実施されることは、当業者に明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され説明される特徴は、他の実施形態に関して使用して更に他の実施形態を作成することができる。従って、本発明は、特許請求の範囲及びそれらの均等の範囲内に入るような変形と改変をカバーするものである。
【0015】
本発明は、レンズコアがコーティング領域を繰り返し加圧や減圧されることを必要とせずに、システム中に入り、通過し、出ることができる光学的レンズコーティングシステムに関係する。ここでの説明は、メタン含有プラズマ雲を使用して親水性ポリマーコーティングをシリコンレンズコアに付着することが記載されているが、この説明は具体的な目的の場合に過ぎず、他のプラズマ及びレンズ材料が使用できる。例えば、このシステムは、望ましいコーティングをレンズコアに付着される炭化水素かその他の適切な材料から発生したにせよ適切なプラズマを使用することができる。さらに、このプラズマは、レンズコア表面を酸化して親水性層を形成するように酸化ガスから構成することもできる。ここで使用しているように、「コーティング」はそのような層を含む。さらに、このシステムは、コーティングを形成するのに望ましい材料から作られたレンズに関連して使用することができる。従って、ここでのシリコンレンズコアとメタンプラズマの記載は、本発明の範囲あるいは趣旨を限定するものではないことが当業者に分かるはずである。
【0016】
さらに、このシステムは、レンズコアを処理するためにプラズマを発生する適当な装置と方法を使用してもよい。そのような装置と方法は当業者が理解できるはずであり、従って、ここでは詳しく説明しない。そこで、プラズマを発生させるために以下説明される特定の装置は、具体的な目的のためにだけ用意されるものであることを理解されたい。
【0017】
このシステムの説明に入る前に、ここで図1Aを参照すると、レンズコアが、外フレーム12及び垂直中間部材14を有する保持トレー10に配置される。図1Aは典型的な保持トレーを示している。7列のワイヤホルダー16が各隣接垂直部材間に延びている。2つの外カラム18、20では、各列が4個のホルダーを含み、一方、2つの中カラム22、24の各列が3個のホルダーを有している。従って、このトレーは全体で78個のホルダーを有している。
【0018】
図1B及び図1Cを参照する。各ホルダー16には1つの環状ワイヤリム26と、そのワイヤリム26から半径方向内側に延びる5つのワイヤステムがある。レンズコア30は、ステム28上に配置されるように各ホルダーに配置される。ホルダー16は、Winterton及びGrantに付与された米国特許第5,874,127号に更に詳しく説明されている。
【0019】
図1Aを再度参照し、また図2も参照すると、各保持トレー10は、1対のフック32をフレームの対向外垂直部材14に有する。トレーキャリヤ36上の対応フック34は、保持トレー10がトレーキャリヤ36に懸架されるようにフック32を収納する。図2に示された実施形態では、キャリヤ36は4個の保持トレー10、従って392個レンズコア以下を保持することができる。
【0020】
図3をここで参照する。トレーキャリアは直線プラズマコーティングシステム40内に配置される。最初、トレーは、各々約5メートルの長さの5つのサブ室(ここでは「領域」と称する)42A〜42Eから成る乾燥室を移動する。トレーキャリヤは、必要な真空及びコーティング付着ターゲットに合わせるのに約20分間又は十分な所定の時間乾燥室でトータル20分間留まっている。
【0021】
レンズコアが親水性材料を含有できるならば、それらコアは、湿り気があり、そのため、環境から水分を吸収することができる。そのため、乾燥時間を見込むことが望ましい。必要なら、乾燥領域は、一定の相対湿度レベル、例えば、さらに乾燥を可能にするための10%以下に維持し、又、コーティング領域に入る前にレンズコアを配置する乾燥バッファ領域を備える。
【0022】
図2、図4A及び図4Bをも参照すると、各トレーキャリヤは、「金属片(スラグ)」46として画定された長方形スロット44内に収容される。1対のボルトは金属片でキャリヤを固定する。ボア48はトレーキャリヤ下の金属片46を突き出る。乾燥室は、金属片及びキャリヤ(以下、それ以外で示されなければ「キャリヤ」として集約的に参照する)を搬送するためにコンベヤを備えている。このコンベヤは、各々が対向回転歯車52、54間に延びる領域42A〜42Eの個々のコンベヤから構成される。サーボモータ56はコンベヤを駆動させ、パソコンで制御加工であり、主要フレームシステム又は他のプログラム可能な論理回路(ここでは「PLC」と称する)で制御可能である。2個の側面部材はコンベヤのそれぞれの側面に置かれ、ローラー60が各側面部材の間隙62に配置され、トレーが側面部材を通過するときにそのトレーをガイドする。
【0023】
一方の側面部材に取付けた光源64は、もう一方の側面部材に対して光を発し、そこで光が光検出器66で検出される。この光源64及び光検出器66は、光が金属片46のボア48を通して間を通るように整合される。光検出器66はPLCに信号を出力し、そのPLCはサーボモータ56を制御する。従って、光が第一乾燥領域42Aに入ると同時に、光源64と光検出器66間で光ビームを金属片が初めに遮断すると、PLCはキャリヤの存在を検出する。その他のキャリヤ検出システムを光検出器の代わりに利用してもよい。例えば、圧力又はコンタクトマイクロスイッチも使用することができる。ボア48が光源/光検出器対に達すると、光検出器66は再度光ビームを検出し、PLCはサーボモータ56を予めプログラムした適当な時間、例えば4分間停止する。この時間の最終に、PLCが再度モータを動かして、キャリヤを第二乾燥領域42Bに通す。乾燥領域42Bは、側面部材とコンベヤを90度回転してキャリヤを領域42Cに通過することができるように別の機構を領域42Bに備えた以外は領域42Aのように、コンベヤ、モータ及び側面部材を有している。しかしながら、各領域では、光源/光検出器対が領域内のキャリヤの有無を検出するために設けられている。PLCは、キャリヤが次の領域で待機していなければキャリヤを1つの乾燥領域から隣りの乾燥領域に移動させる。
【0024】
領域42Aへの入口は開放していてもよく、あるいは所定のシステムに適切なように、適当なカバーを有することができる。それぞれの導管(ダクト)68は適当なエア処理システム(図示せず)から制御エア又はガスを供給して各乾燥領域に向ける。エア制御システムは、適正に温度制御され加湿エアをその導管に例えば約21.1℃±1.1℃で連続的に送るように独立して制御することができる。
【0025】
図3を再度参照する。キャリヤが十分な時間乾燥領域42Eにあり、キャリヤが入口ロック70内で待機しておらず、また以下更に詳しく説明するように、適切な条件が入口ロック70に存在すれば、PLCはスリットバルブ72を通してキャリヤを入口ロック内に入れる。入口ロックは、乾燥領域のようにコンベヤ50と側面部材58を有する。光源及び光検出器対は、又、キャリヤが入口ロック内にいつ十分に入ったかをPLCが検知するように設けられる。
【0026】
また、図5A及び図5Bを参照する。入口スリットバルブ72は、その内側面の周縁部を区画する密封材料76を有する扉74を備えている。扉74は開閉位置間のリンク機構78で可動なようにヒンジが取付けられている。PLCはリンク機構78を制御する。扉が閉鎖位置にあれば、シール76が入口ロック70内への入口通路80を包囲し、密閉する。
【0027】
入口ロック70の光源及び光検出器対がボア(図2)を介してキャリヤの有無を検出すれば、PLCは入口ロックの両端のスリットバルブを閉じる。入口ロックはステンレス鋼室であり、その室に入口、出口及びセンサーが以下説明するように連通することができる。スリットバルブを除いては入口ロックは閉鎖室である。従って、スリットバルブを閉じると、入口ロックが密閉される。
【0028】
キャリヤが入口ロック内にあり、室が密閉されているとき、PLCはバルブ82とポンプ84を作動させて入口ロックを汲み出し、それにより真空状態を内部に形成する。特に、ポンプにより入口ロック70の内部を大気圧から所定の低圧、例えば1mトール以下までにする。PLCは、入口ロックのハウジングを通して延びる圧力センサー85によって入口ロックの圧力をモニターする。
【0029】
ロックハウジング及び以下説明される入口ホールド、入口バッファ、コーティング、出口バッファ、出口ホールド及び出口ロック室のハウジングは、全てステンレス鋼から製造されることが分かるが、このハウジングは適当な材料で、適当な構造で作ることができる。さらに、5つの乾燥領域及び以下説明する5つの出口領域のハウジングはポリメチルメタクリレート(PMMA)等の固いポリマーから製造してもよいが、鋼又はその他適当な材料から製造してもよい。
【0030】
圧力センサー85から、入口ロック70の内部圧力が予め設定された低い圧力以下であり、予め設定された最小時間、例えば290秒が経過したことがPLCに知らされると、バルブ82が動作しているために、PLCは入口ロック70及び入口ホールド室間のスリットバルブ86を開け、キャリヤが入口ホールド内に入るように入口ロック及び入口ホールド双方でコンベヤを動かす。
【0031】
入口ホールドには垂直側面部材と光源/光検出器対が備えられている。スラグボア48(図2)が光検出器と整合し、それによりキャリヤが完全に入口ホールドにあることをPLCに示すと、PLCはスリットバルブ86とスリットバルブ90を閉じて入口ホールドを密閉する。スリットバルブ90を閉じた後、PLCは、乾燥ガス、例えば窒素のソース(図示せず)に接続されたガスライン94を入口ロック88の内部に開放するバルブ92を動かす。PLCは、圧力センサー84が入口ロックの大気圧を示すまで乾燥ガスが入った入口ロックのガス抜き(vent/ベント)を続ける。
【0032】
このガスは例えば3ppm未満の低水分含有量である点で「乾燥」状態にある。乾燥したガス抜きガスは、レンジコアあるいは室壁による望ましくない水分吸収を防止するために好ましい。好ましい実施形態では、1つの乾燥ガス源がこのガス抜きガスを、ライン94及び入口ロックから下流の他の室用のガス抜きラインへ供給するために使用される。従って、室がここでは「それぞれの」ガス抜き源を有するものとして呼ばれているが、これはガス抜きライン全てが同じ究極のガス抜きガス源で供給できる構造になっていることが分かるはずである。同様に、個々の真空ポンプが図3に示されて、本明細書で説明されているが、多室へのポンプ用ラインが負圧の同一源に連通することができる。
【0033】
バルブ86を開く前に、PLCは、入口ホールド88内部を真空ポンプ100に開放するバルブを作動することによって設定低圧力以下の圧力にする。入口ロック圧力及び入口ホールド圧力が+/−5mトール以下であることを圧力センサー85及び102が示せば、PLCはスリットバルブ86を開けてキャリヤを入口ホールド内へリヤを移動させる。
【0034】
先行する乾燥段階にもかかわらず、レンズコアはなお水分を幾分含有することができる。従って、入口ホールドはバッファ及び乾燥段階の双方として作用する。入口ホールドで真空態を形成する繰り返しポンプ吸引により水蒸気が室壁、延いてはレンズコアから吸引され、それにより乾燥した環境が作られる。乾燥ガスは、この状態を維持するためPLCで作動するバルブ104により室をガス抜きのに使用される。キャリヤが入口ホールドに入り、PLCが室を密閉すると、ポンプ100がトレーキャリヤ、スラグ及びレンズコアから水蒸気を吸引するようにバルブが開いたままになる。
【0035】
スリットバルブ86及び90を閉めたために十分な時間が経過したとPLCが判断すれば、PLCはバルブ98を閉め、マスフローコントローラー108と入口ホールド内部間のバルブ106を開ける。当業者にその構造と動作が分かるこのマスフローコントローラーは、この実施形態では、PLCから独立して制御可能であり、共通ライン110から入口ホールド内にプロセスガスを導入する。
【0036】
入口ホールド88の内部圧力が約所定レベルであることをセンサー102が示したとき、PLCはスリットバルブ90を開け、入口ホールドのコンベヤモータ及び入口バッファ112のコンベヤモータを作動してキャリヤを入口バッファに入れる。また、入口バッファは、垂直側面部材58と、スラグボアが光源と光検出器に整合したときにPLCに判断させる光源.光検出器対とを備え、それによりキャリヤが入口バッファ内に完全にあることを示す。それで、PLCはスリットバルブ90を閉め、入口ホールドが望ましい予め設定した圧力に達するまでバルブ98を通して入口ホールドをポンプ吸引する。その時、上記説明した他の状態になったら、PLCはスリットバルブ86を開け、隣のキャリヤを入口ホールド内に送る。
【0037】
入口バッファは、そうしなければ入口ホールドからコーティング領域に流れる非プロセスガスから下流コーティング領域を隔離するのを助成する。この入口バッファは、又、コーティング領域に入るために待機しているキャリヤ用の待機室として機能する。PLCによって制御され、入口バッファを真空ポンプ116に開放するバルブ114によってプロセス圧力で入口バッファが維持される。PLCは、圧力センサー118で入口バッファの圧力をモニターし、マスフローコントローラー122を介してプロセスガスライン110に接続されたバルブ120によりプロセスガスを入口バッファに導入する。必要であれば、PLCはバルブ124を介して入口バッファを乾燥ガスでガス抜きすることができる。
【0038】
入口バッファから、キャリヤはタンデムコーティング領域126、128を移動する。PLCは、コーティング領域内部を真空ポンプ133及び134にさらす圧力バルブ130及び132により約プロセス圧力にコーティング領域を保持する。PLCは、マスフローコントローラー140及び142を介してプロセスガスライン110に接続されるバルブ136及び138によってプロセスガスをコーティング領域に供給する。この実施形態では1つのバルブ/マスフローコントローラーを各コーティング領域に対して示しているが、そのようなそれぞれの対を各室の前方部分及び後方部分に設けて各部分へのガス流を個々に制御することができることが分かる。必要ならPLCはバルブ144及び146を介して乾燥ガスでコーティング領域をガス抜きすることができる。PLCは圧力センサー148/149及び150/151によりコーティング領域の圧力をモニターする。
【0039】
出口バッファ152は第2コーティング領域の後に続く。入口バッファ及びコーティング領域の場合のように、出口バッファ152はコンベヤと、PLCによって作動できるサーボモータを備えている。出口バッファ152は、又、垂直部材58と光源及び光検出器対を備えている。PLCは、真空ポンプ156に連通するバルブ154によって出口バッファ内のプロセス圧力レベルを維持する。このPLCは圧力センサー158によって出口バッファの圧力をモニターし、ライン110から、マスフローコントローラー160からの出口バッファへのプロセスガス流をバルブ162によって制御する。
【0040】
出口バッファ112と第1コーティング領域126との間、第1コーティング領域126と第2コーティング領域128との間、あるいは第2コーティング領域128と出口バッファとの間にはスリットバルブはない。その代わり、鋼肩部164が幾つか一部横に本システム内に延びて、2つのコーティング領域を通して入口バッファから出口バッファへ延びるチャンネルを作っている。従って、入口バッファ室、コーティング領域及び出口バッファ室は分割された共通の室を構成する。上記のように、PLCは、それぞれのバルブとマスフローコントローラーによる本システムの作動時にはこの共通の室をプロセス圧力に維持し、また室内のプロセスガスを維持する。上記説明された入口ホールドの選択的な加圧と減圧及び以下説明する出口ホールドの選択的な加圧と減圧のために、本システムは、コーティング領域を加圧し、減圧する必要もなく、継続的なトレーキャリヤでレンズコアをコーティングすることができる。
【0041】
例示したコーティング領域126及び128は同様に構成される。従って、説明を簡単にするために、コーティング領域126の構造だけをここで説明する。
【0042】
コーティング領域126は2つのタンデム配置のマグネトロンを備え、各々1対の対向電極166、168を有する。マグネトロンの使用は用途に応じたオプションである。図6Aの概略断面図を参照する。コーティング領域は、そうしなければプラズマ雲がレンズコアへ当たるのに邪魔となる垂直部材58(図4A、図4B)が付いていない。プラズマ雲は、長方形のチタンプレート170及び172を備える電極166及び168が発生させる。各チタンプレートは、4個の2mm〜3mmセラミックボタン178によってそれぞれ磁気装置174及び176から分離される。各チタンプレートは、高さが約50cm、厚さが約0.16cm(1/16インチ)及び長さが約18cmである。
【0043】
各磁気装置174及び176は、例えばステンレス鋼から作られ、冷却水が管180からポンプ注入できる外部金属ボックスを備えることができる。また、図6Bを参照する。各ボックスの内部には中央長方形鋼コア182と周囲の長方形鋼リング184がある。一連の永久磁石186はコア182とリング184の間に延在し、中央コア182が磁気の「S」極及び外部リング184が磁気の「N」極となるように図6Bに示したように、N−Sパターンで配置される。完全一致の反対極も使用できるが、すなわちN/S磁石を全体として逆にしてもよい。各永久磁石は約5.1cm(2インチ)間隙で隣接平行磁石から分離される。チタンプレート170及び172は、トランス194を介してAC電源188により同じ電位に励起される。この磁石の強度を変化させて当業者がプラズマの程度を制御することができる。
【0044】
約7cm〜10cmの距離がチタンプレート172と178を分離する。励起したら、このチタンプレート172及び178は、当技術で分かるように、その間にプラズマ雲を生成する。しかし、このチタンプレートとそれぞれの磁石装置間の2mm〜3mm間隙が小さいために、十分なプラズマがそこでは発生しない。チタンプレート後方の磁石装置により生成する磁界もプラズマ生成を阻害する。これはプレート間に予想でき、安定した、比較的均一なプラズマ雲を生成する。激しく成長する長方形プラズマ領域188は、チタンプレートの各々の前で、直ちに生成されるが、領域188間のプラズマ雲190はプラズマ精度は低いが、均一性が優れている。特に、プラズマ雲は垂直方向で均一性が高い。プラズマ雲190はコンベヤ50上に配置され、従って、レンズコアを移動するのはこの雲による。
【0045】
図3を再度参照する。各電極対166/168はそれ自体の圧力センサー148/149及び真空スロットールバルブ130を有する。上記のように、各電極対はそれ自体のプロセスガススロットールバルブも備えることができる。PLCは、各電極対が配置される領域の圧力を常にモニターし、それに応じてバルブ130及び136を調節して処理圧力条件を保持する。すなわち、1つの実施形態では、その領域へのプロセスガス流速が一定である。しかし、スロットールバルブ130は処理圧力に設定され、そのため、流出速度を制御して所定圧力を保持する。従って、均一プラズマ雲は1つの電極対から隣の電極対までばらつきがない状態にある。更に、各バルブ136からのプロセスガス入口は、一方の電極166又は168の後方に配置され、それでプロセスガスラインからの流れが電極で遮断され、プラズマ雲を乱さない。同じ目的を達成する他のガスの迂回機構も構成可能であるが、電極対を使用することが便利な解決手段である。
【0046】
本発明の一実施形態では、プロセスガスが70%メタン及び30%エア(窒素と酸素の乾燥混合物)である。プロセスガスに酸素を含有させると、コーティング領域が日常的に清掃する必要がないように堆積物が無い反応(プラズマ)室を維持するために非常に有効な手段となることが分かった。連続プラズマ装置では、堆積物がコーティング室内、特に電極上に溜まるのを防止あるいは低減する処理ガスを利用することは非常に有利であることが分かる。
【0047】
上述したように、コーティング領域126、128には垂直部材又は光源/光検出器対がない。その代わり、それぞれのコンベヤが予め設定した速度、例えば5m/秒で連続的に走行するように、PLCが各領域のサーボモータを一定速度で動かす。かくして、キャリヤが入口バッファのコンベヤから領域126のコンベヤ上に動くと、そのキャリヤは2つのコーティング領域の4個のマグネトロンを連続して通過する。
【0048】
PLCは、キャリヤが入口バッファコンベヤからコーティング領域のコンベヤに移動したことを入口バッファの光検出器が示したときに、タイマーを開始し、このタイマーの終了時のみに入口バッファからコーティング領域内に次のキャリヤを送る。1つの好ましい実施形態では、時間の長さが300秒であり、この時間は出口バッファが下流キャリヤを出口ホールド室196に移動させるのに十分な時間となり、それによりキャリヤがコーティング領域に積み上げられないようにする。
【0049】
出口ホールド196は入口ホールドの鏡像(ミラー)である。PLCはバルブ200を通してポンプ198で真空状態にする。PLCは圧力センサー202によって出口ホールド内の圧力をモニターし、バルブ206によるライン110及びマスフローコントローラー204からのプロセスガスの導入を制御する。
【0050】
出口ホールド圧力が略コーティング領域圧力、例えば50ミリトールであることを圧力センサー202が示し、キャリヤが出口バッファ内に存在することを出口バッファ152の光検出器が示すと、PLCは、出口バッファと出口ホールド間のスリットバルブ208を開け、出口ホールド及び出口バッファのコンベヤを動かしてキャリヤを出口ホールドへ移送させる。この移送が完了したことを出口ホールドの光検出器が判断したら、PLCは、出口ホールドの下流端でスリットバルブ208及びスリットバルブ210を閉じる。その後、PLCはバルブ200を絞ってプロセスガスを取り除き、出口ホールドを1ミリトール以下あるいはその他幾つか望ましい真空圧にする。
【0051】
出口ロック室208は出口ホールドから下流側にある。スリットバルブ210を開ける前に、PLCは出口ロックをポンプ吸引して、出口ロック内部に対する真空ポンプ212の使用を制御するスロットールバルブ210で設定低圧以下の圧力にする。圧力センサー202と出口ロックの圧力センサー214から、出口ホールド圧力及び出口ロック圧力が略上記設定低圧力以下であることをPLCが判定したら、PLCはスリットバルブ210を開け、出口ホールド及び出口ロックコンベヤを動かしてキャリヤを出口ロックへ移動させる。この時点で、PLCはスリットバルブ210及びスリットバルブ216を閉じ、出口ロック圧力が周囲レベルに達したことを圧力センサー214が示すまでバルブ218を絞ることによって乾燥ガスで出口ロックをガス抜きする。PLCが、出口ロックの周囲圧力条件と、キャリヤが出口ロック内にあることを検出すれば、PLCはスリットバルブ216を開け、出口ロック及び第1度出口領域220Aのコンベヤを動かしてキャリヤを出口領域に移動させる。出口領域の光検出器が、キャリヤの移送完了を示したら、PLCはスリットバルブ216を閉じ、出口ロック208を設定された低圧にポンプ吸引して戻し、次のキャリヤを受ける。
【0052】
出口領域220A〜220Eの構造は、乾燥領域42A〜42Eの構造と同様である。それらの領域は手動又は自動システムで最終領域220から取り除き、今コーティングされたレンズがホルダー16に出る(図1)。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明に係るレンズコーティングシステム及び方法で使用するためのレンズ保持トレーの斜視図である。
【図1B】図1Aにおける保持トレーの拡大斜視図である。
【図1C】図1Bのライン1C‐1Cに沿った断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るレンズコーティングシステム及び方法で使用するためのレンズトレーキャリヤ及びスラグ(すなわちキャリヤ保持装置)の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムの図である。
【図4A】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムの部分斜視図である。
【図4B】図4Aのライン4B−4Bに沿った断面図である。
【図4C】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムの部分斜視図である。
【図5A】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムの部分斜視図である。
【図5B】図5Aで図示した一つの室とバルブの断面図である。
【図6A】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムの断面図である。
【図6B】本発明の実施形態に係るレンズコーティングシステムのコーティング室で使用するための磁気装置の内部磁気配置の平面図である。
【符号の説明】
40 プラズマコーティングシステム
42A〜42E サブ室(乾燥室)
58 一対の電極
70 入口ホールド(室)
86 スリットバルブ
126 第1コーティング領域(室)
128 第2コーティング領域(室)
196 出口ホールド(室)

Claims (20)

  1. 光学レンズの表面を処理するためのシステムであって、前記システムは、
    第1入口ゲート及び第1出口ゲートを有する入口室であって、前記第1入口ゲート及び前記第1出口ゲートは、閉鎖するとき前記入口室を密閉し、前記入口室は前記第1入口ゲート及び前記第1出口ゲートの間に延びるコンベヤを有する、入口室と、
    前記入口室と選択的に連通する第1負圧源と、
    第2入口ゲート及び第2出口ゲートを有するコーティング室であって、前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートは、閉鎖するとき前記コーティング室を密閉し、前記コーティング室は中に配置された少なくとも1対の離間した電極と、前記電極間で前記レンズを搬送するように前記第2入口ゲート及び前記第2出口ゲートの間に延びるコンベヤとを有する、コーティング室と、
    プラズマガスを前記コーティング室に導入するために前記コーティング室と連通するプラズマガス源と、
    前記コーティング室と連通する第2負圧源と、
    前記第2負圧源によって前記コーティング室内の所定圧力が設定された時に、前記ガスのプラズマ雲が前記電極間で得られるように、各前記電極に所定電位を印加するために前記電極に接続される電源と、
    第3入口ゲート及び第3出口ゲートを有する出口室であって、前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートは、閉鎖するとき前記出口室を密閉し、前記出口室は前記第3入口ゲート及び前記第3出口ゲートの間に延びるコンベヤを有する、出口室と、
    前記出口室と選択的に連通する第3負圧源とを具備し、
    前記入口室は、前記第1出口ゲート及び前記第2入口ゲートを介して前記コーティング室と連通し、それにより前記入口室コンベヤ及び前記コーティング室コンベヤは、前記レンズを前記入口室から前記コーティング室へ送るように連通
    前記コーティング室は、前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートを介して前記出口室に連通し、それにより前記コーティング室コンベヤ及び前記出口室コンベヤは、前記コーティング室から前記出口室へ送るように連通する、システムであって
    前記入口室は、
    入口ロック室と、
    前記入口ロック室から下流にあり、前記第1出口ゲート及び前記第2入口ゲートにより前記コーティング室に連通する入口ホールド室と、
    前記入口ホールド室及び前記入口ロック室の間に配置され、それにより前記入口ロック室及び前記入口ホールド室は、その間のゲートを閉鎖したときに、互いに密閉されるゲートとを具備し、
    前記第1負圧源は前記入口ロック室及び前記入口ホールド室の各々に選択的に連通し、
    前記システムは、前記入口ホールド室内に導入するために前記入口ホールド室と連通する前記プラズマガス源を有することを特徴とする光学レンズの表面を処理するためのシステム。
  2. 前記ガスはプラズマ重合可能なガスであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 内部にガス抜き(ベント)ガスを導入するために前記入口ロック室と連通するガス抜き源を有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
  4. 内部にガス抜きガスを導入するために前記入口ホールド室と連通するガス抜き源を有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
  5. 前記出口室は、
    前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートによって前記コーティング室に連通する出口ホールド室と、
    前記出口ホールド室から下流側の出口ロック室と、
    前記出口ホールド室及び前記出口ロック室が、その間のゲートを閉じたときに互いに密閉されるように、前記出口ロック室及び前記出口ホールド室の間に配置されたゲートとを具備し、
    前記第3負圧源は、前記出口ロック室及び前記出口ホールド室の各々と選択的に連通することと、
    前記システムは、プラズマガスを前記出口ホールド室内に導入するために前記出口ホールド室と連通するプラズマガス源を有することと、を特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 内部にガス抜きガスを導入するために前記出口ロック室と連通するガス抜き源を有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
  7. 内部にガス抜きガスを導入するために前記出口ホールド室と連通するガス抜き源を有することを特徴とする請求項に記載のシステム。
  8. 前記入口室から上流側にあり、前記第1入口ゲートによって前記入口室と連通する乾燥室を備え、前記乾燥室は、前記乾燥室への入口及び前記第1入口ゲートの間に延びるコンベヤと、前記乾燥室と連通し、それにより所定の相対湿度を有するガスを前記乾燥室の内部領域に供給するガス源と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  9. 前記乾燥室は一連のタンデム配置されたサブ室を具備することを特徴とする請求項に記載のシステム。
  10. 前記入口室コンベヤ、前記コーティング室コンベヤ、前記出口室コンベヤ、前記第1負圧源、前記第2負圧源、前記第3負圧源、前記ガス源、前記第1出口ゲート、前記第2入口ゲート、前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートと連動している制御システムであって、
    前記コーティング室内の前記所定圧力を維持するために前記第2負圧源を作動し、
    前記コーティング室内の前記ガスを維持するために前記ガス源を作動し、
    前記入口室が周囲圧力であり、前記第1出口ゲートが閉鎖されると、前記レンズを前記入口室内に移動するために前記入口室コンベヤを作動し、
    その後、前記第1入口ゲートが閉鎖しているとき、前記第1出口ゲートに隣接した前記入口室内の領域を前記所定圧力にするために前記第1負圧源を作動し、
    その後、前記第1出口ゲート及び前記第2入口ゲートを開き、前記入口室コンベヤ及び前記コーティング室コンベヤを作動させて前記レンズを前記入口室から前記コーティング室内及び前記電極間に移動させ、
    前記第3入口ゲートに隣接した前記出口室内の領域を前記所定圧力にするために前記第3負圧源を作動し、
    その後、前記第2出口ゲート及び前記第3入口ゲートを開き、前記コーティング室コンベヤ及び前記出口室コンベヤを作動させて前記レンズを前記コーティング室から前記出口室に移動させ、
    その後、前記第3入口ゲートを閉鎖するように構成された制御システム、を具備することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 前記コーティング室内にタンデム配置の前記離間した複数対の電極を具備することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  12. 前記ガスを、前記コーティング室内に導入するためにそれぞれの前記プラズマガス源を有することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  13. 記コーティング室と連通するそれぞれ前記第2負圧源を具備することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  14. 前記離間した電極から上流側の入口バッファ領域と、前記離間した電極から下流側の出口バッファ領域と、を具備することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  15. 光学レンズの表面を処理する方法であって、前記方法は、
    (A)前記光学レンズを用意する工程と、
    (B)中に配置された1対の離間電極を有するコーティング室を設ける工程と、
    (C)プラズマガスを前記コーティング室に保持する工程と、
    (D)前記ガスのプラズマ雲を前記電極間に生成するように、前記コーティング室の第1所定圧力及び各前記電極の所定電位を保持する工程と、
    (E)前記コーティングから上流側に入口室を設ける工程であって、入口ロック室及び入口ホールド室を有する入口室を設け、前記入口ホールド室は前記コーティング室と連通し、前記入口ロック室は前記入口ホールド室から上流側にあり、該入口ホールド室と連通する、工程と、
    (F)前記第1レンズを前記入口ロック室内に移動させる工程と、
    (M)前記入口ロック室及び前記入口ホールド室を第2所定圧力にする工程と、
    (N)前記入口ロック室を前記入口ホールド室と連通させ、前記レンズを前記入口ロック室から前記入口ホールド室に移動させる工程と、
    (O)前記入口ホールド室を前記入口ロック室から密閉する工程と、
    (G)前記ガスを前記入口ホールド室内に導入し、前記入口ホールド室を前記第1所定圧力にする工程と、
    (H)前記入口ホールド室を前記コーティング室と連通させる工程と、
    (I)前記第1レンズを前記入口ホールド室から前記コーティング室へ、そして前記プラズマ雲を通して移動させる工程と、
    (J)出口室を前記コーティング室から下流側に設ける工程と、
    (K)前記ガスを前記コーティング室に隣接した前記出口室の少なくとも一部に導入し、前記出口室の少なくとも一部を前記第1所定圧力にする工程と、
    (L)前記第1レンズを前記コーティング室から前記出口室へ移動させる工程と、
    含むことを特徴とする光学レンズの表面を処理する方法。
  16. 前記ガスはプラズマ重合可能なガスであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1レンズを前記入口室から前記コーティング室へ、そして前記プラズマ雲を通して移動させる工程(I)に続いて、前記入口室を前記コーティング室から密閉し、前記入口室の少なくとも一部を周囲圧力にし、前記第2レンズを前記入口室内に入れ、その後、前記第2レンズに対して工程(G)ないし(L)を実施することを有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記第1所定圧力及び前記第2所定圧力が等しくないことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  19. 工程(J)は、出口ホールド室及び出口ロック室を有する前記出口室を設け、前記出口ホールド室は前記コーティング室と連通し、前記出口ロック室は前記出口ホールド室から下流側にあり、該出口ホールド室と連通する工程を有し、
    工程(K)は、前記ガスを前記出口ホールド室内に導入し、前記出口ホールド室を前記第1所定圧力にする工程を有し、
    工程(L)は、前記出口ホールド室を前記コーティング室と連通させ、前記第1レンズを前記出口ホールド室内に移動させる工程を有し、
    工程(L)に続いて、
    (M)前記ガスを前記出口ホールド室から排出する工程と、
    (N)前記出口ロック室を前記出口ホールド室の圧力に等しい圧力にする工程と、
    (O)前記出口ホールド室を前記出口ロック室と連通させ、前記レンズを前記出口ホールド室から前記出口ロック室内に移動させる工程と、
    (P)前記出口ロック室を前記出口ホールド室から密閉する工程と、を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  20. 工程(L)において前記第1レンズを前記出口室内に移動させ、前記第2レンズを前記入口室内に移動させる工程に続いて、前記出口室を前記コーティング室から密閉し、前記第1レンズが配置される前記出口室の一部を周囲圧力にし、前記コーティング室を前記入口室にまで開き、前記第2レンズを前記コーティング室内に送り込む工程を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
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