JP4906668B2 - 高速撮影装置、高速撮影装置の制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

高速撮影装置、高速撮影装置の制御方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、高速撮影装置、高速撮影装置の制御方法及びコンピュータプログラムに係り、さらに詳しくは、高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、その動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示するための高速撮影装置の改良に関する。
高速撮影装置は、被写体を高速に撮影することができる装置であり、例えば60〜32000fps(frame per second)という撮影フレームレートで被写体を撮影することができる。一般に、撮影フレームレートが表示フレームレートよりも高くなると、撮影画像をそのままリアルタイムで表示させることはできない。このため、この種の高速撮影装置では、撮影した被写体を表示する方法として、スロー再生やライブ観察という方法が採用されている。
スロー再生は、撮影画像を録画情報として記憶装置に一旦格納した後に、当該撮影画像を表示フレームレートで表示させて観察する方法であり、実際の動きよりも遅いスピードで再生する録画再生方法である。スロー再生の場合、撮影画像の全てを漏らさず観察することができるが、被写体をリアルタイムで観察することができない。また、撮影フレームレートが高くなれば、撮影時間に比べて再生時間が極端に長くなり、目的とする撮影画像を見つけ出すことが難しくなる。
一方、ライブ観察は、撮影画像を間引いて表示フレームレートで表示させる方法である。ライブ観察の場合、被写体をリアルタイムで観察することができるが、ディスプレイ上に表示される被写体の撮影画像は、飛び飛びの動作状態のものであり、詳しく観察することは難しい。
このような高速撮影装置では、撮影条件の調整が容易ではないという問題があった。被写体が静止している他の撮影装置では、撮影画面を確認しながら、ピント、露出、フレームレートなどの調整が行われるが、高速撮影装置の場合、スロー再生、ライブ観察のいずれを利用したとしても、このような撮影条件の調整は容易ではない。すなわち、撮影条件の調整時にスロー再生を利用するとすれば、撮影条件の調整と、スロー再生による確認とを交互に繰り返さなければならず、調整作業は繁雑なものとなり、時間がかかる。一方、ライブ観察を利用するとすれば、調整と観察を同時に行うことができるが、ディスプレイ上には、高速動作する被写体の飛び飛びの撮影画像が次々に表示されており、撮影条件の調整を行うことが難しいという問題があった。
そこで、高速撮影装置における撮影条件の調整を容易化する方法として、次のような方法が考えられる。第1の方法として、被写体を静止させて撮影条件の調整を行うことが考えられる。しかしながら、例えば、製造ラインを監視する高速撮影装置であれば、その撮影条件を調整するためだけに製造ラインを停止させることはできない。このため、被写体が高速動作している状態で撮影条件を調整しなければならない。
第2の方法として、撮影フレームレートを被写体の動作周期に一致させたシンクロ撮影を行うことにより、被写体を擬似的に静止させた撮影画像を取得し、撮影条件の調整を行うことが考えられる。しかしながら、この種の高速撮影装置は、高速撮影を目的とし、シンクロ撮影を目的とするものではないため、撮影フレームレートを細かく調整することができず、被写体の動作周期に応じたシンクロ撮影を行うことはできなかった。例えば、ユーザが選択できる撮影フレームレートは、60,125,250,500,1000,2000,4000,8000,16000,32000fpsというような離散的な値であり、その選択肢も少ないことから、例えば、32Hzで回転するファンの動きに同期させて撮影し、ピント合わせを行うということはできなかった。
第3の方法として、ストロボスコープ(例えば、特許文献1及び2)を利用することが考えられる。ストロボスコープは、被写体を照らすストロボ照明器を周期的に発光させる装置であり、被写体が回転、振動などの周期的動作を繰り返している場合に、ストロボ照明器の発光周期を被写体の動作周期と一致させることによって、シンクロ撮影を可能にする装置である。つまり、発光時と非発光時の露出差を利用して、ストロボ照明器の発光時の状態で被写体を擬似的に静止させ、被写体の動作周期に同期したシンクロ画像を撮影可能にしている。しかしながら、ストロボスコープを用いてシンクロ撮影を行う場合、カメラの露出条件としてストロボ照明器を必要としていない場合であっても、ストロボ照明器を使用しなければならず、撮像装置を小型化することが困難になるという問題があった。
特開平6−160171号公報 特開2003−84208号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、周期的な高速動作を行っている被写体の動きに同期して撮影されたシンクロ画像をリアルタイムで表示することができる高速撮影装置を提供することを目的とする。また、この様なリアルタイム表示のための調整が容易な高速撮影装置を提供することを目的とする。さらに、高速録画の録画条件を容易に指定することができる高速撮影装置を提供することを目的とする。
第1の本発明による高速撮影装置は、視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置であって、上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期を指定するためのシンクロ周期調整手段と、複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像手段と、表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備えて構成される。そして、上記シンクロ周期調整手段は、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さなステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示するように構成される。なお、上記整数には1も含まれ、上記高速撮影装置は、撮影周期をシンクロ周期に一致させる構成であってもよい。
この様な構成により、シンクロ周期ごとに撮影された被写体が表示手段によってリアルタイムで表示され、シンクロ周期を変更すれば、当該変更が上記表示に直ちに反映される。このため、このようなリアルタイムでの表示を見ながらシンクロ周期を調整すれば、調整作業の作業性を向上させることができる。しかも、シンクロ周期の調整範囲を視認最小周期未満を含まない範囲に制限する一方、シンクロ周期のステップ幅を視認最小周期よりも小さくしてシンクロ周期を細かく調整できるようにしている。このため、被写体の動作周期の整数倍となるようにシンクロ周期を容易かつ迅速に調整することができる。
第2の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記視認最小周期が1/120秒であることを特徴とする。
第3の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記撮影周期の最小値が上記視認最小周期よりも小さいことを特徴とする。上述した第1又は第2の本発明による高速撮影装置の構成は、撮影手段による撮影周期が視認最小周期よりも短い場合に特に好適である。
第4の本発明による高速撮影装置は、視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置であって、上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期を指定するためのシンクロ周期調整手段と、複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像手段と、変更可能な表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備えて構成される。そして、上記表示周期の最小値は、上記撮影周期の最小値よりも大きく、上記シンクロ周期調整手段は、上記表示周期の最小値未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記表示周期の最小値よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示するように構成される。
この様な構成により、シンクロ周期ごとに撮影された被写体が表示手段によってリアルタイムで表示され、シンクロ周期を変更すれば、当該変更が上記表示に直ちに反映される。このため、表示手段による表示を見ながらシンクロ周期を調整すれば、調整作業の作業性を向上させることができる。しかも、シンクロ周期の調整範囲を表示周期の最小値未満を含まない範囲に制限する一方、シンクロ周期のステップ幅を表示周期の最小値よりも小さくしてシンクロ周期を細かく調整できるようにしている。このため、被写体の動作周期の整数倍となるようにシンクロ周期を容易かつ迅速に調整することができる。
第5の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記表示周期を上記シンクロ周期に一致させて構成される。シンクロ周期に応じて表示周期を変動させ、シンクロ周期と表示周期とを一致させれば、シンクロ周期の撮影画像を表示周期に変換して表示する必要がなく、表示処理が容易となる。
第6の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記固体撮像素子が、上記画素を2次元配列することにより構成されることを特徴とする。
第7の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記シンクロ周期の調整範囲は、動画像として認識可能な上記表示手段による表示切り替えの最大周期以下であることを特徴とする。
第8の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記シンクロ周期の最大値が、1秒であることを特徴とする。
第9の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記撮影手段によって生成された撮影画像を間引くことにより、上記撮影周期ごとの撮影画像から上記シンクロ周期ごとの撮影画像を抽出する間引き処理手段を備えて構成される。
第10の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記表示手段が、上記間引き処理手段によって抽出された上記シンクロ周期ごとの撮影画像のうち、最新の撮影画像を表示するように構成される。この様な構成により、シンクロ周期ごとの撮影画像を表示周期ごとに切り換え表示する場合に、リアルタイム性に優れた表示を行うことができる。
第11の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、上記撮像手段の露光時間を調整する露光時間調整手段を備え、上記露光時間調整手段は、上記シンクロ周期が変更された場合であっても、上記露光時間を一定に保持するように構成される。この様な構成により、シンクロ周期に応じて撮影画像の明るさが変化するのを防止することができ、調整作業がさらに容易となる。
第12の本発明による高速撮影装置は、上記構成に加えて、被写体を照明するための照明手段として、直流点灯の照明手段のみを備えて構成される。
第13の本発明による高速撮影装置は、視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置であって、上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整手段と、複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、一定の撮影周期で上記被写体を撮影する撮像手段と、上記撮影手段によって生成された撮影画像を間引くことにより、上記撮影周期ごとの撮影画像から上記シンクロ周期ごとの撮影画像を抽出する間引き処理手段と、表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記間引き処理手段によって抽出された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備えて構成される。そして、上記シンクロ周期調整手段は、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示するように構成される。この様な構成により、撮影周期を変化させることなく、シンクロ周期ごとの撮影画像を表示周期ごとにリアルタイムで表示させることができる。
第14の本発明による高速撮影装置の制御方法は、視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置の制御方法であって、上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整ステップと、複数の画素で構成される固体撮像素子からなる撮影手段を用いて、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像ステップと、表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示ステップとを備え、上記シンクロ周期調整ステップでは、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整することができ、上記シンクロ周期調整ステップにより上記シンクロ周期が変更された場合に、上記撮影ステップにより、変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示ステップにより、変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示するように構成される。
第15の本発明によるコンピュータプログラムは、視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整ステップと、複数の画素で構成される固体撮像素子からなる撮影手段を用いて、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像ステップと、表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示ステップとを実行し、上記シンクロ周期調整ステップでは、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整することができ、上記シンクロ周期調整ステップにより上記シンクロ周期が変更された場合に、上記撮影ステップにより、変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示ステップにより、変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とする。
本発明による高速撮影装置は、シンクロ周期ごとに撮影された被写体が表示手段によってリアルタイムで表示され、シンクロ周期を変更すれば、当該変更が上記表示に直ちに反映される。このため、このようなリアルタイムでの表示を見ながらシンクロ周期を調整することによって、シンクロ周期を被写体の動作周期の整数倍と容易に一致させることができる。
このようにして、シンクロ周期を被写体の動作周期の整数倍と一致させれば、高速動作中の被写体を撮影しながら、停止している被写体を撮影した場合と同様の撮影画像を表示させることができる。しかも、リアルタイムで表示させることができるため、高速録画前に明るさ調整やピント調整などを行う際、被写体のリアルタイム表示を見ながら調整することができ、高速録画前に適切な録画条件を容易に指定することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による高速撮影装置の一構成例を示した図である。この高速撮影装置1は、被写体TGを撮影するためのカメラ11と、カメラ11を制御する撮影制御装置10によって構成される。撮影制御装置10は、ユーザが操作入力を行うための操作部13と、カメラ11から出力される撮影画像を表示するための表示部14とを備えている。
カメラ11は、15〜32000fps(frame per second)のフレームレートで撮影を行うことができる高速撮像手段である。カメラ11は、撮像素子として2次元配列画素からなるCCD、CMOSイメージセンサなどを内蔵し、当該撮像素子から読み出された撮影画像は撮影制御装置10へ出力される。また、上記撮像素子の露光時間、撮影タイミング、撮影フレームレートなどは、撮影制御装置10によって制御されている。上記カメラ11は、ズーム機構やピント調整機構も備えており、ズーム調整やピント調整は、レンズ鏡筒を回転させるユーザのマニュアル操作によって行われる。
照明装置12は、被写体TGを照明する照明手段であり、被写体TGの明るさが不足している場合に使用される。この照明装置12は、直流点灯を行う照明器具、すなわち、一定の明るさで連続点灯し、高速撮影に影響を与えない照明器具であり、シンクロ撮影のためのストロボスコープとは異なる。
撮影制御装置10は、操作部13に対するユーザ操作に基づいて、カメラ11の露光時間、撮影タイミング、撮影フレームレートなどの撮影条件を決定し、カメラ11へ制御信号を出力する。なお、ユーザによる撮影制御装置10への種々の操作入力は、操作部13に加えて、あるいは、操作部13に代えて、撮影制御装置10に接続されたキーボードやマウスなどの外部入力装置を用いることもできる。
また、撮影制御装置10は、カメラ11から出力された撮影画像を表示部14に表示させることができる。表示部14の表示フレームレートは、1〜60fpsの調整範囲内で変更することができる。上記調整範囲の最小値(1fps)は、表示部14に表示された撮影画像をユーザが動画像として認識することができる表示フレームレートの下限値である。一方、上記調整範囲の最大値(60fps)は、表示部14における表示の切り換えをユーザが認識できる表示フレームレートの上限値である。本実施例において上限値として採用している60fpsは、一般的な動体視力を有するユーザが認識できる表示切り替え速度から設定されている。もちろん動体視力には個人差があるため、上述した上限値としては、動体視力のばらつきの範囲である30〜120fpsの間であれば、どの値であっても採用できることは言うまでもない。一般的なTVや液晶モニタの表示周期が、30〜120fpsを採用しているのは、上述したようにユーザが肉眼で認識できる表示切り替え速度の上限値が、この範囲にほぼ存在するからである。このことから本実施例における視認最小周期とは、上述した表示フレームレートの調整範囲の上限値の逆数を意味し、その値は1/120秒〜1/30秒の間に収まる値であるが、以下では、その基本値である1/60秒として説明する。
被写体TGは、その形状を明瞭に視認することができないような高速動作を周期的に行っている動体である。例えば、回転運動や往復運動を周期的に繰り返す動体が被写体TGの典型例である。また、多数の物品が等間隔に整列した状態のままで整列方向に高速移動するような物品群、例えば、製造ライン上を搬送される半製品の集合体も、カメラ11から見れば、周期的な運動を行っている動体と同様であり、上記被写体TGに含まれる。ここでは、被写体TGが動作周期Tcycで回転運動しているものとして説明する。
高速撮影装置1は、撮影画像の表示方法として、スロー再生、ライブ観察及びシンクロ観察の3つの方法があり、ユーザが選択した表示方法により、カメラ11の撮影画像を表示部14に表示することができる。これらの各表示方法について以下に説明する。
<スロー再生>
図2は、高速撮影装置1による画像表示方法の一例について説明するための模式図であり、スロー再生時の様子が、横方向を時間軸にとって示されている。図2の(a)には、カメラ11から順に出力される撮影画像が時系列で示されている。カメラ11は、撮影周期Tshotで被写体TGの撮影を繰り返し、撮影周期Tshotごとにフレーム画像を出力する。撮影制御装置10は、これらのフレーム画像を順に録画していく。撮影周期Tshotは、ユーザによって指定され、最大32000fpsの高速録画を行うことができる。また、録画開始のトリガー条件もユーザによって指定される。なお、図中の各フレーム画像には、その撮影順に相当するフレーム番号を付し、相互の対応関係を示している。
図2の(b)には、表示部14に表示されるフレーム画像が時系列で示されている。録画終了後にユーザが再生操作を行うと、録画されたフレーム画像が、撮影された時系列順に表示部14に表示される。これらのフレーム画像は、表示周期Tdispごとに切り替えて表示部14に表示される。撮影周期Tshotは表示周期Tdispよりも十分に短く、撮影画像は、被写体TGの実際の速度よりも遅い動画像として再生表示される。つまり、スロー再生が行われている。また、再生を開始するフレームや再生を終了するフレームはユーザが指定することができ、高速録画により取得された大量のフレーム画像の中から再生するフレーム範囲を指定することができる。
<ライブ観察>
図3は、高速撮影装置1による画像表示方法の一例について説明するための模式図であり、ライブ観察時の様子が、横方向を時間軸にとって示されている。図3の(a)には、図2の(a)と同様にして、撮影周期Tshotで撮影されたフレーム画像が、カメラ11から順に出力される様子が時系列で示されている。
図3の(b)には、ライブ観察時に表示部14に表示されるフレーム画像が時系列で示されている。表示部14に表示されるフレーム画像が、表示周期Tdispごとに切り替えられる点はスロー再生表示と同様であるが、撮影及び表示が並行して行われており、被写体TGの様子がリアルタイムで表示部14に表示される点で、スロー再生表示とは異なっている。すなわち、ライブ観察時に表示部14に表示されるフレーム画像は、その直前にカメラ11が撮影した最新のフレーム画像になっており、表示部14に順に表示されるフレーム画像は、カメラ11により撮影された連続するフレーム画像になっていない。
なお、本明細書におけるリアルタイムでの表示とは、撮影から表示までの時間遅れをユーザが意識することなく利用できる動作を意味する。例えば、表示周期Tdispの数倍以下、望ましくは、表示周期Tdisp以下の時間遅れしか生じさせずに被写体TGを表示させれば、リアルタイムでの表示ということができる。一方、数秒以上の時間遅れが生じるような動作は、ここでいうリアルタイム表示には含まれないものとする。
<シンクロ観察>
図4は、高速撮影装置1による画像表示方法の一例について説明するための模式図であり、シンクロ観察時の様子が、横方向を時間軸にとって示されている。図4の(a)には、カメラ11から順に出力されるフレーム画像が時系列で示され、図4の(b)には、(a)のフレーム画像を間引いて得られるシンクロ画像が示され、図4の(c)には、表示部14に表示されるフレーム画像が時系列で示されている。
シンクロ観察では、シンクロ周期Tsyncがユーザによって指定され、このシンクロ周期Tsyncの1/Nとなるように撮影周期Tshotが自動調整される。上記Nは正の整数であり、N=1であってもよく、図3ではN=4の場合が例示されている。カメラ11から撮影周期Tshotで出力されるフレーム画像は、Nフレームのうち(N−1)フレームが間引かれ、シンクロ周期Tsyncのシンクロ画像が抽出される。表示部14は、常に最新のシンクロ画像が表示されるように、表示周期Tdispごとに表示するフレーム画像を切り替えている。
ライブ観察の場合と同様、シンクロ観察時に表示部14に表示されるフレーム画像は、最新のフレーム画像であり、被写体TGの動作状態をリアルタイムで表示している。このため、ユーザがシンクロ周期Tsyncを調整すれば、その調整結果が表示部14の表示に直ちに反映される。従って、動画像として表示されている撮影画像を容易に静止させることができる。この様にして、シンクロ周期Tsyncを調整すれば、シンクロ周期Tsyncを被写体TGの動作周期Tcyc×M(Mは1以上の整数)に一致させ、高速動作を繰り返している被写体TGを擬似的に静止させて表示部14に表示させることができる。
このようなシンクロ観察を実現するためには、ユーザがシンクロ周期Tsyncを調整する場合のステップ幅△Tsyncが十分に小さくなければならない。このステップ幅△Tsyncは、表示周期Tdispの最小値である16.7ms(60fps)よりも小さい値として予め定められている。なお、実現可能なステップ幅の最小値は、カメラ11の撮像素子からのデータ読出時間などにより制限される。一般に、撮影周期Tshotのステップ幅の最小値は、1画素の読出時間以上であるため、シンクロ周期のステップ幅△Tsyncの最小値も1画素の読出時間のN倍以上となる。例えば、撮影周期Tshotのステップ幅の最小値が、撮像素子の1ライン分のデータ読出時間によって制限を受ける場合であれば、シンクロ周期のステップ幅△Tsyncの最小値は、撮像素子の1ライン分のデータ読出時間のN倍以上となる。
また、シンクロ周期Tsyncの調整範囲は、表示周期Tdispの最小値である16.7ms(60fps)未満を含まず、かつ、表示周期Tdispの最大値である1000ms(1fps)を超える値を含まない範囲となるように予め定められている。シンクロ周期Tsyncが表示周期Tdispの最小値を下回れば、表示部14に表示されないシンクロ画像が増えるだけであり、また、シンクロ周期Tsyncが表示周期Tdispの最大値を上回れば、動画像として認識でない程度の表示しか行うことができないからである。
つまり、シンクロ周期Tsyncを調整することができる調整範囲をいたずらに広げることなく、撮影画像がリアルタイムで表示できる範囲(つまり、表示周期Tdispの調整範囲)内に限定する一方、調整できるステップ幅△Tsyncを十分に細かくし、微調整を可能にしている。このため、シンクロ周期Tsyncを被写体TGの動作周期Tcycの整数倍に一致させる調整作業が容易となる。
<撮影制御装置10の構成>
図5は、図1の撮影制御装置10について内部構成の一例を示したブロック図である。この撮影制御装置10は、録画再生部20、ライブ処理部21、シンクロ周期調整部22、撮影周期指定部23及び表示周期指定部24によって構成される。
録画再生部20は、カメラ11による撮影画像を録画再生するための手段であり、スロー再生を行うために使用される。すなわち、カメラ11から撮影周期Tshotごとに入力されるフレーム画像を録画し、録画されたフレーム画像を表示周期Tdispごとに順に再生して表示部14へ出力する。
この録画再生部20は、画像書込部201、トリガー処理部202、画像記憶部203及び画像読出部204からなる。画像書込部201は、カメラ11から入力されるフレーム画像を撮影周期Tshotごとに画像記憶部203へ書き込む。画像書込部201が書き込みを開始するタイミングは、トリガー処理部202によって与えられる。トリガー処理部202は、カメラ11からのフレーム画像に基づいて、あるいは、外部又は操作部13からのトリガー入力に基づいて、フレーム画像の書き込みを開始する。画像記憶部203は、多数のフレーム画像を保持することができるデータ記憶装置であり、その記憶容量を超えるフレーム画像が書き込まれた場合には最も古いフレーム画像から順に上書きしていくリングバッファであることがことが望ましい。画像読出部204は、画像記憶部203から表示周期Tdispごとにフレーム画像を読み出して表示部14へ出力する手段である。再生する範囲、すなわち、再生の開始フレームや終了フレームはユーザが指定でき、指定された範囲内において、フレーム画像を録画順に再生表示させることができる。
ライブ処理部21は、被写体TGをリアルタイムで表示部14に表示するための手段であり、ライブ観察やシンクロ観察を行う際に使用される。ライブ処理部21は、カメラ11から撮影周期Tshotごとに入力されるフレーム画像に対しフレームの間引き行って、表示周期Tdispごとのフレーム画像に変換し、リアルタイムで表示部14へ出力する。
このライブ処理部21は、間引き処理部211及びデータ出力部212からなる。間引き処理部211は、カメラ11から入力されるフレーム画像について、予め定められた割合でフレームを間引いて、フレームレートを低減させる。例えば、図4の(b)に示したシンクロ画像は、カメラ11からのフレーム画像を1/4に間引き処理して得られるフレーム画像である。なお、撮影周期Tshotをシンクロ周期Tsyncと一致させるシンクロ観察の場合には間引き処理は不要である。データ出力部212は、間引き処理後の最新のフレーム画像を表示周期Tdispごとに表示部14へ出力する。表示周期Tdisp内に、間引き処理部211から新たなフレーム画像が入力されなかった場合には、前回と同じフレーム画像を出力する。また、表示周期Tdisp内に、間引き処理部211から2以上の新たなフレーム画像が入力された場合には、最も新しいフレーム画像を出力する。
シンクロ周期調整部22は、操作部13のユーザ操作に基づいて、シンクロ周期Tsyncを指定するための手段である。シンクロ周期Tsyncを調整することができる調整範囲は、表示周期Tdispの最小値未満の値と、表示周期Tdispの最大値を超える値とを含まない範囲として予め与えられている。例えば、表示周期Tdispの最小値から最大値までの範囲をシンクロ周期Tsyncの調整範囲とすることができる。また、シンクロ周期Tsyncを変化させることができるステップ幅△Tsyncは、表示周期Tdispの最小値よりも小さい値であり、ユーザはシンクロ周期Tsyncの微調整を行うことができる。
撮影周期指定部23は、撮影周期Tshotを指定するための手段であり、録画時やライブ観察時には、操作部13のユーザ操作に基づいて撮影周期Tshotが指定され、シンクロ観察時には、シンクロ周期Tsyncに基づいて撮影周期Tshotが自動的に指定される。シンクロ観察時の撮影周期Tshotは、フレームの間引き処理後にシンクロ周期Tsyncとなる周期、つまり、Tsync/Nとして求められる。
なお、カメラ11は、シンクロ観察時に、撮影周期Tshotにかかわらず、撮像素子の露光時間が一定となるように維持している。すなわち、撮像素子の露光時間は、撮影周期Tshotが最も短い場合でも確保できる時間とされ、シンクロ周期Tsyncを変動させても、表示部14に表示される撮影画像の明るさは変動しない。
表示周期指定部24は、操作部13のユーザ操作に基づいて、表示周期Tdispを指定するための手段である。指定された表示周期Tdispは、録画再生部20内の画像読出部204、ライブ処理部21内のデータ出力部212及び表示部14へ出力される。
図6は、図5のシンクロ周期調整部22の一例を示した図である。このシンクロ周期調整部22は、撮影制御装置10の表示部14にシンクロ周期調整用のウィンドウ25として表示される。このウィンドウ内には、シンクロ周期Tsyncを変更するためのスライドハンドル250と、アップ/ダウンボタン251,252が設けられている。スライドハンドル250は、マウスを用いて移動させることができるので、シンクロ周期Tsyncを大まかに指定することができる。一方、アップ/ダウンボタン251,252は、マウスを用いてクリックすることができ、ステップ幅△Tsyncごとに変化させ、シンクロ周期Tsyncを微調整することができる。
図7のステップS101〜S108は、高速撮影装置1を用いて、新たな被写体TGの高速撮影及びスロー再生を行う場合の手順の一例を示したフローチャートである。まず、撮影制御装置10の表示方法としてライブ観察がユーザによって選択され(ステップS101)、カメラ11及び照明装置12のセッティングが行われる(ステップS102)。このセッティングは、高速動作中の被写体TGに向けてカメラ11及び照明装置12を設置する作業であり、ユーザは表示部14を見ながら行う。ライブ観察の場合、被写体TGがリアルタイムで表示されるため、カメラ11や照明装置12をスムーズに設置することができる。なお、図3に示した通り、ライブ観察では被写体TGの不連続な状態が次々に表示されることになるが、上記セッティング作業には支障がない。
次に、撮影制御装置10の表示方法が、ライブ観察からシンクロ観察に切り替えられる(ステップS103)。シンクロ観察へ切り替えた後は、ユーザがシンクロ周期Tsyncを調整して、表示部14に表示されている被写体TGを静止させる。この状態において、被写体TGの明るさ調整や、カメラ11のピント調整が行われる(ステップS104,S105)。被写体TGの明るさ調整は、照明装置12の光量や向きを調整することによって行われる。また、ピント調整は、カメラ11のピント機構をユーザが操作することによって行われる。シンクロ観察時には、擬似的に静止させた被写体TGの画像が表示部14に表示されているため、明るさやピントなどの撮影状態を詳細かつ容易に確認することができる。しかも、リアルタイムで表示されているため、明るさやピントを変化させれば、その影響が表示部14上の画像にただちに反映される。従って、被写体TGを停止させることなく、明るさやピントの調整を容易かつ迅速に行うことができる。
明るさやピントの調整が終わると、高速録画時における録画条件の設定が行われる(ステップS106)。例えば、録画時のフレームレート、録画時間(録画フレーム数)、トリガータイミングなどが録画条件として、ユーザによって指定される。このような録画条件の設定は、撮影制御装置10の表示方法をライブ観察に切り替えて行ってもよい。
録画条件を設定する場合、被写体TGのおおよその動作速度がわからなければ、適切なフレームレートを指定することは難しい。しかしながら、ここでは先にシンクロ観察を行っており、被写体TGがシンクロ周期Tsync以下の周期で動作していることがわかっている。このため、従来の方法に比べて、録画用のフレームレートの指定自体も容易になっている。
その後、ユーザが録画開始を指示すれば、録画が行われる(ステップS107)。すなわち、トリガ条件の成立を待って、録画時間に相当するフレーム画像が撮影制御装置10内の画像記憶部203に格納される。録画終了後にユーザが再生を指示すれば、画像記憶部203に保持されているフレーム画像がスロー再生される(ステップS108)。
図8は、シンクロ観察時及びスロー再生時に表示されるフレーム画像を対比して説明するための概念図である。図中の30は、シンクロ観察時に表示されるフレーム画像であり、被写体TGの動作周期Tcycの整数倍に相当する表示周期Tdispごとに撮影された画像が、表示部14にリアルタイムで表示される。つまり、被写体の動作周期Tcycに同期して撮影が行われ、擬似的に静止させた画像をリアルタイムで表示させることができる。一方、図中の31は、スロー再生時に表示されるフレーム画像であり、撮影周期Tshotごとに高速撮影された画像が順に再生表示される。
図9は、シンクロ観察時に、スロー再生時に類似した表示を行わせる方法について説明した図である。シンクロ観察時に、シンクロ周期Tsyncを被写体TGの動作周期Tcyc×M(Mは整数)とは僅かに異ならせることによって、スロー再生時とほぼ同様の表示を行うことができる。図中では、シンクロ周期Tsyncと、動作周期Tcyc×Mとの差を撮影周期Tshotに一致する場合が示されている。この場合、スロー再生と同様の画像をリアルタイムで表示させることができる。
同期を僅かに外したシンクロ観察は、スロー再生時に近い表示を行うことができるが、スロー再生のように被写体TGの連続する動作状態を表示しているのではなく、周期的動作における離散的な動作状態を表示するものである。従って、スロー再生時のように周期的でない現象までも表示部14に表示させて確認することはできないが、スロー再生時とほぼ同様の表示状態をリアルタイム表示させることができるという利点がある。
さらに、被写体TGの動作速度が速すぎて、スロー再生でも被写体TGの動作状態を十分に観察することが出来ない場合であっても、同期を僅かに外したシンクロ観察を利用することによって、被写体TGの動作状態を観察することが可能になる。
本実施の形態では、シンクロ周期Tsync及び表示周期Tdispをユーザが独立して指定する場合の例について説明したが、本発明はこの様な場合には限定されない。例えば、ユーザが指定したシンクロ周期Tsyncに一致するように、表示周期Tdispを自動調整するものであってもよい。
図10は、表示周期Tdispをシンクロ周期Tsyncに一致させた高速撮影装置の一構成例を示したブロック図である。シンクロ周期Tsyncの調整範囲は、表示周期Tdispの最小値未満を含まず、表示周期Tdispの最大値を超える値を含まないため、ユーザによって指定されたシンクロ周期Tsyncをそのまま表示周期Tdispにすることができる。この場合、データ出力部212は不要となる。
また、本実施の形態では、撮影周期Tshotが、ユーザの指定するシンクロ周期Tsyncに応じて自動的に決定される場合について説明したが、本発明は、この様な場合には限定されない。例えば、撮影周期Tshotを一定にしておき、ユーザの指定したシンクロ周期Tsyncに応じて整数Nを変化させるようにしてもよい。つまり、シンクロ周期Tsyncに応じて間引き処理部211における間引き率を変化させてもよい。この場合、撮影周期Tshotを最小値に固定しておけば、シンクロ周期Tsyncを調整する場合のステップ幅△Tsyncを最も小さくすることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、スロー再生、ライブ観察及びシンクロ観察による表示を行うことができる高速撮影装置について説明した。これに対し、本実施の形態では、これらの表示方法に加えて、スローライブ観察による表示も行うことができる高速撮影装置について説明する。なお、高速撮影装置1の基本的構成は、図1及び図2に示した実施の形態1の場合と同様であり、重複する説明を省略する。
図11は、本発明の実施の形態2による表示方法の一例について説明するための模式図であり、スローライブ観察時の様子が、横方向を時間軸にとって示されている。図11の(a)には、撮影周期Tshotで撮影されたフレーム画像が、カメラ11から順に出力される様子が時系列で示されている。これらのフレーム画像は、画像書込部201によって画像記憶部203に書き込まれる。なお、図中の各フレーム画像には、その撮影順に相当するフレーム番号を付し、相互の対応関係を示している。
図11の(b)には、スローライブ観察時に表示部14に表示されるフレーム画像が時系列で示されている。スローライブ観察では、画像記憶部203から読み出したフレーム画像が表示周期Tdispごとに表示部14に切り替え表示される点で、スロー再生と同様である。ただし、スロー再生では、全てのフレーム画像の録画終了後に再生が開始されるのに対し、スローライブ観察では、録画終了前に再生が開始され、高速録画及びスロー再生を交互に繰り返すことによって、ほぼリアルタイムで再生表示が行われている点で異なっている。
スローライブ観察では、予め定められた枚数のフレーム画像が撮影周期Tshotで撮影され、画像記憶部203に順に格納される。連続して撮影されたこれらのフレーム画像の集合体を録画ユニットと呼ぶことにする。1つの録画ユニットについて撮影が終了すれば、直ちに、当該録画ユニットについての再生表示が開始される。つまり、最新の録画ユニットを構成する各フレーム画像が画像記憶部203から順に読み出され、表示部14に切り換え表示される。この再生表示が終了すれば、再び次の録画ユニットの撮影が開始される。この様にして録画ユニットの高速録画及びスロー再生を繰り返すことによって、録画ユニット単位である点を除き、スロー再生表示と同様の表示をほぼリアルタイムで行うことができる。
被写体TGの動作周期Tcycが、撮影周期Tshotの最小値よりも長い場合、スローライブ観察を行うことによって、被写体TGの動作周期Tcycがある値以上であることを見つけることができる。一方、シンクロ観察を利用することによって、被写体TGの動作周期Tcycの整数倍に相当するシンクロ周期Tsyncを見つけることができる。このため、スローライブ観察及びシンクロ観察を利用することによって、被写体TGの動作周期Tcycよりも小さい値と、動作周期Tcycよりも大きい値をそれぞれ求めることができ、被写体TGの動作周期Tcycが含まれる範囲を順次に狭めていくことができるので、動作周期Tcycを容易に見つけることができる。
被写体TGの動作周期Tcycを見つけることができ、あるいは、動作周期Tcycが含まれている範囲を知ることができれば、図7のステップS107において録画条件を設定する際に適切なフレームレートを容易に選択することができる。
本発明の実施の形態1による高速撮影装置の一構成例を示した図である。 高速撮影装置1によるスロー再生の様子を示した模式図である。 高速撮影装置1によるライブ観察の様子を示した模式図である。 高速撮影装置1によるシンクロ観察の様子を示した模式図である。 図1の撮影制御装置10について内部構成の一例を示したブロック図である。 図5のシンクロ周期調整部22の一例を示した図である。 高速撮影装置1を用いて、新たな被写体TGの高速撮影及びスロー再生を行う場合の手順の一例を示したフローチャートである。 シンクロ観察時及びスロー再生時に表示されるフレーム画像を対比して説明するための概念図である。 シンクロ観察時に、スロー再生に類似した表示を行わせる方法について説明した図である。 表示周期Tdispをシンクロ周期Tsyncに一致させた高速撮影装置の一構成例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態2によるスローライブ観察時の様子を示した模式図である。
符号の説明
1 高速撮影装置
10 撮影制御装置
11 カメラ
12 照明装置
13 操作部
14 表示部
20 録画再生部
21 ライブ処理部
22 シンクロ周期調整部
23 撮影周期指定部
24 表示周期指定部
201 画像書込部
202 トリガー処理部
203 画像記憶部
204 画像読出部
211 間引き処理部
212 データ出力部
Tcyc 動作周期
Tshot 撮影周期
Tsync シンクロ周期
Tdisp 表示周期
TG 被写体

Claims (13)

  1. 視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置において、
    上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期を指定するためのシンクロ周期調整手段と、
    複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像手段と、
    表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備え、
    上記シンクロ周期調整手段は、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さなステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、
    上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とする高速撮影装置。
  2. 上記視認最小周期は、1/120秒であることを特徴とする請求項1に記載の高速撮影装置。
  3. 上記撮影周期の最小値は、上記視認最小周期よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の高速撮影装置。
  4. 視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置において、
    上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期を指定するためのシンクロ周期調整手段と、
    複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像手段と、
    変更可能な表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備え、
    上記表示周期の最小値は、上記撮影周期の最小値よりも大きく、
    上記シンクロ周期調整手段は、上記表示周期の最小値未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記表示周期の最小値よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、
    上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とする高速撮影装置。
  5. 上記表示周期を上記シンクロ周期に一致させたことを特徴とする請求項1又は4に記載の高速撮影装置。
  6. 上記シンクロ周期の調整範囲は、動画像として認識可能な上記表示手段による表示切り替えの最大周期以下であることを特徴とする請求項1又は4に記載の高速撮影装置。
  7. 上記撮影手段によって生成された撮影画像を間引くことにより、上記撮影周期ごとの撮影画像から上記シンクロ周期ごとの撮影画像を抽出する間引き処理手段を備えたことを特徴とする請求項1又は4に記載の高速撮影装置。
  8. 上記表示手段は、上記間引き処理手段によって抽出された上記シンクロ周期ごとの撮影画像のうち、最新の撮影画像を表示することを特徴とする請求項7に記載の高速撮影装置。
  9. 上記撮像手段の露光時間を調整する露光時間調整手段を備え、
    上記露光時間調整手段は、上記シンクロ周期が変更された場合であっても、上記露光時間を一定に保持することを特徴とする請求項1又は4に記載の高速撮影装置。
  10. 被写体を照明するための照明手段として、直流点灯の照明手段のみを備えたことを特徴とする請求項1又は4に記載の高速撮影装置。
  11. 視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置において、
    上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整手段と、
    複数の画素で構成される固体撮像素子からなり、一定の撮影周期で上記被写体を撮影する撮像手段と、
    上記撮影手段によって生成された撮影画像を間引くことにより、上記撮影周期ごとの撮影画像から上記シンクロ周期ごとの撮影画像を抽出する間引き処理手段と、
    表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記間引き処理手段によって抽出された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示手段とを備え、
    上記シンクロ周期調整手段は、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整する手段からなり、
    上記シンクロ周期調整手段により上記シンクロ周期が変更されると、上記撮影手段は変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示手段は変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とする高速撮影装置。
  12. 視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置の制御方法において、
    上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整ステップと、
    複数の画素で構成される固体撮像素子からなる撮影手段を用いて、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像ステップと、
    表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示ステップとを備え、
    上記シンクロ周期調整ステップでは、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整することができ、
    上記シンクロ周期調整ステップにより上記シンクロ周期が変更された場合に、上記撮影ステップにより、変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示ステップにより、変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とする高速撮影装置の制御方法。
  13. 視認できない高速動作を周期的に繰り返す被写体を撮影し、上記被写体の動作周期に同期した撮影画像をリアルタイムで表示する高速撮影装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    上記動作周期のM倍(Mは1以上の整数)となるシンクロ周期をユーザが指定するためのシンクロ周期調整ステップと、
    複数の画素で構成される固体撮像素子からなる撮影手段を用いて、上記シンクロ周期の1/N(Nは1以上の整数)となる撮影周期で上記被写体を繰り返し撮影する撮像ステップと、
    表示の切り換えを視認可能な視認最小周期以上の表示周期ごとに、上記撮像手段によって撮影された上記シンクロ周期ごとの撮影画像を表示することにより、上記被写体をリアルタイムで表示する表示ステップとを実行し、
    上記シンクロ周期調整ステップでは、上記視認最小周期未満を含まない調整範囲内において、上記固体撮像素子の1画素を読出す時間以上、かつ、上記視認最小周期よりも小さいステップ幅で上記シンクロ周期を調整することができ、
    上記シンクロ周期調整ステップにより上記シンクロ周期が変更された場合に、上記撮影ステップにより、変更後のシンクロ周期に対応する撮影周期で上記被写体を引き続き撮影し、上記表示ステップにより、変更後のシンクロ周期ごとの撮影画像を引き続き表示することを特徴とするコンピュータプログラム。
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