JP4905780B2 - 可撓性表示素子の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルディスプレイまたは電子ペーパー等の可撓性表示素子を製造する方法およびその装置に関し、詳細にはプラスチック基板を貼り合わせて製造されるフレキシブルディスプレイまたは電子ペーパー等の可撓性表示素子の製造方法およびその装置に関するものである。
近年、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーなど、紙の長所を取り入れた、新たな電子表示媒体の開発が進められている。これらの電子表示媒体は、視認性がよく目が疲れにくいことや曲げることができ携帯性に優れるという、従来の紙ベース媒体のメリットに加え、書換え可能性、動画可能性、デジタル情報との結合などの電子ディスプレイのメリットを合わせ持つ理想的な電子表示媒体として期待されている。
特に、電子ペーパーはハードコピーのもつ見やすさ、持ち運びやすさというメリットに加え、ソフトコピーのもつデジタル情報との結合、書換え性可能性や省紙資源を実現するものと期待されている。また、フレキシブルディスプレイは動画表示が可能で、屋外などのいつでもどこでも見ることができるモバイル・ディスプレイを実現するものとして、あるいは軽量かつ可撓性のある大型表示媒体として期待されている次世代型ディスプレイである。
フレキシブルディスプレイや電子ペーパーには、種々の動作機構とそれに対応した構造ならびに製造方法があるが、例えばフレキシブル液晶ディスプレイでは、透明電極をパターニングし、配向処理を施した一対の基板を配向処理側が内側になるように、スペーサによりギャップを残した状態で対面させ、基板の周辺部に光硬化型樹脂を介装して互いに貼り合わせ、光硬化型樹脂に光を照射して硬化した後に、基板間に液晶を充填することにより、あるいは、基板の周辺部に光硬化型樹脂を介装し、基板に所定量の液晶を滴下した後に基板を対面させ、光硬化型樹脂に光を照射して硬化することにより製造される。
また、フレキシブル有機ELディスプレイは、透明電極を形成した一方の基板の上に多層の有機膜からなる発光層とそれを覆う背面電極を形成し、これともう一方の基板とを前記有機膜及び背面電極を覆うように塗布された光硬化型樹脂を介装し、双方の基板を有機膜などの素子構造が内側になるように対面させ、光硬化樹脂に光を照射して硬化することにより製造される。
液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板間をシール剤で封止する方法として、例えば特許文献1にはレーザとして352nmのXeFエキシマレーザを照射する方法が記載されている。また、特許文献2には、プラスチック基板とガラス基板との間に光硬化型樹脂を介装し、紫外レーザと発振波長600nm以上、0.1mm以下のレーザとを同時照射する方法が記載されている。
また、特許文献3には、出射されたレーザを空間変調してレーザを封止材部分に選択的に照射するように掃引する空間変調器を備えた封止材硬化用露光装置が記載されている。
特開2003−114442号公報 特開平8−6039号公報 特開平11−121166号公報
しかし、特許文献1に記載されている波長の光はフレキシブルディスプレイや電子ペーパーに典型的に用いられる樹脂基板であるポリエチレンナフタレート(PEN)や、酸化インジウムスズ(ITO)電極を形成したポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンスルホン(PES)等に対する透過率が低く、これらの基板のシーリングには適さない。また、特許文献2に記載されている紫外レーザも同様に透過率が問題となり、樹脂基板には適用することができない。
一方、特許文献3に記載されている封止材硬化用露光装置は、封止材部分を選択的に照射することができるものの、記載されているような反射光学系による空間変調器は高価である上に基板上方に大きな空間を必要とするため装置全体のコスト高となる。この問題は用いられる基板サイズが大きくなると、いっそう顕著になる。さらに、空間変調器は光軸調整が僅かでもずれると封止材部分を正確に照射できず、装置の振動や温度変化による光軸のずれを頻繁に修正しなければならず、実用的な装置とは言えない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、基板の劣化を引き起こしにくく、表示媒体の劣化などの悪影響を最小限に抑えることができ、レーザのエネルギーロスが少ないプラスチック基板同士を接合することが可能な可撓性表示素子の製造方法およびその製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明はプラスチック基板間に液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂を介装して前記プラスチック基板同士を接合する可撓性表示素子の製造方法において、少なくとも一方の前記プラスチック基板を通して波長370nm以上450nm以下のレーザを前記光硬化型樹脂部分に照射して、前記プラスチック基板同士を接合することを特徴とするものである。
別の態様として本発明は、プラスチック基板間に液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂を介装して前記プラスチック基板同士を接合する可撓性表示素子の製造方法において、少なくとも一方のプラスチック基板を通して波長370nm以上400nm未満のレーザと、波長400nm以上450nm以下のレーザであって、波長差が20nm以上であるレーザを同時に又は前後して、前記光硬化型樹脂部分に照射して、前記プラスチック基板同士を接合することを特徴とするものである。
ここで、光硬化樹脂部分とは、フレキシブル液晶ディスプレイのように、プラスチック基板間に液晶が封入され、その辺縁部に光硬化型樹脂が介装されている場合には、その辺縁部の線状の光硬化型樹脂付近を指し、フレキシブル有機ELディスプレイに代表されるような、一方の基板上に有機膜などの素子構造が形成され、それを覆うように広い範囲で光硬化型樹脂が介装されている場合には、その光硬化型樹脂の覆う面積の全体を指す。
また、可撓性表示素子とは、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーなどの可撓性を有する電子表示素子を意味し、液晶等の表示媒体とは、表示媒体は液晶に限られるものではなく、例えば、書換え方式が電気泳動であればマイクロカプセル、粒子回転であればツイストボール、光学異方性であれば液晶、光吸収であればフォトクロミック、自発光であれば有機ELなど、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーなどに用いられる表示媒体を広く意味するものである。
レーザを前記光硬化型樹脂部分に照射とは、レーザを光硬化型樹脂が存在している部分に照射することを意味するが、レーザ照射の際に生じる光硬化型樹脂部分からのレーザの多少のズレや誤差等によるはみ出しまでをも排除する趣旨ではない。
前記プラスチック基板としては、ポリエチレンナフタレートが一例としてあげられる。
本発明のプラスチック基板同士を接合する可撓性表示素子の製造装置は、液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂が間に介装された2枚のプラスチック基板を載置する載置台と、該載置台の上方に設けられた、波長370nm以上450nm以下のレーザを出射するレーザヘッドと、該レーザヘッドを、前記レーザが前記光硬化型樹脂を照射するように前記載置台と平行に移動させる移動機構とからなるものである。
前記レーザヘッドは、波長370nm以上400nm未満のレーザと、波長400nm以上450nm以下のレーザであって、波長差が20nm以上であるレーザを選択的に出射するものであることが好ましい。
本発明の可撓性表示素子の製造方法は、プラスチック基板間に液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂を介装してプラスチック基板同士を接合する可撓性表示素子の製造方法において、少なくとも一方のプラスチック基板を通して、プラスチック基板による吸収の小さい波長370nm以上450nm以下のレーザを光硬化型樹脂部分に照射するので、プラスチック基板同士を効果的かつレーザ利用効率よく(エネルギーのロスを少なく)、またプラスチック基板の劣化を最小限に抑えながら接合することができる。
本発明の可撓性表示素子の製造方法は、少なくとも一方のプラスチック基板を通して波長370nm以上450nm以下のレーザを光硬化型樹脂部分に照射することにより行う。可撓性表示素子の一例であるフレキシブルディスプレイや電子ペーパーに汎用される樹脂基板としては、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)がある。このPENの厚さ100ミクロンの可視光及び紫外光透過特性を図1の1に示す。光硬化型樹脂を用いた樹脂基板の封止では、ほとんどの場合、一方の基板を通して光が照射されるが、PENを基板に用いた場合には波長370nm以下の紫外線を照射しても、その光強度は樹脂基板内で著しく減少するため、硬化させるべき光硬化型樹脂には到達しない。
また、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーに用いられる樹脂基板には、ポリエチレンスルホン(PES)やポリエチレンテレフタレート(PET)などのように波長320nm程度までの紫外線を透過させるものもあるが、このような材料が単独でフレキシブルディスプレイや電子ペーパー等に用いられることはなく、一般に透明導電膜やバリア膜がコーティングされた状態で封止される。透明導電膜やバリア膜をコーティングされたこの種の樹脂基板の光透過特性は、典型的には上記PENの特性と同等のものとなるため、波長370nm程度よりも短波長の紫外線は透過しない。加えて、波長370nm以下の紫外線は、樹脂基板によって全て吸収されてしまうため可視光硬化型樹脂(可視光硬化型接着剤)の硬化に寄与しないばかりか、樹脂基板の黄変を引き起こすなどするため好ましくない。従って、本発明の可撓性表示素子の製造における波長の下限値は370nmである。
一方、通常の紫外線硬化型樹脂(紫外線硬化型接着剤)に含まれる光開始剤の吸収波長は350nm以下の短波長域に限られており、PENのように、この波長域の光を通さない基板の封止には適さない。また、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーに用いられる樹脂基板は一般に耐熱性に乏しいため、熱硬化型樹脂による封止は適切ではない。吸収波長を可視光域にまで延長した可視光硬化型樹脂には可視光を吸収して可視光硬化型樹脂の重合反応を開始させる光開始剤が含まれている。図1の2に厚さ30ミクロンの可視光硬化型樹脂の吸収スペクトルを示す。
上記PENのような分光透過特性を持つ樹脂基板を可視光硬化型樹脂を用いて封止しようとする場合には、これら両者の吸収バンドと透過バンドとの重なり合った波長域の光を照射しなければならない。この範囲を両者のスペクトルの積として図1の3に示す。この図1の3に示されるカーブは樹脂基板を持つフレキシブルディスプレイや電子ペーパーを可視光硬化型樹脂を用いて封止する時の光源波長の有効性を示すものであり、その範囲は370−450nmである。なお、波長450nm以上の可視光線及び赤外線は、可視光硬化型樹脂の硬化に貢献しないばかりか、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーの素子に吸収されて素子を加熱し特性の劣化を招くおそれがある。従って、本発明の可撓性表示素子の製造における波長の上限値は450nmである。
上記より、樹脂基板を持つフレキシブルディスプレイや電子ペーパーを可視光硬化型樹脂を用いて封止する時の硬化光源は、少なくとも370−450nmの波長範囲のスペクトルを含んでいなければならず、さらにこの波長域を外れる波長の光は含まれていないほうが好ましい。このような観点から、例えば高圧水銀ランプの発光スペクトルは370−450nmの範囲の光を含んでいるが、それ以外の波長域の光も含んでいるため最適とは言えない。また、例えば光学フィルターや多層膜ミラーを用いれば、高圧水銀ランプの発光スペクトルから370−450nmの範囲の光だけを取り出して可視光硬化型樹脂に照射することも可能であるが、このような光学素子は高価であり、また光の一部を吸収するために加熱しやすく、さらに熱によって特性が劣化しやすいという問題があり、本発明の応用においては実用的ではない。従って、最適な光源は波長370−450nmの範囲に発光ピークを持つレーザ光源あるいはLED光源である。
図1の3に示した有効波長曲線によれば、最も効率的に可視光硬化型樹脂の硬化を起こさせる波長は405nm付近であるが、この波長での可視光硬化型樹脂の吸収率は約60%であり、残りの40%程度の光は可撓性表示素子に到達し、その温度を上昇させ、あるいは特性を劣化させる可能性がある。プロセスにおいて硬化速度を上げるためにレーザのパワー密度を上げると、そのパワーの40%は表示媒体に到達するため、照射パワー密度には表示媒体依存の上限が存在することになる。仮に、表示媒体に悪影響を与えない上限の照射パワー密度で405nmの光を照射しても所望の硬化速度が得られない場合には、より短波長の光を同時に照射することによって可視光硬化型樹脂に吸収されるパワー密度の総和を大きくすることができる。
この詳細を、より短波長の波長として375nmのレーザを、より長波長の波長として405nmのレーザを使用する場合を例にとり、図2を用いて説明する。図2は2枚のプラスチック基板22、22′に挟まれたフレキシブルディスプレイの部分概略断面図である。素子部分への水分及び酸素の浸透を防止する目的で、2枚のプラスチック基板22、22′の内側にはそれぞれバリア層23、23′が設けられている。封止工程では、表示媒体24を作製し、その上をパッシベーション膜25で覆った下側のプラスチック基板22と、バリア層23′上に光硬化型樹脂層26を塗布した上側プラスチック基板22′とを貼り合わせ、上側プラスチック基板22′側から硬化のための光を照射する。
光硬化型樹脂層26の厚さは典型的には30ミクロンである。照射波長に405nmを選択した場合、光硬化型樹脂層26上面に到達する光強度のうち、光硬化型樹脂層26で吸収される光強度は約60%であり、40%はパッシベーション膜25及び表示媒体24で吸収される。一方、光硬化型樹脂層26での吸収がより強い波長375nmの光を照射すると、光硬化型樹脂層26上面に到達した光はその全てが光硬化型樹脂層26の上面に近い部分27で吸収され、パッシベーション膜25や表示媒体24には到達しない。ただし、このような短波長の光は上側のプラスチック基板22′で比較的強く吸収されるため、その強度はプラスチック基板に特性劣化を起こさせない程度に抑えられなければならない。
すなわち、波長370nm以上450nm以下の範囲において、より長波長の光はプラスチック基板にあまり吸収されず、光硬化型樹脂層の厚み全体に亘って硬化に寄与するが、表示媒体に悪影響を与える可能性があるため、その強度は表示媒体の特性劣化を引き起こさない程度に抑えられなければならない。一方、より短波長の光は、表示媒体には到達せず、光硬化型樹脂層の上面付近の硬化に寄与するが、プラスチック基板の特性劣化を引き起こす恐れがあるため、その強度はプラスチック基板の許容範囲に抑えられなければならない。
従って、フレキシブルディスプレイや電子ペーパーの封止プロセスにおいて、光硬化型接着剤の硬化速度を最大にしようとする場合には、波長370nm以上450nm以下の波長域において、より波長の短いレーザとより波長の長いレーザを組み合わせて照射すること、すなわち波長370nm以上400nm未満のレーザと、波長400nm以上450nm以下のレーザであって、波長差が20nm以上であるレーザを同時にあるいは前後して照射することが有効である。なお、この2つの波長のレーザを前後して照射する場合はどちらが先であってもよい。
なお、硬化速度を高めるためには、この他にプラスチック基板を加熱する方法などもあるが、フレキシブルディスプレイや電子ペーパー等の可撓性表示素子の製造プロセスでは表示媒体やプラスチック基板の熱損傷を避けるため、高温でのプロセスは好ましくない。
本発明の可撓性表示素子の製造方法に用いられる光硬化型樹脂としては、波長370nm以上450nm以下の波長域によって重合硬化するものであれば特に制限はないが、一般には、(メタ)アクリレート系化合物及びエポキシ系化合物が適している。このような光硬化樹脂の例としては例えばアクリレートを主成分とする一液性、無溶剤の可視光硬化型樹脂であるスリーボンド社製の3170B接着剤を挙げることができる。
続いて、本発明の可撓性表示素子の製造に用いられる製造装置について説明する。図3はプラスチック基板の周縁部に光硬化型樹脂を介装した状態を示す概略断面図、図4は本発明の可撓性表示素子の製造に用いられる製造装置の概略斜視図である。図4に示す製造装置は、光硬化型樹脂が間に介装されたプラスチック基板を載置する載置台8と、この載置台8の上方に設けられる、波長370nm以上390nm以下のレーザ13を出射するレーザヘッド9と、光硬化型樹脂を照射するようにレーザヘッド9を載置台8と平行に移動させるX−Y移動機構12とからなる。X−Y移動機構12は、載置台8上をレーザヘッド9を保持してX軸方向、Y軸方向に平行移動できるように構成されてなる。
図3に示すように、プラスチック基板10の間には光硬化型樹脂が介装され、プラスチック基板の周縁部には光硬化型樹脂のライン、いわゆるグルーライン11が形成される。これをお互いの位置がずれないように固定した状態で図4に示す照射装置の載置台8上に置き、レーザヘッド9から出射されるレーザを、上側のプラスチック基板10を通してグルーライン11に対して、これをトレースするように照射する。
なお、光硬化型樹脂が一方のプラスチック基板上に形成された表示媒体全面を覆うように介装される構造の可撓性表示素子の製造に当たっては、上記X−Y移動機構12は、光硬化型樹脂が介装されている範囲の全てにレーザが照射されるようにレーザヘッド9を逐次走査する。
続いて、レーザモジュールについて説明する。図5は、レーザヘッドとこれに接続されるレーザモジュールの一の態様を示す概略斜視図である。レーザヘッド9は光ファイバ14によってレーザモジュール15に接続されてなる。レーザモジュール15は、中心波長405nmのGaN系レーザダイオードがキャンパッケージ17の中に実装されており、その出射光はレンズ16によって直径60ミクロンの石英コアを持つマルチモードの光ファイバ14にカップリングされている。この光ファイバ14はレーザヘッド9に導入され、コリメータレンズ18によってビーム径約2mmの平行ビームにコリメートされる。
図6は、レーザヘッドとこれに接続されるレーザモジュールの別の態様を示す概略斜視図である。図6に示すレーザモジュールは、二波長を選択的に出射することができる二波長レーザモジュールで、第1のレーザモジュール19は405nmを中心波長として発振するGaN系レーザダイオードを含んだメタルキャンパッケージと、それからの光をコア径33ミクロンのマルチモードファイバ21にカップリングする光学系からなり、第2のレーザモジュール20は375nmを中心波長として発振するGaN系レーザダイオードを含んだメタルキャンパッケージと、それからの光をコア径33ミクロンのマルチモードファイバ21にカップリングする光学系からなる。
2本のマルチモードファイバ21はファイバ合波器22に導入され、コア径60ミクロンの1本のマルチモードファイバ23にまとめられる。図中A、B及びCは、それぞれ合波前のマルチモードファイバ21の断面、直径70%にまでテーパ加工されたマルチモードファイバ21の端面、及びコア径60ミクロンのマルチモードファイバ23の端面を示す。コア径33ミクロンのマルチモードファイバ21は熱間で延伸されることによってお互いに側部で融着されると共に細径化されている。その端面Bをコア径60ミクロンのマルチモードファイバ23の端面Cに融着することによって、2本のコア径33ミクロンのマルチモードファイバ21からの2波長のレーザはコア径60ミクロンのマルチモードファイバ23内に導入され、レーザヘッド9に至る。レーザヘッド9の出射端からは直径約4mmの平行ビームで405nmと375nmのレーザが出射され、これら二波長のレーザを同時に又は前後して出射することができる。
以下、本発明の可撓性表示素子の製造方法を実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
アクリレートを主成分とする一液性、無溶剤の可視光硬化型樹脂であるスリーボンド社製の3170B接着剤に直径30ミクロンのビーズスペーサを加えよくかき混ぜたものを、厚さ100ミクロンのPEN基板の周縁部にディスペンサーを用いて塗布した。塗布後の接着剤幅は約0.5mmとした。もう一枚のPEN基板を、接着剤を挟む形で重ね合わせた。この時、接着剤の幅は約2mmに拡大した。これをお互いの位置がずれないように固定した状態で図4に示す照射装置の載置台8上に置き、レーザヘッド9のレーザ出射部を上側基板から約10mmの高さに保持しながら、6mm/sの速度で、レーザヘッド9から出射される中心波長405nmの光を、上側のPEN10基板を通してグルーライン11をトレースするように照射した。この時、基板上でのレーザ13のスポット径は約2mm、レーザヘッド9からのレーザ出力は約400mW、上面基板上でのレーザの照射エネルギー密度は約3J/cmであった。封止された一対のPEN基板は7N/mm以上の剥離強度を示した。
(実施例2)
表示媒体とフォトレジストによる高さ30ミクロンのスペーサを作製した厚さ100ミクロンのPEN基板の上に、アクリレートを主成分とする一液性、無溶剤の可視光硬化型樹脂であるスリーボンド社製の3170B接着剤を塗布した厚さ100ミクロンのPEN基板を、接着剤と表示媒体が対面する形で重ね合わせた。これをお互いの位置がずれないように固定した状態で、図6に示す二波長レーザモジュールが接続された図4に示す製造装置の載置台8上に置き、レーザヘッド9からの光を、X−Y移動機構を用いてレーザヘッドを逐次走査しながら、上側のPEN基板10を通して、上記接着剤の全面に照射した。この時、レーザヘッド9の出射部を上側基板から約10mmの高さに保持しながら、第一のレーザモジュール19(405nm)の出力を400mW、第二のレーザモジュール(375nm)の出力を200mWとして同時に照射し、4.5mm/sでスキャンした。基板上でのレーザのスポット径は約4mm、上側PEN基板上でのレーザの照射エネルギー密度は二波長合わせて約3.3J/cmであった。封止された一対のPEN基板は7N/mm以上の剥離強度を示した。
以上のように、本発明の可撓性表示素子の製造方法においては、波長370nm以上450nm以下のレーザを光硬化型樹脂部分に照射するので、プラスチック基板と表示媒体双方の劣化を最小限に抑えながら、レーザのエネルギー利用効率を最大限に上げることが可能である。
PENおよび光硬化型樹脂の吸収スペクトル並びに有効波長曲線を示すグラフ プラスチック基板に挟まれた可撓性表示素子の部分概略断面図 プラスチック基板の周縁部に光硬化型樹脂を介装した状態を示す概略断面図 本発明の可撓性表示素子の製造に用いられる製造装置の概略斜視図 レーザヘッドとこれに接続されるレーザモジュールの一の態様を示す概略斜視図 レーザヘッドとこれに接続されるレーザモジュールの別の態様を示す概略斜視図
符号の説明
1 PENの吸収スペクトル
2 光硬化型樹脂の吸収スペクトル
3 有効波長曲線
8 載置台
9 レーザヘッド
10 プラスチック基板
11 グルーライン
12 X−Y移動機構
13 レーザ
14 光ファイバ
15 レーザーモジュール
18 コリメータレンズ
22(22′) プラスチック基板
23(23′) バリア層
24 表示媒体
25 パッシベーション膜
26 光硬化型樹脂層

Claims (3)

  1. プラスチック基板間に液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂を介装して前記プラスチック基板同士を接合する可撓性表示素子の製造方法において、
    少なくとも一方のプラスチック基板を通して波長370nm以上400nm未満のレーザと、波長400nm以上450nm以下のレーザであって、波長差が20nm以上であるレーザを同時に又は前後して、前記光硬化型樹脂部分に照射して、前記プラスチック基板同士を接合することを特徴とする可撓性表示素子の製造方法。
  2. 前記プラスチック基板がポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項記載の可撓性表示素子の製造方法。
  3. 液晶等の表示媒体を封止するための光硬化型樹脂が間に介装された2枚のプラスチック基板を載置する載置台と、該載置台の上方に設けられた、波長370nm以上400nm未満のレーザと、波長400nm以上450nm以下のレーザであって、波長差が20nm以上であるレーザを選択的に出射するレーザヘッドと、該レーザヘッドを、前記レーザが前記光硬化型樹脂を照射するように前記載置台と平行に移動させる移動機構とからなることを特徴とする可撓性表示素子の製造装置。
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